陰謀TVアニメ動画ランキング 142

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89.5 1 陰謀アニメランキング1位
彼方のアストラ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (975)
3827人が棚に入れました
宇宙への往来が当たり前になった近未来で、9名の少年少女たちが惑星キャンプへと旅立つ。宇宙旅行に胸を躍らせながら出発した彼らを待ち受ける、予想外の事態とは……!?

声優・キャラクター
細谷佳正、水瀬いのり、武内駿輔、黒沢ともよ、木野日菜、松田利冴、内山昂輝、早見沙織、島﨑信長
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

SFサバイバルミステリーギャグアニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
なるほど確かに、「全話観た上で、評価を決めよう」という作品ですね。ネタバレなしでは、これ以外は、なんとも(笑)

評価としては、☆4(高評価)に違い、☆3(普通)です。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
五点負けてる九回裏に、満塁ホームランを打ち、そのまま、あと一歩のところで敗戦してしまったようなアニメでしたね。おしい、あと一押しあれば、☆4(高評価)でした。

終盤の畳み掛けるような伏線回収は素晴らしかったです。いろんな小さな要素がちゃんとストーリーに繋がる無駄の少なさ。特に、シャルスがカナタの右腕になるクダリは良かったですね。「王の為」以外に生きる意味を教えられなかった少年に、新たな生きる意味を与える(カナタの右腕として生きる)というのも、絶妙な暗さがあって良かったです。

9話(☆4評価)からの展開、特に、11話のクオリティについては、嫌みなく、素晴らしかったと思います(単体では☆5をつけてます)。

でもじゃあ、それまで費やした、8話分のマイナスを覆すだけの効果があったかと問われれば、流石にそこまでではないのかなと。

スベり続けたギャグ。リアリティのない展開。綺麗すぎる人の心。

例えば1話、みんなで手を繋ぐより、誰か推進材があるやつがワイヤーつけてキャッチしたら? 例えば2話、ドラゴンはどう考えても数トンあるわけだし、保存をちゃんとすれば(真空保存など)、食料問題は一気に解決じゃね? 例えば4話、解毒剤は発症してないと見つけられないなら、ユンファは、なぜ見つけられたの? 例えば9話、クローンなのに男女両性に出来るの? クローンじゃなけりゃ記憶移植できないのか、どうせ記憶移植するなら、自分が良いなという欲求なのか。後者なら、クローン作らなくても良いことになるし、大事な点の説明がない。

と、このような小さな失点(疑問点)を繰り返してきた部分が、どうにも気になりました。

それでも、もし12話で、もう一度世界をひっくり返すような、11話を超えるようなエピソードをぶちこんでこられたら、また違ったけど。まるで、アストラ号のように、波風たてない緩やかな着地(苦笑) 一時間もかけたわりに、物足りない最終話(まあ、爽やかで、後味が良くはあるんですが)。

これ多分、「漫画大賞」という先入観で、勝手にハードル上げまくった私が悪いんですね、ハイ。

本作は、「SF」と「サバイバル」と「ミステリー(デスゲーム)」と「ギャグ」いう、4つの要素を組み合わせたのが最大の見処であっものの、SF以外は中途半端になった印象。

特に、もっとサバイバルの部分がちゃんと面白くして、(序盤から中盤を)エンタメ作品として充分以上に楽しんでいるなかでの、急転直下のSF(終盤)にしていれば、なお良かったかな?

う~ん、勿体ない作品ですね。
{/netabare}



【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ギャグがさぶいな~。サバイバル系なんだろうけど、「ソウナンですか?」「Dr.STONE」など、ライバルも多いな。

いや、誰か推進材があるやつがワイヤーつけてキャッチしろや。

2話目 ☆2
まあ、作風なのは分かるけど、不真面目だな。せめて、毒かどうか試してから食おうよ。ドラゴン、さっさと食えよと。

この作風で、この世界での整合性がとれてないのは、キツいな。

つか、ドラゴン、どうみても数トン以上はあるし、1日に1キロ食ったとしても、(保存がちゃんとできれば)20日どころじゃなくもつよな。

3話目 ☆2
サバイバルだけでなく、デスゲームの要素もあるんかい。てか、そっちメインか? なぜ、和気藹々できる?

4話目 ☆1
団結が崩れる、、、だったら、情報開示するなや。その方が、尻尾つかめるだろ。偶然、解毒剤をゲットして、皆の役にって、超ご都合主義かい。発症してないと見つけられないなら、ユンファは、なぜ見つけられたの? そこで歌うのは、バカなのか?

なぜ、この作品が、漫画大賞に? 後半、追い上げるのか?

5話目 ☆2
俺なら、あそこで歌われたらキレるけどな(汗) まあ、自分の子供が死んで良いと思うような親なんだろうな。

そもそも、どの惑星にも、水も空気もあるというのがな。

ラブコメも入れてくる。欲張りだな。

6話目 ☆3
綺麗に決まりすぎた感もあるが、良い話かな。ウルガーに銃持たせるところとか。あと、ルカが自分をネタにしてるところは、良いな♪ あと、最後の嘘を見破る流れも、次話が気になる。

7話目 ☆3
なんだ結局良い話か。そこの号泣で茶化すって、どんな演出だよ(苦笑) タイムリープだったの? じゃあ、殺すためではなく、生かすために飛ばしたのか? 違う機体か? まあ、パーツを合体させて直すんだろう。

8話目 ☆3
助けに来たと思ったら、同じく遭難者。まあ、直さんと話終わるしな。つか、使える部品とか、全部積み込もうぜ。ここから、本ネタ? ザックとキトリーのギャグパートは、初めておもろかったw いやいやいや、IDタグごときに命かけるなや。最後の惑星? 同一人物、クローンか。

9話目 ☆4
全員クローン。まあ、なら宇宙にとばした理由も分かるか。思ったより、クソ親だったな。記憶の移植は同一人物じゃなけりゃできない? しかし、クローンなのに、男女両性に出来るの? ここ、ポイントだな。クローンじゃなけりゃ記憶移植できないのか、どうせ記憶移植するなら、自分が良いなという欲求なのか。

あと、性格とかも、遺伝的な特性もあれば、環境的な特性もあるわけで。だから、違わな過ぎないか?

は? だって可愛いだろw

これは、時代が変わってるか? 地球もクローンか?

10話目 ☆3
ここから面白くなりそうだな。違う時間軸の地球? 新しい惑星? 全員の記憶が作られたもの、つまり、「涼宮ハルヒ」+「進撃の巨人」みたいな話か? この作戦、分かりやすくウルガーが味方で、シャルスが犯人だな。。。だよな。

11話目 ☆5
ここで、アリエスの謎、回収。ここの伏線はなかなか良いな。子は親を選べない。環境や教育が人をつくるか、自分が自分をつくるか。右腕として、、、生きる意味の書き換えだな。

12話目 ☆3
綺麗だな~。綺麗すぎるくらい、良くも悪くも。予想以上ではなく、11話を超えられもせず。もうひとつ、世界をひっくり返して欲しかったかな。もし、12話が11話を越えられれば、☆4をつけても良かったけどな。さて、これで世界は、良くなるのか? 箱庭も、悪くはないけどな。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 43
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

判別可能なキャラ達と金太郎飴的な惑星群

原作未読

漫画の評判がいいから、が視聴動機。
全12話ただし初回と最終回が1時間枠だったので実質14話分のボリュームです。
序盤はもの珍しい細谷佳正さんのハイテンション演技を堪能することから。SF興味なくともこの一点で “ 買い ” かもしれません。2~3話経過してからはBパートの引きが良く毎話楽しみながらの完走です。

ざっとあらすじ:子供たちだけでどっかの惑星で5日間自活してこよう!スケール大きめの林間学校に意気揚々と出発したらトラブルに巻き込まれて帰ってこられなくなりました的なやつです。

キャストは多め。性格ははっきりとキャラ毎に別れており、キャラ回というよりキャラパートを設けてあまり尺を使わずにさらっと紹介。それでいて不思議と名前は覚えていられました。
{netabare}みんな多かれ少なかれ境遇は一緒だよ、との本作の特徴を活かしこのへんばっさり切りましたね。英断だと思います。{/netabare}


カナタ・ホシジマ(CV細谷佳正):リーダー 十種競技選手 アツい!
アリエス・スプリング(CV水瀬いのり):天然ドジっ子に見えて意外と有能
ザック・ウォーカー(CV武内駿輔):頭脳明晰鉄面皮 キトリーと幼馴染
キトリー・ラファエリ(CV黒沢ともよ):医者の娘 フニシアの姉 基本ガヤ
フニシア・ラファエリ(CV木野日菜):最年少 キトリーの妹 パペットマペット
ルカ・エスポジト(CV松田利冴):政治家の子 僕っ子亜種「オイラっ子」
シャルス・ラクロワ(CV島﨑信長):貴族出身 なんというかムツゴロウさん
ユンファ・ルー(CV(早見沙織):国民的歌手の娘 超内向的隠れ美人
ウルガー・ツヴァイク(CV内山昂輝):教頭の息子 本人はアウトロー志向

ポリーナ・リヴィンスカヤ(CV生天目仁美):ゲスト ポリ姉


途中経過時点ではおおむね今期多かった中間層上位 ( 自分比 ) の作品という見立て。完走は苦にならずそこそこ面白いが一皮むけてないといった「惜しい!」作品の一つ。
ただしそれは物語の全容が明らかになってくるまででした。起承転結の転から加速しきっちりまとめてゴールイン!一気に観るのがいいと思います。

引っ掛かったところ先に述べとくと、全12話のけっこうな部分を占める各惑星描写についてもっとエンタメに振り切って欲しかったな~ということですかね。


※各惑星の簡易説明

{netabare}惑星マクパ:当初目的地
惑星ヴィラヴァース:最初に訪れた惑星。肉食恐竜みたいなのとにょっきーん植物が脅威
惑星シャムーア:脅威のない草食動物。毒胞子まき散らすポールツリーが脅威
惑星アリスペード:リゾート惑星。地震と津波が脅威
惑星イクリス:自転してない過酷な環境。超獰猛な可動性植物が脅威
惑星ガレム:最後の惑星。わりと平和

一覧すると、植物らしきものが脅威だよというパターンが被りヴァリエーションに乏しい。{/netabare}

いきなり遠くの宇宙空間に放り出され、かくかくしかじかで食糧の備蓄量を見据えながら惑星を中継して帰還するという一大作戦決行中の若者たちです。

 未知の惑星にどんなものを持ってくるか?

これがいってみれば想定の範囲内。観てるこちら側の斜め上をいくようなタイプの惑星が登場してたら、

 本当に生還できるのか?

SFサバイブもののドキドキワクワク感はさらに増したことでしょう。
{netabare}そしてサバイバルパートが際立てば際立つほど第9話「全容見えてきました!」回との目線ずらしが奏功してたと思います。サバイバルと見せかけてサスペンスでしたの落差で評価は爆上がりしてたことでしょう。{/netabare}


この引っ掛かり以外は気にならず、中盤までゆるやかに右肩上がりで面白くなっていくストーリーだったと思います。サバイバルという題材と+αの謎{netabare}(「裏切者は誰だ?」){/netabare}を早々に提示してくれたおかげで、なにがなんだかよくわからないまま後半に種明かしみたいな不親切設計でもありませんでした。
起承転結の構成も手堅く、転からの終盤はオチも含めて意外性と納得感のある内容。このへん詳細は本編で!

ジャンプ連載だったわりには、下手に引っ張らず撒いた伏線を回収して短くスッキリと終わらせた構成にも好感を持ちました。良作です。



■物語の構成について ※ネタバレ

{netabare}出来過ぎなくらいハッピーエンドでしたね。それが嫌らしいと感じませんでした。
物語は以下の順で明らかになっていきます。

1.アストラ号メンバーの共通項
2.刺客はこやつ
3.この世界の秘密

序盤から2.は提示されていて視聴者の興味を引っ張る材料になってました。そして2.が明らかになれば当然「どうして?」がでてくるわけで、その説明が1.と思ったわけです。
これで1クールでも充分だったと思いますがおかわりがありました。3.です。期待値の一段上をいってました。{/netabare}


■優しい人たち

これは雑感です。人間の善意を信じようという作者の意図が根底にあったのだと思います。
{netabare}・ユンファのライブ会場に押し入ろうとしたキトリーと警備員とでひと悶着。直後、隣にいたアリエスのとある報告に控えめに拍手を送る警備員さん。さっきまでもめてたのにw
・アリエスの母ちゃんに連絡を取ろうとした時に、だれも疑わなかった。普段ならご都合とか平和ボケみたいに感じたろうにこの時はクルーの絆みたいなのをより強く感じました。不思議なもんだねぇ
・ピンポイントでしか覚えてなさそうなカナタが本を執筆できるわけなかろうもん。きっと隣にいた超絶記憶力の持ち主がサポートしながら書き上げたんだろうね、と妄想。{/netabare}




■(余談)カナタのアストラ

冒頭に戻るわけですがハイテンション細谷佳正さんが個人的にはイチオシです。
アツい!とにかく勢いがあるキャラでした。そして、彼は脳筋一歩手前の絶妙なバランスで好感度を保っていると思しき立ち居振る舞いをします。行動に根拠がある。よって知性も感じる。

モデルは武井壮?と思った人他にいないかしら。

なかやまきんに君でも春日でもないんだよなぁ 
武井壮なんだよなぁ



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.09.20 初稿
2020.04.07 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 78
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

期待通りだった

それぞれに悩みや秘密を抱えているキャラクター達が漂流によって成長していくし、ミステリー要素もある作品。ところどころスケットダンスの作者らしいギャグもあってそれがいい感じのスパイスになってる。

後日談もあって登場人物たちのその後まで描いているところも後日談好きな僕は見終わって面白いと感じた。

アリエスの親{netabare}生みの親ではなくて育ての親ではあるが、{/netabare}からの愛が半端なくて泣きそうだった。アリエス可愛い。

最後はそうくるかという展開。{netabare}漂流は仕組まれたもので、漂流させられた彼らは違法なクローン人間だった。しかも地球の歴史が改竄されていた。漂流して冬眠していたポリーナのおかげで判明。{/netabare}

割と綺麗に完結しているし、裏切る奴がいても最後は呉越同舟ではなく、完全に和解して一致団結する姿も良いなあと。仲間のために自分の身を挺するカナタの存在が大きい。腕の機能面白いし。


OP
star*frost 歌 nonoc
ED
Glow at the Velocity of Light 歌 安月名莉子
挿入歌
Star of Hope
アストラ号の冒険 歌 ユンファ・ルー(早見沙織)
この作品でnonocと安月名莉子の歌が自分に刺さった。彼女達のさらなる活躍に期待。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
宇宙への往来が当たり前になった近未来で、9名の少年少女たちが惑星キャンプへと旅立つ。宇宙旅行に胸を躍らせながら出発した彼らを待ち受ける、予想外の事態とは……!?「マンガ大賞2019」大賞を受賞!『SKET DANCE』の篠原健太が描く大人気SFサバイバルストーリーが待望のTVアニメ化決定!


1. 第1話 前半 PLANET CAMP
生き残れ、宇宙の彼方で 宇宙旅行が当たり前になった時代。ケアード高校の生徒アリエス・スプリングは、初めての惑星キャンプに胸をときめかせていた。同じ班になったのは、宇宙港で顔を合わせたカナタ・ホシジマら計9名。一行は無事に惑星マクパに辿り着つくが……予期せぬ事態が発生する。

2. 第1話 後半 PLANET CAMP
生き残れ、宇宙の彼方で 宇宙旅行が当たり前になった時代。ケアード高校の生徒アリエス・スプリングは、初めての惑星キャンプに胸をときめかせていた。同じ班になったのは、宇宙港で顔を合わせたカナタ・ホシジマら計9名。一行は無事に惑星マクパに辿り着つくが……予期せぬ事態が発生する。

3. 第2話 WILDERNESS
20日分の食料と水を手に入れるため、惑星ヴィラヴァースに降り立ったカナタたち。特異な生態系に翻弄されながらも生存のために協力し、メンバーは少しずつ環境に順応していく。しかし、十分な食料と水が確保できるとわかった矢先、再び謎の球体が現れる!

4. 第3話 METEOR
通信機を壊した犯人がこの中にいる--。カナタはメンバー一人一人に疑いの眼差しを向けるが、証拠となるものは見当たらない。猜疑心に苛まれながら、ついにメンバーに事実を打ち明けるカナタ。誰もが混乱に陥り、疑心暗鬼になる中、アストラ号の壁が突然爆発する!

5. 第4話 STAR OF HOPE
墜落の危機を乗り越え、アストラ号は第2の惑星シャムーアに到着する。犯人を探すことをやめ、全員で生き抜くことを優先するカナタ。惑星探査は順調に進み、食料と水の見通しも立った。色めき立つカナタたちだが、ユンファだけはどこか表情が曇っていて……。

6. 第5話 PARADISE
B5班を救い、メンバーと打ち解けたユンファ。旅の楽しさを分かち合いながら、アストラ号は次なる惑星を目指そうとしていた。一方、ケアード高校にはカナタたちの親が集められ、行方不明の子どもたちを死亡扱いとする失踪宣告の手続きが始まろうとしていた!

7. 第6話 SECRET
ルカの父親マルコ・エスポジトは、ウルガーの仇だった。大切な兄を奪ったマルコに復讐するため、ウルガーは銃の腕を磨き、その機会をうかがっていた。ルカを殺せば、マルコに同じ苦しみを与えられる。その引き金に込められた憎悪に、ルカは……。

8. 第7話 PAST
惑星イクリス到着を前に、B5班に衝撃が走る。シャルスはもともとケアード高校の生徒ではなく、惑星キャンプの直前に転校してきたというのだ。なぜ、シャルスは転校生であることを不自然に隠していたのか? 今明かされるシャルスの出自に、カナタたちは……。

9. 第8話 LOST AND FOUND
アストラ号と同型の宇宙船を発見したカナタたちは、船内でコールドスリープ状態の生存者を確認する。彼女の名前はポリーナ・リヴィンスカヤ。この宇宙船、アーク6号の機関士だったという。さらに、アーク6号の発見によってアストラ号の修理にも一筋の光が差し込む。

10. 第9話 REVELATION
キトリーとフニシアはまったく同じDNAを持っていた。ザックから告げられた衝撃の事実に、カナタたちはとある仮説にたどりつく。そしてこれまでの全ての出来事がパズルのピースを埋めていくように仮説を裏付けしていく。

11. 第10話 CULPRIT
カナタたちの目指す惑星を見て驚愕するポリーナ。次々と判明する新事実に困惑しながらも、B5班とポリーナはお互いの知識、認識をすり合わせ、様々な仮説を立てていく。そして次なる惑星ガレムへの到着を前に、カナタは意を決しアリエスの部屋を訪れる。

12. 第11話 CONFESSION
刺客の正体が明らかになった……! 戸惑いを隠せないB5班のメンバーたち。旅の中で絆を深めてきた仲間が、なぜメンバーの一斉殺処分という使命を背負い続けるのか? 仲間の問いかけに、刺客はその出生の秘密と自身を突き動かすに至ったある事件の顛末を語り出す。

13. 第12話 前半 FRIEND-SHIP
【前半】右腕を失いながらも、誰も憎まず今まで通りを貫くカナタ。惑星ガレムを出発する準備も着々と進み、5012光年の旅はいよいよ終着点を迎えようとしていた。そして、故郷への帰還を前に世界の真実を知るカナタたち。果たして、この真実をどう受け止めるのか。

14. 第12話 後半 FRIEND-SHIP
【後半】右腕を失いながらも、誰も憎まず今まで通りを貫くカナタ。惑星ガレムを出発する準備も着々と進み、5012光年の旅はいよいよ終着点を迎えようとしていた。そして、故郷への帰還を前に世界の真実を知るカナタたち。果たして、この真実をどう受け止めるのか。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

80.5 2 陰謀アニメランキング2位
NHKにようこそ!/N・H・Kにようこそ!(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (1532)
7883人が棚に入れました
大学を中退して4年目の佐藤達広は、ひきこもりとなっていた。佐藤は、自分が大学を辞め、無職でひきこもりであることなど全てが、謎の巨大組織の陰謀であると妄想する。その組織の名はNHK(日本ひきこもり協会)。そんな折、中原岬と名乗る謎の美少女が佐藤の前に現れる。佐藤をひきこもりから脱却させるべく、岬は「プロジェクト」の遂行を宣言。その「プロジェクト」の目的が不明のまま、岬による佐藤のカウンセリングが始まる。

声優・キャラクター
小泉豊、牧野由依、阪口大助、小林沙苗、早水リサ
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ヒキコモリ君の妄想話とナメていたら、意外と確りとした《BMG/青春もの》でした!

※レビュータイトルでネタバレ防止のため、変な略語になってますが、BMG={netabare}Boy Meets Girl{/netabare}のことです。
もっとも、18歳のヒロインはともかく、主人公の方は22歳の青年なので、この表現にはちょっと語弊があると思いますが、一応、物語のスタイルとしては、そう要約するのが一番適当なのではないかと。

◆「もどかしい世界の上で」が流れ出す第13話が転換点なので、初見者はそこまで我慢してね!!

歌手で声優の牧野由依さんのアルバム『天球の音楽』(2006年12月リリース)には、『ARIA』で使われた「ウンディーネ」「ユーフォリア」「シンフォニー」、それから『ツバサ・クロニクル』で使われた「アムリタ」「ジャスミン」「夢のツバサ」といった私の好きな曲が沢山収められているので、そのCDを流しっぱなしにして度々ドライブをしていた時期が以前ありました。

そしてそのアルバムの4番目の曲は、最初は馴染みがなかったのでSKIPすることが多かったのですが、慣れてくると何だかこれも良い曲だなぁ・・・と思い始めて、そのうちその曲がくるとそこだけリピートすることが屡々ありました。

・・・そうやって、別段曲名を調べることもなく何となく曲調と歌詞はだいたい覚え込んでいたのですが、たまたま本作の第13話を見ていたら、そのエンディングに突然、この馴染みのある曲が流れてきて、驚いてようやく曲名を調べたら、これが本作2クール目ED「もどかしい世界の上で」だったんですね。

本作自体も、その第13話が、丁度全24話の折り返し点でありシナリオの転換点になっていて、それまで本作のことを、「情けないヒキコモリ君の妄想まみれの下らないコメディだろう・・・」とナメていた私の心が、第13話での意外な展開と、そこでEDとして初めて流れた本曲によって、一気に揺さぶられてしまい、あとは最終回までガッツリ作品世界に惹き込まれてしまいました。

ラスト2話では、それまで謎だった{netabare}ヒロインの真意と目的{/netabare}が過不足なくきっちり開示され、それに対する{netabare}主人公のリアクションと変化{/netabare}も中途半端ではなく納得できる結末まで確りと描き出され、視聴前には思ってもみなかった《感動》まで味わうことが出来、その直後から1周目の時は早々に「ながら見」になってしまっていた序盤からもう一度確り見直そう、という気持ちになりました。


◆本作は、ヒロインの《ulterior motive(アルテリア・モウティヴ 隠された動機)》に見どころがある優秀作

私がこれまで視聴した作品で、同系列(隠された動機系)の名作/優秀作/人気作としては

(1) 『アイドル・マスター』 (2011年)(25話+劇場版) ※個人評価 ★★ 4.7
(2) 『俺の妹がこんなに可愛いはずがない』 (2009,13年)(31話) ※個人評価 ★★ 4.6
(3) 『四月は君の嘘』 (2014年)(24話) ※個人評価 ☆ 3.9

・・・の3本が挙げられると思います。
要するに、この手の作品は、

<1> 1周目では、我々視聴者は、「視点人物」たる「仮・主人公」の少年(ないし青年(*1))のモノの見え方や心情に沿って、謎めいたヒロインの行動動機や心情を訝(いぶか)しがりながら物語を追っていくしかないのですが、
<2> それらが開示されたあとの2周目では、今度は「真・主人公」たる「ヒロイン」の心情が、各々のシーンでどのように描き出されているのか?を読み取り/確認しながら、物語を再度追いかけていく、

・・・という二重の楽しみ方を出来ることになります。

(*1)『アイマス』の場合は、プロデューサーの視点。

一応、ここで私の意見を率直に述べると、上記の3作品の中で本サイトの総合評点が一番高い『四月は君の嘘』の場合は、該当レビューの方にも少し書きましたが、2周目視聴時点で気づくヒロインの描かれ方が、やはりどこかいい加減で中途半端(※肝心のシーンで急にギャグ調の作画に切り替わって何だか胡麻化された気分になってしまう点が特に・・・)であり、“泣ける”作品としては非常に需要にマッチして良く出来ているのだろう、とは思うけれども、私などが好む“心情描写系”作品としては、いまいち粗雑な出来なのでは?と思ってしまいます(※そのため私の個人評点もそこそこに留まる)。

一方、本作の場合は、いざ2周してみると存外にヒロインの側の《心情描写》が確りしている、というか、気合を入れて見ていなかった1周目では見過ごしてしまっていた彼女の心の動きが、実に細かくキチンと描き出されていることを、あちこちのシーンで確認できて、視聴時の満足度が跳ね上がってしまいました。

⇒ということで、本作の個人評価を、『君嘘』よりはだいぶ高いけど、『俺妹』よりはやや低い、★ 4.4 とします。

※ヒロインには大きく感情移入できたけど、ヒキコモリの主人公の方は色々とマイナス点が多くて、『俺妹』ほどには評価が高くなりませんでした(←それでも最後は{netabare}主人公も頑張ってくれた{/netabare}ので、完走後の後味は悪くないはず)。

《まとめ》
本作は、序盤の主人公のネガティブさに閉口してしまう方が多いと思いますが、そこを何とか我慢して切り抜ければ、中盤過ぎから急に面白くなり、最後は感動も出来てしまって、さらにもう一周したくなる、1粒で2度美味しい《感情描写系》の優秀作と思います。
とくに、『俺妹』や『アイマス』を、途中で飽きてきて断念したくなりながらも、頑張って視聴を続けたところ、途中から急に楽しくなって最後は確り感動できた人には、割と同様の視聴経験が出来る作品として、お薦めしたくなりました。


◆視聴メモ(2周目)

※上記のとおり本作の1周目の半ばまで、「ながら視聴」して視聴メモは全く取っていませんでした(従って以下のメモは2周目時点のものです)。
{netabare}
・第1話視聴終了時点
冒頭のシーンだけでも色々と気づくことが多くて・・・2周目に色々と発見がある作品はやはり名作なのかも?
そして、Aパートの終わりで早くもヒロイン登場←今考えると、本作ってこの第1話から最終話まで《引きこもり青年×動機を秘めた少女》の初対面からの《感情推移》を描いた作品として、実は全然ブレてなかったんだね(1周目視聴時は全然そうゆう展開になるとは想像できませんでした)。
・・・とゆーか、N・H・Kの陰謀って「Nihon・Hikikomori・Kyokai(日本ひきこもり協会)」ではなくて「Naka・Hara・misaKi(中原岬)」の陰謀だよね笑。
1周目は専ら主人公(※正確には視点人物)の側から、そして2周目になるとヒロイン目線をプラスしてより重層的に物語を追える作品と確定!
やっぱりそういう2度美味しい作品は良い!!!
・第2話視聴終了時点
引きこもりがよくSOHOなんて単語知っているな笑。
・第5話視聴終了時点
岬のカウンセリング第1回・・・八百万の神やフロイトの夢分析について岬より詳しい佐藤(←大学中退の22歳と18歳だとそうなるな普通。)
・第6-12話視聴終了時点
何気ないエピソードが淡々と続くが、後から考えると第13話までつなげていくこの一連の展開はなかなか良く出来ていると思う。
・第13話視聴終了時点
岬の意外な本心が噴出してしまう注目回であり、初めて流れる2番目ED「もどかしい世界の上で」も◎(初の★★(優秀回))。
・第15-19話視聴終了時点時点
佐藤がネトゲとマルチ商法に巻き込まれる話。
ここはシナリオの本筋には余りないマンネリ気味の展開で、ちょっと残念(個々のエピソード自体は面白いけど)。
・第23話視聴終了時点
特殊EDは多分ここだけ。流石にドラマチックな展開で2度目の★★。
・第24(最終)話視聴終了時点
佐藤がオカリンに見える!・・・というか、こっちの方が早かったんだね。
第1話冒頭の主人公の夢落ちと重なる内容は◎、ラストはあっさり展開でここも好感を持てました(3回目の★★)。
{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作小説        滝本竜彦(WEBサイト「Boiled Eggs Online」2001年1-4月連載)
監督           山本裕介
シリーズ構成・脚本  西園悟
キャラクターデザイン 右湊具央、吉田隆彦
音楽           パール兄弟
アニメーション制作  GONZO{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================== N・H・Kにようこそ! (2006年7-12月) ================

 - - - - - - - - OP「パズル」、ED「踊る赤ちゃん人間」 - - - - - - - - -
{netabare}
第1話 プロジェクトにようこそ! ★ 佐藤達広(22歳、大学中退ニート、ヒキコモリ歴まもなく4年)、N・H・K(日本ひきこもり協会)の陰謀?、中原岬(18歳)との出遭い、公園呼出し(岬のプロジェクト開始)
第2話 クリエイターにようこそ! ★ ヒキコモリ脱出サポート契約の提案、隣人アニヲタ(山崎薫、高校時代の文芸部の1年後輩)、岬との約束(制作ゲームを見せる)
第3話 美少女にようこそ! ★ ギャルゲー事始め、校門前取材(盗撮未遂と岬の意味不明な態度)
第4話 新世界にようこそ! ☆ 山崎との聖地・秋葉原巡礼(ヒロインのキャラ作り取材)、柏先輩との再会
第5話 カウンセリングにようこそ! ★ 続き、中原との契約成立、引きこもり脱出講義開始、ゲームシナリオ作り
第6話 クラスルームにようこそ! ★ 続き、山崎の彼女疑惑、伐々木デザイナー学院見学
第7話 モラトリアムにようこそ! ★ 母親からの上京連絡、岬の恋人役引き受け、初デート
第8話 中華街にようこそ! ★ 母親上京、3人のお食事会(横浜中華街)、芝居からのはみだしデート
第9話 夏の日にようこそ! ★ ゲーム作りの期限、山崎の初恋の思い出、夏祭り(岬との花火鑑賞)
第10話 ダークサイドにようこそ! ★ 岬に惹かれる気持ちと募る疑念、岬尾行、岬への捨てゼリフ(カウンセリング放棄)
第11話 陰謀にようこそ! ★ 柏先輩からの連絡・突然の来訪、先輩との思い出、「天国に一番近い島」オフ会へ
第12話 オフ会にようこそ! ★ 陰気な集団との無人島行き、オフ会の目的判明{/netabare}

 - - - OP「パズル -extra hot mix-」、ED「もどかしい世界の上で」 - - -
{netabare}
第13話 天国にようこそ! ★★ 山崎の岬問い詰め、集団自殺一歩手前、岬の引き留め(本心吐露)
第14話 現実(リアル)にようこそ! ★ 城ケ崎のオフ会メンバー暑海温泉招待、岬の置き手紙、カウンセリング再開、夏コミ失敗、母親からの電話
第15話 ファンタジーにようこそ! ☆ 仕送り半額に、RMT(リアルマネートレード)参戦(ミアとの出遭い)、カウンセリングすっぽかし
第16話 ゲームオーバーにようこそ! ☆ 岬の佐藤リアル引き戻し作戦、ミアの正体・ネトゲの現実(山崎の忠告)、高校の同級生(小林)からの電話
第17話 はぴねすにようこそ! ☆ マルチ商法(ねずみ講)サークル、小林のなき脅し
第18話 ノーフューチャーにようこそ! ☆ クーリングオフ交渉大失敗、委員長宅訪問(トロトロの中の人)
第19話 青い鳥にようこそ! ★ 小林の兄・友一(トロトロ)との決別会話、岬の手料理、マウスロード強制捜査、友一のヒキコモリ脱出
第20話 冬の日にようこそ! ★ 冬コミ間近の追い込み、山崎の個人事情(帰郷決定、七菜子との決別)
第21話 リセットにようこそ! ★ ギャルゲー完成(冬コミ)、山崎との別れ(北海道帰郷)、カウンセリング年末試験(初詣デート、岬とはぐれて)
第22話 神様にようこそ! ★ 続き(柏先輩との別れ、岬の誤解と動揺)、猫の埋葬、意地悪な神様、岬のプロジェクト進行
第23話 岬にようこそ! ★★ 岬のトラウマ、カウンセリング卒業試験合格、新しい契約拒否、仕送り途絶・警備員バイト開始、岬のリストカット・、岬の家庭事情、遺書と失踪
第24話 N・H・Kにようこそ! ★★ 雪の石濱岬の一幕、岬の生家(廃屋)、後日譚(桜の季節){/netabare}
------------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)3、★(良回)15、☆(並回)6、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4


最後に一言。
本作には、確率1%の「N・H・Kの陰謀」が確実に存在する!
そう、それは「{netabare}N(aka)・H(ara)・(misa)K(i){/netabare}の陰謀」なのだ!!!
←この陰謀はアリだと思った(※『俺妹』の桐乃よりもずっとリアリティありそう)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ああ、売れないわけだ。超怒級ドM専用の名作

これ、痛みを一つも覚えず完走できるヤツはアニオタにいないだろうな。
1話見て「3チャンにしては過激だなぁ」とか思ってたら、民放やんw
これ怒られんかなww
元ネタとして使われているローマ字のとこの風刺とか、なんか込められてるでしょ。
最初は「NHKのお仕事現場をアニメにしました」ってドキュメントっぽい
『働くって素晴らしい♪』って感じのお仕事紹介アニメだと思ってた。
ええ、ある意味、ビシバシ刺激を受けて労働意欲増進、食欲旺盛になりましたとも。

◇小説原作!?、2クール、全24話、一冊だから買っちゃった♪

誰でもこれ観たら何かしらドコかしら痛いだろうな。
四畳半を観たときに感じたものに近い感覚があるが、破壊力が30倍増し。


さて、アニメ業界の購買層のシェアはどんなもんなんだろう?
廃人(引き籠って、資金源が自分以外にある)、
お得意様(働いたお金をほぼ全額アニメ業界につぎ込んでくれる人)、
この層が厚いと売れないだろうね。

魔法使い、童貞、最近じゃセカンド童貞という言葉もあるらしい、
そこら辺の層もどうなんだろう。
ぶっちゃけダメ人間の素養がある人間の方が購買力あると思う。

リア充、あるいはどん底から完全に立ち直った人間に購買力があるとは思えない。
・・・って言うか、完全に立ち直るとか、真人間とかいないけど。
リア充と呼ばれている人もお花畑をフルタイムで漫喫してるわけなじゃいけど。
むむむ、オレは一体何を言っているんだ?? w

要するにダメ人間が買いたくなくなるような作品。


☆あらすじ☆
ニートの佐藤くんが新興宗教チックな女神の岬ちゃんに救済の手を差し伸べられる話。
★そんだけ★じゃないよーw

こういうのを「アニオタへのアンチテーゼ」「現代アニメのアンチテーゼ」とかいうのかな。
ってアンチテーゼってなんだよwググった、命題の反対って、数学か!弁証法って久しぶりだよ!!
使用例はなんか見たことあるからなんとなく分かるが。

思考に支障を来す様な作品だった。
内容は↑に書いてある分の感想を見たらなんとなく分かるっしょ。

ドMにオススメ、あとは岬ちゃんに惚れたら観た方がイイ・・・のかなぁ。
とりあえず、一回観てみな。

ちょっと残念なのが1~5話までエロゲとか変態チックな話がメインなことかな。
それが取っ付きにくさとなってるかも。
あと作画がひどい回が2,3回ある。一応、女の子の出番が少ない回とか選んでそうだから、
オレとしてはあんまり気にならん。ネタと思ってる。

この作品でも言ってたが、挙げられていたのはエロゲだけど、
「消費者は現実なんか求めていないんだよ!」って方にはオススメしない。

それにしても、山崎イイヤツ過ぎるな。なんだかんだで佐藤くんもイイヤツだな。
でも佐藤は完全にニート貴族。タバコに酒に、それだけで少なくとも毎月2万円超えてるだろw


そう言えば友人が言ってたが、
今の社会は「イイヤツが上に登りづらい」って。
オレは「イイヤツは上にいない」って思う。下にもね。ドコでも誰でも住みづらい世の中だよ。


OPすげー好き☆☆☆☆☆ 何、この溢れる名作臭w
EDも好き★★★★★ 虐めたいの? ええ、虐めてください♪
2クール目のEDは牧野さんの歌、こっちもええ♪♪
・・・あの赤ちゃん人間の絵、どこで見たっけなぁ~

ああ、1つだけ言っておかないとな。
{netabare}「ニートになっても、何年待っても、岬ちゅぁんは来ちゃくれないんだよぉぁー!!!」


※完走した人用の感想 → {netabare}

岬ちゃん役の牧野さんて、{netabare}シーキューブのユラ公だったのか(T_T)
・・・イイ声なのに、めぐり合わせで仕事も変わりそうだな。{/netabare}


※※以下、断定口調で述べますが語尾に「気がする」を付けて読んでね♪


この作品の裏を読むと面白いことが三つある。

一つは、誰も死んでないこと。
引き籠りもその素質があるヤツも「死にたい」とか簡単に口にするけど、
こういう人間って大抵は犯罪するようなこともないし、自殺することもない。
よく「自殺する勇気がない」とかいう言葉を耳にするが、
「~する勇気」って、あれ、勇気じゃないから。
本当に死んでしまう人は、悩むことや勇気とか、そういうの通り越して何も考えてないし、
考えられない。
だから考えられる人間は引き籠る余裕がある。

もう一つは、ラスト2話の前に引き籠りを脱出する例が2つあったこと。
1つは、見栄のために働こうとしたこと。
「かわいい女の子に引き籠りと思われたくない」
もう1つは委員長の兄ちゃんがアルバイトしてたこと。
「飯を食わせてくれれば何でもする」
兄ちゃんのが一番強い理由になる。
女の子にカッコ悪く思われたくない、とかの理由もイイ。
「空腹」「カッコ悪い」とかこういうマイナスの方向の動機は実に行動しやすい。
とりあえず佐藤くんは、
バイト先に岬ちゃんがいなかったらあの時点で引き籠り、ニートでなくなったかも。
あの動機付けで続くかは知らん。
ちなみに「岬ちゃんと付き合いたい」とかあまりにも明確な動機だと、長続きしない。
動機は単純で切実な方が、脱する力は強い。

最後は、実は周りの支えが引き籠りを脱するのを阻害していたこと。
単純に山崎や岬ちゃんがいなければもっと早く引き籠りを脱してたかも。
あの天使のような岬ちゃんが佐藤くんの自立を阻害してたかも、
という事実がなんか悲しい。
佐藤くんに関してだけ言えば、
彼自身はダメ人間だがどちらかというとイイ人間。
母さんに罪悪感を感じ、自分の状況をある程度理解していた。
しかも、妙な見栄があって餓死しそうになっても北海道に帰らなかった。
(帰るという選択肢がなかったから、交通費を残すなんてことを考えなかった。)
となると働くしかない、という状況は遠からず来ていた。
岬ちゃんや山崎が食糧支援してたから、飯の点だけでも、窮地からは遠のいた。

こういう見方をすると恐ろしいなw
もっとも、怪しい自殺のお誘い、マルチ商法地獄エンドから逃れられたのも、
あの2人の支えがあったから、という物語としての事実がある。
それに人間的な成長に大きく貢献していた。


この作品は物語として極端ではあるが、引き籠り・ニートについてよく表していた。

引き籠りの脱し方は最終話まで観ても、一話の結論から少しも変わっていない。

最後は岬ちゃんと恋人エンドっぽいけど、結局チューすらしてないし、
幸せなのか、幸せになれるのかもわからない。

ダメ人間同士が傷を舐め合っているだけにも見えるが、
それでも生きている、それで死なないなら御の字じゃん。

何でもいいから働いて生きろ、って単純なメッセージを私は勝手に受け取りました。
曲解して「かわいい女の子と楽しい時間を過ごしたいなら働け」ともw
あ~、オレもかわええ女の子とイチャイチャして~www



小説のプチ感想 {netabare}
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
小説だと山崎も佐藤くんもかなり末期だなw

アニメの元ネタは1クール分ぐらいしかなくて、
大筋の流れは同じでも、その過程が大分異なるので、アニメと小説で2度楽しめる。
岬ちゃんについて詳しく書かれているから、感情の入り方が変わった。

どっちにしても、凹む内容だwwwww

アニメは、カッコいい山崎とアクティブにダメな佐藤くん、可愛く献身的な岬ちゃん、
2クールでちょっとダラダラだが、エンターテイメント性の富んだ作品。
小説は、末期な佐藤くんとかなりダメな山崎、淡白な岬ちゃん、
1冊だけをサクッと読めて、より無情感を楽しめる作品。時間的にはこっち。

それにしてもアニメの脚本家?さんスゲーな。
よく小説を消化して昇華させたもんだ。
オリジナル要素てんこ盛りなのに、本質的には変わっていない。

小説は挿絵ないし、アニメ観た方が情景が思い浮かべやすいので、
岬ちゃんの可愛さを漫喫したかったら先にアニメを。
先に小説を読むと、きっと主人公と自分、他の登場人物も知り合いに入れ替わるから、
ドM日本代表は先に小説を。

どっちから入っても楽しめると思う★ ヒッヒッヒ

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「じゃ、また夜に、公園で。」

2話でヤマザキ君がちゃんと出て来るまで
「ひょっとして…この隣人は孤独死していて、ついに主人公は発見してしまうのではないか。夏場だし死体の腐敗もきっとひどい。引きこもりの末路を見た彼は、部屋から出る決心をするのでは…」
という展開を妄想して、ヒヤヒヤしていました。
いや、壁の向こうで同じ曲がループ…というのがそう思わせたのでした。
みさきちゃんも、「本当に存在するのだろうか…彼にしか見えなかったら…」とか。
身構えて見てたのですが、何やら物騒なことを見せそうな雰囲気がビンビン漂っていたのですよ。

内容は、痛い。序盤は特に痛い迷走ですね。
考えたくない事から目を逸らすのに必死になってエネルギーを注ぐ事で、また目を逸らしたい事実を作ってしまう。
横道でも、邪道でも、真剣に楽しめれば、楽しませられれば、それが突破口になることもある!?
目指せ、わらしべ長者。でも、求めることはすぐに等価交換はでき無くて…。

人間万事塞翁が馬、いいと思った事、ダメと思った事も、ゆくゆくはひっくり返ったりもするような話なのかな…?と思いつつ視聴。

序盤。ヤマザキの切れやすさと主人公とのやりとりが、コメディとして楽しいです。
他の方のレビューにもあったれど、仲間の出来方が確かに急かもしれない。こんなに仲間が居るじゃないですか、主人公…。

7話まで
岬ちゃんのプロフィールを知ろうとしないのが不思議だった。どうして相手が自分に興味を持ったのか、気にならないのかな。
{netabare} 「親についた"恋人"という嘘がバレるから知っとかねば」ということで、ちょっと詮索してみるのだけど、岬ちゃんの現実に踏み込みたい訳ではない。
…高校時代の先輩とも、そうだったんだろうね。
ガードが固いんだかユルユルなんだか分からない主人公だなあ。{/netabare}

10話くらいでやっと岬ちゃんのバックボーンが気になり出して、 {netabare}しかし同時に身を引いちゃうのか…。
うーむ。。
主人公が「自分の子供時代のかわいい純真な姿」を思い返すのがなんとも切ないんですが…それは記憶補正もあるかもよー。

岬ちゃんのルートをおいて置いて、先輩へという感じですが、先輩も何か暗いですよ。 {/netabare}
ひょっとして、このアニメの展開は、
「どの選択肢を選んでも他人に委ねる限りはうまくいかない」…っていう話なのだろうか。

12〜13話
どんな暗い話になるのかと思いきや、サスペンス調でドラマチック。そうくるか!てとこが多くて、面白かった。
{netabare}自殺幇助、ダメ絶対の話。お金持ちだけど全てを失ったオジさんの身の上話、もっと聞きたかったけどな。やっぱりそこで「聞いちゃいけなかった…」て引いちゃうのが、サトー君なんだな。

主人公が1人で元気いっぱい空回りする自身の姿に、昔の懸命な学級委員長を思い起こして重ね、その頃からの無関心で怠惰な自分の事を後悔するとか、素直でグッときた…。
しかし、大活躍のお株は、自殺を考え直した眼鏡の医大中退に持ってかれる。そうですよ。遺されたお母さんや子供は、一時ではなくその後ずっと辛いですよ。{/netabare}

16、17話
ああー、やっぱり、「他人に委ねる限りはうまくいかない」流れが来た。{netabare}マルチ商法。

そしてサトーのネトゲー部屋をせっせとお掃除して、オムライス作って待ってる、岬ちゃんの健気さが凄い。おしかけ女房の鑑です。QEEN OF OSHIKAKE。
ネズミ印の商品を大袋に抱えて、満面の笑みでアパートへ帰ってきたサトー君を、待ち構えた二人。
ヤマザキ御奉行の眼鏡が光る。
切っておしまいなさい…!{/netabare}

18話
クーリングオフ大作戦。
{netabare}本当に、ヤマザキと岬ちゃんが居てくれてよかった!!
と思ったのも 束の間…

ヤマザキお奉行の背中の桜が、ネズミに散った…。わぁーん‼{/netabare}

19話
でもやっぱり仲間がいてよかったよ…。
{netabare}
委員長の兄さん、そう来たか…って意外な脱出劇を見せてくれました。
地方へ行けば結構若人は貴重がられますが、先日まで引きこもってた目と鼻の先で頑張ってる姿がミソですね。
(地方での健闘はヤマザキが担うことに…。)

高校時代の委員長の熱心さを思い起こせたことが、自殺幇助の際に主人公の身を助けた一因になっていたと思うんですが、委員長は知らないままでしたね。
{/netabare}
生命維持のための焦りと、
受け入れて見守ってくれる周囲の支えが、自立の支えになるという話。
他人の間で必要とされたいという本人の切実さ、も大事かなあと感じます。

21話{netabare}
マリッジブルーをチラつかせてサトー君を誘う「先輩」、ダメな人だなあ…。良い悪いで見たくないですが、ダメです。
サトー君の深入りしたがらない性分と、これまでで懲りた事もあってか、「不倫してみる?」のお誘いはすぐに断れて真っ当でした。
先輩は、どうあっても心の充足感を得にくい性分なんでしょうか。
難儀だと思う、それは。
しかも妊娠してるって。すぐにおめでとうを言えたサトー君は、やはり真っ当でした。

ヤマザキの家出と怒りっぽさは、保険に自らの人生と値段を決められていた所に起因していたのか…。
ヤマザキの「田舎の人間関係は、酒が呑めればやってけるぜぇ〜!」という報告に、まさか、このままアルコール依存症の流れまでこないだろうな…と心配に。もはや人生の落し穴を探せ!状態です。{/netabare}

23話あたりからは
岬ちゃんとサトー君との間がいよいよ佳境に。
やっと岬ちゃんの故郷について、ふと聞いてみるサトー君ですが、さびしいからそばに居て‼という岬ちゃんの切実な告白に、
やっぱりまた身を引いてしまう。まだまだ心の中のさびしさの実が熟さないんでしょうか。
でもちょっと男の子らしいと思えた。

ここからのラブストーリーはとても丁寧で、終わった時には岬ちゃんとサトー君のカップルが何だか好きになっていました。

ひきこもりがテーマの、回りくどいラブストーリーだったのかもしれない。
同じようなひきこもり・卑屈脱却を描いた四畳半神話大系と比べても、とてもリアルな描写が多くて重い部分もありましたが、コメディの効いたドラマチックな面も多くて見応えがありました。

とても読みづらいレビューになってしまいました。御一読ありがとうございます。でも何か、色々語りたくなってしまう作品ですね。
他の方たちのレビューも面白く拝見できた不思議な作品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

83.1 3 陰謀アニメランキング3位
ACCA(アッカ)13区監察課(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (827)
3668人が棚に入れました
13の自治区に分かれた王国にあある、巨大統一組織"ACCA(アッカ)"。
かつてクーデターの危機により結成されたACCAは、国民の平和を守り続け100年が経とうとしていた。
ACCA本部の監察課副課長 ジーン・オータスは、「もらいタバコのジーン」の異名をもつ、組織きっての食えない男。
飄々とタバコを燻らせながら、13区を廻り不正がないか視察を行っている。
そんなジーンを見つめる視線、不穏な噂と――おやつの時間。
ジーンの平和な日常は、ゆっくりと世界の陰謀に巻き込まれていく!

声優・キャラクター
下野紘、津田健次郎、悠木碧、諏訪部順一、遊佐浩二、大川透、緑川光、安元洋貴、田中敦子、後藤ヒロキ、上田燿司、前野智昭、八代拓、宮野真守、上村祐翔、中尾隆聖、石塚運昇
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ローマは一日にしてならず、ぢゃ

原作未読


{netabare}“Kokuouheika 99 saino tanjoubi"

ローマ字かよ!{/netabare}

原作はナツメ、監督も夏目、OPAメロはケツメ(?)。OPが終ればおやつの時間。だいぶぬるめの立ち上がりでした。


黒基調のサムネと番組タイトルから受ける印象はなんか固そう。
そんな視聴前の先入観なんてどこ吹く風。オシャレでかっこよくて、でもどこかしら抜けてて、そしてたばことスイーツに満ち足りたお話でした。地上波再放送をきっかけに、途中から配信に切り替え一気に観ました。全12話です。

あらすじ:もともとは別々の国だった13の国が統一されたという経緯のある土地でクーデターが勃発。それを国王は各地方に高度な自治を認めることで平定。13区に分けられたドーワー王国のそれから99年後の世界が舞台です。平定後に発足した“ACCA(アッカ)"と呼ばれる組織の監察課に勤める職員ジーンオータスが主人公の物語。監察課というお役柄全国を飛び回ってます。そして降って湧いたクーデターの噂を耳にするところから物語が動き出し、徐々に巻き込まれていくというサスペンス系統に分類されるであろう作品です。
それでこの所属組織ACCAがなかなかパンチが利いていて、警察・消防・医療その他公共性の高い各分野を一手に担ってる強大な組織なんですが、、、
不採算でも畳めないですよね?収入源はどうなんすかね?そもそも民間に治安組織の手綱を握らせたらダメじゃん、それじゃ傭兵とか民兵じゃないですか(笑)
この設定のせいで第一印象が良くありません。企業(サラリーマン)なのか公共組織(役人)なのかで見立てが変わるからです。公に奉仕する公僕が組織の論理との狭間でどうバランスを取るのか?が面白いのに民間組織設定だと無理が生じるはずなんです。{netabare}案の定、組織の性格上かなんなのか民間ならではの営利目的な描写を匂わせることもなく、いや描くことが出来ずに役人寄りの展開で推移したのでだったらはじめから公務員でいーじゃん、と思いました。{/netabare}
またクーデター解決(鎮圧?)手段が各区の自治の担保って、それってクーデター成功と同義では?としっくりこなかった序盤です。

些末なことでしょう。が、大概そんな些細なところが没入感を削ぐものです。
イケメン二人が主役級。5長官がイケボ揃い。そして毎度のおやつタイムにオシャレな雰囲気。うーん、女子向けかな?
男子には妹(ロッタ)か本部長(モーブ)をあてがっとけば安パイだろうよ。
というアニメかと最初は思ってた節があります。まあそれも最初の2,3話くらいのこと。回を重ねる毎に面白くなっていきました。


なぜなら、ちょっと冗長そうに見えて実はテンポが良かったから。
{netabare}第1話がいい例でしょう。最初の視察地ファーマス区訪問がAパートで終了。だいたい初回なら1話丸々使ってもいいところをそうしません。{/netabare}
ゆったり進んでいるように見えて、原作全6巻のラストから逆算して12話を作りこんだのが容易に想像できます。これは完走した後に振り返ったり2周めいくとわかるかも。伏線やミスリードの宝庫だったりするのです。

“クーデターの首謀者は?目的は?”

この物語のストーリーラインの軸はクーデター騒ぎにかかる人の動きです。謎を提示し情報を小出しにしながら興味を引かせ、その横でおいしそうなものを食べてるロッタちゃん(CV悠木碧)を眺めて楽しむ感じ。シリアスと日常パートの按配が良く、テンポの良さも加わって飽きることはありません。
各区もさすが高度な自治を実現してるだけあって区毎の性格がまるで違います。バラエティに富む各区を眺めることも毎度の楽しみだったりしました。政体でいえば都市国家の集合体みたいな感じかしら?アメリカの州よりも独自性が高く、昔のドイツやイタリアのイメージに近いです。
名残が残っているのはイタリアでしょう。ヴェネツィアはもともと国だったと教科書で習った方も多いかと思います。イタリアも州毎の独自性やプライドが高く、サッカー代表アズーリよりもおらほの町のチームが大事みたいなところがあって、このへんの歴史的経緯も比較文化の観点で面白かったりしますが、本作のドーワー王国はそんな国家です。

いつも通り脱線したところで話を戻すと、キャラも脇役含め棲み分けが出来ていて名前もすぐ覚えられました。キャラ紹介は省略ね。


起承転結のある物語は“転”からが勝負だったりしますが、『ACCA』の場合は、その前段も退屈しませんでした。
そしてお待ちかね{netabare}の第8話{/netabare}。わりと早めにバカでかい“転”がやってきます。これ自分がこれまで観た中でもトップクラスの“転”の回です。テンポよく進んで詰め込まれた情報が一気に繋がる感じ。そしてまだまだ明かされない謎を残しつつ結末に期待をもたせる神回でした。
これまだ観てない人いましたらお薦めですよ。残り話数で上乗せしていき結末も納得できる終わり方。ほんと12話あっという間とはこのことだと思います。


以下、ネタバレ所感
■二度おいしい作品
完走してからもう一回リピートしたくなるのではないでしょうか?
{netabare}・「こっちは30年間見てる」(ニーノ第2話)
・第3話の成人祝賀パーティーって孫を一目見たかっただけなのね
・同じく第7話のケーキ屋さんお立ち寄りも孫とお話ししたかったのね
・りんごのケーキが最後出てきて泣きそうになった。ニーノぉ~(第8話){/netabare}
視点をジーンやロッタではない他の誰かに移して鑑賞すると見え方が変わります。

■クーデター騒ぎへの落とし前のつけ方
予想が当たった人も驚いた人も納得の終幕かもね
{netabare}我こそは正義!の推進力は強いものがあるものの、一番やらかすタイミングでもあります。路線がすでに出来上がっている中でのどんでん返し。痛快でした。{/netabare}


思えば、作品を彩ったスイーツ群もバラエティに富む各自治区の描写もサイドストーリーと思いきや、結末を迎えた後に振りかえると意味を持ったものが多くありました。
原作の出来が良いのでしょうか。予想の展開を心地よく裏切られながらハラハラドキドキ、良く練られた良作だったと私は思います。


■オマケ
アッカについてのあれやこれや。
{netabare}私事ですが趣味でイタリア語やってた時期がありました。ビジネスには全く役に立ちませんが、現地のトラットリアで意気投合しワインの一杯を奢られるくらいの実力があった時期があります。
でこのACCA。イタリア語で“H”の読みがアッカなんです。アルファベットで8番目。やけに気合の入った第8話を観了後、一人にやっとした次第です。スタッフの遊び心だったら素敵ですね。

それと、スペイン語やイタリア語などラテン語由来の言語ではHを発音しないものも多く、イタリア人は大の苦手。転じて“H”は取るに足らないもの、なくてもいいものといったニュアンスも。作中のACCAの置かれた立場を表してるかのようです。

最後にもう一つ。中田英寿というイタリアで活躍したサッカー選手がいました。愛称は『ヒデ』。現役の頃は『ナカ~タァ』で現地で通じたものですが、日本では何て呼ばれてんだで返した時に、彼らは『イデ』になっちゃってました(笑)
その彼の現地での情報発信のメルマガだったかがたしか『H(アッカ)』だったと思います。彼の性格からして、自分を取るに足らない者だなんて謙遜するはずもなく、「ちゃんと『ヒデ』って呼べや!」なんでしょうね、きっと。{/netabare}


{netabare}ムールのワイン蒸し(ベルギー)、チーズフォンデュ(スイス)、ドーワーのお城はドイツのあの有名なお城かしら?…といったヨーロッパの装いと、ハレ区は東洋、フラワウ区はアラブとさしずめ万国博覧会みたいなアニメでしたが、自分が抱いたイメージはなぜかイタリアでした。また行きたいな。{/netabare}



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視聴時期:2019年4月~6月 地上波再放送 


2019.06.18初稿
2019.12.09配点修正 +0.2

投稿 : 2024/06/01
♥ : 64

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

静かにゆっくりと進んでいくストーリーは、密室で立ち昇る紫煙のよう…

この作品の原作は未読です。正直最初は視聴を迷いましたが、悠木さんが出演される事を知り視聴を決めた作品です。

物語の舞台はドーワー王国…元々は国王による独裁制の国でしたが、かつて発生したクーデターを機に13の地区による自治制に生まれ変わった国が舞台となっています。

もう一つクーデターで変わったのは、ACCAと呼ばれる民間組織が立ち上げられた事です。
このACCAは、各自治区の運営状況をチェック…つまり監視する業務も行っており、この物語の主人公であるジーン・オータスはその監察課の副課長を担っています。

この監察課の仕事は個人の業務配分量が極端に異なっており、オータスは乗り物嫌いな課長に変わって全13区の監視状況を視察に行くという監察課の中でもハードワークを日々こなしています。

ACCAの業務は基本的に各自治区に身を置き、その地区に密着した仕事を基本としているので、各自治区を飛び回っているのは監察課だけ…
完走して振り返ってみると、これも立派な伏線でしたけれど。

物語の序盤は正直展開が良く分からない…が本音でした。
オータスが各自治区を視察して回る…そして各自治区は文化、生活、環境が全く異なっていて、どの地区もオータスへのねぎらいともてなしを欠かしません。

それだけ監察課が持っている力は絶大である事の裏返し…
まぁ、オータスが上層部に対して虚偽の報告をするとは思いませんが、万が一不正が発覚でもしたら、当該地区にとって有益な事は一つも無い事は間違いありませんので…

それにオータスは物腰は柔らかいものの要所で目が利くんです…
若くして監察課の副課長にまで上り詰めた理由の一つなのかもしれません。

もう一つ、この物語の舞台の特徴は、煙草が極めて高価な価格で売買されているという事です。
具体的な金額は分かりませんでしたが、趣味嗜好の範疇を超えていて富裕層にしか楽しめないモノになっているとの事でした。

それなら喫煙シーンはさぞかし少ないのでは…と思いきや、オータスが愛煙家なので喫煙シーンは結構な頻度で画面から流れてきます。
そして少し違和感を感じたのは、オータスが喫煙する煙草は人からの貰い煙草が多いんです。
富裕層の娯楽と化した煙草も1本だけならそう高くはないのかもしれません。

ですが、本当の愛煙家なら喫煙する煙草はちゃんと自分で買わなきゃ…と思ったのも事実です。
私は煙草は吸わないので、煙草に高額の税金が課せられても生活に変化は無い…と思っていましたが、この作品を視聴して思ったのは、必ずしも生活に変化が生じない事は無い…という事です。

本当の富裕層しか楽しめなくなってしまったら、喫煙人口が激減してしまいます。
個人的には昔に比べると圧倒的に値上がった印象がありますけれど…
喫煙人口の減少に伴い、税金の収入も比例して下がる事になります。
そうなると、これまで煙草の税金を投入していた部分に穴が開いてしまう事となり、結果的に非喫煙化の人たちにも影響が生じる可能性がある…という構図です。

でもこの作品で印象的だったのは煙草ではありません。
一つは結末に向けたあっと驚く展開と…妹のロッタ嬢です。

あっと驚く展開は本編でご確認頂きたいと思いますが、ロッタ嬢の魅力は是非伝えておきたいところです。
ロッタ嬢のCVは悠木さんなので、演技には期待だけしておけば全く問題ありません。
天真爛漫で少し危なげで思わず手を差し伸べたくなるようなキャラを見事に演じられています。
スイーツが大好き…お兄ちゃんに出張のお土産にパンをおねだりするくらいパンが大好き…
そして何より兄妹ともなんですが、どちらも優しく思い合っているのが手に取る様に伝わってくるんです。

この兄妹の事を考えると不思議な事もあるんです。
例えば、住んでいるのは高級セレブマンションの最上階…
ACCAは民間組織なので、公務員より給料は良いのかもしれませんが副課長クラスでそんな場所に住めるか…と考えると答えはクエスチョンです。

それにオータスもイケメンですが、ロッタ嬢の可愛らしさは群を抜いている上、佇まいも気品に満ち溢れているんです。
そんな二人の魅力の理由も本編で明らかになっていきます。
結構見どころの多い作品だったのではないでしょうか。

1クール12話の作品でした。
完走した最初の印象はとにかく痛快だった…という事です。
やっぱり世の中には完璧な筋書きは無いんだ…
仮にあったとしてもそれが実行できるかはまた別の問題なんだ…
そんな事を感じさせてくれる作品だったと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

オシャレな駆け引き

たまにはこういう作品もいいですね。

【どんな作品】
一言で言うならオシャレ。
甘い物やジャンクフード。お酒とたばこ。
主人公は推理力というよりは洞察力が鋭い。自分の事は抜けている。
主人公は大きな陰謀に巻き込まれていく。

【OPから溢れ出るオシャレ感】

この作品の魅力といえば、なんと言ってもオシャレなOP。

オープニングテーマは「Shadow and Truth」
作詞 Konnie Aoki / 作曲・編曲 高橋諒 / 歌 ONE III NOTES

ONE III NOTESというユニットはメンバーの高橋諒氏がACCAの世界観にインスパイアされ「ドーワー王国にもし人気バンドがいたら」というイメージで結成されたユニットだそうです。

最高に乗れる華麗なライミングからの、力強くカッコ良い女性ボーカルへの受け渡しがオシャレな心地良い曲です。

そしてOP映像のカッコよさも語らなければいけません。
この映像、実は伏線があったりすることが回を重ねるごとによく分かります。構図からある人物は重要になってくることが示唆されています。回を重ねると映像に変化があるので、気になる方はチェックしてみてください。

キャラクターの個性もOPで良く表しています。
ジーンならタバコと、制服・・・でしょうか(どのシーンでも仕事をしているという印象です)
ニーノならカメラとバイク
ロッタはケーキと、その姿にハートを射抜かれる男(笑)
他にもACCA監察課の局員が可愛くおやつを食べる姿や、ACCAの5長官と呼ばれる男達の生き様を表したような姿が印象的です。5長官のシーンとその時の曲歌詞とシンクロすると、ドーワー王国に何かしらの不穏な争いがあるようにイメージ出来てゾクっとワクワクしてきます。

【もらいタバコのジーン-登場人物の個性が良く出てる】
さて、この作品は登場人物の個性が魅力的です。

ジーンに関していえば、この世界ではとても高級品である「たばこ」を吸っていることです。それを人目を憚らず吸っていることからいえる彼の性格は、あまり人の目を気にしない。どこか抜けている。そんな彼が「最近、誰かに見られている気がする」という違和感を感じるのは、相当な人数の注目が集まっているという意味として捉えられるかもしれません。

「もらいタバコ」という言葉からも、彼はどこかでタバコをもらっている。裕福な誰かとつながりがある。つまり、それを見たジーンを知っている人は、彼の人間関係にミステリアスな部分を感じてしまうのが、ジーンの魅力なんだと思います。本人は聞かれないだけで、秘密にしているわけではないのが「ぬけている」(笑)
そして、1話の彼は、洞察力が鋭く、監察課に向いている。仕事は真面目だし、寡黙にこなす。ですが自分の事となるとどこか抜けているところがあるので、そのギャップも魅力です。

他の人物についても少し話しましょう。
ジーンの妹であるロッタ。「お菓子」が好きで、楽しそうに食べるその姿に純粋さを感じます。
ニーノはジーンの友達。「カメラ」が好きなのか、良く持ち歩いていますが、彼の職業や立ち位置を良く表している物だと思います。



【ジーンを取り巻く人間と陰謀-オシャレな会話劇】

ジーンは1話で5長官にある嫌疑をかけられ、密かに監視対象とされます。
その嫌疑はドーワー王国を揺るがす計画の物なのですが、ジーンは果たして疑いを晴らす行動を出来るのか?ジーンの知らないところで密かに彼の人間性を探られ「ジーンに嫌疑をかけたのは誰?」「計画の中心人物は?」という猜疑心が常に視聴者の心にあるのが、この作品の魅力です。
オシャレな会話劇に、腹の探りあいや察しあいが含まれ、視聴者を作品の深みへはめさせていきます。

ジーンは色々なドーワー王国の自治区をめぐり仕事をこなすのですが、そこから見えてくるドーワー王国の情勢、自治区による人間や状況の違い等も、世界観にはまる要素になっています。

【最後に-余韻が残る良い作品です】
この作品は再視聴して話の流れを再確認したいことが多いです。
裏で誰が何をやっているのか、登場人物の立ち位置がどうなっているのか。
作品を見ている途中で考えたくなる作品です。
タバコが取り上げられがちですがあくまでそれはジーンを表すキーワードでしかなく、話の中枢である「国を揺るがす陰謀」の影に期待感を膨らませながら、作品全体に感じる大人びた雰囲気を楽しんでいる作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 32

88.2 4 陰謀アニメランキング4位
盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1170)
5474人が棚に入れました
図書館で出会った一冊の本。そこから勇者として異世界に召喚されてしまった主人公・岩谷尚文。盾を使う能力を持った彼は、陰謀と裏切りに会い、異世界ですべてを失ってしまう。どん底からの成り上がりを描いたヒロイック・ファンタジー!

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生
ネタバレ

フィーロたんlove さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

大人向け名作童話 人間臭い主人公の魅力が光る

総評

バトルシーンを除けば大人向けの童話です。
本編「盾の勇者の成り上がり」、外伝「槍の勇者のやり直し」
を通して読むと、「モモ」、「星の王子様」、「百万回生きた猫」
などに通ずるものがあると感じました。

ただ、大人向けです
この作品は忍耐強さ、誠実さ、気高さ、美しさ、愚かさ、醜さなど
人間の有する善悪両面を真っ向から描いています。

ですのでストレス耐性が少なく、理解力が浅く物事を表層的にしか
捉えられない中学生以下(あくまで一般的基準です)の方にはお勧
めしません。

22話感想
{netabare}
ウェポンコピー、転移スキル、武器の強化方法
あと信じてみる事の必要性
ここに来て重要な情報がようやく一部開示されました
ラルク(でしたっけ?)登場でしたね
たぶん小説版から登場したのでよく知らないキャラです
人気が高いキャラのようなので期待しておきます
{/netabare}

21話感想

綺麗に収まったと思います 
これぞアニメ版というとこでしょうか
特に言うべきことはありません

あと先週の声優さんの特番見ました
ねんどろいど可愛いです
フィーロの出来が良ければ買おうかな

番組を見ていて声優さん、スタッフの方、監督さん、
スポンサーさんなど、この作品がたくさんの大人の
心を動かし、このアニメが出来たことが感じられ
ました




20話感想
雑魚ボス戦での無理やりな盛り上げ方が気になりますね
{netabare}
今回のバトルはアニメ版の最大の盛り上げ場所のつもりだった
のでしょう。

これでもかと味方の攻撃が繰り広げられてましたが
なろう版でもコミック版でもなかっただろう攻撃
アクションが多かったように思います

無理やり全員参加型のバトルにして盛り上げようとしたのも
まるでプリキュアをみているような恥ずかしさが感じられて
ちよっとなーという思いでした

一応最後は原作通りナオフミの捨て身のスキルで締めたので
何とかまとまった感はありました
意図はわかるのでまあやむなしというところでしょうか


主人公の魅力について

①精神的なタフさ

 アニメを見てると3バカ勇者のマヌケぶりが目立ちますが
実際自分に置き換えた時どうでしょうか?果たして彼らより
うまく立ちまわれるでしょうか?ネットでググることもでき
ず、知り合いもいない、誰が嘘をついてるかわからない中で
正しい判断ができるでしょうか?

 ナオフミと自分を置き換えた場合も同じです。状況を判断
する情報が不足する中で、不条理に迫害されても下向かず
頑張れますか?自分の決めた方針を貫けますか?

 彼は周囲の冷たい視線の中、いろいろ思うことはあるにせよ
愚直にやるべきことをやり続けて周囲の評価を覆していきます。
近年稀に見るなんとも男臭い、人間臭いヒーローだと思います。

②懐の深さ

アニメ版では見れないでしょうけど、なろう原作ではだいぶ先に
精神的にポンコツな他の3バカ勇者を見事にまっとうな勇者とし
て再生していきます。

この作品が真っ向から描こうとしているテーマの一つは人間の
愚かさ、醜さでしょう。愚かさも醜さも人間臭さの一つです。

そして愚かで醜い人間も努力や他者の助けで立ち直れることも
この作品は示唆しています。

{/netabare}

 

*********
19話感想
尺を合わせるためか残念な展開に
{netabare}
たぶん2クールでカルミラ島までやって終わるつもりなのでしょうか
尺合わせのため後半が間延びしてる感じが否めませんね
マンガでもなろう版でもこんなに長くなかったと思います
どうせなら亀までやって2クール終了にすればいいと思うんですけど。
三勇教との戦いで3回使うとは思いもよらなかったです。
他の勇者とのぐだぐたも相まってちよっと残念な展開になっています。
教皇なんて雑魚ボスなのに3回もつかうとは。
脚本も割と裁量あるみたいなので、すっとばせるところはすっとばして
もいいと思うんですが。
いままでが良かったので、最近の制作サイドの不作為には少し失望し
評価は下げます(とは言ってもすでに最終話まで作っているでしょうが)。

アニメ版の現在の残念な展開はともかく原作は素晴らしいと思っています
原作の素晴らしさの一つに伏線の巻き方と回収の仕方が秀逸ということが
あります。

たいていの小説には読んでいくと穴ぼこというか伏線があります
情報が欠けている、訳がわからない、意味があるとは思えない情報
などの違和感です。違和感が読者の想像力を刺激するわけです。

本作品で言えば、

「情報が欠けている」は例えば波とはそもそも何か?結論を言えば最後
の最後で明らかにされます。読者は違和感を持ちながら展開される物語
から想像を重ねますが、別の「訳が分からない」ことが出てきたりして
簡単に先読みできません。

「訳が分からないこと」は例えば、マイン(第1王女)は何故そこまで盾の
勇者を貶めようとするのか?他の四聖勇者が仲良くなることを邪魔する
のか?これも結論から言えば最後の方まで明らかにされません。

「意味があるとは思えない情報」は例えば3話でナオフミがラフタリアを
始めて食堂に連れて行った時のお子様ランチの旗です。これは度々ラフタ
リアの初心忘れるべからずの決意表明で引用されるアイテムになります。
旗についてはなろう版では記述が無かったのですが、アニメ版15話ではエクレアの父が自分の領地で亜人が自由に暮らすことを保証する象徴で、白骨化したリファナちゃんが最後まで握っていたという設定になっています。恐らくこれは作者か編集者が後で思いついた伏線の回収でしょう。お話の膨らまし方として上手いと思います。

 作者は穴ぼこ(違和感)はできるだけ大き目に空けて後から埋める、伏線
は多めにばらまいて自由に回収するスタイルをとっていると感じます。なので本編でも回収が進んだとは言えず、外伝の「槍の槍なおし」で回収しまくっています。

 先読みが出来て読む気が無くなるようなことはなく、読み続けるほどに、あーなるほどそういうことかと腑に落ちていきます。厳密に言えば論理破綻しているところもありますが、別に法律文書でもなく娯楽小説なのでおもしろければ問題ありません。なお「槍のやりなおし」ではリファナちゃんが活躍するリープ周もあります。

{/netabare}

************************
18話感想
{netabare}
ようやく黒幕登場。高等集団儀式「裁き」すごすぎるだろう
クレーターできちまったじゃないか。
今回はモトヤスの勇者としての一途さ熱さが垣間見れた回じゃ
ないでしょうか。今は騙されておまぬけお馬鹿キャラですが
実は勇者としての資質をちゃんと持ち合わせているんですね。
{/netabare}
かなりWEB(なろう)版と異なるので、コミックス13巻まで
読んでしまいました。読んでわかりましたが、アニメ版は
コミックス版とも若干異なるのですね。脚本演出の方がセリフ
や話をうまくまとめていることがわかりました。
本作品においてバトルはストーリーをうまく転がしていくため
の手段というかつなぎなので、今のようなあっさり目で丁度
よいと思います。あくまで本作品の魅力はストーリーと登場
人物なので。


************************
17話感想
{netabare}
展開的には停滞・一時停止です
いろいろ伏線を撒く回になりましたね 
この先の難敵には勇者が一人でも欠けてはならないこと
何回目かの波の後多くの命が奪われること
人間を救うことと世界を救うことが違うこと
過去の勇者が人間を救おうとしたこと、それが茨の道であること

物語の展開上核心的な部分なのですが
いまいち理解できてなかった部分です アニメ版だとどういう
説明になるんでしょうか まあ今クールではそこまでいかないと
思うので制作サイドもノーアイデアかもしれませんが

「やるだけやってみるさ 期待はしないでくれ」と言って、
ちゃんとやってしまうのが主人公です。期待しています。

予告で太い熱線みたいな魔術攻撃がレンとイツキ一行に降り
注いでました。例の団体の例の術だと思われますが、たぶん
イツキとレンは死なないと思います。これで決定的に理解し
たのだと思うので説得できるでしょう。それともフィトリア
から聖域から出すときに他の勇者のところに下すって言って
いたけど、まさかナオフミ一行が降ってきたのか?かなり
過激な下し方です。違うと思うけどね。問題は現段階では
一番お馬鹿なモトヤスですが、なんとか2クール内に説得できる
ことを祈ります。

フィトリアは昔のご主人様の事を思い出して幸せそうでした。
人間と寿命が違うので仕方がない事ですが 残されたフィトリア
は不憫ですね でもフィーロがいるから 茶飲み友達にはなれ
そうです
たぶん出てこないと思いますけどフィトリアのご主人様の時の
四聖勇者の外伝も見てみたい気はしています
{/netabare}
いろいろ重要な情報が開示された回でした

*************************
16話感想
{netabare}
WEB版とだいぶ内容が変更されているんですね
フィトリアが想像より遥かに大きかったです
可愛いけどでかすぎる そして強すぎる

流れからすると勇者同士の協力が2クール内で
実現しちゃうのかな だいぶ早い気がするんですが
フィトリアは争うのはダメだけじゃなくて理由とか
どうしたら強くなれるのか教えてあげればいいんだけど
何せ鳥頭だから記憶力悪いのはしょうがないか

ナオフミも1国につき勇者一人で波に対抗できるという
ところから、本来この時点で勇者はもっと強くなっている
はず、何かが足りないんだと気づけば....
そういう展開になるんでしょうか?
勇者が目指すべき最終的強さがフィトリアレベルという
のは理解できたとは思うけどどうなんだろう

もうあれだねフィトリア先輩にレベリングしてもらって
後々出てくる〇〇や△△に負けないぐらいの最強になったら
各国に一人ずつ配置すればいいじゃん それで全部解決
フィトリア先輩「今日から私がお前ら四聖を鍛える」
イツキ(弓)「鳥なんかに教わることはありませんよ」
モトヤス(槍)「フィトリアちゃんがデートしてくれるなら」
レン(剣)「群れるのは嫌いだ」
ナオフミ「お前ら」
全員フィトリア先輩にボコられる
四聖「わかりました先輩」
こんな感じかな

{/netabare}
だいぶロリ色が強くなってきて、胃もたれ気味になってきましたが
最後まで視聴します
*********************************

15話感想
{netabare}
今回は神回でした。
リファナちゃんが不憫でなりません。
もしかしたらヒロイン候補だったリファナちゃんの
白骨まで見せられるとは思いませんでしたが
まあ流れからOKです
旗にはそういう過去があったのですね
「違う」「そうじゃない」「お前は間違ってない」
ナオフミは3回言い換えました 誠実さを感じます
やっぱりいい奴だわ 友達になりたい
他の方のコメントにもありましたが音楽がとてもあっていました
{/netabare}

改めて感じた本作品の美点は
①キャラが立ってる 
②伏線の撒き方と回収の仕方が天才的
③亜人、魔物が可愛い 動物好きには高評価
④OP(新しい方)が素晴らしい
  雨の中の物憂げな表情の登場人物達
  この時期のストーリー展開にぴったりです
  特にモトヤスの悲しげな表情にぐっときます
  ところで鎌をもってた人は誰だろう
  楽しみにしておきます
⑤挿入曲がすごくあっている
⑥作画が丁寧で素晴らしい
⑦ストーリー展開演出に手抜きがなくて嬉しい

全体的にスピーディーな展開や爽快感は少ないですが、じわじわ来る
叙述的展開がたまりません。違うと思うんですけど、作者は女性なの
かな。

まあ中二病主人公、お手軽俺最強主人公、暑苦しいまでの絆押し付け主人公の作品や、ハーレム作品、主人公はまあいいけど展開が単調な作品などゴミ作品が多い昨今では、希少な本格的なアニメだと思います。


*******************************************

物語設定、テーマ設定、キャラ設定だけで言えば最高傑作
進撃の巨人などのTOP作品よりも群を抜いていると思います

WEB版を通読した限りでは「モモ」とか「星の王子様」とか
「百万回生きた猫」とか童話、寓話に通じるものがあり一貫性を
感じますアニメ版を見ていまいちと感じる方は是非WEB版を通読し
てみることをお薦めします

主人公が逆境を乗り越えて成長していくというスタイルは程度の
差こそあれそこそこあります。しかしこの作品は迫害という程度の
強いものなのでストレス耐性があまり備わっていない若年層には
物語前半は苦痛になるかもしれませんね。そういう意味では大人
向けアニメかもしれません

アニメでもすでに憤怒の盾が出た時点で勇者の中では一番強くなって
しまったのでこれからは比較的楽に視聴できると思います。

ラフタリアとの関係は、「ゼロから始める異世界生活」のレムを
彷彿とさせますね リゼロも秀作だったと思います

槍のやりなおしを読んで、私もフィーロたんloveになってしまい
ましたですぞ

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

最高のリアルが向こうから会いに来ない

4話までの感想{netabare}
盾職が主人公の作品と言うと…“アブソリュートデュオ”と“ドルアーガの塔”くらいしか思い出せないや、それくらい珍しいケースだとは思う。
あとは「盾なのに○○」ではなく「盾だからこその○○」が描かれてたらいいなぁ~って感じで見てます。
ただねぇ、噂で耳に入ってくるのは芳しくない情報が多く、それに惑わされて色眼鏡で見るようなことはしないぞ、と自分に言い聞かせてはいるけどなかなか難しい。
その一方アニメの範囲は「つまらなくなる・馬脚を顕す」前までではなかろうかってのも聞いてて、あ、それだったら大丈夫かな?とも思ってたり。

内容は…まぁいいんじゃない?
主人公が謂われなき不遇に遭うけど、これで不快不快言う人は多分“世界名作劇場”を見れない。
最後いけ好かない連中の鼻をあかす展開になると思うので…もしならなかったらそれはそれで凄いけど。
むしろ主人公がそこまで性格捻くれるほど・味覚障害起こすほどの目に遭ったかなぁ?と思わなくもないけど、これは既に主人公が「異世界転生モノ」の作品を幾つも知ってて勝手に期待していてそれが裏切られたからだろう、と思って納得させてる。
それと召還された勇者が全員日本人って件。
日本人は日本人でも全員パラレル日本で、召還した時の座標が同じだったって思えばそこまで不自然でもないかな?

