怖いおすすめアニメランキング 21

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの怖い成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月17日の時点で一番の怖いおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.9 1 怖いアニメランキング1位
ハッピーシュガーライフ(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (525)
1959人が棚に入れました
松坂さとうには、好きな人がいます。その人と触れ合うと、とても甘い気持ちになるのです。きっとこれが「愛」なのね。彼女はそう思いました。この想いを守るためなら、どんなことも許される。騙しても犯しても奪っても殺してもいいと思うの。戦慄の純愛サイコホラー。

声優・キャラクター
花澤香菜、久野美咲、花守ゆみり、花江夏樹、洲崎綾、石川界人、井上喜久子
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

にがみのエッセンスが醸し出す「フロイト」的な世界観が気に入った!!

作品概要
▼原作:月刊ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
▼原作者:鍵空とみやき
▼アニメーション制作:Ezo'la(ディオメディア)
▼話数:全12話{netabare}
▼総監督:草川啓造(ディオメディア)
・実績
(監督)
『魔法少女リリカルなのはA's以後のシリーズ』『迷い猫オーバーラン!』『ロウきゅーぶ!』『艦隊これくしょん』『風夏』『アホガール』他
▼監督:長山延好
・実績
(監督)
僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件
▼シリーズ構成:待田堂子
・実績
(シリーズ構成)
『らき☆すた 』『ティアーズ・トゥ・ティアラ』『おおかみかくし』『THE IDOLM@STER』『Wake Up, Girls!』
『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』『はるかなレシーブ』他多数
▼キャラクターデザイン:安田祥子
・実績
(キャラクターデザイン)
『銃皇無尽のファフニール』『sin 七つの大罪』『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』
▼音楽関係
音楽:亀山耕一郎
OP曲:「ワンルームシュガーライフ」(ナナヲアカリ)
ED曲:「SWEET HURT」(ReoNa)
挿入歌:「カナリア」(ReoNa)第9話
▼キャスト
【声優】項へ{/netabare}

原作未読
リアルタイム視聴済

☆エピローグ
普通のアニメは見飽きたぜ!糖質サイコホラーはドツボだ。
清々しいほどのバッドエンドや、スクイズやヨスガが大好物な私にとって、やっぱねーっ!これぐらいサイコパスで頭逝ってる作品がないとアニメはつまんねぇw
王道や名作、勧善懲悪ばかりじゃ肩が凝るもんね。
本作は世界線やら異世界やらと物理学分野のSFフアンタジー全盛なトレンドに対し、精神医学を世界観の基軸に据えた稀有な作品だ。
したがって、擬似リアリズムであっても、健常な精神感覚では一切のカタルシスを承認しない作品である。

異常心理に興味があったり、最近では『フリップフラッパーズ』を理解できる方々には面白いかも。
本作はストーリーが安定しているから分かり易い。
『ガリナン』もだが、アホアニメ制作会社の評価が定着して社会的には評価が厳しいディオメディアだが、たまに私のツボに入る作品を出すから、目を離せないw

主要キャラでマトモなのは「しょうこ」だけ。
他のキャラは悪い意味で個性が凄まじく、心の闇という健常と異常の行き交う「境界線」の想像どころではなく、真性の「精神病疾患者」であり、ペドフィリア、エフェボフィリア、パラノイア、火病、発達障害etc全員閉鎖病棟の患者でも不思議ではないような連中が繰り広げる異常人格者による基地外純愛群像劇(草)
共感できるキャラが見事に誰もいない稀有な作品ゆえに、様々な矛盾も精神異常が織りなす現象と見ているので許容の範囲であり、作中何が起こっても感情移入が生じることなく、エンタメとして割り切り楽しむことができた☆

タイトルの「フロイト」は精神医学の始祖。
世界的な心理学者「ユング」や「アドラー」の師匠でもある。
原作者はフロイト入門書の『精神分析入門』や『夢判断』を読んでいるな。
フロイトを読むと、読んだ側も精神をやれかねない危険物。
本作も視聴すると、そうなる方向性で演出されている。
異常心理の描写が精神医学的に考察されて「超自我」のメッセージがしっかりプロットされている。
さすがに1クールで精神医学界の巨匠フロイト的世界観を表現するのは厳しいのだが、そこに挑戦したことは評価されよう。
精神分析学的視点に立った考察はメンドクサイし、レビュー読まれる方々の気分を害するからしない。(いや、でも、気が向いたら追記をするかもw)
キャラ設定のベースがフロイト的価値観だから、基地外とは何かを問うているのと同様で、そりゃ陰鬱な世界観にもなるな。

とにかく可愛いOPや絵柄に騙されてはいけない。
マトモな神経では視聴できない作品だから、そこは覚悟した方がいいデス。はい。

それにしてもジエンコって『serial experiments lain』以来、この手の一風変わった作品のプロデュースが好きなんだな。
提供にバップもあったが、ジエンコ+バップ、あーあれか!w

ところで、最近ディオメディアはいろんな名義を使っているね。
「doA」に続いて今度は「絵空」か。
『BEATLESS』は綱渡りだったし、万策(略)に備えて、リスク分散でもしているのか?

【音楽】
OP曲はとてもインパクトがあり癖になる電波ソングだ。
不詳私、DLをいたしました。
OPの作画と楽曲『ワンルームシュガーライフ』で本作の世界観をしっかり視聴者に伝えた(伝わったかは別にして)好演出だ。
ED曲『SWEET HURT』は『GGO』の神崎エルザの曲を歌ったReoNa。
彼女のなんとも言えない切ない声質が、本作の無情で悲惨な末路を暗揄していてなかなか良い。これもDL。
EDの作画は折しも同じ精神異常系の『フリップフラッパーズ』と同様の演出。
「さとう」と「しお」が抱えている闇と二人の関係性を1分30秒でしっかりと表現している。
{netabare}「さとう」の幼少期から現在の描写、そこに「しお」が現れて、二人で城に向かって歩く。
ハッピーシュガーライフの描写と、スキップしながら城から旅立ち、二人で躓いたところで「さとう」が消える(さとうの死)でも「しお」の心には「さとう」が生きている、とこんな感じでEDはこの物語の顛末を分かり易い暗喩で演出している点は視聴者に優しい。{/netabare}
{netabare}しょうこが殺される{/netabare}9話の挿入歌『カナリア』も歌詞に込められたメッセージがそのシーンの演出にしっかりと映えていて良い曲だ。

{netabare}本作、9話は「しょうこ」の恋もあり内容が濃く相当の字数が必要だが、割愛して、挿入歌まで用意された「しょうこ(小鳥)」は本作にとって、さとちゃんの狂気を強調する意味でも重要なキャラだったし、彼女の存在が無ければ、ただの基地外ドラマで終わったな。
(7話の展開が殺される伏線だが)さとちゃんと向き合うタイミングを逸したとはいえ、幼女を「彼氏」として拉致しているさとちゃんの素顔を知った「しょうこ」がとった選択は極めて常識的だが、基地外相手には通じず、理不尽な結果となったが{/netabare}共感シーンが皆無な本作にとって唯一の救いだった。

【物語とキャラ】
キャラは本作一番の問題提議点だろう。
{netabare}よくもまー、あるゆるタイプの基地外を設定したものだと感心した。
しかし、「さとう」の叔母と「しお」を除き他のキャラのサイコパスの根源は抑圧され無意識下に封印された記憶、いわゆる「トラウマ」だ。
「さとう」、「太陽」、「あさひ」は過去エピソードの描写があるから分かり易いだろう。
今では「トラウマ」という言葉は普通に用いられるが、その概念を提唱したのがフロイトだ。{/netabare}
現在フロイトの【精神分析学】はポパーの科学定義にぶった斬られて【非科学】とされているが、なお、その研究は医学のほか哲学としても各方面に多大な影響を与えている。
因みに「トラウマ」と似た概念で「PTSD」があるが、こちら医学的な診断名、つまり科学。
医学的なフレームで論じるのが「PTSD」であると理解したらいいだろう。
そして、この三者の異常行動は明確に「PTSD」である。
「さとう」叔母は「トラウマ」の過去描写がないので、その異常性の因果関係は判別しないが、他人への関与が異常な博愛が動機である点から、所謂「離人性人格障害」であることは確かだろう。
{netabare}「しお」は年齢的に幼くまで認知能力が完成されてはいなから、母親との関係や「さとう」の死をきっかけとし「PTSD」を発症するのは想定内だろうし、「さとう」の狂気の正統後継者となるだろう。{/netabare}
基地外の成長物語を望むか望まないかは視聴者しだい。私は(怖いもの見たさで)今後も観察してみたいものだが。

以上、キャラの性格設定を多少考察したが、個人的に気になっているのはネーミング。
ここ突っ込んだレビューが少ないだよね。
物語と主人公とヒロイン?他女の子キャラのファーストネームの関係だが、「さとう」と「しお」。
これは、第三者視点で物語を俯瞰したときに醸される、二人のイメージなんだろう。
{netabare}さとちゃんの心が至福に満たせるときは「あまーい」、ストレスを感じたら「にがーい」と味覚で心理描写をしているのも本作の特徴だ。
これは丁度可知差異(物理学用語)が「フェヒナーの法則」による感覚量でも定式化されており、物理でメシを食っている私の心を擽った直喩だ。
「しお」の存在を「さとちゃん」から見た場合は「あまーい砂糖」だが、第三者視点ではさとちゃんに試練を与える文字通りの【塩】な存在。
自らの「あまーい生活」を守るためにさとちゃんは、せっせとバイトで生活費を稼ぎ、脅迫、傷害、詐欺、挙句の果てには殺人までやってのけた。
ある意味、これほどの純愛ドラマはスクイズ以来かもね。
これが、「しお」が【塩】である所以である。

そして「さとちゃん」の光に立候補し、人の道に戻そうとした「しょうこ」は「胡椒」の捩りで、そのお節介は、さとちゃんにとっては「辛い」味覚、はた迷惑で排除すべき存在として描かれているのではないのだろうか。{/netabare}

次に、苗字についてだが、「神戸」と「飛騨(飛騨しょうこ)」に共通するのは高級和牛ブランド。
さとちゃんの苗字「松坂」を「松阪」とすると、やはり高級和牛だが、これは作者の誤字なのかな?
他にサブキャラの宮崎すみれ、但馬みとりも高級和牛ブランド。
本作と高級和牛の相関関係は謎だが、キャラネーミングには法則があるようだね。

で、本作のキャラ設定だが、精神疾患と異常心理の掘り下げに作者の知識の限界からか詰めの甘さが残るが、これだけの基地外キャラをクリエイトし、物語をプロットした点は評価されよう。

{netabare}最終回はオリジナル展開だが、さとちゃんを「あさひ」に殺させ、それでも「しお」に切られ、自殺を図る展開も悪くないと思ったが、さとちゃんを死なせて、「しお」を生き残らせ、「あさひ」を切った展開は前述のとおり、{/netabare}これからの「しお」の異常人格発揮を十分妄想できる余韻を残した意味でも評価できる。

あと「しお」の失踪だが、{netabare}物語の通り捨て子であっても「しお」は小学生だ。
失踪すれば、社会的に何らかにリアクションがあるはずだが「あさひ」が述べたように警察で相手にされないのは不自然すぎる。{/netabare}
欠席が続けば「しお」の担任教師が家庭訪問をするし、親に不審な点があれば、児相とも連絡を取り合い世間にバレるはず。
その過程で事件性があれば警察が動くが、事件性はないとする裏設定でもあるのかな。
「しお」の境遇を考えると、無戸籍である可能性もあるが、視聴者が納得できる線で簡単にでも触れておくべきだったろう。

【作画】
全般的にディオメディアクオリティであり、動かす場面も少ないから、ボロも出ず可もなく不可もなくといったところだが、シャドーの用い方、基地外の表情など、サイコホラーとしての演出は頑張っていたと思う。
ただし、9話は{netabare}本作の神回であるにもかかわらず、作画が演出についていけていない。
挿入歌とナレーションを背景にCVを入れずに「さとう」と「しょうこ」の葛藤シーンが描かれた。
前述したとおり、演出は素晴らしかった反面「しょうこ」の表情が「棒」であり、迫力が全く伝わってこなかった。
基地外表現の作画に手一杯で、健常者の必死の訴えの表情演技まで手が及ばなかったようだ。
CVなしで映像表現のみを用いて視聴者へ訴えるのは、自信と相当の作画センスが要求される。
試しに、スクイズとの見比べで「誠」殺害後の「言葉」と「世界」の葛藤シーンを音声なしで視ると分かるが、迫力が全然違う。
ディオメディアの作画センスの限界が、この素晴らしい演出を削いでしまったと思うと残念でならない。

ただ、小鳥の演出を含めてだが「さとう」が文化包丁を「しょうこ」の首に突き刺し殺す描写は、頸動脈からの血飛沫には違和感を感じつつも、「さとう」を引っ掻き断末魔に喘ぐ描写や小鳥の死を比喩した痙攣描写など殺人過程はしっかり描ききっている。
ただし、グロ描写を強調し過ぎたことで視聴を打ち切った方々を出したという負の作用もあったが、{/netabare}これを斟酌して私的には高い評価をしたいと思う。

【声優】
原作を読んでいる方々には花澤さんはミスキャストだとの意見も多いが、原作を読んでいない私にとって可もなく不可もなしだ。
寧ろ、客寄せパンダ役も兼ねて、演技力が要求される「さとちゃん」役には適任だったのではないだろうか。
個人的には「しお」役の久野美咲さんの演技が輝いていた。
『WIXOSS』や『LOST SONG』でも思ったが、主役よりも準主役や重要キャラをやらせると巧いタイプかもしれない。
さとうの叔母役の井上喜久子さん。
『らんま1/2』から活躍しているだけあって、ベテランらしく味のある演技でサイコパスを演じていたのが印象的だ。
難しいキャラの「三星太陽」を演じた花江夏樹氏も好演だった。

ゆえに総じて高評価とする。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 62

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ヤバい、面白い…。

語彙力ぅ!

そういえば天狼のレビューを書いたときにこいつの存在を忘れていました。

2018年7月期で原作付きの大物。観ますっていうか、観てますってだけで情報量ゼロです、すみません……。

2018.9.29追記:
とりあえず、虐待に傷ついた二人の少女が真実の愛を求めてあがいたあげくに、犯罪レベルの奇行に走るお話。

第12話(最終回)まで観終わったので、少し真面目に書いてみます。

まず、一見して松坂さとうが主人公のようで物語の中心は神戸しおですよね。それと「作中の登場人物が(飛騨しょうこを除いて)異常な人物ばかり」に見えはするんですけど、「罪無き者のみ石を投げよ」っていう感じで、みんなちょっとした行き違いや不幸(ちょっとしてないのもある)がきっかけでたまたま異常に見える行動が発現してしまったというだけの話で、メインキャラには理解不能レベルなことをやっている人物はいなかったです。

自分がはっきり嫌いと言えるのはしおちゃんの父親と、次点でさとちゃんの叔母さんくらいかなあ。

まあとにかく、他の人物に関しては共感まではいかないにしても理解は及ぶ感じでとても良く書けたお話だったと思いました。漫画原作ですけど小説っぽいストーリーでしたね。最終話、しおちゃんの言動によって受けたあさひのショックはいかばかりか想像を絶する…。

……って、これかなり面白かったけどウケないだろうなあ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 52
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

胸糞キャラのケーキバイキングなのだがペロリと完食

2018.09.30記


原作未読


サイコだねぇ
サイコだねェ

サムネと内容とにものすごい乖離のある作品でした。

主人公は容姿端麗JK松坂さとう。愛を求め男を漁ってた過去を持ち、しおと出会って本物の愛を知る。
サブヒロインに8歳の幼い少女神戸しお。同居するさとうに幼子らしい愛を振りまく。
二人はもともと赤の他人。血縁でもありません。

どうして二人は一緒に暮らしているのか?

最初のハテナが視聴者に提供され、しおを探している家族、さとうを怪しむ高校やバイト先の友人・知人などが絡む仕掛け。
この甘い幸せに満ちた、でもどこか歪で危うい共同生活を守ろうとするのはさとう、といったところから物語は進行していきます。


JKと年端もいかない少女との共同生活と、その設定自体がイカれてる(褒め言葉)し、出てくる面々がモブ以外は頭のネジの何本かどこかへいってしまったような人たちばかりのサイコでスリラーなサスペンスといったところでしょう。
そしてヒロインさとうを演じる花澤香奈さんの怪演が光る一品。
今夏は観る作品ざーさんのヒット率が異様に高かった気がします。そのどれもが主役・準主役級だったりと、ちょっと働き過ぎなんじゃないですかね。本作も、「はたらく細胞」「Phantom in the Twilight」「パンドーラ」「メジャーセカンド」「シュタゲゼロ」のアフレコ後、変なテンションかゾーンに入ったような状態でアフレコしたんじゃないかと。
それぐらい松坂さとうのヤバい感じが出ておりました。この一点でも観る価値はあります。


サイコ、サイコと言ってもとってつけたようなサイコっぷりだとただの感じ悪い作品で終わりますが、本作では普通だった人間が壊れていく経緯だったり、壊れざるを得なかった生い立ちだったりを割ときっちり描いているため、胸糞の中にキャラへの同情にも似た共感を覚えることもあろうかと思います。
ふんわりとしたキャラデザインは、ハッピーでシュガー(甘い)なライフ(生活/人生)を表現するにはちょうど良かったかも。

人間の狂気を描いた作品が好き!という方には薦められる佳作だと思います。


■ネタバレ所感
作品の面白いところを語ろうとするとどうしてもネタバレは避けられないので畳んどきます。
{netabare}飛騨しょうこ殺害あたりを起点に、綻びが出始めていた歯車の狂いが加速していきます。それまで狡猾だったさとうに焦りが見えて行動や言動が純化していきます。それと反比例してほんわか天使しおちゃんがこれまで見せてなかった自我を発動していく。それも悲劇的な顛末が予想されるかたちで、といった終盤の展開は良かったですね。{/netabare}
{netabare}結局残されたしおちゃんがこれまた救われない。理想のバッドエンドでうまい感じに締めました。{/netabare}


それにしても砂糖と塩の示唆することは何だったんでしょうか?
同時利用可能な調味料は共生できるという意味なのか。
白は何にでも染められるという意味なのか。
相反する味覚の刺激は対立という意味なのか。

同質で異質。矛盾したものを内包したのが人生だよん、という至極真っ当で浅い考えしか思い浮かびませんでした。

陳腐だねぇ
陳腐だねェ



-----
2019.03.10追記
《配点を修正》


レビュー初稿書き上げた後のレビュアーさん達とのやり取りで、「登場人物はブランド牛の産地だ」「OPムービーのアレはこうで」…その他考察やこう思うといったネタがけっこう出てきた作品でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 50

67.8 2 怖いアニメランキング2位
ゲゲゲの鬼太郎 [第6作-2018](TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (90)
324人が棚に入れました
アニメ化50周年を記念して制作される。

21世紀も20年近くが経ち人々が妖怪の存在を忘れた現代。
科学では解明が出来ない現象が頻発、流言飛語が飛び交い大人たちは右往左往するばかり。
そんな状況をなんとかしようと妖怪ポストに手紙を書いた13歳の少女・まなの前に
カランコロンと下駄の音を響かせてゲゲゲの鬼太郎がやってきた…。

声優・キャラクター
沢城みゆき、野沢雅子、古川登志夫、庄司宇芽香、藤井ゆきよ、田中真弓、島田敏、山口勝平
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

東京ゲゲゲイのYouTube動画「ゲゲゲイの鬼太郎」もオススメ

<2020/5/2 追記>
全話見終わりました。
丸②年!全97話!
かなり面白かったですよ。
勧善懲悪だったり、
人間社会へのアイロニーだったり、
愛だの恋だの平和だのだったり、
純粋に妖怪楽しむ話もあったり
飽きさせませんでした。
本シリーズは鬼太郎、目玉おやじ初めて声優を一新してましたが良い感じにハマってて気にならなかったし。
やはり鬼太郎は永遠。

ところで話は変わりますが、
ダンスグループ「東京ゲゲゲイ」のYouTube動画「ゲゲゲイの鬼太郎」というものがありまして。
鬼太郎好きの方には是非一度ご覧いただきたい。

そしてもしこの動画にハマったら椎名林檎「公然の秘密」PVもおすすめします。
後ろのダンサー二人が凄いです!
向かって右側が東京ゲゲゲイのリーダーなのですが、左側の女性ダンサーともどもごっついカッコイイです。

<2019/12/7 追記>
第84話「外国人労働者チンさん」
この南方妖怪チンさんがマッパで、本名が放送禁止用語?
ということで馬鹿馬鹿しいシモネタ回でした。
一応外国人労働者問題をチクリとはしてますが基本はシモネタ。

秀逸なのはこの「チンさん」の声優。
杉田智和!
まさかというかやっぱりというか笑
アフレコでチンさんの本名を連呼する杉田智和

<2019/9/29 追記>
第73話 ヤマタノオロチ回
子供の頃、この話がめちゃくちゃ怖かったんですが、その恐怖の根源の部分が6期バージョンではかなり軽くなってます。
これなら子供が見ても怖くない。
自分にとっては物足りないですが。

第74、75話 玉藻前≡九尾

白面の者というかナルトの中のアレです。
白面に比べると可愛らしいですけど。
白面先輩が怖すぎるだけかも。

お話はすっきりうまくまとまってました。
古谷徹を宿し旅に出る神谷浩史とかシュールだな、と思ったり。

これで長かった四大妖怪編も終わり、次回からはついにあの「知らんうちに人ん家に上がり込んで気がついたら一緒に飯食ってる『冴えない彼女の育て方の加藤恵』のような図々しさがウリのアイツがやってくるそうですよ。
多分、孫じゃない方だと思います。

<2019/9/8 追記>
第72話 妖怪いやみ

確かこの妖怪って原作や昔のアニメでも出てましたね。
鬼太郎の「じゅて〜む」はなんとなく覚えてます。

インパクト強いんですけど、今回はめちゃくちゃ面白かった。
6期の鬼太郎の中でも指折りじゃないでしょうか。

一年以上見ていて美形猫娘にも慣れたこともあり、猫娘がカッコ良いです。
心象風景の描写も◎。

鬼太郎に興味あって6期観てない方はこの話だけでもお勧めしますよ。

そして次回予告。
「ヤマタノオロチ」回ですか。
小さい頃、多分二期かな。
これ観てものすごく怖かったこと覚えてます。

<2019/6/8追記>
3週前の56話は吸血鬼エリート
先週の58話は半魚人とカマボコ

前者のエリート、私はアニメで見たのは初めてですが、原作で読んだ記憶があって、水木しげるキャラの中でもかなり個性的。
シティボーイズのきたろうさんにちょっと似てて本当にこういう人いそうな感じ。

本作でもこのエリートさん、ギター弾くんですけど弾いてる絵面も曲も妙に頭に残ってクセになる。
お話はよく覚えてませんでしたが、アニメのストーリーはオリジナル要素が強いような気がします。
でも面白かったですよ。
中尾隆聖さんの声がぴったりハマってる。
さすがはフリーザ様。

後者のカマボコは、子供の頃、おそらくアニメ版第2期で見た記憶があります。
こちらはストーリーは大体覚えていて、6期のアニメも概ね同じかな。
あらすじが、
{netabare} 鬼太郎は半魚人に大王イカに変えられ、木っ端微塵に爆破され、大量のカマボコにされ、売り飛ばされます。目玉おやじたちはそのカマボコを買い集め鬼太郎を蘇生。{/netabare}
とシュール。
なぜこうなる?という超展開です。
ただ昔見たとき、なんか怖かったんですよね。
自分が幼かったからでしょうけど。
その怖がった自分を思い出しながら懐かしく楽しみました。

