戦いでロボットなアニメOVAランキング 21

あにこれの全ユーザーがアニメOVAの戦いでロボットな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月05日の時点で一番の戦いでロボットなアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

65.0 1 戦いでロボットなアニメランキング1位
翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~ 後編(OVA)

2015年5月27日
★★★★☆ 3.8 (181)
1076人が棚に入れました
半身ともいえる愛機・チェインバーとの壮絶な別れからおよそ半年後が舞台。

大海原を往く船団ガルガンティアで仲間たちとともに新たな人生を踏み出したレドが、チェインバーとの絆を胸に刻み、1人の青年として空と海のもたらすすべてに立ち向かってゆく物語が描かれている。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

『ガルガンティア』の航海の終点はここじゃない—。

OVA前編からの引き続きになります。
クーゲル船団からやってきた少女「リーマ」が、OVA前編のラストで「さぁ、次のフェーズに移るわよ。」と言って物語が終幕したその後が描かれています。

ガルガンティアは巨大船団で、これまでの物語はずっと海での出来事が綴られてきました。
でも、この後半ではこの世界には海以外の別の世界の存在が示唆されるのです。
確かに、海以外の世界があっても不自然ではありませんが、どこに住んでいたとしても海との関係を一切断って生活することはきっとできないでしょうから…
TVアニメ本編で描かれた海の生態系の進化などが、別の世界の人たちにどう映っていたのかは気になるところです。

そのため、ガルガンティアの世界観が一気に広がった気がしましたが、結果的にたったOVA1話の尺では描ける内容に限度があったと言わざるを得なかったのではないでしょうか。

少しググってみてピンときました。
元々はOVAの後にTVアニメの第2期制作という話があったらしいのですが、その制作の話が途中で潰えたそうなんです。
もし、第2期があったのなら、OVAのその後をしっかり描くことができ、別の世界の事ももっと良く知り得たことでしょう。
その第2期への繋がりが切れちゃったので、このOVAに世界観がドッと圧し掛かってきた結果、尺の長さが気になったんだと思います。
もしかすると、これから第2期という可能性もゼロではないと思いますので、気長に朗報を待ちたいと思いますけれど…。

OVA後編もひーちゃんの演技をしっかり堪能させて貰いました。
ひーちゃんの声質は、とても心地良く耳障りが良いので、どれだけでも聞いていられる気がします。
TVアニメ本編をリアルで視聴していた頃に、もう少し声優さんのことを知っていれば、見方も変わったでしょうに…

それにいのりん…2014年といえば、ご注文はうさぎですか?のチノや、天体のメソッドのノエル役を演じて一気にブレイクした年でもありましたが、このリーマ役もちょうど同じころに演じているということは、この作品もいのりんのブレイクの一端を担った作品なのかな…と思うと思わず嬉しくなりますよ。

オープニングテーマは、TRUEさんの「はじまりの翼」
エンディングテーマは、h-wonderさんの「大切な宝物」

OVA1話50分強の物語でした。
第2期に向けた布石と捉えると、この作品の立ち位置はグッと良くなると思います。
そう思えるだけに、TVアニメ第2期の制作中止は本当に悲しいお知らせでした。
作り手の皆さまの気合が感じられる作品だっただけに残念で仕方ありません。
ですが、本作は目一杯堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

これが最後のレド、これが最後のエイミー、でもガルガンティアの旅はずっと続くんだ

テレビシリーズの純然たる続編である60分×2話のOVA、後編
前編でも申し上げましたが普通に劇場アニメ級のクオリティなのでBD-BOXのオマケみたいのを想像してもらっては困ります
少しでも『ガルガンティア』が好きだった方は必視の内容です
残念ながら『ぷちっとがるがんてぃあ』はありませんので(笑)前編を未視聴の方はお断りです


前編のラストでクーゲル船団から加入した新人、リーマが謎のロボット(←クレジットでもロボットと表記されてます)を所持していることが判明
遂に彼女の本当の目的が明かされます


まず最初の見どころはガルガンティア船団が物資調達のために訪れる巨大フロート型都市、竜宮城での一幕
リーマを含めたお馴染みの面々での休日、“まさかの水着”、酔いつぶれるリジット船団長、ピニオンにベタベタなラケージ
しかしそんな楽しい一時も束の間、これまで設定だけが仄めかされていた“陸の国”が不穏な動きを見せているという噂が流れ・・・


クライマックスを飾るのは壮大な海戦、そしてやはり“リーマのロボット”
この結末は涙無しでは観れませんでした(ノд;)イイハナシダナァー
脚本の谷村さんが最初考えていたラストはめちゃくちゃバッドエンドだったっぽいですが、ハッピーエンドともバッドエンドとも付かぬ【手放しではない終わり】にはホント拍手ですよ


その一方、リーマの出生の秘密に関しては本編中では全て明かされることは無いままで、続編やスピンオフの構想がかなり膨らんでいたことが分かります(ヒディアーズを人類と認めるか否かも含めて)
諸般の事情により続編の制作は中止となったそうですが、逆を言えば今作のラストカットと最後のセリフで【レドの物語】に決着が付いたことがハッキリとし、【ガルガンティア船団の物語】は未来永劫に不滅ということなんだ、とオイラは思いました
ファンの方には強くオススメする一作ですb

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

タナボソ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

リアルSHIROBAKOを見た(書きかけ)

まず始めに申し上げます。
作品の感想書かないつもりです。
4/4の全国公開に先駆けて行われた「翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~」前夜祭
のレポートのようなものが書ければな、と。

その上で、ガルガンティアが好きな方はまず映画館へ観に行って欲しい。出来るだけ早く。


で、そのレポートを書く前に、これを目にしてくださった方にお尋ねしたい。
『翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~ 前編』
そんなに嫌い?w そんなにダメな作品ですか?

私は大好きなんですよ前編。
劇場で3~4回は観たのに、昨日観て海上での嵐、覆い被さる大波にうひぃぃぃで泣きそうになったしw
ラケージのユンボロ登場シーンは激しく滾るし。
ラストの引きも、布石はしっかり打たれたフェアなシナリオでありながら
意外な驚きをもたらしてくれて。早く続き観てえええってなりましたものですよ。

実際Twitter民により年間ランキングを決めるcoco賞にも
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ゴーン・ガール、たまこラブストーリー、ホドロフスキーのDUNE、ベイマックス、
楽園追放、ガルパン これが本当のアンツィオ戦です!に次ぐ8位として投票しましたし。
まあガルガンティアに投票してるの自分だけだったんすけどw


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これからまた舞台挨拶付き上映に向かうので、続きは明日にでも。
たまゆらともう一本くらいハシゴする予定。なので。

作品の好き度:5/7(2015.04.04初up)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

77.5 2 戦いでロボットなアニメランキング2位
機動戦士ガンダムUC/episode1 ユニコーンの日(OVA)

2010年3月12日
★★★★★ 4.1 (1022)
5201人が棚に入れました
第二次ネオ・ジオン抗争、別名「シャアの反乱」の終結によって地球圏には束の間の平穏が訪れた。
それから3年後、宇宙世紀0096年。工業コロニー「インダストリアル7」において、とある謀議が交わされようとしていた。政財界に絶大な影響力を持ち、地球連邦政府を影から操る ビスト財団が、「袖付き」と通称されるネオ・ジオン残党軍に『それが開かれる時には連邦政府が滅びる』と言われる「ラプラスの箱」を譲渡するという。
一方、コロニー内に設置されたアナハイム工専に通う少年バナージ・リンクスは、オードリー・バーンと名乗る謎めいた少女と出会う。新たな戦争の火種となり得る箱の取引を阻止するべく、たった一人で行動を起こした彼女を手助けするうちに、日常に“ずれ”ているような違和感を抱いていたバナージは次第にオードリーに惹かれていく…。
ネタバレ

sinsin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

憎しみの連鎖。最後まで読んでくれたらうれしいです。追記。

総評
私がこの作品を通じて感じた事はバナージ、つまりこの作品の主人公は全編をとうして絶望と厳しさの世界の中で希望と優しさを求め続け模索してきたのではないだろうかと感じた。
{netabare} それは最後のほうのセリフからも汲み取れると思う。「人の持つ可能性を、おれは信じたい」終盤になって出てくるこのセリフからはまだ人間なんて捨てたもんじゃないっていうバナージの真摯なまでの愚直さが伝わってくる。
序盤からの敵軍人のジンネマンとバナージの心の交流はとても暖かく、敵でも味方でも話をすれば分かり合える可能性を示唆し終盤のジンネマンとマリーダのやり取りの中でたとえ人工的に作られた人間であっても本物の家族になりえる、いや、それ以上にわかりあえる可能性を提示したと思う。コレは秀逸なエピソードであると同時にたとえニュータイプでなくとも物分りがよければ人間なんてわかりあえてしまうもんだなんてのも皮肉なものだと感じた。
そんな可能性を目の当たりにしたバナージだからこそそんな心境に至ったのであろうと。

ガンダムUCの世界観。
厳しさ、絶望=フルフロンタル、リディ。
対比。バランス=バナージ、ミネバ。
優しさ、希望=マリーダ、ジンネマン。
今回はかなりすっきりしてるなぁと感じる。フルフロンタルは人類の未来に対して信用していないというか、そもそも人類の本質などは未来になっても変わりようが無いように信じている節がある。その先から生まれたものがサイド共栄圏であろう。この文の筆者である私などの俗人もそうでこの時代宇宙世紀の戦乱の根幹にあるのが連邦の歪んだ支配体制だとすればサイド共栄圏いいじゃないか。と思ってしまうのである。
単純に宇宙と地球が不干渉になれば戦争はなくなるだろうという考えなのだろう。それも一理ある。がしかしグリプス戦争時代のグリプスみたいな連邦直轄サイドもいくつかあるようなのでそれはそれで茨の道で、フルフロンタルが石碑を手に入れた場合また紛争は起こるだろうと思える。しかも宇宙世紀ガンダムサーガの中でもUC150年ぐらいまでは戦争は続くのだろうからいろんな意味で報われない。いかにアクシズショックを起こそうとも。
リディはガンダムシリーズ定番の承認欲求キャラクターで認められない事を世の中に逆恨みして人を世の中を恨むようになる。誰しもそうなってはいけないと思う。だから希望を信じて優しさで自分を見失うなと。
この辺の表現はとてもよく出来ていて意味不明な富野節で語られるよりもよほど秀逸で良いと思った。まあ、ここら辺は好みの世界であろうが。
マリーダ、ジンネマンのやり取りにはホントに感動させられた。文字どうり人間捨てたもんじゃないと。いい話なのでこの辺は本編観て確かめてほしい。
この作品のテーマは「絶望の世界でも自分を見失わずに絶望を未来に残すんじゃなくて希望を未来に託すのが生きる意味」みたいなものじゃないかと思った。
それは、4話での絶望を残されたジオンの残党の悲しい末路に答えがあったように思える。そう考えるとガンダムUCという作品のテーマ性の上で4話は非常に大事なエピソードであるとうなずける。そんな経験を得てバナージは最後の結論に至るのであるから。確かこんなセリフもあったと思う。ゲーム中のバナージセリフなんだが。
「一方的にそちらの絶望を押し付けてもらっては困る」
コレはいろんな意味でバナージを表現したセリフなんだと思える。

ガンダムUCの作画。
細かい事は、下記の各話ごとの感想で表記しているがざっくりいう1,2,3話は凄い量の線画のMSがよく動く。
特に3話はカメラワークも工夫されていて凄い出来であった。
一方、4,5,6話は会話中心の文芸ドラマ作品の色合いが濃い。あまりアクションシーンで楽しむアニメではなくなっている。
一方変わって7話はMSはこれまでに無いくらいよく動いた。
私がガンダムUCの作画に対して総評として言えることはやはりこのロボットのデザインはアニメ向きではないと感じた事。そのことによっていろんな制約があったと感じざるを得ない。正直もっとロボットのディテールを減らせばものすごいメカアクションできたんじゃないかって思ってる。枚数が必要な殺陣シーンも凄く少ないと感じた。いや、逆シャアと比べた場合であるが。
キャラクターの作画は本当に多少、ちょっと顔が違うかなって思った程度のシーンがちょっとあるだけで殆ど気になる事はなかったと思う。勿論そこら辺は特に注力したところであるからまあ、当然かといったところか。人物の表情演技も良かったおかげで実写ドラマ映画と遜色は無いと感じた。いや、最近の若手俳優よりかいいと感じた。
あと人物の挙動とかはやっぱジブリなんかと比べるとやっぱ堅い。そこら辺はしょうがないと思うが。ところどころ良い滑らかなシーンもあった。
でも、吉田さんの原画やったエウレカセブンと比べると見劣りしてしまうシーンもあったかもと感じた。次期富野監督の作品が吉田さんやってるという事なのでその辺は期待したい。
ウーン、ガンダムUC作画は逆シャアが凄かった分、同じようなテーマ性を踏襲した分比べると88年作品に見劣りしてしまうという物足りなさは感じた。逆シャアは何気に滑らかで動画の質がよかった事に気づかされてしまう。そこが残念だが全て足を引っ張ったと思えるのは線の多すぎぎるロボットデザインと活字しかイメージしにくくビジュアルをイメージしにくい脚本家主導のアニメによくあるデメリットであるから仕方ない。
だってガンダムUCは脚本とメカデザインが売りだったから。

追記。
最近は良くガンダムUCを暇なとき見直しているんだけどこれが面白い。
初見だった頃は意味不明のセリフ多かったけど、最後まで観てから見直すと細かいところのキャラクターまでテーマである「希望を託していく」とか「憎しみを残すな」とかのメッセージが表現されていて驚かされる。
そう思うと、ニュータイプも一つの可能性でありその可能性も否定できるようなものじゃないと気づかされる。
私は元々ニュータイプなどという認識能力の拡大が平和へと続くといった言葉には懐疑的で否定論者である。
根本的に人はニュータイプであってもなくとも優しくなければ分かり合えないと思っているからだ。

でもニュータイプであるならもっと分かり合えるのかもな。と7話をみて考えさせられたから不思議だ。
ニュータイプが本質的に優性だといったザビ家の考えは、ただのエリート超能力者選民思想の間違った考えであると言い切れる。しかし、ダイクンのそれは少し違うような気もする。
元々宇宙世紀憲章の石碑にその新人類の誕生が記されていたとしたらニュータイプは呪いであってはならない。人類の希望であり祝福でなくてはならないと言った主張は個人的には理解できるのだ。

各話感想。
1話。
今、ガンダムUC観たのですが凄いですね。背景画、人物画ともにアナグロニズムを感じます。
オーバーパースも多いです。
お話もなんだかラピュタ、コナンみたいで謎の少女の伏線があります。期待感膨らみますね。ロボットの作画も最高級。なめらにアレだけのディテールのものがよく動きます。
遺産ですよ。
人物描写もゴーグよりもやや硬い表情かもしれないですが総合的には買ってると思います。
アレを批判できるのは私よりも遥かによく作画知ってる人でしょうね。
ジオンと連邦の描かれ方もいい。
理想を掲げるジオン?とどこか信用のおけない連邦。素晴らしい。
テーマ性でも凄いですね。
でもファンネルの軌道は逆シャアの方がよかったかもですね。

2話。
とりあえず凄い戦闘シーン。アレだけの線画のロボが凄い枚数でよく動く。でも逆シャアと比べてしまうとちょっと地味かなぁ。
変身すると強くなるってのもお決まりだけどガンダムでこうやって見せるとリアルな感じがする。
元々ロボットだし、機械的な変身であるし比較的リアルなガンダムである事も助かって荒唐無稽さが少なく感じる。
ドラゴンボールだと変身って言ったって髪の毛が代わるだけなので。
ガンダムで変身をやったアドバンテージは凄く大きいと思う。

それにしてもスペースノイドあんなに虐げられていたのか。選挙権がないとか。アレじゃ切れるよね。
ジオンがなくならないことを後ずけ設定で巧く作ってるね。
それにしてもラプラスの箱って何?
スペースコロニーの外観は正直古臭く感じるのだが、室内装飾、コロニーの内部構造は凝りに凝っていると思える。

3話
まあ、凄い映像美を感じたよ。いや地味な宇宙空間なんだけど、人間の裸が出てきたり電波的なね。
マリーダさんとかが住んで多少惑星とかも3DCGで作ってカメラをフォローして写すと凄い説得力あるね。
今まではこういった演出は、背景動画しかなかったけどとにかくこの3話に関してはフォローが多いね。
巧く演出として昇華してる。フォローを。
そういったこともあってか3話はコレまでで一番派手で奇抜な絵コンテだった感じがした。
それでいて、小惑星の全体を写したショットも多くアニメ的な感じがする。
そうか、この絵コンテは3DCGをふんだんに効果的に用いる事を考えた絵コンテだったのかもナ。
とみのっぽい電波セリフもなんか少し富野監督よりも理屈っぽいね。
普通、あのぐらいの少年あんなしゃべり方しないよ。
なんだかUCガンダムは心だ。とか訳がわからない事言ってたね。軍人さん。死んだね。

そうかなんとなくわかったような気がする。バナージしかり、理屈っぽい人とオカルトって凄く相性いいんだ。
コレが富野監督のオカルトアニメの面白さの秘密なんだ。
アムロしかり、コスモしかり、ショウしかり、勇しかり、みんな理屈っぽいから。

4話
宇宙移民も連邦も人の希望、善意で始まってのくだりから宇宙移民者の生きる為の希望。アイデンティティジオンと連邦が相容れる事はできないような事からつながって。
連邦とジオンの間に生まれた衝突によって憎しみの連鎖を生み出して、次の世代がその憎しみの連鎖を繰り返す。
人は何も知らない人間。子供まで何故に憎しみを植えつけようとするのか。
私も今住んでる実家もそういった土地の縛りとかあるよ。
土地を減らしちゃいけないとか荒らしたらいけないとか。
そういうのってのろいだよなぁ。

バナージはだからいつも自分で選べって言ってるんだよ。

リディ少尉アホか。血の縛りからは逃げられないとか。そんなのオカルトでしょう?
自分が弱い事正当化しようとしているだけだと思う。
どんなことでも自分で責任もって選ぶ。コレが大人の最低条件だと思う。
それにしても4話は正直美術的にはコレまでと比べて弱かったけどテーマ性の上ではすばらしい出来でしたなぁ。

5,6,7話
やはり正直最後まで観た感想は特に4話以降5,6とMSが殆ど動かなくて出てこなくなっていったといった感じがアル。
当然、5話なんかは殆ど室内での会話のショットばかりで、まあ、細かい駆け引きとかは面白かったんだが。平凡なシーンであるのでカメラワークはかなり工夫しているように感じたが。
コレはロボットアニメですよねぇって感じがした。
それともう一つ感じたのがやっぱガンダムってのはMS戦の高軌道も見せ場なんだよなぁと。
ファンネル戦とかも物足りなかったし、MSの殺陣シーンも物足りなかったなぁ。全般的に感じる事は地味だってこと。
7話でのネルアーガマのカタパルトデッキの攻防なんかも見せ場なんだろうけど地味だね。
逆シャアと比べると遥かに地味だね。殺陣とか。ファンネルの高軌道とか。
最後のシーンも地味だね。
逆シャアだとみんなの意思が集中してサイコフレームがオーバーロード起こしたんでしょ。敵のギラドーガまで。
だからこそ迫力と説得力があったのにね。
このがっかりした感覚はちょっと残念。それまで箱の中身はなんなのかで6話まででさんざん期待させておいて。
やっぱがっかりだなぁ。何のひねりも感じないから。絵的にも遥かに逆シャアに劣ってる感じもするし。
クリエイティブな感じがしないんだよなぁ。なんか。
それは、脚本とかセリフは全部凄いのはわかる。全部心に響いてくるセリフだから。
でもどっかで聞いた事あるようなセリフなんだよなぁ。でもそれまでの富野作品のセリフよりかは洗練されていて芯をついてくる鋭さがある。だから凄いのは認めるんだ。
終盤、フルフロンタルの言ったサイド共栄圏には個人的に私は大賛成なんだ。
宇宙と地球が独立する。フロンタルの理屈から言えば地球が独立するという事か。だって地球が宇宙に依存してるみたいな事言ってたから。
ここで一つ疑問が…。じゃあ何で一年戦争のとき宇宙から降りてきてすぐマ・クベ鉱山作った?あれ?宇宙の方が資源あるんじゃないの??何で?「私の送った資源でジオンはあと十年戦える」みたいなセリフありましたよね。
それに、このサイド共栄圏ぐらいの発想ならできる政治家、TVに出てくる評論家たくさんいると思う。
言論の自由無いのか。
いや、シャアだって多分そのくらい考えていたと思う。戦後政策として。
でもそれじゃそれぞれのサイドが一つにまとまらないから宇宙に住めばニュータイプ論が出てきたんじゃないか?
だって、Zの頃のグリプスってそうだろう。アレはティターンズつまり連邦直轄のサイドで市民はみんな連邦の社員みたいなもんなんじゃないのか?
そんなサイドがいくつかあったらサイド共栄圏なんて夢のまた夢なんだけど発想的にはダイナミズムも無い。
そこで人身を掴み取る為のスペースノイド優性化政策としてのニュータイプ論ですよね。勿論。

福井さんの文芸としてはやっぱり何かを未来に託すってのがテーマだと思う。
その為初期の頃に血の呪縛や憎しみの連鎖を描いたのであろう。リディさんで承認欲求も行き過ぎたら危険な独占欲、恨みにしかならないみたいなのものもちゃんと丁寧に描いたと思う。
果たしてバナージは後世に憎しみを伝えるのか人の優しさを伝えるのか?
答えは言わなくともわかると思う。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2
ネタバレ

蟹チャーハン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

すっかり悪者あつかいのあの人が不憫でならない

ガンダムは1stとZまでしかきっちりとは見ていません。
(OVAなら0083とか08MS小隊とか)
最近になってオルフェンズ、レコンギスタと見てからの視聴です。

もう6年も前の作品なんですね。
名前だけは聞いていたけど、ガンダムという偶像に興味を失っていました。

それは、富野版ガンダムで徹底していた“絶望の中からしか希望は生まれない”とか、
“醜悪な中からしか美は生まれない”といった普遍的なテーマを、よりにもよって
子供たちに体現させるという、鬼のような作品に惹かれたからでもあります。

それからのガンダムは名前が先行しているイメージで、いくら友情や愛を語ろうが薄っぺらく思えたし、
それを語るのが子供であるから重みもなくて、どこか軽薄、大人のおもちゃだなと感じていたからです。

この作品については、1stガンダムを彷彿させる雰囲気があるとのことで、期待もしましたし、
実際に5話まではすごいなぁ~、力作だなぁ~、と楽しめました。

ですが、、、

以下ネタバレです。
あんまりいいこと書いてません。
{netabare}
連邦とジオンの対立設定はわかりやすく、それは終わらない地球人対スペースノイドを意味しています。
地球20億人、スペースノイド100億人。
100年たっても支配構図は変わらず、地球のために100億の人間が犠牲になっています。

自治権はあるけど、投票権も参政権もない。
これは植民地支配と変わらないわけですが、当たり前すぎるのか、誰もあまりつっこみませんね。
これを認めてしまえば容易に立場が逆転しまうからで、連邦は認めないでしょうし
だから戦争が起きるわけですが、それでジオニストを単なるテロ犯扱いしてよいのか、でもあります。

そのあたりを1stとZは主人公の出自を連邦関係者にして、戦争に巻き込まれる中で、
現実を目の当たりにして歴史が教えてくれない真実や連邦側が伏せている理由など、
主人公たちに意識改革を迫るところもみどころです。

普通の少年のはずが、実はとても恵まれた環境での普通だった。
みたいな感じか。

それをうまく表現できたガンダムはおもしろいガンダムになりやすい
のかなと思うのですが、どうでしょう。
見ていてもわかりやすいですしね。

U最新作のオルフェンズでは視点を変えて、純粋なスペースノイド、それも最下層の貧民視点でつくられました。
まさに搾取される側の立場で弱い存在です。
それも少年であること。

