2021年秋(10月~12月)に放送されたおすすめアニメ一覧 97

あにこれの全ユーザーが2021年秋(10月~12月)に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月13日の時点で一番の2021年秋(10月~12月)に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

88.6 1 2021年秋(10月~12月)アニメランキング1位
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (726)
3119人が棚に入れました
「俺は、この異世界で本気だす!」34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックに轢かれ命を落としてしまう。目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた!ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていく事を誓う。フィットア領転移事件で魔大陸に転移後、冒険者パーティ「デッドエンド」を結成し、魔大陸最南端の港町・ウェンポートに到着したルーデウスたち。ルーデウスは「魔界大帝キリシカ」と出会い新たな力を手に入れる。魔力災害に巻き込まれた家族や仲間の行方はー。「人生やり直し」ファンタジー、再始動!

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

真摯な異世界転生

<2021/11/17 初投稿>
原作未読。
前期同様リアタイで視聴してます。

相変わらずアニメーションのレベル高いっすねぇ
それだけで見る価値あろうというものですが。
もちろんそれだけではない。

というわけで今回改めて思ったことを少し書いてみます。

なろう系異世界転生モノの原点であり原典というべき本作。
ここまで視てコンセプトがはっきりしてるように感じられてきました。

それは
「前世で生き方をしくじった主人公が、
しくじりと真正面から向き合い、
異世界で授かった新しい生で同じ轍を踏まないよう
真摯に生きる」
というもの

そのしくじりは普通なら直視できないようなあまりに痛々しい、情けない自分。

「◯◯は死んでも治らない」とは言いますが、
「死んで生まれ変わったらやり直せた!」
と最後言えるような物語なのではと。

人生に絶望した人が本当に人生をやり直そうとしたらこうなるのか、と思えるような。
そうしたテーマに真摯に取り組んで生まれた作品なのかもですね。

<2021/11/30 追記>
20話爆笑しました。
せっかく16〜18話で感動したのに
俺の感動返せ 笑

そして今日のYahoo!ニュースに
「<無職転生>ロキシーのフィギュアがフィギュア化」
って記事が!
「フィギュアがフィギュア化」ってこれまたメタなw
やはり腕は3本あるんだろうか?w

<2021/12/21 追記>
最終回まで見終えました。
良いラストでしたね。
3期が見たくなる。

物語の楽しみ方には大きく三つあると思います。
一つは登場人物に感情移入していく
二つ目は俯瞰的に見る
三つ目は感情移入と俯瞰をなんとなく使い分けながら見る

でも結局俯瞰だけ、ということは少なく、大なり小なり誰かに気持ちを入れ込んで見ていくことが多いと思います。
全く誰にも感情移入しないのは難しい。
つまり一か三。

本作の場合、やはりルーデンスになったつもりで見ていくのが王道。
そこで問題は前世の男。
ルーデンスになった気持ちで見ていくと突然この男が現れる。
まるで自分の嫌な過去を見せられたような気分になる人もいるのではないでしょうか。
そう思わせてしまうってことは、それだけ上手く作品を創り上げてるってことなんですが。
でも、自分の嫌なとこ見せられたような錯覚を覚え、これに我慢できない人はこの作品を生理的に受け付けられなくなるかも。

なんてことを考えてしまいました。

ざっくり言えば、嫌なことに正面切って向き合ってますよね。
私は本作のそういうとこ好きなんですけど。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 68
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

三十四にして立つ

原作未読


第1クールめ11話から続く第2クール全12話。#12~#23とありまだまだ続くようです。
一区切りつけてはおります。ものすごく盛り上がっての手仕舞いではなく“to be continued”感薄め。おそらく次が約束されてるからかもしれません。正々堂々とぶつ切りしておりました。
例によって先発でもクローザーでもない目立たない中継ぎポジション。ゲームを壊さずに繋げられるかどうかであれば合格。1クール目のMY評価は『3.9点』にしてますが2クール目はそれよりも高めにつけてることでお察しくださいませ。

 ① ヒキコニート / 勤め人or通学してる学生
 ② 無条件で強い / 強いのに理由があるor弱い 
 ③ 女に囲まれる / それなりにいる
 ⓸ 難儀しない  / それなりに苦労する
 ⑤ 元世界を黙殺 / 元世界との繋がりを意識 

こちらは1クール目のレビューにも載せた“異世界転生もの”評価軸です。①左側ヒキコニート以外の②③⓸⑤は全て右側であることのもの珍しさと丁寧な仕上げを好感したわけでして、今回もしっかり踏襲。

 ①{netabare}出オチネタで話数を重ねるごとに薄れてくかと思いきやところがどっこい{/netabare}
 ②{netabare}前半で魔術等の個人の成長過程を今回後半ではチームマネジメントを試行錯誤{/netabare}
 ③{netabare}シルフィエット(CV茅野愛衣)・ロキシー(CV小原好美)・エリス(CV加隈亜衣)と駒揃ってるけどハーレムと思わないのでは?{/netabare}
 ⓸{netabare}死にかけるしやらかすしとにかく失敗する。こっそり似たような間違いも繰り返している{/netabare}
 ⑤{netabare}むしろ今回の後半で濃度増してるのでは?{/netabare}

野球でいうところの6回か7回かはたまた8回かは原作読んでないので現在位置掴めてはおりません。しかしながら終盤に向けたゲームプラン通りに進んでいる安心感があります。
ここでやっと中身の話。魔力災害起因の転移事件により魔大陸に飛ばされてエリスとルイジェルド(CV浪川大輔)とパーティ組んで冒険始めてからの続きが今回の2クール目なんですけど下心あったら、飛ばされ前後に1クール目のピークをもっていきそのへんでちょうど11話使いきる気がします。
そんなことせず3人パーティがそれなりに機能している状態から2クール目はスタートしておりその3人パーティが一区切りつけるまででトータル2クール使いました。多く言わんでも次やる気です。
及第点でしょう。続編に期待。




※ネタバレ所感

■次に向けての備忘録

{netabare}・実はルーデウス諸悪の根源説
 魔力災害直前に刺客みたいなの現れてケモミミとやりあってたり、ツダケンさんに殺されかけましたし、そんでもってその刺客とツダケンと並列のショットで抜かれたのが魔眼持ちのキシリカ(CV井口裕香)だったので今はロキシーと道中共にしてるけどルーデウスと対峙するのかも。さらにルーデウス起因だとしてそれを知った時のパパンの反応も好ましくなることはきっとないのよね。{/netabare}

{netabare}・おかんが不穏
 そのキシリスの魔眼で覗き込んだらよくわからんが生きてるとのこと。しかも闇深い不穏なイメージ。由緒正しい家柄の娘さんだったと思うし、その血筋を触媒にして魔に取り込まれ乗っ取られラスボスとして登場とかしたら悲しすぎる。{/netabare}

{netabare}・導かれし者たち
 最終話にシルフィ出てきてた。エリスがルーデウスへの恋心を自覚した。{/netabare}



※よもやま話

■始祖にして至高 または 原点にして頂点

連載開始2013年で34歳無職の設定だから2021年だと42歳前後になるんでしょうか。ガチの就職氷河期世代ですね。日韓ワールドカップ近辺で新卒を迎えた方々。妙にリアルでございます。
聞けば“異世界転生もの”の初っ端(しょっぱな)にしてサイトのトップを数年間堅持したタイトルらしい高い評価をアニメでも得ております。

{netabare}あくまで個人的な感想。その後続く私含めて毛嫌いする方多数のいわゆる“異世界転生もの”でこのタイトルに正面切って喧嘩を売った作品は皆無じゃなかろうか。冒頭“異世界転生もの”評価軸⑤を例に二つの世界の整合性を保ったままエンタメするに足る筆力は高いものが求められるのもあるし、真面目に書くと“無職転生”のパクリとなるわけでパロディに走らざるをえないような気がします。あとは6年もトップを保ったジャンルの派生形として二匹目のどじょう狙いすさまじき!ってところでしょうか。{/netabare}
{netabare}たぶん私古い人間で『ロードス島戦記』『アルスラーン戦記』のハイファンタジーで育っており、時代のニーズがどうこうよりも{netabare}“異世界に転生する意味や意義”{/netabare}が描かれなくて何が楽しいの?と思うわけであります。本作にはそれがある。仮に作画へろへろだったとしても楽しんでそう。{/netabare}


■無想転生

{netabare}メイビーこの作者は北斗の拳世代もしくはリスペクト系なんだろうと思います。
愛と哀しみの究極奥義をネタ元にして薄っぺらなもん作れまいと決意したと思われる。{/netabare}



■タイトル回収!?(注:それなりに重いネタバレ)

{netabare}異世界行ったら本気出してたじゃーん{/netabare}
{netabare}最終話。玄関を境に踏みとどまりうつむく34歳と一歩踏み出すルーデウスを同じフレームに収めて比較するカットが良かったです。「本気出す」の定義はいろいろありましょうが一つの証左と受け取りました。それがはっきりと表れたかたちです。
家の外に出て修業するのを怖がってた彼が踏み出したり(背中を押したのがロキシー)
トラウマとなったであろう人を助ける自身の正義感を諦めなかったり(シルフィに手を差し伸べた)
そしておかんゼニスを探すため玄関を出て一歩踏み出す あれ!?エリスなんかあったっけ?{/netabare}



差し伸べてくれる掌を払いのけていれば人は去っていきます。…と作中でも杉田が述べております。
そんなおっさんが生き直す物語は山あり谷あり、むしろ谷が多めでちょうどよいのです。



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

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2021.12.29 初稿

投稿 : 2024/05/11
♥ : 59
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

絆を紡ぎ、手繰り寄せる物語

【紹介】
質の高い異世界なろう系アニメの分割2クール目。
異世界転生系アニメの手本になるようなよくできた名作。
相変わらず笑えるシーン、感動的なシーン、ワクワクするシーンの連続で飽きないですね。

【作画】
安定していて素晴らしい作画で、戦闘の動きがとても良い。
魔法の演出とかも良い感じでファンタジー世界の魅力を十分に伝えてくれています。

【キャラクター】
相変わらず魅力的なキャラクター達。
私はロキシーが好きですが、みんな可愛いですね。

ザノバがとても面白いキャラだった。
こんなぶっ飛んだキャラが出てきても不思議じゃないけど、今までなかったパターンなので不意打ちでした。
こういう程よく滅茶苦茶なキャラクターいいな。

【シナリオ】
1クール目はキャラ紹介がメインだったけど2クール目は物語が大きく動いてきてシナリオ的な面白さが増した。
前世での失敗、転生後の失敗、どちらもちゃんと反省して向き合って、今度は失敗しないように努力する。
仲間や大切な人のためなら、どんな困難にでも立ち向かう主人公が男らしくて最高にカッコいい。

抜群にシナリオが良くて先が気になって仕方がない。
相変わらず各話の区切り方、余韻の残し方、次の話へのつなげ方で興味の引き方がうまい。
主人公だからいつも行いが正しいわけじゃないし、主人公だからいつも善行を積むわけでもないし、仲間だからいつも都合よく動くわけでもない。
人間だから、間違うこともある。
だからキャラクターそれぞれが生きてるって感じがする。

{netabare}
16話親子喧嘩は、パウロの言い分がかなり理不尽では?って思ったけど、ちゃんと理不尽だってことをギースが指摘してて良かった。
人に諭すときに、正攻法でこれがこうでこうだからこうしたほうがいいって優しく諭すことってあまりなくて、ちょっと荒療治だけどちゃんと相手に響く言葉を選んで諭すところが、信頼関係があるように思う。
そういった人間らしさがとても魅力的に思った。
{/netabare}

ちょいちょいエッチなシーンや変態行為が出てくるのも相変わらずで、正直かなり気持ち悪い行為も多くて、顔をしかめながら見ていたけど
シナリオの中にうまく溶け込んでいて、短く話の邪魔にならないように入っているのは良かった。

【総評】
細かいことが気になるところもあったけど、そんなことはどうでもいい。
とにかく面白かった。それで充分じゃないでしょうか?

期待通りの2期で、つまらないシーンがほとんどなく順当に面白かった。
変わったものを作ろうとか、商業的な成功を目指そうとか、作者のメッセージを発信したいとか、そういう余計なことをせずに正攻法で楽しい作品を作ろうとする姿勢が素晴らしい。

続きがとても気になりますね、早く続きが見たい。こんなのは久しぶりだ。
原作を我慢できずに読んでしまいそう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 58

80.9 2 2021年秋(10月~12月)アニメランキング2位
鬼滅の刃 遊郭編(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (501)
1811人が棚に入れました
無限列車での任務を追えた炭治郎たちの次なる任務を描く『遊郭編』。鬼殺隊最高位の剣士《柱》の一人、音柱の宇髄天元とともに炭治郎たちが向かうのは、鬼の棲む遊郭。

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、小西克幸
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

音の呼吸

UFOTABLE制作。

無限列車での任務を終えた炭治郎たちは、
音柱の宇随天元とともに、次なる任務へと向かう。
そこは鬼の棲む、吉原遊郭である。

見栄と欲、愛憎渦巻く夜の世界、
いつの時代も人の欲は、変わらぬものだ。
{netabare}情報収集中に、連絡を絶っていた、
天元の妻たちを探して、潜入捜査が始まる。{/netabare}

原作漫画では、キャラの見せ方の問題や、
小休止の印象もあり、好きな逸話ではないが、
気まぐれに楽しめればと思います。

10話視聴追記。
鬼気迫るとはこういうことでしょう、
凄まじい熱量、迫力ある戦闘に圧倒される。
{netabare}音柱の天元が、動きあってこそ魅力に溢れると、
今更ながら、アニメの素晴らしさを知る。{/netabare}

最終話視聴追記。
望まれずに生まれてきた子供たち、
容赦ない貧困と差別、過酷な環境の中で、
それでも人としての矜持を繋ぎ留めてきたもの。
{netabare}互いに支えあう、二組の兄妹の物語、
きっと底にあるものはどちらも尊いのでしょう。{/netabare}

次編もまた期待しています。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 55
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あなたと越えたい 梅妓越え

原作未読


まだ見ぬ作品を発掘し視聴の参考にする目的としてはレビュー不要な気がする程の有名作品。名前くらい聞いたことあるでしょうし、アニヲタ界隈だけに留まらない現代用語の基礎知識です。

“不倫”の語意は人の道に背くというのが本来の意味らしく、そんな修羅の道を進む男女の情愛を表現した稀代の名曲よろしく餓鬼道に堕ちた兄と妹が今回の敵さん。いったん劇場版を挟んでのシリーズ3本目となる第2期全11話となります。物語の背骨が“鬼にされた妹を連れた兄”の構図であるため、今回の敵さん兄妹との対比も楽しめれば良いってところでしょうか。『遊郭編』の主だったキャストはこちら↓

 ・宇髄天元(CV小西克幸):音柱
   {netabare}3人の嫁 - 雛鶴(CV種﨑敦美)、まきを(CV石上静香)、須磨(CV東山奈央){/netabare}
 ・堕姫(CV沢城みゆき)
 ・妓夫太郎(CV{netabare}逢坂良太{/netabare})←驚いた!

変わらず隅々まで豪華なメンバー。劇中で続編に繋がる新キャラも登場して耳が幸せとの表現がしっくりくる布陣です。職業声優さん以外をねじ込みたい事務所あったろうに今回もナシでした。無駄なハレーションを避ける英断の裏に、作り手有利だったことが推察されます。
“作品としての内容の良し悪し”もさることながら“ビジネス的にどうだったん?”の文脈で語れる稀有な作品ってことになりましょう。


■作品としての内容の良し悪し

いかにも少年漫画的な善逸と伊之助がさほど気になりませんでした。あるいは慣れたか。
キャラに語らせて説明過多に陥るのは今回もそれなりに。ただし本流部分{netabare}(環境の違いで道の別れた二組の兄妹){/netabare}はアニメーションで魅せてましたね。大事なところは画で語るスタイル。
なお、作画素人の私でも凄いことがおきてるくらいはわかります。なんかで聞いたことあります。同じ動かすでも無地と柄ものでは手間がン十倍違うとか。全11話通じて柄ものしか動いてませんでした。

かれこれ所作は決まってきて、強い鬼登場→当番の柱参戦→成敗→鬼の履歴書 みたいな流れが今後も続きそうな予感はします。
そんな勝ちパターンの繰り返しと捉えるだけでは“作画の凄さを前後比較してみる”と“YOUは何しに鬼になったの?”の2点を見届ける作業ゲーになっちゃいそうなのですがどうなんでしょうか。実際はきちんと積みあがってる感じはします。

 {netabare}恨んでも 恨んでも 躯うらはら 山が萌える じゃなくて燃える …実際業火の中へと{/netabare}

無限列車に乗り込んだ炎柱が見せたのは“ノーブレスオブリージュ”人と鬼との価値観の違いでした。
花街に乗り込んだ音柱が見せたのはそれよか身近なものへの責任でしょうか。兄妹愛の傍らで地味に咲く夫婦愛みたいなもの。

実力者である先達(柱)らは似てるようで各々異なるメッセージを送ってくれてます。
それと並行して、音(痕跡)を消す忍者の特性と音を駆使して闘う音柱とでは一見相反してるようにも見えるのですが、こちらはこちらで環境やらイベントやらでアップデートした結果だったことが示唆されているんですよね。やはり鬼とは違うんだよなぁ。

音の粒を拾って集めて譜面が完成したら無双の力を発揮する音柱よろしく、我々もビジュアルに目が行き過ぎて音の粒(物語の積み上げ部分)を拾い損ねたら譜面完成しないかもわからんと思われ、だったら“漏れ”に気を付けようと意識した『遊郭編』でした。


■ビジネス的にどうだったん?

これは今後わかることでしょうから結果待ち。
予算と時間は潤沢だったように思えるのと、あとは深夜帯常連のプロヲタではない一般人向けの親切設計なのを目の当たりにして、如何に自分が深夜アニメのお作法に染まっているか自覚しました。誇っていいのか凹んだらいいのか微妙…



映画『無限列車』のレビューでがっつり書いたのでここでは割愛しますが、我々って多かれ少なかれ鬼だったり人だったりあるいは行ったり来たりする存在なんだと思ってます。

 ・俺は俺の責務を全うしているのか?
 ・迷わずに利他的な行動を選択できるだろうか?
   {netabare}命の優先順位:「まずはお前ら三人、次に堅気の人間たち、そして俺だ」{/netabare}

とてもじゃないが俗物な私にはできてる気がしません。なので本作を見てショボい自分を省みるようにしております。明日から頑張ろう!



※閑話休題

■遊郭が舞台

吉原大門っぽいの出てたしまあ日本一有名な花街がモデル。
ちっちゃい子にも大人気なコンテンツで遊郭ってどうなん?と思わなくもないけど別にいいんじゃね?ってところでしょうか。
行為のみ海外の娼窟と日本のとは趣きがだいぶ違うので外人さんイメージ湧くのかしら?


■ある種のリアル

派手派手言うわりには相反して地味で堅実さが見受けられる第2期でした。細かい部分で一例挙げると↓
{netabare}バトル。妓夫太郎初登場のシーン。堕姫の中から登場するかしないかで天元は斬りつけております。
普通なら登場して口上述べてからバトル開始となるわけですがそうしない。瞬時で相手の力の計算してるのが一点。次に体制整える前に方を付ける行動に動いてる点。超合理的な思考を基に行動する“忍”のパブリックイメージと相反しません。{/netabare}

ポジに捉えりゃエンタメ性の優れた作品。ネガに捉えりゃ子供だましの作品。と視聴者の分母が大きくなれば両意見出るのが世の常でしょうが足元けっこうまともです。



■プロヲタと一般人の境界線

“ビジネス的にどうだったん?”とリンクしますが深夜アニメ常習者と一般視聴層を繋ぐ配慮が所々になされてたと思います。
まず目立つのが物販。『デフォルメシールウェハース』『PS4ソフト』『全集中パッド(漢検)』『フィギュア』『AUとのコラボ(鬼滅アプリ)』『楽曲』『折れた日輪刀(ボイス付き)8,800円』。お馴染みのから普段は日曜朝でしかご縁のなさそうなものがあれやこれやと洪水でした。異例ですよね。
その他一般層への配慮と思しきものは以下↓
{netabare}・手前でのTV版『無限列車編』放送。劇場版を分離しない仕掛け。
・初回1時間枠。半分はおさらいと掴み。
・最終話の放送開始前冒頭で「最後に発表がある」と告知。Cパートへの呼び水。
TV版の放送で連続したナンバリングが可能となりましたし、おさらいを強要するでもなくこちらが用意しましたし、往々にしてCパートなんて単語知らないでしょう。{/netabare}

きちんと配慮しながらヲタ世界への誘導が図られてましたね。職業声優さんばかりのキャスティングや力のある制作会社の本気というのもさることながら↓
{netabare}・第1話1時間。最終話CM無し32分ロングバージョン。
・第1話でなく第2話でAimerさん登場
・冒頭OP無しからの最終話。もちろん締めエンドロール。

お馴染みの演出構成とはいえお見事でした。
とりわけCM無しの決断は異例といってよく、制作側とフジテレビ側には相当交渉があったんだと推察されますが、最後はコンテンツをしっかり伝えたい制作側の意志が通ったんでしょう。クール無視の放送スケジュールもそうですね。{/netabare}


制約やルールあってのコンテンツにおいてとりわけクローズアップされるのは品質と納期のバランスです。このへんは某ドラクエや某ジブリが脳裏に浮かびますが、リリースしたらある意味手の離れるものと違って地上波でやりきったところにTVマンの意地みたいなのすら感じました。
ネット全盛もけっこうですが、独占状態になってきたら地上波以上に制限加えたりするのが始まっているのよね。SNSや動画コンテンツがそのへん先鞭をつけてますが映像配信だって潮流からは逃れられないでしょう。チャネル多いに越したことないので地上波も頑張ってね。
今回みたいなチャレンジは歓迎です。



視聴時期:2021年12月~2022年2月 リアタイ

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2022.04.10 初稿

投稿 : 2024/05/11
♥ : 46
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

バトルフィールド吉原炎上

【物語 4.5点】
プロットは少年バトル漫画の王道。
討ち取ったと思った敵は奥の手でさらなる絶望をもたらす。
もうダメだと思った主人公、仲間も、
どっちが鬼だか分からない程の底力を見せる。
驚異の応酬で熱くなる幾度も繰り返されてきたパターン。

にも関わらず、惹きつけられるのは、修行等の道程をしっかりと押さえているから。
鬼殺隊は本当に少しずつしか強くならない。
炭治郎に至っては、先の戦いで一度心が折れてしまった所からの再生。
リスタートの過程を初回拡大版に当てる盤石の土台に乗せてこそ
壮絶バトルの熱量が倍化する。

以前は飛び込めなかった柱VS上弦の鬼の間合いに割って入れた。
ちょっとした進歩に手応えを感じることができる。
私は『遊郭編』放送前に、劇場版『無限列車編』TVアニメ化を流した企画は
妙手だったと思います。


ドラマ部分では兄妹愛を鬼の兄妹も含めて改めて痛感。
TVでは本編CMなしで放送されたという最終回拡大版。
震えたなぁ。感涙したなぁ。
{netabare}一緒に地獄に堕ちることを選んだ兄妹を見て、私が流した涙は、
これで良かったと思ったからなのか、哀しいと思ったからなのか、
未だに判然としません。{/netabare}


【作画 5.0点】
圧巻だったのはCGで構築された吉原の街並み。
遊郭を舞台にしたオープンワールドゲームでも開発してるのか?って位のスケール感。
初回ED後にお披露目され度肝を抜かれて以来、
OPアニメーションにて吉原を一望するカットでウットリするのが私の週課にw
しかも血鎌などで概ね破壊可能なオブジェクトという狂気。

広大かつ自由度が高いバトルフィールド上ならば、
超高速での遠距離移動。相手を遠くまでふっ飛ばして、壁に叩きつける。
帯で建屋等を貫通する遠隔攻撃といったトリッキーな動きまでシームレスに演出し、
バトルシーンの興奮を途切れさせません。

激戦により灰燼に帰す吉原の街。
私は不謹慎にも、ある種のカタルシスを感じてしまいました。


バトル動画より私の印象に残ったのは
{netabare}禰豆子を寝かしつけるシーンの作画の迫真。
全国の子育て現場で繰り広げられているであろう。これもまた修羅場。
私自身も赤子の頃、相当な寝ず子だったそうで、
両親の苦労も忍びながらの鑑賞となりました。{/netabare}


【キャラ 4.5点】
今回の柱。音柱・宇髄天元。
人情の厚さをド派手な出で立ちと尊大な態度に隠した多妻な大男。
最初、{netabare}女の子を攫おうとしていた?{/netabare}時はどうなるかと思いましたがw
真意を隠せる性格が、虚飾多き吉原の任務にはマッチした模様。

主人公・炭治郎が対峙するキャラに、ifのバッドルートを写すことで、
彼がまっすぐ歩む道の貴重さを際立たせる構図も光る。
煉獄さんの父→心が折れたまま堕ちる道。
{netabare}妓夫(ぎゅう)太郎&堕姫(だき)→一歩、環境が変われば兄妹の禰豆子共々堕ちたかもしれない道。{/netabare}
炭治郎は意志も(頭突きもw)強固な剣士なのです。

善逸の鼻提灯タレながら屋根の上を疾走するシチュは衝撃的w
もはや起きている時の善逸を忘れそうになります。
やっと起きたら{netabare}足が潰れていました{/netabare}とか怖すぎですw


【声優 4.5点】
相変わらず激しいシーンでの絶叫(ギャグ含むw)がこだました本エピソード。
炭治郎役の花江 夏樹さんに至っては血反吐を吐いて咳き込む場面の収録にて、
演技に熱が入りすぎて、終わった後、咳が止まらなかったとのお話が。
人間の声帯は痛めたら容易に再生せず、今後も先は長いでしょうから、程々でお願い致します。

特筆したいのは堕姫役の沢城 みゆきさんの表現力の幅広さ。
トップ花魁のカリスマ性から、本性見せた時の恐ろしさ、
ワガママ、甘え放題の駄々っ子ぶり。
上からブスを罵倒したかと思えば、無惨様にはへつらってみたり。
みゆきちの鬼ボイスに終始翻弄されっぱなしでした。

妓夫太郎役はまさかの逢坂 良太さん。
武器から出す猛毒の如く、他人の幸福を僻んで取り立てんと吐く毒鬼ボイス。
耳に残るなぁ。癖になるなぁw


宇髄天元役・小西 克幸さんのド派手ボイスを囲む
CV.石上 静香さん、CV.東山 奈央さん、CV.種崎 敦美さん三人の嫁ボイス。
特に須磨役・なおぼうの喜怒哀楽の激しさは堕姫級で、{netabare}口に石を突っ込みたくなる程w{/netabare}


【音楽 4.0点】
劇伴担当は引き続き椎名 豪&梶浦 由記氏によるフィルムスコアリング。
長尺の戦闘シーンでも上々の対応力。
今作では絶望が極まった際の心情曲も重厚。

主題歌担当はAimer(エメ)
ぬめりを含んだ独特のビブラートが、愛憎渦巻く遊郭のムードにマッチ。
OPの『残響散歌』。絢爛(けんらん)なメロディー&コーラスに、芯の強さが滲む歌詞を乗せて音柱の生き様などを示唆。
EDの『朝が来る』。絶望の底から光を目指すメロディーラインが如何にも作曲・梶浦 由記氏らしい一曲。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45

