熱いで女子高生なアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の熱いで女子高生な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月01日の時点で一番の熱いで女子高生なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.5 1 熱いで女子高生なアニメランキング1位
劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~(アニメ映画)

2019年4月19日
★★★★★ 4.3 (408)
1882人が棚に入れました
昨年度の全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部。2年生の黄前久美子は3年生の加部友恵と、4月から新しく入った1年生の指導にあたることになる。全国大会出場校ともあって、多くの1年生が入部するなか、低音パートへやって来たのは4名。一見すると何の問題もなさそうな久石奏。周囲と馴染もうとしない鈴木美玲。そんな美玲と仲良くしたい鈴木さつき。自身のことを語ろうとしない月永求。サンライズフェスティバル、オーディション、そしてコンクール。「全国大会金賞」を目標に掲げる吹奏楽部だけど、問題が次々と勃発して……!?北宇治高校吹奏楽部、波乱の日々がスタート!

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、石谷春貴、藤村鼓乃美、山岡ゆり、津田健次郎、小堀幸、雨宮天、七瀬彩夏、久野美咲、土屋神葉、寿美菜子、櫻井孝宏

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

群像劇としての厚みを出す為に台詞は一言もいらないということを学びました【LIVE ZOUND&イオン幕張ULTIRA感想追記】

※以下の本文では2018年の映画『リズと青い鳥』の略称を“映画『リズ』”、劇中に登場する楽曲「リズと青い鳥」の略称を“「リズ」”、劇中劇としての童話「リズと青い鳥」の登場人物は“リズ”と表記しています


2015年の第1期テレビシリーズ、
2016年の劇場版総集編『北宇治高校吹奏楽部へようこそ』と第2期テレビシリーズ、
2017年の劇場版第2作『届けたいメロディ』、
2018年の映画『リズと青い鳥』、
それらに続く『響け!ユーフォニアム』シリーズの完全新作長篇映画


結論から先に言ってしまうと、【『届けたいメロディ』と『リズと青い鳥』は本作やテレビシリーズとはパラレルワールド】と割り切ってください
本作の世界観は【テレビシリーズ第2期の続き】になりますので特に映画『リズ』との整合性は一致しません
メインスタッフはテレビシリーズでお馴染み、石原立也監督、花田十輝脚本、池田昌子キャラデザ、音楽は松田彬人、京都アニメーション制作


昨年度、全国大会出場を果たすも銅賞に終わった北宇治高校吹奏楽部
ユーフォニアム奏者の黄前久美子は同級生でトロンボーン奏者の塚本秀一の告白を受けて付き合いだす
久美子達は2年生となり、新たな体制となった吹奏楽部で改めて全国大会金賞を目指すことに
昨年度の全国大会出場と、顧問の滝昇先生の人気も相まって新入部希望者は潤沢
低音パートにも4人の1年生が入ってきた
しかし新入生でチューバ担当の鈴木美玲は卓越した演奏技術を持っているものの協調性が無く、同じ低音パート部員達にも馴染めていない
さらに久美子の直接の後輩に当たるユーフォニアム担当の1年生、久石奏もまた社交的な表の顔とは裏腹に部活動そのものに含むところを持っているよう
1年生の指導員を兼任する久美子は1年生の抱える問題を「めんどくさいな~」と口にしながらも積極的に支えていくことになる…


『リズと青い鳥』を除けば『ユーフォ』シリーズにとっては初の完全新作の長篇
劇中ではかなり長い年月の多岐に渡る出来事を合間合間を区切りながら描いており、非常に濃厚な内容の映画と言えるでしょう
具体的には起承転結が3回以上繰り返すと思っていただいて結構です


これまでのシリーズを踏まえた作品なので、最低でも総集編映画である『北宇治高校吹奏楽部へようこそ』と『届けたいメロディ』の2作はご覧になってから今作をご鑑賞いただくことをオススメします
と、言うのも今作の久美子はとても主人公らしい牽引力を持った人物として描かれますが、それは久美子が1年生の時に“アレだけ色々な事件を経験してきた”からなのです
特に印象的な部分で一人になった久美子が「響け!ユーフォニアム」という楽曲を演奏してあすか先輩のことを思い出したり、吹奏楽の原初的体験である姉との思い出を振り返ったりするシークエンスは、そのシークエンスが持つ久美子の心理描写をセリフや表情だけでは読み取れない形にした高尚な演出になっていると感じることでしょう


また劇中でコンクールの自由曲として選ばれる「リズと青い鳥」という童話をモチーフにした組曲が持つ物語性については、映画『リズと青い鳥』の中で詳しく描かれているので興味があればそちらも是非どうぞ
ただし先述の通り映画『リズ』はパラレルワールドであり、今作と整合性は一致しません
具体的には映画『リズ』劇中の傘木希美だと、ソリストになるだけの実力に及んでいないこも
映画『リズ』劇中で本来はオーボエとフルートが掛け合いをするパートを、(遊び半分だと思うが)久美子と麗奈が練習していたシークエンスが今作には存在しないこと
今作の鎧塚みぞれの性格が明るめに描写されているのでシリーズでは比較的に最も好転的なみぞれが描かれた『テレビ第2期』或いは描写が無かっただけで可能性としては存在する『届けたいメロディ』の世界観の続きと考えるのが自然なこと
この3点から映画『リズ』はパラレルワールドだと推測が出来ます


さて、「リズ」という楽曲を踏まえた上でクライマックスの演奏シークエンスまでに描かれる“群像劇としての『ユーフォ』”について話したいと思います
よくオイラは群像劇が好きだという話をするんですが、『ユーフォ』って登場人物が多い割りにスポットが当たるキャラが非常に搾られていて、ソレはソレでまとまっているという肯定的な観方も出来るんですが、登場人物は多ければ多いほど物語に厚みが欲しい派なんです、オイラは
そういう意味で『ユーフォ』は諸手を挙げて絶賛出来る作品では無かったのですが今作で少し考え方が変わりましたね
と、いうのも劇中では度々にみぞれと希美という2人が見切れるカットがあり、この2人がメインストーリーライン上はともかく、北宇治高校吹奏楽部の、特に「リズ」という楽曲に関しては欠かすことの出来ない重要な人物であることが多くを語らずに表現されているのです
「リズ」の第3楽章が始まるとオーボエとフルートがそれぞれ青い鳥とリズを表現する掛け合いパートがあり、それがこの楽曲において最も印象的なフレーズとして幾度か登場します
そこでこの掛け合いを演奏するのがみぞれと希美というわけ
ですがこの超重要人物2人、なんと台詞が一切として無いんですよね
声優もクレジットされてないのでガヤ等も含めて台詞ゼロは間違いなさそうです
この2人の関係性についてはテレビ第2期、或いは映画『リズ』で散々語られているので今更何か付け加えたところでメインのストーリーラインが散ってしまう恐れもあり、あえてモブの一部として扱っているということなのでしょう
そうまでしてもみぞれと希美を登場させているのは、この2人の存在こそが「リズ」という楽曲の物語性を引き立てているのだと、クライマックスで気付かせる為なんですね
台詞の無い登場人物から物語の厚みを感じるとは…いやはや恐れ入りました
思わず演奏シークエンス中に泣いてしまいましたからね;;


メインのストーリーライン上かかすことの出来ない人物として新1年生も加わり、物語は新しい局面を迎えます
特に鈴木美玲は卓越した演奏技術を持ちつつも孤立しがちな高坂麗奈と似た様な側面を持ちつつも、実際は麗奈ほど孤独を愛しているワケではない“弱い麗奈”とも言える存在であること
そして久石奏もまた、他人との距離感を計ることが得意ながら性根が捻じ曲がった“歪んでしまった久美子”と言える存在であることなど、久美子達2年生世代との対比になるキャラとして設定されてるのが面白い


原作では3年生になった久美子達の物語がいよいよ始まったようですが、3年生篇のアニメ化は正直難しいかもしれませんね…
今作では1年生指導員になったことでまるで悟りを開いたかのような落ち着いた様子で物事に対処する達観した態度の久美子が徐々に見受けられるようになっていきます
でもそれってつまり久美子にその任を指名した、恐らく吉川優子部長と中川夏紀副部長の才なんだと思うんですよ
久美子世代が入学する前に部の雰囲気を険悪にしてしまったのは優子世代ですし、麗奈と香織先輩のソロ争いに物申したのも優子自身、今作で奏ちゃんが途中憤慨するキッカケは夏紀ですし、映画『リズ』の主役は言うまでも無く優子世代
これまでの北宇治の事件には、常にその中核に優子世代がいたわけです
実は物語上の最大のキーパーソンは優子世代だったということになりませんか?
“なかよしがわ”と“のぞみぞれ”がいなくなった北宇治はあんま観たくない…;
というのがオイラの本音ですね


(とか言ってる間に3年生篇のアニメ化が決定しました、オイラが言いたいことは上記の通りなのであとは原作がめちゃくちゃ面白い、とかそういった不確定要素に期待しています)


