孤児院で冒険なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの孤児院で冒険な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月18日の時点で一番の孤児院で冒険なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

92.5 1 孤児院で冒険なアニメランキング1位
約束のネバーランド(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1118)
5363人が棚に入れました
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは親がいない子ども達が住むところ。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

声優・キャラクター
諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也、甲斐田裕子、藤田奈央、植木慎英、Lynn、河野ひより、石上静香、茅野愛衣、日野まり、森優子、小澤亜李
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

原作既読組にとって、この手の作品は・・・?

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
連載開始当初から、緊張感満載のこの作品はお気に入りの作品でした。
お気に入りの作品のアニメ化なので、本作も、とても注目していました。

【原作既読組にとって、この手の作品は?】
原作既読組は、当然、先々の展開を把握しています。
そんな状況の中で、この作品の一番の魅力である『緊張感』を楽しめるかどうか?
そこが、この作品の評価の分かれ目だと思います。
{netabare}
言うまでもなく、私も先々の展開を把握しています。
それでもハラハラドキドキが止まりません。

力のこもった作画。
巧みな演出。
映画のようなカメラワーク。
声優さんの熱演。

全てが上手くかみ合った本作は、『名作』に分類されるべき作品だと思います。{/netabare}

【正直、原作と比べるとかなり話が省略されているんだけどね・・・】
{netabare}全ては、大感動の11話~12話へ繋げるため。
ここから逆算して、必要最低限の物語を紡いでいったという印象です。

エピソードはもっとたくさんあるんだけど、あえて必要最小限のエピソードに絞った。
第2期に回せるエピソードは第2期に回す。

そんな制作陣の苦渋の選択が伝わってきます。{/netabare}

【食用児・・・って、凄い単語ですよね】
{netabare}この単語だけで、この物語の世界観が凝縮されている気がする。
エマをはじめ、子供たちの必死さが伝わってくる。
何かが狂った世の中であることが、ひしひしと伝わってくる。{/netabare}

【ところで、各話のタイトルの意味って分かりました?】
{netabare}各話のタイトル、例えば第1話なら『121045』。
これの意味って分かりました?
{netabare}あれって、『日・月・年』なんですよね。
『121045』=『2045年10月12日』という意味。{/netabare}
要するに、1話から9話までは20日余りしか時間が経過していませんが、9話と10話の間だけでも2か月以上に時間が流れていることが分かります。

この間、エマたちはママだけではなくレイの目も欺き続けたことに・・・。
だから、11~12話にかけて、レイは驚きっぱなしだったんですね。{/netabare}


第2期も期待しています。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 78
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きていくんだ それでいいんだ

それは田園 こちらは農園 ・・・ふっ

・・・あ、ちょっと待って、{netabare}いやっ、行かないで~、、、{/netabare}な全12話。


原作も未読であれば、ジャンプももう何年も読んでませんね。週刊少年ジャンプの人気連載作品ということで、子供とTV前で待機。
第1話を観終えて彼らは静かに去っていきました。お子様と一緒に視聴するにはご注意ください。我が家でR12指定となった “ほんとに少年向けなんかいな?” な世界観です。


いやぁ毎週面白かったですね。なにせ間髪入れずもう一周しましたから。
導入良し→つなぎも良し→締め最高、、、と1話1話退屈せず、連載継続中ながら12話の尺で綺麗にまとめたことも好感です。結末を知って価値に気づきがちな序盤~中盤を面白く仕上げてもらってほんとにありがとう。2018年冬期の作品群の中でもトップクラスの出来でありました。
続きのある物語に対し早々に2期が決まったことで、今後の楽しみが一つ増えた幸福感もあります。


幕明けの舞台はグレイスフィールド(GF)ハウスと呼ばれる孤児院から。ママ・イザベラのもとで上は11歳までの子供たち30余名が一緒に暮らしてました。
ロケーションは大草原の小さな家。孤児院と聞けばあしながおじさんや若草物語のようなものを事前には想像してました。違うんだけどね。
そこの子供たちのうちエマ(CV諸星すみれ)、ノーマン(CV内田真礼)、レイ(CV伊瀬茉莉也)の3人が物語の主役。・・・それと彼らのみならずハウスの子供たち全員が主役の物語だったのでは?と思えるお話。
6歳から12歳までの間に里子に出されるとママから聞かされている子供たち。うち一人コニーとのお別れの日。別れを済ませた後、ぬいぐるみを忘れてることに気づいたエマとノーマンがコニーに届けようと後を追って。。。

そこから物語は一転。第1話ラストから最終12話までノンストップな子供と大人の心理戦?サスペンス?スリラー?またはホラー?が展開されます。
詳しくは本編で。農園の意味は早々にわかりますので、そこからハラハラドキドキを楽しみましょう。私的今期(2019年冬)のベストでした。


以下、思ったことを五月雨に。※ネタバレ

■ホラーやスリラーではなく心理戦でした
猟奇的な世界観で色濃く印象的だったのは、エマら子供たちとママ・イザベラ(CV甲斐田裕子)、シスター・クローネ(CV藤田奈央)の大人らとの駆け引きです。この腹の探り合いに集中できたのは不要なホラー演出を削いだからなんじゃないかと思ってます。
{netabare}例えば、子供らが謀議している最中に物陰からニュッとママやシスターが登場するような演出は皆無でした。双方に企みを盗み聞きしたり直接知るような描写がありません。状況証拠や間接的な言動からの探り合いに絞ってました。{/netabare}
{netabare}ママもシスターも元はと言えばフルスコア。さらにトレーニングを積んで派遣され実地で鍛えられた猛者です。直接でなくてもなんでもお見通し、一筋縄ではいかないラスボス感を十二分に引き出す効果がありました。{/netabare}


■絶望からの分岐
絶望を知った後にどう分岐していったか?の対比が好きです。
{netabare}言うまでもなくエマ、シスター・クローネ、ママ・イザベラの3名です。
エマ:抗う人。もちろんそこは主人公。けっこう身も蓋もない世界なのにエライよこの子!
シスター:堪えられなかった人。躁鬱の躁。壊れてましたね。選ばざるをえなかった道もイバラの道。自分♂ですがシスターやママやってたら正気を保てる自信がありません。
ママ:受け入れた人。ってまんまですが、シスタークローネが壊れてた分余計に底の知れぬ深い絶望を受け入れたことがわかり、そのことが最終盤効いてきましたね。{/netabare}
{netabare}一周めはノーマン、レイ、エマの3人を中心に観てました。最終回を見届けて今度はエマ、クローネ、イザベラの3人に焦点をあてて。けっしてクローネはネタキャラではないのです。{/netabare}


■イザベラ
{netabare}マンドリンの少年(レスリー)の曲が印象的な本作。イザベラにとってどういった意味を持つのか?
第1話コニーを門まで送る時の鼻歌が初出。第10話ノーマンとの別離。第11話でレイが火をつけた時。せめてもの手向けなのかレスリーの記憶を留めておきたかったからなのか。
ハウスで過ごした記憶の欠片を手離してなかったことに意味があったんじゃなかろうかと思います。{/netabare}

{netabare}「絶望に苦しまずに済む一番の方法は諦めることよ。抗うから辛い。受け入れるの。楽になれるわ。簡単よ。」

{netabare}かつてのイザベラが現在のエマだっていうのが、これまた切ないのでした(語彙力)。頼れる仲間がいたかどうかの差なんです。{/netabare}{/netabare}


