NAZおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのNAZ成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月03日の時点で一番のNAZおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.3 1 NAZアニメランキング1位
ID:INVADED イド:インヴェイデッド(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (417)
1517人が棚に入れました
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。

声優・キャラクター
津田健次郎、細谷佳正、M・A・O、ブリドカットセーラ恵美、村治学、近藤隆、岩瀬周平、榎木淳弥、加藤渉、落合福嗣、西凜太朗、遠藤綾、島袋美由利、平川大輔、宮本侑芽、日笠陽子、蓮岳大、佐倉綾音、小林親弘
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

されど空の青さを知ったカエルちゃん

著名アニメーターのオリジナルアニメ


自分は存じ上げなかったのですが名前を聞けば、な監督と脚本さんとのこと。
そんな予備知識があれば心構えができたものをそうでないとちょっとしたトラップにかかるかも。

まず画が軽いです。主役がツダケンさん。軽い絵と渋い声のマッチングに違和感を覚えます。
次いで第2話まで終わってちんぷんかんぷんです。リアタイでは一挙2話放送でギリ踏みとどまりましたが下手すると離れちゃいますね。
トラップといったのは、 ここまでで"しっかり観よう”という意識が吹っ飛んじゃうかもしれんってこと。流し見ダメ、ゼッタイ!集中しないといかん作品でした。
私も何話か流し見てから、いかんいかんと最初からリピートした口です。

ざっと概要を追うと、
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。
頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。そんなクライムサスペンス。
ミステリと呼ぶにはそこにあまり重きを置いてないような感じがしました。犯人は誰だ?の謎解きもあっさりだし、深層心理にダイブした面々の心の機微がよりこちらの興味をひいてきます。
{netabare}※ジョンウオーカー本人以上に仲間の本堂町小春がぶっ飛んでて良い感じなのです。犯人が魅力的でないキャラ設定なのはわざとじゃないかしら。そこじゃないんだよ!というスタッフのこだわり。{/netabare}


視聴を進めていってなんのこっちゃな部分もおありでしょうが、私も一緒。純粋に視聴に求められる偏差値が高いんだと思います。

それでも推したい作品ではあります。茶目っ気というか遊び心というかクスッとさせる演出ありで、そんなのが見え隠れしてる作品に大外れはない印象。ご多分に漏れず本作もそうでした。例えば設定。

主人公酒井戸が“イド”に入った後、謎解きの重要なモチーフとして必ず死体が用意されています。その名を“カエルちゃん”。別のでも他人のでもイドにダイブすれば必ず会えるという皆勤賞ぶり。そこで誰もが思います。

 {netabare}あー『井の中の蛙(かわず)』ですね、と。{/netabare}

そのうち穴井戸だったり聖井戸だったり井戸尽くしの様相を呈してくる物語。

 {netabare}そんなカエルちゃんは大海を知りませんでした。{/netabare}

 {netabare}ついでにカエルちゃん笑ってくれないんですが胸をさすとげは消えないままだったり。{/netabare}

簡単な連想ゲームにクスッとなります。さらに殺人鬼メーカーのジョンウォーカー。

{netabare}ジョニーウォーカーを連想したのは私だけ?
言わずと知れたウイスキーの銘柄。“ウヰスキー”とも書いたりします。ヰと井。
販元の英ディアジオが韓国に工場を置いたためしばらく日本向けジョニーウォーカーやスミノフはmade in KOREAでした。文大統領が税金上げたもんで撤退みたいなニュースありましたが脱線はこのへんで。
ウイスキーは原酒を寝かせてナンボなわけでしてこちらも熟成熟成また熟成。この殺人鬼も用意周到でしたね。ちょっと類似点があります。{/netabare}

{netabare}それで主人公が“酒”井戸。組織は“蔵”。{/netabare}

{netabare}聖井戸さんだけが持つ“御代”という下のお名前。福井の地酒で「聖乃御代」ってのありましたよね?
脚本の舞城王太郎氏は福井の出身です。ウイスキー関係ないけどなんというかそういったところ。{/netabare}


シナリオとは関係ないところで遊んでみてもけっこう楽しめる。で本編のメインシナリオでも作り手が遊んでるんで素直に楽しかったです。
ホント序盤に軽い画を侮らないで真面目に観続ければいいことがあるんじゃないかと思いますよ。

ネタバレなしはここまで。『マイノリティレポート』『羊たちの沈黙』その他ちょっとでも触れると削がれるタイプの作品です。よろしければ現物を確かめてみてください。
端的に作品から受けた印象を申せば、

{netabare}『大海に出ることの叶わない井の中のカエルちゃんが空の青さを知りえて大海にでることを願う物語』{/netabare}

でございました。



※ネタバレ所感

■声優宮本侑芽のお仕事

飛鳥井木記(あすかいきき)の演者さん。代表作は言わずと知れた『SSSS.GRIDMAN』の宝多六花役。
覚えてますかね?新条アカネとのやりとり。

{netabare}諦観した時のやや強がりの入った演技がすこぶる良いんです、この方。{/netabare}

これまたどうでもいい脱線。
木記→キキ→kick it ! とくれば、Beastie Boys の 『Fight For Your Right 』しか考えられませんよね。えぇ私が好きなだけです。

 You gotta fight for your right. To party

ききちゃんが心から笑える日が訪れますように!


■殺意で狂う人間模様

印象的なシーンと置き換えてもいいかもしれない。なんか切ないのよね。

1.{netabare}井波七星{/netabare}

{netabare}“墓掘り”の相方の女です。彼女のイド内にて、森の中で夜に円環列車が走るのを上から収めたカットを最後に映すんですよ。
「資料によれば井波七星の母親は七星が14歳の時に走行中の電車に飛び込んで自殺。どうやらこの酒井戸が乗る電車が実際にその時母親を轢き殺したもののようです」
ループしてる彼女の心理はここまでで充分に説明されてるのに敢えてぶち込んでくるの切なかったです。

穴開きで1,2話。海外帰りの爆弾魔で3話。そして墓掘りエピソードで4,5,6話と中盤を締めくくって後半にブーストかける良い流れでした。{/netabare}


2.{netabare}名探偵の条件{/netabare}

{netabare}殺人者であること。そして自殺も殺人とカウントするってのが最初とっつきづらかったかも。
つまり殺人犯を口八丁で自殺に追い込んでく酒井戸のスタイルもれっきとした殺人ですよ、と。羊たちの沈黙でも囚人を自殺に追い込んでくのがありましたけどレスター博士のサイコな感じとは違うんですよね。切ない事情がありました。

別件で、熟練の松岡刑事が本堂町(=聖井戸)を送る時も哀愁を漂わせてました。
「ただ俺はお前を推薦しながら俺と他の同僚を守っただけだ」
渋めのおっさんは刑事モノには必要です。{/netabare}


3.{netabare}鳴瓢(=酒井戸)というよりツダケンさん{/netabare}

{netabare}10話が切ない。耐えられん。{/netabare}

4.{netabare}局長の声{/netabare}

{netabare}これ全然切なくないやつです。何だろう…アニメ的な発声にずっぷり慣れてしまったのだろうか。
声が軽くてラスボス感が全くしない。それに棒なんじゃないかと思うくらいひどかった気がする。これ減点要素です。{/netabare}


■最後に遊び心の話に戻るんだが…

遊びと言いきると不敬とも取られかねないのですがお手柔らかに。

{netabare}「違うだろ…君らがどこかに行ってしまったんだ!」
「現実にいるんだ。君のいない…椋もいない…現実に…」
「椋…今そこで君らと一緒にいられなくて…本当に悔しいよ…」

イド内イドで妻に娘に鳴瓢が振り絞るように吐いたセリフ。どんな場面かは完走した人は分かるはず。
悔しいと吐露する鳴瓢の心中いかばかりか。{/netabare}


そこで思い出したのが以下、


{netabare}「国の為重きつとめを果し得で矢弾尽き果て、散るぞ悲しき」

硫黄島守備隊の指揮官栗林忠道中将閣下の辞世の電報です。大本営に“悲しき”の部分を“口惜し”に変えられて世間に発表された逸話はご存知の方も多いでしょう。現代語訳すれば「悔しいよ…」ですね。
それから半世紀の時が流れて、1995年。{/netabare}

{netabare}「精根を込め戦ひし人未だ地下に眠りて島は悲しき」{/netabare}

{netabare}慰霊に硫黄島を訪れた現在の上皇陛下が、この"悲しき”という言葉を使われて御製を詠まれています。{/netabare}


序盤私が申し上げた妄想の類ではなくこちらはれっきとした言葉の繋がりを意識されたものです。
それで「聖乃御代」ってことは…絶対にありませんね。すいませんでした。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.10.10
《配点修正》-0.1 全体バランスを考慮


2020.03.25 初稿
2020.04.29 タイトル修正/修正
2020.10.10 配点修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 51
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ID-0とは関係ない

2話までの感想{netabare}
ID-0よりリヴィジョンズの続き見たいなぁ(チラッチラッ

でもってこっちはサイコダイブモノ。
あにこれじゃない別の場所で意味が分からないって感想を散見するのだけど、どこが分からないのか分からない。
謎の部分は「ハイここは謎でーす」と明確で、分からないってこととは違うような…多分意味が分からなくなるのは後半になってからだと思うw
で、ひょっとしてだけど、視聴者それぞれの価値観は置いといて、この作品世界では「自殺も人殺しの一種として扱ってる」ってのが分からないと意味不明…かも?と思ったり。
それで本道町は自分のイドを作って「穴開き」の居場所の特定に繋がるヒントを渡した…って部分が意味不明なのかな?
違うのかな?
イドを作る・入るには殺人犯じゃないとダメで、酒井戸をダイブさせてそれが視認したものを外部が観測できる、但しダイブする度に酒井戸は記憶を失くすっぽい(ここ面倒くさそう)。
またイドはそれを形成してる人間(犯人)とリアルタイムでリンクしてる模様。
じゃあ酒井戸は殺人犯?っていうとどうやらそれっぽい、娘を殺されて犯人を殺した?
で、凶悪殺人犯のイドを覗くと共通してジョンウォーカーなるものが居て、同じように「かえるちゃん」も居るがかえるは娘じゃなくて娘と重ねてるだけじゃないかな。
殺意がそれほど特殊だと思ってない人間…例えば“ヴィンランドサガ”のバイキングみたいな奴はシビュラシステムに引っかかるのかどうかは不明。
合ってるかどうかは自分も分からんけど、これだけ分かって意味が分からないってことはあるまい。

その件とは別に、追い詰められた犯人が被害者のフリをして逃亡ってよくあるネタだけど、これだけネタとして扱われると「実際そんなことってあるの?」ってのはちょっと気になる。
とりあえずこれ見てふと思ったのが“ナカノヒトゲノム”もこれくらい冒頭で世界設定説明をしてくれたらまだ見れただろうになぁ、ってことだったり。

現段階では面白そうだけど冒頭でも書いた通り、後半本格的にワケ分からない展開になりそうな予感…哲学とか概念の話になって。
この予感外れて欲しいけど、果たしてどうかな~?{/netabare}

3話感想{netabare}
2話段階ではまだ確定じゃないし言うの控えてたけど、どうやら“羊たちの沈黙”の影響強そう。
前回は被害者になりすまして犯人逃亡がそう思わせたのたけど、今回は「監獄で隣になったヤツを言葉だけで自殺に追い込む」が正にソレ。
羊たち~では「レクターは何を囁いたら自殺にまでできるんだ?」と思ったもんだけど、こっちではそれを具体的にやってくれました。
ってことでパクりではなくオマージュって感じ、悪いということではない。
実際心の奥底、無意識の部分を他人に見られるって首根っこ捕まれるようなモンな気はする、そう考えると平然としてる本道町はかなり頭がイカれてる予感。
…ひょっとしてかえるちゃんはメンガタスズメポジション?
いやでもどうだろう、脚本の人はミステリ作家らしいのでレッドヘリングの可能性も捨てきれない?

