2020年度のサイバーパンクおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2020年度のサイバーパンク成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月12日の時点で一番の2020年度のサイバーパンクおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.4 1 2020年度のサイバーパンクアニメランキング1位
PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR(アニメ映画)

2020年3月27日
★★★★☆ 3.8 (223)
1331人が棚に入れました
2120年、東京。シビュラシステムによって管理された社会で、刑事課一係を率いて事件を解決してきた二人の監視官、慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフは、事件を捜査していく渦中で真実と正義を巡り決裂してしまう。それらの事件の裏で暗躍する梓澤廣一は、ついに刑事課そのものを標的に定め、公安局ビルを襲撃する。かつてない窮地に立たされた公安局刑事課一係。灼と炯の信義を問う、最後の事件が起きる――

声優・キャラクター
梶裕貴、中村悠一、櫻井孝宏、大塚明夫、諏訪部順一、名塚佳織、沢城みゆき、佐倉綾音、日髙のり子、宮野真守、中博史、日笠陽子、森川智之、堀内賢雄、矢作紗友里、関智一、野島健児、東地宏樹、伊藤静、本田貴子、花澤香菜
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

亡霊たちの宴、終幕。

ProductionI.G制作、SF×サスペンス。

乱雑する全ての点が線となり集約され、
ここに亡霊たちの宴が幕を閉じる。
人物を動かすあらゆる動機が露呈された。
シリーズ最高評価点を贈りたい。

正義を巡り決裂した灼と炯・イグナトフ。
{netabare}暗躍するインスペクターが公安局を襲撃する。
仕組まれた自動車事故、微笑むコングレスマン。{/netabare}
かつてない窮地に立たされる公安局刑事課一係。
占拠された公安局ビルでダイハードが始まる。

シビュラシステムの盲点が照準である。
複雑に入り組んだ事件の真相は、
それぞれが抱く正義と信念をもとに、
その分岐点が交錯し始めるのだ。
{netabare}ビフロストの真の目的とは!?
一介の駒である梓澤のその真意とは!?
そして法斑静火の行動原理、
圧巻の映像描写は健在で臨場感が凄い。{/netabare}

シビュラはまだ進化の途上であるのだ。
高度に拡張した完璧なシステムの構築に、
膨大な外部情報だけでは測れないもの、
亡霊とは設計図から零れ落ちたバグである。

灼が語るこの言葉こそ物語の本質である。
{netabare}「ドミネーターには引き金が付いている」
つまり責任はまだ「人間側」にあるのだ。{/netabare}

躊躇する存在こそ人間なのだろう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

き、汚い!。流石サイコパス汚い。

フェイトがおじゃんになっちゃったので、急遽予定変更してサイコパスを鑑賞。正直3期は微妙だったし、アマプラで見れるから…と期待はしてなかったのですが、面白れぇ…じゃねぇかこれ。


しかし、やはり汚い!。詳しくはネタバレ注意なんで言えないですが、こんな終わらせ方は汚い!。でも…、好きってなってしまうのが罪深い。そもそもディケイドじゃあるまいし、続きは劇場で!はないと思いますが、ソフトが売れない今は色々厳しいのかも。


正直言って作画は劇場版に相応しい超豪華仕様じゃ全くありません。テレビのクライマックスな2、3話を劇場にかけた感じです。しかし、微妙だった3期が見違えるほどに面白い!。終わらせ方はともかく、一本の映画として充分ストーリー、キャラが魅力的だから善し!。正直私は全シーン作画がしっかりしてないと許せないタイプではないので。作画の粗捜しはつまらないことです。


とにかく、今回は梓澤の悪役としての魅力が全体にしっかり芯を通してるし、目標もハッキリしているアクションサスペンスとしてかっちり構成されてます。キャラの台詞がいちいちキマっててどこか箴言じみている味わいがあるのも善し。


多くのキャラ、多くの事態が入っていますがゴチャゴチャにならず2時間15分くらいが凄く充実しています(充実し過ぎて久々に膀胱がヤバイ…って状態に)。


終盤の事件の収拾が少々軽かったり、そもそもあの終わり方…とか言いたいこともあるが、3期でガッカリした人も充分見る価値あります。


最後に、梓澤と相棒のハッカーのおデブちゃんの関係がめちゃ良い!。彼等の活躍をもっとテレビ…とは今更言ってもせんないこと。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

シビュラの帰還

AmazonPrimeVideoの編集版を視聴。

【物語 3.5点】
『~3』としては大風呂敷を畳むも、
『PSYCHO-PASS』としての論点は、語る土台を整えるに留まる。
とは言え、刑事ドラマとしてシリーズが脱線、霧散という最悪の事態は避けられた。


道中、シリーズの象徴である“ドミネーター”の出番を制限してまで、
アクションや人質に交渉、脅迫、“狐”やブラフなども飛び交う、
刑事ドラマSPらしいお祭り騒ぎを繰り広げた時は、
興奮はするけど、もう『PSYCHO-PASS』は戻って来ないのでは?
とワクワクとイライラが入り混じった複雑な気持ちにさせられましたが、
最後はちゃんと『PSYCHO-PASS』として着地。


結局、{netabare}いつも通りのシビュラ圧勝でしたw{/netabare}


【作画 4.5点】
各組織の“代表選手”が激突する格闘戦、銃撃戦、ドローン戦などが
よく動く作画でド派手に演出されている。

もっとも、私のベストバトルは……{netabare}“ダンゴムシ”無双ですが。{/netabare}


描き込まれた背景美術に重ねられた季節の描写も頑張っていた本作。
降り止まない雨ばかりでなく、
雪降りしきる真っ暗な冬から、やがてやって来る花吹雪舞う新しい春へ……。
春公開の意外なタイムリー性を見せる。


