ダークファンタジーおすすめアニメランキング 92

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのダークファンタジー成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月13日の時点で一番のダークファンタジーおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

90.9 1 ダークファンタジーアニメランキング1位
進撃の巨人(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★★ 4.2 (6378)
28855人が棚に入れました
突如現れた多数の巨大生物「巨人」の侵攻により、人類は存亡の危機に瀕する。生き残った人間達は、三重に築かれた巨大な城壁内側に生活圏を確保することで、一時的な安全を得るに至った。 城壁による平和を得てから約100年後。城郭都市の外縁地区「ウォール・マリア」南端より突出したシガンシナ区にて、父・グリシャと母・カルラ、幼馴染のミカサと暮らす少年エレンは、親友アルミンと共に、幼い頃から「壁の外に出て世界を探検すること」を夢見ていた。 エレンが10歳を迎えた年、突如として現れた「超大型巨人」によりシガンシナ区の壁が破られ、多数の巨人が市街地に侵入する。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、谷山紀章、嶋村侑、小林ゆう、三上枝織、下野紘、逢坂良太、細谷佳正、橋詰知久、藤田咲、藤原啓治、神谷浩史、小野大輔、朴璐美
ネタバレ

にゃんぴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

作画兵団達 お疲れ様~

原作未読、視聴中 
今期すげー注目されてる作品です、
人物の絵柄の線はちょっと太いなー、見慣れば大丈夫です。
第5話観終わった時はエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエ(゚Д゚ノ)ノエェエェエェエェエェエェエ
何だ、こんな予想外の展開...って思った
あとちょっと、専門用語が出てるね、補充します
奇行種
{netabare}通常の巨人には見られない、特異な行動を取る巨人の総称。劇中では目の前の障害物にかかわらず直進し続ける巨人や、視界内に人間がいても無視し、より遠くの場所にいる多くの人間を優先して襲おうとする巨人などが登場している。{/netabare}
この説明を見ると、
巨人の設定はずるすぎるだろ......
物語はものすごく素敵だと思いますー
このナレーションが印象的です!
{netabare}「その日、人類は思い出した、奴らに支配されていた恐怖を、鳥籠の中に囚われていた屈辱を......」{/netabare}

話が進んでいく、ワクワクしてたまらない...
{netabare}巨人と巨人{/netabare} 戦ってるシーンは十分迫力があるんだなー
{netabare}作画兵団、がんばれー!{/netabare}


作画兵団はがんばった!!
18話{netabare}女型巨人は調査兵団たちの虐殺のシーンはすごく迫力があるんだ!{/netabare}
作画兵団は称賛すべき!


作画兵団達 お疲れ様~
最終話、最後のシーンはビックリした......

投稿 : 2024/05/11
♥ : 173

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

衝撃の巨人

原作を読んでから再度視聴してみました。

人類の天敵、「巨人」が現れてから100年。
生き残った人類は、巨大な「壁」の中で泡沫の平和を実現させる。
しかし、突如とてつもなく巨大な巨人が現れ、壁を破壊し、平和はもろくも崩れ去る。
大パニックになる壁の中に、主人公エレンの姿があった。


話題をかっさらい、アニメを見ない一般層へも露出した作品。

原作再現度が高いです。
オリジナルシーンもありますが、大筋の流れはセリフを含め原作のままでした。

圧倒的迫力、スピード感、演技、演出、作画力、効果的な音楽の使い方。
アニメーション・エンターテインメントとしての質は文句なしです。
立体機動というスパイダーマンさながらの動きがあるのですが、作画が特にやばいです。
かっこいいっすなー。
空中を縦横無尽に駆け回る姿は、カメラワークと相まって、度肝を抜かれました。

また、何が起こってもおかしくない理不尽な展開が多い本作。
人を興奮させることに関しては一級品だと思います。
「選択の結果はだれにもわからない」というのが、コンセプトになっているだけのことはあります。


初期こそパニックモノのような悲壮感が物語全体を支配しています。
しかし、中盤あたりからは少年漫画的な熱さも増えてきます。
少し雰囲気が変わりますが、安易に主人公最強! という道に走っていないのがいいですね。
キャラクターの特性を生かし、役割分担がしっかりされています。

通常のバトルアニメの枠組みにとらわれず、群衆や社会と言った概念を取り入れているのも特徴的。
個対個ではなく、群対群の構図が多いです。

ただ、そのせいか登場人物がかなり多め。
さらに、ほとんどのキャラにフルネームが設定されているため、誰が誰かわからなくなりがちです。
初見では「このキャラが重要」「このキャラはモブ」という見分けが付きません。
死亡退場が多く、一部主要キャラクターを除き、感情移入している暇がないのも残念なところ。
一部のキャラはほんっと魅力的なんですけどね。


物語の根幹部分はよく考えられています。
原作を読んで感心したのですが、日常の何気ない1シーンにも大事な伏線が隠れているんですよね。
アニメでもカットされることなく、しっかりと盛り込んであります。
OPやEDも今後の展開を含め、ネタバレが満載です。

それに比べると、枝葉末節は粗めです。
どこかで見たような表現、展開も目立ちます。
といっても、ストーリー以外の見どころが多い作品です。
細かい不満は巨人に踏みつぶされます。


私としては、謎が明らかになる瞬間が快感なんですよね。
それがしっくりくるかどうかはともかく、「ほーなるほどー、そうだったのかー。次は次は?」となります。
きっと世界観に惹かれているんでしょうね。

ただし、アニメは中途半端なところで終わっているので、伏線は一部しか回収されません。
もやもやすることも多いと思います。
まあ、2期は確実だと思いますので、原作のストックが貯まるまでおとなしく待ちましょう。。
作者も、変な引き延ばしをせず、謎をきっちり明らかにするとの旨を明言していますので、ある程度安心できます。


私は結局3周ほどしましたが、見るのがほとんど苦になりませんでした。
一部のお涙頂戴シーンはうさんくさくて流しましたが、その他のシーンはギャグを含め、出来がすばらしい。


本作は、

・高い再現率
・謎に包まれたストーリー
・映画真っ青のアニメーション
・視聴者を飲み込む雰囲気作り
・強いインパクト

と、魅力がいっぱい。
支持率が高いのは納得ですし、アニメ化は大成功だったと思います。

2期も1期以上のクオリティで作られることを期待しています。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 134
ネタバレ

ゼロスゥ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

作画陣の頑張りが素晴らしかったです

2話までの感想

まだ見始めたばかりですが、こいつはヤバいですね・・・
何と言うか、衝撃でした。
それに「ここからさらにおもしろくなっていく」そんな予感をすごく感じさせてくれました。

さらにはこの超作画!
こいつは期待せざるを得ない作品です!

3話感想
{netabare}
主人公の使っている道具だけおかしい・・・
ベタな展開だったけど仕方ないよね(;゚∀゚)
これによってエレンは他の人たちよりもすごい才能があるってこともわかったわけだし結果オーライってことでw

ちょっとギャグを織り交ぜてくるようになったところも好印象でした(・∀・)
あのジャガイモ食ってた子おもしろいねw
これからの活躍にも期待です!{/netabare}

4話感想
{netabare}
エレンの演説を聞いてみんなの団結力が高まったかと思いきや、まさかの超巨人の登場で最悪な終わり方に・・・
いや、続きがスゲー気になるっていう点では最高の終わり方なんだけどねw

にしても巨人さんもうちっと空気読もうよ(;゚∀゚){/netabare}

5話感想
{netabare}
・・・は?
まさかエレンが死んだのか?
こんな展開になるとはまったく予想ができなかったです。
一番最初の戦いぐらいはみんな生き残ることができることができるもんだと思っていたんですが、この展開はあまりに残酷すぎる(T_T)
いったいどれだけの人が死んだよ?
しかも思った以上に巨人は俊敏だったし・・・

ただ言っちゃ悪いがマジでおもしろい。
この残酷すぎる展開も含めてホントにおもしろいアニメだと思う。{/netabare}

6話感想
{netabare}
ミカサ強すぎるでしょ( ゚Д゚)
仲間が何人もやられていく中、一人だけ何人もの巨人を狩っていましたね。
主席卒業は伊達ではないということか・・・

後半は過去編ですね。
エレンとミカサの出会いの話でした。
なんでミカサはエレンの家に住んでんだろうとは思っていましたが、かなり悲惨な過去を持っていました・・・
親を殺され、自分も危ういところをエレンが助けに来てくれました。
ミカサがエレンに特別な感情を持った理由はこういうことだったんですね。

しかしエレンは子供のころから凄まじかったんですね(;゚∀゚){/netabare}

7話
{netabare}
衝撃的展開が続きます。
人間の味方をしてくれる巨人なんているのか?( ゚Д゚)
しかも弱点を知ってるだの、近接格闘術を心得ているだの・・・
これはまさか・・・?{/netabare}

最終話までの感想

ほんとに最後まで楽しくに見させてもらった作品でした!
色んな人が言っていますが、ほんとに作画が神がかっていましたね。。
巨人とのバトルシーンなんか特にですよね。
エレンたちが動く動く・・・
臨場感あふれる作品ってのはこういうものを言うんですかね?←国語苦手(゚◇゚;)
作画陣の皆さんおつかれさまです。

このアニメのすごいところは作画だけでなく普段アニメを見ないような人にまで浸食していったってとこもありますよね。
普段アニメの話なんかしないような人たちとアニメの話をすることもできたりして楽しかったですw
進撃の巨人のおかげです、ありがとう!(*゚ー゚)

アニメの内容についての感想
{netabare}
色々言いたいことはありますが、一番はやっぱりアニー対リヴァイ班のとこですかね。

まずアニーが巨人ってとこ絶望しましたねー・・・
訓練兵の中に敵が・・・裏切り者がいるっていうのがね・・・
こういうシーンはいつ見ても心が痛みますよね。
話を面白くしてるのはこういうところだってのはよくわかってはいるんですけども・・・

次々にやられていくリヴァイ班・・・
エレン対アニー・・・
そしてリヴァイ&ミカサの最強タッグ対アニー・・・
何回見ても思うんですけど、これ巨人化したエレンとリヴァイが一緒に戦ったら普通にアニーを倒せてたと思うんですよね。
そしたらリヴァイ班のみんなも犠牲にならずに・・・
まぁそんなこと言っても仕方ないんですけどね。
リヴァイもどんな選択肢を選んで、それがどんな結果を生むのかは誰にもわからないみたいなことも言っていましたしね。

しかし、多大な犠牲をはらったのにもかかわらず大した戦果をあげられなかったってのはやっぱりいたたまれないです。(ノω;`)

この先エレンたちはどうなっていくのだろうか・・・?
期待して待っております!!{/netabare}

今は原作のストックが足りないために若干中途半端なとこで終わってしまいましたが、ぜひ2期をやってほしい作品ですね!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 126

90.9 2 ダークファンタジーアニメランキング2位
魔法少女まどか☆マギカ(TVアニメ動画)

2011年冬アニメ
★★★★★ 4.1 (10569)
37379人が棚に入れました
市立見滝原中学校に通う普通の中学2年生の鹿目まどかは、ある日不思議な夢を見る。そこは少女が魔法で戦う異世界。その少女の戦いを目撃する自分と、謎の白い生物に「僕と契約して魔法少女になってほしい」と告げられる夢であった。翌朝、見滝原中学へ転校してきたのはなんと夢で見た美少女の暁美ほむらだった。ほむらは、まどかに「魔法少女になってはならない」と警告する。
放課後、親友の美樹さやかとCDショップへ行ったまどかは謎の声に呼ばれ、ビルの一角へ迷い込む。そこで見たものは夢の中で見た生物キュゥべえの傷ついた姿と、それを殺そうとするほむらの姿だった。まどかとさやかは戸惑いつつも、当たり前の優しさからキュゥべえを助けるが、直後に今度は本当に異世界へ迷い込んでしまう。魔女の使い魔と称される化物達に囲まれた2人を救ったのは、同じ中学の3年生でキュゥべえと契約した魔法少女の巴マミだった。事後、改めてキュゥべえに「魔法少女になってほしい」と告げられたまどかとさやかは、思いがけない好機に興奮する。だが、それは2人が直面する様々な苦難の始まりであった。

声優・キャラクター
悠木碧、斎藤千和、水橋かおり、喜多村英梨、加藤英美里、野中藍
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

わたしの、最高のアニメ(95点)

全12話。
シャフト制作のオリジナルアニメ。

個人的満足点:95点
アニメ系統:ハートフル魔法少女物

可愛らしいキャラデザ。
王道の魔法少女物。
暖かい日常風景。
女の子達がキャッキャウフフする物語。

以下のネタバレは上から順にひらいてください。
いきなり下から開くと壮絶なネタバレになりますのでw

{netabare}

だと思って、とある事情のもと視聴し始めた本作。

しかし、3話以降いままでの魔法少女ものとは、
全く別物と思い知らされることになった。
とある事情など、どこかへすっ飛んでいた。
まずは3話までは見てほしい。
そして6話まで見ればもう引き返せないだろう。

オリジナルアニメの先の分からないドキドキ感を十二分に発揮
そして堪能させてくれた。
全ての要素において製作者側の策略を感じることができる。

こんなにも次回が気になって仕方がなかったアニメを他に知らない。
リアルタイムで見ているときは1話終わるごとの喪失感が半端なかった。
毎週、放送終了後そのまま3周するのはもはや日課と化していた。

この秀逸な脚本は虚淵氏が書いている。
ハッピーエンドを書けない作家と言われている氏だが
果たしてどんな結末を描いてくれたのか
そこにも注目していただきたい。

キャラデザは蒼樹うめ先生がつとめ、なんとも可愛らしい。
キャラデザに好き嫌いが出そうで、
実際私も始めは好きではなかったが、
終わってみればこのキャラデザ以外考えられない。
それほどこの世界にマッチしていた、そう思わずにはいられない。

オープニングも「こんなの絶対おかしいよ」と思っていたが
観ていただければ、本当の意味を本編の中で知ることになるだろう。

作中の音楽も秀逸で物語の1つ1つのシーンを盛り上げるのに
大いに役にたっている。
物語にのめり込むほどに、音楽だけでぐっときてしまう。
お気に入りは9話の音楽であるが、是非本編で確認して欲しい。

アニメーションはシャフトが
バトルシーンは劇団イヌカレーが手がけ、
独特の演出で観るものを虜にしてくれる。
あの何ともいえない独特の空間。
そして迫力ある戦闘シーン。
シャフトならではの光と影の演出。

全ての要素が絶妙に絡み合いこのアニメを最高の物にしていると思う。
どれか1つが欠けていても、この作品は成功しなかったのではと思う。
新房監督によくぞこのメンバーを集めてくれたと感謝したい。

最終話に賛否両論あるのだが、2,3度観ていただければ
感動が増すことは間違いないだろう。
私も1度目は正直ポカーン状態だったのだが
結末を分かった上で、あらためて見直した時の感動は今でも忘れない。

2度3度見直すのがこの作品の正しい見方だと個人的には解釈している。
皆様も繰り返し見ていただければ、きっと新しい発見があるはず。

ここまで見直してもさらに面白いアニメはなかなかない。
初めてブルーレイを購入&終わる前に全巻予約したほど。
またスピンオフ漫画、CDも全て購入。
「後悔なんて、あるわけない」

BD1巻特典のドラマCDは本編の補足的でよかった。
まさかそうくるとはと思わず鳥肌がたった。
3巻特典のドラマCDはアナザー的位置付けだが
これもまた非常にいい出来だった。
思わずニンマリしてしまうほどにw
5巻特典のドラマCDでは杏子の過去が語られる。
本編の1年前ぐらいの話のようだ。
これは杏子ファンにはたまらない。
是非ともすべて映像化をお願いしたい。

私はこれまでフル5点など付けたことなどないのだが、
総合力であえてフル5点を付けさせていただいた。
自信を持ってお勧めできるアニメ。

是非、観ていただきこの感動を共有できればと
魔法少女まどか☆マギカのレビューとさせていただきたい。


と、まあかなーり色々書いてきたが
つまりは何が言いたいかというと

このアニメを気に入ってくれたなら
「それはとっても嬉しいなって」



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上記はネタバレにはなっていないかな。

以下、ややネタバレかも


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{/netabare}

{netabare}

本編中、伏線回収していなと思われる点を3点。

OPの黒猫。
杏子の特殊能力。
杏子の食料調達方法。

その内、黒猫は1巻特典ドラマCDにて回収される。
興味のある方は特典CDを聞いてみてくれ。
思わずそう来たかと思ってしまった。

杏子の特殊能力はDB5巻特典のドラマCDで回収。
杏子の食料調達方法は雑誌インタビューにて回収された。
ちゃんと設定があったのである。
決定稿には記載があるが、演出上省略されているようだ。


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★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


■まどか自己満足考察的レビュー

以下で超自己満足考察的レビューを書いてみようと思う。
『完全にネタバレ』のため、視聴していない方はくれぐれも読まないでいただきたい。
まどかの面白さは先が読めないという部分にあると思っている。

それでは、お時間許す方は読んでくれたら嬉しいな。

{/netabare}

{netabare}
まず、この魔法少女まどか☆マギカは
「ミスリード」と「希望と絶望」で出来ていると思っている。

魔法少女という少女向けのタイトル及びタイトルロゴ
うめ先生による、可愛らしいキャラデザ
そしてOPの可愛らしいアニメーション
ほとんどの方がこの時点でだまされていたのではないだろうか。
この時点でこのような展開になると誰が予想できただろうか?

ただ、完全なミスリードでは無いと私は思っている。
ミスリードの中にもどこか不自然さを残している。
そもそも私はOPアニメに違和感を感じていた。
「どうしてまどかは泣いているのか」
「悲しげな表情で雨の中を走っているのは」
「そして、曲の歌詞が意味するものとは」
この違和感が埋まるのにはもう少し時間がかかるのではあるが、
この時点では私も少しの違和感程度であった。

そして、1話に突入するのだが、ここでもミスリードが生かされる。
まどかの平和的な早朝風景、学園生活
タイトルから想像する魔法少女風の導入である。
そして、異様な雰囲気を出しているほむらの登場。
ただ、このほむらの言動にも何か違和感を感じずにはいられなかった。
これから魔法少女になるまどかのまわりで異変が起こっている、そんな印象だった。

そして、1話終盤、その異様な雰囲気のほむらが
魔法少女ご用達のマスコットキャラ「キュウべえ」を殺そうと追いかけているのである。
この時点で完全に、「ほむらは敵」「キュウべえは魔法少女の味方」的構図を作り出した。
そして、本来の魔法少女的役割としてマミが登場する。
そう、この1話は視聴者をミスリードするために存在するといってもいい。

2話へ突入し、魔法少女が何なのか、当然、表向きの意味ではあるが、それが明らかになってくる。
一般的な魔法少女の設定である。悪者を倒し、皆を守る。
危険なことではあるが、その魔法少女への憧れをマミを通じてまどかとさやかが感じていくのである。
そして、この時点での違和感、それは「魔女」という言葉であった。
私自信、何で敵が「魔女」なんだ?と疑問だった。
魔女ってどちらかというと魔法少女側では?とも思った。
魔女っていうと一般的にいって大人の女性をイメージするであろう。
魔法少女が大人になったら魔女っていうのなら分かるがと。
しかし、本作の魔女はそんなイメージとはほど遠い。
グロテスクでモンスターと言った方がよほどしっくりくるデザインであった。
ここでも少しの違和感を残しつつ物語は進むのである。

そして、運命の3話である。
いよいよマミを通じてまどかが魔法少女になりたいと気持ちを最高潮にしていく。
そして、これからマミとまどか2人の魔法少女による話が始まるとそう思わせる運び。
だが、しかし、ここで物語りは大きく方向転換する。
ここまで引っ張ってきたミスリードを覆すのである。
衝撃の走ったマミった事件。
私のこの時の率直な感想は「おい、これどうなるんだよ」
「魔法少女まどかって魔法少女になれないのじゃないか?」
中学生の少女が希望あふれていた時に目の前で絶望を味わった。
まどかは命の危険があるとは認識していただろうが、
いや、本当の意味では理解していなかったはずである。
現実で残酷な死に方を見せられたのである。
この状態で魔法少女になるなんて考えられない。

願いでマミを生き返らせるという選択肢もあったかもしれないが
どんなにいい人でも出会って1週間ほどの人の命のために
自分の命を投げ出すなんて出来るのか?
しかも、その人の死に方を目の前で見せ付けられている状態で。
もはや、この時点で先の読めない展開に数々の妄想を膨らませるようになった。
そういう意味で3話はキーポイントと言える。
また、3話後に初めて流れるEDは秀逸。
いよいよ、物語が本性を表しはじめた感じがした。

そして4話からではあるが、これはさやかを通じてもう1人のまどかを表現したのでは無いかと思う。
さやかはもし、まどかが魔法少女になる道を選んでいたらを描いたのではないか。
そういう意味では中盤の主人公はさやかであろう。さやか☆マギカである。

人を助けるために魔法少女になる。従来の魔法少女的位置づけである。
好きな人の怪我を治し、親友を救い、魔法少女として順風満帆な滑り出しといえるさやか。
まさに希望あふれる展開である。
しかし、ここから徐々にさやかを絶望へと追い込むストーリーは圧巻。

まずは、ライバルとなる杏子の出現。
さやかとは正反対の考えをする杏子と対立する。
そして、自分は違うんだとより正義に向かうわけではあるが
それが、結果彼女を追い込んでいくことになる。

そして、衝撃の6話を迎える。
さやかと杏子が戦うのは間違っていると、まどかの直向な思いと行動から衝撃の事実が発覚する。
この時のほむらの行動にはぐっときてしまう。
唯一真実を知っているほむらは全力でソウルジェムを追いかける。
この辺りで完全にほむらに釘付けであったのは言うまでもない。

7話以降のさやかの絶望への落ち方はなんとも言えなかった。
自分が人間では無くなってしまった事実に悩み。
そして、大好きな人を親友に取られてしまうかもしれない悲しみ。
それでも、自分は正義の魔法少女として戦うことを諦めないさやか。
また、この辺りからキュウべえの本性が徐々に明らかになってくる。
いままで正義のマスコット的位置にいたように感じたが何かが違う。
この辺りの見せ方も秀逸といっていい。

そして、さらなる衝撃の8話。
ついにさやかが壊れ始める。
魔女との戦いで痛みを感じないことを実感し同時に人間では無いと自覚する。
そして、その想いをまどかにぶつけてしまう。
自分の言っていることは的外れだと分かっていながら親友にぶつけてしまう。
なんとも切ない。
そんなさやかに追い討ちをかける仁美。
仁美もさやかの状況を知らないからこそ、運命のいたずらにやるせない気持ちになる。
そして、ついにさやかが魔女化する衝撃。
最後に残したさやかの言葉はなんとも言えない。
「誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずにはいられない。
  私達魔法少女って、そう言う仕組みだったんだね」
希望と絶望は差し引きゼロ。
7話で杏子が言っている
「希望を祈れば、それと同じ分だけの絶望が撒き散らされる」
「そうやって差し引きをゼロにして、世の中のバランスは成り立ってるんだよ」
の本当の意味を理解して、そして、魔女になってしまう。

最後のキュウべえのセリフには寒気がした。
そう、私が2話で違和感を覚えた「魔女」の本当の意味である。
ここから怒涛の伏線回収がはじまる。

9話は涙無しでは語れない。
ここの杏子の行動に賛否あるのは分かる。
序盤かなり敵対していたさやかをそこまで救う理由が見当たらない。
確かにその意見は正しいと思う。
だが、しかし、私は杏子が言っている
「アタシだって、考えてみたらそういうのに憧れて魔法少女になったんだよね」
「すっかり忘れてたけど、さやかはそれを思い出させてくれた」
に集約されていると思っている。
昔の自分に重ね合わせて、そして、なんとか救ってやりたい、そう思ったに違いない。
そして、さやかを取り戻すために戦いに向かう杏子とまどか。
しかし、まどかをも殺そうとする魔女についには杏子も希望を失う。
そして、さやかとともに自爆の道をたどる。
杏子の最後のセリフはかなりぐっときてしまった。
このシーンはとても美しくそして悲しすぎる。
この時のバックミュージックが無くなる演出にもしびれる。

そして、ほむらの真実が明かされる10話。
1話からのほむらの行動の謎が全て解き明かされる。
ほむらが何故、あれほどまどかにこだわるのか。
バラバラだったパーツがしっくりはまってくるのである。
1話からずっと続いていた違和感が無くなっていく気持ちよさ。
それと同時にほむらの切なさが伝わってきた。
何度も何度も繰り返してきたはずである。
ほむらの心情を考えると胸が熱くなる。
後半のまどかのソウルジェムを打ち抜くシーンは鳥肌ものだった。
この千和さんの何ともいえないうめき声は圧巻。
本当はSEを入れる予定だったらしいが、演技を生かすためにSEをなくしたらしい。
ナイスジャッジであろう。
涙が止まらない。

そして1話アバンに繋がる。
そう1話のアバンはこのシーンだったのだ。
10話は鳥肌たちまくりだった。
タイムリープものではよくある手法ではあるが、色々な思いがめぐって相当やばかった。

そして、ここでのOP曲。
OP曲の違和感がここで解消するのである。
10話は本当に圧巻だった。

リアルで見ていた時は、ここで1ヶ月待たされることになった。
この1ヶ月はほんと長かった。
無事に放送となった時はどれだけ歓喜したことか。

そして、待ちに待った11話12話連続放送。

まどかの強さの秘密がここで明かされる。
そして、ついにほむらがワルプルギスに挑む。
圧巻だったのは戦闘シーン。
この戦闘シーンの迫力はすごかった。
ほむらのこれまでの想いをぶつけるがごとく怒涛の攻撃。
あれだけの準備をしてきたのを想像するとまた胸が熱くなる。
しかし、それでもまったく歯が立たない。
そして、ついにはほむらも絶望しそうになる。
繰り返せば繰り返すほどまどかの魔女化はひどくなるのではと?

また、まどかはキュウべえから過去の魔法少女のことを聞かされる。
そして、思い悩む。
ほむらの想いも聞かされる。
この時のほむらの語りは相当やばかった。
今までのほむらの想いが伝わってきて泣けてしまう。

その後のキュウべえの追い込みがすごい。
まどかを何とか魔法少女にしようとほむらの所へ向うようにしむける。
そんな、まどかはついに決心してほむらの元へ向う。
私はこの時点ではあまり深く考えていなかった、まどかの考えを。
それを理解したのは12話を見た後であった。
このときの母の制止を振り切って出て行ったまどか。
後になってこのシーンがあまりにも切なく感じてしまう。

そして、賛否両論の12話。
まどかがついに魔法少女になるのであるが
その願いがあまりにも大きすぎ、また、ハッピーエンドぽくもなく
バッドエンドともいいがたい微妙な印象を受けた。
私も正直1度目はポカンとしてしまった。
しかし、もう1度11話から見直して、そして、自分としては満足できた。

11話の母を振り切るシーンに戻るが、あの時点でまどかは
自分がいなくなってしまうことを覚悟していたのである。
それでも自分の母を振り切っていくまどか。。。
どれだけの想いでほむらの元へ、そして、全ての魔法少女の想いを救うために
出て行ったのかと思うと、母を振り切るシーンで涙が出てきてしまった。

そして、まどかの願いだが、全てを無くしてしまう事はできない。
それは、これまで魔法少女が築き上げてきた歴史までも無くなってしまうから。
魔法少女のシステム自体はなくせ無い。
それでも皆を救いたいという想いから、魔女にならないようにする願いにしたのだと思う。
その代償は自分が人間として存在できなくなるとしてもだ。

そのため、救われなかったのが、ほむらであろう。
結局ほむらはまどかを救えなかった。
そういう意味ではハッピーエンドではないとは言えそうだが
完全なハッピーエンドにしようとすればかなり無理が生じる気がする。
アニメに無理とかいっても始まらないかもしれないが
私としては絶妙の落とし所だったと思っている。
まどかの命は救えなかったかもしれないが、まどかの想いは救えたのだ。

こんな感じで私は非常に満足してしまっているのである。
これは大筋の部分で書いてきたが、このアニメのもう1つの楽しみ方は
それぞれのキャラ視点で物語を観ていくとさらに面白い。

1話からまどか視点で見たとき、ほむら視点で見たときで見え方が違ってくる。
さやか視点、杏子視点、さらにはキュウべえ視点でも非常に面白い。
それぞれのキャラ視点にたって物語を観たときにどのキャラにも愛着がわいてしまう。
悪役だと思われるキュウべえでさえ、自分の信念に基づき行動している様は好感が持てる。
結局のところ悪いキャラなどいないのではないかと思える作りは素晴らしい。

そして、私が個人的にこのアニメのすごいと思う所は
どの話も秀逸で6話以降の展開など甲乙つけがたいできではあるが
本当にすごいのは1話ではないかと思っている。
これだけ暗い話であるにも関わらず、1話の段階でそんな感じをまったくださず
ミスリードを誘発してくれて、それでいて、見直したときに
衝撃を受けるように作りこまれている1話にこそ賞賛を送りたい。

と、なんかまとまりが無くなってきてしまったが
とりあえずはこの辺りにしておきたい。
また、気が向いたら追記修正を行うかもしれない。

ここまで、読んでくれた方、本当にありがとうございます。


■2011/10/15追記

ふと、恐ろしいことに気がついたので追記。
仮定の話だが、もしほむらがワルプルギスの夜を倒して、
まどかが魔法少女になることを阻止できていたらと考えた。
そうすると、ほむらは設定上、時間停止はできない、時間も巻き戻せない。
設定上、最弱級の魔法少女ということになる。
もはや武器の調達も出来ない。
そんな状態で魔女に勝てるわけもなく、ソウルジェムを浄化もできない。
ただただ魔女への道を進むしかない。
恐らく、ほむらはその事は分かっていたはずである。
それでも親友を助けようとしていたほむら。
まどかを救った後、恐らくだが自ら死ぬつもりだったに違いない。
胸が締め付けられる想いだ。
それと同時にこのアニメの深さに痺れる。


■2012/1/18追記

ラストCパートの英字を記載しておく。

Don't forget.
Always, somewhere,
someone fighting for you.

As long as you remember her,
you are not alone

忘れないで。
いつも、どこかで、
あたなのために戦う誰かがいることを。

彼女を思い出す限り、
あなたは一人じゃないよ。


まどかとほむらの想いが上手く表現できていると思わずにはいられない。

{/netabare}

■2/12英語版プチ感想追記

ニコ生で英語版の1話が放送された。
声優陣にかんしてプチ感想を。

まどか:まずまずの印象
QB:英語でもなかなかの営業w
パパ:渋いwww
たっくん:可愛い
ママ:ちょっとかっこよくなった?
さやか:ちょwwwキタエリ英語喋ってるんじゃねえの?
ひとみ:いい感じ
先生:迫力あったよw
ほむら:もう少し影があるとGOOD
マミさん:あぁぁぁぁぁぁマミさんががががが、老けたw
     ティロフィナーレがどうなるのか気になるw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 254
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

まどか☆マジか!?

世界観:9
ストーリー:10
リアリティ:9
キャラクター:8
情感:10
合計:46

思わず、タイトルのような衝撃を受けました。
自分はこのテの絵柄を敬遠してしまうタイプですので、この作品を見たのは、友人に面白いアニメを聞いた時に「これはストーリーが凄くて、驚く展開となるから是非見てほしい」と言われていたから。
アニメというジャンルの魅力自体、最近(2014.12当時)気が付いた者ですが、思った以上に苦も無く第3話の壁を突破できたということは、単純に食わず嫌いをしていただけで、適性はきっとあるのだと思います。
(ネタバレの類は全く知らずに視聴できたのも良かったです)

絵は馴染むまでは好みではありませんでしたが、それも後になってみれば意図的なものとわかり、まさに「驚く展開」と伏線が効果的に仕組まれたストーリーの完成度が半端ではない。アニメオリジナルストーリーの強味だと思いますが、この点、元々クリエイター精神を持つことを自負する自分は、作者・関係者の情熱を感じられてとても満足することができました。

{netabare}序盤、3話の中盤までは自分が想像もしていた魔法少女もの(昔、セーラームーンのアニメを1,2話見たことがあるし、親戚の子供がプリキュアの塗り絵をしていたのを見たことがあります)。でも、敵が「魔女」であり、その空間の表現がこの作品の当初イメージからずれるほどダークであり、また、ほむらの不可解な発言から、ざらざらとした感覚を受けていました。

マミさんの件が、一つ目のマジか!? でした。これで絵柄的に魔法少女が5人揃って悪と闘うというような正統派ルートがなくなります。そして、まどかは魔法少女としての凄まじい潜在能力があると言われつつも、魔法少女にならない(なれない)展開。魔法少女が仲間になるどころか、争いを始めます。

このあたりはさやかに共感しつつ進むパートですね。魔女、使い魔、グリーフシード、ソウルジェムを巡る設定も、物語を深めていき…。

ゾンビの件が、二つ目のマジか!? そしてさやか、杏子が退場していきます。キュウベエの外見のかわいさは悪意を感じます。よくよく見ると気持ち悪いというのも出来すぎ。シリアスなメソですね。でも、このキャラクターからの視点でも、ある程度理解できるように作られています。

魔法少女アニメのお約束を現実に置き換えて逆手に取っていく(激しい攻撃を受けても平気なのは、もはや人間ではないから)設定は、見事と言うしかない。魔法少女(魔法使い)に憧れる子供は多いでしょうが、命をかけて一生戦わなければいけない、しかも人間でなくなる、という条件でなりたいとは…思わないですよね^^;

6話にある母の、間違ってみて新しい道が見つかるという言葉もとても深く、だから大人は酒飲んでいいってことになっているというオチがまた良い。母の台詞では、1話の隠れファンのくだりも好きです。家族が描かれているのは好感ですね。

で、このストーリーのクライマックス、第10話が三つ目のマジか!? ほむらの過去が明らかになり、そのキャラクターを理解でき、ここまで疑問だった伏線が回収されます(若干、知り合って1か月の友との友情にこれだけ賭けられるかっていう思いもあるんですが、思春期かつ初めての親友が相手なら、あるかもと納得しました)。

伏線回収が美しい10話ももちろん良いのですが、更にまどかの潜在能力の理由が明らかになって(ここも回収!そもそもキュウベエがまどかを狙ったことも明白ですね)、それがほむらの危機に繋がる11話が秀逸。ラストは完全なハッピーエンドじゃありませんでしたが、まどかの選択に納得ができる、美しい終わり方でした。

無駄な回やストーリーはほとんどなし。序盤から雰囲気が良く、中盤からの厳しい展開もキャラクターの心情が伝わってくる作りで、この時点で佳良な作品と言える上、9話から1話ごとにその評価を更に押し上げていくというパワフルさ。魔法少女という歴史あるジャンルにおいてその設定で革新を起こし、衝撃的なストーリーラインでありながら緻密なプロットに支えられ、頭で考えて楽しい内容でもあり、願わずにはいられない人間の希望、絶望、代償、自己犠牲といった普遍的なテーマが描かれ、最終話は感動パートの連続。歴史に残る作品だと思います。

あと、取り上げたいのは、さやかが上条君の演奏を聴くシーン。単なる驚きの展開を試行する作品(このストーリーで言う消耗品)ではない、作者・スタッフの、物語とキャラクターへの愛情を感じさせてくれる一幕に映りました。
{/netabare}
(参考評価推移:3話4.1→4話4.2→6話4.5→9話4.6→10話5.0→11話5.1→12話5.3)
(2014.12視聴)

<追記2015.1>
まどマギを見て、アニメの底力を感じ、ここに参加するようになりました。これを超える作品が見つかるか、引き続き楽しんでいきます。

<追記2015.3.18>
SUGOI JAPAN 2015のグランプリ受賞、おめでとうございます!
自分が(現時点で)やや抜けた最高評価をしている作品なので嬉しいです。
簡単にこれを超える作品は見つからなさそうというのが、最近わかってきました。
今でも英語版や外人さんのlive reactionなどを見て楽しんでいます^^

<追記&修正2015.6.18>
評価微増。私の得点は独自評価点/10+0.7なので、本来5.3点と突き抜けています。
いまだに通勤はまどマギのlive reactionを聴く日々で、英語吹き替え版の声優のほうが馴染んできてしまっています(特にDTさんのが聴きやすく、理解力があってお気に入り)。

<追記2016.2.10>
先日、外国人のYoutubeから、シャフト40周年記念MADOGATARI展で放映されたという新作コンセプトムービーを見ました。新作が作られる方向ということでよいのでしょうかね。ストーリーとしては叛逆で完結でも満足でしたが、叛逆にも間に合わなかった身なのでそうであれば嬉しいです^^未視聴の方は絵柄で敬遠せず、是非追いついてください。
すっかり1年経ってますが、外国人のlive reactionは依然増えているので飽きずにリピート(数十回?)できています。

<追記2017.1.21>
この作品は本当に何度見ても面白い(いい加減、まだ見てるのかよって感じになってきましたが)。後出しですが参考評価推移を追加しておきました。最近の外国人live reactionは、SUBですがJunkPuttyさんのが良かったです。

<追記2017.6.23>
自分をアニオタに引き込んだ作品で、脚本が素晴らしく、ストーリー10点を付けた唯一の作品となっています。
他の作品を低評価にされる方がいてもあまり気にならないのですが、この作品を低評価にされている方とは相容れないと思ってしまうほど自分の中で存在感があります。
最近見つけた良レビューを紹介させていただきますので、視聴済の方はどうぞ↓

<追記2019.6.7>
リンク切れのため取りあえずの差し替えをしておきます。
早くまとめ直してくれるとありがたいですね。
https://kurigoto.hatenadiary.com/entry/20120825/p1

投稿 : 2024/05/11
♥ : 146

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

あらすじも言い方次第だよね

オリジナルアニメーション。全12話。


鹿目(かなめ)まどか14歳は、ちょっぴりのろまな夢見る女の子。
ある日、キュゥべえっていうかわいいマスコットに出会って、「魔法少女」になろうって誘われちゃう。
まどかには秘密の力が眠ってて、すごい魔法少女になれるんだって。
魔法少女になったらお願いも叶えてくれるみたいだけど、何がいいかな? ケーキかな?
ちょっと怖いけど、先輩の巴(ともえ)マミさんや、親友の美樹(みき)さやかちゃんも一緒だからきっとだいじょうぶ☆
みんなで力を合わせて、悪い「魔女」をやっつけて、困っている人を助けてあげよう!

