2021年度のヒューマンドラマおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2021年度のヒューマンドラマ成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月07日の時点で一番の2021年度のヒューマンドラマおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.4 1 2021年度のヒューマンドラマアニメランキング1位
映画大好きポンポさん(アニメ映画)

2021年6月4日
★★★★★ 4.2 (193)
604人が棚に入れました
敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。 ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。大ヒットを確信するが……なんと、監督に指名されたのはCMが評価されたジーンだった! ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。

声優・キャラクター
清水尋也、小原好美、大谷凜香、加隈亜衣、大塚明夫
ネタバレ

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

魔法にかけられし者達の、夢と狂気の舞台裏

2021年7月9日記載

某所にて記載したレビューに加筆・修正・再構成を施した文章となります。
予めご了承下さい。




映画に携わっている人はまるで『魔術師』のようだと、昔から考えてしまう節がありました。
1つ1つのシーンやカットを入念に構築し、大きな1つの映像を紡ぎ上げる中で、時にはあり得ない事、存在しない物も映画にしてしまう選ばれし者達。
ベースとなる世界を作り上げ、皆を物語の世界へ引きずり込む脚本。
表情、心持、佇まいを一瞬の内に変化させ、鑑賞者をもう1つの現実へ導いていく役者。
カメラワークの妙で魅せ方を熟知しつつ、世界観を崩す事無く撮り続ける撮影。
限界表現の領域において、関わった者全てに違和感の与えない基底と昇華を見せ付ける芸術業。
出来上がった全てを、自らの力で語り継ぐ御話として再建築し始める映像編集。
そして、そんな彼等を取り纏め、共に一丸と道を与え続けていく監督諸兄。
そんな此処では全て語り尽くせない魔術師達の技術力。瞬く間に姿形を変えていく展開や描写。それらに幼い頃からときめきを与えられた身としては、まるで「魔法」のようだと思わざるを得ない世界だけが……そこには確かにあったのです。


そう思えるようになったのは『マイク・ザ・ウィザード』と言う作品を観たからと断言出来ます。
皆さん御存知でしょうか、この映画?

https://www.youtube.com/watch?v=IkUSAhAxMxI&ab_channel=hondabrigit

上記URLが日本版劇場予告。こんな内容。大丈夫、ネタバレ予告観てからでも余裕で面白い作品と言えます。
これがかなりのマイナー映画で、VHSとレーザーディスクにはなりましたが、DVD・Blu-ray化はされてない作品。
ただね、本作は「凄く好き!」ってファンの方の協力により、監督のマイク・ジトロフ本人から知識・承認を頂いて、DVDイメージファイルと映画全編公開動画が作られました。
と言う上記の内容からも分かるように、中々のカルト映画。そして製作者本人が了承しているので言いますが、普通に検索すると観れます。日本語吹替版がオススメとだけ言っておきましょう。


で、話を戻すとですよ。僕はこの映画を「映画を作る映画として『文句無しの最高傑作』」と、これまでずっと思ってきました。
1人の映画製作者が傾ける情熱と躍動、そして愛の精神が全てをファンタジックに変えていく。映画内映画の最強作品、奇才が作り上げた至高の傑作と信じて止まないのは今も昔も変わりません。

ただし、その頂点と双璧を成す存在が今年、満を持して現れたんです。

『映画大好きポンポさん』は、僕の中でその「最高傑作」に並び立つ作品となった事を、この場で高らかに宣言しましょう。観終えた際の多幸感に自然と心震わされ、「映画を好きで居続けた過程」全てを肯定される激しくも安らかな90分を、場末の劇場で密かに味わえました。初見時に湧いたこの感覚は、もう映画好きとして……「最上の至福」と述べざるを得ない2度目の最強体験だったと、今でもはっきり思い出せます。
そしてそう至った所以は正に、情熱溢れる魔術師の快進撃のみならず、魔法の一言では決して解決できない選択の連続も植えつけてきた中で……彼なりのこだわりを彼女と、仲間達と示し続けていく展開冥利に、心が揺れ動いたからに他ならないでしょう。



最後まで観終えて思ったこと
{netabare}
『映画大好きポンポさん』は『マイク・ザ・ウィザード』と明らかにスタンスが異なっています。
『マイク・ザ・ウィザード』はあくまで、1人の男の映画に向けた直向な想いが業界を、世界を変えていく痛快サクセスストーリーです。そこには彼のみの情熱がひた走り、映画を描く上で大切な夢と希望、愛を前面に産出してきたからこそ出てきた唯一の『幸福』を、実しやかに描いていました。
ただ、この『映画大好きポンポさん』は「1人だけじゃ映画は絶対作れない」と念押しした上で、1人の男の映画に向けた直向な想いを描きます。そしてその中で、映画を描く上で大切な夢と希望、愛……のみならず、そこへと至るまでに削ってきたもの、避けてきた事、有り得たかもしれない可能性も直面させた上で「それでもやっぱり映画が好きだ! 自分の作品を撮りたいんだ!」と。決意させてくる『報復』を植えつけてきたんです。


「現実から逃げて逃げて、此処以外に居場所なんてなくて」
「映画だけが、夢見る心を満たしてくれたの」
監督のジーンとヒロインのナタリーは「映画ファン」と言う言葉で片付けるには余りある「強き想い」が、実に煌びやかに秘められていました。
そんな感情をヒシヒシと魅せつけてくる序盤から魂は強く揺さぶられます。生きたキャラクター描写に心打たれ、一瞬描かれたカットに心打ち抜かれるあの瞬間……それを2人で、仲間達で、共に映画を通して作り上げようと動く姿に、僕の感情は至極訴えかけてきます。その過程は全く以って留まる事を覚えず。正に感動と応援の気持ちが作中随所に湧き出てくる他ありません。

映画を愛する者として、その瞬間を知っている男として、自らが至った境地を今度は自分等の手で作り上げようと行動し続ける人々に、突き刺さるモノ、惹き込まれし感情爆発を覚えないなら、一体何処で沁みたら良いのか。爆ぜれば良いのか。
映画以上に好きだと誇れるモノが無いからこそ、ポンポ、ジーン、ナタリー、マーティン、ミスティア、スタッフ全員は妥協せず直向に動き続け、彼等だけじゃどうにもならない部分を、アランと言う最高の友人が繋げようと紡ぎ続けます。
そんな彼等彼女等の心意気が齎す過程にこそ、映画愛好家の魂は震えるのです。それはきっと、人間全てが齎す事の出来る魔法の煌めき――「共鳴反応」――を強く感じられたからでしょう。


