パイロットで仲間なおすすめアニメランキング 20

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのパイロットで仲間な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番のパイロットで仲間なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

62.2 1 パイロットで仲間なアニメランキング1位
ブルバスター(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (68)
136人が棚に入れました
若き技術者・沖野鉄郎は、自ら開発した新型ロボット・ブルバスターを携え、害獣駆除会社の波止工業に出向。田島が社長を務める波止が対峙しているのは“巨獣” と名付けられた謎の生物だった!
さらに万年金欠の零細企業とあって、波止には常に経済的な問題がつきまとう……。
ロボットの燃料費、パイロットの人件費、もちろん弾一発の無駄さえ許されない。巨獣を退治するという「理想」と、コストという「現実」の狭間で、波止に未来は訪れるのか!?
ネタバレ

てぶくろ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

日曜劇場みたいなことがやりたかったんだけどなぁ…

 キャラに魅力がない、世界観にワクワクしない、フィクションとリアルが上手に混ざり合っているわけでもない、毎話毎話 不愉快な展開が多い……こんなのがやりたかった事なのか?
 
 どうしてこうも主人公は自ら嫌われようとしているんでしょうね。
 ただでさえ、現状6話に来てもまだアル美さんや経理のハゲ相手に空回っているのに、高学歴研修生とも衝突するんだもんなぁ。
 明るいバカ ってだけなら親しみも持てるのに、学歴コンプレックスを持っていて隠そうともしないですし。

 会社のしがらみとか金の問題も、ただただ面倒くさいだけでプラスに働いていない。
 ここを面白く描けないなら、この作品をやる意味って何だろうと 考えてしまいます。

 第10話まで視聴しました。
 {netabare} とりあえず、第7話から第10話まで視聴して抱いた感想は、「あぁ、日曜劇場みたいなことがやりたかったのね」です。
 大企業相手に零細企業が頑張るぞ、的なやつですか、ですが残念ながらそれを目指すには話の厚みが欠けてしまっているように感じます。

 まず、第7話ですが これまでさんざん擦ってきたアル美さんの犬の話に決着がつきました。
 ケリがついたことに安堵しつつも、ここまで擦るような内容だったかなと首を捻りたくもなります。
 アル美さん、犬笛を頼りに単騎特攻って蛮勇が過ぎるぜ…。
 ていうか、あの研究所のおっさんはどういう扱いにしたいんでしょうね。
 携帯を拾おうとして、ネットにかかるってくだり必要でしたでしょうか? 別にあの巨獣が引きちぎるとかでもよくないか?
 鉛くんの正論パンチや四角四面すぎる行動に対して、主人公や武藤さんの肩を持ちたくもなりますが、正直この二人の心証が悪いので何とも言えない気持ちになります。
 で、その鉛くんはというと、1人で島民にアンケートとったりクラウドファンディングの準備をしていたようです。
 うん…まぁいいと思いますけど、資金繰りとかが大きいテーマとしてあるこの作品で、7話まできて今さらクラファンをドヤ顔で出されてもなという気がします。
 島民アンケートも、今まで守秘義務が諸々のネックだったのにアンケートとったら実は良かったですであっさり流してしまうのも釈然としません。

 研究所で巨獣から逃げるときのカット割りはすごい迫力があって良かったと思います。


 第8話は、冒頭の鉛くんの巨獣駆除の手腕や業務改善をくらった主人公が、そのモヤモヤを武藤さんを扱き下ろすことで発散しようとしています。
      マジでコイツなんなんだ…。
 オリジナルアニメは度々なんの魅力もない主人公が登場したりしてしまいますが、コイツはその中でもなかなか抜きん出ていますね。

 その後、武藤さんは武藤さんで粗暴な言動をしながら、巨獣駆除を脳筋的無茶をすることで視聴者からさらに嫌われに行きます。
 脳筋というだけならまだ好印象を持てるかもしれませんが、重役がいるとわかったら取り繕うとする卑しさも見せてしまったのが致命的ですね。
 しかもトドメとばかりにその後、酔って若者に絡むという姿も見せてくれます。
 ここでしっかりと嫌われると後に活躍したところで、マイナスが0になるだけなんですけどね。


 第9話は会社が塩田に吸収されることになり、その際武藤さんが現場を退けなければいけないことが分かります。
 このとき、なんか武藤さんが被害者みたいになっていますが、前話のことを踏まえると塩田の考えに納得しかありません。

 その後、塩田が不穏な動きを匂わせていることがわかります。
 ですが、この辺り主人公が、ロボは俺のモンだ とかいう訳のわからん視点の話を持ってきてギャーギャー騒ぎそれを鉛さんにド正論で返されたりしているので非常にブレます。
 巨獣の発生理由にしても、社外秘だから取り戻せって言われたデータを興味深い内容だからみんなで見てみましょう、となったのには驚きました。いや見んなよ。
 主人公から被害妄想のバイアスがかかった考えでスパイ扱いされる鉛くんやまともな事を言っているのに邪魔者扱いされる専務が不憫でなりません。
 この作品はまともな人がひたすら可哀想なアニメですね。

  
 第10話はこの作品の大きな転換点であり、また私個人としては大きく道を外してしまったような話だと思っています。
 今話で社長は現状を世間に公表することで支援や公的な機関の協力について言及していましたが、正直この考えは視聴者からすると第1話の頃からずっと感じていたことです。
 何故そうしないのかは守秘義務があるからとのことでしたが、鉛くんのアンケートで実はそんなことなかったですとあっさり解決してしまいましたしね。
 しかも、事態が好転するかは賭けです、とか言われてはなんとも締まりません。

 一方、社員たちは業務を配信することで、塩田の闇を暴露し世論を味方にして収益化しようという、暴露系youtuberみたいな事をするそうです。
 クラファンとか配信とか、大学生が考えそうな企業改善案で非常に素敵ですね。
 先ほども書きましたが、ドヤ顔で出すようなもんじゃないでしょ。
 
 不条理に対して、時にルールを破る方法でもって現状を打破するというのは、漫画・アニメにおいて様式美だとは思うんですが、この作品では絶対にとってはいけなかった手段だと思います。
 この作品はイントロダクションや放映時の煽り文句でも、「現実」というものに言及し注力しているのがわかります。
 これまでも人件費や弾代などのコストの話、船舶免許を持っているかや会社のしがらみなどを描いてきました。
 現状、悪役である塩田は現実的な手法で波止を封殺してこようとしています。
 それを主人公陣営が、『こんなルールやら規則なんか関係あるかい!バーンっと世間に公表したったらええねや!もう10万人見とるわ!今さら止められるかい!巨獣ぶっ殺したるわヒャッハー!』という行き当たりばったりな手法をとってしまっては、もう理想と現実という根本のテーマからも逸脱してしまったように思います。
 
 さらに何とも残念な点とすれば、この作品はノリと勢いが重要視されているわけではなく、キチンと鉛くんのようなキャラがいたのにも関わらずこのような手法がとられたことです。
 基本的にド正論やマジレスに対しての返しが弱すぎるんだよなこの作品。
 
 残りの話数で挽回できるのか期待です。

 {/netabare}

 第11話視聴しました。
 {netabare} うーん…なんというか、順当に残念な方向へと向かっていますね。
 打ち切り漫画の最後のまとめ方というか、敗戦処理をしているというか…。
 
 序盤、湖の調査をしていたら巨獣が出て、取り敢えずな感じでアル美さんが怪我をしました。
 なんかもう最終話にてアル美さんが駆けつけるっていう感動を演出するためだけにこうしましたよね? 安いんだよなぁ…。
 

 その後病院にて自分たちの動画が炎上していることを知ります。

 うん、まぁ 塩田のやり方の汚さを演出したり、アンチコメ等に対する脚本の言いたいこととかはわかるんですが、これをそのまんま事務員の子に言わせてるのがなんだかなぁ…。 
 それだけ炎上について詳しいなら、今回の件がどういうことになるか事前に想像つきそうなもんですけどね。

 
 後半は、豪気な関西弁のおじさんがハゲネタを引っさげてビジネスの話をしに来てくれました。
 島の固有種のウミキノコには新発見の発毛成分があるんですって。

 研究所の人がやってきて、巨獣の新情報をくれます。巨獣には未知の神経伝達物質があるんですって。

 物語の最終盤になってから、こうして未知のなんたらとか言い出しているのを見ると、話の収拾のつけ方がもうどうにもならないんだな、としみじみと思い至ります。

 それでも最後はどう締めるのか楽しみです。
 {/netabare}

 最終話視聴しました。
 {netabare} 最終回ということもあって、画面が中々派手で盛り上がってる感じが演出できていて良かったと思います。

 ただ、まぁ内容についてはこれまで感じていた不安な部分をそのまま内包したまま、とりあえずなんとか気合いと熱血で誤魔化し乗り切った、そんな印象です。

 巨獣との戦闘は、良く言えば「テンポが良い」ですが、印象としてはピンチを演出した割にやけにサックリといった感じです。
 あの大型巨獣をがっつり終盤のメインに据えても良かったんじゃ?と思います。
 
 沖野くんの気合いのシーンは、ヒーローという単語から序盤との繋がりを感じられるものでしたが、沖野くん…後半はめちゃくちゃ空気でしたよね笑
 アル美さんについても、まだ犬のこと擦っていて笑いました。
 社長の熱い啖呵も良かったのですが、その後の典型的な「俺たた」endのことを考えると、波止を見くびるな!波止をナメるな!と言われても熱さしか残りません。


 まとめ
 
 こういう作品の作風、テーマで面白いもの良いものを作ろうとするならば、最も重要なのは事前段階で どれだけ設定を深堀れているか、どれだけ話を練れているかにかかっていると思います。
 
 本作品は「重機的なロボットが活躍する」というコンセプトの方が先に立ってしまい、ストーリーやテーマが疎かになってしまいました。
 この作品においてロボットとはあくまで表現方法のはずです。

 よく、オリジナルアニメではもっと尺があればな と思うことがありますが、この作品に限って言えば例え2クールあったところでたいしてオチは変わらなかったように思います。

 これは個人的妄想なんですが、鉛くんの登場は第1話からで良かったのではないかと思います。
 第1話の頃から沖野くんと鉛くんの関係性を深めれていれば、「理想」と「現実」の対比をもっと見応えのあるものにできたり、会社の人間関係も深めることができたのではと考えてしまいます。


       {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

無能な企業、無能な従業員、無能な行政機関…。危機的状況に対応出来そうも無いのは現代日本のカリカチュアなの?意味不明です。

 最終話(12話)まで観ました。2023.12.30

 巨獣の発生原因は分かりましたが、島で繁殖してましたって…。一体巨獣は何を食べているんでしょ?これ、海に進出して魚とか食べてますよね?

 もう、塩田化学が島を領有して巨獣ファームにしようとかそういうレベルを超えたバイオハザード進行中じゃん!どうするのよ?周辺住民既に何人か食われてるでしょ!?

 波止工業も、そんなに簡単に巨獣駆除出来んなら最初からやれよ!バカなの?

 結局、巨獣が脅威だけど金になるなら、塩田、波止、島民、行政が一丸となって対応しなきゃ駄目でしょ。もっと上手い方法がありそうです。

 後、ブルバスター要らんです。巨獣退治だけなら、トヨタのバンに重機関銃でも乗せた方が戦力になります。イスラムゲリラのお墨付きですよ!?信用と実績が…。

 何となく、零細企業の波止工業の勝利的な感じで終わりましたが、常に後手後手で不手際連発だったのに、島民の信頼を得られるの?島民の頭はお花畑ですね。

 警察とか自衛隊が出てきて業務終了でしょ。これから何をするんですか?これからも島のインフラメンテナンス独占出来ると思ってるの?

 なんか、根本的な部分が解決出来て無いんですが、無理矢理ハッピーエンドにした感じが強いです。

 制作は頑張っているようですが、物語がおかしいので、面白く無くなってしまったのがとても残念です。
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 10話まで観ました。2023.12.10

 いや…、そうはならんやろー!本社に吸収されそうなので、意趣返ししたれや〜!で、主人公達はSNSを活用します。

 今までの話は何だったんでしょう?公害の原因を隠している大企業の内幕を協力会社が正義感から暴露したみたいな流れになっていますが、巨獣と公害は違います。

 公害は、政府や大企業が原因を隠したりして、被害が拡大しますが、巨獣は取り敢えず討伐すれば、島民も帰還できます。原因は解明は後でよろし!

 そもそも論として、なんで波止工業が巨獣退治請け負ってんだって話に戻ります。ブルバスターはこの世界では一般的なロボらしいし、零細企業で大した技術も人材も無い会社ですよ!?

 細かいツッコミは「てぶくろ」さんのレビューに譲るとして、脚本のアタオカ振りにびっくりです。下倉バイオさんの脚本かな?違う様です。

 酷いオチになりそうですが、ここまで観たので、むしろワクワクします。東京24区並のヤバさを感じます。
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 7話まで観ました。2023.11.16

 新人の鉛さんが仲間として覚醒した7話でした。アル美とシロの別れなど、泣かせるエピソードモリモリで盛り上がってきました…。

 と、素直に言えないのが本作品です。何だか分からん巨獣相手に無能な人達が中途半端にか関わるから起こる悲喜劇です。

 パニック映画でキャラがやってはいかんことを敢えてしてピンチの連続になる様なイライラ感があります。

 危機管理が出来てない、戦う組織のクセに金も人員も足りない、無謀なカミカゼ攻撃で結構なんとかなるなど、大人がやってるお仕事物語とは思えません。

 ちいかわ達が、なんとかなれ〜!と、己の命と勇気を賭けて、でかこわと戦うのとは訳が違います。アホが何をやってもアホだな〜としか思えません。

 オチへ向けて、頑張って欲しいです。道化の主人公や経理のハゲより、アル美と鉛を活かした方が良い気はします。

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 6話まで観ました。2023.11.09

 新キャラの鉛さん、高学歴で頭が良いけど、空気を読ないで正論を吐くアスペみたないやつでしょ?(笑)として、制作側は登場させたのかも知れませんが、世界観を破壊しかねない真っ当な正論でツッコミを入れてきます。

 主人公達の会社自体が巨獣と真面目に戦う体勢の組織では無く、場当たり的なカミカゼ職場なので、鉛の正論が物語の急所を突いてきます。

 今回も謎の成分が入っているガスの中、生身でガスマスクだけつけて行動したりしますが、ボンベ付じゃない、吸収缶方式程度のマスクで、謎のガス防げるわけないだろ?化学舐めてるの?

 ブルバスター自体、有人機である必然性がありません。巨獣は島の生物由来らしいので、罠猟で取り敢えず生物を駆除してから活動すれば良いのでは?

 コストをかけてブルバスターを運用する意味が不明で、それを新キャラの鉛に指摘させてはいけません。

 馬鹿しか居ない世界に、ツッコミキャラを登場させる理由が不明です。破綻した物語の言い訳か?なにはともあれ新キャラ鉛氏の活躍に期待大です。

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 5話まで観ました。2023.11.06

 新キャラ登場!野郎なので別に気にもなりません。これでキービジュアルのキャラは全部揃った様です。

 しかし…、ブルバスターの性能悪いですねぇ…。二足歩行する意味が問われる5話でした。

 今回巨獣が出てこなかったから良かったですが、相変わらず謎の有毒ガスの中、平気で活動します。自殺行為手当でも支給されてるのかな?。いつか死にますよ?

 もうちょい、登場人物達には危機感をもって行動してほしいものです。

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 4話まで観ました。2023.10.26

 今回は、主人公やロボも活躍し、巨獣の謎に迫る中々面白いお話でした。

 経理のハゲやピンク髪の二階堂アル美(ヒデー名だな!)も良い味出していました。

 ただ、やはり企業の在り方としては疑問を感じます。重要な作戦が従業員や他の会社の自腹やボランティア頼みだったりするのは、どう考えてもブラック企業の所業です。

 また、島民からの委託で巨獣退治をしているというのも、どうかと思います。

 熊や鹿だって泳いで他の地域に渡り、生息域を広げたりします。生態不明の巨獣も、泳げるのがいるという描写がありましたが、島から出て、他の地域で暴れたら誰が責任をとるんでしょう?

 島は謎の有毒ガスも出ている様ですが、主人公達は別に防護服とか着ないで軽装で活動しています。また、YouTuberや他の一般人も簡単に上陸してきます。この人達に被害があったらどうするの?

 結局、零細企業の手に負える案件じゃないんですよね。島から巨獣が逃げないようにしたり、一般人の上陸阻止とか、法的根拠と警備する人員が無ければ無理です。

 公的機関の権力や大学等の調査力無しで何をするんですか?無能企業が事態を悪化させているようにしか見えません。

 行政機関が出てこないのは、行政も無能なんでしょう。この世界、まともな組織が軍隊しかないという、後進国並に衰退した日本が舞台のブラックコメディなのかもしれません。

 何か観ていて、気分が落ち込みそうです。
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 3話まで観ました。2023.10.19

 世界観が何かおかしいです。巨獣について、公的な組織が出てくると島に住人が帰還出来なくなるから、民間会社が対応してるって…。

 正体も分からず、島民を容赦なく捕食する化け物ですよ?世間に公表して国家的に対応すべきでしょ。なんで、下請けで予算もないような会社がやってんの?

 主人公、親会社と島民の板挟みになったりします。会社の業務がイリーガルなので、経営に苦労しますが、当たり前じゃね?

 こんな業務でどうやって利潤出すの?巨獣の死体が金になるような、異世界ものなら分かりますが、ロボを動かすだけで赤字でしょう。

 何か、巨獣を殲滅すれば良い様な流れになっていますが、だったら島を絨毯爆撃でもしろよ…。クソみたいなロボで場当たり的に上陸して駆除出来るわけ無いだろ!

 リアルな会社モノっぽいのですが、根本的に世界観がおかしいので、色々空回りしています。そのうち、社員に死者が出そうです。
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 1話観ました。2023.10.07

 土建屋風組織がモンスターと戦う話の様です。で、もって他のレビューアー様も書かれていますが、初っ端から演出が下手すぎます。

 この組織、ものすごく無能です。構成員も中卒っぽいガテン系しかいませんし、事務能力も低いです。武藤の資格、労務管理も出来ていません。

 こんな組織が対応しているようでは、モンスターの脅威も大したこと無さそうです。

 エブァンゲリオンのネルフは、正規軍もお手上げの人類の驚異に対応出来る、超スゴイ組織だ!という効果的な演出がありましたし、パトレイバーなら、特車二課は独立愚連隊っぽかったけど、実は有能で大活躍というカタルシスがありました。

 リアル寄りにしたつもりかも知れませんが、いきなり組織の官僚主義的非効率を見せつけられて、視聴者はどう反応すれば良いのですか?

 無能組織が危機に対応出来ずに末端の兵士や構成員が死でもって贖うなんて、歴史上にいくらでも実例がありますが、そういう系統のお話なの?

 どちらにしても、敵がそもそも大したこと無いか、危機に対応出来なくて胸糞展開かご都合主義になるしかありません。

 1話から視聴者の興味を喪失させる演出に驚きを隠さません。多分つまらんでしょうが、クソアニメ成分高めなので気にはなります。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

20世紀の会社のような展開とキャラが馬鹿すぎて不快です。

6話 話のフレームは悪くないんですけど、肉付けが面白くない。キャラが馬鹿しかいない。演出も展開も20世紀の会社の感覚。

 SFの大きなフレーム、骨組みは悪くないです。島設定と動物が変化する、それを退治する民間企業という部分ですね。

 それ以上の経営に関する部分はなぜ民間なのか?に仕掛けがないんですよね。SF設定として民間企業であることに奥行がありません。つまり、設定のための設定です。貧乏人のロボット開発がしたかっただけ?

 キャラも同じで全員が物語の為のキャラではなく、作品の為のキャラという感じです。つまり馬鹿を配置して作品にしている感じです。主人公とアル美が特にそうですけど。まあ、この6話の馬鹿っぷりでちょっと我慢の限界かなあと。

 ついでに言っておくと、社長の禿頭ネタとか、終業時間がどうとか、露骨なセクハラとか、あらゆる肉付け部分がテンプレでしかありません。演出、展開、キャラの言動が2,3世代前の作品、20世紀の会社の感覚を引きずってないでしょうか。

 つまり、SF的な設定の結末をどうしたのか?以外は興味が持続しません…というか積極的に不快になります。ですので、視聴中止。

 キャラとストーリーは1.5にしておきます。





3話 描きたいことは垣間見えるが、ロボットものの悪いところが出ている。 窪之内英策氏の描くはかなげでしかし色気のある少女が好きなので、視聴しました。

{netabare} 島民が場所を追われるということから、福島県の原発のアナロジーなのかなあとも思いますが、現状では相手が人災ではないので分かりません。ガスの問題が出ているので今後は人災の事故か故意の可能性があります。

 水道事業の民営化などの行政サービスのあり方なども含まれている感じです。青年団の高齢化、成り手不足の問題もでてましたし、ネットへのマル秘情報の拡散と対応もありました。

 話の構造は「Deep Insanity THE LOST CHILD」と「サクガン」を合わせたような感じです。で、やっぱり思い出すのが「トライダーG7」かなあ、というアニメ作品です。

 本作を見て連想するのはヒグマです。ヒグマ退治で疑問に思った事はないでしょうか?なぜ自衛隊が出ないんだ?警察ではないの?ということです。
 実は獣害でも災害派遣は出来ます。ヒグマやトド退治で自衛隊が出動したことがあります。が、いずれも1960年代で現在は自衛隊に依頼されることはあまりありません。

 災害派遣要請というのは政治的な判断で、他の手段があるときには出しづらいのと、自衛隊が必ずしもベストな第一選択ではないからでしょう。猟友会のベテランの方がヒグマの生態が分かっている分、効率的とも言えます。
 なお、警察の発砲は威嚇に限定されているので無理でしょう。警官の狙撃部隊でも技術は対人向けですので、ヒグマ退治は無理だと思います。

 経営=金儲け…ではありますが、商売はニーズが無いとできません。そして「顧客満足」です。で、事業に対する地域の理解と地域に貢献する企業風土でしょう。

 そういったことを、比較的丁寧に描いていると思います。4話の予告を見るとペットの置き去り問題などもでていました。

 以上を考えると、真面目に考えている話だと思います。思いますが、肝心の主人公にリアリティがないのと、思い入れができないんですよね。

 彼はロボットを作ったらしいですが…パイロットと開発者が同一で、しかも単独の派遣でサポートも無し。何より考えが浅くドラマのために馬鹿になっています。馬鹿さ加減でリアリティが無くなっています。

 そう、これは主人公だけではないですが、キャラが馬鹿なんですよね。大衆=馬鹿のカリカチュアだとは思いますが、しかし、いくらなんでも馬鹿すぎるでしょう?この馬鹿の集合でドラマを作る手法は、今はアニメで見ると辛いですねえ。小説…それも連載小説なら勢いでいけるかもしれませんけど。

 ロボットものに必要なのは主人公の成長課題ですねえ。日本のアニメ…特にロボットものになぜティーンが主役なものが多いのか。それはティーンエイジャーの課題だし、大人になって成長云々というのが痛いからだし未熟さが許されないからです。

 アメリカのスーパーヒーローものが痛いのはいい歳したオッサンがコスプレして成長云々と言っているからです。日本のティーン主人公がリアリティがないとかいますが、成長課題を描くのにハイティーンがもっとも感情移入ができると思います。
 主人公はその点で行動や考え方がかなり幼いし、それがわざとらしいです。そして社会人の成長に対する感動のラインはこういう馬鹿がまともになるような話ではないです。

 ロボットに魅力がない。これは最近のロボットアニメに見られる不思議な現象です。ロボットは自己拡張ですし、憧れです。その為に重要なのが、ロボットに必然性があると思わせることです。ミノフスキー粒子とはいいませんが、パトレイバーくらいの設定は欲しいなあ。
 
 パイロットの魅力、成長課題と年齢設定、ロボットに対する憧れと必然性。馬鹿が集まってドラマを作る手法。これが最近の特にロボットアニメをつまらなくする原因です。それが全部そろってますねえ。ロボットものの要素として自己拡張があるかもしれませんが、そこはこれからでしょう。


 そして、アニメの出来も良くないです。窪之内英策氏の女性キャラの魅力は繊細な線ですので、それをベタ塗りのこういう感じで表現されても駄目ですね。害獣もひどいし。

 ということで、社会の何かを表現しようという試みは評価しますし、小説なら面白いかもしれませんが、アニメとしては、特にロボットアニメとしても経営ものとしても、出来はよろしくないです。

 切りたいのはやまやまですが、SFは最後まで確認したいし、レミノというサブスクの使い勝手も確認したいので、多分見ると思います。

 次のレビューは最終回後か切った時だと思います。{/netabare}


4話 1点だけ。ロボットとか船に乗ってないときの二階堂アル美は結構色っぽくて綺麗でした。乗り物に乗ってるときがだめかなあ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

59.8 2 パイロットで仲間なアニメランキング2位
マブラヴ オルタネイティヴ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★☆☆ 2.8 (147)
420人が棚に入れました
それは、極限の世界で戦う人々の絆の物語―この時空に存在する、無数の並行世界のひとつ―そこで人類は、戦術歩行戦闘機(戦術機)と呼ばれる人型兵器を駆り、人類に敵対的な地球外起源種「BETA」と数十年にわたる戦いを続けていた。滅亡の危機に追い詰められた人間たちが、過酷な運命の中でどのような生き様をみせていくのか―
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

いつものエロゲ原作

やたら持ち上げられてる気がするエロゲが原作のアニメ
今期アニメでワーストだと思います。
褒めどころが戦闘シーンしかない

{netabare}
とにかく展開が早すぎて初見だと理解するので精一杯。
SCARLET NEXUSが超良心的なアニメに思えるほどには意味が分からなかった。
まだそれでも序盤は何とか理解できたんだが、クーデター編に入ってからは、全然クーデターの全貌が描かれないし、唐突にアメリカが出てきたり、征夷大将軍というワードが出てきたり、ほんとに意味が分からなかった。
この辺分からなかったのでちゃんと調べて、現実の日本とは別の日本が舞台だってこととかしっかり理解したけど、ほんとに説明不足すぎる。

それと、恐らく端折りすぎてるせいだからだろうけど、アニメだけ見ると主人公が夕呼に無理難題を言いまくって発狂してるウザイキャラという印象にしかならない。声優が下手なことも相まって。
ヒロインも特に魅力がない。というかこの作品周りが女しかいなくてエロゲ特有の気持ち悪さがある。男は戦場に駆り出されたから、とか一応理由付けはあるんだろうけど普通に生徒以外だと男いっぱいいたしね。

話も正直脱線しまくり...。ベータとの戦闘が見たいのにずっと人間同士の争いを見せられてかなり退屈。ベータ出てきたの一話だけじゃないか?

作画も良くない...。そもそもOPからして怪しいし、一話のベータが壁倒すシーンとか笑った。

全く持って面白いと思えなかったので、原作からつまらないか、原作の魅力が0%しか発揮できていない作品だと思いますね。
OPは非原作勢でもこのアニメのOPに文句を言いたくなる気持ちがわかる。
EDは普通に良かったと思うけどね。

どうせ後に「アニメなんてなかった」って言われるいつものエロゲ原作アニメって感じ。2期いらないです。
エロゲとかいうなろう原作よりもアニメ化成功率の低い媒体はもうアニメ化しなくていいよ。

{netabare}
1話 ☆7
有名なエロゲだけど内容あんま知らないんだよなこれ。ゴーウィゴーウィの奴とは関係あるのかな。
なんか一人声優下手なのいるな。
不気味なCG なんというかもうすでにアニメ化失敗してそうな雰囲気...。壁より掘の方がよさそう
壁壊れるとこ演出酷すぎでしょ。
まあなんやかんや一話はそこそこ面白かった。

2話 ☆5
OP、JAM PROJECTじゃないのかよ。
なんだこの歌い方w は?
唐突すぎだろ展開w
地球に残ってる人はもう死が確定してるようなものか。
? いや地球放棄なの?
主人公リープでもしてる?
13万人って一般市民だから消えても関係ないんじゃないの?
ああ、オルタネイティブ4を実行しないとダメなのか。
女ばっかだなぁ。

3話 ☆5
たぶん男はもう駆り出されていないから女ばかりなんだろうけどちょっと見ていて違和感があるな。
いつ教えたし。おい作画w
スミカって誰だよ。ああ、世界系ね。
何で今まで根拠出してなかったんだよw
一話が一週目ってことか。

4話 ☆3
何でこの状況で海で泳いでるんだよw
このエロスーツどうにかならんのかね。
くっそ違和感あるわ。今回話も割とついていけてないかも
プログラムは簡単そうだな。
けどコンボなんてなくても手動でその攻撃ができるようにすればいいのでは? GBAなっつ
HSSTってなんだよ。なんか似た構図を死ぬほど見た。
ベータの巣だって!?って言われてもベータの印象が全然ないんだよ。

5話 ☆5
ノリが00年代エロゲで寒い。息を吸うようにセクハラ。
何で戦争中なのにこんな空気。
主人公何もしてないくせに文句ばっかり言うじゃん。

6話 ☆4
いや実験短すぎるわ。ダイジェストだなぁ。
ということは主人公の周り全員死んだら元の世界戻るのか。
カスミがスミカの名前の入れ替えなのは露骨に何かあるな
何で意識の移動のはずが物体まで移動するんだよww 
何も感情移入できねえ

7話 ☆1
主人公があっちの世界に戻る理由が分からない。
エロゲってほんとトンデモ設定連発するよな、グリザイアとか。
カスミの設定意味不明すぎる。
こんな状況で一発逆転の手があるのも不自然
主人公がうざすぎる。
あのユエユエ言ってるヒロインもきつい
作画崩れすぎ。
いきなり喧嘩始めてて草、と思ったら仲直りしてて草。
いや何が起こってんだよ、てか彩峰誰だよ。

8話 ☆1
クソアニメの時間。
はよベータとの戦闘シーンを見せてくれや。
いつまで内輪もめばっかしてるねん。誰だよ。
主人公の声がむかつくわ。何でクーデター起こしてるの?
敵前逃亡で投獄ねえ。
ちょっと今回から本気でストーリーが理解できてない。
ここまではなんとなくわかったんだが。
この状況で国が孤立したらまずいだろw 

9話 ☆1
演技下手じゃない? 止まれ両手を後ろにの言い方ww
征w夷w大w将w軍w で、こいつら誰なん。マジでわからん。
こいつはクーデター側じゃないのか。
対ロボじゃなくて対ベータを見せてくれよ。
アメリカが干渉してるのかよw 何のためにw 
wiki見てきたけどめっちゃ説明不足じゃん。
日本の政治体制が違うとか、アメリカは大して侵攻の影響を受けてないとか説明すべきでしょ。
ロボの戦闘シーンは割といい。

10話 ☆1
主人公とヒロインの顔見るだけでムカつくアニメ。
切っていれば良かった。いや高原誰だよ。
はよしろや。アメリカと組んでるのか。
眠らせてメリットあるんか? 

11話 ☆4
ほんといつまでベータそっちのけでやってんだ。
せwっwとwくw 理想論やめろや。謎エロ。

12話 ☆1
やっと終わりか。このOP最後まで好きになれんかったな。
こういうの実在の国でやられると気持ち悪さを感じるわ。
世界観理解出来たばっかだし、全く感情移入ができないんだよ。
これ反米作品?クーデターの全貌が全く見えん。
早すぎて全く感動できねえよ。
男普通にいるのにハーレムアニメ...w
はよ終わって。演説まだ終わらんの?
このEDめっちゃ好きってわけではないけどこのアニメの中では唯一の救いだな。
どうせ誕生する奴人間型ベータなんでしょ

曲評価(好み)
OP「輪廻」☆5.5
ED「TRISTAR」☆7
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人類敗北――抗え、迫り来る絶望に。

この作品の原作ゲームは未プレイです。
「トータル・イクリプス」「シュヴァルツェスマーケン」に引き続き、1967年の地球侵攻から現在に至るまで無差別に侵略活動を続けているBETA(人類に敵対的な地球外起源種)」と対峙する作品として位置付けられています。

「トータル・イクリプス」は、2012年の秋アニメから2クールで放送され、「シュヴァルツェスマーケン」は、2016年の冬アニメとして放送されました。

ですが、この2つの作品は「マブラヴ オルタネイティヴ」のスピンオフ作品なんです。
「マブラヴ オルタネイティヴ」のゲームは2006年に発売されているので、先にアニメ化された2つの作品の根幹となる訳ですが、どうしてアニメ化されたのが一番遅かったんでしょうね^^;?


それは、極限の世界で戦う人々の絆の物語―
この時空に存在する、無数の並行世界のひとつ―

そこで人類は、戦術歩行戦闘機(戦術機)と呼ばれる人形兵器を駆り、
地球外起源生命体「BETA」と数十年にわたる戦いを続けていた。

滅亡の危機に追い詰められた人間たちが、
過酷な運命の中でどのような生き様をみせていくのか―

『マブラヴ』は、ゲームブランド:âge(アージュ)が企画・製作した2003年発売のアドベンチャーゲーム。
2006年発売の『マブラヴ オルタネイティヴ』と合わせてひとつの壮大なストーリーを成し、
多くのシェアードワールドタイトルやメディアミックスを展開しているプロジェクトである。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

INTRODUCTIONに記載されている通り、「マブラヴ オルタネイティヴ」は「マブラヴ」の続編です。
「マブラヴ」は、青春恋愛アドベンチャーゲームで、何と「君が望む永遠」とストーリー的には直接的な関係はありませんが、舞台が共通していたり、「君が望む永遠」のメインキャラクターが登場することから、間接的な続編と位置付けられているそうです。

まさか、BETAと生き死にを懸けて戦う物語と、ドロドロの三角関係を描いた物語に接点があったとは思いもよりませんでしたよ^^;

満を持して輩出されたこの作品ですが、不満じゃない訳じゃありません。

第一に、前作を知らないと分からない設定があるのに、前作の「マブラヴ」がアニメ化されていないので、物語の展開には???という点が多々ありました。

案の定、完走後にwikiをチラ見するとこう書かれていました。

「当初は『マブラヴ』と一体のものとして開発が進められていたものの、製作に膨大な時間がかかってしまうことから、『マブラヴ』発売時に『マブラヴ オルタネイティヴ』として分割して発売されることが発表された。
その為、『マブラヴ』よりも先に『マブラヴ オルタネイティヴ』をプレイしてもストーリーを理解するのは難しい。
公式ページ開設当初は、『マブラヴ』をプレイした上で本作をプレイする事が推奨されていた。」

当時の技術でゲームを分割するのは仕方ないと思いますが、この都合をアニメの世界にまで持ち込む必要は無いと思いますし、そもそも媒体が異なるので最初から『マブラヴ』として制作するのに、どの様な問題があったのでしょうか。

私は『マブラヴ』をプレイしていないので細かいことは分かりませんが、ゲームの様にアニメもブツ切りになっていたとしたら、ついていけないのも無理はありません。

それと、前2作よりBETAとの戦闘シーンが激減していました。
目の前で繰り広げられるのは、BETAとはかけ離れたものばかり…
今後の展開で必要な要素なのかもしれませんが、途中から何を見ているか分からなくなってきたのも事実です。

その背景には敵味方が分かり辛かったという点が否めないと思います。
原作を忠実になぞるのも大切ですが、アニメとしてもう少し分かりやすく構成できなかったのかな、とは思いました。

ですが、アニメーションのクオリティ自体が上がっているので、作品としては見易かったと思います。
主人公の白銀 武の台詞が少し一本調子に聞こえたようにも思いましたが、鏑木さん、みっく、いおりんやLynnさんの熱演が光っていたので結果オーライといったところでしょうか。

戦術機の格好良さや、バトルシーンの迫力は一級品で、文句の付けどころは無かったと思います。
この辺りは作り手の気合が感じられて好印象でした。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、V.W.Pさんによる「輪廻」
エンディングテーマは、STEREO DIVE FOUNDATIONさんによる「TRISTAR」
個人的にはオープニングが大好きでした。

1クール全12話の物語でした。
第2期が2022年に10月に放送されるとのことなので、総評は第2期視聴後になると思いますが、回想編でも良いので前作との関係や設定の補足があると嬉しいかな。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

レオン博士 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

話が全然わからない。

【紹介】
PCゲーム原作。人類が戦術機と呼ばれる人型兵器を使って敵対エイリアンであるBETAと戦う話。
名前だけは聞いたことあるんですが、原作ゲームは知らないので初見です。
原作のシナリオ知っている人がどう感じるのかはわかりませんが、知らない私にはわからないことが多すぎてつらい

原作を知っている人のためのアニメで、知らない人は見るなってことでしょうか?

【音楽】
OPテーマの「輪廻」はアニソンらしいアニソンで結構好き。
ED曲も好み分かれそうな曲調ですが嫌いじゃないです。主題歌は悪くないと思います。

【作画】
人物作画は良くない。顔が崩れすぎ。
その反対にCGがとても良い。戦術機の作りこみが凄くてめっちゃカッコいいですね!
特に戦闘シーンの出来が素晴らしい。
ずっと戦闘だけやっていればいいとすら思ってしまいますね。
でも残念ながらあまり戦闘シーンは多くないです。

【シナリオ】
第一話見たら結構面白そうで、戦闘がメインの話かと思ったら、2話以降ほとんど戦わないのが残念。
せっかく戦術機のCGとか、戦闘の動きとかカッコいいのに勿体ない。

話はかなり面白そうな雰囲気は常にしているんですよね、設定も良いと思うし。
でもなんか、いろいろ知っている前提で話が進んでいく感じがつらい。
視聴者に理解させる気がないような不親切さ、部外者にされている居心地の悪さ。
キャラクターとか、出来事の背景とか分からな過ぎて、なんかもったいない感じがしますね。

【声優】
主人公の声が保志さんっぽい。

【キャラクター】
女性ばかりの中一人だけいる男性の主人公。
かなり変だと思いますが、そういう細かいことよりも女性キャラクターに魅力を感じなかったのが残念。

キャラクター同士の関係性がよくわからないしキャラクターの掘り下げが少なすぎて愛着が持てない。
もっと時間かけてキャラ掘り下げするべきじゃないでしょうか?

【総評】
良かったのは主題歌だけ。

人物作画が微妙で戦術機のCGが最高なのに、学園生活ばかりで全然戦わないのがモヤる。
早く敵攻めてこいって何度も何度も思ってしまった稀有なアニメ

たぶん原作ファン向けのアニメなのでしょう。
2期やるそうです。え、2期やるの? 
戦闘シーンある回だけ教えて欲しい。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

67.8 3 パイロットで仲間なアニメランキング3位
勇気爆発バーンブレイバーン(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (128)
277人が棚に入れました
―――ふたりを繋ぐ“勇気”人型装甲兵器『ティタノストライド=通称TS(ティーエス)』が発達した時代。 各国軍は“ハワイ オアフ島”に集結。陸上自衛隊所属 イサミ・アオと アメリカ海兵隊所属 ルイス・スミスのふたりは戦闘の最中出逢う。 突如所属不明機による強襲を受け、為す術もなく散っていく兵士たち。 己の誇りをかけて戦え。死と隣り合わせの戦場で生き残る為。仲間を救う為。 命を信じて、“勇気”を燃やせ。
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

8話が事実上の最終回・・・だと?

<2024/2/19 追記>
制作スタッフがトークショーで「スタッフ的には8話が事実上の最終回」と言ってたらしい。
ストーリー的になのか?
謎が解けるって意味なのか?
アニメ製作作業が一番大変だったってことなのか?
とにかくあと2話っすね笑

<2024/1/20 初投稿>
Cygamesのオリアニらしい
2話まで見ました
見始めなので評価はデフォルトの3.0

こういうのも多様性って言うんですかね
海外の腐れポリコレ野郎どもに是非とも意見を伺いたい笑

内容は・・・ある意味生粋のロボアニメです。
リアルでもありスーパーでもある。
それ以上は今は言えない笑

ロボものお好きな方ならちょっと覗いてみる価値あるかもです。

2話まで見た感じ、もしかしたらブレイバーンって{netabare}女の子か?スミスを乗せるのを「生理的に無理」とか言ってたし。2話ラストで波打ち際に倒れてた女の子って倒された敵ロボたっぽいし。
まさかこの作品って、艦これやウマ娘のように美少女化するスーパーロボものなのでは?笑
Cygamesだし{/netabare}笑

つかこの後どうなるの?

<2024/2/18 初投稿>
6話まで見ました。
評点4.2は6話まで見てのものです。

謎が謎よぶ展開。
さっぱりわかんなくなった。
3〜6話までのポイントは
{netabare}
・美少女ルル登場
・海中戦。エヴァのガギエル戦を彷彿とさせる
・イサミ、ようやくパイロットスーツ着る
・男二人が半裸で拳で確かめ合う笑
・杉田メカ再登場
・名乗りのタイトルバックは自分で投影するスタイルのブレイバーン笑

6話の杉田さんの挙動見ると変態ロボども=美少女説は無くなったのかな
だとするとCygamesはブレイバーンをどんなゲームにするつもりなんだろ?このままだと生理的に気持ち悪いゲームになりそうだけど笑
{/netabare}

4,5話で少しおとなしかったブレイバーンさん
6話でまた気持ち悪さ充満してきましたね。
この先も楽しみ。。

<2024/4/7 追記>
リアタイで最終回見ました
ブレイバーンの正体が{netabare}スミスだってのは、もしかしたらとは思ってましたが、まさか淫蕩のデスドライブズ・田中敦子さんもといクーヌス嬢だったとは!!!笑{/netabare}
どうりで気持ち悪いわけだ
王道エピソードをパッチワークのように組み合わせてるくせに、今まで全くなかったロボアニメになるという訳のわからないアニメでした
あとやっぱOPテーマ曲がクセになりますね

そういえば公式が変ですね
デスドライブズの{netabare}追悼{/netabare}動画を出したり。特にとあるデスドライブズさんの{netabare}追悼{/netabare}動画はほとんど「ヒロシです・・・」になってたし笑

あと女の子キャラの抱き枕を販売するのはわかるとして(ネットでは「なぜイサミとスミスの抱き枕じゃないんだ」の声が上がってたようですがw)、股間にイサミをあしらったパンツ売り出してるし。ケツはブレイバーンw

エイプリルフールネタで「ブレイバーンのフライパーン」とか

最後までやりたいほーだいっすね

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

2話の某キャラのセリフと同じで、生理的に○○になってきたため断念・・。(2話まで視聴して)

>1話まで視聴して
子供向けっぽい作品タイトルにダメモト程度の逆期待をし、特に事前情報収集せず、ぶっつけ視聴開始っ。

序盤の印象は、最近のロボット系FPSゲーム?っぽい印象。。
作画?CG?等は丁寧な感じだけど、全面的に真面目な感じで、特に気は惹かれず・・。

”勇気”。大切なキーワードのようですね・・^^。

一気にシリアスな展開に・・。

逆オペレーションメテオ??(全然違うw)。
でも、される側で自分がそこにいると想像すると、勿論恐怖でしかない・・。
異星人??。未知の得体のしれないモノとの邂逅。圧倒的テクノロジーの差を見せつけられた時
それは、固まってしまうことしかできないことでしょう・・。


ここで垣間見える本作の主人公っぽくない地味さ^^(そこがいい)。
碇シンジ君ばりの手の動作ww。
そしてアムロ・レイばりの初実戦での恐怖描写w。

モルヒネ投与する医療班の描写も何気に良い。

実は主人公はもう1人?。
バディになりそうな感、醸し出し過ぎw。

・・と思ってたら、瞬間的に視界が何色か一色に染められてしまう・・。
何らかの災害等に巻き込まれてしまう時というのは、実際そんなものなのかもしれません。
リアル系・・で普通に考えたら、たいてい即死案件でしょうw。
まさかの1話退場?w・・と思わせといて
こんなのスーパーロボット系じゃないと生存できんでしょw。


ああ~、絶体絶命~

からの~

ああ~、これバカアニメだ!!(←誉め言葉&大歓喜♪)

誰?、これ歌ってんのw。

ダサすぎるww(誉め言葉^^)。


日曜朝の”戦隊ロボットもの”っぽいロボ感が濃すぎるけど
普通それだと。動きがカクカクしてカッコよくないはずだけど
なぜかリアルロボット系であるかのような身のこなし描写ww。
・・一瞬、タウバーンっぽくも見えてしまう(錯乱)。。

リアル系、スーパーロボット系のいいとこどりしてますね♪。
すごくバカアニメだけど、主人公たちの真面目さとのギャップがいい味になってる!。

1話だけの、出オチアニメになってしまうのか
はたまた、アツいバカアニメを貫き通してくれるのか?。
今期は、まず本作の行く末が楽しみになりました!。

どちらにしても、こういう作品に最も大切なのは、敵キャラの魅力だと思います。
今後、魅力的な敵キャラが出てきてくれることを信じて待ってみることにします^^。


-----------------------------
>2話まで視聴して
2話の某キャラのセリフと同じで、生理的に○○になってきたため断念・・。
なんとかもう1回、確認のため再視聴しようと思ってましたが
やはりもう観る気が湧いてこない・・。
 
う~ん。一言でいえば、いろんな意味でやりすぎです・・。
 
 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
ネタバレ

セシウス さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

中途半端なコメディロボアニメ

 ロボアニメに色々携わってきた人を監督に据えたオリジナルロボアニメですね。
 搭乗型ロボットが兵器として実用化されている近未来の地球が、突如宇宙から超兵器で攻撃されるところから始まります。米軍と合同演習中だった主人公の自衛官は米軍とともに侵略者と戦いますが全く歯が立たず全滅必須の大ピンチ、そこへ謎のロボットが救援に登場し侵略者部隊を駆逐してくれます。この謎のロボットは意思を持った自律型で、なぜか主人公のことを知っていて一方的に好意を寄せており、主人公のために侵略者と戦ってくれるといいます。この謎ロボットの戦う動機が主人公への好意になっている点がとてもユニークで、ここまでを描いた第一話の時点で続きのストーリーに強い期待を抱かせます。
 しかしながら、二話以降は単に協力しながら侵略者と戦う話に終始し、つまらなくなります。また話のテンポもやたら遅かったり急展開だったりと安定せず見るのがだんだん苦痛になってきます。
 この作品がギャグアニメではない、ということがわかると設定で明かされない点があまりにも多くて非常にモヤモヤします。例えば {netabare} ブレイバーンを作ったのは何者なのか、侵略者の目的は何か、日本とハワイ以外の他の地域はどうなっているのか、ルルは結局何だったのか、なぜブレイバーンは主題歌を流すのか、日本語の主題歌を作ったのは誰なのか、{/netabare}などなど挙げればキリがないです。

 キャラクターは主人公がとにかく魅力に乏しいです。良いところが全くなく、相棒キャラとロボットの引き立て役です。その他のキャラクターたちも描写が薄くて印象に残りにくいです。唯一主役ロボットだけが序盤だけものすごくユニークでしたが、第三話以降はあまり面白みのないキャラになってしまって残念に感じました。声優さんたちは声はあっているし演技も良かったと思います。ただキャラに深みがないため、平凡に聞こえてしまうのが残念でした。

 作画はとても良かったです。女子キャラは皆可愛く、メカもデザインやエフェクトが良くできていてバトルシーンは見ごたえがありました。音楽はOPはいかにもなスーパーロボットアニメ風、EDは極めて特殊な男デュオのバラードで、どちらも一度聴いたら忘れられなくなります笑
 ユニークなロボアニメを作ろうとしたけど熟成不足でバラバラになってしまった印象の作品です。どうせならシリアスな設定をもっとしっかり作り込んだうえで、ロボも入ったガチムチ三角関係のギャグアニメとかにすれば良かったのに、と思いました。
 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

74.9 4 パイロットで仲間なアニメランキング4位
ブルーサーマル(アニメ映画)

2022年3月4日
★★★★☆ 3.9 (37)
149人が棚に入れました
高校時代、バレーボール一筋で頑張ってきた都留たまき。サークル活動や恋愛などで充実した、“普通の大学生活”に憧れ長崎から上京するも、入学早々とある事故でグライダーを傷つけてしまう。その弁償のために“体育会航空部”の雑用係をすることに。思い描いていた大学生活とはかけ離れた環境に不満を抱いていたが…、主将である倉持の操縦するグライダーで初めて《空》へ飛び立った瞬間から、一面に広がるその美しさに魅了されていく。
「もっとたくさん飛びたい!」とだんだん《空》の世界に夢中になっていくたまき。
彼女の天真爛漫な性格は周りを明るく照らし、気づけば、共に練習に励む先輩の空知や同期との間にも固い絆が生まれていくのであった。
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

あまりの面白さに原作読破し聖地巡礼もしました!原作と全然違うので解説します!!

長崎出身の大学1年生女子、都留たまき(通称つるたま)が上京し、青凪大学体育会航空部の面々やグライダーと出会い、仲間やライバル達と共に切磋琢磨しながらグライダーパイロットとして成長していくスポ根青春群像劇
年1でテレビ放送している「鳥人間」の方ではなくウインチや飛行機で牽引して飛ばし、スピードを競うのが「グライダー」です
タイトルの『ブルーサーマル』とは目印になる雲が無い快晴の青空の中で、捕まえる事が非常に困難な上昇気流の事
つるたまはこの『ブルーサーマル』を捕まえるセンスを徐々に開花させていきます


原作は小沢かな先生の漫画で全5巻で完結済み
正確には打ち切りに遭ってます;
アニメ映画公開に合わせて連載された、つるたまを航空部に引き込んだ張本人である倉持先輩の過去を掘り下げたスピンオフ『FIRST FLIGHT』が全1巻で完結済み
つるたまをマンツーマンで指導する空知先輩との日々を題材にした番外編的な読み切りも1本あります


元々東映が2016年頃にテレビシリーズとして企画した作品に脚本の高橋ナツコ経由で『東京マグニチュード8.0』で縁のあった橘正紀監督にオファーが入ったそうな
しかしながら企画は頓挫してしまい数年の空白を経て2020年頃に劇場版として再始動しました
そんな経緯もあって原作5巻分を約100分にまとめるという荒業を成し遂げています
この映画を観た方々からは「内容が駆け足過ぎる」という感想が散見されますが自分はそうは思わず「ただただテンポの良い作品だなー」と感じました
その点を後ほど細かくネタバレ込みで解説します


東映は元々新しい試みをしたいとの思惑から外部プロダクションに制作を依頼するつもりで、『ルパン三世』ばっか作ってるイメージから脱却を図りたい老舗のテレコムがこれに応えた形になった様です
劇中では実に1年の出来事が消化される為、四季折々の風景が特に空模様を中心にして美麗な背景美術で描き出され、それだけでも観応えあります
またグライダーは3DCGで起こしたレイアウトをノリダーこと橋本敬史が中心となって2D作画に描き直すという手の込みよう
ディティールの少ないグライダーは3DCGだと味気なくなりがちなのでそれをカバーするためだそうでメカ作画のなんたるかを考えさせられます
音楽は全編フィルムスコアリングで特に上空のシークエンスでは金管楽器がメインの劇伴が爽やかな"滑空"の様子を彩る
主題歌と挿入歌を手掛けたSHE'Sの爽やかな歌声、ホーンセクションの軽快なメロディライン、縦ノリのリズムもこの劇伴達と調和が取れてる
つるたま役は声優初挑戦の堀田真由が努めるがアフレコ前にわざわざ実写映画の様に読み合わせをしたというだけあってナチュラルな芝居に仕上がっています
その芝居に表情豊かなつるたまのアニメーションが載ると良い意味でギャップがあってより一層つるたまというキャラが魅力的に感じます


ここまででかなり丁寧に作り込まれた作品である事がお判り頂けると思います
自分は爽やかな作品世界に浸れた感動の勢いのまま、主な舞台である埼玉県熊谷市に聖地巡礼に行ったり、原作も全て読破してしまいました
そこで気付いたのですが、この映画はだいぶ原作とは違います
以下からはネタバレ込みでその違いを細かく解説します


{netabare}
まず先述の通り原作は端的に連載打ち切りを喰らっていて、最終第5巻の中盤から散々広げた風呂敷をほぼ畳まず唐突に終わりを迎えます
映画では関東大会が省略され全国大会のみ描写されてますが原作ではこの関東大会の最中、その結果やそれ以降の全国大会は一切描かれずに卒業し社会人となった面々と全国大会の優勝旗だけが最終回で描写されてるんですね
この様に原作が唐突に終わりを迎えている故に、映画を駆け足に感じた方々の違和感の正体とはアニメスタッフがシナリオ制作に苦心した結果なんだと思います


原作5巻分を約100分にまとめるという都合上、カットされたエピソードがあります
コンテ撮の編集で実に50分は削ったと監督は仰ってますが、明白に原作にあって映画に無いエピソードはつるたまの初ソロフライトです
原作では重要なエピソードとして描かれていて、このエピソードのラストでつるたまが事故を起こしかけるという彼女や彼女を取り巻く面々にとって一つの転機となる出来事です
しかし映画では点描、尚且つつるたまは無事に初ソロフライトを成功させてます
このエピソードは当初全カットの予定でしたが原作者小沢かな先生やグライダー監修の丸山毅氏からグライダーパイロットにとっての通過儀礼なので、という希望で点描という形にして残される事になったそうです


その一方で映画で追加された描写もあります
冒頭の長崎を旅立つシークエンスとクライマックスの全国大会以降はほぼ全てがオリジナルなんです
原作でつるたまの複雑な家庭環境は矢野お姉ちゃんを通して徐々に明かされていきますが映画ではつるたまの実の母の人物像はこの冒頭に集約されています


その他にも映画があくまでつるたま目線になる様に朝比奈さんの過去や空知先輩に兄弟がいるという描写はオミットされました
朝比奈さんは天才的な素質を持つ同期を世界大会に送り届ける空港までの道中で交通事故に巻き込まれ死亡させてしまい、自身も足に後遺症を抱えています
そんな悲劇があった故に自分と親友の果たせなかった夢を倉持先輩に背負わせているのです
空知先輩には兄と弟がいて、兄は倉持先輩を体育会航空部に引き込むキッカケとなった人物で『FIRST FLIGHT』に登場します
弟は空知先輩をグライダーの世界から引き離してパイロットになる夢に専念させようと画策するトリックスターで、原作終盤につるたまが2年生に進学すると新入生として登場します


そもそも原作の倉持先輩は青凪の全国大会団体優勝を掲げておきながら個人としての実績しか残さず卒業を迎え、つるたまの2年目が始まる、という矛盾を孕んでいるのですが映画は1年間に物語が集約されているが故に倉持先輩の公約は達成されているという最良の道を辿っています


また、羽鳥の過去も原作では細かく語られてます
映画では霧ヶ峰の青阪戦で阪南館の秘密兵器として羽鳥は顔を見せてますが原作では唐突に新人戦で初登場し、散々強キャラ感を出した割につるたまの才能に打ち負かされてしまうという咬ませ犬っぷりですw
実は羽鳥は中学からグライダーを経験しているエリートで、逆に言うとグライダー以外の取り柄が無く、あんな性格なので友達もいないという寂しい人であることが明かされます
だからグライダーでつるたまに負けたことがショックでデイリーの表彰をボイコットしてしまったんですね


これら周辺人物の掘り下げを映画に盛り込んでしまうと観客の没入感やつるたまへの感情移入が他の人物に目移りしてしまうので削って大正解でしたでしょう
そもそも原作は群像劇として広げるつもりだったのか細かい設定が大量にあり、それらが連載打ち切りによりほぼ手付かずのまま投げ出されてしまっています
それらを取捨選択して約100分にまとめたんですからこの映画の脚本は凄く良く出来てるんですよ


一番大きな変更点はなんといってもドイツで墜落した倉持先輩が原作ではそのまま死去したとされてる所を映画では生還しており失踪しただけだった事に改変したところですね
これについては小沢かな先生自身もご納得の上で改変した様です
ラストのつるたまと倉持先輩の無線でのプロポーズの様なやり取りは原作ではドイツに旅立つ前にされる、二人にとってほぼ最後の会話だったのですが、映画は生還していた倉持先輩との会話にする事でハッピーエンドのサゲとしてるわけです
確かにグライダーは危険なスポーツですがグライダーの楽しさを伝えるはずの作品で若者が命を落とす、というのは頂けないですよね
原作では倉持先輩、朝日奈の同期、空知先輩の高校時代の友人と3人もの若者がグライダー事故で死んでます・・・いくらなんでも人殺し過ぎ・・・
そうでなくても倉持母は病死しますからね
ちなみに原作第1話の1ページ目でドイツの空の青さに涙するつるたまが描かれているので打ち切りでもそうでなくても倉持先輩が死去する事は予定調和だったという事と思われます
かなり前向きな捉え方をしても原作はハッピーエンドとは考え難いですね


原作はグライダーの魅力よりもつるたまを中心とした恋模様に漫画としての面白さを注いでいる事が見受けられるのですが、映画のつるたまは倉持先輩でも空知先輩でもなく「空に恋してる」様に描かれています
そんなつるたまのひたむきさに本人が意図せずとも倉持先輩も空知先輩も、羽鳥ですらも惹かれていく・・・というのが映画の狙いになってます
原作は恋愛像が古典的というか、刺さる人には刺さるんでしょうけど観ていてより気持ちが良いのは映画の方ではないかと思います
原作はつるたま以外にも室井さんと成原くん、矢野お姉ちゃんと倉持先輩といった具合に男女の恋愛関係を描写することに注力しています
これは『FIRST FLIGHT』にも引き継がれているので小沢先生が本当に描きたいのは実のところ恋愛ってことなんじゃないでしょうか?