彼らは強制労働同然の環境で働き、日々殴られ蹴られしても耐えるしかありません。
また、人身売買から人体改造までの非人道的な行為も蔓延していて、ついに積年の恨みや怒りから
立ち上がりました。

でも、それって特別なことでもなんでもなくて、UC歴シリーズでも孤児をさらっての
強化人間プロジェクトがありましたからね。ほぼ似たようなものだったのはわかります。
逆にコロニー建設に忙しくて人口は爆発的に増え続けたのだろうし、支配が確立して間もない
混迷期だったと思えば、法の整備も追いつかず、実体はもっとひどかったのかもしれません。

Zだったかで「スペースノイドは息する空気すら買わないとならないんだ」
と嘆くセリフはいまも覚えています。
カミーユの頭がおかしくなったのも歴史の重みに押しつぶされたと思うほうが自然でしょう。

ただ、歴史は勝者が語るものだし書き換えるものでもあります。
物語序盤でUC歴についての講義がありましたが、であれば本作の主人公もエウーゴとティターンズ
の対立やその理由はわかっていたと思うんですが、なぜか語られるのはジオンの悪事ばかりで、
教えていないのかどうなのか。そこは不自然さが残りました。
なぜあのときスペースノイドの改革が失敗したのか、ですね。

今作の主人公バジーナが魅力的に思えないのは、序盤はミネバの腰巾着で自分の意思が感じられず、
中途からは殺し合いを否定する気持ちだけで、戦場にたつべき人ではないと思えたからかもしれません。

自分の見える範囲くらいは守りたい、みたいなセリフを語るアニメがありましたが、まさにあれですね。
でも、戦争でそれをやられると、見えないところでもばったばったと人は死んでるわけで、
そこは気にしないの?という矛盾を感じずにいられないんです。

その点、シャアという男は、常に何かと対峙してきました。
ザビ家への反抗から連邦への挑戦、そして地球人の意識改革などなど、
はじめは私事から戦争に参加し、最後は議員にもなり大枠でとらえる男になっていきます。
実は一番成長してる? だから魅力的なんですよね。

スペースノイドの連合の実現に向け、まずは選挙への投票権を獲得したいと考えますが、
それがどうして頭のおかしな人の考えになるのか、自分にはよくわからんです。
(手段がよくないのだとしても、ミネバにこきおろされるシーンは納得いかない)

そのミネバですが、対話重視の世界平和の実現へ向けて、言葉と意識を重視して、
武力による争いを放棄します。
たしかにそれも立派な道だと思いますが、それはあくまで両者が対等な立場でなければ
実現は難しいことだと思われます。

連邦に匹敵する力をもつ組織でもあって、そこがミネバに味方するといった展開にでもならないと
搾取する側の意識は変わりようがないでしょう。
でも、そんな組織も国家もありません。地球と宇宙。それだけですからね。

いまの連邦に乗り込んでいってどれだけの支援と議席を確保できるのか。
そもそもスペースノイドに参政権がないのだから自分たちの意見を発表できる場すらありません。

スペースノイドから搾取してきたこの100年の歴史の重みを考えたい。
エゥーゴは戦争に勝利しました。
しましたが、スペースノイドの自立を夢みた試みは頓挫し失敗し、ロンドベルへと姿を変えました。

連邦が力を増してきたこの局面で、10代の少女はどう立ち向かうのか。
残念ながら可能性というフレーズだけで100億の人たちから信頼される指導者になれるとは思えない。

せっかく壮大な歴史に残る作品も、きちんと結末を描けなければ駄作です。
厳しい言い方をしますが、上辺だけの言葉で締めくくられては、
この戦いで命を落としていったキャラたちが報われないでしょう。
{/netabare}

福井さんの発言を聞いての追記
{netabare}
某まとめ記事を読んでいて福井さんの“最近のアニメはバカみたいな話”ばかりが多くなってしまった発言がちょっと引っかかりました。
お粥に例えて、かまずに飲み込める作品が増えたと言っています。

まぁ、ガンダムと比べれば恋愛要素(ハーレム)が多くて、一見するとくだらなく思えるかもしれませんね。
はじめから無敵で最強の主人公で敵なぞいないし、世界を破滅寸前のところで救うテーマが多いのもわかる。
一言でいえば大味。

でも、それならガンダムは違うのかといえば、そうでもないでしょとも思います。
ガンダムそのものが無敵ですしね。ガンダムにやられたザクのパイロットの戦死者数は何人になるのだろうか。
ニュータイプだからすべての危機を察知できるなんてご都合主義でしかないわけで、
あのシャアだって一度も勝ててないですからね。
いかに無双してるかです。

敵の新型モビルスーツもどんどん送り込まれるけど結局かなわずかませ犬で終わることが多い。
鼻息荒く初回登場してやられてスゴスゴ引き換えした天才パイロット気取りの新キャラが何人いたことか。

美女だらけのハーレムが気になるなら、それがロボから女性に代わっただけともいえます。
ガンダムを中心にモビルスーツを美女に例えたら、いったい何人の美女が登場したことになるか。
男の子だから女性よりロボを愛せ!なんてヤボなことは言いっこなしです。
それを言い出すと時代に取り残された老害となってしまう。

このレビューでも冒頭にガンダムの偶像崇拝的なことを書きましたけど、
個人的にはZ以降のガンダムは美味しいコンテンツに群がる寄生虫にしか思えませんでした。
あの手この手でその時々の視聴者や市場にすりよったのはガンダムも同じです。
ガンダムだけがひとり硬派を貫いたわけでもない。
それがみっともなく思えたもので、自然と離れていきました。

まぁ、廃れてしまうものは仕方ないんですよ。それも時代です。
あの当時の世界にはまだ米ソがあって緊張関係もあり、ドイツにはベルリンの壁もありました。
それがいまはもうありませんからね。
スパイ小説やスパイ映画の真実味がぐっと減って、かなりマイナーな存在になったのも仕方ありません。

同様に積極的に宇宙開発が叫ばれた時代が終わりを告げたわけでもあります。
石油の枯渇が警告され、水資源も枯れるといわれ、増え続ける人口に食料危機が叫ばれ、
あの時代はいろんな危機が言われたけど、結局40年近く経過してどれも当たっていません。

いつか地球は荒廃して人はいつか宇宙に住むことになるだろう。
現実味はなくとも、100年、200年後にはそうなるかも。
そう思っていた人々も現実に引き戻されたわけです。
いまは温暖化であるとか、原発などによる環境破壊の方が説得力あるけど、これもどうなることか。

あるかも、いつかそうなるかも、と思えたガンダムの描く未来は少なくともうん百年ありえない
とわかってしまったわけです。

迷走するガンダム。今後どうすべきか。
なぜヒットしたか、その理由を考えて欲しい。
どんな感性に訴えるのが一番なのか。
間口は広い方がいいんです。
あえてニッチなところに行く必要もない。

歯向かい抗う人々を描くのは簡単だけど、統治する人々を描くのは大変です。
青臭くうそ臭い政治談議は描かない。
キャラも人間です。きちんと悩み考えさせましょう。
若き主人公を支える大人の存在の必要性も考えてください。

世界観も設定もシンプルに。
視聴者が感動し、作品と一体感をおぼえる仕組みのおさらいを。
動機付けは大事。

それはメカだろうが恋愛だろうがスポーツだろうがすべて同じです。
だって人間が中心に描かれているんですからね。と。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

個人的には《宇宙世紀シリーズ》全体へのマイナスイメージを、かなり救った作品となりました。

※episode1~7全部含めたレビューです。

◆総評

1.(主人公){netabare}バナージ・リンクス →歴代Gパイロットの中で一番マシな性格をしており、割と素直に感情移入できる。{/netabare}
2.(ヒロイン){netabare}ミネバ・ザビ →歴代ヒロイン(Gパイロットの相手役)の中でも格別に気高くて凛としていて、こちらも感情移入の度合いが他作品の比ではない。{/netabare}
3.(敵役){netabare}フル・フロンタル →シャア本人ではなく、その遺伝子から製造された複製人間という設定から、シャア本人にあった激しい復讐心にとらわれた人物特有の暗さ&執念深さがずいぶん希釈されており、非常に達観した印象でイヤミがない。{/netabare}

・・・ということで、戦闘シーンの見事さと相まって、個人的にはそれまで何とか我慢して視聴し続けてきた《宇宙世紀シリーズ》全体へのマイナス評価を、かなりの程度思い直す結果となりました。


◆制作情報
{netabare}
原作小説       福井晴敏(角川書店『ガンダムエース』2007年2月-2009年8月)
監督         古橋一浩
シリーズ構成     福井晴敏(ストーリー)
脚本         むとうやすゆき
キャラクターデザイン 安彦良和(原案)、高橋久美子
メカニックデザイン  カトキハジメ、佐山善則、石垣純哉、玄馬宣彦、明貴美加、小倉信也
音楽         澤野弘之
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}

◆視聴メモ
{netabare}
・エピソード1視聴終了時点
作画・演出は流石に良く、シナリオもドラマチック&ロマンチックで期待できる出来。
とくに《ジオンの姫×彼女を護るGパイロット》の組み合わせを中世期の「貴婦人と一角獣(ユニコーン)」のタペストリーの絵柄と重ね合わせた演出が好印象)。
・エピソード2視聴終了時点
戦闘回として、これまで観たアニメの中で最高に格好いい出来(★★★(神回)評価)。
・エピソード3視聴終了時点
前回に続きバトル回として◎。
加えて、ラプラスシステムの謎解きの面白さが描かれ始める点も高評価したい。
・エピソード4視聴終了時点
この回もバトルシーンは迫力の展開で、巨大MAシャンブロの迫力は『鉄血のオルフェンズ』の武人殺戮機ハシュマルをも大きく上回る出来(※2度目の★★★(神回))。
なおこの回から、Gパイロットの看取り人=ブライト・ノア大佐(ロンドベル所属戦艦ラー・カイラム艦長)登場。
・エピソード5視聴終了時点
この回もデラマチック展開で◎だが、偽装船ガランシェール&戦艦ネェル・アーガマのケーブル接続に苦闘中のバナージにオカルト現象発生(※戦死したギルボアの亡霊出現)は不必要な演出であり、出来の良い回が続いているだけに白けて非常に残念。
・エピソード6視聴終了時点
多数の登場キャラの行動理由を一人ずつ確り読み取る必要があるので、非常に理解に難儀する回だが、3周目でようやく★★(優秀回)認定。
・エピソード7視聴終了時点
悪くない出来ではあるが、“精神感応”でとにかく“分かり合える”という設定が安直に思えて、どうしても評価が今ひつつになってしまう。{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

※「逆襲のシャア」から3年後(宇宙世紀0096年)の物語

========= 機動戦士ガンダムUC (OVA) (2010年3月-2014年6月) =========

episode 1 ユニコーンの日 ★ {netabare}宇宙世紀(U.C.)開暦セレモニー中の事故、ラプラスの箱を託す者、バナージとミネバ(偽名オードリー)の出遭い、インダストリアル7騒乱、ガンダムUC起動{/netabare} (2010年2月) ※約58分
episode 2 赤い彗星 ★★★ {netabare}フル・フロンタル大佐機ネェル・アーガマ強襲、ジオンの姫の覚悟、ガンダムUCvs.シナンジュ、資源衛星パラオの一幕{/netabare}  (2010年10月) ※約59分
episode 3 ラプラスの亡霊 ★★ {netabare}RX-0奪還作戦(連邦軍)、リディ少尉&ミネバ地球へ、NT-D発動実験(対キュベレー再戦)、強化人間マリーダ(プルツゥエルヴ)、ラプラス(旧首相官邸)残骸での再実験、ダグサ中佐戦死、ギルボア戦死、大気圏突入{/netabare}  (2011年3月) ※約59分
episode 4 重力の井戸の底で ★★★ {netabare}連邦首都ダカール騒乱、マーセナス家の真実、ビスト財団暗躍、ジンネマン船長との砂漠横断、ジオン残党の怨念、巨大MAシャンブロ暴走、カークス少佐戦死、ロニ・ガーベイ少尉戦死、バンシィ降下{/netabare} (2011年11月) ※約60分
episode 5 黒いユニコーン ★★ {netabare}調整されたマリーダ、ブライトの画策、ガランシェール隊のガルダ突入、ミネバの選択(リディ拒絶、バナージとの再会)、マリーダ奪還、ネェル・アーガマとの合流成功、連邦軍ゼネラル・レビル来襲、フル・フロンタル来援 ※オカルト現象は蛇足×{/netabare} (2012年5月) ※約54分
episode 6 宇宙(そら)と地球(ほし)と ★★ {netabare}ゼネラル・レビル撤退、ネオギオン軍のNA乗り込みと不和、フル・フロンタルの目的公表(サイド共栄圏建設&地球排斥、ジオン共和国解体を阻止するための“箱”奪取)、ミネバのラプラス最終座標暴露、艦内騒乱、フル・フロンタル退去(ミネバとの決裂)、NAインダストリアル7へ、バンシィ出撃(リディ搭乗){/netabare} (2013年3月) ※約59分
episode 7 虹の彼方に ★ {netabare}ガンダムUC同士の激突(バナージvs.リディ)、ネィル・アーガマ防衛戦(対ネオジオンMS隊)、マリーダ戦死、再びビスト邸へ(サイアム・ビストとの対面、“箱”の正体(宇宙世紀憲章の失われた最終条文))、ネオジオング(フル・フロンタル搭乗)vs.G2機、大佐の魂の昇華、財団&連邦幹部のシャイアン基地集結・コロニーレーザー照射、G2機のレーザー直撃阻止、ミネバ演説(“箱”の秘密公表){/netabare}  (2014年5月) ※約90分
-------------------------------------------------------------------
★★★(神回)2、★★(優秀回)3、★(良回)2、☆(並回)0、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.5 

※総計439分=7時間19分≒18.5話(1クール半)に相当

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

73.4 3 戦いでロボットなアニメランキング3位
FLCL フリクリ(OVA)

2000年4月26日
★★★★☆ 3.9 (580)
2470人が棚に入れました
後に「トップをねらえ!2」で監督を務める鶴巻和哉の初監督作品である。脚本は「少女革命ウテナ」「桜蘭高校ホスト部」の榎戸洋司、キャラクターデザインは「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行が担当した。

ベースギターを背負いベスパのバイクに乗ってやってきた謎の女・ハル子と彼女によって頭から変なモノが出てくるようになった小学生・ナオ太、彼と付かず離れずの関係で学校では孤立しているカメラ好きの女子高生・マミ美が主人公の不思議でサブカルな空気の実験的演出が多用された作品。

全編に渡ってthe pillowsの楽曲が使用され、物語の空気感を作る重要な要素となっている。

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

OVA、アリですねえ、、

【OVA作品というやり方】
既存作品の外伝とかではなくOVA単品という作品を見たのは初めてだったが、ちゃんと製作陣が作り込んで、かつやりたいことをやっているようでよかった。多分放映作品は浅く広く受けをねらう必要があるけど、OVAなら、狭くニッチなファンが買えばいいということで、相当やりたい放題やれたのだろう。また、放映させる場合、基本1回しか見ないし、視聴ごとに各話一週間開いてしまうので、わかりやすさが結構大事で、情報量を多くすることは難しいけれど、OVAなら何度か見て理解できる要素が色々あったり、激しい展開が可能になってくるのではないか。この作品は各話結構情報量多くて濃密な30分を堪能できる(情報量を絞っても面白い作品というのはあるが)。
こう言う商売のカタチを(自分が知らないだけで結構あるのかもしれないが)もっとやってほしい。

【メタ表現について】
作品として、製作陣の世界をつくりあげるのはいいけれど、メタ的な話を最終話までこねくりまわしたりしていて、そこは盛り上がりを阻害しているように自分は感じた。まあ第一話とかでのメタ表現は普通によく思えたし、調整が微妙なところだろうけど。

【ストーリー的な魅力】
話の内容としてはこの作品は、人間的な素朴なテーマ、SF的なかっこよさ、メチャクチャな小ネタの乱舞でできている。何よりすごいことに、(niconico動画等に通ずるようなレヴェルの悪のりを)あれだけやりたい放題やっているのに、人間的な共感や、優しさや痛さを感じられるような、力強い素朴な物語がしっかりあるのだ。
一番この作品で好きなのは麻美々だ。麻美々の物語が一番不完全で優しかった(現実的ではないが)。



【ストーリー的な難点】
重箱の隅を突けばでるものがないではない。
ご都合主義とはいえあの主人公がそこまでモテモテなのはどうなのかとかね、主人公にみんな優しすぎでしょとかね、やぼだけど。
ストーリーの難点とか気になってくる前に駆け抜けていったって感じはある。
あと自分の好みとはずれはある(まずピロウズみたいな曲聞かんし、ドンチャン派手でカッコイイ、っていうアニメって好きじゃない)。
でも見せ方がうまいし、全然見れた、

【作画】
2000年の作品だがそうは作画、演出は信じがたいほど洗練されていると感じた。女の子も男の子も可愛い(マユ毛とか)。漫画風演出は悪くないが、普通にちょっと忙しなくて分かりにくい感はあった。まあその労力に見合ってない感じも良いです。

【ニッチさ、オタクさについて、若輩の愚痴など】
延々と、さながらFaceBookで政治的な発言を繰り返すオヤジのように何度も言ってきた懐古的なことをまた話す。
やっぱりアニメ業界っていうのは(これは深夜アニメってわけじゃないからちょっとずれた話になるけれど)深夜枠という、比較的自由のきく時間帯を利用して、製作陣が好き放題、自分の世界を作ってきたものである。昔のアニメには確かにエネルギーがあった。「これが俺の世界だ、物語だ。」と、たとえ理解されなくても視聴者に堂々と作品を叩きつけていたのであった。
それがなんだ今は。視聴者に媚びへつらう技術ばかりが上達しているように思えてならない。最近はアニメも大衆化したと言うが、元々アニメにあったオタクの居場所が大衆に奪われたといった方が正しいのではないか。しかも大衆化といっても、ニッチな春画から即物的なアダルトビデオになったというような下卑たものである。AVも需要はあるだろうが春画の居場所を奪わんでくれ。

そんな世の中なのでこういう趣味全開の作品を発掘できると、その出来とは関係なしに嬉しくなる。また驚くべきは、趣味全開でありながら、それを丁寧に完璧に作り上げた上で叩きつけた手腕である。

【作品の総評】
やりたい放題やったエネルギッシュな作品に仕上がっていて、自分の趣味とは少しずれるけれどかなり高評価。
作画、演出等全部素敵です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

. さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

評価の分かれる作品です。さて、面白い?面白く無い?

ガイナックスさんとProduction I.Gさんにより製作されたそうです。1話が大体30分ぐらいで合計6話。意外と手軽に視聴することが出来ますヨ。


だけど評価は非常~~に難しい作品ですね。とても見る人を選ぶ作品だと思います。なので、いつもは”QB”よろしく営業トークの私も、今回は全ての方にはお勧めいたし兼ねてしまうのです。この作品は、カッコ良いサウンドと演出で”cool”に見せるアニメなのかと思います。なので好みが合った人は”Cooooool!”となり、そうじゃない人には”なんじゃこりゃ?”となるのかと思います。


評価の分かれ目ポイントその1!
表現方法がとても斬新です。従来のアニメ作品と異なる?表現方法を試みている為、そういう表現を”面白い”、”格好いい”、”斬新”だと受け取れるか、それとも”訳がわからない”、”つまらない”と感じるかです。
例えば、最初はシリアス展開だった画風が突然ギャグアニメ風に変わります。またある時は、画面がいきなりコマ割り漫画になってしまいます。まぁ当然そう言うときは笑いの要素を盛り込んだ場面に限られるんですけどね。果たしてそこを”cool”なギャグと受け止められるか。


評価の分かれ目ポイントその2!
音楽を気に入るか・・・ですね。音楽を担当されているのは”the pillows”さん。物語の要所X2でこの方達のサウンドが挿入され、カッコ良く場面を演出してくれるのですが、そもそもこのサウンドを”cool”と取るか、それとも自分に合わないので”イマイチ”と取るか・・・です。とても音楽の存在が大きい作品ですので、”曲”が気に入らないのでは話になりません。


物語は一人の少年の成長物語です。なんだか冷めてて、あんまり子供っぽくない小学6年生の男の子が主人公。彼は特殊な能力にある事故?をきっかけで目覚める事になります。この能力がとても不思議。右脳と左脳のなんたらかんたらを利用して超空間チャンネルを開き(なんのこっちゃ?)、遥か遠くの物体を引き寄せたり送ったりできるらしい。っと言うか、どう見ても勝手に物体を送り込まれているっポイ。なんと頭の中からロボットが出てきちゃったりする訳です! この能力をきっかけに、主人公は宇宙の中で進行している恐ろしい現実を知ることになります。そして彼の暮らす街にも魔の手が・・・。


この作品は”ヒロインの女の子がとても可愛い”と思いました。キャラクタデザインしかり、性格設定しかり・・・。合計3人のヒロインが登場しますが、それぞれが個性的。

先ずは17才女子高生のサメジマ・マミ美さん。語尾に「~っす」って付けて、なんだかいつも先輩と話をしている様な独特の喋り方が特徴。何度も聞いていると癖になる響き。それに色気があって、とっても可愛い子です^^。
で、もう一人のヒロインがハルハラ・ハル子さん。自称19才だけど、どうみても”お前20才超えてるだろう”って感じのちょっと裏のありそうな女性。。メチャクチャな行動ばかり取るのだけど、なんだか憎めなくてお茶目な一面も。
そして最後はクラスメートの女の子でニナモリ・エリさん。時々小学6年生に見えない色気を見せるおませさん。一番女の子らしいのがこの子かな。
ちなみに私のお気に入りはサメジマ・マミ美さん! ”~っす”の喋り方にかな~り毒されました。
彼女達と主人公の恋の行方も一つのポイントかな。主人公の成長に恋が重要な要素となるのは、まぁ定番ですからね。


本作品はツボにはまると面白いのですが、好みに合わないと冒頭の1話で挫折の可能性もあります。それに世界設定がとにかく”ぶっ飛んでいて”理解しづらいかも。私も1度観ただけでは理解出来ませんでしたしね・・・。


そんな訳で全ての方にはお勧め出来ませんが、この斬新な作品は好みが合うならば面白い作品になると思います。

さて、貴方はどういう判断をされるでしょうか?

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

レモンスカッシュ

本作はどういうアニメなのか?