■声優さんの演技
あらためてやっぱり声優さん凄いな~と思いました。
ノーマン役の内田真礼さん。ギルダ役のLynnさん。演技の幅って無限に広がるんですね。
それと短いセリフに込められ感情の豊かさでしょうか。※特定シーンのため閉じます。

{netabare}・「うん」エマ
ノーマンと別れの際、絞り出した「うん」その数8回。その短い言葉一つ一つどれも違っていて、ないまぜの感情が伝わってきた名演です。{/netabare}

{netabare}・「いってらっしゃい 気をつけてね」イザベラ
絵と音の力ではないと思うんだよな~。憑き物が取れた嘘偽りない「私のかわいい子供たち」に聞こえました。ダメねこういうの(T_T){/netabare}



次が気になる展開、裏をかいてまたその裏をかいての緊張感の続く化かし合い。
その根底で「絶望」との向き合い方で道の別れた3人に強いメッセージ性も感じました。
OPEDも作品に合った良いチョイスですね。


{netabare}・識別番号は連番ってことはなさそう。意味はあるのか?
・2期は頭脳戦からサバイバルみたいになるんだろうね。趣きはだいぶ変わりそう。
・イザベラ処分されるんだろうな。
・てかノーマン{/netabare}

きちんと謎や伏線は残したまま2期へと繋がるわけですが、もやっとした感情は無く、終わり方含めなんともすっきりした全12話でした。


それにしても、、、
{netabare}ヒーロー願望というか、男は死にたがるというか諦めが早いというか自意識が強いというか。女性の胆力の強さをまざまざと見せつけられた気分になりました。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

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2019.09.17追記
《配点を修正》 +0.1

その後他のレビュアーさんとのやりとりでもやっとしたとこが解消しました。あざまーす!
2期前提ではあるものの、そこへの繋ぎ方と一作品としてのまとまり具合に嫌みがないこと。他の作品とのバランスを考慮し加点しておきます。



2019.04.13 初稿
2019.09.17 追記/配点修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 83
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

幸せな一生

アニメーション製作:CloverWorks、監督:神戸守、
シリーズ構成・脚本:大野敏哉、
キャラクターデザイン、総作画監督:嶋田和晃
原作:白井カイウ、出水ぽすか

森の中に佇む、グレイス=フィールドハウスという孤児院。
そこでは12歳までの子供たちが楽しく暮らしていた。
周りとは隔絶された世界。
外部とつながっている場所には鉄製の大きな門。
そのほかは深い森に囲まれている。
優しいママのいるハウスは子供たちの楽園。
里親が見つかった子供たちは、
定期的にハウスから去っていくのだった。

タイトル名はよく考えられており、
ふたつの言葉を合わせたものだろう。
旧約聖書の創世記12章に記されている、
イスラエルの民に神が示した土地である「約束の地」。
そして『ピーターパン』で、
森林の奥地に住み、親のいない
年をとらなくなった子供のいる国「ネバーランド」。
物語のストーリーをイメージしやすくなっている。
「ネバーランド」というと、
マイケル・ジャクソンの邸宅も思い浮かび、
その内実を思うと、さらに印象深い。

主人公のエマ、ノーマン、レイの3人がいい。
ストーリーはもちろんだが、このキャラクターたちが
物語のなかにどんどん引き込んでくれる。
真っ直ぐな性格で頭が良く、運動神経に優れるエマ。
ずば抜けた頭脳を持ち、正しいことを知るノーマン。
冷静な判断力と鋭い観察眼、卓越した記憶力を持つレイ。
彼らの動きや考え方を見ているだけでも楽しい。
いわば、小学生のときのクラスにいた、
何かするたびに驚かされ、私たち凡人を
いつもワクワクさせてくれる同級生たちを想起させる。

3人が互いに想いをぶつけ合い、理解し、
不可能なことをやり遂げようとする。
そして、それぞれに対する複雑な感情を抱えたまま
自らが信じた道を選び取ろうとする。
この関係性の妙が、作品の最も優れている部分だ。

1話からの構成力も見事。
原作の良さはあるのだろうが、
アニメスタッフの力も大きいことが分かる。
大きな流れを1話目で理解させ、
そこから各話ごとに盛り上げていく展開力は出色だ。

良質なハリウッド映画を観ているような感覚。
時代を象徴するような物語も含め、完成度が高い。

幸せな一生とは、どのような人生なのか。
子供たちやママの一生を考えさせられる。

{netabare}最終回でのイザベラの描写が秀逸で、
この時点で物語は完結している。
後のことを描くことが蛇足にならないかのほうが不安だ。{/netabare}
ここまでで実写映画を作っても十分に成立するだろう。

※EDのCö shu Nie 「絶体絶命」がお気に入り。
ピアノの打ち込みとベースが抜群にカッコ良い。
(2019年4月19日初投稿)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 97

69.2 2 孤児院で冒険なアニメランキング2位
約束のネバーランド(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (413)
1573人が棚に入れました
「約束のネバーランド」は、白井カイウさん原作、出水ぽすかさん作画による、「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)にて連載中の人気マンガを原作としたアニメ作品。「週刊少年ジャンプ」28号(2020年6月15日発売)にて完結。コミックス1巻(2016年12月2日発売)から20巻(2020年10月2日発売)までの全世界での累計発行部数は2,500万部以上。第3回「次にくるマンガ大賞」コミックス部門2位や、宝島社「このマンガがすごい! 2018」オトコ編1位など、国内の数々のマンガ賞を受賞。TVアニメ化に際し監督は神戸 守さん、シリーズ構成は大野敏哉さん、キャラクターデザインは嶋田和晃さん、音楽は小畑貴裕さん、アニメーション制作は、「ダーリン・イン・ザ・フランキス」「PERSONA5 the Animation」のCloverWorksが担当する。

声優・キャラクター
諸星すみれ、茅野愛衣、林鼓子、伊瀬茉莉也、日野まり、久遠エリサ、植木慎英、森優子、白城なお、Lynn、青山吉能、神尾晋一郎、石上静香、河野ひより、種﨑敦美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

姑息な俺は連れて行かないだろう

原作未読 続きもの全11話

鳥籠の鳥が籠を出てから、もとい牛舎の牛が鎖を断ち切り外へ飛び出してからを辿る第2期。
1期は自身クールトップ評価かつ滅多に出さない4.5点と非常に高く評価をしてます。
その際「農園出るまでがピークだよん」の声もあったりで冷静に期待値は控えめで迎えた今回の2期。
籠やら牛舎の中と外と舞台が変わるのに合わせて物語がどんな変化を見せるのか期待というより不安が先行してました。

だからでしょうか。評点は大幅に下げますがそれなりに楽しめた私。
「愛してたのに裏切ったわね?」の気分無きにしもあらずとはいえ許容範囲内に収まった感ありです。
そのへん後述するとしてダメだったとこ↓

構成ですね。全11話・短尺・駆け足・端折り過ぎでした。
やや外野の話。10話までシリーズ構成を原作者の白井カイウ氏が担当。なんで最終話やらんの?で邪推がはかどりそうです。
原作未読のためアニオリどうこうには無頓着ながらそれでも説明不足と感じろところ多々。ただしそれは最終盤に顕著だっただけで、それまではややご都合はあって好き嫌いあるかもねぐらいのレベル。
最終話至る前にやや好意的な評価を固めていたこともあって、飛ばし過ぎスピード違反の最終盤に戸惑いつつもまあこれはこれでいっかぁという感想です。

