復讐で仲間なおすすめアニメランキング 32

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの復讐で仲間な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月21日の時点で一番の復讐で仲間なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.7 1 復讐で仲間なアニメランキング1位
HUNTER×HUNTER -ハンターハンター(TVアニメ動画)

1999年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (1227)
7535人が棚に入れました
主人公のゴンは幼少期、森の中で凶暴なキツネグマに襲われそうになったところをカイトというハンターに助けてもらう。そして、カイトは父親・ジンの弟子であるハンターで、ゴンは父親の人間的な魅力・偉大さ、ハンターの素晴らしさを聞かされ、ハンターという職業について憧れを持つようになる。
ハンター試験をを受験することになったゴンは、クラピカ・レオリオ・キルアら仲間達と共に様々な難題を乗り越えて見事ハンター試験に合格するのだった。ゴンは悲願である父親との再会を果たすことができるのか、また行く手に待ち受けるものは何なのか…!?ゴンのハンターとしての試練まだ始まったばかりだった。

声優・キャラクター
竹内順子、甲斐田ゆき、郷田ほづみ、三橋加奈子、高橋広樹、木村亜希子、上別府仁資、日比野朱里、高乃麗、並木のり子、TARAKO、永野善一

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

富樫仕事しろ、富樫の世界、富樫の才能についてⅡ

流れはレベルEのレビューから、ちょっと思いついたんで続きを。

■お料理で比喩

1、普通の天才作家
新しい素材から新しい料理レシピを作ってしまう人達。食材は、本人の好み
基本的には一部しか食べれない高級料理か、一部が熱狂するゲテモノになる
不味ければ食うな、作りたいように作る系

2、超秀才系の(作家が書く)作品
その時代の客の好みを分析し、今まで存在した料理レシピ、素材を組み合わせ
美味しい料理、完成度の高い料理を作り上げる。ファミレス~高級料理まで様々。
料理のランクに関わらず「美味しさ」「完成度」「グルメの満足度」が全て。

3、媚びてる系作品
CMしまくって、主に舌の肥えてない人間程に美味しく食べれる物をを売る。
カップラーメン系。商業的、売れれば良いし、カップラーメンの研究も捨てた
ものではない。世の中にはカップラーメンこそ美味しいと思っている人が多い。
(オタ以外には単純な話、単純な美少女、感動、エロの方が売れるって意味)
が、舌が肥えているグルメではやはり美味しくはいただけない。

4、富樫の異常な才能
カップラーメン系~ファミレスクラスの素材を使い、
この世のどこにも存在しなかった「あれ美味ぇwwこんなの食べた事ねぇww」
なゲテモノかつ、一般受けし、グルメすらも満足させる新料理を作る。

■富樫の扱い方について

独創性、異常な発想力、やりたい事やったら天才的だったって面と、一般的な
読者、時代、どういうものが好まれるかよく見える秀才さが同居してしまった。
上に書いたように「誰でも食べれる素材を使って、一般人~グルメの両方を満足
させる新料理を作る」って行為が、いかに無謀か。

普通は「一般人」か「オタ」のどちらかを切らないといけない、どちらかの
属性を持っていて普通。「天才」か「秀才」かも普通はどちらかの属性になるし、
その片方があるだけでも十分に評価される、十分異常で、それは仕方が無い事

のはずなのに、一般人かつ、オタかつ、天才かつ秀才、それが富樫。


パクって来た資料だけど

「週刊誌のマンガ家のほとんどは、その週その週で物語を考えているものですが、
 富樫先生は連載開始の時点で、だいたいのプロットを作っているんです。
 それに、アシスタントを使うと、自分は中途半端な仕事しかしていないように思う
 らしく、なるべく全部自分でやろうとするタイプ。だからこそ、連載中は肉体的
 にも精神的にも苦しみやすいようです」(マンガ関係者)

まとめますと、
「最初から最終地点、展開を決めている」「全部自分でやろうとする」
出来る人間、ド有能な人間の典型的な傾向。あとは、

検索 冨樫仕事しろとは (トガシシゴトシロとは)

と異常な程に凝る癖に、大衆性を維持しようってのが無謀、膨大な時間の浪費。


しかも富樫さん好奇心旺盛、遊び心満載で、多分これを読んでる人や俺みたいに
アニメも漫画他も色々な遊びが大好きなダメ大人だから、そーゆーのも沢山やりたい
金も大量にある。無いのは時間だけ。なのに書いてくれてる。俺なら絶対書かないね
このレビューみたいに気の抜けた話なら書くだろうけど。

そんなド天才を上手く扱うには、上から押しても絶対に駄目なので、
ジャンプ編集の対応は適切だと思いますね。マイペースにやりたいようにやらせる。
凡人と同列に扱っちゃダメ、天才の中でも一握りの天才だもの。

やりたいようにやらせる、やりたい事をやらせるのが一番、仕事が遅延しようと
凡人作家が100年必死にやっても絶対に作れない、素晴らしい作品を作ってしまう。
集中力、発想力、ストイックさ、こだわり方が凡人のそれではない。

銀英の田中さんも同類ですけど、ド天才はそーゆー生き物なんですよ。
それを凡人のものさしで「プロが~」とか「読者が~」とか「怠けてる~」とか
「仕事しろ~」とか言う人間は天才を知らない人生を送って来たんだと思う。


■結論
冨樫仕事しろ、し続けろ
お前は才能があり過ぎるから、もう才能を生かすしかない、犠牲になれ
お前の状況とか知った事じゃない、灰になるまで働け、代わりに遊んでやる

検索 幽遊白書 総集編 ~あぁん?冨樫、最近だらしねぇな~(完全版)

懐かしーなー。このH×Hもだけど、富樫がそれを書いた時「何をして遊んでいたか、
何にハマっていたか」がよく分かる。人生楽しまなきゃダメだね、・・富樫以外は。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 16

ウィラード さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

旧ハンターハンターには魅力がある

演出や描写がとにかく凝っています
特に幻影旅団やイルミの怖さとかが上手いです

軍艦島での話なんかはアニオリなのにしっかりとしていて
ハンターハンターのキャラ達が束の間の団結をしていて面白いです
そしてその後に試験での殺し合い そのバランスが堪らなかったですかね

幻影旅団編は旧ハンターハンターの魅力がかなり描画されています
緊迫感が伝わってくるので、アニメの世界にどっぷりはまってました

旧ハンターハンターで見れるエピソードは旧ハンターハンターで見ておいて
見れないエピソードは新ハンターハンターで視聴推奨かなと思います

投稿 : 2024/05/18
♥ : 5

熱視線 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

op「おはよう」は名曲

ハンターハンター、実は原作もアニメの方も大人になってから見たんです。
一応昔から知ってたんですけど、絵や雰囲気からして熱い友情や感動を押し付けてくる有りがちな少年漫画作品だと勝手に思って避けてました。
でも、実際に読んで(見て)みると面白かったです。

少年漫画らしさも有りながら、難しいテーマや容赦無い予想外の展開をブチ込んで来る。
大人こそハマる作品じゃないかと思います。

このアニメは大体原作通りだけど、原作にはないアニメオリジナルの展開もあり。オリジナルの展開も作品の雰囲気を壊さず、上手く馴染んでいたと思います。
古い作画も味があって良いです。

あと、ヒソカとイルミの声がピッタリすぎる。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14

85.7 2 復讐で仲間なアニメランキング2位
ゴブリンスレイヤー(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1038)
4982人が棚に入れました
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ。」
その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。
冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。
それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった…。

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

TRPGの世界観に抗い、サイコロの出目に左右されず生きる

アニメーション製作:WHITE FOX、監督:尾崎隆晴、
シリーズ構成・脚本:倉田英之、脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:永吉隆志
原作:蝸牛くも

RPG世界に存在するモンスターのなかで最弱とされるゴブリン。
退治しても稼ぎが少ないため、冒険者たちは要請を避けることが多い。
しかし、ゴブリンだけにこだわって討伐する男がいた。
多くの人々は蔑みも込めて、彼をゴブリンスレイヤーと呼んだ。

残酷描写が話題になった作品で、海外からの人気は高い。
その理由として考えられるのは、
主人公のキャラクター像だと想像する。
復讐の炎に身を焦がす、過去に傷を持つ男というのは、
ハードボイルドを好む層に魅力的に映るのかもしれない。

元はアスキーアートを使用した二次創作的な作品で、
ゴブリンだけを殺す男がいても面白いのではという
単純な発想から生まれ、様々な既存作品のキャラクターを
当てはめて発展させたものだ。
そんな経緯からか、登場人物たちには全員名前がない。
例えば主人公のゴブリンスレイヤーは、
ドラクエに登場する「さまようよろい」がモデル。
鎧兜の後ろから出ている赤い飾りのデザインなどは、
完全に「さまようよろい」と同じだ。
ほかにも牛飼娘が『銀の匙』の御影アキだったり、
鉱人道士(ドワーフ)がハンター×ハンターのネテロ会長だったりと、
言われてみると、確かに似通ったデザインだったりする。
調べてみると、それぞれモデルがあるので面白い。

さらに世界観はバックボーンとされているTRPGという、
テーブルゲームのひとつである会話型RPGを想定している。
プレイヤーはサイコロを振ることで運命が決まっていく。
作中で頻繁にサイコロが出てくるのはそのためだ。
ゲームマスターという全体を裁定する神のような存在がいて、
秩序や平和を望む人々と魔人王が支配する混沌を
目指す勢力に世界は二分されている。
これらを理解していないと、
作品の全体像が見えないのが正直なところだ。

というのも、この作品をリアルなRPGというつもりで
観ていると、かなり多くの部分で疑問を感じてしまう。
まず、ゴブリンをこの世界で弱いとしている
説得力をほとんど感じることができない。
もちろん、RPGをやったことのある人なら
事前のイメージでそう思えるだろうが、
この作品のゴブリンは知性がないといえど、
普通に剣を振り回してくるし、毒を塗った弓矢も放ってくる。
毒にやられると短時間で死んでしまう。
死亡すると生き返ることができない。

この世界では物語の何年も前からゴブリンによる殺戮が頻発している。
性格は狂暴で、人間を殺して強奪することを当然と思っている。
そんな危険な相手が雑魚と見なされ、相手をするのが
駆け出し冒険者しかいないということが既に納得できない。
当然ながら、複数で来られたらやられてしまう。
シャーマンや「渡り」などの上位種がいれば尚更のこと。
これは国家レベルで対処しなければならない事件だ。
しかも、ゴブリンはオスしかおらず、女性の人間を襲い、
短い期間で自分の子供を何匹も産ませることが可能だという。
だとすると、ゴブリン相手に女性の冒険者、
しかも駆け出しが討伐に向かうことなどあり得ない。
これは、より残虐シーンを描きたかったためだけと思え、
個人的には、設定が破綻していると感じた。

また1話でリアルな描写を入れているのは良いのだが、
{netabare} そのままの世界観で物語が進むのかと思うと、
その後は、百匹以上はいると思えるゴブリンたちを、
たった5人で殺してしまうなど、
どう控えめに見てもリアルなどとは思えない。
相手が毒を使うときに限って、
毒に反応するカナリアを連れて行くのも{/netabare}ご都合主義だ。
リアル描写として納得できるのは、
洞窟で長い剣を持っていくのはタブーということや、
大量のゴブリンを刺すときに血糊で滑るので、
敵の武器で殺していくというところくらいなもの。
途中からは普通の異世界ものとなってしまった印象だ。
またゴブリンスレイヤー以外のキャラの掘り下げも
ほとんど見られず、凡庸なストーリーといえる。

ただ、この作品をリアルなどと考えずに、
残虐シーンのある異世界ものという感覚で、
そしてTRPGということを踏まえて観ると楽しめる。
{netabare} 例えば、8話でゴブリンスレイヤーが、
死にかけるのだが、{/netabare}
TRPGの神のような存在が興じる不条理な世界に
抗うという描写があって、面白いと思った。

全体の作画の雰囲気や効果音、OPの音楽などは
この作品にとても合っていたと思う。
また、全12話の物語を俯瞰して、
ゴブリンスレイヤーの人生を追って考えてみると、
構成や脚本は上手くまとまっている。
これは、最後の2話分の展開が優れていたことが大きい。
視聴者は最初から少しずつ
ゴブリンスレイヤーの苦悩を見せられている。
{netabare}村が襲われ、大好きな姉が目の前で凌辱され惨殺されたとき、{/netabare}
怖くて動けなかったことに対して自分を責め続け、
ゴブリンを殺すことに異常な執着を持つようになる。

そんな心を失った男が次第に、他人に心を開き、信頼を得ていく。
多くの人々の力を借りて{netabare}大量のゴブリンから牧場を守ったことで、
ゴブリンスレイヤーのなかで何かが大きく変わった。
その結果「ゴブリンを殺すだけ」ではなく、
「冒険者になりたい」という将来の希望を
初めて口に出すことができたのだった。{/netabare}
苦しみも哀しみも、そして喜びも他人と分かち合えることが、
人生をより豊かにすることを彼は初めて知ったのだ。
このゴブリンスレイヤーの心情の変化に
至る展開は上手く描いていた。
ラストに続編があるようなテロップが出たが、
ひとつのお話として、現時点でしっかり完結している。

自分の望むことを得るためには、
サイコロの出目になど左右されないほどの
何かをやり切るだけの強い意志と
周りを動かすだけの力が必要なのだ。
(2019年2月9日初投稿)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 84

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

奴らは『馬鹿』だが、『間抜け』じゃない。 (、なので『知性』はあっても『迂闊(&慢心)』な奴らは当然・・・)

※ご注意※
初めて見る方は、作品上リョナ描写(女性の凌辱・嬲り強姦)や、血飛沫流れる惨殺描写があるので、或る程度の『耐性・心構え』をもって視聴して下さい。
(定番の安定したキャラ画なので要注意)
あらかじめ原作小説やコミカライズを読むのもイイですが、オススメは洋画のリュック・ベッソン監督『ジャンヌ・ダルク』の冒頭シーン。
フランス百年戦争のさなか、幼少のジャンヌの村に粗野で『野蛮で下品なイングランド兵』が押し入ってくるシーンを見ておくのもいいと思います。(イングランド兵をゴブリンに“見立てる”となお良し)
(ってゆーか、皆さんもうご存知ですよネ)


2019.01.10【簡易感想】

「まおゆう-魔王勇者-」と同じくキャラに固有名は無く、吟遊詩人の語りのような寓話的構成。なので、会話シーンはヤハリ見づらいような、落ち着かないような・・・正に「歴史に『名』の残らない男の物語」。(笑)
ファンタジー異世界で、魔王軍と戦うヒューム(人族)と各種族(エルフ・ドワーフなど)同盟の物語が『主軸』でありながら、話のメインは亜流(支流)のほうになります。
勇者パーティー(女の子3人)が居ましたが、本編とあまり関係なかったですね。(笑)

神々がダイス(サイコロ)を振り々々世界を構築した象徴かのように、夜空にはダイスみたいな「緑と赤の月」が浮かぶ世界。
超弩級のモンスター退治等で名声や箔を付けたがる者にとってゴブリン退治は「ドブさらい」みたいな認識。(でも命がけなドブさらい)
個体は弱小でも家畜のように簡単に屠殺できるつもりでいたら、集団で見事に返り討ちにされてしまう危険な存在のゴブリン。
すでに他の方々が言われるように、こちらに登場するゴブリンは知性は低いが(生産力・想像、創造力無し)凶暴・凶悪で、略奪・強奪、殺傷・惨殺、狡猾・残忍、増殖の為に婦女強姦と「純粋な悪(災厄)」。
(正に『ヒャッハーーー!』な集団。「オネガイ助ケテ、モウウシマセン」と命乞いをする『フリ』に気を緩めると、確実に後ろから脳天カチ割られてしまいます。)

その中でただひたすらゴブリンしか興味が無く、ゴブリンを狩りまくる男“ゴブリンスレイヤー”。
寡黙で超慎重、生真面目すぎて人との関りが上手く出来なく、他者からは変人扱い。(でも、判ってくれる人はちゃんと居ます!)
そして仕事(ゴブリン退治)は自信のコンディションや休養を顧みず、容赦なく徹底してゴブリンを殺しまくるプロフェショナル性。
こんな事(日々)を続けたら人間性が喪失しそうですが、かろうじて保っていられるのは幼馴染の“牛飼娘(爆乳)”のおかげなのでしょうね。
そして、ゴブリン退治を甘く見て全滅したパーティーの生残りで駆け出しの“女神官(現実の残酷さを目の当たりにしてチビることチビること)”と出会い、
同盟の指示で嫌々下層災厄のゴブリン退治の仕事を押し付けられた、
“妖精弓手(最年長だが容姿は若く、現実の残酷さを知らない『冒険』に夢見がちなエルフ)”
“鉱人道士(酒好きの陽気な爺さんなドワーフ)”
“蜥蜴僧侶(乳製品が大好物。ネイティブ・アメリカンな姿のリザードマン)”パーティーとつるむうちに、徐々に堅物だったゴブスレが柔らかくなったように思えて見てて好感でした。
(でも“剣の乙女”は犯罪被害者遺族の心象みたいで重かった~~・・・)


(底辺の?)アナザーストーリーな感じなので、地味で嫌なモノも見られますが、
・ありきたりな王道ファンタジーに飽きた方には、狩猟の専門性や迷いの無いゴブリンの殺生とマヌケなヒューム側の犠牲者に嬉々し、
・キレイ事のファンタジーが好きな方には、嫌悪と蔑視があったかもしれませんネ。

でも、敢えて「誰もやらなかった(やりたくなかった?)」ジャンルで、且つ丁寧気味に仕上がってるので良かったと思います。
続きがあるようなニュアンンスでしたので、気長に2期目も期待してます。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

英雄譚には決して載らない名もなき男の話

2019.01.06記
原作未読


重たい話と聞いたので。シリアスものは好物なのです。
全12話のダークファンタジー。下手なあらすじより↓のキャッチコピーが分かり易いです。

『俺は世界を救わない ゴブリンを殺すだけだ』

{netabare}目の前で姉をゴブリンに凌辱されて殺されたトラウマを基盤に{/netabare}ゴブリン殺しに執念を燃やす寡黙な男の物語です。
RPGでもステータス低め。こんぼうで屠れるくらい非力。雑魚キャラの代表格のゴブリンですが、習性を聞くとけっこうパンチが効いてる感じです。
臆病。集団で村を襲う。略奪種族で物を作る発想はない。メスがいないため他の種族(人間とか)に種付けする。対人間の場合、男は殺し女は輪姦す。生き残ったものは学習し力を蓄えてく。成熟度にあわせて、ホブ・シャーマン・ロート・チャンピオンなど意外と種類豊富だったりもします。
まあ同情の余地はない感じです。{netabare}子供のゴブリンを容赦なく叩き殺すシーンがありますが感情動かされることはありません。当たり前のことです。とはいえ珍しい描写ですね。子供に手をかけるのってご法度みたいなところがありますから。{/netabare}

エログロに目がいきがちではあります。ゴブリンの習性を鑑みて、主人公ゴブリンスレイヤーVSゴブリンのシンプルな対決構造でもあります。無論エログロないしバトルの賞味期限はそれほど長くないため屋台骨が必要です。この作品の場合はこちらを面白く感じられるか?なんだと思います。それは、、、


 愚直にPDCAを回す職人の話


1話 ビジュアルで視聴者を引き付ける
2話 世界のルール説明
視聴理由がカタルシスを得る目的なら違いますし、物語構成は後半追い上げ型ともちょっと違いますので、2話まで観て肌に合わなければ撤退可でしょう。
そしてこの主人公であるゴブリンスレイヤー。ひたすらゴブリンを狩る男は実は意外と弱い。ステータスはきっと半端なものでしょう。だからこそ、考えて実践し修正しそして繰り返す。感情を廃した極端なまでのストイックさは弱さを覆い隠すための鎧のようにも思えます。

世界を救う勇者ではなく、町の一介の小鬼殺しにスポットをあてる発想は自分には新鮮でした。その昔やっていた某『プロジェ○トX』が好きな御仁にはこの物語はけっこうしっくりきそうな気がします。どこかしら中島みゆきの歌声が聞こえるようなそうでないような。“女神官”“妖精弓手”キャラの固有名称無い理由が名もなき地上の星の物語だからというわけではよもやあるまいとは思いますが。。。
自分はしっくりくるものがあって楽しめました。

なお、コミュニケーションを取るのがド下手な今後の彼が心配です。待つ女“牛飼娘”を筆頭に、好意を寄せてくれる面々から影響を受けてさらに一段レベルが上がって欲しいですね。
{netabare}協力を仰いで総力戦へと繋がった最終盤は意外と彼には人望のあることがわかりました。一人の限界を超えて複数人のパーティをマネジメントできるならレベルアップも可能でしょう。{/netabare}

淡々というより黙々とした展開。その中で“妖精弓手”“女神官”“牛飼娘”“受付嬢”ら女性陣がアクセントを加えて飽きのこない作り。良作です。



■余談 ※あくまで個人的所感です
リアルでも“女子高生コンクリ詰め殺人事件”を筆頭に、国内においても、まるでこの作品で描かれたゴブリンの所業と思しき事件はあるとの前提ではありますが、規模と実態という意味で、
{netabare}本作は『竹林はるか遠く-日本人少女ヨーコの戦争体験記』に記述されている世界の異世界版と見立てて鑑賞してました。
※詳細は省きますが一言でいうと敗戦後の引き揚げ体験記で、原典はアメリカの中学校で教材として扱われておりました。しかしこの物語を当の日本人が知りません。{/netabare}
{netabare}誤解無き様、特定の国・民族を貶める意図はありません。事実の把握、起こったらどう対処するか、起こらないようにどう対処するか、それ以上でも以下でもないです。己の思考に自信満々との傲慢さもなく、集合知を信頼したいので事実は共有されるべきと考えてます。これをもって憎しみを増幅させるから止めろとのご意見は拝聴しても、「仮に起こったらどうするか?」または「同じことが起きない様にどんな準備をしてるか?」と問うことになると思います。{/netabare}

第二第三の剣の乙女を生まないようにするのが男子の務めでしょう。

{netabare}「わかってもらいたかった 怖くてつらくて痛くて恐ろしくて そんなことがこの世にあって そういうことをするものがこの世界にはいる 分かってもらいたかっただけです」剣の乙女(第9話){/netabare}

奇しくも世界を救った勇者さんが言ってるじゃないですか。

{netabare}「僕たちが世界を救ったって村が滅んじゃったらやだもんね~」勇者さん(最終話){/netabare}

{netabare}その勇者さん、魔人王を前にしてこうも言ってました。「これが終ったら村に戻って三人でお祭りに行くんだー!」(10話)。{/netabare}

大事を成す(世界を救う)者にも依って立つところ(村)は必要です。足元を支える裏方さんのお話でした。



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ 

-----
2019.01.06 初稿
2019.06.22 追記
2021.08.20 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 89

70.8 3 復讐で仲間なアニメランキング3位
ゴブリンスレイヤー GOBLIN’S CROWN(アニメ映画)

2020年2月1日
★★★★☆ 3.6 (177)
821人が棚に入れました
ゴブリン退治に出向いて消息を絶った令嬢剣士を探して欲しい。剣の乙女からの依頼を受け、北方の雪山に向かうゴブリンスレイヤーたち一行。襲撃される寒村、謎の礼拝堂と、今回のゴブリンの群れの行動に違和感を覚えるゴブリンスレイヤー。「取り戻す…、失った物、全てを! 」囚われの令嬢剣士を救うため、雪に囲まれた古代の砦を舞台に、圧倒的な強さを誇る“何者"かに統率されたゴブリンたちとゴブリンスレイヤーたちが激突する! !

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ゴブスレのコスプレ

称号は

{netabare}“慎重勇者”でよくね?{/netabare}

60分一本勝負。劇場版と言いつつTV版の延長でワンエピソード追加したくらいのボリューム。COCO壱のちょいがけソースかラーメン屋の替玉みたいなもんと思えばいいかもしれません。というわけでしてご新規の皆さまは元ネタのTV版を視聴後にぜひまたお越しくださいませ。

やや短めの尺。OVA1話分に合わせたかのような軽めの脚本。映画館に足を運ぶ必要性は感じません。今(2020年11月)からですとレンタルor配信ですので、そうなれば敷居自体は低いですから元ネタのファンなら気軽に手に取ってよいでしょう。私は映画やってるのすら知りませんでしたので内容の如何を問わずなんかラッキー!って感じ。

だから基本的には文句はないのだけどごめんなさいね。違和感が少しばかりある。

{netabare}・令嬢剣士の帯同はプラスにはなってませんでした
・以前だったら帯同させるにももっとメリデメを冷徹に計算してたと思う
・妖精弓手の矢じり摘出の時に周囲の警戒怠ってたよね{/netabare}

肝心の慎重さ足りなくなってません?
ゴブリン相手に慢心せず愚直にPDCAを回す偏屈者。主人公ゴブスレさんの従前の人物評です。
敵さんを先回りした策がハマった時も、知恵の蓄積だったり可能性を一つ一つ潰していった形跡など“らしさ”を感じたものでしたが今回はそんな職人気質のゴブスレさんに“ご都合”の匂いがしてました。
{netabare}※酸素摂取できる指輪を配布したり稲妻魔法の使用制限を要請するなど伏線として利いてるとの見方もできましょうがなんか違うんだよなぁ。{/netabare}


ゴブスレっぽいものという結論になりますでしょうか。
それでややネガティブ評にはなりますが評価気にしないでくださいね。
所詮60分ですからまずはご自身の目で確かめていただいてという作品でしょう。



※ネタバレ所感

■策士策に溺れる?

{netabare}雪上決戦。事前戦闘でボスに発信器(剣回収用)みたいなのをつけて下準備。追撃戦でゴブリン達が門から出てきたら誰かが囮になるかもしくはデコイみたいなのを魔法で出して敵に追わせる。それで門から出きったら上から雪崩起こすので良かったんじゃね?とどうしても思ってしまう。雪崩を戦略に組み込むなら後面が崖と敵さんより下り斜面(谷側)に陣取るのがどうも腑に落ちませんでした。{/netabare}

{netabare}だから雪崩にわんさか巻き込まれるクライマックスは不謹慎ながら大規模コントのオチみたいな見え方をしてました。
ドリフのオチのテーマ(『盆回り』というらしい…)を脳内で流すとしっくりきましたね。{/netabare}



視聴時期:2020年10月 

-----

2020.10.23 初稿
2021.08.20 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 38
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ゴブリンを殺す、一匹二匹三匹、そうか、そうか

 ゴブリン退治にパーティを組んで旅立ったお嬢さんを、ゴブリンスレイヤーに救出の依頼があり、その一行の活躍のお話だったです。

 TV放送あったのは知っていたけど見たことはなかったですが、上映があったので見たです。

 ゴブリンスレイヤーというのが、竜宮院聖哉の声で、「ゴブリンを殺す!」「そうか」という言葉の多かった印象です。
 ゴブリン退治も何か生々しく、過激な気がしたです。
 ここでのゴブリンは少し賢く、儀式的なこともするです。

{netabare}  一行の活躍によりお嬢さんを救出するけど、仲間の仇討ち、お嬢さんの聖剣の奪還に話は変わるです。
 ゴブリン砦まで出てきて、潜入、場外戦にまで発展し、やや危機的になりながらも平然と目的は達成されるです。

 ゴブリン退治に10年?だかになるとか言っていたけど、年が明けてもそうするようで{/netabare} 大変だなぁと思ったです。
 ゴブリンスレイヤー仮面甲冑姿のまま、食事をする光景を見て、食べるさまがよくわからなかったです。
 TV放送も見れたら見てみるか?です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 10
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

あなたが落としたのは、金のゴブスレですか? 銀のゴブスレですか? そうですか、じゃあ正直者なあなたに、キレイなゴブリンスレイヤーをあげましょう。という違和感。

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
ゴブリンスレイヤーのOVA。60分。

テレビシリーズは☆4をつけている、好きな作品なのですが、本作はイマイチでした。多分、本編を観ていなければ感じない違和感なんでしょうけど、それがどうにも。クオリティ自体は低くないし、ツマンナイわけではないんですけど。

ていう部分をレビューで書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作の良さといえば、ゴブリンに対してはどこまでも冷徹で、執念深さをもって滅するところにあると思うけど、城攻めの時のゴブリンスレイヤーは、あまりにも無謀且つ雑。

ある意味で、ゴブリンを最も高く評価しているはずのゴブリンスレイヤーなのに、ゴブリンを侮っていたように思う。敵に弓があったら死んでいるシーンが何回もあった(てか、あるのに撃たない)。それに、プロテクション+雪崩は先制攻撃に使うべきだろう。剣なんかにとらわれず、先ずは敵の殲滅。剣は後から回収できればラッキーくらいのスタンスのはずでしょう。

ゴブリンスレイヤーは勿論優しい男ですが、あくまで第一優先はゴブリンの撃滅にある。だからこそ、(テレビ版の最後の)唯一のワガママを言った(そして仲間が協力してくれた)「牧場防衛戦」には、彼の人間らしさが見えて感動したのである。

それが、いくらゴブリンにリベンジしたい気持ちに共感できるとしても、ちょっとあの女騎士に肩入れし過ぎ。なんか、「キレイなゴブリンスレイヤー」って感じの違和感があった。もっと「汚ない、でも純粋なゴブリンスレイヤー」が好きなんだけどな。

これなら、「ゴブリンスレイヤーの日常、(鎧)ポロリもあるよ!」の方が、まだ観たかったかも(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 24

65.9 4 復讐で仲間なアニメランキング4位
ラディアン(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (105)
470人が棚に入れました
トニー・バレントさんのマンガが原作で、魔法使い見習いの少年が、世界を救うまでの活躍を描いた冒険ファンタジー。友情や努力、絆、出会いと別れなどを通して少年が成長する姿や強敵とのバトルが描かれる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、悠木碧、大畑伸太郎、朴璐美、小市眞琴、遊佐浩二、子安武人、山口勝平、吉野裕行、東山奈央、三宅健太、寺島拓篤、早見沙織、佐倉綾音、緒方賢一、木村良平、稲田徹、速水奨

匿名係長 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

高評価多いから見てみたけど

ネメシスという化け物が世界を荒らしている。
対処できるのは過去にネメシスに触れ呪いを受けた魔法使いだけ、しかしそんな魔法使いも忌み嫌われているという設定。

うーん、戦う理由が分からない。
小悪党が言っていた、助けてやっても感謝の言葉すらなく、頼られるのはネメシスが現れた時のみで、倒してもその後は掌返しって、、、
ホント、そんな奴ら助ける動機が見つからないと思ってしまう。
あるとすれば依頼されて倒すことで得られるであろう報酬くらいでわ?

加えて主人公が精神的に子供すぎるというか、バカすぎる。

何というか主人公の戦う理由が、カッコいい魔法使いになりたいとか、魔法使いが誤解されてるのがどうというフワッとしたもので始まっている事がこの上なく共感出来ない。

そこは過去に親を殺されたから駆逐してやる的な理由があって然るべきなのではないか??

どこからともなくやってくるネメシスの巣を見つける為に旅に出るらしいが、師匠がそんなものは御伽話であって、有るならとっくに誰かが見つけていると、、
ホントその通りである。

主人公はやってみなきゃ分からないと話を全く聞かない系だし。
結局旅立つとして、当ての無い旅なら現状と対して変わらないのではないか?
(主人公達が住んでる家は気球みたいな飛行船)
てか、全くの半人前である状態で旅立って何ができるというのか。

徳川の埋蔵金を見つけ出す!と言って子供が家を飛び出るようなものだ。

せめて何かしらの情報を手にしてから冒険スタート出来ないものなのか?
と、色々と思うところだらけなんですよ。

この後、仲間出来たり成長して強くなったり強敵と戦ったりするんだろうけど、こんなフワッとした状態でストーリー進んで面白くなるのだろうかと不安が大きい。

レビューでは高評価多いので、ちょっと期待しすぎていたのだろうか。
もちろんまだ3話までしか見ていないので、評価材料は少なすぎると思いますが、現段階では正直面白くないという感想です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

NHK王道冒険ファンタジーの遺伝子は?

地上波夕方ヒロアカの後は逆転裁判…
えぇまたこれかと思ってたら

裏番組のEテレで放送

監督:岸誠二(瀬戸の花嫁、月がきれい、あそびあそばせ)

声優
主人公セト:花守ゆみり
ヒロイン:悠木碧
他、豪華声優人多数…

異世界魔法ファンタジーかな?王道アニメに期待です!


4話まで視聴
思った以上にゆっくりした展開、ようやくヒロイン登場&冒険スタートって所かな?
ヒロイン役に悠木碧さんだった理由が分かる回でした。
さすが何種類も声出せる悠木碧さんにピッタリのヒロイン設定。

私的にNHK冒険ファンタジーアニメで思い出されるのが未来少年コナン、ふしぎの海のナディア
NHK名作冒険ファンタジーアニメの遺伝子は引き継がれてるのかな?

視聴完了
最近では珍しい2クール近い話数なのに安定した面白さは流石、NHKでした。
意外と政治的な主張があったり、モダンファンタジーアニメだった。
ファンタジーの割りに若干ワクワク感が足りないのがマイナスかな…
それは今期残した謎を解決してくれる2期に期待。

主人公セトを演じた花守ゆみりさん、少年役に違和感なくって最大の発見かも。
色々声出せて多くのキャラ演じれるのは悠木碧さんと思ってたけど、花守ゆみりさんもこれから少年役増えそう。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 21
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

起承転結の「承」に工夫が欲しい

2018年10月~2019年3月放送のTVアニメ。第1期全21話。
第2期が2019年10月より放送開始と発表されているので、今回物語評価は3のままにしてあります。

トニー・ヴァレントによるフランスの漫画が原作で、2019年3月現在、邦訳版が9巻まで刊行。私は未読です。

海外の漫画原作というのが気になったので視聴しました。
原作も日本の漫画を意識した作りだそうですし、アニメも違和感なく見られます。ただ序盤は独自性が見出せず、少し飽きてしまった時も。
作画は安定していましたが、もう少しコンテ・演出に工夫が欲しい。
エンドカードがいつも凝っていて楽しかったです。


【良かった点】
ストーリーは王道で直球勝負なのが小気味良く、反面、移民や魔法使いへの偏見と迫害が重くシビアな見所を作っています。この点は海外の作家の感性かな?
さらにアルテミス学院という明るい街が、重い世界観の中で清涼剤的な役割を果たしていて良かったです。
{netabare}
キャラクターの好感度がとても高かった。
意外と暗い世界観に対して、主人公のセトは物怖じせずいつも明るいので、辛い描写があっても見ていて引きずらないで済みました。
セト視点では描けない異端審問官側から世界観を見せてくれるドグラノフが対比的で、それも良かったです。
また女性キャラにそれぞれ個性と魅力があり、特にアルマが最序盤では物語を牽引し、テーマを明確に見せてくれました。
セトに対して母親たるアルマ、良き友人たるメリ、迫害された経験を共有しその死がセトの心の傷となるハーメリーヌ。この3人は立役者だと思いますし、配役も演技もとても良かったです。{/netabare}


【気になった点】
{netabare}原作に対してアニメの尺が長すぎるとわかってしまうのはいかがなものか…
展開が丁寧なのは悪いことではないですが、1クール目では話があまり進まない上、世界観を掘り下げるような展開には主人公が絡まず、正直掴み所が無い。アニメ独自の部分がちょっと煮詰め切れていない印象がありました。
「偏見」「迫害」というテーマを肉付けする回をいくつか入れるなどして、コミカル回とのメリハリを付けるのも一つの方法だったかな、と思います。{/netabare}

起承転結の「承」に何を描くかで作品の厚みが増していくものだと個人的には思っているので、展開をもう少し早めにして、尺が余るなら内容を詰めていく工夫が欲しいかも。
今のところ、第2期も可能なら見てみようかと思っています。(2019.3.11)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 12

94.4 5 復讐で仲間なアニメランキング5位
鬼滅の刃(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1655)
6884人が棚に入れました
血風剣戟冒険譚、開幕。舞台は、大正日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変した。 唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異した妹・禰豆子を元に戻す為、また家族を殺した鬼を討つ為、2人は旅立つ。鬼才が贈る、血風剣戟冒険譚!

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、大塚芳忠、梶裕貴、加隈亜衣、岡本信彦、森川智之、悠木碧、井澤詩織、浪川大輔、山崎たくみ、緑川光、子安武人、坂本真綾、山下大輝、早見沙織、千葉繁、上田麗奈、日野聡、小西克幸、花澤香菜、河西健吾、杉田智和、鈴村健一、関智一、関俊彦、木村良平、福山潤、小松未可子、諏訪部順一、内山昂輝、小清水亜美、森久保祥太郎、白石涼子、稲田徹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒット作を語らう時の心の姿勢

2020.04.12 追記

思うところがあっての大幅加筆。
視聴後に書いた作品レビューは後段に残しときます。
 ※ごく一部のアニヲタ批判も含んでるので気分害されちゃったらごめんね


作品の良し悪しについて各々語るのがレビューサイトの目的の一つですが、この作品は久々に普段アニメを観ない層を巻き込んで社会現象を起こしたということもあって、その観点で一言申し上げたく候。基本雑談です。


{netabare}とあるコーヒー屋にて見かけた風景。
「こんないいものなのになかなか理解されない」

自身が愛好しているものを理解してほしい。誤解を解きたい。なんなら広めたい。趣味人なら自然と沸き上がりそうな感覚です。少なくとも目の前で熱弁をふるってるこの人はそんなタイプの人。そしてその対象はアニメでした。
一緒にいる相手はそれほど興味のない層。よくありそうなシチュエーションです。
時は2016年。大ヒット中の映画『君の名は。』を映画館に出向き鑑賞し感動したと伝える非ヲタさん。話を合わせただけかもしれませんが、そんな会話のきっかけを全力で折りにいくアニヲタさんがいました。曰く、

「あーあれ話の辻褄全然合ってないんだよね」
「話が頭に入ってこないから全く泣けなかったわー」
「それよりも新海監督の前作がなんちゃらかんちゃら…」
「それよりも同時期の『聾の○』『この世界の何某に』のほうが凄かったけどね」
等々

前段でなかなか理解されないというやりとりを耳にしてたからなおさらかもしれません。

 「そりゃあんた理解しろというのが無理だわ」

単に巻き込みに失敗しただけでなく、むしろ遠ざける逆の効果を発揮するコミュニケーションでした。あほらし…
別にあにこれで同種のレビューを投稿するのは一向にかまわないと思います。同じヲタ同士で一定の土台を共有してますし、節度を保って思うところぶちまけてもらったほうがよいしそういう場です。
そのため「『君の名は。』つまんねーのにそう言っちゃだめなのかよ!」とか「思ってもいないこと(面白くないのに面白いと)言うほうが不誠実だと思うが?」という話では全くないので悪しからず。

せっかく興味のなかった人が興味を示してくれたのに。当のヲタさんだって仲間になりたそうにこちらを見ているのに。…全力でへし折りにいってませんか?です。

 「どこらへん面白かったの?」
 「アニメってどんなの想像してた?」

せめてこれくらいのワンクッション置いてから持論を展開してほしかったところ。
非ヲタさんはアニメを観にいちいち映画館に足を運ぶなんて滅多にないでしょうに。ここらへんの想像力がこのコーヒー屋で出会ったアニヲタさんには決定的に欠けてます。
もうなんというかオタクどうこうよりも単なるコミュニケーション下手かどうかの話のような気もしますが、やらかしがちなので自戒も含めて気を付けましょう。


というわけで何を言いたいかはもうお分かりですね。
4年ぶりに似たような局面がきてるわけですよ。クリスマスや誕生日のプレゼントに単行本をせがまれてみたり、芸能人がファンであることを公言して、なかには椿鬼奴さんみたいに番組内でネタにしてたりもする。LiSAさんが紅白に出場してたりもしましたね。

とはいっても、制作会社「ufotable」。声優「花江夏樹」「鬼頭明里」。一般人はまず知らない単語です。紅白出場したからといってアーティスト「LiSA」さん知らない人だって多いでしょう。今回で興味を持って動画を漁ったとしても客席サイリウムが乱舞してる光景を見たらそっ閉じしたくなるのが人情です。
余計なお世話でしょうが、同好の士を増やしたい私としましては非ヲタさんとのやりとりは「お手柔らかに」と願うところであります。

『鬼滅の刃』気に入ったのならこんなのもあるよ(^^)
そんな展開を夢見て以下、


■映像凄かったっす

作画に触れて制作会社「ufotable」を話の枕に『fate』『空の境界』をご紹介。劇伴も同じ梶浦由記さんだったりします。


■声優さん繋がりも

ベテラン・若手・中堅問わず実力のあるCVさんが多く起用されていた本作です。要は年間通して登板回数の多い人たち。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準です。

 「その○○役やってた人だったら、今ちょうど△△ってアニメに出ているよ」

リアタイものだと「じゃあ明後日チェックしてみよう」と敷居が下がったりするものです。

それに各々代表作を持ってそうですから、そちらへの誘導もありですね。
花江夏樹さんなら『四月は君の嘘』。早見沙織さんなら『あのはな』。あたりは非ヲタ向け鉄板でしょう。「いやそれより『俺ガイル』が鉄板だ!」そのへんはどうぞご自由に(笑)

我妻善逸(CV下野紘)からの『ACCA』ジーン・オータス役。
嘴平伊之助(CV松岡禎丞)からの『SAO』キリト役。
本作での役どころとは違う顔を見せている作品も驚きがあっていいですよね。


自分もそうでしたが、声優さん、制作会社、劇伴担当、キャラデザインあたりの繋がりから広がっていったと思います。

まあそんな感じの世迷い言です。お付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに私はこの作品を手放しで褒めておりません。{/netabare}




↓以前投稿した作品についての感想
--------------------------------------------------------------
2019.10.04記
旧件名:良いほうの『少年JUMP』

{netabare}
艶やかな街の灯り
静謐な山間の雪景色

とにかく綺麗な作品です。
色使いが独特といいますか鮮やかな色の組み合わせが印象に残ります。
主人公炭治郎の羽織(緑と黒)はサムネでも確認できる組み合わせ。

その一方で、毎話冒頭サブタイトルコールの墨色を用いた水彩風の演出にも味わいがある。全体の色味が和風なんですよね。

そしてこれがぐねぐね動くのを目の当たりにすることになります。
バトルシーン。抜刀時の緊張感。連続した体動作の流麗な運び。対立する“鬼対人”の果てなき抗争の物語のためバトルシーンは多くあり、手を替え品を替えての演出に都度唸ることでしょう。


制作会社『ufotable』は、『劇場版 空の境界』でアニメビギナーだった私の心が鷲掴みにされたこともあって、本作『鬼滅の刃』は事前から楽しみにしていた作品でした。

『空の境界』は、和装のヒロインの殺陣がとにかく流れるようだったのとそれを活かすコマ割りで、これまでバトルを“迫力”という概念でしか見れてなかった自分に”美しさ”というものを教えてくれた忘れられない作品です。



さて『鬼滅の刃』に戻ります。
冒頭作画に触れたのは、この一点だけでも「買い」だと思ったから。なお原作は未読です。
週刊少年ジャンプは『ONE PIECE』が連載される前に卒業した私ですが、いかにもジャンプらしい作品と言えるのではないでしょうか。たしか

 “ 努力 友情 勝利 ”

でしたっけ?
その王道を行くかのような竈門炭治郎(CV花江夏樹)が主役の物語。鬼に親兄弟を惨殺され唯一生き残った妹も鬼と化してしまう。その妹竈門禰豆子(CV鬼頭明里)を人間に戻す手段を探るべく、人外なる鬼を討伐する組織へと身を投じていく流れとなってます。

良いですね。
炭治郎が素直で努力家で妹思いで諦めない強い意志を感じさせるいい奴なんです。私としてはこの主人公と冒頭述べた作画の2点推しです。
・・・以上なんですけど一応5項目整理しておきます。


▼物語

あらすじ読むと暗そうな話ですが、実際展開されたのはシビアな場面とギャグパートとのほどよい緩急。すっと肩の力を抜けるポイントが用意されてそこそこ笑えます。
それにインフレし過ぎない敵キャラ。鬼舞辻無惨(CV 関俊彦)を最終目標と定めてのブレない展開も好感。
炭治郎の鍛錬シーンに尺を取り強くなっていく過程を丁寧に描いたことは戦闘の重みや背負うものの大きさなどに説得力を持たせる効果がありました。また、鬼を一方的な悪として描かないこともお家芸とはいえ好きな設定。


▼声優

弱っちいけど芯のある人物を演じるには花江さんの選択は良かったかと。2018年初頭『グランクレスト戦記』『ラーメン大好き小泉さん』でその名を認知したのち、視聴作品が被ってなかった鬼頭明里さんのフルボイスを久々聞けたのは個人的に◎。
敵方の “ 十二鬼月 ” そして鬼殺隊エリートの “ 柱 ” 両陣営にも豪華声優陣を配置。 一部しか登場してないので今後の発展性の面でも楽しみが残ります。

{netabare}禰豆子を人間に戻すためのキーマン珠世を坂本真綾さんが演じられているのも耳に心地よい。もっと珠世を出しておくれ!{/netabare}


▼キャラ

我妻善逸(CV下野紘) 嘴平伊之助(CV 松岡禎丞)の位置づけが絶妙でした。
濃いっすね。途中からお笑い担当みたいになってましたが…
{netabare}協力プレイで敵を撃破!という印象がないのです。
意図したものなのか、兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめでした。今後の伸びしろを感じるところです。{/netabare}


▼作画

既述。
追加で、室内戦闘の描写もすさまじかったですね。
{netabare}ジャミロクワイの名曲『Virtual Insanity』のPVイメージで、そこの灯りを暗くして動きをめちゃくちゃ激しくしたような響凱(CV諏訪部順一)との戦闘も目を奪われました。鼓を打つ鬼とのバトルですね。{/netabare}


▼音楽

安定の梶浦案件。
地味に評価したいのが2クールの前後半通してOPEDが変更されなかったことでしょうか。昨今のお作法からみても異例な気もしますが不自然さは感じません。
{netabare}後半で曲を一新して、最終話クライマックスで前半OPどーん!演出って分かっていてもアガるんです。でもそれをしない勇気といいますか、作品の一貫性考えると変えないほうがいい気がします。{/netabare}




整理してみると、個別項目でのマイナスはあまりなかったです。
続きは劇場版でということでしょうが、まだ開けてない引き出しも豊富なので不安はないでしょう。

ただし、2クール後半でやたらキャラ増やしてお披露目パートみたいになってたのをどう見るか?
ちょっとイマイチでした。単に私が消化しきれなかっただけで、これも続きありきということなら仕方のないことなのかもしれません。

それに少年漫画らしいシンプルな面白さを追求した感があって、エンタメとして申し分ないわけですが、天井をぶち抜くような破壊力まではありませんでした。あくまで感覚的なものです。

きっと作画表現に度肝を抜かれたこともあって同等かそれ以上のレベル感で「深み(絶望)のある物語」を期待してしまったのではないかと思われます。


いや充分面白いんですよ。今期(2019年9月終了もの)TOP3に入るのは間違いありません。全方位でおすすめです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.10.04 初稿
2020.04.12 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 105

takato さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

申し訳ありません…。何の成果も得られませんでした!。

 タイトル通りな気分で見終わりました…。仮に私には合わなくても、ヒットの要因の一つくらい切れっ端でも掴んで帰ってやる!と思って挑みましたが…。


私には「最低3話まで見て盛り上がらない作品はそっから盛り返すことはない」というジンクスがありまして、当初そこまで騒ぎになってない頃に数話見たがピンとこなかったので保留状態だったのですが、やはり避けては通れないタイトルですし、宙ぶらりん状態はモヤモヤするので挑戦しました。(物凄い長期作品はジンクス外ですが。)


本作は多くの要素を揃えているが、みんなそこそこという印象でした…。とにかく見辛くなるような要素が少なくてビジュアルも小綺麗にまとまっている。しかし、面白さとはマイナスが少ないことではなく、いかに強烈なプラスの要素や個性を打ち出せるか?ではないでしょうか?。


本作の問題点としてまず感じたのはキャラである。バトルものにおいては、敵役が非常に重要なのは今更言うまでもないだろうが、敵役にまで及ぶキャラ愛、キャラ造形の妙技を感じられない。中ボスは本当にかませか、能力だけが先行している駒という印象。


キャラづけのために過去回想でこんな悲しい事情が…な展開をやるのはあまり上手な手とは言えないが、決して全否定はしない。ただ、その内容が「別に…」で思わず沢尻エリカ状態になってしまう。


櫻井さん演じる薬売りさん初登場の「妖ayakashi」の一篇「化猫」や、私の大好きな「マルドゥック・ヴェロシティ」のボイルドみたいに壮絶すぎる悲劇や業を巧みにかつドラマティックに描けてこそ初めて悪堕ちの物語は胸を打ち共感に達する。


味方の人気キャラ?な善逸や亥之助もだけど、キャラを出落ち的にだけでなく奥行ある生きた存在にする技が弱いように感じられた。


それでは成功例を示せ!と言われれば、私は「ジョジョ」シリーズを挙げざるを得ない。かの作品では、中ボスどころか、モブですら名セリフを吐き、忘れ難い印象を強烈に残してくれる。能力バトルの面白さも雲泥の差。


というか、善逸たちはあんなに人気キャラなんだからもう大活躍で、炭治郎と硬い絆を築くのかと思ったら、本格的に出てくるのは11話以降とかで、戦闘も2回くらいしかない…(最初は顔見せ的なやつだし)。


つーか、二人とも出落ち的なインパクト勝負という印象だし、流石にウザ絡みとしかいいようながないテンションの連続はねぇ…。片方は引き算が効いたキャラにすれば良かったのに。


そもそも問題だが、主人公が何の欠点もない、クラスの良い子な感じの炭治郎なのはどうかと…。少年漫画の主人公ってアウトサイダーか、最低でもクラスの外にいるようなキャラだからこそオタクでも共感できる気がするのだが。あと、欠点が個性になるだろうに。


あと、2クールもやった割にはあまり話が進んでいないのが第2の問題だろう。2クールあれば、グレンラガンは穴底から宇宙へ、攻殻機動隊ならサブの話をやりつつ巧みに「笑い男」の物語を纏められるレベルである。


原作があるとはいえ、本作の大きな山って実質はvs累だけじゃね?という気が…。その累も打倒に血道をあげてきたわけでもなく、事件の影に常にいたわけでもなく、急に出てきたキャラだし…。あと、ラストの切りどころもなんか微妙。


そして個人的に一番の問題は、善逸の件で多少触れましたが「笑い」である。私が本作を視聴していて一番の強敵だったのはやたらコミカルシーンになるんだけど…そのたびに寒〜い気持ちになって虚しくなることが多いことでした。


映画評論家の町山さんの邦画についてのコメントを援用するなら「コミカルな場面でテンションとノリだけで持っていこうとしても笑えません。かえって寒くなるんです」。この言葉を本作に贈りたい。特に善逸(ちなみに下野さんは大好きですからあしからず)。


近年だと、軽妙にコミカルとシリアスのバランスを極めていた「よりもい」、宮野さんの怪演を中心に破壊的なギャグを打ち込んでいた「ゾンビランドサガ」という傑作が出てきてる中で、このテンション一辺倒なのは笑えない。


唯一笑ったのは、善逸と出会ってすぐの炭治郎の無表情のシーン。ちゃんと引き算のギャグになってるし、善逸のツッコミもちゃんとはまっていた。


まぁ、笑いのツボは人それぞれって言っちゃえば話は終わっちゃうのですが、それを言っちゃあアニメの評価も好きずきであって同じことだと思います。これが笑える人がいても否定なんてしませんが、少なくても私は全く笑えませんでした。


私としては、本作も近年見かけがちなバブル的に一時騒がれるけど、しばらくすればあれは何だったんだろうなぁ〜な作品の極端な一例に過ぎないと思われました。


本作がかつてのような伝説作品のようになって、長い間アニメ界に影響を与え続け、アニメ史上においてエポックな作品として絶対語られるようになる未来は全く私には見えません。


