電脳でハッキングなTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の電脳でハッキングな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番の電脳でハッキングなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.0 1 電脳でハッキングなアニメランキング1位
シリアルエクスペリメンツ・レイン[serial experiments lain](TVアニメ動画)

1998年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (880)
3884人が棚に入れました
コミュニケーション用コンピュータネットワーク端末「NAVI」(ナビ)が普及した現代、中学生の岩倉玲音は、死んだはずの四方田千砂からのメールを受け取る。その日以来、玲音は見えないはずのものを見るようになる。四方田千砂のメールの言葉に興味を持ち、大型の「NAVI」を手に入れるが、それ以来更に奇怪な事件に巻き込まれていく。物理世界(リアルワールド)と電脳世界(ワイヤード)、二つの世界・二人の玲音(lain)が混濁し錯綜する果てにあるものは? 「人は誰しも“繋がれて”いる」「私は遍在する」

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

観るものを究極に選ぶ作風の前衛カルト作品 

視聴後これは何か書かないといけないという使命感に駆られた本作ですが...
一体何から書けばいいんでしょうね。。
この作品に関して自分ができるネタバレ無しのレビューを書くという事は、
非常に表面的で浅い駄文になってしまうとは思いますが、
今更この作品に関しての新たな考察、など自身の見解を書くことに意味は無いだろうと感じるので、
本作を観たことが無い人、興味はあるが観てない人、にどんな作品かが伝わるように、
率直な感想を書いてみようかと。


色々なところで「難解アニメ」の代表ともいうべき扱いをされている本作ですが...
あにこれの成分タグでも「難解」ランキング1位。
確かに言われている通り難解だと思います。

自分は視聴前にある程度そういう情報を得て視聴に臨んだので、
講義を受ける要領でメモを取りながらの視聴となりましたが、
(視聴間隔が空くと難解なものはより訳が分からなくなるので)
正直一度目の視聴では物語のごく表面的な部分のあらすじをたどるくらいで、
本作の本質やメッセージには辿り着いておらず、なんとなく解った気になっていたつもり、で居ました。。

その後やっぱり気になって、本作に関する考察のサイトを読んだりして、
なんとなく解っていた、と思った部分も言葉で説明されることによって、
より具体的に頭を整理することができました。
(今思えば止めときゃ良かったなと思います。というのも、どうしても観る時に意識しなくても、
他人の考えや意見に左右される面があるので。この作品は特に自分で考え想像し、
頭を悩ませる事自体が醍醐味だと感じるので)

そして、2回目の視聴。
この時も1回目の視聴で足りなかったと思う部分のメモ書きを追加しながらの視聴となりましたが、
1回目の視聴では最終話観ても「ふ~ん」って感じであまり感じるものがなかったんですが、
2回目の視聴では全く異なった印象で、感慨深く観終えることが出来ました。
まぁそれでも最後までぶつ切りで観るものを感動させるようなベタな演出は一切無しなんですが笑
この辺りが本当にカルト的であり、万人受けなんか全く狙っていないというのが逆に清々しく思えます。


本作がなぜ難解なのか?と言うと、まぁ1話観ればすぐ解るとは思うんですが、
殆ど具体的な説明という説明がなく(後半に矢継ぎ早に唐突に説明されるものが一般人にはおよそ馴染みのない、
シューマン共鳴やら、ザナドゥ計画、ロズウェル事件などのカルト的なものだったりする)
設定自体もかなりマニアック、表現が抽象的であらゆる出来事が唐突に感じ、
現実なのか幻覚、幻想なのかさえも判らないような描写や台詞だったり...
場面場面の切り替わりや各話の引きも毎回ぶつ切り、
終始まぁそんな感じで展開するんですよね。。

なぜそんな描き方をするのか、作品をある程度理解すればそれなりには納得できるんですが、
普段放送されてるような作品とは全く異質なものと言えるでしょうし、
そりゃ1回観て理解しろ、という方が土台無理な話。。
今ならこんな作品を作ったら大目玉食らいそうですが、当時は今ほど円盤売上至上主義の風潮がなく、
ある程度自由な製作環境だからこそ作れたのかもしれません。
いやはや、こんな作品が世に出てきたというのはある意味奇跡的とも思えますね。


で、まだこれから観るという人へのアドバイスとしては...
本作を理解するためには、とにかくまずはシンプルに何が起こってどうなったのか、だけ、
細かい部分はあまり気にせずに観ていくのがいいでしょう。

もっと言うと、結局主人公レインとは一体どういう存在なのか?レインは何をやったのか?
もう一人の重要人物である英利政美はどういう存在で、何をやろうとしたのか?
この辺りだけに集中して観ていけば良いのでは、と思います。
それを踏まえたうえで、一体本作が何を言いたかったのか?ここを考えれば良いのではないでしょうか。
人によっては解釈が異なる事もあるかと思いますが、
本作の醍醐味はテーマ&メッセージの意味を自分なりに解釈することにあるんだと思います。