さてこれからの方に向けたおすすめポイントをば。
ヴィルク(CV上田敏也)なるアニオリキャラクターの醸し出す雰囲気がすこぶるよかったです。あの「小鬼だ…小鬼がおる」で有名な『ラピュタ』のポムじいさん感抜群で常田富士男さんが蘇ったかのよう。中の人上田さんも御年88歳と凄味が伝わる演技でした。
良くも悪くもトータル2クールで完結(たぶん)する手に取りやすいパッケージであることと、やや斜め上から見た「努力・友情・勝利」を楽しめる作品になってると思いますよ。

 

※ネタバレ所感

ここからあえて褒めるターン

■ベストセラー確約

『マム・イザベラの頭脳明晰/強い意志を持つ子供の育て方』

育児本出したら売れそうです。特に日本で。
{netabare}良い意味で引っかかったのは彼女の孤独。子供たちそっちのけで彼女の半生に想いを馳せると目から汗がでてきそう。
エマたちと違って仲間がおらず悲しみも苦悩も一人で受け止めるしかなかった彼女。友がいるからこそ乗り越えられる少年少女らのジャンプらしい“友情”を前に出しながら、むしろ一人で抱えてなお意志を貫いた大人の彼女に亡き友や息子(たぶんレイね)へ抱く強い愛を感じる。他のマムも同様に一人一人がイザベラだったことも想像に難くない。
やや駄々っ子、もはや鬱陶しさすら感じるエマの子供っぽさよりも深みのある情と聡明さを感じる傑出キャラでした。
最終話では“なぜそうしたの?”の説明は省かれてます。私は“そこまでしてでも守りたい一線だったのね”という角度から捉えております。{/netabare}


■エマへ相反する評価

{netabare}「今、日本の会社は、みんな失業者をかかえとるのや。私どもでも一万人は遊んでいる」

松下幸之助の弁。従業員を家族のように扱っていた在りし日の経営者の考え方がよくわかる一言です。
エマの選択で思い出したのがこれ。稼ぎ頭の幹部候補生がノーマンやレイなら平凡なサブリーダークラスがドンやギルダ。遊んでいる社員はちびっ子たち。
実際私だったらレイが言ってたちびっ子たち切り捨て案に乗るんだと思います。効率/生産性や利益確保を考えての合理的判断ってやつです。
しかしながら自身も就職氷河期世代の身。いまさら氷河期世代のリーダークラスいないって言われてもそこを育ててこなかったのお前らじゃん(怒)ってルサンチマンは正直あるんですね。
はっきり言ってエマは理想主義過ぎるのと、掲げる以上提示してほしい具体案に乏しいので苦手です。むしろ嫌いなタイプといってよい。
それでも理想と情熱が合理的判断の壁を越え良い結果をもたらすってのは匙加減間違えなければ大丈夫なわけでして、本作についてはOK組。なにもしないで転がり込んだ幸運ではなく、意思をもって動いたことで幸運の女神が微笑んだものと捉えてます。{/netabare}

お花畑と紙一重なのが悩ましいところですね。ここの線引きは“当事者として振る舞ってるか?”で分けてます。たとえ主義主張が真逆でもケツを拭く覚悟があればついていくのも選択肢。


■そう簡単ではない

なにが正義でなにが悪かわからなくなるモチーフは物語に深みを与えるものです。
こちら二方面から迫っていて良かったですね。

:其の一 正義を標榜し残酷をなす
{netabare}十字軍なんかそうですけど、正義を掲げた時に人は最も残酷になりやすいとか。
ノーマンプランは薬を利用した民族浄化計画でした。
ラートリー弟は品種改良しての食用児大量生産/供給を企ててました。
なかなかの鬼畜の所業。対立する立場の双方えげつないことやってる描写はもちろん、随所で“正義を標榜する”セリフを両陣営に散りばめてました。筋を通してます。{/netabare}

:其の二 主従の逆転
{netabare}圧倒的な人<鬼の格差社会かと思ってたところへの貧しき鬼たちの登場はファインプレーでした。
農園を頂点としたヒエラルキーの存在。上位に位置する人間(ラートリー家のことね)もいれば、そんなとこからのわずかな供給にすがる貧しい鬼たちがいるという仕組み。そしてその仕組みを維持するために汲々とする既得権者としてのわずかな人間。
搾取する側に抵抗する民衆の構図って一歩間違えると赤に染まるわけですが、ここでは善悪の逆転、主従の逆転、そして価値の逆転を提示されて得た驚きを評価したく。{/netabare}

とってつけた“人間が悪い”はむしろ浅さが悪目立ちして逆効果になるところをそうならずに、ここだけはきちんと時間かけて描いてたと思います。


■いやこれ異世界っしょ?

{netabare}同じ地球上で全く異なる価値観をもった世界(文化圏)が棲み分けできてるって…ありえないよね(笑)
最終話のネタバレになるのでさらに閉じます↓
{netabare}現代の超高層ビルが立ち並ぶ人間の世界{/netabare}

大航海時代とかやるメンタリティを持つ欧米列強だったり、版図拡大に余念のないCHINAが鬼の世界をほっとくわけないです。軍事格差すなわち力の不均衡が生じた時に軍事衝突起こるもので、こちら人間を捕食する危険な生命体をほっとく理由がありません。つい数年前の協定を破る同じ生命体が近くにいるくらいなのに1000年前の約束?なんて律義に守ったりはしませんよ。ただしそこにツッコミ入れるのは本意ではありません。{/netabare}

{netabare}エマらの人間世界への憧憬に楔を入れるラートリーが吐き捨てたひと言。

「だって人間同士で残酷なことやってきたんだぜ?」

そこから間もなく場面が現代に飛んだところが示唆に富むメッセージだったんじゃないでしょうか。
火が垂れると書いてホタルと読む某映画の演出同様、なんか問いかけてないかなー?って思うのです。
ま、繰り返しになりますけど、そうだと説明する箇所がほぼないのが玉に瑕です。いやここまで挙げてきたあれやこれやも説明ないですからね。いち視聴者の妄想の域を出てないとご承知おきください。{/netabare}



さて実写版が公開されます。演じるは現在二十歳の女優さん。大人の事情は考慮するにせよ現実問題として演じられるローティーンの役者を揃えるのは不可能です。
そんなえげつない制約はアニメはないはずでして尺がないならないでなんとかやりようはあったでしょう。これしっかり拾ってたらというのはもちろんありますが、足りない尺での取捨選択においてギリ伝わってくるものがあったので私は良しとします。



■最後にもう一点

インド洋に北センチネル島っちゅう、上陸を試みるとそこの部族に殺されちゃう島があります。近接するインド含め現在この島はノータッチ状態になってます。もちろんかの部族も外には出てこない。この物語もそんな感じと思えばいいのかしら。

{netabare}たしかちょい前にアメリカの宣教師がここに渡って消息を絶ちまして、渡航理由聞かれて「ここはサタンの最後の砦」と答えたそう。
この感覚を多くの日本人には理解しづらい。ほっときゃいいじゃんとつい思ってしまいます。

