1986年度に放送されたおすすめアニメ一覧 130

あにこれの全ユーザーが1986年度に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月18日の時点で一番の1986年度に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
ゲゲゲの鬼太郎(アニメ映画)

1985年12月21日
★★★★☆ 3.7 (6)
31人が棚に入れました
水木しげるの代表作『ゲゲゲの鬼太郎』の第三シリーズ。その劇場版の第一弾で、オリジナル新作。半人半妖の妖怪ねずみ男は、ある日、南洋妖怪のチンポから声を掛けられる。チンポは言葉巧みに、ねずみ男の友人で正義の妖怪少年・鬼太郎の抹殺を提唱。計画に乗ったねずみ男は、鬼太郎の友人=人間の少女ユメ子をさらった。仲間の妖怪・ネコ娘から事件を知らされた鬼太郎はねずみ男を追うが、チンポの部下の妖怪、やし落としとアカマタに阻まれた。辛くも窮地を脱する鬼太郎。だがチンポが潜むらしい敵の本拠の豪華客船には、宿敵の大妖怪ぬらりひょんの影が……。これまでにも二度TVアニメ化されている『鬼太郎』だが、完全新作のアニメ映画はこれが初めて。ライバル妖怪・ぬらりひょんの設定など、物語はTVシリーズ第三期の内容にそのまま沿ったものになっている。

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

劇場版ゲゲゲの鬼太郎第一作 1985年の「妖怪軍団」

1985年公開の劇場版ゲゲゲの鬼太郎第一作 通称「ゲゲゲの鬼太郎1985」 24分

原作 水木しげる 監督 白土武 脚本 星山博之 音楽 川崎真弘
配給 東映
OPDE 吉幾三

原作は1967年に少年マガジンに載った「妖怪軍団」です。
第四期の劇場版「大海獣」に登場する南洋妖怪たちの初出演かな?

鬼太郎 CV戸田恵子(二代目鬼太郎声優)
ねこ娘 CV三田ゆう子(うる星やつらの弁天など)
ぬらりひょん CV青野武(大ベテラン 宇宙戦艦ヤマトの真田志郎など)

ねずみ男「ユメコちゃんは妖怪ちんぽ様の船に捕らわれてる!」
鬼太郎(マチルダさんの戸田恵子)「ちんぽ・・・?」

相変わらず、というかアニメ版初登場のとんでも妖怪No.1ですね(笑)

テレビ版と同じ長さの劇場版ですが、東映はまんがまつりがあったので他作品でも多いです。
戸田恵子さんは当時は池田秀一さんの奥さんだったはずです。

鬼太郎シリーズ中最も筋肉質で正義感溢れる第三期の鬼太郎。
もちろん、原作改悪(大人の目では)で関係ないぬらりひょんが登場し、
原作にはいない「天童ユメコ」がヒロインです。

でも、全シリーズ中最大の人気を誇った第三期のパワーは絶好調。
子供向け鬼太郎としては優良作品です。
BGMは当時流行のフュージョンミュージック,
カッコいいのかダサいのか微妙です。

劇場版第一作という記念作として一応観ておくべき作品ですが、
大人でも首を傾げつつ楽しめる快作だと思います。

実はこの作品の前1980年に「地相眼」という劇場作品があることを発見。
カウントされていないので詳細不明です。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 11

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
キン肉マン 晴れ姿!正義超人(アニメ映画)

1985年12月21日
★★★★☆ 4.0 (2)
31人が棚に入れました
人気アニメTVシリーズの劇場版五作品目。江戸時代へタイムスリップしたキン肉マンが、朱天童子と戦う模様が描かれる。1986年正月の東映まんがまつりにて上映。 京都・太秦にある映画村で映画に出演していたはずのキン肉マンは、なんと江戸時代へタイムスリップしてしまう。そこには朱天童子という悪者がいた。朱天童子はマリ姫を渡さなければ、地球を滅ぼすという。それに立ち向かったキン肉マンは、朱天童子やその一味である四天王の前に敗北を喫してしまう。それを知ったテリーマンやロビンマスクたち正義超人の面々も江戸時代へとやってきて――。日本アルプスを舞台に、正義超人たちの派手な戦いが展開される!

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
キン肉マン ニューヨーク危機一髪!(アニメ映画)

1986年3月15日
★★★★☆ 4.0 (2)
31人が棚に入れました
「週刊少年ジャンプ」で連載された大人気コミックがアニメ化された作品、その劇場版六作品目にあたる。1986年春の東映まんがまつりにて上映。 テリーマンの合衆国栄誉賞受賞にわきたつニューヨーク。そのニューヨークに暗黒ガスが現れる。暗黒ガスは人間や建物からエネルギーを奪い、テリーマンたち正義超人をも取りこんでしまった。そして、その暗黒ガスの中から、悪魔将軍の姿が現れる。 牛どんの食べすぎでおなかをこわし、遅れてきたキン肉マンはひとり、難から逃れた。そして、テリーマンたちを救うため、悪魔将軍との“摩天楼デスマッチ"に身を投じる!

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
ギャル・アニメ・シリーズ CALL ME トゥナイト(OVA)

1986年7月28日
★★★★☆ 3.3 (7)
30人が棚に入れました
バンダイビジュアルの新ブランド=C.MOON(16歳以上の視聴者を対象とする作品)のひとつとして制作されたセクシーホラーOVA。制作当時の流行を反映し、テレクラ風俗やスプラッター映画を取り入れた内容となっている。女子高生の夏目ルミにはテレクラ「マドンナ」のオーナー・スーコというもう一つの顔があった。そんな彼女をテレクラで指名してきた青年・杉浦。何やら性的な秘密のあるらしいオクテの杉浦だが、実際にルミが喫茶店でエッチなことを行うや、彼は興奮して不気味な怪物に変化する。しかし怪物に変身しても杉浦はおとなしい。そんな彼のためにルミは教育をはじめ、エッチなものへの耐性を付けさせようとする。だがルミのテレクラ商売を知った不良娘のおユキが杉浦に興味を持ち……。本作の実制作はAICが担当。キャラクターデザインは後に『機動戦士ガンダムUC』などを手がける高橋久美子。

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

男は怪物なの~よ~ 気を付けなさ~い~♪

ギャル・アニメ・シリーズとはオトナ向けのアニメ、ということで企画されたアニメです。オトナ向けというのは、つまりそういうことです。

しかし全く売り出そうという気概が感じられない内容でした。すごく当時の流行を取り入れようとしてるのは伝わるのですが。

テレクラのオーナーで女子高生(!)のルミの元に、性に関することで悩みを抱える青年がやってきました。
さっそくルミが青年に手ほどきをしようとすると、なんと彼は怪物に変貌してしまったのでした。そう、彼の悩みとは興奮すると怪物になってしまうことだったのです!