しかし、そんな甘い話ばかりじゃありません。最初に語った通り、本作は敢えて観てこなかった「映画の外の『現実』」も僕等に見事、見せつけて来ます。
相手の感情を響かせる為に「幸福は創造の敵」と割り切って、全てを失う覚悟も秘めて。しかしそれでも見せたい景色が、観たい景色があると望んだ場所は……最高に愛おしい夢と狂気の世界でした。
「映画の場面。何処を切り捨て、何処を守るか」考え続ける苦悩の果て。それは譲れない人生をどのように割り切って選択するか、悩ませ続ける疑問も提示します。その中で「自分」を見出そうと、取捨選択から成る理想郷を求めて粉骨砕身編集し続けるジーンの姿に、そんな彼を支える同じ立ち位置の同志ナタリーに、教えを説いていくポンポに、人知れず助け合う仲間の姿に、深く胸を打たれた始末。

そんな自分肯定の軌跡1つ1つが、本作では最高に素晴らしい映画のワンシーンとして見事に上手く嵌っているんです。
そして、鑑賞者に幾つも見せ付けた映像の全てが、最後にジーンの放った至高の締めへと集約されます。
これこそ本作を最高のクライマックスとして纏め上げた奇跡の瞬間。素晴らしい余韻を与えてくれる究極の閉幕として完璧に見せ付けてくれた次第。
{/netabare}



『映画大好きポンポさん』をただのアニメ映画と侮る勿れ。間違いなく今年観た中でも「文句無しの最高傑作」であり、「(アニメ)映画史」において燦然と輝き続ける最強の人生賛歌、最狂の映画賛歌で満ち満ちた凄まじき逸品です。『オッドタクシー』をTVアニメ界の至宝とするなら、『映画大好きポンポさん』は映画界の珠玉として、僕の中では目出度く君臨を果たしました。

僕の住んでいる場所の映画館では、『映画大好きポンポさん』大好評記念と準えて、作中キャラクターの好きな映画をリバイバル上映する企画が、今日から始動致します(この情報で住所分かっちゃうだろうなあ)
昨年から続く危機の影響で、映画館と言う最高の娯楽施設自体が存続の危機に陥って。僕がよく通っていた映画館も1館だけ、残念な事に休館となってしまいました(コロナウイルス関連による休館ではないと風聞されていますがね)
だから最近思うのです。当たり前にあったモノの大切をもう1度見つめ直し、自分が好きだと思える対象だけは、何としても死守せねばと。

だからこれから何度でも、多くの映画を観ようと思わせるきっかけを与えてくれた『映画大好きポンポさん』は、僕の中で最高の魔法映画なんです。

まだ観てない方には強く薦めます。
新作映画を、リバイバルを、そしてポンポさんを……最大限に楽しみたいなら、絶対大画面のスクリーンで! ジーンと感覚を追体験して!! ご覧になって観て下さい。
映画を愛する者、支えてくれる全ての人に感謝を覚える至福の一品。
揺るぎなき90分の魔法、どうか多くの人にもっとその煌めきが届く事を。強く強く祈る僕なのでした。





{netabare}
P.S.
これだけは語っておきたい追記1つ目。キャスト陣について。全員がもう最高でした。
映像媒体を語るにおいて、演技の巧拙はよく取り沙汰される議論でございますが、それはキャラクターと物語の調和を図る重要な指針となっているからですね。初心者が見るには分かりやすい判断基準って所に価値があります。
で、実を言うと、このサイトにも「声優の評価」って欄がありますけど、僕はそれを技術単体のみで捉えてはいません。そうした判断は結局の所、分かりやすい表面上の規定に縋っているだけだからです。
演技を行った際に生じた場面毎の想いが全面的に役と適合していたなら、そこでもう「このキャラクターはこの声!」と綴るに相応しい存在として昇華します。『オッドタクシー』なんかも正にそうでしたね(これはもう感覚の問題、抽象的な議論となるので、実に語るのが難しいと言えましょう)
まあ要するに、だからこそ思うのが、この作品において「演技が下手」と語る人は、恐らく観ている部分が違うんだろうなあって事。本作に出てくる声優さん達は、全員が「人の心を引きつける魅力」と言うのに長けていました。それは演技のみならず、もっと人の心奥深くの谷底に眠る魂の衝動で持って、作中で強く効果を発揮していたんです。
格好良いジーン君も、可愛いナタリーちゃんも、映画大好きポンポさんも、彼と彼女の声以外は最早考えられない程に僕の中では君臨を果たしました。
今回、キャスティングしたのは監督本人だそうですが、実に素晴らしい才覚だと思います。どうか続編に巡り会えたら、絶対キャスト変更なんてしないように! 強くお願いと願望の意を込めて、此処に記載しておく次第でした。



P.P.S.
これだけは語っておきたい追記2つ目。映画オマージュリスペクトについて。
これまで4回『映画大好きポンポさん』を観てきましたが、ここまで何度見ても飽きない映画って本当に珍しいなと思うんです。
1回目は公開日当日、2回目は公開2週目、3回目は舞台挨拶回、4回目は舞台挨拶回&オーディオコメンタリー上映だったのですが、観る度に新たな発見が加えられ、作品そのものの深みが増していきます。
『127時間』『未知との遭遇』『タクシードライバー』のオマージュ。アフレコ初日のリハーサルで使われたプールサイドの場面(これがシーンの内容と照らし合わせると実に深い!)。実話を取り入れた箇所やジーン(光)とアラン(陰)の対比等、パンフレットやオーディオコメンタリーでも詳しく語っていて、凄く愛に溢れてるなあと感動。
そして地味に1番響いたのは、入院→編集の流れはカットも危ぶまれたって所。消さなかった理由が何だか無性にグッときました。ジーンとナタリーの編集室場面は、編集した方が遥かに展開が良く映えていて、編集って素晴らしい仕事だなと、強く強く思えたんです。

映画を楽しむ奥深さを植え付けてくる『映画大好きポンポさん』
間違いなく「映画大好き」にさせてくれる最高の映画だなあと。破顔一笑極まる『幸福』だけが残った僕なのでした。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