でもまぁ正直言うと、自分はこの作品を観るのはかなりしんどかったですね笑
混乱する頭を整理し、想像力で補いながら毎話観ていかないといけないし、
終始どんよりとして陰鬱な雰囲気に包まれているんですから。

ハッキリ言ってしまうと、観ていて全く楽しくはないですね笑
それでも、惹きつけられる魅力があり...また観たくなる。。
自分はこの作品の「物語」に関する評価としては、
今まで観たアニメの中でも最高評価に値する作品の一つであると思っています。

よく言われていることですが、やはり当時まだインターネットが今ほど普及していない90年台後半に、
(自分がパソコンを初めて購入してネットにダイヤルアップ回線で接続していた頃)
SNSが普及し世界中のあらゆる人同士が繋がり合うようになった現在のインターネット世界を見据えた、
先見性のある内容は特筆すべき点であり、またさらにその先をSFで描いた内容は、
時代を先取りしすぎている、とはまさにその通りかと思います。

恐らく放送当時観た人はなんのこっちゃ?という印象しか持たなかった人が多かっただろうと推測しますが、
時代が本作で描かれている内容に追い付いてくるにしたがって、
どんどん評価が高まってくる、こういった作品は本当に珍しいと言えるでしょうね。

昨今ではインターネットを題材にしたような作品も物珍しくはなく、
大抵はネットゲームの世界に入ってどうのこうの、といった内容ばかりで正直オリジナリティに欠ける印象を持ちますが、
本作はワイヤード(今で言うインターネット、ネットワーク)と現実世界、
2つの世界に於ける「情報」や「記憶」「存在」「繋がり」、
などといったある意味概念的な側面に焦点を当てて描かれており、
カルトな作風含め、唯一無二のオリジナリティを持った物語として、
観る者の好き嫌いは別にして高く評価されるべき作品だと思います。


☆声優☆

レインの声優さんに関しては客観的にみれば演技が上手いとは思いません。
というのも、演じている清水香里さんは当時現役中学生でこの作品がデビュー作なんですよね。
制作側が敢えて「不安定」な存在であるレインを演じさせるためにオーディションでかなりの人数の中から抜擢した、
というのを制作秘話として何かで読んだことが有ります。
収録はかなり大変だったようですが...制作側の意図が解ると納得できるキャスティングだと思います。

その他、速水奨さんや中田譲治さんのようなベテラン実力派も起用してバランスを取ってますが、
子役の演技には少々難があるように思います。


☆キャラ☆

この部分の客観的な評価は難しいですね。
キャラそのものが物語、と言っても過言ではないような気もしますし。。
極端な話、観方によっては1点か5点どちらでも間違いはないようにも思います。
レインに関しては、こんな登場人物の描かれ方をした作品は自分の知る限りは思いつかないので、
敢えてそこを評価して5点としたいと思います。


☆作画☆

セル画アニメの晩年期にあたる作品ですが、
自分の観たものは恐らくOPに関しては色彩が鮮やかで、後に?デジタル化されたものなんじゃないかなと思います。
作中は如何にもセル画な絵柄ではありますが、ところどころ実写映像を挟んだり、
ちょこちょこと実験的な試みがなされているように思います。 

人物の描き方(特に引きの画)などは、やはり現在のものと比べると劣ります。
背景に関しては独特の暗さ、陰鬱さをよく伝えるもので、
張り巡らされた電線など、個人的には好きですが、結構同じ場面を使い回したりもしてますね。
(OP後のシルエットと自動車の場面、たぶん敢えてやってるんでしょうけどね)
恐らく当時としても予算的にはたぶんそこまで掛けれなかったのかもしれません。


☆音楽☆

OPのインパクトは数あるアニメの中でも上位に来るものだと思います。
歌詞も抽象的でありながら、レインを歌ったものであるというのは、OPアニメーションからも明らか。
ていうか、あのPlesent Day,Plesent Time Hahahaha...ってのが頭から離れませんね笑

これに対するEDは、個人的にはなんで?と思う選曲。。
制作側の好みが濃く反映されてそうなブルース系の曲。
渋いけど歌詞含めてどうもあまり作品には合ってなさそうな気も...

作中BGMはハウリングのような電気的なノイズ、ギターのノイズなど、映像と相まって暗さと陰鬱さをより助長してますね。
まぁこの辺も低予算なんだろうな~と思いますが、如何にもなカルト臭がしますね。


純粋なクオリティー面は高い作品ではありませんが、
逆に言うとあまり綺麗でゴージャスに作っても、このカルト的でイッちゃってる作風には合わないような気もします。

オススメかと言われると、「すべての人にオススメ」とは到底言えません。。
今敏監督や幾原邦彦監督作品のような難解系のものが好物の人にオススメしたいですが、
有名な作品ですし、まぁそういう人は既に観ている人が殆どでしょう。。

色々な作品を観て、王道的なアニメは展開が読めるし飽きたなぁ、くらいに思ってる人が観た方が良いでしょうね笑
しかしながら、観るならある意味本気で理解しようと思って観ないと、ハッキリ言って時間の無駄です。
一切笑いもないし、楽しくもありません。終始暗く陰鬱です。
ギャグも萌えもありません。
大多数の人にとっては面白く無いでしょう。