そんな感じでだらーっと見ながらの4話。
うっわ、分かりにくっ。
実際のラフタリアは大人になってるけど主人公視点では子供のまま。
味覚障害もそうだけど心を閉ざして外部の情報をマトモに受け付けられなくなってた(ラフタリアの説得をなかなか聞こうとしなかったのもそのせいだろう)って表現だと思うのだけど、テキトーに見てると時間が飛んでるかのような錯覚を覚える。
テキトーに見てた自分が悪いですね、ハイ。
とはいえ、剣と弓の勇者が不正を告発して、その件がどうなったかは有耶無耶になってる気がするのでやっぱり時間飛んでる感。
自分を笑ってた貴族は主人公の被害妄想が生んだ幻影?
「実際」と「主人公視点」が混ざり合っててなんかようワカラン。

以上は1回見ただけの感想なので、もう一度見返しての感想追記するかも。


追記
もう一回4話見直して来た。
↑と繰り返しになっちゃうけど「実際に起きてること」と「主人公が認識してること(主人公の視点)」には違いがあり、これを理解しないで見ても意味不明だと思う。
ラフタリアが大人か子供かで見分けは容易だけど、そもそも描き分けがされてることにも気付いてない人居そう、自分も危なかった。
具体的には主人公の認識では奴隷の呪いを解除されたラフタリアはなにか一言言ってプイと後ろを向いて立ち去ってしまったことになってる。
実際は槍の勇者にビンタかましてるんだけどね。
更にその後、裏切られたと思った主人公は「こんな世界は滅んじまえ」と言って「カースシリーズの条件が開放されました」って画面が出る。
その後言い寄るラフタリアを頑なに拒否したのは以前からの認識障害だけでなく、盾の効果も加わってた?
認識障害自体は味覚が無いことで表現されてはいたけど、気付かなかっただけで4話だけじゃなく3話もなにかトリック仕掛けてあったりして?
4話最後ではその認識障害も治ってメデタシメデタシで、今後はこの妙ちくりんな表現は無くなるのかな?
なんなんだろうね、心理表現をどうにかしようとしたらこんなんなっちゃったのかな?良い悪いはなんとも言えん。

ってよりも、ひょっとして…盾の勇者の真価を発揮させるには何個かある「ほにゃららシリーズ」の開放が必要で、そのために王様はワザと追い込む真似をした。
なーんてことは無いよ、ね?まさかね?
もしそうなら決闘の不正が有耶無耶になったのも納得できてしまうのがコワイところ。
あ、噂は聞いてるけど内容は全然知りません、念のため。{/netabare}

19話までの感想{netabare}
なんか4話がピークでそれ以降パっとしない話がダラダラ続いてるだけのような…それだけだったらまだ良いのだけど…。
個人的に「バイバイキ~ン」ないし「ヤなかんじ~」ってノリで空に飛ばされてキラーンってなるのってツラい。
ギャグならまだしも、普通のストーリーものだと「それが出来るならとっ捕まえて吐かせろよ」と思ってしまってホントツラい。
お前あかほりかよと、4クール作品かよと。
結局謎を引っ張るのにお手軽で都合のいいテクなだけで、真面目に話を考えてると思えなくなってしまう…からだと思う。

それでもボケーっと観てたら18話、黒幕と思しき教皇が再登場。
そしてご丁寧にも「ワタシが犯人です」と自供してくれました。
ぐへぇ、このパターンか!
今までダラダラやってきた出来事から証拠を繋ぎ合せて黒幕に到達するんじゃないのか。
こういうのって最近では“シリウス”でもあったけど、聞いてもないのにベラベラ喋るのはやっぱどうしてもう~んと言わざるを得ない。
これが一話完結モノで「その回のウチに陰謀を暴く」ってのならまだ分かるんだけどさ、時代劇でよくある「冥土の土産に教えてやろう」っての。
けど何話も引っ張ってコレってのはなぁ。
こういうパターンな場合は視聴者に伏せて引っ張るよりも、とっとと明かしてキャラクターは知らない体で話運んだ方が良いと思うのだが…。
しかも19話では後から駆けつけてきたレンとイツキがわざわざ敵の斜線上(クレーターの中)に集まる始末。
…。
どうしちゃったんだ?スタッフ力尽きた?原作からこうなの?{/netabare}

21話までの感想{netabare}
奴隷紋便利過ぎ!!
↑で書いた様に教皇が突如自供始めた段階でイヤな予感がして、21話の裁判もまぁ便利能力でお手軽に汚名を晴らせてしまいました。
やっぱ雑に感じるなぁ。
そりゃね、あんな世界だから平民の証言集めても意味が無いのかも知れないけど、個人的には自白剤使わずに証拠を集めて叩きつける展開にして欲しかった。
そうじゃないと5話以降の中身何だったんだよとなってしまう、退屈な話を見た甲斐が無くなってしまう…ってそれも↑で書いたか。
どうしても1話の段階で自白剤使えば良かったんじゃんってなるし、バイバイキ~ンしたのはやっぱり悪手だったということになるし(とっ捕まえて吐かせろよとずっと思ってた)、自白剤投与できるだけの「お膳立て」を揃えてくれたのも王女の鶴の一声にしか思えない。
それまでの主人公の努力が実を結んだって気がしなくてう~んう~ん…。{/netabare}

23話までの感想{netabare}
ん?あれ?
死刑を回避したことでまた厄介ごとが増えるのかと思ったらそうじゃない?
また、「なんで王様がそこまで盾の勇者を嫌ってたのか」の話をするのかと思ったらそれも無いっぽい。
相変わらずビッチは毒盛ったりして関係が改善もしなければ悪化もしない、変化が無いというのはどういうこっちゃ。
ってか情状酌量というか執行猶予というか…とりあえず再犯じゃん。
もう死刑は免れようが無いんじゃね?と思ったらどうもそうでもないっぽい。
…?
結局尚文の取った選択って、あんま言いたくないけど、良い悪いは置いといて戦争を知らない平和ボケした現代日本の価値観から「ギロチンコワイ」となっただけにしか思えない、良い悪いは置いといて(二度目)。
それに対してあの世界の価値観と摩擦を起こすことで問題提起する展開ならまだしも、23話まで見た限りそうじゃないっぽい。
…人が死んでるの沢山見てるんじゃなかったっけ?
どうしても死刑にできないのなら、再犯したら片腕落とすとかビッチは顔焼くくらい当たり前の世界だと思うんだがなぁ、罪人の刺青すら無いのん?
もっと言えば奴隷紋なんていう便利機能があるんだから心を入れ替えるまで鞭打ちとかすればいーじゃん、死ぬまで改心しなかったらそれは仕方ないってことで。
ってか思想警察居ないの?盾の勇者の誤った噂なんかしようものなら死刑でいいじゃん、もう、面倒臭いなぁ。

このアニメを大人向けだと評してるのを目にしたけど、個人的にはむしろキッズ向け、バイキンマン反省しないじゃん?
「人の話を聞かない」で間を持たせるのも1年以上放送するホビー系アニメじゃ日常茶飯事で、深夜アニメしか見てない人には新鮮に映るのかなぁ?と真剣に悩んでしまったり、煽りじゃなくて。

でもって23話、実在してないゲームのレベル上げだのアイテムだのモンスターの経験値だの設定の話をダラダラされても、その…ゲーム実況見たほうがマシな気が。
ってかそれをこのタイミングでやる!?
ここへ来て新キャラ登場もそうだけど、放送あと3年くらい続けるのかな?{/netabare}

25話までの感想{netabare}
なんか「おおおええああええ~」って歌いたくなる設定が飛び出してきて吹いた。
こんな終盤でソレ!?今のボクには理解できない(アニソーンアーニソーン)。
でもって他の勇者達と和解に向けた素振り・ヒント出しすら無いままエンド。
わぁい。
これ言うとどうせ老害とか言われるんだろうけど、こういう話(団結しないといけないのに足踏みが揃わない)って過去にいくらでもあってさぁ…。
えーっとマンガ版の幻魔大戦がこんなんじゃなかったっけかなぁ、超能力戦士が団結しなきゃいけないのにやってることは基本内ゲバ。
そんなの面白いワケもなく打ち切りでね、石森章太郎であっても。
ってかこの設定だったら勇者の一人が別世界のスパイやっててようやくイッパシの物語の体で…原作ではどうなってるか知らないけど、アニメそこまでやってくれないと「一つの作品」として至ってないというか…。
実は王様は向こうの世界の出身でもいいぞ、それくらいやってくれよと。{/netabare}

総評{netabare}
4話がピークでそれ以降は下降線。
“デジモンアドベンチャー02”のデジモンカイザー編だけ見せられた感じ。
話ブツ切りでもせめてカタルシスパート入れてくれよって気持ちだけど、それすら無い。
ってかこれ成り上がりじゃないよね?
本来勇者として相応の地位を与えられるところをなんやかんやで奪われて、それを取り戻しただけのような…。
成り上がりってのは元々無いものをもぎ取ることじゃない?
例えば皇位継承者が一度失脚して、返り咲いて即位したら成り上がりと言うか?というと、う~ん。
どこの馬の骨とも分からんヤツがあの手この手で玉座に就いたら「成り上がり」になるけどさ。
本来勇者に与えられる地位以上のものを手に入れたら成り上がりと言っても良いだろうけど…。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

2019年個人的一番にしとこう←まだ早いだろ

この作品にはものすごく感情移入してしまった。個人的どストライク。不遇な環境の中で誤解され蔑まれても地道に動き続ける奴はかっこいいし、それを認めてくれる信頼できる少数の人間がいるのは非常に有り難いこと。
1話~4話にかけて本当に涙が止まらなかった。4話は傑作中の傑作だったのではないかと思う。{netabare}異世界に勝手に召喚されたうえ、パーティーに加わるふりをしたマインに強姦の罪をでっちあげられ、国王には最初から理不尽な扱いをされて誰からも信用されていない尚文が人間不信になり、味覚がなくなるくらい心が荒んでいたところ、奴隷としてではあるが、ラフタリアと出会い、最初は自分が防御しかできないことから攻撃手段として育成しようくらいしか思っていなかった。そこに元康から決闘を申し込まれマインによる魔法攻撃を食らったために敗北を喫し、勝手にラフタリアの奴隷契約を解除されたシーンが辛さと怒りが半端じゃない。でも、解除されても側にいて抱きしめてくれるラフタリアと安心しきった尚文を見て3話までも泣けたけど、頂点に達した。{/netabare}劇場版ならここがクライマックスで終わりだけど、25話あるからしょうがない。とはいえ、好きです。地道な活動を続けたり、商才を発揮したり。それでも一度着せられた汚名は中々返上できないのが辛かった。主人公の性格が一番最初とは全く違っていて兎に角びっくり。

俺強ええというよりは周囲が弱いっていうのはあった。敵は強いのに盾以外が情けない。槍の勇者元康には特にイライラさせられた。なんで弱いのにそんなに上から目線なんだよ。マインにも早く成敗されてくれと念じながら見ていた。{netabare}やんちゃで教養がないために第一王女なのに第二王女のメルティが王位継承権一位。それを奪うために槍・剣・弓を崇拝し、盾を悪魔と呼ぶ宗教を利用して尚文を陥れ、かつメルティ暗殺を目論むわけだが、教皇の暴走もあって失敗する。そして、父である王とともに処刑されることに。処刑を決めた女王の気持ちは辛かっただろうが、尚文の温情で本名マルティはビッチ、冒険者名マインは阿婆擦れに。王の名前はクズにされる。処刑免れて改名させられたのに堂々としているのは凄いもやもやするけど、最後のほうにようやくすっきりできたかな。{/netabare}

瀬戸麻沙美の声が終始可愛かった。フィーロも可愛かった。あとはなんといっても女王がセクシーだった。安定の井上喜久子ボイス。母と言えば井上喜久子。いつものことだが17歳とは思えない妖艶な声。

{netabare}ラフタリアの故郷の領主となり復興して拠点づくりして{/netabare}俺たちの生活はこれから始まるっていう終わりかたも好きだった。

続きが気になるけど、かなり成り上がったからさらっと流す感じで制作してほしい。


OP
RISE 歌 MADKID
FAITH 歌 MADKID
ED
きみの名前 歌 藤川千愛
Falling Through Starlight 歌 瀬戸麻沙美
あたしが隣にいるうちに 歌 藤川千愛
挿入歌
Cold Illusions 歌 Gyan Greaves
ED好きだった。アニメの内容に合致しているし、頭に残るメロディ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
ごく平凡なオタク大学生・岩谷尚文は、図書館で出会った1冊の本に導かれ異世界へと召喚されてしまう。与えられた使命は、剣、槍、弓、盾をまとう四聖勇者の一人「盾の勇者」として、世界に混沌をもたらす災い「波」を振り払うこと。大冒険に胸を膨らませ、仲間とともに旅立った尚文。ところが、出発から数日目にして裏切りに遭い、金も立場もすべて失ってしまう。他人を信じられなくなった尚文は奴隷の少女・ラフタリアを使役し、波に、世界に、立ち向かおうとするが-。果たして、この絶望的状況を打破することはできるのか?すべてを失った男の成り上がりファンタジー、開幕。

1. 盾の勇者
図書館で『四聖武器書』という本を読んでいたところ、突如として異世界へ召喚された大学生・岩谷尚文。伝説の勇者の一人「盾の勇者」として世界を救うことになるが、ある朝、金と装備が盗まれてしまう。

2. 奴隷の少女
奴隷商に案内され、自らの剣となるパートナーを探す尚文。だが、手持ちの少ない尚文が買えるのは、病を患った亜人の少女のみだった。尚文はラフタリアと名乗る生気のない少女に、過酷な戦いを強いる。

3. 災厄の波
様々なスキルと技能を習得し、ラフタリアとの連携も抜群によくなった尚文。迫りくる波に対抗して武器と防具を新調し、波の刻限を示すという龍刻の砂時計へ向かう。すると、そこへ元康たちがやってきて……。

4. 暁の子守唄
波が去ったのも束の間、メルロマルク城での祝宴のさなか尚文は元康から決闘を挑まれてしまう。奴隷を使役するのは勇者にあるまじき行為であり、即刻、ラフタリアを解放せよというのが元康の言い分なのだが……。

5. フィーロ
オルトクレイからなけなしの報酬を渡された尚文は、ラフタリアの要望で再び奴隷紋を入れ直した。数日後、奴隷商から購入した魔物の卵くじも孵化。新たな仲間を加えるが、滞在中のリユート村にマインが現れ……。

6. 新しい仲間
謎の少女の正体はフィーロだった。フィーロは変身能力を持つフィロリアル・クイーンであり、人間の姿にもなれるという。しかし、変身のたびに服が破けるため魔法の服が必要に。尚文は素材を求め、新たな冒険に出発する。

7. 神鳥の聖人
除草剤を必要としている村があると聞き、行商に向かう尚文たち。村は魔物化した植物に飲み込まれ、住民は避難を余儀なくされていた。人間にも寄生するこの植物、どうやら原因を作ったのは元康のようで……。

8. 呪いの盾
疫病に苦しむ東方の村の話を聞き、薬を届けに行く尚文たち。疫病の原因は、1ヶ月前に退治されたドラゴンの死骸が適切に処理されぬまま腐敗してしまったためだった。死骸処理の依頼を受け、尚文たちは山を目指す。

9. メルティ
東方の村で、尚文はメルティと名乗る少女に出会う。フィーロとすぐに打ち解けた彼女は、一緒に王都に行きたいという。どうやら護衛とはぐれてしまったらしい。しぶしぶ同行させるのだが、王都で待っていたのは……!?

10. 混迷の中で
メルティを拒絶した尚文は、粛々と次の「波」に備える。協力したいという少年兵を条件付きで受け入れ、加えてレベルアップしたラフタリアをクラスアップさせようとするが……そこに王の嫌がらせが待ち受けていた。

11. 災厄、再び
辺境の村で新たな「波」を迎え撃つ尚文。志願兵の協力もあって村人の安全は確保したが、「波」はいつまで経っても収まる気配がない。尚文がほかの勇者の援護に向かうと、そこには巨大な幽霊船が浮かんでいて……。

12. 漆黒の異邦者
ソウルイーターを一撃で仕留めた謎の少女、グラス。「真の波の戦い」を始めると告げ、最初に攻撃を仕掛けた錬、元康、樹を圧倒する。尚文たちの連携技も通用せず、満身創痍の中、尚文は再び憤怒の盾を使おうとする……。

13. 盾の悪魔
メルティへの攻撃を防ぎ、騎士団を追い返した尚文。しかし、メルティ誘拐と騎士殺害の濡れ衣を着せられ、逃避行を余儀なくされる。各地に厳戒態勢が敷かれる中、尚文たちに追い打ちを掛けるような事態が発生する。

14. 消せない記憶
山火事を起こすというマインの暴挙により、麓の村まで逃げてきた尚文。しかし、騎士団の包囲網を突破するのは簡単ではない。メルティは知己の貴族を頼ろうとするが、ラフタリアにとってここは因縁の地域で……。

15. ラフタリア
イドルを追い詰めるラフタリア。その瞳には復讐の炎が灯り、殺意を帯びた切っ先がイドルののど元に突きつけられる。尚文の言葉で一度は怒りを飲み込むが、イドルが再びラフタリアに襲いかかろうしたそのとき……。

16. フィロリアルの女王
衰弱した子どもたちを連れた尚文にタイラントが襲いかかる。フィーロが狙われていると気付いた尚文は、フィーロに乗ってタイラントを街の外へおびき出すが、正面から戦ってもダメージが通らず手詰まりになってしまう。

17. 紡がれる約束
四聖勇者が和解しなければ皆殺しにするというフィトリア。さらにメルティを人質にするという強硬手段に出るが、それでも尚文は和解を拒絶。その想いを汲み取ったフィトリアは、代わりにフィーロとの一騎打ちを提案する。

18. 連なる陰謀
勇者たちと話し合うため、尚文は正面から関所を抜けようとする。しかし、そこには一番話の通じなそうな元康が待ち構えていた。問答無用で襲いかかってくる元康。かつてないほどの殺意が意味するものとは……。

19. 四聖勇者
教皇が有するのは四聖武器の力を備えた究極の武器。その刀身から放たれる「裁き」と強大な魔力障壁を前に、尚文たちは為す術がなかった。窮地に陥る中、偽勇者として裁かれる側となった元康が驚きの行動に出る。

20. 聖邪決戦
教皇の「大聖堂」に囚われながらも、攻撃の手を休めない尚文たち。しかし、神聖な領域において呪いの盾は無効化され、あと一撃が届かない。尚文は新たに解放された呪いの盾を使おうとするが、竜の怒りに心を蝕まれて……。

21. 尚文の凱旋
ミレリアのおかげで一命を取り留めた尚文は、彼女から勇者召喚の真実と盾の勇者が迫害される理由を聞かされる。そして、尚文の冤罪を晴らすというミレリアによって、オルトクレイとマインの弾劾裁判がはじまる。

22. 勇者会議
紆余曲折ありながらもクラスアップを果たした尚文たち。三勇者とともに祝賀会という名の会談に参加し、いわゆる「ボーナスステージ」の存在を知る。一方その頃、ラフタリアは祝賀会場で揉め事を起こしていた。

23. カルミラ島
カルミラ島に向かう船の中で再びラルクに遭遇し、尚文はペースを崩されながらも、気さくな彼と徐々に打ち解けていった。経験値稼ぎに、賑やかな食事。この世界にきて初めてと言えるくらい充実した時間が流れていく。

24. 異世界の守護者
海上で波を迎え撃つため、メルロマルクは大艦隊を編成する。女王自ら指揮を執るが、三勇者は相変わらず役に立たず、尚文たちが孤軍奮闘するばかり。尚文はラルクとテリスの協力を得て波に対抗するのだが……。

25. 盾の勇者の成り上がり
グラスは異世界の勇者を名乗るラルクの仲間だった。尚文は強烈な連携攻撃を耐え凌ぎ、一騎打ちでグラスに肉薄するのだが……。本当にこの世界を守りたいのか、尚文はグラスとの戦いの中で己の覚悟を問われる。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

88.5 5 陰謀アニメランキング5位
ようこそ実力至上主義の教室へ(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (1442)
6881人が棚に入れました
『ようこそ実力至上主義の教室へ』の舞台となるのは希望する進学、就職先にほぼ100%応えるという名門校・高度育成高等学校。
ここは優秀な者だけが好待遇を受けられる実力至上主義の学校で、入試で手を抜いた主人公・綾小路清隆は、不良品が集まる場所と揶揄される最底辺のDクラスに配属されてしまう。
しかしそのクラスで成績は優秀だが性格に難のある堀北鈴音、気遣いと優しさでできた少女・櫛田桔梗らと出会うことで、状況に変化が生まれていく。

声優・キャラクター
千葉翔也、鬼頭明里、久保ユリカ、M・A・O、竹達彩奈、逢坂良太、岩中睦樹、日高里菜、日野聡、東山奈央、若山晃久、小松未可子、梅原裕一郎、小原好美、佐藤利奈、金元寿子、岩澤俊樹、竹内栄治、阿部大樹、郷田翼、水中雅章

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

欺瞞のロジック

【少し追記】


タイトルが内容を表していない、あるいは内容を誤解させるようなタイトル付けをしたライトノベルが目に付くが、本作も同様の流れの中にある。

学園内通貨を獲得する劣等クラスの奮闘を描く物語だが、通貨の獲得は実力主義による評価にかかっている、という憶断は、このタイトルによるミスリード、もしくは欺瞞がもたらしている。

作品内で描かれている評価システムは、「実力主義」ではなく、「成果主義」だ。


「成果主義」を「実力主義」と言い換える欺瞞は、視聴者に向けたタイトル付けのトリックというだけではなく、作中の「システム」が作中人物に対して押し付けている「欺瞞」でもある。

「実力」があれば「成果」を挙げやすいのは確かだが、「実力」がなくとも様々な条件によって「成果」が挙がる場合もあるし、不利な条件が重なれば実力とは無関係に成果は挙がらない。
外的要因によって左右される「成果」は、個人の能力である「実力」に完璧に還元できるわけではない。

成果=実力と評価するシステムの欺瞞は、「成果」によって生じる結果は、本人の「実力」=能力の結果なのだから受け入れなくてはならないという「支配」の正当性を内面化させるためにある。

「結果」によって配分される様々の「格差」は、本人の「実力」によって生まれたものだから受け入れなくてはならないと、「底辺」に置かれた敗者までもが自主的に納得することが目指されている。
作中の劣等クラスの生徒たちも、自分たちは「実力」が劣っているのだ、という評価基準の公平性については疑っていない。

だが、評価されているのが「成果」であるならば、様々な「実力」外の要因によっても左右されているはずだ。


現実の教室においても、主な評価はテストの「成績」で測られる。

ペーパーテストで高得点を挙げる「学力」は、個々人の勉強という努力に先立って、教科書や問題文を読み取る「読解力」が高い方が有利であることは理解しやすい。
読解力が身についていれば、同じ量の勉強で、より学力がつくだろう。

読解力は読書習慣の有無が大きく影響するが、統計的な傾向として、下流階層の家庭よりも、中流階層の子供の方が読書習慣がつきやすいとされている。
家庭に文学全集が置いてあったり、子供に読書を勧めることが多いのは、(統計的に)下流階層よりも中流階層の家庭の方であるのは想像できる。
子供に向かって「本ばかり読んでないで外で遊んで来い」と言い出す親がどちらの階層に多いのかも、想像がつくだろう。

言うところの文化資本とかハビトゥスといったものだが、机の前に座って教科書を読み、ペーパーテストを解く学校システムにおいて、このハビトゥスが身に着いた子供が有利であるのは明らかだ。

テストの点数の公正さは、あらかじめ、特定階層出身の子供が得点という「成果」を上げるために有利な制度設計がなされていることの隠蔽として機能する。
「学力」があれば得点できるという「公正」さは、特定の文化資本を「学力」と呼んでいるという制度設計を隠蔽する。
そうして生まれるのが、中流階級=高得点=高収入=中流階級の再生産のサイクルだ。


本作の架空の学校システムにおいても、特定集団にとって「成果」が出しやすいシステム設計であると描写されている。
特定集団が達成しやすい「成果」ではなく、個人の能力=「実力」を測るシステムであると擬態することで、その「結果」と、そこから導かれる「待遇」も、自己責任で受け入れるべき公平なものであると作中の生徒たちは納得するように仕向けられている。

「成果」が出せる/出せないが、あらかじめ制度設計によって調整されている不公平性を隠蔽するものとして、成果主義=実力主義の言いかえの欺瞞は導入されている。

テストの点を底上げする主人公の「奇手」は、この欺瞞を突いたものだ。
測られているものは「実力」ではなく「成果」であることを突いた奇手。

そして、この「奇手」は、成果=実力の言いかえの欺瞞を逆手に取った「妙手」でもある。

成果を実力と置き換える欺瞞に駆動されるシステムにおいては、どのような過程を経たものであれ、「成果」を出してしまえば「実力」であると評価を「しなくてはならない」ということを意味する。

実力の「公正」性をたてにして「格差」の支配を正当化するシステムは、どれほど非・実力的な手段による「成果」であろうとも、成果=実力=公正であると「評価」しなくてはならない。
「実力」とは無関係な成果であると暴露されたところで、支配の正当性を欺瞞の上に築いている限り、システムは、いやでも「実力」であると評価せざるを得ないだろう。

「裏ワザ」的な知恵比べでシステムを出し抜こうとする物語は、単なるチートの知恵比べではなく、このようにシステム自体への批判を構造化している。

この批判性が、主人公一人が体現しているだけで、クラスメートの誰にも共有されないまま終了を迎えたのが少し不全感を感じさせる。

「成果」を出したことではしゃぎ回り、そもそもシステムが何を計測するための課題であったのか全く気にも留めないDクラス生徒たちは、成果が証明する「実力」というタテマエを嘲笑している、とみることもできなくはないのだが、そこまでの意図があるようにも思えなかった。



表現の上で興味深いのは、OPや本編の前後に、思想書や文学書からの抜粋が挿入されていることだ。

小難しい言葉=よく分らないが難しそう=頭がいい=教養=「実力」がある、といった連想を意図しているのだろうか。

が、東京大学の院生が、授業中に「ドストエフスキーって誰ですか?」と発言したと報告されたのは、もう15年も前のことだ。
「頭がいい=教養」の図式は、象徴的には、このときに失効が完了したと言えるだろう。

岡田斗司夫に代表されるオタク第一世代が、殊更に「オタクはアタマがいい」と宣伝してきた背景が、この教養の失効ということになるかもしれない。

教養とは、単に知識量が多いということではない。
それぞれの「知識」を、どう価値付けて立体的に配置していくかという、序列の「構造」あるいは「枠組み」の規則が、「教養」と呼ばれる。

岡田と第一世代は(半ば自衛のため)、アニメや特撮やSFのオタク知識は、教科書には載らない、もう一つの「教養」体系であると主張していた。
本家の「教養」が崩壊し、「知識」の序列化ができないまま、知識という単なる「情報」に溺れている一般人に対して、なるほどオタク知識体系の「教養」を持つオタクは、相対的に「アタマがいい」ということになるのだろう。

しかし、教養を崩壊させた情報のフラット化は、結局はオタク知識の「教養」をもフラット化し、岡田斗司夫は「オタクの死」を宣言することになる。
正当的な「教養」であれ、異端的なそれであれ、「枠組み」は消滅する。

「枠組みの規則」の消滅によって、オタク領域の、例えばアニメの解釈で、「神アニメ」「クソアニメ」の言い合いが平行線で決着がつかないくらいのことは大した問題ではない。
問題は、実社会の方だ。


ほぼすべての憲法学者が違憲であるという「事実」を突きつけた法案が、平然と国会を通過する。

専門の歴史学者が数十年にわたって精査した「事実」である虐殺を、無かったと思い込む。


「専門知」が導く「事実」を簡単に無視して目を塞いでしまえるのは、知識体系を規定する「教養」の失効の、最も現実的な表れだ。

確かに、かつての「教養」は「文化資本」として機能していた。
ある程度までは、社会で実務をハンドリングする実用性が「教養」にはあり、それが階級の再生産を支えていた面がある。

しかし、政治家がどれほど無教養を曝け出しても罷免されることが無い事実が証明するように、現代ではこの相関は機能していない。

そんな時代に、本作は「教養」を再び再生産のエンジンとして持ち出してきた。
高待遇をもたらす「実力」を基礎づける「頭の良さ」を表象するものとして、アニメというオタク領域で「教養」を復権させて描写しようとしている。
……のだろうか?

疑がわしく感じてしまうのは、各話を総括するように挿入されている、思想書から引用される箴言が、当の著作の文脈からするとドラマの内容とは噛み合っていない例が(わかる範囲で)いくつか見受けられるからだ。

挿入される箴言は、「それっぽく」て、「頭がよさげ」に見えるというだけの、アクセサリーのごときものでしかないのではないか。

はたして、ある「成果」を測るのに適切な「設問」であるのかに全く疑問を持たず、迎合するにせよ反発するにせよ、なんらかの「実力」が測られていると信じている学生たち。

計測される「実力」に対して、不釣り合いに莫大な「評価コスト」を掛けた「テスト」を、莫大なコストを掛けていること自体が評価の正当性の根拠であるように捉えているかのような彼らが、小難しくてよく分らないことが「教養」を証明していると見せたいらしい製作者の態度に重なって見える。

実力=能力がある=知力の演出として引用される「箴言」が、微妙に使い方が不適切でいい加減さを感じさせるのは、作中の「実力」が怪しげで無根拠であることを、図らずも露呈しているようで興味深い。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

難癖ですが、アニメの内容的には、「実力(至上)主義」じゃなくて、「成果(至上)主義」の方が正確だと思いますが……

[文量→大盛り・内容→雑談系]

【総括】
なんかこう、「奉仕部(俺ガイル)に憧れた高校生が、文月学園(バカテス)に入学し、真剣に戦っている」という印象を受けました。

ツッコミどころは多く、すごくおもしろいとは思えなかったけれど、「見て損」とも思いませんでした。知略系とか好きなら、観ても良いと思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まあ、難癖なのは百も承知でm(._.)m

レビュータイトルですが、「実力主義」の辞書的な意味は『(年齢や学歴、人柄などではなく)実力の程度で評価をくだす立場。能力主義』(三省堂 大辞林)となります。

似ている言葉に、ビジネス用語でもある、「能力主義」や「成果主義」があると思います。

ものスゴくザックリ言うと、「能力主義」は、資格などを含め「これくらいの力があるから、給与はいくら」という日本的な考え方で、「成果主義」は、人を見ずに、とにかく出した結果だけをドライに査定する欧米的なやり方ですね。

例えばプロ野球なら、「160㎞投げられるから年俸いくら」とか、「まだ一軍登板こそないものの、実力的に向上したから年俸アップ」なんてのは「能力主義」的。一方、「10勝した(防御率が○点だ)からいくら」とか、「力があるのは誰しも認めるが、(仮に不運が重なっても)結局試合では活躍できなかったから年俸ダウン」なんてのは「成果主義」的です(多分)。

一応、三省堂さんの解釈を信じるなら「実力主義=能力主義」としてるし、一般的にも「実力=成果」よりは、「実力=能力」と捉えると思います。(ビジネス用語として用いる時、実力主義と成果主義を同様のものとして扱うことも多々ありますので微妙なところですが、やはり普通の感覚としては、実力(能力)を評価すると捉えるでしょう。

となると、このアニメに置き換えた時、ポイントとして加算されているのは、明らかに「実力(能力)」ではなく、「成果(結果)」だと思います。

そもそも、「年齢(学年)」で集団を区切っている以上、「実力主義」とも「成果主義」とも異なる(真逆な)、「年功序列」という概念も入ってきています。本当に実力を至上とするなら、年をバラバラにして学級編成をするとか飛び級を認めるとか、あるいは、場合によっては3Aより2Bの方がポイントが上、ということもあってしかるべきでしょう。仮にDクラスでも、実力が認められれば(個人的に)Aクラスに編入できるとか(7話のアイキャッチで可能と分かりましたね)。

また、「実力主義」という資本主義的な発想で学校を運営しているのに、ポイントは学級(集団)の実績(連帯責任)という、なんとも「社会主義」的なシステムにしているのにも違和感が。まあ、そこ(集団を押し上げてこそ、真の実力)が盛り上げどころなのでしょうし、アニメにそこまでリアリティを求めても良くないのですが、自分が生徒なら納得しないかなw というかこれは、「クラス(集団)を成長させられる人間こそ本当に優秀」という、実に日本的に発想のもとにあるシステムだよね(一見、個人主義的な評価基準に見えて)。

そういう、「微妙な言葉やシステムのズレ」がどうにもこうにも気になって、なんか懐疑的な(斜に構えた)見方になってしまいました(汗)

それもあり、内容的も「知略戦、に見えてご都合主義」と、そんなことを感じました(辛口ですが)。

例えば、定期テストのくだり。過去問の入手って、いや、同じ学校に勤務し、定期テストを過去問通り出す教師なんていないやん。実力至上主義なら、まずその教師をクビにしろと(笑)

例えば、須藤の暴力沙汰のくだり。なんか目撃者とか色々と出してるけど、(それが相手の策略であれ、怪我の程度が本来より重くなったとはいえ)手を出したら、やっぱり手を出した方が悪いと思うんだけど、シンプルに。なんかみんな「俺達仲間だろ」と守ろうとしてたけど、そこで開き直って居座っている須藤には、普通に腹が立ちました(苦笑)。

とか、ツッコミどころは多数。キャラも、ひねくれたキャラは好きだし、よく作ってはいるけれど、飛び抜けた魅力は感じられず。いずれにしても、65点感が漂うアニメでした。

ただまあ、一定以上には楽しめたことも事実。今期(2017年夏)はあまりハマれたアニメがなく、途中切りも過去最多。「他に比べれば」と思っていたことは否めない。

もちろん、見所もあって、島編のラストの展開は(うまくいきすぎだけど)面白さもあった。あまり、深く考えずに騙され、積極的に翻弄されるのが得策でしょうか。ラストの「脱力系主人公がガチで腹黒クズの可能性」は新しかったと思いますし♪

私も基本的には実力主義ですが、「至上」かと言われれば、微妙かな。

まず、誰が何を評価するかによって、つまり評価基準によって実力なんて変わるから、あまり明確な基準は設けられないよな~と。

社会における正しい平等とは、機会の平等であって結果の平等じゃない。そう思います。アニメとは、あまり関係のない話ですが。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
なんか、「俺ガイル」に似てるな。知能戦? が楽しめれば良いな。これ、連帯責任なのはどうなんかね。話は盛り上がるけど、評価基準として。他をリードできて、初めて評価に値するということ?

2話目
これ、Dクラスはダメな人を集めたのなら、主人公やヒロインもダメな人認定なわけで、多分ここから逆転していくんだけど、じゃあ、入学時の査定にセンスがなかったということですな。

3話目
いや、定期テストの過去問、そのまんま出すなんて教師の手抜きやん。そんな教師いないって。櫛田さん、もっと遠くで、いや、自分の部屋でストレス発散しようよw

4話目
なんなこう、正論を言ってもね(汗) クラブ? あれで格好いいと思っているんなら、笑えるんですけど(笑)

5話目
公然猥褻w 論破せずに、目撃者を出すし、目撃者が親近者だし、どれだけからまれても、結局手を出したのは須藤だから、非がないとは思えないんだけど。格好良い壁ドンw

6話目
いやいやいやいや、この段階で事件を取り下げても、「虚偽報告」とかあるんじゃね? いやいや、この程度でマスコミ動かないでしょ。いや、ファンかどうかは、相手が決めることでしょ。

7話目
かなり毒舌だが、こういう「大したことない作品」に、雑にエヴァ(名作)とかのパロディーをやられると、なんかイラッとするな(苦笑) ガラッと作風を変えた日常回&水着回。まあ、番外編的な感じで気軽には楽しめたかな。

8話目
ホントに、こんな奴らのキャッハうふふに税金を払っているとしたら、ガチで切れるな(苦笑)

9話目
中忍選抜試験かい? 言動には気を付けろと言った直後のリーダー宣言、トラップくさい。川の水は一応煮沸しよう。これ、多分、あのCクラスの娘が、Dクラスのリーダーを嘘報告してくれるの? まあ、一人いなくなっても、この段階なら、食糧を買わなくてすむから、30マイナスでも別に良いと思う。

10話目
下着を捨てりゃあ良いんじゃね?

11話目
キーカード、あの水浴びの状況で盗めるもんか?

12話目
ラストは意外かな。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 40
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.4

見るんじゃなかった

4話までの感想
{netabare}マイナスの意味ではない違和感(いうなればフックって意味合い?)を覚える部分は「学校のシステム」に係わることであり、これらが次第に詳らかにされていくって作品…なのかな?
できればそこから更に一歩踏み込んで学校にひと泡吹かせるって展開になってくれると最高なんだが、どこまで話進むのかのう。
ということで現状これといった不満もなく楽しく見ています。

それと個人的には「一芸に秀でてさえいれば他はどうでもいい」って価値観には懐疑的でして…。
ってのも、結局それって雇う側にとって都合のいい理屈で、せめて最低限の社会常識や協調性を持ってないと食い物にされるだけだぞ、と思ってるので。
で、連帯責任については協調性を養うのが目的かなぁ~と思いまして。
まぁ軍隊や刑務所みたいなもんかと、問題はそれが行き過ぎかそうでないかって点で。
なので、じゃあ狭いコミュニティで間違いを犯さないように監視状態が過熱して総括が横行するって話なのかなぁと思ったけど、どうやらそうではないっぽい?
というより、ん?主人公って南方熊楠がモデルか?(ワザと50点取る辺り)
熊楠は今の言い方をするならコミュ障、頭が良すぎて周囲がバカに見えて耐えられないタイプかと。
コミュ障やニートが成功する物語ってやっぱりどこかに無理が出るよなぁと感じてた自分としては熊楠はいい所に目を付けた、とは思うけど…そのまんまだと余りに破天荒過ぎて物語が成立しないような?
ってことで、破天荒さを抑えた現代の熊楠物語として受け止めればいいのかなー?と思ったり。

と、そうしてたら3話でとうとうマイナスの意味での違和感(かも知れない)を覚えることが発生。
あれ、普通に退学あるの?
だったら卒業後就職できそうにない連中は全員退学させりゃいいだけの話になっちゃうような?
作中で語られてた「社会から認められる優秀な学校」であるなら、使えないヤツをどれだけ使えるヤツにして送り出すかが重用ポイントじゃないのかねぇ。
一方でそういう問題のあるクラスメイトをどう扱うかってのが連帯責任含めた評価基準なのかな。
優秀な人材を輩出って言ってるから、下っ端の社員じゃなくて上に立って指導する側を育成してるとか?
いやでも高校でそれはどうなんだろう。
ここら辺の違和感については今後に期待かな?

と思ってたら櫛田が本性?を表す。
まーそんなもんだろうとは思ってたけどこれでホっとした。
それまでの八方美人の良い子ちゃんぶりしてたらそりゃあストレス溜まるって。
あぁこの子も普通にストレス溜める普通の子なんだなーと親近感が沸くというか、むしろそっちのがカワイイじゃん、と。
いや待て、そう思われるのを見越してあの振舞いも演技だったりして?綾小路落とすための。
秘密の共有は恋愛の第一歩だし「アイツの本当の顔を知ってるのはオレだけ」ってのは独占欲をくすぐりますからのぅ~。
他の男子にも同じような演技してたとかだったら面白いんだが…さすがに考えすぎかな。{/netabare}

6話までの感想
{netabare}あれ?民事と刑事をごっちゃにしてないか?
学校内で処理する案件ってことでそれらとは別定義なんだろうけど、それを承知した上でも…。
目の前に怪我を負った人が居るって事実は変わらんワケで、その怪我どうしたん?ってのは追及しなきゃヤバい気が。
被害者が取り下げれば無かったことになる、とするなら、いじめがあっても被害受けてた人がなんでもありませんと言えば学校側は「いじめはなかった」と言えてしまうワケで…。
せめて被害取り下げても「捜査機関のお手を煩わせてすみません」というペナが発生しないと…C組の先生なんてメンツ丸潰れやん?

ま、ええねん。
そういう異常なことがまかり通る学校ってことなんでしょう。
予想というか好意的解釈としては生徒会や教師よりももっと権限が上な「黒幕」が居て、ソイツらが観察してニヤニヤしてる…って世界なのかなぁ、と。
進学や就職すらもカバーできるめっちゃ巨大な黒幕。
んで、主人公はそこで作られた強化人間…なのか?
そこに探りを入れるために龍園が事件を起こしてみたって感じなんだろうけど…。
う~ん、クラス間の抗争に終始するのか、学校の制度に切り込むのか、個人的には後者に絞ってくれると有難いのだが、なんか前者だけで終わってしまいそうな予感。
大して面白くもない須藤の件で何話も引っ張ったからねぇ…このエピソード1話でまとめられたんちゃう?

ところでアイリの言った「自分を偽り続けるのは大変」って台詞は、櫛田への当て擦りかなー?と思ったり。
櫛田のみならず、堀北や綾小路へ無意識の内に出た嫌味なんじゃないかなー、と。
自分が綾小路に不快感を持たないのは(たまたま)熊楠みたいなキャラなんかなーと思えた部分に起因している。
とはいえ熊楠も本気で打ち込めること以外には不誠実ってだけであり、綾小路もいい加減本気で打ち込めることを見せてくれないと「ただ斜に構えてるだけ」で段々とつまらなくなってしまいそう。{/netabare}

9話までの感想
{netabare}流石に学校の目的が分からなくなってきた。
いや、元から分からなかったけど、考えるのも無駄な気が。
なんか飽きてきちゃった…最終回までに多少ヒントなりとも明かされる?のか??{/netabare}

全話見て
{netabare}何もやらずにキャラ紹介だけで1クール使い切っちゃった。
ある意味潔いのかも知れないけど、だったら原作付属のOADでやれよと。
設定も真面目に考えるのもバカバカしい。
先輩に過去問聞けるなら無人島も聞けるんちゃう?
どんなカリキュラムがあるかくらい予習しとけよと。
ってかもはやTV番組じゃないか。
やっぱり逐次観察して楽しんでる人が居るような気がするんだが誰も疑問に思わないのはなんだろう。
向き合う対象はそっちじゃないだろ、と。
マジで最近リアルで見たんだけど、タバコの年齢認証の文句(なんでそんなことをしなきゃならんのかって内容)をコンビニのバイトにグチグチ言ってるのと同じ。
生徒同士でいがみ合っても結局「観察してる者」を喜ばすだけちゃうかのう?
ぶっちゃけ生徒同士のポイントの取り合いとか興味ないです。
だってそれで一番になったところで“黒幕”が出てきて「参りました」って言うワケでもなし。
結局ただ与えられたものをこなしてるだけの話で、こんなんなら動物観察の方がまだマシ、知性を疑うことが無いので。
って思うと段々イライラしてきて…最後黒幕にひと泡吹かせるのを励みに見続けたけどそれも無し。
カタルシスが無くフラストレーションだけが溜まる作品でした。
見るんじゃなかった。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

78.8 6 陰謀アニメランキング6位
魔王学院の不適合者(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (648)
2564人が棚に入れました
二千年の時を経て蘇った暴虐の魔王――だが、魔王候補を育てる学院の適性――《不適合》!?人を、精霊を、神々すらも滅ぼしながら、延々と続く闘争に飽き、平和な世の中を夢見て転生した暴虐の魔王「アノス・ヴォルディゴード」。しかし二千年後、転生した彼を待っていたのは平和に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々だった。魔王の生まれ変わりと目される者を集め教育する“魔王学院"に入学したアノスだが、学院は彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。さらには、伝説の魔王は自分とはまったくの別人という事になっていた。誰からも格下と侮られる中、ただひとり親身になってくれる少女ミーシャを配下に加え、不適合者(魔王)が、魔族のヒエラルキーを駆け上がる!!「摂理だろうと運命だろうと、奇跡だろうと、俺の眼前ではただひれ伏し消えるのみだ。」

声優・キャラクター
鈴木達央、楠木ともり、夏吉ゆうこ、松本忍、豊崎愛生、小清水亜美
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

内容は面白かったぞ

魔王の生まれ変わりが主人公。突き抜けた俺つええでむしろ、面白い。
何しても必ず勝つ安心感がある。オーバーロードを見ていたときの気分。
煽るだけ煽って散っていく敵キャラの残念さが笑える。

あと、安定のハーレム。

両親が不思議すぎる。{netabare}生後何か月よ。成長早すぎるのに、何の違和感もなしに受け入れているのに驚き。受け入れるの速さに秘訣には{/netabare}
アノスが両親思いの素敵な魔王だからっていうのはあるんだろうが。

割と家族愛溢れる作品にも感じることもあってそこも良かった。


OP
正解不正解 CIVILIAN
ED
ハミダシモノ 楠木ともり
うーん、楽曲はあまり心に響かなかった。だからその点は評価低め。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
二千年の時を経て蘇った暴虐の魔王--だが、魔王候補を育てる学院の適性--《不適合》!?人を、精霊を、神々すらも滅ぼしながら、延々と続く闘争に飽き、平和な世の中を夢見て転生した暴虐の魔王「アノス・ヴォルディゴード」。しかし二千年後、転生した彼を待っていたのは平和に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々だった。魔王の生まれ変わりと目される者を集め教育する“魔王学院”に入学したアノスだが、学院は彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。さらには、伝説の魔王は自分とはまったくの別人という事になっていた。誰からも格下と侮られる中、ただひとり親身になってくれる少女ミーシャを配下に加え、不適合者(魔王)が、魔族のヒエラルキーを駆け上がる!!「摂理だろうと運命だろうと、奇跡だろうと、俺の眼前ではただひれ伏し消えるのみだ。」


1. 魔王学院の不適合者
「--よく聞け。愛しき子孫どもよ。お前達の始祖は帰ってきた」二千年前、暴虐の限りを尽くした史上最強の魔王アノス。そんな彼の血を引く後継者、《魔皇(まおう)》を育成するべく、現代の魔王学院では入学試験が行われていた。試験内容は生徒同士で決闘を行う「実技試験」。そこに現れたのは、二千年前に荒んだ世界に飽き、転生した暴虐の魔王アノスの姿だった。

2. 破滅の魔女
「殺したぐらいで死ぬなら、俺は二千年前にとうに死んでいる」始祖としての莫大な魔力を有しているにも関わらず、《不適合者》の烙印を押されてしまったアノス。彼はそんな不当な扱いも意に介さず、圧倒的な実力を示し続け、班別対抗試験にはリーダーとして参加する事に。だが、クラスメイトは混血のアノスを認めず、班員はミーシャのみになってしまう。さらに対戦相手は、実の妹であるミーシャを《ガラクタ人形》と蔑む姉、サーシャ率いる班となった。

3. サーシャの真意
「サーシャ……ただですむとは思っていないだろうな」「最後に、あなたに会えてよかったわ」。意味深な言葉を残したサーシャの真意を掴めぬまま時は経ち、魔王学院では特別授業として、七魔皇老アイヴィスによる大魔法教練が開催される。七魔皇老は始祖が自らの血を使い生み出した七人の配下。「くれぐれも失礼のないように」とエミリアに念を押されたアノスだったが、躊躇いもなくアイヴィスのことを呼び捨てにしてしまう。

4. 十五の誕生日
「俺が魔王アノス・ヴォルディゴードだ」「十五歳の誕生日……。午前零時に私は消える……」。ミーシャが衝撃の事実を告げる。アイヴィス・ネクロンの掛けた魔法により、仮初めの生を過ごしていたミーシャは"本来は存在しない存在"であった。「十五年が私の一生」。それでいいのだと諦観する彼女にアノスは告げる。「俺には知らぬことが二つある。後悔と不可能だ」。《不適合者》が姉妹を縛り付ける悲劇を、理不尽を、いま粉砕する。

5. 転入生
「俺に抜けぬ剣など、この世に一本しかない」ミーシャ、サーシャとの邂逅。アイヴィスとの激闘も記憶に新しい中、魔王学院では、七魔皇老をも打ち負かす実力者、《錬魔の剣聖》レイが転入生として現れる。レイは有能なリーダーのもとに就きたいと言い、アノス班に入ることを希望した。しかしアノスがこれを拒否。代わりに「相応の結果を見せれば配下に加えてやる」と条件を提示する。かくしてレイは班を結成し、アノス班と、班別対抗試験で真っ向勝負をすることに。

6. 魔剣大会
「一分で終わらせてやろう」班別対抗試験での活躍を認められ、アノス班に加入する事となったレイとミサ。その後、アノス家にて行われた祝勝会で喜びを分かち合ったのも束の間、魔剣大会への参加者として、レイとアノスが選抜されることに。再戦のチャンスが早くも訪れたと喜ぶレイとは対照的に、アノスは「何か裏があるのではないか」という疑念を拭いきれない。そしてミサの案内で七魔皇老の一人メルへイス・ボランと出会い、事態は加速していく。

7. 母の言葉
「嘘つきの行く末は、地獄だ」「皇族派がどんな罠を仕掛けてこようと打ち砕く」。そう決心したアノスは、父グスタから託された剣を手に、魔剣大会の一回戦へ臨む。また同時刻、選手控室にて己の胸元を強く押さえるレイ。いつもと様子が違うレイに対し、アノスは「首輪をつけられているな」と人質の可能性を感じ取る。魔剣大会の背後で蠢く、存在と陰謀とは一体。

8. 二人の決勝戦
「今は俺とお前だけの時間だ」ディルヘイド魔剣大会決勝----アノスとレイが激突する。シーラを人質に取られ、実力を出し切れない状況へ追い込まれた両者は一つの決断を下す。そして決着の瞬間、突如舞台に巨大な魔法陣が出現。二人の周囲の景色は歪み、異次元空間へと飛ばされる。事件の黒幕が、遂にその姿を現す。

9. 勇者学院の謎
「何を言っている。一秒で着く」魔剣大会も幕を閉じ、アノス達は勇者学院との交流授業のため、人間界・アゼシオンへと赴く。現地で各自行動をとる中、「調べ物がしたい」というアノスは、勇者学院へ向かい、“部外者立ち入り禁止”の学院内に堂々と侵入しようとする。するとそこに「ボクと一緒ならお咎めなしだぞ」といたずらっぽく笑う、勇者学院三回生エレオノール・ビアンカが現れ、特別に学院を案内してもらうことに。

10. 学院別対抗試験
「--あとは俺に任せておけ」アノス達は勇者学院との学院交流初日を迎えた。しかし“学院交流”とは名ばかりで、勇者学院の面々は、歓迎ムードとは程遠い雰囲気。魔王学院三回生首席のリーベストが魔法の発動に失敗すると、勇者学院の面々はくすくすと笑い声を漏らす。不愉快そうに表情を歪める魔王学院の生徒達。そんな状況をアノスの一言が切り裂く。「--相変わらず、罠を仕掛けるのが好きだな、人間は」。学院交流は、不穏な雰囲気で幕を開けた。

11. 命の輝き
「……ほう。なかなか歯ごたえのある者もいるようだな」学院別対抗試験第二戦が開始された。ハイネ達に敗北したリーベストの悔恨を引き受け、アノス達は勇者学院の面々と対峙する。作戦は必要なら考えると、莫大な魔力を用いて、正面から相手を叩き潰しに行くアノス。たが、都市を覆う結界『デ・イジェリア』と、少女・ゼシアの聖剣エンハーレの斬撃によって攻撃は防がれてしまう。そして次なる攻め手に欠ける状況下で、ミーシャがある打開策を提案する。

12. 禁忌の魔法
「全員まとめて、幸せにしてやればいいのだろう?」「お願い。ゼシアはボクにしか止められないぞ」。ディエゴによって瀕死まで追い詰められたミーシャを抱き上げ、神殿の奥間へと向かうアノス。そこにはエレオノールの姿があった。自身が“魔法そのもの”であるという彼女は、その真意について、そして勇者学院の狂気に満ちた真実について語っていく。

13. 世界が愛に満ちるように
「生きよ!! 魔王が戻る、その日まで……!!」全ては二千年前から始まっていた。黒い仮面の男・アヴォス・ディルヘヴィアの正体が明らかになり、事態は急転する。二千年を経ても癒えぬ魔族と人間の禍根。その果てに、暴虐の魔王アノス・ヴォルディゴードが取った選択とは--。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

こんな(俺TUEEEな15年前のラノベ)作風なのに、そこそこ面白いだと!?(笑)

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
主人公最強系、の中でも、かなり俺TUEEEな作品。

2010年代前半頃は、こういうラノベアニメが氾濫していたな~という印象。(本作もなろう原作ですが)最近は、主人公最強=異世界転生ばかりだったから、久々に楽しめた。

久々だから、楽しめたのかもしれないけれど。

レビューでは、本作のような「俺TUEEEE」と「異世界転生(なろう系)」との違いと、本作の中で疑問に思った点を書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
異世界転生との違い。

元々その世界で力を得ているか。転生によって力を得たか。

転生によって「奇跡」の力を得ることは、なろう黎明期においては、「希望」であったと思う。今はこんな俺だけど、いつかきっと、みたいな。

しかし、それもあまりに連続すると、「夢想」になる。「今の自分のダメさを直視しろよ」と。

本作もなろう原作で、いわゆる「俺TUEEEE」だけど、主人公を「異世界転生」にすると、これまで通りのなろう系になる。

じゃあ何が違うかというと、力の背景にある思いの強さや厚みだろうか。

「俺TUEEEE」の場合、多くは「力を得るまでの過程」はすっ飛ばされ、そこは視聴者の想像に頼る。努力が描かれない点での不満はあるけれど、「なんかうだつの上がらない現世で? 死んで? 異世界に転生したら? 強くなってた? なぜ???」みたいな、明らかなお手軽感はない(いや、転生よりお手軽という説もあるけど)。

「元々強い」と「急に強くなった」のどちらを好意的に感じるかは、人それぞれだろうけど。

本作、厨二的な要素満載で、一見、クソアニメ認定されそうな雰囲気ながら、展開の面白さや、キャラクターの良さで、ギリギリで面白い作品になっている(でも最終話はふざけすぎ)。

ただ、3つ、疑問に思うことがある。

1つ目は、「自らが魔王として討たれてなんて面倒くさいことせずに、レイ(カノン)が霊神人剣エヴァンスマナを手にした時点で、ジェルダ先生のアスクを切れば済む話」だったんじゃないかという点。あれ、「望むものなら何でも切れる剣」で、運命や世の理すら切れるんなら、魔法陣くらい楽勝に切れるんじゃないかと思う。

こういう「俺ツエー」にありがちだけど、すんごい能力出したがために、「全部それで解決できんのに、なぜわざわざピンチ演出するの?」になりがち。だから、能力には限界やリスクをつけるなど、何か限定的なものにしないとね。「何でも」というのは、考えるときは楽だし、色々動かしやすいんだろうけど、後々、自らの首を絞める諸刃の剣だと思う。

2つ目は、なぜレイの母親が七魔皇老に呪いをかけられたか、という話。よく分からんが、カノンがアヴォスヴィルヘイドなら、七魔皇老を洗脳したのもレイなわけで、色々矛盾があるのでは? これなら、「七魔皇老を洗脳した黒幕は別にいて」、「カノンは転生したばかりで力がなかった」という方がまだ納得した。

3つ目は、カノンの目的を考えると、レイとしてアノスの前に姿を現し、しかも仲を深めていくというのは、リスクしかないのに、なぜあんなに目立ったの? という話。こういうのは、一応の納得がある答えが、少しでも示されていればね。

例えば、最終戦のなか、こんな会話(があれば良い)。

アノス「ひとつ聞いていいか」

レイ「なんだい?」

アノス「貴様が魔王として討たれるつもりなら、なぜ、レイとして俺の前に現れた? 姿を隠している方が、得策ではないか?」

レイ「なんだ、そんなことか。だって君と約束したじゃないか。次に生まれかわったら、友達になろうって」

アノス「ふっ、そうだったな。では、いくぞ!」

、、、くらいの会話があれば満足なんですよ。

という具合に、「レイ=カノン」というミスリードは面白い展開だったが、それだけに、もう少しプロットを練り上げてもらえれば、と、勿体なさを感じた。

全体的に面白い作品であったことは間違いないけど、「1クールに1作品」で良いし、これに味をしめて、似たような作品を連発することがないように(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
いきなり主人公最強全開か。魔法全無効とか、ヒデェな。生まれて1ヶ月(笑) バリバリ魔王なんだな。

2話目 ☆3
生まれてすぐしゃべる(笑) 姉妹の出会いから仲直り、デレまでを1話でやるか。かなり、トントン拍子だな。もはや調教(笑) 友達のキスって何だよ(笑) 

3話目 ☆3
分かりやすく、ミーシャのためだよな。命の供給材とか、そんな感じか。

4話目 ☆3
発動条件のために、嫌われる準備、、、いい話だけど、だとしたら、2話で仲直りしなくてよかったよな。誰よりアノスが理不尽だけどな(苦笑) 

5話目 ☆2
仲間が増えていくが、認めた奴だけのラインは守って欲しいな。特にストーリー進まず。

6話目 ☆3
応援歌(笑) 刀預けるとか、不用意すぎだろ。トラップかな? アノスにもできないことあるんだね。これはアノスガチ切れだよな。名前を覚えるクダリは好きだけど、何人か男子をまぜてほしかったな。んで、モブ同士の恋愛とかやってほしかった。罰もいい落とし処だし。

7話目 ☆3
理屈はよく分からんが、まあとにかく、全てを力づくで解決だな。父親を立てる。まあとにかく、理屈はよく分からんが、復活オメ(笑)

8話目 ☆4
なんか、ちゃんと面白いんだよな、こんな作風なのに。アノスの言葉の端々に、優しさと切なさがあるからかな。

9話目 ☆3
歌った(笑) バカげた歌って、正解(笑) 根元爆発て、序列2位のメガネも超近くにいたけど。ザクザク。急にグロい。カノンを語られると怒る魔王。

10話目 ☆3
勇者が魔王(アヴォス)に、てな感じかな。そして、自分を討伐することで、人間族を救うのか、そのまんま滅ぼすつもりなのか。これは、なかなかうまい展開。でも、疑問も残るな。

11話目 ☆3
アノスが自身を滅ぼさせるか。まあ、ルルーシュなんだろうけど。ただ、個人的には、「ロードス島戦記の赤髪の傭兵ベルド」みたいな方が好みだな。滅ばされても良し、滅ばしてもよし、みたいな。ラストは、ちょっと演出で遊び過ぎ。どこかで感想が1話ずれたけど、まあ、良いや(笑)

12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 32
ネタバレ

食前酒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

魔法ファンタジー系で指折りの作品

【第十三話】(総評も含みます)
{netabare}最終話でした。序盤からいきなりレイとガチガチの魔法戦争。この作品は魔法やら種族やら設定が細かいし、しっかり作りこまれてるからアニメ見てるだけでは正直全部は把握できてないけど、どうやらレイは悪い奴ではなくアノスは人間たちの前で身代わりになって穏便に終わらそうとしたというのは理解できた。その後の裏ボス的なデカいおじいさんもレイと当たり前のように復活してきたアノスとサーシャミーシャ達で撃退。ここのサーシャミーシャの融合魔法の演出デザイン可愛かったですね。エレオノールも最後にはアノスによって全部解決。エレオノールも無事アノス家に入りました。今回もやっぱりアノスは最強だったということが分かりました。このアニメは冒頭でも書いたように世界設定の作り込みや魔法や種族についての関係性も丁寧に作ってあるのでガチでハマる人がいるのも分かる。サーシャミーシャやエレオノール、他サブヒロイン達もキャラデザはもちろんこのキャラたちにもちゃんと物語があってすごくいいところだと思う。ちなみに私はサーシャ派です。一方でアノスのキザな言い回しや立ち振る舞いが嫌いな方もSNS見てる感じだと賛否両論なのかなとも思いました。主人公のチート級の強さ、よくある魔法学院ものということでこのタイプに見飽きてる人や合わない人はあまり楽しめないかも。逆に私の場合は単純にアノスのチート級の強さやキャラクターの可愛さで見ていた部分もあるので、一度気になった方は見てみてください。普通に面白い作品だと思いますし、内容も魔法ファンタジー系アニメとしてもゆびおりものだと思いますよ。{/netabare}

【第一話】
どしょっぱなの中田さんナレーション以外眠気を誘る展開でした。一部界隈からは絶賛されていますが私的に主人公男が好かないのでどんだけ展開良くても普通な評価です。
【第二話】
{netabare}主人公男の攻撃方法には一話目からある意味驚きでした。今回も敵に城ごとぶん投げて倒すとかまさにぶっ壊れでした笑。次回からも主人公男がどんな攻撃方法をするのか楽しみになった。{/netabare}
【第三話】
以外に面白かったです。次回で二人のヒロインの関係が明らかになると思うんですが、魔王の主人公男の関わり方によってはかなり高評価するかも。今期のダークホース候補の一つになりそうです。
【第四話】
{netabare}今回でサーシャミーシャ絡みの前編話が終わった感じ。4話までの完成度でいったら良くできていた方だと思う。サーシャのわかりやすすぎる不器用な感じとか魔王の相変わらずのぶっ壊れっぷり、悪くないです。これぐらいキャラやストーリー展開がぶっ飛んでた方が下手に着飾ったアニメより好感持てますね。{/netabare}
【第五話】
今回も突っ込みどころ満載のチート魔王。サーシャミーシャが馴れ初めしてる間にきた転入生ですがこちらもまたチート級。退屈しないで見れたので25分が早く感じた。
【第六話】
今回はチートバトルの展開はありません。でもミーシャの手作り料理やお出かけデートなどもあってミーシャ可愛い!箸休めではないですがこういう回も嫌いじゃない。
【第七話】
3+3+3+3+0+1=13
【第八話】
{netabare}今回もなんかすごかったな(笑)。アノスとレイが決着したかと思えば急に謎の空間に転生される二人。いかにも悪者そうな風貌のやつが出てきてアノスとレイを殺そうとするんだけどもうここまでこのアニメ見てきたらだいたい結果がわかる。案の定アノスが圧勝してついでにレイと人質にされてたレイのお母さんも復活させてみんな元気いっぱい。そして最後にレイとの勝負に勝った証としてサーシャが出てきてアノスにキス。この時のサーシャの髪形と言い、格好といいめちゃくちゃ可愛かった。あと勝利後にアノスが剣をくれた父親に対して感謝してたのも地味にポイント高い。今回も魔王らしく暴れたアノスでした。面白かったです。{/netabare}
【第九話】
サーシャ可愛いですね。最初はやっぱミーシャでしょって思ってたけど回が進むにつれてなんかサーシャ寄りになってきた(笑)。あと今回でできた僕っ子の「~だぞ?」が口癖の子も嫌いじゃない。話の方はまた一変して対勇者に。まぁまだ何もわかってないので次回以降ですね。ただ今回もアノスはやっぱりチート魔王で遠く離れた勇者学校にも一秒で転位しちゃったり、からかってきた勇者学校の強者をまばたき一回でねじ伏せるなど。ここまで来たら普通もう慣れてきそうなもんだけど何故かこのアニメは飽きないね(笑)。
【第十話】
話は毎回違うけどやってることはずっと同じ。今回もただただアノスが破格なだけ。勇者学院の連中が出てきて魔王学院の生徒を貶めるようなことしてたけど結局VSアノスみたいな構図になってアノスに完敗。見え見えのストーリー展開で可愛い以外いよいよ楽しめなくなってきた。先週は飽きないとか書いてるけど正直ここまで同じ展開ばかりだと…。
【第十一話】
{netabare}このアニメは今期一番30分が短いし見てて清々しい(笑)。内容は今までと同じくアノスに楯突くやつが魔法やらで何とか倒そうと四苦八苦するけど結局アノスにぼこぼこにやられるというもの。話の大筋は一緒なんですがその中でも今回は特に面白かったところがあり、途中ミーシャがこれでもかってくらい頭のおかしな老人に殺されるというシーンがあるんですが普通のアニメならメインヒロインがズタズタに刺されてたら絶望しかないけどミーシャの表情にどこか無敵の意思がある(笑)。これは今までのアノスの破格っぷりを間近で見てきたミーシャがアノスが100%助けてくれると信じているからでしょう。こんなヒロインや主人公のアニメは私が今まで見てきたチート主人公アニメになかったからこれは評価したいです。{/netabare}
【第十二話】
{netabare}自称暴虐の魔王を語る偽者が登場。その偽物魔王とアノス軍で対決が始まりました。でも今まで見たいなチートバトル展開はなく次回最終話への橋渡し的な回だったかな。最後の最後にその偽物魔王の正体が明かされそれがまさかのレイ。正直この落ちは私的には「あっそうなんだ」程度でそこまで驚かなかった。レイっていう意外性はあったかもしれないけど黒幕が一番近くにいるっていう典型パターンだったからかも。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

80.1 7 陰謀アニメランキング7位
恋と選挙とチョコレート(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (1839)
10617人が棚に入れました
生徒数6000人を越えるメガ学園「私立高藤学園」に通う大島裕樹は、幼馴染の住吉千里とともに食品研究部(ショッケン)の部員だが、大した活動もせず堕落した日々を過ごしていた。そんな時、次期生徒会長有力候補の東雲皐月が「無実績部活の整理及び廃止」を提案し、ショッケンは廃部の危機に陥る。部員たちは知恵を出し合い、現生徒会長・毛利夜雲の助言を受け、裕樹を対立候補として立候補させようとする。裕樹も次々と浮き彫りになる学園の「問題点」を知り、出馬を決意。かくして裕樹は無謀な選挙戦を、そして学園に潜む陰謀と戦うこととなる。

声優・キャラクター
中村悠一、中村繪里子、門脇舞以、今井麻美、水橋かおり、浅川悠、儀武ゆう子、緒方恵美、いのくちゆか、藤村歩、石松千恵美、真田アサミ、榊原ゆい、遊佐浩二、水島大宙、鈴村健一
ネタバレ

奈悠 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

9話の感想追加

エロゲ原作らしく、女キャラですぎw
キャラはそれなりにいい感じかな。特殊な設定あり?
ストーリーは今後の展開が多少きになったので、1話見終わった後に始まり部分と議会部分を再度見直しました。
でもイマイチよく分からずw

OP「シグナルグラフ」 Annabel(5th Single)
ED「風のなかのプリムローズ」 Ceui(12th Single)

9話{netabare} ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
ダイキ
最初、千里の兄弟かと思ったけど、大島の兄弟みたいなのね。
そして裕樹の事をダイキと言い間違えた事にも気づいてない千里。

治安部の来年を見据えての選挙活動。
与党として対決よりも対抗が与党でなければやりやすいだろうね。

総務部に強い味方…?
もしかして、治安部の片平派か?

大沢事件…
購買で経特が万引きするのを見たと匿名のタレコミ、
大沢治安部長が行き過ぎた取調べ、証拠不十分のまま被疑者名前公開。
その為、いじめがエスカレート、不登校に。
後日タレコミがガセだった事が発覚。大沢部長は謹慎処分。
治安部はこの件もあり、あまり積極的ではないと?

マニフェストに経済特待生への差別問題追加と。

新キャラがまさかの大沢部長とは…
それも片平派とはこりゃ荒れそうだ。

千里の選挙を勝つためのマニフェストってのは確かに正論。
大事の前の小事。中々難しいな。

大沢部長の話をきくかどうか?
大沢事件を考えると経特には否定的そうだ。

大島が引かれた…?!
{/netabare}
次回やっとチョコレートの謎が分かるのかな…?

8話{netabare} ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
「1つ、諦めて自主
 2つ、このままずっーと私と暮らす
 3つ、将棋を指しながらもう少し様子をみる」
2しかないだろ。いやむしろ2でお願いします><;

キス島くん<否定しないw

ペットボトルの蓋を口で開けてぺって・・・
結構歯が丈夫なんですね・・・w

森下さんの存在が不気味である

ばけるくん。→便器から足 すね毛ぇ・・・

千里は葉月先生の事をどう思っている?

大島>千里の事は大事だけどそれは恋じゃない。
本命がもう決まっているから?
どっちつかずの優柔不断よりも男前だけど、
大島と千里の過去が分からないと正直現状じゃ分からない事多いね。

「この案件は即答は難しいので持ち帰って検討してもいいですか」
こんな所に選挙っぽい返答は・・・失礼だろw
千里にははっきりいってこれはないな。
それにしても、千里なら諦めたけど、皐月とは。皐月だけ?それとも?

東雲姉妹の関係。
なかなか複雑な関係で・・・最終的に拗れは解かれたかもしれないけど
葉月先生の傷は簡単には埋められないだろうね。

それにしても将棋のレベル高すぎじゃね?
振り駒から始まって、途中から駒を使わずに進めるなんて。
二人とも何段だよと・・・w

他の敵、特に身近な敵、片平派の警戒。。。
予備選挙時「白河あやめ」を押したのが片平派。
内部告発を恐れるって事か。
もしかして、森下さんが・・・?
{/netabare}
東雲姉妹のお話、ちょっとうるっときた。

7話{netabare} ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
ダイキ君・・・?写真・・・?チョコレート?

なるほど。選挙とはまたそういった見方もできるのか。

ダイキ君・・・弟・・・?

合宿所に露天風呂って・・・すげぇな。
これは、、うらやま・・けしからん。けしからんぞw

夢・・・夢・・・夢島・・・w

痴漢って・・・みんなどんだけ眠りが浅いんだよw

VIPROOM・・・何この格差社会。合宿所だろwww
東雲妹・・・知能犯だろこれ。自然にいろいろと計算されてる
{/netabare}

6話{netabare} ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
いいこけっぷりw

茂平冶・・・マニフェストどっかの党みたいな事いってるなー。皮肉ってるのかw
サクラまで仕込んでるしやりおる・・・w

どうみてもラブレターだろwてんぱってるなw

こけると思ったら本当にこけたw鼻血は予想外だけどwww

千里・・・逝ってしまったわ、円環の理に導かれて\(^o^)/
それにしても・・・
演説ノリノリだろ。予備選だからインパクト大事だろうけど・・・w

98.4%って投票率高すぎやで・・・
取材内容そのまま/(^o^)\

60回ってなげーなおいw

バンザイいいけど、ビール持ったままずっと中継されてると思うが大丈夫かw
{/netabare}
いがいと、、あっさりきまったなw

5話{netabare} ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
サマンサ タバサ 魔女の奥様と娘の名前
奥様は魔女か・・・古い海外ドラマだっけか。古過ぎるw

び~ふ~味~♪
こっちは流石に全く分からんw
調べてみたら明星の即席袋めんで、岸部シローが牛の着ぐるみで寝そべって
「ウシウシ」って言いながら片足を上げる
「い~まなんじ? ビーフあじ~」 このフレーズは当時の子供の間で大流行らしい。
調べても古過ぎて動画はない。コア過ぎるネタやで・・w

ASP記者登場の取材時の大島ロールの大きさ・・・w

予備選挙会場なんかおかしいだろw
なんで列が・・・コミケ・・・?w

コスプレイヤーに一口。300円
撮影付き500円。。ええ商売や。
しかし、もろまどマギコスかいなw
見えた?見えてねーよwww

まさかのほむほむが夢島だと・・・w

演説分。。予想通りのフラグ回収だなwww
{/netabare}

4話{netabare} ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
立候補者多すぎってレベルじゃねーぞw

変態ここに極まり・・・w
(岡崎サイコー!が脳裏に浮かぶw)

エアー相撲部って・・・いやもうクラブ自体もエアーでいいだろw

女の嫉妬っていうか・・・いじめ描写か。
まあ、この規模でないほうがおかしいわな。
マニフェスト追加か少し方向性変えてくるんかな。
{/netabare}
だんだん話題も増えてきて今後期待度が更に上がってきたなー。

3話{netabare} ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
THE☆無計画♪

6000人規模の学校・・・想像つかねー・・・。

なかなかリアルな選挙活動になりそうなのね。

夢島は最後までこのキャラ位置で通すのか。声も良すぎて許してもいい気がするw

会長、いろいろとすげーな。

森下さん実は何か・・・あるのか!?

東雲姉妹の過去にもなにかあるのかー。

自販機平面すぎで逆に目がいってしまったw

義理の母?先生?え?何この人。

{/netabare}
ただのハーレムアニメじゃなさそうだから今後も楽しめそうだ。

2話{netabare} ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
主人公補正ほんとすごいなー。
うら・・けしからんw

また新キャラ登場か。さすが女ばっか増えていくねw
って、公式HPキャラ紹介見たら別ゲーのヒロインなのね。わかるかよw

財務部長良い人だ。ユーモアもあるし。

現会長はいったいどんだけ敵がいるんだ。警戒しすぎ。というか何故警戒の必要が?

最後にチョコレートをねだる。食べれないのに。これに何の意味があるのだろうか?
題名にもあるから重要なキーにもなっているんだろうね。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

ガムンダ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

意外とエグいストーリー展開

「とある」の様に学生自治を重視する巨大校で、ダラダラ過ごす「食品研究部」が次期生徒会長候補の公約により廃部指定され、部の存続の為に部員の主人公が自ら生徒会長選に立候補する、と言うおはなし。
登場人物の過去やら家事情やら人間模様やら、対立派閥間の陰謀やらと日常ハーレム物かと思いきや意外と手が込んでドロドロしたストーリーが仕込んであります。
でもそれは1話の冒頭で示唆されますので、観進めて違和感、て事は無いです。
意外と言うのはあくまで観る前のイメージに対してと言う意味です。

先生姉妹家のドロドロ話など特に本筋と関係ありませんし、色んな要素を盛り過ぎてる感はありますが、ゲーム原作と聞いて納得です。
この種のゲームをやった事がありませんが、飽きさせないために色々とイベントが必要なんでしょう。

エロ要素ですが男の私からはそれ程でも無かった印象です。近頃はもっとエロいのがデフォですから麻痺しているのか…。
例えば「レールガン」よりはエロいですが「はがない」より全然エロくない程度です。

ただちょっとドロドロ過ぎて中盤ちょっぴり胸糞です。「どうでもい~わ~」です。そっちの方が気になります。

以下ネタバレ考察

・こんな生徒会は嫌だ
{netabare}こういう生徒会シミュレーションを観てみたいと思っていました。が、この生徒会はダメです。
生徒会は国家の統治よりも先進的でなければダメです。
だって未来を担う国民による自治なんですから。
いわんやこちらの生徒会は現代の日本の政治より遥かに時代遅れです。
行政機関である生徒会三部、総務部、治安部、財務部がそれぞれ派閥と化し政党と化しています。
この様な覇権争いは戦前の大日本帝国陸海軍、あるいはナチス親衛隊、突撃隊、更には新撰組、御陵衛士の抗争などを彷彿とします。
憲兵隊や秘密警察による証拠や裁判を伴わない拘禁、非公開の審問などの人権蹂躙、陰謀、粛清、闇討ち・・・
ハッキリ言って中世を脱しきれない未熟な統治機構です。

実際一学校の生徒会がこんな事をしていたら本物の治安機構(=警察)にガサ入れされ、解体されます。オ〇ムの様に。
現代よりも先進的な統治機構の生徒会をシミュレートして欲しいですが、そんな力量のある作家はそうそう存在しません。
{/netabare}

・経済特待生問題
{netabare}舞台となる高藤学園では経済特待生制度を設けています。
学費の全額(または一部)を免除する代わりに学校指定のアルバイトや学園用務をこなす事が義務付けられ、部活への参加も認められないという制度です。
特待生はいじめの対象となり、劇中でも結構エグいいじめの描写がされています。
食研部廃止を掲げた対立候補の東雲皐月は、特待生制度を通常の奨学制度へ移行する公約を掲げています。
そもそも成果の挙がらない部活の統合、廃止策はその財源確保の為でした。
主人公大島裕樹はその真意を知り、さあ葛藤からひと悶着あるぞ、と匂わせといてこの問題は伏線のエグさに比べるとあっさりスルーでした。
最後までうやむやで最後は「皆大好き!」で終了です。
この辺もちゃんと描き切ったら凄いですけどね。
{/netabare}

・大島裕樹と東雲葉月(顧問)の関係
{netabare}食研部顧問のデカぱい先生東雲葉月。
そのクズっぷりは男の私でさえ苛々させられました。
大島裕樹との並々ならぬ関係が描かれています。
ここは後ほど語られる(ちょいちょいチラ見せされていますが)大島裕樹にかかる精神的負担を考慮すれば一応の合点はいきます。
年上であり教師である葉月に支えを求めたのでしょう。
一方葉月の側はベースとしてやや自棄気味であって、頼ってくる大島を可愛く思い、依存される事に依存する共依存の関係が伺えます。
もっともエロゲ原作ですからネンゴロありきな訳ですが。
{/netabare}

・東雲葉月と東雲皐月の関係
{netabare} 姉妹である葉月と皐月は反目し合っています。
そのお家事情がもう、本筋と関係ない上ドロドロで笑えないなんですが、最終的に葉月が家を出た理由を皐月に語る事で二人は和解します。
しかし…単純な疑問として、葉月が皐月に語ることに何を今まで躊躇ってたのでしょう?
聡明な皐月ですからもっと早く打ち明ければ二人がいがみ合う理由は無いのです。
二人が反目する理由としてはちょっと甘いです。
{/netabare}

・扇橋香奈を探す森下未散
{netabare}治安部特務機関のエージェントにして食研部員の森下未散は、同じくエージェントで行方不明の扇橋香奈を探しに学園へやってきたと言う事ですが・・・
扇橋香奈とは冒頭車に跳ねられる彼女であり、存在自体が極秘のエージェントである彼女はシャバの病院には入れられず、機関のOBが経営する病院に入院させられています。
しかし未散もエージェントなら言われなくてもまずその病院を疑うはずじゃないでしょうか。
大体未散が騒ぐ前に親族は騒がないのが不思議ですが。
{/netabare}

・最終回の選挙
{netabare}大島の選挙妨害をして治安部のガサが入って連行された対立派閥の大沢ゆいなの捨て台詞、
「もう大島候補に当選の見込みはないわ(フッ」
・・・ってガサが入った時点でこんな選挙無効に決まってるだろ!
と、最後の最後にイチバンのツッコミをしたであります。
{/netabare}

・捨てられた伏線
{netabare}木場美冬の大した事ない腹の傷エピソード。
大島の幻覚はまあ大島の主観を視聴者も共有しているってだけの事で大した意味は無いんじゃないでしょうかあ。モブの特徴づけがめんどくさかったんでしょ。
{/netabare}

総評として
選挙年齢が18歳に引き下げられて選挙資金(作中で政治資金と誤用されています)や「選挙は勝つ事が大事」など、選挙の成り立ちを周知する作品として価値があるんじゃないでしょうか。
ただやっぱり生徒会の出来事としてはかなり無理があります。
いっそのこと本当に知事選なりにしちゃったらどうでしょう。
もっとも啓蒙の為に作られた作品では断じてありませんが。

主人公の声優さん、「大振り」のキャッチャー阿部くんですね。
高校生はやっぱ生徒会より野球にでも打ち込んで欲しいものです(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

恋チョコという略称は一番重要な「選挙」という項目が含まれていないのでは・・・

本作はspriteの18禁恋愛アドベンチャーゲーム「恋と選挙とチョコレート」を原作に製作された。
美しいOP,EDと綺麗な作画が印象的な本作は6000人以上の生徒数を誇り、生徒が自治で学校運営行うマンモス学校「私立高藤学園」を舞台に、主人公大島裕樹が所属する食品研究部の廃部を阻止すべく、生徒会長選挙に出馬する。

あらすじ
{netabare}
生徒数6000人を越えるメガ学園「私立高藤学園」に通う大島裕樹は、幼馴染の住吉千里とともに食品研究部(ショッケン)の部員だが、大した活動もせず堕落した日々を過ごしていた。そんな時、次期生徒会長最有力候補の東雲皐月が「無実績部活の整理および廃止」を提案し、ショッケンは廃部の危機に陥る。部員たちは知恵を出し合い、現生徒会長・毛利夜雲の助言を受け、裕樹を対立候補として立候補させようとする。裕樹も次々と浮き彫りになる学園の「問題点」を知り、出馬を決意。かくして裕樹は無謀な選挙戦を、そして学園に潜む陰謀と戦うこととなる。
{/netabare}

本作はキャラクターデザインが秀逸で、特にアイキャッチは魅力的だった。しかし、後述する感想の通り作品設定が破綻しており、真面目に視聴すると面喰う展開がしばしば見受けられた。だが、本作の出来映えはそのストーリーの構成から続きが気になり、一晩で視聴してしまうほど良かった。
ただ、ゲーム原作である以上、全ルート摘み食い展開がある。また、チョコレートの要素は取って付けた程度であまり重要では無かった。メインは生徒会長選挙である。

感想
{netabare}
ここでは思ったことを書きまくるので批判だらけなのはあしからず。

一、主人公の立候補の動機が不純過ぎる。経費で菓子を食べるだけの部活に存在意義は無く、立候補して存続させるより、有意義な活動に転換して存続を図るべきではないのか。

二、私立高藤学園は犯罪の温床と言わざるをえず、刑事事件である殺人未遂事件を治安部の権力により揉み消したり、経済特待生を労働基準法に違反して酷使したり、経済特待生に対するいじめを回避出来ない等、権限を生徒に委譲し過ぎではないかと批判せざるを得ない。
検察庁特捜部が出てきてもおかしくないレベル。拉致監禁・恐喝・脅迫などの人権侵害行為を組織ぐるみで行っている描写が多々ある。学校とは思えない。

三、キャラ萌えアニメであるのに全然キャラに感情移入出来ず、逆に苛立ちを覚えるキャラ(後述する)さえ居た。食品研究部の部員ももっと活躍させられたのではないか。唯一の経特生である衣更も使い道が無く、影の薄い登場人物に成り下がってしまった。

四、主人公にしか見えていない辰巳茂平治のマスクや、ガレージのプロペラといった伏線は謎のままで意味不明だった。

五、住吉千里は幼なじみという設定だけが取り柄で、他のヒロインに勝る点が微塵も見られない。主人公に好意を寄せる素振りは見せるが、実態は亡くなった弟に主人公を重ねているだけであり、罪悪感から主人公にチョコレートを食べさせるという自己中心的な罪滅ぼし行為に十年以上主人公を巻き込み、あまつさえ選挙期間中に自暴自棄になる始末。

六、東雲皐月は成人であるのに社会的モラルに著しく欠ける教師であり、職務中に飲酒を行い(しかも部室にビールサーバーを常備。生徒が飲むかもしれないとか考えないのか)、
特定の生徒と緊密な関係を持ち、あまつさえ淫らな行為に走ろうとしている。家の問題もわざわざ無関係で部外者な主人公の居る目の前で妹に真実を打ち明けるなど理解できない描写が多々見受けられる。妹への態度ももう少しなんとか出来たはずだ。悪い人ではないのだろうけど、社会人失格な要素があり過ぎた。

七、選挙にもっと重点が置かれるべきだった。本作のピークは予備選挙であるといっても過言ではないくらい終盤は選挙に関するエピソードが無く、ひたすら主人公の周りで起こる事件に纏わる話で終わった。東雲さんとの熱い選挙戦を繰り広げるなどフェアで燃える展開が欲しいところであった。
なぜ最後の演説で東雲候補に勝てたのかは謎。演説に遅れた理由などが不明な状況でマニフェストもいい加減なまま、東雲候補以上に得票できたのは何故であろうか。
また、万歳をするときは掌を前面に挙げてはいけない。あれでは降参の意である。本来の万歳は掌を内側に挙げなければならない。まぁこれは一部の国会議員(菅直人など)も出来ていないが。
{/netabare}

総評

本作の設定は荒唐無稽な要素が多々あり、教養のある方は突っ込みを入れたくなる点が沢山あることだろう。逆に薄い作品だったからこそ、あまり頭を使わずに見れた感はある。
恋に選挙に、登場人物のシリアスな過去に、冒頭の事件の真相にと色々と要素を詰め込み過ぎ、登場人物も上手く使いこなせずにいた。
しかし、批判は沢山したが、純粋に楽しめた点もおおいに評価したい。
甘い展開とシリアスな展開を上手く構成し、視聴者の継続視聴意欲を駆り立てた点には素晴らしいものがあった。
学園ハーレム作品が好きな人にはお勧めの作品だ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

80.6 8 陰謀アニメランキング8位
ロクでなし魔術講師と禁忌教典(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (932)
5075人が棚に入れました
魔術と科学が共に発展した世界――ルヴァフォース。
魔導大国・アルザーノ帝国の南部に位置する「アルザーノ帝国魔術学院」はこの世界で最先端の魔術を学べる最高峰の学び舎である。
およそ四百年の歴史を有するこの学院は魔術の道を志す全ての者の憧れであり、学院の講師や学生たちも自信がその輩であることに誇りを抱いている。

この由緒正しき学院に突如として赴任してきた非常勤講師、グレン=レーダス。
「お前らに、本当の魔術ってもんを教えてやるよ」
《ロクでなし》と呼ばれるこのオトコの破天荒な授業が、今はじまる。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、藤田茜、宮本侑芽、小澤亜李、高橋広樹、喜多村英梨
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ワルブレ難民救…ならず

2話までの感想
{netabare}学校の制服が可哀想すぎて辛い、これ年頃の女子には拷問じゃなかろうか、ってのが第一印象。
主人公は教師を辞めたくて仕方ないので無気力なのはさもありなん。
それでいて褒められると悪い気分じゃないってのもさもありなん。
ってことで自分は不思議とイヤミを感じませんでした、ロクでなしと謳ってるのに。
ここら辺は気を使ってるのかねー?
まぁそんなことよりも、ですよ。
学園にテロリストですよ、奥さん。
もう笑いが止まらん…これ、結構面白いかも知れない。{/netabare}

8話までの感想
{netabare}学園にテロリストの次は競技大会!
ここまでテンプレで迫るとホント潔いっていうか…他の方も書かれてるけど、伝統芸能だか無形文化財だかで“やり続けることに意味がある”って作品なんじゃなかろうか。
やんごとなきお方がクラスメイトってのもテンプレよなー。
「なんで処刑するために木に縛り付けるの?」や「正体隠すためにお土産屋に扮してたのに店そのままに立ち去っていいの?」など、突っ込みドコロを入れてるのもワザとなのかも知れない。
でもってお次のテンプレ展開は…リィエル登場で、あ、コレ強化人間ネタか。
戦闘力は高いけど精神が未熟ってヤツ、なにかに依存しててそれ以外の価値観に揺さぶられるってヤツ。
いやぁよくここまでテンプレネタ引っ張ってくるもんだなぁと感心。
更には人口呼吸、笑い殺す気か!
ってかそのネタ入れるなら海水浴も兼ねた社会見学だったんだから普通にそこで溺れたにすればいいのに、この無理やり感はやっぱりワザとだと思う、ギャグとして。
もうグレンは剣刺さったまんまピンピンして動き回らせた方が良かったんじゃないかな?ブラヴォみたいに。{/netabare}

9話までの感想
{netabare}↑の感想で強化人間ネタと書いたが、自分が思い描いてた以上にプルツーしててビビった。
雑誌や公式の予告や原作のネタバレとか一切見てませんぞ?ホウトウデス。
スゲーよまじで、ここまでテンプレに徹するか。
あれ?でも前回人口呼吸がどうこうってのは引っ張ることなくアッサリスルー…今後そのことに触れるのかな?
というより、原作未読でありながらアニメは物凄く急ぎ足だと感じる。
強化人間ネタも本当はもっと時間をかけて心のうつろい様を描くべきだろうに…急展開過ぎて唐突感が否めない。
クローン姉妹を倒すシーンだって凄惨なBGM流してお涙頂戴な方向に持ってくこともできたハズ。
恐らくクライマックスには世界の存亡に関わる大事件を持ってくると思うので、そこまで話を進めなくてはならないとアニメは急いでるんじゃないかなー、と思ったり。
まぁそこら辺も「展開はえーw」「傷治るのはえーw」「あんな血まみれの部屋見て信じて待ちましょうってww」とギャグとして解釈できる逃げ道を用意してあるのはスタッフの手腕かと。
ここまでテンプレ全開で来ると次どんなテンプレが来るのか楽しみではあるのだけど、ちゃんと伏線を回収するのであれば生徒達が一丸となってグレンのピンチを救うってネタが来るハズだが、果たして…。{/netabare}

12話までの感想
{netabare}↑でも書いたように、最後は「世界の存亡に関わる大事件を解決」&「生徒一丸となってグレンのピンチを救う」を予想してましたが、最終回手前の11話でクラス対決を済ませてしまったのでそっち方向にはならないと悟りました。
おや?じゃあ最終回はどんなテンプレネタを突っ込んで来るんだろ?と思いつつ(テンプレネタ入れてくるのは確定扱い)12話を見たら…。

卒業ネタキター!!!!