🏅クレイジーなくらい活きが良い映画と対峙する喜び

“ニャリウッド”にて映画監督に憧れる根暗なアシスタント青年が、
敏腕プロデューサーの“ポンポさん”に抜擢され、
映画人としての階段を駆け上がって行く。

元・深夜ショートアニメの没企画を、
pixivでコミックとして公開した同名作品の劇場版。
(鑑賞後、無料公開部分を閲覧)

【物語 5.0点】
泣かせ映画で感動させるより、おバカ映画で感動させる方がかっこいい。
2時間以上の集中を観客に求めるのは現代の娯楽としてやさしくない。

映画制作物ということで、登場人物に、
理想のエンタメ論を代弁させる本作自体が、有言実行してみせる所が、
格好良すぎて感動します。

作中、理想の編集を求めて七転八倒する新人監督に報いるように、
序盤の何気ないシーンを終盤に回収する伏線芸、
劇中劇内の人物と制作者をシンクロさせる心情描写
など、映画好きならこれくらいキャッチできるよな?
と受け手の想像力も信じて、リアリティより夢のある映画実現のために培われて来た
脚本、編集の秘術を次々に投げ込んでくる快刀乱麻ぶり。


見た目はロリ、中身は大人のポンポさんを光源に、
明るい作風の中で心を弾ませつつ
夢の実現のために何かを犠牲にする狂気にも踏み込むなど、
軸もシッカリしている。
「幸福は創造の敵」の真意。凄く納得させられました。


何より気に入っているのが、
{netabare}上映時間90分が理想の尺とキャラに言わせておいて、
本作の本編をキッチリ90分にまとめ上げた所。{/netabare}


【作画 5.0点】
アニメーション制作・CLAP

人物作画で特徴的なのがカラフルな主線。
昼光にはグリーン、ネオンにはパープル、水面反射光にはブルーと、
使い分けることで、照明を追求する主人公ジーンの撮影へのこだわりを、ここでも体現。

画面分割、ワイプ(次の画面が前の画面を押しのける)
背景も昼夜で違う表情を見せる街並みを描き込み、
タイムラプス撮影(低速度撮影によるコマ送り風動画)による
日常シーンの早送り、巻き戻し演出を再現する。
など演出、編集手法も多彩で、
好テンポ追求という劇中劇との共通課題の解決に貢献。


こういうカットがあるから映画が好きになれたんだと
思い出させてくれる映像構築が
多数再現された玉手箱を開ける至福。


ジーンが身を切るようにフィルムを編集カットする
“アクションシーン”もクレイジーで圧巻♪


【キャラ 4.5点】
プロデューサーのポンポさん。
「ポンポさんが○○に来たぞーっ!」などと、
状況説明とキャラ立ちを両立させる軽快な口調でテンポアップに貢献しつつ、
随所に敏腕の哲学と言動を垣間見せる。

ポンポさんに埋もれた才能を見出す審美眼や、夢を阻む障壁を撤去する豪腕を持たせ、
常識を超えたポジションに確立することで、
新入りアシスタント・ジーンや、新人女優・ナタリーの抜擢という、
夢のようなサクセスストーリーに説得力を持たせる。
リアリストの“ご都合主義”批判など、
トラブルすら逆手に取ってマーケティングに生かす
ポンポさんが暗躍してシャットアウトするぞーっw


アニオリキャラの銀行員・アラン。
元・万能“陽キャ”の伸び悩んでるサラリーマン。

正直、私はクリエイターを描いた作品は別世界の住民を見ているようで、
あまり得意ではありませんが、
アランが夢を追う人間を見つめる一般人代表として
間口を広げてくれたのは有り難かったです。
影の主役として共感度の高いキャラでした。


【声優 4.0点】
ジーン役の清水 尋也さん&ナタリー役の大谷 凛香さん。
夢世界に引き上げられる新人役には敢えてタレント俳優陣をオーディションで起用。
拙い演技も映画業界に飛び込んだばかりの若者の初々しさを狙ってのことと、一応は容認できる。

清水さんは狂気を孕んだイケメンの役作り等に実績がある俳優。
(実写版『ちはやふる』の須藤役とか)
エキセントリックな演技が、終盤開花するジーンの映画人としての本性にマッチ。


ポンポ役の小原 好美さんは安定のキャラ作りだけでなく、
女優経験もある声優としてアドバイスを送ることでも、上記二人をサポート。

アニメ映画主演にどうしてもタレント、俳優を使いたいスタッフの皆さん。
一本に一台。脇に小原さんを置いときましょう♪


“世界一の俳優”マーティン・ブラドック役には大塚 明夫さん。
頼もしいベテランがいると制作も楽そうです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は松隈 ケンタ氏。
序盤はコメディタッチも交えて軽快に、
終盤は音楽をテーマにした劇中劇制作ドラマの佳境に、オーケストラ等も交えて重厚に。
BiSHなど豊富な音楽プロデュース経験に基いて、多彩なジャンルを動員する引き出しの多さで対応。

主題歌・挿入歌はKAMITSUBAKIスタジオのアーティスト陣が提供。
エネルギッシュなバンドサウンドや前のめり歌詞が爽快だが、
音楽が場面を引っ張る感じではなく、
既に感情や芸術が爆発しているシーンに追い打ちをかけて来る感じなので、
気持ちよく突き抜けることができます。


【感想】
シナリオだけでなく、作品自体の出来の良さに、
こういう映画を待っていたんだと泣けて来る、会心の劇場鑑賞でした♪

最近、映画がつまらなくて、エンドロールまで立たずに観られたためしがない。
そんな方にこそオススメしたい快作です♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 33

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

神がかる

この作品は、とても面白かったです。
かなりおすすめです。

以上です。

ここから先は、私がこの作品を観ながらなんとなく思ったことを書いていきます。
"つれづれなるままに"なので、あまり突っ込まないでください。

***

「神がかる」とは
常識では計り知れない、神霊の仕業かとも思われるような様子を表す言葉である。

"成功"しているプロジェクトには、少なからずこの現象がある。
なぜだか上手くいってしまうと言うやつだ。
例えば、偶然にキーマンに出会う、思いがけない人から連絡をもらう。
ピンチのときに何故か救いの手が差し伸べられる、土壇場で妙案が思いつく。
とにかく成功するプロジェクトとは、不思議と上手くいく現象がある。
それも1回や2回ではない。
タイミングが良すぎることが連続するのだ。
これを「神がかる」と言う。