ところで早見沙織に二言しか喋らせないアニメってなんだよwww


本日、2019/6/5までに4回ほどリピートしましたが4回目に数多くの『ユーフォ』ファンが“最高”と賛辞を贈る川崎チネチッタの8番スクリーン、通称“LIVE ZOUND”が今週で上映終了とのことで初めて足を運んでみました
いや~、本当に最高です!
関東近郊で『ユーフォ』を観る上でこのLIVE ZOUNDを超える劇場は存在しないと断言できます
剥き出しのウーファー2基にフロント左右に吊り下げられたラインアレイスピーカー、と仕様自体は立川シネマツーaスタに似ています
が、箱が正方形の為、音の定位が非常にハッキリしています
環境音、つまり川のせせらぎや人混みの喧騒などに広がりが感じられますし、演奏シークエンスではドコで何の楽器が鳴っているのか、一音一音がよ~く聴こえます
低音や高温が中音にかき消されて無いんですね
序盤の「それが私の生きる道」で左手に夏紀先輩のエレキ、右手に緑輝のベースがいるのが瞬時にわかりますし、クライマックスの「リズと青い鳥」に至っては、もはやこの劇場でなければ100%の音を聞き分けるのは難しいのでは?とすら感じます
セリフ類の音量も確実に上がっているのに、不自然な圧力や歪みは感じられませんので他の上映より数段セリフが聴き取り易いと思います
メインのキャラにセリフが被ってしまっているバックのモブが、何を言ってるのかが明白に解ります
唯一、このLIVE ZOUNDについて注意が必要な点ですが、後ろの席ほど傾斜が付いていて観易く聴き易くはなっているものの、最前列になるとスクリーン位置やスピーカー位置が高いこともあってかなり観上げることになってしまう点です
最前列ではLIVE ZOUNDの真価を体感することは出来ないと思って頂いて結構でしょう


イオンシネマ幕張新都心にてセカンドラン上映が決定し、イオン幕張が誇る8番スクリーンULTIRAで鑑賞してきました
正直音の定位はまぁまぁですかね
音の定位に関しては川崎チネチッタ>幕張≧新宿ピカデリー≧その他という感じです
低音は重く響くまさに重低音という感じですが歪んだ印象は無くクリアです
でも肝心の大型スクリーンが3Dに対応する為にシルバースクリーンなんですよね…『幼女戦記』の時にも同じことを書きましたシルバースクリーンだと色調が暗めになる上に霞が掛かったような靄が掛かった様な映像になります
これはちょっと僕の好みから外れる、というのが結論です

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

響け。。奏(かなで)の心と、全国大会の空に!

 
はあ・・遂に視聴できた・・
劇場版外伝の『リズと青い鳥』を視聴後、配信まで待てず、いつか観なきゃと思っていましたが・・
↓↓ネタバレじゃないけど作品に関係ないので畳んでおきます↓↓
~{netabare}
2020年某月某日。
まとまった自由な時間がとれることになり、5本で安くなるTSUTAYAレンタルで映画を観よう!と、思い立ちました。
でも・・

とあるキャッチユーザのレビューを拝見して、まさかとは思ってたけど・・そのまさか。
最寄りのTSUTAYA泉古内店に置いてないじゃん・・・orz

となり街の蔦屋書店仙台泉店まで行ってもいいんだけど、ある確証はないし、泉古内店にこの後探しに来る人もいるかも知れないし・・と思い、店内の専用端末で取り寄せしました。多分取り寄せたらその店に置くんだと思うし・・

で、今になってサイト検索してみたら、蔦屋書店仙台泉店にも取り扱いなし・・ちょっとちょっとTSUTAYAさん!京アニなめとんのw

自分みたいに探して諦めてる人って結構いるんじゃないかな。
なんだかなーだよ・・
やはりここは取り寄せて正解ですよね。

ちなみに、この日レンタルした5本は・・
■冴えない彼女の育て方 fine
■青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
■劇場版 メイドインアビス-深き魂の黎明-
■この世界の(さらにいくつもの)片隅に
■サイコパス3 FIRST INSPECTOR
 (ユーフォがなかったために急遽選定。
  後にアマプラで配信されてることが判明w)
{/netabare}~

さ、いよいよ黄前ちゃんや麗奈との再会です・・

■エピソード
おっとおおーっ!
のっけからそうきますか!ww
~{netabare}
いきなりの、告白シーン・・
久美子の困り顔いただきました(^^)/

で、久美子もOKしたみたいですねw

ユーフォって百合要素あるし恋愛エピソードないのかと思ってたのでびっくり。でも、たまこまーけっとの例もあるし、大歓迎ですよー ^^

まずは新入生の勧誘ですね。
またもやエレキギターやドラムの演奏が・・
吹部って軽音楽もやるんですね。

うへぇ・・1年めんどくせぇw
今回は彼女らが引っ掻き回してくれそうですね ^^;

劇場版『リズと青い鳥』のヒロイン、みぞれと希美は・・
ちゃんといたw

顧問の滝が選択した自由曲は・・リズと青い鳥!
やっぱそうこなくちゃね ^^

今回は吹奏楽部の生々しいドロドロも健在(?)で、本当に部活青春してました。

恋バナの展開も楽しみでした。
ひょっとして、『ちはやふる』的な展開も!?なんて期待してたんですが。
花火大会のあと、恋人関係解消って・・・・
それほど吹奏楽に打ち込みたいってことね。
さすが。この作品は一味ちがうw

コンクール会場にあすか登場。
ちょっと鳥肌が立って、ジワっときた。
魔法のチケットってなんだったのw

この作品のために書き下ろされたという楽曲『リズと青い鳥』。
演奏シーンはヘッドホン推奨です。
衣擦れの音や繊細なハープの音、全体の強弱がよく聞こえます ^^
演奏シーンは凄かった・・・
特にみぞれの演奏シーン、ジーンと来ました (;_;

なのに・・なのに。
みぞれもいるのに、麗奈もいるのに・・
『リズと青い鳥』を最高の演奏をしたのに、金賞なのに・・
全国大会行けないんですか・・
いまの今まで、金賞=優勝だと思ってました。
金賞は何校もあるんですね。
より優秀な高校が多かったってことか。

観直してみれば、演奏終わりのシーンの演出が抑え気味だったかな。
ちょっと力強さが足りないというか。

そして、そういえば、劇場版『リズと青い鳥』はこの話の並列進行なんですね・・

帰りのバスににて・・
奏:
 頑張るってナンですか。
 だからいやだったんです。
 結局ナンにもならなかったじゃないですか。
 あんなに練習して、ケンカみたいなこともして、
 夏休みなのに毎日学校来て。
 バカみたいです、こんなの。

ナンにもならなくはないよ。
でもその価値に気付くのはもう少し後かな。

あの黄前ちゃんも、遂に三年に。そして部長!
みぞれは卒業かぁ・・
でも・・この悔しさを胸に、今度こそ・・・
{/netabare}~

期待に違わぬ絵と音楽の美しさでした。
これまであまり触れられることのなかった、久美子と秀一の関係も気になりました。
やはり1年の新入部員がいい具合にかき混ぜてくれました・・

そして・・これぞ青春! ^^;


■キャラ/キャスト
新キャラ中心に・・
~{netabare}
久石 奏(ひさいし かなで): 雨宮天
1年生。ユーフォニアム担当。
遂に天ちゃんも、京アニに。
七つの大罪から注目してます。
今回、可愛いけどカワイクない、
クセのある個性的なキャラで、
しっかりイライラさせて頂きましたw
これからのキャラなので大いに期待してます ^^

鈴木 さつき(すずき さつき):久野美咲
1年生。ツインテール。チューバ担当。
ええと、どっかで聴いた声。
無彩限のファントム・ワールド(熊枕久瑠美)、
3月のライオン(ヒロインの妹、モモ)、
む、七つの大罪(ホーク)これだ・・

鈴木 美玲(すずき みれい):七瀬彩夏
1年生。高身長でチューバ担当。
cv七瀬さんは・・
慎重勇者(フラーラ)、
お!サクラクエストのヒロイン(木春由乃)、
と、まちカドまぞくの猫(メタ子)・・
今回はおとなしいキャラでしたね。

黄前ちゃん:黒沢ともよ
声優さんの中でも個性的な
セリフの言い回しですね。
声を聴くのは『宝石の国』以来かな・・
第十二回声優アワード主演女優賞受賞の
貫禄すら感じるのは気のせいでしょうか。

麗奈:安済知佳
黒髪ロングなので作中キャラでは最もタイプかな。
安済さんは・・
灰と幻想のグリムガル(メリイ)、
クズの本懐(安楽岡花火)、
サクラクエスト(緑川真希)、
刻刻(佑河樹里)、
ハクメイとミコチ(セン)、
荒ぶる季節の乙女どもよ。(菅原新菜)・・
メインも多いですね ^^

加藤 葉月(かとう はづき):朝井彩加
2年生。チューバ担当。ちょい刺さるキャラw
浅井さんは・・
え。カリメロ(カリメロ)!
スクスト(降神陽奈)・・
お世話になってます。
元気なキャラが多いですね ^^