でも、面白く無いからといって、つまらない作品であるとは思いません。
今まで観てきた作品の中でもただ単に「感動した」、とか「泣ける」、とかいう類のものじゃなく、
心から「これは凄い」と思える数少ない作品の中の一つですね。
(成分タグの最多が「鬱」となっていますが、観方によっては感動的な物語、とも受け取れると思います)
日本より海外のコアなアニメファンには非常に高く評価されている作品ですが、
人によっては人生最良の一作になりうる、そんな魅力が詰まっていると思います。

ある意味究極に観る者を選ぶ作風なので、名作とは言えませんが90年代を代表する傑作だと言えるでしょう。
因みに本作は「文化庁メディア芸術祭 優秀賞」(1998年度)を受賞しています。

※追記※

ずっとどっかで似たような雰囲気のものを味わったことがあるなぁ、と思ってましたが、ようやく思い出しました。
つげ義春の「ネジ式」「ゲンセンカン主人」辺りの前衛的な漫画ですね。
(絶対製作陣は影響受けてると思う笑)
たぶんつげ義春の世界観にハマれる人なら、本作を観て損はないでしょう。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

問題意識は、攻殻S.A.Cにほぼ引き継がれているのでは

 2004年ぐらいになってから、人から「見ておいたほうがいいよ」と言われて視聴。

 うーん。
 「難しい」っつーか、文脈の提示の仕方が全体にフリーダムだな、っていう印象。
 だから、まあぶっちゃけ、筋を解説されないとさっぱりよくわかんなかったんだけれども、まあ、この手法の問題はさておき。確かに、けっこうグネグネとした問題意識も背景にはありそうなんだけれども。…

(注:下記、読み手に対して、非常に不親切なテキストになっております。)

 ただ当時、思ったのは「うーん、ヘーゲルとサイバーパンクが好きな人とかがつくったのかな。ヘーゲル的世界観によって、サイバースペースの到来を、予見しなおすとこんな感じになるのかしら」みたいな感じ。あとから、小中 千昭さんは、クトゥルフ好きでもあるということ聞いて、なんか納得。そうですか、と。
 他の方も書いているように98年でこういう想像力をもちえていたのは、確かにすごいのだと思います。

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 で、下記、作品の演出とかそういう問題はぜんぶすっとばして、単に思想的評価だけのはなしですけれども、
 わたしの見立て=「特殊なヘーゲル的世界観によるサイバースペースの未来予見」という感想をベースに強引に考えをすすめてしまうと、基本的には、この作品で描かれようとしていた問題設定は、『攻殻S.A.C』のほうで、ほぼ見事に発展的に描写されおえている、と言ってしまって問題ないんじゃないでしょうか。
 一言で言ってしまうと「ベースとなる概念がちょっと古いんじゃないの?それ」ということを思ったということです。サイバーパンクとか、SF的世界観は新しいところを衝いていたとは思うけど、仮にヘーゲルが下敷きだとすると、それはちょっとなぁ…みたいな。

 も少し、長く言うと「インターネットだとかの情報システムによって、社会の構成が変化する」とか「様々な人が、<なぜか>同一の行動をとりはじめる」ということを説明するためのモデルに、ヘーゲルの想像力をベースに使うか、複雑系とかの想像力をベースに使うか、というところで。
 lainは、(たぶん。たぶんだけれども)200年前のえらい哲学者であるヘーゲルあたりが下敷きで。
 攻殻S.A.Cは、(これも、たぶんだけど)比較的あたらしい複雑系とか、サイバーカスケードの議論とかを一定程度踏まえている感触。

 わたし、古典をきちんと読んでない人なので、古典をきちんと読んでるようなスーパー教養人だと、古いものをベースとすることの意味まで含めて味わったりできるのかもしれないけれど、わたしはそこまで舌が肥えてないので。
 えー、うーん、古くしか見えないわぁ…みたいな。

 まあ、あと、ヘーゲルっぽいけど、ヘーゲルそのものでもないだろうというのも、あって。そこらへんが、まあ、こういうもの評価するときに、こういう話もちだすとめんどくさいところもいろいろあるんだけれども…
 

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下記、もうちょっとだけ、詳しいコメント
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 たぶん、この作品の問題意識を「古い」と感じるかどうか、というのは、おそらくヘーゲル的歴史観を古いと感じるかどうか、みたいな論争と、おそらく一緒なんじゃないか、と思っています。
 わたしは、そこらへんの論争の非常に込み入った話は、正直ものすごく遠巻きにしかわかってないので、けっこう表層的な理解かもしれないけれど、わたしの理解の範囲で、キーワード散りばめる程度に、少し書いておきます。



 ヘーゲル大先生は、200年以上も前に「時代精神」とか「世界精神」って言っていたわけです。
(ここらへんは、興味ある人は、「ツァイトガイスト」とか「ヴェルトガイスト」とかでググッてみて、よくわからんと思ったら、ヘーゲルの入門書を図書館で手にとってください。わたしもあまりわかってませんので)