79.6 3 2021年秋(10月~12月)アニメランキング3位
86-エイティシックス- 第2クール(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (421)
1395人が棚に入れました
東部戦線第一戦区第一防衛戦隊、通称スピアヘッド戦隊。サンマグノリア共和国から“排除”された〈エイティシックス〉の少年少女たちで構成された彼らは、ギア-デ帝国が投入した無人兵器〈レギオン〉との過酷な戦いに身を投じていた。そして次々と数を減らしていくスピアヘッド戦隊に課せられた、成功率0%、任務期間無制限の「特別偵察任務」。それは母国からの実質上の死刑宣告であったが、リーダーのシンエイ・ノウゼン、ライデン・シュガ、セオト・リッカ、アンジュ・エマ、クレナ・ククミラの5人は、それでも前に進み続けること、戦い続けることを選択する。希望や未来を追い求めようとしたわけではない。“戦場”が、彼らにとって唯一の居場所となっていたのだから。そしてその願いは皮肉にも、知らぬ間に足を踏み入れた新天地で叶うことになるのだった。
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

恋愛にオクテな二人が早く結ばれることを願います

この第二クールはギアーデ連邦を中心としてレギオンの大攻勢に立ち向かう様子を描いています。

正直、この物語は暗く陰気なイメージがありますが、最後は明るいハッピーエンドとなります。
特に第22話と最終話の23話はコロナの影響で半年待たされましたが、待った甲斐がありました。
この2話は大変素晴らしい内容です。
特に最終話の途中で、第一クールのエンディング「Avid」がBGMとして流れたときには思わず感動しました。
未来に希望が持てる素晴らしい内容となり、とても満足感がありました。


さて、物語の内容は…
シンたちが生きていました。
シンたちはギアーデ連邦に助けられていました。ギアーデ連邦はギアーデ帝国を打ち滅ぼした市民主体の政府です。
{netabare}
ギアーデ連邦の政府関係者の多くは、当初、得体のしれないシンたちを危険視して処分しようとしていましたが、暫定大統領であるエルンスト・ツィマーマンが、シンたちを救いました。
ツィマーマンがシンたちに話した言葉が感動します。
{netabare}
利益が無ければ目の前の子供たちを助けない社会を良しとするならば、その社会は誰にとっても不利益だよ。
それに、得体が知れないから、万が一…、そんな理由で子供を殺さないと生き延びられないのなら、滅んでしまえばいい。
{/netabare}
その後、ギアーデ連邦の軍部の人たちが戦歴豊富なシンたちを獲得しようとします。
彼らは、シンたち全員が戦場へ戻ることを希望していると言い、自分たちの正当性を主張しますが、ツィマーマンは、またしても彼らの要求を拒みます。
その説明も、大統領らしい素晴らしいものでした。
{netabare}
彼らが戦場に戻りたいという理由は、彼らが戦場しか知らないからだ。任務を全うした彼らには平穏が与えられるべきだ。
{/netabare}
しかもツィマーマンは、シンたちの後見人になったのです。
こんな大統領がいる政府は安心しますね。 {/netabare}

ギアーデ連邦の大統領はシンたちを軍隊から外して彼らに普通の幸せな人生を送らせたかったのですが、結局シンたちはギアーデ連邦の軍人としてレギオンと戦うことを選びます。

そしてシンにユージンという友達ができます。
シンは友達をつくりたがらない性格です。それはユージンが嫌いだからではなく。友達が先に死にゆくさまを見たくないためです。
でも…、{netabare}結局は友達となり、先に死にゆくさまを見届けることになります。レギオンに記憶を奪われないようにと、シンが自ら最後の一撃をユージンの頭に打ち込むことになります。
戦場で友達を安楽死させるために殺す行為は、どこの世界でも行われていますが、やりきれないものがあります。
おそらく、シンも同じ思いだと思います。{/netabare}

そしてレギオンの大攻勢が始まります。その大攻勢はサンマグノリア共和国に対しても例外ではありません。
サンマグノリア共和国の政府高官や軍部高官たちは、圧倒的なレギオンの数に戦うことを放棄し死を覚悟します。
だが、レーナだけは86地区の人たちと一緒にレギオンと戦います。
レーナは今まで一緒に戦ってきた86の人たちの死を無駄にしたくはなかったのでしょう。
そして、わずかでも希望があれば、必死に抗いたかった。自ら希望を捨てることはしたくなかった。

ギアーデ連邦でも、レギオンの本体をたたくためにシンたちを中心に攻撃部隊が特別編成されます。


この物語を見ると、レーナが顔も知らないシンのことを凄く慕っている様子がうかがえます。
最終話の最後に見せたレーナの涙にはウルッとしました。
そして生きる目的を見いだせないでいたシンも、ようやくレーナとの未来に希望をたくしていることがわかります。
シンは第22話で、無意識にそう宣言したのです。

ただ、二人とも恋愛のオクテですので、二人の恋はなかなか成就できそうにありません。
早く二人が結ばれることを願います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「再開」というよりは、まさに「第2部開幕」の趣き。延期にめげず最後まで観て良かった!

== [下記は第2クール初回視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1クール目は2021年4~6月の放送でした。3ヶ月開けての10月放送開始の第1話を観ました。

前クールで廃線となった線路に佇むレーナが出てきていましたが、それを受けての冒頭のシーンというところで、前クールからの物語の継続性が意識された演出だったと思います。

一方で前クールの最終話では一つの物語としてキッチリと綺麗に終わっていたともいえるので、続編として何をするかというところではこれまで明かされていなかったギアーデ帝国に関する事柄を知る驚きを、作中人物たちと試聴者が共有できる構成で、まさに「第2部開幕」といったスタートでした。

ということで、今後もこういう感じで驚きたいので原作はアニメで観た以降は読むのを保留したまま最終話まで視聴したいと思います。

取りあえず、1クール目が面白かった人には間違いなくお勧めです。
== [第2クール初回視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2022.3.31追記:
残り2話、モルフォとの決戦クライマックスというところで中断してから3/5に総集編で再開。以後、3/12、3/19の2回で無事最終話まで放送されました。

狙ったのか偶然か、放送の遅れにより作中の最終話時系列3/20と最終話の放送日時が重なる(3/19 深夜24時 = 3/20 午前0時)などという話題もあり大いに盛り上がった最終回でした。

最後のカットと作品タイトルロゴ『86』の出し方とか、演出面でもかなり凝った作品だったんじゃないでしょうか。

ライトノベル原作なのですが結構真面目に戦争をしていたり、深刻な人種問題があったり、革命政権下で旧皇族の扱いは面倒とかいう生臭い話が出てきたり、爽快一辺倒の話ではまったくありません。

原作を読んでいてもちゃんと集中して読まないと頭に入ってこず、流し読みはできない感じで電撃文庫らしさを感じる作品ですね。

本作とか『天鏡のアルデラミン』とかもラインナップに入っている電撃文庫は、他のライトノベルのレーベルと比べても少しばかり懐が深い気がします。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

追いついたその先にあるものは‥‥‥

原作未読 全12話

86の第2クールです。第1クール(全11話)から観ることをオススメします。

無人兵器と人間が戦っている世界、ある国で迫害され、戦いの最前線(86区)に送られた少年少女たちを描くお話です。

その中でもコードネーム「アンダーテイカー」(死神)と呼ばれるシンエイ・ノウゼンが率いるスピアヘッド戦隊とその国で遠い場所から指揮官として指揮しているヴラディレーナ・ミリーゼ(通称レーナ)を中心に描いています。

最後の2話(総集編を含むと3話)がこの春放送しましたのでレビューが遅くなりました。

先に総集編がありましたので、内容を思い出すことができましたね。

第1クールでは絶望的でこのままで終われない感じの終わり方でした。

このクールでは希望と絶望が交わるお話でしたね。1クール以上の激しい戦いでした。

遅らせただけあって、凄い作画でした。また、描写が色々な意味で限りなく美しく描いていましたね。

追いついたその先にあるものは‥‥‥{netabare}再会と涙と笑顔{/netabare}

最後はとても暖かい気持ちになれました。この後どうなったのか知りたいですが、このあたりで終わった方が良かったのではないか私的は思います。

第1クール・第2クールと続けて観るといいかもしれません。

OPはamazarashiさん、EDはリーガルリリーさんが歌っています。

最後に、レーナことはもう少し観てみたかったですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

78.3 4 2021年秋(10月~12月)アニメランキング4位
ARCANE:アーケイン(Webアニメ)

2021年11月7日
★★★★★ 4.2 (15)
55人が棚に入れました
科学、魔法、そしてぶつかり合う信念。繁栄を遂げる都市ピルトーヴァーと、その下に広がる街ゾウンを舞台に、敵同士として戦いに身を投じる姉妹の運命を描く。

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Brainstorm “ブレインストーム ”

いわゆる“ブレスト”、エエカッコシイ(関西弁)で取り入れたは良いが、収拾がつかなくなり、挙句の果てに大喧嘩となってしまうアレではない。
かの『攻殻機動隊』の原作者をして影響を受けたと言わしめた83年のSF映画、『ブレインストーム』的な意味である。
インスピレーションではなく発作的な錯乱と言うべきか、まさに究極の“ざわつき”を提供してくれる作品だ。
ネタバレとなるので多くは語らないが、あの『ダークナイト』や『ジョーカー』を思い浮かべた方も多いのではなかろうか。

先ずは、Imagine Dragons & JID - Enemy を視聴することをお勧めする。
滅茶苦茶カッコイイのである。
美術がまた素晴らしい。
フランスの制作スタジオだそうである。
バンド・デシネである。引きを多用したメビウス風の背景の中を、縦横無尽に駆け回るキャラクターたち、そのファイトスタイルやギッミクに、日本アニメの香りも感じられ、初見で虜となること請け合いだ。

ただし個人的には、オンラインゲームである“LoL”の世界に没入して生涯を終える程の勇気も時間も持ち合わせていない^^。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

干野梅蔵 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

映像が視覚を殴りつけてくるエンターテイメント作品

海外作品ってどうしてこうも主役キャラが・・・

海外ドラマ等でも見受けられるこの手のキャラは
どうも自分の肌には合いません。。。

好みが別れるとは思いますが
対立するそれぞれのキャラクターの性格が二極化されているので
バランスは取れています。
ゆえに
評価はこのようにさせていただきました。

と書いてはみたものの
そんなことは些細なことであると思えてしまうとても面白い作品です。

---------
本作の主人公は2人の姉妹
赤髪で姉のヴァイ、青髪で妹のパウダー(後にジンクス)
2人の姉妹喧嘩が物語としての核になります。タブン

League of Legendsという世界的に人気のオンラインゲームが原作となるこのアニメですが、プレイしていない人でも当然観て楽しむことのできる作品になっています。


映像作品としての完成度は
とにかく「「素晴らしい」」ので視聴してみる価値はあると思います。

どのシーンを切り取っても
一枚のアートワークとして文句なし
の映像エンターテイメント作品となってます。


なぜ、このサイトではレビューがないのか不思議で仕方がないです、、、



※Netflixオリジナルアニメとなりますのでご注意を。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 1

77.5 5 2021年秋(10月~12月)アニメランキング5位
王様ランキング アニメ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (461)
1456人が棚に入れました
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが“王様ランキング"である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす———— 。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

小さな足跡

WIT STUDIO制作。

ボッス王国の第一王子ボッジは、
生まれつき耳が聞こえず、言葉を話せない。
周りからは、王の器にないと蔑まれている。
そんなある日、カゲと友達になったことが、
彼の人生を大きく前進させることとなる。

王様を順位付けする価値観が存在する世界で、
ハンデを背負い、非力なボッジが、
どのようにして世界を変えていくのでしょう。

ボッジの夢は立派な王様になること。

とても良質なアニメの予感、
絵本のような絵柄とキャラクター、
KING GNUの主題歌も素晴らしい。

11話視聴追記。
それぞれに当然ながら過去があり、
{netabare}鏡の魔女=ミランジョとして、
彼女の闇もまた深そうだ、そして王との因縁。
冥府の罪人が、王国を襲撃する、
修業を終えたボッジは間に合うのか!? {/netabare}

最終話視聴追記。
誰もが幸せになる権利を有している。
{netabare}生きていく上で、恨むことより、許すこと。
その難しさと尊さが描かれている。
王の剣はきっと、その国に暮らす、
人々の苦しみを断ち切るのでしょう。{/netabare}

どうやらまだ、冒険は続きそうだ。
不思議な魅力を持つ作品だと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 47
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

お題の意味するものはなんでしょう?

原作未読

内容はひとまず置いといてリアタイ期にヘビロテしてたクセ強い宮野真守のCM

 アニぃメを見るなら プラ○ムヴィデオん↑

…の話題作品ラインナップちゃっかり入ってた印象が強いやつです。ノイタミナだし、萌え萌えに走っていないデザインなんかも興味を惹きます。それに

 王様のランキングって何だろう?

冷静になると理解不能っちゃ不能。どの尺度で順位付けするのか手段もわからなければ根本的なところでそれやる意味があるのか目的も不明です。裏を返せば何が出るのかお楽しみ。期待値は上がります。
主人公はボッス王国第一王子のボッジ(CV日向未南)。耳が聞こえないため言葉を発することができません。そしてとっても素直な子。なお、喋れないからか作画での感情表現頑張ってますね。表情豊か。

ボッジの弟第二王子ダイダ(CV梶裕貴)はボッジとは対照的な性格で序盤は王位継承争いやってるのでそのへんがランキング云々なのかなと思いましたがこれも違うようです。
{netabare}ダイダとボッジで“だいだらぼっち”日本の巨大妖怪を夢想してたら案の定巨人族が物語に登場。梶裕貴さんが巨人に絡むという伏線を見逃してた自分はまだまだ未熟です。{/netabare}


全23話。
『アルジャーノンに花束を』『フォレストガンプ』みたいに無垢な存在が周りに影響を及ぼしていく展開を期待しました。
おそらく賢王となるだろうホッジが帝王学を学んでいく過程みたいなのもあるかなとも思いました。
『王様ランキング』なんて順位付けある世界の秘密が明かされた時の驚きを楽しみにもしてました。

との事前期待がありました。結果は上から順に{netabare}“それなりに影響及ぼしてった”“それなりに帝王学会得してった”“ん!?ランキング意味あった?”{/netabare}です。
なんとなく良いお話で終わっているので結果オーライって感じですね。

■なんとなく…良い
きちんとお話の軸{netabare}、“先王とミランジョ(CV坂本真綾)の因縁”{/netabare}があって一本芯が通ってました。
ボッジとダイダだけではなく登場人物各々にある“光と影”を描きながら“難しい選択”を迫り決断させています。特に上に立つ者の心得/教訓めいたものはどこかの故事をなぞっているフシもありストンと腑に落ちるところがありました。

■なんとなく…悪い
一方で良き心得/教訓は寄せ集め感とでもいいますか首尾一貫したところがなく、数話前の同一キャラの行動原理と根の部分で違っていることもしばしばで全体感の把握を妨げました。
どういうことかというと、ABCの小ネタストックあるうちAはストーリー進行上正しいネタなのだけれど、そこのパート演者であるXがとる行動としては合わない!みたいなところに平気でぶっこんできているところ。こうなるとキャライメージが脳裏に定着しないんですよね。


光と影が交錯しながら最終的にはポジティブな幕の引き方をする。好意的に評価しつつも2クール費やしといて“ランキング”の意味するところ全く持って不明ってのは続編期待なのかもしれませんが不親切。総じて満足と物足りなさ半々といった佳作かと思います。



※雑感

■一言

・OPとED。前期も後期も良曲でした。
・坂本真綾さん。{netabare}近年、魔女役くらいでしかお会いしてない気がします。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~2022年3月 リアタイ

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2022.03.27 初稿

投稿 : 2024/05/11
♥ : 42
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

子ども向け絵本を長編にしたような話

【感想】
途中までは見た目が児童向け絵本っぽいからと言って視聴しないのはもったいないくらい面白かった。
常に先が気になってワクワクさせてくれる作り。単純に話が面白いですね。

でも見た目だけでなくシナリオも良くも悪くも絵本みたいな作品で、絵本って話がコンパクトにまとまってて無駄がないから面白いけど
それを長々引き延ばすと飽きてしまうということが良くわかる作品でした。
正直、バトルの無駄な引き延ばしが他の面白さを台無しにしていると思う。

2クール終わったところで {netabare} 「王様ランキング」部分がまだ本格的に始まってない?感じでしたし
これから面白くなるのかどうかもよくわからないですが、バトル以外は結構好きな話なので視聴は継続するつもりです。

2クール通じて同じような調子が続いて飽きてきてるので、今後面白くなるかは「変化」が鍵になってくるでしょう。 {/netabare}

【バトル】
これが一番ダメなポイントで、とにかく長く引き伸ばし過ぎでくどい。
動きがスピーディーなのに展開を引き延ばすことが多くてスピード感が台無しでいつまでやってるの?って思う。
{netabare}
特にオウケン戦のくどさはバトルアニメの悪い見本で、このアニメの戦闘は長いだけで面白くないっていう印象にさせた元凶。
退場させるタイミングを完全に誤ったと思う。
これだけぐだぐだ戦って、実はこんな人だったって話をされても「もうオウケンはいいから早く退場して」って気持ちしかないから興味なんてない。

このオウケン戦の無駄な長さで視聴者を飽きさせてしまっているのが、この作品全体の評価の暴落の最大の原因だと思います。
{/netabare}
【作画・音楽】
ファンタジーな世界観によく合う児童向け絵本のような見た目と世界観がとても個性的ですね。

主題歌はとても好きです、OPもEDもいい曲ですね。

【シナリオ】
だいぶ重い話です。かわいい見た目に油断していると結構ショックでかい。
{netabare} でもそれは途中までの印象で、「悪い人が実は良い人だった」「戦っても誰も死なない優しい世界」というコンセプトが見えてしまってそれがずっと続いていくとくどいし無理があるところも出てきましたが、もう少し変化さえあれば許容できる範囲かな。
変化とか驚きは長い物語を見るうえで大事なことなので、どうせ最後はこうなるんだろ?は回避しなきゃいけないと思います。

ただ、最初のほうは本当に面白くて良かったので、序盤だけの印象の感想も書きます。

王道ファンタジーのシナリオで、それぞれのキャラクターの背景が複雑で目が離せなかった。
信じていた人が実は酷い人だったり、嫌な人が実はいい人だったり、人間関係がとても複雑だけどわかりやすくて、
誰を信じたらいいかわからないけれど、疑心暗鬼になるんじゃなくて誰を信じたいかで動くボッチ。
信じた結果裏切られることになるかもしれなくても、それでも信じたいって思うのが人間だから。
いい人ばかりじゃないけど、まっすぐ前を向いて頑張るボッチの勇敢さと強さに何度も勇気づけられました。

見た目がこれだけ可愛らしいのに、結構えげつない出来事とか酷い境遇とかいっぱいあって
ボッチは何度も何度もつらい目に合うけど救われない話じゃなくて、ちゃんと支えになってくれる人がいるし
周りの助けだけでなんとかするんじゃなくて、ボッチ自身も一生懸命頑張って、周りの優しさを力に変えて困難に立ち向かうシナリオが熱い。
つい応援したくなっちゃう心温まる話ですね。

ボッチの味方をしてくれる人はもちろん、敵に回る人達にもちゃんとそれぞれの事情や生きてきた軌跡が描かれていて
なんでそんな意地悪なことをするのか、ただの嫌な人じゃないんです、
この人だって苦しんでいるんですっていうのがわかったりしていろんなキャラクターを好きになっていきますね。
ボッチに次々と困難が襲い掛かってくるので、もうダメだって思ったときの思いもよらない人からの助けが入ったりして
不意打ちですごいじーんときてしまう。 愛が深すぎる。
一生懸命生きているってこと、ちゃんとボッチのこと見てくれてる人がいて、ボッチの優しさがちゃんと相手に届いて
その優しさに優しさで答える人達。
お前はひとりじゃないよって言ってくれているようで良かった。

でも、それがずっと続くと話は変わってくる。
仲間がどれだけ傷つこうがピンチになろうが、敵が強大だろうがどうせ誰も死なない、どうせ改心するってのがわかってくると緊張感も興味も失っていきます。
結末を分かっている話を面白いと思うのは難しい。しかもそれが間延びしていたらなおさら。

最初に書いたけど、絵本って短くコンパクトに話がまとまってるから面白いんだと思う。
絵本のストーリーを引き延ばすとこうなるっていう悪い見本になってしまった。

ボッスとミランジョは私はそんなに嫌な印象はなかった。
もちろんやったことは許せないことだけど、何か事情があってやってるんだろうなってのは作品のコンセプトからわかっていたことなので。
ただ、ボッスのほうは嫌悪感はないけど共感はできなくて、しょうもないなあって思いましたけどね。

たぶんオウケン戦があんなにくどくなければ、せいぜい「ご都合主義だなあ」くらいで終わりだと思う。
{/netabare}
【キャラクター】
主人公がしゃべれないっていう設定は短い作品なら個性があって良かったけど、長くなってくるとデメリットが際立つようになってきますね。
しゃべらせないで視聴者の共感を集め続けるのって限界があると思う。

キャラクターの掘り下げを全然しないダメな作品は多いですが、これは逆で掘り下げをやり過ぎ。
登場人物や悪役一人一人を掘り下げる必要はないと思うんです。
{netabare} ただ悪意しかない邪悪なキャラクターだって、何も考えてないモブだって必要なキャラクターなので、全員を掘り下げていたら長くてくどいのは当たり前だと思う。

最初はキャラクターの印象はかなり良かった。
単純な話かと思ったら、それぞれのキャラクターの掘り下げが深くてついつい先が気になりました。
人の心の醜い部分、弱い部分、強い部分、優しい部分がバランスよく描かれていて
一人一人のキャラクターの生き方につい注目してしまいます。

ボッチがカッコいいのはもちろんのこと、わき役一人一人が本当に魅力的で素晴らしいと思っていた時もありました。
これも一緒で、母親のエピソードくらいで終わっていれば「面白かった」という評価で終わりだったんですが・・・。
なにごともほどほどが大事ですね。

続編があるのなら、こういうマンネリが変化することを期待します。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32

77.3 6 2021年秋(10月~12月)アニメランキング6位
ARIA The BENEDIZIONE(アニメ映画)

2021年12月3日
★★★★★ 4.2 (62)
257人が棚に入れました
長い冬を迎えたネオ・ヴェネツィア。寒空の下、合同練習をしていたアイ、あずさ、アーニャの3人は、いつもと様子が違う晃の後をつけたのをきっかけに水先案内人ミュージアムを訪れることになりました。出迎えた館長の明日香は、姫屋の伝説的なウンディーネとして知られる晃の大先輩。二人は姫屋の創業時から大切に乗り継がれてきた1艘のゴンドラの継承者でもあるのですが、晃の話によると、次の乗り手として期待される藍華にはその気がないというのです。納得がいかないあずさは、どうしてなのか理由を探ろうとするのですが……。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

努力を積み重ねる頑張り屋さん それが優秀な人の証

この映画はARIAのフィナーレです。
2005年にテレビ放映が開始されて16年。多くの視聴者の心を癒してきたARIA
それがついに終わりを迎えました。私達ARIAファンにとって、それは一つの時代の終わりを意味しています。
佐藤順一監督や制作を担当された皆様方、今までありがとうございます。そしてお疲れさまでした。


この映画は、藍華(あいか)と晃(あきら)の昔話が思い出として語られます。
この二人、実は似た者同士なのです。
二人とも、自分には才能がないことを知っていました。

才能がない人が学力・技術力を向上させるためにはどうすれば良いでしょうか?
その答は簡単です。
努力すればいいのです。努力を積み重ねれば良いのです。
但し、口で言うのは簡単ですが、それを毎日毎日実行するのは、相当の忍耐力が必要です。

そして、懸命に努力を重ねても、挫折しそうなときが必ずあります。
そんなとき…、助けてくれる人がいたら、心が救われます。頑張り続けることができます。
藍華は晃に,晃は藍華に、心を救われました。

年下の藍華には晃を助けた記憶がありません。でも、助けられた晃はしっかりと覚えています。
当人はほんの些細な出来事だと思っていても、それで救われる人はいるのです。


Openingは牧野由依さんの「エスペーロ」でした。
初めて聞く曲ですが、どこか懐かしい。まさにARIAらしい曲でした。
そして物語の最初から最後まで途切れることなく穏やかに流れるBGM
とても心が癒されます。

そしてEndingは、牧野由依さんの「ウンディーネ」
これはARIAの始まりの歌。もっとも思い出深い曲です。
きっと多くの人が「ウンディーネ」を聴きたかったはずです。

最初から最後まで、心が癒されます。

欲を言えば、最後は灯里が主人公で締めくくってほしかったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 19
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

その 薔薇の香りに包まれて…

原作未読 初日舞台挨拶30分+上映時間61分

TVアニメ放送10周年記念プロジェクト 『蒼のカーテンコール』3部作の最終章です。

初めて初日舞台挨拶を観ました。(中継)

今回は姫屋が中心なので、藍華役の斎藤千和さん(ビデオメッセージ)の・晃役の皆川純子さん、あずさ役の中原麻衣さん、灯里役の葉月絵理乃さん、アリス役の広橋涼さん、監督の名取孝浩さん、そして総監督の佐藤順一さんが登壇されました。みなさん和気藹々でおめでたいお話が3つもありwトークも盛り上がってとても楽しいひと時でした。

冒頭、ショートアニメ{netabare}(結局、私は何が変化したか分かりませんでしたw){/netabare}を挟んで、本編が始まりました。

第1部のARIA The AVVENIRE(未来)はARIAカンパニーの灯里・アイを中心に、第2部のARIA The CREPUSCOLO(黄昏)はオレンジプラネットのアリス・アテナを中心に、そしてこのARIA The BENEDIZIONE(祝福)は、姫屋の藍華・晃を中心のお話です。

今回もアイ、アーニャ、あずさの後輩ちゃんたちが起点となって物語が進んでいきます。

佐藤総監督がお話ししていましたが、テレビの1期から音楽を担当している方達に観る方にすぐにARIAの世界に入れるように何気ない日常に音楽つけてほしいとリクエストされたとのことでこのBENEDIZIONEも始まった瞬間、ARIAの世界に引き込まれました。

藍華・晃の過去を描きながら2人がどう絆が深められてきたかという感じで、とても心が暖かくなるお話でした。

今回も原作者の天野こずえさんの書き下ろし漫画付きパンフレット買いました。藍華・晃に焦点を当ててより密度の濃いお話でしたね。

これで『蒼のカーテンコール』は終わりとなります。寂しくなりますね。後輩ちゃんたちの成長をもっと観たいです。いつかまた会える日を待っています。演者のみなさん・総監督も含めてこれで終わりじゃない感があったので、首をなが〜くして続きを待っています^^
主題歌は牧野由依さん、歌声を聞くと涙が出てきますね。

最後に、火星をテラフォーミングされた水の都アクアの水先案内人(ウンディーネ)たちの物語。ゆっくり流れる時間と何気ないひとときを一緒に過ごして観ませんか。

さあ、お手をどうぞ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

剣と盾

本日はARIAの青のカーテンコールの第3幕を見て来ました。

ARIAシリーズはBlu-rayも夏に全て購入して予習をして初日の初回公開と2回目の公開の2度見ることにしました。
今回もTwitterで半券キャンペーンもするようですしARIAは何度見ても飽きませんし特典の色紙も可愛いから欲しかったしw

さて、物語は姫屋のアキラ&アイカペアが物語の軸となります。
原作でもアニメでも殆ど描かれてない。
アイカの昇格試験が明かされます。

そして、アイカは姫屋の次期当主でもあり歴史が1番深い観光協会の伝統ある姫屋を将来背負って立つ人間でもあります。
だから、彼女は当時その重荷に苦しめられた。

{netabare} アイカの母はアイカに姫屋を継いで欲しい訳じゃなくて、アイカには自分の道を進んで欲しかった。
でも、アリシアさんと出会いウンディーネに憧れウンディーネになる決意を母に伝える。{/netabare}

でも、成長して知っちゃった。
{netabare} なりたい気持ちだけではなれない事に。
アイカの母はクイーンと呼ばれる姫屋の総支配人……そして姫屋に所属するウンディーネ達に更にアキラさんを含む姫屋の歴代エース達。{/netabare}

そんな人々の中で揉まれたアイカは、自分の事を何も秀でた物がない粗悪品だと思ってしまう……
だから、悩んでしまう。

何故、悩むのかな?
{netabare} それを考えた時、アイカちゃんの中の悩みと考えが見えてきます。

1つは、彼女は姫屋の次期当主について凄く考えています。
姫屋の歴史の深さと重み。
姫屋がここまで大きくなったのはクイーンを初め沢山の人が姫屋の歴史に伝統や信頼に信用を積み重ねてきたわけです。
それだけで、凄く凄く凄い訳ですよね。

それを、ただ、産まれたら姫屋の一人娘だから、クイーンの娘だからって理由で自分が受け継いでいいのだろうか?

