文化庁メディア芸術祭でオリジナルアニメーションなおすすめアニメランキング 2

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早速見ていきましょう!

86.3 1 文化庁メディア芸術祭でオリジナルアニメーションなアニメランキング1位
東京マグニチュード8.0(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2691)
13817人が棚に入れました
中学1年生の小野沢未来は弟の悠貴のお守りとして一緒に東京のお台場へロボット展を見に来ていた。その最中、東京にM8.0の海溝型大地震が発生、連絡橋は崩壊し、東京タワーが倒壊するなど、東京は大きな被害を受ける。
未来と悠貴はお台場で出会ったバイク便ライダー日下部真理の力を借りて世田谷の自宅へ帰ろうとする。

声優・キャラクター
花村怜美、小林由美子、甲斐田裕子、喜多村英梨、豊崎愛生、高平成美、遠藤綾、沢城みゆき、野中藍、中博史、井上喜久子、滝川クリステル
ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

長尺の目と、fuushinの妄想、もう、よそう。2018.12.5 追記。

本作のレビューからズレてしまうことをお許しください。

{netabare}
先日の大阪の地震は、愛知県では震度4でした。
私は職場にいて、「あ、ついに来た!」と身構えました。
熊本地震、東日本大震災、阪神淡路大震災の実情。
桜島、霧島連山、御嶽山、草津白根山などの噴火の記憶も生々しい。

しかし、私の知識はほぼほぼ中学生レベルで止まっています。
高校で、地学を取りましたが記憶するばっかりで、実学には結びついていません。

本作では、地震学者から見ると、待望の啓蒙作品でもあるし、危機管理と対策の教本的なものなのかもしれません。

マグニチュードという言葉を調べていて、ちょっと理解が進んだのですが、先日の大阪の地震はM6.1でした。震源地は地下13㎞です。

これは、広島に投下された原爆(20キロトン)の放出エネルギーと同じです。地下13㎞のエネルギーは、地表ではあの爆発規模になるのですね。

ちなみに、東日本大震災(M9.0)は、関東大震災の約50倍、阪神・淡路大震災の約1400倍です。

(ここまでは、「日本の地下で何が起きているのか」(鎌田浩毅氏著。岩波科学ライブラリー。2017.10.18)より一部引用。)

さて、私はザックを担いで鈴鹿、比叡、伊吹山などから琵琶湖を眺めるのが好きで、その大きさに感銘を受けるのですが、同じように、北、中央、南アルプスを縦走するのも好きです。雄大な山並みや巨大な山塊には地球のパワーに圧倒されます。
体力的には2泊3日が限界ですので、そうそう長い距離は歩けませんが、見るだけなら、160㎞くらいは(富士山から槍ヶ岳)。思いを馳せるだけなら、九州・北海道の山も・・見て見たい。

それで、南海トラフの距離は、東西約700㎞と、全く私の想像を超えます。ここが動くかも・・・ということですね。


ここから先は、fuushinの虚妄です。はい。

本作を観た後のレビューとして適切ではないかもしれません。
いつものようにちょっぴり、スピリチャルっぽく書いていますので、お好みでない方はスルーしてくださいね。
 
私は、「君の名は。」や「かぐや姫の物語」などで、いささか異質なレビューを書いていますが、その視点は、縁の不思議さや魂の錬磨といったたぐいのものです。そして、そのアプローチには、言霊、数霊、シンクロニシティといったたぐいの概念を使っています。

前振りした地震についての妄想なのですが、今、こう思います。

ひとつは、ジュセリーノ・ダ・ルース氏の「予言」です。ネットでは「怪情報」としての扱いです。まあ、そうでしょう。

2018年6月21日。(夏至ですね。陽の極点です)

明日ですが、東海地震の発生を「予言」しています。本当かどうかは分かりませんが、この人の予言は結構な確率で「的中」させているので、個人的には全否定はしていません。もちろん当たらないことを祈りますが。

マグニチュードは、10.6。 東日本大震災が9.0でしたから、放出されるエネルギーは、数100倍(詳しくないのでごめんなさい)。

日本地震学会では、「中央防災会議での「現状では東海地震の確度の高い予測は困難」との議論もあり、より範囲の広い南海トラフ地震の想定震源域全体(駿河湾〜宮崎沖)を対象とした「南海トラフ地震に関連する情報」の運用が平成29年11月1日から始まりました。」と述べ、ホームページの「東海地震に関する項目」はすべて「改定中」になっています。つまり、学会としては見解を出してはいません。

これを受け、気象庁は「当面の間、気象庁は「南海トラフ地震に関連する情報」を発表することとしました。この情報は、平成29年11月1日から運用を開始しました。」としています。

ちまたの官民合わせた情報においても、「いつ起きても不思議ではない」となっています。そういういろんな科学的な知見、防災予防、啓蒙に機運がかつてなく高まってきてはいます。そう思うと、私は、ジュセリーノ氏の予言もあながち間違いではなく、当たらなければいいわけで、当たれば困る・・・ということです。


それで、fuushinの思いとしてはこうです。

日本を、龍体と見立てたとき、琵琶湖は「子宮」、淀川は「産道」になります。震源地はその付近でした。それは陣痛?何かが生みだされる?それは何?

