鬱で戦争なアニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の鬱で戦争な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月25日の時点で一番の鬱で戦争なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.0 1 鬱で戦争なアニメランキング1位
火垂るの墓(アニメ映画)

1988年4月16日
★★★★☆ 3.8 (840)
5520人が棚に入れました
1945年(昭和20年)9月21日、清太は省線三ノ宮駅構内で衰弱死した。清太の所持品は錆びたドロップ缶。その中には節子の小さな骨片が入っていた。駅員がドロップ缶を見つけ、無造作に草むらへ放り投げる。地面に落ちた缶からこぼれ落ちた遺骨のまわりに蛍がひとしきり飛び交い、やがて静まる。太平洋戦争末期、兵庫県武庫郡御影町に住んでいた4歳の節子とその兄である14歳の清太は6月5日の神戸大空襲で母も家も失い、父の従兄弟の未亡人である西宮市の親戚の家に身を寄せることになる。当初は共同生活はうまくいっていたが、戦争が進むにつれて諍いが絶えなくなる。そのため2人の兄妹は家を出ることを決心し、近くの池のほとりにある防空壕の中で暮らし始めるが、配給は途切れがちになり、情報や近所付き合いもないために思うように食料が得られず、節子は徐々に栄養失調で弱っていく。

声優・キャラクター
辰巳努、白石綾乃、志乃原良子、山口朱美

- JIN - さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

気を張らざるを得ないぐらい優秀なアニメだが・・・

戦争アニメとして有名だから見ようとする方には遠慮頂きたい問題作です
映画「パールハーバー」と同じ原理であると言えばご理解いただけますか?
自伝(原作主観)なのですから史実としてではなく創作物(鑑賞者視点)として
本作品を味わっていただけたらと切に願います
(という私も危険性について教えられた者の一人でした)
.
本作品は「引き込まれる」「強く衝撃を受ける」「名言/名シーン」という
意味でアニメーションとしては非常に良くできております。
非常に良くできた創作物であるということも忘れるぐらいに・・・
「自分ならどうしたのだろう」という問題提議について思案すると共に
「でわ現実の戦争とは?」というきっかけには十分なりえます
.
結論:アニメなのに気を張るというのもこれまた如何に?

投稿 : 2024/05/25
♥ : 1

keylove さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これにレビューは必要なんでしょうか?一応書いておきますけど。

アニメの棚にあるものにレビューを評価をつけてないのが気になってしまうので書いておきます。
ただ、ここまでテレビのゴールデンタイムでやられるとレビューもネタばれもあったもんでもなくて、今さら何を書けというのか、という感じですよね。

個人的には、もちろん泣きましたね。
これで泣けないって、アニメを本当に作り物だと観ているのか、感情が乏しいのか、怖い描写が苦手すぎるのか、という人に限られるんじゃないでしょうか。
いわゆる深夜アニメの感動系とはまたぜんぜん違った作品で、本当にどこかしこであったことを描いているようなものなので、日本人なら観ておいて損はないですよね、アニメの枠を超越していますもんね。

個人的にジブリは好きなんですけど(深夜アニメと比べて言っているわけではありません)
ここまで押し売り的に放映するという感覚に着いていけない感は否めません。

ということで、一応レビューとしておきます。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 11

お寿司ちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

完璧な仕上がりの欝アニメ

戦争物にはどうしても思想的なものが
付きまとってしまうので、
どうとらえるかは各々個人の判断でいいと思う。

ただ、想像力を補完するという意味でも、
戦争というものの存在が何をもたらすのか?
を、アニメを通じて学ぶことは良い事だと思う。

トラウマになる欝シーンが多いけれど、
心を揺さぶられる名作中の名作。

アニメ 火垂の墓
漫画 はだしのゲン
この二つは、戦争物の2大クラシックス。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 4

64.3 2 鬱で戦争なアニメランキング2位
スカイクロラ - The Sky Crawlers(アニメ映画)

