yuugetu さんの感想・評価
4.4
大安定の快作〈追記あり〉
2019年4月26日公開、29年ぶりの「東映まんがまつり」の2作目。
TVアニメ本編から一貫して「胸のバクバク」を描きました。この一貫性は最も評価すべき点。
しかも、20分強という短い尺でOPとEDを流し、「虹色のアレ」「ポテペンの災難」「トッタに振り回されるおじさん」などほぼ全てのノルマを消化した快作w
初めて見てもついて行けないような内容にはなっていなかったと思います。
作画も演出も大安定で文句なし。バーソウルのCGもかわらず良く出来ていました。
歌がTVの時と変わらなくて嬉しかったです。意地悪に考えると予算のせいかスケジュールのせいか?って所なんでしょうけれども。
{netabare}
ウーゴはこのアニメには珍しいちょっと弱気な少年です。爆釣りそのものではなくサーカスがウーゴの道で、爆釣りの勝負に命を懸けるトッタとは正反対。
そんな二人ですが、トッタがウーゴに助けられたり、トッタがウーゴのバクバクを引き出したり、最初から最後まで二人を完全に対等な関係性で描いていて印象的でした。
父親の存在で二人を繋げたのも、王道ながらTV本編の内容を織り込むことで物語に厚みを増していて上手い。
恐怖心を胸のバクバクに変えて大物に挑む爽快感も素晴らしかったです。{/netabare}
ホント2期ないかな…って思う大安定の良作でした。
(2019.5.23)
【DVD購入再視聴追記】
{netabare}
改めてDVDで視聴。やっぱり面白い。
作画も演出も安定しているし素晴らしいです。キャラクターの仕草が生き生きしてて、ポテペンは特に可愛い。バーソウルのCGも海の生き物らしくてとても良い。劇場で見ると迫力あったけど細かい所まで覚えてられないんだな;;
音楽の良さもゆっくり見て再確認してます。
再視聴で気づいたんですが、トッタはウーゴに「俺と一緒だ。俺の父ちゃんも帰ってこなかった。お前の父ちゃんは俺が助ける!」と言っています。自分の父親が生きているとは言わないんですね。TVアニメ版最終回でバーコード海のデータの中で再会してはいるものの、生死不明であることは変わっていない。
考えてみるとこの作品はバーコード海を大自然に見立てている。釣りが生き甲斐であるトッタは、まさしく漁師のように「海(大自然)相手だからこういうこともある。父の死を恨んだりせず、自分も命懸けでバーコード海に挑む」という考え方なのですね。この素直で強靭な思考と挑戦を恐れない逞しさがトッタを折れない主人公たらしめていると感じています。
大自然に子どもがバイタリティで挑む姿にいつも元気を貰います。{/netabare}
(2019.9.16)