また、映画の方が登場人物が総じて清々しくなっています
これに関しては原作の前半がかなり迷走してて、中盤ぐらいでキャラが固まってくるのでその中盤以降を基準にしたと思われます
序盤の部活勧誘の時にディスカスの翼を破損させてしまったつるたまに対し原作の空知先輩は胸ぐらを掴んで迫ってくるんです
いくら高価なディスカスを壊されたとはいえ自分のミスを棚に上げて新入生女子の胸ぐらを掴む空知先輩はいくらなんでもガラ悪すぎですw


また、つるたまがディス工のドライバーを紛失するシークエンスですが映画ではツナギのポケットに穴が空いて不可抗力的に失くしてますが、原作ではそのまんま失くしたとされています
この件に機体班の班長、相原先輩は映画では丁寧に事の重大さを説明し、全員でドライバーの捜索をします
しかし原作では「グライダーなめんな」と言ってキレ散らかし、つるたま1人にドライバーを探させます
それだけ相原先輩が真剣という事なんですがついこの間はいったばかりの新入生にそこまでの責任を追わせるのはちょっと理不尽ですよね
映画と原作では体育会航空部がホワイト企業とブラック企業ぐらい対応が違うと思いますw
これも観ていて気持ちが良いのは映画版でしょう


また、つるたまがヒロインとしてより魅力的に思えるようになる工夫もあって、つるたまが興奮するとすぐ方言が出てくる方言女子要素は映画の方が強調されてます
原作だとこの方言要素はあまり安定してないです
キャラとして魅力的なのは映画の方でしょう


ちなみに原作でもあまり掘り下げられず放置されてしまった要素として、一見すると体育会系じゃない倉持先輩や室井さんが体育会航空部でやっていけてるのは実は倉持先輩は剣道道場の孫、室井さんは空手部の出身という意外な一面があったからという事になってます
これだけはオミットされてしまったのが実に惜しい要素でしたねw
また「鳥人間」こと航空研究会と体育会航空部との因縁も原作ではチラっと垣間見ることが出来ます


余談ですが原作最終回では社会人になった主要人物が倉持先輩を慈しみながら登場します
空知先輩はジェット旅客機の副パイロットデビュー、成原くんはプロカメラマン、室井さんは空港のグランドスタッフ、矢野お姉ちゃんはブルーインパルス入りが噂される自衛隊の戦闘機パイロット、そしてつるたまは朝比奈さんとドイツへ・・・
そんな中で羽鳥はエアレースパイロットになってますw
原作の完結は2018年ですからその頃はまだエアレースが盛んでしたね
今は大きな大会が無くなってしまいました・・・


ぶっちゃけ原作は多方向に手を広げている割に打ち切りのせいもあって中途半端な作品である一方、約100分の単発映画として、しかも丁寧に完成させたアニメスタッフは正しく評価されるべきだと自分は思います
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

風に乗り青空を

東京の大学に進学した主人公、つるたまは都会でのキャンパスライフに憧れている女の子。
そんな最中、彼女のミスでグライダーの羽を破壊してしまい入るつもりもない体育船港部に入部する事に!!

この作品は「空」が舞台です。
乗り物には陸海空とありますが、私は空が1番好きです。
空を題材にしたアニメだと「IS」や「スカイガールズ」がありますが、どのアニメを見ても私は空を自由に飛んでみたいと昔から思っています。

つるたまは体験入部で先輩の倉持と一緒に空を飛びグライダーに感動します。
私もこの感動は解ります。

私は幼い頃に、父の当時働いていた会社の社長さんが息子さんと空軍ヘリの乗車体験チケットを購入したらしいのですが、息子さんが体調を崩したらしく、社長さんが父にチケットを譲ってくれて、父と空軍ヘリに乗りにいったのですが空から見る街はいつもと全然違う街の景色に太陽の光に反射する海面など新鮮で美しく今でも強く印象に残っています。

雲も本当に綿菓子みたいで私と同じ目線でフワフワしてるし、鳥も私より下を飛んでるしで凄く感動しました。
きっと初めての空はきっと感動すると思います。

つるたまには飛空士としての才能があるらしく先輩の倉持先輩は彼女に期待をします。

{netabare} しかし、つるたまは体育会系のノリにトラウマがあり入部を辞退しようとします。
理由をサークルを通じて恋をしたいからと……
そんな倉持先輩は彼氏を用意してくれました。
部に入って彼氏付きとは優良物件ですな!ってそんな訳あるかい!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)*ꠥ⁾⁾
人に決められた恋ほど詰まらない恋はないよ!{/netabare}

そんな訳で、彼氏役に白羽が立ったのは彼女が欲しいと話してた空知先輩……
空知先輩は倉持先輩に憧れているから了承する…………いいのか空知先輩よ……そんなよく解らない恋で……


作中で、つるたまがドライバーを預かるのですがドライバーを紛失します。
ドライバーを紛失……つるたまは弁償すると言います。

私も弁償かな?
ドライバーなんてすぐに買えるよ。
ドライバー1本なんて!と、私も思いますが、先輩達は怒ります。

{netabare} ドライバーを無くしたことにではなく……
無くした場所が、もしもグライダーの中で計算された重量を重心にして飛ぶグライダーがバランスを崩したり、機材に引っかかりでもしたら大惨事を招く可能性が出るからだそうです。 {/netabare}
これを聞いた時、凄くびっくりしました。

当然の事だけど最悪の事態を私は想定出来なかったし、空を飛ぶ事の危険性をあまく考えてしまってました。
学びでした。
楽しい乗り物だけど、危険な乗り物でもあるのですよね……

合宿では、つるたまの腹違いの姉である、ちづると再会しますが、2人の仲は険悪で……
でも、彼女は一方的につるたまを嫌ってる雰囲気もあって……

でも、私は作中では、このちづるの気持ちが何かよく解る気がしました。
つるたまは、誰とでも打ち解ける事がある。
自分をドンドン出せる女の子です。

一方、ちづるは
{netabare} 亡くなったお母さんの面影をちづるに見る父親の期待に答える事で精一杯で、甘えることも上手く出来なくて、つるたまのお母さんは彼女も受け入れようとして手を伸ばしてくれなくて、でも、変な意地があって上手く甘えられなかったりするんですよね。{/netabare}

私も昔から中々、自分を表にだせないので、自分を出す事の難しさって解ります。
自分を出さないと他人も自分を見せてはくれないのも解るけど、解ってても上手く出来ないって経験はよくあったので。

そう考えると、すぐに誰かと打ち解けるつるたまは凄いなぁ〜ってww
{netabare} でも、お姉ちゃんと一緒に飛ぶ機会があり、姉は妹の才能……いゃ……頑張りと本当の気持ちを認めてあげる事ができます。{/netabare}


朝比奈さんって方がいます。
彼は部活のOBで倉持先輩の実力を認めてくれて「約束」をしています。
最初は、朝比奈さんって凄く嫌な奴ってイメージがありました。

{netabare} いきなり、倉持先輩の気持ちを考えず海外に送り出したり、約束を武器に無理矢理に従わせてるような。
それでも、時には嫌な役を引き受けて鼓舞したり、約束はしっかり守る義理堅さもある人だと感じました。 {/netabare}

そんな、ある日の大会の最中に海外で倉持先輩の乗るグライダーが墜落したと連絡が来ます。
動揺を隠せない部員達に朝比奈さんは事態しようと提案します。
それでも、飛びたいと言うつるたま。

{netabare} 彼女と朝比奈さんの間で交わされている契約は優勝したら、つるたまの思い通りにしてくれる……
勝って、倉持先輩を探すために彼女は空を飛ぶ!

大会の中で飛ぶ順番を変えて欲しいと、そうすると4年生として大会に残り僅かしか出れない南葉先輩が飛べなくなるかもしれないけど飛ばして欲しいと……南葉先輩が出した答えは…… {/netabare}

スポーツをする人なら大会で成績を残したいし活躍したいってのは必ず誰でもあると思う。
断る事も出来ると思うし、それを断っても誰も責めないでしょう。

{netabare} でも、彼は自分の出番よりも活躍よりも……青凪大学体育会航空部としての優勝に賭ける。
例え優勝出来なくても、自分が活躍出来れば記憶にも記録にも残る。
多分彼は、そんなものよりチームとして優勝を選んだのです。 {/netabare}

つるたまのセンスもどれだけ彼女が頑張っているか、倉持先輩がどれだけ彼女に沢山の事を教えていたのを知っている。
だから、彼は優勝を信じて彼女を送り出す。

その結果は……

{netabare}優勝

つるたまは朝比奈さんと海外へ行き倉持先輩を探しに行きます。
そうして、彼女は倉持先輩が飛行した進路に乗り連絡が途絶えてしまう。
そんな彼女の耳に届く無線からの声は……

実は、先輩が飛ぶ前に倉持先輩のお母さんが亡くなられました。
正直、これは辛いですよね。
多分、倉持先輩はお母さんが居なくなって、全てを失ったのかなって。

お母さんが元気になる事を信じて頑張っていた。
グライダーは彼にとって大好きな乗り物だけど、そのグライダーで海外に行かされて、お母さんと引き離された……そうして、お母さんの死に目にも会えずにお別れする事に……

彼の大好きな物は、彼の大切な家族を奪ったように感じたのかもしれません。
だから、グライダーを墜落させ姿を眩ませた。
もぅ、乗りたくないから……
もしかしたら、お母さんの後を追うつもりだったのかもしれない……

だから、彼は、街で大きく進路を逸れたグライダーを見かけては走り出す。
誰かが自分と同じルートを飛んでいる……
そんな事が出来るセンスの持ち主は?

彼は走り出す。
もしかしたら、自分を追っているように彼には写ったのかもしれません……
だから、怖くなった……また、誰かを失うかもしれない……その悲しさは辛さは寂しさは、彼がよく知ってるから……

そうして、つるたまの無線に必至に言葉をかける倉持先輩……
その声に彼女の第一声は……

その後はEDで倉持先輩が帰ってきてました。
それは、つるたまと朝比奈さんの契約に基づいて、つるたまが連れ戻したのでしょうね。

そうして、時は流れ部室には…… {/netabare}
それは、倉持先輩があげた目標の実現の成果。


さて、この作品ですが、物語はテンポがよく進むけど少し駆け足かな?と思います。
作中で恋愛って言葉が出てきますが、あまり恋愛はありませんね。
ただ、恋と言う意味なら、つるたまは空とグライダーに恋してたのではないでしょうか?

後は、競技が少し説明不足かな?
グライダーの着陸の仕方や競技内容もそこまで詳しい説明がないので、私からみたら少し競技が理解出来なかった部分もありましたw

でも、中々面白く楽しめる映画でした(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

緻密に構築された空間で満喫する上々のフライト体験

グライダーにかける青春模様を描いた漫画『ブルーサーマル―青凪大学体育会航空部―』(未読)を原作にした劇場アニメ作品。

【物語 4.0点】
飛ばし気味だが、何で魅せたいか整理はできており、後味は爽やか。

原作コミック5巻分を1本にまとめたとのことで、
例えば{netabare}倉持と朝比奈の過去{/netabare}など説明不足も感じる。
が、”ブルーサーマル”を本当の意味でタイトル回収して締めくくるまで駆け抜けたいなどの熱意は伝わって来る。

感覚的な部分も多いグライダー競技の解説も、要点は押さえたので、
後は実際に映画館で飛んで、考えるより感じろというスパルタぶりw
ですが、プロット自体は明快なスポ根で、
鑑賞者を誘導する構成は考え抜かれている。
身を委ねて、風を捉えれば、感動、感涙まで突き抜けることも可能。
私も青空が涙で滲むまでは行きました。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・TELECOM

緻密。

エンジンもプロペラもないグライダーの飛行体験を鑑賞者とどう共有するのか?
本作は流線背景などの漫画的な嘘は付かず、
徹底的にリアリティを突き詰めることで心躍るフライト映像を実現。

背景美術も、3Dモデルを組み、
飛行シーンでは衛星データ等で高度、方向を算出した上で、
コックピットから見える風景を正確に再現したとのこと。

この計算し尽くされた空間を手描きで構築された白いグライダーが舞う。
臨場感溢れる飛行体験でもあり、上質なアート体験でもある。

私のお気に入りは、霧ヶ峰の山岳滑翔にて、グライダーの動きに合わせて、
背景の山岳風景が遠近3段階それぞれのスピードで回転スクロールするカット。


圧巻の飛行映像を土台に、専門用語等を押さえた競技展開、青春ドラマがスパイスされることで、
目には見えない上昇気流が確かに掴めるのは驚異的。


それでいて主人公・つるたまの多彩な顔芸など遊ぶ所はしっかり遊んでいる。
(学食のうどんをすする、つるたま。美味しそうでしたw)


【キャラ 4.0点】
明るく前向きで元気だけが取り柄と思われた主人公ヒロインが、
優れた感覚を持つ、凄い初心者だった。
そんな主人公など認められない系のサークルの先輩男子とか、
マウント取ってくる他学のライバル男子とか、
まぁ、どうせ、良き強敵(とも)になっていくんだろうけど。
エースはあからさまに秘密を抱え、どうせ、終盤、波乱要素になるんだろうけど。

などなどスポ根王道セットが一式揃っていますので、
スポーツ物視聴経験があれば、馴染みの薄い競技でも視界は良好です。


主人公・つるたま、こと、都留 たまき。
過去や{netabare}姉との確執{/netabare}といった暗部も設定されるが、
それでも前向きで、自然に利他に走る、
{netabare}姉{/netabare}が嫉妬するくらい眩しい主人公の陽性を際立たせるのに使われる。

つるたまは、風をつかむのも、他人の心をつかむのも、幸せをつかむのも上手い。
ハイペースなシナリオを駆け抜ける主人公キャラは原動力でした。


【声優 4.0点】
主人公つるたま役には女優・堀田 真由さんをオーディションで選出。
意中のナチュラルボイスを活かそうとスタッフも本人も奮闘。
声優初挑戦かつ、関西人に長崎弁のコミカルを表現させる無茶振りも、
つるたまの母役で、長崎県人の津田 匠子さんのサポート等で乗り切ったとのこと。

結果、私も終始、明るく楽しく、青春ドラマを完走できました。
タレント俳優を広告塔だけのお客さん扱いせず、熱意を持って起用、ディレクションすること。
周囲の声優さんとのコミュニケーション&フォローもあること。
”ちゃんとした声優”じゃなくてもOKな諸条件だと、つくづく感じます。


主役とトライアングルの様相を呈するエース・倉持役に島﨑 信長さん。
ツンデレな先輩男子・空知役に榎木 淳弥さん。
など脇は声優陣が固め、傷口を晒す演技も含め盤石。
ノッブか?えのじゅんか?どちらのイケボが良いか?
うどんをもう一杯すすりながら徹底審議すべき問題ですw


【音楽 4.0点】
劇伴担当は海田 庄吾氏。
雄大なトランペットのアレンジが、滑翔の高揚感をアシスト♪

ED主題歌はSHE'S「Blue Thermal」
フルート等の生楽器が踊るにぎやかなアレンジが大空のスケール感を想起させる上向きソング♪
他に挿入歌バラードもあり。


【感想】
体育会系に少なからずアレルギー反応がある私。
本作も、やれ規律だ、掛け声だと暑苦しいですw
が、グライダーの場合、事故は命に関わるため、
体育会系要素も根性論ではなく安全の必要性からと納得したので、
私も無事に滑り出すことができました。

ま、最後は結局、気合とパッションなんですけどねw


とにかく飛行シーンは素晴らしいので、是非とも劇場で体感して欲しいところですが、
上映館が余りにも少なすぎるよー(泣)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

62.3 5 パイロットで仲間なアニメランキング5位
境界戦機(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (101)
318人が棚に入れました
西暦2061年、日本は支配された。4つの世界主要経済圏によって分割統治されるに至り、日本人は隷属国の人間として虐げられる日々を送っていた。日本は各経済圏が投入した人型特殊機動兵器 AMAIM が闊歩する世界の最前線となった。機械好きの少年、椎葉アモウは、ある日、自律思考型AI「ガイ」と出会う。これをきっかけに、アモウは日本を取り戻すための戦いに身を投じることになる。自ら組み上げた AMAIM「ケンブ」に乗って。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

カンタム

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
「何か物足りないガンダム」「簡単なガンダム」という印象だったので、「カンタム」にしました。クレヨンしんちゃんとは別物です(笑)

まあ、ガンダム系作品として一定以上のクオリティはあったとは思うので、ロボットアニメが嫌いじゃないなら、観ても良いかなと思えるアニメだと思います。

2期あるみたいなんで、どちらかというと、間を置かず、2期まで一気に観た方が良さそうなアニメに感じました。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
個人的にロボットアニメは大好物なので、本作もそこそこ楽しく観られました。

でもまあ、劣化版ガンダムなのは否めない。

私は「水曜どうでしょう」が好きなのですが、あれはなかなか新作を出さないので、どうでしょう熱を誤魔化すために「旅猿」を観ているような感覚です(多分、伝わらないw)

これ作るくらいなら、シンプルに金かけた新作のガンダムを作ってほしいのですが、まあ、ガンダムは敷居高くなっちゃって、ご新規さんが入りずらくなってる感あるし、当たればでかいけど外してもでかいので、新しい類似作品で色々試している感じでしょうか。

本作の問題点は、やはり対象年齢が微妙な感じでしょうか。子供が観るには難しく、大人が観るには簡単すぎる。

そもそもガンダムは、「簡単なものが子供向けだと思わない」という冨野さんの信条のもとに作られているが、今の時代にあんな企画が通るとも思わないし、ある程度の分かりやすさは必要なんだろうな。

ロボットを「必殺技」の延長線上、主人公の能力の一部と捉えているスーパーロボットに対し、「単なる兵器」としたガンダム。そこにリアリティや発明があったが、本作は、そのどちらとも言えない立ち位置。

無人機を使う敵側にとっては「兵器」であるが、専用機を有人で操る主人公側にとっては「必殺技」。よって、6対4でスーパーロボットアニメに。

また、無人機なのにわりと近くで操作していたり、どういう理屈か、有人機の方が強かったり(スーパーAIいるなら、丸投げした方が強くないか? 人間の反射速度や認知能力、判断力なんて、限界があるでしょ。AIの指示通り動くパイロットに、何の価値が?)。

ここのチグハグさが最後まで気になった。

やはり、「ミノフスキー粒子」という設定は優秀だったんだよな。有人機、有視界戦に必要感が生まれるから。

ロボットのバトル、戦争の悲惨さ、登場人物の葛藤や成長、複雑な国際情勢。全てを描こうとして、その全部が薄く、63点くらいになっちゃっているので、もう少し絞った方が良いかもね。

個人的には、本作くらいの高いクオリティでやれるなら、複雑な世界情勢や主人公の設定は廃して、単純に「戦争」と「ロボット」を、リアルに描くだけでも良かったと思う(「戦争」と「登場人物の成長や葛藤」に絞った86は、なかなか良い作品だと思うし)。

こういう複雑な設定にしたいなら、むしろ、ロボット邪魔でしょ。大体、ゲリラとロボットって相性悪くない? めっちゃ目立つし、金食い虫だし。

まあ、「プラモ売りたい作品」にそれ言ったら元も子もないけど(笑) これ、プラモの需要、どこまであるんだろ? 私なら、同じ金払うなら、まだ持ってないガンプラ買うけど、普通に。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
何度か見た設定(笑) ガンダム風だな。まずまず面白い、てゆうか、ロボアニメ好きなんだよな(笑) 

2話目 ☆3
無人機なら、人型である意味が出てくるのか? 老夫婦との出会い。そろそろ、組織に属するか。

3話目 ☆3
ここで、友情と戦場。

4話目 ☆4
ゴーストね。共通の敵になる? スゲェ分析力(笑) ある程度の信頼と、思いやり。

5話目 ☆3
なるほど、戦わなくても、知り合いは死んでいく。戦う理由ができたな。ちょっと不自然なほどの善意。

6話目 ☆3


7話目 ☆3


8話目 ☆3


9話目 ☆3
兄さんか。最後の情けのかけ方は良い落としどころかな。

10話目 ☆3


11話目 ☆3


12話目 ☆3

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

戦闘は面白かった

ロボアニメ

{netabare}
悪くはなかったんだが良くはなかった普通な作品な印象。

まず、舞台設定が雑なのが気になった。
あんな前近代的な差別が少し未来の世界で起こっているとは考えづらいし、そもそも4か国で分割統治、植民地化というのもリアリティがない。
こういう設定を見るたびに気持ち悪く感じる。
こんな設定にしたいなら1900年代前半が舞台にすればいいのにって。
もしくは86みたいに架空の国の話にすればいいのに。

で、コードギアスみたいに植民地からの解放を目指す話なのかと思いきや、1クールかけて全然何もしない。ゴーストと言う謎の敵と戦ってただけ。設定のわりに変な方向に話が向かっていて面白みがない。

4か国に分割統治されているという設定の時点で話作りも難しく、当然各国の印象とか全然残らないし、どの国が何をやっているかも非常にわかり辛い。というかそういう描写が全然ないから別にどうでもいいのか。
展開や軍の行動にも突っ込みどころが多く...

キャラはいいから話自体は普通に楽しめるというのがプラス要素。
あと、戦闘はどことなくギアス感を感じるけど面白かった。
都合良すぎだろって面はあるけど、地形に目を付けた戦闘はまあ面白い。
前半結構酷評したけど、正直クソアニメでもなければ良作でもない平均点な作品。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
まんまギアスじゃねーか世界設定。
こういう誇張された差別表現のあるアニメ嫌いだわ。
昔ならまだしもこんな数十年後の未来でここまで目に見えた差別が残ってるって設定が不自然なんだよな。
また自立型AIアニメかw
もうロボアニメに目新しい設定は無理なのか。
人質の存在意義。このAIがまるで子供向けのノリだな。
つかみとしては悪くない。

2話 ☆7
あれで許されるのガバすぎんかw
急に畑アニメ。こいつらは味方かな?  

3話 ☆6
黒の騎士団かな。
なんでそんな帝国主義時代に巻き戻ってるんだってこういう作品を見るといつも思う。意外とこいつ弱いんかよ。

4話 ☆6
さすがに戦闘シーン面白いな。あの女死んだんか。
面白い特殊能力だなw 第三勢力いるの?
おい主人公今更戻るんかよ
ロボはついてくんのか。

5話 ☆3
未来でこんなに差別が増えてるとは思えないんだよね。
こういうのしたいなら20世紀前半辺りを時代背景にするか架空の国でやれ。
リサは死んだのか。ほんと何で時代逆行してんの?
時代設定2061年だよね。抗議って捕まるだろ。
何で主人公にそこまでしてあげるんだよ。国連仕事しろよ。

6話 ☆6
やくならマグカップも。
オセアニア軍が攻める理由雑すぎだろ。
攻めるメリットなくね?
ギアスで見た暗号 ここで説明したら意味ねーだろw
いやいやどんな攻め方だよw 連携しろや 

7話 ☆6
ゴーストくんもう退場するのか。回収された。

8話 ☆5
迷家感。何アニメなんだ。家の修理って。
サクガンより削岩してる。まあ脱線してるけど面白かったよ。

9話 ☆7
死亡フラグ。コードギアスならこの町戦場になってる。
相対的貧困。坂急すぎだろw
ガバガバ警備。何故そう簡単にハッキングできるw
兄白か黒どっちだ。車家に残るために自作自演した説

10話 ☆8
今回ロボアニメっぽいな。
地形を生かした戦闘が出来てて面白い。
交戦するのか。

11話 ☆5
ゴーストの開発者か? 治外法権
電池少女で見た展開。 ん?
こいつら敵じゃないのか? 

12話 ☆7
漁夫狙いかよ。ゴーストくん強すぎんか?
確かに地形利用とか揺動は今のゴーストじゃ読めなそう。

13話 ☆6
ガイの出会い回収せずに死亡? 悪くはない

曲評価(好み)
OP「enemy」☆7.5
ED「You're my perfect mirror」☆6.5
{/netabare}


{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

saitama さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

ネクストガンダムを探しているのかな…。設定の根本が大失敗している。

日本が分割統治されている…。
まあ、元ネタは第2次世界大戦時に実際に日本をドイツのように分割統治する案があった部分。
ブレイクスリー原則ってやつ。

これに基づくフィクション作品はたくさんある。

でも、この反戦思想というか、設定が完璧に時代遅れな気がする。
支配しているのが共産主義か独裁国家による占領なら理解できるが…。
そもそも分割統治するような植民地化した国に、いろいろなツールは与えない。

日本以外の想像上の設定国を作ったほうが良かった。
へんに日本を舞台にしたことでアニメとは関係ないところで色々今後面倒になりそう。

なんにせよ、ネクストガンダム探しの一環なのは間違いない。
最初からプラモ販売も同時進行なわけで。

ただ、本質は子供向けなんだろうな。
バディとなる自立型AIがいるし、昔ならコロコロコミックスあたりで連載、日曜朝のアニメ化路線のはず。

深夜なのは枠がそこしかないのと、配信でどうにでもなるという判断。

まあ、ネクストガンダムになるような、ストーリー自体に魅力的なネタが作品中に転がっているかどうか、そこに注目して観るのも面白いか…な。


■2話まで視聴

やはりガンダムや現実の日本とかに引っ張られずに、サクガンみたいに完全な別世界ベースで話を作った方が正解だったんじゃないだろうか。

既視感が酷いし、結局劣化版ガンダムになってしまっている。


■5話まで視聴

うーん、ここまでベタなストーリー展開じゃないと駄目なのかね?
人の心というか描写にガンダムのような共感はないな…。

ガンダムみたいに子供は単純に戦いを、
大人はそのストーリー自体から揺さぶられるような作品は、もうサンライズには無理なのか?

こんな単純かつベタな話路線なら、ブレイクスリーネタ必要ないだろうに。
宇宙人との戦いでも異世界人との戦いでもなんでも、そんなんでも変わらん。

人が亡くなってもマチルダさんやミハルのような感傷は一切感じられない。
それじゃあアニメ内とはいえ無駄死ににも程がある…。


■11話まで視聴

結局のところ、やはりブレイクスリー原則の日本をテーマにした時点ですべてが失敗だ。

モビルスーツサイズの機体を日本のような平地がほぼない糞狭い国土を分割した状態で、
レジスタンスな戦争が出来ている…わけがない。

昔、御巣鷹山に日航のジャンボ機が落ちた。
翌日には場所が特定された。

日本で、モビルスーツサイズを乗せるトラックが、
たとえキャタピラ仕様な悪路対応車両に仕立てたとしても、
果たして走行できる箇所はどれだけあるか…。

設定の全てが破綻している。
現実世界にしたいなら、北米の森林地帯とか、南米のジャングルとか、
ロシアのツンドラ地域とか、
モビルスーツサイズが小隊レベルでも
まあ、なかなか見つからないわな、という地理的広さが必要だろう…。

狭い日本を更に分割したなかで
レジスタンスな局地戦で、
モビルスーツサイズの武器を運用…。

ネクストガンダム考える前に、
子供だまし過ぎる机上の空論をどうにかすべきだった…。


■飛ばしつつ13話まで視聴

うーん、これ続くんだ…。
もはや何をテーマにしてるんだか…。
各種設定とストーリーとしてやっていることがチグハグ過ぎる。
セリフで臨界点とか言ってるけど、意味わかっているのだろうか…。

とにかくガンダムな路線を行くには出来が悪すぎる…。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

81.9 6 パイロットで仲間なアニメランキング6位
ぼくらの(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1883)
9780人が棚に入れました
政財界の権力者たちは、「子供たちの契約を解く鍵を探す」という建前の元に、ジアースの技術を研究して産業や軍事に利用しようとする。子供の親たちは、子供を救う方向に世論を動かす為に、ジアースの情報公開を目指して協力し合う。しかしその企ても権力者の陰謀によりつぶされ、子供たちはこの地球からも孤立してゆく。

声優・キャラクター
皆川純子、阿澄佳奈、野島健児、三瓶由布子、牧野由依、能登麻美子、浅沼晋太郎、比嘉久美子、宮田幸季、高梁碧、織田圭祐、井口裕香、杉田智和、保志総一朗、阪口大助、東地宏樹、石田彰
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

鬱展開ではあるけど社会風刺でもある

このアニメのOP「アンインストール」を先に知ってからアニメを知りました。
OPめちゃめちゃ好きです!!絶対飛ばせないOPだ…

評判は最悪ですね。
鬱アニメ鬱アニメ。何処行っても鬱アニメってレビューばかり。
もう最高の絶望アニメ。って評価ばっかり。

たまには絶望したいのでこういうアニメは大好物!

このアニメを見てはいけない人
娯楽を求める人 頭からっぽにして見たい人 考えたくない人
暗い話が苦手な人 鬱病の人

このアニメをお勧め出来る人
考察だったり物語から色々と物事を考えてみたい人
絶望したい人 切ない物語が好きな人

遊び半分でこのアニメを見て欲しくない。
物語としっかり向き合いながら考える事の出来る人に見て欲しいです。


アニメを作った人達への思い↓
{netabare}よく出来た物語でもあるとは思うけどちょっと足りない部分はこの最終回での投げっぱなしな所ですね。
綺麗ではあるんですけど、このアニメはオチを付けることが出来なかった。
いや出来てるかもしれないけどなんか違う気がする。
これじゃない感が否めない。
ただ個人的には書きたかった方向性がどういう方向性だとわかったのでそれ程文句は無いですけどね。{/netabare}


各話の感想↓↓※長文注意
{netabare}1話
あれ?ロボット物だったの?

2話
コエムシって某アニメの魔法少女のQBかよw
なんか凄くエヴァっぽい。
大人数で動かすロボットは初めてだなぁ。
ってえ…誰か落下したぞ…
妹に八つ当たりしてる場合か!?は?どうなってんの?
えええええここで終わり!?何これ超気になる…

3話
あれ?死んだのに誰もなんとも思ってない感じ?
なんか凄くよくわかるようなわからないような…
子供の頃はやっぱ死には疎いんだよなぁ…
じいちゃんばあちゃん死んでもなんとも思わなかったっけなぁ。
まぁのちのちジワジワ来るんだけど。
ってわく君の扱いひでぇ…集団隠蔽やべぇ…
すげぇリアルな心理描写だ。
えええ操縦ばらしちゃうのかよ…
葬儀は泣けるなぁ。親の心境考えるともぅヤバイ。
メガネ…おまえ死ぬのか…

4話
受付のねーちゃんの目おかしいぞ!作画どうしたんだ…
まっ割と真面目に猫をエアガンで撃つ程度どうでもいい。
ってか撃つなって心はわかるがおまえは人間と動物のどちらに重きを置いているのかって話になるわけで…
ペット愛好家に良くある心理ですね。
「私は猫が好きだからあなたも猫が好きで当然でしょ?」
「だからあなたも猫の世話をすべきなのよ」的な…
こういうのりは本当に大嫌いだ。世話を押し付けて自己満足に浸るゴミクズだ。

コダマの気持ちはわかる。
こんなでかいの敵が出てきて「家を潰すな」とか考えている場合かよって話だ。
犠牲はつきものです。(現実を見ろ)
って親父…うん。どんまい。
しかしQB的な奴が気になるなぁホント…
戦いの後必ず死ぬだと!?一回戦うたびに一人死ぬのか!?
使い捨てかよ!!ヤバイぞこれ…

5話
自分を守るか地球を守るか…
さて皆さんはどちらを選びますか?
俺は躊躇なく地球を守る。そう言い切れる。
単純にそっちのほうがメリットがある。
お母さん…なんだよその青あざ…病んでるなぁこの家庭。
教師と付き合うチズ…カコ君が可哀想…
まぁこういう純粋そうな奴ほどひどかったりするんだよね…
あぁショックでかい…一番可愛いのに…
「先生とするとね体だけじゃないんだよ心のなかも満たされるの」
うわうわうわ…ゴミクズだった。
死ね死ね団にお出まし頂きたい展開ですね。
こんな歳でこんな事聞いたらトラウマになるわ…
中1だぞ中1(;´Д`)
まぁしかしわからんでもないけどね。
SOS思い出した…
あぁショックでかいよ…死にたくなるよ…
教師をぶっ○すしかねぇな。妄想だけに留めておけよ…

なかなか使える政府だなぁ。今の日本じゃこうはならんな。
コエムシはなんなんだwww
コエムシつええええええええええええ!!!
カコ君\(^o^)/

6話
まぁ独り占めする方向性は自然だな。
ホンダ…あぁショックがでかいでかすぎるよ…
ってか死亡フラグすぎるよ…
カコ君絶望的すぎる…ってえええそういう展開!?
ええええええええええ死んだのかよ…
チズとことんひどい扱いだなぁ。
あぁもう見るのが辛くなってきた…

7話
うわぁ…チズの話かよ…もう掘り下げないでくれよ…
リアルすぎて個人的なトラウマが蘇ってくる…もういやだこのアニメ…
なんだこれ戻ってきたら教師とおねぇちゃんが…って展開になりそうで怖い。
と思ったけどそうじゃなくてよかった。
先生に惚れちゃう女の子多いよなぁ…よし先生になろう!違うかw
まぁ理想の人間演じてる先生に惚れないほうがおかしいのかもしれないなぁ。
どう考えても一般の人間よりは良く見えちゃうもんなぁ。
羨ましい…
ってか先生みたいになりたいよなぁ本当に…
先生がイケメンすぎる…
ってええええええええええええええええええ
あぁぶっ飛んだ。ぶっ飛びすぎた。
うわぁ…
ってかなんか別のアニメになってねぇか?
ネット流出はやばいよなぁ…
ケツゲバーガー事件みたいなのいっぱいあるしツイッターなんてもう今じゃ馬鹿ったーでしかないし…
裏垢でぐぐるとクソみたいな事になってるし…
あぁすげぇリアルすぎてもう色々やばい。
胸がムネムネしてきた…
ぎゃあああああああああああ\(^o^)/
個人的に初めて付き合った彼女がレイプされた経験があったのを受け入れられなかったのがトラウマになっててこういう話はもう辛すぎる…
やっぱりだやっぱりそういう展開だった。おねぇちゃん…
このアニメ辛すぎるって…死にたくなってきた…

8話
まさか…おいやめろ…ニンゲンヤメマスカ?姉貴を殺しに行くきじゃねぇんだろうな…
ってあぁそうか教師の方か…
とことんクズすぎるチズ。ヤバイヤバイヤバすぎる。
おねぇちゃんともども死んでくれてよかったのに。
チズ…(´;ω;`)
急所の位置で吹いてしまったじゃないか!wあぁもう台無しすぎる…
うわぁ…チズの子供っておい…中1だぞ中1!
ぎゃあぁああああああ
もう辞めてくれよチズの扱いがひどすぎる。
あぁ恐ろしいアニメだ…
あぁもうほんとこんな見続けるのが辛くなるアニメは初めてだ。

9話
なんかエヴァのトウジっぽいな。
大地兄ちゃん(´;ω;`)
もうなんかこの先見るのが怖くなってきた…
グロとか鬱とか色んな耐性あるはずなのにどうしたんだ俺…

10話
うわぁうわぁうわぁこれまたひどい設定が来た…
もういやだこのアニメ…
しかし現実にはうじゃうじゃいるんだよなぁ体を売っちゃう子。
むしろ今時そっちの方が正義位の勢いだもんなぁ…
貞操観念が世界一希薄な日本女性怖いぉ。
婚活場では女あまりのこの世の中怖いぉ。
どんだけ壊れちゃってんだこの世界いやもとい現実社会か…
「私にお客さん探して」
ええええええええええええええええええええ
どうしてそうなった…
あぁもういやだいやだこのアニメいやだ…
死んでる死んでるよ俺のライフはもうゼロよ。
やめたげてよ俺死んじゃうよってかもう死んでるよ。
母を知ってるだとおおおおおおおおお!?
ええええええええええええ!?
うわああああああ
あぁ…
体を売る女が母親になると子供もこうなるよなぁやっぱ…
「わたしはまこが一番大事よ」
は?何言ってんだこのBBA。薄っぺらすぎる。
体も安ければ言葉も安いんですね。

最近の記事であったけどEUの女性のIQが下がり続けていて頭の良い女性ほど出産したがらないという記事がありましたが…
バカが馬鹿を生むんですねわかります。
これじゃ悪循環じゃないか…現実って本当に嫌ですね。

11話
余命一年ってこれまた急だな…
心臓移植ねぇ…
俺は絶対何があっても死んだ体をいじられたくないけどなぁ。
葬式だってして欲しくないしさっさと焼き払って欲しいわ。
葬式なんて生きてる人間のエゴだろエゴ。移植だって一緒だ。

あれ?分裂とかまんまエヴァじゃん。
まぁ色々と都合良すぎるなw
頭が吹っ飛んだああああっておいおいなんでもないのか!
「なぁ手術が成功したら…」
って下りなんという死亡フラグw


一回休憩しよう。なんか精神崩壊しそうだ。
絶望しか無いじゃないかこのアニメ…
一旦他のアニメ見て落ち着いてから再開。
救いはあるのだろうか…もうストレスはんぱない…


12話
カナちゃん可愛いなぁ…でも死ぬんだろうなぁ…
あぁなんか平和な回程死ぬんだろうなと切なくなってくる…
スパンキングフェチのお父さんwww
なんなんだろうこのアニメ…
こうやって一人ひとり掘り下げては死んで掘り下げては死んでって繰り返すのだろうか…
最後に何が残るって言うんだよ。なんか全滅ENDしか見えない…
もう死ぬための理由だけ書いてるんじゃないかって気がしてきた。
しかし救いがありそうなフラグを政府が…期待できるのだろうか…
近所のおばちゃんかっけぇーw
「初めての子供はおまえだよ」
この件泣ける…(´;ω;`)いい親父じゃねぇか!
「てめぇらの地球じゃねぇけどな」
え?

13話
え?平行世界かなんかか?仮想世界か?別の未来だと!?
世界線超えたようだな。
敵もこっち側も転送のされかたがまるでガンツだな。
あれ?なんかもしかしてこのアニメの終わり方は…
ループものになりそうな予感…
なんか希望が出てきた。
って敵にも人が乗ってたのかよってこれは予想通りだった。
弱肉強食ですね。
なんで町の人達逃げねぇんだよ…
特攻ェ…
あぁエヴァで言うならエントリープラグだな。
中から出てきた煙はなんだったんだ?
ってえええええええええええええええええええ
何が起きた!地球が吹っ飛んだのか?宇宙が消し飛んだのかよ…
化物語病のせいで星を見て「あれが…」っていっただけであのシーンが思い起こされる。
あれ?慣れちゃったのかな死ぬことに…なんも感じなくなってきた。
ヤバイ気がしてきた。人として大切な何かが欠けてきた…
いやチズ回が重すぎたせいか…わからん。

次はデブの出番か…
セキ君人造人間なのか?もしくは機械が優秀なのかな?
え?何処の誰だよこいつら…
あれ?ED変わった?前のほうが良かったような。

14話
このアニメ安心できる場面が出る程死ぬんだろうなって思って切なくなる。
カナちゃん…この子だけは生きて欲しい…
田中一尉に希望を見出したい。
うわぁなんかカナちゃんがいっぱい出てくる回って事はまさか…
タカミが一ノ瀬ことみにしか聞こえない、と思ったら中の人同じだった。
カンジ君オープンだなぁ。なんか信頼出来る気がする。
あぁカンジ君じゃなくて機械が凄かったんだな。
かあちゃん死亡フラグ…

15話
母さんええええええええええええええ(´;ω;`)
このアニメうつ病の人しか出てこねぇ…
明らかに怪しいおっさんww
おいいいカナちゃん勝手にいれんなっておい!
何このレイプフラグこええやめてくれ…
もう何この緊張感…BGMはギャグなのに…
怖いよマジで怖いよやめてよ。このアニメの平和回は逆に怖くなる不思議。
たもっちゃん良い人で良かった…本当に良かった…
まぁキリエの言い分もわかるな。
うわっうわうわうわ自滅って敵の方かよ…これは騙された…
どうやらたもっちゃんは本当に良い人っぽいようだ。

16話
ジアースレポート…秘密は明かされるのだろうか。
親父帰ってくるのかよ。お母さん良い人だなぁ…
あれ?なんかだんだん希望が湧いてきたよ?でもどっかで落とされる気がする…
あぁ怖い怖い。
情報収集チップなんか怪しい気が…
出たwねぇねぇ今どんな気持ち?AA省略
「契約してないのマチだよね?」
どういう理由でマチは契約迫ってんだ。
おいおいひっぱたきすぎだろ…
ってか戦うとやっぱ死ぬのね。

17話
うーむ政府は隠蔽する気なのか。
アンコママ…マスゴミは本当にゴミだ。カンジかっけぇ。
パパハニトラにかかっちゃった感じなのかなぁ…
アンコオオオオオオオオオオオオオオオオオオ(;_;)
ホント救われないな…

18話
コモは最後だと思ってたが…
議員辞職…もう秘密は明かされないのかな。
命貼ってるまっとうな良い議員だなぁ。
ってうわぁねぇさあああああああああん…
ええええねぇさん死んだらどうすんだよ!
うわぁねぇさんも議員も死んだら詰みじゃねぇかよ…
ああああああもう絶望しか無かった。もうダメだ\(^o^)/
この先生きのこれる気がしない。もうダメだ全滅ENDしか見えない。
落とし穴とか…どうなってやがる。
えっなんぞ?レーザー?そんなのあったのかよ!!
カナはやめてくれえええうわあああ…
カナちゃんを皆で守る流れになるんじゃないかと思ってたのに…
おいおい話ももうすぐ終わるってのにどうやって終わらす気だよこれ…
ホントに全滅ENDやっちゃうのかよ…あぁ…救いは無いのか…
なんだろう今の日本の政治を皮肉ってるようにも見えてきた。
まっとうな議員は排除され売国奴や私利私欲の議員だけが生き残る。
まさにまんま当てはまる。怖い。

19話
たもっちゃん良い人だなぁホント。

あぁやっぱ政治とか裏社会の人間とか出てくるのはこれやっぱ日本の状態を皮肉ってるな。
なんか話の方向性が見えた気がする。
大人の私利私欲で子供が死んでいくんだって事か。
これ今見てるからわかる話だけど当時見てたらわからなかっただろうなぁ。
政権交代して民主党の売国が露呈して初めて興味を持って信じれた話でもあったしなぁ。
そういう方向性で進むのかな…

だとするとこれは最後まで救いは無いのかもしれない。
なんか色々納得がいってきた気がする。
ねぇさんすげぇ人だったんだな…しかも子供までいたなんて。
ねぇさん子どもと別れる時は辛かったろうなぁ…
ねぇさんのねぇさんまでorz
ウシロ…おまえも死ぬのか…死亡フラグびんびんすぎる。

20話
お?カンジの話に戻るのか…
うーむカンジ母はなんか怪しい気がするんだけど良い人なのかなぁ…
え?マトリックス!?攻殻機動隊!?すげぇ技術進歩だな。
未来人だったのかよマチは…いやむしろ科学技術の発展しまくった平行世界の話か。マチのアニキやべぇ…
うわうわうわどんだけ平行世界巡ってきたんだ…
いよいよきたな!ココペリこいつラスボスだろ。
え?ココペリ良い奴だったのか?あれ?まぁこいつに会う前からこのシステムがあるって事はやっぱラスボスじゃないのか。
うーんどういう事なんだろう。
やっぱりシステム的な構造は解明されずじまいで大人のエゴがかかれる話になるのかな…
あぁなるほどだからマチは契約してない一人なのか…
うわぁうわぁ…
ココペリも大変な目にあってたんだな。
優。゚(゚´Д`゚)゚。
あぁやっぱりカンジの母親は裏切ってたか。
目的がハッキリしてきて凄い面白くなってきた。

21話
カンジ思い切った事言うな。
やはり母親は私欲にまみれてる。よく出来たアニメだ。
「守りたいものねぇよそんなもん」
まぁカンジの守りたいものはもういないもんな。
たもっちゃん!死亡フラグが…
大人の欲に振り回され無残に死んでいく子供たちを書いてるんだろうな。
大人のおもちゃでしかない子供ェ…
12人目だな。なんか凄く活力が湧いてきた。
死んでいっても受け継がれるものは沢山あるんだなと。
ジアースプログラム?なんだ何が起きた…
街のエネルギーを吸い取るのか。なんという高性能システム。
支配者たちへの反権力闘争。
「このプログラムはアンインストールできない」
きた!アンインストールキタ――(゚∀゚)――!!
めっちゃ盛り上がってきた!
あぁ…やっぱカナちゃん…
ってかコエムシ引き継ぐとコエムシ自体はどうなるんだ?(素朴な疑問
カナの事心配してるんだな…
どうやら決心がついたようだなウシロ。

22話
このキューベェもどきホントうざったいな。
要所要所に散りばめられた全ての大人がゴミクズじゃない所がまたよく出来てる。
これも希望の一つなんだろう。
あぁそうだ、ジュンの本当の親じゃないんだっけ…おじさんなんだよな…
妹に当たりすぎだろ…腹蹴りとか身ごもってたら死ぬレベル…
お父さん…(T_T)
あぁもうやだ日常回…死亡フラグでしか無い。
切なくなってきてしょうがない。
長谷川…どうみても中国風のスーツなんですけど沖縄県の知事ですか?

23話
あぁもうこの話と後1話しか無いのにやっぱりもう全滅END確定か…
しかしまぁ作品の言いたい事が受け取れた人なら問題無いのかも?
個人的にはハッピーエンドが好きなんだけど…
ココペリうぜえええ。
今のはクリリンの分!うわっまどマギと流れが超似てる…
時期的にまどマギの元ネタはこれだったのか。
マチよくヤッたな!ってなんだ黒い方のも出てくるのかよ…
って次はマチなのか…
ええええええぇえぇぇぇぇ一般大衆もろとも爆撃ですか!!
なんじゃこりゃ。
マチ…おまえ良い奴だったんだな…あぁ…
もう最後の最後まで絶望しか無かった…希望なんて無かったんだ…

24話
最後はカナが救われてぼくらの15人以外は生き残って世界は救われてよかった。しかしこのアニメ地球全滅ENDもありだったかもしれない。{/netabare}

このアニメが好きな方へお勧めしたいアニメ
「今、そこにいる僕」「喰霊 ―零―」「カウボーイビバップ」「無限のリヴァイアス」「エルフィンリート」

原作もアニメの後に読んだのですがどちらも良い終わり方でした。両方好きです。

感想
{netabare}なんだろう個人的にメッセージ的に受け取れたものは人は死ぬけど戦うことも出来るだろうという事。
死ぬ前に戦ってから死んでもいいんじゃないのか?
ただただ死んでもいいけどその前に何か出来るのではないのか?
そんな作者のメッセージ的なものを感じました。
人は死んでも引き継がれるものがあり、無駄ではないと言うこと。
死んでも世界は回り続けるし無くなるかもしれないがそれは無駄ではないという事。

とても深い作品です。
これ程展開的に残酷な物語は未だかつて見たこと無い鬱展開なアニメ、いやドラマ映画でも見たことがない位でしたが、それゆえに伝わるメッセージみたいなものは凄く大きいし色んな見方が出来ると思います。
まぁ間違いなく万人受けはしないでしょう。
しかし道徳的な物語ではあると思います。と言うかもう教育の教材レベル。
この作品を読書感想文で書いてきなさいと子供に教えたい位。
しかし鬱展開が超弩級なので高校生以上じゃないと駄目でしょうね。
いや条件は山ほどあるか…

何年かに一度この作品を見てその時時の感じ方の違いを楽しみたい作品です。

この作品から希望を貰えた人。絶望した人。
どちらのが多いのかな?
恐らく現状が平和、もしくは現状に絶望している人は希望を貰えたのではなかろうか?
絶望した人はきっと現実逃避している人ではなかろうか?
うーんひっくり返してもどっちもありえるか…

アンインストールしたい事なんて山のようにありますよね。
もう本当に何もかもをやり直したいなんて思う人は多いでしょう。
しかしきっとそんな状況でも抗い戦っていけば得られるものがきっとあるはず。
希望を捨ててはいけない。
たとえあなたが死んだってのちの人たちがきっといい社会を作ってくれるはず。
いや寧ろ残らなくてもいいのか…

なんか書いててわけわからなくなってきたorz{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27
ネタバレ

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

解釈することが、できないことのこわさ

■意図的な「雑な死」の表現

 「死」の表現が雑な話には二種類ある。
 単に「人が死ねば悲しいだろう」と思ってあざとい感動エピソードとセットにされて、どかどかと人が死ぬ話と、そもそも「死の瞬間」というのが雑な形でしか到来しないという無意味さを描こうとする話だ。
 「あざとい死」がただの泣かせの安っぽい方法論であるのに対して、「乱暴でちゅうぶらりんな死」というのは死そのものを描くことが話の目的になる。死の表現の雑さ、という点においては両者は同様なのだけれども、「死」に対して物語上の意味が与えられていれば前者のような表現になるし、物語上の意味が意図的に放棄されていれば後者のような表現になる。
 この表現は、決してわかりやすいものではない。
 正確にいうと「わかること」ができない。
 人が死ぬ瞬間、というのは、だいたい、たいした理由はない、というそれ自体を描こうとしているわけだから。

■ちゅうぶらりんな死

 いろいろな思いをかかえていた人間があっけなく、なんの理由もなく、理不尽に、ランダムに死んでしまう。そういうかたちで、多くの場合、死は突然にやってくる。「世界をすくうための崇高な犠牲として死を自覚的に選択できる」などというようなことはまず、ない。「ループする世界のはてから脱出するために死を選択する」とか、そういうことも、およそ幸福で稀な事態であると言ってよいだろう。

 鬼頭 莫宏という漫画家は、そういう、理不尽で偶発的な事件が、突如として悲劇としてあらわれてくるような。そういう事態を繰り返し、繰り返し描いている。そこには、巨大な情熱も、巨大な失望も、抱く間が無い。間抜けな形で到来する。


 鬼頭作品は、そもそもそういうタイプの世界の乱暴さを描く話だった。そういう世界の乱暴さばかりを描いてきた作家の仕事としては、『ぼくらの』はやや丁寧に属する部類の仕事だ。設定がこっていて、「死」を迎えるまでの時間が、ほんの短い時間ではあるけれども、ゆるされている。
 だけれども、やはり、その時間は「ほんの少し」だ。しかも、人生で何かをなしとげた人間の時間ではなくて、まだ何もなしとげていない少年少女たちの時間だ。
 死の前の少しの時間の暮らし方は、やはりどう転んでもぶざまだ。ぶざまで、感情移入をするまでには、時間が足らない。時間が足らない、その時間の足らなさ、こそが不気味な表現になっている。
 彼ら/彼女らのなかにある十分な物語を知る時間もあたえられず、ちゅうぶらりんなまま、人がぼろぼろと死んでいく、そういう乱暴な風景こそが、『ぼくらの』の醸し出す物語の怖さだろう。

 エンターテインメントとしてみてみれば、なるほど、描写は不十分ともいえるかもしれない。映画でいえば、絶対にアカデミー賞はとれないだろう。エンターテインメントとしては、ぎりぎりのバランスで成り立っている。わかりやすくないから。
 だけれども、わかりにくいもの、ばかりが世界にはたくさんごろがっていて、そのわかりにくさの、違和感のようなものを、ごろっと露呈させてみせる、その違和感があらわれる瞬間。そこに何かを感じ取ることが可能かどうか、ということが、鬼頭の書く物語を良いと思うか、悪いと思うかということの評価へと直結するだろう。ある人は、その違和感にたじろぎ、ある人は単に雑なものだと感じるかもしれない。


■セカイの生き死に自体がちゅうぶらりん

 ただ、こうした死の乱暴さそのものは、は実は決して知られていなかったものではない。世界の名作文学でも映画でもいい。あるいは、高名な哲学者の議論でもいい。戦争にいったことがない我々でも、そういう乱暴な死が世界中によこたえていることは知っていた。

{netabare} 『ぼくらの』の特殊性は「個人の死」が乱暴で、いいかげんで、ちゅうぶらりんに訪れるというだけでなく、「セカイの死」自体も、いいかげんで、乱暴で、ちゅうぶらりんな形でしか訪れない、ということだろう。
 この話は、「凡庸なぼくたち」が、セカイを救う物語であると同時に、セカイを滅ぼす話でもある。セカイを滅ぼす理由も、救う理由も、これといって明確な理由はない。サイコロを転がして決めているのといっしょだ。ただ、その過程に、たたかいを挟むから、じゃっかん本人たちの努力が可能なだけで、たたかいをする巨大ロボットが強いかどうか、ということはサイコロを転がすのと何もかわりはない。

 「セカイの成立」自体が乱暴で適当だという想像力は、「生命」自体が乱暴で、適当だという想像力の、さらに先にある、おそろしさをもっている。

■セカイ系作品としての異質性

 いわゆる「セカイ系」作品は、少年少女の憂鬱や、情熱の程度によって世界が救われたり滅びたりする。ハルヒしかり、エヴァしかり、エウレカしかり。
 「ぼくらの」もセカイ系の一種だと考えることはできる。滅びるべき世界/救われるべき世界は、「頑張らなければ世界がほろびる」。だが、そうは言っても、異世界の少年/少女たちもまったく同じ状況におかれているという点で、ロシアンルーレットの弾をこめるような意味においてしか、少年少女の憂鬱や情熱には意味がない。

 「セカイ系」においては、世界の救済や滅亡と、少年少女の情熱が、ダイレクトにつながる、ということが少年少女の「わたしには価値がある」という承認欲求を満たすものとして機能していた。
 しかしながら、『ぼくらの』はそういった構造を完全に逆転している。「わたし」ががんばろうが、がんばるまいが、どこかでセカイは滅び、どこかでセカイは残る。わたしの努力は「このセカイ」に対してこそ、一定の有効性はもつが、努力や情熱はごくむなしいものとしてしか、与えられない。少年少女は、みなロシアンルーレットの弾丸、としてしか役割を与えられていない。

 セカイ系の設定をかりながら、<「わたし」の承認欲求を否定するセカイ系>というごく、無残でみじめな世界を示すことを、あえて提示してみせる。
 鬼頭的な、世界の乱暴さをつきつけるという仕業、セカイ系という少年少女の逃げ場を否定することで、どうしようもなく、成立している。
 おまえらに、逃げ場なんてねぇんだぞ、と。
{/netabare}

■作品比較:『イキガミ』『バトルロワイヤル』

 なお、本作とある程度ちかい設定をもった作品としては、『イキガミ』『バトルロワイヤル』などがあるだろうが、いずれも世界の乱暴さを描くという点においては、『ぼくらの』の足元にも及んでいない。

 たとえば、『イキガミ』は、死にいたるまでの、当人たちの「物語」があまりにもきっちりと完結しすぎており、世界はあまりにも残酷ではなさすぎる。死にはきっちりとした意味があたえられ、物語世界はあまりにも簡単に解釈をゆるしてしまう、安易な「いい話」以上のものにはなりえていない。(そもそも心理描写の水準のだめさや、人間観のバラエティがステレオタイプに満ち満ちていて、論外なあたまのわるさ……ということはあるが、それをさておいても、そうだ。)

 また、『ぼくらの』がもし、失敗しているとすれば、やはりエンターテイメントとして作品をみる、という作法以外に作品を見る方法を知らない読者や視聴者層を大量に相手にするマーケットで作品をリリースしているということだろう。そういう視聴者層には、この表現は単に物足りない表現としてしか届かないケースが多い。つまり、『ぼくらの』は失敗している。作品の内容において、ではなく、売り出し方において失敗している。
 その意味では、エンターテイメントとして暴力表現を前面に押し出した『バトルロワイヤル』のほうが、大勢の人への伝わりやすさという点では、『ぼくらの』よりも世間的なインパクトは獲得できている
 しかし、『ぼくらの』の描く死はどうしようもなく中途半端であるゆえに、『バトルロワイヤル』などよりもはるかに残酷な風景を描いている。我々は、恍惚のうちに死ぬことができない。


■漫画版と比較して

 漫画のほうは、まだ全部はよみおわっていないのだけれども、おおむねアニメ版のほうが、見やすかった印象がある。一話完結である程度、はなしの起伏をつけているので。アニメの方がエンタテインメントとしては優れているだろう。
 エンターテインメントとしてではない、評価としては漫画のほうがすぐれているという人も多いかもしれない。
 わたしは、アニメのほうがやや気に入った。単純に映像もきれいだったのいうのもある。

■関連推奨作品:『パルプ・フィクション』『いのちの食べかた』

 なお、アニメでも漫画でもないが、本作が好きな人にすすめたい作品としては、
 まず映画ではもはや、古典ともいえる地位を獲得しているタランティーノの『パルプ・フィクション』は高い確率でハマるだろう。人が乱暴にしんでいく作品としては、まず多くの人が挙げるものだろうと思う。
 また、私個人のおすすめとしては、ドキュメンタリー映画『いのちの食べかた』をぜひおすすめしたい。『ぼくらの』に続けて、このドキュメンタリーをみたひとは、確実にゾッとする体験をあじわえるのではないか、と思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

表の顔は「SFの名作」→本質は「運命に翻弄される少年少女たちの群像劇」/2023/6/28原作読了分追記

【レビューNo.61】(初回登録:2023/5/27)
コミック原作の2007年作品。全24話

(ストーリー)
自然学校に参加した15人の少年少女たちは、海岸にある洞窟で「ココペリ」と
いう謎の男と出会う。そして彼にゲームに誘われる。ゲームというのは、少年
少女たちがロボットを操縦して地球を襲う巨大な敵を倒していき、地球を守る
というもの。
兄のウシロからゲームへの参加を止められたカナ以外の14人は、ゲームに参加
を決めココペリと「契約」を結ぶ。契約すると敵と自分たちの巨大ロボットが
出現し、少年少女たちはロボットのコックピットに転送される。
そう、これはただのゲームではなかったのだ。しかもそれは序章に過ぎず戦闘
を重ねるにつれ、少年少女たちはゲームの真の意味を目の当たりにすることに
なる。

(世界観)
ネタバレになるが、ちょっとこの辺の情報がないと説明しにくいので
{netabare}・舞台は2030~40年の日本。この世界には平行世界の地球が存在し、敵ロボッ
 トの正体は同じようゲームに参加させられた平行世界の住人が操縦している
 もの。戦闘はその時によりホームorアウェイが戦場となる。
・このロボット同士の戦いは並行世界同士の存続を懸けた戦いであり、敗北は
 その世界の地球を含む宇宙の消滅させることを意味する。
 (戦いの目的は、「宇宙の未来の可能性の淘汰」「ただの自然現象」?!)
・勝利条件は相手ロボットの急所を破壊すること
 → 実はロボットのコックピットで、つまり相手のパイロットを殺すこと。
・ロボットの操縦には契約者のうち1人が選ばれる。選ばれるパイロットには
 事前に啓示がある。
 (戦闘終了後に次のパイロットが決まり、次の戦闘まで時間的猶予はある)
 そしてこのロボットのエネルギー源は「パイロットの生命力」。つまり戦闘
 で勝利しても、パイロットは確実に死亡する。それを拒否し逃げ出しても、
 48時間以内に勝利しないと、やはりその世界の地球を含む宇宙の消滅させら
 れてしまう。つまり
 ・勝利を収めパイロット1人が犠牲になるか
 ・敗北または決着つかずで全人類が滅びるか
 の2択しかない
・ココペリは別の世界からきた最後の生き残り。次の世界にこのゲーム引き継
 ぎにやってきた。
 こうやって舞台となる地球を変えて、このゲームは続いていく。
・また作中にはサポート役のコエムシなるマスコットっぽい生物が登場する。
 (まどマギのキュゥべえ的な?){/netabare} 
こうやって設定を見るとホント救いようのない作品で、「鬱アニメ」として名
高い所以ですね。

(評 価)
・本質は「運命に翻弄される少年少女たちの群像劇」
 ・一見すると「ロボット大戦メインのSFモノ」のように思いますが、本質は
  パイロットに選ばれた少年少女たちの人間模様を描いた群像劇にあります。
  {netabare}上述の通りパイロットに選ばれた時点でその者は「死亡確定」です。
  そして作中の少年少女たちはカナ(小4)を除き、全員まだ中学1年生です。
  そんな突然我が身に降りかかる理不尽な運命に対し、何を思い悩み、どう
  決断して戦闘に立ち向かうのか?
  → 全24話構成なので(未契約のカナを除く)14人について、余すことな
    く各々の人間ドラマを掘り下げていきます。
 ・この事態をやがて世間も知ることとなり、今度は大人たちのドラマも動き
  出します。
  わが子を守るために奔走する親たちの一方で、オーバーテクノロジーの独
  占を企てる権力者の陰謀等、人間の醜悪な面についても描写されています。
 ・また作中では、コエムシ・ココペリといった前地球での回想も入ります。{/netabare}

・巨大ロボットのリアリティのある戦闘描写
 ・この巨大ロボットは昆虫のような黒いボディで全長は500mもあります。
  そしてこの世界のロボットは「ジアース(Zearth)」と名付けられました。
 ・レーザーを発射できるがロボットには効果がない模様で、ほぼガチの肉
  弾戦になります。
  敵はノコギリ状の刃物や触手っぽい武器を有しているロボットもいるが、
  ジアースは殴って、蹴って、相手を押し倒し、力づくで装甲をはぎ取り
  急所を抉り出すというかなり無骨な戦闘スタイルです。
 ・ロボットは3DCGのリアルな映像で描かれ、結構動きが緩慢な点が特徴的
  です。監督曰く
  「全長500mもの巨大物体が俊敏に動けるわけがない(ガンダムで20m)」
  というこだわりからのようで、確かに説得力はありますね(笑)。
  パイロットが操縦に不慣れな点や上述戦闘スタイルと合わせ、リアリティ
  のある戦闘シーンに仕上がっていると思います。

・場外乱闘が凄かったらしい
 私はリアルタイムで観ていなかったので、このレビューのためにいろいろ
 調べていると、
 「監督 VS 原作者他の場外乱闘」
 がかなり凄かったようですね。
 ・アニメ企画時は連載中ということもあり、監督が原作者から続きを聞いた
  うえで自由につくったとのことですが、何かと行き違いがあったようです。
  ・原作は残酷さや性的な描写がもっと過激な「鬱要素」の強い作品だった
   ようですが、監督の好みではなかった。
   {netabare}特に原作は生存者0らしいが、紛糾の末アニメではカナだけが生存。{/netabare}
  ・上述の戦闘シーンも、原作者は「戦闘の緊迫感を欠き不満である」と漏
   らしている。
  ・で、監督がブログで
   「自分は原作が嫌いだから原作に悪意をった改変を加えている」
   と発言。また
   「原作の魅力はアニメで再現されないから、原作ファンは観ないように」
   と追い打ちw
   → 当然原作ファンは激怒 → 炎上し監督が謝罪する事態に!
     (でも改変はやめないw)
 ・そんな感じでパイロットの順番の違いから始まり、アニメ後半はほぼオリ
  ジナルストーリーとなっている模様です。
  (その他親の職業等いろいろと改変があるらしい)

上述の通りいろいろあったようですが、原作未読の私としてはアニメ版でもか
なり良くできた作品かなと思います。
この年だと以前レビューした「クレイモア」を始め、「天元突破グレンラガン」
「電脳コイル」他見応えのある2クールアニメが結構制作されていたようですね。

OPは石川智晶の「アンインストール」と、アニソンではかなり有名な曲じゃ
ないですかね。
(石川智晶はEDも担当)

(追 記)
この原作も、なんとうちの図書館にあったんだなぁ~これがw
予約も取れたので、来週位から原作も追いかけようかと。

(2023/6/28追記)
原作読了。(全11巻)
たしかに途中まではアニメより「鬱要素」の強い作品ではありますね。
面白いところだと、「ジアース(Zearth)」に搭乗する彼らは、この地球を守る英
雄的存在のはずですが(ホームでの戦闘の場合)この戦闘に巻き込まれて亡くな
った方もいるわけです。
その遺族からすれば、彼らは憎むべき存在であり、彼らの実家に放火するなど過
激な行動に出る遺族も出てきます。
なかなか深い視点ではあります。
あと意外だったのは、終盤になると「鬱要素」は和らぎ、
{netabare}・残ったモノが死んでいったパイロットの遺族を訪ねて回る
・まさかの告白イベント
・コエムシが年長者らしく、献身的にフォローを始める{/netabare}
等結構ハートフルな展開が描かれています。
この辺りはアニメ化以降に描かれたものになりますが、原作者も思うところがあっ
たのかも。

個人的には、(場外乱闘もありましたが)アニメにも原作にもそれぞれの良さがあ
り、どちらも評価できる作品だったなと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

75.4 7 パイロットで仲間なアニメランキング7位
シドニアの騎士 第九惑星戦役(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (847)
4513人が棚に入れました
太陽系滅亡から千年、地下から現れた少年に、人類の希望が託された。
対話不能の異生物・奇居子(ガウナ)に太陽系を破壊されて千年。脱出した人類の一部は、巨大な宇宙船シドニアで、繁殖しながら宇宙を旅していた。生まれてから地下でひっそりと暮らしていた少年・谷風長道は、衛人(モリト)と呼ばれる大型兵器の訓練生となり、歴史的名機・継衛(ツグモリ)の操縦士となる。長未知が初めて異性を意識した少女、星白閑。初めて友達となった男でも女でもない人間、科戸瀬イザナ。長道の能力に嫉妬を覚える岐神海苔夫。寮を取り仕切るクマ型の寮母、ヒ山ララァ。宇宙船シドニアにおける”日常”の生活―恋、喧嘩、仲間との会話は明日も続くはずだった。再び奇居子(ガウナ)が現れるまでは…。
100年ぶりとなる脅威との遭遇に、人類は、長道は、何を選択するのか?
人類の存亡をかけた戦いが今、始まる―。

声優・キャラクター
逢坂良太、洲崎綾、豊崎愛生、櫻井孝宏、佐倉綾音、金元寿子、喜多村英梨、大原さやか、坪井智浩、子安武人、新井里美、田中敦子、本田貴子、鳥海浩輔、阪脩
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

触手ちゃん♪

シドニアの騎士ってより最近は、あっ、触手の時間だ~♪って感じで、
毎週楽しみに観ております、
物語的には一期引き続きけっこう過酷な戦闘も続いてますが、
今期の興味はいきなり登場の触手、
イルカみたいなオバQみたいな、けど声は妙に可愛い(孫も大喜び)、
主人公谷風中心に人間娘と性別無しと触手?のラブコメもあるよみたいなw
この触手がいい子で人気上昇中らしく、でもこれって、、、、

なに萌えナンダロナ?