女の子が性的なアピールをするたび、突如画面に出現する怪物(元青年)。やたらとそのグロテスクな外見に手が凝っているもので、そっちに気を取られてしまいます。

一応別の男と交わるシーンはあるものの、青年は最後の方まで変身しっぱなしで。
結局これは性に劣等感や恐怖心を抱いている男たちへの激励がテーマだったと言えます。
女の子と関係を持てずに化け物になってしまうというのは、警告とも取れます。

とりあえず、もう少し別の表現はなかったかなーと思いました。
でもすごくシュールで笑えるので、笑い飛ばす目的なら最高のネタアニメだと思います。エログロナンセンスのグロとナンセンスに優れたアニメです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 5

kakizaki さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

テレクラって何?となる時代が来るのかな

【電話はよりココ最近LINEですねの時代より】
アニメには、古くなりにくさが重要であるという人がいたがその言葉が身にしみた作品だった。

まず、テレクラって?と今後ますますなっていくなと観ながら思ってしまった。

でも、青少年をワクワクさせるエロは変わらない・テレクラは廃れてもそこは変わらないので、廃れないのかなと

懐かしいよな気がしたアニメだった。

それにしても、作画監督:高橋 久美子さんなんだね 知ってる!!ってなりました。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
重戦機エルガイム II フェアウェル マイ ラブリー+ペンタゴナ ドールズ(OVA)

1986年1月1日
★★★★★ 4.1 (6)
30人が棚に入れました
84~85年にサンライズ(当時は日本サンライズ)が制作したロボットSFアニメ『重戦機エルガイム』の再編集版OVA。本作はTV版の終盤部分を中心にまとめている。 絶対者であるオルドナ・ポセイダルが君臨してきた太陽系ペンタゴナ・ワールドだが、青年ダバ(カモン)・マイロード率いる反乱軍や、ポセイダル軍を裏切った高官ギワザたちによって乱戦状態へ陥っていた。そんな中、ついに正体を明かす真のポセイダル。敵に洗脳させられた義理の妹オリビーを救うために敵陣へ乗り込むダバだが……。 本作の巻末にも短編の新作映像が収録。レッシィ、アム、パメラたち本作のヒロインたちが女子プロレスを演じるというギャグテイストの内容だった。この脚本はTV版のシリーズ構成・脚本を務めた渡邊由自によるもの。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
バイオレンス・ジャック/ハーレムボンバー編(OVA)

1986年6月5日
★★★☆☆ 2.9 (6)
30人が棚に入れました
漫画家・永井豪の代表作のひとつである『バイオレンス・ジャック』をアニメ化した初のOVA。キャラクターデザインは『装甲騎兵ボトムズ』などのアニメーター谷口守泰が手がけた。 隕石群の落下が引き金となって日本全土の地殻変動を誘発した結果、大地震が発生。地震で荒廃した日本は覇者スラムキングによって征服されつつあった。一方キングは、自らが宿敵と見定めた謎多き大男バイオレンス・ジャックの行方を追う。そんな中、キングの右腕であるハーレムボンバーは、自分の統治地域ハーレムオペラの郊外でジャックらしき大男が現われたという情報を得る。ジャックを狙って出撃するハーレムボンバーだったが。 本作は原作漫画の基本設定を踏襲しつつ、隕石が地震を誘発させたことなど、アニメ独自の要素を投入。物語もアニメオリジナルの内容で、ハーレムボンバーたちは本作用の新キャラクターだった。

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

OVAという枠だからできる限界

3作あるが、とにかくエログロである。そういうアニメが好きな人には堪らないだろう。

80年代にバイオレンス、エロブームがあったので当然のごとくその韻を踏んでいる。デスメタルとか。。退廃した日本社会とか。

原作がマッドマックスより10年前に作られているのが嘘のようである。

いや、マッドマックスがパックったのか。。。AKIRAの世界観はジャンジローメビウスだし。。

北斗の拳はマッドマックスだし。。と元ネタを探すといろいろ面白い

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
魔法のスター マジカルエミ 蝉時雨(OVA)

1986年9月28日
★★★★☆ 4.0 (8)
29人が棚に入れました
アニメ会社ぴえろ(当時はスタジオぴえろ)による魔法少女アニメの名作『魔法のスター マジカルエミ』の新作OVA。 誰かの手でめくられていくアルバム。そこには在りし日の少女・香月舞や美少女スター・マジカルエミの写真が貼られていた……。夏休みのある日、舞は魔法の力を手に入れてエミとなった自分のことを考えている。いつかはエミも消えてしまう、これを舞は自分でも知っているのかはたまた違うのかは誰にもわからないが、今の彼女は母の陽子の言葉にもうわのそら。あやとりに夢中のまま、舞は陽子に頼まれたおつかいに出かける。公園で同級生の男子・武蔵と出会って遊ぶ舞だが、夕立が降ってきて……。 本作はTV版のスタッフが再結集して制作。TVシリーズの後日談ではなく、途中の一編ということを意識した作品だが、情緒ある心理描写に力が注がれたほか、背景美術にも広がりが見出せるよう工夫がなされた。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
装甲騎兵ボトムズ クメン(OVA)

