メディアミックスで姉妹なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのメディアミックスで姉妹な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月12日の時点で一番のメディアミックスで姉妹なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.3 1 メディアミックスで姉妹なアニメランキング1位
takt op.Destiny タクトオーパスデスティニー(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (321)
909人が棚に入れました
「苦悩を突き抜けて、歓喜に至れ――L.V.ベートーヴェン」音楽は人の心を照らす光――突如として、その『光』が世界から奪われる。空から黒い隕石『黒夜隕鉄』が降った夜、世界は様変わりした。黒い隕石から生み出された異形の怪物『D2』が、大地と人々を蹂躙し始める。D2は人の奏でる旋律に惹かれ、やがて『音楽』そのものが禁忌とされた。だが、その怪物に抗う者達が現れる。音楽を力とする少女達――『ムジカート』彼女達は、人類史に残る偉大な歌劇、楽曲の楽譜(スコア)を身に宿し、D2を撃ち破る力とした。そして、彼女達を指揮し、導く『コンダクター』2047年。D2との抗争によって荒廃したアメリカ。コンダクターの『タクト』は、ムジカート『運命』と共にニューヨークを目指して旅していた。音楽が失われた世界で、音楽を渇望する『タクト』D2の殲滅を望むムジカート『運命』二人の少年と少女が生み出す旋律は、歓喜かそれとも絶望か――
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

タクト ‎Oops!

メディアミックスもの ゲーム展開されてます


音楽をモチーフに遊んでみた!みたいな作品。
コンダクター(そのまんま指揮者の意)がムジカートと呼ばれる有名楽曲を擬人化した娘さんと二人三脚で怪物とくんずほぐれつするバトルものです。ゲームに映える設定。“MUSIC”と“ART”でムジカートって意味なんですかね? クラシック曲にちなんで年季の入ったコクみたいなのを味わえたらいいなぁと思いましたがそうはいきませんでした。

・似たようなコード進行の曲をを連荘で聴かされて辟易してたまふまふさんを再評価。これはよい
・中島美嘉さんはまあよいよね 
・動くし武器のデザインも凝ってるのか派手というのか人目をひく

コクどころか片手間で視聴可能な程度でしょうか。選ぶキャラとバトルが面白ければOK!なゲーム設定の範疇を超えません。せっかくの定番曲すら曲に絡むエピソード薄めなのでなぜ“指揮者&曲(擬人)”なる設定にしたのか根っこの部分で理由をイマイチ捉えきれないんですよね。だいたい複数の楽器が奏でる音ををいい感じでまとめてくことが生業の指揮者なのにタクトふる対象は擬人化娘一人って時点で本質外してる気がします。アンサンブルなんて関係なくドローンを操縦するのと何が違うんだって話になるかと。
ということで御不満理由は“音楽”がストーリーにあまりにも絡んでこないことでした。
{netabare}有名指揮者の息子だとか劇伴で流すとかは設定と演出のことで誰でもできるので、これをもってストーリーに絡んでるとはちょっと言い難い。{/netabare}


アニメ序盤はゲーム原作にありがちなありきたり展開ゆえに、設定に信憑性を持たせてくれたら良かったのにねといったところなんでしょう。
なお最後まで鑑賞すると一通りまとまりのあるストーリーになってます。全11話と1クールものでも短く物語とキャラの心の動きともども説明不足は否めないところですが、差し引いても手に取りやすい作品になってることを評価したいですね。



※閑話休題

■どうもノリきれなかった2つの理由

①指揮者は凄い
 有名どころはもちろん、プロ指揮者の知人おりまして事前の準備から指揮ひとつで変わる演奏などなどのお話を伺ってたりするともう少しその深淵の片隅くらい見せてくれたら良かったのに、とは期待の裏返しだったかもです。
先述した通りでドローンの操縦と変わらないのよね。とは言いつつも古くは金田正太郎くんと鉄人28号にまで遡る定番の関係性だけに、このへん気にしなければ違和感を持たないことでしょう。


②広井王子
 最近は『ソラとウミのアイダ』でお馴染みの氏が本作でもいっちょかみしてます。前作は奇抜な設定が有機的に絡んでない印象でしたので似たようなもんかと思える出だしにギアを一段下げました。


①指揮者は凄い②広井王子…あくまで個人的な予備知識や先入観によるもの。気にしなきゃよかよ!