<2019/3/25追記>
48話観ました。
予想外にハード

レビュータイトルは嘘です。
いや、まんざら嘘でもないか。
これまでは爽やかだったり心あったまったりする話も多かったし。

ところがですよ。
最初の頃からネタ振りされ続けてきた「カオナシ」じゃなくて「名無し」さんが先週ぐらいから話の中心になってきてます。

で、これが重い。

あれ?今は深夜かな?
と錯覚するくらいには。

どう話が転がっていくのか来週が楽しみです。


なんだかんだでほぼ1年観てきました。
総論としては意外と面白い。
最初↓のレビューでも同じこと書いてましたね 笑

でも本当に面白いと思ってます。
だってなんだかんだで1年間毎週見てたもの。
録画だけど。

嫌味にならないくらいの、ちょっとしたスパイスという感じでダークさが振りかけられてます。

いろんな面で良い塩梅。

6期でこの面白さ。
やっぱ鬼太郎って永遠だな。

<2018/4/1初投稿>
※視聴中なので評価はデフォルトの3です

6作目なんですね。
ここ何作かはほとんど観てなくて興味もなかったのですが、たまたま今作の1話を見るともなしに見てしまいました。

意外と面白い。
日曜朝、ONE PIECEの前の時間なので純粋に子供向けかと思ったら案外そうでもない。

スマホが普及してたりユーチューバーが出てきたりの現代が舞台。

お話は昔の鬼太郎に寄せてる感じ。
もちろん墓場鬼太郎までは行かないけど、それでも少しだけダークな雰囲気が漂ってます。

絵は綺麗ながらも少し影があります。
キャラクターの造形も然り。

鬼太郎はヒーロー的に闘いますが、熱量は少なくクール。
目玉おやじが解説担当なのはいつものこととして。
ヒロインの女の子は必要なんかな?とか思いましたが、いないとたぶんこれからのお話に深みがなくなっちゃうんでしょうね、という感じ。

今回の鬼太郎の世界では人間には妖怪が見えない。
妖怪の存在を信じ始めると見えてくる。

鬼太郎に夏目友人帳や地獄少女とか少しまぶしたような印象を受けました。

これからネズミ男や猫娘、子泣き爺や砂かけ婆などの常連が出てきてどういう感じになるか、2話目以降が少し楽しみです。

最後にちょっとびっくりポイント
○目玉おやじが野沢雅子。感慨深いですね
○鬼太郎が霊ガンみたいのぶっ放してました

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ギャグ回から感動的な話まで緩急含めて楽しめる、ゲゲゲの鬼太郎アニメシリーズ第6作

原作漫画未読。アニメ初視聴。
アニメシリーズ第6作。全97話

劇場版ゲゲゲの謎にハマったことをきっかけに見始めましたが、想像よりもかなり楽しめました。昔からある作品ですが、舞台が現代になっておりSNSの普及やYouTubeの流行り、現代人の抱える問題や、人間社会の闇などを含めた、学びのある作品となっていました。

基本一話完結なのでサクサク見れるし、ギャグ回から感動的な話、欲深い人間の愚かさを表す回やゾッとするような話もあり、97話とかなり長編だけど緩急があって飽きがこない内容だったのがとても良かったです。
特に好きな回は、6話、20話、40話、72話。
すねこすりと妖花、さら小僧といやみの話は記憶に残ってます。

戦争を経験された原作者水木先生の、戦争に対する思いが含まれており、争うことに対するメッセージ性が強いのも特徴的。怖すぎずふざけすぎず、学習にもなるので、家族で見るのにオススメです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

37111 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

新しくても新しくないし、こんなもん?的な。

1話視聴後感想と今後の期待度
一言コメント:往年の名作にもIT化の波が(以下略
絵柄もだいぶ現代的になってきた。俺はこっちの方が好き。水木色が強いのはどうも気持ち悪くて。。。
期待度:★★★

きたろうってこんなに弱いの?なんかすぐやられるんだけど。。。
そのくせ偉そうだし。猫娘の方が強いんじゃね?
歴代のきたろうと作画キャラデザ比較するけどそういうのは別に気になりません。その時代時代に合ったものでいいと思います。
御年80のでぇべてらんが目玉。きたろうがみゆきち。時代ですよね。

結論としては話がやっぱりつまらないから。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

80.0 3 怖いアニメランキング3位
火垂るの墓(アニメ映画)

1988年4月16日
★★★★☆ 3.8 (840)
5519人が棚に入れました
1945年(昭和20年)9月21日、清太は省線三ノ宮駅構内で衰弱死した。清太の所持品は錆びたドロップ缶。その中には節子の小さな骨片が入っていた。駅員がドロップ缶を見つけ、無造作に草むらへ放り投げる。地面に落ちた缶からこぼれ落ちた遺骨のまわりに蛍がひとしきり飛び交い、やがて静まる。太平洋戦争末期、兵庫県武庫郡御影町に住んでいた4歳の節子とその兄である14歳の清太は6月5日の神戸大空襲で母も家も失い、父の従兄弟の未亡人である西宮市の親戚の家に身を寄せることになる。当初は共同生活はうまくいっていたが、戦争が進むにつれて諍いが絶えなくなる。そのため2人の兄妹は家を出ることを決心し、近くの池のほとりにある防空壕の中で暮らし始めるが、配給は途切れがちになり、情報や近所付き合いもないために思うように食料が得られず、節子は徐々に栄養失調で弱っていく。

声優・キャラクター
辰巳努、白石綾乃、志乃原良子、山口朱美

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

蚊帳の中に蛍を放ち、他に何も心をまぎらわせるもののない妹にせめてもの思いやりだった

1988年公開のアニメ映画 88分

原作 野坂昭如 監督 高畑勲 音楽 間宮芳生
制作 スタジオジブリ

スタジオジブリの第2作目の劇場アニメーション長編

1967年、文壇の風雲児「野坂昭如」は過去の行いを反省して神妙にある小説を発表した。
一般文芸誌「オール讀物」に載った「火垂るの墓」はその年の直木賞を受賞した。
1945年の神戸大空襲を体験した野坂昭如の自伝風小説である。

当時14歳だった野坂昭如は幼い妹と共に防空壕などを逃げ回り、
戦時中に妹は死亡したと言うが、野坂自身は生まれながらの乱暴者で、
餓死した妹への罪滅ぼしとしてこの作品を献呈したということだそう。

アニメ映画は「となりのトトロ」と同時上映。まさに80年代日本的出鱈目である。
 
清太 CV辰巳努(当時16歳) 14歳の少年
節子 CV白石綾乃(当時5歳) 清太の妹 4歳

声優のほとんどは素人です。

焼夷弾によるリアルすぎる空襲の中を走る少年と幼女。
冒頭は戦争で心が死んだ野坂昭如の幽霊による語りだろうか?
作中では清太と節子の幽霊が物語を見守っている。

空襲で全身に大やけどを負いウジ虫が湧いて死んだ二人の母が象徴的な映像である。
高畑監督「反戦アニメなどでは全くない、そのようなメッセージは一切含まれていない」
という発言ですが、そんなわけないだろ、と言うのが感想です。
アニメ史上の名作2本立てでさえヒットさせられなかったジブリの苦しい状況が、
敵を作るわけにいかず、メッセージ性のある作品から離れざるを得なかったというのが真実でしょう。

しかし、野坂の原作を忠実に、ある部分はさらなる迫真を持って描いたこの作品は、
後のジブリ作品とは比べ物にならないような重みを感じます。

この作品は太平洋戦争の1シーンを切り取ったもので、
あらゆる映像作品の中でも最も真実に近いものです。
登場人物は軍人ではありませんので、原因も帰結も知らず流されていくだけです。

この作品を観て泣いた記憶はありませんが、一秒も目が離せなかった88分でした。

アニメーション技術の発展を知るためにも重要な作品の一つでもありますし、
密かに込められたメッセージを個々人の違った想いで受け取るべき必見の作品だと思います。

超有名作ですので、未見の方はいつか観る心構えを作っておいたほうがいいでしょう。

小説のカバー絵にもなったキャラデザは素晴らしい出来だと思います。
個人的にジブリ作品の中で一番好きな作品です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

♪せもぽぬめ♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

平和っていいな(* ̄∇ ̄*)

~あらすじ~
言わなくても多分分かるね?

見ているときに、

「やめてくれぇ~」

「話を止めろぉ~」

と言う気持ちになりました; ̄ロ ̄)!!

でも、話が面白くて止められませんでした。

せつなすぎて、心が締め付けられました(ノд-。)クスン

これを見た後、

「戦争ってやだな!」

と思いました。

この作品は、

生きる価値を教えてくれます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

全世界の人々に見てもらいたい

戦争の悲惨さを語るのにこれ以上の作品はまず見当たりません。

◆この作品の概要は・・・
戦時中の孤児となった兄妹のとっても切ないお話です。
戦争の影響とは厳しいもので、栄養失調でどんどん弱っていく妹となんとか生きようとする兄の過酷な運命を描いています。

◆キャッチコピーは・・・
「4歳と14歳で生きようと思った」です。
この言葉を聞くだけでも涙が出そうです。

◆とっても泣けます・・・
泣ける映画として、一般的に最初に頭に思い浮かぶのはこの作品ではないでしょうか。
すごく悲しい内容だけに一度見たらもう二度と見たくない・・・「見たくない」ではなく「見れない」。
もちろん決して悪い意味ではありません。
それほど衝撃的で心を打たれた作品です。
節子の「兄ちゃん」と呼ぶ声や、ドロップ缶を振る音やその時の節子の笑顔がいつまでも心に残りました。
ホタルの光が短く儚い光のように、この兄妹の命も短くて儚い。
ホタルの光は儚いけどとても綺麗なように、この兄妹の生きようとする命の光は綺麗に光っていました。

◆ホタル・・・
通常ホタルとは「蛍」と書きますよね。
でもなぜこの作品では「火垂る」と書くのか?
調べたところによると「火垂る」とは当て字らしいですね。
焼夷弾という兵器があり、火のついた焼夷弾は雨のように落下するらしいです。
その落下する姿をこの作品の作者の妹が死に際に「まるでホタルが飛んでいるよう」と言った事からきているらしいです。
このエピソードもとても切ないですね・・・。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29

68.1 4 怖いアニメランキング4位
うみねこのなく頃に(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (995)
5158人が棚に入れました
時は、1986年10月4日。舞台となるは、大富豪の右代宮(うしろみや)家が領有する伊豆諸島の六軒島。年に一度の親族会議を行う為に、当家の親族達が集結しつつあった。一見和やかに、久しぶりの再会を楽しむ親族たち。

しかし、島で待っているのは「当主死亡後の財産分割問題」という、親族同士に暗雲を呼び込む議題。かつて当主が、島に隠れ住んでいるとされる魔女ベアトリーチェから、資金調達の担保の為に授けられたとされる10トンの金塊を巡って、長男の横領を疑う親族たち。それに対して、親族たちの困窮を見透かすかのように、反撃に出る長男。さらに余命の迫った当主は、自らの命だけでなく、親族郎党・資産のすべてを生贄として捧げ、最愛の魔女ベアトリーチェの復活を願っていた。

声優・キャラクター
小野大輔、井上麻里奈、堀江由衣、鈴村健一、釘宮理恵、小林ゆう、麦人、小杉十郎太、篠原恵美、伊藤美紀、広瀬正志、小山力也、田中敦子、小清水亜美、船木まひと、上別府仁資、羽鳥靖子、石住昭彦、佐藤利奈、遊佐浩二、茅原実里、大原さやか、田村ゆかり、緒乃冬華、井上喜久子、杉田智和、甲斐田ゆき、斉藤佑圭、米澤円、日笠陽子、吉田聖子、新名彩乃、山岡ゆり、豊崎愛生、喜多村英梨、水野マリコ、廣田詩夢

ARENO さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

答えの明かされない推理小説

◇◆◇要素◇◆◇
嵐の孤島×洋館×そして誰もいなくなった×連続殺人事件×魔女×推理バトル×相当なグロ描写+まさかのモザイク描写


概要です!

有名作品「ひぐらしのなく頃に」の作者が贈る、最強のミステリ(ゲームが原作)
名作「そして誰もいなくなった」を根本に展開される殺人事件が
魔女によるものか、それとも人間の起こした事件であるのかを
証明していくというもの。
作者曰く、「同じ舞台を何回も巻きもどして繰り返していく、それらを重ねて見る事で一本のシナリオでは見えないものが見えてくる」という“多層世界的”なストーリーです!
最初に言っておきますと、ひぐらし視聴済みな方ならお分かりのとおり
残酷な描写、いわゆるグロシーンが大量に出てきます。
連続殺人が起きるたびに、目を覆いたくなるような惨状が描かれているので
免疫のない方は少々きつめかも。
まあ、あんまりにもなシーンにはモザイクかかってますが…
(モザイクを濫用するアニメも珍しいですね…汗)

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・

その大量グロシーンに目を瞑っても納得できる面白さがあると私は
思います。一時期、ものすごくハマっていました!
正直、原作及び小説ファンな私としては、
アニメではなかなか満足いかないところも多いのですが…


何より、話が難しく何度か見直したくなるので、ちょっとアニメに
不向きだったかもです。
それ以前に、あんな残酷シーンは何度も観れたものではありません泣



先に書いた要素だけを見ると、ありがちなストーリーだとお思いに
なるかもしれませんが。
問題はストーリーではなく、物語の作り方及び、いち視聴者としての
この作品への向き合い方、というものでしょうか。


まず、物語中で起こる不可解な殺人事件。しかし、それがどう考えても
人間には不可能な事件であったとしたら。しかし、魔女の存在など
あるわけがない。人間の仕業としてきちんと説明がつく。
ならば、それはどのように説明できるのか。

ざっとこんな内容です。本来なら、作中の名探偵がこれを鮮やかに
解き明かし、一件落着となります。
でも、それじゃあくまで私たちは視聴者でしかないですよね。
ところがこの作品では、あらゆる考え方、ヒントは出ているのに
答えだけは明かされてないんです。


つまり、私たちが自分で考えた人だけがその真相にたどり着く
ことができるということ。(たどり着けなければ終わりですがww)


ちなみに、難易度はかなりのものです。
私も、友人と一緒に放課後を使って謎解きに挑みました。

結果、碑文一つ解けなかった…悔しい泣

このように、よくある推理小説に飽きてしまった方にはすごく
お薦めであります(*^_^*)


ちなみにですが、いままで推理な面だけを大きく取り上げて
きたのですが、もちろんきちんとしたお話が成り立っています。
特に、キャラクター一人一人にちゃんとしたストーリーが
あるんですね。

誰がどのキャラにどんな思いを抱いているか、など。

でもこれって、推理小説にとって大事な要素の一つです。
「動機」を考える上で重要な。
もちろん、うみねこでもこれは求められます。
だからますます、面倒くさい…ww

そうそう、実を言うとキャストって結構豪華でした。
主人公役・小野大輔そのほか、井上麻里奈、堀江由衣、釘宮理恵、小林ゆう
、鈴村健一、大原さやか、遊佐浩二、田村ゆかり、小清水亜美

うわー、書ききれない…でもそれだけ、本当にキャラの数が多いんです。


最後に…
志方あきこさんの歌うOP「片翼の鳥」は、独特の雰囲気によくあっていて、
一発で好きになりました。「うみねこのなく頃に」(曲名)も
お薦めなので、是非聴いてみることをお勧めします!

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・

以上のように皆さんも、魔女の挑戦状たる謎に挑んでみてはいかがでしょうか。

あ、グロ描写が苦手な方は、本当にお気を付けください。
食事時および就寝直前は控えることをおすすめします。


それでは、長々と失礼しました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21
ネタバレ

★☆零華☆★ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

謎の解答がなかったです。謎の答えが解ると驚きます。

ひぐらしと違って、答え合わせがない作品です。

知らない人がこのレビュー読んだら、(答え合わせって何?)となると思うので説明しますと
ひぐらしとうみねこはミステリーホラー(サイコホラー要素も含む)なので
作中で描かれる謎を登場人物達と共に解いていくことになります。

そして基本的に最後に犯人だったり、謎だったりが解るように作られるのですが
うみねこは最後でも明確な解答を視聴者に教えません。

なので観ている方としては(結局どうなったか教えろよ!)と思うのではないでしょうか?


かく言う私もそうでした。
ですので、私がネットを駆使し調べ、引用した解答をここに書きますね。


{netabare}六軒島連続殺人事件とは、魔法とかではなくて、全て人間が起こして行った事件です。

事の起こりは戦時中、右代宮戦人(主人公)の右代宮金蔵(祖父)が、六軒島で初代ベアトリーチェと出会い、二人の間に娘(二代目ベアトリーチェ)が出来ます。
初代ベアトリーチェは、産後の肥立ちが悪く死亡します。

金蔵は、生まれた二代目ベアトリーチェを死んだ初代ベアトリーチェの生まれ変わりだと信じ
二代目ベアトリーチェとの間にも子供を作ってしまいます。
これが安田紗代(三代目ベアトリーチェ【通称ヤス】)です。
二代目ベアトリーチェは、海岸で崖から落ちて死亡してしまいます。

ヤスは多重人格者で、紗音、ベアトリーチェなど複数の人格を持っています。
嘉音も、ヤスの人格の呼び名の一つです。

※これが【アニメを見ている私達視聴者には複数の人間に見えても、実際には一人の人間】
という叙述トリックになっており
一見人間に不可能に見える連続殺人を成立させています。

そして【ベアトリーチェ】という名称で登場する人物が、実際には三人います。

※これは【アニメを見ている私達視聴者には一人の人間に見えても、実際には複数の人間】
という叙述トリックになっており
一見人間に不可能に見える時系列などを読み解く鍵になっています。

※また、人格をカウントする際には、沙音、嘉音などはそれぞれ『1』にカウントされ
ベアトリーチェは魔女であるためにカウントされません。
物語の中で人数が出てくる場合に【人間の肉体の数】をカウントしているのか
【人格の数】をカウントしているのかが伏せられており
これも一見不条理に見える数字を読み解く鍵になっています。

ヤスは、金蔵が近親相姦の過ちを繰り返さない為に
出生の秘密を隠して右代宮家に使用人として連れてこられ育ちます。
金蔵は、86年の六軒島連続殺人のかなり前に死んでいますが
死ぬ前に碑文の謎を解いたヤスに右代宮家当主の地位や財産を相続しています。

ヤスは紗音の人格で、戦人に恋をします。
戦人はヤスに『白馬に乗って迎えに来る』という約束をしますが
翌年から家庭の事情で親族会議に来れなくなります。

紗音人格のヤスは、戦人がいつまでも迎えに来ない事に傷つき
戦人への恋心を自分の別の人格(ベアトリーチェ人格)に預け
別の恋を探します。

ヤスの紗音人格は、譲治と新しい恋をし、交際を進めます。

しかし、86年に数年ぶりに戦人が親族会議に帰って再会した為に
ヤスの中の2つの人格が、紗音は譲治に、ベアトリーチェは戦人に
別々に恋をしている状態になります。

ヤスは自身の恋に決着をつけるべく
①戦人と結ばれる。
②譲治と結ばれる。
③または誰とも結ばれない。
の三つの結果の可能性がある事件を起こそうとしますが、未遂に終わります。

なぜ未遂になったかというと、ヤスが事件を計画した前日に
戦人の両親ルドルフと霧江が、右代宮家の資産を我がものにせんと
他の親族を次々に殺し始めたからです。
譲治も殺されてしまいます。
ルドルフと霧江は、絵羽に返り討ちに会い死にます。

ヤスは戦人と逃亡しますが、ヤスは自分の恋に決着がつけられなかった事に絶望し
海に飛び込み自殺をしてしまいます。

結局事件の後には、戦人と絵羽の二人だけが生き残りました。

戦人はヤスを助けようとした際に、溺れて記憶と人格を失ってしまいます。
しかしその後、徐々に断片的な事件の記憶を取り戻し、『偽書』を書きます。

この偽書というのは、六軒島連続殺人事件をフィクションとして虚実をない交ぜて【戦人が書いた小説】であり

【私達視聴者が見ているうみねこの各エピソードは、この「戦人が書いた『偽書』という小説」である】

という事が真相であり、解答です。{/netabare}


この様に作中で答え合わせをしていたのなら、うみねこのなく頃にの評価も大分違ったと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 19

だんちょー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

※グロ警報発令※

ひぐらしの素敵な出来に引き続き見た作品ですが・・・

ストーリーが難解すぎてわかりずらい作品。(自分がバカだからか?)

ひぐらしが面白かったので期待してみたのですが、ちょっと期待はずれでした・・・

グロ描写が半端ないです。これ考えた人、大丈夫ですか?っと言わんばかりのw

食事時には絶対見ないほうが良いでしょう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

71.1 5 怖いアニメランキング5位
地獄少女(TVアニメ動画)

2005年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (813)
5077人が棚に入れました
最近、巷に或る都市伝説めいた噂が流れていた…。
深夜0時にだけアクセスできる「地獄通信」に怨みを書き込めば、どこからともなく「地獄少女」が現れて、憎い相手を地獄に堕としてくれる。晴らせぬ怨みや世に不条理はつきもの。納得できない理由や状況に抗えぬままに悲惨な運命を辿る者は多い。
地獄少女=「閻魔あい」は彼らの悲痛な叫びを聞きとげ、依頼主に契約の証である藁人形を渡し、「地獄流し」へ至る方法を語る。ただし、「その代償として自分自身も死後は地獄で永遠に苦しむことになる」とも言う。
地獄少女は全てを見通すかの様な涼やかな瞳を相手に向け、ただ一言告げる。「あとは、あなたが決める事よ」と…。

声優・キャラクター
能登麻美子、松風雅也、本田貴子、菅生隆之

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

その場限りの救い

「いっぺん死んでみる?」
閻魔あいのこの台詞は、案外奥深いものがある、とは思う。

人の恨み、憎しみはどうやったら消えるのだろう?
憎しみや哀しみなどの負の感情が芽生えるとき、
その人間にとって実際に報われる時というのは、
相手が消えてなくなる時なんだろうか?

誰かから、これでもかというほどの酷いいやがらせを受ける。
当然、哀しみに打ちひしがれ、相手を恨んでみたりするものの、
自分さえいなければ・・とまで思い詰める。

そんなギリギリの感情がMAXに達したとき、閻魔あいたちが登場。
「あなたの恨み 晴らします」

そう、かつてのTVドラマだった『必殺仕事人』そのものの台詞。
仕事の請け負い方と、それぞれの顔ぶれもそっくり。
だけど、ただひとつ違うのは、そのシステム。

お代の変わりとなるのは、「人を呪わば 穴二つ」

つまりは、自分の恨みを晴らして相手を地獄送りにしたら、
自分も同じ地獄送りになるよ、ということ。
それを納得させた上で、仕事は実行されるというわけだ。

結局、嫌がらせを受けたりする発端も、
憎しみや嫉妬からきているわけで、もちろんそれは正しいこととは
言えないまでも、嫌がらせをしてくる相手を恨んでしまったら
同じ立ち位置になってしまう、ということなのだ。

だから自分も地獄送りになる? 恨みを恨みで返す?
そのループがどうにも哀しすぎて、1話完結型であるがゆえになおさら
毎回救いようのない虚しさを覚えてしまい、観ているのがつらかった。

そしてさらに、あい達、仕事人達によって成敗してもらうという
他力本願なところも、あぁそうか・・人を使ってやらせるから
罪が重くなるんだよね、なんて思ったりもした。

憎んだり恨んだり、己のことを呪ったりした時、
心の底から報われるには、やはり他力本願でもいけないし、
人のせいにしていないで、自分の力で這い上がらないと
どうしようもないのじゃないかなと。
また、嫌がらせしてきていた相手と直接、自らが渡り合って
想いをぶちまけ合うことは必要だと思えてならない。
そうした上で、自分を自力で変えることができたり、
何かに気づき報われた時、人間は成長するのだと僕は思う。

というわけで、どうしても共感できない想いを抱えたまま、
次は何か進展するだろうと信じて観続けてしまった。

この物語は2期、3期と続くので、もしかしたら今後
閻魔あい自身の地獄少女となった所以とか、違った解決法とか出てくるのかもしれない。
なので近々続きを観てみようかと思う。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 82

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

いっぺん、死んでみる?

