AICでシュールなおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番のAICでシュールなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.7 1 AICでシュールなアニメランキング1位
琴浦さん(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (2436)
12324人が棚に入れました
琴浦春香は、一見普通の女子高生に見えるものの、人の心が読める能力を持つ。
しかしそのことをきっかけに、周りを疎外するようになっていった。と
ころが転校してきた早々に出会った真鍋義久がきっかけとなり、徐々に心が解され、また彼に惹かれていくのだが…。

―2012年8月にテレビアニメ化が発表された。

声優・キャラクター
金元寿子、福島潤、花澤香菜、久保ユリカ、下野紘
ネタバレ

アムールトラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

琴浦さんへの愛を詰め込みましたww【忠告】超長いですww

琴浦さんを一言で言うならば、
「萌えながらシリアス」
になります。

◎前書き(16.5.1加筆修正)
萌えとシリアスを融合した作品は最近増えてきていますが、ここまでシリアスなものは後にも先にも琴浦さんだけかもしれません。
決して完璧な作品とは言えませんが、とても個人的に好みな作品なので、ぜひ一度見てもらいたいと思っています。

※このレビューは超々々長いです。しゃれにならないくらい。(タグを開いてみれば分かります。)
読めるものなら読んでみろww
まじめに読むと少なくとも20分はかかると見ていいです。読むときはその点にご留意ください。もちろん、全部読んで頂けるととても嬉しいですが、多分相当きついです。

〈視聴状況〉
友人に薦められて一回目。
琴浦さんを愛でたくなって二回目。
もっと布教したいと思って三回目。 計三周。

──────────────────────☆彡
まずはキャラデザから。
外れのない可愛らしいキャラデザだと思います。程よいバランスで、凄く取っつきやすいですね。
強いて言えば、鼻がちっと特徴的かな?
まあ、それでも可愛いです。 

しかし、その中でも特に琴浦さん(主人公ヒロイン)の可愛さは異常です。目元の柔らかい感じとか最高です。
なんというか、小動物的な、愛でたくなる可愛さがあります。行動と組み合わされば破壊力抜群です。(荷物入ったダンボールタワーをなぎ倒すくらいに)

そして、そんな可愛い琴浦さんは人の心が読めてしまう。
それゆえに心に傷を負ってしまった。そんな中、運命の出会いを果たし、再生していく。そして、新たな人生を歩み始める。
大筋はこんな感じです。

シリアスを主軸としながら、適度なギャグで見やすく仕上げられています。
こんなに重い題材をよくもこの作品に落とし込めたものだなあ、と。

──────────────────────☆彡
○op「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」
作品によく合ったオープニングです。
opアニメーションでぴょこぴょこ出てくる琴浦さんが超可愛いです。
リズムに乗れる、中毒性のある曲です。
コシコシコシ。
題名についてなのですが、
そんな"琴浦"のまた裏話でしょ?←琴浦と掛けてる気がしないでもないですね。


○ed「希望の花」
これは神曲です。曲調もさることながら、歌詞が素晴らしすぎる。
アニメ琴浦さんのシリアス部分を凝縮したような、全国の卒業式で採用できるような曲です。
特に好きなフレーズはこの曲のラスト。

今あなたと、この場所から始めよう♪

シリアスシーンのバックで流れてくるこの曲は反則級ですね。流石に号泣とまではいかないものの、少なからず涙腺が刺激されたことは否定できないです。

○ed「ESP研のテーマ」
第5話限定エンディングテーマです。
内容はタイトルのまんまで、ノリがいい曲です。少し日常のオープニングに似てる気がしないでもなかったです。

○ed「つるぺた」
第6話限定エンディングテーマです。
ぺったんこヒロインであるところの琴浦さんがひたすらにかわいいエンディングムービーでした。

──────────────────────☆彡

Q.でも何で『琴浦さん』はこんなにも見やすいの?

A.4コマ漫画原作なので、とてもテンポが良いです。このポイントは大きいですね。
また、キャラデザや声優の演技力も一役買っていると思われます。

心という、ともすれば物凄く重たくなる題材を扱っているにも関わらず、それを全く感じさせないのが素晴らしいです。
視聴後感は、あーよかった。
本当に良かった。見てるこっちもハッピーだ。


これが4コマ漫画って頭狂ってるだろ。なんだよこの安定感は。(ウフフ)


琴浦さんを見て、不快感が生まれることはまず無いでしょう。
★気軽に見られるシリアス作品として、皆さんにおすすめできます。


○声優について
実は超豪華です。
先輩コンビ(花澤さんと下野さん)は特に神がかってます。
琴浦さん役の金元さんも、琴浦さんの可愛さを充分に引き出しています。以下割愛(キリがないので)。

琴浦さんは間違いなく良作ですが、
その良さ、はたして演技が先かストーリーが先か。
まあ、多分ストーリーが先です。豪華声優をあてられるくらいの良作ということです。
──────────────────────☆彡
以下、各話レビューなるものになります。
<<各話評価>>◎、○、△、×の四段階。

一話:琴浦さんと真鍋くん◎
{netabare}~あらすじ~
琴浦さんは心が読めます。そして、その代償に、人として当たり前の多くのものを失ってきました。
転校した琴浦さんはある少年•真鍋と出会います。その日から、琴浦さんの世界が変わり始めました。

~構成~
○前半
琴浦さんの幼少時代から現在に至るまでの軌跡。真鍋との出会い。
○op「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」
○後半
すっかり擦れてしまった琴浦さん。接触を図る真鍋。猛アタックの末、真鍋はとうとう琴浦さんの心を開く。
○ed「希望の花」

~1話のお話~
キャラデからは想像もつかない、まさに衝撃の第一話でした。
1話はどこをとっても精巧な心理描写が成されていますが、特筆すべきは以下の2シーンです。

①前半のラスト
前半ではあまりに惨い琴浦さんの遍歴が描かれます。クラスメイトからいじめを受けて怪物と罵られ、それは小、中、高と年を重ねる度にエスカレートしていきます。
しかも、そんなのは序の口だと言わんばかりの手酷い場面があります。

「これでこの問題児ともおさらばだ」
教師が心の中でふと考えてしまったことです。{netabare}それを、琴浦さんは『読んで』しまいました。
それでも教師か!と言いたくなりますが、ここで責められるべきは教師ではありません。心はどうしようもないものですから、それを表面に出さなかった教師がどうこう言われる筋合いはないのです。
しかし、琴浦さんにはそんなこと関係ない。琴浦さんが心に受ける傷の大きさを目に焼き付けられました。{/netabare}

そして、両親の離婚。
{netabare}まだ幼い琴浦さんが何の悪気もなく放ったセリフが決定打となってしまいました。
琴浦さんは自分を責めます。
しかも、母親は言います。
「あんたなんか、生まなければ良かった」
絶望感は計り知れません。{/netabare}

これらの場面が、霞がかった配色で演出されます。その効果で、視聴者は暗い心情をひしひしと感じています。

そこで訪れる前半ラストのワンシーンです。
それは、琴浦さんがもう何度目になる転校をした日のことでした。
どうせ上手くいきっこないのだから
と淡白な自己紹介をし、指定された席に向かう途中の出来事です。
一応書いておくと、この時、琴浦さんは雑な自己紹介のせいで、既にクラスメイト達からの嫌みを『読んで』います。
そんな中、
真鍋:「あれ、お前誰?」
琴浦さんを全く気にも留めていなかった男子が一人いました。そいつは真鍋。
{netabare}その瞬間、画面全体にかかった霞にひびが入り、砕け散りました。
琴浦さんの世界が変わり始めたのです。{/netabare}

②後半のラスト
琴浦さんが真鍋に独白します。
{netabare}「こうなってしまったのは全部自分が悪い。」
「人と関わると迷惑をかけてしまう。」
「私に関わらないで欲しい。」
琴浦さんは頑なで、なかなか心を開きません。
それでも真鍋は琴浦さんと仲良くなろうと頑張ります。
「そんなこと言って、一番傷付いてるのはお前じゃないか」{/netabare}

このシーン、琴浦さんも真鍋も名言メイカーです。記憶しておきたいセリフがぽんぽん出てきます。
今まで耐えに耐えてきた琴浦さんが心を開くこの場面は感涙ものです。
①、②以外にも名シーン揃いの1話でした。{/netabare}

二話:初めての……◎
{netabare}~あらすじ~
仲良くなった琴浦さんと真鍋は、百合子さんの登場でESP研究会(超能力研究会)に入部します。
活動の一環で占いをやった時、真鍋に恋する少女•森谷さんが、自分の思考を読ませることで琴浦さんを攻撃しました。
真鍋は琴浦さんを守る為、森谷さんと直接口論し、無事平穏が保たれました。

~構成~
○op前
琴浦さんの朝の日常及び登校。
○Aパート
琴浦さんと真鍋がESP研究会に入部。百合子さん、室戸先輩と知り合う。
○Bパート
百合子さんの提案で、琴浦さんは占いをやることに。真鍋に恋する森谷さんとの衝突。真鍋の活躍で一件落着。
○ed

~2話のお話~
2話は個人的には神回の一つです。
この回の山場での真鍋の格好良さはシリーズ通して指折りに入ります。むしろ一番かもしれません。
{netabare}ESP研の百合子部長の提案で占いをやった際、相手が森谷さんの時に琴浦さんは吐いてしまいます。なぜなら、森谷さんの精神攻撃はことごとく琴浦さんのトラウマを抉るもので、到底耐えられなかったからです。
ゲロは汚いですね。普通だったら、やってしまったキャラは少なからず悪印象を纏うことになってしまいます。しかし、琴浦さんはそうはなりませんでした。
山場のシーン。真鍋は森谷さんに言い放ちます。
「琴浦に吐かせるくらい、お前の心が汚いってことだろ」
このセリフが
『森谷さんの心=ゲロ』
という図式を立ち上げました。そして、ゲロの悪印象を琴浦さんから取り除きました。それどころか、琴浦さんの悲惨さを際だたせる結果となりました。
そして──
「好きだからだよ!」
これは、なんで琴浦さんを庇うのかという問いに対する真鍋の答えです。これほど純粋で否定のしようがない答えがあるでしょうか。少なくとも、森谷さんに対してはこれ以上ない答えでした。だって、森谷さんは真鍋のことが好きだから。
真鍋は絶対に計算なんてしない男です。だから、これらは天然から出たセリフです。{/netabare}
天然最強説が急浮上しました。{/netabare}

三話:嬉しくて、楽しくて△
{netabare}~あらすじ~
ESP研はカラオケに行きました。琴浦さんの歌声は酷いものでした。
琴浦さんは真鍋に弁当を作る約束をします。その日、真鍋は森谷流の男等に襲われ、入院します。見舞いに行った琴浦さんは自責に駆られ、いなくなってしまいました。

~構成~
○op前
真鍋、黒板に描かれた相合い傘にハートを付け足す。
○Aパート
ESP研、カラオケに行く。
○Bパート
琴浦さんが真鍋に弁当を作る約束をした日、真鍋は森谷流の男等に襲われる。
琴浦さんが転校してしまう。
○ed

~3話のお話~
心を開きつつあった琴浦さんが、真鍋の怪我をきっかけに再び自分を責めます。
病院でのすれ違いの描き方が良かったです。
{netabare}琴浦さんは真鍋の病室の前で心を読みます。真鍋は何気ない思考の中で、琴浦さんに被害が無かったことを喜んでいます。
それを聞いて、琴浦さんは自分を責めます。
「私がいなければ、こんなことにはならなかった」