くっそw思いつかなかった、終末~でヒント出てたのに。
婚約者ネタが出た時点で気付くべきだったか?まさか結婚式挙げるとは思わなかったよ。
それ以上に、その…今の時代「使い古されてそのネタをやるのは勇気が居る」系だと思います、卒業ネタって…ドラクエ8以降なんかあったっけ?
それをやる勇気、すっごいなぁこの作品…。
白猫の両親はどうしたとか突っ込み所を残してあるのはやっぱりワザとか。
というか、もしレオスが本物のままであるなら最大目標は名家?との結婚なので、参列者には国のご歴々を呼ぶハズ→実際はそうじゃなかったので式は急遽行われたもので、レオスも本物じゃないかも?
と匂わすシーンだと思うのだが、なんかアッサリ流しちゃって勿体ないような…尺のせいか?
他にも、グレンは対レオス用に隠し玉(有刺鉄線や菜箸)を準備しといたけど天使の塵中毒者を相手するため(予定外の出来事)に手の内を明かしてしまった!、ってのももうちょっと強調して描いた方が良かったかも?
前回からの“引き”に係わる部分だし、作中描写じゃグレンは勝機ナシで挑んだかのように見えちゃいそう…やっぱり尺なのか?

そんな「どうしてこんなに急ぎ足なのだろう?」という疑問も最終話で解決。
ああ、ワールドブレイク…じゃなくてアカシックレコードっでワードが出るところまで進めたかったのねー。
原作有りのアニメで出来の悪いのがあった場合、犯人は「原作」「アニメスタッフ」「アニメ化しようと決めたヤツ」のどれかに絞られるものだけど、これは…誰も悪くないね。
これを2クール枠でやるってのはまず無理だもんねぇ…やられてもこっちも困るし。
まぁでもラスボス逃走エンドってのは最悪のオチだったかな?ISUCA見てるのかと思った。
ここはアニオリ展開にしてでもスカっと一区切りできる終わり方にして欲しかった。{/netabare}

総評
{netabare}「次はどんなテンプレ展開が来るのだろう?」と予想したり「そのネタやっちゃう?」と驚いたりしながら見るのが楽しい作品でした。
使われたテンプレもラノベのあるあるネタから始まり、ラストは創作物全般にまたがるあるあるネタ(卒業)を突っ込み、原作からしてそうなのかアニメスタッフによるものなのかは不明だけど思い切りの良さは評価したい。
とはいえ、こういう作りって既存作品の知識に胡坐をかいて斜に構えたもの、というのも忘れてはならない…かと。
悪く言ってしまえば寄せ集めのパロディ作品だし、人によっては既存作品を揶揄ってると捉えかねない。
当然作ってる側もそれは承知してて、そこはギャグ寄りってことで「笑って許して」が適用されるようにしてるのは流石というべきか。
(シリアスぶったパロ作品は辛くて適わん)

ラノベテンプレを順手にとったギャグ作品としては“聖剣使いの禁呪詠唱(通称ワルブレ)”が思いつき(このすばは逆手※)、この作品はそれ系統かな?と思ったけど微妙に違いました。
ワルブレはテンプレもさることながら「思い出した→処刑用BGM」で勝利確定という天丼ネタを構築したのに対し、こっちは作品独自の天丼ネタは無し。
毎回ヒロインが攫われるってのを天丼にするのかな?と期待もしたのだけど…。
また、ワルブレはクライマックス用に「原作者も知らない竜」をアニオリで用意したのに対し、こっちはラスボス逃走というガッカリな幕引き。
面白さで言うとワルブレのほうに軍配が上がってしまいますね、あくまでアニメだけで評価した場合ね。
結論としては「惜しい」かと。
あ、それと女生徒の制服は最後まで慣れることができませんでした。
そうさなぁ、10話でルミアが攫われて電流?だか流されるシーン、あそこ電流じゃなくて紐をひたすらペチペチする拷問だったら良かったかも?


※順手と逆手
展開予想に対し「そう来ると思った?そう来ると思った?」→「ハイその通りです」ってのが順手。
「そう来ると思った?そう来ると思った?」→「違うんだなぁ」というのが逆手、かと。
お約束を守るのが順手、破る(皮肉る)のが逆手…って解釈してます。
あくまで個人的なものだし、どこまでを展開予想とするかも曖昧なのでこの場だけでの使い分けです。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

こうへい さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ろくでなし無免許講師です。テンポもオチも毎回良いです!テンプレ具合も満点です(笑)

あらすじ
アルザーノ帝国魔術学院に赴任した非常勤講師であるグレンは授業もせず居眠りばかりのロクでなし。
優等生のシスティーナはそんな彼に耐えきれず「まともな教鞭」を求めて決闘を申し込むことに・・・。


いやー、待ってたよ!久しぶりのコテコテのテンプレアニメ!
深夜アニメ黎明期のあかほりさとる先生の作品を彷彿とさせるなつかしい雰囲気です。
第1話から女子更衣室で百合展開や期待通りのお約束展開があったりと・・・。しかし言及してくるとは、ちょっぴり新しいですねww
ニートになれなかったので、しぶしぶ講師に就職を決意しました。(どっかのラノベタイトルみたいですね(笑))
非常勤講師になるまでの彼のかわいそうな過程も必見ですよ!
はたして2話はまともな講義が始まるのか?テンプレお約束でなぜかヒロインが主人公に落ちてたりするのでしょうか?
どこかの素晴らしい世界のクズマさんとも違うタイプのクズっぷり(笑)
主人公がショボイ!大事なところもしっかり押さえられていて丁寧なつくり!これは面白いです!!

何気に一番キャラが立ってる眼鏡君は毎回出てくるのでしょうか?そちらも期待したいです(笑)


第2話を視聴して、本を釘で打ち付けるところから開始です。
さすがはロクでなし講師ですねw今回もまじめに講義をするつもりはないようですww
魔術に対して良く思っていないグレン先生。彼は過去に魔術で故郷でも滅ぼされたのでしょうか?今のところ彼の過去について語られていないので、これから語られることを期待しましょう!

そして、第2話でもあの眼鏡君にセリフがありましたよwwいやぁ、彼には毎回出てきてほしいですねww
やっとPV詐欺をしていた箇所に今回でつながりました。三節の呪文が四節になるとどうなるか?A:右に曲がる
今回の呪文詠唱改変のくだりは、TVゲームの「ルドラの秘宝」を思い出しました。あのゲームでは自分で魔法を作ることができて魔法に名前を付けることで効果が異なるというものでした。
さて、話が横に反れましたが戻しましょう。
グレン先生曰く、魔術は深層意識の自己暗示とのこと。なんと適当な呪文でも魔術が発動するというものでした。しかし、威力は通常よりだいぶ劣る模様です。

第2話にしてロクでなしがロクでなしでなくなってる!?
なんか最近CMでよく見るリスニングの力が向上するCMを見ているかのような講義でしたw
グレン先生、本気を出すとちゃんと講義できるんですね。学生時代にこんな先生に出会いたかったですね。

そんな中、暗躍する影が・・・。
さあ、みんなお待ちかねのズドンさんの登場です!見た目はザコそのものなのですが、魔術使いとしてはある程度実力があるようです。なにせズドンなんていう適当な呪文にもかかわらずそれなりの威力を誇っていましたので。
そして、メインヒロインの今日付けている下着の色を教えてくれるだなんて、なんて良い人なんだww
そんなメインヒロインはズドンさんに落ちました。あれ?お約束で主人公に落ちるものと思っていたらそっち?ww
そうこうしている間にさっそうと登場するグレン先生。やっぱりチート持ちのようです。
ズドンさん、ありがとうございました。最大級の感謝を(`・ω・´)ゞ
なお、ズドンさんについては原作での立ち絵はなく、マンガ版の絵がそのままアニメに引き継がれたそうです。

ノリノリで講義したり、終盤のバトルもスカッとしてよかったですね。グレン先生のことをクズだと思っていましたが今回で人間くさいところも見れて好感度が上がりました。



「ズボンがドーン!」第3話はこれに収束されます(嘘です笑)
意外な人物が今回の騒動の黒幕でした。しかし、今回の騒動は一旦は解決したものの、あとに引きそうですね。
そして、OPが初解禁です!OPカッコよかったです!


第4話にて、「魔術競技祭」が始まることに。学園ものではおなじみのお祭り会ですね。
今週の解説であるメガネくんやるきないぞー(´・ω・`)それでもメガネくん好きです(笑)

金欠で給料の前借って、やっぱりロクでなしですね(笑)
でもグレン先生はそんなにお金を使うようなイメージがないのですけど何に使ってるんでしょうか?

「自業自得だ。自分の力でなんとかしろ」
「学院長聞きました!?セリカのやつこれだから困るんすよ!」
「なんで私が悪いことになってるんだ?」
「頭潰れる~!助けて~!ママ~!」

富士見ファンタジア文庫でママというと例の全体攻撃を2回攻撃してきそうなママ(CV:茅野愛衣)が思い出されます(笑)
このネタどれだけの人がわかるだろうかww

システィの未来が不安です。グレン先生とのやりとりにおいて勘違いが・・・w

それにしても、ルミアちゃんの過去に何があったのでしょうか?
今回、途中で回想がありましたが・・・。ここまでの流れでなんとなくあの人が関わってることはわかるのですが・・・。
しかし、グレン先生、必殺の固有魔術ムーンサルトジャンピング土下座で・・・ってwあなた毎回土下座ネタを入れないと気が済まないのかww

そして、前シーズンのタイトルとは裏腹に高いレベルの変態指数を叩きだした主人公がいましたが、本作品でもいましたよ!あれとは違うレベルの高さを持った変態がwwww
舌の動きが変態紳士過ぎますwww舌でレロレロしてる様がキモすぎますwww
学園長、グレン先生より彼のほうをクビにしたほうがよいのでは?
漢ジャイルくんもいいキャラでしたね。彼も今後再登場してもらいたいですね。彼はどっかの学戦都市のレスラーさんに似た雰囲気を感じました。

第4話にして、初めてEDが流れました。PVでは少し聞いていたものの、やっぱりかわいい曲ですね♪
そして、OPには登場している気になるあの子も初登場!彼女がグレン先生にどう関わっていくのか楽しみですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

あれ…そういえば禁忌経典って…?

この作品の原作は未読ですが、早くから視聴を決めていました。
藤田茜さんや小澤亜李さんといったお気に入りの声優さんが出演されるのも決め手の一つでしたが、ラノベ原作で実は大いなる力を宿しているとは思えない一見普通っぽい主人公が複数のヒロインに囲まれて、というお約束の設定が好きだからなんだと思います。
似たような設定の作品…これまでたくさん視聴してきましたが、飽きもせず毎回結構楽しんで視聴しているのが何より「好き」の証拠だと思います。

この物語の主人公は、グレン=レーダス…アルザーノ帝国魔術学院2年2組の担当講師になる前は、ずっと引きこもりのニート生活を送ってきた人物です。
引きこもりのニート生活が一変して学校の先生…そのギャップは大きく直ぐに順応できないのは理解できますが、正直着任早々のグレンの生成としての態度は教師としてあるまじき振る舞いでしかありませんでした。
だから生徒の中でも本気で勉強したい人に先生の態度は耐えられなかったと思います。

物語の進展に合わせていい加減だったグレンの態度の理由も明らかになっていきますが、隙あらば引きこもりのニート生活に戻りたい…という欲求は本物だったと思います。

でも世の中ってそんな簡単に楽ができないような仕組みになっているのでしょうか…
結果的に面倒くさい出来事に巻き込まれ始めて…この作品の面白さが加速していくのですが、同時に輝きを増していくのが3人のヒロイン達です。

システィーナ=フィーベル(CV:藤田茜さん)
この作品のメインヒロインに位置する彼女は、グレンの受け持つ2年2組の生徒…
真面目な性格の持ち主で、一生懸命勉学に励んでいるのはどうしても叶えたい夢があるから…
だから中途半端を許さない彼女の振る舞いは、個人的にグッとくるモノがありました。
でもグレンとの事になると途端に色々と面倒な女の子に早変わり…
そこが彼女の魅力でもあるんですけどね…
CVの藤田茜さんは今期大活躍ですね。

ルミア=ティンジェル(CV:宮本侑芽さん)
システィの家に同居している彼女はシスティのクラスメイトであり良き友人です。
何をするにもシスティと一緒…
優しさで出来ている様な彼女ですが、ここぞという時の彼女の芯の強さは折り紙付きです。
そして…システィが持っていないものをルミアは持っている事から時折嫉妬されるのはお約束…
でも完走して振り返ってみるとルミアが物語のキーパーソンだった…と言っても過言ではないと思います。
もちろん自分がキーパーソンである事を彼女が望んでいた訳ではありません。
それで人一倍苦しい思いを積み重ねてきたのですから…
そんな彼女は私にとって目の離せない存在でした。

リィエル=レイフォード(CV:小澤亜李さん)
リィエルもグレンの教え子でしたが、彼女だけ引きこもる前のグレンを知っている存在…
だから彼女だけ他の二人とはちょっと経歴が異なっています。
彼女も辛い十字架を背負って生きてきた一人でした。
一人で背負うのは重過ぎる十字架…グレンや他の二人ならリィエルの背中を支えてあげた事でしょう…
けれど、真っ先に彼女に手を伸ばしたのはグレン達とは真逆の考えの持ち主で、それらは彼女の心の折り方もちゃんと心得ていました…
一番見ていて心の痛んだ存在でした。

この作品のタイトルは「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」
「ろくでなし魔術講師」については、それなりに回収できていたと思いますが、「禁忌教典」については、殆ど触れていないのではないでしょうか。
だから作品としては結構楽しみながら視聴できましたが、タイトルがしっかり回収されなかったところに少々物足りなさを感じてしまいました。

オープニングテーマは、鈴木このみさんの「Blow out」
エンディングテーマは、ヒロイン3人組が歌う「Precious You☆」
どちらも通勤途中に聞いている曲です。
個人的には勢いのあるオープニングの方が好み…
可愛らしいエンディングも捨て難いんですけどね…

1クール12話の物語でした。
現在オリジナル版は8巻まで発刊されているうち、5巻までを使ってアニメ化されたようです。
続編はもう少し原作のストックが貯まらないと難しいかもですが、続編の可能性はどうなんでしょう…
これで終わってしまったら販促作品…でもそうなるのが勿体ない作品だと思いました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24

90.8 9 陰謀アニメランキング9位
とある科学の超電磁砲[レールガン](TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (10378)
41250人が棚に入れました
総人口230万人、東京都西部のほとんどを占める巨大都市。その人口の約八割が学生ということから、「学園都市」と呼ばれるその都市では超能力の開発が行われているんですの。学生たちが能力の強さに応じてレベル0~レベル5にランク付けされるこの都市で、7人しかいないレベル5の第3位に位置する能力者、御坂美琴お姉さまが本作の主人公となる。この物語は、彼女が通うお嬢様学校、常盤台中学校とそれを取り巻く仲間たちの平和で平凡でちょっと変わった能力者の日常を描く物語ですの。

声優・キャラクター
佐藤利奈、新井里美、豊崎愛生、伊藤かな恵、阿部敦

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

タイトルなし

スピンオフなはずなのに、こちらのほうが人気では?
確かに面白いし、女の子たちで和気あいあいとしているのも良い

OP
only my railgun fripSide
LEVEL5-judgelight- fripSide
ED
Dear My Friend -まだ見ぬ未来へ- ELISA
SMILE -You&Me- ELISA
Real Force ELISA
fripSideの楽曲で圧倒的に盛り上がる
Dear My Friend -まだ見ぬ未来へ-を聴くと涙出そう


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
総人口二三〇万人、東京都西部のほとんどを占める巨大な都市。その人口の約八割が学生ということから、「学園都市」と呼ばれるその都市では、超能力の開発が行われていた。特殊な授業(カリキュラム)を受け、能力を得た学生たちは、定期的な身体検査(システムスキャン)によって、「無能力(レベル0)」から「超能力(レベル5)」の6段階に評価されている。その頂点に立ち、最強と謳われるのが、七人の「超能力者(レベル5)」である。そのひとり、御坂美琴。『電撃使い(エレクトロマスター)』最上位の能力者にして『超電磁砲(レールガン)』の異名を持つ彼女は、名門お嬢さま学校・常盤台中学に通う14歳の女子中学生。後輩で「風紀委員(ジャッジメント)」の白井黒子たちと、学園都市的日常生活を送っていた--。この物語は、平和で平凡で、ちょっぴり変わった能力者の少女たちの日常を描くものである。


1. 「電撃使い(エレクトロマスター)」
一八〇万人を超える学生が集い、超能力開発を受ける「学園都市」。その日常の裏側には、学生たちによる治安維持組織「風紀委員(ジャッジメント)」の活躍があった。しかし、彼らの目が届かぬ暗がりもある。裏路地で平和を乱す不良学生たち。その彼らを一筋の閃光が襲う。そこには、学園都市最強の電撃姫、『超電磁砲(レールガン)』御坂美琴の姿があった……。そんな日常の中のある日。美琴は、「風紀委員」である黒子の同僚で、彼女のファンだという少女--初春飾利と佐天涙子と会うことに。意気投合して放課後を楽しむ4人だったが、初春が目の前の銀行に異変を感じとり……。

2. 「炎天下の作業には水分補給が必須ですのよ」
常盤台中学の女子寮、美琴たちの部屋に招待された初春と佐天。下着あさりをしたりアルバムを見たりと定番の行動で盛り上がる美琴たち。しかし、同室になって一カ月の記念日を、美琴とふたりきりで(勝手に)祝おうとしていた黒子は、まったくもって面白くない。しおらしく美琴への切なる想いを吐露する黒子に、初春と佐天はしんみりしてしまうが、当の美琴はいつものことと一蹴。黒子の行き過ぎた行動にお仕置とばかりに強烈な電撃を食らわし、壮絶な能力合戦に発展してしまう。騒ぎを聞きつけた寮監にとがめられ、ふたりはプール掃除を命じられることに……。

3. 「ねらわれた常盤台」
学園都市の一角。常盤台中学をはじめとする、5つのお嬢様学校が集まる「学舎の園(まなびやのその)」。外界から隔絶されたこの区域で、常盤台中学の生徒だけを狙った連続襲撃事件が発生していた。そんな中、黒子たちに招かれて「学舎の園」を訪れる初春と佐天。学園都市の普通の学区とは異なる独特の風景に心躍らせるふたり。黒子たちと合流し、「学舎の園」にしか出店していないパティスリーでケーキに舌鼓を打たんとしたまさにその時、「風紀委員(ジャッジメント)」からの呼び出しがかかってしまう。一方、トイレに立った佐天は何者かに襲われ……。

4. 「都市伝説」
ファミレスに集まった美琴たち4人。科学万能主義の学園都市で語られる、数多くの都市伝説話に花を咲かせていた。いきなり服を脱ぎだす「脱ぎ女」、逆回転する風力発電のプロペラ、幻の虚数学区、使うだけで能力が上がるレベルアッパー、そして、どんな能力も効かない能力を持つ男……。美琴は、とある少年との出会いを思い起こす。なぜか自分の電撃が効かないその少年は、妙におせっかいで……。そんな折、街で女性を案内している少年を見かける美琴。決着をつけろという美琴に、少年は女性の案内を頼むが、その女性はいきなりブラウスを脱ぎだして……。

5. 「とある二人の新人研修」
頻発する車上荒らし対策に、監視カメラの増設をしていた黒子と初春。鳴り出した警報器に付近を探したふたりは、校舎の陰で車の中を物色する不審な学生を発見する。応援を呼ぶ初春の制止も聞かず、車上荒らしを捕まえようと先行した黒子は不意打ちを受け、逃げる犯人を捕まえようとした初春も昏倒させられてしまう。逃げられたのは自分のせいではないとばかりの黒子の態度にカチンときた初春。その上、大事な約束のことまで忘れている黒子に、ついに仲違いしてしまう。風紀委員(ジャッジメント)を目指していたふたりは、過去にとある事件で関わっていて……。

6. 「こういうことにはみんな積極的なんですよ」
事件の捜査を手伝うと言う美琴に、好奇心や興味本位で風紀委員(ジャッジメント)の真似事をするなと釘を刺す黒子。ついでとばかりに、日頃の行いからファンシーグッズに埋もれた私生活にまで口出しされ、美琴はまったくもって面白くない。ファミレスで愚痴の相手をしてくれていた初春が任務に連れて行かれたあと、美琴はテーブルに置かれた腕章を見た風紀委員・固法に、新人の応援要員と勘違いされてしまう。黒子を見返してやるチャンスとばかり、美琴は固法についていくことに。しかし、実際に体験する風紀委員の仕事は、思いのほか地味だったり難しかったりで……。

7. 「能力とちから」
連続爆弾テロ「虚空爆破(グラビトン)事件」の被害が拡大する第七学区。場所にも時間にも一貫性がなく、手掛かりすら残されていない犯行に、風紀委員(ジャッジメント)も警備員(アンチスキル)も手をこまねいていた。犯人の使っている能力は『量子変速(シンクロトロン)』。しかし、これだけの規模の爆発を起こせる能力者は「大能力(レベル4)」以上で、『書庫(バンク)』のデータに該当者は見当たらない。一方、忙しい風紀委員の初春に相手をしてもらえない佐天を見かけた美琴は、彼女から「幻想御手(レベルアッパー)」という能力のレベルを上げる道具の話を聞く。

8. 「幻想御手(レベルアッパー)」
「虚空爆破(グラビトン)事件」の犯人を捕えた美琴たち。しかし、彼は「低能力者(レベル2)」で、あれだけの被害を出すほどの力をもっていないはずだった。煮詰まってしまったふたりは、通りがかった佐天とともに、風邪をひいた初春を見舞いに行くことに。事件の捜査状況を話すうち、佐天の語った都市伝説「幻想御手(レベルアッパー)」に思い至る美琴。黒子によると、使うだけで簡単にレベルが上がるという噂を証明するかのように、『書庫(バンク)』のデータと被害状況が食い違う事件が頻発しているという。美琴たちは噂の書き込まれた掲示板を手掛かりに調査を開始する……。

9. 「マジョリティ・リポート」
取り調べ中、「虚空爆破(グラビトン)事件」の犯人が突然、意識不明に陥ったとの報せを受けて、病院へ向かった美琴たち。他にも同じ症状の患者が出ていることから、「幻想御手(レベルアッパー)」との関連を疑ったふたりは、偶然再会した大脳生理学者・木山春生に相談する。そこに現れた初春と佐天。「幻想御手」を使用した際に予想される副作用についてふたりに語る黒子だったが、偶然「幻想御手」を手に入れていた佐天は、そのことを言い出せないまま、ひとり悩んでしまう。そんな折、「幻想御手」の取引現場に迷い込んでしまった佐天は……。

10. 「サイレント・マジョリティ」
売人からの情報をもとに「幻想御手(レベルアッパー)」を手に入れた黒子たち。増加する「幻想御手」を使った犯行を防ぎつつ、木山にその解析を依頼するが、聴覚からの刺激だけで能力の強度をあげるのは難しいと聞かされる。一方、「風紀委員(ジャッジメント)」としての黒子の活躍を目の当たりにした佐天は、ショックを受けていた。「無能力者(レベル0)」の自分とはまったく違う世界に住んでいる人がいる。そんな想いを抱いてしまった佐天は、同じ境遇の友人たちと「幻想御手」を使い、初めて能力を手にした実感をかみしめていた。しかし数日後、友人が倒れてしまい……。

11. 「木山せんせい」
「幻想御手(レベルアッパー)」の開発者は木山。患者の脳波から開発者の割り出しに成功した美琴たちは、初春が木山のもとを訪れていると聞き、すぐさま「警備員(アンチスキル)」の出動を要請する。一方、木山の車に乗せられた初春は、「幻想御手」開発の理由--「樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)」の代わりとなる演算装置が必要だったと聞かされる。「幻想御手」の副作用--複数の能力を操って、周りを囲んだ「警備員」たちをなぎ倒す木山。その前に立ちふさがった美琴は、複数の能力による攻撃に苦しみながらも何とか木山を捕まえが、その時、彼女の記憶が美琴の頭に流れ込んできた・・・・・・。

12. 「AIMバースト」
突然、苦しみ出し、倒れる木山。同時に病院では「幻想御手(レベルアッパー)」を使用した患者たちが意識のないまま暴れ出していた。そして、木山の頭からAIMバースト--「幻想御手」のネットワークによって使用者たちのAIM拡散力場が束ねられ、1万人もの能力者の思念が形になった化け物が生み出された。なにかに苦しむように暴れるAIMバーストは、警備員(アンチスキル)の攻撃にますます巨大化する。初春はネットワークを破壊するため、木山から預かった「幻想御手」の治療プログラムを手に走る。そして美琴は、原子力発電所に向かうAIMバーストの前に立ちふさがり……。

13. 「ビキニは目線が上下に分かれますけどワンピースは身体のラインが出ますから細い方しか似合わないんですよ」
湾内と泡浮から、水着モデルを頼まれた美琴たち。なんでも、水泳部でお世話になっているメーカーからのたっての希望で、ウェブカタログ用のモデルを依頼されたのだという。黒子のひと押しもあり、後輩のために一肌脱ぐことにした美琴。当日、初春、佐天と連れだってメーカーを訪れた美琴たちの前には、それぞれ別のルートでモデルを頼まれた婚后と固法の姿が。舞い上がり気味の婚后の様子に戸惑いつつも、試着室へと案内される一同。ずらりと並べられたさまざまな水着から、思い思いの逸品を手にして着替えた美琴たちを、学園都市の誇る最新鋭スタジオでの撮影が待っていた……。

14. 「特別講習」
よく晴れた夏休みのある日。ファミレスに集まって遊ぶ計画を立てる美琴と黒子のもとにやってきた初春によると、佐天は特別講習のために来られなくなったという。とある高校で行われるその特別講習には、あちこちの学校から生徒が集められていた。アケミやむーちゃん、マコちんと一緒に講習を受ける佐天。小学生のような見かけの先生に講義を受けたり、「常盤台狩り」事件で知り合った重福と再会してお昼を一緒に食べたりしながらも、物憂げで、いまひとつぼんやりした雰囲気を過ごす。それは、この講習が「幻想御手(レベルアッパー)」を使用した生徒たちを集めて行われたせいで……。

15. 「スキルアウト」
「武装無能力集団(スキルアウト)」による能力者狩りが頻発。通報を受けて駆け付けた黒子たちは彼らを逮捕するが、襲われた婚后によると、なぜか能力が使えなくなって気を失った後、気がつくと全員が倒されていたのだという。どうやら、背中に黒いクモの入れ墨を入れた革ジャンの男に助けられたらしい。その話を聞いて呆然とする固法。その後も能力者狩りは終息せず、捜査の結果、「ビッグスパイダー」という組織が、闇ルートから非合法な武器を入手して行っていたものと判明する。リーダーの名前は黒妻綿流。婚后を助けた男と同じく、背中にクモの入れ墨があるらしく……。

16. 「学園都市」
ビッグスパイダーのアジトで謎の男に助けられた美琴と黒子。彼こそが本物の黒妻で、現場に現れた固法は彼を「先輩」と呼んだ--。ふたりの関係が気になる佐天たち。しかし固法は、ここ数日、「風紀委員(ジャッジメント)」の事務所に顔を出していなかった。彼女の住む寮に足を運んだ美琴たちは、同室の柳迫から固法が昔、「ビッグスパイダー」に所属していたと聞かされる。過去がどうであれ、なぜ今、固法が「風紀委員」の活動を休んでいるのか分からないという美琴に、簡単には割り切れない想いがあるという佐天。そんな折、能力者狩りの一斉摘発が行われることになり……。

17. 「夏休みのつづり」
夏休み。「警備員(アンチスキル)」の仕事に遅刻した鉄装は、現場で人質にされてしまったり、巡回中に美琴たちに乗せられて一緒に遊びそうになってしまったりと失敗続き。同僚の黄泉川に、気持ちがたるんでると説教され、明日こそはと気合を入れたものの、次の日も失敗ばかりでどうにもうまくいかない。そんな折、完全下校時刻過ぎにゲームセンターで、ひとりゲームをプレイする学生--鴻野江を見かける。以前も見かけたこと、自分の好きだったゲームをプレイしていたこともあって声をかけるが、鴻野江はプレイ途中で立ち去り、ひとり取り残されてしまう……。

18. 「あすなろ園」
寮則を破るたびに、寮監から厳しい罰則(体罰付き)を受けている美琴たち。いい加減、我慢の限界だという黒子は、腹いせとばかり、とある事件の調査に乗り出すことに。美琴を巻き込み、目指した先は第13学区の児童養護施設・あすなろ園。「置き去り(チャイルドエラー)」で学園都市に置き去りにされた身寄りのない子どもたちを集め、保護している施設だった。調査を進めようとするふたりだったが、偶然、ボランティア活動であすなろ園を訪れていた初春と佐天に巻き込まれて、子供たちの相手をすることに。そんな中、美琴は木山とのやり取りを思い出してしまい……。

19. 「盛夏祭」
年に一度、常盤台中学女子寮が一般に開放され、寮生が招いたゲストの訪れる日--盛夏祭。寮生たちがメイド姿で接客するこの日は、メイド養成専門校の繚乱家政女学校の協力を得て、盛大に開催されていた。メイド姿に後ろ髪をひかれながら仕事に連れて行かれる黒子をしり目に、招待した初春と佐天を案内する美琴。ふたりとも、さまざまな展示や発表を見たり、体験したりと大喜び。憧れのお嬢様学校の空気を満喫している一方で、美琴は気が気でないことがあった。実は彼女、ステージでとある演目を披露する大役に、寮生の満場一致で選ばれていたのだ……。

20. 「乱雑開放(ポルターガイスト)」
柵川中学に季節外れの転入生がやってきた。名前は春上衿衣、第19学区からの転入となる彼女は、初春のルームメイトになるという。佐天や美琴たちも引越しの手伝いにやってきて、ニギヤカに片づけを終わらせる。親睦を深めるべく、みんなで遊びに行こうという美琴だったが、黒子と初春は「風紀委員(ジャッジメント)」と「警備員(アンチスキル)」の合同会議に出なくてはならないという。最近頻発している地震に関係する会議で、専門家によると、能力の暴走によるポルターガイスト現象が原因だという。そんな中、初春たちは、春上を連れて花火大会に出かけることに……。

21. 「声」
花火大会の会場で起きたポスターガイスト現象に巻き込まれた初春たちは、危ういところとMARの駆動鎧(パワードスーツ)に救われる。その駆動鎧に乗っていたのは、合同会議にいた専門家・テレスティーナだった。迷惑をかけたと気落ちする春上を、自分と同じで変われるはずだと慰める初春。ふたりは気晴らしに第21学区の自然公園へと出かけることに。一方、ポスターガイスト現象がAIM拡散力場への人為的な干渉にあると知った美琴たちは、木山の関与を疑うが、拘留中の彼女には不可能。花火会場で様子がおかしかった春上に疑念を抱く。『書庫(バンク)』のデータには、意外な記載があって……。

22. 「レベル6(神ならぬ身にて天上の意志に辿り着くもの)」
チャイルドエラーとして児童養護施設で育った春上。幼いころ、施設で仲の良かった少女--枝先との間でだけ、「念話能力(テレパス)」の強度が上がる特性を持っていたが、最近になって、別の施設に移されてしまったはずの彼女の声が聞こえるのだという。話を聞いた美琴は、「幻想御手(レベルアッパー)」事件についてテレスティーナに打ち明ける。暴走能力実験の被験者となった子供たちがポルターガイストの原因になっているのではという仮説をもとに、行き先を探る美琴たち。そこにテレスティーナから、木山が保釈されたという連絡が入り……。

23. 「いま、あなたの目には何が見えてますか?」
暴走能力実験で昏睡状態に陥っていた子どもたちは無事保護され、木山のもとからMARの研究所へと移送された。ひとまず一件落着と胸をなでおろす黒子たちだったが、美琴と初春はいまひとつ納得のいかない顔。春上のお見舞いに行こうと準備をしていた初春は、子どもたちへの強い想いを抱いていた木山を思い出し、彼女のもとを訪れる。もう少しで子どもたちを救えたのにと気落ちする木山を、一緒に子どもたちに会いに行こうと励ます初春。しかし、テレスティーナは子どもたちに合わせるわけにはいかないと、すげなく断る。そして、彼女の正体を知った美琴は……。

24. 「DearMyFriends」
MARの研究所から子どもたちを移送する輸送車を追跡する木山の前に、美琴たちが現れる。輸送車がオトリであることに初春が気付き、急ぎ駆けつけたのだ。初春と佐天が木山を子どもたちの元へ導き、輸送車から降り立つ駆動鎧(パワードスーツ)を相手に黒子と婚后が奮戦。美琴は固法のバイクで木山を追い、第23学区の研究所を目指す。その前に立ちふさがる、テレスティーナの駆る巨大な駆動鎧。電撃は封じられ、「超電磁砲(レールガン)」は射程外。能力を計算に入れた攻撃に美琴たちは苦戦を強いられる。子どもたちのもとにたどりつかせてくれという木山の悲痛な言葉に、美琴は……。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「ビリビリ動画(bilibili)」の語源←美琴やっぱり凄いな笑。

『とある魔術の禁書目録(インデックス)』を1~3期まで一気見したついでに、新作の制作が発表された外伝『とある科学の超電磁砲(レールガン)』の方も1~2期&OVAを一気見してみました。
第2期が放送された2013年以来久々の視聴でしたが、やはりこのシリーズ、面白い!

シナリオ&設定に色々と無理があるので、私の個人評点はそこまで高くはなりませんが(※それでも『禁書目録』の☆ 3.9 よりだいぶ高い ★ 4.2)、本シリーズの主人公兼メイン・ヒロイン(御坂美琴)を始めとするヒロインズの好感度が異常に高いので、視聴がドンドン進んで飽きません。
こういうシリーズは、ありそうで、実際にはなかなか無いのでは?

本シリーズの監督・長井龍雪氏は『とらドラ!』(※個人評点 ★★ 4.6)、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(※個人評点 ★★ 4.5)を始めとする名作・優秀作を何本も制作されている名監督で、私の個人評点もそれらの作品の方がずっと高くなっていますが、こと作品に対する個人的な好感度では、本シリーズの方がグッと高くなります。

なお、最近は日本の制作会社を使ったアニメーション製作(※企画の方)にも手を出して露出の目立つ中国の大手動画共有サイト「bilibili(ビリビリ動画)」は、この御坂美琴の綽名(あだな)“ビリビリ”(*1)からその名称を借用したそうで、彼女の人気の高さは日本にとどまらないようですね。

(*1)本作の派生元作品『とある魔術の禁書目録』の主人公・上条当麻が、美琴が電撃を駆使する超能力者であることから“ビリビリ中学生”と綽名を付けた。

《まとめ》
以上、結構ベタ褒めのレビューになってしまいましたが、これから初めて本シリーズを見始める方は、第1期は若干シナリオの進行がまどろっこしいと感じるかも知れません。
でも、本シリーズの本領は第2期『S』にこそあると思うので、せっかく視聴し始めたのなら、そこでの超展開を楽しみに頑張って視聴を続けてほしい作品です。
あと、本伝である『禁書目録』の事前視聴は特に必要ではありません(むしろ本作の方を先に見て、面白かったら“ついでに”『禁書目録』にも手を出してみるのが丁度良いくらい)。


◆作品別評価

第1期 ★ 4.0 (計24話)
OVA  ☆ 3.9 (計1話)
第2期 ★ 4.4 (計24話)
-------------------------
総合  ★ 4.2 (全49話)


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ     鎌池和馬(原案・原作)、冬川基(作画)
監督        長井龍雪
シリーズ構成    水上清資
脚本        水上清資、大野木寛、砂山蔵澄、浅川美也、天河信彦、國澤真理子、伊藤美智子、山田靖智、花田十輝、土屋理敬、吉野弘幸
キャラクターデザイン 灰村キヨタカ(原案)、田中雄一
音楽        I've sound/井内舞子
アニメーション制作 J.C.STAFF{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========== とある科学の超電磁砲 (第1期) (2009年10月-2010年3月) ========

 - - - OP「only my railgun」、ED「Dear My Friend -まだ見ぬ未来へ-」 - - -
{netabare}
第1話 電撃使い(エレクトロマスター) ★ 佐天涙子&初春飾利の御坂美琴との初対面、白井黒子&美琴の能力 ※OPなし、ED「only my railgun」
第2話 炎天下の作業には水分補給が必須ですのよ ☆ 黒子と美琴の愛情×友情
第3話 ねらわれた常磐台 ☆ 常盤台学園連続眉毛落書き事件
第4話 都市伝説 ★ 美琴と上条当麻の出遭い、AIM拡散力場研究者・木山 春生、美琴vs.当麻(川原の対決)
第5話 とある二人の新人研修 ★ 黒子と初春の過去話(二人の出遭い、黒子の初仕事)
第6話 こういうことにはみんな積極的なんですよ ★ 美琴のジャッジメント手伝い(固法先輩)、連続グラヴィトン(重力子)爆破事件
第7話 能力とちから ★ 続き、狙らわれた初春、間に合わなかったレールガン(当麻のサポート)
第8話 幻想御手(レベルアッパー) ★ 美琴&黒子のレベルアッパー捜索、木山再登場、涙子の揺らめき
第9話 マジョリティ・リポート ★ 続き、黒子vs.レベルアッパー服用者、レベルアッパーの正体(音楽ソフト)
第10話 サイレント・マジョリティ ★ 涙子の能力発現と副作用(意識不明)、レベルアッパーの開発者判明、初春拉致(木山)
第11話 木山せんせい ★ 続き、vs.木山(マルチスキル)、木山の個人事情(チャイルドエラー、人体実験の罪悪感と決意)、ネットワークの暴走
第12話 AIMバースト ★ 続き ※ED「SMILE -You&Me-」
第13話 ビキニは目線が上下に分かれますけどワンピースは身体のラインが出ますから細い方しか似合わないんですよ ☆ ※ヒロインたちの日常回
第14話 特別講習 ★★ ※涙子メインの日常回{/netabare}

 - - - - - - - - OP「LEVEL5-judgelight-」、ED「Real Force」 - - - - - - - -
{netabare}
第15話 スキルアウト ☆ 能力者狩り、ビッグスパイダー元リーダー・黒妻(固法先輩の想い人)
第16話 学園都市 ☆ 続き
第17話 夏休みのつづり ☆ ※アンチスキルの日常回
第18話 あすなろ園 ☆ 常盤台学生寮寮監さんのコイバナ
第19話 盛夏祭 ★ 常盤台中学寮祭、美琴の晴舞台(ヴァイオリン独奏)
第20話 乱雑開放(ポルターガイスト) ★ 春上衿衣(はるうええりい)転入、RPSK症候群同時多発、花火大会見物と事故、テレスティーナの初春&春上救助
第21話 声 ★ 春上(精神感応(テレパス)能力者・レベル2)の周囲で起こる異常、チャイルドエラーの少女の声
第22話 レベル6(神ならぬ身にて天上の意志に辿り着くもの) ★ 木山再登場、科学界の元老・木原幻生の能力体結晶投与実験
第23話 いま、あなたの目には何が見えてますか? ★★ 春上と絆理(ばんり)の再会、vs.テレスティーナ木原、婚后光子の美琴救助、仲間を信じる心
第24話 Dear My Friends ★★ 無能力者・涙子だけが出来ること、テレスティーナ撃破、チャイルドエラー救助 ※ED「Dear My Friend -まだ見ぬ未来へ-」{/netabare}
--------------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)3、★(良回)14、☆(並回)7、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.0


=============== とある科学の超電磁砲 (OVA) (2010年10月) ============

全1話 ☆ 3.9 {netabare}美琴へのストーカー、アンチスキルの能力者への反抗事件{/netabare} ※約34分

OP「future gazer」
ED「Special "ONE"」


=============== とある科学の超電磁砲 (第2期) (2013年4-9月) ============

 - - - - - - - - - OP「sister's noise」、ED「Grow Slowly」 - - - - - - - - -
{netabare}
第1話 超電磁砲(レールガン) ☆ ※4人娘(主要キャラ)紹介回
第2話 寿命中断(クリティカル) ★ 幼少期のDNAマップ提供、布束砥信(ぬのたば・しのぶ)との出遭い ※シスターズ編開始
第3話 超電磁砲量産計画(レディオノイズけいかく) ★ 研究施設潜入、超電磁砲量産計画
第4話 妹達(シスターズ) ★★ ミサカ製造プロセス、夏休みの一日、“妹”との遭遇
第5話 絶対能力進化計画(レベル6シフトけいかく) ★★★ 続き、ミサカvs.一方通行  
第6話 あたし…みんなのこと見えてるから ★★ vs.一方通行、学園都市の第一位、実験動物ミサカの持つ可能性(布束の気付き)、美琴の仲間たちへの気遣いと決意
第7話 お姉さまの力になりたいですの ★ 研究施設群破壊開始、黒子の心配と気遣い、研究施設側の防衛戦力調達
第8話 Item(アイテム) ★ vs.フレンダ
第9話 能力追跡(AIMストーカー) ★ vs.麦野(学園第4位)、滝壺の美琴追跡、布束の感情インストール計画失敗(絹旗)
第10話 原子崩し(メルトダウナー) ★ vs.麦野(レベル5同士の死闘)、目標達成?
第11話 自動販売機 ★ 記憶喪失の当麻との再会、継続されていた実験、一方通行への実験勧誘(過去回想) ※ED「stand still」
第12話 樹形図の設計者(ツリーダイアグラム) ★ ミサカに芽生え始める感情(美琴&当麻との接触)、破壊されていたツリーダイアグラム
第13話 一方通行(アクセラレータ) ★ 市街地隘路の実験、第一次実験(過去回想)、当麻の気付き
第14話 約束 ★ 当麻の常盤台学生寮侵入、鉄橋の一幕(当麻の約束) ※ED「stand still」
第15話 最弱(かみじょうとうま) ★ 当麻vs.一方通行、一方通行のプラズマ攻撃阻止(美琴の懇願、シスターズの協力)
第16話 姉妹 ★ 続き、一方通行撃破(当麻)、当麻の見舞い、シスターズのその後{/netabare}

 - - - - - - - - - - OP「eternal reality」、ED「リンクス」 - - - - - - - - -
{netabare}
第17話 勉強会 ☆ ※日常回
第18話 お引越し ☆ フェブリとの出遭い、暗部組織「スタディ」リーダー・有冨春樹(ありとみ・はるき)
第19話 学園都市研究発表会 ☆ フェブリとの交流、スタディの実験開始(対美琴)
第20話 フェブリ ☆ 続き、婚后光子の美琴支援、フェブリの素性判明
第21話 闇 ☆ 続き、フェブリの姉(ジャーニー)、美琴の仲間たちへの協力要請、スタディの計画進行、フェブリの命の危機、ティレスティーナとの再会
第22話 STUDY ★ ケミカロイド、布束との再会、有富の狙い
第23話 革命未明(Silent Party) ★ 能力者への怨恨(有富)、布束&美琴の協力、ジャーニー起動開始 ※挿入歌「インフィニア」
第24話 Eternal Party ☆ vs.駆動鎧(パワードスーツ)、有富の最終手段(ジャーニー暴走) ※挿入歌「future gazer」「LEVEL5-judgelight-」{/netabare}
--------------------------------------------------------------------
★★★(神回)1、★★(優秀回)2、★(良回)13、☆(並回)8、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

本家と分家の幸福な関係

原作未読


「は?どこどうみてもレールガンなんて読めないっすよ?」
社内プレゼン大会にてどなたかの資料にあった超電磁砲の綴り。この読み方を巡ってつっかかった5年前の私。「夜露死苦」のご親戚かと思ってました。
カラオケで『only my railgun』を歌ってる子いたけど、知らなかったので「年取ったな俺も」と自身の加齢を感じた3年前の私。

それなりに一般認知度のある作品のようです。
前情報は“本家よりスピンオフのほうが高い”。あにこれのランク、その他口コミから興味津々でした。

 {netabare}兄より優れた弟など存在しない?{/netabare}

先だって本家を視聴済みであるため、そっちと比較しながらの観戦でございます。ではさっそく…


★簡易比較★ 禁書目録(インデックス)と超電磁砲(レールガン)

「科学と魔術が交差するとき、物語は始まる――!!」

作品のキャッチコピーです。これで本家『禁書目録』1期で何が起きてたかというと、“科学”話と“魔術”話とが交互に繰り返されてました。これがスピンオフ『超電磁砲』では“科学”話の一本槍。
律儀に作品世界を体現しようとした本家と比べて、焦点を絞ることで視点の分散を防いだスピンオフといえましょう。

もうひとつは主役級の配分。本家は上条当麻(CV阿部敦)とインデックス(CV井口裕香)の二名。スピンオフは御坂美琴(CV佐藤利奈)白井黒子(CV新井里美)初春飾利(CV豊崎愛生)佐天涙子(CV伊藤かな恵)の四名。
二本柱にして濃いめゲストキャラで回した本家は自由度高く、学園都市の住人に加え外国勢力も取り込んで科学と魔術をうまい具合に“交差”させてました。良くいえば物語に奥行きがあり悪くいえば拡散気味、というコインの表と裏。そしてその濃いキャラのうち一人が御坂美琴ってことになります。作品評価とは別に作者の思惑としては成功してたと思われます。
それに対して四名の群像劇にしたスピンオフは相対的にゲストキャラの色は薄めです。固定四名に焦点を絞り、こちらは視点の分散が起こりませんでした。

総じて『超電磁砲』のほうがシンプル。分かりやすさを評価し私の配点も高めにしてます。



ざっくり“選択と集中”うまいこといきましたね、というのが本作『とある科学の超電磁砲』です。

科学=超能力なる世界観。各個人の適性と指向性というべきでしょうか。“パーソナルリアリティ”を獲得して磨いていきましょうという前提があります。超能力も個人毎のオウンスキルで、強度も個人によって違います。御坂は超能力種別が“電気ビリビリ”で、強度は学園No3の“レベル5”。様々な能力と能力強度のかけあわさった人たちが集う本作の物語舞台が“学園都市”でした。
“科学”にまつわるショートストーリーが積み重なり、{netabare}そのショートストーリーひとつひとつが意味をなしてラストに集約されてくさまは爽快でした。{/netabare}全24話。中弛みをそれほど感じない良作でした。



■そして課題曲『only my railgun』です

南條愛乃をボーカルに起用してから初の作品にして代表曲。10年以上経過しても色褪せない神曲扱いです。そして困ったことにflipsideの楽曲はどうにも肌に合うような合わないような煮え切らない感じの私です。この度理由が分かりました。
トランスなんですよね。短いピッチでドラムンベースがズンズンしながらメロディきれいな踊れるmusic。全盛期は2000年代初頭で日本だと浜崎あゆみ筆頭にavexがずんずんremixを出してた頃。ジョルノさんもご多分に漏れず高音です。
で、トランスの名盤何曲かと比べるとそんなにズンズンしてないし、1曲のなかでの起伏にも乏しかったりします。これがマイナス。
とはいえ踊れないかといったらそんなことはない。むしろ好きなジャンルをアニソンに落とし込んでくれてありがとうくらいに思ってます。この点はプラス。

試しに、『only my railgun』の曲想はMajor Leagueの『Wonder Where You Are』あたりくらいかな~。メロディラインは違うけど。
曲単体では普通っぽく私には聴こえるんですけど、やっぱり画と合わさってのアニソンですよね。OP映像とセットだと映えます。
{netabare}さらに12話と最終話での曲のカットインがほぼ完璧でした。
{netabare}佐天さんが「友達に手を出すな」とバット振り回した刹那に流れたアレです。{/netabare}{/netabare}



※ネタバレ所感

■これは中学生たちの話

良く考えたら思春期の子供たちの話でした。心と体のバランスをとるのが難しいお年頃です。
この“体”の部分を“能力”に置き換えるとしっくりきた私でした。横並びかな?という時代を経て持つ者と持たざる者とに別れていく時期。心の成長の早い者とそうでない者。そんな入り乱れ方が絶妙だった気がします。

{netabare}四人組で見てみます。能力保持者か否かで2対2、大人っぽい子供っぽいで2対2というバランス。
言わずもがな能力を持っている者は常磐台中学の二人、御坂美琴と白井黒子です。持ってないのは柵川中学の初春飾利と佐天涙子でレールガンから本格始動した二人です。

大人っぽい子供っぽいというと語弊があるかも。心が安定しているのと背伸びしているという区分けがしっくりくるかもしれません。前者が黒子と初春です。意図的か天然かの違いはあれどブレの少ない安定コンビ。銀行強盗に巻き込まれた同志でもあります。
一方で後者は残りの美琴と佐天ですね。本音と表に出てくる行動が違う二人というとしっくりきます。子供っぽいグッズを好きだとなかなか言えない美琴なんて最たる例です。伸びしろがあるといっても良いでしょう。なおこの組み分けだと以下3点、

・ジャッジメント⇔非ジャッジメント
・低身長⇔高身長
・フェチ有⇔フェチ無

それでもコンビ変更はございません。
心と体(能力)のアンバランスが思春期の真骨頂ならば、うまいこと縦横2つずつ。計4つのマトリクス図が出来上がるくらいのバランスのとれた四人組に見えます。

本作の成功要因を一つ挙げるとしたらこの思春期のアンバランスさをキャラ配置のバランスの良さで実現にこぎつけたことかなと思ってます。
具体的には立ち止まって考えて成長の伸び代の高さを美琴と佐天に見出すことができました。

{netabare}「一緒に苦労したいんです」(第23話佐天→美琴){/netabare}{/netabare}



■心に残った 其の壱

背景小萌先生 禁書目録に続き笑わせていただきました

{netabare}一升瓶片手にレバテキ頼んでる違和感。テビチとバインセオと筍のお刺身が出てくる謎の屋台で軽く5.6升とか意味不明です。{/netabare}



■心に残った 其の弐

背景木山春生先生 なんで変な先生しかいないんでしょうか

 {netabare}「それでも足掻き続けると誓ったんだ私は.......」
 「教師が生徒を諦めるなんて出来ないっ!!!」 {/netabare}

{netabare}すぐ脱ぐし変な先生と思ってスミマセン。目の下のクマは全てを投げ打って研究に没頭してきた証ですね。本作のMVPだと思います。{/netabare}



視聴時期:2020年5月

-----


2020.05.24 初稿
2020.12.12 修正
2021.07.25 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 68

85.6 10 陰謀アニメランキング10位
進撃の巨人 Season3(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (783)
3944人が棚に入れました
百年の長きに渡り人類と外の世界を隔ててきた壁。その壁の向こうには見たことのない世界が広がっているという。炎の水、氷の大地、砂の雪原……。本の中に書かれた言葉は、少年の探究心をかき立てるものばかりだった。やがて時が過ぎ、壁が巨人によって壊された現在、人類は一歩ずつ世界の真実へと近づこうとしている。巨人の正体は何なのか? 何故、壁の中に巨人が埋まっていたのか? 巨人化したエレン・イェーガーが持つ「座標」の力とは? そして、ヒストリア・レイスはこの世界の何を知るのか? エレンら104期兵を加え、新たな体制となったリヴァイ班。行動を開始した彼らの前に、最強最悪の敵が立ち塞がる。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、藤田咲、細谷佳正、橋詰知久、谷山紀章、嶋村侑、津田健次郎、朴璐美、小野大輔、神谷浩史、子安武人
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

安定の内ゲバ

ここの話からは原作を一切読んでいないので、わくわくしながら見た。

話の流れ的にそうだと思ったが、内ゲバ続き。内部が腐ってたらしょうがない。
今回もいっぱい人死ぬの辛い。

ただ、リヴァイの活躍が多めで嬉しい。{netabare}巨人じゃなくて人間相手だが。{/netabare}

ヒストリアが大活躍。{netabare}居座っていた王家は偽者でヒストリアこそが真の王位継承できる。ダイダラボッチなお父さんにとどめを刺したわけだし。{/netabare}
巨人の秘密も段々明かされていく。
{netabare}エレンの父が元々の王家の血を根絶やしにして、人類を救うために巨人になる因子を奪ってエレンに与えた。{/netabare}

アッカーマンにまつわる話も。
{netabare}リヴァイもそうやったんか。ケニーは叔父さんだと!{/netabare}

{netabare}ギャグみたいな最初のほうの訓練も伏線あったとは。教官はエレンの両親と知り合いで調査兵団になってほしくないから、しれっと装置をいじっていたのだな。{/netabare}

貴重な肉ではしゃぐ回は息抜きのギャグ回で良かった。
{netabare}意識を失っても動き続けるサシャと誰も喧嘩を止めてくれないせいで辞め時を失い、しょぼいパンチを繰り出し続けるジャンとエレン。{/netabare}


OP
Red Swan YOSHIKI feat. HYDE
ED
暁の鎮魂歌 Linked Horizon
YOSHIKIとHYDEって豪華すぎる。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
百年の長きに渡り人類と外の世界を隔ててきた壁。その壁の向こうには見たことのない世界が広がっているという。炎の水、氷の大地、砂の雪原……。本の中に書かれた言葉は、少年の探究心をかき立てるものばかりだった。やがて時が過ぎ、壁が巨人によって壊された現在、人類は一歩ずつ世界の真実へと近づこうとしている。巨人の正体は何なのか?何故、壁の中に巨人が埋まっていたのか?巨人化したエレン・イェーガーが持つ「座標」の力とは?そして、ヒストリア・レイスはこの世界の何を知るのか?エレンら104期兵を加え、新たな体制となったリヴァイ班。行動を開始した彼らの前に、最強最悪の敵が立ち塞がる。


1. 狼煙
エレンたち104期生は新たにリヴァイ班へと編入されることになった。ウォール・マリアに開けられた穴を塞ぐという当初の目標を達成するため、巨人化したエレンの体を自在に硬質化する方法を探る実験を進めるハンジだったが、そこへニック司祭が何者かに殺されたという知らせが入る。ニックの殺害が憲兵団の手によるものと断定したハンジの報告を受けたリヴァイのもとに届く、エルヴィンからの手紙。そこに書かれていた内容とは……?

2. 痛み
エレンとヒストリアを乗せた馬車が襲撃され、そのまま二人が攫われてしまった。追おうとするリヴァイの前に立ち塞がる謎の男。その顔を見て、リヴァイは「ケニー」と叫ぶ。どうやらリヴァイにとって、過去に因縁のある相手らしい。二人の戦いは、まさに相手の命を奪おうとするものだった。巨人対人類ではなく、人類同士が立体機動装置を用いて行う死闘。その信じられない光景を目撃したジャンたちもまた、戦闘に巻き込まれていく。

3. 昔話
攫われたヒストリアが目を覚ますと、そこには彼女の父親を名乗るロッド・レイスという中年の男がいた。ロッドはヒストリアを抱きしめながら、レイス家にまつわる重大な秘密を打ち明ける。一方、ハンジも捕らえた憲兵の口を割らせて、レイス家の秘密を掴んでいた。今後の方針を決定するため、エルヴィンにレイス家の情報を伝えようとするハンジ。その頃、エルヴィンはピクシスと面会し、人類の歴史を動かす決意を表明するのだった。

4. 信頼
憲兵団の策により、民間人を殺害した罪を着せられてしまった調査兵団。彼らが潜伏する森の中に、見回りをしていた男女二人の憲兵、マルロとヒッチが足を踏み入れる。水汲みをしているアルミンを発見するも、逆にリヴァイたちによって拘束された二人。だが、憲兵団のやり方に疑問を感じるマルロは調査兵団への協力を申し出る。リヴァイは二人の身柄をジャンに預けるが、ジャンは彼らのことを信用しておらず、ナイフを向けてしまう。

5. 回答
ついに調査兵団の命運が尽きようとしていた。中央憲兵に追い詰められ、エルヴィンの処刑が執行されようとしていたのだ。王の間にて、最後の裁判を受けるエルヴィン。調査兵団を失うということは、人類の矛を失うことを意味する。――エルヴィンの主張に誰も耳を貸そうとせず、処刑台へと連行されそうになった矢先に、超大型巨人と鎧の巨人がウォール・ローゼを突破したとの情報が入る。はたして、人類の未来を託すべきは誰なのか!?

6. 罪
どれほどの時間が経ったのか。礼拝堂の地下で目を覚ましたエレンの体は鎖で拘束され、目の前にはすべての記憶を取り戻したというヒストリアが、ロッドと並び立っていた。ロッドとヒストリアの手が背中に触れたことで、エレンの脳内に浮かび上がってくる忌まわしき記憶。それは、5年前のある夜にレイス家を襲ったという悲劇の真相だった。あの夜、ロッドから家族を奪ったのはエレンの父、グリシャ・イェーガーだというのだが……。

7. 願い
ロッドが語るレイス家の真実。何代にもわたって受け継がれてきた巨人の力は今、エレンの中にあるという。ヒストリアは叫ぶ、その力を手に入れ世界の歴史を継承し、この世から巨人を駆逐することこそが自分の使命だと。一方、真実を知ったエレンは償いきれない罪を犯してしまったと涙を流し、人類の命運をヒストリアに託す覚悟を決める。そんなエレンの想いを受けたヒストリアは、ロッドのもくろみ通り巨人化してしまうのか?

8. オルブド区外壁
ヒストリアはロッドに逆らい、エレンを連れて礼拝堂から脱出しようとする。すると、床にこぼれた薬品を体内に取り入れたロッドが巨人化してしまった。その衝撃で飛ばされるヒストリアと拘束されたままだったエレンを、駆けつけた調査兵団の仲間たちが救う。そうしている間にもロッド巨人の体は形成されていき、その大きさは超大型巨人をも超えるものとなった。仲間が危機に直面したとき、エレンは再び自分を信じることを選択する。

9. 壁の王
エレンは仲間を守ることができたが、同時にロッド巨人も地上に出てきてしまった。高熱を発し、周囲の木々を焼きながら、ロッド巨人はゆっくりと歩みを進める。その先にはオルブド区があるが、エルヴィンはあえて避難指示を出さずに巨人を迎え撃つ作戦を立てる。被害がウォール・シーナの中心部にまで及ぶことを防ぐためにオルブド区の住民をおとりにしつつ、ひとりも死傷者を出さないという困難な戦いに、調査兵団が立ち向かう。

10. 友人
ロッド巨人は倒され、自らとどめを刺したヒストリアは住民や兵士たちの前で自分が真の王であることを宣言する。その頃、礼拝堂の崩落現場から脱出したケニーは大量の血を流し、息も絶え絶えになりながら横たわっていた。ケニーの脳裏に浮かんでは消える自らの壮絶な生涯-。ふと気がつくと、目の前にはリヴァイが立っていた。ケニーは生きるための最後のあがきをするかのように、巨人化する薬品の入った注射器を取り出すのだった…

11. 傍観者
ヒストリアの戴冠から2か月。牧場で孤児たちの面倒を見るヒストリアは、人々から親しみを込めて「牛飼いの女神様」と呼ばれていた。調査兵団ではエレンが得た硬質化の能力に関する実験が行われ、対巨人兵器の開発に成功する。度重なる実験は体に大きな負担を強いるものだったが、エレンは、巨人を一掃できるなら自分の身が削られることなどいとわない覚悟を見せる。そして、ある人物のことを思い出すのだった。

12. 奪還作戦の夜
調査兵団の悲願であるウォール・マリア奪還作戦は、2日後に決行されることとなった。リヴァイは手負いのエルヴィンに対し出陣を控えるよう進言するが、エルヴィンは固辞。「この世の真実が明らかになる瞬間に立ち会わなければならない」と語るエルヴィンの強い意志に、リヴァイも納得してその場を去るのだった。その夜、兵舎で盛大な宴会が催され、英気を養う兵士たち。エレンたちはここまでの戦いを振り返り、決意を新たにする。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「その行いが報われる日まで、進み続けるんだ。これは、お前が始めた物語だろう。」

進撃の巨人・3期。

1期(25話)と2期(12話)または、
総集編劇場版映画3作を見てから視聴してください。

2020年秋には4期も放送予定!

今回はなかなかアツい展開続きだったので、
4期が決定しているのは嬉しいです♪

3期は分割2クールで、全22話です。
まとめてレビューします。


● ストーリー
人を食べる巨人から身を守るため、
三重の壁に囲まれた国の中で暮らす人類。

エレン・イェーガー(♂)は、
壁の外へ遠征して調査を行う調査兵団の一員であり、
巨人化の力を持つ少年。

特別な力を持つ存在として、
正体不明の敵から狙われていた。

エレンの父が世界の秘密を隠したという地下室を目指して、
調査兵団はエレンの昔の家を目指す。


これまでは巨人vs人類という構図だったのが、
3期では人vs人とという場面が多くなっていました。

謎だらけのこの世界で、
いろんな立場の人間の思惑や秘密がぶつかり合っていく。

そして徐々に明らかになる世界の謎。

2期までは謎まみれだったのですが、
3期の終わりには大部分の謎が明らかになります。

この世界はなぜ3重の壁に囲まれているのか、
巨人とは一体どこから来るのか、
エレンを狙う敵の目的とは、
エレン達が持つ巨人化の力とは、

などなど、1期や2期での謎はほとんど明かされます。

その分、新たな謎がまたどーんと置かれてしまったのですが。笑
(これは4期へ持ち越し。)

特に3期後半、エレンの家の地下室を目指す戦いは、
かなり絶望的な状況の中で抗う調査兵団の姿がかっこよくて…。

命をかけて、最後の最後まで己の信じるものだけは貫こうとする姿に、
毎回目が離せませんでした。一気に最終話まで駆け抜けたくなりました。


≪ 失う辛さと自分にできること ≫

巨人がうろつく壁外で調査を行う調査兵団には常に危険がつきまとい、
いつ命を落としてもおかしくない。

今回も恐ろしい数の調査兵団員が命を失います。
誰もが、大切な仲間を失っていく。

辛いなあ。辛いよ。
大切な仲間を失う辛さをこの人たちはどれだけ経験してきたのか。

気が付けば、みんな死んでしまった。
気が付けば、自分だけが生き残っていた。

残された自分にできることは、ただ意思を引き継ぎ、進むことのみ。
だから立ち止まることは許されない。

この世界にいると、ゆっくり悲しみに浸る暇なんてなくて、
誰かを失った辛さも悲しみも、激動の世界に押し流されてしまう。

それでも、己の道を信じて進む。
この先に、彼らが夢見た未来があると信じて。
そんな未来は本当に存在するのか?と挫けそうになる心と共に。


≪ 人と世界 ≫

初めは、壁の外の自由を手に入れたいという願いからだった。
人にとっての脅威は巨人だった。

だけど、気が付けば真の脅威は同じ人間であり、世界であった。
私達と同じだった。

結局のところ、世界のすべての人が平和に過ごすことなんて、
不可能なのだろうか。

平和に、自由に暮らしたい。
たったそれだけの願いを、私達はずっと叶えられずにいる。

誰かより幸せになりたい、誰かより豊かでありたい。
そんな願いを持ってしまった時点で、人間は世界に敗れたのだろうか。

エレン達も同じ道にたどり着いた。
そして繰り返そうとしている。

平和で自由な世界を手に入れる。
そのためなら、自分の周りの世界以外はどうなってもいい。
むしろ、これまでされてきたことへの恨みを晴らしてやる。

エレンたちがこの先どのような道を選ぶのかはわからないけれど、
彼らなら別の道を見せてくれるのではという期待もある。

いつか世界のすべてが平和になる日まで。
自分には何ができるのか。

何かできるとしても、行動に起こすことができるのか。
自分には自信がないなあ。

そう考えると、
次々と行動を起こすエレン達は本当にすごいなと思います。


● キャラクター
世界を変えるために立ち向かうキャラクターたちは、
みんな強くてかっこいいです。

望んだものを得るための戦い、
その中で生きることを選んだ人たちばかり。

誰が一番好きかと問われると悩みますが、
やっぱりリヴァイ兵長かなあ。

今回の無双っぷりも半端なかったです。


● 作画
今回も高いクオリティ!

演出もかっこよくて、
特に立体機動装置でびゅんびゅんする時のカメラワークが動く動く。

BGMのかっこよさと合わさって、
毎回いい演出を見せてもらいました。

かっこよかったです!


● 音楽
【 前半OP「Red Swan」/ YOSHIKI feat. HYDE 】
【 後半OP「憧憬と屍の道」/ Linked Horizon 】

前半OPは1期や2期とは違う雰囲気でした。

でもOP映像の美しさと合わさって、
こちらもいい感じ♪

リンホラOPはやはり初代のインパクトが強すぎるから、
ここで雰囲気変えるのもよかったと思います。

後半OPはリンホラOPに戻ったので、
なんだか懐かしさもありましたw

今までのOPの要素を織り交ぜつつの曲で、
もはや自分には1期~3期のOPの違いを聞き分ける自信がありませんが(笑)、

実際に聴き比べてみるとちゃんと違っていて、
むしろこの3期のOPは今まで以上にかっこよく感じました。

アニメーションもスピード感ありまくりで、超かっこいい!


【 前半ED「暁の鎮魂歌」/ Linked Horizon 】
【 後半ED「Name of Love」/ cinema staff 】

今までOPを担当してきたリンホラが一度ED担当になったのは、
曲の雰囲気も変わってよかったと思います♪

いつもの激しいOPに対して、今回のEDはおとなしいけれど、
雰囲気は抜群でした。

でもそれ以上によかったのが、後半ED。

こちらもしっとりとした曲だけど、
彼らの境遇とぴったりすぎてぐっとくる…。

いつか今の苦しみや悲しさが、
すべて報われる日が来ますように。


● まとめ
作画や演出は見事だし、
ストーリーもわかりやすかったです。

かなり大きく話が進みました。

原作も読んでいるのですが、
そちらは飽きてきていて…^^:

だけど、アニメでまたおもしろいと思えました!
2020年秋からの続編が楽しみです^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

リヴァイよ、今夜もありがとう

2018.10.17記


原作既読。


初見時TV版1期2期を観てません。3期放送に先立ち下記劇場版のTV放送をおさえた上で参戦しました。

・劇場版 前編〜紅蓮の弓矢〜 / 後編〜自由の翼〜
・劇場版 Season2〜覚醒の咆哮〜


そうですね。いつしか観ようTV版!(※注:その後視聴済)


そしてTV版のおさらい~wikiより~

・第1期:全25話 + OAD5話
・第2期:全12話

第3期は分割2クールのようでいったん1クールめ12話分のレビューとなります(2018年10月時点)。物語の表現上は“第38話~49話”の扱いとのこと。
放送局は天下のN○Kに移り、ほぼ全国同時放送となりました。人気作の続編として期待と不安入り混じる下馬評だったかと思います。


ぱっと見

 “内戦(仮)”


2期までに綴られたであろう巨人VS人類の構図が変わり、壁内の人間同士の争いに焦点を絞り物語が展開します。そしてこれまでの謎が次々と明かされていくことになり目が離せないです。
ニック司祭殺害に端を発し、{netabare}ウォール・マリア奪還作戦手前までと{/netabare}区切りのいいとこまでやって1クール終了です。
原作通りでもあるし、人間VS人間の萌芽は2期までに描かれていた(たぶん)ため驚きの展開というわけではなかったと思います。

冒頭述べたようにTV版未視聴なので、前期・前々期との比較はできませんが、市外戦闘の作画は凄まじかったと思います。
草原など奥行きのある背景でデカブツを相手にするよりも目まぐるしく絵が変わる市外戦は作品通じての見どころになりますね。

それと、全話通してリヴァイ兵長が出演します。録画した回を観る度に兵長の雄姿を拝めるのは眼福でした。さらにはリヴァイの生い立ち含めた過去話に踏み込むのでファン必須でしょう。


バトルもありながら政治重視の様相を呈する展開には、これまでと趣きが変わる分戸惑うかもしれませんが、原作がそうなのでほんとに好き好きということになるかと思います。
これまでOPを担当していたLinked HorizonからYOSHIKI&HYDE組にバトンタッチして、そこにN○K色を感じなくもない今日この頃ですが、結局のところOP画像のミカサの笑顔はいったいいつ拝めるのだろうと願いつつ、人間同士の抗争(正確には権力闘争)に突っ込んでいく3期前半パートとなりました。

{netabare}49話でミカサが「これが終わったらあの頃のように…」的なことをつぶやきます。ほんとそうですね。{/netabare}


2019年4月再開予定の放映も視聴予定のため、そちら含めて完走したらあらためてレビューも纏めたいと思います。いったん「観終わった」にしときます。



【閑話休題】藤井聡教授の見立て
今から7~8年前くらいだったでしょうか。氏のインタビュー映像かなんかで、氏の息子の薦めで漫画版を読んだ時の印象について言及があり、それがなかなか面白かったので紹介しておきます。
ちなみに私が原作を手に取ったのはこの藤井教授に触発されたのがきっかけ。。
※アニメ関係ないので畳みます

{netabare}曰く、この壁の中の人類ってまんま今の日本人のこと指してんじゃん、と。

『壁の中なら安全』壁は未来永劫自分たちを守ってくれると固く信じている
『壁の外は知りません』外界の動向をきちんとウォッチすることを放棄
『上記2つを破るものは制裁』現状維持しようしようと躍起になる勢力がある

こんな主旨だったかと思います。
上記3点はすなわち“欺瞞”ということで、いったん壁破られたらどうなん?を描いたのがアニメ1期ということになります。いましたね、昼から飲んだくれてる憲兵団が。そして既得権力として上記3つを堅持しようとする王政府(偽)が。そして壁破られて右往左往する人類が。

劇中では、外の世界に興味津々のアルミンと触発されたエレン。ならびに外を知らずして人類に未来無し!の調査兵団、という組み合わせでした。
外の世界を知り、その上でしっかりと準備し、外敵が来たら駆逐する、といった当たり前のことを作品を通じて訴えており、そこが琴線に触れたんじゃないか、との氏の見立てです。

だからヒットしたかどうかというのは違うと思いますがね。{/netabare}

{netabare}で、今回は内戦(仮)です。巨人には元々人類だったやつもいるよ、からの3期の展開です。
物語として、巨人VS人類から人間VS人間にシフトして戸惑う部分も多いかもしれない本作ですが、一般論として、外敵と対峙する際に内なる敵を抱えたままだとほぼ勝利を収めることは難しいのが世の常。
そんな事情があったかどうかは露ぞ知らぬところではあるものの、壁の中での争いに物語がシフトしたのはある意味当然なのかもしれません。{/netabare}



視聴時期:2018年7月~9月 地上波リアタイ

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2019.04.09追記

その後、TV版1期2期を視聴済。劇場版のみでもすんなり入れたのは事実なのですが、もう一度3期前半をおさらいしてみると、ライナーのくだりとかTV版を抑えておいたほうが良いように思えました。少しばかり後悔してます。

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2020.01.31
《配点を修正》+0.1



2018.10.17 初稿
2019.04.09 追記
2020.01.31 配点修正
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 64

68.6 11 陰謀アニメランキング11位
BEATLESS(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (352)
1482人が棚に入れました
22世紀初頭、社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。21世紀中ごろに超高度AIと呼ばれる汎用人工知能が完成し、人類知能を凌駕、人類は自らより遥かに高度な知性を持つ道具とともに生きていた。100年あまりで急激に進行した少子高齢化により労働力は大幅に減少したが、その穴をhIEが埋めることで社会は高度に自動化され、生活は21世紀初頭よりも豊かになっていた。 そんな中、hIEの行動管理クラウドのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の研究所から5体のレイシア級hIEが逃亡する。「モノ」が「ヒト」を超える知性を得たとき、「ヒト」が「モノ」を使うのか、「モノ」が「ヒト」を使うのか。「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガールが今始まる。

声優・キャラクター
吉永拓斗、東山奈央、冨岡美沙子、五十嵐裕美、下地紫野、雨宮天
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界一賢い女がバグだらけな存在に未来を託した

2018.10.19記


全24話(クール20話+FINAL STAGE4話)完走を受けて再投稿
※あらすじ・用語などは公式やwiki等でよろしゅう


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ


第1話、レイシアとアラトの初遭遇時、暴走するアンドロイドの襲撃を前に、危ないから逃げようとするアラトにレイシアは問う。

「なぜ、逃げなければならないのですか?」「恐いのですか?」「その恐れは乗り越えなくていいのですか?」「今戦わずに、いつ戦うのですか?」

逃げないことを決めたアラトだがじゃあどうすればいいかわからない。警察に頼ろうとするも、警察ではこの状況には対応できないと分析するレイシア。途方に暮れるアラトにさらにレイシアがこう告げる。

「アラトは私を信じますか?」「私を、信じますか?」


全話完走してからあらためて振り返ると、こんな場面も静かな感動を呼ぶ。そんな作品。

{netabare}・スノウドロップは排除しなければならない相手であることをこの時点でレイシアは見通している。
・対人接触経験のないレイシアが初見では無機質な対応に終始している。
・「信じる」は作品キーワード。アラトは信じることで世界を変えたのだよ。{/netabare}



と偉そうなことを言いつつ、まずは作品の内容以外のことでだいぶお騒がせしておりました。
アニメ制作が追いつかず、監督がぶっ倒れる。intermissionという名の総集編がけっこうな頻度で挿入される。芸人呼んでのお茶濁し回もあり。結局、予定していた2クール内で収まり切れず、残り4話をFINAL STAGEと冠してやっと完結しました。
この時点でリアタイ組の多く(?)が脱落したんじゃないかと思います。なんとか完結するにはしたので、後追い組にとってはこのことは関係なく、視聴のハードルにはならないですね。


次に内容について、
「あ、今きっと大事そうなこと言ってるんだよね」と思いつつ、理解が追いついていかない。けっこう難解です。それぞれ小難しいこと言うのですが、エリカとレイシアはその中でも2トップだろうと思います。
さらに前半の引きこみが弱いです。
例えば第2話。いきなりのファッションモデル回。唐突感が否めません。
× そういう路線?そんな媚びてもらわんでもいいのに。100年後も恵比寿にatreあるん?キャラも弱いな。主人公と妹がアホにしか見えん。
○ ま、いんじゃね?レイシアかわいいし(*^^*)
そして第3話。レイシア誘拐されるの巻。モデル回を受けてのストーカーの犯行という結果に…
× しょうもないイベントぶち込むなあ。国とか大企業ではなく個人の犯行かいな…はぁ。そしてやっぱり主人公と妹がアホにしか見えん(笑)
○ ま、よくわからんけどいっか… レイシアかわいいし(*^^*)
そんなこんなで第五話終わったら、いきなり総集編ですからね。

{netabare}とはいえ無駄回ではなく、いずれも情報戦特化型のレイシアが高性能hIEから超高度AIへと進化するための学習段階の過程の描写だったりします。前者は対人誘導(アナログハック)を、後者はケンゴからアクセスさせることで抗体ネットワークへのシステム侵入を、という感じ。
それを初期段階でそうなるように誘導していることが後々わかってきます。さらに第5話大井町のケンゴ救出回も布石が打たれていてレイシアのシナリオ通りだったりもするのです。第3話でケンゴが抗体ネットワークのネットワークを不正利用した弱みを組織に利用されミコト襲撃戦への参加を強要される。そうなるとケンゴ妹がアラトにヘルプを出してくることを見越して易々とケンゴ部屋からネットワーク侵入が可能になる、といった具合でしょうか。その上に大井町ではアラトパパが開発した行政執行hIEミコトの実験中です。こちらのデータ収奪も可能になります。{/netabare}

{netabare}なぜそんなことするのか?