という、ダークSFファンタジーです。


よく「3話まで見ろ」と言われる本作。
ただ、そういう紹介ばかりされてしまうのもどうかなーと思ってます。
身構えている人には通じませんし、「そこが一番の見どころなの?」と思われるのは問題。

ギャップを売りにするだけなら、エグい話に可愛いキャラデザを使えばいい。
でもそれじゃ、ここまで有名にはなれません。

感受性に左右されにくい、非常に優れた演出・構成がポイントだと思っています。

* メルヘンと不気味さを両立した映像
* 「そういう意味だったのか!」と言いたくなる音楽の使い方
* キャラが語るのではなく、視聴者が勝手に感じるような違和感の与え方
* テンポを落とさず、山場を何度も作り出す技術

ストーリーは唯一無二ではありませんが、過不足がないし、やはり見せ方がすばらしいです。
伏線もきれいに回収していて、手に馴染みますね。
また、設定に理論付けがされていますし、登場人物にも葛藤が描かれ、ほどよい難易度で語りたくなる魅力もあるでしょう。


まあ、まどマギは色んな所で語られている作品です(あにこれだけで9000件て……。
私ごときがわーわー言ってもしょうがないですし、「絵がきらい」と言われたらそれまでです。
前のレビューを消したかったのと、詐欺あらすじを書いてみたかったというのがホントのところです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 129

91.9 3 ダークファンタジーアニメランキング3位
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★★ 4.2 (3317)
18025人が棚に入れました
錬金術、それは「等価交換」の原則のもと、物質を理解、分解、そして再構築する、この世界で最先端の学術である。
この錬金術において、最大の“禁忌”とされるもの「人体錬成」。亡き母親を想うがゆえ、禁忌を侵し、全てを失った幼き兄弟。巨大な鎧に魂を定着された弟、アルフォンス・エルリック。機械鎧(オートメイル)をまとい、「鋼の錬金術師」の名を背負った兄、エドワード・エルリック。
二人は失ったものを取り戻すため、「賢者の石」を探す旅に出る。兄弟は「賢者の石」の真実に近づくにつれ、大きな陰謀の渦中へと突き進んでいく…。

声優・キャラクター
朴璐美、釘宮理恵、高本めぐみ、三木眞一郎、折笠富美子、内海賢二、藤原啓治、うえだゆうじ、佐藤美一、柿原徹也、浜田賢二、名塚佳織、柴田秀勝、三宅健太、井上喜久子、白鳥哲、高山みなみ、吉野裕行、沢海陽子、中井和哉、大友龍三郎
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

私のアニメ史上最高傑作!!紹介レビュー

まさに奇跡の名作。天才、荒川弘の最高傑作。自分史上で最高評価をつけている作品です。
私のNo.1アニメということです。

エドワード・エルリックと弟のアルフォンス・エルリックの兄弟の絆をメインに描く壮大なファンタジーです。
{netabare}
幼いときに最愛の母親を亡くしてしまったエルリック兄弟。生命を再び作り出すことに疑問なんて全くなかった。兄弟はただ、母親に会いたいそれだけだったのです....

この世の中には、絶対に触れてはいけない禁忌が存在します。
母親を生き返らせるためにした「人体錬成」という行為がそれなのです。
その代償は大きくエドは左足、右腕、弟のアルは体の全てを無くしてしまいます。
エドは自らの犯した罪を背負い弟を元の体に戻し生きていくことを決意します。

兄弟は、錬金術という特殊能力を持ち、それを活用し目的に向かい進んでいく。そこで様々な出会いがあり成長していきます。
{/netabare}
「命の大切さ」という大きなテーマがあり、生命の尊さや強さ、素晴らしさ、更に生命の存在意義まで掘り下げています。

ストーリー全体はシリアス部分が濃いのですが随所に練りこまれた「ギャグ」の面白さに心が和みました。

キャラクターも魅力的、味方は勿論、敵であってもです。数々のキャラクターがそれぞれの思惑を胸に行動していくうち、壮大な物語が紡がれていく様は素晴らしいです。

ストーリー全体に張り巡らされていた複雑にして周到な伏線。この回収の演出、この作品は最後まで観なければ全く意味がありません!

完璧なまでに練られたストーリー、綿密な物語構成を存分に味わうことが出来るはずです。

最後のハガレン四コマ劇場では重いテーマをパロディーにしていて衝撃を受けます。荒川先生の遊び心が垣間見れるのです。そう思って観てください。

作者の荒川弘先生「天才」としか言いようがありません。
私のNo.1アニメの紹介でした!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 103

自分はなんだったのか さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

イイネ!

原作に準拠な今作、お見事と作者と製作者に拍手を贈りたいです
とはいえ前半はかなりのペースで話が進むので原作もしくは前作
を見てないと?な部分もありますのでオリジナルで終わる前作を
見る事をお勧めします

錬金術の光と影、軍隊、民族紛争、陰謀、親子の確執に兄弟愛
飛行機が無い世界なのに手足はメカに出来る不思議な世界観
見応えたっぷりなダークファンタジー
64話と長めですがあっと言う間です、とても面白いので
ぜひ多くの人に見てほしい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 57

エウネル さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

錬金術使いてー

ハガレンは原作のマンガもアニメも大好きです。錬金術というものは個人的に好きな能力というのもあり、とても面白い話でした。

設定がしっかりしているのが素晴らしいと思う。キャラも個性的で記憶に残りやすかった。僕はアル、ウィンリー、グリード(正確に言うとグリードとリンのコンビ)あたりが好きかな。グリードが好きな人が少ないのが悲しいです。結構いい奴だったのに。

内容とキャラの濃さは原作の凄さですが、戦闘シーンは漫画とは違ったかっこよさがアニメにはありました。

原作は全マンガの中でもトップクラスに有名で名作だと思っているものなので、このアニメは見たほうがいいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 51

83.4 4 ダークファンタジーアニメランキング4位
アカメが斬る!(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2056)
11327人が棚に入れました
帝都の悪を斬る非情の殺し屋集団ナイトレイド。
その一員である黒髪赤目の少女アカメ。彼らと出会った少年タツミは、ナイトレイドの一員として、帝都の悪に立ち向かうことを決意する……。 「つよきす」「真剣で私に恋しなさい!」などの大ヒットゲームクリエイター・タカヒロによるダークアクションファンタジー!!

声優・キャラクター
雨宮天、斉藤壮馬、田村ゆかり、浅川悠、能登麻美子、松岡禎丞、小西克幸、水野理紗、明坂聡美、花澤香菜、細谷佳正、大橋彩香、成田剣、竹本英史、間島淳司、中田譲治、生天目仁美、勝杏里、名塚佳織、浅沼晋太郎、木村良平
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タイトルなし

帝都の悪人に私刑を行う暗殺集団ナイトレイド

1話目から、主人公タツミの友人が、{netabare}拷問され死亡{/netabare}というショッキングな展開でしたが、帝都ってホント無法地帯です。。。

アカメって1週間フレンズの藤宮さんの中の人だったんですね^^
声が全然違っていたので、気づかなかったです。

■第9話
{netabare}
エスデス陣営が主人公ちっくな立ち位置に
なりましたね~

あけこファンにとっては満足な内容です^^

そしてアカメは今回も斬らない(笑)
{/netabare}

■第10話
{netabare}
エスデスが正ヒロインでよくね?みたいな回でした^^
あけこさん、いい役げとですね~♪
{/netabare}

■第17話
{netabare}
今回よかったぁ
いままで育てたキャラを豪快に!
チェルシーにはもっと活躍してほしかったけど
いい引き際だったかも?!
{/netabare}

■第24話
{netabare}
途中から原作と異なるアニメオリジナル!
このエンドはいいですね!
最後はエスデスも。。。

良いキャラたちをここまで豪快に退場させていったのは
圧巻でした。とても面白かったですね^^
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 107

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あっという間の涙の2クール

もともと個人的に特に期待してなかった作品で
友達に結構おもしろいから観てみなよ〜
って言われて観始めました。

そしたらびっくり!
なにこれ!おもしろいじゃん!って期待してなかった分
火がつきましたヾ(●´□`●)ノ

腐った国を治すために作られた反乱軍の殺し屋の
お話なのでバトルシーンははっきりとグロく描かれてます。
血とか死体とか大量なので苦手な人注意です。
笑えるシーンもあります。純粋に笑えておもしろかった。
ストーリーもテンポ良かったと思います。

ただ、すごく私は涙でました。辛かった。
好きなキャラや後に好きになったキャラ、
そうでないキャラも
どんどん死んでいきます。
ただ簡単に死ぬのではないので楽しかった思い出の回想シーンとか一緒に流れて
すごく悲しい場面がたくさんありました><。

終盤はこのキャラ死亡フラグー!!なんてわかっちゃう様に思考が
慣れてしまいましたが
毎回の様にうるうるしてました。

ただまさかこのキャラも死んじゃうとは・・ってちょっと予想してなかった
キャラがいました。

最終回はとても悲しかったです。
あの頃はみんなで楽しかったなって勝手に回想しました。
結論。悲しいお話だけど作品自体はすごくおもしろかったです。
キャラ達に拍手!そんな風に思いました。


読んでくださりありがとうございましたヽ(*´∪`*)ノ"

投稿 : 2024/05/11
♥ : 97

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ある意味リアルなダークファンダジー(`´ゞ

腐敗した帝国とそれに反旗を翻す勢力の戦いを
描いたバトルアクション・ダークファンダジー。
全24話、2クール作品。
原作は『月刊ガンガンJOKER』で連載中の漫画。


物語の中心となるのは反帝国側の殺し屋集団。
悪政の限りを尽くす帝国要人を討つ事を
最終的な目的としたストーリー展開となります。

全24話、お話してはよく纏まっていると思います。
シリアスとコメディのバランスもよく取れており
スピード感、迫力のあるバトルシーンなど作画も
評価できる点。
ただ、キャラデザがちょっと古く感じたかな。
豪華な声優陣も間違いなく魅力の1つでした(*´∀`)♪

が、この作品を評価する大きなポイントは
個性的なキャラたちの度重なる『死』かと。
感情移入する間もなく序盤から倒れていく仲間たち。
ここをどの様に捉えるかで、作品自体の評価も
大きく変わってくると思います。

個人的には戦争・戦と死は隣り合わせと考えているので
仲間の死もリアルな展開として捉える事ができましたが…。
残忍な殺戮シーンや惨殺シーンも多くあるので
やり過ぎでは(´`:)という印象を強く持ったのも事実です。

まぁ、他にも準主人公であるタツミの成長や
ハーレム展開・ラブコメなど見所は多いんですけどねw


ちょっと長いけど視聴して損はないと思います。
物語としてはラストまでしっかりとした作品♪
ストーリー重視の方やバトル好きな方にオススメです!
反対にグロいシーンや人の死、流血が苦手な方には
オススメはできない作品だと思います(´∀`;)




《キャスト》
アカメ(CV.雨宮天)      タツミ(CV.斉藤壮馬)
マイン(CV.田村ゆかり)    レオーネ(CV.浅川悠)
ラバック(CV.松岡禎丞)    ナジェンダ(CV.水野理沙)
ブラート(CV.小西克幸)    シェーレ(CV.能登麻美子)
スサノオ(CV.浅沼晋太郎)   チェルシー(CV.名塚佳織)
エスデス(CV.明坂聡美)    クロメ(CV.大橋彩香)
ウェイブ(CV.細谷佳正)    ラン(CV.間島淳司)
セリュー・ユビキタス(CV.花澤香菜)



《主題歌》
OP
『Sjyreach』/雨宮天(第1話ー第14話)
『Liar Mask』/真山リカ(第15話ー第24話)
ED
『こんな世界、知りたくなかった。』/沢井美空(第1話ー第14話)
『月灯り』/雨宮天(第15話ー第24話)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 71

79.3 5 ダークファンタジーアニメランキング5位
極黒のブリュンヒルデ(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (1733)
9691人が棚に入れました
子供の頃に事故で死なせてしまった幼なじみの女の子のことが忘れられない高校生・村上良太は、彼女との約束「宇宙人が存在することの証明」を果たすべく、天文部に在籍し毎日夜空を見上げ探し続けていた。ある日、良太の前にその幼なじみと瓜二つの転校生・黒羽寧子が現れる。しかし、彼女は自分を「魔法使い」だと語った…。「魔法使い」は研究所で手術や薬により肉体を改造され、様々な特殊能力を持つが、鎮死剤を毎日1錠飲まなければ死んでしまうという。「研究所」から逃げ出してきたという彼女を回収するため、次々と追跡者が差し向けられる。迫り来る高位の魔法使いと鎮死剤の枯渇、あらゆる死の恐怖が迫る中で彼女と良太が選んだことは・・・。

声優・キャラクター
逢坂良太、種田梨沙、洲崎綾、M・A・O、田所あずさ、東地宏樹、鈴木達央、沼倉愛美、内山夕実、能登麻美子
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

タイトルなし

1話目がとても面白かったですね^^
OPがおどろおどろしいところが印象的です。

主人公の声優さんは、「彼女がフラグをおられたら」の
主人公もやっていますが、どっちも1話目から
{netabare}死亡フラグ {/netabare}がいきなり立ったというのが
共通していて、ちょっと笑ってしまいました^^

■第2話
{netabare}
黒羽の状況が大体わかりましたね。
あと、掛け算ができない理由も判明しました^^
「左右」を「ナエナロ」って呼んだのは斬新です(笑)
{/netabare}

■第3話
{netabare}
3話目にしてあっさりと猫が・・・。
「まだ大丈夫だ」ってどういうこと??
{/netabare}

■第4話~第6話
{netabare}
小鳥ちゃんは無実っぽい?
・・・でもまだ伏線は回収してないよね^^;

クスリも尽きかけて泥沼に陥る前に
強力な助っ人登場★これはまた展開が楽しみです♪
{/netabare}

■第7話~第13話
{netabare}
最終話展開早すぎぃ(笑)
でも今期かなり面白かったアニメでした^^

EDでカズミが生きてて、みんな「!?」って感じでしたねwww^^
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 90

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ラストもの凄いスピードで駆け抜けたねε=ε= 三 ;`ロ´)

かなり凄惨なシーンの多い作品になります。
グロが苦手な方は視聴を避けて下され(●`ω´●)ゞ

子供の頃に事故で死なせてしまった
幼なじみを忘れられずにいる主人公・村上 良太。
その彼の前に幼なじみと瓜二つの少女・黒羽寧子が
現れる所から物語はスタートします。
しかし寧子は「魔法使い」と呼ばれる人工的に造られた超能力者。
良太の元にはそんな「魔法使い」たちが集ってきます。

ストーリー、お話はテンポ良く進んでいきます。
魔法使い同士のバトルシーンも多いので
このテンポの良さはとてもプラスになってます。
この手のジャンルでは王道と言ってもいい内容で分かりやすい作品。
張られる伏線もしっかりしたもので、こちらを楽しませてくれます。

寧子と同じ境遇にある「魔法使い」はどのキャラも魅力的(*´∀`)♪
いろいろな属性の「魔法使い」が出てきますよ♪
ちょっとエロもアリですw
まぁ、お決まりと言ってしまえばそれまでですがw

声優陣は逢坂良太、種田梨沙、洲崎綾など若手を起用。
演技は全く問題なくストーリーに入り込んで行けました。

残念なのは終盤の詰め込み過ぎですね。
伏線の回収やそれまでの謎解きが…勿体なく感じました(;´`)
作品は全13話+OVAという構成ですが
もう少し上手くまとめてれば評価はもっと上がったと思います。

グロ注意のダークファンタジー作品ですが
それを除けば十分に楽しめる1本だと思います!
ラブコメ好き、バトル好きの方にオススメです(*・ω・)/″



《キャスト》
村上 良太(CV.逢坂良太)
黒羽 寧子(CV.種田梨沙)
橘 佳奈(CV.洲崎綾)
カズミ=シュリーレンツァウアー(M・A・O)
鷹鳥 小鳥(CV.田所あずさ)
斗光 奈波(CV.沼倉愛美)
若林 初菜(CV.内山夕実)
藤崎 真子(CV.能登麻美子)
柱谷 小五郎(CV.伊藤健太郎)
黒服(CV.鈴木達央)
九 千怜(CV.東地宏樹)



《主題歌》
OP:
『BRYNHILDR IN THE DARKNESS -Ver. EJECTED』(第1話-第9話)
『Virtue and Voice』/Fear, and loathing in Las Vegas(第10話-第13話)
ED:『いちばん星』/黒羽寧子(種田梨沙) 橘佳奈(洲崎綾)
      カズミ・シュリーレンツァウアー(M・A・O) 鷹鳥小鳥(田所あずさ) 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 62
ネタバレ

アトランティス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

アニメはこの作品全体からすると導入部に過ぎない。 【追記2016/5/23】全巻読み終わって。

エンフェルリートの作者「岡本倫」の描く最新作 極黒のブリュンヒルデ
SF要素の濃い作品となっております


ストーリーは巨乳好きの主人公村上良太が幼い頃、
自分のせいで殺してしまったクロネコをことを高校生に
なった今でも思っていて、ある日そのクロネコに似た女の子が
自分の学校に転校してきた。
そしてその夜、天文部に1人いた村上のもとへ突然クロネコ似の彼女が
訪問してきて………
という感じ。


SFでグロも多い作品ですがキャラのデレシーンも多く笑える所もあるので
浮き沈みバランスの取れた作品だと思います。
ダークファンタジーものです

イントロのみのOP、
あのOPは視聴者をブリュンヒルデへの世界へと
上手く引き込んでくれます
(10話からの新OPの方は、アニメに合っているのかは謎ですが映像は曲に合わせようと頑張っている感じでした)


キャラは寧子、カズミ、初菜が好きですがみんなもちろん可愛いです。
アニメの中では寧子のぷにぷに腕、変な歌
カズミの村上への猛烈アタック
寧子「じゃあ、私もその童貞を1つ、、」
のシーンに笑えました(^^;


序盤から中盤にかけてはストーリー進度もよく毎週面白かったですが
新OPからの辺り(10話くらい)から1クールで終わらせるためか
急展開過ぎて怒涛の展開。
原作でいえば4、5巻を2、3話で駆け抜けた感じです(^^;

2クールでの構想なら
原作を万篇なくいい感じにやりきれたかと思いますが
1クールで10巻分はきつかったようです。
そこがこの作品が少し残念な評価になっている点。。


でもなんだかんだでアニメは楽しめました
アニメを見て
ブリュンヒルデについてもうちょっと深く知りたくなったという方は
原作にも手を出してみるといいと思います!

僕もアニメ→原作の流れですが
良いところといえば
絵は漫画の方が可愛い
というところですかね。

アニメではカットされてしまった
スカジ編はこの作品の何箇所かある盛り上がる部分です!
アニメ化されたらよかったのですがね、、
漫画の方はカズミ推しが若干強い感じです。



追記:全巻読み終わって。
(↓以下の文章は僕がブログで書いたもののコピーになります)
{netabare}極黒のブリュンヒルデの17、18巻を読み終え

ついに完結となりました。


このブログで感想記事は書いていなかったですが、

僕が2年前アニメを見て、始めて買った漫画原作であり(いなり、こんこんはアニメ見る前に買ってた)

2年間ずっとおいかけてきた作品なだけに

読み終えた後の喪失感は大きかったです。


印象的だったのは奈波との別れ、良太の正体が分かるシーン。


良太の「見たもの」を忘れない能力ってああいうことだったのね、とか

1巻の崖から落ちて云々の話も合点がいきました。

それにしても世間って狭いものです。


誰かしら見えない所でつながっている。


それは奈波についてもそう。

奈波は見えないけれど常に良太のそばにいた。(それがアフロとして物質化して登場してましたが…)

これからは良太もそんな存在になるのでしょう。

残された初菜、佳奈、初菜のこと好きなあの男をいつでも見守る存在に。


寧子とカズミはいろいろあって良太のもとへ行くのですが

カズミだけ何か子供時代的な見た目に変わってしまっていましたw

多分最後のデッタへのアクセスの時に自分の記憶を残しておいたのでしょう。

ついでに小鳥のも。

(なぜ小鳥が復活していたのかはちょっと分かりませんが。どこか見落としがあるのかな)


良太も一応デッタの中だけの存在になったのでこれからはずっと一緒にいられる。

……でもあの世界、何もなさそうでしたね。何かしら創造できるのでしょうか。

未来日記のアニメのあのシーンを思い出します。


抜かりない彼女ですw


と、いうことで

簡単に思いのままを書きましたが


速報によると

これから新しく「RE:極黒のブリュンヒルデ」が連載されるようです。


とりあえず、この喪失感から救われました。

RE:も追っかけます
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 60

85.7 6 ダークファンタジーアニメランキング6位
ゴブリンスレイヤー(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1037)
4978人が棚に入れました
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ。」
その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。
冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。
それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった…。

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

英雄譚には決して載らない名もなき男の話

2019.01.06記
原作未読


重たい話と聞いたので。シリアスものは好物なのです。
全12話のダークファンタジー。下手なあらすじより↓のキャッチコピーが分かり易いです。

『俺は世界を救わない ゴブリンを殺すだけだ』

{netabare}目の前で姉をゴブリンに凌辱されて殺されたトラウマを基盤に{/netabare}ゴブリン殺しに執念を燃やす寡黙な男の物語です。
RPGでもステータス低め。こんぼうで屠れるくらい非力。雑魚キャラの代表格のゴブリンですが、習性を聞くとけっこうパンチが効いてる感じです。
臆病。集団で村を襲う。略奪種族で物を作る発想はない。メスがいないため他の種族(人間とか)に種付けする。対人間の場合、男は殺し女は輪姦す。生き残ったものは学習し力を蓄えてく。成熟度にあわせて、ホブ・シャーマン・ロート・チャンピオンなど意外と種類豊富だったりもします。
まあ同情の余地はない感じです。{netabare}子供のゴブリンを容赦なく叩き殺すシーンがありますが感情動かされることはありません。当たり前のことです。とはいえ珍しい描写ですね。子供に手をかけるのってご法度みたいなところがありますから。{/netabare}

エログロに目がいきがちではあります。ゴブリンの習性を鑑みて、主人公ゴブリンスレイヤーVSゴブリンのシンプルな対決構造でもあります。無論エログロないしバトルの賞味期限はそれほど長くないため屋台骨が必要です。この作品の場合はこちらを面白く感じられるか?なんだと思います。それは、、、


 愚直にPDCAを回す職人の話


1話 ビジュアルで視聴者を引き付ける
2話 世界のルール説明
視聴理由がカタルシスを得る目的なら違いますし、物語構成は後半追い上げ型ともちょっと違いますので、2話まで観て肌に合わなければ撤退可でしょう。
そしてこの主人公であるゴブリンスレイヤー。ひたすらゴブリンを狩る男は実は意外と弱い。ステータスはきっと半端なものでしょう。だからこそ、考えて実践し修正しそして繰り返す。感情を廃した極端なまでのストイックさは弱さを覆い隠すための鎧のようにも思えます。

世界を救う勇者ではなく、町の一介の小鬼殺しにスポットをあてる発想は自分には新鮮でした。その昔やっていた某『プロジェ○トX』が好きな御仁にはこの物語はけっこうしっくりきそうな気がします。どこかしら中島みゆきの歌声が聞こえるようなそうでないような。“女神官”“妖精弓手”キャラの固有名称無い理由が名もなき地上の星の物語だからというわけではよもやあるまいとは思いますが。。。
自分はしっくりくるものがあって楽しめました。

なお、コミュニケーションを取るのがド下手な今後の彼が心配です。待つ女“牛飼娘”を筆頭に、好意を寄せてくれる面々から影響を受けてさらに一段レベルが上がって欲しいですね。
{netabare}協力を仰いで総力戦へと繋がった最終盤は意外と彼には人望のあることがわかりました。一人の限界を超えて複数人のパーティをマネジメントできるならレベルアップも可能でしょう。{/netabare}

淡々というより黙々とした展開。その中で“妖精弓手”“女神官”“牛飼娘”“受付嬢”ら女性陣がアクセントを加えて飽きのこない作り。良作です。



■余談 ※あくまで個人的所感です
リアルでも“女子高生コンクリ詰め殺人事件”を筆頭に、国内においても、まるでこの作品で描かれたゴブリンの所業と思しき事件はあるとの前提ではありますが、規模と実態という意味で、
{netabare}本作は『竹林はるか遠く-日本人少女ヨーコの戦争体験記』に記述されている世界の異世界版と見立てて鑑賞してました。
※詳細は省きますが一言でいうと敗戦後の引き揚げ体験記で、原典はアメリカの中学校で教材として扱われておりました。しかしこの物語を当の日本人が知りません。{/netabare}
{netabare}誤解無き様、特定の国・民族を貶める意図はありません。事実の把握、起こったらどう対処するか、起こらないようにどう対処するか、それ以上でも以下でもないです。己の思考に自信満々との傲慢さもなく、集合知を信頼したいので事実は共有されるべきと考えてます。これをもって憎しみを増幅させるから止めろとのご意見は拝聴しても、「仮に起こったらどうするか?」または「同じことが起きない様にどんな準備をしてるか?」と問うことになると思います。{/netabare}

第二第三の剣の乙女を生まないようにするのが男子の務めでしょう。

{netabare}「わかってもらいたかった 怖くてつらくて痛くて恐ろしくて そんなことがこの世にあって そういうことをするものがこの世界にはいる 分かってもらいたかっただけです」剣の乙女(第9話){/netabare}

奇しくも世界を救った勇者さんが言ってるじゃないですか。

{netabare}「僕たちが世界を救ったって村が滅んじゃったらやだもんね~」勇者さん(最終話){/netabare}

{netabare}その勇者さん、魔人王を前にしてこうも言ってました。「これが終ったら村に戻って三人でお祭りに行くんだー!」(10話)。{/netabare}

大事を成す(世界を救う)者にも依って立つところ(村)は必要です。足元を支える裏方さんのお話でした。



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ 

-----
2019.01.06 初稿
2019.06.22 追記
2021.08.20 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 89
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

TRPGの世界観に抗い、サイコロの出目に左右されず生きる

アニメーション製作:WHITE FOX、監督:尾崎隆晴、
シリーズ構成・脚本:倉田英之、脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:永吉隆志
原作:蝸牛くも

RPG世界に存在するモンスターのなかで最弱とされるゴブリン。
退治しても稼ぎが少ないため、冒険者たちは要請を避けることが多い。
しかし、ゴブリンだけにこだわって討伐する男がいた。
多くの人々は蔑みも込めて、彼をゴブリンスレイヤーと呼んだ。

残酷描写が話題になった作品で、海外からの人気は高い。
その理由として考えられるのは、
主人公のキャラクター像だと想像する。
復讐の炎に身を焦がす、過去に傷を持つ男というのは、
ハードボイルドを好む層に魅力的に映るのかもしれない。

元はアスキーアートを使用した二次創作的な作品で、
ゴブリンだけを殺す男がいても面白いのではという
単純な発想から生まれ、様々な既存作品のキャラクターを
当てはめて発展させたものだ。
そんな経緯からか、登場人物たちには全員名前がない。
例えば主人公のゴブリンスレイヤーは、
ドラクエに登場する「さまようよろい」がモデル。
鎧兜の後ろから出ている赤い飾りのデザインなどは、
完全に「さまようよろい」と同じだ。
ほかにも牛飼娘が『銀の匙』の御影アキだったり、
鉱人道士(ドワーフ)がハンター×ハンターのネテロ会長だったりと、
言われてみると、確かに似通ったデザインだったりする。
調べてみると、それぞれモデルがあるので面白い。

さらに世界観はバックボーンとされているTRPGという、
テーブルゲームのひとつである会話型RPGを想定している。
プレイヤーはサイコロを振ることで運命が決まっていく。
作中で頻繁にサイコロが出てくるのはそのためだ。
ゲームマスターという全体を裁定する神のような存在がいて、
秩序や平和を望む人々と魔人王が支配する混沌を
目指す勢力に世界は二分されている。
これらを理解していないと、
作品の全体像が見えないのが正直なところだ。

というのも、この作品をリアルなRPGというつもりで
観ていると、かなり多くの部分で疑問を感じてしまう。
まず、ゴブリンをこの世界で弱いとしている
説得力をほとんど感じることができない。
もちろん、RPGをやったことのある人なら
事前のイメージでそう思えるだろうが、
この作品のゴブリンは知性がないといえど、
普通に剣を振り回してくるし、毒を塗った弓矢も放ってくる。
毒にやられると短時間で死んでしまう。
死亡すると生き返ることができない。

この世界では物語の何年も前からゴブリンによる殺戮が頻発している。
性格は狂暴で、人間を殺して強奪することを当然と思っている。
そんな危険な相手が雑魚と見なされ、相手をするのが
駆け出し冒険者しかいないということが既に納得できない。
当然ながら、複数で来られたらやられてしまう。
シャーマンや「渡り」などの上位種がいれば尚更のこと。
これは国家レベルで対処しなければならない事件だ。
しかも、ゴブリンはオスしかおらず、女性の人間を襲い、
短い期間で自分の子供を何匹も産ませることが可能だという。
だとすると、ゴブリン相手に女性の冒険者、
しかも駆け出しが討伐に向かうことなどあり得ない。
これは、より残虐シーンを描きたかったためだけと思え、
個人的には、設定が破綻していると感じた。

また1話でリアルな描写を入れているのは良いのだが、
{netabare} そのままの世界観で物語が進むのかと思うと、
その後は、百匹以上はいると思えるゴブリンたちを、
たった5人で殺してしまうなど、
どう控えめに見てもリアルなどとは思えない。
相手が毒を使うときに限って、
毒に反応するカナリアを連れて行くのも{/netabare}ご都合主義だ。
リアル描写として納得できるのは、
洞窟で長い剣を持っていくのはタブーということや、
大量のゴブリンを刺すときに血糊で滑るので、
敵の武器で殺していくというところくらいなもの。
途中からは普通の異世界ものとなってしまった印象だ。
またゴブリンスレイヤー以外のキャラの掘り下げも
ほとんど見られず、凡庸なストーリーといえる。

ただ、この作品をリアルなどと考えずに、
残虐シーンのある異世界ものという感覚で、
そしてTRPGということを踏まえて観ると楽しめる。
{netabare} 例えば、8話でゴブリンスレイヤーが、
死にかけるのだが、{/netabare}
TRPGの神のような存在が興じる不条理な世界に
抗うという描写があって、面白いと思った。

全体の作画の雰囲気や効果音、OPの音楽などは
この作品にとても合っていたと思う。
また、全12話の物語を俯瞰して、
ゴブリンスレイヤーの人生を追って考えてみると、
構成や脚本は上手くまとまっている。
これは、最後の2話分の展開が優れていたことが大きい。
視聴者は最初から少しずつ
ゴブリンスレイヤーの苦悩を見せられている。
{netabare}村が襲われ、大好きな姉が目の前で凌辱され惨殺されたとき、{/netabare}
怖くて動けなかったことに対して自分を責め続け、
ゴブリンを殺すことに異常な執着を持つようになる。

そんな心を失った男が次第に、他人に心を開き、信頼を得ていく。
多くの人々の力を借りて{netabare}大量のゴブリンから牧場を守ったことで、
ゴブリンスレイヤーのなかで何かが大きく変わった。
その結果「ゴブリンを殺すだけ」ではなく、
「冒険者になりたい」という将来の希望を
初めて口に出すことができたのだった。{/netabare}
苦しみも哀しみも、そして喜びも他人と分かち合えることが、
人生をより豊かにすることを彼は初めて知ったのだ。
このゴブリンスレイヤーの心情の変化に
至る展開は上手く描いていた。
ラストに続編があるようなテロップが出たが、
ひとつのお話として、現時点でしっかり完結している。

自分の望むことを得るためには、
サイコロの出目になど左右されないほどの
何かをやり切るだけの強い意志と
周りを動かすだけの力が必要なのだ。
(2019年2月9日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 84

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

主人公のキャラが気にいるかどうかでこの作品の評価は分かれると思う

<2021/1/31 追記>
なんと第2期制作決定だそうです。

<2018/12/31初投稿>
原作未読。

2018年最後のレビューです。

原作はラノベですが、元は某巨大掲示板から、とWikiに書いてありました。

RPGのような剣と魔法のテンプレートな異世界が舞台です。

と言っても「現代人がある日突然異世界に放り込まれ」といった話ではありません。

元からその世界で生まれ育った人たちの物語。

テンプレートな異世界なので勇者も、冒険者も、魔王も、モンスターも、町の人も、村の人も、「普通に」います。

そんな「普通な」異世界で、主人公はなんら特別な力を持たない「普通の」冒険者、通称「ゴブリンスレイヤー 」。

そして主人公が相手にするモンスターは「弱い」の代名詞「ゴブリン」のみ。

と言ってもこの世界のゴブたち。
1匹1匹は弱いのですが、生き残るたびに悪知恵を蓄え、群れて猛烈に手強い相手となっていきます。

さらに始末に負えないのは、人間の村を襲い、食べ物や家畜を奪い、男は殺し、女は連れ去り自分たちの繁殖のため凌辱する。

タチが悪い。

こんなゴブたちを、主人公ゴブスレさんは経験と知識と戦術と周到な準備と「ゴブ殺す!」の執念だけで抹殺していきます。

その執念たるや
ルルーシュのブリタニアに対する恨みを遥かに超えるものです。

・・・わかりにくいな

シャアのザビ家に対する逆恨みを遥かに超えるものです。

・・・しっくりこない

「エルフを狩る者たち」の「エルフは脱がーす!」を遥かに超えるものです。

・・・なんか根本的に間違ってるような気もするけどまあいいや。
そんな感じです。


ゴブスレさんは身体能力や格闘技術が特別優れてるわけではなく、強力無比な魔法も、アバンストラッシュ的な技もないので、たびたび命に関わるような窮地に陥って行くわけですが

はたしてゴブスレさんは窮地を乗り越えることができるのか?

というお話です。


以下、感想。

面白かったです。

地味なところ、戦い方や考え方が理に適ってるところ、渋い雰囲気、シンプルな世界観、OPED曲など好みでした。
主役含め、主要登場人物に固有名詞が付いてないとこも「まおゆう」みたいで○。

そして何よりゴブリンスレイヤー さんのキャラがいいですね。

まず寡黙。
2018年アニメの主役ではハイスコアガール・あきらに次ぐ寡黙さ。
そして不器用。
さらにゴブ憎しで壊れかかってるところ。
ついでに見た目は「さまようよろい」(出展Wikipedia)。

こういうのカッコよい。


他のキャラクターの絵柄がもう少し渋ければさらによかったな、とは思います。


無敵の主人公に飽きてしまった方、灰と幻想のグリムガル」みたいな渋めのRPGファンタジーが好きな方にオススメの作品です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 63

84.7 7 ダークファンタジーアニメランキング7位
ブラック・ブレット(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (2564)
15359人が棚に入れました
突如、現れた異形の寄生生物「ガストレア」。赤く輝く目と圧倒的な力、そして桁外れの再生能力を持つ彼らの侵攻に、人類はなす術もなく大敗を喫する。国土の大半を失った現在、人類は彼らが唯一弱点とする金属「バラニウム」で作ったモノリスで囲われた、狭い「エリア」の中で、ガストレアの脅威に怯え、隠れながら生きることを余儀なくされていた。そんな中、生き残りをかけた人類のささやかな抵抗として組織されたのが、ガストレアへの対抗手段を持ったスペシャリスト集団「民間警備会社」――通称、民警。そのひとつ、天童民間警備会社に所属する高校生・里見蓮太郎は、相棒の少女・藍原延珠と共に、東京を壊滅に追い込まんとする、危険な企みに巻き込まれていく――。

声優・キャラクター
梶裕貴、日高里菜、堀江由衣、黒沢ともよ、小山力也、悠木碧、甲斐田裕子、豊崎愛生
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ロリっぽい...BUT...

悲しい設定だよね。
{netabare}感染源として、敵でもあり、味方でもある{/netabare}っていうのは。。。
えんじゅがかわいいだけに、今後どういう展開になるか期待!ですね^^

■第2話
{netabare}
「呪われた子供たち」への扱いがヒドイですね。
長老さんいい人だ^^
{/netabare}

■第3話~第12話
{netabare}
木更さんが最後に謎の闇落ちに・・・(笑)
カゲタネがラストで登場してアツかったですね!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 81
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ロリになった覚えはないんだけど・・・。

延珠ちゃんを初め、少女がたくさん出てきます。
{netabare}
彼女たちは“呪われた子供たち”と呼ばれ、市民から激しく迫害されています。
時には殺害されるほどに・・・。

ところが、彼女たちはその人間離れした身体能力を活かし、“イニシエーター”として、市民を守るために戦います。
{/netabare}
ロリになった覚えはないんだけど、彼女たちに心奪われずにはいられませんでした。
{netabare}
後半で、延珠ちゃんの友人たちの命が、一度に奪われます。
{/netabare}
ロリになった覚えはないんだけど、思わず涙が溢れ出してしまいました。


コメディとバトルがバランスよくミックスされた内容。
全13話と短目なので、一気に見れると思います。

バトル好きで、アニメで泣きたい方にはお勧めです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 75
ネタバレ

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

幼女不憫萌え(́౪‵) ♡…あなたの是非が…今問われる!!

原作ラノベ 全13話 原作未読


物語の概要―
『ガストレア』という寄生生物(大きな虫..・ヾ(。>д<)シ )
が蔓延る世界に、共存する人類!!