 で、ヘーゲルのそういう話って、ある種の歴史記述とか、巨大な「世界史」みたいな運動記述としては、確かに200年前の時点だと「イイわ、コレ」みたいなところがあったとは思うのですよ。今みても、さすが、ヘーゲル先生するどい!みたいなところは、あるとは思うんだけど。200年前は、資本主義経済とか、出版文化とか、その手のテクノロジーや制度の変化によって社会メカニズムが高速に変わっていくことを説明する概念がなかったので、その時はすごくよかったんだと思うんだけど…。
 でも、それって要するに現代の理論的にはいえば、進化ゲーム理論とか、生態論のメタファーあたりをコアにして議論されている、カスケード・メカニズムの話とか、文化の生態論的な発展プロセス記述とか、そういうもので代替可能な議論になっちゃっているんじゃないのかしら?素朴に。もう、ヘーゲル的な歴史記述とか、世界把握の仕方は限界含みな感じがありありと出てきてしまっているのでは?と、わたしは思っているわけです。…わたしは思っている…というよりか、まあ、別にそう思ってる人はわたしだけじゃなくて、ものすごくたくさんいるとは思うけど…。



 ただ、この手の議論の難しいのは、Вистерияさんが書いているリチャード・ドーキンスの「ミーム」みたいな話を持ちだされると、ミームの話って、ある種ヘーゲル的な発想を、現代の比較的新しい理論と接続しているような印象があるので、わたしが先述したような、「古い理論 vs 新しい理論」みたいな対立構造は難しくなっていて、すごく評価に困るんだけれども。
 まあ、ミームの話もわたしは話半分ぐらいしかよくわかってなくて、「ミーム」という説明形式を採用することによって見えてくるものもあるとは思うんだけど、なんか「ミーム」って概念としての使い方が、まだなんかちょっと難しいつーか、提唱してる人たちは細かいロジックを構築してるとは思うんだけど。なんか、細部の概念の彫琢の仕方がよくわかんないです。



 わたしも、この手の社会/文化生成プロセスの説明理論についてガチで興味あるわけでもないので、ヘーゲルと、アクセルロッドと、ドーキンスが全部好きです!(+サイバーパンクも好き)みたいな人がいたら…というか、それはもはや、何かの専門家みたいな人だと思うけど。そういう人にlain見せたら、なんか、面白いコメントしてくれたりするのかも?
 まあ、わたしも、これ書きながらヘーゲルとか、ひさびさに勉強しなおしてみようかな、みたいな気分にはなった。

 lain好きの人は、まあとにかくそこらへんの論争フォローしてみると、たぶん、面白いと思います。


追記:
・適当に、「serial experiments lain」「ヘーゲル」でググってみたところ
 あんま、ヘーゲルと絡めて書いてる人だれもいないのね…わたしの見方が偏ってたんだろうか…うーん

・「『攻殻機動隊 Ghost in the shell』の話のほうこそ、ヘーゲルのガイストの話じゃんか」と書いてらっしゃる方がいて、ああ、そういう見方もあるのね、と思った。
 まあ実際『攻殻機動隊 Ghost in the shell』のゴースト概念はけっこう適当なので、『lain』の批判対象として機能するのは『攻殻S.A.C』のほうだと思います。

・あと、lainの命名の由来は『引き裂かれた自己』のロナルド・デイヴィット・レインなのか…。じゃあ、何、基本的には精神分析系のメタファーでこれ作ってんのか?いや、でもサイバースペース全般の話かいてるんだから、やっぱり、精神分析=個体の話がベースなので、社会的なメカニズムの話にメタファーひろげると、それはやっぱりヘーゲルに見える…のはそんなに変じゃないと思うんだけどな…。

・あと、アンサイクロペディアの解説が一番おもしろかった。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

LAIN Complete Review: The meaning of existance

非常に難しい作品です。多分、満足いく理解など一生得られないのでしょう。
シーンが所々なんの因果関係も無くぶっ飛んだり、訳の分からんセリフを放ったりと、もうなんのこっちゃ。
またストーリー自体突然の神の出現で一気に世界観が歪みますし。

そんな難解な作品なんですが、メッセージ性は非常に強いです。
一番注目するべきはこの作品が面白いか、理解できるものかではなく自分なりに作品のメッセージを把握して実生活に生かすことだと思います。


☆物語
簡単な物語の説明をしましょう。
レイン(またはlain、玲音)は人間の自立進化を成し遂げる為に作られた実験用プログラムです。ワイヤード(現代でいうインターネット)上に完全なる自意識を具現化することができれば、我々は肉体という原始的障害を乗り越え全人類で共感という総合的意識で束ねることができるのではないか?というのが現代の自立進化です。