・・・ええとですね、ベースギターで頭をぶん殴られたら角が生えてきて、
角から射精したようにドバっとロボットが現れてバトルする・・そんなアニメです。

意味不明である。
本作を未視聴の方に「こいつ何言ってるんだ?」と思われても仕方がないと思いますw
でも、そんなアニメなんですw

これ程レビュアー泣かせの作品もそうはありませんw
そりゃ表層面を掬えば、「スタイリッシュ」ですとか、「ぶっ飛んでます」とか、
「考えるより感じろ!」というアニメですなんてフレーズは出てきますが、
本作の本質部分を言葉にするのは困難極まりますw

本作の主人公であるナンダバ・ナオ太は小学6年生で、
やや斜に構えているところがあって、生意気なんですけど、実は純情で繊細と、
まぁこれから思春期に突入するであろう(または、もう突入している)
少年像の典型のようなキャラですw

ただ、彼を取り囲む異性の関係性は他の同年代よりも少し進んでいて、
ナオ太に何かとちょっかいを出してくる女子高生のサメジマ・マミ美だったり、
ナオ太の前に突如現れたハルハラ・ハル子(自称19歳)だったり、
ナオ太と同級生でナオ太のことを意識しているニナモリ・エリだったりに囲まれていて、
小学6年生のナオ太には少々刺激の強い環境です。

男の場合ですけど、思春期に突入する頃というのは、
異性への興味が即物的なものに変化していきます。
つまり、異性を性的な対象として求め始めるというということです。

他にも父と母の間には家族という関係以前に男女としての関係性が存在することに
気付き始めるのもこの時期ですかね。

あるいは、夏休み前に「学生の本分を忘れずに清く正しい生活を送るように」なんて
言っている先生が、ゲス不倫しているなんてことに気付くのもこの時期ですw

大人の世界の理不尽さに触れ、偽善と欺瞞を唾棄し、葛藤に苛まれる、それが思春期ですw

私は本作に、自身のバイブルである「行け!稲中卓球部」と似ている空気を感じていて、
思春期の時期に萌芽する初々しいまでの性への興味や、
この世(大人の世界)への葛藤だったりをギャグに昇華したのが「行け!稲中卓球部」ならば、
ハチャメチャなロボットバトルに昇華したのが本作かなと。

そのハチャメチャなロボットバトルを始めとする
(映像)制作に携わっているのは、錚々たる顔ぶれです。
価格.comでは、「ガイナックス全盛期の傑作」なんて宣伝文句もあるくらいですw
とにかく驚嘆の出来です。
アニメーションの文法に忠実に則った方法論を取りながらも、
そこに高密度な情報を乗せて、有無を言わさず直接視聴者の脳に叩き込むような、
ある種暴力的な映像です。
設定だとかストーリーだとかを考える暇もないテンポで、
言葉にしてしまえば荒唐無稽な事象が、
高い技術に裏打ちされた圧倒的映像で、形象化されています。
とにかく映像の訴求力が強くて、もうこちらはただただ呆然としていましたw
これが本作の「考えるより感じろ!」と言われている正体だと思います。

ところで、本作では様々な比喩が用いられていますが、
本作に登場するベースギターだったり、
バットだったりは男性器のメタファーというのは有名な説です。
その説に従うと、様々なシーンが実に興味深いんですけど、
そこはあまり考察せず、「考えるより感じろ!」ってことにしときますw

思春期の味が酸っぱいレモン味ならば、
そこに脳まで溶かすような強烈な炭酸が加わった
(本作にも登場する)レモンスカッシュこそが本作の味ですw

男ってのは、いくつになってもこの味が忘れられない馬鹿な生き物なんですよw

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34

72.2 4 戦いでロボットなアニメランキング4位
蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT(OVA)

2005年12月29日
★★★★☆ 4.0 (323)
1821人が棚に入れました
『蒼穹のファフナー』から一年前、人類軍とフェストゥムの両方から追われ、身を隠してきた竜宮島は、フェストゥムに探知される危機を迎えていた。未だ戦闘準備の整わない竜宮島は、ついに「L計画」という危機回避プランを実行に移す事を決定する。その計画とは、島の一部・アルヴィス左翼部L区画を切り離して囮とし,本島へのフェストゥムによる探知をかわすという作戦だった。将陵僚・生駒裕未ら8人の少年少女達は、対フェストゥム兵器ファフナー「ティターン・モデル」のパイロットとして、過酷な戦いに身を投じる事となる──…

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「去り行く者達(LEFT)の権利(RIGHT) 」

この作品は、蒼穹のファフナーの前日談…一年前の物語です。
時間軸は本編より前ですが、馴染みのキャラも登場するので、本編を見てからこちらの作品を視聴した方が、物語に入り込みやすいと思います。
もし、本編を未視聴の場合は、そちらからの視聴をお勧めいたします。

本編視聴後の余韻がとても気持ちよく、この作品の世界観にもう少し浸っていたかったので、本編に引き続き本作品を視聴しました。

今回のレビューのタイトルは、「RIGHT OF LEFT」がとても意味深い意味であることを教えてくれたwikiを引用させて貰っています。

本編ではファフナーが整備され、竜宮島の持つ戦闘力がある程度高いレベルであるところから物語は始まります。
一年前と比べると、格段に戦闘力が増しているのを感じることができます…
でも、これって一年前の戦闘力はまだ発展途上であったことの裏返しですよね^^;

普段は身を隠しながら軍事力を増強する…そんなヨチヨチ歩きの竜宮島でしたが、ある日フェストゥムに探知される寸前まで追い込まれてしまいました。

竜宮島にはたくさんの一般住民と明日を担うパイロット養成コースに通うみんながいて…島そのものが島民にとっての希望だったのです。

そんな中、この危機を回避すべくL計画が立案~実行に移され…物語が動いていきます。

このL計画…希望を捨てないというみんなの意思が結集されて実行に結び付いたのだと思いますが…この計画の内容は身を切られような痛みを伴う切ないものでした^^;

L計画に使用できる軍備は必要最小限…
ファフナーの技術レベルは向上の余地を大きく残した状態のため、パイロットへの負担が半端ありません…
何よりパイロットの絶対数もほんの一握り…

この絶望的な状況にも関わらず、パイロットのみんなは希望に満ち溢れています…

でも…度重なる…幾度となく度重ねられた戦闘による疲弊…
ファフナー搭乗の副作用の厳しさに蝕まれるパイロットの苦痛…
状況が変わるのは当たり前です…
気持ちの全部が泣き言で埋め尽くされる…そんなときがあっても仕方ないと思えるくらい容赦ない計画だったのですが…
それでも、みんなは計画の完遂を目指して必死に歯を食いしばるんです…

それは計画完遂の先にある一人一人が胸に抱いている初めから決して変わることのない夢のため…

この冷血非道なL計画の行方はどうだったのか…
それはぜひ本作品でお楽しみ頂ければと思います…^^;

物語の終盤…パイロットにとって所期の夢を叶える千載一遇のチャンスが訪れます…
でも、それは同時に所期の希望を壊すリスクを抱えたものでもありました。

そこでパイロットたちが導き出した答えは…
きっと…いえ、私には絶対に出せない答えでした(/_;)
そしてパイロットの願いと待つものの祈り…物語の結末と合わせて本作を楽しんで頂けたら…と思います。

OVA1話の作品でしたが、引き込まれました^^;
引き続き劇場版を視聴したいと思います♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

尊い犠牲

このアニメは、蒼穹のファフナー一期の前日談
として制作された作品である。
話の流れが、蒼穹のファフナーへ続くように構成されているが、
どちらを先に見るかこだわらなくても特に問題はないだろう。
まあ、時系列を重視したいか、放送順で行きたいかによるので
そこは好みの問題だと思われる。

内容を一行で言い表すと、フェストゥムの探知から逃れるため
の企画、「L計画」という危機回避プランに身を投じた8人の
少年少女たちがパイロットとして最後まで戦った歴史である。

見終わった感想としては、想像以上にクオリティの高い作品であった。
実は、私自身一期からRIGHT OF LEFTという流れで視聴したのだが
序盤はそこまで乗り気ではなかった。中盤に入ったあたりから
徐々に面白みが増していったという印象が強かったので、少し不安
な気持ちで挑んだがそれは杞憂だったようだ。

焦点を当てる主要人物を少なくし、感情移入がしやすい
作りになっている。基本的には、将陵僚と生駒祐未の二人に
徹底的にスポットが当てられている。
彼らの関係性や、ファフナーに乗る動機等を見て自然と
応援したくなる自分がいた。
今作において、一期で活躍するキャラクターも数人いるのだが
必要以上に話に割り込んでこないので過度なストレスを
感じることはなかった。

一期では、結構な数の登場人物に焦点が当てられているのだが
一部のキャラに関しては登場シーンが少ない上、あからさまにフラグが
立っていたことも相まって感情移入がしにくいと感じてしまったのだ。
今作では、そこに気を使ったのだろう。非常に魅力的なキャラクターを
生み出すことに成功している。

また、前日談という設定を上手く活かしている。
この時は敵フェストゥムに関する情報が少ない上、ファフナーに
至ってはほぼ試作段階の状態。それ故に同化と呼ばれる現象が
パイロットたちに恐怖を植え付けてくるのだ。
しかも、一期の時よりも進行速度が速い上に結晶化するという有様。

それを見て全く動じないパイロットは相当強靭な精神力
を持っていると推察される。
私が、実際にその光景を目にしたら泣き叫ぶような気がする。
そこまでの精神力は持ち合わせていないからね。

鬱要素も、一期よりは確実に高い故に慣れていないと
引きずりやすい様に感じる。只、希望も含まれる形で
終わるので、絶対に耐えられないという訳でもない。
まあ、それなりに場数を踏んでいることが前提だが。

蒼穹のファフナーの一期がそこまで好きではない方にも、
この作品には是非とも挑戦していただきたいと感じる。
個人的には間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

誰かが生き延びるために誰かが犠牲になった

泣けてしまいました。
本編の内容が難解だっただけに、この作品を視聴するのは後回してましたが、この作品は本編見たら絶対に見るべき内容ですね!

◆この作品の概要は・・・
本編の話より1年前の話。
本島を未知の生命体から守る為、L計画を実行。
その計画とは本島の一部の地域を切り離し、その地域を本島に見せかけてオトリにし、未知の生命体から本島への目を反らすという作戦。
作戦期間は2ヶ月間、オトリとした地域に配属される実行部隊は40名、その中の8人の少年少女がファフナーに乗って未知の生命体と戦います。
はたして彼らの運命は?

◆この作品の見どころは・・・
本編からもわかるようにこの作品にあるのは絶望や悲壮感。
でもその中で彼らは必死に生き延びようとします。
この作品にロボットに乗っての戦闘シーンはほんのわずかしかありません。
その分、登場キャラ達が次第に追いこまれていく絶望感から希望を見出そうとする心理描写が良く描かれていて感動しました。

◆本編で登場する少年少女達は・・・
もちろん多数登場いたします。
チョイ役で登場するのがほとんどで、一部キャラを除いてはこの時点では何が起こっているかも知らずに、本島で平和に日常を過ごしています。
そして皆城総士のラストのセリフ・・・心に重く響きましたよ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

70.3 5 戦いでロボットなアニメランキング5位
新機動戦記ガンダムW[ウィング] ENDLESS WALTZ 特別編(OVA)

1997年1月25日
★★★★☆ 3.8 (229)
1711人が棚に入れました
かつての戦いから1年。全ての武力を放棄して平和への道を進む世界に対し、トレーズ・クシュリナーダの実子を名乗る少女マリーメイアを頂く謎の軍が宣戦布告した。放棄された筈のMSリーオー他旧式戦力に新型MSサーペントを加えての武力侵攻と、平和の象徴でもあるリリーナ・ドーリアンの拉致というマリーメイア軍の暴挙に対抗すべくヒイロ・ユイとデュオ・マックスウェルは行動を開始する。しかしその前に立ちはだかったのはマリーメイアの軍門に下ったトロワ・バートン、そしてガンダムパイロットの中でただ1人ガンダムを手放していなかった張 五飛だった。一方特務機関プリベンターを組織して、亡きトレーズの意思を継ぎ地球圏の平和維持に当たっていたレディ・アンはルクレツィア・ノインやサリィ・ポォと共に事態の収拾を図るが、対応に追われていたレディ・アンの前に「火消しの風・ウインド」を名乗るゼクス・マーキスが現れ、プリベンターとして活動する権限と封印されたトールギスIIIを貸し与える様に願い出た。そして廃棄される筈だった4機のガンダムは、カトル・ラバーバ・ウィナーの手によって再び地球圏へと舞い戻る。

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

『新機動戦記ガンダムW ENDLESS WALTZ』作品紹介と総評

女性ファンの獲得を成功した『新機動戦記ガンダムW』の続編および完結編。ガンダムシリーズで初めて宇宙世紀以外の世界観を舞台にした続編&OVA作品でもあります。

(あらすじ)
かつての戦いから1年。全ての武力を放棄して平和への道を進む世界に対し、トレーズ・クシュリナーダの実子を名乗る少女マリーメイアを頂く、コロニー組織の黒幕であったバートン一族が地球圏支配を狙って「真の」オペレーション・メテオを再び画策。彼らは、放棄されたはずのMSリーオー他旧式戦力に新型MSサーペントを加えての武力侵攻と、平和の象徴でもあるリリーナ・ドーリアンを拉致し、地球圏へ宣戦布告を行った。
マリーメイア軍の暴挙に対抗すべくヒイロとデュオも行動を開始し、カトルも先の戦いの終結後、太陽に向けて飛ばすことで廃棄予定であったガンダムの封印を解く。(wikipedia参照)

テレビシリーズに登場していた主要MSは本作においてもそのまま引き継がれているが、大河原邦男がデザインした5機の主役ガンダムについては、設定上は同一の機体だが、カトキハジメや石垣純哉らによってデザインの一新がなされている。個人的に、この新デザインのガンダムはツボを上手く突いてくれました。

そして、前作に感じていた主要キャラへの違和感は今作では解消され、「平和のための戦い」を繰り広げるガンダムパイロット達の成長した姿はとても良かったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1
ネタバレ

サブアカウント01 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

少年心を揺さぶるMSデザイン!! OO好きならオススメ

ジャンル・ロボット
スタッフ・青木康直監督 メカデザイン・カトキハジメ、石垣純哉
映像時間・90分
ターゲット層・小学生低学年から高校生
小学生と中学生の頃に何度か視聴

-----内容について-----

物語に関してはエレガントなお話です!!自らの意思で戦う姿勢は美しい!!

本作の魅力は物語より
ガンダムのMSデザインのカッコよさです!!
カトキハジメさんや石垣純哉さんによって一新されたデザインは
子供の心を掴みとります!!
自分も小学生の時に動くWゼロカスタムやトールギスⅢ、デスサイズヘルカスタムを
見た時はカッコエエエエエーッ!!!!てなりました!!
何と少年の心を理解してるのか!!そしてテーマ曲も良い!!


OOが好きな方、WのTV版を見た方
少年心を掴むカッコいいMSが見たい方
戦う姿勢を忘れたエレガントな人じゃない方
にはオススメできる作品です。
エレガントな姿勢を思い出させてくれます!!


-----注意点(←ファンの方は不快になるかもなので見ない方が良)-----
{netabare}
物語に期待できない。
エレガントなので理解できない
戦闘シーン、MSの活躍シーンが少ない{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

naoi-riki さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

アニメ版ガンダムWの完結編!ガンダム好きなら必見の展開です。

地上波アニメのガンダムWの完結編です。
地上波でのガンダムWの出来が非常に良かっただけに、その流れを上手く汲んだ作品。
劇中オリジナルのガンダムはもちろんのこと、アニメ版のキャラのその後や新キャラなども出てきます。

物語はアニメ版の1年後という設定。
地球とコロニーというガンダムの設定を、しっかりと引き継いでいます。
もちろん、デュオやカトルなど5人のガンダムパイロットの活躍も見ることが出来ます。
政治的な駆け引きはもちろんのこと、ガンダムの戦闘シーンやW特融の派手な武装、演出もパワーアップしております。
カトキハジメさんデザインのガンダムが好きな方ならワクワクする期待が多いです。
W自体が平成ガンダムの中では、ちょっと異色なために地上波が満足できるなら劇場版もそのままの印象で見ることが出来るでしょう。

やはり劇場版ということで、地上波でのある程度の前知識が必要になってきます。
が、ゲームなどでも取り上げられていることが多い為、ある程度Wを知っているなら楽しめる内容です。
ガンダムWが好きで、ゲームなどで知っているという人なら楽しめる内容となっていると思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

65.7 6 戦いでロボットなアニメランキング6位
翠星のガルガンティア ~ めぐる航路、遥か ~ 前編(OVA)

2014年11月21日
★★★★☆ 3.8 (256)
1562人が棚に入れました
大好評のままTVシリーズが終了した、船団都市を舞台に繰り広げられるオリジナルSF冒険活劇
「翠星のガルガンティア」の続編を描く新作OVAが、前後編でリリース! (先行上映あり)
ネタバレ

タナボソ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

良かった!

鑑賞前に書いた雑文↓ 伏せ字にしときます(`・ω・́)ゝ
{netabare}9/22開催されました“翠星のガルガンティア”オールスター感謝祭なるイベントに行ってまいりました。

登場キャラクターの名前の由来が歯車(ギア)であるとかといった
作品世界の作り込みに関するエピソードや、
「アルドノアのラストは俺のせいじゃねえからっ!」など他作品名出しまくりの虚淵玄さんらによる
はっちゃけたサービストークまで、中々楽しかったです。


で、このOVAなんですが、正直期待値低いっすよねきっと。
TVシリーズが好きだった方でも。私もそうだったし。
だってTVシリーズできれいに物語は終わっていたわけで。
キャラに関しても、例えばメインヒロインであるところの
エイミーが好きだから観てたって方は少ないと思うんです。
まあレドはともかく。一番人気はきっとチェインバーさんでしょう。
さらに個人的には製品版に同梱されてたOVA15話、クーゲル中佐のエピソ-ド『まれびとの祭壇』、
コレがもう嫌いで嫌いでたまらなかったんですよ笑。
「またOVAか…地雷臭が…」なテンションだったのです。

でもですね、映画館にて他作品鑑賞の際に予告を目にしたら、
かなり積極的に観たいっていうモチベーションが上がってきたんですよ。
しっかり劇場のスクリーンに映える映像になっていました。
嵐なのかな?で荒れる海の描写にすごくぐっときた。
短いシーンからでも劇的なドラマ展開を予感させました。
今週末の公開が素直に楽しみです。

で、コレを書いてる時点で、今週末のキャストさん、監督さんが登壇する
舞台挨拶付き上映会のチケットが売れ残ってるんですよ。バルト9以外は全箇所らしいw
首都圏ばかりの開催ですが、席埋まって欲しいなあ思いますよ。
金元寿子さんは日曜の方だけですが、石川界人さん、水瀬いのりさんファンの方
来てくんないかなあって感じですわ。
そもそも杉田来れば埋まってたんだろうなあw 都合合わなかったんすかねえ。残念。{/netabare}
(14/09/23初up)

9/28、新宿バルト9にて公開から二日目の舞台挨拶付き上映会を鑑賞してきました。

TVシリーズ後、半年ほどが過ぎたガルガンティア船団。
ベローズ率いる海底の遺物をサルベージするチームの一員として活躍するレド。
クーゲルの船団から移り住んできた少女リーマに、
メッセンジャーの仕事を教えるエイミーらの姿があった。

といった導入からストーリーは展開します。
このように書くと、日常的な描写ばかりの作品?と想像するとさにあらず。
映像的なスペクタクルがしっかりとあります。
具体的には過去の回想シーン。

これがかなりの迫力で見応え。
過去の描写でチェインバーさんも大活躍。
そこに登場する当事者達は、今生きているのだから当然助かると判っていても
おい、これ大丈夫かよと不安になるほどの危機的状況が描かれます。
{netabare}大嵐に遭遇したガルガンティア船団。
接続橋の一部が壊れ、サーヤ等が生活する船は舵も利かない事態に陥る。
サーヤやその兄フライス、エイミーらの誘導により本船への避難を終える住民たち。
しかしその3人は避難が間に合わず完全に本船団から切り離されてしまう。
そこへ船を覆わんばかりの巨大な大波が…{/netabare}

TVシリーズガルガンティアは13話では短すぎたと、指摘されることがありますが、
この回想シーンはまさにTVシリーズで描ききれなかったエピソード。
取って付けたような後付け感のない、海洋上での生活なら自然に想定される状況を、
TVシリーズより更に上乗せされたんであろう予算と十分な期間で
制作されたことを思わせる大迫力のシーンになっていると思いました。

村田監督は舞台挨拶や以前の対談、インタビューなどで、
船団を舞台にした作品、海洋上で描かれる作品を以前から熱望しており、
そこへ脚本・TVシリーズストーリー構成虚淵さんの異訪人のアイデアをつなぎ合わせることにより
このガルガンティアを作り上げた旨お話されています。
じっくりと時間をかけて練り上げられたガルガンティア世界による説得力を思わせ、
回想でさえこれだけのシーンに仕立て上げられるこのOVA作品は正しくその成果かと。

しかもそれらいくつかの回想はただ映像的な見応えのみを狙ったシーンでないのがまた素晴らしい。
しっかりこのOVA作品のクライマックスへ向けたストーリー上の伏線、布石になっており、
ビルドアップになっているんです。
この船団に来る以前、人類銀河同盟時代のレドとチェインバーの姿も併せて描くことにより、
レドの成長と変化、強まったレドとチェインバーの絆が対比して描かれています。

そしてそのクライマックスの危機は、レドの成長によって勝ち得たもの、
{netabare}船団の人たちからの信頼と絆、レドの諦めない意思{/netabare}により対峙される。
{netabare}船団員全体の安全を守らなければいけないリーダーの立場から
救助に行くことを指示できないリジットとベローズ。
そこへ微塵も躊躇することなく立ち上がる大勢のユンボロ乗り達。
すごくぐっときました。
そしてさらにラケージさん。笑えてかつ燃えるナイスな登場。
TVシリーズ13話の対比となる台詞も最高でしょ。アミーゴ!{/netabare}


本当にすごく良かったです。
相当しっかり作られた作品だと感じました。
ビジュアル面、サウンド面の充実は映画館の大スクリーン・大音響にも映える内容かと。


蛇足ですが一つ。
鑑賞前、個人的に懸念に感じていたことがありました。
それは新キャラ、リーマを演じる水瀬いのりさんのこと。
水瀬さん、TVシリーズのガルガンティアを全くご覧になっていないか、
観ていない体で各所でお話をされていたんですよ。
レド役石川界人さんと共に番組ラジオのメインパーソナリティを務め、
幾つものイベントにメインキャストとして出演していたにも関わらず、です。
ガルガンティアに関する知識が全く無い様だったのです。

でもこのOVAを最後まで観て思ったのは、意図的にそうしていたのではないかと言うこと。
舞台挨拶でも村田監督は「そのまま(自然に)」演じるようディレクションし、
水瀬さんはこれでいいのかと不安に感じたと発言していました。
{netabare}実際リーマは劇中、ごく普通の少女として描かれていました。
後半意外な行動をしますが、まあ以前のクーゲル船団にいた頃身につけた知識から
できた行動なのだろうと感じた。その時は。
しかし{netabare}ラストのあの引き。ごく普通の少女であったはずのリーマが!?って凄く驚いたんですよね。{/netabare}
↑ボカしましたが、未見の方は観る楽しさが減ることを覚悟でクリックどうぞm(_ _)m{/netabare}
今は意味があったことなのだと思えました。

舞台挨拶では、他にも
エイミー役の金元さんが仕事を探し、活躍するようにまでなったレドを
母親のような目線で見ていたとお話しされたり、
その発言を受けてか石川さんが金元さんと一緒のステージだと安心する、
ガルガンティアが初のTVアニメ作品の主演であり、
一連のステージが声優としてお客さんの前に立つ初めての場で、
頼らせていただいてきた、などのお話しをされていたのが印象的でした。
石川界人さんは最近作でもハイキューや残響のテロルなどのメインキャスを務め、
Wikiを見ると驚異の太字率。
本作でも5話頃のレドで、とディレクションするとしっかり応えられるのだそう。
去年頃からアニメ作品を見始めた私にとって、すごく印象的な声優さんです。


長くなりましたが、来年公開される後編が待ち遠しいです。


OP曲好き度:4/5(はじまりの翼 / TRUE)
・TVシリーズのOP曲より好きです。
ED曲好き度:4/5(大切な宝物 / ChouCho)

作品の好き度:6/7
(14/10/01追記)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5
ネタバレ

まるべり さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

心の羽根ひろげ 僕らは今日を生きていく。

●ジャンル:ロボット、SF
●オリジナルアニメ

2013年4~6月に放送されたTVシリーズ(全13話+OAD2話)の続編。
Production I.G制作のOVA。


■感想■
{netabare}内容としては「TVシリーズの後日談+過去回想」でした。

愛機・チェインバーを失ったレドはガルガンティア船団の一員として、そしてサルベージ屋として日々を過ごす。
そんな中で旧地球文明の探索にも励んでいる様子。
言葉が流暢になって、肌が日焼けして、すっかり人間らしい爽やか少年に成長してました。
チェインバーとの絆を今も大事にしながら、仲間達と共に今を一生懸命生きている姿が微笑ましかったです^^

エイミーとの距離も近づいてて自然に頬が緩んでしまいました~。
ピニオンやベローズからレドのことをつっこまれて赤面するエイミーがたくさん見れて良かったですw
レドの好きなものをチェインバーに聞くエイミー、
それに答えるチェインバーとの噛み合わないやりとりも面白かった!