この作品の中で行われる映画製作も「神がかっている」と言える。
では、はたしてそれは、本当に「神」の仕業なのだろうか。

プロジェクトは、"人"が集まってできている。
"人"にはそれぞれ波長があり、想いにベクトル(方向性と強さ)がある。
波長は、重なり合えば増幅される。
同じ方向のベクトルが掛け合わせれば、より大きなベクトルとなる。

一人ひとりが持っている波動やベクトルは、たかだか知れている。
想いはあるけど、一人では大きなことができないのはそのためだ。
しかし、同じ波長、同じ方向のベクトルを持った人々が集まるとすごい事が起こる。
波動はより大きく増幅され、ベクトルはより収束し、指向性は強くなる。
これは、もはやレーザー光線である。
その力はすさまじく、前に立ちはだかる困難をも打ち砕く。

しかし、人々の目に見えるものではないので、そこで何が起きたのか分からない。
よって、人々は、それを「神がかっている」と感じるのだ。

また、こう言うプロジェクトの現場は、「"場"の雰囲"気"が良い」と言う。
私は、"気"のことは良く分からないが、何か目に見えないものを言うのだと思う。
"場"とは、もちろん、波動やベクトル等の力が作用する空間である。
昔の人は、"場"とか"気"とかよく言ったものだと感心する。
成功する集団は、"場"の雰囲"気"がポジティブに物事を捉えようとするのだ。

ここまでは、"人"についての話である。
実際、成功しているプロジェクトは、"天"までもが味方をしてくれるように思う。
やはり、最後は、"天"や運まかせなのだろうか?

この作品でも、映画の撮影中に雨に見舞われるシーンが出てくる。
実は、それを運が悪いとみるか、好機とみるかは、その"場"の雰囲"気"次第なのだ。
この物語でも、撮影現"場"が、それを好機ととらえ良いシーンの撮影に成功した。
つまり、"天が味方をした"のではなく、"天を味方につけた"のだ。
やはり、最後は、"人"なのである。

一度、神がかったプロジェクトは、あとが速い。
好循環が好循環を生み、あれよあれよと言う間に成功してしまう。

さて、その好循環の源はもちろん"人"の集まりである。
正確に言えば、好循環の環の真ん中には、人の集まりがあると言うことである。
その人の集まりとは、人と人の出会いから始まる。
人は、それを"縁"と呼ぶ。

主人公がポンポさんに出会わなければ、この成功はもちろんなかった。
成功は、ポンポさんのおかげだ。
しかし、そんなポンポさんに出会ったのは、主人公である。
つまり、この成功は主人公が引き寄せたものだとも言えるのだ。
また、その出会いを引き寄せたのは、主人公の誰にも負けない映画への想いだ。

オーディションに落ちまくっていた一人の女の子も人一倍女優への想いが強かった。
そして、その想いがポンポさんとの出会いを引き寄せ女優になった。

この作品の登場人物たちには、とても熱い想いがあるのだ。
その熱い想いを人は、"情熱"と呼ぶ。
人は、冷たいところよりも暖かいところの方が好きだ。
そして、太陽のような熱さには惹かれるものがある。
"太陽のような人"と言ったら、それは魅力がある人のことを言う。
人は、"情熱"に集まってくる、"魅力"に集まってくるのだ。
"魅力"とは、"力"である。それは、一種の"引力"である。

つまり、良い"縁"とは、ただ、ぼーっと待っているだけでは巡ってこないのだ。
熱い想いと言う"引力"が引き寄せる出会い、それが、"縁"なのだ。


"縁"が"縁"を呼び、情熱を持った人たちが集まってくると、さらに熱くなる。
熱くなると化学反応が起こる。
化学反応が起こるとさらに燃え上がり、"熱く"なる。
もうこの時点では、"熱"が先なのか、化学反応が先なのかが分からなくなる。
波長が重なり、ベクトルが掛け合わさり、情熱が化学反応を起こして燃え上がる。
その結果こそが、"成功"なのだ。

"成功"の裏には、人が説明できないような「神がかり」が起こる。
しかし、そこには、必ず"人"がいて、"縁"がある。

この作品を観ていて、そう感じたのである。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26

71.2 2 2021年度のヒューマンドラマアニメランキング2位
NOMAD メガロボクス2(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (93)
315人が棚に入れました
もう一度、夢を生きる―― 肉体とギア・テクノロジーを融合させた究極の格闘技“メガロボクス"。その頂点を決めるトーナメント“メガロニア"に、ギアを着けず生身の体で挑んだボクサー“ギアレス・ジョー"。最下層の地下リングからたった三か月で頂点へと駆け上がり、奇跡の優勝を遂げた伝説のチャンピオンの姿に人々は熱狂し夢を見た。しかし、それから7年後、“ギアレス・ジョー"は再び地下のリングに立っていた。傷だらけの体にギアを装着し、自ら“ノマド"と名を変えて……。

声優・キャラクター
細谷佳正、斎藤志郎、村瀬迪与、安元洋貴、宮内敦士、小林親弘、森なな子、鈴木達央、田村真、落合福嗣、れいみ、観世智顕、種市桃子、神戸光歩、内藤有海
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

1期より好きでした。

ギアという機械を使ってのボクシング、メガロボクスが題材のアニメの続編。
一期結構綺麗に終わってたのに続編大丈夫かと思って一気見したけど、一期より良かったように感じました。

{netabare}
試合に重点が置かれていた一期とは違って2期は人間ドラマに重点が置かれています。
2期に関しては一切退屈せず最後まで見られました。

良かったのがキャラ魅力。
2期から登場するキャラ3名、チーフ、マック、リュウも一期からのキャラ、特にサチオ、全員良かった。
全員何かを背負って戦っているというのが良かった。
そして、一期のジョー(正確には一期最終回)が色んな人の原動力という...。

チーフと出会った主人公が自分を見直して、元の場所に帰ることを決意し、その場でリュウやマック、サチオとの出会いを通じて色々変わっていくという構造が良く練られていたと思う。
その辺りの描写が丁寧で良かった。
リュウやマックの心理描写も相当うまかったと思う。

1~4話のチーフの話は上でも書いた通り、主人公にとっての転換点となっていて良かった。不法占拠している地区を正式に買い取るために、メガロボクスで金を稼ごうとするチーフの話。
移民たちからも、あいつは嘘つきだと思われていてもほぼ一人で戦うチーフはかっこよかった。チーフの子供がそんなチーフに感化されて、行動を改めるシーンとかも良かったと思う。
ジョーも自身もそんなチーフを見て、元の場所に変えることを決意するのが良かった。