作品に戻って、鬼が人を食わなくてもよいように数年現地に残って奮闘したエマたちって、みかたを変えれば史実のピサロ/コルテスみたいなコンキスタドレスと変わらんし、いくらしんどかろうがラートリー家は秩序を保つ役割を果たしていたわけでして、どうにもこうにも立ち位置の違いで異なる正義の落としどころって答えがないのよね。といつもながら思ってしまうのです。{/netabare}



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ視聴

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2021.04.03 初稿
2022.01.30 タイトル修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 49
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

第2期

第2期の多分途中辺りから、原作読むの止めたから楽しみ。

11話
{netabare}
アニオリで完結した…

最後の方、早送りダイジェストになってたよ。
これで3期は無くなったね。
{/netabare}

10話
{netabare}
ママがなんと味方になるとは予想外だった。
てっきり、子供達捕まえて自分だけ人間界に行くのかと。

ピーター・ラートリーにも手を差し伸べるとは、
もう、エマは聖女化してるね。
{/netabare}

9話
{netabare}
ノーマン「生きたいっ!」
 →ボケたお爺ちゃん鬼から、喰った人間の遺品を貰う
 →地図と薬品の作り方が見付かる(うーん、ご都合)
 →ママ、無線を通じ罠を仕掛けていた!
 →ママとの闘いで2期終了かな?
{/netabare}

8話
{netabare}
エマ達は、ムジカ、ソンジュを探し出す。
しかし、ノーマンはエマ達との約束を破り鬼の退化を始める。

ボケたお爺ちゃん鬼と孫?をノーマンが殺そうとすると、
ボケたお爺ちゃん鬼が、孫にエマと呼びかける。
ここで、人と鬼のエマ違いをしていたのかー爺ちゃんと思った。
爺ちゃんは、退化が効かない鬼の様で、ムジカとソンジュも
そんな得意種なのかな?

躊躇うノーマンに、エマ達が追いつき、今度は一人でいかせないよ!と。
闇落ちノーマンとどう向かい合うのか?
{/netabare}

7話
{netabare}
ノーマン達は、寿命が近いと思われる。
だから、鬼を退化させたい。復習したい。

エマとレイはそれを知らない。
散々実験体として使われたノーマン達の思いは分かるけど、
別にエマ達との約束守らないで鬼の退化を始めても良いと思うんだよね。
{/netabare}

6話
{netabare}
1回総集編を挟んでの6話。

ノーマンは、鬼を退化させたい。
エマは、とんでも思考で共存したいと…

まさか生きていたとはと言っていたけど、
ノーマンは、ムジカを殺そうとしたのかな?

エマの理想論は難しいと思う。
どうなっていくのだろう?
{/netabare}

5話
{netabare}
まさかの1年後。
鬼の街付近で1年過ごす中、チビ2人がエマ達を手伝いたいと
狩りの手伝いに行った帰りにやらかす。

2人の鬼に人間とバレ追われるも、謎の鬼集団に助けられる。
その正体は…ノーマン!
どうやって生き延びたの?
背格好から、大人も良そうだけど。
{/netabare}

4話
{netabare}
平穏な時間は、1話持たなかった。

農園からの追手が!今度は人間の兵士。
ママは死刑かと思ったら、ワンチャンもらえて、
また、ドロケイの再開かぁ。

心臓にある爆弾の解除と人間界へ戻れるって
特典を提示されたのかな?
{/netabare}

3話
{netabare}
ムジカとソンジュと別れ、目的ポイントへ。

そこには地下シェルターが!
色々なからくりがあったけど、最後に電話が鳴り、
エマが出たら、ミネルヴァさんからだった。

なんか、原作だと先客オジサンが居座っていた記憶が…
{/netabare}

2話
{netabare}
宗教上の理由で人を食べないムジカとソンジュに
外の世界で生きてくための知識・技術を教わる。

鬼と人間の争いから、世界を分けたといっていたけど、
鬼の世界に残された人間の選別理由とかあるのかな?

これ、壁で仕切られてたら、進〇の巨人
{/netabare}

1話
{netabare}
ミネルヴァさんを探すため「ウーゴ冒険記」をガイドブックとして、
移動中、農園からの追手が来て、エマ達は、鬼に助けられることに…

最後のエマの絶望的な顔よかったな。
味方もしくは、中立の鬼なのだろうけど。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2

ミュラー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

驚きの評価急落

シーズン1の評価は素晴らしかった。私もシーズン1位を上げたくらい。
シーズン2始まった当初は、それに匹敵するほどの評価だったが・・。
4話以降、アニメオリジナル展開になるにつれ、評価は暴落。
原作漫画の素晴らしさを知っている方からすると許せないようだ。
私もある程度あらすじを知っていたので、早々とノーマンが出てきたときは
びっくりした。
そして思ったのは、原作に忠実に、地道に作っていく気は無いんだということ。
それはそれで思い切った決断だと思いますし、それを非難するのは違うと
思います。
ただ、ざっくり言ってしまうと雑。
1期で脱出までをじっくり描き、細かい伏線も含めて素晴らしい出来だったと
思うのに、2期は無理やり詰め込んだような印象を受けてしまう。
アニメで完結させる必要なんてないと思うんだよね。
切りのいいところで切れば良いだけの話。
なぜ無理に終わらせようとしたのか。残念な気がします。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 15

62.9 3 孤児院で冒険なアニメランキング3位
サクガン(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (202)
533人が棚に入れました
遠い未来。人類は岩盤に隔てられた「コロニー」で肩を寄せ合い生きていた。コロニーの外には危険な未開地帯「ラビリンス」が広がり、命を懸けて「ラビリンス」を開拓する者たちは、未開に印付ける者、すなわち「マーカー」と呼ばれた。 マーカーになりたい少女・メメンプー、マーカーをやめた男・ガガンバー。そんな凸凹な父娘が今、ラビリンスに挑む!

声優・キャラクター
天希かのん、東地宏樹、花澤香菜、豊永利行、緑川光、津田美波
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

「なぜ?」の嵐。原作は普通に完結してました。理由がわからない。

 本作はどうしてこうなったのか?があまりに気になって、エブリスタの小説版を読みました。

 比較的短い話なので、普通に1クールでアニメ化できる分量だと思うのですが、なぜ余計なものを入れて尻切れトンボにしたのかがものすごく不思議です。普通に展開していれば父娘ものとして、普通にいい話にできたと思うのですが。

 原作の舞台設定はOK。世界観も悪くありません。母の部分とメメンプーの見た夢の正体ははっきり言えばSFにはなっていません。設定倒れ、説明不足ですね。最後の方も実はこういう設定で…という伏線回収が甘いのでSF的なカタルシスは弱いです。

 ただ違う設定でもストーリーそのものは同じ展開でアニオリで作れたと思いますので、そこはアニメ制作陣が脚本を変えればいい話だと思います。ラビリンスの正体はちゃんと明示がありました。
 そしてアニメならではの、父娘の絆の映像を母を含めて作れて悪い話にはならないと思うのになぜ?という疑問がものすごいです。

 原作者は怒っていいのでは?というレベルでした。原作者も共犯で2期とか続編を考えたんでしょうか?うーん。わかりません。残念ながらそこまでの力がある作品ではないのはプロデューサーなら分かるでしょう?1期で丁寧につくれば、なかなかいい作品というレベルでした。

 モヤモヤしている人はWEBで82ページしかないので、すぐ読み終わります。「削岩ラビリンスマーカー」で検索すればエブリスタで読めるでしょう。アニメ制作陣が何を考えているのかますます理由がわからなくなると思います。

 アニメ版のストーリーは2→1.5に落とします。視聴者をどう考えているのでしょうか?





