サイボーグで恋愛なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのサイボーグで恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月13日の時点で一番のサイボーグで恋愛なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.6 1 サイボーグで恋愛なアニメランキング1位
ダンス・ダンス・ダンスール(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (131)
429人が棚に入れました
ダンスール・ノーブル――それは王子を踊る資格のあるバレエダンサー。中学二年の村尾潤平は、幼い頃バレエに魅了されるも、父の死をきっかけに「男らしくならねば」とその道を諦めていた。だがある日、彼の前に転校生の美少女、五代都が現れる。都にバレエへのあこがれを見抜かれ、誘われた潤平は、都の幼馴染である森流鶯と共に、本格的なバレエダンサーへの道を歩みだす。「俺がそこで日本人初の『ダンスール・ノーブル』になるわ」すべてを犠牲にしたものだけが、立つことを許される、美しくも厳しいクラシックバレエの世界。完全な初心者である潤平の運命は!?大人気漫画家・ジョージ朝倉、初のテレビアニメ化!MAPPA(制作)×境宗久(監督)が挑む、バレエダンサー達の熱き青春バレエストーリー!!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

表面は熱いスポコン。裏を返すと女性の天然の残酷さが辛いです。

 明らかに女性作家が描くキャラなのに、スピリッツでジョージ朝倉?男かよ、と思い、どうしても納得いかなくて調べたら、女性でした。

 最近は女性の方がスポコン描くのが得意なんでしょうか。ちはやぶる、ユーフォ、ましろの音、この音、かげき少女など、スポコン亜流の作品はみんな女性作家です。

 まあ熱いですよね。主人公のキャラの熱さというか、ストーリーを作るための少々デフォルメされた身勝手さが、ちょっとイラッと来ることもあります。周囲のメンバーのイジメは変な言い方ですが女子的な陰湿な感じで、これも見ていて不快になります。それが目的なのでしょうから、作品としてはいい出来なのでしょうが、感情移入という面で主人公に乗れない、という弱点にもなる気はしました。

 白鳥の湖の3人の関係をストーリーに落とし込むとはやりますね。ただ、王子様は誰なんだ?というのが主題ですね。もちろんバレエの話の出来の良さがそれを引き立てていましたが、こういう世界の狂気や才能の有無の残酷さも含めて、さすが女性作家、容赦がありません。

 なんといっても、恋愛関係です。これは結局 {netabare}都と潤平は上手くいかないということでいいんですよね?ここが女性的な感性です。女性の心理は女性作家だけあってリアリティがあるんでしょう。庇護すべき存在としての流鶯に最後は魅かれるみたいですけど、嫌な言い方をすれば結局流鶯の才能に心を持っていかれたという事だと思います。

 潤平はバレエへの憧れはありましたが、きかっけは都に惚れてという部分です。女性の肉体に照れる描写から女性になれていない。だからまだ恋愛感情がない都に妄想をするというのがしつこいくらい描かれます。
 で、都は自分の胸に流鶯を抱きしめます。これは腰を触るだけでビックリしていた潤平からすると衝撃でしょう。いろんな理由や思惑はあるにせよ、潤平が五代にいったのは都への想い。だから都が流鶯を選択した以上、結局都から生川に逃げるという面もあるのでしょう。

 これは結局女性は男の力に惹かれるという残酷さでもあるんだと思います。庇護欲ともとれなくはないです。{/netabare}いずれにせよ、ポリコレ的にごめんなさいですが、都って天然なんでしょう。思い切り感情でしか動いていないです。つまり「子宮で物を考えている」感じがすごいですね。女子から嫌われる描写がありますが、そういうところでしょうね。

 男の心理としては、非常に辛いですよね。あそこはそういう残酷な場面なんでしょう。加えて、夏姫ですね。彼女もあきらかに潤平の才能を認めて、惹かれています。性格や優しさではありません。もし潤平のフランクな性格に惹かれたと思うなら、私は違うと思います。才能が無ければ同じ性格でも歯牙にもかけません。

 女性作家ならではの熱いスポコンですが、その裏に陰湿な人間の心理と女性が心を惹かれるのは結局才能という残酷な部分もものすごく良く描写されていました。

 バレエのシーンの作画はモーショントレースとかしたんでしょうか?すごかったですね。その他の場面の感じにくらべて全然違いますね。ただ、少女マンガって、決め絵の時の描き込みと、淡々とした日常場面の作画の気合いが全然違うので、意図してないと思いますが、ものすごい少女マンガっぽさが出てました。

 総評すると、かなり話は面白いし熱い。ただ、男が見ると才能の世界の残酷さが辛い、女性の恋愛感情、心理が辛い。女性的な作品すぎて感情移入が辛い作品でした。
 ハチクロや3月のライオン的な残酷さがちゃんとあるのがやっぱり女性作家のあまりにリアルな心理描写は男には毒だなあという感じです。

 評価はします。しますけど、私はあまりに女性的な残酷さを読み取ってしまい若干減点します。非常に出来がいいのは認めますけど、生々しすぎます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

Dance in the mood.

【感想】
とても面白かったです! 今期でも1・2を争う作品だと思います
欠点はこれからもっと面白くなりそうってところで終わったところと、いじめシーンくらいかな
絶対2期作って欲しいです!