1986年1月1日
★★★★☆ 3.8 (5)
29人が棚に入れました
「ガンダム」と並ぶサンライズ(当時は日本サンライズ)の代表作『装甲騎兵ボトムズ』の再編集ビデオ。本作ではTV版の第2部である「クメン編」を中心にまとめられた。 長き百年戦争が終結。悪徳の街ウドを脱出した青年キリコ・キュービィは三ヶ月がかりで別の大地へたどり着く。そこは内乱の続くクメン王国だった。百年戦争が終わりを告げてもクメンでは新型の人型兵器アーマード・トルーパー(AT)をはじめとする各種様々な兵器が流入され続けていた。熱風と毒虫が支配するクメンの密林。そこでキリコは、王国政府軍の傭兵基地アッセンブルEX-10の一員となって戦いをはじめるが、彼はやがて自分の運命を変えた女性=フィアナの影を敵の中に見出す……。 本作のオープニングとエンディングは前作の再編集ビデオ「ウド編」と同様に模型のジオラマを活用した新規制作のもの。ストライクドッグやベルゼルガなどクメン編のATの立体物も登場している。

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

着地するとき膝が曲がるの、かわいい(笑)

 戦いの場所が移ったことで、戦闘シーンのバリエーションが増えて益々カッコいいですアーマードトルーパー!

 wikiでも言及されていますが、ベトナム戦争を題材にした映画たちの影響をめっちゃ受けています。パーフェクトソルジャーというのは、ガンダムシリーズでの強化人間とは違うのでしょうか。

 ラビドリードッグめっちゃカッコいいですね!ATは基本的に色が一色ですが、これは単純に作画の効率のためでもあるでしょう。しかし、リアリティ(こっちが先行した考えとして存在したかもしれませんが)も高まっているし、単純に色も含めてモビルスーツよりカッコいいです(笑)!

 P.S.(パーフェクトソルジャー)ローラーダッシュのときの音、大好きです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 1

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
Oh!ファミリー(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (5)
29人が棚に入れました
舞台はアメリカのカリフォルニア州。ロサンゼルスに住んでいるアンダーソン一家のもとに、ある日パパの隠し子と名乗る少年ジョナサンと飼い犬のアダムが現れる。しかも、この少年の母親がパパの元カノだと知り家族中は大パニック・・・かと思いきや、家族のほとんどが彼を受け入れてしまう。当然パパはショックで寝込んでしまう。そして、一人納得のいかないフィーは彼に対して敵対心をむき出しにする。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
オズの魔法使い(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (5)
29人が棚に入れました
世代を超えて読み継がれ、何度となく映像化もされているライマン・フランク・ボームの名作冒険ファンタジー「オズ」シリーズのTVアニメ化。ここはカンサス州の農場。少女ドロシーは叔父夫婦とともに平穏な生活を営んでいたが、ある日、愛犬・小犬のトトとともに家ごと大竜巻にさらわれる。彼女が着いたのは、異世界オズの国。故郷に帰りたいと願うドロシーは、知恵を求めるカカシ、心を求めるブリキの木こり、そして勇気を求める臆病なライオンと同道。トトを加えた一行は、どんな願いでも叶えてくれるというオズの大王が住むエメラルドの都を目指すのだった。アニメ制作は、シンエイ動画作品『忍者ハットリくん』などに参加してきたアニメスタジオ・パンメディアが担当。日本アニメーション「世界名作劇場」にも参加したスタッフも集結し、評価の高いアニメ映像を作りだした。一年にわたった番組は、原作シリーズの内、1~3、6巻を下敷きに物語が構成されている。
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

テンプレ異世界ものはどこへ行った?

 このレビューでは、「異世界もの」について考えていきます。
 本題に先立って、このレビューにおける「異世界もの」の定義付けをしておきます。

 現実世界と異世界の両方が登場する異世界ファンタジーは、外観的には次の三つに分類されると思います。
①現実世界から異世界に舞台を移すもの―千と千尋とか。いっぱいある。
②異世界から現実世界に舞台を移すもの―はたらく魔王さまとか。珍しい。
③現実世界と異世界を往復するもの―GATE自衛隊~とか。これも珍しい。
 このうち、このレビューの対象とするのは、①の「現実世界から異世界に舞台を移すもの」です。この形態の異世界ファンタジーを、ここでは「異世界もの」と呼んでいきます。
 「異世界もの」の基本形は、現実世界から始まって異世界に渡り、異世界でなんやかんやあった後に現実世界に帰ってきて即終わり、というものですね。

 で、私が本題として念頭に置いているのは、従来型の「異世界もの」と最近の「異世界もの」のテンプレが違いそうだよねってことです。ただ、そこまで踏み込む気はありませんから、従来型の「異世界もの」の特徴を整理することが目標となります。その特徴というのは、「二つの世界を分断して、対比して、風刺する」構造のことです。
 この対比の部分を中心に「オズの魔法使い(以下オズ)」で確認していきます。


オズの魔法使い(あらすじとテーマ):{netabare}
 「オズ」は、主人公のドロシーが、カカシ・ブリキのきこり・ライオンとともに異世界を旅する「異世界もの」ですね。念のため、あらすじとテーマを併記しておきます。

 異世界へ飛ばされてしまったドロシーは元の世界に帰るための方法を、わらで作られたカカシは本物の脳みそを、心を失くしたきこりは心を、臆病なライオンは勇気を、それぞれが求めて魔法使いのオズに会いに行きます。
 何とかオズに会うことができたのですが、オズは魔法の使えないただのペテン師に過ぎませんでした。ですが、オズから脳みそ・心・勇気をもらったカカシたちは、それが偽物であるにもかかわらず満足してしまいます。
 ドロシーは良い魔女グリンダから、自分の履いている銀の靴が元の世界に帰るための道具だと教えてもらい、無事に元の世界へ帰ることができました。というお話ですね。

 「オズ」は、偽物の脳みそ・心・勇気でも問題なかったことや、ドロシーが求めた帰るための方法が最初に手に入れた銀の靴だったことなどから、「欲しいものは最初から持っているんだ、それに気付かなきゃいけないんだ」というのがテーマとして語られることが多いと思います。
{/netabare}