■ラストについて

{netabare}利他的な行為といいますかどうも滅びの美学みたいなのには弱いので心動かされちゃうのよね。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 地上波リアタイ

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2021.12.25 初稿

投稿 : 2024/05/11
♥ : 46
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

オン・ザ・ロード

MAPPA×MADHOUSE制作。

異形の怪物D2によって荒廃したアメリカ。
その怪物に抗うものたちが現れる、
戦闘少女ムジカートと指揮官コンダクターである。
音楽が禁忌とされた世界で音楽を渇望する、
コンダクター、タクトはNYを目指し旅をする。

旅の途中で起こる様々な出来事が、
物語の軸となり展開するのでしょう。
ロードムービーは好みの世界観である。

ソシャゲありきでは心配も大きいが、
絵も音楽もキャラクターも雰囲気は良い感じ。

最終話視聴追記。
望みの冒険譚とはいきませんでしたが、
{netabare}先の見えない暗闇の世界に音楽で希望を伝える。
儚くも消えた、運命に喝采を送ろうと、
最後は少なからず余韻があったと思います。
まずまずは楽しめました。{/netabare}

アクション満載ですので、
続けて観ると良いかも知れませんね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

最初は面白くないが、いつの間にか大好きになった物語

この物語は、音楽が失われた世界で、コンダクター(指揮者)のタクトとムジカード(戦士)の運命の成長と活躍を描いた物語です。
正直言って最初は訳が分からないことが多くて面白くありません。
Openingも、最初は全然感動しませんでした。

でも、視聴を続けていると、物語の内容が少しずつ理解できて、感動するようになります。
そしてOpeningの歌と描写を見ただけで、悲しくて悲しくて泣けてきそうになります。
このOpeningには、深い哀愁が込められています。

Endingも、7話までと8話以降とでは、挿し絵が微妙に違っています。その違いの意味するものをつきとめると、複雑な思いが交差して心がこみ上げてくるでしょう。


主人公のタクトは、有名な指揮者を父に持つ卓越したピアニストです。
しかし、この世界では音楽は禁止されています。
歌ったり演奏したりすると、D2という異形の生物がやってきて町を破壊し人間を殺すためです。

コゼットはタクトの演奏するピアノ曲が大好きな明るい少女。
彼女の明るい笑顔にタクトはいつも癒されていました。
そのコゼットが{netabare} 亡くなり、彼女の体は、{/netabare}ムジカードの運命へと変わります。
ムジカードは、有名な楽曲の力を宿しており、D2を倒すことができる戦士のことを指します。

運命は、最初の頃は何も知らないので、非常識な行動をしてみんなを悩ませます。
しかし、運命は少しずつ心が成長していきます。
{netabare} 自分はコゼットという少女の体をもとにつくられたことを理解し、
コゼットの姉の深い悲しみを知り、タクトがいかにコゼットを大切にしていたかを知り…
でも、自分はコゼットではない。姿かたちはコゼットだが、自分はコゼットにはなれない。だから悩み、悩み…。{/netabare}
その心の成長が、とても感動します。
もしかして主人公はタクトではなく運命なのでは?と、思ったりします。
そして、いつの間にか運命が魅力的に感じるようになりました。

Openingは「タクト」、複数の人たちが歌っています。
Endingは「SYMPHONIA」、中島美嘉さんが歌っています。Openingとは趣が異なった美しい歌声です。


どんなに絶望な状況でも、音楽は希望をもたらしてくれます。
音楽は心を救ってくれます。
この物語の最後は、絶望ではなく希望への道なのでしょうね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41