漫画版未読。
原作漫画ではなくコミカライズだったんですね。
ご指摘ありがとうございます。


午前0時、地獄通信というサイトに相手の名前を書き込めば、
地獄少女「閻魔(えんま)あい」がその相手を地獄に流す。


毎回のように誰かがひどい目に遭います。
そして地獄少女御一行様のお仕置きタイム。

こう書くと勧善懲悪のカタルシスアニメに聞こえるかもしれません。
でも蓋を開けてみると、非常にもやもやしたものが残るストーリーです。


ポイントは以下の2点。

* 地獄通信を利用して相手を地獄に流した人間は、死後自分も地獄行きが確定する
* 相手を地獄に送ったからといって、現状が良くなるとは限らない


これを踏まえた基本的な話の流れは以下の通り。

1. その回の主役が胸糞悪くなるような不幸な目に遭う
2. 地獄少女に復讐を頼む
3. 元凶を殺して地獄へ送る
4. 自分も地獄行き決定

……虚しいですね。

もちろん、誰もが一度は思いとどまります。
しかし、追い打ちをかけるように不幸な目に。
そして、結局地獄少女と契約を結んでしまいます。


「朝三暮四」という言葉があります。
目先の違いにとらわれ、結果が同じになることに気が付かないことを表します。

生き地獄から逃れるために死後地獄に落ちることを選ぶ。
これも朝三暮四と言えるかもしれません。

でもそこまで追いつめられることがほとんどであり、登場人物を責めることはできません。


この虚しいサイクルに異論を唱えるのが、柴田一(しばたはじめ)。
とある事情から、地獄少女の現れる場所を事前に察知し、常に話に絡んできます。

そして復讐の虚しさを被害者に説き、やめさせようとする。
それでも淡々と依頼を受けていく閻魔あいと、復讐を遂行する被害者たち。

虚しさと同時に、恨みの強さも感じさせてくれるいいポジションの人物です。
パターン化しがちな物語に欠かすことのできない存在だと思います。


こんな感じで「復讐」の是非を問う物語。
かなりシリアスであり、笑いやすっきりしたストーリーを求める人には向きません。

じっくりと、「この行動は正しかったのだろうか」と問いながら見るアニメだと思います。


なお作画は微妙。
人の見分けが付きません。
「あれ、この人さっきも出なかったっけ?」なんてことがしょっちゅうあります。

でも、閻魔あいだけはお人形のような見た目で、特徴があり分かりやすい。

そんな閻魔あいに声を当てているのは能登麻美子。
彼女の「いっぺん、死んでみる?」は一聴の価値あり。

ちょっと死んできます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 52

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

いつの世も人の恨みの連鎖は消えません。だから私は流します。貴方の恨み、地獄へと

とても暗くて重いお話。基本鬱アニメです。苦手な方は視聴を避ける事を強くお勧めします。


そんな作品ですが、私はこの作品がとても好き・・・。そして閻魔あいさんがとても好き・・・。何故って? それは人の心を写す鏡の様なお話だから。人の心を覗いて、人の怖さを思い知る。そうして自分の気持ちを考える。あんまり見ていてスカッとする様なお話では無いけれど、こういう作品もあって良いと思うのです・・・。


(はじめに)
2005年に最初に放送されたTVアニメです。少し古いですね。
主人公の閻魔あいさんの声を担当されるのは能登麻美子さん。彼女の代表的な作品と言っても過言ではありませんね。儚く悲しげな雰囲気をもつ閻魔あいさん。能登さんはその声を、”か細く”、そして”囁く様”に話す事で表現しました。とても雰囲気にあった素晴らしい演技だと思います。私はこの作品から能登麻美子さんのファンになりました^^


(ストーリーについて)
基本コンセプトは必殺仕事人の世界の表現です。
とっても憎くて悔しくて、そして自分ではどうにもならない恨みやつらみ・・・。そういったものを地獄少女である閻魔あいさんが代わりに晴らしてくれると言う物語。
恨みやつらみを持つ依頼人は、地獄通信と呼ばれるインターネット上のwebサイトに、地獄送りにしたい相手の名前を書き込みます。だけど地獄通信は興味本位でアクセスしても開きません。本当に強い恨みを持つ人だけがアクセス出来るのです。そして無事に地獄通信に相手の名前を書き込む事が出来た依頼人は、地獄少女である閻魔あいさんから”藁人形”を渡されます。藁人形の首に巻かれた真っ赤な糸。この糸を引けば相手を地獄に流すことが出来るのです。但し古の昔より言われる通り、”人を呪わば穴二つ・・・”。相手を地獄に送った依頼人には大きな代償を求められます。その代償とは、自分も死んだら同じ様に地獄に流されると言うこと。生前は地獄行きを約束する刻印を胸に押され、常に死の恐怖を感じながら生きる事になります。そうして死んだら、今度は自分が閻魔あいによって地獄へと流されるのです・・・。


自分の地獄行きと引き替えにしてでも晴らしたい恨み・・・。本当に相手と差し違える覚悟が必要ですね。地獄行きへの恐怖を感じながら、依頼人が赤い糸を引くまでの心の揺れ動きの描写が素晴らしいです。
お話は26話構成。それぞれの回では”恨みの内容”こそは異なりますが、基本は依頼人の恨みを閻魔あいさんが地獄に流して解決するという構成になります。なので連続して見ると途中で中弛みを感じてしまうかも知れません。但し、物語は中盤から少しづつ違った展開を見せてきます。
地獄送りを繰り返す閻魔あい。その行動をある少女が垣間見る事が出来る様になるのです。そしてその少女と父親は閻魔あいの謎を追い始めます。閻魔あいは誰なのか?どうしてこんな事を繰り返すのか?そして何が彼女の目的なのか・・・。少女と父親はいつしか閻魔あいに翻弄され、そして閻魔あいの悲しい過去と正体を知ります。とても悲しく衝撃的なラスト。必見だと思います。


(私なりに考えてみたよ)
閻魔あいさんはとても美人。真っ白な透き通る様な肌に、真っ黒でサラサラの長い髪。日本人形の様に美しい彼女。だけどその目はとても悲しげ。そして見開いた瞳は人の心を見透かすかの様です。
地獄送りにする相手は基本的には恨みを買うような悪い人。だけど人の恨みって言うのは、いつ、何処で誰から買うのかは解りません。例えば良い行いをする為に悪人を懲らしめる。そうしたらその悪人の子供は親を懲らしめた相手を恨みますよね?コレが人の恨みの連鎖・・・。いつまでも消える事の無い悲しい恨みの鎖。だから閻魔あいは時には良い人さえも地獄へ流します。悪人も、良い人さえも、依頼があれば地獄へと流してしまうのです。閻魔あいは決して正義の味方では無い・・・。何が悪で、何が正義かなんて、当人同士にしか解らない事だから・・・。
だからかな。彼女の目はいつも悲しげ・・・。自分の感情を押し殺し、心の扉を閉ざして地獄送りを行います。そこに正義や悪を考える余地はありません。ただ黙々と地獄送りをこなすのです。彼女は悲しみを知っています。人の業を知っています。それ故に彼女は全てを背負う事が出来るのかも知れません。


そんな彼女がたった1度だけ、物語の最後で自分の感情を爆発させます。私はこの時の閻魔あいさんがとても好き。普段は人形の様な彼女だけど、彼女が見せる初めての感情。変な表現ですけど、彼女にとても親しみを感じ、そして包み込んであげたい愛おしさを感じました。

彼女が見せる涙・・・。どうして泣いたのかは作品は語りません。だから私は作品を観終わった後でも時々思い出すのです。彼女の悲しげな顔と涙を・・・。そして、人間らしい閻魔あいさんをとても愛おしいと思うのです。


今宵も閻魔あいさんは誰かを地獄に流しているのかも知れません。誰かの恨みを小舟に乗せて・・・。


さぁ・・・「あなたの恨み、地獄へと流します・・・。」


投稿 : 2024/05/11
♥ : 43

70.5 6 怖いアニメランキング6位
妄想代理人(TVアニメ動画)

2004年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (797)
4183人が棚に入れました
『妄想代理人』(もうそうだいりにん)は、マッドハウス製作の今敏監督によるアニメ作品。
疲れた現代社会を癒す人気キャラクター「マロミ」をデザインした鷺月子は、ある夜、通り魔少年バットに襲われた。
突如世間に現れた少年バットは次々と人々を襲いはじめ、市井の人々を恐怖へと陥れていく。しかし、幾人も被害者が出、多くの目撃者がいるにも関わらず、少年バットは一向に捕まりそうになかった。刑事猪狩慶一と馬庭光弘は捜査を進める中、被害者の持つ不思議な共通項に辿り着くのだが…。


声優・キャラクター
能登麻美子、桃井はるこ、阪口大助、飯塚昭三、関俊彦、槐柳二、京田尚子、内海賢二、陶山章央、山口眞弓、中嶋聡彦、水樹奈々、藤原啓治、三石琴乃、津村まこと、郷里大輔

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

逃避願望が生み出した妄想

2004年に放送された今敏監督の初めてのテレビアニメ。(全13話)
『パーフェクトブルー』『パプリカ』などで
人間の二面性や心の奥底に眠る劣等感、希望と現実、
それとは裏腹な複雑な想いなど描いてきた今監督だが、
このTVアニメ作品は、これまでのテーマに娯楽的要素も踏まえながら
さらにわかりやすく表現していたなと思う。

マスコットキャラクターデザイナーの主人公・鷺月子が、
ある夜、怪我をして病院へ運ばれ、事情聴取した刑事に
「ローラーブレードを履き、金属バットを持った少年に襲われた」
と伝えるところから物語が展開していく。

その後、次々と被害者を出し、人々を恐怖へと陥れていくのだが、
目撃者がいるにも関わらず、少年バットはなかなか捕まらない。
捜査を進めていた刑事・猪狩慶一と馬庭光弘は
被害者たちの持つ共通項に辿り着くのだが・・・というお話。
で、この共通項に辿り着いてからのほうが長い話になっていく。

がしかし、これは単なる犯人探しのストーリーではないところが面白い。
人は誰でも、自分を追い詰めるような事情を背負っていたりするし
どんなに苦しくても逃げずに現実を受け入れ、乗り越えることができれば、
あまり揺らぐことなく生きていけるのものなのかもしれない。
観終えて、そんなことをふと思ったりした。

自分を追い詰めていくのは自分なのに、誰かのせいにしたがる心理。
噂が噂を育て、噂からくる人の想像力が巨大なデマを育んでしまうという現象。
また、一見事件には無関係に見えるアニメ制作の現場でも実は、1人1人が
それぞれのスケジュールと責任において、追い詰められていくって様子を
コミカルさを交えつつ、アニメの中でアニメ制作現場をアニメで見せるという
半ば自虐的な見せ方には思わず唸ってしまった。
そのほか、ネットを通じて集まった自殺志願者の逃避願望をバット事件の
被害者達の追い詰められ方と対比させていたのもなかなかだった。

そして、猪狩刑事の妻の言葉や猪狩刑事自身の言葉、すごく納得できた。

心理描写や社会現象に関しては、怖いほどにリアル。
だけど、例えばアニメやキャラクターに癒されることは、
決して現実逃避だけではないと思うし、そのすべてが偽りの救済とは
言い切れないとも思う。

とりあえず、追い詰められない人間、悩みのない人間なんて
きっと誰ひとりいないはずだから
スポーツで汗を流すのと同じように、または少しの昼寝をするように、
自分の居場所に逃げ込むことは、決して悪いことばかりとも思えない。

たとえ世の中が間違っていようと、自分が正しくあれば生きていける。
噂を創り出すことなく、噂を鵜呑みにしてしまうこともなく、
自分自身の足で地面に立ってこそ、人間は強くいられるのだろうね。

テーマは暗い印象だったが、後味の良い作品だった。
今監督らしい、細かい部分へこだわった演出も健在だったし、
ノスタルジーに浸れる懐かしい風景にも出逢うことができた。
本当はまだ拾いきれていない謎もあるかもだが、
そのあたりは宿題として、今は亡き今監督を偲びつつ、
また機会があったらぜひ観直してみたい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 61
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

うしろの正面だあれ?

今敏監督作品、音楽平沢進。
キャラクターデザイン安藤雅司。
制作マッドハウス。

シリアルレイン、ブギーポップの系譜。
疲れた現代社会を癒すマスコット「マロミ」
{netabare}生み出したのは心に闇を抱える少女。
路上に方程式を書く謎の痴呆老人。
社会的抑圧、犯罪の低年齢化。
狂い出した歯車は次第に人格を歪ませ、
心が闇に染まる時「少年バット」は現れる。{/netabare}
担当刑事は事件の真相に辿り付けるのか!?

自殺、鬱病、引き籠り、
現代病理を浮き彫りにしたサスペンスホラー。
主題歌「夢の島思念公園」は、
まるで時代を象徴するパラノイアの桃源郷だ。
社会に馴染めず、人の輪から外れ、
疎外感だけを補給する抑圧された日常。
これはどこにでもある物語なのだ。

悲劇は永劫に回帰されるのでしょうか。

うしろの「正面」だあれ?
うしろの「少年」だあれ?

あなたのうしろに少年バットはいる。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 51
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

現代病はあなたのそばにも…

制作はMAD HOUSEのオリジナルアニメです。
ジャンルはサイコサスペンスです。


「マロミ」というキャラクターを生み出し一躍時の人になった主人公の鷺月子が、ある日の夜にバットで少年に襲われる。
「少年バット」と呼ばれる少年はいったい何者なのか?


監督・原案は「PERFECT BLUE」「パプリカ」などで知られる今敏氏。
同氏が手掛けた最初で最後のテレビアニメシリーズです。


10年近く前の作品ですが作画が良いですね。
風景、モブキャラなどもしっかりと書き込まれており、細かいところにも目が行き届いています。
音楽もこれまた良し。
気味悪いw
サイコ要素が強いのでどこかゾクゾクするものが多めです。
OP・EDを見ていただければ狂気の片鱗を感じることができると思います。


ストーリーは基本的に一話完結型ですが、つながりはあります。
8~10話に関しては本筋には全く関係なくオマケ感が強いですが、8話は個人的には解釈の余地が多くあってお気に入りだし、9話は案外作品の肝を表しています。


8話について。
{netabare}最後の写真のシーンで彼ら三人が幽霊になっていることがわかります。
他にもおじいさんが少女の足元をなぜか見たり、男に触ったりして確かめています。
そうすると、女湯に全員で入っていたことに納得がいく。

いったいどこのタイミングで死んだのか?
彼らが生きているときは「影」があります。
電車で自殺した男が生きて見えたのは、彼らがすでに死んでいたから。
つまりそれ以前に行った練炭自殺ですでに死んでいたということになりますね。
錠剤が最後の一錠なのに戻っていたのは生前の記憶で巻き戻ったといったところでしょうか?

タイトルの「明るい家族計画」、自殺した三人が生殖能力に乏しい。
つまり「先のことなんて考えず、現実的なことを考えず、あるがままを楽しめ」というメッセージなのかな?{/netabare}


最初に月子を襲った「少年バット」はいったい誰だったのか?
劇中でしっかりと答えは出ていますが、さて?

以下「少年バット」について。
{netabare}少年バットは月子が10年前に都合の良い嘘をついたことで生まれました。
つまり月子の妄想。
怒られたくないという事情が重なり、この世界に再び現れた。
少年バットは人々の不安の大きさに伴って存在感を増していきます。
何度も井戸端会議や噂の描写が描かれているのはそれを表すためでしょう。
9話はそれだけにクローズアップしたもの。
普通だったらこの話は月子の件で終わっているのですが、模倣犯が現れることで事態は変わります。

模倣犯は二人の人物を襲っただけですが、人々の不安は爆発的に大きくなります。
そこからはもう大変。
精神が病んでしまった人々が、本当はいない少年バットに襲われ(た風に感じ)ます。
10話は猿田がすべてやったように思われますが、その他は誰がやったかはさっぱりわかりません。

結局少年バットは何なのか?
私の答えは、「人々の不安が積み重なり、だんだん巨大化していく被害妄想」ということにしておきます。
大災害は人々のよりどころになっていたマロミがなくなったことで起こった。{/netabare}


以下このアニメ全体の考察。
{netabare}災害から復興した後も人々の不平・不満はこぼれています。
結局、いつになっても人は自分の状況をそのまま受け入れたくはない。
全部受け入れていたら狂ってしまいますからね。
この事態は変わることはない、いつでも「少年バット」はこの社会に内包されている。
一人の虚言に端を発して現れるかも。

個人的に、「えー?それアニメでしょー」とディスプレイに表れていたのが気になりました。
結局、この作品は「アニメ」。
ラストの馬庭を見ると、この作品が馬庭の妄想とも捉えられます。
「細かいことは気にするな」ってことなのかw{/netabare}


総括して、話を放り投げているのは気になってしまいますが、いかようにでも解釈できる余地を残している点では良い作品だと思います。
絵のタッチ・雰囲気・題材がアニメっぽくなく、新鮮でした。
独特なアニメが見たい、考察アニメが見たい、サイコでゾクゾクするアニメが見たい、なんて人はどうぞ。



そも、終わりに見えし物語。
巡り巡りて事始め。
布石を拾い結ぶれば。
永劫回帰の無限廊。
解かれぬままの謎はなく。
謎を孕まぬ解もなし。
それではみなさん。
さようなら。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 49

62.7 7 怖いアニメランキング7位
青春×機関銃(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (401)
2426人が棚に入れました
ある出来事から、半ば無理やりサバイバルゲームを始めることとなった女子高生・立花蛍。

ホストとエロマンガ家という個性たっぷりな仲間に囲まれ、仕方なくプレイしつつも、いつの間にかサバゲーの魅力にハマっていって、とうとう大きな大会を目指すことに…。

声優・キャラクター
小松未可子、前野智昭、松岡禎丞、興津和幸、喜多村英梨、堀江由衣
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

リアルでサバゲーやってるかどうかが評価の分かれ目かな?

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
「さばげぶ」「うぽって」「ステラC3部」等に比べれば「サバイバルゲームを見せよう」という意気込みは感じられました。が、それだけに色々と荒い部分や(サバゲー経験者に)配慮が足りない部分が目立ち、かえって反感を買ってしまった気がします。

私はサバゲーそのものへの愛着はないけれど、自分が好きなものを雑に扱われて不快になる気持ちは分かるかな。

とはいえ、個人的には「キャラもの」として視聴しました。男性キャラと男装キャラしかほぼ出ないので、萌えはなかったし、ややBL感もあったけど、普通に楽しめる作品でしたよ♪

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
第1話での、松岡の決めセリフ。(サバゲーとは)「実弾じゃないってだけで、本物のスリルが味わえる」って、実弾かどうかがスリル(恐怖)の根元だと思いますが……。あと、「ホストで鍛えられた動体視力で弾をかわす」って、ホストで鍛えられるのは動体視力ではなく、洞察力だと思いますが……。

と、1話の段階では、「なんだこれ?」と思っていました。でも、中盤以降は良かったです。

TGC冒頭、緑を前にキョドる松岡と、それを庇う雪村。腐の雰囲気はしますけど、良いシーンだったと思います。てか、前野さん、演技上手いね! あそこまで、「リアルにキョドる」シーンって、アニメじゃあんまり記憶にないかも。多分あれで、松岡も雪村も、女子人気急上昇したはずw それから、立花のことで、雪村が松岡を殴るシーンは良かったです。あと、雪村が立花に真実を告げる時の葛藤。あの一連の流れで、私も雪村ファンになりました(笑) それに、松岡vs立花 戦の挿入歌の「ロッカー」は、作風や場面にあった良い曲だったな~♪

ちなみに私は、リアルでサバゲーしたこともないし、知識もほとんどないです。そんな私からみて、過去のサバゲーアニメよりは、サバゲーを魅せようという意識は感じた気がしました。

結論として、まずまず楽しめました。でもそれは、「男装アニメ(というより、キャラもの)」としての側面が大きかったです(汗) 立花も、ちょっとウザいけど可愛いさもあったし、正宗も雪村もキャラたっていました。ああいう、「普段はチャラいけど、実は熱血、でも弱さもある(松岡)」「インドア派の不健康不思議キャラだけど、友情に厚く、好きな相手には優しさを見せる(雪村)」は、いわゆる「ギャップ萌え」キャラとして、女子に人気が出るのかな?

トラウマを抱えた人物が、仲間との絆を深める中でトラウマを乗り越えていくのはアニメとして王道の展開ですね。ですが、この「青春」は、そのトラウマを直接的に(緑を倒すことで)乗り越えるのではなく、間接的(松岡が根本的に成長することで)乗り越えていくっていうのが良かったです。

しかし、表題にもあるように、それは私がリアルでサバゲーやってないからかもしれませんね。

実際、本当にサバゲーを好きな方の意見をみると、これまでのサバゲーアニメの中では本作が一番許せないらしいです。エア(トイ)ガンを剥き出しで持ち歩くだとか(警察呼ばれるし)、銃を銃で払うとか(銃が壊れたらシャレにならんし)、銃を簡単に落とすだとか(壊れるし、銃は重いから、下手すれば足を骨折するから、普通は紐で体に吊るす)、主に銃の雑な扱い方について、意見を述べられている方のレビューを拝見しました。なるほど、経験者ならではだな~と思いました。

ただ、私のように素人からするとやはりその点は気にならず。本作は戦場(サバゲーフィールド)の空気感だったりとか、立花がサバゲーにハマっていく過程だったりとか、正宗&雪村&立花の成長や絆の深まりを魅せたいアニメとして、一定の評価はつけられるんじゃないかと思いました。

でもまあ、私(剣道部)も、登場人物が竹刀とか刀を雑に扱っていたら気分が悪くなるし、評価も下げたくなるだろうから、サバゲー経験者の方の気持ちも分かります。剣道部的余談ですが、{netabare}ドラマ等で、生徒指導の厳しい先生が竹刀で床をビシビシやっているのを観て、剣道関係者は全員イラッとしています。まず、奴を指導するべきだ、とw 剣道部員は必ず最初に「竹刀を絶対にまたぐな」「竹刀を床に置くときには音をたてるな」「竹刀を拾う時には膝をついて拾え」と指導されます。竹刀は刀、刀は武士の魂ですからね。例えば、剣道の大会では床に何百と竹刀が置いてありますが、剣道部員は、それら他人の竹刀も全て避けながら体育館内を移動してますよ{/netabare}。

原作者は本作を、「サバゲー漫画」ではなく、「人が死なないガンアクション漫画」と評しています。その通りなのでしょう。だから、「良くも悪くも、中途半端な作風」であって、それはコンセプト通りなのかもしれません。

(- ガンアクションとしては、ぬるい。サバゲーとしては、リアルさがない。キャラとしては、萌えない ↔ + ガンアクションなのに、爽やか。サバゲーなのに、心理描写メイン。キャラものなのに、みんな心に傷があって歪んでて、そこそこ深い)。

色々書きましたが、私はこの作品、嫌いじゃないですよ♪ 一度も飽きずに完走できましたし、過去のサバゲーアニメよりも、「サバゲーやってみたい!」って思えましたし。やはり、立花くらいのサバゲー初心者が観て楽しめるアニメかな~と思います♪

(でも正直、もう少し立花の「女の子らしい」姿は観たかったです。あれじゃあ、男装してる女子ではなく、女子と言い張っている男子ですw 最終回、松岡が予告で言っていたように、温泉や水着じゃなくても、せめて制服か私服で女子らしいものを! 流石にここまで男装を徹底され、小松さんの素晴らしい男の子演技をされると、萌えられないっすよw)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

ahirunoko さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

女子向け作品っぽいが面白い!