琵琶湖には、竹生島があり、都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ、竹生島神社)が坐しています。
主祭神は、市杵島姫命(イチキシマヒメ)。
天照大神の子で、皇孫(こうそん)邇邇芸命(ににぎのみこと)が降臨に際し、養育係として付き添い、邇邇芸命を立派に生育させたことから、子守の神さま、子供の守護神として、崇敬されている」との謂れがあります。
女性の人格を持った神様ですね。
仏教(4次元界)になると、弁財天です。日本最古・最初の弁財天で、日本三大弁財天とも言われています。江島神社(神奈川県 江の島)・厳島神社(広島県 厳島)

女性・子宝・生産の象意をもつ神仏の働きを予感させます。

また、『近江国風土記』には、夷服岳(伊吹山)の多多美比古命が姪にあたる浅井岳(金糞岳)の浅井姫命と高さ比べをし、負けた多多美比古命が怒って浅井姫命の首を斬ったところ、湖に落ちた首が竹生島になったという記述があって、ここにも"夷"の文字がありました。
(今季、春アニメには、この"夷"に纏わる作品がちっくと多いような・・・。ちなみに、夷→エビス→外国人→外来の知見(特に農業生産技術)→尊敬・崇敬→神社の主祭神という流れがあります。また、夷=戎≒十戒=モーセの十戒ですね。伊吹山の隠された主祭神はどなたかしら、なんてね。)



プールの壁が崩れたのは、"寿栄小学校"。
被害にあわれたのは9歳の女の子。

この小学校の校章は"六芒星"を彷彿とさせます。(一般的にも校章に6角形を取り入れたデザインは多いのですが)
六芒星は、伊勢神宮、元伊勢とも呼ばれる籠神社(京都府宮津市)の隠された印章です。一説には「ダビデマーク」とも言われています。
ダビデは、約3000年前にイスラエル王国の王となり、12部族をまとめたと言われています(旧約聖書)。

寿栄という言葉は、歴史的には地元の寿町と栄町の両方の名前を使ったものなので、それだけをみると深い意味はありません。しかし、非常に印象的な言霊の響き(ことほぎ、さかえる)です。

9は数霊では「尊いもの・人間」を意味します。
女の子は「社会的な弱者」の暗喩になるでしょう。
壁は、「重い何かが覆いかぶさっている」「出るに出られない状態=どうにかして間もなく出てくる」という意味かもしれません。

これらを、シンクロニシティしてみると、日本で、あるいは世界情勢に、なにか大きくて尊いものが現れる前兆、狼煙(のろし)のような、加えて、南海トラフ地震への直前の警鐘のようにも感じるのです。



・・・はい、そうです。ただの妄想です。もちろん大きな地震は起こらないにこしたことはありません。ただ、科学的には「いつ起きても、明日起きても不思議ではない」という評価もあるので、ちょっと気になっただけなんです。

それをどう捉え、どう乗りこえるのか。
魂をどう磨くのか。どう守るのか。
自助、共助、公助にどんな知恵を働かすのか。
当面のポイントはここのような気がしています。

不快な気持ちにさせてしまったら、本当にごめんなさい。
{/netabare}

本作を鑑賞して、ふと、要らないことを書いてしまいました。

2018.6.22追記。
{netabare}
今日から、予言は予言でなくなりました。ただ、ホッとしていいのかどうかは一概には言えなくて、これで安心して眠れるという訳にもいきません。まんじりともしない気分です。
例えれば、今日から"毎日が8月31日"のような気分です。ごめんなさい、告白します。学校なんてなくなっちゃえばいいって、何度も思ってました。懺悔します。本作の主人公と同じです。
 
ものの本によると、"正しく怖がりましょう"と書いてありました。
地域ごとで言い伝えられている伝承とか史跡とかは、激甚災害から生き延びてきた先人たちのしたたかな知の財産ですし、最新の科学(プレートテクトニクス理論からプルームテクトニクス理論へ)もまた、未来につなげられる知の財産のひとつだと思います。

プレートが4つもひしめき合っている地域は、日本、インドネシアとその周辺、コロンビアとその周辺くらいです。
この地域は、文学的に言えば、地球規模の"ムスビとすれ違い"のもっとも激しい場所。
大地と海洋の感情と情動を、敏感に感じ取って生きている地球人の一人として、こうした国々とネットワークを組み、世界一の災害強国としての知性と見識、行動と体制作りなどを共有して70億人の人々に還元できるようになるといいですね。