リュウはチャンピオンであるにもかかわらず、ちゃんとジョーを倒してないことを気にかけていて、謙虚だったのが良かった。
その上でのジョーVSリュウの練習試合はかなり良かった。
最初の方は圧倒されていても、中盤からだんだんとリュウに拮抗するようになっていてほんとに熱かったし、そこでリュウが今のジョーを認めるシーンが良かった。
リュウがケガした後のユーリとの話も良い。
ユーリが、リュウが大きなケガを負うことになった間接的原因は自分なんじゃないかと責任を感じているところに、リュウが自分で選んだ道だから
責任を感じなくていいと言うシーンはほんとに良かった。
リュウが結局どうなったのかは知りたかったけど、そこは視聴者の想像にお任せしますなのかなぁ。某ウマ2期のラストみたいな風にして終わらせても良かったのに感はないこともない。

マックはこの作品で一番かわいそうなキャラ。
変な科学者にBESという謎の機械を脳内に埋め込まれ、それの故障によりたまに自我を失うという。
BESの正体に気づき途方に暮れながらも、最終的にジョーとの試合を決意するのもかっこよかったし、メガロボクスを大切にしながらも家族のことを一番に考えるのもカッコ良かった。ハチドリの歌が出てくるのもこの辺だけど良かったかな。あの症状ボクシングを引退すれば治るのだろうか。

チーフやマック、リュウの話も当然いいのですが、何より最終回が良かった。
あの最終回は賛否ありそうだけど、自分は最高の最終回だった。
最終回はマックVSジョーのエキシビジョンマッチ
脳内に危険な危機を埋め込まれてたり、薬の副作用で二人とも長く戦うとまずい状況。
だから、試合がある程度進んだところで双方タオルを投げる(=降参)
最初はもっと熱い戦いが見たかったのに...と思ったけど、よくよく考えると、そういう展開へのアンチテーゼなのかなと。
こんな危険な状況で戦うことが美化されているのはどう考えてもおかしいし、時には諦めも必要ということを示したかったんじゃないかな。
なかなか見ない展開だったが素晴らしかったと思う。
ハチドリの歌の伏線をしっかりと回収していったのも良かったし、
ほんとに綺麗にまとめられていた最終回だった。

{netabare}
1話
ギアつけてるんかい。
雑魚相手に名前を変えて地下で無双しまくってる主人公w
ばれてるじゃねーかw
言い回しがかっこいい。

2話
歌詞なしOP多いな。ほんと治安が死んでる。
ユーリは登場するんだろうか。
チーフもかわいそうなキャラだな。
移民問題もテーマになってるのか。
何の薬なんだ。

3話
2期、ジョーは戦わないのか?
チーフ可哀想。殺したってどういうことだ?
目を潰したって意味でいいのかな?
せこい戦法w こいつらは移民じゃないのか。
今のところ1期より面白い。

4話
ジョーがここまで肩入れする意味が分からないけど、チーフに同情したということかな?
尊敬されてたからか?
わざとファール展開はちょっと萎えるなぁ。
殺されたか? チーフの話ここで終わり?
バッドエンドともハッピーエンドともとれる終わり、良かった。

5話
これ1期から10年ぐらいたってる?
さちお強い。強くなかった。
結局南部はどうなったんだ?
南部ってもう死んでるのか? 
ここまでで登場してた気がするけど回想?

6話
10年どころじゃなさそう。
5年しかたってないのかよw
めっちゃ成長してるように見える。
ほんと治安が死んでるな。
病院かリングどっち行った方が良かったかって言われると微妙だな。
結局また八百長なのかよ。

7話
ユーリ出てきた。今回のライバルキャラ、普通にいい奴で良かった。
マックもいいキャラだ。
一期と違って相手に好感が持てないということがない。
熱い試合。リュウとジョーが拮抗してて面白かった。
キャラ面において一期より上回ってる。
キャラがいいとやっぱり試合もめっちゃ面白い。

8話
これ脳チップの開発者なんかあるのかなぁ。
なければいいが。オーバーキルじゃねぇか
結局あの開発者は黒?

9話
やっぱり黒かぁ。けど言うほど言ってることおかしくもないか。
あの一期最終回の試合が結構核になってる2期

10話
2期試合に重点はあんまり置かれてないのかな? ここまで試合という試合をしてないね。ユーリとリュウの話も良かった。
選んだのはユーリじゃなくてリュウの方だから責任を感じなくていいという話。
ええ...サチオ辞めちゃうのか。

11話
ノマドのときはギアを付けてたのはそういう理由もあってなのか。
このアニメで初めて治安のよさそうな街を見た気がする。
チーフの話いらなくねって思ってたけど、チーフとの出会いが主人公にとっての転換点になってるのかな。
チーフのギアを付けて戦う意味は分からないなぁ。
ハチドリの話は何を表してるんだろう。

12話 
マックを表してるのかなぁ。

13話
ギアレスジョーとは別だって言いたいのかな。
クズ佐久間。タオルって投げたら降参って意味なのか? 
試合ワンパじゃなくて面白い。 
ここまで試合分めっちゃ熱い試合。
タオルは予想外だなぁ。
まあいい試合だし悪くはないのかな。
冷静に考えで場こういう状況では戦わないのが正解なんだろうけど。
ハチドリを回収してくれたのも良かった。
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

高クオリティの蛇足

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
ボクシング漫画の金字塔、「あしたのジョー」が「原案」となったシリーズの第2期。

「原作」ではなく「原案」てのがポイントで、原作組なら、原作と重ね合わせながら観ることができ、原作を知らなくても、新しい作品として楽しめると思います。

作画クオリティは間違いないです。雰囲気的には、「男くさい」アニメで、個人的には好きな感じ。

ただ、、、ということで、レビューでは本作を誉めつつも、思ったことを素直に書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず大前提として、「本作はかなり面白かった」です。

原作漫画、BOOK・OFFで全巻買っちゃいました(笑) ただ、まだ読んでいないので、ニワカの知識でごめんなさい(間違いあったら指摘して下さい)