霜月課長の変顔もあるよw


【キャラ 4.0点】
華やか。舞台を公安局とその周辺にしぼることで、
現状のオールスター戦が実現。


『~3』の新主人公キャラの灼(あらた)については、
シビュラとの関係性も含めて立ち位置が明確になり、
罪を憎んで人は執行せず裁きにかけるという性格が改めて強調。


今後、旧主人公の朱の構想や、狡噛の価値観と、
どう関わり、対峙していくかが、
『~3』が壮大な伏線だったか、脱線だったか、
決定付けるポイントになると思います。


梓澤(あずさわ)は、“紙の本”で読書する中々のボスキャラでしたが、
1期の例のあの方には、やはり及ばず……。

むしろ、スタッフさんたちもそれは承知の上で、
及ばない様を、シナリオで生かす道を模索した感があります。


【声優 4.0点】
主要キャスト陣らが引き続き安定。
ブラフ合戦が醍醐味になるのも役者の好演あってこそ。

天才クラッカー・小畑千夜役を演じた矢作 紗友里さんの悪態と、
受け流す梓澤廣一役の堀内 賢雄さんの掛け合いも程よい毒スパイス。

CV野沢 由香里さんとCV斧 アツシさん。
ベテラン勢が演じた“ピースブレイカー”残党も
“亡霊”として渋味が効いてグッド。


【音楽 4.5点】
劇伴は『~3』からのメインテーマが要所で活躍。
新旧キャラが“肉体言語”で会話するシーンでは、
旧メインテーマの旋律もアレンジされ対決を盛り上げる。

OPはWho-ya Extended「Synthetic Sympathy」
雨が降り止まない首都の闇をハイスピードで駆け抜ける快作。

EDはCö shu Nie「red strand」
変拍子も交えて歪んだ世界をかいくぐり意志を貫き通す。


なんだかんだ『~3』の一番の収穫は新OP&ED主題歌体制の確立。
特にWho-yaの抜擢は大きかったと思います。


【感想】
どこぞの中央銀行が利下げした、統計発表がどうだった。
テロが起きた、選挙結果が意外だった……。

現代の市場取引は、世界情勢などにも反応して、
自動的に売買を即断するアルゴリズムによって、
超高速マネーゲーム化している……。

とすると仮に市況を一変させる出来事を操作、創造できるとしたら、
これはもはや大きすぎて摘発されないインサイダー取引だな……。

本作を視聴していて真っ先にこの着想を思い出しました。


過度な刑事ドラマ路線傾倒への懸念はひとまず払拭されましたが、
22世紀が舞台のSFとして未来を見せてくれたかと言えば、
扱われた問題は、引き続き21世紀的だったと思います。

ビブロストとの戦い自体……
{netabare}シビュラ開発過程で残った過去の問題の精算でしたし。{/netabare}


さらにここに来て、朱が、{netabare}法による人とシステムの保護を提唱し出した件。

そう言えば、そもそも法治主義が何故崩壊したのか。
そこからシビュラシステムがどう確立されたのかについては、
語られていないことも多い印象。

もしも朱が法治主義の復活を目論むならば、
今後の物語は多分に温故知新の様相を呈していくと思われます。{/netabare}


因みに劇場公開版の方は、EDクレジット後に今後の展開も匂わせる映像が追加されているとか……。
流石に新型コロナ感染リスクを冒して劇場に遠征する勇気はないですね……。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

76.4 2 2020年度のサイバーパンクアニメランキング2位
アクダマドライブ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (360)
1225人が棚に入れました
遙か昔、カントウとカンサイの間で戦争が起き、世界は分裂した。カンサイはカントウの属国となり、独自の発展を遂げていった。しかし、政治と警察力は衰退し、犯罪が横行。その犯罪者を“アクダマ"と呼ぶ――。 本作品の舞台となるのは、高度に発達しながらも歪んだ社会。その中で、アクダマたちはいかにして自分らしくあろうとするのか。一堂に会したアクダマたちの美学がぶつかり合う。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、梅原裕一郎、武内駿輔、堀江瞬、緒方恵美、木村昴、櫻井孝宏、大塚明夫、花守ゆみり、榊原良子、内田真礼
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

浪花節な古事記

オリジナルアニメ 

“アクダマ”とは作中でいう犯罪者のこと。そう言えばいいのにしてないのはそういう世界だから。
その昔「カントウ」VS「カンサイ」で戦争勃発。カントウが新型爆弾を落として決着。焼け野原になったカンサイの復興を助けたりもしてカンサイ人はカントウに感謝するようになった、とのこと。

メタで馴染み深いものが仕込まれてそうですが、当該世界はオリジナリティあるんじゃないかしら。
2020秋スタート新作の中では第1話の引き込みがぶっちぎりで良かったのがこれ。構成がしっかりしてるとか心情描写が丁寧だとかいうのをいったん置いときまして

 {netabare}作った人の頭ン中を覗いてみたいぜ!{/netabare}

人間の想像力は際限ないなと実感できる“架空の世界”を堪能しちゃえばええじゃないかと思うのです。
“アクダマ”が疾走(ドライブ)する全12話。IF世界の近未来モノ。今年2020年でいえば『ドロヘドロ』と同じくどうも言葉に落とす作業が難儀な作品です。「1話観て合いそうかわかるよ」死体がゴロゴロ転がります。そこ本筋ではないもののそれ自体が嫌という方には撤退を推奨するくらいでしょうか。

【アクダマ's】
 詐欺師(CV黒沢ともよ)
 運び屋(CV梅原裕一郎)
 喧嘩屋(CV武内駿輔)
 ハッカー(CV堀江瞬)
 医者(CV緒方恵美)
 チンピラ(CV木村昴)
 殺人鬼(CV櫻井孝宏)