その巨大生物から身を守る為に人類は
“モノリス”という巨大な防壁を築きそれらで囲んだ
安全な地域=エリアにてその驚異から身を守り暮らしていた…


ガストレアに対抗する力を持った”少女” \_( ゚ロ゚)ココ重要!!
「イニシエーター」と、彼女らを指導する「プロモーター」によって
組織された「民間警備会社」⇒略して”民警”とのその戦いを描く物語!!!

                      (あらすじ一部参照)

というまどろっこしい前書きはこのくらいにして
私的に本作をわかりやすくまとめてみるとッ♪


◆ここだけは抑えておきたい! ブラック・ブレッド三大要素◆

①幼女ハーレム計画。.゚+(ヾ(。>∀♡)シ)).:゚+。(冗談ですよw)

②大きな虫さんたち…うじゃうじゃめたこわ恐怖;゙゚’ω゚’):

③人類の驚異と化した↑とのダイナミックアクション!!
(…その戦いの裏に隠された社会の闇…謎、陰謀、悪事、その真実とは?!)


と大雑把に言うとこの三大要素が大いに絡まり合う展開となりますv(´∀`*v)


とまぁえらい偶然なことに
私の大好物(幼女)とVS大嫌い(虫さん)が相まみえるという
なんとも複雑なはぅあぅぅ~な(´Д`;)構図に!
言うまでもなくハラハラドキドキ展開になるのです(´Д⊂ガンバッテ

そしてガストレアという寄生生物という名の大きな虫たち!!
についてですが、虫さん嫌いな皆さま( ´ ▽ ` )ノ

どうぞご安心下さい♪
虫は虫でもその実態があまりにも大きく凶暴な生き物なので
虫さん特有のウジャウジャ感というか、びやーっとした気持ち悪い感は
若干弱めで、ナウシカで言うところのオウムさんや
特撮もののモスラーやモスラーッ♪などが大丈夫であれば
何とか大丈夫なレベルではないかと存じます(`∀´)ゞ


そして、やはりやはり物語や展開その演出は実に巧いです♪
幼女萌えさせるところはしっかりさせ゚+o。ドキュ―(*゚д゚*)―ン。O+゚
ハラハラさせるシリアスモードや鬱展開をかみ合わせ((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタタタw
私の心をむさぼりつくすのであります…Σ(゚д´(ω・` )

その演出には大変心揺さぶられ
私かなり熱い思いがこみ上げてまいりました…


ということで私は声を大にして言いたい!!!

本作に登場する”呪われた子供たち”という名の
幼気なその幼女たちへのこの胡散臭い社会の扱いのその酷さに

ほとほと私は遺憾の意を表にせずにはいあられないので
ありますよッヾ(`Д´*)ノ


この世に授かりし全ての幼女たちの笑顔を、
その優しい眼差しを―

ごくごく普通の少女として、みな誰しもが夢見る気持ち、
そのささやかな幸せを、その願いを、想いを、夢を、希望を…
踏みにじり、蹴散らす権利など誰にあるというのだデス!!

そんな社会を是とするならば私はまっぴらごめんであるデスヾ(`Д´*)ノ


仮に私が、100歩譲ってロリコンだったとしよう…
いや譲るまでもなくロリコンなのだが(♥ó౪ò)ヾ(・ω・`

幼女たちの幸せを願うこの気持ちは―
もはや揺るぎようのない人間の生理現象だと思うのですが…?


色々と誤解を招きかねないので伝えておきますが
何も私は幼女たちを●□▲×チョメチョメしたいという訳ではない(`・ω・´)キリッ

何よりも幼女たちの… ぁのあどけない笑顔.*・゚
そう、彼女たちにはいつも笑っていて欲しいのだ
はしゃいでいて欲しいのだ、喜んでいて欲しいのだ、

幸せであって欲しいのだ…

傷ついたり泣いたりした悲しい顔はみたくないのだ
胸が切なくて苦しくては焦がれて堪らないのだ―

幼女たちの幸せをそっと見守り、愛でていたいのだ…

そんな風に思うこの気持ちは間違っているのだろうか…
いけないことなのだろうか… 誰か教えて欲しい…


たとえ世界中の誰もが…
彼女たちを嫌い蔑み滅ぼそうとしたとしても

私だけは絶対に守りぬく…
この身を呈してでも この命にかえてでも―

そんなロリコン人間に… 私はなりたい(o´Д`)Ф_ … 



ぁ、さて散々支離滅裂な内容でお送りしてきましたが、
本作、私はお気に入り棚にぶち込みたくなるほど
大変楽しませて頂きました♪

まず、主人公『蓮太郎』の相棒『延朱』がどーにも
妾(わらわ)可愛すぎであって、天誅ガールズのくだりとか…
大変胸を揺さぶられ…私の涙のダムが決壊し崩壊しました。゚(゚´Д`゚)゚。

さらに金髪ロリのちょー強幼女『ティナ』も魅力満載で
これまた可愛い(◍’౪`◍)♡…

極めつけには、猫耳ロリの『翠』たんまで登場するという
大盤振る舞いときたもんだ♪

ふと見渡せば、そこはあたり一面幼女だらけ…
ここは正しく幼女たちの桃源郷♡


心の奥底にひっそりとしまっておいた計画…

そう幼女ハーレム計画という名の
変態紳士の野望を画策、企てようとやっきに
なってる方々からしてみれば
本作はまさに打って付けの作品となっていること間違いなし!!


うん…しかしながらちょいとばかし心えぐられる展開になるかと思いますが…

沙都子や梨花ちゃま、れんちょんや、八九寺、千冬ちゃんや白たそ好きな
そこのあなたには是非とも視聴に挑んで頂きた作品なのです!!!

物語、声優、作画、音楽、キャラもあにこれで言うところの
かなり高い水準で描かれ、作りこまれた作品であると
私は自信を持ってオススメしたい作品でなのです…

アクションにバトルに何かと臨場感溢れる
演出と…でもまぁ {netabare} 最後は○兄に任せてしまって良かったのかと
些か疑問点は残りますが…w

これも延朱をまた一人ぼっちにしない為と考えれば
致し方ない事の結末だったと受け入れられるでしょう…{/netabare}


ただ1点… 彼女たち幼女たちへの扱いを
不憫萌として受け入れられるのか…
はたまた一切受け付けられないのか…
そもそもロリとか興味ないし(ヾノ・∀・`)なのか…

ココは大きく評価に影響してくるものかと存じます(゚д゚)_。)
ちなみに私はエンターテイメントとしては受け入れられましたが
やはりその方向性、趣向にはNOと言わざるをえず…

なんとも惜しくもお気に入り棚入りを逃した作品となりました(。-`ω´-)ンー
(ま、そもそもお気に入り棚いっぱいぱんぱんでもぅ入る余地がないんですがね…w)

いや心揺さぶられ大変楽しませて頂いた点はふんだんにお伝えさせて頂きますぞ!!


ささ!! そこの幼女ハーレム計画を企てている
そこのあ・な・た!! 幼女エキスが足りなくなったその時には
ぜひぜひこちらに立ち寄って頂きたい! 
私きってのオススメ案件でございます(∩´。♡∀<)⊃ぜひッ!!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 64

71.4 8 ダークファンタジーアニメランキング8位
CLAYMORE クレイモア(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (623)
3518人が棚に入れました
人間を捕食する妖魔が巣食う世界。妖魔に対抗すべく、人間は妖魔の血肉をその身体に取り入れた半人半妖の女性戦士を生み出した。
銀色の瞳と巨大な剣を持つ彼女たちは、その大剣の名から"クレイモア"と呼ばれる。"クレイモア"の一人であるクレアは、かつて少女の頃、テレサと名乗る最強のクレイモアと出会う。クレアを救うため、クレイモアの鉄の掟を破り、人間を殺めてしまうテレサ。掟を破ったテレサは、討伐隊に追われる身となる。そして、妖力の暴走を止められずに「覚醒者」となった討伐隊の一員・プリシラの強大な力の前に、テレサは敗れ、殺されてしまう・・・。テレサの敵を討つため、クレアはテレサの血肉を受け継ぎ、自らクレイモアとなる道を選ぶ。クレアの闘いは、ここから始まるのだった・・・。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

中世ヨーロッパを舞台にした半人半妖の女戦士の物語

中世ヨーロッパが舞台ということはもちろん、
全体を包む哀しくダークな雰囲気と
剣を使った迫力あるアクションシーンはとても好み。
キャラデザも好みは分かれそうだけれど、個人的には好きな部類。
半人半妖の青白い姿のクレイモアたちの宿命。
練り上げられたストーリーに重みと厚みを感じた全26話。
序盤よりも、後半に入るとどんどん引き込まれていく。
そして、決して勧善懲悪でないところに好感が持てる。

欲を言えば・・テレサをもう少し深く掘り下げて描いてくれたら
大満足だったかも。

女性キャラが多くを占めるわりに、エロも萌えもないけれど
個人的にはその乾いた感じが、
この作品を観ていた当時の自分にとってとても良かった。

この作品の放送時間・・・日曜の夕方?だったと思うのだけど
こういうものこそ、深夜でのびのびできたら良かったのにと思う。
それもあってか否か、2期を期待できそうな終わり方だったが、
どうやらそれはなさそうで。
ちょっと残念。

ちなみに声の出演は・・

クレア = 桑島法子
ラキ = 高城元気
テレサ = 朴璐美
ミリア = 井上喜久子
ヘレン = 長沢美樹
デネヴ = 武田華
ルヴル = 平田広明
プリシラ = 久川綾

投稿 : 2024/05/11
♥ : 59

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

伝奇ファンタジー好きなら一度は見ておいて損はない

<2019/5/19 初投稿>
原作未読。
数年前に全くの予備知識なしにCSで観ました。


喰らった人間の記憶を得てその人間に擬態し、人間社会に潜んで更に人間を襲う。
そんな恐ろしい「妖魔」が跋扈する中世ヨーロッパのような異世界が舞台。

主人公のクレアは妖魔の討伐に特化した「クレイモア」と呼ばれる戦士の1人。

クレイモアは白髪に白い肌、銀色の瞳を持ち、大剣を携え、人間離れした身体能力と突出した剣技で妖魔を屠っていく女剣士です。

クレアはクレイモアの中では強くない、いや寧ろ・・・というそんなクレアの成長奮戦記?

・・・いやそうじゃない
確かに奮闘するけども。
決してジャンプ的なアレではないです。

私の本作の印象は

「禍々しく」
「熱く」
「強く」
しかし
「心が痛い」

こんな感じです。

もちろんバトルの爽快感もありますが。


お話が進むにつれて少しずつ明かされていく世界観は丁寧に作り込まれており個性的。

次回放送が待ち遠しくなるくらいにハマりました。
ベルセルクとか好きな人なら間違いないと思います。
さらに言えば、アニオタでない人にもお勧めできる良作かと。

あとテレサが素敵(/ _ ; )

投稿 : 2024/05/11
♥ : 36

テンガロン さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

絶賛です!

人間に代わって妖魔を退治する事を生業とする
「クレイモア」という半妖の女性のみで
構成された組織がありそのメンバーの一人である
クレアの物語です。

特に新しさを感じることは無く、
ありふれた設定を上手くMixしたような
ファンタジー系バトルアニメです。

グロいシーンも多く、絵柄の好き嫌いも
如実に出るかもしれませんが
抵抗が無い人は一度は観てもいいと思います。

主人公のクレアにはある目的があり、
そのクールな佇まいとは裏腹に
彼女の本気の覚悟にはかなりシビれました!

その魅力だけで最後まで一気に見れました(^^)

お話の展開が非常に上手くどんどん次が気になる
魅せ方にグイグイ引き込まれました!

ベルセルク、進撃の巨人のような作品が好きな人は
もしかしたら面白いと思えるかもしれません。

是非お試し下さい(^^)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29

79.9 9 ダークファンタジーアニメランキング9位
黒執事(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1395)
8135人が棚に入れました
ファントムハイヴ家の当主シエル・ファントムハイヴに仕える執事セバスチャン・ミカエリスとその使用人達の日常とシエルの裏稼業を描く、アクションシチュエーションコメディ。
物語の舞台は19世紀イギリス風のパラレルワールドである(1巻巻末のあとがき漫画より)。作品世界の描写は基本的には史実のイギリスに忠実だが、携帯電話が登場したり、テレビの存在がほのめかされていたりと、独特な世界が形成されている。

声優・キャラクター
坂本真綾、小野大輔、東地宏樹、梶裕貴、加藤英美里、藤村俊二、田村ゆかり、朴璐美、福山潤、遊佐浩二、矢作紗友里、諏訪部順一、鈴木達央、杉山紀彰、矢島晶子、山口孝史、青山穣、菅沼久義、勝杏里、立花慎之介、安元洋貴、日野聡

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

世の中の関節は外れてしまった。 ああなんと呪われた因果が・・それをなおすために 生まれついたとは!

まず、これを先に言っておきます!
腐向けでも、BLでもありませんΣ(゚Д゚;マジデ!?
そんな浮ついた考えで観ようものなら、(はい、それは私DEATH(・ω<)テヘペロ☆)
あまりの衝撃的シーンに目をそらしたくなります(⊃д⊂;)ヒィィィ!

そして、「執事」のあま~い響きに騙されてはいけません
あくまで「黒」執事ですから・・
「あくまで執事ですから」・・あくまで、ね・・ 

ストーリーとしては、名門貴族のファントムハイブ家の当主「シエル」と
その執事「セバスチャン」と、愉快な使用人達との愉快な日常と、シエルの裏家業と復讐劇・・
日常は観ていて楽しいですが、裏家業の方が話の主になりますので結構悲しいシーンが多いです。
そして、グロイのが苦手な私には、少し刺激が強かった|ω・`)
グサッ、バキッ、プッシュー!!って感じですかね・・w
あまり そのような作品は観た事がないのですが、
ちょっと色々リアルでした・・

その中でもコメディが入って来ると最高に笑える!
オネェな福潤様が拝めます(*ノ∀ノ)イヤン
むしろ、それが楽しみで観ていた位でしたよw

■オネェな福潤様が気になった方へ■
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13321307
(20秒で止めて下さいw)

2008年の作品ですので、作画はとっても美しいです☆
なので、たまに崩れると残念ですw
19世紀後半、イギリスが舞台なので洋服なども雰囲気出てて
お人形さんの様に可愛いです♪
そして、シエルはおやつを欠かさず食べるのですが、
毎回出て来るケーキやらお饅頭やら・・美味しそうで食べたくなる作画でしたよ☆

そして!声優人が豪華(*´∀`)
シエル役には「坂本真綾」サン!まさか「き~みは誰とキッスを♫・・」な可愛い声じゃないです・・いや、可愛いのですが
子供だけど、クールなシエルにぴったりな声でしたよ( `・∀・´)b グッ!!
そして、セバスチャン役は「小野大輔」サン!
セバスチャンが「ドS」なので、小野サンのイケメンボイスにはハナヂブー ( ´ ii ` )ww
しかし、一番は使用人「フィニアン」役の「梶裕貴」たんですね♥
今まで観て来た中で一番萌えました(*´Д`)ハァハァ
役+声がこんなピッタリな事なんてあるのかと・・
って結局「腐目線(≖ω≖)腐っ腐っ腐っ・・・」
え?違いますよ?w

2期もありますので
完結はしないまま終わってしまいました。
しかも、あの終わり方正直ズルイです (´・ω・`)
2期も絶対観たくなる終わり方でした・・まぁ、観ますがねw

そして、何故このタイトルにしたか・・
それは最後の番外編を観ればお分かりになるでしょう・・
むしろ、主人公シエルの生き様が・・
ちなみに番外編、ほぼギャグDEATH(・ω<)テヘペロ☆

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

毎回の紅茶がとても美味しそうだった

ロンドンを舞台に、名門貴族・ファントムハイヴ伯爵家の現当主である少年・シエルと
すべてにおいて完璧にこなす執事セバスチャン・ミカエリスを主人公に
代々受け継がれてきた裏稼業である女王の番犬として、イギリスの裏社会の管理、
悪事の始末などを請け負いつつ、その日常を時々コミカルに描いた作品。
{netabare}
「あくまで執事ですから」の決めセリフの通り、セバスチャンは悪魔であり
シエルはある復讐を果たすために彼と契約を交わしている。
両親を殺され、自分はどこかの団体に差し出され辱めを受けたということだが
その描写がシーンとして何度か挟まれるものの、詳しくは描かれておらず{/netabare}
原作を知らない視聴者としては、シエルの復讐心に感情移入がしにくかった。
さらに、復讐の相手である人物の心情に、多少ブレがあるので
そこを人間味と受け取るか、甘いと受け取るかで感想も変わってきそうだ。
いずれにせよ、この人物の持つ憎悪と快楽、狂気をもう少し見せて欲しかった。
でもこの人、なかなか美しかったので許せてしまうのだけどね(苦笑)

それを除けば、人物描写はとても細かく、ちょっとした口元のゆるみや
目の輝き、指先の仕草などで感情表現がとてもわかりやすく
何事にも冷静沈着で有能なセバスチャンは魅力的だし、
それぞれに畑違いの過去を持つ使用人たちも、充分楽しませてくれた。
また、背景なども含め、作画がとても美しく、ゴシックなムードにぴったりだった。

個人的な好みによって印象は変わりそうだけれども、
シリアスとギャグのバランスは悪くなかったように思う。
ただ、有能で優雅な執事がいなければ、シエルはただの我侭で生意気な少年にしか
映らず、名門貴族たる高貴さや知的さがやや足りてなかったように感じたのが
個人的にはちょっと残念な部分だった。

でも逆を返せば、そうだからこそセバスチャンがより魅力的に
美しく気高く見えたのかもしれない。

そうそう、忘れてならないのが死神の人々(笑)
特に、オネエなキャラのグレル・サトクリフ。
彼が登場するとギャグコーナーにスイッチが入ったような感じで
なかなか面白かったし、声を担当した福山潤氏ものびのび演じているように思えた。
あと、葬儀屋のアンダーテイカー(CV:諏訪部順一氏)もなかなかいい味出していて
あの謎に包まれた雰囲気には、すごく興味を惹かれてしまった(笑)

この1期は全24話だったが、2期は12話構成。
TV放送当時、自分は2期の3話あたりからを先に観てしまってたので
1期を観た今、あそこからどう繋がるのかちょっと楽しみ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30

のあ☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あくまで執事ですから  (大幅に書き直し)

この作品は私がアニメを見始めてから結構初期のころに観た作品だと思います。原作は友達に借りて読んでいたのですが、その後自分でも欲しくなって全巻そろえてしまう始末(笑)全巻きっちりと本棚に並べてあります。
余談ですが、巻数がローマ数字表記のため、九巻以上は中を確認しないと何巻か分からないという・・・w 作者のあとがきに書いてあったのですが、作者曰く「もし最初から十巻越える予定だったら、巻数表記をローマ数字表記にしてなかった!!!!」とのことww 最初は一巻で終わる予定だったみたいです。原作ファンとしてはこんなに(現時点で二十巻)続いてくれているのは本当に嬉しい!それに、話を戻しますと、ローマ数字表記に関しては私が努力して覚えれば済む話ですからね!w

ちなみに私は、友人に借りて原作を読む→一期を見る→原作購入、の順です。

黒執事は全二十四話の2クール構成で、
・1話~6話(原作第1~3巻をもとにアレンジ、時系列の変更)
・7話~12話(アニメオリジナル)
・13~15話(原作4巻~5巻)
・16~24話(アニメオリジナル)
私がアニメを観た時、アレンジがあると知らなかったので「え!?こんなのあったっけ?なかったよね??」と地味に混乱しました(笑)1期を観た後に自分で原作を購入したのは、この作品が好きだからというのももちろんですが、アニメと原作どちらがどう違うかをはっきり確かめたかったからでもあります(笑)まあ要するに、制作側の思惑通り・・・かな?ww

 ~声優~
・セバスチャン・ミカエリス(小野大輔 )
・シエル・ファントムハイヴ(坂本真綾 )
・タナカ(藤村俊二)
・フィニアン(梶裕貴)
・バルドロイ(東地宏樹)
・メイリン(加藤英美里)
・エリザベス・ミッドフォード(田村ゆかり)
・アグニ(安元洋貴)
・劉(ラウ)(遊佐浩二 )
・藍猫(ランマオ)(矢作紗友里)
・アンダーテイカー(諏訪部順一)
・グレル・サトクリフ(福山潤)
声優の方々に関しては、文句のつけどころが全くといっていいほどありませんでした。
特にグレル役の福山さんが印象深かったです。福山さんの演じている役といったら?と聞かれたら、迷わずこれを答えますww主要キャラ・・・というわけじゃないんですけどね。それでも心に残るというのは凄い事ですよね^^

この作品はシリアスも多いですが、その中でのギャグが意外と面白いです。というか面白いです。
また、どちらかというとやはり女性向けなのかもしれませんが、男性が観ても面白いと思いますよ?
意味深なセリフはありますが別段腐向けというわけじゃないですし、私としては話の深さ??みたいなところを楽しんでほしいです!

そして、「一家に一人、セバスチャン」のノリで我が家にセバスチャンが欲しいですw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26

87.4 10 ダークファンタジーアニメランキング10位
新世界より(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (3341)
15917人が棚に入れました
渡辺早季は、閉鎖的だが穏やかな田舎町「神栖66町」で幸福に少女時代をおくった。ある日、町の外へ同級生たちと出かけて小型図書館端末ロボット「ミノシロモドキ」と出会う。質問することにより21世紀前半の超能力者誕生から非能力者との敵対、その抗争から能力者の勝利と文明の崩壊、その後の暗黒時代、町の管理支配の実態といった禁断の知識を知ってしまう。その直後、バケネズミ同士の戦争に巻き込まれ、命からがら町に戻るがしだいに恐ろしいことが起き始める。

声優・キャラクター
種田梨沙、東條加那子、花澤香菜、工藤晴香、藤堂真衣、梶裕貴、高城元気、村瀬歩、浪川大輔、平田広明
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

綿密な設定と深いテーマのSFアニメ。加速していく面白さと、強烈な余韻。

原作未読……が、これは読みたい!

今から1000年後の未来、場所は日本。
人間は「呪力(じゅりょく)」という力を持ち、異形のものを従えながら生活していた。


いやー、面白かったです!
斬新な世界観に引き込まれ、強烈な余韻を残してくれました。
ここまで原作が気になる作品に出会ったのは初めてかもしれません。

純和風SFという珍しいジャンル。
一昔前の片田舎を連想させるような、穏やかな風景です。

しかし、物語全体が、強い不安感に支配されています。
これには物語の構成と、演出が大きく作用していると思います。

物語は12歳編・14歳編・26歳編と3部構成。
ほぼ主人公視点で物語が進むため、主人公の見る風景が、視聴者にとって、世界のすべてです。

まず、最初の12歳編で、周囲の大人、異形のものたちに対する「疑心暗鬼」を徹底的に植え付けられます。
それと同時に、ドヴォルザークの"新世界より"から"家路"がBGMとして何度も流れます。
これが、後の14歳編、26歳編で、「"家路"が流れるだけで不安になる」という演出上の効果を生み出すわけですね。


さて、この独特な雰囲気の中、物語は加速するように面白くなっていきます。
伏線の張り方、ミスリードも見事ですね、ほとんど無駄がありません。
{netabare}
大抵の伏線は、分かりやすい形で回収されていますが、

・1話で早希が「ビリ? 何言ってんの? 私の他にもまだ何人もいたよ?」→すでに思考がコントロールされている証拠
・1話で早希「ここ(全人学校)、農場に似てる」→大人たちに実験動物として飼われているという暗喩
・石ころがしのゲーム→呪力が守りに弱いことの現れ
・はったりをかます12歳の覚(さとる)の性格→鏡を作り出す呪力

……など、一見それと気付かないような細かい伏線も多数あります。
{/netabare}

しかし、万人にお勧めというわけにはいきません。

理由は二つあります。


一つ目は構成のバランス。
原作はなんと1000ページ超え!!
しかも、非常に綿密な設定がされているようです。
序盤は世界観の説明に多くの時間が裂かれ、専門用語もたくさん出てくるため、退屈に感じるかもしれません。
また、思わせぶりでなかなか解決しない展開にもイライラするかも。

しかし、25話という短いスパンで1000ページを表現しているわけですから、それでも展開が速いんです。
流し見なんてしていたら、あっという間に置いていかれます。
そのため、頭を空っぽにして、雰囲気だけを楽しみたい人には向いていません。


第二の関門が、BL、百合、性的な行動、残虐な行動、利己的な行動など。
これがきついという方もいるでしょう。

ただ、この作品のテーマは「教育や{netabare}洗脳{/netabare}」「倫理や道徳観」といったものです。
視聴者が、例えば、BLや百合に偏見を持つことが、物語のメッセージ性と重なっているんですよね。
もっと分かりやすく言えば、主人公を含め、キャラクターの行動に不快感を覚えること自体が、ある意味「狙いどおりの」反応なわけです。
{netabare}
人類は、化けネズミたちを同胞とは扱っていないですが、実際は過去の人類と同じ立場にある存在。
それでも、今まで植え付けられてきた教育や洗脳の力で、それを感じ取ることができない。
よって、視聴者は、アニメの登場人物と、自分の倫理観とのズレを感じ、彼らの行動に対して不愉快な感情を抱くんですね。

そして、衝撃のラストで「道徳的観念には穴がある。偽りの神に二度も敗北した、呪力を持たない、悲しい人類。彼らを救うには、どうすればいいのか?」という、重たい問いを残していきます。
{/netabare}

その辺のテーマ性を早い段階で感じ取り、じっくり見れば、本当に面白い作品だと思います。
見終わるとガツン!とくる、激しいパンチの効いた作品。
ストーリー、テーマ性重視でSF好きの方にはピッタリです!


それにしても……原作が読みたい!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 132

cross さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

作品全体を通して非常に良く作り込まれた作品。序盤でポイントを確りと押さえて視聴すれば、中盤から一気に盛り上がります!!【総合評価:72点】

2012年秋から2013年春にかけて全25話で放送された作品。
原作は2008年、第29回日本SF大賞受賞作品です。

人々が『呪力』と呼ばれる所謂サイコキネシスの能力を手に入れ、1000年後の世界を舞台とするSF作品で主人公の渡辺早季が12歳の時点から開始され、14歳、26歳と三部構成になっています。

正直、12歳編の内は毎週視聴していたものの、そこまで内容を捉えきれていなかった感がありました。
作品として独特の設定や用語も多い中、説明が簡略だったりと少し取っ付き難い感じではあります。
しかし、12歳編で登場する設定や用語は14歳編や26歳編で生きてくるので、取っ付き難く視聴を断念する方も多いでしょうが辛抱してください。
自分も12歳編でその取っ付き難さ故に一度視聴を中断しておりましたが、中盤に差し掛かったあたりで、最初から真剣に視聴してみると世界観がぐっと把握出来て一気に作品への評価が上がりました。
まぁ、最初から真面目に視聴していれば良かっただけと言われればそこまでなのですが……

しっかりとポイントを抑えながら一気に視聴するか、時間さえあれば2週視聴してもらえれば、この作品への理解が深まりより面白い作品と感じて頂けるのではと思います。
物語全体を通して爽快感はないですが、視聴後は何とも言えない余韻に浸ることが出来たので、視聴してみて非常に有意義だったと思います。


作画に関しては若干の低評価をつけています。
個人的な意見として、自然の風景などはかなり綺麗なのですがキャラクターデザインがそこまで好きになれなかったと言うのが大きいです。
そして、作画のレベルが目に見えて悪くなる場面も多々あった様に思えます。


主人公の渡辺早季は苦難に対して人並みに揺らぎ、混乱するものの、最終的には立ち上がる事の出来る強さはあります。
しかし、中途半端な善性を持ち、都合の良い社会を形成する裏事情などに嫌悪感を示しつつも、行動力に欠け、自身の行動原理も結果的には自分に都合の良い様に……
まぁ、アニメの主人公としては爽快感にかけるキャラクターではありますが、逆に人間味があると言えると思えます。
王道な主人公から逸脱していながら、この作品の恐怖演出や人間の醜さと言った重要なポイントをじっくりと視聴者に感じさせるのには抜群なキャラクターだったように思えます。


「割れたリンゴ」(第1話 - 第16話) 「雪に咲く花」(第16話 – 第24話)
どちらも作中のキャラクターが歌い上げる主題歌はタイプこそ違いますが、どちらも良曲で個人的には両方お気に入りです。
BGMに関しても、独特な世界観を効果的に演出していて非常にマッチしていた思います。
こんな感じで音楽面に関しては、主題歌、BGM共に素晴らしかったです。。



序盤からしっかりと伏線を張り、その全ての設定をしっかりと扱っていて、物語全体を通してかなり作り込まれた作品
しかし、序盤から面白そうな雰囲気こそ出していますが、どうにもその面白さを実感できるまでに時間が掛かるように思えます。
序盤、物語の取っ付き難さと微妙な作画で断念したい気持ちになる方も多いように思えますが、中盤から巧みに伏線の回収が行われ一気に盛り上がってきますので是非とも流して視聴するのではなく、最後まで真剣に視聴してみてください!!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 115
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ニヒル アンバウンド

貴志祐介原作、日本SF大賞受賞作品。

偽りの神に抗うこと。
この惑星の塵の中で歪んだ進化を歩み、
人は心の奥底に潜む虚無に対し抵抗する。
{netabare}そしておそらく我々は敗北したのである。{/netabare}
比類なきメッセージを持つ歴史絵巻であろう。

舞台は千年後、茨城神栖町。
人は「念動力」を手にしている。
煩悩を捨て解脱を目指す少年少女たち。
天から授かった能力を駆使し文化を築いている。
園内での生活を謳歌する若者たちは、
{netabare}夏のキャンプで先史文明が残した、
未知の生物「ミノシロモドキ」と遭遇し、
封印された人の歴史の歩みを知り驚愕する。{/netabare}

呪術と王の成立、信仰と禁忌、
孤独は「業」の苗ごとになり心を蝕む。
我々は何をもって人であるのか?
社会秩序は何をもって守られるのか?
革命はいかなる正義のもとで行われるのか?
{netabare}断続平衡された進化は階級と闘争を生み出し、
ここにもまた悲劇の種が芽生える。{/netabare}

素晴らしい演技と終盤怒涛の演出で、
観るものを選びますが飽きることはない。
世界観と物語を優先させる方にお勧めします。

アニメが1つの「倫理」を語ったのだろう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 73

87.4 11 ダークファンタジーアニメランキング11位
甲鉄城のカバネリ(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (2065)
10001人が棚に入れました
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜で覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。

極東の島国である日ノ本の人々は、カバネの脅威に対抗すべく各地に「駅」と呼ばれる砦を築き、その中に閉じ籠もることでなんとか生き延びていた。駅を行き来ができるのは装甲蒸気機関車(通称、駿城)のみであり、互いの駅はそれぞれの生産物を融通しあうことでなんとか生活を保っていた。

製鉄と蒸気機関の生産をなりわいとする顕金駅に暮らす蒸気鍛冶の少年、生駒。彼はカバネを倒すために独自の武器「ツラヌキ筒」を開発しながら、いつか自分の力を発揮できる日が来るのを待ち望んでいた。

そんなある日、前線をくぐり抜けて駿城の一つ甲鉄城が顕金駅にやってくる。車両の清掃整備に駆りだされた生駒は、義務であるカバネ検閲を免除される不思議な少女を目撃する。
その夜、生駒が無名と名乗る昼間の少女と再会するなか、顕金駅に駿城が暴走しながら突入してきた。乗務員は全滅し、全てカバネに変わっていたのだ!
顕金駅に溢れ出るカバネたち。パニックに襲われる人々の波に逆らうようにして、生駒は走る。今度こそ逃げない、俺は、俺のツラヌキ筒でカバネを倒す!

──こうして、本当に輝く男になるための生駒の戦いが始まるのだった。

声優・キャラクター
畠中祐、千本木彩花、内田真礼、増田俊樹、梶裕貴、沖佳苗、伊瀬茉莉也、逢坂良太、佐藤健輔、宮野真守
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

力なき力

オリジナルアニメーション。

舞台は日本、蒸気機関が発達した江戸時代終盤~明治初期のような架空の時代。
カバネという怪物に噛まれるとウィルスに感染して自分もカバネになってしまう。
いわゆるスチームパンク+ゾンビパニックの世界観です。

主人公の生駒(いこま)もいきなりカバネになってしまいます。
しかしながら、長年を費やした対策が功を奏し、脳まで乗っ取られることを防ぐことに成功します。

人とカバネの中間、カバネリ(たぶん屍人)となった生駒は、いかにして生きる道を模索するのか。
圧倒的な作画と迫力で描いた物語です。


テレビシリーズながら、映画クオリティ。
劇場版が先行公開され、その質が維持されていると考えれば、レベルの高さは推して量るべしです。
静止画の多用が見られるものの、全体的に安定感があるので安心して見ていられます。


とても勢いがある作品です。
ほぼ毎回大事件が起こり、次回が気になる終わり方をする。
見ている間はあっという間に時間が過ぎていきました。
{netabare}
唯一、七夕回は事件が起こりませんでした。
しかし、骨休めになりつつも内面に焦点を当てている。
ああいうメリハリの効いた休止の使い方、いいですねぇ。
{/netabare}

もちろん細かい粗は探せばいくらでもでてきます。
ストーリーや設定もざっくりしたもの。
{netabare}
* 生駒が克城をふっ飛ばしたの、あれ何?
* なんで生駒と無名にあんなに力の差があるん?
* 他の国はどうなってんの?
{/netabare}
と探せばきりがない。


しかし、テーマ性を無視しているわけではありません。
問われているのは「力のないものがいかに生きるか」という部分。
それに対し、{netabare}「意志力」{/netabare}という答えを導こうとしているのが見て取れます。

特に脇役が顕著です。
{netabare}
* 菖蒲(あやめ)は初期には指導力不足が目立っていたのに、後半は物事をはっきり言うようになっていく
* 逞生(たくみ)は怯えがちだったのに最後には体を張る

etc...
{/netabare}
……うーん、王道。

ただ、その答えが主人公によって明確にされているかといえばそうでもなかったり。

{netabare}
来栖(くるす)も最後に言っていました。
「まだ答えは聞いていない」と。


「弱いものは死ね」という弱肉強食論を持っていた美馬(びば)。

彼を倒すことでその持論を覆すように見えますが、結局「体力(あるいは暴力)」で押し勝っています。
まあ、その「体力」を身につけるためには「意志力」が必要だったわけですが。

……しかし、美馬はおそらく自らの意志でカバネリになっています。
彼もまた「意志力」と「体力」を持っていながら、自分より強い「何か」を見つけたがっていた。
そして、それに潰されることを望んでいた(死に面して笑い、汗を流すことから)。
結局のところ、その「何か」もまた「意志力」によって身につけた「体力」でした。
そう見出して、自分の考えの結晶たる生駒に、銃剣で白血漿を打ち込んで治癒したのでしょう。

これは、「強者に備わっている力」と「弱者が意志力で身につけた力」の違いを見せたかったのかな。
それとも、「結局力じゃん」「結局刀を向けた相手は人じゃん」という一種のアンチテーゼを表現したかったのかな。

いずれにせよ、そこに美馬の存在理由を垣間見ることができます。
{/netabare}

一応の着地点は見せてくれましたが、構想ではこれから先がありそうです。
単に「映像すげー、アクションすげー、無名の足エロい」で終わらず、考える余地も与えてくれるのは嬉しかったです。

……ということで十分に楽しめました。
最初の期待値がそれほど高くなかったのも幸いしたかもしれません。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 65
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

趣味趣味アニメ

あらすじはどこかを参考に…。

終了前の感想
{netabare}
タイトルはあるj-popのアーティストが、自分の音楽を趣味趣味音楽といって、色んなアーティストの曲のフレーズを自分の曲にいれたことから。
このアニメも色々なアニメの要素が見てとれます。このアニメにはもはや他作品と被ってナンボ、クオリティで他を上回れるという気概が感じられます。

設定の人間の活動可能領域である「駅」と呼ばれる町はカバネの活動領域である外界とは壁によって隔てられていて、駅同士は鋼鉄城という蒸気機関車で繋がっています。外敵から人間を守る壁…進撃の巨人も同じような設定がありますので、これ、進撃だと思う人はいるようです。(追記 ディストピア物は常に外界との壁が存在しますよね。サイコパスやNO.6とか。進撃だけにとらわれる必要はないと思います。)

演出というか、話の進め方が進撃っぽいところもちらほらあります。意思の強さで物事をなんとかしたり、生駒の過去話と生駒のカバネに対する強い
復讐心とかがエレンの巨人に対する復讐心に似通うところが…

このアニメの良い所と言えば、画がとても綺麗ですね。特に人物。目や髪の質感が半端でなく綺麗。アクションシーンや映像で見せるアニメということで内容はあまり考えなくても良いかも。

登場人物の内面…生駒に関しては妹をカバネに殺された復讐心からくる行動なので、あまり語ることもないかな。今後内面の成長をするとしても、どこを目標にするのか見えてこない。。社会的使命を果たし、責任を負う人物、生駒を導いてくれる人物がいない。
むしろ、カバネリという、孤独な存在になってしまって、未来が見えない真っ暗闇で生駒は何を目標に生きていけば良いんだろう。ただカバネリを復讐心だけで倒し続ける戦士として生きるのだろうか。それは、ちょっと悲しいかな。金剛閣という場所にいけば治るかも知れないというがそう素直にいくだろうか。

このまま鋼鉄城で戦うのは、何回もないのではないだろうか。舞台があまりに狭すぎる。かといって列車は決まったところしか走れないのでまた町が火の海になるかもしれない。

レビューを書いていて思い出したが革命機ヴァルブレイブでも、機体の乗り手を吸血鬼にするという設定がありましたね。吸血鬼になってしまった乗り手は吸血衝動に襲われる。カバネリもカバネリになってしまうと吸血したくなります。(追記 まあこれはゾンビ物の定番ですからヴァルブレイブからとったわけではないでしょう。)