それよりも、まさか1話完結=犯人逮捕まで行くとは思わなかった。
イドに入るたびにいちいち記憶失くす設定なので、状況確認するのが面倒そうで(「ここは何処だ?オレは誰だ?」ってのを毎回やられてもクドいよね)もっとダラダラ続く系と予想してたのだけど、結構テンポ良いのかも?
1話の中でよく詰め込んだなぁ、と。
ただ「狙撃手が移動してるんじゃない、塔が回転してるんだ」は“賭ケグルイ”でも見たトリックで目新しさはイマイチ。{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
初回2話連続放送で、その段階で「分からない」という意見へ「いやいやまだ分かるっしょ、本格的に分からなくなるのは多分後半」という態度だったのだけど…。
あはは、後半どころか中盤で意味分からなくなっちゃったw

引っかかりを覚えたのは本道町がイカれてるのは元からなのか穴が開いてからなのか分からん所から。
「正義のためなら自分の命なんて関係ねー」って性格なのか「人殺ししたくて警官になりました、凶悪犯居ないかなぁ(ウズウズ」って性格なのか、色々考えてたけどどうでもよくなっちゃった。
次いで5話か、自由落下してるイド。
無重力ってことだったらしいのだけど画面からはそうは感じない、というか見せ方が…意図的なら意地悪、意図的でないなら下手糞。
意図的でないってことはあり得ないと思うので、じゃあなんであんな分かりにくい見せ方したのか、その意図を考え出して…あはは、他のことが頭に入らないw
そして最後、本編で取り上げられてない、「そういうのがあったんだ」と言葉だけでしか説明してない連続殺人事件が他にもあって、それがいきなり本編に絡んで来るのは…どうなんだろう?
これが別媒体に原作が先にあって、アニメ化するに当たり入りきらない・詳しくはそっちを見てネってことなら分かるが、最初から1クールアニメとして作られたものなんだよね?(※)
それが悪いとまでは言わない、もし人気出て続編作ることになったら続きよりもそっちの話やってくれないかな?とさえ思ってる。
けどやっぱり…頭に入ってこないw
真犯人が無意識のウチに7という数字に拘ってたと言われても「ふ~ん」ってだけで「なる程!」には至らなかった。

もう一度最初から見直して、メモ取りながら視聴して理解しながら進めれば面白いのかな?って思わなくもないけど、そこまでの気力は残念ながら起きない。
だって…結局キキは救われないじゃん。
閉め方が良ければもう一回見ようかなとも思うけど、これじゃあちょっと…だったら“pet”をもう一回見るかなぁ、と。
というか単に人に説明するのが下手なだけなんじゃないの?という不信感が…言葉遊びも行き過ぎるとちょっとね。


逆に原作が別媒体で既にあって、それのアニメ化で、原作のほうの情報量が膨大でアニメの話数の中では到底説明し切れなくて、スタッフめっちゃ苦労してそうだと感じるアニメも沢山ありまして。
それに比べりゃ贅沢な立場なのにどうして…とさえ思えたり。

あとキキといったら樹木希林だるるるるぉ!?


追記
穴井戸が死んだのがどうしてか分からんって方が居たので個人的解釈。
イドの中で「名探偵扱いで自分が何者か分かってない状態」は死んでも本体は平気、自分が何者か分かっちゃうと(イドの中で)死ぬと本体は死ぬか昏睡。
記憶を無くして「名探偵扱い」は本体にダメージを与えないようにするガード機能みたいなもんかな?と解釈。
穴井戸は頭の穴のせいでガード機能が働かなかったってことだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

よくは分からないけど、面白い(笑)

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
アニオリのミステリーもの。

監督は『Fate/Zero』『アルドノア・ゼロ』で知られるあおきえい、シリーズ構成と脚本は『ディスコ探偵水曜日』『九十九十九』で知られるミステリ作家の舞城王太郎が務める。

独特なキャラデザ、非常に難解なストーリーと、特に序盤はうまくアニメの世界に入り込めないが、中盤以降はグッと引き込まれると思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、連続殺人犯しか名探偵になれないという設定がユニーク。プロのハッカーが、セキュリティを担当しているみたいな。

鳴瓢秋人も本堂町小春も、基本は善人なんだろうけど、殺人鬼の資質があり、状況が状況ではあったが、殺人を犯した。富久田保津は、基本は悪人なんだろうけど、最後は自らの命を捨ててまで、本堂町小春を助けた。

「善人も悪行を成し、悪人も善行を成す」

どんな聖人君子でも、人には言えない秘密を持っていたり、ちょっとした悪いことはしてきているはず。また、歴史に名を残すような殺人犯であっても、家族には優しかったり、友達には冗談を言って笑わせることもあったかもしれない。

ちょっと仏教的というか、芥川的な世界観だけど、多分それが、人間の本質で、「善と悪は紙一重だ」と言いたいのかもしれない。

なんとなく、鳴瓢秋人≧本堂町小春≧富久田保津 なのかな、善人順に並べると。

この中で特に異常だったのが、本堂町小春。無垢ゆえの怖さいうか、危うさがあって、なかなかに魅力的だった。あと、可愛いし(笑)

ラストも綺麗に決まっていたと思う。

自らの歪んだ正義を貫き、イドの中で生きるために自殺した局長を、イドの中のイドで捕まえ、半永久的に罪を償わせる。

あれだけの悪事を主導したジョン・ウォーカーには相応しい末路。色々モヤモヤするアニメだけど、あれでかなりスッキリしたと思う。

ただ、肝心の推理に関しては、あまりにヒントが少なくて、とてもじゃないけれど自力では解けなかった。だから、推理の面で「1本取られた」みたいなのはあまりなかったかな。

用語も難解で、この作品のネーミングには、色んな意味が込められているのだと思う。例えば、「ミズハノメ」や「ワクムスビ」は、それぞれ、「弥都波能売神(水の神様)」「和久産巣日神(食物の神様)」で、いずれも「イザナミ(伊邪那美命)」が死ぬ時に、その尿から生まれている。とすると、飛鳥井木記を「イザナミ」に見立てたと言える。おそらく、「連続殺人犯を生む、母なる存在」として、飛鳥井木記を捉えたたも、こんなネーミングにしたのだろう。そう考えた時、「カエルちゃん」は、「蛙ちゃん」ではなく、「還るちゃん」なのかもしれない。全ての連続殺人犯が、最後に「還る」場所。

他にも、「イド」がフロイトだったり、「酒井戸」「聖井戸御代」「穴井戸」「裏井戸」の本質を示すものだったりする。また、「ジョン・ウォーカー」といえば、ウィスキーを思い出すけど、「酒井戸」とアルコール繋がりがあり、二人には本質的な共通点があるこあとを示しているのかもしれない。

と、1から10までとにかく難解であり、正直、真剣に考えちゃうと頭から煙出そうなアニメである。ここで、「あまりにも難しい問題に出会うと、考えることを放棄してしまう(テストなんかそうだよねw)」という人間の不思議な機能が発動し、私は途中から細かいことを考えるのをやめた(笑) そしたら、なんか逆に面白くなった。翻弄されている感じがクセになるw

実際、このアニメは、「推理を楽しむ」のではなく、「推理をしている様を楽しむ」のが、正解だと思うし。

そういう意味で、「よくは分からないけど、面白い」というレビュータイトルをつけてみた(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ロケットパンチ(笑) なんか、意味分かるような分からないような。

2話目 ☆3
このイド、ようは動機(深層心理)を探ることで犯人を特定するわけか。ミズハノメ、構造が分からんて、オーパーツ的なものなのか?

3話目 ☆3
すげぇシリアスな設定があるのね。

4話目 ☆3
ん? 新名探偵? どんな話に?

5話目 ☆4
殺意と恋愛感情が乖離している。なるほど。

6話目 ☆4
なんだかちょっと、面白くなってきた。誰が真犯人か。連続殺人犯、、、。なるほど。

7話目 ☆4
よくは分からないけど、面白いな、なぜか(笑)

8話目 ☆4
よくは分からないけど、面白いな、なぜか2(笑)

9話目 ☆4
よくは分からないけど、面白いな、なぜか3(笑) 何が夢で、何が現実なのか。

10話目 ☆5
あれが夢だったら、という希望にすがり付きたい気持ち。辛い現実だよな。幸せの描写が痛い。泣けるな。現実を受け止めたってことかな。核心に迫ってきた。

11話目 ☆3
犯人は局長。推理に穴があるかないかわからないけどね(笑)

12話目 ☆3
動機はなるほど。連続殺人犯じゃなけりゃダメで、ジョンウォーカー(局長)は一人しか殺してないんじゃ? 間接的な殺人も含まれるのか?

花は1つ、が下ネタ? 数字が好きなことを考えれば、英語の概念と結び付くのかな? 英語で、「フラワー」と言うと、「小麦粉」を指すと聞く。日本語の「花」と同じように使いたいなら、「フラワーズ」と複数形で使う。「I like flower」でなく、「I like flowers」。つまり、「私は花が好きです」の場合の花は、ある特定の花を指すのではなく、総体としての花を指すのだから、複数形で言うべきという考え方だ。

富久田は数唱強迫があって、数を数えることに苦しんでいた。「1つ」であるものは、数える必要がない。よって、花は「flower」であって、「flowers」ではない、つまり、「多少の違いがあっても、同じ存在である」という境地に辿り着けば、穴を開けずとも数唱強迫から逃れられる。

そういう気持ちを込めて、「花は1つ」「大事な言葉だよねぇ」「一途だ」と言った。けど、本道町には伝わらず、「花=女性器の隠語」で捉えられたから、「下ネタやめて」になったのかな?

13話目 ☆4
ミズハノメの中では、ジョンウォーカーの夢を挫く。身体は死んでいる。すげぇ復讐だな。かなり綺麗に終わったラスト。最近のアニオリの中ではなかなか良かったかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25

70.2 2 NAZアニメランキング2位
はじめてのギャル(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (516)
2527人が棚に入れました
DT(童貞)を捨てたいと悩む非リア充高校生・羽柴ジュンイチが「ギャルに土下座で頼めば卒業できる」という迷信を聞き、クラスのギャル・八乙女ゆかなに土下座で告白したところ、まさかの大成功。しかし、身持ちの固い彼女に羽柴は、その先へ進めず弄ばれる毎日を過ごすハメに陥ってしまう。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、長久友紀、喜多村英梨、竹達彩奈、小倉唯、豊永利行、赤羽根健治、白石稔、荒浪和沙、原奈津子

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

もしも、ガードが固いギャルと付き合えたら!? はじめてだらけの「ギャル×非リア少年」の付き合っちゃったギャルラブコメ!