漫画原作。未読。

主人公が女子なのに男子限定のサバゲーチームにそれを隠して入る話。
何か雰囲気が女子向け作品っぽいんだよね。BLっぽい感じするし。

主要キャラの人数が絞られていて覚えやすくてイイ。
その分各キャラの掘り下げがしっかり出来ていて気持ちが良く伝わってくる。
よって物語に感情移入出来る!

まぁ女子が男子の身体能力上回っててカワイイなんて無いだろうが、そこはアニメなんで(^^)

CVの皆さん良かったけど、特に・・・
小松未可子譲頑張ってた!
松岡 禎丞氏もう~ん!上手いね!

作画が特別キレイとは思わないけど見苦しいことはなかったかな。

ナカナカの良作ですよ!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「青春」と書いて「アオハル」と読みます・・・

この作品の原作は未読ですが、小松さん、松岡さん、喜多村さんが出演される事を知り視聴を決めた作品です。
私はサバゲーには疎いのですが、現実で私の周辺でもサバゲー体験者が少しずつ増えています。
サバゲー自体の人気が上がっているのでしょうか^^?
きっとハマったら面白いのだと思います^^

この作品は、主人公である立花蛍がひょんな事からサバゲーのチームである「トイ☆ガンガン」に無理やり入る事になってしまうところから物語が始まります。
蛍はこれまでサバゲーの経験はゼロ・・・銃すら握ったことはありません。
あるのは、これまで鍛え上げてきた精神力とそれを支える肉体と・・・獲物を嗅ぎ分ける嗅覚の様な何か・・・^^;

興味を持って取り組み始めるのと、個人の意志とは無関係に半ば強引に押し付けられるのでは最初のイメージも、その後の成長スピードも全く違うと思うのですが、ちょっとしたきっかけで人は変われるんですね^^
蛍は「トイ☆ガンガン」の皆んなとのサバゲーに没頭していくのです。

そんな「トイ☆ガンガン」を構成するメンバーは、リーダーの松岡 正宗(CV:前野智昭さん)、雪村 透(CV:松岡禎丞、さん)、そして蛍の3人です。
蛍がサバゲーに没頭できた理由の一つにチームの雰囲気の良さがあったのだと思います。
リーダーの松岡を中心に幸村がサポートに入るというチームの基本パターンに、切込隊長的役割で蛍が加入・・・相手を倒すために個々人の役割を遂行し銃の引き金を引く、という動作そのものは個人プレイですが、その一挙手一投足全てがチームと・・・2人と繋がっていると感じられるのが、堪らなく嬉しいんだと思います。

チームプレイにおける勝利の喜びは「分かち合うもの」という見方ができますが、一方で「人数分だけ喜びを倍化できる」という見方も有りだと思います。
皆んなで一緒に喜び合えるのがチームプレイの醍醐味・・・その麻薬の様な快感を知ってしまったらやめられなくなるのも分かる気がします。

チームが好き・・・
サバゲーが大好き・・・
この純真無垢な気持ちは、物事を楽しむ上での基本だと思いますが、「トイ☆ガンガン」にはその純粋すぎる気持ちを受け止める事に対して迷いを生じさせるトラウマを抱えていました。

そのトラウマを払拭するには、どうしても乗り越えなければいけない壁があるのですが、その壁の何と高く険しいことか・・・

チーム皆んなの力を結集してその壁を乗り越えようとします。
ですが、その壁は常に自分達より一歩も二歩も高みに位置しているんです。
乗り越えられない壁の前での単純な物理法則は「落ちること」しかありません。
落ちても怪我する事が無いのがサバゲーである所以ですが、心には何のガードもできません。
だから・・・時にはポッキリ折れてしまうこともあるのです。
傷付いた心は簡単には癒せません・・・

そこに残るのは「壁を乗り越えられなかった」という事実と「またダメだった」というトラウマを助長させる心だけ・・・

「トイ☆ガンガン」はこのトラウマとどの様に対峙するのでしょうか・・・
気になる方は是非本編をご覧下さい^^

オープニングテーマは、トイ☆ガンガンの「The Bravest Destiny」
エンディングテーマは、小松未可子さんの「群青サバイバル」
群青サバイバルの格好良さが半端ありません^^
特に活き活きとした笑顔の蛍がとても印象的です^^

1クール12話の作品です。展開としては一区切りなのかもしれませんが、物語としては正直中途半端な状態で終わっています。
これまでは序章で、ここから本格的に面白くなっていくのだと思っているのですが・・・
原作の連載が開始されたのが2013年2月〜なので、ストックが無くなったのでしょうか。
「トイ☆ガンガン」の進んでいく軌跡がしっかりと描かれることを期待しています♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

71.1 8 怖いアニメランキング8位
蟲師 続章(後半エピソード)(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (411)
2371人が棚に入れました
それは何処であったか、何時であったか。
白き髪と緑の目を持つ少年は、
世と生命の“理”を──そして己が居るべき処を照らす光を知った。
(第十一話 「草の茵(くさのしとね)」より)

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「ただ生きるために」

この作品は、これまで1期、日蝕む翳、そして続章の前半と視聴を続けてきました。
圧倒的な作画とSEのクオリティーは、1期から着実に向上してきているので、視聴を楽しみにしてきた作品です。

人と蟲・・・普段はお互いの領分で慎ましく活きているだけ・・・
でも、この世という場所に両者が存在するということは、例え曖昧だとしてもお互いの接点は必ずあるんですよね・・・
普通に生活していれば、決して足を踏み入れる事の無い境界の狭間・・・
何の因果なのか人も蟲もそこに迷い混んでしまい、お互いが結び付いてしまう・・・

それが良いことなのか、それとも悪いことなのか・・・
一概に括れないところにこの作品の旨みが凝縮されているように思います。

でも、大概はちょっぴり淋しいです・・・じゃなかったら、お互いの共存の道がもっと早くから模索されていたことと思います。

結びついたお互いは決して多くは望みません。
望みはただ一つ、生きたいと思い生きるために行動すること・・・
ただそれだけ・・・

でもお互いが結びついたその先にあるのは、ただそれだけの願いを持つことすら難しい世界・・・
人はコミュニケーションにより状態を訴えることができますが、多くの蟲にはコミュニケーション能力が皆無・・・だから痛いのか、苦しいのかすら分かりません・・・
中には声にならない叫びを発していた蟲もいたかもしれません・・・

人と蟲が接する世界であるからこそ、蟲師の存在はとても大切です。
蟲師の多くは人を助けてくれますが、蟲により近しい存在であるからこそ時には断腸の思いをしたこともあったことと思います。

それでもギンコには蟲が集まってくるといいます・・・
蟲にとって蟲師の存在とは何なのでしょう・・・?
忌むべき者・・・? 安息をくれる者・・・?
それとも自分達の存在に気付ける蟲師に何かを伝えたがっているの・・・?

こんな事を考えながら視聴しましたが、後期の10話もあっという間でした。
終盤になると、この作品が終わってしまう事に対する寂しさを感じながらの視聴でした。

この作品は「原作が面白いんだから、それだけを見て、忠実に映像化する」
というコンセプトを掲げてアニメ化されたそうなのですが、極めて納得できる作品でした。
個人的には、もう一度淡幽さんの登場を期待していましたけれど・・・^^;

族章は前期10話、後期10話に「棘のみち」を加えた計21話でしたがしっかり堪能させて貰いました。
そして今夏には「鈴の雫」が上映されるとの事です。
この「鈴の雫」は最終エピソードだとか・・・どの様に纏められるのかがとても楽しみです^^

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

蟲師の赴く道

原作未読 全10話

蟲という普通の人には見えないが生命を根幹をなす生き物に、人々が干渉することにより様々な出来事が起こります。
その地域、地域での蟲とのかかわりあいを、蟲師と呼ばれる蟲についての生業としているギンコを通じて描いています。

蟲師 続章の続きです。続きといっても1話完結なので前半を観なくても大丈夫です。

今回は、どちらかといえば怖いお話やバッドエンドの方が多かったように思えます。{netabare}ギンコの過去のお話もありましたね~{/netabare}

1期から観ているとバッドエンドの方が多い感じがしますので、これが本来の蟲師なのでしょうね。

作画も音楽も前半と同じく、この独特の雰囲気を見事に表現されています。

何ともいえない不思議な蟲の世界、1話観て気に入ったら是非最後まで観てくださいね。 オススメです^^

OP 前半と同じ曲でした。

最後に、舞台「詠舞台 蟲師」が3月に、劇場版 蟲師 続章「鈴の雫」夏に決まりましたね~ まだまだ蟲師の世界は続きそうです^^

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

銀太郎飴

原作未読。

蟲師の続きの続き。
ストーリーは1話完結なので、どこから見ても基本的には大丈夫です。

この作品は、世にも奇妙な日本昔話という感じで、

- 古き良き日本のイメージ
- 生き物とも現象とも取れない「蟲」を中心とした、摩訶不思議な世界観
- ハッピーエンドともバッドエンドとも取れない終わり方

という特徴があります。

毎回話の内容は異なりますが、どの話も、家族や人と人とのつながりがテーマに据えられています。

ただし、「家族愛ってすばらしい!」のように、単純な人間賛歌になっていません。
人間の身勝手さだったり、譲れない部分だったり、そういう負の面も描かれています。

そして、それが悪い結果になるとも限らない。
何が正しくて、何が間違っているなんてことは一切語りません。

在るように在り、主人公のギンコが介入するものの、それが良い結果にも悪い結果にも繋がります。

- ギンコが来たからみんな救われた!
- ギンコの忠告を無視したから不幸な目にあった!
- 悪は滅びる

……とは限らないわけですね(※)。
それが世にも奇妙な物語的というか、おもしろみのひとつ。
「登場キャラは幸せになれたのかな?」なんて考えちゃいます。

※そうはいうものの、ギンコが現れたときのあの安心感は何だ!


そして、パターン化されているわけではないのに、毎回魅せてくれます。
好きの度合いはありますが、ハズレ回が見当たりませんでした。
{netabare}
月が井戸の入り口だったときは「ホワァァァァ」ってなった。
{/netabare}

残念だったのは、メインストーリーに進展がなかったこと。
ギンコは主人公ながら、舞台や登場人物はその回固有のものです。
最後に2話くらいかけてギンコに関するストーリーが展開されることを期待していたのですが……。
そういう意味では金太郎飴的。
ただ、「在るように在る」ならそれが正しい姿なのかも。


蟲師は物静かな叙事詩なので、熱さや展開の派手さを求める人にはまったく向きません。
こういう言い方は好きではないのですが、大人向けの作品です。

初代から一貫してクオリティが高いので、この作品から見て気に入った方は、ぜひ他のシリーズも。
同じ感覚で、安心して見ることができますよ!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30

81.7 9 怖いアニメランキング9位
進撃の巨人 The Final Season(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (488)
1995人が棚に入れました
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は――進撃の巨人」ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなければならない。壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。――やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴璐美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、村瀬歩、川島悠美、松風雅也、沼倉愛美、増田俊樹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

大義名分で舗装された道

原作は途中から控えたMEN
1クールにしてはボリューミー全16話です。
※以下3期までのネタバレは隠してないのでご注意を。


エレンたちが海に辿りついてから4年。太平の世が終わりエレンのおかんが食われて9年後の世界。

本放送中に原作が完結したりいよいよか!な〝FINAL”と銘打ちながらまだまだ続きがあるようです。
放送時期毎に感想書いてるとネタがつきてくるもんですが、そうはならない数少ない作品。毎度新たな一面を見せてくれ、それでいて一本筋が通ってるのが特長。

「あれ!?なんか観るアニメ間違えたかしら?」
{netabare}「あれ!?どちらのゴールデンカムイでしたっけ?」{/netabare}

そんな冒頭でさえ不安にならないのはひとえに積み上げたものへの信頼です。きっと回収するはず!
そんなひとつ。見上げた空に羽ばたく鳥たちのオープニングカットは1期第1話を彷彿とさせました。

「あーいよいよ完結するんだなぁ」 
「あーこのあと壁の中はえらいことになってたよなぁ」

そんなオープニングカットからの連想。前者は大河ドラマ並に重厚な物語が終焉を迎える高揚感と一抹の寂しさ。一方で後者が示唆するものはやや不穏。1期で壁内人類を襲った悪夢の再来です。
そうしてFinalseasonはお馴染みの面々抜きで海の向こうの国〝マーレ”側の視点から幕が開きます。ひとまず此度の16話をまとめるなら

 〝16話分のキャラ回”

1クール群像劇なら6話~8話あたりで適宜挿入されるアレ。キャラ評価の逆転を狙う目的なら終盤10話あたりまでと何処にでも挿入可能性あるアレ。敵味方問わず登場人物たちを深掘りし物語に深みをもたらすアレをまるまるやっていただいた印象。
思えば主人公エレン(それとアルミン)の原動力は〝駆逐してやる!”と〝璧外への憧憬”の二つ。憧れを象徴する台詞が「海を見たい」だったと思います。海をイタリア語で〝マーレ(Mare)”と言いますが、そんな海を冠した壁内人類との因縁浅からぬ国と対峙するぞ!というところで3期は終幕してました。
おさらい兼ねて駆け足で振り返る59話↓

 第1期(#01-#25) 人類対巨人の絶望的なパワー差でも抗う人類の意志を描き
 第2期(#26-#37) 絶対真理と思っていた『打倒巨人』の前提に揺らぎが生じ
 第3期(#38-#49) 揺らぎや萌芽が形となって壁内の人間同士の争いへと発展
 第3期(#50-#59) 明かされる世界の仕組み。壁内人類の災難はマーレ起因らしいことが判明
 第4期(#60-#75) 今ここ

そのままマーレを敵認定した組み立ても成立したでしょうがそうはしません。キャラ回をあっさり1話ちょっとで終わらせず、新キャラも順次投入し厚みを持たせていました。代表はガビ♀とファルコ♂の四月に嘘ついてそのうち神様になりそうな実力派声優コンビで息もぴったり。

 戦争は対峙する両者がそれぞれの正義を掲げ絶対的な善悪など存在しない

散々言われてきた使い古されたモチーフです。善悪二元論に傾かない最近の例で超絶ヒットした『鬼○の刃』でも鬼側の事情を丁寧に描くことに奏功してました。

そこに良い意味でえげつなく足を踏み込んでるのがこのFinalseasonではなかったでしょうか。単に相手側の事情説明に終わっていないのが良い。
対立してる二つの視点を擬似体験させる手法が徹底しているため、今目の前で繰り広げられてることや向けられるセリフ随所に〝かつての○○と同じ”フラッシュバックする場面わんさか。その意味ではガビ&ファルコはニコイチでかつてのエレンと見立ててました。死にたがり野郎成分多め「駆逐してやる」状態エレンを担当するのがガビ。その対極、勘はいいけど思慮浅めで戦士適正が低い落ちこぼれエレンなファルコ。


明かされていく伏線に唸るのももちろん楽しいですが、〝かつての○○”がいちいち刺さり、その最たる犠牲者!?ともいえるライナーが第1話(#60)声優紹介のトップを飾っていることがなによりのメッセージかと思われるFinal前半でした。
ただの知識でしかなかった善悪の曖昧さを疑似的に体験できる貴重な経験を得られるかと。文科省推薦にして夏休みの課題アニメにしたらいいと思います。
善悪に関する哲学的な思考。歴史観。各々の価値観次第でなにかしら引っかかるものがある傑作なことは言うまでもないでしょう。



※ネタバレ所感

■仕方なかったってやつだ

{netabare}「尊敬してたのに」とエレンを面罵するファルコ。昔同じこと言われたライナーの表情が蒼ざめる。
「友達だと思ってたのに」と姉の仇ガビに憎しみをぶつけるカヤ。そりゃそうなのです。

「人類を救うためです」シャーディス教官に答えた若き日のライナー。そう!人類を救うためなのよ。

パラディ視点で始まったこの物語は100年続いた安寧をマーレ側が破ったことが発端。抗戦の大義名分ありまくりです。
一方世界からみればパラディ(壁内エルディア人)は長年巨人使って残虐行為の限りを尽くしてきたわけで、それが辺境の島に残存戦力抱えて逃げ込んだ挙句〝地ならし”なんて切り札持ってる連中から「平和を望んでいる」と言われたところでそんなん信じられるか、ボケ!ってのは頷ける話です。

作者の性癖かもわからん。悉くブーメランがライナーに刺さるのが痛ましいのであります。
そして信じてたものが切り崩されてく絶望というものをガビとファルコが受け止めてくれました。おかげでガビの心がガビガビに…(自粛){/netabare}


■まあそう思っちゃうよね

ワルシャワのゲットー(跡地)をほっつき歩いた経験から、居住制限区域が対ユダヤ人のそれに見える。
{netabare}その前提に立つと、腕章での住民ラベリングやちょび髭の閣下風なあの人の登場だったりで、国家マーレにおけるマーレ人とエルディア人の関係はゲルマン人(アーリア人)とユダヤ人とのそれですわな。
密告社会だし、少年兵はヒ○ラーユーゲントだし、ヴィリーダイバーの真実の中に適度に嘘を散りばめた演説がゲッペ○スのそれにも見えるわけでして。

ドイツ人これ観てどう思うんだろ?{/netabare}


■そしてこんな風にも見えるよね

『山河燃ゆ』って大河ドラマをアメリカで放送した時、現地の日系人から猛烈に抗議を受けたそうな。どんな内容か?
{netabare}原作は山崎豊子の『二つの祖国』。その名の通り、大東亜戦争時の日系人の葛藤を描いた意欲作。
それで猛抗議する日系人の事情も配慮しないとですよね。アメリカ人として日本のことなど全く考えもしないという姿勢を見せないと移民国家では悲しいかな生きていけないのです。

被差別民族の忠誠心競争も、そんな彼らを地雷原や最前線に送り込むのもよくある話。
冒頭の戦役は203高地攻略っぽいし、エレン派のクーデターは二・二六事件になぞらえることも可能です。エルディア人=ジャパニーズ説。だいたい鎖国してる島国に列強が襲ってくる図式なんてまんまそれに見えなくもない。{/netabare}


ドイツにせよ日本にせよまたそれだけに限らず、歴史の表裏や機微を上手く表現してるからどの歴史にも代入できるんでしょう。外人さん政治/歴史大好きだから海外でウケるのには納得しますわ。

{netabare}始祖の巨人奪還作戦も示唆に富む気がします。始原への執着は宗教戦争に発展するわけで…
ユダヤ・キリスト・イスラムと聖地エルサレムを巡る三すくみの例は言うまでもなく、人類の始原をアーリア人(インドヨーロッパ語族)とすることで優秀なアーリア人とそれ以外はオマケと見做す選民思想に酔ったハーケンクロイツな面々なんかそうでしょう。これは麻薬にも似た誘惑があるのか、隣国からナンデモ起源説が無くなることもありません。

 優れた我々のルーツ

合理性とは異なる尺度で争いは始まります。2000年単位のエルサレム界隈では対処するための知恵を蓄積してますが、うしろ二つは歴史の長い文脈でいえばまだまだ若い。
始祖マンセーな歴史と最終兵器としての〝始祖の巨人”とでは厳密には話は異なりますが、〝ルーツ”を争いの元としてる点が一つのメッセージのように思えるのでした。{/netabare}



■オマケ

1.制作会社変更
私にはあまり違和感なく移行できてるように見えました。
{netabare}ただピークちゃんのデザインがなんとなく伊藤潤二氏の漫画に出てきそうな見た目だったのが残念。{/netabare}

2.道半ば
2021秋からスタートするクールで完結するらしい。。。
{netabare}まだまだどうなるかわからんですね。いったん地ならししないと収まらん気がします。エレンがミカサやアルミンら守るために偽悪を演じてる可能性も捨てきれず。それで次世代への継承みたいな感じでファルコやガビが新たな世界を歩んでいくような。いずれにせよエレンの未来は暗そう。{/netabare}

3.楽園
イタリア語でもう一つ。楽園を〝パラディソ(Paradiso)”言いますもんね。
{netabare}囲われた島パラディが楽園というのも皮肉が効いております。作中でも罪を犯したエルディア人にお注射ちっくんして島に置き去ることを『楽園送り』と称してるあたり、楽園は薔薇色ではないんですよね。{/netabare}


 地獄への道は善意で舗装されている

ポジティブさの裏に潜む地獄。作中用語であれば〝善意”を〝仕方なかった”に置き換えればよい。



視聴時期:2021年1月~4月 地上波リアタイ

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2021.05.07 初稿
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

業火に薪をくべる

原作、諫山創。

地下室で見つけたグリシャの手記。
エルディア帝国、パラディ島、マーレ、
九つの巨人、力の継承者たち。
エレンが辿り着いた海の向こう側、
いつ終わるとも知れない戦争が続き、
ここに物語の根幹が開示され始める。

原作者による英断であろうか、
ジーク、ライナー側からの描写を置いた。
大国マーレの現状と野望である。
物語を重厚なものへと発展させるには、
必要不可欠だと判断したのだろう。
いささか体感速度を落とすことになるが、
{netabare}始祖ユミルフリッツを知る事に意味はある。{/netabare}

双方向に、他民族を、
征服し浄化した歴史がある。
人の悪業を以て歴史は、
業火に焼き尽くされようとしている。

我々はどちらにしろ薪をくべる。

最終話視聴追記。
{netabare}マーレ潜入、混迷を極める戦場。
あまりにも大きすぎる幾多の犠牲に、
これが正しい選択なのかと揺らぎ始める。
運命と対峙し乗り越えなければならない。
救済とはいったい何であろうか!?
自身への揺らぎ、信仰、他者への信頼、{/netabare}
ここが描かれた最終章前半の物語でしょう。

いよいよ決断、断罪の時が迫る。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 39
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ただただすごい!

原作は昔1巻だけ読みましたがほぼ未読です。

3期(~59話)まではWIT STUDIO制作でしたが、今期はMAPPA制作に変わりました。
制作会社が変わると雰囲気などが変わる作品が多いので、大丈夫かなと心配しましたけど皆さんの評判が良いみたいなので、ちょっと期待しながら視聴を始めました。

これはすごい!
様々な謎の提示とそれが徐々に明らかになっていくところももちろん面白いんですが濃密な人間ドラマも丁寧に描かれていて、見終わった直後の感想は「ただただすごい!」でした。

いきなりマーレと連合国との戦争シーンから始まりちょっと面食らいますが、マーレとそこで生きるエルディア人を最初に丁寧に描くことで、それが後ですごく効いてきます。

今までずっと攻められていたパラディ島の人々が{netabare} ついにマーレを攻撃する{/netabare}展開は、3期までしか見ていないのならカタルシスを得られる展開かもしれませんでしたが、前記のとおりマーレでの人々を丁寧に描くことでもっと深みのあるドラマになっていると感じました。

エリンがライナーに語った「お前と同じだよ」という言葉が重いです。

そして67話。悲しすぎる。
サシャも、 {netabare}ライフルを撃った{/netabare}ガビも・・
70話で{netabare}逃げたガビたちを迎えてくれた一家がサシャの実家だったという展開、そしてマーレから来たと知りながらも友達になってくれたサシャの妹のカヤが、サシャを殺したのがガビだと知ったとたん、憎しみの表情を浮かべてガビを殺そうとする {/netabare}展開など、色々と考えてしまう目の離せない展開が続き、そしてやるせない気持ちになりました。

ほかにも、{netabare}ジークの裏切り、そしてエレンの離反と、{/netabare}先の読めない展開が続いてあっという間の75話。
名作だと思います。

続きのFinalパート2が今冬予定ということですが、今からとても楽しみです!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

71.0 10 怖いアニメランキング10位
うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (360)
1503人が棚に入れました
若くして頭角を現し、その名を知られる凄腕冒険者の青年「デイル」。とある依頼で深い森へと足を踏み入れた彼は、ガリガリにやせ細った幼い魔人族の少女「ラティナ」と出会う。片角を折られ罪人の烙印を押されたラティナをそのまま放置できず、保護者になることを決意したデイルだったが――「ラティナが可愛すぎて、仕事に行きたくない」――気づけばすっかり親バカ全開に!?