物凄く悪い作品とも、頭にくる作品とも言いませんが、なんか薄い作品だった…の一言で締めたいと思います。


(追記)

 劇場版もそうですが、本作のヒットは思わぬ要素、コロナと幼児にまでウケた点が大きいと思われる。とにかく主要キャラが総じて幼い感じで、そんな子達がワチャワチャしてて、クールやニヒル要素があまりない。そして、親御さんとして見せても安心な良い子感(それが私は物足りない)。そういった偶発的な要素が大きかったのではなかろうか?。後でもっと盛り上がってるところ映画化しても今回のような成功は二度とないでしょう。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 75
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

家族の肖像(※女性漫画家と新しい波の兆し)

アニメーション制作:ufotable
監督:外崎春雄、脚本:ufotable
キャラクターデザイン:松島晃、
音楽:梶浦由記、椎名豪、原作:吾峠呼世晴

最近の週刊少年ジャンプは、
ダーク系が主流なのだろうか。
『HUNTER×HUNTER』しか読んでないので
分からないが、『約束のネバーランド』も
同じ系統だし、読者層の年齢が上がって、
売れ筋も変化しているのかと想像している。

とはいえ、この作品が重視しているのは、
ジャンプの王道を踏襲した作風。
努力、成長、友情、純粋さ、家族愛など、
ジャンプに必要なものは、
全て揃えているように思える。

大正時代のある場所。
優しくて家族思いの竈門炭治郎(かまどたんじろう)は、
兄弟の世話をして長男としての務めを
果たしながら、毎日を懸命に生きていた。
家族の結束が固く、より大切にされていた時代。
ある日、町に炭を売りに出かけていた炭治郎は、
帰りが遅くなったため、知り合いの家に
泊めてもらうことになる。
夜になると鬼が出ると言われていたからだ。
{netabare}翌日、家に戻ってみると、母と兄弟たちが
惨殺されているのを発見する。
炭治郎はそのなかから僅かに息のある
妹の禰豆子(ねずこ)を抱えて助けを求めるために
雪山のなかを飛び出していくのだった。{/netabare}

{netabare}鬼に対抗して禰豆子を人間に戻す方法を探すために{/netabare}
炭治郎は、冨岡義勇の紹介で鱗滝左近次の元で
修行に励み、鬼殺隊に入隊。
禰豆子とともに鬼に対抗していく。

ここまでの物語はジャンプの王道展開そのもの。
修行して戦い、敵のボスと遭遇し、目的を確かにする。
大きな特徴といえるのは、相手側の鬼は
元々が人間で、昔の家族との記憶を
全員が朧気ながら持っていること。
その時の想いに沿った攻撃を仕掛けることもあり、
死に際には、家族の思い出とともに消滅する。
敵が人外であっても心を持った者であり、
そこを重視する作りになっているのは、
最近の少年漫画の流行りなのかもしれない。
この設定は『HUNTER×HUNTER』の蟻編を想起させる。

浮世絵を意識した水の表現法をはじめ、
作画面のこだわりは素晴らしい。
動きもスムーズで乱れるところがない。
制作陣の相当な意気込みが感じられる。
家族とのつながりを重視したのも、
関係性が希薄になりつつある今の時代に合っている。

ただ個人的にはストーリーに惹かれるものがなく、
第1話を除いた前半から中盤に関しては凡庸な印象。
よくある設定が想像通りに進んでいき、
敵との戦いにも新鮮さは感じられない。
絵の良さはあるが、戦いのシーンが長い割には、
刀で戦うという制約があるため、バリエーションが少ない。
また、炭治郎と禰豆子以外の味方のふたりが騒がしくて、
コメディにも辟易としてしまう。
ジャンプ作品なので仕方ないとは思うが、
お約束に縛られ過ぎていると感じた。
しかし、多くの人の心を奪ったであろう
19話の展開や魅せ方で一気に物語へ引き込む。

鬼の家族ともいえる集団が住む森に炭治郎たちは向かう。
十二鬼月のひとりである累を筆頭とした
蜘蛛の糸を操る鬼たち。
家族を大切にするという記憶だけに
取りつかれていた累は、恐怖による支配で
鬼の家族を形成していた。

蜘蛛の糸に捕らえられ、月光のなかで浮かぶ禰豆子。
炭治郎は死を覚悟して累へと突っ込む。
この回は動きだけでなく、止め絵の美しさも
しっかり考慮されているのが感じられる。

家族との思い出。
幼いころに見た神楽の記憶が炭治郎に力を与え、
父の舞が自身の動きと重なっていく。
一方、禰豆子の脳裏には母が現れる。
妹は兄を助けるために残った力を絞り出す。

誰にでも大切なものがある。
心と体が弱っているときに、
家族や大切な人が自分のことを
愛してくれているということを思い出すだけで、
大きな助けになることがあるのだ。
そんな普遍的なことを物語と映像で
ドラマチックに表現した手腕は見事だった。

鬼殺隊のトップである9名の柱。
十二鬼月の新たな追手。
鬼舞辻無残の血を得て、
より強力になった下弦の鬼が
炭治郎たちのいる列車に乗り込む。
続きは映画の無限列車編で。

家族の物語はどこに向かうのだろうか。
(2019年10月12日初投稿)

女性漫画家と新しい波の兆し
(2020年5月23日追記)

先日、週刊少年ジャンプで
最終回を迎えたというニュースが流れた。
ひとつの作品として、これは異例のことだ。
恥ずかしながら、リアルタイムでアニメを観ていたときは
社会現象になるほどの大ヒット作になるとは、
全く予想していなかった。
2020年5月の時点で、累計発行部数は、
6000万部を超える見通しだという。
2019年度の集計では、10年間連続1位を
獲得していた『ONE PIECE』を抜いた。
現在でもコミックスの品薄状態が続き、
映画公開も控えていることから、
さらに数字を伸ばすことが予想されている。
現在、たった20巻までしか刊行されていないことを
考えると驚異的といえる。
この数字は、過去の全ての漫画と比較しても
30位以内に入るという。
私の周りでも普段アニメや漫画にそれほど
親しんでいない人が夢中になっているのを
よく耳にするので、それだけ一般層にも深く
浸透しているということだ。

作品の特徴としては、やはり女性作者が少年漫画誌に
少年漫画のロジックで描いたことだろう。
上記でも触れたが、少年ジャンプに必要とされるものは、
全て揃えているように感じる。
ただ、そこに女性作者特有の視点が付加されている。
それが、多くの人々の琴線に触れたのだろうか。

家族愛がこの作品のテーマのひとつであることは
間違いないだろう。原作は未読だが、
アニメで観たところ、敵味方関係なく、
家族について多くの時間をかけて描写しているのは、
大きな特徴となっている。
しかも、時代は大正時代をわざわざ選んでいる。
そのことに頭を巡らせたとき、
昔、友人の女性と話していたときのことを思い出した。

「もっと昔の時代に生まれたかった」
と彼女は言った。
「今の時代はあまり合わないのよ」と。
いまひとつ意味を理解しかねて、
色々と話を聞いてみると、自分の祖父や祖母たちと
過ごした時間のなかで感じたり、書物のなかでの
知識によって、人と人との関係性や
家族の形、男女の役割など、全てが心地良かったようなのだ。
当時の私は、それを聞いて、よくある懐古主義なのかと感じた。
例えば、雑誌『サライ』を好きだと言うように。
昔の時代だと、不自由なことも多く、
楽しいことも今よりは少ないような気がすると私が口にすると、
彼女は、それでもいいと言った。
規律や狭い常識に縛られていても、
それが自分にとっては、合っている気がすると。
結局、私は彼女が感じたことをよく理解できなかった。

今になって思うのは、人生においてたくさんの
選択肢があったとしても、必ずしもそれが幸せに
つながるわけではないということを
彼女は感じていたのかもしれないということだ。
決められた自分の役割のなかで、
何かをひとつずつ選び取っていくほうが、
自分の性には、合っていると考えていたのだろう。
彼女は、とても頭の良い女性だったが、
地図を読めないことをよく嘆いていた。
彼女にとって、人生に対する考え方は、
もっとシンプルな形をしていた気がする。
それは、昔の日本文化のなかに確実に存在していた
「潔さ」や「温かさ」とでもいうべきものだったように思う。

私は『鬼滅の刃』が幅広い人々の
支持を受ける理由のひとつに
そういうものがあるのではないかと感じる。
主人公の竈門炭治郎は大家族の長男として、
毎日、懸命に働きながら、
たくさんの兄妹の面倒を見ていた。
彼は定められた自分の役割を全うすることで、
満ち足りた幸せを感じていた。
やがて鬼によって家族が惨殺され、
僅かに息のあった禰豆子を助けるために、
さまざまな困難に立ち向かっていく。
そして、禰豆子のために生きていくことを決意する。
決断に全く迷いはなかった。
そんな状況にありながらも炭治郎が大切にすることは、
他人の気持ちに寄り添うことだった。
たとえ、相手が鬼だとしても、その哀しみを受け止める。
多くの人々の哀しみを全て抱えながら、
敵に向かっていくのだ。
全てを背負う度量があって、ストイックで真っ直ぐだ。
こういうほぼ絶滅してしまったと思える男性像に
女性読者は惹かれるのだろう。
この層は「歴女」と呼ばれる人たちとも被る気がする。
また、善逸や伊之助も抱えている背景がしっかり描かれ、
その事情や彼らの強さの理由が分かるのもいい。
彼らは、自分のできることに向かっていく。

もうひとつ女性作者に特有だと思えるのが、
作品をズルズルと引き延ばしたりしないことだ。
最近の売れる漫画は、ほとんど終わることができない。
物語が終焉に向かったら、きちんと終わらせることも
作者の仕事ではないかと個人的には思う。
出版社側の立場だと「必ず売れるコンテンツ」は、
ずっと手放したくないのは理解できる。
ただ、そんな状況にあっても
幸せな作品の閉じ方を決断できるのは、
女性作者のほうが多いのではないかと感じる。
女性作者は基本的にラブストーリーを
描くことが多いため、
長く引っ張れないという事情も大きい。
それを考慮しても、女性漫画家のほうが
綺麗に終わらせるイメージがある。

指摘されているように、
妹がマスコット化されたことも
女性人気に火をつけた理由だろう。
喋らないヒロインが固定されることで、
主軸が男キャラばかりになり、
女性が好みそうな構図になっている。
これは少年漫画としては、異例ともいえるアプローチで、
読者には新鮮に映る。
ただ、爆発的なブームの理由が、
この部分だけと言われると、それは、無理がある。
あくまでも、ひとつの要素だろう。

いずれにせよ、この作品の大成功で、
ますます少年漫画誌における
女性漫画家の進出が加速する気がする。
同じ少年漫画のロジックに基づいても、
違うタイプの作品ができあがることを証明したからだ。
それは、少年漫画誌における新たな波となって、
今後の業界を大きく変えていきそうだ。
もちろん、アニメ化が大ヒットの大きな要因。
制作を担ったのがufotableで、
その技術力の高さや見せ方の工夫は卓越していた。
今後、残りの原作がアニメ化されるのを楽しみに待ちたい。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 91

83.3 6 復讐で仲間なアニメランキング6位
86-エイティシックス-(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (628)
2156人が棚に入れました
サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。そう、表向きは。本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区"》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)"となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる!

声優・キャラクター
千葉翔也、長谷川育美
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やっぱり冗長で差別問題の掘り下げ不足だと思います。原作読後追記です。

原作の第1巻を読みましたので改めてレビューします。2クール目を見終わった後、冗長すぎて2クールの物語として成立していない気がしましたので確認のためです。

 やっぱり、アニメ版は相当引き延ばしがありますね。まったく1巻にないシーンがあります。ラノベは後から話を補ったり整合性を調整したりするために過去編とか補足を入れることがありますから、それを入れたんでしょうか。あの学園での講演のシーンって原作1巻にはありませんでした。スピアヘッドのシーンもアニメ版はやたらと冗長でした。

 話の構造についてはアニメ同様「差別問題」の不足感はありますね。差別問題はやっぱりセリフだけの説明に終始してしまいました。アニメ版の方がシーンで見させれれている分まだ感情的に動く部分がなくはないです。

 なんといってもSF設定として、社会の人口構成とか食料問題とか86の具体的な歴史とか兵器やITの技術レベル、部隊運用が差別とかの必然性が全く描かれていないので、セリフだけで終わってしまいました。差別はリソースの解消が主な理由ですが、86として有色人種を差別するという、その解決方法をとる必然性にまったく納得感がないと思います。
 また、差別の方法についても、自分の首を絞めているような馬鹿さ加減がリアリティを失わせていました。

 というように差別ありきのストーリ展開になっていますが、差別の結果の悲惨さをシンたちを使って描いた部分はわからなくはないですし、5人が生き残る経緯とレーナちゃんとのやり取り、過去の話は悪くはないです。

 で、原作と比較した印象と、アニメ版を改めて振り返って、アニメ版、本作の2話3話と最後数話の逃避行の部分が顕著ですが、そこの引き延ばしが冗長でしたね。

 原作は、SF小説ではなく「ラノベ」だと割り切って、楽しみ方は別にある。レーナちゃんとシンたちの素性の説明だと思えばまあまあかなあ、という印象でした。ちょっと厨2で熟語使い過ぎですがまあ雰囲気でしょう。
 これは原作が1巻に収まったからそう思えるので、1クールかかってやる話ではないです。一般論ですがラノベ原作なら1クールである程度丁寧にやっても普通3、4巻消化しますからね。
 あの設定過剰と言われる魔法科高校の劣等生ですら2クールで6巻分やってます。

 あのアネットの喧嘩と屋敷の実験の話はアニメ版が良かった気がします。あそこがあるから1クール目は成立した気がします。
 そして、最大の相違ですけど、レーナとスピアヘッド…特にシンとの交流が思ったよりも淡泊ですね。確かにレーナを見直してシンとのコミュニケーションはありましたが、それだけでした。

 つまりアニメ版 {netabare}レーナちゃんとの再会というか邂逅を2クール目のカタルシスに持ってきましたけど、原作ではその意図はもうちょっと違った感じです{/netabare}。その点ではアニメ版の方が上手く行ったかもしれません。それとも2巻3巻ではレーナちゃん、アニメよりも沢山でるんでしょうか。

 私に原作を買わせた点においては、アニメは成功?これから2、3巻チェックします。

 ただ、アニメのクオリティ、そして制作する姿勢は数多ある異世界ものより格段に丁寧だし、2クールの視聴に耐える内容はあると思います。
 私はSFには厳しいので酷評する部分もありますが、根本になるレーナちゃんとシンを中心にしたストーリーの出来は良いと思います。

 




以下 再視聴初回完走時の視聴時のレビューです。

 きっかけあって再評価しました。ちょっと面白いかも。

 かなりひどいレビューを以前しましたが、白い砂のアクアトープを見ていたら1クール目でJK館長の無力さを表現していました。で、その時「あれ、ひょっとして86も同じ構造だった?」と思いついて、断念した3話目の最後から視聴しました。

 なるほど、やっぱりそんな感じでしたね。まずレーナちゃんの挫折と覚醒の物語をやったわけですね。3話までのダラダラした展開と、レーナちゃんのミニスカとあまりに無能で独善的で押しつけがましかったのでムカムカして断念しましたが…その意味では以前の私の批評がそのまま演出意図だったのかもしれません。

 初回、2回目視聴時はレーナちゃんがケーキ喰ってるところ見るだけで「お前が死ね」という感じでイライラしましたが、それは自分事になっていないレーナちゃんの甘さの表現だったと。最後の方でアネットちゃんがちゃんと言ってくれたので、スッキリしました。

 で、あのアネットちゃんの話になるわけですね。これ勿体なさすぎます。1話か2話からもっとはっきり伏線這っておけば、興味が持続したし導入部として謎を上手く作れたのに。さらに兄の件もからめた伏線がはれれば結構分厚いストーリー展開になったと思います。(一応王宮の前云々という伏線はありしたね)

 後付けで説明みたいに見せられる感じがして、なんというか脚本の弱さで評価的に非常に損している可能性があります。本作の最大の欠点は1~3話の視聴者を引き込む力が弱かったことだと思います。原作がどうかしりませんが、ここは脚本と構成でなんとかすべきだったかと。

 4話~9話は結構入り込んでみることができました。10話の最後のあのメモリーの部分を演出に取り込んで、スピアヘッドの過去の皆の半年をもっと早い段階で見せれば2話、3話はもう少しうまくできた気がしました。

 ということでSF設定も落ち着いて考察しましたが、やっぱり本作のSF設定は非常に甘いと思います。社会の人口比問題とか、レギオン側の戦略の問題、AIの発展度合い、貴族無能すぎて社会が維持できないだろう、9年でそこまで豚扱いできるの?とか言いたい事はいっぱいあります。
 また、過去の個人の因縁にみんなつながりがありすぎて、おいおいそれはご都合主義だろうというのもありました。

 あのレギオンと脳波が繋がるような設定は、シンは死にかけたからと言っていました。自覚してませんでしたが昔実験した後遺症なんですかね?
 あと帝国って日本だったってこと?で86は帝国と同じ人種で日本人の子孫だったっていうことになるんでしょうか?これは深読みし過ぎですね。2期で確認しますけど。

 ただ、話として、貴族社会で正義を叫ぶ無力で独りよがりな正義感に浸っている少佐と、自分たちの運命を知っている被差別側のスピアヘッドという関係を作りたかったのはわかりました。
 この関係をあまり深く考えず受け入れれば、それなりに面白い話だったといえるでしょう。という意味で先ほどいった1~3話がもったいなかったですね。


 やっぱりアニメは最後まで見て評価した方がいいかもしれません。特にSFとか作り込んだ話は、今後は(なるべく)切らないで最後まで見るようにします。
 言い訳ですが、最近3話以降の結構遅い回から面白くなる作品が増えてきた気がします。まあ、1話のキャッチ―さばっかり気にするとおかしな話になるからいいのですが、3話または9話くらいまでひどすぎる話が多いきがします。

 ということで、2期に期待できる終わりかっただったし、結構面白かったです。批判しすぎました。ごめんなさいと言っておきたいと思います。評価上げておきます。

(追記 あの混血の子の背中の文字ってわかるんでしょうか。見えてるところがaughなので第一印象では笑うlaughなんですが、ちょっと横棒が見えるのでaughtだとするとcaught(つかまった)、daughter(娘)、naught(ゼロ、無い、無価値)あたりでしょうか)

 あと作画はムラがありますが、アベレージで見ると良かったですね。こちらもごめんなさいと言っておきます。





以下 1回目、2回目の途中断念時の視聴時のレビューです。

{netabare}
 2回目挑戦して結局断念しました。少し冷静にレビューしたいと思います。
 
 断念の理由は、1つは、ヒロインの日常生活時の描写が戦場で戦っている人間を想っているようには見えないこと。人間として扱っていないのはヒロインじゃないか、とも思いました。結局は86という制度を肯定している、といいましょうか。
 もう1つは、本当に戦う人間が必要な状況なら誰かが戦わなければなりません。戦争ですから。誰をチョイスするかで、人種差別があってはいけませんが、死そのものは避けられません。ヒロインはそれを忘れてしまっているように見えました。じゃあ誰が変わりに死ぬんだ?他の貴族に行けって?なら、代わりにお前が死地に赴けよ、と。

 さらに、SFをやるなら「取材」「研究」「教養」「想像力」が不可欠です。なんといってもサイエンスのフィクション、ですから。Fがファンタジーならいいですけどね。
 SFをするなら裏で相当頑張って脳みそを働かせないと、いい物はできません。異世界転生ものや、VRMMO、日常ものなどなら、テンプレ設定でそこそこ面白い話が描けても、このSFの世界はその点は甘くありません。まして、差別とか戦場での死とかをSFで主張するなら、なおさらです。そこの不足感が相当ありました。世界観、兵器、社会制度、AIのテクノロジーの度合い、等々です。

 SFに挑戦しようとする意気込みは買います。が、やはり、取材不足でSF作品、戦争作品として成立していない気がします。
 途中で断念したのでこの辺りの説明があったらすみません。


以下 視聴中のレビューです。

 原作等全く知りません。レビューもあらすじも見てません。それくらい楽しみにしておりました。

 第1話からヒロインの作画の同一性が厳しいですね。場面によって別人に見えます。髪の艶、背景など低予算の感じですね。ディスプレイの映像や光の演出などでがんばって雰囲気はだしていますが。

 女性の制服、いい加減ミニスカにするのやめられませんかね。他の良作アニメの女性の服装のリアリティはどんどん上がっています。安っぽく見えますよね。せめて学校の制服とは区別してよ、と。
 少佐が無能力なティーンですか。貴族特権ですよね。他人の批判する前に自分の能力を磨いたほうがよろしいのでは?

 第1話でヒロインサイドにコミカルな雰囲気は必要なし。そのくせエピソードも演出も陳腐ですし。
 第1話は状況の厳しさ、命の軽さを嘆くヒロインの心情や人柄、または舞台や技術設定などにフォーカスすべきでしょう。やっているつもりなら全然できていません。

 戦闘シーン、兵器のCGはなかなかいいのが救いです。

 「壁の中の貴族」が差別階級に戦わせる。設定は、亡国のアキトとかマージナルオペレーション的ななにかの雰囲気ですね。でもハンドラーの役割の意味がちょっとわかりません。

 科学技術の差が大きすぎます。少数の人間の犠牲で持ちこたえるには不自然でしょう。銀髪軍団たちは、無気力の極みですし。一人優秀な人間がいたから何とかなってたんですか?1国を滅ぼした戦闘機械軍団なのに?なら、それほど脅威じゃないですよね。

 情報の伝達方法をハンドラーがいきなり間違うとかそれは軍隊の最低限のルールでしょう。
 相手がAIに滅ぼされているので、AIは使えないという設定なのですかね。それにしては研究所らしきところではコンピュータ使ってましたが。戦闘記録は人力で作成するレベルらしいですね。

 まあ、どこかでいろいろ説明があるのかもしれませんが、ちょっとこの辺りを考察する気力もなくなってきました。
 何かを主題にして、それを軸に、というのが3話くらいまでに読み取れるなら、ここまで設定とか作画、演出にこだわらなくていいんですが、世界観もヒロインの目的もなにも提示できていません。言葉で「命は大切」って言ってるだけで、お前主体的に何かしたのかよって言いたくなります。演出が上手くて引き込まれるわけでもありません。

 ああ、いい言葉が見つかりました。クリエーターの気持ちが伝わってきません。

 楽しみにしていたのでちょっと辛辣になりました。お好きな方には申し訳ありません。残念ながら第3話の延々とつづく日常シーンで心が折れましたので、視聴は継続しないと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 22
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

わたし、ホントは凄いんです(笑

第9話まで見た。
{netabare}主人公のレーナとシンは少々キャラクターが古臭く感じる。
もちろん絵的な意味じゃなくて。
第8話まではグダグダ感満載だったが、第9話でようやく大きく動いた。
2クールなのかな?
ここからが本番だと信じたい。{/netabare}

・第11話まで
2クール目への繋ぎとしてはなかなか。
アニメとしての見せ方が上手いのは感心する。
今後のヒロインの覚醒に期待!(笑

投稿 : 2024/05/18
♥ : 3

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あなたはゲームと戦争の違いを知っていますか?

この物語では、『あなたはいつも、他人を自分と同じ人間として尊重していますか?』と、問いかけています。
そして物語の中では、人間の強欲さや軍隊の理不尽な振る舞いが多く描かれます。
あなたはいつも、他人を自分と同じ人間として尊重してられますでしょうか?

この物語の背景では、大国ギアーデ帝国が完全自立無人戦闘機械(レギオン)を用いてサンマグノリア共和国などの諸国へ侵略を行っています。
サンマグノリア共和国も無人戦闘機械を用いて防戦をしているように国民へ公表しますが、その実態は第86区にいる少年少女たちを戦闘機に乗せて戦わせていました。

サンマグノリア共和国では、第86区に住んでいる人たちを人間として認めていません。その理由は『髪の色も瞳の色も違うから』 ただそれだけでした。
だから戦闘が発生しても戦死者はいつもゼロ。たとえ第86区の人たちが何人死んでも、戦死者はゼロと公表されます。

サンマグノリア共和国に住む16歳の少女レーナは、指揮管制官(ハンドラー)として第86区の精鋭部隊・スピアヘッドの指揮を執ることになります。
他の上官や同僚は、『第86区のものは将棋の駒と同じ』と考えているので、どんな犠牲を払おうとも気にしません。
でもレーナは第86区の人たちが人間であることを知っています。髪の色や瞳の色が違っても同じ人間であることを理解しています。

だから彼女は悩みます。
彼女の指令一つで何人もの人間が死ぬことを彼女は理解しています。
彼女は、指揮管制官となるには優しすぎる心の持ち主でした。

レーナは、理不尽な軍のやり方に憤りを感じます。でも、どんなに抗議をしても、軍の冷酷な命令は変わりません。
だから彼女は、隊員たちの命を守るために、あらゆる手段を講じます。
彼らを守るためならば卑怯者と呼ばれても気にしません。軍法違反も覚悟のうえです。

彼女が行ったことは確かに軍人としては問題ですが、人間としては大変立派な行動でした。レーナは部下を人間として尊重していたのです。
そんな彼女を私は尊敬します。


ところで、この物語を見て、ふと思い出したことがあります。
以前、米軍の戦闘機が敵とは無関係の建物を破壊したり、民間の人たちを殺戮したりしている映像をドキュメンタリーで見たときのことです。

数年前から中東やアフガンで戦う戦闘機の操縦者は、実はアメリカの米軍基地で操縦しています。
つまり、リモートで無人機を飛ばして地球の裏側の戦闘をしているわけです。
どんなことがあっても自分の安全が保障されているので、まるでゲームをしているように、「殺せ!、殺せ!」と戦闘員が叫んでいたのが忘れられません。

こうした愚行をする人はほんの一部であり、大部分の人は正常であることがわかっているのですが…
ゲームと戦争の違いが判らない人たちが戦争するのは、困ったものを通り越して恐怖です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 49

81.1 7 復讐で仲間なアニメランキング7位
メイドインアビス 烈日の黄金郷(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (420)
1545人が棚に入れました
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。 どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。 「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。 そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。 アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。 ある日、母・ライザの白笛が発見されたことをきっかけに、アビスの奥深くへ潜ることを決意するリコ。 リコに拾われた記憶喪失のロボット・レグも自分の記憶を探しに一緒に行くことを決意する。 深界四層でタマウガチの毒に苦しむリコ。 リコを救ったのは成れ果てのナナチだった。 ナナチを仲間に加え、ボンドルドの待つ深界五層へと三人は冒険を進める。 そこで、出会ったプルシュカと名乗る女の子は、ボンドルドに育てられ外界を知らずにいた。 リコの冒険話に夢中になり一緒に冒険に行きたいと願うが、あえなくボンドルドの実験に利用されてしまう。 しかし、プルシュカは形を変えリコの白笛となり、一同は深界六層「還らずの都」へと進む。 そこには、成れ果てが独自の価値観を持って生活している「成れ果ての村」が存在していた。

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

原作でもそうだったが少々足踏み。物語の根本には真っ直ぐな強い推進力が必要。

 前作とは違い原作読んだ上の視聴。原作は正直あんまりスッキリしない形だったけど、改めてケヴィンペンギンさんの音楽が奏でられながら冒険の日々が再び始まるのを見ちゃうと思わず目頭が…。ボン卿とは違い意味での狂人なワズキャンが平田さんなのも嬉しい。久野ちゃんがああなっちゃうのか…。


 原作勢としては、今からアノ展開に海外勢の方ががどうなっちゃうのか楽しみ。しかし、今回のアニメの大きなマイナス点は、ラジオインアビスのリコ飯のコーナーがないこと!。これはマイナス100点案件やでぇ。どうでもええが、オーゼンの武装してる姿って特撮のゼイラムが元ネタなんかな。


 いよいよ「火の鳥 生命編」みたいな恐ろしい過去回想モードかな。ただ、改めて見てみて、原作の時点で思ったが少々謎と設定のせいで物語が散漫になっちゃってるかな。設定を説明するだけな話が続いちゃってる印象。1期ではポンポン階層をまたいできたのに。かといってじっくり2クールとかけて長大な話を描くわけでもない。帯に短し襷に長し。ナナチとの出会いから、ボンドルドとの決着までを描いた5層のテンションには及ばない。まぁ、それでも並のクオリティーではない作品だが。


 ついに7話で予想通り回想編に入ったが、あの切り方だとイルミューイを食べちゃったと勘違いされちゃいそう。ピュアな未読海外勢はそう思っちゃったんじゃないかと心配。


 全部見終わって、やはり原作を読んだ時と同じ停滞してしまった印象が残った。だからこそ、原作でここから旅立つ時には開放感がかなりあった。やはり物語にはシンプルに強くキャラも視聴者も導く強い動機が必要だろう。ナナチからボンドルドの流れではそれがあったからこそべらぼうに面白かった。今回は、それがハッキリとした対象を欠けいて、真っ直ぐではなく散ってしまっているように思えた。ただ、久野ちゃまは最高ですねぇ。しかし、この別れ方は意味深なだけだったような…。それにしても挿入歌の「gravity」はアビス史上最高の曲なような。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 20
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

マアアさんのお尻が汚い笑

今期一番印象に残っているのはマアアさん。
かわいいぬいぐるみが好きなうえ、ピンク色で見た目かわいいゆるキャラ。「まああ」しか喋らず癒し系な雰囲気。ガチャ〇ンにも見える。
なんといっても一番の特徴は後ろ姿が描かれた際の汚いお尻笑。丸出し笑。乾いたうんちを優しくしたみたいな臭いもするらしい。
メイニャを気に入り抱きしめると、力加減がわからなかったのか「プヂュッ」っと押し潰してしまい、メイニャは左目とお尻の内側が飛び出してしまった。
あああメイドインアビスらしさ全開の展開を早速見せつけてくれる。作風になかなか慣れなくてここでもう心折れそう。{netabare}幸い、メイニャは軟体動物だったのか圧を逃がすために飛び出しただけで命は無事だった。一安心。{/netabare}
マアアさんはリコの「価値」であるメイニャを傷つけて「精算」を受けてしまう。これまた残酷で辛い。{netabare}大切にしていたぬいぐるみと右腕と左目の周囲の皮膚が無惨にも剥ぎ取られて無惨な姿になったが、右腕と皮膚は色は変わってしまったものの再生した状態でリコとメイニャが危険な成れ果てに連れて行かれた際に姿を現して、強烈なパンチで撃退。メイニャのお尻の無事まで確認してくれる優しさ。{/netabare}
「まああ」しかしゃべれないから本当の名前は不明だが、リコが「マアアさん」と命名して終盤まで手を繋いだり、抱き着いたりして行動を共にす
ることに。臭いは慣れか?


深界六層がメインで今回は冒険譚ではなく、村を拠点に話を繰り広げる。
ヴエコの過去回想から本作は始まる。
もともと孤児で屈強な里親のジュロイモーの思い出を聞きながら犯される映像は衝撃。相変わらず安定の酷い話!!
{netabare}
逃れて決死隊ガンジャに入隊して船に乗り、栄養不足やら嵐やらでメンバーをかなり減らしつつたどり着いた島の穴に潜っていく。お互い子供を産めない体であることに共感したのかイルミューイも連れていくことに。ヴエコの役割は体調の優れない隊員の看病をすること。また、交尾の臭いがするということで男性の下の世話もどうやらしているようだ。
ヴエコは水もどき症状を発症したイルミューイを救うために欲望の揺籃を使用し、イルミューイは赤ちゃんを生むようになり、ヴエコを含む決死隊ガンジャはそれを食べることで水もどき症状が治った。なんだかんだでイルミューイ自体が村になった。ヴエコはイルミューイから大切な赤ちゃんを取り上げて見殺しにする行為を続けることの葛藤に苦しみ自殺をはかるも、ワズキャンによって阻まれてドグープ(目の奥)に囚われてしまった。成れ果てにはならないまま、送られてくる信号を通して成れ果て村の様子を見ていた。{/netabare}

あと気になるのは干渉器というロボットのようなもの。元々は何体かいたようだけど、深界六層・還らずの都にはガブールンのみに。{netabare}イルミューイの最後の子供であるファプタと行動を共にする。ある意味育ての親。母の体の中には戻れないという設定はなるほどと思った。そして、最後は住人全員死滅してるやん。やりすぎでしょ。{/netabare}干渉器はアビスの層をまたいで移動することはできず過去には各層に配置された干渉器が通信で情報交換を行っていたらしい。今後の物語にも関わって来るのかなあ。

久野美咲さんの演技はかなり力入っていた印象。かすれ声になるほどの大声なかなか出せないのでは?
見終わって 相変わらずグロというか残酷描写が多くて辛い。成れ果ての造形も可愛いものもいるけど、うーん。


OP
かたち 安月名莉子
ED
Endless Embrace MYTH & ROID。
挿入歌
GRAVITY Arnór Dan
Kevin Penkinという方が音楽に携わっている
楽曲はまさにメイドインアビスという感じ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴「アビス」。その不可思議に満ちた「アビス」へと挑戦する冒険者たちは、次第に「探窟家」と呼ばれるようになっていった。アビスの縁に築かれた街「オース」に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。ある日、記憶喪失のロボット・レグと出会い、共にアビスへ潜ることを決意したリコ。旅の途中でリコの命を救った「成れ果て」のナナチも仲間として迎え、さらにアビスの奥へ――。3人は深界五層でのボンドルドとの壮絶な戦いを終え、ついに“二度と帰ってはこられない”と言われる深界六層「還らずの都」へとたどり着く。そこには、成れ果てが独自の価値観を持って暮らす「成れ果ての村」が存在していた。


1. 羅針盤は闇を指した
黄金郷を求めて旅する決死隊「ガンジャ」。隊の一員・ヴエコが持つ「星の羅針盤」を頼りに未開の地の航海を続けていた。ある日、激しい嵐がガンジャ隊の船団を襲う。次々に他の船が波にのまれていく中、羅針盤が屹立していることに気づいたヴエコ。隊のリーダーであるワズキャンにすぐさま知らせたその時、嵐の向こうに島が現れる。ようやく辿り着いたその島で、ガンジャ隊は見渡す限りの巨大な大穴を見つける。

2. 還らずの都
ボンドルドとの壮絶な戦いを終え、リコ・レグ・ナナチは二度と帰ってはこられないという「絶界行(ラストダイブ)」の末、ついに深界六層へと辿り着く。見たことのない建造物や生物を興味津々で観察するリコ。再び孤児院の仲間たちに手紙を書いて伝報船を飛ばすが、目の前で巨大な原生生物に邪魔されてしまうのであった。そんな中、探窟を続けるリコたちの背後に怪しい影が忍び寄る。

3. 成れ果て村
何者かに奪われたプルシュカ(白笛)を探すうちに、知性を持った「成れ果て」たちが棲む不思議な村に辿り着いたリコ・レグ・ナナチ。戸惑う3人は、住人の一人・マジカジャから「村の案内をする」と声を掛けられる。警戒しつつも、白笛の在りかを知っている様子のマジカジャの後をついて行くと、村の工房で成れ果てが白笛を削って加工していた。レグは慌てて止めようとするが、リコはプルシュカが嫌がっていないと感じ取る。

4. 友人
レグの前に、成れ果ての姫と呼ばれるファプタと謎めいた人形・ガブールンが姿を現す。ファプタはレグのことを知っている様子だが、レグは記憶が曖昧ではっきりと思い出すことができない。一方ナナチは、お腹を壊したリコのために、村の市場で水と果物を探す。マジカジャから村での取引には「価値」が必要だと教えられ、自分にとっての「価値」とは何かを考えるうちに「ミーティ」のことを思い出すが…。

5. 秘匿
マジカジャから「ミーティは三賢のべラフが使っている」と教えられたナナチ。べラフの部屋へ向かうと、そこにはお別れをしたはずのミーティの姿が…。取り乱すナナチに、べラフは「何を欲してここに来た?」と問いかける。一方ファプタと別れ、村へ戻ろうとするも道に迷ってしまったレグ。原生生物のリュウサザイに執拗な攻撃を受け、苦戦を強いられていたところをガブールンに助けられる。

6. 呼び込み
自分自身を「価値」として売ってしまったナナチを取り戻そうとするリコ。「両目か、両足か、臓腑の半分か」とベラフに対価を迫られる。悩みながらも意を決するリコであったが、マジカジャが「何とられてもおわり」と寸前のところで止めに入る。さらにナナチも「ほっといてくれ」とミーティから離れようとしないため、マジカジャはリコを外へ無理矢理連れていくのであった。その矢先、原生生物のオオガスミが突如、村に襲い掛かる。

7. 欲望の揺籃
決死隊「ガンジャ」の生き残りだと明かしたヴエコは、「成れ果て村」の忌むべき成り立ちについてリコたちに語り始める。かつて「還らずの都」へと辿り着いたワズキャン率いるガンジャ隊。黄金郷を見つけたという喜びもつかの間、昇降による異形の呪いのせいで地上に戻ることができないことに気づく。隊員たちは「黄金郷で最初の民として生きていこう」と決意するが、食糧と水場の確保に難航する。

8. 願いの形
「水もどき」に侵され、次々と倒れていくガンジャ隊の面々。ついにヴエコも発症するが、ワズキャンから与えられた“香ばしいもの”を食べて回復する。同様にベラフも回復していたが、“香ばしいもの”を食べてしまったことを深く後悔し、精神を壊していた。動揺するヴエコを、ワズキャンは落ち着いた様子でイルミューイの元へ連れていく。そこでヴエコが目の当たりにしたのは…。

9. 帰還
ナナチをベラフから取り戻すため、レグはファプタに「一部が欲しい」と話をする。すると“ある約束”を果たすことを条件に、ファプタは迷いなく自らの体の一部を引きちぎり差し出す。心配するレグをよそに、“不滅”であるファプタは平気な様子だが、血の匂いにけものたちが狂い出してしまう。レグは急いで「成れ果て村」に体の一部を持ち帰るが、どうしてもファプタとの“ある約束”を果たすべきかどうか答えを出せず…。

10. 拾うものすべて
レグの火葬砲で「成れ果て村」へと入れるようになったファプタが、復讐を誓い乗り込んでくる。村が破壊されていくなか、眠っていたナナチが目覚める。ベラフは自らの価値と記憶を託してナナチを解放するが、境界線を越えると「ミーティは消える」と告げる。ミーティと再び別れてリコとレグのところへ向かうか、留まってミーティと一緒に留まり続けるか、ナナチは選択を迫られる。

11. 価値
ファプタの笑顔や泣き顔など、記憶の断片が蘇りつつも、依然はっきりと過去を思い出すことができないレグ。暴れ続けるファプタを止められないまま、攻撃を受けて気を失ってしまう。レグとの戦闘を終えたファプタはさらに怒りの矛先をリコに向けて襲い掛かるが、ガブールンが身を挺して止めに入るのであった。ショックを受けたファプタは、怒りが収まらず再びリコを襲おうとするが、そこへ現れたのは…。

12. 黄金
原生生物との激しい戦闘を続けるファプタの代わりに、レグが戦いを引き受ける。ファプタと村人たちに対話をさせるためであった。ファプタが“村人を食べ尽くして村を崩壊させ原生生物を倒す”と告げると賛同する村人たち。一方、呪いによって成れ果てとなったヴエコは、ファプタに母親イルミューイの記憶を伝えて息を引き取る。崩壊した後に残ったのはリコたちとファプタのみ。レグはファプタに仲間にならないかと誘う。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 15
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

胸糞感が度し難し!冒険家には「呪い」という名の祝福とルサンチマンの「叫び」を手向けとして贈りましょう…

世界観には独自性があり、濃厚、壮大、広大のこってり豚骨風味。
本作は他を圧倒する底力、潜在力を持っていると言えるでしょう。
そして音楽面も文句のつけようもなく、{netabare}特にedの「味噌&ロイド」の曲は世界観にベストマットしてるものと認めざるを得ませんが、、
如何せん!{/netabare}どうにも度し難い!!のは、この「胸糞」展開であります。

●総評
{netabare}
独特の世界観や雰囲気には目を見張るものがあると言えますが
それに対してストーリーの評価となると残念ながら巧く機能していないような印象を受けました。

よって最終的に物語評価を更に下方修正いたします。

「烈日の黄金郷」のヒロインかつ主人公はプリンセスファプタでありました。
故に彼女の復讐物語が成就すべきであることも、彼女の復讐物語に正義があるのも
大いに納得がいくところでありますが、それに対してアビスの真のヒロインかつ主人公であるリコは
成れ果て村の住人との交流があり、親近感が生まれたことによりファプタの復讐を阻む立ち位置に
あるはずなのにもかかわらず、残念ながら存在感がまるでありませんでした。

本来の主人公であるはずの彼女の見せ場と言えば
笛吹くか、脱糞するしか、なかったような気がいたします。

プリンセスファプタの戦闘力が異常に高すぎたため、人間であるリコに対抗手段がまるでなかった
というのもファプタにバランスが片寄り過ぎたという問題に繋がりますが
それ以上にリコであれ、レグであれ、ファプタの復讐劇を止めるだけの動機や
正義みたいものを示せなかったのがかなり大きかったような気がしました。

正義の天秤がファプタの復讐劇に片寄り過ぎたなら、住人皆殺しの大量虐殺完遂
こそがハッピーエンドみたいなおかしな話になるようにも思います。

リコやレグは住人たちを守る側の立ち位置でもっと自己主張なり、自分の思いを
復讐の姫にぶつけることにより天秤の均衡を自らに引き戻すべきであり
復讐の正義が圧倒したままの状態では物語に「葛藤」は生まれず
それなら姫と旧知のレグも復讐の手助けをすべきということに
なり兼ねないのでは?という話になります。

本作のヒロインVS本シリーズの真のヒロインが正面からぶつかり合うことで生まれるはずだった
「葛藤」を巧く描けなかったのは痛恨の空振りであったと判断いたします。

べラフの記憶を利用してヴエコとファプタを結びつけるというやり方は便利で合理的ではありますが
ヴエコとファプタの人間関係をなにかしらのエピソードでもって個別に描かなかったのも
なんだか物足りないような印象を受けました。

二人の直接的関係性についてほぼ何もないような状態で最後にヴエコとの別れが来たとしても
そこに何かを感じろというのは無理な話に思えてなりませんでした。

ファプタを主人公扱いする気持ちが強すぎてレグやリコとの本格的な対立、激突する状況を
躊躇ったために、救済措置としての「デウスエクスマキナ」を安易に発動させたのも
美味くないように感じました。

「デウスエクスマキナ」とは主に悲劇などに使われる手法で「機械仕掛けの神」を意味します。
ファプタがリコに対して危害を加えようとした時にそれを阻んだ「ガブ」はまさに
文字通りの「張りぼての神」でしたが、住人皆殺し以外に解決方法がない
プリンセスの復讐物語の結末をアビスの原生動物の突然の乱入により無理やり別の方向に曲げ
復讐物語を有耶無耶にしたことも同じ手法を安易に繰り返したように見えて仕方ありませんでした。

物語において「デウスエクスマキナ」を安易に多用し過ぎるとそれは
ご都合主義の「張りぼての神」に転じて、興醒めすること甚だしいという
オチに成れ果てる運命にございます

総じてストーリー性は弱く「ベルセルク(蝕)」のオマージュも却って逆効果で
劣化版ベルセルクであるところのただの雰囲気アニメに過ぎず
ストーリーも1期に比べるとかなり落ちるだろうという結論に至ります。{/netabare}


最終話を見た後に極めて個人的な感想を言うならば
{netabare}ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかも不明で
何とも言えない宙ぶらりんのままにスルリと閉幕がやってきたような
そんな印象が強かったような結論にございます。{/netabare}

●ヴエコ・イルミューイ・ファプタ
この3人のうち{netabare}いずれかに感情移入できればそれなりに楽しめたのかもしれませんが
感情的には断念してる当方としましては、3人の関係性を頭で分析することがやっとできた辺りで
限界点を迎えてしまい、残念ながらそれ以上のものを本作から感じ取ることはできませんでした。

ヴエコは自分と同じ絶望の闇を持つイルミューイが愛おしく思え、そこに希望の光を見出しますが
イルミューイにとってもヴエコは唯一無二の特別な存在であったようです。
イルミューイの意思と思い出を受け継いだプリンセスファプタにしてみても
ヴエコには思うところが色々あったのでしょう。

成れ果て村の崩壊とともにプリンセスの復讐物語も終わります。
そこにどんな「価値」があったのか?を見出すには
恐らくヴエコが抱えた絶望を体現する必要があるようにも思われますが
キャラに対して親近感が湧かない時点で当方には
それを語る資格がないということなのかもしれません。{/netabare}

●「お【日】様みたいな匂い」という言葉から思い浮かんだある仮説
原作ファンの方が指摘していたこの言葉とそれについての解説にインスピレーションを受け
思い至ったものは{netabare}「ベルセルク」{/netabare}でありました。

{netabare}終盤におけるプリンセスファプタの復讐戦の展開はベルセルクの「蝕」に酷似していたのは
偶然ではなく必然で、意図的にオマージュを踏みに行ったようにも考えられます。
蝕とは「(皆既)【日】蝕」を示し、また「食」には「食べる」という意味合いもあり
ガンジャ隊御一行もイルミューイの子供たちも村の住人も「食べる」というキーワードで
その関係性が結ばれているのも意図的なもののように思われます。

ガンジャ隊は鷹の団であり、ヴエコはキャスカと(性的虐待事案も含め)
どこか似ているように思います。
鷹の団団長のグリフィスのキャラ性は、べラフとワズキャンとイルミューイに
3分割されたような形になっているような気もいたします。

グリフィスにはべラフのようなクールさ、ワズキャンのようなリーダーシップとカリスマ性
そしてイルミューイのような無邪気で純粋な面をすべて兼ねそろえたような特徴があります。

またレグの火葬砲はガッツの義手砲と似ており、ヘルメットも少年時代のガッツが初回の登場シーンで
被っていたのが印象に残っています。

レグは黎明卿たちにより片腕を切断されますが、ガッツも「蝕」での激闘の末に片腕を失います。

「蝕」の背景には「日蝕」があり、その際に行われる降魔の儀では生贄が捧げられますが
ベルセルクでは鷹の団、本作では成れ果て村の住人がそれに当たると考えられます。

降魔の儀がとり行われる周辺地域と外界には境界が生まれることにより隔てられる状況も
成れ果て村の障壁によりファプタが容易に侵入できないような様子と一致しているようにも見えます。

以上の事から「お日様みたいな匂い」という言葉には、ベルセルク「蝕」
のオマージュを示唆する意図が込められていたのであろうという結論が
導き出されるわけであります。{/netabare}

●覇王の卵と妖怪大戦争
{netabare}本作がただの雰囲気アニメという指摘は激辛の評価でありますが
前回から続く妖怪大戦争展開が、もしかしたら厳かで重々しい本作特有の世界観を台無しにしてしまうことになりはしないか?という懸念を抱かずにはいられません。

プリンセスファプタの復讐劇はベルセルクの蝕みたいな状況になってしまいました…
同じダークファンタジー作品なので両者がなんとなく似てるのはまぁいいとしましょう。

ヴエコから始まりファプタに至る物語。
もしかしてファプタの名付け親がヴエコなのか?とも考えましたが、そうではなく
べラフを媒介にして記憶のバトンを渡すことによりヴエコとイルミューイとファプタの関係性が
とりあえず繋がるという流れだったようです。

それを受けて視聴者の視点からファプタの復讐劇に感情移入ができるのか?という話になりますが、
個人的にはそもそも「子作り」というワードで繋がれたヴエコとイルミューイの関係性に対して
共感できる要素が何もなく、そういうわけで、結果ファプタの復讐劇にも特に感じるところは
何もないというのが本音であります。

妖怪カオスの状況を打開する可能性を持った最後の切り札=レグは眠ってしまい…
プリンセスファプタと成れ果て村住人プラスアビスの原生動物が入り乱れる妖怪大戦争は
更に激化し、事態は混沌を極め言葉を失ってしまうような情況であります。

降ればどしゃ降りの雨で、どうやらプリンセスファプタは不死身体質らしく
もりもり食べて華麗なるグレートリセットを成し遂げますが、
ある意味ゲゲゲの鬼太郎みたいなプリンセスの雄姿を見て思い至った結論は
物語の評価を下方修正しようというオチでございました…{/netabare}

●プリンセスの証明
{netabare}ファプタが何故にプリンセスであるかと言えばイルミューイの娘だからですが
イルミューイがプリンセスの由来となる事情について少し深堀りしてみたく思います。
イルミューイとは不可侵海域の孤島に住む原住民の「子供」であります。
重要なポイントはイルミューイの背中には刺青があるということです。
原住民が刺青してるのだから、そこにシャーマニズムとの関係性が
あるのではないかという推測が成り立ちます。

そしてイルミューイのあの「目」ですが、焦点が定まってないような
虚ろな目をしてたりするんですが、その理由として2つくらいの要因が思い当たります。

1つはやや危うい話になりますのでここでは詳細に触れませんが2つ目の理由と大雑把に言えば
同じようなものなので、それについて言及するとそれは「トランス状態」を暗示してるのでは?
ということであります。
シャーマニズム文化圏に属するシャーマンはトランス状態に入ることにより幽体離脱や降霊術を
可能とする聖職者階級の種族であります。

シャーマニズムと言えば縄文文化やアイヌ文化(ゴールデンカムイの大ババも刺青あります)
に繋がる要素も含みますがもう一つの特徴として挙げられるのはピアスなどの装飾品と
密接な関係性をもつということです。

イルミューイが飼っていた小動物が死にその骨でヴエコがネックレスを作り彼女に渡しますが
彼女はそれを大いに気に入ります。
一見して悪趣味な骨で作った首飾りなどはまさにシャーマニズムに関係する
装飾品以外に考えられないと思います。
そしてベルセルクの「ベヘリット」みたいな「欲望の揺籃」も
シャーマニズムに関連する装飾品という風に考えられなくもないような気もします。

イルミューイの文化圏においては彼女の母親がそうであるように子作り大推奨の考え方が主流
でありますが、このことは縄文文化においても同じような特徴があると言われております。
イルミューイにまつわる文化的傾向と世界各地に分布する諸文化の特徴を比較し導かれる答えは
「シャーマニズム」の一択しかないという結論になります。

イルミューイの正体とは即ち、「シャーマニック・プリンセス」ということになります。

「ベヘリット」がグリフィスのもとにあるべくしてあるように
「欲望の揺籃」もイルミューイのもとにあるべくしてあるのは
彼女が「シャーマニック・プリンセス」であり、それを使える
資格があったからということを表し、
(シャーマニズムという)闇の中に「光」=イルミネーションをヴエコが求めたのも
イルミューイこそが「シャーマニック・プリンセス」であることの証明しており
コンパスの針が闇の中(の光)を示したこともそれを裏付けるものと推測いたします。

そしてシャーマニズムの「シャーマン」とは「呪術使い」とも言い換えることができますが
「呪術」の「呪い」とは「アビスの呪い」に繋がる概念なんだと推測できます。

ダークファンタジーにしてもファンタジーにしてもその世界観と密接に絡んでくるものは
「剣と魔法」という要素になりますが、本作においては魔法の代わりにシャーマニズムや呪術が
重要な鍵を握っているように思われます。

ちなみに「子供」の「供」とはお供え物を意味しますが、
そういう文化圏に属する最下層民は時に大変残念な扱いを受けることもあるようです。{/netabare}

底知れぬ大穴=「アビス」とは何であるについても上記の仮説を前提に考えれば
答えは導けると確信いたします。

障りのあるヴエコの真相について晒します
{netabare}この物語はヴエコから始まり、イルミューイに繋いで、最終的にファプタに
バトンが渡る展開となっております。
よってまずヴエコとは何であるのか知らずには先に進めないというのが道理ではないでしょうか。

しかしながらヴエコというキャラには放送コードに引っ掛かるような類の問題があったため
制作サイドとして自主規制をかけざるを得なかったような事情があったのではないかと
推測いたします。

そのような自主規制という判断自体は適切だと思いますが、その副作用として
圧倒的多数の視聴者には真相が伝わらなかったという可能性がかなりあるものと思われます。

7話におけるイルミューイとヴエコの会話からヴエコの真相を解き明かすキーワードを抽出するならば
「交尾」「不妊」といった言葉に妙な引っ掛かりを覚え、
そこには重要な意味合いや含みを持たせているのではないかという予感が立ち上がります。

1話におけるヴエコの回想シーンでは孤児のヴエコを引き取った「酷くろくなものではない男」が
登場しますが行為の主体者であるところの「この男」に関係するキーワードを抽出すると
「事の度に聞かせてきた」「使い古しのお前でも」という言葉が検出されます。

「事の度」の「事」と「使い古し」もしくは「使い古す」は同じような意味合いを持ち
要するに「交尾」を意味するものと解釈できます。
更に問題の回想シーンでその男は高熱の炎で焼かれた鉄棒を用いて
サディスティックな変態性癖を示すかのような行為に走り、
その被害を受けた結果として「不妊」体質になったのではないかという予想が成り立ってしまいます。

このようにかつてヴエコが性的虐待を受けていたことが判明するわけですが
ここで更に注目すべきは時間軸と時間経過であります。
「交尾」の話はガンジャ隊に入り黄金郷に到達した後、あるいは現在進行形で
繰り返されているのだということがイルミューイの証言から明らかになるのですが、
それを裏付ける台詞がないか探してみると
1話の黄金郷を目指す旅路の船上にて行われたべラフとの会話の中に
「売り物にもならない醜い体」「お世話するしかできない私」というものが見つかります。

「醜い体」とは「交尾」を暗示しますが、「お世話」も「交尾」を暗示する言葉で
あろうことが結論として導き出されます。
ガンジャ隊のお世話係とは隊員の性的な部分もお世話するという意味合いも含まれており
結局ヴエコとは本作の中では性奴隷のような扱いを受ける極めてコメントし辛いキャラ
であるというのが真相だったというオチであります。

自主規制はしたがヴエコの真相を探る手掛かりを制作サイドが完全に抹消することはしなかったのには
恐らくヴエコがイルミューイに加担していく動機についてはどうしても伝えたかったという
制作側の意図がその背景にあったのだと推測いたします。

ヴエコが「お世話係」になることを最終的に決定する権限があるのは
ワズキャンであり、決定権がなくとも反対しなかったのはべラフであり
他の隊員にとっても「お世話係」については重宝したものであると予想できるからこそ
ワズキャン他とヴエコの関係性はかなり微妙なものがあり
最終局面でヴエコがガンジャ隊かイルミューイかの2択を迫られた際に
イルミューイに傾くことについての動機付けの要因になったことについての
一定の理解は得られるのかもと言えなくもなさそうです。{/netabare}

●プリンセスファプタ{netabare}暴れる妖怪大戦争!?{/netabare}
しかし当方の感情は途中で断念してるため、一切感情移入ができておりません…
一番まともなレグしだいで、なんとか頭はついていけるかもですが
10話を見たが完全に何もなかったというのが個人的感想です…

「美しさとは【目】だ」
1話で三賢のべラフが口にした言葉は{netabare}伏線{/netabare}だったのでしょうか?