せっかく良い感じだったのに、という悔しさを感じるストーリーでした。
1、2話で琴浦さんの悲劇から再生を描き、少し落ち着いたかというタイミングで悲劇がぶり返すという構成ですね。
これはありがちながらもドラマチックで手堅いです。しかも、嫌な感情がぶり返すことは確かに実際あるものだから、違和感も感じません。{/netabare}
あざとかったですね。{/netabare}

四話:変わる世界○
{netabare}~あらすじ~
転校したかに思われた琴浦さんは実家(大豪邸)に帰っていました。室戸先輩の情報網と和尚さんの助けによって琴浦さんを見つけ出すことができました。そして、ESP研は琴浦さんを説得し、一緒に学校に戻ることになります。

~構成~
○op前
琴浦さんが一人で遊ぶ様子
○Aパート
無気力な真鍋。先輩二人の助けもあって、琴浦さんを追い、寺で手掛かりを見つける。
○Bパート
琴浦さんの豪邸にて。琴浦さん捕獲作戦。森谷さんの琴浦さんへの謝罪。
○edのラスト
琴浦さんと真鍋の会話。
「やっといつも通りだな」
「そんなことないよ。ほんの少しだけど、変わったよ」

~4話のお話~
3話で主人公ヒロインがいなくなるという衝撃体験をしてからの、4話です。
室戸先輩がハッキングやらを出来るという設定が追加されましたが、今まで作り上げられた人物像的に違和感なくすんなりと受け入れられました。
さて、琴浦さんはどこに失踪していたのか。
なんと、『琴浦駅』周辺です。

★ 鳥取県東伯郡琴浦町
{netabare}萌え起こしとかいうのがあるらしいですね。
琴浦町は琴浦さん原作サイドと良好な関係も築いている(wikipedia)らしいです。
知らなかったな。

琴浦さんのポスターが作られたらしいです。
知らなかったな。

琴浦さんはナンバープレートにもなってるらしいです。
知らなかったな。…ちょっと欲しいかもしれない。流石に使えないけれども。

萌え起こしって、他にも色々ありますよね。自衛隊とか。
アニメも地域も団体も布教できるという妙案ですね。考えた人は凄いと思います。{/netabare}

琴浦さんが金持ちそうだということはそれとなく示唆されていましたが、それがはっきりと示されたのはこの話(4話)が初めてです。到底日本だとは思えない大豪邸の持ち主でした。そこに暮らすは初老のお爺さんです。
ニット帽を被り、好好爺然とした彼=琴浦祖父は、その実ただのエロスでした。
いかにも大富豪のじじいという感じで、よく分からん思考の持ち主です。孫=琴浦さんのお尻に触れて興奮しております。
同じくよく分からん思考をしている真鍋=エロスと相性が合うのか、この二人の絡みがなかなか良かったです。
果ては、真鍋に対してまだまだだと宣言し、エロスを推進する始末です。{/netabare}

五話:学園天国?○
{netabare}~あらすじ~
琴浦さんは無事、町に戻ってきます。学校では森谷さんとの関係が大幅に改善し、森谷さんはESP研に入部します。そして、遅ればせながら新入部員歓迎会を琴浦さん宅で執り行います。
その後、体育祭が開かれ、真鍋は借り物競争、琴浦さんはリレーに参加します。運動神経があまり良くない琴浦さんは最下位になってしまいますが、森谷流のネタで復活します。

~構成~
○op前
琴浦さんが田舎から帰ってくる。
○Aパート
森谷さんがESP研に入部。琴浦さんの新しい家にて、新入部員歓迎会。
○Bパート
森谷流ネタ。運動会が開かれる。
○ed「ESP研のテーマ」

~5話のお話~
4話までは、ギャグで適度に息抜きしつつのシリアスでした。そして、5話は、萌えギャグです。
今話は、純粋に琴浦さんを愛でることが出来る非常に有り難い回であります。
特に印象に残った場面を挙げましょう。
①琴浦さんが回るシーン
{netabare}文字通り、琴浦さんがくるくると横回転して段ボール箱に突っ込みます。落下に巻き込まれて「完」です。
op前のシーンで一度、森谷さんの写真を眺めた後にもう一度回ります。くるくる。
心の中に留めきることが出来ない感情の発露がこれです。まさに萌えの化身というべきか、僕には可愛い以外の形容詞が思い浮かばなかったです。{/netabare}

②琴浦さんと真鍋のいちゃいちゃ
{netabare}二人の好感度メーターは既に共に振り切れています。カンストです。下がる気配などないし、下げる必要もないです。この二人のいちゃいちゃは、ささやかで甘く温かい。その象徴たる、こんな場面がありました。
{netabare}「この家、前の家よりも真鍋くんの家に近いんだよ」
「そんなこと言っちゃダメだよー男の子の心を刺激しちゃ(以下略)」
かあー!いちゃいちゃしやがって!{/netabare}

また、こんな場面もあります。
新入部員歓迎会の後、睡眠中に図らずも琴浦さんと真鍋は寄り添って寝ていました。(偶然の産物)
その場面を激写した部長は琴浦さんに迫ります。
{netabare}「欲しいー?」
恥じらう琴浦さんの横で写真を欲しがる真鍋。部長は写真を消します。
しかし、
「ちゃんと送っといたわよ」
部長、ナイス!琴浦さんの心は幸せに満たされました。{/netabare}{/netabare}
萌えが止まらない回でした。{/netabare}

六話:夏休み!○
{netabare}~あらすじ~
脳筋の森谷さんはテスト赤点で補習三昧です。そんな森谷さんを待ち、ESP研は夏合宿に行きました。琴浦さん爺の招きにより、はるかーランド、海、バーベキュー、花火と楽しんだESP研。楽しそうな琴浦さんの姿を陰から琴浦さん母が見ていたようです。

~構成~
○op前
森谷が琴浦さんが好成績であることに対し、糾弾する笑
○Aパート
はるかーランドへようこそ。
ESP研は合宿的なものに行く。
○Bパート
海、バーベキュー、花火。真鍋が琴浦さんの弁当を食べる。
○ed「つるぺた」

~6話のお話~
まず、触れねばならないのはedテーマの「つるぺた」です。これはなんとも素晴らしい曲で、琴浦さんへの愛をきっと深めてくれることでしょう。
今回も5話に引き続き、萌え回というやつだと思います。やはり琴浦さんは可愛いかったです。{netabare}お化け屋敷で怖がる姿なんてもう、どうしようもなくそそります。
海シーンで「シャーー!!」も最高でした。
そんな中、3話以来お流れになっていた"琴浦さんのお弁当"がついにやってきます。真鍋はバーベキューを差し置いて琴浦さん作の弁当を食べます。当然の選択ですね。偉い。{/netabare}
そしてまた深まる琴浦さんと真鍋の親密度でした。
一方で、琴浦さん母の存在が示唆されております。どうなることやら。{/netabare}

七話:この世界に私は◎
{netabare}~あらすじ~
6話から夏期合宿が続いています。琴浦温泉にて、混浴ネタ、森谷さんの料理ネタ(下手が招いた惨劇)が展開されました。
町へ期間後、森谷さんは缶詰めになります。一方琴浦さんは真鍋に避けられている気がします。しかし、それはサプライズへの準備だったのです。

~構成~
○op前
真鍋と琴浦爺が混浴を目指す
○Aパート
琴浦温泉にて。森谷の料理が引き起こした惨劇。琴浦さんが母への思いを語る。
○Bパート
森谷の勉強。琴浦さんの苦悩。サプライズパーティー。
○ed

~7話のお話~
少しずつ琴浦母の存在がクローズアップされてきています。そんな中でのAパート:ギャグ回、Bパート:ハートウォーミングでした。
7話は殊更に「琴浦さんの幸せな日常」が描かれていたように思います。いつもの仲間、いつもの掛け合い。様々な苦難を乗り越えてきた琴浦さんがやっと手にした日常ですね。
Bパートの話でそれがより顕著でした。{netabare}真鍋の様子がいつもと違うことに気付き、不安に駆られる琴浦さんは未だこの温かい世界に馴染みきれていません。それで先輩二人に相談すると、
「考えるだけ無駄」
先輩方は突き放したのではありません。このセリフは真鍋への信頼ゆえなのです。しかし、それに気付けず琴浦さんは苦悩します。
ラストシーンで真鍋の行動に種明かしが成されます。
「誕生日、おめでとう!」
琴浦さんは心を読めてしまうから、サプライズ企画について他の人にも話せなかったという。
そんなこんなで、真鍋なら心配ない、という日常に琴浦さんはようやく気付くのです。{/netabare}
琴浦さん=サイコという設定とストーリーを絡めた良話でした。
最後はこのセリフで締められます。
{netabare}「お母さま、この世界に私は……」
琴浦さんの世界に変化が起きたということを示すセリフですね。{/netabare}{/netabare}

八話:デートじゃないもん○
{netabare}~あらすじ~
琴浦さんが風邪を引いた日の話です。
前半では、琴浦さん宅での看病が、
後半では真鍋と琴浦さんとの初デートが描かれました。

~構成~
○op前
真鍋から琴浦さんへの誕生日プレゼント(ロケットペンダント)
○Aパート
琴浦さんの風邪。
超能力が使えなくなった琴浦さん。真鍋は煩悩を鎮めつつ、看病します。
○Bパート
初デート。
普段からとても仲良しな二人の初々しいデートです。プリクラをロケットペンダントに入れる演出もあります。
○ed後
琴浦さんの超能力が再発現し、同時に倒れてしまいます。

~8話のお話~
普段からいちゃいちゃし放題の琴浦さんと真鍋ですが、今回は少し様子が違います。同じ二人きりという状況でも、意識しているのとしていないのとでは大きく異なりますから。
デートを意識し過ぎたのでしょう。琴浦さんはいつも以上におどおどとしていて可愛かったです。
{netabare}8話では、一時的とはいえ琴浦さんの読心術が消えます。生まれてこのかた常に超能力と共に過ごしてきた琴浦さんにとって、超能力がないことの方が非日常です。映画館での何気ないセリフが、それを如実に物語っています。
{netabare}「映画見にくると、いつも見る前にラストが分かっちゃうんだよね…」{/netabare}
幸い、今日は超能力が消えています。非日常を満喫する琴浦さんでしたとさ。{/netabare}
どの映画も全てネタバレされる世界なんて、嫌ですね。{/netabare}

九話:まわりにはみんなが○
{netabare}~あらすじ~
琴浦さんは、連続通り魔の思考を読んでしまいました。その事実がきっかけで、琴浦さんは再び風評被害にあいます。励ます為、琴浦爺は食事会を開きました。しかし、高級ホテルにて、琴浦さんはお母さまと出会ってしまいます。真鍋の活躍により、琴浦母子の関係にひびが入りました。
一方、森谷さんは琴浦さんに対する罪悪感から、一人袋小路に迷い込むことになります。

~構成~
○op前
刑事さん達の状況
○Aパート
ESP研にて、連続通り魔の話題。帰り道、真鍋は琴浦家にお邪魔することに?
○Bパート
刑事さんとの邂逅。琴浦爺の誘いにより、ホテルでディナー。
○ed後
森谷さんの手が血塗れに。