2015春期放送中 原作 弐瓶勉(月刊モーニング) 監督 瀬下寛之 制作 ポリゴン・ピクチュアズ
原作未読 一期視聴済、

一期観たけど光合成やら性別無し人やら尿管やら未来人設定或いは、
宇宙移民船設定もけっこうリアルで、マクロス重たくした感じだったよね、
戦闘場面端折ったりコマッタ君(岐神 )いたりってのもあったけど、
概ね楽しく観てた、って事で二期も視聴開始、
{netabare}
登場人物(一部触手)船やら敵やらも一応紹介

ガウナ  太陽系(地球含む)破壊した謎の生命体、集合体になって粒子砲打ってきたり厄介な敵
シドニア 巨大宇宙移民船、

谷風長道♂   
本作の主人公シドニアの撃墜エースパイロット、
星白閑♀    
一期でガウナに殺された?ヒロイン、ガウナコピー能力で再生中だった、んだけどな、、
白羽衣つむぎ♀?
二期のキーヒロイン?ガウナと人間の融合体、本体デカいけど触手で人と会話、この触手けっこう伸びてシドニアの配管伝いお出かけ可能、趣味は読書・入浴・トランプゲームww
科戸瀬イザナ? 
男でも女でもない中性だったけど谷風に惚れて女に偏り中
緑川纈♀    
作戦指揮官 一期から谷風にアプローチ中 プラモ好き

サマリイッタン♀
ガウナ攻撃部隊の女班長
仄シリーズ♀♀♀♀♀♀、、、
ガウナ攻撃隊員、クローンで同じようなのが沢山居る
ヒ山ララァ♀  
食堂の熊のおばさん
小林♀     
移民船シドニアの仮面被った謎の不死体女艦長、評議会長老連中殺して実権把握画策中、一期では変装したり可愛げもあったけど、、、
科戸瀬ユレ♀  
イザナのお婆ちゃん、不死体なので観かけは若い、科学者であり「外生研」の所長
落合♂     
昔のガウナ研究者で色々危ない研究してたらしい人、優秀だけど危ないので隔離されてた。
岐神♂     
一期で谷風の能力に嫉妬して意地悪してたコマッタ君

1話感想{netabare}
今回のOP騎士行進曲?knaights knaights knaights of sidonia♪いい感じ♪
落合研究室探索してた岐神シドニア血線虫(落合製造の脳コントロール虫)に感染?意識のっとられて落合になっちゃったって事なんだろね、この落合星白 閑のガウナ再現体いきなり強奪?再現体二期でどうなるんだろうって興味あったし可愛かったからちょと残念、谷風も星白居なくなって寂しそう、そうこうしてるうち新たな巨大ガウナの襲撃、苦戦中いきなりもう一体のガウナ出現?と思いきや、「始めまして皆さん、私の名前は(白羽衣 つむぎ)宜しくお願いいたします♪」この娘??はナンダロね~?{/netabare}

2話感想{netabare}
声は星白だけど?中に人岐神(落合)乗ってるし、「私本気出します」って体当たり大型ガウナ貫通~一撃かよ、岐神(落合)の説明「今ガウナを殲滅してみせたのはガウナではありません、我々と同じ意識持つ融合体です」と言われてもつむぎデカいしガウナ皮だし疑心暗鬼なシドニア住民、でもこのつむぎ礼儀正しく声が可愛い、谷風だけはそんなつむぎの事心配してて、やさしい主人公だね(←んでも早くも星白の事忘れてね~か)、つむぎ嬉しいと尻尾?振るみたいwwでもデカいから尻尾振るだけで大迷惑みたいな、つむぎに興味深々な谷風君つむぎ居住区へ通いだした、つむぎ触手登場♪イルカみたいなオバQみたいな、触手から触手も出るよ~(ヤヤコシ)キュっキュっ♪なんかコイツ、、、可愛いかも♪「また来てくださいね~♪」って。今回オモシロかったのは、一期から居た冬眠不死議会長老みたいな偉そな連中、最高評議会決定にて現艦長小林更迭じゃ~っとか、、言った途端逆に皆殺されて即ご退場~、一期からずっと思わせぶり存在だった割にはあっけない(伏線にもなれず不必要になったんだろねww){/netabare}

3話飛ばして4話感想{netabare}  
ガウナ襲来~、つむぎも出撃だけど暴走してイザナ誤打、つむぎ我に返り負傷イザナ庇いシドニア帰還中ガウナの超粒子砲がシドニアに放たれる、シドニアピンチ!なれどここでつむぎ身を挺し粒子光線起動を曲げた、シドニア助かった、けどつむぎはボロボロ、大丈夫かいな??あ、谷風も活躍してました(←既に興味はつむぎちゃんな訳ね)私も酷い目に遭ってるんですけど(←イザナ談){/netabare}

5話感想{netabare}
ガウナ辛くも退け谷風帰還、つむぎは?体組織90パー損失、ヤバくね?つむぎ培養液カプセルみたいな中で修復中、私も右手左足損失なんですけど(イザナ談)つむぎのおかげでシドニア救われたっての住民解ったみたいでパッシングもなり潜め、お見舞い献花とかしてある、谷風元気なかったけどつむぎ快方聞いていきなり元気になってつむぎ居に見舞い直行、星白完全に忘れやがったかな、想ったけど星白夢に出てきたね、つむぎ声似てたからかな?(←因み声優さんは同じ)目覚めるとつむぎ触手だった、治って良かった~つむぎ触手に抱き着く、イザナも猫持ってお見舞い(触手の餌じゃなくつむぎ触手は猫好き)、「(猫ちゃん)触ってもいいですか?」イマイチ妙な声で鳴く猫(触手になでられてもね)、シドニア配管の中ごそごそし始めた谷風とイザナ、配管通しつむぎ触手にお外観せたいんだね、{/netabare}

6話感想 {netabare}
風呂中祖母のユレ(不死なので若い)と会話なイザナ、祖母「貴女遅れてるから心配してた」、中性イザナどうやら女の道で決定したらしい、そこへ宿舎追い出された谷風が「泊めてくれ」、ハレムテンプレ鈍感♂主人公再起動か?イザナ「ちょうどよかったさっきから変な音してて不気味だったし」ポルタガイスト?の正体は?寂しくて配管伝って遊びにきたつむぎ触手でありました♪谷風「早く戦争終わらせないと」(←でも戦争終了=物語も終わるしってより対ガウナ位置のつむぎの居所の方が気になるし、つむぎバトエンは勘弁だね)新居探し始めた谷風は不動産屋に、場所やら配管やら配管やらが条件(つむぎ触手用だね)、新居整いつむぎ触手ちゃんご招待、つむぎ触手「一緒に寝てもいいですか♪」(寝るのかよ、まあ触手じゃ何にもできんわな、、)落合サイドが何か妙な新兵器開発中、{/netabare}

7話感想{netabare}
落合開発のあやしい武器?重力子放射線砲テスト~失敗暴走ガウナ化、谷風とつむぎに出動命令~、配管ピョコピョコなつむぎ触手が可愛い、なんとか鎮静も犠牲者出たね、でも真実は公表せずか、一期から谷風誤解中だった仄シリーズ♀谷風におにぎり持って仲直り画策も、谷風は部隊女隊長サマリに飲み屋同伴後光合成誘われ(光合成ってのは基本裸でやるので一般デートより意味深らしい)けど谷風は酔いつぶれ(オヤクソク)、にしても新居に一期から谷風に気アリの緑川纈もやってくるし、いよいよハレムになってきたね、纈とイザナとつむぎ触手3♀でお風呂で乳談義(って触手風呂にも入るんだw)イザナ巨乳化完全♀路線、{/netabare}

8話感想 {netabare}
緑川纈までコタツ持参で谷風宅へ、コタツ潜ってはしゃぐつむぎ触手♪か、、かあいいじゃね~かっ、けどハレム混沌化現象加速中、女性化著しいイザナ気遣うイザナのお婆ちゃんのユレ(←ひつこい様だが不死体だから若い)、谷風に出頭命令、重要文化財調査なるもの無理やり命じる、「イザナを連れて行きなさい!失敗したら以前あなたの頸椎内に仕掛けた爆弾起爆させてやる!」(なんか無茶苦茶だね~)、最近つむぎ寄り?な谷風にふてくされ気味のイザナを頸椎爆弾かかってるwから真剣に誘う谷風でありました、、{/netabare}

{/netabare}
さてさて後半やたらラブコメってきたけど、
これって一期と同じワンクールなのかな~、
星白どうなったのかも気になるけど、
やっぱつむぎ触手だよね、けっこう人気出ちゃってるし、
毎回DLして孫にも見せてるんだけど、
孫もけっこう喜んでるんだよね触手、
触手鬱ラストだけは勘弁してほしいな~。。

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9話~最終話
{netabare}
何とかイザナを桃源郷、、じゃなく千秋郷に誘う事に成功したハレムテンプレ型鈍感谷風、一泊付デート浮かれるイザナなれど谷風は頸椎無事目的、結局お婆策略込みイザナにバレて「ボクの事なんてどうでもいいんでしょ!」つむぎ派の私はうなずくも谷風そうもいかず~、、、何かあったのかなかったのか結局朝迎えコソコソ帰宅のお二人、そうこうしてるとイザナに偵察任務、惑星9に向かうイザナを心配する谷風とつむぎ、案の定かオヤクソクか結局ガウナ出現~、良い娘のつむぎイザナ助けに行きたい思い同じなれど命令待ち軍人谷風もつむぎに引きずられつつ結局惑星9へ、そろそろ回も押し迫るし過酷な戦闘になるんだろな~なってもいいけどつむぎだけは孫心配してるし無事で返してね(←もはや主人公もストーリーもどうでもいい痛い孫想いな一視聴者爺)
以降12最終話まで色々アリつつも流石の主人公つむぎ助けてなんとか帰還、ボクも大変だったんだけど~(←イザナ談)、谷風勲章もらったりワケワカラン敵はそのままとりあえずシドニアの航海はつづくのでありました~(終)、
{/netabare}
よかったよかったとりあえずつむぎ鬱ではなかった、
今週号ダウンロードして孫に見せよう、、、

孫「ちゅむぎは~?」ん?谷風君助けたっしょ?
「ちゅむぎ居ないよ」、、、

イルカオバQ触手状態でないとダメなのね、
ハハハ、、わかるわかる。。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

展開が常に衝撃

こういった作品にはつきものの内ゲバあり、裏で色々進む
武器開発に余念がない

{netabare}線虫に脳みそ乗っ取られるのは嫌だな。首スパッにびっくり。
ほんで一番びっくりは星白閑を型取った奇居子を孕ませて{/netabare}
つむぎが登場。すぐには受け入れられないのもしゃーなし
伸びるきのこみたいな奴なんじゃ?
でも、愛嬌ある可愛いキャラクターだった。
つむぎ見ていると火の鳥望郷編だったかで人間とよく分からない生物が交配して生まれた亜人を思い出す
色々と衝撃だったんだよなあ。あれと何か被るところがあって反芻してしまった


ノコギリクワガタで原作者出演はなんだか草

{netabare}イザナが完全に♀になっちまうという衝撃。纈の嫉妬が半端ない{/netabare}

ぶっ飛びすぎて時折ついていけないですわ。
種の存続と倫理観について少々思いを馳せる作品でもあるかな。


OP
騎士行進曲 angela
ED
鎮魂歌 -レクイエム カスタマイZ
シドニア angela
騎士行進曲のメロディなんか面白い。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
対話不能の異生物・奇居子(ガウナ)により太陽系が破壊されてから1000年後の世界。人類の繁殖と生産を維持しながら宇宙を放浪する播種船・シドニアの最下層部で育てられた少年・谷風長道(たにかぜながて)は、祖父の死を期に街へ出、人型巨大装甲・衛人(もりと)の操縦士訓練生となる。仮象訓練で培った類まれなる能力により、シドニアを襲う数々の危機を救ったことで訓練生から正規操縦士になった長道だったが、奇居子との激戦の中で戦友・星白閑(ほしじろしずか)を失ってしまう。そして星白の衛人機体を模した最強の敵・紅天蛾(べにすずめ)をはじめとする奇居子の猛攻に苦戦を強いられつつも小惑星激突の危機を乗り切ったシドニアは、奇居子の巣を駆逐するために、レム恒星系へと進路をとるのだが…。


1. 葛藤
太陽系を滅ぼした謎の生命体・奇居子(ガウナ)と交戦しながら新天地を目指す播種船シドニア。めざましい戦果を挙げる衛人(モリト)操縦士・谷風長道(たにかぜながて)は、操縦士訓練生の憧れとなっていった。しかし、本人が気にしているのは外生研から消えたエナ星白の行方ばかり。一方、衛人(モリト)操縦士を辞めた岐神海苔夫(くなとのりお)は、科学者落合の研究所を訪れていた。封印されたその場所で、岐神が見たものとは……。

2. 能力
シドニアの進路上に現れた新たな奇居子(ガウナ)ガ549に苦戦する長道(ながて)たち。するとそこへ白羽衣(しらうい)つむぎと名乗る新型奇居子が姿を現す。ガ549に攻撃を仕掛けるつむぎに言葉を失う衛人隊だったが、同士討ちをしている隙に両者の撃破を画策。しかし、長道はつむぎが敵でないことを察知し、ガ549の撃破を手助けする。つむぎが発する声は、かつて仲間だった星白閑(ほしじろしずか)を思わせる声で……。

3. 針路
不死の船員会を処分し、議会を停止した小林艦長は、独断でシドニアの進路をレム恒星系の第九惑星ナインに向ける。目的は、第七惑星セブンに侵攻する大シュガフ船の殲滅。惑星セブンの死角となる惑星ナインから総攻撃を仕掛けるという。避けることのできない奇居子(ガウナ)との全面戦争。そして、一部民衆に広がる融合個体つむぎへの反感。奇居子の駆逐を誓う長道(ながて)だったが、この状況に複雑な思いを抱いていた……。

4. 激昂
無数の奇居子(ガウナ)本体を放出したガ550。先行したつむぎは袋状の構造体となった第1群に捕らえられるが、岐神は絶好の機会とばかりに、つむぎのツメに仕込んだ人工カビの力を試そうとしていた。一方、つむぎのあとを追う長道(ながて)たち衛人(もりと)隊は、放出された奇居子の第2群を迎撃することに。撃ち漏らしを避けるため、各小隊ともに二重の陣形で奇居子の侵攻を阻止するが……あることで状況が一変する。

5. 願望
奇居子(ガウナ)の攻撃から身を呈してシドニアを守ったつむぎ。しかし、体組織の約90%を失い、集中治療を受けなければならない状態だった。長道と纈は、つむぎと同じく致命的な傷を負ったイザナの病室を訪れ、そこである光景を目の当たりにする。イザナの容態に胸をなで下ろす長道だったが、治療が続くつむぎに心を痛めたままだった。そんな中、海蘊(もずく)からつむぎのエナが回復し、一般槽へ移ったとの報を聞く。

6. 起動
寮を出ることになり、行くあてのない長道はイザナを頼ることに。イザナの家では不思議な音がするというが、その正体はつむぎだった。あと何回くらい長道たちに会えるのかと考えたつむぎは、切なさのあまりイザナの家に飛び込んできたという。長道はそんなつむぎを励まし、彼女のためにと新たな物件探しを始める。一方、大シュガフ船との戦いにむけて、小林艦長は着々と準備を進めていた。そして、新兵器の起動実験が始まる--。

7. 鳴動
重力子放射線射出装置が浮遊小惑星を穿つ。奇居子(ガウナ)に対抗する新兵器の実験に成功したかと思われたその時、ヘイグス粒子供給源との接続が解除できないという事態が発生。暴走した射出装置のエナは激しい衝撃とともに拡大の一途を辿り、後部外郭に浸食を始めていた。一方、後部外郭の情報が遮断されている司令部では、纈(ゆはた)が衛人(もりと)隊の出撃を命じる。後部外郭にたどり着いた衛人隊が見たものとは……。

8. 再会
後部外郭で発生した事故の復旧作業が始まると同時に、この事故によって供給制限がおこなわれ、まとまって暮らすことが呼びかけられる。長道(ながて)たちの家にも纈(ゆはた)が転がり込み、早速イザナの部屋を占拠するなど、生活がいっそう賑やかになっていった。そんな中、実験を終えたイザナが一旦実家へ帰宅すると、そこには怪我をしたユレがいた。ユレに一緒にお出かけをしようと誘われるイザナだが……。

9. 任務
シドニア随一の景勝地、千秋郷(せんしゅうきょう)にやってきた長道とイザナ。満開の桜に包まれた二人はその距離を縮めていくが、長道はあくまでも調査だと言い切って任務を着々とこなしていった。一方、置いてきぼりを食らった纈(ゆはた)とつむぎは、二人の関係を邪魔しようと千秋郷への潜入を敢行する。満点の夜空を眺める長道とイザナ、そんな二人の様子を覗く纈とつむぎ。しかし、纈とつむぎはそこである光景を目にする。

10. 進入
惑星ナインで奇居子(ガウナ)に遭遇したイザナたち偵察部隊。奇居子の反応が瞬く間に増えていき、イザナたちは次々と撃墜されてしまう。一方、偵察部隊からの通信が途絶えた司令部では、小林艦長が奇居子殲滅のための作戦立案を指示。すぐにでもイザナを救出したい長道とつむぎは、出撃許可を強く求めるが……。混乱する状況の中、イザナを失うことでつむぎが暴走すると考えた岐神が小林艦長にある提案をする。

11. 邂逅
長道(ながて)とつむぎの前に現れた奇居子(ガウナ)は、かつて死闘の末に長道が撃墜したはずの紅天蛾(ベニスズメ)だった。つむぎは長道にイザナの捜索を任せ、紅天蛾との一騎打ちを繰り広げる。つむぎのほうが性能は上だという海蘊(もずく)だが……。一方、イザナは惑星ナインの地形を把握したいという隊長に従い、衛人(もりと)を破棄してナインの探索を開始する。その先で二人が遭遇したのは、地表を徘徊する奇居子だった。

12. 決戦
継衛(つぐもり)改二の機体内部にエナを侵入させる紅天蛾(ベニスズメ)。コクピット内部にまで侵入したエナは星白(ほしじろ)閑(しずか)の姿を再現し、なおも長道(ながて)を追い詰めていく。エナの侵入を食い止めるためには、継衛改二の頭部を切り離し、機体頸部の気密隔壁を閉じなければならない。イザナにそう助言される長道だが、胞手を巻き付けられ身動きが取れないままだった。その上、紅天蛾に継衛改二の電源を落とされてしまい・・・・・・。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「触手萌え」という斬新なご提案

原作未読…面白そうだけどね


1期からの続きですのではじめましての方はターンバック。
設定命みたいなSFの世界においてここがしっかりできてるのが好評だった1期。

シドニア♀「私…光合成したくなっちゃったな…」

これが

現実♀「もう終電ないかも…」以上「なんか帰りたくないなぁ…」未満

と同義だね!くらいの共通理解が出来ていることの驚き。作品知らなきゃ意味不明な一言ですら観た人には全員模範解答が出来そうな勢い。まったく新しい価値観を提示しながら視聴者を混乱させない手腕は拍手ものです。
地盤がしっかりしてますのでよほど変なことしない限り安心物件であり、実際にその期待を裏切ることなく全12話を堪能しました。

2期でしみじみ思ったのは、人材の適材適所といいますかダメ社員でも輝ける舞台があるはず!
その舞台を用意できてない自分が悪いのだ!という戒めですね。

{netabare}櫻井孝宏さんにして珍しくポンコツ役な岐神海苔夫その人。マウント取りにくるわ、ビビって出動時ヘマするわ、それがトラウマで引き籠るわ、長道に和解求められても素直じゃねーわ…な御曹司です。
こんな役に立たなさそうな海苔夫がこの2期では彼らしい雑魚ぶりを発揮して↓
{netabare}動機よく分かんないまま立入禁止エリアに入ってあっさり落合(補助脳)に乗っ取られ、(途中略)結果としてガウナ撃退により人類を救う。{/netabare}

海苔夫が余計なことをしてなければ、シドニアはガウナによって滅亡させられちゃってたことでしょう。{/netabare}

足を向けて寝られませんね。
物語は完結してないため評価は保留ですが、興味を持続させるしかけは抜け目なく配置してましたね。
“触手萌え”という新しい地平線を開拓してることは確か。興味ある方は本編をご覧ください。そんな新キャラ投入の影に隠れてても光るところもありましたよ。

■長道(ながて)の成長を感じさせるあれやこれや

きちんと1期と2期とでわかりやすい比較材料を用意してくれてます。

{netabare}・式典のランクアップ
シドニア神社での“騎士”授与式(2期)は1期6話の“正規操縦士・昇任”式を思わせるような演出だった。登場人物のカットとかね。式の格はまるで違うというのがよい。{/netabare}

{netabare}・シミュレーター成績の今昔
1期での結果は散々。2期はカンスト並のトップスコア。それを第1話アバンに持ってくる仕掛け。{/netabare}

{netabare}・脱穀場でのあれやこれや
これもわかりやすく1期冒頭では米泥棒として。2期最終話では英雄扱いでお米を贈答される立場。ガラッと立ち位置が変わったのです。{/netabare}


■徐々に明らかになる奇居子(ガウナ)

全容はまだまだ。
それでも一歩ずつ真相に近づいてるのがわかります。

{netabare}・“カビ”だけでなく“ヘイグス粒子”にも反応しちゃうのね
・修正能力高めであることが明らかに。さながら人類とガウナの軍拡競争みたい{/netabare}


キャラの成長だったり物語のコア部分がきちっと進行しているため中弛みのようなものを感じません。続編早よ!というところでしょう。
今期冒頭での不穏な鳴動がどうなることやら…1期に続き2期も鮮度は継続。良作であります。



※余談(読むほどでもないお暇な方向け)

■非武装主義者改め融合個体反対派

非武装主義者の皆さん。今期も「融合個体断固反対!」とお元気でしたね。
2期で明らかになった事実により当方が1期のレビューで書いた内容が嘘であり、主張との齟齬が生じましたのでお詫びして訂正申し上げます。

{netabare}カビザシにエナ星白が反応してたことをもって、“武器があるから攻められる論”を擁護してました。{/netabare}

{netabare}結論だけ、書く。

失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した

あたしは失敗した失敗した失敗した失敗した
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
失敗した失敗した失敗したあたしは失敗した…{/netabare}

{netabare}失礼しました。動力源ヘイグス粒子に反応してんじゃん!ということがバレました。さすがに石炭・石油・原子力があるから攻撃されるという理論はねぇ…成り立たないですよねぇ。

・融合個体白羽衣つむぎ(CV洲崎綾)の実績積み上げにより徐々に反対の声は小さくなっていく。
・同じく実績の積み上げにより子供たちからの手紙が届く。

どこかで見た景色です。

・丸腰で食われた植民船がガウナ化して登場する。

この景色はさすがに笑うに笑えないというかそりゃそうだよねという顛末です。
そういえばとある評論家が国際関係を語る際に“言葉が通じない国”をガウナに例えてましたね。
笑えんな。笑ったけど。{/netabare}



視聴時期:2020年10月 

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2020.11.08 初稿
2021.09.10 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 46

62.8 8 パイロットで仲間なアニメランキング8位
健全ロボダイミダラー(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (501)
2402人が棚に入れました
突如として地球に現れた謎の生命体《ペンギン帝国》と対ペンギン専門の秘密組織《美容室プリンス》の戦いが続く中、《美容室プリンス》は《ペンギン帝国》が操る巨大ロボ《ペンギンロボ》に対抗するために開発した対ペンギンの最終決戦兵器《ダイミダラー》のパイロットを探していた。女性が持つ豊かな双丘に夢中な熱血男子高校生・真玉橋孝一は、その身に宿す未知のエネルギー《Hi-ERo粒子》の因子保有者(ファクター)であるが故に、《ダイミダラー》のパイロットに選ばれるのだが……。

声優・キャラクター
島﨑信長、日笠陽子、石上静香、花江夏樹、洲崎綾、大橋彩香、木戸衣吹、田所あずさ、子安武人、堀秀行、村田太志、浅沼晋太郎、伊藤健太郎、保村真、福島潤、小山力也

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

OP担当:遠藤会のわっしーのお話

このレビューは、アニメの内容とは関係ない鷲崎健氏についての話です。(一応説明しておくとOP曲を歌った遠藤会のメンバー)

皆さん鷲崎健(以下、わっしー)はご存知だろうか。ラジオパーソナリティとして活躍し、数々のアニメイベントで司会進行役を勤めてきた男だ。

わっしーの魅力は、様々であるが、まず語られるのはそのトーク力だ。
彼はゲストにアニメを宣伝しに来た声優さんに接する時、アニヲタではなく(実際わっしーはアニヲタではなく、ミュージシャンとしての傾向が強い)、ラジオパーソナリティとしてアニメや役柄に関して聞き役に徹し、ゲストの良い所を引き出している。
また、一人喋りも上手く、一般人が話しても面白くないであろう話でも巧に喋り、オープニングトークを盛り上げてしまう。わっしーの周りが面白そうに見えるのは、わっしーのトーク力が上手すぎるからかもしれない。

私は諸先輩方のように、「浅野真澄のスパラジ!」「A&G 超RADIO SHOW〜アニスパ!〜」時代からわっしーを知っていたわけではない。私が知ることになったのは、「鷲崎健の2h」時代からだ。最近も「鷲崎健のヨルナイト×ヨルナイト」に声優がゲスト回になる日はたまに聴いている。
私がわっしーに嵌り始めた時期で印象深いのは「アクセルワールド」のラジオ「アクセル・ワールド 〜加速するラジオ〜」で三澤紗千香さんと子弟の関係ように三澤さんをリードしていったのが懐かしい。

わっしーの有名な話といえば、大学時代の後輩である伊福部崇氏とユニット「ポアロ」を結成し、「伊集院光 深夜の馬鹿力」の「輝け! 紅白電波歌合戦」コーナーに投稿していたことはわっしー好きなら多分みんな知っている(wikipediaにも書いている)。

そのせいあってか、「鷲崎健の2h」内のコーナー「三角コーナー」はラジオリスナーが体を張ったり無駄にレベルの高い技術を使ったりする名物コーナーが生まれた。この中で語られるわっしーの音楽ネタの幅広さから、わっしーの軸がミュージシャンにあるのが分かる。

2010年代以前にTBSラジオを聴いていた私は、文化放送で彼が楽しげに話し、相手のキャラを引き出すトーク力にすっかり虜にされてしまった。
蛇足であるが、わっしーがTBSラジオの永六輔氏を知っている辺り、かなりTBSラジオを聴いてたことがわかる気がする。

わっしーの魅力といえば、彼の音楽性についても触れたい。(今作のOP「健全ロボダイミダラー」については歌に遠藤会としての参加であった。)
MVがYou Tubeの所属事務所のチャンネルにある。
AtomicMonkeyChannel 「鷲崎健「What a Pastaful World ~なんてスパゲティ世界~」MV」
おかわりいただけるだろうか。、わっしーとシカコ(声優の久保ユリカさん)がウエディング衣装で着飾りながら、パスタをめちゃくちゃに汚く食べまくる、遊び心満載の楽しいMVだ。歌詞は一件パスタに関する歌詞に聞こえるが、所々のフレーズにパスタ関連のそれっぽい発音の単語を当てており、空耳で意味を理解するような曲になっている。。男性側が恋人の女性との時間をPastaful worldと歌うラブソングだ。

こちらのMVもオススメ。
鷲崎健「奥さま、お手をどうぞ」MV
こちらは心の余裕が垣間見える素敵な休日の過ごし方のようなMVと楽曲だ。
わっしーのアコギが印象的な曲であり、BBQ会場でアコギで歌うわっしーの姿との相乗効果で、曲の楽しげな余暇の雰囲気が伝わってくる。

さて、MVを抜きに「シンガー鷲崎健」として名曲だと思う曲も紹介しよう。
「I Love You」のある世界
この楽曲はわっしーのシンガーとしての魅力がつまった曲だ。孤独だった自分が好きな人に出会い、世界が変わったストレートなストーリーを展開する。
ワンフレーズに歌詞を詰め込むようなメロディと、ひたすらにワンフレーズを思いを込めて繰り返し歌い上げるサビが、非常に心を揺さぶるメッセージソングを作り上げている。

他にも「ワルツ」であったりと、「ヨルナイト」内で披露する曜日アシスタントとの曲カバー等、わっしーの音楽性はまだまだ多面的に話すことができるだろう。

いかがであっただろうか、私が伝えたいことは、わっしーが好きだということだけである(突然の告白)。

さて、わっしーのことはもっと喋りたいことがあるかもしれないが、今回はここまでにしておきましょう。わっしーと同じくアニメイベント司会で多数出演しているヲタクアナウンサーよっぴー(吉田 尚記)についてはノイタミナアニメでまた書くかもしれません。

ダイミダラーについての評価ポイント
○しっぽ、しっぽ、前尻尾
○前しっぽだから恥ずかしくないもん!
○シモネタの寒さを振り切ったコメディ
○クソダサロボットの癖にカッコいいんだよなあ

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

敵は健全にあり。

最初は少し古風で大味なロボットアニメかと思っていたら意外にも斬新な展開の連続で飽きさせず、それでいてキッチリ話をまとめ上げてくれたので良い印象が残りました。


あらすじ
{netabare}
地球をペンギンだらけにしようとするペンギン帝国に対抗するため、人類は巨大ロボ「ダイミダラー」を使って戦うこととなり、新たなパイロットを探していた。
ダイミダラーを稼働させるためには膨大な‘Hi-ERo粒子’(性的な興奮によって生まれるエネルギー)が必要で、その因子をもつおっぱい大好きな高校生・真玉橋孝一(まだんばしこういち)がパイロットに選ばれて戦うことになった。
{/netabare}


熱血変態主人公の孝一は最近では珍しいタイプの主人公だったので目を引かれました。自身のHi-ERo粒子を活性化させるため、ヒロインの恭子の乳を容赦なく揉みしだく姿はいっそ清々しかったですね。


そして何より好感のもてる敵、ペンギン帝国のペンギンコマンド達。
下ネタ大好きで男子高校生のノリでいつもハイテンションで盛り上がっている様子は、主人公サイド以上の団結力を感じました。
特撮の雑魚キャラ集団みたいな見た目なのに、一人一人名前があって魅力もあり、見ていて飽きない敵でした。敵側に魅力のある作品は良いです。


ストーリー的に少々のマンネリが感じられた頃に突然の主人公交代で、かなり雰囲気も変わりました。

前半の男性上位な話より‘愛’を感じられて、個人的にはこっちの方が面白かったです。

前半は孝一の力を発揮するために恭子が一方的に乳を揉まれるパターンだったのに対して、後半の喜友名霧子(きゆなきりこ)と天久将馬(あめくしょうま)はお互いカップル同士で力を中和しつつ戦うパターンになりました。

バカップルすぎる二人を見て思わずペンギン帝国側を応援しそうになった場面もありましたが、‘二人で一つ’力を合わせてお互い助け合い戦う姿は眩しかったです。

あと最初孝一たちが操縦しているダイミダラー2型は正直ダサかった(すいません)けれど、霧子たちの操縦するダイミダラー6型はかっこいいと思います。

基地からの出動以外でいきなりペンギンに襲われた場合に、霧子が「ダイミダラー、カムヒアァーー!」っと叫んでロボを呼び出すシーンもかっこよかったです。スーパーロボットっぽくてお気に入りです。


中盤以降目立ってくるのはペンギン帝国に取り入る謎の少女リッツの存在です。

回が進むごとに主役を、ペンギン達を食っていくほどの存在感と活躍ぶりに洲崎綾さんの力を感じずにはいられませんでした。(キルラキルのマコに重なりました)

エロエロなペンギンコマンドに囲まれても全く気おくれせずに、むしろ性に開放的で欧米的?感性のリッツはアニメだとかなり新鮮でした。

言ってしまえば○ッチということになってしまうんですが、それでも許せる、むしろそれが良い!とさえ思わせる魅力の持ち主・・・良いヒロインでした。


後半にかけて、ペンギン帝国の目的や謎が綺麗に解き明かされるのでとても親切なアニメでした。

大抵の作品に出てくる権力者は高圧的で傲慢な輩が多いですが、ペンギン皇帝は全くそのような嫌味がなく進んで自分で物事を実行し、部下の意見を大いに受け入れます。
本当に、近年まれに見る愛すべき敵です。


最後の敵の存在がこの作品、アニメでのテーマと言ってもいいと思います。
呉越同舟、エロのために団結して戦う漢の雄姿に燃えました。
エロは下劣で排除すべき対象であるとする考えは間違っている。エロは私達人類を育んてきた愛の証なのだと。
やっぱりクリエイターさんには口よりもこうやって作品で訴えていく姿勢で挑んでもらいたいです。


出てくるロボの見た目は栄えない代わりに、動きや変形、戦闘スタイルには近年のロボットアニメにはない素晴らしさがありました。

殴り合い、掴み合い、時にはプロレス技も出てきたりして、泥臭い戦闘の数々はダイミダラーのこだわりです。

ティー・エヌ・ケーは同じく異色のロボットもの「神無月の巫女」を作っていた制作会社ですが、ダイミダラーはロボットアニメとして見ても全く遜色ないクオリティでした。


男性向けだけに無駄にエロい、エロい、エロい。
本編がエロければアイキャッチもエロいし、出てくる台詞もいちいちエロいです。(例)楽チンチン、つわリッツ、ガリバーティンポ、ゴッドスクラブ

暴力描写はそこまでなかったので、とにかくエロいのはダメ!って方以外には勧められるような・・・そもそも他人に勧められないような、そんなアニメでした。僕は好きです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

くだらないエロアニメだけで終わらせないその工夫

人類の脅威となるペンギン帝国に立ち向かう巨大ロボ「ダイミダラー」。
そのエネルギー源はHi-ERo粒子なるものです。

主人公の真玉橋孝一(まだんばしこういち)が
ペンギン帝国に対抗すべく結成された美容室プリンスの構成員の楚南恭子(そなんきょうこ)に
「よーし、恭子~~!おっぱい揉ませろ~~~!!」と言い
もみもみもみもみもみ・・・・
「あ、あん、あん、ちょっと、孝一君、、あん、あん、あ~~~~ん(CV.日笠陽子さん)」
そしてHi-ERo粒子が発生してダイミダラー活躍→ペンギン帝国のロボット撃退と
こんな感じですw

マジでくだらねーwwwだけどここまで突き抜けていると逆におもしろいwww
と最初はくだらないエロアニメが大好きな私はキャッキャとはしゃいでいたのですが、
当然のことながら3話くらいで新鮮味も薄れ飽きてくるわけです。
5話くらいまで観て切るかと思っていたのですが、このアニメはここで終わらなかった。

私が本作で最も感心した点はズバリ「ストーリー展開の工夫」です。
ストーリーテリングなんて言うと大袈裟かもしれませんが、
視聴者を飽きさせないようにと凝らしたこの工夫には正直唸らされましたw

どういうことか説明していきますが、ここからはネタバレありです。
ここから先は視聴済の方か、もしくは、
たとえストーリー展開に工夫が凝らされてようがこんなアホなエロアニメは
絶対視聴しないよという方はよかったら読んでみてください。

{netabare}まず6話で主人公が交代します!
5話の次回予告で「主人公が代わることくらいたいしたことじゃない」という
アナウンスがあるのですが、いやいやいやいや!と思わずツッコんでしまいましたw
主人公が真玉橋孝一から喜友名霧子(きゆなきりこ)になります。
この喜友名霧子はパートナーの天久将馬(あめくしょうま)と
イチャイチャすることによってHi-ERo粒子を発生させます。
これがまーうざい!!
美容室プリンスの長官である又吉一雄(またよしかずお)が
「こいつらマジでうざい!!(CV.子安武人さん)」と
視聴者の声をたびたび代弁してくれるのが唯一の救いでしたw

そんな中で人間でありながらペンギンさんを心から愛してペンギン帝国の為に
一生懸命戦うリカンツ=シーベリー(Dカップ)を徐々に応援したくなってくると思います。
つまり、実はペンギン帝国こそが正義で美容室プリンスが悪なんじゃね?という
立場の転換を明らかに狙った誘導を巧みにしてくるんですよね。
リカンツ=シーベリーは「ここで戦うと街に被害が出るから場所を変えましょ」という
まるで主人公のようなスタンスなのですが、
一方で美容室プリンスの長官又吉一雄はペンギン帝国を滅ぼすためなら街の1つや2つと
どんどん下衆な一面を押し出してきます。
そして喜友名霧子のパートナーである天久将馬がペンギン化しペンギン帝国の一員にと
本当に先が読めませんでしたw

終盤になると突如真玉橋孝一の復活!
さらには真の敵は「美容室プリンスこそが不健全である」とし、
エロを規制しようとする日本政府というまるでどこぞの有名アニメのような展開で、
最後はペンギン帝国と美容室プリンスが「エロこそが健全である!」と
理念が一致し、共に日本政府に立ち向かうという怒涛の展開でしたw

以上をまとめると
主人公交代→正義(美容室プリンス)と悪(ペンギン帝国)の立場転換
→最初の主人公真玉橋孝一復活そして真の敵は日本政府
→美容室プリンスとペンギン帝国が協力して打倒日本政府、そしてエロ規制
とかなりぶっ飛んでましたw
一見すると特段注視するような展開の工夫ではないのかもしれません。{/netabare}

ただ、こうしたストーリー展開の工夫がなければ私は本作を5話で切っていたでしょう。
くだらないエロアニメと侮っていただけに
その反動で大仰に賞賛しているようにも見えるかもしれませんけど、
別に名作だったなんてことは言いませんw
率直な感想は「なかなかおもしろかった」ですからねw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 37

72.2 9 パイロットで仲間なアニメランキング9位
蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT(OVA)

2005年12月29日
★★★★☆ 4.0 (323)
1820人が棚に入れました
『蒼穹のファフナー』から一年前、人類軍とフェストゥムの両方から追われ、身を隠してきた竜宮島は、フェストゥムに探知される危機を迎えていた。未だ戦闘準備の整わない竜宮島は、ついに「L計画」という危機回避プランを実行に移す事を決定する。その計画とは、島の一部・アルヴィス左翼部L区画を切り離して囮とし,本島へのフェストゥムによる探知をかわすという作戦だった。将陵僚・生駒裕未ら8人の少年少女達は、対フェストゥム兵器ファフナー「ティターン・モデル」のパイロットとして、過酷な戦いに身を投じる事となる──…

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「去り行く者達(LEFT)の権利(RIGHT) 」

この作品は、蒼穹のファフナーの前日談…一年前の物語です。
時間軸は本編より前ですが、馴染みのキャラも登場するので、本編を見てからこちらの作品を視聴した方が、物語に入り込みやすいと思います。
もし、本編を未視聴の場合は、そちらからの視聴をお勧めいたします。

本編視聴後の余韻がとても気持ちよく、この作品の世界観にもう少し浸っていたかったので、本編に引き続き本作品を視聴しました。

今回のレビューのタイトルは、「RIGHT OF LEFT」がとても意味深い意味であることを教えてくれたwikiを引用させて貰っています。

本編ではファフナーが整備され、竜宮島の持つ戦闘力がある程度高いレベルであるところから物語は始まります。
一年前と比べると、格段に戦闘力が増しているのを感じることができます…
でも、これって一年前の戦闘力はまだ発展途上であったことの裏返しですよね^^;

普段は身を隠しながら軍事力を増強する…そんなヨチヨチ歩きの竜宮島でしたが、ある日フェストゥムに探知される寸前まで追い込まれてしまいました。

竜宮島にはたくさんの一般住民と明日を担うパイロット養成コースに通うみんながいて…島そのものが島民にとっての希望だったのです。

そんな中、この危機を回避すべくL計画が立案~実行に移され…物語が動いていきます。

このL計画…希望を捨てないというみんなの意思が結集されて実行に結び付いたのだと思いますが…この計画の内容は身を切られような痛みを伴う切ないものでした^^;

L計画に使用できる軍備は必要最小限…
ファフナーの技術レベルは向上の余地を大きく残した状態のため、パイロットへの負担が半端ありません…
何よりパイロットの絶対数もほんの一握り…

この絶望的な状況にも関わらず、パイロットのみんなは希望に満ち溢れています…

でも…度重なる…幾度となく度重ねられた戦闘による疲弊…
ファフナー搭乗の副作用の厳しさに蝕まれるパイロットの苦痛…
状況が変わるのは当たり前です…
気持ちの全部が泣き言で埋め尽くされる…そんなときがあっても仕方ないと思えるくらい容赦ない計画だったのですが…
それでも、みんなは計画の完遂を目指して必死に歯を食いしばるんです…

それは計画完遂の先にある一人一人が胸に抱いている初めから決して変わることのない夢のため…

この冷血非道なL計画の行方はどうだったのか…
それはぜひ本作品でお楽しみ頂ければと思います…^^;

物語の終盤…パイロットにとって所期の夢を叶える千載一遇のチャンスが訪れます…
でも、それは同時に所期の希望を壊すリスクを抱えたものでもありました。

そこでパイロットたちが導き出した答えは…
きっと…いえ、私には絶対に出せない答えでした(/_;)
そしてパイロットの願いと待つものの祈り…物語の結末と合わせて本作を楽しんで頂けたら…と思います。

OVA1話の作品でしたが、引き込まれました^^;
引き続き劇場版を視聴したいと思います♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

尊い犠牲

このアニメは、蒼穹のファフナー一期の前日談
として制作された作品である。
話の流れが、蒼穹のファフナーへ続くように構成されているが、
どちらを先に見るかこだわらなくても特に問題はないだろう。
まあ、時系列を重視したいか、放送順で行きたいかによるので
そこは好みの問題だと思われる。

内容を一行で言い表すと、フェストゥムの探知から逃れるため
の企画、「L計画」という危機回避プランに身を投じた8人の
少年少女たちがパイロットとして最後まで戦った歴史である。

見終わった感想としては、想像以上にクオリティの高い作品であった。
実は、私自身一期からRIGHT OF LEFTという流れで視聴したのだが
序盤はそこまで乗り気ではなかった。中盤に入ったあたりから
徐々に面白みが増していったという印象が強かったので、少し不安
な気持ちで挑んだがそれは杞憂だったようだ。

焦点を当てる主要人物を少なくし、感情移入がしやすい
作りになっている。基本的には、将陵僚と生駒祐未の二人に
徹底的にスポットが当てられている。
彼らの関係性や、ファフナーに乗る動機等を見て自然と
応援したくなる自分がいた。
今作において、一期で活躍するキャラクターも数人いるのだが
必要以上に話に割り込んでこないので過度なストレスを
感じることはなかった。

一期では、結構な数の登場人物に焦点が当てられているのだが
一部のキャラに関しては登場シーンが少ない上、あからさまにフラグが
立っていたことも相まって感情移入がしにくいと感じてしまったのだ。
今作では、そこに気を使ったのだろう。非常に魅力的なキャラクターを
生み出すことに成功している。

また、前日談という設定を上手く活かしている。
この時は敵フェストゥムに関する情報が少ない上、ファフナーに
至ってはほぼ試作段階の状態。それ故に同化と呼ばれる現象が
パイロットたちに恐怖を植え付けてくるのだ。
しかも、一期の時よりも進行速度が速い上に結晶化するという有様。

それを見て全く動じないパイロットは相当強靭な精神力
を持っていると推察される。
私が、実際にその光景を目にしたら泣き叫ぶような気がする。
そこまでの精神力は持ち合わせていないからね。

鬱要素も、一期よりは確実に高い故に慣れていないと
引きずりやすい様に感じる。只、希望も含まれる形で
終わるので、絶対に耐えられないという訳でもない。
まあ、それなりに場数を踏んでいることが前提だが。

蒼穹のファフナーの一期がそこまで好きではない方にも、
この作品には是非とも挑戦していただきたいと感じる。
個人的には間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

誰かが生き延びるために誰かが犠牲になった

泣けてしまいました。
本編の内容が難解だっただけに、この作品を視聴するのは後回してましたが、この作品は本編見たら絶対に見るべき内容ですね!

◆この作品の概要は・・・
本編の話より1年前の話。
本島を未知の生命体から守る為、L計画を実行。
その計画とは本島の一部の地域を切り離し、その地域を本島に見せかけてオトリにし、未知の生命体から本島への目を反らすという作戦。
作戦期間は2ヶ月間、オトリとした地域に配属される実行部隊は40名、その中の8人の少年少女がファフナーに乗って未知の生命体と戦います。
はたして彼らの運命は?

◆この作品の見どころは・・・
本編からもわかるようにこの作品にあるのは絶望や悲壮感。
でもその中で彼らは必死に生き延びようとします。
この作品にロボットに乗っての戦闘シーンはほんのわずかしかありません。
その分、登場キャラ達が次第に追いこまれていく絶望感から希望を見出そうとする心理描写が良く描かれていて感動しました。

◆本編で登場する少年少女達は・・・
もちろん多数登場いたします。
チョイ役で登場するのがほとんどで、一部キャラを除いてはこの時点では何が起こっているかも知らずに、本島で平和に日常を過ごしています。
そして皆城総士のラストのセリフ・・・心に重く響きましたよ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

65.7 10 パイロットで仲間なアニメランキング10位
翠星のガルガンティア ~ めぐる航路、遥か ~ 前編(OVA)

2014年11月21日
★★★★☆ 3.8 (256)
1560人が棚に入れました
大好評のままTVシリーズが終了した、船団都市を舞台に繰り広げられるオリジナルSF冒険活劇
「翠星のガルガンティア」の続編を描く新作OVAが、前後編でリリース! (先行上映あり)
ネタバレ

タナボソ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

良かった!

鑑賞前に書いた雑文↓ 伏せ字にしときます(`・ω・́)ゝ
{netabare}9/22開催されました“翠星のガルガンティア”オールスター感謝祭なるイベントに行ってまいりました。

登場キャラクターの名前の由来が歯車(ギア)であるとかといった
作品世界の作り込みに関するエピソードや、
「アルドノアのラストは俺のせいじゃねえからっ!」など他作品名出しまくりの虚淵玄さんらによる
はっちゃけたサービストークまで、中々楽しかったです。


で、このOVAなんですが、正直期待値低いっすよねきっと。
TVシリーズが好きだった方でも。私もそうだったし。
だってTVシリーズできれいに物語は終わっていたわけで。
キャラに関しても、例えばメインヒロインであるところの
エイミーが好きだから観てたって方は少ないと思うんです。
まあレドはともかく。一番人気はきっとチェインバーさんでしょう。
さらに個人的には製品版に同梱されてたOVA15話、クーゲル中佐のエピソ-ド『まれびとの祭壇』、
コレがもう嫌いで嫌いでたまらなかったんですよ笑。
「またOVAか…地雷臭が…」なテンションだったのです。

でもですね、映画館にて他作品鑑賞の際に予告を目にしたら、
かなり積極的に観たいっていうモチベーションが上がってきたんですよ。
しっかり劇場のスクリーンに映える映像になっていました。
嵐なのかな?で荒れる海の描写にすごくぐっときた。
短いシーンからでも劇的なドラマ展開を予感させました。
今週末の公開が素直に楽しみです。

で、コレを書いてる時点で、今週末のキャストさん、監督さんが登壇する
舞台挨拶付き上映会のチケットが売れ残ってるんですよ。バルト9以外は全箇所らしいw
首都圏ばかりの開催ですが、席埋まって欲しいなあ思いますよ。
金元寿子さんは日曜の方だけですが、石川界人さん、水瀬いのりさんファンの方
来てくんないかなあって感じですわ。
そもそも杉田来れば埋まってたんだろうなあw 都合合わなかったんすかねえ。残念。{/netabare}
(14/09/23初up)

9/28、新宿バルト9にて公開から二日目の舞台挨拶付き上映会を鑑賞してきました。

TVシリーズ後、半年ほどが過ぎたガルガンティア船団。
ベローズ率いる海底の遺物をサルベージするチームの一員として活躍するレド。
クーゲルの船団から移り住んできた少女リーマに、
メッセンジャーの仕事を教えるエイミーらの姿があった。

といった導入からストーリーは展開します。
このように書くと、日常的な描写ばかりの作品?と想像するとさにあらず。
映像的なスペクタクルがしっかりとあります。
具体的には過去の回想シーン。

これがかなりの迫力で見応え。
過去の描写でチェインバーさんも大活躍。
そこに登場する当事者達は、今生きているのだから当然助かると判っていても
おい、これ大丈夫かよと不安になるほどの危機的状況が描かれます。
{netabare}大嵐に遭遇したガルガンティア船団。
接続橋の一部が壊れ、サーヤ等が生活する船は舵も利かない事態に陥る。
サーヤやその兄フライス、エイミーらの誘導により本船への避難を終える住民たち。
しかしその3人は避難が間に合わず完全に本船団から切り離されてしまう。
そこへ船を覆わんばかりの巨大な大波が…{/netabare}

TVシリーズガルガンティアは13話では短すぎたと、指摘されることがありますが、
この回想シーンはまさにTVシリーズで描ききれなかったエピソード。
取って付けたような後付け感のない、海洋上での生活なら自然に想定される状況を、
TVシリーズより更に上乗せされたんであろう予算と十分な期間で
制作されたことを思わせる大迫力のシーンになっていると思いました。

村田監督は舞台挨拶や以前の対談、インタビューなどで、
船団を舞台にした作品、海洋上で描かれる作品を以前から熱望しており、
そこへ脚本・TVシリーズストーリー構成虚淵さんの異訪人のアイデアをつなぎ合わせることにより
このガルガンティアを作り上げた旨お話されています。
じっくりと時間をかけて練り上げられたガルガンティア世界による説得力を思わせ、
回想でさえこれだけのシーンに仕立て上げられるこのOVA作品は正しくその成果かと。

しかもそれらいくつかの回想はただ映像的な見応えのみを狙ったシーンでないのがまた素晴らしい。
しっかりこのOVA作品のクライマックスへ向けたストーリー上の伏線、布石になっており、
ビルドアップになっているんです。
この船団に来る以前、人類銀河同盟時代のレドとチェインバーの姿も併せて描くことにより、
レドの成長と変化、強まったレドとチェインバーの絆が対比して描かれています。

そしてそのクライマックスの危機は、レドの成長によって勝ち得たもの、
{netabare}船団の人たちからの信頼と絆、レドの諦めない意思{/netabare}により対峙される。
{netabare}船団員全体の安全を守らなければいけないリーダーの立場から
救助に行くことを指示できないリジットとベローズ。
そこへ微塵も躊躇することなく立ち上がる大勢のユンボロ乗り達。
すごくぐっときました。
そしてさらにラケージさん。笑えてかつ燃えるナイスな登場。
TVシリーズ13話の対比となる台詞も最高でしょ。アミーゴ!{/netabare}


本当にすごく良かったです。
相当しっかり作られた作品だと感じました。
ビジュアル面、サウンド面の充実は映画館の大スクリーン・大音響にも映える内容かと。


蛇足ですが一つ。
鑑賞前、個人的に懸念に感じていたことがありました。
それは新キャラ、リーマを演じる水瀬いのりさんのこと。
水瀬さん、TVシリーズのガルガンティアを全くご覧になっていないか、
観ていない体で各所でお話をされていたんですよ。
レド役石川界人さんと共に番組ラジオのメインパーソナリティを務め、
幾つものイベントにメインキャストとして出演していたにも関わらず、です。
ガルガンティアに関する知識が全く無い様だったのです。

でもこのOVAを最後まで観て思ったのは、意図的にそうしていたのではないかと言うこと。
舞台挨拶でも村田監督は「そのまま(自然に)」演じるようディレクションし、
水瀬さんはこれでいいのかと不安に感じたと発言していました。
{netabare}実際リーマは劇中、ごく普通の少女として描かれていました。
後半意外な行動をしますが、まあ以前のクーゲル船団にいた頃身につけた知識から
できた行動なのだろうと感じた。その時は。
しかし{netabare}ラストのあの引き。ごく普通の少女であったはずのリーマが!?って凄く驚いたんですよね。{/netabare}
↑ボカしましたが、未見の方は観る楽しさが減ることを覚悟でクリックどうぞm(_ _)m{/netabare}
今は意味があったことなのだと思えました。

舞台挨拶では、他にも
エイミー役の金元さんが仕事を探し、活躍するようにまでなったレドを
母親のような目線で見ていたとお話しされたり、
その発言を受けてか石川さんが金元さんと一緒のステージだと安心する、
ガルガンティアが初のTVアニメ作品の主演であり、
一連のステージが声優としてお客さんの前に立つ初めての場で、
頼らせていただいてきた、などのお話しをされていたのが印象的でした。
石川界人さんは最近作でもハイキューや残響のテロルなどのメインキャスを務め、
Wikiを見ると驚異の太字率。
本作でも5話頃のレドで、とディレクションするとしっかり応えられるのだそう。
去年頃からアニメ作品を見始めた私にとって、すごく印象的な声優さんです。


長くなりましたが、来年公開される後編が待ち遠しいです。


OP曲好き度:4/5(はじまりの翼 / TRUE)
・TVシリーズのOP曲より好きです。
ED曲好き度:4/5(大切な宝物 / ChouCho)

作品の好き度:6/7
(14/10/01追記)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

まるべり さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

心の羽根ひろげ 僕らは今日を生きていく。

●ジャンル:ロボット、SF
●オリジナルアニメ

2013年4~6月に放送されたTVシリーズ(全13話+OAD2話)の続編。
Production I.G制作のOVA。


■感想■
{netabare}内容としては「TVシリーズの後日談+過去回想」でした。

愛機・チェインバーを失ったレドはガルガンティア船団の一員として、そしてサルベージ屋として日々を過ごす。
そんな中で旧地球文明の探索にも励んでいる様子。
言葉が流暢になって、肌が日焼けして、すっかり人間らしい爽やか少年に成長してました。
チェインバーとの絆を今も大事にしながら、仲間達と共に今を一生懸命生きている姿が微笑ましかったです^^

エイミーとの距離も近づいてて自然に頬が緩んでしまいました~。
ピニオンやベローズからレドのことをつっこまれて赤面するエイミーがたくさん見れて良かったですw
レドの好きなものをチェインバーに聞くエイミー、
それに答えるチェインバーとの噛み合わないやりとりも面白かった!