{netabare}胸糞感や基地外感が{/netabare}強烈すぎて個人的に感情移入できなかったキャラ選手権【ワースト10】
{netabare}
1位 イルミューイ
2位 ヴエコ
3位 ファプタ
4位 マアアさん
5位 リコ
6位 ナナチ
7位 ベラフ
8位 ワズキャン
9位 マジカジャ
10位 レグ
{/netabare}
その理由
{netabare}まずレグは本作において一番マシでニュートラルなポジションであります。
三バカトリオの一角で天然ボケな部分もありますが他と比べたらかなりマシに思えます。

基本的に「成れ果て」の外見が苦手でして、グロカワ系キャラを好意的に捉えることができませんが、マジカジャには知性と紳士的な姿勢を感じるので「成れ果て」の中では一番マシに見えます。

ワズキャンは本作においては最上級の基地外キャラな面を有しており、
黎明卿に通じるところありますが、カリスマリーダーだからこその決断だと理解はできます。
成れ果て化しなければもっと好意を持てたかもしれません。

ベラフはクールで一番常識的?なキャラのようにも見えますが、その一方で人間味に欠けており、
そういう意味では隊員中で一番成れ果てに近い存在だとも言えそうです。

ナナチは見た目が緩すぎてかなり苦手です。本作において緩キャラや緩いパートが多用されるのは、
展開に「緩急」つけるための作為であると予想されます。
その効果は確かにあるとは思えますが、それにしてもあまりに多用されると
緩パートまみれで食傷気味になってしまいます。
三バカトリオの突っ込み役的立ち位置で突っ込み役は貴重な存在ですが
突っ込みの切れが悪いようにも思え、残念ながら好感は持てません。

リコは究極の天然ボケキャラで無神経鈍感、面の皮がやたらと厚く、基本的に空気読めない人です。
彼女得意の脱糞シーンが象徴するように?将来大物冒険家になり得る大きな器を持っていますが、
天才とバカは紙一重という言葉通り紙一重過ぎて感情移入するのはほぼ不可能です。

究極の緩グロキャラがマアアさんです。
見た目も声も行動パターンも不快でなんだか気持ち悪いものを感じます。
ボディに2、3発ぶちかましてやりたい衝動が抑えられません。

トップ3の一角=プリンセス・ファプタの真の基地外性!?
それが発揮されるのは10話以降なのかもしれませんが、血は争えないという言葉通り
イルミューイの性質を多分に感じられ、自分の腕を引きちぎる野蛮性があったりとか、
その反面レグに対しては度し難い程にデレデレするようなそのすべてのアンバランスさに対し
感情的対応が全く取れません。
この空気が読めない自由奔放さは主人公のリコに通じるところありますが、
このプリンセスには突っ込み役不在のため制御不能で、さじを投げたくなります。

本編のストーリーテラーであり、表のヒロインであるのがヴエコですが
彼女もかなりの天然ボケ傾向あり、過去にトラウマ体験した割に
繊細さに欠け大らか過ぎて肝っ玉も強靭です。
強靭化とは狂人化を意味するのか?と思えるほどにスーパーサイヤ人化したような印象を受けます。

このキャラには厄介なところがあり、見た目は成れ果ての中では一番マシにも思え、そういう意味では
べラフやワズキャンよりはまともな人間性を有していると言えそうなんですが、
残念ながらイルミューイの考え方をあっさり受け入れ、英断を下したワズキャンと対立
してしまうように行動原理に明確な理由がないような側面が見受けられます。

彼女にとって最大の価値がイルミューイというならば、
トラウマの元凶である「ジュロイモーの残像」的装置は顕在化しないはずではないでしょうか?
彼女の性格を踏まえて考えてみると、彼女にとって
イルミューイこそが大事(=闇に差し込む一筋の光)ということならば、
他のものは対価として支払っても構わない、いかなる犠牲を強いる覚悟も既にできていると捉えるべきであり、そうであるならその時点で過去のトラウマは克服できていると考えられませんでしょうか?

百歩譲ってトラウマは完全には克服してないというならば、ヴエコのまるで被害者意識が欠落
したようで繊細さに欠ける、あの鈍い性格は何でしょう?という話になります。
キャラ設定が混乱してるのか何なのかは不明ですが、兎に角何がしたいのか意味不明で
感情移入できないことだけは確かです。

結局ヴエコとは真のヒロイン(イルミューイ&ファプタ)を引き立てるだけの補完キャラにすぎず
ストーリーテラーは偽ヒロインであったというのが当方の見解です。

※すべては7話のイルミューイとヴエコの会話の中に忍ばされていたようです。
時間経過を正しく押さえ、二人の会話を注意深く聞いてみると矛盾するような要素が
出てくるのですが、その矛盾を解消するような答えを見出せればヴエコの「役割」が見えてきます。
7話の会話から1話に戻り再検証するとそれに気がつきます。

あまりにあれ…なので、物語の評価を下方修正いたします。
{/netabare}

堂々たるトップオブ{netabare}胸糞基地外{/netabare}クイーンはイルミューイです。
イルミューイの{netabare}何が気持ち悪いのか冷静に考え直してみて気づいたのは{/netabare}あの「目」です。
あの目にどんな意味があるのか考察してみるとなかなか厄介な話になりそうですが・・・この続きはいずれ致します。

個人的には7話が過去最高に胸糞感が度し難く、{netabare}こみ上げた具が
尻の穴から内部爆裂してしまいました。
とは言え「途中で断念した」いうのはちょっとした「シミュレーション」ですが、
その意図するところは今回で断念した人が意外と多かったでは?みたいな、
ある種個人的な見解に元づくものです。{/netabare}

何故ヴエコの性格態度に納得できないのかについて{netabare}もう一度思いを巡らせた後に気づいたことは
時間経過と急激な環境変化により、もはやヴエコは昔のヴエコではなくガンジャ隊の三賢の一角を
なす指導者的存在にスケールアップしてるという話であります。
黄金郷に憧れていた時期のブエコと実際に黄金郷に辿り着いたブエコは別人格と言えるほど
急激な進化を遂げたということなんだと思います。

もしも日常生活がデッドオアアライブの繰り返しみたいな環境に置かれたら過去のトラウマに
囚われてる暇なんてあるわけないというのは確かにその通りであり納得はできます。
そのように思い8話を見たら、確かにその理屈を手堅く固めにいってるような要素を
多分に感じることができました。

本作の原作者はなかなかに計算高く、よって最後まで事の次第を見守らず評価を下すのは早計であり、独断専行的な感想を抱くのは愚かであることについては一定の理があると思います。

とりあえず、いままでの展開については十分理解可能です、頭では…
頭では理解はできるのですが、如何せん感情がついていけず
頭では8話までついていけてるのに、感情的にはダメらしく
感情的には7話で断念、ギブアップしてしまったというのが個人的な実情あります。

ブエコとガンジャ隊ご一行は急激な環境変化に適応し、メンタルは超人級の強度を有する
化け物みたいな存在に進化を遂げたようですが
メンタルが並みの人間レベルでしかない当方にしてみると理解し難い違和感や戸惑いを覚えた
という感が強く、およそ凡人と超人では価値観の乖離が惨過ぎてそのギャップを埋めることには
ある種の虚しさを感じるだけというのが個人的な話のオチであります。{/netabare}

心と頭をざっくり断絶させる末恐ろしい作風は天才的でもある
と言える一方で狂気さえ覚えてしまうような問題作であるため、
敢えて注意喚起させて頂きたく思いました。

(思いっきり蛇足ですが、{netabare}日本の平和憲法特に憲法9条
というのは現実逃避のロマンチストが妄信してるような類のものと個人的には考えていました。
しかしながら自分という存在がおよそ凡人でしかないという真実を知った今となっては
「現実逃避大いに結構!」というのが自分の信条であります。
本作において見た目は子ども、でもメンタルは超人!?みたいな主人公にその他の
メンタル強靭キャラが敷き詰められている理由としては、冒険者とは強靭なメンタルを持って
しかるべきという信念が背景にあるものと推測いたします。
個人的な趣味嗜好の話になりますが、「俺強系」の作品が苦手の当方としましてはメンタル面における「俺強系」にも抵抗があるらしく、あから様と言えるほどのメンタル強靭設定に対しても
生理的には受け付けないということが判明しました。
メンタルが超人級の冒険者になるよりも平和憲法の幻想に酔ってるだけの臆病者の夢想家
である方が遥かにマシな人生であるというのが、極めて個人的な人間的生き方の結論であります。)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 6

76.8 8 復讐で仲間なアニメランキング8位
K(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1506)
8619人が棚に入れました
葦中学園高校の屋上で、シロこと伊佐那社は1匹の仔猫と共に昼食をとっていた。昼食後、クラスメイトのククリから学園祭の買い出しを頼まれたシロは街へと向かうが…!?
現実とは異なった歴史を歩んだ現代日本が舞台。7人の「王」それぞれの確執と、巻き込まれる少年の運命を、異能者バトルと共に描く。


声優・キャラクター
浪川大輔、杉田智和、小松未可子、津田健次郎、小野大輔、宮野真守、沢城みゆき、堀江由衣、櫻井孝宏、福山潤、中村悠一、佐藤聡美、梶裕貴、柿原徹也、飯塚昭三
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

<最終話まで視聴完了> いろいろともったいなかった

登場人物、いわゆるイケメンだらけで女性少なめ。
声優陣は素晴らしく豪華。作画も細かくて綺麗。
街を行き交う人々の描写も、実写映像観てるようなリアル感。
だけど・・・
スピード感溢れるアクションシーンもそこそこ見応えはありながら
結局最後まで、物足りなさと説明不足を感じてしまってた。
自分の理解力が足りなかったんだろうか・・と公式サイトを確認したら、
「現実とは微妙に異なった歴史を歩んだ現代日本を舞台に」って書いてあった。
でも、1940年代の第二次世界大戦はチラッと出てきたよね。
っていうか、そこ・・けっこう大事だったんじゃなかったか。

キャラデザや作画、声だけでは引っ張れないものだなぁとつくづく思った。
どんなジャンルにおいても、物語の内容が肝心。
それに何より、いくらどれだけ脇役陣がカッコよかったとしても
主人公にある一定以上の魅力がないとね。
もしかしてその魅力を表現するシーンとして、ところどころコミカルな部分が
描かれていたようだけど、逆効果だったようにも感じずにはいられない。

何がしたいのかとか、人物関係は把握できたものの、
腑に落ちない部分がたくさんあって、なんとももったいない。
登場人物が多すぎたのかもしれないし、話があっちこっち飛びすぎて
元ネタは奥深そうで興味沸くのに、とても満足はできなかった。

男同士の愛憎に関しても、なんだか観てるとじれったいというか中途半端。
モヤがかかってスッキリしないし、そこはもう少しストレートに
表現しちゃったほうが納得もできた気がする。

とにかく、観る人の好き嫌いはハッキリ分かれそう。
なんと続編制作決定、とあったので、そちらのほうに期待すべきなのか。

音楽や声、キャラの顔つきなど、けっこう好みだったので
☆評価は高めになってしまったけれど
続編は物語をもう少し固めてくれるといいなぁ・・
---------------------------------------
<8話の感想>

山盛りあんこ、やたらアピールされることが、解せぬ(笑)
なぜかヘリだけすごいリアルなCGで笑ってしまった。
納得できる終わり方になるのか、ちぃっと不安。
---------------------------------------
<7話の感想>

んん?ついにか?って思ったら終わっちゃった(笑)
次回以降に期待。
---------------------------------------
<6話までの感想>

事件のいきさつがようやくわかってきたものの、
まだ不透明なところが多い。そう、不透明さと透明、無色。
無色であるシロはいったい何者なのか?猫は何者なのか?
黒幕がまだ登場していないのだろうね。
--------------------------------------
<4話の感想>

断片的にはクスっと笑えるけれど、なかなか本題にいかないし
いかないとしても、もう少し練られた伏線を投入して欲しい。
でないと惹き込まれないし、ダレてしまうよ。
アクションシーンとか、いい台詞とか見応えを感じるシーンがほとんどなく
いろいろとすでにミスリードされてるだけで、本当はきっと
すごく単純な話なのかもしれない・・と思えてきた。
この作品、最終回後に一気に観る方が良いかもしれないね。
-----------------------------------
<3話までの感想>

原作のないオリジナルアニメということで、
毎週ごとに謎をかけられていくような気がしてきた。
反響ばかりを期待して内容が疎かにならないといいなぁ・・

部屋にある武士言葉を話す掃除機とか、食事シーンや
あっちこっちでの会話にコミカルな部分を配置してるだけでなく
今回、やや京都弁の草薙(櫻井孝宏)がマスターを勤める店で
スケボーくんの八田(福山潤)と太っちょ白パーカーサングラス男
釜本(中村悠一)が取っ組み合いの喧嘩をしてマスターに叱られるシーンが笑えた。
だってまんま『しろくまカフェ』のマスター(櫻井)とパンダ(福山)と
グリズリーベア(中村)だったから。
それに、最近は高校生や草食系青年役が多かった中村さんが久々に
ワイルドメンズな声(熊以外で)を出してくれているのが嬉しい。

で、今回は前回以上に {netabare} BLっぽいノリが随所に見て取れたので {/netabare}
やはり多くの人が感じたらしい第一印象は当たっていたのかも。
深夜枠とはいえTV放送なので、露骨な描写はないと思うけれど
今の段階で『咎狗の血』くらいな雰囲気はあるからねぇ。
個人的には全然OKなので、何でもどんどんやってくれと
楽しみにしているのだけど、軸はしっかり描いて欲しいなぁ。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 66

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

わーかりたい、わーからない、わーからーずーやー♪

各色の王様やその仲間達の異能バトルなお話ヽ(*´∪`*)ノ"

第一王権者 白銀の王  
第二王権者 黄金の王
第三王権者 赤の王  
第四王権者 青の王   
第七王権者 無色の王

アニメではこの5人の王様がでてきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★(?)★メインの3人。
主人公シロ、
ヒロインのネコ
行動を共にして行く事になるクロ。
観てて癒されるバランスの良いチームって感じです♪

★赤★
個人的に思ったのは赤の王 周防尊(すおうみこと)が 率いる組織「吠舞羅」。
暖かくて、仲間思いで、笑いがたくさんの
すごく素敵なメンバーだと思いました☆
尊って見た目ちょっと怖いし、もの静かで話し方もだるそうな話し方
なんだけど、すごくいい人柄って感じで、心優しいから
ついていく仲間がたくさんいるんだろうなって思いましたヽ(´∀`*)ノ
あと、11歳の少女のアンナが可愛い♡
アンナに対する尊のさりげない優しさが好きです〜!

★青★
青の王でセプター4室長 宗像礼司(むなかたれいじ)。
公的機関である対能力者治安組織でまぁ、警察的な感じですかね。
一時は「吠舞羅」にいた伏見がセプター4へ。なかなか好きなキャラです。
セプター4になぜ行ってしまったのか・・「吠舞羅」の八田が絡んでます。
伏見と八田とはーーーーー。

印象に残る、赤と青について少々書いてみました。

ちなみに私的お気に入りキャラはクロと伏見ですね・・ですが・・
・・・うーん・・いいキャラいすぎて迷いますっw


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そしてもちろん忘れちゃいけないのが主人公シロの存在♪
シロの性格とても好きです。
どことなく可愛い少年ですが、終盤〜最終回はとてもかっこよかったですヾ(●´□`●)ノ

白銀の王とはいったい誰なのか?
黄金の王とはなにものなのか?
そして無色の王とはーーーー?

謎がたくさんのこのお話。
ぜひ観て欲しい作品(オススメ)の1つです。

とてもおもしろい作品で私は満足です★
泣くまではいかなかったけどジーンとしたシーンや特にシロが放つ台詞に
涙でそうになりました( -ω-。)

OP曲「KINGS」が大好きです♪テンション上がる!
ED曲「冷たい部屋、一人」は、OPとは対照的でゆったりしてて、こっちも結構好き♪
OPのサビの部分で背景月にクロの姿が一瞬映るんですが
とーってもかっこよくて何回もリピートしましたっw
EDのネコはもう美しい♡その一言ですヽ(@´з`@)ノ


映画観てないので観たいです!
あとは秋からの2期楽しみです〜♡

読んでくださりありがとうございました人´Д`*)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 45

ちゃ~しゅ~ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

声優の無駄遣い(~_~;)

皆さんどうお思いでしょうか.このアニメ,OPは空耳の嵐ですしw,物語の分かりづらさといい,微妙すぎたのですが...別に分かりづらいアニメを批判する気はないんです.ただ,分かりづらいアニメって「理解してみたい,もっと知りたい」って思うか,思わないかがキーポイントだと思うんですよ.エヴァQがその典型でしょ.しかし,このアニメに関しては何にも思わなかった…

ホントただの声優アニメだなって思いました.

櫻井さん,みゆきち,まも,ゆうきゃん,浪川,杉田,聡美ちゃん,D,福潤,津田さん...

もったいなぁ

投稿 : 2024/05/18
♥ : 6

88.1 9 復讐で仲間なアニメランキング9位
盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1169)
5466人が棚に入れました
図書館で出会った一冊の本。そこから勇者として異世界に召喚されてしまった主人公・岩谷尚文。盾を使う能力を持った彼は、陰謀と裏切りに会い、異世界ですべてを失ってしまう。どん底からの成り上がりを描いたヒロイック・ファンタジー!

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

タイトルに偽りなし!

原作未読。最終話まで視聴。

主人公がハメられ、酷い目に逢わされる第1話から始まる、他の異世界転生モノとは一線を画す作品。
主人公の尚文たち同様、視聴者も、何度もどん底に突き落とされる。
こういう所が、好き嫌いの分かれ目かも知れない作品。

私も何度も、どん底に突き落とされ、不快な思いをしました。
尚文たちが少しでも上向くと、必ず、突き落とされる。

{netabare}終盤に、女王の帰還をもって初めて、正当な評価を得られる。

しかし、『クズ』と『ビッチ』は逆恨みを増長させるばかり・・・。
剣、槍、弓の勇者もどきは、尚文たちに謝罪の一言もなく、相変わらず、一人前に勇者気取り・・・。
むしろ、ここまでくると笑えてくる。{/netabare}

人間たちの内側に秘めた汚さ・愚かさの表現が秀逸。
逆に、尚文とラフタリア、フィーロ、メルティの絆の美しさが光る作品。

ラフタリアとフィーロの感情表現の豊かな表情が、とても好印象の作品です。

続編を期待して待ちたいと思います。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 63

アニメ記録用垢 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

再視聴で最後まで

私が感じた限りの駄目な部分を箇条書きで挙げさせて頂きます。


Ⅰ.異世界に転移した経緯の部分が雑過ぎること
世界を救う為に転移させられた → わかります○
転移させられたのが日本人だけ → わかりません×
特別な能力(特殊能力や身体能力)がない一般人 → わかりません×

普通に考えて世界の危機を救う為に転移させるなら、身体能力や特殊な技能を持っている方を呼び出しますよね?
呼び出しできる相手を選べないだけだろうと皆さんは思うかも知れませんが
その場合だと仮定した場合でも何故、日本人だけ?
しかも若い日本人男性だけ??となる訳です。
完全にランダムで不確定な召喚魔法だとしたなら、日本人で男性で年齢が若い者だけというのは些かご都合主義が過ぎるのでは?
と凄く感じました。

Ⅱ.登場人物が転移後の世界に慣れるまで秒なのが、ご都合主義過ぎて違和感
現実で自分自身が異世界に転移させられた時のことを想像してみて下さい。
まず夢と考えますよね?
そして現実だと理解するまでにある程度の時間を要すると思います。
更に異世界でモンスターがいる世界だと認識した際、物事を進める上で警戒をし
慎重に物事を進める筈です。
それこそ我らが偉大なる御方アインズ様のように。

それが転移しました。
あー異世界なのかぁ~ → 勇者なのね! → 世界救ったら報奨金くれよな
となるのは異世界転移の経験者か余程の愚者かの二択ですねぇ~

Ⅲ.マインに盾の勇者(岩谷尚文)が騙され身包みを剥がされる件の場面で
全員一致で盾の勇者を犯人だと決め付けるのはどうなのでしょうか?
マインの装備が豪華な物に変わっていたり、盾の勇者の所持金や所持品が無くなっていることなど
少し考えればマインを疑う者が出てもおかしくないのではないでしょうか?
それが全員揃って疑うことをしない愚者だけとは……このデミウルゴス頭が痛くなりますねぇ~


と駄目な部分を箇条書きで3項目挙げさせて頂きましたが
他にも個人的趣向の部分で申し上げるなら
盾の勇者の仲間になるであろう面子に男がいないことなどが頂けません。
理由があればいいのですが、理由のないハーレムは私個人として毛嫌いする要素ですので……

リゼロ、オーバーロード、幼女戦記、転スラ etc...
など数多くのなろう系作品を観て来ましたが
転移の理由付けなど、各所に渡り設定の甘さやご都合主義が目立ち
とてもではありませんが、今後観る価値がないと言わざるを得ません。
私自身、アインズ様に仕える身ですので
多忙であり、時間がないので視聴する作品は厳選したい。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 17
ネタバレ

フィーロたんlove さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

大人向け名作童話 人間臭い主人公の魅力が光る

総評

バトルシーンを除けば大人向けの童話です。
本編「盾の勇者の成り上がり」、外伝「槍の勇者のやり直し」
を通して読むと、「モモ」、「星の王子様」、「百万回生きた猫」
などに通ずるものがあると感じました。

ただ、大人向けです
この作品は忍耐強さ、誠実さ、気高さ、美しさ、愚かさ、醜さなど
人間の有する善悪両面を真っ向から描いています。

ですのでストレス耐性が少なく、理解力が浅く物事を表層的にしか
捉えられない中学生以下(あくまで一般的基準です)の方にはお勧
めしません。

22話感想
{netabare}
ウェポンコピー、転移スキル、武器の強化方法
あと信じてみる事の必要性
ここに来て重要な情報がようやく一部開示されました
ラルク(でしたっけ?)登場でしたね
たぶん小説版から登場したのでよく知らないキャラです
人気が高いキャラのようなので期待しておきます
{/netabare}

21話感想

綺麗に収まったと思います 
これぞアニメ版というとこでしょうか
特に言うべきことはありません

あと先週の声優さんの特番見ました
ねんどろいど可愛いです
フィーロの出来が良ければ買おうかな

番組を見ていて声優さん、スタッフの方、監督さん、
スポンサーさんなど、この作品がたくさんの大人の
心を動かし、このアニメが出来たことが感じられ
ました




20話感想
雑魚ボス戦での無理やりな盛り上げ方が気になりますね
{netabare}
今回のバトルはアニメ版の最大の盛り上げ場所のつもりだった
のでしょう。

これでもかと味方の攻撃が繰り広げられてましたが
なろう版でもコミック版でもなかっただろう攻撃
アクションが多かったように思います

無理やり全員参加型のバトルにして盛り上げようとしたのも
まるでプリキュアをみているような恥ずかしさが感じられて
ちよっとなーという思いでした

一応最後は原作通りナオフミの捨て身のスキルで締めたので
何とかまとまった感はありました
意図はわかるのでまあやむなしというところでしょうか


主人公の魅力について

①精神的なタフさ

 アニメを見てると3バカ勇者のマヌケぶりが目立ちますが
実際自分に置き換えた時どうでしょうか?果たして彼らより
うまく立ちまわれるでしょうか?ネットでググることもでき
ず、知り合いもいない、誰が嘘をついてるかわからない中で
正しい判断ができるでしょうか?

 ナオフミと自分を置き換えた場合も同じです。状況を判断
する情報が不足する中で、不条理に迫害されても下向かず
頑張れますか?自分の決めた方針を貫けますか?

 彼は周囲の冷たい視線の中、いろいろ思うことはあるにせよ
愚直にやるべきことをやり続けて周囲の評価を覆していきます。
近年稀に見るなんとも男臭い、人間臭いヒーローだと思います。

②懐の深さ

アニメ版では見れないでしょうけど、なろう原作ではだいぶ先に
精神的にポンコツな他の3バカ勇者を見事にまっとうな勇者とし
て再生していきます。

この作品が真っ向から描こうとしているテーマの一つは人間の
愚かさ、醜さでしょう。愚かさも醜さも人間臭さの一つです。

そして愚かで醜い人間も努力や他者の助けで立ち直れることも
この作品は示唆しています。

{/netabare}

 

*********
19話感想
尺を合わせるためか残念な展開に
{netabare}
たぶん2クールでカルミラ島までやって終わるつもりなのでしょうか
尺合わせのため後半が間延びしてる感じが否めませんね
マンガでもなろう版でもこんなに長くなかったと思います
どうせなら亀までやって2クール終了にすればいいと思うんですけど。
三勇教との戦いで3回使うとは思いもよらなかったです。
他の勇者とのぐだぐたも相まってちよっと残念な展開になっています。
教皇なんて雑魚ボスなのに3回もつかうとは。
脚本も割と裁量あるみたいなので、すっとばせるところはすっとばして
もいいと思うんですが。
いままでが良かったので、最近の制作サイドの不作為には少し失望し
評価は下げます(とは言ってもすでに最終話まで作っているでしょうが)。

アニメ版の現在の残念な展開はともかく原作は素晴らしいと思っています
原作の素晴らしさの一つに伏線の巻き方と回収の仕方が秀逸ということが
あります。

たいていの小説には読んでいくと穴ぼこというか伏線があります
情報が欠けている、訳がわからない、意味があるとは思えない情報
などの違和感です。違和感が読者の想像力を刺激するわけです。

本作品で言えば、

「情報が欠けている」は例えば波とはそもそも何か?結論を言えば最後
の最後で明らかにされます。読者は違和感を持ちながら展開される物語
から想像を重ねますが、別の「訳が分からない」ことが出てきたりして
簡単に先読みできません。

「訳が分からないこと」は例えば、マイン(第1王女)は何故そこまで盾の
勇者を貶めようとするのか?他の四聖勇者が仲良くなることを邪魔する
のか?これも結論から言えば最後の方まで明らかにされません。

「意味があるとは思えない情報」は例えば3話でナオフミがラフタリアを
始めて食堂に連れて行った時のお子様ランチの旗です。これは度々ラフタ
リアの初心忘れるべからずの決意表明で引用されるアイテムになります。
旗についてはなろう版では記述が無かったのですが、アニメ版15話ではエクレアの父が自分の領地で亜人が自由に暮らすことを保証する象徴で、白骨化したリファナちゃんが最後まで握っていたという設定になっています。恐らくこれは作者か編集者が後で思いついた伏線の回収でしょう。お話の膨らまし方として上手いと思います。

 作者は穴ぼこ(違和感)はできるだけ大き目に空けて後から埋める、伏線
は多めにばらまいて自由に回収するスタイルをとっていると感じます。なので本編でも回収が進んだとは言えず、外伝の「槍の槍なおし」で回収しまくっています。

 先読みが出来て読む気が無くなるようなことはなく、読み続けるほどに、あーなるほどそういうことかと腑に落ちていきます。厳密に言えば論理破綻しているところもありますが、別に法律文書でもなく娯楽小説なのでおもしろければ問題ありません。なお「槍のやりなおし」ではリファナちゃんが活躍するリープ周もあります。

{/netabare}

************************
18話感想
{netabare}
ようやく黒幕登場。高等集団儀式「裁き」すごすぎるだろう
クレーターできちまったじゃないか。
今回はモトヤスの勇者としての一途さ熱さが垣間見れた回じゃ
ないでしょうか。今は騙されておまぬけお馬鹿キャラですが
実は勇者としての資質をちゃんと持ち合わせているんですね。
{/netabare}
かなりWEB(なろう)版と異なるので、コミックス13巻まで
読んでしまいました。読んでわかりましたが、アニメ版は
コミックス版とも若干異なるのですね。脚本演出の方がセリフ
や話をうまくまとめていることがわかりました。
本作品においてバトルはストーリーをうまく転がしていくため
の手段というかつなぎなので、今のようなあっさり目で丁度
よいと思います。あくまで本作品の魅力はストーリーと登場
人物なので。


************************
17話感想
{netabare}
展開的には停滞・一時停止です
いろいろ伏線を撒く回になりましたね 
この先の難敵には勇者が一人でも欠けてはならないこと
何回目かの波の後多くの命が奪われること
人間を救うことと世界を救うことが違うこと
過去の勇者が人間を救おうとしたこと、それが茨の道であること

物語の展開上核心的な部分なのですが
いまいち理解できてなかった部分です アニメ版だとどういう
説明になるんでしょうか まあ今クールではそこまでいかないと
思うので制作サイドもノーアイデアかもしれませんが

「やるだけやってみるさ 期待はしないでくれ」と言って、
ちゃんとやってしまうのが主人公です。期待しています。

予告で太い熱線みたいな魔術攻撃がレンとイツキ一行に降り
注いでました。例の団体の例の術だと思われますが、たぶん
イツキとレンは死なないと思います。これで決定的に理解し
たのだと思うので説得できるでしょう。それともフィトリア
から聖域から出すときに他の勇者のところに下すって言って
いたけど、まさかナオフミ一行が降ってきたのか?かなり
過激な下し方です。違うと思うけどね。問題は現段階では
一番お馬鹿なモトヤスですが、なんとか2クール内に説得できる
ことを祈ります。

フィトリアは昔のご主人様の事を思い出して幸せそうでした。
人間と寿命が違うので仕方がない事ですが 残されたフィトリア
は不憫ですね でもフィーロがいるから 茶飲み友達にはなれ
そうです
たぶん出てこないと思いますけどフィトリアのご主人様の時の
四聖勇者の外伝も見てみたい気はしています
{/netabare}
いろいろ重要な情報が開示された回でした

*************************
16話感想
{netabare}
WEB版とだいぶ内容が変更されているんですね
フィトリアが想像より遥かに大きかったです
可愛いけどでかすぎる そして強すぎる

流れからすると勇者同士の協力が2クール内で
実現しちゃうのかな だいぶ早い気がするんですが
フィトリアは争うのはダメだけじゃなくて理由とか
どうしたら強くなれるのか教えてあげればいいんだけど
何せ鳥頭だから記憶力悪いのはしょうがないか

ナオフミも1国につき勇者一人で波に対抗できるという
ところから、本来この時点で勇者はもっと強くなっている
はず、何かが足りないんだと気づけば....
そういう展開になるんでしょうか?
勇者が目指すべき最終的強さがフィトリアレベルという
のは理解できたとは思うけどどうなんだろう

もうあれだねフィトリア先輩にレベリングしてもらって
後々出てくる〇〇や△△に負けないぐらいの最強になったら
各国に一人ずつ配置すればいいじゃん それで全部解決
フィトリア先輩「今日から私がお前ら四聖を鍛える」
イツキ(弓)「鳥なんかに教わることはありませんよ」
モトヤス(槍)「フィトリアちゃんがデートしてくれるなら」
レン(剣)「群れるのは嫌いだ」
ナオフミ「お前ら」
全員フィトリア先輩にボコられる
四聖「わかりました先輩」
こんな感じかな

{/netabare}
だいぶロリ色が強くなってきて、胃もたれ気味になってきましたが
最後まで視聴します
*********************************

15話感想
{netabare}
今回は神回でした。
リファナちゃんが不憫でなりません。
もしかしたらヒロイン候補だったリファナちゃんの
白骨まで見せられるとは思いませんでしたが
まあ流れからOKです
旗にはそういう過去があったのですね
「違う」「そうじゃない」「お前は間違ってない」
ナオフミは3回言い換えました 誠実さを感じます
やっぱりいい奴だわ 友達になりたい
他の方のコメントにもありましたが音楽がとてもあっていました
{/netabare}

改めて感じた本作品の美点は
①キャラが立ってる 
②伏線の撒き方と回収の仕方が天才的
③亜人、魔物が可愛い 動物好きには高評価
④OP(新しい方)が素晴らしい
  雨の中の物憂げな表情の登場人物達
  この時期のストーリー展開にぴったりです
  特にモトヤスの悲しげな表情にぐっときます
  ところで鎌をもってた人は誰だろう
  楽しみにしておきます
⑤挿入曲がすごくあっている
⑥作画が丁寧で素晴らしい
⑦ストーリー展開演出に手抜きがなくて嬉しい

全体的にスピーディーな展開や爽快感は少ないですが、じわじわ来る
叙述的展開がたまりません。違うと思うんですけど、作者は女性なの
かな。

まあ中二病主人公、お手軽俺最強主人公、暑苦しいまでの絆押し付け主人公の作品や、ハーレム作品、主人公はまあいいけど展開が単調な作品などゴミ作品が多い昨今では、希少な本格的なアニメだと思います。


*******************************************

物語設定、テーマ設定、キャラ設定だけで言えば最高傑作
進撃の巨人などのTOP作品よりも群を抜いていると思います

WEB版を通読した限りでは「モモ」とか「星の王子様」とか
「百万回生きた猫」とか童話、寓話に通じるものがあり一貫性を
感じますアニメ版を見ていまいちと感じる方は是非WEB版を通読し
てみることをお薦めします

主人公が逆境を乗り越えて成長していくというスタイルは程度の
差こそあれそこそこあります。しかしこの作品は迫害という程度の
強いものなのでストレス耐性があまり備わっていない若年層には
物語前半は苦痛になるかもしれませんね。そういう意味では大人
向けアニメかもしれません

アニメでもすでに憤怒の盾が出た時点で勇者の中では一番強くなって
しまったのでこれからは比較的楽に視聴できると思います。

ラフタリアとの関係は、「ゼロから始める異世界生活」のレムを
彷彿とさせますね リゼロも秀作だったと思います

槍のやりなおしを読んで、私もフィーロたんloveになってしまい
ましたですぞ

投稿 : 2024/05/18
♥ : 13

76.7 10 復讐で仲間なアニメランキング10位
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(アニメ映画)

1998年7月18日
★★★★☆ 3.9 (494)
3334人が棚に入れました
幻のポケモン・ミュウのマツゲを元に、悪の組織により戦闘能力などを強化され人工的に作られたポケモン・ミュウツーは、人工的に造られたという不純な生立ちから自身の存在意義を見出せずに答えなき自問自答に苦しんでいた。やがてミュウツーは自分を造った組織を裏切ったことをきっかけに、ポケモンを統制するシステムへの反発や自分を利用するためだけに作り出した人間たちへの憎しみから人類に対する「逆襲」を企てる。
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

歩き続けてどこまで行くの?

ポケモン映画第一作目です。

どんなものでも一作目というのは少し特別です。
作品にもよりますが案外その方が後続の作品より粗削りではあるけれど伝わってくる魅力が強いからです。

ミュウの細胞からより強く作られた最強のポケモン「ミュウツー」。
しかし、彼は自分がいったい何者かわからない。
「生きる」ことに価値が見い出せず思考することを止めて、彼は自分を生み出した人間に逆襲を決め込んだ。
「これは戦争でも攻撃でもない。逆襲だ。」

作品はこどもにとってはえらく重々しく暗い雰囲気を帯びたプロローグから始まります。
この辺は改めて観てみると一度観た作品なのにまったく覚えのない話でした。
小さい頃にここの部分を観てもまったく印象にさえ残らないことが分かります。
その後からの流れは薄っすらと記憶していましたが、
やはり改めて観てみるとその場での言動や立場、行動など「役割」としての意味が物語を鮮やかにし、ひとつの筋が紡がれていきます。
本作の持つ物語の性質はなにも小さい子に限ったことではなく、あらゆる人間に対しなにかを訴えるだけの力を持ったものだと思います。

映像だって今のものに劣っていません。
ポケモンたちはよく動きますし、そこに躊躇いはなくできる限りのリアルが追及されています。
肉迫した戦いの息遣いはすぐそこで聞こえます。
OPのバトルはもちろん良いですし、EDはさらに良いです。個人的にとても好き。
曲といいアニメーションといい最高です。残念ながらアニメ映画のEDでこれを越えるものはいまだにありません。

何度観たって面白さを感じられる少ない作品のひとつです。



{netabare}

こども向けのアニメ映画でよく自己定義について触れました。
僕は高校生2年になるまで考えたこともなかったですw
まあでもあえてテーマを探るならばそれはそこにはなく、
ではどこにあったのかというと、僕は「本物」と「コピー」の戦いが非情にも無意味だということにあると思います。

俯瞰的状況としては
まず初めにミュウツーはトレーナーを呼び込みコピーと対決させて負かすことで
人がポケモンを育てることを否定し、また人につくポケモンも否定しました。
この後ミュウが出てきて「コピーなんかに本物は負けない」なんてアホな啖呵切って大混戦。
もうどちらも後には引けません。
だが、なかなか決着のつかないミュウ、ミュウツーを前に他のポケモン達はだんだんと力尽きていく。
そして最後ミュウとミュウツーの戦いを止めたのがサトシの自己犠牲でした。
なんだかナウシカみたいでした。彼女もまたその体現者ですから。
石化したとはいえ、現実的な死です。死のメタファー。
ポケモンですからさすがに人が死ぬ描写はできません。だからこういうかたちを通してそれを表現したのだと思います。
ここでやっとミュウツーも彼なりの答えを見つけることができ物語は良い方向に導かれ幕を閉じました。

サトシたちは初めから本物もコピーも同じポケモンだと主張していました。
けれどミュウツーにはミュウツーなりの意志がある。
彼は自分の存在と生に悪くも執着してしまったことによりさらに、そのときに多くの人間の悪に触れたために、
出口のない迷路に入り込んでしまい、自分に「逆襲者」という答えしか出せませんでした。
人と人に寄り添うポケモンの全てを否定し、コピーという名の十字架を背負い強く生まれてきた我々こそが本当の存在であると。
だからミュウツーに従うコピー達も戦いました。
傷つき、疲れ果てようが、戦って勝つことでしか報われないから。
一番印象に残っているのはやはりピカチュウです。
泣きながらもビンタを続けるピカチュウ。傷つけることは嫌だとしてもこっちだってやめられない。
にっちもさっちもいかずにはたき続けるピカチュウと黙って受け続けるピカチュウ。観ていてやりきれません。

だってこの戦いはどこまでいっても「戦い」そのものでしかないのです。行き着く先なんてありません。
答えはすでにでています。彼らが今存在していること、そのままが答えなのですから。
それぞれが生きている一匹のポケモンであること。
ミュウツーたちコピーが本物に準じるものではないことに正しく意識を向けることが彼にはできなかった。
サトシのメタフォリカルな死がなければミュウツーはこれに気付くことはできず誰も救われなかったでしょう。

ここをこの映画が映像として表現したのだと僕は思います。
まあそんなものは得てしてあるはわけではありませんが。

最後の締め方はどうだったでしょうか。
「このことはなかった方がいいだろう」とミュウツーは反省しました。
いや反省というより、自分を認めることができたというべきか。
立つ鳥跡を濁さずといったスッキリとした終わり方。これは後々公開されたポケモン映画の大半がそうです。
本編の方に支障がでないようにしているのでしょうか。 少し作為的な臭いもしますw
しかし、やはり意味のある発言であったと認めることの方が意義があったと言えるでしょう。
この台詞は受け取り方によっては深みがありました。
自分がきっかけで起こってしまった今回の一連の出来事。「なかった方がいい」なんて簡単に言えるはずがない。
彼はこうは言いながらも裏ではこのことに関して、自分がすべての罪を背負うことの決意としてみることもできました。
死人が誰かの中で生き続けるように、経験に基づいた記憶は個人の中で反芻されていく。
文字通り何度も思い出すことでそこから大事な栄養得ている。
風化することのないそれは鮮やかなままひとりの人間の宝物として心の奥底でいつまでも火を灯し続ける。
今回の出来事をそれらと同じように人々の記憶に残せばそれは傷であり、苦しめるほか使い道のない記憶なのです。
けれどもひとりの人間の「死」を通してやっと知り得た教訓は決して忘れてはいけないもの。
だったらぜんぶまとめて私が背負おう。そういったミュウツーの決心がここで見られたと思います。

一番印象に残ったのはミュウツーにかけたサトシの最後の一言 「みんなどこに行くの?」
これ聞いた瞬間身震いしました。なんでだろう。
サトシなら「どこ行くんだよー!」とかなのにらしくないほどに優しく訊いていました。
すごく象徴的とも思える一言でした。(『われわれはどこから来たのか。われわれは何者なのか。われわれはどこへいくのか』)


読んで下さった方ありがとうございました。
あ、書き忘れてたけどボイジャーさんかっこよかったです!
「海を知りたきゃ波止場のかもめに訊いてみな。」って声も良いし、台詞もかっこよすぎる!w
この人すごく好きw

海を渡ってるときよくトゲピーは死なずに済んだよなー、なんてw
あでゅー。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 20
ネタバレ

朝霧麻衣 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

本物とコピー

久しぶりにニコ動で劇場版ポケモン主題歌メドレーを聴いて、映画がどんな内容だったかが気になり再視聴しました。1998年製作でしたから、15年以上経過してからの再視聴となりました。

【ストーリー】
一番珍しいポケモンと言われる「ミュウ」、DNAを元に科学者たちは「ミュウツー」を作り出した。しかしミュウツーは自分が何のために作り出されてきたのか分からず、そんな身勝手な人間に復讐をする。

【所感】
まずストーリーの冒頭約15分、小学生の時に見た自分がこの内容を理解していたとは思えませんでした。本物とコピー、どちらのポケモンが強いのか?そんな哲学っぽいテーマを抜きにして、お互い傷つけあうポケモン達を見ていてつらかったです。終盤のテーマに対する答えは至ってシンプルで、良くまとめられていたと思います。冒頭部分でサトシ一行は登場せず、徹底したテーマ作りをしていて、この作品に対する制作陣の熱意を感じます。
{netabare}ピカチュウがサトシに電撃を繰り返し浴びさせるシーンが一番の泣き所でした(T_T){/netabare}
EDで流れる小林幸子さんの歌がポケモンのテーマにマッチしていた上に、あの歌唱力で歌われてしまうとインパクトが大きいです。映画を見る前から「歌しか覚えてないんだけど?」って感じだったので、当時とても印象に残っていたのだと思います。

久しぶりに見ましたが、昔はちゃんと言えたポケモンの名前が結構出てこなくて、時間の流れを感じました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 16

ValkyOarai さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ポケモンの歴史はここから始まった&山ちゃん無双も そして2019年...

DNAを乱用してクローンを作ろうとする技術が考えられてはいるが、DNAの乱用は禁じられている

突然変異でDNAがおかしくなって未知の病気が生じてしまう可能性があるからだ

だから突然変異で生まれてきた人間や動物であったとしても尊重しなければならない

ポケモンも泣ける
終盤がなあ...
今のポケモン映画は昔のクオリティが減ってきているような...
まあCGがどんどん入ってるから別な意味でクオリティは高くなってるけどね

そしてサン&ムーンが放送され
旅に出掛けなくなり
描写がカチャカチャになり、顔芸するようになり
ロケット団も毎回出番がなくなり
映画もホウオウが登場した記念すべき1話のリメイクと
ルギアが登場するオリジナルを放映し早3年

見るのを投げていた自分だが...
2019年夏...

投稿 : 2024/05/18
♥ : 3

67.9 11 復讐で仲間なアニメランキング11位
THE UNLIMITED -兵部京介-(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (557)
3239人が棚に入れました
風になびく美しい銀髪、何かを悼むかのようにその身にまとった漆黒の学ランを着た青年……彼の名は兵部京介。
エスパー犯罪組織パンドラを指揮し、超能力者の同胞たちのために革命を起こすまで、その黒い翼は闇の空を羽ばたき続ける。
椎名高志原作「絶対可憐チルドレン」に生まれた偽悪のヒーロー・兵部京介がオリジナルストーリーによるスピンオフ・アニメーションとなって登場!
刻(とき)の運命にあらがって、無限を解き放て…!
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

UNLIMITED―闇でしか裁けない罪がある―

2012年秋アニメの『CODE:BREAKER』と似た印象の作品ですね。あと、キャラデザがあまり好みじゃないです。

(2013.1/12 1話:超常脱獄 -Schooler of deadlock-)
{netabare}憶測ですが、主人公の兵部京介は過去に受けた出来事に対する復讐を行おうとしているのではないか?これで違ってたら…ね┌|゚□゚;|┐ガーン!!

OPで兵部に撃ちこまれる銃弾、そしてUNLIMITEDモード時に顕わになった兵部の額の銃痕、さらに実験場での一枚の写真から、そう思ったわけですよwww


これは主人公・兵部京介の復讐の物語なのか?{/netabare}


(2013.1/19 2話:暗殺のメロディ -Ghost of WW2-)
{netabare}冒頭でアンディは兵部達、組織を裏切ったのか?と勘違いさせられてしまった^^;

というか元々スパイのようだが…

兵部京介、まさにTHE UNLIMITED(限界ない)ですねwww

それにしてもアンディは色んな能力持ってそうwww{/netabare}


(2013.1/27 3話:清楚と汚濁 -Queen not a princess-)
{netabare}「P.A.D.R.A参上!」って中学生かwwwヾ(・・ )ォィォィ

エスパーとノーマルの確執らしいものも垣間見られたが、やっぱり兵部はロリコンなんじゃ?(゚д゚){/netabare}


(2013.2/2 4話:絶対領域 -Children Territory-)
{netabare}OPが英語から日本語になってる(゚д゚;)
サビ:闇でしか裁けない罪がある。時よ、永遠に止まれ

アンディの任務はパンドラに積載されている、とある装置を探し出す事。


ザ・チルドレンが君臨する新しい世界を造る事が兵部達の目的か。
ただ、ここにきて「絶チル」観てないと関係性が分からなくなりそうな展開は、やめてほしいな^^;

どうやら、兵部の復讐の物語ではなさそうです(>_<)

絶チルで主役だった彼女達のキャストも当時のままなんですね。

明石薫(CV:平野綾)
野上葵(CV:白石涼子)
三宮紫穂(CV:戸松遥){/netabare}


(2013.2/11 5話:ストレンジャーズ -Portrait of the family-)
{netabare}マッスルwww まぁ、他のキャラの個性が立ちすぎて、こういうキャラじゃないと印象薄くなるからね。

ユウギリの「はじめてのおつかい」回ですね
予算は…国民の税金からですか?wwww

アンディは合衆国の捜査官?、二重スパイと成るのか。
兵部が能力者だけの世界を造ろうとしている理由は前の大戦で上官の裏切りで同胞を失い、B.A.B.E.L.に復讐を果たし能力者を保護する為。それと、兵部の命はもう永くはない?

警備員、ルパンかと思ったwww

大量殺人者とエスパー達の救世主、どちらも兵部の顔であり、そのどちらが欠けても兵部ではない。{/netabare}


(2013.2/17 6話:闇、走る-As true as a lie-)
{netabare}アンディ、船から降りるのか?

拾ってくれた人への恩義の為に、兵部達と戦うのか。
兵部も自身にとってはこれが最後の革命(もしくは復讐)となる?

やっぱ、絶チル観た方が良い^^;?
兵部、アンディに昔の自分を見ているようですね。

次回から、その兵部の過去へと遡る展開なので期待!{/netabare}


(2013.2/23 7話:超能部隊 前編-Generation ZERO PART I-)
{netabare}兵部の過去編と言う事だからOP映像もモノクロに。所々大戦後と思われる描写もある
幼い兵部が出会ったフジコは、兵部少年にとって初恋の相手?

「絶対に大陸での戦闘には超能力特務部隊は派遣させない」この言葉は守られるのか?
兵部の超能力は超能部隊の隊員達の能力と同じ?{/netabare}


(2013.3/2 8話:超能部隊 後編 -Generation ZERO PART Ⅱ-)
{netabare}誰にも負けないくらい強くなる事を願う事が、兵部自身の為になる。
あの模擬戦前の、兵部の目は何なんだ?

超能力を持った自分が自分である為に、信じた道を歩む事を決めた兵部少年

カタストロフィー号の心臓である伊ノ八號は、あのイルカの脳だったのか(゚д゚;)

兵部という化け物を生み出し消し去ろうとするのは「恥」の意識からくるものなのか、はたまた「罪」の意識からくるものなのか?
どちらかというと前者の方だろうな。日本人だし…

マドンナ・リリー(白ユリ):汚れのない心{/netabare}


(2013.3/9 9話:カタストロフ -Pandora's box opens-)
{netabare}兵部、囮の無人機に簡単に引っかかったなww
合衆国は伊ノ八號を使って、エスパー達を根絶やしにする事で世界の覇権を握ろうとしているのか。

伊ノ八號、カタストロフィー号を失った兵部達は、どうするのか?{/netabare}


(2013.3/16 10話:遠い楽園 -Original Sin-)
{netabare}蕾見不二子は兵部の姉なのか。
兵部の考えに違和感を抱く、薫(Queen)…

早乙女(兵部を撃った人物)は兵部達を徹底的に仕留めるつもりなんだな。

兵部は早乙女への復讐を果たすつもりか。巻き込みたくないんだなきっと兵部は、これからの未来を担うチルドレン達を。
エスパーのノーマルへの想い、ノーマルのエスパーへの思惑、それぞれの思いはどのような結果をもたらすのか?