オズの魔法使い(二つの世界の対比):{netabare}
 では、現実世界と異世界の対比的な関係について話を移します。

 「オズ」は、アメリカのカンザスの街の描写から始まります。ドロシーは孤児で、エムおばさんとヘンリーおじさんに育てられているのですが、ドロシーにはこの二人の姿が生気のない灰色に見えてしまいます。また、太陽の強い日差しのせいで、景色も枯れ落ちた灰色に見えてしまう。ドロシーにとってはすべてが灰色に見える街カンザス。これが「オズ」における現実世界の描写です。
 一方で、オズの国には、すべてが緑色に輝いて見えるエメラルドの街というのが出てきます。エメラルドの街が緑色に見えていたのは、かけていたメガネのレンズが緑色だったから、というオチが付きます。メガネを外せば、普通の街と何も変わらなかったのです。ペテン師のオズによる、単なるトリックだったってことですね。

 で、この二つの描写というのは明確に対比がなされていますよね。灰色のカンザスの街と緑色のエメラルドの街。
 エメラルドの街のエピソードが教えてくれるのは、メガネというフィルターを通していたら、本当のエメラルドの街を見ることは出来ないよ、ってことです。つまり、真実の姿を見たいんだったら、フィルターとなっている先入観や固定観念を捨てないとダメだよ、と言っているんですね。
 これにより、灰色のカンザスの街って本当に灰色だったのかな? 何らかのフィルターがあったせいで灰色に見えていたのかな? という疑問が生じますよね。エメラルドの街と同じように、フィルターを外した上でカンザスの街を見てみなければならないのです。

 「オズ」のエンディングは、異世界の最後でドロシーが養父母への優しさを見せて、帰ったときにエムおばさんが涙を流して歓迎してくれる、というものです。本当のところは、灰色の養父母なんかではなかったのです。
 ドロシーにも何らかのフィルターが存在をしていて、それが目を曇らせていた。このことにドロシー自身が気付かなければいけなかったのです。そして、最後にドロシーがこれに気付くことで、「欲しいものは最初から持っているんだ、それに気付かなきゃいけないんだ」というテーマが再度遡及されるわけですね。

 現実世界のカンザスの街と異世界のエメラルドの街。この二つの世界を使った対比が、ストーリーの中で上手く機能しているのが分かると思います。
{/netabare}

おまけ①ドロシーのフィルター:{netabare}
 ドロシーのフィルターというのは、孤児設定のことです。
 「オズ」は1900年頃の作品なんですけど、当時のアメリカには孤児列車というものがありました。東部で親を亡くした子供たちを、中西部に運ぶための列車ですね。実体はともかくとして、その目的は養子縁組による孤児の支援です。
 おそらく、ドロシーもこの孤児たちの中の一人だったのでしょう。両親との別離を経て、養父母と出会い、見知らぬ土地での生活を始める。このような経験が、ドロシーの灰色の世界を作ってしまったように思います。
 ドロシーの孤児設定については掘り下げられていませんので、時代背景を知らないとちょっと分かりにくいですよね。時代性を写し取った社会風刺の部分なのでしょう。
{/netabare}

従来型の「異世界もの」:{netabare}
 「異世界もの」の特徴は、「二つの世界を分断して、対比して、風刺する」構造である、と述べました。これについての検討をしていきます。

 異世界ファンタジーの中には、指輪物語(ロードオブザリング)のように、「異世界だけを舞台にしたもの」もたくさんありますよね。異世界の面白さだけを追求するのなら、この形態で構わないんです。
 なぜ「異世界もの」が二つの世界を必要としているのかというと、二つの世界で対比を作りたいからなんです。「オズ」を例にするなら、、灰色のカンザスの街と緑色のエメラルドの街ですね。異世界だけを舞台にしている作品では、このような二つの世界を使った対比はできません。
 二つの世界を使った対比の成立、これが「異世界もの」の最大の特徴なんです。

 そして、この対比の成立によって、間接的な風刺をすることが「異世界もの」の目的となっています。
 「異世界もの」では、主として現実世界への風刺が行われています。「オズ」だったら、現実世界を灰色に見てしまうドロシーへの批判であり、また、子供に現実世界を灰色だと認識させてしまう社会への批判でもあります。ただ、この風刺を直接的に行おうとしているわけではないんです。直接的に風刺をしたいのなら、現代劇でやればいいからです。
 直接的に現実世界を風刺せずに、異世界を通じて間接的に現実世界を風刺しようとしている。この間接的な風刺をするために、現実世界とは別の異世界が必要なんですね。

 対比があるから風刺ができて、風刺をするためには対比が必要だ。対比と風刺の関係はこのようになっていて、これらが「異世界もの」の構造における両輪となっているんだと思います。また、これを実現するためには、異なる二つの世界が存在していることを明示する必要がありますよね。このために、分断があるのです。
 これが「異世界もの」が持つ「二つの世界を分断して、対比して、風刺する」構造です。

 テンプレとしては、まず、現実世界が描かれて、次いで、現実世界と分断された異世界へと渡る。そして、異世界の中で現実世界との対比が作られます。最後に、異世界から現実世界へと主題がフィードバックされて、現実世界の風刺が達成される、という感じですね。
 作劇上でで一番大切なのは、最初の現実世界の描写だと思います。ここは起承転結の起の部分に該当しますが、対比元が決定される場所でもあります。ここで、何を対比していくのか、という主題の限定がされています。


 ちなみに、「二つの世界を分断して、対比して、風刺する」構造っていうのは、必ずしも「異世界もの」の専売特許ではありません。分断というのが、異世界でなくとも作れるからです。
 良くあるのが、都会から田舎へ移る、というパターンです。アニメで言ったら、「おおかみこども」や「ばらかもん」みたいなやつです。現実世界と異世界の代わりに、都会と田舎で分断を作っていますよね。この手の作品で、やや都会でもやや田舎でもなく、僻地ともいうべき超田舎に行くのは、より都会との差を浮き彫りにするためなんだと思います。風刺対象の都会を客観視するためには、属性的に大きく異なっているところの方がいいからです。
 日本から外国に行くとか、現代から過去や未来に行くっていうのも同じです。距離的・時間的な分断があれば、「異世界もの」と似たような構造は可能になります。
{/netabare}