声優・キャラクター
高尾奏音、岡本信彦、小山剛志、沼倉愛美、桑原由気、高野麻里佳、田村睦心、広瀬ゆうき、福原かつみ、井上雄貴、福緒唯、芝原チヤコ、関俊彦、中村桜、米内佑希、井澤詩織

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

笑顔が止まらないホームアニメ

このアニメは心がほのぼのとなります。
ラティナの笑顔が可愛くて可愛くて、すごく癒されます。

18歳の凄腕冒険家デイルは、ある日、森の中で魔人族の女の子ラティナに出会います。
ラティナの父親(?)は森の中で死んでおり、ラティナは独りぼっちでした。
孤独な幼子をほおっておくことができないデイルは、ラティナに食べ物を与えて町に連れて帰り、面倒を見るようになります。
デイルが下宿している居酒屋の夫婦も、ラティナのことを大切にしてくれます。

そしてこの居酒屋は、怖い面相の荒くれ男たちがたくさん出入りしていますが、その荒くれ男たちも、ラティナに優しくしてくれます。ラティナの前では、ただの優しいおじさんに変わるのです。
そのギャップがとてもほのぼのします。
まるでホームアニメのようです。

ラティナは賢い子です。デイルがいない間、ラティナは居酒屋のお手伝いを自発的にします。自分が置かれている立場を幼いながら理解しているようです。
そしてラティナがけなげに店のお手伝いをする様子が、大変愛らしくて癒されます。


ラティナの笑顔を見て、私は、我が子が赤ちゃんのときに見せた笑顔を思い出しました。
どんなにつらいことがあっても、この笑顔のためならば、我慢できる。
そう思わせてくれる笑顔です。


ラティナのためならば、デイルは本当に魔王でも倒せるかもしれません。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 43
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

娘に抱く感情は、限りなく恋愛感情に近い。 by小栗旬

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
なろう系作品ながら、意外や意外、好印象をもちました(笑)

もちろん、「意外と」というレベルなので、絶賛するわけではないのですが。

基本的には、幼女を愛でるアニメながら、エロい描写が皆無なので、ちゃんと完走できました。ストーリー的には、(あれば)2期の方が面白くなりそうなので、やや期待してます♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
レビュタイですが、この間、なんかのテレビ番組で言っていました。小栗旬さんが言えば、不思議とそんなにキモく感じないという、、、まあ、世の中、そんなもんです。何を言うかより、誰が言うか(笑)

私は未婚なので当然娘もいません。だから、実感としては分かりませんが、ニュアンスとしては少しわかる気もします。だって、娘がいる友達と飲んでると、ほぼ恋バナしているテンションでしゃべってきますもん、ウザいくらい(笑)

本作は、完全に「ラディナを愛でる」アニメであり、それ以外の楽しみ方はどうにも思い浮かびません。

これでエロ要素があれば、☆1にしてやるんですが、それがなかったのが良かったです。ラティナはデイルに対し(淡い)恋愛感情を抱いていますが、デイルは、ギリギリの範囲で親愛、親バカ。

小栗さんの言葉じゃないけど、「限りなく近い」とは、裏を返すと「でも確実に違う」わけで。そこのラインをちゃんと守っていました。

でもまあ、親バカ溺愛ネタしかないなら飽きてしまうものの、出生の秘密や種族差別、寿命の違いによる悲恋を匂わせてくるあたり、要素の広げ方として上手かったと思います。特に4話と12話は良かった。

なろう系なのに、デイルはそこまでチート無双してないな、、、と思っていたら、なるほど、ラティナがチート無双してたわけですね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
異世界、子育てにアニメ? エロ系にいかないなら、まあ観られるかな。街で1、2を争うって設定は、必要かな?

2話目 ☆3
1週間でこの語学力は凄いな~。ストーリー的には、特に見処はないかな。あまりに優しい世界は、退屈なんだよな。

3話目 ☆3
すっかり、親バカ(笑) 一応、凄腕の冒険者だもんな。仲間にするかと思ったら、あっさり切り殺したな。ラティナの関係者かな? 作画の崩れは気になるな。

4話目 ☆4
種族差別にではなく、寿命の違いに絶望するのが、深い。八つ当たり、という正直な部分がね。個人的には、聖人君子より好きだけど、仕返しがな~。他所の町にとばすくらいの方が良い気がする。音痴の明るいオチも良い。

5話目 ☆3
勉強も良いけど、大人になってやりたい時に出来るから、今は目の前のことをやりたい。だって私は魔族だから、という言葉の悲しさ、また、その言葉を言えるようになったラティナの成長に感動した。

6話目 ☆4
ほっこりほのぼの、良い話だな~。

7話目 ☆3
冒険というより、旅って感じがいいな。魔王の話は興味深かった。

8話目 ☆3
ラティナの幼さをよく出したって感じだな。

9話目 ☆3
結婚式。まあ、普通に良い話。

10話目 ☆3
別れ。まあ、普通に良い話。

11話目 ☆3
折れた角をペンダントにして肌身離さずって、ちょっと怖くないか? だって、爪とか歯みたいに、元は身体の一部なんでしょ? ルディのやらかし(笑) みんなの娘な。うらやまけしからん(笑)

12話目 ☆4
最終話。らしい展開。ラティナの焼きもちが可愛らしかった♪ 最後、挿入歌が良い感じ。きっと、リタの子供を、将来、ラティナが面倒みるんだろうな。こうして、長い寿命を繋いでいく。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

こちらのアクセラレータさんも女児にはメロメロです(笑)

原作未読。最終話まで視聴。

ただただひたすら、ラティナを愛でる作品。
それ以上でもそれ以下でもない(笑)。

「こちらのアクセラレータさん」ことデイル(CV岡本信彦さん)もメロメロ。
ジルさんをはじめ、踊る虎猫亭の常連たちもメロメロ。
登場人物の多くがメロメロになっちゃうラティナの魅力満載な作品。



以前から言ってますけど、私はロリコンではありませんからね!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

72.4 11 怖いアニメランキング11位
はたらく細胞BLACK(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (319)
1203人が棚に入れました
毎日せっせと体中に酸素を運ぶ、新米赤血球。しかし彼の職場(世界)の労働環境は、徹底的にブラック――!!飲酒、喫煙、ストレス、睡眠不足……不健康の総合商社のような世界で、過重労働の末に細胞たちは何を思うのか?これは、あなたの体の物語――。

声優・キャラクター
榎木淳弥、KENN、日笠陽子、Lynn、内山夕実、鳴海崇志、久保ユリカ、椎名へきる、ブリドカットセーラ恵美、平川大輔、津田健次郎

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

不健康な生活、やめますか? それとも人間、やめますか?

今日から不健康な習慣やめよ・・・
きっと誰もがこんな感想を持つアニメ

後半ちょっとマンネリ感がでてきたけどかなりオススメ。面白いです
ある意味どんなホラーアニメよりも怖い
身体の仕組みに詳しくなるし、身体に気を遣うことの大切さをわかりやすく教えてくれる良い教育アニメですねー!

身体の状況が本編と比べて劣悪なため、細胞たちの雰囲気もかなりサツバツとしています
でもはたらく細胞の魅力はそのままに、違ったテイストで特に自分の健康に不安がある人にとっては身近な題材で、本編よりも楽しめる人も多いかも?

たぶん、タバコ、ダメ、ゼッタイ!とかそういうポスターを見せるよりよほどこのアニメのほうが効果あると思う

私は人間やめたくないので、健康に気を付けます!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

BLACK de 連想

あらかじめお断りしときます。筆が進みません(当社基準)。

ナレーションが能登麻美子さんから津田健次郎さんへ
赤血球が女子から男子へ…ざーさん出てきません
逆に白血球は女子へと変貌

別の体だからという理由でした。『はたらく細胞』スピンオフ作品です。
“BLACK”といえば富山のご当地醤油ラーメンが真っ先に思い浮かぶ私ではありますが、こちらの作品はおそらくブラック企業の“BLACK”を念頭に置いてます。
不摂生だったり、過度のストレス下にあると身体にガタがくると言われてますけど、それを見える化しちゃったぞな全13話。よって“WHITE”な世界からは想像つかないくらい酷使されてる細胞さん達とのお付き合い。ラインナップはこちら↓


 {netabare}第1話 喫煙、細菌、終わりの始まり。
 第2話 肝臓、アルコール、誇り。
 第3話 興奮、膨張、虚無。
 第4話 最前線、淋菌、葛藤。
 第5話 過重労働、脱毛、錯乱。
 第6話 腎臓、尿路結石、涙。
 第7話 カフェイン、誘惑、嫉妬。
 第8話 ふくらはぎ、肺血栓、機転。
 第9話 異変、水虫、働く意味。
 第10話 胃潰瘍、友情、喪失。
 第11話 自暴自棄、痛風、反乱。
 第12話 復帰、心臓、終焉。
 第13話 心筋梗塞、蘇生、変化。{/netabare}


正直な話
真面目な話
いやいや変な話ぃ

これまで観てきた「やれ鬱アニメだ」「胸糞展開だ」「グロ注意!」などの作品群なんて鼻で笑っちゃうくらい陰鬱とした気分になりました(自分基準)。何話か観ていたたまれなくなって視聴ストップしたのは私史上初です。
理由は明快。宿主と自分がそう変わらず実際死にかけたから。そもそも真っ先に醤油ラーメンを想像してしまう自分の浅はかさを省みて自己嫌悪に陥るのです。
だがしかし作品は悪くありませんよ。人相悪めの血小板ちゃんが悪態ついてたり、過酷な環境だと人心が荒廃してくる様子なんか元々の『はたらく細胞』との良い対比になってます。
“人間(細胞)は環境の生き物”だなぁってのが良くわかる良品でした。



※一言

生活習慣変わるよね、マジで



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ

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2021.04.29 初稿
2022.01.16 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

本作を視て我が振り直そうか

<2021/1/20 初投稿>
原作未読。
1、2話視たときは「面白いんだけど自分の不摂生を顧みて暗い気分になってしまいそう」で素直に楽しめなかったのですが。

第3、4話は神回 笑。

<2021/3/21 追記>
全話見終えました。
面白いんですけど、やはり見てて心痛くなるところ多数 笑。

自分は昨年の正月にタバコやめて。
昨年秋頃から体調に不安を感じて
以前は毎日飲んでいたお酒を、かなり減らし。
ダイエットandウォーキングandプチ筋トレを毎日。
食べ物や睡眠にも気を使い始めました。

おかげさまでかなり体調良くなってきましたが、それでも本作見ると心にグサッときますね。
幸い水虫、痛風、毛髪は大丈夫そうなんですが。

やっぱ健康って大事だわ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33

66.6 12 怖いアニメランキング12位
裏世界ピクニック(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (293)
915人が棚に入れました
「くねくね」「八尺様」「きさらぎ駅」……。実話怪談として語られる危険な存在が出現する〈裏世界〉。そこは、現実と隣合わせで、謎だらけの世界。紙越空魚(かみこし そらを)は廃屋内の扉から〈裏世界〉を発見し、そこで仁科鳥子(にしな とりこ)と出会う。この出会いが空魚の人生を一変させる。鳥子は空魚に〈裏世界〉の探索の協力を依頼する。彼女は〈裏世界〉で行方不明になった「冴月」という女性を探していた。探検と研究、そしてお金稼ぎのため、空魚は鳥子と行動をともにする。非日常へ足を踏み入れた二人は様々な怪異と遭遇し、危険なサバイバルが始まる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、茅野愛衣、日高里菜、富田美憂

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

小さな自殺

アニメーション制作:LIDENFILMS×FelixFilm、
キャラクター原案:shirakaba、
監督・シリーズ構成:佐藤卓哉、
キャラクターデザイン・総作画監督:西畑あゆみ、
音楽:渡辺剛、原作:宮澤伊織

ストルガツキー兄弟の原作で
タルコフスキー監督が映画化した『ストーカー』。
現実世界に異世界である「ゾーン」が現出し、
そこには願いの叶う部屋があるという。
探検者たちは、道先案内人である「ストーカー」とともに
部屋を目指して異世界を探索する。
計算されつくされた構図と異様な雰囲気の絵作り。
そして信仰や哲学的思考によって全編が構成され、
名作の1本とされる作品だ。
原作の直訳が『路傍のピクニック』で、
アニメはここからタイトルを考案したという。

主人公の紙越空魚(かみこし そらを)は、
ネットで流布されている都市伝説・ネットロアを
調べることを趣味のひとつとしていた。
偶然に裏世界に通じる場所を発見し、
散策していたとき、仁科鳥子と出会い、
一緒に冒険をすることになる。
裏世界で怪異に接したことが原因で、
空魚は普通では見えないものを
右目で見ることができるようになり、
グリッチと呼ばれる危険ポイントを回避したり、
怪異を認識して攻撃することができるようになる。
鳥子は行方不明になった友人を探すために
裏世界を訪れるようになった。
怪異をさわった影響で左手が透明になり、
裏世界のものを掴める能力を手に入れたのだった。

視聴前の段階での期待値が高かった作品。
実際に流布しているネットロアを題材にしているという
設定が面白そうだし、やり方によっては、
どんな内容にもなる懐の深さがあるように感じた。
タルコフスキーとはいかなくても、
深掘りするにはもってこいの題材だ。

ところが1話目の段階から全ての面で低空飛行。
途中断念する人が続出した。
個人的には題材が好みだったので、
最後まで観続けたが、断念する人が多いのも納得。

原因のひとつはキャラクターのことがほとんど分からないこと。
最終回まで観ると、ようやくふたりの行動原理が
朧気ながら見えてくるのだが、「死亡」する可能性すらある
裏世界に好んで入り込む理由付けが致命的に足りない。
観ていると誰しもが「なんで、こいつら異世界に行くの?」と
いう疑問が常について回るので、物語に集中できない。
キャラの背景描写についても中途半端で、
ふたりに友達がいないことは分かるが、
それ以外の情報はほとんど提示されない。
ふたりが友情(愛情?)を育むところにも
入り込むことができないのだ。

そして重要な部分である怪異の描写が
全く恐くない。これは敢えてそういう方向性で
デザインしているかもしれないが、あまりにも微妙。
恐くない怪異のデザインはいいとしても、
それでは、一体どういう方向で作ったのかというのが
全く見えてこない。適当なデザインにしか見えないのは、
作品における失敗だろう。
怪談話をネットにつなげ、
そこから裏世界という場所を考案したお話として、
設定の魅力が活かされていない。
全話鑑賞した感想としては、
「何がやりたかったのか分からない」ということだった。

裏世界の不思議なところで、怪異と会って、
それを退治していくストーリーだが、
メインのネタともいえる閏間(うるま)冴月の行方の調査が
全く何も進展していないのもどうかと思うし、
追加キャラの瀬戸茜理についてもメインの物語と
ほとんど関係してこず、機能していない。
きさらぎ駅米軍救出作戦などは、
最初から最後まで疑問符だらけだった。
米軍にも怪異にも殺される二重の危険があったわけだが…

酷評ばかりしてきたが、
ひとつ、この作品で良さそうだと感じたのは、
空魚と鳥子の関係性だ。
ふたりともが孤独で、現実世界の何かから
逃れるようにして裏世界に好んで入り込む。
ずっと観ていると、それはまるで繰り返される
小さな自殺のようだ。
キャラクターの態度にそんな悲壮感はないが、
ふたりが出会ったからこそ、まだ生きているという
絶望感のなかの「救い」のようなものが漂っている。
そこを上手く拾い上げることができたなら、
もう少し面白くなるような気がする。
それと、OP、EDともに好み。
DLしてよく聴いている。

ピクニックという軽い響きのなかで
怪異や人の心に巣食う恐怖、百合を表現した作品。
しかし、目指したものが
途中で霧散してしまったように感じる。
(2021年3月27日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

女子大生コンビが「裏世界」に足を踏み入れるホラーSFエンターテインメント百合作品(アニメ化としてはやや微妙)

原作は早川文庫JAから刊行で、現在第5巻まで刊行済みです。原作付きのアニメ化作品の中で、私が2021年冬クールの新作で最も期待しているのが本作です。

たまたま「裏世界」で遭遇して以来、「生命の危機」を互いに助け合って乗り切る、紙越空魚(かみこし そらを)と仁科鳥子の女子大生コンビによる冒険活劇物です。

昔なら人づての噂話として伝わり、現代では「ネットロア」などと呼ばれるネット上でも語り継がれる実話怪談によるホラー要素や、タルコフスキー監督によって映画化された『ストーカー』などのSF作品リスペクト、原作者が『そいねドリーマー』などでも取り組んでいる「百合」要素、そして作中で扱われる銃器などのミリタリー要素といった属性満載のエンターテインメント作品です。

どのような映像化がされるのか、期待が止みません。今夜1/4深夜、いよいよ放送開始!

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1話「くねくねハンティング」では、エピソードの内容的にも今後の戦闘シーンのアクションがどのくらいのレベルに描かれるかは判断がつきにくいですね。

用語規制をクリアするのに、キャスト自らに「ピー」って言わせるのは面白い演出だと思いました。まあ、この場合円盤などの商品でもそのままになるのは自明ですけどね…。

OPに市川夏妃(いちかわ なつみ)がいますし、話の区切りを考えるとおそらく原作3巻当たりまではアニメ化されそうです。ファイル11の映像化がされるなら楽しみです!

※そういえば、瀬戸茜理(せと あかり)がOPだけじゃなく空魚の大学の学食にもいましたね!
== [第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.1.12追記:
第2話まで視聴終了。

第三のメインキャラ、小桜さんが登場ですね。基本的に自宅に引き籠っていますが外出できないというほどでもない、そして登場キャラの中では比較的常識人な彼女が鳥子と空魚に振り回される様が見物です。

お金のやり取りの場面は「裏世界」というよりは少し「裏社会」風味…(笑)。

余談: Cパートの打ち上げは第1話と同じ居酒屋だったようなんですが、原作で打ち上げが居酒屋じゃない回のときに場所はちゃんと居酒屋以外に変わるんでしょうか…?

2021.1.19追記:
第3話まで視聴終了。

原作者の宮澤伊織先生によるアニメオリジナル脚本回でした。原作では第2話のエピソードのすぐ後にくるはずだったエピソードは第4話以降に先送りになるんでしょうか?

宮沢伊織先生ご本人のtweetによると「原作ではもう入れる隙間のないエピソード、初期の空魚鳥子の空気感を思い出しながら書きました」ということでしたので、この時点での二人の関係性の掘り下げ回ということだと理解しています。

原作本編では内心の描写がされるのは空魚ばかりで鳥子の内面描写はないんですけど、アニメもこれは変更しないみたいですね。内面描写は第1、2話と比べると多めだった気はしています。

2021.3.7追記:
エピソード順変更以外に10話もサブタイトルからするとアニメオリジナル回がありますね。

原作だとわかっていることなんですが、アニメ版で在日米軍はどうなってしまったんだろう…?

2021.3.29追記:
第12話(最終話)まで視聴終了していましたが、レビュー更新が遅れていました。懸念された在日米軍問題は一応の解決を見たので、それは良かったです。

製作委員会の名称として「DS研」がクレジットされていたのですが、本編中でDS研は最後まで名前すら出てくることはなかったので残念です。

アニメで興味を持ってから原作ないしはコミカライズ版に流れてくるのであればあまり違和感はないのかもしれませんが、逆だと単にエピソードがカットされている以上の違和感があるだろうと思います。

ただ、キャスティング自体は良かったんじゃないかと思います。アニメ化された小桜さんは可愛かったです。

「まだかな~。空魚ちゃん、まだかな~…。」

投稿 : 2024/05/11
♥ : 39
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

不思議

<2021/1/5 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。

原作はラノベでしょうか
第一話見終えての感想は「不思議」

裏世界に紛れ込んだうら若き女子二人の「{netabare}命懸けのプチ冒険譚{/netabare}」
だからピクニック。

裏世界と言ってもカタギじゃない人の世界ではありません。
と言ってもカタギの人もどうもいないようです。

そこは現実世界の{netabare}裏側にある、都市伝説が具現化してる{/netabare}世界、ってことなんでしょうか。
そこら辺はまだよくわからない。
これから少しづつ紐解かれていくのでしょう。

で、何が不思議かというと。
「裏世界が不思議」とかではなく
なんというか。
その。
雰囲気?
微妙にズレてるというか。

主人公たちの掛け合いとか
第一話登場の「くねくね」のクネクネっぷりとか
キャラ造形とか
物語の作りそのものとか
それらが、ラノベ原作とも、漫画原作とも、たまにあるオリジナルアニメとも妙に異なる。
なんか古いSFジュブナイル小説の匂いがするような。

1話見ただけなのでまだわかんないですけどね。

<2021/3/23 追記>
見終わったよ。

点数つけるの難しいっすね。
特別良いところも、特別悪いところもあまり思いつかない。
かといって平凡でもない。

話が意味わからんところ多々ありますが。
でも昔のジュブナイル小説にはそういう何がしたいのかよくわかんないの結構あったし。
大昔の「や・お・い」、つまり「ヤマ無し・オチ無し・意味無し」と呼ばれるスタイルの作品なのかな。

百合っぽい雰囲気はちょっとマイナスですかね。
酒飲める年齢でこの「友達以上恋人未満な百合関係」はちょっと違和感。
しっかり・はっきり・がっつり現実的なレズビアンなら物語として面白味が増したかもですがどうでしょう。
百合ものが得意なわけではないので適当な感想ですが。

でも総じて空気感は好み。
決してホラーではなく「非日常を楽しむ日常もの」
ピクニックですし。

自分はハマるというほどではないけど、なんとなく毎週楽しめました。
なのでこの点数です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33

63.7 13 怖いアニメランキング13位
笑ゥせぇるすまんNEW(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (181)
632人が棚に入れました
私の名は喪黒福造、人呼んで笑ゥせぇるすまん。ただのセールスマンじゃございません。私の取り扱う品物は心、人間の心でございます。ホーホッホッ…。この世は老いも若きも男も女も、心のさみしい人ばかり、そんな皆さんの心のスキマをお埋め致します。いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたらそれが何よりの報酬でございます。さて、今日のお客様は一体どんな人なんでしょうねェ…ホーッホッホッホッ・・・」これはあなたにも起こるかもしれない物語。「ドーーン‼︎」

声優・キャラクター
玄田哲章、江口拓也、阿澄佳奈、関俊彦、斉藤壮馬、宮田幸季、金谷ヒデユキ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

私はこれで会社を辞めました

1989年、昭和から平成へ。

未曽有のバブル景気、
X'mas EXPRESS'が素敵な恋を運ぶ。
ジングルベルを鳴らすのは帰ってくるあなたです。
クリスマスイブのCMに切なくて泣く。

セナもプロストもいるマクラーレン。
初代「笑ゥせぇるすまん」は、
そんなバブリーに浮かれた時代だったからこそ、
意味があったような気がします。

あなたの「心の隙間」お埋めします。
オーッホッホッホッホッ!
欲に溺れ、欲に転んだ人々を笑い飛ばし、
人間の本質である弱さや愚かさを描く、
ブラックコメディの秀作でしょう。

ネットインフラが進むに連れ、
ここで描かれている世界を知ってしまった。
自分自身が苦い経験をした人もいるでしょう。
やはりインパクトは薄くなった気がします。
ただ時代は変われど人の本質は変わりません。
安定した娯楽作品でもあります。

エンディングテーマは高田純次、
高田純次VSオスマンサンコン死ぬ程笑った。
当時は早朝バズーカが最高でしたね。

ご利用は計画的に。
ドーン!!!されちゃいますよ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 57

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

昔ながらの中華そば

あえて言うなら、「昔ながらの中華そば」みたいな作品。
時代が変わっても同じ味。たまに食べたくなる。
この作品も同じ、時代が変わっても同じ面白さ。たまに見たくなる。

でも毎週は見たくない。A/Bパートで別の話をする2話構成なので、おなか一杯になるのが早いのか?昔ながらの中華そばも毎週二杯も食べれば流石に飽きてくる。オチは買い手側の破滅とわかっているのも変化が無い。サザエさんを毎週見たいとは思わないように、たまに見るのが一番いいのかもしれない。

また、現代に生きる私達は最新の重層な味のラーメンも食べているので、シンプルな味では物足りないところがある。キャラクターデザインは、喪黒にあわせるために仕方なかった部分もあるが、時代遅れ感があるため、初見で見たときは少し抵抗を感じた。舌がこなれたという言葉を言い換えて、目がこなれてしまったように思えた。

しかし、時代に取り残された中華そば屋も、最新のラーメンに負けまいと、惜しみない努力をしている。時代背景を現代社会にあわせ、声優も比較的若い人も使っていき、OPはオシャレに作りこみ若い人にも受けが良い。いわば付け合せの部分は時代に合わせ変化をつけている。

しかし本質の部分は変える必要が無い。ベースとなる部分は人間の普遍的な欲求や不安を題材としている。ベースということはスープだろうか?時代が変わっても人間の欲求は変わらないということをこの作品は教えてくれる。昔ながらの中華そば屋が今でも残っているのはそういうことかもしれない。

人間の大罪につけ込むセールスマン喪黒は、スープを絡み取る麺としよう。この麺、中華そばの癖によくスープを絡みとる。人間の欲求をさらに増幅させ、破滅に追い込む。いつのまにかスープがなくなっているのだ(?)