自立→肉体からの解放です。

レインは自我を持たないワイヤード上に存在する普遍的存在でした。それをどこかの科学者が肉体を構築し、そこに玲音という自我を入れた。

レインはワイヤード上の普遍的存在(作品上の定義では「神」となっていた)で、玲音はリアルワールド(現実世界)に存在する一個人です。

実験では玲音にワイヤードの接触させ、玲音がレインと同一化した時に起こる自我の形成という点を研究したかったのだと思われます。

しかし、本編で実際の起こったのは完全なる「神」の出現でした。

現実世界にある筈の自我の意識というものをワイヤード上に完璧に具現化できるようになると、情報操作どころか人間、歴史の改竄ができてしまうということでした。


これの理由はシューマン共鳴とミームにあります。シューマン共鳴(共振)とは地球の地表と電離層の間に存在する電磁波みたいなものです。
本編ではこの共振を電線が常に微量の音を発するということで表現していました。

ミームとは自己複製子の可能性としてかの有名なドーキンス氏が定義した一種の理論上だけで存在する総合意識のようなものです。遺伝子とは似て非なるものです。
ミームは人間の進化に関わってきたとされるもので、自然淘汰から生まれる遺伝子の適応性(ダーウィンの進化論)以外にも人間の総合的に左右する無意識下での伝達があるのではないか?という仮説から生まれました。

簡単な例を「ジーパンを履く」という風習を使って説明しましょう。有る時期に人がジーパンを履くようになった。これをミームを使って説明すると以下の様になります。

『1840年代後半のアメリカで「ジーパンを履く」というミームが突然変異により発生し、以後このミームは口コミ、商店でのディスプレイ、メディアなどを通して世界中の人々の脳あるいは心に数多くの自己「情報」の複製を送り込むことに成功した。』

この人間の無意識下で影響を及ぼすミームというものがシューマン共鳴によって引き起こされていると考えるとどうでしょうか。
そしてワイヤードというインターネットが己の自意識を具現化できるようになるというのはネット上にミームを展開できるということです。

そして、ミームはシューマン共鳴で繫がっている。つまり、自分の脳内でネットの接続できるということです。
レインが最終的に本編でしていたことは自我というものを全人類の中に偏在化させ、情報操作をするということです。
これが、レインは神だと言われる所以です。


この作品が理解しにくい理由として「世界観」というものが挙げられます。
レイン(主人公)が特別な存在であった為見る側にもその変な世界観がダイレクトに伝わってきます。

一つ簡単そうで簡単じゃない本編に関係する思考を提示してみましょう。
「あなたたちすべてが私の自己だ」
これはユングが彼の生徒に自己の概念の説明に使った言葉です。
己の自我というのは自分に服するものであり、それ以外の何ものでもないと考えるのが普通かも知れませんが、ユングは自己などという意識を超えた存在を仮定しました。

あなたは、自分の意識、意思を自分のものだとどう証明しますか?

自分が自分がここにいるなんて普段考えませんが、ちょっと考えてみると意外と面白いものです。一つの考え方として存在は「認識」によって生まれるという説があります。

例えばあなたの目の前に「机」があったとする。あなたはそれを「認識」して、机だと判断する訳なんですが、この机をもし透明にしたらあなたはそこに机が存在すると分かりませんよね?透明ってのは物理的には存在してるんですけど、人間に五感では感じられないという意味で言っています。

別の例を出しましょう。ある誰もいない森の中で松ぼっくりが落ちたとする。しかし、それを誰も見てもいなかったし、音も聞いていなかったとする。では、松ぼっくりが落ちたというのは事実なんでしょうか?「認識」されなければそれがたとえ本当に落ちたとしても「現実」という世界の中では表現されないんですね。

つまり、人間が「認識」したものが個人の世界である。そして、その「認識」されたものを人間の総合的な意志として集約させたものが「現実」です。

これは科学的には裏づけされている話でもあります。粒子力学の世界ではアトムより小さい単位を研究するにあたってある現象を観測しています。トンネル現象もその一つで、物理的に通るはずの壁をその極小の単位がすり抜けることです。他にもその単位が急に消えたり観測できなくなったりと、「認識」による観測だけでしか仮定できない現象が起こります。
有る意味「認識」によって物体の存在が肯定されるというのは間違いではないんですね。

で、このセオリーがどうこの作品と関連付けられるのかというと、色々あり過ぎてちょっと説明できないかもです・・・汗
神の存在は認識から肯定できるのか?だったり意識を具現化したときに「認識」の定義はどうなるのか?など、この作品自体オカ
ルトなので様々な方向に広げていくことができそうです。

そこら辺は視聴者の皆さんにお任せしますねw

難しくて理解出来ない作品ですが、私にとってアニメの可能性というものを教えて貰った作品でもあります。やはり、こういう実験作みたいなものを表現する媒体としてはアニメが一番優れていますね。

皆さんも一度、レインの世界に浸かっては如何でしょうか。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

65.2 2 電脳でハッキングなアニメランキング2位
遊☆戯☆王VRAINS(ヴレインズ)(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (32)
108人が棚に入れました
ネットワークシステムが発達した都市:
Den City。
そこでは大企業『SOLテクノロジー社』が作り上げた高度なネットワーク技術により、『LINK VRAINS』と呼ばれるVR空間が構築され、人々はそのVR空間での新たなデュエル体験に熱狂していた。
『LINK VRAINS』に、デュエルによるハッキングを仕掛ける謎のハッカー集団『ハノイの騎士』が現れる。彼らの狙いはネットワークのどこかに存在するという『AIたちの世界=サイバース』を滅亡させる事にあった。