レイシアが超高度AIに進化するために最新の情報を常にインプットし続けなければならないからです。正確にはクラウド型のため各ネットワークに繋がるようにしておかなければならないからです。
もともとレイシアは超高度AIヒギンズが作った人類未到産物(レッドボックス)でした。すなわち人間の知能では作成不可能なもの。さらに5体ある脱走hIEのうちレイシアだけ超高度AIに進化するよう設計されたものです。本来超高度AIの製作は禁止されており、かつその超高度AIもスタンドアローンでの運用が協定で取り決められてます。当然自立歩行型で外界と接する超高度AIは御法度、その網をくぐるため超高度AI一歩手前の段階で製作の承認をとりました。{/netabare}

{netabare}そしてなぜヒギンズがそのようなめんどくさい手順を踏んでレイシアを輩出したのか?が判明する終盤の展開はむちゃくちゃ面白いのであります。{/netabare}


前半が退屈な良作はこれまでもあるものの、“けっこう意味不明”の烙印を押されがちな演出になったのは製作陣の力不足だと思います。
たしかに難解な部分はあるかもですが、全話通せばそこそこついていけるくらいの難解さです。補足するのなら原作者長谷敏司の実況ツイートなんかは理解の助けになりました。

『自分はめっちゃ面白かったけど、注目されてないしあまりにも周りの反応が冷たいので、こそこそと愛でる作品』

お前の良さは俺がわかってるぞ!と売り出し中アイドルの追っかけをする心境に近いかもしれませんね。やったことないけど。。。
もともと本作のテーマ「boy meets girl」ということで、障害があればあるほど恋っていうやつは的な観点でいうと、「だって人じゃないしハードル高すぎじゃね?」というのがそそられたというのが一点。
次にSFの王道「人類より高度な知能をもつAIの行きつく先」ということでも納得できる内容で、希望の見える終わり方も好印象だったというのが二点目。
上記二点の魅力が柱で、バトル中心のFINAL STAGEにもなると、これまた高度な電子戦が繰り広げられ、いろいろな伏線を回収しながらの盛り上がる展開を見せたというのも好きな理由になるかと思います。

リアタイではブツ切れでストーリーを追うのに難儀しましたが、少し時間を経過した今なら、“後半失速するタイプの作品ではない”という意味でお薦めの作品になります。

とりあえず以下の3点を押さえとくと置いてけぼりにならないはずですよ。おそらくですが・・・



■ちなみにどこまで我慢(笑)すればいいのか?
物語の流れを軽く追うと、転機となるのは1クール終了間際の第11話。
第1話~第10話。レイシア級hIEが各々の行動原理に則した行動を取っていることの説明部分。レイシアの場合、アラトへの継続的なアナログハックと情報収集活動を描いている。
第11話。{netabare}レイシアがオーナー認証装置を引きちぎる。アナログハック完了ともみれるし、単にエモい場面ともみれる。最終話でレイシアがアラト一本に決めたのはあの時だと振り返る場面がある。{/netabare}
第13話。{netabare}「未来をデザインする」結果は最終話で提示されることになる。ここでは描いてるエリカと描くのかどうなのかふわっとしてるアラト。そしてレイシアには描いた未来を引きつける力がある。と問題提起したところ。{/netabare}
第14話。OPEDが変わる。物語も節目を迎える。{netabare}紅霞戦死。AIとどう付き合うか?を考えろと問題を人間側に突き付けた重要回。{/netabare}
以降、レイシアのミッションが徐々に分かってきて、「おー怖っ!」と感じる要素が増えてきます。そこでのアラトの葛藤など、「ちょろい。いらつく」と思ってた彼が、という後半の展開はなかなか見ものですね。


■そもそも押さえておきたい背景みたいなのは何か?

「高度に発達しすぎたAIを人間が持て余している」

です。きっかけは本編の半世紀前、超高度AI《ありあけ》の事故。人類を凌駕する知能を持つAIへの警戒を決定した事案です。警戒してても世界的な合意形成や決定事項などは曖昧なままで、とりあえず超高度AIは外部と遮断しとけばOK!みたいな状況で飽和点を迎えそうだよ、という局面から物語がスタートします。
警戒する人間の代表例として登場するのがアラトの二人のお友達。海内遼は“AIはモノ。決定・判断の権能を人間の手からAIに渡してはいけない”という立場。村主ケンゴは“AIはいらない。人間だけでもなんとかやっていけるはずだ”という立場。だからこそ、“AIへの警戒心がない”アラトが際立ってくるという仕掛けです。
持て余している人達として描かれているのはお偉方さんたち。不信・警戒の行きつく先は破局。{netabare}20年内に人間の手によって破壊されるとのシミュレーション結果を出した{/netabare}ヒギンズは地下施設で固定されているため、移動式のバックアップが必要と判断してレイシアを作成しました。


■レイシア級5体のhIEに与えられた役割をすごい考えとく

 紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
 スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
 マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
 メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
 レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具

なんやら哲学的ですが、だからこいつはこう動いたんだ、がわかります。前半の主役紅霞さん。要所で出てくるスノウドロップさん。どうしてエリカバロウズに囲われてるのか?のマリアージュさん。登場頻度多めでよく引っ掻き回してくれるメトーデさん。そして謎多き主役レイシアさん。



というわけで以上3点よろしくお願いします。



OPED 実は全部好きですね。曲もですが流れる映像が物語に沿っていて良いです。1クールめのOPは特にかっこよくて好き。



■■重度ネタバレ■■

{netabare}私(レイシア)は「人間を信じて仕事を託す道具」となりました。( ;∀;){/netabare}

{netabare}最後、超高度AIとしてではなく一介のhIEとしてアラトの元に戻ってきたレイシアが一筋の涙を流す。アラトには目に見えてるレイシアがレイシアなんだよね。(T_T){/netabare}


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ





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20話終了時点での初稿
2018.07.07記

{netabare}
原作未読

なんだかんだ次週が待ち遠しい、次の展開が気になる作品でした。
途中途中intermission(総集編)が挟まれる度に心が折れそうになり、忍耐力がついたと思います。
現場しんどそうでしたね。水島監督は病んでるっぽい感じでしたし、途中からスタッフ頑張れと念を送りながらの視聴だったので、観てるほうも健全ではなかったと思います。
今度残り4話をやるみたいなので楽しみに待つことにします。


今からおよそ100年後、進化によりAIが人間の能力を超えて久しくなっている時代、人間とコンピュータとの関係を描いてます。関係という意味で物語の軸としてるのは「boy meets girl」高校生アラトとhIE(人型アンドロイド)レイシアとのたぶん恋です。それも人間側からの。。。
そこに親コンピュータ派/反コンピュータ派の人間たちの反目その他の要素がからんできます。

SFの設定は初心者/玄人双方を取り込める絶妙なバランスだったかと。
AIの進化と比べて他のテクノロジーの進歩があまりみられてない描写すら、人より遥かに高度な知性を持ったアンドロイドを道具とする社会に焦点を絞る意図があったと思えばわかりやすい。
キーワード《hIE》《レイシア級hIE》《アナログハック》《超高度AI》《ヒギンズ》《ミームフレーム社》《抗体ネットワーク》このへんをおさえれば充分に理解は進むと思います。

5話で、レイシア級hIEそれぞれが持つ役割の提示があり、以後その行動原理に従って行動していく各個体(見た目は女の子)の話になる頃からシリアスモードに突入して面白くなってきます。同時に難しくなってきます。
○○の道具ってのが謎かけみたいで良かったですね。
{netabare}
紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具
{/netabare}
まあその翌週は第一回総集編だったんですが。。。


声優さん知らない人が多かったのですが、おおむねしっくりきてました。ダントツで下手な方がお一人いましたね。それでも20話観たら少し持ち直してたようで、努力の跡を感じました。作中で演者さんの成長が見えるってなかなかないので貴重な経験したとも思いますし、彼女には今後頑張ってほしいです。

OPEDは1クールは最高、2クール目も良曲。
最終話あたりで1クールの曲をいいタイミングで流す展開を期待しときます。


さあ残った話数どう落としどころをつけてくるのでしょうか?
結末を見てから再レビューしたいと思います。{/netabare}


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2019.04.21追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/06/01
♥ : 69
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

もうやだ

1話感想{netabare}
ひと言で“魂”って言うと「作り手の入れ込み」も含まれるので「そりゃあるだろ」と思ってしまうし、そういうことを言いたいんじゃないってのも分かるので…そうさなぁ、せめて“自我”と表現して欲しかった。
扱いとしては車が近いと思うのだけど、思い入れを抱く人は普通に居るんじゃない?

それよりも…主人公グループの男子3人にそれぞれ妹が居て…。
ひょっとしてこの世界って生む子供の性別が定められてたりする?
第一子は男で次は女で、みたいな(一姫二太郎のが良い気がするが)。
セックスは専らロボット相手で、子作りは人工子宮とか?
まだ全然分からないけどそこら辺の世界観描写に期待。
プラメモみたいな作り手に余りにも都合の良すぎる設定は勘弁。{/netabare}

3話までの感想{netabare}
2話、あれ?あれれ?
まーた自分語りで恐縮なのですが…2017年にAICがメガゾーン23の新作を作るとかでCFを募ってました。
自分がその存在に気付いた時にはもう募集終わってたんだけど、そこで紹介されてるイメージボードや設定を見てあれこれと想像を膨らませてました。
なのだけど…あっるぇ?ビートレスがなんかそれで想像したのと似通った展開が…(SINじゃなくXIの方、イヴが有機ボディ持ちだそうで、アナログハックのシーンとか非常にやりそうな予感が)。
レッドボックス自体がイヴ+ガーランドみたいなモンだろうし、もしこれで「実はこの世界は巨大な宇宙船の中でしたー」なんてオチが来たら卒倒するかも知れん。

そして3話、な~んかHIEが人間に対し誘導尋問や催眠商法を仕掛けてるように見えてしまうのはワザとかな?
といいつつ自分が誘導尋問って何さ?ってのよく分かってないんだけどね…選択肢を限定し、あたかもそれ以外の選択肢は無いかのように嘯(うそぶ)き、どっちがマシかで尋問者に都合のいい回答を迫る手口ってのは誘導尋問ちゃうかなぁ。
アナログハック自体が催眠商法だし、催眠商法は認可されてる世界ってことかな。
だとしたら主人公は例外として、あの世界の人間がHIEに冷たいのはある意味当然、信用ならんからね、心に壁作っちゃうね。
人間が人工知能に操作されてるっていうか、そういう勧誘に惑わされない精神が人間に求められてるとか、そういう話?
主人公は今後そういった展開になるのかね?「レイシアがボクを意識誘導してくる」とか言って溝が出来るとか。
「私コイツ殺したいんでマスター許可出して。責任はそっち持ちで」って振舞いはどう見ても、ねぇ…。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
まず総集編(5,5話)の感想。
この世界の治安レベルが分からない、総集編でそこら辺の説明してるれるのかなー?と期待したけどそれも無し。
銃ひとつとっても、「現代のリアル日本人(視聴者)が国内で手に入れるよりもよっぽど困難な管理の行き届いた世界」に見えるんだけど、そこでポンと銃手に入れてテロ組織って…うーん?
赤いのが手配した※、と考えようとしても「無いものは用意できない」ちゃうかなー、と。
(※その場合、テログループに銃器が渡ったのは最近ってことになるので違うか)
まずどこで作ってる?どこか戦争してるってこと?軍の払い下げであろうともその行方は追跡されるんちゃう?
演習終了後、薬莢と弾丸の数が合わなかったら大騒ぎになる世界じゃないのか?
作中描かれる背景が余りにも“隅々まで管理の行き届いた世界”しか映さないものだからどうにも違和感。
単純にスラム街とか地下に治安の悪い世界が広がってるとか、一瞬でいいので画面に写ってれば済む話なんですけどね。
多分これ、原作(活字)なら勝手に補完されてたことが、映像になることでアラが出てしまった例な気がする。
アラって書くと失礼かな、映像化に際して美術の練り込みが甘いというか。
そこへもって総集編でしょ?「そんなこと描いてる暇なんか無い」と言われてるみたいで、う~ん。

透明化して侵入も「上に花びらが積もる」とか描いて欲しかったんだけどねぇ。
手間かかって大変なのは分かるけど、世界観に対して拘りが薄いというか、ホント事務的にアニメ作ってるだけって印象になって…う~ん。

そして新展開の6話感想。
HIEのタイプ名(カテゴリ名)レイシア級と個体名レイシアが一緒なのがちと紛らわしい気がするけどまぁいいや。
レイシア級の最優先目標は自己の保身で、個体ごとに手段はバラバラで、中には人間を利用することも辞さないってのも居るって感じだろうか。
自己の保身は最後の最後まで与えてはいけないものだと思うんだけど…コントロール下に置けなくなる(「あ、これ失敗だ」となっても処分できない)のは明白じゃん、と。
まぁそうしてしまった世界ってことなんでしょう、まいっか。

人間と作り物の違いがどうたらの問答、それ自体は構わないんだけど、「アニメキャラにそれ言わせる?」とメタ的なことを思ってしまうのは野暮だろうか。
そっち方向に話進んだ方が面白い気がするけど、そんなこと無いよね。
ってか小物に未来的ガジェットがほとんど見られなくなってしまったのが気掛かり…「そこまで細かく美術やってる暇なんか無い」って言われてるみたいでのう。
総集編のせいもあって「未来世界を描いたアニメとして大丈夫か?」って疑惑が段々と強まってるワケですが…ホント大丈夫かな?{/netabare}

20話までの感想{netabare}
あーあ、言わんこっちゃない。
6話までの感想の段階で
「作中描かれる背景が余りにも“隅々まで管理の行き届いた世界”しか映さないものだからどうにも違和感。
単純にスラム街とか地下に治安の悪い世界が広がってるとか、一瞬でいいので画面に写ってれば済む話なんですけどね。」
と指摘しました。
また、主人公周りの仲良し男3人グループにそれぞれ妹が居て、そいつらも親交があるってのは“普通ではない”と受け取ってしまい、妙なことを考えてしまうワケで。
子供を産む数や性別まで管理されてる?ヘタしたら自然分娩も行われてない世界なのかな?とかね。
で、そんな「どんな世界だかようワカラン」ままストーリーだけは進んで…

14話で唐突にスラムや売春宿的なものが登場

やっぱ居るんじゃーーーーん!!
遅い、遅すぎる、もっと早くに入れるべきでしょー。
この描写がないと何がマズいかっていうと「なんでも自動化できるようになったら人間は働く必要があるのか?」っていう、それだけで一つの作品が書けるような設定になっちゃうワケで。
かくいう自分は、欲しいと思った物は全て機械が自動で用意してくれるようになったら、人間はただひたすら無気力になるんじゃないかなーと思ってまして。
要は貧富の差が無くなる、不満が無くなる、欲が無くなる、争いごとが無くなる。
んでもって「そこまでは行ってない」ってのを示すためには「じゃあ不満持ってる連中→働かないと生きていけない連中→貧困にあえぐ連中」を出しておけよと。
ぶっちゃけこの世界の人間は何で働いてるのかワカラン、どんな職業が存在してるのかワカラン。
ケンゴの実家だって、本来はHIEに任せれば済むところを「拘り(趣味)があって自分で料理作ってる」って描写してたじゃーん?
そういう意味でないなら何故あのシーンを挿入したと。
そうしてる間にストーリーだけは進んで、レイシアの目的が語られます(まだ嘘かも知れないが)

資源の再配分

えええ、今更?
繰り返しになるけど「これだけのテクノロジーがあるならとっくにそれは済ませてるんじゃね?え、そこまで至ってないの?」と戸惑ってしまい、どうにも唐突で…。
農業…ってか生産業なんて全部HIEがやってる世界じゃないのか。
不労収入をディスってたが、働かずとも暮らしていける世界って理想郷じゃないのか。
現実ではそのために搾取される人間が居るのがアカン訳だけど、それをHIEが引き受けてくれるなら問題解決じゃね?
あとは自己実現でも目指して趣味に没頭すればいいじゃん。
繰り返しになるけどケンゴの実家はそういうことを表現したシーンじゃなかったのか…本来お店の業務はHIEに全任せして遊んで暮らせるところを、拘り(趣味)で自分(親父=人間)でやってるだけ、ってことじゃないのか。
身の丈に合わせて慎ましく生きてりゃいいのに「もっと暖衣飽食したい」と欲望を広げる既得権者を打倒するって話?
ぶっちゃけアラトもそっち側の人間だよね?、貧困者に同情するシーンとか無いし。

それと上記の考えと同時に別のツッコミ──別っていう割にはリンクしてるんだけど──もずっと頭に浮かんでて。

ハードウェアとソフトウェアがちぐはぐ。
「ちぐはぐな世界を描いた作品」ってことではなく、場面によって設定が変わるというか。
一番あれー?と思ってるのが、HIEとヒトの中間的存在、要は部分的にサイボーグ化した身障者が居ない。
腕だけサイボーグ、足だけサイボーグ…もっと深化して脳以外サイボーグってのも居ていいんじゃね?
HIEとヒトとの対立だか融和だか、とにかく二極に分かれての意見の衝突なら、間を取り持つ・ないし板挟みになって心揺り動かす中間的存在がいた方が良い気がするんだが…。
ひょっとしてそのポジが妹?もしくは眠り姫?と思ったがそんな気配は今のところ無い。
アラトは幼い頃事故に巻き込まれて云々ってのもあったので「実はその時に?」って可能性もあるけどオチに持ってくるようなもんじゃないだろう。
つかレイシアみたいなアンドロイドがあるなら、人型であることを捨てた作業用ロボットもっと出すべきじゃね?
なんで人型ってペナ負ってるのに最強やねん。
「こんなこともあろうかと」とばかりに後から後から新装置出しまくるし…それ作ったのも機械?原料の仕入れ先は発展途上国?
何もないところに電流通せば小麦粉や金塊が生えてくるって世界じゃあるまい?


で、上記の文句って結局は(役職の名前よく知らんが)背景だか美術だかが頑張ってれば回避できたことなんだよね。
6話までの感想と大差無いんだけど(6話の時点で見抜いてたことになる?)、「アニメスタッフにそこまで頑張ってる余裕が無い」ってのが諸悪の根源で…。
乱暴なこと言っちゃえばどんなにストーリーがつまらなくても“近未来的面白ガジェット”がしっかり描かれてたら一定の評価はしちゃうねん、自分は。
けどそれが無い、そこまでやってる余裕が無い。
そのせいで結局は世界観がよく掴めず、出される情報は唐突になり、とても茶番めいたものに成り下がってしまった。
もはやストーリー以前の問題になっちゃって…原作者もこれは苦笑いなんじゃ?
しっかしなんつーか…「現場は大変」ってのは同情するべきなのか?
まさか…今はアニメの数が多すぎるって問題提起をするためにワザと自爆かました?とさえ思えてきたり。


悪い点ばかり書いてしまったので良かった点。
レイシアは元は試作機で、完成一度頓挫した中後継機が作られて、そのノウハウで完成したのがレイシア(だからレイシア“級”って総称がありながらレイシアが最後機)とか、作成順で性能差が出るネタとかは好きでした。
とはいえそれの魅力を存分に表現しきれてたかというと…う~ん。{/netabare}

最終回まで見て{netabare}
放送後回しになった残り4話見たけど感想は↑で書いたのと一緒。
未来がどうとか世界をどうとか、そんなこと言われても「現状がどうなのかがワカラン」、その世界での「今現在」の描写が弱くてどう変えたいのか・どう変わったらヤバいのかとかが全くワカラン。
この世界では人間は働いてるの?どんな職業があるの?
もうここからワカラン事態なので、ホント分からん。
同じこと繰り返すばかりになるのでもう止めとく。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

科学の子

高度AIや、それに駆動されるアンドロイドが社会に入り込んだ世界。

メカ的な技術設定を練るのではなく、法律体系に組み込まれるアンドロイドという視点から世界設定を作り上げているのが斬新だ。
直接に現代社会を反映し、現代的な問題へ通じる巧妙な設定はSFの王道とも見えるが、ラノベアニメ的なフレームがその斬新さの発揮を妨げているようで、少し残念だ。


日本のTVアニメの第一号は『鉄腕アトム』だが、「お子様向け番組」のその最初期から、既に「人間とロボットの関係性」=ロボットと人間を分かつもの、道具とロボットとの差異性、人間によるロボット支配の根拠、などなどの主題が既に盛り込まれていた。
社会的な問題意識をアニメに盛り込むことを嫌うアニメファンも少なくないようだが、仕方がない、TVアニメは、その始祖からしてそういうものだったのだ。

『アトム』と同様に、人間とアンドロイドの混淆する本作の「世界」は、「社会の構成員としてのロボット」という、『アトム』以降にあまりアニメが注目していなかった領域を数十年ぶりに復活させたようだ。

そのTVアニメの始祖において、人間とロボットの関係は、しばしばマイノリティ差別やレイシズムの比喩として用いられ、時には奴隷労働のメタファーでもあった。
が、21世紀の本作の「世界」では、ロボット=AIアンドロイドの位相は、複雑にねじれている。

法的に、いわば人間に奉仕する存在として規定されている本作のアンドロイドは、一方で人間の上に立ち、人間の行動を管理するものでもある。

かつて、日本で海外労働者と言えば、半合法的な疑似的な奴隷労働者のようにイメージされることが殆どだった。
ジャパンマネーを目当てに、日本人のやりたくない汚れ仕事を這いつくばって求めるガイジン労働者。
今でも漠然とそう考えている人も多いようだが、現代の国際競争力を省みれば、低賃金の日本人労働者を効率よく働かせるよう「管理」するためにやってくる管理専門家のほうがリアリティがある。
カルロス・ゴーンのような「管理者」は、欧米人だけでなくMBA取得の東アジア人であってもおかしくないのが今日のリアリティだ。

一方的に奴隷的「奉仕者」であった『アトム』のロボットと、「奉仕者」と「管理者」に分裂する本作のアンドロイドの位相差は、こうした時代的な位相差に対応している。


「管理者」兼「奴隷労働者」のAIアンドロイドと「人間」の関係を表現しているのが、主人公の妹だ。

見た目が美少女でおいしい食事を提供してくれるなら、出自がどう見ても怪しいAIアンドロイドでも、平然と、何の葛藤もなく差し出される料理を口にしてしまう妹は、餌をくれるなら給餌員が誰であろうと関心を持たない豚小屋の豚=家畜のようなものだ。

何も考えずに満腹して陽だまりでまどろむ自堕落な満足に浸りこみ、その満足がどのようなものに支えられているかに無関心な妹は、ゼロ年代論壇の「動物化した人間」そのものであるといってもいい。

妹の自堕落な「動物化」=家畜化を支えているものは、大きく言えば「法体系」だといえる。

半ば家畜化しながら、真の「家畜」のように最後に処分される不安を覚えることなく「奉仕」として疑問を持たずに受け入れていられるのは、消費者=契約の「主体」は「人間」であるという法律体系が基礎にある。

契約が可能であるのは、主体が「自身に関するすべてのことを、合理的に判断し決定する能力を持つ」近代的な「人間」であることを前提としているからだ。
「自身に対する決断の全責任を負える」近代的な人間の契約は、どのようなものであっても有効であるという前提が、すべての商取引=消費を支える。
民事的な契約主体の「人間」観は、民法や商法のみならず、すべての法体系=社会制度の基礎となって、社会を動かしている。

この「自律する人間」が否定されるとしたら、すべての社会制度とともに、すべての商取引=契約=消費も根拠を失って崩壊するだろう。
だが、「自律した人間」が、自身を管理する「面倒」を外注して世話して「もらう」契約を欲望するとき、「自律」性はどこに行くことになるのか。

半ば家畜化して、「自律した」人間から逸脱して事実上の「動物化した」妹が、契約主体として消費を続けていられるのは、崩壊を回避する社会システムの本能が、「空洞化した人間」の空洞化した自律性を「見ないこと」にする欺瞞を必然化するからに他ならない。
事実性に注目して人間の動物化=非・人間化を承認すれば、「人間」を主体とするすべての経済活動や社会関係は無効化する。

現行制度では「主体」ではないAIが無条件に「人間」に奉仕することは、逆に、「人間」の「主体」性が変化していないと擬態する、ある種の「詭弁」でもある。

おそらく作中の大多数の人間を代表している妹が、平然と消費者=奉仕を受けるものとして自堕落に飽食していられる背景には、このように社会の構造変化と過渡期性のバランスがある。


契約において、「人間」は、自律して判断力のある近代的な「人間」=有効な契約主体であるとみなして、契約の有効性を担保しようとする倒錯は、主人公がAIアンドロイドとの「契約」において、現実のアプリやソフトウェアのインストールに似た、「同意」を求められるシーンにも表現されている。

それは、ラノベ的な「スーパーガールとボクのトクベツな絆」のように見せかけながら、それだけにとどまらない。

AIアンドロイドを含めたすべての機械類の操作や作動において、全責任は主体である「人間」がとるという「契約」の原則は、主体が空洞化して「動物化」した実態から目をそらして、契約それ自体の有効性を成立させるための欺瞞ともいえる。
が、誰も読み通せない膨大な契約条件の最後に「同意」を強制する現実のアプリのインストールと同型的であるように、「自律した主体」の自由意思での契約という建前を通そうとする現実を、意識したものでもある。
誰も予測できない未来の瑕疵や損害を「自己責任」の名目で使用者に「同意」させる現実の欺瞞と、判断能力が空洞化した「動物化」した主体に「自律した」人間としてAIアンドロイドの責任を引き受けさせる「契約」の二重化。

主人公とAIアンドロイドとの「使用者責任」を巡る「契約」は、ラノベ的な「美少女との約束」と見えながら、近い将来にAIによる自動運転車が人身事故を起こした際に、すべての人間が直面することになるだろう。

こうした、「契約」を有効化するために無理やりに「人間」を「自律した人間」とみなそうとする欺瞞は、作中の「アナログ・ハッキング」にも表れている。

この設定の不快な印象は、人間の意志の捻じ曲げを、「自分の主体的な判断」であると思い込ませるところにある。
契約は、「自律した」主体が「自由意思」で結んだものでなければならないという法律体系が、事実上の「洗脳」を、「自発的な意志」に見せかける気色の悪い欺瞞を生む。

作中の「世界」において、このアナログハックがさほど問題視されている様子がないのは、これが現実世界の広告代理店と同じことをしているだけと、視聴者には直観されるためだろう。

普通の消費者が広告代理店にいかがわしさを感じているのは、消費者に無理やり商品を売りつけたい本音が透けて見えながら、法体系の建前から、消費者が「自分の判断で」その商品を選んだように意志を操作しようとするねじれが明らかだからだ。

アナログハックは、まさにこの代理店的な欺瞞を表現している。
こうして「自律性」を掘り崩される現実世界の人間が、作中の「妹」を代表とする人間たちの描写を裏付ける。


だが、こうしたすぐれて現代的な諸要素が、いまひとつ説得的に前景化してこないのは、戦闘美少女のバトルというラノベアニメ的なフレームに囚われているからであるように見える。

問題意識の塊のような「妹」の造形も、ラノベ的フレームでは単なる「能天気」キャラに矮小化されてしまう。

主人公に敵対する各陣営は、上述の問題意識に自覚的に見えはする。
問題意識があればこそ、「現状」の社会への敵対行動として現れるのだから。
だが、戦闘美少女のバトルに縛られている結果、問題意識同士が前景化して激突する事態には至らない。

なにより、全体の枠組みを「戦闘美少女と、特権的につながっている取り柄のないボク」というラノベアニメ的設定に定めているため、アンドロイドに人格を見るような主人公の設定も、主役AIアンドロイドに「好意」を寄せるためにする不自然な方便のようで、『アトム』的なロボットと人間の融和を主導するわけでもない。

ラノベアニメ特有の文法に縛られる結果、主人公の立場を「ともかく戦闘を否定して現状を維持する」以外の地点に持っていくことができない。
近代的「人間」の「尊厳」を主張するかのような主人公の立ち位置は、「闘争」をあらかじめ絶対悪として禁じるラノベ的制約にとらわれている以上、単に闘争しない現状維持の日常を絶対視しているだけとしか印象付けられない。

社会の根本におかれた根源的な矛盾を構造化した「世界」で、敵対勢力がその矛盾に向き合っているのに、主人公がラノベ定型であれば、いくら悩んでいるように見せかける描写が続いたところで、単に武力衝突について「のみ」逡巡しているような矮小さから脱することはできない。
原理的な社会矛盾がそこかしこに暗示されているのに、主人公が必死にそこから目をそらし続けているような印象ばかりが残る。

その先に見えるのは、主人公に都合のよい結末しか迎えることがないという予定調和だ。
それは、いかなるものであれ、「自律」を失った「人間」が否定されることのない、「動物化」した人間の自堕落さに直面することのない「世界」だろう。


法体系にAIを組み込んだ「世界」は、法治社会において「科学」がもたらすAIと人間の矛盾にまで踏み込んだ舞台を、用意はした。
が、舞台の上の「物語」が、ラノベ様式ではなくSFであったなら、と思わずにいられない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

71.5 12 陰謀アニメランキング12位
からくりサーカス(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (260)
1085人が棚に入れました
小学5年生の才賀勝は父親の事故死によって莫大な遺産を相続したことをきっかけに命を狙われていた。そんな折、青年 加藤鳴海は偶然にも勝と出会い、手を差し伸べることを決意する。しかし、勝を追ってきたのは人間ではなく高い戦闘能力を持つ人形使い達であった。窮地に陥った二人は突如姿を現した懸糸傀儡マリオネットを操る銀髪の少女しろがねに助けられる。こうして、日本で出会ったこの3人は数奇な運命の歯車に巻き込まれていく──

声優・キャラクター
植田千尋、小山力也、林原めぐみ、櫻井孝宏、佐々木望、黒沢ともよ、井上麻里奈、江川央生、岩崎諒太、石川界人

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

待ち受けるは、世界の”からくり! 立ち向かうは、”しろがね”の意志

この作品の原作は未読ですが、「うしおととら」の作者である藤田和日郎先生の作品ということで、視聴を楽しみにしていました。

以前の私なら敬遠していたこの手の作画ですが、「この様な手法でしか表現しえない世界がある」ことを知ってからはアニメに対する視聴の幅を広げられた気がします。

実際、「うしおととら」では相当感動させて貰いましたから…
うしおの「つんのめるほど前向きな姿勢」が大好きでした。
そしてこの作品に登場する小学5年生の「才賀勝」もそのDNAをしっかり引き継いだ主人公だったと思います。


小学5年生の才賀勝は父親の事故死によって
莫大な遺産を相続したことをきっかけに命を狙われていた。
そんな折、青年加藤鳴海は偶然にも勝と出会い、
手を差し伸べることを決意する。

しかし、勝を追ってきたのは人間ではなく
高い戦闘能力を持つ人形使い達であった。
窮地に陥った二人は突如姿を現した
懸糸傀儡(マリオネット)を操る銀髪の少女しろがねに助けられる。

こうして、日本で出会ったこの3人は
数奇な運命の歯車に巻き込まれていく…


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

個人的にこの作品の素晴らしい点は3点あると思っています。
まず、第1に登場するキャラの「目」に色々と持っていかれてしまいました。
勝の…しろがねの真っ直ぐ前を向いた視線は、見るたびに鳥肌モノ…

そして2点目は楽曲です。
特にロザリーナさんの「Over me」がヤバいくらいに格好良いんです。

第1印象で衝撃を受けて…それから毎週2度はオープニングを見ていたと思います。
勿論、楽曲も発売後に即買いです。

ロザリーナさんがこの曲に込めた思いがネットの記事になっていました。
まず、この楽曲はこの作品のために書き下ろした賛歌なんだそうです。
歌詞が…胸に深く染み入ります。
勝のための…しろがめのための…そして鳴海のための曲だったと思います。
この作品のクライマックスに相応しい楽曲だったのではないでしょうか。

そして3点目は声優さんの起用についてです。
特に小山力也さんと、林原めぐみさんの起用が抜群だと思いました。
これは「うしおととら」を視聴した時にも感じていましたが、今回この作品を視聴したことで確信に変わりました。
「うしおととら」では、小山さんが「とら」で林原さんは「白面の者」という重要な役どころを演じていました。
そして本作では、小山さんが鳴海で林原さんがしろがね…

お二人と藤田和日郎先生の作品とは、きっと相性が良いのでしょう。
鳴海としろがねを演じたのがこの二人だったから、きっとここまで感動できる作品になったんだと思っています。

勝、しろがね、鳴海を取り巻く状況は、「数奇な運命」という言葉が陳腐に見えるほど過酷でした。
心が折れたのだって、一度や二度じゃありません。
運命から逃れられないから、大切なモノを守るために必死で戦ってきました。
苦しい時、何度も頭をよぎった姿が励ましてくれたから頑張れた…
どれだけの人に助けて貰ったんだろう…
手が届かなくって…悔しくて大粒の涙を流してきました。
思えば思うほど苦しくて…そんな痛みにずっと耐えてきました。
そんな苦しみの先で、みんなが選択した本当の一番…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、BUMP OF CHICKENさんの「月虹」、KANA-BOONさんの「ハグルマ」、ロザリーナさんの「Over me」
エンディングテーマは、ロザリーナさんの「マリオネット」、眩暈SIRENさんの「夕立ち」、BUMP OF CHICKENさんの「月虹」
珍しいのが、1期オープニングの「月虹」が3期のエンディングに起用されていることです。
BUMP OF CHICKENさんの楽曲も好きですが、ロザリーナさんの楽曲が抜群過ぎ…
アニソンBEST10でどこまで上位に食い込むか楽しみです。

3クール全36話の物語でした。
完結した原作のアニメ化は、最後まで描いて貰えるので視聴者としては嬉しい限りです。
しっかり感動・堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

観てるぜメモ

放送途中のただの備忘録、たぶんそのうち消す(なのでサンキューもいらないです、読んでくださった方ありがとうございます)。
推敲もなにもしてないから誤字脱字ご容赦を。

今5話まで観てます。
序章が終わり、これから話のスケールがぶわっと広がる転換点。
ワクワクしつつリアルタイムです。

そもそも原作ファンとしては、懸糸傀儡(からくり)の戦闘が見られるだけで眼福なんです。
セルルックCGとか3D技術の発展がほんとありがたい。
ともすれば絵が荒々しすぎて見づらくなる原作を、うまく動きで補完してくれているのではと。
これからも個性的な人形がたくさん登場し、サーカスの舞台を彩ります。
ひょうきんながらも禍々しい、そんなデザインを楽しんで頂ければ嬉しいですね。

声優陣の熱演、聴くほど鳥肌なOP・EDも見事。
鳴海(小山さん)は少し渋いなw、阿紫花(櫻井さん)はイケボすぎるwとは思いますが、まあ一読者の脳内アフレコとの差異なので。
しろがね林原さんは作者のアテ書きだし、勝役の新人・植田さんは驚くほどぴったり。
OPとEDはぜひ歌詞にも注目していただきたいですね。
特にOPの歌詞は原作読者にとってはニクいです…そう持ってくるか…
かといってネタバレには絶対にならない良い塩梅でして、改めてBUMPすげーな。

で、本題のストーリー面。
原作信者だけど、現状最大限エッセンスを抽出してくれてる気はする。
43巻、膨大な登場人物の群像劇として、それぞれの結末を描いた原作。
それに対して、アニメは36話という尺しかない。
厳しい制約の中で、どんなドラマをピックアップしていくのか。
4話までは物語のイントロダクションとして、細部を削ぎ落しつつ原作をなぞってきた。
それに対し、5話から本格的に再構成に入ったな、という衝撃がありました。
諸々考えると、勝・鳴海・しろがねがスポットライトをより多く浴びるアニメ化になるのではと妄想します。
個人的に、『からくりサーカス』は様々な愛の気づきと、それへの決別の物語にも読めると思っていて。
主演の三人はそれを最も純粋に表しているキャラクターなので、そこさえ強固に押さえてくれれば、大きく軸がブレることはないのではと信じています。
ぶっちゃけ、原作も寄り道や中だるみ多いしねw

正直、期待はしてなかったんですよ。
同じ作者の『うしおととら』は、原作のダイジェストなのに詰め込みすぎという微妙な出来(個人の感想です)になっちゃってた……
ので、やっぱり不安と期待をないまぜにしつつ。
(↓完っ全に原作のネタバレありで「不安」(と予想、最後のだけ完全な不満)を書いとくと
{netabare}・鳴海生存をめっちゃ早く見せてる、次回はイリノイ?
 鳴海の怒りとしろがねへの態度、困惑されないかな。
 理屈は大丈夫なんだけど、感情が追い付くといいなと。
・ドラムvsビーストやらないならリーゼさんの存在価値が…
 そのための黒沢ともよさんキャスティングじゃないの?
 まあ順番入れ替え可能なので、期待だけ…
 ヴィルマさんの扱いもどうなるか。
・黒賀村とローエンシュタインたぶんあかん。
・ミンシアとファティマさんの声、逆のイメージだった。
・冒頭のVolnの社名ロゴ映像だけは本気で削ってほしい。
 その10数秒でフィルムの価値変わるでしょ。
 単純計算、36話で10分超えるので…){/netabare}

それでも、アニメになってくれてうれしいです。
はじめて本作に触れる方、久しぶりに思い返す方、そんな方と一緒に新しい演目、アニメならではの『からくりサーカス』を一から楽しめるなら、とても素敵なことだと思っております。
そのうえで、お暇があれば原作も手に取ってもらえるともっと世界が広がるかなと。
みなさま、鷹揚の御見物を願います。
(2018.11.11)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
ネタバレ

木村天祐 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

マリオネットを操る長編ダークストーリー漫画原作アニメ

原作知ってる勢です。原作の内容飛ばしすぎですね。飛ばしまくりでも結構面白いのは流石かな。同じ原作者でアニメ化したうしおととらよりも飛ばしまくりでひどいです。本来4、5クールでやるべきだと思います(本気で再現やったら6、7クールくらいになるはず)。

超金持ちの子供が遺産のために誘拐されそうになっているところをゴリラみたいな兄ちゃんが助けるところから物語が始まります。子供が頼りにしたのが、祖父さんの恩をうけたサーカス団の美人の姉ちゃん。そのハーフの姉ちゃんが操る特徴的なマリオネットはこの物語の看板です。遺産を巡る戦いから、世界で蔓延する奇病 ゾナハ病を引き起こすオートマタとの世界を時代をまたにかける戦いに発展していきます。

声優も作画も音楽も良い。原作飛ばしまくりなこと以外は欠点特にないんですよね。かといって原作完全再現すると話が長すぎてテンポが悪くなるでしょうし、難しいところです。

仲町サーカス編とか勝のヒロインたちが出てくる所すべからくカットでしたね。ほとんどヒロイン出てこなかったんですが、{netabare}かろうじて出ても下手に活躍してアンタ誰ってなっちゃってましたね(リーゼさん...)。
もともと鳴海は記憶なくなってから別キャラみたいな変貌ぶりでしたが、フランシーヌ人形に似ているしろがねと再会した時めっちゃ怒りまくってたことに違和感ありましたね。アニメの場合話がダイジェストすぎて、私の感情がついていけないんですよ。アニメ見ている側としては、さっきチョイチョイっとオートマタと戦っただけの鳴海が、鳴海のことを愛してるしろがねを殺したいほど憎んでるっていう描写を見せつけられます。といってもなんでしろがねが鳴海を愛してるかも話飛ばされてよくわかんないんですよね。{/netabare}
後半になるにつれて、ダイジェストじゃなくなって、スピードがちょうどよくなるのは笑っちゃいました。{netabare}勝誘拐編からフェイスレス戦編までの間がダイジェストって感じですかね。{/netabare}
全体の中抜きをしてる感じといえばわかるでしょうか。
まあ、長編漫画作品のアニメ化の難しさってやつなのかなぁ。悲しいなぁ。

このアニメの最高の楽しみ方は、「じじいの過去編から見る」ですかね。17話くらいから最後までかな。アニメ全36話中、丁度真ん中ぐらい。{netabare}「始めも中盤もわかんないけど、なんかあったんだろう。」と想像に任せて、見てないからわかんないと片付ければ違和感ないはず。漫画だと断然一番燃えるのがしろがね軍団vs真夜中のサーカス決戦ですけど、決戦の前も後ろも、さらに中身も中抜きされてるんで見ない方がいいかも。 {/netabare}

それなりに楽しめる仕様に仕上がってるアニメだと思うのでオススメはしますが、{netabare}どっちかっていうと漫画の方がオススメってのが俺の感想ですかね。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

86.4 13 陰謀アニメランキング13位
リコリス・リコイル(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (988)
2691人が棚に入れました
東京の下町にある和カフェ「リコリコ」 。 カフェが受ける注文は、おいしいコーヒーにあま~いスイーツ……だけじゃない!? ちょっとそこまでのお届け物から心細い夜道の送り迎え、ゾンビ退治から巨大怪獣…!? なんでもお悩み、相談ください! お客さまの「困った」をなんでも解決しちゃいます! 皆さまをお待ちするのは、いつもスマイル看板娘と、クールで真面目なド新人。働きたくないちびっ子に、結婚を焦るアラサー女子? そして店長は、日本かぶれのナイスガァイ!! どんなご注文(オーダー)も、おまかせあれ♪
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

楽しくも、切なく哀しい『Recoil(反動)』の物語

あなたの学校に、ものっそい美人、
しかもスタイルも性格も良くて、誰とでも気軽に接し、
おまけにスポーツや勉強まで充分以上にできる女子がいたとします。
そういう女の子って、
だいたい一割ぐらいの生徒から陰でディスられたりするんですよね。

 ・なんでもできますヅラが気に食わない、カンに障る。
 ・八方美人で、いい子ちゃんぶってヤな感じ。
 ・別世界の住民みたいで親しみがもてない。もっと庶民派の方が好き。

まあ、言いたくなる気持ちはわからなくもないですが、
そういうのって客観的に見ると『やっかみ』以外のなにものでもなく。
人間、素直がイチバン、などと思う拙なのであります。


本作『リコリス・リコイル』は、
そういう『学校イチの完璧美人』みたく考えていただければよろしいかと。
それが鼻につく方には鼻につくでしょうが、
僕ごときの浅学な身ではうまくイチャモンがつけられない、
全方位型のアクション・エンターテインメントなのであります。

ジブリや新海誠監督作品ぐらいしかアニメに接点がない方々にも、
ぜひに、とおススメしたい逸品であり、
2022年度のジャパニメーションを代表する一作ではあるまいかと。

ちなみに、物語の設定は明るくも楽しくもありません。

  政府の秘密治安維持部隊であるDA(Direct Attack)。
  そこは、犯罪者どころか『準備犯』までもを暗殺し続けることで、
  表面上の平和を維持する超法規部隊だった。

  DAは孤児を養成して殺人技術を身につけさせており、
  暗殺者として育成された女子たちは『リコリス』と呼ばれていた。

  そうした異様な治安維持に不審を抱いたテロリスト・真島は、
  その正体を暴いて白日のもとへ晒すべく、
  リコリスの抹殺、そしてさらに大きなテロを計画していく。

  そのリコリスのNo.1、『殺しの天才』と呼ばれる錦木千束(ちさと)は、
  ある事情から『不殺』を自らの信条とし、
  DAの支部扱いとなっている喫茶店『リコリコ』に身を置いて、
  暗殺ではなく『人助け』をして過ごしていた。

  その『リコリコ』に、井ノ上たきなというリコリスが、
  某事件の責任をかぶされた形で左遷されてくる。
  あくまでも『不殺』を貫き、明るく振舞う千束に反発を覚えるたきな。
  しかし、千束の事情や生きざまに接するうち、
  自分にも『人を殺す以外の生き方』があるのではと思い始める。

  しかし、そんな二人もリコリスと真島の抗争に巻き込まれていく。
  そしてついに大規模なテロが発生し、凄惨な現場に駆けつける二人。
  そこで千束に突きつけられる、生命の『選択』。

  そのとき、二人のとった行動とは……!?

とまあ、ハ-ドボイルド感満載な設定であり、
一つ間違うと『鬱アニメ』になっちゃってもおかしくないような、
あんまり『心暖まらない』ストーリーであるわけです。

ところが実際に作品を見てみると、
鬱になるどころか、爽快で、小気味よく、
わくわくしながら視聴し続けられる第一級のエンタメに仕上がっています。

これは、すでに見た方ならカンタンにわかると思うんですが、
単純に以下の三つの要素が作品を押し上げているからなんですよね。

  ① ビジュアルがめっちゃきれい。
    女の子が可愛く、活き活きしているし、
    アクションシーンもかっこよくて目が惹き付けられる。

  ② 演出・シリーズ構成が秀逸。
    パンツ回や喫茶リコリコのわちゃわちゃした日常など、
    楽しく見られるプロットが随所にあって悲壮さを引きずらない。

  ③ キャラ・役者の芝居がめちゃくちゃ楽しい。
    ヒロインである千束(Cv.安済知佳さん)を筆頭に、
    喫茶リコリコで働いている中原ミズキ(Cv.小清水亜美さん)
    同じくクルミ(Cv.久野美咲さん)たちの、
    カラッと陽気なお芝居が物語全体を明るくしている。
{netabare}
  第四話のパンツ回なんか、
  多数のリコリスが銃撃戦のうえ、無惨にも瓦礫の下敷きになって死亡。
  なのに、すぐ後のリコリコ店内のパンツ騒ぎで帳消しに。

  続く五話でも、リコリスが殺意をもった真島に車で轢かれ、
  そのあと、テロリストに囲まれハチの巣にされたのに、
  たきなが千束の心音を聴く『ちょい百合演出』で、これも帳消し。

  こういう『痛ましさを引きずらせない演出』が随所にあるんですよね。
{/netabare}
要するに、ハ-ドボイルド的な『苦味』のあるストーリーに、
美少女だのわちゃわちゃだのという『甘味成分』を大量トッピングし、
誰の口にも合うようマイルドに仕上げた作品なのであります。


ただし、単純にそれだけであれば、いわゆる
  絵がきれいで女の子がかわいいハ-ドボイルドアニメ
にしかなりません(そんなの、掃いて捨てるほどありますよね)。

  ハ-ドボイルド単体として見れば
   『政府が運営する秘密暗殺部隊』というのはやや古臭いし、
  その部隊が暗躍する理由が
   『外面上の治安の良さを維持するため』
  というのは、いささか無理筋な感じがしないでもなく。

僕が本作品を高く評価しているのは、
ハ-ドボイルド層+美少女層に加えてもう一つ、
第三の層とでも呼ぶべき重要なファクターが存在するからであります、

その三つ層のが分離不能なほど溶け合い、
融合して一つの世界を織りなしているからこそ、本作は『素晴らしい』、
近年まれに見る良作であると拙なりに愚考するわけです。

この層は作品タイトル『リコリス・リコイル』の意味に密着しているのですが、
未視聴の方は正直イミフになっちゃいますので、
まるっとネタバレで隠しておきますね。
{netabare}

本作のタイトル『Lycoris Recoil』は、
直訳すると『彼岸花の反動』で、
そのまんまだと、まるっきり意味がわかりません。

ですが、彼岸花の花言葉を調べていくと、その輪郭がはっきり見えてきます。

彼岸花は色によって花言葉が違うのですが、
千束に繰り返しかぶせて描かれている彼岸花の色は『赤』です。
そして、赤い彼岸花の花言葉というのは

  『情熱』『独立』『再会』『あきらめ』『悲しい思い出』
  『また会う日を楽しみに』『想うはあなた一人』

このうち、本作で千束に関係してくるのは、
通奏的なのが暗殺組織DAからの『独立』と、不殺の『情熱』の二つかと。
 (物語前半は吉さん(吉松)への『また会う日を楽しみに』、
  中盤以降は同じく吉さんとの『再会』という意味も兼ねています)

  ちなみにアイキャッチでクルミが来ているパーカ-の彼岸花は『黄色』で、
  花言葉は『深い思いやりの心・陽気・元気』。
  こちらも最終話近くの心臓探しあたりと密接につながっております。
  (いやあ、このあたり芸が細かい)

千束はアラン機関の吉松(吉さん)から人工心臓の提供を受け、
深く感謝すると同時に自分も他人の救世主になりたいと『情熱』をもち、
DAからの実質的な『独立』をはたします。
そして、憧れだった吉さんとの『再会』をすることに。
ここまでが、タイトルのうち『リコリス(彼岸花)』にかかっている部分ですね。

そして、千束の『情熱・独立』は、深刻な『反動』をもたらします。
ここからが『リコイル』の部分。

千束は『殺しの天才』としてアラン機関の援助を受けたわけですから、
いつまでも不殺を貫いているのは、その目的に反します。
そこで、エ-ジェントである吉松は、
その才能を発揮させる(人を殺させる)べく、
薬物中毒者を依頼人に仕立てて、千束と殺し屋と対決させます。

ですが、それでも千束は「私は人の命は奪いたくない」と言い切り、
その理由を「わたしを助けてくれた人みたいになりたいから」だと説明します。
それをニセ依頼者を操りながら聞いていた吉松は、
  「千束……それではアラン機関は君を……その命を……」
という言葉とともに、絶句し、交信を切ってしまいます。

  このセリフこそが、これ以降の物語の『トリガー』なんですね。

物語後半であきらかになりますが、
この段階で吉松はすでに、
千束を助けられる新しい人工心臓の存在を知っていました。
(それを手にしたのが延空木テロの一年前ですしね)
しかし、千束が期待された才能を発揮しない限り、
アラン機関の追加支援としてその心臓を提供することはできません。

  つまり、殺しをしない限り、千束の余命はあと数年が限界だ、
  ということがわかっていたわけです。

  だからこそ『リコリコ』に足を運んでミカの状況を確認し、
  進んで殺しをさせる意思がないと見るや、
  職権濫用で殺し屋を差し向けたりもしたわけで。

しかもこのときの会話で千束が殺しをしないのは、
人殺しはイケナイ、みたいな安っぽい人道的な理由ではなく
(千束はリコリスが人を殺すことを否定していません)
吉松を『人を助ける救世主』と思い、同じ道を歩みたいと願っていること、
つまり自分が誤解させてしまったことが原因だと知るわけです。

すぐに吉松は、バックグラウンドで走らせていた作戦、
アラン機関が千束とは関係なく『別枠』で支援していた真島を、
千束にぶつける作戦へ舵を切ります。

さらに、千束を時間的に追い詰めるため、
千束の体内にある人工心臓に細工をして余命を二か月にまで縮めます。

それは、表面的にはアラン機関の忠実なエ-ジェントとして、
千束の才能を世界に届けるためのものでした。
しかし、内心は違います。
吉松は、ただ『千束に生きていて欲しかった』こそ、
職権を最大限に濫用して、千束に『殺し』をさせたかったのです。

  そもそも、ミカに仕事ではなく『約束』として千束を託したのは吉松です。
  その際、吉松は「もう私たちの娘じゃないか」と言っており、
  その段階で『人殺しのための道具』だとはこれっぽちも思っていません。

  子どもを作ることができないゲイカップルの吉松にとっては、
  自分が生命を与えた千束は、
  ほんとうに自分の娘であるように思えたのかも知れません。
  (手術にも、本当の親のように、ミカと二人で立ち会っていますしね)

最後の仕上げとして吉松は自らの身体に細工をし、
自分が真島にわざと捕まるよう仕向けて、旧電波塔で千束を待ちます。
(クルミですら痕跡を追えなかった吉松が、
 ロボ太や真島に簡単に捕捉されるとは考えにくく、
 ここは『わざと』捕まったと思うのが自然です)

そして、真島を捕縛して対峙した千束に対し、
あらん限りの(心にもない)罵倒と挑発を繰り返して、
自分に抱く偶像を破壊し、罪悪感なく自分を殺せるように仕向けます。

  自分は憎まれても殺されてもいい、
  千束が夢破れて『人殺し』になってもいい、
  どんな代償を支払ってでも、千束には生きていて欲しいんだ。

  それは生物学的な親子を超えた、
  本物の親子愛と呼ぶべきものではないかと僕は愚考します。
  (もちろんそこには『ミカとの子ども』という付加要素も存在します)

かたや、ミカの方も心から千束のことを愛しています。

吉松に押しつけられた『親子ごっこ』は本物の親子愛に昇華し、
成人まで生きられないと言われている千束のために、
おそらく袖を通すことができないであろう晴れ着まで準備しているんです。
そのうえで、吉松を慕う思いを尊重して、
残り少ない人生を思うままに生きさせてやりたいと願っています。

  どんな形であったとしても生きていて欲しい、と願う吉松。
  死期を早めることになっても思うままに生きて欲しい、と願うミカ。
  そこに正誤だの優劣だのはありません。
  そこには、
  娘を心から愛する二人の父親がいるだけです。

最終話、傷ついた吉松とミカの会話が、二人の深い情愛を物語っています。
  ミカ「すべては千束のためだ……。そうだろう、シンジ」
  吉松「わたしは……わかってもらえなかったよ……」
    (中略)
  吉松「……狂わされたな。おまえも……あの子に」
  ミカ「……そうだな」
そこには、深い悲しみはあっても、後悔は一片も存在していません。
最後まで千束に真意を伝えられなかった吉松を、
(それを伝えたら千束は絶対に吉松を撃てなくなりますから)
ただ一人、理解して涙を流すミカ。
互いを愛し、そして娘を愛した二人の男の切なすぎる幕引きです。


つまるところ本作タイトル『リコリス・リコイル』は、
リコリスである千束の『情熱』『独立』、
つまりは『不殺』に対する『Recoil(反動)』の物語であるわけです。

もちろん、千束を中心に起こる全てのできごとがその範疇に入りますが、
とりわけ、愛する娘の『情熱・独立』によって人生を狂わされ、
それでもそれを甘んじて受け止める、二人の父親の物語が大きな要素となっています。

この二人の父親の深い愛情、
慈しみ抱擁するようなミカと、狂気じみた発露を見せる吉松の愛情が、
折り重なり合って物語のバックグラウンドを形成する構造こそが、
僕の言う『第三層』なのであります。

  わちゃわちゃと楽しい美少女たちの光景と、
  カッコいい、胸のすくようなハ-ドボイルド・ガンアクション。
  それらを下支えする切なく哀しいヒューマンドラマ。

  これらが密接に絡み合い、完璧に融合していることが、
  本作にものっそい深みとコクを生み出している、
  と、拙は拙なりに愚考している次第なのであります。
{/netabare}

僕的な評価は、ダントツのSランク。
おおよそ、エンタメに期待される要素をほぼ完全に網羅しております。
ハ-ドボイルドとしての世界観は若干『ぬるい』のですが、
それを補って余りあるアクション品質と、
ドラマ性のある濃密な『動機付け』が実によき。

同系統の作品は今後も出てくると思いますが、
それで本作を超えるのはちょっと難しいんじゃないかなあ、
と思わされるぐらいの完成度です。


唯一の欠点は、脚本がちょっと『わかりにくい』ことかと。
とりわけアニメ慣れしている方ほど、
その傾向が強くなるんじゃないかと危惧してしまう次第です。

  というのも、最近のアニメの傾向って、
  心情とか真意をセリフで語りすぎちゃっているんですよね。
  言葉と心情が乖離してるのって、
  わかりやすいツンデレ演出ぐらいのものでしかなく。

  その点、本作は心情解説的なセリフがほとんどないんですよね。
  映像や言葉の断片からそれを『推し量る』という、
  国語キョーイクみたいなスキルが視聴者に求められるわけであります。
  {netabare}
    最終話の日本リコリコ店内なんか、
    チビ千束の描いた『二人のお父さん』の絵がこれ見よがしに飾ってあって、
    いかにもメッセージを読み取って欲しそうにしていたり。
    その上からミズキが別の絵をかけて隠しちゃうところなんか、
    本作の作品構造をあらわすメタファーになってたりもするわけで。
  {/netabare}
  そういうのって正統的な映像作品の作り方っちゃ作り方なんですが、
  イマドキのアニメとは、正直、かなり違うわけでありまして。

  いわゆる『萌えアニメ』的な感覚で、
  オモテに出てくるセリフだけを追っかけていると、
    なんだコイツ、わけわっかんね~
  みたいなことになっちゃいそうなので、ご注意を。
  {netabare}(いやほんと、吉さんかわいそう) {/netabare}


作画は、ほんと言うことなし。ためらうことなく5点です。

かわいらしいカットはかわいらしく、
シリアスなカットは魂込めてシリアスに、
一枚絵として充分通用するレベルで繊細に描き分けられています。

  アクションシーンも、ガチでかっこいいですしね。
  他の方も指摘されてましたが、
  千束の独特な銃の構え方、きゅんです。
  {netabare}
  最終展開、ク-ルなたきなが感情むき出しにする作画は鳥肌もの。
  「心臓が逃げるっ!」と叫んだとき、
  ちょっとだけ楳図かずおが入っちゃったのはご愛嬌。
  {/netabare}
  あと、これはアニプレ系列作品の特徴でもあるんですが、
  女の子が『おしゃれ』。
  乃木坂46のデザイナーに依頼したというリコリスの制服もそうですが、
  千束とたきなをはじめとする女性陣の私服がステキ。
  ここんとこは、他の制作会社もぜひぜひ見習ってほしいところかと。


大評判になっている役者さんのお芝居も、文句なしの5点満点。

千束役の安済知佳さん、こんなはじけたお芝居ができたんですね。
いやすごい、楽しい、ほんとカワイイ。
さらに、これまでの役どころで培ってきた『気だるげ』なお芝居も健在で、
その温度差が千束のキャラをより際立たせています。
(個人的には最終話、真島との『中休み』グダグダ会話がイチバン好きかも)

  若山さん、小清水さん、久野さんも会心の一撃かと。
  とりわけ『感覚派』の天才児、小清水さんが、
  アドリブでめっちゃいい味だしていて、よきです。いンぬ。
  (久野さんも引っ張られて、新境地開眼ですね♪)

  ただ、女性陣ばっかに目がいって、
  youtubeはじめネット上もその声ばっかなんですが、
  男性陣(松岡禎丞さん、上田燿司さん、さかき孝輔さん)が、
  すごく渋くて味のあるお芝居をしているからこそ、
  女性陣がぐぐっと引き立っているのはわかってあげて欲しいかも。


音楽は、OP・EDともに、世界観と見事にシンクロしています。
劇伴もかなりいい出来なんだけど、
クライマックス、台詞に日本語のOP曲かぶせちゃったので満点ならず。

  OPにクラリスさん、EDにさユりさんと、
  さすがSME系列のアニプレ、持ち玉が豊富ですよね。
  ときどきヘンな外し方しますが、今作はきっちりと。

  OPの映像が、またよくできてるんだこれが。
  拙的には、サードリコリスが無言で歩いているカットが大好きです。
  (最初は通常、途中でスローにして爆炎をかぶせる演出がヤバい)
  最後をおしりの蹴り合いで楽しく締める演出も、
  まさに本作の制作コンセプトそのものですよね。まいった、降参。


監督は、これが初監督となる足立慎吾さん。
1996年に『機動戦艦ナデシコ』の動画マンとしてデビューして以来
作画・作画監督・キャラデで25年以上のキャリアのベテランさんですね。
SAOやWORKING!!のキャラデ・総作監として有名な方。

  これまで『画』は描けても『物語』には関われず、
  イマドキの流行りアニメに対して、
  かなりの想いを募らせてこられたのだろうと愚考いたします。

  アサウラさんの作成してきたプロットを『原案』にするまで修正、
  映像面の中間チェックを副監督にほぼ丸投げし、
  自身はシナリオと演出に集中するという力の入れよう。

  残念というか何というか、
  画と役者さんのお芝居が良すぎて視聴者の目と耳を奪ってしまい、
  シナリオの本質が十全に伝わっているとは言い難い状況かと思いますが、
  アニメの楽しみ方は人それぞれ。
  そこに良し悪しだの優劣だのつけるのはヤボというものですね。

     ただ、僕は好きです、こういうモノづくりの方向性。

  板がバカ売れしているとの由、必ず『次』がありますから、
  妥協して『わかりやすい安直アニメ』に寄せず、
  いまの信念を最後まで貫いて欲しいと心から願う次第であります。

  
とにもかくにも、実に緻密に織り上げられた物語です。

エラそうにこんなこと書いてる僕も、
一周目では、ばくっした全体像しか把握できず、
二周目で構造をようやく理解でき、
三週目でその緻密さに舌をまいた、というていたらくでありまして。

ほんと、見返すたびに新しい『発見』のある、素晴らしい作品です。
(僕がアタマ悪い、ぼんやり見てるだけかも知れませんが)

  未視聴の方はもちろんのこと、
  既に視聴を終えられた方にもヒマなときぜひ見返していただきたい、
  そんなふうに思ってしまう、

      エンタメアニメのハイエンドモデルなのでありますよ。


**************************************************************


ちなみに、最終話の読み方と、二期があったらの展開につきまして、
僕なりに書きたいことがあるのですが、
あくまでも個人的な推測に過ぎないわけですし、
そもそも、ここまででも充分に『長い』レビュ-になっちゃってるわけで、
まるっとネタバレで隠しておきます。

未視聴の方はまったく意味わからないので読むだけムダかと。
視聴済みの方で、おヒマであり、
なおかつ「ふん、読んでやらんこともない」というご奇特な方だけ、どうぞ。
{netabare}

まず吉さんの生死についてなのですが、
正直言って、いまの段階では『まるっきりわかりません』が正解かと。

人工心臓を自分の中にいれちゃうっていうの、
このヒトなら本当にやりかねないヤバさは確かにあるわけです。
ただ、そういうことになると
  ① いったん他人に移植した人工心臓を再利用できるのか
  ② 千束にネタバラシした後も、スーツケースを持って逃げたのはなぜか
という、ごくあたりまえの疑問が頭をもたげてくるわけで。 

それは千束の立場においても、まったく同じなわけです。
病院で目覚めたとき、自分が手術されていたことを知ったわけですが、
  それが『吉さんの体の中にあったモノ』なのか、
  それとも『ケースの中にあったモノ』なのか、
確信をもって判断できる材料はなにひとつないわけなのであります。

ケ-スの中にあったのなら全く問題ないのですが、
もしもそうじゃない場合には、

  誰かが吉松を殺し、奪った心臓を千束に移植した。

ということになるわけです。

もしも事実が後者だった場合、千束的に耐えられる話ではありません。
だから、仲間に会って真実を伝えられる前に、
誰にも見つからないところを求めて逃げ出した、というのがホントのところかと。

  少なくとも、千束が口に出したウソ、
    勝手に手術されていて『死ぬな』と思い、
    湿っぽくなるのがイヤで逃げ出した。
  なんてものよりは、よっぽど筋がとおる解釈ですよね。そもそも千束は
    古い心臓が修復不能で手術しても意味がない、
  ということを知っていたわけですから、自分が何をされたかは自明の理なわけで。

そして、たきなに見つかり、腹を括って話を聞くことにした。
たきなの口から伝えられたのは『前者』。
もちろん、それが真実かどうかなんて千束に知るすべはありません。

  ただ、冷静に考えてみれば、
  真実がどちらであったとしても
  たきなは『前者だ』としか言うはずがなく。

  そして、同じように、真実がどちらであったとしても、
  千束が『吉さんから再び生命を与えられた』という事実に変わりはなく、
  それを精一杯生きなきゃいけない、ということに気づくわけです。

  だもんで、真実は玉虫色のまま、ワイハへGO!!

という、まさに『どっちにでも転がせる』最終回だったわけですね。
本編にも吉さんが『死んだ』という映像はどこにもなく、
今後どんな展開になるのか、ちょっと想像がつかない感じであります。


あと、僕的に今後の展開で気になるのは
ずばり『ミカに対するアラン機関の扱い』です。

  だって、結局のところ千束は人殺しをしていないわけでありまして。
  つまり千束はアラン機関の追加支援を受けられない、
  そういう立場であったわけです。

  その千束を助けるために
    アラン機関のエ-ジェントである吉松を抹殺し、
    同じくアラン機関の成果物である人工心臓を強奪、
  ということであれば、ちょっと『ごめん』じゃすまないだろうなと。

  吉松が生きている場合でも、
    二人で共謀して心臓をだまし取った
  ということになりますから、やっぱ『ごめん』で済ますのはムリ。

  そしてその心臓を移植され、
  義務をはたさないまま生きている千束もまた、
  やっぱ『知らんかった』ではすまされないだろうなあ、と思われ。


というわけで、もし二期があるとすれば、
まだまだ『リコイル(反動)』の波が続いていくものと予想しています。

まるで正体の見えないアラン機関も姿を見せるだろうし、
リコリスの抹殺に使われようとした格上の『リリベル』も出るだろうし、
したっぱテロリストなんかより規模のデカい、
そして対人殺傷能力に長けた『敵』がおしよせてくるわけで。

  そんななか、千束が『不殺』を貫いて仲間を守り切れるのか、
  みたいなストーリー展開になったら、けっこうドキハラできるかも。


まあ、そういうのは『拙がライターならこう書く』という話で、
信頼性もなんも、あったもんじゃありません。
いきなり『萌えアニメ』になる可能性だってゼロじゃないわけで。

  常にスケジュールがパンパンのA-1 Picturesですから、
  いかに板が売れようとも、
  すぐに二期の制作にとりかかるのはキビしいかと思われます。

  朗報が届くのを首を長くして待つ間、
    自分ならこう書くなあ
  なんて想像するのも、アニメの楽しみ方の一つなんじゃないでしょうか。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 41
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アニメファンの感性を残酷なまでに問われる惨い作品

日本国の治安を守る秘密組織機関に属するエージェント=「リコリス」と呼ばれる少女たち
「千束と たきな」 2人のバディを描いた物語。

銃撃戦もありますが、最大の見せ場は何と言っても
千束と たきな のバディの関係性の描写にございます。

人気実力を兼ねそろえた完成度が非常に高い超話題作。

エンタメ性も高くキャラも魅力的で評判は上々、一見の価値ありと
自信を持ってより多くの方々にお奨めできるタイプの作品であります。

お気楽吞気で全身脱力系の 千束 と
生真面目で融通が利かない たきな の凸凹コンビが繰り広げる
化学反応の超展開(けつキック合戦の模様を含め)どうぞご期待ください。

●メサイヤ×スクランブル~最終話視聴後の総合評価~
{netabare}総合的に考えると相棒系の物語としてはかなり上質の完成度であったと評価できますが
最終話で、 たきな の活躍が期待していた程ではなかったこと、そして
「心臓」の件は個人的には千束もしくは たきな の決断により解決してほしかったのですが
二人の父親同士の決闘の末、先生の独断?(あるいはすべてを見越した吉松氏の計略?)により
あっさり解決されてしまったのが少しだけ残念でありました。

「彼岸花」が暗示する「死亡フラグ」も吉松氏が全部引き受けることで
一番危うい立ち位置にあった千束、仲間思いの念が強すぎて見境なくなる
という意味で何かやらかしそうだった たきな も事なきを得たようです。

千束の二人の父親、先生と吉松氏のBL関係のごり押しは{netabare}あまりに露骨で悪趣味なものを
感じたので減点の要素としました。

実はエリートと呼ばれる人たちにBL系の人が多いというのは事実であり、ある意味アラン機関の
吉松氏が同様であるのもリアリティがあると言えばその通りですが、主人公の父親がともに
BL系というのはかなり微妙過ぎるものがあるように感じました。{/netabare}

人気・評判・実力の総合評価では今期最高水準であることを証明したような本作でありますので
続編が期待されるのは当然の成り行きでありますし、だからこそ千束や たきな の手によって
命の問題を解決させようとする結末を描かなかったのには理解はできるところもあります。
というのも、原理上、命の代償は命であるのが必然だからであります。

12話の展開の過熱感は限界突破をするほどの熱を帯びているように思えましたが
最終話ではピークアウトを迎え少しだけトーンダウンしたような印象も受けました。

ただ続編への繋ぎということならば、若干ぬるめのハッピーエンドみたいな締めでも
ファンにとっては好印象であったのかもしれませんし
まだまだ物語が続くなら、それを待たずして激辛評価というのも早計でありかつ
期待が持てる終わり方というのも印象は悪くなかったように感じました。
結論は、概ね着地成功という話にございます。{/netabare}

ざっくりレビュー{netabare}
1話 たきな は待機の命令違反を犯しリコリスの仲間を救出
この命令違反を理由に本部から左遷されますが、救世主に憧れる千束には好印象
たきな は仲間思いの「熱い」性格であることが判明します。

2話 千束のマトリクスディフェンス炸裂
カラシニコフは反動が大きいのでかわし易いということなのでしょう。
異常に目がいい千束は射撃手の腕の筋肉の動きから弾丸の起動が読めるというチートであります。

3話 健康診断受診前に飴を食べようとする千束に たきな が注意勧告
甘いものは血糖値を上げるからと正論を放つも実は思いやりがあるというのが たきな であります。
模擬戦煽り合戦で千束吠える!千束も たきな のこととなると熱くなります。名コンビ覚醒回であります。

4話 たきな 用下着の買い出しシーン。ショップで二人の禅問答が始まり
千束の一人乗り突っ込みが冴えわたる。所詮は百合サービスデート回だろうと油断していたら
二人の会話は盛り上がり、思い出話の暴露から信頼関係が強化されていく様子が描かれます。

5話 千束の秘密が明らかになる重要回。
手作りの「旅のしおり」は千束の観光ガイドの依頼に対する本気度が窺えます。
アラン機関によりもたらされた人工心臓、そして千束の使命とは?物語は動き出します。

6話 リコリス襲撃犯テロリストとの対決。千束の弱点、目潰し攻撃で追い込まれるも
たきな のバックアップで難を逃れます。

7話 アラン機関に選ばれた千束と運命の人との再会。
しかし両者のそれぞれの思いにはズレがあるようであります。

8話 たきな 渾身のオリジナルパフェを考案。
絵の才能に加え たきな は決定的にセンスがないことが判明。
旧電波塔事件に関与していた男、真島の正体はアランチルドレンであり
千束との運命的再会は彼にとってはリベンジマッチ千載一遇のチャンスとなるのであります。

9話 人工心臓に細工され千束の余命は数か月に。
先天的心疾患の千束を救った救世主=吉松氏は憧れの人。
千束の生存につながる情報の手がかりを求め本部復帰を決意する たきな。
思い出作りのため たきな エスコートで千束とお出かけ。
たきな らしい生真面目過ぎるデートプランであるも、千束は大満足。
二人の別れのシーンで待望の雪が降るという演出がとても印象的な感動回でありました。

10話 自分のために人生を棒に振ってほしくない千束は喫茶店の閉店を決意。
そしてテロリスト真島覚醒!その本領を発揮します。 {/netabare}

以下長文レビュー{netabare}
●「メサイヤ・コンプレックス」~テロリスト真島について~
{netabare}真島というキャラが魅力的に見えるのは、本人が言うように真島が弱い者の味方であり
現状の腐った政治が蔓延する日本という社会においては過激な改革こそが庶民にとっては
正義であり救いであるというのが真実であるからであります。

テロリストというのはある意味「メサイヤ・コンプレックス」という精神病理に憑りつかれている
ような存在でありますが、この狂った世界に生きていれば誰しもが病みを抱え鬱積した感情の
どろどろのマグマがやがて臨界点を迎えるのも致し方ないことのように思われるわけであります。

本作に登場する都知事が(ノンフィクション作家の著作)「女帝」というタイトルの暴露本で
学歴詐称並び公職選挙法違反の疑念を抱かれる対象の某都知事と瓜二つなのは、偶然ではなく
必然であると考えられますが、その問題の某都知事はジョージ・ソロスという世界的大富豪の
お知り合いという話でございます。

都職員による実績評価は過去最悪級の某都知事でありますが、どういうわけか?選挙にはやたら強く
某独裁与党に所属していた時から大臣などの重要ポストを当たり前のように手に入れてきたという
経歴を持つというなんとも「狐」につままれたような奇妙な話でありますが、政治の世界、
いえ、この世のすべては人脈やコネこそが肝心要であり、
実力やら誠実さやら信頼などは二の次三の次のことなのでしょう。

某与党で重要ポストを得てきた女議員とは、よく見りゃみんなよく似てる
「女狐」であるという笑えないオチであります。

だからこそ真島というキャラの思想性に自分の憧れや理想を重ねてしまうわけですが
テロを起こそうが起こすまいが、ガチガチの完全性で固められている現世界システムは
強固なる鉄壁性を示すのみでありましょう。

ただし、その鉄壁性という性質は我々庶民に対してのものであり
もしも権限ある強者たちが世界を変えると決めた時は、逆に多くの庶民が抵抗したところで
いともあっけなく劇的に変わってしまうというのは何とも皮肉な話であります。{/netabare}

●すり替えのトリック
{netabare}「プリンセスプリンシパル」と「探偵はもう死んでいる」から導き出される
「心臓のすり替え」には、トリックが仕組まれていたことが最終話で判明します。

千束の「代替心臓」は実はケースの中にあったというのが真相ですが、
では吉松氏が人工心臓を自らに埋め込んだという話はただのブラフだったのでしょうか?
個人的推測では、計算高い吉松氏のことですから実際に装着して性能テストをする必要性を感じ
ただろうということと、ただのハッタリでは千束が信じないかもしれないという判断から、
自身に人工心臓を埋め込んだのは真実であると判断いたします。

目的のためには手段を択ばない狡猾なトップエリートであるのが吉松氏の本性でありますが
そんな彼でも、千束には父親としてなんとかして生きて欲しいという願いを抱いて
いたという話であります。

愛娘のような千束を欺き、親友のミカを欺いてでも自分の思いを貫く純粋なる狂信者吉松氏と、
片やそのような一方的で残酷な解決法を望まない千束とは、考え方が真っ向から対立しますが
誰かのために生き、誰かの命を救うために生きることとは、千束にとっては理想的な生き方で
ありそれこそが彼女にとっての「救世主」であったというわけです。

千束としては、吉松氏の一方的なプレゼントとメッセージについてはひどく受け入れ難いものの
ため「これ」を海に投げ捨てますが、そのシーンで彼女が断ち切ったもの、断ち切りたかった
ものとは過去であり、ある意味吉松氏によって与えられた未来には真っ向から向き合って生きて
行く決意を表したような意味合いが、そこには込められていたようにも思えます。

今の千束には救世主に対する憧れはもうありません。
等身大の自分が生きる道、未来につながる道をひたすら歩んで行くだけです。

例え与えられた命でも生きる権利があるのは本人であり、
どう生きるかも本人の専権事項であります。

親がなければ子は生まれませんが、親はなくとも子は育ち、やがて巣立ちます。
未来とは親のためではなく子どものためにあるものです。
そして親とは子どものために、子どもを思い生きる存在であります。
自分の理想を一方的に押し付けるようなことは本来親がやるべきことではなく
もしも吉松氏が本当に千束を自分の子と思い、自分は父親と自覚していたなら
それが間違いであることに当然気づくでしょう。

吉松氏はどちらだったでしょうか?{/netabare}

テロリストの真島もなかなかいいキャラでありますが、いかにもエリートらしい吉松氏の{netabare}
目的のためには手段を択ばない純粋なる狂気っぷり加減もなかなかによい塩梅であります。
自分の信念を純粋無垢に貫いてブレない千束との対比効果が鮮明で個人的には
かなり燃える因縁の対決シーンでありました。

そして仲間思い千束思いの たきな の鬼の形相、必死すぎる表情も上手いこと描かれており
熱量が凄いことになっておりました。

組織挙げてのオペレーションの失敗の責任をすべて部下に押し付けて何事もなかったかのように
トップの地位にのうのうと居座り始末書の処理だけは優秀な楠木司令
この世界で出世し勝ち残り優秀と言われるのはお役所仕事をそつなくこなす方なんですが、
しかしながら要するに、そういう人は無能で信頼もできないし
自己保身が最優先事項なので実は全く使えないというのが真相でしょう。

ハッカーや真島に何度もしてやられて自分の面子や上司からの評価がガタ落ちの状況を
何とか打開しようと功を焦り、真島検挙の手柄を独り占めしようと目論み
自ら現場にしゃしゃり出てきたDA司令官でしたが…取らぬ狸の皮算用の狸が逆に化かされて
失態の上に失態を重ねて、上司激ギレの結果、切り札の千束を使えという鶴の一声のオチであります。

組織人ならば組織の命令や上司の命令に従うのはある意味当然ですが、
しかし上司が無能で組織自体も形骸化しており機能不全起こしてるならば
訓練された無能力集団の命令に従うことほど間抜けなオチはないと言えましょう。

真島やハッカーはそれについて十分熟知しているので
某都知事含めてコケにされているという展開であります。

優秀なる官僚主義である楠木司令も最後の最後で上層部に一矢報い名誉挽回できたようです。
最後の切り札=千束を政治力を駆使して温存していたこともありますが
それ以上に最後の最後でものをいうのは人脈であるということなのかもしれません。{/netabare}

「えんくうぼく」という名の電波塔とは5Gが普及する近未来を端的に示しており、
劇的な変化を遂げ生まれる新世界秩序の誕生を示唆しているようにも思えます。{netabare}

新世界秩序を作り出すための重要な鍵となるプレイヤーは中国とも言われており、
中国が推し進める一帯一路構想と5G建設計画には密接な関係性があるようです。
世界秩序の劇的な変化の反動、反発としてテロが引き起こされるのは
必然であると言えるのはないでしょうか。

第1話における東京で「桜開花の情報」のテロップが「東京」ではなく「関東」に差し替えられていた問題に関して考えられる仮説の一つとして挙げられるのは
情報操作=「情報のすり替え」の暗示があったのだと推測いします。

東京は関東に属しますが、仮に東京の桜が開花したとしても
関東全体が桜の開花したというのは確かに論理の飛躍が惨過ぎますよね。

そういうことがちゃんとわかっている賢明な?視聴者の方々は当然テロップの違いに
突っ込んでますが、本作における東京及び関東に属するような愚民風情の我がニッポン国民とは、
そんな明らかな論理の飛躍=あからさまな情報のすり替えや情報改ざんの類にはまるで気が付かない
間抜けでお人好しな、救う余地がまるでないような程に絶望感が惨過ぎるからこそ、
例えテロリストになってでも真実を伝えようとするような真島の真摯的な
態度には共感以外に言葉はなく、
一方であまりに哀れ過ぎる我がニッポン国民の愚民性をこのような対比でまざまざと見せつけられたら
笑って誤魔化すしか手立てがないとかいうのは、とても皮肉な話であります。

1話に登場した電波塔とは(改ざん可能な)高度情報化社会を象徴するシンボルであった
可能性が濃厚だと感じました。{/netabare}

1話において某作戦の失敗の原因は{netabare} 某リコリスのスタンドプレーによるものとして
組織内部では処理されていますが、要するにただの責任転嫁のしっぽ切りのために
たきな は左遷されたという話であります。
情報操作と虚飾にまみれた組織とそれによって守られた治安のいい?国家=我がニッポン、
そこに住まう意識が高い?国民性を持つ小奇麗な我が家畜たちの間抜けな幻想、
そういうもの一切合切を痛烈に皮肉ってるようなメッセージが胸に突き刺さります。

某「緑の」都知事には思わず苦笑w皮肉が凄いですw{/netabare}

●個人的に気になった用語
{netabare}・リリベル
リリーベルとは和製英語で鈴蘭の花を意味するらしいですが、
より多くの人に頭に焼き付けて欲しいのは「リリベル」という言葉自体
表記自体に重要な意義があるという話です。

・延空木
天空に延びる木なので、世界樹=ユグドラシル(ゼロ活のクジラ回にもあった)のことを
指しているようにも思えますが
「伸びる」ではなく「延びる」の方は時間空間的なものを指して使われるということです。
電波塔は塔ですから「バベルの塔」みたいなものとも解釈できますが、
「バベル」には「混乱」という意味合いがあるらしいです。
「混乱」という言葉には情報(の錯誤)というものが含まれ
結局のところ「延空木」とは情報網の枝が次元に延長されていった結果
構築される世界樹のようにスケールが大きい巨大情報網のことを指すようです。

5Gが実現する世界こそがまさにその状況を示すのだということになりますが、
最も肝心なことは高度情報化社会は既に進行しており、その社会に暮らす一般庶民とは
絶えず押し寄せる情報の海に溺れ漂流し続ける儚い存在でしかないという真実です。
ハッカーによる情報操作に翻弄され無様に踊らされるという本作に登場する愚民たちとは
結局のところ我々無力な庶民の事を示しており、現時点で真実が何であるのか見えているのは
限りなく無に等しいという…非常に残念なお話でございます。{/netabare}{/netabare}

●アニメファンが知らない秘密結社【フリーメイ@ン】
{netabare}感のいい方のお察しの通り本作ではとある「秘密機関」が描写されています。

一つは 【烏】。一つは【梟】。
「SPY家族」の「オペレーション【ストリスク】」、「惑星のさみだれ」の「【梟】の騎士」
そして「後宮の烏」には「【烏】妃」と【梟】が登場します。
これはほんの一例に過ぎず、特に【梟】が(意味深に)登場する作品を探し出したら
きりがないくらいに【梟】は至る所に存在するのであります。

世界の基軸通貨「ドル」の1$札にはさり気なく【梟】がプリントされていますが
恐らくこれはFRB(連邦準備制度理事会)の株主、つまり世界標準として
ドル基軸通貨体制を構築した「陰の実力者」の所属を示す【刻印】
のようなものであると個人的には理解しております。

【梟】が暗示する【メイソン】の情報をネットで調べたらそれこそ腐る程出てまいりますが
所謂「都市伝説系」の人達が積極的に情報発信しているこの手のものは特にフェイクが多く
当方も迂闊にこれに食いついて騙された口でありますが、得られた情報の点と線を地道に
つなぎ合わせるという地味な作業を長年にわたって継続した結果、パズルのピースはかなり
揃ってきたと実感する位までには到達できたように思います。

【メイソン】の話は某アニメ評論家の岡田斗司夫氏もtubeで披露しており
【メイソン】と【錬金術】の関係性を見事に暴露しているのは、核心をついていて
十分評価すべきでありますが、その一方で【ローマカトリック教会】の理解も含め
【メイソン】の本質には今一つ届いていないように思いました。

【メイソン】に関する話が厄介なことになる原因は今の組織が2重構造、ないしは3重構造
になっているからだと個人的には理解していますが、岡田斗司夫氏ご指摘の通り
「近代メイソン」はただの社交クラブ化しているというのは、ある意味
正しい解釈であると思います。

近代になり立ち上がった【フリーメイソン】は「自由・平等・友愛」を掲げる
ただの「社交クラブ」であることは多くの証言からしても事実であると考えられます。
しかしそれは組織の8割9割の部分でしかなく、「ロッジ」によっては【33階級】まである
とのことですが、例えば【33階級】の頂点を極めた重鎮が一般会員と同じように
社交クラブごっこを目的に活動してるのかと言えば、
そんなわけがあり得ないという結論に至るわけでございます。

【メイソン】とは【石工職人】であります。
この【石工職人】は【錬金術】の系譜の末裔であるというのは岡田斗司夫氏ご指摘の通りであり
【石工職人】の影響力が薄れた近代メイソンが社交クラブ化したのも
ある意味事実であるようにも思えます。

「【海賊】王女」で描写された【オーパーツ】的な「不思議な石」はある種の
パワーストーンでありますが、それを鑑定した【石工職人】とは恐らく
【メイソン】を暗示するものだったのでありましょう。

石工職人の系譜と関連深いのは【古代メイソン】であります。
それに対してその影響力が薄れ近代化したメイソンが今の【フリーメイソン】であります。

【古代メイソン】を近代化したのは誰だったのでしょうか?