長尺の目で、100年、500年、1000年、1万年というスパンで、自分と周りの人たちの命も同様に、慈愛で視る目を持ち、率先避難者(逃げるが勝ち)になろうと思います。
そうして何があっても、生き延びねばと思います。サッカーならいいけど、戦争や紛争なんてしている場合じゃないな。

そういう意味でも、本作の魅力を発信し続けていくことは大事ですね。先輩レビュアーさんの感想を読んでそう思いました。感謝しかありません。
{/netabare}

2018.12.5 追記。
{netabare}
またぞろ、こんなことを書いて不謹慎なこととは重々承知しています。
おバカな fuushinの妄想かと笑い飛ばしていただければと思います。

ジュセリーノ氏ほか、直近の地震の予言をなさっています。
12月7日、9日です。9日が本震で、マグニチュードが8.5と言う人もいるようです。
書籍、ネットにも記されています。関心のある方はご覧になってみてください。
ないにこしたことはありませんが、準備だけはしっかりとしておきたいと思います。
{/netabare}

長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

本作が、みなに愛されますように。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

後悔、先に立たず。

制作はボンズ×キネマシトラスのオリジナルアニメです。
ジャンルはリアル地震シミュレーション・ヒューマンドラマです。
ノイタミナ作品になります。


中学一年生の少女・小野沢未来を主人公とし、M8.0の直下地震に襲われた東京を舞台に描かれる作品。
未来は弟の悠貴とともに、お台場のロボット展へと来ていた。
名門私立に通う彼女はどこか厭世観を持っており、鬱屈とした感情を抱えていた。
それを晴らすためか「こんな世界、壊れちゃえばいいのに。」とインターネットに描き込んだ、その時…。


東日本大震災の発生で一際注目され、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門において優秀賞を受賞している作品。
ノイタミナ作品の中でも、かなりの社会派に分類されます。
こういった題材の作品ですので、いつになく真剣に書きます。


前半は地震に対する恐怖と三助(自助・共助・公助)・それにまつわる人間ドラマについて描き、後半は未来が{netabare}PTSDとなって悠貴の存在の大切さに気づき、心理的に{/netabare}成長する姿を描きます。
流石に地震のみを題材に作品を作ると重すぎるし、尺も取れないから人間ドラマを主体にした構成としたのでしょう。
全11話ですが、正直8話くらいでも上手くまとめられた内容かとは思いますがね。


本作における“リアリティ”は“地震”という現象の捉え方や初動時の対応、一般人の描き方にあるかと思います。
この面における過剰描写はほぼなく、すっと物語に入り込めました。
建物崩壊の描写は、多分見たらゾッとすると思いますよ。
やたら性悪な人物とかが出てくると冷めてしまいますけど、そこの塩梅も上手かったですね。
もちろんフィクションなので扇動的な描写もありますけど、許容範囲かと。


逆に主要人物たちの心情描写は雑に感じる場面も多かったです。
主人公の未来は捻くれた性格という設定ですが、それを引っ張りすぎている感はあります。
最終的に改心させて、視聴者を泣かせる意図が最初から透けて見えてしまったのは少々残念なところ。
また、姉弟とともに行動した日下部真理。
正直、なぜ姉弟と一緒に行動したのか終始分からず。
劇中で触れられていますが、幼い娘がいるならばそちらを優先すると思いますが…。

また、どの建物もほぼ半壊以上というのはやりすぎではないかとも思いました。
世田谷区は密集住宅地ですのでまだ分かるのですが、都心三区の一つである港区はそこまで軟な耐震基準じゃないはず。
地震描写に関しては、ここだけ納得できなかったです。




以下ではネタバレありで、細かい部分について詳しく書きます。

○終盤における“あの演出”
{netabare}見た人の中で多分最も賛否両論となるのが、“実は終盤の悠貴が幽霊だった”という事でしょう。
最初に書きますが、私自身この設定には否定的です。

本作は“リアル地震シミュレーション”という触れ込みで制作されています。
リアリティを重視しているはずなのにファンタジーを入れてしまったら、それはもう何だか分からないシロモノになってしまいます。
人間ドラマを主眼とし、終盤の盛り上がりのための設定だと思いますが、もう少し上手く出来なかったかなと。
後述しますが、幽霊で通すならば細かいところまで描写してほしかったですね。

でも最終回は上手く泣かせに来ていますね。
幽霊だから、ちょっと「あの花」と被りましたけど、こっちの方が上手かったような気もします。
まあ “質の良い涙”ではないですから、何とも。{/netabare}



○“影”について(「妄想代理人」の第8話、「明るい家族計画」のネタバレも含みます)
{netabare}細かいところだと思いますが、私は“影”が気になりました。
正直、8話時点で悠貴が死んでいるのは読めましたので、類似していた「妄想代理人」を思い出して“影”を見ていました。
8話から10話までは実は普通に影がありますが、11話だけ悠貴自身の影がないです。
「妄想代理人」では死んでから自身の影は完全に消していたので、ここは是非とも統一してほしかったところ。
8話から10話は演出次第で上手く誤魔化せると思いますしね。

同じような論点ですけど、悠貴が物体に触れていない点は良かったと思います。
彼は幽霊として出てきてからは何も触れていませんから。{/netabare}



○ “性格”と“思慮分別”
{netabare}ここについては思う人も多いのではないでしょうか?