しかしそんな『LINK VRAINS』の脅威に立ちはだかる1人のデュエリストがいた。
彼の名は“Playmaker”。

圧倒的なデュエルで『ハノイの騎士』を倒し、何も語らずに去っていく彼の名は、ネットワーク世界で一躍有名になる。
その“Playmaker”の正体である高校生『藤木遊作』は、過去に起きた事件の真相を探るため、 VRAINSに出没する『ハノイの騎士』を追っていたのだった。


ハノイの騎士との激闘に明け暮れる日々の中、遊作は『SOLテクノロジー社』と『ハノイの騎士』が追い求めている謎のAIプログラムの捕獲に成功する。
そしてこれをきっかけに、運命の歯車は大きく動き出す……。

謎のAIの正体。『サイバース』を狙う『ハノイの騎士』の真意。
そして遊作の過去に秘められた真実とは――

声優・キャラクター
石毛翔弥、櫻井孝宏、木村昴、武内駿輔、濱野大輝、中島由貴、山本匠馬、鎌倉有那、沢城千春
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

久々のリアルタイム・アニメ遊戯王〈一年目終了時点で追記〉

2017年5月放送開始のアニメ遊戯王シリーズ6作目。


【3話視聴時点の感想】{netabare}
長期作品になると思うので完走できるかどうかはわかりせんが、3話まで見た印象はいいので視聴続行です。

シリーズ初期しか観ていないので久しぶりのリアルタイム視聴になります。概要を調べた限り、子ども視聴者の入れ替わりを想定して3作区切りで作風が移り変わっている感じですね。
ゼアルから視聴を続けていたとして当時小学3年生の子なら今は高校生でしょうから、本作はハイティーンを主な視聴者に想定している(と思われる)のはそこら辺が理由かな?

主人公の遊作は高い能力を持つクール系ですが、他人に興味が薄く目的のために手段を選ばない面も。精神的な成長や、人間関係を構築していく中での変化を描ければ非常にいいキャラクターになりそうです。
Ai(イグニス)とのやり取りも軽妙で、Aiの命を握っているのは遊作ですがAiのほうが常に一枚上手というバランスが上手い。かけがえのない相棒になっていく過程がしっかり描かれれば大きな見所になるでしょう。
このあたりは遊戯王という作品でストーリー構成が吉田伸さんなら期待できると思います。

ストーリーの面ではミステリー要素はアニメ遊戯王では珍しく、長期シリーズで積極的に変化を付けているのがとても楽しみな点。
反面、長期放映を想定した遊戯王で矛盾なくストーリーを展開・伏線回収できるのかという危惧も。

今のところ、世界観説明や心理描写にしっかり尺を取り、1エピソード2話構成にしているのは私は好きですね。
デュエル自体がDM、GXの時代に比べ複雑化している印象もあり、新しい召喚法が売りになるよう演出にも尺を割かねばならないという理由もあるでしょう。

あとキャスティング凄く好き!声優さん調べるの楽しいです。
声優経験のない人を主人公にするのもとても好きなんですよね。これまでのシリーズでも主人公以外でも舞台俳優や歌手を起用してきていて、どのキャラクターも印象に残っています。
長期放送の中での変化が非常に楽しみです。

久しぶりのアニメ遊戯王、のんびり楽しみたいと思います。 {/netabare}(2017.5.29)


【20話視聴時点での感想】
このアニメ、色んな意味でハードルが上がりすぎてるw
{netabare}
ロスト事件にはまだまだ裏がありそうですし、遊作の日常も見たいし。デュエルなし回を見るとデュエルあり回が待ち遠しく、デュエルあり回が続くとデュエルなし回が恋しくなるという個人的にすごく悩ましい状況ですねw

遊作役の石毛翔弥さんの演技は素晴らしいの一言に尽きます。活舌も発音も良く聞き取りやすいですし声量も申し分なく、わざとらしく感じることもない、個人的には完璧な演技です。お見事というか、最終話を思うと末恐ろしいというかw

一番のショックは19話で明かされた遊作の復讐の動機です。まさか「監禁」ていう言葉をはっきり使うとは思わなかった。
普通ならもっと現実感を薄れさせるんでしょうけど、デュエルに直結している事以外は現実にありえない事件ではないので、その分描き方には誠実さが求められます。視聴者に子どもも大人も存在するアニメ遊戯王で、凄く難しく、挑戦的なことをしていると感じます。(テレビ東京系って一応地上波で全国ですよね?)
時にグダグダ(そういう所も好きだけどw)になることもあるアニメ遊戯王なので心配もありますが、ハッピーエンドは確約されているようなものなので非常に楽しみでもあります。

キャラクターの描写も全体的に気遣いがあってとても良いですね。
理論的な面ではAiの方が正しくそれを遊作もわかっているけれど、遊作が感情を優先するときにはAiの方が振り回されるという描写がとても良い。遊作の優しさやデュエルへの想いをきちんと描いてくれるのも好印象です。
財前兄妹良いですね。彼らの行動がプレイメーカーを破滅から救うかもしれないとかなったら胸熱。