古今東西色々な作品があり、今更被っているから何だという話ですね。この作品が王道をいき、埋もれる事のない名作になることを期待します。
{/netabare}

終了後の感想
{netabare}
まず、全体の感想ですが、面白かったけどガッカリしました。
ビバ様が出てきた辺りから、ストーリーも細かい所も突っ込み所が増えたなあ。
カバネリの大群にバイクで突っ込むのが衝撃的すぎて。「この世界はバイクあるの!?」みたいな・・・思えばここからシリアスがシリアスでなくなったかもしれない。
それと何年も前からカバネリを倒す方法がありながら広まってなかったのか・・・となんとなく違和感を感じながら後半を視聴したのも良くなかった。
ギャグっぽさが抜けなかったせいか、マジメなシーンもなんだかなあ、マジメに見えませんでした。
極めつけはあのシーンですよね。ビバ様が暴走したカバネリに刀を突きつけられるシーンで、たらーっと冷や汗を流すシーン。小物か!腹を抱えて笑いましたよ。このシーンのせいで最後までビバ様が小物にしか見えなかった。
イコマが道を間違うことが無かったので、俺強系のシュールな笑いを感じていたのもありますね。
最終回は何が起きても別に良いんですが、来栖がぶっ倒れてるイコマに対して「イコマ!お前はなんだ!」じゃないだろと。イコマがカバネになっていた状態ならその発言は分かるけどなあ。
印象に残るかといえば、落差が激しかったアニメとして悪い意味で印象に残りますね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 55
ネタバレ

らいむぐりーん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

進撃のカバネリ(雰囲気アニメ)

進撃を手掛けたWIT STUDIOによるオリジナルアニメ。

雰囲気ってありますよね。
こういうモノを言うのかな-というのが第一印象( 一一)
ただ、最後まで完走できたのには理由があります。

作画かっけ-!!(/・ω・)/
バトルアクションシーンは圧巻です。
進撃のような壮大なBGMもバックで相まって素直にかっこよかった(´・ω・`)
キャラデザも時代劇を見ているかのような世界観にバッチリハマり。
実際製作にはメイクアップ専門スタッフも参加したらしい。


「武士」という位もある設定なんで、和風スチーム系バトルアクションでいんじゃね?
蒸気技術が発達した仮想日本でゾンビ(カバネ)が蔓延したパニック感って
妙に入り込みやすいのは自分だけかいな?( ̄▽ ̄)
食われりゃ自分もカバネ化っていうシンプルな設定も良し。
....この世界、移動手段ってまぢで蒸気機関車だけ?w


つまり
設定、キャラデザ、作画、BGM、序盤のテンポは好きやった!引き込まれた!
ただ肝心なとこがホントにもったいなかった!!!!(;´Д`)
{netabare} ラストが非常に良くない。ただたソコに尽きるw
最終話 甲鉄城で生駒が覚醒して俺TUEEEE系になったのはいいと思う。
たださ、遅くね?w
いきなり手から異能出して蒸気機関車(でかいの)吹っ飛ばすしさ。
後半、美馬が登場するあたりから、ホント説明ないに等しいアップテンポが咲き乱れます。
序盤の観やすさが、まさにスタミナ切れした印象。
そんな不安要素も、劇場顔負けのBGMと作画クオリティの高さが忘れさせてくれます。
そう。また言うけど、
まさに「雰囲気アニメ」( ̄▽ ̄)w
ラストは無名に起こされる生駒。
「あ、生き返っちゃった」ってのが率直な感想(ゴメンね生駒ファンさん)
緊迫したダークファンタジーなので、残酷方向に仕向けるのも良かったんやないかな....(´・ω・`)
ま、そこは人それぞれでw{/netabare}

続編あったら、また観てみようと思います(゜-゜)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53

74.6 12 ダークファンタジーアニメランキング12位
D.Gray-man[ディーグレイマン](TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (706)
4923人が棚に入れました
舞台は仮想19世紀、ヨーロッパ。悪性兵器AKUMA(アクマ)を用い、この世を終末へと導いていく千年伯爵の野望に立ち向い、世界救済の戦いを挑む宿命のエクソシスト、アレン・ウォーカーの活躍を描くダク・ファンタジー・アドベンチャー!
(公式HPより引用)

エウネル さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

リナリーが可愛いです。アニメのヒロインでトップ5に入るくらい好きかもです。

原作を読んでいたので、アニメも見てみようと思い、一気に見たのですがとても長かったです。

この話は人の魂を使って作り出されたAKUMAと呼ばれる兵器があり、それを生み出す元凶の千年伯爵を倒すためにイノセンスという謎の物質を使いこなすエクソシスト達が戦うといったものです。

話の設定は個人的に好きなんですが、正直エクソシスト側に勝ち目があるとは思えないんですよね。千年伯爵側にはノアと呼ばれる13人の仲間がいます。そのノアは基本的にエクソシストの中でもトップクラスに強い人でやっと互角くらいです。AKUMAにはレベル1からレベル4まであり、レベル4は一体だけでエクソシスト本部が壊滅しました。レベル3でも普通のエクソシストがギリギリ勝てるくらいだと思います。しかもAKUMAは大量にいます。レベル4はさすがに少ないと思いますが、レベル3はそれなりの量がいます。レベル1なんてやばい量ですよ。

そんな中、エクソシスト側は臨界者というイノセンスの力を100%以上使うことができる人が何人かいます。臨界者がさっき書いたノアと互角くらいの強さを持つ人です。ですがノアと違い13人もいないです。しかも臨界者でもレベル4に一人で勝つのは辛いです。それにその他のエクソシストはイノセンスを100%使うことができません。レベル3と互角かそれ以下です。そしてイノセンスを使った武器には装備型と寄生型があり、装備型のエクソシストはAKUMAの攻撃が生身に擦りでもしたら、毒が入り死にます。

これでエクソシスト側と千年伯爵の戦力は大体説明できました。読んでもらってわかったと思いますが、エクソシスト側が圧倒的に弱いですよね。

まぁ、こんなのは僕が思っているだけで、原作もまだ完結していないので勝ち負けは決まりません。アニメはそれなりに良い作品だと思います。今の全体の戦力を知ってしまうとアニメでの戦いが茶番に見えてしまうかもしれませんが…

少し長いですが見てみるのもいいと思いますよ。

書き忘れてましたが、ヒロインのリナリーが可愛いです。髪型がよく変わる女の子ですね。僕はツインテールとボブが好きです。ツインテールといっても触覚みたいな髪型ではなく2つに髪の毛をまとめた感じの髪型です。画像を見ればすぐわかります。個人的にはリナリーがもっと活躍して欲しかった…

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53

Hawaii さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ジャンプには珍しい

全話、安定しておもしろい。
中途半端に終わったように見えるが
逆にこれで良かったと思う。
だらだらとやるとクオリティーが落ちるので。
てか女の子に人気なのは納得www
絵は綺麗だし主要男性キャラ、基本美形だしwww
きちんと女性の好みにあわせて幅広いタイプの
キャラがいるなと。
ある意味ニーズに応えるアニメw

しかぁーしこのアニメのよいところは
男性でも楽しめるという点だ。
バトルは迫力があっておもしろい
あとリナリーちゃん可愛い。
キャラ萌えはないが美人です。
ストーリーも中だるみも少なく楽しめると思いますよ。
原作と違いオリジナルアニメーションが入っていますが
これもそこそこなので良いと思いました。
世界観は仮想19世紀ということで昔の良い街並みとか
西洋感があるところもいいですね。
キャラはアレン、ティキ・ミック、ラビが好きでした。
たぶん女性には自信をもってオススメできるアニメです。
いまいち評価されていないと思うので一度ご観賞を。
あ、あとOP&EDもよい曲が多いのでぜひ
聴いてみてください。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「エクソシスト vs AKUMA」その戦いはあまりにも熾烈・・・

2016年の夏アニメで「D.Gray-man HALLOW」が放送される事を知りました。
アニメのタイトルの傾向としてタイトルの前後にプラスαがあると続編である可能性が高いような気がしています。
この作品も「D.Gray-man」にプラスαの「HALLOW」が付いています。
もしかして・・・と思ったら、案の定前作となる「D.Gray-man」という作品が存在していました。

ちょうどニコニコ動画でも一挙放送される事を知り視聴を決めたわけですが、放送スケジュールを見てちょっとビックリ・・・51話もあるじゃないですか。
51話というと「ソールイーター」」クラス・・・今期のアニメを見ながらでも何とか視聴できるかな・・・と思い視聴を始めましたが、暫くして知ったのは驚愕の事実・・・

それはニコニコ動画の放送予定を何気なく見ていた時の事・・・
「D.Gray-man」という単語がふと目に入ったんですが、そこで記載されていたのが「ニコニコアニメスペシャル「D.Gray-man」52話~70話 一挙放送」

えっ、この作品って全51話じゃなかったの・・・!?
これを知ってしまうと次に気になるのは「この作品って一体何話まであるの?」という事・・・
wikiで調べてみたところ、2006年から2008年に放送された全8クール計103話もの大作だったんです。

まさか、こんな大作だとは思いもよらなかったので、ちょっと腰が引けてしまいました。
でも途中まで視聴しているし、内容も・・・ジャンプで連載されただけあって面白いんです。
こうして大海原にボート一隻で漕ぎ出すような気持ちで視聴を再開しましたが・・・完走して振り返ってみると、激アツさが半端無かったので視聴して良かったと思えた作品でした。

物語はAKUMAを製造して世界終焉を目論む「千年伯爵」と、AKUMAに対抗できる「イノセンス」の適合者であるエクソシストとの戦いを描いています。
ストーリーは極めて明快なのですが、千年伯爵の手先であるAKUMAの存在する理由には大きな悲しみが伴っていたのです。

もし大切な人を亡くしたら・・・?
もっと一緒に居たかった・・・あの時こうしていれば・・・
悲しみと後悔が入り乱れて心が苦しくなる・・・人として当然の性だと思います。

でも、そんな人を見つけて千年伯爵は囁くんです・・・
「亡くなった方にもう一度遭いたくありませんか・・・?」
誰だって「もう一度遭いたい」というと思います。
でも「遭いたい」と行った瞬間に千年伯爵との契約が成立してしまうんです。
次の瞬間・・・亡くなった人とは似ても似つかない物体が亡くなった人の魂を宿して出現するのですが、次に千年伯爵が出現した物体に命令する台詞は決まっています。
「さぁ、願った人を殺して、その人の皮を被りなさい」
こうしてAKUMAが誕生し・・・世の中の悲しみの分だけその数を増やしていくのです。

人の弱みに付け込む千年伯爵・・・絶対許せない存在なのですが、AKUMAに対する唯一の救いはエクソシストによって壊されること・・・これで呼び出された魂が救済されるんです。
ですが、AKUMAは千年伯爵によって強力に支配されているので意志など持てないんですけれどね・・・

そして物語の中で強烈なスパイスになっているのが、「ノアの一族」と呼ばれる人類最古の使徒が千年伯爵に味方している事です。
一族の一人ひとりが強い力を有しているので、エクソシストの目指す「打倒!千年伯爵」への大きな足枷となる存在なのです。

無数のAKUMAとノアの一族・・・そして千年伯爵を相手にするエクソシストは、数的には圧倒的に不利です。
イノセンスは世の中にたった109個しかなく、エクソシストの組織自体も40個程度しか持っていません。更にイノセンスの適合者は1対1であると共に、千年伯爵もイノセンスの破壊に乗り出しているので、エクソシストが要員不足に陥るのは必然なんです。
でも彼らは自らがイノセンスに選ばれた適合者という誇りを胸に戦いに身を投じていくのですが、両者の戦いは半端無く熾烈でした。

戦いが熾烈・・・という事は、当然痛みも苦しみも伴います。
皆んな必死・・・だからそんな時に皆んなの役に立てなかったり、仲間が傷つくのを見ている事しかできなかったり・・・自分の無力さを痛感したり・・・
気持ちは一杯あるのに・・・身体が言う事を聞いてくれなかったり・・・
唯一無二を目の前で壊されたり・・・
103話という圧倒的なボリュームの中から痛みや苦しみが、手を変え品を変え次々と襲ってくるんです。

そんな救いの無いダーク・ファンタジーだからでしょう・・・ヒロインの輝きに色々と持っていかれてしまいました(//∇//)

この物語のヒロインは、数少ない女性エクソシストの一人であるリナリー・リーという16歳の仲間思いで心優しい美少女です。
対AKUMA武器である「ダークブーツ」で可憐に宙を舞う姿は華麗そのもの・・・
でも彼女の魅力は日常パートにおいてその本領を発揮します。
流石週刊少年ジャンプのヒロイン・・・抜群の破壊力だったと思います。
続編で再びリナリーに会えると思うと・・・嬉しくて堪りません(//∇//)

続編が放送される事からも分かるようにこの物語は103話で完結していません。
でも充実した103話だったと思います。
仲間を守りたいという気持ちや激しい痛みに何度涙したことか・・・^^;
エクソシスト vs 千年伯爵の戦いの行方は如何に・・・
そしてこれ以外にも、物語終盤で浮上した伏線がいくつもあるんです。
続編の放送を楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 24

74.7 13 ダークファンタジーアニメランキング13位
終わりのセラフ Seraph of the end(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (1345)
7812人が棚に入れました
ある日突然、未知のウイルスにより世界は滅びた。生き残ったのは子供だけ。そして、その子供たちは地の底より現れた、吸血鬼たちに支配された。百夜優一郎は、家族同然の絆を持つ百夜ミカエラら孤児たちと、吸血鬼に血を捧げることで生きていた。家畜同然の扱いに耐えかねた優一郎は、ミカエラや幼い孤児たちと共に、外の世界へと脱出を図るが……。時は4年後。百夜優一郎は日本帝鬼軍の吸血鬼殲滅部隊「月鬼ノ組」に入隊。恐るべき吸血鬼たちとの戦いに、その身を投じていく…!!

声優・キャラクター
入野自由、小野賢章、中村悠一、櫻井孝宏、早見沙織、岡本信彦、石川界人、井口裕香、前野智昭、鈴木達央、悠木碧、鈴村健一、種﨑敦美、石川由依、小野大輔、嶋村侑、山村響、永塚拓馬、梅原裕一郎、古木のぞみ、日笠陽子

westkage。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

第1話はめまぐるしい物語の展開だが、それ以降は起伏が少ない展開が続く。減点する部分も少ないが、加点する部分も少なく感じる平均点な作品☆

本作はジャンプスクエアで連載中の漫画を原作とした作品です。原作者の鏡貴也はライトノベル作家であり、代表作としては「いつか天魔の黒ウサギ・伝説の勇者の伝説」などがあります。漫画の作画を担当する山本ヤマトはイラストレーターと漫画家の2つの顔を持ち、代表作は「紅kure-nai」です。コンテ構成を担当する降矢大輔は漫画家であり、代表作は「猫又マタムネ」です。累計発行部数は2014年に180万部を突破した人気シリーズです。

あらすじ…突如、世界中のほとんどの人間が致死性のウイルスにより死亡する。しかしウイルスに感染するのは14才以上の人間であり、子供たちは世界に取り残される事になった。人間に代わって世界を牛耳る事になったのは‘吸血鬼’彼らは生き残った子供たちを「血を吸うための家畜」として捕え、地下の施設に収容していた。主人公の「百夜優一郎・百夜ミカエラ」は捕えられた人間の子供たち。ある日、吸血鬼が支配する地下生活から脱出しようと目論むが…??

総評として…「第1話はめまぐるしい物語の展開だが、それ以降は起伏が少ない展開が続く。減点する部分も少ないが、加点する部分も少なく感じる平均点な作品」と言った感じです。
視聴を続ける中でストレスに感じる事は全くありませんでしたが、逆にハラハラする事も少なかったように感じます。物語が進む中でいくつか見せどころがありますが、予想どおりと言いますか…仮に予想を裏切ったとしても‘予想できる範疇の予想外’とでも言いましょうか。なので予想外というよりはもう予定外といった言葉がしっくりくるかもしれません。とにかく意外性が少なく、王道アニメの部類に入れても差し支えないでしょう。
ワクワク・ハラハラ出来ないもう一つの要因としては「戦闘作画の手抜き加減」が挙げられます。1枚絵を上から下にスクロールさせて「うぉー!」って言われても…と感じる部分がいくつかありました。全体を通して動きが少ないですね。これは王道バトル漫画のアニメとして致命的に感じます。これならマンガを読んでいる方が良いのかもしれません。

キャラクターデザインとしては高評価です。どのキャラクターもカッコいい&可愛いキャラばかりで、また人間側の‘吸血鬼殲滅部隊’の制服もカッコいいですね。軍服と学ランの中間デザインと言いますか、女性ウケしそうな‘耽美系’のデザインですね。キャラクターの設定としましても優秀です。男性キャラとしては「俺についてこい」という強引な雰囲気を出しながらも情に厚そうな「君月くん」や「グレン中佐」は確実に女性ウケしそうなキャラクターですね。その2人が拾い損ねたファン層も放っておけない系の「百夜くん」と「早乙女くん」がガッチリとキャッチする、まさに安心の2重構造ですw
そう考えると、やや女性キャラクターの方が弱い印象ですね。ツンデレの「三葉ちゃん」や感情の起伏が少ない系の「シノアちゃん」の2人が安定して可愛いので違和感としては少ないのですが、やはり男性陣のバリエーションの多さには一歩譲っている気がします。

この違和感に関しては「最近のアニメの女性キャラの多さ」に慣れてしまっている環境が大きいのではないかと考えます。昔は「力仕事は男の役目・支えるのは女の役目」というのが2次・3次を問わず世間一般の常識でした。しかし最近の2次作品では「戦うのも女性、支えるのも女性、何だったら戦艦まで女性」といったように何もかもが女性化しており、男性キャラクターの居場所が減ったように感じます。もうここまでくると「男女雇用機会均等法」どころの騒ぎではありません。作品によっては男性キャラが一切出ない作品までありますからね。ハーレム系の作品が多い昨今のアニメ事情から見れば仕方ないのかもしれませんが、こういう男女比が普通の作品を見ると「もうむしろ女性向けなのか?」と錯覚してしまいそうです。それでも昔の作品に比べれば十分女性キャラも多いハズなんですけど…慣れって怖いですねw

‘アニメなんだから女性キャラが多い方が売れる’という風潮はまだまだ続きそうです。しかしある意味、2次元でも3次元でも女性に活躍の場を奪われ続け、それを良しとする男性が増えているのか…と考えると少し怖くなってしまうのでした。

さて少し話は脱線してしまいましたが、まとめますと‘登場キャラクターの魅力が光る’所が印象的な作品です。個人的な好みとしてはもう少し意外性が欲しかった所ではありますが、王道系の作品が好きな方なら安心して視聴できる作品と言えるでしょう。2期も予定されておりますので、これからの展開に期待です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

迎えるENDは吸血鬼か人間か・・・

鏡貴也(原作)、山本ヤマト(漫画)、降矢大輔(コンテ構成)

による漫画を原作とする作品です。全24話(予定)のうち

1クール目の12話です。原作未読


突如謎のウイルスによって人類は滅亡すると告知された。しかし

そのウイルスは13歳以下の子供には感染しないとのことで

百夜優一郎らがいる孤児院が存在する地区の子供たちを謎の部隊

による保護を開始するのだった・・・


第1話で迎えた人類滅亡の危機と第二話以降の時の流れの飛びっ

ぷりはものすごかったです。2クールすることが既に決まって

いるようだったのでかなりスロー展開でもあり、その二つのお陰

で序盤の鬼呪装備を手に入れる辺りまでは耐えれたもののそこ

からはなんか遅すぎて退屈だなぁと感じる事が多くなっていました。

バトルシーンも止め絵をうまく使うのは場面転換に効果的なので

間に上手に挟むのならそれも効果的なのですがそれがちょっと多す

ぎる様に思いました。なんとなくそういう場面の動かし方をしたい

のは分かりますが迫力には欠けるかなという感じでした。


2クール目ありきの作品なので中身の方はそっちも見てからかなと

思います。過度な期待はせずに見たいと思います。

点数評価もそちらの方も合わせてとしたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

はじめのブラフ

J-COMの再放送での視聴です。続編や劇場版にあわせて地上波再放送するのが一般的でしょうに、そんな空気を読まないラインナップいつも重宝しております。

さて、ラノベ原作ものですね。
既刊物も2ケタ超えており人気のほどが伺える「終末世界」を取り扱った作品になるかと。
吸血鬼(となんかのウィルス)によって多くの人間が死んでしまった世界を描いてます。

 第1クール:2015年4月 - 6月
 第2クール:2015年10月 - 12月

分割2クールです。残念ながら1クール終了時点では面白みが伝わってきませんでした。
小説は「月鬼ノ組」グレン隊すなわちアニメの主人公らのお兄さんポジションだった人らが主役の立ち位置です。そこでいろいろあったらしいので2クールで解明されてくればおもしろそう。
キャラは好みでしょうが、シノア隊のメンバーがパンチ不足。12話あったのにね。

ゆうちゃん○:前半のイキリぶりが頭おかしい。成長見せたいのだろうが起点が基地外ではだめ。
柊シノア○:家柄の良さや謎を小出しにする設定。謎ばかりか本心も小出しにするあたり良い。
君月くん△:普通。主人公とムダに喧嘩するでも実は…な人。それ以上以下でもない。
三宮さん×:妹キャラぶっこんどけ!とアニメ製作陣の手によって犠牲者となったようなもん。

{netabare}三宮さんとゆうちゃんが次第に分かり合えてって、という流れは良いのに、スタート地点が「自己中/猪突猛進/いやお友達としてはちょっと」の拗らせ少年と「見た目ロリ/声ロリ」のため、悲劇的な設定が全く入ってこない少女。自分はイマイチと感じましたね。{/netabare}


単なる道半ば。2クール目に明らかになってくるとこが全てでしょう。
分割の短所がそのまま出ました。3か月待たせるのならブラフでもハッタリでもいいので強烈に引き付ける何かが欲しかったところですね。
続きを観るかは微妙なラインですので優先順位は低めに。



本作の良いところを載せといて再試聴時の備忘とします。

{netabare}「力を得る」「強さを維持するためにも心持ちをしっかりと」
その力の代償となる対価をしっかり示したところ。{/netabare}

{netabare}それとドーピングしても埋まるかどうかわからないぐらいの吸血鬼との実力差。
その横で人間側がなにかやらかしてることを匂わせる素振りも。物語の引力もキープしてます。{/netabare}



視聴時期:2019年10月~2019年12月 再放送  

------


2019.11.21 初稿
2020.02.19 タイトル修正
2020.09.28 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37

72.5 14 ダークファンタジーアニメランキング14位
黒執事Ⅱ(TVアニメ動画)

2010年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (805)
4999人が棚に入れました
19世紀後半、英国名門貴族トランシー家。若き当主アロイス・トランシーは生まれてまもなく攫われ行方不明となっていたが、漆黒の執事クロードとともに帰還した。クロードはアロイスに絶対的忠誠を誓っており、広大なトランシー邸の一切を切り盛りしていたが、名前以外はすべてが謎に包まれていた。
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

好敵手の出現で1期より見応えがあった

レビューを書くにあたって少し前に1期、2期を通して再視聴したが、
実は僕の場合、「黒執事」を初めて観たのは2期を放送中だった頃の3話からだった。
そのせいもあってか、2期のほうから先に好きになった作品なので、
原作ファンの方とは、だいぶ観方や感想が違っているかもしれない。

というのもこの2期、原作でも1期でも主役であった執事セバスチャンと
その主、シエルの対抗相手として、原作には無関係の執事・クロードと
その主・アロイスが登場し、物語もオリジナルだったからだ。
で、1期を観た上で思うのは、2期のほうがメリハリあって個人的には楽しめた。
でも2クールかけた1期でのセバスチャンの有能さと、シエルとの信頼関係や
細かな設定、人物関係を観ていないと、1クールで終わってしまう2期に
感情移入しにくくなるので、当然1期を観ておくことはオススメ。

ちなみに1期、2期ともシリーズ構成は岡田麿里。
監督、美術、色彩設定のスタッフは変更になったため、違いは随所に見られた。
どちらが良いとか悪いとかは人それぞれ好みもあると思うけれど、
全体的に観て、1期は日常系的な要素のほうが強く、コミカルなシーンも多かったが
2期は笑える部分をかなり抑えてバトル色を濃厚にし、心理描写はさらに細かく深くなっていた。

個人的にキャラデザはクロード&アロイスのほうが好みだったりして、
オリジナルの新キャラであるクロードを、とことん冷ややかな策士にし、
アロイスの傲慢さとしたたかさ、その裏にある孤独や、絶望感と哀しみを
彼の過去とともに描くことで、1期では感じづらかったシエルの正統派お坊ちゃんの
高貴さが浮き彫りになったし、セバスチャンのちょっと人間味のある愛情や甘さも見えて
奥行きを感じ、特に後半は感情移入しやすかった。

OSTのほうは1期同様、ストラヴィンスキーやマーラー、ヴィヴァルディや
ショパンなどのクラシックをモチーフにしたような曲や、
エニグマのようなグレゴリオ聖歌をベースにした曲がいいタイミングで挿入され、
クールな外見に似合わないド派手なアクションや、
エキセントリックな内面を垣間見せるクロードの動きや、
アロイスの歪んだ人間性を哀しげに見せることに成功していたと感じる。

一方、セバスチャンとシエルのほうは、1期の最終回のその直後がどうなったのか
中盤で描かれており、あぁなるほどそういうことだったのかと納得はできた。
そしてセバスチャンがなぜシエルに固執するのか、その理由もよくわかる。
また、それをクロードやメイドのハンナが察知して企てる数々の
エグい展開はなかなか見応えあったし、これでこそ{netabare}悪魔{/netabare}
と満足できた。

特に9話以降は緊迫感で張りつめ、目が離せなくなる。
{netabare} あくまでも悪魔は悪魔ということか。{/netabare}
ラストに対しては賛否分かれそうだが、僕的には2人のひとつの道筋として
そして、実際あるかないかわからないけど3期を期待できる結び方だったかなと。

それにしても、契約を遂行する忠実さは良しとして、悪魔だろうが人間だろうが天使だろうが
やはり女性の持つ母性愛に適うものはないのかもなぁと、しみじみ感じる2期だった。

ちなみに、あにこれでは別作品として登録はされていないが、
この「黒執事」6話あるOVAがすごく面白いのでオススメ。
不思議の国のアリスをモチーフにした物語があったり、ファントムハイブ家を案内してもらう形で
屋敷内のさまざまな場所のことがわかったり、『黒執事』をハリウッド映画に仕立て上げ
オールキャラが俳優としてインタビューに答えたりするのも笑える。
死神たちの裏側のこともちゃんと描かれてたりして、それも楽しいのだが
一番心に残ったのは、アロイスを主人公にした6話の「蜘蛛の意図」
愛情を渇望する彼の痛い心が、2期を観終えた後だとなおさらせつなく。
そして悪魔に関しては、「悪魔としての悦びは悪魔としての苦しみの先にしかない」
って意味がよくわかる話だった。
もちろん、1期2期を観てないと設定や関係がつかめないので観終わってからが前提。

声の出演は以下の通り。

セバスチャン・ミカエリス : 小野大輔
シエル・ファントムハイヴ :坂本真綾
フィニアン : 梶裕貴
メイリン : 加藤英美里
バルドロイ : 東地宏樹
タナカ : 藤村俊二
エリザベス・ミッドフォード : 田村ゆかり
劉 : 遊佐浩二
藍猫 : 矢作紗友里
ドルイット子爵 : 鈴木達央
アバーライン : 菅沼久義
葬儀屋 : 諏訪部順一
グレル・サトクリフ : 福山潤
ウィリアム・T・スピアーズ : 杉山紀彰
アロイス・トランシー : 水樹奈々
クロード・フォースタス : 櫻井孝宏
ハンナ・アナフェローズ :平野綾

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ・・そして、OVAは最高だったのである・・

1期に引き続き~なんて思いきや、
1話を観てみると・・「シエル&セバスチャン」が出てこない(;゚Д゚)
いきなり始まる「謎の執事と、謎の少年」の話。
しかもグロ健在?むしろひどくなってない?
「謎の少年」がメイドを目潰し!(σ´∀`)σ(*□*;)ギャ
これは・・完走出来ないかもしれない・・
と思いきや、颯爽と登場セバスチャン♫
やはり主役は変わらない事に安心し視聴継続しちゃって下さい♪

そうなのです、2期からは新しく「トランシー家」が加わります!
なので1期の「裏家業」とは違い、
「トランシー家」との話が中心になります!
トランシー家の当主「アロイス」・(あくまで)執事「クロード」
は執拗に「シエル&セバスチャン」を狙います( >_[・]) ロックオン
それは何故か・・という所がみどころになって来るのではないかと・・
しかしっ、やはり私が一番に楽しみだったのは、
オカマ死神「グレル」とセバスチャンの掛け合いですかねw
いや~何度観ても飽きないわぁww
\(・д\)ソレハ(/д・)/オイトイテ(グレル再度登場しますので・・w)

そして、注目すべき所は普通なら見逃す「アイキャッチ」
それぞれのキャラがタロットカードを正位置と逆位置で持っているのが印象的でした☆
カードの意味=ストーリーになってるようで、
詳しい方はそこも注目してみたら面白いと思います!

そして次回予告が面白いですね(・∀・)ニヤニヤ
セバスチャンが甘ぁーい声で色々やってくれます!

今回の新キャラの声優、
アロイス役には「水樹奈々」サン。個人的には・・合ってなかった・・かな。
クロード役は「櫻井孝宏」サン。
「イエス ユア ハイネス」が某ギアスのスザクとかぶったのは私だけ?(´・ω`・)エッ?w

1期と違い12話完結で完全オリジナルストーリー
なるほど・・って感じでした。
何で作ったんだ?とまでは言いませんが、
無くても良かったとは言えます・・
3期があってもおかしくないような終わり方。
私はあの終わり方には満足行きませんでした!
「あくまで私の意見ですが、ね|ω・`)」

しかーし、ここで終わらないΣ(*´∀`*;)ドキッ!!
私はレンタルで視聴したのですが、
OVAが収録されていて、ある意味そっちの方が面白かったとも言えます♫

①「シエル イン ワンダーランド(前・後編)」
黒執事版「不思議の国のアリス」ですね~☆
アリス=シエル・衣装が可愛すぎるぅ~(*´ω`)
白ウサギ=セバスチャン・うさ耳(*´ω`)
チシャネコ=グレル・猫耳(*´ω`)
他キャラもたくさん登場!黒執事の注目どころ、衣装が可愛すぎる作品です♥

②「ファントムハイブ家へようこそ」
うぉーーーーーー(゚∀゚)これは自分がファントムハイブ家へ行った感覚になれます♪かわゆいエリザベスのお友達として☆
セバスチャンが手を取ってくれます、シエルが歓迎してくれます、
ソウマに「可愛い」と言われます・・しかし、私には「ある計画」があるんです・・・

③「MAKING OF KUROSHITSUJI2」
黒執事の裏側・・登場人物達が役者のように私服でインタビューをうけたり、NGシーンだったり、グレルが「スッピンを映さないで!」と怒ったり、TVショッピングだったり・・アニメなのに、アニメじゃない・・こういうの好きです(。◕‿◕。)

④「死神ウィルの物語」
事前情報あったので、ウキウキで視聴♪
ウィルとグレルが新人死神に死神派遣協会を案内しながら
2人の過去をご紹介☆
こんな初々しい時期があったのか(*´∀`)
そして、メガネ課?死神にはメガネが必須アイテムらしいです♫

⑤「蜘蛛の意図語」
・・トランシー家の人物紹介?
とりあえず、使用人の3つ子が笑えます( ゚∀゚)アハハッ

Ⅱに満足いかなくても、これを観ればきっと満足出来るはずですよー!黒執事ファンなら是非♥

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

新キャラにはあまりピンとこなかった。

黒執事Ⅱでは新キャラのアロイス・トランシーとのお話。

ですが・・あんまり印象に残らなかったです(個人的にです。好きな方、すいません)

相変わらずセバスチャンの働きっぷりは素晴らしい(●・д・ノ)ノ
うちの家にもセバスチャンくださいっwって今回も思いましたw

まぁたぶん私は黒執事観てて、
セバスチャンとシエルがいてやはり2人が最強だー!!
・・なんて思えたら満足なんだと思いましたw

いろんなキャラがいておもしろいです。
結構好きなキャラ増えました〜♪

今後もぜひぜひ続編やOVA新作をお願いしたいです。
なんか終わって欲しくない作品ていくつかあるけど、
黒執事もその1つで本当に最後ってなったらなんかさみしいな・・。
だから当分終わらないで・・なんて思いました^^;


読んでくださりありがとうございました人´Д`*)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

86.5 15 ダークファンタジーアニメランキング15位
境界の彼方(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (3367)
18599人が棚に入れました
神原秋人はある日の放課後、屋上から飛び降りそうな少女・栗山未来と出会う。未来は、異界士の中でも特異な呪われた血を持つ一族の最後の生き残りだった。たった一人生き残った少女と、半妖である秋人が出会ったことで、世界が一変する……。

声優・キャラクター
種田梨沙、KENN、茅原実里、鈴木達央、山岡ゆり、進藤尚美、渡辺明乃、豊田萌絵、松風雅也、川澄綾子

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

よく解らない所がチラホラ・・・(@'ω'@)ん? 「不愉快です」(=^・ω・^)キリ

原作 ラノベ 未読

全12話

ジャンル ダークファンタジー

「異界士」と呼ばれる特殊な能力を有する存在が、「妖夢」と呼ばれる人間に害を及ぼす存在と戦うダークファンタジー作品
ウィキより


バトルあり、ギャグあり、恋愛ありなんだけど、結構シリアスもあるんです。
そのせいか、全12話しかないので、どれも中途半端な気もしました。
異能って言っても、誰がどんな能力使えるのか?
説明とか全然ないので、イマイチ分からなかったです。
複線も回収しきれていないので そこもマイナス。

ストーリーも、ちょっと難しい世界観なので、大まかには理解できるんだけど、細かな設定とかは難しかったです。
(自分の理解力がないだけかもですが)

ただ、ヒロインの赤めがねを掛けた顔は可愛かったです。
主人公が眼鏡フェチなので、同じ趣味の人なら 気持ちがよく解るんじゃないかな?^^
自分は、女の子の ふちあり赤眼鏡姿が好きなので、
今回のヒロイン 栗山 未来 の容姿は ストライクでした。

見所は・・・ヒロインと主人公の関係&恋愛かな?
あとは、京アニだけあって、映像は綺麗です。
それと 「眼鏡」 でしょうか。。。(これは眼鏡フェチじゃないとだめですね^^;)

最後は、ご都合主義で無理やり感がありましたが、
結果、ちょっと良かったな~っと (@´ー`@)  

結局のところ、12話では尺が足りないですよね・・・
自分には、ちょっと評価するのに難しい作品でした。


OP:「境界の彼方」 歌 - 茅原実里

ED:「Daisy」 Created by STEREO DIVE FOUNDATION

投稿 : 2024/05/11
♥ : 105

cross さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

キャラクターと設定を活かしきれず呆気ない印象のまま進む物語。京アニの魅力である作画のクオリティーで繰り広げられる戦闘などが目を引くだけに勿体無い。【総合評価:71点】

2013年秋、全12話で放送された作品。

第2回京都アニメーション大賞奨励賞受賞作であるこの作品。
京都アニメーション大賞と言えば『中二病でも恋がしたい!』やFREEの原案でもある『ハイ☆スピード!』などが既にアニメ化されていますね。
個人的には京アニと言うだけでそこそこの期待を寄せてしまいますし、ほぼ無条件で視聴してしまいます。
この作品もその例に漏れる事無く期待を持って視聴させてもらいました。


京アニの作品と言えばやはり作画のクオリティーの高さは言うまでも無く、とても綺麗な映像となっています。
綺麗な作画にOPとEDにも力が入っていて、映像と音楽のシンクロ率も高い為、作画と音楽面に置いては安定した高水準です。
どんな作品であろうと作画と音楽面が基本的に高水準となってくると、他社の作品よりも京アニ作品は物語面での評価が重くなってしまう訳ですが……


その重要となる物語としては、異界士と呼ばれる特殊な能力を有する存在が、人間に害を及ぼす妖夢と戦うと言うジャンル的にはバトル物のダークファンタジー作品。
過去に京アニが手がけてきた作品の中でも珍しい作風となりますね。

基本的に映像面は高水準となっている事もあって、その作画のクオリティーの高さでバトル物をやればかなり見応えがあるのではと思っていましたが、この点においてはしっかりと期待に応えてくれたと思います。
異能を扱う作品で、その異能の力を光で表現し、戦闘中のキャラクターの動きもスピーディーで戦闘シーンの出来栄えは非常に良かった様に思えます。

しかし、最近の京アニ作品の例に漏れる事無く、映像面が良すぎて逆に物語面の物足りなさが露骨に出てしまう。
圧倒的な映像ながらこの作品も物語面が足を引っ張ってしまった印象が拭えませんでした。
個人の感想ではありますがキャラクターの心情描写が不足していた事が大きな原因だったと思います。
主人公、ヒロイン共に自分の境遇から他者との違い対し、苦悩し一枚壁を作りながらも日常を送り、物語の進行と共に分かり合っていく流れです。
ですが、主人公とヒロイン、共に自分と他者との違いに対する苦悩などの心情描写があと一歩不足していて、どうにも抱えていた苦悩などを強く印象付けできていませんでした。
主人公とヒロイン、物語のコンセプトに沿って練られた設定を持っている非常にポテンシャルの高いキャラクターですが、その設定を発揮し切れず魅力を表現できなかったのは非常に勿体無い感じがしてなりませんでした。
自分達の中の苦悩をもっと深く描くことで、後々分かり合っていくシーンにも感動が生まれるのですがそのふり幅が狭かったですね。
あと、主人公とヒロインが物語のコンセプトを踏まえた設定的な意味でポテンシャルが高過ぎる為に、脇を固めるキャラの魅力は低めなのも残念。
良くも悪くも物語のコンセプトは主人公とヒロインを中心に描かれています。
そんな中、心情描写が不足している為、一つ一つの物語が非常に呆気ない感じで淡々と終わっていった印象でした。
ラストの展開は今までの物語を踏まえた展開だったので、それまでの呆気ない展開が活きてくるのかと期待してしまいましたが、どうにも説明不足で勢い任せ、終わりよければ全てよしと言いますが、視聴者側からすれば腑に落ちない体裁だけ無理にハッピーエンドにした感じでした。

下手にバトル物で基本はシリアス調の作品と言う事もあって、京アニ作品としては日常回やキャラクターの可愛さで勝負する話も少なめな傾向にありました。
その為、物語に使う時間は多かった筈なのですが、時間の割りに印象は薄く、まして日常シーンやキャラ押しのシーンも少ないとあっては作品全体としての印象が非常に薄いです。
そういった意味では京アニ作品の中でも実にキャラクターに関しての印象が薄い作品となっている気がします。


全体的に作画や音楽のレベルの高さが魅力ながら、その魅力が物語面のお粗末さをより顕著に表してしまっています。
京アニのクオリティーで繰り広げられるバトルシーンに見応えがある上に、設定やキャラクターもポテンシャルが高かったと思えた分、その扱いが雑で勿体無かった。
酷評にはなってしまいましたが、物語面に関しても、心情描写の不足から来る不満が主で、自分の感性が鈍いだけの可能性もありますからね。
京アニのクオリティーで描かれる戦闘シーンは綺麗でスピーディー、非常に見応えがありますので一度視聴してみるのも悪くないかもしれません。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 103
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「不愉快です。」が愉快です。<追記;アイドル裁判><追追記:6話アイドル回>

呪われた血を持つメガネドジっ子のヒロイン。
メガネっ子好きの不死身主人公。
京アニ制作のアクションラブコメ、シリアス多めです。

何が起こっても揺るがない、メガネっ子命の主人公の信念には敬服します。
その主人公に対するメガネっ子の「不愉快です。」が耳に心地いい。
メガネっ子を特別好きでもない私が、メガネっ子のかわいさを認識したアニメです。

6話はストーリーと関係ないサービス回。
歌って踊って、コメディー全開のノリは大好物です。
全編このノリでも、全然大丈夫!