おまけ②「千と千尋」:{netabare}
 「オズ」だけがサンプルだと知らない人には分かりづらいかもしれないので、「千と千尋」でもごく簡単にですが確認しておきます。「千と千尋」も、現実世界から始まって異世界に渡り、異世界でなんやかんやあった後に現実世界に帰ってきて即終わり、という流れですから、典型的な「異世界もの」ですよね。

 「千と千尋」の現実世界では、次の二つのことが描写されています。一つ目が、友達との別れである転校です。二つ目が、口うるさいお母さんと車で暴走しちゃうお父さん、という親子関係の不確かさです。

 異世界に渡った先で描かれていたのは、湯屋での新生活と、ブタになってしまった両親ですね。
 千尋は湯屋で仕事体験をしていましたが、これは、友達もおらず、両親の助けも借りられない場所での新生活です。転校も、友達もおらず、両親の助けも借りられない場所での新生活ですから、湯屋での生活というのは転校の疑似体験と同じようなものです。湯屋で自立ができた千尋は、転校先でもきっと大丈夫!ってことですね。
 また、千尋は、多くのブタの中から両親を識別できていました。姿かたちがどうであれ、子供と親の間には根源的な信頼関係があるんだってことです。だから、口うるさいお母さんでも暴走しちゃお父さんでも、大丈夫!なんですね。

 エンディングでは、千尋は異世界での出来事を忘れてしまったように描写されていました。たとえ千尋が、湯屋で自立できていたことや、両親との信頼関係を確認できたことを忘れてしまっていたとしても、それでも大丈夫!なんです。
 これを象徴的に説明したのが、ゼニーバが千尋に託した髪留めですね。ゼニーバは「一度あったことは忘れないものさ、思い出せないだけで」と言っていました。忘れてしまったわけではなく、思い出せていないだけ。
 自立の力も、親子の信頼関係も、思い出せてはいないのかもしれないですけど、忘れることはできないものなんです。それらは、千尋の中に確かに存在しているものです。だから、大丈夫!なんですね。

 この「一度あったことは忘れないものさ、思い出せないだけで」というテーマは、感情的な山場としては、ハクの名前を思い出したところになりますよね。でも、ここは、構造的にはサブエピソードなんだと思います。ここだけ押さえても、「名前を思い出したから、だから何よ?」となってしまいますからね。
 構造的なメインエピソードは、転校先で自立の力を、親子の間で信頼関係を、「千尋がこれから思い出す」という作品上では描かれなかったところのような気がします。ここまで含めて、オープニングで描かれていた現実世界へのアンサーシーンとなるからです。
 「千と千尋」では、現実世界の描写で問題提起をして、異世界を通じてそれが解決できることを描いていたってことですね。実際の解決はされないままに、その可能性だけを見せてエンディングを迎えました。
{/netabare}

雑記:{netabare}
 以前、「千と千尋」のレビューで、「本当は違うことをやりたかったんですけど、こんな内容になっちゃいました」みたいなことを書いたんですけど、本当にやりたかったことってのが、上で書いたことですね。初稿から1年以上経っているんですけど、ここに来てやっと成仏できました。

 あと、前々から思っていたんですけど、個別作品のレビューでは、監督で括ったりジャンルで括ったりっていう横断的な論点ってやりづらいですよね。いやまぁ、やるなって話なんですけど。このレビューも個別作品のレビューと言っていいのかがもう怪しいですもんね。だから、目立たなそうな「オズ」にしたんですけどね。あんまり目立たなければ大丈夫だろうという、世にも安易な発想です。


 最後に、「オズ」を申し訳程度に宣伝して終わます。
 このレビューで書いた「オズ」の話は、全部原作からのものです。アニメは見ていないので分かりませんが、実写映画は原作から改変されているところがボチボチあります。メガネの話もなくなっていますからね。

 でも、灰色のカンザスの街はきちんと表現されています。オープニングとエンディングのカンザスの街は白黒映画として撮っていて、オズの国がカラー映画になっている、という表現です。面白い演出ですよね。
 白黒のシーンを指し込む作品はままありますけど、舞台設定的に使うのは珍しいですよね。アニメ作品で言ったら、「トップをねらえ」がこれに近い演出になるのかな。

 「ユリクマ嵐」では、「オズ」が意図的に引用されていましたね。赤いヒールのかかとを、三回鳴らすってシーンがありました。かかと三回は、「オズ」で使われた現実世界に帰るためのおまじないです。原作は銀の靴で、映画が赤いルビーの靴だから、映画からの引用ですね。

 いわゆる名作はどこで引用されてもおかしくはないですから、見ておいて損はないと思います。今見て面白いってものでもないですけどね。「オズ」は日本ではパブリックドメインになっていますから、比較的見やすいと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 7

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
機甲界ガリアン PART III 鉄の紋章(OVA)

1986年8月5日
★★★★☆ 3.6 (9)
28人が棚に入れました
異世界ロボットアニメの傑作『機甲界ガリアン』を、原点のTVシリーズとは全く別の世界観・新規の登場人物設定で描いた外伝的な完全新作OVA。 戦国の世界を平定した覇王マーダル。だがその王子ハイ・シャルタットは、封印されていた怪異な機械の巨人「邪神兵」に取り付かれてしまった。狂気に駆られたハイは父マーダルを殺害し、邪神兵の僕として暴走を始める。錯乱した兄を止めるべく、第二王子のジョルディ(ジョジョ)は、もう一つの鉄の神「鉄巨人」を召喚。二つの鉄の神の大地を揺らす戦いが始まろうとしていた。 TVシリーズの真価と言えた、番組終盤の惑星ランプレートがらみのSF設定を完全に割愛。さらに本作のマーダル王は、TV版の仇役マーダルの名とジョジョの養父アズベスの面影を混交してキャラクター設定された。他にもTVでは重要なサブヒロイン・ヒルムカが、マーダルに恨みを抱く鳥人族の娘として登場するなど、大きな設定の変化が見られる。また主役ロボの鉄巨人(ガリアン)も、TV版とはかなり印象の異なる、ファンタジー風の鎧武者調にデザインされた。

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

TV版を改善したOVA

TV版終盤の「超展開」を最初からメインストーリーに設定して、TV版序盤のジョジョの「仇討ち」展開を無かったことにしたOVA。ついでにガリアンのデザインが変更されて、たぶん普通の人はこっちの方がカッコいいと思うようになっています。