~9話のお話~
4話以来のシリアスメインといえるでしょう。連続通り魔という非日常の介入により、琴浦さんが築いてきた日常に微かなひびが入ったと思われます。
それにしても、この話では真鍋の安定感を痛感することになりました。{netabare}目が据わっていてとてもではないけれど近づきたくない琴浦母に対し、「俺、琴浦と離れる気全然ないんで」と言うその勇猛さ(?)は素晴らしいとしかいいようがないです。
しかも、それによって琴浦母の心根が垣間見えたのですから、グッジョブです。
そして、ed後のワンシーンが意味深です。さて、森谷さんはどうなってしまうのでしょうか。
次への引きが上手いですね。{/netabare}{/netabare}

十話:だけどあなたはいない△
{netabare}~あらすじ~
森谷さんは通り魔の第一発見者で、友人の証言のせいで逮捕されました。ESP研(真鍋抜き)は犯人を見つけ、事件を解決しようとします。その際、真鍋は琴浦さんの危険を鑑みて反対、不参加となりました。部長が囮となり、作戦を実行に移しました。

~構成~
○op前
学校に報道陣。森谷さんが逮捕された!?
○Aパート
警察署にて。ESP研が乗り込んで森谷さんの証言をする。
○Bパート
ESP研は犯人探しをする。(真鍋は抜きで)
部長が囮になる。
○ed

~10話のお話~
今まで一度たりとも衝突したことのなかった二人(琴浦さんと真鍋)が初めて喧嘩別れしました。{netabare}先輩方は楽観視して静観していますが、琴浦さんは友達がいなかったから、喧嘩もしたことがありません。仲直りはどうなるのか。先への期待が高まります。
一方で、刑事さんの不穏な動きの見せ方が秀逸です。普通な人に見せかけながら、小さな違和感をばらまいていくというのは、なかなか出来ないことかと思います。
「いい友達だよね。だって、平気であなたと一緒にいられるんだもん」
衝撃のセリフです。
そして、衝撃のラストでした。部長が背後から犯人に狙われ、鈍い音を残して幕引きという。{/netabare}これは、11話を見るしかない展開ですね。{/netabare}

十一話:スタンド•バイ•ミー◎
{netabare}~あらすじ~
連続通り魔に襲われたESP研。室戸が身を挺することで、百合子は守られました。しかし、そのことに百合子と琴浦さんは責任感を感じます。責任感ゆえの行動が起点となってストーリーが展開されました。百合子と室戸の関係。森谷さんと真鍋の関係。琴浦さんと真鍋の関係。そして、連続通り魔事件の行方。真犯人は刑事さんでした。

~構成~
○op前
犯人とESP研の大立ち回り
○病院
室戸君は軽傷。琴浦さん、自分を責める。
○刑事さん宅
一人でいる琴浦さんを刑事が保護、自宅に連れて行く。
○小学校前
琴浦さんに逃げられた森谷さんは真鍋に活を入れる。告白。
○病院
室戸君と百合子さんの話。
○刑事さん宅
真犯人は刑事さんだった。
○ed

~11話のお話~
今話は部長(百合子)と室戸先輩にもスポットが当たりました。2話から節々に前振りがありましたが、10話辺りからぐいっとクローズアップされてきて、11話で完全に話題とあいなりました。

{netabare}○千里眼を持つ母親に降りかかった災難のせいで闇を抱える百合子。しかし、悪役に徹し切ることは出来ません。そんな百合子を静かに見守る室戸。二人の間では、少し狂いが生じながらも、儚い関係が出来上がっています。{/netabare}
室戸達の話以外にも、11話では、1話の再来とも思える程に心情が裸にされました。

①森谷─真鍋
{netabare}森谷さんは一途でした。初登場からここに至るまで、真鍋への愛を貫いたのです。ある意味清々しい程の恋心。ここまでくれば賞賛に値するでしょう。
{netabare}「ずっと好きでした」
真鍋は告白をされますが、
「すまん、俺は琴浦が好きだ。お前の気持ちは受け取れない」
断ります。しょうがない。だって、あの二人は……。{/netabare}
森谷さんにとっても二人の関係は大事なものとなっていました。二人の関係が続くことを心の底から願ってしまっていたのです。でも、自分の心は偽れない。だから、告白して散る。
{netabare}これが、森谷流というやつですか。{/netabare}{/netabare}

②刑事•月野さん
{netabare}なんと、真犯人が刑事さんという話。
月野さんは一人ぼっちでした。ずっと誰からも受け入れてもらえずに生きてきた。なのに、自分が持っていないものを全て持っている少女•琴浦さんが現れた。
月野さんはストレスが爆発してしまいます。想像に難くないことですね。
しかし、彼女の二重人格には正直驚きました。ストレスを溜めてしまう表人格とストレスを解消する裏人格『俺』。今後症状が改善してくれることを期待したくなるような終わり方でした。{/netabare}

③琴浦さん─真鍋
{netabare}ここだけが少し不満といえば不満です。
今回琴浦さんは真鍋に縋るばかりで逃げに徹してしまいます。目の前のことから目を逸らしてしまったのです。
{netabare}「悲劇のヒロインごっこ」
『琴浦さん』で出てきたフレーズですね。少しそうなってしまったかと思います。{/netabare}
具体的にどこをどうすればということを言えないのが悔しいですが、琴浦さんの苦悩や成長を描いて欲しかったなと少し思いました。
しかし、真鍋側が琴浦さんに寄るというシナリオとしては、真鍋の思考がよく描けていて良かったです。
{netabare}「俺はずっと琴浦といるって言ったじゃないか」{/netabare}
真鍋は強いですね。
それに、琴浦さんの設定を考えると、このシナリオが最善かもしれないです。{/netabare}{/netabare}

十二話(最終回):伝えたい言葉(ココロ)○
{netabare}~あらすじ~
ESP研は百合子の変心により、「超能力者で遊ぶ部」となりました。その日常が描かれます。その後、琴浦さんが家に帰ると母親が。図らずも、母親が本心ではずっと琴浦さんのことを思っていたことを知ります。「言葉にしないと伝わらない想い」があることを知った琴浦さんは真鍋に告白し、真鍋からも返事を受け取りました。「ずーっと好きだ」

~構成~
○op前
本日をもって、ESP研を解散します。
○Aパート
新ESP研発足。カラオケ。琴浦宅に母出現。
○Bパート
琴浦さん、母と和解。そして、真鍋と愛を確認し合う。
○ed「希望の花」
「琴浦さーん!」
「みんな、おはよう!」

~12話のお話~
大団円であります。涙腺が緩みました。
琴浦さんが数々の苦難を乗り越えてくる姿を見た私達は、その温かさに涙するのです。
しかし、最後まで落ちがありましたね。
{netabare}真鍋:俺、いつも言ってるからな
琴浦:え、言われてないよ
真鍋:え、そうだっけ?
あろうことか、真鍋は口頭で「好き」と言ったと勘違いしていたのです。
琴浦さんか言葉にすることの大切さを知ったのは何だったのか。唖然とする琴浦さんに、真鍋は
{netabare}「ずーっと好きだ」{/netabare}
耳元で。息のかかる至近距離で。目を見て!
琴浦さん、良かったね。本当に良かったね。{/netabare}
幸せな話です。{/netabare}

──────────────────────☆彡
以下、少々細かな話をさせて頂きます。

★森谷流について
{netabare}「もりっ!」を掛け声とするのが森谷流武術です。
両手を大きく広げて、上下互い違いに曲げ、声を上げたなら、あなたも立派な森谷流門下生です。門下生募集中らしいので、入ったらいいと思いますww
この流派は謎が多すぎます。

{netabare}①異様な高学歴
なんと、東大出身とハーバード出身がいるのです。
②あの構えは何なのか
まだ普通に筋トレやっていた方が強くなれそうな?
③森谷ヒヨリの母
彼女のあの格好はなんでしょう。まさか宗教団体じゃあるまいね。というか、原作では確かに宗教団体だそうな。
④敷地面積
きっと相当なものです。琴浦さん爺の豪邸に匹敵しそうな程。{/netabare}

そんなくだらな面白い森谷流は、本編で漏れなくネタにされます。
門下生が少なかった昔、森谷ヒヨリが映ったビラを配っていたそうな。それを回収した真鍋は琴浦さんに引っ越し祝いとして渡します。
そして、その写真は琴浦さんの心のオアシスとなるのでした。{/netabare}

★琴浦さんは何故可愛いのか
{netabare}まず、言えることは「可愛いに理由なんてない」ということです。だから、こんなコーナーはナンセンスな訳ですが、それでもやりたくなってしまったという。
なので、僕なりにやってみます。

①可哀想系ヒロイン
{netabare}主人公がヒロインの酷い境遇を知り、ストーリーが展開するという話は多いですね。「琴浦さん」もその一つであるはずです。こういうパターンが多いのは、それだけ魅力があるからです。ある意味で王道的な魅力があるということです。
男というものは、哀しいかな、女の子を守りたくなってしまうものです。可哀想な境遇を持った女の子というだけで、多少のことは許せてしまう世の中ですから。{/netabare}

②健気さ
{netabare}青年:確かに可哀想ならば嫌いにはなりにくいですね。でも、それは好きとは別の感情ではないですか?
博士:そう、そこがポイントなんだよ。いくら可哀想でも、性格が最悪だったら誰も好きになってはくれないね。
青年:ということは、琴浦さんは性格がいいと?
博士:うーん、それもあるけど、ちょーっと違うかな?
青年:なんですか。もしかして、博士にも分かっていないのですか!
博士:そうさ、分かってない。でも、一つだけ言えることがある。それは──
青年:それは?
博士:琴浦さんは頑張ってるんだよ!ただただ身の不幸を嘆くんじゃなくて、ちゃんと頑張ってるんだよ!「俺は不幸だ」とか、「才能がないから仕方がない」とか言いながら何もしないやついるじゃんか。でも、琴浦さんは違ーう!
青年:お、おう……。
博士:彼女には意志がある。自分ももちろん幸せになりたいけど、他の人が傷つくのはイヤだっていう。それで閉じこもってしまう訳だけど、真鍋がその殻を破った後は、まるで今までの不幸を取り返そうとするかのようだったよ!恋、勉強、部活。精一杯満喫しながら、森谷さんと和解したり、お母さまとの関係改善に努めたりして、自分から幸せを掴み取ろうとしてるんだ!つまり、つまり──
青年:なんとなく分かりましたよ。つまり、健気ってことですね?
博士:そう、健気なんだよ!{/netabare}

③小動物的な?
{netabare}青年:ところで博士、このリスはとても可愛いですね。
(リス:キュンっ)
博士:そうだろそうだろ。可愛いよな!つまりそういうことなんだよ。話が早くて助かるなあ。
青年:いや、なんのことですか。分かりませんから。
博士:(チッ!)
青年:舌打ちしないで教えて下さい。
博士:いやだからさ、琴浦さんは小動物なのだよ。
青年:へえ、どの辺りがですか?
博士:くりくりした瞳!ふわふわした髪!ころころ変わる表情! ふわふわしたもみ上げ!ぺったんこな胸!あと、仕草も!
青年:へ、へえ……
博士:要するに、琴浦さんはぺったんこ可愛いんだよ。
青年:結局何もまとめませんでしたね。
博士:つるーぺたー、ぴったんこ♪{/netabare}{/netabare}