終盤に集中するシリアスストーリーは、半分ぐらいしか理解できません。
どうも謎が解決されていないような気がします。
何ともいえない中途半端感が不愉快です。

<追記;アイドル裁判>
{netabare}いったい何が表現したいの?京アニさん!
3頭身キャラによる萌え萌えダンス?
それとも、あいちゃんの華麗な可愛さ?

そして、まさかの夢オチ!
安定のドタバタコメディーでした。{/netabare}

<追追記:6話アイドル回>
{netabare}ザップーン回?くさや回?シャワー回?いやいや6話はアイドル回といたしましょう。

お金を欲して一日千秋。
屋上妖夢を討伐すれば50万。
ここはひとつ切り捨てずにはいられまい。
しかし、そうは問屋が卸しません。
トライすれどもひどい目に。
起死回生、歌って踊れるアイドルへ。
成功したと思いきや・・・

大笑いの6話でした。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 93

69.4 16 ダークファンタジーアニメランキング16位
PandoraHearts パンドラハーツ(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (598)
4094人が棚に入れました
『PandoraHearts』(パンドラハーツ)は望月淳による日本の漫画作品。『月刊Gファンタジー』(スクウェア・エニックス)にて2006年から連載。
【ストーリー】四大公爵家ベザリウス家の次期当主であるオズ=ベザリウスは、15歳の成人の儀の最中、身に覚えのない罪により闇の監獄・アヴィスに堕とされる。
オズはそこで血染めの黒ウサギ(ビーラビット)と呼ばれるチェイン『アリス』と出会い、彼女と契約を交わすことでアヴィスから脱出することに成功するが…。

とってなむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ダークファンタジスタ

良かったです
世界観、雰囲気、ストーリーは弱冠暗め
登場人物たちはかなり明るい
このギャップが面白いと思いました
特に日常パートは笑えます


アリスにシャロンと女性陣は文句なしの可愛さ
Sっ気の強いシャロンさん素敵//
オズにギルにブレイクに、男性陣もぐっじょぶ
一人一人単体でも面白いですが、複数人での会話や絡みは最高です
この作品の魅力の一つですね


OP,EDはこの作品に合っていましたし、
曲自体もけっこう気に入っています
ED1「Maze」 歌ーsavage genius feat.近江知永
↑特に前期EDのこの曲が好きです


想像してたよりは明るめでしたが、
思いの外楽しませてもらいました

続きが観たいです
2期とか来たりしませんかね

投稿 : 2024/05/11
♥ : 39

sakurama61 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

オルゴールきれい・・・♫

原作がすごくすきです(*´∀`)
それだけにアニメがびみょうな感じで終わってしまったのがちょっと残念でした(つд⊂)


主人公のオズという少年とヒロインのアリスという少女を中心として探しものを探しにいろいろな人と出会い、仲間として協力し合う感じのストーリーです!

ここでの探しものというのは
オズ~自分のしてしまった罪
アリス~自分のなくしてしまった記憶
です

これだけだと自分のことだけで何とも関係がなく思えますが
2人に共通しているのは『100年前の真実』です!(。-∀-)ニヒ♪
最初は訳が分からなかったですw

100年前ぇ~?みたいなw


アニメではびみょーなところで終わってしまったので原作読んじゃいました(о´∀`о)w
まんがって1回で理解できるようなわかりやすい感じじゃないとだめなんじゃないかなってわたし勝手に思ってるんですよ 勝手にです!

このパンドラハーツの場合わたしは1回じゃ全然わかんなかったです(*_*)
でもそれって何回も読めばだいたいわかりますよね
何回も読むうちにどんどんはまっていっちゃいましたww
それで、これは1回でわかっちゃいけないんだなぁ・・・って
たくさん読まなきゃっっ みたいなw



・・・意味わかんない感じでごめんなさい(ノω・、) ウゥ・・・
でもすごいおすすめですねー!
アニメ1話観て合わないなと思ったらきった方がいいですが。。
好き嫌いがある作品です
暇なとき1話観てみてください(*´∀`)


キャラがかわいくて伏線がやばすぎます!(*`・ω・)ゞ
引き込まれてく作品ですよー✩

投稿 : 2024/05/11
♥ : 36

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

梶浦サウンドが独特の世界観に彩りを添える・・・

この物語の主人公はオズ=ベザリウス・・・四大公爵家ベザリウス家の次期当主に当たる人です。この世界では15歳になると成人の儀式を執り行う風習があり、主人公のオズもその儀式を行なっていたのですが、儀式の最中突然何者かによって闇の監獄・アヴィスに堕とされてしまいます。

アヴィスは「永遠の監獄」とも呼ばれ、一度入ったら二度と抜け出せない場所とされてきました。また、そこは「チェイン」と呼ばれる生命体が誕生する場所でもあるのですが・・・オズはアヴィスで「アリス」と呼ばれるチェインに出会い、契約を交わしてアヴィスからの脱出に成功します。そしてオズとアリスは自分探しを始めることに・・・

原作は未読ですが、2006年から連載が開始され現在も連載が続いている作品のようです。なので、ストーリーが重厚・壮大で、設定も緻密でたくさんのキャラが登場します^^;

加えて、梶浦さんが音楽を担当されているので、独特の旋律・・・澄んだオルゴールの音色が、この作品の持つ世界観に彩りを添えています^^

でも・・・1回見ただけで作品が理解できるか・・・というと、解説が少ないのでちょっと難しいかと思いますが、しっかり作りこまれているので、2回、3回でも視聴可能な見応えのある作品かと思いました。

自分探しをテーマにしているからか、強く生きていくためのメッセージが、登場人物の成長や心の移ろいに合わせて発信されているので、共感できる部分があると思います^^

2クール25話の作品なので、腰を据えて視聴する必要がありますが、あにこれ成分表で「もっと評価されるべき」「隠れた名作」といった成分のポイントが高いのも納得できる作品だと思いました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30

92.5 17 ダークファンタジーアニメランキング17位
約束のネバーランド(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1117)
5362人が棚に入れました
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは親がいない子ども達が住むところ。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

声優・キャラクター
諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也、甲斐田裕子、藤田奈央、植木慎英、Lynn、河野ひより、石上静香、茅野愛衣、日野まり、森優子、小澤亜李
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

幸せな一生

アニメーション製作:CloverWorks、監督:神戸守、
シリーズ構成・脚本:大野敏哉、
キャラクターデザイン、総作画監督:嶋田和晃
原作:白井カイウ、出水ぽすか

森の中に佇む、グレイス=フィールドハウスという孤児院。
そこでは12歳までの子供たちが楽しく暮らしていた。
周りとは隔絶された世界。
外部とつながっている場所には鉄製の大きな門。
そのほかは深い森に囲まれている。
優しいママのいるハウスは子供たちの楽園。
里親が見つかった子供たちは、
定期的にハウスから去っていくのだった。

タイトル名はよく考えられており、
ふたつの言葉を合わせたものだろう。
旧約聖書の創世記12章に記されている、
イスラエルの民に神が示した土地である「約束の地」。
そして『ピーターパン』で、
森林の奥地に住み、親のいない
年をとらなくなった子供のいる国「ネバーランド」。
物語のストーリーをイメージしやすくなっている。
「ネバーランド」というと、
マイケル・ジャクソンの邸宅も思い浮かび、
その内実を思うと、さらに印象深い。

主人公のエマ、ノーマン、レイの3人がいい。
ストーリーはもちろんだが、このキャラクターたちが
物語のなかにどんどん引き込んでくれる。
真っ直ぐな性格で頭が良く、運動神経に優れるエマ。
ずば抜けた頭脳を持ち、正しいことを知るノーマン。
冷静な判断力と鋭い観察眼、卓越した記憶力を持つレイ。
彼らの動きや考え方を見ているだけでも楽しい。
いわば、小学生のときのクラスにいた、
何かするたびに驚かされ、私たち凡人を
いつもワクワクさせてくれる同級生たちを想起させる。

3人が互いに想いをぶつけ合い、理解し、
不可能なことをやり遂げようとする。
そして、それぞれに対する複雑な感情を抱えたまま
自らが信じた道を選び取ろうとする。
この関係性の妙が、作品の最も優れている部分だ。

1話からの構成力も見事。
原作の良さはあるのだろうが、
アニメスタッフの力も大きいことが分かる。
大きな流れを1話目で理解させ、
そこから各話ごとに盛り上げていく展開力は出色だ。

良質なハリウッド映画を観ているような感覚。
時代を象徴するような物語も含め、完成度が高い。

幸せな一生とは、どのような人生なのか。
子供たちやママの一生を考えさせられる。

{netabare}最終回でのイザベラの描写が秀逸で、
この時点で物語は完結している。
後のことを描くことが蛇足にならないかのほうが不安だ。{/netabare}
ここまでで実写映画を作っても十分に成立するだろう。

※EDのCö shu Nie 「絶体絶命」がお気に入り。
ピアノの打ち込みとベースが抜群にカッコ良い。
(2019年4月19日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 97
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きていくんだ それでいいんだ

それは田園 こちらは農園 ・・・ふっ

・・・あ、ちょっと待って、{netabare}いやっ、行かないで~、、、{/netabare}な全12話。


原作も未読であれば、ジャンプももう何年も読んでませんね。週刊少年ジャンプの人気連載作品ということで、子供とTV前で待機。
第1話を観終えて彼らは静かに去っていきました。お子様と一緒に視聴するにはご注意ください。我が家でR12指定となった “ほんとに少年向けなんかいな?” な世界観です。


いやぁ毎週面白かったですね。なにせ間髪入れずもう一周しましたから。
導入良し→つなぎも良し→締め最高、、、と1話1話退屈せず、連載継続中ながら12話の尺で綺麗にまとめたことも好感です。結末を知って価値に気づきがちな序盤~中盤を面白く仕上げてもらってほんとにありがとう。2018年冬期の作品群の中でもトップクラスの出来でありました。
続きのある物語に対し早々に2期が決まったことで、今後の楽しみが一つ増えた幸福感もあります。


幕明けの舞台はグレイスフィールド(GF)ハウスと呼ばれる孤児院から。ママ・イザベラのもとで上は11歳までの子供たち30余名が一緒に暮らしてました。
ロケーションは大草原の小さな家。孤児院と聞けばあしながおじさんや若草物語のようなものを事前には想像してました。違うんだけどね。
そこの子供たちのうちエマ(CV諸星すみれ)、ノーマン(CV内田真礼)、レイ(CV伊瀬茉莉也)の3人が物語の主役。・・・それと彼らのみならずハウスの子供たち全員が主役の物語だったのでは?と思えるお話。
6歳から12歳までの間に里子に出されるとママから聞かされている子供たち。うち一人コニーとのお別れの日。別れを済ませた後、ぬいぐるみを忘れてることに気づいたエマとノーマンがコニーに届けようと後を追って。。。

そこから物語は一転。第1話ラストから最終12話までノンストップな子供と大人の心理戦?サスペンス?スリラー?またはホラー?が展開されます。
詳しくは本編で。農園の意味は早々にわかりますので、そこからハラハラドキドキを楽しみましょう。私的今期(2019年冬)のベストでした。


以下、思ったことを五月雨に。※ネタバレ

■ホラーやスリラーではなく心理戦でした
猟奇的な世界観で色濃く印象的だったのは、エマら子供たちとママ・イザベラ(CV甲斐田裕子)、シスター・クローネ(CV藤田奈央)の大人らとの駆け引きです。この腹の探り合いに集中できたのは不要なホラー演出を削いだからなんじゃないかと思ってます。
{netabare}例えば、子供らが謀議している最中に物陰からニュッとママやシスターが登場するような演出は皆無でした。双方に企みを盗み聞きしたり直接知るような描写がありません。状況証拠や間接的な言動からの探り合いに絞ってました。{/netabare}
{netabare}ママもシスターも元はと言えばフルスコア。さらにトレーニングを積んで派遣され実地で鍛えられた猛者です。直接でなくてもなんでもお見通し、一筋縄ではいかないラスボス感を十二分に引き出す効果がありました。{/netabare}


■絶望からの分岐
絶望を知った後にどう分岐していったか?の対比が好きです。
{netabare}言うまでもなくエマ、シスター・クローネ、ママ・イザベラの3名です。
エマ:抗う人。もちろんそこは主人公。けっこう身も蓋もない世界なのにエライよこの子!
シスター:堪えられなかった人。躁鬱の躁。壊れてましたね。選ばざるをえなかった道もイバラの道。自分♂ですがシスターやママやってたら正気を保てる自信がありません。
ママ:受け入れた人。ってまんまですが、シスタークローネが壊れてた分余計に底の知れぬ深い絶望を受け入れたことがわかり、そのことが最終盤効いてきましたね。{/netabare}
{netabare}一周めはノーマン、レイ、エマの3人を中心に観てました。最終回を見届けて今度はエマ、クローネ、イザベラの3人に焦点をあてて。けっしてクローネはネタキャラではないのです。{/netabare}


■イザベラ
{netabare}マンドリンの少年(レスリー)の曲が印象的な本作。イザベラにとってどういった意味を持つのか?
第1話コニーを門まで送る時の鼻歌が初出。第10話ノーマンとの別離。第11話でレイが火をつけた時。せめてもの手向けなのかレスリーの記憶を留めておきたかったからなのか。
ハウスで過ごした記憶の欠片を手離してなかったことに意味があったんじゃなかろうかと思います。{/netabare}

{netabare}「絶望に苦しまずに済む一番の方法は諦めることよ。抗うから辛い。受け入れるの。楽になれるわ。簡単よ。」

{netabare}かつてのイザベラが現在のエマだっていうのが、これまた切ないのでした(語彙力)。頼れる仲間がいたかどうかの差なんです。{/netabare}{/netabare}


■声優さんの演技
あらためてやっぱり声優さん凄いな~と思いました。
ノーマン役の内田真礼さん。ギルダ役のLynnさん。演技の幅って無限に広がるんですね。
それと短いセリフに込められ感情の豊かさでしょうか。※特定シーンのため閉じます。

{netabare}・「うん」エマ
ノーマンと別れの際、絞り出した「うん」その数8回。その短い言葉一つ一つどれも違っていて、ないまぜの感情が伝わってきた名演です。{/netabare}

{netabare}・「いってらっしゃい 気をつけてね」イザベラ
絵と音の力ではないと思うんだよな~。憑き物が取れた嘘偽りない「私のかわいい子供たち」に聞こえました。ダメねこういうの(T_T){/netabare}



次が気になる展開、裏をかいてまたその裏をかいての緊張感の続く化かし合い。
その根底で「絶望」との向き合い方で道の別れた3人に強いメッセージ性も感じました。
OPEDも作品に合った良いチョイスですね。


{netabare}・識別番号は連番ってことはなさそう。意味はあるのか?
・2期は頭脳戦からサバイバルみたいになるんだろうね。趣きはだいぶ変わりそう。
・イザベラ処分されるんだろうな。
・てかノーマン{/netabare}

きちんと謎や伏線は残したまま2期へと繋がるわけですが、もやっとした感情は無く、終わり方含めなんともすっきりした全12話でした。


それにしても、、、
{netabare}ヒーロー願望というか、男は死にたがるというか諦めが早いというか自意識が強いというか。女性の胆力の強さをまざまざと見せつけられた気分になりました。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

-----
2019.09.17追記
《配点を修正》 +0.1

その後他のレビュアーさんとのやりとりでもやっとしたとこが解消しました。あざまーす!
2期前提ではあるものの、そこへの繋ぎ方と一作品としてのまとまり具合に嫌みがないこと。他の作品とのバランスを考慮し加点しておきます。



2019.04.13 初稿
2019.09.17 追記/配点修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 83
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

原作既読組にとって、この手の作品は・・・?

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
連載開始当初から、緊張感満載のこの作品はお気に入りの作品でした。
お気に入りの作品のアニメ化なので、本作も、とても注目していました。

【原作既読組にとって、この手の作品は?】
原作既読組は、当然、先々の展開を把握しています。
そんな状況の中で、この作品の一番の魅力である『緊張感』を楽しめるかどうか?
そこが、この作品の評価の分かれ目だと思います。
{netabare}
言うまでもなく、私も先々の展開を把握しています。
それでもハラハラドキドキが止まりません。

力のこもった作画。
巧みな演出。
映画のようなカメラワーク。
声優さんの熱演。

全てが上手くかみ合った本作は、『名作』に分類されるべき作品だと思います。{/netabare}

【正直、原作と比べるとかなり話が省略されているんだけどね・・・】
{netabare}全ては、大感動の11話~12話へ繋げるため。
ここから逆算して、必要最低限の物語を紡いでいったという印象です。

エピソードはもっとたくさんあるんだけど、あえて必要最小限のエピソードに絞った。
第2期に回せるエピソードは第2期に回す。

そんな制作陣の苦渋の選択が伝わってきます。{/netabare}

【食用児・・・って、凄い単語ですよね】
{netabare}この単語だけで、この物語の世界観が凝縮されている気がする。
エマをはじめ、子供たちの必死さが伝わってくる。
何かが狂った世の中であることが、ひしひしと伝わってくる。{/netabare}

【ところで、各話のタイトルの意味って分かりました?】
{netabare}各話のタイトル、例えば第1話なら『121045』。
これの意味って分かりました?
{netabare}あれって、『日・月・年』なんですよね。
『121045』=『2045年10月12日』という意味。{/netabare}
要するに、1話から9話までは20日余りしか時間が経過していませんが、9話と10話の間だけでも2か月以上に時間が流れていることが分かります。

この間、エマたちはママだけではなくレイの目も欺き続けたことに・・・。
だから、11~12話にかけて、レイは驚きっぱなしだったんですね。{/netabare}


第2期も期待しています。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 78

94.4 18 ダークファンタジーアニメランキング18位
鬼滅の刃(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1653)
6880人が棚に入れました
血風剣戟冒険譚、開幕。舞台は、大正日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変した。 唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異した妹・禰豆子を元に戻す為、また家族を殺した鬼を討つ為、2人は旅立つ。鬼才が贈る、血風剣戟冒険譚!

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、大塚芳忠、梶裕貴、加隈亜衣、岡本信彦、森川智之、悠木碧、井澤詩織、浪川大輔、山崎たくみ、緑川光、子安武人、坂本真綾、山下大輝、早見沙織、千葉繁、上田麗奈、日野聡、小西克幸、花澤香菜、河西健吾、杉田智和、鈴村健一、関智一、関俊彦、木村良平、福山潤、小松未可子、諏訪部順一、内山昂輝、小清水亜美、森久保祥太郎、白石涼子、稲田徹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒット作を語らう時の心の姿勢

2020.04.12 追記

思うところがあっての大幅加筆。
視聴後に書いた作品レビューは後段に残しときます。
 ※ごく一部のアニヲタ批判も含んでるので気分害されちゃったらごめんね


作品の良し悪しについて各々語るのがレビューサイトの目的の一つですが、この作品は久々に普段アニメを観ない層を巻き込んで社会現象を起こしたということもあって、その観点で一言申し上げたく候。基本雑談です。


{netabare}とあるコーヒー屋にて見かけた風景。
「こんないいものなのになかなか理解されない」

自身が愛好しているものを理解してほしい。誤解を解きたい。なんなら広めたい。趣味人なら自然と沸き上がりそうな感覚です。少なくとも目の前で熱弁をふるってるこの人はそんなタイプの人。そしてその対象はアニメでした。
一緒にいる相手はそれほど興味のない層。よくありそうなシチュエーションです。
時は2016年。大ヒット中の映画『君の名は。』を映画館に出向き鑑賞し感動したと伝える非ヲタさん。話を合わせただけかもしれませんが、そんな会話のきっかけを全力で折りにいくアニヲタさんがいました。曰く、

「あーあれ話の辻褄全然合ってないんだよね」
「話が頭に入ってこないから全く泣けなかったわー」
「それよりも新海監督の前作がなんちゃらかんちゃら…」
「それよりも同時期の『聾の○』『この世界の何某に』のほうが凄かったけどね」
等々

前段でなかなか理解されないというやりとりを耳にしてたからなおさらかもしれません。

 「そりゃあんた理解しろというのが無理だわ」

単に巻き込みに失敗しただけでなく、むしろ遠ざける逆の効果を発揮するコミュニケーションでした。あほらし…
別にあにこれで同種のレビューを投稿するのは一向にかまわないと思います。同じヲタ同士で一定の土台を共有してますし、節度を保って思うところぶちまけてもらったほうがよいしそういう場です。
そのため「『君の名は。』つまんねーのにそう言っちゃだめなのかよ!」とか「思ってもいないこと(面白くないのに面白いと)言うほうが不誠実だと思うが?」という話では全くないので悪しからず。

せっかく興味のなかった人が興味を示してくれたのに。当のヲタさんだって仲間になりたそうにこちらを見ているのに。…全力でへし折りにいってませんか?です。

 「どこらへん面白かったの?」
 「アニメってどんなの想像してた?」

せめてこれくらいのワンクッション置いてから持論を展開してほしかったところ。
非ヲタさんはアニメを観にいちいち映画館に足を運ぶなんて滅多にないでしょうに。ここらへんの想像力がこのコーヒー屋で出会ったアニヲタさんには決定的に欠けてます。
もうなんというかオタクどうこうよりも単なるコミュニケーション下手かどうかの話のような気もしますが、やらかしがちなので自戒も含めて気を付けましょう。


というわけで何を言いたいかはもうお分かりですね。
4年ぶりに似たような局面がきてるわけですよ。クリスマスや誕生日のプレゼントに単行本をせがまれてみたり、芸能人がファンであることを公言して、なかには椿鬼奴さんみたいに番組内でネタにしてたりもする。LiSAさんが紅白に出場してたりもしましたね。

とはいっても、制作会社「ufotable」。声優「花江夏樹」「鬼頭明里」。一般人はまず知らない単語です。紅白出場したからといってアーティスト「LiSA」さん知らない人だって多いでしょう。今回で興味を持って動画を漁ったとしても客席サイリウムが乱舞してる光景を見たらそっ閉じしたくなるのが人情です。
余計なお世話でしょうが、同好の士を増やしたい私としましては非ヲタさんとのやりとりは「お手柔らかに」と願うところであります。

『鬼滅の刃』気に入ったのならこんなのもあるよ(^^)
そんな展開を夢見て以下、


■映像凄かったっす

作画に触れて制作会社「ufotable」を話の枕に『fate』『空の境界』をご紹介。劇伴も同じ梶浦由記さんだったりします。


■声優さん繋がりも

ベテラン・若手・中堅問わず実力のあるCVさんが多く起用されていた本作です。要は年間通して登板回数の多い人たち。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準です。

 「その○○役やってた人だったら、今ちょうど△△ってアニメに出ているよ」

リアタイものだと「じゃあ明後日チェックしてみよう」と敷居が下がったりするものです。

それに各々代表作を持ってそうですから、そちらへの誘導もありですね。
花江夏樹さんなら『四月は君の嘘』。早見沙織さんなら『あのはな』。あたりは非ヲタ向け鉄板でしょう。「いやそれより『俺ガイル』が鉄板だ!」そのへんはどうぞご自由に(笑)

我妻善逸(CV下野紘)からの『ACCA』ジーン・オータス役。
嘴平伊之助(CV松岡禎丞)からの『SAO』キリト役。
本作での役どころとは違う顔を見せている作品も驚きがあっていいですよね。


自分もそうでしたが、声優さん、制作会社、劇伴担当、キャラデザインあたりの繋がりから広がっていったと思います。

まあそんな感じの世迷い言です。お付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに私はこの作品を手放しで褒めておりません。{/netabare}




↓以前投稿した作品についての感想
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2019.10.04記
旧件名:良いほうの『少年JUMP』

{netabare}
艶やかな街の灯り
静謐な山間の雪景色

とにかく綺麗な作品です。
色使いが独特といいますか鮮やかな色の組み合わせが印象に残ります。
主人公炭治郎の羽織(緑と黒)はサムネでも確認できる組み合わせ。

その一方で、毎話冒頭サブタイトルコールの墨色を用いた水彩風の演出にも味わいがある。全体の色味が和風なんですよね。

そしてこれがぐねぐね動くのを目の当たりにすることになります。
バトルシーン。抜刀時の緊張感。連続した体動作の流麗な運び。対立する“鬼対人”の果てなき抗争の物語のためバトルシーンは多くあり、手を替え品を替えての演出に都度唸ることでしょう。


制作会社『ufotable』は、『劇場版 空の境界』でアニメビギナーだった私の心が鷲掴みにされたこともあって、本作『鬼滅の刃』は事前から楽しみにしていた作品でした。

『空の境界』は、和装のヒロインの殺陣がとにかく流れるようだったのとそれを活かすコマ割りで、これまでバトルを“迫力”という概念でしか見れてなかった自分に”美しさ”というものを教えてくれた忘れられない作品です。



さて『鬼滅の刃』に戻ります。
冒頭作画に触れたのは、この一点だけでも「買い」だと思ったから。なお原作は未読です。
週刊少年ジャンプは『ONE PIECE』が連載される前に卒業した私ですが、いかにもジャンプらしい作品と言えるのではないでしょうか。たしか

 “ 努力 友情 勝利 ”

でしたっけ?
その王道を行くかのような竈門炭治郎(CV花江夏樹)が主役の物語。鬼に親兄弟を惨殺され唯一生き残った妹も鬼と化してしまう。その妹竈門禰豆子(CV鬼頭明里)を人間に戻す手段を探るべく、人外なる鬼を討伐する組織へと身を投じていく流れとなってます。

良いですね。
炭治郎が素直で努力家で妹思いで諦めない強い意志を感じさせるいい奴なんです。私としてはこの主人公と冒頭述べた作画の2点推しです。
・・・以上なんですけど一応5項目整理しておきます。


▼物語

あらすじ読むと暗そうな話ですが、実際展開されたのはシビアな場面とギャグパートとのほどよい緩急。すっと肩の力を抜けるポイントが用意されてそこそこ笑えます。
それにインフレし過ぎない敵キャラ。鬼舞辻無惨(CV 関俊彦)を最終目標と定めてのブレない展開も好感。
炭治郎の鍛錬シーンに尺を取り強くなっていく過程を丁寧に描いたことは戦闘の重みや背負うものの大きさなどに説得力を持たせる効果がありました。また、鬼を一方的な悪として描かないこともお家芸とはいえ好きな設定。


▼声優

弱っちいけど芯のある人物を演じるには花江さんの選択は良かったかと。2018年初頭『グランクレスト戦記』『ラーメン大好き小泉さん』でその名を認知したのち、視聴作品が被ってなかった鬼頭明里さんのフルボイスを久々聞けたのは個人的に◎。
敵方の “ 十二鬼月 ” そして鬼殺隊エリートの “ 柱 ” 両陣営にも豪華声優陣を配置。 一部しか登場してないので今後の発展性の面でも楽しみが残ります。

{netabare}禰豆子を人間に戻すためのキーマン珠世を坂本真綾さんが演じられているのも耳に心地よい。もっと珠世を出しておくれ!{/netabare}


▼キャラ

我妻善逸(CV下野紘) 嘴平伊之助(CV 松岡禎丞)の位置づけが絶妙でした。
濃いっすね。途中からお笑い担当みたいになってましたが…
{netabare}協力プレイで敵を撃破!という印象がないのです。
意図したものなのか、兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめでした。今後の伸びしろを感じるところです。{/netabare}


▼作画

既述。
追加で、室内戦闘の描写もすさまじかったですね。
{netabare}ジャミロクワイの名曲『Virtual Insanity』のPVイメージで、そこの灯りを暗くして動きをめちゃくちゃ激しくしたような響凱(CV諏訪部順一)との戦闘も目を奪われました。鼓を打つ鬼とのバトルですね。{/netabare}


▼音楽

安定の梶浦案件。
地味に評価したいのが2クールの前後半通してOPEDが変更されなかったことでしょうか。昨今のお作法からみても異例な気もしますが不自然さは感じません。
{netabare}後半で曲を一新して、最終話クライマックスで前半OPどーん!演出って分かっていてもアガるんです。でもそれをしない勇気といいますか、作品の一貫性考えると変えないほうがいい気がします。{/netabare}




整理してみると、個別項目でのマイナスはあまりなかったです。
続きは劇場版でということでしょうが、まだ開けてない引き出しも豊富なので不安はないでしょう。

ただし、2クール後半でやたらキャラ増やしてお披露目パートみたいになってたのをどう見るか?
ちょっとイマイチでした。単に私が消化しきれなかっただけで、これも続きありきということなら仕方のないことなのかもしれません。

それに少年漫画らしいシンプルな面白さを追求した感があって、エンタメとして申し分ないわけですが、天井をぶち抜くような破壊力まではありませんでした。あくまで感覚的なものです。

きっと作画表現に度肝を抜かれたこともあって同等かそれ以上のレベル感で「深み(絶望)のある物語」を期待してしまったのではないかと思われます。


いや充分面白いんですよ。今期(2019年9月終了もの)TOP3に入るのは間違いありません。全方位でおすすめです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.10.04 初稿
2020.04.12 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 105
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

狼はただ一匹か、数匹か

UFOTABLE制作。

大正時代の山村を舞台にした、
人喰い鬼との死闘を描く時代活劇。
アニメ化が成功した好事例でしょう。

人喰い鬼の神話、弱者の論理、
{netabare}家族を殺され最愛の妹は「鬼」と化す。
主人公炭治郎は妹を「人」に戻し、
家族の仇を打つため剣の修行に明け暮れる。{/netabare}

ハードさとコミカルさが、
バランス良く配置されまずまずの好印象。
デザインは好みませんが絵は素晴らしい。
制作会社の面目躍如でしょうか。

鬼は驚異的な生命力を持ち人を襲う。
弱者が仲間と出会い、師匠に学び、
ほんとの強さを勝ち獲るための戦いの日々。

狼はただ一匹か、数匹か。

8話視聴追記。
序盤の修行が戦闘に活かされ、
娯楽時代活劇として魅力的な仕上がり。
{netabare}物語の鍵を握る面々が表舞台へと上がり、
鬼との戦い、私怨、不死への渇望、克服、
それぞれの主題が浮かび上がる。{/netabare}

最終話視聴追記。
久しぶりに翌週が楽しみな良品でした。
立志編と銘打たれたシリーズ終了です。
身体超活性の呼吸法の技の数々、
戦闘描写は終始圧巻の出来栄えで、
善逸の「霹靂一閃」に感動すら覚えます。
原作者が嬉し泣きしたのも良くわかる。

全集中、視聴待機。
また彼らに会える日を待ち望んでいます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 94
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

家族の肖像(※女性漫画家と新しい波の兆し)

アニメーション制作:ufotable
監督:外崎春雄、脚本:ufotable
キャラクターデザイン:松島晃、
音楽:梶浦由記、椎名豪、原作:吾峠呼世晴

最近の週刊少年ジャンプは、
ダーク系が主流なのだろうか。
『HUNTER×HUNTER』しか読んでないので
分からないが、『約束のネバーランド』も
同じ系統だし、読者層の年齢が上がって、
売れ筋も変化しているのかと想像している。

とはいえ、この作品が重視しているのは、
ジャンプの王道を踏襲した作風。
努力、成長、友情、純粋さ、家族愛など、
ジャンプに必要なものは、
全て揃えているように思える。

大正時代のある場所。
優しくて家族思いの竈門炭治郎(かまどたんじろう)は、
兄弟の世話をして長男としての務めを
果たしながら、毎日を懸命に生きていた。
家族の結束が固く、より大切にされていた時代。
ある日、町に炭を売りに出かけていた炭治郎は、
帰りが遅くなったため、知り合いの家に
泊めてもらうことになる。
夜になると鬼が出ると言われていたからだ。
{netabare}翌日、家に戻ってみると、母と兄弟たちが
惨殺されているのを発見する。
炭治郎はそのなかから僅かに息のある
妹の禰豆子(ねずこ)を抱えて助けを求めるために
雪山のなかを飛び出していくのだった。{/netabare}

{netabare}鬼に対抗して禰豆子を人間に戻す方法を探すために{/netabare}
炭治郎は、冨岡義勇の紹介で鱗滝左近次の元で
修行に励み、鬼殺隊に入隊。
禰豆子とともに鬼に対抗していく。

ここまでの物語はジャンプの王道展開そのもの。
修行して戦い、敵のボスと遭遇し、目的を確かにする。
大きな特徴といえるのは、相手側の鬼は
元々が人間で、昔の家族との記憶を
全員が朧気ながら持っていること。
その時の想いに沿った攻撃を仕掛けることもあり、
死に際には、家族の思い出とともに消滅する。
敵が人外であっても心を持った者であり、
そこを重視する作りになっているのは、
最近の少年漫画の流行りなのかもしれない。
この設定は『HUNTER×HUNTER』の蟻編を想起させる。

浮世絵を意識した水の表現法をはじめ、
作画面のこだわりは素晴らしい。
動きもスムーズで乱れるところがない。
制作陣の相当な意気込みが感じられる。
家族とのつながりを重視したのも、
関係性が希薄になりつつある今の時代に合っている。

ただ個人的にはストーリーに惹かれるものがなく、
第1話を除いた前半から中盤に関しては凡庸な印象。
よくある設定が想像通りに進んでいき、
敵との戦いにも新鮮さは感じられない。
絵の良さはあるが、戦いのシーンが長い割には、
刀で戦うという制約があるため、バリエーションが少ない。
また、炭治郎と禰豆子以外の味方のふたりが騒がしくて、
コメディにも辟易としてしまう。
ジャンプ作品なので仕方ないとは思うが、
お約束に縛られ過ぎていると感じた。
しかし、多くの人の心を奪ったであろう
19話の展開や魅せ方で一気に物語へ引き込む。

鬼の家族ともいえる集団が住む森に炭治郎たちは向かう。
十二鬼月のひとりである累を筆頭とした
蜘蛛の糸を操る鬼たち。
家族を大切にするという記憶だけに
取りつかれていた累は、恐怖による支配で
鬼の家族を形成していた。

蜘蛛の糸に捕らえられ、月光のなかで浮かぶ禰豆子。
炭治郎は死を覚悟して累へと突っ込む。
この回は動きだけでなく、止め絵の美しさも
しっかり考慮されているのが感じられる。

家族との思い出。
幼いころに見た神楽の記憶が炭治郎に力を与え、
父の舞が自身の動きと重なっていく。
一方、禰豆子の脳裏には母が現れる。
妹は兄を助けるために残った力を絞り出す。

誰にでも大切なものがある。
心と体が弱っているときに、
家族や大切な人が自分のことを
愛してくれているということを思い出すだけで、
大きな助けになることがあるのだ。
そんな普遍的なことを物語と映像で
ドラマチックに表現した手腕は見事だった。

鬼殺隊のトップである9名の柱。
十二鬼月の新たな追手。
鬼舞辻無残の血を得て、
より強力になった下弦の鬼が
炭治郎たちのいる列車に乗り込む。
続きは映画の無限列車編で。

家族の物語はどこに向かうのだろうか。
(2019年10月12日初投稿)

女性漫画家と新しい波の兆し
(2020年5月23日追記)

先日、週刊少年ジャンプで
最終回を迎えたというニュースが流れた。
ひとつの作品として、これは異例のことだ。
恥ずかしながら、リアルタイムでアニメを観ていたときは
社会現象になるほどの大ヒット作になるとは、
全く予想していなかった。
2020年5月の時点で、累計発行部数は、
6000万部を超える見通しだという。
2019年度の集計では、10年間連続1位を
獲得していた『ONE PIECE』を抜いた。
現在でもコミックスの品薄状態が続き、
映画公開も控えていることから、
さらに数字を伸ばすことが予想されている。
現在、たった20巻までしか刊行されていないことを
考えると驚異的といえる。
この数字は、過去の全ての漫画と比較しても
30位以内に入るという。
私の周りでも普段アニメや漫画にそれほど
親しんでいない人が夢中になっているのを
よく耳にするので、それだけ一般層にも深く
浸透しているということだ。