一説によればその改革者は【イルミナティ】という輩であるとのことであります。

彼らは近代合理主義の洗礼を受け、「自由・平等・友愛」のスローガンを掲げ
革命の旋風を巻き起こした【陰の実力者】であります。

フランス革命を引き起こし、あるいは裏で煽動していた秘密結社が存在していた
という説がありますが、ある説によればそれは【フリーメイソン】であると言われ
またある説では【イルミナティ】であると言われています。

「自由・平等・友愛」とはフランス革命のスローガンでありますが、そもそも
それを掲げたのは【フリーメイソン】の中に暗躍していた【イルミナティ】という勢力
であったというオチであります。

世界史の授業で習いました近代合理主義における「【啓蒙】思想」という聞きなれない
「ワード」、【啓蒙】とは「闇を【光】で照らす」的な意味合いがあります。

【イルミナティ】とは「【光】に照らされたもの」「【光】の洗礼を受けたもの」であります。

早い話が「【啓蒙】思想」というワードの語源は【イルミナティ】であり
「近代【合理主義】」を世に拡散したのも【イルミナティ】であります。

近代革命の旋風に乗って現れた「フランス人権宣言」や「【理性】の崇拝」という奇妙な宗教、
【ギロチン】という悪趣味な処刑装置、すべては彼らの思想と連動しておるわけでございます。

1$札の裏面には【ピラミッド】とその頂点に【光る眼】が描かれていますが
ピラミッドは【石工職人】=【古代メイソン】の仕事であり
頂点に輝く【光る眼】は【イルミナティ】を象徴しております。

【フリーメイソン】や【イルミナティ】と言えば都市伝説扱いの話とされていますが
フランス人権宣言や1$札だけでなくありとあらゆるところにその形跡が
確認出来てしまいます。

アニメの元ネタが「フリーメイソン」という事例も挙げればきりがないほどありますが
さて、アニメ制作者の方々は皆【オカルト】マニアとでもいうことでありましょうか?

秘密結社に関する謎は深まるばかりでございます。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

これは本当に楽しめた作品

オリジナルアニメーション作品です。
オリジナルアニメーションといえば面白い作品が多く、リコリスリコイルもその作品の1つ。

1話の段階で面白さが解るレベルの面白さですね。
Twitterでもフォロワー20万越えの人気だしアニコレでも人気は高かった様に記憶しています。

普通にキャラも可愛いし、千束もタキナもしっかりキャラが立っていて内容も解りやすくアクションもスタイリッシュですね。
たまに作画がおかしいシーンもありますが余り気にならないレベルですね。

後は細かいやり取りも面白く日常シーンも楽しく描かれて居ます。
退屈しないで飽きない物語展開は何度みても面白いですw


悪人を消しさり平和な東京を維持する為の武装組織に所属するリコリス。
そんな少女達の物語。

作戦違反をした少女タキナは転属命令が下される。
彼女は東京で1番のリコリスである、千束の元で学べと言われたのですが……

【千束】

千束は賑やかな女の子です。
タキナが来た事に凄く喜んでいて、多分同年代の女の子で相棒が出来たのが嬉しかったのでしょうねw
少し悪ふざけが過ぎるのですが、実は私も普段から悪ふざけしてる人なので、その点は共感持てますw

2人の初仕事はボディーガードなんですが、千束が目を離した隙に{netabare} 人質を囮に犯人組織を誘き出すタキナw
悪人を潰す為には使える物は護衛対象を囮にする女タキナw {/netabare}

この辺り、タキナが千束の元にで学べと言われた理由のヒントになっています。

千束は、「命を大事に」と言います。
彼女は、平和と称して悪人を処刑して存在を消し去る組織ADのやり方に{netabare} 疑問 {/netabare}を持っています。
悪人を殺す事を許可されたリコリス……
{netabare} チサトが使う銃はゴム弾です。
人を殺さない為の武器であり、敵が負傷してもその場で治療をしたりします。 {/netabare}

それは悪人だからと言って命を奪っていい理由にならないって点と、彼女は、人の命は奪いたくない、誰かを助ける事をしたい。
{netabare}そして、彼女自身が命を救われたからです。 {/netabare}

実は、千束の身体は{netabare} 人工心臓 {/netabare}です。
それは命を引き換えに世界への使命を与えられた事を意味します。

彼女は人を捜していました。
理由は、自分を救ってくれたある人にお礼を言う為。
そのお礼を言いたい人と意外な場所で再開する事になる。
でも、上手くお礼を伝えられなかった。

彼女の恩人{netabare} ヨシさん。{/netabare}

彼女は{netabare} 健康診断中にある注射を打たれます。
それは彼女に埋められた人工心臓を充電不可にする為の彼女を死に近づけさせる注射。{/netabare}

そうして、彼女の余命は約2ヶ月
千束は元々{netabare} 余命は長くなかったからと明るく受け入れてしまう……何故、その運命を受け入れられたのか…………何故笑顔でいられたのか……1番不安だったのは彼女のハズです。{/netabare}
それでも、悲しい顔も涙も見せないで……

それは、彼女が今も奇跡の中にいるからです。

これはある漫画のセリフなんですが、「人にとって1番難しいのは健康に生きていく事」なんですよね。

昔の彼女は身体を動かしたら倒れてしまう。
{netabare} 病弱で、もう長くは生きられない……
でも、ヨシさんが救ってくれた。
先生が育ててくれた。

だから、今の自分があり、その救われた時間を過ごせただけでも彼女の中では今日までの時間が奇跡のような時間だった。 {/netabare}
健康に生きてこられた。

だって、そうではありませんか?
普通にしてたら死んでしまっていた時間……
{netabare} でも、寿命を引き伸ばして貰えて、その新たに得られた時間に沢山の楽しみや出会いがあって奇跡の様な時間だって思います。{/netabare}

それが短くなった。
きっと、辛かったし悲しかったと思う
でも、元々無かった時間を体験できて、それが短くなった。
それだけだったんだと、きっと割り切った。

{netabare} せっかく、ヨシさんがくれた時間だから悲しむ時間が勿体ない……だから悲しむより普通に楽しく残りの時間を生きようと……その気持ちが彼女の心を支えていたのかな?と思いました。 {/netabare}


それからも千束は普通に日常を過ごしてました。
でも、1番凄いと思ったのは自分の事より、リコリコの仲間のこれからを気にしていた事です。

リコリコは{netabare} 閉店{/netabare}
{netabare} 元々、リコリコは千束が居るから成立した支部でした。
だから、彼女が居なくなった後に突然彼女達が行き場を失わないようにとの配慮だったのかな?と思います。{/netabare}

それが1番凄いなぁ〜って、余命なんて宣告されたら多分、自分の事で手一杯だと思うのですが、それでもタキナをDAに帰れるようにしようとか、ミズキやクルミが何処に行くかとか気にしていて、多分見届けたかったんだろうなぁ〜

そんな中、千束は先生から全てを聞かされる。
ヨシさんが彼女を助けた本当の理由……
先生の謝罪…………

それを聞いても千束は笑顔だった。
感謝の気持ちは変わらないと。

そうだよね。
理由や真相はどうでありヨシさんは自分を救ってくれたし、先生が与えてくれたものって本物なんですよね。
裏はどうであり、その行為があるからこそ今の自分がある訳ですもんね。

そうして、{netabare} ヨシさんが捕まった事を知った千束は彼を救い出す為に {/netabare}戦場へ踏み出す。


【タキナ】

DAではタキナは仲間殺しとか追い出されたとか噂されています。
それでも、タキナはDAに戻りたいのですが、中々戻して貰えず……

{netabare} 千束はタキナの気持ちを優先してタキナをDAに戻してあげたいと交渉します。
それでも、DAはタキナを拒否する。{/netabare}
正直、こんな場所に私なら戻りたいとは思えません。

それでも、タキナは自分の居場所はここにないと思い込んでました。
その場所にしか居場所がないから戻るしかない……

千束は言います。

千束{netabare} 「それでも、自分の居場所はあるって」 {/netabare}

うん、居場所って簡単には見つからない物です。
それでも自分の居場所ってこの広い世界の何処かには必ずある。
だから、1つの場所に拘らなくていいのだと思います。
1つの場所に居たら他の居場所がないと思い込んでしまうけど……


千束{netabare} 「失う事で得られる事もある。」 {/netabare}

これは誰でも経験あると思います。
人は生きていると失う事が多いです。
失った時は消失感で涙があふれてくる。
それでも頑張って生きていく中で失ったから得られた出会いや失ったから獲られた物や、失ったから開けた道は必ずあったと思う。


千束{netabare} 「誰かの期待に答えるために悲しくなるなんて詰まらない。」{/netabare}

うん。
誰かの期待に答えられたら嬉しい!評価してもらえる!ご褒美を貰える!喜んで貰える!
誰かの期待に答える事は間違えじゃないよ。

でもさ、頑張って期待に答えても見向きして貰えなかったり、評価されないのに、誰かの期待に答えても悲しくなります。
それだと、疲れてしまう……自分が壊れちゃう……だから、見向きして貰えない人の期待に答えようとしなくていいんです。

自分を認めて評価してくれる人の期待に答えるのが1番いいのです。


千束{netabare} 「居場所はある。お店の皆との時間を試してみない?それでも此処が良ければ戻ってくればいい。」{/netabare}

うん、見ただけで自分が居て心地いい場所なんて解らないよね。
でも、新しい居場所は試さないと解らないものです。
自分の居場所なんて何個でも試せばいいのです。
皆、そうやって居場所を探していくものです。


それを聞いたタキナは、何を感じたのか。

最初は、DAに帰る事しか考えなかったタキナはそれ以降は、お店に打ち解けようとしたり、千束に興味を持ったり積極的になっていったように思います。


タキナにとって千束は……

作中では相棒とされています。
しかし、私には千束は理解者に見えます。

千束はタキナに出会えて嬉しいと言います。
それは本心です!
だから、タキナとの時間を大切にしたいし一緒にこれからも居たいと思う。

タキナがDAに帰るのはその時間を失う事を意味します。
{netabare} それでも、彼女はタキナがDAに帰れるように尽力してくれる!
それはタキナが本心でDAに帰りたいと思っていたからです。 {/netabare}

だから、優先される気持ちは……報われるべき気持ちは……タキナであるべきだからです。
他人の気持ちに向き合い全力で優先して考えてあげられる。

それでも、報われないのなら…… {netabare} 居場所になってあげられるかもしれない事を提案してくれる。 {/netabare}
それは、他人の気持ちに寄り添える理解者です。
千束が居たらタキナも安心かな?

千束の余命宣告後にタキナはDAから{netabare}復帰通知 {/netabare}を貰います。
彼女は{netabare} 断ろう {/netabare}としていたらしいです。
でも、千束が生きていられる{netabare}可能性があるならと可能性を探しにDAに戻る。 {/netabare}

そうして、{netabare} 帰る日に最後に2人はデートをします。
彼女はリコリコを去ります。
自分の為じゃなく、大切な人と大切な場所を守るために…… {/netabare}

そして2人は各々の理由を手に戦場に赴く事になります。
そして、千束の{netabare} 心臓のスペア{/netabare}を発見する!

【最後の戦い】

そんな中、タキナは{netabare} DAの任務を放棄 {/netabare}して千束の元へ向かう……
二度と{netabare} DAには戻れないと{/netabare}言われてもここでは、彼女は{netabare} と 千束を救えないからと任務 {/netabare}を抜け出します。

千束はヨシさんを{netabare} 救い{/netabare}に行きます。
真島って結構強かったんですね。
一応、小細工ありで千束対策もしてるけど意外と強くてビックリしました。

でも、途中で{netabare} 乱入してきたタキナ {/netabare}は何か安心感ありますね。
{netabare} 2人に {/netabare}なると安心感と安定感が増します。

そして、千束は最悪の敵と対峙する。
{netabare}ヨシさん…… {/netabare}
千束は最後まで信じようとするけど……

{netabare} ヨシさんは千束に殺しをさせようとする。
あらゆり手段で殺させようと……タキナをピンチに追い込んだり……自分に心臓のスペアを埋め込んだのも…… 千束に自分を殺させようと…… 千束の心臓を壊したのはこの為。 {/netabare}

タキナの{netabare} 「心臓が逃げる」{/netabare}って銃を打ちながら追いかけるシーンがありました。
タキナからすれば……やっぱり{netabare} 生きて欲しい {/netabare}と思いますよね。

例え、千束の{netabare} 恩人を殺してでも生きて欲しい!{/netabare}
{netabare} そもそもヨシさんは最低の人てす!
そんな人よりも千束に生きて欲しい。{/netabare}
そう考えたのかもしれません。


千束{netabare} 「ヨシさんを殺して生きても!それはもう私じゃない」 {/netabare}

誰かを殺して生きる……
そう、タキナは解ってる。
彼女が人を殺さない理由を…… {netabare} 殺して手に入れたとしても彼女はその心臓は使わないと言う事も…… {/netabare}

殺すと言う行為は……彼女の生き様を否定する事になる……それをさせちゃいけないのも解ってる……だから、自分がやらなきゃ……大好きな千束に生きて貰いたいから!

でも、このセリフを聞いたタキナは止まる事しか出来なかった。
それを言われたら……心臓を手にしたとしても……

そして、千束は真嶋がとの決着をつける。

【千束VS真嶋】

この2人ってなんか……会話のシーンを見て思ったのは……出会い方や立場が違えば友達になれてたような気がしてしまったんですよね。
お互いがお互いに守るべきもの為に戦っている。

千束の世界は素敵なものですね。
真島は小さいと言うけど、その中には世界なんかに収まらない大きな気持ちが詰まっている気がしました。

最後の千束の連射は……真島をタワーから落とすけど……
多分、彼女は解っていた。
{netabare} タワーから落ちても生きてる確信があったから躊躇わなかった。{/netabare}
現に彼は……

タキナは{netabare} いいタイミングで駆けつけてくれましたねw
彼女の判断が千束を救った。{/netabare}


【先生VSヨシさん】

先生は千束を娘の様に思ってました。
先生は凄く怒ってたなぁ……
でも、それは当然です。
もしも、自分の子供に辛い思いをさせる人や命を奪おうとする人を許せないって思う。
親とはそう言うものであって欲しいし、あるべき者であって欲しい。

ヨシさんもまた、娘を想ってたんだろなぁ。
やり方は最低だし親としては失格だと思う……
間違えた愛情だったけど、多分気持ちは……
{netabare}あんな手紙を残して…… {/netabare}先生があれを破棄したのは千束には見せられない……
だってあの{netabare} 手紙 {/netabare}を見たら彼女はきっと……


【千束のその後……】

{netabare} 彼女は生きていた。
ってターゲットは千束かいww
声を掛ける訓練してないからって銃を乱射してくるパートナー怖いよw

千束は気を失っていた時に人口心臓を移植されていました。
彼女は、ヨシさんを殺してまでは生きたいと考えてなかった。

しかし、目覚めたときには……
この意味は……世界の指名を果たす為に与えられた心臓は彼女の中には今はなくて……
今、彼女の左胸で刻んでる心音は、先生が千束に「自由に生きて欲しい」って思いで与えてくれたものなんだと思う。
なんの使命も据もない。{/netabare}

命を大事にしている千束は……
その命を否定はしない。
何故から、命の大切さを知っているから。
{netabare} 彼女は2つ目の命をきっと大切にしながら生きていくのだと思う。 {/netabare}

皆、平等に必ずくる別れの日……その時まできっと。

【見終わって】

今期の中で個人的には1番好きな作品です。
千束の生き方って素敵だと思うんですよね。
彼女は毎日を楽しく笑って生きています。
出会いを1つ1つ大切に……

現実問題、彼女の様に生きていくのは難しいです。
しかし、彼女もきっと辛い事や悲しい事も沢山経験しているそれでも楽しそうに生きている。
悩みながらも苦労しながらでも楽しく頑張って生きていく。

{netabare} 「私を必要としてくれる人に出来る事をしてあげたい」{/netabare}
この志しは素敵だなぁ〜って思いまました。

彼女の生き様ってなんか凄く理想的で素敵な生き様だと感じました。
難しいけど出来ない訳じゃなくて尊敬しちゃいますね(*^^*)


【最後に】

OPで千束がタキナのお尻を軽く蹴り、それにムキになったタキナが千束お尻に全力全開の蹴りを炸裂するシーン。

ジョークの通じない友達とのやり取りのようなこのシーンは凄く学生らしいやり取りで、彼女達がリコリスではなく普通の学生ならこんな日常だったのかな?と思わされた印象的なシーンでした。

後、EDが神ってた!
EDに入るBGMも作品にあってたし、曲もかなりいい!
このED凄く好きです!

そして次回からはワイハー編がスタートします!
楽しみですね!

え?最終回なんですか?
いゃいゃ、Twitterとか公式サイトや番組表では最終回の文字が出てますが、アレはアレだよ!ほら!

数ヶ月遅れのエイプリルフールネタですよ。
次回からはワイハー編ですよ!ワイハー編!

えぇ……最終回なんですか?(*꒪꒫꒪)
そうですか……最終回らしいです。
マジらしいです(´・ω・`)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 40

88.8 14 陰謀アニメランキング14位
マクロスFRONTIER[フロンティア](TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★★ 4.1 (3905)
18305人が棚に入れました
西暦2059年。「新統合軍」が擁する戦闘艦と一体化した居住艦を中心に、1000万人以上が住まう超巨大宇宙移民船団の一つ「マクロス・フロンティア」(通称「フロンティア」)は、銀河系の中心部を目指す航海の中にあった。
ある日、近隣で航行中の「マクロス・ギャラクシー」船団出身の歌姫・シェリル・ノームが、コンサートのためにフロンティアを訪れる。同じ頃、パイロット養成学校に通う少年・早乙女アルトは、シェリルのステージの一部であるエア・アクロバットに出演することになっていたが、彼女の大ファンだという女子高生・ランカ・リーとひょんなことから出会う。そんな折、フロンティアへ謎の宇宙怪獣が突如来襲。アルト、ランカ、シェリル、そしてフロンティアの人々は、否応無しに宇宙怪獣との戦いに巻き込まれていく・・。キラッ☆

声優・キャラクター
中村悠一、中島愛、遠藤綾、神谷浩史、福山潤、桑島法子、小西克幸、豊口めぐみ、大川透、小林沙苗、三宅健太、田中理恵、平野綾、福原香織、井上喜久子、西村知道、杉田智和
ネタバレ

すばる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

初マクロス、初ロボットアニメ

2008年放送、巨大移民船団マクロスフロンティアへ突如襲来した未知なる敵バジュラとの戦いにフロンティアの人々は巻き込まれていく...

全話視聴

ロボットというよりSFアニメという印象が強いかな。世界観が好みで、戦闘シーン・音楽共にとてもよかったです。音楽で印象に残ってるのが「トライアングラー」「星間飛行」「ライオン」「アイモ」「ダイアモンド クレバス」「ノーザンクロス」
挿入歌の「射手座☆午後九時 Don't be late」「What 'bout my star?」
どれも作品に合っているのはもちろんですが、特に好きなのは「ライオン」「アイモ」と挿入歌ですね。一番は「ライオン」です。戦闘シーンはCGで迫力があり面白いですが、{netabare}後半(特に最後)はそんなにだったかな...{/netabare}
キャラはランカがかわいい(特に歌のとき)し、全体的にカッコいい人が多くて好きですね。
最後は{netabare}終わり方が微妙だった。どっちかを選べという訳ではないんだけど、星に住み着いてからの日常シーンや人々の生活をもっと見たかった... あと2話は欲しかったな~ でもあの人いないのは寂しいかも...{/netabare}

次見るまでにけっこう間が空いてしまうので、忘れないように各話のメモや感想を書いてました。別に見なくていいです... 10話からまとめるの面倒になりました。

9話までの各話メモ・感想

{netabare}

1話
世界観が好きだな、ランカが持ってる緑の生き物?触ってみたい。それにランカがかわいいね
シェリルの歌もいいな

戦闘シーンもかなりいい。
ギリアムはかっこいいのにすぐ死んじゃうんだ...

2話
危機一髪だな、自動修復するのも面白い。
オズマはランカにパイロットであることを隠してるのか。

それにしても、世界観やっぱりいいね。街の機械とか
EDもいいな

3話
ランカは記憶障害みたいだ。解離性健忘症っていうらしい。だから幼いときの記憶はないとのこと。

最後のアルトの言葉はいいね。アルトは民間軍事会社SMSに所属し、ランカは歌手への道を歩み始めるようだ

4話
キャラがすごく好き。表情が細かいのもいいね。
あと、やっぱりCGの戦闘シーンもすごいなー

クラン・クランはゼントラーディなの?
マイクロン化で小さくなれるみたいだけど

5話
ゼントラーディの人たちも普通に生活してるのか
ゼントラーディのショッピングモール行ってみたい
シェリルもかわいらしいとこあるんだな
ランカも相変わらずかわいいし、歌がいいね
松浦ナナセもいい子だ
ミハエルは厳しいけど、ああでも言わないとね...

バジュラが暴走したのはランカの歌声に反応した?

6話
おじさん何か気持ち悪いのに、オズマなんで承諾したの笑 ランカは嫌な予感しかしないけど...

会話面白いね。ミシェルもノリノリなのが意外w
それにしても何なの、あのテーブルは笑 ほしい
シェリルとのこと隠しちゃうんだね... それはダメだよ

ランカは16で来年で成人ってことは17からが成人?
艦長のセクハラでモニカが喜んでるのは笑った
キャサリンはSMSに転属することに
アルトは空が低いの嫌いって1話でも言ってたな。そういえばよく紙飛行機とばしてるな

マクロスギャラクシーってシェリルのとこか
最後は「ダイアモンド クレバス」のロングバージョン(フル?)でいい歌だなと改めて感じた
ここから戦争か... 暗い展開になるだろうな

7話
シェリルはこのライブを最後にフロンティアを離れるみたい
フォールド断層はあんまり理解してない。調べたら何となく分かった。通っちゃいけない壁みたいなものか

好きな歌だー!戦闘シーンも歌と同時でいいね
マクロス・クォーターは変形できるんだ。クォーターの乗組員たちが活躍してるのは好きだ

8話
仕事ってこれかよw かわいいけど、ニンジン...笑
ていうか戦争もう終わったんだな。いきなり明るかったからびっくりした。子供のゼントラーディもいるんだね

ランカは美星学園に転入してきた。その前はお嬢様学校に入ってたみたいだけど
アルトはシェリルのイヤリングなくしちゃったのか
そして、ルカは変な妄想すんな笑

EX-ギア(エクスギア)は扱い難しいんだな。それにしてもあんなにそっと触ったのに卵割れる?笑
あと、シェリルはパンツ1枚で暴れすぎw パンツ持っていったのはランカの緑の生き物だと思ってたけど違うのか

...シェリルも転入してくんのかよ笑

9話
ミシェル、フレンドリー・ファイア
ミシェルの姉のジェシカ

ねこ日記って何?w 歌は歌わないの? ティッシュ配りかと思った。ランカのデビュー曲か

巨人化するには専用の装置がないとできないのかな?
あと、シェリルは自分のこと妖精ってw ダサいな

{/netabare}

10話からの各話メモ・感想(未整理)

{netabare}

10
映画の撮影現場、鳥の人

後半の戦闘シーン雑じゃなかった?

シェリルこの状況でキスする?わざとキスしたんじゃないのか
監督の最後のセリフ恥ずかしくないのか笑
だらしなさそうにみえたのに最後はかっこよかった

ランカとマオには何か関係があるみたいだけど?
プロトカルチャーと人類の映画の内容あんまり分かんなかった。あんまり重要じゃないのかな?

11
インチキ臭そうな人だったのにランカ忙しくなったな

主観時間と客観時間があるのか フォールド断層

ED変わった この歌がねこ日記か

ランカかわいそうだな。シェリルもなぜ誕生日に誘った...

レオン・三島が電話で話してるのは誰なんだろう

12
デカルチャーってランカやインチキおじさんも言ってたけどどういう意味?

階段で食べ物散らかすなw

ゼントラーディの反体制派 緑はいいやつ?
最初悪いやつらかと思ったw

LAI ホールド機関 ルカ

超時空シンデレラってw

聴いたことある歌だー!いい歌だな

この回けっこう好き

13
シェリルは何の薬飲んでるんだ グレイスは知らないみたい
ルカは案外積極的に行動するな
前電話で話してたのはグレイスか。
グレイス・オコナー は何者? 人間なの?
この星壊されるのかよ...
ランカは誰に連れ去られた?
アイキャッチは何w
バジュラはここで作られてるみたいだ
ブレラ・スターンはランカのことよく知らないのか
デカルチャーって何の意味なんw

14
この二人は何やってるんだよw
ルカはかっこいいね ななせちょっとひどいな。
レオンは前からわかってたけど絶対敵側だよな...
グレイスはシェリルに死んでほしかったみたいだけど、そうはならなかったな。
ブレラはホントにマクロスギャラクシーの生き残りなのかな?
戦闘シーンがいいね

15
バジュラとの戦争は終わったんだな。
あんまり理解してないかもしれないからこの話だけもう一回見直そうかな
やっぱりこの歌いいな。
使い回しが多いかな。
アルトいいなー 二人に好かれて
一区切りついたのかな。
キャサリンの父はあの大統領なのか
次はランカが利用されるのか
グレイスたちは何者なんだろうな。
リチャード・ビルラーって聞いたことあるな。
次が気になるな。楽しみ

16
OP変わると思ったら変わらなかったw
ランカの歌が政府に利用されるようになったみたい
エルモ(あのおじさん)と一緒に活動した方がよかったよなって思うね。
アイモはアレンジされたけど、オリジナルの方がずっといいね あんな歌詞だと歌いたくないだろうな。
ランカの歌がバジュラに通じるみたいだね
歌からホールド波っていうのがでてるらしい。
EDは変わった。
シェリルは酔ってたの?w 違うよね。殴るなんてひどいなー笑
ミシェルは何か面白いね
オズマはランカ想いでいいね
プロトカルチャーはビルラーみたいな人たちのことか
フォールド・クォーツとは何だろうね。それを聞いてアルトはやる気になってるみたいだけど。
緑のをアイくんって名付けたみたい

17
オズマかっこいいね。
OPは「星間飛行」に。「トライアングラー」も好きだったから寂しいけど、この歌やっぱり好きだな。
クランかわいい。
愛くん、後々大変なことになりそう。
フォールドクォーツはバジュラの体内で生成される不可能を可能にする石のことだったみたい。シェリルのイヤリングとかビルラーがつけてた石だね。
ルカはフォールドクォーツのことは知ってて、前のホールド機関もこれを使ったのかな?
ナナセも衣装デザインとかでランカの手伝いをするみたい
バジュラは損傷情報を群れで共有して同じ攻撃が通じなくなるみたいだ。
オズマ死ななかったからよかったけど、誰も気付かなかったの?w
シェリルとグレイスはとうとう話し合いになるみたい
EDはダイアモンドクレバスが落ち着いた曲でよかったけど、この曲もいいね。

18
OPは「ライオン」に。この曲は聴いたことある。
これが本OPか。映像もいいね。

グレイス怖いよ。シェリルはスラム街でゴミを漁ったりしてたみたい。それをグレイスが拾った形か。
SMSの人たちも相変わらず好きだな。
ほんとだ。そういえば前回フラッシュバック起こってなかったね
薬の副作用で発熱してたんだ。V型感染症っいうのに罹ってるみたい。その対処と予防の研究にグレイスは関わってたみたいだね。
シェリルは兄弟子の
キャシーもバーゲンセールに参加してるのは笑った。
シェリルは早乙女矢三郎に助けられたけど、アルトも一緒に乗せてやろうよって思った。かんとうされてるから無理なのかもだけど。
シェリルはかなり可哀想だな。

19
前回の超長距離フォールドでバジュラの生息域から抜け出せたみたいだな。
ランカまたゴミ処理の機械につまずきそうになってる。
アルト屋敷の入りかたばれてるじゃんw
ランカは愛くん探してたみたいだけど、ブレラとデート?することに
キャシーとオズマ仲良さそうだなー笑
レオンはグレイスに仕えてる感じだな。
なぜアイキャッチこれを選んだw
矢三郎がシェリルを匿ったのも正しいことだったな。
ブレラも過去の記憶はないみたい。ランカに案外優しい
フライト楽しそう。アルト、ミシェル、ルカの関係いいね。
愛くんはバジュラの幼性みたい。これはやばそう。
レオンはクーデターを企んでたみたいで大統領は暗殺されちゃうのかな。
EDは「トライアングラー」

20
えぇ...ミシェル死んじゃうの...
暗殺には失敗したけど、上からあんなの落ちてきたら怖すぎる。
バジュラをおとなしくさせる効果がなくなるみたいだ。
フロンティアは内外からのバジュラの攻撃で壊滅状態に
ヒェー、レオン嫌な殺しかたするな。逃げ場ないから絶対生き残れないじゃん。
クランは勇気あるなー。みんなの前で。
EDは「ダイアモンドクレバス」アレンジいいね。

21
アイランド3を切り離(パージ)してフォールド爆弾で中のバジュラは倒すみたい
ゼントラーディはどうやってシェルターに入ってるんだって思ったけど、マイクロン化してるのか
歌で誘き寄せるんだけど、ランカはバジュラを狙わないんだよな。でもアルト達は狙われるからね。
グレイスは11年前にもランカと会ってるってこと?
ランカはバジュラが倒されると苦しくなるみたいだけど、関係はあるんだよね。
キャシーとオズマは行方不明ってことになってるけど、レオンが脅してるのかな。
ランカは戦争に利用されるはオズマ行方不明だわで歌えるわけないよな。
なぜアルト自分からランカに連絡しない
ランカは愛くんをバジュラたちのところへ返すためにブレラとフロンティアを出る
EDはまた変わった。

22
ホールド波を封じる。新型弾頭とかを知られないように
バジュラを逃がすために ルカ 裏切った
シェリルからホールド波
おじさんいい人だったんだね シェリルのマネージャーになったのか。
口封じ 姿 隠してた キャシー
アルトもシェリルの病気は知ったみたい。
SMSのオーナー ビルラー 新統合軍に編入される
バジュラの体液中の細菌 V型
シェリルも病気で死んじゃうのか。
バジュラの真の女王はランカのお母さん?
バジュラの星に向かってるのか
レオンの下についたままだと、ダメだろうからね。
グレイスエロいな
ED「ノーザンクロス」やっぱりいいね。

23
ランシェはランカのお母さんか。
アルトとルカはここに残ったみたい。
なぜランカ出られたw 操縦者じゃないと開けられないんじゃないのか?
ランカとブレラは兄妹なのか。
ナナセのデザイン飾ってんのかw
クランも残ったのか
ランカを殺すの...
次から最終決戦か

24
第117調査船団の団長ドクターマオノームが鳥の人でランカが演じた人か
ランシェは最初のV型
全人類をインプラント化ってなんだっけ
プロトカルチャーを越えるため
ドクターマオの孫 シェリル? 娘に送る
アルトは隊長になったのか
まさかアルトも死なないよね...

25
とうとうマクロスクォーターきたか sms
巨大ランカはバトルギャラクシーだったみたい
アルトは近くに寄ったからわかった。
レオンやばいやん
ルカかっこいいね。操作速すぎw
ブレラいいひと 被弾してとけたみたい
アイモ 他の種族とこうはいするための
バジュラと共存するようになってその星に暮らすようになるみたいだ。

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

『初代マクロス』を見ているかどうかで評価が激しく変わってしまいました

(2018.11.19)レビュー全面改訂

◆『初代マクロス』完走前に視聴した時の個人評価(☆ 3.6)と、完走したあとに改めて視聴した時の個人評価(★ 4.3)が余りにも違い過ぎる・・・

初見時の私は、例えるなら、「古今和歌集」を読んでいない人が、いきなり「新古今集」を読んでしまい、頭の中がチンプンカンプンになって、どう評価していいのか分からない状態に近かった?

・・・つまり、本作は、その第1話から終盤の決着のつけ方まで、あるいは主要キャラの配置やメカの設定まで、『初代マクロス』を様々な形で「本家どり」していて、その「本家」の方をきちんと見ていないと、そうした様々なシーンや、主要キャラの行動パターンでさえも、いかにも“ワザとらしい・不自然な”モノにしか思えなくて、私のような一部の視聴者には、本作の全編に溢れるそうしたサービスが、却って意味不明で不必要、場合によっては不愉快なものにすら感じられてしまう作品ではないでしょうか?(もしかして私だけ?)

・・・というわけで、本作の個人評価を大きく変更します。
ファンの皆さん、長い間「マクロスF」をディスってて・・・ゴメンナサイ。

但し、ここで少しだけ弁明するとすれば、このTVシリーズの方は、後半のシナリオが若干甘いと思う(※とくに、後半になって急に存在が大きくなる{netabare}グレースとブレアのキャラ{/netabare}が何だかブレていて、いまいちシックリ来ない点)。

その後、制作された劇場版2本では、この欠点は見事に解消されており、とくに劇場版後編(サヨナラノツバサ)は、TVシリーズとはひと味もふた味も違ったドラマチッな展開で、私の個人評価もかなり高くなりました。

取り敢えず、しばらくして、TVシリーズ→劇場版の順に今度は落ち着いてもう一周して個人評価をキッチリ確定したい作品です。


◆視聴メモ(2回目以降)
{netabare}
・第1話視聴終了時点
展開の速さは◎、但しヒロイン(ランカ)の声演の下手さはやはり気になる。
・第2話視聴終了時点
アルトがランカを可変戦闘機から救助するシーンは『超時空要塞マクロス』で一条輝がリン・ミンメイを救助するシーンのオマージュ。
一瞬ながら大気の希薄な状態に投げ出されてしまったランカが無事だったのは、彼女がゼントラン(ゼントラーディ人)とのクォーターだったから→なるほど上手な理由付けだと感心。
・第7話視聴終了時点
バトル&歌融合回として◎
・第10話視聴終了時点
この回って『マクロスゼロ』をモチーフとしていたんですね。なるほど・・・。
またアルトが歌舞伎の家元の跡取り息子であることがランカにバレる回だけど、シェリルは以前からそれを知っていたらしいことが述べられる回でもある。
なお、ランカを襲った獣(ヒドラ)の原産地・惑星エデンは『マクロスプラス』にでてくる設定。
・第12話視聴終了時点
この回は『超時空要塞マクロス』全体をモチーフとしており、同作のブリタイ/エキセドル/カムジン似のゼントランが登場、またランカ=ミンメイが明確になる回。
・第15話視聴終了時点
ここで、黒幕グレイスによる「プロジェクト・フェアリーは失敗と判断。フェアリー・ナイン廃棄。本作戦はリトル・クィーンという重要な駒を得て新たな段階に進む」という宣言。
・第16話視聴終了時点
『超時空要塞マクロス』第27話の“ミンメイ・アタック”を本家取りした“ランカ・アタック”が描かれる回。
・第17話視聴終了時点
オズマのエピソードに絡めて『マクロス7』の曲が沢山挿入される回。
・第21話視聴終了時点
アイランド3誘き出し作品で使用される爆弾の名称が「リトル・ガール」というのは、いくら何でも安直で脚本家(吉野弘幸氏)のセンスを疑う。
・第24話視聴終了時点
次回予告が実写でアルバムをめくるシーンになってるのは明らかに『超時空要塞マクロス』のEDへのオマージュ。
・第25話(最終話)視聴終了時点
SMSオーナー(リチャード・ヴィルダー)がラスト付近でリン・ミンメイの写真入りのロケットペンダントを暫し眺めて閉じるシーンが入る点、およびその一つ前のシーンで子供時代のブレラ&ランカ兄妹と母親に交じって、『マクロスゼロ』のマオ・ノーム(※シェリルの祖母)が小さく映し出されている点、に注目。
{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作             河森正治/スタジオぬえ
総監督・ストーリー構成 河森正治
監督             菊地康仁
シリーズ構成・脚本    吉野弘幸
キャラクターデザイン   江端里沙、高橋裕一
メカニックデザイン    河森正治、石垣純哉
音楽             菅野よう子
アニメーション制作    サテライト{/netabare}


◆作品別評価

(1) TVシリーズ (全25話) ★  4.4 (2008年4-9月)
(2) 劇場版1(虚空歌姫)  ★★ 4.5 (2009年11月) ※119分
(3) 劇場版2(恋離飛翼)  ★★ 4.7 (2011年3月) ※115分
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  総合          ★  4.4 (25話+劇2≒35話相当)


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


============== マクロスFRONTIER (2008年4-9月) ==============

 - - - - OP「トライアングラー」、ED「ダイアモンドクレパス」他 - - - -
{netabare}
第1話 クロース・エンカウンター (最接近) ★ 移民船団マクロスF(西暦2059年)、歌姫シェリル公演、バジュラ来襲・SMS出撃、市街戦 ※ED「アイモ」
第2話 ハード・チェイス (猛追撃) ★ 続き、バジュラ撃退・再襲来、三人の鉢合わせ(早乙女アルト/シェリル/ランカ)
第3話 オン・ユア・マークス (位置について) ★ 閉じ込められた三人、オズマ負傷、アルトSMS入隊志願、ランカ歌手志願
第4話 ミス・マクロス ★ 入隊最終試験、ランカのミスコン参加、アルト初戦果、三角関係の始まり ※挿入歌「私の彼はパイロット」
第5話 スター・デイト ★★ 巨人都市、歌い始めるランカ、鹵獲バジュラの目覚め
第6話 バイバイ・シェリル ★ 非常事態宣言・マクロスギャラクシー救援作戦開始、キャシーSMS着任、戦闘艦SMSマクロスQtr(クォーター)発進 
第7話 ファースト・アタック (最初の急襲) ★★ シェリル・サヨナラライブ、バジュラ母艦VS.マクロスQtr、アルトのルカ救出戦、謎の機体(ブレラ・スターン搭乗) ※ED「アイモ」
第8話 ハイスクール・クイーン ★ ランカ美星学園1年転入、シェリル来園騒動、幼生バジュラとの出遭い、シュリル学園転入
第9話 フレンドリー・ファイア (誤射) ★ 狙撃手ミッシェルの迷い、バジュラの巣、謎の敵との遭遇戦
第10話 レジェンド・オブ・ゼロ ★★ ランカ&アルトの映画『鳥の人』出演、アルトの個人事情、ブレラのランカ救助、ランカ大抜擢(マオの気持ち、海中撮影) ※ED「アイモ〜鳥の人」
第11話 ミッシング・バースデー (失われた誕生日) ★ アルト誕生日(3つの選択肢)、アルトの選択(シェリル護衛)、振られたランカ ※ED「ねこ日記」
第12話 ファステスト・デリバリー (最速の移送) ★★ 惑星ガリア4慰問、シェリル体調不良・ゼントラン暴動、ランカ熱唱、不時着・旧世代型マクロス発見 ※ED「愛・おぼえていますか」
第13話 メモリー・オブ・グローバル (グローバル号の記憶) ★ 第117調査船団旗艦、バジュラの巣、囚われたランカ、グレイス豹変・ガリア4崩壊 ※シナリオの大味さは×
第14話 マザーズ・ララバイ (母の子守唄) ★ バジュラ大群来襲、マクロスF船団防衛戦、ランカの歌とバジュラの混乱、ブレラのランカ救出、バジュラ壊走、リトル・クィーンの涙 ※同上×{/netabare}

 ^^^^ 物語の便宜的な折り返し点(※ここでこれまでの総集編的な種明かし回が入る) ^^^^

{netabare} 
第15話 ロスト・ピース (失われた欠片)※半総集編 ☆ オペレーション・カニバル(黒幕の策謀進行)、三島レオン主席補佐官のランカ召喚、SMSオーナー(リチャード・ヴィルラー)のアルト召喚 ※ED「ダイアモンドクレバス50/50」
第16話 ランカ・アタック (ランカの攻撃) ★ ランカの新任マネージャー&ボディガード、魔法の石フォールドクォーツ、バジュラ殲滅成功、戸惑うランカ ※ED「ノーザンクロス」{/netabare}

 - - - - - - - - OP「星間飛行」、ED「ノーザンクロス」 - - - - - - -
{netabare}
第17話 グッバイ・シスター  ★ 義兄オズマの想い、常に進化する生物、オズマ負傷、シュエリルのグレイス問い詰め{/netabare}

 - - - - - - - - OP「ライオン」、ED「ノーザンクロス」他 - - - - - - -
{netabare}
第18話 フォールド・フェーム (折りたたまれた名声) ★ グレイスの実験体、シェリル凋落、超長距離フォールド作戦開始・成功、ランカの腹部激痛 ※挿入歌「愛・おぼえていますか」
第19話 トライアングラー (三角関係の者達) ★★ 美星学園ランカ公演、告白の決心(ランカ)、クーデター計画発動、屋上の鉢合わせ ※ED「トライアングラー」
第20話 ダイヤモンド・クレバス(ダイヤ 形の亀裂) ★★ 幼生バジュラ襲撃、大統領暗殺、絶望の中で立ち上がる歌姫、クラン告白、ミッシェル戦死 ※ED「ダイアモンドクレバス」
第21話 蒼のエーテル ★★ レオンの全権把握、アイランド3誘き出し作戦成功、アイ君の脱皮、ランカ告白、ブレラとの旅立ち ※ED「蒼のエーテル」
第22話 ノーザン・クロス (北の十字架) ★ シェリルの新しい可能性、新大統領就任演説、マクロスQtr離脱、バジュラ母星
第23話 トゥルー・ビギン ★ シェリル&アルトの共同生活、バジュラの習性判明、ランカの記憶回復、バジュラ母星侵攻計画開始
第24話 ラスト・フロンティア ★★ グレイスの謀略進行、最終決戦、シェリル絶唱、ランカの本当の力、アルト機被弾 ※挿入歌「愛・おぼえていますか」{/netabare}

 - - - - - - - - - - OP(なし)、ED「トライアングラー」 - - - - - - - - -
{netabare}
第25話 アナタノオト (貴方の音) ★ マクロスQtr来援、バトルギャラクシー出現、バジュラの女王乗っ取り(グレイス)、バジュラとの意思疎通成功、クィーン融合グレイス殲滅 ※挿入歌「アナタノオト」他{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)7、★(良回)16、☆(並回)1、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4


=== 劇場版 マクロスF 虚空歌姫 〜イツワリノウタヒメ〜 (2009年11月) ===

全1話 ★★ 4.5 ※TV版前半を再構成、シナリオ改変・新規映像も多い ※119分


==== 劇場版 マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜 (2011年3月) ====

全1話 ★★ 4.7 ※完全新規映像のアナザーストーリー ※115分


============== 娘クリ Nyan×2 Music Clip (2010年12月) ============

全1話 ★ 4.0 ※シェリル&ランカ両者のインタビュー付きミュージック・クリップ、映像は2/3新規&残り1/3は「マクロスF」及び「マクロスゼロ」より流用

投稿 : 2024/06/01
♥ : 40
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

曲がとにかく最高

「マクロス7」から14年後の世界を描いたらしい。今作では菅野よう子が大量に曲を用意していて、耳が幸せ。曲が結構頭に残るので、歌ってた。中でも射手座☆午後九時 Don't be lateが好きだった。中島愛の歌声もすごく好きだった。オーディションでかなりの倍率を勝ち抜いただけはある。星間飛行の前奏時のみんな抱きしめて銀河の果てまでというセリフ最高。

今作でもしっかり三角関係。自分はシェリル派かな。ランカも可愛いけど。{netabare}まさかどっちも選ばないなんて。残念。{/netabare}

端的に述べるとバジュラという謎の生命体が攻め込んできて、謀略めいたものが散見され、それと戦う話。感情移入していたので、主要な登場人物が死ぬときが非常に辛くてたまらない。


OP
トライアングラー 歌 坂本真綾
星間飛行 歌 ランカ・リー=中島愛
ライオン 歌 May'n、中島愛
ED
愛・おぼえていますか -デカルチャーエディションsize- 歌 ランカ・リー=中島愛
アイモ 歌 ランカ・リー=中島愛
ダイアモンド クレバス 歌 シェリル・ノーム starring May'n
アイモ〜鳥のひと 歌 ランカ・リー=中島愛
ねこ日記 歌 ランカ・リー=中島愛
ダイアモンド クレバス50/50 歌 ランカ・リー=中島愛、シェリル・ノーム starring May'n
ノーザンクロス 歌 シェリル・ノーム starring May'n
真空のダイアモンドクレバス 歌 シェリル・ノーム starring May'n
蒼のエーテル 歌 ランカ・リー=中島愛
トライアングラー (fight on stage) 歌 ランカ・リー=中島愛、シェリル・ノーム starring May'n
挿入歌
射手座☆午後九時 Don't be late 歌 シェリル・ノーム starring May'n
What 'bout my star? 歌 シェリル・ノーム starring May'n
超時空飯店 娘々 歌 ランカ・リー=中島愛
突撃ラブハート 歌 FIRE BOMBER
ダイアモンド クレバス〜展望公園にて 歌 ランカ・リー=中島愛、シェリル・ノーム starring May'n
SMS小隊の歌〜あの娘はエイリアン 歌 SMSのみなさん
私の彼はパイロット - MISS MACROSS 2059 歌 - ランカ・リー=中島愛
宇宙兄弟船 歌 徳川喜一郎
What 'bout my star?@Formo 歌 ランカ・リー=中島愛、シェリル・ノーム starring May'n
インフィニティ 歌 シェリル・ノーム starring May'n
ニンジーン Loves you yeah! 歌 ランカ・リー=中島愛
母と子ランカのアイモ 歌 ランカ・リー=中島愛、坂本真綾(蘭雪)
Welcome To My FanClub's Night! 歌 シェリル・ノーム starring May'n
インフィニティ #7 歌 ランカ・リー=中島愛、シェリル・ノーム starring May'n
アイモ O.C. 歌 ランカ・リー=中島愛
MY SOUL FOR YOU 歌 FIRE BOMBER
TRY AGAIN 歌 FIRE BOMBER
シェリルのアイモ 歌 シェリル・ノーム starring May'n
アナタノオト 歌 ランカ・リー=中島愛
ボビーのニンジン等。 歌 ボビー・マルゴ=三宅健太
妖精 歌 シェリル・ノーム starring May'n
ブレラと子ランカのアイモ 歌 ランカ・リー=中島愛
愛・おぼえていますか〜bless the little queen 歌 ランカ・リー=中島愛
アイモ〜こいのうた〜 歌 坂本真綾(蘭雪)
娘々(ニャンニャン)サービスメドレー 歌 シェリル・ノーム starring May'n、ランカ・リー=中島愛、坂本真綾(蘭雪)

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. #01 クロース・エンカウンター
アイドル・シンガーであるシェリル・ノームがコンサートのため、「フロンティア」船団に来艦した。中華料理店「娘々(にゃんにゃん)」でアルバイトをする女子高生のランカ・リーは、憧れているシェリルのコンサート会場に急ぐ途中、パイロット養成コースの高校生である早乙女アルトと出会い…。

2. #02 ハード・チェイス
突如現れたバジュラから逃げ遅れたランカ。アルトは無我夢中で「VF-25」に乗り、彼女を救出する。戦いの後、検査で軍病院に連行されたアルトは、私設特務軍事機関「S.M.S」の隊長であるオズマとS.M.Sへ行くことになる。だが、そこで突然警報が鳴り響き…。

3. #03 オン・ユア・マークス
展望公園でランカとシェリルに再会したアルト。だが、再びフロンティアはバジュラに襲われ、とっさに3人は展望公園の待避壕へ逃げ込むも、中に閉じ込められてしまう。なんとかオズマたちS.M.Sがバジュラを撃退し、救出されるアルトたち。だが、戦いの中でオズマが負傷したことを知ったランカは…。

4. #04 ミス・マクロス
S.M.Sへの入隊を決意したアルトは、ミハエルたちにしごかれる毎日を送っていた。一方、アルトの助言によってミス・マクロスのオーディションを受けることにしたランカは、その予選を通過して最終選考で歌うことになった。そんなランカを見守るべく、最終選考が行われる会場に駆けつけたアルトだったが…。

5. #05 スター・デイト
再びアルトの前に現れ、失くしたイヤリングを探すためにマクロスフロンティアの中を案内するように命令するシェリル。一方、歌手になる夢をオズマに否定されたランカは、思わず家を飛び出してしまう。そして、美星学園の校門でアルトを待っていたランカは、オズマにランカを探せと命令されていたミシェルと出会い…。

6. #06 バイバイ・シェリル
芸能プロダクションにスカウトされたランカ。仲間たちにも祝福されるが、ショッピングモールでの出来事が気になっていた。その頃、大統領府からの緊急声明でバジュラがギャラクシー船団を襲ったという一報がフロンティア内を駆けめぐる。

7. #07 ファースト・アタック
マクロスギャラクシーの残存艦を救出に向かったアルトたちは、バジュラ相手に優勢に戦っていた。だが、そんな彼らの前に出現したバジュラの巨大空母に、アルトの後輩であるルカの乗る機体が飲み込まれてしまう。ルカを救出するために敵空母内へと潜入したアルトは、そこで謎のバルキリー「VF-27」と遭遇して…。

8. #08 ハイスクール・クイーン
芸能活動のためにランカが転入し、シェリルまでもが来訪してきたために大騒ぎとなってしまった美星学園。そんな中、シェリルのパンツが何者かに盗まれてしまい、学園はさらに上へ下への大騒動となってしまう。一方、仕事のために学園を離れたランカは、自分の記憶の中の歌を知るという謎の少年と出会い…。

9. #09 フレンドリー・ファイア
敵も女も狙った獲物は一発必中を豪語するミシェルが戦闘時に狙いをはずしてしまい、アルトに当たりそうになった。帰艦後、その誤射をめぐってアルトとミシェルは殴り合いの喧嘩となってしまう。彼らの喧嘩を見ていたS.M.Sのピクシー小隊に所属するクランは、そんなアルトにミシェルの悲しい過去を告げて…。

10. #10 レジェンド・オブ・ゼロ
ミス・マクロスのミランダが主演する映画で、端役を手に入れたランカ。しかし、その撮影現場で彼女を待っていたのは、撮影協力のS.M.Sの面々とシェリルだった。演じることが初めてなランカから相談されたアルトは、嫌っていたはずの父親の言葉をつい口にしてしまい…。

11. #11 ミッシング・バースデー
映画出演により、注目され始めたランカは、忙しい毎日が続いていた。一方、アルトの前には、兄弟子の矢三郎が突然現れる。アルトの父である嵐蔵が倒れたので、家に帰るようにとアルトを諭す矢三郎。そんなことは露知らず、ランカとシェリルは、それぞれアルトの誕生日を祝おうと計画する。

12. #12 ファステスト・デリバリー
公演のために惑星ガリア4へ降り立ったシェリルとアルト。だが、シェリルの体調不良で公演が中止となり、それに不満を抱くゼントラーディ人による暴動が起こってアルトたちは人質として捕らわれてしまう。一方、マクロスフロンティアではファーストライブに緊張するランカを、ナナセ、ミシェル、ルカが励ましていて…。

13. #13 メモリー・オブ・グローバル
機体の不調により、ガリア4に不時着したアルトとランカ。久しぶりにゆっくりと会話を交わす2人は、なんとなく良い感じだった。一方、体調が回復したシェリルは、ミシェルと共に2人を探しに行き…。

14. #14 マザーズ・ララバイ
アルト、ミシェルに続きルカも戦場に向かうことに。ルカはナナセに気持ちを打ち明けようとするが…。そして母の子守唄に秘められたランカの記憶。その記憶が指し示す真実とは? バジュラやブレラとランカの関係は? 謎が謎を呼ぶ。

15. #15 ロスト・ピース
体調がなかなか回復しないシェリルに、グレイスは治るまで仕事はすべてキャンセルすると告げた。ランカの人気がますます上がっていると聞き、なんとなく不安を感じるシェリル。そんな時、アルトとランカが彼女の見舞いに訪れて…。

16. #16 ランカ・アタック
S.M.Sのオーナー・ビルラーの屋敷に突然呼び出されたアルト。そこでビルラーは、自らの夢をアルトに語ってみせる。シェリルは病院を抜け出し、アルトへと会いに行く。一方、ランカはブレラがいつも自分の歌を聞いていてくれたと知り…。

17. #17 グッバイ・シスター
ガリア4事件で延期になっていたランカのファーストライブ。オズマはランカに、ライブを絶対に見に行くと約束していた。しかし、ライブ直前にバジュラが襲来し、オズマは出撃することになってしまう。オズマはランカの天空門ファーストライブに間に合うのか…!

18. #18 フォールド・フェーム
フロンティアではバジュラの攻撃により物資が不足していた。エネルギー供給を制限され、食料や水もすべて配給制となる。一方、体調がなかなか回復せず、ますます不安になったシェリルは、アルトを探しに出かけるが高熱で倒れてしまう。それを救ったのは…。

19. #19 トライアングラー
いなくなった“あい君”をブレラと一緒に探すランカ。ブレラの「誰のために歌う?」という問いかけに対して歌うことに疑問を感じ始めていたランカは、自分の本当の気持ちに気づく。一方、見舞いに訪れたアルトに対しシェリルはもう歌は歌わないと告げる。

20. #20 ダイアモンド・クレバス
美星学園でのランカのコンサートで顔を合わせたランカ、シェリル、アルトの3人。それぞれの思いが交錯する。そして再びバジュラの攻撃が開始された。誰もがいつ死ぬかわからない状況の中、想い人との心の絆を確かめようする。

21. #21 蒼のエーテル
バジュラとの戦いが続く中、ある者は愛する者を失い、ある者は憎しみを増幅させていた。三島の陰謀が大きく動き出す中、自分が人々の悲しみと憎しみを背負い「歌う道具」になることを拒んだランカは、一大決心をする。

22. #22 ノーザン・クロス
フロンティアの人々のバジュラへの憎しみが一気に燃え上がる。アルトやルカも自らの憎しみを抑えきれず、新型兵器を使用しバジュラを全滅させることのみを考えていた。しかし、三島の陰謀を探るオズマは、真の敵が何かに気づき始める。そしてシェリルは以前とは違う気持ちで再び歌を歌い始めた。

23. #23 トゥルー・ビギン
フロンティア船団内の資源は、いよいよ窮乏してきた。食料は配給性になり、酸素は低下しつつあった。そんな中、アルトはV型感染症をわずらうシェリルに手料理をふるい、つかの間の安らぎの時を過ごす。だがその直後、アルトはビルラーと三島からバジュラの生態とランカの歌の秘密を聞き…。

24. #24 ラスト・フロンティア
かつての第117調査船団の事故の秘密をつきとめたマクロス・クォーターのメンバー。そこにはグレイスの野望の影が。一方、船団の存続を賭け、バジュラとの決戦に臨む決意のフロンティア軍部。アルト、ルカ、クランもそれぞれの思いを胸に、船団はバジュラの星に向かう…。

25. #25 アナタノオト
バジュラたちとの決死の攻防を繰り返すクォーター。しかしバジュラを操る新たな存在が現れ、フロンティアの居住区アイランドワンは危機に瀕する。敵母艦に向かうバトルフロンティア。その時、戦艦のステージに現れたシルエットがあった…。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

82.1 15 陰謀アニメランキング15位
残響のテロル(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (2153)
11379人が棚に入れました
ある夏の日──突然、東京を襲った大規模な爆弾テロ。平穏なこの国を眠りから覚ました事件の犯人は、たったふたりの少年だった──。〝スピンクス〟と名乗る犯人たちの、日本中を巻き込んだ壮大なゲームがいま、始まる。

声優・キャラクター
石川界人、斉藤壮馬、種﨑敦美、咲野俊介、潘めぐみ
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

テロルチョコ

二人の高校生がテロを起こし女子高生が一人巻き込まれていくお話。


1話目から早速テロを起こしたわけですが
今の所、悲しい過去とトラウマは持っていそうだが
彼等なりの正義が描かれていないので賛同しようもない。
テロという重罪を背負う覚悟や認識があるのかも不明。

新宿という実在の街で犯行し現実味のある雰囲気を作ろうとしているようだが
死傷者の描写が無い。だから衝撃や驚き、恐怖もなかった。
テロを正面から描くなら犠牲者も描くべきだと思う。

もし避難してみんな無事というのであれば余りにもヌルく
ご都合主義で嘘くさく感じてしまうし
女子高生に死か共犯かを迫るシーンも殺す気がないクセに…と説得力を失う。

どちら転んでも甘さが残る納得行かないスタートだった。

爆弾に関しても納得行かない。
ぬいぐるみが燃える描写があったが爆発力は感じなかった。
威力があったとしてぬいぐるみ爆弾を置くだけでは爆発の力が逃げ
コンクリぶち抜けやしないだろうし、ビルを綺麗に崩落させられる訳がない。

ぬいぐるみで火災を起こし人を避難させ
ビルに埋め込まれた爆薬で崩落させたのだとも考えられるが
そうすると女の子に渡したぬいぐるみ爆弾が説明が付かない。
電話で誘導した位置の壁に爆薬が仕掛けてあり誘爆したと解釈するしかないが
その様な描写も見られずやっぱり謎。

あの高さから舗装された地面へ怪我無く飛び降りる女子高生も忍者なのか?
そもそも死か共犯かって脅迫で選択肢じゃ無いじゃん…。
とか他にも色々あって、少々口うるさくなってしまった1話でしたが
作画やキャラ、音楽関連はなかなか良さそうですし
全体的なストーリーは楽しめそうではありますから視聴は続けます。

注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※2話感想{netabare}
爆弾が納得行かないと言っていたら解決編が来た。
3000℃だから溶ける&水蒸気爆発との事。
いやいや、爆弾自身が3000℃でも
柱内部までその熱を持続して伝えないと溶けないのでは?
とか言いたくなるけどここは深く追求せず、そういう事にしておこう。

新宿テロは軽傷者のみとやはり甘々な決着となった。
六本木のテロもモニターチェックしケガ人出ない様にタイミング計って爆破。
ドレもコレも計算尽くの「安全なテロ」らしい…
大分ご都合主義でツッコミたいけどコレも追求すると
作品自体アホらしくなりそうなので勘弁しておこうと思う。
(ただ現時点で緊張感も削がれている…だって核持っても人殺さないんでしょ?)
…でもオカモチごと置いて行く豪快な出前にはツッコんでいいよね!?

スピンクスの神話は聞いた事ある人も多いと思う。
アニメだと「絶対やれるギリシャ神話」で紹介されているので
気になる人は観てみるといいかも。
しかし、4-2-3と2-4-3間違えて行動しちゃうとは情けない…。

ストーリーとしては「VON」や「柴崎の過去」など、謎めいてきて面白くなってきた。
居場所のない女子高生もいつ爆発してしまうのか? テロの爆破よりも興味が出てきた。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
柴崎さんが一本返した回。

高いレベルの頭脳戦は好みだし楽しめるのでウェルカムなんだけど、
今回のなぞなぞはマニアック過ぎて全く分からなかった。
メガテンやペルソナかじった位の知識じゃ付いていけないらしい。
付いていける方が怖い気もするけども…。
故に柴崎さんはその過去や正義感も含め色々な意味で恐ろしい気がする。

今後の対決は楽しみではあるけど余り極端に神話の知識の比べ合いには
成らないで欲しいかな。
高いレベルの頭脳戦=マニアックな知識では無い訳だし。

今後の展開は…【予想】{netabare}
犯人を追う敏腕刑事が真相を突き止める『逃亡者』パターンに成りそうな感じ。
スピンクスは計算して「理解力のある優秀な刑事」が現れるように仕向けていそうで
いずれは間接的な協力関係に成るのではないでしょうか。
{/netabare}{/netabare}

VONについて【予想】{netabare}
床や爆弾に記されていて天地が判らないのがミソ。
多分、逆さで「NOΛ」=ナンバーラムダなのだろうと考えている。
Λ(ラムダ)はギリシャ文字の第11字なのでイレブンという意味かな?
ともかくΛは施設から逃げる時に亡くなった子(?)を表している様に思う。
今の段階では施設関係者だけに理解できる復讐や警告のメッセージだと解釈している。
{/netabare}

カラスについて【参考】※ネタバレ無し{netabare}
OP、EDでやけにカラスのイメージを押してくるので意味がありそうですよね。
ギリシャ神話でもカラスは登場しますので参考までに軽く触れて置きます。

元々姿は真っ白で美しい声を持ち言葉も話せアポロンの下僕として仕えていました。
アポロンにはコロニスと言う恋人がいましたがなかなか会えない為
このカラスを遣いとして交際していました。
そんなある日、コロニスは人間の男と親しく話をしていました。
それを目撃したカラスが「コロニスが浮気をしている」とアポロンに告げます。
怒ったアポロンはすぐさま弓矢でコロニスの胸を射ってしまいますが
死の直前にコロニスは妊娠していた事を告げ、変わらぬ愛を示しました。
勘違いだと知り後悔するアポロンはカラスを許せず
声を潰し、体を黒く染め喪に服させました。…とさ。

カラス気の毒な気もしますが…。(笑)
この作品ではどんなメッセージが込められているのでしょうか?
{/netabare}

※4話感想{netabare}
今回のなぞなぞは柴崎さんが解き明かすも警察の余計な動きにより防げませんでした。
戦闘で勝っても戦局で負けては意味がなく
スピンクスの掌の上で踊らされてしまいました。

今回爆発したのは警察の内部資料で「VON」と言うメッセージと共に世に拡散しました。
意味する所、計算尽くのスピンクスが本格的に『施設』に対し
宣戦布告したと捉えています。
「父親殺し」「なぞかけ」「寒い国の音楽」「爆弾」「プルトニウム」等々
ヒントも散らばって来ましたし、どう繋がるのか引き続き予想しながら楽しもうと思います。

また行き場の無くなったリサがとうとうスピンクスの元へ。
風を浴びる表現とか窮屈な日常から解放される描写が美しかったです。
スピンクスの綿密なテロ計画の中でイレギュラーな存在の彼女が何をもたらすのか
足引っ張りそうだけど救いにもなりそうで興味津々です。
白から黒へ変わるカラスのイメージは彼女を表しているのかな。
{/netabare}

寒い国の音楽について【予想】{netabare}
演歌だったら笑えるけどね…。
寒い国と聞いて太っちょ刑事さんは国内をイメージしてたけど
個人的には「ロシアや北欧諸国」と言った海外が思い浮かぶ。

神話をモチーフにするなら北欧かな? 
北欧神話で歌と言えば、英雄ジークフリートの死とその妻の復讐劇を描く物語
『ニーベルンゲンの歌』が思いつく。
…ってか他にもあるかも知れないけど知らない。
楽曲ではワーグナーの『ニーベルングの指環』という長い事で有名な
クラッシックオペラがあるので、それを聴いてたんじゃないかな?
イヤホンで聴くようなものでも無いし
ギリシャ神話から離れている時点でもう違う気もするけど、
根底には復讐が絡んでいそうなのでこういう推測にしておく。
無理矢理だけどね…。もうちょいヒント出ないかな。
{/netabare}

「タイムリミット」からの推察【予想】{netabare}
4話で「俺たちには時間がない」と言う発言があったので何故なのか推察。

普通に考えて二人の寿命がそろそろって可能性もあります。
優れた知能と引き替えに何かリスクがあってもおかしくないですが
元気そうなのでとりあえず次点。

本当にテロを計画しているのは『施設』で、
スピンクスはそれを止めようとして急いでいるのではないかとも考えられます。
その為に優秀な刑事(柴崎)を利用し暴こうという計画なのではないかと。

施設は子供たちに遺伝子操作や薬なども使った超能育成をし
その子供達を使ったクーデターの様な事を目論んでいたのではないでしょうか?

4話での爆破により施設に「VON」と言うメッセージを突きつけた事もあり
そろそろ施設が動く事を予想し「時間がない」と言ったのだと思います。
{/netabare}

「オイディプスと父親殺し」からの推察【予想】{netabare}
この作品のオイディプスは誰なのかと考えると「柴崎」なのだと思われます。
となると父親は「警察庁」。左遷は捨てられたと捉えられます。
スピンクスの二人がいた『施設』が「警察庁」と深く関わっていたなら
事件を追い解決していくうちに「父を殺す」ことに繋がっていくのかも知れません。
警察上層部の不透明性が引っかかるのであり得そうな気はします。

…うーん。そうすると、子供達は警察の犬として育成されていた可能性も出てきて
上記のタイムリミットの考え(施設がテロをする)が怪しくなるな…。(^_^;

今の所『施設が警察機関説』が本命、『施設がテロリスト説』が対抗って感じかな。
複合の可能性もあるけど、次回以降また推察して行こうと思います。

プルトニウムはコレと言ったものが思い当たらないので保留。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
リサの居場所探しとハイブ登場回。

居場所のないリサは何とかスピンクスの元に残ろうと苦闘中。
何をやっても鈍くさく仲間に入ってもスピンクスの弱点になりそうな訳だが、
何かの「鍵」となりそうで興味深く観察中。

一方警察側には「ハイブ」という少女が登場。
アメリカから来たと言うのが意味深げで『施設』とも関連があり能力も高い様子。
スピンクスの存在を確認する為に非人道的な解決策を取ったりと新たな強敵となりそう。
ナインが思い当たる人物なのか、はたまた…。人間関係や想いが複雑に絡んで来ました。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
ハイブの掌で踊らされるスピンクス、そして独自に動き出す柴崎。

ナインとハイブは仲の良い友達かと思いきや因縁もある様子。
今までの柴崎VSスピンクスの直接対決の構造から一転し
ハイブの土俵で互いにどう動くのかという構造に。

ただ『空港でチェス』は意味不明で置いてけぼりなのですがね…。
ヒントになってるって言っても序盤多くの最善手あるし、
座標は互いに伝えられても、どの駒なのかはどう伝えるのコレ!?
神話問答よりポカンとしそうなんですが。

柴崎は骨のある所を見せ渋カッコイイ。果たして意地が観られるかな?
リサは相変わらずドジだけど今回は切り札。
次週はこの二人に注目&応援!面白くなってきました。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
どうやってチェス対決していたのか凡人には良く解らなかった。
走り回らず監視カメラに向かって筆談とかじゃダメなのかな?

ハイブ達の行動がテロリスト同然なのですが
何故ここまでしてしまうのか出来てしまうのか理由が気になります。

ともあれスピンクスが先勝。
盤外の駒を巧みに使ったことが勝因でしたが、リサは今後弱点になっていきそうです。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
警察からは見放されつつもアテネ計画の真相に迫る柴崎。
後輩くんも衝突はあったモノの結構いい奴なのが判ってきたですが、
理解にいたる描写やエピソードがもう一押し欲しかったかなって気もします。
柴崎の若い頃、学生の反政府運動があった話が出ていたのでアテネ計画の首謀者は
これとも絡んでくるのかな。

リサは足手まといを察してスピンクスから離れようとしましたが捕まってしまいました。
どんくさいのもあるんだろうけど、この娘のやること裏目裏目に出て
ちょっと可哀想かなと同情してしまいます。
無事助かるといいのですが…。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
ついに、アテネ計画の全容が判明!…そしてスッキリ!ってなるかと思ったけど
「優秀な人材を作っる計画」ってのはここまで観た人ならもう判ってる事なので、
驚きはなかったです。
知りたいのは優秀な人間を「何に使うか」って事だったんだけどな…。
ちょっと微妙な回答でした。

まだまだスピンクスの活動の目的や動機、そして原子爆弾との関連も判らないし
ハイブの思惑も謎なので期待はしてますが、
予想を下回り尻すぼみになりそうな気もして来ました。どっちに転ぶかな?

ハイブ倒れちゃいましたが彼女にも残された時間が僅かって事なのでしょうか?
{/netabare}

※10話感想{netabare}
アテネ計画の内容が更に判明してこれで全容の様です。
前話で知りたかった「何に使うか」という疑問には答えてくれました。
具体的に何に使うかという事ではなく「力の保持」政治や軍事的な圧力強化目的で、
核保有と似た論理でした。
判らなくは無いけどここまで引っ張った割には意外性に欠ける気はします。

ついでに核も兵器として持っていた様ですがこちらも驚くには至らず。
アテネ計画の目的と被ってますしね…。
色々と想像膨らまし過ぎだったのかな?普通の人はこれで驚くのかな?

ハイブの方は愛憎劇がある様ですが何があったかコチラの想像任せ?
それとも最終回に判明するのかな?
急に「私の分まで生きて」と言われても
寿命を与えるとかそれなりの事象みせるか、ちゃんと心境ブツケてくれないので
現状では心は動かないないです…。
もう一週、最後の締めがあるので期待してますが、
このままだと描写不足で独りよがりな作品という評価になってしまうかも。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
甘いテロに始まり甘いテロで終わる事になりました。
電子機器イカレたら飛行機に限らず死者は出ます。
他の乗り物もあるし、入院・治療中患者なと電子機器で生きながらえてる人もいる。
更に二次的な事故や事件も考えられるし、放射能の影響だって全部宇宙へ
って訳ではないのに都合の悪い事は無視。

もうちょっとテロを正面から捉えて、それでも覚悟を決めて決行して
観ている側にも善悪を考えさせる内容であって欲しかったです。
こんなご都合主義のヒロイックなテロでは納得し切れません。
(ノイタミナ枠って事もあるけど)

他にもこの最終話は都合の良いことばかり起きてちょっと辟易でした。
「米軍はEMP対策で大丈夫」の一言で
通信や命令系統の混乱無く一介のヘリまで問題なく運用されているし
ヘリのモーター音関係なく会話しているし
ボタン持ってない方のツエルブ先に撃つしで、
うーん…ちょっとありえんなというシーンが矢継ぎ早。
普通にナイン撃たれて死ぬ間際に柴崎と会話で良くない?

あと、彼らの最期にはリサへのメッセージとなる描写が欲しかったかな。
言葉でなくとも彼らの生き様が伝わる描写があれば
彼らとの関わりが立ち直りの一助となったと納得できるし
感動のひとエピソードになったと思う。
彼女の『居場所』というのもこの作品で大事な部分なのに
何もないまま時間も彼女の思いも一年飛ばしてエンディングを迎えるのは勿体ないです。
前話のハイブの最期もそうだけど心に残るかどうかの所での描写不足で
結構勿体無い事しちゃってると思います。
{/netabare}

【総評】
個人的にはもう一段、深い謎が隠されていると読んでしまっていたので
観終わった時に意外とシンプルだったなと思ってしまいましたが
1クール物で締めるには丁度良い落とし所だったと思います。

ただ、謎解きに関しては視聴者が推理する隙のない作りで
一方的に見せられている感じを受けますし、
ハイブが何故あそこまで敵対心を燃やし憎むのかも描写不足でこちらの想像に丸投げ
だったりと不親切な点も目立ちました。
施設脱出やハイブがアメリカに行く事になった経緯とかはもう少し知りたい所。
他にも描写不足で損しているなと思う事の多い作品でした。

一話から感じていた都合の良すぎる「甘いテロ」への違和感も最後まで続きました。
(詳細はネタバレになるので11話感想他で)
被害者が居らず何だか良いテロみたいに表現されているけど、
やっぱり卑劣な行為だという事もちゃんと表現して欲しかった…。
この辺りは作品への不満として大きかったです。

スピンクスはあれだけの能力がありながらテロに頼らなければいけなかったのだろうか?
という思いが観終わって暫くしても残響しています。

作画についてはほぼ満点。
キャラはもう一つ掘り下げてくれれば好きになれたかな…って所です。

描写不足やヌルいなと思う所が多々あり、期待よりは下回って色々と書いちゃっていますが
1クールでまずまず楽しめる大人アニメにはなっています。
強くは勧める程の作品ではないですがお暇ならどうぞ!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 51
ネタバレ

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

テロより恐ろしいもの

【総合評価:☆☆☆☆☆】
 「核テロ」というきわめて難しい題材に果敢に挑戦した、野心的な作品である。
 日本アニメには、テロリストに焦点を当てた傑作が多い。テレビアニメに限っても、本作をはじめ、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』『GUNSLINGER GIRL』『RIDEBACK』『FLAG』『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』『輪るピングドラム』『PSYCHO-PASSサイコパス』などがある。特徴的なのは、どの作品もテロリストを悪人として断罪するのではなく、「彼らはなぜテロに訴えるのか」「無差別テロを防ぐためなら何をやっても許されるのか」といった重い問いを投げかける点である。
 これは、かなり奇妙な現象と言える。『ダイ・ハード』シリーズに代表されるように、ハリウッド映画では、無差別テロリストはナチスと並ぶ絶対悪として容赦なく処断され、彼らを殺害する者が英雄視されることが多い(もちろん、そうでない作品もある)。日本でも、実写映画やテレビドラマならば、「テロリスト=悪」という図式の下に制作されるのが一般的である。ところが、アニメになると、なぜかテロリストに対する見方が一変する。
 その理由を解明するのは容易ではないが、一つの推測を述べるならば、90年代後半、テレビアニメが急激な変貌を遂げる時期に制作を任されたのが、子供の頃に学園紛争の終焉を目にした60年代生まれの世代だったからではないかと思われる。核テロがどのように表現されたかを中心に、この推測を跡づけてみよう。
 核兵器を利用して政府を脅迫し、いざとなればその使用をも辞さないという核テロが作品のテーマとして日本で本格的に取り上げられた最初の例は、長谷川和彦監督の実写映画『太陽を盗んだ男』(1979)だろう。1946年生まれの長谷川は、東大在学中に政治に関心のないノンポリ学生として学園紛争(1960~70年代半ば)を間近で体験した全共闘世代である。おそらく、多大な犠牲を伴った紛争が結局は何も生み出さなかったという暗澹たる思いがベースにあるのだろう、『太陽を盗んだ男』は、原爆の製造に成功し政府を脅迫できる立場にありながら、実のある要求を思いつかない中学教師の空虚さを描き出す。
(以下、OVA『機動警察パトレイバー』、劇場版『機動警察パトレイバー 2 the Movie』のネタバレがあります)
{netabare} 全共闘世代後期になると、武力闘争のむなしさがより強烈に意識される。押井守(1951年生まれ)が監督したOVA『機動警察パトレイバー』第5~6話「二課の一番長い日(前後編)」(1989)では、核兵器を入手した組織がいかにクーデターを実行に移したかがリアルに描かれながら、クーデターが成功した暁に何をしたいのかという将来のビジョンは語られない。こうしたビジョンの欠如は、劇場版第2作『機動警察パトレイバー 2 the Movie』(1993)で、「クーデターを偽装したテロ」という象徴的なテーマとして改めて強調される。{/netabare}
 長谷川や押井ら全共闘世代が提示した「目的の曖昧なテロ」という問題は、90年代後半から00年代にかけてテレビアニメの革新を主導した60年代生まれのアニメーターに多大な影響を与えたと考えられる。
(以下、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』『GUNSLINGER GIRL』『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』『輪るピングドラム』のネタバレがあります)
{netabare} 神山健治(1966年生まれ)が監督・シリーズ構成を務めた『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』(2004)では、「難民が核テロを画策している」というフェイクニュースを流すことにより、強権的な立場を確保しようとする政権中枢の動きが取り上げられる。状況を演出するゴーダは、元官僚らしい緻密さで計画を立案しており、ニュースのリアリティを増すためには、核兵器の使用をもためらわない。
 この作品に代表されるように、00年代以降のテロリストアニメでは、テロ行為の持つ社会的機能に目が向けられ、社会がテロと対峙するあり方が考察される。
 浅香守生(1967年生まれ)が監督した『GUNSLINGER GIRL』(2003)は、テロリストを抹殺するために身寄りのない少女を殺人サイボーグに改造する寓話的ストーリーを通じて、テロ対策の許容限界を問題とした。反米的活動家を暗殺する任務を帯びた米軍秘密部隊を、恩人を殺された凄腕の元テロリストが血祭りに上げる『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』(2010)で、片渕須直(1960年生まれ)は「人殺しが許されるような正義はあるのか」と問いただす。オウム事件をベースにした『輪るピングドラム』(2011)で幾原邦彦(1964年生まれ )が取り上げたのは、無差別テロに対する憎悪が憎しみの連鎖を生み出し、新たなテロを引き起こす過程である。{/netabare}
 『残響のテロル』(2014)の原案・監督を担当した渡辺信一郎(1965年生まれ)は、これらの先行作品を参照しながら、核テロが社会に与える影響を改めて熟考したと思われる。目的の曖昧さに目を向けた長谷川・押井の作品に対する返答として、彼は、ほぼ同期の神山と同じく、テロへの恐怖が持つ影響力に目を向け、国家権力との関係性を物語の軸に据える。「テロこそが社会にとって最大の脅威であり、核物質はテロリストの手に渡らないように特定の国家が厳重に管理すべきだ」という国際的な常識にあえて異を唱え、「この世にはテロよりもずっと恐ろしいものがある」と訴える。

【物語の構図】
 『残響のテロル』は、テロリスト-市民-国家権力という3項対立の物語として、図式的に読み解くことができる。
(以下、本作のネタバレがあります)
{netabare} それぞれの対立項は、性格の異なる二人の人物によって代表される。ネットで予告しては爆弾テロを繰り返す二人組のテロリスト・スピンクスの正体は、怜悧なナインと子供っぽさの残るツエルブ。彼らを追跡するのが刑事の柴崎で、警視庁という国家組織に所属しながら、人々を守ることに徹する市民側の存在。逆に守られる立場の市民として登場するのが、学校にも家庭にも居場所のない女子高生のリサ。権力側には、NSAもかくやという監視網を駆使してナインとツエルブを追い詰めるエージェント・ハイブがいる。もう一人、国家権力の黒幕として間宮なる人物も登場するが、私が思うに、実は彼は手駒となる小者に過ぎず、真の黒幕は、それ自体が人格的存在となった国家理性ではないだろうか。{/netabare}
 ストーリーの前半は、テロリストと警察の頭脳合戦として娯楽色豊かに展開されるが、ハイブが強引な動きを見せる第7話辺りから、深刻な社会派ドラマの様相を呈する。人によっては、痛快さが失われるため後半はつまらないと感じるかもしれない。しかし、渡辺が最も言いたいことは、後半に集約されているので、この部分をしっかりと見つめてほしい。
 注目すべきは、柴崎とハイブの差違である。どちらもテロリストを捕まえる立場にありながら、柴崎の言動が常に豊かな人間性に溢れているのに対して、ハイブは、高い知性を持ちながら、いかにも酷薄で感情を見せない。市民と国家どちらの側にいるかが、象徴的に示される。
 ちなみに、柴崎が最も人間的な姿を見せるのは、大学で応用物理学を勉強中の娘に、一般人にプルトニウム原爆が作れるかと訊ねに行く第8話Aパートのシーンである。{netabare}体のラインがあらわな薄着姿の娘(一番上のボタンを留めていない)を前に、ずっと目を背けたまま会話し、後で奥さんに「子供ってのは、いつのまにか大人になるもんだな」としみじみ述懐する。お父さん、カワイイ!{/netabare}
 最初に視聴したときには、警察を手玉にとるナインとツエルブに惹かれたものの、二人の心情が充分に表出されておらず、やや物足りなさを感じた。しかし、二度三度と繰り返し見るうちに、二人の外面ばかりが描かれるのは、その行動を柴崎とリサに見せるために設定されたキャラだからだとわかってきた。ナインとツエルブ(あるいは、ハイブを加えた三人)は、対立的な構図を客観視させるための要員であり、それ故に内面が理解しがたい天才として描かれる。その一方で、柴崎とリサという感情移入しやすい普通人を、天才たちの行動を見る立場に配置することにより、事件の全体像が浮かび上がるようにしたのである。そう考えると、柴崎とリサこそ真の主人公であり、この二人の立場に身を置くことが、作品を深く理解する鍵だと言えよう。

【音楽について】
 『残響のテロル』の音楽は、これまで、『マクロスプラス』『カウボーイビバップ』『坂道のアポロン』などで渡辺監督と組み、優れた作品を生み出してきた菅野よう子が担当した。特にEDの「誰か、海を。」は、聞くたびに胸が締め付けられる名曲である。
 作中で重要な役割を果たすアイスランド音楽は、渡辺監督の方から事前に菅野に聴かせたものらしい(TVアニメ『残響のテロル』公式サイト「INTERVIEW 04:菅野よう子」より)。北の音楽を聴いて育ったことを手がかりに、主人公たちの「体感温度を表す音」として、「緊張感があり、研がれていて、冷たい響き」をイメージしたという。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

jcnEu08058 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

つまんねえ長文

つまんなかったなー
率直な感想です
俺がつまんないとおもった理由が知りたいなら以下を読んでください
長過ぎるのでタグで囲っておきました
偏見と差別意識に塗れたレビューなのでご注意ください
内容に関する苦情等はあにこれ宛にお願いします
既にこのテキストはあにこれのものですので

{netabare}
何がザンキョーのテロルじゃw
何で残響?意味わからん

無駄に頭いい連中の成れの果てがはた迷惑なクソ爆弾魔かよ

今回は、テロる(テロってるw)連中サイドの視点から物語を描いてみました
そんなスタンスなのかな?
従来の警察ドラマなんかの構図をとりあえず反転させてみたってわけか


スッピンのクズだっけか?
つーかお前らが死ねって感じ
クズどもがチョーシこいて真面目に働いてる人間の経済活動全般めちゃくちゃにしておきながら「僕たち被害者なんです〜、かわいそうなんでぷ〜」ってか?
いっぺん死んでこいよw

中二病もここまで拗らせれば歴史に名を残す大犯罪者になれるって話だろ?これ
脳や身体の機能にこれといったハンデもないクセして人並みのことすら満足にできねえ、やろうともしねえカスがニヒル気取って上から物言ってやりたい放題やってんじゃねえっての

甘ったれんな!w


【シナリオがクソ】
精神疾患っぽい症状を都合良く利用するシナリオが酷い
トラウマ持ち出せばデタラメやっても誰も文句は言えねえだろう、非難しにくいだろう、という便利な近代魔法に頼りすぎ
弱者()の目線導入して意義深い作品性とやらを演出してるつもりかw
それやるなら、いろいろあっても自分にできる範囲内でそれなりにやってる連中のことも併せて描いとけ
そんで両者をそれとなく作品内で比較せい
その方が視聴者も手応え得られるじゃろうが
トラウマって脳が物理的なダメージ負ってるってことでもあるんでしょ?
もっと慎重に扱うべきなんじゃないの?
ファッションでトラウマ扱うのとか流行ってんの?
それとも伝統なわけ?