それにしても毎話ごとにEDが変わるのは観ていて面白い演出ですね!{/netabare}


(2013.3/23 11話:あらしの中のふたり -OUTLAWS-)
{netabare}OPがサイケデリックな感じになってる(゚д゚;) 
OPの演出が面白い(歌詞が日本語→英語、映像がカラー→モノクロ)

エスパーをノーマルが管理する世界を造りあげる事が早乙女の目的
ユウギリが造られた存在!?

予知は予知でしかない。それが全て正しいという訳ではないのだから、根絶やしにするという発想はどうも…

アンディの放ったトンファーの一撃に差がありすぎww
チャフなら窓を破壊して空気の逃げ道造ってあげればいいんじゃ…アクセラさんみたいにww

まさかのユウギリがラスボス展開なの!?(゚〇゚;)マ、マジ...{/netabare}


(2013.3/30 12話:未来へ -LΛST RESOLUTION-)
{netabare}自分の死と引き換えに薫を守る兵部は、正にナイト(騎士)だな。
リミッターをも凌駕する、兵部の永年蓄えられた体内因子(無意識に発する超能力の残滓)

結局、早乙女を殺さなかった兵部。殺してしまえば、ノーマルとエスパーの確執は深くなる一方だろう…
だから、殺さなかった。そうする事で、エスパーとノーマルが互いに思いあって生きていける世界を望んだ。{/netabare}

絶対可憐チルドレンのスピンオフとなるこの作品。
絶チルは未視聴ですが、これだけでも楽しめる内容ではあります。
1クールなので、個人的には、ノーマルとエスパーどちらが優位に立つのか?と言う答えを出さないで終わったのは良かったです。

続編が期待できるか…というと微妙でしょうね^^;

投稿 : 2024/05/18
♥ : 15

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

以前は椎名高志からギャグとエロを取ったら何も残らないと思っていましたが・・・

週刊少年サンデー連載中の椎名高志原作の漫画
絶対可憐チルドレンのスピンオフ作品です
私は原作こそ週刊連載を読んでいますが
数年前にアニメ化されたものは未視聴です
本作はどちらも全く知らなくても十分楽しめる作りにはなっていますが
チルドレン他バベルのメンツの紹介などは最小限な感じなので
どちらかに先に目を通してからのほうがいいかもしれませんね

椎名高志原作のアニメというと大分昔やっていたGS美神を思い出します
GS美神はギャグメインの作品の中にところどころシリアスな場面があって
そのギャップによってそれぞれを引き立たせるような手法でした
最近の作品だと空知英秋の銀魂なんかがそんな方向性ですね
その後の椎名作品にはあまり長く続かなかったものがいくつかありますが
基本路線は同じような感じでした

原作絶対可憐チルドレンも連載開始当初はそんな感じだったのですが
徐々にシリアス比率が高くなっていき
最近の本編はシリアスが中心で
その分不足しがちなギャグ要素を補うためか
「さぷりめんと」と題した4コマ漫画を
本編の扉絵代りに同時連載しています
ですから、今回椎名作品としては異例なくらいにシリアス路線ですが
今の原作の方向性からすれば必然だったかもしれません

話の中核になったのは大戦中の兵部と蕾を描いた原作の1エピソード
そこにアンディ・ヒノミヤと夕霧というアニメオリジナルキャラを投入しつつ
1クール分に見合うように話を膨らませた作品となっています
もともと好きなエピソードの一つでしたが
アニメ版はさらに深みが増してよくまとまっていました

最近本編の方ではショタ京介しか出てこない状態なので
久々に少佐が大暴れするシーンを見ることができたのは
色々と感慨深いものがありますね

オリジナルキャラの二人も良かったと思います
実質的に京介と同等レベルの扱いを受け
もう一人の主人公といっても過言ではないアンディ・ヒノミヤ
パンドラのあの濃すぎるメンツの中で
しっかりキャラが立っていたし格好良かったです
ただ視聴者に素性を明かすのがちょっと早かった気はしますね
もうちょっと引っ張っても面白かったんじゃないかなぁ

夕霧ちゃんはとにかくかわいかった!
クロワーゼの湯音といい東山奈央の幼女役は破壊力抜群ですね
もうこれは麻雀好きの女子高生とかスクールアイドルの妹とか
そんなのやらせてる暇があったらもっとょぅι゙ょ役を斡旋すべきだよ!

ちなみに原作の日本人キャラ達は皆
源氏物語由来の名前がついていまして
この二人もその命名規則に準拠して付けられています
夕霧は光源氏の子の名前ですし
ヒノミヤはおそらく輝く日の宮からでしょうね

この二人はぜひ本編にも登場・活躍させてほしいところです
アンディは既にサプリメントの方に出演を果たしていますし
そんなに望み薄でもないような気がしますがどうでしょうね?

単品のアニメとしてみても
スピンオフ作品としてみても
良くできた作品だったと思います

唯一の難点は声優に関して
もともと原作で持っていたイメージと
アニメで当てれらた声が合わないキャラが一人いたことです
まぁ好みの問題と言ってしまえばそれまでなんですけどね
それに今回のアニメでは大して出番も多くなかったので
それほど強くは気になりませんでした
とはいえ1期のアニメを観ようという気にはならないし
2期があっても観ないかもしれません
何しろ受け付けなかったのが主役(明石薫 - 平野綾)なんだもの・・・

投稿 : 2024/05/18
♥ : 12

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

闇でしか裁けない罪がある

解き放て・・・アンリミテッド!!

「絶対可憐チルドレン」のスピンオフ作品。
絶チルは未視聴ですが、これ単品でも内容は理解できるし、概ね楽しめました。
ただ絶チルの知識があった方が、より楽しめそうな感じはします。

主な見所としては、まず、良質な作画による超能力バトル。
エフェクトを派手に効かせてるのが特徴で、スピード感もあり爽快です。

エスパー犯罪組織「パンドラ」のリーダーである兵部京介
とある事情でパンドラに加入することになったアンディ・ヒノミヤ
この2人のメインキャラの関係性の変化も見所ですね。

普通人(ノーマル)から迫害を受けたり軍事利用される、
そんな理不尽な社会への復讐がパンドラ、そして兵部の行動理念。
人種差別をテーマにしてるわけですが、その辺りはちょっと消化不良でした。
復讐の対象が社会そのもの、というよりも
兵部が個人的に恨みを持つ人物に復讐の焦点が絞られ、話が小じんまりしてしまった感。
せめてそのキャラ(ラスボス)を、もっと初期の段階で匂わせておけば
また印象は違っていたかもしれません。

OPとEDに凄く力が入っていて
特にEDに関しては、物語後半から毎回のように曲や映像が変わります。
その回の内容に適したものになっていて、スタッフの作品への愛情と拘りを感じました。

話題性には乏しかったけど、今期の中では私的TOP3に入る作品。
「厨ニ」「ダークヒーロー」「能力バトル」が好きな方は観て損はないと思います。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 39

76.4 12 復讐で仲間なアニメランキング12位
ダーウィンズゲーム(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (502)
2259人が棚に入れました
平凡な高校生である須藤要のもとに見知らぬアプリ「ダーウィンズゲーム」の招待メールが届く。アプリを起動させてしまったカナメは、プレイヤー同士が異能を駆使して戦うゲームに巻き込まれてしまう。わけもわからぬまま、襲い来る強力なプレイヤーとのバトルを切り抜け、カナメは生き残ることが出来るのか!?

声優・キャラクター
小林裕介、上田麗奈、大森日雅、八代拓、花守ゆみり
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

燃えよダーウィンズ!

原作未読


言いたいことだけ言おうかしら!?
注)読み手無視します。悪しからず。


【高校の同級生's】

 須藤要(CV小林裕介)
 京田浩之(CV小林千晃)
 篠塚ヨウタ(CV落合福嗣)
 ハマダ(CV広瀬裕也)


着ぐるみ『バンダ君』がどう見ても『ドアラ』にしか見えない件
背番号は“1994”ならぬ“666”ってオーメンですか?

バク転せずに包丁持って今日も新人狩りしてます。まずはハマダが…

おいおい!うちのドアラになんてことさせてんだ!ったくもう


ん!?京田を新人狩り?

川上憲伸以来のうちの新人王になにしてくれてんだ!オラ


2011年の優勝以来、守道が継いだ翌年を除きずっとBクラス。ちょっと気が立ってました。すみません。

その優勝決定の横浜スタジアムはバックネット裏に居た私です。
岩瀬でなく浅尾でのゲームセット
優勝監督インタビューの後に現役時代のチャント


 {netabare}さーんかん 落合 広角 打っ法~{/netabare}

 {netabare}レフトへ ライトへ ホームラァーンンー{/netabare}


あの甘美な一瞬をもう一度味わいたい
背番号“666”じゃなかった(^_^;) “66”よもう一度!

しかしそれは二度と叶わぬ夢。親会社の紙面ばりに見当ハズレなことしかせん球団首脳に辟易ですわ。


それにしても福嗣クンのキャスティング狙ってませんかね?
スタッフの中に重度のドラキチがいるに違いません。


我ながら見事な考察。もう今シーズンの仕事はやり切りました。


{netabare}アンコールですか!? しょうがないなぁ{/netabare}


主題歌はASCAの『Chen(チェン)』…じゃなかった『CHAIN』

内容にも少し触れとくと、主人公カナメはどうやら新人ながら特別な力を持ってミラクルを起こす模様です。まるでウォーリー与那嶺みたいですね。
彼が率いて巨人のV10を阻止したナゴヤ球場になんと私のリアル父親は居たそうです(マジ)。血は争えません。残念ながら球場の中には入れなかったらしいですが(笑)



ダーウィンっていうくらいだから種の進化的ななにかを期待してました。
例えば父には果たせなかった優勝の瞬間を球場の中で迎えるコツみたいなのをです。
蓋を開けてみたらただのデスゲームでしたね。巻き込まれ型のやつにストーリーを望むべくもありません。食傷気味です。

渋谷を舞台に多人数参加のデスバトル始まりましたが見るべきはちらっと映ったセンター街入口の大盛堂書店でしょうか。創業者は言わずと知れた“不死身の分隊長”船坂弘元軍曹であります。
興味あったらお調べください。このデスゲームが屁に見えるくらいの戦地アンガウルで、このアニメに出てくるどのキャラも鼻糞に見えるほどの生き残りの執念を見せた軍人さんです。


※{netabare}大盛堂書店と球団以外のネタは第一話に全部詰まってます。{/netabare}




■結局最後まで観てしまった

ドラゴンズ&渋谷への愛着の残り香と全11話で短めなのもあってまあいっかと最後まで。
結局デスゲームっていくら主人公が足掻いたところでゲームを作った人を超えるにはなりにくい。破滅願望あるゲームマスターならワンチャンありそうでもそうなるとしらけます。それこそ「殺されるために殺す」みたいなね。

{netabare}終盤で仲間になったランキング1位のお姉さんはどこいっちゃったの?{/netabare}

ストーリーへの期待を捨ててバトルっぷりを楽しむという作品です。



■僕は気づいてしまった

思った以上に、シュカ(CV上田麗奈)がイカれてて良かった。

で、アニメに感じる物足りなさの話になるんですが、カナメとの濡れ場がない不自然さ。
これ以外にもいくつか作品を鑑賞してきてアニメ作品で濡れ場がないことにすっかり慣れてしまいました。しかし湧き上がる違和感。

 グロ と ○○

 ヴァイオレンス と ○○

対になるであろう ○○ に入る単語ってあまり求められてなくって僧侶枠でやれば?くらいの扱いなのかしら、と思います。
マスではそうかもしれませんが、きちんと描かれてる作品は総じて自分の評価は高い。『虐殺器官』『PERFECT BLUE』あたりがそうでした。


{netabare}例えばクライマックス最終話。笑顔で人体を切り刻めるシュカ。グロと暴力で彼女の狂気が伝わってくるシーン。カナメだって、殺人への躊躇いを振り切ってワンらの手駒をばんばか射殺してる頃合い。
そんな二人が闘い終わった直後なんて昂ぶってるでしょうに。回りくどい言い方やめれば

{netabare}ヤルだろう、普通。{/netabare}

隠すことで逆に嘘っぽくなってしまうことに僕は、気づいてしまった。
それか実写映画のお約束を踏襲してくれないことへの不満なのかなぁ。{/netabare}

いややっぱり違う。昂ぶれば行為に至る。「リオのカーニバルベイビー」「楽園ベイビー」。名作『クラダルマ』主人公の出生タイミングも災害下緊急事態に種の保存本能が働いたからだし。

何処がダーウィンやねん!?
種の保存より断絶に向ってることにも気づいてしまった僕は続編あっても観るかは微妙です。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

-----
2020.04.28追記


ドラゴンズ元ネタ詳細 注)ダ:ダーウィンズ ド:ドラゴンズ

・{netabare}ダ:バンダ君 ド:ドアラ 見ためが酷似{/netabare}
・{netabare}ダ:京田浩之(要の同級生) ド:京田陽太(2017年セ新人王){/netabare}
・{netabare}ダ:666(バンダ君の背番号) ド:66(落合博満監督の背番号){/netabare}
・{netabare}福嗣クン ご存知、落合博満氏のご子息です{/netabare}
・{netabare}ダ:CHAIN(主題歌) ド:Chen(2004-2011在籍の台湾出身投手)
  {netabare}※学生だった彼をスカウトしたのは故大豊泰昭氏です。彼も台湾出身。{/netabare}{/netabare}
・{netabare}ダ:カナメ(Dゲーム期待の新人) ド:ウォーリー与那嶺{netabare}⇒名は要{/netabare}{/netabare}

皆さんいくつ見つけられたでしょうか?



2020.03.21 初稿
2020.04.28 追記
2020.10.09 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 53

六目チャー飯 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

性懲りも無い作品

相変わらず目新しさの無い金太郎飴的な世界観に辟易する。
デスゲームに異能力、ラッキースケベと色んな要素をてんこ盛り。

まだ最初だから色々説明不足は当然としても、
それを知ったところで興味が湧く気配は全くないし。

それより、キャスティングの違和感や回りくどい台詞、
多すぎる一人語りが痛すぎて見てらんない感じ。

なんか色々とセンスないよねえ。

絵は綺麗だからしばらくは様子を見てみるけど、
より印象が悪化する気がしないでもないかな。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

異能バトル系のいわゆる「デスゲーム」的な奴。ヒロインのシュカは可愛い。(だけじゃなくて他の女の子も可愛いけど。)

== [下記は第4話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第4話まで視聴を終えた時点で、このレビューを書いています。

テレビ放送初回の第1話は1時間SPでした。たぶん主人公のカナメとヒロインのシュカを出合わせ、世界観を説明するのに1話30分の枠では収まりが悪かったんだと思います。まあ、これ自体はシリーズ構成としては悪くなかったと思います。

謎のスマートフォン・アプリ「ダーウィンズゲーム」により、何の説明もないまま異能によるデスゲームに巻き込まれたカナメですが、シュカとの出会いをきっかけにしてルールを徐々に把握していってますね。

理不尽なデスゲームに巻き込まれるというプロット自体は良くあるものだと思うのですが、今回アニメ化された範囲でどこまで明らかにされるかはさておき、ゲームの背景自体もストーリー中で語られていくものであるようです。これ自体はプラス要素と言えそうです。

この作品の場合、作中で「シギル」と呼ばれる異能は明確に超常的な能力として描かれているので、なまじ現実を舞台にしたような話よりもかえって「そんなことあるわけないやん」という思いに囚われなくてすむかもしれません。

純粋に異能バトルとして見た場合、シュカのシギル『荊棘の女王(クイーンオブソーン)』はなかなかアニメ映えして良いですね。ええっと、決して「ネビュラチェーン」とか「戒めの鎖(レージング)」とか思っちゃダメですよ…!?

……なお、第4話の次は第5話ではなく総集編っぽい第4.5話が放送される模様。
(いわゆる「総集編」で正規の話数が先送られるのは、今クール作品初?)
== [第4話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.3.21追記:
第11話で最終回のようです。ということで全話観終わりました。

原作が続いている以上、途中で終わることは避けられないわけですがキリとしてはとても良かったと思います。「ずっと隣にいてあげる」って夫婦か(笑)!

異能バトル物として考えると、カナメがちゃんと強いのとソロじゃなくてちゃんとクラン(RPGのギルド的な仲間のグループ)を作ること、そしてメンバーのシギル(異能)や得意分野で役割分担があるところなどなかなか良くできていると思います。

カナメは確かに強いけど「他の奴要らんやん」とはならないですね。

アニメを観るまで「カバーイラストの女の子が可愛いなあ」くらいにしか思っていませんでしたが、原作も面白そうだと思いました。

異能バトルが好きなら、結構お勧めかも。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 40

87.4 13 復讐で仲間なアニメランキング13位
オッドタクシー(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (639)
2125人が棚に入れました
平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。

声優・キャラクター
花江夏樹、飯田里穂、木村良平、山口勝平、三森すずこ、小泉萌香、村上まなつ、昴生、亜生、ユースケ、津田篤宏、たかし、村上知子、高井佳佑、フェニックス、浜田賢二、酒井広大、斉藤壮馬、古川慎、堀井茶渡、黒田崇矢、汐宮あまね、神楽千歌、METEOR

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

まったく、たまにこういう作品に出合うから面白い。

控えめに言って、そんじょそこらで放送している学芸会のようなドラマを見るくらいなら、この作品を観た方が絶対に面白いと思う。

確かに、全てが新しいアイデアと言う訳ではない。
最終回の大ネタでさえ、既に既視感のある展開ではあった。
しかしながら、この作品は素晴らしいと評価できる。
まずもって、

古今東西、タクシーがテーマの映画作品には「名作」が多いと感じている。
そして、たまに大胆な切り口の作品も登場したりするが、それでも「観れる作品」になっている印象のものが多いのは、タクシーという舞台装置がいろいろな人、場面、人生模様との親和性が高いのだろうと想像する。

さて、この作品。
あまり物語に触れる訳にはいかないが、
主人公のタクシー運転手:小戸川を中心に非常に多くの人物が登場する。
そして、複数のストーリーラインが同時進行し、それぞれがポイント、ポイントや人物同士でちょこちょこ交差していく。
非常に綿密に計算され、緻密に物語を紡いでいっているといってよい。
なので、観ているこちら側が混乱するケースもありそうなのだが、登場人物のキャラ付けがシッカリしている(即ち容姿が動物w)なので、意外と混乱はしない。
こういう意味でもヴィジュアル面でプラスに働いているのではないだろうか。

そして、作品自体の雰囲気もとても良い。
この「良い」と言うのは「いい気持ち」ではなく、落ち着いて、しかし、何かが着々と進行しているという、なんとも言えない不穏でダークな雰囲気なのだ。
主人公の小戸川もおっさんチックな落ち着きもあるし、登場人物が悪(ワル)はワルらしくて良い。
昨今は珍しくなってしまったハードボイルド雰囲気をもった、クライムサスペンスと言えるかも。
とても、映画的な雰囲気をもった作品だと思う。
なんなら、どこかのハリウッドとかでも映画化できるレベルのプロットだと思っている、私的には。


・・・さて、
メインストーリに絡んだ表面に見える犯罪(クライム)については、それぞれの悪(ワル)たちが、それぞれの場所に収まり、ひと段落をのテイを見せ。
それぞれの登場人物も、自身の理想を目指しての生活に戻りました。
が・・・、残った真の悪は誰なのか・・・、小戸川はどうなったのか・・・。

余韻を残す終わりとなっております。
詳細はご自身の目で観て、ご想像ください。
観る価値のある作品です。お時間をつくってどうぞ!!

それにしても、ジェンダーフリーのこの時代に、また、爆弾発言をしますが。
(物語の上でのことですが)
やはり、真の悪、恐るべきは女か・・・。
(ここは女性ではなく、オンナと言う表現がふさわしいでしょうw)

さて、この爆弾発言の意図するところとは?
これもぜひ作品を観て、ご判断くださいw。

最後の最後に私のツボポイントを一つw
「白川さんのカポエイラ」

以上です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 44
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タクシードライバーが撃ったものは何か

原案脚本、此元和津也。

冴えないタクシードライバーを、
主人公としたサスペンスフルな群像劇であり、
登場人物は全て擬人化された動物である。
主人公が運ぶ乗客の、何気ない会話から、
やがて失踪中の一人の少女に繋がっていく。

かつてスコセッシ&デニーロは、
戦争で心に深い傷を負った青年を通じ、
虚飾と不正義が蔓延する都会の病巣を描いた。
ここでもそうなのだろうか?
少女の失踪事件が物語の骨子にあるが、
回を追うごとに乗客たちの関係性が、
主人公を通じ点から線へと変わっていく。

{netabare}人が持つ承認欲求、格差が生むもの、
婚活詐欺の裏側、乏しい自己肯定感、{/netabare}
形容しがたいこの有様の底にあるものを、
社会や心の闇とは簡易に片付けるのはよそう。
我々は自覚もないままに人間社会を形成している。
最大の謎は主人公小戸川本人である。
{netabare}彼だけが目にする世界があるのでしょうか。{/netabare}

最終話視聴追記。
まずは設定、演出に称賛を贈りたい。
{netabare}平凡な犯行動機ではあるが返って、
人間社会を生き抜く難しさを物語っている。{/netabare}
少年小戸川の回想が非常に効果的である。

練りこまれた勇敢な物語でしょう。
好みの題材とあり、ほんとに面白い。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 53
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

背乗りタクシー

原作未読

相乗りじゃないよ。
来たよ来た来た!ネタバレ厳禁系。時間延長も使わず1クール全13話で美しくまとめた良作。
タクシーをテーマにすると乗客とのやりとりに様々な人生ドラマを垣間見る秀作ができやすい。フランス映画『TAXI』シリーズみたいにコメディに振るも良し。だが今回のそれはデニーロ主演のマッドでサイコな『タクシードライバー』に近い。

 ふわっとどんな作品か雰囲気だけ
 視聴ハードルとなりそうな先入観

これだけ書いときます。

■ふわっとどんな作品か雰囲気だけ

①オッドだけにオットセイかと思いきやセイウチでした
 ⇒心地よく裏切ってくれます
②あ!?CV花江夏樹さんだったね。納得の最終回
 ⇒演技の幅広げるための意欲作っぽい出だしからの花江節が映えるラスト

月並みですが点と線が繋がる心地よさに身を委ねる作品です。


■視聴ハードルとなりそうな先入観

ずばり動物デフォルメものからくる先入観ですね。あくまで私基準での3類型が以下

1.制作会社/アニメーターや“ノイタミナ”“+ultla”などブランド枠で視聴を決断するやつ
 ⇒『Beasters』『B.N.A』等かっこ良さやメッセージ出てる系。すんなり入りやすい。
2.ケモナー御用達
 ⇒萌え需要供給役。『けものフレンズ』『シートン学園』とかかしら。これもすんなり入りやすい。

1.2.ともに需要はあるのです。私自身2.は興味ないですけど求める層が一定数いることを知っております。そしてこれらグループに入ってすらこないのが

3.みるからに低予算そうな見向きもされないやつ
 ⇒『ビジネスフィッシュ』『アフリカのサラリーマン』等放送した事実すら記憶に残らない系。

この3.に該当しそうなのが本作ではないかと。主要キャラが軒並みアラフォーと巷にあふれてる作品の主人公らより年齢が高い。制作会社聞いたことないし、CVに芸人さん入っててバーター臭ぷんぷんだし、どちらかというと事前の期待はナシですね。
ところがどっこいと掌を返すことなるわけですけど、外形だけでは視聴ハードル高そうなとこあるよねってところご留意ください。

集中して視聴することをお勧めします。早送り厳禁。
そして抑揚のない主人公の発声に眠気との戦いになることも助言しておきます。



※ネタバレ所感

■何を得たのだろうか?

{netabare}ミステリーキッス三矢ユキ殺人事件の真犯人は和田垣さくらということでした。
三矢失踪と内々で処理されたのと並行して後釜に抜擢された娘さん。いかにもな二階堂ルイ逮捕でのびつくり展開だったわけですがちょっと待て。

 デビューご破算じゃないの?

スポットライト浴びる目的での殺人ならその後うまいことスターダムに乗れたのかどうか気になります。背乗り目的の動機で殺人起こしてバレそうになって罪被せただけといえなくもなく、スケールちっさと思えなくもない。{/netabare}


メインの小戸川ストーリーは唸れましたので総じて満足しております。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

-----

2021.07.14 初稿
2022.05.29 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 52

75.6 14 復讐で仲間なアニメランキング14位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (457)
2096人が棚に入れました
冒険者たちが未知へと挑み、神々が興奮に沸き返る、世界で最も熱き街――迷宮都市オラリオ。その中心に鎮座するは、都市に限りなき富と栄華をもたらし、数多の混沌が潜む大穴――『ダンジョン』。その深淵にて、生まれ落ちた一体の怪物。「……ここ……どこ……?」人語を話す竜の少女をめぐり、都市はかつてない 異常事態に巻き込まれていく。人と怪物。漫然と存在する価値観、常識は破壊され、冒険者ベル・クラネルと、女神ヘスティアに、決断の時が―― これは、少年が歩み、女神が記す、ダンジョンの謎に迫る【眷族の物語】――

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、内田真礼、細谷佳正、赤﨑千夏、千菅春香、早見沙織、大西沙織、日高里菜、水中雅章、高田憂希、稲田徹、福島潤、浪川大輔

のか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

意見を通したければ強くなれ・・・ですか

原作未読 全12話

あらすじ
3期なので割愛(爆笑)


では感想を
今度の話は人間らしい感情を持つモンスターとの絡みですか
内容自体は物凄く深いお話しだったと思います

が・・・私の心には何も響いていません
と言うのも、ベル君の考え、行動が私にはかなりイラついたからですwww

弱く、実力も権力もないベル君たち(ヘスティアファミリア)
誰に何を言っても聞いてくれるわけがありません

で、あの結末
その場しのぎで何も解決していませんよね

この3期がこれから先の伏線かもしれません
なので、4期がある事を切に願うだけです

視聴して満足感はあったんですけど、胸の中にモヤモヤが残る作品でした
(個人的感想ですよ)


作画はちょっとだけ気になるとことがありました
人によっては気にならないかもです

声優さんは普通
良いと思いますが、3期でレベルアップしたとは感じず

音楽はOP、EDとも普通
DLはしないと思います

キャラはモンスター側で色々たくさん出てきました
視聴すると分かりますよ


こうやって感想を書いていてもやはり納得はいかず

視聴している最中、やたらこの言葉を思い出しました
大捜査線(TVドラマ)で故・いかりや長介さんがやっていた役の言葉

「正しい事がしたければえらくなれ」

あの場面、もし回復不能な怪我人が出ていたら
もし死人が出ていたら
家を失い路頭に迷う人がいたら

ベル君たちは責任は取れていたのでしょうか?


ベル君たちの行動が正しいかどうか
視聴してご自分で判断してください

まあ、アニメなんでそこまで考えてないと思いますけど(爆笑)

完走出来るレベルです
安定して面白いと思います

ダンまちファンなら見るべき作品だと思います

これから視聴する方は必ず1期から視聴してください
伏線とか張っていますので、順番でねwww



では最後に一言
絶望した~!なんとなく気持ち悪い3期に絶望した~!
主人公だから人間は殺さないんですかね?
主人公だから即死レベル攻撃を耐えられるんですかね?
主人公だったら最後の戦いは勝って終わるべきじゃないんですかね?
主人公だから一般人に手の平くるくるされるんですかね?
もう~~~モヤモヤしか残らないアニメに絶望した~!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 18
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

それでも暇を持て余した神々は遊び宣う

リリース順で一通り視聴してから楽しまれることを推奨

①『ダンまち1期』⇒②『ダンまち外伝』⇒③『オリオンの矢』⇒④『ダンまち2期』

①④は必須。②も準必須。スピンオフ③は劇場版82分尺だからさくっとGO!って感じでしょうか。①と②は同じ時間軸の並行した物語ですので可能なら日を空けないほうがよいです。

そして此度の3期を迎えます。一気に視聴してあっという間に感じる満足っぷりでした。

 {netabare}帰ってきたダンまち or ダンまちリターンズ{/netabare} 

ヘスティアが胸の大写しで登場するのはご愛嬌。いつも通りの風景に安堵しつつ、それ以上に冒頭ダンジョン潜入から始まるのがよろしい。ついでに潜入したダンジョンで“出会って”いるのも原点回帰の感があります。
②外伝ではロキ・ファミリアといったヘスティア・ファミリア外に焦点を当てたことでファミリア一つ一つに諸般の事情があることを意識づけさせました。だから“ヘルメス”や“ガネーシャ”のファミリアにも固有の事情があるんだろうとも想像できますし、ロキ・ファミリアが大きく取り扱われる本編の後半には感慨深さすら覚えます。
④2期ではヘスティア・ファミリアに集う眷属たちに焦点を当てたことで「リリ」「ヴェルフ」「命」「春姫」各々への思い入れを強くさせました。奴隷同然だった“リリ助”や生贄前提の“春姫”と同業者やエルフから向けられる嫉妬や怨嗟を身に受けてた日陰者の“ヴェルフ”。そんな彼らだからこそ世界を敵に回すようなベルくんの選択を支持できるのです。

このように3期でしっかり②も④も機能してはいることを評価しつつ、いかんせんエンタメ的な面白さは控えめでした。なにせほぼ潜ってない。
来たるべきダンジョン潜入に向けた地固めを経ての3期とは言い過ぎでしょうか。ダンジョン場面の大幅増加もさることながらダンジョンに住まう者が中心のお話です。

良くも悪くも1期がシリーズの印象を決定づけます。
紐神の見ためやハーレム展開。主役が松岡さんなのでしょうがない(それでいいのか!?)あれやこれや。そんなのに隠れて古き良きダンジョンRPGそれこそ『ウィザードリィ』的ななにかに魅かれた私であります。紐神様もベルくんの旗色が悪い時こそ迷いなく彼の側に立つ振る舞いに感動すら覚えます。

 {netabare}なんかそれを久々に目の当たりにしました{/netabare}

【ヘスティア・ファミリアの面々】
 ヘスティア(CV水瀬いのり)
 ベル・クラネル(CV松岡禎丞)
 リリルカ・アーデ(CV内田真礼)
 ヴェルフ・クロッゾ(CV細谷佳正)
 ヤマト・命(CV赤﨑千夏)
 サンジョウノ・春姫(CV千菅春香)

メンバーは増え賑やかになりました。それでいて原点回帰の面白さ。これからダンジョンの深淵に手を届かせんとするのでしょうか?
小説も既刊で本編16巻、外伝12巻とボリューミー。スマホゲームアプリ『ダンメモ』も好調のようですし続けてほしいですね。“やっときた”感ある良作です。



※ネタバレ所感

■そして輝く11話!ヘィッ!

“漢”を“おとこ”と呼ぶようになって久しい。
第11話のサブタイトルは「決戦」。これでウルトラソウルと読むらしいです。

余計な説明を省いて、B'zの曲を脳内再生しながら11話を観るとベルくんの心境にぴったりで笑えます。


■モンスターって?

「ウィーネって10回言ってみて」からの「盾の勇者の成り上がりのロリ声ペットは?」でフィーネって答えそう。語感も似てて声優も一緒だし同じ想像したのは私だけではあるまい。
日高里菜さんの声だとかわいらしさを強調してしまってそっちに目がいきがちなんですけど…

{netabare}モンスターかわいいじゃん…とは決してならないわけです。“許されざる存在”の世界観と“モンスターにも事情が”と思う視聴者とでギャップがありそう。
たしか神様たちが地上に降りてくる前の時代、地上に開いた大穴からモンスターが溢れ出して人間を絶滅させかけてたかと。神様から恩恵も授かっていない生身の人間では太刀打ちできなかったというのがモンスターと人間の歴史。太古の昔から忌むべき存在。
だから、普通に考えて意思疎通可能な知性あるモンスターを見つけたら共存より恐怖が先行しそうです。例えば人間より強い羆が本能でなくトラップを仕掛けて知恵比べしてきそうとか、新型コロナが知性を持って人間を先回りして進化してきそうとか、まじめに想像すると恐怖でしかありません。
生理的にってことならコオロギ食べるとかゴキブリ飼うような感覚に近いかもしれませんね。異端児(ゼノス)の皆さんがいくら太陽の見える青空を目指してるからといって
 
 生まれたところや皮膚や目の色で 一体この僕の何が分かるというのだろう

みたいなピースフルな段階には一段も二段も足りてないとこで物語は繰り広げられているわけでして。
街の人が悪者なのではなくベルくんが超のつく異端である、と腑に落ちてるとわかりみがいいです。{/netabare}


■そして輝く11話!2ツー! ※余談

その“モンスター=人非人”みたいな構図って大なり小なり世の中にはあるわけでして。

この回のベルくんの筋の通し方って…
{netabare}同盟国ドイツの苛烈なツッコミに耐えながらユダヤ人を満州経由でアメリカへ逃がす実務指揮をとった樋口季一郎中将と被るのよね。もちろん独りの男気だけでなんとかなるわけでもなく公のバックアップも欠かせなかったわけですよ。
前段として、日本国政府は板垣征四郎陸相草案の「ユダヤ人保護」を閣僚決定し、満州に接するオトポール駅にひしめいていた2~3万人の難民を、「助けてやれ」と指示したのが関東軍参謀長東條英機であり、特別列車を仕立てて助けたのが満鉄総裁の松岡洋右でした。近現代史に造詣ある方ならこの三名がどういう方々かピンとくるでしょう。

歴史もそうであるように人物の見方も光100%と闇100%はありえません。ここではなんかのかけ違いでヘスティア様やファミリアメンバー、そしてベルくんたちが歴史の大罪人となるリスクを負いながら大事を為したものと素直に称賛をしたいところです。{/netabare}



■暇を持て余した神々の遊び

意味合いと語感の良さで1期からこのフレーズをレビュタイに引用しとります。やや懐かしい響き。
翻って“神々の暇つぶし”なる設定はどこまでいっても変わらず、とブレはありません。

{netabare}ソーマ(CV内山昂輝)なんて分かり易くて秘酒づくり以外興味が無い神。彼みたいに没頭するものがあれば人間に興味を持つことなんてないし、興味の対象が人間でないからこそリリ助に酒を飲まして試すようなこともできたりするわけでした。呑んでも心狂わなければ抜け忍していいよってやつでしたよね。

 神は自分で責任を取りません

今期のお騒がせ神イケロス(CV福島潤)も根っこは暇つぶしです。ディックス(CV:浪川大輔)には何かやらかすことを期待しているわけです。2期のアポロンなんかもそうでしたが、様々な退屈しのぎの方法がある中での彼らの選択がオラリオの秩序を乱すものだから処分されたわけで、あくまで他の神々たちの暇つぶしネタを奪っちゃいかんよってのが基準であり罰則の対象となってたわけです。
味方に見えるヘルメスやウラノスもクズマ…じゃなかった追放された神々と大差ありません。特にベルくんへの態度なんかそうですけど自分が責任取るような行動は絶対しない。眷属でないからってのもありましょうが、前に出てくることはない神々です。
ただね、、、本気で遊んでるのは分かります。ベルくんは想定外を引き起こす存在ですからね。フレイヤを筆頭に神々たちが興味津々な理由も

 退屈しないから

というのは押さえておきたいポイントです。
リトルルーキーだ英雄願望だと煽てられてても神々の暇つぶし道具の範疇を出ないという哀しみ。どこまでいっても鉄砲玉。振り返るといつもヤバい橋を渡らされてるベルくん。{/netabare}

よって

{netabare}そんな神々と眷属との関係を一線越えてそうなヘスティアとベルくんの今後が気になるのです。
具体的にはどういうお別れをするのか? だいぶ先でしょうけど避けがたいことですからね。{/netabare}


いろいろご都合が鼻につくのはつくのです。
{netabare}・娼館で囲われてたのに乙女だった春姫さんとか(2期)
・なんでウィーネさくっと生き返るの?とか(第8話) そもそも死なせる必要あった?{/netabare}

それでも神の掌の上で踊らされている人間といいますか眷属たちの行く末が気になるので今後も継続して観るつもりです。続編あるならですよ。

そういえばヘスティア様…
{netabare}ヴァレン何某さんのことをきちんと呼べてましたね w{/netabare}



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ視聴

-------


2020.12.21 初稿
2021.10.15 タイトル修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 46
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

英雄にあこがれて

制作J.C.STAFF。

女神ヘスティアと冒険者ベルクラネル。
彼らのファミリアは急速に成長の途を辿り、
オラリオに於いても存在感を増し続けている。
その折、偶然救出した少女は怪物であった。
言葉を解する怪物、これは異端を巡る物語。

ダンジョンで今、何が起きているのか!?

面白さは人それぞれでありますが、
格段に物語の骨子は追いやすくなっている。
{netabare}理知を備える怪物たちはどこへ向かうのか。
人と怪物、異端との共生の物語である。{/netabare}
英雄としての資質が試されているのでしょう。

声優陣はさすが、ヘスティアは当たり役だ。

最終話視聴追記。
古い価値観と新たな価値観、
現実にも通じる主題であったのでしょう。
多様な生を認めるのは難しい。
{netabare}いっそ愚者であるのはどうだろうか。
愚者こそが掛け替えのないものに、
届く可能性を秘めているのかも知れない。{/netabare}

ベルクラネルとは愚者の生き様である。
英雄への道程はまだ遥か先にありそうです。

まずまず楽しめました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 42

81.8 15 復讐で仲間なアニメランキング15位
進撃の巨人 The Final Season(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (489)
1996人が棚に入れました
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は――進撃の巨人」ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなければならない。壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。――やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴璐美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、村瀬歩、川島悠美、松風雅也、沼倉愛美、増田俊樹

アニメ好き さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

やりやがったなMAPPA

最初の製作者側はカッコイイと思ってるオープニングを見た時、このダサさ…これはまさかMAPPA制作のアニメじゃないだろうな…
と思ったらほんとにMAPPAが作っててガッカリした。マッパというかツインエンジン制作が嫌いなんですけど。マッパとの関係性がよくわからん

体操ザムライと呪術廻戦でマッパやるやんと見直していたのだが、同じ会社でもアニメによって全然完成度も毛並みも違うのは一体なぜ?
呪術廻戦とはアニメとして天と地の差があるぞ?

とりあえず今季の進撃の巨人は自分とは合わなさそう。
1話見た感想
オープニングだっさ!エンディングも変な曲でアニメション手抜きか?
登場人物目の周りの縦線多用してるのがめっちゃ腹立つし気になる!ちびまる子ちゃんかよ
目の周りの縦線は原作漫画でシュールなギャグやシリアスなシーンで多用されてきたものなのに常時付けてるのなんなの!?原作愛なしか?

原作読んでても話しに全く引き込まれない1話の構成、これ意味不明で1話切りする人多そう。

など、3期まで進撃のアニメ凄いなぁと思ってたのに、制作会社が変わって積み上げてきたものが全て壊れたような感想しか出てこなかった。
褒めるところを考えたのだが、どうしよう、思いつかない…

私は上手く言語化できないけど何がこんなにも違うんですかね。
wikiみたら監督もシリーズ構成もキャラクターデザインも全部人が変わってて、そこらへんがこの違和感に繋がってるんだと思います。

なんか楽しみにしてただけに悲しい。
2期に駄目にされたけものフレンズ事件を思い出した
2話から良くなっていくのかな!?見る気起きないけどここから良い作品にしてくれるんだよね!?

投稿 : 2024/05/18
♥ : 11
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

再追記 恐怖も世界観も矮小化してしまったがっかり感。設定を設定で解決しないでほしい。

再追記 ついに結末を迎える前に

{netabare} 本作のもっとも面白いところ、それは孤立した人類の反撃…だと思っていました。島設定がでるまでは。

 壁が一つ一つ破られて、巨人たちに追い詰められ食料が足りない、反撃の手段もない。仲間が次々に死んでゆく。そこに現れた一つの希望。それがエレンイエガーという巨人になれる人類の登場。

 そこには父親との因縁もあり、壁の中の巨人もいて、他に巨人になれる人がいて…それがどう収束するか、というのがワクワク感でした。

 ここに実は島の外に人がいて、人類の生存域を埋め尽くしていたと思っていた巨人も実は島の中に閉じ込められてたいた。

 これは勝手な見方なので作品のクリエータ側からすれば知ったことじゃないかもしれませんが、世界の中で訳の分からないなかで孤立する日本のメタファのようなもの…時代の閉塞感のようなものを見ていたのに、急に問題が矮小化されてしまいました。
 巨人が人類に操られているような設定で、得体のしれない恐怖から兵器へと格下げになった感じです。

 エレンの存在が、過去のストーリーとは乖離して、重要度がいままで積み上げた物語の流れから急に浮いてしまいました。いや、だったら何もしなくてよかったってこと?まあ、外を知り、出て行く必要があったんでしょうけど。
 その意味では狭い世界の外に実は真実が…っていうことで今の現実世界のメタファになってなくはないですけど。
 結末はまだですが、旧ハガレンのアニメ版の最期、等価交換という最大のテーマについて、錬金術を見事に別世界の文明と結びつけたようなカタルシスがありません。

 エレンが立体機動歩兵になって動機とか、母の仇とかどこに行っちゃったんでしょう?ミカサとの思い出や昔の事件の意味は?父親の謎は?こういうドキドキ、つまり3クールかけて描いてきたことが、なんといいますか茶番になってしまいました。

 設定を設定で解決する、という意味を実によく表している展開です。結末で実は●●を◇◇すると▽▽になるから、これで解決するんだよ、と後付けで言われる感じです。考察も謎も意味ね―じゃん、ですね。まあ、この長い物語を畳めるのは大したものですが…。ちょっと残念でしたね。{/netabare}

 総評はファイナルの2期目が終わったら書きます。




以下 初回時の感想です。


テーマ性と設定の浅さにはがっかりしました。追記 なぜ本作が世界系だと駄目なのか


 期待外れ感が強いです。ストーリーの面白さはあると思いますが、テーマ性や設定の浅さなどでがっかりしています。ヒューマンドラマとして見る価値がないとはいいませんが、それは進撃の巨人に期待していたものではありません。

{netabare}  エレンに関して言えば成長というより変身…闇墜ちあるいは魔王化ですね。個人的因縁の伏線は回収されて行きつつあります。ですが、だからどうした感はあります。ミカサが東洋の国のお姫様といわれたところで…ふーんでした。守るべき命令がプログラムされてとか…スクラップドプリンセスですか?

 個人個人に過去の因縁をくっつけて悲惨な話をこれでもか、と積み重ねていますが、本筋の進行が遅すぎます。サシャとガビの話とか必要だった?

 やっぱり巨人どころか立体兵装ですら未知の力の産物でした。そして巨人の秘密に科学や理論といった匂いがしません。つまり、悪魔の力で済ますことになるのでしょう。で、生殖能力を無くす?うーん。ここの謎ときを一番楽しみにしていたんですけど…どうやら、理屈が無いみたいですね。

 結局は、エレンの能力の選択、地ならしで世界を滅ぼすか、生殖能力を無くすのか、あるいは始祖としての能力を消すか…しかないですよね。やっぱり世界系になってしまっています。風呂敷の畳み方の工夫に一縷の望みをかけるしかなさそうですね。

 で、このエレンの選択の材料が提示されていません。彼は何を悩んだ結果、これらの中から答えを選択するか、がテーマになるはずなんですけど。そのためにはやっぱり島とは何だったか、巨人とは何だったかという問題が提起されなければいけないのですが、最終破壊兵器というつまらない舞台装置に堕してしまった感じです。 

 ちょっと3期から感じていたことですが、壁の中の絶対的絶望感という視点が人類が外部に存在していたこと、力関係の逆転があったことで、蒸発してしまっています。人類の希望だった立体兵装が凶悪な兵器として視点が変わってしまいました。

 ヒストリア、アッカーマン等の因縁がどうでもいい問題になってしまっています。もちろん、エレンの能力に対抗する別の戦い…たとえばミカサが東洋のお姫様という身分で何かできるならいいですけど…{/netabare}

 うーん。2000年とか巨人とか公開可能な情報とか、壮大なストーリーとオリジナリティを期待していたいたわりに、伏線回収ゲームみたいな形で最後はやっぱり世界系で終わり?回を重ねるごとに問題が矮小化していく気がします。
 個人の因縁を深いとみるか浅いとみるか、ですが個人の内面に作家性があまり見いだせないです。

 巨人=人間になったことで、自然の中の命の儚さではなく戦争被害になってしまいましたし、人間の残酷な行動がテーマ性に昇華されなくなってしまいました。


 せめて感動ポルノにならないことを望みます。気が付いたことがあったら追記してゆきますが。



追記です。なぜがっかりか。世界系の話が悪いと言っている訳ではありません。本作が世界系エンドになるとかなり出来の悪い世界系になりそうだということです。

 本作は巨人が謎の最大の要素ですが、ユミルの民、巨人の種類、実は人である、壁、王家、イエーガー家の設定はすべて巨人の設定の要素になります。

 で、巨人は前提条件として解決が提示できない謎(ユミルが悪魔からもらった力という説明以上の論理的解決が提示できないこと)だとすると、巨人は世界系の舞台設定になります。
 ですので、これにまつわる話をエレンの選択で解決したとしても、それは設定を設定で解決する…というトートロジーになってしまいそうな感じです。

 巨人の謎を、エレンの謎の力を前提とした選択で解決しても、要は中身が「空」ということになり、テーマ性としてもそうですが、物語としても実は意味が無いことを繰り返していたということになります。

 エヴァンゲリオンのATフィールド=人間=使途というように巨人が比喩的に人間の内面の弱さのような表現でもなさそうです。巨人の意味が破壊兵器としての脅威だけです。

 ですので、巨人の謎だけで物語が進行するとじゃあ我々は何を見ていたんだ?になります。
 エレンの物語としての世界系なら、巨人による危機という舞台あるいは設定に対し、テーマとなる要素がないといけません。一般的には恋愛とその他の価値観の選択になるんでしょうが、恋愛の世界系は普通は力があるのはヒロイン、選択するのが主人公です。

 世界系なら本来はエレンとミカサ、あるいはエレンとヒストリアに注目すべきですが、ファイナルシーズンからエレンに全く感情移入できない描き方で、いろんな人物に焦点を当て始めます。ミカサもすっかり邪魔者になって後付けの設定がでています。ヒストリアなんて名前だけになってしまいます。


 キャラそれぞれのエピソードを「巨人世界」という舞台の上で、オムニバス的に楽しむ構造で終わる気がする、という意味で壮大な歴史の結末を期待したのにがっかりしたという事です。

 こういうエピソードの積み重ねや、謎解き的な伏線回収が好きという人にとっては面白いというのは頭では理解しますが、本筋の謎を謎の設定で解決する、みたいな話は私の好みではありません。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

大義名分で舗装された道

原作は途中から控えたMEN
1クールにしてはボリューミー全16話です。
※以下3期までのネタバレは隠してないのでご注意を。


エレンたちが海に辿りついてから4年。太平の世が終わりエレンのおかんが食われて9年後の世界。

本放送中に原作が完結したりいよいよか!な〝FINAL”と銘打ちながらまだまだ続きがあるようです。
放送時期毎に感想書いてるとネタがつきてくるもんですが、そうはならない数少ない作品。毎度新たな一面を見せてくれ、それでいて一本筋が通ってるのが特長。

「あれ!?なんか観るアニメ間違えたかしら?」
{netabare}「あれ!?どちらのゴールデンカムイでしたっけ?」{/netabare}

そんな冒頭でさえ不安にならないのはひとえに積み上げたものへの信頼です。きっと回収するはず!
そんなひとつ。見上げた空に羽ばたく鳥たちのオープニングカットは1期第1話を彷彿とさせました。

「あーいよいよ完結するんだなぁ」 
「あーこのあと壁の中はえらいことになってたよなぁ」

そんなオープニングカットからの連想。前者は大河ドラマ並に重厚な物語が終焉を迎える高揚感と一抹の寂しさ。一方で後者が示唆するものはやや不穏。1期で壁内人類を襲った悪夢の再来です。
そうしてFinalseasonはお馴染みの面々抜きで海の向こうの国〝マーレ”側の視点から幕が開きます。ひとまず此度の16話をまとめるなら

 〝16話分のキャラ回”

1クール群像劇なら6話~8話あたりで適宜挿入されるアレ。キャラ評価の逆転を狙う目的なら終盤10話あたりまでと何処にでも挿入可能性あるアレ。敵味方問わず登場人物たちを深掘りし物語に深みをもたらすアレをまるまるやっていただいた印象。
思えば主人公エレン(それとアルミン)の原動力は〝駆逐してやる!”と〝璧外への憧憬”の二つ。憧れを象徴する台詞が「海を見たい」だったと思います。海をイタリア語で〝マーレ(Mare)”と言いますが、そんな海を冠した壁内人類との因縁浅からぬ国と対峙するぞ!というところで3期は終幕してました。
おさらい兼ねて駆け足で振り返る59話↓

 第1期(#01-#25) 人類対巨人の絶望的なパワー差でも抗う人類の意志を描き
 第2期(#26-#37) 絶対真理と思っていた『打倒巨人』の前提に揺らぎが生じ
 第3期(#38-#49) 揺らぎや萌芽が形となって壁内の人間同士の争いへと発展
 第3期(#50-#59) 明かされる世界の仕組み。壁内人類の災難はマーレ起因らしいことが判明
 第4期(#60-#75) 今ここ

そのままマーレを敵認定した組み立ても成立したでしょうがそうはしません。キャラ回をあっさり1話ちょっとで終わらせず、新キャラも順次投入し厚みを持たせていました。代表はガビ♀とファルコ♂の四月に嘘ついてそのうち神様になりそうな実力派声優コンビで息もぴったり。

 戦争は対峙する両者がそれぞれの正義を掲げ絶対的な善悪など存在しない

散々言われてきた使い古されたモチーフです。善悪二元論に傾かない最近の例で超絶ヒットした『鬼○の刃』でも鬼側の事情を丁寧に描くことに奏功してました。

そこに良い意味でえげつなく足を踏み込んでるのがこのFinalseasonではなかったでしょうか。単に相手側の事情説明に終わっていないのが良い。
対立してる二つの視点を擬似体験させる手法が徹底しているため、今目の前で繰り広げられてることや向けられるセリフ随所に〝かつての○○と同じ”フラッシュバックする場面わんさか。その意味ではガビ&ファルコはニコイチでかつてのエレンと見立ててました。死にたがり野郎成分多め「駆逐してやる」状態エレンを担当するのがガビ。その対極、勘はいいけど思慮浅めで戦士適正が低い落ちこぼれエレンなファルコ。


明かされていく伏線に唸るのももちろん楽しいですが、〝かつての○○”がいちいち刺さり、その最たる犠牲者!?ともいえるライナーが第1話(#60)声優紹介のトップを飾っていることがなによりのメッセージかと思われるFinal前半でした。
ただの知識でしかなかった善悪の曖昧さを疑似的に体験できる貴重な経験を得られるかと。文科省推薦にして夏休みの課題アニメにしたらいいと思います。
善悪に関する哲学的な思考。歴史観。各々の価値観次第でなにかしら引っかかるものがある傑作なことは言うまでもないでしょう。



※ネタバレ所感

■仕方なかったってやつだ

{netabare}「尊敬してたのに」とエレンを面罵するファルコ。昔同じこと言われたライナーの表情が蒼ざめる。
「友達だと思ってたのに」と姉の仇ガビに憎しみをぶつけるカヤ。そりゃそうなのです。

「人類を救うためです」シャーディス教官に答えた若き日のライナー。そう!人類を救うためなのよ。

パラディ視点で始まったこの物語は100年続いた安寧をマーレ側が破ったことが発端。抗戦の大義名分ありまくりです。
一方世界からみればパラディ(壁内エルディア人)は長年巨人使って残虐行為の限りを尽くしてきたわけで、それが辺境の島に残存戦力抱えて逃げ込んだ挙句〝地ならし”なんて切り札持ってる連中から「平和を望んでいる」と言われたところでそんなん信じられるか、ボケ!ってのは頷ける話です。

作者の性癖かもわからん。悉くブーメランがライナーに刺さるのが痛ましいのであります。
そして信じてたものが切り崩されてく絶望というものをガビとファルコが受け止めてくれました。おかげでガビの心がガビガビに…(自粛){/netabare}


■まあそう思っちゃうよね

ワルシャワのゲットー(跡地)をほっつき歩いた経験から、居住制限区域が対ユダヤ人のそれに見える。
{netabare}その前提に立つと、腕章での住民ラベリングやちょび髭の閣下風なあの人の登場だったりで、国家マーレにおけるマーレ人とエルディア人の関係はゲルマン人(アーリア人)とユダヤ人とのそれですわな。
密告社会だし、少年兵はヒ○ラーユーゲントだし、ヴィリーダイバーの真実の中に適度に嘘を散りばめた演説がゲッペ○スのそれにも見えるわけでして。

ドイツ人これ観てどう思うんだろ?{/netabare}


■そしてこんな風にも見えるよね

『山河燃ゆ』って大河ドラマをアメリカで放送した時、現地の日系人から猛烈に抗議を受けたそうな。どんな内容か?
{netabare}原作は山崎豊子の『二つの祖国』。その名の通り、大東亜戦争時の日系人の葛藤を描いた意欲作。
それで猛抗議する日系人の事情も配慮しないとですよね。アメリカ人として日本のことなど全く考えもしないという姿勢を見せないと移民国家では悲しいかな生きていけないのです。

被差別民族の忠誠心競争も、そんな彼らを地雷原や最前線に送り込むのもよくある話。
冒頭の戦役は203高地攻略っぽいし、エレン派のクーデターは二・二六事件になぞらえることも可能です。エルディア人=ジャパニーズ説。だいたい鎖国してる島国に列強が襲ってくる図式なんてまんまそれに見えなくもない。{/netabare}


ドイツにせよ日本にせよまたそれだけに限らず、歴史の表裏や機微を上手く表現してるからどの歴史にも代入できるんでしょう。外人さん政治/歴史大好きだから海外でウケるのには納得しますわ。

{netabare}始祖の巨人奪還作戦も示唆に富む気がします。始原への執着は宗教戦争に発展するわけで…
ユダヤ・キリスト・イスラムと聖地エルサレムを巡る三すくみの例は言うまでもなく、人類の始原をアーリア人(インドヨーロッパ語族)とすることで優秀なアーリア人とそれ以外はオマケと見做す選民思想に酔ったハーケンクロイツな面々なんかそうでしょう。これは麻薬にも似た誘惑があるのか、隣国からナンデモ起源説が無くなることもありません。

 優れた我々のルーツ

合理性とは異なる尺度で争いは始まります。2000年単位のエルサレム界隈では対処するための知恵を蓄積してますが、うしろ二つは歴史の長い文脈でいえばまだまだ若い。
始祖マンセーな歴史と最終兵器としての〝始祖の巨人”とでは厳密には話は異なりますが、〝ルーツ”を争いの元としてる点が一つのメッセージのように思えるのでした。{/netabare}



■オマケ

1.制作会社変更
私にはあまり違和感なく移行できてるように見えました。
{netabare}ただピークちゃんのデザインがなんとなく伊藤潤二氏の漫画に出てきそうな見た目だったのが残念。{/netabare}

2.道半ば
2021秋からスタートするクールで完結するらしい。。。
{netabare}まだまだどうなるかわからんですね。いったん地ならししないと収まらん気がします。エレンがミカサやアルミンら守るために偽悪を演じてる可能性も捨てきれず。それで次世代への継承みたいな感じでファルコやガビが新たな世界を歩んでいくような。いずれにせよエレンの未来は暗そう。{/netabare}

3.楽園
イタリア語でもう一つ。楽園を〝パラディソ(Paradiso)”言いますもんね。
{netabare}囲われた島パラディが楽園というのも皮肉が効いております。作中でも罪を犯したエルディア人にお注射ちっくんして島に置き去ることを『楽園送り』と称してるあたり、楽園は薔薇色ではないんですよね。{/netabare}


 地獄への道は善意で舗装されている

ポジティブさの裏に潜む地獄。作中用語であれば〝善意”を〝仕方なかった”に置き換えればよい。



視聴時期:2021年1月~4月 地上波リアタイ

-----



2021.05.07 初稿
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 41

68.7 16 復讐で仲間なアニメランキング16位
盾の勇者の成り上がり Season2(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (347)
1239人が棚に入れました
立ち止まるな──災厄は、想像を超える。
『盾の勇者の成り上がり』シーズン2

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生、内田真礼、井上喜久子、原奈津子
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

9話 話展開してますが、時間切れ。気力がなくなりました。

1話 アバズレ「ち、役立たずが」最高です。
{netabare} これがないと盾の勇者じゃないです。癒されます。3人のバカたちがちょっとマイルドになりましたけど自分勝手なのはそのままだし、今後もこの調子でがんばって欲しいです。

「そのフエフエ言うのを止めろ」もいいですね。これって原作からこういうセリフなでしょうか。笑いました。今期はリーシアちゃんに注目?設定的にラフタリアの恋敵にはならない感じですね。1期はモブ感もありましたが、いいですね。可愛いキャラデザでした。

 導入としては良かったんじゃないでしょうか。{/netabare}

2話 設定に設定を重ねるのは…逆境じゃない盾の勇者の面白さとは?