67.1 2 メディアミックスで姉妹なアニメランキング2位
プリマドール(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (139)
422人が棚に入れました
喫茶・黒猫亭。 それは皇都五区の片隅に、ぽつんとある喫茶店。 そこで働くのは、技術の粋を結集した、自律式機械人形(オートマタ)の少女たち。 数年前に終結したばかりの大戦争。 そこで兵器として作られた彼女たち。 やがて迎えた戦後の平和。 新品同様に修復されて、ぴかぴかの着物に身を包んで、 新しい役目を探して、高らかに歌声を上げていく。 あなたも彼女達と素敵なひとときを過ごしてみませんか?
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

制作者からとても愛されている主人公のようです

この物語は、戦いの武器として製造されたオートマタの少女たちが、戦争が終わった後は歌をとおして皆に笑顔を与える物語。

主人公は灰桜(はいざくら)。彼女は戦時中の記憶がありません。
喫茶店での仕事も、他のオートマタと比べるとヘタッピでドジばっかりしています。
でも、持ち前の明るい性格で、全然めげません。
そして彼女は、いつもみんなに笑顔を振りまいています。

特に第二話で灰桜がみんなの前で歌った際に見せた笑顔は、とてもステキでした。
すごーく幸せそうな表情で歌っている彼女をみたとき、「この子は制作者からとても愛されている」と、感じたほどです。
もちろん何の証拠もないので、私の勝手な思い込みかもしれません。
でも、もし制作者からとても愛されている女性主人公がいたら、きっと幸せそうな顔をするでしょうね。


物語ではオートマタの少女たち一人一人が過去の戦争で兵器としておこなった行動や、平和の大切さが語られています。
{netabare} もちろん灰桜も、兵器として多くの人々を殺傷したようです。
過去の記憶がないのは、場合によっては幸せなのかもしれません。{/netabare}
しかし私はそんなことよりも、灰桜が歌っているときに見せる幸せそうな顔を見れただけで、満足しました。心が癒されました。
不謹慎ですみません。

自由に歌が歌えるということは、平和な証拠だと思います。
世界には自由に歌が歌えない国がたくさんあります。
笑顔で歌うということは、もしかして、それだけで平和活動なのかもしれません。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

鈍色に揺れる瞳に映るもの

【感想】
レーツェルと箒星さんが可愛いのでシナリオは微妙だけど見て良かったです

いい話だけど萌え、感動、友情、自己犠牲、シリアス、カフェ、戦争・・・エモい要素をかき集めてきた感じがして世界観に違和感があります
まず戦争のために作られた兵器の話というよりも、アイドルが戦争映画の登場人物を演じている感じがした
それくらいオートマタの設定が浮いてるように感じます

あんまり戦争の爪痕とか困窮している感じがなくて、灰桜たちはみんな綺麗でかわいく生活にかなり余裕がありそうでリアリティがないかな?

でもごちゃごちゃにはなってなくて、丁寧に作られているのでいいアニメだと思います
キャラクターが可愛くて絵もキレイでレトロ感のある世界観と作画もよくて、主題歌もいいよくできたアニメ
終盤はシリアスですが綺麗にまとまってる感じが良かった

頬にあんこつけたまましゃべるとか、声優の演技とか狙いすぎた萌えがあざとすぎてちょっとニガテ

「萌え」と「戦争」と「オートマタ」が合ってないと思って、設定をうまく混ぜ合わせてないように思います
灰桜たちは美少女の見た目とか泣いたり笑ったり食べたり歌ったり兵器に必要ない機能がたくさん搭載されてるのなんで?
兵器なら見た目の可愛さよりも作りやすさとか性能を重視しませんか?
なので、オートマタにしなくても元軍人で良かったような?って思います
感動シーンを作るために後から追加した設定のような感じがしました
たぶん、それでシナリオを微妙に感じたのかな?