★真鍋と琴浦爺の関係について
{netabare}博士:私は、あんなじじいになりたいよ!
妻:勝手にすればいいわ。
博士:私はお前が心配だよ。くれぐれも琴浦母みたいにならないようにね。
妻:あー、はいはい。(皿を洗いながら)
博士:よし、あの二人の関係について語らおう。
妻:(ジャー)………うーん。
博士:私達も将来的には娘を嫁に出すことになる訳だよな。だけど、琴浦爺の態度について、率直にどう思う?
妻:(ジャー)…………。
博士:ねえ!聞いてよ。
妻:うるさい。
博士:お願い。聞いてくださいお願いします。
妻:(キュッ←蛇口をしめる音)はいはい。で?琴浦爺がどうしたのよ。
博士:彼はさ、娘に寄り付く蠅──つまり真鍋のことだけど──を歓迎してるじゃんか。
妻:そだねー。「この大チャンスを逃すとは何事か!」とか喚いてた。
博士:そうそう。それがさ、果たしてどう評価されるべきなのかってことをさ、語らいたいんだよ。
妻:うざっ
博士:っいまなんて?
妻:そういうのはあの青年とやりなさいよ!私は今忙しいのよ?
博士:そんなに怒らないでよ。じゃあさ、一言でいいから。一言だけ。……ね?それでいいから。
妻:まあそれなら。
博士:で、結局のところどう思う?
妻:あたしは理想的だと思うわよ。だってさ、真鍋いいやつだもの。
博士:………?
妻:……?
博士:それだけ?
妻:うん、それだけよ。親の役割って、子供が引き返せない道に入り込みそうになった時に引き止めることくらいだから。あのじいさんは琴浦さんの祖父でもあり、父でもある訳よね。父親は子供の道を正す。祖父は孫に愛情を注ぐ。それでいいと思うの。だから、真鍋と琴浦爺の関係は理想的じゃない?
博士:(ブンブンッ)うんうん。それが言いたかったんだよ!凄いよ。流石!
妻:そ、そう?なんか照れるわね。
博士:今日は一緒に寝よう?
妻:な、な…唐突ね!?(カァー!赤面)

娘:お父さん、彼氏連れてきたよ!
博士:何を!俺は断じて許さないからな!{/netabare}

★真鍋の精神構造について
{netabare}青年:僕は、彼が何者なのかと問いたいです。
博士:……ん?
青年:つまりですね、真鍋は果たして人間なのかと問いたいのです。
博士:はぁ…。
青年:なんですか。反応が薄いですね。
博士:今、君の真意を測りかねてる。
青年:何と言ったらいいのでしょうか。彼は、少々人間離れしていますよね。例えば、いわゆる『妄想爆発』です。断じて妄想が凄いとかいう訳ではないのですが、意図的にあそこまで思考を制御できるものなのかと。
博士:なーるーほーど。それは確かにそうだ。真鍋は四六時中エロスを思考してて、嫌みなことを何一つ考えないからね。
青年:そうです。彼は聖人君子か何かかと思う程に健全なんですよね。エロスとは言ってもR指定すら付かないレベルだし、何より、人の悪口が一瞬も浮かばないというのは尋常じゃないと思うのです。だってそうでしょう?普段僕たちは穏やかな日常を送ってますが、それは表に出す言葉や表情を意図的に制御しているからです。裏で一瞬も悪いことを考えない人なんていないんですよ。
博士:なのに、真鍋はその枠外にいるからね。
青年:はい、そういうことです。
博士:うーん、どうなんだろうね。確かに現実では考えづらいことだけど……アニメだからねww
青年:それは禁句です。
博士:まあ、相応な精神修行を積めば、無理なこともないんじゃないかな。だから、アニメのシナリオとしてはいいでしょ。「ありそうでない」っていう夢を実現する意味でさ。
青年:大きく出ましたね。
博士:問題なのは現実味じゃないんだよ。納得できるかどうかだと思う。真鍋は、そのボーダーラインなんじゃないかな。だけど、「琴浦さん」の主題は琴浦さんの悲劇からの再生だよね。主題と少しずれてるところだから、多くの人がすんなり入り込めたんじゃないかと思うよ。
青年:はあ、なるほど。僕は違和感感じましたけどね。
博士:そりゃあ人それぞれだからね。それに、何も視聴者全員の最高にならなくてもいいからさ。誰かの心に響けば、それは成功なんだよ。
青年:極論ですね……。
博士:まあ、その人数が多いに越したことはないけどね。{/netabare}

★室戸と百合子の関係について
{netabare}愛が高じた共依存的な関係といえるでしょう。
百合子は千里眼の母親にまつわる事件で少し歪んだ価値観を持ってしまいます。超能力を社会に認めさせるためならば、人の犠牲も厭わないという。
一方の室戸は百合子を愛しています。恋を超越し、静かな熱い愛となっています。
「乗りかかった船だ。どこまでも付いていくよ」
百合子の良いところも悪いところも全て飲み込む発言です。
なんだかんだ言って、琴浦さん─真鍋よりも中毒性の高い愛で結びついているといえるかもしれません。
しかし、盛大な落ちがあります。
{netabare}「どこまでも付いて行くって……?」
「まあ、幼なじみだし、今のところ引っ越す予定もないからね」{/netabare}
まあ、なんだかんだいって一番愛していると思いますけどね。{/netabare}

──────────────────────☆彡
◎最後に
前の方にも書いた通り、「琴浦さん」は完璧とは言えない作品です。しかし、「人の心」をとても丁寧に扱った、最高な作品ではあると思っています。まだ見ていない方にはぜひ見て欲しいです。
また、このレビューを読んで少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
各話レビュー及び小節まで全て目を通してくださった方がもしいたならば、最大級の感謝を捧げます。(計14803字)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 40
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

12話鑑賞済み。総評ぽいもの第1稿を追加(4/7)

まず。
今後、視聴したいと思っている方へ。
・下手な予備知識は持たずに観ることをオススメします。
・原作も最低アニメ4話まで観てから読んだ方が良いかと。いえ原作先でも一向に構わないとも思いますw どっちが優秀かとか、そういうお話でもなく。

原作4巻まで既読。
個人的に2013年冬クールNo.1だと思っております。

採点ポイント。
物語:1話の出来が何より良かったので。落としつつもきちっと掬い上げて、凹んだままにしておかないのが○。
3~4話にかけては連続したお話なので、例に漏れますが。

声優&キャラ:何だかんだでカッコよくエロスな真鍋君、初めての人達との付き合いを通して変わっていく春香さん、真鍋君の妄想に翻弄される春香さん、利用するといいつつも良い人な部分が多い部長、見た目はアレだけでどイケボな副部長。どなたも分かりやすくて、面白い人達だと思います。演じている声優さんもそれぞれ場に応じて演じ切れてると思います。

作画:観てる限りでとりたてて不満も無く。あるとすれば・・・真鍋君が意外と恐くないところですかね~。妄想内での春香さんの胸が盛られ気味なのは仕様でしょうw

音楽:場面場面に合ったBGMしていると思います。1話の段々暗くなっていくところとか、印象的でした。OPも耳に残ります。

総評っぽいもの。
{netabare}
・特筆すべきはまず、1話でしょうか。原作に触れたことない人から見れば「何この鬱展開?」と感じること間違い無しのAパート。触れたことのある人でもインパクト大だったことでしょう。かくいう僕も、主人公である琴浦さんのトラウマを真っ先にまとめて見せるなんて思いもしませんでした。
・各話にしても12話を通しても登場キャラにしてもですが、このアニメのキーワードになるのは「ギャップ」だと思います。狙って作られた落差だったとしても、それが何処でどういう展開で来るのか予測不能、そういう点も印象的でした。
・「右肩下がり」という評価が多い(元々面白いと思わない方は別として)と見受けられますが、それは多分・・・1話(もしくは4話まで)の展開が良すぎた為ではないかな?と思っております。

・アニメを見る上で「女性キャラ」に注目することが多い人間なのですが、この作品では珍しく「男性キャラ」に目が行きました。特に真鍋君。終盤辺りの室戸君も良かったです。
・エロ要素は持ちつつも下品にならず、悪い意味での表裏を持たず、締めるところは締められる、カッコ良いキャラだったと思います。

・個人的な欲を言えば・・・。室戸家と部長の物語をもうちょっと大きく扱ってもらえていたらな~と。幼い頃の2人の出会いと室戸母との交流は原作で少し扱われていますが、これも良い話でしたので~。

・OP&ED共物語と一緒に盛り上げてくれたと思います。OPの方は「コシコシコシ」で脳内をリフレインし、EDは良いタイミングで涙を誘う、名曲だったと思います。特殊EDも良かったですよ?w
{/netabare}

以下各話感想です。
{netabare}
12話鑑賞後----------
いきなりのESP研解散宣言!?
と思ったら、部長なりのケジメといいますか、仕切り直しなのでしょう。

エロス成分久々でしたね~。

新ESP研を祝ってカラオケ行こう~。
って学習能力無いのか?とw

11話で部長への想いを語ってくれて良いところみせてくれたと思いきや・・・見事なまでの朴念仁っぷりでw

琴浦母のエピソードは・・・これも不覚にも心にきましたね。
1話以降、それまでの記憶や言動が全て見たままというわけでは無かったんですね。

琴浦さんは心を読んで、真鍋君の好意を知っていたわですが・・・やはり言葉として伝えてもらえたら嬉しいわけですよね。
ようやくお互いに言葉にできた今回は、他のエピソード含め通して幸せを感じられる回で良かったと思います。

周りに誰も寄り付かず、暗い背景でスタートした作品ですが・・・。
ラストは明るい、幸せそうな表情の琴浦さんが対照的で印象に残りました。

10~11話------------
原作からの変更の強かった印象の9~11話でしたが・・・。
「真犯人の存在」「琴浦さんの力の告白」「裏サイト」等々。森谷さんの実家もその一部でしょうか。

(10話)
部長の真意が具体的に動く回でもありましたね。
琴浦さんの力を利用した犯人探しに反対する真鍋君、否定も肯定もしない室戸(何もしない時点で肯定してるとも言えますが)、対極的な男性キャラでした(注:どちらの対応も正しいと思います)。
超能力の証明(=御舟母の復讐)を琴浦さんの力に頼り切らず、最終的には自らを囮にしての犯人探しになりましたが。
身を挺して部長を庇った室戸君も無茶をなさる・・・。

(11話)
心の声や琴浦さんの危機への登場など、相変わらずのイケメンっぷりを発揮した真鍋君。
そんなに心配なら傍にいてあげなさい。 1話で「一緒にいる」「離れてなんてやるもんか」と約束したわけですし。

部長&室戸君のやりとりは、正直泣けました(後々若干の齟齬があることがわかり複雑な心境ですが)。
自分の復讐心の為に、周囲にどれだけの迷惑をかけ、最悪室戸君を失う結果になり兼ねない、そう思い知り心に刻んだ部長。
何だかんだで、傍で彼女を見守り続ける室戸。初めて自身がどう想っているかを言葉にしましたね。といいますか・・・この方も(色々な意味で)イケメンですね~。

結局アニメでは
『月野が通り魔の真犯人で、二重人格』
という展開だった為、「無職刑事」ルートにはなりませんでしたね。
改「良」なのか「悪」なのか言及する気はありませんが、これはこれで納得できる結末だとは思います。

そして次回はラスボス登場と。

9話鑑賞後-----------
第三部突入ですね。
通り魔事件となっていますが、観た記憶では死者は出てないようですが・・・。
うん原作読み直そうw まだ布教活動中ですけど・・・。

狙ったのか素なのかわかりませんが・・・前触れもなくエンカウントしてしまった琴浦母に対して、冗談交じりっぽくも琴浦さんを庇える真鍋君のメンタルに感動しました。他のESP研メンバーもでしょうか。