まず主人公の性格。
キツくて、合わない視聴者も多いのでは。
ここに関しては合う合わないの問題なので追及はしませんが、前述の通り、体の良い主人公像に見えてしまう部分もあります。
設定自体はそれでも構わないですが、経過の部分をもっと大切に描いてほしかったかな。

続いて“思慮分別”。
ロボットオタクの少年が出てきますが、彼は別に登場させる必要がなかったと思うのですが…。
ロボットを救うために自分が崩壊しそうな場所に立ち入るっていうのは、いくら中一だからって“危なすぎる行為”だと分かりそうですけど。
彼の登場が以降のエピソードに影響しているわけでもないので、ここに関しては無駄と感じてしまいました。
悠貴がロボットを追うというのならば、まだ分かりますがね。{/netabare}



○9話の真理に関する演出
{netabare}具体的に言えば、真理が小学校で娘・義母?の遺体と対面する場面です。
布で顔が隠れているわけですけど、同じ地域に、同じ年齢構成の、同じ髪型の女性二人が生活し、それが死亡する確率はいったいどれだけのものでしょう?
気が動転していて勘違いしていたでは済まされない部分だと私は感じてしまいました。
この後、娘・義母ともに生きていることが分かるわけですけど、ちょっと無理がある演出だと思います。
感動の気持ちがサーっと引いてしまった。{/netabare}



総括して、確かに悲しくて泣ける作品です。
防災に対する啓蒙作品としても優れています。
私自身、心情的には惹かれる部分も多々ありましたが、論理的には納得のできない部分も同様にありました。

でも本作を駄作・凡作とは露ほども思いませんし、「一度は見ておいてよかった」とも思います。
地震について考えてみたい方は、一度ご覧になってはいかがでしょうか?
家族で見れば、防災について考える良いきっかけにもなるかと。

点数の割に酷評気味な書き方ですが、いろいろ思うところがあったからです。
本作自体に興味がなかったら、こんなに長文を書きませんからね。
それでは、長文失礼しました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 51
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

東京で大きな地震が発生。そして家族のかけがえのなさに気が付いた…。

この作品は、観るかどうかとても迷いました。

震災の恐ろしさや悲しさ…
そんなやるせなさの中に自ら飛び込む勇気が持てなかったからです。

自分たちの身にもいつか…
なんてことを考えてもどうしようもないし、

もしもの時のために備えをしても、
どれだけ覚悟をしたとしても、

「よし、これでいつ大きな地震が来ても大丈夫!」
なんて言える日は絶対に来ない。


幼い頃、阪神淡路大震災を体験しました。

あらゆる記憶がはっきりとしていないほど幼かったのですが、
それでも地震発生時の事は今でもはっきりと、鮮明に覚えています。

体験したことのない激しい揺れ。
横並びで寝ていた私と妹の上に覆いかぶさりながら、何かを叫んでいる母。
起き上がることも何もできず、
ただ揺れが収まることを待つことしかできなかった時間。

そして揺れが収まった後に見た、家の中の有様。
高速道路の下敷きになって死んだ近所の人の話。
水道が復旧するまで、地下水を汲みに行くのは私の仕事だったこと。

幸いにも大きな被害のない地域でしたが、
あの時感じた揺れと恐怖、非日常な日々は、はっきりと私の中に残っています。

その記憶で十分…
今さら、わざわざ怖いものを観なくても…。
そんな迷いがありました。

だけど観終わった今、
この作品を観てよかったと思っています。

そして、たくさんの人に知ってもらいたい作品だと思いました。

全11話です。


● ストーリー
未来の事なんてわからない。

共働きで忙しくしていて、
口を開けば小言ばかりの両親。

家族、自己中心的な人たち…
いろんなことにイライラが募る日々。

夏休み、弟の悠貴(ゆうき)に付き添って、
お台場のロボット展にやってきた小野沢未来(おのざわ みらい)。

「いっそのこと、こんな世界、壊れちゃえばいいのに。」
何気なくそうつぶやいた瞬間、その地震はやってきた。


東京を襲ったマグニチュード8.0の地震。

これは、
大きな震災を体験したことがない人ほど見てほしい作品です。

そしてこんな現実に、
いつか直面するかもしれないイメージを持っておくべきだと思います。

この作品で描かれていることは、
決して大げさなことではないから。

むしろ現実はもっとひどいと思うから。


主人公の未来が常にイライラしていて、

元気づけようとしてくれる悠貴にさえ当たり散らすのは、
観ていて気分がよくありませんが、

そこに目をつぶることができれば、
ストーリーの構成は素晴らしい。

地震発生、
お台場から世田谷の自宅へ歩いて戻る道中、
家族の安否に募る不安、
そして自宅に到着…。

こういうアニメを、本気で作ろうとする意欲が素晴らしい。
国家認定のアニメにするべきだ!