それをミドルスクール時代のアイカは、幼き頃の自分の発言と姫屋の次期当主って立場と向き合った。
真っ直ぐで真面目な彼女だから見えた現実だったのかな?って…… {/netabare}
この事に、この歳でしっかり向き合えるのは凄いと思います。


2つ目は、誰もアイカちゃんをアイカちゃんとして見なかった。
{netabare} 姫屋の娘だから優秀、クイーンの娘だから優秀、次期当主だから優秀って風にしか、多分誰も見なかった……だから簡単に優秀と言われたり期待されると心は傷ついて……重くて苦しくなってきちゃう……

周りの人も別に馬鹿にしたり嫌味で言ってる訳じゃない……でも肩書きで期待されて褒められても本人からしたら秀でた物もないし期待に答えられるかな?何を見て優秀だと言うのかな?って不平不満で負担になってしまう。 {/netabare}

だからこそ……現実から逃げ出した。
姫屋から……ウンディーネから……自分から……

{netabare} でも、アキラさんが、そんな彼女を見つけだしてアイカちゃんが納得出来るまで文句言わずに付き合ってくれる。

事情も聞いたりはしない。
静かに優しく、アイカちゃんが喋りたくなるまで、ただひたすらにゴンドラを漕ぎながら待っていてくれた。
話を始めると漕ぐのを辞めて目をしっかり見て聞いてくれる。
本当に優しくてカッコイイなぁ〜って思いました。
{/netabare}

昇格試験にはあんな事があったんですね。
{netabare} アイカちゃんの姫屋に認められたい訳じゃなくて、アキラさんに認めて貰いたいって凄く素敵な気持ちですよね。{/netabare}

次に、何故アイカが姫屋ではなく{netabare} アキラさんに認められたいかって、深く掘り下げると。
多分、アキラさんってアイカちゃんに接する時に姫屋の娘やクイーンの娘としてではなく、1番最初にアイカちゃんとして見てくれた人だったんだと思いました。
だから、アキラさんに認めて貰いたかった。 {/netabare}

そして、作中でも話してましたが、アリシアさんに見惚れてウンディーネを目指したけど……
{netabare} 彼女が見てきたのはアキラさんだからアキラさんに認めてもらいたい! {/netabare}
アキラさんは凄く嬉しかっただろうなぁ〜

アキラさんの昇格試験は難易度高めで、諦めてしまいます。
でも、アイカちゃんは気がついたのです。
これくらいで折れるくらいなら昇格した後の茨の道は歩けない事に。

アキラさんの{netabare} 「昇格試験……ちと難易度を高くしすぎたかな」ってセリフの後のアイカちゃんの顔は笑って居ました。
逆境でも笑えるくらいに成長したんだって思えました。 {/netabare}

この2点なが私が強くアイカちゃんの成長を強く感じたシーンでした。

{netabare} そして、昇格試験でアキラさんに勝利する。
この瞬間、私は……あぁ、そっか、アイカちゃんがアキラさんを超える日が来たんだ。と思いました。
プリマ昇格試験試験が、その一手目なんだと感じました。{/netabare}

この2人って凄く似てますよね。
努力家で頑張り屋だけど……他にも共通点がある気がします。
この2人は多分……もし、お互いに出会ってなければプリマになれなかったんだって思いました。

アキラさんは当時諦めかけていた時に幼いアイカちゃんに大切な気持ちに気付かせてもらえたから今のプリマとしてのアキラさんがいる

{netabare} アイカちゃんは家出をした時にアキラさんに見つけて貰えたから逃げ出さずにすんで今、プリマとして成長したんだって思いました。
アキラさんの走りながらの回想を見ながら、そう感じちゃいました。{/netabare}
本当に素敵な2人だと思います。

レジェンドゴンドラ……
姫屋創立から共に歩んできたゴンドラ。
歴代の姫屋の猛者達が乗り継いできた大切なゴンドラ……アイカが乗るのがいいと皆は言います。

それは、アイカが姫屋の次期当主と周りが認めているからです。
{netabare}でも、そのゴンドラには乗りたくないと言います。{/netabare}

私はアイカちゃんがゴンドラに乗らない理由に少し学ばされました。
{netabare} ただ、バトンを繋ぐだけじゃダメなんだと。
考えてみれば、バトンを中継するくらいなら誰にでも出来る……それは自分じゃなくても。

でも、バトンを渡された時にするべき事は、そこに自分が居た事を、自分の……自分だけのレジェンドを刻み込む事の大切さ。
だから、アイカちゃんはレジェンドゴンドラには乗らない……歴史が作った高みに乗るだけではなく、自分がそこから更なる高みへと姫屋を導く為に自分のレジェンドを始める為に…… {/netabare}


作中に出てきた。
「頑張り屋さんだから優秀」ってセリフいいですよね。
才能なんて有るに越したことはないですが、才能がなくても諦めずに頑張れば優秀になることだって出来る。

世の中、自分が優秀だなんて思える人は少ないかもしれません。
周りと比べてしまい自分はダメだと思ってしまう人も少なくはないかもしれません。

それでも、諦めずに頑張り続けたらアイカちゃんやアキラさんの様に頑張るから優秀な人になれるそんな気がするセリフではないでしょうか?
皆さんはどう感じましたか?

アイカちゃんは優秀だと言われる事に不安や負担を感じていました。
{netabare} でも、プリマになった後のアキラさんの「これだけ優秀なのに、とても頑張り屋さんだもんな」ってセリフに「それはちょっと違いますよ。頑張り屋さんだから優秀なんです」と返して居ました。
優秀って言葉を自分に言ってあげられるくらいに成長した{/netabare}彼女の姿がそこにありました。


さて、蒼のカーテンコール最終章との事ですが最後までよかったです。
ラストのエンディングが今までなら次への歩むアカリちゃん達の姿が描かれていましたが、今回は最終章だけあり歴代のARIAのシーンを振り返るような仕様になってます。
くぅ〜最終章なんだなぁ〜って実感した‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬

そして、アカリちゃんの最後の言葉の{/netabare}「この街を作った人も携わった人も今はもう居ない……でもこの街はネオヴェネツィアであり続ける私達が居なくなっても」ってセリフも何だか切なくも感じるけど{/netabare}
「あぁ〜そうだよね」って納得しちゃう自分もいたりします‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬

↑多分、アカリちゃんのセリフと違うところもあるかもです(*꒪꒫꒪)
うろ覚えな部分もありましてww

アキラさんについても最後に1つ。
私はARIAのキャラは一人一人が女性としての強さが輝いている部分があると思います。

例えるなら、アリシアさんが優しい女性でアテナさんなら美しい女性って感じで。
アキラさんなカッコイイ女性ってイメージがあります。

今作はアキラさんのカッコ良さが引き立っていましたね。
振る舞いが色々カッコよくて、何度か姫を守る騎士の様なナイトみたいだなぁ〜って感じました。
{netabare} アイカの剣となり盾となる。 {/netabare}
このセリフに凄く合うのがアキラさんだなぁ〜って感じました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

76.1 7 2021年秋(10月~12月)アニメランキング7位
ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア(アニメ映画)

2021年10月30日
★★★★☆ 4.0 (164)
853人が棚に入れました
新プロジェクトで描かれるのは小説『ソードアート・オンライン プログレッシブ』を原作とした物語。

デスゲームの舞台であるアインクラッド第1層からクリアまでの軌跡を川原自らが描くリブート・シリーズ。キリトが“黒の剣士”となったエピソードや、《アインクラッド》編では語られなかったエピソード。

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥
ネタバレ

遊微々 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

さあ立ち上がれSAOアンチよ!今こそ手の平を返す時だ!!

勝ったあああああああ!!!!
俺ようやく勝ったよおおおおおお!!!!


まあ順を追って説明しましょうか。
最早説明不要な「とある」に続く電撃文庫が誇る大ヒットシリーズ「ソードアート・オンライン」
2012年のアニメ1期放送から、アニメ業界でも一線級の人気を集める作品ですよね。
私自身は1期放送のリアタイ勢なのですが、今まであにこれで触れることはほとんどありませんでした。
まあこの作品やっぱりファンが多いわけじゃないですか。このサイトにも好きな人は多いし、キャッチさせていただいてる方にも高評価な方が多いわけですよ。そんな状況でこんなこと言うのもあれなのでレビューとかも一切控えてたんですが、いい機会だからハッキリ言いましょう。

私このSAO、大っっっっっ嫌いな作品だったんです。

うーん、なんて言うんでしょうか。好きと嫌いは表裏一体とでも申しましょうか・・・
最初の3話くらいまでは面白くて毎週楽しく見てたんですよ。でも10話過ぎたあたりから急速に熱が引いていくのを感じるようになりましてね。最終話まで見終わった時に感じたのが凄まじいまでの失望感だったんですよね。
最初に感じたワクワクが消え失せていくのがどうにもやるせなくてですね。
キャラも世界観ももっと調節すれば上手くいくのになぜこんな結果に・・・という感情が先行してしまって、気づけば反吐が出るほど嫌いな作品になってました。
極端な話、キリトとかアスナとか全員〇ねばいいのに、くらいまで至っていたと思います。


さあそんな私の目に飛び込んできたのが今作「ソードアート・オンライン プログレッシブ」の告知。
最初のSAOの新解釈版というかリブート版みたいな内容ということで、私がずっとヤキモキした気持ちを抱えてた「もっと他にやりようあっただろうがよぉ」をワンチャン形にしてくれているのでは!?という期待を込め、見に行く決意をしたのが3か月前。
で、今日ようやくその日が来たわけですけども、結果は最初に述べた通りです。

いやーーーー、長かった。1期放送から約10年、ようやく面白いと思うことができて良かったですよホント。

{netabare}TVシリーズの本筋をなぞりつつも、ちょくちょく変更が加わってましたね。
アスナの親友であるミトの存在や、キリトと出会うまでの過程が変わっていたりと。
特にキリトとの出会いと関わり方をTVシリーズと変えていたのは本当に大事でしたね。「いつの間にこいつら仲良くなってんの?」状態だったあっちと違って、こっちの方がより自然で受け入れやすいです。
そして危機感の描き方といいますか、命がけの戦いから生まれる緊迫感がよく伝わってきました。そうそうこういうのを求めてたんですよこっちは。
おかげでご覧なさい?あれだけ鼻についてウザさと薄ら寒さしか感じなかったキリトさんの活躍シーンがこんなにも意味を持ったカッコイイシーンに仕上がるわけですよ?
ビーター発言のところとかTV版見返しても「キャーキリトサンカッコイイー」くらいにしか思わないのに、そこに至るまでの経緯をしっかりと描くことで「キリトさん・・・アンタ男やで・・・」と見えてくる不思議!
そして野郎がカッコよければそれに比例してヒロインのアスナの魅力も増すってわけですよ。正直キャラデザ以外の魅力0だなこのヒロインと、そう思っていた時期が私にも・・・というかずっとそうだったんですが、今作で見せた普通の人間らしい弱弱しさやそこを乗り越える強さ、そして時折垣間見える可愛い女の子らしさといった部分が実にGOOD。アスナさん、あんた超ヒロインしてたよ・・・。
ようやくこの二人が好きになれたというだけでも今作が果たした役割は大きかったです。やっぱりボーイミーツガール好きとしてはこのままで終わりたくなかったですしね。

ただ一つ誤算だったのは今作で完結!!
ということではなく、どうやらこのシリーズ続き物になるみたいで・・・
今回の感じだと3~4部作くらいの構成になりそうだなーという予感。
あんまり待たされるのも嫌だなー。
{/netabare}

SAOファンの方はもちろんですが、SAO嫌いな人にこそ一回見て欲しい。
マジで認識変わる可能性あるから!マジで!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30
ネタバレ

ゆーな さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

みんな心配してそう

コロナ心配だったけど映画館に2人で行ってきましたヽ(ω・ヽ)

アスナ視点でアインクラッド編を見ていくだけではなくて、一期になかったお話が追加されて一期で想像するしかなかった部分のお話が見れたのはとっても良かった(*'ー'*)
新キャラクターは不遇な感じがして私はあまり好きではないですけど、一期に登場してないキャラクターなのでいつ死んじゃうの?ってドキドキしながら見てました((((;゚Д゚))))ガクガク

アスナが主役だから優雅な感じカナって思ってたけど、ゲーム好きなキリト君と違ってゲームとそんなに縁がないアスナがSAO事件に巻き込まれたのはもっと不幸な感じがしてかわいそうって思っちゃいました(/_<。)
普通の中学生の女の子だったのにね(´・ω・`)

一期の時も思ったけどフルダイブしている間、身体のほうは無防備だからアスナみたいな可愛い女の子が遊ぶのは心配になっちゃいますよね(-_-;)

とても楽しかったので、映画館に行けて良かったですo(・∇・o)

{netabare}
アスナのサービスシーンはお約束みたいになってるよね(*´艸`)
わたしは女なのでドキドキはしないけど、アスナのサービスシーンって女神様みたいな神々しさがあって、ぜんぜんいやらしさがないのが好きかも!

広場の作戦会議に出ていたちょっと意地悪そうな煽っていた人誰だったかなぁ。
後のエピソードに出てきた人だと思ったけど ホエ?(´д` )

他のよくあるデスゲームに巻き込まれた人だと「あなたのせいで」って責めたりするけど、アスナは全然そういうことしないのがステキ!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

さあ、物語のはじまりへ。。リンクスタート! 

 
衆議院選挙で騒がしい2021年の10月某日。

明日ヒマだな~映画なんかやってたかな~。検索してみるか・・
ん・・?
SAO劇場版?ああ、SAOリブートのやつか。
え・・?
初日舞台挨拶ライブビューイングだとお!

購入ボタンぽちっとな。

てな流れで観てまいりました。

 原作 :KADOKAWAラノベ(未読)
 制作 :A-1 Pictures
 公開 :2021年10月30日~
 視聴日:2021年10月30日(109シネマズ富谷)

■初日舞台挨拶(約30分)
出演者は、河野監督、戸松遥、松岡禎丞、Lisa、そして・・水瀬いのり?
ナマいのりんマジ尊いわ~(厳密にはナマじゃないけどw)
やっぱかわえかったですw
挨拶内容は、見どころや演じた苦労とか、やっぱネタバレできないってことで、遠慮がちでしたが、もちろん期待値もテンションも上がり、同時にハードルも上がりましたねw
2回目の舞台挨拶も決まったそうで、そこではネタバレありありらしいので盛り上がりそうだし、ナマいのりんをご所望の方も公式HPをチェックしとくと良いかもw

 #詳しく知りたい方は、
 #「SAO 初日舞台挨拶」でググってみてください。
 #(ここ、URL貼れなくなったもんだで・・)

■本編(約1時間45分)
公式にも書いてある通り、アスナ視点で描かれるリブートシリーズの第一歩です。
正直、あっという間でした。

なるほど、こうやってキリトと出会ったんだ。。
~▼超{netabare}ネタバレ
自分の中では既に人のものとなってしまったアスナですが、
この作品においてはまだ誰のものでもなく、初々しさもあり、
やっぱ魅力を感じてしまいました。。

ミト(水瀬いのり)・・
仮想世界では初め男キャラ。
「おいおい、いのりん最初だけかよ~!」
「このままフリーザ声で通すのかよ~!」
とがっかりしましたが、そんなわきゃなかったですねww

そっか・・本人の容貌に強制変換されたんだ・・
どうりでキリトも本人に似てるワケだ・・
すっかり忘れていましたw

にしてもミトは1期に出て来ていないワケで・・
「これはどっかで死ぬのか・・そうなんだな?」
と思って身構えていたら、これもハズれてまたも安堵w

アスナとミトの再開・・
個人的には「そんなんじゃ済まんやろ」と思います。
パーティーを外れて逃げた理由、ちゃんと聞いてないし。
(聞き逃したんじゃなければ)

これから始まる物語の、初回数話分一挙放送!みたいな、カンジでしたが、原作プログレッシブ編は前日譚ということなんで当たり前かもです。
TVシリーズ1期をちらっと観返しましたが、第2話までの話でしたね。
同じところ、違うところが興味深かったです。
この前にアスナとの出会いがありミトとの別れがあったんですね。
ミトは映画オリジナルらしいですがサブストーリー的に出してくれるとありがたい。

シリカ・・
1カットしか出なかった><

サチ・・
期待したけど出なかった。
(真のヒロインはサチやろがーい)
ま、次があるさ。。次はサチ視点でよろしくですw
{/netabare}~▲

バトルは確かに迫力あったかな。
初心者なアスナもこれまでになく貴重。
バトルが好きな人やアスナファンなら劇場視聴もいいかもです。

さあ、この先のアインクラッドの物語が楽しみです!
もちろんアノ娘は出るよね~~w
 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

76.1 7 2021年秋(10月~12月)アニメランキング7位
ワールドトリガー 3rdシーズン(ワートリ)(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (149)
575人が棚に入れました
空閑遊真:村中知
三雲修:梶裕貴
雨取千佳:田村奈央
迅悠一:中村悠一
ヒュース:島﨑信長
影浦雅人:杉田智和
東春秋:浜田賢二
村上鋼:野島裕史
ミカエル・クローニン:竹内良太
林藤ゆり:能登麻美子
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

悔しい気持ちが君を強くする

1期2期の視聴は必須です。
まず作画が1期→2期→3期とどんどん良くなっているのが素晴らしいですね。音楽も演出もGOOD。

面白いアニメなのに一期の作画崩壊と1期後半に急に面白くなくなったのが本当に勿体なかった。

今回は何といってもバトルシーンの駆け引きが面白いし綺麗な作画で見ごたえ抜群でしたね。
昇格試験、トーナメント戦、ランク戦、クラン戦・・・こういうバトル漫画のお約束ってワクワクしますね。

{netabare}
4チーム入り乱れてのROUND7とても良かったけど、さらにその上をいくROUND8の面白さと、敵チームの脅威感がすごかった。
どちらも手に汗握る戦いで、最後までどうなるかわからない緊張感と終わった後の心地よさ。
千佳の成長なんかも物語的にも戦闘的にも良いスパイスで胸が熱くなりました。

それから相変わらずくじけそうになる仲間に対してキャラクター達がかける言葉が熱くて好きです。
もうだめだって思った時の、味方からの信頼の言葉ってとても勇気もらえますよね。
ライバルも味方も、みんなで一緒に高め合って成長していく王道のストーリーが心地いい。

欠点の作画が改善されたので悪いところなんてほとんどないですが、
3期はヒュースに完全に美味しいところをもってかれててますます修の活躍が地味で目立たないのは歯がゆい感じがしますね。
軍師の役割なのに、そのお株も後半奪われ気味で見せ場を奪わないであげてって思った。
千佳も大きく成長しましたし、次は修の番でしょうか?!(私は原作知らないのでどうなるかわかっていません)
ここから修がどう成長していくのか、先が楽しみです。
{/netabare}

ワールドトリガーはかなりじっくり丁寧にアニメ化しているのが特徴で、スローテンポに見えますが、そのぶんしっかりキャラクターの掘り下げ、戦闘シーンの駆け引きが丁寧にされていて没入感の高い作品に仕上がっています。
一期で切る人は多いと思うんですが、作画やテンポの遅さできるのは本当に勿体ない。

3期はすごい先が気になるところで終わったので、4期が待ち遠しくて仕方ないです。
原作読めばいいんでしょうけど、せっかくアニメのクオリティ上がっているので4期を気長に待ちます。
早く、早く続きを!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

激しさ増しましのB級ランク戦もいよいよ佳境…玉狛第2の目論見は如何に…!

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期と第2期は視聴済です。
完走後にwikiをチラ見して知ったのが、ゲームが発売されていたということ…もちろん未プレイです^^;


未知なる力を持つ「近界民(ネイバー)」の襲撃に対抗すべく設立された界境防衛機関“ボーダー”。
その末端に所属する三雲 修(CV梶 裕貴)は、
偶然知り合った「近界民」空閑遊真(CV村中 知)と
幼馴染である雨取 千佳(CV田村 奈央)と共に三雲隊を結成、
「近界(ネイバーフッド)」への遠征部隊加入を目指すべく
ボーダー内部のランク戦を勝ち抜こうと奮闘していた。

三雲修、空閑遊真、雨取千佳の3人は強敵(ライバル)達との熾烈なB級ランク戦をROUND6まで戦い抜き、
遠征部隊入りの望みをつないでいる。
戦力の補強を図る修はかつての敵「近界(ルビ:ネイバーフッド)」最大級の
軍事国家アフトクラトルの捕虜であったヒュース(CV島﨑信長)を新たに加入させることに成功、
新生・玉狛第2として始動する。

各々の目的の為、遠征部隊入りを目指す4人は激しさを増すB級ランク戦を勝ち抜くことができるのか!?
そんな中、玉狛支部の古参メンバーであるミカエル・クローニン(CV竹内 良太)と
林藤ゆり(CV能登麻美子)が玉狛支部に帰還。

ゆりの口から玉狛支部の過去、ボーダー誕生の秘密が明かされるのであった。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。


現在は、三雲修率いる玉狛第2が遠征部隊加入を目指してB級ランクの上位目指して奮闘している物語…
で良かったんですよね^^;

この作品の特徴は、展開や物語の進行が物凄く丁寧であることだと思っています。
ただ、違う言い方をすると進行がとてもゆっくりなので、本来の目的を忘れそうになってしまう懸念があります。
私だけかもしれませんけれど…^^;

ただ、玉狛第2のメンバーの成長がしっかり描かれているのは好感度高いと思っています。
そして、戦略も中々面白い…

玉狛第2は個々のスキルや能力が総じて高い訳ではありません。
総合力や、一点突破力という切り口でみると、玉狛第2を上回るチームはたくさんいると思います。

もちろん空閑の能力は突出していますし、千佳の保有するトリオン量は常人の比ではありません。
でも、それだけじゃ勝てないのがボーダー戦なんですよね。
一番の見どころは、修が他のメンバーと比較すると明らかに凡人であること…
凡人であるが故に時折「窮鼠猫を噛む」的作戦がちょいちょいハマるのが、最高に気持ち良いんですよね。

強者は強くて当たり前…
だけど、強者じゃなくても知恵と勇気を振り絞って向かっていく玉狛第2の戦闘スタイルが半端無く格好良いですし、そこに成長を感じるんだと思います。
昨日できなかったことが今日できる…これって絶対凄いことだと思うので。

この作品で唯一気になっていたのは第3期の終わり方です。
これまで結構中途半端はところでブツ切りされて終わってきたので、今回も一緒かな…と思ったら、とりあえず一区切りはついたみたいですね。

このブツ切り戦法も、続編への布石と思えば止む無しなんですけどね。
今回のエンドカードにも、しっかり「to be continued…」とテロップが出ていました。
続編の具体的な情報はありませんが、今後の続報に期待いています。

オープニングテーマは、神はサイコロを振らないさんによる「タイムファクター」
エンディングテーマは、FantasticYouthさんによる「雲外憧憬」

1クール全14話の物語でした。
規定の枠に収めることで物語を端折らず、今回全14話としたことは高評価だと認識しています。
端折られると、後半やラストの展開に急ぎ足感を感じてしまうんですよね。
これには、いつも勿体ないと思っていたので、この判断は個人的に嬉しく思いました。
続編、期待していますね!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 7

三毛猫メリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

B級上位をめざす

2022.2.4 視聴完了。

遠征に加わるための第1段階としてのB級上位をめざす話。

ストーリーはなかなか進みませんが
ランク戦や模擬戦などが見ごたえあるので良いですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

75.4 9 2021年秋(10月~12月)アニメランキング9位
鬼滅の刃 無限列車編(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (246)
1122人が棚に入れました
炭治郎と伊之助が見守るなか、猗窩座と煉󠄁獄の激闘が続いていた。何度斬られても即座に回復する猗窩座に対し、確実に消耗していく煉󠄁獄。戦いに終止符をうつべく、煉獄は渾身の力で奥義を繰り出す。
誰も死なせまいとする煉獄の死闘が、ついに決着のときを迎える――。

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

無限列車おかわり

再編集版

『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』

こちら117分の映画にいくつか新規カットを入れたものになります。
良くも悪くも劇場版をおさえとけば足る内容に留めており、今後も続くシリーズ視聴のマストアイテムとはなっておりません。
この無限列車編は心を燃やし尽くしてしまい今後の出場機会を極度に減らしていくであろう大人気キャラの喪失手当みたいなもんかと思います。

というわけで劇場版の真面目に書いた評価はこちら↓

【劇場版 鬼滅の刃 無限列車編】
  https://www.anikore.jp/review/2099869/


ペース配分など技術的なことようわかりませんが、117分の劇場版をTV尺で案分するとざっと5話分になります。控えめながら追加エピソード有りでかつ毎話冒頭での前週振り返りのかさ増しをして全7話。
仮にこうやって引っ張って12話分作ると間延びすげーんだろうなぁと想像可能な再編集版でした。一気に駆け抜ける劇場版がおススメではありますが、こちらの再編集版も7話に留めたことでそれほどスピード感は失われてない良心的な仕上がりになってると思います。



※閑話休題

■素人と玄人

遊郭編への繋ぎであります。あえて再編集版を作ったもしくは作らざるを得なかった政局的な事情はあるやもですが本題ではありません。
素人さん目線で見ると1期2期といった概念あまりなくて“number”“#”と連番でよろしくやってくれよというところかと思います。せめて海外ドラマのように“SEASON △△”なら追いやすい。
とどのつまり途中で劇場版挟まれると十中八九混乱をきたすのですね。興行収入歴代一位打ち立てたところで、この後3期4期と続くであろうシリーズにおいて今回の疑似SEASON 2 はライトユーザー向けには意外と親切だったかもしれません。