見どころはバレエの動きの綺麗さと、キャラクターの気持ちの表現、表情の緻密さ、演出の素晴らしさ、そういった映像コンテンツの完成度の高さに目を引かれました {netabare}
序盤は話は面白いのにあまりにやりすぎな集団いじめと主人公のひねくれ方が見ていて気分悪かったけど、バレエにちゃんと向き合ってからは話がスッキリしてさらに面白くなりました
最初から最後まで面白かったけどこれからさらに面白くなりそうでとても先が気になりますね {/netabare}

【作画】 {netabare}
作画はとても綺麗ですが瞳に入っている横の白線は慣れるまで時間がかかりました、慣れてしまえば表情の変化が緻密でとても良い仕事をしていると思います
このアニメの作画の凄さはただ動きが滑らかなだけじゃなくて、表現力が抜きんでているところです

まずはとても綺麗で手足の先までピシッと決まった美しいダンスが見どころ!ダンスシーンだけでも見る価値ありです
気持ちの昂りをうまく視覚化した演出も素晴らしくて、動きや表情に感情がしっかり乗っていてホント素晴らしい表現力だと思いました
演技ってやっぱり表情と表現力が大事ですからね、演技に一番大事なものをここまでリアルに描いたこの作品は革新的で映像技術の進歩が凄い
{/netabare}
【キャラクター】 {netabare}
潤平があれこれ葛藤する姿には、中学生らしさが感じられてとても良いですね、なかなか一つのことに専念する道を選ぶのは簡単じゃないと思うのでこうやって色々悩むのは仕方ないと思います
男らしさに憧れる潤平が、ヒロインと王子の求愛ダンスよりも迫力のあるジャンプを好んでロットバルトに興味持つのもキャラクターに合ってると思う

好きなことに一生懸命打ち込んでるキャラクターは魅力的に映りますね
でも、流鶯は引きこもってスナック菓子ばかり食べててどうやって綺麗な身体を維持しているのでしょう?

私は潤平と都の関係が好きだし、流鶯を選ぶにしても同情心から選ぶのはちょっと違うんじゃないかなって思うので流鶯を支えられるのは都しかいないからそばにいてあげてっていう言葉にはちょっと共感できないけど、都も同情や使命感だけで流鶯を選ぶことはないと思うので続きがあるなら見届けたいと思いました
ただ私の予想だと、都は流鶯に恋愛感情を持つことはないと思います
{/netabare}

【シナリオ】 {netabare}
本当はバレエが好きなのに「男らしくない」「サッカー部がある」「友達付き合いがある」など理由をつけて向き合おうとしない主人公と、都と都の母が主人公の才能を見出してバレエの世界に引っ張ろうとする序盤
流鶯が壮絶ないじめにあっているところを目にして助けに入った勢いでそれまで大事にしてきたことすべてを捨ててバレエに向き合う覚悟を見せた中盤
ライバルの高い壁に腐ることなく上を目指そうとする前向きな姿勢、それを目にして引きこもりから脱出し刺激を受けるライバル
競技でも恋愛でもライバルとして意識する二人と、二人の才能に憧れやら恋心やら嫉妬やら同情やら使命感やらが混ざった複雑な感情を持ちながら見守る都、
惹かれあう潤平と都の関係が凄く良くて、順調に栄光への階段を上っていくかと思いきや生川の登場で3人の関係も大きく変わりました、話のメリハリがよく最初から最後まで主人公と周りのドラマがしっかりしていて面白かった

白鳥の湖の演技もとても良かったですね、二人が互いを意識している様子や現時点での潤平と流鶯の力の差やダンスに賭ける想いが表現されていてとても見ごたえのあるシーンでした
それと対になるシーンがラストの海のダンス、このシーンはダンスに向き合ってから潤平にとって一番大切なもの「都」、それから彼にとってかけがえのない「五代スタジオ」「アドリブ」そしてぬるま湯である「居心地の良さ」そういったものとの決別をする象徴的なシーンでした
でも彼が都をどれだけ好きに思っているか、それは彼の表情やダンスでの表現から伝わってきます、本当に都のことが好きだと
アドリブや居心地の良さを捨てるだけなら、今後のバレエ人生を見据えての決断としてよく決断したねで終わりだけど、
大好きな都への想いまで捨てたのは、単に流鶯が都を想う気持ちの強さを見て同情して譲ったというよりは恋愛よりもダンスを磨いていくことを選んだからだと思います
理由は、あれだけこだわっていた男らしさや父の跡を継ぐことや友達付き合いを捨ててまで好きなこと「ダンス」を選んだことと今回の都への想いを捨てたことはたぶんリンクしてると思ってて、そもそも想いの強さが負けたくらいで都をあきらめるとは思えないですし、それは大好きな都よりももっと大好きなダンスを選んだということだと私は思います

都もそんな彼のバレエへの純粋すぎる情熱に惹かれていたのではないでしょうか?
それは潤平と同じようにバレエを大事にしていても、バレエを純粋に愛しているわけではなくてむしろ憎んでさえいるまるでダンスの呪いに取りつかれたような流鶯とは対照的で、バレエへの情熱は潤平に遠く及ばないように思うんですよね
そんな彼に都も危うさを感じているわけで、それが支えないといけないって気持ちになって、才能のない自分が才能のある流鶯の唯一の拠り所になっているという自覚から流鶯から依存されることに依存しているんだと思うけど、都も流鶯もいつまでもそんなことしてるキャラクターには見えないので
流鶯は都に支えられながら成長していって、いつか一人でもやっていけるようになると思うんですけど、そこで都が成長した彼を好きになるシナリオよりも
もう都なしでも流鶯は大丈夫だよ!ってなって一人で世界を目指すシナリオのほうが好きだし、そうでないと都への想いを捨ててバレエに向き合った潤平と対等にはなれないと思ったので
流鶯が一人で立てるようになって依存しあう関係が解消された後にようやく本当の恋愛が始まるとおもいますが、そこで流鶯を選ぶと依存から発展した恋愛ってホントに依存から脱却できているのか微妙ですし、やっぱり最後には純粋にバレエを愛する人に惹かれるんじゃないかな?
※アニメ最終話時点で思ったことなので、今後急展開で変わることは十分あるのでわかりませんけど、流鶯には死亡フラグも感じるのでそっち方面にいったら結構ショックですねー