アニメでは名称出てたか不明ですが・・・「森太郎」怖いw 

8話鑑賞後-----------
今回のお話に沿えているか不安ですが、観て率直に感じたこと。「何気ない普段で感じられる幸せや楽しさの貴重さ」ですかね~。上手く書けないので、こんな表現になってしまいましたが・・・。
心の声が聴こえると映画すらまともに楽しめない。そのエピソードが、表面上ほど軽く聞こえなかったものでして。

Aパートの看病エピソードの真鍋君に於かれましては、忍耐のほど、ご苦労様でしたw いや・・・ちょっと心の片隅で「真鍋のヘタレ」と思わなくも無かったですがw

さて・・・Cパートから推察するに、ここで「第二部完」というところでしょうか。ここ4話はある意味、今後への伏線だったのでは?と思います。

余談ですが・・・某スポーツ中継の為に、琴浦さん以外の木曜アニメが一週分遅れました。
制作局だから、明け方にでも放送してもらえたんでしょうね、多分・・・。

7話鑑賞後-----------
Aパートは続・帰省回、Bパートは原作でいう「こっそりバイト回」でした。

Aパートでの原油発掘?では・・・リアルで晩御飯を吹き出しました。真鍋君&琴浦爺の妄想が重複してる辺りで限界スレスレ、で原油が出て・・・w

暴走真鍋&森谷の辺りとかも楽しく観れました。

Bパートは・・・何より久しぶりの真鍋君のイケメンタルっぷりが観られて、涙が。原作では確かクリスマスのエピソードだったと思いますが、誕生日に持ってきたこの展開も良かったと思います。直前に母の夢を挟んでいる辺りも、引き立てにはなっていたかと。

とりあえず・・・まだ琴浦母の出番ではないようで安心しましたが、今クールでのラスボスは彼女のような気がしているので・・・。

6話鑑賞後-----------
今回も鬱展開無しの、夏休み回でした。
水着回~水着回~w

しかし・・・初めて孫が友達を連れてくるというだけで、テーマパークを作ってしまう爺さん・・・。間違いなく爺馬鹿ですねw でもそんな祖父がいてくれたから、ここまで来られたのも間違いない話で。

部長は色々ズルいなぁ・・・w

そしてEDが・・・。
こういうコメディ色の強い回しか、前回今回のようなノリの曲は使えないでしょうし・・・可愛かったですけども、何か切ない気もしました。

EDにはお母さんが・・・。
次回予告観る限りでは、まだ関わってきそうにないですが・・・。

要所要所でイケメンタルな要素を見せている(ように思う)真鍋君ですが・・・最近若干エロス成分が多すぎませんか?w

5話鑑賞後-----------
アバン終了で「完」て・・・w
ビデオ鑑賞会(?)&体育祭回でした。

布教中につき、手元に原作1巻がないのですが・・・鑑賞会って森谷さん無しでしたよね?確か。
そのせいなのか、前回までの琴浦さんへの仕打ちの罰なのか、Aパートでの彼女の扱いが結構酷いな~とw
あ、でも拳圧(衝撃波)でロウソクを消した辺りはカッコよかったですよ? サイコキネシスではないでしょうけどw

この回は通して暗いお話がなく、初めて「最終回」と言われない物だったと思います。次回も予告を観る限りでは、明るい展開になりそうです。

が・・・その先は?
期待しています。

4話鑑賞後-----------
行方を眩ましてしまった後のお話。3話の続きになりますね~。

まず第一点。誰か駅名にツッコんで下さいよ、とw
調べてみた限り「琴浦」というの駅は無さそうなので、アニメでのオリジナルなのでしょうが・・・。

真鍋君の凹みっぷりが、若干キャラ的にどうかな?と。凹んでるというより・・・ヤケになってる?自暴自棄になってる?そんな風に見えました。落ち込むだけなら良いですが・・・。
(追記)
彼がイケメンタルなのを前提で観てしまい、悪い方向ばかりに目が・・・。いえ今回もカッコ良かったです。直後に雰囲気を壊すシーンが多かったので、相殺され気味でしたがw

琴浦祖父はまぁ見事なまでに原作通りだったかと。
真鍋君とのコンビは最悪ですね、本当w

個人的には今一つ謎なのは、森谷さんと琴浦さんの関係性についてでしょうか。原作での展開からも、それほど大きな違いは無く、2人で話すシーンになるわけですが・・・。
原作でもアニメでも、殆どと言って良いほど軋轢にもなっていない(ように見える)2人の関係とは、一体何なんでしょうか。琴浦さんは森谷さんの内心を知ってるわけですから、言葉が無くとも理解できるのでしょうが。
森谷さんの中で、一体何がそこまでの変化を促したのでしょうか。
この辺については色々な方の見方・ご意見を見たいと思います。

(追記)
今回は森谷さんの登場で阻害されましたが・・・真鍋君&琴浦さん、まだお互いの想いを両方が言葉にしたことありませんよね?
琴浦さんは心が読めますし、3話でのぶっちゃけシーンを陰で聴いてましたからご存知でしょうがw
でも琴浦さんの想いはまだハッキリと語られていなかったように思いまして。
いや、端からみてる分にはバレバレなんですけどねw

さぁ次回からは新展開?ということで。次回予告を観る限りでは、原作では番外編にあった体育祭ネタのようですが。

個人的には、御舟&室戸コンビの幼少期とか観てみたいな~と。室戸母とのやり取りは、この作品とかなり相性良さそうですので。

3話鑑賞後-----------
これまでは「一度落としておいてから掬い上げる」パターンでしたが、今回は「持ち上げておいて落とす」そんな展開でした。

ここがまず第一の山場でしょうか。姿を消してしまった琴浦さん、そして森谷さんとの今後。作品初の次回へ持ち越しエピソードですね。

森谷さんの実家を道場にした理由は何となくわかりますが、むしろこのエピソードではそうで無かった方が良かったんでは?と思います。倫理的にも、演出的にも。

コミックでは番外編として描かれていたカラオケエピソードですが・・・想像以上に酷かったw 「ゆのっち」みたいな微妙な下手さかと思っていました。

2話鑑賞後-----------
ESP研の2人が出てきて、占いネタ~ひと騒動というパートでした。このペースは・・・今期で何処までやるのだろう?と気になってみたり。

森谷さんの実家がアレじゃないのも気がついてはいましたが・・・。

後半での、琴浦さんへの嫌がらせに対する真鍋君の反応が予想より軽めだったので、ちょっと拍子抜け。1話の琴浦さんの半生が結構な鬱展開だったので、テンションの上下の幅が出るものと予想していましたが。
いや原作通りなら、この後もテンションダウン有なんで、そちらに期待(?)したいと思います。

でも「好きだから」というセリフは・・・良かった。
その後のやり取りがあまり無かったが、3話以降で描いてもらえると嬉しいかな?と思います。

1話鑑賞後-----------
前半、シリアスな展開からのスタートでしたが・・・これは良かったと思います。後からトラウマの要因を小出しにされるより、先に見せるだけ見せておいて、そこから明るいコメディ性を出していく。それだけでも、まず救われた気持ちになれます。
というか、正直泣けました。「TARITARI」以来でしょうかw

確かに、知っていること思ったことを(直接的に)何でも口に出してしまうのは、人間関係を悪化させる要因ではあります。

が・・・幼い頃にその技術を求めるのは酷だったと思います。ある程度成長した暁には配慮や思いやりというものを持たなければならないのも、当然だとは思いますが・・・。

といいますか・・・彼女の両親には何の同情の余地も無いな、と。
何が理由かなのか、外に女を作っていた父。娘のこと・旦那のことと原因は色々あれど、最終的には「産まなければ良かった」と口にしてしまう母。
最悪だな、と。

真鍋君に逢って、彼女にも明るさが見えてきたように思います。
そこが今回の一番の見所かな?

(追記)幼少期~真鍋君に逢うまでが一番の鬱展開かと思いますが、原作通りにいくとまだまだ山あり谷あり・・・。これからも泣かされそうな気がします。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 48
ネタバレ

おかず台 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

琴浦さん

ベタながらもかなり良い作品。
あえて原作を読まず、先を知らないままアニメでストーリーを楽しんでいきたい。

自分の性格からして途中で止まりそうな気がヒシヒシとするが、できる限り各話の感想をそれぞれ随時書いてみる。


第1話感想
{netabare}
良い! 凄く良い!! 今まで見た2013/01開始の新アニメの1話で一番良かった!
アバンの琴浦さんがどんどん傷ついていく様子が(穿った見方だが)、逆に「これから彼女どんな良い事があるんだろう? どんな変化が訪れるんだろう?」と凄くワクワクさせられた。
なのでサブタイトルにも出ている「真鍋の隣に座れ」と言われた時は「キターーー!」となった。

アバン後に入るOPもそれまでの展開とのギャップが凄く、ここからはこういう作品になる、アバンで期待した通りになる、と言う事が分かる。

ちょっとベタだけど1話の構成に感心、期待させられたのでこれ以降も期待したい作品。
{/netabare}

第2話感想
{netabare}
い~よい~よ~。期待通りだよ~。やっぱり今の所一番面白い。
真鍋に出会い、また今回ESP研究会に誘われた事による環境の変化、彼女自身の心境の変化がよく表現されていた。

琴浦さんは転校して来た時は無感情に振舞っていたのが、彼女本来の優しさ、明るさが出てきていたし、真鍋はふざける事が多くても馬鹿なわけじゃない。
今回は琴浦さんをいじめる代表だった森谷も、彼女への嫉妬が一番の動機とは言え言ってる内容は転校してくるまでは(残念ながら)琴浦さんにとっては当たり前の内容と、「理解者がいるからといって全て解決ではない」こと「理解者の少なさ」を表してる。

ただOP・EDを見ると森谷もどうやらESP研究会所属となる様で、「どう琴浦さんと和解するか」も今後の見所。
彼女が真鍋と仲良くなった、好意を持つ様になったきっかけも琴浦さんと似た経緯があったようだから、その辺がポイントになるのかな?


それにしても琴浦さんちっちゃくて可愛い。
{/netabare}

第3・4話感想
{netabare}
漏れ出てきていた3話の感想から、「どうやら3話は続くで終わって、しかもあまり後味が良くないらしい」と感じていたので、4話が来るまで我慢して続けて視聴。
うん、我慢して良かった。
と言うかこの2つの話、良い話なんだけどそれぞれの気持ちが複雑に「すれ違って」るんだよね……上手く書けるだろうか。


前半は前回からの続き的に琴浦さんと、真鍋含むESP研と仲良く。
「今が一番だなんて言うな」は言うと思ったけど、よく言ったw


しかし森谷との確執は当然前回では全然解消されてない上に、意中の相手の真鍋が直接的・間接的に目の前で琴浦さんとイチャイチャしてる物だからフラストレーションがたまり、遂には家の道場の門下生に頼んで……。
(ていうか空手の道場かと思ってたけど、この時の稽古内容からして森谷道場って中国拳法?)
ここ、琴浦さんを襲わせるのかと思ってしまった。良くない展開になるらしいことが分かってただけに余計に。
真鍋じゃないけど、本当に「まだ真鍋で良かった」。場合によってはそれこそ取り返しがつかなくなるし。

でも「襲われてる真鍋を森谷が助ける」とかそういうベタな事がやりたかったわけでもなく、単に痛めつけただけ。
ここだけは僕には彼女が何をしたかったのかよく分からなかった。「可愛さ余って憎さ百倍」って事だろうか?