1話 原爆による火星のテラフォーミング?

SF心を大いに刺激されました。ので、考察をやりたいと思います。全然外れていたらごめんなさいですが、こういう話は大好物です。

{netabare}  途中のC12H16O+H2S という化学式が気になりました。宝石のようなものが3Dスキャナーに入っている場所をネットワーク経由で特定されたというニュアンスでした。
 そのときこの化学式が表示されて、ディテールの後にアドレスのようなものがありました。つまり怪獣に狙われたのはこの宝石だということでしょうか。

 H2Sは硫化水素です。そしてEDのテロップに公益法人環境科学技術研究所とありました。
 ただ、C12H16Oは同じ式の分子が多すぎてなんのことだかわかりません(毒性がありそうなのが多かったです)。
 
 塔の周囲が花畑になって一面の星空…なのでしょうか。流星が絶え間なくふっているなら地球の近くで天体が破壊して、その残骸が流星になっている?硫化水素は彗星の成分ですから、多分彗星?で、硫化水素が地表を覆った?その影響で地上に出られないというという感じ?(ただ、一般的には彗星の尾の毒性ぐらいでは生命に影響はないそうですが…)
 それを浄化する秘密をUROROPは知っている?
 UROROPは文字になんか秘密がありそうですが、それはいずれ。敵か味方かわかりません。

 作画はいいですね。父娘ものですが、作品の雰囲気から父はいずれ…という感じがしますね。
 設定はディストピアの定番ですので類似例の考察は後にします。

 そうそう怪獣に対してケーブルを狙えと言ってました。つまり、あれは人工物のロボット?

追記 いろいろチェックポイント
 公益財団法人 環境科学技術研究所は六ケ所村にある放射能の環境汚染の研究施設でした。という事は彗星ではなく原発事故?それでも筋は通りそうですね。(ただ、こういう考察はつまらないですね)

 uroropは女性で地図を作った人とのことでしたが…母?(追記 セリフからいってないですね)
 コロニー内の塔はなに?
 写真の中央の塔ですよね。地球でない可能性も…うーん。でもメメンプーが見ていたPCの写真だと滝とか鍾乳洞らしきところとか地球の地形なんですよね。
 ただ、何を掘っているかです。光ってました。エネルギー源…でしょうか。地球ではあまり思いつく物質はないと思いますが…。


再追記
 そういえば、思い出しました。火星のテラフォーミングで原子爆弾を爆発させるというのがありました。
 植物しかない地表と合わせて考えると火星の極の氷に核爆弾を投下して、水と二酸化炭素を広げて植物を使って酸素を作っている?これが一番面白そうな設定だし、写真との整合性もありそうですね。あとは流星ですが巻き上げられた土砂が流星になるものでしょうか。
 たしか鍾乳石が火星にあるかも、という話があったので、これの気がします。
 また、それにしては地表が澄み切っていました。後は次週にしましょう。


再々追記 完全に妄想ですが、次週と言いましたが、ちょっと思いつきました。

 火星の原爆によるテラフォーミング(ちなみにイーロンマスクで話題になりました)だけだと空気の量とか温室効果とか不十分だという説もありますので、だから写真の空は夜空ではなく、空気が薄くてレイリー散乱(アルドノアゼロ参照)がおきず青くないのでしょう。

 地球は環境悪化で住めなくなっていて移住してきた。そして、テラフォーミングまで地中社会を形成するために作ったロボットを投入した。ただ、制御するAIが人類が地表に出るとまた環境破壊を起こすので地面を掘るロボットで、人類が外に出ないよう分断している、あるいは地表に出るための最後のキーを握らせないようにしている。
(ここはグレンラガンや過去のAIものを連想した結果の完全な妄想です)

 写真の塔が装置、そして掘っている物質がエネルギーになっているのでは?
 その秘密が記載してあるのがあの宝石のような地図…に見せかけたなにかのキーで、C12H16O+H2Sという数式が関係している?…いや、考察というより妄想ですね。これくらいにします。{/netabare}

2話 面白すぎます。いくらでも語れそうです。

{netabare} オープニング映像でについてです。ラビリンス内と思われるところで鳥が飛んでいました。また、先週の映像でドームが壊れても気圧差があるような感じはないので、ラビリンスとドームとで環境に違いはあまりないのでしょう。また、ちょっと仮面をつけた敵の組織的な人物もいました。1話目のラジオの放送でテロリストといっていたので、AIではなくて思想集団が敵なのかもしれません。いややっぱり怪獣の正体がわかっていないなら、人類以上のオーバーテクノロジーが相手でないとおかしいですね。

 外にでた映像で、2人が外に出て塔の下にいたのがちょっと気になります。風も吹いていました。そういう映像は本作のどこかには出てくるのでしょう。イメージ映像?

 あとエンディングで出てきた白と青緑のボーダーのヒツジみたいな生物がすごくきになるんですが、なんなんでしょうか。

 本編です。怪獣は人工物でほぼあってる感じですね。ただし、2体目の怪獣についての出現の仕方はどこかに隠してあった感じですね。ケーブルの設定からいって、人類が開拓した場所ではないといけない感じでしょうか。

 ただしです。街やロボット、ゲートを制御している事務所みたいなところの感じと、ドームとか中央の塔のテクノロジーの感じにギャップがありますので、相当時間が経過して怪獣の来歴とか当初の人類の本当の目的を忘れているという設定かと思いました。

 その割に人種の混血が進んでいないということが気になります。これはメタ的にいってポリコレにしただけなのか、中国向けのマーケティング的なサービスなのか、物語上の時間の経過なのか。そのあたりはちょっと読み取れませんでした。ただ、作品として明確に街並みをかき分けていました。
(追記 ここは4話を考えるとアジア系のドームということでしょう。ピンインという音も中国語的でした)

 人種と歴史に関して気になるポイントは言葉です。役所のドキュメントは英文でした。内容は普通に申請者は権利をすべて失うとか埋葬されないとか、親の同意とかそんな文章で秘密はなさそうです。ロボットのインターフェイスも英語ですよね。ただ、採掘現場の文字は日本語なんですよね(「火気厳禁」は簡体字では「禁止点火」なので多分ですが)。そして街の看板は中華街ぽい感じです。欧州風の街並みもありました。どういう歴史があるんでしょうか。

 人種とか言葉とか、ここは考察のワナで裏設定の気がするのでスルーが良さそうですが、どうも本作の細かい映像表現を見ると考えたくなります。

「夏の名残という」セリフがありました。四季があるの?
 首になにか当てて処理してましたね。インプラント社会ということでしょうね。
 ガガンバが昔マーカーだったのは、ロボットの存在から言って自明でしたね。
 ラビリンスにもパイプが通っていますので、ラビリンスは人工物でだから怪獣がケーブルからエネルギーを取れるということでしょう。自然物だとしても少なくとも人の手が入っていそうです。
 最後にでてきたバイクに乗った女性がUROROPなんでしょうか?ルーファスという固有名詞もでていますが…。
{/netabare}