愚連隊は黒澤明の時代より七人と決まってるのかどうなのか。
その七人の通り名には当たり前だが意味がある。
そして通して観ると「進むべき道は自分の意志で決める」真っ当なメッセージも伝わってくる。
突拍子ない世界に私達が置き去りにされないのは基本的なお作法を心得ているのもあるやもです。

アニメに求めるものの一つは表現手段として実写ではしょぼくなると思しきものをいい意味で見せつけてもらうことだったりします。それを満たしてくれた良作ですね。

■むしろ…
『ダンガンロンパ』と比較される本作ですが、肝心のネタ元を知らない私です。
むしろ『PSYCHO-PASS』との既視感が強いかしら。アクダマ認定のオートマティックぶり。某執行官ばりに現場で処刑実行できる公務員の存在。そんな世の中に感じる居心地の悪さなんてのもそうです。
{netabare}さらにサイコな殺人鬼役に櫻井孝宏さん。ダメ押しで公機関の女ボス格に榊原良子さん。榊原さんがどーんと鎮座してると悪の組織風味が何倍か増しますよね。{/netabare}



※妄想劇場

■大大阪(だいおおさか)の衰退

大正末期~昭和初期。大阪が東京を凌駕していた時代を指してこう言う。何年か前に通天閣で大大阪展やっててそれで知ってました。約100年前の大阪イケイケどんどんぶりは白眉ものでしたよ。
そして現在…ってことになるわけでして結果は東京への一極集中。いろいろ理由はあるんでしょうが

{netabare}東海道新幹線開通{/netabare}

{netabare}東名高速道路その他インフラ投資が高度成長を後押ししました。導かれるはリアルでの大阪の没落そしてアニメでシンカンセンの神格化。なんとも皮肉が利いてます。
またこれ“財政健全化”“国民の借金いくら”“角栄の頃と違い公共工事に効果はない”と捉えてる層にとっては、公共工事アクダマ論に乗っかり「そんなのを神聖化するなんて…プークスクス」とさらにマウント取れることでしょう。なお私の意見は真逆です。{/netabare}

蛇足で劇団☆新感線も出自が大阪芸術大学だったりするのもなにかの意図を感じます(しません)。


■暗喩なのか妄想なのか

大阪を好きなのか嫌いなのかよくわかりませんが、無関心ではいられないというのは伝わってきます。
く○るのたこ焼きが500円と現在より安価。デフレーションでも起きているのでしょうか。

{netabare}ハンコも消えてない(笑) このハンコで一元化って仕掛けは面白かったですね。きっと文化と認められての発展形をアニメで描いたのでしょう。そんな発展形ハンコのもたらす災厄を描いてたこともあって、マイナンバーみたいに“国民総背番号制”一元管理どうかと思う層には「ほら見たことか」とウケが良かったかもしれない。なお私の意見は真逆です。{/netabare}

作品チュートリアルなウサギくんとサメくんの寸劇は有難かったですね。ウサギとサメの組み合わせで
{netabare}真っ先に思いつくのは“因幡の白うさぎ”だったりします。文章上のワニ=サメと解釈するのが一般的。その寓話の教訓とは?

1.思いやりの心をもっていると、幸せな結末が待っている
2.余計な振る舞いは災いを招く

といったところでしょうか。本作の展開結果に通ずるものがあります。{/netabare}


とここまでの垂れ流しをご容赦をば。
カンサイという近未来大阪風味な街で繰り広げられる大騒動。やや陰惨でディストピアな世界だからこそ他人様の優しさが沁みる。地でいく娘主人公の立ち居振る舞いに心打たれます。

 思いやりの心をもって迎える結末は幸せなのか不幸なのか?
 余計な振る舞いが招いたのは災いなのか未来への光なのか?

各々で捉えようのある結末も好感度高し。

 馬鹿な出会いが利口に化けて よせばいいのになんとやら

人生どう転ぶかわかんないもんですよね。


{netabare}結局のところ“医者”の年齢は不明のまま。おいくつだったのだろう?{/netabare}



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

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2020.12.30 初稿
2021.09.25 タイトル修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 50
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

これまたアクダマン

制作STUDIOピエロ。

アクダマと呼ばれる犯罪者が跋扈するカンサイ。
高度に発達しながらも歪んだ社会で、
己の生き方を貫く全員悪党の犯罪活劇開演。

街の喧騒が細部まで書き込まれ、
推定懲役数百年の悪党どもや市民が、
たくましく生きているカンサイ。
とある依頼から集められた精鋭たち。

初回最後で見事にオチが付いた。
{netabare}アクダマに指示を与えるネコ型ロボット。{/netabare}

ダークホースならこれでしょうか、
楽しくなる可能性は大いにありますね。

6話視聴追記。
{netabare}物語の奥行に、疑問を感じ始め、
これは期待薄なのかと…思いきや、
ここで物語に芯が通ったと思います。{/netabare}
戦闘シーンは素晴らしいの一言ですね。

最終話視聴追記。
この結末で良いのではと思う。
荒唐無稽な物語でしたが、
どこか熱量を感じる作品でした。

率先して、お勧めは出来ないが、
勢いある演出、展開がお好きな方へ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 48
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

カントウへの憧憬は消えたのか

アニメーション制作:studioぴえろ、
監督:田口智久、シリーズ構成:海法紀光、
ストーリー原案:小高和剛、
キャラクター原案:小松崎類、田口智久、
キャラクターデザイン:Cindy H. Yamauchi、
原作:ぴえろ・TooKyoGames