翌日、担任から真鍋の入院を聞かされるわけだけど、ここは3・4話で一番重要なシーンじゃないかと思う。
正確には自分のしてしまったことに恐怖する森谷と、それに気付いた琴浦さんの反応が。
(ここも台詞・その演技・表情・振り返り方と恐怖・動揺・逃避・後悔が良く表現されててこういう所は……「も」ホントに上手い)

と言うか重要かつ色々な事が凝縮されてて何から書けばいいのか……。
よし、時系列に関係する順番に、簡潔に書いていこう。


「大丈夫だよ」と安心させるように微笑む所。
一見2話以降に見せていたような、彼女の本来の優しさの表れに見えるけど1話のアバンで描かれていたように、小さい頃から心の声を聞いて知ってしまったことを素直に口に出してしまい、それが原因で関係を悪化させてしまっていた彼女。
それを思うとただ「優しく抱えこんでしまう琴浦さん」ではすまないことが分かる。
むろん高校生にもなっているんだからそれくらいの成長は当たり前かもしれないが。


そしてそれを森谷は「自分を庇った」かの様に感じたけど、後からの琴浦さんの「自分がいなくなれば元の日常に戻れると思った」と言う考えを聞くと、ちょっと違うんじゃないかと思った。
この件に関して客観的に見れば嫉妬し事を引き起こした森谷が原因だけど、琴浦さんにとっては「自分が転校してきたことで人間関係が変わり、彼女にそんなことをさせてしまった」と言う事件。

詳しく描写されてないから、彼女がどう「変えた」と思ってるか、具体的には「心を読める人間が来た」事か真鍋が自分を好きになったことかその両方かまでは分からない。
ただ、これまでの彼女の事を考えると前者、テレパスに関してだと思っているのじゃないかと個人的には思う。
理由としては
・何度もそのことが原因で人間関係を壊してしまった
・実際2話ではそのことを理由に森谷は琴浦さんをいじめていた
・恋愛感情が原因なら彼女がいなくなったからと言って元には(少なくともすぐには)戻らないが、テレパスである彼女がいることが原因なのなら確かに戻る
という事から。


更にもう一つ、4話の最後に「森谷をあっさり許しすぎ」という意見もあるけど、彼女が真鍋を襲わせてしまったことは本人の悪意の有無など違いはあるものの、大きく見れば「自分の行動が原因で周りに迷惑をかけた」という点においては琴浦さんと一緒だったりする。
だからこそ琴浦さんは「心が読めた」というだけでなく、その気持ちがよく分かるから「大丈夫だよ」という言葉が出てきたのだと思う。
この事で琴浦さんと森谷はお互いにある程度同じ立場に立っている(森谷がそこまで下がったとも言うが……)。
更に時間経過による心の整理もあり、お互いに相手の嫌な気持ちを分かりあったことで謝罪一つで和解出来たのだと思う。

しかし前述の通り琴浦さんはこの件の原因を勘違いしていた可能性が高いので、そう考えると逆にやっぱりここも森谷から歩み寄った形になってる所が大きい気もする(勿論森谷が悪いというのは前提の上で)。
ただ琴浦さんの幸せと同じ様に森谷との関係も終着点ではなく、むしろようやくスタートラインに立ったところなのでそれも今後の見所……かな?


真面目な事を長々と書き過ぎたので、最後に不真面目な事も少々。
・「喜んで大ジャンプ」とか今時まず無い演出描写w もちろん狙ってやってるんだけど、「良い思い出」な回想シーンにまで混ぜるのやめてw
・今回気付いたけど真鍋のエロ妄想、「現実の本人はしない琴浦さんの色っぽい表情が見られる」というのは視聴者的においしいシーンだなぁ。良いぞもっとやれ!
{/netabare}

第5話感想
{netabare}
今回は(今回から?)完全にギャグ回。1話でOPを見た時「こうなるんだろう」と感じた内容そのもの。
実際にはそこから3話半かかった訳だけど、その積み重ねが例えギャグ回であろうと、話に深みを与えているように思う。


そして今回はギャグ回であると同時にほぼ森谷回。3・4話でお互い相手の気持ちに共感したおかげで、琴浦さんと森谷はすっかり仲良しになりたい2人。
(特に「また嫌われた~」と泣く下りはそれだけ森谷の本気度がうかがえる)
良く考えると森谷は今まで暗黒面ばかりが描かれていて、琴浦さん以上に本来の性格が出ていなかった事に気が付いた。
むしろ今度の件で成長し、精神面では琴浦さんが転校してくる以前より良くなってるかも?


更に後半は2話に稽古風景が出てきた時点でかなりおかしかった「森谷道場」がネタに。
いや、アレおかしいとは思ってたけど、この為の前振りだったのねw
すっかりツボにハマって笑いっぱなしの琴浦さん(と言うか僕も思わず笑ってしまったw)
この関連に関してもちろん森谷本人は全く悪くなく、あえて誰が悪いかと言うならこれを持ってきた真鍋。
ついでにこの件、部長と真鍋は直接相手を弄る描写が多かったのに対し、琴浦さんはあくまで自分の中で納めておこうとしている所に性格の差が出ている。
(予告は本編外なのでノーカウント)


そしてEDも今回から変更、その名も「ESP研のテーマ」!
今回の内容を踏まえると前奏の時点で笑えるというか酷いというか(苦笑)


今回の萌えポイント
借り物競争時、自分の方に向かってくる真鍋を見る琴浦さんの、期待と恥ずかしさが半々の顔w
{/netabare}

第9話感想
{netabare}
おじい様からの電話はあんな感じの内容だろうと思ってたw
そして今回はついにお母様とも直接再会。
真鍋はお母様にも認められて2人は保護者公認カップルに!(爆)

この時の真鍋、凄いなぁ。体を張ってお母様に思わず琴浦さんを庇わせてる。
お母様は素直になれないだけなのか、それともまだ琴浦さんに対する愛情が残っていただけなのか?


それにしても未だに森谷に対する批判の声聞くけど、個人的には彼女より部長の方がいまいち好きになれない。
どうも部長は琴浦さんを復讐の道具扱いしている部分が大きい気がする。


ついでに通り魔犯は誰だろ?
普通にみれば一番怪しいのは女刑事なんだけど。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

84.8 2 AICでシュールなアニメランキング2位
人類は衰退しました(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2326)
11683人が棚に入れました
わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は”妖精さん”のものだったりします。平均身長10センチで3頭身、高い知能を持ち、お菓子が大好きな妖精さんたち。わたしは、そんな妖精さんと人との間を取り持つ重要な職、国際公務員の”調停官”となり、故郷のクスノキの里に帰ってきました。祖父の年齢でも現役でできる仕事なのだから、さぞや楽なのだろうとこの職を選んだわたしは、さっそく妖精さんたちに挨拶に出向いたのですが……。

声優・キャラクター
中原麻衣、石塚運昇
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

[追記あり]不条理ギャグとブラックユーモアが詰まったSF童話(原作ファンによる解説付)

原作は田中ロミオのライトノベル
田中ロミオはかつては山田一という名義で
アダルトゲームのシナリオライターをされていた方だと言われています

私はアダルトゲームは大分昔に卒業してしまったので
最近の事情はさっぱり分かりませんが
彼のデビュー作である『加奈 〜いもうと〜』
その少しあとに出た『家族計画』
の二つは友人の勧めでプレイしています
もう10年以上前の話なので記憶も不確かですが
どちらもどちらもシナリオに関しては高い評価をつけられる作品だったように記憶しています
原作者が7巻あとがきで「ファンが中年男性ばかり」
なんてネタにしていましたがこの辺に原因があるのでしょうね

まぁしかしそれらとはちょっと毛色が違う作品なのが
この「人類は衰退しました」です

科学文明は衰退の一途を辿り
もはや人類の滅亡は秒読みに入っている
そんな退廃的な世界設定とは裏腹に
不条理ギャグで展開されるようせいさんワールド
童話のようなほのぼのとした一面を見せたかと思えば
次の瞬間には風刺の効いたブラックユーモアが炸裂する
このジェットコースターのような目まぐるしい物語の起伏から
振り落とされずについていけさえすれば
このアニメを楽しむことができると思います
ただしアニメの方はいろいろ端折っていたり
時系列がめちゃくちゃだったりするので
無用な混乱を避けるためにも
原作で予習しておくといいかもしれませんね

以下原作ファンによる各話補足です
原作未読かつアニメ未視聴な方は対象外
無駄に長いので時間の無い方にもおすすめしません
{netabare}
episode.01&02 妖精さんの、ひみつのこうじょう
{netabare}
4巻前半エピソード

エピソードの順番変更には賛否両論ありますが
これを先頭に持ってきたこと自体は正解だったと思っています
最近のアニメは最初の数話で視聴者の心をがっちりつかまなくてはいけません
原作通りに「妖精さんたちの ちきゅう」
を先頭に持ってきていたら
あまりに地味すぎて見向きもされなかったでしょう
そういう意味でアニメの掴みとしては
チキンの反乱や食パンの自害など
シュールで強烈なインパクトがあるこの話
アリだったんじゃないでしょうか?

1~2話のテーマは食糧生産と生命倫理
人間を含めて動物というものは
基本的に他の生き物を食べないと生きていけません
海外ではでは食事の際に神に感謝し祈りを捧げたりしますが
日本では古来より食べる相手に対して
命を譲り受けることに感謝の意を表してきました
「いただきます」というのはつまり「お命頂戴します」という意味です
しかし、その命を分け与えてもらうという感覚は
食品が加工された状態で手に入ることが当たり前の現代では
ついぞ忘れてしまいがちなものですね

1話の冒頭で「食べる」=「殺す」の方程式を
まざまざと思いだす事になった「わたし」ちゃん
調査のために向かった食品工場では
責任者たちさえその工程を知りません
そこで起こっていたのは
人間に食べられるために生み出された
すなわち殺されるために生み出された者たちの反乱でした
しかし、運命への反乱を企てた彼らでしたが
抵抗むなしく結局は人間の糧となってしまうのでありました

ちなみに調理の手間を省くために
品種改良で羽根の無い鶏を作るという計画は
既に 実 現 し て い る という事を
皆さんはご存知でしょうか?
興味のある方はこちらをどうぞ
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52076503.html
{/netabare}
episode.03&04 妖精さんたちの、さぶかる
{netabare}
6巻後半エピソード

テーマは娯楽作品の在り方

「Y」が発掘されたマンガをもとにBL同類誌を発行
それが世界レベルで伝播していって
クスノキの里にて大規模な即売会が開かれるに至る
何がすごいかってここまで大事になっているのに
この段階ではまだようせいさんが全く関与していないこと
「Y」・・・おそろしい子・・・

漫画の世界に囚われてからは
人気至上主義のサバイバルゲーム
露骨に実在の作品をにおわせるような風刺や
作品の人気とと本質的な面白さの乖離についての議論など
ある種の業界批判に近いものもあるので
割ときわどいネタだったように思います

2番目のエピソードとしてこれを持ってきた理由は
制作サイドの中でこのお話の評価が高かったからではないでしょうか?
このお話のテーマはアニメ業界にも通じるところが多々あると思うんですね
原作と放送順を変えてきたことだって
「Y」がやった場当たり的な人気取りの手法と紙一重だと思いますし
実際にアニメ制作にかかわっているような人であれば
この話にはいろいろと思うところがあったのでしょう