小笠原 晴香(おがさわら はるか):早見沙織
コンサート会場に来てくれました。
早見さんもマジ天使w
{/netabare}~

水着シーン・・
宇治って泳げる川があるんでしょうか・・
これ、公園かな?
私、気になりますw

エンドロールに山田尚子さんの名前を発見・・
そういえば公開は事件前でしたね。

 原作:宝島社文庫の小説
 制作:京都アニメーション
 公開:2019年4月
 視聴:2020年11月DVDレンタル

ED後も忘れず観てください ^^
3期が待ち遠しいです。
 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 35
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

響け!久美子

待ちに待ったテレビドラマの続編。
2年生になった主人公・黄前久美子を中心に、北宇治高校吹奏楽部の新年度の1年間が描かれます。

私は原作未読で、昨年鑑賞した映画「リズと青い鳥」以外、テレビドラマ以降のストーリー情報は一切入れず本作を鑑賞しました。

その上で、テレビアニメ版のファンの1人として素直に満足できたのは、映画の100分間という限られた尺の中で「期待していたモノ」を全て見せきってくれたこと。

「愛着あるキャラ達の個性的で愛嬌に溢れた数々の描写。」
「新しい部員達も含めて描かれる葛藤と熱い思い。」
「主人公・久美子の更なる成長。」
「物語中に組み込まれる心地好さと高揚感のある数々の演奏シーン。」

テレビドラマ(特に1期)で感じたハラハラ、ワクワクの「響け!ユーフォニアム」の魅力がギシギシに詰まっています。

そして更に今回の映画で加わった強い見応え感覚はニヤニヤです♪
同じ京都アニメーション制作の「たまこラブストーリー」のような恋のエッセンスが盛り込まれているのですが、作品の部活物としての熱い雰囲気を損ねる事なく本題のテーマにしっかりマッチした二人の爽やかな進展は、テレビドラマになかった味わいを絶妙に添えています。
本映画の脚本構成の中でもっとも個人的に秀一・・もとい、秀逸に感じました。(オッサンなんでお許しを^^;)

とまあ、映画としては満足するべきなんですが、2クールかけたテレビドラマに比べると、心情描写の時間が少なくキャラクターの掘り下げも不足しているため、テレビ版2期で感じた深みのある感動や余韻は得れたとは言いがたい・・・
欲を言えば、これだけ魅力的な部員達個々のドラマ要素があるのだから、もっと尺をとったコンテで登場人物の一人一人にじっくり感情移入して悲しみや喜びを味わいたかったです。
(テレビのクール放送が無理なら、映画を前後編の2本立てにすれば、本作を観る私のようなファンは必ず2本とも観るから興収も稼げたと思うのだが・・勝手な素人勘定かな・・・制作サイドはプロ集団。この美味しい題材をもっと上手く調理出来るのを承知の上で1本の映画に詰め込んだのは業界の大人の事情なのか?3期に繋げる為の戦略であって欲しい・・)

以下グダグダとネタバレ感想です
{netabare}
「好きなんだけど・・お前を!」
秀一の告白から始まる物語の開幕シーンは自分的にはややサプライズでしたが、それに合わせたオープニングの選曲はジャスト「いい感じ~♪」
交際に絡む反応には久美子らしさが出ててニヤニヤしまくりでした。
中学生でもさっさとキスをする恋愛物が多い中、「そういうことはしない・・」って、お前ら真面目かよっ!
ツッコミながらもラインのやり取りを見て清々しく感じます。
そんな二人のコンクールを前にしての一旦の決断にも純粋なひた向きさが伝わり胸が熱くなりました。
(父親的に将来の二人の結婚を認めます^^)

めんどくさい1年生筆頭、久石奏。

CV雨宮天さんの巧みにキャラの表裏さを感じさせる好演は魅力を引き出してました。
久美子役の黒沢ともよさんとの熱演、雨中での二人の本音をさらけ出した掛け合いは本作一番のエキサイティングなシーン。
「ボケっとした顔・・鏡貸しましょうか。」の奏の毒舌には久美子に悪いがニヤっとも。
相変わらずの熱い久美子節は冷めていた奏の心に火を着けます。
そうして受け継いだ熱い思いを感じさせる「悔しくて死にそうです!」は見事な締めでした。

不憫すぎる~加トちゃん葉月。

後輩の美玲にキツイ態度をとられ、挙げ句今年もオーディション落選。それでも「ゴメンねー」「やったじゃん」常に優しく振る舞います。
描写は少なかったけど、陽気さの影で1年の時から大きなチューバを背負い必死に練習してきた姿が偲ばれ健気さに泣けました。
さつきがなついてくれるのと、サンフェスで演奏する勇姿を映してくれたのがせめてもの救いですが、この娘をコンクールの舞台に立たすためにも続編切望です~

チョッと丸くなった?「特別」麗奈。

再び大吉山のシチュエーションでトランペットの音色と魅惑的な姿にご馳走さま♪
プロ奏者を目指すと言った彼女は、まだなりたい物を見つけていない久美子の良きナビゲーターであり相談友達ですね。
この娘も続編で先生へのLOVEを捧げる演奏をぜひ見届けたい~

「ハイっちゅーもーく!」の優子部長。

前年の晴香部長より貫禄があり堂々の部長ぶりでしたが、コンクールの結果に崩れ落ちる後ろ姿が切ない~~直後の、落ち込む部員達の前での発言は立派でした。
夏紀副部長との絡みと「マジ、エンジェルー♪」が聞けたのが幸いです。


やっぱり凄い!コンクールの演奏シーン

自由曲「リズと青い鳥」のフル演奏。今回も全奏者と楽器を映しだす圧巻の作画です。(風の音を出してた回転ドラムみたいのも楽器?)
みぞれのオーボエが際立つ楽曲は、その音色もさることながら彼女を一周するカメラアングルも巧みでシビれました。
素人の耳には前年の「三日月の舞」と遜色なく聞こえ、むしろ荘厳さを感じるくらい。
しかし全国大会の切符をつかんだのは昨年の北宇治のお株を奪ったかのような、新任ゲンちゃん先生(月永求の親戚?)の龍聖学園。
結果は次年度の展開を考えれば正直予想どおりでしたが、発表の瞬間はドキドキし北宇治の部員達と共に落胆しました~( ´△`)


最後に、押しも押されぬ北宇治高校吹奏楽部の顔に

かつて「ユーフォっぽい」と評された久美子。
ユーフォニアムの楽器紹介を見ると、
低音から高音まで色んなパートに顔を出し、メロディから伴奏までこなす何でも屋。
金管楽器から木管楽器まで幅広く音を合わす事が出来る。
とありました。(知名度が低く影が薄いとも^^;)
作品で映し出される彼女の成長は、まさにその楽器を体現していくかのようです。
テレビドラマでは色んなやっかい事に顔を出しては解決に奔走。
映画では気難しい後輩達を懐柔し、辛い先輩に寄り添う事で色んな人と馴染む術を身に付けます。
劇中、奏に指摘されて見せた本心、演奏を「上手くなりたい」の邪魔になるとわかりながら上手く立ち回ってでも皆と合わそうとする自分の事も認めようとする思いは、久美子自身がユーフォニアムのようでありたいと願っているのかも知れません。
そんな彼女が部長として率いる北宇治高校吹奏楽部の頂点への挑戦と、その先に待つ歓喜の光景が今から待ち遠しいです。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 39

70.3 2 熱いで女子高生なアニメランキング2位
バケモノの子(アニメ映画)

2015年7月11日
★★★★☆ 3.8 (638)
4209人が棚に入れました
原作・脚本 細田守監督。


舞台となるのは、人間界のほか、動物のようなバケモノが住む「渋天街」が存在する世界。

人間界「渋谷」から「渋天街」に迷い込んだ一人ぼっちの少年が、強いけれど身勝手なために孤独だったクマのようなバケモノの剣士・熊徹と出会うことで物語が展開する。

少年は熊徹の弟子になり、九太という名前を与えられ、彼と共に修行や冒険の日々を送ることになる。


声優・キャラクター
役所広司、宮﨑あおい、染谷将太、広瀬すず、山路和弘、宮野真守、山口勝平、長塚圭史、麻生久美子、黒木華、諸星すみれ、大野百花、津川雅彦、リリー・フランキー、大泉洋
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【ネタバレ無し】熊徹と共に吠えろ!!