11話 {netabare} 家族との再会と、悠貴の死と、悲しさを乗り越えようとする未来の姿 {/netabare}には大泣きでした(´;ω;`)


● キャラクター
中学1年生の女の子、未来。

いろんなことに不安が募って、
毎日がイライラ。

それは等身大な中学生の姿だと思います。

だけど、ちょっと性格が歪んているのが難点。笑

弟の悠貴(小学3年生)は、
とてもいい子なのにな…。

だけど、この震災を通して、
一番心が成長するのは彼女です。

観ていてイライラする子ではありますが、
この作品の主人公としてはふさわしい子だとも思います。


偶然未来と悠貴と知り合い、
途中まで一緒に帰ることになった、マリさん。

自分の娘と母の事も心配でたまらないはずなのに、
2人の事を放っておけず、あれこれ面倒を見てくれるなんとも優しい人です。

自分がマリさんの立場だったら、
ここまでできる自信が私にはない…(;´Д`)

マリさんと出会えたことが、
2人にとって最大の幸運だったと言えるでしょう。


● 音楽
【 OP「キミノウタ」/ abingdon boys school 】

abingdon boys schoolは、
西川貴教さんがボーカルを務めるバンド。

曲もかっこいいですが、
何よりも私が衝撃を受けたのは、映像ですね。

OPで流れるのは、震災後、倒壊した東京各地の様子。

写真やテレビで見たことある有名な観光地も、
震災にあうとこうなるのかも…

というリアルな映像が、
とても衝撃的でした。

いつもOPもEDも必ず観ますが、

あまりにもOPの映像がリアルで怖くて、
とばしたくなってしまったほどです。

この映像だけでも観る価値ありですね。


【 ED「M/elody」/ 辻詩音 】

この曲単体でも、
十分いい曲です。

この作品を最終話まで観たなら、
より魅力が増します。

明るい曲調には、
未来を信じて、というメッセージが込められているような気が…。


● まとめ
「もしも大きな地震が起こったら」というテーマを、
見事に描き切ったと思います。

恐怖、不安、不便さ、心配、我慢、
家族への想い、辛い別れ、辛い想いを抱える人々…。

今ある当たり前の生活は、簡単に壊れてしまうかもしれないこと。
今ある当たり前の生活が、とても幸せで恵まれたものであること。

それを忘れてはいけないですね。
傍にいる人の大切さに気づけなかった後悔が生まれないように。

もっと多くの人に観てもらいたいと思う作品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 35

68.7 2 文化庁メディア芸術祭でオリジナルアニメーションなアニメランキング2位
夜明け告げるルーのうた(アニメ映画)

2017年5月19日
★★★★☆ 3.7 (119)
448人が棚に入れました
寂れた漁港の町・日無町(ひなしちょう)に住む中学生の少年・カイは、父親と日傘職人の祖父との3人で暮らしている。もともとは東京に住んでいたが、両親の離婚によって父と母の故郷である日無町に居を移したのだ。父や母に対する複雑な想いを口にできず、鬱屈した気持ちを抱えたまま学校生活にも後ろ向きのカイ。唯一の心の拠り所は、自ら作曲した音楽をネットにアップすることだった。

ある日、クラスメイトの国男と遊歩に、彼らが組んでいるバンド「セイレーン」に入らないかと誘われる。しぶしぶ練習場所である人魚島に行くと、人魚の少女・ルーが3人の前に現れた。楽しそうに歌い、無邪気に踊るルー。カイは、そんなルーと日々行動を共にすることで、少しずつ自分の気持ちを口に出せるようになっていく。

しかし、古来より日無町では、人魚は災いをもたらす存在。ふとしたことから、ルーと町の住人たちとの間に大きな溝が生まれてしまう。そして訪れる町の危機。カイは心からの叫びで町を救うことができるのだろうか?