これから3人がどんなバレエ人生を歩んでいくのか、とても気になります、続きあるなら生川も関わってきてもっと複雑になるのかな?
{/netabare}
【いじめシーン】 {netabare}
・流鶯は学校での態度は最悪だし、スマホを壊して謝らないのは流鶯が悪いのでいじめられるのも仕方ないと思うけど、いじめがかなり陰湿で気分が悪いです
ただ流鶯の態度は不自然でまるでいじめてもらうために行動しているように見えました、
払いのけるだけの気骨があるなら言い返したりやり返したり逃げたりすればいいのになんでやられ放題なのでしょうか?
・流鶯へのクラス全員からのいじめが全校からのいじめに発展して最低な学校だと思った、担任は事前に気づかなかったのでしょうか?{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ダンスダンスはレボらない

原作未読

元はスピリッツなのね。やはり少年誌ラブコメと比較しても一段ギアが上がる感じ。バレエを頑張る少年少女のお話です。
なお、ダンスダンス…ときたらレボリューションと答える私。当然の如くモテツールのヒップホップに健康男子のベクトルは向かうのです。ダンレボに『白鳥の湖』『ドンキホーテ』があるとは寡聞にして知りません。男の子がバレエなんて…とクソガキな私だったら躊躇なく冷やかしてそうな気もします。実際そんな被害に遭って憧れに蓋をした子が思春期を迎え幼少期の情熱が蘇る流れ。

題材が美を求める性質のものとなると、精緻な動きをアニメーションで表現することが期待されます。『プロ野球スピリッツ』と『パワフルプロ野球』どちらのビジュアルに需要あるかというと圧倒的に前者。…と冒頭から妄言全開でそろそろ叱られそうですがそういうことです。たまには後者的なアプローチも面白いと思いますが本作はまごうこと無き前者のアプローチ。モーションキャプチャーばりばりだと放送前特番でしっかりとアピールしてました。

・少年誌ラブコメより踏み込んでいる情愛描写
・普通の男の子がバレエに食指が動くということ
・手足の指先までの踊りの再現度

土台となるのはバレエの再現度すなわち成果物の魅力なんだと思います。体軸のブレや手先の表現についてべた褒めセリフかましてもそう見えなければまるで説得力がありません。まずはこちらクリアー。
目に見えるものが良ければ次の段階ではそこに乗せるセリフの魅力でしょうか。モーションキャプチャーだけ頑張ったアニメと言われないようにするためにはこれも肝心です。こちらもクリアー。
特定の競技を扱いその競技描写が優れていて、そこに携わる人たちの想いが乗ってくればさらによい。ここで初めて好みが別れるんじゃなかろうかと思います。私は“冷やかされて諦めてそれでも悶々としていた”主人公の想いがどう変化してくるかに序盤の尺を使ってたことを評価してます。理由は後述。
もちろん競技者(表現者)のバレエに向き合う態度から想いを推し量るにせよ一人じゃなく複数人いるわけです。分かりやすいとこだとラブ要素なんですけど、そりゃ少年誌より“性”を意識しますよね。最後にこちらもクリアー。

好み別れるとこはしゃーないのですが、わりと基本というか王道を踏まえていて、最低限素材の良さを堪能できる良品なんじゃないかと思います。



※ネタバレ所感

■村尾潤平(CV山下大輝)
冷やかされた恥ずかしさで一度は諦めるも已むに已まれぬなんとやら。

{netabare}洋舞祭りでの独断専行を一つの例にしてもこの主人公は自己顕示欲のかたまりなんですよね。分のわきまえなさって一線級の活躍するような頭一つ抜けた人は多かれ少なかれ持ち合わせてる資質ですけど、実際近くにいたらわりと困る。そんな主人公。
ここで幼少期の断念話に戻ります。いざバレエやると決めるまでの曲がり道がけっこう長かったです。リミッターは森流鶯(CV内山昂輝)に解除されるわけですが、その後の浮かれっぷりときたら。
先天的なものである“性格”を環境因子いわば後天的なものである“我慢からの解放”でブーストさせました。“骨格”至上みたいなとこ作中で説明されるくらい先天的要素重視なバレエにおいても後天的というか積み重ねや行きがかり上のものがうまく絡み合って今がある!みたいな展開が良かったと思います。{/netabare}


■一対一のキャラ相関がせつない
見てると各キャラ自分に足りないものや欲しいものを他の誰かが持ってるなんてことがザラでした。

{netabare}例えば主人公クラスなら“華のある”潤平と“華のない”流鶯。
逆もしかり。高さがあって正確な流鶯と低くて粗削りな潤平。
母から見放された千鶴は日本トップクラスのプリマとなり、寵愛を受けた真鶴はバレエとは別の道へ。
その子供たち。孫の五代都(CV本渡楓)と流鶯とでは呪縛のかかりっぷりが対照的。そして共依存。
プリマに向いてない五代都(CV本渡楓)と対照的な生川夏姫(CV福圓美里)。こちらも身長で逆転現象が。

