nyaro さんの感想・評価
3.0
ギリシア神話に触れたい人、アニメ史に興味ある人以外はお勧めしません。
ギリシア神話のオムニバス作品です。アルテミスとアクタイオンの話、オルフェウスの話、アグラウオスの話、ペルセウスのメドゥーサ退治、アポロンの息子の話の5本立てです。
1979年の作品です。アニメの水準はいいのですが、アニメの雰囲気は50年代のディズニーと言われても信じるくらい古臭いし暗い映像です。
ただ、本作の価値は1979年にこういう作品がサンリオによって作られていた、という確認でしょう。
キャラデザに統一感がなくまたカリカチュアライズされすぎており、子供向け感が強いです。その割に小学生には難しく面白くない話でしょう。プラネタリウムなどでギリシア神話をワクワクと聞ける子供ならまあ、という感じです。大人にしても若干話が単純化されているので、話はそれほど面白くないと思います。
ただギリシア神話を知らず、また多神教の神の理不尽さを体験するには面白いと思います。正直岩波文庫とかで読んでも大して面白くありません。やっぱり絵が付いているほうが入ってきやすいし、本作のようなアニメなら、触りで良ければある程度の体験は出来ると思います。
あと、オルフェウスなんですけど、そのままイザナギ、イザナミですよね。これってどういう類似性なんでしょう。本作にはもちろん出ませんが、キリストの馬小屋と聖徳太子の厩戸とかも。こういう浪漫に想いを馳せられるひとならいいのではないでしょうか。
ということで、アニメ作品としては作画以外大して評価はできませんが、ギリシア神話に触れたい人と、アニメ史を追っている人は見ておけばいいのではないでしょうか。
なお、音楽はひどいです。