この作品の原作は未読です。
ですが、出演されるキャスト陣を見て視聴に踏み切りました。
主人公に浅沼晋太郎さん…「ダ・カーポ」シリーズの桜内義之や、「生徒会役員共」の津田タカトシを演じられた声優さんといえば、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。
そしてヒロイン…メインヒロインの八女ゆかなに、「それが声優」のイチゴちゃん役を演じた長久友紀さん、それに喜多村さん、あやち、小倉さんというメンバーで構成されているんです。
キャラデザも可愛らしく、私好み…
私にとって「見ずにはいられない」レベルの作品だったと思います。

物語は、非リア充グループの一員である主人公の羽柴ジュンイチが、同じグループ員からそそのかされて女の子に告白するところから始まります。
でも、その女の子…ただの女の子じゃないんです。
超可愛いルックスと抜群のスタイルを兼ね備えているという…いわば最強の盾と矛を装備したいまどきのギャルだったんです。
非リア充から見ると、そのギャルは所謂「高嶺の花」ともいえる存在…
自分と彼女を比べると、いかに自分が地味で小さい存在なのかと思い知らされる…そんなギャップすら感じる女の子に告白する…
それは、ある意味「神風特攻隊」に勝るとも劣らない所業だったと思います。

「神風特攻隊」は命の華を散らせました…
ジュンイチもそうなる覚悟を決めていました…
そもそも月の女神みたいな八女ゆかなに、スッポンの自分なんかが告白するなんておこがまし過ぎる…
万に一つの可能性が無く、縋る一握りの藁すらない状況…
時間の経過が普段の何倍以上に長く感じる静寂の時は、しっかりと破滅へのカウントダウンを刻んでいる…
頭に浮かんでくるのは負のイメージだけ…
の筈だったのですが、何とゆかなはジュンイチの告白を受け入れるのです…

ビックリしたのは、ジュンイチをそそのかした非リア充グループの仲間たち…
だって、彼らの筋書きには無残に敗北したジュンイチを慰めてあげる事…
まさか自分たちを残してジュンイチが「そっち側」に行ってしまうなんて思っていなかったから…
でも、一番ビックリしたのはジュンイチ本人だったことでしょう。
こうして、街中で誰もが振り返るようなゆかなと、平々凡々のジュンイチが付き合う事となり物語が動いていきます。

私はどちらかというと「ジュンイチ」サイドの人間なので、彼の気持ちは痛いほど分かりました。
自分と相手がどう考えても釣り合っているように思えないんです。
遊ばれているんじゃ…こんな考えが脳裏を横切ってもおかしくありません。
そのくらい、どうしようもなく相手が魅力的なんです…
だからその魅力に惹かれて…気持ちが転がっていくのもあっという間…
ジュンイチにそんな自覚はあったんじゃないかと思います。

だけど、その一歩がどうしても踏み出せないんです。
だって、その一線を超えてしまったら、捨てられた時に絶対に傷付くから…
でもそれ以上に怖いのが「そんな状況に陥ってしまうこと」だったのではないでしょうか。

でも、この作品を完走して思うのは、こんな非リア充ならではの発想や思考パターンそのものが自己中だってこと…
自分を卑下するのは構わない…だけど、その中に彼女の思いはどこにあるの…?
自分の告白を受け入れてくれた彼女の意志や考えはどこにあるの…?

だから思います…
人と接するには思いやりと優しが大切であるということ…
それは相手に…そして自分にも…

一方、物語の方は喜多村さん、あやち、小倉さん演じるヒロインたちと非リア充仲間も加わり、日常生活でありながら色んな思いや策略が交錯しまくるので、毎回の視聴が楽しみで仕方ありませんでした。

唯一がっかりしたのが、中盤から終盤にかけた辺りでの監督のインタビューの「全10話の中にどう収めるか…」というコメントです。
この作品が角川10話枠作品だったとは…これまで全くノーマークでした。

高校生の男の子と女の子の揺れる気持ちの物語…
彼と彼女が紡ぎだす「次の一歩」が気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、純情のアフィリアさんの「はじめてのSEASON」
エンディングテーマは、エラバレシさんの「GAL的LOVE(ギャルチックラブ)」
どちらもノリノリで、カラオケで歌ったら絶対気持ち良い曲だと思いました。

1クール全10話の物語でした。
確かに10話という枠の中にはちゃんと収まっていたと思います。
でも、もう少しジュンイチとゆかなを見ていたかった…と思うのは我儘じゃないと思います。
やっぱり終盤の展開は少し強引でしたから…
原作のストックが無くなっちゃったのかな…
それでも、エンドカードでのコメント「また会う日まで…」を信じて待ちたいと思います。
続編が出るなら絶対に視聴します。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

のか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

恋愛orギャグ。どっちつかずのアニメに思えました^^;

原作未読 全10話

あらすじ
冴えない主人公が見た目はギャルだけど純な女の子に告白するお話し


では感想を
タイトルにも書きましたが、恋愛とギャグがどっちつかずの印象です^^;
決して融合しているようには思えませんでした(苦笑)

初(うぶ)な恋愛模様を描いている割にギャグスパイスが濃すぎwww
純な気持ちを描いている割にせくし~シーン満載www

恋愛とギャグが混ざって出来の良い作品は沢山あるんだけど、この作品は分離してました
(個人的感想ですよwww)

ハーレムスパイスも混じってギャグ系としては…c(゜^ ゜ ;)ウーンと首を捻る感じです^^;

恋愛系の目で見ると個人的には嫌いな作品ではありません。
むしろ(良かった!)って思いました^^

私が女性で無駄なせくし~シーンをいらないと思ったからかもしれないです
男性目線では違った評価になるのかな?

まあ1話の出だしからパンツから始まったので期待はしていませんでしたがwww

作画は崩壊が結構ありましたね^^;
見分けが付かないほどではないですが、気になりましたwww
もう少し頑張りましょうのハンコを押したくなります。
作画で若干損しているアニメです

声優さん、頑張っていました!
喜多村さんのとある台詞は噴きましたねwww
あと、浅沼さん……私にはとある生徒会の副会長にしか聞こえませんでしたよ^^;

音楽はOP,EDともに可愛かったです
OP,EDの作画は個人的に好きでしたwww

キャラに関しては・・・
後で書きます^^


あくまで個人的意見(女性目線)ですけど・・・
頭を空っぽにしてみるアニメですね。
理性的にこのアニメを見ると(私、なんでこのアニメを見ているの?)ってなります。

キャラも良い味を出してはいますが、(浅っ!)って思っちゃいました。
そしてあれだけ巨乳推しされると(ウザッ!!)ともなりましたwww

男性なら面白おかしく視聴できるのかな?

恋愛に目を向けると女性でも楽しめるアニメだと思います。
えっちギャグコメが苦手な人にはお薦めはしません。

全10話なんで(超~暇な時)に(気軽な気持ち)で(頭を空っぽ)にして視聴すると良いと思いますよ。

私は時間の無駄とは思いませんでしたよwww
まあ、決して面白かったとは言いませんけどね
(〃^∇^)o_彡☆あははははっ



では最後に一言
絶望した~!巨乳アニメに絶望した~!
女性キャラのほとんどが巨乳過ぎて身体のバランスがおかしく見えるんですよ~!
あれはあおり過ぎです~!
世の男性が誤解したら誰が責任取るんですか~!
腕を組んで胸が当たるなんて、男性の妄想ですからね~!!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

一般的に見ると「否定派」やや多め・・・

いわゆる「女難のおマヌケ君」の「みっともないスットコドッコイぶりとヘッポコ奮闘ぶり」を見て楽しむ(あざ笑う)ラブコメアニメ。
人の無様を見るのはヤハリ辛いです・・・
{netabare}
仲間4人グループでは最底辺の立ち位置にいる主人公・羽柴ジュンイチ。
リーダー格の坂本からはいつも良からぬ情報を吹聴され、振り回され、イジられて遊ばれている「理不尽さ」に疑問を持たない無自覚さや、1人エロ妄想と1人考えを巡らせてテンション上げまくる様に気持ち悪くて引いていく方々も多かったのでは?
でも一応主人公なので「純情」「一途な気持ち」と「優しさ」だけは 持ち合わせているようで・・・

キャラ設定はそれ程悪くはなかったと思いますが全然生かしきれなかったように思えて残念・・・
・本命ヒロイン「八女ゆかな」は世間的にはあま好印象とは思えない「ギャル」だけど身持ちの固い「純情派」。「おしえて! ギャル子ちゃん」と同じくギャップキャラ。ジュンイチ妄想では色っぽく迫ってましたが、本人の心情をもう少し描いて欲しかったですね。
・ゆかなのギャル友「本城蘭子」。ゆかなに対しては親友というよりヤヤ百合属性。
なのでジュンイチに対しては常に敵視。しかし腕っぷしは強く、軟派なチャラ男はひと捻りというのが痛快でした。
・清楚華憐で才色兼備。腹の内では周りを見下す「香椎結衣」。プライベートではギャルメイクで自撮り動画配信してましたが、その経緯と動機が解らないままだったような・・・ややツンデレでしたかね。
・主人公を慕う「藤ノ木寧音」は「幼馴染・妹キャラ・可愛いルックス・爆乳・ヤキモチやき」と盛り込みすぎ。にわか「ギャル化」になるものの情報が古かったせいで「浮いてる」感じがイジらしく思えました。しっかし年々流行(はやり)言葉が出るもんですな。

[ジュンイチをイジる悪友たち]
・リーダー格の坂本慎平。オタク気質を備えながらも弁達者。旅行費を稼ぐ為にバイトした「とらのあな」でいち早くユーザーのニーズに応えるための販売スキルには笑わせられました。(『うる星やつら』でいうところの「メガネ」か?)
・石田景吾。ただ金髪なだけの普通な奴。
・「真性ロリコン」の小早川稔。危ない・・・コイツは本当に危ない!
{/netabare}
とにかく何とか見れるけど回を追うごとにドンドン下がりまくる「作画レベル」と「キレの悪い演出と進行」が気になるところでした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

61.7 3 NAZアニメランキング3位
俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★☆☆ 2.7 (409)
1434人が棚に入れました
「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」は主人公の永見祐が、美少女で成績優秀、生徒会長も務める妹の永見涼花が”兄を溺愛する妹の小説”を書いてラノベ大賞を受賞したことから、ラノベを知らない妹の代わりに作家デビューすることになるラブコメディ。

声優・キャラクター
畠中祐、近藤玲奈、小倉唯、赤﨑千夏、荒浪和沙
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

アア、オワッタ…

1話感想{netabare}
やっべぇ、冒頭のシスプリシーンを本編と思ってそこで切っちゃった人続出みたい。
なにもそんなとこまで“妹さえ~”を真似しなくてもいいのに。
といいつつ本編の作画も大概で、何故か知らんが自分は“おまもりひまり”っぽいと思ってしまった…ホント何故?
内容は例によって石原の青少年条例(近親相姦ダメゼッタイ)に喧嘩売る系…いつまでやるんだ?そんなに「妹ぱらだいす2」のこと恨んでるのか?
さもなくば担当によっぽどソレ系が好きな人が居座ってるでもなければこんな続かない気がするんだが。
それほど需要ないと思うんだがなぁ。{/netabare}

2話感想{netabare}
うわー、うわあああ、作画が…作画ががが。
監督とキャラデザと総作監が同じ人で…オリジナル作品やショートアニメならまだしも、原作付き30分枠でこういうのって珍しくね?
と、2話のOPで妙に「古川博之」って名前が目立ってちょっと変わった系を期待してしまったのだけど…あちゃあ、こりゃ「他に人員確保できなかったから」ってことか?
可哀想すぎだろー、いや裏事情知らんけどさ。
なんつーか、こういう事態になると酷評しづらいのよね…“メルヘンメドヘン”もあんま強く言えんかったし。
作品に対して酷評はしてもアニメーターいじめはしたくないねん。
ってことで絵に関しては見なかったことにして2話感想。