2008年8月2日
★★★★☆ 3.6 (423)
1993人が棚に入れました
現代に似たもうひとつの世界。平和を実感するために“ショーとしての戦争”が行われる中、思春期のまま戦闘機のパイロットとなることを余儀なくされた通称“キルドレ”たちの運命を描く。

CountZero さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。

理系作家として有名な森博嗣先生のスカイクロラシリーズを、押井守監督が映像化した作品です。
原作のシリーズは私の大切な小説の一つです。
鈴木成一デザイン室による装丁もお気に入りなので、全部ハードカバーで手に入れて本棚に収まっています。
これまで何度となく読み返しては、詩的で徹底的に感情をそぎ落とした透明な色の文章と白昼夢のような世界観にうっとりとしていました。
私は映画化するなら絶対押井監督と思っていたので、制作が発表された時は本当に「キター!」っていう感じでした(笑)
が、重要なのは、やっぱりあの雰囲気をどれだけ再現できるのかといところです。

そんな私の観終わった感想は、「すごく良かった」です。

どこが良かったか?
まず、原作と同じように淡々とパイロットの待機と出撃を繰り返す日常が、上手に映画でもただ淡々と描かれていたところです。
「淡々と」を演出するために、BGMなしで、空調機の物音や基地で聞こえる機械音や作動音のみのシーンや、同じ視点から見たシーンが多用されているのがとても効果的でした。
私はすごくいいと思いましたが、そのように物語の起伏が意図的に抑えられたこの演出の仕方を、退屈と感じるかどうかで賛否も分かれるとは思います。
でも、そのおかげで本来あるべき感情が失われた「キルドレ」と呼ばれる主人公たちの思いや考えが表面に現れる時、ぐっとその感情が強調され、悲しみや、切なさや、やるせなさや、諦めが伝わってきます。

そして、意外にも良かったのが、草薙水素役の菊地凛子さん。
彼女は俳優としてすでに高い評価を得ている方なのですが、声優としてはどうなのか?と最初は思いましたが、今ではイメージにかなり近い、草薙水素になっています。
「あの棒読みのどこがいいの?」って思う方もいるでしょう。
確かに棒読みです(笑)
でも、いいんです!
それがキルドレなんです。
話す言葉に感情はないんです。
とりわけ、クサナギは他のキルドレが兵器として「繰り返し」どんどん死んでいくの目にしながら、エースパイロットとしてずっと長く生き残ってしまった、という流れがあるのでぶっきらぼうで棒読みな感じが逆に良かったです。
そしてキルドレは成長しない子供たちという設定なので、菊地さんの大人のようにも子供のようにも聞こえる独特な声がクサナギにぴったりだった、と私は思います。

原作好きな私としては、基本的にダウナーでオルタネイティブな小説の雰囲気が、映画でもきちん再現しようとされていたことに満足していますが、それに加えて原作とは少し異なる映画のラストも良かったと評価しています。
あの終わり方は、暗くて絶望的な状況に明るい一筋の希望を感じさせて、物語に救いをもたらしていたと思います。
諦めが希望に変わるシーンに感動しました。

もちろん飛行機の戦記ものなので、空中戦もよくできています。
確か押井監督はインタビューで「宮さん(宮崎駿監督)よりもいい空中戦を描く」って言ってたと思いますが、確かにその自信だけのことはあるかっこよくて迫力あるシーンだったと思います。
でもまあ個人的にはそれでも宮崎駿監督の空中戦の方が好きですけど(笑)

他にもいろいろいいところはあったんですが、この辺でやめておきます。
あとは観て感じてみましょう(笑)
原作を知らないと良く分からない設定なので、誰にでもおすすめな作品ではないですが、「繰り返される」生と死、その先にある絶望と希望なんて感じのシリアスな物語に興味のある方はどうぞ!

そうそうあとね、この作品はエンドロールの最後まで全部観て完結です。
お忘れなく!