【シナリオ】 {netabare}
戦争中の苦い思い出に向き合って克服しようとするところや戦後の人々を元気づけようと歌う話がベタだけど前向きな話で好きです

悲しい戦争は終わったのにまだ戦いをしたがる愚かな人たちがいて、そんな人間のエゴにふりまわされて失望する灰神楽と
それでも人を信じて傷ついた人々の心を温めていく主人公の生きかたを見せていて、ストレートに「戦争はダメ」って言われるよりも受け入れやすいかも
悲しい話だけど、いろいろと考えさせられていい話だと思いました

オートマタはヒトが作ってヒトの命令で生きています、感情はあっても命令には逆らえない
でも、それって人間でも一緒ですし、命令する立場の偉い人でもホントにそれは自分の意思で決めたことなのかな?って思うことはよくあって
戦争をやりたい人たちも過去の亡霊に操られてるんじゃないかって思うんです、領土とか宗教とか民族とかいろんな理由で戦争は起きますけど、たぶんそのほとんどは争う必要なんてないことだと私は思います
それが、オートマタとか戦車とか核とか力を持ってしまったら何かのストッパーが外れて戦う必要がないのに戦ってしまう

戦争を止める抑止力が必要ってよく言うけど一番の抑止力は誰も力を持たないことです、それでも力を持とうとするのは一種の呪いかもしれません

果たして、操られているのはオートマタなのでしょうか?それとも人間でしょうか? {/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Automata songs

全12話 keyオリジナル作品

黒猫亭、一見普通の洋食店ではあるが、実は従業員が全員オートマタ(自律人形)です。その中でも意思を持ったオートマタの4人とこの洋食店を運営しているオーナーとのそれそれの思いと成長を描く作品です。

意思のあるオートマタたちの外見は人間と変わりませんが、後ろに機械のようなもの背負っているので判別できるようですね。

このオートマタは軍事用に開発されたらしく、このお話の以前に戦争ではオートマタを率いて戦っていたようです。

戦争も終わり、役目を果たしたオートマタは、人間との共存を目指しています。

時代は大正や昭和の感じがしますが、凄い技術ですねw

また、4人のオートマタは上は着物で下はスカートをいう珍しい恰好していましたねw

4人の中で最後に加わった灰桜(はいざくら)が主人公です。ドジなところもありますが、歌を歌うのが得意で、周りを明るくさせます。

オートマタは鴉羽(からすば)、月下(げっか)、箒星(ほうきぼし)、灰桜と仲良くなった人間の千代ちゃん、{netabare}そして後から加わるレーツェル、{/netabare}それぞれの過去と現在を見つめ直すお話で、1人1話程かけて丁寧に描かれています。

終盤はかなりシリアスな展開になりました。最後はハッピーエンドな感じで終わりましたが、どう解釈していいか分からない感じで終わりましたね。ちょっともやもやしました。
{netabare}(最後、灰桜が初期化しないと治らないということで決断しますが、その前に灰神楽とうさぎさんの目が光ったのが気になりますね。そのあたりが分からなくてもやもやしましたw){/netabare}

世界観がふわっとしていて分かりづらい作品ですが、作画も綺麗ですし、key作品なので少しウルウルしそうな場面も多く、お話も1話1話纏まっていますので観やすいと思います。

OPは和氣あず未さん、楠木ともりさん、富田美憂さん、中島由貴さん、鬼頭明里さんが歌っています。EDは歌を題材している作品なので1話ずつ色々なキャラが歌っています。

最後に、メインキャラのキャラ原案がそれぞれ違っていて、その中に「きんいろモザイク」の原悠衣先生担当されていましたね。
それと、key作品のヒロインは殆ど口癖のようなことを言いますが、灰桜この作品にもありましたねw みゅうみゅう

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10

58.7 3 メディアミックスで姉妹なアニメランキング3位
BLUE REFLECTION RAY/澪(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★☆☆ 2.8 (75)
234人が棚に入れました
これは煌(きら)めく<想い>を繋ぐ物語――喜び、悲しみ、怒り―。人の想いは、誰もが持っている、しかし目には見えない力。その力は時として、世界さえも変えてしまうかもしれない。常に前向きで、困っている人がいれば放っておけない平原陽桜莉(ひらはらひおり)と、人と仲良くなろうとしても付き合い方が分からず、不器用な羽成瑠夏(はなりるか)。対照的ともいえる2人の少女の出会いは、彼女たち自身を、そして世界をどのように変えていくのか―。