視聴時期:2021年10月~11月 リアタイ

-----


2021.12.27 初稿

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

燃やした命が照らす者

【文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
TVアニメ2期を観るため、後れ馳せながら視聴。2時間、しっかり楽しめました。

ちなみに、私が観たのは劇場版をノーカットTV放送したものなので、本来は劇場版の方に感想を書くべきでしょうが、あちらにはすでに「鬼滅の刃ヒットの要因分析(ネタバレなし)」というレビューを書いているので、こちらに書かせて頂きます。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
もし本作が酷評されるとしたら、「既視感」や「過大評価」ということでしょう。分からなくはないです。

ただ、「歴代1番面白いアニメ=歴代興業収入1位」ではないのは当たり前です。その理屈で言うと、世界一旨いラーメンは、カップヌードルになるんじゃないかと思いますし(笑)

ということで、出来るだけそういう既視感や嫉妬的な感情は持たないようにして、本作を視聴しました(と書いてる時点で、少しはそういう感情もあるんですけどねw)

本作で一番好きだったシーンは、煉獄杏寿郎の死の間際、逃げる猗窩座(上弦参)に対し、炭治郎が「逃げるな」「お前は煉獄さんに負けたんだ」と叫ぶシーン。

あれは、煉獄杏寿郎の人生の肯定なんでしょうね。

これまで、自分の生き様を認めてくれた母は早くに亡くなり、認めて欲しい父からは拒絶され、それでも弟の生き様を認めてやり、真っ直ぐに生き様を貫いてきた杏寿郎。そんな彼の生きてきた道を、炭治郎は全力で肯定した。それが、結果的に煉獄杏寿郎の最後の笑顔に繋がったのでしょう。

レビュータイトルもその辺からつけていて、煉獄杏寿郎が燃やした命に照らされた炭治郎達は、その遺志を継ぎ、さらに強くなるのでしょう。良いシーンでした。

まあ、エースの「愛してくれてありがとう」と同じっちゃあ、同じなんですが(苦笑)

本作の神作画には文句のつけようがなく、音楽も素晴らしい。ストーリーは及第点というところで、充分に高評価☆4(個人的には75点くらい)は付けられるアニメだと思います。

でもじゃあ、これが神作☆5(私の中では85点以上)かと言われれば、いくつかの点で物足りなさを感じました。

まず単純に、煉獄杏寿郎の登場から死亡までの時間の短さ。いくら良いキャラとはいえ、感情移入するまでにはちと足りないです。

それから、煉獄杏寿郎と竈門炭治郎、猗窩座の因縁の浅さ。この3人、ほぼ無関係ですし、本作ではむしろ魘夢の方が登場時間が長く、猗窩座とのバトルは(パッと見では熱いんですが)温度がちょい足りないかな。

例えば同じことを、ベジータがフリーザと戦い、悟空がベジータの生き様を肯定したと考えると、やっぱり悟空やベジータの方が感動できるんじゃないかと。

これは、キャラの優劣ではなく、単純にそれまでのストーリーの長さの問題。

原作では分かりませんが、煉獄さんはせっかく格好良いキャラなんだから、もうひとエピソード(煉獄さんと一緒に下弦の月を倒す、アニメでいうなら3~4話くらい)を挟んで、この無限列車を観られたら、今の倍は感動しただろうなと思いました(まあだからTVアニメ版では、冒頭に1話新エピソードを入れて、煉獄さんのキャラを深めにいったのでしょう)。

ただ、やっぱりこの作者はキャラクターの作り方が上手いと思いました。(アニメを観終わった後に追いかけてちょこちょこ原作も読んでるんですが)もし、この原作を観点別に10段階評価するなら(ジャンプで何回は巻頭カラー貰えるレベルの漫画を5として)、

物語6 キャラクター8 画力5 バトル6

くらいかな?と思っています(バトルは、戦略の面白さや技の格好良さを評価。バトルの熱さは、キャラやストーリーで生まれると思うので)。

ちなみに、他のバトル漫画の名作でいくと、

DRAGON BALL
物語6 キャラクター6 画力8 バトル6

NARUTO
物語10 キャラクター9 画力8 バトル9

ONE PIECE
物語7 キャラクター8 画力7 バトル6 やる気10

HUNTER×HUNTER
物語10 キャラクター8 画力10 バトル10 やる気2

という感じですかね(私感ですが)。

鬼滅のキャラの良さを8にしたのは、(詳しくは劇場版のレビューに書きましたが)強さや格好良さの中に、「可愛さ」「女々しさ」を入れるのが上手いんですよね、この原作者。

煉獄杏寿郎なんか正にそうだけど、一見、単純明快な強キャラに見えて、過去の「傷」だったり、遺言が全て他人のことだという「優しさ」だったり、最後の「笑顔」だったり。ちょっと可愛いんですよね、隙があるというか、母性本能くすぐられるというか(笑)

まあ、ギャップ萌え、というやつですね。

私はそれが本作の魅力の一番だと思っています。ぶっちゃけ、ストーリーは普通レベルですし、バトルにはほぼ戦略ないですし。作画や演出はアニメスタッフの手柄ですしね。

そういう意味では、これから二期「遊郭編」を観ますが、煉獄さん以上に魅力的なキャラに出会えるかが、楽しみですね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

暁の焔

【紹介】
鬼滅の刃2期の前半部分、無限列車編。直前にテレビでも放送していた劇場版の前に1話足して、2話~7話のエピソードは劇場版とだいたい一緒なので、劇場版見ている人は最初と最後だけ見ればいいかも。

追加カットが気になる人はアニメを、話がぶつ切りになるのが嫌な人は劇場版を視聴するのがいいと思います。

※劇場版とアニメ版の違いを探してみるのも面白いかもしれません。

【主題歌】
OP「明け星」 ED「白銀」
どっちも凄く良い曲。
OPアニメ EDアニメの作画演出も凄くて、鳥肌が立ちました。
これだけ力の入ったOPEDアニメなかなかないでしょうね。

【作画】
くどいようですが、相変わらず凄まじい作画。
キャラクターも凄いけど何より背景が美しすぎる。

追加シーンの作画も遜色ないので違和感なく見れます。

【劇場版との違い】
数話にわたって展開されるので、各話の後に予告が入るなどの違いがある他、追加カットがいくつかあります。

1話は、煉獄さんが列車に乗る前のアニメオリジナルエピソードが入っています。

2話以降は、細かいシーンがところどころに追加されている感じですね。
例えば煉獄さんが「うまい!」って言ってるところの演出がちょっと違ったのと、善逸と乗客の少年が眠っているカットが追加されているなど、ちょくちょく違いますね。

いちいち見比べることはしてないですが、映画版に補足を入れるように細かいシーンが追加されていたので、お時間のある人は映画版から何が追加されたのか探してみても面白いかもしれませんね。
さりげなく追加されたカットは気づいたものだけでも、補完された感じがしていいと思いました。

【キャラクター】
無限列車編の鬼はあまりいいキャラクターとは思わなかった。
これまでの鬼たちに比べて生き様や戦い方に魅力がなかった。

【シナリオ】
劇場版の感想でも書きましたが、煉獄さんの活躍をもっと見たかったというのが正直なところ。追加エピソードはなかなか良かったです。

今回のシナリオで感じたのは、途中で失敗したり負けたりしたこととか、他人からどう評価されるかよりも、
自分が死ぬ時に、自分の人生に満足して終われるかが大事なのかなって思った。

【総評】
これだけちゃんとやるなら、劇場版やる必要なかったと思う。商業的な都合ですね。
ただ、アニメ版と没入感はだいぶ違うと思うので、好きなほうでいいかもしれませんね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

75.3 10 2021年秋(10月~12月)アニメランキング10位
プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章(アニメ映画)

2021年9月23日
★★★★☆ 4.0 (75)
411人が棚に入れました
1発で戦艦を沈めるほどの絶大な威力を持った新兵器“ケイバーライト爆弾”。
共和国は王国よりも先んじて開発に成功したものの、実用化された3発を何者かによって盗みだされ、王国側に運び込まれてしまった。

一方、王国では王位継承権第三位のリチャード王子が新大陸から帰国。
王位継承権第一位のエドワード王子をはじめ、同二位のメアリー王女、四位のプリンセスと共に、ロンドンに王位継承権者が集うこととなった。
若き王子の凱旋で賑わうロンドンだったが、帰国パレードの最中、リチャードは何者かによって狙撃されてしまう。

混乱が始まる情勢で、コントロールからチーム白鳩に課せられた任務は、ケイバーライト爆弾とその制御装置の捜索と奪還。アンジェ、ドロシー、ちせは爆弾窃盗にかかわったとされる男の家に向かうこととなる…。

奪われた共和国の新兵器の行方と、王室に迫る危機。
不穏な空気が、アルビオン王国を覆い始める―――

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

黒トカゲ星人大活躍

 前回の二重スパイ騒動の次は、爆弾騒ぎのお話だったです。アルビオン王国王位継承権第三位、王子リチャードの暗殺未遂事件も発生するです。これも、のちのちお話に大きく関わることになるかもしれないです。

 盗まれた強力な爆弾を奪還するにあたり、バトルアクションが展開されたです。特にアンジェ、ちせの活躍が今回も光ったです。陰ながらメアリーを気遣い国民も気遣うシャーロットも、どことなく存在感があったです。

 最後の次回につながる伏線が、意外な展開、想定外の陰謀が暗躍するようで、いつやるのかわからない「プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第3章」何が待ち受けるのか?「私、気になります!」です。

 中世ヨーロッパの街並みや劇場、船上船内など今回も背景が、凝っていたです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10

コウキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

1章とは違った雰囲気

 1章はアニメ映画らしい盛り上がりには少し欠けた部分がある代わりに、地上波の1話などのようなプリプリならではの切なさやお洒落な雰囲気を感じることができる映画でした。
 一方、2章となる今作は派手なアクションシーンやプリプリ全体としてのストーリーの進展が見られ、映画感が1章よりも強い作品だと感じました。個人差がある部分だとは思いますが、プリプリのアクションシーンを映画館ならではの大迫力の音声で感じられたところが特によかったです。なので、地上波の5話(ちせ登場回)あたりが好きな人は、今作も好みに合うのではないかと思います。
 しかし、2章にはストーリーの進展が見られたとは言いましたが、プリプリ全体として見るとまだ起承転結の起の部分です。地上波が基本的に1話完結であったプリプリには珍しく、続編が気になるようなラストになっていたため、次回を待つのが嫌いな人には少しモヤモヤする映画かもしれません。そういう人は3章の公開日が決まってからネットで見てもいいかもしれません。
 ですが、やはり今作の魅力はアクションシーンを映画館で観れるという点であるため、基本的には映画館で観るのがオススメです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

続きが気になる

意外と1章からあまり間を開けずに公開された2章。
全6章って何年かかるんだ?と思ってたけど、このペースなら案外早く終わりそう。

{netabare}
正直言って、前回の一章は微妙に感じてしまったのですが、今回の範囲は面白かったです。
話のボリュームも一章に比べて多く感じましたし、話も緊迫感があって面白かったです。
あのトラップだらけの家の探索シーンはほんとに緊迫感があって良かったし、斧を投げる男との戦闘シーンはほんとにうまく緊張感を出せていたと思う。効果音や見せ方が上手かった。
ケイバーライト爆弾を止めるところみたいに、迫力のあるシーンもあって、映画としてうまくできていたと思う。

かっこいい隠語?的なのを使ったりする、スパイものらしいシーンもあってよかった。
最後は意外にも3章に続く感じで終わったけど、こういう引きで終わるパターン、自分は好きかな。
あの斧の男かなり強敵っぽいし再戦が楽しみ。

物足りなかった点を言うと、これは本編でもそうだけど、やっぱりスパイものだからもっと人をバンバン撃ってほしい、そこだけかな。

それとやっぱり何といってもこの作品はBGMが神ですね。
BGMとか普段気にしないけど、この作品はBGMが良すぎてすごく印象に残ってます。
BGMに関して言えば自分的に全作品で一位。
OPもEDもおしゃれでよかった。

ところでこの映画の範囲って本編でいうとどの辺りなんですかね。
自分の曖昧な記憶だと、本編の最後は両国裏切って草原でおれたたエンドだった気がするけど、それを考えると本編の途中?
それとも記憶が間違ってるのかな。
次見るときはしっかりと本編見返してから見るべきか。

特典は一番欲しかったプリンセスの色紙が貰えて嬉しかった。
第一章も一番欲しかったアンジェのコースターが貰えたし運がいいのか?

曲20段階評価
OP「LIES & TIES」 9.0/10
ED「Nowhere Land」8.0/10
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 3

74.8 11 2021年秋(10月~12月)アニメランキング11位
宇宙戦艦ヤマト 2205 新たなる旅立ち 前章 TAKE OFF(アニメ映画)

2021年10月8日
★★★★☆ 4.0 (12)
30人が棚に入れました
白色彗星帝国との戦いから三年──。滅びに瀕したガミラス民族を救うべく、新たな母星の探索を続けていたデスラー総統は、天の川銀河の一画に条件に見合う星を見出す。が、そこは、強大な星間国家の領域内であった。銀河で勃発した領土紛争は、ガミラスと安全保障条約を結ぶ地球を否応なく巻き込んでゆく。地球に軍事的・経済的優位性をもたらしてくれた時間断層という魔法は、自分たちの命と引き替えに消滅してしまった──自責の念に駆られながらも、ヤマト新艦長の任についた古代進は、来るべき有事に備えて新クルーらと共に訓練航海に旅立つ。その中に、自分をつけ狙う何者かが紛れ込んでいるとも知らずに。かつてない不安の時代に、新たなる旅立ちの時を迎えるヤマト。その行く手では、想像を絶する新たな敵が待ち構えていた……。

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

まだ終わらない新たなヤマトの船出

 ガミラスの運命とイスカンダルを巻き込んだ、ヤマトの新たな戦い幕開けのお話だったです。主にデスラーとヤマト新人乗務員に焦点が、当てられたです。今までの回想が、序盤にあるので初めて見る人でも分かると思うです。

 2202で終わりで良かったと思ったけど、2205まだまだ続くです。これも旧作のヤマトの設定を盛り込み、2205風にリメイクした作りだと思われるです。ガトランティス並みの敵の出現や、目的にスケールの大きさを感じたです。
 今回も作画、演出2205ならではの新しいヤマトの世界感も良かったです。

 デスラーの今までに見せなかった人柄を、もろに見せてくれた今作だったです。滅びゆく運命にあるガミラスの新たな惑星を見つけ、ガミラス市民の移住が行われようと進むです。
 地球とガミラスの和平協定のため、出向するヤマトです。新人乗務員も加わるので、また違ったヤマト館内になるようです。また2202で古代進、森雪、ヤマトの帰還により、日常を奪われた人の存在も明かされることになったです。それも含めて、新人乗務員それぞれの行動も描かれるのです。それに対して、古代は何を思うか?だったです。

 後半、正に移住を進めようとガミラスで準備がされていたさなか、何が起こるのか?凄かったです。これと同時にヤマトサイドでどうなっていくのかも注目です。ガミラスはどうなるのか?イスカンダルも何が起こるのか?です。
 何だかんだヤマトらしい行動から、これもいいところで終わってしまい ネタバレレビューを読む続き、「私、気になります!」だったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 3

74.7 12 2021年秋(10月~12月)アニメランキング12位
アイの歌声を聴かせて(アニメ映画)

2021年10月1日
★★★★☆ 3.9 (109)
365人が棚に入れました
長編オリジナルアニメーション映画『アイの歌声を聴かせて』

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

幸せを呼び寄せる歌声

愉快に笑いながらも、とても感動する物語です。
見終わった後、しばらく席を立ちたくないほど、感動の余韻が沸き起こります。
もしかして、2021年で一番感動したアニメかもしれません。
それほど私のツボに、はまってました。


主人公は天野サトミ。
彼女は以前、上級生の屋上での喫煙を先生に報告したことがきっかけで、教室内で少し浮いた存在でした。
そして彼女の母は、AIロボット・シオンの製作リーダです。
そのシオンが、サトミのいる高校に転入してくるのです。

シオンは美人で明るいAIです。
但しシオンは、いつも変なことをしでかします。ポンコツAIのようです。
転入初日の自己紹介の際に、いきなりサトミに「今、幸せ?」と尋ねたり、教室で歌を歌ったり…、
周りの人たちが驚くようなことばかりです。

でも、それはサトミを幸せにするためにシオンなりに考えてやったこと。
なぜかシオンは、いつもサトミの幸せを願っています。

そしてシオンが変なことをして歌を歌うたびに、
少しずつ幸せになる人が増えてきます。
そして、サトミのまわりには親しい友達が増えてきます。それはシオンのおかげ。

しかし、あることが起こり、物語は急展開します。
そして、シオンがサトミの幸せを願う理由が明らかになります。
それは、とてもとても心温まる理由でした。

土屋太鳳さんが、シオンの声優をされています。
そしてシオンの歌声も土屋太鳳さんの熱唱です。迫力ある美しい歌でした。

最後はハッピーエンドとなりますので、ぜひ劇場へ足を運んでください。
「見てよかった」と、きっと思いますよ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

吉浦監督作品の現時点での最高傑作

全くノーマークでしたが、
あにこれでの評価が高かったので、
SAOと悩んでこちらを観に行きました。

吉浦監督作品は、イヴの時間とパテナを視聴済み。
どちらの作品もSFジャンルではおススメできますが、
難点としては、設定が凝りすぎて
初見では分かりにくいという点と、
どっちもなぜか酔ってしまうという点ですw

本作は、この両者がなくなり、
SF青春モノとして劇場で観る価値が充分にあります。
映像はJCスタッフなので安定していて見ごたえがあり、
劇中歌も土屋太鳳さんの伸びのある歌声を
大音量で聞くことができました。

視聴前は、ヒロインの二人が声優ではなかったので
心配な部分もありましたが、見終わってみれば
むしろ二人の演技が光っていましたね。
福原さんってこんなに演技上手かったっけ、
というぐらいキャラに合っていました。

一つ注文を付けるとすれば、
シナリオにちょっとぶつ切り感があった点ですかね。
脚本に大河内先生が加わっているようなので、
2時間うなぎ上りのシナリオを期待しましたが、
最後は少しまとまりがなかったので
涙することができなかった点が惜しいです。
それでも十分に感動できる良い作品でした。
吉浦監督の次回作にも期待です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

幸せ

かなり楽しみにしていたアニメ映画です。
私はこの作品を知りませんが、Sunny boyだったかな?
アニメを見終わって必ずCMが流れてて、AIとか歌とか私の好きな題材のキーポイントが多くて凄く期待したってのが、この作品を見ようと決めたポイントです!

さて、物語は試験中のポンコツAIのシオンが転校してきてから始まります。
5日間の短く長い物語の始まり。

1日目

AIと言えば完璧なイメージがありますが何故AIの彼女はポンコツなのか……

1つは極秘実験なのに力加減を一切しない。

{netabare} プールに潜れば永遠に水面に上がらないし、片手でバスケットボールを受け止めて片手で凄い力とスピードで投げ返したり、完全に自分の正体を隠そうとしなかったりw{/netabare}

2つ目は転校初日にシオンはミサトに「幸せ?」と聞く。
彼女はAIで「幸せ」とは何か解らないけど幸せ?と聞いてくる。
彼女には幸せはわからず、自分で調べた幸せを実行していく。
ミサトに幸せになって貰いたくて。

{netabare} 友達を作らせようとしたり、AIロボを暴走させピンチになれば白馬の王子様が登場すると思い暴走する様にAIにお願いしたりw
王子様を確認しようと、人気の男子ごっちゃんにキスをしようとしてみたりw {/netabare}

実は実験の責任者はサトミの母なので密かに行われた実験でシオンがAIだとバレてはダメなのですが……

{netabare} 初日でバレた……4人のクラスメイトの目の前で、間違えて緊急停止ボタンを押してしまい……お腹から何か飛び出して…… {/netabare}

ミサトは母がどれだけAIに力を入れてきたか知っているから、密かに知ったこの実験を成功させてあげたくて……
そうして、5人の秘密がはじまる。

2日目

ごっちゃんとアヤのすれ違い。
2人は恋人同士なのですが、いつしかすれ違っていた。
この理由がまた学生らしくて、あるよなぁ〜ってなりますww
思春期だから悩みも不安も沢山ある、相手の何でもない言葉や態度に不安になり、どうすればいいのか解らなくなる……

でも。
{netabare} シオンの「ごっちゃんはアヤの者じゃないよ」って言葉で、アヤもやっと自分の気持ちに勇気を振り絞る事が出来た。
「もっと素敵な人がいる」失恋した人にはNGな事をシオンが言っちゃたりもしてたけどw
シオンのおかげで2人は仲直りが出来た{/netabare}


3日目

サンダーの試合の話
試合本番に弱くて負けてばかりのサンダー
{netabare} でも、シオンが練習に付き合ってくれてw
AIでも女の子の素体だからかサンダーは練習しにくそうでww
それに比べて本番は男子相手だからやりやすかったのか初勝利を決める事になりました。{/netabare}


4日目

サンダーの初勝利パーティーとし学校を抜け出す6人
しかし、このパーティーが結果的に……

シオンは新しい幸せの形を見つける。
{netabare} 誰かの幸せは誰かを幸せにする。
シオンが気付いたのです。
トウマがミサトが好きで、ミサトもまたトウマが好きだと言う事実を。
そこで、ミサトを幸せにする為に告白の舞台がまた素敵なのです!

ソーラーパネルの向きを変えて月や夜空を反射させた地面に光のイルミネーションに空に打ち上がる花火にシオンの応援ソング{/netabare}
告白の舞台としては最高です⸜(๑⃙⃘'ᗜ'๑⃙⃘)⸝

そんな告白の最中、シオンを初め全員捉えられてしまう。
{netabare} それはシオンの制作会社の星間エレクトロニクスの大人達だった。
いきなりアンカーみたいなのを撃ち込まれて残酷なシーンでした(*꒪꒫꒪) {/netabare}

5日目

{netabare} シオンは自分の実験結果を改ざんしていたものを送っていたのでした。{/netabare}

彼女にとって実験なんて関係なくてミサトに幸せになってもらいたくて勝手に考え行動した。

{netabare} 確かに、AIが自立して何かを起こすとエラーやバグとして処理されるし、AIが映画みたいに反逆行為を起こして人間を襲うかもしれない。
そうなると取り返しがつかなくかる……だから、処分される結果になる。{/netabare}
危険を考えたらそれは仕方ないかもしれない…………って思うけど……

それは違うって思います。
{netabare} 大人達からみたらAIが自分達の監視外で動いていた。
結果だけみたら怖いですよね。

でも、ミサト達からみたらシオンは沢山の幸せを教えてくれたAIなんです!
すれ違いの恋心を修復してくれたり、初勝利出来る様に練習に付き合ってくれたり、幸せになって欲しい女の子に告白される舞台を整えたりシオンは幸せになって欲しいって気持ちだけなんです! {/netabare}

確かに彼女は間違えた事もありました。
{netabare} ロボの三太夫を暴走させたりもありましたが、あれだって誰も傷付けてないし止めようと組み合ったサンダーも怪我はしてません。{/netabare}

だから、きっと彼女はその辺も解っていた。

彼女達の中でシオンはAIではなく友達なんです!