投稿 : 2024/05/25
♥ : 31

むんむん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大人にならない子供

人を選ぶ作品というより、使う引き出しが違うんだと思います。
少ない情報で音楽も少なめで表情もなく、淡々と進んでいるように見えるとおもうんですけど、大人にならない人間が、死ぬ理由を操作されて、生きながらえても生の実感がないという行き場のない空気は、あの無表情につながってるのではないでしょうか。
ただ、音のない歩くだけの音や、すばらしい作画による光の感じなど、あの無表情のキャラクターが、この精巧に作り出した世界の大地に立っている実在感というか 空気感は普通のアニメではまったく見たことない表現方法で、他のアニメと比べられない高レベルだと思いました。
キャラクター一人一人の何気ないしぐさ等が、嫌味なく存在し
淡々とその空気を生成していてセリフがなくともそこに不思議な人間性と彼らの日常が繰り返されている本当に細かい演出ですけど、そのテーマが生きるようにできていると思います。
お話を見に来ている人と、あの空気を楽しんでいる人とその中間くらいの引き出しで見るとあの非現実的で無表情なキャラクターが。妙にリアルで精巧に描かれた世界に立っている不思議な空気を堪能できると思います。
かつてみた大友克洋のアキラや士郎正宗のアップルシードなんかを思い出して、「ちょっと懐かしい匂いがするなぁ」と。
ミリタリーが好きでない人も普通にいつも見ている引き出しを変えてみればこの作品の良さに出会えるかもしれませんよ
まぁ、現実的には大人になりたくない「俺ら」ということでしょうか(笑)

投稿 : 2024/05/25
♥ : 3

イブわんわん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

個人評価は高いが、あまりお勧めはできないアニメ

押井監督の120分のアニメ映画です。

とりあえず作画は押井監督ならではのクオリティで、申し分ありません。
特にCGによるメカや空中戦、空や海の描写は他のアニメとは比べ物にならないほど素晴しいです。

さて内容といいますと、深く重く鬱的なシリアス展開です。
どこまで設定を理解し感情移入できるか、メッセージを受け止めれるかで、評価も雲泥の差が出てくると思います。

終盤に近づくにしたがって、この戦いの意味や真実、そして各キャラの心の深い部分がわかってきます。
その理不尽さやラストは「エルフェンリート」や「ほしのこえ」にも似た感覚でした。

お勧めはしませんが、個人的にはこう言う評価になりました。
(2013.9.23修正)

投稿 : 2024/05/25
♥ : 14

69.3 3 鬱で戦争なアニメランキング3位
人狼 JIN-ROH(アニメ映画)

2000年6月3日
★★★★☆ 3.8 (274)
1319人が棚に入れました
『人狼 JIN-ROH』(じんろう)はProduction I.G制作の日本のアニメ映画。押井守の代表作である「ケルベロス・サーガ」の一作。\n強引な経済政策によって失業者と凶悪犯罪が急増した首都・東京。政府は反政府勢力掌握の為、“首都警”と呼ばれる治安部隊を設置する。その首都警の一員である青年・伏一貴は、闘争本能のみで生きる一匹の“狼”の様に一切の感情を切り捨て、自分を律してきたが、一人の女性・雨宮圭と出会い、運命のように惹かれ合っていくが…。

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

これぞ隠れた名作

セクトと呼ばれる過激派集団が社会問題となっている時代、
治安維持のために首都警と呼ばれる武装組織が作られ、衝突を繰り返していた・・・

時代は架空設定ではありますが、世界大戦後の日本を描いています。
昭和の安保闘争をモデルにしてると思われるので、世代によっては難しいかも。
組織の対立の中で、二人の男女の切ない物語を描いた作品。