また、今作では新キャラクター・リーマがエイミーの後輩メッセンジャーとして加わってます。
彼女は元はクーゲル船団にいて、連結後ガルガンティア船団の一員になったそうな。
なにやらユンボロに興味深々、そして何故か操縦も出来てしまうという…。
チェインバーのこともレドから聞き出してましたね。
今の時点では謎の多い少女ですが最後のシーンでマシンキャリバーらしき機体と喋っていたので、
間違いなく今作のキーキャラクターになるでしょうね。
「人類銀河同盟」と何かしら関係がありそうです。

チェインバーは過去回想のみの登場でしたが出番があって嬉しかったです^^
嵐から船団を救ったシーンでのレドとチェインバーの会話はちょっと感動でした。
「パイロット支援啓発インターフェイス」として、
そして「相棒」としてチェンバーがレドに与えてくれたものの大切さを再確認することができました。

音楽もシーンを良い感じに盛り上げてくれてました。
主題歌はTRUEさんが歌うOP「はじまりの翼」がとくに良かったです。
歌詞がレドっぽくてグッときます^^{/netabare}


■まとめ■
{netabare}過去回想多めでしたが TVシリーズの世界観や雰囲気は維持されているので続編として違和感無く楽しめました。
約1時間の短い時間でしたが内容の充実度も高く、後編への繋ぎとしても続きが気になる良い引きでした。

ただ、回想が長かったせいか その後のレド遭難→救出のくだりがじゃっかん雑だったのが少し残念。
「人類銀河同盟」やヒディアーズのことも今回はほぼ触れずに終わってしまったので、後編に期待です。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『ガルガンティア』の新たな航海がここから始まる—。

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
TVアニメ本編を視聴したのは2013年の7月なので、もう7年以上前になりますが、朧気ながら世界観やチェインバー、レドやエイミーという顔ぶれも覚えていたので、懐かしさも相まって視聴することにしました。


半身ともいえる愛機・チェインバーとの別れからおよそ半年。
大海原を往く船団ガルガンティアで、レドは仲間たちとともに新たな人生を踏み出していた。

サルベージチームの一員として懸命に働くかたわら、失われた旧地球文明の痕跡をたどる日々。
そんな彼の前に、かつての上官・クーゲルの船団からやってきた少女『リーマ』が現れる。

エイミーの後輩としてメッセンジャー業を学ぶリーマとの出会いから、レドは波乱の過去を噛み締め、
いまを生きる自分と改めて向き合うこととなる。
そしてその未来には、さらなる困難と危機が待ち受けていた。

チェインバーとの絆を胸に刻み、レドはひとりの青年として空と海のもたらすすべてに立ち向かってゆく。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

いやぁ…全てが懐かしいです。
昔はアニメの「ア」の字も知らない素人だったので、純粋に作品を堪能することしかできませんでした。
OVAですが必死ぶりにこの作品に触れてみると、当時ハマった理由が良く分かる気がしました。

まず、アニメーション制作がProduction I.Gさんという時点で期待大だったんですね。
それに、エイミーが忘れられないキャラだったのですが、CVはひーちゃんだったんじゃありませんか!
その他、かやのんやあすみんなど豪華キャストがズラリと揃っています。
OVAからは、リーマという少女役でみのりんも参戦してくるのですから…

もうチェインバーとは2度と会えないとばかり思っていましたが、OVAの物語の回想シーンでしっかり登場してくれて、ちゃんと記憶の呼び戻しに一役買ってくれていました。

こういうのを「温故知新」というのでしょうか…

オープニングテーマは、TRUEさんの「はじまりの翼」
エンディングテーマは、h-wonderさんの「大切な宝物」

1話50分強の物語でした。
7年前の作品ですが、微塵も色褪せてなんかいませんでした、
久々にガルガンティアの世界を満喫させて貰った気がします。
引き続き、後編を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

61.3 7 戦いでロボットなアニメランキング7位
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-(OVA)

2006年7月14日
★★★★☆ 3.5 (182)
1030人が棚に入れました
C.E.73年、ユニウスセブンの地球降下作戦を仕組んだザフト軍脱走兵達の部隊は、乱戦の中、ザフト軍ミネルバとジュール隊の活躍によって壊滅し、地球に向かっていたユニウスセブンも設置されたメテオブレイカーによって破砕された。しかし、砕かれた破片は地球に向かって次々と落下し、地球に残されたのは落下片による多くの人々の死、そして平和を奪われた者達の止め処なく溢れる憎悪と怒りだけであった。地球が再び混迷の戦場となった中、D.S.S.D技術開発センターは、1機のMSを宇宙へと打ち上げるプロジェクト「スターゲイザー計画」の準備を行っていた。静かに空を見上げ続ける純白の機体「スターゲイザー」。

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「星を見る者」

ガンダムシリーズ「機動戦士ガンダムSEED」のスピンオフで
コズミック・イラを舞台とした世界観に属するOVAアニメ。

2006年11月24日~第1話STAGE-1~最終話STAGE-3 全3話。

あらすじ。

人は宇宙を目指すべきと信じるコーディネイターの女性
セレーネ・マクグリフ。

幼い頃の出来事によってコーディネイターを激しく憎み
続けるノワールのパイロット、スウェン・カル・バヤン。

この2人を中心に、スターゲイザー…「星を見つめる者」
の物語は動き出す…。


映像の節々に「SEED」シリーズの戦闘シーン等含んでいる。
戦争を別の視点と技術者を絡めた側面を軸に描いている。

1話目はザックリとSEEDの戦況などのお浚いのような映像。
2話目は子供を使ったプロバガンダや軍事教練などを描く。
3話目はジブリール失脚後。ヂュランダルが本格的に理想
であるディスティニー計画を打出した時期スターゲイザー
も完成の目処だがたち愈々テストを・・だが・・戦況は・・
より複雑化して・・本来の目的を逸脱した運用をする事に。

そして最後に出逢う・・二人・・


序盤はSEEDを視ていないとサッパリ?な雰囲気で・・
2話も残酷な洗脳やプロバガンダに利用される子供を描写
するなどの悲惨さなど以外はさして重要なシーンはない。

3話目のラストの、ほんの僅かなシーンに全てを凝縮した
作品のように感じた。

漫画の方の宣伝用PVとしては可也出来も良いのでは?等。
※原作は未読。興味をそそる内容だった。

ラストも・・どっちなのかな・・想像は自由で良い感じ。

欲を言えば・・好きな声優が出ているので・・普通に14話
とかで・・この作品だけ視ても楽しめる内容だったら・・


D.S.S.D
セレーネ・マクグリフ:声-大原さやか
技術開発センター女性技術者。28歳のコーディネイター。
「スターゲイザー計画」の中心人物の1人。勝ち気な性格。
決めた目標は最後迄やり通さなければ気が済まない性格。
努力家だが、目的の為に手段を選ばない側面を持つ。

ソル・リューネ・ランジュ:声-福山潤
スターゲイザーのテストパイロット。
第1世代コーディネイター16歳の少年。
両親をヤキン戦役で失い、エドモンドに引き取られる。
物心ついた時からD.S.S.D育ちでセレーネを姉の様に慕う。

エドモンド・デュクロ:声-中田譲治
D.S.S.D技術開発センター保安副部長。37歳のナチュラル。
嘗て「伝説の鬼車長」の異名を持つ勇猛で地球連合軍揮官。
第二次ヤキン攻防戦終結と同時に退役しD.S.S.Dに天下る。

ファントムペイン
スウェン・カル・バヤン:声-小野大輔(幼少期早水リサ)
ロゴス直属ファントムペイン特殊戦MS小隊所属の中尉。
20歳のナチュラル。ストライクノワールのパイロット。
かつては天体観測を好む普通の少年だった

ミューディー・ホルクロフト:声-佐藤利奈
ファントムペイン特殊戦MS小隊に所属する少尉。
18歳のナチュラル。ブルーコスモス運営の養護施設出身。

シャムス・コーザ:神谷浩史(第3話宮野真守)
ファントムペイン特殊戦MS小隊に所属する中尉。
19歳のナチュラル。ブルーコスモス運営の養護施設出身。
神谷の事故入院の為に、第3話では宮野が代役を務めた。

ホアキン:声-中村秀利
特殊戦MS小隊を指揮するファントムペイン中佐。
任務遂行のため、民間人の犠牲もいとわない冷酷な性格。


スターゲイザー(Stargazer)型式番号GSX-401FW
自己対話型複列分散処理AI

"ソル・リューネ・ランジュ"により「星を見る者」の意で
スターゲイザーと命名された機体。運用支援システムは
「Guider UNmanned Deployment Autonomic Manipulation」
(無人・自律運用展開教導機)であり、頭部もデュアルアイ
とV字型ブレードアンテナを備えたガンダムタイプに分類
される意匠を持つ。

有人では困難な「火星軌道以遠の太陽系宙域の探査・開発」
を目的とした機体の為、ナノマシンを利用した自己修復型
マイクロマシナリーテクノロジーで長期メンテナンスフリー
を実現搭載。同様の理由で、無人運用の為に自己対話型複列
分散処理AIによる高度な自律性を備えている。

この人工知能には操縦データをフィードバックして未熟な
AIに経験値を積む必要がある為、AIを内蔵する胸部ブロック
はメインパイロット及びオペレーター用の複座シートを内蔵
するコクピットユニットへと換装して、有人の運用も可能。

惑星間推進システムヴォワチュール・リュミエールという
巨大なリング状の装備が後部つけられている。

フランス語で「光り輝ける運び手」を意味するこの惑星間
スラスターはソーラーセイルと同様のもので、太陽より高速
で放出される太陽風をリング周囲に展開した微細な量子の膜
で受け止め、特殊なエネルギー変換を経て推進力とし、広大
な太陽系の航行を可能とする。以下更に詳細はwikiでどうぞ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

よくできている

この作品は機動戦士ガンダムseed destinyを
ベースとしたOVAである。

内容を一行で言い表すと、ガンダムseed destinyの
劇中に起こった「ユニウスセブン落下事件」
の裏側を全く違うテイストにアレンジして描いた作品だ。

自分としては、ガンダムシリーズを見たことがない人
にも比較的おすすめしやすい部類のアニメだと思った。

その理由は、seed destinyの派生作品であるが
seed destinyの主要人物はこの作品には大きく
関わっていないからだ。
一部のseed destinyキャラクターは確かに登場するものの
引き立て役の様なものとして描かれているだけ。

この作品が良いと感じたところをいくつか述べる。
seed本編では雑兵として扱われている
ジンが脅威として描かれていること。
seed本編と比較すると、さすがにアクションシーンも地味で派手な
ものでないため物足りないと思う人がいるだろうが
私としてはこちらのほうが引き込まれやすいと感じた。

戦争の残酷さが本編よりも映えていること。
特にきついなと感じた場面は、2話の虐殺シーンだろうか。
視点をきちんと切り替えた上で物語が進んでいくため
destinyよりは気分が落ち込みやすい(?)ように感じた。
後は、ミューディーが戦死する場面。あそこまで行くと
もはや虐殺だが。しかも彼女が戦死したことで
シャムスにも悪い影響を及ぼしてしまうという結果に。
こういった場面をdestinyはもう少し増やすべき
だったのではないだろうか。

気になる点もあった。
主人公であるセレーネやソルについてあまり触れられていないのだ。
エドモンドは早い段階で退場するものの、見せ場は作られているため
必要な人物であるということは伝わるし、連合の指揮官は外道っぷりが
きちんと描かれているのでこいつもいないと困るなと感じる。

そういった点があるのにもかかわらず、なぜかあの二人は
説明が省かれているので少ししか関係性が分からない。
終盤のやりとりは凄く好きなシーンなのだが、もっと
彼らに時間を割いて欲しかった。勿体ない。

反対に、もう一人の主人公、スウェンの方はばっちり
焦点があてられる。その上回想が入って来る有様。
いっその事、こっちをメイン主人公にすべきだったのではないだろうか。

そして、なんといっても時間が60分以内に終わってしまうこと。
もう少し尺を長くしてほしかった。そうすれば、もっと
この作品の良さを伝えられるのに。本当に勿体ない。

こういった部分は確かにあったものの、seed destinyよりは
遥かに良かった。地味な作品ではあるが、私は楽しめた。
このアニメで使われている曲「STARGAZER ~星の扉」は名曲。
ぜひ聴いてほしい。
個人的には良作だと思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

装飾だけが華美で内容が薄い印象を持ちました

ガンダムSEEDシリーズの番外編OVA作品。
元々はガンダムSEEDを初めとする、コズミック・イラを舞台とした一連の作品シリーズ「"X" plosion GUNDAM SEED」プロジェクトの一部で、本作は15分×3話がネット配信されていたものとなります。
本OVAではその3話をつなぎ合わせて新作作画を追加した50分のアニメーション作品。

物語はSEED DESTINY序盤の出来事であった C.E.73年 パトリック・ザラ派残存兵による地球へのユニウスセブン落としから始まります。
ミネルバやジュール隊の活躍によってユニウスセブンは破砕されましたが、その破片は地球上へ降り注ぎ、世界各地で甚大な被害を与えていた。そんな最中、D.S.S.D技術開発センターは1機のモビルスーツを宇宙に打ち上げる作戦を行っていた。
主人公はD.S.S.D技術開発センター所属のコーディネーターの女性技術者「セレーネ・マクグリフ」と、ロゴス所属のパイロット「スウェン・カル・バヤン」。この二人の物語となります。

はっきり言って、雰囲気アニメだと思います。
D.S.S.Dは宇宙の未踏地域探査機関であり、地球上が大混乱となっている中で探査用モビルスーツをどうしても打ち上げなければならない意味がわからない。
ロゴスもこの戦闘用ではないモビルスーツを狙ってくるのですが、そもそも狙う意味がどうしても不明です。
ナチュラルも勤めている中立機関であるD.S.S.Dを破壊しないといけない理由もわからず終い。ロゴスって別にコーディネーターを憎んでいたわけでもなかったと思うのですが。

また、ロゴス直属の戦闘部隊ファントムペインにスウェンは所属しているのですが、乗っている機体はガンダムで、スウェンと同じ小隊に属している仲間の二人が乗る機体もガンダム、そしてD.S.S.Dの探査用モビルスーツ、こいつがスターゲイザーなのですが、これもガンダムです。
正直“またか”という印象を持ちました。もはやガンダムが多すぎてガンダムにスペシャリティーを感じません。
ガンダムはスウェン機かスターゲイザー、いずれかのみで良かったと思います。

装飾だけが華美で内容が薄い印象を持ちました。やはり尺の短さが致命的かと。
もう少しストーリーに厚みをもたせることができれば名作に化けたように思えます。
ただ、内容は薄いですが雰囲気だけは良いです。主題歌も名曲。
雰囲気アニメ好きにはたまらない作品だと思います。

見る上でSEED、SEED DESTINYの視聴は必須ではないですが、ロゴスやエクステンデッドなど、SEED、SEED DESTINYの用語が出てくるので、見たほうが推奨です。
話は独立しているので、見なくても理解はできます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

71.8 8 戦いでロボットなアニメランキング8位
ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日(OVA)

1992年7月23日
★★★★★ 4.1 (116)
531人が棚に入れました
シズマ博士が開発した、完全無公害・完全リサイクル可能な夢のエネルギー源、シズマドライブの恩恵で、未曾有の繁栄を迎えた人類。しかし、争いの種は尽きなかった。世界征服を企む秘密結社BF団と、それに対抗するため組織された国際警察機構が世界の裏面で激しい闘いを続けていたのだ。国際警察機構側の九大天王を筆頭としたエキスパート達、BF団側の十傑集を筆頭にしたエージェント達が争う中、エキスパートの一人である草間大作は、父の形見である巨大ロボット、ジャイアントロボを操り、人類の未来と平和のためにBF団と戦っていた。

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

サブプロットの人間ドラマは面白い、メインプロットがよくわからないです。

 どういう評価をすればいいか難しいアニメの筆頭かもしれません。とにかく話がご都合主義…のような、緻密なシナリオのような。それは横山光輝氏のスターシステムによる「何でもあり」感に由来しているのでしょう。

 面白さの多くはぶっ飛んだキャラです。それぞれのキャラがもつ巨大な能力を用いた戦いはなかなかの外連味だし、演出や画作りが上手くて見ごたえはあります。
 同時に父子…2組の親子ものの物語、そして使命のために命をかける各キャラの愛の物語です。つまりヒューマンドラマが秀逸という面はあります。このヒューマンドラマの面においては、大作と銀鈴という2人を中心に面白くまた感動できる話になっています。

 しかし、個々のキャラの物語は上手くかけているのですが、組織とか強さとか能力とか思惑とか、そういう大きなSF物語を楽しむには圧倒的な説明不足で、正直何の話か見終わっても満足感はありません。
 みんなが何を目指してるんだろう?世界征服って何よ?どういう権力を欲しがってるの?みたいな行動原理もよくわかりません。SFのシズマドライブの設定はいいのですが、それを取り巻く個々のキャラ達の動きが何をやっているのか、何を目指しているのか、つまりメインプロットが読み取りづらいです。

 たとえば十傑衆という超兵器並みの強さを持つ人たちの設定は面白いのですが、やってることがこじんまりしているし、組織VS組織ではなく個人戦ばっかりといえばいいのでしょうか。

 そして最大のポカーンはジャイアントロボという枠組みに入れる必要があるか、ですね。ジャイアントロボが解決に寄与していないということもないんですけど、なんというか弱いですね。結局は他のキャラの力で解決したような感じです。草間大作側のヒューマンドラマは正直弱いです。

 また、OVAで50分ごえですから、実質1本あたり2.5本から3本分くらいの密度があります。それを7本でかなり長いストーリーです。
 その割にはエピソードは沢山ありますけど、大きな世界観が見えてきません。謎がどんどんほどけて行くような快感がないです。最終話で結構ダーッとわかるので、一気見すると正直飽きます。

 作画・演出・美術・ロボットデザインは良いと思います。女っ気がないので銀鈴1人がお色気担当です。ロリキャラもいますけどほぼ出ません。音楽も迫力はありました。

 ということで、力が入ったアニメで見ごたえはあるんですけど、見終わった感じが「あー、面白かった」になりません。「…私は、何見たんだろう?」という感じが正直なところでした。

 客観評価は3.7ですけど、主観評価は45点/100点でしょうね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

うーむ…どうした事だ。何故我々までもがこんな所に

いや、これも孔明様の狙い通りに違いない。
そうだ。事態に急変あらばこの袋を見ろと言っていた。ハラリ
なるほど……。OVAジャイアントロボのレビューをしろという事か……。

あらすじを短くまとめると、近未来、第三のエネルギーシズマドライブが繁栄している時代において
BF団と国際警察機構の二大勢力が火花を散らす中、進行される「地球静止作戦」をめぐって
シズマドライブ第三のサンプルを争いあうという話だ。

作画は超絶クオリティだ。CGでなく手書きのセル画だというのに、
あまりにも見ごたえのあるクオリティでとても90年代のアニメとは思えない。
声優はベテラン声優が並ぶ豪華布陣だ。
作曲はポーランド国立ワルシャワフィルハーモニックオーケストラによるフルオーケストラ。
まさに溜息が出るようなクオリティなのに、話の質がまったく足を引っ張ってないどころか
横山キャラと今川監督のハイテンション作劇が引き起こす化学反応が
あらゆる視聴者を釘付けにしているあたりはまさに圧巻!痺れます。
だが本作の魅力は、まだまだこんなものでは語り尽くせない。

例えば、テーマ。この作品に提示されてるテーマは二つ。
「父と子」と「エネルギー問題」。
「エネルギー問題」は、現代において動力という足をもがれた地球人が、なすすべもなく見ていることしか出来ないという重苦しさを描きながら、{netabare}その元凶である敵ロボットに立ち向かえるのが、かつて人類が恐れもしたいにしえの動力、原子力を使って動くジャイアントロボだけ{/netabare}という因果関係が実に良かった。
また「父と子」というテーマにおいて。大作と幻夜、共に父親から遺産を託された者同士が、ぶつかりあう関係性が非常に良かった。
{netabare}幸せは犠牲なしには得る事はできないのか、時代は不幸なしに越えることは出来ないのか。
ep7にて父親の言葉を信じて戦い続ける大作の姿と、それを支える大人達の姿がなんとも胸を打つのだ。
{/netabare}
恐るべきは今川監督である。これほど重いテーマを横山作品のスターシステムという土台でハイクオリティに描ききった手腕は、やはり評価されてしかるべきではないだろうか。実現は不可能に近いと思っても、続編が見たいものだとこれほど切に願うアニメも無い。

ところでこのアニメ、我らが血風連の首領である怒鬼様もOVA6巻より参戦しておられるぞ!
出番は少ないし台詞だってないが、実に凛々しい風貌をしておられる。その勇姿は是が非ともご覧あれ!
そしてBF団と国際警察機構。二大勢力の激突と草間大作の戦いの行く末を見届けるがいい!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

らめええええええええ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

おっさん超能力バトルに酔いしれるのもアリ

圧倒的主人公親子の絆を話のっ...主軸に据えつつ...!盛り上がる圧倒的・・・!圧倒的要素詰め込んだっ・・・!といった印象…!!っ・・・・!が・・・ 駄目っ・・・!破綻がなくテーマやメッセージはブレず一貫して描かれており...!圧倒的に見応えがありたっ・・・!っ・・・・!
圧倒的最大の見所は
キャラクターバカなっ…!・・・!派手
圧倒的・・・!圧倒的脇を固める人物が濃すぎたのだっ・・・・・!...!意外にもこれをスルーこそが大人は質問に答えたりしない それが基本だだとばかりにどいつも直ってねえ。こいつの妙な善人ぶり。も本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に恰好良よく戦った…彼らは勝った、ゆえに人格まで肯定されている…!て大好き…!!
特に戴宗っ・・・・!シビレマス
魅力的すぎて全員を語ってどうする…?いくら語っても状況は何も変わらない…!れ曲げられねえんだっ
素敵過ぎる大人は質問に答えたりしない それが基本だ陣に支えれれっ・・・!教えられ
その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…圧倒的・・・!圧倒的度に成長していく大作も倍プッシュだ・・・っ・・・!魅力的な圧倒的人物でしたっ・・・・!
決してシリアスばかりな話でなくて
しっかりククク・・・狂気の沙汰・・・えますっ・・・!
圧倒的っ・・・圧倒的大きさっ・・・ロボ自体はなけなしの金…最後の金ちゅうもんは…生きる希望そのものや…!のとどのつまりっ・・・!まで大した成果を挙げれず仕舞い...!あんまり出番が馬鹿なっ・・・ありえないっ・・・・・!んですっ・・・!・・・それでも圧倒的っ・・・圧倒的大きさっ・・・圧倒的ロボ=カッコ僥倖っ・・・!と...思わせるだけの戦闘を作り上げた亡者巣喰う強制労働施設はさすがといった亡者巣喰う強制労働施設…基本も基本…大原則だっ…!うか...!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

68.4 9 戦いでロボットなアニメランキング9位
真ゲッターロボ 世界最後の日(OVA)

1999年2月25日
★★★★☆ 3.9 (87)
432人が棚に入れました
宇宙生物インベーダーとの戦いはゲッターロボの活躍で終結した。それから3年後…倒されたはずのインベーダーが地球圏に再度出現。さらに、ゲッターロボ開発者であり、流竜馬(実際は神隼人)によって殺害されたはずの早乙女博士が復活。ゲッタードラゴン軍団を率いて、人類に反旗を翻す。これに対し、解散していたゲッターチームのメンバーが、そして、早乙女殺しの罪で投獄されていた竜馬が、早乙女に立ち向かう。
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

感情のジェットコースターに乗ってる気分になる

新作アニメ「ゲッターロボアーク」2021年夏公開決定を記念して、平成ゲッターOVAシリーズを期間限定でYOUTUBEにて配信していました。
細かいことは気にせずアクションとロボを楽しみたい方にお勧め。
※グロ多めなのでご注意を。