シオンの本当の正体には涙がボロボロでました。
シオンの試験内容に「誰かを幸せにする」なんて課題もなければ、何故、ミサトと母の1日が始まる前の掛け声を知っていたりした秘密も明かされましたし、シオンが昔からミサトを知っていた様なセリフがありましたが、それも明かされました。

シオンのミサトが大好きな気持ちに私は映画館でボロボロ涙が出てきて鼻水まで出そうになるし、鼻をジュルジュル言わせたら隣の人に「コイツ泣いてんな〜」って思われそうだったので、我慢しました‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬
それほどにシオンのミサトへの想いや気持ちの強さが心にグッときました。

シオンの正体を知ったミサト達は……

{netabare} 敵陣本社に乗り込みます!
そこで、寝たきりのシオンに再開する。
必至に呼び掛け目覚めるシオンに呼び掛けると目を覚ました。

でも、大人達にバレてしまいシオンを逃がそうと友達達も時間を稼ぐ為に頑張ってくれたけど……シオンもバッテリーが少なくて稼働時間も時間の問題。
最後の力を振り絞り他のAI達に協力して大人達の足止めしてもらう。

会社を封鎖された中でシオンを逃がす彼らの作成それは……シオンはAIだから器は必要ない。
シオンの心を別の場所に逃がす為に屋上へと出る……
シオンとはもう触れ合う事は出来ないけど……

彼女を宇宙空間の衛生へと移す作業が始まる。{/netabare}

シオンは嬉し涙は知らなくて、最後も嬉し涙を流すミサトの涙の意味はわからなかった。

だって、悲しいから涙がでるって認識なんだもん‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬
{netabare} それでも、ミサトは笑顔で笑って感謝を告げる。
そして、ミサトと過した5日間を思い返したシオンも最初の頃とは違い「幸せの意味が解らない」と言っていたけど最後は「私は幸せだったんだね」って幸せの意味を知ることが出来た。{/netabare}

シオンは沢山の幸せを皆に与えたけど、シオンも知らずのうちに幸せを貰っていた事に気が付いた(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

{netabare} シオンの居なくなった学校で彼らは集まって、告白もしたトウマとミサトはまだ少しウダウダしてて、それを衛生からみたシオンが2人に声を掛ける。
彼女は、ずっと見守ってくれるのでしょうね。{/netabare}

さて、最後の三太夫の顔に貼られて居た物が凄かったですねw
劇場では笑いが漏れてたけど私は感極まって涙を拭うのが必死でしたw

サンダーは愛は重いなぁ〜
愛を拗らせるタイプですねww
{netabare}一応、サンダーの告白が成功してたけど柔道の練習相手としてOK貰えたなんて思ってないんだろなぁww

でも、サンダーの恋の形って素敵だと思います。
恋って誰が誰を好きになってもいいものだし例え相手がAIでも好きって気持ちに代わりはないと思いますし、それを否定する事は誰にも出来なくて否定しちゃダメだと思うからです。
だから、サンダーの片思いって面白いなぁ〜って思います。{/netabare}
恋の形って人の数あって全然違う形をしてる気がしますꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

全体的な感想としては……

物語に無駄がなくテンポも凄く良かったと思います。
歌も演出が少しミュージカル風な感じで、普通に飽きることなく楽しめました。
凄く面白い作品ですし時間ある人は是非見てもらいたい作品です(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

74.1 13 2021年秋(10月~12月)アニメランキング13位
先輩がうざい後輩の話(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (355)
1107人が棚に入れました
糸巻商社入社2年目、早く一人前になりたい五十嵐双葉。ちょっとガサツだけど面倒見のいい先輩・武田晴海。双葉は武田先輩をうざいと思いながらも、本当はまんざらでもない様子だったり、でもやっぱり本当にうざいときもあったり…

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

社会人になろうとする人が見るべきアニメ…とても癒されます

可愛い絵のタッチとは裏腹に、社会人としての仕事の大切さを題材とした物語です。
これから社会人になろうとしている人は、ぜひ見るべきアニメのようです。
そして、いま社会人である人たちも見たほうが良いと思います。


どんなに一生懸命仕事をしても、失敗するときがあります。
どんなに気持ちよく仕事をしようと思っても、嫌な思いをするときがあります。
そんなときに、この物語に登場する先輩のような人がいてくれたら、凄く心が救われるでしょう。


主人公の五十嵐 双葉(いがらし ふたば)は入社二年目の女性。
背の低い彼女は頑張り屋さんの明るい性格です。
武田 晴海(たけだ はるみ)は、双葉の先輩ですが、いつも双葉のサポートをしてくれます。
双葉が困っていたら何気なく助けてくれるし、双葉が失敗したときは決して怒らず、全て自分の責任だと上司やお客様へ報告します。

双葉にとって鈴木先輩は頼りがいがある良い人です。
だけど、少しウザイ人。双葉の仕事が良くできたときには必ず双葉の頭をなでる癖があるため、双葉は気に入りません。
自分のことを子ども扱いしているような気がするためです。一人の女性として見てもらっていない気がするのです。

どうやら、この物語はタイトルと物語の内容が違うような気がします。
正しいタイトルは、「先輩に女性として見てもらいたい後輩の話」のようです。

オープニングは、双葉たちが歌う「アノーイング!さんさんウィーク!」 とても楽しい歌です。但し出だし部分で歌と描写がずれているのが気になりました。でも双葉が凄く可愛い表情をしているので聞いていて楽しいです。
エンディングは堀江由衣さんの「虹が架かるまでの話」
堀江さんの優しい歌声に心がすごく癒されます。
この歌を聴いていると、なぜか、とらドラ!の「バニラソルト」を思い出しました。バニラソルトを聴いたことが無い方は、ぜひ聴いてみてください。

第七話は結構感動しました。
上手だから続けるのではなく、好きだから続けることができる。
双葉は夏美に、夏美は双葉に、それぞれ助けられましたね。

私は、文章で自分の気持ちを表すことが好きです。
好きだから続けることができます。
難しい字句は使えないけど、詩文のような美しい文章も書けないけど
何度も何度も書き直して、自分が納得できる文章ができたら、とても嬉しいです。

最終話で武田先輩が「双葉に大切な人ができるまで、ずっと隣にいて守ってあげる」と宣言しました。
おそらく双葉は、武田先輩以外の人を隣にすることはないでしょうね。

アニメは終了しましたが、この二人の今後が見たいです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

からかい上手の武田さん

原作未読


職場恋愛。大人っすよ大人(笑)
まるで某高木さん♀のそれのように、武田晴海(CV武内駿輔)先輩♂が、後輩の五十嵐双葉(CV楠木ともり)をからかう感じだといえなくもない。恋心を隠してるかどうかは知りません。
武田はガタイがよく一見ガサツなわりには細かいところに気がつきけっこうな頻度でクリティカルを放つTHE体育会系。対照的に双葉は見た目幼いちびっ子なんだけどそこ指摘されるのは気に食わないタイプ。基本頑張り屋です。鈍感ガサツな武田にからかわれる度にイラっとくるみたいなやりとりを指して“先輩がうざい”となってます。実際のところ、武田の後輩指導は双葉の羞恥心喚起どまりで面倒見の良さが視聴者にもわかるコミュニケーションとなってます。悪意がなくそれでいて一線を越えず、言い過ぎたり本当にへこんでるのを察知すればきちんと双葉のストライクゾーンに響くボールを投げ込むため不快さとは無縁ですね。

そんな凸凹コンビが紡ぐほのぼのラブコメ全12話でした。定番(王道)と変化球の塩梅もほどよかったかもしれません。思いつくところで以下

■定番(王道)
ラブコメはキャラが大事で見た目も性格も対照的な二人の絡みは相性がよいです。
要領が悪かったりなにかしらコンプレックスを抱えながら一生懸命頑張るヒロインと、そんなヒロインに迎合しないけどぞんざいな扱いをするわけでもなく適宜ヒロインが欲しい言葉を投げてくれる男の構図は少女漫画での定番カップルの構図ですね。放送中に目についた版元の“一迅社”は沿革みたところ少女向け媒体に強みありそうな出版社なので関係してるのかもしれません。

「この人あたしのことどう思ってるのかな?」

ここに至るまで適当なジャブをかましながら一定のラインを越すアクションを仕掛ける。その反応を見ながら何度かライン越えすると相手の警戒も解けるのです。その過程をきちんと辿ったストーリーだと思います。


■変化球
ありがちな“実は有能で優しい陰キャ”♂主人公の対極にあるキャラに新鮮味があります。一方♀は“かわいい”を全面に出した安全牌キャラでした。
ナントカの王子様的なビジュアルに頼ったわかりやすいイケメンではないけど女子のニーズをきちんと捉えているタイプですね。

完走して思ったのが{netabare}“三角関係の放棄”。双葉祖父が代替と勘違いしかけましたが基本ガヤです。{/netabare}
話の凹凸をつけづらいけどふっ散らかる心配もなく評価が別れそうなポイントでした。


ヒロインの楠木ともりさんは『ガンゲイルオンライン』レン役で認知した声優さんで今回もちびっ子役です。収まりがいい感じ。周囲を固める声優さんも適材適所だったと思います。
いわば手堅い作品。大きい波とは無縁ですが安心安全な佳作の印象です。



※ネタバレ所感

■だが断る
一言モノ申したいところはありますよ。評価爆上げとまではいきませんでした。

1.{netabare}社会人?{/netabare}
 {netabare}らしさをあまり感じません。双葉の見た目は当然として主要キャラの世代が狭い範囲で固定されたのが要因ですかね。おじいちゃんはイロモノ扱いだし、職場で唯一の大人枠部長は空気でした。高校生/大学生設定でもそのまま使えそうなパッケージだったと思います。{/netabare}
 {netabare}世代の固定ともう一つ。あけっぴろげなんですよね。“秘するが花”社内恋愛の醍醐味でしょうに。皆の見てる前でイチャコラはご法度です(笑) 和気あいあいとしすぎる職場環境は気になりませんでした。
フォローもしとくと、商事会社っぽいですが安パイなお得意取引先で食ってる小規模企業でしたら自ずと家族的な雰囲気を醸成したほうがうまく回ったりします。それに社内イチャコラといってもよくよく見れば好き好き光線の発信元は双葉のほうで武田にはありません。湿っぽくならない良きバランスではありました。{/netabare}

2.{netabare}見た目のハンデ{/netabare}
 {netabare}双葉が新卒三年目設定だと25歳になるわけですがどうみても十代半ばです。見た目もそうだし言動も幼い。清少納言ですら『瓜にかぎたるちごの顔』をうつくしきものとして、ちっちやいのを愛でる精神は日本人の血肉レベルに落とし込まれてることからそこをどうこう言う気はありません。むしろ日本文化を体現した世のロリコンどもは胸を張ってよい!
物語途中から登場の同僚桜井さんの弟君も高校生設定なのに見た感じはショタでした。このギャップを設けるメリットは好きだ惚れたの恋愛ドラマ未満にしてコメディ路線をキープできること。本気にしたらニッチな性癖を刺激することになります。一方デメリットはそのまんまラブ放棄。毒にも薬にもなりにくい仕上がりとなりますね。{/netabare}


■訂正しお詫びとさせていただきます

{netabare}冒頭。武田先輩をからかい上手としましたが、終わってみれば風間くんに対する桜井さんの振る舞いの足元にも及びませんでした。
桜井桃子(CV早見沙織) VS 風間蒼太(CV土田玲央) 両名にむしろラブコメの波動を感じたことで本作を良しとしたいと思います。{/netabare}

あいも変わらず{netabare}パピコは偉大なり! 最近セブンイレブンでお見かけしないのが寂しい限りです。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

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2022.02.06 初稿

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「夢かもしんない」思い出した

<2021/10/10 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。
原作未読。
あんまりマークしてなかったけど掘り出し物かも

本当は冒頭のヒロインの朝食シーン辺りで見るのやめようかとも思ってたんですが。
なんと!
ヒロインのお箸持つ手が左!
アニメで左利きって存外珍しい。
左利きに親近感湧いてとりあえずちゃんと見てみることに

内容は広義の「高木さん」系列の恋愛もの。
「お仕事できる先輩にときめいてしまう」系でした。
しかもアニメではこれも珍しい営業もの。

見ててとある漫画思い出したんですよ。
星里もちる作「夢かもしんない」
1990年代と古いんですが、これが名作で。
コンピュータ販売系営業マンの主人公が後輩の女の子をさりげなく助けるところがあって(そこは主題ではないんですけど)
これが良い感じ。

本作もその良い感じがちょっとあるかも。
今後のエピソードの強さ次第で面白くなるかもしれません。

<2021/12/30 追記>
最終話まで見終えました。
ゆる〜いラブコメでしたね。

双葉と武田先輩の行方も気になりますが、
桜井さんと風間くんもなかなか。
ニヤニヤですよ♪

個人的に気に入ったとこ
・前述の双葉の左利き
・だし巻き卵美味しそう
・双葉の部屋の生活感あふれるキッチン。タオル掛けの位置とか、冷蔵庫の側面に醤油とか
・OP、1コマ目の双葉のジト目
・桜井さんは制服だけど、双葉はスーツ。これは事務職と営業職の違いかな。こういうところ含め懐かしいですね。今、制服ないとこ多いですから
・照れなく風間くんにだけは巨乳ネタぶっこむ桜井さん
・つか桜井さんの声、早見さんの時点で勝利でしょ(なにに?)

穏やかな気分でニヤニヤできる今季の高木さん枠でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 39

73.9 14 2021年秋(10月~12月)アニメランキング14位
アニメ ブルーピリオド(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (274)
870人が棚に入れました
成績優秀で世渡り上手な高校2年生・矢口八虎は、悪友たちと遊びながら、毎日を過ごしていた。誰もが思う"リア充"……そんな八虎は、いつも、どこかで虚しかった。ある日、美術室で出会った1枚の絵に、八虎は心を奪われる。「絵は、文字じゃない言語だから」絵を通じてはじめて正直な気持ちを表現できた八虎は、美術のおもしろさに目覚め、衝動のままにスケッチブックへ向かっていく。そして八虎は、ついに進路を固める。「第一志望 東京藝術大学」実質倍率200倍、入学試験まで、あと650日──!国内最難関の美大を目指して青春を燃やす、アート系スポ根物語、開幕!
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

美大を選択するという生き方

アニメーション制作:Seven Arcs
総監督:舛成孝二、監督:浅野勝也
シリーズ構成・脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン:下谷智之
美術監督:仲村謙、金子雄司、
美術設定:緒川マミオ、中島美佳
音楽:井上一平、原作:山口つばさ

よく行く飲み屋には、美大出身の人が何人かいた。
多摩美、ムサビ、東京藝大の人もいたように思う。
ひとりはフィギュアを制作する会社に勤めていて、
ほかには、三越に勤務している人や、
飲み屋を経営している人もいた。
彼らと話していると、美大出身の人は
インテリが多いのだと感じさせられた。
幅広い知識を持っているし、音楽や文学、芸術には
やはりこだわりがあって詳しかった。
彼らと話す時間は楽しかった。

今回、美大受験がテーマのこの作品を観ていて、
彼らがなぜ深い知識を有し、面白い話ができるのかが
分かったような気がした。
東京の美大は難関が多いのはよく聞いていたし、
彼らはやはりほかの人と少し違った性質を
持っていたように思う。

それは美大を選択するという困難さ、
そして、受験するに当たり、
自分という人間を深く理解しなければならないという
難しいテーマについて、この若い時期に対峙するからだろう。
しかも、美大に入学したとして、
それが良い就職につながるというイメージはない。
もちろん、美大は優秀なところが多いので、
それなりに良い就職先はあるだろうが、
普通のサラリーマンになることを考えるような人は、
まず選ばない進学先だと思う。
美大を選択することは、将来の仕事というより、
生き方を選択することに近いのかもしれない。

主人公の矢口八虎は、ノルマをクリアする感覚で
楽しく人生を謳歌している人間だった。
頭は良いし、何でもそつなくこなす。
ピアスと夜遊びで、周囲から不良と見られているが、
それは、自分が何を好きなのかが分からないことの
裏返しの行為だった。
趣味のひとつは、サッカー日本代表の試合を
スポーツバーで観戦し、友人たちと騒いで、
喜びを共有することだった。

ある日、八虎は学校で美術を本気で志している人の
F100号という大型サイズの天使の絵を目にする。
そのことによって自分のなかの何かが動く。
美術講師から授業で「好きな風景」の課題を出され、
徹夜明けの渋谷の街が心のなかで膨らむ。
自分の感じたもの、自分の目に見えた渋谷の街を
ブルー基調で紙に表現する。
その絵を多くの人から感じ取ってもらえたことで、
自分の好きなもの、自身の感覚を大切にする
真っ直ぐな生き方に心が動かされる。
そして、絵を描くことで、これまで見えていなかった
現実の景色も、より明瞭に見えるようになるのだった。

この作品は、矢口八虎が美術に出会い、
美大受験に取り組んでいく話でしかないのだが、
内容はとても深く、哲学的ですらある。
物事の「価値」は、一体どこにあるのか。
自分にとって大切なものは、何なのかを
一人ひとりに突き付けてくる。
もちろん、美大受験、あるいは好きなことを
目指すことだけが幸せになるとは限らない。
しかし、自分の好きなことに対して、
真正面から取り組むことは、きっとその人の人生に
豊かな彩りを与えてくれるのだろうと思わせてくれる。

私は美大受験に対して全くの無知なのだが、
東京藝大出身の作者が描くこの世界の論理は
スッと自分のなかにも入ってくる。
結局、東京藝大を目指すには、
「好きなもの」や「表現したいこと」が
自身のなかではっきりしていないといけないし、
そこには誰もが知っているありきたりなものではなく、
自分自身が何度も反芻して導き出した
理屈が必要になってくる。
そこは、企画書作成のやり方に似ているかもしれない。
誰もが分かりやすい表現方法で、問いに対する明快な解答を
オリジナリティを加えながら行わなければならない。

「美術は生き方」だと予備校の大場講師は言う。
人によってゴールの場所が違うし、
ゴールに行くまでの方法は、自分で考えなければならない。
正しい解答があるというよりも、
見た人を納得させられるロジックと技術力が必要なのだ。
これはもう「受験」という部分とは外れているように思える。
一般的な大学と違い、2浪、3浪、4浪以上までが
たくさんいるのもかなり特殊だろう。

受験で興味深いのがスケッチブックを提出すること。
普通の試験なら解答が合っているか間違っているかでしかないのに、
美大受験の場合、作品と一緒にその過程を表現するものも
提出しなければならない。つまり作品を補完する役割のもので、
これがとても重要になってくる。
その解答に至った「過程」や「考え方」を重視するのだ。

受験は人生の重要イベントのひとつだ。
思春期ということもあり、
人によっては色々なことが起こるだろう。
でも、私自身の経験では、やはりかけがえのない日々だったように思う。
自分が将来何をやりたいのかも見えない時期に
ただひたすら勉強ばかりするのは辛くもあるが、
自分の知らなかったことをどんどん吸収できる喜びがあった。
勉強のことしか考えていなかったのに、
未知の世界を旅するような感覚だった気がする。
八虎はそんな時期に龍二の悩みにまで入り込み、
自分自身の問題として捉える。
海に飛び込まないと、冷たさや暗さ、怖さなど、
本当のところが分からないのなら、飛び込むしかないと思える。
これは、八虎が美大受験を通して受け入れた副産物ともいえる
他人に対する考え方でもあったのだろう。

{netabare}東京藝大の一次試験・自画像に続き、
二次試験のモチーフはヌードモデル。
実際に若い裸の女性が現れてモチーフにするという。
こんなテーマが受験で出されることがあるのは驚きだ。
やはり美大受験は一筋縄ではいかない。
八虎は龍二との小旅行時に自分の裸を描いたことで、
自分にとって裸が意味することを理解していた。
毛の生えた薄いゴムのように情けないのが裸で、
だからずっと武装しようとしていたのが
自分自身だと気づいていたのだった。

ありのままを認めること

それが人生において、生き方において
とても大切なことなのだと八虎は最後に行き着く。{/netabare}

受験を通して、主人公が自分自身について深く考え、
成長していく様子をつぶさに見せてくれる。
これはどの世代にも響くだろう。

私は、この作品がとても気に入っているのだが、
はっきり言ってアニメ自体には不満も多い。
いろいろな事情で制作の難しい面はあっただろう。
12話で受験までを構成しなければならないのは、
どう考えても必須だっただろうし、
そのためには、時間をかけずに物語を
進めなければならなかったのも分かる。
ただ、個人的にはメリハリが不足していたと思う。
というのも、内容は良さそうなのに1度観ただけでは、
ぼんやりしている部分が多すぎるのだ。
これは、見せ方や演出、そして捨てる部分を
増やすべきだったのではないだろうか。

内容はとても好きだったので、
アニメを全話鑑賞したあとに、コミックスを全巻購入した。
そして、読後に感じたのが、漫画で大切にして
2ページを使って表現しているような部分を
アニメでは軽く流してしまっているので、
そこが、重要で心に響くシーンなのだということに
気づきにくいのだ。これは演出の問題だと思う。

この作品は作者の「言葉の選び方」も秀逸で、
そこをきっちりと視聴者に伝えないといけないのだが、
アニメでは無頓着に感じる。
原作者との打ち合わせなど擦り合わせが必要な部分も
多かっただろうが、個人的には制作会社の力不足を感じた。

しかし、それはあくまで作品の良さのいくつかを
表現できていないというだけで、
私はアニメを鑑賞して原作購入を決めたので、
十分に奥深い魅力を伝えてくれているとは思う。
あくまで、原作レベルでの良さを
伝えきれていないという意味だ。

おそらく時間や人手不足もあったのだろう。
本編のアニメーションの質自体は、
崩れる一歩手前というレベルの部分など、
観ていて引っかかる場面は多数あった。
美術作品をアニメーションのなかで表現しないといけないという
とてつもない高いハードルもあったので、
仕方ないのかもしれないが、良い作品だけに
余計に気になってしまったのかもしれない。
ただ、OPとEDのアニメーションは、
とても良く出来ていたと思う。美術アニメとしての
イメージを存分に生かして落とし込んでいる。

私の感覚でしかないのだが、
この作品のアニメにおける続編は
BDがよほど売れない限り、
ほぼ期待できないのではないだろうか。
内容がそもそも一般受けしないことに加え、
視聴者に伝わりにくいと思えるからだ。

「青の時代」なのか青春なのか、
それとも全く別の何かなのか。
タイトルへと導く物語の行く末は、
コミックスで最後まで見届けたい。
(2022年2月19日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 44
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

自分の意思で絵を描いたことが少しでもある人には殊更に響く

<2021/10/5 初投稿>
「ずっきゅーん!」
撃ち抜かれました
これは・・・凄い・・・かも

<2021/11/21 追記>
7話まで見ました。
いいですね。
素晴らしく面白い。

音楽ものの物語ってアニメにしろ小説にしろ映画やドラマにしろ数多くあるんですが
「絵画」系は実は少ない。
特に絵画制作における葛藤とかを具体的に真っ向から描いた作品となると全く思い出せない。

例えばハチクロははぐみや森田の天才性を抽象的に表現しているけど、メインは人間模様ですし。
(この手法は3月のライオンも全く同じ)

こういう作品って、実際に美大で真剣に絵画に取り組んだ人には物足りなく感じるかもしれないのですが。
私のように趣味で絵を描いてた時期があるような人間には大大大好物なのです。

ところで東京藝大について少し。
本名は「国立大学法人東京藝術大学」
日本で唯一の「国立」の「総合芸術大学」なのだそうです。
総合なので絵画から音楽まであらゆる芸術を網羅してるんでしょう(よく知らんけど)

そして特定の学科専攻はえげつない競争率と難易度でも有名。
例えばピアノやヴァイオリンとかの「器楽科」や
そして本作に登場する油画や日本画などの「絵画科」も。
さらに言えば学科専攻によって、合否基準にかなりの個性というかクセがあるそうで。
ピアノやヴァイオリンはいくらコンクールで優勝とかしてても関係なく、特定の技術(流派なのか?)を叩き込まれた人の中からだけ合格者が生まれるのだとか。
おそらく絵画科も難易度でだけでなく、かなりクセ強なんでしょう、たぶん。

ただどんな学科専攻でもそんなアホのような難易度とクセ強ではないそうで。
以前、東京藝大の邦楽科卒のお琴の先生に聞いたら「琴なんて競争率低すぎてラクショー」なんて言ってました。
もちろん多分に謙遜が入ってるんでしょうけどね。
でも「全然違う」はめちゃくちゃ力込めて言ってました。

そんなわけで、東京藝大受けるのは他の美大受けるのとは根本的に違うらしいですよ。

ちなみに東京藝大・絵画科出身のアニメ関係の有名人には安倍吉俊さん、そして故・増岡弘さんがいらっしゃいます。

安倍吉俊さんは「灰羽連盟」の原作・脚本・キャラデザなど多数のアニメ作品に携わる名イラストレーター
19の時、先輩の漫画の手伝いをきっかけに絵の道へ進もうと専門学校へ進学。
バイトで学費稼ぎながら勉強して東京藝大の絵画科の日本画に一発合格したのだそうです。
すげえ!

そしてまさかの増岡弘さん!
まさかマスオさんが東京藝大出身とは!
本作で芸大受験する矢虎の声がマスオさんで再生されそう笑

<2021/11/28 追記>
9話見ました。
一次試験と二次の狭間、鮎川龍二がクローズアップ。
前話で久しぶりの登場でしたが、9話は凄かったですね。
声優さんって凄いな、とあらためて。
龍二の声を当てている花守ゆみりさんの演技力が凄すぎる。
龍二という性自認が身体の性と異なるキャラクター。
身体は♂なので声の高い男性声優が演じるという選択肢もあったのかもしれないけど。
(実際、自分は3話くらいまで龍二のことを「たまに男っぽい格好する美女」だと思ってました 笑)
ここまで話が進んでみると花守ゆみりさんで大正解だったんだな、と。
「心が女性の男性」としての男っぽさと可愛らしさを醸し出しながら、そして肝のシーンでは凄まじいまでの迫力。
これ、花守さんも演じてて楽しいんじゃないかな。
もちろん物凄い努力と苦労されてるとは思うんですが。

<2021/12/18 追記>
最終話見終えました。

{netabare}矢虎合格しましたね!
びっくり!
これまでの流れから浪人させるのかな?とも思ってましたが。
これからは世田助くんと共に藝大ライフを送ることになるのでしょうが、どんなふうに展開するのか楽しみです。
でも龍二や森先輩、佐伯先生や大葉先生とか普通に出てほしい。
{/netabare}

ところで毎話予告後の山田五郎先生のコーナー。
内容はごくごく普通なんだけど。
まさかの山田五郎先生。
昔「タモリ倶楽部」で女性のお尻の品評会みたいなコーナーやったて人ですよね。
出てくると毎回笑っちゃって。
Wikipedia調べたら本当に美術に詳しい人でした。
Wikiに書いてあったのですが、この山田という苗字は芸名なのだそう。
この芸名が生まれ、世に広まった経緯が最高に頭おかしいwww

閑話休題。

というわけで本作は、他に類を見ないスペシャルな作品でした。
続きが見たいです。

2期はあるのが当然、と期待していいんですよね。
とにかく待ちます。
んー、でも原作読みたいな。
どうしよっかな

<2022/2/11 追記>
最近知ったのですが「ドロヘドロ」作者の林田球さんも東京藝大卒なんですね。
それも矢虎と同じ絵画科油画専攻。
凄いな。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

青い水平線を駆け抜けていくような

原作未読


芸術で『青の時代』ときたら、あーピカソっすねくらい想像しやすい親切なタイトル。たしかあれも偉大な芸術家20歳前後のゆらぎだったような。
そのピカソの時まで“青”が憂鬱や貧困などの負のイメージと結びつける表現は無かったよとどこかの美術館の説明文で見かけた気がします。

物語は主人公矢口八虎(CV峯田大夢)が高校2年生の時から始まります。彼がとあるきっかけで絵画に目覚め美大を目指して奮闘するストーリー。美大受験とは珍しいテーマです。

そんでもってこちら↓

 『響け!ユーフォニアム』の吹奏楽
 『この音とまれ!』の箏

共通するのは原作者が実務者であったこと。『響け!』の武田氏は吹奏楽部経験者、『とまれ!』のアミュー氏は一家総出の筝曲家一族で自身も英才教育受けとります。血肉レベルまで落とし込まれている題材への深い造詣が

 知識 +α

αの部分。その題材ならではの心の動きみたいなのが垣間見えて作品のオリジナリティを担保しているところがありますよね。本作の原作者山口つばさ氏は東京芸術大学卒かつ芸術系高校出身のいわばサラブレット。全12話を通して期待したい+αを感じることのできた良作でした。

大多数の視聴者?と同じく当方絵心とは無縁です。噂では狭き門と聞く美大受験も一般受験しか経験したことのない身にとってはこれまた縁遠い。
そんな僕らに美大受験のお作法だったり美大専門予備校の存在だったり、そしてなにより受験に向かう若者のメンタリティを教えてくれました。良きチュートリアル系アニメで自身の見識を広げることに繋がるかもです。



 
※ネタバレ所感

■驚きと納得

芸術畑の人って独自の感性があって空気読むのに長けておらず唯我独尊っていうパブリックイメージ。一方で芯を突いた発言に納得させることも多々で変人と言い切れないハイスペック常識人が実際会った方には多い気がします。なぜか?

理由①{netabare}おかんの観察。デッサンの絡みで八虎の気づきは絵を描いてなければ知り得なかったことと描写されてます。目にはしててもスルーするのか意味を見出すかで断然後者のほうが有能なんでしょう。{/netabare}
理由②{netabare}構図の計算。名画と呼ばれるものは三角形四角形の配分が完璧だとか。これ数式解くのと全く一緒ですやん。{/netabare}
理由③{netabare}手段の多様性。画材いっぱいあり過ぎて(笑) なんだかんだ成果物が出来上がるわけでして、都度都度選択した表現手段に評価が下されるわけです。{/netabare}

対象の本質を見抜いた上で①、整合性を保ちながらプレゼンプランを練り②、相手に納得理解を促す方法を採用する③。
めちゃくちゃ普遍的なことだよね、と納得しました。こんなん若い時分から訓練してたらすごいことになりそうです。


■さらに納得

{netabare}「違うな。矢口さんはご飯食べたりう〇こしたりするのを褒められたらそれに自信持てるの?」

八虎に才能を褒められての高橋世田介(CV山下大輝)のセリフ。結局自分すら客観視できているがゆえに断言できるのだと思います。
徹底した観察を経ての表現(アウトプット)と捉えるならば、こういったキツイ台詞も根拠があるのだな、と。はたから見て「ちょっとユニークね」なのは鮎川龍二(CV花守ゆみり)の女装なんかもそうですね。

“本人なりに突き詰めた結果”と“突発的な奇行”とではまるで違うのでしょう。自省も込めて後者と受け取りがちなところをもしかすると前者かもねと懐深くあたりたいものです。そしてひとかどの芸術家もまた前者であることに説得力のある作品でした。{/netabare}


■アニメーションにも納得…わりと重要

おおむね満足しましたが、一歩間違えれば作品を台無しにしてたかもしれないのが成果物の魅力。ここはアニメ制作スタッフありがとう!です。

{netabare}絵です。これしょっぱいと興ざめもいいとこなんですが描いた絵どれもが美術品っぽい。工程如何に凝りまくっても蘊蓄たれまくっても出てきたものがこれですか?となれば説得力もなにもなくなります。{/netabare}


※余談

■OPって…

一瞬…{netabare}山下達郎かと思った。良い意味でまとわりつくねっとりとした高音。{/netabare}
{netabare}なお、EDはEPOかと思った。どなたか共感できる方おります?{/netabare}


■なんか普通

脱陰キャな主人公はそれだけでポイント高い。
おいそれと都合よくいじめられてたり、ぼっちだったり、ゲームやアニメ好きだったりしないのです。
見た目よかろうが、友達いようが、それなりにコミュ力あろうが、煙草吸おうが悩むものは悩む。

{netabare}「後悔はないですよ。反省は山ほどあるけど」
受験しながら脳味噌フル回転だったからこそ課題が具体的に見えてくる。ものすごい成長です。{/netabare}

{netabare}そしてそんな成長を促すことのできる良い大人がいるアニメってだいたい良作なんですよ。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 地上波リアタイ

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2022.02.01 初稿

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35

73.5 15 2021年秋(10月~12月)アニメランキング15位
見える子ちゃん(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (377)
1207人が棚に入れました
見えるはずのないものが見えたとき見てはいけないものを見たときあなたならどうしますか……?そんなものが語りかけてきたらこちらに向かってきたらあなたはどうしますか……?一目散に逃走する?あやしげな術を学び、もしくは霊媒師を頼り、戦う?女子高生・四谷みこの取った行動は――徹底的にスルー!なんにも見えていない、気づいていない!これは、鋼の精神とスルースキルを駆使して女子高生が異形な“ヤバい"やつらを回避するお話……見えていないだけで、そいつらはあなたの隣にも、ほら……

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

過小評価ってこういうこと?