喪黒が自分の周りに突如現れるのが容易に想像できる。また、喪黒自身については私は苦手だ。それは現代社会に設定を変え、人間の本質的な欲求や業の部分に共感を覚えてさせていることに成功しているからだろう。私の中のそれくらいいいじゃないかという気持ちが喪黒を嫌いにさせるが、その気持ちがある以上、簡単に喪黒につけ込まれてしまうだろう。

時代が変わって変えていく所は変えるが本質的な部分は変わらない味を残している、再構成された作品としては良いクオリティだと感じている。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26
ネタバレ

ココ吉 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ココロの隙間とリセイの狭間

原作漫画既読 ◆ 全12話 ◆ シンエイ動画制作
(各話、Aパート·Bパートのオムニバス形式)


視聴のきっかけは懐かしさからくるものでした。
子供の頃、レンタルビデオ屋で旧作を
よく親に借りてもらったなー、なんて。
幼いながら観ていて妙に背徳感を覚える作品で好きだったのですよw

旧作の喪黒福造役である故 大平透さんの指名を受けてNEWの喪黒福造は玄田哲章さんですかそうですか。

ベテラン声優である玄田さんの個人的イメージは
シュワちゃんの吹き替えとシティーハンターの海坊主の中の人っていう、野太い声で強いキャラ役というのがあったのですが、喪黒福造の怪し気でねっとりした喋り方も意外に合っていました。
(各エピソードに出演している声優さんも何気に豪華)


喪黒福造といえば...
{netabare}
■目をつけたお客に強引セールス
(お客様が不審がっても絶対へこたれたりしないんだからねっ!)
     ↓ ↓ ↓
■お客へのストーキング&自宅スネーク
(どこへだってついて行っちゃんだからー(棒)
     ↓ ↓ ↓
■お客の要望や夢を一時的に叶える
(いいえ、お金は一銭もいただきません(ニッコリ)
     ↓ ↓ ↓
■お客が調子に乗ってハメをはずす
(キタキタキターーーーーッ!(hshs)
     ↓ ↓ ↓
■ドーーーン!!でお客を堕として破滅させる
(気持ちE♡)
     ↓ ↓ ↓
■オーホッホッホ!と高笑いでシメ
(賢者タイム突入~(何よりの報酬)

とまぁ、だいたいこんな感じのロジック。

たしか、原作のキャラ設定が"人間ではない存在"という死神や悪魔みたいな恐ろしい奴です。
基本的にお客の自業自得で彼に堕とされ、破滅の一途をたどるのがデフォなのですが、中には不条理かつ、理不尽極まりないドーーン!で堕とす意味不明なエピソードも存在します。
※12話Bパートの「ニッポン海外旅行」なんてガチ詐欺師w

旧作ではいくつか救いのあるエピソードがあるので
新作でもバッドエンド回ばかりでなく、どうせなら意外性にとんだ救いのある回を観てみたかったのが本音です。


作画は旧作の劇画調タッチを抑えて、今作ではかなりスッキリさせつつ、スマホやPCなど現代の電子機器が登場したアニメオリジナル回もあって現代風に少しアレンジした印象。

流行り廃りがある世の中で、昔ヒットしたこの作品が現代のアニメで再び通用できるのは、きっと、老いも若きも男も女も人間が抱える悩みや欲望が昔も今も変わらず普遍的なものだからなのでしょう。

そして、このあたりが藤子不二雄A先生が伝えたい事なのかな、と思っています(ココ吉主観)

{/netabare}

◆OP曲「Don't」歌:NakamuraEmi

歌詞は作品内容にマッチしていますが
曲調に関してはHIPHOPとJAZZをミックスさせた感じで作品イメージには少々ミスマッチ感が否めなかったです。
(OP画も相まって、なんちゅうかお洒落すぎる)


◆ED曲「ドーン!やられちゃった節」歌:高田純次

THE·適当男こと高田純次さんがテキトーに歌ってますw



◆最後に超余談◆
{netabare}
人間には108つの煩悩があると言われています。

人間生きてりゃ色々あります。
煩悩にまみれて四苦八苦する事が多々あります。

4×9=36  8×9=72  36+72=108
(四苦)   (八苦)   (煩悩の数)

と、いうのは置いていてw

今回は、煩悩の中で七つの大罪にもいくつか数えられている「欲」というヤツのお話を少し。

欲といえば
食欲や睡眠欲、性欲などの生理的欲求。
名誉欲や自己顕示欲などの承認欲求。
他にも社会的欲求や自己実現欲求、萌欲の豚的欲求などなど、言い出したらキリがないぐらいあります。


本作の「笑ゥせぇるすまんNEW」でも自らの欲望や誘惑に負けず、最後まで自分の理性を保てるかどうかってのがキーワードだったりしますよね。

まぁ、正直無理ゲーなんですよ。
人は理性を保とうとしつつも生きている限り、何かしら欲望の実現の為に行動するものなんだから。

欲を出しちゃいかんって諺の1つに誰でも一度は耳にした事がある「二兎を追うものは一兎をも得ず」という故事ことわざがありますが、僕は正直、子供の頃からこの諺があまり好きではありませんでした。


というのも...


何故、二兎を得ようと知恵を振り絞る努力をする事を諦めてしまうのか?

何故、二兎どころか三兎、四兎を狩れるぐらいの
俺TUEEEEな才能溢れる持ち主の出現を最初から否定するのか? 、、と。


どうせならなー・・・

「二兎を追うものはバニーガールさん達に叱られるぞ! ぴょん♪」ぐらい気の利いた可愛らしい言い回しをしてみろやー(棒) なんて。。。

とまぁ、こんな風に少々自分は、天の邪鬼的思考で物事を考えてしまうのです。


だってですよ?

できる事なら、沢山のチャンスをモノにできる人生の方がきっと素敵ングじゃないでしょうかねぇ、、??


それに、時に欲望というヤツは人を成長させる起爆剤にもなると思ってみたり。


ぼかぁ、たっくさんのバニーガールさん達と・・・
いっぱーいおっぱーいぼくげんきー(禁則事項)


おっと! いけませんね。。


これからもあにこれで常識と倫理観をふまえつつ、
オトナゲあるレビューを書いていきたいので
これぐらいにしておきます。



・・・オトナ気・・・? 

・・・オトナ毛・・・?



どちらもちゃ~んと持ち合わせているのでご安心を!



最後までお読み頂き
ありがとうございました。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22

62.8 14 怖いアニメランキング14位
アシュラ(アニメ映画)

2012年9月29日
★★★★☆ 3.6 (155)
576人が棚に入れました
15世紀中期、相次ぐ洪水、旱魃(かんばつ)、飢饉で荒野と化した京都。
それに追い打ちをかけるように始まった日本史上最大の内戦・応仁の乱。その死者数・行方不明者はあまりに膨大で、歴史のページには刻むこともできなかった。こんな時代に産み落とされたアシュラは、ケダモノとしてサバイバルを続けながら生き抜いていく。
 そんな時一人の少女・若狭の優しさと愛、そして法師の教えに触れ、アシュラは次第に人間性を備えていく。
言葉を覚え、笑い、喜ぶ日々。しかしそれは苦しみと悲しみの始まりでもあった。やがて天災と貧困が起こり、人間性を失っていく人々。ついには若狭さえも……。
果たしてアシュラの運命は?

声優・キャラクター
野沢雅子、北大路欣也、林原めぐみ、玄田哲章、平田広明、島田敏、山像かおり、山口勝平、水島裕

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

眼を、そむけるな

以下はwikiの引用になります。

平安時代末期、飢饉によって屍が累々と横たわり、
ある者達は人を殺して人肉を貪り食らっていた。
その一人である妊娠した狂女は、やがて赤ん坊を産み落とす。
狂女は「アシュラ」と名付けたその子を可愛がるが、
やがて空腹に耐えかね焼いて食おうとする。
その時、落雷によってアシュラは川に押し流され、
岸に辿り着くも誰にも育てられないまま獣同然に生き抜く。

----------------------引用ここまで-------------------------

生まれながらにして悲しい宿命を背負ったアシュラの話です。
久々にダークでエグみがあって人間の醜さ、美しさ、優しさ、汚さを
75分という時間に閉じ込めた事
生きる美しささえ感じさせるのは見事なものだと。

映像不可と言われた問題作ですが素晴らしいです。
カニバリズム描写も入ってる為
この手のお話が苦手な方にはおすすめできませんが
出来れば一度見て欲しい。

胸に詰まる思いと言いますか
色んな人の気持ちがわかるぶん哀しみ辛さもひとしお。
10代の頃に見ていたら確実に号泣していたでしょうね。

原作はジョージ秋山先生。銭ゲバってドラマが有名かな。
監督はタイバニのさとうけいいち。
いくつかの受賞も納得の出来。

何故嫌われるかも怒られるかもわからないであろうアシュラ。
心の底のずっと奥にある優しさを見た時
愛おしいと感じました。

あなたはこの状況で「ひとでなし」でなく人間でいられますか?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ダークな情景とカニバリズムの中に確かに感じる“生きること”へのメッセージ・・・今こそ『まどマギ』以上の絶望へと目を向けよ

原作は1970年の週間少年マガジンにて連載されていたジョージ秋山先生のマンガ
その残酷な描写から有害図書指定され、当時は社会問題にまで発展したそうな曰く付きの問題作


というのも、物語のプロローグとなるのは大飢饉に見舞われた平安時代の京都
腹に子を宿しながらも貧困に喘ぐ妊婦が一人・・・
妊婦の周りでは飢えへの苦しみから、人を殺してその肉を食すことを覚えてしまった狂者が出る程の始末
いつしか妊婦も辺りに平然と転がる死体を喰らうことを意識しはじめる
やがて子は産み落とされ、一時は母性を目覚めさせるものの、飢えはすぐに女の理性を歪ませる
そしてとうとう我が子の肉を食さんと、焚き火の中に赤ん坊を投げつけてしまう・・・


このショッキングな幕開け、そりゃ問題作にもなるわな;


やがて顔の焼け爛れたその赤ん坊は、親の手も無しに育ち、人語も解さず、人を襲ってはその肉を喰らう、、、というまさに【ケダモノ】として生きていた・・・


さてさて、この物語の魅力はいよいよここからなんです
だいぶ原作とは異なる部分も多いようですが、この作品には強く“生きろ”というメッセージが込められているんです


【ケモノのような子】はある日に一人の屈強な法師と出会い命を救われ、『アシュラ』と名付けられます
しかしまだ満足に言葉も話せず、暴力を振るうことでしか感情を表現出来ないアシュラ
怒りに任せた結果、偶然にも地頭の息子を殺してしまうのです
追われる身となったアシュラを匿ったのは、貧しいながらにも慈愛に満ちた『若狭』という少女でした
法師から教わった道徳、若狭と触れて学んだ優しさ、、、やがて人間として感情豊かになっていくアシュラ
しかしそんなアシュラの成長とは裏腹に、天災と貧困が人々を徐々に追い詰めていくのです・・・










一見すると『ノートルダムの鐘』にも似た構図を持つ作品
ですが比較にならないほどあまりに過酷な世界観、過激な描写、そして終盤に押し迫る哀愁
どれをとっても一級品のシリアスドラマ


監督の『さとうけいいち』と言えばテレビシリーズ『タイガー&バニー』の監督でもありましたが、今年度のタイバニ劇場版の制作を、彼はあえて別の監督に託し、今作の制作に打ち込んだようです


昨年度の東日本大震災の影響からか、過激な描写をあえて避ける映画も多々あった傾向の中で、今作はあえてダークな世界観、シリアスなストーリー、過激な描写に挑戦し、最高潮の緊張感の中で改めて【命あっての物種】という言葉を思い出させようという明白な方向性が見て取れます


なにより、カニバリズムという非人道的な行為の裏に「食べなければ生きていけない」という切なくも力強いメッセージを打ち出していることに拍手したいです
特に「食べなければ・・・」のキーワードを全く偶然にも同時期に扱った映画『伏』と比較するとその差は歴然としていて、今作の説得力の強さに感服しますm(__)m
(そしてこの「食べなければ・・・」がラストシーンの悲劇を生む・・・)
また、『まどマギ』においての魔法少女の宿命の一つでもある「戦わなければ生きていけない体」と比較をしても、今作はより身近で深刻な問題として捉えることが出来ます










さとうけいいち監督作品らしく、全編はCGで描かれていますが、日本ならではの2D(作画)アニメの手法を欧米主流のCGアニメへと転用するべく、様々な新手法が今作のために発明されたのも見どころ


日本画のような毛筆タッチの背景画をパーツ化、立体化して動かす(細田守の『おおかみこども』でも近いことをやってました)
キャラの影にハッチング(斜線)を自動生成するソフトの新規開発
いわゆるアニメパース(遠近法のデフォルメ。近くの物を極端に大きく、遠くの物を極端に小さく描いて迫力を出す)をCGで作り出すために、カット毎に異なるキャラモデルを作成


これらに加え、CGアニメならではのカメラワークとエフェクトの自由度が駆使され、度々挿入されるアクションシーンを盛り上げています










そしてオイラが最も注目してほしいポイントなのが声優
今作の主人公、アシュラを演じるのは大ベテラン『野沢雅子』
物語の序盤でアシュラは人語もままならないというだけあって、前半のセリフが全て“雄叫びのみ”なのです
この難しい役どころを演じきれるのはやはり大ベテラン、全く持って御見逸れいたします;


さらに中盤から登場のヒロイン、若狭にはめぐさんこと『林原めぐみ』
実は中盤以降、ほとんどがこのアシュラと若狭の二人だけの会話で進むという昨今珍しい狭いやり取り
まさにこの二人のベテラン役者だからこそ成り立ったであろうレベルの高い演技は、アニメのみならず邦洋実写を問わずしても屈指の【魅せる演技】であったと思います!
とにかく凄いんです、是非ともチェックしていただきたい!


最後になりましたが、音楽はタイバニに引き続き『池頼広』さん
この劇伴がまた最高に素晴らしい!
ですが小南泰葉さんが歌うEDテーマにはちょっと疑問です;
キュートな魅力とダークネスな妖艶さを兼ね備えた小南さんのロックな楽曲は、実は個人的にもファンではあるのですが、今作の重すぎるテーマに対して少し前向き過ぎるし可愛過ぎたかな?と感じました;

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30
ネタバレ

ゴリラの唐揚げ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

とめどない苦しみや混乱の中で

15世紀中期、応仁の乱勃発により数え切れないくらいの死者が出た。そんな最悪の時代に産み落とされたアシュラ。

生きるために人を殺し、食べなければ生きていけない、そんな時代。

アシュラも例外ではなく、人を食らいながら生きてきた。

{netabare} そして8歳になったアシュラは、橋の上で法師と出会う。
法師や村に住んでいる少女、若狭と出会い段々言葉や人の心を覚えていきます。

しかし、アシュラは若狭の恋仲である七郎に嫉妬し殺しにかかってしまい、若狭にも見放されます。


そんな時、村は洪水に見舞われて食べるものもなくなり、わずかな食料を巡って村人は争い、殺し合う日々が始まります。

幼くして「こんな苦しいところに生まれてこなければよかった」と叫ぶアシュラの姿は見ていて辛いものがありました。

地頭の息子を殺してしまったアシュラは、「アシュラを殺せば米一年分を取らせる」という報酬に乗ってアシュラを狩ろうとする村人たちに追い詰められます。

アシュラはなんとか生きながらえるのですがこの過酷な時代の情景もさることながら、生きるためなら子供でも躊躇泣く殺しにかかる人々に恐怖を覚えてしまいました。 {/netabare}




この作品には見ていて辛いくらいの人間の苦悩や悲しみといった感情がうまく映像に表現されています。

人々は極限なまでの飢餓や苦しみに見舞われた時、自我を保っていられるのか。


人は命を奪い、生きていかなければならないという悲しき運命を背負っています。
でもだからこそ、命があるがゆえにあがく。


今の食べる物が豊富な時代にこの作品は、飢える人々の苦しみと、人間の業を、これ以上ない描写で表現してくれたと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

61.1 15 怖いアニメランキング15位
わすれなぐも(アニメ映画)

2012年3月24日
★★★★☆ 3.5 (98)
452人が棚に入れました
かつて上代に手練れの陰陽師が大蜘蛛を封印したと言われる一冊の本。それを入手した古書店の硯とビルのオーナーの孫娘・瑞紀の前に、身の丈20センチほどの小さな娘蜘蛛が現れた。寂しげに母を求める娘蜘蛛のいたいけな姿に、硯は自分の師匠からヒントをもらって、あるべき場所へ物の怪を返そうと試みる。だが行動をともにする瑞紀からは、硯はすでに娘蜘蛛に取りつかれたようにしか見えなかった……

声優・キャラクター
土田大、下田麻美、金田朋子、星野充昭

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

2012年 アニメミライ作品

全1話 約25分作品 ProductionI.G制作

アニメミライとは2010年より若手アニメーター育成プロジェクトで毎年春に4作品発表してます。(広報大使は西川貴教さん)

BSで特集があったので観てみました。

お話は、古代陰陽師が封印した1冊の本、巡り巡ってその本がある古書店が入手し店主とそのビルの所有のオーナーの娘の前に偶然封印を解かれた本の中から可愛い娘蜘蛛が現れたところから物語は始まります。

最初はコミカルな感じなのでほのぼのした作品だと思いましたが、後半になると雲行きが変わって、どんどんシリアスになってきますね。

結構衝撃的な作品です。
最後は私にはちょっと分からなかったですが、なかなか面白ったですね。
全1話の作品なのでサクッと観れます。もし出会えたら観てくださいね。

最後に、蜘蛛が嫌いな方は観ない方がいいかも知れないですね~

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26

takumi@ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

ただただ 結末にビックリした

パッケージの淡くやわらかなタッチのイラストから
イメージしていたストーリーとはまるで似ても似つかぬ物語で。
25分という短編だから、あえて予備知識ゼロで視聴したのだが
こんなに予想外だったのは始めてかも。
そういうところをオチとしているなら、作者からすれば成功
しているといえるのかもしれないけれど、
観る者にとって決して後味の良いものではなかった。

伝奇ホラーや妖怪、陰陽師あたりのキーワードが好きで
古書や伝説なんかにも興味がある人は観てみたらいいと思う。
って僕もそれらが好きな1人だったわけだが、ちょっと予想はずれだった。
でもこういう話に惹かれる人も、もしかしたらいるかもしれないしね。

1つ感じたのは、古書店主というものの職業病的な性質。
考古学者にも共通する探究心や好奇心とも言うべきか。
周囲からは奇人変人扱い受けそうなタイプのそういう視点で
もう少し掘り下げた物語なら、観てみたいかな。
でも、所詮25分じゃ限界があるのかな。

作画は綺麗だったと思うし、キャラデザも悪くはなかった。
冒頭シーンなんて、『BLOOD-C』そっくりだったしね(笑)

ブラックやシュール好きでも、展開次第だなぁと
あらためて気づかされた分だけは
僕にとって観た価値はあったのかもしれない。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

幼女蜘蛛(^_^;

2012年アニメミライ作品 25分

蜘蛛苦手なんだけどな~、十二単の幼女は可愛いしな~困ったな、
と言いつつ観てしまう、
{netabare}
とある古書店で、日本古代(平安時代みたいな)ある陰陽師が町荒らす人食い大蜘蛛退治封印したとされる書物手にした家主の娘の女子高生←普通にいい娘、古書棚奥に変なモノ居るし!で悲鳴、どうしたんだい?間借り古書店店主←ちょとイケメンお兄さん、ガサガサガサ、居たのは古書から這い出てきた?物の怪?可愛い幼女なんだけど下半身蜘蛛、キチキチキチ、、鳴き声?糸吐くし噛みつくし、、、でも可愛いどうしよう、、
{/netabare}
25分ものだから観てもらった方が早いんだけど、
{netabare}
蜘蛛娘ダンボールに入れて山奥隠れ里?目指す過程等、
{/netabare}
コミカルな描写もあるし、店主心配する女子高生もいい娘だし、

蜘蛛娘の里らしきもの見つけ、
廃墟恐る恐る入ってくあたりから、、
店主の様子がおかしい、
魅入られてる、憑りつかれてる?

蜘蛛嫌だな~でも幼女だしな~どうなるのかな~、
ついつい観てしまう私も魅入られてる?、、、、

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

ラスト。。。

それは無いだろう、想った、

けどね、

色々解釈もあるようですが、、
{netabare}
「これはロリに対する警鐘だ」「いやロリ賛美だ」
「幼女蜘蛛=ロリータの象徴、女子高生=既に煩い存在って事?」
「十二単衣幼女=ロリは時代を超える、」
「ロリ元祖クラリス様だろが!」「クラリスちゃん幼女か?」
「と、、とりあえずロリから離れて普通に投げやりじゃね?」
「いやプロット丁寧だしやっぱ計算上の帰結だろ、」
「元々怪異談って化物語みたく可愛いもんばっかじゃないし、」
「んでも観る方からすりゃ可愛くて気持ちよけりゃそれ越したことないし、」
{/netabare}

私の中のアムネジアが騒いでるけど、、、

相手は物の怪、
京極夏彦氏の小説で女郎蜘蛛の理ってあったけど、
物の怪の性(さが)って事かな~、

後味はけっしてよくありません、
ただ怪異談としてはアリかもしれない、

でもやっぱり、、、、蜘蛛は苦手。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

64.4 16 怖いアニメランキング16位
BEM(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (125)
402人が棚に入れました
湾港都市「リブラシティ」。政治・経済・文化の中心であり、街の“富"が結集した「アッパータウン」と、汚職や犯罪に溢れ、人々がお互いを疑い合わざるを得ない「アウドサイド」、その両エリアを分かつ巨大な運河と、一本の「橋」。これらにより構成される、まさに人間の“差別意識"が顕在化した様な街である。そんな「アッパー」から「アウドサイド」に赴任してきた、若き女性刑事・ソニアは、数々の事件を追う中で、人間を守るために戦う、醜い姿の3人と出会う。彼らは一体何者なのか・・・?妖怪人間3人は、それぞれの思いを抱えながら、正体を隠し生きていた。人間に仇為す悪を倒すことで、人間になろうとする「ベム」、人間に憧れ、人間と同じ学校に通い、人間を理解することで、人間になることを目指す「ベラ」、人間や世間に達観し、冷めた様子でゲームの世界に没頭する「ベロ」。彼らはいくつもの事件や、人間たちとの触れ合いの中で、傷つき、悩む。人間のために戦っても、その醜い姿から、決して人間に受け入れられることはない…。そんな3人を探す1人の存在がいる。リブラシティを裏で牛耳る「見えざる議会」を操り、ベムたちを確保しようとする彼女の目的は果たして?