石川賢先生の漫画版を原作として展開されたOVA作品群の、記念すべき第1作目です。1998年発売、全13話。
色んな意味でこのアニメは伝説かもしれない…。

【物語】
上手く感想が纏められないアニメかも…
最序盤は異常なテンションで、中盤は一度落ち着いて、ラストでまた不思議な勢いで盛り上がっていく。感情のジェットコースターに乗せられますよね(笑)
{netabare}
私もよくわかっていない所があるので、説明を求められると困るんですけど。
物語の軸は以下二つが挙げられます。
「進化とは記憶の継承であり、ゲッター線のみによる進化を否定する」
「旧時代の罪の清算と、新世代への志の継承」
登場キャラクターも多いですし、伏線も多く入り組んでいてなかなか把握しにくい。

中盤の落ち着いた話が全体の理解を助けてくれる気がする。
北極へ行った回は竜馬の再登場時の見せ場。ですがそればかりでなく、人類が陥った危機的状況を打破しなければならないこと、死者の心と記憶が残された者の中に息づいていることなど、作品テーマに繋がる内容でもあったのだと思います。
{/netabare}

【作画】
凄いですよね。全体的に見所が多いです。
最初の3話の演出には斬新さが溢れていて、これ以降のゲッターの変形にとても影響を与えているそう。
4話以降はドラマパートでの感情表現のわかりやすさ、多数対多数のバトルの理解しやすさ、合体変形のギミックの活用と巨体感の演出など、ケレン味と安定感がメリハリを作っています。
インヴェーダーが様々な形を取る上、ロボットの種類も多くて作画班は大変だったと思う。作画スタッフの実力の高さも見てとれました。


【声優】
皆さん安定していて素晴らしいです。
3人組で行動することが多い作品で、どのチームも声優さんの声の印象が全く被らないんですよね。キャスティングから既に上手。
私は関智一さんの號の演技が好き。


【音楽】
OPとBGM好きです。EDはアイドルソングみたいで何となく懐かしい。
最終話のEDが「今がその時だ」だったのが嬉しいです。
「今がその時だ」は竜馬達の世代、責任を負わなければならない人達の歌で、「HEATS」は號達の世代、旧世代から託された世界の未来を切り拓く人達の歌なのかなと思っています。


【キャラクター】
3人組の役割の作り方、関係性の描き方が凄く好きです。
{netabare}
子供の頃に見た時には號が主人公なのに竜馬達が凄く活躍するな~と不思議に思ってたんですが、今見ると旧世代が自分達の失敗の責任を取って新世代に未来を託す物語だとわかりますね。
早乙女博士はインヴェーダー撃退のために號を生み出したけれど、その號にも新しい未来が待っているのが根っこの部分で優しい作品だなと感じました。渓への想いから次第に人間らしさを見せていくの良いよね。
渓は過去の負の遺産に抗う役回り、さっぱりしていてたまに女の子らしい所を見せるのが可愛かった。
剴はずっとフォロー役で振り回されつつも、やれることをきちんとやってて好き。
剴や弁慶のような地に足の着いたキャラクターはチーム内に一人いてくれると安心して見ていられるのでとても好きです。
{/netabare}

【雑感】
雑感というか、川越監督へのエールというか、初視聴当時から思っていた一部のファンへの愚痴というか…。
読み飛ばしてもらって大丈夫です。
{netabare}
一部では有名な話かと思うのですが、第1話~第3話は今川泰宏さんが監督を務めていたと言われています。というかクレジットされてはいませんが監督及びシリーズ構成を務めると雑誌で告知された事実があります。
ですが4話以降は川越淳さんが監督、藤田伸三さんがシリーズ構成とクレジットされました。
で、視聴した方ならわかると思うのですが4話以降大分テイストが変わるんですよね。それに対しての不満を初視聴時から私は結構見ていました。

私が言いたいのは、最初の3話が高評価なのは正当な評価だけど、4話以降も良い所は物語にも作画にも沢山ありますよっていうことです。OVAとしては話数が多いので波は当然あるんですけど。作画班は変わらず引き継げたのは大きいかもしれません。
まあ私は川越淳監督作品好きなので(笑)。今川監督作品は鉄人とGガンが好きだなあ。
どういう経緯で今川監督から川越監督に交代したのかはソースが見つからないので言及できないけれど、川越監督は本作が初監督作品なんですよね。引継ぎ出来ずにこの作品で監督デビューというのは、なんかもう鬼か‼って思うじゃないですか(苦笑)。
プロデューサーや脚本家など、周りのスタッフに恵まれてもいたのでしょう。アークのインタビューでも「最初から参加していたわけではないので、他のスタッフ達と共に交通整理(物語組み上げるための時系列等の確認)から始めた」というお話でしたから。

ダイナミック作品のコアなファンがどう思ってるかはわかりませんけど、予算と納期を守って一定のクオリティの作品を作ってくれる監督さんなので、「ゲッターロボアーク」も楽しみに待とうかなって私は思ってます。 {/netabare}
(2020.11.8)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

イントロで完全燃焼させるHEATSというアニソン

スパロボ常連で御三家のゲッターですが、実はハッキリ見た事はなかったのでこの際と思い視聴してみる事にしました。
一言で紹介すると、3人のパイロットで3種の変形合体が可能な、ゲッター線という謎動力で動くゲッターロボとインベーダーと言う宇宙生物との戦いを描くスーパーロボット系SFですね。
とりあえずあらすじから追って説明していこうかと思ったものの。
実は最後まで見た私にも、大筋はわかるものの細かい部分はあんまりわかってないんですよねw({netabare} 博士が最初死んだ経緯とか、隼人が狂って斬りつける所{/netabare} とかもよくわかってないですし
絵的なダイナミックさで魅せる作風なので、大雑把でも何とかなるかなとは思ったんですが…。序盤あたりで撒いた伏線で回収しきれずってところがあり、しっくりこない感じはありましたね。
決して、いい加減に作られてる感じではないと思うのですが。(漫画とか、他アニメシリーズの知識が必要なのかもしれません。そこは詳しくないので何とも言えませんね。

wikiで調べてみると、最初の数話今川監督がかかわっていたなんて話があったそうですね。
1話で恐ろしく細かい作画の変形合体があったのですが、この辺で監督が予算を投入しすぎて監督を下ろされてしまったのかもしれません。
まったくしょうがないですねこの人は(白目)。
ストーリーがやや把握しずらいのは、途中で監督が交代した事が多少なりとも影響を及ぼしているのかもしれませんね。

第2部以降は作画がやや厳しいか?と思える所もありましたが。まあまあのクオリティを保っていたように思えます。(今川監督の演出と比べればどうしても落ちるけど、もうそれはしょーがないです。あの人が滅茶苦茶すぎる(褒め言葉)だけですし)
でも、(上記の噂が本当なら)今川ファンとしてはEDクレジットにも表記しないのはあんまりだなと思いました。

キャラ面においては、途中で主人公が交代した事が厳しいと思いました。流竜馬をはじめとしたゲッターチームはワイルドさもありすごく魅力的だと思いましたが。
その後を引き継いだ少年「號」は寡黙なキャラで何を考えてるのかよくわからず(もっと喋ってくれ~!)。
中盤あたり、話の牽引力が弱いのでは? とそう感じさせざるを得なかったです。
しかし、敵の得体の知れなさや絶望感等、色々感じさせる所もあり。荒っぽさもあるが魅力を感じさせる話でした。

ラストはグレンラガンの原型にもなっているようですね。(グレンラガンの脚本が、ゲッターロボサーガの編集者だったようですし)
ゲッターで描きたかった壮大な戦いの行く末がグレンラガンだって事をネットで見かけて、確かにそれっぽいなと感じました。

それから、特筆すべきはやはりOP2のHEATSですね! この曲は素晴らしいです。
イントロの時点で完全燃焼できてしまうのでは?と感じる程に、説明不要の暑苦しさ。
影山ヒロノブとゲッターロボとかいう、ガソリンにガソリンをぶっかけて火を付けたような組み合わせで熱くならねえわけがねえんだよ! とそう思いましたね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

一見さんお断り

定番ロボットアニメです。
その昔TVで大人気を博したゲッターロボとは少々趣きが異なり、人気ゲームであるスパロボ発。原作者である永井豪&石川賢の得意とする黒くてグロい世界観が光ります。


まずストーリーですが、わけがわかりません。
勧善懲悪の子供用アニメではなく、進化を司る未知のエネルギーとしてのゲッター線を廻る話だという予備知識はありましたが、それでも設定が理解不能。
スパロボもプレイしてますが、ゲームに出てくる真ゲッターとは機体が同じというだけで、お話はまるで違うので参考にもなりません。
仕方なくWikiで調べましたが・・・・やっぱり理解できませんw
たぶん原作漫画をちゃんと読んでないとダメなんでしょう。
ダイナミックプロがらみの漫画が理解不能の方向にイッちゃうのは、なにもコレだけではないので「まぁ何となくそういうものなんだろう」と雰囲気だけわかってればOKとしておきましょう。

話の本筋はさておき、ストーリー展開の方はというと、少々古臭い「お約束」がよく見られます。
色々と無茶があるご都合主義(敵がやられるまで待っているとか、叫んだら急に強くなるとか)は、昔のロボットアニメさながら。
映像的にグロかったり、それっぽい解説でリアル風に勘違いしそうですが、やっぱり”スーパーロボット”なんですね。
だから、そういう諸々のお約束が飲み込めないと、本作は見るに耐えないものとなっています。


戦闘シーンはカッコイイと感じますが、それは私自身に思い出補正×スパロボ大好き補正がかかっているからという自覚はあります。
冷静に見れば凡庸。
何より、真ゲッター以外のメカがダサすぎw

キャラも初代ゲッターチームへの思い入れがないと、ウザイだけのエセ熱血にみえます。
無理やりな設定で作った女性キャラも、全然魅力ないし・・・キツい。

皮肉なもので、初代ゲッターロボと異なる路線で描いている作品なのに、初代ゲッターロボを知る人(あるいは原作漫画のファン)じゃないと楽しめない作品に仕上がってます。


ゲッターロボは大好きなんで酷評なんてしたくないけど、本作は初見の方にはとてもじゃないけどオススメできません。
スパロボが好きで、興味のある方だけどうぞ。


【追記】
OPは2種類ありますが、これは素晴らしいの一言につきます。
水木、景山、両御大がアツく歌い上げる名曲!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

61.8 10 戦いでロボットなアニメランキング10位
超時空要塞マクロスⅡ-LOVERS AGAIN[ラバーズアゲイン](OVA)

1992年5月21日
★★★★☆ 3.3 (91)
397人が棚に入れました
地球人とゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊との決戦後、地球人とゼントラーディは和解し共存の道を歩み始めた。地球は幾度と無く異星人の脅威にさらされたが、そのたびに可変戦闘機と歌の力で切り抜けてきた。そして80年の月日が流れた。2090年代。太陽系、木星軌道上に異星人とおぼしき未確認艦隊がデフォールドしてくる。地球統合軍は敵をはぐれゼントラーディ艦隊と認識し、歌によるカルチャーショックを与えるべく「オペレーションミンメイ(「ミンメイディフェンス」)をもって迎え撃つ。しかし歌攻撃は全く通用しないどころか、敵艦隊からも歌が発せられると敵の攻撃は激しさを増し、ミンメイディフェンスは崩され統合軍は敗北する。その戦場を取材中だったTVレポーター神崎ヒビキは、敵艦内で歌巫女イシュタルを救助し、地球へ連れて帰る。また、ヒビキは戦場の記録映像も持ち帰ったが、統合軍の検閲によって統合軍が勝利したかのように報道されてしまう。イシュタルは地球の郊外にそびえ立つマクロスを、伝説に残る「アルスの船」では無いかと考える。その後、敵の船に捕らわれたヒビキは、新たな敵「マルドゥーク軍」が戦いの歌でゼントラーディ兵を操り、従えてきた異星人だったことを知る。ヒビキが統合軍の女性パイロットシルビー・ジーナとともに奔走する一方、地球の文化に触れたイシュタルは戦いを止めるべく、戦場へ愛の歌を捧げるのだった。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

初代マクロス放送10周年記念OVA。但しシナリオは薄味。

『超時空要塞マクロス』(初代マクロス、1982-83年)の放送10周年を記念して、当時盛んだったOVAビジネスの一環として制作・販売された作品だそうです。

但し、『初代マクロス』の監督を務めた石黒昇氏、シリーズ構成を担当した松崎健一氏、さらに劇場版『愛・おぼえていますか』で石黒氏と共同監督を務め、以降のマクロス・シリーズの制作を主導していくことになる河森正治氏の3氏はいずれも本作の制作に携わっておらず、わずかにキャラクター・デザインが『初代』と同じく美樹本晴彦氏だったことと、シリーズ構成および脚本の一部を『初代』の脚本の1/3程を担当した富田裕弘氏が担当していること、が共通しています。

そして、肝心のシナリオの方は、『初代マクロス』(西暦2009-10年)から80年後(西暦2090年)、地球統合政府と新たな異星人マルドゥークとの星間戦争とその結末を描いていますが、『初代』のキャラクターは一切登場せず、ただ異星人の攻撃を受けた際に、彼らの戦闘意欲を喪失させるため“ミンメイ・ディフェンス”という『初代』に描かれた“ミンメイ・アタック”を応用した「防御戦術」が採用されている点が『初代』との主な繋がりです。

・・・で、見終わっての率直な感想ですが、

美樹本氏の特徴的なキャラクター・デザイン以外は、ほとんど何も記憶に残らない、取り立てて良い印象も悪い印象もない作品

・・・というものでした。
たまたま、本OVAのEDの1つが「de・ja・vu〜そばにいて」という題名なので、例えていうなら、あの『STEINS;GATE(旧作)』のヒットを受けて制作された『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』みたいな作品、ということでしょうか(※人気を博したTV本編の名声を汚さないように、その雰囲気だけを借りて、さほど予算をかけずに新たに誂(あつら)えた内容の余りない作品、という意味)。

但し、『初代』から10年も経過しているのに、本OVAの売上実績は大したものだったそうで、制作者達に改めて、『初代マクロス』の人気の根強さを強く印象づけ、その具体的な結果として、『初代』の正統な続編となる『マクロス7』、および外伝的OVA『マクロス・プラス』(ともに1994年)両作の制作に繋がったそうです。

《まとめ》
マクロス・シリーズの他の作品とはほとんど繋がっていない作品であり、内容も薄いので、同シリーズをひと通り見終わった人が、“ついでに”見てみる程度の優先順位で十分です。
あと『初代マクロス』の美樹本氏のキャラクターデザインが好きな人、それから、富田祐弘氏のファンで同氏のシリーズ構成作品に関心がある人にはお薦めかも。


◆制作情報
{netabare}
監督         八谷賢一
シリーズ構成     富田祐弘
脚本         富田祐弘、中村学、有井絵武
キャラクターデザイン 美樹本晴彦
メカニックデザイン  藤田一己、阿久津潤一、奥田淳、大畑晃一、福地仁
音楽         鷺巣詩郎
アニメーション制作  AIC、オニロ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========= 超時空要塞マクロスⅡ-LOVERS AGAIN (1992年5-11月) =======
{netabare}
第1話 コンタクト ★ 神崎ヒビキ(芸能レポーター)の戦場取材、崩れるミンメイ・ディフェンス(敵の歌姫)、歌姫確保、デニス(カメラマン)死亡
第2話 イシュタル ★ マルドゥーク軍の歌巫女(イミュレーター)、隠ぺい報道、文化への目覚め
第3話 フェスティバル ☆ マクロス潜入、伝説のアルスの船、ウェンディー・ライダー公演、ヒビキ囚わる
第4話 マルドゥーク ディスオーダ ☆ シルヴィのヒビキ救出、イシュタルの望み
第5話 ステーション・ブレーク ☆ イングスの地球殲滅命令
第6話 シング・アロング ☆ マクロス起動、アルスの船の真の力{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)0、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5


OP 「2億年前のように静かだね」
ED 「de・ja・vu〜そばにいて」、「約束」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

Robbie さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

久しぶりに視聴してみた感想

数年前視聴した時よりは楽しめた。
また、TV版Δよりは全然出来が良いと感じた。

まずこの作品、単純に出来があまり良くないのと河森正治が関わっていないため何かと不遇で公式からも全然プッシュされていないためマクロスのアニメ作品中ではぶっちぎりで影が薄い。
確か当時はプラスよりOVAは売れていたのだが完成度はプラスの方が全然高いため現在の知名度はかなり差を付けられている。
あの完成度の低いΔでさえ開始前の期待、ワルキューレの歌やライブ、最近の他のアニメ作品よりは円盤も売れている点からは評価はともかくとして商業的には成功しており知名度もある。
ゼロにに関しては大ヒット作のF(TV版)にストーリーが大きく関わるため救いようがある。
しかし、この作品を観て感じたのだがもう少しこの作品を公式は宣伝しても良いと思う。
大人の事情ならしょうがないが流石にこれでは勿体ないと感じた。
何故ならイシュタル役である笠原弘子さんの歌が本当に素晴らしいからだ。
自分はイシュタルとして歌ってない笠原弘子さんの歌もよく聴くのだがそれらも非常に聴いていて心地良い。
やはりマクロスシリーズは何だかんだ言って商業的には曲が1番の武器である作品群のため非常に惜しいと思う。

かなり長くなったが作品のレビューだが音楽面は素晴らしかった。
上記に記載した通り笠原弘子さんの歌が素晴らしいのは勿論だが作中のBGMも優れていたと思う。
この作品、作中のBGMの使い方がかなり独特でかなり頻繁にBGMが入れ替わっていた。
ただ、それでも違和感が無くしっかりとそのシーンに合った曲を使っており非常に臨場感があった。
そして、以下がほぼ批判になる。
まず、ストーリーとキャラに関してだ。
ロボットアニメなのに主人公がジャーナリストで戦わなかったり男性が主人公の作品なのに女性のメインヒロインが主人公サイドのエースだったりと設定は斬新で面白い。
しかし、心理描写がダメダメで後半、{netabare} 結局、主人公はシルビー(初代の未沙ポジ)と結ばれるのだが何故結ばれたのかが理解不能。終盤、駆け足気味のため強引にくっ付けたようにしか感じない。
{/netabare}
また、これも後半なのだが
{netabare} 主人公が戦争に対して涙を流すのだが彼と関わった人間は1人しか死んでいないし家族に関しては作中で描かれていなかったため涙を流している理由が分からないため疑問しか無かった。{/netabare}
それとこの作品は展開は初代マクロスに近いのだが内容は初代マクロスに対する冒涜とも捉えられるため初代マクロスの大ファンからすると印象はあまり良くない。
初代マクロスの冒涜というのは{netabare} 歌が人間の本当の文化でないという意味合いのメッセージが伝わったからなのだが結局ラストはイシュタルの歌で物語が解決したようなものなので単純に矛盾しているし物語やキャラの発言が共に薄っぺらく感じる 。{/netabare}
声優に関してだが主人公は演技に面白味がなくただ下手なだけでダメダメだと感じた。
他は概ね満足だが主人公の声優によってここまで自分の中で評価が低くなった。
作画はキャラの絵は良いのだが戦闘シーンが微妙。
バルキリーはスピード感が無くもっさりしているように見える。
マクロスシリーズはスピーディーな戦闘シーンも魅力の1つのため残念。
また、所々ファイター形態が手抜きだと感じるシーンも見受けられOVAなのだからもう少し力を入れて欲しいと感じた。

1回目観た時よりは印象は良くなったが優れていない作品であることは間違いない。
しかし、上記の通りイシュタル役の笠原弘子さんの歌は一級品のためもう少し公式はこの作品を持ち上げて欲しいものだ。
この作品の完成度の低さがイシュタルを潰していると感じると残念だ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

マクロスの新たな方向性を模索したOVA

マクロスファンからはそっぽを向かれている感のあるこのマクロスⅡですが、
個人的には八谷監督なりのマクロスの解釈が表れていて面白いと思いました。


敵自身も歌を持ち、歌と歌の戦いになる。
その中で地球側の人間やイシュタルが、歌は単なる戦いの道具ではないと気づき始め、心を込めた歌に目覚める。

主人公のヒビキが報道レポーターということで、初代でいえばカイフンのような軍に対するもしくは戦争に対するアンチテーゼになっているのが面白いと思います。
・・・が、そのせいで主人公なのに戦場で活躍できないのは痛手だったようにも思います。


でもこれ主役はイシュタルですもんね。イシュタルが恋を知り、歌を知り、文化を理解していく過程は初代の流れを見ているようで面白いです。

初代のミンメイアタックを応用したミンメイディフェンスのアイデアなんかも面白いと感じます。


マクロスⅡって本当に曲に恵まれている印象です。

何と言ってもまずOP「二億年前のように静かだね」。このTVバージョンのイントロは秀逸でしょう。
計器の機動する音?なんでしょうか、エンジン音の唸りみたいで聴く度に興奮します。
映像も色々演出がダイナミックで、OVAらしい大判振舞いです。


その他挿入歌も何曲か
{netabare}
「恋のバナナムーン」は正にアイドルソングという感じで恋する少女の心情を情熱的に歌い上げた良曲です。


「バルキリーで誘って」はあえて一昔前のセンスな辺りが一味違います。
初代の「私の彼はパイロット」のようなマクロスらしさが出ていて面白い曲です。
マクロス7内でも劇中歌として使われていたので、知っている人は知っているのではないのかと思います。


「今は友達」はゆっくりとした、じんわりと心に響く優しい曲です。
この曲も同じくマクロス7でジャミングバーズが使用していた・・・はずですがあまり印象にありません(笑)



そして最終話の挿入歌「もういちど Love You」。
これは初代でいうところの「愛おぼえていますか」級の名曲です。全てを愛しみ包み込むような感動的な曲。
イシュタルの儚い恋心を表していて、正にマクロスⅡの全てが詰まっています。
{/netabare}

個人的に一番好きな曲は「もういちど Love You」です。
この曲が本編で流れる瞬間は鳥肌ものです。歌と戦争、マクロスのテーマを象徴するシーンですね。



全6話で毎回息をつかせぬ展開がなされるので、あっという間に見終えてしまいました。
後半3話は一気に引き込まれること間違いなしです。

初の続編ということで、どこを変えるかどこを継承するか苦心した名残が見られます。
マルドゥーク、イミュレーターなど、新しい試みはマクロスの世界にマッチしていて素晴らしいと思うんですが、三角関係とロボットの不出来が足を引っ張ってしまった感じ。


マクロスにおける歌の概念を追及した、マクロス史を語るうえでは避けて通れない作品だと思っています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

65.8 11 戦いでロボットなアニメランキング11位
勇者王ガオガイガー FINAL(OVA)

2005年4月11日
★★★★☆ 3.9 (63)
345人が棚に入れました
西暦2007年。機界文明との戦いに勝利したものの、GGGは今なお犯罪組織バイオネットとの戦いに奔走していた。そして、新たなる敵「ソール11遊星主」が現れる。三重連太陽系の守護プログラムとして造られた彼らは、当時地球上から相次いで発掘されていた物質「Qパーツ」を強奪、三重連太陽系の復活を目指す。しかし、その原料は宇宙の暗黒物質。宇宙を構成するこの物質を吸い上げられたことにより始まった宇宙収縮現象を止めるべく、嘗ての仲間と合流した GGGは三重連太陽系を目指すのであった。

ノッポガキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

面白いんだけどさ・・・

タイトルどおりすっきりしない終わり方(個人的に)をした。
いい言葉だったけど使いすぎ感がいなめない。
ベターマンの本編、ドラマCDなどを見ていないと分からない設定も多い。(登場人物の一人がベターマンのドラマCDが初出)
早足過ぎるので好き嫌いがありそう。
俺は十分楽しめたけどどうせなら続きを作って欲しかった。
一応その後の設定とかあるみたいだし、復活を希望したい。
無いだろうけど復活することになったら、ガオガイガーとベターマン両方の続編になるっぽいけどね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

ふもふも さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

最後の勇者伝説が始まる。

 ガオガイガ-のOVA。TVシリーズの続編にして完結編です。「TVシリーズはこのための前座に過ぎぬ」と言っても過言ではない出来栄えです。最寄りじゃDVDレンタルしていなくてガッカリしたのは記憶に新しい。


 長く続いた勇者シリーズの最後を飾る作品だけあって、もう丹精どころか魂が込もっています。とにかく熱い!強大な敵との死闘!絶体絶命の危機!折れる心!そして魂の復活!最強にして最後の勇者伝説を見届けよ!


