ERRUE さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.0
状態:----
やはり満点は付けられない
響けユーフォニアム! 1期のレビューでも書きましたが、この作品を見た後で『音楽』の字の意味を考えざるを得ない。
此処からはネタバレ↓
{netabare}
良かった点と悪かった点も書いておきます。
●音楽と吹奏楽部に対する疑問
音楽は”音を楽しむ”と書く割には、学校の吹奏楽部は「音楽を楽しく学ぶ土壌が成っていない」と言わざるを得ない。
1~3期・映画も全部視聴しましたが、何故、生徒が音楽の為にこんなに苦しそうなのか理解できない。自分がこのように感じるのは「当事者を苦しめている原因が吹奏楽部や周りの人間にもある」からに他ならない。
特に「久石奏」これは言い訳にならんレベルで酷い。月永 求に対する異常な程の嫌がらせ。こんな奴に楽器なんかやらせるなよ。と本気でイライラしました。
◎久美子・麗奈の成長
劇場版から急に頼もしくなりました。1期の頃はあすか先輩からも
「人の悩み事には口を挟む割には、肝心な所で一歩を踏み出そうとしない」
と注意されていた点が解消され『手を出したら、最後まで責任を持つ』カッコいい先輩に成長しました。麗奈についても、技術の無い人にはやたらと辛口で冷たい印象しか無かった頃に比べ、「厳しい指導はするが、後輩がやり切った後には褒める」等のフォローが出来る様になっていて関心。
×コンクール金賞という結果主義の空気
これがダメとは言えない、が、目標の為なら出来の悪い生徒に八つ当たりする行為が正当化されるとは思えない。これは、久石 奏・鈴木 美玲などに当てはまる事であり、久美子や仲介に入るまで彼女らの暴走を放置しているのは頂けない。
×生徒指導の放棄
本来なら、滝先生含め教師陣も久石奏等の暴言に対し、何らかの指導は義務だと思うのだが『生徒の自主性をモットーに』とかいう決め台詞がある為か、不用意に口出ししようとしない。この辺りも「響けユーフォニアム」を手放しで褒められない原因なんだと感じます。
●自分がフラストレーションに感じる原因
これが一番大事だと思いますが、原作のモデルである『現実世界の吹奏楽部』が原因ですね。過去に部員が自殺を図り”ブラック部活”として紹介されるレベルの閉鎖空間であり、原作者の方、京アニの表現力の高さにより、
『吹奏楽部の歪な社会構造が余りにもリアルに描写されている』
ことが嫌悪感の正体でした。だから、原作も京アニも悪くないです。作品のモデルが酷すぎただけです。
{/netabare}
◎感想
初期作品から劇場版まで全て見てきての感想ですが、手放しに『面白かった』と言いづらい作品です。中身が良く出来ているだけに、
”自分には『吹奏楽部』の存在が受け入れられない”
と分かってしまうレベルの完成度の高さでした。