3話 今週は進みませんでした。

{netabare}  あの薔薇のような鉱物はばら輝石、ロードナイトという鉱物でしょうか。マンガン鉱床にあるそうです。火星の地表にマンガンは有るらしいですので火星説が強化されたかなあと。

 地下トンネルについてはスペースX、イーロンマスクが地下トンネル構想というのを発表していましたし、それとは別に火星の地下には大量の水が流れていたという説もありますので、ここもOKです。

 ただ、火星の地表の重力は地球の40%のはずなんですよね。ちょっとそこが気になりますか。
 火星説にこだわってるわけではないんですけどね。

 ストーリーは、親子喧嘩回でした。マーカーは慎重なのか大胆なのかちょっとセリフに矛盾がありましたが、どっちでしょう。
 それにしてもあのボーダーのヒツジが気になります。ロボット?電気ヒツジといえば…アンドロイドの夢ですが…。{/netabare}


4話 まあ、そういう回なんでしょう。早くSFに戻して。

{netabare} ローマのコロッセオの遺跡があっておやっ地球だった?と思いましたが、水路と言えばヴェネチア、ピサの斜塔はフィレンツェの辺りです。やっぱり旧イタリアそのままではないですね。まあ、地下なはずですし。前のコロニーが中華系だとしたら、そんなに近いはずもないですし。

 イタリアは路面電車が発達してますし、ティラミスといい男女ばっかりのバーといい、敵がマフィアですし。まあ、イタリア系の移民が作ったということでしょう。地図の上のほうにアルプスウォールという記述がありましたし。
 前のコロニーでカップ麺ばっかり食ってたのは、中国系だからということでしょうか。それにしても食糧生産はどうなってるのか気になるところです。

 少なくとももし移民だとしたら、各国または民族が分かれて植民したという歴史は感じられました。

 で、やっぱり街の中に、青い塔がありますね。テクノロジーを理解しているのかどうかがポイントになりそうです。

 ザクレットゥはメメンプー親子をマークしてましたし、それで近づいたので裏があるのは明確ですね。飽きれて表に出る振りをしてましたが、サングラスをわざわざ置いていましたから、つながりを残す意図があったのでしょう。 {/netabare}


5話 SF設定は秀逸。エピソードが…。

{netabare} やはりテクノロジー的には先史がありましたね。これは映像で隠そうともしていなかったのでいいでしょう。ただ、現在の科学水準からしてもオーバーテクノロジーですね。

 地球の可能性が捨てきれなくなりましたが、やっぱり印象は火星なんですよね。
 重力問題も解決できるかもしれません。ARIAかAQUAのマンガ版でありましたが、火星の人工重力の話がありました(パイプの中を光速に近い速度で物体を移動させることで相対論的に質量が無限に大きくなるから重力が生まれる…だったと思います)。
 同じ仕組みかわかりませんが、技術水準をかなり未来においていいなら問題なさそうです。

 途中でてきた写真です。たとえばアンデスコロニーといえば、地球の南米を連想しますが塩湖がひっかかります。火星には大量の塩水が過去あった証拠があるらしいです。氷河も砂漠も当然火星にはありますので、やっぱり、地球と火星に共通な自然を見せてミスリードしている気がします。

 とまあ、設定は非常に興味深いのですが、いやそれで修理できんのかよ…という感じはあります。エピソードとしての作りが残念なのがなあ…。{/netabare}

6話まで リバタリアニズム批判?少し政治の話をしましょうか…回ですね。

{netabare} リバタリアニズムの行きつく先は自由でなくポピュリズムと保護主義だった、みたいなギャグ的状況がトランプ政権の正体だとすると、そういったアメリカの状況を揶揄していたのでしょう。SFには政治的な思想をデフォルメする役割もあるので、悪いとはいいません。
 ギャンブルというのも、資本主義の象徴なようなところもあるのでいいとします。労働奉仕も利息の話も、ひょっとしたら資本主義に引っかけていたのかもしれません。

 支配層はリバタリアニズムやリベラルを唱えながらも、裏では保守に走ります。自分が儲けるための市場=世界市場が欲しいので、グローバリズムや自由貿易、自由競争を推進します。一見進歩的に見えますが、自由という言葉を利用して市場を拡大します。一方で自分たちの利権の仕組み=産業構造を変えない=保守的になります。WASP(白人、アングロサクソン、プロテスタント)は壁や保護貿易に反対します。
 そういったアメリカの状況をよく表しているといえばあらわしていました。

 しかし、本作についていえば、解決しているようで全然解決していないですよね。スキャンダルで失脚させるだけなら、別の誰かが同じことをやるだけです。
 
 思想的に民主主義と社会福祉は諸刃です。自由が悪だという考え方もでてきます。民衆が一番望む政治が実現するのは、人格者が独裁者になることです。ですが、これは必ず腐敗します。ヤンウエンリーが語っていますので、興味がある人は銀河英雄伝で。

 語りだすときりがないのでこれくらいにしますが、孤児院の復活=正義で解決ですという程度の底の浅さだったら、しっかりディストピアロストテクノロジーもののSFをやって欲しいです。

 SFについては、ちょっとマンホールのふたに5542671というナンバリングがされていたのがきになりました。これはメメンプーの持っている地図と関係あるのでしょうか? {/netabare}


7話 感情の起伏で話を作らないでほしい。あと、今回はつまらないです。

{netabare} 作画の使いまわしとストーリーも繰り返し…お金と人手を節約しちゃいましたか?SF的な要素もほぼありません。トンネルの地形が目新しかったくらいですけど、ずっと同じですし。

 メメンプーの過去の出来事の暗示でしょうが…しかし面白くないとなあ…あの怪人みたいな奴の目、メメンプーの母、ガガンバ―の怪我は過去なんでしょうか。それくらいですか。今回は。

 なお、ガガンバ―の言い方がきつかったかもしれませんが、今回はメメンプーに非があるでしょう。それと感情の起伏で話を回し過ぎ。もうちょっと理屈で話を作って欲しいかなあ。
{/netabare}

8話 うーん…なんといいますか…要る?その話…見てられなくなりそう…

{netabare}  ザクレットゥの行動というか心理が不自然すぎです。ヒューマンドラマは駄目ですね。前回の余計な酔っ払いの話からたまたま寄ったのが故郷?
 で、ガガンバ―はあれで助かって…でラストに何があったかも明かされないし…。なんなんでしょう。ストーリーとしてはちょっと見てられなくなってきました。
 SF的な興味のみですね。ここのドームはスケール感が小さいなあくらいですが、考察の集中力が無くなってきました。これだけ余計な話が続くと、SFの深さも期待がもてなくなりつつあります。{/netabare}

9話 もう少しの我慢だ、と言い聞かせて見ています。

{netabare} 気候が亜熱帯になるくらいの距離を移動していたということなんですかね。あとスコールがあるというのは、トンネル内の環境下における現象なのか外とも関係あるのか…天井から降り注ぐ光が自然光なのか太陽光なのか。

 で、ドーム内のあの塔についての何かがありました。次の子供…とは?エネルギー源で何かあるのでしょうか。今回もあまり面白くはないですが、次回は話の展開がありそうでした。

 まあ、もう少しの我慢です。最後数話だと思います。是非SF的な展開をお願いします。{/netabare}

10話 いや説明じゃなくて物語でみせてよ…

{netabare} あれだけダラダラストーリ-停滞させて、世界観を一気に映画で説明するって…どうなっているんでしょう。テーマ性はストーリーで読み取るからアニメで見る意味があると思うのですが…
 環境問題またはシステム維持に関する哲学なのか思想なのかの議論がありました。これが語りたい事ならテーマとしては大いに結構なのです。だったら物語の出来事を通じて環境やシステムの設定や問題を見せるなど、物語の本筋そのものにしてほしいですね。6話から9話。何をやっていたんでしょう?