これが勝利の鍵だ!→バン○イチャンネル。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

じゅぴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

熱いですね!!!

スパロボ30の予習にニコニコdアニメ支店で視聴。

本当はfinel GGGのほうを見たかったけどなかったのでこちらを。
時系列でベターマンのほうが先らしいので一応見てから。
あと、小説preFinalにこの前日譚が乗っているとのことで読了。
今作からいきなり登場するキャラのここまでの話なので読むのお勧めです。

無印もそうだけどマジで熱い。
面白かったです。

ガオガイガー完結作として覇界王もあるのでおすすめです。泣けました。というか、見ないとマジで損!!!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

66.6 12 戦いでロボットなアニメランキング12位
冥王計画ゼオライマー(OVA)

1988年11月26日
★★★★☆ 3.7 (89)
316人が棚に入れました
大迫力のメカアクションと衝撃的なストーリーテリングで、数多のロボットアニメファンを魅了したOVA。秘密結社・鉄甲龍を率いる少女・幽羅帝は、配下の八卦衆に対し世界征服のための決起を表明した。しかしその前に立ち塞がるは、組織を離反した木原マサキが奪取した八卦ロボ・天のゼオライマー! 現在は普通の少年・秋津マサトによって操られているその機体が秘めた絶大なパワーは、次々に八卦衆の命を奪っていく。気弱なマサトが、ゼオライマー搭乗時に突如豹変するその冷酷さの正体とは? 原作となったのは18禁コミックで、時折挿入されるセクシャルな描写にその名残がある。とはいえ引用したのは部分的な設定のみであり、基本的にはアニメオリジナルといっていい作品となっている。

声優・キャラクター
関俊彦、本多知恵子、田中秀幸、荘真由美、鈴置洋孝、佐久間レイ、佐々木優子、勝生真沙子、玄田哲章、塩沢兼人、速水奨、辻村真人、政宗一成
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ややこしいよ!

 初見でした。全4話各30分のロボットもの。
 ロボットものなんですが、この作品の魅力はロボットよりも人物描写にあるように思えます。ストーリーもよく練られていますし、かなり堪能できました。その後の作品にかなり大きな影響を与えていることは間違いないでしょうね。影響を受けていそうな作品がいくつか浮かびました。想像したよりも平均評価が低くて少し残念です。

 私はロボット関連の知識は全くないので、その辺については言及しません。
 そもそも私がロボットものを見るときは、組織の相関図と人物の相関図がどう動いていくかしか見ていませんからね。この見方が常に正しいとは思いませんが、この作品に関して言えば正解だったように思えます。ロボット好きな方もそっちの方に目を向けてみると、違う視点で楽しめるかもしれません。

 この作品を一言でいうと、「ややこしい」です。陰謀系のストーリーなので、全体像が明らかになるのが後半になってから、というのもあるのですが、陰謀のネタの部分はその後の作品で流用されていたりするので、意外と何とかなると思います。それ以上にややこしいのが、首謀者のキャラクターですね。非常に読み難い。組織間の争いがあって、ロボット同士が戦って、人物描写もトリッキー、ということもあって、2時間作品にしては結構てんこ盛りだったように思えます。尺が短いというよりは、分厚いという印象を受けました。

 以下では、物語の骨子の部分とエンディングから入って、これを前提に個人の話に移っていこうと思います。全ての基礎はマサキにあり、です。以下ネタバレが過ぎるので要注意。


組織間の争い:{netabare}
 二つの組織が争っているように見えるのですが、この裏には常に第三勢力が見え隠れしています。この第三勢力の台頭が、エンディングにつながっていきます。エンディングを読み解くために、陰謀やロボットの要素を排除して、普遍化した全体像を掴んでおきます。

 世襲された王政に対し、軍事クーデターが起こって、さらに市民革命が勃興する。
 これだけですね。歴史的な流れと同一視で構いません。

 ユウラという人物。彼女は先代のもと、ゼオライマーに搭乗するはずだったわけです。つまり、軍事統帥権を持って後継するはずだった。それにもかかわらず、ゼオライマーの搭乗資格が備わっていないし、ゼオライマー自体も指揮下にいないわけです。軍事統帥権が毀損された状態で、女王に就いてしまいます。しかも、広く知られていたわけではないものの、種(たね)の不適格まで明らかになる始末。彼女には、女王たる資格が名実共に備わっていなかったわけです。これにより王政は弱体化していきます。

 これに対して反旗を翻したのがマサキという人物。彼は、女王の力を減退させた張本人なわけです。彼はゼオライマーを開発・管理し、パイロットも手中に収めています。軍事力しか持っていないものの、その軍事力に関してはハードもソフトも備わっている。この力を背景にして、王政に対してクーデターを起こします。そして、女王の近衛軍を蹂躙していきます。

 しかし、このクーデターにほころびが生じ始めます。協力者からの反発(イサオ)です。何とかこれを撃退するも、今度は「内部分裂」が生じます。取り込んでいたはずの弱きもの、第三勢力であるマサトの反乱によって、軍事政権は崩壊し、武装市民が戦場に現れます。
 マサキを取り込んだマサト(新マサト)は、ユウラのもとへと到達します。

 面白いのは、マサトもユウラもマサキであるということです。すべて同一人物を使って、上記のような疑似戦争が描かれているんです。
 つまり、<ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である。こういう構造を持っているわけです。これを上記の例に当てはめると、<王政vs軍政vs市民>の戦いは、<人間同士の戦い>である、ということですね。
 無力なままのマサトでは、この戦争を終結させることは出来ませんでした。戦争を終結に導いたのは、ユウラでもマサキでもなく、武装した新マサトです。力無き者が力を得ることで、戦争を終結できると説明されています。その終結の方法とは?これがエンディングとテーマにつながります。
{/netabare}

エンディングとテーマ:{netabare}
 ユウラは新マサトに対して冥王決定戦を持ちかけます。「勝者こそが真の冥王」だと言っています。そして「全世界を破滅させるスイッチを入れる」ことを伝え、「止められるなら来るがいい」とまで言っています。破滅させたいだけなら宣言する必要はないわけですから、止めて欲しいわけです。

 それに対して新マサトは、「もう一人の僕(ユウラ)と決着を付け、たった一人の男(マサキ)の怨念を消さなければならない」と言っています。また、ゼオライマーの前で「お前が僕の宿命ならば、共に消えればいい」とも言っています。つまり、新マサトが消したいのはマサキ(ユウラと新マサト)であり、ゼオライマーなわけです。新マサトが消したいものに自分が入っているがポイントですね。

 そして、ユウラはスイッチを押し、その前に新マサトが現れます。このとき、新マサトが行ったのは、ユウラと新マサト、そしてゼオライマーの消滅を同時に達成できる手段、「自爆」なんだと思います。すべての発端であるテッコウリュウの本拠地を巻き込んで、終焉となります。

 世界は滅んだのか、というと滅んでいません。描写的にも地球の一部に大規模な爆発が起こっただけとして表現されています。ユウラの破滅スイッチによる効果が全世界に波及する前に、新マサトの自爆スイッチによる阻止が成立したんだと思います。そもそもユウラと新マサトの思惑は合致しています。二人とも世界を破滅させたいのではなく、マサキの遺産を無くしたいだけです。「勝者こそが真の冥王」なわけですけど、「自爆」によるマサキ同士の同士討ちですから、勝者なし、冥王なし、すなわち破滅なし、という終結なのでしょう。新マサトは確実に勝てる状況にあるんですが、勝者(冥王)になりたかったわけではない、ということです。


 で、テーマの話。前項で述べた例で言えば、市民が王政を打倒してハッピーエンド、というのが通常の流れだと思います。でもこの作品では、市民が王政もろとも自爆してしまったわけです。なぜ自爆しなければならなかったのか。それは、力無き市民ではなく、武装した市民だったからです。力無き市民というのは、マサトのことであって、新マサトのことではありません。市民であっても武装してたらダメなんだと、この作品は言っています。テーマって反戦力っぽいんですよね。例え出自が弱きものであっても、戦力を取り込んでしまったり、戦力自体を持ってはダメ、と描いているわけですから。
 ゼオライマーは、核を優に超える能力を持っています。こんな強大な戦力を描いておいて反戦力なの?と思ってしまったんですが、否定したかったからこその強大な戦力だったんでしょうね。戦争を悲惨に描かなければ、反戦は出てこない、というのと同じ論理です。
 ゼオライマーは、とことん強い存在でなければなりませんでした。ただ否定されるためにだけに。そんな悲しいロボットなんだと思います。
{/netabare}

マサキ①(ユウラ・マサト):{netabare}
 主人公はマサトなんですが、彼について考えていくと、最終的にはマサキという人物に行き着いてしまいます。一方、マサキを中心に考えていくと、マサト以外の人物もクリアに見えてくる。この作品は、マサキという人物が軸としてあるように思えます。彼はどういう人物だったのか。
 <ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である。ここから始めます。

 ユウラ。彼女は、マサキのコピーの中で愛が一番強く描かれています。マサトとマサキで新マサキであるならば、彼女もユウラとマサキで新ユウラというべき存在であったはずです。新ユウラの中にマサキがいることを知っているルラーンは、彼女を「美しい」と言っています。

 マサキ。彼は、破壊衝動に駆られ、その願いを完遂するために、ゼオライマーと幾人かの人物を造った男です。これだけを見れば、悪の存在なんですが、必ずしも悪だけとは言い切れないところがあります。
 そもそも破壊衝動に疑問が残ります。単に世界を破滅するためならば、テッコウリュウの長になるユウラの破滅スイッチだけで足りたはずです。ユウラがゼオライマーに乗れば盤石です。でも彼は、マサトというもう一人の分身を用意してゲームを始めました。しかし、ユウラとマサトの行き着く先は、マサキの破壊で一致しています。自分の野望を止めるためにゲームを始めたのでは?そんな風にも勘ぐってしまいます。
 また、マサキは「愛」という言葉に拒絶反応を示しています。にもかかわらず、マサキが造ったゼオライマーのシステム(ミク)は人型です。しかも女性型。また、彼の分身であるマサトとユウラは「男と女」です。そして皮肉なことにも、彼らはいずれも「愛情」を知ることが出来ました。彼らがマサキの造ったものであることを踏まえると、「マサキは愛を求めていた」そんな風に写ります。

 マサトとミク。「僕が造ったみんながきれいで、なぜ僕だけがこんなに薄汚いんだ」これは、新マサトの中にいるマサキの言葉。「あなたの中にきれいなものがあったから、それを生んだのよ」がミクの返しです。「造った」に対し、「生んだ」と返す。これはミクの優しさなのか愛なのか。少なくともマサキが単なる悪であるのならば、ミクのこのセリフは出てこないはずです。


 <ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である、と述べました。これを今度は縮小側のベクトルで見てみます。<マサキvsマサキvsマサキ>の戦いは、<マサキ内部の戦い>である、となります。つまり、人間の内部にある破壊衝動と愛情のせめぎ合いが、別のキャラクターを使って描かれているのだと思います。
 象徴的なのは新マサトの「ゼオライマーがある限りキハラマサトになる」というセリフです。これはマサキの「戦力がある限り破壊衝動を持つ」という自戒なのだと思います。作中のマサキは、その悪の部分を担ったキャラクターだというだけであって、マサキという「人間」自体は、悪が全てではなかったのだと思います。

 新マサトや新ユウラが愛情を知ったことや、ルラーンの「美しい」という言葉は、元来のマサトとユウラの影響によるものだというのは、否定できません。しかし、マサキを悪に固定してしまうと、なぜマサトが生まれたのか、なぜミクに人格を与えたのか、という主人公達の存在意義が薄れてしまうのです。
 マサトは「自分が誰なんだ」と自問しています。マサトとマサキの間で揺れるマサトの姿というのは、愛情と破壊衝動の間で揺れるマサキの姿に他なりません。マサキという「キャラクター」は破壊衝動を担ったものですが、マサキという「人間」には、破壊衝動と愛情が混濁していたんだと思います。
 マサトはマサキを受け入れました。その上で自爆という選択をしています。つまり、人間の中には、愛情以外にも破壊衝動があることを受け入れ、そのうえで破壊衝動に飲み込まれないように、戦力を放棄したんだと思います。つまり、この作品は、一人の人間の中にある愛情と破壊衝動を、複数の人物に分離させることで、擬似戦争を描いている、とも言えるのです。
{/netabare}

マサキ②(テッコウリュウ):{netabare}
 流石に長くなってきたので簡潔に。テッコウリュウもマサキが求めた「男女の愛」という視点から見てください。個人のコンプレックスではなく、「男女の理想像」からの乖離として描かれているのが分かると思います。
 第一話のタイハは、本音は充足していますが、建前(社会性)の部分で不足しています。
 第二話のアエンとタウは、サイガ(男)を断り女性二人での出撃です。
 第三話のリツは、一人で男性と女性の役割を担っています。
 第四話のロクウェルとギソウは片思い、サイガは偽りの愛です。

 これをベースにマサキ・マサト・ユウラの「男女の愛」の部分を掘り下げていくと、「ゼオライマーは男女が乗っているから強いんだ!」みたいに見えてくると思います。
 マサキは他人の愛を否定していましたが、マサトとユウラのカップリング、つまり自己愛を目指していたわけではなかったんだということも見えてきます。
 「ゼオライマーのパイロット」という概念が、「男女の理想像」を担っていて、それを具体化したマサトとミクは、理想から乖離していってしまったということも分かると思います。

 少なくとも、ストーリーの骨子も、キャラクターの解釈も、全てマサキを起点に始まり、マサキに帰着するというのを忘れずに。何度でも言いますが、<ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>ですよ!
{/netabare}

対象年齢等
 ロボットものとして見るなら、中高生の男子が中心かな。サラッと見ようとすれば見れてしまうのですが、考察しようとするとかなりの高難易度だと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

脳髄に直接叩きつけられる衝撃。神と悪魔の如き聖戦。

これは、イクサー1と同じくレモンピープルという雑誌に連載されていた漫画作品(原作者は違います)を平野俊弘(現:俊貴)監督が映像化したアニメです。

こちらもやはり美少女が出てくるし際どい性描写も出てくるのですが、イクサー1のような娯楽要素はなく、むしろ対極のような存在であります。


原作からの改変もなされ(原作読みました)、より『人の業』が感じられる哲学めいたストーリーですね。

敵味方入り乱れる人間関係。
どのキャラも自分の欲望や感情を包み隠さずぶつけ合う、対立の連続。どこまでもドロドロな人の闇が描かれています。

そして愛し憎み合う中で発覚する驚愕の真実・・・!
自分は自分なのか?どこまでが自分でどこまでが他人なのか?
設定の妙によって黒幕の存在意義がますます高まっています。
(これに似た設定を平野監督はロウランでも使ってましたが、ゼオライマーの秀逸さには敵いませんでしたね。)


このアニメで最も揺さぶられるのは『自我』の概念だと思います。
非現実的な設定なのに、登場人物の心情描写が生々しい現実感を帯びているせいで説得力があります。
ここでも幽羅帝(ゆうらてい)を演じる荘真由美さんの好演が素晴らしいです。今回は主人公のマサキを演じる関俊彦さんの鬼気迫る演技も鳥肌ものです!!



僕はスーパーロボット大戦というゲームはやったことがありませんが、どうやらゼオライマーはその性能から有名らしいですね。
スーパーロボット、と呼ぶにふさわしいと思います。ゼオライマーは本編では人の業を裁く神のごとき存在です。搭乗する人間によっては悪鬼に姿を変えます。
どんなときでもゼオライマーを見ているとその異様なオーラに呑まれてしまいます。怖いし、身震いさせられます。



最後までどうか見届けて下さい。最後の晴れやかな三人の表情にこそこのアニメの真髄があります。
時間の都合上話の繋がりに雑な部分があるのは残念でならないですが、とても感銘を受けたロボットアニメです。



すごーーくどうでもいいこと。
{netabare}
駅の改札で他の利用者がICカードで通ろうとして。
そしたら残高不足で『チャージしてください。』って引っ掛かってたんですよね。
そのとたん頭の中に『チャージなどさせるものか!!』ってマサキの声が浮かんできて(笑)
笑いをこらえるの大変でした。


それだけです。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

もうちょっと尺が長ければな~・・・。それにしてもゼオライマーが強い!強すぎる!!なんか無敵すぎて物語がどうでも良くなってくるw

他の皆さんがもう書いていますが、私も書かせていただきます。

「ぜオライマー強すぎだろ!!ww」

強いんだろうな~って見る前から思ってたんですが、想像を絶する強さだった。
その強さは力が強いとか、破壊力が凄いとかそんなんじゃなくて、他の敵ロボットと比較してぜオライマーが圧倒的に強いって話です。

初めから敵の中でもずば抜けて強いんだろうな~って思わせる雷のオムザックはあれだけ引っ張っておいて一瞬で敗退。
一応オムザックは核ミサイルなんぞ効きもしないほどの強さなんですけどね~w
それを一瞬で葬り去るゼオライマーはどんだけ~って話ですな。


まぁゼオライマーの強さも、やたらに技術が高いのも(人格をデータとして保存してそれを他の人物に転送するとか)設定としてそうするしかなかったと割り切るべきなんだろう。
昔の作品は意外に技術が高くて理解に困る^^;


実は、ここまでロボットにことに触れてきたが、この作品の主なポイントはロボットではない。
この作品は1987年に放送された「破邪巨星弾劾凰」の合体アクションの陽性な雰囲気とは違うロボットアニメを表現しようと制作された作品だ。

主人公の秋津まさとと木原マサキという第二の人格との葛藤、各ロボットを乗りこなすパイロット達のコンプレックスに焦点を当てて、戦うことの意味や宿命というものの卑劣さを表現している。

まぁ、表現しているつもりなんだが、結局のところゼオライマーが強すぎてキャラたちの葛藤が単純で簡単なものに見えてしまうのも確かだ。


そもそも全4話で構成されている為、物語が超急ピッチで進み視聴者を感動させる前に次の戦いへと引きずり込んでいく。
多分、この作品は尺が長ければなかなか良いデキになっていたと思う。

ついでながら言うと、ロボットのデザインや攻撃の仕方などはかなりカッコイイ。
ちょっと勿体無いな~と思わずにはいられないが、それも全4話では仕方が無い。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

63.6 13 戦いでロボットなアニメランキング13位
装甲騎兵ボトムズ-ペールゼンファイルズ(OVA)

2007年8月30日
★★★★☆ 3.8 (33)
186人が棚に入れました
レッドショルダー部隊を除隊したキリコ・キュービィは、惑星ロウランでの「タイパス渡河作戦」に従軍していた。60万以上の大兵力を用いた史上最大規模の渡河作戦だが、キリコが配属された部隊は最も過酷な戦場に送り込まれた。一方、レッドショルダー部隊司令のヨラン・ペールゼンは、軍事法廷の被告席に座っていた。検察官の怒号交じりの詰問に、終始無言を貫くペールゼン。その2人を、1人の男が見つめていた…。
ネタバレ

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

異能生存体の謎を巡る物語 A+

この作品を見る方は、ボトムズの全52話を既に見終わった方だと思いますが、万が一未視聴でトライしようというチャレンジャーの方に向けて、少し解説を書いておこうと思います。

この作品に入る前に、まず、レッドショルダーという言葉を理解しておいた方が良いです。

レッドショルダー、正式名は、ギルガメス宇宙軍第10師団メルキア方面軍第24戦略機甲歩兵団特殊任務班X-1。
ヨラン・ペールゼンの上申を受けた参謀本部によって編成が認可された部隊です。
部隊のスコープドッグ(ロボットの一種と思ってください)は、その右肩を血のような赤で塗っていたことから、通称「レッドショルダー」と呼ばれました。
訓練で見方同士を殺し合わせたり、凄惨な戦いからも味方を犠牲にしてまで帰還したと噂されたりと、吸血部隊として恐れられていました。


この物語は、レッドショルダー部隊を除隊した主人公キリコ・キュービィーが、史上最大の作戦・タイバス渡河作戦の最も激しい戦いの渦中に放り込まれるところから始まります。

一方、ペールゼンは、レッドショルダーにまつわるスキャンダルで失脚し、軍事裁判にかけられていますが、情報省次官ウォッカムによって法廷から救い出されます。

ペールゼンの残した秘密文書に着目したウォッカムは、「異能生存体」の有用性を実験し、戦後における地位の足掛かりにしようと目論んでいました。

こうしてウォッカムの監視下となったキリコは、秘密文書にピックアップされていた4人とともに、次々と過酷な戦場を転戦させられることになります。

「異能生存体」でなければ生き残れないような過酷な戦場を。

この「異能生存体」については作中で少しずつ明らかにされています。

{netabare}
かいつまんで言えば、どんな過酷な戦場でも生存していること、生存率がずば抜けて高いこと、さらに突き詰めて言うと死なないことが、「異能生存体」の指すものです。
また、ペールゼンは、レッドショルダー部隊で異能生存体の研究をし、究極的に死なない兵士による軍隊の創設を目論んでいました。
そのリストに主人公のキリコが入っていたという訳です。
{/netabare}

要は、キリコを含む5人は「異能生存体」のテストをされる訳ですから、夥しい死者がでるような凄惨な戦場に次々送り込まれるハメになるのです。

当のキリコは、さも当然のように愚痴の一つも言わずに、任務を着々とこなします。
まるで何の意思も持っていないかのように映る、戦いのためだけに生まれてきたような人間、それがキリコ・キュービィーなのです。

このキャラクターを理解していないと、見ていても楽しくないかもしれません。
主人公が何の自己主張もしないのですから。
でも、旧来のボトムズファンからすると、これぞキリコ・キュービィーなのです。

まさにボトムズ大好き人間のための作品。
一度は見てみましょう。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

CGになってキリコが再び

現代版のボトムズ。
時系列的には初代のビフォアストーリーになります。
ただ、設定などの細かい説明がないうえ、初代のストーリーが伏線になっている部分もあるので、ボトムズを知らない一見さんが視聴するには微妙な作品です。
何より、初見の人がキリコをみて「何だ?この主人公」と、いぶかしがるのが容易に想像できます。
何しろ喋らないし積極的に行動もしない。
彼の境遇と人となりがわかっていないと、ふざけたお飾り主人公にしか見えません。
でも、これぞキリコ、これぞボトムズ、なんですよ。


さて、ストーリーですが、”異能生存体”としてのキリコと、その存在を知り彼の身辺に陰謀を廻らせる者達のお話です。
何度も死にかける過酷な状況から、必ず生還を果たすキリコ。
そして、生還した後には甚大な損害が出ています。
この感じ、まさしくボトムズのお約束ですね。


戦闘シーンの作画は全てCGで描かれています。
滑らかに動くし迫力もそれなりにあっていいんですが、綺麗すぎて何かが違う。
ボトムズの戦闘って、もっとこう、火薬とオイルの匂いが漂うような泥臭い感じがないとダメな気がするんです。
贅沢いってますが、CGでそれは表現が難しいのかもしれません。
逆に言えば、いかにサンライズの手書きロボットアニメが優秀であったかの現れ。構図や書き込みの工夫だけで迫力ある映像を造っていたことになります。
最新技術でCG化したことによって、過去の技術の良さが証明されるとは、なんとも皮肉な話です。


OPはともかく、EDには失望しました。
柳ジョージとは、また古い歌をわざわざ担ぎ出してきていますが・・
「Yah!Yah!イエ~イ♪」
こんなノリの歌、キリコの居る世界に持ち込むな、アホか!
もうね、毎回EDで雰囲気ブチ壊しでした。最低。