そもそも都市部で無差別爆弾大爆発ゲリラパーティー決行って人々の暮らしに著しい実害と悪影響を及ぼす凶悪な犯罪行為じゃん
やってることだけ見たらあんな連中間違いなく死刑だろw
てめえらが街ぶっ壊してくれたおかげで一時的にでも仕事できなくなった人らの給料は誰が保証してくれんだよ
てめえらボンバーマンは誰のおかげで道路をバイクで疾走できると思ってんだ

いい加減にしなさいw
スピンクズには憤りしか湧いて来ないわ

自分「だけ」が特別、自分だけが犠牲者被害者とか思えちゃってる中2系ナルシストコンビの爆弾オナニーの被害者のこともちっとは丁寧に扱えっての
無論、あんだけのことやっといて「一般人は死んでませんのですぅ」なんて都合のいいことは言わせねえからなw
(事や経緯の真相はどうであれ)例のアメリカのビル倒壊では実際に人が死んでるわけだ
パロディやるならそこも踏んどけ
やるからには気概を見せてみろってんだよw
ネタ重視の姿勢もいいけど、少しは実害にも重きを置いたらどうなんだ
そういうとこしっかりやらねえからいつまで経ってもアニメは舐められ続けんじゃねえの?w
これじゃコミックに勝てないでしょー、ダサいよ、手応えナイヨ
勝つ気ないなら別にいいけどね
そもそも勝ち負けとかじゃねえし、ってか?w


【娯楽失格作品】
過去になんかあったことと現に起きてることは別の問題で後者の方が圧倒的に重要
捜査段階で犯行動機の解明を急ぐとかいう流れに違和感はない
でもやった奴の犯行動機と犯行の事実は直接的には関係ない事柄じゃん
それらの評価は別個になされなきゃ気持ち悪いんだわ
そこんとこをウヤムヤにして、個人的な問題を公の場に持ち込んだ挙句やってることに意味持たせようとする安易な発想には呆れる
そういうのは仇討ちストーリーかベタベタな復讐劇でやればいいんじゃない?
もしかしてこれ、復讐劇なの?
だとしたら「街壊して可哀想な僕らの心の叫びを聞いてくれ的アピール」なんてやらせてねえで、ストイックに目的遂げるためにキャラ動かせっての
その過程で障害となる倫理観をキャラに無視させると、娯楽として気持ちいいもんになったりもするわけじゃん
回りくどいことやってる奴らは「僕たち目的意識が希薄です」って周囲にアピールしてるようなもん
容疑者も刑事もこの点では同じ働きぶり
締まりが無い
こんなことじゃ話が盛り上がらんのも無理はない
つまんねえんだよ!w

シナリオがクソ、否、クソは新たな生命の糧にもなるからクソの方が上だな
よってシナリオがクソ以下に確定


【娯楽失格作品・とにかくシナリオがゴミ】
容疑者と公開謎解きゲーム合戦開始
これで見せ場、山場のつもりかよ
雑学自慢大会じゃん
しかも普段全く役に立たないタイプの雑学
一晩寝たら確実に忘れる内容
演出もショボいから面白味が全くない(ここが一番ダメ
喋りメインにすれば作画方面で労力軽減できるメリットがあんのかもしれないけど、ぶっちゃけ観てる人間にはそんな事情なんて知ったこっちゃない

それにあのキャラデザがありえねえ
ロン毛で髭面の小汚ねえ教祖みてえな公務員なんざ普通表舞台に出てこねえだろ
そういう場違いな奴をぱっと見シリアス風のドラマ内で表舞台に引きずり出して違和感醸して作中にアクセント付けようってやり方がガキ臭い、痛々しい、嘆かわしい
ジャリ向けのアニメかっての

なぞなぞ大会とか下らねえお遊びをメインに持ってこなくていいよ
そんな暇あったら動画投稿してちゃらけてる人殺しの爆弾魔なんざさっさと逆探してとっ捕まえて半裸にして拷問にかけろ(逆探できません!じゃねーっての、ケーサツを無能に描くなw
色男の服ひん剥いて適度にいたぶった方が女性ユーザーも喜ぶだろうがw
もっとサービス良くせんかい

本当に観てる人を楽しませようって気があんのか疑わしいわ
じゃなきゃ何のためにあんなキャラデザにしたんだよw


主人公が序盤でとっ捕まっても別に何の問題もない
誰かが救出すりゃ済むし、救出劇は絵になるし、それなりに盛り上がる
なんつっても
・スノーモービルでヒト轢き殺した主人公が逮捕されないシナリオ
・地上4階(だったか?)から飛び降りた小娘を華奢な青年が地上で素手で受け止めても双方怪我ひとつしないシナリオ
これほどのアメイジングな展開が作中で許容されるなら警察の手から仲間奪取するくらい余裕だろーが
要するに
・リアル路線気取ってるクセして端々でファンタスティックなことを躊躇なくやってるシナリオ
つまりは「なんでもアリ」の系統に分類しちゃっていいトンデモ作品なんだよな
個人的にはお世辞にも真面目な社会派作品なんて呼べる代物では無いww
もちろん、何をどう呼ぶかは個人の勝手だけどね


【ソウヒョウ】
甘えたカス共を意味ありげにのさばらせるシナリオで世間から注目浴びようって魂胆がキモい
いい大人がこんな寒いシナリオ書いて妄想膨らましてんのもかなりキモいわ(いい大人がアニメに的外れなマジレスすんのもキモいって言われりゃ返す言葉もねえけど、その指摘こそアニメが舐められてる証
でも体裁がネタアニメってんなら、アリです
ただし残響はネタアニメとして観てもつまんねえことに変わりはない
ほんと面白くない

ハッキリ言いましょう
視聴者に作品の魅力を引き出してもらおうって腹が見え見えです

甘えんなってw


絵や声、音方面はいい仕事してたから、そこは否定できないし、したくない
あくまでも悪いのはシナリオ、雑だし、楽しくねえし、笑えねえし、つまんねえ
キャラもダメ
主人公らの身勝手で甘えた態度には虫唾が走る
甘えた態度を肯定するだけの展開も気に食わん
連れの女も意志薄弱で無能なクズでしかなく秀逸なのはツラだけって、喧嘩売ってんのかw
虐められてる設定追加しとけば誰も文句言えねえだろってノリがウザい
小賢しいテクばっか使って何やってんだか
作品の顔でもあるキャラに何の魅力も感じねえ
思慮深い視聴者に同情してもらう主人公のあり方が昨今のトレンドなのか?w

為にも毒にもならんわ

とにかく話がつまんねえから俺は第4話で観るのやめたよ
正直このレビュー書いてる時の方が楽しかったね
そういう意味では本作のシナリオも高く評価できる
楽しい一時を提供してくれたことにかわりはないから

ケツマツ知らねえけど、どうしても観たいって気分にならない
結果にたどり着くまでの過程がつまらな過ぎる
とりあえず、凶悪な中二病の主人公らとその付属品でしかないクズ女が最後に死ねば及第点ってとこかな
因果応報ってことで一件落着
ネーとは思うけど、ラストでヒゲ刑事がヒゲ剃って短髪にすればなお良し
皆さんもご承知の通り、人の生き方は面構えや風体に滲み出るでしょ
アレは公務員のナリじゃねえよ
アーティストかオマエはw


{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

82.3 16 陰謀アニメランキング16位
無限のリヴァイアス(TVアニメ動画)

1999年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (959)
5793人が棚に入れました
2137年、大規模な太陽フレアによって出現した高密度のプラズマ雲が黄道面を境に太陽系の南半分を覆いつくし、地球も南半球が壊滅、17億もの人命が失われる被害を受ける。このフレアは「ゲドゥルト・フェノメーン」、プラズマ雲は「ゲドゥルトの海」と名付けられた。2225年、地球の衛星軌道にあった航宙士養成所リーベ・デルタは何者かの襲撃によって制御不能になり、ゲドゥルトの海へ突入してしまう。しかしその時、リーベ・デルタ内部に隠されていた外洋型航宙可潜艦「黒のリヴァイアス」が起動した。教官たちは全員殉職し、リヴァイアスに避難できたのは少年少女ばかり487人。彼らはなぜか自分たちを救助してくれるはずの軌道保安庁から攻撃を受け、戸惑い、混乱しつつもこれと戦い、そして更には密閉された極限状態にある艦内では、艦の指揮権や物資の配給を巡り少年少女同士が陰惨な争いを繰り広げながら、火星圏から土星圏、天王星圏へと当てのない逃避行を続けていく。

声優・キャラクター
白鳥哲、保志総一朗、関智一、桑島法子、丹下桜、氷上恭子、檜山修之

アラジン♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

【ネタバレ有】 「100人中1人が“100点”をつける名作!」

 
 100人中90人が、80点以上をつける作品は、間違いなく名作と言っていいだろう。

 しかしこの作品は、100人中1人が“100点”をつける名作である!


 (言いたいことが伝わっていないかもしれないが…)、普通は(自分もそうだが)―、物語がしっかりしていて、作画が綺麗で、声優の声が合っていて、音楽が良くて、キャラクターが魅力的で…、そんな作品を高評価にする、そんな作品を名作だと思うのが普通だろう…。
 
 そういう作品が、“大勢の人”から“高い評価を受ける”タイプの名作だと思う―。


 しかしこの作品は、(1999年制作ということもあって)作画には時代を感じ…、声優も、個性と言ってしまえば聞こえはいいが、実際のところ、最近の声優陣との力の差を感じずにはいられない。
 それでいて、物語やキャラクターからは“鬱要素”ばかり感じるのだから、この作品を高評価にする人はそれほど多くはないだろう…。

 けれどもこの作品は、この作品の“本当の魅力”に気付き、キャラクターの“弱さ”に共感し、声優の
“実力不足からくるリアルさ”を感じた人たち…、
 そんな“少しの人達”から“最高の評価を受ける”タイプの名作である―。



 (この作品を観たことがない人にも分かりやすいように、順を追って説明すると)、まず最初に、この作品には、他の作品とは絶対的に違う魅力が“2つ”ある。


 1つは、(この作品を観たことがない人でも知っているかもしれないが)、ここまでキャラを…、観ている視聴者を追い込むか…、と言わんばかりの、究極的なまでの“鬱展開”である―。


 (以下、簡単なあらすじ) ―主人公・“コウジ”たちは、航宙士(こうちゅうし)の資格を取るために、宇宙空間内の航宙士養成所:“リーベ・デルタ”で訓練に励んでいたわけだが―、目的不明のテロリストの襲撃により、養成所内の教官たち(=大人たち)は全員死亡し、残された訓練兵(=子供たち)487名だけが宇宙空間を(何か月もの間)漂流することになる…、という物語―。


 とまぁ、ここまで書いただけでも、察しの良い人なら分かると思うが―、
 ―大人たちのいない世界で…、救助はいっこうに来ず(というか、救助が来るのかどうかさえも分からず)…、確実に食料は減っていき…、長い集団生活でのストレスや不安…、そして理由もわからないまま敵の攻撃にさらされていく日々―。

 そんな追い詰められていく少年少女たちの精神状態に比例して、乱れていく“リヴァイアス”(=子供たちが乗っている宇宙船)内の秩序―。

 そうしてあらわになる極限状態での“人間の本性”や、ただ生きるために必死で、汚い人間、自分勝手な人間になっていく子供たちの“人間的な生々しさ”が描かれ―、そこに究極的なまでの“鬱要素”を感じるのだろう…。


 とにもかくにも、観ていてこんなに気分が悪くなったことはない。
 (後述もするが)、この作品に登場するキャラクターの中には当然、普通の環境下においては、頼りになる人、観ていて好感が持てる人など、多少の困難なら乗り越えていけそうなメンツがそろっている―。

 それでも、この絶望的なまでの困難な状況下においては、誰一人としてまともではいられない―。
 
 そうして一人一人が、徐々に壊れていく姿は、とにかく生々しくて…、リアルすぎて…、そこに、どうしようもない絶望感が感じられ、途中、観ているこっちもおかしくなりそうな“鬱展開”へと、ただひたすら進んでいくのである…(この気分の悪さは、観てみないと伝わらないと思う…)。



 また2つ目の魅力であり、この作品の一番の魅力が、何といっても主人公たち、キャラクターの“心の成長”である。

 まず何より―、ここまで深く、人々の“心理描写”を掘り下げて描いた作品は他にないだろう…(少なくとも自分が今まで観てきた作品にはない…)


 リヴァイアス内に閉じ込められ、宇宙を何ヵ月もの間漂流する間に、様々な困難に立ち向かいながら、信じられないほど一人一人が成長していく…、わけだが―、
 ―この作品の良いところは(というか、むしろ観ているこっちとしては、それが逆に、メンタル的にきつかった理由なのだが…)、
 全てが終わる(=全ての困難が解決する)のが最終話の一つ前の25話であり、その25話までは(本当は、一人一人が徐々に成長しているのだけれど)、主人公たちが成長しているかどうかが観ていて分からない、ところにある。


 それほどまでに、リヴァイアス内の状態は最悪で、一人一人が壊れる寸前(もはや壊れていたと言っても過言ではないが…)だったということなのだが…、
 最終回を観てみると、いかに一人一人が精神的に成長したのか(特に“コウジ”と“ルクスン”)を痛いほど感じる。


 最後まで観た人は分かると思うが、この作品のキャラクターの中に“正解”はいない。誰一人として“完璧”ではない。
 そこからくる(なんというか)“アニメっぽくなさ”、より現実の人間に近い“リアルさ”が、この作品のキャラクターからは感じ、そこに今までのアニメ作品にないタイプの、キャラクター達の魅力を感じる―。


 主要キャラだけでも20人以上おり、準主要キャラも合わせると、何十人ものキャラクターが物語に関わってくる、“超キャラ重視”の作品なのだが―、

 ―その一人一人が、必ずどこかで観ていてイライラする行動や考え方をする。そして彼らのする試みの、大半が上手くいかない…(観ている途中で、何度好きなキャラが変わったことか…、何度そのキャラに辟易(へきえき)し、見損ない、イライラしたことか…)。

 なのでこの作品を、“作品やキャラのことを好きなまま”観終えるには、とんでもない“労力”というか
“精神力”がいる…(つまり、ほとんどの場合、必ずどこかでこの作品そのものや、登場するキャラが嫌いになる…)。


 それでも最後まで観て、振り返ってみれば―、好きになっているキャラクターが数えきれないほどいることに気付く―。

 この作品もいわゆる、“一人最高のキャラがいる”というタイプのアニメ作品ではなく、その作品内の
“キャラクターそれぞれにファンがいる”というタイプのアニメ作品である。  

 現にこの作品は、他の作品とは比にならないほど、主要なキャラが多い。
 そして最終的には、そのキャラ一人一人が、最高に素晴らしい、“限りなくリアルに近い”アニメキャラだということに気付くだろう。

 例えば、最終回において、「コウジとアオイ」、「コウジとイクミ」、「アオイとイズミ」、「ツヴァイの面々」、「ユウキとブルー」など、リヴァイアス事件のその後を、ほとんど描いていない(ブルーに至っては本人が登場すらしていない)にもかかわらず―、
 ―皆が再会したときの少しのやり取りですら、心にグッとくるものがある…(それくらい、初めは嫌いだったキャラが最終的に好きになってしまっている…)。



 だが、(ここまで書いてきて、急な方向転換だが)、勘違いしないでほしいのは、この作品は決して“鬱作品”ではない(“鬱要素”は感じるのに“鬱作品”ではない…、というのは矛盾していると思うかもしれないが、そうではない(理由後述↓))。

 むしろ、我慢して最後まで観れば、最高に気分が晴れた状態で、この作品を観終わることが出来るのである。


 最終的にそう感じる理由には、“普通のハッピーエンド”が、“今までで最高のハッピーエンド”に感じるほど―、
 ―物語の途中で、(キャラだけでなく、観ている自分の)心理状態が、深すぎる“底辺のメンタル状態”を経験するからだろう…
 (今から振り返れば、あの頃(=20話あたり)は地獄だった…。早く観終わりたいという気持ちと、もう観るのをやめようかという気持ちが入り混じっていた…)。
 
 だからこそ、観終わったとき、その“振り幅”で、“最高のハッピーエンド”だったと感じる―。


 つまりは、(これは自論だが)、この作品は決して、“アニメ鬱作品”ではない(現実に、病気としての
“鬱”で苦しんでいる人がいる以上、あえて“アニメ鬱”と言わせてもらう…)。

 この作品は事実、このサイトの成分としての“鬱アニメ”でも上位に来ている作品であり、作品内のリヴァイアス内の空気感や状況は、物語内の“キャラからすれば”鬱状態、鬱環境であったと言えるだろう。
 
 しかし、それが本当に“アニメ鬱”だと言えるのか…(と疑問を感じずにはいられない)。


 あくまで、(自分の中での)“アニメ鬱状態”とは―、その作品を観終わった後も、その作品が…、キャラが…、そのシーンが…頭から離れない―。観終わった後、他のことがやる気にならないほど、アパシー的なもの(=無気力さ)を感じてしまう―。

 それこそが“アニメ鬱状態”であり、そうなる作品が“鬱作品”だと思う。しかし、この作品にはそんなことはなく、むしろ観終わった後の気持ちとしては、全くの逆である。

 なのでこの作品が“鬱作品”かと言われると、ただ作中内の空気感がそうなだけであって、決して観終わった後、“アニメ鬱状態”にはならない…。つまり自分が思う“アニメ鬱作品”とは違うのである。



 …とまぁ、ここまでかなり高評価をしてきたつもりなのだが…、正直なところ、今まで観てきたアニメ作品とは全く違うタイプの―、自分の中の価値観や世界観を変えてくれた、“名作”だと思う…。

 総括としては―、
 ―1つの“大きな経験”が、一人一人の心を強くする、成長させる―。
 逆に言えば、口で何を言ようと、頭で何を考えようと、“経験”しなくては何も成長しない、強くはならない―。
 
 この作品は、そんなことを痛いほど感じさせてくれる、まさに人の心が成長するための“人生のバイブル”のような作品だと感じた…。

 (終)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

manabu3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

『無限のリヴァイアス』にみる「鬱作品」と「秩序と現実」と「フランス史」についての考察

人間がもし秩序の無い閉鎖的空間に取り残されてしまったらどうのような行動を取るのだろうか。本作ではいつ終わるか分からない旅の中で織り成される人間模様の現実的な恐ろしさと残酷さを毅然と描写している。始めは穏やかだった人々の心境の変動は本作の醍醐味の一つであろう。群衆の狂気ともいえる情緒の移り変わりや主要人物達の葛藤を、二十六話をかけてじっくりと描き出している。艦内の秩序と統治方法の変遷は、まるで歴史の流れを見ているかのようだった。
また、本作は様々な人物が登場し活躍する群集劇である。登場人物の多様さと優柔不断の主人公が理由で、始めは余り感情移入することが出来なかったが、それぞれの人物の特異な背景を顧みると、少し遠くから眺め見る、客観的な鑑賞の楽しさがあった。

このアニメはもっと早くに見るべきだったと感じた。今まで私が敬遠してた理由は「作画の特性」と「子供が活躍するロボットアニメ」の二点なのだが、それらの苦手要素を凌駕する面白さであった。もしも同じような理由でこのアニメの視聴を避けている方がいたら、是非再検討を。「トラウマ」を考慮して、子供ではなく「大人」にオススメのアニメ。

■無限に続く秩序なき闘争状態
タイトルの「無限のリヴァイアス」は、ホッブズの「リヴァイアサン」が由来なのではないだろうか。ホッブズは人間が自然権を行使する自然状態は「万人の万人に対する闘争」の場であると表現し、平和と安全を達成するために人間は社会契約によって自然権を国家に移譲するべきだと説いた。そうしなければ、人々は永続的な危険と恐怖に苛まれると。そして権力の集合体である国家を指して、(怪獣)リヴァイアサンと呼んだ。タイトルの「無限のリヴァイアス」とは、「無限に続く秩序なき闘争状態」を言い表したかったのだろうか。

■「鬱作品」について ―「鬱と希望」と「秩序と現実」―
本作は「鬱作品」として周知されているが、本作には「鬱」に優る「希望」が包含されていると私は思う。それはこの作品の題材の一つでもあろう人々の成長物語に感化され共感を得たからだ。特に最終話の存在は鬱というより希望だと思う。寧ろ本作のモチーフであると言われる小説『蝿の王』の方が、悲惨な結末であったと私は記憶している。

この作品が鬱作品ではないと思う由縁はもう一つあり、私は今の現実の世界も「無限のリヴァイアスのようなもの」だと思う。
例えば日本。確かに日本は秩序ある安全な国だと評判だ。因みに「国」の存続に重要なのは「秩序」と「個人」の平衡だが、「力」がないと秩序は守れない。国内社会においては力は警察や裁判所などが有している。米国のように「個人」が銃を所持して自分の身を守る方法もあるけど、それは時には「秩序」を乱すこともある。そういった意味も踏まえれば、日本は世界の中でも「秩序」と「個人」のバランスが上手くいっている国だと思う。しかし日本でも殺人や暴行事件が全く無い訳ではない。それ故個々の事象に嘱目すれば、本作の人間模様も一概には「非現実的」だとは言えないのではないか。

また、国際社会においても同様なことが言える。殊に世界は「無秩序」だ。ヘドリー・ブルという人物が「主権国家から成る社会」の成立によって世界には一定の秩序が存在すると論じたが、世界には単一の中心的な権威が存在しないことは無視できない点である。それ故国際法を強制する主体は国際社会に存在しないし、国際司法裁判所の法的拘束力は「強制管轄権」を受諾した国にしか適用されない。世界の警察はいない。世界は未だ国家間の「力の体系」である。他国で不合理な出来事があったとしても内政不干渉の原則で我々は何も出来ないし現に何もしていない。国際連合は非民主主義的で、常任理事国は拒否権というあこぎな特権を有している。紛争、貧困、飢餓、テロなど、様々な悲劇もなくなる気配はない。世界は無秩序で暴力的で不条理だ。

所謂「発展途上国」でも同じだ。私は発展途上国で沢山の貧困者を見てきた。開発が原因で土地を追われ、物乞いをしながらも些細なモノを売って生活する人々。親に捨てられ住む家も靴すらもない子供たち、そんな子供たちも生きるために必死でなにか出来ることをして行動している。そんな世界では、鬱は死だ。鬱でゴロリと横になってる間に飢えで死ぬだろう。世界には彼らのような困窮な生活を過ごしている人が大勢いる。世界は不平等で残酷だ。

現実を見れば、世界なんてそんなものだ。世界は暴力と欲望と利己と不平等と言葉では言い表せないほどの卑しさで溢れている。そんな世界の中で、何かしらの「共通性」と「暴力」に拠って秩序は辛うじて保たれている。世界は「リヴァイアス」だ。この作品は鬱かもしれないけど、この作品の中の世界には鬱に優る希望がある。この作品を鬱だと思うことができるのは、相当幸せな生活を営んでいて、相当美しい世界を見ているのだろう。それを否定しないけど、この作品は現実に「当たり前に存在していること」を描いているにすぎない、ということだけは主張したい。

■フランス史との関連性と、統制する側の問題点
自学のために、無理やり「フランス史」を絡ませてもう少し考察
{netabare}
■【ルクスン政権】貴族制
ルクスン政権は貴族制だろう。成績をモニターに公表したのは能力主義、そしてエリートを集め、有能な少数の人たちで統制するのは貴族制。まさに合理的だった。(チャーリーへのハニートラップと、ルクスン政権の隠ぺい行為を口実にしたブルーの反乱が誤算だった)

■【ブルー政権】ルイ16世
ブルー政権は王政だ。ポイント制(貨幣制度)と監視制度は秩序をもたらした素晴らしい制度だと思う。ポイント制が資本主義でないのは、供給側が一元的だから。(社会主義的)
※戦況の悪化。そして、ハイぺリオンへ逃走しようとして失敗したブルーは、フランス革命の際にパリから脱出しようとして失敗したルイ16世さながらだ。

■【ユイリィ政権】フランス革命
民衆の反乱、王政の廃止、ブルー一派への集団暴行。まさにフランス革命だ。
(ブルーが逃げ切れたのは容姿が端麗だったからだろう)
政権については、「皆で決めたんだから」と、ユイリィが否応なしにリーダーにされた。この言葉から恐らく製作者側にとっては民主制(民主的決定)のつもりだったのだろうか。
しかし「無限のリヴァイアス」の元凶はここにあったと思う。
社会では、闇市場が出来、ポイント制は腐敗し、秩序も悪化する。結果は衆愚制(民主制の堕落形態)。民主主義が絶対の体制でないことがうかがえる。というより、民衆(残りの400人以上の大衆)の意見をないがしろにしたのだから、実際は寡頭制(貴族制の堕落形態)。民衆は醜い争いを見せるための脇役でしかなかった。ユイリィは総合的な決断力を求められるリーダーに適さなかったため辞任。リーダーがいない社会は混沌へ。

■【無政府状態】混沌
リーダーの不在により社会はほぼアナーキーとなり、治安は劣悪状態に。
実際のフランスでも革命後は恐怖政治などで、国内情勢は疲弊し不安定に。

■【イクミ政権】ナポレオン・ボナパルト
ここでナポレオンこと、イクミ登場。英雄兼、独裁者。イクミカッコイイ(?)
ナポレオンはフランス革命の理念を各地に「輸出」しようとした。
イクミも暴力によってイクミの思想を「輸出」して、社会に再び秩序が訪れた。
ナポレオンは、日本の旧民法の参考にもなったナポレオン法典を作った。
イクミも秩序のための公言をした。
「過ちを犯すな!もめるな!争うな!なじるな! 傷付けるな! 普通でいろ!」

イクミは頑張ったと思う。

■投降
イクミとリヴァイアスは投降し、リヴァイアス政権とフランス史の関連性は終り。

■【ルクスン・北条政権】
新たな船出のリーダーは、ルクスンに決まったけど、あまりにも適当な統帥の決め方に驚愕した。多分また暴動が起るだろう。でも結局、彼の政権が一番マシだったとも思う。

リヴァイアスを統制する側の権力の移り変わりは、まるで歴史の流れ(フランス史)を見ているかのようだった。そして、それぞれの「政権」がそれぞれの良さを持っていた。しかし、私はこの作品を見て「大衆の愚かさ」よりも「支配する側の愚かさ(統制の大切さと難しさ)」を感じた。支配する側は明らかに大衆を軽視していた。つまり、「リヴァイアス」はなるべくしてなったのだと思う。
とはいえ、私はどの政権も否定したくない。何故ならどの政権も前の政権を乗り越えて、より良い環境を築くために出来たものだからだ。既存の体制も法律も伝統も、そういった先人たちの積み重ねによって出来たものだから、何に対しても、その存在自体を悪だとは思いたくない。過去は捌け口にするためにあるのではなく、糧にして、その先を生きていくためにあるのだから。{/netabare}

{netabare}この作品の最後は、ゲドゥルトの海に覆われてしまった地球から、リヴァイアスが脱出するシーンで終わる。もっと未来の世界だ。その時代はきっと、昂治も祐希もアオイもカレンもブルーも、みんな死んでしまった世界なのだろう。それが何だか悲しいけど、彼らの希望が未来に繋がった事が嬉しかった。
私も、昂治が最後に言ったように、いつか滅びるこの世界と人類の未来のために、微力ながら何か力になって死ねれば本望だと思う。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24
ネタバレ

らしたー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

登場人物の中から1人を新入社員として採用するとしたら

途中からずっとそんなことを考えながら観ていました。
リヴァイアス艦内における、各人の行動を前提に、「総合職:採用1名」と仮定した場合、自分だったら誰を採用するだろうか、と。
つくづくイヤな視聴者だと思う。

結果は、ルクスン・北条の一択ですね。
正直スキルは足りないし、プライドだけは高い。それでも、誰かひとりを採用するとしたら、彼が群を抜いて高評価なのです。

足りないスキルは習得させればいいし、高すぎるプライドは打ち砕けばいい。教育でどうにかなる部分なんてどうにでもなる。

彼の長所は、そのずば抜けたストレス耐性です。
あそこまで完膚なきままに打ちのめされ、なお自分というものを見失わず、心が腐らず、折れず、目先のTodoに専心できる、あの鋼のマインド。
これは訓練だけでどうにかなるものではなく、ある種の、長年の環境によって培われた楽天家気質がなければ不可能なことです。
ポテンシャル採用させていただきます。

足を動かせない頭でっかちの参謀クンや、お勉強は出来るけどストレスに弱いユイリィ・バハナさんは採用見送り。生きるか死ぬかの状況で胸キュンを優先させちゃうほとんどの女性陣もアウト。弊社が求める基準には達していません。ましてや相葉ユウキなど論外。旅人でもやっててください。

途中までは、コミュニケーション能力に抜きん出たものをもつ尾瀬イクミも候補に上がってたんだがなあ。結局、セルフコントロールに難があることを露呈してしまいました。
次点は、ツヴァイの女性クルーのランかな。リーダー候補としては厳しいけど、ルクスンが他社に決まってしまったら、彼女を採ります。


という雑談はさておき。
本作は、あまりにも多くの示唆を含んだ歴史的名作といえるでしょう。漂流モノを扱ったアニメの金字塔と呼ぶにふさわしい出来。


●これは『蝿の王』か?

この手の「漂流物」で思い出すのは、なんといっても『ロビンソン漂流記』。日本では子供向けの印象がありますが、もともとは完全な大人向け作品です。そして、馴染みの『十五少年漂流記』。極めつけは、世界的な評価を受けたゴールディングの『蠅の王』でしょう。

では、『無限のリヴァイアス』は『蠅の王』なのか。

違うと思う。
というか、違うからこそ価値があると思ってます。

『蠅の王』における人間の暗部は、「無垢」というキーワードと結びついてはじめてその残酷さに表現力を持ちうる類のもので、本作のように、就職を視野に資格試験を受けるような、一定程度成熟した若者たちによる極限の人間行動とはだいぶ趣が違います。
本作には『蠅の王』におけるサイモンのような、無垢を武器に暗黒と対峙できる人物はでてきません。あえて言うならコウジがそれですが、彼は無能でも無垢でもありません。弟のユウキから無能となじられますが、わかってねーなー、て話です。

大事なのは、皆それぞれ、ある程度「オトナ」であり、人が打算で動く生き物ということを、少なくとも頭では理解しているということです。ポイント制が導入されたあとの乗組員の行動を見れば明らかでしょう。
であるからこそ、本作では、その前提の上での「秩序の立ち上がり方」という、より実践社会学的なアプローチに、その照準を定めることに成功しているのです。
もちろん、社会的動物としての人間の在り方と、それに対する極限状況下での例外、という点では『蠅の王』と共通していますが、その手のテーマはけっこうありふれてるからなあ…。特に新鮮味もないわけで。

どちらかというと、『カイジ』の地下施設のアレが、実はいちばんこの作品との接点が多いのではないかと思っています。
むしろ、キーワードは「囚人のジレンマ」じゃないかなと。それも、いわゆる「無限回繰り返し型」のジレンマ。宇宙空間をまるで囚われ人のように流されいく主人公たちを思うと、なおさらそう思えてくるのです。


●統治の根拠
{netabare}
操船課ツヴァイによる一望監視的官僚支配。
エアーズ・ブルーによる独裁支配。
ユイリィ・バハナによる啓蒙路線の合議制支配。
尾瀬イクミ及びその憲兵による武力統治。

さまざまな体制が立ち現れます。

そのどれもに、長所と短所はあるけれども、前体制の至らなさを克服しようとする意気が感じられ、何よりも、「体制を立て直す」という若者たちの苦難と、工夫を凝らして秩序の運営を試みる描写が、本作品の素晴らしい見せ場となっています。もうこれだけで、このアニメには価値があるといっていいくらい。

正直、権力の分立やデュー・プロセスなんて戯言を、あの状況下で担保するのは物理的に困難だとは思います。主要スタッフに更迭がないのも、人材面での制約があるので仕方がないでしょう。
時間をかけて成熟した社会を作るより、当面の混沌を回避することに重きを置く判断は支持します。秩序が完全に失われてからではすべてが遅いですから。尾瀬イクミのような存在は遅かれ早かれ出てくるものです。

むしろ、この作品でいちばんゾッとしたのは、ユイリィ・バハナによる統治の機序。厳密には艦長就任に至る政権樹立のプロセスです。

ツヴァイの女がこんなこと言うんです。

「ツヴァイのみんなも納得してるし、生徒のほとんどが賛同してるわ」
「もう多数決で決まったことだし…」

これ。
これをさらっと言っちゃう感覚が怖すぎなんです。

・「ほとんど」って何?
・ちゃんと生徒全員が投票したの?
・ていうか、その「多数決」は誰が投票したの?
・ツヴァイだけじゃないの?
・その投票権は誰から付託されたものなの?

「多数決で決まった」で思考停止してるんです。その投票権が乗組員から付託された権利ではないにも関わらず。密室での多数決を、さも民主主義のように語る、あのセリフが一番怖いし、まさに子供だなあと。

どんな統治体制を採るにせよ、決定された事項が万人を満足させるなんてことは不可能なんです。絶対無理。そのときに重要なのは、満足できなかった人を納得させる仕組み、あるいは心理的な擬制があるかどうか、なんです(その仕組みに「武力」を選んじゃったのがイクミです)。

美女コンテストで乗組員の直接投票をやっていたでしょう。てことは、その気になれば、統治に対して直接投票ができるんですよ。でもしなかった。する気配がなかった。
直接投票が危険であれば、各部屋に班長をさだめて、彼らを集めて投票行動をとらせることだって出来た。乗組員の意思の抽出をする手段はいくらでもあったんです。

そこでの投票行動はぶっちゃけ形式的なものでも全然構わないんですよ。それでいいんです。大切なのは「プロセスを踏んで決定しました」ってことを明示すること。そうすることによって、もし決まった事項を遵守しない者が出た場合、「秩序に対する敵」として、乗組員の意思を根拠に糾弾できるのだから。

なんていうか、やれる努力をしないまま、早々に「イクミの変革」に至ってしまったことが残念であり、同時に若さゆえの想像力のなさであり、社会経験の無さなのかな、と。
{/netabare}

などと、いろいろ考えながら興味深く観ておりました。


●総評

自分の居場所の確保とかカインコンプレックスとか、情報管理とか、もろもろヘビーなトピックがたくさんあって、切り取りだしたらきりがないですね。おそろしく濃密な作品です。

とりあえず観る価値のある作品でしょう。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

80.1 17 陰謀アニメランキング17位
BANANA FISH(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (542)
2450人が棚に入れました
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ。ストリートギャングを束ねる彼は手下に殺された男が死ぬ間際に“バナナフィッシュ”という謎の言葉を発するのを聞く。時を同じくして、カメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。二人はともに“バナナフィッシュ”の謎を追い求めることに──。


声優・キャラクター
内田雄馬、野島健児、平田広明、石塚運昇、古川慎、細谷佳正、川田紳司、福山潤、森川智之、千葉翔也、斉藤壮馬、上田燿司、小形満、村瀬歩
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

どうせみんなホモになる

自分には珍しい原作既読。{netabare}
とはいえ記憶は殆どなく、印象としては「どうせみんなホモになる」。
アッシュ捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げてーの繰り返しで、そうしてる間に「なんでそんなにアッシュ狙われるん?」って思ってたエイジが、狙ってるヤツらはみんなアッシュのケツ目当てで「ああ、そんなに良いものなのか!」と目覚めてエンドだった記憶。
出てくるキャラがみんなホモで原作読んでる最中結構笑った記憶がある。
自分は隠れホモが嫌いなだけで、最初から「ボクホモです」って言ってる分には気にしないので問題無く見れると予想。

って、アニメ見て「あーそうそう、こういう内容だったわ」と思い出せることを期待したけど全然思出せないw
どうせ捕まって逃げるだけだしw
まぁ出てくるヤツはみんなホモ(この世界はホモしか居ない)って思っとけば間違いないので気は楽なんだけど、ちょっと悔しい。

あ、それと原作の段階から大友克洋っぽい部分がちょくちょくあって、これってライブラリあったりするのん?とかちょっと思ったり。
もしあるならアニメ化は結構効率化できるような?{/netabare}

15話までの感想{netabare}
なんでも作中の銃がまるっきりモデルガンなんだそうな。
実銃には無くてモデルガンに施されてるディテールまで絵で再現しちゃってるらしい。
手元にある資料(モデルガン)をこれでもかと精巧に再現しちゃったんだろうね、当然ながら自分は全然気付かなかったけど。
で、一部では笑い者になってるらしいが…個人的には好感度アップ、実直でいいんじゃなーい?
銃がメインの話でもないしなぁ、これがガンスミスキャッツやガンスリンガーガールだったら「おいおい」ってなるけどさ。
そんなん気にしだしたら植物なんて結構アレだし、オタ友の電気屋は背景の建物の配線に「それはない」と突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めると言ってたし…バナナフィッシュに限ったことじゃなくてアニメ全般ね。

と、好意的ではあるとはいえ飛び抜けて面白いってこともなく、ダメってこともなく、だら~んと見続けてるのだけど…15話にしてツッコミどころキター。
色仕掛けで看守の隙を突いて脱獄って、おま…永井豪やすがやみつるの漫画で見た記憶があるが、今の時代にこれって…あるのか?
現代風にリファインした結果がこれ?まぁいいけど。
いや最近もあった気がするが…LOSTSONG…じゃないなぁ、何だっけ?
それよりも色気振りまくのがアッシュで全然嬉しくないw
これ、女性視聴者はキャーと喜ぶところ?それともギャグシーン?
ってか看守はホモだったのか、やっぱりこの世界にはホモしか居ないのか。
もういっそのことポリスアカデミーのブルーオイスターみたいなん出せばいいのに、あそこまでやれば自分もギャグとして楽しめるんだけどなぁ。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
原作読んだハズだけど殆ど記憶が無く、辛うじて残ってる印象は↑で書いた通り「捕まっては逃げ捕まっては逃げ~」。
んでアニメ見てみたら、うっひゃあ、自分の記憶以上に捕まっては逃げ~でした。
病院や刑務所も「捕まって」にカウントすると何回捕まった?数えとけば良かったなぁ。
いっつもアッシュを逃がすためーアッシュを逃がすためー(たまにエイジを逃がすためー)で周囲が右往左往する、いっつもコレで正直飽きる。
フォックスと初顔合わせの時ゲイバーだったけど、やっぱりブルーオイスターほどパンチはなくてう~ん。
またフォックスとの最終対決でお互い鉄パイプ持った時「お、ここでアッシュは棒高飛びのワザ使うか?」と思ったが無かった、まぁいいけど。
そしてラストは…あれ、こんなんだったっけ?全然覚えてないや、ジェットマンオチでした。
ジェットマンオチにしても元ネタあるのでべつにパクりがどうこう言うつもりは無いがなんかやっぱりどこか懐かしい。
あーそれとこれは…何の感想で書いたんだったかな?
その昔“風と木の歌”っていうBLモノの元祖になるのか?っていう少女マンガを読んだことがあって(アニメ化もされてるみたいだがそっちは見てない)、登場キャラが男の筈なんだけど中身がまるっきし女で「こんな男いねーよw」と思った事がありまして。
こっちでもユエルンがソレで、男として見るよりただのヒス女として見た方が理解しやすいと思う。
むしろ「ヒス女」としてはよく描けてて、普通に女性キャラで書けばいいのに…と思わなくもない。

大して面白くもなかったけどこういう系はこういう系で残って欲しいので(ホモは抜きで)、まぁ並ってことで。
とりあえずあれだ、ハードボイルドを謳うのであれば横一列になって滑走路を歩いてくれないとピンと来ないんだ、うん(スゲー偏ってるって自覚はある、あああ~ああああ~んんん~んんんん~※)。

面白くなかったといいつつ評価する点。
例えIQ高かろうが町のチンピラ上がりのアッシュとしては、本場モンのホンモノのフォックスや師匠には手を焼きました。
パワーバランスとしてはこれが正解だよなぁ。
殺し屋養成所出にも関わらず安く買い叩かれ、また実際大して強くなく昨日今日殺し屋になりましたって素人に苦戦する“豚骨ラーメンズ”のアホアホさが際立つ。
それとオチに繋がることだけど、やむを得なかったとはいえショータを殺したことで恨まれ続ける(事情を話そうにもヤバいネタで話せない)ってのは久々に見た気がする。
アンゴルモア?知らんなぁ。
最近は主人公格(作者が投影するキャラ)が悪し様(あしざま:相手を実際よりも悪く、また、いかにも悪いものとして扱うさま)に扱われるのって避けられてる気がするので。
そこら辺も「古い」に組み込まれてしまうのはちょっとイヤかも。

※参考動画
https://www.youtube.com/watch?v=GfJSNWHuFhY


余談、園芸ネタ
バナナフィッシュの原料としてブルグマンシアが出たけど、原作でもそうだったっけ…覚えてないや。
元はダチュラの一種扱いだったけど近年ブルグマンシアは分けようって扱いを受けてる植物で、そこらで観賞用として園芸植物として普通に出回っている、流通名はエンゼルトランペット。
たまに蕾をオクラと誤食して死亡事故が発生する(ボケ老人がやらかす)けど、それは恐らくダチュラのほう…とはいえブルグマンシアも同等の毒性アリ(と言われてる)。
ブルグマンシアでフリー素材検索するとアニメそっくりな画像が出るのはナイショだ。
またアッシュがアタリをつけてニアピンだったペヨーテはサボテンの一種(ロフォフォラ)、メスカリンを含有してるとされてるけどとても幻覚作用を引き起こせるほど抽出できないので“日本では”栽培を規制されてない。
ってかオレ育ててるし…邪な目的は無いヨ。
草餅みたいなカワイイ植物です。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

キース・へリングやバスキアが生きた時代

2019.01.03記


原作未読


書店で平積みされてたり、学校で女子が話題に挙げてたような挙げてないような。20年以上前の記憶です。
タイトルだけは知っていて中身がどんなか知らないものの、吉田秋生先生でノイタミナでという話題性に食いついてみました。

全24話2クール作品です。
舞台はアメリカN.Y。若くしてストリートギャングのボスであるアッシュ・リンクス(♂)は容姿端麗・頭脳明晰・殺人スキルも無問題の完璧超人。イラクで消息を絶った兄が残した「BANANA FISH」という単語を追って動き始める。
同じ頃、カメラマン助手として日本からやって来た青年奥村英二がひょんなことからアッシュと出会い、BANANA FISHを巡るいざこざに巻き込まれながら友情を育んでいく物語です。
けっこうハードなクライム・サスペンスで、コルシカマフィア、華僑の闇勢力、ストリートギャング、はたまた国家機関も出張ってきての組んずほぐれつ。諸悪の根源はBANANA FISHということになるんでしょう。

設定が設定だけに人が死ぬのはしょうがないとして、これでもかこれでもかと不運がアッシュに降りかかるのが本作の特色でしょうか。
30年前なら『おしん』、20年前なら『家なき子』、最近だと『東京喰種』の金木研ばりに過酷な試練の連続です。どうしようもない沼に嵌りこんでいるアッシュをもうこれ以上いじめないでください、となります。
このアッシュに共感できるなら作品にすっと入れると思います。
対する英二は平和ボケの権化みたいな向こうの人から見た“Tipical Japanese”を地でいく青年です。私は苦手なタイプですが、なぜか完璧超人アッシュにとっては安らぎを得られる存在。
生い立ちから歩んできた人生からまるで違う二人がなぜ共鳴し合えるか?
この友情物語を紐解くカギとなります。


私はけっこうながら見でした。
英二がまぬけというか、いや普通そんなんやったら死ぬで!の局面でけっこう素っ頓狂な行動を取ったりでイライラが募り、ストーリーに没入するのを邪魔します。
アウトローが自分に無いものを求めて無垢な存在に惹かれるというモチーフはよくあるため、逆側の無垢な存在がどうアウトローにシンパシーを感じるかの部分で弱い気がしました。

『だから二人は惹かれ合うのね』

ここがもっと欲しかったかな。男同士、女同士、男女でもそれは変わらないと思います。
クライム・サスペンスと友情物語がリンクする作風の中で、前者がなかなか面白いのは事実なものの、後者がしっくりこないと早々に“腐”認定してとりわけ男性視聴者が離脱してもおかしくないでしょう。
逆に両者がかちっとはまるとめちゃくちゃ面白く感じそうです。私はその一歩手前でした。

とはいえ完走はできました。佳作の域にはあると思います。

※メモ//石塚運昇氏遺作



■余談 
地味に良かったのがN.Yの雰囲気。
1985~1994年連載の原作でベトナム戦争帰りの設定だったのがアニメではイラクだったり、スマホがあったりと現代に合わせた調整はしょうがないとしても、ベースとなったであろう1980年代前半の超凶悪な街N.Yの雰囲気がよく出てたのは良かったです。
今と違って観光客が地下鉄に乗るなんてご法度もいいところで、昼間でもサウスブロンクスを歩けるわけがなく、例えばタイムズスクエア近辺のホテルから地下鉄でヤンキースの試合を観戦しに行くことは「死にたいの?」という世界。・・・だったらしい。なにぶんこの時期ガキンチョだったので見聞きした話です。
一方でアートやファッションはとても魅力的だったり。キース・へリングやバスキア。元は落書きの“グラフィティ”は画集を買ったこともあるし、ヒップホップも発祥はこの頃のN.Y。自分がはまったのはちょっと後の東と西でドンパチしてた頃ですが、私には興味惹かれる場所なり時代だったりします。

作中でも地下鉄でドンパチ普通にやるし、建設中ビルや廃墟などいたるところで銃声が響きます。このやさぐれ感はたまんなかったです。

リアルのN.Yで初の黒人市長が出て警官増員したのが1989年。ジュリアーニの登場が1994年。治安は急速に改善してきました。
私の初N.Yが2001年だったのでその頃はもう快適に過ごせましたね。

{netabare}超高層にもかかわらずガラス張りではなく屋外に出られるスポットがあるぜ、とN.Y出身知人のススメで訪れたのがワールドトレードセンター。訪問日は2001年8月11日午前。なんというかね。。。{/netabare}


やっぱり、あんな危ないエリアだったりストリートの悪がきがたむろするところを無警戒でほっつき回る英二って“なんだかなぁ”と思う私でした。


■余談2 ※最終回ネタバレ有
国民的愛唱歌『とんぼ』言わずと知れた長渕剛の名曲ですが、元は本人出演ドラマ「とんぼ」の主題歌です。
{netabare}最終回はヤクザ役の剛が腹を刺されて、倒れた剛をカメラが引きのカットでおさめて終了。図書館ではなくこちらは路上でしたが似たようなカット割りです。{/netabare}

{netabare}ヤクザ剛の役名は “英二” 

すまぬ。これ言いたかっただけです。{/netabare}


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2019.06.02追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/06/01
♥ : 52

Jacks さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

二人が紡ぐ絆

街の中に紛れ込んだ男。その男の名は誰も知らない。彼は殺しと仲間の為に生き、そして自分の為に戦う。だが、それだけではない。
復讐、償い、親友。これらは彼にとって大きな鍵となっている。特に親友...もう一人の少年は彼を慕っている。二人は互いに強い絆で結ばれた間柄なのだ。
もしその少年と別れてしまったら、彼はどうなると思う?怒りと悲しみ。あらゆる感情に左右され、成すべき事を見失ってしまう。その可能性がある。
出逢いは難しそうで簡単にできるが、別れはすぐにやってくる。死が二人を分かつまで、彼は足掻く。たとえどのような目に遭っても。
彼がその親友と仲間達を大事にする引き金となったのは、彼自身のモットーだ。同時に彼を取り巻く多くの陰謀と黒幕が関与している。
果たして彼は突き付けられた現実を輝かしい未来へと変えることができるのか?それとも、このまま堕ちていくのか...

舞台はアメリカ。本作の主人公であるアッシュ・リンクスはギャングのボス。彼は自らの手を汚してまで今の地位にのし上がってきました。
裏社会という名の犯罪行為は頻繁に起こり、その中でアッシュは生きています。頼れるのは自分の力と仲間達との協同です。特にショーターはアッシュにとってかけがえのない存在。
そして訳あって日本から来た奥村英二(おくむらえいじ)もアッシュの仲間の一人。彼らは次第にお互いを大切に思いやるようになります。
アッシュの本心はこの闘争を一刻も早く終結させ、英二達と一緒に平和で幸せな日々を過ごす事でしょう。それがアッシュにとって非常に望ましいと僕は思っています。
しかし、それを邪魔するのはゴルティネを始めとした極悪非道な連中。アッシュは何度も苦渋を味わい、拷問に近い罰を受け、そして時には利用されることになります。
それでもアッシュは諦めません。何故なら、彼には確固とした信念があります。目の前の敵を躊躇なく殺す。それが強き者の使命であり、宿命です。

本作の魅力は何と言っても非常に作り込まれた登場人物と世界観。MAPPAの美麗で安定的な作画も相まって、鮮明に描かれています。
アッシュは基本的にクールで頭脳明晰。自分が認めた人間を受け入れる寛容さも兼ね備えています。とにかく渋いですね。
英二は世話焼きで心優しい少年。アッシュを友人としても仲間としても意識していて、そこに好感が持てます。
他にも李月龍(リー・ユエルン)という後々のエピソードに登場するキャラもいますが、彼もまた魅力的です。
個人的にシン・スウ・リンも好きですね。声と容姿が僕のタイプだからでしょうか。良い意味で威勢のある好青年です。

僕は原作を読んでいませんが、吉田秋生(よしだあきみ)さんの類まれなエッセンスとストーリーテリングが本作を絶妙に味付けしています。
利口で筋の通った会話の数々、予想の斜め上を行く流れ、スリル満載の怒涛の展開。これでもかというぐらいバラエティに富んでいて、視聴者を飽きさせません。
少女漫画らしからぬハードボイルドな作風が本作の特徴ですが、随所に挟まれる意味深なシーンや柔らかな絵柄が実に優秀です。そこに少女漫画らしさを感じます。
台詞回しも海外ドラマのようなカッコよさですね。現代版ゴッドファーザーと言うべきでしょうか。マフィアものが好きな方はハマること間違いなしです。
比率としては男性キャラが圧倒的に多く、女性キャラは申し訳程度でしか出演しません。そこに好みは分かれるでしょうが、僕は気に入っています。

OPとEDは素晴らしいの一言です。1クール目のOPはこれから壮大な物語が始まる予感を匂わせ、EDはアッシュの葛藤が精巧に描かれています。2クール目も同様です。
Survive Said The Prophetの記念すべき初テレビアニメのタイアップでもあります。歌詞とメロディが本作に合いすぎです。そしてカッコよすぎる。
僕は本作がきっかけで、このバンドのファンになりました。僕の好きな音楽はロックとメタルなので、相性はバッチリですね。
King Gnuも本作のおかげで僕は彼らのファンになりました。ミクスチャーとは思えないほど本作に合った曲調に天晴れです。
声優陣の演技も完璧で、キャラにピッタリです。特にアッシュ!彼の魅力が更に増したのは言うまでもないでしょう。

生々しくて胸が痛くなるようなシーンが多い。これは話の展開上仕方がないかもしれませんが、確実に人を選びます。

人間は窮地に陥っても必ず救いはあります。それを改めて実感させられたアニメがBANANA FISHです。
本作は決して万人向けではありません。遥か彼方の程遠い位置です。それぐらいリアリティがあります。
ですが、僕はこの作品を多くの人々に推したい。理由は単に面白いだけでなく、身近にいる大切な人達のありがたみを再び知ってほしいからです。
僕はアッシュと英二が羨ましいです。二人の関係性は僕と実兄に似ています。それだけ本作に感情移入しています。
原作と同様に後世に語り継がれてほしい名作です。僕は明らかに過小評価だと思っています。もっと観られてもらいたいです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

77.5 18 陰謀アニメランキング18位
王様ランキング アニメ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (461)
1459人が棚に入れました
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが“王様ランキング"である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす———— 。
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

独特な絵柄による雰囲気だけのアニメ。

1クール目から微妙だったけど2クール目もやっぱり微妙だったかな。

↓1クール目時点感想
{netabare}
障害を抱えた主人公が旅したり色々する話。
正直この時点でもうきついが、主人公が「アウアウ」しか喋らないのがきつさを加速させてる。
で、3話とかそうだけど、その主人公ががんばってる様子を見せて感動させようとしてくる系の作品。
さらに毎回のようにキャラの泣き顔を映してくるのがキャラデザも相まって、感動の押し売り感がしてきつい。
つべにあがってるEDの公式動画のサムネとかもまさにそれ(曲自体はめっちゃいいけど)

感動ポルノだ!とか、感動ポルノだからだめだ!って言いたいんじゃなくて、単純にこういうのが気持ち悪く感じる。
まあ、24時間と何が違うんだとは思ったけど。

あと、耳聞こえないはずの主人公が普通に聞こえてるような行動を取りまくるって言うねw
ちゃんと手話をやってるシーンもあるんだがそうでないシーンの方が多いし、
ボッジ→カゲ以外の他のキャラとかも割と意思疎通ができてるみたいで。
耳聞こえない設定もしゃべれない設定も「かわいそう」感をだして感動させるためだけのものになってる。
11話で障害者を弱者と見ることへの批判をしてたけど、この作品がまさにそれなんだよね。

最近はまだマシだけど最初の方はほんとに見てられなかった。

で、最近になって感動させようとしてる感はなくなって見られるようにはなってきたが...
特段これと言って面白い要素、いい点がない。
作画がいいのとデザインが独特なので面白そうな雰囲気は出てるがそんなことはない。
だらだらと話が進んでいくだけ。
主人公が剣の特訓をして最終的に針のような剣を扱えるようになる、とか展開自体はいいんだが、なぜ過程をちゃんと描かない?ってなった。
丁寧そうに見えてあまり丁寧ではない。
同じような感じのアニメにしても、まだ不滅のあなたへの方が面白かったと思う。
まあとは言え感動させようとして来なければ不快感はまだマシなので(正直主人公はきついが)2クール目でたぶん少しは評価上がるかな。

2話のカゲの話はめっちゃよかったと思います。
あと、11話も序盤のダイダのところは結構良かったかな。
EDは名曲だと思う。

どうでもいいけど、無職信者が複垢でこの作品に☆1評価連投しまくってますね。思ったより評価低いと思ったら。

↓一話毎メモ(1~11)
{netabare}
1話 ☆0
OPなんて? 気の抜けた炭酸みたいな声だな、全く聞こえん。
もっといい歌手を...
障害者主人公かよ...。耳が聞こえないとは。
ああ、こいつとだけ話せるのか。
国民がこんなに王子バカにしてるけど王様は何も反応なしかよ。
何で入れって聞こえてるの?
普通に言葉通じてて草。
障害感強調されたらこれは切り候補かも。
EDはめっちゃいいな。

2話 ☆9
これよく名前聞くKing Gnuなのか。
何でこんな歌手が流行ってるんだか。
過去回引っ張らないスタイルか。
こっちの方が戦い方汚いじゃん。
カゲだけでいいな。主人公いるときつい

3話 ☆1
暗殺されそう。
は?主人公耳聞こえるか聞こえないかどっちだよ。
まあそりゃ王はきついでしょ。
ボッジの力になりたいっていうと第二皇子を暗殺するのが目的ってとらえられそう。
槍使い強い。駄目だ、主人公きつすぎる。
いや死ぬだろw 
神様になった日最終回がボロクソ言われてこのアニメが絶賛されるのはなぜ?w

4話 ☆4
今回は手話ちゃんとやってていい。24時間やん。
旅だったんじゃないの? 回想声聞こえてて草。
カゲってあの手みたいなやつで手話やってたん。
ほんと主人公きっついわ。

5話 ☆7
再会早すぎ。弟のキャラいいじゃん。
ボッジを裏切ったから信頼できないと。
きたない 焼き鳥 洗脳開始w 
けどボッジとの戦闘で不正してたよね。
ボッジが力を奪われた巨人で、カゲが神に姿を変えられた存在?
腕がああああ王の力があああ
ボッジがいなければ面白い

6話 ☆5
だからなんで主人公悲しんでんだよ、言葉通じないんじゃねーの?
アウアウやめて
ダイダのキャラはめっちゃいいと思う。
主人公の期待に沿うよう努力したり。
これほんと話普通だよな、まだ不滅の方が展開凝ってて面白かったと思う

7話 ☆3
見える子 いや草、言葉めっちゃ通じとるやんけ。
紫色料理の昭和ギャグおもんないからやめろ。
主人公がきっつい。
まあ孤独な方が訓練には向いてるわな。

8話 ☆6
腹から声出せ。なんだこいつ
世界一強いのボッジか? 

9話 ☆6
父さんクズ過ぎません?w
母はもっとキレろ

10話 ☆5
刺されそう
お前はもう死んでいるとかいいそう。
キャラの泣き顔毎回写されるのがきつい。

11話 ☆7
ここは障害者を弱者とすることへの批判なのね。
だけどこの作品は障害者を弱者として描いてる気がする。
不滅で見た。戦えるんか?

曲評価(好み)
OP「BOY」☆4
ED「Oz.」☆9
{/netabare}
{/netabare}

↓2クール目視聴後感想
{netabare}
1クール目の時はお涙頂戴感がきつくて酷評したが、2クール目ではそれほどお涙頂戴感はなくて普通に不快感無くみられるようになった。
ただ、それと引き換えにもともと大して面白くなかったストーリーがさらに酷くなって本当に酷い有様になってた。

まず何と言っても尺のさき方が酷い。1クール目の最初の方からやってたミランジョの話がまさか最終話まで引っ張られるとは思わなかった。実際やってる内容もミランジョとボッスが子を犠牲にして生き延びようとしているのをみんなで阻止するという内容だけなのになんでこんなに引っ張られるのか。
特にオウケンVSボッジたちの戦いはほんとに毎回はよ終われと思いながら見てた。あの戦闘のダレ具合は本当に酷い。
かと思えば、途中で主人公が特訓して戦いに参加できる力を身に着けようとするパートはめっちゃ短い。
短いというかちょっと特訓しただけで最強格ぐらいにまで成長してると言うw
なろう系かよって言いたくなるしこういうパートこそ尺割けばいいのにって思う。本当にいきなり強くなりすぎていて面白みがない。

それと「○○が死にそう!」からの回復魔法での復活コンボがマジで面白くない。
最後の方はもうボッジが切られてもその他大勢が大けがをしても「どうせ生き返るんだろうな...」って思えて茶番にしか見えなくなった。
で、案の定誰も死なないし、この作者はキャラを殺せないんだろうなって。
転スラ二期の前半の死者回復展開も酷かったけど、あっちの方がまだ過程がかなりあったぶんこれに比べると数倍はマシだったと思う。なろう系以下。
子供向けアニメみたいな全員集合からの集団戦闘とか、戦いが終わった後の子供向けみたいな大団円も寒い。そういうノリを何回も見せられた気がする。

それで、ボッスとミランジョの話はどうかと言うと、引っ張った割に結局ボッス側に正義は一切なくボッスはただ自分の保身のためにボッジやダイダを利用しただけのただの悪人で、この作品全体を通してやったのはただの勧善懲悪だったっていう。子供向け作品でももっとマシなんじゃないか?
で、ミランジョもなぜか命を取り留めて王のダイダが婚姻を結ぶという。
ミランジョは国に多大な被害も与えてたんだし、処分なしじゃダメでしょって。
で、揚げ句の果てには最終回でまたも不死身のオウケンが復活して...。
これ原作だとこのあともまだgdgdとオウケンと戦ってるんだろうか...。

このアニメ、WIT STUDIOが作っていて作画がすごいのと、絵柄が独特なこともあって名作っぽさがあるから持ち上げられているだけで、これがもしJ.C.STAFFでなろう系っぽい絵柄だったらこんなに評価されてなかったと思いますね。

2クール目のオープニングは本当に良かったと思います。
EDは1クール目が圧倒的だけど。

↓一話毎メモ(12~23)
{netabare}
12話 ☆6
総集編? 嫌いなシーンばかり切り取られてるw
馬の話だけ面白い。こっちのおじさんは許されるのね。

13話 ☆5
最高のOP。ヒリング逃げろやw 
魔法的なのあるのかよ。はよ逃げろ。
ミランジョ何がしたいんだ? 食うの遅くね?
お前らどうせ噛ませだろw 

14話 ☆6
アウアウきっつ。草、なろう系じゃん。
何でその針折れないんだよw
なるほど、言葉はそれで通じてるのか。

15話 ☆3
つまんねえ。え? シリアスにすべきとこでギャグシーンw
なんでこいつら戦ってんの? 

16話 ☆6
泣き顔写すのきつい。まあ許せんわな。
あの変態騎士どう絡んでくるんだ? 

17話 ☆4
ボッジ強すぎんかw
戦闘は面白いんだけど戦う意味ないよねこれ...。
なんかずっとgdgd進行してるイメージがある。

18話 ☆3
は? ポーション、治癒魔法とか言うなろうのご都合主義アイテムが本当に面白くない。アピスは殺しとけよって思う。
どんな国だよ。そうはならんやろ。
ピンチの時に誰かが駆けつけるパターン多すぎない?
ラストは面白かったな。

19話 ☆3
ほんとOPは神なんだよな。進撃の巨人かよw
これまた治癒魔法くる?w 三途の川 テンプレ展開
このだるくなりがちな展開のわりには短くていいな。
これ妄想の世界なんでしょ?感動できないよ。結局助け来るのかよw
やっぱり回復魔法なのね、面白くない。
オウケンが主人公モード入るの草。まあ戦闘は面白いかな。

20話 ☆2
どうやって見せたんだよw
そろそろ死ぬ死ぬ詐欺やめて誰か退場しろよ。
はーつっまんねww なろう系もびっくりだわww
転スラ以下だろこれw 転スラの復活でももっと過程踏んでたぞ。
てかそもそもVSオウケン間延びしすぎでしょ。戦う意味ある? 

21話 ☆4
ボッスゴミすぎやろ。進撃の巨人。
強くなりすぎやろw 略してオウケン なろう主人公
こいつら結局何がしたってん。
子役嫌い。地獄にでも落ちた?

22話 ☆5
また過去回やるんか。落ちる先が手のひらでも死ぬやろw
妻になってくれは唐突すぎる。オウケンいつか助かるんか?
こいつら最終回直前に何する気なんや。

23話 ☆3
ここは決闘のやり直ししろよw そうはならんやろ
ええ、ここでオウケン生き返らせるんかよ。
もう展開が滅茶苦茶。オウケンどこまで引っ張るの
いや結局王位譲るの? ああ、自分で国を作るのね。

曲評価(好み)
OP2「裸の勇者」☆9.5
ED2「Flare」☆5.5
23話挿入曲「」☆6
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ボタンの掛け違い

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
良いアニメだと思います。

基本は、「少年の成長と旅立ち」という、超王道のストーリー。一見すると、NHKやジブリでも通用しそうな、安心安全の世界観。

ただそこに、多くの不幸や悲しみ、残酷な現実なども混ざり合い、単なる児童アニメにはない深みがあります。大人でも楽しめるというか、大人だから楽しめるというか。

本作は考察しがいがあるアニメなので、久々に考察系で真面目に書いてみました。主に、人物描写について思うことを書きました。相変わらずクソ長いので、大変申し訳なくは思います(苦笑)。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作の特徴として、登場人物が「全員不幸を背負っている」「全員他者のために動いている」ことと、それが、「どれもこれも上手くいっていない」ことがあると思う。

例えるなら、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」のようなものだろうか。尤も、「賢者の贈り物」に比べれば、清廉でもないし、幸福でもないけれど。

私は、本作の面白いところは、人物描写の巧みさにあるように思っていて、どの人物も実に「人間らしい」のだ。

日頃から、高い教養と倫理性、社会的制限の元に生み出されたキャラクターを見慣れている我々現代人は、ついついキャラクターに整合性を求めてしまう。しかし、本来の人間は「支離滅裂」なことが普通なわけで。近代の純文学などでは、そういう人物描写がよくみられた。

利己的で、情動的で、短絡的な人間。それでも、100%の悪人とは断罪しきれない人間。大宰作品なんかが分かりやすい。

本作のキャラクターが、なぜ、他人のために動いているのに、誰も上手くいってないかというと、「他人のため」がいつの間にか「自分のため(自己救済)」になってしまっているからではないだろうか。多分、本人すら気付かないうちに。

皆さんの身の回りにもいませんか? 人を救うのが趣味や生き甲斐みたいになっていて、それはとても素敵なことなんだけれど、ちょっとウザがられている人。

簡単に言えば、「余計なお世話」。

論語に、「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」という有名な一節がある。幼小中学校の先生は当たり前のように「自分がやられて嫌なことは人にやるな」「もし自分がやられたらどうか考えてみなさい」と言うが、これは間違いとまでは言わないが、正しくはないと思っている。

本来は、「人の欲せざる所は人に施すこと勿れ」だ。「己の~」は、あくまで価値観が自分の側にある。自分が良いか悪いかはさておき、本来は、「その相手」がどう感じるかを見とる洞察力や想像力こそが、正しい意味での優しさなんだと思っている。

本作の登場人物は、正にこの「余計なお世話」が多い。特に、

ミランジョがボッスを子に転生させようとすること。ボッスがミランジョの魂を救おうとすること。

の2つは分かりやすい。どちらも別に、(今となっては)本人は特に望んでいない。そして、ミランジョがボッスを転生させたいのも、「自分がボッスと共に永久に生きたい」からだし、ボッスがミランジョを救おうとするのは、「自責の念」からだ。彼らはそれを死の間際に気付くけれど、それまでは「相手のため」を免罪符に、悪行の限りを尽くす。

なぜこうなったかというと、ボッスもミランジョも、過去に大きな悲しみを背負っており、そうして胸に空いた穴を、「何か」で埋めなければならなかったから。2人にとってそれは、「互いを救う」ことだった。(宗教なんかもそうだけど、本当に怖いのは、ご立派な大義名分の為にどんな手段でも正当化してしまう、どこまでも盲目的で利己的な人間なんだと思った)

これは、本作のヒロインとも言える活躍をした、ヒリングにしても、少しそういう部分が見える(ちなみに、私が本作で一番好きなキャラはヒリングです)。

序盤、ヒリングがボッジに冷たくあたっていたのは、「無能」な「我が息子」が王位につくことで、かえって苦しむのではないかという、親心(愛情)から。実に母親らしい思考。ただ、ボッジは単純に王になることを応援して欲しかった。

一方、ダイダは、母から「王への期待」をかけられているが、それは、「ボッジの代わり」であり、「ボッジを救う手段」だと(ヒリングの深層心理に)気付いていた(だって、ヒリングの性格上、もしボッジが優秀だったら、実子という理由だけではダイダを王には推薦しないだろう)。

正に、「代打」だと自分を卑下していたのである(本当は優秀だから、期待され、手をかけられなかっただけだが)。

だから、必要以上にボッジを見下し、いじめたのだ。あれは、母親の愛を独占したいという寂しさや、母の深い愛を受けるボッジに対する劣等感からの行動なのだろう(基本的にいじめっ子は、親からの愛情が不足している者がなりやすいという研究結果もある)。

ヒリングがあそこまで息子に大きな愛情を抱いたのも、実は、夫であるボッスからの愛情不足があるのだと思う。2人の夫婦間系は破綻までいっておらず、表面上は良いのもしれないが、実は、冷え込んでいる。

だって、旦那は仕事(王様)ばかりに熱心で、自分以上に亡妻を愛していて、更に心のど真ん中には別の女(ミランジョ)がいる。旦那はそれを上手く隠しているつもりだろうが、女性はそういうところに敏感だ。

ヒリングは根が良い人なので、そういう「満たされない思い」を「子に愛情を注ぐ」ことで埋めていたし、ダイダも、「足りない母の愛」を「ミランジョに頼る」ことで埋めていた。こういう歪なバランスの上で安定している関係は、何か1つのキッカケで崩壊するものだ。

だからまあ、最終話でダイダはミランジョを妻とし、ヒリングはドルーシと良い感じになったのだろう。ダイダのような男が、母性的なものを求めて姉さん女房をもらうのも、ヒリングのような女性が、無骨だが一途に自分だけを思う男性に惚れるのも、ままあることだろう。

この辺の背景を絡めないと、最終話の突然の展開に驚き、場合によっては嫌悪を抱くかもしれないが、私は、本作を「弱き、哀しき、不完全な」大宰的なキャラによる話と捉えていたため、そういう「利己的で、情動的で、短絡的な人間」を愛おしいと思った(これは、近代文学好きならではの歪んだ思考ですねw)。

私は、人間らしい人間が好きだ。そして本作のキャラクターは、実に人間らしい。

話は少しずれてしまったが、ドーマスがボッジに寄せる思いと行動も、デスハーやデスパーがオウケンに寄せる思いと行動も、本人の願いとは少しずつズレているように感じ、

「本質的に優しい人間達の、他者を思いやる尊い行動が、悲しみを背負うことで僅かに感覚を狂わせ、まるでボタンを掛け違うように、悲劇を生み出してしまった話」

のように感じた。これが、本作における主たる感想である。

さて、そんな中、主人公のボッジだけは、「他者の理屈」で動いている。アドラー心理学によると、「共感とは、自分の価値観に合うものを見つけるのではなく、他者の価値観で物事を見聞きすること」だそうだ。

ボッジは、耳が聞こえないため、幼少期から周りを見渡す洞察力に長けていた。そして、口がきけないため、自分の思いを表現することが苦手になった。さらに、力が弱くいじめられたため、他者の弱さに寛容になり、共感的に他者を受け入れる素養をもった。

穿った見方をすれば、それが彼なりの「処世術」だったのかもしれない。

そんな彼が歪まなかったのは、彼が多くの愛情に包まれていたから。父、母からの愛情。継母からの愛情。師匠からの愛情。そして唯一足りなかった、友からの愛情。

それらは一部を除き、本質的な意味では「無償の愛」とは言えなかったが、ボッジはそれを最大限好意的に受け入れている。一昔前、「鈍感力」という言葉が流行ったが、その力が強いのだろうか。

確かに、多くの愛情を受けた子供は、他者を受け入れ、自分を見失わない。多くの挑戦と失敗が出来る。

それはそうのだが、如何せん、ボッジの境遇の辛さと、彼の人柄の良さが乖離しすぎていて、ここに「ご都合主義」を感じてしまった方も多いのではないだろうか。私はそうである。

私は本作を「純文学のような人間らしいキャラに魅力がある」と評したが、そういう意味で、一番「人間らしくない」のがボッジである。

たくさんの人物の歪みや悲しみを、まるでスポンジのように一手に引き受け、包んでしまう優しさ。それはもう、「王の器」を飛び越えて、「神の器」とすら思ってしまう。

ボッジが子供だったのもいけなかったのかもしれない。本来、子供なんて自分の理不尽を周りに撒き散らすのが役割で、それを受け入れるのが大人の役目なのに、本作はその逆。そこが、自分的には一番受け入れ難い部分だった(よって☆4)。

それだけに、ボッジがドーマスに見せた、恐怖と怒りの感情は、大変見応えがあったし、ボッジを「人」らしくしてくれた。ああいう場面が、もう少しあっても良かったと思う。

いや、なにも「歪んだ主人公」を見たいわけではない。性急すぎるのだ。ボッジの最終形態は今のボッジで良いとして、「強さ」も「優しさ」も、もっと時間をかけて獲得して欲しかったのである。

私は本作を観始めた頃は、「ジブリに、2時間映画にまとめてほしい」と思ったが、途中から、「世界名作劇場みたく、1年はやってほしい」と思うようになった。

本当は、ボッジとカゲの友情を丁寧に描き、たくさんの街を旅し、幾人もの「善」や「悪」に触れながら、葛藤し、次第に成長するボッジが観たかった。

尤もそれは、「今後」に描かれる部分だろうし、むしろそれかそが作品の主題で「王様ランキング」に関わるのだろう。

そういう意味で、作品のエピソード0(旅立ちの前)だけでここまで描き切れている本作は非常に優秀な作品だし、今後に期待がもてる作品だと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

以前はネットの漫画広告でよく見た

弱すぎる上に難聴のハンディキャップを抱えた国王の息子ボッジの話。
カゲとの出会いもまた重要。彼もまた苦難の道を歩んできている。

冒険譚だったり、途中裏切りのようなよく分からない展開だったり。
なんだかんだ息子想い・兄想いだったりと登場人物の想いが錯綜しまくりで途中、混乱したが、素直に面白いと感じた。
一応、登場人物の名前が彼らの本質を表しているみたいだ。

{netabare}ボッジが巨人の息子なのに小さくて非力なのは父である国王の望みが原因だったとは。これが物語の引き金になったようなものか。せっかく、息子にも素質があるはずだったのにね。前母の死は辛かった。継母が横暴に見せかけて凄く優しくて息子想いなのは良かったけど。{/netabare}

不老不死マンの問題も解決しといてよね。
結婚の話は予想もしておらず、驚いた。


OP
BOY King Gnu
裸の勇者 Vaundy
ED
Oz. yama
Flare milet
よく見かける歌手を集めた感じ。安定している。
中でもKing Gnuとmiletが良かったと思う。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが〝王様ランキング〟である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす―――― 。


第一話 裸の王子
生まれつき耳が聞こえず、口もきけず、まともに剣すら振れぬほど非力なボッジは、第一王子でありながら、家臣や民衆から「王の器ではない」と蔑まれていた。そんなある日、暗殺集団「影の一族」の生き残りのカゲと出会ったボッジは、着ていた服をだまし取られてしまう。

第二話 王子とカゲ
幼いころから盗みを生業として生きてきたカゲ。金目のものを盗むためにボッジの後をつけ城に忍び込むが、ボッス王国四天王の一人・ベビンに見つかってしまう。一方ボッジは、異母兄弟であるダイダと手合わせをすることに・・・

第三話 新しい国王
ボッス王が亡くなり、遺言で王の跡を継ぐこととなるボッジ。しかし、ヒリングにより遺言は覆され、新国王はダイダと発表されてしまう。そしてカゲもボッジの前から姿を消し、ベビンはカゲを探すボッジに「カゲは旅に出たので二度と会えない」と告げる。失意のボッジはとある行動に出る。

第四話 初めての旅
ドーマス、ホクロと共に道中の自然を満喫しながら旅を楽しむボッジだったが、買い出しに訪れた町でカバンを盗まれてしまう。一方、新国王となったダイダの元には、新たにランクを付けるため王様ランキング協会の審査員が訪れていた。

第五話 からみあう陰謀
ドーマスによって冥府に続く穴に突き落とされたボッジ。ドーマスは罪の意識にさいなまれながら、一人その場を後にする。そしてボッス王国では、魔法の鏡によって、ダイダがボッス王の力を手に入れるための儀式が行われていた・・・

第六話 冥府の王
冥府の王・デスハーのもとに連れていかれるボッジとカゲ。ボッジを強くしてもらうために探していた人物がデスハーだと思ったカゲは、ボッジを鍛えて欲しいと頼み込む。ボッジは、その実力を見せるため冥府騎士団の隊長と手合わせをすることに。

第七話 王子の弟子入り
デスハーの弟・デスパーに弟子入りし、カゲと共に家事をこなしながら住み込みで修行をすることになったボッジ。一方、ボッス王国では、復活の秘薬を無理やり飲まされていたダイダの体に異変が起こっていた・・・

第八話 夢のいけにえ
ボッス王の強さの秘密と、ボッスとシーナの出会いが明かされる。ダイダの体をのっとることで復活を果たしたボッスは、魔法の鏡に「今、世界で一番強い人物」を問う。鏡に映ったその人物とは・・・

第九話 王妃と盾
ダイダの体をのっとったボッスと対面した王妃ヒリングは、ショックのあまり気絶してしまう。倒れたヒリングに襲い掛かる魔獣。ヒリングを守らんと応戦するドルーシは、かつてボッス王から王妃の護衛を命じられた日のことを思い出す・・・

第十話 王子の剣
デスパー奥義免許皆伝を祝うため酒場に出かけたボッジ、カゲ、デスパー。楽しく食事をしていると暴れん坊・アバン三兄弟に絡まれてしまう。相手にせず食事を続ける三人だったが、悪口を言われたデスパーがとうとう相手を殴ってしまい・・・

第十一話 兄と弟
成長するにつれ、兄・ボッジを弱者だと見下すようになっていったダイダ。どことも知れない暗闇の中で助けを待ちながら、過去の自分を思い返し後悔するダイダの前に一人の少女が現れる。

第十二話 戦いの足音
冥府での修行を終え、帰国の途につくボッジたち。一方ヒリングたちは、精鋭を集め、一足先にボッス王国へ差し掛かろうとしていた。その頃ボッス王国では、何者かの手引きにより、凶悪な冥府の罪人たちが城内に引き入れられていたのだった。

第十三話 王国の乱れ
「この国を滅ぼしたい――」明かされたミランジョの望み。それを阻もうと立ち向かうドルーシたちを、冥府の魔物、そして罪人たちが襲う。ヒリングを守るべく奮闘するドルーシだが、強敵たちを前に劣勢を強いられる・・・

第十四話 王子の帰還
魔物たちと壮絶な戦いを繰り広げるドルーシ。しかし健闘もむなしく、瀕死の重傷を負ってしまう。ドルーシを治療するヒリングにギガンが迫る。窮地に陥る一同の前に思いがけない救世主が現れる。

第十五話 冥府騎士団
魔法が解け、正気に戻った冥府の魔物たちを冥府に帰すべく、ボッジたちは城の地下にあるという入り口へと向かう。一方、一足先にその入り口を壊すために地下へと入ったドーマスとホクロを待ち受けていたのは、逃げた罪人を追ってボッス王国に攻め入ってきた最強の冥府騎士団であった。

第十六話 王の威厳
デスハーが明かした黒幕の名は、ミランジョ。その名を聞いたボッジの中に、幼い頃のシーナとの記憶が蘇る。ギガンを捕らえ冥府へと連行しようとする冥府騎士団の前に立ちはだかるボッジたちだが、デスハーはギガンの過去、そして彼の犯した罪を語り始める。

第十七話 不死の呪い
かつて冥府を治めた王、サトゥン。その息子であるデスハー、デスパー、オウケンたち兄弟は、それぞれが超能力をその身に秘めていた。ボッス王の城で罪人たちを探すボッジとカゲの前に、不老不死の力を持つオウケンが立ちはだかる・・・

第十八話 神々との争い
冥府の罪人たちに自ら捕らえられたボッス。牢屋へとやってきたベビンは、ボッスにその真意を問いかける。ボッスが語り始めたのはミランジョとの出会い、そしてホウマ国とギャクザ国という2つの国の悲しい過去だった。

第十九話 最後の砦
オウケンとの戦いで瀕死の重傷を負ったデスパー、ボッジ、カゲ。三人が目を覚ますと、そこは大きな川の流れる不思議な世界だった。一方、残されたミツマタに斬り掛かるオウケン。その窮地に、ボッス王国四天王が駆け付ける——

第二十話 “不死身” 対 ”無敵”
大きな川のほとりでミランジョの悲劇的な過去を知るボッジ。そして、ミランジョの心が揺れ始める。生の世界へと戻ったボッジ、カゲ、デスパーの前に現れたボッスは、瀕死のボッジに向かい、こん棒を振り上げる・・・

第二十一話 王の剣
不死身のオウケンを圧倒的な力で打ち負かすボッス。最強であることを見せつけるボッスに、ボッジはダイダの体を取り戻すため、決死の覚悟で挑み、王としてその剣をふるう。

第二十二話 魔神との約束
ボッジの手によって魔法の鏡は割られ、ボッスの魂は天へと昇っていく。そしてボッスからミランジョを託されたダイダは、現れた魔神にある願いを告げる。

第二十三話 王様と太陽
ミランジョとの結婚を発表し、これまでに犯した過ちを償うことを誓うダイダ。その真摯な姿に四天王たち臣下は驚き、思いに応えようとする。そして、新たな王が誕生する。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

68.6 19 陰謀アニメランキング19位
天才王子の赤字国家再生術(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (282)
884人が棚に入れました
覇権国家の脅威に晒される弱小国家・ナトラ王国。 若くして国を背負うことになった王子・ウェインは、補佐官のニニムに支えられながら、才能を活かした見事な手腕を発揮し始める。 でも、この国……めちゃくちゃ詰んでる! 内政に手を入れようにも金がない。 よそから奪おうにも軍事力がない。 まともで優秀な人材は他国に流出してしまう。 「早く国売ってトンズラしてえ」 ウェインの願いは、とっとと隠居して悠々自適の生活を送ること。 大国に媚びを売り、国を売れば夢が叶うはず。 しかし、外交も軍事も予想外の方向へ転がってしまい……!? 知恵と機転で世界を揺るがす 天才王子の弱小国家マネジメント、ここに開幕!
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ガバガバというかご都合主義と言うか。

{netabare}
タイトル見たときはなろう系だけどもうしかしたら好みかもと思ったけど、やっぱりなろう感がきついのとガバガバさが目立ってて合わなかった。

だいたい主人公に都合が無駄に良くて、なんでそれを警戒してないんだよ、とかなんでそんなやすやすと相手の目の前に現れられるんだよとかツッコミを入れたくなる。
そもそも急に相手の前に出向いたり、滅茶苦茶な行動を取る割に、その発想に至る経緯とか理由が全然なくて、物語が主人公に合わせて動いてる感があった。
もう内容もあんまり覚えてないけど、一個覚えてるのは面会の場でヒロインが貶されたからという理由だけでその場で即対面相手を暗殺するやつ。あれは無策にもほどがあるし笑った。天才要素とはって感じ。

好みは分かれそうだけど、このアニメのノリは個人的には結構好きだったかもしれない。
それと、たまに戦略がしっかりとしている部分もあって、回によってはいい回もあった。それと、キャラデザはかなり好み。

↓一話毎メモ(意外と結構書いてた)
{netabare}
1話 ☆2
これもゴミそう。キャラデザはかわいい。なろうタウン。
なろうタウンw すでに面白くない。てか入りカットするなって。
わけわからん。
精霊幻想記は割とキャラアニメとして序盤楽しめたんだけど違いってなんなんだろうなぁ。これはその見方も無理だわ。
また俺なんかやっちゃいました? きっつ。
おいそのチェスみたいなやつで作画節約するな。あほくさ。
鵯越の逆落とし?w どうせ行かないんでしょ。
金鉱山に攻めるまでの流れもおもんないわ。こんな雑な展開ある?