ちなみに原作だとその後も里では即売会が続き
「わたし」もこっそりサークル参加を試みるのですが
断片データとして発掘された古典文学の抄訳集
なんてニッチなものをを出品した挙句
「Y」に見つかって上から目線でバカにされ
売れ行きも散々という落ちがつきます
{/netabare}
episode.05&06 妖精さんの、おさとがえり
{netabare}
3巻エピソード

他の巻は1巻2話構成になっていますが
この巻だけは1巻1話構成になっている長編です
他の話と同じ密度でやろうとすれば4話必要になる計算
それを2話で強引にまとめた結果・・・大惨事

つぎはぎだらけのアニメ版「おさとがえり」
テーマもぶれていてよくわかりません
本来は2巻後半で初めて登場した「助手さん」と「わたし」
が、大冒険の末に絆を作っていくお話であり
P子とO太郎を巻き込んで(というより捲き込まれて?)
ドタバタ話がとんでもない方向に進んでいくのを楽しむ作品だったはず

ようせいさんまぬある(マニュアル)に説明されていた通り
一時的なようせいさん不在により
どんなに破天荒でも絶対安全な不条理ギャグモードから
生命の危険に満ちたシリアスモードに突入
ようせいさんの加護の無い状態で遭難した二人は
古代遺跡の中を彷徨うも一向に出口は見つからず
次第にに水と食料は底をつき
ついには二人の気力と体力も尽き果てて・・・

というあたりの描写はほとんどカットに近いレベルで
かる~く流されていましたね
こうなるとまぬあるが出てきた意味がほとんどないですね
まぁ「じかんかつようじゅつ」より先に放送しているので
「助手さん」との交流のお話は大幅カットなんでしょうね
正直この順番で放送する意味がまるで理解できないです

後半の怪獣大決戦はアニメにすると絵になるシーンなのはわかりますが
そこだけに力入れてもらっても
そこに至るまでの過程による盛り上がりがないので
ちっとも面白くなかったですね
ラストのP子&O太郎の正体とその後の話も尺不足の中に
無理やり突っ込んだだけという感じで
本当にひどい回になってしまいました
{/netabare}
episode.07&08 妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ
{netabare}
2巻後半エピソード

本来は助手さん初登場のはずのエピソード
つまり読者も「助手さん」について全く知らない状態から始まり
不確実で不明瞭な存在だった助手さんを
「わたし」たちの妄想と願望を練り合わせて
「わたし」好みのショタっ子に染め上げるお話のはずです
つまり助手さんは謎の新キャラでないと意味がありません
このエピソードがアニメ中盤に持ってこられている時点で
もはや話の骨組みが半壊状態ですね

しかしこの不明瞭で不確実な人間というのは
活字で表す分には簡単ですが
アニメでは表現が難しかったのかもしれません
アニメは小説よりも情報が多すぎるのです
それはこの話以外でも随所で問題を起こしています
このシリーズはいわゆる叙述トリックのようなものが
小ネタとっしてちょこちょこ仕込まれていたりします
「ひみつのおちゃかい」におけるクリケットなんかもそうですね
映像化してしまったら身も蓋もないようなものは
アニメスタッフとしても手に余るものだったのでしょう

今回の話でも、もう一つ映像化がうまくいかなかった部分がありました
森の中で「わたし」が「わたし」に遭遇するシーンですが
原作では「わたし」は最初相手のことに気が付いておらず
面識のない女性という表現になっています
そりゃまぁ面識はないですわな
しかし同じ時間を繰り返していくうちに
どうも目の前の相手が自分であることに勘付いていきます
そしてお茶会で助手さんについての噂話を終え
タイムスリップする直前になって
同世代だと思っていた自分の話し相手が品のいい老婆であり、
周りの「わたし」たちの年齢もまちまちであることに気が付いたところで
バナナでスリップしてタイムスリップ

そしてそのあと、ようせいさんから最新型のバナナを受け取るのですが
ようせいさんの説明によると
「ずれなくなりました」
「あと、ちゃんともとのもどるです。ちょーおっけーです」
「ずっとおめしあがりいただけます」
後日事務所の外にバナナの木が植えられているのが見つかります
そのバナナを食べると転んでしまうのですが
怪我をすることも意識が途切れるようなこともありません
バナナは食べても食べても次の日には実をつけています
転んでしまうことにさえ目を瞑れば
つまり一生食べ放題なわけですね

さて…助手さんついて噂をしていた「わたし」たちですが
アニメのように事件前後の「わたし」を集めたのか
小説のように一生分の「わたし」を集めてきたのかで
その噂話の意味合いというか重みが全く変わってくる気がしませんか?
だって「たまには」「大胆?」ですよ?
{/netabare}
episode.09 妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ
{netabare}
4巻後半エピソード

原作で3本の指に入る良エピソードだと思います
なのになぜか今までと違って1話構成
2話使ってもっとしっかり作ってほしかった
...というようなような気もしますが
一気に盛り上がって一気に終息を迎える
あの何とも言えないお祭り感は
一話の中にギュッと凝縮して詰め込んだ方が
上手く表現できるのかもしれませんね

この話のテーマは文明の発達と衰退
どうやら人口の爆発が社会の歪みを生むのは
人間だけでなくようせいさんも同じだった様子
愛くるしいようせいさんの口から飛び出した
「おめーのせき、ねーです?」の衝撃といったら!
そうやってコミュニティからはじかれた者たちが
新天地で新しい文化の華を咲かせていくというのは
出エジプトやら西部開拓やら
人類史でも多々見られることですね

ようせいさんの逞しいフロンティア精神(?)のおかげで
何もない不自由な暮らしが
何も不自由ない暮らしに早変わり
しかしここで重要なシーンが一つカットされているのが
どうも納得いかないんですよねぇ

それは、すっかり女王様気取りの「わたし」のところに
臣下のようせいさんたちが発電所の建設許可をもらいに来た時のことです

以下原作より抜粋
「してその方ら、使い道は置いておくとしても、いかような方式で発電するのかね?」
ちょっとロイヤルに話してみました。
目をそらしながら、監督さんが答えます。
「げんしはつでん」
「原始的な発電だから?」
こっくりと妖精さんはうなづきます。
「原子力発電なんて言い出したらロイヤルにとめてましたよ」
妖精さんたちは口々に囁きあいます。
「やばかたっ」「げんしりょくやばかたな!」「やらんでよかた」「あれかんたんだから」「でもばっちいです?」「んだ」「よごれるです」「かくぶんれつはなー」「おもしろさてきにも、どらいあいすのほうがうえだ」「どらいあいす、にえゆにぶちこむです」
やばかったらしい……。
「原始的な発電。結構じゃないですか。あなたたちはもっと素朴であることの美徳を学ぶべきですね」
「はー」

このエピソードの核心部分の一つといっても過言ではない一節
よりにもよってここを切り捨てやがりますか・・・
大人の事情だか何だか知らないけど
ここをカットしちゃうような連中には
このさくひんにかかわるしかく、ねーです?
{/netabare}
episode.10 妖精さんたちの、ちきゅう
{netabare}
1巻前半エピソード
ようせいさんたちと「わたし」との邂逅を描いたシリーズ第一作
アニメ1話目に持ってくるには地味すぎですね
地味すぎて話が膨らみません・・・ハイ
{/netabare}
episode.11&12 妖精さんの、ひみつのおちゃかい
{netabare}
5巻前半エピソード

原作でもアニメ版でも一番好きなエピソードです
ラストはきっとこの話で〆るのだろう
という予感はしていました
なぜならOPの最後にほんの少しだけ
のばら会のメンバーが映っていたからです
個人的にはラストにこれを持ってきて
他の回よりいろいろ力を入れてあるというだけで
このアニメ化に満足です

ただし、気になるところがないわけではありません
いくつか納得のいかない部分はありました

一つ目は時間的な都合だと思いますが
のばら会の活動がだいぶカットだれているおかげで
彼女らの持っている二面性のうち裏の部分だけが強調されてしまっている点
せめて〈花先輩〉と〈魔女先輩〉の卒業シーンくらい
もう少しちゃんとやってほしかったなぁ
留め絵二枚って・・・

二つ目はおそらく話を簡単にするためでしょうか?
本来なら冒頭にあるはずのようせいさんの町内会旅行の話を丸々カット
卒業直前の壊れかけたRYOBO230rのセリフ
「その後、ご学友はできたでしょうか」
「これからもあなたに、妖精の加護があり続けますように」
もバッサリと削除
さらにRYOBO230rから出てきたようせいさんが一人に変更
物語全体の意味合いがだいぶ変わってきちゃいますがいいんですかね?
あの終わらせ方で「ついしょうめつ」の補足もなしとなれば
「わたし」はようせいさんの言うところのロボットの魂を理解できず
妖精のお茶会は結局見つからなかった
というようにしか受け取れないと思うんですが・・・
話をシンプルにしようとして逆に謎だらけになっているような気がします
原作未読の方はあの話を理解出来たのでしょうか?
{/netabare}
時系列を弄ったのが成功だったのか失敗だったのか
なんとも微妙なところだと思いますね
順番を弄る必要はあったが
結果的に出来上がった放送順にも問題があった
といったところでしょうか?
個人的には「ひみつのこうじょう」のインパクトで客を集めたら
「ちきゅう」から初めて時系列順に展開がベストだった
という気がしてなりません
あと妖精さんの いちにちいちじかんは入れてほしかったなぁ・・・{/netabare}

追記

長い沈黙を破りついに出た最新刊はまさかの最終巻
人退原作完結いたしました
完結はしたもののこれからも短編集を出していくという事なので
それ今までと大差ないんじゃ・・・
という気もいたしますが
一つのSF作品としてしっかりと区切りとオチをつけたことは評価したいです
これまでのお話の意味が根底から変わってしまうという意味で猿の惑星並の衝撃でした
彼らの正体、人類の末期、そして・・・
つまりは{netabare}人類は衰退しました{/netabare}ってことだったんですね!