声優・キャラクター
石見舞菜香、千菅春香

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ストーリーは悪くない。作画は残念過ぎる…。

岸田メル先生のキャラクター原案らしいんですけど、メル先生のキャラクターデザインでアニメで成功しているのって『花咲くいろは』くらいじゃないのかな、知らんけど。

言われれば「そうかも?」って思うくらいの片鱗は残っている気もしますが、アニメではまったく活かされていません。

ちなみに『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』ってゲームがあるらしく、たぶん作中の「リフレクター」の設定は共通なんじゃないかと思うんですが、ゲームではちゃんとメル先生っぽい絵が動いている模様。
(​もしかしてアニメとは相性悪い?)

ものすごく雑にストーリーを説明すると、思春期の女の子に独特の「想い」を抽出して集めることで何かをしようと企んでるリフレクターと、「想い」を守ろうとするリフレクターのバトルですね。

主人公は守ろうとする方の陣営です。

リフレクターになれるのも女の子だけで、魔法少女みたいな変身バンクで変身して、剣とかで闘います。主人公が女子校通いというのもあるかもしれませんが、モブキャラでも「男っていたかな?」っていうくらい男の人は出てきません。


「思春期の女の子」に幻想持ちすぎというかそこがまったく今風ではないわけですが、懐古的に観る分には楽しめると思います。

『あかねさす少女』とかが楽しめた人なら、まあまあ大丈夫かも。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

少女の最深部……共鳴、乱反射。

“リフレクター”と呼ばれる変身ヒロインたちが、同世代の少女たちや自分自身の深層心理と関連した世界の異変に立ち向かっていく青春&バトルRPG『BLUE REFLECTION』シリーズ(一作目のPS4版中盤過ぎで挫折)
4年ぶりの新作ゲーム『~帝』、アプリ『~燦』の新展開に合わせ、
メディアミックスの一環として制作された連続アニメ化作品(全24話)

【物語 3.5点】
原作ゲームと関連はあるが、また違った世界の話。予備知識はそこまで必須でもない。
ただ、後半の種明かしで多用される設定用語。例えば深層心理世界“コモン”などについてはゲーム版を知っていれば理解の一助にはなる。


注意すべきは唐突に繰り出される鬱展開。
平時は、きらら系とはまた風味が異なる、微百合、“姉妹”成分配合の、ゆるふわしたヒロインたちの掛け合いが繰り広げられる。

で、まったりと萌えれば良いのかと油断していると、
思春期少女たち鋭利な心のささくれにブスリ!とやられる。
こんなに悩み多く苦しい現世なら、いっそ心など捧げて空っぽになった方が良いという虚無の沼に引きずりこまれる。
極端なシナリオバランスはゲーム版同様。

むしろ昨今の子供の貧困や虐待、自己責任論と魔合体したカルト宗教など、現実社会で可視化された社会問題をも取り込み、闇はゲーム版より深くなっている印象。
取り敢えず、第{netabare} 6{/netabare} 話と第{netabare} 22{/netabare} 話はガチガチにガードを固めて挑むよう警告しておきます。
いきなりバイロン詩集を吟じ、居場所はないのかと鬱々し始めた時は、私もこの世は地獄と絶望しましたw

えぐり出された深層心理の肝を、まとめきれず生煮えのままぶつけるのもゲーム版同様。
佳境になるほど、セリフがポエムの応酬の様相を呈するのが、やや勿体ないです。
ただ、立ち向かったテーマの重たさを考えれば、簡単に答えを出すのも無粋でしょうか。