2015年7月より劇場公開
本編119分


【前置き】

細田守監督の長編映画第4弾。
(ONE PIECEの映画を除くと。)
「時をかける少女」の頃は、原作を上手くアレンジし名作に仕上げた監督の手腕が高く評価されておりましたが、「サマーウォーズ」以降、その評判は一般層をも巻き込むカタチで大きくなり、今やポスト宮崎駿とすら呼ばれるまでとなり、その観客動員数も他のオリジナルアニメとは一線を画すレベルとなりました。
それに従い、批評する側の目線も高くなったり、偏った意見も多くなっていった印象を受けました。

私的には、監督の作品はどれも大好きです。
大手を振って褒められるかどうかはともかくとして。
なので、評判が上がるのは勿論嬉しいのですが、批評の中には闇雲な感情論による悪態でなくしっかり的を得ている意見も多くあり、色んな意見から新たな視点を得る機会に恵まれたことに楽しさも覚えました。


前置きが長くなりましたが、そんな監督の第4作目。
普段はあまり映画館へは足を運ばないのですが、知名度の高い細田監督の作品だけは評判が出尽くす前に見ておきたいと思い、前作品らと同様に出向いて来ました。



【あらすじ】

人間界「渋谷」とバケモノ界「渋天街(じゅうてんがい)」という、通常交わることのない二つの世界。
ある日、とある事情から渋谷で途方にくれていた少年「蓮(れん)」は、渋天街の熊のような風貌のバケモノ「熊徹(くまてつ)」と出会います。

蓮は、熊徹から強くなるため弟子になるよう説得され、渋天街で「九太(きゅうた)」という名を貰い、日々修行に明け暮れるのでした。

8年後、成長した九太は偶然渋谷へ戻ってしまうのですが、そこで高校生の「楓(かえで)」から新しい世界や価値観を吸収することで、自身の生きるべき世界を模索するようになります。

そんな中、両世界を巻き込む事件が起こるのです…………。



【(劇場公開中なのでネタバレ無しで)語ってみる】

監督の他作品と比べて、本作はどこが優れていたか。
それは、この少年漫画的なシナリオからくる『熱さ』にあると、私は思いました。
サマーウォーズでもあった、「キングカズマVS人工知能ラブマシーン」の徒手空拳の格闘シーンが好きな人なら、本作でもまず燃えられるでしょう。
徒手空拳の格闘技だけでなく、本作はバケモノ達(と言っても怪獣ではなく熊男や猪男のような人型)による格闘技で、非常に力任せであり泥臭いところもあるのですが、迫力は満点でした。
作画は前作同様、映画であることを差し引いてもしっかり描ききれており、そこから上記のような魅せるシーンの更なる力の入れようは視聴者を大いに湧かせてくれます。
約2時間とアニメ映画としては少々長い部類ですが、私は一度も退屈させられるようなことはありませんでした。


ただ、映画のテーマとしては少々監督の引き出しが少ないと感じてしまったのも正直な話。
本作は、異種間を含めた「親子の絆」を描いた作品。
それこそ、前作「おおかみこどもの雨と雪」でもそうでしたし、広く家族と捉えれば「サマーウォーズ」でもそうでした。
細かく分ければ「おおかみこども」は完全に親の視点である為、本作とはまた少しテイストも対象となる年齢層も違うのですが、端から見れば一緒である時点で、多くの視聴者に既視感を与えてしまう点は残念です。
加えて、「熊男」「狼男」というのもまた、ニアミスしてると言わざるをえません。
舞台設定こそ監督の作品の中では新しい「渋天街」も、それこそ他作品で言えば見慣れた世界観であり、新鮮味には欠けてしまいましたね。


キャラクターに関しても、主人公の「九太」は、幼少時代は横着な熊徹のもとで子供なりに必死に学ぼうとする(加えてコミカルな)様に心打たれ愛着を持てたのですが、8年後のスマートになった青年「九太」は少々魅力に欠けました。
なんと言うか、見た目も含めて格好良過ぎたんですよね。
これは、前作でも主演声優を務めた「宮崎あおいさん(幼少期の九太)」と「染谷将太さん(青年期の九太)」とのキャリアの差も大きかったのかもしれませんが。
彼の見せ場のシーンも、そこに至るまでの過程や肝心の敵が少々腑に落ちなくて、首を傾げながらということもありましたしね。

何より、九太の師匠である『熊徹』が非常にキャラ立ちしている為、主人公の九太の活躍が、どうしても霞んでしまうんですよね。
私的には、青年九太が頑張るどのシーンよりも、熊徹が無骨に挑みかかる格闘シーンのほうに目を奪われてしまいました。

まず「役所広司さん」の演技が抜群に良いんです。
声をヘンに作っているわけではなく、でも役所広司さんの地声とも少し違う、まさに「熊徹」というキャラクターを自身で作り上げて演じ切った感じでした。
横柄で、人の話を聞かず、短気で、ぶっきらぼう。
そして、たった一人で自身を鍛え抜いて、自分の力で強くなった…、…強くなってしまった熊徹。
そんな男が、世界の違う人間の子供に目をかけ、なんだかんだで必死に育て上げていく様。
泣くには至りませんでしたが、やっぱり心に訴えるものがありましたよ。

この作品の評価は、この熊徹が好きになれるかどうかが大きな分かれ目となると思いますね。
私は、こういう男臭くて人情的なヤツ大好きなんです。
弟子になりたいかと言われれば、それはまた別の話なんですけどね……(笑)

勿論、魅力的なバケモノは熊徹だけでありません。
やはり見た目もインパクトのあるバケモノ達が中心となるのですが、中でもその熊徹の元で九太に目をかける豚顔の僧侶『百秋坊(ひゃくしゅうぼう)』は魅力的でした。
度々の彼の諭しがあってこそ、九太も…そして熊徹も、道を違えず成長出来たんでしょうね。
視聴後に声優さんが「リリー・フランキーさん」だと知りましたが、とても落ち着いて演じられていて、あの声だからこそここまで好感を持てるキャラになったんだと感じました。


主題歌であるMr.Childrenの『Starting Over』も非常に作品に合っている名曲でした。
いつぞや、ONE PIECEの主題歌を担当された時の曲は個人的に好きではなかったのですが、今回は自分にとっても大当たりでした。
このレビューも、この曲を何度もリピートしながら作りました。
聴くと自然と作品の良いシーンがフラッシュバックする、そんな1曲でしたね。



【総評】

映画館で見る価値があったかと言われれば、私的には十分ありました。
ただ、やはり初見且つ映画館というインパクトも含めて、評価が上乗せされた感はあるので、そういう意味では少し抑え気味な評価となるかもしれません。
まだ前評判の無かった「サマーウォーズ」を公開初日に映画館で見た時のインパクトと比べると、視聴後のテンションはかなり違いましたし。

ですが、やはりシナリオからも分かる通り王道ながらしっかり見せ場のある熱い作品なので、ファミリー層を中心にまた興行収入としては成功の作品となるでしょう。
勿論、変に偏り過ぎでなければ大人も十分楽しめる内容ですので。
私は同じ作品を映画館で二度見ることはまずないので、また足を運ぶことはないでしょうけど、早くBlu-rayでもう一度見直したいです。


ただ、やはり次回作以降の引き出しには不安を感じさせるものであったことは確かです。
アニオタ界隈では「ショタ好き」「ケモナー」等の名誉?なレッテルを貼られている細田監督。
そこが真実かどうかはさておき…この監督は、しっかりと面白いところが分かっていて且つ視聴者の目線にも立てる、そして「ショタ」等の偏った需要を上手く一般層向けに紛れさせ商業作品へと仕上げるセンスを持つ、数少ない実力のある監督だと私は思っています。

と言うわけで、次回作は
『ブッキラボウな男+そんな彼を慕うロリ少女』
という私の大好きな設定を是非、一般層にも受けるような作品へと昇華させ仕上げていただきたい。

……最後の一文は忘れて下さい。

読んでいただきありがとうございました。

◆一番好きなキャラクター◆
『熊徹(くまてつ)』声 - 役所広司さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『チコ』声 - 諸星すみれさん



以下、声優を務めた「広瀬すずさん」について。
(低俗な文章を含みますので、〆ます。)
{netabare}
本作のヒロイン「楓」を務めたのは、女子高校生ながら話題の女優『広瀬すずさん』。

とある番組での、悪質に切り取られたかのような彼女の言動が世間の反感を買い、謝罪騒ぎにまで発展したのをご存じの方もいるでしょう。

そう言えば以前にも彼女は、「明星一平ちゃん夜店の焼きそば」のCMで、一部言動が誤解を招くとして差し替えとなる騒ぎも起こりましたね。
これも謝罪騒動同様、私的には少々解せなかったんですよね。

全く………、


『ぶっちゅ~~~~~~~~~~、全部出たと?』


という言動の、一体どこに誤解を招く要素があったと言うのでしょうか。

しっかり口をすぼめ(ソースを)絞り出す様の、一体どこに何の誤解が生じていたのでしょうか。

広瀬すずさんには、これからも逆境に負けず作中の「楓」と同様に、自身の信ずる道を邁進していって欲しいものです。




………………………………ふぅ。

シュッシュ、フキフキ
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

“新冒険活劇”の意味は分からずじまいでしたが・・・

2018.08.11記


「時をかける少女」に続き「未来のミライ」公開記念で地上波で放送していたのを鑑賞。
細田監督作品は「おおかみこどもの雨と雪」「時をかける少女」に続き3作目の鑑賞となります。


今日も渋谷駅周辺は外国人で溢れ、きょろきょろしながら歩いたり、めいめい写真を撮ったりして楽しんでますね。これだけ多くの作品で取り扱われる街ですからなんの聖地巡礼かはさっぱりわかりません。ハチ公前交差点は都会の雰囲気を描写できる上、空間を広めにとれるため引きのカットをいろんなアングルから撮れることが作り手にとって魅力なんじゃないかと勝手に思ってます。