『才能』『考え方』に留まらずいろんなものを、誰かスーパーワンな存在が総取りするのではなく、各キャラに凸凹上手く分配しているようでした。
それなりに主要キャラ多めな数ある作品の中でもAさんとBさんとの対比がところどころになされ過ぎていることはこの作品の特筆すべき点かもしれません。{/netabare}


最後に、男子が少ないゆえの希少価値。そんなよりどりみどりにガキの頃から気づいていたら私もモテ人生を歩めてたかも、と妄想ダンス。
…なーんてことを思いつつ、下心全開の本作主人公くんと干支何周りしてる私も似たようなもんだと目を細めるのでした(違っ)。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22

62.2 2 サイボーグで恋愛なアニメランキング2位
アスラクライン(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (369)
2433人が棚に入れました
高校1年生を期に一人暮らしを始めることにした主人公・夏目智春。彼は3年前から自称守護霊で幼馴染の美少女水無神操緒に取り憑かれていた。
智春の兄、夏目直貴が暮らしていたオンボロ屋敷・鳴桜邸(めいおうてい)に引越した日、鳴桜邸に二人の美女が来た。兄、直貴から託されたという銀色のトランクを届けにきた黒のスーツの美女・黒崎朱理、そしてその晩、トランクを奪いに鳴桜邸へ忍び込んだ巫女装束の美少女・嵩月奏。この銀色のトランク「イクストラクタ」を手にした事を契機に、智春は世界の隠された真実と向かい合う。(

声優・キャラクター
入野自由、戸松遥、野中藍、田中理恵、森久保祥太郎、佐藤聡美、矢作紗友里、下野紘、豊崎愛生、こやまきみこ、石住昭彦、日笠陽子、甲斐田裕子、間島淳司、喜多村英梨、中井和哉、大原さやか、石塚さより、高木礼子、織田圭祐

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

世界の隠された真実と向き合う物語・・・登場人物の心意気に感動した作品でした^^;

この作品は、分割2クールの前半に相当するものです。
この作品の主人公は、この春高校に入学する夏目智春(なつめ ともはる)。彼は所謂普通の学生なのですが、3年前の飛行機事故で、同乗していた幼馴染の水無神 操緒(みなかみ みさお)を亡くしてしまい・・・それ以来、彼女は守護霊と称して智春に取り憑き、色々とツッコミを入れる明るい性格の幽霊と一緒に暮らしています。

高校入学直前、突然一人暮らしを余儀無くされた彼がオンボロ屋敷に引っ越してくると、智春の兄から預かったという銀色のトランクを、大切な物だから・・・と言って渡されるのです。
しかし、そのトランクには蓋がなく開け方が分からなかったので取り敢えず片付けておくのですが、その夜、巫女装束の侵入者が奪いに押し入ってきたのです。
ですが、トランクを奪いに来たのは巫女装束の彼女だけではありませんでした・・・
こうして銀色のトランクをめぐり物語が動いていきます。

そのトランクは機巧魔神(アスラ・マキーナ)と呼ばれるもので、動かすためには副葬処女(ベリアル・ドール)という生贄が必要となります。副葬処女は実体を持たない射影体・・・智春の場合は操緒ちゃんになるので、「生贄」という表現は適切じゃありませんけど・・・^^;
副葬処女は、演操者(ハンドラー)と呼ばれる機巧魔神を召喚できる人間の願いを叶え続けるのですが、機巧魔神を動かす対価として支払わなければならないのは、決して無くしも減らしもしたくないモノでした・・・
だから、機巧魔神は決して容易く動かせるモノではないのです・・・

もう一つ、この世界には悪魔が存在します。決して人間に害を与える存在ではなく、魔力が使える存在・・・という言い方の方が合っているような気がします。
悪魔は魔力を使えるのですが、こちらにも使用に伴う代償を支払う必要があるのです・・・
契約者と契約している場合は、魔力の使用によって契約者が契約悪魔への愛情を徐々に失ってしまいます・・・
そして、誰とも契約せずに魔力を使い続けると、非在化という現象が発生します。
軽度な非在化はそれほどでもないのですが、重度に進行すると身体が硝子の結晶のように変化してしまい、やがて消滅・・・死亡に至ってしまいます。
この魔力も出来れば使いたくない力です・・・^^;

強い力があります・・・でも、その力を使うには対価が必要です・・・
それじゃ、そこまでして本当に強い力を使わなければいけないのでしょうか・・・

主人公で機巧魔神の演操者である夏目智春には、副葬処女として水無神 操緒が、そして悪魔である嵩月 奏(たかつき かなで)が、智春のために自らを顧みることなく身体を張る姿を沢山見る事ができるのですが・・・
頑張っている分だけ、対価が彼女達から削り取られていると思うと、正直だいぶ心が痛みました^^;

心が痛む原因として2人のヒロインが良すぎた事・・・があったと思います。
操緒ちゃんのCVは戸松遥さんでした。操緒ちゃんのキャラの立ち位置はSAOのアスカ・・・キリトと仲の良い時のアスナによく似ていると思いました・・・戸松さんがこの立ち位置のキャラを演じたら完璧だと思っていましたが、まさに期待以上でした^^
流石戸松さんです♪
そして、奏ちゃんのCVは野中藍さんでした。奏ちゃんのキャラは人見知りで話しが苦手な性格の持ち主なのですが、一本筋の通った性格の彼女がうまく表現されていたと思いました。

でも、心が痛むのは主人公に対してだけじゃありません。
物語の中には、機巧魔神も悪魔もたくさん出てきます・・・それぞれが、それぞれの想いを胸に秘めて闘いが繰り広げられたり、仲間を助けようとします・・・
本当に失いたくないモノに対する後悔にならない後悔・・・大切なモノが掌からこぼれ落ちる様・・・そして2度と戻ってこない過去・・・
振り返ってみると、悲しみに満ち溢れた作品だったように思います。