<2021/12/22 初投稿>
先程最終話まで見終えました。
原作は未読です。

本作、面白いですね。
変化が凄い。
最初の頃はホラーのフリしたシュールコントかと思ってましたが。
どんどん景色が変わっていく。

最終2話の展開は素晴らしいものがありました。

よく「これは過小評価されてる」と言われる作品があります。
最近なら無職転生を岡田斗司夫さんがYouTubeで「過小評価」言ってましたが。
無職転生はちゃんと高く評価されてますでしょ。
少なくともあにこれでは、私がキャッチしてる方々のレビューでは辛口レビュアーさん含めほぼほぼ絶賛の嵐。

そもそも「過小評価されてる」というフレーズ、あんま好きじゃないんです。
というのも「人気作のファンがさらに欲張りに世間の評価を求めてる」気がして、ちょっとウンザリしてしまうんです。

一方で本作。
そもそも目立ってないし。
キワモノ扱いすらされてる。
あにこれでも微妙な評価が目立つ。

でも本格派ですよ。
変化球投手のフリした本格派。
そう思うんです。

こういうのが「過小評価」というんじゃないかと思い始めたり。

そんな本作、騙されたと思って最終話まで見ることをおすすめします。
もちろん、無理にとは言いませぬ。。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 43

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

彼女のすごさは見えることではなく恐怖に立ち向かう勇気

普通の人には見えない異形のものが見えるようになった女の子の物語です。
主人公の四谷 みこ(よつや みこ)の度胸と友達を災いに巻き込まないように勇気を振り絞って行動する姿が好感を持てます。


四谷 みこは、女子高生。
ある日、突然に異形のもの(お化けの類い)が見えるようになります。
異形のものと目と目を合わせると大変なことになる。
それが何となくわかっている彼女は、ことごとく異形のものを無視します。
その無視の仕方が我慢強く、懸命さを感じます。「頑張れ、私」と、みこが心の中で叫ぶとき、思わず応援したくなります。

きっと彼女は、泣き出したいほど怖いのでしょう。腰を抜かすほど驚いているに違いありません。
だってその異形のものは、巨大でとてもグロテスク。「食べられてしまうかも」と、恐怖を感じます。
しかも、いたるところに異形のものがおり、思わぬタイミングで出現します。

仮に私がみこと同じような立場だとしたら、おそらく人生が嫌になるでしょう。
どこに行っても何を見ても落ち着かないはずです。どんな料理を食べてもおいしく感じられないでしょう。

でも、みこは懸命に頑張って日常生活を送っています。
そして、友達が異形のものに取り憑かれないようにと、恐怖に耐えながら異形のものから友達を遠ざけています。
それは、とても勇気がいることです。

みこは力こそありませんが、とても勇敢な少女です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 38

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「見えてるのにガン無視」の一点突破で突き進むホラーコメディ

原作漫画は未読です。第5話まで観た時点で、このレビューを書いています。

あにこれのあらすじにある通り「見えるべからざる物が見える女の子」である女子高生、四谷みこが主人公のお話です。

みこの立ち位置は、『夏目友人帳』の夏目にある意味で近いと言えます。霊的な物が見えてしまったとして、相手がそれに気づくといろいろとちょっかいをかけられます。場合によっては、みこの身に危険が迫ることも…。

また、そういった物が見えていると他の人に話したところでおかしな人扱いされるのは確実なので、他人に「見える」能力については一切話をしません。

この「見える」みことそれ以外の人との認識の差異のようなところを、うまく笑いに繋げることを試みているのが本作ということになるかと思います。

また「見える者」同士も変人扱いを恐れてお互いに「見える」ことを口に出さなかったりするところも笑いにつなげていきます。

もちろん「見える」ことは恐怖にのみ繋がるわけではなくて、夏目のように人助け(霊助け?)も可能であったりはするわけです。なかなかに興味深いところですね。

みこを始めとして登場人物に女子高生が多いことでいわゆる「エロ要素」的な物もあるにはあるんですが、本作においてそれは鑑賞に誘導するための餌であったり、作中での視聴者の視線を巧みに誘導するための物であったりする気がします。そう、ちゃんと本作の「エロ要素」にはある程度必然性はあったりするわけです。

「見えるか見えないか」のギャップ、そして「見えてもガン無視」というだけでどこまで話を引っ張れるのかと思っていましたが、第5話にして『夏目友人帳』でいうところの田沼ポジション、すなわち「見える能力に差がある」という存在が加わったことで、本作は個人的にはかなり楽しめるアニメになりつつあります。

まだ読むには至っていませんが、原作も面白そうな気がします。

2022.4.7追記:
最終話まで楽しめました。

アニメの放送時期にはComic Walkerでかなりの部分まで無料で読めましたし、現在も新しい話数はComic Walkerで読めていて原作も楽しんでいます。

やっぱりキャラとしてはみこと霊的な物の見え方が異なるユリアやただの占い師として振る舞うゴッドマザーがこの作品の良いフックになっていて、個人的にはかなり好きな作品になりました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37

73.3 16 2021年秋(10月~12月)アニメランキング16位
劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!(アニメ映画)

2021年10月1日
★★★★☆ 4.0 (49)
202人が棚に入れました
マクロスΔの完全新作。

歌うことは生きること。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

なぜ、このような結末にしてしまったのか…

以下はあくまでも個人の意見です。

正直な話、マクロスΔの監督は、今までのマクロスシリーズの主張、守るべき大切なものを忘れているような気がします。

テレビ版もそうでしたが、劇場版では取り返しのつかない結末になってしまいました。

確かに戦闘シーンは迫力があり、歌も素晴らしいし音響効果も抜群です。
でも、最も大切なものを2つも捨ててしまっている。
それが何かすら、監督さんは気づいていないような気がします。

一つ目は、歌の力で戦いを終わらせることと歌の力で戦いに勝つことには、雲泥の差があります。そのことを忘れられたようです。
ミンメイもバサラもランカもシェリルも、歌の力で戦いを終わらせたのです。戦いに勝ったのではありません。相手を力でねじ伏せたのでなく、相手と理解し合えたのです。

二つ目は命の大切さです。歌うことで寿命が短くなるなんてマクロスシリーズの趣旨に反しています。

仮にマクロス7のバサラが登場して、歌の力でフレイヤに生きる力を与えたならば…
と、つくづく思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ごりごり、燃えた 燃え尽きたんよー

 マクロスΔの続きで、ハヤテやワルキューレら共に故郷に帰ったフレイヤだったです。
 突然の奇襲に立ち向かうワルキューレ、Δ小隊、特にフレイヤが命を賭けて歌うお話です。再び愛の告白、マクロスファン必見驚きのサプライズキャラ登場もあったです。

 以前の「劇場版マクロスΔ 劇場のワルキューレ」は、TV放送のアレンジ構成で少し話をラストも含め変えていたです。今回は完全新作、ワルキューレの歌が目立ちすぎる前回とは違い、フレイヤを軸にハヤテ、美雲、カナメ、レイナ、マキナ、ミラージュなどの絡み、以前明かされた謎を盛り込んだ作りになっていたです。

 フレイヤの里帰りも含めライブを行ったウィンダミアで、一体何が起こるのか?突然の出来事に話は、盛り上がりを見せるです。
 戦いのさなかに、全力を出すフレイヤに一体何が起きるのか?注目です。フレイヤを思うハヤテであったり、美雲であったりとどうなるのかなぁと思ったです。ワルキューレそのものの存在意義も見た気がしたです。

 敵の正体、目的、対抗戦力も何なのかな?設定だったです。「マクロス+」の要素を取り入れたΔならではな、演出も施されていたです。

 自分の身を顧みないフレイヤの決断、その先に何がおころのだろうか?衝撃の展開へと進むのです。人間にしかわからないともいうべき、歌の力を見せたと思うです。以前の戦いの終わった直後、地球人とウインダミアの間で互い全てを受け入れられなかった面も見れた流れで、一つにまとめることができたように見えたです。

 ED後のシーンは、ハヤテたちが受け入れた展開の中で残された希望のように、ハヤテと新たな命を見せたように思えたです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5
ネタバレ

石ころ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

油断して観たら、痛い目にあった...

同時上映の短編マクロスFの新作目当てで、合わせて観ました。正直Δの方にはあまり期待していませんでしたが、いい意味で裏切りられました。

詳述は避けますが、マクロスシリーズの肝とも呼べるストーリを占める柱は、歌、戦闘、そして三角関係という認識で、私はシリーズを通して視聴していました。テレビ版Δが公開されたとき、三角関係が薄まってると思って三本柱の一本が揺らいだと思って、やや残念に思っていました。

今回の劇場版視聴後、シリーズの三本柱と思っていた「三角関係」の要素は誤りで、歌、戦闘、そして「{netabare}悲恋{/netabare}」が本当の柱なのではと、思わずにはいられませんでした。今一度、この要素の視点でもって、シリーズを改めて視聴し直したいと思った次第です。河森監督、そして劇場版Δに携わった方々に、気付きをいただけたこと、素晴らしい作品に仕上げ公開していただいたこと、深く御礼申し上げます。心を入れ替えて出直してきたいと思います。

追記:マクロスプラス、7、そして若干Fの要素も、劇場版では含まれています。併せて視聴すればより楽しめると思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5

73.2 17 2021年秋(10月~12月)アニメランキング17位
大正オトメ御伽話(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (239)
705人が棚に入れました
時は大正——。事故がもとで母と右手の自由、父の期待を失い田舎に養生という名目で家を追われた青年・珠彦。世の中の全てに嫌気がさし、引き籠もりの厭世家となり果てていた珠彦のもとに、夕月という少女がやってきた。彼女は父が珠彦の世話をさせるため買ってきた嫁で…。

声優・キャラクター
小林裕介、会沢紗弥

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

とても心が和みます

とても心が和む物語です。
ヒロイン夕月(ゆうづき)のはつらつと働く姿や、主人公に対するいたわりの心がとても素敵です。
夕月は姿かたちこそ幼い少女ですが、立派で広い心をもった優しいオトメです。


物語は、交通事故で右手が動かなくなったために親から死んだように扱われ、世の中を疎むようになった主人公志磨 珠彦(しま たまひこ)のもとへ夕月が嫁いできます。
夕月は、親の借金返済のために、お金で買われた女性でした。
でも、夕月はそんなことを気にしません。いつも珠彦のことを気遣い、身の回りの世話をします。
珠彦がふさぎ込んでいたら外へ連れ出し、珠彦の心を和ませます。

最初の頃は夕月を追い返そうとしていた珠彦も、彼女の清らかな心と明るく元気な性格に魅かれてゆきます。


貴方は、お金持ちだけど心がすさんだ人生と、ぜいたくはできないけど明るく笑顔に絶えない人生と、どちらが好きですか?

この物語を見ると、きっとその答が見つかるでしょう。

原作はまだまだ続きがあるようですが、このアニメはどうやらここでキリが良いので終了するようです。
夕月の花嫁衣装や珠彦の教師として働く姿が見たかったですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 36
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

優しい気持ち、ありがとうの気持ちがみんなを救う

【紹介】
世の中にうんざりしたご主人とその周りの面倒くさい人たちの凍てついた心を、心の綺麗な少女が溶かしていく話。
全体的にフルーツバスケットに似ていて、ギスギスドロドロしない爽やかなフルーツバスケットって感じ

少女マンガじゃないようですが、女性作者ですし全体的に少女マンガっぽい作りですね。
嫌な人も出てくるけどゆずのやさしさを見せるためにやってるところあって、悪役があまり出しゃばってこないなど優しい作りです
奇跡に近いような偶然が多くてかなりご都合主義なところあるけどとても純粋で優しくて好きなアニメ、素直な心で楽しんで欲しい、オススメです!

挿入歌の「戀ノ歌」がとても好きです!

【キャラクター】
キャラデザは頭身高めですっきりした顔立ちの典型的な少女マンガだけど、萌えアニメ寄りにデザインを少し柔らかくしている感じで男女ともにウケが良さそう。

{netabare}
主人公は彼女の優しさのおかげでどんどん人間的に成長していくのが良い。
ちょっと溶かされるのが早すぎる気はするけど、絶望して傷ついた心にこんなに優しくされたらそりゃ改心もしたくなりますよね。

他のキャラクターも最初は面倒くさくて嫌な人が多いけど、夕月のおかげでどんどん自分をさらけ出すようになって雰囲気が良くなっていきます。
ずっと夕月ちゃんの頑張る姿を応援しながら視聴していました。
{/netabare}

【シナリオ】
{netabare}
夕月は奴隷とか使用人じゃなくてあくまで将来の嫁として来てて、お嫁さんが家のために献身的に働いて無償の愛をささげるところ、今の感覚だと女性蔑視って言われそうだけど、これは大正時代なのでこれでいいんだと思いますし、
夕月の優しさのおかげで成り立っている関係だけど、考え方によっては夕月も優しく献身していたらちゃんと報われる良いご主人に巡り合えて幸せって言えると思うので、当時の常識で考えればWINWINな関係なのだと思う。

ひねりはないけど、わかりやすくて視聴しやすいシナリオ。
全編にわたってヒロインの可愛さによって支えられていますね。

キャラクターのほとんどはこれくらいじゃ改心しないでしょってくらい腐ってて、最終話も震災でめちゃくちゃになった大正時代の東京で人を見つけるのはたぶん無理だと思うから、ちょっとご都合主義が過ぎるんじゃって思うけど
一生懸命相手のことを思いやって頑張る女の子に、心を開いていく人たちを見て「良かったね」って素直に思って涙出てきました。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

少女漫画系ラブコメ(OP『オトメの心得』は名曲!)

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
まだ第1話しか放送されていませんが、観た時点で幸せな気持ちになり、現時点で大変気に入っております。

原作漫画のタイトルは『大正処女御伽話』でアニメのタイトルは『大正オトメ御伽話』、原作は処女を「オトメ」と読ませるらしく発音的には同じになります。

原作は未読なのですが「ジャンプSQ.(スクエア)」掲載作品だそうで、全5巻で既に完結しているそうです。

事前情報としてはテレビ放送1週間前の「大正オトメ御伽話アニメ前日譚」という番組を視聴済みです。期限は不明ですが現在もYouTube配信されているようなのでよろしかったらご覧になってみてください。

作中の物語はちょうど今から100年前、大正10年(1921年)の冬から始まります。志磨珠彦(しま たまひこ)はかなり裕福そうな志磨家の次男ですが、怪我で右手が利かなくなったことから東京の実家を離れ、独り千葉の山村で暮らすことになります。

そこに、結婚相手として立花夕月(たちばな ゆづき)が訪ねてくるという導入でした。珠彦は17歳であり夕月は14歳ということで「即結婚」ということにはならないのですが、二人きりでの田舎暮らしが始まります。

ネタバレ的なことはあまり書きたくないのでストーリー詳細は割愛しますが、個人的には夕月を主人公として、少女漫画的に話を追う方がしっくりくる感じがします。

別に呪いとかは無いんですが、時代相応のそれなりにヘビーな設定などもあり必ずしもほんわかほのぼの一辺倒の話にはならないような気はしますが、私はライト系でもヘビー系でも恋愛ものの少女漫画は大好物なので、楽しませてもらえると思っています。

余談その1:「大正オトメ御伽話アニメ前日譚」に原作者×監督×脚本の三者対談があったのですが、そちらを観る限りではアニメ制作陣と原作者の波長はかなり合っていそうです。

余談その2:「大正オトメ御伽話アニメ前日譚」の最後に「※この番組はアフレコ終了後、時間が経ってから収録しております」とテロップが出ていたので、制作スケジュール的には優良だったことが窺われます。
== [第1話視聴終了時のレビュー: ここまで。] ==

2022.3.31追記:
最終話を観終わってから約3ヶ月後のレビュー更新ですね。

実は2話目を観るか観ないかあたりでもう原作が気になって仕方がなく、『大正処女御伽話』はさくっと全巻揃えてしまいました。原作漫画もとても面白かったです。

OP曲『オトメの心得』の作りから見ても「大正オトメ」は夕月だけではなく、珠彦の妹である珠子、珠彦の住む村の地元の少女である綾、人気歌手の小鳥ちゃんもみんな「大正オトメ」であるというスタンスの作品だったのでしょうね。

GARNiDELiAといえば一番好きな曲は『SPEED STAR』だったんですが、まったく違う曲風のこの『オトメの心得』ですっかりやられてしまいました。個人的には2021年のアニメOP大賞くらいの勢いかも?

アニメでもチラッと垣間見ることはできましたが、原作の志磨家はかなり闇深い一族でした。特に珠代姉さまがおっかない人です。

多少ウジウジと珠彦が悩むシーンなどもあったにしろほぼ終始爽やかだったアニメと比べてみると面白いかも。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31

72.7 18 2021年秋(10月~12月)アニメランキング18位
異世界食堂2(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (277)
950人が棚に入れました
「いらっしゃいませ!ようこそ、洋食のねこやへ!!」アレッタとクロが働いている「洋食のねこや」は猫の絵が描かれた看板が目印。一見、日本のどこにでもある普通の食堂だが、7日に一度“特別営業”であるドヨウの日になると、異世界のあらゆる場所に扉がつながる。扉を通じて、今日も様々な“向こうの世界”の客がやってきては絶品の料理に舌つづみを打ち、帰っていく。この店に集う人々、料理との一期一会を描く物語。温かい出会いの扉が再びつながる。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

偉大なるマンネリになれるか?

原作未読


こちらの世界とあちらの世界の間。週に一度繋がる洋食屋「ねこや」を巡るあれやこれやの2期め。
どこで修業積んだんだよ!とツッコミ不可避な店主が繰り出す洋食の範疇に留まらない料理全方位ぶりに感嘆しますが、そうでもしないとネタが早々に尽きてしまうんだろうな、と邪推可能な2期でした。

良くも悪くも単調でしたね。まとめて観るよりねこやの仕様と同じく週一くらいで嗜むのがお作法かもしれません。

 「なんだこの美味いものは!」

と週替わりゲストが幸せそうにしてるのを見てこちらも満足すればよい作品との評価になります。ある意味稀有なポジションを確立しとります。
単調と感じた理由はネタバレで後述。それでも日本人の誰も『笑点』を悪い意味で単調とは言わないように偉大なるマンネリを目指してほしいものです。
自分は腹八分。3期あるとしても惰性でのお付き合いになると思います。



※ネタバレ所感

■1期との差分

エルフやリザードマンやら挙句にはドラゴンなど人外さんが舌鼓を打つさまは愉快かつ独創的だった。“だった”ということです。
1期レビューとの重複になりますが本作品の要素は下記3点の掛け算

 飯テロ × 人情噺 × 気分いい

①飯テロ
 読んで字のごとく。美味そうな画とそう思わせる異世界人のご弁舌のハーモニーは作品の柱です。
{netabare}ただこれだけですと、別に異世界でやる意味はないのよね。出オチになるかどうかはその後の展開にかかってます。{/netabare}


②人情噺
 食にまつわる周辺エピソードやら背景。人生が透けてみればなお良し。
{netabare}これが2期では薄味でした。基本的には一人一品ルールだったりするためか1期で登場したキャラたちは傍らでいつもの品を食べてました。RPGにある街でモブがいつもと同じセリフ吐いてるのと変わらず深掘りがありません。
また誰もが恐れる人外さんが食の奴隷になるみたいな面白さは2期にはなく、起伏が乏しい印象。ただし終盤に求婚エピソードもってきて山を作ろうとしていたのは好感でした。冷静に考えりゃ異世界である意味は全くありませんがベタでも入れといてよいエピソードでしたね。{/netabare}

③気分がいい
 誤解なきよう『異世界居酒屋』『異世界食堂1期』のレビューにてがっつり説明しております。一言で済ますなら“日本食が海外に受け入れられた喜び”みたいなもの。私たちの普通が他人には特別なものに映ることで私たちも足元の素晴らしさに気づくのに似た感覚です。
{netabare}これも薄味でしたが逆説的にそれで良かったと思います。1期踏襲ならくどく感じてたかもしれません。{/netabare}


長く続けるなら定期的に②の要素をまぶしていかないと平坦すぎてつまらなくなるでしょう。出汁を感じ取ることができる味覚を有している我々ですから薄味で良いのです。無味無臭はいけないってそれだけなんですけどね。ばんばん無味無臭化フラグが立ってると思いませんか?


{netabare}突然目の前に現れる「ねこやへの扉」に意味合いがないのよね。たまたま発見してラッキー!以上です、、、みたいな。膨らませ甲斐のある設定でしょうに。{/netabare}

{netabare}それと店主の出自にちらっと触れてましたね。さてさてどうなることでしょう?{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

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2021.12.23 初稿

投稿 : 2024/05/11
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

深夜の飯テロ再び開幕!(世界観はそのまま作画はグレードアップ?)

小説家になろう発でヒーロー文庫から刊行のライトノベル『異世界食堂』のアニメ化作品。「2」が付かない前作からの2期目作品です。

本作のフォーマットは基本的にAパートで1品、Bパートでもう1品の計2品の料理について、それぞれに纏わるストーリーで構成されるという定式化された物になっています。

(恐らくはずっと)Aパートでは「洋食のねこや」に初来店の客が出てきて、店主やウエイトレス達からどのような店なのか説明を受ける形になっているので、途中の話数から観る初見の方でもいきなり観てある程度は話について行けるように作られています。

が、一応形だけ説明しておくと食堂があるのは「我々から見ると異世界の住民から見た異世界」である現代日本なのですね。そして店主は日本人でウエイトレス達は異世界人。何でそんなことになっているのか気になる方は1期目から観てみると良いでしょう。

そして本作のメインとなるのはやはり料理作画ということになりますが、第2話まで観た限りでは全く問題ありません。制作スタジオが変更になったせいなのか、人物や背景の作画も含めて全体的に作画は1期目よりも良くなっているように見えます。

原作でもそうですが、2期目では1期目以上にお店で出会った異世界人の常連客同士の交流にも見所が増えてくると思いますので、お楽しみに。

2022.3.31追記:
原作は続いていますけど、「小説家になろう」での更新はあまり進んでいませんよね。アニメ3期目を作るつもりもあまりなさそう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 36

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ダイエットの天敵

【紹介】
一週間に一度、異世界のあらゆる場所に扉がつながっていろんなお客さんがやってくる食堂の話。
2期になりますが、別に1期見なくても大丈夫だし、話が飛び飛びに見ても大丈夫な感じです。

【作画】
1期に比べてさらに料理作画に力を入れてきた飯テロアニメ。
料理がとにかく美味しそうで、においまで感じられそうな作画が素晴らしい。
飯テロに全振りしていて、人物作画は無難な感じ。

【シナリオ】
1期以上に話が薄くなった気がしますが、話はオマケ。

【総評】
絶対夜遅くに見てはいけませんね。
一期でも時々そうしてましたが、スーパー行く前に視聴してそのままおかずの参考にしていました。

安心して気軽に見られるいいアニメだと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33

72.1 19 2021年秋(10月~12月)アニメランキング19位
結城友奈は勇者である 大満開の章 (TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (168)
545人が棚に入れました
TVアニメ新シリーズ『大満開の章』
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

結城友奈じゃなくても勇者である

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ゆゆゆ、は1期☆4、2期☆4と、高評価しています。好きなシリーズです。

本作は3期というより、ほぼスピンオフですね。ゆゆゆ自体は2期で大団円を迎えていますから、当たり前と言えば当たり前ですが。

本作、普通に普通以上の面白さがあるアニメです(だから☆4)。

ただ、「結城友奈は勇者である」という冠から、3期(2期の後日談)を期待した私が悪いのですが、思ってた作品とちょっと違いましたね、個人的には。

スピンオフならスピンオフと、言ってもらえればね、そういう姿勢で視聴するのですが。

本作、時系列が複雑なので、一応、余談に入れときますね。視聴の参考までに。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
正直、1度綺麗に完結した物語を、無理に引き延ばそうとしている感じがした。

おそらく、スピンオフにあたる「楠芽吹は勇者である」と「乃木若葉は勇者である」を、無理に「本編の中に入れたような演出」が違和感を醸し出していたのかな、と。

いや、2作とも単体として、とても面白かったですよ。

特に、「楠芽吹」はキャラの立ち位置として良かった。ああいう、「凡人の最強」みたいなの好きなんですよね。自分が量産型・消耗品でないことを証明するために戦ってきた結果として、本来なりたかった「勇者」として仲間に認められる。

良いじゃないですか。格好良いです。

加賀城雀や弥勒夕海子などサブキャラも魅力あったし。勇者部に匹敵する素敵なパーティ。まあ、やたら「ガンバスター」みたいな雰囲気でしたけど(笑)

ただ、本作の1話目を「勇者の章」の前(がっつり日常系)にしたせいで、「勇者の章」の続き(神を失った後の人類及び勇者部の営み)を期待していた私にとっては、???みたいな感じでした(これは、事前にアニメの情報は入れない私の視聴スタイルが災いした感じです)。

ファーストガンダムの後に、Ζガンダムの1話だけ流して、0083を放送したような違和感(ガンダム好き以外には伝わらないw)。

「勇者の章」ではバッチリ決まっていた、スピンオフを絡めながらの時系列シャッフル。それと同じことしているわけですが、本作ではハマらなかった感じ。

違いはやはり、「進行中の物語」でやったか、「完結後の物語」でやったか、かな。「進行中」なら、視聴者であるこちらも、内容を深めたいと思って観るけど、「完結後」、しかも、あれだけ熱く綺麗に完結した後に、今さら過去を掘り下げられても、もはや蛇足にしか感じられませんでした。

重ねて言うけど、「楠芽吹は勇者である」も「乃木若葉は勇者である」も、凄く面白かったんです。むしろ、もっと丁寧に、6話くらいかけてちゃんと観たかったくらいです(それぞれに単独で1クール使っても全然文句ないです)。

本作のタイトルを、「結城友奈は勇者である 大満開の章」とつけず、「楠芽吹と乃木若葉も勇者であった」とかにして、完全にOVA扱いにするくらいの、

「結城友奈という看板に頼らなくてもいける自信(作品に対する信頼)」

があれば、また少し違ったのですが。もしくは、本作の12話Aパート(純粋な3期)を1話目にもってきて、諸々を描き、12話編成でCパートまでたどり着くようにするか。

と、なんとなく酷評っぽくなっちゃいましたが、最後の友奈の幸せそうな笑顔見ちゃったら、もうどうでも良くなりますね(笑) 

1期からのトータルで、最後まで綺麗に完結した、素晴らしいアニメシリーズだったと思います。制作者の皆さん、お疲れ様でした♪
{/netabare}

【余談~時系列まとめ~】
{netabare}
複雑過ぎるので、多分、ですけど(苦笑)

①「乃木若葉は勇者である」
(アニメ3期5話~7話)
※西暦2018年。地の神VS天の神バトル開始。初代勇者、乃木若葉の物語。神世紀開始。

②「鷲尾須美は勇者である」
(アニメ2期1話~7話)
※神世紀298年。何代目になるかは分からないが、鷲尾須美たちが勇者として活躍していた時代の話。

③「楠芽吹は勇者である」
(アニメ3期2話)
※神世紀300年。あと一歩で勇者になれず、守人となった楠芽吹の話。

④「結城友奈は勇者である」
(アニメ1期1話~12話)
※神世紀300年。結城友奈をはじめとした、勇者部の話。以下、⑦まではほぼ同時期の話。

⑤「結城友奈は勇者である-大満開の章-」
(アニメ3期1話)

⑥「楠芽吹は勇者である」
(アニメ3期3話、4話、8話)

⑦「結城友奈は勇者である-勇者の章-」
(アニメ2期8話~13話&アニメ3期9話~11話)

⑧「結城友奈は勇者である-大満開の章-」
(アニメ3期12話)
※神樹様及び天の神がいなくなった後の世界。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
青い鳥。時系列は、神不在後? 楽器、上手いな。めっちゃ日常系。ゆゆゆの場合、さらなる悲劇への序章にしか感じないんだよね(苦笑)

2話目 ☆4
なんかもう、ノリがガンバスターになってきたな(笑) 量産型と量産型の戦いは熱い。そして、量産型でないことを証明しようとする主人公はもっと熱い。

3話目 ☆4
勇者部を外から見る。防人の歌。城マニア(笑) ここからシリアスか。やはり、勇者の章の前か。

4話目 ☆4
バーテックス倒すとか、かなり強いな。弥勒が犠牲者の1人目か。

5話目 ☆3
すごろく(笑)  ん? また過去編?