で、その渋谷の街とその渋谷に隣接する異世界「渋天街」が舞台のお話です。
お約束のハチ公交差点前もしっかり出てきますので、渋谷ファンは要チェックです。


家族関係で闇落ちしている少年“蓮”の視点から物語は始まります。夜の渋谷を走り回ったりするのですが、この時の背景しかり通行人の描写、防犯カメラを使った数枚のカットなどの工夫はさすが劇場版といえる作画です。ひょうんなことから迷い込んだ渋天街もプチ千と○尋の幻想的な作りだったりと導入はバッチリでした。ただプチ神隠し感が出たことで、否が応でもポスト宮○駿を無駄に意識させちゃったかもしれないのは余計だったかも。

物語は、作品タイトルやポスターの絵柄からバケモノ(熊徹)と蓮(または九太)の親子関係または師弟関係を軸とした展開が予想され、実質その通り進んでいきます。ただそこに焦点を絞り過ぎると中盤以降の追加要素に混乱してしまうかもしれません。《詰め込み過ぎだよん》という評はしかりで、父子愛というメインテーマを補足するための追加要素がわかりづらいです。父子関係に加え蓮の成長も描こうとしてますので尺を考えればギリギリ、劇場版の宿命とはいえ、多くを観客の解釈に委ねてます。


じゃあ自分はどうだったかというと、、、普通におもしろかったです。
ただもうちょい脚本はわかりやすく出来なかったかと注文はあります。
テーマは普遍的なものを扱ってますので、その一点突破で感動するかもしれない佳作と良作の中間と言っていいでしょう。


熊徹はいい味出してました。大正生まれか昭和一桁世代の佇まいです。イメージは星一徹(大正)か銭形のとっつぁん(昭和一桁)あたりでしょうか。頑固親父かと思いきや猪王山から子供のようと指摘されてる通り、がきんちょのようでもあります。このへんのイメージはLEONっぽい気もします。子供(っぽい大人)と子供の組み合わせもなんとなくLEON。


なにかと評判の悪いリアル俳優が声優を務める劇場作品の例に漏れず、本作もそうなのですが、全く違和感のない方がお一人いたと思います。
うさぎの宗師さま役津川雅彦さんです。 
{netabare}「お前という奴は迷いなど微塵もない眼をしおってぇ」{/netabare}
合掌…


細田作品のおおかみこどもの雨と雪では母子の愛を、本作では父子の愛ということになるんでしょうが、なかなか難しいのかもしれませんね。母と子の組み合わせが物語を作りやすいのかもしれません。であれば父と子の関係を扱った本作は意欲作ということでいいんだと思います。

{netabare}「君は俺と同じだよ。バケモノに育てられたバケモノの子だ」{/netabare}
蓮が初めて言葉にして父親と認めた瞬間、親父冥利に尽きるなと感じた瞬間でした。目の前で言われるかいなくなってから言われるか、男にとってはどうでもいいことかも。
多少のご都合展開は目を瞑って親父の自分が自己投影できたので評価が甘くなったことは認めよう(笑)


ちょっと気になったところはネタバレで隠します。

■白鯨の処理
{netabare}蓮と楓を繋いだメルヴィル著の『白鯨』。たしか船長さんが船もろとも鯨と運命を共にした話だったことは覚えていて、本編では一郎太が鯨に化けたあたりから嫌な予感しかしなかったのですが。。。
{/netabare}

以下ほぼ私見かつ妄想です。

■楓の役割って
{netabare}主人公と同年代の女の子だからといってヒロインではありません。九太が蓮に、彼が人間界に戻るための触媒と思えばたぶんすっきりします。
序盤、多々良と百秋坊が触媒となって蓮と熊徹を結びます。楓はもともと蓮が持っていた好奇心を現実世界に落とし込む存在として役割を果たします。
途中から出てきたのもあって恋愛要素を前面に出すと話がぼやけるため、あのくらいの按配で良かったことでしょう。{/netabare}

■女よ、GOMEN
{netabare}虎徹への弟子入り直後、剣士としての成長きっかけとなったのは母の幻影「なりきる。なったつもりで」の一言。宗師さま巡りを経て『大事なことは自分で見つける』と気づきがありました。これまで他人のせい、自分の殻に閉じこもっていた蓮が一皮むけるために母は必要でした。
楓もそう。8年ぶりに人間界に戻ってきた蓮は楓がいなければ路頭に迷って野垂れ死にしてたかもしれません。一郎太とのバトルでも早まって差し違えて終わってたかも。
父子愛がテーマの作品で、といいつつも結局女がいなければ何もできないのが男だったりするような。こうゆうこと言うのは女性に言わせれば男の甘えだそうです。{/netabare}



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2019.01.19追記
《配点を修正》


「おおかみこどもの雨と雪」で母子の愛、本作は父子の愛。
私は昭和の人間なので、父と子ってペラペラ話し合う印象が薄く、その延長線上、エンタメとして成立しづらいのでは?と邪推。
「クレイマークレイマー」のようなのも良いが、頑固一徹親父とその息子の物語をこの時代にこそ観たいとぞ思う。そういう意味で本作は及第点です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 40
ネタバレ

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ぼくはケモノもオッサンもすきなので熊鉄のこと可愛いとおもいました(まる)

月曜メンズデーの夜に行きましたが客の少なさにビビりました。
3週連続細田作品地上波放送で、宣伝にも力入ってるのに……。
先が不安になりましたが、平日の夜だし、単に山形がアニメ過疎地ということ、なんですかね。

ケモナー細田の真骨頂!!
バケモノの造形が可愛らしく、現代的です。
どっちかというと人間に近い。もののけ姫のそれとは大違いです。
まさしくケモナーが好む、ケモナーのための映画といっていいでしょう。

本作を見て一番に感じることは、広い意味で男の子が好きそうな映画だな、ということ。
(話と関係ないのですが、「おとこのこ」を変換したら普通に「男の娘」というワードが真っ先に出てきたw 打ったの初めてなのに。なんという時代……)

主人公の男の子が、熊鉄というバケモノに出会うところからはじまり、ともに成長していくお話で、子供の目線、子を育てる男親の目線、どちらからも楽しめるんじゃないかと思います。
今までの細田作品では珍しいくらい激しいアクションシーンが多いのもポイントです。
個人的には、どっちの目線にも共感できたなと思います。
熊鉄の乱暴でぶっきらぼうな接し方が、自分の父親と似ているせいかもしれません。
だんだん、顔まで父親に似て見えるもんだから不思議。バケモノにもかかわらず、です。
でも、それくらいリアリティのあるキャラクターだったと思います。
熊鉄を演じた役所公司さんの演技が素晴らしかった、というのも大きいですね。
違和感なさ過ぎてエンドロールまで気が付きませんでした。
「ああ、俺の父親もこんな感じだったよな……」なんて、少し懐かし気持ちに。

先週「おおかみこども」が放送していましたが、それと比較するのも面白いですね。
熊鉄と花のキャラクター性の違いは、父親と母親の子どもへの接し方のスタンスの違い、とも言えそうです。
本作パンフレットの細田監督インタビューでは、
「最近、うちに男の子が生まれまして。父親として何ができるかなって、考えたんです。」
と、綴られており、作品には男親としての理想がやはり込められているんだな、と感じました。
確かに、父親だったら男の子が生まれたら、一緒に体を鍛えたり男としての強さを教えてあげたいって気持ちになるかもw

前作に比べると、キャラクターのセリフでメッセージ性となる部分をはっきり伝えるから分かりやすい。
その分かりやすさに徹しているぶん、想像の余地が少なく、物足りなさを若干感じるところが欠点。
なので、ふわふわした映画の余韻を好む人には不満があるかもしれません。説明不足の部分もあります。
が、それでも完成度は高く、この作品の評価はほぼ好みの問題になるんじゃないかと感じています。
お涙頂戴なくカラッとしていて、後味爽やかで笑いがある作品は個人的には大好きです。

見ているだけで高揚感を得られる、しっかりと作られた王道ファンタジー映画は本当に久しぶりです。
宮崎駿が引退したらしたで次世代の監督が良い作品を作ってくれる……。素晴らしいですね。
会社は違えどバトンは受け渡されていくものなのかな、と感慨深くさえあります。
この幸福な循環がずっと続くといいですね。


P.S. バケモノの子展行きたいです。一郎彦の帽子欲しいです(大人サイズ)。2015/7/17

【追記】
{netabare}
ひとつ気になったのは、ケモノらしさについてです。
作中、「ニオイ」に触れられませんでした。ケモノ臭いだとか、人間臭いだとか。バケモノとは言っても、獣人なんできっとケモノ臭がすると思うんです。

バケモノの子を見て後、もののけ姫が無性に見たくなって見てみると、その部分において明らかに違います。
バケモノの子に出てくるケモノたちは臭いも無ければ、見た目以外ほとんど人間と違いが無い。
文明も発達しており、異国風と思わせといて玉かけご飯を普通に食うくらい、生活にも違いが無い。
もしかしたら、生活型が日本人と同じで無臭になってしまった・・・という裏設定が(!)
なんて妄想したりw
熊とか、体臭すごいですし、ニオイの演出も加わるとより面白くなってたんじゃないかと感じました。
九太が人間界に戻ったときに、九太に染みついたケモノ臭さに楓が鼻をつまむシーンとか見たかったんですけどね(笑)
でもニオイに突っ込むと、一郎彦の正体がすぐばれてしまい話がややこしくなるから、なんて事情が見え隠れするのであえて入れなかったのかなー、なんて勘ぐったりしてw

仮に、ニオイがあったら熊鉄のオヤジらしさに、より一層リアルさがあったのかもしれない。
一方で、ニオイなど生臭い要素をなくしたことが、マスコット的な愛らしいオヤジキャラの演出に一役買っているんだろうなとも思うので、結局この作品には「無臭」のバケモノが正解だったんでしょうね。
熊鉄のことを「可愛い」と感じる背景に、実はニオイも深く関係してるんじゃないかと、一人納得しましたw
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

75.0 3 熱いで女子高生なアニメランキング3位
ガールズ&パンツァー 最終章 第1話(アニメ映画)

2017年12月9日
★★★★☆ 4.0 (248)
1252人が棚に入れました
第63回戦車道全国高校生大会、対大学選抜チーム戦と、二度に渡り学園存続の危機をからくも切り抜けた大洗女子学園。三年生の卒業を控え生徒会も新体制となり、大洗女子戦車道チームのメンバーは平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、学園に降って湧いた新たな騒動。再び戦車道の試合に赴くみほ達だった。
彼女たちは何のために、誰のために戦うのか―?