{netabare}  またまた設定に設定を重ねるような展開を…ラノベは連載ものみたいな構造だから物語の到達点が読みづらいでしょうからある程度はしょうがないですけど。

 人気がでて長期シリーズになる感じがあるなら一度設置を整理してちゃんとストーリーと設定を上手く融合させてくれたんでしょうか。そうしないと後付けで1つ事件が片付くたびにまた設定が出てくる感じになります。

 盾の勇者の逆境とやさぐれという一番の面白ポイントが解決したのでこれが重要です。盾の勇者が追い詰められる構造にならないと恐らく物語の面白さが破たんするでしょう。
 ディフェンスしかできない主人公が強いというのもまた本作の特徴です。FF10のスフィアみたいなボードで強くなる設定って活きるんですかね?

 霊亀そのものは物語のリセット用のエピソードのギミックなんでしょう。七聖勇者で物語の構造に関する設定は整理がつくのでしょうか?あの島のカップルと黒い人…つまり波とフィロリアルはどうなっちゃうんでしょうか。
 あ、そういえば霊亀って蓬莱山ですよね?ということは仙人がいる感じ?{/netabare}


5話 やっぱり「成り上がり」が欲しいなあ。亀さんはもういいので展開を。

{netabare} 1期の終わりの感じからリーシアちゃんが成り上がるのかなあ、と思いましたけどイマイチそこにはいかないですね。
 1期の国家ぐるみで人格を否定されるどん底からひねくれながらも仲間を得ながら復活してくるような痛快さとか、アバズレのような秀逸なキャラとかが欲しいなあ。

 ラルクとかグラスが出てきたのはいいですけど、なんか温い関係になっちゃいましたね。

 まあ、伏線の種まき中ならしょうがないですけど、思ったよりも亀さんの話が長い割に1期の謎の解明になっていないので正直飽きてきました。早く展開させてほしい。{/netabare}


9話 やっと7話から展開しましたが、時間切れです。気力が持ちませんでした。

 さて、1期は宗教的な話から盾の勇者が冷遇される。宗教のクーデター、第1王女と第2王女の跡目争い。国王と王女の考え方の違い。4人の勇者のキャラ付け、亜人の取り扱いや歴史。フィロリアたちの意味。
 思いつくだけでも、これだけの仕掛けがあって、全部が上手く絡んでドラマが非常に秀逸に描けていました。

 翻って、2期ですよね。何が残りました?この構造って波って、単なる強敵でしかなかった感じです。当然発展などできるわけありません。それを亀さん出して、無理無理ストーリーをくっつけて。

 1期の面白いものを全部解決した後なので、非常にハードル高いのはわかりますが、ここからまた設定を物語で説明するのは時間がかかりすぎでしょう。まして、亀さんで6話も使ってしまって。

 多分原作通りなのでしょうね。アニメなんだから、ラノベの構成を見て、不要だと思えばカットすればいいのにそれをしないのはなぜでしょう?原作厨対策なのか、伏線が実はあるのか。

 でも、少なくとも「連載」という概念に近いラノベやなろうは、無理に話を展開しているはずです。それは仕方がないことでしょう。人気があればシリーズを簡単に切れるものでもないし、ベストをずっと続けられるわけもありません。それをうまく編集するのがアニメ化の意味だと思うのですが。まあ、ネバーランドの大炎上とか見ると勇気はいるでしょうけど。あれは原作リスペクトが足りないからであって、原作通りにやってしまうことと表裏で本質的には同じこと思うのですが。

 まあ、非常に出来がいい1期。TVアニメの異世界ものとしてはしっかりしたストーリーでしたし、キャラも素晴らしかった。相当面白かったです。実際再視聴しました。
 それだけにこの2期が、残念でなりません。また、7話以降話が展開していますが、どうせならここからスタートすればまだ数話は気力が持ったのに。ひょっとしたらレベルの件含めて面白い可能性を感じます。感じますがちょっと今期に見るのは無理ですね。いずれ機会があれば確認するかもしれません。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 19

saitama さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

楽しみに待っていた! …作画含めレベルダウンしてない???

タイトル通り。

すごい楽しみにしていたのだが、観始めて5分…。
「あれ? なんか人物作画ちゃちくなってないか???」

盾の能力拡大表現とか光源エフェクトは悪くないのだけど、根本の人物描写が…。

あれ? 1期の3年前よりレベルダウンしてるのか? なんか、カット割りというか演出も雑というか、なんだかなぁ。

無職転生とか、着せ恋を観たせいで、自分の中のハードルが高くなってるのか???

で、1期を少し見直したのだけど、やっぱり1期の方が中身が詰まっているというか、全体的に出来が良い。

何が違うんだろう? と思ってクレジット観たら、監督が変更になっていた…。作画も韓国と共同…。

あー、この監督って、異世界食堂で描写がすげー適当だった人だ…。しかもゆるキャン△のダメダメぶりを加速させたへやキャン△の人か…。作画も半分が残念会社じゃん…。

細部に注意を払えない人が監督かぁ…。中身が詰まった感がすごかったこの作品、2期はハズレかもしれない…。

あ、一応、アニメとしては普通のレベルにはあるんじゃないかと。ただ、1期を楽しんだ身としては、そのパワーダウン感が相対的に酷くて残念。楽しみにしてたんだけどなぁ。ここから巻き返す…感が一切してこないのはなぜだろう???



■3話まで視聴

うん、やっぱり作画も演出も大幅にレベルダウンしている。1期より凝っているのはCG部分だけだな。そのCG部分が凝っているから尚更演出と作画のレベルダウンがわかるという皮肉。

とくに酷いのは顔の作画が明らかに下手になっていることかな…。あと、演出が稚拙。これは監督レベルの違いじゃないだろうか?

どうしても1期と比較してしまうから、相対的に各キャラもいまいちに見えてしまうな。



■6話まで視聴

うーん、話がどれだけ進んでも演出が凡庸すぎる…。
1期の監督のままの方が絶対面白くなっただろうに…。

すべてが1期に劣るというのはいかがなものか…。
まあ、魔法科高校の劣等生みたいな例もあるし、2期が駄目なのも多いし、仕方ないか。
本当に残念。


■最終話まで視聴

12話だから仕方ないのだろうけど、まったくもって丁寧さがない。
展開が急というか雑。そして11話最後は無理やりな大円団。
押し付けの感動路線にした感じにしかみえない。

監督のレベルが低かった…が答えな気がする。
あと、おまけの13話はトム・ハンクスに謝れ…って感じ苦笑
パクリ含めすべてが雑なんだ。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 6

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

作中最強のヘイトを集めるキョウさん

1期目が2クールあったのに対して今回は1クール。

まあ、アニメの終わりはコミカライズ版の進展具合とほぼ同じ辺りで話の区切りとしてはちょうど良かったんじゃないかと思います。

2期目から観ようって人はあまりいないとは思いますが、1期目を未視聴な方はここでとりあえずさようなら…。



さて、1期目の第2クールで「波」が複数の世界で共有されている現象であることがグラスなどの言により判明していますが、今回は「世界間の利害関係」みたいな話がフォーカスされます。

それとこのSeason 2を盛り上げてくれるキャラとしてはオスト・ホウライとキョウは外せません。

オストさんは世話焼きな感じでありがたい人でしたね。

キョウについては、三バカ(尚文以外の四聖勇者3人)は単なるバカなのに対してキョウは一身にヘイトを集めてくれるわかりやすいキャラでした。

話の軸はわかりやすいですが同じクールに本作以上に楽しめる作品があったため個人的にはインパクト低めな感じでした。

ただ、前作を観ていたなら今作も観といて良いんじゃないかなとは思います。あ、ラフタリアの変化はちょっと意外性があって良かったかな。あと、リーシアが最初と最後で別人(笑)。(← 良い意味で)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 28

66.8 17 復讐で仲間なアニメランキング17位
ベルセルク 黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵(アニメ映画)

2012年2月4日
★★★★☆ 3.9 (228)
1076人が棚に入れました
孤独な剣士ガッツは、百年戦争に揺れる地を傭兵として渡り歩いていた。身の丈を超える長大な剣を自在に操り、強大な敵をいとも簡単に倒すガッツ。そんな彼に目をつけたのが、傭兵集団“鷹の団”を率いるグリフィス。美しい姿からは想像もつかない統率力を持ち、大いなる野望を秘めたグリフィスは、自らの夢を叶えるためにガッツを決闘で制し、鷹の団に引き入れる。数々の激戦を共にくぐり抜けるうちに、信頼で結ばれていく仲間たち。なかでもガッツとグリフィスの絆は、今や特別なものになっていた。やがて鷹の団はミッドランド王国の正規軍にのし上がるが、それはグリフィスの目指す頂点へのはじめの一歩に過ぎなかった。一方ガッツは、グリフィスの夢に取り込まれ剣を振り回すだけの人生に疑問を抱き始める……。

さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

再アニメ化決まりましたね

ベルセルクシリーズは長期連載中の漫画が原作の作品で、10年以上前にテレビアニメが放送されていました。

テレビ版も良いですが、おすすめしたいのはこの劇場版!
制作は独特の魅力を持った作品を多く手がけるスタジオ4℃
キャラクターデザインはリアル系美形の巨匠恩田尚之さんです。
この制作陣に伝説級の漫画ベルセルクの悍ましさ、エロさこの再現度が半端じゃない


最初に観たのはテレビアニメだったのですが、初めてベルセルクという作品に触れたときはここまで嵌るなんて想像だに出来ませんでした。

ごっつい主人公にかっこよさが見つからないし、
ヒロインもベリーショートで、気が強いのであまり可愛く無いなあと。
声も合ってないわけじゃないけどう~んという感想でした。

しかし、それからしばらくして、
リメイクされた劇場版は良いよ!4℃制作だよ!という言葉を聞き、4℃のワードにつられて視聴を再開しました。

恩田さんのグリフィスがね、ガッツがね、本当にかっけーんすよ
この角度から見ても、この角度でも、ごつくても、一瞬女性に見えてもにじみ出るイケメンオーラは隠しきれないのです。

CGについては、そこそこですね。一つ一つのクオリティで言えばCGらしさを前面に押し出したテレっとしたキャラだから、残念に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、100人切りのシーンをはじめアクションシーンで使われるCGモブの圧倒的な量はなかなか真似できるものでは無いでしょう。しかも甲冑にはいろんな種類があるし…地味ですが、相当大変だったんじゃないかなと思います。

ところで剣風伝奇ベルセルクと比べて一番良かったのは、声でした。

例えば第2話にキャスカがグリフィスに向かって「だけど!」と言うシーンがあるのですが、
剣風奇伝のときは古さを全面的に受けたような臭さを感じたんです。
そのときはセリフ自体も現代ではあまり使われない用法だと思ったのですが、
劇場版を観ると、全く違和感がない…!
これは驚きました。
キャスカの声は断然劇場版の方が良いです。

ちなみにガッツの声優は新人の俳優
バズーサの声はケンコバが抜擢されたということですが
全然違和感がありません。キャスティングが上手だなと思いました。

そして物語。戦闘シーンの割合が多いので、内容自体は大したことは無い気もしますが、テンポが良いので引きこまれてしまいます。
結構グロいので観る時には注意が必要後ですが、是非多くの人に知ってほしい作品となりました。
観終わった後にもっと観たい。と思わせてくれる作品です。
ダークファンタジーが好きな方は是非観てみて下さい!

追記
2016年に再アニメ化されるようですが、一体どんな趣向になるんでしょうか。
PVを観る限りではCGがふんだんに使われていて、アニメというより遊技機の映像みたいでしたが・・・
ガッツの顔は進撃の巨人のエレンみたいな感じでしたね。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 9

Maddmax さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ほとんど愚痴です。

カメラワークは良い出来かな〜。
全体的な出来としては、悪くはない。細かな動作に気を配っているし、でもね、細かいダメな所も多すぎる。
キャスカの剣がシビれるシーンなんかは演出過多。笑ったわww


CGを使う事は良いと思うんだけど…
しかし、CGがショボすぎる…全く重さを感じない。
求めてるのは、ヌルヌルじゃない!甲冑や、武器などのガチャガチャとした重み!ドラゴン殺しの重さを表現出来るのか?
なんかゾット戦もイマイチだったし…剣風伝記の方が良かったと思うぐらい…腕を切り落とさなかったのは良かったけど
作画は良い出来だからこそ、CGとの差が顕著に出てる。

声はやっぱ、ちょい違和感。
特にコルカス違和感あり過ぎ。
グリフィスもカリスマ感が薄れた感じ。悪くは無いんだけど。
リッケルトの「デーモン」はもうちょっと、貯めて言うべきセリフ。おかしすぎ。

あと、ココでこのセリフ持ってくる⁇って所が何ヶ所かあったかな。

カットされているシーンが…重要なの多過ぎ!
ゾットにヤられたディノスが出てくるシーン、アドニスとユリウスの稽古をガッツが見ているシーン、初陣とグリフィスとの水掛けが無いのは個人的には×!
尺の問題もあるけど、ガッツの過去が全くと言っていいほど絡まないって、どうなの??
ガッツのキャラペラペラじゃん!

コルカス達vsガッツ、キャスカのボウガンや、一騎駆けとか、ユリウス、アドニス殺害とか良いシーンもあったけど、ベルセルクファンとしてはもうちょっと愛を持って作って欲しかったかな~

このCGだと蝕が不安…
あの絶望を表現出来るのか?

投稿 : 2024/05/18
♥ : 7

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ダークファンタジーの歴史は塗り替えられる たった今、この映画のもとに―――!!!

ベルセルクという漫画の作者であられる三浦建太郎先生は、オイラがヨチヨチ歩きの赤ん坊だった頃から漫画家をやっているらしい
だけど連載開始から20年以上経った今もこのベルセルクしか代表作が無い上に、未だに完結の兆しが見えてこないw
三浦健太郎という一人の男がその半生を掛けて描くという実に壮大な大河ダークファンタジー、それがベルセルクですw


さて今作はその一大ベルセルクサーガの礎となった【黄金時代篇】という部分をピックアップ
すでにテレビアニメになってましたがあっちとはスタッフもキャストも総入れ替え、あっちも良く出来てましたけどコッチは規制とかカンケーnothingなので、よりヤリタイ放題に(笑)


唯一に同じなのはタイトルバックに使われているテーマ曲がちゃんと平沢唯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃ、なかったw平沢進さんだって事ぐらいw
いまびん監督といい、なんやかんやでアニメに引っ張りダコですよね、あのお方は


今回の黄金時代篇の3部作が上手くいった暁にはその後のシリーズも映画化するよぉたぶん~?とのことw
いやw日本人がスルーしても世界がほっとかないので安心しますよwええまあwww


んで、結論を言うと【めちゃくちゃ面白いですよ!】
いやなんかもう当たり前に面白すぎてw
血生臭いのとかマッパの女体とかに免疫の無い方以外は是非に見てやってください
満足感も次章への引き具合も素晴らしい限り


画面的にはもうなんかアップのカット以外は片っ端からCGなんですけど逆にそれがいいのよw
割り切った感じがね
でもでもー、細かく見ると鎧姿の体はCGなのに表情を作る顔だけは2D作画だったりして芸が細かい!


昨今横行する3DCGの映画たちとは一線を画す、日本のアニメタよってに培われてきた2D作画の魅力を融合させた【ハイブリットアニメーション】がしゅごい!(@∀@)
トゥーンシェードもここまでキタか!遂に!!


西洋剣術の師範代がモーションキャプチャーの指導を行うなど、戦闘シーンの剣さばきも漫画では絶対に味わえない映画ならではの迫力!


来週辺りドラゴンエイジとか見に行くつもりでしたけど、もうコレ見ちゃうとこの上は無いだろう?って気分になっちゃいやした^q^


説明不足?はてさて、続きや詳細が見たけりゃ次の章も、またその次の章も見て、ベルセルクサーガ盛り上げにゃか!


個人的に「一部例外を除けばアニメでファンタジーはハズレる」って勝手なジンクスがあるんですがw
もうその心配とか全然無いのね~
次章も楽しみです!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 23

74.0 18 復讐で仲間なアニメランキング18位
憂国のモリアーティ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (272)
1043人が棚に入れました
19世紀末。産業革命が進む中、着実に勢力を拡大し栄華を極めたイギリス。しかし技術の進歩と発展とは裏腹に、古くから根付く階級制度によって、人口の3%にも満たない貴族たちが国を支配していた。当たり前のように特権を享受する貴族。明日の暮らしもままならないアンダークラス。人々は生まれながらに決められた階級に縛られて生きている。ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは、そんな腐敗した階級制度を打ち砕き、理想の国を作り上げるために動き出す。シャーロック・ホームズすら翻弄した“犯罪卿"モリアーティ。犯罪による革命が、世界を変える――

声優・キャラクター
斉藤壮馬、佐藤拓也、小林千晃、日野聡、上村祐翔、古川慎、小野友樹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

目的は手段を正当化する

原作未読 そういえば原典も未読


 これはかの名探偵シャーロック・ホームズをすら翻弄した
 犯罪狂モリアーティ教授の物語


海外ミステリだとアガサ・クリスティは読んだことあるけど超有名なシャーロックホームズは未経験です。おおむね三毛猫ホームズ止まりな私。
その赤川次郎氏の連作『三毛猫ホームズ』だって数多あるオマージュ作品の一つ。アニメでも“家頭”と書いてホームズと読ませる京都の骨董品屋のお話をついぞ最近やってたり。ホームズの冠をつけなくても『ミシシッピー殺人事件』たしか助手の名はワトソン、と匂わせグレーゾーンを漂ってみたり。この二人の名前を出しとけば謎解きものであることを万人に共有せしめる現代用語の基礎知識。

とどのつまり説明不要な名作をモチーフにしてるわけで。そしてこの私。ホームズとワトソン君とベイカーストリート何番は知っているものの本作の主人公モリアーティは初耳。
知っていれば視聴前にもろもろ脳内整理できたかもしれません。あ、そういう人がいるのね~とニワカ全開で本編突入しました。

原典の挿絵みると禿茶瓶なおっさんですが、本編はそのおっさんの若かりし頃ということでブロンドイケメンになってます。こういうの元ネタ知ってると差分を楽しめそうですね。

 主人公の敵役で稀代の悪党の前日談

STARWARSのepisodo1であのダースベイダーの幼少期をかわいらしい少年が演じたのと同様に、人は無垢で生まれ何かのきっかけや積み重ねで進んではいけない分岐へと歩を進めた物語になってそうです。「なってそうです」と推定なのは分割2クールの前半だから。断定するにはちと早いのでお預け。
彼(モリアーティ)にとってのきっかけは『階級制がもたらす不条理』ということになるのでしょうが、そこの描かれ方を好意的か否定的かどのように捉えるかによって作品評価が分かれそうな印象です。私はやや好意的に捉えた側。来たる後半戦も観るつもり。

原典をご存じの方はその差分を探ってもよし
私みたいなニューカマーは100年前の英国の空気を浴びにいく心持ちでよろしいかと。

ちなみにタイトル『憂国のモリアーティ』。
どこらへんが憂国かをなんとなく理解できる仕様になってるのは好感です。
リスクを丁寧に潰していき真相に迫らんとする探偵ホームズと、完全犯罪をもくろむモリアーティ。方向や立場は違えどアプローチは似たようなもんだというツボもおさえておりますね。
奇抜さよりも丁寧な仕事。作中のライバル二人の仕事ぶりよろしく、アニメ制作もなんやら怪しいとこありますが少なくともきっちりやろうという姿勢はうかがえた手堅さを感じる一品となってます。


なお、CVさん歌唱の主題歌は映像含め楽しめました。
{netabare}ゴールデンカムイ尾形弟の役をされてた方ね。いい声だわ。{/netabare}



※ネタバレ所感

■目的は手段を正当化する

謎解きよりも稀代の犯罪者の生成過程に興味が向いた本作。スパイスとなるはイギリスの階級制度。

 なんでこの人そうなったん?

共感はできませんが説得力はあったかなぁ…。

{netabare}貴族階級の傲慢さへの怒り。それを許してる社会への怒り。根本となる階級制度の破壊を志向していくことになります。階級制度そのものについては長くなるので割愛。

受け取ったメッセージひとつは破壊志向、アナーキズムの限界といったらいいでしょうか。とある不満があったとして「それを破壊orガラガラポンしちゃえ!そしたら万事ハッピー」って発想は規模が大きくなるほど難易度が増し国家規模ではまず不可能。やらかしたら歴代とてつもない混乱を経て落ち着く以外に例外はなし。フランス革命もギロチン送りしてすぐ革命勢力は瓦解したでしょ? 明治維新だってガラガラポンに見えて禅譲だし、それでも鳥羽伏見や戊辰戦争が起こるくらい急激な変化には相応のハレーションがつきものです。現実は粘り強く改善するのが近道だったりします。
それ(地道な改善)を放棄したらこうなりました!がモリアーティだったかと。起点は“憂国”で理想をぶつ姿に魅力を感じるやもですが、実際の行動は崇高(仮)な目的と合致してません。しまいには目的そっちのけに見えてしまってるところが“あるある”だなぁと思って眺めてました。そのうち“貴族”だけがターゲットだったところから“労働者”に刃が向くんじゃねーの?と予想してます。手段が目的化することで本末転倒になる。その時のモリアーティ一派の心情の機微に注目したい。{/netabare}


{netabare}ふたつめは善意の思考停止。来たる後半ではモリアーティ家の義憤にかられたお兄ちゃんにも注目したい。冒頭、モリアーティと共謀し自分の家族をポアしちゃった少年です。高貴なお方がもつ富める者特有の後ろめたさからのダークサイド突入。西園寺公一や近衛文麿なんかそんな感じでしょ? 前者は意図的、後者は無自覚に国家を破壊へと導いたってのが一般的な見解です。ヘタに力があるだけに悪影響は絶大なのよね。
だからこのお兄ちゃんに「で、英国の階級制はどうなったん?」と当初の目的に関しての結果報告を求めたいですね。きっと答えられないか「道半ば。俺たちの革命はこれからだ」的回答になることでしょう。彼らが軌道修正する可能性はゼロに等しく、常に搾取されていると自己肥大化させ続けているのです。犯罪を正当化する理由なんてないのにね。

あくまでモリアーティ視点なので貴族階級層の人間が持つ良い点、ノーブレスオブリージュみたいなのに作品では触れてません。目が曇り見えないのかあえて蓋をしてるのか、おそらく両方あるのでしょう。
ノーブレスなんちゃら“持てる者の責任”と言われてピンとこないかもしれませんが、直近なら鬼滅の煉○さん思い出していただければよろしいかと。あれがノーブレスオブリージュの好例です。
さすれば少しは貴族層に好意的な視線も注がれそうですが、彼らがそうなることはなく、支配構造を終わらせるには、敵を倒し、社会を変えるしかないとの思考から抜け出せません。妥協したら引きずりおろされますからね。そもそも支配者階級と彼らが考えている層を“支配を維持・強化することしか考えていない悪人”と捉えています。となれば耳を塞ぎ純化の道まっしぐら。
そして倒した後のことは考えてません。“倒せば良くなる”それだけ。
後に控えるさらなる受難そっちのけで○獄さんに向かって「偉いんだからてめーが責任取れ!タヒんでこいや!」が基本姿勢の彼らに一般人はドン引きすることと同じです。{/netabare}


{netabare}最後みっつめは犯罪コンサルタントというポジション。いいですよね姑息で(笑) 当事者にならず批評家のポジションに安穏とする。ここはシンプルに“四列目の男”。モリアーティその人は、お遍路好き元総理のものすごく頭の切れるバージョンにしか見えなかった私でした。
だってすでにブロンドイケメンな若い頃にホームズと交錯していて、禿茶瓶になる程の年月を重ねるまで逃げおおせたわけでしょ?(適当) 改革を口では標榜しそれでいて矢面に立たない。いくらイケメンで弁が立とうが私は信用しません。

そこはしっかりと悪人に嫌悪感を抱かせる仕上げをしていたともいえ、キャラ設定よい感じでした。{/netabare}



階級社会へのアンチテーゼはまあよいとしてその解決に導く方法論が間違ってると思わせる一品。
だからこそキャラの口からあちら界隈の用語でいう“総括”を聞いてみたい。

 アンチ貴族社会の理念のもとに行動した結果有効打を打てたのだろうか?

そしてそのしどろもどろの言い訳をニヤニヤしながら「まあそのへんがきみらの限界だよね」と侮蔑する未来を想像しながらSっ気全開で待機します。
{netabare}…とここまで煽ったところで語られることはないでしょうね。逃亡/責任回避は彼らの常套ですから。{/netabare}



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

------


2021.02.28 初稿
2021.09.30 修正
2022.06.02 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

もちろん、あのモリーアティです。「憂国」は、なるほどそういうことなんですね…。<シャーロック・ホームズ>シリーズのメインキャラクターが軒並み登場!

[総評]
お話は<シャーロック・ホームズ>シリーズのジェームズ・モリアーティが何を同期に事件を起こしたかという観点の二次創作ものです。

ウィリアム・ジェームズ・モリアーティのやっていることは「毒を以て毒を制す」じゃないですが、素直に「ダークヒーロー物」と思うのか、それでも「社会秩序を破壊しようとしているテロリスト」と思うのかは視聴者の価値観にもよりますよね。

「貴族がやっていることが横暴だから民衆のために制裁する」というのは崇高な理念とも捉えられますし、単に彼が楽しみたいだけのお題目なのかもしれません。

もっともシャーロック・ホームズの側も、名探偵ではあっても必ずしも人格者であったり正義の味方であったりはしないわけで、謎に挑みたいという欲求を表に出しているぶん正直な人だとは言えます。

とりあえず二人の関係については、才能を持つ者同士が違う立場に立った結果として対決するというまさに「ライバル関係」といえるんだと思います。

物語は必ずしも勧善懲悪である必要はないので、フィクションをフィクションとして楽しめるのであれば本作を面白いと思える素養は充分にあると言えそうです。

== [下記は第4話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第4話まで視聴時点でこのレビューを書いています。

コナン・ドイル作の「シャーロック・ホームズ」シリーズにおいて、「犯罪卿」として名を馳せるジェームズ・モリアーティ。

本作はそんな彼が「犯罪卿」となる動機として十九世紀末のイギリスにおける階級格差の解消を掲げる、異色のクライムサスペンスです。

ジェームズ・モリアーティに兄弟がいるという設定は「シャーロック・ホームズ」シリーズから引き継がれたものですが主人公ウィリアム、兄アルバート、弟ルイスの名前は本作オリジナルのものですね。

当然ですが主人公ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは犯罪を仕掛ける側です。基本的には特権階級に属さない「被害者」がただ揉み消されてしまう悲嘆に明け暮れているところを「クライム・コンサルタント」としてウィリアムが復讐をサポートするというストーリーであるようです。

第1話ではストーリーのテンプレートとして労働者階級や貧民の少年たちが巻き込まれた猟奇事件の犯人の特定と、被害者の父親による復讐をウィリアムがサポートする様を見せてくれました。

第2、3話の前後編ではクライム・コンサルタントとなるに至ったジェームズ・モリアーティ三兄弟の生い立ちが描かれ、第4話では使用人に恨みを買った子爵が復讐される様が描かれました。

ということで作品との相性は概ね第3話か第4話まで観れば判断できると思います。私は結構面白いと思っているので、このまま視聴継続予定です。
== [第4話まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.12.3追記:
第8話まで視聴終了。サブタイトルは「シャーロック・ホームズの研究 第1章」で、これは元々の「シャーロック・ホームズ」シリーズの第1作『緋色の研究』へのオマージュなんでしょうか。

第6話でのシャーロック・ホームズに続いて、ついにジョン・H・ワトソン登場です。人名は小説準拠のようですが、事件自体はいろいろとアレンジされている模様。

2020.12.8追記:
第9話まで視聴終了。ラストのカットでのワトソンの日記(?)の開かれたページの左上には「A STUDY IN SCARLET」の文字(原作のタイトル: 邦題『緋色の研究』)が書かれていましたね。

2020.12.29追記:
最終2話(第10、11話)で前後編を持ってきました。ウィリアムとシャーロック・ホームズが直接対面するストーリーでしたね。

二人が互いに興味を深めて、さらにストーリーには王室関係の何かがありそうな描写で2021年4月から予定されている第2クールへの良い助走だったと思います。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 35

大貧民 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

面白い。だが、残念ながら原作を端折ってる。

メインキャラ全員が少女マンガ風のイケメンばかりで、少年誌連載の漫画っぽく無いのだが、物語としてはけっこう面白い。
原作は、ジャンプ+にて公開されているのを読んだ程度。
原作の一話目はアニメでは、二話目から。
アニメではよくある一話目に通常回をもってくる手法。
原作に比べると、微妙に細かなエピソードや展開が違っている。尺の問題もあるだろうが、かなり勿体ない。
もう少し、詰め込んでも良い気がする。
原作だと、モリアーティ達に退治される側は、もっと悪人エピソードが多いのだが……。
原作のほうが良くできている気がする。
アニメの方も人に勧められるほどには、面白いのだが、ちょっと残念。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 5

72.1 19 復讐で仲間なアニメランキング19位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (259)
1019人が棚に入れました
迷宮都市オラリオ―― 『ダンジョン』と通称される、壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。この街で、一柱の小さな女神と出会った冒険者志望の少年は、 仲間をつくり、ダンジョンに挑み、多くの死地をくぐり抜け、 さらなる<昇格ランクアップ>を遂げていた。そんな彼のもとにもたらされた一通の書状。 書かれていたのは、ダンジョン未到達階層への遠征任務。 未知なる冒険へ向けて、仲間たちと共に、少年は新たな一歩を踏み出す。これは、少年が歩み、女神が記す、――【眷族の物語ファミリア・ミィス】――

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

後編を見終えた後、4期全体の感想ですが…

 この内容的に重く、爽快感の無いしんどい話を2クールですか。本作はシリアスとコミカルな部分がいいバランスで入っているのが面白いシリーズの1部ですが、このパートはそれが無いんですよね。

 作画は奇麗だし、丁寧に作っているのは好感がもてますが、シリーズ4期5クール+オラトリアで、2クールをこのパートに割いている構成になりますが、それは正しいでしょうか?アニメの人気が出たので予算はつくのでしょうけど、アニメ作品としてテンポを変えるというのは、非常に大きな雰囲気というか楽しみ方の変更になると思います。

 だったら、内容的に見せ場が沢山ある3期にもっと時間をかけて欲しかったと思います。このブツ切れで制作せざるを得ない制作委員会方式がネックになって、アニメシリーズ全体の構成がおかしくなっています。

 さて、本作についてはリューの過去と恋心の自覚と言う点で面白いし、盛り上がりは無くはないですが、所詮シリーズで言えばサブキャラの話なんですよねえ。本シリーズのヒロインはもちろん表はアイズですが、真のヒロインはフレイヤ様です。その2人が中心からズレた本作のパートは、スピンオフと呼んでもいいくらいです。それを2クールもとなると、やっぱりダレます。戦闘シーンが異常に長いし。


 ということで、アニメの出来そのものはいいんですけど、シリーズ全体の構成と4期2クールの間延び感がちょっとなあという感じでした。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 13
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ベル君とその他大勢

【感想】
分割2クールで変なとこで終わるので、続きが放送される直前にまとめて見るのがいいかも

とりあえず前半クールだけでの評価

作画とても綺麗だし相変わらずダンジョンの構造にこだわりがあってダンジョン設定の解説が凝っていて良かった
面白かったけど尺稼ぎなのか、特にリリとかカサンドラのシーンがぐだぐだ悩んでいる時間長すぎて引きのばしている感じがしました

さらに分割2クールみたいで変なところで終わるし最終話で次回予告されていたけど続きいつやるの?って感じで間が空くと状況わからなくなりそう

前半終了時点ではシリーズをここまで追ってきたファンならなんとか見れるけど、今クールだけに限っていえばベルくん+その他大勢って感じになってるのが残念

【シナリオ】 {netabare}
今期は原点回帰のダンジョン探索に戻ったのは良かったけど、逆に言うとダンジョン探索しかない
3期とかにあった他のファミリアとの抗争とか町の様子とか全然なくて、今回の依頼にかかわるキャラクターしか出てきません
しかもヴァレンなにがしさんはじめとした華のあるロキファミリアの皆さんがほぼ出てこないのもきつい
突然変異の怪物を倒して町に帰還してここからどうなるんだろ?って思ったらさっき帰還したばかりの層に戻って、ずっと景色が変わり映えしないのも大きなマイナスかな?

ダンジョン潜る前に仲間達が攻略準備をしていて、パーティ戦闘がどうなるのか楽しみでわくわくしていたら期待外れでした
ベル君の急激な成長の速さが見ごたえですが、周囲の仲間を完全に置いてけぼりで一人でどんどん強くなるのがここにきてマイナスに働いている感じです
3期で仲間がいっぱい増えてやっと心強いパーティになったと思いきや、ベルくん一人で単独踏破できる階層のモンスター掃除くらいしか活躍機会がなくて強敵相手だと手も足も出ない
ほぼベルくん頼みでいてもいなくても関係ないむしろ足手まといだからついていかないほうがいいような状態でした
これではとてもパーティと呼べるものじゃなくて、仲間達の成長が急務なように思います

良いとところはやっぱりベルくんの急激な成長です、純粋な憧れの気持ちや強くなりたい気持ちが原動力になっている感じで応援したくなる主人公
ただ、ベル君以外のいる意味がわからなくなってきたのと、ファイアボルトの威力がますます大きくなって戦闘が機敏な動きとファイアボルトのワンパターンで単調になってきたのでそろそろ変化が欲しい
{/netabare}
【微妙だったところ】 {netabare}
・今回の敵役ジュラがもう少し大物感が欲しかったかも

・カサンドラの予知夢で不吉なことがあるって言っても誰も聞く耳持たないし、あれだけ具体的な不吉なシーンが見えているのに強く訴えないでずっともじもじしているのがひどい、信じてもらえるかわからなくてももっと具体的にどうなるか教えて強く止めるべきでしょ、なんのための予知なの?

言いたいけど言えなくて何度ももじもじして尺稼ぎするくらいなら、最初に全部話しちゃって「危険なことが待ち受けてるのはわかった、でもリューさんを放っておけないから行かなきゃ!!」って流れのほうが自然だし、同じ行くにしても危険を承知で行くって決めるほうが仲間って感じがしていいと思う

・パーティに指示を出す才能あるって言ってたけど、全滅のピンチに決断できずに迷う時間長すぎて、見捨てない選択をした尊さよりも
見捨てる気持ちが強かったからこそあれだけ迷ったっていう印象が強くて決断の遅さで状況を悪くしたように見えます、このシーンもぐだぐだしていて印象が悪かった

・水場に落ちたらどれだけ危険なのか必要以上に解説しすぎたせいで、その後ベル君が下に落ちてバラバラになって残された仲間達が全滅しかける展開が想像できてしまったこと

・ベル君は急いで救援に向かわないといけないはずなのに、ダンジョンで出会ったゼノスの子に見とれてて、そんな場合じゃないでしょって思った
「ダンジョンで出会いを求めるのは間違ってるだろうか?」
まさにこんな状況で、時と場合を考えてください、仲間が全滅しかかっています!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 24

hidehide さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ベル君のレベルが気になる

初期はポップに見れていた本作。

3期辺りから、今の世の『人』にも通じる内容。
そして、
4期には、より過酷な状況に置かれる冒険者達。

成長、進化、展開、イイですね。
ヒヤッとする場面は、ちゃんとヒヤりとしますし。
シリアスな場面も、より大人向けっぽくなりましたし。

…ただ、途中、カサンドラ

マジ イライラしっぱなしでした。
予言なのか、予知夢か知りませんが
人に言わない、助けを求めない上に、ネガで。
で、
『どうせ、助からない』みたいな1人フラグを立て、
それを回収…

お気にの枕を抱えて、寝ていてほしい存在でした。

あんな凄い冒険を終え帰還したベル君ですが、
レベル、上がっていなかったのでしょうかね?
やはり、今でもバレンなにがしには及ばないのでしょうか。
気になります。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4

59.4 20 復讐で仲間なアニメランキング20位
ドラゴンボール超(スーパー)(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (240)
1015人が棚に入れました
ファン待望の新テレビアニメシリーズの舞台は、悟空が魔人ブウとの壮絶な戦いを終え、平和を取り戻した地球のその後です。原作者・鳥山 明の原案によるストーリーを新たにテレビアニメーションで描きます。これまで原作でも描かれていないアニメ完全新作になります。誰もがワクワクする新しい「ドラゴンボール」の世界、『ドラゴンボール超』にぜひご期待ください!

声優・キャラクター
野沢雅子、堀川りょう、鶴ひろみ、草尾毅、古川登志夫、佐藤正治、田中真弓、渡辺菜生子、皆口裕子、石塚運昇、塩屋浩三、山寺宏一、森田成一、八奈見乗児

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

新章「破壊神シャンパ編」16年1月から 新キャラのビジュアルも

【アニメキャラの魅力】世界を救った事も!変身出来るスケベな豚「ウーロン」の魅力
国民的名作『ドラゴンボールシリーズ』の初期に登場した、変身能力を持つ印象的なキャクター「ウーロン」。決して戦闘能力が高いわけではないので、他の登場人物のように強くはありませんが、名セリフとともに世界を救った事もある素敵な豚キャラです。今回はそんな「ウーロン」の魅力について紹介したいと思います。

■変身能力
「ウーロン」は悟空たちがドラゴンボールを求めてやってきた、とある村で出会います。ウーロンには他のものに化ける変身能力があり、鬼の姿になったり、強そうな鎧をまとった兵士になったり、巨大な牛の姿になったりも。しかし、どれだけ強そうな格好でも、実は中身の戦闘能力は変わりませんので、実際に戦うととても弱いです・・・。そのため、悟空にあっという間に退治されてしまいます。強そうな見た目で村人を惑わしていましたが、その正体は子豚のような見た目でした。しかも、変身していられるのは5分間だけで、再び変身するためには1分間の休みが必要です・・・。

ブルマがホイポイカプセルを無くした時に、代わりのバイクに化けるもののすぐにつぶれたりと、この変身能力も果たしてどこまで役に立っているのか疑わしいところです・・・が、亀仙人がフライパン山の炎を消す時、交換条件としてブルマのおっぱいをつつかせるという場面で、ウーロンがブルマに化けて代わりに亀仙人に“ぱふぱふ”までさせ、無事(?)に炎を消す事が出来ました。どうやらそれなりに使い道はあるようです。

■とにかくエッチでスケベ
ウーロンの魅力といえばなんといってもとにかく“エッチでスケベ”な事です。南部変身幼稚園同期の「プーアル」から、女の先生のパンツを盗んで追い出されたという前科をバラされてしまった事も。また、「ブルマ」に睡眠薬を入れたジュースを飲ませ、裸で眠り込んだ彼女のおっぱいをつついてやろうという、今考えると少年誌でやっていいのかというような企みを試みたりもしています。さらに、ブルマのパンツを餌に釣りを仕掛けられればまんまと引っ掛かかった上に、ブルマがパンツを履いてないのを見越してパンツに変身し「さぁ履け」と言ったり・・・、とにかくスケベなエピソードには事欠きません。

■ピラフの世界征服の野望をくいとめた功績も?
悟空たちと一緒に旅を続けるものの、とにかく戦力になってるのか疑わしい「ウーロン」ですが、実は「ピラフ」の世界征服の野望を食い止めるという活躍もしています。7つ集めたドラゴンボールを奪った「ピラフ」一味が神龍(シェンロン)を呼び出し、世界征服を願おうとした瞬間、

「ギャルのパンティおくれーっ!」
と「ウーロン」が叫びます。するとシェンロンはその願いどおり、ギャルのパンティを1枚「ウーロン」に与え、ドラゴンボールは再び世界各地に飛び散り、「ピラフ」の野望は打ち砕かれます。いつも役に立ってるのか疑わしい「ウーロン」ではありますが、この時ばかりは“良い働き”をしたと言えるでしょう。

ピッコロ大魔王編以降、『ドラゴンボール』はそれまでの冒険活劇的な路線から完全にバトルものとしての特色が強くなり、もともと戦闘向きではない「ウーロン」の活躍する場面はほとんどなくなってしまいます。彼の数少ない活躍を見たいという方は、作品初期である悟空の少年時代の頃のコミックスやアニメを観返してみると良いと思います。

【アニメキャラの魅力】国民的ヒーローは無邪気なバトルマニア!?「孫悟空」の魅力とは?
誰もが知る国民的人気作品『ドラゴンボール』。そしてその主人公である「孫悟空」。今日本でもっとも有名なアニメキャラの一人ではないでしょうか。今回は、そんな「孫悟空」の魅力のほんの一部(特に純粋さ)について、ご紹介させて頂きたいと思います。

■「純粋」ゆえの強さ
少年ジャンプの主人公には、熱い心を持ったピュアなキャラクターが多く見られます。そして、「孫悟空」はその中でも極め付きの「ピュア」と言えるでしょう。初期の頃、彼の弱点はシッポでした(懐かしい設定です)。それを亀仙人に「鍛えろ」と言われ、それをバカ正直に実践して本当に弱点を克服。それを命じた当の亀仙人すら驚嘆させます。

彼の闘う動機は「悪いやつだからやっつける」です。しかしそれは表向きであり、彼は純粋に強い相手と戦いたい、そのためには自分も強くなりたいという思いが根源にあります。ですから、彼はドラゴンボールを自分の欲得の為に使ったことはありません。煩悩まみれの我々は、生きていく上で悟空ほどピュアになることは難しいです。だからこそ、孫悟空の圧倒的なピュアさに惹かれるのかもしれません。

■「勧善懲悪」は表面構造?
初期の「レッドリボン軍」や殺し屋「桃白白」、対立していた頃の「天津飯」や「餃子」との戦いは、一見すると勧善懲悪の物語です。しかし、孫悟空は結局、強い相手と戦いたかったのです。彼の怒りや正義感は極めて単純なもの。この単純さは、その頃の悟空の年齢設定だけ(子供だから)によるものとは言えません。成長してからも、彼の姿勢は変わっていないからです。強い相手と対峙した時の彼の表情には、高揚感と歓喜こそあれ、敵意や憎悪といったものとは無縁である事に気付くでしょう(クリリンが殺された2場面は相手への憎悪を露わにした珍しいケースと言えます)。

■親としての欠陥?
しかし、孫悟空が「孫悟飯」の父親となる事で、少し様相が変わってきます。彼は無邪気なバトルマニアであり、その為に他の事が目に入らなくなります。「セル」との戦いで「悟飯」が苦しんでいる時に助けの手を差し伸べようとせず、それを「作戦」とした「孫悟空」は、「ピッコロ」からその非情さを指摘されます。「トランクス」が死んだ時は、「ベジータ」でさえ怒りに我を忘れ、無謀と頭ではわかっていても「セル」に立ち向かいました。「ピッコロ」と「ベジータ」、かつては悪の権化であったこの二人の方が、悟空よりも強くその“父親らしさ”を垣間見せたのです。

これはある意味皮肉とも取れますが、主人公である「孫悟空」のヒーロー像を変に糊塗したり理屈をこねないで、悟空の“親としての欠陥”をそのまま描いたところに、逆にこの作品の深さがあるようにも思えます。天才はどこかで人として何かが欠落している。「孫悟空」のピュアさの光と影とも言えるのではないでしょうか。

【アニメキャラの魅力】怒りでパワーが大爆発!孫悟空の息子「孫悟飯」の魅力とは?
『ドラゴンボール』でサイヤ人編から登場する「孫悟空」の息子「孫悟飯」。コミックスを最初から読んでいる方はご存知のとおり、彼の名前は「孫悟空」の育ての親「孫悟飯」から取られたものです。今回は、そんな「孫悟飯(悟空の息子の方)」の魅力についてご紹介致します。

■恩師ピッコロ
悟空がカメハウスに連れてきた悟飯ですが、地球にやってきたサイヤ人「ラディッツ」の襲撃を受け、悟空は戦いの中で死んでしまいます。そして、地球に襲来してくるサイヤ人(べジータとナッパ)に対抗するため、かつての孫悟空の宿敵「ピッコロ」に育てられる事に。そのため、魔閃光のようなピッコロの影響を受けた必殺技を使うこととなり、悟空とはやや違った戦いのスタイルを歩みだすのです。

最初は戦える戦士を増やすため、イヤイヤながら悟飯を鍛えていたピッコロでしたが、徐々に情が移り、悟飯がピンチのときに彼をかばい死んでしまいます。以前の邪悪だったころのピッコロでは考えられない行動ですね。この「孫悟飯」と「ピッコロ」の絆は、サイヤ人編~フリーザ編のハイライトとなり、『ドラゴンボール』の重要な魅力のひとつとなりました。

■怒りでパワーが大爆発
少年期の悟飯の大きな特徴は、怒るととてつもないパワーが引き出される事。ラディッツとの戦いでは、悟空が絶体絶命のときに「おとうさんをいじめるなーっ!」と閉じ込められていた宇宙船を破壊し、ラディッツをもしのぐ戦闘力をはじきだしてラディッツに体当たり。形勢逆転のチャンスのきっかけを作りました。また、フリーザ編でも「ドドリア」に殺されそうになった「デンデ」を助けるため、ドドリアに突撃しにいったり、変身したフリーザに怒りのパワーで一時期は互角かと思われるほどの戦いを見せます。完全体になったセルとの戦いでは、16号が目の前で破壊された事をきっかけに一気にスーパーサイヤ人に。そしてかめはめ波を放ち、完全無欠になったかと思われたセルを倒すことに成功するのです。

■青年期には思わぬトラブルがいっぱい?
セルを倒した後の魔人ブウ編(青年期)では、悟空とは違い普通にハイスクールに通い、クラスメートのビーデル(ミスターサタンの娘)と知り合います。街中でのトラブルをスーパーサイヤ人に変身して解決していた事で、金色の戦士として名前が知られ始めてしまったため、ブルマに相談して変装するためのスーツを作ってもらい「グレートサイヤマン」と名乗ります。しかし、その見た目のダサさが自分ではわかってないようで・・・まわりからつっこまれています。サイヤ人編、フリーザ編と戦いに明け暮れていた頃とは違い、悟飯の普通の生活が垣間見れる、いわゆる「日常回」のようなシーンとも言えるでしょう。

後に魔人ブウ編で戦いが激しくなると、これまで通りの激しい戦いを繰り広げることになりますが、戦いの後は学者となりビーデルと結婚。自分の正体を知られないために右往左往するドタバタ劇があったり、ビーデルとのラブコメがあったりと、青年期にはそれまでにない悟飯の魅力がたくさん詰まっています。

少年期は、ピッコロとの友情や怒りのパワーで形勢逆転したりと、戦士としての魅力が大きいですが、青年期になるとなんだか三枚目な一面も出てきてしまう「孫悟飯」。名作バトルアニメ『ドラゴンボール』。そんな彼のギャップに注目して観て(読んで)みるのも楽しいと思います。

【アニメキャラの魅力】「かめはめ波」のパイオニア!ふだんはスケベなじいさん「亀仙人」の魅力
少年ジャンプの歴史に残る大ヒット漫画『ドラゴンボール』。主人公「孫悟空」の師匠として登場するのが「亀仙人」です。最近は、悟空達サイヤ人勢があまりにも強くなりすぎてしまったため、戦いに参加する事はなくなってしまいましたが、悟空の少年時代は、悟空やクリリンが乗り越えるべき存在として抜群の存在感を誇っています。今回は、そんな「亀仙人」の魅力についてご紹介いたします。

■武術の達人
少年時代の悟空が助けたウミガメに乗ってやってきたサングラスとアロハシャツがトレードマークの、飄々としたふざけたじいさん「亀仙人」。実は、武天老師としても知られる武術の達人で、悟空の強さを見込んで修行に来ないかと誘います。ドラゴンボールを集め終わり、亀仙人のもとに修行にやってきた悟空と、ともに入門しようとしてきたクリリンに亀の甲羅を背負いながら牛乳配達をさせたり、足腰や腕などを鍛えるために素手で畑を耕させたりと厳しい修行をおこないます。修行の後の目標としていた天下一武道会には、「ジャッキーチュン」「として正体を隠して悟空やクリリンの成長を実際に確かめようと忍び込んだりも。決勝戦で悟空と対戦した時は一進一退の攻防の中、武道会場に月が出て悟空が大猿に変身してしまうというアクシデントもありましたが、悟空と亀仙人の師弟対決にハラハラして夢中になった方も多いのではないでしょうか。

■ドラゴンボールを代表する必殺技「かめはめ波」のパイオニア
亀仙人の魅力を語る上で忘れてはいけないのが、彼こそがドラゴンボールを代表する必殺技「かめはめ波」のパイオニアであるという事です。かめはめ波が初登場するのは、フライパン山の燃え盛る炎を消してほしいと牛魔王に頼まれた時。普段はひょろひょろの身体だった亀仙人が、かめはめ波を撃つ時にはムキムキの身体になり、特大のかめはめ波を放ち、見事にフライパン山の燃え盛る炎を消します(もっとも手加減をしなかったせいでフライパン山の牛魔王の城まで吹っ飛ばしてしまいましたが)。これがドラゴンボールシリーズの中で、初めてかめはめ波が登場したシーンで、それ以後かめはめ波は悟空やクリリン、ヤムチャ、御飯、果ては悟空たちの細胞を持ったセルまでもが使う、ドラゴンボールを代表する必殺技として定着していきます。亀仙人がいなければ、かめはめ波がドラゴンボールを代表する必殺技として有名になることはなかったでしょう。その後のドラゴンボールのストーリーに大きな影響を与える事になった“かめはめ波”のもともとの使い手は亀仙人ということを忘れてはいけません。

■普段はスケベなじいさん
天下一武道会やレッドリボン軍との戦いなどでは、戦う者としてのスイッチが入り頼れる存在でしたが、普段はただのスケベなじいさんです。出会ったばかりのブルマに、「助ける条件としてパンツを見せてほしい」と条件を出したり、カメハウスではエッチな本やエッチなエアロビのビデオを見たり、ブルマに化けていたウーロンの誘いでぱふぱふさせてもらったり・・・。くしゃみをすると人格の変わるランチさんの特性に気付いてなかった頃は、ランチさんにも手を出そうとして怖い方のランチさんにマシンガンをぶっ放される有様です。当時子供だった読者には、エッチな事に興味を持つきっかけが、こうした亀仙人の行動だったなんて人も少なくないのではないでしょうか?