 そして父性あるいは父親の振舞い、親子愛の話もありますが、ガガンバ―が感情的すぎてちょっと辛いです。

 さて、そうは言っても展開し始めました。プリンセスという名の権威があって、エネルギー源の供給に関して暗躍している組織があった。そして、バランスの上に成り立ってる現人類社会の環境を組織を保守的に維持しようとしている。破綻が目の前に来ているのでしょう。人類の希望が最終回に明かされるのでしょう。それは結構楽しみです。

 虹の子って?遺伝子操作でもでてきますかね?そして、やっと怪獣が登場…と思ったら…それだけ?
 あと、羊っておもったよりもSF的な話に絡まない?

 で次回予告。スピードグラファーみたいの来ましたね。ここにきていきなりでてきたプリンセスです。伏線がないとんでも設定でケリをつけるのだけはご勘弁を。
{/netabare}

11話 映画が好きなんですね。SFか冒険譚か…なんなのでしょう?

{netabare}「ローマの休日」のノブレスオブリージュに「死ぬまでにしたい10のこと」を組み合わせた感じですね。歌ってるシーンは「フィフスエレメント」?まあ、映画好きな人が脚本を書いたのでしょう。
 当然なんらかの感動をねらったのでしょうが、いや11話でこれかよという感じです。話進んだの最後の1分だけだし。

 テーマとしては義務からの解放と責任なんでしょうけど、違和感があるのはローマの休日は王女という身分に縛られていましたが、こちらは「歌姫」というクリエータ、表現者という才能に縛られているわけです。ここが、イヤイヤやっている表現者って?と思いました。

 超1流の歌姫なのに努力抜きでここまで来たということ?やっぱり歌が好きじゃないと無理だと思います。たった1日だけ息抜きに抜け出したい、歌は大好きだけど、大好きな自分を忘れてしまっていてそれを再発見する1日なら意味がわかります。

 上流階級で抑圧されていたという理由と絵のエピソードを入れてしまったので、ここが曖昧になってしまいました。筋が通っているようでテーマ性と人間の心理を無視していると思います。歌は大好きという部分をもっと入れるべきでした。

 それにしても…ひょっとして冒険譚だった?〇〇の国…って魔女の旅々みたいですけど。だとしたら中途半端過ぎますね。あと1、2話ですかね。最後まで付き合いますけど…最後にうれしいセンスオブワンダーを見せてもらいたいなあ。{/netabare}


12話 設定にはSF魂を感じたんですけど…なぜこうなった?

{netabare} 1話2話は良作の予感がしたんですけどね。続きって言われてもなあ…

{netabare}  親子のバディもの、メメンプーの出自やガガンバの過去に何かがあるという設定ですが、やり散らかしても厳しいですよね。親子の絆というテーマなんでしょうが、気合いだけなんですよね。無条件の愛情なんですけど脳筋すぎてストーリーが上滑りというか…

 因縁も内面も浅いので、少なくともヒューマンドラマには見えないですね。

 現在の地球の各国の価値観をデフォルメしたロードムービーという見方もちょっとできますが、コロニーの内情を描いたのは数話です。ディストピアというには絶望感も退廃感もないです。

 母を訪ねて?にして母がクローズアップされません。映像でそれらしき人はいましたが。

 虹の子って、遺伝子改変で新しい世界に対応できる新人類?ドームから外に出られるような体質になって地底ではなく地表で生きられる…ということなんでしょうか。そのためにコロニーの人たちが犠牲になる、みたいな。死人の役割はそれを阻止すること?

 とにかく、12話で余計な話が半分以上ありました。実はあまりに納得いかないのでさっきエブリスタで原作を読んだんですけど、アニメ版になって設定をかなり加えているようですね。そして、エピソードはある程度なぞっていますが、肝心の本筋がズレています。だったら、アニメの制作陣は責任とって欲しいです。本当にENDではないということで、いいんですよね?{/netabare}

 考察をしようと思って気合いをいれてスタートしただけに残念としか言いようがありません。ただ、1話2話の作り込み、設定を見る限りSF魂は感じたんですけどね。なぜ、こうなったんでしょうか。よくわかりませんでした。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 30

イムラ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

やはり迷走してるよ。もったいない。

<2021/10/8 初投稿>
まだ見始めなので評価はデフォルトの3.0です。
これ、原作はなんだろう?
オリジナルなんでしょうか?

ロボものっぽいです。
パトレイバーのレイバーのような立ち位置のロボが主役なのかな。

世界観は
「天元突破グレンラガン」や「デカダンス」「鋼殻のレギオス」「ブレスオブファイア5ドラゴンクォーター」 的な閉塞したディストピアからスタートのようですよ。
まだよくわからんけど。
でもこういうの好きだな。
まあ最後、銀河系をフリスビーのように投げつけるような展開にはならないと思いますが 笑

そして冒険への情熱、抑えられない好奇心は「メイドインアビス」を彷彿とさせる。
熱いパトスが迸りそうなシナリオ展開です。

映像表現も素晴らしいですね。
いわゆる「よく動く」し、
色遣いもかなり好み
背景もよくあるのっぺりしたものじゃなくしっかりデザイン、しっかり描かれてる。
キャラデザインもロボデザインも然り。
特にキャラクターの生きた表情が良いですね

つまり、アニメファンにとってかなりなご馳走が並んでると思います。

書いてて「ブレスオブファイア5」やりたくなってきた。
やたらめったら難しいゲームでしたがクリアした時の爽快感は凄かったなー。

<2021/12/2 追記>
6話まで見たけど。
旅の目的が思い出せなくなってきました。
この二人は何目指してるんだっけ?

大丈夫かな?

<2021/12/8 追記>
7、8話と端折りながら見ました。
じっくり見るのが辛くなってきて。
ロードムービーで立ち寄る先ごとに異なるエピソードってのは定番だけど。
それがあまりにも魅力なさすぎて見ててしんどい。
どうしてこうなったんだろう?
映像はいいのに。

2、3話つまんない話が続いてもこの手の作品はいいんですよ。
でも3話以降8話までずっとしんどい。
サッカーで言うと「開幕試合最初の5分で華麗にゴール決めるも、その後10試合得点が決められないFW」という感じ。
ごめんなさい。
もう無理です。

メメンプーの声も聞いててしんどくなってきちゃった。

もし今後、あにこれ他で評価が爆上がりしたらあらためて見たいと思います。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 27

mimories さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

こんなに魅力の無い主人公も珍しい

 
(全話視聴後)

一度脱落したが、その後最終話まで視聴。

当初はどこかで見たような冒険要素強めの話かと思ったが、脈絡のないロードムービー的な話に変化。

もともと設定が甘いのではないか。深掘り出来なくなったら舞台を変えて次のエピソードへ!のような感じで統一感を感じられない。消化できないまま話は進み、また最後はどこかで見たような話で落ち着けた。…んだろうけど説明放棄も多いし、作品のテーマは何でしたっけ?みたいなモヤモヤ感しか残らなかった。

あと、キャストが微妙。技量の話ではなく、キャラと声が合ってる気がしない。1クールも見れば途中で慣れるものだが、メメンプーは最終話でも違和感が消えなかった。

サクガンというタイトルどおりサクガは悪くない一方、掘っても話が深まらないというタイトル詐欺。最初から最後まで楽しくはなかった残念作。

__________

(7話視聴後→断念)

序盤からあまり期待してなかったが、さらに大きく期待を下回ってきた。中盤に来てウンザリ感しかない。

なんでストーリーを見せないのか。主人公がクソバカで人を見下して諍いを起こすのがテーマの作品かな? 天才って設定なのに道に迷わない以外才能見えないし。魅力のない主人公は本当に致命的。
シリーズ構成は監督さんがやってるそうだけど、こんなのが見せたかったのかな…?