また、今作では新キャラクター・リーマがエイミーの後輩メッセンジャーとして加わってます。
彼女は元はクーゲル船団にいて、連結後ガルガンティア船団の一員になったそうな。
なにやらユンボロに興味深々、そして何故か操縦も出来てしまうという…。
チェインバーのこともレドから聞き出してましたね。
今の時点では謎の多い少女ですが最後のシーンでマシンキャリバーらしき機体と喋っていたので、
間違いなく今作のキーキャラクターになるでしょうね。
「人類銀河同盟」と何かしら関係がありそうです。

チェインバーは過去回想のみの登場でしたが出番があって嬉しかったです^^
嵐から船団を救ったシーンでのレドとチェインバーの会話はちょっと感動でした。
「パイロット支援啓発インターフェイス」として、
そして「相棒」としてチェンバーがレドに与えてくれたものの大切さを再確認することができました。

音楽もシーンを良い感じに盛り上げてくれてました。
主題歌はTRUEさんが歌うOP「はじまりの翼」がとくに良かったです。
歌詞がレドっぽくてグッときます^^{/netabare}


■まとめ■
{netabare}過去回想多めでしたが TVシリーズの世界観や雰囲気は維持されているので続編として違和感無く楽しめました。
約1時間の短い時間でしたが内容の充実度も高く、後編への繋ぎとしても続きが気になる良い引きでした。

ただ、回想が長かったせいか その後のレド遭難→救出のくだりがじゃっかん雑だったのが少し残念。
「人類銀河同盟」やヒディアーズのことも今回はほぼ触れずに終わってしまったので、後編に期待です。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『ガルガンティア』の新たな航海がここから始まる—。

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
TVアニメ本編を視聴したのは2013年の7月なので、もう7年以上前になりますが、朧気ながら世界観やチェインバー、レドやエイミーという顔ぶれも覚えていたので、懐かしさも相まって視聴することにしました。


半身ともいえる愛機・チェインバーとの別れからおよそ半年。
大海原を往く船団ガルガンティアで、レドは仲間たちとともに新たな人生を踏み出していた。

サルベージチームの一員として懸命に働くかたわら、失われた旧地球文明の痕跡をたどる日々。
そんな彼の前に、かつての上官・クーゲルの船団からやってきた少女『リーマ』が現れる。

エイミーの後輩としてメッセンジャー業を学ぶリーマとの出会いから、レドは波乱の過去を噛み締め、
いまを生きる自分と改めて向き合うこととなる。
そしてその未来には、さらなる困難と危機が待ち受けていた。

チェインバーとの絆を胸に刻み、レドはひとりの青年として空と海のもたらすすべてに立ち向かってゆく。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

いやぁ…全てが懐かしいです。
昔はアニメの「ア」の字も知らない素人だったので、純粋に作品を堪能することしかできませんでした。
OVAですが必死ぶりにこの作品に触れてみると、当時ハマった理由が良く分かる気がしました。

まず、アニメーション制作がProduction I.Gさんという時点で期待大だったんですね。
それに、エイミーが忘れられないキャラだったのですが、CVはひーちゃんだったんじゃありませんか!
その他、かやのんやあすみんなど豪華キャストがズラリと揃っています。
OVAからは、リーマという少女役でみのりんも参戦してくるのですから…

もうチェインバーとは2度と会えないとばかり思っていましたが、OVAの物語の回想シーンでしっかり登場してくれて、ちゃんと記憶の呼び戻しに一役買ってくれていました。

こういうのを「温故知新」というのでしょうか…

オープニングテーマは、TRUEさんの「はじまりの翼」
エンディングテーマは、h-wonderさんの「大切な宝物」

1話50分強の物語でした。
7年前の作品ですが、微塵も色褪せてなんかいませんでした、
久々にガルガンティアの世界を満喫させて貰った気がします。
引き続き、後編を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

67.4 11 パイロットで仲間なアニメランキング11位
蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH(アニメ映画)

2010年12月25日
★★★★☆ 3.9 (280)
1449人が棚に入れました
 2004年にTV放映され、翌2005年にはその前日譚となるスペシャル版も製作された人気SFアニメ初の劇場版作品。宇宙から襲来した“フェストゥム”の脅威をはねのけ、平和を取り戻した“竜宮島”を舞台に、主人公・一騎たちを待ち受ける新たな戦いの行方が描かれてゆく。脚本はTV版に引き続き、2010年本屋大賞受賞でも注目を集める「マルドゥック・スクランブル」の冲方丁が担当。

声優・キャラクター
石井真、木村良平、喜安浩平、松本まりか、仲西環、白石稔、新井里美、小林沙苗、佐々木望、福圓美里、白石涼子、梶裕貴、田中正彦、篠原恵美、ゆかな、諸星すみれ、石川静、葛城七穂、京田尚子、高瀬右光、土師孝也、てらそままさき、遠藤綾、豊口めぐみ

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

「命をもったフェストゥム 人になりたかった… そう皆城総士という名の人間に だから俺はここに来たんだ」。

この物語は、テレビアニメ版の後日談を描いたものです。物語の内容に繋がりがあるので、前作を未視聴の方は是非そちらからの視聴をお薦めします。

時は2146年・・・地球は未知の生命体であるフェストゥムによって侵略を受け、全滅の危機に瀕していました。
物語の舞台となる竜宮島も同様です。
そして、島を守るべくファフナーという巨大ロボットに搭乗する14歳の少年少女達の生き様と、これまで竜宮島を守り子供を育ててきた大人たちの葛藤・・・
でも、皆んなの住む竜宮島を守るため、フェストゥムのコアを破壊すべく最後の蒼穹作戦を決行し・・・
重大な損失を負いながらも人々の平和を守ることができた・・・ここまでがテレビアニメ版で放送されたあらすじです。

そして、2年の最月が過ぎた灯篭流しの日・・・フェストゥムの船が竜宮島に漂着するのです。
船の中では1人の少年が眠っていましたのですが・・・彼は進化したフェストゥムでした。
こうしてまるでこれまでの平和な生活がかりそめであったかの如く、少しずつ悲しい連鎖を引き起こしていた状態に引き戻され・・・物語が動いていきます。

まず最初に感じるのは、フェストゥム自身の著しい進化です。
これまでは単体で敵に向かって行くことしかできませんでした・・・
だけど、人間から色々なモノを吸収し、周囲と連携すること・・・作戦を練ること・・・
そして武器を使うことを覚えていきます。

その統率の取れた動きは、最早見事と言わざるを得ない状況です。
それに比べ、己の利権や欲にしがみついている人類は・・・相変わらずでした^^;

でも、この作品はこれまでのように未知の生命体であるフェストゥムを悪とした勧善懲悪モノ・・・というわけではありません。

これまで感情を一切持たなかったフェストゥムが人間を通して感情の一部を理解し・・・
そこから、人として大切な感情に気付いていく様がとても丁寧に描かれています。

知らないモノを知ろうとするとき・・・未知なるモノには恐怖を感じます。
でも、その恐怖を乗り越えるには・・・選択しなければなりません・・・
それに伴う痛みは受け止めなければならない・・・

でも、その痛みが大切な人のモノだったら・・・
決まりに・・・常識に・・・神に・・・大切なモノを守るためにあなたはどこまで抗えますか・・・?

人間もフェストゥムも自分の感情に素直になって大切なモノを見つめた時・・・
導き出される答えに違いはあるのでしょうか・・・?

思い・・・願ったその先に手は届くのか・・・
その答えは本編の中で示されています。

今回もファフナーに搭乗する少年少女は島を守るために踏ん張ります・・・
そして、島を守るのはファフナーに乗る事だけじゃない・・・
自分にしかできない事に全力を注ぐ彼らは、相変わらず眩しい存在でした^^

この作品の主題歌はangelaさんの「蒼穹」でした。
もうこの蒼穹シリーズとangelaさんは切っても切れない関係なのではないでしょうか・・・
今回も歌も抜群だったと思います♪

2015年の1月から「蒼穹のファフナー エグゾダス-EXODUS-」が始まりますが
ようやく視聴体制が整いました。放送を楽しみにしています^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

空が綺麗だって思ったことある?

キャッチコピーは「命をもったフェストゥム 人になりたかった・・・ そう皆城総士という名の人間に だから俺はここに来たんだ」

◆この作品の概要は・・・
本編から2年後のお話。
島には平和の日々が訪れていたが、ある日一隻の船が島に現れます。
その中には謎の少年が眠っていたのですが、それと同時に黄金に輝く生命体フェストゥムの島への侵攻が始まり、またこの島に危機が・・・・。
本編で生き残った少年少女達が、新たな仲間と共にフェストゥムに立ち向かいます。

◆この作品の見どころは・・・
さすがは劇場版作品。
映像の綺麗さや、戦闘シーンでのアニメーションの動きは素晴らしかったです。
スピーディーでとにかく動く!
敵は圧倒的戦力と人間的思考で侵攻してくるさなか、ファフナーに乗った少年少女達も生き残ろうと激しく戦闘します。
迫力ある戦闘アクションを楽しんでいただきたいですね。

◆ストーリーは・・・
序盤はホッとするような平和の日常が見られます。
本編で生き残った者達の平和な日常や再起不能となってしまった者が回復している姿など、こういう安心できるシーンが見れたのは非常に良かったです。
しかし、この平和は長くは続かない。
ファフナーと言えば登場人物達がドンドン死んでいくのが特徴としてあげられます。
この劇場版でも新たな少年少女パイロット達が加わりますが、この作品の作風から予想するとやはり死亡要員として扱われるのか?それとも生き残ることができるのか?
絶望の中で必死で生きようとする者達のその姿に注目して見ていただきたいです。

◆見終わった後に感じた事・・・
ストーリーが難解なので、正直内容がよくわかりづらいまま終わったしまった感がありました。
またこのような鬱作品は後日談も最後に描いて欲しかったと思ったところです。
しかし・・・・・なんと続編ありますよ~!
「蒼穹のファフナー エグゾダス EXODUS 」
この劇場版の話から2年後が舞台。
2012年公開!
現時点ではTVアニメかOVA作品か劇場版なのか詳細は明らかにされていませんが、これは楽しみですね!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

暗闇という静寂と平穏で終結したテレビシリーズに光をもたらした直結の続編にして最高傑作

なぜか2010年の映画はハルヒやらガンダム00やら、テレビシリーズの決着を映画で付けるというのが多かったですね


今作のテレビシリーズは04年で完結しており正直忘れてしまった人や知らない人も多いと思います
当時は・・・
主人公→失明
親友→敵と同化
親友の妹→肉体が消滅
仲間達→ほぼ全滅
という【BAD END】で終了したのが印象的でした
文字通り『闇』で終わったわけですよw


オイラ的には【ポストエヴァ】を意識したロボットアニメとしては最高のシリーズだと思ってます
(厳密にはエヴァの皮を被ったもっと直球のヒューマンドラマなわけだけですけどね)


今作はその直接的な続編でして、人類とフェストゥムとの戦い、そして竜宮島の行方の新たな局面を描いたものです
テレビシリーズ見ていた方なら世界観や懐かしいキャラクター達にすぐさま溶け込めることでしょう
なによりも当時から全く衰えを感じさせない声優陣が素晴らしい!


多少新キャラクターは出てきますが、正確にはテレビシリーズの端っこにいたサブキャラ達がメインキャラに昇格というのがほとんどです


映画ではテレビシリーズよりも短い枠ということで、まだ印象の薄い彼らを「片っ端から殺してお涙頂戴」などという【安っぽいことは一切しない】のが流石の冲方丁
RIGHT OF LEFTでの失敗点がちゃんと改善されております^q^


むしろテレビ本編で生き残ったキャラクター達の奇跡的な復活やラスボスであったマークニヒトの行方の真相などが明かされ、シリーズファンには大きなカタルシスとなるはずです
それも何一つ無理なく、あたかも「前シリーズ頃から構想あったよ」的流れでやってしまうのだから冲方さまさまでありますw


映像面ではファフナーやフェストゥムを美麗なフルCGで描くなどして6年のブランクを見事に埋める進化を見せました


テレビシリーズをよく理解したうえでご鑑賞いただければ楽しめること間違いなし!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

75.1 12 パイロットで仲間なアニメランキング12位
機動戦士ガンダム 水星の魔女(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (386)
1241人が棚に入れました
その魔女は、ガンダムを駆る。 A.S.(アド・ステラ)122―― 数多の企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代。 モビルスーツ産業最大手「ベネリットグループ」が運営する「アスティカシア高等専門学園」に、辺境の地・水星から一人の少女が編入してきた。 名は、スレッタ・マーキュリー。 無垢なる胸に鮮紅の光を灯し、少女は一歩ずつ、新たな世界を歩んでいく。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ガンダムを忘れてスレッタに注目すると話の良さがわかります。

 23年の振り返りをしつつ、今年NO1候補の本作を23年12月に再視聴再評価です。本作自体は22年ですが2クール目を合わせて23年アニメと定義します。

 ガンダムシリーズって考えてたらモビルスーツカッコイイとか設定がどうとか余り思った事がないです。人間が描けている作品が面白いです。その点で本作は素晴らしいと思います。

 本作の良さは何といってもスレッタマーキュリーというヒロインを丁寧に描いたことにつきるでしょう。本作のスレッタとエアリアルの関係の違和感が良くて、それはスレッタが強いという表現が全くない事です。

 スレッタは毒親であるプロスペラに、歪んだ育てられ方をしました。母子癒着ですね。それが学校に行くことで居場所と友達を得ました。でもそれはエアリアルという存在がスレッタの居場所を作っているかのように見えます。

 ニカなどを見ると必ずしもそうじゃないのですが、対人関係においてコンプレックが強く、自己承認が低いスレッタは母とエアリアルに庇護されないと自分が持てない存在でした。この時点でミオリネは母の代替であり依存の対象のように見えます。

 後半の株式会社ガンダムのところでは、分かりやすくミオリネからの信頼を受け取れないスレッタと歪みと例のトマト事件で明らかになる毒親の結果主義あるいは非人道的な刷り込みが感じられました。もちろん、これは現代の家庭と学校のアナロジーです。人の命ではなく母親の望む結果。競争社会そのものです。現時点ではスレッタはプロスペラの道具として育てられたようにワザと誘導されます。
 なぜエラン4号と共感できたのか、強化人間=歪んだ教育と重なることでしょう。

 一方でグエルとミオリネの父親2人の父性を1期最終回で描かれます。この肉親による本当の愛情というのも同時に描いているのがこの作品の分厚さでしょう。

 次の点。分断の問題がでてきます。地球と宇宙の関係性ですね。で、特徴的なのは学校運営に企業の力=親の力が学校に持ち込まれています。これはいわゆる「親ガチャ」の概念そのものです。もちろん人生なんて「親ガチャの運だよね」という話ではなく、地球寮の活躍やグエルの行動などで必ずしもそれがすべてではないことが分かります。

 更にもう1点。過去のガンダムはほとんど=自己拡張でしたが、従来の作品では自分の暴力的な力の拡張でした。ですが、本作はガンビットによって守られる。バリアのような表現、取り囲む表現が多用されます。そしてまるで自動的に戦ってくれているように見えます。

 プロローグで見せてくれたガンダムの危険性ってなんなんでしょう?これは2期で明らかになると思いますが、パーメット粒子ですね。つまり本作のガンダムとは保護者とコミュニケーションの問題だと思います。

 ニュータイプのようなコミュニケーションをオカルトにするのではなく、パーメット粒子というSNSやネットワークと地続きの設定にした意味です。女子・ヒロインが主役の意味がこの辺で出てくるのではないかと思います。
 ガンダムの身体拡張性を医療という問題とつなげることで、ガンダム=兵器という従来のガンダムとは違う視点を与えました。

 1クール目は全体で言えば、あえてエアリアルというガンダムに個性・存在感を与えなかった理由。学校と言う場で生徒たちにとって生死の伴わない戦いを描いた理由。親たちの戦いと子供たちの戦いを重層化させたのか。復讐譚なのは?医療をクローズアップしたのか。そういういろんなメッセージを緻密に織り込んだ素晴らしい導入だったと思います。

 4話くらいまでをドタバタ劇にして引きを作りつつ設定を説明したのは2クールという制約を逆手にとってテンポがいい導入になっていました。
 それとあえて企業について丁寧な説明がないのは、どうでもいいからでしょう。そこに注目すると見方を間違えるからという点も考えられます。ガンダム以外のモビルスーツのデザインが結構適当なのも同じでしょう。要するにキャラを見るアニメだということです。

 じゃあガンダムという名を冠するな、という意見もあるでしょうが、本作は旧来のガンダムのアンチテーゼであり40年以上経った古い考えをアップデートする作品です。その意味でガンダムでなければならない作品でした。


 さて、本作の一番ゾクッとしたポイントです。5話で地球寮で父親のいないことを占いで当てられます。その後の質問で姉妹(兄弟)はいるという占いの結果にスレッタはいないと答えます。
 という話の後に、エレンのクローン・強化人間問題が出てきます。強化人間じゃないと制御できないガンドフォーマットがリスクなしで操縦できる、そしてスレッタにとってガンダムは家族というとでした。
 つまり、ガンダムは恐らくクローンの姉妹で操縦者に変わって生体がエアリアルに組み込まれているということがこの時点でわかります。この瞬間ゾクリとしました。
 この占いのシーンが軽くオカルトを入れながらも最高にSFしてたな、と思います。
 
 OPの夜遊びは素晴らしいのはもういいでしょう。
 EDですね。冒頭がブラックロックシューターじゃんと思ったらSUPERCELL、RYOさんでしたね。そう考えるとEDのクリスタルに閉じ込められる表現のアニメですけど、初音ミク「Chaining Intention」という曲のMVにそっくりなんですよね。ニコニコ世代のクリエータが作ったのかなあ?あるいは「意図を変える」という意味があるんでしょうか。

 オール5でいいかなあ。ガンダムという期待値から厳しい採点にならざる得ませんが、しかし、本当に面白かったし深さがあった。毎週見ているより2度目、一気見が圧倒的に面白かったです。いや、脚本の素晴らしさは本当に良かったと思います。2クール目よりも現状1クール目の方が面白いかも。











PROLOGUE 脱ガンダムはAI・サイバネティクス

{netabare}  ガンダムシリーズは少年の力の獲得・拡張と成長の物語でした。その中でニュータイプという重要だけど説明がつかない訳の分からないオカルトを入れてしまいました。

 さて、本作1話(PROLOGUEの誤りでした)の情報量がかなりありましたが、普通に見ていれば拾うべき情報はちゃんと散りばめられていますし、想像で補える部分がほとんどでした。スタートとしてはガンダムシリーズでは珍しいくらい丁寧な世界観の設定でした。もちろん不明点は今後明らかになるのでしょう。

 本作は力の発露が少女どころか童女でしたね。これはいいですね。この後の葛藤が想像できます。物語の始まりがいつも唐突なガンダムですが、本作については母親がいましたからどういう理屈かは想像できます。今後少女が何と戦うのか、あるいは乗り越えるのかが描かれるのでしょう。
 いままでの宇宙世紀ものでは、親は常に子供を裏切るか捨てる側でしたが、本作は親の愛から描かれていましたね。これも非常に新しいですね。たんなる復讐劇の伏線でなければ、次世代に継いでゆく…ガンダムの新しい子供が育ってゆくという感じもあります。

 そして、ニュータイプでは描き切れなかった、人類の力の拡張に機械とのリンクを入れてきましたね。多分に設定はエヴァ的ではありますが、エヴァもSF的には説明不足でした。本作はエヴァとは違い丁寧に設定することで、人間の可能性の機械とAIとの融合という主体的な拡張の話になるのではないか、と思います。

 なんとなくですが、このニュータイプというガンダムシリーズのトラウマを本作は覆すためのリスタートの気がします。そして親との断絶ですね。ここを変えてきました。男の子だと親離れがありますので、少女というのはいいかもしれません。
 少女というのは、メタ的にいえばその方が数字が取れるというのはあるかもしれませんが、テーマ的になんとなく面白い視点が生まれるのでは?と期待します。

 非常に期待感がもてるスタートでした。少女ヒロインで、ガンダムそして「機動戦士」を冠する必要があるかという疑問がありましたが、スタートを見る限り、何かテーマ性がありそうですね。非常に良い1話でした。想像の1000倍面白かったし、SF的にも良かったです。

 それと作画…絵作りが非常に見やすかったです。ハサウエイよりもガンダム感がありましたし。それと背景美術が丁寧なのはさすがサンライズですね。高クオリティのアニメの画面にワクワクしてしまいます。{/netabare}

第1話 モロにガンダムウテナでしたね。

{netabare} ウテナのアンシーってトロフィワイフとして受け身でちょっとお姫様感がある印象ですけど、実際は結構主体性もあったし気が強かったですもんね。結局ウテナをたぶらかしたのはアンシーでした。

 本作はデュエルで姫を奪いあう話で、トロフィってもろに言ってましたから、ウテナ要素が入るのは考察するまでもなく隠す気はないですよね。そもそも脚本家の人ってウテナの小説版やってますし。

 ただ、ウテナは王子=姫という男女の構造を崩す。お城の虚構性つまり資本主義・拝金主義を暴く。つまり男性社会あるいは資本主義という女性を保護する社会構造から脱し、着飾ることを止める=ルッキズムの脱却という選択をしろということだったと思います。  
 つまり、今の社会は男性優位に見えて、実は女性はその中で自ら着飾ることで安穏としているんだぞ、という事です。

 女性は自分で苦しみを背負うという選択をせよ、つまり、女性は裸になって男の庇護から荒野に出よという話でした。だから、ウテナカーは女性であり、運転手のアンシーも女性だったのでしょう。
 もしウテナをやるなら、2人のヒロインがガンダムを駆って、すべてを捨てて、新しい秩序へ。学園社会、エリート、セレブ社会、あるいは地球圏から飛び出せるかどうかだと思います。

 敷かれたレールの上の社会、価値観を決められた社会を「女性」が壊せということです。性の解放という浅いレベルにとどまらない、ポスト構造主義的な本当の意味でのフェミニズムを自ら実践せよ、という話になれるか?

 ウテナは決して権利の話などではなく主体性の話だったと思います。そこを忘れて今風にウテナの真似をするとポリコレ的な性の自由と権利の話、つまり社会よ理解しろ、変わるべきだという話になります。
 そうではなく、あの2人が「変える」話あるいは既存の社会を「捨てる」話になれるのか?

 そこをどう描かれるのかがものすごく楽しみな点です。

 更に、その先に何が描かれるか。母の作ったトマトとガンダムという共通点もあるので想いをつなぐような話もあるでしょうし、企業間の陰謀がどうなるか、水星VS地球になるのか、LGBTの深掘り、そして機械と人間の関係など、どんな展開になるのか楽しみです。

 演出と展開はSFレベルを少し落としてみることにしています。冒頭のハッチが空くタイミングとか、決闘がいきなり生徒が沢山いるところで始まるなど、不自然なところはありましたが、ガンダムだから気にしてもしょうがないと割り切って見ることにします。

追記 公式の小説「ゆりかごの星」読みました。
 ハードSFでジェイムスPホーガンに「揺籃の星」というのがあります。揺籃「ようらん」は「ゆりかご」とも読みます。まったくの同じ題名ですね。不気味です。非常に日本人に人気がある作家なので、SFの脚本家なら当然おさえていると思います。

 水星と土星は違いますがちょっと設定は似ているので不気味といえば不気味です。「揺籃の星」は3部作で最後が「断絶の航海」です。ガンダム初の他恒星系の話になるんでしょうか?(注意として、一応ハードSF作家ですが、揺籃の星はかなりのトンデモ作品でSF慣れしてないと読んでてポッカーンなのでお勧めはしません)

 今回は考察するのは、キャラのみにしてSF的な部分は見たままを受け入れる気なのでこれ以上の考察はしませんが、ちょっとドキッとしました。{/netabare}


2話 いや、面白過ぎるでしょ?

{netabare} 評議会でしたっけ?もろにルルーシュっぽかったですね。「お前に力はない」でした。毎話なにかいれてくるんでしょうか。

 それにしてもトマトへのこだわりなあ。母かあ…母なあ…やっぱりガンダムエヴァでもあるんでしょうか?{/netabare}


3話 逆ハーレム…なんでしょうか?しかも性別関係なくみたいな。{netabare} つまり、決闘委員会が全員落ちる?真面目な設定が隠れていそうなので、いつ暗い展開になるか気を抜けませんが、今のところ頭を空っぽにして楽しめるところは、Gガンダムっぽいですね。チボデーみたいな髪の色だし。

 ただ、モビルスーツより人間ドラマに興味が行くのはいいですね。面白いです。

 母が義母なんでしょうか?プロローグで見た母親と腕の取り外しは一緒で髪と眉と目の形が違います。鼻筋は一緒かなあ。まあ、身分変えてるなら整形しないほうが不自然かあ。別人なのか、本当に事故にあって未来技術で顔を作ったか、ですかね。
 それともなんかあるのかな?設定を深読みしてもガンダムは材料が後付けが多いので解答は出ない気がします。まずは楽しめるのでよしとしましょう。{/netabare}


5話 不穏すぎる。ガンダムは家族って…86展開?考察する気はなかったですけど…生体兵器だよなあ、やっぱり?

{netabare}  姉妹(兄弟)はいる?という話の後に、強化人間じゃないと制御できないガンドフォーマットがリスクなしで操縦できる、そしてガンダムは家族というとでした。
 つまり、ガンダムは母かクローンの姉妹で操縦者に変わって生体がAIに組み込まれているということかな。エヴァであり86ということですね。プロローグのあの子供がエアリアルだったりして。

 AIと人間の融合が多分ニュータイプに変わるテーマだろうなあと思っていたので、意外ではありませんけど。温い転嫁が闇墜ちするのはいつでしょうか。 {/netabare}


6話 ガンダムとエヴァの融合。スレッタのしゃべりに成長を感じる。ウテナ設定は忘れないようにしないと。

{netabare} どう見ても綾波でしたね。これは模倣ではなく、部屋の描写、コクピットから手をつないで出てきたところから言って意図的だった気がします。この悲劇は当然エアリアルも、ということでしょうね。

 ガンダムとエヴァの融合。そのほかいろんな未来が見えます。機械と人間の融合はどういう形でなされるのか。
 大人の思惑があるから学園の設定が無邪気なだけにちょっともどかしいです。ウテナ設定。つまり、2人で地球=企業の力学で動く資本主義、戦いでほしいものが手に入る弱肉強食の世界から脱出できるのでしょうか。

 スレッタのしゃべり方は意識的にしっかりしてきています。彼女の成長の演出でしょう。いいですね。最後の切ない演出も良かったです。 {/netabare}



11話 もともと面白かったですが、7話から別物みたいに面白い。子供向けフォーマットに考察できる含意、深みを入れている気がします。

{netabare} これは初代ガンダムが子供向け作品に戦争のリアルを含ませたマインドを想起します。本作は、かなり子供っぽい展開のガンダムですが、そこに含まれた過去のガンダムの理念とその一方で生まれ変わるためのアンチテーゼとして読み取っていきたいです。


 企業設立の投資家を募るところは茶番でした。ですが、ガンダムは大人向けであってはいけない。日曜夕方という放映時間から言って、その理念に立ち返った気がします。つまり茶番ではなく分かりやすくしているだけだと思います。

 そして、子供だましであってはいけない。子供も大人も楽しめる作品でなければ。あるいは子供が見て何かを感じる、大人が見れば考察できる深さがある作品でなければいけない。本作のチューニングは素晴らしいと思います。特に感心したのは株式会社ガンダムの話です。

 企業を守る、適材適所の運営。そして人を頼る、ステークホルダーに説明する。企業設立・経営の要素が日常パートに潜ませて描けていました。法改正=規則改正は頭の痛い話ですが、良くあることです。

 そして、企業経営の一番大事なのは「誰も正解を知らない」ことでしょう。便所飯が痛かったですが、これは自分以外の誰もが正解を知っている、自分と違って役立っている、と思ってしまう、真面目で優秀な子が陥るわなですね。一つの失敗で昔の事を全部ネガティブにとらえる。

 ミオリネのような経営者はいると思いますが、死に物狂いになっているだけです。放っておいても信頼できるパートナーは得難いです。そこの誤解が面白かったですね。企業の経営と人の心理を丁寧に描けていたパートだと思います。

 で、医療技術という企業理念はいいですけど、技術は軍事転用可能ということですね。そこは一つのテーマになりえると思います。それは0話のPROLOGUEで言っていた話だと思います。あえてここの対立を見せたのは、この辺りが描きたいからでしょうか?

 あるいは、表ではルール通りの紳士的な経営者でも、個人としては普通の良心を持っている人間でも、企業経営になるとなりふり構わないと言う部分もいいと思います。

 ガンダムとしての設定は、やはり、人間のテクノロジーとの融合でしょう。あるいは機械に人間を融合させるというダークサイドも見えてきそうです。

 そして地球VS宇宙VS水星は、貧困VS富裕層VS障碍者?学園と株式会社ガンダムがこれを融合させるのか、新しい世界を作るのか。展開が楽しみです。

 ニュータイプはAI・サイバネティクスの融合になる。
 戦争がリアルでは無い世代に対し、分断と学園内の居場所の無さでテーマを作る。そういう作品になると思います。


 そうそう、サンライズが無くなり、コンテンツ管理の会社に成り下がるか、これからも新しい価値を生み続けられるかの正念場でしょう。本作の企業設立のリアリティはそういう実体験もあるんでしょうか?{/netabare}


11話追記 ロボットアニメって基本的には男の主人公です。パートナーやサブキャラで女性がやることはあっても、なぜ男性か。それは、ロボットとは自己拡張だからです。自動車、時計、スーツ、靴などの趣味と重なります。

{netabare}  一方で女性の主人公は何になるか?魔法使いです。魔法使いも自己拡張ではありますが、この自己拡張は「魅了」だと思います。つまり、化粧であり、ドレスであり、アクセサリーです。
 本作で、なぜ女性が主人公で魔女なのか?本作のヒロインが、人たらしで周囲の人間を魅了してゆくという意味が一つ考えられます。

 ヒロインだけあって、ガンダムは自己拡張ではなくて、本作ではパートナーであり庇護者の様に描かれています。となると、この先の展開ですが、ガンダムという庇護から抜け出す展開になるのか、ガンダムとの対等になることではないか。
 庇護から抜け出す=ガンダムからの卒業、そして、ガンダムという機械と人間の融合、つまりそれが新しいニュータイプであると、そんな感じになるのでは? {/netabare}


12話 人助けなら何をしてもいいという「ガンダム大地に立つ」へのアンチテーゼか、あるいは人間の定義はどうなってゆくのか問題か?

{netabare}  ネットで話題になったので、最後のシーンは知っていました。ネットのマナーは何とかしてほしいものです。

 今回の話はいるんな発展の可能性があると思います。もちろん母と名乗るプロスぺラ・マーキュリーの思惑ではあるんでしょう。

 ミオリネは、スレッタがガンダムで駆け付け、助けられました。そしてスレッタのいい笑顔です。演出から言って狂気性をはらんでいるように見えましたが、歴代のガンダムがみんなやっていることです。仲間のピンチをガンダムで助ける。ファーストガンダムから見て見ぬふりをしていた違和感です。「ガンダム大地に立つ」の異常性を表現するためにわざわざ学校にしたのでしょうか。ちょっと「ククルスドアンの島」にも通じる部分です。

 あるいはガンダムは人を殺す作品である。だけど、それを見て喜んでいる視聴者は?というメタ視点でのアンチテーゼにも感じられます。

 前半のシーンで実弾が条約で禁止というセリフがあえて入ってました。これがこの最後のシーンにつながるのでしょう。武器や殺し方で何かが変わるのだろうか?ということです。そしてそれは我々実社会にも関連してきます。

「ノーマルスーツをなぜ着ていない?」って最高の愛情の言葉だと思うのですが、そこの演出が親子が分かり合えない感じがいい演出でした。で、命の選択という言葉です。ここもこの後どうなってゆくかです。さっきの敵を殺さないと味方が助けられない問題と合わせて、テーマになるのでしょうか。

 人の定義ですね。人の死の概念というものがスレッタから欠落している可能性です。ガンダムは故障しても治る。水星の身の回りの人は機械として生まれ変わっている。つまり、人の概念が普通の人とズレていたという可能性です。ガンダムを家族扱いする意味ですね。ガンダム=医療と言う部分の完全に逆手に取っている可能性がある気がします。

 ガンダムがなんらかの形で人の脳や精神データを受け継いでいると考えていましたが、スレッタにとって人間の定義はガンダムと同じという可能性です。

 そういういろんな可能性が考えられます。2クール目が楽しみです。

 一応途中ですがキリがいいので評価します。今のところかなりいいですね。こんなにテーマとか話の行先にドキドキするガンダムは初めてかも。 {/netabare}


総評 2クール目を前に。学校である意味、身体医療要素、起業、親子、老人など

 ストーリーの設定考察は沢山あるので、テーマに絞ります。この原作というか脚本者は本当にすごいと思います。ルルーシュの人ですかね?エンタメとテーマ性の両立が最高です。

 まず、学校が舞台です。そこでは兵器を使っての戦闘について教えています。ですので、いざ戦闘となれば、人を殺すことになります。で、最終話ですね。「そのためのガンダム」である、ということをミオリネは忘れていた…わけではないと思います。ですが、現実を見たらあんなことになりました。学校は役立たない、学校でちゃんと教えているのに、現実に立ち向かえないということでしょうか。
 学校内の成績、カーストの位置など関係ない。校内での孤立や派閥などもありました。

 身体医療の要素は、機械と身体の融合による新時代のニュータイプでしょう。AIだけでなく人間の定義の問題が入ってきそうな気がします。クローン設定などのバイオ技術も含めて様々な要素が散りばめられています。

 学校問題と絡んできますが、虐げられている差別されている人たちも、固まって拗ねているだけでなく起業してみたら?ということもあるかもしれません。ただ、上手くいかない雰囲気もありましたので、子供の遊びとして描いていたのかもしれません。いずれにせよ、これも分断の下層の被害者意識だけでなく、何かやってみろ、ということかも。

 親子関係がクローズアップされていました。ミオリネ、スレッタ、グエルなどが代表ですが、毒親問題と親の愛情です。子供がどう育つのか。厳しい父を持つミオリネが一番まともで、グエルの父はリベラリストで拝金主義者。そしてスレッタは…?ですね。母のトマトをずっとクローズアップしてきたのもきついですね。つまり潰れると…グチャですね。

 老人はまだ見えてきていませんが、彼らの残した遺産が子供に暗い影を落としています。水星という魔境…そこでどんな事が行われているのか?2クール目が楽しみです。

 なお、OPです。夜系は苦手だったんですけど、慣れるといいですね。不思議な感覚になります。未来的でもありますし。歌詞もいいです。

 そうそう、やっぱりプロローグの「ゆりかごの星」が気になります。やっぱり地球を捨てろっていう結論になるんでしょうか?ホーガンの小説「揺籃の星」との関連がやっぱり気になります。
 ウテナがミスディレクションだという感じもありますが、最後はやっぱりウテナカー=スレッタガンダム?






 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

「アホ毛」は目ほどにものを謂う

●【禁断の果実】が暗示する「ブラッディ・マーキュリー」と
●「C78」ハンガー

第1話で水星ちゃんはミオリネから貰った「トマト」{netabare} にかぶりつき
口の周りが「ジューシートマト塗れ」・・・になりましたが
このシーンは実は「裏設定」的な意味合いがあるシーンなのであります。

もちろん最後のあの「トマト塗れ」シーンの伏線であったとも言えるわけですが、
第1話のミオリネの「果実園」のシーンと見事にリンクしていたわけであります。

母親との絆を表す「果実園」をグエルに荒らされことに対する、原状回復と謝罪を求め
ミオリネを守ろうと水星ちゃんが決闘を申し込んだあのシーンは
逃げれば「1つ」、進めば「2つ」、という決断を表したものであります。

「2つ」のうちの「1つ」はミオリネのための勝利を
もう「1つ」はミオリネの婚約者の地位を得るという意味合いがあったわけですが
水星ちゃんの「婚約の意思表示」はどこで示されたかと言うと果実園を荒らした
グエルと対峙した時がそれに該当するということになります。

もちろん水星ちゃん本人はグエルに「決闘を申し込むこと」=「婚約を申し込むこと」とは
理解していませんでしたが、解釈上は婚約の申し込みと見なされてしまうのであります。

果実「園」の「果実」を食べるという行為は裏設定的には契約の成立となります。
女性同士の婚約でありますから禁断の契約というようにも考えられます。

【禁断の果実】の元ネタとは【エデンの園】で「蛇」から与えられた果実を
アダムとエヴァが食べたという逸話から示されるものであります。

この「蛇」のことを【サタン】と呼んだりしますが、サタンとの契約の印は
【666】と表現したりします。

「地球の魔女」の奇襲からミオリネを守り「契約」を果たすために水星ちゃんは
エアリアルが待つ「C78」ハンガーに向かうわけですが、「C78」を数字変換すると
「C」はアルファベット3番目なので3となり→378
この数字を全部足すと→3+7+8=18
18=6+6+6 即ち【666】となります。

【666】は【禁断の果実】という意味合いがありますが、
「禁断のテクノロジー」とも解釈できます。

「【ガンド】アーム」とは「禁断のテクノロジー」であるわけです。

また【666】には土星という意味合いもありまして、【土星】は【サターン】とも言います。
蛇の【サタン】と【土星】の【サターン】とは厳密に言うと別の意味合いをもつ言葉で
ありますが、アナグラム的に解釈するならば同じものと言うこともできるわけであります。

更に言うと学園の制服の左胸辺りに刻印されている紋章は【翼】でありまして
【天使の翼】を表していますが、誰の【翼】かと言いますと【堕天使ルシファー】であります。
この【光の天使】は性別不詳であり、女性のような美しい美貌持っておりまして
見た目は女性のようにも見えてしまうわけであります。

婚約相手が女性と言うのも元ネタは【光の天使】様にあるというオチであります。

そして最後の「トマト塗れ」のシーンが意味するのは「禁断の契約の履行」であるからこそ
果実園での「契約成立のシーン」のジューシー {/netabare}トマトとリンクさせたわけであります。

●「黒歴史」を塗り替える「再生の魔女」
「初代ガンダム」にしても「Z」にしても純粋に物語の面白さという観点から
考えたらクオリティーはかなり高いものであったように思います。

本作が完成度という点で過去作品を圧倒してるかと言えばむしろ劣勢であるというのが
実際のところでありますが、{netabare} それでも旧作のガンダムは本当のガンダムではなく、
どちらが真のガンダムなのかと言えば間違いなく本作こそが本来あるべき「ガンダム」を
描いているという結論になります。

何故今更「ククルスドアンの島」なのか?というのも同じように
旧作品の修正を目指して制作されたように思います。

本作主人公の「褐色の少女」スレッタ・マーキュリーはララァ・スンのやり直しであり、
これによりニュータイプの定義の微妙さに修正を加えることを意図していたのでありましょう。

そもそもララァ・スン自体が摩訶不思議な霊媒師のような能力者でしたが
「スターウォーズ」の「フォース」をモビルアーマー操縦技術に単純に転換したのが
間違いだったように思います。

まるでロボット兵器みたいなモビルスーツとは操縦するものであると先入観を与えてしまった
結果、ニュータイプという「別人種」が凄腕操縦者や天才プロゲーマーと大した違いが無い
普通の人間種の延長線上で考えられてしまい、一騎当千の大量殺戮兵器
「【ガンド】・アーム」の特殊性が説明できてないというのが最大の失敗だったように思います。

「ガンダム」とは「呪いのモビルスーツ」であり「呪われたモビルスーツ」である
というのが真相であります。

「逃げれば1つ」「進めば2つ」という言葉通りに、
水星の魔女は「2つの命」、ミオリネ親子を救うために足を踏み出しましたが
主人公の意志、願いに応え力を分け与えたのはエアリアルであります。

問題の「人間ハエ叩き」のシーンでありますがあれは「【ガンド】・アーム」
の「【願い】を叶える力の強さ」を表現したものであると個人的には解釈しています。

11話の夫婦喧嘩シーンで、ミオリネは主人公を14回叩き
主人公に対して【お願い】事を12+1=【13】回ほど唱えていました。
14は1+4=【5】そして【13】どちらも【願い】関係する数字であります。

「任せてくださいって私に言ってよ」というミオリネの言葉を鵜呑みにした
主人公はすべてを任されたと理解して、ミオリネ親子を救出に向かいます。

「2つ」を得るため、ミオリネを助けるために迷うことなくエアリアルと共に突進
見事願いは成就したところで物語は幕を閉じます。

水星ちゃんとミオリネの願いが「【ガンド】・アーム{/netabare}」によって叶えられたのが
あの最後のシーンでありました。


本作を見たガンダムファンならこう思うでしょう。
「本作がガンダム作品である必然性が無い」と

確かにそのご指摘は十分に理解できるところでありますが、
本作の画期的なところはガンダムファンが決して知り得ないガンダムの秘密を
赤裸々に大暴露している点であります。

●「呪われた」経営手法、その名は「転換社債」(←これ死亡フラグです)
学園のカリスマCEOことヒロインのミオリネは「転換社債」 {netabare} を用いて会社の資金調達を図ろうと
考えますが、その手法については経営経験豊富な父親により諫められます。

転換社債は株主にとっての「死亡フラグ」でありますが、
それに反対した父親の「死亡フラグ」は何でしょう?

それはやはり主人公の母親や地球の【魔女】に「ロックオン」され
「狙い撃つぜ!」となったことであるように思います。

「ガンドフォーマット」の技術は介護に役立つという表向きの理由を前提に物語は進行しますが
「呪われた」モビルスーツと【魔女】{/netabare}が関わる物語である以上は
裏テーマが当然の如くリンクするのは避けられないことでありましょう。

●ガンダムを全否定する「ガンド・アーム」
ガンダム作品のプロトタイプと言えば「機動戦士ガンダム」であります。
ガンダムファンと言えばまず間違いなく初代ガンダムの影響を受けていると考えてよいでしょう。

初代は確かにファンが絶賛するように物語として良くできていたのはその通りであると思いますが
最も本質的な要素である「ガンダム」について描き損ねていたために、結果的に
ミスリードを誘発し、理解できてないそんな大人は修正してやると言わんばかりに登場した
新参の「水星の魔女」により全否定されるわけですから、なんとも皮肉なお話であります。

「ガンダム」と言えばSFファンも楽しめるという特色を持ち合わせておりますが {netabare}
SFファンがガンダムを楽しめるからと言って、「ガンダム」を理解していたかについては
別の話ということになります。

「ガンダム」とは実はどちらかと言うと「大魔神」や「マジンガーZ」に近い存在で
「科学忍法火の鳥だ!」みたいなチート全開のトンデモ兵器であり
この謎の人工生命体はララァ・スンのようなテレパス能力保持者じゃないと巧く操縦できないため
例えば「強化人間研究機関」みたいなものが必要だったというお話であります・・・

地球連邦は「V作戦」により量産型モビルスーツの開発・増産に成功したため、
モビルスーツの性能では圧倒的に劣っていたジオンに勝利できたというそんな理屈が
初代においてはまかり通ってしまいましたが、しかしガンダムとガンダム作品全体を
冷静に分析いたしますとどうも辻褄が合わないところが多々あるわけでございます。

エルメス、アッザム、ビグザムにとどまらずサイコガンダムにνガンダム…
「V作戦」とは量産型MSの物量作戦とは何だったのかと言わんばかりに
MS性能のインフレには歯止めはかからず、チート全開の「トランザム」に
世界を滅ぼす「月光蝶」であります。要するに「科学忍法火の鳥だ!」という
初代ファンがドン引きする流れこそが「ガンダム」の本質に迫るものであり、
サンダーボルトの「リビングデッド師団」が意味するところは、要するに
「気合」なのであります。

ニュータイプや強化人士というチートがガンダムには必要不可欠だからこそ
本作の主人公=褐色の少女が「物理的妨害装置のテクノロジー」を余裕ではねのける
チート能力を発揮するという覚醒シーンはガンダム作品の必然的お約束なのであります。

それが面白いと感じるかどうかは別の話になりますが、
これが「本物のガンダム」であります。

「00」の主人公=刹那・F・セイエイの明言に「俺がガンダムだ!」というのがありますが
それはララァ・スンやスレッダ・マーキュリーに繋がる発想であり
シンクロ率100%という表現であったのだと解釈することもできます。

ガンダムと言えば実は「人種」についてかなり大胆に踏み込んでいるふしが感じられまして
本作の花嫁と褐色の少女の対比とかも、色々と計算しているようなところが窺えます。

褐色少女というのは恐らくララァ・スンよりも、太陽の牙ダグラムの「デロイア人」を
意識しているものと推測いたしますが、この人種の{/netabare}要素もガンダムには必要不可欠な
構成要素であると確信するものでございます。


●死亡フラグについて
{netabare}エランを死に至らしめた死亡フラグに次のものがあったように思います。

パーメットスコア4
誕生日
強化人士4号{/netabare}

しかしそれ以上に強力な {netabare}死亡フラグ、こちらの方が重要かもしれません。

【ベル】という名の魔女の存在。
「呪われたモビルスーツ」に関わり、しかも乗ってしまったこと。

【ベル】については別の機会に説明しますが、
「呪われたモビルスーツ」ガンダムに関わるとろくなことにならないというのは
初代「機動戦士ガンダム」の時から何度も繰り返されてきた事象でありますが
それに気づいていない人は意外に多いかもしれません。

テム・レイ、カミーユの両親、ウッソの母親、ランバ・ラルなど挙げたらきりがありませんが
特に重要な描写があったのはソロモンの攻防戦、そしてエマ・シーンの証言であります。{/netabare}

「水星の魔女」で明らかになったことから歴代のガンダムを振り返ると
今まで気づかなかったことが見えてくるものと確信いたします。

●「ガンドアーム」こそが「本物のガンダム」
少しづつ明らかになる真実、結論から言えば最初の作品「機動戦士ガンダム」は
解釈を間違っているとこがあり、本作こそが最もガンダムの本質をとらえている
本物のガンダム作品であると確信いたします。

故に「宇宙世紀シリーズ」等を信奉してる過去の人たちは本物ではない
似非ガンダムを見て本質を見誤っているという残念な結論に至るわけであります。

ガンダムとは本来 {netabare}「スターシップトゥルーパーズ」のようなパワードスーツであり
ロボットとは意味合いが違うものでしたが、当時の時代背景や時代の常識が
ガンダムという「特殊兵器」の特異性を理解できるだけの水準になかったため
ロボットものに作風をスライドさせてしまったのがミスリードの大きな要因であったと
推測いたしますが、ガンダムと搭乗者とはもっと一体感があるそれこそ義手であり
義体であると考えるのが適当であると考えます。

そういう意味でエヴァンゲリオンのシンクロ率という概念はある意味ガンダムの
欠損個所を補う意味でも、搭乗者の立ち位置的なものを表すという意味でも
とても参考になるものであったような気がいたします。

Zガンダムにしても∀にしても初期作で描き切れていないものを多数ちりばめて
補完しようという試みは常に繰り返され、それでも足りないので00、オルフェンズに
ナラティブ、そして意味深な「リビングデッド師団」が出てくるサンダーボルトが登場し
総仕上げとして本作に至ったものであると思われます。

そして満を持して登場した母親のライバル?もう一人の魔女の名が
【ベル】というのには完全なる狙いの意図を感じずにはいられません。
【魔女】の{/netabare}名が【ベル】。これにはかなり重要な意味が込められています。

ガンダム史上最大の究極のネタバレ、それは
ガンダムとは{netabare} 「ガンド・アーム」を示す言葉ということでございます。

「アーム」とは武器や兵器を意味し、「アーミー」と言えば軍隊を示します。
「ガンドアーム」=ガンダムとは「ガンドフォーマット」を使用した兵器
というのが結論でありますが、このネタばらしを知れば
ララァ・スンやニュータイプなどの理解がより一層深まり、ガンダム関する謎の数々も
完全攻略可能と確信するものにございます。

もちろん厳密に言うならば旧作品と本作の設定には全くズレがないとは言えないかもしれませんが
より理論的にガンダムという存在を明確に説明できているという意味においては
本作こそが最も先鋭的なポジションにあると言えましょう。

例えば水星という過酷な環境下では人間の人体には悪影響が出ることもあり
「ガンドフォーマット」という技術が不可欠であり、当然「パーメットリンクシステム」という
「文明の火」にスポットが当たるというのも当然の話になるということでしょう。

擬体化や電脳化、ドローン操作技術の向上を目指し研究開発は推進されてきました。
そしてついに人類の英知の結晶が生まれますが、その結晶でもあり
人類の英知を示すシンボルともいうべきものが「ガンダム」だという結論でございます。

ニュータイプのララァ・スンのように褐色の少女が「ガンドアーム」に乗りガンビッドを操る様は
魔法を使う「魔女」さながらでありますが、「奇跡も魔法もあるんだよ」との言葉通りのことを
テクノロジーの発展によってそれが成し遂げられのだと明確に示せたのは
ガンダム史上とても画期的なことのように思われます。 {/netabare}

トランザムのようなあれも、それを稼働させるセオリーがありまして
それの具体的な説明など今後注目していきたいところでありますが、
「学校に来たら{netabare}やりたいことリスト」や「学籍番号」、結婚年齢「17歳」
「花嫁の菜園」と「果実」など裏設定を匂わせる意味深な描写にも目が離せないところであります。

ちなみに「パーメットスコア4」とは「フォウ・ムラサメ」が由来のような気がしますが
単なる勘違いでしょうか?
というのも「4歳の誕生日」{/netabare}が死亡フラグのように思えたのがあります。




ガンダム史上「最強のアホ毛」を誇る本作でありますが
その上に「百合」の要素をふんだんに振りかけて・・・
そしてMS乗りが「【水星】の【魔女】」と言うのならカオスが極限なまでの高みを目指すことは
必然というものであります。

ガンダム主人公が明らかな「アホ毛」状態であったのは「鉄血のオルフェンズ」が
最初ではなかったかと記憶しておりますが、明らかな「アホ毛」ではないにしても
寝ぐせみたいな頭髪トップの状況は刹那・F・セイエイやウッソ・エヴィンにもあると言えば
あるようにも見えてくるので厳密な意味での「アホ毛」判定は難しいところがあります。

それでも一つ確実に言えることは、本作主人公の「アホ毛」は最強であるということです。

そもそもニュータイプとは、{netabare} 感受性なり認識能力が若干強いスペースノイドや
あるいは人類全体にも普通に起こり得る可能性を秘めたようなタイプの人間を
指す言葉だったと認識しておりましたが、いつの間にか超能力をもったエスパーみたいな
存在に意味が変遷し、よって某機関などにより軍事的に開発されてきたというのが{/netabare}黒歴史であります。

「強化人間」の類は、ある時は某「東の国」の計画に見られるように「動物実験」や「幼い少女」を
対象にした研究開発等の事例を挙げればきりがないわけでありますが、ニュータイプにより
サイコフレームという究極兵器の潜在能力を最大限に引き出すことが可能となるなら
戦術的優位性は圧倒的であるということになり得るでしょう。

サイコフレームを使いこなすニュータイプとは、{netabare}MPマイナス状態にもかかわらず
「極滅の業火×10」を平然と撃ちまくるチートのような存在ですが
そのような反則攻撃を当たり前のようににかましてくるガンドアーム・ハンドラーが
【魔女】と呼ばれるとしても何ら不思議はないということになるでしょう。{/netabare}

【魔女】の「アホ毛」はサイコフレームと同等であり、
{netabare}あの「アホ毛」でガンドアームと交信しているのだと推測いたします。
あの「アホ毛」は「リコリコ」における「延空木」みたいなもので
電波送受信機のような働きをもつものなのでございましょう。{/netabare}

まさに【魔女】と「アホ毛」は使いようなのであります。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

“The Science of Consciousness”「祝福」が与えたデコーヒレンス

Ⅰ 序

 本作に関しては物語も作画も近年稀にみる名作であったことにおける感慨は多くの方々とシンパシーを共に得るものと思考する。

 私自身はファーストガンダムリアルタイム世代であるが、近年のマンネリズムに伴い2010年以後の新作は総じてスルーとしてきた経緯がある。
 そういった心置きにおいて本作も半信半疑で視聴を始めた経緯があるが、所謂旧作の「呪詛」を克服し新たな「ガンダム像」をステートメントしたことへは素直に敬意を表する。

 私はかねてより伝統を重んじることの大切さを「保守主義」を通して訴えてきたが、なにがなんでも古い姿をまとい続けることが唯一の正解ではない。
 時には「イノベーション」が必要であるが「イノベーション」が生まれず30年近くもがき苦しんでいるのが日本経済の姿が正解とは誰も思わないだろう。
 「イノベーション」が想起するには社会の活力を推進する「自由」が不可欠であり、それは仮面的な自由(設計主義的合理主義)であってはいけない。
 『水星の魔女』は「ガンダム」の伝統を継承しつつ「イノベーション」に成功した。
 ゆえに本作はガンダムの新たな1ページを刻んだ栄えある作品として後世に語り継がれることを念じて止まないのだ。
 物語全般の概観として、伏線未回収など本作は2クールでは尺不足を否めないことから、本編での説明不足、未回収分は今後、劇場版、OVA等で補完されることを期待する。
 とは雖も、4クール相当に匹敵するだけの多くの伏線を散りばめそのほとんどを回収した大河内氏の構成の巧さには脱帽するよりない。
 本作を仮に4クール作品とすれば、冗長感が生じたことは否めなかったであろうし、回収のタイミングを測り損ねると『Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』のような忙しさとなり作品の魅力を損ねる結果となりかねなかった。
 振り返れば、緊張感を持続するにはちょうど良い速度感だったことに収束する。

 さて、私のレビューにおいて世俗的な感想を書き連ねることはもとより期待されてはいないであろうから、本作においてSF考証を担当された高島雄哉氏の考え方を中心に考察を深めたいと思う。
 当然に私がレビューする以上は科学的根拠に基づいた内容となる。
 古くからのフォロワー諸氏は筆者が物理学者であることを御承知かと推察するが、高島氏も理学部卒経歴である故に、爾後、敬意を表し記述する内容には「量子力学」、「素粒子論」、「宇宙物理学」etcの専門用語等を容赦なく使用することを前もって御承知置き願いたい。

 以後のテキストを読む前に「量子論」と「素粒子論」の基礎の一部を過去の拙稿に記載してあるので、お目通しを頂き以後のテキストの理解の一助になれば幸いである。

『STEINS;GATE 0』
https://www.anikore.jp/review/1857368/


 【簡単な物理概念のガイド】

①「量子論」
 「量子」とは「粒子(見える物)」と「波(見えない物)」の場の状態であり、人間が目視観測しても認識不可な物体の状態を確率的に示す考え方を「量子論」と言う。
 目視観測不可な事例として、死んだ猫と生きている猫が重なりあって存在している状態が典型的な「量子」の状態である。
 「量子力学」と「量子論」はほぼ同意のものであり、量子の状態式の「ハイゼンベルグ方程式」が行列式で描像されることから「行列力学」の一形態として名付けられた。
 量子状態を表す式としてはもう一つシュレディンガーの「波動関数」がある。

②「宇宙論」
 二大柱は
宇宙の状態を記述する「一般相対性理論」と重力の状態を基準する「量子重力論」となる。
「量子重力論」は「素粒子論」とセットで解説されることが多いので後述する。
 「一般相対性理論」は筆者の個々のレビュー内で説明をしているので参照して頂きたい。

③「素粒子論」
 簡単に言えば素粒子は原子を構成する物質であり、物質の基本単位を扱う理論。
 性質として「正物質」と正物質と正反対の性質を有する「反物質」がある。
 具体例としてはプラスの電荷を有する「電子」は「反物質」である。
 宇宙創世記には「正物質」と「反物質」は等量存在していたとされるが、「反物質」より微量質量が多い「正物質」との衝突で「反物質」の存在寿命は「正物質」より短い。(CPの非対称性)
 「素粒子論」は弱い力の場を扱う分野でもあり量子力学で記述される場の理論と整合する。
 しかし、量子力学では矛盾がなくても重力等の強い力を扱う相対性理論上では矛盾が生じる不都合が度々生じることから、これらを解決する「超弦理論」が提唱され現在帰納的事実の結果が待ち望まれている。

 なお、本レビューは『機動戦士ガンダム 水星の魔女』全般に及ぶ内容であるので、この場所に集約する。
 本欄で記述しきれなかった場合、乃至は「Season2」に特化した内容特に「戦争シェアリング」、「百合・LGBT」等の政治思想の機微に触れる内容はそちらへ記述を行うものとする。


II 「データストーム」考

 ここより考察本編に入るが前述したように専門用語、専門理論をシャワーのように用いるので、頭痛を誘発される恐れがある方はここで撤退を願いたい。

(1)パーメット粒子が意味するもの
  本作では宇宙元素のパーメットなるものの存在が設定され、この元素同士では情報が瞬時に共有されるとしている。
 しかし、我々は既にこのようなものを媒介しなくても瞬時に情報を伝達、共有する技術的スキームを得ている。
 小耳に挟んだことがあるだろうが「量子テレポーテーション」がそれである。
 この事実は高島氏も当然知り得てるはずであるが、なぜわざわざパーメットを設定したのかが興味をそそる点である。
 私が愚考するところ「量子テレポーテーション」は特に人体を媒介する技術ではなく、そこにパーメットを設定することによってガンダムの「呪い」を演出する意図があったのであろうと推測する。
 本作ではパーメット間の情報伝達の仕組みは解説されていないが、無線的でかつ瞬時の情報伝達を可能とするテクノロジーは「量子テレポーテーション」しか存在しないことから、パーメット間では量子状態の転送が安定的に行われているものと仮定できる。