声優・キャラクター
谷花音、下田翔大、篠原信一、柄本明、斉藤壮馬、寿美菜子、大悟、ノブ

因果 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ほとばしる感性

2017年制作のアニメの中では暫定トップ。普段は一度見た作品は基本見返さないタイプの私だが、今回ばかりは何度も劇場に足を運んでしまった。

話の展開自体はいたって単純。進学を控え、思春期特有の悩みを抱えた主人公「カイ」が、人魚の女の子「ルー」と出会い、様々な出来事に触れていくことで次第に葛藤を乗り越えていくというもの。もはや青春モノと経由されうる作品の大抵がこのプロットを踏まえていると言っても過言ではないだろう。

しかしこれだけで終わらないのが湯浅政明という男である。

彼は言うなれば感性主義的なクリエイターで、「動きの総体としての"作画"」を誰よりも理解している。それが一番顕著に表れているのが2004年制作の彼の劇場初監督作品である『マインドゲーム』だ。この作品ほど言語による評価に困る作品はそうそうない。無理やり説明するなら、湯浅の頭の中に広大無辺に広がるイマジネーションの結晶を、「セリフ」や「物理法則に則った作画ルール」といったフィルターを通すことなくそのまま映像にしたようなドラッグムービー、といったところだろうか。

彼ほどに「感性」を「感性」のまま表現できるクリエイターを私は知らない。その精神性は『ルー』の中でも褪せることなく光り輝いている。

基本的にアニメという媒体は「感情の機微の表現」という点において大きくディスアドバンテージを抱えている。漫画ならば、コマとコマの間に我々の想像力が介入することによって、映画ならば演者の演技力によって、これは解決されうるのだが、アニメではそうはいかない。

アニメでは、漫画のコマ割りのように話をぶつ切りすることはできないし、映画に出てくる本物の人間の演者の演技ほど細やかな動きは表現できないのだ。(作画に割くリソースを最大化し、実写と見紛うほど精緻な映像を作ることができる可能性がある以上、「表現できない」と言い切ることには若干の抵抗があるが、もっとも、そうして極限までリアリズムを追求した作品が果たして「アニメ」と呼べるのかという話だが。)

SNSなどでウンザリするほど目にする「原作は面白いのにアニメはつまらなかった」という感想も、きっとこの点に関しての不満の表出なんだろう。

この致命的なディスアドバンテージも、湯浅(と愉快なアニメーターたち)の手にかかればなんということはない。彼は、「アニメは映画に及ばない」というパラダイムを脱却するため、「映画に近づく」のではなく、なんと「映画から離れる」ことを選択し、これを乗り越えた。

「映画に近づく」というのはつまり、実写映画の持ちうる特性をアニメ内にできる限り反映させることで、最近のアニメ映画では『君の名は。』がその代表格として挙げられるだろう。ここまでアニメアニメしていないアニメ作品というのも珍しい。背景美術の荘厳さは言わずもがな、あまつさえ「ジュブナイル×SF」というややアナクロなジャンルを現代風に再構築し、誰もが楽しめる一大エンターテイメント作品に仕上げた新海誠の手腕にはこれからも大きな期待がかかるだろう。

だがしかし、これは本当に「アニメ」と呼べるのだろうか?「作画」という手段を用いただけの単なる「邦画」の一作品に過ぎないのではないか?「アニメでしかできないこと」というものが欠落してはいないか?

これに対し、「映画から離れる」というのは、上述したように、「アニメでしかできないこと」をやることである。

ここで活きるのが湯浅の感性主義だ。頭の中に立ち現れる生きたままの感性を、現実性というフィルターを介さずそのまま絵にする。迸る感性の潮流を、少したりとも堰き止めることなく、そのまま溢れ出させる。これによって彼は、映画内の登場人物の感情を、ハッキリと、言ってしまえば実写映画以上に表現することを可能にせしめた。殊更、『ルー』は10代の若者の感情変化を綴ったセンシティブな作品であるがゆえに、彼のこの制作スタンスがピッタリ合致した。「カイ」たちのビビットな感情が、銀幕の中でキラキラと輝いているのが見えた。

感性の直接表現って例えば何だよと思う方もいらっしゃるだろうので、ここでは彼お得意の「パース崩し」を紹介しておこう。これは読んで字の如く、わざとパースを崩すことによって、普通の作画以上にダイナミズムに溢れた動きを表現する技法である。『劇場版クレヨンしんちゃん(初期)』や『風人物語』あたりを想像してもらえば分かりやすいだろう。

こういったわざと現実の物理法則を無視した動きを取り入れることでかえって登場人物の心情がありありと伝わる。そういえば初期ディズニー映画やポパイやトムとジェリーあたりなんかもこの手法をよく使っていた。

『ルー』の中では、慰霊祭でのダンスシーンやルーのパパが街を爆走するシーンなどがとりわけ印象的だった。まさに「生きた作画」だな、と改めてそう思った。作画班見たら案の定伊東伸高、うつのみや理、末吉裕一郎あたりのドラッグ作画得意マンばっかでビビった。美味しすぎる。

ほとんど作画の話になってしまったが、作品のテーマにもしっかり着目してほしい。

本音と建前、地方志向と都会志向、動と静、現在、と過去といった様々な二項対立が、それぞれどう絡み合い、どんなカタルシスを生み出してくれるのか、そんなことを考えながら見てみると面白いかもしれない。