【作画 2.5点】
アニメーション制作・J.C.STAFF

乱調。
メディアミックスの予算配分が柱のゲーム重視だったからなのか、
カロリー不足によるものと思われる顔面、等身などのキャラデザ不一致が目に余ります。

剣をメイン武器にする変身ヒロインという希少性も見どころですが、
総じて剣戟も迫力不足。

何よりゲーム版キャラデザ・岸田 メル氏が生み出した美少女たちの造形の良さが全く失われてしまっています。


ただ、シナリオが掘り下げた心情を作画で汲もうとする意志は感じられるのが評価に困る所。
顔面福笑い状態になりながらも、眼だけは死んでいない。

背景に草花のフィルターをかぶせて演出した異能バトル空間なども万華鏡みたいで個性的。
戦力不足でも、コンテは諦めていない印象。
基準点は付けられないけど、そこまで底割れした評点でもないかなと。


尚、やたら雨天、曇天が多いですが、これは鬱だからではなく仕様。
ゲーム版のウリの一つに、JK変身ヒロインの雨で濡れ透けた制服姿をリアルに表現するというフェチズムがありましてw
ですがこのアニメでは制服を透けさせるだけの作画カロリーすらもなかった模様。
そこも残念無念?でしたw


【キャラ 3.5点】
主人公・平原 陽桜莉(ひおり)の明るいキャラに潜むシスコンの深さ。
敵方として対峙する姉・美弦(みお)。
姉妹の依存、愛憎がメインストーリーの一つの軸。

そんな陽桜莉の人懐っこさにツンツンしたりデレたりするクールな羽成 瑠夏(はなり るか)が定番の凸凹バトルヒロインコンビを形成。

あとは主人公コンビを目の敵にするライバルコンビ。
過ちは繰り返すまいと世話を焼く先輩コンビ。
と一式揃えて少女たちの想いの結晶“フラグメント”を巡って乱戦させる。
人物相関自体は、ヒロインバトル物では割りと無難。


この種の鬱ヒロインバトルで必ず出没する、もっと叩いて虐めて欲しい系のキャラ。
本作の駒川 詩(うた)は責められる機会を待つのではなく、挑発的言動で暴言暴行を自らに向けさせる積極的なMw
心の闇が深いヒロインズの中では、Mな言動がコメディーリリーフにすらなるw
ただ、こんなに苦しい世の中じゃ、痛みこそが実存とか強弁されると笑って否定することなど出来ないんですよね……。


“リフレクター”たちには対象の少女の想いと“共鳴”する能力設定があります。
言葉にできない想いを拾う。言葉にできない鬱も拾うw
悩める少女たち最深部に潜り共鳴するには相応の覚悟が必要なのです。


【声優 4.0点】
キャスト陣には若手も目立ちますが、外面と深層心理の振れ幅が大きいメインどころには数年のキャリアを積んだ声優を配して心情をカバー。

ヒロインの姉・平原 美弦(みお)役の上田 麗奈さん。
水崎 紫乃(しの)役の井澤 詩織さん。
特に、世界を呪いたくなる程の運命を背負う要所には実力者を起用。
特に井澤さんは紫乃だけでなく{netabare} 双子の姉・加乃{/netabare} もフォローする難役でしたが好対応。


“毒親の見本市”との異名も誇る本作。
狂気を提供したCV.石井 未紗さんは映画吹き替えも経験。
鬱よりヤバい躁も提供したCV.森なな子さんは元・宝塚歌劇団の男役。
アニメ声優一筋とは異なる畑も知ったご両人が、
湿度高めの病んだ演技で泥沼の深度アップに貢献。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は篠田 大介氏。やはり心情深部で鳴り響く重たいストリングスが耳に残ります。
日常シーンではゲーム版のピアノ曲も使用。懐かしく軽やかな旋律が本作の数少ない救い。


主題歌は前後期とも、しんどくても前を向かせる風味の力強い女性ボーカル曲。
特筆したいのが前期OP・EXiNA「DiViNE」

EXiNAとは、アニメ版『艦これ』のOP「吹雪」のヒット等で知られる西沢 幸奏さんのソロ・プロジェクト。
中低音ボーカル、ハードなエレクトロロックと、デビュー時とは曲調が一変しているので気が付かない方もいるかもしれません。
ビジュアルも闇落ちしたネーヤ(※『無限のリヴァイアス』のキャラ。古くてスンマセンw)みたいに変わり果ててしまってw