80年代からアニメ制作を行ってきた
老舗の制作会社、studioぴえろのオリジナル作品。
原色系の派手な色遣いの作画は、
『ダンガンロンパ』を彷彿とさせる。

500YENを拾ったことから
アクダマ(犯罪者)認定された一般人が、
ほかのアクダマたちとともに、ある荷物を強奪する
仕事を請け負うところから始まる物語。
周りは一癖も二癖もある凶悪犯罪人だらけ。
どこか見覚えのある展開だと思ったら
ニコラス・ケイジ主演のアメリカ映画『コン・エアー』だった。
こちらは、運悪く犯罪者になってしまった男が、
懲役年数の長い囚人専門の輸送機に乗り込むことになり、
周りの凶悪犯罪者によるハイジャック事件に
巻き込まれるというもの。
おそらくこの作品が土台ではないだろうか。
輸送機が新幹線に変えられ、関東から関西への移送という
ところにSFの謎を盛り込んでいる。
アクダマたちの無類の強さは、『デュラララ!』を想起させるし、
アクダマ認定は『サイコパス』にも影響されている。
カントウの謎についても既視感がありすぎて凡庸。
さらに、手垢に塗れた『胡蝶の夢』を取り上げるなど、
せっかくのオリジナル作品なのに、
多くの部分でツギハギ感のある印象を受ける。

ただ、1話ずつでそれぞれ見せどころを作って
視聴者を引っ張っていく全体の構成は上手い。
謎とアクション、右往左往する一般人のCV黒沢ともよの
演技は好感で、独特の作画によって物語に引き込む。

輸送する荷物の謎。
依頼者は一体誰なのか。
カントウとカンサイにおける関係性とは。
巻き込まれただけの一般人が選択する決断。

キャラクター全員が個性的で
展開が目まぐるしく変化するジェットコースターストーリー。
アクダマたちが皆、得意なものを持っており、
それを活かしながら問題を解決していくのは、
爽快感もある。{netabare}また、そのなかにあって、
一般人とチンピラは、何の力も持っていないという
設定が、物語を意外な方向へ導く。{/netabare}
時おり挟まれる、カンサイの教育番組の
ウサギちゃんとサメくんがアクセントになっており、
ラストでは意外な方向で役割を果たす。

ただ、世界観や全体のストーリーを動かすことばかりに
気を取られているせいか、7人のアクダマや
処刑課の面々が描写不足のため、
その行動原理が分からない。
どうしてそんなに必死になっているのか、
伝わってこないため、物語に入り込めないのだ。
凶悪犯罪者たちは、何のために生きているのだろう。
主人公の一般人にしても、普通のOLだった
ただの真面目な女性が、どうして犯罪者たちと
ともに大胆な行動をするようになるのかという部分の
説得力が圧倒的に不足している。
やっていることは、面白い部分もあるが、
どのキャラクターにも心情を重ねられる部分がないのは、
物語を構築する上での失敗だ。
登場人物が多いので、過去を説明する必要はないが、
インサートカットなどで、もう少しキャラについて
イメージさせてくれるだけでも印象は変わったかもしれない。
運び屋については、「胡蝶の夢」の部分で
イメージはさせてくれたが、一般人と運び屋については
せめて、もう少し突っ込んだ描写が欲しかった。

とは言え、全体的に見ると、きちんとまとまっているし、
最後まで視聴者を引っ張るだけの牽引力はある。

関西の人々が抱える関東への憧れ。
辿り着いてみると幻想だったということか。
(2021年2月6日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 44

72.6 3 2020年度のサイバーパンクアニメランキング3位
攻殻機動隊 SAC_2045(Webアニメ)

2020年4月1日
★★★★☆ 3.7 (143)
612人が棚に入れました
2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー"へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来――。内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っている全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバー。電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン"と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として現れる。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、いま再び“攻殻機動隊"が組織される――。

声優・キャラクター
田中敦子、阪脩、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大川透、小野塚貴志、山口太郎、玉川砂記子、潘めぐみ、津田健次郎、林原めぐみ
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

NO NOISE、NO LIFE

神山健治&荒牧伸志監督、
士郎正宗原作の傑作サイバーパンク。

2042年、米帝、中国など、
主要先進国はお互いに利益を享受する、
持続可能な戦争を模索していた。
世界はサスティナブルウォーと揶揄される、
産業としての戦争をスタートさせた。
経済行為としての戦争の始まり、
サスティナブル、現代を象徴する言葉である。

結論を先に言おう、強烈に面白い。

顔の表情などに違和感が残るも、
初回で慣れれば、むしろ身体の動きや、
背景・戦闘描写など情報量に圧倒される。
フラットに批評すれば悪くはない。

こうなると攻殻の独断場である。
SACシリーズは物語の強度が群を抜いている。
飛び交う攻殻言語に電脳が零れ落ちそうだ。

相対する相手が魅力的なのも変わらない。
{netabare}ポストヒューマンが描くであろう、
過剰な正義と平穏で静寂な世界では、
どれ程の地平が待っているのか!?
事件の行く末を見逃してはいけない。{/netabare}

ビッグブラザーの登場が待ち遠しい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 44

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

攻殻ブランドの凋落ぶりよ….。

攻殻といえば、言わずとしれた名作SF刑事アニメ!。特にテレビ版1期は、その知性と深みといい、大人な味わいと渋さといい、キャラの魅力にエンタメも備わった歴史的な傑作と言っても過言ではあるまい。


そんなブランド力溢れる作品だが、ソリッドソテイトを最後に神山監督の手を離れてから正直凋落していった感があった。アライズは沖方さんがやると聞いた時は歓喜したもんだなぁ…(遠い目)。しかし、ついに神山監督の手に戻って、お馴染みのメンバーで再アニメ化と聞いて、これは真打ち登場か!と期待せざるをえなかったが…。