①量子情報論における情報の定義
 {netabare} 情報の単位は「素粒子」であり、情報量は不変で消滅はしない。
 ここで大切なのは、情報統計学で扱う情報と物理学で扱う情報は性質を異にすることから混同されないように願いたい。
 また、上記「量子情報論」上の定義は#24においてデータストーム上で死者が現界した理論的裏付けにもなるので、脳にチェックをしておいて頂きたい。{/netabare}

②量子テレポーテーション現象
 {netabare} この内容が本レビューで発信された時点で調べた方は多いであろう。
 多分、現実に体験する現象ではないので理解に苦しむ方の方が多いと思われるが、前述、『STEINS;GATE 0』のレビューを読めば量子の性質は理解できるはずなので詳細説明は省き、ここではデータストームに繋がる要点に絞り説明する。
 まず、現在の技術では量子テレポーテーション通信は非常に不安定であることからA地点から発信した情報(量子ビット)をB地点で受け取った場合工学的エントロピーの発生で混濁する。
 量子ビットの通信は理論上速度概念を超越するが、ビットのもつれを確定させる情報のやり取り(ベル測定)は従来通信に依存するため光速を超えることはできない。
 量子ビット情報の確定レスポンスとベル測定の情報伝達速度の差が工学的エントロピーであり、数学的には密度行列式で表現される。
 つまり、現時点では100%確実な通信は理論上は可能であっても工学技術的に困難であることは理学者にとっては周知の事実であるからパーメットなる触媒を設定してエントロピーの発生を回避したと思考する。 {/netabare}

③ブラックホール情報パラドックス概説
 {netabare} これもデータストームで起きる不可思議な現象を説明するうえで大切なギミックであるので独立項目として説明しよう。
 この理論は大変難解ではあるが、今後の科学の行方を左右する大変示唆に富んだ内容であるので是非頑張って読み進めて頂きたい。
 「①」で量子情報は消滅しないと記したが半分は嘘である。
 「②」でも注意喚起したように、量子状態は人間レベルでは普通の観測は不可な領域であり、そこで起こる事象は多々人智を超えたことも起こり得るのである。
 半分は嘘の意味は情報は隠れただけで消えてはいないと現代宇宙論では仮説されているという意味である。
 人間は目で見た事象は事実と疑わないが、見えたもの全てが真実ではないというテーゼが物理学の根底にはある。
 逆説的に、見えなくてもそこには真実が存在する可能性が留保されるのである。
 この真理を量子力学情報に当てはめると、認識不可な情報はその時点では消滅していることと等価であるという真理が生じる。
 つまり、認識不可となっただけで情報というスカラーは消えたかどうかは定かではない。
 このような事象を「情報パラドックス」と言い、情報認識の分界を「シュバルツシルト面(事象の地平面)」と言うが、量子力学情報の基本は粒子であり、粒子の状態が所謂情報(量)スカラーである。
 理論的に量子情報スカラーの内容は変わっても情報の量はあくまで等価であって、棄損されることはなく宇宙空間のどこかに存在し続ける。
 ここまで読み進めて頭痛がピークになった方はこれ以後はリタイアを推奨する。
 ここから更に「量子重力論」、「量子意識仮説」の説明も入り相当難解になるので覚悟して読み進めてほしい。{/netabare}

④「意識」の正体はデータ
 {netabare} 本作ではエリクトがエアリアルの中に生体コード(データ)としてとして埋め込まれているが、この発想は完全なフィクションではなく量子論として科学論文が発表されている。
 これが「③」で記述した「量子意識仮説」を用いた設定である。
 順番に説明するが先に申し上げたとおり難解な理論であるので覚悟して読み進めて頂きたい。

 (a)人の意識の正体は電気信号である。
   このことはあらためて説明することもなく、意識を掌る脳が活動すると電信号が発せられる。
   この現象を医学的に利用した代表例が「脳波」であるが、近年、神経とシナプスで起こる複雑
  な生体電気信号の実体が徐々に明らかになってきている。
   ガンドアームの設定概念は、神経から発せられる電気信号をパーメットを介して量子テレポー
  テーション技術で通信し、動作に反映させる考え方であろう。
   脳科学は門外漢なので詳しくは検索で調べて頂きたい。

 (b)電気信号とは電子の位相変位(電流と電子のベクトル位相は負の相関つまり逆)であり電流とは
  電子の流れを意味するが電流は抵抗が無い場合は光速と等しい速さだが、電子の流れは質量のある
  「フェルミ粒子(電子)」が移動するため速度は遅くなる。
    
   何が言いたいかといえば、意識の根源は量子効果を取る「素粒子」であり、この状態は量子力
  学で記述されるという理論フォーマットを説明している。
   実は「量子意識仮説」は極めて新しい理論で、その真偽は今後の研究が待たれるが、概要とし
  ては「細胞内小器官のひとつである微小管内で起きる量子現象が微小管上に存在する量子ビット
  によって形成されている」つまり細胞内での量子効果が意識を生み出していると言う仮説であり、
  ネットワーク構造と神経電磁気運動が一定のパターンをとったときに「意識」が現れるとされて
  いる。
   高島氏が「量子意識仮説」の知見を保有しガンドアームのSF設定を詰めたことはほぼ間違いな
  いと推察する。

   参考までに「量子意識仮説」の元論文(英文)のリンクを記すので興味がある諸氏は独自に学
  習して頂きたい。
   “The Science of Consciousness Conference”
   https://consciousness.arizona.edu/science-consciousness-conference

 (c)まとめ
  ・意識の根源は「素粒子」である。
  ・意識は量子力学で記述可能な量子ビット情報つまりデータである。 {/netabare}

⑤意識の行く末、宇宙の果て?
  {netabare} さて、「④」では意識の量子力学的特性について説明したが、意識は人体が生命活動を停止したら意識である量子ビット情報は消滅するのか?否である。
 量子ビット情報は物理学的に因果律を破らない以上消滅することはないことは「③」で説明済みであるが、では肉体を失い量子ビット情報として独立した意識はどこに行くのであろうか。
 オカルト的には肉体を失った残った意識は「残留思念」として霊魂等で実体化することがあるとする主張を耳にする。
 所謂仏教で言うところの不成仏な状態であるが、成仏した意識はどうなるのか、宗教的には天国などの死後の世界に行くそうだが、意識はあくまで科学的データである説明をしたばかりで、舌の根乾かず非科学的な内容でオチをつけるわけにはいかないであろう。
 では、肉体から飛び出した意識(量子ビット情報)はどこに行くのであろうか。
 ペンローズ=ハメロフ の提唱では意識は宇宙に拡散するであろうとされている。
 ロジャー・ペンローズはノーベル物理学賞を受賞した英国の理論物理学者で、スチュワート・ハメロフは米国の医学博士で彼等は共同研究で「量子脳論」を提唱している。
 ただし現状の「量子脳論」はどれもプロト科学のコンセンサスを得られていないことに留意を要する。
 蛇足だが、ペンローズ=ハメロフの量子脳論がプロト科学に至らない最大の障壁は、意識の根源は素粒子とは違う物質と規定しているところだが、彼等の理論が科学的な評価を受けるにはまず素粒子以外の物質の発見がないとならない。
 ただし、彼等がなぜ意識の根源は素粒子とは別のものと考えた動機には肯けるものがある。
 意識である量子ビット情報は生きている間は体内に固定され、死と同時に体内から拡散する性質が必要であるが、既存の素粒子論ではこのような特異点の存在は説明が困難なことは言うまでもないことである。
 反面、「量子意識仮説」では体内量子ビット情報の特異点の説明は困難であるが、意識の正体は素粒子であることは微小管内で波動関数の収縮が観測され実証済みの事実であることからプロト科学として受け入れられている。
 ここではあくまで科学的言説とSF設定の考察であるので、明確な擬似科学以外は仮説として捉えても差し支えないとするが、プロト科学以前の学説援用はフィクション色がより濃くなることとして了知を願う。
 最後に、意識が量子ビット情報として宇宙に残っているのであれば可逆が可能である。
 ここで「(1)」の「②」で述べたデータストーム上での死者の再生へと駒が進むが、本作では前提条件として「パーメットスコア8超え」を達成しなければ死者が再現しない。
 因みに、パーメットスコア8でエリクトとカヴンの子が現界した。
 であれば、「パーメットスコア」の元ネタとなる科学言説の説明が先であろう。{/netabare}

 さて、ここまででも長大な文章となったことから以下は次回に寄稿とする。
 ただし、寄稿時期は未定であるw

  予習の意味で『STEINS;GATE 0』のレビューでは未掲載であった論文を提示。
  興味がお有りの方は御覧あれ。

  {netabare} “Black Hole Entropy and Soft Hair”

  Sasha Haco, Stephen W. Hawking, Malcolm J. Perry, Andrew Strominger

  https://arxiv.org/abs/1810.01847{/netabare}


※本レビューは余所で私が記した論述の一部転載であり、著作権は筆者のみに帰属することを宣言する。

2023年7月8日初稿

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

69.8 13 パイロットで仲間なアニメランキング13位
荒野のコトブキ飛行隊(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (320)
1047人が棚に入れました
一面に広がる荒れ果てた大地で、人々は物流・交易を行い、助け合いながら生きていた。雇われ用心棒の“コトブキ飛行隊"は、厳しいが美しい女社長、頼りない現場の指揮官、職人気質の整備班長など個性的な仲間とともに、空賊相手に大立ち回り!今日も“コトブキ飛行隊"は隼のエンジン音を響かせて、大空へと翔けてゆく――。

声優・キャラクター
鈴代紗弓、幸村恵理、仲谷明香、瀬戸麻沙美、山村響、富田美憂、矢島晶子、藤原啓治、吉岡美咲、岡咲美保、島袋美由利、古賀葵、川井田夏海
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

これ、僕にはちょっと無理→面白くなるらしい。再挑戦→(*°∀°)

[2019/03/17 v1]
[2019/03/18 v2 少し修正。少しトーンダウン。]
[2019/03/30 v3 少し修正。]
[2019/04/04 v4少し修正。]
[2019/04/08 v5 おそらく決定稿]

二話冒頭で断念決定。
→皆さんのレビューによると、面白くなるらしい
→現状10話まで追っかけ完了
→全話完了
→んー・・・→(大飛躍)→(*°∀°)アニメ見てる場合じゃねぇや

・結果論ですが、僕としては再チャレンジする必要が無かった作品でした。

==人物造形が嫌い。もう、これは好き嫌いの問題なので理屈じゃ無いです。嫌いな人物が画面いっぱいに叫んでいるのを好んでみる必要は無かった・・・
{netabare}結局のところ、主人公始め、出てくる人物のほとんどを好きになれなかった。と、いうより積極的Hateでした。キリエは変化・成長のない馬鹿のままでしたし(予想通り、猪突猛進をお話しの展開に使うし。最終話での豹変ぶりはむしろ気持ち悪い)、チカも同様。コトブキの面々でいうと、ケイトさん以外、あまり注目できなかったかな。キーキー系のお嬢様は他の作品で足りてるし、隊長さんは(も?)現状維持のヒトだし、、個人的にちょっと怖いな、と思ったのがザラ姉さん。彼女の行動原理はいったいなに(語られていたのかな?)?

周辺の面々に広げれば、マダム・ルゥルゥもちょっと気持ち悪い。というより、可哀想(←好きな言葉では無い)?彼女もまた、行動原理がよく分からない。まるで、「舞台」としてそこに居続けさせられているように思いました。

イサオ、邪魔。イサオの老執事、貴殿も邪魔。軽いノリを出したいだけに配置されてしまった。人としての厚みが感じられない。

「人」と書いてしまいましたが、登場人物が「人の形をしたサムシング」であると解釈した方が、お話しに入っていける感じでしたかね。
{/netabare}

==軽いノリ・・・・?
生き死にに関わりかねない(はずの。。。予想外に負傷率低いのも、なんだかなぁ。。)ことを、あんなノリで続けられるのは好かん(これも好き嫌いの問題)。
{netabare}
西部劇をイメージして云々、という記事をどこかで見ました。が、西部劇ねぇ。。。あれも広いジャンルだからねぇ。。。僕としては、粗製濫造期のカウボーイハットとリボルバーが映ればそれでOKだから四十分くらいでかたつけてね前座だから、の西部劇の印象を持ちました。理由の提示も無く、2名目兼3枚目の主人公がばかすか敵を打ち倒して行く感じ。
{/netabare}

==ストーリー
確かに、サブジーの件以降、戦う理由が見えてきたし、それに向かってお話しが収束していきました。でも、「この世界の住人が"あんなノリで"戦い続ける理由」の提示は無かったです。理由、必然不在の「軽いノリで殺し合い」って、字面だけ見たら狂気ですね。でも、イサオのノリはそれに近かった。以前のバージョンにちょろっと書きましたが、戦車道は見事なまでに設定だけでそれを乗り越えていたと思うのです。が、自らの妙味を見失ってしまったのでしょうか。。。

==空戦の描写
全話通して、空戦の描写は良かったです。ただ、これも以前のバージョンで書いたとおり「レシプロ戦を「見る」面白さと(Combat Flight Simとかで)「戦う」面白さを混同してないだろうか?」という懸念が、自分自身に大当たりしました。

で、この作品を考える上で、App Game「荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!」の存在は外すことができないと思います。BanNamからすると、ゲームの収益につながることが最大の目的でしょう。

だから、この作品の空戦の描きかたはこれで良かったのだと思います。
「戦う」面白さを画面いっぱいに展開している、最高の描写です。
だから、総合的に見ればこの作品は成功だと言って良いんだと思います。

途中からうずうずしてしまうのです。いや、1話見た後からですがね。我慢が効かず埃かぶったゲーム機出してAceCombat始めてしまうし、、、でもAceCombatは現代(&空想)の機材なので違うんだよな-。レシプロ機がよいのだよ。CombatFlightSimは現行PCでは動かないみたいだし。。。飛燕で飛びたいのだよ、わしゃぁ、飛燕が。。。あ、機材一覧に飛燕がいる。。。。


負けました。
ダウンロードしました。
もうアニメ見ている場合じゃ無いです。
デビューしました。


War Thunder。
(好きでは無いガールズでテイクオフはしないスタンス)







再チャレンジ前のVersionは下にカプセル化

{netabare}
==================

ソシャゲのタイアップらしい。が・・・
僕自身は空戦好きだし、Combat Flight Simにドハマリしていたくちでした。レシプロ機の空戦ものなんて本来はヨダレたらして見入ってしまうようなものなのですが・・・駄目でした。

以下、視聴を辞めた理由です。
伏せてる部分全部展開すると、ちょっと長いです。

前提として、これはリアルな空戦(すなわち、某戦車道とはことなり、撃墜は「死」に繋がりうる)である、としています。もしもそうじゃないなら、そりゃぁごめんなさいです(2話頭までにそんな説明はなかった)。

主人公の性格付けが僕には厳しい。{netabare} 一話終盤で謎の追撃特攻。ホウレンソウなし(無線は使えるという描写がその前にあるにも関わらず)。挙げ句返り討ちにあう。二話冒頭、その直情的な行動をたしなめられるも、それが「毎度毎度のこと」であると判明。直後にストリートファイト参戦。ステレオタイプな「行動力があって、成長・変化できない馬鹿」であり、この時点で主人公を好きになれない。脇役ならまだしも、主人公がこういう性格だとしんどい。お子様向け主人公に見える。きっとお話の展開に「猪突猛進」が使われることになるだろうし。なにより、そんなのが40+ marksのAce格なんていうのはありえない。{/netabare}

この飛行隊、およびこの隊をAce of Acesの飛行隊として存在を許す世界観が非現実的。{netabare} 迷惑をかけ続けるパイロットを、二機も前線に出し続ける隊が優秀な飛行隊であるというのは無理がある。傭兵なんだから、多少粗雑で、何人か跳ねっ返りがいても。。。という向きはあるかもしれない。が、それは、北斗の拳でいうところのひゃっはーしてすぐ既に死んでしまう末端までであって、「エリート集団」におけるそれではない。メンバーそれぞれが一騎当千無双モード搭載って訳でもない(なにかしでかして怪我している、あわや撃墜までやられている)以上、規律のない集団に戦果は望めないし、隊としての戦果を向上するための措置を講じないままというのは受け入れがたい。この点も、正直お子様向けに思えてしまった。{/netabare}

空戦のDetailに気を使っている割にはなんか中途半端。レシプロ戦を「見る」面白さと(Combat Flight Simとかで)「戦う」面白さを混同してないだろうか?{netabare} 前述のとおり、お子様向けなら許容できないことも無いのだが・・・その割にはDetailこだわる。それもなんか微妙。この作品のmain targetはどこらへんに設定されているのか?

偏差射撃なんてあてにならんから、限界まで近づいてからトリガー入れるってのは分かる(っていうほど偏差見越していないように見えるが)。
[あ、ところで、偏差をとる方向がなんか逆な気がしているんですが、アレでいいんですかね?]←勘違い。単に遅れているだけっぽい。

エルロンロールで相手をovershootさせて背後取るとかね、お見事ですよ。でも、この描写はどの程度の方に伝わるのか?そりゃ確かにパイロットにしゃべる余裕なんて無いでしょうから、無言のままってはわかる。でも、空戦好きとかCombat Flight simに嵌った人間くらいにしか伝わらないのでは。。。どれくらいいると想定されてるんですかね?

旋回中に空力に負けて機体から生じる軋み音とかね。僕は好きよ大好きありがとうだよ。[そんな空力設定あるにも関わらず、キリエ機は垂直に近い急降下からのv字上昇しちゃうのね。いえ、隼がそういう機体なのかもしれませんが、フラップもげませんかね?]←キリエ視点では先行機のダイブブレーキ(なのかフラップか)開いてるようにも見える。ぎりぎりOK?
{/netabare}

もしかしたら、2話の中盤以降、ここで僕が述べたような不満はすべて消えてなくなるのかもしれませんが、この時点ではそれが期待できないと判断し、視聴をやめました。


余談。{netabare}こうしてみると、某戦車道って奇跡的なバランスの上に成り立っていたんだなって思う。高校生の部活で、不思議安全設定があって、ひとつの(車体の)動作が一人の行動によるのではなく、車中のメンバーの総体として起こるもので、だからこそ、直情的な子も存在しえたし、その能力の無さや感情に任せた行為の結果としての「白旗ぽこん」もありえたし、車内や車々間でおこる人間ドラマも描けたし。。。{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「ああ…第二次大戦中、南海の孤島を基地にした日本の航空愚連隊の漫画?」「それは『あかつき戦闘隊』や!(ってか、ジジイしか知らんがな!!)」

2019.04.10

「イジツ」という荒野が広がる世界。70年前、空に開いた「穴」から様々な物(文明品?)が落ちてきた。とりわけ「航空機(技術)」はイジツに交易の発展をもたらしたのだが・・・

「迷家-マヨイガ-」の不評(?)から3年。「水島努」監督ということでイヤガオウでも注目され気味な本作。(笑) 当初から賛否が飛び交いました。
西部劇風な世界観に異質なモノ(人型ロボット)が暴れまわった「戦闘メカ ザブングル」みたく、日本の第二次大戦中~戦後初期ぐらいの戦闘機が「馬&銃」の代わり。西部劇における銀行強盗・列車強盗の代わりに「空賊」が、駅馬車の代わりに「巨大飛行船」。
世界を統制する治安機構がなく、点在する街々はそれぞれ自衛の為「自警団」を作り、雇われガンマンならぬ「戦闘機乗り」が需要となる無法地帯。

「コトブキ飛行隊」は飛行船(空母)「羽衣丸(ハゴロモマル)」を所有する空輸業「オウニ商会」の契約用心棒。 飛行隊メンバーは、6人の女子。
キリエ(主人公位置):空間把握は優れているが直情なのがタマにキズ。パンケーキ大好き。モコモコパンツ着用(上空は冷えるからね)。性格は、やや「お子ちゃま」。

レオナ:コトブキ飛行隊・リーダーでまとめ役。性格や飛行スタイルも真面目。

ザラ:酒飲みでメンバーのお姉さん的存在。レオナの良き相棒。

エンマ:過去に財産を騙し取られた経歴があったのか、お嬢様な口ぶりで「お調子者・軟弱者」に対しては厳しい毒舌を吐く。戦闘スタイルはネチっこい。

ケイト:口数少なく、学者肌。(航空機の)博識を生かして的確に相手を撃ち落とす。

チカ:気の強い最年少。キリエとは良い喧嘩仲間。小さな体なのでG耐性を生かしたトリッキーな飛行が得意。

「コトブキ飛行隊」の機体は全員旧日本軍の「一式戦闘機 隼一型」。とりわけ詳しくありませんが、ニワカで思うのは・・・
・機銃2門はエンジン上部に設置→ペラ(プロペラ)の回転に当たりにくいように、ペラは2枚羽。
・ペラが2枚なので「推力」はヤヤ劣る(?)→その為に機体を軽量化→直線加速は特別速くは無いものの、ヒラリヒラリと旋回し近接戦(ドッグファイト)が得意。
・軽量化なので装甲が薄く撃たれ弱い→当たらない為にパイロット各自、「腕前(操桿テクニック)」が必要。(「G」も、かなりクルでしょうね)
・軽量なので重い爆弾は搭載出来そうもない。
といった印象。

空賊とやり合ったり、「穴」の恩恵を独占・独裁統治を企み、同調しない街は容赦なく爆撃する「トウワ・ブユウ商事」のイサオとドンパチ対抗したりと、隙を見せれば何時やられるかわからない日々と言うのが西部劇風な雰囲気。



(個人の)感想として、

[キャラの2D・3D]
私はそれ程気にはならなかったのですが、目ざとい方は「変」すぎる、違和感あると非難轟々。まあ俯瞰で見る数人の「気を付け立ち」は「変」に見えましたけど。(笑) でもヤッパリ3Dは「表情」が固かったような気もします。(でも「逃げられジョニー」のガンアクションはカッコ良かった。)


[1クールじゃ尺が足りなかった?!]
世界観設定はそれなりに準備してたようですが、「CG空中戦」に尺を入れ込んでるせいか説明不足な事案も多かった。ドラマパートではキャラの早口で進行。イサオに至ってはチャラい性格も相まって鬱陶しさ倍増!(笑)
コトブキ飛行隊面々のキャラ掘り下げもキリエのみしか出来なかったのが残念。 巻きが早かったせいでドラマ(内容)がやや薄ッぺらく感じてしまいました。 ユーハング(日本軍)との関りも判らずじまい。
やはり2クールぐらいは欲しかったケド・・・・おそらくCGにかけた『予算』の都合で1クールになったんでしょうかね?(笑)


[圧巻の空中戦!レシプロ機、好き?嫌い?]
レシプロ機(セスナのような機体上翼型でなく下翼型)は、死ぬ前に一度乗ってみたいものです。今では映像記録しか残ってませんが、75年程昔「確かに存在していた」悲運の名機のたち。
ヤンキーバイクよりデカく、ヤンキーバイクの下品なエンジン音より轟く轟音で、地べたをノロノロ走るヤンキーバイクより大空を自由に飛び回る。(ヤンキーバイク、ダサくてホント嫌い!)
操縦・操桿はオート(自動サポート)ではなく自身の腕前次第。現在、自由に飛べない分「飛行欲求(とでも言うべきか?)」が時たま沸き起こります。
そんなチョット憧れの(空に~あこがれて~・・・♬)レシプロ機によるドッグファイト。名前の通り「犬が自分の尻尾を追い回してクルクル回る」様子を模したように、相手(敵機)の後ろの取り合い、機銃を撃ち込むというのが基本。
飛行中に照準器を見て機銃掃射しても「空気抵抗で真っ直ぐ飛ばない曲がる弾道・じっとしていない敵機・数発当たっても落ちない敵機・撃墜するにはコクピットか燃料系統部を狙わなきゃならないが思い通りに当たらない」などで、なかなか辛気臭い感じがリアルで良かった。(イメージとしては『銃』が空を飛んでるようなものだから、そりゃ当てるの難しいわな。)
コクピット目線からの『画』も、大画面で見ればさぞ臨場感あったことでしょう。

しかし、各機体の見分けが判りづらかったり、昨今のミサイル・ビーム兵器・魔法弾など「撃てば必ず当たって『即』撃破するアニメ」を見慣れた「お子ちゃま」には、この「辛気臭い(やや)リアルな空中戦」なんて、とてもツマラナクてブーイングだったかもしれませんネ。(笑)

[商品展開]
キャラの魅力が定着もせず判らないうちに序盤からフィギュア製作販売宣伝CM流すのは、あまり賢くないと思うけどなぁ。(「ダグ&キリル」はどうだったんだろう?)


そんなわけで、「3DCG」による航空機に堪能(序盤のsaloonが実は「羽衣丸」の船内。しかも空中母艦など)し、ドラマストーリーがイマイチうやむやだったけど、割と楽しめたアニメでした。
今季の航空機アニメ「ガーリー・エアフォース」より(色んな面で)面白く思えます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

空戦が日常。

この作品はオリジナルアニメ作品だったみたいですね。
水島監督の作品とういことで視聴を決めましたが、これもパクっと食い付いて正解だった作品でした。
流石ガルパンとSHIROBAKOを手掛けた監督さん…今回の作品も伊達じゃありませんでしたね。


一面荒野が広がる世界、"イジツ"…
ある日、世界の底が抜け、色々なものが降ってきた。
中でも"ユーハング"がもたらしたものの影響は大きく、とりわけ飛行機の存在によって人々の生活は激変。
以降世界の潮流は空へと移っていった。

時は流れ、

空には商船とその用心棒、荒くれ者の空賊など、さまざな人々が飛び交っていた。
オウニ商会の雇われ用心棒"コトブキ飛行隊"は、空を飛ぶことが大好きな、女の子だけのスゴ腕パイロット集団。

彼女たちはお客様の大切な積み荷を守るため、今日も隼とともに大空を翔けてゆく。


公式HPのIntroductionを引用させて頂きました。

私は戦闘機には疎いのですが、水島監督のことなので飛行機を飛ばすことには拘るんだろうなぁ…と思っていました。
完走後にwikiをチラ見して知ったのですが、曲技飛行隊「ウイスキーパパ競技曲技飛行チーム」が制作に協力しており、飛行機の機動は実際に可能な動きのみで構成されているんだそうです。
やっぱり…というのが正直な感想です。

総撃墜数が200機を超えるエース集団であるコトブキ飛行隊を紹介します。
全員が一式戦闘機 隼一型に搭乗しています。
一式戦闘機といえば、第2次世界大戦の際に主力機として活躍した戦闘機です。
当時、日本の戦闘機の性能の良さに世界中が震撼しましたが、もしかしたらこの隼の事だったのかもしれません。

キリエ(CV:鈴代紗弓さん)主人公でパーソナルカラーは「赤」。パンケーキが大好き。
エンマ(CV:幸村恵理さん)キリエの幼なじみでパーソナルカラーは「青」。
ケイト(CV:仲谷明香さん)パーソナルカラーは「紫」。口数は少ないが、戦闘機に対する豊富な知識と天才的な才能の持ち主。
レオナ(CV:瀬戸麻沙美さん)コトブキ飛行隊の隊長でパーソナルカラーは「緑」。パイロットとしての経験が豊富。
ザラ(CV: 山村響さん)コトブキ飛行隊の副隊長でパーソナルカラーは「黄」。酒好きのチームのお姉さん的な存在。
チカ(CV:とみたん)コトブキ飛行隊の最年少パイロットでパーソナルカラーは「ピンク」。

恥ずかしながらこのレビューを書くまでキリエが主人公だったとは思いもよりませんでした。
言われてみると登場回数は多かったですが、それぞれのキャラがしっかり深掘りされていて、愛着も同じ様に湧いていたので6人全員が同じ立ち位置だとばかり思っていました。

でもなんか納得…
キリエはサブジーの事をずっと気にかけていました。
だってキリエに空を飛ぶことの楽しさを教えてくれた人なんですから…
キリエって結構怒りっぽいんですよね。
パンケーキへの執着だって人並み外れていますし…
でも物語終盤で見せたキリエの逆鱗…半端無かったですもん。

個性的な6人でしたが、個人的にはチカ推しだったかな…
この作品も週明け月曜日の出勤時の電車の中で見るのが日課でした。
憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれたのは、いつだってとみたんでしたから…

コトブキ飛行隊は、本来商船の積んだ積み荷を確実に目的地に届けるための用心棒…
序盤はそういうシーンも確かにありました。
でも、物語はイサオが登場してからややこしい方向に物語が進んでいった気がします。
物語の終盤では、本来の職務から凡そかけ離れた事態に巻き込まれていましたから…

でも、こういう言い方をしたら語弊があるかもしれませんが、戦闘機同士の空中戦…迫力満点でした。
遠近のカメラワークを駆使しながら、全体の動きと個々の機体の動きを同時並行的に表現されていたからだと思います。
3DCGの為せる技なんでしょうけれど…

実際の戦闘機同士の戦いでは、もっと多くの血が流れるんだと思います。
それに撃墜され方によっては致命傷を受けたり、ガソリンに引火して空中で大爆発…というのも珍しく無いんだと思います。
それでも人を殺さない…人の死を表面化させない作風は個人的に良かったと思います。
やっぱり月曜日の朝から血ドバドバとか見たくありませんから…
水島監督の渾身の一作だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマはZAQさんの「ソラノネ」
エンディングテーマは、コトブキ飛行隊の「翼を持つ者たち」
どちらもZAQさんの楽曲だけあって完成度が高かったと思います。
勿論、どちらも通勤中に聞かせて貰っています。

1クール全12話の物語でした。
見応え十分でしっかり堪能させて頂きました。
でも今一番気になっているのは、公式HPに記載されている「フィギュア化決定!」情報です。
コトブキ飛行隊のメンバーの手のひらサイズの「フィギュアーツミニ」
「可動によるキャラクター表現の追及」をテーマにした「S.H.Figuarts」
でも私が一番気になった原因は「Figuarts ZERO」のキリエとエンマです。
そのうち残りの4人分も発売されると思うのですが、全高170㎜くらいなので1/10スケール程度でしょうか。
値段が税込み5,940円と破格なんです。
しかも、コトブキのみんなが登場している隼付きとはお得にも程があるという感じです。
是非手に取って出来を直に確かめたいフィギュアだと思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25

72.6 14 パイロットで仲間なアニメランキング14位
機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (274)
907人が棚に入れました
その魔女は、ガンダムを駆る。 A.S.(アド・ステラ)122―― 数多の企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代。 モビルスーツ産業最大手「ベネリットグループ」が運営する「アスティカシア高等専門学園」に、辺境の地・水星から一人の少女が編入してきた。 名は、スレッタ・マーキュリー。 無垢なる胸に鮮紅の光を灯し、少女は一歩ずつ、新たな世界を歩んでいく。

声優・キャラクター
スレッタ・マーキュリー:市ノ瀬加那
ミオリネ・レンブラン:Lynn
グエル・ジェターク:阿座上洋平
エラン・ケレス:花江夏樹
シャディク・ゼネリ:古川慎
ニカ・ナナウラ:宮本侑芽・白石晴香
チュアチュリー・パンランチ:富田美憂
デリング・レンブラン:内田直哉
サリウス・ゼネリ:斧アツシ
ヴィム・ジェターク:金尾哲夫
ニューゲン:勝生真沙子
カル:小宮和枝
ネボラ:沢海陽子
ゴルネリ:斉藤貴美子
ラジャン・ザヒ:花輪英司
ラウダ・ニール:大塚剛央
フェルシー・ロロ:高田憂希
ペトラ・イッタ:広瀬ゆうき
セセリア・ドート:山根綺
ロウジ・チャンテ:佐藤元
プロスペラ:能登麻美子
マルタン・アップモント:榎木淳弥
ヌーノ・カルガン:畠中祐
オジェロ・ギャベル:KENN
ティル・ネイス:天﨑滉平
リリッケ・カドカ・リパティ:稲垣好
アリヤ・マフヴァーシュ:島袋美由利
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

女性の男性社会への間違った復讐劇…だから魔女なのか?

 さて、23年を代表するアニメとして、通しで2回目の視聴をしました。リアルタイムで考察していたよりも素直に視られたかなあという気がします。
 その結果、非常に深く面白く感動できる話だということを再認識しました。

 ウテナを彷彿とされる設定から始まった本作ですが、最後はプロスペラマーキュリーの復讐譚となります。夫を失った妻と娘ですね。
 ウテナが女性が裸なって王子様幻想から脱して自立せよ、のような結末でした。一方本作はあえて言葉を飾らずに言うと、ウテナで提言した女性像に対して、女性たちの強くなり方、男社会への復讐のやり方は間違っている、という話に見えます。というのはやはりクワイエットゼロの形状はどう見ても女性器のアナロジーです。クワイエットゼロは個人の復讐であり、間違った復讐です。
 一方でそれを壊すべく発動した、送電器に偽装した兵器は男性器のアナロジーでした。要するに性によっていがみあうことで生じる分断の象徴ですね。

 魔女というのはガンダムを操るものでありガンダムを作るもの。パーメット粒子というものを操れるものです。パーメット粒子は情報の塊ですから、情報を操る女たちの復讐劇、つまりフェミニズムの誤った形の実行かなあと現時点では見えました。ここはまた考察したいところです。今回気が付いた部分なので。

 一方でグエルがなぜあんなに極端な古風なキャラだったのか?ですね。力こそ正義とか分厚い鎧をかぶったような性格、威圧と権威主義は古い男性性の象徴でした。彼のような生き方をしていると、女性=スレッタに婿の地位を奪われるところからスタートしました。

 つまり、彼は間違った男性性の否定をするためのキャラだったのかなと思います。
 親殺しはすなわち男にとっての成長です。彼は裏方というかサポート役に回ったのはなぜか?あのフェンシングの一騎打ちは本当に実力だったのか?

 シャディクはグエルと対照的な、スマートでクールなキャラです。現代的な男性性だと言える気がします。彼は自分の信じる正義を陰謀によって実現しようとします。つまり、目的の為なら手段を択ばないという現代的な生き方の象徴だったと思います。何を考えているかわからない、常に茶化したような態度なども非常に今風です。

 で、ミオリネですが、彼女は最高の地位の後継者であり、トロフィーワイフでもある…ように見えて、実は父親の愛情ともっと視座の高い理念を理解できない優等生少女の象徴でした。命のやり取りや差別による貧困や争いの現実を知り打ちのめされました。
 彼女の髪型の変化にも注目です。大人びた髪型にした後の落ち込み方。部屋に引きこもった後がなんともいえませんでした。

 母親の遺伝子コードにより彼女は目的を達成するわけですが、親の子を思う気持ちの象徴ですね。
 これはほぼすべての主要キャラに言えますが、単純な「大人なんて」という子供の視座の問題意識で、一段上の現実の世界で生きている人たちを馬鹿にする今の子どもたちのアナロジーも感じました。まあ、ユーチューブを見て世の中間違っていると学校で騒いでいる子供たちですね。 その証拠にこの3人の行動が学校で考えていた思惑が全員失敗に終わります。

 彼らはお前は一人で生まれて生きてきたのか?というくらい不遜です。自分の遺伝子がどこから来たのか、そして自分が遺伝子を残す役割を果たさなくていいのか。

 一方で、世界をメチャメチャにしているのも資本主義の理屈であり、その点において大人は間違っているのですが、それは文明の恩恵が得られる原因でもあるので非常に難しいことです。

 スレッタです。母親の目的のために型にはめられた教育を受けた娘。毒親問題ですね。と同時にエアリアルという、スレッタを庇護するものの象徴から、キャリバーンといういう自ら戦うガンダムに乗り換えるということの成長です。庇護されてきた家族を自らの手で暴走を止め守り救済しました。
 学校生活やミオリネなどとの交流や、挫折の果てに成長して行くところなどが丁寧に描かれました。

 他に秀逸なキャラは沢山いて、それぞれの生き方を追うだけで多様な生き方が見えてきて、しかも、どこにも正解の提示がない、というのが本作の特に優れてていたことろだと思います。

 それと終わり方ですけど、やはり資本主義体制というのは簡単に変わるものではないということです。そのために必要なのは何か?それが学校という事だと思います。つまり幾つもの世代を通じないと急に変革など起きない、今学校ですべき事があるんじゃないの?という風にも見えます。

 アーシアン、チュチュやニカとガンダムパイロット2人と比較するのもいいと思います。つまりアーシアン側の2人がなぜ魔女、つまり情報を操るものとして描かれたのか考えると、分断とか親ガチャで騒いで相手を攻撃するよりも、努力して生き方を見つけろと言うようにも見えます。

 ということで、ガンダムというメカや企業とか軍の設定にはほとんど興味がいかないでキャラが何を意味しているのかばかりを見てしまいました。

 まあ、メタ的な意味でガンダムが消えるところを見て、ちょっと思うところはあります。

 OPは1クール目の祝福に比べるとちょっと凡庸でしたね。EDはアニメが良かったです。絵も綺麗だし意味深でした。


 本作は兵器とか戦争のようなテーマとかニュータイプというコミュニケーション論が中心だった過去のガンダムより、現代的なテーマを的確に描けた名作だと思います。
 本作を見た後だと、富野ガンダムが古く見えてきます。もちろん、今でも名作と呼べる作品は沢山ありますが、時代性と言う点で本作は現時点ではテーマ性が既存のガンダムから脱してアップデートされていました。

 アニメも綺麗だし、2クールの中に密度濃く、いろんな視点を入れてかつ面白い話に仕上げたと思います。

 物語の展開に若干ご都合主義があるものの、20年代以降の作品はテーマとエンタメの融合を優先して、展開の不自然さは多少目を瞑ったほうが良いと思います。

 本作のターニングポイントというか視点がはっきりするのは、19話と21話でしょうか。

 評価はオール5に修正します。初回は分割2クールで2クール目は集中できてなかったですね。今回見て話の深さに感動しました。特に主要4人のキャラがとても良かった。
 もう2回くらいあとで見たいですね。本当に深くて面白かったです。


以下 視聴時およびその後の考察レビューです。


{netabare}this is the story concludes the witch from mercury って出た以上、これでお終いということでよろしいのでしょうか。
 やはりシェイクスピアの「テンペスト」オマージュでメインキャラは誰も死にませんでした。何を言っているのかは本編でご確認を。トマトの人は気の毒ですけどね。

 PROLOGUEからのつながりでいえば復讐は何も生まない。という結論であると同時に一つの事件では何も変わらないのか?という感じに見えます。1年戦争のアバオアクーの結論で何かが変わったような気がした初代ガンダムでしたが結局その後も延々と続いたガンダムを連想します.
 が、その変わらなさをあえて連想させる終わり方だった本作の方が、少しずつの変革に向かいだした、という希望につながるような気がします。

 というのは、ガンダムが消えていくシーンです。あれが象徴的でした。まさに消滅して行きました。と同時にガンダムの素材が維持できないということはパーメットリンク消えたのだと思います。つまり、オカルトにも似たニュータイプのようなものは残らないということでしょう。
 ガンダムとニュータイプ=パーメットリンクはもうないよ。つまり、水星の魔女はこれ以上作ると蛇足になるので続編はないよ、ということだと思います。

 エリーが小姑ということは、まあ、そこはハッピーエンドと言えるのでしょう。戦争と医療というテーマがなかなか面白い作品でしたが、思っていたよりもスケールの小さな終わり方でした。

 
 結末については少し咀嚼したいと思いますが、しかし、平穏な終わり方という最も意外なほうに持って行ったのは、ある意味上手い裏切りですよね。なかなかいいと思います。

 ウテナ的な終わり方が見たかったですけどね。それだと今の時代にそぐわないのかも。逃避や急な変革じゃなくて、意識改革こそ新時代には必要な事なのかもしれません。つまり、ガンダムという超兵器=1つの答えで何とかなるような処方箋はないし、単純な力では何も変わらないよ、と。

 なんとなく宇宙世紀もののガンダムを追っている視聴者およびステークホルダーに対する引導に見えなくはないです。これをやられるとシードはまだしも、ハサウェイが色あせてしまう気がするのですが、大丈夫でしょうか。

 前半と後半のバランスが悪い気もしますが、どうしてもトマトの部分。つまり学園の内と外というのを中間に持って来たかったのでしょう。それは我々のような成人ではなく、本来ティーンに見て欲しいという事なのかもしれません。
 音楽は1期の方が圧倒的に良かったです。最終回はズル過ぎ。

 やっぱり構成はちょっと減点したいかなあ…もう2話、26話で出来なかったんでしょうか。まあ、言いがかりですけどね。むしろ説明が足りないからこそ、自分の頭で考える楽しみがありました。
 そう…こんなに楽しんだアニメは久しぶりです。もう1回どこかで見て、総括したいですね。

 ということで、非常に良いガンダム、良いアニメでした。制作陣に感謝を。


追記 学校が舞台だったことをどう読み取ればいいのか。

 ガンダム史上初めて学校が舞台でした。1期終わりの時点ですと、戦いの形だけ教えて、実際人を殺すのに役立たないということで学校の無力さを歌っていたのかなと思っていました。

 ただ、最後ですよね。学校のつながりで仕事をしていました。習った事はあまり役に立たないけど、つながりが仕事になるということでしょうか?

 資本主義社会の矛盾…結局大企業が勝つという雰囲気の中でしたが、しかし、アーシアンやどの企業に属している子供たちも、一緒に働いてましたよね。垣根を超えるのは新しい世代だというのと共に、学校時代に一生懸命やったこととつながりが花になる、という意味かもしれません。

 現状肯定ではなく、現状否定の物語ではあると思いますが、やはりガンダムによる一発逆転はないよ。次世代は若い人たちが学校でしっかり勉強して作っていってね、という事かもしれませんし、結局は親の背中を見ながら子供は育つという風にも見えました。

 また、ガンダムの技術はちゃんと医療に役立っているという感じもありました。戦争の傷跡を見せると同時に科学が肉体を補っていました。あとミオリネが持っていたトランクも同じ技術?



再追記です。

 ウテナ設定ですね。関係ないじゃんとは思いません。なぜかといえば、やはりガンダム・スレッタ・キャリバーンはウテナカーの対比だったからです。
 ウテナは王子様幻想とか闘いに明け暮れる学校という制度から裸で脱却し、女性の生きざまについてもう一度考えろ、という投げかけで終わっていました。

 本作については、逃避だけでなく提案がありました。今の社会の枠組みの中でどう生きるのか?ということです。
 上にも書きましたが、ガンダムでの一発逆転はないし、ニュータイプのような科学技術では分かり合えないということに加え、ウテナのような逃避も何も生み出さない。復讐は虚しいだけ。それよりも自分で目標と居場所を見つけ、少しずつ社会を変えて行こうという風に見えました。

 つまり、脱ガンダムと同時に脱ウテナということでしょう。だから、ウテナとの対比として百合設定が活きてきました。






以下 視聴時のレビューです。


15話 考えながら見ると面白い。新旧世代の橋渡しとなるガンダムの再定義にふさわしい作品。

{netabare}  15話(2クール3話)までで本作については、設定を考察してどうこう言う話ではないことは分かります。というか隠す気が無いくらい結構基本的な設定の構造はヒントを意図的にばら撒いていました。

 学校という牧歌的な舞台を描きつつ、外の不穏な世界を徐々に読み取らせていった1クール目が活きてきています。

 全員が信念に基づいて動いている。そして単純な悪意だけで動いている人はおらず、正義のためにやっているということでしょう。地球と宇宙の分断もそうですし、企業の経営者の考え方もそうです。
 あるいは医療という人を救う技術と兵器という人を殺す技術というテクノロジーの2面性も入っています。核開発時のアナロジーは強く感じます。

 結果としての戦争と対立。それがまるで宿命のように描かれています。これを国家に置き換えればほとんど現代の世界の状況そのものです。

 また、進歩したテクノロジーのブラックボックス、医療の生命倫理などなども読み取れます。親と子の意見の違い、毒親。そういったものがストーリーに組み込まれていて、素晴らしい脚本だと思います。15話のいろんな親子の関係を描いたのは良かったですね。2クールという情報が本当なら、それがいい方に作用しているのでしょう。テンポがいいし飽きさせません。
 また、単話しかでてこないような登場人物にドラマを感じさせる演出は大したものです。

 富野監督の時代とは違う。宇宙時代ではなくテクノロジー時代の新しいガンダムです。「テクノロジー」「多様性」「世代」「経済」「両義性」が生み出す摩擦により生じる人類の混乱。非常にアップデートされたテーマを描いています。
 それがまた無理なく1期の種まきからの続きとして描けているのがいいですね。ちょっと説明しすぎな気もしますが、分かりやすくしないと振り落とされる人もでてくるのでしょう。

 当然人間ドラマが中心になるわけで、既にロボットアニメではなくなっています。
 本作の楽しみ方は、考えることでしょうね。今我々が生きている家庭から世界戦争までを本作を見ながら考えることでしょう。EDのフワフワした捉えどころがないアニメを見ると不穏ですけど、おそらくはそこにヒントを隠しているのでしょう。スレッタの髪と衣装の感じから「女」を強く感じます。そういうテーマもでてくるのでしょうか。

 エンタメとしても緩急があって、複雑だし面白くできています。ガンダムの再定義作品にふさわしい出来だと思います。 {/netabare}


17話 面白過ぎて草。過去のいろんな作品が思い浮かびます。

{netabare}  SF的な問題として、エリクトの精神あるいはゴースト(魂)はどこにあるか、ですね。どうもコピーしたような雰囲気でしたので、この問題をスルーされてしまうと、深さが半減する気がします。
 逆に鉄腕アトム問題にもなりますが、それは本当の家族なのか?人格とは?という問題に肉薄できれば素晴らしいと思います。

 その一方で、グエル、ミオリネ側の親の意思を自分の意思で継ぐ、スレッタ、エレン側の毒親にコントロールされているのか、という対比があります。これは分かりやすいですが、2つ。グエル、ミオリネ側の意思もどうも操られている感があります。それがクワイエットゼロにつながる感じです。
 クワイエット・ゼロ。静寂そして零。そこがコロニー落としになるのか人類補完計画みたいになるのか。一方で、過去の遺物を消し去るために、親世代が自らの滅びか新世代の旅立ちを計画しているのか。

 メタ的に見ると日韓関係やバブル崩壊後の失われた30年のような世代間の責任問題にもつながってきます。分断の責任。これを相手に押し付けるだけでニュータイプというオカルトに救いを求めるだけだった旧ガンダムシリーズの引導としての作品です。

 ここを見ると「すずめの戸締り」の評論が無力だったことを想起します。あれだけ新海誠氏に稼がせてもらったユーチューブのインフルエンサーが何一つ分解できませんでした。まるでなかったことのようになっています。
 当たりまえですね。宮崎駿監督を認めつつ、旧世代はもう捨てようよ。つまり50歳以上の世代は自分たちの体験や知識価値観で、もう現代をネガティブな意見ばっかりで引っ掻きまわさないでよ。過去は悼みつつも新しい世界を覚悟して生きて行くからという話ですから、自己否定を突きつけられました。

 となった時に、本作ですね。過去のガンダムの否定はもちろんですけど新しい世界と価値。SNSもネットワークも当然の価値観に組み込まれた「ユーレイデコ」的な他人の言葉による不自由。自分の欲望は誰の欲望なの?という話、つまり構造の奴隷の中でも主体的に生きて行くのはどういう意味なのか、と言う要素も感じました。
 グエルが地球で体験してきた意味とか、その辺は効いてくるのでしょうか。うーん。と考えるとちょっとミオリネの思想のバックグラウンドが弱い気もしますね。これからかなあ。

 で、その元凶となるプロスペラの思惑は?というところはこれからなのかなあ。単なる復讐劇だと浅い気がしますので、やっぱり逆シャアの思想になるのかなあ。クワイエットゼロは。ただ、そこに過去の世代の責任を後に引きずらないという考えが入ると新しくなりますね。

 ゼロ…ゼロかあ。「日本人を名乗るみなさーん、お願いがあります…」もちょっと思い出しますね。


追記 総集編なので残念。ですが、今回企業グループが地球も宇宙も牛耳ってました。ということは、GAFAMのことのような気がしてきました。今まで宇宙と地球の対立軸で語られて今回も今のところ地球が敵っぽく見えますがどこか敵の正体が見えてきません…というか、何のために何と戦っているストーリーなのかが見えてきません。

 この見えない敵というのがGAFAMのことの気がしました。だからガンダム=ガンドアーム=禁断の技術、技術開発、つまりデファクトスタンダードの奪い合いがメインになっているのかなあ、と思いました。{/netabare}



18話 最高過ぎる。面白い。来週「一番じゃないやり方」ですね。

{netabare} 不穏です。「一番じゃないやり方」もう言葉が不穏です。むしろ、SFの名作「たったひとつの冴えたやり方」の否定ならいいですけど。つまり、ミオリネかグエルの自己犠牲に焦点が当たるんでしょうか。とにかく不穏でドキドキします。主要キャラの死が少ないのが気になってるので、どうなるんでしょう?
 そして、やはり人類補完計画の下地になるような技術に焦点が当たり始めました。最後の最後でミオリネVSプロスペラの予感です。

 まあ、それはいいとして、本当にこの作品いいですね。最高です。毒親かと思ってたプロスペラがそうでるとは…ドローンのような追従するタイプのガンダムのサブ機(Xガンダム的なやつ?)もありましたが、つまり、子供が犠牲になるガンダム、そして、少年の自己拡張としてのガンダムを否定です。

 あなた方の望むガンダムじゃないんだよ。というメタ的な視聴者へのメッセージの意味だとしたら最高です。ガンダムの力ではなく自分の力で立て…きついメッセージですね。

 作画ですけど、今週は発色が綺麗だった気がするのですが…ミオリネ美人でしたし、他のキャラもすごくビビッドでした。特に髪が良かったです。
 それにしてもミオリネ…彼女の内面が早く見たい。そして、その選択は?
 あと婚約者…なんかスレッタだと子供の遊びだったのに生々しいこと。なんか微妙にエロくて良かったです。まあ、そうではなくて2人の思惑がなんかあるのかもしれませんが。

 この作品2クールが前提なんですよね?そのせいでしょうか。いつものガンダムみたいに遊び回もないし、本当に密度が濃くていいです。最高です。 {/netabare}


19話 盛り上がってきました。ここまで来たら一度ガンダムにピリオドを打てばいい。

{netabare}  佳境に入ってきました。どんどん面白くなって行きます。

 母と娘…そして娘たち。そして復讐劇からスレッタを解放したエリ―。分断に直面し無力を露呈するミオリネ。学園から離れて始まる生徒同士の本当の意味での戦い。

 いままでの学園パートで描かれていた、牧歌的な雰囲気が一気に収束してゆきます。が、こうなるのはプロローグあるいは1期の頭数話見ればわかったことだし、それを隠そうともしていません。

 では、その意味するところ、つまりどこに向かうか、です。こうなるとクワイエット・ゼロはつまりモビルスーツを全て破壊する…つまりガンダムの歴史を一回リセットしようという意味に見えます。
(クワイエット…黙れの意味があるので、ファースト厨の老害黙れという気もします)

 そうじゃない、平和利用しようよ、というのがミオリネですね。企業体はガンダムを兵器として利用する。

 そこでスレッタは?という展開になりそうです。スレッタは覚醒の予感です。家族への回帰…新しい家族の形…今回ガンダムの能力の使用方法のさらなる拡張の可能性が見えました。
 やはりガンダムを使った新しい人間のコミュニケーションに帰着するのでしょうか。

 あるいはですけど、皆騙されたと思っている「ウテナ」ですね。やっぱりスレッタ=ガンダムでミオリネと共に全裸で荒野=宇宙へ…だと最高です。
 もうここまで来たら、大河内脚本やらかしてほしい。そしてガンダムにピリオドを。

「一番じゃないやり方」の意味は自己犠牲ではなく、みんなが善かれと思ってやっていることがベストの選択になっていないということで、ゲーム理論の話みたいに見えました。つまり皆の戦略的選択を変更する要因がなく、しかしゲームの結果、つまりナッシュ均衡解がパレート効率、すなわち戦争ということですね。 {/netabare}


21話 髪型はスレッタの髪型はいつ変わるのでしょうか?