妹の書いたラノベが冒頭で注目作品として紹介されてたけど、もうこの段階で「売れてる」ってことだったのか。
んん?
出来栄え見てーの・発行部数決めーの・発売してーの・そこで初めて客の目に触れて売れてる売れてない(評判の良し悪し)の段階になるんちゃうの?
なんか途中めっちゃスっ飛ばした予感、発売前のドキドキがスッポ抜けてるというか。
ってか初版でバカ売れってのは無いでしょ、紙媒体だし…賞の規模がどんなもんだか知らんが新人でしょ?
なんでそんなこと気にするかといえば、印税どうなってんの?
主人公は相変わらずバイトやってるし…“妹さえ~”では大して売れてないって設定なのに悠々自適な生活しててドリームだなぁって思ったもんだけど、こっちはこっちで夢が無いというか。
今後ドカンと大金が入ってきて大ワラワって話でもあるんだろうか。

でもってクラスメイトに売れっ子作家が居て大ファン、と。
んでそれが家に押しかけてきて云々。
とってもテンプレだけどやり取りはテンポあってコントとしては面白かったぞ、絵を見なければ。
主人公の「それストーカーじゃあ」や「もう帰れよ、送ってくから」、編集との電話では「あんたプロの編集失格だよ」等、ツッコミが的確というか…意外にも常識人。
この作品、主人公はマトモで周囲が変人ばかりでトホホとなるタイプか?「もーイヤッ、こんな生活!」ってタイプ?
それだったら個人的には見やすい、絵は見ないけど。

でもって妹とデートしてパソゲ屋行ってダブルピース先生と遭遇、と。
絵に関して突っ込みするのは可哀想で止めときたいのだけど、ここだけは言わせて。
妹が店の中の商品見て恥ずかしがるってシーンだけど、肝心の陳列されてる商品が全然エロくなくて意味不明になっとる…多分画面見ないで音声だけの方が内容理解しやすいぞコレ。
そして妹がウブすぎるっつーか変人だな、地方コミケクラスで卒倒しそう。

もうね、あんまりにも監督が不憫で…メドヘンではカントクが不憫で(←うまいこと言った)、判官贔屓が発動してるのかも知れないけど絵にさえ目を瞑れば主人公のツッコミが冴えてて存外面白かった。
判官贔屓といっても限界あるけどね、「ならラジオドラマでいーじゃん」って言われたら全くその通りですし。
また、これは2話だけって可能性も高いんだよなぁ…メドヘンもロシアチームメイン回だけ面白かったって現象あったし。
シリ構も死んでてその回担当の脚本が得意なことをやったんだろうと推測してるけど(根拠としては前後の回とで辻褄が合ってない)、「主人公は常識人で周囲の変人にツッコミ入れまくる」って作風が2話だけなのかこの作品全体なのか判断できない。
もうちょい様子見ですかね…最後まで放送してくれるよね?{/netabare}

3話感想{netabare}
2巻を執筆するに当たり、書きたくない物でも書かにゃアカンとか締め切りに追われて大変だとか、妹ツライツライで兄が応援するって構造は分かるが…分かる、が

アニメーターのほうが辛そう

って思って全然感情移入できないぞ。
ってか何故横向き多用?
本当はアップでパンさせる予定だったけど撮影に手間かける余裕が無かった?発注先から上がってきたのが解像度低かった?
描きこみ的には引いた方が面倒な気がするが…。

でもって絵の方は見なかったことにして内容について。
ラノベって読まんので標準的なパターンって知らんのだけど、作中の描写の限りでは1巻でひとまず完結する内容だったのかな?
2巻はその人気を受けての続編って感じ?
ラノベは知らんがアニメなんかでも2期になるとなーぜーか新キャラ投入ってのが決まりみたいみたいになってて、それでコケたのを結構見た記憶は、ある。
コケないにしても新キャラが全然活躍しなくて入れた意味が無いじゃんって思ったり、こんなんだったら新キャラに尺使わずに初期キャラの掘り下げをもっとやってくれよとイラついたりすることは、ままある。
作者はそこら辺の不満をブチ込んだ?
まぁ「書きたいものを書けばいいんだ」って主張にはドリーム臭を感じるが…これ作ってるアニメーターはそんなこと言ってる暇も無かろう。
この問題に対しては“こみっくがーるず”の爆乳姫子先生が直面してた気がするけど、どっちかっつーと「自分の作品のどこがウケたのか」が見えてないってことなんだろう、と好意的解釈。

いくらなんでもパンチラを知らないってのはどうなん?とか1巻の印税どうした?とか気になる部分は多少あるにせよ、基本的に話のテンポはスムーズ。
2話感想で書いた「主人公自体は至ってマトモだけど周囲が変人だらけでトホホとなる構図」は健在でした。
あ、思い出した、↑では「マカロニほうれん荘」を例に挙げたけど、最近のでは“しょびっち”が同じ構図じゃないかな。
この路線で突き進む限りは面白いと思うのだが…絵を見なければ。
主人公も段々と慣れてきて周囲の変人行動も軽めのものはサラっと受け流すようになってくると更に面白いのだが、果たしてこの先どうなるかのう。
あんまシリアス路線には行かないほうが良いと思う、説教orドリーム臭くなるので。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
何度も繰り返しになっちゃうけど「主人公自体は至ってマトモだけど周囲が変人だらけでトホホとなる構図」は健在。
ここまでそれが続いてるってことはこの作品の方向性と判断して大丈夫かな?
いやホント、このパターンが最後まで続いてくれたら良いなぁ。
けど、だ、引っかかる部分が無いというワケではない。

6話、Wピースよ、18歳未満には見せるな、最後尾の看板乳首隠せ、渋谷のハロウィンパーティーじゃねーんだぞ。
アホ臭い話だけど外ヅラ良くしたがる日本としては外国人が大量に来るオリンピック控えて今そこら辺スゲーナイーブなのよ(オリンピック終わったら緩和されるとは言ってない)。
ってか作者は沙織事件(説明面倒、ググって)知らなかったりして?
“俺妹”の作者は分かっててワザとやってたフシがあるが、こっちはそれを表面的に真似ただけで真相を理解してるかどうか謎。
20歳未満の飲酒喫煙シーンがあんなにうるさいのにこっちはそんなに騒がれないっての、なーんか怖いのよねぇ…。

でもって同じく6話、Wピースの旧友がトワノチカイを貶して「こうなったら麻雀で…もとい同人で勝負だ」って流れ。
妹よ、「よく読んでもないのに」とか「面と向かって言うことじゃない」ってことで怒るなら分かるが、作品を否定されたから怒るって…それが当然とされてるなら困る。
合わん人には合わんだろうなって精神は持ち合わせといて欲しいトコロ。
かくいう自分は…前期やったアニメ“ハッピーシュガーライフ”はかなり好きなんだけど、その一方でこれに否定や不満の声が上がってなかったらそれはそれで怖い、社会を憂うぞ?
なにより怖いのは「ナニが悪いのか誰一人言わずただ売れない」、そんな状況がお望みか?
って考えたら、妹はあくまで一発当てた新人ポジだし別にそれで食ってこうって思ってもなさそうだし「負けたら断筆」ってのも大した代償ではないのかも知れない。
取材と称せば兄とイチャイチャできる体のいい道具程度って認識だったりして?
ってことで兄は兄で「これを機会にゴーストライターから足を洗える」と現状維持とで逡巡するのかな?と思ったら、迷いなく現状維持を目指して「?」。
更にはこの回の脚本が久慈マサムネで「??」、あンたナニやっとんww

追記
あっと、自分の文章見返してみたら言葉足りてなかったんで追記。
18歳未満に見せるな云々は「そういう描写はするな」ってことではなく「リアルなコミケ描写ではない」ってことね。
特にそれを実行してるWピースが無頓着なのがどうにも変で…お前の好きなジャンルが消えるかもしれん行いだって自覚が無さすぎる。
成人向けの有無によってスペースに三角折りした札置かなきゃいけなかったり、入場の際年齢確認する同人イベントが増えてきてるって知らんのか、と。
下書きではこの後ゴチャゴチャと年寄りの愚痴めいたことが長々続いたけど割愛。
まぁその、もちっと取材してくれよと、グレーゾーンをさ迷ってるアニメーターの方が詳しいんじゃないかな。{/netabare}

7話感想{netabare}
一週開いたけど7話は前回の続き、売れ線狙って書きたくないものを書くか、売れ線(一般ウケ)無視して書きたいものを書くか、をテーマにした内容。
でもってエロばっか描いてるWピース先生をもっとメジャーな舞台で描かせたいとちょっかいを出す神坂姉妹に対してどうこうって話。
…。
現実カドカワはエロ同人から作家引き抜いて全年齢作品描かせて潰した例っていくつもあって…うろたんがいい例か?
といいつつ実際潰したかどうかは不明で、「絵の才能」と「その道でやってく才能」ってのは違うんだろうなぁってことも思ってて。
でもって「やりたいことをやってそれがウケる」ってのは理想だけど、活字ならまだしもアニメでやられるとなんともウソ臭い。
だってねぇ、「そうもいかない・つまらないと分かってても作らなきゃいけない」という状態で作ったとしか思えないアニメが多いんだもの。

ところで昔見た何かのインタビューだったかなぁ、マンガ家の島本和彦は“炎の転校生”を描く傍ら“風の戦士ダン”っていう原作者が別にいるマンガの作画をやってまして。
で、描いてた当事ダンはツマンネーって思ってたらしい、連載終わってずっと経って見直したら「あれ面白いじゃん」と考えを改めたって後日談込みでね。
他には“男たちのメロディ”ネタをあにこれで書くことがあって最近調べてみたら、ボーカルの人は当時この曲が嫌いだったらしい。
そうそう、アニメで言えば以前もどこかで書いた気がするけど安彦良和は食ってくためにアニメーターになっただけで、関わる作品自体が面白いかどうかは気にしなかったとかなんとか(そういったことに拘りが無かったからこそ今まで続けられたってのは色んなインタビューでよく言ってる)。
湖川友謙も請けた仕事を淡々とこなすだけで中身は気にしないんだとか。
ラノベでも、硬派な作品書いてたけどウケがイマイチで美少女バンバン出る軽めの作品書いたら売れた例があるとかないとか…自分ラノベ方面は詳しくないので聞きかじり程度しか知らんけど、まぁあるだろうねぇ。

果たしてこういった「大して好きでもないけど作ったら売れちゃった」ってのがどれだけあるのか…よくあることなのか例外と言っていい程少数なのかワカランけど、個人的には“妹妹”の主張内容にはちょっと疑問。
ここら辺は↑でも書いた“こみっくがーるず”の爆乳姫子先生絡みのエピソ-ドのほうが真摯に向き合ってる気がする、どっちかに極振りするんじゃなくどう折り合いを付けるかになるんじゃないかなぁ。
いやぁでも若いうちはそれで良いのかな?
けど極論「好きなものしか書かない」は長続きしないと思うんだがのう…すぐエタりそう(エタる→永遠になる、出すもの出してスッキリするのか、引き出しが枯渇するのか未完のまま失踪すること)、作家大量消費時代には向いてるのか?