ゆ、緩い…。色んな意味でゆるゆる…。ストーリー構成、新キャラ、各話の緊張感、全てが緩い…(藩さんは好きだが、このキャラは攻殻にはねぇだろ)。かつてのメンバーが揃ってるのはファンとしては嬉しいが、テレビ1期から色々進歩したはずなのに肝心の脚本や演出が緩いし温い…。


テーマは興味深い面があるえけど、それ以前になんだこのハリウッドアクション映画的な微妙なノリは…。キャラもなんか違う…。


これはかつてヒットを飛ばした漫画家が、その後に色々やったけどかつてのような成功はなくて、結局凄い久々にかつてのヒット作の続編とかをやってる感じ。この人の中にはもう彼等はいないんだなぁ…というガッカリ感。


まだ話は続くから最終結論ではないが、これなら1期の「タチコマの家出」を見直したほうが有意義。あっちのほうが15年近く前なのに、進んだ内容かつ見事な上手さがあった。攻殻1期のレビューは後で書きます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

えれ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

批判の前に。

レビューとは言えないかもしれないけど早めに書いときます。
CG批判、新キャラ批判だとか初心者向けだとか...
ちょっと待って欲しい。神山監督と荒牧監督のインタビューまず読みましたか?
CGは神山作品の適正だから、新キャラは若者に媚びたとでも思ってもらえばいい、未来予測というアプローチをやめようというのがあったetc...
皆さんの疑問には既にヒントが出てますよ。
CGはキャラこそ変ですが、ネット会議シーンなど複数人が集うシチュエーションで効果的だったと思いますよ。背景も悪く無かったです。4話辺りから夜の縁側がちらほら写りますが、SAC1話の時の夜の縁側と見比べてみてください。

SACの強みっていかに作品が高尚なのかばかり語られますけど、まず士郎正宗の原作から「面白く」作り上げた事も重要で、伝わる物を先ず作っているというプロの匙加減は妙だとは思いませんかね。そもそも攻殻という散々やってきたタイトルですしどこまで期待してたかにもよるとは思いますが。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

66.0 4 2020年度のサイバーパンクアニメランキング4位
ノー・ガンズ・ライフ 第2期(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (64)
268人が棚に入れました
ベリューレン社により戦時中開発された新技術「身体機能拡張技術」。
その技術により身体の一部、もしくは全部を機械化された者は、拡張者(エクステンド)と呼ばれていた。

拡張者と生身の人間の非拡張者が混在する社会では常にいざこざが絶えず、それらの問題を解決する「処理屋」を、
乾十三(いぬいじゅうぞう)は生業としていた。

そして、十三自身も、頭部が巨大な銃の「拡張者」だった。

ある日、十三は、全身拡張者の大男から一人の少年の保護を依頼される。
その少年の名は荒吐鉄朗(あらはばきてつろう)。ベリューレン社から誘拐された少年だった。
だが、十三は依頼を受けたもののベリューレン社からの追手に、鉄朗を奪われてしまう。
十三はなりゆきで街を牛耳るベリューレン社と事を構えることになるのだが…

鉄朗を誘拐した全身拡張者の男は何者なのか? 
ベリューレン社と鉄朗の関係は?

「ウルトラジャンプ」にて大好評連載中のSFハードボイルド
ここに開幕!

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

サイバーパンクっぽい漫画原作アニメの2期目(新型コロナ禍による延期で7/9深夜からTBSで放送開始)

== [下記は#13(2クール目1話)視聴時のレビュー: 以下、追記あり] ==
分割2クールだからって、EPGで[新]マークなしで普通に「#13」って載せるのマジでやめて欲しい。

2020.7.14追記:
#13を観ました。1クール目(#1~#12)に関する何の振り返りもなくて、普通に続きが始まりました。

とりあえず、1クール目を観ていない人には意味不明と思われます。未見の人には、以下を読むのは非推奨です。





1クール目からの流れでは、拡張<エクステンド>技術に関して、当局だか政府だかが何か隠蔽したいことがあるっぽくて、黒幕はベリューレン社の関係者、「反拡張団体」はそれに何らかの形で利用されてるっぽいのはほぼ確定ですね。
== [#13視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.10.5追記:
放送終了日に最終話まで観終わっていましたが、レビュー更新が遅れていてすみません。結論からいえば「おれたた」エンドで、ビクター関連のエピソードなどは一応区切りがついていますが、スッキリと「終わりました」という感じの最終回ではありませんでした。

ベリューレン社およびエクステンドに関する諸々の陰謀は未だ未解決のままであるとして、私としてはいま少しのストーリー的な進展を期待していましたが、思ったほどには話が進まなかったようです。

劇中で明らかになった、銃三を含む「ガンスレイブユニット」の身体構造については、観てて「えええっ!」ってなった人もけっこういるかもしれないですね。あれだけのものがどうやって詰め込まれているのかとか、どんだけ重いのかとか気にしだすとキリがなくなるのですけれども、これはもう「こういうものだ」と思うしかないですかね。

個人的には楽しめる分野の作品ではあったのですが、1期目のレビューでも書きましたがそもそも「サイバーパンク」自体が世間的には衰退分野な気もするので、流行ることはないでしょうし特に他の方に視聴をお勧めすることもありません。

作られないと思いますが、続編があれば一応は観ると思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

1期はハリウッド、2期は邦画って感じ。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ジャンルは、アクション・SF。