まず、このアニメは、1期までが力石戦までのオマージュで、この2期は、ホセ・メンドーサ戦までのオマージュなのでしょう。

まあ、アニメしか観ていない自分には、その辺は関係ないとして。

1期と2期。共に素晴らしいクオリティであることに違いはないが、大きく「テーマ」が変わっていた。

1期は、「人間の力の証明」。己の拳ひとつに懸けるボクサーの、不器用な生きざま。昭和のヒット作を、「普遍的な面白さ」と捉え、現代のクオリティで焼き直した時、イマの人々の心を撃つのか。そんな、実験的な野心を感じた。

2期は、「戦う理由」。ボクサーは、身体に痛みをため、苦しい減量と厳しいトレーニングを経てリングに立つ。一部の選手を除き、莫大なファイトマネーがあるわけではなく、正直、様々なスポーツの中で最も「割りが合わない」。つまり、それぞれに「戦う理由」が必要だということ。

本作においてジョーは、「戦う理由」を探していた。

そして、紆余曲折を経て見つけた「戦う理由」は、「思いを引き継ぐ」ため。過去から現在へ、現在から未来へ。

ジョーはラストに、チーフのギアを付けることを決断する。それは、「身一つで戦いたい」という己のプライドより、「チーフの思いを引き継ぐ」ことが大きいということの証明だ。

1期がギアを脱ぐ物語なら、2期はギアをつける物語。凄く綺麗に物語が流れている、、、気はするのだが、それでも、私は言いたい。

「1期で終わっておけば良かったのに」

前作は個人的に凄く好きで、終わり方もキレイだったと思う。「あしたのジョー」のキャラ設定と美学だけを生かした、オリジナルストーリー。リメイクアニメの新たな可能性を見た。

本作のやりたいことはよく分かるけれど、まず、「ギアが必須ではない」。1期は「人間の力」の対比として、「ギアの力」が必須であり、同時に、昭和と現代対比にもなっていた。

が、「思いを引き継ぐ」は、ギアであっても出来るけれど、ギアがなくても追求できるテーマだ。だからこそ、「なぜ戦うのか」を自問するマックやジョーを観ながら、「なぜ(2期を)作るのか」を考えてしまった。

意図したかは不明だが、2期が1期を否定する展開だったことも大きい。過去の否定は成長を表す手段が、その過去自体を好きな立場からすると、否定されても困るよな、と。

どうやら私は、本作について大きく勘違いしていたようだ。

本シリーズの分岐点となった、「南部氏の死去と、それに伴うジョーの試合」だが、「ジョーはなぜ試合を受けたか」ということについて、11話で「おっさんが死んでも、何も変わらないという希望の灯火を、番外地に灯したかった」という趣旨のことが、ジョー本人から語られた。

私はてっきり、「ただ最期にもう1度、おっさんと戦いたかった」だけなんだと思っていた。つまり、ジョーのワガママ。南部のおっさんが死ぬことを認めたくなかったし、南部のおっさんにも戦ってほしかった。

私はジョーを、もっと純粋な子供として捉えていたが、どうやら、打算、とまでは言わないが、子供達の未来を守る計画を練ることができる大人に成長していたらしい。それが、嬉しいような、寂しいような。それに、前回のハッピーエンドのまま、終わって欲しかった気持ちもあります。

これで、本作が物語として破綻していれば、容赦なく酷評して評価下げるんですが、悔しいことに、本作は本作でちゃんと面白いし、成立しているんですよね。

本作のもう一つのテーマ「帰る場所」。

昔ある記者が、(歴史上最も偉大なF1レーサーの1人である)アイルトン・セナに「最強のレーサーは誰か」と質問したら、セナは、「それは君達だ。速く走るのはエキサイティングだが、デンジャラスだ。人生という長いレースを完走できる真の勝利者は、走らないもの達だ」と言ったらしい。そしてその2年後、実際にレース中に命を落とした。

本作は、ジョーがボクシンググローブを置くための物語。「明日のジョー」では真っ白な灰になるまで戦ったジョーが、健康な身体と心のままリングを降りる。

命つきるまで、燃え尽きるまで戦うことが正しいのか。次の人生のために潮時を感じ、余裕をもって戦いを終えるのが正しいのか。

それは誰にも分からない。いや、どちらにせよ、「戦った漢の選択」だ。それを周りは尊重すべきだと思う。

レビューの中盤で私は、「ジョーは戦う理由」を探していたと書いたが、全話を見終えた今、「ジョーは戦いをやめる理由」を探していたのだと気づいた。

そう考えると、原作との違いを打ち出した、本作にも大きな意味はあるのだろう。

とはいえ、やっぱり「メガロ」である必要なんてなくて。マックが主人公なら「メガロ」の意味はあるけれど、ジョーは最後までギアレスで良かった気がするし、無理矢理ギアを着けている感しかなかったかな。

ということで、負け惜しみを込めては「高クオリティの蛇足」というレビュタイをつけてみました(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆


2話目 ☆


3話目 ☆


4話目 ☆4
あら? 評価消えてるな。チーフ、やはり死んだか。ハチドリ、クリキンディを思い出す。

5話目 ☆3
難しいとこだよな。死に際って。でも、南部さんなら、一緒に戦いたそうだけどな。

6話目 ☆4
勝敗云々ではなく、ただ、オッサンと一緒に戦いたかっただけ。

7話目 ☆4
男のためのアニメ(笑)

8話目 ☆


9話目 ☆3
意識が飛ぶと、機械に意識をのっとられる的なやつかな。

10話目 ☆3
しかし、戦わないよな(苦笑)

11話目 ☆3
戦った理由、そっちだったか。

12話目 ☆3


13話目 ☆4
帰るための戦い。余裕のあるタオルで終わるボクシングか。

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

もう一度、夢を生きる

この作品は、2018年の春に放送された「メガロボクス」の続編に位置する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、前作未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。


もう一度、夢を生きるー
肉体とギア・テクノロジーを融合させた究極の格闘技“メガロボクス”。
その頂点を決める大会“メガロニア”に、
ギアを身に着けず生身の体で挑んだボクサー“ギアレス・ジョー”。

最下層の地下リングからたった三ヶ月で頂点へと駆け上がり、
奇跡の優勝を遂げた伝説のチャンピオンの姿に人々は熱狂し夢を見た。

しかし、それから7年後、“ギアレス・ジョー”は再び地下のリングに立っていた。
傷だらけの身体にギアを装着し、自ら“ノマド”と名を変えて……。

かつて、“ギアレス・ジョー”が果たした夢。
その続きの中で人々は何を見るのか。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