内容以外はちゃんとした作品なので本当にもったいない。
でも見続ける気力は起きない。つまらない。断念。

__________

(3話視聴後)

作画をはじめ良くデキた部分が多い。
しかし良作、と簡単に言っていいのか悩む作品。

3話までのところだが、これだけ頑張って作ってそうなのに全く目新しさを感じない作品も珍しい。ひとことで言えば既視感が強烈なのだ。多少設定が被ったところで気にしない自分でもさすがに気になってしまう。
実際ここの感想やTwitterなどでも他の作品を引き合いに出されるケースが多い。けどそれも仕方ないレベル。そのへん気にならない方にはオススメできる…のかな。

主人公の現時点の傲慢さもあり、自分は没入できずちょっと離れて観てる感じ。今後の展開にオリジナリティを期待したいところだが…。
もう少し様子を見て評価したい。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4

66.6 4 孤児院で冒険なアニメランキング4位
白鯨伝説(TVアニメ動画)

1997年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (40)
195人が棚に入れました
『白鯨伝説』(はくげいでんせつ)はNHK衛星第2テレビジョンで放映された番組「衛星アニメ劇場」内で1997-1999年にかけて放送されたTVアニメシリーズ。ハーマン・メルヴィルの小説「白鯨」をモチーフに、監督の出崎統が長年温めていたアイディアから制作したSFアニメである。出崎統・杉野昭夫の共著「アニメーション制作技法~『4701白鯨』を創る~」誌上の題材「4701白鯨」が原案となっている。

rurube さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

衝撃的名作。

宇宙に人類が進出し数多くの宇宙船が行き来していた時代から数十年、宇宙バブルは終わり宇宙には廃棄された宇宙船が残された‥。
エイハブ船長のエイハブカンパニーは廃棄された宇宙船から物資を集めブラックマーケットに流す仕事を縄張りとしていた。彼らは鯨獲り(宇宙船が鯨に似ているから)と言われどんな商品も調達する命知らずの集まりだった。そんな折、エイハブに一人の少年ラッキーが仕事を求めやってくる、しかし彼には大きな秘密があった。厳しい試練に耐えエイハブカンパニーの一員になったラッキーに最初の仕事が入る。その仕事の途中一体のアンドロイドを発見、アンドロイドは政府に管理され一般人が所有する事は禁止されていた。そしてアンドロイドのデュウとの出会いはこれか巻き込まれる大きな事象のはじまりに過ぎなかった。
ラッキーの秘密とは彼の母性である資源惑星が役割を終え、新兵器の実験星に選ばれたのを阻止する事だった。その新兵器の名前は『白鯨』 白い巨大な鯨のような宇宙船であり一度起動すれば星一つを消滅させるエネルギーを放出する。ラッキーの兄は反政府運動をしており今回この計画の中止を求め宇宙一の鯨獲りであるエイハブに協力を求める為にラッキーをエイハブのもとに行かせたのであった。
ラッキーから話を聞き少なからず『白鯨』と因縁があったエイハブは協力する事を容認、ラッキーの母性である惑星モアドに急ぐ。しかし物語が進むにつれある真実が明かされるアンドロイドのデュウは宇宙船 『白鯨』 に何かあった時の代わりとなる起爆装置だったのだ‥。
大きな事象巻き込まれるエイハブカンパニーは何処に行き着くのか‥。

この話、映像も物語りも情熱も詰まっているが悲しくも金が無かった。もともと36話を予定していたが金銭的な問題や制作元が倒産してしまい紆余曲折して24話。話が途中で飛ぶのと制作が追いつかず歌の挿入などで尺を誤魔化していたらしい。観ればその部分は分る。権利も他の会社に譲った問題なのかDVDも手に入らないし視聴が困難で最後まで観れていない。
けれどこの作品に対する監督の熱意には感服せざるおえない。けして奇を狙った訳ではない独特の作画・重厚なストーリー・そしてエイハブ船長の魅力。この作品に掛けた思いが伝わる作品だった。

エイハブ船長の魅力について少し記述したい。
ラッキーの母星である惑星モアドでラッキーの兄 シロー・トキサダ(元ネタは天草四朗)との会話
「俺が神様に頭を下げたのは孤児院の教会で牧師様からココナッツチョコレートそせしめる時だけだった。水を挿すわけじゃねーけどよ‥言いていことは言わせてもらいたい。」
「どうぞ」
「なにかい?この戦は神頼みかい。それでこっちは皆心が清らかで神様に許されて清く正しいお人びとが自由の為にって言うやつなのかい?断っておくが俺たちは、いや少なくとも俺は清くも正しくもねーぜ。」
仲間と言い合いして
「清く正しい戦争なんてねーってことよ。分ってんのかなラッキーの兄さん?どんな理由にせよお互い勝ちに行くには相手をぶっ壊したり殺したりしなきゃなんねーんだ。」
「分っています。」
「分ってねー!分ってたら神様に力を借りたいなんて言えねーはずだ!相手を殺すために力を貸してくれる神様なんぞは本物じゃねー。いいかい神様なんてのは自分が散々好きな事やって最後にすんませんでしたってせいぜい許しを願っておしめーよ。そんなもんよ!」
近づくエイハブ
「俺が何が言いてえか分るかい?危険なんだよ神様とかなんとかを戦争に持ち込むのはよー。命がよ安くなっちまうんだ、神様のためだとか言ってぽんぽん命捨てちゃう奴が必ず出てくるんだ!そういうのだけはよ俺は我慢ならねーんだ。そういう戦争をよ俺は何度も見て来た人間はさ生きてて何ぼだぜ。勝利の為に死ぬ奴より負けても生きてる奴の方が俺は偉いと思っている。もしもあんたの性で誰かが安っぽく死んだら俺はその瞬間にこの星とおさらばするぜ。」
「分りました。」
「分っちゃねーと思うがよ‥まーそういう事だ。」
「でも‥それはきっと貴方が強い心の持ち主だから、力の無いもの弱いものが戦いに望むには何かの力が必要です。」
「馬鹿やろう‥弱い奴ってのが何処にいるんだよ 生きてるって事はな強いって事よ!! どうもな駄目だあんたとは馬が合はねー、ラッキーとは合上手くやれんのによー。」 15話より

多分この台詞が描きたくてこの作品を作ったと感じる。この台詞には監督の人生・台詞の美しさを損なわない洒脱・音の美しさ全てがそろっている。アニメ史に残る名言。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 12
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