それでも、「守りたいから・・・」という理由で自分の身に何が起こるかを知っていながらも頑張る彼女達の姿は、もう涙無しでは見れませんでした^^;

この作品は1期13話でしたが、分割2クールの後半が楽しみで仕方ありません。
もし、後半も面白かったら「お気に入りの棚」に是非入れたい作品になると思います^^

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ギャルゲーの主人公みたいな主人公がちょっとむかつきますね。うらやましいな。

ストーリー

この作品の主人公、夏目 智春は高校入学を機に一人暮らしを始めることにしました。その一人暮らしを始めた所は智春の兄の夏目直貴が暮らしていたオンボロ屋敷の鳴桜邸っと言う所です。しかし、智春が引っ越してきたその日にある二人の少女がやって着ました。直貴から託されたという銀色のトランクを届けにきた黒のスーツの美女の黒崎朱浬とそのスーツを狙う巫女装束の美少女の嵩月奏でした。はたして、そのトランクになにが入っているのだか・・・

私の感想。

この作品は結構おもしろかったですね。はじめはどうかと思いましたが見ていくうちに少しずつおもしろくなっていきました。はじめこの作品がなぜあまり気に入らなかったと言いますと、やっぱりキャラクターデザインですかね。なんていいますか、今まで見た事が無いキャラクターデザインだったのですが、そのキャラクターデザインは最後にはかなり気に入りました。

そして、この作品の戦闘シーンが結構迫力が合って面白かったです。とくに機巧魔神を使った戦闘がかっこよかったです。普通の人間の戦いと違って迫力が違いました。

そして、何よりこの作品がおもしろかった所は主人公の夏目 智春の性格でしょうか、なんであれほどいろいろな女性から行為を向けられるのでしょうか・・ 作品としてはかなりおもしろいですが、(そして、私好みの作品ですが、)なんだか超うらやましくてむかつきます。私も人生の中で一度はああいう出来事は無いでしょうか・・・

私がこの作品の中で一番気に入っているキャラクターは嵩月 奏です。なぜなら、彼女のオッドアイな所がかなり萌えポイントだと思います。ってかかなり萌えました。オッドアイ可愛いですね~ 萌えですね~ 

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

この作品はかなり結構世界観がはじめは世界観がまったく意味が分かりませんががんばってある程度まで見てください。おもしろいので、是非見て下さい。噂ですともう2期があるっという事なのでそのほうもかなり楽しみです。

オープニング

「Spiral」
なんだか渋いっていうか、なんだか女性ボーカルな曲なのですがかっこいい曲です。キャラクターデザインもかっこいいですし、ネタバレもほどほどでいいですが、曲がかっこいいです。全体的にかっこいいです。

エンディング

「Link」
オープニングと比べて静かで穏やかな曲です。しかも結構かわいい曲です。ヒロインたちが可愛いです。そして、バックに移した画像がかなりかっこいいです。この作品の曲は何でこんなにかっこよくしているのでしょうか・・

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

チュウ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

インパクトには欠けるが、非常にバランスの取れた作品

ん??意外と面白いぞ♪♪
シナリオ・キャラ・設定ともにグンを抜いた良さはないものの、どれも結構良い味を出していますね☆★
少し説明不足が否めないところ、話につじつまが合わないところ、などのマイナス要素もありますが、笑いアリ、泣きアリのバランスが取れていた作品だと思います!!

主人公の夏目智春は、何故かいろんな女性キャラにモテまくるギャルゲーの主人公的要素を兼ねていますねww
主人公にいろいろな人が慕ってくれ、みんなで力を合わせてといった王道的なところも個人的は結構好きですね♪♪

音楽に関しては【angela】は流石ですね♪
ファフナーを始め、こういうシリアスが入ったバトルものと相性は抜群♪♪
OP・EDがこの作品の魅力を引き出していますね☆★

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

66.0 3 サイボーグで恋愛なアニメランキング3位
サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER(TVアニメ動画)

2001年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (76)
478人が棚に入れました
1964年に『少年キング』で連載をスタートした石ノ森章太郎(当時は石森章太郎)による人気漫画「サイボーグ009」は、1968年にはTVアニメ化され、バラエティーに富んだサイボーグ達の活躍で人気を博した。また、当時としては画期的な社会派作品としても注目を集めた。そして2001年、この名作が新作アニメとして復活。2001年10月からテレビ東京ほかにて放送され、最新技術を駆使したクオリティの高いアニメーション、小室哲哉の書き下ろしによる音楽、globeによるOP&EDなど豪華な内容で話題となった。
見覚えのない部屋で目を覚ました少年・島村ジョーに、突如謎の敵が襲い掛かってきた。しかし、ジョーは簡単に敵を倒してしまう。自分の能力に驚愕するジョーに、何者かがテレパシーで語りかけてきて…。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、植田佳奈、森久保祥太郎、ゆきのさつき、飛田展男、大塚明夫、茶風林、チョー、岩田光央、麦人

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

戦いだけでなくサイボーグ戦士たちの心を描いている

この物語はサイボーグ戦士たちが悪の組織ブラックゴーストと戦う物語ですが、一つ一つの戦いの中で、人間とは何かということを、結構深く考えさせられます。

原作は石ノ森章太郎さんです。1964年に漫画を描かれてから、もう60年近くになります。


主人公は島村ジョー。彼は崖から転落後に意識不明となったところをブラックゴーストに体を改造されてサイボーグ戦士009となるのですが、仲間のサイボーグ戦士たちと一緒にブラックゴーストから逃げ出します。