声優・キャラクター
渕上舞、茅野愛衣、尾崎真実、中上育実、井口裕香、福圓美里、高橋美佳子、植田佳奈、菊地美香、吉岡麻耶、桐村まり、中村桜、仙台エリ、森谷里美、井上優佳、大橋歩夕、竹内仁美、中里望、小松未可子、多田このみ、山岡ゆり、秋奈、井澤詩織、山本希望、石原舞、金元寿子、喜多村英梨、葉山いくみ、倉田雅世、上坂すみれ、椎名へきる、明坂聡美、高森奈津美、川澄綾子、伊瀬茉莉也、平野綾、早見沙織、大地葉、ジェーニャ、小笠原早紀、佐藤奏美、田中理恵、生天目仁美、瀬戸麻沙美、米澤円、大空直美、七瀬亜深、能登麻美子、下地紫野、石上美帆、竹達彩奈、藤村歩、飯田友子、中原麻衣、原由実、津田美波、安済知佳、佐倉綾音、愛河里花子、冬馬由美、川原慶久

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

今度は通称「大洗のヨハネスブルグ」からサメさんチームが参戦します!

本作品の前作となる「ガールズ&パンツァー 劇場版」のレビューを書いたのが2016年の3月なので、ほぼ4年前になります。
自分でも相当時間が空いた感覚がありましたが、劇場版の内容は記憶に残っているので前作を復習することなく本作の視聴に臨みました。


学園孫座億を懸けた大学選抜チームとの試合にからくも勝利し、
ようやく平穏な冬の日々を過ごしていた大洗女子学園戦車道チームのメンバーたち。

3年生の卒業を控え、生徒会が改選されて新執行部が始動するなど、
小さな変化も始まっていた。

そんなある日、彼女たちの上に降って湧いた騒動。

新たに現れた難問に立ち向かうため、戦車道チームが再始動する。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

開始1分…
幕が開けて物語に引き込まれるまでの時間は、たった1分の時間も必要としませんでした。
いきなり容赦の無い展開からこの物語は始まるんですから…
でもこのあまりにも急激な展開にも振り落とされずについていけたのが実は嬉しかったり^^
心底この作品が大好きで良かったと改めて思っちゃいましたよ♪

やっぱりガルパンって凄い…
凄いと思える要素は色々あるのですが、一番はそれぞれのキャラの存在感の大きさでしょうか。
数えきれれないくらいのキャラが出てくる作品であるにも関わらず、
「あれ、これ誰だっけ…?」
という感じのキャラが少ないんですよね。
勿論、キャラ名まで全てが把握できている訳ではありません。

ですが、大洗女子はもとより黒森峰、聖グロリアーナ、サンダース、アンツィオ、プラウダなど大洗に敵対する相手も魅力的な個性派キャラが揃っているからなんでしょうけれど。
特にひーちゃん演じるカチューシャが登場しようものなら飛び上がって喜んじゃいますよ^^
声優陣の顔ぶれが半端無いのは、もう今さら触れる話じゃありませんね。

そして戦車同士の試合の躍動感が鬼懸かっていることでしょうか。
これも今更感がありますが、この作品の躍動感も言葉で言い表せないくらいの迫力なんですから…
この作品最大の醍醐味といっても過言ではありません。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、佐咲紗花さんの「Grand symphony」
エンディングテーマは、あんこうチームによる「Enter Enter MISSION! 最終章ver.」
オープニング格好良い~♪
勿論、即ゲットしました。
通勤時の楽しみが増えた気分です。

上映時間40分強の作品でした。
全6話中の第1話目ですが、既に第2話目が気になって仕方がありません。
ですが、これ完結するのにどの位時間がかかるんでしょう。
勿論、首を長くしながら待ち続けますけれど。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25
ネタバレ

result さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ガルパンファンなら見なきゃ年越せない!

公開初日!朝から劇場へ行き当日券購入予定で行きましたが満席だらけで17時開始に残り2席。
まだAMでしたが無論購入。
視聴始まり即座に涙が溢れそうでした。
OPアニメーションと初の主題歌を任せられた
佐咲紗花の『grand symphony』これがめちゃくちゃマッチしてました。
私がガルパン好き過ぎるのも原因の一つですがねww

もうね、、嬉しさのあまり内容を覚えて無いんですよ( ̄▽ ̄;)アハハ
戦車への多くの効果音にもとてつもないこだわり抜いて多くの老若男女を魅了したガルパン!
最終章1~6話迄で完結予定の本作品1話!
是非劇場でご覧下さい!

覚えてる内容はきちんと書いときます。

{netabare}
まず、生徒会メンバーが変わります。
生徒会長が杏ちゃんから華ちゃんへ。
副会長が優香里殿
広報がさおりんです。
元生徒会メンバーは大学の受験時期に迫っており、、、なんと桃ちゃんだけ留年疑惑!?(゜ロ゜ノ)ノ!
理由は内緒ww
桃ちゃんそれなのに『無限軌道大会』の為に新たな戦車を探しております。
そして探知機反応があった先が学園艦の最深部のヤンキー女子の巣窟。
そこでソドコが捕まりあんこうチームみんなで追いかける。マコが真っ先に、、ヽ(A`*)ノ≡マテ-
マコはやはりソドコ好きだな(*゚∀゚)*。_。)*゚∀゚)*。_。)ウンウン
巣窟のなかになぜかbarがありそこでソドコ掃除してたわww
しかも鉄球に鎖繋がれてww
ソドコお利口だな。
巣窟で出会ったメンバー(船舶部だったかな?)が今回の新キャラとなり桃ちゃんへはその巣窟を守ってもらった恩義があり義理難いヤンキー女子達は桃ちゃんの留年阻止の為に新戦車(マーク4)と共にサメさんチームとして加わる。
そして無限軌道大会相手はBC学園。フランスのお嬢様校で中、高一貫のキャリア組と高校から入学するノンキャリ組に別れており戦車道も毎度1回線敗退。
『優香里殿の潜伏捜査』勿論ありますよ~ヽ(´・∀・`)ノ
捜査結果キャリア組とノンキャリ組が毎度喧嘩状態にあり、、弱いんじゃねぇ?と結論に至り。。
慎重ではあるが攻めていると罠に気付き気付いた時はすでに遅し( ̄□||||!!
優勝高校の大洗女子は負けるのか!?(; ̄Д ̄)
というストーリーです。
ベタな展開かもしれませんが、もう目を離せませんでした。
{/netabare}
絶対最終章全話見に行きますよ~!d(⌒ー⌒)!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

椛華(もか) さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

1,2話視聴済み。シリーズ中最低の出来。これまでの「ガルパン」は何処へ??

※最終章第1話、第2話ともに同じレビューを投稿済み

ガルパンはこれまでアニメ版、OVA、劇場版全て視聴済みでこの映画を視聴。
大好きだったから言わせてもらうが、本当に今作は酷い。
これまでのガルパンは「最高」の評価だったが、今作は完全に期待外れ。
評価が高いのが理解できないレベルで酷い作品。サクラだろうか…?