それにしても監督交代はとても驚きました。
13話までの監督は細田雅弘さん。展開はゆっくりでしたがとても掴みの良い第1クールで素晴らしかったと思います。
14話からは浅野勝也さんが監督となり、監修としてベテランの佐藤竜雄さんが参加されています。
放送開始時がかなり大変そうでしたが、それでも段々と安定してきていますから監督の交代は最初から予定されていたのかな?
監督の個性がどの程度反映されているのかはわかりませんが、14話以降のデュエル演出はかなりスムーズになりました。13話までのリンク召喚演出も私はすごく好きだったので残念ではありますが。
本作は地味で渋い演出もあって見ていて楽しいです。

そしてデュエルが難しくて細かい所がついて行けない…;;
20話でファイアウォールドラゴンの効果をメッセージを伝えるために使ったのはすごく良かったです。
今後も注目していきたいと思います。 {/netabare}(2017.10.2)



【一年目終了時点の感想】{netabare}
主人公が「友達になってください」って伝えるまでに一年(46話)かけたアニメ。
だがそこがいい!

ストーリー含め穴は少なくないものの、総括すると堅実で良い一年目でした。
音楽は格好良く華があって質はいいと思いますが、使い方が大げさすぎるかな。
一年目前半は演出も良かったと思うんですが、後半はコンテ演出のスタッフが変わったためか不満に感じることが増えてしまいました。
ドラマパートではベテランの演出だと地味ながら引き込まれるシーンがありとても好きです。デュエルパートは作画は動きを付けて頑張っているんだけど、絵コンテ次第でもっと魅力的になるのではないかと思います。
作画は波があるものの盛り上げるべき所には力を入れ、凝った部分も多かったです。モンスターのCGはなかなか出来も良く、手描き部分ともマッチしていて浮いた印象もそれほど無くて好きですね。

OPはテーマを織り込んだ歌詞・渋い曲調に演出・作画がしっかり噛み合っていて、一年通して飽きることなく楽しめました。変わるのがむしろ寂しいくらい。EDは曲もアニメーションもひとつ目がすごく好きだったな。

本作は分かりやすく復讐という言葉を使ってはいますが、OPの歌詞から読み取れる通り、遊作が前向きに人生を歩めるようになることが一つのゴールでした。
デュエルの中で人間関係を結ぶ演出にリンク召喚が使われたのも良かったですね。デュエルに意味を持たせる努力が感じられました。
Aiとの関係性の変化は遊作があまり表情を変えない中でもよく描けていたと思います。46話ラストの別れのシーン渋くて大好き。

ハノイの塔を巡る騒動の中で遊作には色々な心境の変化があり、特にスペクターとの対峙は自身の想いを見つめ直す良い展開だったと思います。それまでは被害者の一人として復讐の使者という言葉を使っていたけれど、自分が前に進みたい、これから関係性を築いていくであろう人たちの願いも背負った上で現実世界を守らなければならないという決断に落ち着きました。
まあスペクターのキャラは遊戯王らしく狂ってるけどw

最後のリボルバーとのデュエルまで遊作が仲間や友人を持たずにいたことが(心情的に作れないという方が正しいですが)強いカタルシスを生みました。その前にAiとの関係を遊作自身が内心では受け入れていたのも、最後の展開への流れが自然になった要因だったと思います。遊作自身がなかなか幸せになる方向に行かないのはヤキモキしてもいましたが、一年間見てきて本当に良かったと思えました。

46話ラストのスターダスト・ロードの発生した海を見る遊作のシーン。
あれ本当に好きです。ひとつ目のEDラストに夜明けの海を眺め微笑む遊作と対になってるんですね。
仲間と認めたAiがいない寂しさとともに、了見が去ったことでまだ遊作は明るい未来に踏み出すには至らない寂寥感が良く出ています。それでもスターダスト・ロードは二人の新しい道への希望に見えます。42話でスターダスト・ロードが導いたのはリボルバーでしたが、46話ラストは過去も未来もひっくるめた二人の繋がりの象徴のようにも見えました。


キャラクターも印象が強く、特に男性キャラクターはバックボーンの持たせ方なども素晴らしかったと思います。遊作、了見は過去の重さや心理描写に気を遣っていて特に好きですし、今後の成長と変化がとても楽しみです。
逆に二年目にもう少し掘り下げて欲しいのが女性キャラクター。特に葵ちゃんは一年目は本筋に上手く組み込めなかった印象があるので、もう少しリアルでもアバターでも活躍が見たいですね。
あと、島君好きですね。本筋には関わってこないかもしれませんが、コメディリリーフとしても視聴者に近いキャラとしても今後も活躍や出番はあると思うし、島君の役回りは今後も楽しみです。