ブラックゴーストは戦争を生業(なりわい)とする悪の組織。決して裏切り者を許しません。
次々と刺客を送ってきて009たちを抹殺しようとします。

刺客の0010は、決して手と手を触れ合うことができないように改造された兄と弟。触れ合えば、お互いの電流がショートして二人とも死んでしまいます。

刺客の0011は脳以外は全て機械でできた体。彼は生身の体に戻してもらうことを条件に009たちの抹殺を引き受けます。彼の目的は、生身の体に戻り家族のもとへ帰ること。ただそれだけでした。

刺客の0013は発達障害だった少年。サイボーグとなり、障害のない優秀な頭脳になりますが、昔いつもジョーから助けられていたため、どうしても009を抹殺することができません。

それ以外に、全身を動物の体に改造されたサイボーグや、決して死ぬことができず数千年も孤独なままでいるサイボーグ(?)など、戦い以前に深く深く考えさせられてしまいます。

そして009の仲間のサイボーグ、001から008のみんなも、それぞれ悩みを抱えています。
でも彼らは、悩みながらも前向きに生きています。

全話は51話ですが、48話迄が本編であり、残りの3話はおまけと思った方が良いでしょう。

オープニングは小室哲哉さんが作曲した「What's the justice?」とても美しい曲です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

体 が 溶け出 す この奇 跡を 待ってた――――――――――――

原作はご存知、オイラが日本の最強漫画家の一人と疑わない石ノ森章太郎先生のライフワークとも呼ぶべき代表作
それぞれが悲運を背負いながらも悪と戦う、9人のサイボーグが繰り広げる『SF異能力チームアクション』の元祖


コレはいわゆる第3期テレビアニメ版、或いは平成版といわれてるヤツでつ
全48話+非ソフト化の総集編1話+完結編2話+未放映話1話(サーセン;←コレはいまだに見たことがないんです)
もはや伝説の第2期(吹きすさぶ風が~♪)の方にはなんの思い入れもないので、ゆとり世代よろしくオイラはコチラを紹介させていただきます


関東では裏番組に日本最高視聴率を誇るのアニメ番組である『サザエさん』が控える日曜夕方6:30枠に構えるという妙に強気で挑んだ意欲作


視聴率こそ惨敗でしたが、再現度の高いキャラデザや過去作より当然のごとく進歩した技術力を用いての戦闘シーンの描写(特に加速装置がサイコーですね^^)が国内外の石ノ森ファンからの賛辞、ひいてはオイラのような新規ファンの獲得に至ったわけです


これで『スカルマン』ぐらい作画が良かったら本当に傑作だったんですけどねー
そこは水準が低めだったゼロ年代初期のアニメ界事情と安定感重視の通年モノの宿命でもありました;


スタッフ&キャストは当時の若手ばかりに一新
音楽はavexがスポンサーだった関係で「俺たちのTK」こと小室哲哉が、主題歌はglobeが担当でした
コレが昨今横行する無理繰りなタイアップと言うわけでもなく、今作に合わせたOPの演出や一部歌詞の変更など細けぇところにも拘るイイ仕事をしてくれましたT_Tナケルゼ!
OPのゼロゼロナンバーのカウントアップは実際の音源には無い演出なんです
くぅ~!>_<アツイっす!!!


お話の構成自体は原作に忠実、48話で彼らの宿敵ブラックゴーストを倒すところまでです
ただ当時で原作から35年余りの時を経ての映像化ということで激変した世界事情などを考慮し001~004までは過去の戦時下に作られ凍結されていた初期サイボーグという設定に切り替えられました


で!凄いのはやはり幻の完結編を最終回に持ってきたところ!
石ノ森先生自身が009をメタフィクション宣言してしまうところから始まるショッキングな内容です・・・実質これが先生の遺稿なので、アニメ化されただけでもファンには胸アツ!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

丁寧に作られていて良かった

2001年版アニメサイボーグ009です。
リアルタイムで一部見て楽しんでいて、今回改めて全話視聴しました。
原作は読んでいないのですが、このアニメだけでも楽しめました。

皆さん書かれてますが、OP私もすごく好きですね。
音源もよく考えて使われていて、絵コンテや演出も素晴らしいです。
序盤で使われていた第一話の編集版もシーン選択が良く、もともと作画も力が入っていてこちらも好きです。個人的には甲乙つけがたいですね。

ストーリーのフォーマットは勧善懲悪ですが、敵の設定がしっかりしていて背景を想像しやすく、かつ葛藤や苦悩も描かれます。逆に非道で残忍な敵もおり、その対比も作品のテーマによくはまっていたと思います。
00ナンバーたちの成長・変化に、仲間や普通の人々との交流だけでなく敵との出会いも影響していることもしっかり描かれていました。

{netabare}
また本筋ではない単品の回も良い話が多かったです。
原作にもとからあったエピソードも多いようですね。コミカルな回にも心暖まる要素があったり、重い話にも希望が感じられたり、多面的に楽しめました。
尺の調整や演出など、無理なくアニメに落とし込めていたのではないかと。
「張張湖飯店繁盛記」「青いけもの」「結晶時間」「星祭りの夜」が特に好きです。


キャラクターは、原作からよくできていることもあって、キャラかぶりすることもなく描写に(フランソワーズ意外は)ブレもなく、全体的に良かったと思います。
ただ、いくつか詰められていない部分があるとも感じました。