声優・キャラクター
小西克幸、M・A・O、小野賢章、内田真礼、乃村健次、西山宏太朗、斉藤壮馬、諏訪部順一、小野大輔、坂本真綾
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ねえ本気で早く人間になりたいん?

往年の名作リメイク

『妖怪人間ベム』といえば?


 ベム・ベラ・ベロの三人組
 
 早く人間になりた~い


民放のアニメ特番などで繰り返される表層部分。知ってるはこれくらい。
前作(前々作)を知らないため、ベラがかわいくなってると言われてもピンとこない私です。


政治・経済の中心地“アッパーサイド”と貧民街“アウトサイド”に二分化された“リブラシティ”という街が舞台。頻発する怪事件の裏ではなにかしらが暗躍。
アッパーサイドでポカしちゃった若手の女性刑事ソニアがアウトサイドに左遷されてーの赴任日から物語が始まる、という導入です。

主役の三人。普段は見た目人間の仮の姿で行動し、敵やピンチに遭遇した時だけ見た目醜悪な本当の姿に変身して闘う模様。

この三人がいつか人間になるべく、善行を重ね人間を助けて、でも真の姿を見せちゃうと忌み嫌われて、というジレンマがもの悲しく見えるお話でした。
「早く人間になりた~い」理由も深いものがあります。


で、この『BEM』です。

タイトルをアルファベットに替えるとやりたい放題できるんでしょうか。
その昔、『GOEMON』という石川五右衛門である必要あるんかいな?な戦国物のフリしたSF映画がありました。そちらとの既視感がハンパありません。

オサレ感の演出に余念がなく、「既成概念を跡形もなく破壊する」という公式サイト(『GOEMON』のほうね)の紹介文よろしく好き放題やった結果、原形留めてますかね?的ななにか。

OPは椎名林檎。ED降谷建志が楽曲を提供し両曲ともオサレです。劇伴もジャジーで大人ムード。
物語も実際のところ第一話、第二話は良かったのです。そして巡り巡って終わってみたら尻すぼみという帰着。

前作を知っていればその比較でどうぞどうぞ。
知らなくても作品が伝えたかろうテーマは悪くないです。


■良かったところ1

序盤です。

{netabare}・ソニアとジョエルの刑事コンビ(第一話)
正義を貫きたいソニアと土地(アウトサイド)に順応し上手く立ちまわってるジョエルとの対比が良い。
デンゼル・ワシントンの『トレーニングデイ』を彷彿させる関係性が妖怪人間とどう絡むか期待してました。{/netabare}

{netabare}・なんか人間のほうが悪くね?(第二話/第三話)
第一話ベム/第二話ベラ/第三話ベロ回でした。そこで展開されたのは「人間は悪いやつ」。こんな奴らを助ける意味があるのか?の葛藤とお付き合いせねばなりません。
正邪不透明なモザイク展開は望むところでした。{/netabare}


■良かったところ2

人間になる確実な方法がわからないこと

答えのない道を探すのはやる気の維持も覚束ないものです。事実ベロは及び腰だったりするのがリアル。

{netabare}「人間を信じないと人間になれない」
第一話でベラが呟いた一言がちょっぴり切ないのでした。{/netabare}


後付けで旧作の設定も調べてみて、やはり深みがありそうな気配は感じるのです。
外形を留めてないと述べましたが知る由もないのであくまで想像です。

作中ではその深みみたいなものの説明が不足しておりますが、別のものを作る意図があるのであればそれはそれでけっこう。
別個のものとして、そして先入観なく視聴した結果、物語としても訴えてくるものが少なかったかな~という全体の印象でした。
理由は大小いくつかあれど一点だけ。


■極めて悪かったところ

 悪役担当に魅力がありません

容姿は異形ながら心持ちはむしろ下手な人間より高尚だったり綺麗だったりなベムら妖怪人間三人です。
私怨や公憤なんでもいいのですが、主役三人と敵対するキャラに説得力がないと彼ら三人の輝きも限定されてしまいます。

本作で感じたのは、三人を迫害したい描写だけがほしいという雑さでした。

{netabare}CASE 1 ダリル・ブライソン(学生)

父親殺しの事実誤認だけ見ても知的冷静さとは無縁。単なる厨病激発ボーイにしか見えないこともそれに拍車をかけます。
そんな彼がいつの間にか黒幕組織の中枢に収まっていく過程は失笑を禁じえなかったです。
些末な人物がたいそれたことをしてるように映り、ひいては黒幕組織も矮小化した団体に感じました。

ベロも嫌疑をかけられた時に粘って疑いを晴らせよと思いつつもそれだって、ダリルが利発なキャラ設定だったら不問にできたことでしょう。{/netabare}


{netabare}CASE 2 ヘルムート・フェルト(刑事)

・彼自身が妖怪人間を敵視する理由が不明。説明がありません。
・世論操作を謀る時に「妖怪人間をどげんかせんといかん。なぜなら・・・」の“なぜなら以下”に相当する部分の台詞が意味不明。
・ベムの公開裁判(茶番)も失笑レベルの法廷劇。「じゃあ君はキスできるか?」それ大真面目に言われると腹筋がもちませぬ。

狡猾で敏腕な刑事ぶりを描きたかったんでしょうし、こちらもそれを期待してましたが、役不足もいいところでした。{/netabare}


{netabare}CASE 3 Dr.リサイクル(白衣)

結局、こやつが編み出した改造人間が起こした殺人事件への落とし前をつけてない上に、警察は協力を仰ぐとかわけわかんないです。
マッドサイエンティスト設定にも狂気を感じることすらなし。強いて上げるなら「ヒッヒッヒッ」といったそれっぽいセリフぐらいかしら。残念です。{/netabare}


{netabare}CASE 4 ベガ

といえばストⅡなのだが脱線するのでやめときます。
まだマシなレベルです。ベムたちに執着する理由もわかりやすい。ただしいかんせん手下の駒不足でラスボス感が薄くなっちゃったのがもったいなかったですね。{/netabare}


これはB級コレクターさん向け作品です。



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

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2019.10.16 初稿
2020.04.14 タイトル修正/修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

エレファントマン

妖怪人間ベム誕生50周年プロジェクト。

<<ナレーション>>
それはいつ生まれたのか誰も知らない。
醜い身体の中には正義の血が隠されている。

子供の娯楽であるはずのアニメでは、
初代「妖怪人間ベム」は特異点であろう。
秘匿された神秘性の恐怖と克服を描き、
異質で怪奇で奇妙で、
それは世代が違うものにも正しく伝わる。
オープニングはアニメ史に残る衝撃であった。

いつか「人」になれる日を夢見て、
事件を解決し、人知れず町を去る。
異形がゆえに人に恐れられ迫害を受ける。
それは正義とは何か、生命とは何かを問う、
世代を超えて語り継がれる主題なのでしょう。

椎名林檎へのオファーは良い選択でしょう。
村田蓮爾のキャラデザインはどうも苦手である。
オールドファンはベラをどう見るのでしょうか。

9話視聴追記。
人を救うことで人になれる。
根拠もない、ただ彼らが信じる道である。
物語の裏が見え始めていますが、
やはり設定や演出に困惑することも多い。

最終話視聴追記。
現代的な妖怪物語の帰結としては、
{netabare}落ち着くべき所に落ち着きましたが、
全体的に主題に対する、訴求が弱い。
もっと「生」の欲求に足掻いて欲しい。{/netabare}
ちびっ子ハラジーはお気に入りです。

私としては残念な結果に終わりました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 38
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

9話は良かったけど、全体としては中途半端な所も〈最終話まで視聴・追記あり〉

2019年夏アニメ。
「妖怪人間ベム(1968年版)」の最新のリメイク作品。
これまでに製作されたどのリメイクともずらした要素を入れてきた印象。


【1968年版(初代)、2006年版、実写ドラマ版について】
何かの参考になるかな?と思うので、簡単にまとめてみます。
このシリーズには「人間とは何か」という命題は常についてまわります。ベム達が人間になる方法を見つけることもあるけど……。
気になる作品があれば是非見て欲しい。作品の狙いに共感できるとどれも面白いものですよ。
{netabare}
・1968年版(初代)
壮年の大男、苛烈な性格のグラマーな女、浅黒い肌の子どもの3人組。出生不明。指は皆3本。
子ども向けなので主人公は天真爛漫なベロ。

3人の妖怪人間は妖怪や怪異から人間を守り戦い、最後にはその街を去るというのが基本フォーマット。
「正しい行いをすれば人間になれる」と考え行動しますが、その理由は語られません。人間たちには時に迫害を受けたり、彼らと心が通じたりしますが、正体を知られると恐れられるため一カ所に滞在しません。

国籍や時代は意図的にわからなくしてあるそう。
一話完結で子ども向けですが、古い作品なので胸の痛くなるような話も。妖怪や怪異は人間の敵であり、人の手により闇に葬られたりもする。差別がテーマの一つだと思う人もいるようですね。
ホラー演出もこだわっています。
ラストはバッド寄りのビターエンド。リメイクされてほんとに良かった。


・2006年版
3人の姿はほぼ同じですが少し優しい印象になり、指が5本に。
これも出生不明…だけどもしかしたら?という描写があります。

子ども向けなので主人公はベロ。子ども達とは仲良くなれるけど大人には不審がられ、出没する妖怪を倒したりしてもなかなか報われない。
天真爛漫なベロを丁寧に描き、ベロがベムとベラを精神的に支えることも少なくありませんでした。
「正しい心を持ち続ければいつか人間になれる」という言葉は昔3人を助けてくれた恩人の言葉とされていて、これは独自の要素。
舞台は日本の架空の港町で、高級住宅街と治安の悪い所があり社会の縮図のような感じ。

後半からメインストーリーを展開し、前半の一話完結回の描写を拾っていくのが見物。初代に比べ人間の美醜もかなり強調され、妖怪も人間も善人悪人両方描かれます。
最終盤では胸を抉る話が続きますが、最終回はビター寄りのハッピーエンド。


・実写ドラマ版
若い男性、若い女性、子どもの姿の三人組。
大人向け寄りで、主人公はベム。この実写版はキャスティングが見事で、特に悩める青年のようなベムは意外だけどテーマに合致していて納得させられました。

舞台は日本のある街で、そこに住む人達と交流し、正体が知られると街を去っていきます。数十年ぶりに偶然再会した老人と不老不死のベム達とのエピソードが好き。

この作品でベム達が戦うのは妖怪ではなく、別の存在。人間の持つ「正義の心」と「悪の心」を丁寧に描き、全編通して胸を抉ってきます。
そしてこの作品では独自の設定として妖怪人間の出生の真実が描かれ、物語の核心となりました。
ラストは爽やかなビターエンド。
その後作られた映画版も良い作品でした。
{/netabare}


【今作】
{netabare}
ベムのイメージはそんなに変わらないけど、ベラは女子高校生になり、ベロがやさぐれました。ベロが天真爛漫じゃなくなったのが私は一番驚いたw

物語の舞台(街)も固定され、新キャラクターもかなり多い。敵妖怪もなかなか奇抜といいますか…(汗)妖怪というより人造怪人なのでホラーにならない。
だから結構古参ファンを振り落とす要素が多いかも。

何をしたいのかは、設定の変更などからある程度理解しているつもりではあります。
ただコンテ・演出で画的に伏線を張るのがちょっと苦手っぽい?話数を跨いでの伏線はもう少し印象強くしておかないと全体像が見え難くなるから、世界観の渋さもあって結構致命的。ドラマパートの演出は好きなんだけどホラー的な魅力は少ないしなあ…。
私は結構好きになれそうなだけに色々もったいない。{/netabare}

【9話視聴時点での感想】
{netabare}
舞台となるリブラシティのアッパーサイド・アウトサイドですが、どちらに住む人間も結構ろくでもない…
アウトサイドはスラム化しているし、アッパーサイドは都合の悪い存在をアウトサイドに押し込めてしまう。しかも人間を辞めて生き生きしている敵もベムたちも、人間にとっては怪物扱いなのは同じ。
そしてこの街の在り方に一石を投じるのがソニア、カーヴァー、ギャビンだったわけですね。

第9話は、ギャビンは良い人すぎてかえって胡散臭い人物として演出されていて、ベロの友達も視聴者の想いを代弁します。そして肝心のベムも差し出されたギャビンの手を取れなかった。ベムには最後まで信じるべきかどうか葛藤があったということなのでしょう。
けれどもベムたちはギャビンを守りきれず、信じるに値する人間であったことがその死によって証明されます。

リブラシティで疑問も持たず暮らしている人々にとって、アウトサイド出身でありながらアッパーで成功し、しかも清濁併せ呑める理想家なんてにわかには信じられないと思うんですよね。
アッパーで普通に安全に暮らしてる人にとっては、理解できない・信じられない存在という意味ではギャビンのような人間も妖怪とあまり変わらないのかも。

で、人間て何?という問題は「妖怪人間ベム」の作品群では必ず何かしら答えを示してくるけど、さらに今作は人間として生きるってどういうこと?という問い掛けに繋がってくるんじゃないかって気がしてます。
少なくとも見た目とか体のつくりは答えにならないですよね。だからこそ、ほぼ完全に人間に擬態できているのにも関わらず、ベムたちは人間になることを切望する。
寿命があるからこそ人間は懸命に生きるというのは、その問いに対して大きなヒントになりそう。

「見えざる議会」はリブラシティの在り方に波紋を投じる存在を許さない。もしかしたら他にも目的があるのかもしれませんが、彼らとベムたちが対立していくのは明白。しかも不確定要素となりうるキャラクターが結構いるので最後まで注目したいと思います。{/netabare}

最後に、ソニアの潔癖さと愚直さが超可愛い!と言っておきますw(2019.9.27)


【最終話まで視聴したので追記】
作品が作品なのでラストはこうなりますわな。


【良かった点】
{netabare}
ベム・ベラ・ベロの関係がとても良かったです。周りの人間たちとの関係も好きでした。
ベガはキャラクターもデザインも素晴らしいラスボスだったと思います。もっと描写して欲しかったなあ。

「人間とは何か」ということを「生きる上での行為」と捉えたのは今作の独自性だと思います。
人間は寿命があるからこそ、次世代を残すからこそ懸命に生きる。人間の行為を模倣すること、すべてを経験することがベガにとっては人間になること。大切な人達と共に普通にひっそりと生きることがベムの考える人間の生き方。二人の対比はきちんと出来ていて、孤独で超然としたベガの存在は良かったと思います。
ベガがダリルを後継者にし、ハラジーを引き取ったのは育児の代替行為なのかもしれませんが、二人の幸福な未来を望んでいるわけではないため、最後までベガは孤独でした。

最終話は人間同士・妖怪人間同士が対決し、それぞれの問題とその先の希望をあぶりだす構成なのかなと思いました。
ベム達は人間を信じてリブラシティを去ったのだと思うし、ダリルがリブラシティを良くしていく可能性があるというラストだと思う。
アッパーサイドとアウトサイドを繋ぐ橋は分断の象徴であり、これまでの間違った関わり方の象徴でもあったのだと思います。最終話で橋は落ち、人間の手でアッパーとアウトの断絶を埋める新しい方法を模索していかなくてはならない。

ダリルがベロを信じ尊敬していたカーヴァー議員の意志を継ぐことが出来れば、リブラシティの今後は変わるでしょう。ただ、まだ幼いダリルにとって議会内の人間も味方とは言えないし、リブラシティの在り方に関しては困難な終わり方のような気もします。カーヴァーやギャビンと交流があったソニアと、ダリルが出会っていれば希望が持てるラストと言えたかもしれません。
{/netabare}

【気になった点】
全体的に中途半端な要素が多かった気がします。
{netabare}
人間キャラが物語の本筋に深く関与しないのは良くないと思う。
人間の心の美しさと醜さをバランス良く描いてくれたら、ベムが人間になりたい心理に寄り添えたと思います。いっそ、人間を辞めたヴィランの過去を掘り下げて人間の醜さを、ベム達の周りの人間を掘り下げて人間の美しさを描くとかした方がわかりやすかったかも?

1クールにしてはキャラクター数が多く、持て余してしまった印象はありました。
ソニアをもっと能動的に動かしても良かったと思います。ウッズさんはソニアに足りない部分を補う立ち位置だと思うけど、活躍が少なかった気もするし。
シルクハットの人物が死体を回収する役なのかな?と思っていたけど何してたんだろうね。
全体的に色々と勿体なかったなあと思います。
{/netabare}

【雑感】
そういえばお約束の{netabare}人間に火をかけられるシーン{/netabare}が今作はなかったですね。
京アニの一件に配慮したから(4話も2週遅らせましたし)だと思いますが、少し珍しい一作になったかも。
{netabare}
……あまり言いたくはないけど、2006年版も実写ドラマ版も狙いがはっきりしていたし、ターゲット層を明確化した作品作りが出来ていましたよ。
特に2006年版はあまり評価されていませんが私はとても好きです。監督の原田浩さんは「地下幻燈劇画 少女椿」を作った方で、一度作品を観てみたいなあと思うのですが自主製作なのでなかなか…。
{/netabare}
(2019.12.8)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23

51.1 17 怖いアニメランキング17位
コープスパーティー Missing Footage(OVA)

2012年8月2日
★★★☆☆ 2.9 (83)
357人が棚に入れました
今日はサチコの誕生日。
呪いによる支配の弱まった天神小学校。
サチコの力により運命がリセットされた哲志たちは、天神小学校の行動に集められる。
記憶があいまいな状態委ではあるが、無事再会を果たしたことをよろこぶ哲志たち。
そこにサチコが現れ、突然、文化祭を行うと発表する。戸惑う一同。そして文化祭のテーマは…。

takumi@ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

なんだこりゃ・・・残念すぎる

惨たらしいグロホラーなシーンで始まり
ヘッドフォンしている耳元がゾワゾワするほどリアルな音に
映像では映されないものを想像してしまった。

でも3分もしたら別世界。違う作品かと思ったほど。
だがそれはそれ、兄と妹の仲睦まじい雰囲気は微笑ましいし
短い時間に次々と登場人物が増えていくので、
冒頭のシーンとどう繋がっていくのか、すごく期待した。

しかーーしっ

なんなのだ・・・えっ?あそこで終わりなん?
何かの間違いじゃなく、ほんとうに終わったん?
あまりにもぶった切りすぎでしょう。
とても「作品」とは言い難いし、「CM」でも失敗してると思う。
かなり譲歩して「中途半端なPV」かな。
でもPVだって起承転結あるものだよ。
11分もあったのに・・・
キーワードとして挙げるなら、「兄と妹」「微百合」「文化祭」
「学校での惨殺事件」「幸せのサチコさん」「おまじない」といったところ。

ショートアニメが好きでよく観るけれど、2分や3分でも
何度も観たくなるような良い作品がある中、
11分あっても説明不足すぎて、釣られたのが悔しくなる。

それっぽく恐怖感を煽る演出と音響は多少、評価できるものの
何がなんだかわからないよ。
放送中の作品の予告編だというなら、こういう手法もあるけどさ。
せめて続編というか、本編が出てくれるならあらためて観てみたいけど。

ちなみに原作はゲームらしい。
ゲームを知っている人にとってのみ、この11分のアニメは
完全にPVとして成立するかもしれない。
知らない人にはほんと、消化不良間違いなしです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

てけ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

編集が…。

編集が残念すぎます。

まず、1クールくらいの、ちょっぴりエッチな日常シーンと猟奇的要素を含んだアニメをイメージしてください。

1.残虐シーンを切り取って冒頭に流す
2.お気に入りの日常シーンを選んで、貼り付ける
3.スタッフロール

終わり。

…何か途中で力尽きた感がします。

これなら、日常部分だけ、スプラッター部分だけ、別々に放映して、同名タイトルだと強調し、ギャップを狙ったCMを流した方がずっと魅力を引き出せるような気がしました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

AKIRA さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

いくらなんでもみじかすぎる… 続編決まったらしいが…

10分ほどの内容になります

本当にさわりの部分なので続編が出てから見ても問題ないです

序盤の3分は内容もつかめない+グロいので初見の方は要注意。

何となく内容をつかみかけてきた所で終了ってなかんじ。

原作知ってる人向けにしてもざっくりすぎている、せめて30分ならばっ手感じでした

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9

58.5 18 怖いアニメランキング18位
影鰐 - KAGEWANI - 承(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (80)
324人が棚に入れました
生きとし生けるものすべてを喰らい尽くす「超生物・影鰐」。 その“兵器化計画”に巻き込まれた番場宗介は、クローン影鰐に取り憑かれ、消息を絶っていた。 番場を執拗に追う猿楽製薬との決死の追走劇、影鰐殲滅を使命とする新たな部族との争い、次々と人間を襲う奇獣達。 混迷を極める中、番場は超生物・影鰐との戦いに終止符を打つことが出来るのか。 息をもつかせぬ壮絶なモンスターパニック劇メーション! □影鰐とは・・・ 影が実体である不定形の怪物。影鰐に「影」を攻撃された者は実体も攻撃を受ける。 生物に寄生し、奇獣へと変化させる。寄生した量によって、変化の度合いが変わる。 □奇獣とは・・・ 現代に突如現れた怪物。UMA、未確認生物とも呼ばれる 自然生物の範疇を超えた能力を持つものもおり、正体は不明である。 □番場宗介 大学教授であり生物工学の第一人者。超生物・影鰐に両親を喰われた上、自身も襲われたという壮絶な過去を持つ。顔に痣が残っており、奇獣に近づくと、痣が疼き激しく痛む。 激しい追跡調査の末、猿楽製薬による“影鰐兵器化計画”に辿り着くが、実験中の事故に巻き込まれ、超生物・影鰐のクローンと融合してしまう結果に。

声優・キャラクター
杉田智和、置鮎龍太郎、真殿光昭、木村昴、佐藤聡美、斉藤貴美子、相沢舞、M.S.S Project、96猫

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

影鰐再び・・・今回は思わず見入ってしまう展開でした

この作品は、影鰐-KAGEWANI-の続編に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからお視聴をお薦めします。

影鰐の存在自体が恐怖でしかなく、時間を強制終了させるには十分過ぎる強さと人の無力さを感じた前期・・・
一部では良からぬ事を企てていた輩もいましたが、ホラー映画のワンシーンの様に突如現れるその存在は、決して野放しにして良い存在ではありませんでした。

そして今期は・・・人と影鰐との立ち位置は前期と変わっていないと思いますが、それ以上に影鰐に取り憑かれた人の恐怖を感じました。

良からぬ事を企てる・・・強大な力の前にすると、どうしても欲で目がくらんでしまうのは人としての悲しい性・・・
だからある程度・・・人々の理性に問いかけて帰ってくる答えの範疇は・・・きっと許されるんだと思います。

でも人って・・・何故かやりすぎちゃうんですよね^^;
好奇心、欲求、或いは携わる者としての使命・・・言い訳は色々あると思いますが、大概やりすぎちゃうとロクな事はありません。

それはこの作品においても然り・・・
だから人間の欲にまみれた醜さと影鰐の本来持っている恐怖とが相まって、仰々しい展開から物語が始まります。

でも・・・この作品には萌えが無いと前期のレビューで記載していたので、今回も期待はしていなかったのですが、「さとさと」さんこと佐藤聡美さんが演じるナギ・ヤグルが登場し、物語の核心に深く関わるようになってからは、紅一点的な存在感を十分に醸し出していたので、萌えが無い・・・とまでは思いませんでした。
勿論、紙芝居タッチというこの作品の持つ独特の表現方法は変わらないので、普通のセルアニメの様な萌えとは全然違いましたけれど・・・^^;

そして今回存在が際立ったのが実体化した奇獣でした。
奇獣自体は1期から登場するのですが、今期の奇獣はやけにリアルだった様に思います。
まるでエイリアンの様な奇獣も登場しましたし・・・
奇獣の迫力・・・という点においては前期より上回っていると思いました。

我田引水・・・
主人公の番場 宗介やナギ・ヤグルはそのアオリを受け奔流します。
この二人だって最初から仲良しだった訳ではありません。
思いを態度で示したら、こうなった的な関係・・・みたいな感じです^^;
でも、人の繋がる力・・・これは決して馬鹿にできません。
二人に迫り来る事の顛末は・・・?