一言で言えば「これまで成功したものの設定を丸借りした贋作」。
公式の作画、声優、世界観設定を全て引き継いで作った
売れないサークルの同人のような物。
最高級の材料を使って作られた残飯という感じ。

1.泥の中に光る宝石、戦闘シーン"のみ"良い
 物語はボロクソに書かせて貰ったが、これまで通り音響やCGは素晴らしい。
 履帯のSEや砲撃音、戦車の動き方のみは評価できる。

2.非常にテンポが悪く、引き伸ばす気満々の物語
 これまでの売り上げが良かったのに味を占めて、物語の内容を量増しして
 映画を数話編成にすることによって金稼ぎしようとしたのだろう。
 すべて前作との比較になってしまって申し訳ないが、前作(劇場版)と同じ尺なのに対し
 ここまで内容が薄いと、狙って量増ししてるようにしか見えない。
 
 尺のとり方が最低クラスにエグく、中身のないパッと出で考案したストーリーを
 10分レベルに伸ばしたものを連続で見せられているような出来。

 また、尺のとり方が
 1話:[60%導入] [40% VSマジノ学園]
 2話:[40% VSマジノ学園][10% 寸劇][50% VS知波単学園]
 上記の通り、アホみたいな区切り。長引かせて金を稼ぐ気満々な尺稼ぎに苦笑。

3.意味不明な展開・会話内容
 4Dで視聴したが、まったく白熱感がなく、生き生きしていたガルパンのキャラクター達が
 劇中ずっと意味不明な会話を繰り広げ、「?」となる展開ばかり。
 
 従来キャラクターが「生きている」のに対し、今作は
 「脚本家に操られている人形」みたいに見えてしまい不快。

 これまでの戦いで、キャラ達がチート級に強くなったのをあたりまえの様に描画しているので
 「そうはならないやろ」となるような奇策や打開策を当たり前の様に提案するキャラ達。
 ご都合展開が露骨に目に見えてしまい、非常につまらない。


大好きな作品だった作品に書きたくは有りませんが、あえて書かせてもらうが
「ガルパンも落ちたもんだな。」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

61.6 4 熱いで女子高生なアニメランキング4位
劇場版 BLOOD-C The Last Dark(アニメ映画)

2012年7月7日
★★★★☆ 3.5 (256)
1167人が棚に入れました
古くから湖への信仰が残る風光明美な町にある浮島神社。そんな浮島神社の巫女 更衣小夜(きさらぎ さや)は、神主である父親 更衣唯芳(きさらぎ ただよし)と二人暮らしをしている。小夜は 私立・三荊(さんばら)学園に通う高校2年生で普段はクラスメイト達との学園生活をめいいっぱい楽しんでいるのだが、一方で、父の命を受け ある「務め」を果たしていた。それは、『古きもの』と呼ばれる、人を遥かに凌ぐ力を持ち、人を喰らうモノを狩ること——。『古きもの』を唯一倒すことができる小夜は、人を『古きもの』から守るため、大好きな父親のため、浮島神社に伝わるという御神刀を手に独り、戦う。果たして小夜に待ち受ける運命とは!?
ネタバレ

おなべ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

復讐と愛憎の物語(レビュー超改変版)

スローテンポの内容、やり過ぎなグロ描写、最終回のどんでん返し等に賛否両論(否の方が圧倒的)だった「BLOOD-C」の劇場版作品。あにこれでは劇場版も評判が芳しくないようですね。テレビ版に懲りずに映画館にまで観に行った口ですが、いやはや…またも「BLOOD-C」には楽しませてもらいました。


テレビ版は黒幕を後一歩で取り逃がした所で終了し、劇場版は黒幕と遂に対峙します。舞台は田舎からCLAMPお墨付きの東京に、季節も夏から冬に変わっています。作風だけではなく制作スタッフもテレビ版と異なっています。

脚本はBLOODシリーズにお馴染みの藤咲淳一さん、監督は水島努さんに変わり塩谷直義さん。
名前だけ聞くと「え〜と…」と思いましたが、「このアニメOPがかっこいい」の一例でよく挙げられるBLOOD+の3クール目OP(曲はUVERworld「Colors of the Heart」)の絵コンテや演出を手掛けた方だったそうで。意外とBLOODシリーズに関わり深い若手監督です。これは…きっと今回もシャレオツに仕上がった作品になっているに違いない!!そんな期待をして公開当時ワクワクしていましたね。


以下様々な観点からレビューをしていきます。


・すげぇ作画
まず第一に注目したいのは、作画の質がテレビ版に加えて格段に向上しています。特に背景美術が素晴らしいことこの上なし。東京の冬景色からは寒さまで伝わってきます。初代BLOODのリスペクトとも言える冒頭の地下鉄の描写も緊迫感があります。リアルな東京の町並みが良く再現出来ていました。


・ふつくしいキャラデザ
Production I.Gの最終兵器と言われている(らしい)黄瀬和哉氏の小夜のキャラデザが美し過ぎて惚れ惚れします。眼鏡がないだけでこんなに小夜は違うんだねえ…。
CLAMPのキャラ原案も、テレビ版より比較的リアル頭身に近づけたそうです。本作では肉付きがしっかりしたキャラデザになっていました。これなら刀振り回しても違和感はない、はず。


・一本調子でないカメラワーク
作画云々言いましたが、個人的に劇場版「BLOOD-C」で最も評価したいのはカメラワークです。テレビ版では一歩引いたような客観的視点が非常に多く、臨場感のない戦闘シーンにはヤキモキしたもんでしたが、こちらでは真逆の痺れる戦闘シーン目白押しです。冒頭8分の目紛しい戦闘が良い例でしょう(逆にこの8分が凄過ぎて、後の戦闘は物足りなくなってしまうかも)。縦横無尽に動くので、酔わないようにご注意下さい。
戦闘シーンだけではなく、会話シーンも然り。各キャラが話す度に画面が切り替わる事はあまりなく、カメラの長回しで演技を見せています。最近やたらめったらチャッちさを感じるカット演出が多い作品の中、本作では平面的な演出は一切せず、きっちり丁寧な演出で会話シーンを見せてくれたのが好印象でした。

あんまり誉め称えるだけだと怪しい業者に見えそうなので、そろそろツッコミ所も交えて挙げていきます。


・「さやー(棒」が気になる
アニメに事欠かせない声優さんの話題に切り替えます。本作のオリジナルキャラでもありヒロインでもある「柊真奈」っていうキャラに、何でか分からんけど朝ドラ「あまちゃん」でご存知の方も多い橋本愛をキャスティングしてます。
予告編CMで水樹奈々の演技が気になった方も多々いらっしゃいましたが、橋本愛が結構な大根演技を本編で喰らわせてくれる為、左程気にならなくなっていきます。脇を固めるのが実力派声優さんばかりなので、かなり浮いてしまっています。「さやー(棒」と叫ぶ声が耳にこびり付きました。
ただ、やる気が感じられない棒読みでは決してなく、声質そのものは綺麗だと思ったので、今後の橋本愛の演技力の向上に期待したいです。


・小夜のキャラが変わり過ぎている
いやね、鼻歌口ずさんでばかりいたお気楽天然系キャラが、いきなり無愛想で無口なキャラに変わってたらそりゃ違和感は拭えません。テレビ版の小夜とは正反対のキャラになっているので、テレビ版を見ていた方は本作の小夜の性質を受けいられるか否やで、印象が大きく変わりそうです(キャラが変わった理由はちゃんとあります)。
また、本作では小夜の過去や真相には追求しません。彼女が何を思っているか明確な心理描写も少ないです。小夜の事をもっと知りたかった方には残念だったと思います(ただ、自分のことを多くは口にしないものの微妙な表情の変化から、少なからず心情を読み取れます。)
私は劇場版の小夜の寡黙なキャラが直ぐに好きになれたので、別段違和感はなかったです。水樹奈々の演技もこちらの方が合っている気がしました。


・黒幕との絡みが少ない
一番の欠点がこれかなあと。黒幕の親族が劇中で関わってくるんですが、そいつの話題は別にどーでもいいんです。こっちは小夜とアイツの絡みが早いところ見たいのに、終盤まで真っ向から対峙しないので、無駄なシーンが多く感じてしまいます。
お世辞にもフォロー出来ない最大のツッコミ所は
{netabare}ハリウッド映画級のハッキング万能性能力です。”塔”の本拠地を見つける手立ては、もっと順序立てて出来ないものかと。ハッカー有能過ぎぃ! {/netabare}
小夜とヒロインの交流の方が圧倒的に多いです。この2人の絡みに面白みを感じるか感じないかで、本作を駄作か良作か分離すると思います。
{netabare} しかし、真奈と小夜の掛け合いは中々面白い。小夜は最初ぶっきらぼうで、無視もするんですが、犬みたいに引っ付いて来る真奈に悪い気がしないのか、次第に心を開いていきます。中盤で古きものとの戦闘シーン、今まで真奈のことを「お前」呼ばわりしていた小夜が始めて真奈を名前で呼んで身を犠牲にして守るシーンは燃えた。小夜がツンからデレに変わっていく過程がとてもわかりやすく描かれています。百合?百合だろうがいいものはいいんです。文人よりも真奈との絡みの方が結構楽しめました。{/netabare}
そして黒幕の目的がわかりにくい。明確な動機ではないので、もうほんと何がしたいんだよ、あんた…となってしまう方も多そうです。
{netabare} 小夜を心底愛していたが故の文人の行動理由は、個人的にはアリでした。でも、意味が分からんという意見も納得出来ます。やはり文人と小夜の掛け合いももっと時間を取ってほしかったです。
小夜の心情描写が少ないないですが、復讐の鬼には成り切れず、迷いや情けを時折見せる人間臭いキャラクターは逸脱だったと思います。蔵人さんから「君も文人を殺したいのは同じだろう?」とか言われた後の微妙な表情が特に(水樹奈々さんの「ん…」と唸るような演技も良かったです)。小夜は憎しみを持ちつつも心の何処かでは文人の事を理解しようとしていたのかもしれませんね。
自分の心情をベラベラ喋ることはせずに、表情や行間で感情を読む映画的な要素は大いに評価したいです。{/netabare}