ここまで書いて自分の文章がなんか考えフラフラしてるような書き方になっちゃってるのは、その考えも良くわかるからでして…。
かくいう自分も「細かいことはどうでもいい、オレはこれが書きたいんじゃあ」っていう一点突破型は嫌いじゃない。
最近?だと“sin七つの大罪”の8話とかね。
あとなろう系は大抵それに当たるのかな、ただそっちはその突出した部分が大したことない作品が多くて、まぁ、うん。

ってかね、なによりもね、こんなゴチャゴチャしたことを考えてしまう理由はね、このアニメの監督が作画監督も兼ねてるせいでして。
アニメは違う・絵を描くのと話を書くのとでは事情が違う、と割り切りづらい。
どうしても話の内容に対し監督の心中はどうなん?ってのを気にしてしまってのう…。
それと上で挙げた例とは真逆の例で、宮尾岳はアニメーター時代「オレ今つまらない作品の絵を描いてる」ってのが非常に苦痛だったらしい、マンガ家への転身はそれが原因だろうってのはオタ友の考察。
まぁそういう人も居るよねぇ…監督はどっちなんだろう?
ってか80年代OVAがそんなノリ(アニメーターが好きなものを好きなように作れば良い)だったワケで、“天地無用! 魎皇鬼”より前のソレがどんなだったか考えれば…ねぇ?
作中の「その印刷代どこから出たん?」っていう今のアニメ業界では一番コワイ部分スルーしてる辺り、所詮ドリームってことで処理しちゃってるのかなぁ。

あ、それと6話に続き7話も脚本は久慈マサムネでした、“魔装学園H×H”の人ね。
あンた何やっとん…ってかこの人も「好きなものだけを書いてきた」ってタイプっぽい、が、この作品の脚本やる時はどんな心境だったんだろう。
今回の話を上で挙げた「大して好きでもないけど作ったら売れちゃった」タイプの人が脚本書いてたらどうなってたんだろう…大差ない?そこまで原作いじらない?
でもって7話の同人イベントはコミケでいいのか?
一応学園祭を挟んだとはいえ前回のイベント(夏コミ)から一気に4ヶ月飛んじゃったワケで…しかもこのテの話では鉄板なクリスマスも過ぎちゃった。
架空のイベントでクリスマスより前に開催されるってならそれでいいけど。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
ひえええええ。
作画云々にしろその内容にしろ「この作品に関わってるアニメーターはどんな気分で作ってる?」ってのが気になって仕方ない作りの中、作中アニメ監督登場で更に「うひゃあ」状態。
こんな態度取れる監督ってどれだけ居るんだ?
強気に出て・鼻息荒げてアニオリ展開にして、それなのにこの作品のように作画崩壊したら目も当てられないワケで…。
とはいえ、作中監督はプロデューサーが大学の先輩らしく、後ろ盾(予算やスタッフ確保)が確約されてるってことかな?ってことで違和感を抑える設定にはなってる、ここら辺は評価していいんじゃない?

ってことを8話段階では思ってたのだけど、9話でまた「うひゃあ」と思うことに。
8話で持ち直してた作画が9話でまたアレになってしまい、内容とはリンクさせずに見ようとする意思を削ぐ削ぐ。
トワノチカイとしては「アニオリ改変はヤダ」ってことだけど、現実のこの作品はそれ以前の「全話放送できるのか?」が危ぶまれる出来なワケで…。
現実は小説より奇なり宜しく、現実は小説より深刻なワケで、「作中のトワノチカイの願望なんて大したことないじゃん」「なに贅沢な悩みでワチャワチャしとんねん」とついつい思ってしまう。
そう思わせるのが狙いでこの作画ってことなら大したモンだと思うけど、そりゃありえないでしょ~、大冒険すぎるって。
ってかね、この作品ね、内容こうなのにね…アニオリ展開バンバン入ってるらしい。
原作では声優の登場がもっと後だったり、9話の遊園地にしても参加者はもっと少なかったらしい。
キャラ推ししようと登場を前倒しや、居ない場面でも居ることにして画面に出そうと企んだ…のかな?
…。
当然そんなことすればキャラを描く量も増えて手間がかかるワケで…あれれ?トワノチカイの主張が正しいということになっちゃってないか?
果たして原作通りにやりさえすれば作画が崩れることは無かったのかどうか疑問だけど。{/netabare}

最終回の感想{netabare}
アア、オワッタ…
最後まで放送できるかどうかヒヤヒヤな作品だったけどどうにか完走しましたね、スタッフお疲れ様です。
10話で終了ってのはカドカワ系ではよくあることでなにも特別って訳ではなかろう。
内容は…トワノチカイの作品は兎に角滅茶苦茶超スーパーウルトラ神オブ神ゴッドで、もはやその内容にケチをつける人は居ないってのが前提みたい。
その霊験たるや読んだ人が男なら妹好きになり、女なら作者に惚れる呪いレベル。
だったら豪邸買って左団扇な生活でも送れば良いのに相変わらず本屋のバイトしてて夢が無いのうと思わなくもないけど、その前段階(世間に認知される前)ってことなのかな。
“サルまん”のとんち番長みたいな展開になったら面白そうだけどそうはならんかー。
最後妹がクルクル回ってたの、天にも昇る気持ちで舞い上がってたのは分かるけど、演出がどうにも過剰で「うわぁ“ハピシュガ”のしおちゃんみたいになっちゃった!?」と思わんこともない。{/netabare}

総評{netabare}
ひと言で「ハーレムもの」ってジャンルはあれど、その中身はいくつかに分かれると思う。
女性に言い寄られて主人公(≒視聴者)が「デヘヘ」なり気付いてないだけでその実「まんざらでもない」態度とってる系と、「こんな人に迫られてもちょっと…」と若干引く系。
この作品は後者寄りで、例えどんなに美人でも性格的にノ-サンキュー、言い寄る女性は恋愛の対象よりも迷惑の対象って比重のがデカい。
個人的に前者は苦手で後者は好きなパターンでして…ここら辺の違いを無視してすわハーレムものはアカンと断ずるのは勿体無い気がする、踏まえた上でアカンってのならいいけど。
ってことで、この作品に出てくるキャラは総じてどこか頭がおかしく、↑で何度も書いてるけど「主人公自体は至ってマトモだけど周囲が変人だらけでトホホとなる構図」になってます。
この構図自体は昔からギャグマンガではよくある黄金パターンで、悪くないんじゃないかな?

と、誉めるのはここまで。
所謂ラノベ作家が主人公のドリーム作品な訳だけど、そのドリーム臭がどうしても目立つ。
作画がアレで「創作物の中身よりも現実の方がずっと深刻じゃん」ってことを嫌でも思ってしまって、現実に引き戻されるというか作品に没頭できない。
更には作中でアニメ監督やプロデューサーまで出て来て、これじゃあメタ的なことを考えない方のが難しい。
判官贔屓な気持ちもあるけど、今後似たような出来の作品が生まれないように(可能性高いよねぇ)見せしめとして叩かれたりイジられたりするのはやむなしとも思う。
そして主張としては「妹萌え最高」ってことなんだけど、これも個人的にはカドカワの私怨(妹ぱらだいす2 不健全図書でググって)から当てつけでしつこくプッシュしてるだけだと思ってて──だってそこまで需要のあるジャンルに思えんのよね──その考えを改める程の説得力はありませんでした。
そりゃ私だって妹キャラで好きなのも居るけど、そういう目線(萌だか恋愛だか)で見るときの立場は兄の視点ではない。

ゴーストライターの件は共同名義の延長みたいなものだろうって感じで自分はあんまり気にならなかった。
作者偽ってその結果おいしい目に合ってるでもないし…妹の代わりに賞賛を浴びることよりも、矢面に立ってる側面が強いお陰だと思う。
実際それで言い寄られても迷惑がってるワケで。
ただ、「お前が心酔してるその作品書いたのオレじゃないんだ」ってのがバレた時は刺されても仕方ない(言い寄ってくるのは変人ばかりだし)くらいの覚悟は見せて欲しかったかも?
バレた時のリスクがあんまり大きく感じず(校則違反ってだけだよね?因みに副業が原則禁止されてる公務員ですら文筆業は認可されやすい)、最終回では発端だった学校を卒業してしまったし、必死に作者を偽る割にはそこまで頑張る必要性を感じなかった。
一度吐いた嘘が雪だるま式に膨れ上がって引き返せなくなったって感じもしないし。

まとめると、作画がこんなんだから色々考えたり書いたりしてしまったけど、もしこれが作画普通だとしたら…“しょびっち”と似た評価かな(しょびっちの作画も大概だけど)。
ってかそれ系として見るのが一番健全な気がする。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

不器用な兄妹がラノベで繋がるラブコメディ

この作品の原作は未読です。
兄妹のどちらが主人公かは置いておいて、兄妹を題材にした作品はこれまで数多く輩出されてきました。
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」
「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」
「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」
「おねがい☆ツインズ」
「あかね色に染まる坂」
「妹さえいればいい。」
「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」
探せばきっとまだまだあると思います。
この様に最強ともいえる兄妹シリーズの牙城の一画を担える作品たるや…というのが、視聴前に気になった点でした。

完走して思ったこと…
牙城の一画はともかく、今期の話題になった作品である事は間違いないと思います。

この物語の主人公は、ラノベ作家を目指す高校1年生の永見 祐…
取り柄も特殊なスキルも持ちえない彼の作品は毎回予選落ちという、どちらかというと残念系の男の子なのですが、彼はある意味最強のカード保持者でだったんです。
最強のカードとは、容姿端麗、頭脳明晰、品行方正と非の打ちどころの無い完璧な妹の存在…
そんな完璧な妹が気まぐれでラノベ新人賞に作品を送ったところ、大賞を受賞し作家としてデビューすることになってしまうんです。
ですが、妹は家族の許しが貰えないだろうと考え、妹の代わりに兄が作家デビューすることになり…物語が動いていきます。

まず、作家デビューとなった作品のタイトルですが、「お兄ちゃんが好きすぎて困ってしまう妹の物語です。」
何故妹がこんなタイトルの作品を書いたのか…それはこのレビューでは敢えて触れないことにしておきます。
物語の核心の一つでもありますし、書くときっと主人公に腹正しさを感じるだろうから…

偽作家としてデビューした祐ですが、妹の書いた大賞作品は重版を繰り返す程、超人気作品になるんです。
こうなると周りが祐の事を放っておかなくなるのが世の常…
完璧な妹だけでも羨ましいのに、次から次へと美少女に囲まれる展開となるのに、そう時間は掛かりませんでした。

このお決まりお約束の展開に一番戸惑っているのは祐本人であるのは分かっています。
これが本当に自分で書いた作品だったら私も納得します。
でも所謂「虎の威を借りる狐」状態なんですもん。
状況を素直に喜べない側面はゼロじゃないと思います。

そしてそれを含めて設定が特別突出しているとは思いません。
それなら、何故今期の話題作になったのか…
巷でも話題になっていますが、やはり「蕩ける作画」が一番の原因だったのではないでしょうか。

他の作品でも作画の乱れを感じるときはあります。
でも大抵は気にならないレベルなので、気にしないことにしています。
ここばかり突いても本質であるアニメを楽しむことができませんから…

でも流石にこの作品の作画は気になりました。
こういう作品って「キャラデザ命」の側面があると思うんです。
そこにメスを入れるとは…

あくまで個人的見解ですが、これって新たな円盤の販促方法なのではないでしょうか。
少し前に放送された作品もテレビ版では度々作画崩壊が指摘されていましたが、円盤では見違えるようなクオリティに変貌していましたから…
それに、普通に放送していた場合より話題になったと思いますし…
このジャンルの作品でキャラデザのクオリティが飛躍的に向上したら…やっぱり見たくなりますもん。

でも最初から意図的に…とまでは思いません。
誰だって王道で勝負したいと思いますし、同じ話題になるなら良い話題でと作り手の皆さんは頑張っているのですから…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、ピュアリーモンスターさんの「Secret Story」
エンディングテーマは、純情のアフィリアさんの「起・承・転・結・序・破・急」
ピュアリーモンスターさんの楽曲は、「セントールの悩み」のオープニングテーマだった「教えてダーウィン」以来です。
私は「教えてダーウィン」が大好きだったので、今回の楽曲を楽しみにしていました。
もちろん、AMAZON MUSICの配信もチェック済です。

1クール角川10話枠作品でした。
色々な意味で目立った作品だったと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

kororin さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

サルでもわかる“作画崩壊”アニメ。(笑) 打ち切り確定間違いなし!(に、なるのではなかろうか?)