初期型→重装改のイベントもなくなって話が単純になってます。ナンバリングはⅢですが、ⅠとⅡはTV版の総集編で本作を観るために視聴の必要はありません。

TVシリーズもⅠもⅡも無視して、これだけ観るんで良いんじゃないでしょうか。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 10

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
GREY デジタル・ターゲット(アニメ映画)

1986年12月13日
★★★★☆ 3.6 (7)
28人が棚に入れました
代表作『軽井沢シンドローム』で1980年代に一世を風靡した漫画家・たがみよしひさのSF漫画のOVA化。26世紀、人類が地上に分割された各統治国歌町(タウン)ごとに生きる時代。それらの町では徹底した階級社会が築かれ、下層階級民(ピープル)は上部階級市民(シチズン)に支配されていた。民の出自の者が市民となるのは困難だが、トループスと呼ばれる戦士として他の町と交戦し、勲功を上げた者には市民への道も開かれていた。歴戦の青年トループスグレイは自分の部隊が全滅しても生き残り、敵に容赦ない攻撃をすることから死神との異名を持つ。市民に憧れて戦い続けるグレイだが、戦死した仲間の思い出、そして戦友の女戦士ノーヴァとの心身の絆の中で、何かが変り始める!? 葦プロダクション制作の80分の長編作品だが、アニメ映像の制作は、本作の監督・出崎哲率いるアニメ会社マジックバスが主体となっている。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
装鬼兵M.D.ガイスト(OVA)

1986年5月21日
★★★★☆ 3.8 (6)
28人が棚に入れました
メカデザイナーとして活躍してきた大畑晃一が原案・絵コンテなどを務めたバイオレンスSF。M.D.とは“MOST DANGEROUS=最も危険な"の意味。欧米で大ヒットを飛ばし、アクションシーンなどを追加した完璧版や続編も作られている。惑星ジェラで敵対する二つの陣営両方から恐れられる男、冷酷非情の戦士M.D.ガイスト。彼は自分の所属していた正規軍の手で幽閉されていたが、事故で姿を地上に現す。だがガイストは正規軍の戦艦を敵から救い、勝利へ導く。その真意は…?

ウィラード さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ジェノサイバーと一緒にどうぞ

ジェノサイバーと同じ監督でグロアニメなので
昔のセル画のグロアニメが見たい方におすすめです

世界は北斗みたいに世紀末のような世界で
そこで弱肉強食の中に
Zガンダムのヤザンみたいな強面男が狂人のように破壊していきます

正義と悪ってのが無い感じなので
世紀末アニメとしておすすめです

投稿 : 2024/12/14
♥ : 1

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
ウルトラマンキッズのことわざ物語(TVアニメ動画)

1986年春アニメ
★★★★★ 5.0 (1)
28人が棚に入れました
円谷プロのファンシーグッズキャラクター「ウルトラマンキッズ」を主役にした初のTVアニメシリーズ。キッズ星。それはウルトラの星のとなりにあるという。そこでは陽気で愉快なウルトラマンキッズと怪獣たちが、ごく平和に暮らしていた。学校のクラスメイトは熱血漢のマー、秀才のセブ、イタズラ好きなルーキィ、慌て者のター、それにみんなのアイドル・ピコが中心だ。そんな5人に悪ガキのバル、その手下のガッツンがちょっかいを出すが、いつもみんなで対抗。日々の暮らしの中でキッズは機会あるごとに大事なことわざを学んでいく。制作は『まんがなるほど物語』などのDAXインターナショナルで、児童を啓蒙する番組作りに長けた同社らしい安定感に満ちている。ナレーションをTBSの名物アナウンサーで同局の児童向け人気バラエティ番組『夕焼けロンちゃん』の司会役「ロングおじさん」こと吉村光夫が担当したことも、大きな話題を呼んだ。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
サンゴ礁伝説 青い海のエルフィ(TVアニメ動画)

1986年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (5)
27人が棚に入れました
NTT提供により制作されたTVスペシャルアニメ。 四世紀前の洪水によって陸地のほとんどが水中に没した地球。そこでは海上都市で暮らし更なる開発を目論む人間と、それに抵抗する水棲人とが一触即発の状況でにらみ合っていた。人間として育てられてきた少女エルフィは、あるきっかけで自分が水棲人であることを知り、両陣営による戦争を避けるべく尽力することになるが? 自然破壊の末に変わり果てた未来社会を舞台として、エコロジカルな内容を前面に押し出している。ヒロインの声優には同様のテーマを取り扱う『風の谷のナウシカ』で主演した島本須美が起用されたほか、かつて一世を風靡した歌手・城みちるがその兄役を務めたことなど、出演陣の話題も豊富だった。SF版人魚姫ともいうべきラストシーンも印象的。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
光の伝説(TVアニメ動画)

1986年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (7)
26人が棚に入れました
愛香学園中等部二年生で新体操部員の上条光がライバルである椎名葉月とともに天性の才能を伸ばし世界を舞台に活躍する。新体操を物語のメインとし、光を想う二人の男子生徒との切ない恋愛模様も描く。

イカちゃん☆休止中 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

☆新体操アニメ

昭和末期の新体操アニメ。ヒロイン上条光がソウル五輪
に出場するまでを描く青春アニメです☆

作画が薄くて淡い感じです。以外に面白かったです(*^^*)

原作「マーガレット」

アニメーション制作/タツノコプロ


テレビ朝日
1986.5.3-9.20(全19話)


主観的評価(B)


追記欄_

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
傷追い人(OVA)

