ガムンダ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態：観終わった
どう味わったら良いのか・・・
不思議な死後の世界のお話です。
その不思議な世界の成り立ちが徐々に明かされていくミステリーものでもあるわけですが、とりあえずトレンドを抑えたのか、死後の世界のちょっと変わった日常系の形態もとっています。
その日常パートがギャグ仕立てにもなっています。（そこそこ笑えます。）
そして最後の最後は泣かせようとします。（まったく泣けません。）
アクションもありますが、死なない設定（既に死んでいる）なのでまったくハラハラしません。
こんな調子でなんか色々とっ散らかってて、何をどう楽しむアニメなのかつかみかねる作品でした。
以下ネタばれ感想。
{netabare}まず世界設定が複雑過ぎます。不思議過ぎます。
ある目的の為に存在しているようですが、色々と出来が悪い世界です。
無機質なゲームの世界の様で不気味です。
画面に現れている以外の部分は設定が存在しない。
これは意図的な演出なんですが。
この話はその世界でのひと時の出来事をただ描いただけ、と言う事になります。
何か大きなテーマを汲み取ろうとしてもイマイチです。
それとキャラが生前の過酷な身の上を合って間もない人にペラペラ話すのもどうかと思います。
それがこの作品のキャラから現実感を奪っています。
PCだろうがNPCだろうが、無機質で人間らしくありません。
最大の問題は生前の心残りを克服すると成仏して消えるというシステムです。
上に書いたように、物理的な攻撃はまったく怖くありませんが、成仏すると消えるんです。
「あの花」もそうですが、そこがこの世だろうとあの世だろうと、自分が生者だろうと死者だろうと、意識がそこからなくなることは当人にとっては私たちにとっての死と同じ脅威に他なりません。
ところがキャラ達は物理的に痛い目を見るのを恐れるくせに、消える事は恐れないときています。
何故か疑問を持たず消えた後は現世に輪廻すると信じているのですが、その確証もどうやって得たのか謎です。
最後のシーンなんか、なんだか壕に追い込まれて次々に自決する日本軍やら白虎隊やらみたいでちっとも感動するどころじゃありませんでした。
日本軍の自決映画でも感動しないタチなので。
{/netabare}
世界設定とストーリーの根幹が怖すぎます。
笑えるギャグも気分よく笑えないです。
製作者の意図に反してこれは今まで観た中でも結構な鬱アニメの部類でしたよ。
とりあえずまったく感動できませんでした。