身体の一部を機械化し、機能拡張した人間「拡張者(エクステンド)」と生身の人間が共存する社会を舞台にしたハードボイルドな雰囲気が漂う作品の2期。

1期は☆4、2期は☆3としました。評価を下げた理由について、レビューに書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1期は、エンタメ重視で、ストーリーは安っぽくも、ハードボイルドな雰囲気や台詞回し、標準以上の作画で、シンプルに楽しめる作品になっていた。

2期は、各キャラクターの過去や因縁、社会全体の闇などにスポットを当てるストーリー重視。各キャラの掘り下げは出来ていたものの、随分と地味な作品になったと思う。

その辺が、1期はハリウッド、2期は邦画と感じた理由だ(勿論、一概には括れないけど)。

どちらを良しとするかは、好みの問題だと思う。個人的には、映画もアニメもストーリーを1番に楽しむので、邦画が好きなんだけど、このアニメに関しては、ハリウッド的なノリの方が合っていたと思う(単純に、ハードボイルドな雰囲気を味わうアニメだと思うので)。

過去話で掘り下げるのも、まあ、必要ではあるんだけど、量の問題というか、12話ずっとやる必要はなかったかな。流石にずっと暗すぎて、観てて疲れた(苦笑)

とはいえ、逆に言えば、キャラや世界観は充分に深まったので、もし3期をやるとすれば、思いっきり暴れられるので、再び高い評価を付けることも可能かな~と思う。

あと、どうでも良いんですが、EDの映像が、昔の「鉄拳」って感じでした(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
変わらない雰囲気。相変わらずハードボイルド。EDが鉄拳(笑)

2話目 ☆3
メアリ編て感じか。もうちょいこう、エンタメ的な感じというか、B級っぽい感じが似合うと思うんだよな。

3話目 ☆4
ビクターの真実。まあ、そんなところだろう。でも、こういうB級感が似合う。

4話目 ☆3


5話目 ☆3


6話目 ☆3
照れる十三が可愛い(笑)

7話目 ☆3
過去が色々。あんなん、絶対にハルモニエ使ってないでしょ、十三に(笑)

8話目 ☆


9話目 ☆4
女だった(笑) 思想よりまず飯。テロリストと武器商人がつるむ、みたいな感じ。ガンスレイブユニットは、基本的に、人間がコントロールするカタチ。

10話目 ☆


11話目 ☆


12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

それウチのシマじゃノーガンだから

1期おさらい、これを読めば1期見てなくても大丈夫かも?{netabare}
まずこの世界は拡張という名の肉体のサイボーグ化が普通に行われている、拡張技術を受けた人間はエクステンドと呼ばれる。
但しこの拡張技術の発展の裏には黒い影がある模様。
拡張技術を開発したベリューレン社は世間に拡張技術は安全だと謳ってるが実はそうでもないみたいで、普及するか否かの分水嶺の時期に大きな事故があったらしいのだがベリューレンはそれを隠蔽している模様。
というのが大まかなバックグラウンド。

以下は原作未読・wikiも意地でも見ないでアニメの情報のみで私が解釈した内容、間違ってたらゴメン。
15年前に、拡張手術第一弾の被験体によって結成された部隊ティンダルスというのがありまして。
10年前「ノースコッドの悪夢」という事件が起き、調査に向かった復興庁所管の拡張者対策機関(のちのEMS、当時は前身の軍警察)の局長だったオリビアの父が殺される、他にも犠牲者多数っぽい。
どうやらノースコッドで行われてた実験(もしくは実験の失敗、拡張技術の致命的な欠陥もある?)を隠蔽するためにティンダルスの一人だったメガアームド斎がやった模様、他のティンダルスメンバーも加わってたのかはちと不明。
アームド斎自身もノースコッドでの非道な人体実験に愕然とはしたものの、ここで拡張技術が取り止めになったらそれまでの被害者が浮かばれないということで隠蔽をしたっぽい、多分(ノースコッドで何が行われてたのかまだ伏せられてるので推測)。
また本人が結構な英雄願望持ちで、ベリューレン社もこれ幸いにとバックアップをしてた。

そして現代、英雄として祭り上げられてたアームド斎の元に、元ティンダルスメンバーの一人がノースコッドの件でゆすりをかけて来て、アームド斎は返り討ちで殺してしまう。
そしてその隠蔽をベリューレンに頼み込み、ベリューレンの幹部チーム「ブルツェル」は配下のカニンガム(デブ)に、カニンガムは後述のガンスレイブユニットとハンズのセブン&ペッパーにハルモニエのレプリカを渡し、やっぱりティンダルスメンバーだったゴンドリーを操って連続殺人犯に仕立て上げてアームド斎の犯行を隠蔽する。
更に最後はアームド斎も口封じするつもりだったが、ここで主人公の十三の働きで阻止、ゴンドリーを戦闘不能に。
が、アームド斎は十三に助けられたものの十三も危険人物だと判断し殺そうとして、その時過去の犯行を喋り、それをオリビアに録音されてしまう。
そしてアームド斎はゴンドリーと共に逮捕され連行されるがその途中、輸送車がセブン&ペッパーにより狙撃され「ノースコッドの悪夢」の真相は闇の中に──。
と思いきや、オリビアは録音データを「信頼できる検事」に送ってて、だけどその検事も殺され、だけどデータは娘に預けてて、それを十三が手に入れたところで1期は終了。