{netabare} エンジェルハイロウ+モビルドールシステム?サイコフレームかもしれません。大量破壊兵器としても機能するんでしょうか。ガンダムのラストは大量破壊兵器との戦いです。ソーラーシステム、コロニーレザー、ジェネシス…つまりガンダムマナーはしっかり受け継いでいます。

 プロスペラはエリーとともに復讐は果たすのでしょうが、スレッタをガンダムから下ろした意味を考えれば、当然スレッタのことも愛しているのでしょう。
 結果的にプロスペラは何かと刺し違えて、スレッタ(+ミオリネ)を守るために殉じる気がしますが、これは読みというより本作の意味を考えるとそうあって欲しいということです。

 やはり最後はウテナ的な二人の旅立ちで在って欲しいなあ。水星か他のところでやり直しかなあ。

 この第2クールですが、要するに本作は議会連合とかベネリットグループとグループの数社が学園の子供たちとの対応関係になっているので、設定がややこしいように見えますが、ここで重要なのは各子供たちの親との関係でしょう。エレクトもクローンでしょうがクローンとして生まれてきた意味を問われれます。

 ですので、敵対の図式はプロスペラの復讐と企業・議会の「大人たち」になるでしょう。では子供たちはどういう選択をするのかが、本作第2シーズンの意味です。

 で、第2クールで肝心なのはやはり髪型でしたね。髪型が変わる=大人の世界に入る。その途端実際の戦争と人の生き死に関わるということでした。そしてスレッタの髪型がまだかわってないですねえ。チュチュの髪型は変わって欲しくないですけど。


 今回のガンダムは過去SFのオマージュまではいきませんが、何か過去のSF的発想を感じます。で、マキャフリーという人のSF小説で「歌う船」シリーズというのがあります。
 この「歌う船」を知っていると、エリクトの設定そのものなのであまり悲壮な感じがしていないなあ。特に「旅立つ船」のヒュッパティアが可愛いので、SF好きな方は。{/netabare}


22話 アニメはたった1つのシーンの為だけに存在することもある。

{netabare}  前半話が猛スピードで過ぎて行き、ガンダムあるあるのフェンシング対決など一瞬で終わってしまいました。

 が、いいんです。いろいろ展開とかテーマを考察してきましたけど、要するにスレッタ覚醒、自力でガンダムを操縦する…そして母親と対決。そのシーンこそ私は見たかったということです。

 もちろん半年以上かけて見続けたせいもあるでしょうけど、本当に良かった。最高です。アニメ作りは、たった1つのシーンのために存在するということもあり得るでしょう。今回で私にとっては、1つのカタルシスでした。
 もし、後は自分で考えろと今回で最終回であったとしても、私はいいと思います。いや、嫌ですけどね。それくらいこのシーンを待ち望んでいました。

 スレッタは無茶をするなといわれても無茶はするでしょう。大河内脚本なので悲惨なのも覚悟しています。していますが、ハッピーエンドの一縷の望みをドキドキしながら待ちます。あとは結末を見守るだけです。{/netabare}


23話 もう少し肉親同士の結論をじっくり見せて欲しかったなあ。

{netabare}  データストームを停止するコードをプロスペラが変えたと言っていて、ミオリネの遺伝子に組み込んであった言葉で停止して「お母さん」と言っていたので、プロスペラがミオリネのお母さん???と一瞬混乱しました。良く良く画面を見ていると、停止コードの入力画面と管理者権限のエマージェンシー用の画面を切り替えてたんですね。
 つまり、デリングの妻への愛なのか、夫婦のミオリネへの想いなのか、母の残されたメッセージなのか知りませんが、そういうことなんですね。

 設定とか裏設定とか、そういうのはいくら分かりづらく組み込んでもらってもいいんですけど、ここはもうちょっと入力のインターフェイスを分かりやすくかえるとかしてほしかったです。

 その意味でいうと、戦闘シーンは削っても、もう少しミオリネとプロスペラの舌戦が欲しかったなあ。
 もちろん人間は気持ちが昂るとどんな議論でも相手を受け入れなくなるでしょうからなにかもう一つ、ミオリネ・スレッタ・デリング・エリー・プロスペラおよびミオリネの母親の遺志の関係で、何かエピソードが欲しかったです。

 その点では、グエルの兄弟は後始末としては意外性が何もないので、もっと短くしても良かった気がします。

 ということで、いよいよです。巷では本作はテンペスト(シェイクスピア)のオマージュ云々という話がでています。
 キャリバーン、エアリアル、プロスペラ、データストーム(嵐)ですので、まあ、そういう意図もあるのかもしれませんが、復讐譚で名前だけじゃん、と思ってましたが、ひょっとしたら「関係者が一人も死なない話」という意図もあるかもしれません。
 グエルとデリング等々を見るとそんな気も…と言う事は死んだと思っていた人が…???{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

連鎖する【呪い】、そして・・・

●繰り返される【ティタノマキア】

ニュータイプのララァ・スンは【オカルティズム】の象徴的存在であります。

ララァの搭乗機は「エルメス」、{netabare}ギリシア神話の【ヘルメス】であり、
ローマ神話の【メリクリウス】であります。

【メリクリウス】は英語で【マーキュリー】といいます。

【マーキュリー】は水星でありまして、水星神【ヘルメス】は【錬金術師】であり
【水星の魔女】に繋がるわけであります。

【錬金術】は【黒魔術】とほぼ同じものでありまして、
【666】が示す【禁断の秘術】に一致します。

【ネクロマンサー】が使う【ネクロマンシー】も【黒魔術】の一種であり、
「人形使い」の「ゴーストハック」と同じ意味合いがあります。

「クワイエットゼロ」は恐らく【ネクロマンシー】のような遠隔操作を可能とする技術でありまして
それは【ムーンショット計画】で示された10体もの「アバター」を一度に遠隔操作できる
テクノロジーに繋がる話であると考えられるわけであります。

【ムーンショット目標】で示された「人類アバター化計画」の推進により
神話とフィクションと現実が融合された新世界が誕生するのであります。

スレッタは母と姉に対峙すべく【キャリバーン】に乗ることを決意します。

【キャリバーン】の名前の由来はシェークスピアの「テンペスト」に登場する怪物
キャリバン=カリバン(Caliban)でありまして、「人食い」(canibal)を意味します。

「人食い」は「天国大魔境」の「ヒルコ」、そして巨神族の長【サトゥルヌス】に繋がります。

【ティタノマキア】とは親子同士の「食い合い」、「殺し合い」でありまして
「ガンダム」とは「人食い」の「巨神族」を表す存在なので、ガンダムでは残酷な死が
当然の如く描かれるのであります。

人食いのキャリバーンに乗る直前のスレッタはミオリネと彼女の母が関わる
トマトの遺伝子コードの話をします。

贈り物を贈る女性=「アネシドラ」とは「パンドラ」の別名でありまして
ミオリネとは「パンドラ」であるということを示唆しているのでありましょう。

【禁断のテクノロジー】は恐らく母から娘のミオリネに受け継がれたようにも思えました。

キャリバーンに乗る直前のこのシーンで気になったのはトマトの遺伝子コードの話をしてる最中に
スレッタの後頭部辺りに何か装着しているのが見えたことでありまして、
恐らくそれは「阿頼耶識システム」のようなものなのかもしれませんが、
左側から見るとそこに「コロナ」と読める文字が記されていたのであります。

コロナと言えば「コロナワクチン」でありますが、「コロナワクチン」は
遺伝子細胞治療の一環であり、しかもアストラゼネカの「ウイルスベクター」ワクチンには
DNAが内在されており、これが意味するのは、遺伝子組み換えの人体実験が
既に「現実世界」で始まっているということであります。

パンドラの贈りものは、開けてはいけない箱だったのでしょうか?
それが希望となるのか、災いとなるのかは、未だ不明であります。{/netabare}



●鏡に映るもの

ギリシア神話の【女神】は魔法を使う【魔女】でもあります。
【魔女】の姿は鏡に映る【女神】の真実であります。

{netabare}【魔女】は【魔族】であります。

ということで、【ベル】という名の【魔女】が「ガンダム」に対峙することにより
「真実」が映し出されるのであります。

【魔女】とは本来【魔族】であり、白雪姫に「毒【林檎】」を与え死に至らしめる
【エデンの蛇】に相当する役どころでありました。

鏡に映る真実を捻じ曲げ、【魔女】を「魔法少女」にデフォルメし聖なる存在に改変する
発想こそが【グノーシス主義】であります。

白雪姫の「白」には聖なるものの意味合いが
魔女の「黒装束」には邪なるものの意味合いが、込められていましたが
【グノーシス主義者】の活躍により見事に【逆転】されてしまいました。

【ベル】という名の【魔女】が「ガンダム」に対峙するのは必然であり
故に鏡の真実を見極める必要があるのだと考えるべきでしょう。

【林檎】あるいは「毒【林檎】」は【禁断の果実】であり、禁断のテクノロジーを表します。
【遺伝子操作のテクノロジー】が現実世界でも解禁されることになるでしょう。

スレッダ・マーキュリーはそれの暗示であります。
例えば綾波レイ、「エルゴプラクシー」のビンセント・ロウ。

大阪万博以降に計画は急ピッチで進むことになるでしょう。


学園に通うスぺーシアンはどいつもこいつも糞であり、鬼畜であると推測されます。

学園に通うスぺーシアンの子倅共は例えば「GAFA」のように戦争ビジネスでぼろ儲けした
企業経営者の親の脛をかじってのうのうと生きている特権階級であり
勝ち組には弱者を搾取する権利が当然のようにあると信じる【優生思想】
に毒された独善的な思考回路を持つ種族なのでしょう。

世界最大の軍事大国アメリカ合衆国の本質は「株式会社アメリカ」であります。

独立戦争により英国から独立したように思わせておいて、実質的には財政難により
英国の「金融マフィア」に屈服し、以降【国際金融資本】と呼ばれる株主たちの利益追求
それだけのために活動する株式会社に成り下がりました。

米国最大の公共事業とは戦争でありまして、国費を湯水のようにじゃぶきゃぶ注ぎ込んで
世界各地で戦争を引き起こし、戦争ビジネスで荒稼ぎするということを馬鹿の一つ覚え
みたいに繰り返しているのが株式会社アメリカの実態であります。

日本を含むNATO諸国はウクライナ紛争の責任はロシアにあると断言してますが
そもそもの紛争の原因をCIAなどの工作機関を使って作り出したのは株式会社アメリカであります。

戦争ビジネスで儲けて株主還元するというただそれだけのために戦争は無理やり引き起こされます。

ロシアもこのビジネスのグルと言えばグルですが、より大胆により強引に
国際紛争の火種を生産しているのは株式会社アメリカであります。

国際金融資本が世界的経済システムを確立した以降に起こった近代の戦争は
漏れなくビジネスとしての戦争でありました。

日本の欧米列強に対する自存自衛のためのかつての戦争も目的としては真っ当であるようでも
実質はビジネスに利用されただけの消耗戦であり、ウクライナ支援という名目で経済支援しても
支援金が武器を購入に充てられ武器商人と株主を潤わせるいつものお約束パターンなのであります。

ガンダムシリーズではジオニック社やアナハイム社などの武器商人の存在が描かれますが
戦争ビジネスのより本質的な要素は出資者である株主の存在にあると言えましょう。

株式会社ガンダムの代表ミオリネはガンダムの軍事利用に反対しますが、
例え医療目的であろうが、製薬会社など医療マフィアとその株主を潤すだけで
弱者を搾取して儲ける基本構造に大した違いはありません。

環境維持活動も平和維持活動もこの世界ではすべてが利権となり
弱者から搾取して株主というホルダーに吸収されるシステムがフル活動するのみであります。

ウクライナ紛争が起これば株式会社アメリカも儲かりますが、ロシア&ウクライナにいる
【オリガルヒ】と呼ばれる特権階級貴族も儲かります。

戦争ビジネスは儲かる商売なので人類が死滅するまで終わることは無いでしょう。

戦争反対という名目でロシアやウクライナを非難することほど意味がないことはありません。

我々の真の敵は株主でありまして、その正体は我々の飼い主、ホルダー様であります。

刹那・F・セイエイは戦争の原因=「世界の歪み」について問いますが
正解を導く鍵を握っているのがミオリネなどのスペーシアンであるわけであります。

鏡に映る世界の真実は、どのように見えるでしょうか? {/netabare}


●すべてが「ゼロ」になる

「人類補完計画」は人類に進化をもたらすのであります。
同じように「株式会社ガンダム」も{netabare}人類に進化を促すことを目指すでしょう。

「【ガンド】アーム」を起動させるには【ネクロマンサー】や【魔女】が必要であるのですが
「強化人士」というのもそれに近い発想で開発されたということになるのでしょう。

搭乗者とのシンクロ率は100%が望ましいために、搭乗者改造のテクノロジーも
重要な意味合いがあるということになります。

内閣府のホームページに記載されている【ムーンショット目標】の目玉として「遺伝子操作の技術」がいづれ本格起動するものと予想されますが、本作においても
搭乗者を強化するには遺伝子操作の技術は欠かせないものであるような気がいたします。

シンクロ率100%を達成するならばガンダムと操縦者の垣根が消えるどころか
「ゴースト・イン・ザ・シェル」の状態となり、ガンダム=草薙少佐となります。

人間とサイボーグの垣根もなくなりまして、従いまして「俺がガンダムだ!」という
刹那・F・セイエイの「※願い」が叶うわけであります。

「補完」されると「パシャ」という具合で、人の器の垣根がゼロになります。

目的のためには手段を択ばない父、碇ゲンドウに水星の母魔女、そして
もう一人の鬼畜な母親の影がちらつくわけであります。

果たして娘は【禁断のテクノロジー】を継承するのでしょうか?{/netabare}


●【鬼】畜人種が縋る神

アホ毛のホルダー水星ちゃんの母親は「【鬼】{netabare} 畜」でありますが
同じくアホ毛のホルダーであるミオリネの父親も「【鬼】畜」の類であります。

だとしたら恐らくミオリネの母親も「【鬼】畜」の眷属であるのでしょう。

ミオリネが母から受け継いだ「菜【園】」には「赤い果実」が実っています。
「赤い果実」は【エデンの園】の【禁断の果実】を表しています。

【禁断の果実】は【禁断のテクノロジー】を意味したりもします。

「【ガンド】アーム」の技術を飛躍的に進化させる功績をもたらしたのは
【ベル】と呼ばれる【魔女】であったのかもしれませんが、もしかしたらミオリネの
母親が研究していた理論も「【ガンド】アーム」開発の根幹にかかわるもので重要な意味が
あったのかもしれません。

今期のOPは曲も含めては攻めてる感が凄いですが、EDの方もかなり凄いことになっています。

ED映像の冒頭では「アホ毛」ホルダーの水星ちゃんの頭上に太陽のような天体が輝いていますが
この構図は「チェンソーマン」OP映像で狐先輩の「チョンマゲ」の頭上に映画館の映写機が投射する
光源があるというのと全く同じ位置関係になっています。

これが何を意味するのかの言えば、「アホ毛」「チョンマゲ」が【オベリスク】の役割を
果たしているということでございます。

これと全く同じように【推し✡の子】では「星野アイ(ai)」という【アイドル(偶像)】の頭上の位置
に【✡】が輝くという映像描写が示されております。

【オベリスク】は【星の種族】にとってとても重要な意味合いがあるため
このような表現は何度でも繰り返されるのであります。

【星の種族】とは誰のことでしょうか?
【占星術】に長けていた【海賊】の種族である【フェニキア人】そしてその末裔であります。

【フェニキア人】と「ユダヤ人」の混血である【ヒラム・アビフ】は伝説の【マスターメイソン】
であり、【フリーメイソン】の創始者とも呼ばれるカリスマ的【石工職人】でありました。

【フェニキア人】と「ユダヤ人」は外見が酷似しており、同じ種族のように見えてしまうのですが
特徴的なのは肌の色が「浅黒い」ことであります。

「ララァ・スン」は色黒の肌をしていましたが、ぱっと見はインド人のような雰囲気でありました。
本作の水星ちゃんとその家族はどの民族に該当するのでしょうか?

結論から言えば【フェニキア人】であると推測いたします。
水星ちゃんは「赤色の髪」をしていますが、赤色と言えば【フェニキア文化】では
重要な意味合いがあったりします。

一つには【フェニキア】の聖獣【フェニックス】が「火の鳥」であり、赤色が聖なる「火」を 表すので
赤色には特別な意味があるというものであります。

もう一つには、【フェニキア】の特産品に貝から取れる染料がありまして、その色が
「紫色」もしくは「緋色(スカーレット)」であり、【フェニキア】とはギリシア語でその染料の色を
意味してるということで、例えば「緋色」に特別な意味があるという話になるわけであります。

更に独自の見解を加えますと「赤色の髪」と言えば伝説の?【巨人族】の髪の色がそうであった
らしいのですが【アラム人】や【フェニキア人】や【カナーン人】は純粋なる人間種ではなく、
何か?との混血種であるために純血種であるユダヤ人に与えられた「選民」性がなく、
ユダヤ人によって聖絶=殲滅されるというある意味宗教戦争的な【生存戦略】合戦が行われた
ということで外見上は「ユダヤ人」とそっくりな【アモリ人】や【カナーン人】などの混血種
との血縁の違いを区別するために「赤髪の巨人」の赤色に特別な意味合いを持たせている
のではないかとこのような推測を個人的にする次第であります。

【フェニキア人】、【アモリ人】、【カナーン人】と言えば【古代バビロン】や【古代エジプト】の
文化を継承していることからしても、そして人種的にも野蛮な種族であったと言えるわけでありますが
その最たるものが、【バアル神】=【モレク神】崇拝の宗教であります。

【バアル】は【鬼神】でありまして、この【鬼神】に「※願う」なら、
例えば「豊作」をもたらしてくれます。

豊作ならば当然経済は豊かになりますので人々は、こぞってこの【鬼神】の【偶像(アイドル)】を
作りこの【偶像】を拝み「※願い事」を叶えてもらうわけであります。

しかしながら「※願い事」はただでは叶えられません。
【等価交換の原則】により「※願い」に見合うだけの「対価」を払えと
【鬼神】は取引を持ちかけてきます。

今の日本の神社では賽銭箱に賽銭を入れます。

ヒンズー教のガディマイ祭では大量の動物の【生贄】が捧げられます。
ちなみに2014年には20万もの動物が斬首されるという形で【生贄】に捧げられ、その残虐性から
動物愛護団体などから猛抗議を受け、規模は縮小傾向にあるものの未だ儀式は続いていたりします。

「貪欲な女神」を満足させるには20万もの動物の【生贄】が必要なのですから
当然【鬼神】も途方もない「対価」を要求するわけであります。

【鬼神】が最も好むものは人間の【子供】であるため
「※願い」を叶えて欲しい親は自分の子供を【生贄】として【モレク神】や【バアル神】に
喜んで捧げるのであります。

この人間を【生贄】に捧げる儀式のことを【人身御供】と言いまして、日本でも古くより
この悪しき風習に骨の髄までどっぷり浸かっていたのでありました。

かくして「祇園祭」などでは馬や山車に乗った子供を市中引き回した後に神に捧げるという
伝統の儀式を人形などを代わりに用いて再現しているわけでありまして、賽銭箱に賽銭入れるのも
動物を惨殺するのも【等価交換の原則】が機能するという意味では同じ「ご利益信仰」の【偶像礼拝】
の儀式であるということになります。

【フェニキア人】ではなく【ユダヤ人】にだけ「選民性」が与えられた理由、
それは「モーゼの十戒」にある【偶像礼拝の禁止】にあると言えます。

まるで「貪欲な女神」のように【偶像礼拝】の悪習に囚われる貪欲な人間の種族を淘汰するという
【生存戦略】の使命を与えられたのが「モーゼ」率いるユダヤ人であり、預言通りに
【カナーン人】は「聖絶」され滅んだわけであります。

やがて【フェニキア人】の商業都市国家群も「ローマ帝国」によって崩壊するわけでありますが
それで【フェニキア人】が滅んだのかというと実はしぶとく今も生き残り、むしろ彼らの【生存戦略】
が功を奏したかのようにしてかつての栄光を取り戻すに至るのでありました。

【鬼神信仰】の儀式とそれと密接の関係があるのが【呪術】でありまして
【呪術】は【黒魔術】でありますから、その使い手を【魔女】と呼んだり【巫女】
と呼んだりするのであります。

当然「水星の母魔女」も【等価交換の原則】を熟知していますので復讐を果たすためには
それに見合う「対価の支払い」が必要なのことも当たり前のように知っているわけであります。

「どろろ」に登場する加賀藩領主の父親は領地と領民のためという大義名分のもとに
「王様ランキング」の巨人族の父親は王権維持という大義名分のもと
我が子を【生贄】に捧げます。

このような【偶像礼拝】の儀式に見られる【等価交換の原則】に直結するのが
「【ベル】の法則」でありまして、「貪欲な※願い」に対する「対価の請求」が
確認できるというわけであります。

「パーメットスコア【8】」に達するならば「母魔女」の「※願い」は叶うのでしょう。

ED映像で水星ちゃんが一緒にダンスをするのは母でもなく姉でもありません。
姉は「覚醒し」母の「※願い」を叶えるのでありましょう。

水星ちゃんは家族から取り残され一人寂しく佇むだけなのでしょうか?
恐らく水星ちゃんに寄り添うのは「17歳」の花嫁なのでしょう。

結婚が「融合」を表し、「アホ毛」が【オベリスク】であるならば
「2本の柱」は融合することになるでしょう。

「パーメットスコア【8】」に対抗するためには相応の代償が必要ということになります。
ということで「運命の花嫁」が重要な役を果たすことになりそうな予感がいたします。 {/netabare}




本作のタイトルが「水星の魔女」であるというそれだけで、期待値はMAX状態でありましたが
前期のパフォーマンスには正直期待外れなものを感じました。

しかしながら今期「魔女」が遂に「大覚醒」を果たした模様であります。
ここまでの純粋な物語だけの評価ならば「青のオーケストラ」に勝っていると言えるほどに
パフォーマンスは極上でございます。

過去の「ガンダム」のすべてを否定し、これを修正するのが本作の使命であり、
それを見事に達成するであろう勢いを本作に感じます。

「水星の魔女」こそが「俺のガンダムだ!」と刹那・F・セイエイも吠えること
間違いなしの展開が期待できます。

アニメアンチとしては、初期作「機動戦士ガンダム」=「1st」こそがガンダム作品の最高峰であると
妄信しているような老害たちを綺麗さっぱり葬り去るかの如く、ガンダム信者の誇大妄想を
完全粉砕してくれることを本作に望むところでございます。

設定も構成もなかなかに洗練されており、前期の「学園ガンダム」とかぬるいなと思いつつ
本作の実力を甘く見ていた当方はすっかり陽動作戦の罠に嵌められたようであります。

学園生活がぬる過ぎて憤りを感じるくらいなのは設定{netabare}というやつでありまして
温室栽培でぬくぬく育つスペーシアンに対するアーシアンの怒りが募りに募って
遂には炸裂するというお見事な予定調和への誘導であったわけであります。{/netabare}

「フレッシュトマト事件」は、変化の予兆{netabare}を示すフラグであり、これの意味するところを
軽く見ていた当方は、今になってしくじった感いっぱいで苦笑いの状況でございます。

「娘」のネタばらしもあっさりこなして次に向かう怒涛の展開に目が離せないと言うべきでしょう。

前回の繰り返しになりますが、本作においてガンダムの秘密が見事に暴露されました。
「ガンダム」とは「【ガンド】アーム」のことであります。

「【ガンド】アーム」と言われても意味がわからないという人のためにざっくり説明すると
「ニュータイプ専用兵器」ということになります。

これを扱えるのは例えば「ララァ・スン」のような特殊能力持ちに限られ、これはSFファンにはとても
残念な話とも言えますが、普通の凡人パイロットが操縦できる代物ではないという結論になります。

つまり「普通の兵器」とは違うのであります。

そもそも「ガンダム」はロボットではなく「モビルスーツ」であります。
乗って操縦するものではなく肉体の一部であり身体の拡張体でありますから、進撃の巨人のエレンが
巨人化したようなものこそが本来の「ガンダム」のあるべき姿ということになります。

「【ガンド】アーム」の【ガンド】とは何でしょう?
【ガンド】とは「幽遊白書」の浦飯幽助の必殺技である「霊丸(れいがん)」のことであります。

元ネタは【呪術】のカテゴリーに属するもので、手の指で「銃」の形を形成し
指先に「霊力」を込めて目標に向かってその「霊力」を打ち出し飛ばすというものであり
小さい子どもがよくやるような「ピストルごっこ」そのものというべきものであります。

ガンダム=「【ガンド】アーム」でありますから【呪術使い】のようなの能力者以外は
これを操れないという結論になります。

例えば【呪術使い】の【ネクロマンサー】がゾンビを操るのとガンダムの操作は同じということになり
まして、コクピット内の操縦レバーとか足元のペダルとか意味ありませんですよ…という話になります。

【呪術】とは【黒魔術】と同義でありまして、【黒魔術】を扱うのは【魔女】ということになります。
能力者ララァ・スンが操る機体は「エルメス」でありますが、「エルメス」とは
ギリシャ神話の【ヘルメス】のことであり、ローマ神話では【メリクリウス】と言いまして
英語では【マーキュリー】と表示します。

【マーキュリー】は【水星】ですので、合わせて【水星の魔女】となります。

【魔女】自体がかなりやべぇ存在でありますが、これが【ネクロマンサー】と同じ【呪術使い】
となるとどう考えても【オカルティズム】の領域の話になり、従いまして
岡田斗司夫氏が言っていたかつて話題になったという「ガンダムはSFか?」論争の答えが
ガンダムファンの期待を裏切るような形で明確に示されるというオチであります。

つまり「ガンダム」とは(その本質は)【オカルト】であったということであります。

最終的にレビュータイトルは「連鎖する【呪い】と【ムーンショット目標】」とするつもりですが
ここで【ムーンショット目標】に言及すると話がとことん長くなるのでそれは後回しにして
まずは「【ベル】の法則」から話を進めていこうかと思います。

「【ベル】の第1法則」は「死亡フラグ」
「【ベル】の第2法則」は「代償の請求」
「【ベル】の第3法則」は「災いの発動」
このようになります。

一番わかりやすいのは「第1法則」ですが「【ベル】の法則」の本質は「第2法則」にあります。

「ご利益信仰」である【偶像礼拝】を行い「※願い」を例えば「女神」に叶えてもらうのですが
【貪欲な女神】は「※願い事」成就の引き換えに「代償を請求」するという仕組みでありまして
【偶像礼拝】には【等価交換の原則】が付きまとうという話であります。

【魔女】の母は「ガンダム」という力を得るために、「※願い事」を叶えるために
「対価の支払い」を行いました=「我が子を捧げる」という形で・・・

これが世界中で流行した【偶像礼拝】の本質というべきものであります。

手塚治虫原作の「どろろ」そして【巨神族】のボッチが主人公の「王様ランキング」
すべてが繋がる「【呪い】の連鎖」とも言うべき、「人類の黒歴史」の真実が
ガンダムの秘密と共に明らかになるという壮大なスケールの話でございます。

「【ベル】の法則」は「【ベル】の秘密」につながっています。

「アホ毛」とはアニメファンの萌えを誘発するために作られたような
小粋なパーティグッズの類ではありません。

【魔女】の母親が「【鬼】畜」であったことを示すシンボル的な設定を示すものであります。

お次の話題は【魔女】がほくそ笑む【ワルプルギスの夜】にするか?
【禁断のテクノロジー】から【ムーンショット目標】に繋がるネタにするか?は
次の放送を見てから決めようかと考えてます。

そのようなマニアックなネタを披露するよりも本作に絡む「戦争」の話を
先にするべきなのかもしれません。

ある意味「ウクライナ紛争」の本質を見事にバラしてるような本作は過去一危険でありつつ
最も「ガンダム」らしいガンダム作品であると言えるようにも思います。

【呪術】に【禁断のテクノロジー】に、【戦争ビジネス】にまであらゆる角度から
語れるのが「ガンダム」という作品の本質であります。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

赤いたぬきSeason2

OPとEDの落差~
{netabare}EDを見るにスレッタって、強化人士ってオチもあったり?{/netabare}

24話
{netabare}
ガンダムあるあるオカルトからの
まさかの死人のでないハッピーエンド!

メスガキシスターは、真エランよりも優秀過ぎたのは草。
{/netabare}

23話
{netabare}
今回のファインプレー
フェルシー、強化人士5号。

グエ虐でラウダ殺すのかと思ったら、
ラウダの暴走を止める為に殺される覚悟とか主人公過ぎる。
グエルが殺されそうになったのを止めたフェルシーファインプレー!
将来のグエルの嫁?

我が身可愛さベルメリアさんが、覚悟を決めてミオリネを
守り、さらにプロスペラにトドメを刺されそうになった際に、
プロスペラにヘッドショットした強化人士5号ファインプレー!
ベルメリアにかけた言葉もイケメン過ぎる。

エリクトは母やスレッタ守る為に消失したみたいだけど、
プロスペラの発狂具合と収拾つかなそうな最終回に不安感が否めない。
{/netabare}

22話
{netabare}
チュチュパイセンが、セセリアに断って機体借りるか、
借りパクするか、考察ニキが予想していたけど、前者だったね。

そして、グエル vs スレッタと決闘をして、
再びホルダーに返り咲くスレッタ(グエルわざと負けた感はあったけど)

シャディクは、存在が霞んでいく…

ラウダ、これ以上、グエ虐するなよ。
弟殺しの称号も兄に与える気???
{/netabare}

21話
{netabare}
続くミオ虐からのスレッタの出自告白。
もう、プロスペラママラスボス確定では?

ペトラは生死の境をさまよってるけど、
ラウダの怒りがミオリネに・・・
シュバルゼッテに乗って寿命奪われてしまうコース?

強化人士5号は、ノレアのスケッチの場所で
最終回見れればと思っていたけど、
「行きたい場所ができた」=ノレアのスケッチの場所
凄く死亡フラグ立ててる気がするけど、
スレッタとのタッグは熱い!!!

スレッタ死亡、ミオリネ鬱エンドだけは避けて欲しい。
{/netabare}

20話
{netabare}
冒頭から、グエル主人公感マシマシでスタート。

シャディクガールズが、シャディク隊にならなかったのは、
良かったけど、グエル vs シャディクの戦闘中の会話を聞いていた
ラウダが、父親殺しが自分の兄と知った後、どうなるのかが気になるのと、
ペトラが死亡していた場合、発狂して何仕出かすか予想できない。

株が上がった強化人士5号、ノレアの死で暴走して
ドミニコス隊の機体を何機か破壊後に捕縛されたけど、
ペイル社の内情を盛大に暴露する流れになるのかな?

そして、メスガキシスターことセセリア、またもや株が爆上がり中。
グエル側の味方になるのかな?

そして、主人公のスレッタさん、いつ主人公に戻れるの?
グエルの存在感を超えれる感じがしないのだけど…
{/netabare}

19話
{netabare}
ティル株、ケナンジ株上昇回。

セドに気が付いたグエルもだけど、
シャディクの地球での名に気が付いたケナンジ優秀。
シャディクは、そろそろ成敗されるのかな?

グエ虐→スレ虐→ミオ虐

虐の後に主人公格化したグエルみたいに、
スレッタとミオリネも覚醒する流れ???
{/netabare}

18話
{netabare}
神出鬼没なプロスペラ。
シャディクは嵌め殺しでもするのかな?

エリクトは、スレッタを復讐に巻き込まない事を選択。
プロスペラもスレッタの心を満たすものは学園にあるみたいなこと言っていたし、マインドコントロールした分、後は、伸び伸び生きてねという親心なの?
(裏が合ったら、逆に怖すぎるけど)

主人公の乗換え機体はいつだろう?
{/netabare}

17話
{netabare}
主人公交代のお知らせ。

コックピット、父親殺しのトラウマからの
勝利(ミオリネ&ママによりエリクトがエアリアル停止)。
これ、人気投票したら、グエル1強になるのでは?

ベルメリアは、考察ニキの予想通り、プロスペラに降ったね。
{/netabare}

16話
{netabare}
ママに完全マインドコントロールされているスレッタ。

ボブは帰還して、グエル・ジェタークとして、
主人公化してしまうのだろうか???
{/netabare}

15話
{netabare}
生きていたボブ回。
アーシアン側の捕虜として捕らえられるも、
父親殺しのトラウマが消えない模様。

子供を助けるために、「車の音が聞こえる」とか、
走るのは分かるけど、モビルスーツに乗るのは???
錯乱したのかボブ?

次回以降、ジェターク社に戻り、シャディクと事を構えて、
くれると面白い構図になるかも。
{/netabare}

14話
{netabare}
エリクト・サマヤが、エアリアルに組み込まれてるとか、
能登こわいよ能登。

スレッタは実子なのかも怪しいかも。

そして、早くも動き出すシャディク、
早くも死亡のソフィ。

ニカ姉は、マルタンが通報か?
シャディクに切られたか?

ソフィの死をあまり気にしないスレッタも怖いよ。
やはり強化人士?
{/netabare}

13話
{netabare}
エラン先輩、早速、別人とバレる(本当にバレてはいなけど)
強化人士5号は本人により近いみたいだし、強化人士4号の方がまともだったのかな。

そして、メスガキ祭りに・・・
ここから、いつもの鬱ガンダムになるのかな?

マルタンは生きていたけど、ミカ姉は、どこかで死にそうな気がする。

ラスボス臭はするけど、シャディクではなく、
スレッタママーがラスボスから外れない期待感。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

66.6 15 パイロットで仲間なアニメランキング15位
戦翼のシグルドリーヴァ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (262)
732人が棚に入れました
――突如、地球上に現れ、あらゆる生命の脅威となった『ピラー』。打つ手もなく追い込まれていく人類に手を差し伸べたのは、自らを『オーディン』と名乗る神の存在だった。 オーディンはピラーに対抗する術として、戦乙女『ワルキューレ』と、彼女たちの翼となる英霊機を人類に授け、反撃を宣言した。それから数年――人類とピラーとの戦いが続く空、戦翼を纏った戦乙女たちが、そんな戦乙女たちを支える男たちが、世界を救うために命懸けの空を翔けている。 ここ日本も例外ではない。霊峰富士にそびえし巨大なピラーと対峙する、 3人の戦乙女。いずれも腕は確かだが、揃いも揃って問題児ばかり。そこに、欧州から訳アリのエースパイロットがやって来ることになり……。「さあ、反撃の時だ、人類。来るべき決戦の日――ラグナロクの時は近い」シリーズ構成・脚本に『Re:ゼロから始める異世界生活』の長月達平、キャラクター原案に『魔法少女リリカルなのはViVid』の藤真拓哉、世界観設定・設定考証に『ガールズ&パンツァー』の鈴木貴昭と、強力スタッフ陣で贈る新たなる空のミリタリー、開幕。

声優・キャラクター
山村響、稗田寧々、M・A・O、菊池紗矢香、平田広明、堀江由衣、日高里菜、上坂すみれ、中村悠一、杉田智和、マフィア梶田、千葉繁、茅野愛衣、小松未可子、上田瞳
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

いち空戦もの好きの超個人的意見として

以下、全文全体徹頭徹尾須く個人的意見であり、僕個人の主観の内にあるものであることを先にお断りしてから。あと無駄に長いです。元々長く書く自分基準で見ても長いです。

文句を言うために全部見た。本作に対する苛立ちのせいで、今期他作品に対するハードルがダダ下がったのも事実です。

-- 物語:{netabare}空虚な死の描写。北欧神話を粗雑に、ひとりよがりに扱った世界観。かわいい女の子がレシプロ駆ってビュンビュンしたらカッコイイヨネ以外なにも見えない物語。{/netabare}

-- 作画:{netabare}静止画として中の上~中の下。アニメーションとしては、ヴァルキューレの描写は上~中、それ以外は下の上。

第一話の冒頭から萎えさせてくれた。スピード感を一切感じさせないカメラワークと戦闘機の画面内平行移動。敵クリーチャーと一致しない陰影。極限を狙ったかのようなコマ数削減、パイロットのアップとシェイクシェイクシェイク。まぁ、”ヴァルキューレ”達の戦闘シーンとの対比を狙ったというならそれはよしとしよう。だが、それも含めて、クール通して維持できたとはいえない。8話は明らかにダメだったし、それ以降はヴァルキューレ達も含めて平行移動が目立った。

機内のヴァルキューレの描写もご都合感があって気になる。降下・急降下の際は髪の毛が前に振られるのに、宙返りやロール中は「ぴっちりぱっちり」動かない。それほど急挙動でもないのに。こういうところをしっかりしないのが見えてしまうと(ま、第1話からだけど)、期待感ダダ下がる。{/netabare}

-- 声優さん:{netabare}声優さんに関しては何の文句もない。グラサンはネタ枠なのは承知している。問題はディレクション。神谷明さんのドしぶい声が聞けたのは本当に良かった。少年オーディンも、熱演だと思った(そこだけ見れば)。{/netabare}

-- 音楽:{netabare}OP、EDは良かった。OP映像はけっこう良かった。「高く、飛べる」のあたりとか。ED映像は、本編の描写の甘さとは打って変わって丁寧なアニメーションだと思った。赤い紐の描写、かなりいいと思う。最終話の特殊OP、冒頭のエンジンスタート音には「おっ?!」となったけどあとは蛇足に感じた。とくに、魔法的なものを表す効果音は邪魔だった。{/netabare}

-- キャラ:{netabare}おそらく大半の方が大好きなのであろう六車・宮古。ごめんなさい、彼女が本当に大嫌い。飛行機駆って戦場に赴く人物として、僕は許容できない。彼女の破天荒な「陽」の部分をフォーカスすることでお話を展開させること自体が、「物語」の薄さを表していると思う。あのような陰、あるいは素顔を持つ少女が、あんな形で「陽」だとすれば、それはただ痛々しい子に思えてしまう。呼称を勝手に変えちゃう様な人は協調作業に入れちゃダメ。呼称って認識を共有するためのもの。そういう基本が出来ない人を中心にして「戦闘」を描くこと自体に違和感を感じます。{/netabare}

定型文を終えたので、以下、殴り書く。
{netabare}

ろくな説明もしないまま、勝手にたてた独りよがりの世界観の中で悦に浸れてよかったね。自己犠牲の死はそこまで美しいか?美しく魅せる描写をしたか?レシプロファンを馬鹿にしてるのかな。飛行機と飛行機乗りをばかにしているのかな。


-- もう、無理しないで欲しい。
{netabare}
本作には「おじさんコメンタリー」と称して、考証・設定の鈴木氏以下制作に関わった主立った人が作品見ながらくっちゃべるというものが付随していた。1話のそれを一応聴いたのだが、、、これが痛々しい。コメンタリーを出すこと自体がダメなのではない。しかし、本作のそれはコメンタリではなく、明らかに「補足説明」となっていた。これ、短歌を出してね、といわれたのに「みそひともじでは言い表せないから補足します」ってやってるようなもの。私はこれを、「作品内に必要な情報を盛り込めませんでした」と自らの失敗を認めるようなものと判断する。

この「考証」というお仕事なのだが、どうにも腑に落ちない。以下、少々(ではなく)個人攻撃になってしまうので、言葉に気をつけつつさらに伏せます。しかも長いです。{netabare}

鈴木氏は、いったい何の専門家なのだろうか?というのがガルパン以来つきまとう疑問。想像でしかないが、この方にはいわゆる理系的素養はなく、また、考証というFact DrivenあるいはLogic Drivenな思考より、想像を専らとされる方なのではないだろうか。一言で言って、「考証」にまるで向いていない方なのではないかと思っている。詳しく来歴を調べる気もないので、実際はどうかを知りもしないで書いています。それはその通りです。

ガルパン劇場版(円盤)に、この方を含めた5名ほどの「おじさんたち」によるコメンタリが副音声で入っています。これも聴きました(これはこれで結構楽しかったです)。ただ、終始気になったのが、鈴木氏からは専門性を感じられる発言が一切なかったことでした。しかも、妙に狭いところに特化した発言が多く、アニメ制作・進行、あるいはアニヲタ視線の発言のみに感じました。別に、コメンタリコンテンツとして進行を任せられているわけでもないのに、です(プロデューサーが進行役として一応入っていた)。

鈴木氏から感じる印象は本作のおじさんコメンタリーでも同様でした。アイコン・象徴としての戦闘機についてはそれなりに語るものの、そもそもの戦闘機の歴史、機材の変遷に関する言及は浅く、二言目には「みやこかわいい」です。1話コメンタリを聴く限り、彼のなした仕事はそれぞれの機材(飛行機のこと。戦闘機ではないものも含まれるので)が持つ「うわべの特徴」だけを引っかけて、それっぽくイメージを膨らませることだった様に感じられます。なんていうか、想像の世界で勝手に色づけしたパズルのピースを、好き勝手に組み合わせていろんな形を作り出すことを楽しんでいるような、「第三者に理解できないもの」を自慢しているような、そんな雰囲気を感じました(このコメンタリー、聴いたのはあくまで第1話分だけですが、もう一つ感じた残念なところがあります。それは、残りの制作陣が全て対鈴木氏YESマンで構成されている空気感でした)。

考証とは、全てが事実通り、あるいは、物理的な正しさに適っているかだけを検証・検討するものだ、とは考えていません。「現実的にはあり得ない設定」であったとしても、その「設定」の中での正しさ・矛盾の有無を検証し、必要があれば作品に修正を入れる立場と考えています。それが、「設定考証」のお仕事だと。

「ガルパンの世界が地球と同一だとは一言も言ってない」「この世界(ガルパン世界)の重力が1Gだとは誰も言ってない」、が鈴木氏の発言の中で特に印象に残っています。それならそれで良いんです。矛盾がなければ。そして、ガルパンに関しては幸い、目立った矛盾に気付くことなく視聴出来ましたし、矛盾をおこした時のフォローもしっかりしていました(例:「マウスは例外なのかな」)。

本作、残念ながら僕の視点からは矛盾だらけでした。結果、「考証」としての鈴木氏の力量に、大きな疑問を抱くに至りました。{/netabare}{/netabare}

-- 設定内矛盾:「やばいまずいもげるおれるもげる」
{netabare}このセリフ、第1話の前半でアズズが放ったもの。確かこんな感じ。これを聴いてしまった瞬間「あ、この作品は設定矛盾気にしないスタイル(=気がつけない程度の方々が制作した)」と見切りを付けました。

クラウディアが駆る複葉機・グラディエータが、アズズ搭乗のHe100をぶち抜き、さらにアズズ機は付いていくのがやっとという描写がこの直前にある。この段階で思うことは、この作品において飛行機という形に意味はない(あってはならない)、空気抵抗など存在しない(してはならない)世界だろうと言うこと。

これは、ある程度飛行機を知っている方なら誰しもが思うはず(いや、まぁ、飛行機を知っている方なら、He100ぶち抜くグラディエータでダメダコリャだと思いますが)。なぜ、ライト兄弟はライトフライヤーを複葉機として開発したのか。なぜ、初期の戦闘機を含む飛行機は複葉機が主流だったのか。逆に、なぜある時を境に複葉機は減少し、単葉機ばかりになったのか。それは動力・推進力の低さ故に十分な揚力を得るためにどうしても翼面積が必要だったから(複葉機)であり、動力の強化に伴う無駄な空気抵抗(=スピード抑制、過剰な揚力)削減のための翼面積縮小(単葉機:高速飛行の場合、複葉構造が維持できない=それこそもげる、も理由の1つ)だったはず。端的に言えば、飛行機は「それなりのスピードで翼を空気のかたまりに突っ込ませる」ことで飛んでいられる。当然、突っ込むスピードが速すぎたり、翼が弱すぎたりすれば、翼はもげる。でも、この作品はそういう世界じゃないらしい。

それならそれで良いんです。矛盾しなければ。
ところが、その直後にアズズ機は翼が軋みだし、そして上のセリフとなる。

該当部分について、上述のおじさんコメンタリーでは複葉機の特性(小回りがきく・スピードは出せない)について触れつつも、ヴァルキューレとしての能力により云々としています。だったら、ここも単にアズズの能力不足によってついて行けないだけとするべきで、翼の軋みも先のセリフも考証の立場からボツとすべき。あと、鈴木氏が述べた「小回りが効く」という特性も、空気あってのことだからね。

地球上の歴史的・物理的事実を完全に否定するものである以上、少なくともヴァルキューレとその機体において、「空気」の影響などあってはならない。どれだけヴァルキューレとしての能力が高かろうと、複葉機が単葉機を追い越せる(ましてグラディエータとHe100で)世界に、空気抵抗は成り立たない。で、空気抵抗がない世界なら、そもそも翼で揚力発生しないし、プロペラでは推進力が得られない。飛行機である必然性がない。なのに翼はもげる。もう、どうしようもない。

そうじゃないというのなら、何がどうなんだ?その説明は作中で視聴者にわかる形でなされなければならない。それがない。コメンタリーでもお茶を濁す発言で終わっている。

この描写(軋みとアズズのセリフ)、本当に蛇足だった。これがなければ、なんだか不思議な理屈で飛んでるんだなー、でかろうじて行けたのに。{/netabare}

-- びっくりドッグファイター:園香@最終話(ほめてません)
{netabare}
あー。この制作陣、飛行機Combatゲームすらやらずに「空戦」描いてるな。と。

最終話、2機の敵英霊機に追われる状況の中、園香機がフロート(着水脚)の踵を水に突っ込んでの急減速、という描写がある。その急減速により、追っていた側の敵英霊機2機は、園香を背後に回す絶体絶命状況に追い込まれた。これを見たときは正直に心沸き立った「やっと”らしい”描写が出た」と(機銃が主となるドッグファイトの場合、エネルギー管理しつつ「相手の前に絶対出ない」が基本の機動)。

だが、直後の描写で僕の頭の中はクエスチョンマークの大行進となった。

なぜ、そこから追いかけ・追い抜く?せっかくとった背後を、、、ていうか、だったら無駄なエネルギーロスにしかならない急減速などいらない。もともと追われていたんだから、下降加速からの上昇だけで良い。

この子の操縦、無茶というより無駄なんだよな。第一話後半の急上昇→失速→落下・加速というながれ(この機動、なんていうんだっけ・・・・→{netabare}木の葉落とし、でした。dFRjS80566さんありがとうございます!{/netabare})も、真後ろにずっと付いてきている、少なくともエネルギー同等の相手にかます機動ではない。失速の瞬間に撃たれる、もしくは体当たり的に突っ込まれる。ていうか、失速状態に行き着く前に撃たれて終わる。

アズズの描写も含め、なんとなくカッコイイを狙ったものだろうか。ものすごくかっこわるいわ。

園香に関して言うと、海ほたるに冷却弾を落としたときの「落下」の描写がチープすぎて笑った。いや、全弾が一点に向かって垂直落下って・・・・直前の園香、水平飛行してますやん・・・
{/netabare}

ちょっと飛行機から離れよう。際限ないので。

-- 北欧神話の扱い:説明サボりすぎなのか、説明する能力がないのか
{netabare}オーディン、ヴァルキューレ、ラグナロクにヴァルハラときて、特に説明なくみせられているこちら側としては、当然、物事が北欧神話になぞらえられているのだ、とわかる。

ところが、作中には北欧神話が存在しないらしい・・・・ということがかなり後になって描写される。いまさら、「我々のcommon senseをそのまま盛り込め」とは言わない。だが、そうでないのなら、そのことをしっかりと描写しなければならない。こんな置いてけぼりを喰らった日には「好き勝手にいじくったパズルのピースでご満悦なんだねよかったね」しか感想が出てこない。「僕の考えた設定、みんな想像できる?わかる?」を問いたい作品だったのかな?{/netabare}

-----------------
--他のいろいろ差し置いても、実はこれが一番腹が立っている:敬礼
-----------------
{netabare}作中、幾度となく描かれたヴァルキューレ達の敬礼。
片目を閉じ、その閉じた目の横に挙手礼。
ものすごくイラッとする。

これ、ものすごく失礼な「礼」だと受け取っています。もちろん、超個人的な感想です。
でも、他の国、軍隊、組織でこの「礼」をとったとすると、最悪撃たれることもあると思う。敬礼・Saluteにおいて相手を見ないことは、(目に何かしらの障害があるなどの例外を除き)結構な侮蔑的行為だったような。。。

で、この「片目だけで見る」はどうなの?

それほどキャラが引き立つ可愛らしい描写にも思えず、礼としては侮蔑的だし、何がしたかったのだろう。

こういうところにこそ、考証がものを言うべきと思うけど。。。{/netabare}
{/netabare}

[2020/12/28 v1]

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

観終わった

2話までの感想{netabare}
“ストライクウィッチーズ”が放送される期にコレってどうなんだ?もう何度も言ってるけどこれだけ作品数が多いとネタ被りは仕方ないにしろ、同期に同じようなのは避けるように協議したりって無いのかね。
とついつい思ってしまうのだけど、コロナでズレ込んだとか色々あるのかなぁと思うとそこまで突っ込むのも悪い気がしてしまう。
“ガーリーエアフォース”や“コトブキ”と被らなかっただけ良かったと思うべきなんだろうか。

なんてことを思ってたら、いやこれって“Z/X”の方が…ひいては“アサルトリリィ”の方が近い?
単に藤真拓哉のせいだろう、考えすぎだろうと気にしない様にしてたら…アサルトリリィの2話エンドカードが藤真拓哉で爆笑。

開き直ってる?

ただでさえ今期はシリ構ふでやす作品が4本(もっと増えるかも?)あったりで、一時期に集中して「どの作品見てもこの人の名前見るなぁ」ってよりも、長期に渡って分散した方のが良いと思うんだけどなぁ。
と考えると“アサルトリリィ”の方がズレ込んだのかな?こっちが先だとリゼロと被るし。
けどそうすると“アサルトリリィ”が“ラピスリライツ”と被る?…ああもう訳ワカラン。
別にアラ探しの如く似たトコ探ししてるんじゃなくて、数年後に思い出そうとした時にこんがらかってしまうことを危惧してまして、ええ。
今となっては“落第騎士”と“アスタリスク”がもうどっちがどっちだか記憶が混ざり合ってしまってます、こういうのって不幸じゃん?
あとこういうのはリアルタイム視聴ならではの感想だとも思うので…当時の印象ってのは重要だと“ひぐらし”を見て強く感じたこともあったり。


と前フリ長くなったけど本編感想。
レシプロなのは構わないが、神機でないとネウロイに対抗できないっていう説得力がイマイチ弱い気がする。
そのうち“ストライクウィッチーズ”でのウォーロック({netabare}ウィッチーズ(女性)しかネウロイに対抗できないのを男社会の軍上層部は快く思ってなくて、ウィッチ達を出し抜こうとして秘密裏に開発した対ネウロイ兵器。ある意味友軍が主人公達を裏切るという展開{/netabare})に該当する機体が出るんだったら面白くなるかもだけど果たしてどうだろう?
そういう意味ではオーディンが何を企んでるかがカギな気がするのだけど、単に思わせぶりなセリフ言ってるだけで最後まで有耶無耶のまま行ってしまいそうな雰囲気もあって安心できない。
ってかそこら辺期待して裏切られたことがもう多くて多くて…“Z/X”然り“戦×恋”然り“ガーリーエアフォース”然り。
それらは原作アリだから仕方ない?
であるならオリジナル作品のこれにはついつい期待してしまう、というか「ちゃんと完結するのかどうか」のことばっかり気になってしまう。
「人気が出たら続編出そう→続編出すことになっても問題ないように中途半端に終わらせよう」という作りに見飽きてることもあるかな?
頼んますよホント、完結してくれ~。

ところで、ひょっとして“ラピスリライツ”でやってたように各話なんらかのパロ入れるって縛りをやってたりするのかな?
1話「うおっまぶし」2話「大丈夫だ、問題ない」があった気が…“ラピスリライツ”と被るワケだけど、リゼロ繋がりで“グランベルム”の悪夢が蘇るのでこっちではあんまりやらん方が良いような…。{/netabare}

4話までの感想{netabare}
4話本編の感想の前に戦闘シーンについて。
“コトブキ”が素晴らしかったかどうかは分からんけど、それよりも劣る気がする…というか結構テキトー?
2話の段階で「ん?」とは思いつつも様子見してたんだけど、同期に“ストライクウィッチーズ”があるせいってことだけではなさそう。
2話、トンネル内を飛行機で突っ切るシーン、現実的にできるかどうかは置いといてエンタメ的にもっとカッコ良く見せることができそうなのに妙にアッサリ。
また、敵が衝立状のバリア張ったら「スペシウム光線も八つ裂き光輪も効かない→すわ流星キックだ」という段取りがあるモンだと思うのだけど、アッサリと「上空から攻撃だ」で、じゃあそれに踏み切るまでに溜めがあるかというと、無い。
4話も不時着のシーンが妙にアッサリで…うーん?
演出になるのか?アクション得意な人がやってるのではない?なんかエンタメ性が薄い。
と思ってたら4話のアレですよ。

3話で仲間が危篤で寝不足なのを美談にしといて4話で寝不足を咎めるのってどうなん?と思わなくもないけどそれはまだいい。
おっさんギャグがとっても寒い。
いやでも待って、ストパンでも同じような話あったじゃん?そっちでは不快に思わなかったのにこっちと何が違うんだろう?と考えてみたら…。
ああ、あっちは悪フザケするのはあくまでルッキーニやハルトマンで「ハハ可愛いね」で済まされてるんだ。
大の大人のオッサンが悪フザケして少女の方が至って真面目だと寒いのかな?
または、当人は至って真面目だけどハタから見るとヘンって訳でもない、明らかにフザケてるよね?
ってか単純に戦乙女連中にトラブルメーカー的なキャラが居ないよね。
一応4話最後が新キャラ投入みたいな流れだったので、それに期待か?{/netabare}

総評(これだけ見ればいいかも){netabare}
話についていけなかった。
特に「えっ?」となったのは4話…ではなく5話だか6話の富士ピラー。
突然沸いてきた設定にしか感じなくて、富士ってそんなことになってたの!?っていう違和感バリバリ。
だって館山ではのほほんとしてるし、そこから逆算して(前任の日本駐在ネームドが死んだとはいえ)1話で死線を越えたクラウに「ちっと休め」という意図、もしくは損耗率99.9%なので最前線から退けられた=“激戦区ではない”日本へ飛ばされたんだと思ったので…。
日本も激戦区だった?ってかそうであるなら廃墟化した山梨や静岡の街を映してくれよって話で…無いよね?そういったシーン。
また、そういうのを先に見せてくれれば大変な中気丈に明るく振舞ってるって好意的に解釈できそうなシーンも多々あったのに…特に4話なんてフザけてる場合かよと。
あくまで「激戦区ではない」って前提で気にしないでいたからなぁ。
更には富士ピラーの中は異空間で今まで撃墜されたワルキューレの機体が山積み&バイド化した深海棲艦が居るらしく、じゃあ世界各地のピラーは中で繋がってるのかな?と思ったがそうではないらしい(最終回、富士ピラーは滅ぼすことができたが他の地域は残ったままらしいので)。
ということは富士ピラーにオーディンやトールも居たの?ってことで、激戦区中の激戦区じゃんってことになって、益々館山ののほほんとした空気が意味不明に。
ぶっちゃけ、日本は人間が住めない土地になっててもいいくらいだと思う…「日本中のピラーが富士に集まってる」ってシーンがあったと思うのだが、あれで全滅でしょ。
それとフェイトの令呪みたいな3回だけ使える大技らしきものがあったハズなのだが、それを使うことなく一旦富士を敗走したのもよく分からん。
都合よく沖田指令だけ死ぬのも“ヤマト2202”で艦長席にだけ都合よくピンポイントでガレキが落ちてきたのを思い出す、あっちは昭和アニメのリメイクってことで「タライかよw」と指さして笑えたけどこっちは…呆れた。

ってかバイド化した元友軍との白熱した戦闘シーンってあったっけ?令呪をここぞという見せ場を用意した使い方ってしたっけ?
どうせ鳥の羽根を生やせるんだから飛行機の片翼くらい吹き飛ばしも構わんと思うのだが、これといった破損シーンも無いよね?「メインカメラがやられただけだ」みたいなの無いよね?
生身の人間じゃないんだから、ぶっ壊れても修理すればいいってのが「メカに乗る」ことの醍醐味だと思うのだが。
ピラーは生命エネルギーを狙って~で赤ん坊がどうこうっていうのも、だったらパイパー・ルウを囮に使ったり「いくらなんでも早すぎる」ってやつ、無いのん?
まぁ何が言いたいかというと、あれこれ設定盛り込んだ割にはそれが生かせてない、「死に設定」が多い。
設定を口で語れば視聴者は全て納得すると思ってるのかな?いやいや、描写が無いと無理だよー。
この世界は北欧神話が伝承されてないイフ世界ってのも、だから何?って感じで(※)…ってかレムが存在の力を食われたのとネタ被ってない?

で、繰り返しになるけど、個人的に一番描写が足りてないと感じたのは廃墟や破壊された街が描写されないことで、これのせいで緊迫感が無い、人類がどれだけ追い詰められてるのか分からない。
のほほんとした館山を映せば映すほど違和感が増した。
おっかしいなぁ、アニメーターには廃墟好きが沢山居るって印象なんだけどなぁ。
…。
まさか、館山とコラボしたせいで街を破壊するシーンにNGかかったとか?
そんなことあるのかな?けどそう穿って見てしまう。
けどよう、もしそうだったらよう、地方協賛のアニメはアカンね、戦争モノをする上では。
ってかソウル市を火の海にした(後で元に戻るが)韓国アニメの“ゴッドオブハイスクール”以下じゃないか。

※印の部分、目一杯の好意的解釈としては、ストパンのネウロイが終始目的不明で、それと差を出すためにどうにかして敵に動機を持たせようとした結果なのかも知れない。
どこかの感想で書いたけど「地球を襲う謎の侵略者」の目的が“モスピーダ”のインビットみたいなのだと果てしなくガッカリな訳で、それに比べればまだマシなのかなぁ?とも。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

キャラの魅力が作品の魅力!すっごい好きな作品になりました。

【First impression】
 ん? え? おお?! うおおおおおお! みたいな感じの作品。
 物語的な面白さよりも何か他のもっと尊い何かがこの作品にはある。
 それは、物語よりも人を見せているから。
 それは、生き様を見せているから。
 それは、表現が難しく、誤解を生みやすいから。
 でも敢えて挑戦するんだ。
 特別な力なんてなくたって立ち向かうんだ。
 その行動がカッコいい。魅力的なんだよ。
 だからこの作品に登場するキャラが好きだし。この作品の全てを私は好きになった。許そう、意味の分からない設定を。讃えよう、敢えてこの仮想世界を選んだことを。

【Story synopsis】
 ジェット機よりも早くプロペラの飛行機を飛ばせる能力。それが彼女たちのスペックの全てだ。
 突如現れた未知の存在ピラーという怪物たちにより人類は存亡の危機に瀕する。それを見かねた神オーディンは人類に手を差し伸べる。
 オーディンにより与えられた武器。それを手に戦いを繰り広げ、人類を守る希望の星。それが彼女たち戦乙女ワルキューレの使命なのだ。果たして彼女たちは何と戦い、何に勝利するのだろうか。

【Staff】
 監督            徳田大貴
 シリーズ構成        長月達平
 脚本            長月達平、鈴木貴昭
 世界観設定・設定考証    鈴木貴昭
 キャラクター原案      藤真拓哉
 キャラクターデザイン    横田拓己

 長月達平さんの印象がかなり変わったというか、こういう作品もできるという幅の広さを見せてもらえたのはとっても嬉しいです。というのもやっぱり『Re:ゼロから始める異世界生活』の印象が強すぎる。でも本質はやっぱり変わっていなくて、人間を描く作家なんだなっていうのがより鮮明になったように思われます。リゼロよりこっちの方が好きになりそうな予感すらある。さて、ラノベをちょっと読んでみたい気になったので積み本の処理が見えてきたら手を出してみたいと思います。
 また、鈴木貴昭さんも加わっており、世界観を作り上げたのがこの方みたいですね。ん~正直良く分からなかったです。ミリヲタでもないので、別にプロペラ機がジェット機より早く飛んでも良いんですよね。ファンタジーだし。あの音でドップラー効果とか出しながら空戦してるのって絵的にカッコいいからそれでいいんだよって感じです。ですが、ピラーとか北欧神話とかちょっと分からなかった。でもこれは悪いっていうんじゃなくて、単純に知識として私にそれを咀嚼する下地が足りなかっただけです。
 これをあの説明で理解して物語のなかで読み解いてる人もいるかもしれない、でもそれってニッチですよね。だからこういう作りにしたという監督の技量に乾杯って感じですかね。上手くかみ合ったのではないでしょうか。
 キャラがめっちゃ魅力的なので、もう原案からキャラデザどちらも最高です。藤真拓哉さん、横田拓己さん、ありがとうございます。本当に好きなキャラたちになりました。

【Review】
 戦う理由を考える。戦争の理由を考える。大事な人を守るため? いやいや、違う。大事な居場所を守るために戦う。
 スピルバーグ映画の『ミュンヘン』には様々な思惑で戦争を行う勢力が描かれている。それは実際にあった歴史にそって描かれているとてもリアルなものだった。
 また、彼女たちワルキューレはどうだろうか。彼女たちはピラーから人を守り、領土を守り、国を守る。
 本来、戦記ものの物語を描くのであれば、どこの国ががどういう戦況になっている、など、大局的にピラーとの戦いを描くのがベターなのだろうと思うが、この作品ではそこは重視しない。フォーカスするのは館山基地にいる面々です。1話の冒頭がいかんせん、世界的な状況を説明するところからのスタートだったので、このフォーカスから外れてしまっているが、そもそもの世界観を説明するためには必要な作業だったのではないでしょうか。
 ただ、これがあったため、どこか既視感漂う凡庸な作品群と同列に並べられてしまい埋もれてしまったという可能性もありそうです。

 この作品は最初から最後まで戦争を描いていますが、しかしずっと人を描いている作品でもあります。そのため、内容は色濃く、主要登場キャラの4人の成長がしっかりと描かれています。この辺りは本当に人間を描くのが上手い長月さんと鈴木さんの作風がしっかりと出ていると思われます。
 特に館山三姉妹(勝手に命名した)は本当にそれぞれに欠けたところを補いつつ、互いに高め合いながら物語が進んでいきます。そんな彼らを観て、たぶん主人公のクラウも成長をしていく。
 そんな4人の戦う姿勢は時に挫けそうになり、後ろ向きになることもある。でも飛行機は絶対に後ろには飛ばないんだ。常に前を向いて飛ぶ。
 彼女たちには重すぎるんだ本来は大人の男が戦場に出向くもので例え彼女たちが逃げ出したとして、文句を言う大人はいるだろう、でも同じくらい守ってくれる大人もきっといる。
 そう、逃げても良いんだ。でも戦うことを決意するんです。
 そして戦わせるんですよね、大人達が。世界の終わりと天秤にかけて、彼女たちの犠牲を払っても。その大人の葛藤も描かれていたり、ワルキューレたちの責任の重さに心が付いて行かなくなるところなど、本当に上手く描写してきます。明るく元気に時折シリアスに乗り越えていく彼女たちの姿を見せてられて、胸が痛くなる思いでした。
 それはギャグがあるからまたその落差で揺さぶられもする。
 本当に上手くできた作品だと感じています。

 設定の甘さとか分からなさなんてもう自分の知識の浅さを露呈するだけなので追及はしません。ていうかできん。
 むしろそれよりも何を作品は語りたいのか、物語っているのかをしっかり自分の胸のなかに持ち帰ることができたならきっと、この作品はスゴク楽しく、好きになれると思います。

 もはや絶賛です。こんなに魅力的なキャラを描けていて楽しくないわけがない。多く人にこの作人の魅力が伝わりますように。願いを込めて。



【以下、視聴終了前】
 どんなストーリーが展開されていくのか乞うご期待!
 という作品ではないかもしれない。2話まで観て世界観にそこまでの魅力を感じることができなかったのは事実です。しかし、まぁそれでもまだ2話なので、ここからどんどん面白くなっていってくれることを期待したいと思います。

世界感に魅力を感じないのはもはや原作と私の好みとの相性であると思うので、そこをとやかく言いたいのではなく、むしろじゃあなんで次週がまた観たいと思ってしまうのかという点についてやや掘り下げて考える必要はあるかなってところですね。
たぶん、アニメとしての魅せ方がとても良いのだと感じます。その点を楽しみに視聴を続けてみたいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

76.5 16 パイロットで仲間なアニメランキング16位
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(アニメ映画)

2021年6月11日
★★★★☆ 4.0 (176)
706人が棚に入れました
第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年。U.C.0105——。地球連邦政府の腐敗は地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」も行っていた。そんな連邦政府高官を暗殺するという苛烈な行為で抵抗を開始したのが、反地球連邦政府組織「マフティー」だ。リーダーの名は「マフティー・ナビーユ・エリン」。その正体は、一年戦争も戦った連邦軍大佐ブライト・ノアの息子「ハサウェイ」であった。アムロ・レイとシャア・アズナブルの理念と理想、意志を宿した戦士として道を切り拓こうとするハサウェイだが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いがその運命を大きく変えていく。

声優・キャラクター
小野賢章、上田麗奈、諏訪部順一
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

宇宙世紀ものとの決別か。(じっくり見られたので追記です)

配信サイトでじっくり見られましたので。追記です。

 宇宙世紀ものとの決別という第1印象は変りません。

 驚異的な映像すぎて、ガンダム感がないというのも初見と一緒でした。ハリウッドが作るゴジラが面白くない…と同じにならなければいいのですが。

 内容もガンダムのテーマとして兵器としての運用、兵站なにより禍々しさというリアリティが無くなっていました。その分、戦闘時の周囲への影響を描いたのでしょうか。3DCGとしてのロボット描写としてのリアリティはありました。ただ、画面が暗いのでガンダムの決めポーズが見られませんでした。2作目に向けての焦らしでしょうか。

 組織そして人の描写には力をいれてました。ハサウェイ、ケネス、ギギのキャラは良く描けていました。つまり、ヒューマンドラマになったということでしょう。
 そして、テロリズムに堕すことでパーソナルな個人の悩み…シャアのような確信犯ではなく、何かをやらなければならないという焦りからシャアをマネてという甘えをハサウェイからは感じます。

{netabare} シャトルがダバオに降りたのは偶然ではなく、自分がイニシアティブをとるためにケネスがそう段取りをしたということですね。で、ハサウェイは自分のホテルへの襲撃を自分で段取りしたんですね。
 で、ギギといっしょにいたので段取りが狂って危険な目にあったと。まあ、コントみたいに逃げる先逃げる先全部危険で、ちょっとやりすぎましたけど。

 逆襲のシャアの時点で思想に走りすぎて、訳の分からないストーリーになっていました。そして最後はアムロがツンばっかりでデレないのでシャアが切れたみたいな感じで、ギャグにも見えるような結末でした。
 物語でもシャアは思想になっていましたが、環境、特権、宇宙移民、ニュータイプ。本作はなにかテーマがあるようで、その思想に内容が伴わない滑稽さが感じられました。

 マフティの行動と民衆の期待にズレがあるのもそういうところでしょう。1000年先と暮らし。ハサウェイが何をしたいのかわからないので、今のところギギという少女にしか興味が向かいません。この描写がそのままハサウェイの迷いだとしたら、訳の分からない感じが脚本の意図通りということで、非常にうまいストーリーだと思います。
 
 ギギについてはニュータイプの娼婦という設定?はララァの再現なのは間違いないでしょう。ガンダムシリーズを通じてララァという少女が結局のところ消化しきれず、歴代の主人公周辺の女性ニュータイプ、強化人間を経て、クエスそしてギギにまで引きずっています。
 つまり、ハサウェイとケネスはシャアとアムロの関係の焼き直しでしょう。ただ、不思議なことにギギに悲劇の予感はしません。というか奇異に見えて非常にまともなキャラでした。この少女を起点に、シンエヴァのようにガンダムを卒業…という訳にもいかないでしょうけど(大人の事情的に)

 ギギは性的な匂いを漂わせていますが、道徳的にはピュアな雰囲気。自らを汚いと感じる感性。恋する少女になっていまいた。この少女の迷いというか、悩みというか難しい状況が示唆されますが、これからでしょう。
 ハサウェイがギギに手を出せないのも、ギギが結局ハサウェイを押し倒さないのも、こういった子供の部分なのかもしれません。

 ハサウェイは、ガウマンというパイロットの救出などにまったく頭が回っていなかった、ということはこの時点でマフティへの興味が薄れているということでしょうか。ハサウェイも自分の甘さを自覚していましたが。

 アムロまたはそれ以前から始まる壮大な宇宙世紀もののガンダムクロニクルは、最後は個人の…それも女への迷いで幕を閉じる?のでしょうか。

 最後、ハサウェイに気があるっぽい女が出てきて、一方でギギがハサウェイが残していった時計のおもちゃに電池を入れるのは上手い心理描写でした。時が動き出しましたし。{/netabare}

 あと、注目ポイントはホテルのエレベーターの内部の液晶パネルです。アニメーターが貧乏で「高級」「豪華」が苦手だといわれていた日本アニメで、感心するほど高級感がありました。

 すごいアニメなのは間違いありませんが、映像美だけでは歴史的なアニメにはなれません。さて、続きはどうでしょう。



以下 1回目の視聴時の感想です。良く見ていなかったのか話を追えていませんでした。

{netabare}
 宇宙世紀もの、ですが、問題のスケールはテロリストにまで落ちています。前作までで、ララァに対してクエスの存在感があまりにも薄く、ハサウェイの抱えている心の陰もあまり見えてきません。地球の特権階級を憎んでいるらしいですが、そこの動機が弱い感じがします。シャアを形だけまねているのでしょうか。(追記;シャアって、逆シャアで最期でどういう結論にしたのか映画ではわからなかったです。環境の問題だといいながらアムロへの執着だった気がするんですが。サイコフレームがどうのこうので終わってよくわかりませんでした)

 ハサウェイのパーソナルな問題をギギとの関係で解決してゆく物語なんでしょうか(追記;それとも本気で環境のことで悩んでいるんですかね?だとするとギギが登場する意味がちょっと分かりづらいですね。ヒロインが欲しかっただけ?どうも環境について人の意見を聞いたりして、環境問題は単なる言い訳に見えたんですけど)。彼がなぜ今の状態にあるのかは本作からはあまり深くは読み取れなかった気がします。しかも、続きものっぽいので消化不良で終わっています。
 まあ、3部作と明示してるんですかね。であれば次作が楽しみな終わり方でした。

 ギギというのは、ララァと同じく娼婦または愛人なんでしょうね。ガンダムにおけるこの女性の扱いというのに、どんな意味があるんだろう、といつも考えてしまいます。魔性ということなんですかね。男を理解できる母は優れた娼婦である?