1986年7月5日
★★★★☆ 3.5 (7)
26人が棚に入れました
原作・小池一雄、作画・池上遼一による大ヒット青年劇画のOVA化。その第一弾。 女性ニュースキャスターの日下夕湖は、現代のブラジルに日本人のガリンペイロ(金鉱掘り)がいるという情報に関心を抱いて同国に赴く。そこで彼女が会ったのは、リオ・バラキと名乗る青年。なりゆきから当初は彼を憎む夕湖だが、ある事件を契機に心を開く。そして実はバラキこそ、夕湖が捜していたガリンペイロだった。バラキの本名は日本人・茨木圭介。彼には凄絶な過去があった。 バンダイビジュアルの前身的組織ネットワークからリリースされたOVA。同社の当時の新レーベルで15禁作品路線「C.MOON」の第一弾として発売された。内容は原作の第一巻(第一章)部分のアニメ化。監督(脚本も兼任)の竹内啓雄以下マッドハウス周辺の実力派スタッフ勢が、精緻な作画で知られる劇画家・池上遼一のビジュアルをきわめて丁寧にアニメ映像に置換している。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
アイ・シティ(アニメ映画)

1986年7月26日
★★★★☆ 3.6 (4)
25人が棚に入れました
超能力や遺伝子、クローン問題を徹底調査し、細部までこだわったリアルな世界観と、重厚なストーリーが人気を呼んだSFサスペンス。OVAとして制作され、後に劇場で公開された。原作は板橋しゅうほう。ヘッドメーターズの青年ケイとクローン少女アイは、謎の科学組識フラウドから脱出した。ヘッドメーターズとは、疑似超能力を使えるように改造された、額に数字を持つ人間のことである。逃亡する2人を助けてくれたのは、元警官のライデンだった。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
魔法の天使 クリィミーマミ カーテンコール(OVA)

1986年1月1日
★★★★☆ 3.9 (4)
24人が棚に入れました
スタジオぴえろ制作の“魔女っ子"シリーズの1作目としてTV放映された『魔法の天使クリィミーマミ』のスピンオフOVA。大人に変身できる魔法を手にした小学生・森沢優が、アイドル歌手・クリィミーマミとしてデビュー。周囲の人たちの交流や芸能界での騒動、そして優が大好きな幼なじみの俊夫との恋模様を描いたTVシリーズから、アイドル・マミのミュージッククリップとして制作されたのが本作だ。テレビシリーズ中の曲に加え、サイドストーリーとなるOVA『永遠のワンスモア』『ロング・グッドバイ』で披露された曲、さらに本作用に作られた4曲を加えた12曲を収録している。その新曲用のクリップとして新たに映像も制作された。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
アーバンスクウェア 琥珀の追撃(OVA)

1986年11月28日
★★★★☆ 3.5 (6)
23人が棚に入れました
OVA隆盛期のラインナップ内では希少な本格派ハードボイルド・アクション・アニメ。神戸で売れないライターをやっている松本良は、ひょんなことから手に入れた手紙のために、女子大生の田村由紀とともに殺人事件に巻き込まれ、殺し屋に追われることに。刑事の望月は捕らわれた良を救うべく、単身で殺し屋たちに立ち向かっていくが? アダルトな雰囲気のキャラクターデザインには、『うる星やつら』などでおなじみの高田明美が起用され話題に。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
続名探偵ホームズ2 ドーバーの白い崖(アニメ映画)

1986年8月2日
★★★★☆ 3.5 (4)
23人が棚に入れました
コナン・ドイルの有名小説をもとに、宮崎駿が演出を手がけたテレビアニメーションの劇場化作品。登場人物をすべて擬人化した犬に置き換え、名探偵ホームズと宿敵モリアーティ教授との戦いを描く。ロンドン、パリ間の郵便機が墜落。そのパイロットのトミーは、下宿の家主であるハドソン夫人のかつての飛行機仲間だった。墜落した飛行機が細工されていたのを発見したホームズは、ハドソン夫人とワトソンを連れて、調査のため飛行場へ向かった。犯人は航空切手の値のつり上げを狙ったモリアーティ教授であった。そのことに気づいたときにはすでに、教授の仕掛けたニトログリセリンが積んである郵便機が飛び立っていた。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
続名探偵ホームズ1 ミセス・ハドソン人質事件(アニメ映画)

1986年8月2日
★★★★☆ 3.9 (4)
23人が棚に入れました
コナン・ドイルの有名小説をもとに片渕須直が脚本化、監督は御厨恭輔、そして、演出を手がけたのは『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ」』の宮崎駿である。登場人物はすべて擬人化した犬に置き換わり、推理劇の魅力にアクションやコメディの要素も加えた楽しくて斬新な作品となっている。宿敵ホームズの弱点をハドソン夫人であると考えたモリアーティ教授は、ハドソン夫人を誘拐、ホームズに国立美術館に展示されている名画を盗むようホームズに強要する。誘拐されたハドソン夫人は、そんな事も露知らず、教授のアジトを大掃除、暖かい手料理を振舞うなど、持ち前のチャーミングさを発揮。そんな様子に、モリアーティ教授はいつもの調子が出ない……。

声優・キャラクター
広川太一郎、富田耕生、一龍斎春水、大塚周夫、増岡弘、千田光男、飯塚昭三

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
ワンダービートS(スクランブル)(TVアニメ動画)

1986年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (7)
22人が棚に入れました
虫プロの企画によるSFアニメ。医療機器メーカーのテルモが単独でスポンサーを担った番組で、物語内容も医学や人体の神秘などを扱っているのが特徴。西暦2121年の日本。怪異な浮遊衛星X23と宇宙生命探査船グリーン・スリーブス号が遭遇してから2年が過ぎようとしていた。消息不明の同探査船の隊長であるスギタ博士を父に持った長男ススムは、総合健康科学研究所フェニックス・タワーの所長ドクター・ミヤから特殊医療部隊ホワイトペガサスへの入隊を求められる。ミクロ化することで人体への潜行が可能な突入艇ワンダービート号に乗り、原因不明の病気に苦しむ患者の体内を調べるススムたちだが、なんとそこには高度な知能を持った異星人ヒューが! 本作の実制作はマジックバスが担当。ちなみに番組の終幕部には、企画監修である作家・手塚治虫が各エピソードの内容に準じた人体器官などの解説を行っている。最終話数編は本放送時にオンエアされず(厳密には同編の編集版を放送)、後日発売の映像ソフトで全話が視聴可能となった。

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
コルドロン(アニメ映画)