作品の特徴としては、やはり女性作者が少年漫画誌に
少年漫画のロジックで描いたことだろう。
上記でも触れたが、少年ジャンプに必要とされるものは、
全て揃えているように感じる。
ただ、そこに女性作者特有の視点が付加されている。
それが、多くの人々の琴線に触れたのだろうか。

家族愛がこの作品のテーマのひとつであることは
間違いないだろう。原作は未読だが、
アニメで観たところ、敵味方関係なく、
家族について多くの時間をかけて描写しているのは、
大きな特徴となっている。
しかも、時代は大正時代をわざわざ選んでいる。
そのことに頭を巡らせたとき、
昔、友人の女性と話していたときのことを思い出した。

「もっと昔の時代に生まれたかった」
と彼女は言った。
「今の時代はあまり合わないのよ」と。
いまひとつ意味を理解しかねて、
色々と話を聞いてみると、自分の祖父や祖母たちと
過ごした時間のなかで感じたり、書物のなかでの
知識によって、人と人との関係性や
家族の形、男女の役割など、全てが心地良かったようなのだ。
当時の私は、それを聞いて、よくある懐古主義なのかと感じた。
例えば、雑誌『サライ』を好きだと言うように。
昔の時代だと、不自由なことも多く、
楽しいことも今よりは少ないような気がすると私が口にすると、
彼女は、それでもいいと言った。
規律や狭い常識に縛られていても、
それが自分にとっては、合っている気がすると。
結局、私は彼女が感じたことをよく理解できなかった。

今になって思うのは、人生においてたくさんの
選択肢があったとしても、必ずしもそれが幸せに
つながるわけではないということを
彼女は感じていたのかもしれないということだ。
決められた自分の役割のなかで、
何かをひとつずつ選び取っていくほうが、
自分の性には、合っていると考えていたのだろう。
彼女は、とても頭の良い女性だったが、
地図を読めないことをよく嘆いていた。
彼女にとって、人生に対する考え方は、
もっとシンプルな形をしていた気がする。
それは、昔の日本文化のなかに確実に存在していた
「潔さ」や「温かさ」とでもいうべきものだったように思う。

私は『鬼滅の刃』が幅広い人々の
支持を受ける理由のひとつに
そういうものがあるのではないかと感じる。
主人公の竈門炭治郎は大家族の長男として、
毎日、懸命に働きながら、
たくさんの兄妹の面倒を見ていた。
彼は定められた自分の役割を全うすることで、
満ち足りた幸せを感じていた。
やがて鬼によって家族が惨殺され、
僅かに息のあった禰豆子を助けるために、
さまざまな困難に立ち向かっていく。
そして、禰豆子のために生きていくことを決意する。
決断に全く迷いはなかった。
そんな状況にありながらも炭治郎が大切にすることは、
他人の気持ちに寄り添うことだった。
たとえ、相手が鬼だとしても、その哀しみを受け止める。
多くの人々の哀しみを全て抱えながら、
敵に向かっていくのだ。
全てを背負う度量があって、ストイックで真っ直ぐだ。
こういうほぼ絶滅してしまったと思える男性像に
女性読者は惹かれるのだろう。
この層は「歴女」と呼ばれる人たちとも被る気がする。
また、善逸や伊之助も抱えている背景がしっかり描かれ、
その事情や彼らの強さの理由が分かるのもいい。
彼らは、自分のできることに向かっていく。

もうひとつ女性作者に特有だと思えるのが、
作品をズルズルと引き延ばしたりしないことだ。
最近の売れる漫画は、ほとんど終わることができない。
物語が終焉に向かったら、きちんと終わらせることも
作者の仕事ではないかと個人的には思う。
出版社側の立場だと「必ず売れるコンテンツ」は、
ずっと手放したくないのは理解できる。
ただ、そんな状況にあっても
幸せな作品の閉じ方を決断できるのは、
女性作者のほうが多いのではないかと感じる。
女性作者は基本的にラブストーリーを
描くことが多いため、
長く引っ張れないという事情も大きい。
それを考慮しても、女性漫画家のほうが
綺麗に終わらせるイメージがある。

指摘されているように、
妹がマスコット化されたことも
女性人気に火をつけた理由だろう。
喋らないヒロインが固定されることで、
主軸が男キャラばかりになり、
女性が好みそうな構図になっている。
これは少年漫画としては、異例ともいえるアプローチで、
読者には新鮮に映る。
ただ、爆発的なブームの理由が、
この部分だけと言われると、それは、無理がある。
あくまでも、ひとつの要素だろう。

いずれにせよ、この作品の大成功で、
ますます少年漫画誌における
女性漫画家の進出が加速する気がする。
同じ少年漫画のロジックに基づいても、
違うタイプの作品ができあがることを証明したからだ。
それは、少年漫画誌における新たな波となって、
今後の業界を大きく変えていきそうだ。
もちろん、アニメ化が大ヒットの大きな要因。
制作を担ったのがufotableで、
その技術力の高さや見せ方の工夫は卓越していた。
今後、残りの原作がアニメ化されるのを楽しみに待ちたい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 91

93.1 19 ダークファンタジーアニメランキング19位
進撃の巨人 Season2(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1280)
7171人が棚に入れました
超大型巨人の出現により人類の平和と幻想が破られたあの日から、エレン・イェーガーの果てしない戦いの日々は続く……。抵抗する術もなく巨人の餌となった母の最期を目の当たりにして、この世から巨人を一匹残らず駆逐することを誓ったエレン。しかし、過酷な戦いの中で彼自身が巨人の姿に変貌してしまう——。人類の自由を勝ち取るために巨人の力を振るうエレンは、ウォール・シーナのストヘス区において「女型の巨人」と激突。巨人同士の激しい戦闘は、辛くもエレンの勝利となった。それでもエレンに、そして人類に、休息の時は訪れない。次なる戦いは既に始まりを告げている。ウォール・ローゼに迫り来る巨人の大群に、人類はどう立ち向かう!?

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、谷山紀章、嶋村侑、小林ゆう、三上枝織、下野紘、細谷佳正、橋詰知久、藤田咲、神谷浩史、小野大輔、朴璐美、藤原啓治
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

史上最強?の第104期訓練兵団卒業生

原作既読


2013年1期全25話+OAD5話、2017年2期全12話。
私のような後追い組ならいざ知らず、リアタイ組には長い待ち時間だったでしょう。ちょいとクールダウンしちゃったか、はたまた期待値が上ブレしちゃったか、伝え聞くところで、「物事には適切なタイミングってあるよね」不遇な2期という噂です。

第2期1話が作中で“第26話”と扱われていることもありますが、前提は1期視聴済であること。第3期1話も“第38話”とルールは踏襲されていて、完結までは話数が上乗せされていくのでしょう。
おそらく70話以上を要するんじゃないでしょうか。
私たちは未だ巨人と人類を巡る一大叙事詩の途上にあるのです。

そんな途中経過の2期。
アニがアレしてこの後どうなるんだろう?からの続きになります。2期では1期での謎の一部が解明され、そして新たに謎が提示され、が並行するミステリの様相を呈してきます。

思えば1期は“圧倒的な力を持つ巨人”対“立ち向かう人類”というシンプルな二項対立。一枚岩ではない人類の描写が秀逸でもありました。圧倒的な力に蹂躙されるそんな“絶望的な世界で抗い続けることができる強い意志”を持った主人公エレンや調査兵団に共感や畏敬の念を抱きながらも心躍らせた傑作アニメです。

捕食した人間で胃が満たされたら吐き出すという生態は「食物連鎖とも関係ない。巨人の栄養にすらならない」ただ被殺戮対象としての人類という存在を浮かび上がらせ、戦慄を覚えたものです。

翻って2期はその巨人の謎が徐々に解明{netabare}(巨人が実は人間?){/netabare}され、見えない恐怖が可視化されていきます。巨人の恐怖というものが物語の面白みを担保する屋台骨であった以上、そこにメスを入れたことでのデメリットもありました。

これは作品の魅力の軸がシフトしたことを意味します。擁護すると、スプラッタホラー味の対巨人バトルで押し通せば、巨人の絶滅orボスの討伐といった少年ジャ○プ的インフレ展開しか残されておらず、結局「1期で終わっときゃよかったのに」となったでしょう。そこはマガ○ンだったのでそんな選択は取らなかったのかもしれません(嘘)。
魅力の軸がシフトとはあくまで好意的な解釈で、当然ながらこれを作品のブレと捉える向きもゼロではなかったでしょうね。

ただしブレはブレでも2期で私が感じた“ブレ”とは、これとは違うもっと絶望的なもの


“心臓を捧げる先である人類への迷い”


絶対真理と思っていた憎しみの対象“巨人”という前提が揺らぎます。
さっそく第1話(26話)で私の大好きなウォール教の司祭(注:1期レビューでボロクソ書きました)がまたやらかしました。{netabare}壁の中にいる巨人の存在をこれまで隠してきたのです。{/netabare}人類への裏切りです。
人類の進撃の糧に!と心臓を捧げた兵士たち。折り合いつけるかつかないのか、九死一生に煩悶して任に着いた調査兵団の一員たるエレンですら話数を重ねる毎に「俺たちは何と闘ってるんだ?」という状況がやってくる。そんな2期でした。

そして、1期と比較し市井の人の出番がめっきり減ります。兵士たち(特に調査兵団)の話がほとんどとなり、より狭い空間での兵士たちの選択や葛藤を追っているというのも2期の特徴です。
中核はエレン・ミカサ・アルミンその他第104期訓練兵団卒業生たち。良きにつけ悪しきにつけ、彼ら彼女らが『進撃の巨人』という物語の中心であることがほぼ確定となりました。
{netabare}余談ですが、エレンの同期達って何個師団分くらいの軍事力あるのだろう?少なくとも兵団のなかでは歴代最強のメンバーには違いありません。{/netabare}
1話分の引きがとても良いので次が気になりあっという間の全12話でした。今から視聴組は1期の勢いそのままに2期に突入できますね。ラッキー!


OPは1期に続いてLinked Horizonが担当。曲は「心臓を捧げよ!」

“捧げよ 捧げよ 心臓を捧げよ”

まるでそう言い聞かせないと正気を保てないような展開が兵士たちを待ち受けてました。
明確な敵設定できるうちはまだマシだったかもしれません。
そして謎がこれから徐々に明かされていく手前の物語序盤。


{netabare}「人は戦うことをやめた時初めて敗北する」{/netabare}


手練れのミケ分隊長が発したセリフが意味するところを兵士たちも視聴者である私たちも、それが如何に困難な道程かを思い知ることになるのでしょう。

「諦めたらそこで・・・以下略」
言うは易し 行うは難し です。普段できてる気がまるでしません。


■オマケ
巨人の捕食シーンはヴァリエーションが増えてた気がする。

{netabare}ミケ分隊長:獣の巨人に装置取られた実力者。いやぁ、ちょっときつい。{/netabare}

{netabare}ナナバ:古城で奮闘した先輩の女性兵士。いやぁ、これまたちょっときつい。{/netabare}




視聴時期:2018年11月

-----
2019.11.08追記
《配点を修正》 +0.1

3期が終わりFinal seasonを残すのみ。
視聴当時は1期と比較しややパワーダウンの印象を受けたが、2期で開示された情報は物語上不可欠なものでありのちに回収されます。
物語構成の良さを評価し加点しときます。



2018.12.18 初稿
2019.11.08 追記/配点修正
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 67
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

Ⅱ期も毎回予想を裏切る(上回る)展開!次期までまた我慢だ。

最後まで観ました。
相変わらず毎回の区切りが上手かった。
後半は巨人の謎がわかり{netabare} はじめてきた!訳ではなく、また謎を加えてきました。
ベルトルトとライナーがあの巨人。そして戦士?
ユミルとクリスタとの出会い。60年土の中で眠っていた?
クリスタの本名はヒストリア?
そして、エレンの指示に従って巨人を襲う巨人
「座標がずれた」という意味{/netabare}
続きが観たいけれど、今回もがんばって我慢しますよー 2017/6/20


今期もⅠ期のような予想を裏切る(上回る)展開で毎回あっけにとられます
感想書いたらすぐネタバレになるほど内容が濃いです。
そして展開も早いです。

でも一番すごいと思うのはエンディングです。巨人が「なぜ生まれたか」のような映像ですが、「映像」と「音楽」両方合わせたところに絶望と悲壮感の中に希望を感じるところは凄いと感じます。
(申し訳ないですが「お気に入り曲」ではありませんけどね)2017.5.26

Ⅲ期は2018年8月放送。我慢しました。
次期2019年4月。我慢しますよ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 62
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

やつらの足音のバラード

原作、諫山創。

圧倒的な巨人の描写で世界を席巻する。
驚異的なデッサン力で再現されている、
この不気味で得体の知れない巨人の姿こそ、
この作品の真髄であるのでしょう。

1期では超大型巨人による襲撃から、
シガンシナ地区没落まで。

2期では、
{netabare}ウォールローゼの突破から、
獣の巨人の登場、ウドガルド城夜戦、
そして「座標」の発動と物語は進みます。{/netabare}

エンディング曲「夕暮れの鳥」、
神聖かまってちゃんを評価したい。
絵画のような映像と讃美歌のような楽曲、
世界観の構築に最高の形で一役かっている。

地平線のかなたよりやつらがやって来る。
次なる恐怖は、もうそこまで迫っている。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 60

80.2 20 ダークファンタジーアニメランキング20位
どろろ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (529)
2176人が棚に入れました
時は戦国時代、武⼠の醍醐景光は、天下を取るという野望をかなえるために、⽣まれて来るわが⼦の体を⻤神に与えてしまう。そうして⽣まれた⼦供は、命以外すべての⾝体を奪われており、川に流され捨てられてしまう。時は流れ、戦の世を旅する少年・百⻤丸。実は彼こそが、魔物に体を奪われた⾚ん坊の、成⻑した姿であった…。

声優・キャラクター
鈴木拡樹、鈴木梨央、佐々木睦、内田直哉、千葉翔也、大塚明夫、中村千絵、麦人
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

生ける屍の死

時は室町から戦国、
領主である醍醐景光は天下泰平より、
己の野心に忠実に領土の繁栄を願い、
{netabare}我が子を12体の鬼神に生贄とし差し出す。{/netabare}
名誉欲に溺れた為政者である。

時代劇×妖怪×冒険。
MAPPA制作は抜群の相性を誇ります。
古風な寺、蝋燭の火、豪風雨の集落、
陰鬱な描写が素晴らしい世界観を伝える。

飢饉と流行り病に痩せ衰えた民と大地。
死を待つばかりの国の行く末。
死屍累々の荒野を旅する百鬼丸とどろろ。
襲い来る化物と己の「生」を見据え、
百鬼丸は身体を取り戻す戦いに明け暮れる。

鬼か人か、
生ける屍は何を語ると言うのだろう。

5・6話視聴追記。
感覚を取り戻す衝撃、世界は音の洪水だ。
{netabare}激しい「生」の苦しみと「生」の逞しさ。
慈愛に満ちた魂の色は透明である。
正義の到来を切に願おう。{/netabare}
哀悼のメランコリーである。

最終話視聴追記。
響くはずだった産声は呪われ、
因果の旅路の果てにあったものを想像する。
手塚作品は物語の上下運動は少ないのです。
中盤以降やや停滞するものの、
粛々と人の叡智と愚かさが描かれていく。
{netabare}彼は生きる力の中に「菩薩」を見る。{/netabare}
やはり語り継がれるべき作品でしょう。

手塚流曼陀羅、素晴らしいアニメです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 67

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

魔物は12体に減りましたが、思った以上に『どろろ』でした。

== [第1話視聴時レビュー: 以下、追記あり。] ==
「今夜(1/7)から放送開始だと思うんですが、あにこれのアニメ番組表に載ってません…。」と1/7当日に書いた手前もあり、さっそくの第1話視聴です。

大雑把にいうと、魔物に身体の一部を少しずつ奪われている百鬼丸が魔物を倒して自分の身体を取り戻していくお話であります。そして身体を奪われた原因は実の父親にあるので、これが「実の父親が仇」

手塚治虫による原作漫画は約50年ほど前の作品で、一度目の連載で途中終了、二度目の連載で打ち切りをくらい百鬼丸が身体をすべて取り戻せたかどうかは不明です。

旧作アニメでは、一応「最終回らしい最終回」を迎えています。リメイク版である本作はおそらくちゃんとシリーズ構成されているでしょうから「最終回らしい最終回」が期待されます。ちなみに原作および旧作アニメ設定では、魔物の数は48体でした。

キャラクターデザインについては漫画原作やそれに準拠した旧作とは大きく変更されていますが、それらしい面影は残っています。

作画に関しては、ツインエンジンが参加しているのでCGなども駆使してきっとそれなりにうまくやるでしょう。第1話の戦闘シーンの動きはなかなか良かったと思います。義手・義足の作り物感もわりと出ていましたね。

ストーリーや設定については、魔物の数以外は概ね原作準拠といった感じでした。

特に「原作・旧作は知らん」という方には、わりとお薦めできる感じだと思います。
== [第1話視聴時レビュー、ここまで。] ==

2019.2.12追記:
第6話まで視聴終了。原作が『どろろ』だからと言ってしまえばそれまでですけど、この未央(みお)が出てくる5話/6話の前後編はなかなかに辛い話でしたね…。

2019.5.21追記:
第19話まで視聴終了。まさにサブタイトル通りの「天邪鬼(あまのじゃく)」でした。旧作『どろろ』には良くあったコミカルな感じのお話でした。

オムカエデゴンスとかヒョウタンツギが最近のアニメ作品では珍しく、本編中に出てきて懐かしかったですね。

2019.6.27追記:
最終話まで観終わりました。

百鬼丸の両親である醍醐景光や縫の方の扱いは原作よりも良かったんじゃないでしょうか。ただ、本作オリジナルの妖怪が出たりとかいろいろと改変されているようでいて意外と本筋は原作を踏襲していて、かなり良いアニメ化だったと思います。

「そういう作品だから」といってしまえばそれまでですけど、血が出たり人が死んだりはけっこうしていましたね…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 61
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

原本のエキスを感じられるリメイク

原作は読んでないんだなあこれが…


原作者は説明不要の漫画の神様。1969年(昭和44年)アニメのリメイクです。
制作会社に旧虫プロの流れをくむ(といったらほぼみんなだけど)MAPPA。そして手塚プロ。手塚治虫から始まったアニメーションの歴史の一つの結実みたいで生き証人になった気分です。
昭和44年といえば安田講堂陥落のあった年。節目は節目でこういった世相も作品には反映はされてますね。

時代は応仁の乱近辺で、みんな大好き戦国時代へ向かう過渡期。国は乱れ各地方を治める領主の治下もジリ貧の状態。
荒れた土地そして苦しむ領民。領主醍醐景光は鬼神と取引をし、領地の繁栄と引き換えに自身の子を人身御供に捧げます。はたして産まれてきた子は体のあらゆる部分が欠損していて、ちょっくら一悶着した後に小舟に乗せて川へと流される。
その流された子が主人公百鬼丸。道中出会ったどろろと共に失われた体を取り戻しにいくというお話です。

あらすじ読んでも暗めな雰囲気は伝わってきます。敬遠される向きもあるかもしれませんが、単なる暗い話ではありませんでしたよ。
50年前の原作も前作アニメも知らずフラットに鑑賞できた上でどうだったかというと、これは当たりでした。
新しい古いは正直なところよくわかりません。しかしながら普段観てる作品とは違った描かれ方をしてるなーという部分が自分には心地よかったです。具体的には2点ほど。


■3ステップ構造

基本設定を動かせば収拾がつかなくなるもの。だいたいは“勧善懲悪”だけ。または“二つの正義”だけとどちらかに固めて動かすものではありません。最初に前者と見せて徐々に後半を見せる手法は名作ではまま見受けられます。
ここを段階つけて両方見せてきます。さらにキャラ変“同じ人でも揺れる”が入ってくる仕掛け。それでいて物語がきちんと成り立っているのでした。


STEP1 勧善懲悪
安心安全かつ分かりやすい反面深みを期待してはいけないのが勧善懲悪もの。鬼神VS百鬼丸と外面はその体裁を保ってるのが本作。
当然それだけでは終わらないわけですが、共感しやすい土台がまず敷かれることになります。
{netabare}物語は早々にSTEP2の装いを呈します。が、巡り巡ってラストは人間の善なる部分への期待へと戻ってまいります。{/netabare}

STEP2 二つの正義
互いの正義のぶつかりを上手く消化すると良作が生まれます。ところどころで表出しつつ、代表では百鬼丸と多宝丸にて描かれた本作です。
簡単に言えばよくある良作なわけなんですが、とはいっても単純な勧善懲悪よりも構造が複雑になります。ここに至るまでに収拾のつかなくなった作品なんて山ほどありますよね。

STEP3 同じ人でも・・・
“人”か“そうでない”かという指標が出てきます。「人の皮を被った○○」「畜生道に堕ちる」という文脈での二択。闇落ちという表現が妥当かもしれません。これは主要人物のみならず取り巻きや通りすがりの面々もです。
キャラ変みたいなもので同一人物でも光と闇を行ったり来たりとより複雑化。
{netabare}しまいにはお馬さんまで行ったり来たり。これ「畜生にすら…」を強烈に印象づけました。{/netabare}


{netabare}・簡略するとこんな感じかしら
-STEP1 Aは善 Bは悪
-STEP2 Aなりの正義 Bなりの正義
-STEP3 Aは善であり悪 Bは悪であり善{/netabare}


昭和一桁世代は10代で世の中の価値観が大転換しちゃったのでその影響も・・・
とまことしやかに高説をぶることも可能ですが、いややりかけましたが、シンプルに面白いのです。カオスになりそうなところを纏める手腕は原作の良さもさることながらアニメスタッフも良い仕事をされたと思います。


■分をわきまえた人たち

現代風にいえば、自由には責任が伴うですとか権利を謳うには義務を果たさなければならないですとか、そういった当たり前の感覚を身につけている人たちしか登場しません。
似たようなのに、「ほんとうの悪人が出てこない」がありますがちょっと違います。

 分をわきまえている

のです。派手なキャラ、尖ったキャラ、突出したキャラはいません。そこが良い。
それでいてキャラが誰が誰だかわからんということもなく、じわじわとくるのです。地味なの嫌いでなければたぶん大丈夫ですよ。

{netabare}・例えばこんな人たちかしら
1.お須志(第4話)
再会を心待ちにしてた兄を斬られたわけですが百鬼丸に恨み言一つぶつけないんですよね。兄を想う気持ちと兄の起こした所業とを天秤にかけるような描写すらありません。ただただ受け止めます。兄がやらかしたことを重々承知しているからです。
涙を流しながら「どうして?」と百鬼丸にすがる演出よりも彼女の悲しみがより伝わってきました。

2.ミオ(第5話~第6話)
どろろに仕事の内容がばれた時に、言い訳するでも口止めするでもありません。賤業であることを自覚しそれでもなお希望を失わず。
恥ずかしさに取り乱すなり開き直るなりの描写ではないため、より彼女の諦めの深さが伝わってきます。人としての誇りを失ってないこともわかります。どろろの返しもまたいいんですよね。

海軍大将で日露戦争の勝利に貢献しのちに総理大臣も務めた山本権兵衛。渡辺崋山や高野長英などを弟子に持つ松崎慊堂。いずれも奥さんは元遊女です。
職業に貴賤はありません。そして職業や身分よりも、その人物が、人として尊敬できるかどうかや、人としての矜持を失わずに生きているかどうか、そういうことを大切にしてきたのが日本人です。ミオはそんな人でした。{/netabare}



“3ステップ構造”そして“分をわきまえた人たち”
このへんを「アニメでは珍しいな~」と感じながらの視聴でした。地味ながら見応えのあるお薦めの良作です。


最後にどろろ…
本業声優ではない14歳の子役の方が演じられてますが、めちゃくちゃ巧かったと思います。
アニメ声が出るとかいう話ではなく、子供の喜怒哀楽がストレートに伝わってくる名演。演者は鈴木梨央さん。ハマリ役でした。
全体通しての展開や役回りからタイトルが“どろろ”であることに違和感がない全24話。難しい役どころだったと思います。お疲れ様でした。



※余談
其の一
『進撃の巨人』『ジョジョの奇妙な冒険』そして『どろろ』と、シリーズ構成を小林靖子さんが手がける作品にお世話になりっぱなしです。

其の二
足利義教がけっこう好き ※作中には出てきません

其の三
自分の親父が借りてきた『忍風カムイ外伝』を少年期に観てた私にとってはややダーク感は薄いと感じる



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視聴時期:2019年1月~6月



2019.07.14 初稿
2019.07.22 修正
2020.01.28 追記

投稿 : 2024/05/11
♥ : 60

88.7 21 ダークファンタジーアニメランキング21位
進撃の巨人 Season3 Part.2(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★★ 4.1 (699)
3457人が棚に入れました
人類が永きに亘って壁の中に隠してきた、大いなる秘密――。 その真実に一歩近づいた調査兵団だったが、時の王政により反逆者の汚名を着せられてしまう。 しかし、人類はただ飼われるだけの家畜ではなかった。 真実を追い求めるエルヴィン・スミスの執念は兵団のトップを動かし、遂に現体制に対するク ーデターが勃発する。民衆を欺き続けた偽りの王は退き、真の王家の血を引くヒストリア・レ イスが即位。自ら巨人を討ち果たした勇敢な女王のもと、人類は新たな時代を迎えようとして いた。 エレン・イェーガーが得た硬質化の能力と、そこから誕生した対巨人兵器。 着々と反抗の準備を進める人類は、悲願のウォール・マリア奪還作戦を決行する。 人類と巨人、互いの生き残りを賭けた究極の戦い。 その先にエレンは、人類は、はたして何を手にするのだろうか?

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、橋詰知久、朴璐美、小野大輔、神谷浩史、子安武人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

俺たちの進撃よ お帰りなさいませ!

この絶望と高揚

つくづくこの作品は極限下の人間描写が素晴らしい。

進撃の巨人3期Part2は全10話。継続No.ですのでクレジットは#50~#59ということになります。極めて濃厚あっという間の10話でした。今クール(2019年春期)ひいては今年上半期の最優良物件と感じる自分はこうも思ってます。


 “途中で断念したみんな!戻っておいでよ!”


1期#01~#25、2期#26~#37、3期Part1#38~#49、そしてPart2とこれまで間隔を空けながらも足掛け5年は続いている長編物語は未だ道半ばにあります。
Finalと銘打たれたシリーズが2020年放送予定とのことでクール数不明ながらクレジット#70を超える大作として幕を下ろすのでしょう。

本作の良さはこれだけ長く続いているのに物語の整合性が保たれているところにあります。
私は原作組でもありますが、アニオリ入れても本筋から逸れることがない。その本筋は一本の線で筋が通っている。ブレがありません。
1期で提示されたのは未知なる巨人の圧倒的な力に抗う人類の意思でした。2期で巨人は見えない恐怖から見える恐怖に変わり、3期ではPart1&2を通じてこの世界の仕組みに踏み込んでいきます。
2期あたりから、外形的な巨人の恐怖が変わったことを面白くないとみる層が一定数いたのも事実でした。あまりこういうことは言わないのですがもったいないことをしてると思われます。出戻ってここまで辿りつけば報われる3期Part2と言えましょう。

やや説明的な3期Part1を踊り場にして、3期Part2では1期さながらの対巨人バトルが復活。これまでの物語の積み重ねによって闘う意味に極めて重たい理由が課せられた上での死闘が繰り広げられることになります。
さらにこれまでのあの場面に出てきたアレ。この場面でのあのセリフ。綺麗に伏線の回収がなされていきます。そしてFinalに向けての新たな謎撒き。ここまでくると、未回収の謎にもきっと答えを出してくれるのだろうとの信頼をこの作品に寄せることができてます。だからこそあらためて言いたい。


“途中で断念したみんな!戻っておいでよ!”


RevoさんもOPに返り咲きましたし。正直なところ曲単体での魅力は乏しいといいますかあんまりお上手ではない方ですよね。それでも進撃の物語にはしっくり馴染むのです。名曲「紅蓮の弓矢」を転調アレンジした「憧憬と屍の道」って、虎舞竜「ロード第二章」との既視感がハンパありません。
・・・褒めてんだか貶してんだか、こちらの曲は今から加速してくぞ!ついてこいよ!を宣誓する凱歌のように私は捉えておりました。


さて、全く未経験な諸氏向けにはどうか?
59話終わってなお続きが気になる物語です。長丁場は承知の上、Finalシリーズを共に楽しむために予習を済ませておきませんか?と推薦しておきたいところです。



■野球は巨人 対する阪神は新劇いや進撃
こんな危険球は嫌だ!の声が聞こえてきそうです。
※纏められなかったがこのエモさだけは残しておきたい!的な以下。

{netabare}#50~#55までの獣の巨人戦を軸とした戦闘描写は特濃レベルでした。ここまで6話分。辞書に無駄回という語が載っておりません。{/netabare}

観ていて苦しくなります。民族殲滅を目的とした強大な相手に対してどう対処すればよいというのでしょうか?
話せばわかるが通じない相手に非力な側ができることには限りがあり、“家畜の安寧”を甘受しようとも先細っていくのは避けられません。

{netabare}#54と前後の回は本作のピーク。

1.エルヴィン・スミスの諦観
「そして私は真っ先に死ぬ。地下室に何があるのか…知ることもなくな…」
これまで頼れる団長、超絶リアリストだったエルヴィンも事ここに至りて感情のある人間だったという事実に驚く。一呼吸置いてそりゃ人間だもんなの納得感に落ち着く。
「俺は選ぶぞ。夢を諦めて死んでくれ。新兵達を地獄に導け。獣の巨人は俺が仕留める」
#53はエルヴィンとリヴァイのやりとりだけで通常なら神回相当。

2.リヴァイの誓い
「待てよ…俺はあいつに誓ったんだ…必ずお前を殺すと…」「誓った!」
獣の巨人を仕留めにかかるリヴァイは作画の凄さも相まり冗談抜きで震えがきた。そして何回も観た。
死んでくれ!と自分が言った盟友との約束。死者(この時点では仮だが)との約束は限りなく重い。

3.アルミンの嘘
「エレン…わかってるよね?一緒に海に行くって約束しただろ。僕がエレンに嘘ついたことあった?だから何があっても僕の作戦守ってくれよ!」
「クソ…わかってたハズなのに…」
「わかってた…お前が誰よりも…勇敢なことぐらい…」
大人達から一転エレンサイド。ここまでしないと突破できない絶望的な状況というのがやるせない。エレンも泣き叫ぶでなく静かに咀嚼する。
#54は鋼、超大型、獣と無理ゲー級の負け戦からの大逆転ながらカタルシスはなし。これ凄いことです。

4.そして選択
リヴァイはアルミンを選んだのではなく、エルヴィンを選べなかったのだと思う。
壁の外。地下室に行きたいエルヴィンと海を見たいアルミンとが描く夢は一緒。諦めさせた夢を掘り起しもう一度地獄を見せることは出来なかったのだろう。団長R.I.P(T_T)
何を選ぼうがどれを選ぼうが地獄という世界は残酷この上ない。きっとこの後、“ここに団長がいれば”という展開が予想され、逆でも“ここにアルミンがいれば”となるのは必定な展開が透けて見える。
なにも時間をかけた選択ばかりを指さない。
・獣を足止めして生存者がいないかと逡巡したリヴァイ
・ライナーの取り扱いを巡るジャンとハンジの躊躇
瞬時に最適解が求められる戦場の非情さがものの見事に表現されているのだ。たまらん。

「アルミン、またな…」
リヴァイが団長を選ぶかという時にアルミンを前にしてのコニー。自身の死をも見越した別離の声掛けなんだよね。
#55 気持ち良さがまるでないが目の離せない展開が続きます。{/netabare}

ここまでお涙ちょうだいはないのですが泣けます。



視点を変えて、、、
こんな事態に陥る前に何ができたでしょうか?味方の損失を抑えるために何が必要だったのか? 諸々端折ると、正確な情報(インテリジェンス)が手元にあればということになるんだと思います。

{netabare}ミクロでならライナー達の潜伏位置や作戦内容。いくらこちらが弱くてもこれさえあれば何とかなりますし有能な指揮官なら次善策プランBプランCくらい練るでしょう。
マクロでなら巨人の正体。単に弱点突破の戦術のみならず、そこに係る利害関係者の思惑や力関係までも包括する情報を指します。{/netabare}

極地戦闘だろうが、国防外交だろうが情報をおざなりにして生き残った組織・国家は古今東西あるんでしょうか?答えは否。
戦争を起こさないために、有事に被害を最小限に食い止めるためにインテリジェンスを強化しないといけないのです。ここ無くして交渉もへったくれもありません。
アホが運用したら危険だ。その通りです。ただし仕組みが無ければやられ放題。仕組みを作った上でさっきのリヴァイの1000分の1程度の負担で糞の中からまだマシな者を選ぶ。我々だって当事者なのです。・・・あ、脱線してもうた。


「僕たちは圧倒的に情報が足りない」
アルミンが再三再四指摘していたことは本質を捉えているのです。


本作3期Part.2の後半は、足りない情報が埋められていく話。納得性のある超展開が待ち受けていることでしょう。
そして、来たるFinalシリーズでお会いしましょう。



視聴時期:2019年4月~6月 地上波リアタイ

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2019.07.10 初稿
2020.01.31 修正
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 71
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いつかの少年

原作、諫山創。

進撃史上、最も濃密な全10話、

悲願であるウォールマリア奪還作戦、
エレンの故郷、亡き家族との思い出の場所。
物語の鍵を握るエレン家、地下室の手記、
壁の外を夢見た勇敢なる少年が帰還する時、
物語は悲劇性を帯び壮大な歴史が開示される。

それぞれの思惑が強度を増し炸裂する。
{netabare}ライナー・ベルトルトとの因縁の対決、
アルミンの知恵、ミサカの葛藤、団長の戦略、
そして兵士長リヴァイと獣の巨人の頂上決戦。{/netabare}
心臓を捧げ、疾走する立体機動装置、
シリーズ屈指のエピソードが数多く描かれる。

多大な犠牲のもと選択を余儀なくされる兵士たち。
それは「正義」の遂行であろうか!?
原作でも物議をかもしたリヴァイの決断。
人類生存のわずかな望みと私情の狭間で、
それぞれが葛藤し、それぞれの「死」を問うこと。
大きな決断が、物語を駆動させていく。

メルヴィルの描く「白鯨」のように、
形而上学的・神話的悪魔であった巨人の存在が、
ここに来て、身近な存在へと移行し、
{netabare}民族・宗教を含む文化圏の闘争が始まる。{/netabare}

世界の一切は、やがて移ろい、
私たち自身も遠からず過ぎ行くことだろう。

美しい海が見たい、泣けてくる。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 71
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

壁を超えた先の遥かなる夢

アニメーション制作:WIT STUDIO
総監督:荒木哲郎、監督:肥塚正史、
シリーズ構成:小林靖子、キャラクターデザイン:浅野恭司、
音楽:澤野弘之、原作:諫山創

人類の歴史とともに生まれた壁に囲まれた城郭都市。
エジプト文明や古代ローマの時代から
外敵の侵入を防ぐための「壁」は、建設されていた。
エルサレムの旧市街やクロアチアのドブロヴニクには、
現在でも城郭都市が残っている。
そんな歴史を『巨人』が跋扈する架空の世界に置き換え、
見事なエンターテインメントとして成立させた作品。
いよいよクライマックスを迎え、
多くの謎が明らかになっていくPart.3だ。

シリーズは2010年代を代表する大ヒット作だが、
個人的には評価が乱高下していた。
異質な世界観は面白いのだが、
観ていると、作者の都合の良いように
ストーリーが展開しているように
より強く感じさせられてしまったからだ。
その違和感から冷めた目で見てしまう。
{netabare}特に女型の巨人が生き残る展開から
付いていけなくなり、興味がなくなってしまった。{/netabare}
それは、犠牲者が出るからということではなく、
人間の生きているストーリーとして
リアリティを感じられなくなってしまったからだった。

ところが、Part.3に入って、
様々なことが明らかになるにつれ、
Part.1と2の話が全て伏線としてつながっていく。
死んだ登場人物たちが意味のある存在として
物語のなかで浮かび上がってくるように感じる。
それによって、深く物語に没入することができた。
多くの事象がクライマックスに向けて収斂していく。
リヴァイを筆頭にエルヴィンや主役の3人の
キャラクター造形もいい。原作者が最初から
ほとんどの設定を決めて書いているだけに、
キャラの一人ひとりが、よりくっきりと
リアルな姿形で象られている。
主要人物の過去が語られることで、
それぞれの信念を追体験できるのが、
大きな魅力となっている。

同時にPart.3には、大きな柱がある。
それは全員が巨人たちによって支配された世界からの
脱却を求めているとともに、
各々が叶えたいと思っている夢が表出することだった。

アルミンの夢は、築いた壁の向こう側にある
遥かなる海を見ること。
未知の世界に対する憧れ。
またエルヴィン・スミスは、
世界を覆う未知の謎を知るためだけに、
全てを捨てて本心を隠し続け、偽りの世界に生きていた。
{netabare}そして、遥かなる夢を未来に見る者と、
全てを偽り続けながら真実に近づこうとする者との間で
命の選択が行われる。{/netabare}

本当に大切なものを守るために、
人は自分勝手になってはいけないのか。
戦時中の心情は、単純なものではないだろうが、
それでも利己的な物語のほうが好感を抱く。
大義で動くよりも、もっと個人的なことで
最終的には動いてしまうほうが
人間らしいと思ってしまうのは私だけだろうか。

ふたつの夢が交錯し、一方は潰えてしまう究極の物語。
SEASON3の最大の見せ場だ。

そしてもうひとつファイナルに向けて
示された大きな夢がある。
それは「進撃」を続けなければならない
人の使命とでも言うべきもの。
57話から59話で語られるエレンの父・
グリシャ・イェーガーの物語。
私はこの物語で、アルベールビル・オリンピックの
原田雅彦を思い出した。

スキージャンプ団体戦の決勝で原田は勝利を目前にした
最後のジャンプで大きな失敗をしてしまい、
日本は銀メダルに終わってしまう。
ジャンプが終わった後に頭を抱えて
うずくまる原田の姿は忘れられない。
日本中が落胆した日だった。
しかし、それ以上に脳裏に焼き付いているのは、
帰国した直後のインタビューだった。
そのときに原田は「私はこのことを背負って、
ずっと生きていきます」と覚悟を語ったのだ。
私は子供ながらに、凄い人だと思った。
帰国直後に、彼は全てを受け止めて前に進もうとしていたのだ。
後に長野オリンピックで、その覚悟を改めて示すことになる。

今回のラスト3話でクルーガーが巨人を託す相手として
グリシャを選んだ理由----
{netabare}それは妹を連れて壁外に出たことが原因で、
妹を殺されたからだった。
人は失敗を犯した日の後も生き続けなければならない。
クルーガーが初めて同胞を巨人にして崖から突き落とした日を
絶対に忘れていないことと同じだった。{/netabare}
何かをやり遂げるには、全てを受け止めて、
過ちの日からも進み続けなければいけない。
そんな強い意志が必要なのだ。

歴史は繰り返すと言われる。
しかし、過去を忘れ去ってしまい、
負の歴史を繰り返してはならない。
そのためには「痛み」が継承されるべきなのだ。
ラストに向けて人類の夢は、
どのような形で示されていくのだろうか。
(2020年2月15日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 57

77.8 22 ダークファンタジーアニメランキング22位
結城友奈は勇者である(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1407)
6885人が棚に入れました
神世紀300年───
始まる”勇者部”活動!?
結城友奈は中学2年生。毎日学校へと通い、たくさんの友達に囲まれながら授業を受けたり、部活動をしたり、遊んだりと、平穏に過ごしている。その生活スケジュールは、どこにでもいるごくふつうの女の子。
だがたった1つ、他の子たちとは決定的に違う部分があった。

それは彼女の所属している部活が”勇者部”だということ。部長・犬吠埼風を中心にした活動の内容は謎に包まれておりバーテックスという不思議な存在が関係しているという。神世紀300年。西暦とは年号の異なった世界で、友奈たち”勇者部”の活動が始まる!