■実は寿命では死なない?
連載開始当初からすると作品の中で20~30年ほど経ち、悟空もだいぶ歳を取ったというのになにげにまだ生きてる亀仙人。ピッコロ大魔王との戦いで倒される事はあってもドラゴンボールで生き返り、寿命ではいまだに死んでいないというしぶとさを誇っています。コミックス終盤で魔人ブウとの戦いが終わったあとまた歳をとりますが、外見は変わらずサングラスが変わっただけです。『ドラゴンボール』の登場人物の中で、寿命で死んだキャラクターはナメック星の最長老さまぐらい。亀仙人もおそらくこのまま生き続けるのではないでしょうか。

今ではすっかり影が薄くなってしまった「亀仙人」。悟空の少年時代ではストーリーの中で欠かせない存在感を放っています。そんな彼の活躍やスケベなおこないに注目しながら、今一度コミックスを読み返してみると、「亀仙人」の新たな魅力を発見出来るかもしれません。

【アニメキャラの魅力】人気ナンバーワンの最強女戦士!「人造人間18号」の魅力とは?
誰もが知る国民的アニメ作品『ドラゴンボール』。主人公「孫悟空」を中心に物語は展開、それぞれのキャラクターもとても人気があります。その中のひとり、「人造人間18号」は、クールなツリ目のストレートブロンドヘアの美女。おまけにツンデレという魅力的なキャラクターです。今回は、そんな「人造人間18号」の魅力についてご紹介いたします。

■悟空とバトルなしで孫悟空ファミリー入り!
基本的に敵が仲間になっていくストーリー展開の多い『ドラゴンボール』。孫悟空ファミリーになるキャラクターは、敵としてバトルをし、バトルの中で孫悟空の人間性に触れて仲間になるのがパターンです。砂漠の盗賊の「ヤムチャ」、ライバルの殺し屋流派の「天津飯」、地球を征服しようとした「ピッコロ」に、サイヤ人王子の「べジータ」。「クリリン」は、同じ流派のライバルでしたが、修行で孫悟空と競い合ったという意味で戦っています。しかし、孫悟空を倒す為にレッドリボン軍の生き残りの天才科学者「ドクター・ゲロ」が改造した「人造人間18号」だけは、実は孫悟空とバトルをしていません。人造人間18号に惚れた「クリリン」の優しさに触れて仲間になるという、他キャラとは少し違った展開を持ちます。

■強さの裏側に潜む女子っぽさ!
戦闘中に髪をかき上げたり、破れた洋服に気を使ったりと、圧倒的なパワーを持つにも関わらず、女子っぽさも持ちあわせおり、ピッコロ大魔王やフリーザやセルのように絶対的な悪ではないのです。好戦的な性格で、人が死んでも特に何とも思わない様子ですが、特に殺戮を好む性格というわけでもありません。自ら好んで強くなったという事ではなく、双子の弟と一緒にさらわれて改造され、最終的にはドクター・ゲロを恨んで殺したり、普通の女の子に戻りたいと思わせる姿からは、心の中にある悲しさやせつなさを感じてしまいます。

■クリリンとの結婚して普通の人妻に!
人造人間18号は、ドラゴンボールの中では珍しくマトモな恋愛結婚をしたキャラクターです。クリリンとのラブラブな結婚生活はクリリンのデレデレな発言でわかります。クリリンとの娘「マーロン」をもうけますが、そこにも他の孫悟空ファミリーとの違いがあります。

メンバーの子供の多くは、その後戦闘メンバーになっていきます。孫悟空とチチの息子「孫悟飯」に「孫悟天」。孫悟飯とビーデルの娘の「パン」。トランクスとブルマの息子の「トランクス」。付け加えるとビーデルもミスターサタンの娘ですし、チチも牛魔王の娘。基本的に、子供は次世代の戦士になっていく展開がほとんどです。それに対し、クリリンと人造人間18号の娘の「マーロン」だけは、まったく戦闘をしません。特に子供の教育・成長に関してはほとんど取り上げられる事はありませんが、娘をとても大事にしている姿はちらほらと出てきます。圧倒的な強さを持つ人造人間としての姿と、普通の人妻という設定のギャップもまた彼女の魅力といえるのではないでしょうか。

チチやブルマやビーデルなどの女性キャラクターと比べても、かなり異色なキャラクターである「人造人間18号」。『ドラゴンボール』の女性キャラの中では、まだまだ彼女の男性人気は続いていく事でしょう。

【アニメキャラの魅力】敵役から戦友へ!悟飯の父へと変貌を遂げた究極のツンデレ「ピッコロ」の魅力
「世界征服」を企む組織・団体は、自分たちの利益や理想の世界建設などを目的とする事が多いですが、「ピッコロ大魔王」は世界に向けての放送で、「悪を世界に広めること」を世界征服の目的として挙げています。レッドリボン軍など及びもつかない純粋な悪役。読者が同情なしに、ためらうことなく敵視できる存在は大変重要です。

■悟空達と「やむなく」共闘するなかで・・・
天下一武道会での悟空との死闘の後、サイヤ人の襲来でピッコロは大きな転機を迎えます。苦戦の末に倒したラディッツをはるかに凌ぐサイヤ人が地球に迫ると知った彼は、大きな潜在能力を秘めた「孫悟飯」を無理やり修行に連れ出し、特訓を施します。しかし、サイヤ人との戦いの中、ナッパの攻撃から悟飯をかばって命を落とします・・・。

「オレと・・・ま・・・まともにしゃべってくれたのは・・・おまえだけだった・・・。きさまといた数ヶ月・・・わるく・・・なかったぜ・・・。死ぬ・・・な・・・よ・・・悟飯・・・」

そんな名セリフを残して。一年の修業の中で、魔王としての彼には考えられなかったものが、悟飯に対して芽生えていたのです。勝手な推測ですが、このセリフを境にピッコロのファンは大きく増えたのではないでしょうか。この時、純粋な悪の存在としてのピッコロも共に死んだのです。

■悪ではない生き方
悪としての存在理由を失った彼には、善の面である「神」と分離している理由もなくなりました。「神」との融合はそれを象徴する出来事です。神と半々とはいえ、馴染み深い方のピッコロのキャラクターが色濃く残った点は多くの読者にとっても嬉しかったのではないでしょうか。基本はツンデレですが、時折ギャグにも参加するような一面も見られるようになりました。

■そして悟飯の父として
主人公の「孫悟空」は純粋なバトルマニアであり、その一方で人間として欠落した場面も持っているといえます。作者はそれを無理に補おうとはせず、クリリンやピッコロといったキャラクターを配置しました。そして、ピッコロが補ったのは、悟空の“父としての側面”でしょう。実の父である悟空より、ある意味では悟飯の理解者だったのがピッコロです。セルとの戦いで、悟飯の苦境を故意に救わない「作戦」を採った悟空を、「今悟飯が何を思っているか分かるか!?怒りなんかじゃない!なぜ、お父さんは僕がこんなに苦しんで死にそうなのに助けてくれないんだろう・・・僕の命よりフェアな男らしい勝負の方が大切なんだろうか・・・と」という言葉で厳しく糾弾し、悟飯の気持ちを代弁したのは、それを端的に表した名場面でした。

悪役から戦友へと大きな変化を遂げた「ピッコロ」。『ドラゴンボール』という国民的作品において、物語に無くてはならないキャラクターのひとりである事は間違いありません。もはや、一度も見た事がないという方は少ないでしょうが、ぜひ今一度あの「ピッコロ大魔王」の恐怖、そして無くてはならない味方へと変貌を遂げる過程、そして孫悟飯に芽生える愛情など、彼の魅力的な姿を観返してみてはいかがでしょうか?

日本ラグビー金星はどれだけすごい?例えが「ヤムチャがベジータに勝つ」というもの!?
ラグビーW杯イングランド大会1次リーグB組の初戦で、日本が過去優勝2回の強豪・南アフリカを34-32で撃破する大金星を挙げた。「世紀の大番狂わせ」、「W杯史上最大の衝撃」と世界を驚かせたこの勝利のすごさをラグビーを知らない人に伝えようとする動きが、ネット上で広まっている。

例えば「ドラゴンボール」を題材にした「ヤムチャがベジータに勝つ」というもの。「ドラゴンボール」を知らない人にとっては逆に分かりにくくなってしまうかもしれないが、作品終盤では表舞台に登場することも少なくなったキャラクターのヤムチャが、主人公・孫悟空のライバルであるベジータを倒すということは、作品ファンならすぐに「あり得ないこと」ということが分かる。

もともと、ラグビーは番狂わせの少ないスポーツと言われている。接触プレーが多いため、実力のあるチームがそのまま勝つケースが大半であるためだ。

【アニメキャラの魅力】最初に空を飛んだのは俺だ!命を削って闘う男「天津飯」の魅力とは?
『ドラゴンボール』では、「ピッコロ」や「ベジータ」をはじめ、敵だった人物が後に共闘する展開が多いです。その元祖とも言えるのが、今回ご紹介する「天津飯」です。アニメでは原作よりも更に悪役として登場し、「イノシカチョウ」という珍獣とグルになり、村を荒らさせては村から用心棒代をふんだくっていました。しかも、利用価値がないと見るやイノシカチョウを焼いて食べようとまで・・・。天下一武道会では、抵抗できなくなったヤムチャの脚をへし折るなど、その極悪ぶりを発揮します。しかし、悟空との決勝戦で徐々に武人としての誇りを取り戻し、鶴仙人と袂を分かちます。「ピッコロ」や「ベジータ」と違い、地球を支配することが当初の目的では無いため、一度悪役でなくなると、以後は礼儀正しい武人として活躍します。

■仲良し「中華料理グループ」
「チャオズ」とは兄弟のような絆で結ばれています。ナッパとの戦いでチャオズが自爆して果てると、我を忘れてナッパに立ち向かいました。また、脚をへし折ったヤムチャとも和解後は仲良くなり、行動を共にすることが多くなります。ヤムチャと一緒にコンビを組んでセルジュニアと戦う姿は原作にはないものです。生真面目な彼が苦戦した、界王神のダジャレテストでもヤムチャに助けてもらっています。

■舞空術
最後の天下一武道会において、その技の多彩さでも群を抜いていたのも「天津飯」でした。排球拳のようなギャグ要素満載のものもありますが、注目すべきは、やはり「舞空術」でしょう。これによって初めて登場人物たちが“空を飛ぶ”という要素がこの作品に持ち込まれたのです。これ以後は空を飛ぶことが当たり前になりました。

■命を削る「気功砲」
このアニメの力のインフレについていけなくなった「中華料理グループ」でしたが、天津飯には気功砲があったため、かなり後まで活躍の場がありました。自分の命を削ると分かっていても、仲間のために使ってしまうこの技には、彼の生真面目さと自己犠牲の精神が象徴されていると思います。「ベジータ」「ナッパ」戦で、「チャオズ」の死に激昂して放った気功砲は、彼自身の命を削り絶命に至ります。また新気功砲は、第二形態のセルを足止めすることに成功しますが、(アニメでは原作よりはるかに多く撃っています)やはりこれも彼の命を削る結果となりました。きっと、こんなストイックな一面にランチさんも惚れたのでしょう。

【アニメキャラの魅力】予の辞書に正々堂々の文字はない!偉大な悪役「フリーザ」の魅力とは?
「宇宙一」を自認する偉大な悪役「フリーザ」。通常であれば、その戦闘力を生かして宇宙征服に乗り出すところですが、実は彼は征服した星を高く売るという、今で言う「地上げ屋」のような商売人です。つまり取引相手がいるわけで、アニメでは(無論原作でも)そのようなシーンはないのですが、星の売買で商談もしていることになります。

ちなみに、1日で征服できる星に手間取っているサイヤ人をなじる場面も見られます。もしかしたら、納期(?)を守ろうとする良心的なビジネスマンなのかもしれません。お金が欲しいなら、その宇宙一の戦闘力で力ずくで奪ってもよさそうなものですが、アニメを見ている限り、結果よりもその過程を楽しむタイプなのかもしれません。

■中尾隆聖さんのハマリ役
フリーザと言えば中尾さん。という位のハマリ役となりました。どちらかというとオカマっぽさを残した慇懃無礼な口調は、彼の声質にぴったりでした。悟空との最終接戦で時々「ばいきんまん」に聞こえてしまうのは微笑ましいですが・・・。ちなみに、中尾さんはピッコロ大魔王の手下のタンバリンの声もやっているので、自分の役でクリリンを二度殺したという貴重な(?)存在でもあります。家でお子さんにタンバリンの役をやることを告げた時は「悪役だね」と言われてしまったそうですが、フリーザの声を演じるといった際には尊敬の眼差しで見られたそうです。

■悪役でなければならなかったのは
悟空は今まで、相手を戦闘不能にすれば止めを刺していません。(初代ピッコロ大魔王との決戦は、殺すか殺されるかだったので例外。結果的にピッコロは生き残っています)。悟空が非情になりきれない部分はベジータが「汚れ役」として敵を殺してきました。つまり、悟空がフリーザを殺すには、見るもの(視聴者)を納得させる必要がありました。「冷酷」なだけでなく徹底的に「卑怯」で、感情的にも「殺されても仕方ない」存在でなければならなかったのです。瀕死のベジータに止めをさしたくらいでは足りないのです。

ピッコロを背負って逃げる悟飯を狙ったり、悟空が何度も情けをかけても卑怯な手段で悟空を倒そうとしたりと、今までの敵役にはない「見苦しさ」があり、自らの「追尾気円斬」で真っ二つになった挙句に消滅させられても、そこに同情の一片も寄せられない最期となったのです。

■偉大な悪役の最期
消滅したはずのフリーザでしたが、最後の役割はなんと、トランクスの強大さを引き立たせるためのものでした。原作では5コマほど、アニメでも実質戦闘時間10分位で消滅させられてしまいます。しかし、『ドラゴンボール』において、ピッコロ大魔王やベジータさえも及びつかぬ“偉大な悪役”として強烈な印象を残したのも確かです。劇場版で「復活」を遂げたのも、そのような「人気」ゆえなのかもしれません。

【アニメキャラの魅力】実は地球人最強!人格円満!名脇役「クリリン」の魅力とは?
国民的、世界的に人気の高い名作『ドラゴンボール』。ベジータ編から、どんどん地球人以外のキャラクターが登場し、それにつれて「クリリン」は、第一線で強敵と闘うには力不足に・・・。登場人物の中では地球人最強でありながら、セル完全体に放った渾身の「気円斬」はセルの首筋に命中するも傷ひとつ付けることができませんでした・・・。そしてついに魔人ブウとの戦いでは、悟空から参戦しないように言われてしまいます。少年ジャンプの魅力である「力のインフレ」についていけなくなった「クリリン」。それでも作品の中では重要な役割を果たしています。今回は、そんな「クリリン」の魅力についてご紹介したいと思います。

■現実と非現実の橋渡し
クリリンは死ぬ時に「一度は結婚したかった」などとつぶやいています。鳥山明先生は「ラブコメが苦手」と自認しており、悟空やベジータの時同様に、クリリンが結婚した経緯も明らかにはしていません。しかし、悟飯にさりげなく恋愛のアドバイスをしたり、18号への想いから人造人間停止装置を破壊したり、「恋愛」に関する行動を数多く取っているのもクリリンと言えます。戦闘(しかも後半は地球外生命体ばかり)がメインのこの作品において、恋愛や結婚という要素を持ち込み、現実との橋渡しをしてくれるのも、他でもない「クリリン」なのです。

■良識ある「大人」としてのクリリン
クリリンは当初、亀仙人への弟子入りを悟空と競い、悟空を追い落とすために様々な姑息な手段を使う「嫌なやつ」でした。しかし、悟空と兄弟弟子になり行動を共にするうちに、戦闘しか頭に無く世離れした悟空を良識でフォローする、そんな役割を担うようになります。更にフリーザ編以降、パワーアップした悟空が現れるまで他のキャラクターがなんとか時間を稼ぐ、というパターンが多くなりますが、クリリンはその中で司令塔的な役割を果たし、力及ばぬとわかっていても何とか強敵に立ち向かおうと策を巡らす勇気を見せてくれます。

■悟空のやる気スイッチ(?)
この作品の大きなターニングポイントのひとつ。それは、クリリンが殺される事で、悟空がそれまでにない存在へと変容する所でしょう。初代ピッコロ大魔王編で、悟空の心を突き動かしていたのはクリリンが殺された事への怒りでした。悟空がドラゴンボールの力を真に欲したのはこれが最初でした。それは、クリリンを生き返らせたいという一心。そしてフリーザ編での有名なクライマックス。クリリンの無残な最期を見た悟空は、その怒りから遂にスーパーサイヤ人へと変身を遂げます。そして、クリリンを侮辱したフリーザに対し、「それはクリリンのことか!」という有名なセリフとともに、更に力を爆発させます。悟空のクリリンへの並々ならぬ友情を感じる名シーンです。

いまさら改めて紹介するのもおこがましいほどの有名作品『ドラゴンボール』。中でも初期から活躍する名脇役「クリリン」の魅力は、ここで書ききれるほど小さなものではありません。「懐かしい」などと感じられた方は、是非改めて最初から読み返してみてはいかがでしょうか?大人になった今だからこそ、新たな「クリリン」の魅力に気付くかもしれません。

新章「破壊神シャンパ編」16年1月から 新キャラのビジュアルも
人気アニメ「ドラゴンボール」の新作「ドラゴンボール超(スーパー)」(フジテレビ系)の新章「破壊神シャンパ編」が2016年1月24日にスタートすることが18日、分かった。テレビアニメの放送開始から30年を迎える16年にスタートする新章は、原作者の鳥山明さんが原作・ストーリー・キャラクター原案を手がける新エピソードで、地球をかけた格闘試合が開催されたり、第6宇宙と第7宇宙の戦いが描かれる。また、破壊神シャンパなど新キャラクターが描かれたビジュアルも公開された。

フジテレビ編成部の野崎理プロデューサーは「アニメ放送開始から30周年という記念すべきタイミングで『ドラゴンボール超』の物語はいまだかつて、コミック、テレビシリーズ、劇場版など一切描かれてこなかった前人未到の領域に突入します。ついに新キャラクター・破壊神シャンパの正体が明らかになるなど、鳥山原作の新キャラクターが続々登場し、活躍します。そして、新しい展開やイベントも次々に発表されていくと思いますので、これからのドラゴンボールの動向にご期待ください!」とコメントを寄せている。

「ドラゴンボール」は週刊少年ジャンプ(集英社)で1984~95年に連載された鳥山明さんの人気マンガが原作。テレビアニメは1986年にスタートし、「ドラゴンボール」「ドラゴンボールZ」「ドラゴンボールGT」と名前を変えながら、11年以上にわたって人気を集めた。その後「Z」を再編集した「ドラゴンボール改」を09~11年に放送。14年には魔人ブウ編を取り上げた「ドラゴンボール改」(魔人ブウ編)も放送された。

「ドラゴンボール超」は、鳥山さんが手がける完全新作のオリジナルストーリーで、悟空が魔人ブウとの戦いを制した後から物語がスタート。破壊神・ビルスと孫悟空の出会い、復活したフリーザとの戦いなどが描かれている。

べジータ崩壊! “誇り高き戦闘民族の王子”が、たこ焼きを焼く理由とは?
人気シリーズ最新作、『ドラゴンボール超』(フジテレビ系)が第6話を迎えた。今作は、今までのいわゆる“バトルもの”であった『ドラゴンボールZ』などとはと一味違い、ギャグ要素をふんだんに取り入れたコミカルな仕上がりとなっており、その中でも主人公である孫悟空の最大のライバル、ベジータの“キャラ変”が、シリーズのオールドファンの困惑を誘っているという。

「プライドの塊だったベジータの変わりようには驚きましたね。第6話は、豪華客船で行われているブルマの誕生日パーティの回だったのですが、その中に紛れ込んだ宇宙最強の神、破壊神ビルスに対して、ベジータは少し交戦しただけで軍門に下ってしまったんです。過去に父親がビルスに土下座させられ、足蹴にされている光景を思い出してしまったからとはいえ、あの誇り高き戦闘民族の王子が情けないですよ。ほかにも、ひざまずいて“たこ焼きピラミッド盛り”をビルスに捧げたり、トランクスが誤って水鉄砲をビルスに浴びせると、急いで海に飛び込み、巨大タコを捕まえ、たこ焼きを焼いて機嫌を取ろうとしたりと、もう見ていられなかったです。敬語を使っているベジータなんて誰も想像していなかったですから。視聴者も『こんなのベジータじゃない……』『誇り高きサイヤ人の血はどこいった?』『ベジータって、たこ焼きの焼き方知ってたんだ……』とガッカリしたようです」(アニメライター)

第2話でも、ブルマやトランクスを連れて家族旅行に行くなど、今作のベジータは“らしく”ない。前作でも、少しずつ穏やかな性格にかわっていく描写はあったものの、キャラがブレるほどではなかった。一体どうしてこうなってしまったのだろうか?

「今作は、原作者の鳥山明先生が原案に関わっているのが理由ですね。もともと鳥山先生はギャグ漫画タッチの作品を好んでいて、『ドラゴンボール』も、もともとそのラインで始まった作品だったんです。その後、人気が出るにつれて、編集サイドの意向もあり、本格的バトルものになっていった。それをまた今作からギャグタッチで描くようになったので、キャラクターにギャップが生まれてしまったんでしょうね。そのギャップも面白いポイントとして狙っているのはわかるんですが、ギャップがありすぎて引いてしまっているファンがいるのが現状です。もう少し話が進んだら、本格的バトルに移行していくとは思うのですが、それまで視聴者をキープできるかは疑問ですね」(同)

原作者である鳥山明は、実は『Z』に入る前に終わらせようとしていたのだが、それを編集と世間の人気が許さなかった。マンガ界有数の大作家でも、編集と読者を無視して作品を作ることはできなかったということだ。そんな鳥山明の“ドラゴンボール観”と、視聴者の“ドラゴンボール”がすれ違い、今回、ベジータにたこ焼きを焼かせてしまったのではないだろうか?

「生まれ変わりたい憧れのマンガキャラクター」
マンガのキャラクターというものは、やはりカッコイイもの。仲間のために立ち上がり、どんな困難をも乗り越えていく。その姿に、憧れを抱いた人も少なくないだろう。では、もしも生まれ変われるとしたら、どのキャラクターになりたい? 今回は、「生まれ変わりたいくらいカッコイイキャラクター」についてアンケートを実施してみた。

孫悟空 (ドラゴンボール/鳥山 明)
少年マンガらしさ全開の主人公だ。非常に脳天気な性格で、「ま、いいか」で何でも済ませてしまう。大勢に支持される主人公というものは、一貫して「素直で楽観的」という共通項があるのかもしれない。悟空のおおらかな性格は戦闘時にも見られ、ピッコロやベジータと激しい戦いを繰り広げたときも、最終的に命を奪うことまではしなかった。その結果、敵として戦った相手は改心し、悟空の味方に。ベジータ曰く、「反吐が出る甘さ」らしいが、それゆえに賛同者が多いことは事実。ただ強いだけではない、仏の心を持ったヒーローだ。ちなみに、猿みたいな尻尾がチャームポイント。

『ドラゴンボール超』の作画が幼稚園児レベル? 右手が左手のべジータに悲鳴続出!
言わずと知れた超名作アニメ“ドラゴンボールシリーズ”の新作が、『ドラゴンボール超(スーパー)』として18年ぶりにフジテレビに帰ってきた。アニメシリーズとしては初めて原作者の鳥山明がストーリー原案に携わるとあって、今の子どものみならず、当時少年だった現在の大人たちからも期待の声が多く寄せられていた。しかし、7月5日の初回放送を終えると、視聴者の不満の声が少しずつ聞こえるようになり、8月9日に放送された第5話「界王星の決戦!悟空VS破壊神ビルス」により爆発することとなった。

「作画があまりにもひどいんです。始まった当初から違和感を覚える視聴者は多かったのですが、先日放送された5話で初めて本格的な戦闘シーンが描かれ、そこで一気にみんな引いてしまいましたね。動きは固いし、遠近感はブレブレだし、顔つきは腑抜けみたいだしで、正直言って幼稚園児レベルですね。極めつけは、次回予告のビルスに向き合うべジータの右手です。右手なのに親指が外側にあり、まるで“右手が左手”みたいになってしまっているんです。これにはファンも『恐怖映像!!』『いや、左手の手袋を右手にしてしまっているだけに決まっている!』『いや、ジョジョの“両手が右手の男”J・ガイルへのオマージュだ!』と、混乱の声が上がっています」(芸能ライター)

シリーズ前作の『ドラゴンボールGT』までは主にセル画を利用していたが、デジタル制作に切り替えたことが原因のひとつといわれているが、ほかのデジタル作品ではそういった問題はそれほど聞こえてこない。では、なぜこのようなことが起きてしまったのだろうか?

「製作元である東映アニメーションが、予算の都合でフィリピンやインドの、ろくに『ドラゴンボール』を知らない制作会社に委託してしまっているからといわれています。制作費の安いこの世界ではよくあることですね。それでもファンからは『ドラゴンボールというキラーコンテンツで節約とか意味分からん!』『さすがにこの作品だけは大事にしなきゃダメでしょう!』と、怒りの声が上がっています」(同ライター)

『ドラゴンボール』で嫌いなキャラはフリーザ!? 孫悟空の声・野沢雅子が役にのめり込みすぎ!
『ドラゴンボール』、孫悟空の声優・野沢雅子が“嫌いなキャラ”を告白した。

『趣味どきっ!』(Eテレ)で今月4日から放送の「一声入魂!アニメ声優塾」(毎週火曜、全8回)の第1回目に登場した野沢。この番組はタレントの中川翔子を塾長に、毎回ベテラン声優を講師に招き、その経験や裏話を披露するというもので、野沢は自身の出演作にまつわるエピソードを明かした。

野沢の代名詞となっている『ドラゴンボール』の孫悟空。そんな悟空との出会いはオーディションで、原作者の鳥山明が野沢を選んだという。さらに野沢はアニメの放送が開始されてからも原作を読まずにアフレコに臨んでいたといい、その理由を「原作を読んで行っちゃうと、どういう人(キャラ)が出るのかわかっちゃう。それが嫌。悟空と一緒の気持ちでやりたい」と語った。

それでも悟空と「気持ちは一体化している」と言う野沢。番組で『ドラゴンボール』シリーズで嫌いな敵役を聞かれると、「フリーザ」と即答。フリーザといえば、「フリーザ編」で悟空と死闘を繰り広げる“宇宙の帝王”。今年4月に公開された映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』のイベントでも野沢はフリーザ嫌いを公言しており、「フリーザ、憎たらしい」というコメントを残している。番組ではフリーザの声優・中尾隆聖との関係について「仲良いんですけど、(フリーザを)やっている間はあんまり口を聞かないかも」と語っており、改めて野沢が役にのめり込んで演技をしていることをうかがわせた。

そんな野沢、4月に出演した『アウト×デラックス』(フジテレビ系)では“私生活でも役が抜けないこと”を悩んでいると告白している。なんでも、“~だす”が口ぐせの『いなかっぺ大将』の風大左衛門を演じていた時は、駅で切符を買う際に「高田馬場だす」と駅員に言ってしまったなど、日常生活でも風大左衛門が出てしまっていたとか。

現在声優歴が52年という野沢。“役にのめり込みすぎる”というのは、名声優の証なのかもしれない。

あの“未亡人”にメロメロになる人が続出! 「付き合ってみたいマンガの“人妻”キャラ」
清廉潔白な大和撫子、作画崩壊かと見紛うほどのスタイルの持ち主…。マンガには多種多様なヒロインが登場し、読み手を夢中にさせてくれる。なかでも、妙な色気を振りまき、読者を魅了してしまうのが、「人妻キャラ」たち。「あー、こんな奥さんがほしい」と悶えた人も少なくないだろう。

【2位】ブルマ
『ドラゴンボール』(鳥山明/集英社)
2位にランクインしたのは、『ドラゴンボール』の勝ち気なヒロイン・ブルマ。主人公・孫悟空の最初の仲間であり、悟空のライバル・ベジータの妻である。仲間内から「体はいいのに、性格が悪い」と言われるくらいの気性の持ち主で、自らを「かわいい」と言ってのけるほどの自信家。しかも、旅の目的は「素敵な恋人作り」だというから目も当てられない…。が、戦いのなかでは積極的に仲間をサポートし、時に感情で動いてしまうものの、その行動力には眼を見張るものがある。激怒したかと思えば、いつまでも怒りを引きずることもなく、非常にあっけらかんとしたその性格は、まさに「肝っ玉母さん」向き。尻に敷かれること確実だが、イマドキの草食系男子からすると、頼もしい女性かもしれない。

1位は、初代担当編集も認める、最凶のアイツ! 『ドラゴンボール』史上最強の敵 TOP5【マンガなんでもランキング】
7つ集めると願いを叶えてくれるという秘宝をめぐり、主人公・孫悟空と宿敵たちとの熾烈な戦いを描いた、『ドラゴンボール』。「週刊少年ジャンプ」誌上で、約10年に渡って連載された人気作だ。その作中には、実に個性豊かなキャラクターが登場する。なかでも、読者に強烈なインパクトを残したのが、「敵キャラ」たち。そこで今回は、そんな『ドラゴンボール』に登場した、史上最強の敵についてアンケートを実施してみた。

【1位】フリーザ
約3分の1の票数を獲得し首位に君臨したのは、誰もが認める大本命、「フリーザ」。作中では宇宙最強の存在として登場し、「宇宙の帝王」の異名のままに、悟空たちを苦しめた。普段は部下にも丁寧語を使い、物腰柔らかな態度を崩さないが、それがやけに不気味。そして、ひとたび怒り狂えばその本性が露呈し、子どもなどの弱者も容赦なく始末する最悪の存在だ。ちなみに、フリーザのモデルとなったのは、連載当時社会問題となっていた「地上げ屋」。部下を恐怖によって支配し、手に入れた惑星を売りさばくといった悪行は、まさに地上げ屋そのもの。Googleで「地上げ屋」と検索すると、予測変換で「地上げ屋 フリーザ」と表示されるほどの悪名高さ(?)である。ちなみに、本作の初代担当編集者である鳥嶋和彦氏は、とある番組で、「ドラゴンボールはフリーザ編で終わるべきだった」と語ったそう。まさに、「有終の美」を飾るにふさわしい悪役だったということか。

【2位】魔人ブウ
ピンク色の肌にぽっちゃり気味の体型、そして大好物はお菓子と、およそ悪役とは思えない特徴を備えた「魔人ブウ」が2位にランクイン。人を始末するときも、チョコやクッキーなどのお菓子に変えて食べてしまうなど、その戦闘方法もかわいらしい…が、よく考えると非常に残虐である。その正体は、邪悪な魔導師・ビビディによって造り出された、古の魔人。作中では、「心の動き」がリアルに描かれた悪役キャラであり、犬との交流によって、「善の感情」が芽生えるシーンもあった。しかしながら、心ない存在にかわいがっていた犬を打たれてしまったことがきっかけで、大激怒。完全なる殺戮マシーンと化してしまう場面は、考えさせられるところもある。

【3位】セル
3位は、ドクター・ゲロの手で造り出された人造人間、「セル」。悟空やベジータ、ピッコロ、フリーザなどの遺伝子を組み合わせて造られており、彼らの能力や技もコピーしているという、凶悪な存在である。非常に好戦的な性格で、戦いにおいて勝利することを最も重視する。それは、自分の強さを確認するために、「セルゲーム」と呼ばれる武道大会を開くほど。その一方で地球征服には興味を示さないため、ほかの悪役とは一線を画す存在である。ただし、強さのためならばほかの人造人間を吸収するなど、手段は選ばない残酷さも持ちあわせており、そういう意味においてはこれまた最強の敵といえるだろう。方向性が異なれば、良きライバルになれたかも。

【4位】ベジータ
『ドラゴンボール』における悟空のライバル的存在、「ベジータ」が4位に。数少ない「サイヤ人」の生き残りのひとりであり、極端にプライドが高い、惑星ベジータの王子様。一時は、フリーザとともに、惑星の地上げ行為に従事していたこともある。悟空に対して激しいライバル意識を燃やすが、バトルスタイルは正々堂々としたものを好み、真正面からぶつかり勝利することを望む。ここらへんが王族の気品を感じさせるところか。当初は戦いにおいて仲間が犠牲になることも厭わないフシが見られたが、地球で過ごすようになってからは、周囲の人間を大切に思うようになった。魔人ブウとの戦いでは、悟空を「天才」だと認め、大人になった一面を覗かせた。

【5位】ピッコロ大魔王
5位にランクインしたのは、「ピッコロ大魔王」。『ドラゴンボール』序盤に登場し、作品の方向性を決定づけることに一役買った。正義や平和を嫌い、法も裁きもなく、あらゆる悪事がはびこる世界を望むという、生粋の悪いヤツ。だが、長年「電子ジャー」のなかに封印されていたという、ちょっとおちゃめな設定を持つ。魔族を生み出す力を持っており、手下にクリリンや亀仙人を殺害させるなど、当時の読者には非常に衝撃を与えたと思われる。悟空との戦いに敗れた際に、「マジュニア」と呼ばれる、息子(分身)を生み出したが、その分身は大魔王とは異なり、後に悟空と共闘するなど、主要メンバーのひとりとして活躍することに。

そのほか、
・アックマン
・レッドリボン軍
・亀仙人(!?)
などにも票が入った。前述の悪役キャラばかりが目立つが、それ以外にも本作には魅力的なキャラがいっぱい。各々に思い入れがあるということだろう。
何年経っても根強い人気を誇る、『ドラゴンボール』。未読の方は、いまから読んでみてもいいかも。色褪せることのないおもしろさに、きっとハマるはず!

【アニメキャラの魅力】無邪気で天然でチャーミング!?圧倒的な強さを持つ「魔人ブウ」の魅力とは?
連載終了してもなお、世界中にファンを多く持つ『ドラゴンボール』。魅力的な登場人物と引き込まれる戦闘シーンがとても魅力的な作品です。主人公「孫悟空」の前に現れる敵はいつでも強く、絶望すら感じさせるツワモノ揃いです。今回は、中でもこれまでとは違った意味で絶望を味わせてくれた「魔人ブウ」の魅力についてご紹介したいと思います。

■非戦闘状態とのギャップ
魔人ブウは人間ではないので言葉はほとんど話しませんし、なかなかふざけた(チャーミングな)外見をしていますので、一見絶望を感じさせるような狂気や強さは感じません。お菓子を食べてますし。笑顔で目も殆ど線になっていますし、“子供っぽい”というより子供そのものの行動。しかし戦闘になるとこれが本当に強い・・・。外見と強さのギャップに、当時は度肝を抜かれたものです。

■腹が立つほどの無邪気さ
魔人ブウの魅力という点においては、やはりその強さと無邪気さが最も印象的な特徴かと思います。しかしながら主人公である悟空側がバタバタ倒れていくのを、面白がって無邪気にはしゃぐ魔人ブウに、本気でイライラしたファンも多いのではないでしょうか。と同時に、その圧倒的なブウの強さに、どこかドキドキを感じてしまうのも事実。物語の後半は毒気(?)も抜け、魔人ブウはミスター・ブウとしてミスター・サタンのところに居候していますが、二人が仲良く暮らしている姿はとても微笑ましいです。二人とも間違いなく悪い人ではないですから。

■絶望的、圧倒的な強さ
ブウの登場時、その強さには本当に衝撃を受けました。悟空やベジータをはじめ、主要な悟空サイドの人間が全く歯が立ちませんでしたから・・・。怒った時の強さはまた一番と凄いのです。ただ、どうしても彼の個性上シリアス一辺倒にはならず・・・。強いだけではなく、子供っぽさや天然な一面、そのチャーミングな姿にどこかコメディを感じさせる「魔人ブウ」。今一度、彼の活躍を見返してみてはいかがでしょうか?また新たな魅力を発見出来るかもしれません。

【アニメキャラの魅力】ツンデレ男性の元祖!?サイヤ人のエリート王子「ベジータ」の魅力とは?
国内外問わず、あらゆる年代に大きなインパクトを与え、今なお人気の高い『ドラゴンボール』。魅力の要因は設定やキャラクター、戦闘シーンの描写などなど、たくさん挙げられますが、かなりの数の登場人物がありながら、それぞれに魅力的な個性を持たせている非常に優れた作品でもあります。今回は、そんな登場キャラクターの中から、とびきり印象的なキャラのひとりである「ベジータ」についてご紹介いたします。

■ツンデレ男性の元祖!
ベジータは間違いなくツンデレ男性の元祖です。連載時は“ツンデレ”という言葉自体、ほとんど聞くことがありませんでしたが、普段は勝気でプライドも高く、つっけんどんな対応をしているにも関わらず、時折自分の弱さをチラチラと見せるのです。なおかつ、妻となる「ブルマ」に対する愛情表現もまた良い。憎まれ口の割には目を反らしながら顔を真っ赤にしていたり・・・。そして、いざという時にはストレートに愛情を表現するのです。これが“ツンデレ”以外のなんだと言うのでしょうか。

普段はぶっきらぼうで、ここぞという時に優しかったり可愛かったり・・・。ベジータは“ツンデレ男性”を好きな女性の心を鷲掴みにしました。「ベジータ好きは“ツンデレ”好き」。 間違いありません。

■心境の変化を味わうことが出来るキャラクター
ベジータは、初登場時は敵のひとりとして登場し、そのインパクトは特に大きいものではありませんでした。しかし、カカロット(孫悟空)と関わり、共に戦うようになってからは、ベジータのだんだんと移り変わる心境を垣間見ることができます。

まるで人を信用せず、自分の事だけ考えているような人でしたが、ブルマと一緒になってからは周りへの理解や許しを表現できるキャラクターへと育っていくのです。そう、“単なるプライドの高い嫌な奴”から“ツンデレ”キャラへと変化、成長していくのです。ベジータほど初登場時からキャラ変したキャラはいないのではないでしょうか。

■「カカロットォォォォォォ!!!」「きたねえ花火だ」など名言多数!
ベジータは作中のキャラの中でも、特に多くの名言を持つキャラクターです。登場したばかりの頃は「カカロット」と孫悟空を呼んでいたのが印象的でした。そして、キュイを倒した時の「きたねえ花火だ」。これはネタとして使われることも多く、とても有名ですね。ある意味衝撃的かつ感動的でもあったのが、戦闘に負け、自らの死が近づく時に息子「トランクス」に向けて言った「・・・ママを大切にしろよ」。ここで彼のキャラクターは揺るぎないものになったように思えます。他にも多くの名言・名セリフを持っていますので。

2015年夏アニメとして新作が放送される『ドラゴンボール』。ぜひ、初回から見直し、「ベジータ」の成長を振り返りながら、自分の中での名言探しをおこなってみてはいかがでしょうか?また新たな魅力が発見出来ると思います。

【原作者・鳥山明先生のコメント】
『ドラゴンボール超』は、魔人ブウ編の完全なる続きになります。ちょっとした闘いの後のやりとりがあって、破壊神ビルスが登場する『神と神』編、そしてフリーザが蘇る『復活の「F」編』と続き、そして、新たにボクがストーリーを書き下ろしたのは、ついに、この宇宙をも飛び出してしまった奇想天外な話です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 22
ネタバレ

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

DB超待望の新作だと思っていた俺の姿はお笑いだったぜ

GT以来のDB新シリーズ。時系列は魔人ブウ編が終わって、悟空がウーブに出会うまでの間の話。

以下、各編ごとの簡易5段階評価です。
1~18話 神と神編  ☆☆    {netabare}だが、肝心のビルスに魅力なし。見どころはどこかと言われると、ベジータのキャラ崩壊か?(えー{/netabare}
19~27話 復活のF編 ☆    {netabare}超サイヤ人になるだけで瀕死になる悟飯。光線銃が胸を射抜いただけで瀕死の悟空(銃弾が効かなかった子供の頃より弱く見えるぞ?)。GTを笑えない所かそれ以下の脚本崩壊ぶり。あの頃のDBはどこにいった(遠い目{/netabare}
28~46話 第6宇宙編 ☆☆☆   {netabare}対になった宇宙で格闘大会というビッグイベント。だが毒なんぞで倒れる悟空や、反則だろもっかい出してくれよと潔さのない悟空の姿を見てゲンナリ。最後のブルー界王拳は良かったけどもうちょっと何とかならなかったもんかね。でも42話、波乱の祝勝会の話はマジで爆笑しました。面白かったです。{/netabare}
47話~ 悟空ブラック編 ☆     {netabare}未来から来たトランクスがらみの話。
久々にシリアスでとても面白そうな空気を醸し出しているが、随所にある設定の粗が気になる。
特に未来時代の軍隊はブラックとかなりマシにに戦えてる気がするのだが何故なのだろう。セルの時よりも戦えてる気がするが、おかしくないだろうか?
あと、ザマスの思想が自分勝手すぎる。不死身の力得ておきながら私利私欲とか、完全に自分の事棚に上げてますね。
悪役的にはいいキャラなのかもしれませんが、無能なのはゴワスですね。ザマスの悪の心にも気づけないとか、神様に悪の気がある事に気づいた元地球の神にも劣るんじゃないんでしょうか。

はあ……。64話まで見ましたけど糞アニメすぎる……。
随所に見所はあるのですが、それを打ち消すほどに構成が悪すぎますね。しょっちゅう未来から過去に行って戻ったり、そこで魔封破覚える特訓してきたのに壺壊されたり札忘れたりで準備が悪すぎる。スペアも用意しとらんとか。その上魔封破使うのが特訓してないトランクスとか。完全に悟空が過去に行った意味がないですやん。
後は、ザマスが完全にただの胸糞キャラすぎて意味わからん。こいつは、理念を持って人間を殺してるのではなくただの嫌悪感からの殺意に見えるし神も殺してるし、完全に動機が理解不能。ただの自分大好きっ子ですやん。
まだ私利私欲のために悪をやっていたフリーザやピッコロ大魔王あたりのがマシに思えますよ。
ここまで見たんだから一応続きは見届けますけど、正直そんな期待はできないかなって感じです。{/netabare}

我慢できずに途中断念。
長編はダメダメな出来なんだけど、短編ギャグ回はそれなりに見れる出来だったなと思いました。
でも正直落ち目になっていくDBは見たくないのでもうこの辺りでギブアップしておく事にします。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 12

うっきー星人 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

宇宙サバイバル編以降の評価です

宇宙サバイバル始まる前は5回に1回位、たま~に観る程度で糞つまんね~と思ってましたが、
宇宙サバイバル始まってからはワクワクしています

特にアルティメット悟り飯と17号の復活には期待してます
作画も少しまともになってきたというか、昔の神バトルを思い出させる部分も出てきました
OP観るとすごいテンション上がる自分がいるwww

お金かければ面白くなるブランド作品なんだから、制作者にはぜひ頑張って欲しいですね

<追記>
やっぱ訂正 3.7→1.8
凄まじいゴミアニメと化しましたw
戦闘力関係めちゃくちゃすぎ、ストーリーぐっちゃぐちゃ、キャラも安物のパチもんみたいなのばっか
やはりドラゴンボールはブウ編までだった

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2

65.9 21 復讐で仲間なアニメランキング21位
Fairy gone フェアリーゴーン(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (253)
952人が棚に入れました
かつて妖精は、"兵器"だった――。この世界には、動物に憑依することで不思議な力を宿す、妖精が存在していた。妖精が憑依した動物の臓器を摘出し人間に移植することで、妖精を分身として出現させ、兵器として扱えるようになる。妖精を戦争の道具として自在に操る兵士たち、彼らは『妖精兵』と呼ばれた。長きにわたる戦争が終結すると、彼らはその役目を終え、行き場を失う。あるものは政府に、あるものはマフィアに、あるものはテロリストに。それぞれの生きる道を選択する。戦争から9年の歳月が経つ。主人公のマーリヤは、妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する、違法妖精取締機関『ドロテア』に配属されたばかりの女の子。未だ不安定な政治情勢の中、戦争によって受けた傷や過去を持つ犯罪者が現れ、復讐のためテロを起こす。これは、無秩序な戦後に抗い、それぞれの正義を求め戦う『妖精兵』たちの物語――。

声優・キャラクター
市ノ瀬加那、前野智昭、福原綾香、細谷佳正、諏訪彩花、中島ヨシキ、園崎未恵、子安武人、大塚芳忠、津田英三、種﨑敦美、沖野晃司、小松未可子、間宮康弘、津田健次郎、麦人、川田紳司、寿美菜子、井口裕香、興津和幸、江川央生、伊藤静、土師孝也、東地宏樹、乃村健次
ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

体裁だけは名作風

ベテランのラノベ作家が原案・脚本でぱっと見作画はとても綺麗、声優も惜しみなくベテランを起用して音楽にもこだわってる…と概要だけなら名作としか思えない雰囲気

……なんだけど、実際に見ると疑問とツッコミしか湧き上がらない出来
やりたいことは分かるし、設定も膨大でキャラの背景まで作り込まれてるのにそれを脚本にも演出にも反映しようとしてないから上滑り感が漂う
作家が好きなのでHPは確認して、放映分(3話まで)は設定やあらすじ、伏線を一通り読み取れるように最低でも各3回ずつは視聴しているけど、正直見る度ツッコミどころが増えている状態

1~3話視聴時点
{netabare}まずよく言われるけど固有名詞の羅列について
これ自体は別に気にならないし、ファンタジーなんだから独自の世界観を感じられる良い要素のはず
ただ、語るべき部分と不要な部分の取捨選択がズレ続けているから何を言われても耳に残らない
そもそも主人公たちが所属するドロテアは何を目的に動くのか?主要な任務はなんなのか?という基本すらアニメ3話時点で曖昧なまま
そしてヒロインがドロテアに所属する経緯も、マスコット役の小動物が押収物として回収されずにヒロインと一緒にいる理由も、それどころか仕事先の省庁に動物を連れて行く理由も一切語られない
1話で争点になって3話で一部情報が開示された「黒の妖精書」は確かに重要だけど、キャラを取り巻く環境が不明なまま話が進むから行動原理が全体的に不明瞭なままになる
そういう基本情報はおざなりなのに、妖精書の著者名ばかり羅列されてもそりゃあ意味不明としか言いようがなくなってしまう

そしてキャラの行動原理について
1話でオークション警護の任務に就いていたマーリヤは探していた幼なじみを庇うために(立場上)先輩にあたるフリーに対して威嚇射撃を行う。
それ自体は「芯の通ったキャラクター」のような振る舞いだけど、全体を通すとツッコミどころしかない

①任務をサボってオークションの出展物を弄る
②幼なじみ(ヴェロニカ)がオークションを襲撃し、複数名を殺害する
③ヴェロニカを止めるため戦闘を開始したフリーに対して威嚇射撃を行う

つまり、物語冒頭から一切仕事をしないばかりか邪魔だけを行ったことになる
マーリヤの理屈としては、「故郷を同じくするたった一人の生き残り」であるヴェロニカを探すため、敢えてオークション警護を受けたというものがある
そのためフリーを止める理由は一応あるわけだが、それにしても殺人強盗を犯した相手を一切諫めず庇い立てするのは行動に正当性が無さ過ぎる
しかもこの行動が人物背景が曖昧な1話時点でのものだから、マーリヤに共感も同情も感じられずただ不快な行動に映ってしまう

そしてこの1話ラスト、フリーはマーリヤを自分が本来所属する組織、「ドロテア」にスカウトするわけだが、普通に考えて有り得ないだろうと
いくらヴェロニカに繋がる人間とは言え、仕事を放棄して自分に銃を向けた人間を引き入れるなんてリスクのほうが大きすぎる
ともに仕事をする中で「感情にまかせて背後から狙撃される可能性」というのを考えないのか?
しかも各話アバンにてフリーは大戦を生き抜いた元兵士だと明かされている
なら余計に裏切りのリスクは理解しているべきだし、キャラの背景を理解するほど行動の矛盾が大きくなってしまっている

ちなみに1話でこんな暴走をしたマーリヤ、2話3話にて「仕事でしょ?やります」「仕事だから撃ちます」と決め台詞のように「仕事」を連呼する
初登場から仕事を無視し続けた人間なだけにすさまじい説得力があると思う

そして何より気になった演出、作画について
基本的にこのアニメは作画がとても良いと評判だけど、正確には「止め絵がとても良い」だと思う
やはりツッコミどころになっている1話アバンのフリーが剣を投げるシーン
「上」の決定への不満から剣を投げるが、何故か下手投げ。しかも叩きつけられたかのように勢いよく地面に突き刺さる
そもそも怒りで当たり散らすなら上手投げだし、剣は刺さらず地面を転がるだけでは?
そして2話アバンで戦友がフリーを庇って刺されるシーン
右手に剣を握り、フリーから見て左手側から真横に走ってきてフリーの前に立ちはだかるが、敵に刺された衝撃で握った剣を左前方に投げ飛ばしている
横から来たなら剣は慣性に従ってフリーの右手側に飛ぶはずでは?そもそも歴戦の兵士(HPによると英雄とも呼ばれる人物)が覚悟して刺されに行ったのに剣を手放すか?
そして3話のビター・スウィートが走るシーン
カットごとに剣の持ち方が順手、逆手でコロコロ入れ替わる
走るとき、人混みの中だけ逆手なのかな?と思いきや相手を攻撃するときは常に逆手のため、順手で持つ理由がそもそもない
また、ビター・スウィートに対してマーリヤが発砲する際、ビターの足元に撃った跳弾がビターの正面にいるフリーに向かって飛んでくる
どこから撃ったかというとビターの背後…ではなくビターの正面側、つまりフリーの後ろの建物の屋根から撃っていた
ビターに撃った弾がピンポイントに地面の角に当たってフリー側に跳ね返った?