6話目 ☆4
さらに、スピンオフか。なかなか闇が深い話。もうちょい、ちゃんと観たいよな。

7話目 ☆5
郡と乃木。最後に、群千景は勇者であると宣言する乃木、格好良いな。

8話目 ☆4
ここでまた、楠芽吹の話に、また戻るか。カリンを励ます元ライバル。

9話目 ☆


10話目 ☆4
熱いバトルだったな~。銀の斧。台詞。千景砲。スナ~(笑)

11話目 ☆3
風の技、普通にめっちゃ格好良いよな。つまりは、ゆゆゆ完全版だね。

12話目 ☆5
ここでようやく後日談か。2期のCパートって感じだよな。やはりテーマは自立か。インフラ、資源はもう無限じゃないしな。クーデター(笑) 人の力になれるのは、人。4年後。むしろその4年を観たいのだが。天の神、放射能? チーム防人。まあ、希望を魅せたラスト、と。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 24

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

すべての想いを背負って戦う勇者

※間違えて一期にこのレビュー投稿してしまったことを教えていただいたので投稿しなおします。

【紹介】
これは3期にあたります。2期は「鷲尾須美の章・勇者の章」なのでそのあとに視聴しましょう
最初の4話までの時系列は1期と2期の間の話のスピンオフ的な位置で、2期の裏側を楠芽吹の視点で語られます。

【シナリオ】
序盤はものすごくダイジェスト感がありますが、仕方ないですね。こういうスピンオフは好き。
事前に1期と2期を復習しておいたほうがいいかも。

選ばれた勇者は替えがきかない英雄だけど、勇者じゃない防人は、替えがきく消耗品?
別に私じゃなくてもいい、それなら私たちはただ時間稼ぎして盾になるだけの生贄?
注目されることなく、一般兵Aとして大したセリフもなく一瞬で殺され誰の記憶にも残らないモブ戦闘員達。
彼女達がいなくても世界は救われるかもしれないし、何人死んだかなんて誰も気にしてないかもしれない。
世界を救う勇者だけが注目されるけど、そうじゃない一般兵士だって必死に戦ってるんだ、
セリフのないモブだって生きてるんだという当たり前のことを投げかける。

そういった当たり前が描かれるからこそ、託された勇者達の活躍がより輝きを増す。

そして満を持して登場する勇者たち。
すべての人類の希望を背負って、過酷な戦闘に身を投じる勇者
志半ばで倒れていった仲間の想いを継いで、ボロボロになって戦う勇者
応援せずにはいられなかった。

すべての人々が勇者を称えて期待して、絶賛ばかりされる栄光だけの物語とせずに、勇者に否定的な言葉や、感謝しない民衆もいて、多大な犠牲があって、戦う意義を見失いそうになる。
勇者だって人間だ、命がけで戦って、仲間が犠牲になって、理不尽な罵声を受けて平気でいられるわけない。
そういう勇者の苦悩を見せたところが良かった。

でも、一つ一つのエピソードがホントしんどいなあ。
しんどいからこそ、応援したくなるけど。

途中までは面白かったけど、最後のほうの神魂うんぬんが面白くなかった。

【文句も言いたい】
シリーズ通して女の子の自己犠牲の美化が激しく、本作品では「わたしたちは消耗品じゃない、一人一人生きてるんだ」ってところを強調していたけど、やっぱり消耗品扱いしていることは変わらないと思う。

【キャラクター】
歴代のキャラクター達のことは今さら語るまでもないと思いますが
楠芽吹編のキャラクター達もただのモブではないキャラの立ったキャラクター達で魅力的。
弥勒さんがテンプレお嬢様ライバルキャラだけど、すごく好き。

【作画】
とても綺麗で安定感がありますね。キャラデザも好き。
防人はフルフェイス衣装のせいで戦闘中誰が誰かわからないのが残念。

【音楽】
結城友奈OP「アシタノハナタチ」ED「地平線の向こうへ」
OPもEDもなんかグランドフィナーレって感じの曲調ですね。
どっちも激しい戦いを締めるに相応しいいい曲だと思うけど、このグランドフィナーレ感満載のEDが毎回流れるので毎回最終回みたいな感じに。

【総評】
世界観を理解するためにも1期2期視聴は必須。
ちょっと使いまわしが多かったのは残念だけど、何回見てもいいものはいい。

作品全体が最終回みたいな話ばっかり。
ご都合主義で自己犠牲崇拝しすぎだけど、そんなことは気にならないくらい強く引かれる魅力がありますね。

一話一話のエピソードがすごく重たくてかなりしんどかったです。
一気に視聴するのは精神的にかなりくる。

でもこのシリーズは本当にいい作品だと思う。
ここまでずっと見てきて良かったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「車輪の下敷きにならないように」

原作小説で今回アニメ化された部分では『乃木若葉は勇者である』の一部を連載雑誌で見たくらい。

【物語 3.5点】
原案等でシリーズに関わって来たタカヒロ氏もまた2010年代に相次いだ
18禁含むテキスト型アドベンチャーゲームからのアニメ業界進出例。

『ゆゆゆ』でも適宜、前日譚や歴史を豊富なテキスト量でじっくりと紐解き、
設定の深さを伝える。
クライマックスに向けさらに事の発端となった時代にまで遡り、
過去と未来をつなぐ因果を提示していく。
【防人編】(現在)、【西暦勇者編】(過去)、総括(未来)の3部構成にて、
如何にも美少女ゲーム色の強いスケール感の出し方でシリーズを集大成。

結局、少女が身を削って戦って得たのは衰退までの時間稼ぎ程度という「大赦」の通常運転。
「神樹」様が少女に気まぐれに{netabare}神婚{/netabare}を求める(このロリコン神めw)
というパターンの繰り返し?との既視感もありました。
が、勇者たちの歴史を振り返り、
何故、大赦は勇者活動について秘密主義に至ったのか?など根本的な疑問に解答した。
その上で改めて「勇者部」が頑張る意義を再提示した。
スッキリ感は3期が一番でした。

まさか3期から初見する方もいないとは思いますが……。
第1話は、勇者部のこれまでの苦闘とノリを共有していれば、
彼女たちの日常はこれでいいんだと納得できます。
が、知らない方が観ると放送事故級の日常カオス回が直撃するので、
ここからいきなり飛び込むのは厳に慎みましょうw

【作画 3.5点】
アニメーション制作・Studio五組

萌えキャラが可愛らしい白目でリアクションするゆる~いコミカルシーンと、
CGの助力も得て表現したバーテックスの数の暴力などの絶望。
日常と戦闘の激しい落差という個性を貫き通す。

目を引いたのは【西暦勇者編】の精霊の力を宿す作画。
この種のパワーアップ機構のプロトタイプは大体、安全性に問題点が多くエグいが、
それが悪名高き「満開」システムの元ともなれば目を覆わんばかりの惨状。
胸に表示されるカウントダウンを見て、
『ゆゆゆ』は魔法少女ではなく特撮変身ヒーローの系譜だと再認識。

魔法少女ではない……と言えば、本シリーズの「樹海化」設定の背景美術。
元々、一面深緑の鬱蒼とした文字通りの樹海でデザインしていたが、
四国にロケハンに行ったスタッフが、
田舎じゃ森は当たり前すぎると実感し、某・魔女結界の如きカラフルな“樹海”に変更したとのこと。
私は初期設定の緑の樹海で見たかったという願望が未だに捨てきれません。
ラストの{netabare}緑で覆われた廃墟{/netabare}を見て、こっちの方が個性出たはずだと、ますます思います。

【キャラ 4.0点】
【防人編】主役の楠芽吹。レビュータイトルは彼女の座右の銘。
歯車の意地……胸に響きます。

【西暦勇者編】主役の乃木若葉。あの会見……グッと来ました。
このエピソードでは結城じゃない方の友奈も登場し、
神による友奈への執着の由来が示唆され、
同時に全ての勇者たちが積み重ねた想いが友奈に集約される流れを作る。

【声優 4.5点】
【防人編】で印象的だったのが加賀城雀役の種崎 敦美さん。
「ぎゃあああ!死んじゃうーー!!」などバーテックスを前に勇者のCVにあるまじき狼狽、大絶叫w
でも、これが化け物に対する中学生女子のごく自然な反応であり、ある意味安心しますw

【西暦勇者編】では郡 千景役の鈴木 愛奈さん。
戦いや勇者システムの副作用だけでなく、{netabare}勇者をバッシングするネット世論{/netabare}からも精神を蝕まれる。
{netabare}眩しすぎる若葉への嫉妬、友奈への重たすぎる百合。{/netabare}
病んだ心情をぶちまけた、迫真の演技に圧倒されました。
ただ、誠に申し訳ありませんが、{netabare}劣等感を爆発させ部屋で暴れる千景を見ていて、
不謹慎にも私はパチンコで駄賃をすって破れかぶれになっている邪神ちゃんを思い出してしまいましたw{/netabare}

友奈“二役”を担った照井 春佳さん。勇者パンチにも二人分以上の気持ちがこもっていました。
8話の{netabare}友奈が友奈に苦しい胸の内を明かす{/netabare}シーンお見事でした。

【音楽 4.0点】
劇伴はシリーズ通じて制作集団・MONACAの面々で完走。
音響がボケるシーンに戦闘曲を宛がう独特の采配もありましたがw
定番の和風女声コーラスなどで概ね無難に締めくくる。

主題歌は讃州中学勇者部。
OPは「アシタノハナタチ」
エピソードを経る度に、勇者たちの歴史と悲願を噛みしめることができるスルメ曲。
ただ……OPアニメが勇者部の少女たちのフルヌードなので目のやり場に困りますw

EDは「地平線の向こうへ」
アコースティックギターの優しい調べがお馴染みのアレンジ。
ラストの{netabare}樹が路上コンサートで歌い始める{/netabare}演出も感慨深かったです。


【感想】
メインストーリーはこれで一区切り。
ただメディアミックスは継続しており、アプリ等で勇者たちのエピソードは制作中。
私はタカヒロ氏ら本シリーズの文体はやはりリズムが合わないのでw
良いシナリオは映像化して頂けるとありがたいです。
後日談として、{netabare}友奈&美森で少女終末紀行{/netabare}とかやっても良いんですよ♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

71.9 20 2021年秋(10月~12月)アニメランキング20位
サマーゴースト(アニメ映画)

2021年11月12日
★★★★☆ 3.8 (64)
242人が棚に入れました
光溢れる世界を描き出す気鋭のイラストレーター loundraw(ラウンドロー) 初監督映画作品「サマーゴースト」2021年公開決定!
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

初期の新海監督作品を思い浮かべました

"サマーゴースト"と呼ばれる幽霊に会うためにSNSで知り合った高校生3人の、生と死を見つめなおす物語。約40分の短編です。

作品全体の雰囲気、劇中曲のピアノとか、見ていて初期の新海監督作品を思い浮かべました。

成績が良くて母親や教師にすごく期待されてるけど、実は他にやりたいことがあって悩む杉崎友也。
学校でいじめられてて、どこにも居場所がないと思っている春川あおい。
{netabare} 病気でもう長くはないことを聞かされて {/netabare}気持ちが揺れ動く小林涼。

それぞれの理由でサマーゴーストに会いたくて集まった3人。

悩んでるときって自分でも気づかないくらい視野が狭くなっていたりするものだけど、そんなときに何かを始めてみたり、新しい人と出会ったりすることで視野が広がり気づくことってあると思います。

世界は広いんだってことに。

最後のオチも良かったです。
パチパチと光る線香花火が綺麗でした。

私もあのハナビ欲しいなぁ・・
お話が終わってエンドロールをぼーっと見ながら、もう会えない人のことが浮かんできました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

明滅するひとつの青い照明

FLAT STUDIO制作。

サマーゴーストは若い女性の幽霊で、
夏の時期、飛行場で花火をすると姿を現すと言う。
3人の少年と少女、彼らにはそれぞれ、
幽霊に会いたい理由があった。

短編作品ですので、語れることは少ない。
ただ繊細な絵と余韻を残す物語が印象的です。

静謐な夏の夕べと花火、青く透明な存在、
{netabare}死に触れようとするものだけに現れる幽霊、
その幽霊にもここに存在する理由があった。{/netabare}

ささやかに生きていくことも出来ず、
日常生活に息が詰まり、嫌気がさしては、
ただ漠然と死すら考えてしまう。
そう言った生き難さに直面しながら、
どうにか生きているのが現実である。

大切なことは心のずっと奥にある、
{netabare}ほんとの自分が望む未来に向け、
歩むべき道標を見つけることでしょう。
それがたとえ報われなくても。{/netabare}

せはしく明滅する電燈の青い照明、
自意識や自我をそんなふうに表現した、
偉大な作家が書き記した言葉を、
ただぼんやりと思い浮かべていました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

単館系で観る映画のような独特な余韻を味わえる作品

イラストがそのまま動いたような感じの作画がとても新鮮な作品でした。

■等身大のリアル

この作品は、単館系で観る映画のような独特な余韻を味わえる作品です。
ここで言う単館とは、下北沢にあるような50席ぐらいのシアターのことです。
上映作品は、だいたい支配人の意向で偏っている感じでしょうか。
それよりも、駆け出しの監督作品の公開の場と言う意味合いの方が大きいです。
それこそ家庭用機材で撮影した自主製作の延長線のような作品も上映されています。
そのため、上映作品は、粗削りのものが多いです。
しかし、この駆け出した頃の作品だからこそできた表現と言うのもあります。
それは、いろいろな表現技術が身についてくると、どことなく消えてしまう何かです。

この作品もそんな印象をうけました。
青臭い分、本当に表現したいことがにじみ出ているような、そんな感じです。
自分の置かれている状況に悩む高校生の気持ちを特に脚色をせず淡々と描いています。
それがむしろ等身大と言うかリアルに感じられた理由です。


■幽霊

この物語では、都市伝説で「サマーゴースト」と囁かれる女性の幽霊が登場します。
名前は、「絢音(あやね)」。
ネットで知り合った高校生の3人がこの幽霊と出会うことから話が展開します。

「ゴースト」には、「人が突然消える(いなくなる)」と言う意味もあります。
実は、絢音の母親にとっては、ある理由で絢音が突然消えたままの状態なのです。
娘の絢音にとっては、それが唯一の心残りとなっていました。
そんな絢音と3人の高校生が一緒に突然消えた理由をめぐる物語となっています。
そして、最後にキャッチコピーの「ありがとう、見つけてくれて」にたどりつきます。


■劇伴がいい

この物語は、そんな「生と死が交錯する夏の夜」の出来事を描きます。
これはもちろん生きている3人と死んでいる絢音の出会いと言う意味があります。
それと同時に、3人もまた、ある理由で死を意識しているからです。
このなんとも不思議なひと夏の出来事を劇伴が神秘的なものとして演出します。
そして、この劇伴のおかげで、最初から最後まで独特な雰囲気で物語が進行します。


■まとめ

観終わった後、どう表現していいか分からない、言葉にできない余韻が残ります。
逆に言えば、表現できないからこそ、それが余韻として残るのだと思います。
私は、こう言う余韻は大好きです。
それは、自分の中で必死に答えを探そうとしている証拠だからだと思うからです。
しかし、結局のところ、いつもしっくりくる言葉は見つかりません。
でも、心の中では、ちゃんと答えは見つかっているのだと思うのです。
なぜなら、なんとなく心が軽やかになったと感じるからです。

この物語でも主人公が空を浮遊することをきっかけにそれこそ心が軽くなり始めます。
それは、同時に自分の中にある問題に必死に向き合い答えを見つけ始めたからです。

主人公は、最初、「自分が生きているかどうか、時々分からなくなる」と言いました。
もし同じように思っている人がいたら、この作品を観てもらえたらなと思います。

私は、言葉にできるような明確な答えは、見つからなくてもいいと思っています。
でも、自分の「心の重さや軽さ」には、気を付けてみてほしいと思っています。
それが自分と向き合うと言うことだと思うからです。
もし、自分の心が少しでも軽くなったと感じたら、それは答えが見つかった証拠です。
そしたら、もう焦らなくてもいいのです。
なぜなら、自然とその答えに向かって行動ができるようになっていくからです。

この作品は、独特な浮遊感でその過程を表現していたのではないかと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26

71.9 20 2021年秋(10月~12月)アニメランキング20位
EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション(アニメ映画)

2021年11月26日
★★★★☆ 3.9 (38)
205人が棚に入れました
エウレカが作り上げたスカブコーラル(珊瑚状の情報生命体)の中の仮想世界。その崩壊とともに、仮想世界の人々がこの地球に姿を現して 10 年が経過した。この“大融合”の結果、仮想世界の人類は「グリーンアース」を、旧来の地球人類は「ブルーアース」を名乗り、水面下でさまざまな衝突を繰り返すことになった。そしてグリーンアース軍の高官デューイ・ノヴァクは、自分たちの尊厳を守るため、仲間とともに決起し、大規模なテロ計画をついに実行へと移す。混乱の元凶として世界中から憎まれるエウレカは、国連の独立師団無任所部隊 A.C.I.D.(アシッド)の上級戦闘員となっていた。この世界を平和に保つために生きる。それがエウレカの選んだ贖罪の道だった。そんなエウレカに、スカブコーラルを操る能力を持つ新たな“EUREKA”、少女アイリスを保護する命令が下る。最初は対立するばかりだった 2 人は、孤独な逃避行を通じて、次第に互いのことを理解していく。やがて世界が危機に直面した時、エウレカは極限まで自らの力を振り絞って戦う。「アイリスとこの世界を守りたい」。エウレカの願いの果てに待つ未来とは――

Acacia さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

さようなら、すべてのエウレカセブン。

舞台挨拶中継付きの鑑賞済みです。
まずは、ハイエボリューション初の全編新規作画で描かれた事は良い点でした。
キャラデザが異常に不安定でしたが…。
※PV観ただけでもお解りになると思います。終始あんな感じです。
ここら辺りはボンズ社長(南氏)の過去インタビュー
(人が常に同じ顔をしている訳がない云々)
を読んでると、どう受け取るべきか少し悩みどころでもあります。

物語は無難に置きに来たと言うか…。
大人と子供の古典的なロードムービーという所でしょうか。
作品毎に違う趣向を魅せてくれるのはファンとしては
嬉しくもありながら、

交響詩篇エウレカセブン(以下2005年版)って
「俺たちが過去作からオマージュしたハイセンスな現代のロボットアニメを創ってやるぜ」
みたいな意欲を感じ、それこそエウレカセブンが大勢の方に受けた
ブランド力なのではと思っていたので今作のあまりにも古典的な回帰に少し違和感。
ハイセンスが感じられませんでした。

今作をもって、エウレカセブンのシリーズは完結との事で、
2005年版から追いかけた身としては、義務感が終えて一安心。
ハイエボリューションに関してはANEMONEから惰性で観てました。

正直、ANEMONEからの「すべてのエウレカセブンを包括する」
というコンセプトも僕としては
「2005年版以外に大勢に認められる作品を創ってから言ってほしい」
としか思えません。エウレカセブンというブランドに夢を見て、
年月と共に醒めるも
感性を豊かにしてくれた事に感謝しつつ


「さようなら、すべてのエウレカセブン。」

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最高の人生の見つけ方

正に“エウレカ・クロニクル”という展開が痛快(エイリアン2、ターミネーター2“愛”に溢れている^^)で、前作の“アネモネ”と続けて観ることが出来たことは、戸惑いの中で一作目に接した身としては、甚だ僥倖という他ない。

タイトルに使わせて頂いた「最高の人生の見つけ方」、原題は“The Bucket List”であり、そのものズバリ“棺桶(バケツ)リスト”。注)
ご存知『スタンド・バイ・ミー』のロブ・ライナーの作品である。
要は「死ぬまでにやりたいリスト」のお話なのだが、何故か“アネモネ”の、そして“エウレカ”の、全てをさらけ出し我が道をゆく、その“男前な”生き様に、何よりその世界観に被ったのである。

“We live, we die. Wheels on the bus go round, and round.”

これである。
惚れ惚れするのである。
よく言われる“リブート”作品ではない。
世界観の中に包含された人間の意志の物語なのだ。
人類の代表である“アネモネ”とコーラリアンである“エウレカ”、二人の“人間”の物語が完結する。
父親の影に怯え、その尻拭いに終始した“かのお話”とは、また違った感動を覚えるはずだ。

あと、“アゲハ隊”と被る“スーサイド・スクワット”、“スーパー6”の面々にも惜しみない拍手を!


 注)kick the bucket について。

   首を吊って自殺する際に台にしたバケツを
   蹴ることから転じて、「死ぬ」という意味
   だそうで、アングロサクソン独特の皮肉が
   利いた言い回し。
   言外には、意思を持って死ぬこと、つまり
   は“生き抜く”という意味が込められている
   のは明らかではあるが、そうは言わない
   のが良い。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

「オシマイ」(エウレカとレントンの声で)

2022/08/14 初投稿

おそらく,エウレカシリーズの最後なのでしょう。

どうでもいいので畳んでおきます。
{netabare}
調べてみると,
1.「交響詩篇エウレカセブン」2005年4月17日から2006年4月2日まで放映
以下日付省略で
2.「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」 2009年
3.「エウレカセブンAO」2012年
4.「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1」2017年
5.「ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション]」 2018年
6.「EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」 2021年
以上17年に及ぶ長期間,テレビシリーズ本編+派生5作品ついに完結です。
って勝手にそう思い込んでいるだけかも知れません。
ハイエボリューション3部作って聞いたようなきがします。
でもハイエボリューションシリーズ以後作らないとも聞いていないようにも思います。(エヴァンゲリオン新劇場版も序・破・急(Q)の3部作だと思っていたらシンが有ったという例もあるしわからんです・・・)
{/netabare}

雰囲気的には完結たと言って良いかと思います。
「ポケ虹」以降バラバラだった物語をこの作品では束ねました。
{netabare}レントンを失ったエウレカが何度も世界をやり直してたどり着いたのが本作の世界線。「ポケ虹」は,やり直した世界線の一つ,他作品についても概ね別世界線かこの世界線の過去という設定のようです。{/netabare}
「なるほど!そう,まとめられるな。」とは思った物のなんとなく,スッキリはしません。
自分はテレビシーリーズから見初めて,ここ2年弱の間に全作品を見たのですが。
配信という便利な視聴手段を得たせいでしょうか?物語の内容はあまり記憶に残っていないように感じます。例えるなら,各作品視聴終了時点でキャッシュクリアされている感じです。これも,いわゆるグーグル効果なのでしょうか?
記憶がぼんやりしているので「こうです!」って言われれば「ああ,なるほどね。」って思うけど「おお!そうなのかぁ~~~~っ!」ってはならないんですよね・・・


でも,おぼろげな記憶で違ったらすいません的な疑問
{netabare}
全てを関連づける最重要セリフがデューイによって語られるのは何故?彼が別世界線の「ポケ虹」の花のことを知っているはずが無いし,そもそも「ポケ虹」作中でその場にいたのはドミニクでデューイではなかったのでは?この世界線のデューイは神的な立ち位置なのかも・・・

エボ1の最後の予告「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション2 one world one future」 はどうなったんだろう?
「ハイエボ1」のあと「ANEMONE」,「EUREKA」と間に挟んだけど
実は次回作「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション2 one world one future」っていう落ちじゃ無いだろうな・・・
{/netabare}

評価に関しては
自分としては本作の評価☆3.5にしましたが
実は,エウレカシリーズという括りを外して映画単体で評価したら☆4くらい付けてもいいと思います。
ストーリーではエウレカとアイリスの擬似的な親子としての絆がいい感じに描かれていたと思いました。
作画面でも,完全新作で戦闘シーンも力が入っていました。ただし,「エウレカ」じゃ無く「エヴァンゲリオン」や「イデオン」,「ガンダム」などなど他作品っぽいシーンがいっぱいw最終的には地球への巨大落下物の阻止という鉄板展開(笑)パロディーやオマージュと言うよりは借り物感が拭えませんでした。


あと,視聴者が「エウレカ」に求める物ってなに?って考えると
まずは,「エウレカのビジュアル」これは10年後の乳房が膨らみ骨盤が広くなったリアル寄りのエウレカでは無くテレビシリーズのおでこが魅力的なスリムなエウレカでしょう!そもそもエウレカはほ乳類では無く人型コーラリアンなので・・・リアル方面はタルホの担当で良かったのでは?
次に求められるのは,「エウレカとレントンの甘酸っぱい感じ」では無いでしょうか?最後に一応申し訳程度に実現していますが(エウレカのみ成長状態で・・・)考えてみれば,ハイエボリューションシリーズを通して,レントンとエウレカの絡みがエボ1に少しあっただけのようなイメージです。

冷静に考えれば,市場から求められている物をまるっきり意識していなかった作品作りの気がします。適当に作った水着回や温泉回のOVAの方がしっかり市場のニーズに応えている件w

「ねだるな,つかみ取れ,さすれば与えられん」求められたことに答える気は無かったと言うことなのでしょうか?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

71.9 20 2021年秋(10月~12月)アニメランキング20位
攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争(アニメ映画)

2021年11月12日
★★★★☆ 3.8 (23)
174人が棚に入れました
2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー”へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来――。内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っている全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバー。電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン”と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として現れる。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、いま再び“攻殻機動隊”が組織される――。
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

超人部隊 VS 覚醒新人類??