 ストーリーは面白くはありますが、かなり都合のいい展開と言えるでしょう。
 ハサウェイがあの特別なシャトルに乗っていた必然性があまりなく、そこにハサウェイの組織の偽物のハイジャックが来てます。しかも航路を外れた緊急着陸したダバオには敵の親玉のケネスが赴任してきた基地があり、ハサウェイの組織の拠点もそこにある。
 ホテルに泊まっていたら、ハサウェイの組織に襲われる。要人がかたまっているからなんでしょうが、緊急着陸して偶然そこにいたはずなのに、襲撃の準備はいつできたんでしょうか(追記;ここ偽装工作ということなんですね。でも32Fから上を攻撃するんじゃなかったのでは?)。
 しかも、モビルスーツ戦がハサウェイの真上で始まってしまう。
 うーん、この部分をもう少し丁寧に必然にしてほしかったですね。またはギギによる不思議な力?のせいなんでしょうか。
 大人向けに作っている雰囲気の割にはストーリー展開が子供向けという感じでチグハグ感はあります。少年向け小説が原作みたいなので止むをえませんか。

 本作がガンダムか、といえば、もはやモビルスーツものですらなく、それは単なる戦いの象徴になっています。極端なことを言えば現代兵器でドンパチやっていても、物語に破綻は出ないでしょう。

 アニメは、金はかけたのでしょう。ものすごい出来でした。しかし、実写に近づきすぎたといえばいいのでしょうか。ガンダムらしい迫力が感じられません。ハリウッド特撮的な迫力になってしまっています。
 冒頭のシャトル内の人の動きが気持ち悪かったです。ある種不気味の谷を感じました。

 ギギの造形、キャラだけは素晴らしかったので、それだけでも見る価値はあります。

 あえて、スケールを小さくしてパーソナルな問題に置き換え、ガンダムが不要になってゆく。ニュータイプもあまり意味がなくなってゆく。宇宙世紀もののガンダムとの決別なんでしょうか。

追記;ちょっと集中して見れてなかったみたいですね。一回しかみてなかったのでいろいろ変なレビューでした。また、2作目があるときに見返します。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

モビルスーツの場違い感が醸す破滅の予兆

原作小説は未読。

【物語 4.0点】
三部作の一作目。

構成は序盤~中盤3分の2が人間ドラマ。派手なバトルシーンは終盤に集中。
だからと言って、終盤の見せ場にソースを集中すべく、前半を捨てているわけではない。

むしろ前半のハサウェイと出会う人々との濃密なやり取りの方が、
武装蜂起を前にした、ハサウェイ自身によるアイデンティティが不安定な現状を自己分析するパートとして重要なのではないか?
それくらい人物描写が繊細で惹き付けられます。

ハサウェイ率いる反地球政府運動「マフティー」
相次ぐ戦乱で疲弊した地球に特権階級だけを残すべく、
市民を拿捕して宇宙へ強制移住させる「マンハント」。こうした腐敗に鉄槌を下す。
大義としては申し分ないが、過去の武力行使を正当化する名分と比べるとかなり弱い動機。
戦乱で敗れ去っていった者へ思い入れるハサウェイの私心ありやなしや?

マンハント糾弾という点では、地球に残りたい市民とマフティーの利害は一致するが、
最終的に人類は全員宇宙に移住すべしとのマフティーの理想とは齟齬を来す。

何より今や、宇宙世紀(U.C.)0105年。
もはや武力だの、モビルスーツだの、ニュータイプ理論だので現状を変更する時代でもない。
マフティーが人々から“テロリスト”と揶揄されるのは時代の空気を読めていないからだ。

そんなことはハサウェイも百も承知。
その上で彼はシャアら先人たちが歩んだ破滅の未来を回避するには?或いは破滅を織り込むのか?
自己の立ち位置を再確認するために、ネクタイを締め市井に紛れ、自分を模索し続けるのだ。


この観点から心に刺さっているのが{netabare}タクシードライバーとの会話シーン。
その日暮らしの市民には1000年後の地球環境を憂うマフティーの理想になど構っていられない。
だって周りには結構、自然は残っているし。

この活動家が日常生活から乖離して孤立する状況。
世の浮いてる活動家の方々には、テロに手を染めないためにも、耳をかっぽじって傾聴して頂きたいと願います。{/netabare}


ハサウェイが思索の果に迎えるガンダム発進シーン。
綺麗に自己を総括できていますが、高揚感は少な目です。
曇天への発進は、地に足が付かない、五里霧中な行く末を暗示しているかのようです。


以上の通り、物語を愉しむには、
『逆シャア』までのサーガをテーマまで咀嚼することが必須な、マニアックな作品であることは言うまでもありません。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サンライズ

背景美術と人物作画の一体感を出す昨今のトレンドに逆行する本作。
写実的な海面などの背景に割り込んでくるモビルスーツなど浮きまくっています。
戦闘シーンでよくある街中でモビルスーツが煙を巻き上げるカットはメカを魅せるための演出。
ですが、本作の場合は、何もそこまでスクリーンいっぱいに煙やら火花やら噴かなくてもいいじゃないか(笑)
ってくらいの迷惑行為として処理。

宇宙世紀を動かすのはモビルスーツに乗ったニュータイプなどではなく、
メンズスーツを着たオールドタイプである。
モビルスーツなんてお呼びじゃない。
メッセージ性が作画構成でも徹底しています。


とは言え、オールビューモニター搭載が標準化したモビルスーツ同士の戦闘は迫力満点。
私は一作目は通常のシアターで鑑賞しましたが、
次作は360°没入感を最大化できる巨大スクリーン等での鑑賞にこだわりたいです。

【キャラ 4.5点】
主人公ハサウェイ・ノア。
顔立ちや対人関係のぎこちなさはアムロ・レイ。
二つの名を使い分ける暗躍ぶりはシャア・アズナブル。
アムロかシャアか。ハサウェイ自身が葛藤する際の引き出しにもなる。

ハサウェイの秘密を見抜き絡んでくる謎の美少女ギギ・アンダルシア。
大人の色気で、ハサウェイのライバルともなるケネス大佐とのトライアングルを仕掛けたかと思えば、
戦場では幼女の如く動揺を露わにする情緒不安定ぶり。

ギギとの交流の中で、クェス・パラヤを破滅へと攫っていったシャアの一件が重なるハサウェイ。
大義より、過去のトラウマという感情で言動を左右されるハサウェイ自己分析の一助ともなる。

総じて各サブキャラとも、ハサウェイ自身が掴めていない自分探しにヒントを与える献身ぶり。

【声優 4.0点】
ハサウェイ役の小野 賢章さん。
幼さと凛々しさが混在する青年ボイスで、村瀬監督からの“感情と思想に引き裂かれたキャラクター”という難題に応える好演。
このハサウェイ危ないことするよ。

ギギ役の上田 麗奈さん。ボイスを高嶺にコントロールして正体を掴ませない妙演。
これは周りの男どもも取り扱い方法に困ります。


公開前、劇場版『逆シャア』の少年時代以来、
長らくハサウェイに声を当ててきた佐々木 望さんからの“声優交代”が物議を醸しました。
ただこれも『ガンダム』以外のコンテンツではよくあること。
アニメ化よりも先にゲーム等でキャスティングされた声優が、アニメでは変更になるのは割りと普通。
ただハサウェイの場合はアニメ映画化以前にゲーム等で活躍する期間があまりにも長すぎましたw

また、このキャスティングについては、アニメ映画化後もゲームのハサウェイは佐々木さんが担当していることなどから、
①小説版『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』→『閃光のハサウェイ』原作小説のハサウェイは佐々木 望さん。
②劇場版『逆襲のシャア』→本劇場版三部作のハサウェイは小野 賢章さん。
①②はパラレルワールドの別系統作品であると示唆しているとの見方もあるそうですね。

劇場版三部作見ながら原作小説読んだら①②の異なる要素が混ざり合って困惑してしまうかも。
この辺りが、私が劇場三部作展開中は、小説購読は『~ベルトーチカ・チルドレン』までで止めておこうと決心している理由です。

【音楽 4.0点】
劇伴担当は澤野 弘之氏。
エッジの効いたテクノ等をアレンジした戦闘曲及びボーカル曲で魅せる。
「TRACER」は特にぶち上がります♪

気になるのが『UC』の澤野氏が『ハサウェイ』でも音楽担当している事。
『UC』は原作『ハサウェイ』完結後に、『逆シャア』~U.C.0100の間に闇に葬られた史実があったと後付けされたエピソード。
よもや本シリーズで『UC』を絡めてくることもないとは思いますが、
パラレルだとしたら何でもありですし。
もしくは『UC』同様、『ハサウェイ』も戦乱の亡霊を退治する物語として同一視すれば良いのか。
考え出すと落ち着きません。


ED主題歌は[Alexandros]「閃光」
過去を振り払って未来へ驀進する快作ロック。
ですが、今のハサウェイにはちとまぶしすぎる感もw
Netflix海外配信に合わせて英語版もリリース。
MVは英語版の方がAMVになっており作品のシーンを振り返るのにも最適。


【付記】
分割2クールの『水星の魔女』の幕間に、本作のTV編集版が1/15~全4話で放送されるそうで。
制作中の第2部への予習復習としてハサウェイを分析してみるのも一興かと。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

劇場で観るべき劇場版アニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
久しぶりに、「あ~、俺、今、ガンダム観てるわ~」と思えた。非常に充実した1時間半。

原作は、1989年に出版された、富野由悠季さんの同名小説。「逆襲のシャア」から12年後の世界を舞台にしており、主人公は「ハサウェイ・ノア」。ホワイトベースの艦長として知られるブライト・ノアの息子。

コロナの影響もあり、この1年、映画館に行くのは控えていたのですが、本作はどうしても劇場で観たかったので、昨日行ってきました。田舎の映画館ということもあり、キャパの10分の1程度しか客がいなくて、かなりゆったり観られました。

劇場版三部作の1作目ということで、ストーリーは完結しませんが、充分な満足度がありました。

私が本作を劇場で観てほしいと思う理由は、本作の見所が、やはり映像と音声にあるからですね。

本作では、人間目線でのモビルスーツ戦が多く描かれます。モビルスーツの部品がちょっと落下しただけで命を失ってしまう、絶望感や恐怖。それを味わうには、大スクリーンで観るのが1番だと思います(私は映画館に行くと、視界が全部スクリーンで埋まる、前の席で観るのが好きなんですが、今作はそれがハマってた、スクリーンを見上げる形が良い感じでモビルスーツを見上げている気分になりました)。

まあ、ガンダムを知らない人はまず観ない映画だとは思いますが、一応、「地球環境の為に、全人類を宇宙に移民させようとする青年(テロリスト)の戦い」を描くストーリーです。逆シャアと世界線は繋がっていますが、前作を知らずとも観られる映画だと思います。

コロナ対策をしっかり行った上で、映画館で観てほしいですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
原作小説は、確か中学生の時に読んだはずなのに、びっくりするくらい内容忘れてる(笑)

あれは、いいものだ、、、いや、これは、いいことだ(笑)

ということで、ストーリーは知らずに、新鮮な気持ちで楽しみました。

序盤、宇宙船内の会話劇。これがガンダムの会話だよなという空中戦に、ニヤリ。

続いて、ホテルのシーン。どこかクェスを思い出させる、ギギのキャラに、ニヤリ。ハサウェイが大人になってて、ちょっと複雑な気分(笑)

(ちなみに、ハサウェイの植物学の先生が、アマダ博士って、シローとは関係ないよね? 映画の間、ずっと気になってしまったw)

ホテルを射撃したところからの逃亡戦は、本作で一番の見所。人間の目から観たモビルスーツ戦の迫力。圧倒的な暴力。

ハサウェイは、「地球のため」に戦っているが、「人のため」に戦っているのだろうか。明後日を考えられない人がいるなかで、1000年後の人類の、地球のために戦う愚かさと純粋さ。「魚が取れなくなった」と地球環境を嘆くくせに、ディナーで魚を食べる矛盾。しかしそれも、腐敗した連邦高官のせい。

市街地の上でも容赦なく射撃した軍も軍だが、そもそも市街地を盾にしたのはマフティーだ。

どちらが正しいとか間違っているなんてこと、富野さんが書くわけない。両陣営にそれぞれガンダムがいることが、その証左か。

終盤のモビルスーツ戦は、パイロット目線での戦いが熱い。ワケワカランが、訳もなく面白かった。

ストーリーに関しては、まだ序盤なので、3作観てから語りたいと思います。

余談ですが、私は今、30代中盤なのですが、映画館の客層の中ではまだまだ「坊や」でした(笑) オッサン8割、女性1割、子供1割(笑) もうちょい、ガンダムも裾野を広げていかないとな~と思いました。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

65.5 17 パイロットで仲間なアニメランキング17位
アイドルマスター SideM(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (112)
447人が棚に入れました
できたばかりの小さな芸能事務所「315プロダクション」。
そこにスカウトされて集まってきた男性アイドルたち。
元・弁護士、元・外科医、元・パイロット――
様々な前職を持ち、それぞれの想いを胸にアイドルに転職した彼らが、トップアイドルを目指し、夢に向かって紡ぐ新たな物語。

理由あって、アイドル!

声優・キャラクター
仲村宗悟、内田雄馬、八代拓、梅原裕一郎、堀江瞬、高塚智人、伊東健人、榎木淳弥、中島ヨシキ、千葉翔也、白井悠介、永塚拓馬、渡辺紘、山谷祥生、菊池勇成、寺島拓篤、神原大地、松岡禎丞、河西健吾、立木文彦、野上翔
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

本来のターゲット層から外れた、男性視聴者目線を意識してレビューします♪

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
アイドルアニメの王道「THE IDOLM@STER」の冠がついているだけに、女性向けアニメとしては作画もよく、「アイドルもの」としてのポイントもよく押さえていました。

個人的には、男性視聴者も楽しめる作品になっていると思います。

確かに(男にとっての)萌えは皆無。でも、少年漫画だって基本的には萌えはないしね(特に昔は、硬派な漫画が多かったし)。変にホモホモさせなければ、友情とか成長とかサクセスストーリーは、男だって大好きなわけですし。

これまで(2017秋までに)視聴した男性アイドルものの中で、「男性視聴者(オッサン)にも勧められるか」という観点なら、1位かなと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
レビュタイにめある通り、あえて「男性目線」でレビューを書きたいと思う。

作画は、やはりTHE IDOLM@STER。女性向けの中では良い。前職を背負ったアイドル、しかも二十代後半という設定は、男性視聴者にも受け入れられやすいと思う。

やはり男は、「仕事の出来ない男は認めない」し、「バカで能天気なイケメン」は嫌いなわけですが、この設定ならワリとすんなり入れると思う。

皆、新人アイドルのわりに、わりと意見も言うし、自己決定もする。こだわりも強い。やはり、ある程度人生経験を踏んでいる「大人」が多いし、ほとんどが「社会人」として生きてきたからかな。基本、自己決定が出来ない男はダメだし、女々しい男、上の言うこと唯々諾々と聞いてる男は、男にもモテないしね。

あと、わりとちょくちょく酒を飲むシーンがあるのも良かった(合宿回のビールとか家飲みとか)。私がのんべいだからかもしれないが、男同士の仲の良さは、一緒に酒を飲んだ回数に比例すると思う。そういう、ノミニケーションの良い雰囲気が、所々にしっかり出ていた(流石にこれは本家THE IDOLM@STERでは出来ないw)。

また、事務局的にはJupiterがTOPで、アイドルとしてもダントツ先輩なんだけど、年齢的には結構若いから、新人だけど年上のメンバーに敬語を使うなど、敬意を払っているのは好印象。やはり、男社会は縦社会だから、礼儀は大切。

ただ、仕事を辞めた理由として、納得できない人も多くいた。

例えば「S.E.M」が高校教師を辞めた理由は、「教師の言うことを聞いていない高校生が、アイドルの言葉は受け入れたから、アイドルになって高校生に言葉を届けたい」だった。それは流石に高校生や高校教師をバカにし過ぎじゃない? 私は、自分のことなんか知らないアイドルの言葉より、いつも近くにいてくれた担任とか顧問の言葉の方がずっと心に残ってるけど。それって少数派なのかな? もしアイドルの言葉の方が心に響くなら、アイドルと高校教師の差ではなくて、単に、自身の教師としての力量の無さが原因なんだから、一教師として頑張った方が印象良かった。同じような境遇でも、「教師としても優秀で、勤務校の生徒には慕われていたが、もっとたくさん、全国の高校生に声を届けたい、教育したいから、アイドルになった」の方が納得できた(S.E.Mの空気感自体は好きでした。むしろ、出てるアイドルの中でもトップレベル。仕事を辞めた理由だけが腑に落ちなかったということ)。

それから、「W」の蒼井悠介は膝の怪我でプロサッカー選手を辞めたけど、それでアイドルになってダンスするの? ましてや、弟の享介は、いくらそのケガに負い目があるからって、辞めて良かったの、サッカー。その程度の思いでやってたの? と、思われかねない。そもそも、1度は大丈夫だという診断がくだる程度の怪我であり、入院中に多少とはいはえサッカーできるなら、多分復帰できるよ。2~3年我慢すれば。大体、18歳で試合に出られるなんて、プロでもトップレベル。確実に日本代表を目指せるよ。だから、チームも待つって。やはり、サッカー→ケガ→アイドルは無理がある。まだ、野球選手で肩肘壊したなら分かるけど。やっぱり、サッカーの方がモテるのかな(苦笑)?

他の人もそうだけど、元々の仕事でなんらかのトラブルがあってアイドルを目指すのは、やはり、「逃げた」という印象が強く、男から見て、イマイチ魅力がない。だったら、BeitやHigh×Jokerのように、商店街を盛り上げたい、バンドの延長線上、の方が真っ直ぐで応援できた。トラウマでパイロットを辞めた柏木翼は、ギリギリ同情できたけど。

「自分にはどうしようもない理由(例えば倒産)」「元々アイドルが夢にあり、仕事も好きだけど諦めきれなかった」とかの方が良かったかな。

なんなら、もっと普通に、「一攫千金」「女にモテたい」の方がリアリティがあり、男的には応援できたかも(そういう点では桜庭薫とか野心的で好きだった)。尤も、女性視聴者は敬遠するかもだけどw

色々なグループ、メンバーがいる中で、一番印象に残ったのは、「High×Joker」の「冬美 旬」。キャラデザ的にも「普通」っぽくて、うまく差別化出来ていたし、元ピアニストとしてのプライドと新たな目標であるバンドとの間で揺らめく、不安定な感情がよく表現できていたと思う。事故によりピアノは諦めざるえなかったが、だからといってピアノを嫌いにならず、いつまでも未練がましいのも良かったと思う。人間、そんなに簡単には割りきれず、大人にもなれず、もがきながら進むもんです。

そんな彼が、10話で、自分と対立していた(わけではないけど、あまりにも自分と違いすぎて、受け入れることが出来なかった)四季をキッチリ認めて、メンバー紹介したクダリは感動的で、スゲェ良かったです。

最終話は、同期の「TSUKIPRO THE ANIMATION」と同様に、合同ライブをがっつり魅せる構成。流石にTHE IDOLM@STERだけあって、しっかり表現できてたけど、もうちょい踊らせてほしかったかな。

ちなみに、今期(2017秋)は、雨後の竹の子のごとく、女性向けアニメが乱立してましたが、その中でも全体的な完成度は一番だったかなと。ただ、「各グループのキャラ立ち」という点では、「TSUKIPRO THE ANIMATION」に軍配が上がるかな。まあ、向こうは4グループ、こちらは6グループという違いはあるけれど、それ以上に、この「みんなでワチャワチャ感」が、「THE IDOLM@STER」の個性なのかなと、思ったり。


[まとめ]
○前職があるアイドルという設定
○ノミニケーションの良さ
○年功序列を意識した、礼儀正しさ
△前職を辞めた理由に納得できないキャラがいる
○冬美旬というキャラの良さ
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
0話目
Jupiterの話。この辺は、前作を観ていないと難しいかも。まあ、それが現実。つか、他の事務所やなんかから妨害がないだけ、全然マシだよね。春香、ゲスト出演(笑) ファンサービス。これ、シリーズ続けていって、春香と冬馬のスキャンダルとかやったら、どうなるんだろう? 両者のファンによる暴動かな(笑)? 個人的には応援するけどw まあ、それやったら、とりあえず伝説にはなるな(笑)

1話目
作画は、やはりTHE IDOLM@STER。女性向きの中では良い方かな? 前職を背負ったアイドル、しかも二十代後半という設定は、男性視聴者にも受け入れられやすいと思う。ん? プロデューサーって、男? ゲームでもそうなん? 女の方が(ターゲット的に)良いと思うんだけど、男と違って、嫉妬するのかな?

2話目
素人が集まって準備して事故起こしたらどうするんだと。力仕事とモギリくらいにしとけよ。ただ、ライブの準備で新人同士が仲良くなるのは良い演出だと思う。ED良いね。キャラが分かる。

3話目
ぶっちゃけ歌なんて、CD音源ならどうとでもなる。いじりたい放題だし。問題はライブだよね。口パクさせないなら、頑張らないと。いや、呑みに行けよ(苦笑) パイロットで失敗って、今、生きてるんだから、大失敗ではないと思うよ。ライブの合いの手、なぜ男の声(苦笑) 女性の声の音源(黄色い声援)支えやw ないのか(笑)? DRAMATIC STARS編は終了?

4話目
Beit編? 某国の王子って、どんな設定w 商店街VSショッピングモールは、そのまんま、息子VS父親の構造なんだね。

5話目
S.E.M編。先生辞めた理由がすごいな(汗) 私は普通に、アイドルの言葉より、先生の言葉に感動してましたよ? それって、少数派なのかな?

6話目
盲腸って、切らない方が良いらしいね、今は。古いタイプのサッカーボール(笑) 新しいグループ? 安静にしろw 検査結果が出る前にあんだけ動ければ、復帰できるよ。怪我でプロサッカー選手引退→アイドルになる→ダンス踊る。ファン、納得するか?

7話目
High×Joker編。学生バンドだけど、皆がガチの仲良しってわけじゃないのは、なんか新しい。意外と溝がある。ピアノとバイオリンの回送シーンは、なんか素敵だった。

8話目
合宿回は鉄板だが、当たり前だが、萌えないw チーム編制、ゲームっぽい(笑) あれ? お風呂シーン、ないの(笑)? 合宿回でビール呑みながら、は、男性アイドルアニメらしさだね。いや、プロサッカー選手、テーピング下手なわけないじゃん。スポーツのプロ、なめんなよ(怒)

9話目
ガンガンファンに手を出すことを公言する、ジゴロ系アイドルはダメなのかな(笑)? Jupiterの前職は、Jupiter(スパーアイドル)なんですね。巣鴨を須鴨にしなければならない理由は? あれに許可とかあんの? 後輩だけど年上ってのは、良いね。

10話目
我が校に在学中の生徒に、出演料払ってライブさせるって、問題あるのかな?ないのかな? まあ、機材とか良いの使えるのかな? 学校側の設備だけなら、普通に生徒として出れば(笑)?

11話目
金のため、ってのはイイね! 芸能界には悔しくないけど、断る仕事をこんなに詳しく説明するもんなのかな? 誠意だね。

12話目
大人だな~、良くも悪くも。これ、10代のアイドルアニメならなかなか出来ない展開だよね、闇営業受けるのもそうだし、それを止めないのもそうだし。ぶっ倒れるのは規定路線とだよね。なんて素敵なペナルティ(笑) バックグラウンドの多様さが、このアニメのオリジナリティだね。

13話目
トリはJupiterの方が良いとは思うけど。少し止め絵は多かったかな。カメラはグルグル回って良かったけど、合同ソングだけは、ツキプロが良かった印象。一人一人を書き分けていたからね、ツキプロは。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

13話まで視聴完了しました。1クールでは足りないでしょ・・・。

アニマス視聴済。アニデレ視聴済。シン劇は円盤レンタル待ち。
原作ゲームは未プレイ。
エムステ(略称何とかならないの?)は序盤でヤメ。

アニメ放送とエムステ配信のタイミングが
あまりにも微妙すぎて・・・。絶妙ではなく微妙です。
まずはこれが感想1つ目です。

タイトルにも書きましたように、
1クールでは色々不足すぎる構成だったかと思います。
「理由あってアイドル」というキャッチフレーズなのに
その理由が意外と描写されて無いな~と。
リアル同僚と話してみて
「ツッコミ過ぎるとシリアスになりすぎるからでは?」
というコメントをもらいましたが、
確かにそれもあると思います。
が・・・やはりもう少しキャラを掘り下げて欲しかった。
これが感想2つ目です。

総じて・・・
悪くはない出来なのですが、
これと言って突き抜けてる点も無い。
繰り返し視聴したいと思えた回も多くは無いですね。
(観たいと思えるのはプロローグとSEM回位でしょうかね)

他に感じたことは採点と一緒に書き込みます。

採点-----

●物語・キャラ●
{netabare}
上にも書きましたが・・・
あくまでキャラ紹介、というかユニット紹介という側面が強い。
それぞれにキャラ設定や背景があるとは思いますが、
その辺はかなり薄目な描写だったかと。
主人公格の1人であろう輝にしてみても
実質メインと言えたのは第1話くらい?
もう1クールあれば(あるのか知らない)、
もう少し触れられるかな?と思えますが。


むしろJupiterの扱いのが目立っていたと感じましたが・・・
個人的には961proを出た後の彼らは気になってましたので
プロローグ含めて良かったとは思います。


終盤に一山作る為にとは思いますが、
薫先生周辺にトラブルを描いてましたが・・・
個人的にはこれは無いシナリオかなと感じました。
未希や未央、千早、卯月、春香みたいな
結構切迫した雰囲気にしたかった?とも思いますが
仮にも26歳でお医者様で、この展開は無いでしょう。
別にアイドルになった理由を責める気はありません。


逆に好印象だったのは元教師ユニット「S.E.M」の3人。
教職を離れて、あえて生徒を応援する立場になってみる。
そんな決断、そうそうできるものでもないですし。
(どういう経緯で315所属になったのかは気になります)
年齢を言い訳にせずに、真摯にアイドルに取り組む姿は
心に来るものがありました。

石川P、有能でした。
「W」の回での救急車シーンは
奈落落ちを連想させられて冷や冷やしましたが・・・。


ライブシーン含めて最終話全般が
アニマス・アニデレをそれぞれ意識した
そんな作りだったように感じましたが・・・
バランスとか難しいですね。
全体曲・ユニット曲満遍なく描けてましたが、
逆に言えばインパクトに欠けている、そんな感じ。

OPのカットを意図的に用いたのはアニマスから。
ユニットのライブシーンをカットしなかったのは、
アニデレからの反省点を生かした結果かな。
{/netabare}

●声優●
{netabare}
男性声優の方々には申し訳ないですが
あまり造詣が深く無く・・・。
「あ、聴いたことある声だ」→EDで確認する
そんな流れで視聴させて頂きました。
{/netabare}

●作画●
{netabare}
1クール(?)であったおかげか
作画面で大きな粗も感じませんでした。
この点は評価したいと思います(比較:アニマス、アニデレ)
{/netabare}

●音楽●
{netabare}
ユニット曲については語れるほど聴いていないです。

OP曲である「Reason!!」が良かった。
普段あまり男性ボーカル楽曲を聴かないのですが、
これは初めての時点でフルコーラス聴いてみたいと思えました。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

瀬名 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

食わず嫌いだった

何だか近頃アイドル系に人気があるのは知っており、何が魅力なのかさっぱりわからんと偏見にまみれ、敬遠しがちだった私を変えた作品(土下座)。

食わず嫌いも何だし、試しになんか1話くらい観てみようかなと思ったときに目についたのがこの作品だったので、視聴理由は単純でした。

1話というよりは本編の前日譚でしたが、そのメイン曲がすごくいい曲で、とても驚きました。完成度高いなぁと。
そして、2話の本編のOP曲の良さにまた惚れました。
何これ、なんかテンション上がる、これがアイドルものの良さなのか…!
と、一人納得したのを覚えてますww

サイドMは、前日譚の3人(Jupiter)以外はほとんどが元社会人です。
そんな人たちが、色々な思いを胸にアイドルを目指すというもの。

物語は、別段素晴らしいというものではなく…まぁ普通でした。
ですが、5話のS.E.Mの話と曲が大好きです。

好みがあるので、どのグループも、どの曲もドンピシャとなることはないでしょう。
2、3曲(グループ)好きだと思う曲があれば全然良い方ではないかと。

私はJupiterの曲と、OP曲、S.E.Mの曲が気に入りました。
S.E.Mの曲は、振り付けも曲もダサかっこいい感じ。
先生たちの考え方や生徒へのメッセージ性がいいなと思います。

全体的な完成度はあまり良くないかなと思ったけれど、アイドルの作品だし、曲があってこそかなと。
これで曲があまり良くなかったら、きっと今も「アイドルもの?何それ」状態だったと思います。

まぁ、いち社会人がアイドルになろう!と割と簡単に離職していたりするので、非現実感は否めませんが…w
もちろん悩みに悩んで…という人もいますが。
ゲーム原作の作品なので、物語の未熟さは多少仕方がないのかな。

私のような偏見持ちはそんなにいないかと思いますが、もし食わず嫌いなのであればちょっとだけでも観てみると感じ方が変わるかもしれません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

62.2 18 パイロットで仲間なアニメランキング18位
ゲッターロボ アーク(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (56)
143人が棚に入れました
沸騰せよ!熱き魂。
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

パンドラの箱を開いて【暫定感想+ニコ生スタッフコメント文字起こし】

2021年7月放送開始のTVアニメ。1クール予定。
原作は石川賢先生の漫画作品「ゲッターロボ アーク」。
掲載誌 休刊により未完となったゲッターロボサーガの最終章です。
原作未読でアニメ終わってから読みたいんですけど我慢できるかわからない(笑)

【ゲッターロボ作品群について】
簡単にまとめてみます。
{netabare}70年代TVアニメ版と漫画版はメディアミックス前提で展開されており、どちらがどちらの原作というわけではありませんのでご注意を。

・アニメ作品
1974年TVアニメ「ゲッターロボ」…永井豪・石川賢が共同で設定を作り、設定のみ共通の漫画版を同時展開した。
1975年TVアニメ「ゲッターロボG」…TVアニメ「ゲッターロボ」の続編。
1991年TVアニメ「ゲッターロボ號」…上記2作品とは違う世界観で別作品。物語も他の作品とは繋がらない。
1998年OVA「真(チェンジ!!)ゲッターロボ世界最後の日」…石川賢の漫画版を基にした作品。物語は他の作品とは繋がらない。
2000年OVA「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」…石川賢の漫画版を基にした作品。物語は他の作品とは繋がらない。
2004年OVA「新ゲッターロボ」…石川賢の漫画版を基にした作品。物語は他の作品とは繋がらない。
その他70年代に「東映まんがまつり」で上映されたアニメ映画が3作あります。

・漫画作品…執筆は石川賢。通称「ゲッターロボサーガ」。物語は全て繋がっています。
1974年漫画「ゲッターロボ」
1975年漫画「ゲッターロボG」
1991年漫画「ゲッターロボ號」
1997年漫画「真ゲッターロボ」
2001年漫画「ゲッターロボアーク」…2003年に掲載誌休刊にて第一部完。2006年に石川賢が逝去し未完となりました。
(その他石川賢先生以外の漫画家が執筆したオマージュ作品が4作あります。)

今作「ゲッターロボアーク」は石川先生の漫画版を原作にしており、他のアニメとの繋がりはありません。アーク以前の物語を知りたければ漫画版を読む必要があります。
未完の最終章のみを物語の流れはそのままアニメ化という非常に挑戦的(無謀とも言えますが)な作品なんですね…。
もっとも、完全な原作準拠ではなく、キャラクター背景などをかなり膨らませているようです。原作は3巻しかなく1クールだと尺が余ってしまうため、新規視聴者にも出来る限りわかりやすく、キャラクターに愛着を持ってもらえるようにという考えだと思われます。(2021.7.24)
{/netabare}

【各話感想】
{netabare}
第1話「天の鬼」
{netabare}
アニメ初回見た印象からは懐古主義ではなさそうだけど、ご新規さんお断りではあるかも知れない(苦笑)
アニメとしての方向性がわかる監督インタビュー等がいくつか上がっていますので、興味がある方はご参考にどうぞ。
インタビューからの根拠のない憶測ですが、これらを読むとご自分の年齢を考えて作れるなら早い方がいいと考えて企画出し続けていたのかなあ?っていう気がします。川越監督のダイナミック作品のTVシリーズは「鋼鉄神ジーグ」が最後で、それからの14年、古風なロボットものでTVシリーズとなると企画がなかなか通らなくなっていそうですからね…。


物語は安定した滑り出しだと思う。初見さんお断りって感想多いけど、ロボアニメオタなら想像で補えるくらいの王道な展開かと思う。

ちょっと辛いことを言うとやっぱり作画かなあ。初回で不安定だと後が続くかが心配。全話納品済みなら良いのだけど。まあ私はこういう作画も好きなので全くOKですが。
拓馬と獏が憎めない表情が多くて和んだ。コンビニのシーン好きだなあ。生活や食事の様子が描かれるのは良いアニメ。
獏…3パイロットが癒しなのは伝統…?
コンビニのシーンはオリジナルだそうなので、改変もそれなりに入るのだろうなあ。獏のD2セキュリティ解除はアニメオリジナル?原作から?それによって評価が変わる。もしも新要素なら早川さんらしい味付けだ。目立ちにくい三人目をいかに活躍させるかで完成度は大きく変わるだろうから。

ロボットの見せ方が上手でよかった。D2が起き上がるシーンで「ガンダム大地に立つ」を連想したんだけど、ガラの悪い起き上がり方がらしくて違う燃えがある。小脇に抱えていたD2をアークが放り投げるのも凄く好き。
もっと精密で綺麗なCGは他にいくらでもあるけど、重量感や荒々しさを押し出して、かつカメラワークが決まっているので何が起こっているかわかりやすかった。ずっと手描きアニメをやってきた監督の演出だから。CGはダメージ表現が常に課題だけどそれはアークに限らない。
他の作品の話で恐縮だけど、3DCGって早くグルグル動かせるからカメラワーク疎かになって見にくくなることがあるんだよね…。アークはそうならないで欲しかったので、まずは一安心です。今後は重量感の表現にもさらに期待したい。

声優さんについて。寡聞にして知らない声優さんがメインにいらっしゃって、どうなるか楽しみ。
中の人が経験豊富な拓馬は勿論、渋めだけど若さと茶目っ気のある演技の獏、抑揚抑えめでミステリアスかつ戦士然としたカムイと、三人の演技・声質のバランスがとてもしっくり来た。三人が揃って会話するのがとても楽しみです(*´∀`)
なんかこの三人、一年くらいずっと聞いていたい…皆どんどん上手くなりそうでな…。だって皆感情表現が的確なんだもん。

個人的に、OP、EDは好きだけど劇伴はあまり好きじゃない。
新ゲ好きとしてはED感激でした!こんなに嬉しいってことは、自覚してなかったけどPVがなかったの地味にショックだったんだな…。3作目の曲をトップバッターにしてくれたことに感謝しかない。
(2021.7.11){/netabare}


第2話「運命の子ら」
{netabare}アバン、アークの機動力良いなあ…から始まり、スムーズに状況説明しつつ隼人の回想に入るのが上手い。カムイ、隼人から二人を丁重に迎えろって言われたのに殴り合いになるの笑ってしまった。やっぱりカムイにとって異種族であることはコンプレックスなんだな。隼人には素直なのは上官だからってだけじゃなさそうだな、と思っていたら隼人は育ての父という設定がある。
敷島博士に呆れたカムイをちらりと見る獏、拓馬がゲッターロボに乗ることを承諾したとき各キャラが見せる表情など、細かな所作でキャラクターを大切にしてるのを実感する。
世界の現状、ゲッター、ゲッターロボの説明の間に人間関係とキャラの背景を緩急つけて入れ込んでいくのも好き。国連とかの組織が出てくると早川さんって感じするわ…わりと使い古されてる手法ではあるのだけど、説明的にならないよう工夫しているのが良い。実機での訓練だけでなく座学が入るので、シーン転換も画的な動きも単調にならないの良いなあ。少しずつキャラクター性とチームの距離感を見せてくれるのも気持ちが良い。

D2部隊とのケンカシーンはほのぼのですかね…?これ、全員が遊びと心得てるのが良い(笑)。要はいちゃもん付けた時点で遊ぼうよ!ってことでしょ?(ホントかよ)
反面、全員が全力で生き続けるのはいつ死ぬ覚悟も出来ているのだと感じる。女性の隊員もいるのは少し驚いたけど戦士である以上、いざとなっても手心を加えてはくれないんでしょうね( ノД`)…ケンカの時点で男女平等だし。
隊員や所員のキャラクター名は担当声優さんのお名前から。これは見ていて楽しいし、声優さんたちにとっても良い記念だなあ。

拓馬と獏の戦う理由を描くのも良い。肉体と精神の強さ、運命や血筋に加えて本人の意思をきちんと描くのが川越作品らしい。戦うことに迷うのはゲッターらしくないけど、かといって本人たちに理由がないと現代の視聴者には違和感が生まれるだろうと思う。私自身が主人公が戦う理由にはこだわる方だからかも知れないけど。
勿論世界観に合っていれば理由が無くても良いし、ゲッターの世界はそれでも違和感ない。それでもこうしたのは、「感情のぶつかり合いで物語を転がす(川越監督のインタビューより)」という作品の方向性も影響しているかも。

一度目はさらりと見て、何が良いのか言葉にならないうちに30分経ってた感じ。二度目で良くできているからこそ良い意味で引っ掛からずにさらりと見られたんだなと。1話はロボットとバトルと過酷な世界を最大風速でがっつりやって、2話は設定やキャラの背景を描いて足場を固める。この手法は今では王道だよなあと。そういうのが好きな人ならご新規さんでも入ってこれるんじゃないかな。ホントここのスタッフは上手なんだよ。(2021.7.17){/netabare}


第3話「アーク始動」
{netabare}アバンで拓馬が母を亡くした経緯と獏との出会いが描かれる。「今逃げることは恥じゃない」という言葉がゲッター乗りの隠語と繋がってくるのが上手い。
この隠語や血液検査、託されるヘルメット、合体時にD2部隊にフォローされるなど、段々と早乙女研究所の一員として受け入れられていく描写が短い尺でしっかり入ってくる。
「ハジをかくなよ」=死ぬなということ。ハジとは何も残せずに死ぬこと。
第一話での「ここで死なせてやった方が幸せだ」というのはいかにも過酷な世界だけど、星一尉達は敵のデータを残しアークを守り切った。
隼人とカムイは親子らしいところをあまり出さないんだけど、それでもカムイは隼人の気持ちを代弁できる。感情表現が乏しいが気性が激しく怒らせると怖いという共通点は二号機パイロットの個性とも言えるけど、この二人に関しては養父子だからこそ似ているとも感じられて興味深い。戦友の息子に対して隼人が珍しく優しい態度を取るのに対して、拓馬は父に対して多少含むところもあるのかなと感じるけどどうだろう。
隼人が拓馬とカムイを繋げもし、カムイが隼人と拓馬を繋げもする。きちんと人間関係が作られていくのが気持ち良い。カムイと獏の関係性構築にも今後期待したい。
D2部隊は仲間がやられても正規兵らしい冷静さを見せてくれて格好良いなあと。前回の引きから全滅の可能性もあると思っていたので3人の生存は嬉しい所。とはいえキャラクターをただ無駄死にさせるスタッフでもないのだけれども。
今回の引きはマクドナルドの登場と拓馬の因縁の明確化で、今回のアバンから繋がる構成がやっぱり上手いと思わせる。

3人の絆を描く物語、血筋や組織の継承の物語、運命や因縁との決着の物語。序盤から描くべきものがブレない良い作品。私は1クールアニメは3話まで見て継続を決めるのだけど(本作の視聴断念は最初からあり得ないんですけどね)、もし何も知らずに見ていたとしてもきっと継続を選択したと思う。
(2021.7.21){/netabare}


第4話「美しい夜に」
{netabare}絵コンテが川越監督。以前からこういう回は自分でやる人ですからね。ロボアニメとしてはインターバルだけど、作品としては土台をなす部分だと思う。過去話で設定見せつつ、ゲッターへの危機感を煽る。特にご新規さんに対しての大きな布石。
ここのスタッフは幕間にも重要な要素を仕込んでくる。熱量だけではない作品を作ってくれるのが良い。

今回はすごくきな臭い上に謎が謎を呼ぶ内容で、3話までは足場を固めていたんだなと感じる。
敵の本陣の描写から、ゲッターを恐れていること、「あの場にはゲッターが満ちている」という言葉からそれだけでも危機感を募らせていることがわかる。19年前(?)の回想でもゲッター線の危険性はがっつりやっているし。
ゲッタードラゴンを増幅器にして真ゲッターロボのゲッターエネルギーを満タンにしようとしている所へ蟲が襲来し真ゲッターが出撃。基地に残っていた弁慶はゲッタードラゴンで敵をせん滅しようとするもドラゴンの暴走で危うい状態に。
カムイは19年前と言っているけど時系列が謎。真ゲッター起動と蟲初接触がこの時なら、2話冒頭の回想は何年前なんだろう。それにこの二つの出来事の間に隼人は大怪我してゲッターロボに乗れなくなっているはず。
ここまで司令官としての顔を見せてきた隼人の研究者としての側面。尊敬の念と、自身の現状への焦り。いまだに到達できない早乙女博士の領域。師弟関係と言えば良いのか、味わいのあるシーンだと思う。
カムイの幼少期の回想、カムイは差別などされていたわけではなかったけど特別な存在故に隼人と共に行くことを選ぶ。爬虫人類の子供達と母親達のデザインが良い。誰が誰の親かきちんとわかるし、子供が可愛いなあ。
D2部隊のリーダー格・笠原隊員が巣食っていた蟲によって命を落とす。食い破られた背中から背骨と肋骨が…。好きなキャラクターだったのでちょっと凹んだ…。前回殉職した細目の隊員が鍛冶本隊員で、女性が水島隊員。あとの二人の名前が知りたいなあ。うち一人は既に殉職しているけれども。
まだ情報不足なので謎については整理だけに留める。
次回の先行カットからキリクの活躍がありそうなので楽しみ。隼人とおそらく翔の写真が気になる。敵が女王蟲ということで女性キャラが増えますね(笑)。(2021.7.31){/netabare}


第5話「申し子」
{netabare}今回は好きな所と気になる所が色々あって、引っ掛かってる所が監督が言っていた「仕掛け」なのかそうでないのか?19年前であることは確定したけれど、原作との時間軸は違ってきてしまってる。
ゲッターと弁慶と早乙女博士のシーンでぞわっとする。隼人がゲッターは希望だと言ったシーン、自分にもそう信じさせようとしてるみたいで不穏…。

キャラ描写は全体的に好き。チームの物語として段々気心の知れたやり取りが増えてきてるのが良い。敷島博士は癒し。隼人の描写は賛否ありそうかな?
隼人、継承の物語として考えると早乙女博士から受け継いで次世代に託す役であることをかなり明確にしてある。アニメアーク見るまでは色々背負いすぎて荒んでるイメージあったけど、希望を見いだそうともがいてる、あるいは拓馬達に希望を見いだした、って印象に。それをはっきり態度や言葉に出すのは少し意外ではある。人としての情は常に隠して、ごくたまに人間味を見せるような人物像をイメージしていたので。

拓馬、父親に対して複雑な感情もあると思うんだけどやっぱり親しみも感じているんだろうな。父と同じ境遇と環境に身を置いて感覚的に理解してきた印象でそれは良いことだと思う。
ただ「俺はゲッターの申し子だ」の言葉はきな臭いというか…それが良いか悪いかは何とも言えない。

早乙女博士を見ていて作品によってこれだけ色んなアレンジされるキャラクターもそうはいないと思う。
チェンゲは悪役ムーブの裏で実はインヴェーダー殲滅のために動いて、アークは優しそうに見えても実はゲッター線に呑まれてて、新ゲは狂気じみてるけどその本質は情と理性…っていう。
キャラの二面性を演出するときのお手本みたいな人物像な上に、絶妙に仕上げてくれるのでとても美味しい。私は新ゲの博士が好き。
メカバトルも良かった。口が開くロボットとしては珠玉の魅せ方。やっぱり変形はCGでは難題なのだなと感じて少し残念ではある。
ラストシーンでのアークのガラの悪い座り方はすごく好き!(笑)1話の「D2大地に立つ」みたいなシーンもガラ悪くて大好き。CGで無機質になりかねないロボットに上手くキャラ付けしてて楽しい。

早乙女研究所はドクターが銃火器扱える所からしても戦闘訓練受けてないと採用試験で書類審査すら通らなさそう…そして入社してからも定期的に訓練させられそう…。
ドクターは何故名前が無いのかな?勝手にドクター小林って呼んでも良いかな~声優さんの名前から取って。
研究所はほぼ壊滅と考えて良さそう。D2部隊は生き残っているんだろうか…。

EDはあまり好きじゃない。須藤さんの編曲は楽器演奏だと大好きなんだけど、打ち込みだと昔からあまり惹かれなかったのでまあ当然といえばそう。DORAGON2021のアレンジは好きだったんだけど。

4話見たときはここからついていけるかなって思ってたけど、5話で謎は残るものの一旦必要な情報は出しきって次回から新展開。新ゲ同様、話数の使い方と話の広げ方が段階的かつ明確で良い意味で古風。私は中途半端に知ってるので混乱するかもしれないと思ってたけど今の所大丈夫っぽい。

原作付きアニメは新規ファンに原作を手に取ってもらうことが一つの命題であることは確か。原作を大切にはしないといけないけど、原作再現だけでそれが上手く行くかというとそんなことは無いと常々思ってる。
アニメアーク、この点では概ね上手く行ってるように見えるかな。原作読みたいけどKindleに無いとか、既に読んで全然違ったって感想ちょくちょく見かけるので。私の観測範囲に限っての話ではあるけど。(2021.8.8) {/netabare}


第6話「竜の末裔」
{netabare}アンドロメダ流国が地球への総攻撃を宣言。マクドナルドは百鬼帝国の生き残りで復讐のために流国に協力している。
早乙女研究所は復旧まで時間がかかるため連合軍の橘翔が来てドラゴンを守る戦力を補強する。カムイに対して「10年の成果を見せてもらう」とは?
海上の不穏なストーカを連合艦隊が抑え、その間にアークチームは海底の恐竜帝国へ。海上の連合軍は壊滅。早乙女研究所に膨大な数の蟲が現れD2一機とステルバーが防衛するが危機的状況。時空を超えて黒い真ゲッターロボが現れる。ドラゴンが様々なゲッターに関わるものを引き寄せている?
アークチームは海中で竜のような生き物に先導され恐竜帝国へ。途中の岩肌に潜水艇の残骸がありカムイは「俺たちの墓標だ」と。

翔が美人な上に有能。あと水島隊員と内山隊員が生存してて良かった。メガネの追加人員さん喋らなかったのでお名前がわからん。
3人が仲良しで良かった。カーンの変形がまた独特で可愛い。どうやったら車輪に収まるの…?案内に来たメカザウルスも可愛い。
黒い真ゲッターロボのストナーサンシャイン、ポージングとかカット割りがチェンゲのセルフオマージュっぽい?そもそもチェンゲの演出からして原作のオマージュなのか。最初はびっくりしたけど、2回目見直すとすんなり話が頭に入ってくるからやっぱり構成が上手い。

原作既読者でさえ展開が読めなくなっていて、OVAのみ視聴した私も結構驚くことが多い。川越監督、批判も覚悟でサーガとOVAを総括した作品にしようとしてる印象があるな…。アーク本筋と説明パートと過去回想として前シリーズも映像化することで新規の人にもわかるように情報を撒いている。だけでなく誰も知らないアークが加わっているようなので、初めての人の方がわかりやすいだろうなこれ。
原作そのままだと尺などの問題で上手くいかないからこういったやり方なんだろうけど、原作付き作品のアニメ化としてはかなりのイレギュラー。川越監督は基本的に原作リスペクトしつつ自分のやりたいことを上手く入れ込んでいくタイプだと思っていたんだけど、脚本の早川正さんがクレバーな人でSKLや009VSデビルマンでは相当思い切ったやり方をしていた。今作はさらにえらいことになってる気がする…。(2021.8.10){/netabare}


第7話「ゲッター同盟軍」
{netabare}真ゲッターロボは隼人を残して飛び去った直後、北極圏で核ミサイルを吸収しシュワルツと翔を助け、あらゆる敵(おそらくメカザウルス?)をさらに吸収しエネルギー体となり火星へ到達していた。
恐竜帝国へ辿り着き帝王に謁見するアークチーム。アンドロメダ流国に対して共同戦線を張ることになる人間と恐竜帝国。反発する拓馬と獏。カムイの事情を察する二人。隼人は恐竜帝国にも秘密裏に「ジュラ・デッド」作戦をアークチームに明かす。
地上ではストーカからの猛攻収まらず、国連軍が苦戦。黒い真ゲッターロボが全てのストーカを抑え続ける。パイロットが一文字號であることを確信する翔と隼人。アンドロメダ流国の孔明に対して號の言葉、「繋がっているんだ、全ては」
ゲッター線の影響を軽減する人間との混血児の研究があった。ゴール三世は母の存在と将来を確約することでカムイを利用しようとしているっぽい。恐竜帝国はかなり階級差がある社会らしい?
拓馬と獏は国連軍から派遣されたロン・シュバイツァ博士と出会い、協力者ハン博士の元へ。ゴール三世の動向を気にするハン博士。
案内役(名前はカンパニアかな?)はカムイを3人の若者の所へ案内する。3人はカムイとは旧知の仲。

爬虫人類蒸し暑い環境だけど人間の暮らせる部屋や食事も用意できるというのは、休戦協定を結び交流があったことを裏付けていると思う。人間の研究者も滞在してるからなおさら。恐竜帝国の異国情緒がなかなか楽しい。
憤る拓馬をフォローするカムイ、カムイを気遣う拓馬、二人を取り持つ獏が良い。黒い真ゲッターロボのことを3人には黙ってる隼人も冷静。地上のリスクは覚悟のうえで、恐竜帝国との連携を重視し今後に布石を打つことを優先した。
翔が元チームメイトである號をおそらく戦闘スタイルから看破しているのがとても格好良い。
カムイ、恐竜帝国ではかなりシビアな立場。母親が原作より若くデザインされているのは時系列を改変してあるからかな?
拓馬がゲッターの最期を聞きたがらなかったのは父親のことが引っかかったからか。
道案内がいることでどこにも逃げ場がないカムイと、自由に歩き回り真相に近づく拓馬と獏は対比的。

今は展開的に真ゲッターが無双してるけど、アークキリクカーンの戦闘ももっと見たいなあ。
次回の先行カットで、翔が號に会いに行くみたいなんだけどどうなるんだろう…。(2021.8.19)

・追記・
ある感想で「アニメアークはワイドスクリーン・バロックSFしててワクワクする」というのを見かけ、ワイドスクリーン・バロックって何だろ?と思って調べたらWikipediaにこんな説明が。

”オールディスはチャールズ・L・ハーネスの『パラドックス・メン』を評して
「時間と空間を手玉に取り、気の狂ったスズメバチのようにブンブン飛びまわる。機知に富み、深遠であると同時に軽薄
— ブライアン・W・オールディス、『十億年の宴』p.305より 浅倉久志訳」”

この説明だけでも私にはぼんやりとしかわからないんだけど、早川さんの頭の中がどうなってるのかはさらにわからない…。でも何となく的確な表現だなあと思ってメモ。
早川さんは熱い物語を勢いで押し流しても納得できるように、土台作りは設定の段階から相当丁寧にやっている。サイデビの小説なんか読むと特にわかりやすい。小説は地味すぎるくらい。
鋼鉄神が特にキャッチーで入りやすかったのは、他の脚本家と分担していたからかもしれないけど、あちらも少し謎は残ったものの大きな矛盾や設定の乖離は起こっていないので上手な人だ。(2021.8.21)
{/netabare}


第8話「竜の血 人の心」
{netabare}今回は絵コンテが監督。ドラマ性の強いや物語の根幹にかかわる回を担当する。ドラマとバトルのバランスが良い回だったと思う。いやバランスが良いと言うより熱さシビアさきな臭さほのぼの軽妙さと、1話に詰め込みすぎなんですよねきっと…

この世界まだ都市部残ってたんだ!ってかなり意外だった(笑)
インセクターの襲撃が連日に及び、アークチームは連戦を強いられる。「奴らの戦い方は特攻だ、何の目的で仕掛けてきているのか分からなければこちらが負けるかも知れない」という分析、拓馬のクレバーな面。ハン博士がカムイにガンリュー、バイス、オズロを引き会わせたとき、先日既に会っていることを悟らせない4人、なにやらきな臭い。
今回はカーンの変形シーンが見れて嬉しい。カット割りで魅せることに重きを置いた変形だけど、ロボットらしいシーンだしゲッターでは合体変形が醍醐味なので。重量感、パワー、二段変形と短いシーンに色々詰め込んでて楽しい。インセクターも水中で微妙に変形・特攻とか搦め手も使ってくるのが厄介。カムイの迷いからの危機、ゲッターザウルスの戦闘をさらりと描く。これが後のシーンに響いてくる。
地上も黒い真ゲッターロボと號は消耗しながら連戦を続ける。ゲッターに飲み込まれたはずの號が消耗するというのには違和感あるが、つまりゲッターの意思で人格記憶そのまま再現されているという事か。號のやるべきこととは何か。翔もまた隼人と同じく取り残された側なのだなと。
ハン博士とシュバイツァ博士が皇帝に謁見するシーン、地下で文明と科学を発展させてきた様子がうかがえる。実際、アンドロメダ流国では恐竜帝国の科学力の高さと人間のゲッター線が共に牙をむくと厄介と言っている。「地上の人類が同じ脅威にさらされたら生き残れるかどうか」という言葉に笑う皇帝はやはり地上を諦めてはいないのでは?博士たちは亜空間固定装置ノルドの組み立てを開始する。バジリスク将軍という名前がわかったので案内役はカンパニアで確定。
ザウルスチームのキャラ立て、アークチームとの絡み、カムイの器と戦士たちの間での存在感を描いて、人間の話とカムイの真実に持っていく。そして波乱で軽妙な出陣式から敵の襲撃シーンへ。
大量のミミズは苦手だな…芋虫とかも…羽虫とか蜘蛛は割と平気なんだけど…