でもって十三は何者かというと、エクステンドの中でも現在はEMCの認可が無くては町を歩けないオーバーエクステンドで、更にその中のガンスレイブユニットという機種らしい。
過去の記憶は無いらしいがティンダルスのことは覚えてたり、かつての戦争では機密事項に深く係わってたみたい(まぁボディ自体が機密の塊だし)。
もう片方の主人公の鉄郎は、ベリューレンの元CEOの息子らしいのだが過去の記憶は殆ど無く、ベリューレンの実験にされてハルモニエという新技術を搭載されてる。
ハルモニエとは拡張体の操縦を乗っ取る技術だそうで、シンクロ度が高いとフィードバックも起きるらしく、遠隔操作とは微妙に違うみたいでこれまた世間に公にしてはマズい技術らしい。
で、ガンスレイブユニットが本来の力を発揮する&制御するためにはハンドという相棒が必要で、鉄郎は一度ハルモニエで強引に制御しようとしたがプロテクトを突破することはできなかった。
今後哲郎が成長してハルモニエもパワーアップしてプロテクトを解除できるようになるのかな?と予想したりもしたけど、それもこれもぜ~んぶ2期以降へ持ち越し。


と、大雑把にこんな内容、キミは理解してたかな?
私は2週目メモ取りながら見てようやくでしたw
複雑・難解なのではなく、造語とノイズが多くて説明が不親切って感じ。
例えばキュウセイクツをシマとするキュウセイカイというヤクザの幹部にホワンというのが居るのだが、登場シーンにやたら尺を使った割にそれ以降出てこないせいでノイズにしか感じない。
なにより全ての謎は10年前のノースコッドの悪夢にあると思うのだけど、それを「隠蔽するために行われた工作」に触れる展開ばかりでなっかなかノースコッドで何が行われてたのかには踏み込まない。
更には隠蔽として反拡張団体「スピッツベルゲン」のやったことだと偽装するのが多々あるのだが、肝心の本物のスピッツベルゲンそのものが登場しない、規模も分からなければ本当に実在してるのかもよく分からない。{/netabare}

1話感想{netabare}
あ、続きやるの今期からなのか。

で内容は…前期見てないと全っ然分からない展開になってました。
かくいう私も前期の記憶が曖昧になってたり。

とりあえず反拡張団体が出てくれたのはありがたいかな?
確か前期では「そういう団体も居る」って台詞で説明しただけで、ついでにその団体がやったことに偽装しようとしたりと、物語に関わっていながらその姿は一切画面に出なくて不親切だなぁとは思ってまして。
って、今回登場したのもまたニセモノだったりして…さすがに無いよね?{/netabare}

16話(4話)までの感想{netabare}
おおう、作風的に質量を無視したのは止めて欲しいんだけどなぁ。
それやられるとSFというより魔法って感じがしちゃって…せめて亜空間から引き出すだったら納得できなくもないけど、そういうことではないっぽいし。
確か前期でも同じようなことがあって指摘したはずで、「何を今更、この作品はそうである」とこっちが覚悟しとかなきゃいけないんだろうけど…。{/netabare}

18話(6話)までの感想{netabare}
あれ?透視野郎は1話限りのゲストキャラ?
その力を使って十三達がピンチを切り抜けるための前フリか?と思ったのだが、次の回で完全に居なくなっちゃって…。
ホントこういうの多いなぁ、ノイズというか本筋に関わらないゲストキャラ…前期の針使いもどこ行ったんだ?
まだ途中なのでそのうち出てくると思いたいんだが…。

ローサは前期でオリビアから「信頼のおける検事」としてメガアームド斎との会話データを送られて殺されたジョージの娘。
オリビアは間接的に父親を殺してしまった立場なのでどんな気持ちだったんだろう?と思いを馳せるところだったのかな?
いや分かり辛いよw

スピッツベルゲンの幹部はまさかの拡張技術の生みの親と呼ばれるオシャウスキー博士、前期でも名前は一回だけ出てたハズ。
自分が開発したはいいけどその危険性に気付いて根絶する側に回った…ってことか?
ビクター(亡霊側)もそんなだったし、記憶無くす前の鉄郎も同じ感じか?
で博士はハルモニエを使って十三の内部を暴け、と伝えて鉄郎を解放した模様。
内部を見ればエクステンドは根絶するべきと考えるハズだ、って感じか。
ああやっぱりハルモニエでプロテクト解除目指すのね、前期見ればそういう方向に向かうのかな?と予感はさせてるのだけど、やっぱり分かり辛いよw
ってかエドムントはガンスレイブユニットのファイブの相棒と言ってるし、ひょっとしてハンズか?

ところで透視、物理的だけじゃなくて心を読めるなどのキャラクターが、謎の多い主人公の中を覗き見てビビるってのはものすごい鉄板。
と思ったら具体的に作品が出てこなくて我ながら記憶力の無さに困惑、あったよねぇ最近でも見た記憶があるのだが、なんだっけー?
とりあえず、中身覗いたらエクステンドになる前の生身の十三の顔があって「お前ではない」と言い放つとか、それくらいやって欲しかった(“ドロヘドロ”ネタ)。{/netabare}

19話感想{netabare}
オシャウスキーとしてはセブン&ペッパーがベリューレン打倒に於いて最大の障害だと思ってるってことかな?
セブン&ペッパーがどれだけ強いのか絵的に見せてないのでなかなかピンと来ない気が…。
ベリューレン側は幹部から直々にセブンに命令しないでカニンガムを挟んで指令を出してるため、そこまで重要視してる様に感じないんだよね。
で、オシャウスキーはセブン&ペッパーを倒すために十三をぶつけようとして、ハンズ代わりにハルモニエを利用しよう、と。
まぁ今回鉄郎は十三を乗っ取ってない気がする、けどハルモニエ発動中であることは確認取られてるので何を操ってるんだろ?
ファイブの元ハンズを操ったら十三のハンズは務まる?務まらない?