この映画のテーマソングである『歌うたいのバラッド』も作品内で本当にいい味を出しているのでよーく聴くべし。特に終盤でこれのイントロが流れ始めたらすぐさまハンカチの用意が必須である。

"嗚呼、唄うことは、難しいことじゃない”

現在私はこの映画のBlu-rayを買おうか真剣に悩んでいる。金欠大学生をここまで悩ませるほどの超傑作なのだ。ぜひ見て欲しい。

ぜひ見て、泣いて、映画が終わったら、朝焼けに向かって『歌うたいのバラッド』を口ずさんで欲しい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「崖の上のゴニョゴニョ」風味(笑) ~才能と才能のぶつかり合いに、是非を問う~

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
アニメ映画。テーマは、「友情」「自立」。

内容、世界観ともに、まるでジブリのようなアニメです。でも、監督の部分でジブリとの違いは出ていたと思います。

監督の「湯浅政明」さんは、「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」など、独特の映像表現で知られ、受賞歴多数のアニメ界の巨匠。先日放送した「映像研には手を出すな!」で興味を持った人も多いと思いますので、そういう人は視聴してみても良いのではないでしょうか?


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、映像が素晴らしい。エンターテイメントとして上質です。

音楽も美しい。劇伴も良かったし、「歌うたいのバラッド」の持つ力も感じました。流石、名曲。

そして、脚本も素晴らしい。大まかなストーリーという意味合いではなく、しっかりと絞った言葉選びが効果的でした。

と絶賛しながらも☆は3で、しかも要素を3つに分けたのは、「映像」と「音楽」と「脚本」が、それぞれに自己主張をし、独立して動いていた印象を受けたからです。

監督は「湯浅政明」さん。「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」など、独特の映像表現で知られ、受賞歴多数のアニメ界の巨匠。先日放送したの「映像研には手を出すな!」で興味を持った人も多いと思います(私もその一人)。

音楽を担当したのは、ドラマや実写映画だけでなく、アニメでは、「思い出のマーニー」「メアリと魔女の花」など、大作を手掛けている、こちらも一流の方。

脚本は、「吉田玲子」さん。私たちにとっては、「けいおん!」や「たまこまーけっと」、「聲の形」など、京アニ作品での印象が強いけど、脚本を手掛けた作品としては、「猫の恩返し」。シリーズ構成としては、「のんのんびより」など、優しい作品を得意にしている印象です。

この3つの要素のうち、映像と音楽はまずまず噛み合っていたものの、脚本と映像はミスマッチでした。

大まかなストーリーとしては、非常に王道で、異種族の温かな交流と、少年の成長を描いたものです。

とにかくアクの強い湯浅さんの作品のアクを、吉田さんの脚本が上手く中和して、1つの物語としての体裁を保っていたと思います。

この辺、原作組の私でも振り落とされそうになった、「夜は短し歩けよ乙女」に比べれば、ぐっと観やすくなっています。メインターゲットであるだろう子供でも、ちゃんとストーリーを理解できます。

一方で、その「分かりやすさ」が、湯浅さんにとっては、ちょっと窮屈で、個性が爆発しきれていないようにも感じました。この辺をどっちで捉えるかが、評価の分かれ目でしょうか。

私は、「高評価して」「いました」。

映画序盤の静かな展開、それこそ、初めてルーとセイレーンのセッションをしたあたりまでは、☆4の評価にしようかと思っていました。

閉ざされた田舎の、鬱々した感じや、若者の不満みたいなものを、台詞によって説明するのではなく、「言葉」と「映像」と「音」で、感じさせる手腕には脱帽しました。地味ながらも、名作の気配を感じてはいました。

が、海辺でのファーストライブあたりから、徐々に「湯浅さんらしさ」が溢れだしてきて、最後には、アニメの内容同様に、決壊(笑) もう、脚本もクソも関係なく、大暴れしてましたね(笑)

怒濤の映像表現に圧倒される一方、何よりストーリーを重視する私にとっては退屈さを感じ、少し、寝落ちしてしまいました。

本作のラストシーンは、また穏やかな海に戻ってきたよう。映画冒頭と同じ風景を、同じような構図で描きながらも、光が差し込んだことにより、明るい街に変わっていた。全てに無気力で、この田舎街をバカにしていたカイの成長も見られた。

このような明るさは、「お陰岩」が崩れたことによります。しかし、「お陰岩」がなくなり、これまで実は人間を守ってきた人魚達がいなくなってしまいました。では、「お陰岩」は、日無町にとって必要だったのか、不要だったのか。

おそらく、これまで日無町は、「お陰岩」や人魚達に「知らぬ間に」守られていて、それは「親の愛情」に似ている。故郷ってのも、そんなもんでしょう。しかし、いつかは一人立ちしなければならない。