2018.10.19

「ラノベ作家(兄)・妹・ラブコメ(エロコメ)」として成功した、「エロマンガ先生」「妹さえいればいい。」に続いての二番煎じ。(と、思われてもしょうがないよね)

万年一次選考“落選”のラノベ作家志望の高校生「永見祐」。妹の中学生「涼花」はシッカリ者。祐に対しては何かと口やかましくいう世話焼きお母さん気質でツンデレ&ブラコン。
涼花が何気に出したラノベが大賞受賞、デビュー決定という事態に。しかし涼花の学校はアルバイト禁止。祐に相談した結果、
・作家名“永遠野誓(とわのちかい)”を祐が演じ、
・原稿を涼花が執筆
という“ゴーストライター”でやりすごす事態に・・・


第1話では野暮ったいストーリーにも「最初はまあ仕方ないか」と思いつつ「ソノ」兆候はありました。しかし、第2話からあまりの変わりように話題騒然! ギクシャクした動きに下手な作画、ヘッポコ演出に寒い小芝居、変化の薄い表情、スマホがガラケーに一瞬で変わるマジック等、と見事に“作画崩壊”がキマってます。声優さんも全編プレスコだったのか、演技のつけ方が難しかった(?)ように思えます。
2話のエンドクレジットを見ると、
・原画 武遊
・第二原画 武遊
・動画検査 武遊
・動画 武遊
・仕上げ 武遊
と“武遊”が悪目立ち。噂では内部崩壊(描ける人材が全然居ない)している制作会社のようですね。 人材不足はこの業界もかなり深刻な事態のようです。

さて、そんな先の見込みが無いような駄作確定アニメですが、「キワモノ」見たさで暫く見てみようと思います。(笑)


2018.11.22
何とな~~~~く予感はしてましたが、7話の納品が間に合わず(?)「6話の再放送」に踏みきりました。いよいよ『メルメド症候群』が確定してきてるようです。(笑)


2018.12.20【完走で感想(笑)】
いや~~~っ楽しかった!(悪い意味で)
今時このレベルで、恥し気も無く放映を踏みきる厚顔無恥に感心、感心!(悪い意味で)
2話から雪崩のように始まる『アレ(作画崩壊)』に全然歯止めが利かず、大陸の方(洛〇動画有〇公司)にネット発注しても「感性の悪い仕事」しか返ってこないありさま。(だったのでしょう) シナリオ・演出も変態性を熱く語るものの、『普通』を熱弁しているだけで面白味が無く、視聴している我々に響くものは殆どありませんし、さらに追い打ちをかけるように声優・畠中くんの演技が今回モノスゴク浮きまくってます。
そんな炎上叩かれまくりの「いもいも」のアニメ。スタッフ給料未払い事件の噂も挙げられて悪印象も拡散。(ドコが悪かったのだろう?Pかな?制作スタジオかな?)

2018年の最期に酷いモノを見てしまいましたが、これもある種の教訓。
年初めの「メルメド」にその兆候はあったのかもしれませんが、
・大量に溢れ過ぎるアニメ作品なのに次々と新作を作ろうする姿勢の現状
   ↓
・手間のかかる仕事なのに『簡単』に企画を持ち出すP
   ↓
・手間のかかる仕事なのに「綿密な打ち合わせ」もせず見切り発車
   ↓
・手間のかかる仕事なのに手配がつかなかったり人材が不足(薄給なので誰もやりたがらない&他作品に関わって手が回らない)
   ↓
・手間のかかる仕事なのにスケジュールは無常に(何も進まないまま)過ぎていく
   ↓
・目途がたった下請はアニメを作った事のない「ド素人」
   ↓
・少数精鋭ならぬ『少数凡才』で来る日も来る日も修正しまくる「地獄のような日々」
   ↓
なんとか、なんとか上がったものの、その『出来栄え』は・・・・・・・・・・・・「何じゃ、コリャァァ!!!」
なんて事があったかもしれません。

宣伝素材『だけ』は良質カットや画を使うという、まるで初期のネット通販詐欺(写真と送られた実物が呆れるほど違う)みたいなアニメでした。(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

68.5 4 NAZアニメランキング4位
アンゴルモア元寇合戦記(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (241)
793人が棚に入れました
13世紀。モンゴル帝国はその版図を東西へ一挙に拡大。
後世ノストラダムスの予言書を研究する歴史家たちはこう唱えた。
「モンゴル―それは”世界を滅ぼす大王(アンゴルモア)”の出づる地である」と―
そして、モンゴル帝国の勢力が日本へと向けられる。

1274年、文永の役。

中世日本を揺るがす大事件「元寇」を斬新な視点で描く本作は、
率土の地・対馬で、圧倒的な勢力に対し、
逃げ惑い、抗い、奮起し、立ち向かった人々の姿を描く。

全てを失い罪人となった朽井迅三郎を筆頭に、
それぞれの「一所懸命」を貫く彼らの葛藤と覚悟の戦いが幕を開ける!

声優・キャラクター
小野友樹、Lynn、小山力也、乃村健次、斎藤志郎、堀江瞬、竹内良太、小林裕介、浜田賢二、柴田秀勝、鈴木達央、立花慎之介、小野賢章、ボルケーノ太田、小松未可子、米山明日美、原奈津子、子安武人、利根健太朗、松山鷹志
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

蒙古襲来!博多“神風”の前に対馬あり!!

原作コミックは10巻まで購読中。

以下、放送前の勇み足長文。長いので折りたたみw

{netabare}
元寇もまた、政治や宗教に幾度となく利用されてきたこともあってか、
様々なイメージが一人歩きしている感がある歴史事象だと思います。

私が初めて受容した元寇のイメージも……。

当時の鎌倉武士は一騎打ち中心の個人戦で、
組織的な蒙古軍の集団戦や火薬兵器を前に為す術がなかった。
例えば武士が長々と名乗りを上げている間に、
毒矢の集中射撃を浴びるなど話にならずw
台風による暴風雨が無ければ、日本は蒙古の大軍にことごとく併呑されていただろう。

というもの。

近年では、博多に防塁を築いて団結して蒙古に対峙した武士たちの奮闘や、
日本人の夜襲を恐れた蒙古軍の海上停泊もあったからこその“神風”
などの研究成果も流布されて来てはいますが、
翻弄されるばかりの鎌倉武士のイメージはまだまだ根強い印象があります。


蒙古軍、博多上陸前の“対馬の元寇”を題材にした本作。

原作はこの時代、辺境の流刑地でもあった対馬において、
歴史に描かれることのない流人等が、、
島の険しい山岳地形に即した戦法も駆使して
蒙古の大軍勢と死闘を繰り広げた物語を紡ぐことで、
今まで抱いていた元寇に対する固定観念がひっくり返される
痛快さが堪らない良作歴史マンガ。

この作品もまた、他の歴史エンタメ作品同様、
あの歴史上の人物が何と!といった類いのトンデモ架空設定を仕組んでは来ます。
けれど、個人的にはその設定の繰り出し方にもセンスを感じて、
思わずニヤりとしてしまいます。

そのセンスの源は原作者の丹念なリサーチ力。
自身も幾度となく対馬に現地入りし、島伝来の史料を掘り起こし、
逸話を受け継ぐ伝統行事やその関係者の証言に触れ、
ストーリーの元ネタを拾い集める。
さらには乗馬未経験にも関わらず流鏑馬を体験する。

など文字通り体を張った取材活動が、歴史設定を飛躍させても崩れない
足腰を鍛え上げていると思われます。

さらには日本における、北条得宗家の強引な権力維持によるしこり。
鎌倉の武家、京の公家の二重支配体制による重層と矛盾。
モンゴルにおける、被征服民も略奪権と恩賞を餌に登用する実力主義による、
支配領域の急拡大とその弊害や残虐性。

豊富な歴史知識に基づいて再現された当時の時代背景に、
取材内容を落とし込むことで、架空設定が作品を軽薄化させることなく、
むしろ知的好奇心を刺激する重厚な物語が展開され、
見る者を世界観に引きずり込むことに成功しています。

対馬という一所を懸命に守りながら、壮大なスケール感があります。


原作の面白さについては太鼓判を押せるので、
アニメ化に際しては、キリの良い所で締めることができるか。
あとはグロ等の変な自主規制で素材を損なわないかが
私が現状抱いている不安点。

そもそも本作タイトルの『アンゴルモア』とは、
蒙古軍に蹂躙された東欧を目の当たりにした学者たちが、
モンゴルこそが、かのノストラダムスが預言した
“恐怖の大王(アンゴルモア)”に違いない。との悲鳴にも似た主張から。

原作は蒙古襲来による暴虐を受けた現地人の、
恐怖を逃げずに描いている点も好感できる歴史マンガなので、
アニメ化するならば、多少グロテスクでも、
そこを描き切らなければ、『アンゴルモア』のタイトルの名折れです。

先頃、モンゴル帝国の祖に下品が過ぎるイタズラ書きをした、
某ギャグマンガが抗議により、記載雑誌の販売中止を喰らう。
など表現の萎縮とアングラ化が加速した平成の空気も、
末期にしていよいよ息苦しい限りですが……。
本作については例え誰に何を言われようと、表現を貫き通して欲しいと願います。

平成の終わりに、率土(そっと)の最果てに首級(しるし)が転がる。
壮絶な戦闘シーンをどこまで再現できるのか?
アニメスタッフの奮闘にも注目したい、2018年夏の野心作です。{/netabare}


観終わって……

一部カットされた視点もありましたが、
概ね原作の内容を踏襲した無難なアニメ化作品だったと思います。

規制の方はエロは自重気味でしたが、グロは割と容赦なかったと感じました。
よく出血して、よく首級(しるし)が転がっていました。
蒙古襲来の脅威は伝わる及第点レベルだったと思います。

一方、作画はやや残念でした。
当初から作画兵力の不足を見越してか、
全編、絵巻物風のフィルターを被せた演出をしていましたが、
綻びは誤魔化し切れなかった模様。

戦闘シーンなどでは、人体ってこんな感じで転がりましたっけ?こけし?
と首を傾げる動画も散見。
正直、戦に関しては、私は原作コミックの方が迫力を感じました。
対馬だけじゃなく作画にも早く援軍が欲しかったですw


以下、ネタバレ感想&考察みたいな長文。

{netabare}
人々の間に根付く元寇のイメージを覆して、
驚きからこの歴史物語に引き込むためには、
武骨で時代遅れな一騎打ちを好んだ日本の武士。
対して合理的で進んだ集団戦で世界制覇を目指す蒙古。
この辺りからひっくり返していくのが有効で、
本作はその辺りの仕掛けがふんだんに盛り込まれていたと思います。

例えば私が面白いと思ったのは"義経流”の飛ばし方。

巷では、古代~中世の武士は正々堂々一騎打ちで、
戦国以降、足軽が活躍しだしたら何でもアリ。
という日本史像が流布している感があります。
このことが元寇ですら一騎打ちを挑む鎌倉武士という
印象を尚更、強化していると思われます。
これもイメージとしては間違ってはいないのでしょうが……。