・結局CLAMPじゃねーか!
これを見ると「BLOOD-C」の"C"って結局CLAMPの"C"じゃねーか!という事になります。ファンサービスなのかもしれませんが、個人的には自重してほしかった…。考え直すと黒幕の目的もCLAMPらしい動機です。




・他色々・総評
復讐モノとして名義を立てていますが、クエンティン・タランティーノ監督のようなスカッとするスタンスとは全く異なります。その上脚本は結構荒々しいので、ツッコミ所も目紛しくあります。冒頭8分は非常に引き込まれるのですが、それ以降山場が中々来ないので肩透かしくらっちゃう方もいそうです。そして終盤の辺りの駆け足具合が目に余ります。
そんなやっつけ部分が何ともB級アクション映画っぽいです。滅茶苦茶なカオス描写はないので、テレビ版が好きだった方は物足りないかもしれません。グロ描写もテレビ級を期待するのはやめましょう。

でも、作品からは制作者が何でもいいから印象に残るよう見てもらおうとする意気込みが感じられました。だから多少の荒っぽさもある意味微笑ましいというか、ま、細かい事はいっか〜アクション格好良かったし!と私は思ってしまいました。とても不思議。それは小夜のキャラクターを好きになれたからかもしれません。

「BLOOD-C」はBLOODシリーズの汚名をそそいだ超駄作なんてよく言われていますが、こうして楽しんだもんもいます。世間的には失敗作だったのかもしれませんが、私にとっては大いに楽しめた価値のある作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

晩酌の肴に・・・「食べる」のではなく「喰う」アニメ作品

テレビアニメ版を観てから視聴しました

お話はテレビ版からの続きとなっています

舞台は東京
とある田舎町で「古きもの」とよばれる化け物と戦っていた
女の子の「さや」ちゃんが
自分を騙していた謎の男の子「ふみと」くんに復讐するというお話


印象的だったのは
さやちゃんのキャラ・・・
天然でドジっ娘だったさやちゃんが
まったくの別人と化してしまってます

とてもシリアスで怖い

{netabare}「私に・・・喰われたいのか?」{/netabare}
登場していきなりこのセリフ
ぶゎっと鳥肌が立ちました

テレビ版でも「古きもの」と戦うときのさやちゃんはこんな感じだったので
変わったというより
激しい怒りのため
怖いときのキャラに固まった
という見方のほうが正しいのかもしれませんね

まあ
テレビ版と比べたらお話や他のキャラの雰囲気が
とてもシリアスな感じになったからなのでしょうが
個人的には
イケメンキャラが少なくなってしまっていることも
大きな要因のひとつだと思えてなりません(ちょっと残念)
このシチュで天然ドジっ娘キャラは痛すぎますからね

一方で
バトルのときのグロさは相変わらずです

というか
テレビ版にも増して
血しぶきの激しさ
流血の量がぱない

これ
元の体の容量を超えてるんじゃね?
って思うくらいの量の血が出てきます

でも
テレビ版でなにかしらの問題があったのでしょうか
切られたり血が出る部分が映しだされるのは
専ら古きものの惨殺シーンで
"人間"に対する残虐なシーンは圧倒的に少なくなっています


さて
お話のほうですが
テレビ版は主人公の「さやちゃん」と「古きもの」が
戦うことに特化したようなお話だったのに対して
こちらは
ちゃんと構成されたストーリーになってましたね

登場人物や組織などの設定はしっかりしていて
お話のなかでの絡みもうまく考えられています

テレビ版でのエピソードもちょっとだけ盛り込まれたりしているのですが
お話が単純だったため
あまり本作のお話に影響を与えないような感じのシーンばかり

ぶっちゃけ
テレビ版は見なくても十分"堪能"できると思います


でも
多くの謎を残したままで
劇場版へと引き継がれたこの作品

コレだけ
厚みのある設定を施して
各々のキャラをいかにも意味ありげに立たせておいて
結局分かったのは

{netabare}喋る犬のカラクリ{/netabare}と

今までのドタバタ劇って結局
{netabare}ふみとくんがさやちゃんに
「ちゅー」をしたかったから?{/netabare}
ということだけ・・・

問題のシーンを見たとき
飲んでたチューハイを
思いっきり噴き出してしまいましたよ(ToT
{netabare}「ちゅー」だけに・・・^^!{/netabare}

できれば最後はお話をかっこよく締めて欲しかった・・・


余談ですが
テレビ版と本作を通して
とても多くの流血やグロいシーンが描写されたこの作品
Hぃシーンも含めて
画像処理はちゃんと施されているのですが
それでも
普通に問題ありそうで残虐な映像がとても多く映し出されてます
(ちなみにDVD、BDは画像処理が入っていません)

そのことについてはネット上で物議を醸していたのも事実です

流血のシーンについては
本作品製作サイドからは見解が出ていて
オーバーな描写の方が逆に現実感が薄れるから・・・
という考えでこのような演出になったらしいです

芸術的な観点からの解釈だと思うのですが
やっぱり
やりすぎっていう感じは否めません

一方で倫理的な観点からなのか
本作(劇場版)では人の死の描写については少なくなっているようで
その辺は考慮されていたみたいですが・・・

なんにせよ
問題は
"観る側"の受け止め方によるところが大きいと思います

ちなみに私は躊躇なく観ることができましたよ^^

さらに余談ではありますが
恥ずかしながら
本作品
{netabare}私は晩御飯(お刺身)を食べながら観てました^^!{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

BLOOD-Cの集大成。Cの意味するものとは?

※このレビューはかなり主観的な解釈による、ネタ的文章です。
 決して参考にはしないでください。



TV版を見てから随分間が空いてしまったのは、TV版でいまいち何がやりたかったのか理解できなかったからです。
でも、やっとこさ劇場版を見て分かりました。
これはつまり、
{netabare}
「アニメでハリウッドぐらいに豪華なB級・・・いやC級アクション映画を作ろうぜ!」ってことだったんだよ!!
{/netabare}

TVアニメだと時間と予算の制約があって規模を縮小せざるを得なかったんですね。だから盛り上がりに欠けてしまい、狙いも見えづらかった。
あの強いんだか弱いんだか分からない古きもの、茶番劇を繰り広げるキャラクター、壮絶(?)なラスト・・・それら違和感は全てこの映画を見れば解決します。


今回は舞台を孤島から都会に変え、登場するキャラクターもより現代的な設定に。
いかにもな軽いノリの若者たちがメインで緊迫感はほぼ皆無でした。
{netabare}
在り合わせな感じの設定が良いですね。とりあえずハッキングとかハッカーとか入れとけ!みたいな魂胆は潔いです。
やられるために出てきたようなキャラが多くて、そこらへんはTV版と共通していました。
{/netabare}


相も変わらずだったのは展開の唐突さ。
「古きもの」の登場やその戦闘だけでなく、小夜と真奈たち(映画オリキャラ)の織りなす人間ドラマもかなりスピーディで、共感する隙もありませんでした。
{netabare}
唐突に自分の過去を語り始める真奈。必要以上に真奈にべったりの月ちゃん。そして相変わらず自分語りの激しい文人さん。
古きものでは、九頭とかいう男が口からゲロンと飛び出たシーンや蔵人が巨大生物として登場するシーンは○。

突然挿入されるお色気シーンや、ラストを後日談で締めるお約束も良い感じです。
{/netabare}

真奈、というキャラを演じている橋本愛さんの演技もこのアニメに華を添えていたと思います。
{netabare}
無論、B級的な意味で。ああいう棒演技のヒロインはベタだな~と思いつつ見てました。
最初はイライラしてましたが、お風呂に入るお色気シーンで許せました!おっぱいが大きければ大概の欠点には目を瞑れます。小夜ちゃんも相変わらず豊乳で満足。
{/netabare}


アクション映画として迫力あるシーンは欠かせません。そこで、クライマックスで巨大な敵と対峙します。それにしても・・・・
{netabare}
デカすぎる!! あれじゃ完全に怪獣ですよ!(笑)
いやむしろあの怪獣風味の古きものこそ、この映画の象徴だったんだと思ってます。
{/netabare}


TV版だと作画が崩れることも多かった反面、この映画では全編に渡って高水準の作画でした。
ただ、ヌルヌルとしたスタイリッシュでダイナミックな作画のせいでわずかに漂っていた幽玄さや妖気は完全に失せてしまったように思います。
{netabare}
ある意味で初代BLOODと同じ方向性のスタイリッシュさも持ち合わせていると思います。内容は完全に異なるものになっていますが。タイトルのLastも掛けているつもりだったのかも。
{/netabare}



今まで書いたのは批判ではないです。おそらくスタッフも狙ってこのような映画に仕上げたのだと思っています。
そして、このようなB級映画は割と好みなので(高得点は上げられませんが)悪くないと思います。

こう、見終わった後の脱力感というか拍子抜けする感覚を味わいたい方にお勧めします。あとグロ表現に耐性のある方に限ります。












真面目に褒めると水樹奈々さんの主題歌での歌声と、小夜を演じる美声が素晴らしかったです。後は、、、序盤のワクワク感、でしょうか。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
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