過去に大きな出来事があって、それらが全部バラバラで繋がりは無いのかな?いつか一つに繋がると思ってたんだけど…。
1、ノースコッドの悪夢(10年前)→これを隠蔽しようとしてメガアームド斎が云々、話題によく出る「あのデータ」はこれ絡み
2、ベクターが並列型補助脳で生み出した偽人格が研究所を破壊
3、戦後用済みになったガンスレイブユニットの反乱&それの鎮圧(6年前)

1と2はイコールなんじゃ?と睨んでたのだけど、それが明かされる前に3が出てきてそれぞれ別のこと?という可能性の方が高くなった予感。
ベクターは2が起きる前まで十三の専属医師として親しかったワケで、1とイコールの線は元から薄かったけどね。
気になるところはガンスレイブユニットを作ったのは誰?とその時期なワケだけど、少なくともメガアームド斎より後継機なハズで、1と関係あるんじゃないかなー?
十三のかつての相棒、ハンズは何者?というのはあんまり興味が沸かない。{/netabare}

23話感想{netabare}
エンタメ的に、もうちょっとざっくり言えばキッズアニメ的に「面白くなりそうな描写を避けるのがカッコイイ」と思ってそう。
いくらオシャウスキーがガンスレイブユニットがーと言ったところで「どれだけつおいの?」を見せてないのでピンと来ない。
町ひとつキノコに変えてしまったとか弱パンで山を吹き飛ばしたとか、そういうのが無いってどうなんだろ。
で、そんな中セブンとの対決!とやられても…全然盛り上がらない、“フェアリーゴーン”みたい。
しかもそれだけは止めてくれないかなぁと願ってた「質量無視」だし、お前ガラットかと。
散々スカしといてそこはキッズアニメなのね。
もういっそのこと最後に体内から多脚砲台とか出してくれんかなぁ、ブリュツェルにひと泡吹かせる展開は無さそうな予感…。{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
「原作がそうだから」と言われたらしょうがないのだけど、ひたすらアニメに合わない展開・演出の連続。
絵的に派手になりそうな展開になるとそれをかわす・すっ飛ばす。
そしてメモ取らなきゃ分からないような会話劇をダラダラ続けて、こんなの流し見しても眠いだけ。
ひょっとしてこのアニメフタッフはアニメが嫌いなんじゃないか?と思ってしまうほど。
まぁ私は

メモ取りながら見たんですけどね

↑で1期のあらすじ書いたし2期のあらすじも書こうと思えば書けるけど…やめときます、面倒臭い、3期がもしあったら書きます。
スタッフ的に「どう?これが一番気になるでしょ?」と言いたげなのが十三のハンズについてなのだけど、個人的にはそこには大して興味無くて興味のポイントがズレてるのもなかなかに痛い。
私が一番興味があったのは「ノースコッドの悪夢」の真相…というか2期始まって最初の頃はそれ絡み(メガアームド斎の音声データ絡み)だったハズなのに、何故か話が別方向に向かっちゃって…。
じゃあ次はベクターの居場所?と思ったらそれも中途半端にスルー。
その次はスピッツベルゲンの詳細と十三の過去(一部)になって…確かにスピッツベルゲンについては1期の頃疑問を抱いてた部分ではあるので助かるっちゃあ助かるのだけど、折角オシャウスキーが変形してひょうきんな姿になってくれたのにそれを活かした戦闘が無いってのはどうなんだ。
じゃあ絵的な部分では「本気を出したガンスレイブユニットの戦闘」に期待せざるをえなかったのだけど、そこはカット。
カットというか横槍による中断か?ブルツェルお付きのペアによって…もう消化不良もいいところ。
まぁ元々質量を無視したガッカリ兵器なので派手な戦闘を描いたところで盛り上がったかどうかは不明だけど、カットは無いよカットは。
なんていうかアレだ、話を振っておいて振った側が話をはぐらかすのをカッコいいと思ってそう、原作もそうなん?

そして最後は黒幕「ククク、計画通り」「世の均衡を司るアストライアの天秤」(うわぁ)、十三「戦う相手が分かったぜ」エンド。
わーお。
せめて、せめてカニンガムがギャフンという描写でもあれば…いやそれでも脱力感半端無かっただろうけどさ。
ブンダーベンダーはベリューレンでも手が出せないのか支配下なのか、それすら分からんので規模もワカラン。
最終回も、服を縫ったのがローサだローサだとセリフでは言うものの、ローサの絵は一枚たりとも出ない。
不親切を通り越して怠けてるような…視聴者が何週間も前の情報を細部まで覚えてると思うなよ?と思ったり思わなかったり。
ってかだったら透視野郎はどうした?1期で出たキュウセイカイの連中は?と、投げっ放しになったキャラの扱いに疑問が浮かぶ。

それとこれは細かい話になるけど、ハルモニエがエクステンドを操れるという設定、サイバーパンクでボディースナッチネタは鉄板だしそれはいい。
けどその後のビクターの遠隔操作、更には針使いによる人体操作と、原理を別とした「他人の体を操る」ネタが連発されるのはどうなんだろう。
“爆丸バトルブローラーズ”がやっぱり色んな手段で「他人の体を操る」ネタが続いて不満に思ったことがあるのだけど、こういうのって1作品1原理(手段)が限度じゃないかなー?
もしくは別の原理同士で衝突させようよ、ベクターに遠隔操作されてる拡張体にハルモニエ使うとどうなるの?とかね。


「興味を持ったところでどうせはぐらかされる」「見たいと思ったトコロを見せてはくれない」のは覚悟してたつもりだったけど、まさかここまでとは…ってのが率直な感想でしょうか。
ここまで来たら意地でも原作見ないぞ!と心に決めてるけど、果たして原作ファンはこれで満足だったのかはちょっと気になる。
折角アニメになったのに大したアクション無くて会話ばっかりって…。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12
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