でも実際には日本でも古代より歴史が動く時は夜襲、不意打ちのオンパレード。

板東武者は正面から一騎打ち?だったら源義経はどうなの?
平家を背後から奇襲したり、勝つためだったら何でもアリじゃんw

こんな感じで、主人公の流人が継承する“義経流”を通じて
勝つための、生き残るための型破りな戦を吹っかけて行く。
覆し方は明快で良かったと思います。


返す刀で、“義経流”の主人公視点で、
やたら合理的であると過大評価されて来た感もある
蒙古軍を論評していく流れも、これまた痛快。

ある角度から見れば、蒙古軍の実態は、
少数のモンゴル人が、多数の被征服民に、
先にモンゴルに服従した者から順番に、重用し、略奪権を付与する、
率先服従のシステムで肥大化した寄せ集め部隊。

作中でも描かれたモンゴル、高麗、女真の各部隊が恩賞、略奪で互いを出し抜こうと、
時に同士討ちも繰り広げながら、対馬の山を攻め上って来る姿は、
さながら自制の効かない鵺(ヌエ)かキメラの如きおぞましい光景。

武士みたいな武術の練度もなく、一族郎党みたいな阿吽(あうん)の呼吸もない。
合図で毒矢を一斉発射という“合理的”な集団戦術も、
これだったら弓の練度が低くても、網を被せる要領で戦える。
と主人公を通じて見透かされています。

集団戦に依拠した蒙古軍の面々が、
対馬で武士という個の力で戦局を左右する“化け物”に遭遇する。
という恐怖も描かれている点も新しかったです。


それでも私がモンゴル帝国は恐ろしいと再認識したのは、
率先服従を餌に造反を誘発して、敵を飲み込んで行く併呑力。
本作でも北条得宗家が仕掛けた権力闘争のとばっちりで対馬に流された
ある流人の寝返りを通じて、
アメと鞭を使い分けるモンゴル帝国の狡猾さが上手く描かれていました。

北条家による敗者が伴う支配強化だけでなく、
武家政権由来の地頭衆とは異なる論理で動く
朝廷、貴族政権由来の“刀伊祓い”。
生きていた平家方の天皇など、
日本国内に残るしこりや切り崩しポイントも数多く描写。

蒙古軍に一度、その毒牙で国土に食い付かれたら最期。
裏切りを仕込まれ、オセロの如くパタパタと
日本がモンゴル帝国の版図に塗り替えられてしまう。
観ていると蒙古軍・“本土”上陸断固阻止の使命感が高まります。


時に原作者が足を使って取材し、対馬現地の伝承等も軽視せず、
物語世界に落し込んでいった点も改めて評価したいです。

一応、“史実”では対馬の戦いは宗氏の当主が討ち死にするまで。
後は、本作の創作ということになりますが、
根拠が全くないわけでもなく、流人主人公という設定も、当地に伝わる
蒙古との戦に参加した流人に関する一文から構想を膨らませたもの。
また、安徳天皇生存!御年九十歳超wというトンデモ設定にしても、
安徳帝が壇ノ浦から生き長らえたという地域伝承が元ネタ。
何より蒙古軍が対馬に七日間費やしたのは確か。

一国に相当する、即日征服するにはデカ過ぎる対馬のスケール。
攻略に難儀しそうな山深い地形の原作者による体感も交えた上で
練り上げられた山岳戦中心の対馬戦には、砂浜での平地上陸戦とはまた違う
新たな元寇のイメージを実感させるリアリティがあったと思います。


また、実は歴史学において、元寇はあまり実証的な研究が進んでいない題材。
まともな研究見直しが行われたのは今世紀に入ってから位だとのことで、
それまではろくに基本史料の批判もないまま、蒙古軍が嵐で一夜で壊滅した。
という通説イメージが、一人歩きしてきたそうで……。

もしかしたら原作者は足も使って、
研究者も未踏の領域を開拓しているのかもしれません。


本作の最後、山深い対馬で戦い抜いた蒙古軍が、
いい“腕試し”になったと評するセリフにもピンと来ました。

“本番”である博多上陸戦は緒戦こそ砂浜、防塁挟んでの押し合いですが、
古今東西、上陸後の戦線維持の可否は、
最初に間近の高台を確保できるかどうかにかかっています。

原作はこれから「博多編」に進んで行くそうですが、
そこでも鬱蒼とした山林にて、“義経流”にのたうち回る蒙古軍見物なんかも期待できそうです。
蒙古軍の皆さんようこそ日本へ。日本の山は深いぜw

最近の研究成果も踏まえれば、博多では、
{netabare} 文永の役では、大宰府攻防戦もあり、
弘安の役では、高台の要塞攻防戦もあれば、嵐の後に船舶による海上戦闘もあるはず。{/netabare}

原作者による丹念な取材活動による世界観構築が博多でも継続すれば、
元寇に関するさらなる新視点の表現も望めそうです。
今後も私は『アンゴルモア』を窓口に、
元寇イメージ更新最前線を見守って行きたいと思います。


最後と言えば、生き残ったことを勝ちとする締めも地味に評価したいです。

博多の前の対馬の元寇と言えば、たまに取り上げられたかと思えば、
蒙古軍の前にことごとく全滅……とのイメージが飛び交って来た印象。
そして、そのイメージはモンゴル帝国の東欧遠征にて、
征服地に草も生えなかったという、
破壊と略奪の伝説によって補強されている感もあります。

ですが原作あとがき等にもある通り、
対馬における宗氏の命脈は元寇後も続きますし、
作者は文永の役の直後からも、対馬現地住民の営みの記述を発掘しています。

蒙古に蹂躙されたからって何も対馬が滅び去ったわけじゃない。
マニアックな歴史題材に挑んだ本作の賛否はともかく、
目にした視聴者に対馬健在を伝達できた。
何だかんだ、その一点こそが本作一番の“手柄”ではないかと私は思っています。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 38
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

【対馬玉砕】いつの世も平和とは血で贖うものである。憲法9条信者は、古(いにしえ)の先人が残した遺訓を噛め現実を見よ!

☆作品概要
●原作:サムライエース、ComicWalker

●原作者:たかぎ七彦

●アニメーション制作
NAZ
{netabare}
監督:栗山貴行
【代表作品】
・演出
orange
Re:CREATORS
はじめてのギャル

シリーズ構成:ヤスカワショウゴ
【代表作品】
・構成
食戟のソーマ
食戟のソーマ 弐ノ皿
UQ HOLDER!!〜魔法先生ネギま!2〜
三ツ星カラーズ
博多豚骨ラーメンズ
あかねさす少女

キャラクターデザイン:小峰正頼
【代表作品】
・DRAMAtical Murder(総作画監督 共同)

キャスト(略)
{/netabare}
☆エピローグ

原作未読

アニメでは珍しい鎌倉時代劇で、元寇、対馬の戦(いくさ)をモデルにした作品。
それゆえに、独特の演出手法と合わせ、好き嫌いが分かれやすい作品である。

梓弓 手に取り持ちて 剣大刀 腰に取り佩き 
朝守り 夕の守りに 大君の 御門の守り 
我れをおきて 人はあらじと いや立て 思ひし増さる
大君の 御言のさきの 聞けば貴み 貴くしあれば
海ゆかば 水漬く屍 山ゆかば 草生す屍
大君の 辺にこそ死ねめ かへりみはせじ

『万葉集 陸奥国より金を出す詔書を寿ぐ歌一首 』より 大伴家持

『海ゆかば』あまりに有名だが、本作への想いはこの歌の「心」である「殉」に尽きる。
これ以上、多くの言葉で修飾する必要を感じない。

【物語】
本作は現実にあった「文永の役」をモデルにしたフィクションである。
従って、歴史的事実を考証する必要はさしてないことから、高麗軍の服装等設定に多少問題があってもスルーする。
また、本作の特徴だが、極めてメッセージ性が高い作品であり、濃厚な内容を1クールの枠で優れた演出と脚本で仕上げ、視聴者へしっかりと訴えており、視聴後にはしっかりと残響する。

織りなす人間ドラマ、恋愛、大義と恨、私欲の葛藤の描写と、エピソードの間合いを考えて構成も巧みであり、視聴者を飽きさせないテンポ感も俊一である。
また、ハリウッドのように、派手さや大袈裟を求める最近の一般的なアニメ演出とは距離をおき、黒澤作品に代表される日本映画独特の手法である「動より静」つまり、全体的には抑制的だが肝心なシーンではキャラの内面をしっかりと描写する、重厚な自然調和型の表現手法を採っている。

それゆえに、アニメ作品としては相対的な物足りなさもあるが、大衆に媚びるよりも、あからさまや、露骨な姿勢は控え目ながらも奥行きが広がる「わびさび」にも通じた伝統的な芸術性に重心を据えた制作姿勢を個人的に評価した。
これが、シナ人や朝鮮人が書くようなシナリオなら、あちらで盛んなステレオタイプの反日ドラマ同様B級娯楽作品に堕しただろう。

本作は日本人を一方的な善と描かず、また、侵略してくる蒙古人や高麗人も一方的な悪とは描いていない。
これが、日本映画の伝統的様式美であり、本作の脚本演出の特色である。
よって、戦闘描写も控えめであるが、同じく蒙古、高麗の残虐性も控えめとなっており、特に非戦闘員に対するレイプや住民虐殺描写は抑制されている。
これをどう受け止めるかは、黒澤世代の日本映画を鑑賞した経験値に大きく左右されるであろう。
少なくても、アニメファン受けをする手法ではないからね。

また、本作では映像に静止テクスチャーを用いて、和紙の質感を醸し出し絵巻として演出をしている。
つまり、様式美に徹底して拘っているのだが、映像としては違和感があったのは否めない。

物語の作り込みだが、源氏物語以来の我が国文学作品の王道でもあり、日本人の心にある原風景にダイレクトに訴える恋愛と悲劇の物語だ。
本作では二つの恋愛物語が進行する。

{netabare}主人公「朽井迅三郎」とヒロイン「輝日姫」、「阿無志」と「サナ」だ。
本作で私が最も胸を打たれたのは蒙古兵に刺され、海へ転落した「阿無志」を「サナ」が海中へと追いかけるシーンだ。まだ思春期を迎えたばかりの二人の淡い恋の末路は心中であることを予感させるこの演出は、見事だった。

原作を知らない私は、「輝日姫」の去就がもっとも気になった。
例えフィクション設定であっても、史的事実にはない皇族の最後は、よくよく考えて仕上げないと不味いことになるとも懸念した。
だが、杞憂で、制作スタッフは勘所は押さえていたらしい。
オチは演出として「余韻」を残したとしても、視聴する方の感性や立ち位置では、無難でつまらないオチに映るかも知れないが、我が国に於いて皇族設定の物語を制作するということは、時代の設定の如何関係なく慎重の上にも慎重を要求されるのだからね。
そして、その為に「鹿乃」を犠牲にしたのだろう…

プライベートが謎であった「朽井迅三郎」の生き様を、所謂「走馬灯」で表現した演出はお見事だ。
(それで、「迅三郎」も「輝日姫」との両思いであれば「不倫」の可能性もあるのだが、「輝日姫」の片思い設定や「迅三郎」の嫁を伏せたのが原作者やスタッフの深慮ならば、よく考えられたストーリーだ。){/netabare}
本作は1クールという尺を見事に巧く使った作品である。

我が国でバッドエンド物語に批判が多いのは、逆説的な意味でバッドエンドに対する情操が生活風習の中で刷り込まれ、深層では心に沁みながらも、表層では認めたくないとする心理に至る感受性が強い民族的特徴に所以すると、社会心理に関する論文か何かで読んだことがあるが、なる程なぁと思う。
批判をされても、記憶に残る作品とはそういうものだろう。