こんな感じで、「格好いい止め絵」を描くために前後の動きの整合性を無視したシーンがあまりにも多い
そりゃ突き刺さった剣越しにキャラが映ってる画がお洒落なのは分かるけど、そのために動きに違和感持たせちゃ駄目だろうと
ついでに2話のバイクは全体的に手抜きがバレバレ過ぎた
バイクが横転する場面は横転させた原因も理由も分からないような引きの画だし、
横転したバイクを立て直して相手を追う際にはバイクを拾いに駆ける様子どころかバイクを立て直す動きすらカット、追いかけた相手がいきなり急停止したさいにバイクを降りて強襲する動きもカットしていきなり敵の尋問を始める
見ていて「バイクの乗り降りを描くのが面倒くさいから手を抜いたんだなあ…」ってのがはっきり伝わってくる

脚本面でも触れたけど、全体的にカットの取捨選択があまりにも適当すぎる
「ここは物語に重要じゃないから省略しよう」じゃなくて、「ここを描くのは好きじゃないからカットしよう」で制作してるんだな、と


最後に脚本の構成と設定開示について
このアニメ、公式HPやTwitterを閲覧することが前提の構成になっているのが何より大きな問題
2話にてマーリヤがウルフランの撹乱に気付くシーンがあるが、何故気づけたのかはTwitterでしか明かされない
ついでにマーリヤが愛用しているのが何故猟銃なのかもTwitterでの開示
国家や街、各組織の特徴はHPでのみ開示されている
要するに、オリジナルアニメでありながら視聴者に「予習」を求めた作りになっている
これが漫画・小説原作ならファン向け作品と言うことである程度納得もいくけど、オリジナルで展開しながらアニメ内で世界観を完結させられないのは脚本としてどうなの?としか言えない
前クールでオリジナルアニメの「荒野のコトブキ飛行隊」は、突飛な設定だけど設定自体はそこまで重要じゃなく、シンプルなシナリオと分かりやすい空戦の迫力をウリにしていた
その上で裏設定を推測できる情報を散りばめて世界観を広げていたけど、本作はその真逆
「妖精」にまつわる様々な設定がシナリオの中核にあって、2クールかけてそれを丁寧に紐解いていく難解なシナリオがウリ…のはず
なのに設定はアニメ内では明かされず、アニメ単体では世界観があまりにも狭いものになってしまっている
取っ付きにくい独自設定を、そもそもアニメ内で理解させることをすでに諦めている時点でオリジナルアニメとしては失敗なんじゃないかとすら思う

これですら全体のツッコミどころのうち半分にも満たないレベルの粗まみれ
今後も視聴はするけど、そろそろ無難に楽しめるレベルの話を見せてほしいかな{/netabare}


4話視聴
{netabare}フリーやっぱり無能すぎないか?
ビターの妖精の能力をやられただけやり返すカウンタータイプと見抜いたのは流石に戦い慣れてる
けどそこから、なんで攻め倦ねる?
カウンタータイプの弱点は受けたダメージをビター自身も無視できないって点だろうに
だからここでフリーがとるべき行動は、マーリヤにフォローを任せて相討ち狙いで攻撃に専念すること
なのに妖精の痛みにビビって拳銃にもビビって動けなくなる始末……
ついでに言えばビターは戦闘前にルパンもどきに一発、戦闘中に4発近く発砲している
リボルバータイプなら残る弾数は1発か2発、戦闘中のリロードは実質できない
予備の拳銃を取り出すだろうと想定しても、その隙を狙えば十分すぎるくらい勝機はある
発砲の予兆から避けるくらいの技量があるのにそんな簡単な計算もしないのか?
そしてマーリヤまさかの特攻
ここは近接用にナイフを持っていたりと好きなシーン、だけどフリーあまりにも情けない
そりゃビターにも煽られるよなぁってだけじゃなく、戦争で庇われた頃から成長してないかよ、と思ってしまう
2話でウルフランが「お前は俺に追いつけない」って言ったのに納得してしまった

そっから一旦場面が切り替わって回想
アバンの回想地獄から解放されたと思ったらこれか…
まあ最後まで見ると必要な演出だったと分かるけど、それにしても後半でも回想挟むしちょっとクドすぎかなあ
というか何より時系列の歪みがエグすぎる
なんで回想の途中でさらに2年前の回想を入れようと思ったんだ…
最初見たときは『2年前』って表記が何時の時点からの2年前か分からず本気で困惑した
回想くらい順番に進めてくれよ…

そして場所を移してドロテアによる査察
妖精兵器による反乱を起こさないかを調査してるんだろう、というのは分かる
フリーの上官と、その女性のかっての上官が立場を変えて領主と査察官になっているのは時代の流れを思わせて好きなシーン
だけどやっぱりドロテアの活動が不明瞭すぎるし、査察を受けた領地が統一ゼスキアにどういう立場で従っているのかも不明瞭なまま
いずれ明かされる伏線として意図的に隠す部分も有るだろうけど、単純な描写不足で必要なところまで隠れているから意味深なようで意味深にも見えない微妙な展開
そしてこの領主に匿われる形でウルフランが登場するけど、全員の立場が何も見えてないから
「何故ウルフランがこんな所に!?」の驚きよりも「そりゃウルフランくらい出てこないとこのシーン不要すぎるしなぁ…」と変な納得をしてしまう

あとはフリーの無能パート
置き引きにまんまとやられる…のはまあお約束だから最早ツッコまないけど、
そっから誘導されてると分かっていながら分断に引っかかるのはさすがに駄目でしょう…
というかツーマンセルで相手が動いてるのはわかっているんだし、近接戦闘が苦手で本調子でもないマーリヤを一人暗い場所に置く時点でおかしい
そもそも妖精書を入れた鞄を自分が持つこと自体おかしい
妖精書を狙うビターの足取りが掴めず、ルパンもどきを連れ去る人間もいる
となると自分達と妖精書が狙われる危険は割と高いわけで、そんな状態で二刀流かつ近接特化の自分が妖精書を持つのは戦闘で邪魔だろうと
鞄自体妖精書くらいしか入ってない小さなものだし、本調子でなく戦闘に参加できないマーリヤに持たせるべきだろうと
要らんフェミニストぶりを発揮して自分が鞄を保持した挙げ句目を離して置き引き食らうって最悪すぎる

ちなみに良いと思ったシーンも今回はあった
さっきのマーリヤのナイフもそうだけど、フリーが地下墓所への通路で拳銃を取り出したシーン
狭い場所では剣を振れないために拳銃を握るって言う判断は合理的だし装備としても違和感がない
……まあフリー自身も拳銃持ってるならなおのことビターの拳銃の装填数は考えているべきだけど
ただ、惜しむらくはやはり演出
ただでさえ暗い地下墓所で、しかも黒い拳銃を握るなんてシーン何やってるか見えるわけ無いだろうと
何を装備したのか通路を降りる段階で手元をアップにしてくれよと
結局通路を降りきるまで何持ってるかよく分からないのは単純にもったいない
ついでにマーリヤ腹を刺されても悶えないって超人すぎない?
妖精がダメージを食らうと痛みで何もできなくなるのに、いくら小さなピックと言えども自分が刺されればもっとルパンもどきくらい苦しむだろに
もしかして妖精のダメージフィードバックのが本体のダメージより痛い?んなアホな…

粗筋については今までと変わらず、1話の話を少し振り返ったことで多少伏線を回収しようとしたのは今までより良かったかな?くらい
まあそれに倍する勢いでキャラと勢力を増やしていったから意味ないけど

ヴェロニカお前もしかしてステンドグラス越しにストーキングしてたのか?とか監視対象が地下に潜ったなら屋内で待機しとけよ、とかツッコミは追いつかないけどそれはそれ
次回はもっと面白ければいいなあ…
{/netabare}


5話視聴
{netabare}アバンで怒濤の回想
分かるよ?やりたいことは
でもこれ4話の戦闘の続きな訳で、なんで盛り上がりをぶった切って回想詰め込むの?
内容そのものはマーリヤとヴェロニカの過去と、そこから連なる現在を対比的に見せているので面白い…というか今までで一番好きな内容だった
でもタイミングはそこじゃないよね?多分Aパートのマーリヤとヴェロニカの会話に関する情報を開示するためにこの回想を用意したんだろうけど、
作中のドラマに落とし込むことができず、場当たり的に必要なシーンをアバンに突っ込んだ印象が強くなってしまってる
陳腐ではあるけど、マーリヤとヴェロニカが決別に至る前にレイ・ドーン襲撃や一人村を旅立った様子などを語り合う形でいいのでは?

そして相変わらず無能のフリーさん
パティに苦戦する中スイッチが入って一転敵を打ち負かす、ありがちだけどハマると格好いい演出
ただ、動きや戦法が変わったわけでもなく、スイッチが入った結果やったのは「力押しで敵の剣を折る」…は?ただの火事場の馬鹿力?
そして本気になったはずなのに敵に武器を構える時間を与えたり、それどころか武器の詰まった鞄をわざわざ敵に蹴って返す始末
敵の方はというと、戦力差を見極めて受け取った鞄をもってさっさと撤退、盗んだ黒の妖精書をフリーに投げることで追走を躊躇わせる潔い判断力を見せる
そしてBパートの歓迎会では敵を捕まえられず機嫌の悪そうな様子を見せるフリー
逃げられた理由は「舐めプして武器を与えて棒立ちしてたから」なのに不機嫌になるって……マジでセルジュに介護してもらえば?

4話から続く黒の妖精書騒動に一区切りついたところでフリーの行動を列挙すると…

①ビターの拳銃の装填数に気付かず、さらに妖精の能力にビビって近づけなくなる
②ドロテア以外に最低2つの勢力が狙っている黒の妖精書から目を離して置き引きにあう
③ツーマンセルを組む相手を追跡中、敵に誘いをかけられていると気付きながら相方と分かれて行動……ちなみに相方は本調子でなく後衛のため自衛手段なし
④敵が思ったより強いため油断を捨てる……かと思いきや力押しが酷くなっただけで舐めプはさらに悪化、自分の慢心から敵を逃がす

これはちょっともう駄目すぎだろうと
結果的に敵が逃げを優先して妖精書を返してきたから結果オーライだったものの、持ったまま逃げられたらどうするつもりだったのか
そもそもビターの手に途中で妖精書が渡っていたら、フリーは妖精書を奪われた挙げ句襲撃犯を逃がす大失態を犯していたところだった
1話時点ではマーリヤのが酷いと思ってたけど、蓋を開けてみればフリーがそれに輪をかけて無能だったというオチ
感情を優先するマーリヤをスカウトするなんて謎采配だと思ったけど、本人が感情優先の舐めプ野郎なんだからそれも当然だったのかも

残るシーン、マーリヤとヴェロニカについてはいい感じ
殺しを平然と行うヴェロニカに対して動揺を見せてくれたし、マーリヤが今後どう向き合うかは純粋に気になる
ただまああヴェロニカの身体能力はリアル調のアニメでやって良い演出ではないだろうと思う
みんな多少アニメめいた動きはするけど、中でもヴェロニカはやりすぎて白けるくらいある
キャラの好みと「意味もなくカッコつけたシーンにしたい病」で相変わらず考えなしのカット作ってるな、と

公領関連は今後の事件の焦点になるだろうから現時点ではノーコメント

ドロテアの歓迎会は…いらなくないか?
未だに組織の様子はほぼ見えてないのに、歓迎会でキャラだけ増やされても何とも思えない
というか愛着のない新キャラが半数以上を占める日常パートって純粋に退屈
歓迎会やるならそもそも入隊時の描写を細かく見せないと説得力がない、くらいの感想しかない

総評としては今まででは一番面白かった回
ただ、それも本筋と独立した回想の描写だけで、いざ本筋になると「シナリオ進行のためのシナリオ」みたいな行動の不可解さ、意味のなさばかり目立つ脚本と作画は相変わらず
マーリヤについては今回で多少好感度もあがったので、次回以降フリーが有能さを見せてくれるといいなあ…無理だろうけど
{/netabare}


6話視聴
{netabare}妖精を出さず、ドロテアの仕事の様子をメインにしているのは割と好き
ただ、人工妖精の暴走と黒の妖精書発見を同時に扱うのはどうなん?って思う
錯綜する事件や情報が、最終的に一つの点を結ぶってのは展開的に予想できる
ただ、錯綜するものを同じ話数で等分して描写するからどっちも半端になって内容的にはスカスカな印象になってしまってる
暴走原因の調査を今回のメインにして、Bパートラストで黒の妖精書発見のニュースを仕入れて7話でそっちにシフト、じゃ駄目なのか?
フリーの無能を示しただけのパティ戦とか無駄話だけで掘り下げにならない歓迎会とかやってる割に本筋の尺がカツカツなら明らかにペース配分がおかしい

しかも黒の妖精書追跡にマーリヤとクラーラが出動するのがおかしい
二人とも役割は後衛なわけで戦闘になれば勝ち目はないだろうと
今回はただのゴロツキだから良かったものの、黒の妖精書なんて結構な勢力が探し求めてるのは3話のアレで分かってるだろうに
というか酒場に行かせたりバイクで尾行したりって、どう考えても女二人じゃ目立ちすぎると思うんだが
私服で素性を隠しているはずが逆に目立つ結果になって、オークション代理人にバレて危うく逃がすところだった
ネイン局長は人選についてドヤ顔だったけど、対象者確保に成功したのはほぼ結果オーライ
フリーだけじゃなくその上まで無能なのか…?

というわけで話はスカスカなのにツッコミどころは減らない感じ
予告とかあらすじを調べた時点では、話が大きく動くと思ってワクワクしてたのに、あまりにも内容が無さ過ぎてガッカリしてる
ついでに言えば、クラーラの回想とかまっっっったく要らない
5話の歓迎会でネイン局長との出会いを語っているわけで、その時点で入隊の動機は察せられるやろと
それをわざわざ回想を挟んでまで改めて描写するなんて正直時間の無駄だし、そもそもタイムリミットのある中で対象者を探すって状況でやる話じゃない
尺稼ぎみたいなシーンは多いのに肝心の本筋は描写不足ってのが本当に多すぎる
7話はもうちょっと本筋に主眼を置いた展開になってほしい
{/netabare}


7話視聴
{netabare}今までの中ではハッキリと面白かったので物語の評価を0.5引き上げ
やっぱアクションシーンが無いほうがこの作品面白いんじゃないか?と思う
これまでは半端にアクションを挿入することで設定がただ記号的に語られる上滑り感があったけど、
ドラマをメインにしたことで設定に意味が出てきた印象
逆に、妖精を使ったスタンドバトルを期待してた人にとっては6話に引き続き退屈な回だっただろうな、と

ビターが絡んできて、グイ・カーリンの幹部から妖精書を回収しようと奔走する流れは結構気に入っている
正攻法では黒の四を見ることができないなら、ドロテアに押収させてでも目的を達成しようって考え方も面白い
互いにやり過ぎなければ政府機関もマフィアも遺恨を脇に置いて協調するって流れは世界観にマッチした雰囲気を感じる

人工妖精の暴走についての捜査も面白そうな雰囲気ではあるんだけど、やはり妖精書と構成を二分したために微妙な感じになってる
元公安のチェイスが伝手や過去の捜査から真相に迫ろうとする様子や、
妖精省と軍部の軋轢、その間に入るドロテアって図式は政治ドラマとして普通に面白い
ただ、6話から一つの筋として辿っていくならともかく、
話が妖精書と行ったり来たりしつつ更に他の陣営の様子を交えつつ、大量の人名を整理していくのは面白さを理解した上でもやや面倒くさい

物語の展開的に現時点で重要なのは黒の妖精書探索よりも人工妖精の暴走事件
ただし、黒の妖精はマーリヤがメインなのに対して人工妖精はチェイスがメインでフリーは脇を支える役割
「話的に人工妖精を追いたいけど主人公を見せるには妖精書を追わないと…」
みたいな状態になってしまって主軸を定めきれない脚本になったのかな、と

こっからはツッコミ
いよいよ人物名が処理しきれなくなってきた…
群像劇の要素が強いから人物が多いのはわかるけど、会話パートでいきなり第三者の名前が出てきても誰のことだかわからなくなる事がある
特に人工妖精の暴走原因を調べる技師たち
6話で数分しか出ない上に名前を呼びあうのは仲間内だけ、みたいなキャラが7話ではチェイスのセリフ中にポンポン出てくる
おまけに未登場のキャラも会話上で登場するようになるので整理がかなり大変
台詞の途中で名前を出す際に顔を映すとかしてくれればいいのに
こういうときはお得意の回想を挟まないから、理解をこっちの記憶力に依存し過ぎな演出になってる

というか回想、今回は珍しくアバンにも本編にも登場しなかった…んだけどCにぶち込みやがった
しかもビターの回想、かつ現在の時系列で扱う事件に関わってくるかどうかも一切不明な内容
いい加減に、「脚本にうまく織り込めないから適当にぶち込んだろ!」みたいな回想の入れ方はやめろよ…
ただでさえ今回はEDの入りが演出的に最悪だったのに、Cパートまで意味不明って有り得ない

序盤から続く固有名詞の羅列がいよいよ問題化してきたな、という以外は割と問題なく見れた回だった
回想の不要さは最早お約束レベルだし、そろそろ(呆れるという意味で)慣れてきた
ついでにバトルなどアクションシーンがないおかげでコンテの違和感も最小限ですんだのも高評価
こんな調子で8話も期待したいけど、そろそろバトルが出てきそうだし、そうなるとまた酷い演出を見せられるのかな…という不安が残る
{/netabare}


8話視聴
{netabare}6話7話と積み重ねた話を雑に流す内容……Aパートは好きだったがBパートが洒落にならないレベルで酷い
ギルバートの屋敷に乗り込んだあと、支援型妖精を扱うクラーラが突入の合図を示す流れはかなり好き
支援型ってやっぱりこういう市街地では無類の汎用性を示すよなって感じ
とは言え屋敷周辺を他の隊員が固めるってのは7話の時点で見せていてほしかった描写
普段から小出しにしている回想とかじゃなく、こういう緊迫感ある展開こそ伏線があればよりワクワクしたのに、というくらい
で、タイミングを見てビターを取り押さえようと目論むドロテアと、それを察して出し抜くビターの構図も面白い
必要となれば裏切りもするけど、一応の義理立てとして妖精書を放置してドロテアに回収させるのも「憎めない悪役」という雰囲気
……まあビターを確保するってのも8話でいきなり出てきたから、辻褄合わせのぽっと出なフレーズに聞こえてしまって上滑りするのは相変わらず
設定を開示することには余念がない割に人物や組織の目的・行動に対する描写が全然ないから、
「やっていることはわかるけどもっと見せようがあるだろ?」みたいなモヤモヤ感が付き纏う

そして妖精書確保が終わったら本格的に人工妖精暴走事件
こっからが本当にひどかった
内部犯行の可能性と、アーケイムに匿われた元技術者のエディ・ロイドが関与している可能性、この2つからハンスの取り調べを行う
そしてチェイスの独自調査からエディ・ロイドに息子がいたという事実が判明する流れ
このあたりの展開は文句なしに好き
新型の暴走は操りやすい旧型を復帰させて首相を暗殺するためだった、というのも展開的に盛り上がる
なのになんで事件が尻すぼみのまま解決されるかなあ…
いや、チェイスは本当に優秀な雰囲気だったし、その後のドロテアの動きで事件が解決されたのも理解できる
でもアーケイムだのダミアン・ヴェロニカだの各勢力が結集している中で、結果的に「ただの様子見でしたー」で終わるってどうなんだ?
2話かけて記念式典を焦点にずっと話を盛り上げてきたのに、結局何事もなく事件解決、よかったね!で終わってしまうなんて…
アーケイムがまだ何か狙ってるのも、ハイブランツ公が暗躍しようとしているのも描写されてるし理解できるよ?
できるけど、こんなあからさまに話が盛り上がるポイントすら空振りさせる必要がどこにあるの?
というか式典でアーケイムもハイブランツ公も殆ど動きがないわけで、なら前2話で彼らの暗躍をあんな時間割いて描く必要あったか?って話になる
だったら上記に挙げた、妖精書関連でのドロテアの動きをもっと丁寧に見せる時間くらいあっただろうに

で、今回何より酷いと感じたのは挿入歌
何考えてるの?チェイスがバイクに乗りながら取り調べを回想してるシーンでバラードってなんかもうドン引きだったんだけど
確かに話の全体を見れば、結局式典も何も盛り上がらないちゃちなイベントで、犯人の心情描写が大事だってことはわかる
ただ、あの場面自体は「首相暗殺の時が迫る中、犯人確保に向けてバイクを走らせる」って緊迫感のあるシーンなわけで、
そんなシーンにあのバラード流されても「いやそんな場面じゃなくね?」みたいな気分になって笑ってしまった
というか挿入歌を入れるなら犯人確保後、搬送前のやり取りのシーンにすれば違和感もなかったのに
「EDをカットしたくない、でもイントロが本編にかぶさる形だから挿入歌を入れるとおかしくなる……せや、適当なシーンに歌流したろ!」みたいな感じ
今回だけ特殊EDとして歌を変えて本編にクレジットを載せる形にして、あの最後の場面のやり取りを掘り下げたほうが良かったんじゃないの?
なんかちょっと前に、「挿入歌は映像作成後に作られている!」みたいな記事があったけど、
あの映像を見てあんな挿入歌をぶち込んだなら音楽集団としてあまりにもセンスが無いと思うので嘘であってほしいくらい

あ、この回は本編に無関係な時間軸の回想はなかったので、その点は最高だった
まあその分前回のビターの回想が意味不明すぎるままなんだけど
次回は話が大きく動きそうな予告映像だった……けど、同じく話の動きそうだった今回がこの出来なので期待薄かな
{/netabare}


9話視聴
{netabare}いよいよ話が大きく動く回
ハイブランツ公が首相を庇った報奨として妖精武器を求め、それに応じてドロテアが搬送を行う…という展開
妖精武器を扱う戦争請負人、ビーヴィーによる襲撃という今までにない規模の戦闘が描かれていた

ハイブランツ公の思惑や暗躍を続けるウルフランの真意など今後の展開に係る描写も多い回
ただ、一番の見せ場である戦闘が相変わらず真っ暗なのが本当に酷い
襲撃に向いた地点を選んで夜間に戦闘を行うってのは合理的だしそれ自体はかなり好みなんだけど、本当に真っ暗にするアホがどこにいるのかと……
オマケにドロテアの制服は黒だし襲撃側も暗色系の服装、出てくる妖精も暗色で唯一分かりやすいのはビーヴィーの妖精武器のみ
オズの二丁拳銃にナックルガード状の刃がある…なんてこんな暗い戦闘じゃ分かりづらすぎる
せめて襲撃前に打ち合わせを行って、各々の武装を確認するシーンを用意するとかしてくれよと

あと、妖精武器が具体的にどう強力なのか全くわからないのはどうなの?
オズの妖精をスパッと斬っていたのは果たして能力なのか単純な切れ味なのかも不明
フリーが「こっちも妖精武器でないと対抗できない」と言っているが、能力不明なまま言われても説得力がなさすぎる
というかフリーは護送中の妖精武器を使って戦闘をするけど、ものすごくアッサリ負けてるわけで……
最終的に負けるのは分かるよ?普段と勝手の違う武器だし慣れない間合いでは勝ち目が薄いのも理解できるし
でも、武器を変えて挑んだ結果、互いに変わった力を使うというわけでもなく普通に戦闘し敗北
あんな簡単に負けるなら普段の双剣で戦ったほうが良かったんじゃないのか?という疑問が残ってしまう

マーリヤに関しては特に違和感も無いけど、やっぱ妖精デリケート過ぎない?
敵兵を貫通して威力の落ちた銃弾一発、しかも本人じゃなく妖精に当たったもので気絶するって何なんだろう
そんなに妖精がデリケートなものなら、敵の妖精に銃弾浴びせれば勝てたんじゃないの?

総評すると、「予定調和の敗北を見せられた回」といった感じ
というか、「突然の襲撃に味方が壊滅的打撃」って普通に考えればかなり盛り上がる展開なのに、
これまでにドロテアが活躍したシーンがなさすぎて「そりゃそうやろ」としか思えなくなってるのは脚本に問題がありすぎる
また、この襲撃でオズが犠牲になったけど正直何も思わないというか…
歓迎会で実質初登場(一応訓練や査察で出てるけど)したあと特に絡みもなく、8話Cパートで軽く言葉をかわした程度
ぶっちゃけ8話時点で名前忘れてた程度には存在感なさすぎなキャラだから、犠牲になろうが「はぁ、そっスか」くらいにしか思い入れが…
エガオノダイカのがまだお涙頂戴の準備をしていただけ若干マシだったとすら思えてしまう
思い入れが強いキャラを殺すと反発が来る、みたいな狙いからかもしれないけど1クールラストに向けた展開としては弱すぎるだろうと
これがセルジュ・クラーラ・チェイスのいずれかなら驚きや衝撃も強い分感情も揺さぶられたと思う
「マーリヤのトラウマを刺激するために適当なキャラを殺しとくか」、みたいな作業感が強くてむしろ萎えてしまった
お得意の回想でオズの掘り下げでもするのかな?したらいよいよギャグアニメとして笑うことにする
{/netabare}


10話視聴
{netabare}オズの死に責任を感じたマーリヤが迷い、仲間の説得を受けてドロテアの活動を続ける決意をする回
主人公が過去のトラウマを乗り越えるって展開はよくあるものだし、目新しさはないけどきちんとまとまった話だったと思う
ここにシュヴァルツ・ディーゼ、妖精省、チェイスらアーケイム捜索組の描写が挟まれることで、1クールラストに向けた助走の回となっている

ただ、面白いと感じた点とおかしな点が同時に展開されるのが惜しい
それがオズの死体の扱いとマーリヤの進退について

妖精器官は本来違法なもので、首相直轄のドロテアに所属していることで例外的に妖精兵の存在が許されているという点
オズの死亡をもって体内の妖精器官が妖精省の管轄となり、死体ごと持ち去られてしまうというシビアさは世界観にマッチした好みの展開だった
妖精器官の再利用などあるのか?や器官の摘出だけで済ませる事ができない理由はあるのか?など想像すると面白い

それだけに、進退を迷うマーリヤの扱いが気になってしまう
マーリヤは(確認される限り)唯一の妖精憑きであり、局長が情報を握りつぶしたとは言え希少価値は非常に高い
そうでなくても妖精兵としての登録を受けている以上、ドロテアを離れると即座に拘束される対象となる
となると「親しい人が死ぬのは嫌だからドロテアを抜ける」なんて呑気なことを言える立場には無い
もちろんマーリヤにとってはそんな組織の論理なんて関係なく、自身の葛藤に気を取られて周囲が見えないのも当然と言える
ただ、フリーの立場としては説得に感情や目的、仲間との絆を語り聞かせるのは大事だけど、
組織としての考えも描写してくれないとただの「お友達ごっこ」みたいな甘っちょろさばかり目についてしまう
せめてフリーが酒を飲んでいるときに局長とのそういった会話を回想してみせるとかあれば……

ハードな世界観なのに、やけにヒロインには甘い展開ばかりなのはどうなんだろう?と
未だに「災いの子」と呼ばれた経緯や村で爪弾きにされたような描写も無いのもファッショントラウマみたいな上っ面感が漂ってしまう
回想が多い割に村での境遇が描かれないせいで、災いの子ってのもヴェロニカに執着するのもどことなく上滑りしてる
「世界はマーリヤに厳しいけど、仲間の優しさが守ってくれる」みたいなのを表現するにはマーリヤ自身の苦境の描写が薄いな、と

今後の伏線については素直に楽しみ
列車襲撃によって、自身に向いていた反乱の疑いを逸しつつフラタニルを入手したディーゼと、戦争準備を進めるビーヴィーの動きはワクワクする
恐らくそれを阻止するためだろう親書を託すレイ・ドーンや動きが活発になったウルフランらアーケイムも次で何かしてくれそう

あとは純粋に悪い点
以前にも言ったけど挿入歌が本当に要らない
普段は使い回しのインストなのに突然挿入歌が入ってこられても笑うしかない
戦闘中のハードな曲はまだ問題ないんだけど、今回みたいなしっとりした展開にボーカル曲をいきなり出されても困惑してしまう
「一話につき一曲音楽を売りつけるノルマでもあるの?」みたいなやっつけ感すらある
挿入歌は、全編ボーカルのアニメでも無い限りは「物語の大きな山場」を演出するためのものでないと効果が薄い
それを、本作みたいに「大事なシーンはとりあえず全部ボーカル入れる」みたいなことをされると
「あ、ここで泣けってこと?はいはい泣く泣くー」みたいに受け取ってしまうし、白けてくる
こう言っては悪いが、最近はボーカルが流れるたびに失笑してしまい、画面のストーリーが頭に入らなくなってきている
BGMが邪魔で何度も見直すのはいい加減不毛すぎる
音楽集団を名乗るくせに音楽を効果的に使う方法を理解してないの?という感じ
曲単体でいくら良くても、やってることはあくまでもアニメの演出の一環なわけで、雰囲気を崩すような曲を流すくらいなら全編BGM無しでいい
だんだん不快になってきたので音楽の評価を更に下げておいた

次回は戦争が始まりそうで結構楽しみ
シナリオはどうせ1クール時点では尻すぼみで終わるだろうし、
せめて画面で市街地戦を行って、派手で分かりやすいバトルをしてくれると良いかな
{/netabare}


11話視聴
{netabare}いよいよハイブランツ公の反乱が始まり、ビーヴィー・ネイン局長・フリーが妖精武器を持ち戦争に突入、と盛り上がりのピーク…のはず
なのにその実態は、描写の大半が陽動で戦闘も散発的なために状況から読み取れる緊迫感が画面から感じられないガッカリ感のほうが強かった
オマケに「カッコつけたいだけのシーン」のために局長が人外じみた動きをするために、リアル調の雰囲気が逆に損なわれてしまっている

これまでの事件がハイブランツ公の思惑によるもので、暴走事件により戦力となる人工妖精を削ぎ、
妖精武器フラタニルを襲撃によって所在不明にしつつ奪うという計画的な動きがこの回で明言される
この辺は今まで見ていた視聴者への答え合わせでしかないからとくに言うことはないかな、くらい
そこから局長がアリアドラを持ち出し戦場に向かうまでは普通にワクワクした

ただ、これ以降の展開があまりにも酷くて正直視聴を止めるか迷ったレベル

ハイブランツ側はアーケイムから供与された人工妖精を防衛戦力に公都ハプシュタットに立て籠もっている
そこに局長が参戦し、妖精武器を手に敵を薙ぎ払っていく…とそれ自体は構わない
ただ、局長の動きがあまりにもあんまりじゃないかと
七騎士とも呼ばれるだけあって人工妖精がいくらいようが障害にならない、というのは分かる
妖精の天敵である妖精武器であれば(なんで装甲を切れるかは謎だが)人工妖精を簡単に切り裂ける、というのも妖精武器の強さを端的に示していて面白い
ただ、それと銃撃の中を単騎突撃できることは別だろうと
「単騎であることを活かして敵陣地に潜入、撹乱して同士討ちを誘って銃を封じる」、とかなら分かる
でも「単騎で突撃して銃弾は一切当たらず敵をとにかく薙ぎ払う」なんてどこの無双ゲーかと
ここまで散々陰謀だの動員戦力数だの地に足ついた会話をしておいて、戦闘になったら途端に作品が変わったように無双されるとむしろ白ける
しかも敵のど真ん中で一人きりなのに、人工妖精の操縦者一人潰しただけで
「投降しろ!→全員投降」はあまりにもお粗末すぎないか?なんで銃を全員捨てるんだと
「局長カッコイー!デキる女ー!」やりたいだけで展開を考える力が無さすぎじゃないかと

そこから場面が変わり首都防衛戦
市街地を進行するビーヴィー一行は各所に陽動部隊を配置して宮殿を目指す
ドロテアは局長ら不在のため、実働隊員が査察から帰還した4名しかいないなか防衛戦に参戦することになる
ここで何より気になったのがフリーの持つベロスティール
局長と同じく人工妖精に覿面のためバッサバッサと薙ぎ倒す…んだけど、やっぱなんかこう舐めプ感がある動きをするなあ、と
というか敵が陽動部隊の人工妖精少数のため、イマイチ妖精武器を持ち出したことへのインパクトが無いというか
腰に帯びたベロスティールを見た瞬間は「どんな見せ場が待ってるんだろう…?」とワクワクしたのに、やったことは雑魚処理一戦だけ
そんな一回ぽっちの前哨戦で早々と披露した挙げ句、「ベロスティールだ!すごい!」って適当に持ち上げられても肩透かしにしかならない
結局ベロスティールに関しては見せ場なし、ビーヴィーに関してはただの口笛おじさんにジョブチェンジして11話終了という消化不良

というかこの脚本、執拗なまでに盛り上がりを外すことばかりに力を注いでいるんだけどなにを考えているんだろう……
レイ・ドーンの親書が間に合わず反乱を許してしまう、という展開自体に不満があるわけではない
ただ、その流れと以降の展開に対して1ミリも親書が役に立たない死に設定同然になっているのが問題
「レイ・ドーンはじつはいい人なんだよ~」をやりたいんだろうけど、これじゃあまりにも遅きに失した感が強くて無能にしか思えない
加えて今回の反乱全体
ハイブランツ公領の独立→鎮圧戦(陽動)
首都市街地襲撃(陽動)
宮殿東門・西門襲撃(陽動)
宮殿大天門襲撃(本命、12話に続く)
と起こった戦闘の大半が陽動で、規模も散発的なレベルで練度が低い
戦略的な意味で言えば防衛戦力を段階的に削ぎつつ本命への攻撃を確実にする、と面白いし理解できる行動をとっている
ただ、アニメ的な意味で言えば今回は1クール最終話直前の一番の盛り上がりなわけで、そんななかで地味な陽動ばかり描写してどうするんだ?と
これが6話くらいで、ここから盛り上がりをかけていくならワクワク感があるけど、最終回直前でしかも前回が溜め回となるとガッカリ感のほうが強い
2クール目は10月からなのに、1クールをとことん地味なまま盛り上がりを作ろうとしないのは見ていてあまりにもしんどかった

あと、あの口笛おじさん本当にどうにかならないのかな…?
またもや挿入歌に失笑することになるとは思わなかった
ビーヴィーが口笛を吹くシーンを印象的に見せようとしたんだろうけど、そもそも口笛吹くキャラじゃないじゃん?っていう
吹くにしても列車襲撃前の静かなシーンとか、もっとそれらしい場面はあっただろうと
そういう場面的な問題を別にしたとしても、今回の挿入歌が口笛を前提にメロディを作られているせいで、メロディが単調すぎて盛り上がりに欠けている
これはさすがにあんまりだろうと……
そもそも演出として口笛がキャラとも場面とも合わない上に、口笛合わせの音楽のせいで挿入歌まで陳腐になるなんて絶望しか無い
前回はハードな曲は問題ないと評したけど、今回のせいでその評価すら覆ってしまいそう

というわけで今回は前回望んでいた戦闘面のインパクトすら感じられず完全に肩透かしの回だった
次回が恐らく最終話だけど、きっとゼスキア崩壊の雑な鬱エンドを狙ってるんだろうな、と
当初抱いていた期待は完全に地に落ちたので、エガオスイッチを導入して驚きのハッピーエンドを迎える超展開を期待してる
{/netabare}


12話視聴
{netabare}ドロテア組vsビーヴィーの戦闘シーンはこのアニメ通しても最高に面白かった回
一人の強敵を相手に仲間と協力して戦う様子や、あくまで戦乱にこだわるビーヴィーと鎮圧任務に徹するフリーの立場も明確になっていた
正直このくらいの戦闘が中盤にあったならば手放しで褒められる作品になったんじゃないかってくらい見せ場としてよくできていた
11話の口笛おじさんも口笛止めてくれたり、武器を盾にして銃弾を防いだり多少はマシな演出になってくれたのも高評価

ただ、それらを除けばあとはツッコミどころまみれの投げっぱなしエンドという印象
ビーヴィーに殺されたオズを思い、仇を取る思いからも奮起するドロテア一行…という一見熱い展開
ただ、以前も触れたけどオズってアニメ中じゃ無言で酒飲み続けたシーンと、マーリヤの帰り際に挨拶を交わしたシーンしか交流が描かれて無い
そんな人物の仇討ち云々言われても、気持ちはわかるけどなんとなく上滑りしてる感じがしてしまう
言っては悪いがお涙頂戴の安易な舞台装置にすらならないただの踏み台と言った印象で、死んだオズは良いように利用されてるなとすら思う

次いで戦闘シーンでのジェットとの回想
一言で言うと「知らんわ!」
ジェットが大事な戦友なのは2話の回想の時点でわかっているし、そいつから託されたのも分かっている
でも、「前に進め」とかなんとか、作中で描かれていない過去をさも名シーンかのようにフラッシュバックされても唐突な感すらある
描かれていない過去を唐突に戦闘中に振り返って、描かれていない人物との絆がさも力を与えてくれるようなシーンを作るなんて何を考えているのかと
これが中盤なら、この戦闘を経てジェットとの過去を描くなりして掘り下げもできるけど、今回最終話だろうと
掘り下げができないタイミングでよく知らない人物との過去の絆を持ち出されても、見てる側は「いや、そんなシーン知らんし」としか言えない
過去がキチンと描かれているなら間違いなく名シーンになったと確信できる場面なのに、これまでの積み上げが足りなすぎて半端な演出になっている

あとはやはりレイ・ドーンとシュヴァルツ・ディーゼ
レイ・ドーンが妖精武器を持ち出していた事からこの二人が戦うのは予想がついていた
ただ、時系列的にレイ・ドーンがあの場にいるのはかなり無理があるし、そもそも戦闘をアッサリ片付ける意味はあるのか?と
というかせっかく奪ったフラタニルに活躍の機会を与えないのはどう考えても演出として意味がなさすぎるだろうと
「簒奪者を自認するからこそ、皇帝を我がものとしたサイダルの騎士ガーランバトルの所持した武器を使う」みたいな意味合いだろうけど、
そんなオサレ感だすんじゃなく実際的な意味を見せるべきだろうと

あとはなんと言ってもマーリヤ
「戦うのは怖い~」とか独白したかと思えば敵を見れば豹変して「かたきを討たないと~」って……
ビャクレー行って自分を見つめ直した意味あるか?ってくらい情緒不安定にも程がある
あそこで感情に揺さぶられながらも自制心を持つような葛藤を見せれば成長が見えるのに、なぜか1話の頃の感情重視の自分に逆戻り
正直オズが死ぬ前の仕事連呼してた頃のほうがマシだったし、オズの死は成長要素にもならず無駄でしか無い
というか2話で自分が危険なのにウルフランを撃つのを躊躇う性格だったのが、怒りに任せてヘッドショット狙いに行くって滅茶苦茶すぎるだろうと
ヴェロニカに対すること以外成長しないってことですかそうですか……

挿入歌に関しては今回は(目立たないので)言うことなし
口笛おじさんにジョブチェンジすることも無かったので大満足
というか口笛を吹かないなら最初から吹かない方向で統一しろよ、と改めて感じた程度

総評としては「戦闘以外は最終話として落第点」といったところ
3話でアクセルと接触した理由が明かされていないからビーヴィーは生存
ヴェロニカ関連が2クールに回されたのでシュヴァルツ・ディーゼは話の整理のため1クールのうちに死亡
妖精武器の封印が解かれていたのでレイ・ドーンがシュヴァルツ・ディーゼを討ちにいく
戦場が分断していてドラマを作りづらいのでドロテア陣営は全員生存
こういった予想がことごとくそのまま当たってしまう平凡なシナリオだったな、という感じ
とは言え「全部レイ・ドーンがなんとかしてくれました!」みたいなヤケっぱちなエガオノダイカパターンに入るとは思わなかった
ここで皇帝が殺害されてディーゼが倒れて、ゼスキアがさらなる動乱期を迎えるようなハッキリとした「引き」があるとばかり思っていた
まさか2クール目への引きも作らず、無理矢理ハッピーエンドからの朝日を拝んで終了!なんてB級映画みたいなオチになるとは…
展開的には予想を超えず、オチはざっくり纏まるような小ぶりにすぎる最終回だったなあ
{/netabare}


疑問・違和感まとめ
{netabare}とりあえず1クール終了時点で積み上がった疑問等について
シナリオ上に残った今後の謎ではなく、現時点の描写における疑問

妖精兵の身体能力
作中ヴェロニカやネイン局長、ビーヴィーなど人間離れした動きをするキャラが多かった
もちろんアニメだから大げさな動きで魅せるのは大事だけど、「お前もはや妖精いらんやろ!」みたいな動きが多い
連携に特化したヴェロニカはともかく、妖精を出していないネイン局長、別々に戦うビーヴィーに関しては妖精の特異性を霞ませるだけになっているんだが…
「本物の妖精兵は一騎当千と思え」というフリーの台詞は練度のことを指しているのか、この人間離れした動きを指しているのか
仮に妖精兵になると身体能力が上がるならそれはそれで説明が入るべきだろうし、やはり違和感がある

妖精兵のダメージフィードバック
マーリヤはアホほど痛みを感じて、ともすると自分の肉体以上に妖精の痛みに引きずられてしまっている
フリーは気絶こそしないものの、割と敏感に痛みを感じている様子がある
ところが敵になるとマーリヤの妖精が直接体を燃やすような大きな損傷を受けないと痛みを見せない
我慢してるだけ?キャラによってそのあたりにバラツキがありすぎる
マーリヤに関しては妖精憑きのため、直接人間に取り憑いた分敏感なのかな?とも思うが、他については説明がつかない
演出面で戦闘バランスをとって勝敗を決めるためのファッション要素かな?

兵器運用
大戦時代のレドラット王国では大砲を使っていたにもかかわらず、統一後はハプシュタット鎮圧でも首都防衛でも大砲は使われなかった
それどころか爆弾も敵専用の兵器となっており、いくら平和とはいえ兵器運用のノウハウが10年足らずで衰え過ぎかな、と
新型人工妖精を開発する程度には兵器開発にも力を注いでいるはずなのに、その様子が見えず傭兵団にも劣るのはどうなんだろう
兵士の質は(ありえないレベルとはいえ)練度の差と思えば見ないふりもできるけど、兵器については明らかにおかしい

その他技術
車が蒸気を上げていたところを見るに、電気技術は発達していないと思われる
ではこの時代の通信技術は何が用いられているのか?
フリーらがカルオーの査察を行っているタイミングとシュヴァルツ・ディーゼがハプシュタットにいるタイミングがほぼ同時期
その後レイ・ドーンから親書を預かり帰還、というタイミングでハイブランツの反乱が発生する
いつ、どうやって首都ロンダキアはそれを察知した?
統一ゼスキアはもともと小国をまとめて出来上がった
もとがいかに小国とはいえ、各公都と帝国首都との距離は日本の尺度で県を跨ぐような距離では済まないはず
まして技術の拙い時代の移動手段では情報伝達にかなりの時間がかかる
そういう諸々を説明できる要素がないまま反乱~鎮圧までが終了してしまった
レイ・ドーンについても、フリーらが帰途についたあとに妖精武器を持ち出し、列車に乗り首都に向かうなど時間的に可能なのか?
反乱を起こす日時が予めウルフランから伝わっていたとしても、あのタイミングで首都に到着するには障害が多すぎる気がする

各回想について
各話に回想を入れることで過去に起こった出来事が断片的に分かるようになっている
実際、フリーとウルフランについては「現在所属する組織に入った動機」はともかく、「どのような事件を経て今に至るのか」は分かってきた
ただ、マーリヤとヴェロニカについては正直分からないことしかない
もちろん2クール目にて描かれるはずだけど、それにしても不足する描写は多い
災いの子とはなにか?どのような扱いを受けたのか?ヴェロニカはそれをどうして受け入れたのか?
逃げ延びたあとのマーリヤはどこでビャクレーとの伝手を得たのか?
ビャクレーは違法行為をしないと自認しながらなぜグイ・カーリンにコネがあるのか?
逃げ延びたあとのヴェロニカはどこで服を揃え、どこで銃を調達し、どうして釈放されたのか?
わからないまま「私は災の子」だの「全部奪われた」だの言われても……と思っていたら、そのまま1クール終わって呆然としてる
ヴェロニカについては2クールにて明かされるだろうけど、マーリヤは説明した気になって放置されそう
そしてなによりビター・スウィート
黒の妖精書を集める理由なんだろうけど、なんで意味もなく過去の父親との会話を回想した?
あれについては全話数のどこにもつながらないまま宙に浮いているんだけど、どうしてCパートに入れた?
あのシーンをドロテアの突入準備を描く時間に当ててくれればと未だに思わずにはいられない

フラタニルの存在価値
結局活躍しないまま終わったフラタニルは、(シュヴァルツ・ディーゼの作戦はともかく)アニメ的にはどうしたかったのか?
12話視聴の感想にてその考察はしたものの、やはり意味は薄い…というか最終話の演出として不十分すぎる
「レイ・ドーンすげえ!」をやるためにフラタニルを出したのかもだけど、その場合列車襲撃にてフリーがボロ負けしたため効果が小さい
というかあの列車襲撃時点でフラタニルを使った理由全く無かったのはどういうこと?
最終話にてフリーがヴェロスティールを持ってビーヴィーと渡り合っていたけど、ならやはり普段の双剣で良かったんじゃないの?
ヴェロスティールと妖精が対峙したのは上に駆け上がってひと刺ししたところだけ
しかもビーヴィーには痛痒すら感じさせられていないまま、あとはビーヴィー相手に切り合いをしただけ
フラタニルは負け戦専用兵器ってこと?完全に存在価値が無いんだけど…
オズを殺すために事件を用意したい、で適当にフラタニルを表に出したものの、結局脚本で扱いきれず持て余した感が大きい
あるいはこれも(最後ブツ切りだったから)2クール目にてレイ・ドーンが持ち出したりするのか?
一応そのパターンでも色々想像はできるけど、その場合フラタニルに見せ場がないままキーアイテムになるのは半端すぎるかなと
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

気長にいきまっしょい

オリジナルアニメ。分割2クールの前半12話分。


24年前勃発の“統一戦争”が終結し10年後の世界。リアルでも新兵器が戦術の発展に寄与してきた歴史がありますが、こちらの世界でそれに該当するのが「妖精の力を宿した妖精兵」なる人体兵器とのことです。
戦争が終わればコストのかかる兵器は適切な量を維持したまま徹底した保管管理が求められます。ご多分に漏れず平和な世界での妖精兵はいろいろストッパーがかけられてました。人が兵器であるということからも帰還兵のPTSDやら退役軍人の再就職などの問題も絡んできそう。ここらへんを期待しての視聴開始です。
ざっくり感想でいえば、ファンタジー世界ながらある程度、“大戦後10年経過した世界”に相応の説得力は感じられる仕様にはなっておりました。


そして世界観と設定。これは作りこまれてるのではないかと思います。
妖精は意思を持つとかスタンドアローンで何かするという描写が今のところはなく、宿主のスキルといった扱い。個々に名前や性能の違いもある模様。
このテの戦記ものはキャラが無限増殖する傾向にあって覚えきれないものです。地勢や諸国間の力関係であったり、登場人物の相関などは12話終わった時点では残念ながらふわっとしています。

P.A.WORKS製作とあって作画は期待通りで、音楽もかっこいい。
が、実は序盤の戦闘シーンの劇伴が自分にはしっくりきませんでした。エッジ利かせたギターのリフなんてめちゃくちゃ好みなんですけどね。これってどういうことかというと、実写映画『ワイルド・スピード』のカーバトルやってる時のノリの音なんです。本作に於いては、場を固定した剣でのつばぜり合いをやってる画と時速○○km/hの疾走感を強調したい音とが喧嘩している感じ。
しっくりこないのは劇伴だけではなく、後半の戦闘シーンでもなんかへんなところがありました。{netabare}例えば第11話の無能な衛兵隊。いくらなんでもゆっくり歩いてる相手には一発くらいあてなさいよ。{/netabare}
バトル作画は自分的にはOKです。そしてこの作品はおそらく人間ドラマで魅せたい作品なんだろうな、今後そんな展開してくんだろうなと思ってます。


分割2クールという形を取っており、あにこれではいったん区切るルールのようですので暫定でも『観終わった』にせざるを得ないのですが、まだ評価する段階ではないでしょう。今言えることは後半も観るつもりだということでしょうか。まだ途中ながら、完結してから一気に鑑賞するのに適しているかもしれません。前半が冗長気味です。
というのも12話終了時点で、何が起こっているかの説明はあります。しかし誰が何をしようとしているのかの説明が薄い。行動原理が不明なため人名や組織名・国名が覚えられません。だいたい理由や背景と相関づけて覚えますからね。
このへんはベテランラノベ作家ながらシリーズ構成・脚本は初という十文字青氏の経験不足によるものかもしれません。3か月期間をおいての巻き返しに期待します。


ここまで苦言めいたことを述べてきましたが全体の印象は真逆で、はっきりいって世界観は好物ですし、シリアスではNGと思われるご都合過ぎる展開も抑えめです。萌え抜きキャラデザインも見てて安心感があり、OPEDも作品世界にマッチし、しかもかっこいいです。
繰り返しになりますが、行動原理の説明がないことが致命的なだけです(笑) 
妖精兵は一騎当千の設定ですのであまり場面はないのですがモブをなぎ倒す“妖精兵”“七騎士”の無双ぶりなど、横山光輝『三国志』の橋の上の趙雲が好きな人とかには合ってそう。

とりあえず様子見。あとは後半に向けての自分用メモ



■いろいろ整理する時
登場人物多めの作品でメモること二点
・時系列おさえとく
 →統歴○○年と出てたのは親切でした
・人は所属組織と国で覚えとく
 →ドロテアの人は最低限覚えられるはず
・あわよくば国の位置関係
 →これはちょっとわからんかった
※あとはフリーとウルフの元同僚組、マーリヤとヴェロニカの幼馴染組を注視しとく


■登場人物一覧

{netabare}マーリヤ・ノエル(CV市ノ瀬加那)妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する違法妖精取締機関「ドロテア」に配属されたばかりの新入隊員。所有する妖精は、「アッシュクラッド」
フリー・アンダーバー(CV前野智昭)「ドロテア」第一部隊隊長代理。所有する妖精は、「レッドフッド」
ヴェロニカ・ソーン(CV福原綾香)マーリヤと同郷の暗殺者。所有する妖精は、「ブラッドドーター」
ウルフラン・ロウ(CV細谷佳正)フリーの元同僚のテロリスト。所有する妖精は、「フィッチャー」
[ドロテア]
クラーラ・キセナリア(CV諏訪彩花)「ドロテア」第一部隊隊員。所有する妖精は、「トメリーズ」
セルジュ・トーヴァ(CV中島ヨシキ)「ドロテア」第一部隊隊員。所有する妖精は、「ブリンツテイル」
ネイン・アウラー(CV園崎未恵)「ドロテア」局長 兼 第一部隊隊長。所有する妖精は、「モルズニーク」
リリー・ハイネマン(CV種﨑敦美)「ドロテア」第三部隊隊長。
ロバート・チェイス(CV沖野晃司)
オズ・メア(CV間宮康弘)所有する妖精は、「エアレー」
[妖精学者]
ダミアン・カルメ(CV子安武人)
カイン・ディスタロル(CV麦人)
[マフィア]
アクセル・ラブー(CV川田紳司)所有する妖精は、「ピリーウィギン」
“スウィーティー”ビター・スウィート(CV寿美菜子)所有する妖精は、「スクライカー」
[統一ゼスキア]
マルコ・ベルウッド(CV大塚芳忠)
グリフ・マーサー(CV津田健次郎)
レイ・ドーン(CV津田英三)所有する妖精は、「スローンテイカー」
[その他]
エレノア・ニード(CV小松未可子)
パトリシア・パール(CV井口裕香)
ジョナサン・パスピエール(CV興津和幸)
ビーヴィー・リスカー(CV江川央生)
ソフィー(CV伊藤静)
シュヴァルツ・ディーゼ(CV土師孝也)
ジェット・グレイヴ(CV東地宏樹)
ユアン・ブリーズ(CV乃村健次)所有する妖精は、「ノルカ」{/netabare}



視聴時期:2019年4月~2019年6月

-----
2020.02.05 追記

2クール完走後追記。3か月空くと全く分からなくなる恐れあり。


2019.06.29 初稿
2020.02.05 追記
2020.07.27 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 50

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

かつて妖精は兵器だった

序盤 あれどっかで

中盤 なんかなぁ

終盤 おお

この話は妖精を兵器として使った戦争の後の話
ジャンルは戦争・バトル・妖精・ファンタジー
妖精らしい妖精はあまり出てきません。サブタイトルがかっこよすぎです。「かつて妖精は兵器だった」これは私の好きな展開になるのでは?と思ったら...
まぁ期待外れもいいとこですよ。確かに妖精は出てきますが、基本は「終戦後の微妙な緊張感やまだ終わらない闘い」をメインに描いたものでした。荒廃した都市で何を考えるのか、とかではなく現時点で起こっている問題を解決する、いわば警察みたいなことをしている主人公たちです。そして肝心な妖精がどっかで見たことあるような感じです。そのうち「ザ・ワールド!」とか叫びそうですねw
しかし、この作品だって褒めるとこはあります。世界背景(設定)は好きです。荒廃した都市は出てきませんが、戦争の残骸は出てきます。それを見て何を感じるのか、何を思い出すのか。
そして主人公たちの考え方が面白いです。ある少女は周りがどんどん死ぬことを「私が不幸な人間のせいで」、と捉えた。ある男は自分だけが助かって生き残ることを「自分が幸運のおかげ」と捉えた。同じことのはずなのに、こんなにも見方が変えれるのはかなり面白いですよね。男のほうは冷酷な奴なのか、と言われればそれは違いますね。彼は彼なりに言い訳を作って逃れてるだけなのです。その受け入れがたい、直視できない現実から目を背け、理由をつくり自分を保とうとしてるだけなのです。これは人間模様がでますよね。そういうとこも確認しながら視聴を。

監督は鈴木健一さん。はたらく細胞の監督をされた方ですね
シリーズ構成は十文字青さん。テレビアニメのシリーズ構成は初だそうです
キャラデザは清水貴子さん。ジョジョや創聖のアクエリオンEVOLのキャラデザをされた方ですね
劇伴は(K)NoW_NAMEさん。灰と幻想のグリムガルの劇伴やopedを担当した方たちですね
アニメ制作はP.A.WORKSさん。安心安全の会社ですね

作画は普通。妖精は3DCGでしたがその他は丁寧でしたし、妖精のモデルも丁寧な印象でした。戦闘シーンも細かく良かったです
opは(K)NoW_NAMEさんの「KNOCK on the CORE」結構好きです
edもおなじく(K)NoW_NAMEさんの「STILL STANDING」
声優さんは市ノ瀬加那さんをはじめとする前野智昭さんや細谷佳正さんなどの演技が良かったです。役にあっているなと感じました

総合評価 まぁテーマ負けかな。でも面白くないわけではない

投稿 : 2024/05/18
♥ : 15

70.7 22 復讐で仲間なアニメランキング22位
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (280)
920人が棚に入れました
『モブからだって、成り上がってやる――。』 とある剣と魔法の“乙女ゲー”世界に転生した社会人・ リオン。そこは超女尊男卑な世界で、例外はゲーム内で攻略対象だった王太子率いるイケメン軍団のみ。 しかし、虐げられ絶望するリオンにはある一つの武器があった。それは前世で妹に無理矢理攻略させられていたこのゲームの「知識」。 モブとして田舎でのんびり過ごすことを目標にしていたリオンだったが、ゲームの知識を使い、やりたい放題の女たちとイケメン軍団に図らずも反旗を翻してしまうのだった――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

10話 惜しかったなあ…ダレましたね。一度断念であとで一気見するかも

1話 2022年春、初の1話切りかなあ。 

{netabare} 当たりはずれは3話まで見ないと分からない。だからなるべく3話までは見よう、2022年冬のシーズンで決心しました。が、すみません、ロボットのシーンで心が折れて、宝物の絵で心が死にました。

 私のただでさえ優秀でない頭が本当のバカになりそうな気がしてきました。中世から近世の世界観かと思ってたら、ロボットが出てきて、最後の制服は日本の学園もの…うーん。

 まあせっかく決めた1話切りはしないというポリシーなので2話は見ます。見ますけど…

 言い忘れてました。乙女ゲーってとは一体???乙女に転生するんじゃないんかい。{/netabare}

2話 アレアレ?結構面白いです。壁や床の模様が無駄にレベルが高い。

{netabare}  1話目じゃなくて2話目から始めれば結構面白かったのに…1話目がゴチャゴチャして過小評価だったでしょうか。1話切りしなくてよかったかも。
 話の展開はテンプレに近いですけど、キャラの配置が良くて結構面白いです。キャラが良く動いていました。
 科学技術じゃなくて妖精とか魔法技術でなんとか世界観を統一できなかったんでしょうか。それとも科学でなにか面白いことをするんでしょうか。
 
 壁の大理石模様とか花柄、教壇の木目とかテーブルクロスとか床の柄が人物に対して無駄に無駄に凝ってました。テクスチャなんでしょうか。
 しかも、お茶会の後の混乱を表したのか、テーブルクロスの柄がずれていましたね。がんばってますね。好感がもてます。新技術??