まあ、ともかく、ボトムズ好きのための一作。
ファンの方、EDは飛ばしてみてね。
次回予告はすごくいいから、そこは飛ばさないでね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あぁ、やっぱカッケェよ(涙)

ほぼオッサンの思い出話なので、スルーして頂いた方がイイと思います。

 とある方の方とのメッセのやり取りで、今更無性にスコープドッグが観たくなり本編のお気に入りの16話"掃討"と21話"遡行"、んでペールゼンファイルズの"冷獄"を観ちゃいまして。
いい歳して最近のアニメを立て続けに観た反動なんでしょうね。
戦闘シーンの派手さで言えば孤影再びの黒い稲妻旅団との戦いが香港のアクション映画みたいな感じでキリコ無双なんですけど、あれはちと引く位強すぎなんすよねw

 まぁボトムズなんて正直、私ら世代しか観ない作品とは思うんです。
私自身も今のアニメの質の高さとか話の練り具合なんて、昔のアニメとは比較にならないぐらい底上げされてると感じてます。

 ただ久しぶりにボトムズ見たらやっぱり戦闘シーンでワクワクするんですよ、今でも。思い出補正なのかもしれませんけどね。
でも、正直私が観た最近のロボット・メカ物での戦闘シーンにはこんな高揚は無かったんすよね。
ボトムズ本編なんて、絵なんか今の視点で観たら酷くて見てらんない筈なのに。
やっぱグライディングホイールで滑走するスコープドッグやパイルバンカーでスタンディングタートル串刺しにするベルゼルガとか、パラシュートで無数に降下してくる姿とかね。痺れちゃうんすよね。
 ボトムズのOVAでも野望のルーツ・赫奕たる異端・幻影編が物語の続きを楽しむ作品とすれば、ラストレッドショルダー・ビッグバトルと続いたは"昔のリアルロボットのアクション物"としての集大成としての完成形がペールゼンファイルズだと思ってます。

個人的にはですけどねw
私ら世代はこの手のばかり見た世代だから、バルキリーの板野サーカス一番の方も居れば出渕デザイン好きも居ますしね。

 まぁ本作を今の若い方にもお勧めなんて言う気は更々有りませんが、観たらどういう感想持つのかなと言うのは興味ありますね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

63.7 14 戦いでロボットなアニメランキング14位
真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ(OVA)

2000年12月21日
★★★★☆ 3.6 (33)
174人が棚に入れました
真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ(しんげったーろぼたいねおげったーろぼ)は2000年に発売されたOVA。
5年前の恐竜帝国の侵攻は、ゲッターロボの活躍、そして巴武蔵の犠牲によって終結。大打撃を受けた恐竜帝国はマグマ層へと追いやられた。しかし、ニューヨークの街を消滅させる程の破壊力に恐れをなした国際社会からの圧力により、早乙女研究所のゲッター線関連の研究は凍結を余儀なくされる。

だが、その一方でゲッターロボのパイロットであった神隼人らは恐竜帝国の復活を予見し、ゲッター線を使わない新たなゲッターロボ「ネオゲッターロボ」を開発。恐竜帝国の再度の来襲に備えたものの、3人目のパイロットが決まらない。

果たして再び姿を現した恐竜帝国。そのメカザウルスが暴れる中、3人目のパイロットとして見出されたのが、闇プロレスの覇者、一文字號であった…。
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

知れば知るほど評価が上がる〈漫画版読了&東映版視聴後 追記〉

新作アニメ「ゲッターロボアーク」2021年夏公開決定を記念して期間限定でYOUTUBEにて配信されました。

今作は2000年に発売されたOVAで全4話。ゲッターロボシリーズの平成OVA作品第2弾となります。
細かいことは気にせずアクションとロボを楽しみたい方にお勧め。
少々グロがあるのでご注意を。
{netabare}
全4話・2時間弱、映画1本くらいのボリュームでしょうか。物語は少々大味でハッタリ満載の派手さが売りの作品、というか意図的にそっちに振り切ってる気がするなあ…。
特筆すべきは市街地戦の多さ。作画負担が増えやすいコンテ・演出ですけど作画班の実力が伴っていて、しっかり嵌っていました。勢いがあって見ていてとても楽しいですね!特撮作品のロボ戦が好きな人なんかはかなり楽しめるのではないかなあと。

体格が良くて力強いキャラクターデザインも私は好きです。作画枚数はそれほど多くなさそうですが、上手に動きを付けていて、キャラクターのお芝居もアクションの勢いも楽しい。

音楽は主題歌もBGMも好き。
特にBGMは珠玉の出来です。OP曲を金管楽器(かな?)でアレンジしたBGMが1、2話で使われていて凄く格好良い。3、4話でもこのBGM使って欲しかったなあ。

キャラクターに複雑な個性付けが無いのですが、これがわかりやすく特徴的で面白い。そして女の子が格好良い可愛い。
あと、剴は癒し。

4話のみの短い作品のためか、実力優先で声優さんが選出されていて全体の安定感が魅力。例外は主人公でしょうか。號役は若手時代の櫻井孝宏さんで、演技に勢いとパワーがあって作風によく合っています。


ゲッターロボは3タイプに変形するため、全てに見せ場を作るのは簡単ではありません。それが2機+テキサスマックという欲張りっぷり!
真ゲッター3のみ見せ場が無いのは勿体なかったですが、他はしっかり活躍させているのが流石です。
私は翔が格好良くて好きですね。第2話でテキサスマックの危機に助太刀に入った時、かねてからの友人であった翔がネオゲッター2で駆け付けるのがとても良い。そのシーンのネオゲッター2は武人のようで格好良いです。剴とネオゲッター3の活躍で締め括っているのも好き。
全体的に忙しい作品ですが、第2話は単品で見ても十分に纏まっているので一番好きな回かも知れません。

VSと銘打ってはいるのですが、真ゲッターとネオゲッターが並び立つ展開ではないのが勿体ない。
ですが前作主人公の位置付けである竜馬と隼人が新人・後輩のサポートに回っているのが個人的には凄く格好良いなと思います。

川越淳監督もシリーズ構成の藤田伸三さんも熱血や人情を描くのは上手なタイプと理解していますが、今作はその良い面も良くない面もはっきり出ている印象です。登場キャラ・登場メカも多くて落ち着いて視聴する作品ではないかも。
勢いと熱量を楽しむと良いと思います。
{/netabare}
(2020.11.3)

【漫画版と東映版視聴したので追記】
元となった作品をわかるようになると、ガラッと評価が変わる作品でした。これは素晴らしい。

本作は王道のロボットアニメに親しんだ人にオススメしたいアニメです。
前日譚や人間関係は想像する必要がありますが、それ自体は王道ですのでロボットアニメが好きな人ならおそらく大丈夫。
(「新ゲッターロボ」は導入が丁寧で入りやすいのですが、後半は難解で壮大なSFとなりますし、グロ耐性下ネタ耐性が必要なので人を選ぶかなと…)
{netabare}
アニメアーク1巻ブックレットの南喜長Pインタビューに「ネオゲッターロボは東映まんがまつりのような子供にも観られるようなものを目指した」という内容が。しっかり反映された気持ちの良いアニメですね。

・東映版初代ゲッターロボ&ゲッターロボGを視聴して
本作のスタッフは皆さん東映版がとても好きだと思います(笑)。
まずはOPのゲットマシン発進シーン。東映版GのOPのわかりやすいオマージュです。
ネオゲッターロボのデザインはゲッターロボ號の頭部とカラーリングを踏襲していますが、ボディはゲッターロボGの3形態によく似ています。特にネオゲッター3は首のファンを回して竜巻を起こしたり、脚部のスラスターで敵を迎撃したり。これはゲッターポセイドンによく似ていて、東映版で目立っていた武装です。
東映版號と漫画版號で號・翔・剴が乗り込むゲッターロボ號は、版権が複雑でOVAでは出せなかったそうなんですよね。OVAスタッフの苦肉の策なのでしょうが、作中ではゲッターロボGは初の戦闘を前提としたゲッターロボですから、プラズマエネルギーで動くネオゲッターロボに受け継がれる説得力のあるチョイスだったと思います。

恐竜帝国の描き方にもリスペクトがありますね。
東映版では恐竜帝国とのラストバトルが不完全燃焼なんですよ。帝王ゴールはラスボスとしての存在感を発揮できなかった。漫画版でも非業の死を遂げています。恐竜帝国のファンって視聴者に結構多いんですよね。でも東映版と漫画版はそれぞれ違う意味で爽快なラストではない。
本作で帝王ゴールは強大なラスボスであり、部下とのやり取りも増えていて胸のすく想いでした。


・漫画版を読んで
本作のスタッフは皆さん漫画版もとても好きですね(笑)。
漫画のワンシーンや印象的なセリフをいくつも引用し、それを違う物語に整理しつつ違和感なく嵌め込んでいるのが凄い。
漫画版隼人は苛烈に見えるけれども素が苦労人で、本作にもその性質が強く引き継がれています。3話冒頭で真ゲッターロボの起動を政府関係者に許可されず、イライラしながら峠道で車を飛ばす。そんなちょっとしたカットにキャラクターへの愛を感じます。

竜馬と隼人が亡くなった武蔵に語り掛けるシーンが本作には多い。これはチームが離散して竜馬と隼人の時が止まってしまったから、そして漫画版とは流れが違うからです。
5年前、武蔵の特攻で恐竜帝国を退けることには成功したものの、ゲッター線によりニューヨークが壊滅してしまった。日本は海外からの非難に晒され、真ゲッターロボもゲッター計画も凍結されてしまった。
そんな物語に変更されているようなんですね。だからネオゲッターのパイロットが揃ったこと、恐竜帝国が壊滅したことを武蔵に捧げる。やっと竜馬と隼人は過去を振り切ることができたわけです。
若い3人の力と前向きなエネルギーが、止まっていた物語を動かす原動力になっているのが良いですね。{/netabare}
(2021.12.5)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

ウィラード さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

テンポ良いんじゃないかな

単話が続く内容
ロボアニメとしてテンポ良い
普通にクールで続けて欲しいアニメだったかな

ゲッターはチェンゲとネオゲが好きかな

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

きききき さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

タイトルなし

すごく単純な内容ですが、結構楽しんで見れました
ゲッターロボが気になる方への入門編としてちょうどいいでしょう

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

66.9 15 戦いでロボットなアニメランキング15位
バブルガムクライシス(OVA)

1987年2月25日
★★★★☆ 3.7 (34)
137人が棚に入れました
 近未来世界を舞台に超法規立場の美少女戦士たちが活躍する、OVAの大ヒットシリーズ。西暦2032年。かつて大地震で壊滅した東京はメガロポリスTOKYOとして復活したが、闇の中では殺人兵器の人造人間ブーマが出没。その陰では、現代社会を半ば支配する大企業ゲノム社が暗躍する。ブーマに襲われる人々を救い、ゲノム社の暗部を白日にさらすため活動するのは「闇の仕置人」こと美しい曲線の戦闘パワードスーツをまとう謎の4人の美女「ナイトセイバーズ」。ゲノム社への復讐に燃えるシリアをリーダーとする彼女たちは今夜も事件を追うが、そんな一同の前に新たな事態が……。
 先行OVA「ガルフォース」シリーズの成功を受け、アートミックとAICが企画製作した美少女SFアクション路線の第二弾。キャラクターデザインは「ガルフォース」同様、園田健一が担当。今回はさらにメカニック色を重視し、先行作に続くヒット作となった。主人公プリスのCVを演じる歌手・大森絹子が熱唱する主題歌も大反響を呼ぶ。

声優・キャラクター
大森絹子、榊原良子、富沢美智恵、平松晶子、古川登志夫、堀内賢雄、佐々木望、緒方賢一、池田秀一、川久保潔、佐藤正治

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

80年代美少女が一番しっくりくる。ハマーン様がSFキャツアイみたいなことする(ゴクッ…)。

 別に80年代が青春でもないし、その時期のアニメばっか見てるわけじゃないが80年代デザインかその派生系くらいが一番好き。昔は良かったおじさんじゃないが、ドンドンあっさり化ソフト化が進み過ぎてる気がする。

 
 それにしても、榊原さんが出てる作品にハズレ無し。ただ、本作の主役の一人プリスの中の人が声優さんよりメインが歌手の人らしく上手くねぇ…。山ちゃんがモブやってるのが時代を感じる。


 どうでもいいが、近年流行りのシティーポップのサンプリング映像として80年代アニメが採用されてるって話は聞いてたが、本作を見てたら「あ!、このシーーンは。」ってところがあって驚いた。80年代アニメには存在しないノスタルジー効果があるのかもしれぬ。


バリってるでお馴染み大張さんや、「ポケ戦」の高山さんなど有能クリエイターが参加しているだけあって回によってクオリティーが段違いである。ただ、一番印象的なのは、7話でうるし原さんが参加していて、みんなうるし原さんデザインに変更されて美少女度マシマシな濃い目になってて良し。やはり私は濃いめなデザインの方が好きなのかな。


 ただ、全体としては、こういう作品は「パトレイバー」みたいに沢山の話数をテレビでやりつつの方が合っている気がした。1話完結タイプの話は短いovaだと少々物足りない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

らびえぬす さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

これが美少女系OVAというものなんでしょうか

本作品、随分昔に同じバイト先の方から借りて観ました。

作画はお世辞にも良いとは言えませんが、何故かはまったような気がします。
ちょっと退廃的な東京が舞台ですが、そこがすこしばかりエキゾチックな感じがして、ツボにはまりました。

脚本もOVAということもあり、無理やり感満載で今の私では受け付けないと思いますが、その当時は全然OKでした。

キャラは一応、美少女系なのでしょうが、今のアニメのそれとは少し違った方向性だと思います。
これも、もう一度観てみたい作品です。

多分、途中で挫折しますが・・・・

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

nayotake さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

闇の仕置人

警察(作中ではADポリス)では裁けない犯罪を処理するナイトセイバーズが活躍する物語。メインのストーリーは悪の企業体に復讐をする形、作中で使われる歌がすばらしく物語を盛り上げる。終わり方がうやむやになってるのが勿体無いですが、彼女たちはまだ戦っていると思えばいいかな・・・。女の子が戦い活躍するストーリーが好きな方は是非。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

65.7 16 戦いでロボットなアニメランキング16位
幻夢戦記レダ(OVA)

1985年3月1日
★★★★☆ 3.7 (33)
137人が棚に入れました
朝霧 陽子(あさぎり ようこ)は、17歳のごく普通の女子高校生。彼女には一途に憧れ続けている男子がいた。想いを告げられぬままの1年5ヶ月に決着を付けるべく、自らの想いを込めたピアノ曲を完成させ、カセットテープに録音する。 そして、ヘッドホンステレオでその曲を聴きながら、いつもすれ違うだけだった並木道で彼に声を掛けようとする陽子だったが、結局できないまますれ違い、肩を落とす。すると次の瞬間、陽子は突然異様な空間に飛ばされてしまう。そこは異次元世界アシャンティで、陽子はレダのハートを狙う総統・ゼルによって引き込まれたのだった。見知らぬ生き物が徘徊する森の中、陽子は世界を旅する犬・リンガムと出会い、自分が異世界に来たことを知る。もと居た世界へ帰りたいと願う陽子は、自作の曲が帰るためのカギであることに気付くが、いきなり襲いかかってきたゼルの兵士たちによってヘッドホンステレオを奪われ、さらに命を狙われる。

声優・キャラクター
鶴ひろみ、池田秀一、坂本千夏
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

往年のビキニアーマー戦士に会いたくて……

先日発売された4KリマスターBlu-ray買っちゃいました♪

80年代半ば頃から90年代にかけて、
二次元世界では数多くのビキニアーマー美女戦士が活躍していました。

ビキニアーマーは何も本作みたいに、
マニア向けOVAに登場するお姉さんだけではなく、
一部の一般子供向けコンテンツの女の子にも浸透していたように思います。

実際、私とビキニアーマー戦士との初遭遇は、
アニメ『ドラゴンボール』のチチ(幼少期)でしたし。
当時ゲームショップに行くと、『ドラクエ3』パッケージ裏の女戦士を始め、
ビキニアーマー戦士のビジュアルがやたら目に付いた記憶があります。

ビキニアーマー戦士と言うのも、何とも摩訶不思議な存在で、
各種ハプニングシーンや恋愛、ラブコメ展開には恥じらうクセに、
己の際どい装備にはさほど恥じらわずw
堂々と胸を張り、その身一つで世界を救う戦いに挑んでいく……。

これは幼い頃の私が、女の子は露出することでパワーを発揮するなどと、
勘違いしても、仕方ありませんねw


そんな私にとって、本作主人公の朝霧 陽子は、
日本におけるビキニアーマー戦士の源流を形成したレジェンドとして、
一度、相まみえてみたかったヒロイン。

けど、映像ソフトのプレミア化などに阻まれて中々機会がなくて……。
今回のBlu-rayリマスター企画は千載一遇の好機でした。


とは言え、ただビキニアーマーと言うだけで、諭吉一枚差し出すほど、
尊氏の守銭の砦は脆くはありませんw

ダメ押しとなったのは、本作キャラクターデザインが、いのまたむつみ氏だったから。

いのまた氏と言えば、個人的に筋肉の造形が素晴らしいと尊敬しているイラストレーター。
特に脇腹!脇腹が良いんですよ~♪

後のゲーム『テイルズオブデスティニー』(PS)の筋肉担当・コングマン辺りの、
ムキムキに割れてる腹筋を描くのは当たり前として、
いのまた氏の場合は華奢な美少年や可憐な美少女。
一見して筋肉無さそうなキャラの腹も、決して寸胴みたいにスンナリ描かず、
ちゃんと内側に筋肉があることを意識して、くびれを描き込んでくる。

今回のリマスター企画で書き下ろされたジャケットサンプルの陽子の腹を眺めていて
かつて小説『宇宙皇子』の挿絵で描かれた美少年が見せた上半身裸体の肉体美を目の当たりにして、
筋肉に関するフェチズムに目覚めた宿命を思い出しましたw

いのまた氏は還暦間近になっても、肉体描写は衰えないなぁ~。
特典でアートブックも付くのか~。と密林で色めき立っている内に、
私の右手は、自動的に購入ボタンをポチっていましたw


とは言え、いくらキャラデザが頑張っても、
アニメーターが意図を汲まなければ意味がありません。
が、本作は作画監督も、いのまた氏、御自らが務めているので、問題ありません。

ビキニアーマー戦士のボディーラインや肢体の躍動感が、
好センスのアングル、作画構成で見事に表現されていました。
陽子の脇腹には確かに筋肉と夢が詰まっていましたw


ストーリーもある朝、告白に躊躇してしまったヒロインが、
召喚された異世界で戦い抜くことで、自らの心の弱さに向き合い、
元の世界で、幸せを掴むためのほんの少し勇気、成長を見せるのか?
と言う王道展開。

そんなメインテーマを“レダの心臓”即ち、
{netabare}ヒロインが意中の彼に告白するために、
作曲、録音したピアノ曲の収録テープが入ったカセットウォークマン。{/netabare}
と言うキーアイテムを活用し、異世界の危機と、揺れる乙女心を同列に語ることで、
王道を盤石にしていく脚本、演出が実にいじらしいです。

相変わらずヒロインは、恋には時めき恥じらうクセに、
異世界での大胆な露出には恥じらわずw
“レダ”のパワーか何かで、各種武器、乗り物の超人的な運用も、
学習なしで適応してしまうテンポの良さ。

朝霧 陽子は、まごうこと無きビキニアーマー戦士でした♪


ビキニアーマーだけでなく、ヒロインが冒険する、、
奇怪な生物が巣くう荒涼としたファンタジー世界と、
過ぎ去りし文明の機械、可変対応のビークル、飛空艇、巨大ロボ、空中要塞の異様。
CV池田 秀一氏の狂気を孕んだラスボスの言動。
異世界へ誘う、鷺巣 詩郎氏の高揚感溢れる劇伴。

80年代、気鋭の若手スタッフらによる“魅せたい”
アニメファンの“観たい”がギッシリ詰まった……。
OVA黄金期の解放区としての気風が存分に感じられる快作です♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

本作の価値は「元祖ビキニアーマー」で、内容は無いです。

 片思いの少女が好きな男子を思い作った曲とその曲が入ったウォークマン(死語)をめぐって、異世界でバトルを繰り広げます。不思議の国のアリスをモチーフにした感じがあります。そして最後は…みたいな感じです。

 アニメの絵は話題作らしく非常に80年代的美しさを感じる魅力的な画面ですが、話は全く面白くありません。SF作家の故栗本薫さんのSF大作「レダ」とは全く関係ありませんでした。

 しかし本作の価値は話ではありません。「ビキニアーマーの元祖」とされていることです。これが1985年です。
 少し前に「くりいむレモン」というアダルトだか一般だか微妙なロリ作品に登場しているそうですが、キービジュアルの発表は本作が前という説が一般的です。
 そして海外ではスターウォーズジェダイの復習の1983年のレイア姫になるとの事。

 裏を取るために調査すると、それ以前スターウォーズのビジュアルイメージに影響を与えたと言われる「VALERIAN and LAURELINE」と言う1972年の作品の「The land without stars」にビキニアーマーっぽい人がいました。
 そしてフラッシュゴードンですね。映画版は1980年でここにもビキニの女性がでてきます。しかも、フラッシュゴードンは1940年代からあります。ひょっとしたら日本で知られていないビキニアーマーは、スペースオペラで結構あるのかもしれません。
 しかし、です。スタウォーズのレイア姫にしてもスペースオペラのヒロインにしても、どうもヒーローの添え物でヒロインとして主体的に戦うわけでもないし、アーマーっぽくはないですよね。

 で、この話、2023年に思い返すと「オヤ?」と思うわけです。「うる星やつら」の弁天様は?1978年連載開始で1巻には登場しているそうで。これははっきりビキニで、メタル。弁天様のキャラ付けから言ってアーマーと言っていいでしょう。この有名作品がクローズアップされないのは不思議です。ビジュアル的なメタルビキニはこの作品が最初かもしれません。アニメとしても1981年開始ですから少なくとも「くりいむレモン」や「レダ」より早いでしょう。

 それと、小説のイラストですがダーティーペアですね。1980年です。彼女たちのビキニはメタルではあっても固そうな金属系ではないですがはっきりと戦闘服です。そして、今回1978年テレビくん連載の「銀河の女王スーパーレディー」という作品も見つけました。画像検索しただけですが、かなりエロ面白そうなので入手できれば読んでみたいです。

 ただ、です。バトルもの、アニメ、主体的に戦う戦闘美少女である、という本来的な設定に立ち戻ると、本作が元祖といってもいいのかなあ、という結論でもいいのかもしれません。
 今回アニメを見た価値はあまりありませんが、これをきっかけに面白い視点を持てました。


追記 今、1968年、ジェーンフォンダ主演の「バーバレラ」という映画を見つけました。ただ、これは水着アーマー…と言った方がいいかも。


再追記 戦う女性といえば、ギリシア神話のアマゾネス(アマゾーン)と北欧神話のワルキューレ(バルキリー)がいましたね。ビキニという点ではアマゾネスで1973年の映画が見つかりました。ただ、アーマーのイメージからいうとワルキューレですかね。
 要するに古今東西、男の妄想は戦う女性は半裸だということでしょう。



 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

ゼルミナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

令和の今、見るとしたら…あと余談

2020再鑑。dアニメストアスゲェな!(2020現在)

この文章、令和の現在、当時を知らない方が鑑賞する意味は何処にあるかという視点で書きます。
思い出話は一杯飲みながらやりましょうや(笑)

いのまたむつみのキャラデザインと、キャラクターの表情や動きの繊細さ、美しさは素晴らしい。
(ホント自分の想い出補正抜きで!)これは見る価値があると思う。
あと、アクションシーン。
全体でみると地味に感じるかもしれないけど、メカの動きとかがカッコいい。
逆に物語と歌に関してはホント今とは違うねー(笑)
どっちが良いかではもちろんなくて、テンポ自体が違うんだと思う。

アニメ、マンガなどに一家言あると自負する人、プロを目指す人は、
最近のアニメと比較しながら見ると良い刺激になるんじゃないでしょうか。
昔のヲタクは初見は素で観た後、音声を消して映像だけを見るとか工夫したものじゃよ、ごほごほ。


最後に全くの余談なんですが、本作を語る時に「ビキニアーマーの起源は何だ?」的なハナシが出たりするんだけど(笑)
かの「ドリームハンター麗夢」の発売も同年の1985年で、この二作が日本サブカル界における嚆矢と言って良いんじゃないでしょうか。
とは言え、当時を思い起こせば、自分的には「新しい!」って感じではなかったよ。「可愛い!」とは思ったけど(笑)(萌えという言葉の無い時代)
そもそもビキニアーマーの起源って、映画で言えば「バーバレラ」(1968年)があるし、作品としてではなく意匠としてはアメコミや洋物ファンタジーイラストなんかではありふれいてたと思う。
(1930年代辺りからあるらしいぞw)
まあ、起源論って突き詰めると大概ロクな事にならないので、個人史の上で語るのがほど良いと思うじゃよ…ごほごほ(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

66.2 17 戦いでロボットなアニメランキング17位
機甲猟兵メロウリンク(OVA)

1988年11月21日
★★★★☆ 3.6 (26)
113人が棚に入れました
ギルガメスとバララント両国家によって展開された百年戦争の終結間近、濡れ衣という形で軍上層部の陰謀に巻き込まれた少年兵士メロウリンクは、戦友たちを死に追いやり、自らをも陥れた士官たちへの復讐の旅に出る。その後に待ち受ける過酷な運命も知らず……。

声優・キャラクター
松本保典、大塚明夫、玉川砂記子

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

メロウリンクはPSなのか?