まず、ピュンマの掘り下げが足りないこと。
ピュンマのメイン回はあと2話くらいあっても良かったなあ。つらい過去を背負いながらも冷静で穏やかで、時に縁の下の力持ちのような役回り、珍しい中東のキャラクターなのですごく惜しいです。
レギュラーキャラでもゲストキャラでも、色んなキャラとの絡みが見たかったです。「なぞの無人島」や「凍る大地」のような珍しい組み合わせの話、ピュンマにもあればなあ、と。(あと、アドリブ少ない岩田さんてあまり見たことなかったし、もっと聞きたかったなあ…笑)
キャラはしっかり立ってますが、アニメオリジナルで一話くらい作っても良かったと思います。

それから、フランソワーズの描写です。
フランソワーズは序盤では、女性らしく繊細ながらも気の強さや意思の強さも感じられ、00ナンバーサイボーグらしいヒーロー性も見え隠れしていたと思います。
ですが、回によってはただのヒロインになってしまったり、ジョーへの恋心が良くない方に描写されてしまったり、すごくもったいなく感じました。
とくにミュートス編とヨミ編は良くなかった…(wikiの情報が正しければ、同じ脚本家の方ですね…)
ジョーのロマンス要素の多さがさらに良くなかったです。
ジョーもフランソワーズに惹かれている描写があるにも関わらず、わずか1エピソードのみのゲストキャラとの関係が簡単に恋愛に発展しているように見え、必然的にフランソワーズのヤキモチは増えてしまうのですよね…

脚本家全員がキャラクターを一貫して描くのはすごく大変なのでしょうが、紅一点でとても目立つだけに、もっと気を使って欲しかったです。


とはいえ、それ以外は好きな要素がたくさんあってなかなか楽しかったです。
そしてラストに完結編の序章を入れたことは、本当に思いきった選択だと思います。私はこういう思い切り、好きですね。
物語には終わりがあってこそだと常々思ってはいますが、原作を忠実に、となれば外せなかったというのは納得できますし、この作品ばかりは未完であることが、不思議と収まり良くも感じます。ヨミ編で終わるとジョーとジェットが行方不明になっちゃいますし。
{/netabare}

リアルタイムでも今回見直しても、やっぱり魅了された第一話ですが、監督の演出で作画にも力が入っていて、かつ掴みの良い素晴らしい回でした。
そこから一年という長丁場、視聴者に対してごまかしたり媚びたりすることなく、真摯に作られた作品だと感じています。
今秋イベント上映される新作アニメ、同じ川越淳監督ということで、今度もこういう真摯な作品であることを願いつつ、楽しみにしていたいと思います。(2016.3)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9

58.9 4 サイボーグで恋愛なアニメランキング4位
Cutie Honey Universe(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (65)
197人が棚に入れました
「キューティーハニー」は、美少女アンドロイド・如月ハニーと謎の犯罪結社・パンサークローの戦いをお色気描写たっぷりに描く物語。「Cutie Honey Universe」では“カッコかわいい”というコンセプトのもと、新生ハニーが大活躍を見せる。

声優・キャラクター
坂本真綾、内田真礼、黒沢ともよ、花澤香菜、田村ゆかり、三森すずこ、堀江由衣、浅沼晋太郎、田中敦子、釘宮理恵

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

原作のエッセンスを取り出して現代版として再構築を試みた?

とりあえず1話を観た限りでは、原作『キューティーハニー』(永井豪)のストーリーを冒頭からなぞろうとしているアニメ作品ではありません。

『キューティーハニー』という作品の高い知名度を生かしてということなのでしょうか、今更ハニーがアンドロイドとか空中元素固定装置を使って変身できるとか、そういう説明は一切すっ飛ばしてハニーがパンサークローと戦う様子が描かれた第1話でした。

設定的にもPCISというパンサークロー対策を担う国際組織があったり、早見青児(はやみ せいじ)が新聞記者ではなくてPCISの捜査員であったり、如月ハニーが公式にPCIS所属のエージェントだったり、パンサーゾラはいなくてシスタージルがパンサークローの首領だったりといった差異が存在します。

ですが、変身時の「ハニーフラッシュ!」の掛け声や変身時に全裸になったりする点、あるいは戦っている最中に敵の攻撃により衣服が破れたりしてはだけていく点などは原作あるいは旧作アニメと同様です。

ハニーが通う聖チャペル学園や、ポチ校長、アルフォンヌ先生といった教師陣、女子学生寮の寮長である常似ミハルや友人の夏子、そして青児の家族である団兵衛や順平などの主要キャラクターも引き継がれています。

本作は私たちの記憶に残っている「キューティーハニー」像を現代的な設定の下で作ることを試みたリメイク作品であると思いました。

なお、本作では「7変化」のうちの如月ハニー/キューティーハニー(CV: 内田真礼)以外の5形態は、形態毎に別キャストらしいです。つまりハニー役の声優さんが計6人いるということらしいのですが、面白い試みですね。

原作でも変身形態で体格自体が変わったりしていたような気がする(ハリケーンハニーがゴツかったりとかそんな感じ)ので、キャスティングとしてはある意味原作準拠かもしれないです。

パンサークローの目的が「ハニーを倒す」ことではなくて「空中元素固定装置の入手」であるというのは、本作ではわかりやすく描かれていると思いました。

なお、戦闘中は単なるイメージの問題なのか設定としてなのか良くわからないですが、異空間的な感じの場所で戦っています。技のエフェクトに(ちょっとチープっぽくも見える)CGを使っていたりとか、作画の手数をある程度減らす方向の演出が行われているようですね。

それと、キャラクターデザインがやや永井豪寄りというか今風じゃないところが多々あります。

果たして、今時のアニメとしてこれはウケるんでしょうか…?