「あしたのジョー」の連載開始50周年を記念する作品なので、当時のジョーを彷彿とさせるシーンが次々に展開されていきます。

「あしたのジョー」といえば、丈の天性のパンチ力に惚れ込んだ丹下段平は、彼を一流のボクサーに育てることを決意し、大好きなお酒を断ち、昼夜問わず働いて資金を工面しました。
少年院に連れられた丈のために綴った「あしたのために」から始まる手紙はあまりにも有名なエピソードです。
そして、泪橋の下に作られた「丹下拳闘クラブ」を足掛かりとして丈は羽ばたきました。

天性のパンチ力と、不屈の闘志で何度でも立ち上がる驚異的な打たれ強さには何度も感動させて貰いました。
そして丈の十八番といえば、やっぱりクロスカウンターですよね。
最強のボクサーであるホセ・メンドーサとの激闘の末、灰のように真っ白に燃え尽きたジョーがあまりにも印象的です。

この作品は「あしたのジョー」と直接的な繋がりは無いそうですが、ジョーと丹下段平から立ち位置を継いだ南部贋作の二人三脚で、ゼロから「チーム番外地」を結成し、メガロニアの絶対王者として君臨する勇利と繰り広げた死闘の数々は、否が応でも「あしたのジョー」を彷彿とさせる展開でした。

お互いの共通項は、「後先考えず燃え尽きるまで最強のライバルと死闘を繰り広げること」なのですが、本作はこれまでと立ち位置が異なっていました。

物語はジョーが何もかもを失って挫折を繰り返し、地下メガロボクスを転々としながら底辺まで落ちたところから始まるのですが、様々な人との出会いから自分のやるべきことと、自分の在り方を俯瞰するようになりました。
すると自ずと言動も変わるのは言わずもがなですよね。

自分の本能のままに生きるのが「人間らしさ」というなら、本作のジョーはこれまで以上に「人間っぽかった」と言えるのではないでしょうか。
そして、この結末こそジョーの真の結末だと思いました。
元来、面倒見の良さは感じていましたから…

だから、これまでの作品の様に「燃え尽きた感」はありませんでしたが、結果オーライなんだと思います。
だって、自分の中で優先すべきものが変わった…というより、ようやく優先できるようになった、という言い方の方が合っているかもしれません。

オープニングテーマは、「The theme of the NOMAD」
エンディングテーマは、「El Canto del Colibrí」
どちらもmabanuaさんによる楽曲です。

1クール全13話の物語でした。
もし前期を視聴したなら是非この作品も視聴して欲しいと思います。
もしかすると、これが「あしたのジョー」の描かれなかったラストに帰結するのかな…なんて勝手に思っていますけれど^^;
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

64.1 3 2021年度のヒューマンドラマアニメランキング3位
ゲキドル ACTIDOL SCHOOL(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (103)
265人が棚に入れました
謎の災害・世界同時都市消失から5年世界は混乱の中にありながらも、少しずつ復興を遂げようとしていたそんな世界で3Dホログラムを用いた「シアトリカルマテリアルシステム」を使った演劇に魅せられ光り輝くステージを目指す少女たちがいたそれぞれの思いを胸に今、ステージの幕が上がる

声優・キャラクター
赤尾ひかる、持田千妃来、諏訪彩花、花澤香菜、M・A・O、山本希望、髙野麻美、秋吉あや、佐藤亜美菜、鳥海浩輔、八島さらら、水橋かおり

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

だって私には、君がいるから

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
正月早々、「ゲキドル」の第1話と劇中劇「アリスインデッドリースクール」が放送されるなど、話題性の高い作品だと思っていました。

また、完走後にwikiを見て知ったのですが、主役である守野せりあ役を演じた「ぴ」ちゃん、こと赤尾ひかるさんが2015年に事務所に所属してからの初アフレコ作品だったんだそうです。

ぴちゃんと言えば、「アサルトリリィ BOUQUET」の一柳梨璃を始め、「えんどろ〜!」のユーシャ、「こみっくがーるず」のかおすなど、色々な作品に出演しています。
だから、これが初アフレコ作品と言われると時系列がズレているような気がしてなりません。
それとも、世に輩出するまで5~6年を要する作品だったということなんでしょうか?

個人的には、ぴちゃんの原点を知ることができたのは嬉しかったですけれど^^


―――謎の災害・世界同時都市消失から5年

世界は混乱の中にありながらも、少しずつ復興を遂げようとしていた

そんな世界で
3Dホログラムを用いた「シアトリカルマテリアルシステム」を使った
演劇に魅せられ、光り輝くステージを目指す少女たちがいた

それぞれの思いを胸に
今、ステージの幕が上がる


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して思ったこと…
すご~く難しい作品だったような気がします。

まず、第1話と連動して放送された「アリスインデッドリースクール」ですが、本編とは何の関係も無かった…と思っています。
確かに、本編の出演されている声優さんが演じている、と言う点での共通点はあると思いますが、それ以外の接点は残念ながら見い出せませんでした。

そもそも「アリスインデッドリースクール」は、これまで無印、オルタナティブ、ビヨンドなどと形を変えて何度も演じられてきた舞台作品なんです。
寧ろ、舞台作品としての「アリスインデッドリースクール」がアニメ化されたと考えた方がしっくりするのではないでしょうか。

さて、このゲキドルですが劇場版アイドル作品、或いはアイドル要素を舞台に織り込んだ作品などと考えていると、どんでん返しを食らうことになります。
もちろん、wikiのジャンルも「演劇、アイドル」と記載されていますし、上記の様な要素が無い訳ではありませんが、物語の内容は予想の遥か斜め上をぶっ飛んでいた気がします。

まず、この作品の劇中劇ですが殆どがアリスインプロジェクトで実際に行われた演劇が基になっています。
ですが断片的過ぎて正直良く分かりませんでした。
劇中劇としてハッキリ認識できたのは、「アリスインデッドリースクール」と、物語最後の演目となった「クロノゲイザー」です。

アリスインデッドリースクールは物語の結末まで描かれていませんでしたが、クロノゲイザーは一部ゲキドルのオリジナル要素を含みながら終幕まで描かれていました。
次から次へと明らかになる物語の超設定の連続にビックリ…

劇中劇の設定にビックリしたのではありませんよ。
ビックリしたのはこの作品の物語自体にです。
まるで「STEINS;GATE」を彷彿させるかのような…
あ、同じ香菜ちゃん繋がりだからといって、まゆしーの「とぅっとぅるー」を彷彿した訳じゃありませんからね^^;