押井守脚本(監督は沖浦啓之)ということで難解な内容と思いきやそうでもありません。
世界観の細かい設定については、いくらか分かりにくい部分もありましたが
ストーリー自体は割とシンプルで非常に面白かったですね。
主人公と少女の心情が移り変わっていく様子は、とてもリアルで見事にメロドラマを演出しています。
全体的に暗い展開で、万人におすすめできるものではないかもしれませんが
それでも是非見て欲しい名作の一つで、ラストの切なさには心打たれました。

組織の対立における謀略戦もひとつの見所で
視聴者の予想を裏切る素晴らしい展開を見せてくれます。
とくに終盤からラストまでにかかる流れは「衝撃的」で素晴らしかった。
リアル絵のキャラデザで少々好みが分かれそうな気もしますが、作画自体は非常に綺麗。
良い意味で時代を感じる、もっと評価されてほしいアニメ映画ですね。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 17

九条 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

人にも狼にもなれない国家の犬。

近代的国家の創出である国民国家の概念を狼の群れへの帰属意識へと還元し、その呪縛を抉る作品。
原作・脚本を担当する押井守の御家芸と呼ぶに値する諜報戦や公安活動をミリタリズムに敷衍しており
その緻密さは「パトレイバー」や「攻殻機動隊」といった、押井守自身の名作に勝るとも劣らない完成度。
戦後の殺伐とした薄暗い霧が漂う中、セクトと呼ばれる過激派集団と、それを弾圧する首都警の抗争を
古典童話「赤ずきん」になぞらえており、最終局面における主人公(伏)の慟哭によって収斂されている。

人にも狼にもなれない国家に忠誠を誓う犬であることに対し、自己矛盾や猜疑心に苛まれ一度は組織を
脱退せねばならないという衝動に駆られるが、伏は国家の束縛に対して牙を剥かず群れの意思に従う。
ナショナリズムの名目で手を汚してきた伏にとって、脱退することは孤独或いは死を意味するからであり
たとえ、自らの意思に相反する群れであったとしても、帰属していなくては生きていく術が見当たらない。

つまり、人と狼の境界線で苦悩する伏の心情を、単なる心的外傷後ストレス障害で処理するのではなく
組織への帰属意識から生じる葛藤も核に置かれており、政治的イデオロギーの対立や陰謀などが蠢く。
そういった意味では組織に従属する中での個人の確立や正義が説かれており、押井守の戦後歴史観を
垣間見ることが出来る。尚、本作と並び御世辞にも大衆向けと言える作品ではないが、押井守の個性を
赤裸々に表象している「立喰師列伝」を補完的に視聴しておくと、理解を深める上で恩恵を得るであろう。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 11

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

汝は人狼なりや?

知ってたらオッサーンな名作。
この作品は新しいですが。。。
有名なのはカムイさんの漫画や実写映画。
赤い眼鏡、特に後のケルベロスはけっこうな宣伝してた。幼い記憶。
内容は千葉繁無双。

初代のロケがゴミの島のころの台場だったりとパトの前身ともいえる押井ケルベロスサーガのアニメ。スタッフも同じ。

とにかくかっこいい特機隊のアーマー。
そしてドイツが一部世界征服(日英VS独伊で負ける)したという時代設定。
キューベルに乗り込むその姿はどこかスチームパンクのカヲリ。燃える・・。

と、ここまで書いといてアレですが、アニメ版はどこか寓話的で、これといったアクションシーンもない。件のアーマーの出番も少ない。攻殻やパトみたいな派手なアクションは期待しないでください。

シリーズのかっこよさがまったくない、なんとも言いがたい押井ワールド。
しかし作品の残す余韻はかなりのもの。
実写映画に近く、アニメを見るというよりは映画、芝居を観るという。
オッサンアニメファン、映画ファンが観るべき作品。
好きな人は絶対好き。
合わない人は説教くさいと思うか、なにもなくてつまらないと思うだけ。
そういう意味では商業作品としては微妙。




投稿 : 2024/05/25
♥ : 10
ページの先頭へ