【メッセージ】
「物語」とは別にこの項目を立てたのは意味がある。
なぜ、この時期に、我が国が受けた最初で最後の侵略である「元寇」を背景にした本作が放送されたのかだ。
意図して放送されたとは思わないが、現在の我が国を巡る周辺国の状況を考えると偶然の一致とも思えないグッドタイミングだ。

{netabare}大陸シナの軍事的膨張、北のシンパ左翼大統領かつ反日国家の韓国が北朝鮮に媚を売る異様な展開で混迷する半島情勢、ますます好戦的になってきたプーチン率いるロシア。
このロクでもない連中が現在我が国の隣国であり、また、アメリカに叩かれて窮地に立たされている大陸シナに至っては、不満が高まり、いつ暴走するかも分からない。

現在の我が国を巡る国際情勢や地政学上、現代の「元寇危機」がかつてないほど高まっている。
北朝鮮の残虐性は周知の事実だが、韓国も民主化以前は北朝鮮とさほど変わらない民度であり、ベトナム戦争時には朝鮮人の特性である残虐性をいかんなく発揮している。
「ライダイハン」で検索してみるといい。

次はシナについてだ。
大東亜戦争時に悪名高い『戦陣訓』が公布された。
知らない方々も多いと思うから軽く説明すると、旧軍では捕虜になることを禁じ、自決を強制したのがその内容だ。
非人道的な『戦陣訓』は確かに責められても仕方がないものだが、この措置には実は立派な動機がある。

我が国は対米英戦に突入する以前からシナ大陸で戦争をしていた。
戦闘とは混沌を極めるから当然、我が軍からも捕虜が出る。
我が軍の捕虜に対して行ったシナ側の虐殺は常軌を逸脱した猟奇的なものだった。
内容はあまりに残虐で文章にすることも憚れるが、捕虜になればその身はおぞましい姿にされて殺されること軍は憚り、兵士の名誉を重んじ敵の捕虜になり残虐な殺され方をされるなら、自決を選び己の名誉を守れとしたのが『戦陣訓』の目的である。

その後に戦った米英はそれなりに捕虜虐待はあったとしても、シナのような猟奇的な虐殺はほとんど見られなかったことから、投降の自由を奪った『戦陣訓』が旧軍批判の槍玉に挙げられた経緯がある。
なお、当時の日本は捕虜に関する国際条約であるジュネーブ条約に批准をしていなかったことと、陸軍将校に対する国際法の教育が甘かったことも併記する。

シナの残虐性はその他にも「通州事件」、「文化大革命」、「天安門事件」などあげればキリがない。

最後にロシアだ。
プーチンは演説で「ロシアがない世界は不要だ。そのような世界は崩壊しても構わない。」アメリカと同等の核保有国である国の現役の大統領が真顔で述べたものだ。
これを聞いて皆様はどう思うか?
ロシアの残虐性はシナ以上かもしれない。
1945年当時の南樺太、満洲、ドイツでの所業や共産主義時代の粛清など調べれば幾らでも出るだろう。

このように、我が国の隣国はどれも国際基準で常軌を逸脱した過去(一部現在進行形)を持つ、スネに傷のある国ばかりだ。{/netabare}

《「元寇」は決して過去のものではなく、明日にでも起きても不思議ではないのが現実だ。》

本作は、北朝鮮からミサイルが飛んできても暢気な国民に重大な警告を発しているとも言える。

マトモとは言えない周辺国の侵略を受けたら、貴方の妻や子供、愛する者達がどうなるか、本作を視聴して認識を改める必要があるのではなかろうか。

【余談】
秋クール『ゴールデンカムイ』2期が始まったが、1期の制作スタジオを聞いて実は愕然とした。
そして、本作を視聴していたときにNAZは良い仕事をするな!と感じ、『ゴールデンカムイ』をNAZで制作したら、もっと良い出来になっただろうと思ったものだ。
本作の2期もだが、『ゴールデンカムイ』3期はNAZで制作をお願いしたい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 37
ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

この不条理感を、どう読み解けばよろしいのでしょうか?

今季、リアタイではなく、後追いで視聴した作品です。

アンゴルモアとは、なにぶんにも "不吉" な響きですね。

{netabare}
1999年7の月、
空から恐怖の大王が来るだろう、
アンゴルモアの大王を蘇らせ、
マルスの前後に首尾よく支配するために。

かつて、よく知られたノストラダムスの大予言の一節です。

その言霊を掛けたのでしょうか。


本作は、日本で起こったジェノサイドの歴史、史実です。
今、記憶に刻まれるべきタイミングであり、周知されるべきターニングポイントなのでしょう。

本作から受ける印象は、圧倒的に強欲な強者たちの有無を言わせない来襲であり、追い立てられ逃げ惑うしかない弱者たちの極限なまでの閉塞感です。

私は、せつなさ、はかなさなどの柔らかな響きの言霊で受け止めるには到底ままならず、あまりに辛く、苦しくやるせなく、やりきれない気持ちに陥って、何度か停止ボタンを押していました。


さて、本作には義経流という剣術流派が登場します。
源義経(1189年没、31歳)は奥州平泉で自害したというのが定説です。

が、北海道には、義経北行伝説があり、蝦夷の人々の伝承にも、"さまざまな名前をもった人物" が垣間見えます。
一説によれば、義経はその後、海を越え、"チンギスハン" を名乗ったとか何とか。
義経が生きていたとしたら、ハンの人生とは31年間の重なりがあるので、そういうふうにも見られるのでしょう。

実は、義経も、チンギスハンも、歴史の上では詳細がいまいちよく分からない人物なのです。つまり、学問上はその経歴が証明できていない。
いわゆる「なかったことを証明することは不可能。それは悪魔の証明。」と申します。
その裏返しが伝承であり、謂れであり、名の知れぬ神の作り方です。


本作を視聴して、いくつもの疑問を感じました。

義経はなぜ、武士らしく自害せずに北行し、生き延びようとしたのか?
そこに、どんな理由や背景があったのか?
チンギスハンとは誰なのか?
遊牧を旨としていた彼らが、どうして優れた騎馬技術を持つに至ったのか?
その技術を戦術・戦略に活用し、人類史上最大規模の帝国に広げるに至った理由は何か。

そして、ハンは、なぜ日本に攻めてきたのか?
何より、なぜ対馬の島民を完膚なきまでに殺戮し、虐待をおこなったのか?
その非道なる発想と動機は何なのか?

ちなみに、義経は70騎を率いて、鵯越(ひよどりごえ)の峻険な崖から、逆落としをしかけて平氏本陣を奇襲して武勇を立てているので、騎馬技術の腕は相当のものであったと思われます。
{/netabare}

ここからは、私個人の無手勝流の作品の楽しみ方です。
{netabare}

まず、義経の名が挙がったからには、源頼朝を語ることにしましょう。

頼朝と言えば、日本で初めて武家政治を執り、同門の木曾(源)義仲、源義経とは不仲であり、血で血を洗う骨肉の争いをした人物。つまりは、武力の介入・行使・衝突・紛争に明け暮れた人物とも言えます。
逆説的に言えば、武士が政治を執り行う "雛型" を創り上げた人物ですね。

命令を聞き入れようとしない義経の所業を責め、その反抗にあえば、一切手を緩めず、奥州平泉にて自害させたというのが現在の学説。

ところで、もし義経が生き延びているのだとしたら、頼朝の仕打ちの冷酷なさまに、我が身の武勲を蔑ろにされ、蝦夷にまで追いやられた心情は如何ばかりなるものでありましょう。
武士の誇り、面子、血統などを汚され、かつ朝敵とも貶めされ、庇護されていた平泉の藤原氏からも命を脅かされるに至っての北行だとすれば・・・。

おそらくは、恨み辛みは骨髄にまで沁み込んでいたのではないでしょうか。
捲土重来の巻き返しを神仏に誓って、蝦夷に向かったのではないでしょうか。
その燃えるような激しい思いは、頼朝に、藤原氏に、日本そのものに向けられたのではないでしょうか。

幸いなことに、北行の季節は間もなく5月になろうかとする時季。
義経一行が蝦夷に向かうに、大きな障害はなかったかもしれません。
その後の足取りは、歴史からは忽然と消えています。

そこに乗じての夢想で言えば、義経は、"ハンその人" なのかもしれないし、あるいはハンの軍門に下り、戦略家としての立場で、騎馬戦術、対武士攻略、城攻めなどを教示していたのかもしれません。
そう思うと、興味深いのです。

チンギスとは、"海" という意味もあり(その他いろいろな解釈があります)、バイカル湖周辺が生地ともいわれていますから、ルート的にはあながち無理なことではないのかもしれません。

既に、ときの為政者は北条時宗の御代ではありましたが、義経の手の内に、圧倒的な軍事力、組織力、戦略、戦術が揃うなら、勝ち馬に乗らないわけにはいかないでしょう。なにせ、当時世界最大規模の艦隊を手ごまとして持っていたわけですから。

万に一つ、そうであるならば、ハンが、なぜ、日本に向かったのかも理屈が通るというものです。
つまり、義経の恨みの念から出た、日本武家政治への反抗と、朝敵という汚名の返上のための "復讐劇" だったのではないかという仮説です。
ん~、笑っちゃう?


しかし、義経(あるいはハン)の過ちは、漢民族の扱いにありました。彼らもまた、強権によって支配・抑圧され、船底に追いやられ、最前線で人柱として消費され、逃れられない運命に呻吟していたのではないでしょうか?

対馬侵攻は10月です。本来なら故郷の田畑には豊かな収穫があり、豊作の秋祭りの準備もあったはずでしょう。
父母を想い、妻を想い、兄弟姉妹を想い、祖父母を想い、そして子を想って忍んでいたのではないでしょうか。
もしかしたら、すでにその時には、厭戦感が高まっていたのかもしれません。反抗心が昂ぶっていたのかもしれません。

彼らは、言葉も通じず、文字も読めず、価値観も違う部族・民族の集まりです。そこには、"戦う集団" などではなく、ただ太鼓の音を命令と聞き、指揮される "群れ" にすぎなかったのかもしれません。
神風の吹き荒ぶ深夜の海上では、いかに操船達者な沿岸の漢民族であっても、漕ぎ手の息も合わせられず、波のまにまに船と船は擦れあい、ぶつかり合って、大混乱に陥っていったのではないでしょうか。


そうか、元寇とは、義経の恨みの念から生まれた歴史に残るウルトラCだったのか・・・。
いや~、ない! ないない!! ないでしょ~?!w


でも、国と国とのあいだの戦争が、リーダーの個人的な思惑によって引き起こされるのは、その後の歴史の実相を俯瞰すれば、なんら不思議なことではありません。

思惑とは、思想であり、哲学であり、もっといえば壮大な夢、あるいはそれを狂信ともいえるでしょうね。

今、日本の西側、北側、南側、東側で、何が起ころうとも不思議ではなく、それがいったん口火を切ったら、本作のような不条理がまかり通るでしょう。
私は、本作から、そのようなエッセンスを感じ得ました。


ノストラダムスの大予言は、1999年で終わったわけではないのかもしれません。
昨今の様相は、さらに大規模で、さらに深刻な状況に突入しているのかもしれません。
そして、武力の犠牲になるのは、いつも弱者です。

アンゴルモアの大王。かの君の正体はなんでしょうか。

マルスとは、火星。赤。

真っ赤なボルケーノ? 燃え落ちる彗星? それとも別のもの?
その前後とは、東の国と、西の国?
それとも、北の国と、南の国?
{/netabare}

長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本作が、皆様に愛されますように。

投稿 : 2024/06/01
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