2話 ☆7
キャラデザ可愛い。OPやなぎなぎだけで良くない?
いや攻めるところカットかよ。こんなガバガバ政策やるのどこが天才だよw 
てかそんなノリで金鉱攻めるとか全く現実味がないんだよ。
いやなんで本国側も金鉱の枯渇に気づいてないの?
チェスで手抜きするな。鎌倉か?w
いや、何で誰も監視してないんだよ。
丸太を山から転がす作戦は面白かった。
これで勝ったと思うなよー いやどうやって忍び込んだしw
なんで自ら攻め入ってるw 今回普通に面白かったな。

3話 ☆5
その昔の話をちゃんとやってくれ...。
昔話的に語られてもあんまり。君スライム300にいなかった?
王族らしい行動しろ。キャラデザが可愛い。
エミリアみたいな服だな。最後の回想は良かったな。

4話 ☆5
あのセリフの伏線回収いいな。そういうことか。
ことはありません(大嘘) 何やってんだよw ギャグアニメ? 
 
5話 ☆7
心の声いる? 僕の王の力がああああ 意外と戦術がしっかりとしてるのな。これ以外と面白いかも。要するにカプ厨。

6話 ☆8
白髪好きだけどこのキャラは黒の方が似合ってる感あるわ。
草。最初の下りちょっと面白かったわ。
今回内容まともだな。面白いじゃん。

7話 ☆2
ヨーロッパかな
草、いきなり暗殺を決めるとかむ計画にもほどがあるw
ほんと礼儀に反する ダメだこのアニメ最近面白いと思ったけど
知的な主人公と思ってたけど、こんな場で、こんな立場で感情を優先させるのは頭おかしいよな。この様でどこに才覚があるんだよ 

8話 ☆3
政治はお遊びじゃないんだぞ。そんな雑に会議に出席する人を決めるなw
ロアはしっかりと戦略だってるけど何だろうこのお遊び感。
しっかりと見返りを求めるのはいい。フ
ラーニャの成長のために会議出席させるって...。
その程度にしか思われてないってことなのね。
さすがにこの白髪あほすぎやろ。決められるわけないだろw
お前小国に怯え取るやろ。何で来るんだよwwww
キャラの行動言動すべてに違和感。

9話 ☆4
火曜日のアニメ地獄すぎるw 何で来たんだよw 王子なんで見限られてるんだ なんで毒見抜けた? あほくさw
毒で死んでないのかよw よそ者が出しゃばるな。まあ演説自体は良かったけども。主人公どこでもドア持ってる?

10話 ☆6
自殺に持っていくのは無理があるだろw
虚構推理。そんなにうまく偽装できるわけねーだろw
できるならだれかすでにやってるわw
都合がいい。ああ、ゼノとゼノヴィア同一人物なのか。

11話 ☆4
ゼノヴィアもイキリ出した。ばれてるじゃんw OPカットするな。
裏切られそう。食レポアニメ
ソルジェストの王めっちゃクズキャラな見た目なのにいい奴だな。
むしろソルジェストと責める予定の国が組んでるんじゃないかw
いや、おかしいだろw 責める理由が。

12話 ☆5
は? 屁理屈じゃんw そうはならんやろw バックアロウで見た。

OP「LEVEL」☆8
ED「ヒトリとキミと」☆8
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

天才ではないが人間としての大切な点はわきまえている王子かも

この物語は父親が急病のために16歳で急遽、摂政として国政を任されることになったナトラ国の王子、ウェインの物語です。
真面目に見ようとすると呆れますが、気楽に見ると、けっこう楽しめます。


ウェインは国政に興味ありません。国を売却してそのお金で余生を過ごすことのみ考えています。
隣国との戦が起きた際は、ちょこちょこと小競り合いをした後で休戦協定を結ぶ目論見でした。
しかし、予想に反して勝ってしまった。部下たちが予想以上に頑張ったためです。

部下たちの多くは、この勢いに乗り進撃すべきだと主張し続けます。
戦が好きでないウェインは、部下たちに撤収を発言させるため、絶対に勝つ見込みが無い金鉱脈を次の目標とします。
これで部下たちが猛反対して軍を撤収する目論見でした。
しかし、部下たちはこの目標を決めたウェイン王子を『先見性に優れた王子』と尊敬し、この金鉱山を攻略するのです。結果として勝利して自国の領土と資産が拡大します。

こんな感じで、この物語では、楽してどんどん領土が拡大していきます。
『天才王子』とありますが、そんな天才ではありません。仲の良い妹の行動すら予測できない平凡な王子です。

第一話や第二話は、稚拙な戦の話なので笑うことはできますが、頭脳戦を期待されている方は、内容を知ると呆然とするでしょう。

しかし、
ウェインは、人間としての大切な点をわきまえています…多分(^_^;)

一つは5千人もの兵士の顔と名前を憶えている点です。
一兵卒の部下の名前を呼び、気さくに話しかけます。
王子から名前を呼ばれて話しかけられた兵士は、おそらくそれだけで感激するでしょう。
王子のために精一杯頑張ろうと思うはずです。
ナトラ国の兵士が強い理由の一つは、これだと思います。


私達は学校や職場で、どれだけの人の顔と名前を覚えるでしょうか?
おそらく、200人程度? でしょうか?
名前を呼んで相手の顔を見て話しかける。これは基本中の基本ですが、私たちは、つい見落としがちのようですね。

そしてもう一つ、ウェインは友達を大切にしています。
ウェイン王子の側近にニニムというフラム人の女性がいます。ニニムはこの物語のヒロインなのですが…
フラム人は多くの国々で差別を受けており、奴隷としてこき使われたり、娯楽の対象として狩りで殺されたりしています。
しかし、ウェインはフラム人を差別しません。それどころかニニムの頭脳と優秀な剣技を認め、側近として雇っています。

ウェインがカバリヌ王国を訪問していた時、その国の王が「狩りをするためにフラム人を提供してほしい。一緒にフラム人狩りをしよう」とウェインにもちかけます。
このとき、ウェインは{netabare}怒りに任せてその王を殺します。{/netabare}
その話を後で聞いたニニムは、呆れます。
確かにウェインがしたことは、王子としてあるまじき行為でした。
でも、ニニムは心の中では凄く嬉しかったはずです。自分をこんなに大切にしてくれていると感じたはずです。

ウェイン王子とニニム、この二人はお互い愛し合っていますが、身分・血統などのしがらみで決して結ばれることはありません。しかし、ウェインはニニムを誰よりも大切にしています。


また、この物語は後半になると多くの登場人物が個性を発揮します。
その一人がウェインの妹のフラーニャ。
フラーニャは幼くてとても可愛いのですが、すごい頑張り屋さんです。
{netabare}兄のウェインに代わって特使として他国へ趣き帝国の王子たちに挨拶したり、商都ミールタースの市民議会に何度も足を運び、その仕組みを学んだり、戦乱に巻き込まれたミールタース市民を一人の死傷者も出さずに避難させたりと…、{/netabare}
もしかして兄のウェイン王子よりも凄いのでは?と思ってしまいます。

確かにフラーニャには兄のような知識がありません。しかし、覚えようと懸命に努力する姿は、思わず応援したくなります。
それは私達も見習うべきですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

天才王子による弱小国家運営譚、威風堂々(小心翼々?)開幕!

この作品の原作は未読ですが、りえりーと奈央ぼうが出演するのを知り視聴を決めた作品です。
視聴を始めてみると、くぎゅ、能登さん、日笠さんや千本木さんも出演していたので胸が躍りましたよ…^^

最近、国政や外交といったジャンルの作品が盛況なのでしょうか?
22年冬アニメでは「現実主義勇者の王国再建記」の第2期も放送されていましたし…
こちらは主人公が小林裕介さんで、メインヒロイン役をいのりちゃんが演じていたので、まんまリゼロのスバルとレムりんという感じでしたけれど…^^;

ですが、蓋を開けてみると物語のステージこそ似通っていますが、中身はまるで違っていました。
「現実主義勇者の王国再建記」の主人公は実直かつ着実な国政に軸足を置いていますが、こちらの作品の主人公である王子は、一見ちゃらんぽらんに見えますが実は天才肌…
そして内政よりは外交を主体とした物語になっているので、「現実主義勇者の王国再建記」とは似て非なるモノという感じでした。


覇権国家の脅威に晒される弱小国家・ナトラ王国。
若くして国を背負うことになった王子・ウェインは、
補佐官のニニムに支えられながら、才能を活かした見事な手腕を発揮し始める。

でも、この国…めちゃむちゃ詰んでる!

内政に手を入れようにも金がない。
よそから奪おうにも軍事力がない。
まともで優秀な人材は他国に流出してしまう。

「早く国売ってトンズラしてえ」

ウェインのネギは、とっとと隠居して悠々自適の生活を送ること。
大国に媚びを売り、国を売れば夢が叶うはず。
しかし、外交も軍事も予想外の方向へ転がってしまい…!?

知恵と機転で世界を揺るがず
天才王子の弱小国家マネジメント、ここに開幕!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

始めに申し上げておきたいことがあります…
マネジメントってこんな生半可なモノでは無いということです。

国家規模のマネジメントの経験はありませんが、少なくてもマネジメントしている姿は微塵も見られなかったような気がします。

例えば「PDCAサイクル」或いは「SDCAサイクル」といったマネジメントの基本とも言うべき要素の片鱗でも見えていれば、また違った印象を受けたんでしょうけれど…

ですが、国家マネジメントという枠組みを考慮しなければ、純粋に物語を楽しむことのできる作品だと思います。

常に行き当たりばったりの状況に遭遇し四面楚歌の状況もしばしば…
そこを持ち前の機転だけで何とかしてしまうのですから、痛快極まりありません。
この機転こそ天才王子と呼ばれる所以なんだと思います。

この作品のもう一つの見どころは、見方同士の駆け引きにあると思っています。
例えば、奈央ぼう演じる帝国第二皇女のロア…
主人公のウェインとは学友であることも頷けるしたたかさを備えた女性ですが、お互いを騙し煽りあいながらも、ウェインの出方を先読みした言動により状況を好転させ、交渉に有利なカードを引いていくのですから…
そしてこの駆け引きの演出も相まって相当面白い構成に仕上がっていると思いました。

アニメに大切な要素を持っている作品だったのではないでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、やなぎなぎさん×THE SIXTH LIEさんによる「LEVEL」
エンディングテーマは、南條愛乃さんによる「ヒトリとキミと」
個人的にはオープニングが好みでした。

1クール全12話の物語でした。
続きを感じさせながらもしっかり物語を着地させる終わり方は良かったと思います。
原作のストックがどの程度残っているか分かりませんが、私にとって続きの楽しみな作品になりました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

67.9 20 陰謀アニメランキング20位
CHAOS;HEAD カオスヘッド(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (1159)
5667人が棚に入れました
現代の東京・渋谷で俗に「ニュージェネレーションの狂気」と呼ばれる不可解で猟奇的な事件が連続して発生する中、渋谷在住の高校生で引きこもり寸前の生活を送るオタク少年、西條拓巳はインターネットのチャットで「将軍」と名乗る人物が掲載した次のニュージェネの事件を顕示させるような残酷な画像を目撃する。翌日、拓巳は「将軍」と名乗る人物の発言通りの凄惨な現場に遭遇。同時に事件に関わりのある少女達が次々と拓巳の前に現れ、渋谷で起こる数々の猟奇事件に巻き込まれてゆく…。その際、拓巳の"妄想"が事件のキーワードとなる。
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

頭の中がカオスになった。

{netabare}妄想を現実に変える奴らの戦いっていうことを知る前は{/netabare}統合失調症の話かと思った。統合失調症を発症した人の妄想がいい感じに噛み合ったらみたいな話ではなかった。

他人には見えない物が見えるから、途中まで精神疾患の話にしか思えなくて見ていて不思議な気分になった。実際、頭おかしいけども。{netabare}妄想でも他人に実在すると認識させれば、実在することになるらしい。{/netabare}

主人公がクズだから見ていて途中は辛かった。単純に統合失調症のほうが良かったかも。{netabare}主人公は妄想から生まれた存在で本体が病気で身動きできないために、代わりに作られたらしい。理想を現実に変える力♪うえきの法則かっ!!
それにしてもレゾンデートルは難しい。{/netabare}

OP
F.D.D. 歌 いとうかなこ
志倉千代丸が関わるといとうかなこっていうイメージ。勿論、すごく良かった。
ED
Super Special 歌 加賀美セイラ
こっちの曲もかっこいいと思った。
挿入歌
磔のミサ
遙かなるイディヨナ 歌 ファンタズム(FES 榊原ゆい)


1起動boot up
西條拓巳は引きこもりがちのオタク少年。彼の住んでいる渋谷では今、ニュージェネと呼ばれる不可解な殺人事件が起こっていた…。ある日のこと、拓巳はチャット上で「将軍」と呼ばれる人物から、ある画像を見せられる。それは、十字架のような杭で磔にされている死体のグロ画像だった。拓巳にとって特別な響きの「その目だれの目?」という言葉を残して、将軍は退室していった。次の日の夜、拓巳は渋谷でその画像と同じ光景を目の当たりにする。そこには血まみれの女子高生が1人、佇んでいた…。

2自我ego
突然拓巳の前に現れた女子高生の名は咲畑梨深。2人は初めて話したはずなのに、梨深は拓巳の名前を知っているどころか、拓巳は昔からの友達だという。周囲もそれを疑う者はおらず、1人不思議に思う拓巳。そんな中、拓巳は知り合いになった優愛と初めてデートをする。優しい言葉をかけてくれる優愛に、拓巳は次第に心を開き始めていたが…。

3接触contact
渋谷での磔殺人事件を予告した「将軍」は拓巳の自作自演である―優愛のこの発言の真意を探るべく、拓巳は小学生の時に通っていた総合病院の精神科へ向かうが、結局何の手がかりもつかめない。自分で分かることはないかと、インターネットで事件のことを調べるうちに、事件を予言している歌を歌っているバンド「ファンタズム」に辿り着く。拓巳は仕方なくファンタズムのライブに乗り込むが…。

4初動commencing
ニュージェネ第四の殺人事件が渋谷で起こり、事件現場には拓巳がよく心の中で呟く言葉、「その目誰の目?」というダイイングメッセージが残されていた。一連の事件は自分と関連性があるのかとますます恐怖を抱く拓巳だったが、ファンタズムのボーカル・FES(岸本あやせ)に言われた言葉―剣を見つければ救われる―を思い出し、拓巳はディソードと呼ばれる剣をなんとか手に入れるも、誤って折ってしまう。絶望の淵にたたされる拓巳だが、突如周りの人影がなくなり、車椅子の老人が現れた…。

5先導guidance
『将軍』と出会い混乱している拓巳を救ったのは梨深だったが、拓巳はそれ以来梨深との接し方に戸惑い話しかけられずにいた。そんな中、優愛が再び拓巳の前に現れる。優愛は拓巳が多重人格で、拓巳の別人格がニュージェネ事件を起こしている、と拓巳に指摘。そんな話はでたらめだ…優愛を敵だと思った拓巳は必死で逃げるが、警察も追ってきて絶体絶命に。窮地を救ってくれたのはファンタズムのボーカル・FESのあやせだった。拓巳はあやせに、以前会った時に教えてくれたディソードのことを聞くと…

6抱擁embracement
ニュージェネ第1の事件『集団ダイブ』の映像がネットに流出した。映像を見た拓巳は、その映像が将軍によって撮影されたものだと確信する。将軍への恐怖をより強く感じた拓巳は必死にディソードを手に入れる方法を探す内に、自分には「妄想を現実に投影する」力があるのではないかと思い始める。そんな時、グリムからニュージェネ第5の事件「ノータリン」が起こった事を突然知らされた拓巳は、被害者の名前を知って愕然とする…

7自覚realization
大地震で感じた将軍への恐怖から梨深に助けを求める為に学校へと向かった拓巳の視界に、屋上から飛び降り自殺を図るあやせの姿が映る。「花壇があったなら…」と願う拓巳が目を開けると、そこにはなかったはずの花壇が現れ、おかげであやせは一命を取り留める。その後、クラスの話題は拓巳とあやせとの噂で持ち切り。その場を逃げ出した拓巳だが、街でぶつかった3人組の男達に殴られ、気を失ってしまう。意識を取り戻した拓巳の前には、なぜか転校生が立っていた…

8連動linkage
セナと梢は、拓巳がディソードが見える“ギガロマニアックス”である事、ディソードは妄想の剣で、危機的状況に陥ると現れやすいことを拓巳に教えてくれた。さらに2人はギガロマニアックスの力を悪用する組織“希テクノロジー”が自分達を狙っていることも明らかにする。将軍と希テクノロジーとの関係性を知りたい拓巳は2人と襲撃に同行する事になる。希テクノロジーへの侵入に成功した3人を待ち伏せていたのは社長の野呂瀬だった…

9拒絶rejection
倒したはずの野呂瀬は偽者だったが、ひとまず拓巳の生活は平穏を取り戻したかのようにみえた。拓巳は梨深・三住と共に入院しているあやせのお見舞いに行く。そこで拓巳は、あやせが過去に拷問を受けていたことを知る。病院からベースに帰るとセナが突然拓巳を襲ってきた。セナは、希テクノロジーが拓巳が小学生時代に作文に書いた公式を元に、ギガロマニアックスの力を人工的に作る装置「ノアⅡ」を開発したと告げ、その実験で母親と妹を失った憎しみを拓巳にぶつけてきたのだった。拓巳の危機を救ったのは、またしても

10洗礼purification
七海の事が心配になった拓巳は梨深と実家に帰ろうとするが、あるはずの家はそこにはなかった。茫然とする拓巳に向かって梨深は拓巳が妄想の存在であると告げ、七海を救う為に拓巳の前から立ち去ってしまう。ベースに戻った拓巳は梨深の言葉にショックを受け、自らの存在に絶望する。一方、ニュージェネ事件の真相に迫る判と百瀬の元に諏訪から電話が入り、自分が拉致されたとを伝えられる。判は諏訪を助ける為、AH総合病院に向かうが、ニュージェネの真相を追う優愛もまたその後を追うのだった…

11自立independence
自らが妄想の存在である事を知った拓巳は自暴自棄になり、暴動の起こる渋谷の街を彷徨っていた。そこで拓巳は将軍と再会し、梨深が拓巳と七海を助ける為、野呂瀬の元に向かい、捕らわれた事を知る。将軍との会話で梨深と過ごした日々を思い返し、その大切さに気付いた拓巳は自分の力で梨深を助けに行く事を決意する。その時、渋谷の街に剣のような光を見た拓巳は、その光からディソードを手に入れ、ついにギガロマニアックスとして覚醒する。

12使命mission
諏訪との戦いを終えた拓巳は己の野望を暴走させ始めた野呂瀬の元へと向かう。そんな拓巳を待ち受けていたのは、なんと拓巳が愛するアニメヒロイン星来のリアルブートした姿だった。一方、地上ではノアⅡの力により出現した奇怪昆虫が渋谷の街を襲っていた。あやせ、優愛、七海たちはディソードで懸命に対抗し、セナ、梢との合流を果たす。ようやく野呂瀬の元に辿り着いた拓巳は、梨深を救う為、野呂瀬に戦いを挑むが、その圧倒的な精神攻撃の前になすすべなく、妄想の世界に飲み込まれていってしまう…

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

【Q】皆が「もしもボックス」をもった世界の勝者とは? →【A】より重症な厨二病患者ですw

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
「CHAOS;CHILD」の6年前の物語です。

東京の渋谷で、猟奇的な殺人事件(ニュージェネ)が起こる。ガチの引きこもりでオタクの主人公、「西條拓巳」は、巻き込まれる形で事件に関わっていく。そんな拓巳の回りには謎の美少女達集まりはじめ……という内容です。

ミステリーものとしては、中の中。バトルものとしては、下の下。といった印象です。

序盤はなかなか楽しめました。深そうな「雰囲気」も感じました。

グロい描写もありますが、今のアニメほど作画が良いわけではないので、耐えられました。

【視聴終了(大盛レビュー)】
{netabare}
こういう(謎解きがある)アニメにおいて、OPがネタバレ(剣で戦うとか)になってるのは良くないな~と思います。最初はミステリーでスタートしましたが、途中からバトルものに展開。ただ、OPで分かってたので、あまりビックリはしなかった。こういうのは控えて欲しいな~と。

たまたまですが、A-TXで「オカルティックナイン」と同時進行で視聴していたので、カブる部分が多かったです(親戚みたいなものですから当然ですが)。

ただ、かなり荒さはありましたね。例えば、集団ダイブの映像投稿を漫喫のパソコンから行ったって、すぐに犯人特定できるじゃん、記録とか絶対残ってるし。普通のファンタジーなら多少の矛盾なんか気にしませんが、こういうミステリー風の作品でのそれは、致命傷になり得ると思うから。

これはちょっと哀しき余談だが、ノアⅡを起動させるためのサードメルトの規模がマグニチュード7.9で登場人物達は驚いてた。けど、東日本大震災はマグニチュード9.0……本当に「妄想を超える」天災だったのだなぁと、岩手県出身者としては、変に実感した。

閑話休題。

ヘタレ系主人公は数々いますが、拓巳は過去作でもトップクラスのヘタレですね(苦笑) 途中からイライラすることもw

バトルものとして観たとき、ギガロマニアックスのもつ「妄想(想像)を具現化する能力」は、どの作品でもラスボスとか、ラスボスにすら勝てちゃう最強キャラとして描かれることが多い能力(「BLEACH」の「グレミィ」とか、「うえきの法則」の「ロベルト」とか)。それが複数、というか敵味方全員がその能力をもっているというのは新しいな(笑) チート同士の対決やん(笑)

倒す手段としてよくあるのは、「相手が認識する暇もないほどのスピードで倒す」「闇討ち」「精神攻撃によって混乱させる」「相手の想像を誘導し、自滅に追い込む」などですが、そんなん関係なく力業で倒してたね(笑)

ストーリー的には、なんか尻すぼみ感があった。序盤の伏線バラマキ時は、「いったい誰が嘘をついているのか?」と楽しめたが、それぞれの正体が明かされてからは、とたんにダメになった。やはり、ミステリー→バトルと変わったけど、作画がショボいのと、折角の「全員がチートキャラ」という変わった設定なのにそれを生かしきれず、ただ素人同士が剣で斬り合うからつまらなくなったのかなと。

最終戦だけは妄想の勝負になっていましたが、どっちの妄想がなぜ強いか、が、よく分からない。

「その目、誰の目?」という台詞は、なにか人間の根底を揺るがすような、非常に哲学的な雰囲気を醸し出す、凄い言葉「風」だった。

だったのだが、結局は雰囲気を醸し出すだけで終わったように思う。人間として生きていく上での根本的な問題提起でもしてくれるのかと思ったけど、結局は将軍の幼少時代に感じたなんらかの視線のことで、それはつまりアニメの世界の中での出来事で完結しちゃってるわけで、じゃああそこまで思わせ振りな使い方しないでよと言いたい。肩透かし感が半端なかった。

その将軍も、ようは本当の拓巳だったことが中盤で明らかになるわけだけども、であれば声優さんはやはり若い声にしない方が良かったと思う。「拓巳って誰なんだ?」「将軍って何者だ?」というこの作品一番の疑問が、将軍の声を聞いただけですぐに予想ついちゃうのはつまらない。「将軍は10歳で成長が止まった」という設定があるからなんだけど、その設定はなくても支障なく感じるし、普通に「将軍=年をとった拓巳」で良かったのかな、と。てか、ギガロマニアックスだったら自分の状態を改善しろよとか、野呂瀬玄一やノアⅡがない世界を妄想すれば? とか、色々思った。

ギガロマニアックスであってもできないことの条件とかがよく分からないのが致命傷だったと思う。

もっとも、私も途中から流し見になっちゃったから見落とした部分もあるだろうし、何度も再視聴し、他の科学アドベンチャーシリーズと比較し考察しながら観らればまた違うのかもしれないが、単純にそこまでしたいと思えるアニメではなかったかな。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
謎解き要素があるアニメでたまにあるが、OPでのネタバレは良くない。ミステリー要素も、穴が多すぎる。

バトルものとしたら、もう酷い。「想像の具現化」は、最強クラスの能力なのに、それを敵も見方も皆もっているのに、結局は剣で斬り合うだけ。なんか、核ミサイルのスイッチのかどっこで殴りあっているようなバトルだった。

まあ、序盤の「おもわせぶり」な雰囲気は良かったが、結局、「おもわせぶり」のまま終わった。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

テキトーにみてればわからないのに集中してもわからない

https://www.saiusaruzzz.com/entry/2019/02/06/180000
https://bibi-star.jp/posts/10306
視聴理由 とくになし

序盤 引き込まれる

中盤 お?

終盤 は?

この話は自分が信じられなくなる話
ジャンルはオカルト・ラブコメ・ハーレム・妄想
まぁ序盤はよかったよ。中盤から方向性が定まってきてまさかのラブコメ(ハーレム)になってきます。こじんてきには 序盤の勢いが続いて欲しかったのですが...
テーマは素晴らしいと思いました。「他者」という概念について深く追求していたような気がしました。その「他者」というのも自分以外の人という意味ではなく、「自分の取って都合の良い妄想」すなわち自分の存在を確認するものという意味であり、他者の存在によって自分の存在を認め合う。そんな不安定を具現化したかのような作品です。面白そうですよね。中盤からですよ、問題は。中盤からハーレム展開になって怪しくなってきましたが、序盤のカオスさにひかれ、ハーレムではなくなるのかなと思った矢先これ(くだらないラブコメ)ですよ。結局は「愛の力だあああ!」みたいなこと言ってよくわかない技を繰り出すし。はぁ...それでも視聴を続けられたのは序盤の引き込み具合のおかげでしょう。
あとこの作品割と難しいです。テキトーにみてるとわからなくなります。そしてそのテキトーに流しつつあった私も完全に理解したとはいえないかもしれません。
内容をまとめさせていただきます。https://anime-diary.net/chaos-head
このサイトをご覧ください(他力本願)
矛盾点がいくつか {netabare} 将軍(オリジナル)が妄想の具現化により、拓巳を偶然生まれてしまったので、今まで放置してたが、その存在に気づいた組織が狙ったため、将軍は拓巳を覚醒させないように咲畑梨深を近くに置かせ、ずっと監視してた。でも将軍は咲畑梨深に「キミの青空を映して欲しい」といった。偶然産物にも関わらずあらかじめ目的が定まってた?ん?
??に関しても結局何がしたかったのか。「まさか!自分が『消えてる』という妄想を自分に取り込んだというのか!」説明ありがと。でもその理論じゃとっくに実体はなくなっているよ。実体を認識する誰かをそばにおき、その誰かが妄想により実体をとどめている間に自分を「実体があるも物理が聞かない」いわば「質量をもった虚像」のような妄想をしなければならない、ということだよ。まぁ装置と一緒にどっか行ったからいいんだけど。
装置に関してもなんじゃそりゃ。どういう理論ですか。自己防衛プログラムによって何がおこってるの?目の前に映っているものは装置から発信された虚像だとするならば、本体がどこかにあるはず。そうなった際、テキトーに振り回してれば絶対当たる、ということになってしまう。????
そして主人公。全肯定なのか全否定なのかはっきりしてw「あんたは正しいかもしれない」え?いきなり自分をあげないで。そこは自分との対比をしてるシーンだから自分を持ち上げちゃナルシストでしょ。そのくせに普段はネガティブコミュ障?何を寝ぼけている?{/netabare}
といった感じです
途中からこの作品の悪口になっちゃいましたねw

先ほども言ったようにハーレムラブコメに発展します。まったくもっていらない要素にも関わらずこの分野に進んだのはどうせ作者の、それこそ「妄想」です。そんな妄想に付き合うのも視聴者の義務かもしれませんが、それでも文句を言わせてください。「なんだこれ」
シリアスな題材、それもかなりいい奴。それをラストの展開にいかさず、なんなら「打ち切りか?」というくらい雑な扱い。なんと残念なのでしょう。
まぁそれでも見たいという方はぜひ序盤だけ見てください。

監督は石山タカ明さん。「おとぎ銃士 赤ずきん」などの監督を務め、今作で5回目の監督
シリーズ構成は井上敏樹さん。DEATH NOTEなどのシリーズ構成を担当した方ですね
キャラデザは島村秀一さん。「のだめカンタービレ」のキャラデザをした方ですね
制作はマッドハウスさん。カードキャプターさくらやDEATH NOTEを制作なさったところです

作画は少し微妙でした。作画というよりキャラデザがすきじゃありません。有名な方なのですが。原作が悪いのでしょうかね
opは志倉千代丸さん作編曲、磯江俊道さん編曲、いとうかなこさん歌唱の「F.D.D.」
edは「魔人探偵脳噛ネウロ」edを歌った加賀美セイラさん作詞歌唱、駒場雅信さん作曲、池澤孝之さん編曲の「Super Special」
声優さんはあっていました。主人公のヘタレ感やコミュ障感が素晴らしく伝わっていました。吉野裕行さんすごい

総評 見なくてよいです。本当に後半がもったいない

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

73.6 21 陰謀アニメランキング21位
獣の奏者エリン(TVアニメ動画)

2009年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (568)
3639人が棚に入れました
獣ノ医術師である母とともに、闘蛇衆たちの村で暮らす少女・エリン。彼女の母ソヨンはその優れた医術の腕を買われ闘蛇のなかでも特に強い<牙>の世話を任せられていた。ある日、村で飼っていた全ての<牙>が突然死んでしまい、母はその責任を問われ処刑されることとなった。エリンは母を助けようと必死に奔走するも失敗、母と引き離され天涯孤独の身の上となってしまう。その後、蜂飼いのジョウンに助け出されたエリンは彼と共に暮らすうち、山奥で天空を翔る野生の王獣と出会う。その姿に魅せられたエリンは母と同じく獣ノ医術師になることを決意し、ジョウンの昔なじみでもあるエサルが教導師長を務めるカザルム王獣保護場の学舎へと入舎する。

声優・キャラクター
星井七瀬、平田絵里子、内田直哉、藤原啓治、柳原哲也、鈴村健一、谷育子、高橋美佳子、石田彰、楠大典、花輪英司、川本成
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ナウシカ互換、王蟲ならぬ王獣と心を通じ合う少女の物語

本作の原作者・上橋菜穂子氏は、『風の谷のナウシカ』のファンなのだそうで、本作の

①科学的・物質的文明がさほど発展していない、どことなく中世的・牧歌的な作品世界、
②古くからの因習に頑迷にとらわれながらも基本的には善良な市井の人々と、権勢欲や名誉欲にとらわれて争いを起こしがちな政治的・軍事的指導者たち、
③そうした人々の{netabare}蒙昧を次々と啓(ひら)いていく、一見か弱そうだけれども誰にも負けない強い信念を心に宿した{/netabare}一人の少女、
④そして、{netabare}その牧歌的な世界の均衡が人々の妄動によって破られようとする寸前、誰にも懐かず恐怖の対象だった巨大生物と意を通わせたその少女が、ただ一人で世界を救ってしまう展開、{/netabare}

・・・という世界観と筋立ては、やはり同作のオマージュといってよいものと個人的には思えました(※多分、ファン層も重なっているのでは?)。

ただ、『ナウシカ』の方は2時間弱の劇場版作品で、サクっと見れたのに比較して、本作の場合は、全50話(※約20時間)という長丁場で、かつ、下記のように展開がかなり緩慢ということもあって、決して面白くない作品ではないのですが、私の個人評点は ☆ 3.8 と、いまいち高くなりませんでした(※因みに、『ナウシカ』は 未レビューですが ★ 4.0 です)。


◆パート別評価

【1】 {netabare}母ソヨンとのアケ村の日々{/netabare}(エリン10歳まで) ※第1~7話(計7話) ★ 4.0
【2】 {netabare}蜂飼いジョウンとの日々{/netabare}(エリン14歳まで) ※第8~14話(計7話) ☆ 3.5
【3】 {netabare}カザルグ王獣学舎の日々{/netabare}(エリン18歳まで) ※第15~30話(計16話) ☆ 3.6
【4】 {netabare}リョサ神王国の波乱とその結末{/netabare}(エリン18歳以降) ※第31~50話(計20話) ★ 4.0
--------------------------------------------------------------------
  総合        ☆ 3.8 (全50話)

・・・このように、

<1> 【1】序盤と【4】終盤は、それぞれ《分かり易いドラマ》があって、まずまず楽しめたのですが、
<2> 【2】+【3】という長めの中盤(併せて23話)の展開が非常に緩慢で、個人的には退屈な感じを否めず、視聴には難儀してしまいました。

といっても、この【2】+【3】に全然見どころがなかった訳では決してなくて、むしろ《分かり易くないドラマ》つまり《ヒロインの心理的成長》という《内面のドラマ》が、淡々としたテンポで念入りに描かれていて、制作者の意図としては、このやや長丁場を通過することで、視聴者の側にヒロイン(エリン)への愛着をせっせと刷り込んでいって、それを【4】のドラマチック展開での感動へと繋ぎたかったのだと推測するのですが、それがどうも残念ながら、私の好きな種類の刷り込み内容ではなかったようです。

もう少し詳しく書くと、この中盤で描出される《ヒロインの内面的ドラマ》については、

 <1> 彼女と{netabare}王獣リラン{/netabare}との間に次第に感情が通い合っていく過程の描写としては過不足ないものであったとしても、
 <2> 彼女と{netabare}級友や年長者たち{/netabare}との間に友情や信頼関係が育っていく過程の描写 としては何となく違和感ないし抵抗感のあるもののように、私は見えたのでした。

この違和感・抵抗感について、以下さらに分析します。


◆人々の“蒙(もう)を啓(ひら)く”少女への好感度は?

本作全体を見終わっての印象として、このヒロイン(エリン)は、{netabare}のちに「お父さん」とまで慕うことになるジョウンおじさんや、エサル教導師長を始めとする王獣保護所学舎の教導師たち、さらに4年間の学舎生活のうちに友情を深め合ったはずの級友たち、の誰の話も、実際には聞き入れず、肝心な所では常にブレずに不自然なまでに自分の思うところ{/netabare}を真っすぐに貫きとおして、最終的には周囲のひとたち全てに「自分の正しさ」を認めさせる結果に至る、まさに、

人々の“蒙(もう)を啓(ひら)く”少女である。

--------------------------- デジタル大辞泉 --------------------
けい‐もう【啓×蒙】

[名](スル)《「啓」はひらく、「蒙」はくらいの意》
人々に正しい知識を与え、合理的な考え方をするように教え導くこと。「大衆を啓蒙する」「啓蒙書」
--------------------------------------------------------------

・・・ということで、上記のとおり原作者・上橋菜穂子氏がファンだという『風の谷のナウシカ』を始めとする宮崎駿監督作品のヒロインたちにもこれは言えることと思いますが、その確固とした姿勢から、姿格好は如何に少女っぽく描かれていても、その内面が余り少女らしくない、何だか“説教じみた”“独善的で”“ドグマチック(教条的)な”存在のように見えてしまう点が、本作から受ける違和感・抵抗感の正体ではないでしょうか。

よくファンタジー世界などに転生した少年が無双の活躍をみせる作品のことを「俺TUEEE!」系といって揶揄する方がいますが、本作の構造も、ある意味で「私SUGEEE!」系と言えなくもないような・・・。

・・・というより、「俺TUEEE!」系は、これはこれでエンタメ作品として十分に需要があり「見るとスカっとして気分が良くなる」というプラスの効用があると思いますが、この手の「私SUGEEE!」系(※というジャンルが仮にあるとして)は、エンタメ目的というよりは明らかに「啓蒙」目的(※まだ何も知らない人に《私が正しいと思うこと》を教え込む、という些か独善的な目的)というか「下心」を秘匿した作品にも見えるので、その点をどう評価すべきか?(あるいは、そういう問題意識自体に気づいていない人が多いのか?)

私個人としては、同じNHK製作・放送アニメであれば、本作とよく似た中世的・牧歌的な作品世界を持ち本作よりしばらく前に放送された『ツバサ・クロニクル』(2005-6年)の方が、

<1> ヒロイン(サクラ姫)の心模様や振る舞いのナチュラルさに非常に好感が持てたうえに、
<2> 作品全体としても、変な「啓蒙」意図など微塵も感じず純粋にエンタメ作品として楽しめたので、

・・・本作よりもずっと好印象をもっているのですが、私と同じく両作を視聴してみた方がいるとしたら、その方々の感想も是非一度聴いてみたいところです。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1-5話視聴終了時点
ここまで、原作小説にはないオリジナル・エピソード。
・第13話視聴終了時点
野生の王獣をエリンが初めて目撃する回だけど、コレ詰まんなくね?そろそろ視聴し続けるのが辛くなってきたんだが。
主人公兼ヒロイン(エリン)が好奇心旺盛過ぎて、後先考えずにどんどん無謀な行動を起こして周囲を巻き込んでしまう展開は、『メイド・イン・アビス』にちょっと似てるかも?
・第32話視聴終了時点
前後の繋がりもなく大昔のオファロン王国の悲劇的事件のエピソードと見せられても・・・シナリオ稚拙ではないか?
・第33話視聴終了時点
これまでもそういう描写が多かったけど、ヌック&モック二人組がとことん間抜けで能無しに描かれている点が不愉快。
どうやら本作の脚本家は、主人公(兼ヒロイン)や彼女の周りのマトモな人たちと、それ以外のただのギャグ要員たちを完全に峻別しているらしく、それが主人公の独善的な性格と表裏一体の関係である気がする。
・第50(最終)話視聴終了時点
終盤は少しだけ盛り上がったけど、全体として50話でこれだけではシナリオとしては随分と薄味だったとしか言えないと思う。
もっとも、中盤の長丁場でヒロイン(エリン)に愛着を持った人は、この終盤のだいたい予想できた展開(ほぼナウシカ?)でも十分以上に感動できたし満足も出来たのだろうけれども。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作小説        上橋菜穂子(講談社刊『獣の奏者』 I 闘蛇編、II 王獣編(2006年11月刊))
監督           浜名孝行
シリーズ構成      藤咲淳一
脚本           藤咲淳一、ハラダサヤカ、後藤みどり、坂井史世、吉田玲子、谷村大四郎、布施木一喜、吉村清子
キャラクターデザイン 後藤隆幸
音楽           坂本昌之
アニメーション制作   Production I.G、トランス・アーツ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回
*付きは原作小説にないオリジナル・エピソード

=================== 獣の奏者エリン (2009年1-12月) =================

----------- 【1】 {netabare}母ソヨンとのアケ村の日々{/netabare}(エリン10歳まで) ----------

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ OP「雫」、ED「After the rain」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
{netabare}
*第1話* 緑の目のエリン ☆ 大公領アケ村の棟梁の孫娘エリン(10歳)、逃げだした闘蛇の赤子ルル捜し
*第2話* 医術師のソヨン ☆ 武人タイロンの闘蛇治療、エリンの母ソヨン(碧眼の霧の民)
*第3話* 闘う獣 ☆ 真王ハルミヤの甥ダミヤ&大公オラン来村、闘蛇教練の波乱、ルルの耳膜切り(闘蛇に)
*第4話* 霧の中の秘密 ☆ 村娘サジュの姉ソジュの発病、霧の民の村へ、巡回者との遭遇、ソジュ回復・他村へ嫁入り
*第5話* エリンと卵泥棒 ★ 闘蛇の卵狩りの一幕(なかなか見つからない卵、野生の闘蛇の産卵、エリンの卵狩り反対)
第6話 ソヨンのぬくもり ★ 闘蛇の弔い笛(牙の死)、戒めを守る一族(アォー・ロゥ)、母の託し物、監察官の母拘引
第7話 母の指笛 ★ 闘蛇の裁き(ラゴウの沼への投げ込み、野生の闘蛇の群れ、奏者の技、母との決別){/netabare}

----------- 【2】 {netabare}蜂飼いジョウンとの日々{/netabare}(エリン14歳まで) ------------
{netabare}
第8話 蜂飼いのジョウン ☆ 霧の民ナソンの目撃報告、エリンの救助者、エリン回復
第9話 ハチミツとエリン ☆ 生き物の動きによく気づくエリン、エリンとジュオンの取引成立
第10話 夜明けの鳥 ☆ 王族護衛士(セザン)・神速のイアルvs.仮面の男、竪琴の贈り物(イアルより)
第11話 とびらの中に ☆ 好奇心旺盛なエリン、ジョウンの秘蔵本、ムック&モックの腹痛
第12話 白銀の羽 ☆ 夏の山へ、リョザ神王国王女セィミヤ、カショ山の王獣(巨大な羽根、飛行する姿)
第13話 王獣の谷 ☆ チゴの根取り(ジョウン)、野宿、野生の王獣のヒナと王獣
第14話 霧の民 ☆ ※ナソン(ソヨンの元許嫁)視点の第1-13話のダイジェスト{/netabare}

----------- 【3】 {netabare}カザルグ王獣学舎の日々{/netabare}(エリン18歳まで) -----------
{netabare}
第15話 ふたりの過去 ★ 4年後、アサン来宅(父ジョウンの王都の高等学舎復帰の説得)、元教導師長トウサナ・ジョウンの過去、エリンの本当にやりたい事、カザルグの王獣医術師エサル
第16話 堅き盾(セ・ザン)のイアル ☆ 王都へ(エリン14歳)、王国護衛士イアルの過去回想と現状
第17話 狙われた真王 ☆ 真王ハルミヤ60歳の誕生日祝典、大公長男シュナンの王国変革をの訴え(セィミヤ王女)、ダミヤの贈り物(幼獣リラン)、サイガムルの真王襲撃失敗(イアル負傷) ※演出がチープ×
第18話 教導師エサル ☆ ガザルム王獣保護所試験合格、ルームメイト(ユーヤン)、ジョウンからの巣立ち
第19話 カザルムの仲間 ☆ 同級生たちとの交流
第20話 リランという名の王獣 ☆ 人に飼われた王獣への哀れみ、幼獣リランの世話志願、世話掛かり交代(トムラからエリンへ)
第21話 消えそうな光 ☆ 懸命の幼獣介護(王獣規範、光と竪琴) ※獣医さん向けアニメ?
第22話 竪琴の響き ☆ 負傷したイアルの介抱、真王派と大公派の対立、リラン回復
第23話 カザルムの誓い ☆ エサルの懸念(王獣規範への違反、エリンが政治的に利用されてしまう惧れ)、エリン&リランの秘密を守る誓い
第24話 嘆きの歌 ☆ 辺境の大公軍と「牙の民」の長期抗争、シュガン&ヌガン兄弟の誓いと行き違い
*第25話* ふたりのおつかい × ヌック&モック二人組コメディ回 ※本編と無関係のため見なくてよい回
第26話 リランの心 ★ 学舎の夏休み(試験勉強、ユーヤンの恋話、リランとの交流深化)
*第27話* ヒカラにおちて ☆ 不思議な夢(母との会話、ジョウンとの再会、エリンの迷いの作り出した霧)
第28話 ジョウンの死 ☆ ジョウン死亡通知、エサル教導師長の過去話
第29話 獣の牙 ☆ エリン大怪我、リランとの真の通じ合いの願い
第30話 四年目の冬 ☆ ※エサル教導師長視点の第18-29話のダイジェスト、ED「きっと伝えて」{/netabare}

----------- 【4】 {netabare}リョサ神王国の波乱とその結末{/netabare}(エリン18歳以降) ---------

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ OP「雫」(*別ver.)、ED「きっと伝えて」 ~~~~~~~~~~~~~~
{netabare}
第31話 光の空 ☆ 学舎最上級生エリン(18歳)、教導師キリク(仮面の男)赴任、リラン飛翔
第32話 大罪 ★ エリンの編み出した「奏者の技」、巡回者ナソンの語る大罪(闘蛇を操った霧の民の祖先、オファロン王の逃亡、アフォンノアの谷の祭司ジェ、王獣暴走、オファロン王国滅亡、戒めの起源) ※作品世界の重要設定が明かされる注目回だが、説明の切り出し方がいかにも唐突でイマイチ△
*第33話* 飛翔 ☆ リランの飛翔訓練、キリクの語る王祖ジェの物語
*第34話* イアルとエリン ☆ チチモドキを盛られた成獣、イアンとの不意の再会(解毒剤運び)、成獣回復
第35話 あたらしい命 ☆ 怪我した野生の成獣エク、エサル教導師長の過去話、リランとエクの交合
第36話 卒舎ノ試し ☆ リラン懐胎、真王への報告、学舎卒業(エリン首席、ユーヤン&級友たちとの別れ)
*第37話* 誕生 ☆ エリンの教導師着任、唯一の新入り女学生シロン、リラン出産(アル) ※産卵ではなくて出産→鳥類ではなかったの?
第38話 真王ハルミヤ ★ 真王のカザルム行幸、竪琴と王獣規範違反発覚、真王の意外な発言
第39話 闘蛇の襲撃 ★ 御座船への闘蛇隊襲撃、エリン自身の意思によるリラン出撃、リラン暴走、王祖ジェの再来 
第40話 かげりゆく国 ★ 真王意識不明、ダミヤ手当、印のない闘蛇、エリンのイアン手当とイアンの打ち明け、エリンの打ち明け
第41話 真王の真実 ★ 真王回復・エリン晩餐招待、エリンの王都行き拒絶、王祖ジェと王国300年の秘密打ち明け、王国騒乱の謀略進行、真王急逝
第42話 セィミヤの涙 ★ セィミヤ登極、ダミヤ策動、シュナン拝謁・求婚
第43話 獣ノ医術師 ★ 王都からの召喚命令、リラン再暴走・初めての音無笛、キリクの迷い、失われた左手の三本指、王都へ
第44話 アクン・メ・チャイ ★ 王獣部隊設立の依頼(ダミヤ)、エリンの拒絶の方便(「本来あり得ない血の交わりから生まれた子」しか王獣を操れない)、ダミヤの卑劣な条件提示と微かな希望
第45話 かごの鳥 ☆ キリクの過去、ダミヤのイアル呼出し、イアルvs.キリク、キリクの思いとどまり
第46話 ふたりの絆 ☆ エリンのイアル介抱、二人の接近
第47話 清らかな夜 ☆ ナソンのエリン引き留め拒否、エリンのエィミヤ直訴
第48話 リョザの夜明け ☆ 降臨の野(タハイ・アゼ)の真王軍・大公軍対峙
第49話 決戦 ☆ セィミアの選択(青旗)、ヌガン軍の不意討ち(大公死亡、シュナン絶体絶命)、エリンの決断(リラン飛翔)
第50話 獣の奏者 ★ ヌガン軍壊滅・シュナン救助・エリン負傷、リランのエリン救出、ダミヤ斬死、後日譚(セィミア&シュナン婚儀、王国安定、エリン&イアンの息子ジェシー){/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)14、☆(並回)35、×(疑問回)1 ※個人評価 ☆ 3.8

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

エリンの芯の強さと優しさ…人のぬくもりが感じられる物語で何度も目頭が熱くなりました。

この作品の原作は未読です。機動戦艦ナデシコを視聴した後、感動できる作品が視聴したいと思い、あにこれで探していた時にこの作品と出会いました。
「1位 もっと評価されるべき:212人」「3位 泣ける:95人」「4位 NHKの本気:87人」
これだけ成分タグで評価されているならきっと面白い…と思い視聴に踏み切りました。

この物語の主人公は少女エリン…エリンは母と二人で闘蛇衆の村で暮らしていました。
闘蛇は巨大なトカゲの様な姿をしており、馬代わりとして人が操舵しながら戦場で活躍する獣です。

エリンの母ソヨンは獣の医術師でしたが、特に技術に秀でていたので闘蛇の中でも大公家から預かっている牙と呼ばれる獣の世話を一任されていました。

相手は獣…決して人には慣れる事の無い生き物なのですが、力では全く歯が立たない闘蛇を意のままに操らなければ、戦場での活躍はおろか食事や寝床の掃除など日常の世話も満足にできません。

人は獣を服従させるのに…音無し笛という道具を用いるのです。この笛が発する音色は人間には聞こえないのですが、獣を硬直させ自由を奪う事の出来る人にとって唯一無二の道具でした。
そう…人間は音無し笛を使って獣を恐怖で縛り付けて服従させていたのです。
その他にも人が獣を飼うために様々な掟が定められていました。

こうして一旦人に飼われた獣は野生の獣の路線からどんどん外れていってしまうのです。
ですが、掟を破れば大罪…人も獣もがんじがらめになっていたのです。

好奇心旺盛なエリンは、時間を作ってはソヨンの世話の手伝いをするようになります。
年端もいかないエリンは、母親と一緒に居られることの嬉しさと自分もソヨンの様な立派な獣の医術師になる事を夢見て、一生懸命母を手伝い吸収しようとします。
こんな慎ましく…でも新しい発見の毎日がずっと続いていくのだと思っていました。

そんな矢先、大公様より預かった牙が全滅してしまう…という大事件が起こってしまいました。
そしてその責任の矛先は…世話係りだったソヨンに向くことになるのです。
縄で縛られ、連行される母親を見てじっとしていられるエリンではありません。

父を早くに亡くして母と二人暮らし…お互いたった一人の家族なんです。
大切…なんていう言葉なんかでは決してくくれない関係…
だってどっちが欠けても一人ぼっちになってしまうのだから…

頼れる人がいない…
住む家がない…
明日食べるモノがない・・・
エリン達にとっての一人ぼっちはこんなにも残酷な宣告を受けたのと同じなんです。

日の出を目前に控えた闘蛇の群れの住む池…
日の出と共に活動を開始する闘蛇の最初の行動は空腹を満たす事…
何の躊躇も無く池に飛び込んだエリンの目の前には母ソヨンの姿が…
ここから暫くは画面に釘付けでした…
親の役割と子の努め…決して涙無しでは見れないシーンであると共に、決して忘れられない出来事が繰り広げられ…物語が大きく動いていきます。

この物語はエリンの成長を綴っていますが、エリンに手を差し伸べる人たちの優しさが心に染み入る作品です。

蜂飼いのジョウン…最初にエリンが聡明である事に気付き色んな学問を教えてくれました。
教えたことを貪欲に吸収するエリン…きっとジョウンにとっても教え甲斐のある子供だったのでは無いでしょうか。

この頃です…ここには大公領の闘蛇と同じ立ち位置にいる王獣の存在を知ったのは…
もともと獣の医術師を夢見ていたんです…王獣と聞いて気にならない訳がありません。
こうしてエリンはカザルム王獣保護場に身を移す事となり、これが彼女の人生の大きな転機になるのです。

エリンをカザルムで優しく出迎えてくれたのは教導師長のエサル…
エサルもまた、エリンの才覚を見抜いた一人でもありました。

エリンには確かに獣の世話をする才覚があったのだと思います。
でもそれは彼女を構成するほんの一部分にしかすぎません。
私なら間違いなく途中で白旗を掲げている…どんな時でも彼女は全力投球を止めないんです。
「猛獣一直線」と物語の中でクラスメイトに言われていましたが、正にその表現が一番しっくりくると思います。

エリンが常に背水の陣であった事は否めませんが、ある時傷付いた王獣リランが運び込まれ、世話係りに大抜擢される頃からそんな事はとっくに忘却の彼方…
エリンの全力が決して人には懐かない王獣の目にはどの様に映るのか…
エリンの受けた決して消えない痛みの先に何が待っているのか…
気になる方は是非本編をご覧ください。
全50話の中で人同士…或いは人と獣の繋がりがとても丁寧に描かれています。
「NHKの本気」の成分タグ…決して伊達ではありませんでした。

原作は、「I 闘蛇編」「II 王獣編」「III 探求編」「IV 完結編」の全4巻で構成されていますが、アニメでは「I 闘蛇編」「II 王獣編」が描かれています。
もともとは王獣編のラストが究極だったのでそのまま完結する予定でしたが、周囲から続編を望む声が多数寄せられたため「III 探求編」「IV 完結編」が刊行されたとの事です(wikiより)。
…この様にwikiに記載されている通り、王獣編は友愛と慈しみに溢れたラストが視聴者を待っていてくれます。

それと、この作品…主題歌も心に染み入る曲がチョイスされていました。
特にお気に入りだったのが、オープニングテーマでスキマスイッチさんの「雫」と、挿入歌でcossamiさんの「青い星」の2曲です。
この2曲が流れる度、涙腺が熱くなったといっても過言ではありません。

お気に入りの棚行決定作品がまた一つ増えました^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ならではの大作。。稀有な宿命を背負った少女のNHK大河ファンタジー。

NHK教育テレビ放送開始50周年記念番組。2009年放送。全50話。
原作はファンタジー小説『獣の奏者』(けもののそうじゃ)。

原作者でありアニメーション監修を務めた上橋菜穂子さんは発表記者会見で「21世紀のハイジを目指した」と発言したとか。

なるほど、スキマスイッチの主題歌『雫』で始まる世界には大河ドラマのような大作の雰囲気があります。
そしてEDは日常感ある落ち着いた曲で、世界観に浸ったまま枕につくことができそうな心地よい曲。

ざっくりいうとNHKらしい。。
そして優しい母と娘の情愛がいい。
絵も、粗さはあるけど優しい雰囲気。
曲や挿入歌も優しい。

エリンは応援したくなる。
一人の少女の成長をじっくり観られるアニメはそうそうない。
そういう意味では確かにハイジを目指したという言葉はうなずける。

~{netabare}
エリンのcvは・・星井七瀬さん?
歌手、女優業がメインで声優をやったのはこの作品だけのようです。
幼女から成長するヒロインとして、声が合っていたと思うし好感が持てました。
後半でのシリアスな演技は慣れた声優さんとはまた違った雰囲気が出てました。。それが良かったかどうかは人によって好みが分かれそうですが^^;

気になった回だけちょっとかいつまむと。。

第7話
 エリンの母親ソヨンの処刑回。
 言うまでもなくとんでもなく酷く非道な
 話ですが、この物語の中核でありその後の
 展開の起因となる出来事であることを
 考えると、ある程度の残酷さも致し方ない
 ところでしょうか。
 ただ、エリンは助けに行ったのに
 闘蛇に乗ったまま逃げるのは、
 ちょっと違和感。
 ソヨンによって闘蛇に結び付けられた
 とか、エリンが降りられなかった理由付
 が欲しかった。。

 闘蛇が大量死した原因も描かれず、
 喉に魚の骨が引っかかったように
 スッキリしない。

最終話
 シュナンをリランに乗せる必然性が
 あったのか、ちょっと理解に苦しみ
 ました。
 シュナンの部下がエリンを敵と誤解した
 だけだからシュナンが部下にやめろと
 いえばいいだけ、では?
 そう行動させた制作の意図が不可解でした。

 おかげでエリンが矢で射抜かれ。。
 事なきを得たからいいものの、
 「そんなバッドエンドはやめてくれ!」
 と心で叫んでしまいましたw
 (冷静に考えれば、ヒロインが死んで
  終わりなんてNHKでそれはない
  ですねw)

 あと、ちょっと細かいけどエリンに
 刺さった矢がいつ抜けたのか。。
 リランにくわえられた姿勢では
 矢がささったままは不自然かとw

 そして最後のエリンの息子とのシーン、
 傍らにイアルを佇ませてくれたら・・
 そして幼なじみサジュとの再会も描いて
 くれたら・・
 もう少しスッキリし、満足度も上がったかと。。

 ラストは個人的にはエリンの満面の笑みで
 締めて欲しかった。
 山リンゴもいいけど。。
{/netabare}~

全50話で、その長さに二の足を踏んでいましたが、
観始めると続きが気になり、
長く続くことがむしろ嬉しく感じました。
半分を過ぎると、終わりに向かっていいくことに
むしろ少し寂しさを感じました。

いわゆる、どこかの世界のいつかのファンタジー物語。「うたわれるもの」に世界観が近いような気がしました。

観て良かったと思います。

 (2020年9月Huluにて初視聴)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

77.6 22 陰謀アニメランキング22位
MONSTERモンスター(TVアニメ動画)

2004年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (633)
3503人が棚に入れました
1986年、西ドイツ・デュッセルドルフのアイスラー記念病院に、頭部を銃で撃たれた重傷の少年が搬送されてくる。天才的な手術の腕を持つ日本人外科医・ Dr.テンマは、院長の命令を無視してまでオペを担当しその少年の命を救う。「死」を生む悪魔と「生」を生む医者が出逢ったことで、陰惨な物語の歯車がごとりと廻り始める。
東側の世界では西ドイツ社会を混沌の世界に突き落とすという異常な策謀が進行していた。チェコスロバキア秘密警察のフランツ・ボナパルタらは、子供たちを次々に西側諸国へ送る戦闘要員として教育していく。その過程でヨハンという怪物が生まれた…。
数年後の1995年、テンマと数年ぶりに遭遇したヨハンは確実に巨大な怪物に成長していた。テンマの患者ユンケルスを目の前で何の躊躇もなく射殺するヨハン。自分の中で何かが弾けたテンマは、ヨハンを追いかける。
果たして、テンマはヨハンの殺戮を食い止めることが出来るのか…。ヨハンを衝き動かす『なまえのないかいぶつ』という絵本は何なのか…。ヨハンは何故殺戮を繰り返すのか…。物語はベルリンの壁崩壊後のドイツとチェコを舞台に展開されていく。

声優・キャラクター
木内秀信、能登麻美子、小山茉美、磯部勉、佐々木望
ネタバレ

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

奈落へのフリフォーーーヾ(`Д´||)ノーーーールッ作品!!

■評価
ストーリー : ★★★★★ 5.0
演出・構成 : ★★★★  4.0
作画・映像 : ★★★★ 4.0
声優 : ★★★★☆ 4.5
音楽 : ★★★★☆ 4.0
キャラ : ★★★★☆ 4.5

■ストーリー
天才的な脳外科医テンマが、銃で頭を撃たれた一人の少年を助けた事から始まった大規模な殺人事件と、その首謀者である少年に秘められた謎を解き明かしていく全74話の長編作品

■感想
サスペンスやミステリーといったシリアス作品が好きな自分にはヨダレものの作品でした (゚ρ゚)
この作品は大河ドラマの様にスケールが大きいというよりも
底なし沼にズブズブ沈んでいく様な深いミステリー作品です。

この物語は、舞台をドイツやチェコ等の主要都市に移しながら主人公だけの視点ではなく、それ以外の登場人物の視点から話を展開していくので、長編でもメリハリがあって、小さくまとまらず一定のスケールを保っています。

何よりも物語の構成が緻密で、一話一話がすべて点(伏線)になっており、それぞれの点と点が次第に繋げ、1つの線(真相)となっていく過程は非常にスリリングで、登場人物達と一緒に真相を追っている様な錯覚を起こします。
こんな見せられ方したら、見ている側も次が気になって眠れません。意味のない話なんてなかった気がする…。

この作品の演出・構成・脚本の緻密な作りこみを実現しているのはアニメだけでなく、ドラマや映画の世界でも中々お目にかかれないです。
私の憧れの映画監督であるクリストファー・ノーラン監督やデイビット・フィンチャー監督の作品に十分に匹敵、いやそれ以上の作品ではないかと想います。
きっと原作者の浦沢さんの素晴らしい作品のお陰だとおもいますが妥協せずに原作を忠実に作りこんだ製作者の方にもお礼を言いたいです。
ハリウッド??でのドラマ化も決まったみたいですね!!
監督は日本のサブカルオタクのギレルモ・デル・トロです!!
今、パシフィック・リムという映画で日本大好きロケットパンチを発射しまくってる監督さん(ホラー・サスペンスが得意)です。

悪い点は点と点をつなげる時(特に終盤)に、多少強引で乱暴な奇跡?演出?があった事と、なかなか撃てないテンマがじれったいこと…そして一気見しないと話の流れを忘れそうな事くらいですかね。

色々と書きましたが、この作品はあまり難しい考察は必要ありません。シートベルトをちゃんと締めて、あとは重力に任せて奈落のそこへ落下するフリーフォールの様な作品です。

最後に念のため本作は長編であるため、何話かに分けてみるのもありです。私の独断と偏見ですが、話のキリが良いポイントと、各話のダイジェスト版をつくってみましたので、視聴するときの足しにしてください。
ネタバレが多く含まれるので、嫌な方は読み飛ばしてくださいましぃぃm(_ _)m

■1話~24話
{netabare}
テンマとヨハンの出会いと凋落、そしてヨハンという人物が何者か?その謎をテンマを中心にして紐解いていきます。
一話一話の話が伏線になっており、徐々にヨハンの本質が見えてきます。
そして様々な人々と関わるにつれて、ヨハンがミュンヘンにいる事をつきとめ次の舞台へ。
ここでのキーワードは『511キンダーハイム』
{/netabare}
■25話~39話
{netabare}
物語はミュンヘンに潜伏しているヨハンを中心に話がはじまり、ミュンヘン一の財閥であるシューベルトに寄生し、ヨハンは周辺の人々を巻き込み更なる悲劇を招きます。
ここではDr.ライヒワインと元刑事のアル中であるリヒャルトを中心として物語の謎解きが展開されます。
そしてヨハンの暗殺に失敗したテンマとニナは1冊の絵本から更にヨハンとニナを生んだ母親の存在を掴み、舞台はプラハに移ります。
ここでのキーワードは『なもなき怪物の絵本』『チェドック橋』『3匹の蛙』
{/netabare}
■40話~50話
{netabare}
チェコを舞台に元スパイのグリマーが、511キンダーハイム元院長ペドロフに取材を行う事でMonsterの出自を本人が語る録音テープと、人体実験レポートの存在をしる事になります。
この録音テープを求め、チェコを舞台に元秘密警察、チェコ警察、グリマー&テンマ、そしてヨハンによる四つ巴の争奪戦が展開されます。
一方、ルンゲは長期休暇と称してチェコに滞在し、なもなき怪物の絵本を元ネタに独自捜査を慣行、ついに赤いバラの屋敷の真実にたどり着きます。
ニーナとディーターはチェドック橋と3匹の蛙の謎を追いもとめ・・・点と点が繋がり線となっていきます。
しかし!!ついにテンマはチェコ警察に逮捕され、舞台はドイツのデュッセルドルフへ。
キーワードは『赤いバラの屋敷』『エヴァ』
{/netabare}
■51話~57話
{netabare}
テンマは逮捕され失意のどん底におちますが、警察にはこれまでの真実を話し、説得を試みようとします。
そんな中、テンマの逮捕を知ったエヴァとDr.ライヒワイン、そしてテンマに命を救われた患者達が無罪を主張すべく、テンマの弁護を担当する様に
法曹界の寵児といわれる弁護士フリッツ・バーデマンに掛け合います。フリッツは別の弁護士であるアルフレート・バウルからの説得によりテンマの無実を証明すべく動き出します。そしてエヴァもテンマが無罪である事を証言する決心をしますが・・・思いもよらぬ事態が発生します。
エヴァの命が危ういと感じたテンマは、脱獄士の手を借りて脱獄を決行しますが、エヴァは行方不明となります。
そして担当弁護人であるフリッツから『なもなき怪物』の著者であるフランツ・ボナパルタについて書かれたメモを入手したテンマは、再度チェコの赤いバラの屋敷にむかい、ボルフ将軍から赤いバラの屋敷の秘密とエヴァの居場所の
手がかりを得ます。舞台はフランクフルトへ
{/netabare}
■58話~63話
{netabare}
赤ん坊の部下であるマルティンは、エヴァの用心棒&世話係を依頼されるがエヴァの抱える苦しみや、寂しさを理解していくうちに彼女に惹かれていきます。
しかし、組織の長に何事かを頼まれ、市内の数多くのパーティーに参加するだけのエヴァの役割とその目的が達成され、用済みになった事をマルティンは知る事になります。
テンマはマルティンからエヴァとヨハンの居所、ヨハンに弟子ができた事、そして組織の長『ペトル・チャペック』と、その陰謀をしる事になります。
(一匹狼ガンマン・マルティンに乾杯!!)
一方、過去を何も思い出せず苦しむニナはDr.ライヒワインとDr.ギーレンの催眠療法によって、ついに驚愕の記憶が蘇ります・・・そしてすべてを悟ったニナは、この事件を終わらせるため、テンマをおいかけてフランクフルトへ。
そしてペトル・チャペックを追うテンマは、偶然にもチャペックによって家族を失ったミラン一家と出会います。その一家と過ごすうちにテンマは己の復讐に
意味があるのか苦悩し、ある決心をすることになります。
その頃、バイスバッハ刑事とDr.ギーレンはフランクフルト内で発生している
全く無関係と思われた複数の連続殺人事件が、ヨハンが関係している事を突き止めます。いよいよ終盤!!、役者はそろっタンゴ!!舞台は引き続きフランクフルト。  
キーワードは『ペトル・チャペックの陰謀』『ヨハンの弟子』
{/netabare}
■64話~67話
{netabare}
パンダこれはぁぁ!!物語の展開はさらに奈落へと急降下!!
ペトル・チャペックの陰謀は、ヨハン??と弟子の『クリストフ・ジーバーニッヒ』??によって、無残にも水泡と化します。そして廃人とかしたペトル・チャペックからヨハンの居場所、そして自分たちの出自を聞き出したニナは、ついに本丸にてヨハンと対面します・・・。
一方テンマは、マルティンからの情報をもとにヨハンの弟子『クリストフ』の居所をつかみ、偶然にも居合わせたエヴァと共に尋問し、ヨハンの本丸をつきとめます。
そして、ヨハンとニナは自分たちの記憶について、驚きの真相がニナからカミングアウトされます。次の舞台はルーエンハイム。
キーワードは『フランツ・ボナパルタとその息子』
{/netabare}
■68話~74話
{netabare}
田舎町のルーエンハイムに、何か異常な事件の臭いを嗅ぎつけてきたルンゲそしてグリマーは、その臭覚を頼りに町の捜査に乗り出します。一方、テンマはニナからの情報を頼りに、フランツ・ボナパルタの息子を訪ね、ついにルーエンハイムにフランツ・ボナパルタの影を見出します。
しかし、ルーエンハイムでは町の住人であるコンラットが何者かに銃殺された事をかわきりに、ついにヨハンの完璧な自殺が開始されます・・・。そして事態を食い止めるべくルンゲ、グリマー、テンマ、ニナたちが最後の壮絶な戦いに挑みます…驚愕の最終話へ。
人に戻った超人シュタイナーよ!!永遠なれぇぇ!!( TДT)
{/netabare} 
■さらにネタバレ注意!! Monsterの謎とポイント
{netabare}
Q1:ヨハンとニナはどんな出自だったのか?
A1:才色兼備な母と有能な軍人の父との間にうまれた子供
  です。すべてが仕組まれた結婚・出産である事をしり
  夫婦で逃走を図りますが捕まります。
  父親は殺され、最終的には3匹の蛙でアンナは子供
  たちを置き去りにして逃走します。
  したがってヨハンたちたちは洗脳や空虚感
  そして、恐怖にさらされる幼少時代を過ごしました。

Q2:グリースハイムの公園のメッセージは何のために
  だれが?何のためにやったのか?
A2:これはペトル・チャペック率いる極右派組織が、自分
  たちの組織の邪魔になる人間たちをヨハンの弟子『ク
  リストフ・ジーバーニッヒ』を使って、ヨハンに
  殺人を委託し、ヨハンが連続殺人者達を使って実行
  しました。
  極右組織はヨハンを利用して自分たちが国のTOPに
  なろうとしていたと考えています。

Q3:67話の終盤でヨハンに銃殺された男は誰?
A3:おそらくヨハンがプロデュースしていた連続殺人犯の
  一人だと思います。
  それ以上の意味はないみたいなので、かませ犬だと
  思ってます。

Q4:フランツ・ボナパルタがやりたかった事は?
A4:外見も能力も有能・優秀な男女同士をつがわせ、
  生まれてくる子供たちを国の総統にすべく、完全無欠
  の完璧な人間をつくる事です。
  これによって数多くの子供たちが人格改造によって
  洗脳され、無実の人々が、殺戮されるという事態に
  まで発展してしまいました。

Q5:フランツ・ボナパルタは何故赤いバラの屋敷で
  大量殺人を行ったのか?
A5:ヨハンと二ナの母であるアンナに恋をしたボナパルタ
  は、母親と双子を開放するために、アンナ達や実験の
  事を知っている人々をこの世から消し去りたかった
  から。

Q6:最後の舞台であるルーエンハイムでヨハンがやりた
  かった事はなんだったのか?
A6:本当の両親そして自身の記憶・自我・名前を奪われた
  ヨハンはその張本人であるフランツ・ボナパルタや
  自分を知る人々を皆殺しにして、そして、自らの命を
  絶つ事で、フランツ・ボナパルタを名のなき怪物に
  しようとした。
  (完全な復讐だと個人的には考えています)

Q7:なぜヨハンは自殺することにしたのか?
A7:自分のつらい過去の記憶が、実は二ナの記憶で
  あった事から自分の存在が、そもそも無意味で空虚な
  存在だと感じたからだと考えています。

Q8:ニナはヨハンと同じ残酷な体験をしたにも関わらず、
  なぜニナだけがまともに育ったのか?
A8:ニナは赤いバラの屋敷から逃げる際に、ボナパルタ
  から怪物になってはいけないと暗示をかけられたので
  無事であったと考えています。
  二ナの残虐な話を聞いたヨハンは、何も言われな
  かったので、そのまま怪物になってしまった…。
  
Q9:最終話でヨハンはまた行方不明になったが何故??
A9:よく分かりま千円・・・わからず肥やしいですっ。
  彼は本当の名前を手に入れる事で、母親に会いに
  行った??もしくはそれとも死んで埋葬されてしまっ
  た??と考えてます。ちょっと煮え切らないかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

チェコ抄

原作厨

いつかは!と思いつつ店晒しにしちゃってたよん
皆さんもおありでしょう。私にとって『MONSTER』がそんな作品の一つです。
おおかたスイッチが入るとあっという間なのに、事前に全74話と聞けば腰は重くなります。

一言で“ミステリー巨編”になります。原作はみんな大好き浦沢直樹氏。現代人の基礎教養くらいに思ってますのでどんなお話かは割愛しときます。wiki拾うとこんな感じ↓

引用)
ドイツおよびチェコを舞台としたサスペンス作品。冤罪、猟奇殺人、医療倫理、病院内での権力闘争、家族の在り方(親子愛、兄弟愛)、人間愛、児童虐待、アダルトチルドレン、トラウマ、東西冷戦構造、ベルリンの壁崩壊の以前以後のドイツ社会などをテーマとしている。

てんこ盛り過ぎですね。そのくせお話としてはまとまっているという奇跡的な作品はそうそうお目にかかることはできません。よってボリュームさえ気にしなければGO!かと。というより表裏の話で、1クールで収まりのいいサスペンスもの良さは認めつつ、本作のように長尺で追いかける楽しみを得られる作品は唯一無二くらいで思ってます。
私からは重い腰を上げた“きっかけ”とアニメ作品としての“視聴する意義”の2点だけに留め、内容については特に触れずにしとこうかと思います。


■きっかけ

1.頭脳明晰つながり!?
 {netabare}佐々木望さん東大卒業とのニュースに触れ、出演作見たら“ヨハンリーベルト”とある{/netabare}
2.東欧の虐げられチルドレン
 {netabare}最近観た『ブラックラグーン』の双子の設定でなんとなくオーバーラップ{/netabare}
3.ようつべ
 {netabare}インパルスの往年の名作コントがタイミングよくピックアップされてたり{/netabare}

原作知らん方すみません。しょーもないもんですが立て続けでこれもご縁となりました。


■視聴する意義

“原作準拠”“老優らの置き土産”の2点です。


1.原作準拠
 全18巻分を74話で提供。1巻あたり4.11話分の充分な尺が用意されていました。細かくチェックはしてませんが、無理な短縮やアニオリはありません。
 キャラデザインも原作準拠。配役にも違和感全くなし。原作ファンとしては文句つけようがなかったです。原作そのまんまという印象です。

2.老優らの置き土産
 1990年代後半を舞台に物語は進行します。ただその発端/契機となるのは10~20年前ということになりまして当時の大人たちが壮年や老年期を迎えわんさか登場してくるお話です。もちろん少年は青年になって…と時の流れを感じさせるわけであります。
 そこで大事なのが過去ひと悶着あった現代のご老人たちからにじみ出る深みや凄味を画と音で表現できるか否か。もちろん音部分を担うのが声優さんなんですが“豪華”というのもおこがましいくらいで、“圧巻”と言い換えても大袈裟ではありません。
 冷戦崩壊の震源地“ベルリンの壁”を抱えるドイツにて“東”の負の遺産その当事者たちの苦悩を演じ切られてます。
 2004年時点での老人役だからそれなりに鬼籍入られてる方もいらっしゃいまして、しばらくアニメから離れていて本作が遺作という方もちらほら。2021年11月時点での物故者をご紹介しますがその演技を通じて遺言めいたものを感じ取ることができるような気がしませんか。
 