拓馬の人の良さは父の血と母の教育と獏から受けた優しさに培われたものなんだろうなあ。
少々強引だけど周りの恐竜帝国の民衆に受け入れられた時点で皇帝は堪えるしかない。ゴール三世は頭も良いし利用しているとはいえカムイを生かしている(飴と鞭も使い分けられる)ので無能な為政者ではないのだろうけど、野心が強くて厳しい雰囲気がある。末端の兵士やチリュウ一族(歴史的に奇形種として差別されてきたため、人間との戦争においてゲッター線耐性が比較的強いことから一族のために命懸けで戦っていた)からの信頼がカムイに向いていることから見て、傲慢な面があったり身分差別を解決しようとはしないのだろうなと。結構格差社会に見えるし。

號の登場はある意味ゲッターによる命の冒涜なのでは。ゲッター線は人の魂を飲み込んでいく一方で意思のある一人の人間を再現する。
號が一度取り込まれていながら元の人格のまま(かつ肉体は元のままではなさそう)というのが、切ないというかゲッター線おぞましいというか怒りがこみ上げてくるというか…これで希望って言われると胃が痛くなる…
アニオリとしては凄く際どくない?ゲッター線が原作で號を取り込んでいるからギリゲッター線の所業で納得できはするけど、こういう流れでなければ原作レ○プ案件と感じる人もいるのでは?この際どい改変にどう意味を持たせるのかにかかってくる。本当にかすかにでもゲッターに希望となる何かを提示できなければ見てるこちら側が辛い。
ていうかキャラ大切にしろ過激派の私がツラい。でもアニメアークも監督も脚本家も好き。なにこれ私がツラいだけじゃんズルいわ…( ノД`)…(2021.8.26){/netabare}


第9話「突入‼」
{netabare}ステルバーは仮面の中はモノアイなのかな?CGのロボットアニメは物量戦をしっかり描けるというのが本当に強い。ステルバーは最初は変形機能無しの予定だったけど、CGスタッフが変形できるようにしたものが良かったので採用となったと。
コーメイの話しぶりから高みの見物をしながら地球を滅亡させようとしているのが本気で下衆の所業。ゲッター線が宇宙の平穏を脅かすからゲッター線を開発する人間を襲うこと自体は理解できなくもないんだけど、じゃあなぜ爬虫人類まで滅ぼそうとするのか。結局アンドロメダ流国はそういう手合いで、彼らが敵視するゲッター線は善ではないにせよ悪と断定するのは視聴者目線でもおかしいという描写になってくる。
ゾルドの存在はコーメイに知られ猛攻を受け破壊されかける。敵本陣にアークとザウルスを送ろうとするも暴走し、真ゲッターロボタラクと號の力添えによりゾルドを通りぬける。その先に砂漠の惑星に軍用ヘリ、そして人間が降りてくる。

ゲッターは希望と言いつつ號のことについては個人的にはキツイんだけど、もっと素直に受け取って良いのかもしれないという気持ちになってきている。竜馬が拓馬を残したことを強調しているので子を残す=人の営みが何かを変えてくれたらと。
アニメの裏設定で、拓馬の安全第一のヘルメットは竜馬の唯一の形見。そしてそれは竜馬の戦友巴武蔵の遺品。血筋だけではなく思いの継承も、ヘルメットでかなり強調している。早乙女博士の遺産であり隼人が守りアークチームが乗り込むゲッターアークもそう。

號の「ゲッターは希望だ」「俺たちはまだ本当の答えに辿り着いていない。お前が見極めろ」という言葉の意味。號が拓馬達を助けることがゲッター線による予定調和だとしたら、號に固有の意思があることの矛盾。
正式名称が判明した「真ゲッターロボ タラク」。
タラクは虚空像菩薩の意味の梵字「タラーク」から。慈悲と知恵を司る・今世来世の願いを叶えると聞いて当初ぴんと来なかったけど、號がその本質を生前のまま保っているなら、拓馬達を手助けし未来を託すことが本人の救いにもなるのかなと…それも切ないけど。
この作品、次世代に継承されるものをあらゆる要素あらゆるキャラに可能な限り広げて描写しているのが凄いと思う。だからこそ戦場に送り出すしかできない隼人達バックアップ要員は虚しさを抱えるしかない。
隼人の矛盾は隼人だけではなく仲間や若者を送り出す側全員に共通してる。この作品、どこまでも矛盾という言葉が付き纏う。

アニメアークは配信と放送枠の確保もさることながら公式サイトで必要な情報が得られ、宣伝も良い意味で業務的に(定期的に!関連作関連イベントにコラボグッズも)行い、Twitterでは「#ゲッター線を浴びよう」のようなパワーワードも創作してて、ターゲットにアプローチする努力が狂気的な位ですね。
アニメアークはダイナミックプロやスカパー、バンダイも盛り上げようとしてくれてるのもありがたい。たまにこれは良いのか?と思う時もあるけど(主にスカパーの漫画版画像コラとか)。バンダイの魂ネイションズイベントでのアークの2メートル位の立像も動画で見たけど素晴らしかった。ありがたいことです。(2021.9.3)

・追記・
色んなサイトやTwitterを見ていて、號が舞台装置とかただのファンサービスとか言う人がいるのが納得できないなーと思って。
まず漫画版アークには一文字號と橘翔は登場しませんし、真ゲッターロボタラクもアニメアークオリジナル機体です。
アニメアークが継承の物語と考えれば、竜馬達の世代だけではなく號達の世代からも、拓馬達に想いを受け継がせる意図があることは想像できます。
また敵の主張やゲッター線の在り方の善悪が目まぐるしくひっくり返る構成上、一度はゲッター線に導かれながらも自身の意志を保持して現れた號が「ゲッターは希望だ」と言ったことにも善悪の印象をひっくり返す作用がある。仏の名を機体名に使う本作において、真ゲッターの分身であり虚空蔵菩薩の名を戴くタラクもまた無限の慈悲の象徴。(「煩悩を超越して進化した〝真ゲッターロボ〟から分離した存在と推察される」(公式サイトのタラク説明文より))仏教における「一体分身」の考え方は日本人にとっては身近なものです。
翔と號を再会させたのもゲッター線による隔絶と残された者の矛盾を明確化するためだと思いますし、最終的にゲッター線をいかに描くかでもっと別の意味も加わってくる可能性もあります。
原作未読の私がこんなこと言うのは変なんですけど、それでも川越監督は意味のないキャラを登場させる印象はあまり無いので、前作主人公との邂逅という熱血展開に作品テーマを掘り下げる要素を入れ込む位はしそうなんですよね。
だいぶ納得できる展開になっているので、今後も注視していきたいと思います。(2021.9.5)
{/netabare}


第10話「異界の聖戦」
{netabare}砂漠で人間と遭遇するアークチーム。インセクターの襲撃を受け戦闘に。アーク、キリク、カーンの戦闘でチームワークが磨かれているのが感じられて好き。3号機を応援したくなる、という武蔵はコミカルなんだけど…
ザウルスチームは機器の故障で戦闘困難な所をアークに助けられる。神の戦士ゲッターアークって言われたけど意味はあるんだろうか?拓馬の安全第一ヘルメットを被る武蔵。制圧した星の昆虫人類を全滅させる。日本の人口に近い1億3千万という数字は意図的なのであれば、良い意味で悪趣味な脚本。
前回と反対に爬虫人類がよそ者として扱われる。人類は侵略しながら宇宙に出て、しかし流国に遭遇し滅ぼされかけ、そこに地球からのゲッターエンペラーが現れる。「何故地球人類が存在するか、宇宙はゲッターに何を求めているのか」
エンペラーが特異点となったこの宇宙では過去が変わっても時間の流れは分岐せず、未来に影響を及ぼす。時間と空間の仕組みは解明されており非常にデリケート、少しでもその知識があれば干渉しようとはしないがアンドロメダ流国は危険を冒してでもエンペラーが生まれる可能性を潰しに過去へと遡った。百鬼帝国も蟲たちも流国が送り込んだ先兵。
武蔵はエンペラー誕生前の過去の者たちが起こした行動は宇宙に影響しないからと拓馬達に戦いを強制する。武蔵は死んでも代わりがすぐに起動する。エンペラーの記憶に基づいた人造人間というのが厄介…。
過去から来た地球人(百鬼帝国)を倒しても問題無いのは過去から来た拓馬達だけ。母の仇を取ろうとする拓馬にカムイは反発する。

「何故地球人類が存在するか、宇宙はゲッターに何を求めているのか」
武蔵は人類とゲッターは宇宙の意志により宇宙を支配するのを望まれていると言うけど本当かなあ…。
エンペラーの記憶にあるのは真ゲッターが火星に飛ぶまでで、その後の空白の期間の変化はエンペラーが作り上げた未来に影響する、だからこそ流国が攻めてきてもいるけど拓馬達の行動で事態が良い方向に変化する可能性もあるということで良いんだろうか。真ゲッターが火星に飛んだ時までと、エンペラー誕生以降は歴史が確定してるということかな?
號とタラクの行動からすると、拓馬にしか出来ないことがあるのかなと。號自身はゲッターを希望と考えているけど未来を変えられない、未来を変えられる世代の拓馬には自分で見極めて未来を変えて欲しいと思っているのかも?
ゲッターの意志で生前の姿を取り戻した点では號と武蔵は似たもののように見えるが、実際は全く違う。
エンペラーの記憶と人間の遺伝子から生まれた人造人間が生前の武蔵そのままの意志を持っているようには見えない。武蔵は宇宙を支配するために何をしても仕方ない、爬虫人類にも見下す発言を繰り返す。3号機に愛着を示し、ヘルメットを喜んで被る姿がかえっておぞましく見えてくる。

善悪のひっくり返し方とか流国と人類のどちらが発端なのかとか…原作が凄いからなんだけど、シリーズ構成の本領発揮でもある。(2021.9.11){/netabare}


第11話「宿願」
{netabare}「ハジをかくなよ」という言葉が久々に出て来たのが良かった!

未来のゲッター軍団に案内されてマクドナルドを倒しに向かうアークチーム。シールドを解除するために別行動したカムイにマクドナルドが取引を持ち掛ける。スターボーダーを使い過去へ未完の兵器バグを送り、それを過去に戻って完成させゲッターを倒せと言う。ゲッターを滅ぼせればマクドナルドはそれでいい。ゲッターと人類の未来を嫌って迷うカムイ。シールドを解除するが行方不明になってしまう。
アトランティスの遺産・魔獣ウザーラでアークを翻弄するマクドナルド。ザウルスチームはカムイを探しに自爆しようとする母艦の中へ。拓馬と獏はアークの力でウザーラを倒す。竜馬が倒せなかったウザーラを倒す展開は父親超えでもある。
コーメイは時空転送でアークを消す賭けに出るが、逃げ切れないと悟った拓馬たちはスターボーダーに飛び込む。武蔵はエンペラーと拓馬を結ぶ縁に賭けてエンペラーに探させる。
過去の地球ではストーカが全て消滅し、早乙女研究所では隼人が研究所の封鎖を決定する。

マクドナルドはゲッター線に一矢報いればそれでいいという感じ。拓馬の母を殺したことをどうとも思ってはいない様子で、これは拓馬としては虚しいだろうな…。コーメイも自爆に近いやり方の賭けに出た。メルドゥサのいる本星は別にあると設定されてるけど、今後出てくるかどうかは微妙かも?

宿願について。
「自分を信じろ!自分に流れている血のさだめを!」という台詞、ゲッターの作る大きな流れの中といえども自身に強い意志があることを強調する。どこかで見たファンの考察だけど、
「ゲッターは人間の意志が弱ければ取り込んでしまうからアークの未来に至る。でも人間が強い意志を持っていればそれに沿ってくれるから別の未来に行きつく」
とあってなるほどなと思った。
今回のタイトルが「宿願」なんだけど、獏の願いは明言されていない。ただ偉大な兄に追いつきたいという印象はこれまでに何度か感じた。第2話で「兄ほどの力はないが、ここで出来ることがあると言われ、それが運命だとまで言われればそう思わないこともない。ここに導かれたという感覚は確かにある」と言っていて、自分の直観を信じてみようと思った瞬間だったんだと思う。今回追い詰められた時に弱気になっても、拓馬に自分を信じろと言われたことで全力を振り絞れたんだなと。

チームの関係性について。
拓馬は普段なら周りの人の気持ちを自然に考えて行動できるのに、カムイの問い掛けを振り切って暴走しかけたのは未来のゲッターの姿にショックを受けていたから。獏は二人の間に立ちバランスを取る、一歩引いた立場にあるので、復讐を叶えなければ拓馬はけじめをつけられないと感じているからか獏が拓馬を止めることは出来ない。二人は自身の在り方に対する迷い、過去の人間であるが故に無関係ではいられないことへの葛藤を抱える。
カムイは人間社会ではハーフだから、恐竜帝国では王族だから、常に狭間に居る。どっちつかずの立場で耐え続けてきたから、ショッキングな事実を知っても思考停止せずに考え続ける。それがマクドナルドにつけ入れられる隙にもなるのだけれども。
拓馬の情の深さとカムイの思慮深さ、獏の一歩引いた優しさ。それが3人の強さだが今回は別行動していたことで弱みになった。
そして弱みを補い合って強さに変えるのがゲッターチーム。

狭間に在ることの葛藤と矛盾について。
カムイが欠けた事によりゲッター線に呑まれかけたけれど、二人はカムイを心配し待っていたから呑み込まれずに済んだのだと思う。今後アークチームは3人に戻れるのか。ゲッター線が他の種族を受け入れてくれるかどうかは、より良き未来への分水嶺になりそう。狭間に在るが故に生まれる「葛藤」をいかに良い方へ向けていけるかがポイントなんじゃないかな。
隼人の宿願は、若い頃は戦士として「共に旅立つこと」だったのだろうけど、今は司令官として親世代として「愛する者を守り救うこと」に変わっている。戦士か司令官か研究者かあるいは人か、常にその狭間にあり葛藤を抱えている。第5話で研究所で一人早乙女博士の姿を見る隼人は今は亡き師に心の中で問いかけていたのか、ゲッター線による幻影だったのか。アークチームを心配する姿は父親のようだった。
愛する者を守るために愛する者を戦いに駆り立てる「矛盾」はどうしようもない世界だけど、隼人は自分の心にけじめをつけられるか。

第11話終了時点で原作は残り僅かとなっているようですね。
進化の果ては宇宙を支配すること、個などどうでもいい、支配しなければ宇宙に存在するゲッターの意味はない、本能に従え、これしか道はない…なんて言われて納得できるはずもない。3人と隼人が自分たちの答えを出してくれたら良いなと思います。(2021.9.18){/netabare}


第12話「折り重なる刻」
{netabare}アバンではバグを完成させたカムイが拓馬の駆るアークと対峙する。
未来の宇宙から未完成バグと同じルート(スターボーダー)から現代へ帰還したカムイは、恐竜帝国を乗っ取り人類殲滅のために地上侵攻を開始、ハン博士に協力させバグを完成させる。バグには宇宙を作り替える力すらある。
拓馬と獏はエンペラーに救われ、エンペラーの本質を感じ取る。現代の地球の戦いを見届け人を守るために拓馬はアークと共にエンペラーの力により帰還する。獏は拓馬の助けになれる予感がするとエンペラーの中に残る。
早乙女研究所は封鎖され全人員は異動するが、残った隼人と敷島博士は研究所を襲うカムイを迎撃する。

アバンからビックリした…。原作のネタバレはほとんど踏んでしまってるのであれがどのシーンかわかっているんだけれど、まさかまさか最終話一話手前でこんな構成でくるなんて(汗)。そして「折り重なる刻」のタイトル通り、時系列を様々に入れ替えてシーンを重ねていく。ラストの引きはとても静かで渋い…。今回と最終回は1時間構成を分割したような感じなのかも。

ゲッターエンペラー内部での問答がすごく良かった。抗っても無駄、理解しようとしても無意味な進化という大きな流れに対して、では個人の意思が無意味であるかというとそんなことはないと描いた。竜馬とタイールの姿で現れたゲッターの意思は、取り込んだ者たちの意識の集合体であり善でも悪でもない。
拓馬と獏のやりとりは気心知れた友人といった感じがとても良い。もっとエンペラーを知ることで別の道を模索すると言う獏の選択は彼自身の使命であり、自己犠牲などではないと拓馬もよくわかっている。決断する拓馬の背後に姿を現すアークも相棒らしくて頼もしい。タイールの「答えはそれぞれの想いの中にこそある」という言葉が良いなあ。

拓馬・獏とカムイとの得た情報の質と、自身の立場の違いによる決別。
敷島博士の言葉から見てもカムイは覚悟を決めてしまった。隼人との直接対決となれば父親越えと言えるかも。迎え撃つ隼人が楽しそうなのがなんとも…(汗)

曼荼羅について。
いきなりゲッター曼荼羅が出てなんだか感動してしまった(笑)。仏教要素を丹念に織り込んでいるのがとても好き(曼荼羅は法則が厳密に決まっているわけではないようですが、大日如来(=アーク)の扱いは大きいとのこと)。
それにしても何故曼荼羅が丸ではなく六角形なんだろう?初代ゲッターの顔の意匠から亀の甲羅、相反する二つの力の統合、調和と安定、並べて繋いでも全方向干渉し合わない図形、日本において魔除けの文様とされる籠目…とか色々あるかな?
この図からするとアーク、エンペラー、タラクはこの世界では特に大切な存在なのでしょう。他のゲッターは漫画版とは違うデザインや色になってるのもあるみたいですね。漫画版とは違う世界だと思わせたいのかと思ったんですが、アニメアークにも設定画があるゲッタードラゴンも少し違うので何が何だかよくわからない…。左上のゲッターに至っては濃いファンでも何なのかわからないらしい。あと一話なのにこんな爆弾投げ込んでこないでよ(苦笑)
・追記
曼荼羅のいくつかのゲッターがOVA版だったのは単純なミスだったようで、公式ツイッターで訂正版が公開されました。でもそれをOVA版とサーガ版と考えて二次創作でもし始めそうなのがゲッターファンの逞しさですね(笑)。
(2021.9.23){/netabare}


最終話「果てしなき戦い」
{netabare}ゲッタードラゴンを隼人に封印させるために早乙女研究所を襲うカムイ。隼人はゲッター線の強い地下で待ち伏せザウルスチームを下しカムイと対峙する。カムイは隼人を撃ち、完成したバグで地上を作り替える。地球に帰還した拓馬とアークはバグに挑むが全く歯が立たずボロボロにされる。隼人はゲッタードラゴンを開放し、二人の前に現れる。これが原作の最終シーン。EDを挟んで火星。地球は赤黒くボロボロで、火星では恐竜帝国のマシンランドが環境を整えている様子。恐竜帝国の監獄に投獄されているカムイを、拓馬と獏が迎えに来る。人類と他の生命が共に生きられる未来を掴むためにアークに乗り巨大なゲッターに挑む。

ここから想像。
バグはゲッタードラゴンに勝てずカムイは罪人として投獄されている。見張りが恐竜帝国の兵士だったから、カムイは独りで全ての責任を取らされることになったのかも。地球はバグで致命的な打撃を受けてしまい火星に移住することになった。帝国の存続のためにはゴール3世はカムイを切り捨て人類との協調路線を取らざるを得ず、人類側もマシーンランドのテラフォーミング技術を借りなければ絶滅するような状況か。
でも何千年先の未来を変えるために、エンペラーに進化する前のゲッター(曼荼羅左上のゲッター)に拓馬達はアークと共に挑み続ける。最後の巨大ゲッターの胸には初代ゲッターロボ3機の意匠があるので、初代ゲッターチームは全員その中にいるのかな?掛け声が竜馬なのでエンペラーの前身ということで良い気がする。
ここまで想像。

「過去も未来もクソくらえだ!」って台詞がすごく前向きに使われているのが素晴らしい。アークはずっとその姿のまま、勝手に進化もしないし3人の意図しないこともしない。ずっと3人に寄り添ってくれるのが嬉しいし愛着が湧いた。主人公の正義に沿う、まさに主人公機。カムイもキリクに愛着を見せていたのが良かった。キリクの活躍が少なめでちょっと悲しかったんだけど、はっきり愛着を見せたのはカムイで、一番付き合い長いんだよなと。
5話で「ゲッターは本当に希望なのか」と疑問視する拓馬をアークは見下ろしていたのを今更思い出すんだけど、あれは今考えると3人を見守っていたようにも思う。

カムイと隼人の対峙。ここにきて饒舌な隼人。最初こそ拓馬に対しての感情が目立ったけど、今回カムイの想いに言葉でしっかりと語ってくれるのがとても良い。良くも悪くもすごく冷静に育ててきたんだろうなと。隼人はカムイと殺し合うことはせずに、カムイに新たな可能性を探れと言う。父親越えの物語でもあり継承の物語でもある。
カムイは情を捨てるために隼人と対峙するが隼人は自分を殺そうとしなかったから撃ちたくないと本音を叫び、同じ理由から母を殺そうとするが母に命懸けで守られてこの時も吹っ切れない。だからこそラストで拓馬と獏はカムイを迎えに来たのだと思うし、カムイはそれを受け入れる資格がある。
地球をああしてしまった責任は大きすぎて取れないけど、愛する者のために戦ったことへのけじめはまだ付けられる。カムイが愛する者達の中には爬虫人類も人間も含まれているからだ。
獏が具体的に何をしたかは不明だけど、より深くエンペラーを知ることで何か良いアイデアを得て帰って来たんじゃないかなと。それはラストシーン以降に活かされるであろう希望。アークチームは全員それぞれに頭が良いし優しい。最後まで全員大好きでした。

漫画版はアーク以外は全て読みました。ネオゲとも新ゲとも違うゲッター線への解釈を、漫画版の中の描写から新しく引き出したのがお見事でした。
原作にもファンにも誠実に生真面目に、隼人の人生の終わりと次世代への継承の物語をしっかり描き切りましたね。石川先生が描けなかったキャラクターの感情への決着を全て付けて、けれども本筋を歪めずに希望のあるラストにしてくれました。
EDの後に「故石川賢先生に捧ぐ」とありますが、それはラストの拓馬たちの旅立ちのシーンなんだと思います。
(2021.9.30){/netabare}
{/netabare}

原作者が亡くなった哲学的な側面の強い未完の大作、かつ盟友であり共同制作者である永井豪先生も「ゲッターは石川賢のもの」と漫画版にはノータッチ、漫画版がほとんど絶版、最後のOVAも17年前という環境で、よくアニメ化してくれたなと思います。
誰も開けられなかったパンドラの箱を大胆に開き、その底にある希望を最高の形で見せてくれました。個人的には完璧なラストでした。
3か月間本当に楽しかった…!そしてロスではなくゲッター関連作を漁りたい気分になりますね(笑)。(2021.9.30)

【記録】
2021.10.3 ニコニコ一挙放送放送にてスタッフコメント公開
コメントの文字起こし行いました。
{netabare}
【第1話】
(井上俊次)
ゲッターロボシリーズは私のアニメ音楽制作のルーツです。
今回、音楽制作依頼のお話をいただきアニメ製作スタッフのリクエストを全て受け入れ
全力で音楽制作を行おうと決心してこのプロジェクトに参加させていただきました。
この曲(※OP曲)は何度もリテイクを出して箇所箇所変更をリクエストしてでき上った曲です
ゲッターアークの力強さ、ストーリーの深み、そして哀愁、ロボット作品主題歌の
王道を表現できたメロディーだと思っております
音楽の共通性を出すため劇伴で参加している栗山さんと寺田さんに編曲をお願いしました
壮大でドラマチックなアレンジになっていると思います
9月27日、JAM Projectコンサートツアー最終日の1曲目で披露しました

(南喜長)
拓馬の行動原理と獏との関係についてアニメではより突っ込んだ演出をしています
原作の夢の島の前位に早乙女研究所に訪れ門前払いを食らいます
獏の『良い考えがある』は原作冒頭のD2奪取に繋げてます

(井上俊次)
劇伴は栗山義親さん、寺田志保さん、鈴木歌穂さん、横関敦さんにお願いしました
制作楽曲数、なんと115曲!!
皆さんの才能と得意な音楽性を分担して、各々の音楽性を発揮していただき
映像とリンクした素晴らしい音楽が出来たと思っております
僕の音楽歴43年のなかで1クール曲数が100曲越えは初めてです!!
このくらい、シーンごとに音楽を創ることで、最高の作品が出来るんだと感じました

(南喜長)
アークのCGモデル作成で一番大変だったのが口が開く所でした
何度もトライ&エラーを繰り返し結果いくつかのモデルを用意することになりました
監督のこだわりで原作と異なりアニメではカムイは最後のカットでようやく顔が見えます

(井上俊次)
「DRAGON2021」はオリジナルのアレンジャーでもある須藤さんにお願いしました
初期JAM Projectの楽曲、奥井さん、きただにさん、福山さんが加わりました
Blu-ray特典のサントラCDでフルバージョンが聴けます!

【2話】
(南喜長)
アークの原作だけでは世界観が説明不足なので、他原作よりコラージュして補完しました
伊賀利隊長は脚本の早川さん発案のアニメオリジナル設定です
真ゲッターロボ原作『進化の果て』をこっそり生き抜いた男です(笑)

早乙女研究所は当初背景のみでしたが、CGチームが変形するモデルを作ってくれました
おかげで今後のシーンに役立つことに…

【3話】
(南喜長)
拓馬と獏の出会い(少年時代の回想)は原作を補填する形でアニオリを追加しました

隼人に竜馬のヘルメットを渡されるシーンもアニオリ設定です
新時代へのバトンを渡す表現として設定しています

クジャクのシーンは3話の見所の一つです。研究所をCG化出来た賜物です

【4話】
(南喜長)
脚本の中でも1・2を争う大変で複雑な構成となった4話(5話も)

過去を回想ではなく、ドラゴンが地下に眠る所を拓馬達に追体験させるべく→
いくつかの原作をコラージュして書き上げたシナリオの力作です

拓馬と獏の少年時代を描いたので、もう一人の主人公カムイの少年時代も描いています
後のゲッターザウルスパイロット達との関係もこちらで

真ゲッターのCGも要注目。旧ゲッター1同様の寸胴で、どの顔にするか模索しました



【5話】
(南喜長)
原作ゲッター號から続投、軍医長 田中伍長。今は研究所の医師長として勤務しています

アークのコックピット、実は3Dで作成しました。2Dキャラとの合成が大変でしたが…

クジャクの攻撃を受けたアーク。実はこの後改良して、6話から少し見た目も変わります

(井上俊次)
「DORAGON2021」と同じく「STORM2021」も須藤さんにお願いしています
こちらも現在のJAMバンドでの生演奏です
印象的なフレーズはそのまま、多少アレンジングを加え2021年バージョンとしました

(運営スタッフ)
ゲッター! ※EDでユーザーコメに付き合ってくれた

(井上俊次)
こちらも是非、フルバージョンを聞いていただければと思います

【6話】
(南喜長)
橘翔もゲッター號からゲスト出演。現在は国連軍でキャリア官僚となっています
少年のカムイを隼人とともに迎えに行ったのも翔です

シュワルツコフもかつてステルバーのパイロットでした
シベリア戦線を生き抜き、現在は連合軍艦隊の提督で、テキサスⅡの艦長でもあります

蒼黒の真ゲッター登場。アーク不在の今、D2だけではドラゴンを守り切れないのでは→
その答えとして、タラクが登場。今後の伏線も兼ねているのです

【7話】
(南喜長)
この辺りの話からゲスト声優さん達もさらに豪華さを増していきます(汗)

このアバン、ほぼ漫画版のゲッター號のクライマックスのアニメ化になっています
アバンはもう少し点描の想定でしたが絵コンテが良かったためコンテのまま進行しました

(運営スタッフ)
みんな盛り上がってるぅーーー? ※OPサビあたり

(南喜長)
母親はキャラデザの本橋氏の提案で少し美しくしたいと要望があり別の石川作品が基に

【8話】
(南喜長)
ゲッターロボ號より唯一のCGモデルが存在しているのはゲッター2号機(翔)!

ちなみに今回の一文字號はゲッター(ドラゴン)の意思と記憶で作られたという設定

将軍『バジリスク』とバットの孫『カンパニア』は早川氏が設定し星先生がデザインです
気づいた方もいると思いますがカムイ母は真説魔獣戦線の慎一の母をもとにしてます
コーメイのキャラデザインは雰囲気が良いので原作後半のデザインを中心に作成しました

(運営スタッフ)
音すみません…! ※BDの宣伝のみ音量が大きかった


【2度目の休憩中】
なんと「ゲッター泉」発売決定!明日の発表をお待ちください!
合言葉は「ゲッター泉に浸かろう」です!


(運営スタッフ)
お疲れ様本が予約受付中です♪
お疲れ様本とは、制作スタッフやキャストの皆様から→
イラストやコメントをいただいて掲載しています♪
ゲッターアーク胸像フィギュアが付属するBlu-rayもございます
A-onstoreではまだご予約いただけますので是非!
売り切れ次第終了となります

【9話】
(南喜長)
7対3で原作・アニオリのバランスを意識し中盤の盛上の構成をしておりました

(真早乙女研究所スタッフ)
ミミズが集積したコーメイは気持ち悪くしすぎて何度もリテイクになりました…泣

可愛くて残忍な丸い蟲は、現場では「球(たま)インセクター」と呼ばれてます


(南喜長)
アークの時代ではドラゴンが半覚醒のため時間の制限があり號は未来を託して消えて行く
ゲッターは希望と言う號。ゲッターを信じて出撃した最後の記憶があるからこそ…

ムサシはアニメ化取り扱い注意キャラ。間違えば全てギャグに見えてしまうのです


(井上俊次)
HEATSはランティス設立以前の会社で仕事をしてた会社でリリースした曲でした
歌はJAM Project結成前なので影山ヒロノブ個人としての作品です
OVA真ゲッターロボが世界的に人気があり、この曲も世界中で大人気の曲です
オリジナルの編曲家の須藤さんにリクエストしたのは印象的なフレーズが多い曲なので
大きな変更は加えずにオリジナルのアレンジを基本に
オリジナルのマシンを中心とした演奏ではなく
現在のJAM Projectのコンサートバンドでの生演奏での収録をお願いしました
生のストリングスも加え、あの頃表現できなかったことも表現できました
オリジナルの30歳代の影山さんと60代の影山さんの歌声、聞き比べてください
全く衰えなくパワフルでハートフルな歌で感動しました!




【10話】
川越監督・南P・なかの音響監督&真早乙女研究所スタッフの生コメ開始です!(真スタッフ)
皆様のコメントも読んでおります!どしどしコメントください!(真スタッフ)

でました!(川越) ※でたな川越監督!のコメを受けて
OPコンテは2週間くらいかかりました(川越)
コンテに2週間かけたけど制作も2週間でやりました(南)
ヒトマル式戦車、せっかくなので砂漠迷彩にしてみました(川越)
ゲッター戦車ムサシ色(南)
なぜ変形しないか?したかったよ!(川越)
アークチームは、最終的にマッチング・オーディションを行いました(なかの)
3号機に思い入れがあるPがいた(南)
僕じゃありません(南)
SEは昭和チックにしてます(なかの)
コーメイ&マクドナルドは3人でも簡単に倒せそうにないベテランに(なかの)
武蔵のヘルメットネタ、ここで思いついたので9話に遡ってカット足しました(川越)


こいつ(※おそらく巨大戦艦のこと?)もムサシ色になっています(川越)
ムサシのバイス達の扱いは過去の因縁によるもの?(原作サーガ第9章)(南)
セリフ3分の2くらいムサシの回(なかの)
初の映像化の合体するエンペラー CG班が頑張ってくれました(南)
アークのCGは3ヶ月で作りました(川越)
ステルバーは2週間です(南)
タラクは真ゲッターの改造ですから10日くらいですかね(南)
ただし、その前に真ゲッターで2ヶ月くらいかけてます ※名前がないけど話の流れから南さん?
ゲーム作りました! ※名前がない
マクドナルだと叫びづらいので「ド」をつけました(南)
EDの演出は監督の案です(真スタッフ)

【11話】
EMOTIONロゴ毎回入るの恐縮です(真スタッフ)
タイトルロゴのSEは打合わせの際に入れよう決まりました(なかの)
打合わせは大事です(真スタッフ)
BGMは全部で110作りました(なかの)
通常の1クールの作品の2倍以上になります(なかの)
劇伴はサントラCD3枚にわかれてBlu-rayにつきます(真スタッフ)
ちなみにサントラCDにED曲入ります!(真スタッフ)
VHSはないんです…(真スタッフ)※VHSはありますか?というコメに対して
110曲全部使用しています。使わないと怒られるので・・・(なかの)
皆さんLD出したら買うんですか?(真スタッフ)
↓買うでしょはさすがに嘘つきすぎます(真スタッフ)
真はLDでしたからねぇ(川越)
原作では60度ですが、人間にも耐えられるので120度に上げました(川越)
観入ってますね(3人)
カムイが一人宇宙に投げ出される、原作とはあえて変更しました(南)
最初は百鬼獣羅王鬼だったのですが、南Pの要望でウザーラになりました。(川越)
アーク初のロボット同士のバトル 盛り上げる演出です(南)
ウザーラBGM、ムサシゲームで先に出ちゃうのダメかなと思って→
おそるおそる聞いたら二つ返事で許可出たんですよ(真スタッフ)
アークシャインボンバーの技名はアフレコ現場で決めました(真スタッフ)
会議室ではなく現場で決めました(真スタッフ)※踊る大捜査線ネタ?
アークシャインボンバーはシナリオにはなく、コンテ時に追加しました(川越)
所員や隊員は、1・2やA・Bで無く、演者の名前にして頂きました(なかの)
キャストはサーガ過去作出演者や川越監督作品に縁のある方々に(なかの)
新人・中堅~ベテランまでバランスの良いキャスティングを心掛けました(なかの)


【12話】

まだ出ませんよ(真スタッフ) ※アバンがラストシーン一歩手前までだから
セクシーな感じにしたかったんです(川越)
ピンクのところです(川越)
曼荼羅の左上のゲッターは、「ゲッター天(ワン)」です(真スタッフ)
「真」と書いて”チェンジ!!”と読ませる感じです(川越)
背景はCGです(川越)
ここのシーンは曼荼羅の雰囲気を受けたBGMにしています(なかの)
シナリオにゲッタークリスタルと書かれててどうしたらいいか悩みました(川越)
若本さん楽しんで演じていらっしゃいました(なかの)
この回はカムイがたくさん喋ります(なかの)
夢の島の住人再登場。生きてたのね…。石川原作らしい逞しいキャラですね(南)
お約束のス●パー!ビル被弾、崩壊(川越)
スカ●ー社員死亡(その社員本人がアフレコ)(川越)
地竜一族が早乙女研究所に侵入するのはこれで2度目です(南)
前の台詞を受け、敷島博士がスイッチを押す台詞は私が指示しました(なかの)
敷島博士はたぶん??死んでません(川越)
DDでアークシャインボンバーうてます(真スタッフ)
音ごめんなさい(真スタッフ) ※BDの宣伝
ドワォンゴ思いついた人すごいですね(真スタッフ)
悔しい(真スタッフ)

【最終回】
本日最後のEMOTIONロゴです(真スタッフ)
12話ラストは通常ですが同じカットで13話の隼人はぐるぐる目にしています(南)
肉弾戦はコンテ描いていて楽しいです(川越)
巴投げではなく捨て身投げだったのですが、上手く描けませんでした(川越)
興奮すると古傷が浮かぶのはゲッター號の原作から拾いました(南)
最終回収録3日前に向野君が急性盲腸炎で入院。別日収録です(なかの)
撃たれぎわの隼人の台詞、早乙女博士の台詞が元ネタです
桜坂所員は生きてました(なかの)
配置転換されてますね(なかの)
伊賀利も生きてますよ(なかの)
キャストは、隼人と竜馬が一番最初に決まりました(なかの)
実はカムイ役の向野君は、ダビングに毎回参加していました(なかの)
最も難産であったラスト、原作ままで終わるか?それとも先を?時間がもう無い(南)

せーのっ!(全員)
ゲッタードラゴン!(全員総立ち)
最終話のエンディング曲「戦友よ」(井上)
最終話だけの使用でオリジナル曲を作りたいと私からリクエストしました(井上)
力強さと切なさが表現できたパワーバラードになったと思います(井上)
こちらのEDは制作時間は3時間です(川越)
当日に発注されました(川越)
当日納品ね(川越)
カムイを叛意させる拓馬のセリフ、コンテ描いててやっと思いつきました(川越)
制作もかなり切迫。スタッフみんなの頑張りでギリギリで完成!感謝!!(南)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
ネタバレ

やまだ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やはりゲッター線。ゲッター線は全てを解決する。

まさかまさかゲッターロボをカッコいいと思う日が来ようとは。
ゲッター線って結局何?ってのが気になって眠れない方はNG。

01
{netabare}抜群のこういうのでいいんだよ感。
古い・ダサい・暑苦しい→うん。ゲッターだし。

昔のゲッターを見返すのは苦痛だがこれは観たいと思えた。
もちろん初代は生まれる前だし昔のアニメも漫画も覚えてない。
初見でも一応楽しめるとは思うような気がしないでもないようなあるような。

題材ゆえにベテランスタッフなのか凄まじいレベルの抜群の安定感。逆に普通すぎて退屈に見えてもそれはそれでしゃーない。技術ってのは素人に凄いって思われたら二流。芝居もちゃんと古くていいのだが3人目がやたら浮いてるのはわざとなのか。音響は音質自体はいいが音域なんかは今風にしても良かったような。OPEDも秒でわかるヒロノブ様が盛り上げる。音質はランティスなのでお察しだが、この手に繊細さは求められないので逆に音圧重視がマッチしてると言える。おにぎりの値段で世界情勢を理解させるところも好み。

作画も止め絵を使ったメリハリが効いている。ロボが主役なのでどうでもいいシーンにリソースを割くのはもはや悪。ややセリフが長いと感じる箇所もあえてなのかもしれない。モブはいかにも手抜き臭がするが、メインキャラはキャラデザの割に意外と所作が細かい。

ロボアニメの初回テンプレ「ロボを見つけて乗り込んで戦って勝つ」をしっかりと踏襲した気を衒わない丁寧な導入はなかなかに好感触。きちんと今の視聴者を考慮した構成だと思います。

なんでセキュリティ破れたの?
なんで乗っても大丈夫なの?
なんで初見で勝てるの?

→〇〇の息子だから。

この言い訳のサラッとした納得感が素晴らしい。
強烈な味付けの目眩しで細部に気を配らせないつくりが上手い。

細かい設定は本題ではないのでどうでもいいが、言い訳だけはして欲しい。最初に世界観設定をしっかり提示できてさえいれば、あとは全て「ゲッター線!」で済んじゃう。最近の作品はそこをおざなりにしてサボるからケチがつく。最初の大ウソって大事。そしてそれを視聴者に飲ませる事の難しさよ。

CGロボも今の世代のロボアニメみたいにグルグル動かしてナンボみたく忙しなく目まぐるしくガチャガチャ動かすのではなく、ゲッターの巨大さ重厚さの表現を重視。よくわからんけどなんかすごいロボってことになってるんだろうな感はきちんと出来てる。悪く言えばのんびりもっさりなのでこれは好みか。もっさりロボがイケるお方はブブキブランキを勧める。保証はしないが。

ガンダムは工業品兵器としての面白さだが、主役が負けたとしても戦局が不利になる程度で即敗戦とはならない。こっちはスーパーロボット。ワンオフの超兵器と言えどゲッターが負けたら一巻の終わりという常に背水戦。ロボアニメといえど構造は全く別物なのでスーパーロボットとリアルロボットを比べてもしゃーない。

コレに新しさなんていらない。ゲッターロボらしさをしっかり堪能させて欲しい。


ダサいので無理です!観ません!ってのも正しいと思う。
アニメなんて無理してみるもんじゃない。68{/netabare}

05
ゲッターロボの旧作アニメは見てないけど、昔のロボアニメを見ているような感覚。懐かしい感じに安心する。語られてないことも多いが主人公たちも知らないので同じ視点で見せてくれる。弁慶って誰?って言っても主人公も知らないので問題なし。研究所が襲われる理由も明確。相変わらずゲッター線に関する説明は一切なし。どうせ現実っぽいリアリティ溢れる説明を入れたところで納得なんか誰もできる訳ない。「ゲッター線が!」って出てきたら「うん、そうだな。ゲッター線だもんな。それなら仕方ない。だってゲッター線だし。」でいい。これこそがリアリティライン。そこは考えなくていいんだYO!って提示すること。今のツッコミどころ満載の素人原作アニメなんかよりも格段に見やすい。今回のゲッターもカッコいい。

でも若い子には無理なんだろなとは思う。無理しなくていいよ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

無印のゲッターを観てから出直します(笑)

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
2話観ただけだが、結構面白かった。もちろん、古くささはあるものの、それは「形式美」に近いもので、嫌な感じはしない。

ゲッター自体は知っていて、でもアニメは観ていない。本作がちょっと面白かったので、いつかゲッターを観たいなと思い、じゃあその前にアークを観るのはなんか違うなと思ったので、評価はデフォの☆3にして、途中断念とします。

《以下ネタバレ》

【視聴断念(2話まで)】
{netabare}
ゲッター・マジンガー・コンバトラーV・ボルテスV・ライディーン・イデオン・ダイモス・ガイキング・ゴーショーグン、、、。

全て、どんな機体か分かるし、キャラクターもつかんでいる。でも、全てアニメ未視聴作品。

そう、全て「スパロボ」で出会った作品であり、私の中では、スパロボのイメージがそのまんま、作品のイメージになっています。

嗚呼、にわかがバレる(笑)

自分が、「スパロボ→原作アニメ視聴」に至った作品ってかなり少なくて、「ダンバイン」「ザンボット3」「ライディーン」「ブレンパワード」等、富野作品がその大半。次に観るとしたら、「イデオン」か「エルガイム」かな~と思ってます。

というのも、以前、「誰も知らない富野由悠季展」に行き、ガンダム以外にも興味が沸いてきたので、まずは富野作品をコンプリートしようかな~と。

それで、富野作品の次に視聴を考えていたのが、「ボトムズ」。ただ、これかなり作品数あり、興味はあるものの、時間がなくてどうしようかなという感じ。

んで、あと原作に興味あったのが、「機甲戦記ドラグナー」「冥王計画ゼオライマー」くらいで、ゲッターにはあんまり興味がありませんでした(なぜかダンクーガは先にアニメ観てたから使いたかったんだけど、弱いんだよなw)。

スパロボやってるときは、「精神3人使える」「気力さえ上がれば攻撃力が鬼」「基本、ドラゴンしか使わないよね。あと2形態は、水と地中の移動用だな」「はぁ~、装甲さえ厚かったら」という程度のイメージしかなかったけど(笑)、本作観て、ダークな世界観が気に入りました。

今や、ボトムズの次くらいには、ゲッターを観ているかもしれません(それでも、いつになることやらw)。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

57.3 19 パイロットで仲間なアニメランキング19位
闘神機ジーズフレーム(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★☆☆ 2.8 (36)
91人が棚に入れました
21世紀の終わり。
人類は新たなエネルギー『DG(ディバイングレイス)エネルギー』を手に入れ、目覚ましい経済発展とともに宇宙開発に乗り出した。
冥王星圏まで開拓の手を広げていた時、突如、未確認生命体”ネルガル”の襲撃により、開拓団は壊滅した。
地球連合軍はネルガルに対抗するため、世界中の遺跡から発掘された古代ロボット兵器”G’s フレーム”と、その操縦が可能な特別なバリアントを持つ少女たち”エンシエントガールズ”からなる『AG部隊』を結成した。

人類にとって初となる古代ロボットと少女による対ネルガル戦ーー
地球を護るために飛び立った第1次AG部隊は、木星トロヤ群戦役において多くの死者を出し、4号機アセナのパイロット南宮 麗雨(みなみや れいう)はMIA(戦闘中行方不明)となる。

時は流れ、主人公”南宮 麗香(みなみや れいか)”は、姉の麗雨を探すためAG部隊に志願する。

仲間たちとの友情、古代ロボット兵器と交わす絆、ネルガルとの決死の戦い。
少女たちは多くの涙を乗り越え、人として、そしてパイロットとして、大きく成長していく━━━━。

『運命なんて変えてやる!
ーー地球が飲みこまれる前に』

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

中国制作会社&中国アニメの実力や如何に!?

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
中国で「斗神姬 Ancient G’s Frame」として放送された作品を、日本ではキャストと主題歌を変更して放送された作品になります。

アニメーションを元請けとして制作した中国制作会社のセブンストーンは、これまで日本のアニメの下請けを結構担当されてきた制作会社なんだそうです。


21世紀の終わり。
人類は新たなエネルギー『DG(ディバイングレイス)エネルギー』を手に入れ、
目覚ましい経済発展とともに宇宙開発に乗り出した。

冥王星圏まで開拓の手を広げていた時、
突如、未確認生命体”ネルガル”の襲撃により、開拓団は壊滅した。

地球連合軍はネルガルに対抗するため、
世界中の遺跡から発掘された古代ロボット兵器”G’s フレーム”と、
その操縦が可能な特別なバリアントを持つ少女たち”エンシエントガールズ”からなる『AG部隊』を結成した。

人類にとって初となる古代ロボットと少女による対ネルガル戦ーー
地球を護るために飛び立った第1次AG部隊は、木星トロヤ群戦役において多くの死者を出し、4号機アセナのパイロット南宮 麗雨(みなみや れいう)はMIA(戦闘中行方不明)となる。

時は流れ、主人公”南宮 麗香(みなみや れいか)”は、姉の麗雨を探すためAG部隊に志願する。

仲間たちとの友情、古代ロボット兵器と交わす絆、ネルガルとの決死の戦い。
少女たちは多くの涙を乗り越え、人として、そしてパイロットとして、大きく成長していく━━━━。

『運命なんて変えてやる!
――地球が飲みこまれる前に』


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

キャラデザは確かに良かったと思います。
これまでいくつもの下請けを担当されてきた実績を感じました。

それにキャストも半端ありません。
りえりー、洲崎綾さん、かおちゃん、五十嵐裕美さんにあやちと錚々たる面子が顔を並べていますし、やっぱ演技も流石という感じです。

ですが、主題歌を除くそれ以外の部分においてはどうしても既視感が拭えませんでした。
難しいのかもしれませんが、この作品の推しやオリジナリティが何なのかが分からなかったのが大きな理由だと思います。
だから良く言えば無難…悪く言えば二番煎じといった印象を受けました。

寧ろ、この作品を見て思ったのが、「中国のアニメ事情はどうなるのか?」という点です。
中国政府には、サブカルチャーを規制しようとする動きがあるとネットのニュースを目にしました。
ゲームだけじゃなく、アイドル規制などにも広がっているようです。

それだけじゃありません。
中国の国家ラジオテレビ総局はアニメについて以下の様に述べたそうです。
「暴力や血、低俗な内容、性描写を含むアニメやその他の子ども向け番組を禁止すると発表した。
当局は29日遅くの声明で、テレビ局は「悪しき物語に断固抵抗」し、「真善美を発揚する健全な内容の優れたアニメのみ」を放送しなければならないと述べた。

そして、アニメ制作者に対しては「不健全」作品の排斥要求という形でも拡大しているようです。
何せウルトラマンシリーズの作品が規制対象になるくらいですから…

個人的には、メイドインジャパンの作品は日本で適正に評価されるのが一番だと思いますし、中国の規制に過敏に反応する必要は無いと思います。
ただ、アニメーションの制作サイドは、下請けに作業を出せるところが減ってしまうのが痛手かもしれませんけれど…
ただ、貴重な声優さんの時間を確保できるメリットもあるので一長一短なんでしょうね。

そう考えると、ネルガルを掃討するシーンなどもありましたが、この作品はセーフだったのでしょうか。
どうやら私はは線引きの考え方が今一つ理解できていないようです。

オープニングテーマは、空白ごっこさんによる「天」
エンディングテーマは、MARiAさんによる「Galactic Wind」

1クール全12話の物語でした。
キャスト陣が半端無く豪華ですし、演技にも熱が入っているので、お気に入りの声優さんが出演されているならチェックしても良い作品だと思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

中華アンチと言うわけではないが...

一応日本人脚本?で中国のアニメ制作会社制作の美少女ロボアニメ

{netabare}
最初と最後の方はまだマシだったんだが、中盤が脱線しすぎてて酷かったかなって印象。
脱線しすぎてるわりに主人公含めキャラもそれほど印象が残ってない。
萌えアニメとしてどうかと言われると、キャラが可愛いだけでそれほど萌えアニメなノリでもないので微妙とあんまりよくなかった。

設定も中国作品らしく、というか中国関係なしにロボアニメではよくあることだけど設定や展開に常に既視感があってあまり面白みがないし先が読めてしまう。
まあとはいえ、変に迷走してた中盤に比べたらよくある展開とは言えちゃんとやってた後半は楽しめたかな。

ていうか、人類はネルガルに責められるかもしれないし、しネルガルにめっちゃ警告されてたのにあのエネルギーを使い続ける人類ってw
ネルガルより人類の方がやばいのでは...。
いや、まずい状況になり得るのに原子力発電、火力発電とかに頼ってる今の人類にかけてるのか...?

OPとEDがめっちゃよかったです。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
こんなアニメあったっけ。
シグルリ臭 キャラ可愛い。これ吹き替えか。
海外でもこんな萌えアニメ、しかもロボアニメ作られてるのか、嬉しい。
謎巨大化。百合作品いいっすね。
外の人からはロボに見えてるのか、珍しいw
大体どういう系かは分かった。
斗神姬が中国タイトルか、bilibiliアニメね。
春にやってた時光代理人をこんな風にやってほしかったな...。
あれ面白かったのに。

2話 ☆6
小籠包。インドっぽいヒロインとか珍しいな。
あ、地雷踏んだ。主人公何で早速もうロボに乗ってるんだw
キャラが多すぎる。百合をしろ。

3話 ☆3
謎展開。もう宇宙行くんかw
急展開過ぎる。は? 死亡急すぎだろw 

4話 ☆3
エロアングル なんだの雑なエロ展開w
てか話に一貫性がなさすぎる、やりたいことを詰め合わせてる感。
しかも全部既視感。
目は大丈夫なのかよ。ニビルの子って何。

5話 ☆4
いやマジでバカじゃん。
ほんとに何が起こってるの...。作画も不安定。

6話 ☆1
こっわ。マジで意味わからん。
ここって昔ネルガルに滅ぼされたってこと?
これで感動とかできないです。

7話 ☆1
今期一見るのが苦痛。
ソフトクリームどんな食べ方してるんだよ。
無駄なエロ姿勢いらないって。
どうでもいい話過ぎる。ふわふわ関係ある?

8話 ☆5
どういう状況だよ。
ジョティスってあの子か、生きてるんか。

9話 ☆2
姉死んでるやろミイラ化してそう。
せっかくレイウに合えたんだからもっとそれっぽい反応をしてw 
人類が悪いんじゃんやっぱり。
変なエネルギー使うからw ほんとテンプレオチすぎるw
え、ネルガル攻撃すんのかよw
完全にネルガル正義じゃんw

10話 ☆7
泣きすぎw 命令無視かよw
ネルガルやばいってわかってるんだったら普通いったん話し合いしようとするだろw
代替エネルギーの情報とかそこで手に入れればいいじゃん。
木星の中心に突っ込むってやばそうw 

11話 ☆7
OP好き このキャラこんな感情的だったっけw
キラーTはたらけ  超弦理論かな? 

12話 ☆5
運よく殺さずに済んだな。
このアニメ変に脱線してたわりにキャラにあんまり印象ないんだよな。
この白髪にあまり印象ないし何でこの子だけ...。
唐突すぎん? って結局まだ使ってるんかよw
滅ぼされても仕方ないわ...。

OP「天」☆8.5
ED「Galactic Wind」☆9
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

日本を中国が抜く日へのカウントダウンでしょう。

 中途半端にレビュー放置していました。参考までに拾い見しただけなので「指定しない」にしておきます。正直、内容はあまり面白くなさそうなので、視る気は今後もないですが、中国アニメのレベルを見せてもらいました。



 制服や戦闘服、建物、ロボットのセンスがモロに中華風ですね。初めて見たときは、日本のアニメの研究の痕跡がはっきり見えて、ついに中国がAIの深層学習でロボットアニメを自動作成したのか?と正直思いました。一応人の名前がクレジットされているのでわかりませんが、実際そうだったとしても驚きません。

 作画ですが、メカデザインに魅力はありませんが、CGのクオリティーは日本の中くらいの異世界ものよりよほど奇麗です。追いつかれるのも時間の問題…と言いたいところですが、SF的なデザインのセンスは蓄積が無いせいか正直まだまだですね。
 地球とか宇宙の描き方はもう追いつかれています。
 キャラデザは日本の3Dモデリングをトレースしているのか日本のデザイナーなのか、ほとんど日本のものと変わりません。
 合体バンクというクレジットがあったので、合体シーンがあるかもしれません。ここが勝負どころでしょう(追記 すみません。3話でありましたね。大した合体ではありませんでした)。

 ストーリーです。テンプレですがちゃんと話になっています。それも悪くはない水準です。決して面白くも感心もしないですが、今期の日本のアニメの中に入れて順番をつけたら、少なくとも下に来る作品はいくつもあります。
 これで合体シーンがあるとして、そこに至る少女たちの葛藤とかメカ的な面白さがあれば、相当な水準になると思います。
 今期の日本のアニメ全体に痛切に感じるのは、脚本のつまらなさ、演出の陳腐さ、ですね。これは危機感を持った方がいいでしょう。

 そもそもAIに向かないと言われてた、芸術や文学は一流に肉薄するには時間はかかるでしょうが、形だけの模倣なら深層学習に最も向いていそうです。しかもなろう型の小説のデータベース化、プラットフォーム化で話などいくらでも量産できることを証明してしまいました
 中国が膨大な文学、アニメ、映画をAIに学習させて、脚本を書ける日は遠くないと思いますし、実際やっている気もします。不自然な点のみ人間が修正すればいいわけですし。

 正直、作画なら半年持たず日本のアニメは中国に追い抜かれるでしょう。ストーリーでも1年か2年か。最後に残るのはセンスと手書き時代の見せ方の蓄積ですが、それもAIにかかればすぐに学習されてしまいます。
 超一級のクリエータのみ数年は生き残れるかもしれません。が、将棋でも囲碁でも1流ならあと10年は人間が強いと言われていたのにあっという間でした。

 で、私は中国にもAIにも実際抜かれたほうがいいと思います。先ほどもいいましたが、今の日本は作画のCG技術だけ上がって、脚本と演出のレベルが年々下がっている気がします。尻切れトンボのテーマ性のない作品ばかり作っているツケは早晩支払うことになりそうです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

計測不能 20 パイロットで仲間なアニメランキング20位
ランディム RUN=DIM(TVアニメ動画)

2001年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (8)
67人が棚に入れました
日本の民間組織「ジーザス」と海外の複合企業「グリーンフロンティア」は宇宙開発事業の覇権争いから、国家を巻き込んだ戦闘状態に突入してしまう。使用される兵器はRBと呼ばれるロボットで、その操縦は人工的に能力強化された少年・少女が行っていた。主人公「森口和人」はジーザスでRBを操り戦闘を繰り返すが、自分を捨て駒にした上層部に失望し、敵対組織「グリーンフロンティア」に亡命。物語後半からは、かつての仲間たちと敵味方として対峙することになる。ちなみにタイトルにある RUN=DIM(ランディム)とは敵対組織「グリーンフロンティア」の最新兵器(ロボット)の名称である。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

【冷血】という言葉が最も相応しい全編CGロボットアニメ

日本のテレビゲーム制作会社、アイディアファクトリーが韓国のアニメスタジオと共同制作した全編CGのロボットアニメ
全13話


10年以上前に制作された作品であるが故、日進月歩のCG作品の常で映像のレベルは今では正直見れたものではないっす;
当時はテレビシリーズでこのクオリティか!と感動して観てましたけどねw


特にキャラクターの造形や表情の作り方、芝居のさせ方に至るまで全てがウサンクサ過ぎてちょっと懐かしくなりますw
ちなみにサムネイルのキャラは原案のキービジュアルみたいなものなので騙されてはいけないっすw


お話自体は宇宙開発競争に躍起になるうちにロボットでの戦争になっちゃった未来が舞台
主人公サイドは日本の武装した民間企業、敵サイドはそれに反発する国際連合
年端もいかぬ少年少女を利用するために徹底的に軍事教育し、科学実験で人工的に能力を強化
ロボットに乗せて戦場に放り出し「さー日本のために行ってこーい!」


放送当時は日曜早朝にも関わらずエグい内容で憂鬱になりました;


タイトルにもなっている「ランディム」というのは敵サイドの新型ロボットのことでして、これがムチャクチャ強いので主人公達や日本サイドはドンドン追い詰められて敗戦色が強くなっていくという暗いストーリー展開がされていくのが最大の特徴なんです


それに加え、先述の無機質なキャラクター達
暗い内容+血の通ってなさそうなキャラ=ってことで名実共に鬱々してるのが逆にすごいと思いますわ


日本の敗戦の歴史をSFに置き換える意識をしてるようにも思えますし、ガンダムにおけるジオン軍のオマージュでもあるように感じます


この作品よりずっと後に制作されたガンダムの「MSイグルー」に、オイラが言い知れぬ既視感を覚えたのはたぶんこの作品を観てたせい
CG繋がりですし?
そんな意味で、MSイグルーがお好きな方なんかにオススメしますヨ


ED曲はデビュー間もない頃の奈々さまでし^q^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

GxTIt12364 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なかなか

13話完結の中ではストーリーはいい。ただ、当時はこれが限界だったんだろうけどもう少しキャラの表情のバリエーションを増やしてほしい。
まあ、3dCGアニメ自体このころほとんどなかったからそれを踏まえるとなかなかいい作品といえる。ちなみにYouTubeで全話観れると思います

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1
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