 人物も、男、しかもサブキャラのデザイン凝ってるのに主人公が一番適当なのも演出なんでしょうか。それに女の子がもうちょっと…なんか、画面作りの方向性が逆逆にいっているのはワザとなんでしょうか???モブだから演出として??

冷静に1話を見返して、SFとして見ると旧人類VS新人類の過去の因縁が魔法VSロボット科学文明になっているので、実は奥が深い?貴族世界も結構緻密に設定されている?
 ただなあ…どっちなんでしょう。深い世界観の良作かいろんな設定をかき集めた駄作か…よくわかりません。
 ただ、視聴せざるをえないですね。{/netabare}



3話 今期覇権?いや、この1年で見たなかではかなり秀逸な方です。

{netabare} 1話見たときは、1話切りか?と思いましたが、いや面白いです。決して皮肉やちょっと奇をてらって、という意見ではありません。本気で面白くなってきました。今期、ビッグネームが期待外れでがっかりしていましたがダークホースは本作ですね。覇権といってもいいかもしれません。

 現実世界のキャラが主要キャラとして置かれていて、しかも異性サイドです。そのキャラに物語を引っかきまわされるというのが今まであるようでないですよね。新鮮です。

 非常にキャラの動きが工夫された作品です。貴族の女性上位、結婚相手を見付けないとひどい人生になる、という設定と合わさって、しかもアンジェリカ様が孤立して…という設定を活かした個々の人間の動きが自然だし、ストーリーの展開が活き活きしています。
(一例をあげると図書館のシーンからの流れで決闘の代理人を引き受ける流れですよね。主人公の立場として感情として堪忍袋の緒が切れるプロセスに説得力があります。同時にヒロインが孤立する展開も、ライバル少女の男を篭絡するゲスさも、うまく描けていたと思います)

 ロボット設定でずっこけて脱力にもなりますが、感情移入すると自然に感じてきます。冷静に考えれば普通の作品が魔法とかチートスキルで語っている部分をロボットで表現しているだけなので、うまい発想なのかもしれません。

 キャラ、設定、ストーリー展開がいい上にテンポがいいです。同じ乙女ゲームで「はめふら(1期)」に匹敵するくらい面白いかも。いや面白さだけなら「はめふら」以上かもしれません。「このすば」ほどの爆発力までには至ってないですけど。

 ただ、作画ですよね。アンジェリカ様の頭のお団子の周囲は編み込んだ髪の毛でまとめているというのがやりたいんでしょうけど、XXXXXだったり/////という感じで超適当です。
 主人公が寝ているときに顔がまっ茶色なのは影の3D処理が間違ったんでしょう。
 ただ、編み込みと言えばバイオレットエヴァ―ガーデンですけど、あんな作画でされると場違いでこまりますけど。設定がクソゲーということでそれを狙ったのならすごいです。

 とにかく韓国?のアニメータがずらりと並んでいます。今中国の外注はかなりレベルが上がってきていますが…うーん。でも、作画はやっぱり面白さには関係ないですね。これは物語の秀逸さが光る作品なので、この作画ですら面白いのは大したものです。 {/netabare}


10話 惜しかったなあ…ダレましたね。

 期待したんですが、2~4話くらいまでのパワーがどんどんなくなっている気がします。
 レースのところがロボットバトルの繰り返しみたいなのと、あの喫茶店からリビアのうだうだした身分問題が正直面白くないです。ぶっとんだひねくれた俺TUEEEが面白いのに、シリアスいれちゃいましたね。いや、たまにシリアス入るのはいいですが、とにかくペースダウンが著しい感じです。

 正直9話10話は見るのが苦痛なくらいつまらなかったです。かなり面白かったのに、残念です。ひょっとしたら一気見向きなのかもしれませんので、終わったらチェックしますが、一旦断念です。

 なお、作画は背景の3Dが面白いので3.5にしますが、人物は駄目です。
キャラも初めは乗れたので3.5ですが、後半だけなら2.0か2.5でしょうね。声優、音楽は評価しません。ストーリーは…後ろが悪いのは印象悪いので、2.0ですね。







 

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

いつもの、よくある、異世界ものとちょっと違いましたw

原作未読 全12話 

前世の記憶を思い出したら、クリアした女尊男卑の乙女ゲームの中にモブとして転生したことが分かりました。そこからゲームの知識を駆使して様々な苦難を乗り越えていくお話です。

主人公は捻くれた性格で自分はモブだと開き直っているところ面白かったですね。

イケメンVSモブの図式も面白かったです。

逆にモブだと自覚が本来のヒロインを苦しめることになりましたが、最後はいい関係になって良かったです。

女性キャラの目のデザインがちょっと苦手でした。

作画は褒められたところはありませんが、お話は面白かったですね。

OPは伊東歌詞太郎さん、EDは安月名莉子さんが歌っています。

最後に、はめふらとは全然関係がありませんw

投稿 : 2024/05/18
♥ : 19
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

極めれば モブもゲスもが あら不思議 魅力溢れる 創作世界

通称:モブせか 1クール全12話

{netabare}
 ラノベ書籍、コミカライズ共に愛読中の原作ファンの一人として期待値高めの作品。
 但し初めて原作を読み始めた時、実は本作の主人公と世界設定には全く魅力を感じなかった。しかし読み進むうちに、主人公の煽り台詞の秀逸さに魅力を感じ始めた。

 さらに転スラで例えると、リムルと大賢者のコンビネーションの妙が逆張りの形で本作の主人公とその相棒となる存在にあって、主人公の最強さと人間味のバランスが巧く保たれる要因になる。

 そして腐れ縁や因果応報による可笑しさがスパイスとなり、魔法と失われたとされるチートな科学技術の共存の魅力もあり、単なるテンプレに収まらない独自の世界設定と筆者の人間理解力から生まれるユーモアのセンスで作品に嵌まっていった。

 それらをアニメでもうまく再現されれば、と思う。

 平和ボケから卒業すべき、本来ならアニメどころではない只今。国連が機能不全に陥り、世界の平和秩序が脅かされているご時勢ではあるが、今はまだ平和な日本に生きていられることを感謝して、本作は原作ファンとしてできるだけ最後まで応援したい。
{/netabare}

❰原作既読視点の各話レビュー❱
{netabare}          (2022年 AT-X 初放送日時)
😒#1「俺はこの世界が嫌いだ」(4月3日 日曜 22:00 - 22:30)
  物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0
{netabare}
コミック第1巻[第1話「転生先は闇」第2話「決意の先に」第3話「地下の底に眠る物」]より

❬作画はともかく、キャスティングに魅力あり❭

 初回の作画は一部にショボさがあり、今後に不安が残る印象だった。だが、要所にベテラン声優起用の豪華感があって好印象。そのため、作品の魅力を引き出す鍵と言うべき主人公とその唯一無二の相棒の台詞の応酬の妙が、どこまで再現出来るか楽しみになった。

 主人公リオン役の大塚剛央は、まだ知名度低い印象。通常の格好いい主人公役には向きそうにないイケボでない声質。それがむしろモブポジションを主張する本作の主人公にはピッタリ。そしてその相棒となるルクシオン役に、ベテラン石田彰をキャスティング。非常に期待が持てる。石田彰は誰も認めるイケボ声優で、ガンダムSEEDのアスランなど、20代の頃は格好いい青年ヒーロー役が主だったが、50代も半ばとなった今、その長いキャリアで悪役含め幅広い役柄を見事に演じ分けている。モブ役も多数。キャリア6年目の大塚剛央はそんな大先輩との演技の絡みで本作で勉強して大いに脱皮するのだろうか。

 いい感じにアバンの4分で異世界転生への導入。テンポも程よく原作の魅力を再現してくれそう。次回も期待。ロックビートでテンション上がる楽曲によるOPもいい。
{/netabare}
😉#2「そこの彼女 お茶してかない?」(4月10日 日曜 22:00 - 22:30)
{netabare}
コミック第1巻[第4話「入学」第5話「日常。そして異変」], 第2巻[第6話「実力」]より

❬主要キャラ全員登場。入学した学園での人間関係が始まる❭

 既にイレギュラーの介入により本来のゲームストーリーは破壊され、改めて生まれる恋愛模様。モブのつもりの主人公リオン、本来のヒロインを無自覚に攻略し始める。今回のアニメのサブタイトルはそのヒロイン攻略の第一歩の台詞。それをサブタイトルに採用するとは脚本のセンスがなかなかいいと思う。

❬キャスティングに魅力あり 2❭

 市ノ瀬加那、ファイルーズあい、佐倉綾音の演じるヒロイン達が今回で勢揃い。誰しもが適材適所の印象だが、特に原作ファンの間で話が進むにつれ、人気投票でランク急上昇したマリエ役の佐倉綾音が巧い。そして主人公の社交の師匠となるルーカス先生役の超ベテランのイケボな速水 奨も。ルーカス先生は現状はまだモブっぽいが、原作では徐々に存在感が高まるキャラ。今回、注目のキャストは以上の二名となった。

 アニメでは、原作の新入生歓迎会や入学式のシーンなどはカット。今回は、アニメに落とし込むための原作の順序の入れ替えや簡略化が適切で、視てて安心感があった。次回、運命の悪戯でモブから物語の主人公に躍り出るリオン。物語は確実に大きく動き出すので楽しみ。

 作画に関しては、背景美術に力を入れてる点はポイント高いが、動画には相変わらず手抜き部分が散見するのは少し残念。
{/netabare}
😏#3「決闘しようぜ、王子様」(4月17日 日曜 22:00 - 22:30)
  作画 3.0→2.5
{netabare}
コミック第2巻[第7話「白い手袋」第8話「決闘前夜」]より

❬悪役令嬢は実は善人?そしてモブがヒーローになる!?❭

 今回のエピソードは原作読んでて急激に面白くなり始めた箇所。

 今まではこの世界でモブとして生きると割り切り、目立たないよう常識的な学園生活を送るリオン。周りの男子と同じくお茶会主催の社交で、世知辛くも婚活に勤しんできた彼に計らずも転機訪れる。

 構成に関しては原作尊重。テンポも無理なく丁寧で、結果として話の盛り上げ方も上手く好感触。ただ、全12話で区切りいいところまで進むために、今後どこかで原作カットか大幅アレンジもあり得そうな予感。

 リオンとルクシオンの台詞のキャッチボールも、徐々にその面白さが発揮されてきてた。

 作画は相変わらず低予算丸出し。せっかくの話の盛り上がりの足を引っ張っている感。そのため今回で作画評価は少し下げた。声優演技や脚本は安心だが、作画で次回のバトルアクションがどうなるか不安だ。
{/netabare}
😁#4「手加減してやってもいいかな?」(4月24日 日曜 22:00 - 22:30)
  作画 2.5→2.0
{netabare}
コミック第2巻[第9話「面倒くさいやつら」第10話「最高だね!」]より

❬傲慢(Arroganz)という名の鎧を纏うリオン。得意の煽りで大量ヘイト稼いで得るのは、悪評?それとも名声?❭

 作画が難易度高いバトル描写多出の今回ゆえ、制作の実力不足が前回以上に露呈しており非常にチープでちぐはぐな印象。さすがにこれでは作画、もう一段評価下げざるを得ない。納得の作画で格好いいバトルシーンを演出してもらえれば、対戦相手達へのリオンの罵詈雑言の嵐が逆にスカッと格好いい、とも思えただろう。しかし作画のせいで失笑含むとんだ茶番劇になってしまった。

 現状、アニメは4話でコミック原作の2巻まで消化で次回からは3巻突入。ゆえに現状の構成は丁寧。そこは個人的に評価出来る。しかし作画のみが作品の質を非常に下げている。残念だ。

 リオンは自分がどう思うとも、今回で完全にモブとは言えない存在になった。本人がモブとして目立たず悠々自適な人生を望もうとも、そうは問屋が卸さない。そんな神(原作者)のいたずらで翻弄される主人公。原作はそこが面白いのでアニメも最後まで見届けたい。
{/netabare}
😐#5「最高だね」(5月1日 日曜 22:00 - 22:30)
  物語 4.0→4.5
{netabare}
コミック第3巻[第11話「愛」第12話「愚か者たち」第13話「エピソードⅠ 前」第14話「エピソードⅠ 後」]より

❬諺「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は本当?❭

 勝って負け、負けて勝つ皮肉。キャラたちの運命は悲喜こもごもに流転する。

 決闘の圧倒的な勝利で、良くも悪くも名声上がったリオン。自身には悪評だけを望んだ彼。そのため学園生活と王国での出世を捨てる気で、忖度抜きに好き放題、王子とその取り巻き上級貴族たちをボコボコにした。不敬の断罪回避の根回しも成功。とは言え、全てが終わってみれば彼は敗北感で一杯。傍から見れば、極上ヒロイン二人の不動の信頼を得て、王国内の出世街道爆進中の絶好調の彼なのだが...。

 一方、マリエ。逆ハーレム達成の幸福の絶頂から不幸のどん底に。苦労して獲得した5つの金の卵が孵化したかと思えば、それは美形が取り柄だけの5人の穀潰しだった。

 リオンとマリエの運命は、因果応報が効いてて面白い。王子とその取り巻きたちは、リオンただ一人に無様に完敗。実家の怒りで廃嫡され地位も名誉も失った。だが、彼らは逆に貴族の柵から脱し、リオンへのリベンジの目標も得て、人生を謳歌し始めた。実は今回の騒動で一番幸福になったのが彼らというのも皮肉。本作は捻りが効いてる。

 ルクシオンは、リオンへのチート能力の提供のみならず、ツッコミ役として物語上必要不可欠になってきた。ルクシオンの存在無ければ、多くの視聴者はリオンの言霊の毒にあたりそう。

 今回はきれいにまとめて一つの区切りを迎えた。シリーズ構成、ここまではキャラの心情の描き方の丁寧さと話の簡略化のバランスが非常に上手く、原作の面白さを引き出すことに成功してると思う。堅実な脚本に敬意を表し、今回で物語評価を上げた。
{/netabare}
😍#6「学園祭って初めてなの」(5月8日 日曜 22:00 - 22:30)
{netabare}
コミック第3巻[第15話「女の友情は儚い」第16話「王妃様」]、第4巻[第17話「愛の告白」]より

❬ガチの悪役令嬢ステファニー参上で窮地?!そしてリオンは己れの本能に従う?❭

 新たなエピソードの導入回。今回は、大原さやか演じる王妃ミレーヌが主役?

 リオンとマリエの、それぞれを中心とした人間関係の万華鏡が彩り豊かに展開され面白い。前回迄とは趣変わり、今回はルクシオンの出番全くなし。その代わり、リオンへのツッコミ役はアンジェとリビアが担いちょっと新鮮だった。

 相変わらずツッコミ所満載でフリーダムなリオン。

 肝心のヒロインたちとは微妙に距離を置き、恋愛にヘタれかと思いきや、30代半ばの王妃と学園祭で初体面時、立場や年齢も無視してド直球にプロポーズ!結果、諸々の問題を煙に巻く。リオンは天才、そして天然ジゴロか?

 腹黒マリエ、実はお人好しで憎めない?憐れなる運命は彼女を追い詰める。

 5名の甲斐性無しボンボン美形男子たち、マリエは彼らを決して見捨てない。自分たちの食い扶持確保のための四苦八苦がスタート。その金儲けのアイデアは前世の経験か?
{/netabare}
😌#7「同じイケメン嫌い」(5月15日 日曜 22:00 - 22:30)
{netabare}
コミック第4巻[第18話「聖女のアイテム」第19話「クラリス先輩」、第20話「それぞれの自浄力」、第21話「亀裂」]より

 今回はサブタイトルに相応しく、リオンとダン先輩との交流がそれなりに描けていた。一応コミック4話分をアニメ1話に収めた形。だが、コミック第18話の内容はほとんどカット。その結果、カーラの依頼内容を謎のままにして、次回の引きに活かしたのはよかったかなと思う。

❬リオンは、自分に正直がモットーな英雄?それとも周りの評価通りの腹黒守銭奴?❭

 今回、マリエに惚れてジルクがクラリス先輩との婚約を一方的に破棄したことで傷付いたクラリスの心をリオンが救う、そしてお互いの行き違いからアンジェとリビアとの友人関係にひびが入り始めるという、比較的重く真面目なエピソードがメイン。話のまとめ方としては悪くないと思うが、作画の酷さのせいでいまいちパッとしない印象だった。

 今回の作画、下請けの力量のばらつきか?、統一感の欠如が酷い印象だった。アンジェvsステファニーのキャットファイトの止め画が妙に全体から浮いたり、特にレースシーンの諸々の動作に変な所が散見、と作画のチープさが際立ってしまって話に集中出来なかった。本作の残り話数は5話もあるので今回は保留するが、次回以降で再び作画評価を下げるかもしれない。

 このクオリティでは、円盤はあまり売れなさそう。しかし、海外での配信人気が好調らしく、原作ファンとしては続編が生まれる可能性が少しでもあるのはありがたい。
{/netabare}
😡#8「こっちも遊びじゃねえんだよ」(5月22日 日曜 22:00 - 22:30)
{netabare}
コミック第5巻[第22話「崩壊の前触れ」第23話「空族退治Ⅰ」第24話「空族退治Ⅱ」]より
(但し前回省略された第18話の一部内容も含む。また、第24話の内容は今回はその導入部のみ描写。)

❬リオンはモブから卒業するべき?❭

 空族退治依頼に込められたステファニーの奸計を、ルクシオン提供の圧倒的武力で見事に打破したリオン。だが彼は今回の件で、己の身勝手さに気付く。彼は無意識にゲームキャラとして周りの人間を軽んじていたようだ。結果、リビアを大切にするつもりが、逆にリビアを大いに傷つけてしまった。

 リビアは自信消失し孤立化。リオンとアンジェへの疑心暗鬼の悪循環は深まるばかり。

 明るい未来のためのゲーム攻略。そして3人がまた信頼で繋がるため、リビアの実力を引き出し自信を取り戻すため、空族との戦いはまだ続く。次回も期待。

 今回、作画は前回よりは少しマシな程度。脚本はなかなかいい。声優演技も良く、キャラの心情がしっかり描けて原作の面白さを再現していたと思う。
{/netabare}
😞#9「都合のいい女子ですから」(5月29日 日曜 22:00 - 22:30)
{netabare}
コミック第5巻[第24話「空族退治Ⅱ」第25話「空族退治Ⅲ」第26話「正しい道」]より

❬リオンは朴念仁?❭

 人口知能なのに人情の機微が解るルクシオン。淡々と語るキャラながら、ここに来てその存在感が何気に増している。

 リオンというキャラ。勇猛果敢な男気を持ち、時には好きになったら告白もド直球でやってしまう。でも肝心な所で弱気なヘタレ。原作者は、優柔不断でイライラするかしないかの際どいラインを維持しつつ、絶妙なさじ加減で主人公の人間味を高めている。

 作画は相変わらずだが今回も脚本が的確で、割とゆっくりと話が進んだ。人間ドラマとしても魅力あるこの作品、ここはこれでいい。

 次回からは、クライマックスに向けて駆け足になりそうな予感。
{/netabare}
🤕#10「エセ貴族とは違って」(6月5日 日曜 22:00 - 22:30)
  作画 2.0→1.5 声優 4.0→4.5
{netabare}
コミック第6巻[第27話「束の間の休息」第28話「ヘルトルーデ」第29話「決起」]より

 毎回毎回、稚拙な箇所散見の興ざめな作画にいい加減うんざり。今回で作画評価をまた下げる。ただ、総合評価をこれ以上は下げたくないので、声優評価を上げることでバランスを取ることにした。実際、今迄のメインヒロイン二人の演技を評価したいし、今回登場の、巫女役の小原好美、ヘルトルーデ役の雨宮天もなかなかの好演だった。

❬王国英雄伝説が誕生?❭

 この日、リオンは救国の英雄となる第一歩を踏み出す。見事なアジ演説で学生を煽り、絶望を希望に変える。但し彼が公国による王国侵略に立ち向かうのは、国家を護るためではなく、この世界で最も大切な人、アンジェとリビアの笑顔を守りたいから。その結果がもたらすもの。それはリオンにとって吉か凶か?それは偶々お参りした神社の神様のみぞ知る。

❬原作改変によりアニメで状況として若干の違和感あり❭

 今回は一部に原作の改変あり。それは神社でお守りを入手する方法。残り3話で切りのいい所で物語を終えるため、アニメのテンポにはこの方が相応しいのだが...。

 原作でのお守りの入手は、アニメと同じお祭りの夜だが別人物による譲渡。巫女との出会いと会話は、その翌日の昼間の神社でのお参りの時。

 アニメでは、夜間の神社に巫女が一人だけ登場。夜に特別な祭礼行事を祭員総出で行うなら別だが、常識的に巫女の奉仕時間外に人気のない境内の中、巫女単独登場には個人的に不自然で違和感があった。しかしおかげで簡潔かつスムーズに、伏線を織り交ぜつつ、本題の戦争エピソードに無難に話しを繋げた。

 出番は僅かながら、今回最も印象に残り、原作の別キャラの役割も統合された巫女。コミックでも巫女は印象に残る魅力あるキャラだった。そのキャストは小原好美。かぐや様の藤原千花、まちカドまぞくのシャミ子など、今や人気絶大の彼女。頭がお花畑なキャラを演じると絶品の彼女だが、今回の巫女でのふわっとした演技はとてもよかった。

❬このアニメに二期は必要不可欠と思う❭

 おそらく、残り2話でこの劇中の乙女ゲーム第1作目のラスボスキャラとの対決エピソード第1段が終了。つまりコミック第7巻末までを描くかもしれない。

 残りのアニメの尺でどうまとめるか非常に興味深い。但し、今回の戦まではまとめられても、マリエとその恋人達全員を巻き込んだドラマチックな公国との最終決戦まで描くのは到底不可能と思われる。

 コミックは2022年6月時点で既刊8巻で、ラノベ書籍で第3巻の内容にようやく踏み込んだ状況。ゲーム第1作のゲームクリア、すなわち納得の一区切りを迎えるラノベ3巻末まで描くため、アニメの尺はもう1クール必要だろう。
{/netabare}
🤔#11「今、私にできることを」(6月12日 日曜 22:00 - 22:30)
{netabare}
コミック第6巻[第30話「出陣」第31話「聖女の力」]、コミック第7巻[第32話「友達」第33話「"リビア"」]より

❬リオン、両手に花エンド?❭

 今回はリオンとリビア、アンジェのそれぞれの想いが原作通りよく描けていたので見応えあった。演技、劇伴が申し分ない。ただし今回は、リオンのヒーローとしての活躍、アンジェが自分の本当の想いに気付くシーン、リビアの告白と覚醒シーンが見せ場だと思うのだが、脚本は良く出来てても、くどいようだが作画が酷すぎだ。
{/netabare}
😳#12 (終)「たとえどれだけ、この乙女ゲー世界が厳しくても」(6月19日 日曜 22:00 - 22:30)
  作画 1.5→1.0
{netabare}
コミック第7巻[第34話「黒騎士」第35話「撃破」第36話「戦後処理」]、
コミック第8巻[第37話「エピソードⅡ前 再戦」第38話「エピソードⅡ後 マリエ」]より

 今回、コミック5話分をかなりアレンジして詰め込んだ。まとめ方は悪くないがダイジェスト感が非常に強い。おかげで黒騎士との戦闘があっけなさすぎた。

 区切りとしても悪くない箇所で終わったので、最後のアニメ2話は3話に拡張して、全13話で仕上げたら良かったのにと思う。但しこの作画レベルでは尺を増やすと、同時に恥も上塗りされてしまうだろうから、結果的にこの尺は無難だったかも。

❬ゲームクリアとまでいかずとも双方共に恋人ゲットは完了?❭

 リオンvsマリエの勝負の行方は、両者共に不本意なオチが付いたが、恋人の質でリオン、恋人の量はマリエの勝ち。物心共の幸福度合いではマリエの負け。以上から総合的にはリオンの勝ち。

 マリエは憐れなコメディリリーフの毎度お騒がせキャラとして確立。どんな野望も勝利の美酒を味わえるのは一時のみであっという間の急転直下。腹黒だけど思慮が足りず不器用で根はお人好し。そんな彼女は原作者のおもちゃ。しかしそれ故に、最終的に視聴者には愛すべきキャラとなった。原作では終盤になるとヒロインらしい見せ場も増えるキャラなのだが今は残念のみ。

 ところで第1作ゲームクリアの大団円まで描くため、実はアニメはもう半クールもあれば事足りる。果たしてこの続きは制作されるだろうか。
{/netabare}
{/netabare}
❬最後に❭
{netabare}
 作画以外の脚本、声優、音楽などの評価は個人的に上々。

 しかし作画で、僅かなまともな部分と、殆どの酷い部分との落差が大きく全体の調和をかなり損ねていた。特にシリアスな場面が台無し。

 美術背景だけはいい。しかし、人やロボの動きなどは最低でチープにも程がある。紙芝居に毛が生えたようなもの。素人目でも、デッサンはプロとして失格なのでは、と感じる部分が多い。

 中韓?の作画下請け多数起用の制作の選択。これが本作の最大の運の無さだろう。職人魂が欠如してるのが日本人との一番の違い。不自然にカメラアングルを変化させたり、唐突で意味も無い場面展開と、技量の無さを誤魔化そうとする小手先の姑息さバレバレで目障りだった。

 そのため、原作はリピートするほどのお気に入りだが、しばらくはアニメをリピートする気になれない。

 二期が企画されるようなら、予算を上げて優秀な日本人作画スタッフを多く取り揃えた実績ある制作会社に変える英断が必要だ。柵あって今回の制作から変えられないなら、二期は企画があっても残念ながら諦めるべきだとさえ思う。黒歴史の上塗りは、原作のイメージのためにも止めて欲しい。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 5

71.4 23 復讐で仲間なアニメランキング23位
迷宮ブラックカンパニー(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (239)
882人が棚に入れました
働きたくない!その想いから努力を重ね、不労所得で「セレブプロニート」になった二ノ宮キンジ。死ぬまで怠惰に暮らす決意をした矢先……なんの因果か異世界転移!辿り着いたのは「迷宮が職場」の超ブラック企業だった。優雅な生活は一変し、かつて「ダンジョン」と呼ばれた鉱山でひたすら肉体労働させられ血の汗と涙を流す日々。過酷な現場、長時間労働、低賃金。さらには上司のパワハラ、洗脳、やりがい搾取。さんざん見下していた「社畜」ライフを送ることになってしまう。それでもキンジは諦めない! 最高のニート生活を取り戻すため、時に手段を選ばず、時に悪知恵を駆使してしぶとく成り上がろうとするのだが……!?これは、唯我独尊な超外道青年による不撓不屈の物語。「異世界迷宮」×「ブラック企業」の社畜的ファンタジー、開幕!

声優・キャラクター
小西克幸、久野美咲、下野紘

アニメ記録用垢 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

久々の大当たり!ダークホース級の神アニメ

当時のリアル放送の際は、またなろう系か?……とウンザリしていたので観ていませんでしたが
何かの切っ掛けで観てみようとなり、今日に至る


まず主人公が完全利己的主義者の化身みたいな奴=所謂クズ(突き抜けてて寧ろ清々しい!)
だけど身近な人や知り合った人に対して、表面上は助けていない体ではいるが
実際は思いやりの心は持ち合わせている
そこがダークヒーロー的なテイストで楽しい


他にも魅力的な仲間キャラや敵?サイドのキャラも個性が立っていて素晴らしい
ストーリーも起承転結のポイントをしっかりと抑えており、『次どうなる?この先どうなる?』
または『こうなってくれ』と思いながら観ていた
――いや観させられていたのかも知れない……


調べによると海外人気が高いらしい
ちなみに私はマンガで続編も読破してしまった
面白かったので是非とも二期を待望したい作品である

久々のお気に入り棚に追加する程――オススメ――に評価できる作品

投稿 : 2024/05/18
♥ : 9

みしま さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

とてもよく出来てはいるが方向性が・・・

アニメそのものとしては、そこそこクオリティが高い。主人公の性格付けも、異世界の描写も、細かいところまで現実そのもので、とてもリアルである。主人公の名前からも分かるように、典型的な立身出世主義。あれこれ工夫して乗り切ろうとするが、裏目に出てはコミカルな笑いを誘う。しかし、ゲンナリするような現実を、異世界で忠実に再現されてもカタルシスは生まれない。リアルなストレスが積み重なるばかり。まだ観始めだから、切るかどうかは迷っているが、出口のわからないトンネルにいつまでも付き合うつもりはない。どこかの時点で、それも早いうちに、このリアルでどんよりした空気を変えてくれる展開なり、キャラクターなりが現れなければ、切るしかないだろう。

第3話まで視聴したけれど、リアルなゲンナリ感が払拭される気配もないので、切ります。

そういえば別作品で「嫌なところまでやたらリアルなクソゲー」を題材にしたアニメがありましたね。

私ならログアウトして二度とやらないな。それと同じことです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4
ネタバレ

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

自己啓発ギャグ

【視聴前の方へ】
そもそも「まあ視ないかな…」という作品でした。理由はブラック企業ネタの社畜な作品なんだろうな…という予想から、ネガティブがキツそう…、負のパワースゴそう…、逆ギレウザそう…、という謂わば先入観によるところが大きいのですが、たまたまレビュー覗いてみると、どうやら好き嫌いが大きく分かれてるぞ?というのが判明して“俄”“然”興味が湧いてきました。
で結果、冤罪確定、逆転無罪ならぬ“逆転大好き”の判決が下されました。それも結構なレベルでの“好きさ”だったので本人も幾分戸惑っております。私、結構チョロいのかもん。

という訳で内容ですが、とりあえず異世界には行くんですが、これがまあブラック企業社畜ネタで、負のパワースゴくて、逆ギレウザい作品でした。さあご覧ください♪


……いやこれ残念ながら、先入観ほぼ的中してました。更には主人公ニノミヤキンジのキャラデザ、キャラ設定、テンションとどれをとってもきっつい感じで嫌悪感がムクムク湧き上がってきました。ただ、1つだけ違ってたのが、ネガティブではなくポジティブだったことです。
ざっくり言うと、ホリエモンとか、半沢直樹とかの世界線です。このタイプのポジティブ&エネルギッシュな切れ物キャラを異世界のブラック環境にぶち込んだった!!
そういう物語です。当然このタイプ、されるがまま搾取されっぱなしなんてことはありません。かといって悪い部分を改善したい!なんて思うわけでもないんです。“とにかくオレに都合のいい世界にする!”これです。善悪は一切関係なしで自分向けの世界にする為なら手段を選ばない純粋倍返し野郎!出る杭of出る杭。多分盾の勇者様より成り上がり気質だと思います。ストレスフリーな作品が選ばれがちな昨今において、とっつきにくい作品なのは間違いないです。多分、適正は2話も視れば判ると思います。
まぁ、言っても主人公以外のキャラがこれでもかと良キャラ揃いなんですが、どうしたもんか主人公が全力でゲスい!なんなら視聴者のマウントすら取ってくる勢い。ある意味では“このすば”の空気感もあったりするんですが主人公がカズマじゃなくニノミヤキンジ‼︎ なんか恨みでもあんのか?ってくらい男キャラから好感度と可愛いらしさ(一部男の娘は除く)を完全除去。自己肯定モンスター。多分女子ウケ最悪。イケメン枠が謎の空席。

いったいこの話、どう転がっていくのやら…。(展開速い!&次どうなるの?感半端ない!) 
特にお勧めはしません。
気になる方はご自身の眼でご確認ください♪

【私的関連作品】
この素晴らしい世界に祝福を!
半沢直樹
ホリえもん(←無い

【myココ壺ポイント】○○/100
リム…91俺得(7話以降焼肉定食)
メンヘラ銃…89草
理想の○○トピア…87自覚?
顔芸…56点

【感想】

{netabare}
この作品は『自己啓発ギャグ』という新ジャンルで括ってもいいんじゃないかと思います。最後の締め方を見るとギャグの体をとりつつ本当に自己啓発的なメッセージを発信している感じもあり、「そっちにいくんかい⁈」という定着してない分岐(ギャグに振るorガチに振る)をワクワクして見れました。アニメでこっち方面は結構未開の地だと思うので開拓が進むことを望んでおります。
このキンジもそうですが、善悪に無頓着という設定はちゃんと描くと面白くなる要素ですよね。言い換えると『損得に全振り』ということですが、これはよく言われているサイコパスの特徴の1つで、魅力的でもあり嫌悪の対象でもあるという危なっかしいキャラクターになります。
『得する為ならどんな悪も辞さない。』という怖さ。
に対し、『得する為ならどんな“善”も辞さない。』というギャップ(優しさに見える←重要)。
『損する悪は回避する』というクレバーさ。
『損する善は回避する』という冷酷さ。
この振り幅の大きい要素を1人のキャラクターに無理なく付与できる魔法の設定なので、もの凄く使えて、もの凄く賛否が分かれますよね。賛否の割合は作家のセンスに左右されるところが大きいと思いますが、わたしは“賛”の方でした。

あと、音楽良かったですね。opはファンク系、edはロック系の曲双方を程よくポップに仕上げていて作品イメージをポップにするのにだいぶ貢献していたと思います。両曲のカラーも統一感があって作品の異常なまでのテンポの良さとマッチしてたと思います。

あと、イケメンの居なさもそうですが、作画も『割と作画の許容範囲の広い男性視聴者』に振ってた感ありというか、おおらかな作画?雑?とかって印象受けます。ギャグと割り切って視るのが得策ではないかと思います。
{/netabare}

結論ということもないんですが、欲望に従順なキャラクターというのは良い悪いはあるにせよ総じて人間味が出ますね。そこを楽しめるのなら或いは賛否の賛の側に入るのやもしれません。

以上です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4

71.1 24 復讐で仲間なアニメランキング24位
ベルセルク 次篇(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (206)
848人が棚に入れました
2016年夏に放映されたアニメの続編にあたる。
聖地アルビオンでキャスカを取り戻し、無事に鍛冶屋ゴドーの小屋に帰り着いたガッツ。そこで彼が目にしたのは、リッケルトと旧交を温める、アルビオンで受肉したグリフィスの姿だった。
激情に駆られて斬りかかるガッツ! そこに因縁深き使徒・ゾッドが割って入る。剣技を高めた二者による、極限の攻防が始まった!!

声優・キャラクター
岩永洋昭、水原薫、日笠陽子、興津和幸、下野紘、行成とあ、斎藤千和、新井里美、島本須美、三宅健太、南條愛乃、櫻井孝宏、大塚明夫、石塚運昇

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ガッツとキャスカの世界…どこまで広がっていくんだろう…

この作品の前進は1997年の10月に放送された「剣風伝奇ベルセルク」にまで遡ります。
今は2017年だからちょうど20年前になります。
一つの作品を20年もの間、執筆し続ける事も凄いと思いますが、20年もの間、ネタが尽きるどころかどんどん面白くなってきている…こんな作品も珍しいのではないでしょうか。

私は「剣風伝奇ベルセルク」は未視聴で、3部作の劇場版からこの作品に入りました。
緻密で良く動く作画に支えられ、圧倒的な存在感を放つガッツ…
回を重ねるたびに痛みが増していくストーリーが視聴者を引き付けて離さない…
そんな感じのこの作品は、2016年からテレビアニメの第2作が放送され、今回の放送が2クール目…

孤高のガッツも格好良いと思いますが、今回の見どころはガッツに同行するキャラの魅力にあったのではないでしょうか。
キャスカには早く正気を取り戻してほしい一心ですが、私の中でファルネーゼとシールケの活躍がピカイチでした。

ファルネーゼ…正直彼女の第一印象は決して良いモノではありませんでした。
確かに彼女は人並みの愛情を注がれない幼少期を過ごしてきました。
それが原因で正確が歪み、身勝手な振る舞いに繋がっていたのも理解できます。
でも、自分の弱さを暴力で隠すような言動を繰り返す彼女に好意が持てなかったのも事実です。

ファルネーゼはガッツと出会えてホント良かったと思います。
ガッツの芯の強さが彼女自身の凍てついた心を溶かしたから…
自分が弱い存在である事を否定しなくなったから…

ファルネーゼは何に秀でている訳ではありません。
ですが、ガッツからキャスカを託されてから彼女は変わりました。
今までなら足が竦んで動けなかった状況でも、背に回したキャスカを気遣いながら、自分を危険に晒してでもキャスカを守ろうとするんです。
今までのファルネーゼなら考えることすらできなかった光景を目の当たりにして、彼女の新たな魅力に気付いたような気がしました。
それでも彼女は道半ば…まだまだ変われると思います。

ファルネーゼの変化のもう一つの要因…そしてガッツに仲間の良さを感じさせたシールケは、私の中の一推しキャラでした。
お師匠様との繋がりをとても大切にする彼女…
そして一行のピンチに最大限の活躍をする彼女…
でも彼女の一番の魅力は、仲間のために自分を厭わず自分の限界を超えたところに手を伸ばし、大切なモノを必ず掴み取ってくる強さ…そして彼女ならではの優しさだと思います。

物語の途中、一行が絶体絶命のピンチに陥ります。
ガッツがどれだけ大剣を振り回しても…どれだけ血を流してもかなわない相手に体は既に満身創痍…もう息をしているのが不思議なくらい…
そんなガッツを…一行を救うため、シールケは一つの英断をします。
ガッツの命を繋ぐ方法として、シールケの選択は正しかったと思います。
でも…「そこまで背負うの?」と思ったのが正直な気持ちです。
どう転がっても自分の気持ちを絶対納得させる事なんてできない…
きっとできるのは自分を削り続ける事だけ…
彼女のそんな姿なんて見たくありません…
見たくないけれど…きっと彼女はそれをも厭わないんだろうな…

そしてそんなシールケにちゃんと応えるガッツもまた堪りません…
「おとしまえだ…ウチのモンの晴れ着にシミ付けてくれたな…」
この台詞を聞い時のシールケの目の輝きと…そして見せてくれた笑顔がとても印象的でした。

今回は壮大な物語のごく一端でしかないのだと思いますが、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、1期に引き続き9mm Parabellum Bulletさんの「サクリファイス」
エンディングテーマは、南條愛乃 feat.やなぎなぎさんの「一切は物語」
物語とオーバーラップしながら流れるエンディングには痺れました…
今回はやなぎなぎさんの作曲ではないのですが、彼女の雰囲気溢れる曲調の歌だったと思います。

1クール全12話の物語でした。
ラストテロップは「THE STORY CONTINUES…」
これは次を期待して良い…という事で良いんですよね?

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

シールケ、はよ出てこい!→シールケ、頑張れ!(ありゃ、ここで終わるんか…。)

ヤングアニマル掲載のマンガ『ベルセルク』が原作です。
原作的には今回アニメ化されるあたりが一番面白い気がします。

1期目の最期の2期目発表のときにも映ってたし、キャラクター紹介に「シールケ(CV:斎藤千和)」とあったから魔女っ子シールケが出るということで、これは楽しみ。

2017.5.14追記:
前回で精霊の加護を受けた武器も出てきて、新生パーティー初戦闘。しばらく原作マンガのこの辺りを読み直していないので、戦闘内容とかは忘れかけています。ということで、シールケ頑張れ!

2017.7.3追記:
観終わっていましたが更新してませんでした。やはり魔女っ子シールケが出てくると、お話が盛り上がります。このあたりからイシドロもいろいろと使えるようになってきてこの後はさらに面白くなるところなのですが、…というあたりで最終回でした。

戦闘時に使われる挿入歌が、ちょっと気分をそがれる感じのもので残念です。この作品の場合、ストーリーは原作任せで良いのでちゃんと話が追えるクオリティなら私個人としては良くて、そういう意味では3DCGを使っていてもぜんぜんOKです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 27
ネタバレ

ガムンダ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

別の意味で先が気になる

2016年放送分のつづきになります。
暗黒の中世(の様な世界観)で敵と戦う物語です。
この「次編」に限って言えばドラクエ様のパーティー冒険活劇となります。

このタイトル、最初の頃からまるで同じ作品とは思えない程作風が変化しています。
初期は非常に丁寧な中世の戦争描写と、少年が青年へと成長していく過程での葛藤や野心、微妙な三角関係などを描いた非常に見応えのある、重厚である種文学的な作品でした。
それが一段落する頃に超展開を経てダークファンタジーへと作風が一変します。(初期から振りがあるにはありますが)
それでも2016年放送のモズグスのくだりまではハードボイルドな初期の雰囲気を残していましたが、魔女っ子シールケ登場以来ただのドラクエ状態と相成り、心理描写も「私ここに居ても良いの?」みたいな月並みで如何にも凡庸なアニメ然としたものに成り果てます。
この辺まで観た所で改めて初期を振り返ってください。
作風の変わりように驚くはずです。

その上原作もまだ完結しておらず、wikiによると作者は「生きている間に頭の中を出し切れるかどうか」と心配しているそうですが、読者、視聴者からすればそもそも頭の中に構想が存在するのかと言う点の方が心配でしょうがないです。

物語のつづきがどうなるか、別な意味でハラハラします。

「ベルセルク」は映画三部作で完結と見なした方が良さそうです。
{netabare}今更キャスカ戻ってきましたメデタシメデタシとなってもポカーンとなります。{/netabare}

私の率直な感想では初期に比べて見劣りする事甚だしいのですが、商業的にはこちらの方がウケが良いかもしれません。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 6

60.8 25 復讐で仲間なアニメランキング25位
劇場版 HUNTER×HUNTER -The LAST MISSION-(アニメ映画)

2013年12月27日
★★★★☆ 3.5 (164)
844人が棚に入れました
「かつて、ハンター協会には強大な力を持つハンターたちが存在した。彼らは《光》と《闇》に引き裂かれ、それぞれが選ぶ道へと進んだ―そして今、全てのハンターを抹殺する為に《闇》が動き出す。《闇》の猛攻により、傷つき倒れるキルア、死に瀕するクラピカ・・・。ハンターたちを追い詰める《闇》の真の目的とは?そして、明らかになるネテロとハンター協会の罪深き真実。全てを知ったゴンは、傷ついた仲間を助ける為の“力”を求め禁断の《闇》世界へ足を踏み入れてしまうのか・・・!?」
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

HUNTER×HUNTERの劇場版オリジナルストーリー。偉大なキルアの存在!

劇場版 HUNTER×HUNTER
-The LAST MISSION-
98分


全ハンターよ、真実(闇)と闘え
今、蘇る悪夢。それはハンター協会の闇の歴史
数十年前のあの日、全ての悲劇が始まった… 浮かび上がるハンター協会の
闇の歴史―そして、ネテロの隠された過去 ハンター VS ハンターの死闘が今、
始まる!!!

上記は本作のキャッチコピーです。インパクトがありますね映画を観る
きっかけになるし興行成績にかかわると言っても過言ではないですよね。


私、冨樫は幽遊白書が最盛期と思っています。原作ハンターハンターは
現在分迄は既読しています。
前作劇場版は映画館に行きましたが、今作はレンタルでの視聴。


劇場版オリジナルストーリー
天空闘技場を再び舞台にし、メインの4人(ゴン、キルア、クラピカ、レオリオ)や
ズシとウイングの師弟コンビ、久々に皆集結します。


{netabare}
今回の敵はジェド。かつてハンター協会の影の隊長だったジェドは過去に
ネテロによって壊滅させられた。報復のため動き出すジェドの末えいである
修羅(しゅら)、煉獄(れんごく)、餓鬼(がき)という劇場版のオリジナルキャラと
壮絶なバトルを繰り広げます。


念の設定は練られた設定のため扱うのに厄介であり非常にオリジナルが
作りにくいと思いますが本作は矛盾を感じさせない出来でしたね。
敵サイドを未知の強さを持つキャラと描くため念ではない怨という謎の能力を
使ったのはオリジナル設定として悪くはないです。

それからアクションシーン良かったです。技と技のぶつかりあい。
バトルはよく動きます。
ゴンの釣竿、キルアのスケボー、初めのハンター試験でしか観られなかった
アイテムが使用されているのもすごく良かったです。
ネテロ役を演じた永井一郎氏の劇場アニメ最後の出演作の百式観音も圧巻でした。
キルアの洞察力や機転の利かせ方もカッコイイです。
{/netabare}


強いて言うならあと少し原作のような「作戦と発想力の戦い」の要素があると
良かったかなと


個人的にゴンとキルアの友情も見せ場が沢山用意されていたのは満足。
ゴンの言葉に照れてるキルアの描写に大満足です。

冨樫的ストーリー構成なんて期待して観ているファンいないだろうし
限られた映画の時間枠を考えると健闘だと思います。

オリジナルでこれ以上は難しいのではないでしょうか。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 24
ネタバレ

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ハンター十か条其乃四「ハンターたる者同胞のハンターを標的にしてはいけない」

映画館にて見てきました。前作が結構ひどかったので今回こそはと思ってました。

結論からいうとまぁまぁでした。前作よりはかなり良くなってました。

時系列としてはG・I編の後ですかね。(ゴンの技などから推察)
天空闘技場が舞台になっているのですが {netabare} とりあえずバトルオリンピアのフロアマスター達しょぼい奴多すぎるw キャラデザも微妙だし…
{/netabare}

前回と違って {netabare} ヒソカを戦闘に参加させなかったのは良かったと思います。前回強すぎでしたしw ネテロはまぁああなるのは予想できましたが、それにしても煉獄出番少なすぎてびっくり{/netabare}

どのへんがThe LAST MISSIONかわからなかったりしたし、やっぱりHUNTER×HUNTERってこういう劇場版にはむいてないのかなぁと思いました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 3
ネタバレ

をぬ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

面白くは無いけど・・・。

「怨」という念の邪道的な能力の使い手がハンター協会に復讐しに来ます

ツッコミどころばかり目についてしまいますが
気になっていたズシのその後が見られたし
なにより永井一郎さんの御声をもう一度聞けて嬉しかった!
なので、ギリ観て良かったという気持ちです

{netabare} ただ、友情パワーで万事解決みたいなのは
ハンター×ハンターに合わないので他所でやって頂きたい{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 1
12
ページの先頭へ