個人的には劇中劇クロノゲイザーの顛末は劇中劇以外の部分との構成・バランス共に素晴らしく良かったと思っています。
これで色々持ち直した感がありましたから…
でも少し詰め込みすぎだったかも。
もう少し演者の心情にスポットを当てても良かったような気がします。

オープニングテーマは、「ゲキドル!」と「時の翼 Chrono Geizer」
エンディングテーマは、「キズナ」、「制服DOLL」、「トーキョーロンリーガール」、「ダンデライオンガール」
それぞれアリスインシアターのメンバーが歌っています。
「時の翼 Chrono Geizer」が私のお気に入りです。

1クール全12話の物語でした。
すご~く難しい作品で、キャラデザも似通っていて区別しずらい面もありました。
私としては、ぴちゃんの活躍を堪能できたので満足しましたけれど…^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15
ネタバレ

kabaj31 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ひっそりと期待。。。

■完走後の感想

回を重ねるごとに面白くなっていくアニメでした。

{netabare}第5話でドールが赤い目になって覚醒した辺りから、
このアニメはいったいどこに向かっているんだ? と、とまどいつつも、
目が離せないアニメになっていきました。
SF要素が濃くなり始めてから終盤の11話になっても、そこからの着地点が見えず、
最終話の12話まで、ダレることなく見れました。
最終話のサブタイトルが「終わりよければすべてよし」なのは笑いました。

個人的に、過去改変モノについて、過去は変えられないから過去であり、
過去が変えられないからこそ、今大切なモノを大切にしようというエンドしか
無いものだと思っていましたが、こういうやり方で変えることも出来たのかと、
少し感心しました。
ゲキドルが過去改変モノに入るかどうかはわかりませんが。

OP、EDについては、前半のOPはアイドルものっぽい歌で、
あ、これ見なくていいやつだ、って感じのOPでしたが、
EDで、あ、これは見なくちゃいけないと思いました。
後半のOPが、じわじわ、妙にかっこよく思えたりもしました。

音に関しては、BGMや効果音、環境音や、ザワザワとした周りの声など
基本を押さえていて、非常に良かったと思います。

声に関しては、あいりの他にあれ? と思う人が何人かいましたが、
劇のシーンでは、せりあ、あいり、ともに気合いの入った演技で
すごかったと思います。
終盤のかをるやドールの声もすばらしかったと思います。

キャラに関しては、
ストーリーが濃い分、後半から終盤にかけて、キャラの魅力は薄くなっていったように思いました。
その点については、もっと、劇パートをたくさん見てみたかったなぁという気がします。

最後に、
人を選ぶ内容ですが、
SF好きならオススメしたいと思うアニメでした。{/netabare}


■第2話までの感想

第2話まで視聴。

「ここは、どこですか?」
「太陽系第三惑星、地球。その直径は約一万三千キロ。
一つの衛星を持ち、炭素型生物の生存に適した大気組成と‥」
「わかります。いえっ、わかりません! 地球のどこですか?」

舞台演劇を題材にしたアニメでしょうか。
元々、劇中劇のHOTDの様なゾンビモノに興味があったのですが、
こちらの本編の方が、ストーリーがしっかりしている気がします。

一部の都市が消滅していたり、近未来的な舞台装置とかが出てくるようですが、
今後、それらがどのような方向でストーリーに絡んで行くのか今のところ不明です。
ただ、登場キャラの紹介や、それぞれのキャラにちなんだエピソードで話が進ん
で行くタイプのストーリーではないような気がします。
なにか大きな柱のあるストーリーであることを期待しています。

もしかすると魂がこもった作品になるのか、ならないのか、
化けるのか、化けないのか、注目してみたいと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

天ぷら盛り合わせと焼肉定食、あ、ご飯は炒飯、味噌汁はコーンポタージュに変更で(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
アイドルと演劇を両方こなす、演「ゲキ」アイ「ドル」を描いた、SF作品。

題材がトリッキーな上、演出も味濃くて、しかもずっとシリアスなんで、ちょっと胃もたれしました。

変わった作品であることは間違いないので、色んなアニメに見飽きたら、つまんでみるのも良いかもしれませんが、気合いは必要です。

《以下ネタバレ》

【視聴断念(6話まで)】
{netabare}
薄ら怖いな~という印象。全体として、名作の雰囲気はしてて、好きな人がいるのは全然分かるが、ちょっと自分には合わなかったかな?って感じ。私は、(特にリアル多忙期は)結構薄っぺらいアニメが好きなのでw

ゲキドル、という題材自体は興味深く、そのまま普通に青春・成長路線で行けば、普通には面白くなったな~とは思いました。もちろん、これをカッチリまとめきれれば、名作になる爆発力は秘めていたとは思います、が、、、

う~ん、SF要素、必要か?

ゲキドル、ガチ百合、池袋ロスト、アリス(ドール)、など、単品でお腹一杯になりそうな要素を盛り合わせにするから、胸焼けがする。

あと、セリアの演技を叱るアイリが、セリアよりもやや棒くさいというか、演技過多な感じがどうも。監督の要求なのか、日常パートでまで全キャラが演技がかっているので、エロゲ感があるというか。

まあ、その「嘘くささ」が、「うすら怖さ」に繋がっているから、狙いならば成功しているのでしょうが。個人的には、観ていて疲れる要因になりました。

まあ、この複数要素をどうまとめていくのか、確かに先は気になりますよ?

でも、、、これはシリアス系の作品全てで大事だと思っていますが、「疲れてしんどいけど、先を観たくてたまらなくなる」という「途中の面白さ」が本作には足りなく、ここで視聴断念とします。

ラスト(伏線回収)は、皆さんのレビューで補完しますので、頑張って完走して下さいね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
また池袋。SF×アイドル×役者、うまくいくかな?

2話目 ☆2
なんか、アイドルになったな。

3話目 ☆3
確かに、その売り方はな。良く分からんが、ジュニアアイドルに脱がしたら犯罪では?

4話目 ☆3
なんか、意外と中身が深まってきたな。棒は直らないけど。

5話目 ☆2
なんか、いつの間にかドールが主役に。

6話目 ☆2
百合だな~。

7話目 ☆


8話目 ☆


9話目 ☆


10話目 ☆


11話目 ☆


12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
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