ここからは良くなかった所。
ストーリーで一番の欠点と感じたのは鴻上博士関係です。サイバースへの攻撃の理由が納得し難いこと、息子に全て背負わせて亡くなってしまったことがスッキリしませんし、少なくとも子どもを誘拐する必要性に関して説明は欲しかったですね。謎の解明を期待して視聴していたら結構きつかったと思う。SOLが真っ黒っぽいのでそれがどう関係してくるかは注目したい所です。

あとファイアウォールドラゴン好きなのでちゃんと活躍してほしい…;;


敵側ではなく主人公側に正直アウトな描写(クラッキングとか不法侵入とか…)もあり総集編の多さなども含め欠点は多いのですが、私が重視する要素は割と満足度が高かったです。
全体的に地味過ぎるくらい丁寧に抑えて展開した一年目でしたので、二年目は明るい展開も見られたらさらに楽しめるかなと思います。{/netabare}(2018.4.13)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

ミュンヘン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ARC-Vの悲劇は絶対繰り返してはいけません

あらすじ

{netabare} ネットワークシステムが発達した都市:
Den City。
そこでは大企業『SOLテクノロジー社』が作り上げた高度なネットワーク技術により、『LINK VRAINS』と呼ばれるVR空間が構築され、人々は そのVR空間での新たなデュエル体験に熱狂していた。
『LINK VRAINS』に、デュエルによるハッキングを仕掛ける謎のハッカー集団『ハノイの騎士』が現れる。彼らの狙いはネットワークのどこかに存在するという『AIたちの世界=サイバース』を滅亡させる事にあった。

しかしそんな『LINK VRAINS』の脅威に立ちはだかる1人のデュエリストがいた。
彼の名は“Playmaker”。

圧倒的なデュエルで『ハノイの騎士』を倒し、何も語らずに去っていく彼の名は、ネットワーク世界で一躍有名になる。
その“Playmaker”の正体である高校生『藤木遊作』は、過去に起きた事件の真相を探るため、 VRAINSに出没する『ハノイの騎士』を追っていたのだった。


ハノイの騎士との激闘に明け暮れる日々の中、遊作は『SOLテクノロジー社』と『ハノイの騎士』が追い求めている謎のAIプログラムの捕獲に成功する。
そしてこれをきっかけに、運命の歯車は大きく動き出す……。

謎のAIの正体。『サイバース』を狙う『ハノイの騎士』の真意。
そして遊作の過去に秘められた真実とは――(TVアニメ動画『遊☆戯☆王VRAINS(ヴレインズ)』のwikipedia・公式サイト等参照){/netabare}

遊戯王シリーズは初代デュエルモンスターズ時代から見てます、ZEXALまでは完走してましたが前シリーズ遊戯王ARC-Vは終盤で切ってしまいました、まぁしょうがなかったです。ARC-Vは遊戯王の汚点になったでしょう。なので、VRAINSには遊戯王シリーズの復権を期待したいですね。
毎回ルールや新しい召喚方法が出てくる遊戯王ですが今作はリンク召喚というのが出てきました、そしてアニメオリジナルデュエル方式スピードデュエルが登場、前作のアクションデュエルの50倍は素晴らしいデュエル方式でしょう。
ストーリーとしてはハノイの騎士という敵と戦うということしかまだ分かっていませんがこれまでのデュエルから期待はできますが、ARC-Vも最初はよかったので油断はできません。
これから恐らく3年ぐらいでしょうか、遊戯王やっぱりいいなと思える作品になってくれることを祈ります。

第1クール7話までの点数84点

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

マリン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

嫌いじゃないが色々惜しい

話の筋書き自体は手堅くて良いと思うのですが画面の華やかさや世界観設定等のアイデア部分がイマイチかなと。高橋先生の抜けた弊害なのでしょうか。

特に初年度のこれといったサービスも無く、薄暗くて治安の悪いリンクヴレインズは皆がこぞってアクセスするような人気スポットに見えませんでした。
最近リニューアルした姿が御披露目されましたが、今どきの娯楽施設にしてはクラシックな見た目だなと感じてしまって‥。せっかくのVR設定なんだから、現実じゃあり得ない形状の建物がガンガン建ってたり、野良モンスターが空飛んでても良かったと思います。フツーのビル街なのはちょっともったいない。
物語を盛り上げる都合上、遊作がハッキングする等して侵入するボス戦用空間はかっこ良いのですが、一般が入れないようなところのが派手ってどういうこっちゃ。

他にも、電脳空間では見た目変え放題なのにデュエルディスクをイジる人がいないのは妙だと感じました。なぜかスピードデュエルで誰もがサーフボードにしか乗らないのも変。レースでもないんだし、宙に浮くならなんでも良いはず。
この二つは皆持ってるアイテムな分、個性を主張したい人なら派手に差別化したがりそうだから余計に気になってしまいます。

パッと見ですら個性の強烈さが伝わった旧作に比べると大人しすぎて物足りないです。

放送二年目に突入してテコ入れ頑張ってるのは伝わるから、これからもひっそりと見守っていきたいです。新キャラのソウルバーナーくん格好良いですね。なにやら難儀な過去を持っているようで、どう話を進めるのか楽しみです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2
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