EXiNAで世間に迎合せず、自分の音楽を追求して闇に潜伏していたからか、
アニメタイアップとは縁がない日々が続きましたが、最近また戻って来ましたね。
アーティストとして我を通す生き様。結構好きです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

これは煌めく<想い>を繋ぐ物語――

この作品の原作はゲームだったみたいですね。
原作ゲーム2作と、このテレビアニメの3作品が「BLUE REFLECTION」プロジェクト」と題してクロスメディア展開されているのだそうです。

キャラクターデザインは岸田メルさん…
これまで「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」「花咲くいろは」「RDG レッドデータガール」などのキャラクターデザインを手掛けられてきた方です。


喜び、悲しみ、怒り――。
人の想いは、誰もが持っている、しかし目には見えない力。
その力は時として、世界さえも変えてしまうかもしれない。

常に前向きで、困っている人がいれば放っておけない平原 陽桜莉と、
人と仲良くなろうとしても付き合い方が分からず、不器用な羽成 瑠夏。

対象的ともいえる2人の少女の出会いは、
彼女たち自身を、そして世界をどのように変えていくのか――。

コーエーテクモゲームスのガストブランドより
2017年に発売された「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」原点に、
新たな「BLUE REFLECTION」プロジェクト」として展開されるTVアニメーション。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

…色々と損をしている作品だったというのが率直な感想です。
視聴していて気になった点が2点ありました。

一つはキャラデザ…
岸田メルさんが原案を務めているにも関わらず、キャラデザに魅力があまり感じられませんでした。

そしてもう一つはアニメーションそのもの…
一生懸命キャラを動かしているのは伝わってきましたが、息遣いや重みといった要素が伝わってこなかったんです。

https://bluereflection-portal.com/

上記は、「BLUE REFLECTION」のポータルサイトのURLです。
是非一度見て欲しいと思いURLを記載しました。

何故ならそこでは岸田メルさんならではの繊細なタッチのキャラたちを見ることができるからです。
本作品以外に掲載されている2本のゲームは未だ販売前のようですが、10月21日に発売が予定されている「BLUE REFLECTION TIE/帝」は、Official siteでPVを見ることができます。
ゲーム自体は3DCGが駆使されているのでアニメと雰囲気は違っていますが、かなりのクオリティで仕上げられるといっても過言ではありません。

https://social.gust.co.jp/gakkou/
上記は、この作品の元となった「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」の公式サイトです。
こちらでも「発売記念ムービー」と「第2弾PV」を視聴することができますが、キャラデザに関しては雰囲気は感じるもののクオリティには雲泥の差があると言わざるを得ません。

きっと原作プレイ組の中には、この作品を楽しみにしていた方もきっといらっしゃると思います。
ゲームのクオリティがそのままアニメ化されたら…という期待もあったかと思います。
私は原作ゲームは未プレイですが、見惚れるほど繊細なキャラデザであることは間違いありません。
どうしてこうなっちゃったんでしょうね…

…と思ってwikiをチラ見して気付きました。
アニメのキャラデザは菊田幸一さんという方だったんですね。

菊田さんがこれまで手掛けられてきた作品は以下の通りです。
・この素晴らしい世界に祝福を!
・球詠
何となく相関が見える気がするのは私だけでしょうか…^^;?

オープニングテーマは、西沢幸奏さんによる「DiViNE」と、藍井エイルさんによる「アトック」
エンディングテーマは、ACCAMERによる「最深」と「fluoresce」
楽曲はどれも素晴らしいと思いました。
でも1点気付いたのは、楽曲に見合ったアニメーションにする責務が付きまとうことです。
例えば、藍井エイルさんによる「アトック」は最高の楽曲でしたが、オープニングアニメが釣り合っていたかといえば、頑張っているのは認識するもののやはり答えに窮します。

2クール全24話の物語でした。
声優さんたちの熱演に何度も引っ張って貰いましたが、この作品の本当に魅力に触れるには、やはり原作ゲームをプレイした方が良いのではないかと思ってしまいました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13
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