2018.11.20追記:
すっかり忘れていましたが、今頃になっての更新です。如月博士によるハニー誕生時のエピソードは1話目ではなく2話目で出てきましたね。

キャラクターデザインは良くも悪くも原作に寄っていまして、シスター・ジルのみならず変身後のキューティーハニーの体形なども、ある意味では正しく無駄なリアリティというか、かなりガタイが良い感じになっています。

作画やキャラクターデザインの面ではより制作年代が古い筈の『キューティーハニーF(フラッシュ)』や『Re:キューティーハニー』の方がウケるのではないかという気もします。これらの作品の方がハニーはカワイイので…。

設定は現代寄りになっていますが、敵の偽装や敵からの寝返りキャラの存在、身近な人間の死などストーリー自体は思った以上に永井豪原作っぽさはありました。案外原作者はこの作品には特に不満がなかったりするかもしれないです。知らんけど。

ただ原作自体にストーリー的には『デビルマン』のようなテーマ的な強さがないと思うので、キャラクターデザインや作画で視聴者に離れられるとかなり厳しい作品であると思います。

このような絵柄で勝負するのであればストーリー的にはハニーが色々な物を失って精神的に追い詰められていく辺りを見せていかないといけないのだと思いますが、そこも充分に描けているとは言えません。

主題歌変更とA応Pの起用は何か政治的な事情もあるかもしれませんが、これも良い結果にはつながらなかった気がします。

ということで、結論を書くとわりと中途半端感の残る残念作品なのでした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

童心には帰れず・・・声優さん目当てでした。

感想

1st、新、F、Re、Universeと続く5期目になるのかな?
子供の頃1stを観てた自分としては、懐かしさを感じれず
大人が観るものじゃないなぁってのが率直な感想。
話も単純で面白くないし、昔の流れそのままで敵もワンパターン。
よく言えば懐かしいかもだけど、やっぱ古臭い。
今日び、目の肥えた子供じゃ絶賛する子なんて少ないんじゃない?
それに、出てくるちっさいおっさんと子供がハニーにセクハラ爆発で観るに堪えないです。
てか怒りすら感じるレベル。女性ならもっとだと思う。
ちょっとセクシーなシーンがあるからか、深夜放送だったけど、内容自体は日曜朝枠の子供向け作品だと思います。

ハニーを演じる坂本真綾とは別に、五形態の声を、内田真礼、田村ゆかり、 黒沢ともよ、花澤香菜、三森すずこ の豪華声優が分散して演じているので、声優目当てに観るか、永井豪作品のファンは楽しめるのかも。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

"最強で最嬌な女の子❤"新生ハニーがリブート!!

本作品は、「DEVILMAN crybaby」「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」と続いた、永井豪先生の50周年記念アニメの最後を飾る作品です。

私は、小さい頃初期のキューティーハニーは再放送かなにかで見た記憶がありますが、OVAや「キューティーハニーF」は未視聴です。
そう考えると、キューティーハニーを見るのは何十年振りになると思います。

この物語の主人公は、聖チャペル学園に通う如月ハニー…
そして今度の敵はシスター・ジル…

ここまでの設定は概ねこれまで通り…
この作品で最もぶっ飛んでいるのはキューティーハニーのキャストです。
キューティーハニーは「空中元素固定装置」を用いて7変化するのですが、それぞれのハニーごとにキャストが異なるんです。
つまり、通常時と戦闘時以外変身する5つの姿それぞれに声優さんが配役されているんです。

一人のキャラを6人の声優さんで演じる…
これまで一人が複数のキャラを演じる、という逆はたくさん見てきました。
でも今回のケースは私の知る限り初めてのような気がします。

それだけじゃありません。
ハニーに起用された声優さん…これが半端無いんです。
坂本真綾さん、まややん、ゆかりん、黒沢さん、花澤さん、みもりん…
改めて永井豪先生の紡いできた50年という時間の重さを感じずにはいられません。

物語の方ですが…永井豪先生の作品だけあって、やっぱり痛みはゼロではありません。
シスター・ジルは執拗に「空中元素固定装置」を狙ってきます。
そのやり方は狡猾…最初は直接ハニーを狙ってきましたが、次第に魔の手が周囲に広がっていきます。
そしてふと気がつくと、シスター・ジルの狙いは明らかに初期の頃とは違ってきているんです。

それはハニーが最も苦しむ手段であることを知っているから…
ハニーが心を痛めない訳がありません。
みんなと過ごす学園生活…
友達もたくさんできました。
特に、ほっしゃん演じる秋夏子とはルームメイトでもある大親友…

きっかけは自分自身かもしれない…
交わした約束は守らなきゃいけないのは分かってる…
けれど仲間を危険に晒すのは違う…絶対守るって誓ったのに…

懸命に手を伸ばしました…
きっとこれ以上ないくらいの全速力で走りました…

でも悲しい事ばかりではありません。
パンサークローのメンバーも一枚岩ではなかった、ということでしょうか。
気持ち…思い…願い…
言葉にすると軽く見えますが、人と人を繋ぐ大切な絆たりえるんだと思います。
この物語の示す先には何が待っているのか…?
気になる方は、是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、A応Pさんの「愛がなくちゃ戦えない」
エンディングテーマは、luzさんの「SISTER」

1クール12話の物語でした。
久々にキューティーハニーを見ましたが、しっかり堪能させて貰いました。
機会があったら過去作も見てみたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10
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