声優・キャラクター
照井春佳、内山夕実、黒沢ともよ、三森すずこ
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

「まどマギ」の皮を被った「ラストサムライ」ないし「神風・・・」モチーフの力作 【ネタバレ絶対回避】 

※制作情報等を追加(2018/12/4)

前半はエヴァ・まどマギといった「セカイ系」名作の二次創作的な印象が濃かった本作ですが、後半、次第に「桜」をモチーフとした独自の魅力を増していき、迎えた最終回、放送当時「まどマギ反逆」レベルの大揺れ、賛否両論噴出の末に、本作を「是」とする声が優勢に。

※重大な注意
成分タグ第1位が「予想外」となっているとおり、本作は絶対にこれ以上のネタバレ回避で視聴すべきです。
ここまで読んだ方は、速やかにこのページを閉じて視聴態勢に入った方が賢明です。

本作に描かれたテーマないし結末に関して、個々の視聴者が最終的にこれを「是」とするにせよ「非」とするにせよ、激しく困惑し心揺さぶられること必至の、《2014年最大の問題作》なのは確かだと思います。

※以下は、本作3周目以降の鑑賞時の感想です。
(初見および2周目時点での感想は、本レビュー末尾に保存)
======================================
◆3周目にあたっての能書き  - “全裸待機”と、“割り切れない想い”

彼(か)の「魔法少女まどか☆マギカ」をTV放送当時は敬遠してしまい、放送終了後の滅茶苦茶な高評価に釣られてようやく一気観した自分にとって、本作こそは、ネットスラングでいう “全裸待機” (※ちょっと品のない言葉で恐縮ですが、「身を清め正座してコトが始まるのを待ち侘びる」というほどの意味です)をリアル・タイムで経験した初めてのTVアニメとなりました。
というより、本作の放送当時、ネットに飛び交う“全裸待機”という言葉を見て、初めてその意味を知ったわけですが(笑)。

何が言いたいのかというと、本作は、第8話放送以降~最終第12話まで、それほどまでに、「次回の放送内容が気になって仕方がない」作品だった、ということです。
それは、別に私一人の感じ方ではなくて、私と全く同じ期待を繰り返し漏らしていた方々が、本作の放送当時、ネットに確かに沢山おられたのでした。

そして、そのような膨れ上がった期待を背景に、とうとう放送された最終回(第12話)、放送終了後に飛び交った困惑と怒号。
「最後の最後に大コケした」「茶番だ」「失望した」という声が大きく、また実際、私自身も本ページ末尾(初見時のレビュー)に記したとおり、残念ながらラストは期待外れの展開になってしまった、とする感想を持ちました。

しかし、そう思いながらも、尚割り切れぬ気持ちで観た2周目(正確には、それまで第1~9話までは毎週のように繰り返し視聴していたので、第10~12話だけを本作放送終了後に2回目視聴したのですが)、これも本ページ末尾(2回目視聴時のレビュー)に書いていますが、今度は、「確かに最終回の展開の都合の良さは気になるけれども、意外とこの終わり方で良かったのではないか?」という感想に変わってしまい、そうした自分の気持ちの変化に気づいて二度ビックリ。

その後は、同時期の放送でまだ見終えてない作品が幾つもあったこと、さらに新年からの放送(2015年1-3月期)に、かなり気になる作品が幾つかあったこともあり、本作について“後ろ髪を引かれる想い”で最近まで来てしまいました。
そして今回、ようやく本作をじっくり再視聴する機会を得て、改めて色々と考察し、この“想い”を整理して、感想をまとめてみました。

◆制作情報
{netabare}
原作           Project 2H
企画・原案       タカヒロ
監督           岸誠二
シリーズ構成      上江洲誠
脚本           上江洲誠、タカヒロ、村田治
キャラクターデザイン BUNBUN(原案)、酒井孝裕
音楽           岡部啓一、MONACA
アニメーション制作  Studio五組{/netabare}


◆各話タイトル&評価(※3周目以降)

各話タイトルは全て花言葉となっており、うち半分は{netabare}勇者部の5人と乃木さん(先輩勇者){/netabare}の変身後の紋花のものです。

※本作は【起-承-転-結】ではなく、【序-破-急】(導入-変調-加速)の3パート構成と見るとしっくりきます。

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

==================== 結城友奈は勇者である (2014年9-12月) ====================

------ 【序】(導入) {netabare}勇者部の使命が語られる{/netabare} --------------------
{netabare}
第1話  乙女の真心      [コスモス]  ★★ 勇者部4人回(とくに友奈) *OPなし,ED「ホシトハナ」
第2話  ろうたけたる思い  [菊] ★ 勇者部4人回(とくに東郷さん) *OP「ホシトハナ」,ED「Aurora Days」(勇者部4人)
第3話  風格ある振る舞い  [牡丹]  ☆  夏凜登場回 *OP「同上(※以下省略)」ED「同上(※以下省略)」(勇者部5人)
第4話  輝く心         [カタバミ] (※風先輩の花) ☆  樹ちゃん回 *ED「祈り」(樹ソロ)
第5話  困難に打ち勝つ   [サザンカ] ★★  全員回(戦闘回) *ED(勇者部5人){/netabare}

------ 【破】(変調) {netabare}勇者システムの真実が語られる{/netabare} ---------------
{netabare}
第6話  明日に期待して   [ラベンダー] ☆  全員回(病院回) *ED(勇者部5人)
第7話  牧歌的な喜び    [黄スミレ] ☆  全員回(水着・温泉回) *ED(勇者部5人)
第8話  神の祝福       [青バラ] (※乃木さんの花) ★★★ 乃木さん回 *ED(勇者部5人){/netabare}

------ 【急】(加速) {netabare}真実を知った後の勇者たちの覚悟が試される{/netabare} ----
{netabare}
第9話  心の痛みを判る人  [アマドコロ] (※樹ちゃんの花) × 風先輩回 *ED「祈り」(樹ソロ)
第10話  愛情の絆       [朝顔] (※東郷さんの花)  × 東郷さん回 *ED(東郷さんソロ-2番歌詞ア・カペラ)
第11話  情熱          [ヤマツツジ] (※夏凛の花) ★★ 夏凜回 ED(友奈ソロ)
第12話  貴方に微笑む    [ヤマザクラ] (※友奈の花) ★★ 友奈回(※注釈) *ED(勇者部5人-合唱){/netabare}
-------------------------------------------------------------------
★★★(神回)1、★★(優秀回)4、★(良回)1、☆(並回)4、×(疑問回)2 個人評価 ★★ 4.7

※注釈:最終話(第12話)は、1~3周目それぞれで、受ける印象が大きく異なりました。
(作品内容の理解のレベルが上がるにつれて評価が、×(失敗回)→☆(並評価)→★★(ダブル高評価)、と大きく上昇)


◆総評
{netabare}
(1) これは初見時から変わらない感想ですが、第1話~第8話までの流れ(【序】~【破】へと至る流れ)は、ほぼ完璧だと思います。
・それほどまでに第8話で明かされる勇者システムの真実は、私には衝撃的かつ、それまでの流れから説得力の高いものでした(この回を★★★(トリプル高評価)とした理由)。
(2) これに対して、【急】の始まりを告げる第9話(風先輩の反逆未遂回)、そして大波乱の幕開けとなる第10話(東郷さんの反逆実行回)は、私個人としては、やはりどれだけ考えても、風先輩・東郷さん両名がそれぞれ大赦・神樹への反逆を決意するに至る心情推移に、余り説得力を感じられない・納得のいかない回となりました(この両回を×(疑問回)とした理由。また本作の総合評価を、今回4.4→4.7と引き上げたにも係わらず尚若干マイナスとした理由)
・ただし、この両回をそれぞれ非常に高評価する方々が沢山おられることも分かっています(そこは個人個人の感じ方の違いということなのでしょう)。
(3) 第11話(夏凜が大見得を切り連続満開する回)は、私が本作に期待したもの(※短く満開したのち潔く散る「桜」のイメージ(後述))に一番近い内容だったので、★★(ダブル高評価)としました。
(4) 一番評価が変わったのは、今回も最終第12話で、初見時は×(失敗回)評価だったものが、2回目視聴時の☆(並評価)を経て、ヒロイン友奈を始めとする勇者部の少女たちに強く感情移入してしまった今回は、★★(ダブル高評価)に二階級特進!してしまいました。
(5) 以上から、総じて本作は、過酷な運命に見舞われる勇者部の少女たちに対する感情移入の効果が非常に大きい作品、繰り返し視聴することによってそうした効果がさらに増大してしまい、彼女たちへの「共感」がストーリー展開の粗をも覆い隠すに至る作品、と評することが出来ると思います。
{/netabare}

※以上まで、本作に関する「感想」でした。
※以降は、本作の「分析」に入ります。

◆本作の2つのモチーフ(制作動機)

※これは、はっきりしていると思います。すなわち、

①「まどマギ」のモチーフ
{netabare}
 ※本作が「魔法少女まどか☆マギカ」の達成を大きな制作動機とし、その設定やストーリー展開を参照しながら、そのalternative(代替物、別ヴァージョン)としての達成を目指したことは、誰が指摘するともなく明らかでしょう。
 ※しかし、本作は他の類似企画された諸作品のような「まどマギの二番煎じ」「劣化まどマギ」には留まらない、独自の明確かつ強烈なモチーフを持っていました。それは・・・{/netabare}

②「桜」のモチーフ
{netabare}
 ※ないし「ラスト・サムライ」「神風・・・」のモチーフとでもいうべきか。
 ※本作の本当の魅力(でなければ困惑、あるいは人によっては嫌悪の種)はここにあると言ってよい、と考えます。
 ※なお、「ラスト・サムライ」というのは、トム・クルーズ&渡辺謙が主演し小雪がヒロイン役を助演した2004年上映のハリウッド映画で、“花は桜木、人は武士”と言い慣わされたように、桜のように美しく咲き誇った後、短く散り行くサムライたちの矜持(きょうじ=誇り)を描いた作品です。
 ※「神風・・・」のイメージは、「ラスト・サムライ」のイメージとも通底しますが、何といっても本作OP「ホシトハナ」の曲調と歌詞から、そして、OPの最後の4人ないし5人の少女たちの満面の笑顔の止め絵(→出撃直前の特攻隊員たちの満面の笑顔の写真を連想させる)から、どうにも否定しようもなく湧き出てくるものであり、それは第8話で明かされる“散華(「供養のために華を散らす」という意味の仏教用語から転じて「若年の兵士の戦死」の婉曲表現として戦時中に使用された)”という用語によって補強されます。
 ※この点に関しては、私個人の飛躍したイメージではないか?という意見もあるかと思いますが、以下に示すように、本作の放送当時から幾つもの掲示板やサイトで語り合われていたことであり、私としても初見時のレビューでは慎重に言及を回避していた事項なのですが、本作に対してきちんと正面から向き合おうと思うならば、やはり回避できない本質的な指摘であると考えます。
 ※以下、長文の引用になります。興味関心のある方のみ閲覧して下さい。
{netabare}
☆引用元:http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-29067.html
--------------------------------------------------
名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 20:53

間違いなく秋のトップ作品
こんなに化けると誰が予想しただろうか? そしてGF()がこんなに酷い事になるなんて・・・

やっぱオリジナル作品は当たりはずれが悲惨だけど、こうやって素晴らしいものがでてくるから楽しいんだよね
そして日本アニメの底力を見た、これはいくら作画力が高くなっても、中韓には作れない

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 22:15

まどかは初見で、「りりかSOS」とか「ジャンヌ」とか、あるいは18禁ゲーの系譜に属する、お約束を「逆手」にとるタイプの魔法少女ものの王道だと思ったけど、ゆゆゆは、もう少し今の時代の政治的な心象を扱ってる感じがある。東郷さんの存在がそう思わせるのかもしれん。
なので、大変おもしろいが少しなまぐさい・・・・。

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 22:25

ゆゆゆは、特攻隊や桜花や回天のオマージュだよな、逃れようのない運命をどう受け入れるか、がテーマなんだよ

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 23:08

171、173
まさにそのへんだよなあ。
善意で身を捧げる行為の正当性を問うという意味では、まどマギもそうだけど、あれは「公」か「私」かという論議に収束していったから。

ゆゆゆは結構あからさまに「国防」がテーマで、彼女たちは「徴兵」されたすえの「傷痍軍人」で、最後は「軍神」にまつりあげられるわけだから。で真実を知って転向したニヒリスト兼アナーキスト(東郷さん)が出てくるとw。
顔の見えない国って信用おけるの? 外敵との闘いは結局システムの要請で、愛国心や正義心や守る思いを叶えるための代償は誰も補填してくれないよ、と最近のシンプルな国家主義に釘をさす一方で、「隠されていた真実」や国家の不正を知った瞬間に、全てを破壊する方向に舵を切り、自らの本末転倒に気づかないありようのバカバカしさ(まさに左翼・革命主義者の典型)をも描くという意図は、感じずにはいられないよね。

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 02:38

>>171
こんなスレで書くのも場違いだが、東郷さんの満開は空母だからな
それに載って敵を倒しに行った桜の花ときたら友奈のイメージは桜花しかない

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 02:47

>185
やっぱり社会的に攻めの姿勢がある作品は必要だな。時々滑った作品も出てくるけど

この作品はまどかの発展系としては非常にいいと思う。ゆゆゆが出てきたことで初めてまどかは時代を作った作品を名乗る資格を得たと言える。他から参照されて初めて時代を作ったと言えるようになる。(これまではパロディばかりで内容的な参照は皆無だった)

後に続く作品が凡作ばかりだとまどかの地位も下落する。逆に後に続く作品が優秀だと
元になったまどかの地位も高くなる。(弟子が優秀だと師匠の鼻も高くなる)

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 02:56

204
こういう事いうやつに限って まどマギとセーラームーンの類似性を指摘すると逆上するw

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:08

そもそも、まどマギは既存魔法少女モノのカウンターなのに類似性とかドヤ顔で語られてもな。

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:17

206
魔法少女ものの正統な血縁関係なんでまどかは、そりゃ、セーラームーンからも多くを引き継いでいるさ

ただし、まどかが引き継がなかった要素がなんのかも重要な点、そこが今時の時代の要請であり、まどかのオリジナリティでもある。

例えば、タキシード仮面とか(まどか本人には憧れの男の子がいない)生まれ変わりとか ちびうさとか

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:30

208
勿論、同じ部分もある
まどかが神になって魔法少女という生き方を肯定する部分とか

一方、ゆゆゆだとその自己犠牲を払って神に祭られるシステムそのものを問題にしている。
(ほむらの場合、まどかに個人として普通に生きて欲しいと言っているだけで東郷さんのようにシステムにテロを仕掛けようとしているのではない)良い発展形だと思う

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:35

207
横だけど、ゆゆゆに限っては、「まどマギ」を明快に意識してそのヴァリエーションを提示してるわけで、作り手もむしろ比較されていいと思ってるだろうから、類似性を語っても構わない気はするかも。真正面から類似ジャンルにオリジナルで敢えて挑んでるのって、「幻影ヲカケル太陽」以来だし。

もちろん「似てるからダメ」って論調はどうしようもないけどね。「似てる」って言われても、スタッフも苦笑するだろ……いわゆる「そんなこと、ロバでもわかる」てやつだからw

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:41

210の続きだけど、似ていても別の料理として楽しめるように、ゆゆゆは手を尽くしてるとは思うんだよね。

当初、作品の傾向を隠してたまどマギに対して、ジャンル自体を隠してみせたゆゆゆ、
洋風の動物・グッズ系モンスターに対して和風の植物・無機物系モンスター、
死と魔女化の恐怖に対して、不死性と欠損がもたらす悲劇の強調、
内的に発生する脅威を摘み取るまどマギと、外界からの脅威に立ち向かうゆゆゆ。
ループ者だけが記憶のあるまどマギに対して、ループ者だけが記憶がないゆゆゆってのもそう。
そして、そこに国家と兵士という新しい問題意識が加わってる。
--------------------------------------------------{/netabare}
{/netabare}

 ◇《まとめ》
※以上の2つのモチーフ(制作動機)から、本作は、
 {netabare}
 ①まどマギのモチーフ(=外見的・表面的モチーフ)を、巧みに偽装しながら、実際には、
 ②桜のモチーフ(=内面的・心情的モチーフ)を、強烈に視聴者に訴えかけ、彼らの心に揺さぶりをかけることを意図した、稀有の作品
{/netabare}
・・・と要約できると考えます。
  (※逆にいうと、②の点に共鳴できない方は、本作にはほとんど共鳴できないことになります)


◆本作のテーマ(主題)

※これも、はっきりしています。本作のテーマは、ズバリ、
{netabare}
「勇者の本分(本質)を問うこと」{/netabare}

※そして、その解答も明確に提示されています。即ち、
{netabare}
「結城友奈は勇者である」
(=彼女の在り方こそが真の勇者の在り方である){/netabare}

※ここで、勇者部の5人の少女たちを詳しく見ていくと、それぞれ勇者となる動機が違っていることに気づきます。
{netabare}
①風先輩=バーテックスの犠牲となった両親の仇(かたき)を討ちたい
②樹ちゃん=大好きな姉と同じ道を並んで共に歩みたい
③東郷さん=東郷家の先祖たちのように自分も国防に励みたい
④夏凜=正真正銘の勇者(完成型勇者)に成りたい
⑤友奈=人の為になることを勇んで行うこと、それが勇者の使命だから、私は勇者になる{/netabare}

※このうち、
{netabare}①風先輩は、<1>勇者システムの過酷な真実に直面し、さらに<2>最愛の妹の夢の実現が不可能であるという事実に絶望して、また
③東郷さんは、<1>に加えて、<3>世界の絶望的な状況を認識し、さらに<4>自己の記憶喪失という過去に絶望して、
それぞれ勇者システムの元締めである大赦と神樹様への反逆を決意してしまいますが、
⑤友奈(=勇者適正が最高の真の勇者)の阻止によって、辛うじて勇者の本分を取り戻します。

※なお、②樹ちゃんは、①風先輩が勇者の本分を取り戻すための重要な契機を、また、
④夏凜は、⑤友奈が勇者の本分を忘れかけた一番危なかった一瞬に彼女にそれを取り戻すための唯一の契機を、それぞれ提供しています。{/netabare}

※こうした、{netabare}⑤友奈(=真の勇者)の在り方{/netabare}自体も、本作最終話(第12話)ラストで、詳しく開示されています。すなわち、
{netabare}
 (1) 演劇シーン手前の東郷さんのナレーション

「勇者は自分が挫けないことが、皆を励ますのだと信じていました。」
「そして皆がいるから、皆を信じているから、自分は負けないのだと。」

 (2) 演劇シーンでの風(魔王役)と友奈(勇者役)の会話

魔王「ガハハハハハハァ。結局、世界は厭なことだらけだろう。辛いことだらけだろう。お前も、見て見ぬ振りをして、堕落してしまうがいい!」
勇者「厭だ。」
魔王「足掻くな!現実の冷たさに、凍えろ。」
勇者「そんなの、気持ちの持ちようだ。」
魔王「何?」
勇者「大切だと思えば友達になれる。互いを思えば、何倍でも強くなれる。無限に根性が湧いてくる。」
「世界には、嫌なことも、悲しいことも、自分だけではどうにもならないことも、沢山ある。 だけど、大好きな人がいれば挫けるわけがない。あきらめるわけがない。大好きな人がいるのだから、何度でも立ち上がる!」
「だから、勇者は絶対、負けないんだ!」

 (3) 会場から湧き起こる拍手の中での友奈の独白

「そう、何だって乗り越えられるんだ。大好きな皆と一緒なら。」
{/netabare}

※こうした、⑤ヒロイン友奈の信条・姿勢については、シニカルな批判も当然可能であり、これを現実には全く通用しないファンタステックで不快な妄念と否認する方も多いと思います。

※それは、もう個々人の価値観の問題としか言いようがないのですが、私としては、殊(こと)に初見時は別段そうでもなかったにも係わらず、3周目の視聴時に、とうとうと言うべきか、ようやくと言うべきか、こうした本作のラストシーンに、図らずしも《{netabare}まるで本作に描かれた観客席の生徒たちのように、友奈たちに拍手を贈りたい気持ちになっている自分{/netabare}》を発見して、ちょっと戸惑いながらも、嬉しい気持ちになったことを、ここに報告して、このレビューを閉めたいと思います。



======================================
※以下は、2014年10-12月のTV放送当時(1周目および2周目)の感想・レビューです。
(上記よりもまとまりのない長文です。保存用)

{netabare}
(レビュー・タイトル)
《最終話=超微妙だが、「まどマギ」に挑んだ勇気は高評価したいセカイ系【ネタバレ絶対回避】》

エヴァ・まどマギを、直ちに連想させる紛(まご)うことなき「セカイ系」。
陳腐な恋愛要素はゼロであり、期待外れのWIXOSSよりずっと面白い。
最終話タイトル「貴方に微笑む」(花言葉=山桜)から、主人公=結城友奈=による、
悲劇的で残酷な世界から少女達を救済する「勇者」の乾坤一擲の決断を推測するが果たして?

====================================================
★第2話まで視聴時点(2014.10.18)

可愛い女子中学生が勇者ごっこする緩い話かと思いきや、いきなり緊急事態発生!

{netabare}
ああこれは使徒襲来だな。
使徒が神樹にたどり着けば世界の終わり。
使徒を倒せるのは選ばれた勇者である君たち4人だけ。

使徒の体はダメージを負っても自動修復するので、まず封印してコアを露出させ、これを破壊するしか奴等を倒す方法はない。
で、この封印がたった40秒のタイムリミット付きで、コア破壊できないと勇者の活動限界とか(笑)
{/netabare}

何か期待したいような、したくないような(笑)
頑張って欲しい作品です。

====================================================
★第5話まで視聴時点(2014.11.7)

ここでストーリーとしては一段落した感じ?(まだ7話残っているけど)。
先が読めない展開は、なかなか良いと思う。

それにしても、制作側だってわざと、まどマギやエヴァを意識させる作品作りをしているんだし、今までに明らかになった神樹様や使徒(Vertex)の設定のほかにも、勇者たちの言葉づかいなどから、まだまだ何か面白いものがこの作品には隠されているように感じるのだけれど・・・

もっとも、こうした期待感は今まで幾つかの作品で裏切られてきたので、この作品も結局は大外れのまま最終回を迎える確率がずっと高いとは思うのだが。

まあいい。
この作品については最後まで見届けることにしよう。

====================================================
★第8話まで視聴時点(2014.11.28)

とうとう鬱コースに突入してしまったね。
{netabare}魔法少女システムならぬ勇者システムか。{/netabare}
結城友奈はこの悲劇的な仕組みを打ち壊せるのだろうか?

しかし{netabare}散華(さんげ){/netabare}って・・・
作品中に使用される言葉が幾分不謹慎な気もするのだけど。
杞憂でなければよいが。

ガッカリしてしまう結末にならないことを祈る。
(←調べたら、岸誠二監督って「蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-」の監督も務めた方だったんですね。ならまず大丈夫だろう。良かった。)

※追記
このアニメの考察(色んなブログや2chあたり)が結構面白い。
東郷さんが記憶を取り戻したら、えええーーーってなりそう。
しかし東郷さんに乃木さんって・・・思わせぶりな名前は止めて欲しいぜ。

====================================================
★第9話まで視聴時点(2014.12.05)

{netabare}
さすがに勇者部部員の一部に動揺が出ている。
今回は小規模な波乱で済んだが・・・次回は大波乱必至。
この第9話は、今までになく演出が乱れていたのは残念。
制作側もキツキツなのだろうか?
{/netabare}

====================================================
★第10話まで視聴時点(2014.12.13)

{netabare}
1クール12話構成の作品で、ラスト手前の第10話にキーパーソンの過去回想&舞台設定の種明かしを入れるのは定石だが、これは流石に・・・。
個人的には、物語のスケールを大きくするよりも、勇者であることの本質を掘り下げる方向に進んで欲しかったのだけど。
第9話までは相当良い感じに評価していましたが、期待値を上げ過ぎていたのか、ここで微妙な感じに思ってしまった。
それでも残り2話で綺麗にまとめてくれれば文句有りませんが。
{/netabare}

====================================================
★第11話まで視聴時点(2014.12.21)

{netabare}
この回の主役・三好夏凜の精霊ヨシテルの決まり文句「諸行無常」や悲壮なOPから、『平家物語』や『ラスト・サムライ』のような散り行く者達の矜持を高らかに謳いあげる作品になると期待していたし、確かにそういう描写もあるのだけれど、作品全体が必ずしもそうしたコンセプトで統一されているわけではないんだね。
特に東郷さんの心の動きのブレ方は説得力が余り無くて残念な感じです。

なお、最終話タイトルが「君に微笑む」から「貴方に微笑む」に変更になった模様。
いずれにせよラスト回では、真打ち勇者の雄姿を存分に描き切って欲しいです。
{/netabare}

====================================================
★第12(最終)話まで視聴時点(2014.12.27)

まさに制作側も、とうとう力尽きたような支離滅裂な畳み方で、もの凄く惜しい結末でした。

アニメーション制作会社のstudio五組さんには2012年夏の『織田信奈の野望』に続いて本作でも実に素晴らしい作画・演出技術を見せてもらったし、一人一人のキャラを例外なく好感度高く描く技量も本当に大したものだと思うのですが、作品全体のシナリオ構成にどうしてももう一工夫足りなくて「名作」にあと一歩届かなかった感じですね。

岸監督には、2013年秋の『蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-』に続いて今回も見応えのある作品を送り出してもらい、すっかりファンになってしまいましたが、こちらもどうしても最後の詰めが甘くて作品全体の印象が陳腐化してしまったように感じてしまいました。
「アルペジオ」は続編映画の制作が決まりましたが、こちらは余程円盤かゲームが売れない限り無理っぽい感じかな。

企画原案=タカヒロ氏の、敢えて「まどマギ」に挑んだ蛮勇は高く賞讃したいと思います。
ラストは駄目駄目だったけどね。
『幻影ヲ駆ケル太陽』に続いて「まどマギ」への果敢な挑戦者は今回も手酷い敗北を喫した感じなのですが、こういう挑戦者が出て来てこそ次の進歩があるはずで、特に今回は、富士山への登山に譬えれば七・八合目まではたどり着いて山頂が微かに見えて来たくらいのインパクトはあったと思うので、そこからのズリ落ち様がまさに全力を使い果たして不恰好なものになってしまっていても、個人的には暖かく見てあげたいと思う。

むしろ重要なのは、今回の敗北の原因とその克服方法の検討でしょう。
第1話からもう一度視聴し直して、確りした全体評価をしたい作品です。

====================================================
★各種メモ書き

【各話タイトル&評価】

各話のタイトルが、花言葉になっているようです。
最終話は桜のイメージから友奈がメインになる感じです。

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×が付いている話は脚本に疑問を感じた失敗回
?は内容が微妙で現時点で評価保留の回

{netabare}
第1話10/16  乙女の真心   コスモス  ★ 全員(とくに友奈)
第2話10/16  ろうたけたる思い   菊  ★ 全員(とくに美森)
第3話10/23  風格ある振る舞い   牡丹  ☆ (夏凜)
第4話10/30  輝く心        オキザリス ☆  (樹)
第5話11/06  困難に打ち勝つ    山茶花 ★★ 全員(とくに友奈・美森)
第6話11/13  明日に期待して    ラベンダー ☆ 全員(とくに友奈・美森)
第7話11/20  牧歌的な喜び     黄スミレ(犬吠埼風) ☆
第8話11/27  神の祝福       青バラ(乃木園子) ★★★ 
第9話12/04  心の痛みを判る人   アマドコロ(犬吠埼樹) ☆ 
第10話12/11  愛情の絆      朝顔(東郷美森)  ☆
第11話12/18  情熱        ヤマツツジ(三好夏凛) ★
第12話12/25  貴方に微笑む    ヤマザクラ(結城友奈) ×(1回目視聴時)→☆(2回目視聴時)
{/netabare}

●op「ホシトハナ」

作詞:中村彼方
作曲:岡部啓一
歌唱:讃州中学勇者部
歌詞
{netabare}
サカラバ サア(※盛らば、さあ)

<1番>
静けき森の中 いま目覚めた花たちよ
この世に何を思い 何を感じてる

ああ 真実ほど人を魅了するものはないけど
ああ 真実ほど人に残酷なものもないのだろう

咲き誇れ(咲き誇れ) 想いのままに
この瞬間(この瞬間) 全てを賭けて
無限の星すらも霞むように
勇気 心に溢れ
(いかなる)いかなる時も生きて

<2番>
花びらひとひらに 情熱宿しはじめた
瞬くその瞳 何を映してる

ああ 土に埋めた小さな種 密やかに割れて
ああ 芽を出したらやがて空と向かい合っていくのだろう

輝けよ(輝けよ) 眩いほどに
一瞬に(一瞬に) 思いを込めて
その願いが世界を導く
カラダに力満ちて
(ヒカリを)ヒカリまとって走れ

<3番>
咲き誇れ 想いのままに
この瞬間 全てを賭けて
無限の星すらも霞むように
勇気 心に溢れ

輝けよ(輝けよ) 眩いほどに
一瞬に(一瞬に) 思いを込めて
その願いが世界を導く
カラダに力満ちて
(ヒカリを)ヒカリまとって走れ

サカラバ サア
{/netabare}

※これ、物凄く悲壮な曲である。第8話を視聴した後だと特にそう思う。
今後の展開次第だけど、個人的に好きな曲になるかも知れない。


●「まどマギ」との違い

一番大きいのは、

(1)まどマギの魔法少女たちが、「最高の素質」を持つ鹿目まどかを除いて割と一般人っぽい人達だったのに対して、
(2)この作品の少女たちは、{netabare}予め「勇者」適正値が高い者達として組織によって選抜されていること{/netabare}。

つまり全員が、大なり小なり事前に{netabare}「勇者となって戦う覚悟」が出来ている=まどかタイプの少女{/netabare}であること、ではないか。
それが、どういう結末をもたらすのか。

特に、一番「勇者」適正値の高い主人公=結城友奈が、ギリギリの状況でどういう決断を下すのか、が見所になると予想します。



※12/27追記
{netabare}
上を書いた時点では、この作品は、第11話の感想にも指摘したように映画『ラスト・サムライ』(トム・クルーズや渡辺謙が出演した2004年のハリウッド映画)のような、散り行く者達の矜持(きょうじ=誇り)を描く作品、すなわち、

(1)『まどマギ』がキリスト教の《聖書》をモチーフとして理知的に魔法少女達の「救済」を描いた作品とするならば、
(2)より日本的に、勇者達の《短く咲き誇ったのち散り行く桜花》の哀しさを抒情的に謳いあげる作品

になるのでは・・・と予想していたのですが、その後のストーリーは、こうした"勇者"であることの証(あかし)をヒロイン達が確りと問い詰めていく方向には踏み込まず、逆に第10話以降やたらと話のスケールを大きくしてしまい、収拾がつかなくなってご都合主義もいいところの完結になってしまった感じです。

それが、この作品の深みが最後の数話で一気に薄くなってしまったように私が感じた原因かも知れません。{/netabare}

●最終話を2回視聴して

※上は最終話を初めて視聴した時の感想ですが、その後ラスト3話を2回目視聴した後の率直な感想として追記します。

今度はストーリーが分かっているので、安心して細かいところまで確認しながら視聴しているんですね。
それで、ちょっと自分でもビックリしたのは、初回はあれだけ違和感が強かった{netabare}唐突でご都合主義的なHAPPY END{/netabare}について、意外にこれで良かったのかも?と何気に思い始めている自分に気づいたことです。
確かに最終話のストーリーは、{netabare}いくら私でも弁護するのが困難に感じるほどに支離滅裂に見えてしまうのですが、でも、これまで頑張ってきた勇者部の5人があのまま救われないで{/netabare}エンドを迎えるのは、ファン心理としてはやはり辛いんですね。

だから、すごく甘々ですが、もしかしたらこの作品は、もうこのエンドで良かったのかも?{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 142
ネタバレ

ホワイトマウス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

えっ?これって勇者の物語じゃなかったの?どうして涙が止まらないの?

この作品、大みそかに見終わって、お正月中はしばらく呆然としていました。

最初見たときはこの作品は男性向けだなあ、という感想。
企画・原案はタカヒロ。それと、ちょっとだけ気になったのは岸誠二監督、シリーズ構成が上江洲誠さんのコンビだったこと。お二人は蒼き鋼のアルペジオでもいっしょでした。この時点でこの作品がこんなに混沌とすることを予想しておけばよかったんですけど。

前半は、新しい形の勇者ものだなあ、みんな楽天的で勇者部のみんなで仲良くしていこう、そんなメッセージが満載。神様もメールできるんだぁ、みんな自然だなぁ、普通のドラマかなあ、そんな感じでした。そんな中で、「一人でいるとつい暗いことを考えてしまう。みんなと一緒にいるとそれを忘れることができる」というセリフ、名言かも。

中盤に入ると、 {netabare}勇者システムという残酷なシステム、戦いで満開と散華を繰り返すことによる体の機能欠損、そして後半はバーテックスの正体が明るみになって目が離せなくなってしまいました。乃木園子ちゃんが東郷さんにこの世界の真実を告げ、東郷さんが真実を知ったときの衝撃。{/netabare}

私、こんなアニメを見ていたの?これって何なの?どうして涙が出るの??