★主要人物 ※一応隠しておきます
{netabare}・小林勝彦(Dr.シューマン役):テンマが立ち寄った偏狭な村にある診療所の偏屈医者
・永井一郎(Dr.ライヒワイン):序盤から最後まで登場する精神分析医。テンマやニナの理解者
・熊倉一雄(赤ん坊):フランクフルト極右界の大物。フランクフルトトルコ人街焼き討ちの首謀者
・家弓家正(ギュンター・ゲーデリッツ):ニナをエサにヨハンを担ぎ上げようとしたドレスデン大教授
・北村弘一(ヴォルフ将軍):旧東ドイツの元将軍。ヨハンに周囲の人間を次々殺されちゃってました
・田中信夫(ペトル・チャペック):ボナパルタ直属の部下。細身でメガネ。これも東からの亡命者
・野沢那智(フランツ・ボナパルタ / クラウス・ポッペ):いやーもう説明不要の絵本作家さん
・有川博(リヒァルト・ブラウン):私立探偵。酒が理由で辞めたミュンヘン署の元敏腕刑事さん
・大塚周夫(ペドロフ):511元院長。プラハで無認可の孤児院経営してましたよ
・坂口芳貞(カレル・ランケ):大佐。チェコ秘密警察を母体とする闇組織のボスになってました{/netabare}

 たしかな演技力に裏打ちされた唯一無二の“声”を持ってるレジェンドばかり。主要人物の演者さんだけで多くの方が亡くなられております。
 戦友らの回想をベースとした『永遠のゼロ』でも“振り返り”の柱だった夏八木さんが映画公開時点でお亡くなりになられてたりしましたが、否が応でも時の流れの残酷さ/無常を感じさせるのですよ。

そしてwikiにも載らない各話ゲストもたまらない布陣です。
★主要でないけど印象的な方々
{netabare}
・大木民夫(ニナの父/5話他):リーベルトさんじゃなくてフォルトナーさんのほう
・納谷悟朗(盲目の老人/5話):Uボート乗務経験ありのヨハンに英仏語を教えてた爺さん
・有本欽隆(グロス/10話):コソ泥ヘッケルを追い回す借金取り
・有本欽隆(アンナの父/57話):フォルトナーさんじゃなくてリーベルトさんのほう 二役ですね
・渡部猛(探偵/21話):フォルトナー夫妻を殺した元刑事の片割れであるミュラーが雇った探偵
・谷口節(ジーベル/22話):ヨップ夫妻殺しの真犯人(模倣犯)。連続中年夫婦殺人事件の一環と工作
・青野武(ハイトマイヤー/24話):山荘の老人。ハノーファーのとある組織のナンバー2までのぼりつめた
・弥永和子(偽マルゴット/25話):お金持ちシューバルトから金むしり取ってたでっぷり娼婦
・中島聡彦(リントナー父/27話):カール(シューバルト)育ての父
・田の中勇(老人/34話):ベトナム人女医のもぐり診療所待合室にいた老人
・川久保潔(ガルブレヒト院長/40話):グリマー初登場時にいた某孤児院の院長
・杉田郁子(スーク刑事の母/-):プラハ署スーク刑事の母。アルツハイマー進んでましたね
・矢田耕司(ムスタファ/-):チャペックを殺そうとした幼馴染ミランのとこの居候の一人
・たてかべ和也(老人/68話):物語最後の地ルーヘンファイムでアル中や少年にこっそり銃を渡す人{/netabare}

 繰り返します。遺言です。


結局全74話を連休利用してほぼ3日で完走。いやー内容を若干うろ覚えだったとはいえ引き込まれました。超満足!お腹いっぱいです。



※余談

■同世代

たぶんこれもきっかけの一つだと思います。
『ハイスコアガール』の時も感じたんですがほぼ同世代なんですよ。ヨハンとアンナ(ニナ)の双子とね。
同世代の子がこんな過酷の運命を背負わされてるんかー!って謎の一体感もあるし、いい歳したおっさんが回顧がてらにってのもあります。
ブロンド美女学生設定であるアンナさんも40代半ば。同い年アンジェリーナ・ジョリーの現在の御姿をみるにいい歳の取り方してたらいいなぁと彼女の幸せを願わずにはいられません。


■チェコ好き

たぶんこれもきっかけの一つだと思います。
リアルでプラハ訪れた時に“蛙3匹の看板”探したことは内緒。欧州の中でもお気に入りの地の一つです。

{netabare}OP映像に“カレル橋”映ってましたよね!?{/netabare}



視聴時期:2021年11月

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2021.11.14 初稿

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

我ながら、最近こういう「アニメに関係の薄い雑談レビュー」ばかりだな~(自爆)w

[文量→大盛り・内容→雑談系]

【総括】
浦沢直樹さんの代表作のミステリー漫画が原作。

原作全巻持ってます。よって、途中断念しています(アニメの出来に興味があり、数話観ただけですからね)。

アニメーションの出来としては悪くないと思いますよ。作画とか演出とか音楽とか、そういう部分で「は」文句はないっすよ。

レビューでは、「浦沢直樹さんの作品(漫画)に対する私見」と「アニメや漫画、映画等の表現媒体による金の稼ぎ方」などを、かなり批判的に書いてるので、本作がお好きな方には合わないかもしれませんね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
浦沢直樹さんの漫画は、「YAWARA!」「MASTERキートン」「Happy!」「MONSTER」「20世紀少年」「
PLUTO」と全巻読んでいる。

なんだめっちゃ好きじゃん、となりそうですが、実はそうでもない(笑)

いや、厳密には「めっちゃ好きだった」

「YAWARA!」「MASTERキートン」「Happy!」

までは楽しく、「MONSTER」「20世紀少年」でガッカリ、もう読まないかな、という感じだ。

多くの方が指摘されているので今更なのだが、本当にこの人の作品は、「読んでる最中は最高に面白く」「読み終わると最高にガッカリする」ことが多い。

これをどう評価するか。「盛り上げた方が異常に上手い」とするか、「畳み方が異常に下手」とするか。

いや、個人的には、「畳むつもりがない」を推したい。「20世紀少年」のラストには驚愕したが、(私は)その後に読んだ「MONSTER」で、「常習だったのか」と思った。

これ、漫画だから許されている手法じゃないかと思う。もしくは、ドラマ。つまり、「連載形式」。

アニメ、漫画、小説、映画、ドラマ。

様々な媒体がある中で、どう、お金を回収するか。

アニメは、視聴終了後に円盤やグッズ、イベントなどでお金を落としてもらう必要がある。が、「最終話でガッカリした作品」に、誰がお金を使うだろうか? 「ウマ娘2」が好例で、誰もが感動するラストで、まだこの世界に浸っていたいと思ったから、あれだけゲームに流れたのだろう。お見事としか言いようがない。

映画や小説の場合、「クチコミ」が大事だと思う。「カメラを止めるな!」が好例だと思うけど、初動が鈍くても、その作品を観終えた人が高評価し、SNSでバズったりマスコミが取り上げることでロングランすれば、お金は回収できる。小説なんて、名作認定されれば数十年単位で売れ続ける。

しかし、漫画やドラマは違う。

ドラマの場合、円盤の売上というよりは、スポンサーがどう金を出すか=放送中の視聴率(CMの稼働数)が大事。これは、「あなたの番です」が悪例で、最終回であれだけ(悪い意味で)期待を裏切られても、それまでの2ヶ月半ですでに(CMをたくさん観てもらうという)目的の9割は達成できているわけで。最終話がつまらなくても、まさかスポンサーのイメージが落ちるわけじゃないし、続編は作れなくても、新作の別物つくれば良いわけで。「ヤリ逃げ」がかなり許されてしまう媒体だと思う。

漫画もそう。連載中に盛り上がれば、掲載雑誌は売れ、単行本も売れる。最終回がつまらなくても、まあそれまで単行本を買い続けた読者ならとりあえず最終巻も揃えるだろう。それで、「オチがつまらない」と悪評が立ったところで、困るのは中古本屋くらいで、作者の懐は痛まない。勿論、完結後の重版はされにくくなるだろうけど、長期連載していれば、それまでの数年間は売れ続けているのだから、充分に元はとれている。

よって、「畳むことを想定せずに、風呂敷を広げるだけ広げた作品」の方がむしろ、大ヒットしてしまう現象が生まれやすい媒体だと言える。

先日私は、「ベルセルク」のレビューに、「未完であっても、それまでの長い間に楽しませて頂いただけで満足。感謝しかない」と書いたが、それとは全く別次元の話で。

「ベルセルク」のように、「完結したくても、出来なかった」作品は、どうしようもない。それはそれできちんと受け止める(他にも、雑誌の廃刊とか、作者の健康問題。広く言えば、打ち切りなどもこの部類です)

最悪、「力不足でまとめられない」のも、まあ、仕方がないと思えなくもない。

しかし、本作、また、「20世紀少年」と2作もくらうと、これは意図的なんじゃないかと勘繰ってしまう。まして、これだけ実績ある漫画家である。

いや、浦沢さんに、そこまでの悪意があるとも思ってないけどね。もっと単純な話で、「余韻」や「考えさせるラスト」を勘違いしてるんじゃないかとも思う。

「YAWARA!」のようなスポ根(恋愛モノ)は、ある意味畳み方は簡単で、「優勝」と「結婚」には誰でも納得する。それを、「テンプレ」とか「既視感」「予想の範囲内」と言う人は少ないだろう。だから、浦沢さんの「盛り上げる才能」がよく生かされているのだと思う(そういう意味でも、「スラムダンク」は凄いが。あのラストの展開なのに、大満足させてるからねw)。

「MASTERキートン」は、そもそもが短編集みたいな作品であり、1話完結の中でラストも決まっていた。まあ、芥川龍之介みたいに、短編は神がかり的に上手くても、長編はそこそこっていう作家もいるし、そういう才能の持ち主なのかもしれない。

ミステリーは、ここが難しい。「期待通り」過ぎるなら、「予想の範囲内」だし、「予想を裏切って」も、「納得できない」なら、やはり駄作になる。

「誰もが予想できず、誰もが納得するラスト」を考えるのは、本当に至難の技だ。自分に出来るかと言われたら絶対に無理。でも、プロにはそこに期待したくなってしまうのも、人の性。

ただ、、、俳句の下五で裏切られる、とはやっぱり違うわけで。あれは数秒で読めるから腹立たないけど、漫画は、長期連載になると十年近いからね。「その時間返せよ」となる気持ちも出てくる。

勿論、私に読解力が無さすぎるだけで、このラストを余韻や考えさせられるラストと捉える方もいっぱいいるのだと思う。アニメ含め、エンタメなんて嗜好品だから、自分が好きならそれで良いし、嫌いならそれでも良い。

少なくとも私には、「ただのガッカリラスト」でしかないんですよね、本作は。それだけですが、ミステリーはそれだけで全部が台無しになってしまうジャンルだと思っています。好きな方には申し訳ないm(_ _)m
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

66.3 23 陰謀アニメランキング23位
ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド(TVアニメ動画)

2010年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (491)
3169人が棚に入れました
高校生・鏑木アキラには、幼い頃に交わした約束がある。彼の正体は狼男であり、その約束とは夜の眷属の王・ヴァンパイアの女王に仕えるというもの。そしてアキラの前に今、昔と変わらぬ姿の少女が現れる。彼女こそヴァンパイアの女王・ミナ・ツェペッシュだった。
日本に現れた彼女の目的は、ヴァンパイア達の専用居住区、ヴァンパイアバンドを設立する事。戸惑う人間達、そして、彼女を快く思わないヴァンパイアの勢力はミナの命を狙う。アキラは幼い頃の約束を守り、人狼の騎士として彼女を守ることになる。

声優・キャラクター
悠木碧、中村悠一、斎藤千和、甲斐田裕子、伊藤静、小林ゆう、喜多村英梨、渡辺明乃、谷井あすか、中田譲治

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

幼い頃に交わした誓約に基づき、自ら従僕となることを望んだ少年とヴァンパイアの女王との恋の物語…

この作品の原作は未読です。
私がアニメの視聴を本格的に始めたのが2012年ですが、最初の頃に視聴した作品です。
そしてアニメにドップリ漬かる道に舵を切ることとなった作品の一画となっています。
当時、そのくらい影響を受けた作品でしたが、今考えると監督が新房さんで、アニメーション制作がシャフトさんだったら、相応の衝撃を受けてもおかしくないと思います。

dアニメストアで「おおかみかくし」の視聴後、次にお勧めの作品という感じで3作ほどピックアップされた中に本作品を見つけ、懐かしさも相まって視聴することにしました。


普通の高校生活を送っていた鏑木アキラ。
しかし彼には幼い頃に交わした誓約があった。
それは夜の眷属の王・ヴァンパイアの女王に仕えるといういうもの。

あるときアキラの前に一人の少女が現れる。
その少女こそが古の契約の王女、ヴァンパイアを統べる
孤高の女王にして夜の闇に君臨する少女ミナ・ツェペッシュだった。

日本に来た彼女の目的は、
ヴァンパイア専用居住区=ヴァンパイアバンドを設立する事…。
空想と思われたヴァンパイアの出現と、日本における特区の建国。

戸惑う人々はヴァンパイアと共存すべきか否かを模索し、
そして対立するヴァンパイア勢力は、
女王の座を降ろさんとミナの命を狙う…。


TOKYO MXのイントロダクションを引用させて頂きました。
この作品が放送されたのは2010年の冬なので、もう10年以上前になります。
先日視聴した「おおかみかくし」でも思いましたが、10年経っても残っているモノなんですね。

視聴したのは8年ほど前になるので、内容はほぼ朧気にしか覚えていません。
また、その頃は声優さんにも疎かったので、本当に右も左も分からない状況でした。

物語は、真祖の血脈を受け継ぐヴァンパイアの女王であるミナ姫と、幼い頃にミナ姫と出会い、彼女の傍にいることを約束した人狼の少年アキラが、お互いの絆を深めていく一方、ミナ姫の目的であるヴァンパイアバンドの設立を巡る攻防、そして、真祖を巡る血の陰謀など、内容は盛りだくさんです。

今回改めて視聴して思ったのは、一応アニメの展開上は終わりを迎えましたが、それが物語の終わりでは無かったということ…
それにメッチャ大きな謎を残して終わってるじゃありませんか!
原作はいずれも完結しているようです。
伏線が殆ど回収されていないので続きが気になって仕方ありません。

これまで、原作の完結から相応の時間を経てアニメ化されている作品が幾つかあります。
「フルーツバスケット」や、「うしおととら」などが該当すると思います。
どちらもしっかり腰を据えて制作された作品だと思います。
原作の販促目的のアニメと合わせて、原作が完結している作品も是非検討の遡上に挙げて欲しいところです。

オープニングテーマは、中野愛子さんの「フレンズ」
エンディングテーマは、hibikuさんの「爪痕」
最終話はオープニングとエンディングが入れ替わっていました。
記憶に残っていたモノの一つがレベッカの楽曲をカバーしたオープニングです。
レベッカとかムッチャ懐かしいんですけど^^

1クール全12話の物語でした。
今回視聴して一つだけ思ったことがあります。
主人公であるミナ姫の声優は碧ちゃんですが、本作品の第9話のタイトルが「ワルプルギスの夜」なんです。
この頃から碧ちゃんと「ワルプルギスの夜」って切っても切れない関係だったんですね^^;
しっかり堪能させて頂きました!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

一族の長の苦悩、計算された(?)金髪幼女設定

【レビューNo.14】(初回登録:2023/1/5)
コミック原作で2010年作品。全12話。
YOUTOUBEで「1話で騙される超展開アニメ」で紹介されていたので視聴。
シャフト制作。

(ストーリー)
主人公は金髪幼女のヴァンパイアの女王「ミナ」。
物語の格子は下記の通りですかね。
{netabare}・「ヴァンパイアバンド」建国
 「人間とヴァンパイアの共存」を実現するため、ミナはヴァンパイア
 の女王として、ヴァンパイアが安心して暮らせる世界「ヴァンパイア
 バンド」を東京湾の人工島に建国することに邁進します。
 そこには日本政府との政治的な駆け引きだったり、また因縁の「真祖」
 と呼ばれる三支族との権力闘争といった要素が加わって・・・
 彼女は時に非情な決断を迫られることになります。
・人狼・アキラとの愛と絆の物語
 記憶を失って普通の高校生活を送っていたアキラですが、過去にミナとの
 盟約(永遠に女王に仕える)を交わしていた。その記憶を取り戻した今、
 二人の絆の物語が動き出す。
 作中では恋愛描写的な感じが多いですが、実際はそれよりも大きな愛・
 絆的なもののような?
・バトルアクション&ホラー
 異能の力を持つヴァンパイアや人狼たちのダイナミックなバトルシーンも
 この作品の見どころとなります。
 あとヴァンパイアが人を襲っていくホラー要素もぶっ込まれているかな。{/netabare}

(評 価)
{netabare}ストーリーを見たらわかるように、1クールの中に結構いろいろ詰め込んで
いるのでちょっと苦しいかなって感じる部分はありますね。
特に三支族の話は、ヴァンパイアの女王であっても彼らの後ろ盾がないと
その権威を保つことができないらしいのですが、非常に分かりにくいです。
そういう意味でもシャフト独特の演出を入れつつ、上述要素のバランスを
保ちつつよく1クールでまとめたなと感心します。

個人的にこのアニメの一番の見どころは
「ヴァンパイアの女王「ミナ」の抱える苦悩や葛藤~心の強さと弱さ」
それを見事に魅せてくれた悠木碧の快演だと思います。

一族の長として彼女には皆を守るという重責があり、また理想実現のため
に清濁併せ呑み、時に非情な決断を下さねばならない場面もあります。
彼女は常に強くあらねばならないのです。でもその反面本当は誰かに
支えて欲しい、特にアキラにはずっとそばにいて欲しい、そして汚れた
自分を本当はアキラに見られたくないという心の弱さも併せ持っています。

それを効果的に魅せるのが「金髪幼女」設定なのです!
(まあ本当は400歳位らしいのだが)あの幼い容姿で凛として振舞うから
そのギャップで彼女の強さが引き立つのであり、またその幼さは彼女自身
の弱さの象徴でもあるともいえます。
正直最初は金髪幼女設定にあざとさを感じていたのですが、悠木碧の演技
を観るにつれ腑に落ちました。
まあ本当に原作者にそういう意図があったのか知らんけどw
(あと種族的な設定で子供を産まねばならないらしいが、体が成長して
 いないから産むことができないという口実に使ってる部分もあるらしい){/netabare}

上述の通りいろいろな要素を詰め込んでいるため、人によっては捉えた方
が違ったり、途中から「なんか思ってたのと違う」と感じる人もいるかと
思います。それでも個人的には高評価で観てほしい作品ですね。
あと「1話で騙される超展開」については、作品を見てのお楽しみ(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

らしたー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

「租界をつくるのじゃ!」「そうかい」

まあ、指導者ミナ・ツェペッシュを眺めるお話でしょうね。

OPの「フレンズ」だけは納得できなかったなあ。
カラオケで必ず歌うやつがいるから、こんなとこでまで聴きたくねー。
さすがにそこは1曲作ろうや。作品内容とあってるとも思えないし。

内容的には、吸血鬼が日本の埋立地に血族の租界(ヴァンパイアバンド)を作るというお話。
要素としては[微エロ、一人称ワラワなロリ、人外、アクション]あたり。
2話の時点でいろいろ、このご時勢アウトくさい描写が出てきて、これどーなのよと。
全体的には、まあわりと無難な感じになってはいたが。
ときどきあるアクションシーンはいいアクセントになっていたように思う。

興味深いのは、おとぎ話の存在であったヴァンパイアが、
突如表立って人間社会に存在と主張を展開する、そのやり方でしょう。
けして暴力一辺倒で破壊と混乱を招くのではなく、
表面上は交渉可能な相手を装いつつ、資本主義国家の首根っこを押えてくるなど、
硬軟織り混ぜてよく考えてるなあと。
たぶん、あれをやられるのが一番効果的で、怖い。

『シャングリ・ラ』の感想で、アニメの組織描写について与太話をしましたが
本作におけるヴァンパイア組織の描写はそこそこ洗練されたものを感じました。
血を吸うだけがヴァンパイアではない、と。
そこの意識の高さは個人的に高く評価したい。

各話の脚本はそれなりに出来が良く、それとはべつに、
主要人物の設定含め、コアな部分を視聴者に握らせないまま
ズルズルと話を引っ張っていく構成が、なかなかお上手で。
あらゆる物事が、核心を残して周辺部分だけ埋まっていくので、
意外と途中でドロップアウトできない感じ。

なんだけど。
すごく「コントロールされたシナリオ展開」という印象を受ける反面、
キリキリと物語のテンションをあげていく、
燃え上がる感じが今一歩足りてないのではなかろうかと。
明らかに終盤の加速感が足りない気がするのよね。

マクロスFやギルティクラウンの吉野氏が、シリーズ構成を務めつつ、
自身が直接、各話の脚本の8割がたを手がけている模様。

どうにも評判は芳しくないようですが、なかなか端正な仕上がりの佳作かなと。


●どえらく評判の悪い第1話について

なかなか面白い切り口で世界設定の提示と今後の期待感を織り込んでおり、
むしろ良く出来た第1話と思っている。
スタートダッシュにおいてどれだけ「基本的なもの」を
広く浅くタッチできているだけを、自分は見ちゃったりするので。

基本的なものってのは、たとえば
舞台となる社会の価値観や成熟度であったり、独自設定の枠組であったり、
あるいは作品の通俗性の度合いであったり。そのへんのことで。
2話目以降にガツンと走っちゃっても視聴者を置いてけぼりにしない仕込みが
ちゃんとできているかだけを考えてしまう。

で、悪いクセなのか、それらをけっこう項目ベースで評価してしまう。
いざ絵と声が乗ってアニメーションとなった際に
アニメ好きな人の目にどう映るのだろうとか、あんまり想像できない。
根本的に自分はアニメってものに対する情熱やこだわりが足りないんだろうなと。
ほんと、いろいろ勉強になります。

ていうか、この第1話、アリだと思う人は、
けっこう自分と似たスタンスでアニメに接してる方なのかもしれない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

75.0 24 陰謀アニメランキング24位
ありふれた職業で世界最強(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (664)
2959人が棚に入れました
“いじめられっ子"の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ。異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい――!?脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす――。「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう」奈落の少年と最奥の吸血鬼による“最強"異世界ファンタジー、開幕!――そして、少年は“最強"を超える。

声優・キャラクター
深町寿成、桑原由気、高橋未奈美、日笠陽子、大西沙織、花守ゆみり、加隈亜衣
ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6

原作と脚本と作画三拍子揃った低品質

原作未読で取り敢えず一話を見てみた

意味が、わからない……
クラス転移の経緯がOPで済まされる百錬形式ってのもさることながら、
「錬成師」ってのがどういう職業なのかも、ありふれてるって部分もよくわからない
ついでにいじめも陰謀も描写が一瞬程度だから主人公が闇落ちする理由も薄い
というか時系列が無意味に行ったり来たりしすぎて何を語りたいのか分からない

あらゆるなろう系のなかでもダントツに説明が不十分だし、ダントツに描写自体つまらない
盾みたいに這い上がるのを楽しむんだろうけど、そもそも虐げられる描写が薄すぎてテンプレをなぞる意志しか感じられない
オマケに「錬成!錬成!」とか叫んでるシーンも滑舌が微妙な上に場所のためか録音のためか反響が酷くて「先生!」連呼してるようにしか聞こえない

面白かった点は主人公が異常なまでに現状解説をし続けてくれるところかな
「左腕を食われた!」なんて言ってる場合かよ失血死するやろ!みたいな
「ナカノヒトゲノム」よりずっと実況のクオリティが高いのは思わず笑ってしまった

2話、3話視聴
{netabare}最終話まで2話以降の感想を書く気が無かったけどあまりにもあんまりなので追記
一言で言えば「センスの無さの見本市」

1話でおざなりだった転移の経緯が2話で軽く回想される
まあそのくらいしてくれないと意味不明なだけだしそこは当然
ただ、シナリオの進行上主人公とその他クラスメイトは別行動をとってるわけで、主人公視点の回想じゃないと意味がないだろうと

ダンジョン突入までの主人公の具体的な境遇はカット、転移直後の混乱や職業差別の描写はカット、メインは担任が萌えキャラめいたデザインだってことだけ
1話に登場してない担任の容姿なんざ誰が興味持つんだと
あのデザインだしOPにもでてるんだしどうせヒロイン紹介なんだろうけど、それならせめて主人公視点で回想して、主人公との繋がりを見せろよと
勇者()の道化ぶりと担任のヒステリーだけは伝わったけど、そこに主人公の思考が入らないから主人公の豹変の説明には全くなっていない

というか女キャラが負傷したわけでもないのに何日も眠り続けるとか最早病気だろうと
心労とかそんなのを考慮しても「ショックで何日も意識を失ってました!」なんて有り得るわけないだろうに
というかせっかく挿入した回想ですらこの女キャラと主人公の接点が描かれないから、何日も寝込むようなショックを受ける理由すらあやふやなまま

あとは主人公の行動
各種武器を作れる理由はもう(どうせ理由もないだろうし)気にしないけど、「裏切られたの!」の一言で全部信用するとか有り得ないだろうと
自分自身が裏切られたから同病あい哀れんでってことだろうけど、急激に性格が変貌するような人間不信なのになんで簡単に言い分を信じるんだ?
あれか?裸で金髪で幼女だからか?そのくらい性欲に正直な方がよほど理屈が通るくらいのチョロさ
オマケに強力な吸血鬼を封じるための枷すら簡単に破壊するわけだけど、能力の汎用性高すぎるだろうと
魔物食べただけでそこまで変貌するならそんな職業どこも「ありふれ」て無いだろうと
性格・行動・能力のどこを見ても滅茶苦茶で、どこぞの賢者の孫の方がまだ理解できるレベル

ついでに触れるとお前の故郷どこだよと
自分の故郷の言葉として「月=ユエ」なんて名を吸血鬼に付けたわけだけど、お前の故郷ってのはCCさくらの漫画の中なのか?
そのまま中国語ってことでも良いけど、その場合お前中国人だったのかよっていう疑問すらある
故郷=地球、人類みな兄弟!みたいなグローバル思想でも持ってんのかもしれないけど、お前それなら帰ってきた先がヨーロッパでも帰郷の実感をもてるのかと
銃に名前を付けるくらいの中二病患者だし、発言の一切が雰囲気だけのものって可能性が一番高いのがなによりアホらしい

あとは3話の戦闘全般
吸血鬼のユエはいくら何百年と封じられていたにしても弱すぎるだろうと
最上級魔法があまりにも弱い
弱点を狙ったとは言え、主人公の銃で一撃で倒せる相手に最上級魔法2発撃ってダメージは殆ど無しって…
強大な力を持っているから封じられたにしては弱体ぶりが酷い
新メンバーの強さを示す格好の機会なのに、そこすら見せ場を主人公に譲って仲間は無能として描かれるのは孫と共通する

あとは寄生植物戦
何簡単に吸血鬼が寄生されてるんだと
さっきも言ったけど、お前あまりの強さに封印されたんじゃなかったのかと
オマケに主人公は「魔物を食べてたから耐性が付いてた!」で寄生を無効化するし…
なにが問題って、寄生植物の能力は「魔物を操る能力」なわけで、操られる側の魔物を食べたところで耐性が付くわけがない
ここも、
「主人公は寄生されるけど、吸血鬼は上位種だから操られることなく主人公を助ける」
とすれば武器の威力で勝る主人公と、種族としての基本スペックで圧倒する吸血鬼って差別化ができただろうに
役割分担が出来ないならキャラを増やすなとしか言えない

ついでに作画が酷い
描きにくいだろう部分はざっくりカットして適当に繋ぐ、ちょっとでも動きを見せないといけないものはCGで誤魔化す、そんなんばっかり
主人公に刺さった杭が、抜けたとたんCGになって落ちたのを見たときはさすがに真顔になった
しかも発泡スチロールみたいな軽い動きで跳ねるし…
止め絵できれいに見せかけて、その実作画枚数を極端に削ることに執心してるのが見て取れる

音楽もセンスがない
いや、正確にはお洒落でセンスのある曲なんだけど、この作品には壊滅的に合わない
なんでイキリ主人公がドヤ顔で戦闘するシーンがムーディな曲なんだと
BEMみたいに世界観自体をお洒落にしようとしてるならともかく、そういう要素が皆無なのに曲だけ力を入れてダダ滑りしてる印象
加えて言えば、全編曲の雰囲気を統一すればいいのに、戦闘が終わる直前になると何故か普通のバトルアニメみたいな曲に変化するのも意味不明

あまりにも酷いから吐き出せるだけ吐き出したけど、要するに
脚本の視聴者への配慮の無さ
原作のシナリオの甘さ
作画の作り込みの甘さ
音楽のセンスの乖離
これら諸々が一通り揃ったような出来映え
こう言ってはアレだけど、このアニメで唯一面白いのは雑さの粋を極めたアイキャッチだけだと思う

こんな適当をやって枠をつぶすくらいなら邪魔にならないようOVAでひっそり作ってひっそり消えろと言いたいレベル
{/netabare}

最終話視聴
{netabare}評価については3話視聴時点と特に変更なし
気持ち悪い展開がより重篤さを増したな、という程度
ウサギの追加以降完全にハーレムアニメにシフトしていったけど、ハーレム展開が始まってからのほうがずっとキツかった

スマホ太郎くらい機械的にハーレムを収集する展開なら「馬鹿だなぁ…」と思いつつもまだスルーできる
そもそもスマホ太郎って、あの世界で生活するために繋がりを作って色々やっているからある意味ハーレムを作ろうが問題ないところがあるし
ただ、この作品の場合最終目標が「故郷(地球)に帰る」なわけで、そんなとこに化け物集団を引き連れるなんて控えめに言ってもアホかと
吸血鬼はまだ見た目に問題がないからともかく、ウサギ人間なんて即通報モノじゃないのかと

というかそういう諸々を全部無視したとしても、あのハーレムの作り方は本当に気持ち悪い
主人公が「好きなやつがいる」って言ったそばから「それでも良いからハーレムに加入する!」で主人公がやれやれ顔するって…
「俺は止めたのに女から寄ってきちゃうよーモテて困るわー」って普通に考えると気持ち悪いし最高にかっこ悪いと思うんだけど
主人公・ヒロインの性格や振る舞いも含めて作者の性癖披露会の場にしかなってない

あと、同級生ヒロインへの義理立てだけが目的で馴れ合うつもりが無いって言うなら義理立てを済ませたあとはサッサと帰れよと
同級生相手にマウントとってイキって悦に浸るためだけに同級生とのんびり帰るって思い切り馴れ合う気満々だろうと
「関わりたくないけど優しいから関わっちゃったーやれやれ強い俺ってば頼られて辛いわー」だけで最終話を終えるとかどういう神経してんだか

主人公の性格があまりにも場面ごとに一致せず、言行に一貫性がなく、そのくせ自尊心ばかり大きいのは純粋に不快
その点話はグチャグチャだけどストレスが溜まることがないだけチート魔術師のが若干マシだった
{/netabare}

そういうえば二期が決まったんだとか
どういう神経していればこれの二期なんかやるんだろうと思ったけど、最終話を見て納得した
これ、戦闘シーンがほぼ動かないから作画枚数殆ど要らないんだわ
基本は止め絵で、動くシーンはキャラが一人でクルクル回る場面くらい
あとはカットの切り替えで動きは全部省略
おかげでお絵かきして色塗りパパっと済ませるだけで寄ってたかって「作画綺麗!」って褒めてもらえる
そういうコストの安さと引き込んだ声優のラインナップで視聴者を釣り上げて、中身がどんな汚物でも評価してもらえるってことなんだと思う

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

いつもの

1話感想{netabare}
なんかおっかなびっくり状態で前情報はなるべく入れずにアニメを視聴。
「ありふれた~」って言うから農家かな?と思ったら全然違ってた。
どこがありふれた職業なんだろう?

まぁそんなことよりもですよ、よしもときんじ+アスリードじゃねーか!
よ し も と き ん じ じゃねーか!!!!(二度目)
うっわこれズルい、「あははこの人じゃしょうがないw」と何やっても許せちゃう監督じゃん。
アームス(アニメスタジオ)はやってるんだかやってないんだか分からん状態だし、アスリードってポストアームスよね、これも文句言いにくいw
ってかそういう文句言われにくいスタッフを選んだ?(言われにくいというか、言い疲れちゃったというか…ISUCAとかsin七つのナントカとか)
あいや、“勇しぶ”は結構マトモだったと思うけどね。
さすがにアニメ業界も手を打ってきてる…のか?
“バルキサス”の流れから考えると適任だったりして。

ってことでカット割りがおかしいのはいつものことです、もう監督の名前見た時点で諦めるしかない。
むしろ乳首出なかった方が異常にすら思えるw今後出るのか?(出ても光ってるけど)
レベルアップってそういうことじゃない…そもそも「経験値ってナニ?」ってとこから説教かましたいけどそれはよしもときんじも分かってるでしょう。
まだ始まったばかりであまり言うことも無いけど、コッソリ梅津泰臣が参加するなんてこと、ないかなー?
…ってかアームスって今どうなってんの?{/netabare}

5.5話までの感想{netabare}
えっ、このタイミングで総集編!?
リアルの事件に配慮してってことではないっぽい。
しかも監督がよしもときんじって…これはどうしても“sin七つの大罪”を浮かべてしまうんだけど…あっちは4話と10話の後に総集編や特番だったか。
そのうち声優にボーリングやビリヤードやらせるのかな?…アートランド…うっ頭が。
いやまぁこういうのって経営?が悪くて監督に責任あるかどうか不明だけどね。
作画崩壊で有名な“いもいも”は監督が制作の社長なので言い逃れできないけど、よしもときんじは経営に首突っ込んでるのかね?
ひょっとして「ヤバい案件」の請負人だったりして?

ところでどれだけの方が“sin七つの大罪”を全話見たんだろう?
シリ構は別だけどやっぱり似通ってる部分はあって、分かりづらさというか表現のヘンチクリンさはどっこいどっこい。
ここに文章投稿してる方…そうでなく人と会話するだけでも「果たしてこっちの言わんとしてることは相手にちゃんと伝わってるかな?」ってのは気にすると思うのだけど、よしもときんじはどうにもそれが、変。
必要なカットが足りてなくていちいち脳内補完が必要で、それでもsinは「毎回新悪魔の紹介してけばいい」という大雑把な条件をこなして一応サマにはなってた。
が、こっちは…うわぁい。

と、ちょいと気になって更に調べてみたら、監督よしもときんじ作品には鈴木雅詞がシリ構やってる作品が多いみたい。
先のsinもシリ構じゃなくてメインライター名義だけど組んでる、ああ全然気にしてなかった…。
それ誰?というと空鍋で有名な“シャッフル”や“GIFT”の人…“みなみけおかわり”の方が有名?
キャラを闇堕ちさせるのが持ちネタみたいで、以前やってた“ロードオブヴァーミリオン”も作品としてはイマイチだったけど、今改めて思うと「全キャラ初期段階から闇堕ち状態(頭のおかしい不愉快なヤツしか居ない)」ってコンセプトなのだとしたら徹底してたなぁ、と。
この作品にうってつけじゃん!と思うのだけど、よりによって別の人…な、なんでー?
ってことで、鈴木雅詞がシリ構やってたらもうちょい見れたモンになってたんじゃないかなー?と思うとちょっと残念。

あーそうそう内容についてだけど、総集編やったお陰で話が理解できた気分。
最初からこの展開・時系列順で本編やれば良かったのに…と思わなくもない。
逆に時系列ゴチャゴチャいじくってたのはキャラの性格に一貫性がなくて矛盾が生じるのを誤魔化すためだと思うのだけど、総集編をやったせいで暴いてしまったような?
い、いいのかこれ?{/netabare}

6話感想{netabare}
うわぁ、このウサギのノリは…“サムライブライド”のカネツグや“sin七つの大罪”のレヴィアタンだ。
何度か別の作品の感想で書いてるけど「残念キャラ」が自爆かますネタは嫌いじゃないのだけど、それが行き過ぎてキャラいじめになってるアレ。
ウザいを通り越して「なんでそこまで不快に描いちゃうのよ」と、見てるこっちが頭抱えたくなるアレ。
sinに関しては↑で散々挙げてる通りスタッフが一部一緒だし分からんでもないが、サムライブライドは…アームス繋がり?え、ここで!?
なんでこう行き過ぎたキャラいじりをやってしまうんだろう、これに関しちゃ原作関係なくアニメ制作側のやらかしだと思うのだが。{/netabare}

最終回感想・総評{netabare}
いつものよしもときんじ。
絵描き上がりの監督…特にバイオレンス&エロスをメインとした人、梅津やバリの延長線としてはこんなもんかと。
だからといって評価甘くする気も無いのだけど、アームス・TNK・アスリード辺りはもう「こういう作風」として確立してると思った方が気が楽かと。
そうさねぇ、一騎当千とクイーンズブレイドとハイスクールD×Dを全部と、ついでにサムライガールズ・ブライドとsin七つの大罪と閃乱カグラ東京妖魔編も見れば「いつも通りっスね」で殊更に批判するのもバカバカしくなるというか。
(一騎当千に関してはシアの声が浅野真澄に聞こえて仕方無いのも手伝ってるかも?)
1話の意味不明さも“プリズムアーク”(監督:バリ)に比べれば生っちょろいし、説明の下手さも“弁魔師セシル”(監督:梅津)の有罪判決後の扱いの表現に比べれば全然マシ。
むしろ上記の一連の作品群の中ではWHITE FOXの力か作画良い方だったりするもんだから、これまた余計に酷評しづらい。
敢えて言えば「乳首シーン無いじゃん」って方のが気になる、というか評判悪いのは乳首が無いから?とさえ思えて来たり。
いわゆるお色気アニメとしては及第点だけどそこからお色気を抜いた感じで、果たしてそれで何が残るの?と言われるとなんとも言葉に詰まる。
あと同期に“異世界チート”が放送されてたのも大きいかなぁ、あっちは「まともに“アニメーション”を作る気はありません」って態度で、それに比べれば大分マシ。

内容に関してはハイDと良い勝負かと。
おっぱいおっぱい煩かったのを「ふっ」に置き換えて、部長一筋だったのを子猫一筋にした感じ。
但しやっぱりミュウはキモいね、SAOのユイか“盾の勇者”のフィーロと同じ声優使ったら逆にウケたんだがさすがに避けた?
ってかよしもときんじ監督作品だと小倉唯って“機巧少女~”の小紫や“sin七つの~”のバブやってて結構馴染みがある感じ、一方日笠はどこにでも居る感じ。
そうそう、それと同期放送の“コップクラフト”に川村敏江が居てビビったんだけど、こっちでも9話で関わってるらしいのだがそれは驚かななかった。
“ロードオブヴァーミリオン”の鈴木雅詞繋がりか、普通によしもときんじが顔広そうなので。
でもってこれ以上の内容については二期を見てからかな~?
二期決定といっても別にアニメの評判が良くて決定したんじゃなくて最初から決まってたことでしょ、BD発売決定ってのと同じ。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

つまらないけど、一応最後まで見る

虐げられるところとか迷宮から脱出する過程とか割と大事なところをあっさり流しているせいなのか、全体的に構成が微妙で話がよく分からない。つまらない。それでいて、無駄な好奇心から最後まで見てしまう。
むしろ、原作を改悪しているのでは?わざと面白くないように作っている気がする。同じ時期にやってた異世界~も一緒な気がする。
制作側からの挑戦だね。←一体どこに対して?

自宅のエアコンつけたら、ゴキブリが落ちてきて頭からその光景が離れない。そのせいでつまらないと感じたんだろうな。いや、絶対違うな。でも、どこが具体的に面白くなかったか指摘できるほど見てない。割と流し見だったから、フィーリングの問題か。登場人物がごちゃごちゃしているような。そこかなあ。
それでいて、2期決定とはやりますねぇ!!

楽曲と声優は一応評価できる。

OP
FLARE 歌 Void_Chords feat.LIO
ED
ハジメノウタ 歌 DracoVirgo


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
“いじめられっ子”の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ。異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい--!?脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす--。「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう」奈落の少年と最奥の吸血鬼による“最強”異世界ファンタジー、開幕!--そして、少年は“最強”を超える。

1. 第1話 奈落の底の化け物
クラスメイトと共に異世界へ召喚された”いじめられっ子”の少年・南雲ハジメはクラスメイトの裏切りにより、迷宮の奈落へ突き落とされてしまう。奈落に潜む魔物に襲われ、必死に逃げるハジメ。しかし、錬成師という地味な能力では太刀打ちできるはずもなく、重傷を負ってしまう。異世界でも最弱の彼は心身共に絶望の淵に立たされ--。

2. 第2話 パンドラの箱
「邪魔するものは誰であろうと必ず殺す」--生きて帰るため、そう誓ったハジメ。変貌を遂げ、強化された能力で錬成した武器・ドンナーを使って、次々と魔物を倒しては喰らい、自らをさらに強化していく。一方、香織はハジメを失った現実を受け入れられないでいた。そして、迷宮を突き進むハジメは、異様な雰囲気を持つ扉を見つける。

3. 第3話 黄金の吸血姫
運命的な出会いを果たしたハジメと吸血鬼の少女・ユエ。突如魔物の強襲を受ける二人だが、ハジメの強化された力とユエの吸血鬼の力を合わせて退ける。お互い”裏切られた”者同士、信頼を築き始める二人。そして、地上への道が迷宮の最深部にある可能性をユエから教えられたハジメは、さらに迷宮の奥へと進んでいく。

4. 第4話 最奥のガーディアン
襲ってくる魔物を倒し、ついにオルクス大迷宮の最深部100階層に到達したハジメとユエ。そこで待ち受けていたのは、六つの頭と長い首を持ち、赤黒い目と鋭い牙を備えた巨大な化け物・ヒュドラだった。二人は錬成した武器と魔法を駆使するも、苦戦を強いられる。そんな中、ハジメはヒュドラの不意を突いた攻撃からユエを庇い--。

5. 第5話 反逆者の住処
ヒュドラとの戦いで気を失ったハジメは、見知らぬ場所で目を覚ます。ユエに尋ねると、戦闘後、「反逆者の住処」と呼ばれる場所への扉が開いたのだという。二人は地上への道を探すため、辺りを散策し始める。一方、訓練を経て強くなった香織たちは、ハジメを失ったオルクス大迷宮65階層に到達し--。

6. 総集編 オルクス大迷宮
“いじめられっ子”の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、「錬成師」というこの世界では地味な能力に加え、訓練で向かったオルクス大迷宮であるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落の底に突き落とされてしまう。絶望の淵のなか、ハジメは吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす。

7. 残念なウサギ
オルクス大迷宮からユエと共に地上へ帰還したハジメ。しかし、喜びも束の間、何やらワケありな兎人族の少女・シアと出会い、一族の危機を救ってほしいと依頼される。次の大迷宮攻略のヒントになると考えたハジメたちは彼女の依頼を受けることに。一行はシアの故郷・ハルツィナ樹海へ向かうことになったのだが--。

8. ライセン大迷宮
新たにシアを仲間に加えたハジメたちは、迷宮があると噂されるライセン大峡谷を訪れる。偶然にも迷宮の入り口を発見し、攻略に挑むハジメたち。しかし、かなり曲者な迷宮の主、ミレディ・ライセンが仕掛けたトラップに苦しめられてしまう。数々の罠を潜り抜けた先でハジメたちを待ち受けていたものは--。

9. 過去との再会
ライセン大峡谷の迷宮を攻略したハジメたちは、商業都市フューレンを訪れる。街の冒険者ギルドから、北の山脈地帯で行方不明となった冒険者の捜索を依頼されたハジメ。一行は捜索に向かう途中、湖畔の町・ウルに立ち寄る。そこでハジメはオルクス大迷宮で離ればなれとなったクラスメイトたちと予期せぬ再会を果たす。

10. 黒竜を穿つ者
冒険者捜索のため、クラスメイトや愛子先生と行動を共にすることになったハジメたち。一行は、ギルドの情報をもとに北の山脈地帯に向かう。ハジメたちはそこで魔物による破壊の跡と、かろうじて生き延びていた冒険者ウィルを発見する。話を聞くと、漆黒の竜に襲われたという。その日の夜、ハジメたちの前に巨大な黒竜が現れ--。

11. 女神の剣
美しき竜人族の女性・ティオから、ハジメたちはウルの町が魔物の大群に襲われる危機にあることを知らされる。魔物と戦う準備に取り掛かるハジメは、その仕上げとして、住民たちの前で愛子を豊穣の女神として祀り上げる。戸惑う愛子であったが、住民たちの士気は高まっていく。そして遂に、魔物の群れとの戦いが始まる。

12. 化け物たちの休日
魔物の大群に勝利したハジメたちは、ウィルを送り届けるため、フューレンの街に帰還する。愛子を救ったシアへのお礼も兼ねて、ハジメは二人でフューレンの観光区へデートすることに。デートの途中、地下から人の気配を感知したハジメは、シアと下水道を調べてみることに。そこには薄汚れた海人族の女の子・ミュウがいて

13. 忍び寄る影
ミュウを救ったハジメたちはイルワの手紙を届けるため、宿場町ホルアドのギルドを訪ねる。そこへ、必死な形相をしたクラスメイトの遠藤浩介が現れる。遠藤は迷宮で魔人族に襲われた仲間たちを救うため、助けを呼びに地上へ戻ってきたのだという。ハジメは実力を知った遠藤に、協力を求められるが--。

14. 無能の無双
女魔人族・カトレアに苦戦する香織たちの前に姿を現した白髪眼帯の少年。それはかつて迷宮の奈落に落ちて死んだと思われていたクラスメイト・南雲ハジメだった。それぞれのクラスメイトがさまざまな感情を抱くなか、かつて無能の烙印を押されたハジメが圧倒的な力で魔物たちを蹂躙していく--。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

77.2 25 陰謀アニメランキング25位
ROBOTICS;NOTES [ロボティクスノーツ](TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (1704)
8760人が棚に入れました
2019年。世界線変動率「1.048596」。フォンドロイド――通称『ポケコン』の普及により、拡張現実が身近な存在となった近未来の種子島。そんな島にある中央種子島高校『ロボット研究部』は廃部の危機に直面していた。2名しかいない部員の1人で主人公の“八汐海翔”は、こんな状況でも「ロボ部」に興味を示さず、ひたすらロボット格闘ゲームに夢中。そんな海翔を尻目に、猪突猛進のダメ部長“瀬乃宮あき穂”は「巨大ロボット完成」を目標に、目下の危機である廃部を避けるべく奮闘していた。そんなある日、海翔はひょんなことから『君島レポート』なるA.R.アノテーションを発見する。そこには君島コウという男による、世界を巻き込む陰謀の告発が記されていた。
ネタバレ

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

あきちゃんの極めてすぐれたリーダーシップに感動すた

『シュタインズ・ゲート』のようなものを期待している人は、見ても、中途半端な気分になるだけのようなので、あんまり手を出さないほうがいいかも。

見てほしいのは、むしろ、
「『タイガーアンドバニー』一話の広告のやり方がすごく面白かった!」
と思えたような人。

■リーダーシップってこういうことですよね、と。

{netabare}
わたしはこの作品を、ほとんど期待せずにみたのだけれども、予想外にかなり好意的に観れてしまった。エンディングとかに感動したわけじゃない。

なので、以下、すっげー、みなさんの求めていないであろう方向でのコメントになります。
いや、ぶっちゃけ、感動のエンドとか、期待してなかったし、後半がチグハグだったのとか、もう、はっきり言って、どうでもいいな、と思えたし。
わたしは、わたしで、ものすごく勝手に、ななめ横の方向で本作に感動しまくっていました。

何に感動したか、というと。
コナちゃんのキャラ…もよかったのだけれども、
それよりも、最高に好かったのは、
あきちゃんのリーダーシップの描写です。
いや、ね、これ、なんか、言及する人が少なすぎて寂しいのだけれど、これ、何気にすごいぜ??いや、マジで…!

こういうね、きちんと多くの人を巻き込みながらプロジェクトを立ち上げる、という困難な仕事をがんばって描写してたってけっこうレアキャラですよ…‥っ!

メイン・ヒロインのあきちゃん、は一見ただの「馬鹿げた脳天気」「無駄にポジティヴ」系のキャラに見えるのだけれども、「あっはっは、馬鹿だなぁ」と思わせつつ、この子のガッツは、きちんとプロジェクトを前にすすめるための正攻法を実践しているのだよね。

 スポ根もの(『巨人の星』とか、『カレイドスター』とか)の主人公も、何度もくじけて立ち直る話ではある。なので、そういうタイプのキャラなんだなー、ぐらいの印象で見てしまった人が多いような気もするのですが、いや、そこは、実は違うのですよ!
 だいたいのスポ根ものは、基本的には、個人の鍛錬の問題に修練していくけれども、『ロボティクス・ノーツ』の場合は、他人を巻き込みながらプロジェクトをすすめるのだから、挫けた後に弱音をみせないための努力が、またさらに一段階、高度に要求されるんです。しかも、立ち直った後、もう一回みんな説得して、プロジェクト再起動させなきゃいけないんです。プロジェクト再起動させるのとか、自分がもう一回やる気出すのとかより、ずっと大変ですよ。一度失った信頼を取り戻すことでもあるし、「またダメかもしれない」「またみんなに迷惑かけるかもしれない」って思いながら、やるんだから。すっごい辛い。

 あえて言おう!あきちゃんは、スポ根系主人公よりも上位の存在であると…っ!

 あと、「リーダー」というのは、世間一般のイメージだとドラえもんの出来杉君みたいな人とか、攻殻機動隊の草薙素子のような優秀な人材のことをイメージする人が多いと思う。

 だけども、出来杉君みたいなキャラクターは実は社会にでるとリーダーシップ人材でもなんでもない、ということがよくあるんですよ。出来杉君みたいなひとは、往々にして優秀なんだけれども、特に欲望が濃いわけじゃない。誰かに迷惑をかけてまで、かなえたい明確なビジョンがあるわけではない。そういう人は、官僚や医者にはなれるけれども、リーダーとはいえない、ただ単に優秀なだけの人、だったりする。

 じゃあ、誰がリーダーなのか。
 いろいろなタイプのリーダーがいるので、一概には言えないけれども、本作の「あきちゃん」はまさしく、優れたリーダーであり、時代を作ることのできる人材だとわたしは思います(※0)。これほど、ダイレクトにリーダシップを描いてみせているアニメは、稀有だといっていいと思う。

リーダーシップというのは、まさしくこういうものだよね。わかるわー、という感じがとにかく観ていて励まされる。何か、とても、困難なプロジェクトを自分で立ちあげて、努力した経験のある人ならば、かなり共感しながら見られるのではなかろうか、と。
 とにかく諦めない。優秀な人を巻き込んでいく。わがままを貫き通す。自分でスポンサーを説得する。課題を自ら発見し、解決する。
 ブレない。何度落ち込んでも前を向く。
 こういう人は周囲をすごくいろいろと困らせるとは思うけれども、こういう人の周囲に、きちんと優れた信頼関係にある参謀役(カイくん)が数人ほど周囲にいれば、ものごとは進むだろう。動かせるだろうとは思う。

 いろいろと、社会に出てみて仕事をすると、本当に重要なのは、「責任感」以上に、キラキラと目を輝かし続けながら一つのことを遂行し続ける胆力。これって、本当に得がたい。ぶっちゃけ、途中で落ち込むからね。時には、落ち込んだ時に、鬱になって、なかなか帰ってこれなくなったりしちゃう。根性だとかじゃ、すまなくて、ある種の「鈍感」で「無神経」なことが資質として必要とされるんですよね、こういうリーダーでいるためには。

 もちろん、実際問題としてはは、まあいろいろと突っ込みどころは、もちろんある。
 「高校在学中になんとかする」というのはたぶん無理。
 「お姉ちゃんにおいつく」という動機だけでも無理。
 ロボットについての知識があんなに乏しくても無理。
 優秀な人材をあんな簡単に揃えるのがそもそも無理。
 優秀な人材達にモチベーションを高く維持させつづけるのが無理。
 タスク割り振り等をきちんと進行管理することなく完成させるのが無理。(※1)
 スポンサーにもっときちんとしたビジョンを話せなくては資金調達は無理。(※2)

 …と、無理がいっぱい。
 だから、この話はファンタジー…です。

 でも、「無理」というは、ほんとは100%無理なんじゃなくて、80%ぐらい無理というのが正しい。20%ぐらいの細い確率で、なんとかなる。ただし、8割型無理なことが2つあれば、96%無理になる。3つあれば、98.4%無理。4つあれば、99.68%無理になる。
 だけれども、一つ一つの「無理」の確率を少しずつさげていけば、プロジェクトの成功率は10%、20%…と少しずつあがっていく。
 一度、20%まで成功したプロジェクトがあれば、次回も同じ条件が揃えられれば、成功率は40%まで上がるかもしれない。
 本作のとてもよかったことの一つは、もう一度いうけど、失敗を何度も経験すること。そこで、諦めて良い、と思えるぐらいの失敗を何度もしている。ふつう、そこで諦める。
 でも、そこで、諦めずにもう一度、前を向いて立ち上がることができる。そして、解決のための道筋をきちんとさぐることができる。自分のやりたいことの基本はブレない。きちんと、わがままに、人を巻き込む。
 他人の迷惑顧みず、とにかくドンドン体当たりで状況を切り開いていく。これは、並の人にはできない。
 これを、リーダーシップといわずして、何をリーダーシップというのか、と。
 
 こういうプロジェクトを実現するための、優秀なリーダーシップを描いた話がきちんとある話が存在していること自体を歓迎したいと思いました。心から。
 個人的な好みだけを言うと、セカイ系ストーリー部分なしにして、万博に出て「やったー!」っていうところまでで完了するぐらいの地味な話のほうがよかった。…けど、まあ、そんな作品地味すぎて中高生向けのマーケット訴求力に著しく問題があるという判断があったのでしょう。『天地明察』のような作品にしてしまえれば、ある意味で、潔かったとは思うけれども、最終的にいかにも中高生向けんお話として仕上げるという仕上げかたは、きちんとマーケット的な売り方を考えた末の結果なのでしょう。

 まあ、基本的には、諦めないで、話をし続けるというのが、いかに重要かということを、きちんと描いて見せているというだけで、十分えらい。

 ことを成し遂げる人って実際問題として、頭のいい人よりも、粘り強い人だったりするんですよ。ほんとの、ほんとの本当に。
 日本の厨二マーケットにこういう作品があって、ほんとよかったな、と思いました。
 
{/netabare}
■いろいろな現実の産業とリンクしていきそうなワクワク感
{netabare}
 また、この作品がつくられることで、ごく単純にいくつかの現実の事業者にありがたい効果が発生するであろうことが、わかりやすく存在しているのも良かった。
 いくつか挙げておくと

・スコール(飲料)、草原の詩(牛乳のブランド)など種子島・鹿児島近辺の地場産業の商品の描写(※3)。
 →宮崎の地場産業の盛り上げにもきっちりと貢献するでしょう。

・種子島の描写 → 実際の種子島の観光産業
・ロボワンの描写 → 実際のロボコンの盛り上げ
・巨大ロボット生成 → 実際の巨大ロボットプロジェクトの後押し
・各種ARの描写 → 実際のAR系プロジェクトの後押し(※4)

 きちんと、現実の産業がいろいろとこの作品を通じて、盛り上がるように、という志しもあるのだろう。そこらへんの試みもとてもとてもすばらしい。タイバニを大きなフックとしてこういう流れができてきた、というのは素直に歓迎したい。
 日本は、もうずっと長い間、ロボット産業の先進国である。
 これは、『鉄腕アトム』と『ガンダム』による影響が大きいと言われている。この二つの作品がロボットへ憧れる多くの理系少年をうみ、ロボット技術に従事させる経路をつくった。あたかも、ガンヴァレルにあこがれてあきちゃんが頑張るように多くの人が、それが実際にいま世界を動かすにいたっている。
 こういう流れが、既存のアニメファンにどこまで受け入れれるかどうかということ自体がひとつの大きな挑戦だと思う。
 できれば、こうしたムーブメントに一つ、何かの名前がつけられて、大きな試みとして、成立していくことを期待したい。


{/netabare}
 


■ふつうに、中高生向けアニメとして見た場合

{netabare}
 えっと…いや…どうなんすかね。良くも悪くも、ソコソコよくできてるかなぁ……いや、悪く無いとは思いますよ…!…たぶん。ほら、もう、最後のほうでシナリオ急展開系のなんちゃってセカイ系作品とか多いじゃないすか…!別のこの作品だけディスらなくたって…!いいんじゃない……かなぁ……いえ、まあ、ディスっているみなさんのお気持ちはわからないではないです…。

 それと、シュタゲもそうなんだけど、ゲームをギャルゲ仕様にするのは、商売的に理解するけれども、アニメにする際にはギャルゲ仕様な感じのシナリオはなくしてもいいんじゃね?
 コナちゃんはいいキャラだけど、コナちゃんとのラブとかもっと遥かにライトな演出でよかったのでは、シナリオ再構成しなおしてもよかったのでは……とか言ったらいかんのですかね。まあ、こういうのがいいのかなぁ…わたしにはさっぱりわからんですが…。
 まー、中高生向けアニメとしての評判は『シュタゲ』ファンにさんざんディスられているようですので、かわいそうだなぁ…という感じですが、中高生向けアニメマーケットに、こういう題材で、売りだしてヒットさせていくっていうのは、難しいのだな、と感じる話でもありました。

 わたしにとっては、この作品は、すごく志が高くて、その志の高さに感動したアニメなのですが、ただし、その志は、中高生マーケットのほうを直接に向いているわけではないので、「折衷案」というように受け取られてしまったのでしょう。難しいですね…本当に。

 『まおゆう』とか『狼と香辛料』は、きちんとマーケットに受け入れられて、この作品が―――十分にいろいろなレベルで水準に達しているところがある作品なのにも関わらず――、マーケット的にはきちんと受け入れられなかったというのは、わたしにとってはしっかりと記憶すべき大事なことの一つだ、ということになりそうです。

 おそらく、本作が中高生向けマーケットで受け入れられなかった理由はいくつかあるのでしょうが、大きくあげれば次の二点でしょう。

 第一に、シナリオ構成に失敗したこと。もう少し細かくあげると、
 ・テーマを入れ込みすぎ:展開が、序盤・中盤・後半と別テーマを入れ込んでしまったこと。個人的には、序盤・中盤で現実のロボット産業のさまざまなレイヤーとリンケージしていきそうなあたりが、ツボだったのですが、ベタな物語制作イロハということでいえば、物語の軸はやはりもっとしっかりとさせたほうがいいのでしょう。
 ・序盤からのつながりが悪い:たとえば、『天地明察』や『まおゆう』は、序盤の「ツカミ」のとり方が、中盤への布石としてきちんとリンクしていたのと比べると、本作の序盤のツカミは、その後の展開への布石という点ではやはり、まだいろいろと工夫のしようがあった、ということでしょう。
 ・後半が唐突:これはもう、誰もが感じたことでしょう…。
 ・キャラの絡みが悪い:ゲームからアニメに変換する際に、もっと、工夫できたであろうこと。全体にシナリオの省略の仕方がゲームの場合はあまり気にしなくてもいいのだけれども、アニメの場合、「上手な省略」が求められるので…そこは、やりゃいいと思うのだけれど、シュタゲ程度のリライトでも市場的にウケちゃったからねぇ…
 第二に、シュタゲの次回作という立ち位置でやってしまったことが、逆効果だったということなのでしょう。いかにポテンシャルのある作品であっても、視聴者層が違うと、まったくもって評価されないどころか、ディスられるわけでありまして…。そこのところが、悲しいかな。シュタゲ視聴者層のお口には合わなかった…ということなのでしょう。そこで、ネガティヴな評判の反応のほうが広まりやすい土壌ができてしまった。

 一点目は、制作スタッフのさらなる修練を求められるところでしょうが、二点目はご愁傷さまでしたとしか申し上げられないというか、かわいそうだなぁ。というか、本当に、残念でなりませんが…。

 いや、まあ、とにかく、中高生マーケットからの反応は、ぜんぶ横においておいて、わたしは、この作品よかったです!

{/netabare}
■勝手なオススメ作品

{netabare}
 個人的には、プロジェクト推進系の話で、良かったここ数年のヒットタイトルだと、『天地明察』(原作)も良かったです。社会的に意義のある、まだほとんどの人がきちんと意義を理解できていないプロジェクトを一個、あたらしくきちんと成立させようと思ったときに、どういったことをする必要があるか、というのを、非常に良く描いてみせていると思う。
{/netabare}



[注]

{netabare}

※0 ごめん。ちょっと言い過ぎた。ほんとは、もうちょっとは賢くないと無理です。ストレス耐性が強く、鈍感でガッツがあるということは、とてもとても重要な資質だけれども、あまりにアホな主張を通そうと頑張りすぎると、クールに賢い系のスタッフが「アホかこいつ。ついていけねーわ、勝手にやってろや」となってしまって、プロジェクトが途中で空中崩壊して~終了~というオチになるのが目に見えてます。この手のアホな主張を貫き通す人は、優秀なスタッフとものすごく強固な信頼関係と互恵意識でもって結ばれていないと、機能しないでしょうね。あきちゃんを中心としながら、彼女をリーダーとして愛してくれる優秀なチームが機能する環境が整ってないと無理ゲーだとは思います。

※1 あー、あと、「やれるか、やれないかじゃない、やるしかねぇ」的なコメントはプロジェクト・マネジメントとしては、あまり褒められないタイプのハナシなので、まあ、そこは、ちょっとイヤだった。
 「諦めないことが重要」系のはなしは、容易にタチの悪い根性論につながってしまう。タチの悪い根性論は、結局、マネジメントを放棄させて、ただ単にプロジェクトの個々人に負荷をかけて、個々人を押しつぶしてしまうこともしばしばありうる。なので、根性論はかならずしもよくない。
 でも、それは単にタチの悪い根性論だってdisればいいわけでもない。タチの悪い根性論は、「諦めずにいる」というとても重要な資質とつながっている。そこは厳密には切り分けられないのかもしれない。だから、多くの人が、プロジェクトを推し進めるためのライト・スタッフと、タチの悪い根性論マネジメントとの間で苦しむのだとは思うけれども。

※2 作中でガンツク2を作ることの意義について、悩む下りが出てくるが、ここはプロジェクトリーダーは、ほんとは絶対にブレたらいけない。社会的にどう意義があるか、ビジネス的にどう意義があるか、なぜ多くの人を引き付けるかという3つの点は、いつ、どこでも説明できなきゃだめである。

 こういう社会状況下で高校生がロボットをつくるということの意義は大きいとは思う。「高校生が頑張れば巨大ロボットを作れます」ということを証明してみせれば、「趣味でこれだけのことができる」といいう社会的なムーブメントをつくることができる。そこには、「趣味でロボット作りをする人たち」の市場を創生できる可能性がある。
 そうなれば、第一に社会的な意義としては、巨大ロボットの社会的な利活用を押しすすめることに大きな貢献をする。
 第二に、ドクのようなロボットパーツを売っている事業者にとっては極めてビジネス的に大きな意義のある。エグゾスケルトン社のようなロボット事業者にとっても、大きなビジネスチャンスにつながるだろう。
 第三に、単純につくりあげていくプロセスは楽しいし、観ていてワクワクする。
 これを、ちゃんと、常に言い続けられれば、一人前。まあ、そこまでいくとさすがに、高校生らしさが欠けるので、アレなんだけれども…。


※3 プロダクト・プレイスメントで広告契約むすんでいるのか、と思ったら、そういうことではないらしい。


※4 これは『電脳コイル』の影響がそもそもはとっても大きい。

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

 BlackCat さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

微妙・・・・・・・

原作:ゲーム
ジャンル:SF
話数:22話

原作のゲーム会社がシュタインズゲートと同じ。
この1行によって内容に期待する人は多いと思う。
しかしそれが仇となってどうしてもシュタインズ・ゲートと比べてしまい面白味に欠けました。
いわゆる期待のしすぎってやつです。

ストーリーに統一性がない。
ロボ部の話と君島レポートどっちかを集中的にやったほうが
いいと思いました。
正直言って中途半端だと思います。
例えば、1クールだけにしてロボ部の青春熱血ロボアニメに
したり、メインは君島レポートとかでおまけでロボ部みたいな感じの方が楽しめたと思う。

1クール目は完璧にロボ部の話で、
終盤は急展開すぎだと思います。
まぁ、話が動いてくれた方がイイんですけど
それがあまりにも遅い! 
だからそのせいで話が大きく動くのも遅れたんだと思います。

こんな感じで酷評を書いちゃいましたが、
1話1話の終わり方は好きでした。
あの次見たくなるようなあの引きは好きです。


【 1~16話の感想 】
{netabare}
1話の感想
どうやらロボティクスノーツは近未来の日本を舞台にした作品のようです。
{netabare}ロボ部はガンつく1を作る資金がないため大会で優勝して資金をもらうみたいですね {/netabare}
 この1話からちゃんと目標みたいなやつが提示してあるのは次話も気になっていいですよね^^ あと作画も綺麗ですね! ストーリーも明るくて好きです

2話の感想

{netabare}ロボワン優勝目指してがんばってますねwあきは 名誉部長「タネガシマシン3」を使えるようにしようとがんばりましたがまさかの操作のほうで問題があったとは・・・ そしてあきも持病の発作が(((゜Д゜;))) {/netabare}

3話感想

{netabare}ついにロボワン当日ですね^^ ってそれいいんだww まさかのタネガシマシン3にキルバラの操作方法を入れるとは・・・ そしてさすがカイは強いですね!そして難なく決勝に! でもカイは日頃の疲れから体調が優れないorz  工エエェェ(´д`)ェェエエ工カイの反応速度ww そして追い込まれてからの・・・タネガシアクセルインパクトォォォォ!!!w でもカイ負けちゃいましたねw 残念 MR,プレアデスって・・・あの人だよねww {/netabare}

4話感想

{netabare}そしてロボワン準優勝じゃあロボ部廃部!ってところで日高来ましたねw(日高=MRプレアデス) でも資金がない>< ってことでアキはJAXAに協力を求めましたねwまぁ当然ながら断られましたが・・・・ そしてそんなことがある中カイは日高にキルバラの世界大会に出るときのコンビを組まないか誘われましたね~ でカイ負けちゃったね {/netabare}

5話感想

{netabare}カイが見た少女の幽霊は学校でも噂になってたみたいですね^^それでカイはそゆのに詳しい淳和と一緒に島中を探すも見つからないです。 そしてカイは少女の声がした建物に行きましたポケコン通してじゃないと見えない少女に会いましたね!やっとww そして「君島レポート」話がいきなり壮大になりましたね(゚o゚;; これは次話が気になる! {/netabare}

6話感想
{netabare}やっと6話ですね^^ 1週間が待ち遠しいです
6話は最初ただのロボ部だけの話かと思いきややはり君島レポートに関する話もでましたね!あそこの部屋が今後どんな感じで重要になるかがはやく知りたいですw
さらにロボ部にも進展がありましたね! 大徳さんとキルバラ作った人が加わりましたねwさらに大徳さんのおかげでスポンサーもついたしロボットづくりが本格的に始まる・・・と思っていた瞬間に昴のお父さん現れましたねorzこの先、昴が戻ってくるのか心配です(><) {/netabare}

7話の感想
 {netabare} ガンヴァレルのエピソードがついに分かりましたね^^そしてふらうごおりのこともちょっとありましたね。相変わらず重い話だなw  そして、かもめ怖すぎ(((゜Д゜;)))
あんなんいきなりなったら怖いぞwww そして昴は父と和解はしてないものの部活には来るみたいですね!!
ついに太陽嵐が発生しましたね。次の展開が気になる~ {/netabare}
8話の感想
{netabare} いきなり車で拉致させられたのはびくりましたねw 雰囲気がシュタゲのあのシーンに似てたから。でおm実際はまさかの協力でしたね。(JAXAの)でもあきちゃんが断っちゃたね~。やっぱ自分が作りたいものが作れないとだよね^^そして君島レポートNO.2を手に入れるためにカイはがんばりましたねw それにしてもゴーカートのやつとあのゲームでいい成績とるやつ雑だわwでもあのアンテナのやつは危なかったよ~でもカイの発作がいい感じででてきたけどwあきちゃんもよく見つけた!命の恩人! {/netabare}

自分がロボティクスノーツを見て・・・
{netabare}君島レポートをNO.1からしっかり読みたいwすごい内容が気になる {/netabare}

9話感想
{netabare}9話でもうガンつく1が完成するんですねwってことで前夜祭に祭りにみんな行きましたね。(カイとふらうごおり以外)カイとふらうごおりは相変わらずチーター刈りしてますねw まぁ大徳さんと昴はラブラブ?でしたねw
そしてスバルがまた焦るあの顔ww
そしてついにガンつく1が大地に降り立つ!!!!
そして・・・歩行!!!!!!!
でも、エンジンに問題が有り動くのが遅くさらにエンジンが故障しましたね(>_<)やっぱディーゼルエンジンですからね~ そしてミサ姉のあの反応。ひどすぎるね。まぁそれが嘘だと願ってるよ。  ちなみに今回の話ではまったく君嶋レポートの話がありませんでした。気になる~{/netabare}

10話の感想
{netabare}今回の話はロボット関連の話と思いきや違う話も少しありました。 
まずはモノポールについて・・・意味は磁石のひとつしか極がない石のことです。もし意味がわからない、意味が違ってると思った方はメールで教えてくださいましたら幸いです^^ まぁそのモノポールがいきなり空から降ってきましたw
そしてそれをスバルに聞いてみると「世紀の大発見」「ロボットにも使える」など言ってましたね。でもロボットに使うにはけっこう数がいりそうですね。ってことで一日中待ちますが1個も落ないので結局解散w
そしてガンつく1を諦めるか諦めないかでもめた結果、ガンつく1を諦めてガンつく2を作ることになりましたねwwジャクサの協力もあるようなので期待!さらにあいりはあの店の姉さんに消えろと言われてましたね(((゜Д゜;))){/netabare}

11話の感想
{netabare}君島レポートのフラグ達成しましたねw ものすごく大変そうでしたね。 今回はガンつく2の話はなかったですね。 まぁあったといえばフォームのやつですね。
さらに、君島コウとは一体なんなんでしょうね?
そして、ガンヴァレルの最終話が流出しましたね。この内容は君島レポートに似てますね。 後半、いろんな事実が分かりそうでわくわくです。 {/netabare}

12話の感想
{netabare}君島レポートの1,2,3個目までのフラグはいきなり順調にいきましたね^^ 
ドクは大丈夫ですかね~?
大徳さんは面会謝絶でしたね><
今回はロボット作りの話はなさそうですw大徳さんのロボットが嫌う理由がわかりましたね。あんな過去があってよくロボット部に入れましたねー。あのイベントをまたやるみたいですね。でも、ロボットたちが故障中でしたね。そしてごじろう君もそこにいましたね。そして、ドクもそのイベントに行きました。  久しぶりの感動回ですね(´;ω;`)
さて、最後に浮かび上がったあのオーロラがきになりますね
{/netabare}

13話の感想
{netabare} 今回はふらうの話みたいですね。みんなの制服は冬服になりましたね!モノポールでついにモーターを作るみたいですね。ふらうも三行にまとめしたねwサブリミニナル映像のなかにアルファベットが書き加えられてますね。
「ガンヴァレルは洗脳装置!プロパガンダ!太陽嵐の到達と同時に世界同時多発テロ。阻止する為に私逃げた。ヤツラはまだ存在する。
みんな死んだわ。誰か止めて。プロジェクトアトムは終わっていない。」
怖いですねΣ(゚д゚lll) 
君島レポートも遂にNo.5ですね~。結構、運動系が多いですね(^^; でも全部大丈夫でしたね。 君島レポートは校門前にありましたね。人類が滅ぶそうです(えw
ドクになんかありましたね。でも大丈夫でしたね(^^;モノポールが2個?になりましたね。
太陽嵐が関東地方を直撃しましたね。あのオーロラは前兆だったのですね。さらに家火事が・・・。史上最大みたいですね。さらにロボットも暴走してるみたいです。なんかふらうのせいにされてますね・・・。ふらうがああああああああああああああああああああああああああああああ。もう死んだかと思っちゃいました(^^;でもやばいですね。
{/netabare}

14話の感想
{netabare}ガンヴァレルのテーマは愛と勇気なんですね。
未だ首都圏は混乱ですね。ロボットが大行進でしたね。
フラウは自殺する気だったんですね。でも、キルバラで止められそうですね!すごい過去があったんですね・・・。でもメロディーとは一体何か気になりました。あの病気を利用して倒すみたいですね。 ってかカイはいつのまに世界ランク2位になってたんですね。ふらうのアカウントはふらうと同じサークル仲間にやられたんですね。洗脳っぽいですね。みんな応援してますね^^ ふらうのさりげなく2ch用語言ってくるのやめてほしいですwふらうとカイが・・・。でも心配はなさそうですwwwこの戦いがラストチャンスですね。ロボットも国会?に到達しそうです><そしてついにあの病気を利用して、あの敵を倒してロボットを止めましたね!どさくさに紛れて接吻を・・・Σ(゚д゚lll) ふらうは完璧にカイに惚れたなw
{/netabare}
15話の感想
{netabare} 君島レポートの回収はいまNo.6をやってますね。 あと、サーフィンで波乗り3秒でフラグ達成ですね。そして、ついにNo.6を発見しました! さらにNo.7はすべての君島レポートを回収していればいいみたいですね。ただ、場所はわからないみたいです(^^; そして、君島コウの家に行きましたね。 その家のシーンとあのサブリミナル映像が一致しますね>< また、地下室に入りましたね。
えええええええええええええええええええええええええええええええええ とりあえず叫びましたw あいりはリアルにも居たんですねw あいりにはあんな過去があったんですね・・・。でもふらうは雪を降らせましたね^^(ホログラム?みたいなもの)さらにそのおかげ?であいりにカイはキスしますねw あいりはやはり消えましたね。
{/netabare}

16話の感想
{netabare}ついにガンつく2発信ですね!!!!
でも、新たな欠陥が見つかっちゃいましたね。そこで昴が近くに行って見ることになりました。その時ロボット倒れちゃいますね><
昴の安否が心配ですが不明ですw
カイはNo.7を探してますね。そして見つかりましたねw
でも、みずかさんに止められちゃいますね。そんな時になぜ起こるwロボットが暴走しますね><そして、みずかさんは。。。
No.7も気になりますが結構面白くなってきてます
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29
ネタバレ

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

冒険科学的陰謀アドベンチャー。

この作品は、某シュタゲのお仲間。
5pbの科学アドベンチャーシリーズの3作目ということです。ゲーム原作、メディアミックスのアニメ版になります。

巨大ロボを高校生が作るという話で、コンセプト的にはどストライク。更に種子島の話ということでJAXAも絡み、5pb関連ということもあって、期待値75%くらいの気持ちで見始めました。ちょっと期待し過ぎに注意しようという心のリミッターをかけた感じです。

で、見終わって思うのが、ゲーム原作という匂いが結構濃厚に出ているという印象です。
物語ではあるけど、印象としてはいろいろ分岐しているイベントのある1本の線をなぞっていったような感覚とでもいうんでしょうか。

まあ、いろいろいう前に1つ言っておきたいのが、いいエンディングだったということ。
テンション上がったし、結構感動的だったし、いくつかのポイントをスコーン!スコーン!と回収してカタルシスもあった。

<大好き><好き><まあまあ><別に‥><嫌い>で分類すると間違いなく<好き>に分類されるんだけど、お勧めかというと二の足を踏んでしまう。。
そういう作品です。

ということで、二の足ポイントを幾つかあげてみたいと思います。


【クラスでも変わり者という評判の主人公(悪い意味で)。】
まぁ、いいんですよ?変わり者という設定‥主人公たるもの何らかの特徴があって然るべきだとは思うが、今ひとつ印象が悪い。
特に1話目。せめて1話目終了までに1つくらい好印象エピソードが欲しかった。
優しいのは優しいんだけど、態度がちょっとイラっとくる部分がある。

【回収率。】
最初に言ったように、終盤いろんな謎をドドンと回収していくので、かなり引き込まれるんだけど、それでも結構な量の謎が放置されたままだということ。
ゲームはやっていないのでなんとも言えないけど、別ルートでは謎が回収されているのかもしれない。。
でも、そんなことは知ったこっちゃないわけで、謎を提示したからには回収してもらいたいわけですよ(*´∀`)‥
特に失踪とか、とある組織の実態なんかは是が非でも回収してもらいたいのは私だけでしょうか?(; ̄∀ ̄A‥
これに関しては自分が気付かなかっただけ。という可能性も捨てきれないのであまり強くは言えませんw

が、個人的印象だけど、そもそもの原因はエンディングに辿り着くための分岐点の多さが影響していると思います。
科学的ないろんな説や事実を基にした話、理論上は存在するといわれているが存在を確認されていない事象、物質、都市伝説なんかを惜しげもなく、そして詳しく説明することなくストーリーのポイントポイントににぶち込んでくるので全部回収するのは至難の業とも言えるので、この点をどう感じるかでかなり作品に対する印象が変わってくるでしょう。
wikiの用語なんかを参考にしながらできるだけまとめて視聴するのがお勧めの視聴法です。

【着地点。】
どういうエンディングになるか解らない。というのは物語としてはある意味当然なんだけど、何処に向かっているのかさえ解らないというのが「ん?」ってなる。
見終わった者として言えるのは決して迷走してた訳ではないということ。
物語はちゃんとあるエンディングに向かっている。
だがしかし!「ん?」ってさせるのは褒められたらことじゃない。原因は1話目、もしくは前半の何処かでエンディングを暗示してなかったせいだろう。
例えるなら、最初にトライアスロンだと示しておいてくれれば水泳の後急に自転車に乗って走り出しても混乱しないし、その後マラソン始めてもそういうものだと対応できるということ。
事前に、
この物語は部活で巨大ロボを作る話ではあるが、物語の本線は別の所にある。ということを解っていさえすればちゃんとトライアスロンを楽しめるはずです。


最初に言ったように個人的には好きな作品なので、好きなポイントも書いておこうと思います。
まず、ことあるごとに登場する携帯端末「ポケコン」の機能の実用性、実現可能ではないか?と思わせるリアリティ。
アプリも実用的でかなり面白く、「拡張現実」という考え方(ロボティクスノーツの場合現実世界にタグを貼り付け、それをポケコンで覗くだけでタグに入っている情報を閲覧、共有することができるシステム。)の解釈がとても面白い。

実用化して欲しいアプリ、システム、技術が溢れていて2019年ってそういう時代かも。。と思わせる力がある点(世界観と言ってもいいかもしれないけど)に隙がなくホントに近い将来を覗いている感覚になれる。
よくこれだけ架空のシステムを破綻なく構築できたもんだと感心する。

そしてキャラクターがいい!
最初に主人公に難癖つけといて言うのもなんだけど、キャラクターがいいw
ヒロイン=うざかわいい♪最初のほうで猫ハラスメント(笑)されるけど、完全に犬系のナイスヒロイン♪
シャキィィィン!!

某ど変態天才プログラマー=ネットスラングはシュタゲのダル超えてるw腐りきってるww
腐かわいいwww
だが、それがいい!?デュフフ♪

JAXAの某職員=素晴らしいです。素敵です。立派に成長していて嬉しい限りです(遠い目)。
安定感&安心感が抜群です♪

そのほかミスター隠れ中二病?後輩眼鏡男子やらA.I幼女やら素敵なキャラ満載です♪

因みにこれを書いている2015年に起こると言われている宇宙科学的出来事もネタとして使われてるんだけど、そちらにも興味がわいていたりします。

あと、2クール目のED「トポロジー」は名曲です♪

とまあ、自分にとっては十分楽しい作品になりました。
もし興味を持たれた方がいらっしゃったなら、用語集を覗きながら、トライアスロンを観るような気持ちで視聴されるのもいいかもしれません。


※以下は、ネタバレ、提案を少々。。
{netabare}
自分達が作り上げた巨大ロボが動くという根源的な感動。
しかも搭乗して!
正直これが当初抱いていたロボティクスノーツのエンディングです。巨大ロボの危険さや重量の問題は充分描けていたと思うけど、作る行為自体はほぼ描かれていませんでした。
まあ、実際問題作れる可能性は皆無に等しいレベルと思われるので致し方ないんでしょうが「作る」行為がもう少し見たかった。
あと、僭越ながら「前半部分でエンディングを暗示する」方法を1つあげてみると、みさ姉があき穂に言った
「あきは何をやっても平凡止まりなのよ‥」とアネモネ号事件を最初に組み込んでもよかったような気がしないでもない。。
そうすればあき穂とみさ姉への感心が脳内にインプットされる‥かもしれない。
とにかく、あきちゃん&みさ姉の関係を早めに出しておくのは必須だったと思います。
そして、もう一つ思うのがフラウの気持ちとか何気に放置されてるのがちょっと‥
軽めに、なんならギャグかのように回収してるけど、フラウ好きとしては残念っす。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
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