1986年7月19日
★★★★☆ 3.8 (6)
22人が棚に入れました
ディズニー制作の長篇アニメ。手に入れたものに無限の力をもたらすという秘宝“ブラック・コルドロン"をめぐって繰り広げられる闘いを描いたファンタジー・アドベンチャー。騎士になることを夢見る少年ターランはある日、彼の飼っている豚のヘンの予知能力により魔王ホーンド・キングが“ブラック・コルドロン"を狙っていることを知る。やがて、その不思議な力を利用しようとした魔王によりヘンがさらわれてしまう……。
ネタバレ

おなべ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ジブリだとゲド戦記立ち位置のダークディズニー

ディズニーたる大手会社にもやはり興行的にそぐわない作品はあるようでして、今作の「コルドロン」は何でもディズニー暗黒期の象徴たる長編アニメ映画なんだそうです。
物語のあらすじは、手にしたものが無限大の力をもたらす謎の秘宝「ブラック・コルドロン」を巡って繰り広げられる壮大なダークファンタジーです。


「コルドロン」はディズニーアニメの中でも異色の作品です。
従来のディズニーは歌って踊るミュージカルありのカラフルな色彩で夢のあるキラキラな世界覧を誰しも想像する作品ですが、今作はミュージカル皆無でコミカル要素ナシ、物語も画面も暗い上、登場する悪役が総じて怖い。「ディズニーだわーい」なんてちびっ子が知らずに見てしまうと、あまりの怖さに震えて夜眠れなくなってしまうでしょう。ダークファンタジーと名義してある通り「暗さ」が終始漂います。


即ちダークディズニー…たまにはこんなディズニーもいいじゃないか!
「シザーハンズ」で有名な映画監督ティム・バートンが手掛けた美術も不気味で味があります。空飛ぶ暗黒のドラゴンが襲って来る場面はこっちに食い付いてきそうですし、アニメーションの質や世界覧は十二分に完成されています。話の筋も「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)」に似ているのでそちらが好きな方はオススメ出来ます。


作品としてどうかというと…これが微妙でした。
まずどうにも頂けなかったのはキャラクター。主人公のターランは王子様でもなく勇敢な青年でもなく豚飼いの少年です。
ターラン少年、思春期なのか自分が騎士になる妄想によく耽り、実力は到底ないのにプライドだけは一丁前です。別段始めはそんなんでも「きっとこれから成長するだろうし…」なんて保護者目線で温かく見届ければいいのですが、終盤の山場までこちらの期待に応えてくれる熱い男気を見せてくれません。主人公の難ありな感情移入し辛いキャラが、受けにくかった要因の一つだったと思います。
自信の無力さに苦悩するシーンも一応あるんですが…
{netabare}めちゃんこ強い素晴らしき剣を手にしてからまたもお調子に乗るので、印象は変わらず。最終的に剣に頼らない展開は良し。しかしあの剣は結局何だったんだろうなあ…。 {/netabare}
平凡な頼りない少年に焦点を当てたのは良かったです。でも少年が困難に立ち向かい成長して青年になっていく様を映画の中でも見たかったですね。

流石にこのような主人公だけではなく、個性豊かなおもしろサブキャラが出てきます。これはとてもいいキャラ!しかし、登場が唐突な上、人物背景も謎のままで何か活躍したかと言うと何かあったっけ、といった具合。魔王も見た目は怖いのですが、本当に見た目だけなんです…。癖のある悪役というよりただの悪役だったので、名前を今後とも覚えているかわかりません。
{netabare} 濃いキャラ沢山いるはずなのに総じて見せ場がないんですね。
千里眼持ちの可愛い豚は妖精の住処に預けられて以来、ラストシーンまでマジで出番がなかったのが驚きでした。
豚は危ない目にあったし苦労したし百歩譲ってまだいいです。だがドルベン、てめーは駄目だ。
ターランの師匠なのに「任せた☆」と言ったら本当にターランに任せっきりで一度も助けに来ません。こいつ本当に師匠なのでしょうか。 {/netabare}
更に宜しくないのが、ストーリーが大体キャラクターのぶっつけ本番の行動で展開してしまうため、かなり無茶があります。キャラクターが気にしなかった事は何事もなかったかのように物語が進んでしまいます。伏線はそれなりに回収してほしかったです。


題材もキャラも良かったのに惜しい部分が多かった…ジブリの「ゲド戦記」に印象が似ています。ちなみにタイトルの「コルドロン」は「大釜」という意味らしいです。何しろ日本人に馴染みの薄い単語です。邦題にはもう一工夫欲しかったですね。
テーマは恐らく「自己犠牲」かなと。終盤、あるキャラが取る行動は今作で一番描きたかった所だったのでしょう。全体的に展開にメリハリがあれば、多くの方に共感し得る感動的で隠れた名作とも呼べる作品だったと思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 11

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

期待外れ

設定は遼遠で、登場人物も豊か、いくらでも面白くなりそうなのに凡庸な出来栄えでおわっている。主人公の冒険も成長もほとんどなく、脇役にも魅力がない。光の玉やハープ等の品目を活かしていない。最大の問題は、死んだ者を生き返らせるということを安直に行っていること。これは禁じ手だろう。子供向けだからいいだろうという安易な考えは改めた方がよい。本当に面白いものは、大人が観ても面白いものだと思う。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

計測不能 33 1986年度アニメランキング33位
魔女でもステディ(OVA)

1986年9月5日
★★★★☆ 3.6 (5)
22人が棚に入れました
小説家・岬兄悟の原作と漫画家とり・みきのキャラクターによる早川書房のコメディSF小説『魔女でもステディ』をOVA化。原作小説が刊行された1985年の翌年に本作は発売されている。 22歳の熱血青年・関ひさしは、変態上司の杉山良太郎につきまとわれるロクでもない会社務めのサラリーマン。だがそんなしがない彼のもとに突如として美女が出現。ひさしのベッドに現れた美女=麻美は彼が理想とする100点満点のスタイルだった。予想を超える珍事に胸躍らせるひさしだが、これを機に彼の生活環境は一変。はたして麻美の正体は……? 本作の制作は亜細亜堂が手がけ、同社の小林治が監督を担当。キャラクターデザインも原作小説と同じとり・みきが務めている。
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