そして因果応報・・・
全てはここに帰ったんですね・・・
気になる方は是非本編でご確認頂ければ・・・と思います。

1クール13話の物語でしたが、物語は完結していないように思います。
区切りは良いんですが、物語の纏め方が「13日の○曜日」の様に、何かが起こりながら終幕するんです・・・奥歯にモノが挟まっているみたいな気になる終わり方でした。
続編・・・何かありそうな予感が・・・^^;
新たな情報を楽しみにしています^^

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

起承転結?3期も4期もあってほしいな

全話視聴終了。いや~面白かったなあ!

以下感想
{netabare}

まず番場先生が1期でかなり危うい状態で終わってたので、カムバックしたときの「俺達の番場がパワーアップして帰ってきたぞ!」感で嬉しかったなあ。野性味あふれる風貌からビシッといつものスーツスタイルに切り替わるのもカムバック感があります。知識と機転のよさ、そして超強いパワー!を持って落ち着いているという、ほとんど完璧ですよね。

そしてメカになって戻ってきたメカ木村の無理やり感がシュールで面白い。「お前またでるんかい!」的な。
そして、今回は終盤まで番場の見方をするメカ木村の怪しげな感じがまた良い。余裕をもって人と当たりながら、視聴者が彼を信用できない胡散臭さをかもし出している。案の定最終的に裏切って高尚な理想を垂れ流すあたり、ぶれんなあと感心。

新キャラのナギは声優が佐藤聡美さん。氷菓のおしとやかなえるやけいおんの元気な律、今回は男勝りな女性キャラ。違和感の無いとてもいい演技でした。ナギに関しては突っ走りそうな強気を提示しながら、人間の顔を映した影鰐に動揺させて弱さや人間味を出したりととても上手く表現された人物。

そして今回の影鰐ですが、達磨様と呼ばれる影鰐は丸っこくて可愛い。地域風習をオカルトチックにした話はオカ話でも好みのジャンルです。
研究所を襲った「奇獣」はエイリアンのような出で立ちでした。オカルト熱を刺激されるデザインです。そのほかにもチュパカブラなどを彷彿とさせるデザインのやつも良い。
サトル君は1期で出てきた、植物の影鰐と融合した存在。彼の人間性が彼を人間であることを肯定していました。

本間はかなりかませキャラでしたね。強欲なやつが落ちるのお約束みたいな所か。それでも奇獣になってまで、木村に復讐しようとする小物さと哀れさがちょっと良い味出してます。

全体の感想
全体に筋が通ってとても良い。「オカルト」というジャンルだけではなく「ホラー」や「スプラッタ」にも広がりがあり、その独特な映像手法からゴジラなどの「特撮」的な流れも汲んだ作品でした。また、番場宗介というヒーロー的な主人公ポジションから海外のヒーロー物映画に近いものを感じます。
影鰐という人のエゴで生まれながら、人に害ををなし、自然に対し恐れを抱かせる存在として、今回も良く表されていたと思います。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

承ということはまだまだ続くのかな?

全13話(1話約8分作品)

影鰐の2期です。1期から観ることをオススメします。

「闇芝居」の監督なので、同じく紙芝居風の作画です。

今回も色々なUMAが出てきますが、この作品の主人公で生物学者の番場宗介が影鰐の秘密に迫るお話が中心でしたね。

ドキドキ感は1期変わらずです。ギリギリの攻防が面白かったですね。

切りのいいところで終わりました。続くのであれば観てみたいですね。

最後に、今回声優の佐藤聡美さんが意外なキャラを演じています。EDを見てびっくりしましたねw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

65.7 19 怖いアニメランキング19位
妖怪人間ベム[第1作](TVアニメ動画)

1968年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (63)
268人が棚に入れました
無国籍的な雰囲気と異形の主人公たちの独特の哀愁が人気を集め、幾度も再放送された怪奇アニメの名作。どこかの研究所で生まれた怪異な3匹の生物。彼らベム・ベラ・ベロは気高い正義の心を宿しながらも、決して人間ではない妖怪人間だった。善行を重ねればいつか本当の人間になれるという信念から、世の中の悪人や魔性の存在と戦い、人々を助ける旅路を歩み行く彼ら。だが、そんな3人に、人々は必ずしも理解の目を向けなかった。

声優・キャラクター
小林清志、森ひろ子、清水マリ、藤本譲
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

時代性と普遍性を備えた名作

1968年10月~1969年3月放送のテレビアニメ。全26話。
放送50周年記念ということで2017年10月から2018年3月までBS11で再放送されたので初視聴。全26話ですが、諸事情から第5話「せむし男の人魂」、第8話「吸血鬼の寺」、第15話「狙われた目玉」は放送されていません。

国籍を設定しない独特の世界観で、毎回舞台となる街が変わります。三人の妖怪人間ベム、ベラ、ベロは正義の心で正しい行いをしていれば人間になれると信じ、悪い妖怪や怪異から人間を守るというストーリー。
全て一話完結で、様々なバリエーションを持たせています。昔のアニメなので細かい部分は突っ込み出せばキリがないですけど、時代を問わない内容の深さがありました。
60年代作品なので作画や演出は荒いですが、慣れてしまえば独特のパワーにあふれていて魅力的。
ベム、ベラ、ベロのキャスティングがよく合っていて素晴らしかったです。


{netabare}
作品全体に、昭和43年の社会背景がどこか反映されている印象がありました。昭和40年代といえば高度経済成長期。(日本社会はいざなぎ景気と言われて湧き立っていたのと同時に、調べてみれば三億円事件などの大きな事件があったり公害病が認められたり、海外でもベトナム戦争があったり他にも色々…混沌としてますね)
忘れられ葬り去れらていく怪異や妖怪が描かれたり、人間に住処を追われた生き物の物語があったり。
とはいえ同年にアニメ版ゲゲゲの鬼太郎第一作目も放送開始ですし、妖怪に憧れる時代だったかも知れませんね。

「呪いの幽霊船」では、願いが叶えば魂を捧げるという約束に従いおじいさんは帰らぬ人となるのですが、これには人智の及ばない存在に対する畏敬の念を感じます。
逆に「鉄塔の鬼火」では鉄塔の下に置き去りにされた亡者の恨みや怒りを人間は知っていながら葬り去ってしまいました。「恐怖の黒影島」では、人魚のふりをさせられていた少女は妖怪の世界から解放され、人間の世界に帰ります。
他にも色々なお話がありますが、基本的に妖怪や怪異は消え去り、人間の社会に何か影響を与えることはありません。

皮肉なのはベム達三人は葬り去られる側であること。人間に味方しながら妖怪でもある彼らは孤立してもいるわけですね。
三人の絆は強く、明確に家族の関係性を意識した描き方がされています。
ベムとベラはベロをいつも見守り、手に負えないと思えば助けに入り、ベロが大きな間違いをしても、それを理解して謝れば二人は笑って許します。
子どもならベロに、大人ならベムかベラに感情移入できる点も本作の大きな魅力。妖怪人間である彼らに人間的だなんて言うと不思議な感じがしますど、それ以外に言い表しようがないんですよね。

本作のお話は非力な人たち(女性や子どもが多いかな)が怪異に悩まされ、見かねたベム、ベラ、ベロが彼らを助ける展開が基本。登場する子どもたちはベロと仲良くなっていくのですが、個性的で可愛らしくて和みます。
でも最終的にベロが良い友達として別れられるかどうか、三人が気持ちよく旅立てるかは別。
特に「すすり泣く鬼婆」はベロにとっては辛い話でしたが、恐ろしい目に遭った母子を責めることは出来ません。

そのため妖怪人間たちは板挟みとなり悩むことになる。特にベラとベロは顕著です。
ベラは序盤で人間になれない苛立ちをベムに諫められるシーンがありますし、女性特有の苛烈さも時には見せる。ベロは家族とも呼べる仲間はいても友達が居なくて寂しがり、人間に疎まれれば酷く傷つく。
彼らの人間味溢れるキャラクターにとても共感します。

もちろんすべての人間に嫌われるわけではなく、妖怪人間たちには救いもあります。
「怨みの髪の毛」で出会った姉妹とは、正体を隠したままではありますが穏やかに別れることができました。また「ベロを呼ぶ幽霊」で三人の正義の心を理解してくれる占い師の老婆もいました。けれども彼女は三人に感謝しながらも、街の人達に三人が誤解されてしまうだろうと街を離れることを強く勧めるのです。

そして、そのお話の後にあの最終回というのが何とも言えないですよね…。
生きた人間の体を乗っ取れば自分たちは人間になれるけれども、罪のない人を犠牲にすれば正義の心は失われ、人間には見えない悪を倒す力も失うことになる。時に癇癪を起こすほど人間になることを望んでいたベラさえ、妖怪人間のままでいることを何も言わず受け入れるのです。
ただベロに対してだけは人間になる機会を得て欲しいという様子でした。それをベムは理性的に押しとどめる。
二人の母性と父性が明確に表れたシーンで好きでした。

最後には、人智を超えた存在を受け入れない警察の手によって、火を放たれた屋敷の中で三人は消息不明となる。ですが「命とは魂だ」という言葉を信じて、三人は消え去ったわけではないと思いたいですね。ラストのナレーションからも、視聴者に対して希望を残しておきたいという制作側の気持ちが見て取れました。{/netabare}


古いアニメに抵抗のない人にはぜひおすすめしたい作品です。
妖怪人間たちの生き様と業の深さ、人間の温かさや醜さを淡々と突きつけてくるのが印象的でした。これを子ども向けとして制作した(できた)ことが最も時代を感じる部分かもしれません。(2018.5.24)



地元のレンタル店で借りたDVDで第5、8、15話、パートⅡのパイロット版を視聴。{netabare}

【第5、8、15話】
どれも良かったと思います。一番好きなのは「吸血鬼の寺」かな。ラストで囚人がベムに明るく「坊や。君は人間かい?」と聞いて笑って刑務所へ戻っていくシーンが好き。
理解し合って仲良くなれそうな人が登場したことが本作の悲劇性をさらに強めています。

【パートⅡ】
1982年制作のパートⅡのパイロット版の2話分(「血をむすぶ楡の木」「雪降る町の妖鬼」)について。

物語は妖怪人間たちだけでなく人間側のドラマも濃くなっていて、教訓めいた台詞も多くなった印象。
作画は80年代らしい美しい背景と、見やすく丁寧な画面作りが印象的。パイロット版だからか効果音や音楽の使い方に若干違和感もありますが、内容はテレビ放送できる完成度でした。
ちょっと勿体ないのがホラー演出が影を潜めてしまった点。
ですが代わりにドラマパートにはかなり尺を割いていて、一話分としてはかなりのボリューム。
アクションも洗練されてます。当然といえば当然だけどね。

68年版との大きな違いは二つ。
一つ目は舞台設定。68年版は無国籍だったのに対し、パートⅡは19世紀半ばから20世紀のヨーロッパ北部の物語と設定され、全体的に世界名作劇場のような雰囲気になったこと。
二つ目は妖怪人間たちも敵となる邪悪な妖怪も、より深く人間社会に潜り込んでいること。ベムとベラが人間社会に溶け込むために苦労する描写もあります。
とはいえ、脚本家と声優さんは続投なのでテイストは十分残っています。26話全部制作されていたら、時代性をどのように反映したかとても興味があります。

キャラクターデザインが柔和(3本指はそのまま)になり、声優さんたちの演技もそれに合わせてだいぶ変わっている感じ。イメージはベムはそのままで、ベロはストレートに可愛くなっています。
ベラはやっぱり美人だけど、スカートにスリットが入りました!戦いの中で髪がほどける演出などもあって。なんかもう可愛いなおいw
68年版のベラはグラマーで苛烈な美人、こちらはスレンダーで優雅な美人という印象。2006年版も観ていますが、そっちも好き。いずれにせよお母さんポジなんだけどw{/netabare}
(2018.5.28)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

人間を醜いと 子ども心にも初めて感じた作品

何度も再放送していたおかげで、すっかり主題歌を覚えてしまったけど、
最終回、彼らが無事人間になれたのかどうかを
まったく覚えていないのでした。

気になって調べたところ、次回作に持ち込むために
作者はあえて曖昧なまま終わらせたんだって。そうだったのか~

いまだに妖怪モノが好きな自分にとって、おそらくこのアニメが
一番最初の妖怪アニメだったと思います。
ほぼ同じ時期に「ゲゲゲの鬼太郎」も度々再放送してたけれど、
妖しげな音楽とともに、異国情緒のある洋館やおしゃれな車が登場する
こちらの作品のほうが好みでした。

しかし妖怪といっても、ベム、ベラ、ベロの3人は人造人間であり
昔ながらにいる妖怪たちとは別物なんですよね。

「早く人間になりたい・・」と強い希望を持ち、
人間に対して善意100%で向き合い、信じ、
人々を苦しめる悪者をやっつけるのに、外見の恐ろしさのあまり、
多くの人間達から迫害を受けてしまう彼らが不憫でなりませんでした。

見かけはどうあれ、美しい心を持っている彼らが、
エゴ丸出しで愚かな人間たちを見てもなお、
どうして人間になりたがるのか、子ども心にも不思議でしたが、
時々やさしい人間とも出逢い、友情を築けたりすると
つい信じたくなってしまってたのかもしれないですね。

で、観ている当時の自分も、彼らの友達になりたくて仕方なかった・・
「自分なら彼らといいお友達になれる!彼らのことをわかってあげられる」

今、これ綴りながら、そう思ってたことを思い出しましたw

そうか、そうだったんだよな・・・やっぱり。

でもこの作品、大人になって観てみると
人間社会への風刺とか、道徳的なこととか、家族愛とか、
けっこういろんなメッセージが込められてたことに気づきます。

だからやめられないんですよねぇ・・古い作品の発掘^^;

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

やっみーに隠れて生きる ウガンダー

 このアニメ幼いとき見てたんだけど、このレビュの50年前というのでその頃に私はいないので、見てたのは再放送ということになるです。今回で、このアニメを見るのは、3回目になるです。

 OPで「早く人間になりた~い」と言っているけど、慣れるのかなぁです。『妖怪人間ベム』なのに、主役はベロみたいになっているです。ときどきベラも活躍するです。

 出て来る悪い奴は、人間じゃないものばかりに限らず、悪い人間であることもあるです。その人間は、変身したベムと互角に戦えるのだから凄いです。
 人々のために戦っていても、報われないベム、ベラ、ベロだったす。ほんの少しベロとかが、感謝されることもあるけど・・・。

 今と違って、作画に非常な荒さがあるのと、ベロがかなり猿みたいな印象の顔しているです。ベラは、おかめだし・・・・。みんな指三本。毎回、次回予告で、怖~い話というのだけれど、あの頃も今もそんな感じがしなかったです。

 幼い頃最終回を見た時、あの終わり方が当時の私には理解できず、またやるのかなぁ?と思っていたけど、やらなかったことに困惑してたのを思い出すです。学校行ってた頃、2回目みたときやっと理解できたです。

 一話完結方式で、危険にさらされている人を見過ごせない、人間より人間らしさを感じることもある、正義の血が流れているベム、ベラ、ベロが、何か悪くないです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10

61.3 20 怖いアニメランキング20位
注文の多い料理店(アニメ映画)

1993年8月3日
★★★★☆ 3.3 (19)
123人が棚に入れました
 童話作家・宮沢賢治の同題作品をおよそ20分弱の短編アニメ化。アニメーション作家・岡本忠成が5年の歳月をかけて製作し、その途中で急逝したため、美術作家の川本喜八郎らが岡本の意思を継いで完成に至らせた。 猟に出たのはいいが、山奥で道に迷ってしまった二人のハンター。霧の中、二人は「山猫軒」という西洋料理店にたどりつく。これで一息つけると安堵した二人だが、店内に入るや「身なりをきれいにしてください」や「銃と弾をおいてください」などの細かい注文を次々と要求されることに。さらには「牛乳のクリームを体に塗ってほしい」と注文される二人だったが。 本作は全編を通じて絵画を思わせる陰影の濃密なアニメーション映像を創造。文化庁優秀映画作品賞をはじめ多くの賞を獲得している。その作画には奥山玲子や泰泉寺博ら古参のアニメーターが多数参加した。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

世にも奇妙な物語

アニメーション作家・岡本忠成氏が5年の月日をかけて制作し、
その途中で急逝されたため、美術作家の川本喜八郎氏が
意思を継いで完成させたという作品。

全体通して、コーヒーブラウン系の落ち着いた色合いの
色鉛筆画のような繊細なタッチの作画のせいか、
読んでいた絵本の中の挿絵が動き出したような感覚がある。

物語は、原作である宮澤賢治の童話『注文の多い料理店』そのもの。

山の中の林へ迷い込んだ猟師2人が、
霧の中から現れた山猫亭という西洋料理店に入り、
誰にも会わないまま次々指示される通りに店内を進んで行くと、
衝撃的な事実を目の当たりにする、というホラーめいたお話なのだが、
セリフがないまま、ほぼ効果音と映像だけで進行していくので、
静まり返った誰もいない店の不気味さがすごく伝わってくる。

山林を吹き抜ける強い風の音、
薄くたなびく霧や静寂を打ち破る突然の鳥の鳴き声、
音程の狂ったアンティークの大きなオルゴール、
ほの暗い廊下や窓がひとつもない店内の閉塞感。
これから何かが起きるぞ的な期待感はバッチリ。

でも結果的には単純な話なので、期待しすぎは禁物。
この物語自体、結末までの演出を楽しむ作品だと思うので。
20分という短さはちょうど良かったのではないかと感じた。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 36

Baal さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

まあよくできているんじゃない・・・

有名な小説家宮沢賢治の注文の多い料理店

を20分弱の短編映画にした作品です。

原作は結構怖かったが、この短編映画は

その感覚を見事に再現してくれていました。

このセリフのない感じが際立たせている

ように思いました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

大和撫子 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

身震いする恐怖が・・・

かの有名な宮沢賢治の作品を約20分のアニメ化した作品。

◆この作品の内容は・・・
山奥で狩りをしていた二人の男がとある料理店で恐怖を体験するホラーアニメです。

◆怖いです・・・
セリフは一切なし。
この演出と寂しいBGM、絵画調の作画がこの作品の雰囲気を薄暗く身震いするような怖さを引き出していました。
森の中での動物達の鳴き声・草木を踏む音・風が木を揺らす音などが山奥の寂しい雰囲気を良く表現し、霧の中から突如不気味な建物が現れます。
その建物に入った二人の男の運命は?
下手なホラーアニメよりよっぽど怖いかも・・・。
((((;゚Д゚)))ガクガクブルブルブル
夜中の3時頃などに視聴すると夢に出てきそうな作品ですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

62.1 21 怖いアニメランキング21位
青鬼 THE ANIMATION(アニメ映画)

2017年2月11日
★★★★☆ 3.3 (15)
82人が棚に入れました
関連動画が累計1億回再生された人気フリーホラーゲームで、ノベライズや実写映画化もされた「青鬼」を、オリジナルのストーリーとキャラクターでアニメーション映画化。ある地方都市の高校で、民俗学研究部の部員5人が、40年前に部が創設された当時の民話採集の同人誌を見つけ、そこに書かれていた「桔梗鬼」と呼ばれる怪物の伝説が、人気ゲーム「青鬼」の元ネタになっているのではないかと考える。そのことを、文化祭で行う研究発表のテーマに取り上げようと、「青鬼」のゲーム作者に会う約束を取り付けるが、作者は謎の死を遂げてしまう。その死に疑問を抱いた部員たちは、自らの手で謎を探り始めるが……。脚本に推理作家の我孫子武丸が参加。声優は、同じ「青鬼」原作のテレビアニメ「あおおに じ・あにめいしょん」にも出演する逢坂良太、喜多村英梨ら。

声優・キャラクター
逢坂良太、喜多村英梨、水島大宙、佐倉綾音、森嶋秀太、野島健児、日笠陽子、東地宏樹
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

鬼というより人食いモアイ

 古臭い昔の山道で、子供4人が得体のしれない生物に襲われることから始まったです。その生き残りの子供の話が、青鬼の話として民話に伝わったです。
 それに数十年後なのか?その村の学校の民俗学研究部5人が、そのテーマを調べていくと思わぬことが起きていくアニメだったです。

 CGアニメだけれど、どこかキャラがぎこちなくいかにもCGに見えたです。学校内とかは、リアルなCG背景です。怖そうな音楽も後半、流れるです。

 手がかりをそろえ、聞き込みをしていくと夕方になっていき、何故か?民俗学研究部員が学校に閉じ込められてしまう。何者かの仕業なのだろうか?。彼らだけだと思うと、保健の先生、怪しい生徒、顧問の先生もあとから合流するです。彼らの素性も見所です。

{netabare} 女の子がトイレに行ってから、惨劇が次々と始まったです。青鬼というより突然、殺人モアイ?人食いモアイが、襲い掛かってくるです。怖いというか?不意打ちで襲い掛かって、無抵抗で動けない相手に対する卑劣な惨殺シーンが、残酷だったです。このモアイ、動きが素早いです。

 冷静に見れば噛みつき攻撃だけの二等親短足なので、足払いでもすれば、倒せるような気がするでもないけど、残酷な光景を目のあたりにしてしまうと、誰でもそれどころではなくなり正気がなくなるかもしれないです。{/netabare}

これを実行した黒幕は{netabare}したたかで、タイバニのマーベリックみたいな記憶を消す能力を持っていて、今まで起きたことはなかったように片付けてしまう所が、悔しいものだったです。{/netabare}「これでいいのか?」だったです。{netabare}存在を隠すための自衛手段と言う黒幕。本人?には良かった展開だったけど、私の嫌いな{/netabare}この{netabare}BAD {/netabare}ENDは、人によって一つの面白みがあるかもしれないです。
 今後、こいつら倒す誰かさんが、出て来てくれるといいなぁ!です。

 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

うーーん、まぁ・・・

原作ゲーム未プレイ(2020.3)
自分は良く知らないけど、割と有名なゲームなんですよね?リアル鬼ごっこというか鬼から逃げるゲーム?映画があるんだと観てみました。1時間位の作品。雰囲気は「ひぐらし」「おおかみかくし」「屍鬼」みたいなサスペンスホラー的な感じ。次々仲間がやられてく的な・・・。まぁ尺的にもこんなもんかなぁ・・・。作画が3DCG?うーん、これが怖さ半減の要因ではないかと・・・。

私のツボ:何か武器になる物持とうよ

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

双真 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

★★★★☆☆

・・・・・、・・・・・。原作未プレイ・・・
先の読めない展開がよかった!
コイツが犯人じゃね?とか思ってみていたが・・・
ただ、グロいんで閲覧注意!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 1
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