復讐者メロウリンクが戦場で自分を裏切った者たちを次々と探し出し、復讐を果たしていく物語です。

メロウリンクは機甲猟兵なのでATに乗りません。言ってみればスナイパーの様なものなのですが、パイルバンカー付きの狙撃銃一本で※1ATと渡り合う姿にはどうしても説得力が足りませんでした。

これの親作品、装甲騎兵ボトムズの主人公のキリコも対AT用拳銃で無双する事がありますが、不意打ちや緊急回避的な場面でしか使用する事はせず、基本的には敵のを奪ってでもATで戦う事を選ぶので、それ故に現実味が有るのですが、メロウリンクの場合、敢えてATに乗らずに戦うので、場面によっては命のやり取りを軽視している様にも見える事がありました。

大体の場合、毎回の様に人間(メロウリンク)とATが一騎打ちするのですが(時には複数機と。)普通に考えれば※2PSでもない限りそんな事は到底出来る筈も無く、けれどもしてしまうので、描写的にもかなり無理がある様に見受けられました。取り分けメロウリンクがATのローラーダッシュと同等の速度で走っているシーンはどう足掻いても修正出来ない程の違和感が感じられ、何とかならなかったのかなぁと思います。また毎回のクライマックスの見せ場となっている、復讐の対象を確認した際に行われる血のペイントもやはり無用で、そんな暇があるならキリコなら無言で撃ってます。多分そうしないと死ぬからです。

ボトムズで描かれたキリコ・キュービーと言う人物は兵士としてもAT乗りとしても最強の主人公でしたが、どんなザコと戦う場合でも相手が殺傷能力のある武器を持って立ち向かってくる事を常に警戒している様で、全く油断せず、余裕の表情すら浮かべた事の無い様な男で、時にはそんな敵を相手にした時ですら綱渡りとも言える様な方法で、紙一重の勝利を掠め取る事も有るのですが、それ故に彼の生き残ろうとする必死さが伝わってきたのです。一方でメロウリンクの場合は脚本、演出などの関係なのでしょうが、やたらと無駄な動きが多く、上述の血のペイントもそうですが、復讐対象者への止めをどうしても※3パイルバンカーに拘る様な描写も有るなど、何となく嘘っぽく見えてしまうのでした。

以上酷評書いてしまいましたが、名優大塚明夫さんのデビュー作としては一見の価値が有ります。最初からスゴい貫禄です。

ボトムズが好きだったので視聴しましたが、リアリティに欠ける描写が多く、別物だと言う認識を受けた末に結局8話位で断念しました。曲がりなりにもボトムズシリーズなので、いつか気が向いたら再開する事が有るかも知れません。


※1:アーマードトルーパーの略。全高4m程度の一人乗り用の人型戦車。
※2:パーフェクトソルジャーの意。一種の改造人間。ボトムズシリーズで度々登場する。
※3:空砲の爆発力を利用して打ち出す杭打ち機。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

昔っからボトムズってのは閉鎖コミュだったのです

記憶ではビッグバトルの後、且つ野望のルーツの前だったと思いますが・・・
当時はボトムズのOVAなのに主人公がAT乗らないと聞いてガッカリしたんですよね。まぁ私もロボット大好きなお子様趣味を引き摺ってたのでw

陰謀にはめられ、最前線にAT無しで投入された小隊の唯一の生き残りが主人公メロウリンク。100年戦争終結後、その彼が陰謀に関与した上官達を探し出し復讐していく話なんですが、次第にその陰謀の陰に軍の上層部の関与がチラついて・・・って展開でして。
見せ場は、生身の体と対ATライフルとパイルバンカー(火薬で繰り出す槍)と機転でかつての上官達の乗るATを屠る様なんで御座います。

・・・地味に思いますよね?
実際、地味ですw
ボトムズ自体が地味なのに輪をかけて地味な話なんですが、これぞボトムズという世界だから成り立つ話なんすよね。
ガンダムも本編で数機のワッパと時限爆弾でガンダム追い詰める話も有りましたし、MSイグルーでも対MSミサイル部隊の話が有りますが、メロウリンクは一人生身でメインメカのATと戦うんですよ。
コレはATが4m弱の小さなロボット兵器だからこそ、嘘くささ感じさせず殺るか殺られるかの緊張感有るんですよ。
ボムムズ好きならば皆知ってる事ですがボトムズってタイトルの意味は、兵士の底辺(ボトム)に位置づけられたAT乗り達の蔑称な訳ですが、主人公はさらにその下、対ATライフルしか持たされなかった兵士です。
その兵士の底辺が、戦後に我が世の春を謳歌する元上官達に復讐していく爽快感。
若い方でもボトムズ見た事有る方ならば、見た方がイイです。
確か、陸戦型ファッティーもこの作品が初出だった筈です。

でもね、やっぱりボトムズ本編と無縁の方は見ない方がイイかと。
ボトムズってシリーズは、一見さんお断りの料亭みたいな作品ですしね。
ガンダムだって時代の要請に合せてかわいい女の子増やしてるのに、酷いもんです。マクロス見習えって私ですら思いますがw

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

Mori さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

ボトムズ外伝である必要性なし

子供のころ一通り全部見ました。
復讐の物語であり熱い展開もある。
いろんな作戦や武器を主人公のメロウリンクが駆使して戦う死んだ仲間のために...
って感じの単品なら非常にいい熱い作品。
作画、声優、音楽これらは当時としても良いほうじゃないかなと思います。


しかしこれボトムズである必要あるのかなぁ
これ勧めるのってボトムズアンチなのかなぁ?

自称ボトムズファンの中に異様に推すコメントが色んなところで散見されるけれども正直やめてほしいぐらい本編と毛色が違いすぎて気持ち悪いです。

スーパーマンの主人公がブンブン超重量のものをブン回す80年代のハリウッドB級映画の劣化版を見せられてるような陳腐な演出。
「ラダァ・ニーヴァやイプシロンでもそこまでやらねえよ」
と微妙な感情と怒りを子供心に持ったのはよく覚えています。

本編も戦争モノや宇宙モノ等、様々な映画のテイストをふんだんに使われていますが、物語としてボトムズの世界観は一貫してました。

この作品はただ製作者がハリウッド映画ぽいものを作りたいけど作れないからアニメで表現したって感じの作品です。

主人公は若いころのスタローンやシュワルツェネッガーのようなムキムキマッチョマンで実はサイボーグとかのが良かったんじゃないの?

と設定やらなんやらツッコミどころが多すぎて、ボトムズすきになったからと言って世界観にどっぷりハマった人ほどみてほしくない作品です。

青の騎士ベルゼルガもそうですけれどこの作品もボトムズである必要性に疑問を持つ当時お金があったけど脳みそすっからかんの脚本家達が作ったオナニー作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

60.3 18 戦いでロボットなアニメランキング18位
ボトムズファインダー(OVA)

2011年4月7日
★★★★☆ 3.6 (23)
104人が棚に入れました
 遥かに深い崖の底にある世界“ボトムズ”。そこに、崖の上にあるという世界“トプ”へと想いを馳せる少年が居た。少年の名はアキ・テスノ。持ち前のAt(アルトロ)操縦技術からタンブラー(曲芸師)と呼ばれている。その彼に突然トプから、ディアハルトという男によってボトムズの地に誘拐された少女を助けて欲しい、との依頼が舞い込んでくる。二つ返事で引き受けるアキ。相棒のエイビィと“島”と呼ばれる廃墟へ向かい、ディアハルトのAtと対峙する。そして無事に少女の救出に成功!―――と思いきや、事態は予想外の方向へと!?

tinzei さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

ストーリーは嫌いじゃないけど、背負った名前が別格過ぎる

『ボトムズ』シリーズ第九作。
前作はテレビアニメ版と同じ世界観でキャラを一新した話だったけど、今作は完全な新作でATの形も全く違う、というか名称も違う。

とりあえず『ボトムズ』の名を借りた別作品、そもそもボトムズの意味も違うし。

ストーリーは「敵だと思っていた奴と協力して悪人だった依頼人と戦う」っていう簡単な話だけど、個人的には嫌いじゃない。ATを襲う野生生物も出てくるし、作品としては悪くない。
ただ『ボトムズ』かと聞かれれば絶対に違う。もしこれが別作品だったら物語評価2.5にしてたけど、『ボトムズ』と言われれば1.5にせざるを得ない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

ゆん♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

もうちょっと…見たかった!!

短い時間で集約うまく集約されてるとは思うけど、やっぱりちょっと物足りないかな~

大好き声優、森川さんと石田さんのダブルヘッダー主役なだけにもったいな~い!!


元祖のボトムズはすごく暗くて、途中リタイアしてたけど、これくらいの明るい話ならもっと見たい!

主題歌が宇都宮さんなのも私の中ではドストライク!!^^v

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

63.5 19 戦いでロボットなアニメランキング19位
戦え!!イクサー1(OVA)

1985年10月19日
★★★★☆ 3.5 (27)
97人が棚に入れました
「破邪大星ダンガイオー」や「吸血姫美夕」の平野俊貴(当時は平野俊弘)監督によるSF美少女アクション。ヒーローアニメ、特撮のオマージュが豊富に盛り込まれたこの作品の音楽は、特撮音楽の大御所、渡辺宙明。宇宙の侵略者、クトゥルフの魔の手が地球に迫る中、女子高生加納渚は、イクサー1と名乗る女性に「一緒にクトゥルフと戦ってくれ」と頼まれる。

声優・キャラクター
山本百合子、荘真由美、戸田恵子、安藤ありさ、塩沢兼人
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

映画+アニメ+特撮 それぞれの叡智を結集した傑作

このアニメには実に色々なエッセンスが詰まっています。

美少女が出てきてしかも女の子同士でイチャイチャする、美少女アニメ要素。
巨大ロボットに乗り込んで闘う、ロボットアニメ要素。
不気味な容貌をした化け物に人間たちが襲われる、スプラッター映画要素。
宇宙を股にかける生命体の侵略、SF映画要素。
巨大な敵とビル群を背に闘う、怪獣特撮要素。

このカオスさは80年代のアニメじゃないと味わえない。
イクサー1はそういった時代の象徴だと思います。
いずれも異常なこだわりが感じられて、面白いというか感動すら覚えます。
美少女好きなんだなー、怪獣好きなんだなーというのが見ていて分かります(笑)



ストーリー自体は極めて単純、分かりやすい。大味ながら直球で「愛!」をぶつけてくる辺りが最早清々しいです。


地球人のヒロイン、加納渚が異星人のイクサー1に惚れられて一緒に侵略者である悪の親玉、ビッグゴールドを打倒せんとします。
イクサーロボに二人で乗り込み悪をぶっつぶせ!!

敵も味方も愛ゆえに闘い傷つき倒れていく。そして愛ゆえに立ち上がる。美少女だらけでも完全に燃えアニメです。

燃え、というキーワードの中で力強い声質をもつ渚役の荘真由美さんと主題歌を担当する柿沢美貴さんの功績は偉大です!荘さん最高です!!


女の子は可愛いしロボットはカッコいいし音楽も素晴らしい。
重厚なテーマみたいなものはなく、ただひたすらに娯楽作です。

ちょーっと今見ると異様な雰囲気かな?と思いますので、今のアニメが好きな方には全くオススメできません。
全3話(巻)、次に続きます。


ちょっと思ったこと
{netabare}
この『戦え!!イクサー1』というタイトル。
もしかして『戦え!オスパー』のパロディであったりするのでしょうか。
話は全然関係ないし響きが似てるというだけなので多分違うとは思うのですが。
気になりました。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

80年代ハイクオリティーova+百合=強烈!。

 某新旧アニメ紹介動画で興味をもって視聴。80年代ovaらしく、ハイクオリティーで無駄にグロ+エロだけど、エロが百合要素強し!なのも、80年代デザインだけど古びない可愛いキャラデザで、現代でも十分楽しめる作品。敵も味方も百合カップルって!。


 下手な現代のアニメより、予算があってクオリティーが高くてキャラデザも良い昔の作品のが遥かに萌えも燃えもある。キャラデザの価値は、新旧で決まるんじゃなく、上手いか下手かしかない。塩沢さんが出てるのも嬉しい。モブにカミーユや鉄男がいるセンスは嫌いじゃないわ!。


 これはもうちょっとソフトにして2クールとかでTVアニメで見たかったかも。イクサー2のハカイダー感とかもそこで深められたらより良かったなぁ…。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

タロリン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

タイトルなし

ロボ、美少女、お色気、グロテスクなモンスター、神話など、この後に来るアニメを考えると、売れる要素はしっかり抑えて、時代を先取りしている感じでした。
ただし、話数の短さ故か説明不足な部分が多く、グロが多めなので、人を選ぶ作品だと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

66.8 20 戦いでロボットなアニメランキング20位
OBSOLETE(Webアニメ)

2019年12月3日
★★★★☆ 3.5 (19)
93人が棚に入れました
2014年、突如現れた異星人は、人類に対して「交易」を要求。彼らが石灰岩の対価として地球にもたらしたのは、意識制御型汎用ロボット「エグゾフレーム」だった。戦闘機よりも戦車よりも銃よりも安価で、誰でも簡単に乗りこなすことができる「エグゾフレーム」は、またたくまに拡散し、世界を変えていく――。<異星人の交渉音声>「現在、すべての電波帯域に、五種類の言語で呼びかけています。我々は政治干渉も文化交流も望みません。ただ通商のみを希望します。石灰岩1,000キログラムにつき1つ、我々のテクノロジーの産物を提供します。国家、民族、思想、その他あらゆる差違について我々は区別いたしません。すべての地球人類に、平等に、均等に、この交換条件を提案いたします」

声優・キャラクター
田中正彦、森川智之、山野井仁、高木渉、本城雄太郎、杉本ゆう、大友龍三郎

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

魅力的な輪郭が見えたような気もする<55>

長らく今観てるで放置状態だったのを、前期の作品も盛大に観きれなかったこの時期に完走。
次の期が始まったばかりだと時間があっても観るものない日というのができちゃうのねん。
後半は、アザニア共和国の大統領がエグゾフレーム氾濫の黒幕だったり、ボウマンの部隊がそれに対抗しようとしたりと、メインの筋のようなものが通っていて視聴意欲を助けてた。
とはいえ、そういうラインを匂わせたにとどまり、国境の放置ぐあいからアメリカは敗北しつつあるんだろうね、と。
最終話の魔法少女はツッコミをもうちょっと尺を取るなり工夫するなりしてほしかった、バレバレのボケのネタフリ部分としては長い。
前半終了<54>
6話まで視聴。
5話では継続エピソードな辺りに期待が盛り上がったが、6話でエピソードが完結してみると悪くはないもののボリューム不足なせいかエピソードを片付けただけに見えますなぁ。
ゲームかなんかのムービーだったなら短い尺で世界観を伝える断片として優秀だけど、単体のアニメ作品としてみればキャラクターを継続させていない部分がどうしても欠けた印象になりましょう。
7話から12話が2020年冬に配信と予告されているけど、新型コロナ騒動でどうなるんでしょうなぁ。

5話いいじゃない<55>
5話まで視聴。
存在に気づいて2話まで観たときは導入部だけ無料なのかと思ってたけど、1週遅れくらいで全部見れるんやね。
てなわけで視聴継続、3・4話とネパール軍・PMCと様々な軍事的場面にロボが浸透していく場面を描いてて、これはまあ2話までと同じく断片的な世界観の提示。

5話でやっと続きものになって、攫われて消耗品扱いの少年兵達に外国の指揮官が現れて成長させる物語となった。
やっとお話の展開を見せ始めて6話は結構楽しみ。
前後編で終わりそうで、1話の尺がOP/ED抜くと10分程度だから30分番組にも満たないけど。

リアルミリタリ<55>
2話まで視聴。
虚淵玄主導の軍事描写がリアルなロボットアニメ、ほぼ現代が舞台。
ロボットというかパワードスーツっぽいけど。

1話は米軍の小隊が南米の紛争に介入するホットスタートでリアルミリタリ描写を見せに来て、背景説明は省略。
2話でロボット技術が宇宙人からもたらされて軍事に使われるまでを描き、世界設定が明かされる。
3話は予告を見た限り、インド・ネパールの紛争に視察に来た自衛官が巻き込まれる様子。

通してのストーリーというより、IFが持ち込まれたSF世界の各所を描いている様子。

シリーズ通したストーリーが無い(あるいは始まっていない)し、戦闘シーンにしても痺れる描写は特に無く、リアルでよろしいですなぁ止まりだし、面白いじゃなく面白くなるかもしれないって所。
TVでやってりゃ観るレベルだけど、課金してまで続きが見たくなるほどでもないなぁ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

62.9 21 戦いでロボットなアニメランキング21位
破邪大星ダンガイオー(彈劾凰)(OVA)

1987年9月28日
★★★★☆ 3.5 (24)
90人が棚に入れました
当時の若手スタッフが、かつてのスーパーロボットアニメへのオマージュを込めて制作したOVA。 宇宙の科学者ターサン博士によって改造されてしまった4人の少年少女たち。彼らは強力なサイキック戦士として宇宙海賊バンカーに売られるところだったが、すんでのところで脱出に成功。追撃してくる敵を相手にそれぞれが乗り込んだダンメカニックを合体させ、強力無比なロボット・ダンガイオーの姿を成して戦うのだった。これまでの記憶を失っていた彼らは、やがて各自の過去と向き合うことになる。 主演声優に神谷明、主題歌担当は水木一郎&堀江美都子、BGM作曲は渡辺宙明……と、どこまでも王道を突っ走る制作スタッフの狙いが気持ちいい。

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

熱意は伝わるが、消化不良な点が目立つ

この作品は、平野俊貴氏が原案、監督、キャラクターデザインを
務めたロボットOVAの一つである。ちなみに、平野俊貴監督のOVAは
これが3本目となる。
当初は永井豪の『マジンガーZ』をベースに、ストーリーとメカの
両面で大胆なアレンジを加えるリメイク作品として話が
進んでいたのだが、諸事情から制作中止となったため
オリジナルアニメとして変更された経緯がある。

全体を通した感想だが、設定はよく練られているものの、
ストーリーが追い付いていない印象を受けた。というか
明らかに尺不足だ。因縁のライバルとして君臨すること
となるギル・バーグのキャラは良かっただけに、どうして
こうなったのかと見ていて切ない気持ちにさせられた。
非常に勿体ない。
平野氏によれば4話の企画もあったそうだが、それが
実現することはなかった。
(それを観たかったなあ…と思うのは私だけだろうか)

まずは良かったところから書いていきたい。
戦闘シーンは熱い所が多く、それなりに見応えがあった。
目を見張るほどではないが心の中でおおっとなった場面が
数か所あったのも事実。

また、とても展開が分かりやすいので、難しく考える心配もない。
サイダーを飲んでいるかのような気分で見ることが出来る。
70年代のスーパーロボットを懐かしむための映像として楽しむには
もってこいの作品だろう。

ここからは気になった所を。
先程前述したように、一番の足枷となっているのは
ストーリー展開だ。どういった話なのかは後で思い起こせば
なんとなく理解はできるものの、直にインプットする
のは非常に難しい。要は詰め込みすぎたのだ。

ダンガイオーに乗るパイロット4人のバックボーンを
きちんと描かれていた事は良かったが、反対にギル・バーグの
掘り下げが全くできていない。
千葉繁氏が懸命に演技したとしても、この有様では
双方が報われない。可哀想。
まあ、この作品の盛り上げ役として十分な役割を果たすことには
成功したなと途中で考えを切り替えることにした。仕方ないね。

また、基本的にはサイキックウェーブで勝負が決まるため、人に
よっては見ていて飽きる可能性も否定できない。良くも悪くも
作品のノリについていけるかがカギとなっている。まあ、
ここは個人の好みということで。

終わり方が中途半端ということも相まって、誰にでもお勧め
できる作品ではないが、昔ながらのスーパーロボットを
もう一度見たいという方であれば楽しめると思う。
私からはあまり勧めない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

時代に逆行したスパロボアニメ。勢いとキャラの濃さが魅力

1979年に放映されたガンダムの影響等で、80年代に入って以前のスーパーロボット系のアニメが減少したことを考慮して制作されたアニメ・・・らしいです。


宇宙の散り散りから集められた超能力者4人がいきなり合体ロボットで戦うことになる、正に理屈抜きの展開。


OPから迸る熱血オーラ、水木一郎×堀江美都子の豪華共演で掴みは最高です。


ロボットを駆りつつ、自前の超能力を用いながら戦う戦法がとてもユニークでした。
とにかくロボットの立ち回りと戦闘が断トツに格好良いです。

合体時にミアが発する「クロスファイッ!ダーンガーイオ~!」って張りのある掛け声が最高です。荘さんにしか出来ない芸当だと思います。
あとダンガイオーの‘サイキック・ウェイブ’や‘ダンガイソード’は迫力があって良いです。


ヒロインのミア・アリスを始め、美少女アニメとしての側面も強いと思います。平野俊弘さんの描く美少女キャラ、個人的にはすごくツボです。


ただやはり時代の流れには勝てなかったか、3巻で打ちきり終了となりました。

そのため、各キャラの過去エピソードがかなり雑な扱いになってます。せっかく個性的な面々なのにキャラ紹介で終始してしまうのは本当に勿体ないと思いました。

極めつけはわずか2話目で1話の総集編を行う有り様(笑) よほど予算が足りなかったのでしょうか、制作スタッフの苦労が窺えます。


そんな感じで、AICが果敢に挑戦した結果不発に終わった感のある本作品ですが、
2話「涙のスパイラルナックル」は総集編を考えても素晴らしいエピソードです。ラストは感動もの。
この回だけでも見る価値あったと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

rocknlol さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

これは傑作

こういうロボットアニメは作画と演出がすべてだと思う。昨今のデジタル絵では味わえないワイルドさ、しかし被弾された機体の穴から砂が零れ落ちるほど繊細な描写。神谷さんをはじめとする声優陣は言うまでもないほどすばらしい。その上作品全体を貫く渡辺宙明先生の悲壮なBGMにいたるまで実に完璧に近いできである。
特筆すべき点のないストーリーさえも難しくない、まっしぐらな展開がむしろいい。80年代らしい無理にねじ込んだ設定や雑な反転など一切ない。これでいい、いや、これがいい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1
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