{netabare}
犬吠埼風ちゃんと樹ちゃんの姉妹愛、もう大泣きでした。妹の樹ちゃんが初めて夢を持って努力して、でもバーテックスの戦いで夢が絶対にかなえることができないことを風ちゃんが知ってしまうシーン、私、こらえることができなかった。

最終回について、あにこれで低評価されている方もいらっしゃいます。これって、某作品のようなラスト、例えば友奈ちゃんが意識を戻らないような最終回を望まれているのかなあと想像しちゃうんですけどどうなんでしょう。
私は、終わり方が悲劇的だったり、はっきりしない作品は好きじゃない。だから「結城友奈は勇者である」の最終回はハッピーエンドで、本当に良かった。友奈ちゃんの復活の説明不足もあったけど、でも、私はとっても素敵な最終回だったと思います。

作品について、映像もきれい、音響も奥行きがあって良かったと思います。CVでは乃木園子ちゃん役の花澤香奈さん、東郷さん役の三森すずこさん、そして風ちゃん役の内山夕実さんがとても素敵でした。
音楽、とっても繊細で壮大。姉妹愛は繊細に、この世界の真実の曲はモーツァルトのレクイエムを髣髴させます。作曲は岡部啓一、MONACAで、岡部さん代表の音楽制作クリエイター集団。龍ヶ嬢七々々の埋蔵金やサーバント×サービスなど作曲しているようです(wikiに詳しく書かれています)
{/netabare}

時代背景が日本神話をエッセンスとして構成されているように見えます。このような作品は日本でしかできないかもしれません。岸誠二監督、シリーズ構成の上江洲誠さんのコンビの作品は今後、要注意かも。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 108
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

闘いの螺旋

Studio五組制作。

勇者はくよくよしない、いつも前向きだから。
牧歌的な風景と、素朴な少女たちの日常に癒され、
それと対比するように入れ替わる、
過酷な色彩と光の魔法世界。
とても有意義な時間を過ごせました。

世界を崩壊へと導く生物の頂点バーテックス、
神樹により選ばれた勇者たち、
少女たちの日常は突如として終わりを告げる。
徐々に明らかになる、世界の真実、
そして逃げ場のない、勇者システム。

中盤以降、少女たちの戦闘が、
{netabare}供物の産物であると知った時、
日常パートが大きな意味を持ち始めます。
供物となるのはいつも無垢なる少女なのだ。
力の代償としてその身を神樹様に捧げる、
最後は樹木のように動かなくなり祭り立てられる。
あまりにも悲しい運命である。

最終話まで夢中になれましたが、
最後は演出も少し駆け足に感じた。
本来は複数話かけるべきなのでしょう。{/netabare}

身体の一部が欠損してまでも、
闘い続ける少女たち、闘いの螺旋 未だ終わらず。

続編を心して待ちたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 79

85.8 23 ダークファンタジーアニメランキング23位
劇場版「幼女戦記」(アニメ映画)

2019年2月8日
★★★★★ 4.1 (472)
2472人が棚に入れました
統一暦1926年。ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる、帝国軍第二〇三航空魔導大隊は、南方大陸にて共和国軍残党を相手取る戦役を征す。凱旋休暇を期待していた彼らだが、本国で待ち受けていたのは、参謀本部の特命であった。曰く、『連邦国境付近にて、大規模動員の兆しあり』。新たな巨人の目覚めを前に、なりふり構わぬ帝国軍は、自ずと戦果を拡大してゆく……時を同じく、連邦内部に連合王国主導の多国籍義勇軍が足を踏み入れる。敵の敵は、親愛なる友。国家理性に導かれ、数奇な運命をたどる彼らの中には、一人の少女がいた。メアリー・スー准尉。父を殺した帝国に対する正義を求め、彼女は銃を取る。

声優・キャラクター
悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、玄田哲章、大塚芳忠、飛田展男、濱野大輝、笠間淳、林大地、小林裕介、土師孝也、小柳良寛、高岡瓶々、森川智之、福島潤、田村睦心、戸松遥、チョー、稲垣隆史
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今さらタイトルで敬遠もなかろうて

原作未読 TV版視聴済み


“存在X”とか説明なしに語られてるためTV版を視聴済みであることはお作法といってよいでしょう。
あいかわらず主人公が幼女である意味がわからない『幼女戦記』の劇場版となります。

たいしたこと書いてないけどミリタリ的見解はTV版のレビューに載せとります。
俺たたENDなTV版の最後覚えてます?※一応隠しときます。

{netabare}砂漠みたいな南方戦線に飛ばされて「どうしてこうなったー!?」ENDでした。
存在Xに対峙するには、信仰にすがるのではなくあくまで合理性で勝負する路線を突き進むのかどうなのか?と続編の注目ポイントをわたくしレビューで書いてますね。このモノの見方はブレてないです。{/netabare}

続きが気になる終わり方だったのでおおむね劇場版に期待するのはこんなところ↓
Q
1.答え出るん?
2.戦闘は派手になる? ※そこはホラ、、、映画だし(^^)

ざっくり回答は↓
A
1.出ません。
2.派手になります。市街戦闘ではぬるぬる変態的な動きをしてます。

スタッフや声優を引き継いで制作してるので大外しはありえません。安定して面白かったです。
ついでに、“信仰心と合理性”なのか“感情と理性”なのか?
“存在X”とターニャが対峙しての二項対立のような図式に見えてたけっこう重要な部分。
ターニャの対立軸として、この“信仰心”ないし“感情”を体現する存在が登場したこともファインプレー。もちろん{netabare}ターニャとの死闘の末戦死したアンソニーの娘。メアリー・スー(CV戸松遥){/netabare}のことです。

これで見やすくなりました。神VS人間よりも対立する両極端な人間同士のほうが物語が破綻しにくい。
己が正義とのぶつかり合いになって譲れない争いになりますし、元はといえば存在Xという同じ親から生まれた相反する二つの概念であるという深みとコクも出てきます。

【作品テーマ】

 存在Xとの落とし前をどうつけるのか?

⇒これは道半ばです。

【劇場版の面白いとこ】

 ◎ ターニャ VS メアリー・スー
 ○ 市街戦闘

きわめて劇場版らしい。劇場版に期待するところを満たした『劇場版幼女戦記』でありました。



※ネタバレ(もある)雑感

■世界観の意図

既視感のある国・人・軍事パーツを素直に楽しめる一方で、WWⅠとⅡをごっちゃにして~の史実との乖離や魔導部隊なる設定。純歴ヲタだとアレルギー出そうなのもわからなくもない。なんせ空飛ぶ人間が銃剣で戦闘機の翼をたたっ斬ることができちゃう世界ですから。これには一家言あって、


 これ外国でも流すんですよね?


アニメ大好きフランス・イタリアやアメリカ。ドイツも例外ではありません。それらの国を配慮して…なんてアホなことは言いませんよ。

 {netabare}ガチ史実ベースの世界作ってアナザーストーリー{/netabare} 

それに欧米人が耐えられるか?って無理だからちょっと外した世界観なのだと劇場版観て思いました。

選挙で選び渦中は熱狂した事実に蓋をして全部ナチスに罪を被せて、ニュルンベルク裁判の前と後とで分断を図り逃げ切ったドイツ。
反省したドイツを見倣え!って彼ら反省なんて微塵もしてませんけどね。「我々とは別のナチスなるもの」を作っておっかぶせただけです。もちろん賠償には応じてません。

次にアメリカ。原爆投下を正当化するストーリーは皆さん耳タコでしょう。自らの罪に向き合ってない点ではドイツと一緒。

イデオロギーにしちゃうのはどうぞご自由に!彼らの意見に乗ろうがかまいませんが、少なくとも私は日本国籍を有する者なら「違うだろ」と指摘し続けることがお作法であるとの考えです。

何が言いたいかっていうと、彼らのン百倍は反省している、なんなら反省しなくてもいいことまで、それにおかわりで“俺たちの反省はこれからだ”の勢いで反省している我々からすれば、

 {netabare}正当化だらけのお前らの豆腐メンタルじゃ受け止めるのは無理!{/netabare}

と思っちゃうんですよね。世界広しといえどもドイツ第三帝国を茶化せるくらいの表現の自由が認められてるのは我が国くらいなもんです。
ぶっちゃけ仮想ナ○スが活躍する作品なんてリアルに寄せすぎると×。これくらいのファンタジーっぷりでちょうどよいと思えるのです。そのうえでやや無理筋な作品設定については流れてる哲学が荒唐無稽でなければ無問題と考えます。


其の一:{netabare}「コミー(commie)」と共産主義者を忌避/軽蔑する単語をターニャ筆頭にガンガン発してます。

「なんでお前らソ連と組んでんねん?」みたいな。
日本に視点移せば、大日本帝国が必死でソ連食い止めてんのに何してくれてんだ?の心境です。レイトカマーのアメリカがアジア利権にちょっかい出すために日本を外そうとして失敗。中華人民共和国成立など共産国家の台頭を許し、朝鮮戦争からのベトナム戦争と余計な結果になったよな、と。
やや盛ってこれくらい言ったうえで、「でも今は仲いいよな」とするくらいでちょうどよいのです。{/netabare}


其の二:{netabare}義勇軍?メアリー・スーも狂気を帯びたちょっと危ない人設定です。

「正義を振りかざしてどんだけ無茶してきてん?」みたいな。
仮想連合国の象徴みたいな存在にメアリーを持ってきた意図。合わせ鏡と思いなさい!{/netabare}



■ドキッとくる至言

トンデモ設定もあるにはあるけど底流がしゃんとしてると私は思います。
たまにグサリとくる高速ストレートありませんでしたか?

・{netabare}「無能な働き者か…やっかいだな」

序盤。メアリー・スーの上官がメアリーを指しての一言。

 1.有能でやる気のある
 2.有能でやる気のない
 3.無能でやる気のある
 4.無能でやる気のない

リアルの現場でも3.が最も厄介であり、組織を破綻に導く存在として心にとどめて置かねばなりません。覚醒するまではひどかったですからね、彼女。{/netabare}


・{netabare}「まずもって勝つことが大事 正しく勝たねばなりません」
 「でなければいずれ歴史に笑われます」

参謀本部にて後方勤務の希望を伝えた時のターニャ。
勝ったほうが歴史を作るのはまさにまざまざと見せつけられているのが我々現代日本人でしょう。つまり転生前のおっさんターニャの知ってる歴史。賢者は歴史に学ぶ。よって、次は勝たねばなりません。
「思考放棄した俺の勝ちね」くらいの程度の低さを露わにしてるのが我が国です。軍事研究なぞしませんとドヤ顔で発表してる横で北朝鮮の核開発のために亡命する教授を輩出した某帝国大学とかなんのブラックジョークでしょう。「勝つために考えること」と「行使すること」は違います。

ガラスを拳で叩き息巻くお偉いさんに戦の収め方のプランはあるか?と問うたターニャさん。正しく勝たねばなりません。先述、日本を叩き潰したことでソ連の増長や朝鮮戦争ベトナム戦争へと発展した結果を見るにアメリカにとって正しい勝利だったのでしょうか?

リアルではこれがなかったのが大日本帝国の最大のやらかしです。正確には正しい勝利ならぬ正しい敗北のプランニング。戦闘で敗北しても戦争目的を果たす困難な作業をです。ぎりぎりで國體が守れたものの結果オーライ。次は結果オーライにならないように真剣に考えましょう。

でなければいずれ歴史に笑われます。
令和初頭の日本人が未来の日本史の教科書でどう書かれているかみものですね。{/netabare}



■(オマケ)主題歌について

{netabare}TV版の主題歌をアレンジ加えてもってくる演出にしびれます。
ターニャ役悠木さんが歌う「Los! Los! Los!」。このへん「トラ!トラ!トラ!」をなんかしら意識したのだろうと、“LOS”を調べてみましたが、スタジアムの名前だったりタイ王国の愛称だったりビンゴそうなのはなく、そのまま“LOST(喪失)”くらいの意味合いで受け取りました。

注)他のレビュアーさんからの指摘でLOSはドイツ語で別の意味があるらしいです。{/netabare}



これ2期ないと詐欺ですよ。待ってます!



視聴時期:2020年2月 

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2020.02.26 初稿
2020.09.21 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 59

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

戦争が無ければ誰からも愛されて皆に愛情を与えていた少女…

この劇場版は、テレビ版の続きです。
そして、この映画では深く考えさせられたことがあります。
それは…


今まではターニャの魔力に匹敵する敵はいませんでした。
そのため、面白みに欠けていましたが、今回は違います。
ついにターニャの力量に匹敵する好敵手(ライバル)が現れます。

その名はメアリー・スー。
彼女は、ターニャが倒したアンソン・スーの娘。
メアリーが父に贈った銃をターニャが持っていることから、ターニャを父の仇と確信します。

メアリーは信仰心が深く家族思いの優しい娘です。
戦争さえなければ、彼女は銃で人を撃つことも拳で相手を殴ることもなかったでしょう。
誰からも愛され、多くの人に愛情を与えていたはずです。

しかし、今の彼女の生きる目的は父の仇を討つこと。そのためならば彼女は何でもします。

市街地でメアリーはターニャを見つけます。するとメアリーはターニャを追いかけ、銃を連射します。
もちろんターニャは銃弾をよけるので、メアリーが放った銃弾は民家に当たり、民家が壊れます。延焼します。

当然のごとくメアリーの銃弾で多くの市民が家を失ったり傷を負ったり亡くなったりしているはずです。
だけどメアリーは気づきません。自分が不幸にしている人がいることを…
今のメアリーには、復讐心しかありませんでした。

メアリーはターニャを追い詰めます。
拳で何度もターニャの頬を殴ります。ひと思いに殺せば良いのに、メアリーはそうしません。
散々殴った後、教会の礼拝堂へターニャを引きずります。
そこで恨みを言って殺すはずだった。

だけど、すぐに殺さなかったその甘さがメアリーの命とりでした。

おそらく、ターニャならば、相手が殺せるときを見つけたら、ためらいなく殺します。なぶり殺しにはしません。だって隙を見せることになるから…
それにターニャならば、そもそも仇を討つという発想すらありえません。

だってこれは戦争だから。国同士が認め合った人と人とが殺し合う戦いだから。
仇という概念を持つと、戦争は果てしなく永遠に続くことをターニャは知っています。
彼女の考えは、いつも合理的です。

家族思いで心の優しいメアリーと合理的で冷血なターニャ。
あなたは、どちらが多くの一般市民を殺傷していると思いますか?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 48

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なんでこーなった!

原作未読 1時間45分

TV版の「幼女戦記」の続きです。先にTV版を観ることをオススメします。

次々と最前線の戦場を駆け巡る(駆け巡らされる)異世界から転生させられた少女ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる帝国軍第二〇三航空魔導大隊のお話。

今回は、TV版で因縁が出来たある少女とのお話がメインとなっています。

TV版と同じく調子に乗ったところもあり、夢の後方勤務とはならず大部分が戦場でのお話でバトルシーン満載でした。

バトルシーンは大画面と音響で映画ならではの大迫力です。

ターニャの禍々しい顔芸も健在ですw 観ていると幼女という感じは全然しなくなりますねw

まだまだ続きがありそうです。次回があるのならばTVに戻ってほしいですね。

EDは、ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐役の悠木碧さんが歌う「Los! Los! Los!」とTV版のOPを歌うMYTH & ROIDさんの新曲でした。

最後に、TV版と同じで自業自得な面が多かったですねw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41

79.4 24 ダークファンタジーアニメランキング24位
寄生獣 セイの格率(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1602)
7713人が棚に入れました
ある日、空から多数の正体不明の生物が飛来してきた。その生物は鼻腔や耳介から人間の頭に侵入し、脳に寄生して全身を支配し、他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後も見た目は人間そっくりに擬態する、彼ら「パラサイト」は、高い学習能力から急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に紛れ込んでいった。
平凡な高校生である泉新一は、一匹のパラサイトの襲撃を受ける。間一髪で脳の乗っ取りは免れたものの、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう。右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活の幕開けである。

声優・キャラクター
平野綾、島﨑信長、花澤香菜、沢城みゆき、安野希世乃、前田玲奈、田中敦子、吉野裕行、KENN、芹澤優、鈴木琢磨、村瀬歩、石田彰、水島裕、二又一成、井上和彦、青柳尊哉、浪川大輔

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

寄生虫(;゚д゚)!?⇒寄生獣(*´∀`)=3

原作未読 全24話

原作は20数年前の大人気コミックながら
様々な事情で20年以上もの間映像化が実現されていない名作!!

それが今回、待望のアニメ化!!!!

とのことで
寄生獣て・・・寄生虫? みたいなのに取り憑かれるお話?
虫さんだけは(人д<)カンベン

まー大の大人で虫好きという方も聞いたこともありませんが・・・w

私は大の"虫さんNG属性"がついている為、
本作にそんな不安を抱きながらも
前知識ほぼ0で果敢に視聴に挑んでいったのであります(*`・ω・)ゞ


結果
虫ではありませんネ!!
獣ですから!! あー良かった♪
虫さんNGの方!! 大丈夫ですよ~ヽ(*´∀`)ノW

でも最初のパラサイト(ミギー)が主人公のベットにそわそわ~て
はいよってきたシーンだけはゾワゾワ~っとしましたよ(;´Д`)ウウ


そんな私の諸事情はさておき
観はじめてみると、コレが実に面白い!! ですねぇ(*>ω<)b

相方『ミギー』との友情、ヒロイン『里美』との恋愛絡み
主人公のお母さんの話や、新一へ想いを募らす『加奈』のお話と、
『田宮良子』のシリアスな描写と愛、
『後藤』とのバトルにそしてあのおばあちゃん・・・

グロ、バトルでハラハラョ゚Д゚;))))ドキドキ、そして涙、涙・・と
正に心を”ガシッ”っと鷲掴みにされたような感覚を覚えました!!!

毎週先が気になって気になって、
原作を知らない私にとってはとにかく”-衝撃-”の連続でした!!


そして今作ではふと、深く、壮大なテーマを投げかけられます―

命、自然、摂理、とても深く深く、考えさせれらます

私たちが今こうして生を授かっていること・・・
様々な生物と共存しているこの世界・・・
犠牲となる命への感謝の気持ちを忘れずに・・・
この一瞬一瞬を強く噛みしめて・・・


これからも素敵なこのアニメの時間、アニメライフを・・・
心の余裕(ヒマ)のある私たちは大切に、大切に楽しんでいきたいですね♪



それでは最後におなじみのコーナー✩

(o*゚∀゚)oお気に入りのキャラ~

はい! これはもう完全に『ミギー』の一択であります(*`・ω・)ゞ
しれーと笑いをブチ込む可愛いキャラで、まさに本作の顔!!
新一との友情物語に何度も涙、涙(つω;)ウッ…
とくに23、24話、私の涙は全て『ミギー』に持っていかれました゚(゚´Д`゚)゚ミギー
CV:平野綾さんの演技も最高でした!!


という訳で!!
グロイの全く持って受け付けません(;ω;乂)
という方以外はぜひとも観て頂きたい作品ですヽ(*´∀`)ノ

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

考える葦と考える筋肉が共に生きる道筋・・・

岩明均による漫画を原作とする作品です。全24話

原作未読


ある日の夜中にふと違和感を感じて目を覚ました泉新一はヘビのような

生き物がいて、虫嫌いの彼はひどく動揺する。そしてその生物が右手に

穴を開けて体内に侵入してくるように感じるも騒ぎを聞きつけてやって

来た両親に見せてみるとそんな痕跡は何もなかった。そして朝になり目を

覚ました新一は昨日の出来事を夢だと思うのだが、その日の間中右手は

どうもおかしいような気がしていた。そして車に轢かれそうになった女の子

を助けようとした時に右手が・・・


第一話を視聴した時は寄生っていうのが苦手だったのと同時期に放送

していたとある作品との勘違いもあって視聴継続予定だったのにいつの

間にか見なくなってしまいましたがニコの一挙で復活し、漸くこっちの地域

で最終話を迎えた作品でした。


そんな事は置いておいて作品の中身ですが、寄生生物と人間との二つの

存在とさらにそのどちらでもあってどちらでもない存在とがそれぞれ

生き残るためにそれぞれが学習し成長し生き残りをかけて戦いを繰り広げる。

その中でお互いがどうしてこういう関係だったのか、共存するor敵とする

のかを少しずつ感じていきながら、また新一をミギーが元々生き残るため

だけの共存協力関係だったのがお互いの存在について人間と寄生生物とが

様々な考えを持つにつれて徐々に変わっていくのがこの二つとそうでない

ものとが様々に導き出していく結論に大きく関わっていくので新一がミギー

と共に戦いに身を投じていくことにも深く繋がっていて面白かったです。


新一とミギーが共に戦って成長していってバトルシーンでどんどん高度に

やり合うので本当にすごかったです。とある事件で新一が大きく変わって

しまった後は戦い方に色々なテイストが加わって迫力も増している感じでした。


全体として展開はしっかりと組まれていたので最初から最後まで全く

衰えることなく面白かったです。原作が20年ほど昔でキャラデザとか

が現代風に変更されていて賛否両論あるみたいですが自分は漫画はあまり

読まないし、その頃は生まれていなかったので特に何とも思いませんでした。

さすがは原作がとてもすごい作品だけのことはあるなと思います。

◆個人的点数評価 81.784点

投稿 : 2024/05/11
♥ : 54
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

誰にとっての「基準」なのか

人間の脳に寄生して意のままに操る新生物が現れた。
主人公の新一も体を乗っ取られそうになるものの、間一髪難を逃れる。

脳への寄生に失敗して右手に寄生したパラサイト・ミギーと、新一の共存と戦いの物語。

伝説級のコミック、「寄生獣」がついにアニメ化。
少年漫画チックな熱さを残しながらも、普遍的なテーマを描いた作品。


さて、今作は、

- キャラデザイン・時代背景等が変更されている
- 完成度の高い漫画なので、評価の目が厳しくなる

と、前評判はよろしくありませんでした。

しかし、ふたを開けてみればおもしろいおもしろい。
作画もきれいですし、懸念されていた声優の演技力も十分。

ただし、構成ではちょっと気になる点が。

前半に感動シーン、後半に緊迫シーン、という流れが多く見られます。
「次回も見てもらいたい」という意志で、テンションの上がった状態で終わらせているのでしょう。
しかし、せっかくの感動シーンで、余韻に浸っている余裕(ヒマ)がありません。

もう少し話の終わり方にバリエーションが欲しかったですね。
そうするとあと1~2話必要になっちゃうのかなぁ。


寄生獣は、内容上、流血シーンが多く含まれます。
しかし、無茶な黒塗りやカットはあまり見られませんでした。

- ショッキングなシーンでは、視聴者に衝撃を与えるのが目的であるため、ほとんど原作そのままに描く
- 重要ではないシーンではカメラの角度を工夫するなどして自然に隠す

という使い分けができていたと思います。
規制獣にならなくて良かったです。


アニメーションで特徴的だったのが「目」です。
原作もそうなのですが、「目」を見ると、パラサイトをぼんやりながら見分けられるようになっています。
表情筋が動かないとか、目を見開いたりしないとか、細かいことの積み重ねなのでしょう。
しかし、アニメでも目がうまく描かれていて、人間なら気持ちが伝わってきますし、パラサイトなら不気味さがよく分かります。

アニメーションでしかできない工夫も見せてくれました。
{netabare}
パラサイト同士の会合時、市長の広川だけが頻繁に「瞬き」をしています。
広川だけが人間である、というヒントをそんな形で出してくるとは!
{/netabare}

ストーリーと舞台はほぼ原作通り。
ただし、時代背景が異なっています。
しかし、小物が変化する程度。大筋には影響ありませんでした。

- 公衆電話が携帯電話に
- 本がパソコンに

などなど。

むしろ、そういった小物の変化が効果的に働いているシーンもありました。
{netabare}
たとえば、加奈がパラサイトに襲われてしまうシーンは小物改編が生きています。
原作では加奈が外出していて電話が繋がらなかった、という「偶然」の結果。
しかし、アニメでは加奈があえて携帯を使わないことで、偶然ではなく「自分の意志で選んだ結果」になっています。

「格率」つまり、「自分のルール」がサブタイトルに入っています。
「能力だけで新一を見つける」というルールを自分に課した結果になっています。
{/netabare}

最後にテーマについて。

寄生獣は環境問題、他者とのコミュニケーションなど多くの普遍的なテーマを含んでいます。

「面白いのに真面目なことを考えてみたくなる!」

そんな分かりやすさが人気のひとつの秘訣でした。

また、サブタイトルにある「セイの格率」。
何じゃこりゃ、と最初は思っていました。
しかし、通してみるとなかなか秀逸な言葉。

「セイ」は複数の意味を持ちますが、これは見ていれば分かります。
そして「格率」。

聞き慣れない言葉ですが、簡単に言えば「自分に課した基準」「自分ルール」のことです。
その自分ルールを他者にも適用してみる。
もし問題なければ、それを「道徳」と呼び、人間の普遍的な行動基準になる。
これが「格率」の肝です。

「正の格率」なら、「自分が正しいと思って、行うようにしていること」のように訳せます。
それが他の人にとっても正しいと思えるなら、それは「道徳」だと。

{netabare}
新一が犬を助けたのは道徳的なことでしょう。これには里美も同調します。

しかし、その直後に死んだ犬をごみ箱に捨ててしまいます。
これは新一にとっては格率から出た行動ですが、里美には受け入れられません。
生物的に強くなった新一は「自分ルール」が強く出るようになりました。
その結果、自分の行動が「他者から見て」道徳的かどうかに目が行かなくなっていきます。

そして、パラサイトとの交流を経て迎えた最終話。

浦上は「MAXIME」と書かれたキャップを被っています。
「MAXIME」はそのまま「格率」のことを指します。

新一は一方通行のTシャツなど、行き止まりを表すロゴを身につけていました。
最終話で付けているのも「Apolia」とかかれたシャツ。
「Apolia」は「行き詰まり」を意味する哲学用語です。

命を懸けた里美の言葉で、

「自分ルールで生きて失敗も多いけど、目の前に認めてくれる人がいる」

と再認識します。

「MAXIME」のキャップは吹っ飛び、「Apolia」は覆い被さった里美によって見えなくなります。

自分が正しいと思ったことは他者にとっても正しいとは限らない。
他者にとって「道徳」であり続けることが正しいとも限らない。
しかしながら、自分の行動を認めてくれる人がいる。
寄り添い生きるものの存在、それが獣としてのアイデンティティに繋がっているんだ。
{/netabare}

テーマを強く押し出すために、細かい部分で改変を加えたアニメ陣はさすがです。
「どうせ同じ内容じゃん」と思わず、細かいところに目を配っていただきたい作品です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 50

69.2 25 ダークファンタジーアニメランキング25位
約束のネバーランド(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (413)
1573人が棚に入れました
「約束のネバーランド」は、白井カイウさん原作、出水ぽすかさん作画による、「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)にて連載中の人気マンガを原作としたアニメ作品。「週刊少年ジャンプ」28号(2020年6月15日発売)にて完結。コミックス1巻(2016年12月2日発売)から20巻(2020年10月2日発売)までの全世界での累計発行部数は2,500万部以上。第3回「次にくるマンガ大賞」コミックス部門2位や、宝島社「このマンガがすごい! 2018」オトコ編1位など、国内の数々のマンガ賞を受賞。TVアニメ化に際し監督は神戸 守さん、シリーズ構成は大野敏哉さん、キャラクターデザインは嶋田和晃さん、音楽は小畑貴裕さん、アニメーション制作は、「ダーリン・イン・ザ・フランキス」「PERSONA5 the Animation」のCloverWorksが担当する。

声優・キャラクター
諸星すみれ、茅野愛衣、林鼓子、伊瀬茉莉也、日野まり、久遠エリサ、植木慎英、森優子、白城なお、Lynn、青山吉能、神尾晋一郎、石上静香、河野ひより、種﨑敦美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

姑息な俺は連れて行かないだろう

原作未読 続きもの全11話

鳥籠の鳥が籠を出てから、もとい牛舎の牛が鎖を断ち切り外へ飛び出してからを辿る第2期。
1期は自身クールトップ評価かつ滅多に出さない4.5点と非常に高く評価をしてます。
その際「農園出るまでがピークだよん」の声もあったりで冷静に期待値は控えめで迎えた今回の2期。
籠やら牛舎の中と外と舞台が変わるのに合わせて物語がどんな変化を見せるのか期待というより不安が先行してました。

だからでしょうか。評点は大幅に下げますがそれなりに楽しめた私。
「愛してたのに裏切ったわね?」の気分無きにしもあらずとはいえ許容範囲内に収まった感ありです。
そのへん後述するとしてダメだったとこ↓

構成ですね。全11話・短尺・駆け足・端折り過ぎでした。
やや外野の話。10話までシリーズ構成を原作者の白井カイウ氏が担当。なんで最終話やらんの?で邪推がはかどりそうです。
原作未読のためアニオリどうこうには無頓着ながらそれでも説明不足と感じろところ多々。ただしそれは最終盤に顕著だっただけで、それまではややご都合はあって好き嫌いあるかもねぐらいのレベル。
最終話至る前にやや好意的な評価を固めていたこともあって、飛ばし過ぎスピード違反の最終盤に戸惑いつつもまあこれはこれでいっかぁという感想です。

さてこれからの方に向けたおすすめポイントをば。
ヴィルク(CV上田敏也)なるアニオリキャラクターの醸し出す雰囲気がすこぶるよかったです。あの「小鬼だ…小鬼がおる」で有名な『ラピュタ』のポムじいさん感抜群で常田富士男さんが蘇ったかのよう。中の人上田さんも御年88歳と凄味が伝わる演技でした。
良くも悪くもトータル2クールで完結(たぶん)する手に取りやすいパッケージであることと、やや斜め上から見た「努力・友情・勝利」を楽しめる作品になってると思いますよ。

 

※ネタバレ所感

ここからあえて褒めるターン

■ベストセラー確約

『マム・イザベラの頭脳明晰/強い意志を持つ子供の育て方』

育児本出したら売れそうです。特に日本で。
{netabare}良い意味で引っかかったのは彼女の孤独。子供たちそっちのけで彼女の半生に想いを馳せると目から汗がでてきそう。
エマたちと違って仲間がおらず悲しみも苦悩も一人で受け止めるしかなかった彼女。友がいるからこそ乗り越えられる少年少女らのジャンプらしい“友情”を前に出しながら、むしろ一人で抱えてなお意志を貫いた大人の彼女に亡き友や息子(たぶんレイね)へ抱く強い愛を感じる。他のマムも同様に一人一人がイザベラだったことも想像に難くない。
やや駄々っ子、もはや鬱陶しさすら感じるエマの子供っぽさよりも深みのある情と聡明さを感じる傑出キャラでした。
最終話では“なぜそうしたの?”の説明は省かれてます。私は“そこまでしてでも守りたい一線だったのね”という角度から捉えております。{/netabare}


■エマへ相反する評価

{netabare}「今、日本の会社は、みんな失業者をかかえとるのや。私どもでも一万人は遊んでいる」

松下幸之助の弁。従業員を家族のように扱っていた在りし日の経営者の考え方がよくわかる一言です。
エマの選択で思い出したのがこれ。稼ぎ頭の幹部候補生がノーマンやレイなら平凡なサブリーダークラスがドンやギルダ。遊んでいる社員はちびっ子たち。
実際私だったらレイが言ってたちびっ子たち切り捨て案に乗るんだと思います。効率/生産性や利益確保を考えての合理的判断ってやつです。
しかしながら自身も就職氷河期世代の身。いまさら氷河期世代のリーダークラスいないって言われてもそこを育ててこなかったのお前らじゃん(怒)ってルサンチマンは正直あるんですね。
はっきり言ってエマは理想主義過ぎるのと、掲げる以上提示してほしい具体案に乏しいので苦手です。むしろ嫌いなタイプといってよい。
それでも理想と情熱が合理的判断の壁を越え良い結果をもたらすってのは匙加減間違えなければ大丈夫なわけでして、本作についてはOK組。なにもしないで転がり込んだ幸運ではなく、意思をもって動いたことで幸運の女神が微笑んだものと捉えてます。{/netabare}

お花畑と紙一重なのが悩ましいところですね。ここの線引きは“当事者として振る舞ってるか?”で分けてます。たとえ主義主張が真逆でもケツを拭く覚悟があればついていくのも選択肢。


■そう簡単ではない

なにが正義でなにが悪かわからなくなるモチーフは物語に深みを与えるものです。
こちら二方面から迫っていて良かったですね。

:其の一 正義を標榜し残酷をなす
{netabare}十字軍なんかそうですけど、正義を掲げた時に人は最も残酷になりやすいとか。
ノーマンプランは薬を利用した民族浄化計画でした。
ラートリー弟は品種改良しての食用児大量生産/供給を企ててました。
なかなかの鬼畜の所業。対立する立場の双方えげつないことやってる描写はもちろん、随所で“正義を標榜する”セリフを両陣営に散りばめてました。筋を通してます。{/netabare}

:其の二 主従の逆転
{netabare}圧倒的な人<鬼の格差社会かと思ってたところへの貧しき鬼たちの登場はファインプレーでした。
農園を頂点としたヒエラルキーの存在。上位に位置する人間(ラートリー家のことね)もいれば、そんなとこからのわずかな供給にすがる貧しい鬼たちがいるという仕組み。そしてその仕組みを維持するために汲々とする既得権者としてのわずかな人間。
搾取する側に抵抗する民衆の構図って一歩間違えると赤に染まるわけですが、ここでは善悪の逆転、主従の逆転、そして価値の逆転を提示されて得た驚きを評価したく。{/netabare}

とってつけた“人間が悪い”はむしろ浅さが悪目立ちして逆効果になるところをそうならずに、ここだけはきちんと時間かけて描いてたと思います。


■いやこれ異世界っしょ?

{netabare}同じ地球上で全く異なる価値観をもった世界(文化圏)が棲み分けできてるって…ありえないよね(笑)
最終話のネタバレになるのでさらに閉じます↓
{netabare}現代の超高層ビルが立ち並ぶ人間の世界{/netabare}

大航海時代とかやるメンタリティを持つ欧米列強だったり、版図拡大に余念のないCHINAが鬼の世界をほっとくわけないです。軍事格差すなわち力の不均衡が生じた時に軍事衝突起こるもので、こちら人間を捕食する危険な生命体をほっとく理由がありません。つい数年前の協定を破る同じ生命体が近くにいるくらいなのに1000年前の約束?なんて律義に守ったりはしませんよ。ただしそこにツッコミ入れるのは本意ではありません。{/netabare}

{netabare}エマらの人間世界への憧憬に楔を入れるラートリーが吐き捨てたひと言。

「だって人間同士で残酷なことやってきたんだぜ?」

そこから間もなく場面が現代に飛んだところが示唆に富むメッセージだったんじゃないでしょうか。
火が垂れると書いてホタルと読む某映画の演出同様、なんか問いかけてないかなー?って思うのです。
ま、繰り返しになりますけど、そうだと説明する箇所がほぼないのが玉に瑕です。いやここまで挙げてきたあれやこれやも説明ないですからね。いち視聴者の妄想の域を出てないとご承知おきください。{/netabare}



さて実写版が公開されます。演じるは現在二十歳の女優さん。大人の事情は考慮するにせよ現実問題として演じられるローティーンの役者を揃えるのは不可能です。
そんなえげつない制約はアニメはないはずでして尺がないならないでなんとかやりようはあったでしょう。これしっかり拾ってたらというのはもちろんありますが、足りない尺での取捨選択においてギリ伝わってくるものがあったので私は良しとします。



■最後にもう一点

インド洋に北センチネル島っちゅう、上陸を試みるとそこの部族に殺されちゃう島があります。近接するインド含め現在この島はノータッチ状態になってます。もちろんかの部族も外には出てこない。この物語もそんな感じと思えばいいのかしら。

{netabare}たしかちょい前にアメリカの宣教師がここに渡って消息を絶ちまして、渡航理由聞かれて「ここはサタンの最後の砦」と答えたそう。
この感覚を多くの日本人には理解しづらい。ほっときゃいいじゃんとつい思ってしまいます。

作品に戻って、鬼が人を食わなくてもよいように数年現地に残って奮闘したエマたちって、みかたを変えれば史実のピサロ/コルテスみたいなコンキスタドレスと変わらんし、いくらしんどかろうがラートリー家は秩序を保つ役割を果たしていたわけでして、どうにもこうにも立ち位置の違いで異なる正義の落としどころって答えがないのよね。といつもながら思ってしまうのです。{/netabare}



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ視聴

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2021.04.03 初稿
2022.01.30 タイトル修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 49
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

すべるバー

CLOVERWORKS制作。

自由は尊い、美しい、そして厳しい。
農園からの脱出と逃走、
ミネルバの暗号に導かれて、
子供たちは鬼の住む夜の森を駆け抜ける。

世界の成り立ちが早々に開示され、
分断された世界の輪郭が覗き始める。
{netabare}人を食用として家畜化する文化は、
もう随分と長い歴史を持つらしいが、
子供たちはまだ望みを捨てず、{/netabare}
人だけが暮らす理想郷に思いを馳せる。

ミネルヴァ探訪編、
個人の感想に過ぎないのですが、
おそらくピークは1期にあると思う。
さてどうなることでしょうか。

全力疾走、夜にすべり込む。
突破口は動いたものにしか微笑まない。

7話視聴追記。
脈々と続く鬼と人との歴史が語られる。
{netabare}知性を得る鬼とその利益、家畜の反乱、
エマの意見には共感が出来ない。{/netabare}

最終話視聴追記。
構成に苦心惨憺なのが良くわかる。
終盤は演出も制限され厳しい展開が続いた。
{netabare}許すこと、受け入れることの尊さが語られ、{/netabare}
ひとまずは形にはしたということでしょう。

世界観が好みなのでこのぐらいで。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

孤児院から世界へ

アニメーション製作:CloverWorks、監督:神戸守、
シリーズ構成:大野敏哉、白井カイウ
キャラクターデザイン、総作画監督:嶋田和晃
原作:白井カイウ、出水ぽすか

グレイスフィールドハウスから脱出した
エマやレイ一行は、ノーマンが残した
ペンの地図を頼りに救援者がいるであろう目的地に向かう。
その道中で野良鬼に遭遇し、危ういところを
ムジカとソンジュというふたりの鬼に助けられる。
世界の成り立ちについての昔話を鬼から聞いた
エマたち一行は、「鬼の世界」から「人間の世界」への
脱出を試みることが目的となるのだった。

狭い世界で何人もの子供たち、大人たちの
抱える想いを丁寧に描写しつつ、
最後まで、仲間3人の絆と夢を表現した1期。
ラスト2話の展開は圧巻で、1本のお話として、
完璧な締めと思えるほどの高い完成度だった。
それだけに、物語が世界へと広がり、
2期へと続くことに不安があった。
視聴後の感想としては、予想を大きく下回るものだった。

原作未読なので分からないが、
原作者もシリーズ構成に参加させて
ストーリーを大きく変更し、原作組からすると
ほとんど別物の作品になっているようだ。
1期までの緻密で丁寧な描写は微塵も見られず、
エマの理想論を世界でも振りかざすだけの
陳腐なストーリーになってしまった。
新たな登場人物が現れたせいもあり、
レイの役割がほぼなくなり、
エマに追随するモブキャラに近い存在となった。

制作会社のCloverWorksはこの時期に
複数の作品を抱えていたようで、
終盤の作画面も大幅に質を落としてしまい、
より残念感の漂う作品となった。

鬼と人間が二分する世界の設定は面白いと思うが、
孤児院という飼育場から世界へと飛び出したはずが、
展開される物語は、孤児院以下のスケールダウン。
狭い世界でも通用しないような事柄が、
世界規模で簡単に解決していく。
例えるなら、プロットをそのまま物語にした印象。
話の流れはよく分かるが、そういう流れになるための
積み重ねがほとんど描かれていないため、
観ているほうは何の感慨も湧かない。

3人の少年少女たちが子供たちを守る。
そういう構図から始まった物語が、
世界を救うためのものに変化する。
短い話数で視聴者を納得させるためには、
解決させないで終わらせる選択肢のほうが、
まだ説得力があったのではないだろうか。
(2021年4月3日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37
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