「カイ」は最後、ずっと無視し続けてきた父親に、感謝の言葉を述べました。そして、未来に向かって歩き始めた。そういう比喩としては、よく出来ていたと思います。

ちょっと引っ掛かった点としては、ルーが幼女の設定で、本当に良かったのかな? というところ。内容的には、カイと同じ高校生くらいでもいけるし、崖の上のゴニョゴニョのパクりって言われなくて済んだかもしれないしさ(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やっぱポニョじゃねえかw

【あらすじ】
「お陰岩」によって日の光を遮られる町、日無町。日の光を怖がる人魚の伝説があるその町で人々は暮らしている。これからも、この先も。

【成分表】
笑い★☆☆☆☆ ゆる★★★★☆
恋愛★★☆☆☆ 感動★★★★☆
頭脳★☆☆☆☆ 深い★★☆☆☆

【ジャンル】
感動系、中学生、進路、ポニョ、君の名、震災

【こういう人におすすめ】
私。

【あにこれ評価(おおよそ)】
65.0点。ポニョかポニョじゃないかという議論。注目度は非常に低い。

【個人的評価】
ポニョだけじゃなくいろいろな「素材」を感じる作品だが、重要なのは私が、「元の素材」より「このアニメのほうが好き」だということ。
『自分のお気に入り』

【他なんか書きたかったこと】
{netabare}
 「やっぱポニョじゃねえかw」と何回か画面に向かってツッコみましたが、「じゃあ駄作か」と言われると全然そんなことはなく最後まで楽しくみれました。……てかごめん好きだわ。お気に入りだわ。
 これが噂のタイトル詐欺ってやつです!すんません!

 ポニョだけじゃなくて、君の名とか震災とか、『元ネタ』と呼べるものを挙げるときりがないくらい様々な要素にインスパイアされています。しかしあれかね。新海さんの「星を追う子ども」といい、これといい、新進気鋭のアニメ監督は一回ジブリに喧嘩売っとくルールでもあるのかね。

 でもごめん。ポニョより君の名より好きだった。

 ストーリー展開も好きな感じで、見てて飽きなかったし、むしろ最初は「微妙かなあ」と思いながら見てたのにどんどん引き込まれて行って、終盤には「うおおおお」ってなりました。
 序盤に猛威を振るっていた「バンド」っていう要素を惜しげもなく使い捨てる感じや、メインメンバーの男女比、主人公がヒロイン以外になびかない感じ、あそこで猫じゃなくて犬を出してくるセンス(私は猫派ですが、最近各メディアの猫推しがウザい)、そしてストーリーとともに心に募ったモヤモヤがストーリーとともに温かいものを残して消えていく感じ。
 全部私の好みドストライクでした。

 今までは湯浅監督の良さは「原作選び」と「原作への理解の深さ」だと思ってたんですが、ちょっと違ったようです。湯浅監督は「素材を一度かみ砕いて、より"私"が好きな形にしてアウトプットする」人のようです。便利です。
 まあ逆に言えばやっぱ「素材」は感じちゃいましたね。次は本当に湯浅監督の中だけで育ったものをみてみたいなあ。誰も見たことがないようなものが潜んでる気がするんだけどなあ。


・作画と音楽について雑感
{netabare}  作画は最高ですね。キャラとか表情とかも好き。まあ、ヒロインはポニョでしたが。
 絵だけで泣ける新海監督、心が躍りだす石田監督、変化球の湯浅監督。作画に関して、アニメ映画の監督がイイ感じのバランスになってきましたね。細田監督は絵は普通だけど、今挙げた人たちと比べるとストーリーのオリジナル性は一歩抜きん出てるかな。頑張れスタジオ六花。
 いやあ、アニメ映画のカンブリア爆発を感じますねえ。

 音楽について。「デビルマン」と「夜は短し」でもちょっと思ったけど、湯浅監督って結構"音楽"好きなんですかね。「好き」っていうよりは、「音楽のチカラを信じてる」って感じかなあ。
 そういえば四畳半のOPとEDはアジカンとやくしまるえつこだし、ピンポンもOPとED良かったなあ。そしてこの映画のテーマ曲である「歌うたいのバラッド/斉藤和義」も良かった。1997年の曲なのか。かっこいいし全然古い感じしないですねー。これは一回斎藤さん全部聴いとかんとあかんなあ。 {/netabare}


 このままだと次の湯浅監督の作品もべた褒めしちゃいそうなので、一応言っときますけど、より厳しい目でみていきますよ私は!
 私が贔屓するのは世の中で人気ないものであって(それもあかんわ)、湯浅監督なんて今までもこれからも評価されまくるんだから私が贔屓する必要などないのです(笑)
 あ、そういえば「ケモノヅメ」は結構前に見てみたけど意味わかんなくて2話くらいで中断しましたわ!そういえばあれは湯浅監督がストーリー作ってるわ!やっぱやっぱ湯浅監督「素材」ないとダメじゃん!
 ……「ケモノヅメ」気になってきた……。もう一回ちゃんと見てみようかな……。 {/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30
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