おまけ

春にBOX化されてだいぶお安くなったので
そのBOXよりさらに安い値段になった初回盤6巻セットを入手
まぁ朗読CDより特典小説のほうが欲しかったし?
でもってそこに入っていたアレにも解説を入れておきましょう

特典映像 人間さんの、じゃくにくきょうしょく
{netabare}
2巻前半エピソード

一話2分の6話構成で
本当にあらすじだけをなぞったような作品
まぁ円盤買うような人が小説持ってないわけがないので
本当にファン向けのオマケ程度の代物です
アニメだけではストーリーをぼんやりと追うのが限界で
人退らしい風刺部分などもかなり抜けています

原作未読の方に向けて説明して何とかなるレベルではないので
原作既読で特典映像を見ていない方向けのキャスト情報
白イタチ:中尾隆聖
妖精:緒方恵美
つまりフリーザ様に襲撃されてシンジ君に救出されるわけですよ!
本編では全く出ていない二人の大物声優が
なんでこんなところに贅沢に使われているんだかw
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 47
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

12話鑑賞。一応総評的なものも。

原作未読。
原作では背景とか細かい部分、どう書かれているんでしょうか。元を作った人が凄いのか、それを映像化した人が凄いのか。原作への興味が尽きないタイトルではあります(読む時間ありませんがw)。

総評的なものとしましては
・所々に散りばめられた「黒い笑い」が何よりツボでした。
・それに対を為すかのような妖精さんの可愛らしさ、どこかマッタリ感じられる画が良い味でした。
・ツッコミたいポイントを的確かつ冷静?に口にしてくれる「わたし」ちゃんに大いに笑わせてもらいました。
・個人的には「ひみつこうじょう」「さぶかる」「ひょうりゅうせいかつ」「ちきゅう」「おちゃかい」の回が好きです。

{netabare}
12話鑑賞後---------------
Yさんとの関係の深化と「お茶会メンバー」との関係の変化が主なお話だったでしょうか。
「お茶会メンバー」につきましては・・・うん、怖いw 半ば狂気ともいえる執着っぷりで。廃校になるまでよく上手く付き合い切った(表現悪いですが)ものだと。

妖精さん(11話から出てた)と寮母ロボの件は、もう一度通して観てみないとコメントし辛いですね。

11~12話も面白かったですが、一応最終回という立場上なのか、勝手に自分がそう期待していただけなのか、今一つオチが弱かったかな?とも。

11話鑑賞後---------------
10話より更に過去へ。幼少期?少女時代?
Yさんの登場が早くてちょっと意外でした。

登場時の「わたし」は暗いといいますか達観してるといいますか、そんな印象でした。それも表向き?のようで終盤には違った面が見えるようには感じました。基本的には黒くて明るい娘さんかとw

白くて角ばってるサンドウイッチはダメで、白い角砂糖は可と・・・。幸せの白い粉~。

10話鑑賞後---------------
このところ時系列的に逆流しているような展開ですね。
「わたし」がクスノキの里に来た頃のお話のようです。

9話では技術力・進化速度などの面がクローズアップされていた気がしますが、10話ではもう少し妖精さんの根本的なところに焦点が当たっていたように思います。

前任者の手記(?)が、あからさまにバイオハ(略w
相変わらず食べ物の素材は謎なんですね。

今回は神様扱い。以前似たネタあったような?と思ったら、その時は女王様扱いでした。
毎度毎度、妙なカリスマを発揮なさる女性だw

ナカタさんはこの時からナカタさんなんですね。どこら辺が日系っぽいのか謎ですがw

9話鑑賞後----------------
ずいぶんとテンションの低い妖精さんからスタートだな~と思ったら、後半に進むにつれて恐ろしいほどの展開にw

というか文明の発達速度が尋常じゃないw 何も無いところからあそこまで発展するのに1ケタ日数とは。

今までも色々やらかしてくれた妖精さんですが、今回は彼らの怖さがよ~く感じられたと思います。

そして相変わらず「わたし」ちゃんは神経が太いといいますか動じないといいますか・・・w

7~8話鑑賞後-------------
え~と、助手さんとのファーストコンタクトのお話ということで。

8話観てないと、一体何周目なのか、どう展開しているのかサッパリでw いえ、正直に言えば、時計の件とか時間が微妙にズレていたりする辺りとか理解できていなかったり。

おじいさん・・・「チャリをとりにいく」って、「チャリオット」かよ!?とw 思わず画面にツッコんでしまいました。


5~6話鑑賞後-------------
ここ2話は・・・今一つ話の方向性がよくわからず。のでコメントできずにいましたw 6話まで観た今でも・・・よくわかってません。

相変わらずツッコミたい所は多数。心でツッコむと、ちゃんと「わたし」がリアルにツッコんでくれるので、快適w

1話でのベリーショート以下の髪型は、ココからだったんですね。
・・・あれ? では、「同類誌」の話は何処に入るんでしょうか?
原作読めばいいんでしょうが・・・やっぱり時間足りませんw

4話鑑賞後----------------
絵描きでも物書きでもない身なので、コメントがしづらいw

いえ楽しかったです。
色々台無しな展開だったようにも思いますがw
「引き」だけで点数稼ぎてw

稼業(家業)を継ぐ呪いというのは、「わたし」だけに降りかかる物だったんでしょうか? Yさんとか助手さんは?

妖精さん方、編集作業ご苦労様でした。

3話鑑賞後----------------
確かにいきなり白背景では、状況が不明ですがw それにしても前振りが長いw

雪の上で車を意のままに操り現れたYさん・・・てか本当に「Y」なんですね~。
で中の人は沢城さん。
そして何故か話は「同類誌」(個人的にですが同類誌って響きは微妙に感じ悪いw)の話へ・・・。
・・・あれ?絵は違うのに話の流れと声のせいか、軽くデジャヴといいますか、別のキャラが頭にw

一応電気は通っているんですね~w コピー機動かせるのか不安でした。

キャスト・スタッフロール内に山本麻里安さんの名前を見つけて、ビックリしました(1話だったか2だったかの絵本のナレーション(川村さん)にも驚きました)。

次回はどうお話が展開するのか・・・全く読めませんw(次回予告がないのもありましょうが)

2話鑑賞後----------------
いや~今週も黒くて良かったです。

意訳~翻訳(意訳)眼鏡(字幕かよとw)辺りのコンボはかなりツボでした。
髪の毛のオチもw

といいますか随所にネタが仕込まれすぎ。そして先が読めない。で黒い。いい感じで楽しめてます。

裏の番組(DOGDAYS2期)との競争は・・・結局両方録る、両方観る。そんな方向で決着しました。

1話鑑賞後----------------
意外にもストライクゾーンな作品で、困っております。
冒頭の鶏をしめる話から満遍なく、どちらかというと「シュール」といいますか「黒い」といいますか、そんなネタを淡々とこなしていく様を個人的に評価しています。
元々黒めなジョークやギャグが好きなので・・・。

それでも2話からは時間がカブるため、どうしたものかと。
録るには録れますが、HDDの容量が・・・。
これなら観なかった方が良かったのかも?ともw
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

moaimoai さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

好き嫌いというより興味深い作品

全12話
ライトノベル(全10巻)原作 未読

科学が進んだ(終焉した)未来の社会を舞台とする、ファンタジー溢れるお話(メルヘンチックなSFモノ)。
基本的には、主人公が語り部として自身の経験を物語っていく。一種の私小説形式

"物語の展開"・"キャラデザインをはじめとする画"など、作品の表層は穏やかな癒しの雰囲気。
だが本作品の本質は節々に散りばめられた毒素溢れるブラックユーモアにある

原作者がSF好きのようで(資料を見た主観です)、パロディ・オマージュの多さも特徴

『Angel Beats!』など多くの人気作品を手がけた岸誠二さんが監督

一部覗き二話(前・後編)構成で展開


■さくっとあらすじ

物質文明が終焉を迎え、人類は2種類に

「旧人類」…主人公をはじめとする人間のこと

「新人類」…"妖精さん"と呼ばれ、旧人類よりも遥かに高度な文明をもつ。見た目・言動はとかく可愛い(笑)
背丈が10cmほどでエルフのマスコット?的な愛らしさ。
但し、妖精さんを目撃する旧人類は極めて少ない

主人公は妖精さんと旧人類との関係を取り持つ役目「調停官」として、妖精さん達が原因?の奇妙な出来事に巻き込まれていく…


■感想

不思議な作品でした

『電波女と青春男』の視聴後と似たような感覚。笑

一見、言動が穏やかでわかりやすい毒素は弱い印象がありましたが、

1話ごとに考察していくと、際どい風刺やテーマ自体がブラックユーモアだったりと

風刺やテーマの考え方はともかく、単純な好き嫌いとは違う興味深い作品でした


ただ本作品
「過去」と「現在?」の時系列が混合しており、特に初回は何の説明もないまま展開されるので、まあまあの困惑フェイスに…笑

※"時系列シャッフル"(原作とアニメ版は時系列が異なる)についてアニメ製作サイドは
「インパクトのあるお話を最初に」のもと、より印象に残る順番で見てもらえたら。とのこと


●第1、2話「妖精さんの、ひみつのこうじょう」

正直初回視聴時の印象は、ローテンポで主人公の毒素も痛烈な類ではなく"本音にそこそこの知識を足しただけ"
と、ブラックユーモアに強烈な毒素を求める末期の中毒者としては「…寝そうだ…ぜ…zzZ」ヘタリア寸前。笑

しかし3話のY(声:沢城みゆきさん)登場で萌え豚は悶え苦しむことに…笑

後後でテーマを考察すると
{netabare}「食糧と生命」という、銀匙の豚エピソードと似ているようで
こちらはより風刺寄り{/netabare}

本作はこうした{netabare}根底にあるブラックユーモア{/netabare}が興味をひきます


●Yが登場した第3、4話 「妖精さんたちの、さぶかる」

{netabare}サブカル(同人誌)の歴史を、例えば「まんがで読破」シリーズで論語を学ぶかのごとくわかりやすく表現されてて面白かったです。

それでいて人気と面白さの不条理など、際どい風刺も根底にしっかりとあります。笑

それにしても漫画をコマの中、真っ白な世界から作っていく展開にワクワクしちゃいました。笑{/netabare}

この回から、主人公のブラックユーモアが「本音」というより「本質」ベースなんだなと理解し始め一気に観やすくなりました


●第5、6話 「妖精さんの、おさとがえり」

{netabare}水樹奈々さんと檜山修之さんのオンエアバトルw

ロボットの倫理はSFの話から、最近は現実でも議論になってますよね
{/netabare}


●第7、8話 「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」

{netabare}エンドレスエイトのトラウマ(全視聴した時間、プライスレス)が蘇るタイムパラドックス展開

あれだけ犬がサブリミナルされると最後のオチは自然と予想…笑

初見だけでは理解に苦しむ内容

でもシュタゲよろしくSFモノとしては王道で、「時間改変は心地良いもの?」という問いにおいては、
「不明確」というキーワードは、"理解・認識出来ないもの・ことの不気味さ"
もっと言えば「人智の及ばぬ領域への恐れ」も感じられました。{/netabare}


●第9話 「妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ」

{netabare}「物質文明のディストピア」というブラックユーモア(笑)

メッセージ性の強弱で意見が別れるかもしれませんが、表層が愛くるしい"癒し"の妖精さんとお嬢さんなので
個人的には笑って観れました。笑

麻薬表現の毒素はツボ…笑{/netabare}


●第10話 「妖精さんたちの、ちきゅう」

{netabare}「あれ?これが初回っぽくねえか?」と感じ調べると
やはり原作第一巻の内容。笑

登場人物など(妖精さんは相当数出るが)情報量が限られており、わかりやすさではこちらが初回向け(原作では初回なんだから当然。笑)

ただ、アニメ版初回が説明されないまま展開されたことで疑問が多々浮かび
その問いを各話で自分なりの答えに咀嚼していったことで作品にそれとなく思い入れが育まれ
妖精さんの愛くるしさがより引き立って感じれました。笑{/netabare}


●第11、12話(最終話) 「妖精さんの、ひみつのおちゃかい」

{netabare}不覚にも胸がキュッとなる終わり方…泣

作品を通じてドライな印象の主人公の内面描写が、喜怒哀楽鮮やかに表現されていました

また、他登場人物の、特に巻き髪のヤンデレ具合は予想していたとはいえウケました(巻き髪は攻め担当)。笑


古い宿舎でボロボロの旧型ロボットに独り言を語る日々…

でも、独りじゃなかったんだ

寄り添う思いやり


涙は流さなかったけれども、胸がキュッとなる締めでした{/netabare}



とまあ、総括するとめちゃくちゃ面白い!!!!

という作品ではなかったのですが、

単純でわかりやすい表現ではなく

各話の舞台やテーマそのものがブラックユーモア

謎解きはディナーの後でではないですが、

問題定義としては興味深い

そんな不思議な魅力のある作品でした


以上
EDからあずまんのOP連想する
かぐら・Y押しのとあるショートカット愛好家がお送りしました

ご静聴ありがとうございました♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
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