 GHOST(ゴースト)という草薙素子を中心とした傭兵部隊が、任務をするうちに怪しい組織に同行されるです。ポスト・ヒューマンと呼ばれる人間離れした新人類?の巻き起こす事件に巻き込まれ、行方を追い立ち向かうお話です。

 個性的なキャラ、人間のように振舞うAIロボットが魅力的だったです。電脳世界にシンクロしている?場面もなんか凄いです。とある屋敷に潜入したときに出てきたおっさんが、 {netabare}前は見せないけど全裸で激しいアクションをしたのに度肝を抜かれたです。また、AI犬も{/netabare}凄かったです。

 GHOST以外でトグサが、行動するお話とシンクロし所々お話を盛り上げるです。面白くなってきたと思っていたら、話は完結せずいいところで終わってしまったです。続きがあってほしいと思うけど、この時点では分からなかったです。続きがなかったらもったいないです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 3

71.6 23 2021年秋(10月~12月)アニメランキング23位
世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (416)
1326人が棚に入れました
世界一の暗殺者が、暗殺貴族の長男に転生した。彼が異世界で請け負ったミッションは只一つ。【人類に厄災をもたらすと予言された《勇者》を殺すこと】それこそが世界最高の暗殺者が、新たな人生で果たすべき使命であった。現代であらゆる暗殺を可能にした幅広い知識と経験、そして異世界最強と謳われた暗殺者一族の秘術と魔法。そのすべてが相乗効果をうみ、彼は史上並び立つものがいない暗殺者へと成長していく――。「面白い、まさか生まれ変わってもまた暗殺することになるとはね」転生した"伝説の暗殺者"が更なる高みへと駆け上がる!限界突破のアサシンズ・ファンタジー!!

声優・キャラクター
赤羽根健治、上田麗奈、高田憂希、下地紫野

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

思ったより作画が良くてビックリ! でも、原作で転生前ってこんなに詳しく書いてたっけ?

たぶんストーリー初見の視聴者にとっては、この第1話の第一印象と第2話以降のストーリーではだいぶんイメージが違うってことになりそうですね。

『回復術士のやり直し』と同じ、月夜涙先生のライトノベル原作です。こっちは幼少期からやるので最初のうちはそうでもなさそうだけど、そのうちそっち系(?)の場面も出てくるはず。いや、アニメは第1話しか観てないんで知らんけど…。

小説家になろう → スニーカー文庫 → コミカライズ(ヤングエースUP)という展開で、このたびアニメ化の運びとなりました、

まだなろう版は読めますが、スニーカー文庫版はそれよりもだいぶんストーリーが進んでいますし、内容もけっこう変わっています。

さて、以下はアニメ第1話の話です。

アバンタイトル無しで、第1話が普通にOP主題歌から始まるのって最近は意外と珍しい気もしますが、妙にカッコ良くてまずビックリ。

開幕で時系列冒頭よりも後の場面を見せて視聴者を掴みにいくのは今どき珍しい演出ではないと思うんですけど、何となく思っていた始まり方とは全く違ったので、これまたビックリ。

まあ、ヒロイン勢揃いで見せるのは異世界ハーレム物としてはわりと正しいのかもしれません。戦闘場面のアクションも、作画・演出ともになかなか良かったんじゃないでしょうか。

そしてさらにビックリしたのは、ゴルゴ13的な転生前のおっさんが最後に請け負った仕事の内容が詳細に語られたことです。原作ではけっこういきなり死ぬ場面で、生前の仕事ぶりは独白で簡単に説明されただけなはずなので、ここはアニメオリジナルで約15分くらいの尺の脚本が書かれたってことになりますね。まあ、これで生前のスキルについては二度と語られることはないということなのかも知れませんが…。

ということで私は一応本作は最終話まで観るつもりなんですが、「第1話で面白そうだと思ったのに!」って怒る人がいるかも知れないので、一応「たぶん第1話とその後とはイメージ違うと思うよ」とだけ書いておきます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

勇者を殺す、ただそれだけのために生きてきた。

【紹介】
世界一の暗殺者が暗殺貴族の長男に転生して、女神から「人類に厄災をもたらすと予言された勇者を殺す」というミッションを課せられ、転生前の知識を生かしながら勇者を暗殺するときのために18年がかりで準備を進めていく話。

【作画】
たまに気になるところはあったけど、作画はかなりいい。
特に美少女の作画とアクションシーンの作画が良いですね。

【キャラクター】
主人公がプロフェッショナルって感じでカッコいいのと、女の子たちがとても可愛い。
ただ、女の子達全員ちょろいので、すぐ主人公にべたべたするのは残念かも。

【シナリオ】
転生前の話がかなり面白くて、もっと見たかった。

暗殺者でも人間らしさを捨てずに生きていこうとするところは都合がいいなとは思いつつ、良いと思った。
ハーレムにするためなのか、無敵の勇者を暗殺するという壮大な目的に忠実なようで結構ぬるいことやってるとは思いましたけど、これはこれでいいかなって思いました。

テンポよく進むシナリオは良いですが、スピード感でまるめこんで雑な設定をごまかしているところはあって、暗殺の緻密さとかに期待しているとちょっと肩透かしかも。

それでも幼いころから準備して技能を磨いていくところや、頭を使って戦うところが面白くて、最後まで楽しめました。

【総評】
なろう系ハーレムアニメが嫌いじゃないなら、なろう系の中では話が面白いほうなので楽しめると思います。
本格的な暗殺とかスパイとか潜入とかに期待するのなら違う作品を見たほうがいいですね。

面白かったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いつか刺されてほしい(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
異世界転生チートハーレム、いわゆる「なろう」の系譜。

転生した後が、勇者か冒険者か暗殺者かの違いだけで、あとは定番のノリですね。

シリアスな展開はありつつも、最後までわりと気軽に楽しめましたし、バトルには一定の緊張感や迫力があり、飽きずに楽しめました。

他の方の酷評レビューも読み、原作者が、あの悪名高き「回復術士のやり直し」の方だと知りました。ところが、私、「回復術士」の方も、そんなに酷評してないんですよねぇ~。もしかして私は、この原作者と気が合うのか? なんか、、、嫌だなぁ(笑) 

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
私は異世界転生モノを評価する際に、1つポイントにしているのは、「転生前(生前)がどのくらい活かされているか」なんですが、その部分で高評価です。

暗殺者のスキルや思考回路を活かすだけでなく、生前にやらなかった「自分で殺す相手を選ぶこと、その死を背負うこと」をやっていこうとする点、いわゆる主人公の成長を描く点は良かったと思います。

また、転生直後に、ランク別にスキルを選択できるのは面白かったです。しかも、ちゃんと根拠があって効果的な組み合わせでしたし。ただ、経験を積むと新魔法がパッと頭に浮かぶというのは、「ロマサガか」と笑ってしまいましたがw

あとは11話、12話のバトルは、なかなか戦術的で良かった。主人公はチートクラスに強いとはいえ、正面から戦えば、最強レベルには追い付いていないという事実が提示され、「暗殺」の意義も出てきたと思う。

とまあ、あんまり文句つけるところないんですが、、、なんでしょう? 理由は分からないけど、この主人公、どこかで女性陣にプスッと刺されて欲しいな~と(笑)

いや、別に彼女らのドロドロした争いとか、致命傷とかじゃなくて良いんです。彼女らがニコニコと笑ったまま、「プスッ」と可愛い感じで刺しといてほしいな~と。超軽傷で良いんで、、、この気持ち、分かるでしょうか?(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
一話冒頭からOPね。正義の暗殺者系ね。勇者を暗殺か。

2話目 ☆4
チートか微妙なライン。スキル選択は面白いな。16年の修行期間があるからな。

3話目 ☆3
ちょいエロいのは、不要かな。ロマサガ方式(笑) 魔法の方程式から、新たな魔法を生み出す。ラストはちょいグロ。

4話目 ☆3
仲間ね。それなりのレベルじゃないと邪魔じゃない? 暗殺なら。どんなエロ特訓(苦笑) それ、教えて強くするのと、その時間を自分の訓練に当てるのと、どっちが良いかな? 

5話目 ☆4
騎士の仲間。ナニを教わったのやら(笑)

6話目 ☆3
口紅の描写が、リアル。かなり重い話。この話を処理できる程、作品に深みがあるか、だな。

7話目 ☆3
雇うのは良いよな。魔法開発は任せる。有能な人は囲う。いつか刺されてほしいな(笑) 

8話目 ☆3
声を合わせるとか、ここまでくると、気持ち悪いな。トゥワハーデを継ぐ流れは良かったが。

9話目 ☆5
暗殺者であっても、僅かに、でも大きな違いがある。自分で殺す相手を選ぶこと、その死を背負うこと。この辺のストーリーはよい。

10話目 ☆3
なんかイチャツイテルナ。まあ、絶対に殺さないよな。

11話目 ☆4
やっぱり偽装か。忠誠心か、恋慕か、洗脳か。バトルも悪くはない。

12話目 ☆4
勇者、、、ではないんだろうけど、強者との対決。グングニル。自由落下ということは、対人用には難しい魔法だけど、うまく時間を稼いだな。まあ、放り投げた段階で気づかない相手も相手だな。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

71.5 24 2021年秋(10月~12月)アニメランキング24位
映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ(アニメ映画)

2021年11月1日
★★★★☆ 3.8 (15)
53人が棚に入れました
とある秋の日、キャンプに出かけて行ったすみっコたち。楽しい時間はあっというまに過ぎ、夜もふけてきた頃、ぺんぎん?は、ある伝説を思い出す。「5年に1度おとずれる、青い大満月の夜。魔法つかいたちが町にやってくる」すみっコたちが見上げた先には、大きなブルームーンが浮かんでいた!その夜、いつもの町にふしぎな魔法がかけられて...?

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

感動する話じゃないけど大切な何かを感じ取れる作品

【紹介】
劇場版すみっコぐらし第二弾。
前回の劇場版が感動作品な作りでしたが、今回は教育アニメのような作りで子ども向けを意識している感じはしましたね。
大人でも楽しめる内容なので、ぜひお子さんと一緒に視聴してみてください。
癒されたい人には特にオススメしますよ。

【全体的なクオリティ】
相変わらず丁寧な作りをしていますね。

【キャラクター】
たくさんキャラクター出てきます。
今さら言うまでもないですがみんな可愛くて動いているのを見ているだけで幸せな気分になれますね。みんな可愛すぎでしょ。
新キャラであるふぁいぶ君も一生懸命で生きづらそうなところがすごく可愛かったです。

【シナリオ】
色々なキャラを出したいために、ちょっとメインとなる話が始まるまで長くてメインの話が説明不足気味ではありましたが問題はないと思います。
クスリと笑える要素もあり、頑張ってと応援したくなる要素もあり、シナリオはわかりやすいので大人も子どもも素直に楽しめる作品になっています。
前作で評価された感動的な話をやろうとせず、見ている人に伝えたいことを伝えようという意思が感じられ、教育アニメを意識した作りは個人的には高く評価したいと思いました。

【総評】
コロナ下でいろいろと暗いニュースばかりでなかなか光が見えないこの世の中だからこそ視聴して欲しい作品。
子ども向けだと色眼鏡で見ず、疲れているから癒されたいなくらいのモチベーションでいいので是非視聴してみてください。

なんやかんや言っても可愛ければそれで満足なアニメなので
期待通り可愛い姿が見れて癒されたのですごく良かったです。

特に子ども達にはこういう作品に触れてもらって、何かを感じ取って欲しいなと私は思います。

夢を持つことの大切さ、夢に向かって頑張ることの尊さが、多くの子ども達に伝わりますように。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ネッシーやETみたい + 癒やし系

 すみっコと呼ばれる生き物達の日常と魔法使い??が、絡む一時の叶えられた夢のお話だったです。
 ナレーションのお兄さんの語りが、ほのぼのとした平和な世界に誘うです。声をださないすみっコが、行動しぐさによって良いあじだしていたです。Eテレのような絵本をより良くしたかんじだったです。

 夢みる平和な毎日を送るすみっコ達が、満月になると現れる魔法使いの伝説を信じ会いに行ったです。何だかんだ遭遇し、魔法を見せてもらうです。末っ子のふぁいぶが、とり残されてしまうです。同情したとかげをはじめ、すみっコ達と過ごすことにです。ETを思い出すような要素に、独特な暖かい生活が入るように描いていたです。

 全体的に見てて落ち着き、心温まる、感動もしたりした展開が好きだったです。ふぁいぶが、ちゃんと帰れるので「これで、いいのだ!」です。子供むけも侮れないです。
 すみっしーというのは、名前が受けたです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

すみっコたちの夢で照らされたまほうの夜のおはなし

サンエックスのキャラクター"すみっコぐらし"のオリジナルアニメ映画第2弾。

夜空の上にある魔法使いたちが住む魔法の世界。
そこには5人の魔法使いが住んでいるのですが、その中で一番小さい末っ子の"ふぁいぶ"は勉強中で、まだ上手に魔法を使うことができませんでした。
一方で、すみっコたちはお気に入りの"喫茶すみっコ"で、キャンプの計画をしています。
秋の天気がいい日、買い出しを済ませたすみっコたちは、スミッシーが出るという湖・すみっ湖にやってきます。
その夜は5年に1度の青い大満月の夜、魔法使いたちがやってきて夢を叶えてくれる夜でした。
キャンプを楽しむすみっコたちの前に魔法使いたちが降り立ちます。
楽しい夜を過ごすすみっコと魔法使いたちですが、居眠りをしているふぁいぶを置いたまま、魔法使いたちは帰ってしまいます。
1人残されたふぁいぶに、すみっコのひとりとかげは、しばらく一緒に暮らすことを提案する、という展開です。

すみっコぐらしの劇場場は1作めが非常に評判がよく、私も「子供だましでしょ」となめて視聴して、まんまと感涙してしまった覚えがあります。
そんなわけで、ハードルが上がった2作目だったのですが、私的には、普通に良作だったと感じました。
前作のような感動作というほどではないのですが、前作に引きずられない、すみっコぐらしらしい内容だったと思います。
前作と同じレベルの感動を期待して視聴すると肩透かしを食う可能性はありますが、本作は本作で見れてよかった、素直に楽しい気持ちになれたと感じました。

登場するすみっコたちは、みんな夢があります。
シロクマは寒いのが苦手なので早く夏になってほしい、ペンギン?は自分がなんなのか知りたい、とんかつのはしっことエビフライのしっぽは誰かに食べてほしい、ネコは理想の姿になりたい、ざっそうはブーケになりたい、そしてとかげ、とかげの夢は、これは秘密なのですが、すみっコたちにも誰にでも、思い描く望みがあります。
でも、夢を叶えるためには努力が必要で、夢がかなわないことは悲しいことです。
じゃあ"夢"って何なの?必要なものなの?というテーマが内在されているように思いました。
ちゃんとかわいいのですが、しっかりと考えさせる部分があり、大人が見ても楽しめます。

前作とは違い、泣けはしませんでしたが、とても癒やされました。
ラストもすごくキレイで、ほっこりとできる作品だったと思います。
最初から最後まで急転直下して破裂して死ぬような展開になりそうに無いので、ドキドキしたくない方やお子様も安心できるアニメです。
3作目もあるといいなと思いながら、もう一周見ようと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

71.4 25 2021年秋(10月~12月)アニメランキング25位
古見さんは、コミュ症です。(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (278)
943人が棚に入れました
“コミュ症”とは──人付き合いを苦手とする症状。またはその症状を持つ人を指す。留意すべきは──苦手とするだけで、他人と係わりを持ちたくない、とは思っていないことだ。桜舞う高校1年、極度のコミュ症である古見さんが出会ったのは、“普通すぎる”クラスメイト・只野くん。人前で緊張してしまう古見さんの夢は、「友達を100人作る」こと。古見さんの「1人目の友達」になった只野くんは、残り99人の友達づくりを手伝ってくれることになりました。個性派ぞろいの高校で、古見さんの夢は叶うのでしょうか?伝えたい、でも伝えられない…そわそわ、どきどき、思わずにやにやでも時折、胸にチクリと突き刺さる?沈黙の美少女・古見さんのコミュ症コメディーです。

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

女子高生のファッションが気になる

【紹介】
話がしたいのにうまく話しかけられず、話しかけづらい雰囲気を出してしまっている美少女、古見さんと、古見さんの弱点をクラスで唯一知ってしまった只野君の学園日常系コメディ。

【女子高生のファッションについて】
女子のファッションがかなり奇妙ですね。

なじみの超ミニスカート+太ももまである超ハイソックスは、スカートとソックスと生足の境界線がちょうど一番太い部分になって足がかなり太く見えるから女子はそういうの嫌がるし、たぶんみんなから「ダサい」って一蹴されると思う。

それから気になるのはスカートの異常な短さ。あれ、常におさえてないと座ったり立ったり、ちょっと歩いただけでパンツ見えるでしょ。
作者は男性っぽいから仕方ないけど、普通の高校生はあんな短すぎるスカート履いて街歩くなんて恥ずかしくて無理だと思うよ。

この作品に限った話じゃないけど女子高生の靴下がハイソの子ばっかりで、連載開始の年代から考えてもちょっと古いかなって思いました。

今はさらに短くなっていて、妹が家に連れてくる友達は、みんな足首が見えるような短い靴下履いてますね。
私も短い靴下のほうが足がスラっと長く見えて可愛いと思う。

どんどん短くなってそのうち靴下が消滅する!?と思いきや、ルーズソックスとかいう変な靴下が最近ブームなのだとか、でも全然見かけませんね。
本当に流行ってるんでしょうか?
流行を追うって大変ですね。

【キャラクター】
キャラデザの癖がかなり強めな上に全体的にマンガチックな作りで好み分かれるかも。
古見さんがしゃべらないから文字の説明が多くなるので余計にマンガっぽい。

とても個性的で面白いキャラクターが多くてコメディアニメの要点を抑えていていいですね。
設定の不自然さはかなり感じるけど守ってあげたくなる感じはわかるかも。

【音楽】
青春!って感じのOPが良い感じ。

【シナリオ】
古見さんが無口で反応もうまく返せないから、周りが勝手に誤解して古見さんの意図とは関係なく勝手に独り歩きしていくギャグと、只野君がその誤解を解いて友達を増やそうとするというのが基本的な形。

只野君への理不尽な風当たりだけちょっと気になるけど古見さんのために一生懸命な主人公の人の良さと古見さんの一歩一歩頑張っていく感じが見ていて可愛らしくていいですね。

【気になるところ】
アニメだからいちいち不自然って指摘するのも野暮だと思うんですが

特に気になったのは現実なら古見さんが女子からも愛されているのがちょっとあり得ないかな。
嫌な話だけど、古見さんの設定だと主要グループの女子から変な嫉妬されて集団いじめにあいそう。
仲がいい子が一人でもいればリスクはだいぶ減るけど、古見さん孤立してるからね。

ただ、いくら無口でも美少女ってそもそも孤立しないと思うんですよね。
男子でも女子でも思惑はどうあれ美少女って注目されるから、男子なら誰かしら告白したり、女子なら仲良くなりたくて親身になって話聞いたりする子いると思うんだけど、只野君がはじめてみたいなリアクションだから、そんなことあり得るか?って思った。

みんなから嫌われているなら放置されているのもわかるんだけどね。

【総評】
全体的にマンガ感があって癖が強い作品ですが、だんだん古見さんが可愛く思えてきますね。
テンポ良く良質の日常系コメディだと思います。面白かった。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

古見さん、バイブレーション♪

“コミュ症”だが本当は友達100人作りたい美少女・古見 硝子と
変人だらけの私立伊旦高校の日々を描いた同名コメディ漫画(未読)のアニメ化作品第1期。


【物語 3.5点】
上品。

"コミュ障”ではなく"コミュ症"
人様のコンプレックスを底辺と見下して嘲り嗤う下品な"イジり”芸ではなく、
明快に性格をデフォルメされたキャラたちの掛け合いを通じてクスリと笑いを取りつつ、
対人関係あるあるを拾っていく繊細なタッチ。

ヒロインの古見さんもカースト下位でやさぐれているタイプとは異なり、
容姿端麗でルッキズムの視点に晒されても貶められることは無く、
むしろ、無口でも好意的に誤解され、"神"に祭り上げられる有様で、
いっそうコミュ困難になるのが基本のギャグパターン。

少しずつ人間関係が進展するため、構成はゆったり平坦。
けど古見さんがコミュ取って達成したかった当たり前の学生生活が実現する度に、
放たれる空気は確かに神々しく、後味は綺麗。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・OLM(TEAM KOJIMA)

高水準。

背景は桜並木などを描き込み季節を好表現。
人物も、例えば古見さんも、黒髪ロング&凛とした瞳というザ・サンデー美人って感じのリアルタッチから、
丸目が可愛いコミカルタッチまで崩さず描き分ける。
CGも隠し味に調整しながら、多数の人物が交錯しても映像の遠近感が保たれ、
工程の安定を感じる。


正直、漫画ならではの吹き出し文字表現等を流用する演出は、私はあまり好みではないです。
基本アニメーションは絵で魅せて欲しいと言いましょうか。
ただ、古見さんに限っては、喋れない彼女の心情を精一杯描いた上での
テロップ追加説明なので斟酌できます。


特筆したいのは、古見さんは、字も綺麗なのがステキです♪
憧れ、そして、習字をサボって来た、我が人生を悔いますw


【キャラ 4.0点】
"コミュ症"だから、古見 硝子(こみ しょうこ)
波風立てない凡人でいたいから、只野 仁人(ただの ひとひと)
みんなの幼馴染になれる位コミュ力お化けだから、長名(おさな) なじみ。

人物名の語呂合わせで外面を視聴者に覚え込ませた上で、
掘り下げて、意外な一面を見せて興味を繋ぐ、明快なキャラ構成。


この高校は変人度がキツイので、
仮に、私が入学したら速攻ロックマンの如く四散してゲームオーバーでしょうねw
山井 恋の{netabare}拉致監禁{/netabare}を伴う病みっぷりは言うに及ばず、
友ではなく{netabare}イヌ{/netabare}になり下がる上理 卑美子ですらアクが濃すぎてしんどいレベル。
友達100人も要らない。上の三人だけでいいw


古見さんの母親で自称永遠の17歳・秀子も美人さん。
父親も古の寡黙な親父の系譜を継ぎ、娘と会話したいけど中々できないシャイっぷりで、
古見さんの容姿、性格の遺伝に説得力を持たせる。
古見家・父娘による沈黙のコミュニケーション。昭和の親父はコミュ症ですw


それとコミュ症から顧客満足を勝ち取るカリスマに圧倒される新人美容師の新井さん。
カリスマへの道、陰ながら応援致しておりますw


【声優 4.5点】
古見さん役・古賀 葵さん。
喋らずに息遣いでリアクション&感情表現、自身の振動効果音?まで。
たまに出す声は凄く可愛い。しゃっくりも可愛い。という無茶振りに対応。

それ以上に、なじみ役・村川 梨衣さん。
声色だけで友達100人作れそうな人たらしボイス。
古見さん”サボウェイ”にパシらせたり、結構キツイことも言って、
そもそも性別どっちだよ?とツッコミどころも多いはずなのに、
あっと言う間に懐に入り込んでくるのはこの声質あってこそ。

その他、只野くん役・梶原 岳人さんの声から滲み出る優しさ&安心感とか。
声質で性格を体現する声優の力を実感。


ナレーションには日高 のり子さん。
『PSYCHO-PASS』ドミネーター役でもお馴染みの淡々とした執行ボイスで、
コミュ症が、他人と係わりを持ちたくない、とは思っていないことだ。
など留意事項を注意喚起。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は橋本 由香利氏。適宜ポップなサウンド等でコミカルな場面にも対応。
が、やはり印象的なのは古見さんがコミュの階段を昇って気持ちが高まる場面で、
ピアノ、ストリングス、アコースティックギターで優しく寄り添うメインフレーズ。

OP主題歌はサイダーガール「シンデレラ」
丁寧語で語りかける男性ボーカルが、只野くんの古見さんへの心情に重ねやすい良好なアニソン。
"気の利いたことは言えないけど”などと謙遜していますが、
“一緒に猫に会いにいきませんか”とか、こんな洒落たこと中々言えません。

ED主題歌はKitri「ヒカレイノチ」
女性ボーカルに柔和な音を幾重にもアレンジした、古見さんの心情を重ねやすい一曲。
Kitriのピアノ連弾シスターズとしてのアーティスト性がより現れた「シンパシー」
古見さんの最初の一歩を軽快なピアノサウンドで後押し。


【感想】
ドドドドドド……。

昨秋の視聴中、古見さんのコミュ力が限界値(初期値低め)が突破した際の、
心音&振動のコミカル演出が病みつきになった私。
その供給が絶たれたこの冬期。私は禁断症状が辛いので、
震える古見さんのLINEスタンプをスマホのロック画面に仕込み、ますます症状を悪化させましたw

春から始まる2期。震えて待ちます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

高校生になったぁ~ら♪

原作未読


美形とは小さい頃から声かけられまくるんだから対人感受性鍛える機会には恵まれてるもの(独言)


“○○な誰それ(♀)さん”系統の作品です。
“○○”にはその娘さんの気質といいますかコア行動を当てはめるわけでして、タイトル見ただけでヒロインがどんなか想像しやすい親切設計となってます。ただし諸刃の剣で“○○”縛りが制約となり一辺倒に陥ればソッコーで飽きるリスク含みだったり。
個人的には“○○”に全フリせざるを得ないキャラ設定が内面/心の動きの多様性を奪ってるように見えて一歩引くケースが大半。ギャグ枠といったところでしょうか。そのくせ悪い意味で欲しがるケースが多々ありまして、単発スキルに全振りした娘さんにキュン要素をはめこもうとする。現実味ない娘さんにはギャグを貫いてほしいのですがそれだと作品成立させるの難しいようですね。よって個人的な打率は低いものとご承知おきください。

さておき本作。…うーん半々。ややポジティブ寄り。
舞台は人とのコミュニケーションに難のある古見硝子(CV古賀葵)が高校に入学するところから。難どころかほぼ無言なので会話が成立しません。そうなんだけど友達を作りたいとのこと。なかなかスパイキーです。古見さんは美形のため周りも興味津々。そこに主人公只野仁人(CV梶原岳人)が通訳みたいな役回りを買って出て古見さんの世界を広げていくといったお話。

 人付き合いは苦手だけど人が嫌いなのではない

こういう後ろ向きでないところは良い印象でした。簡単に整理↓

■良かったとこ(ネタバレ無し)
 きちんとギャグ寄り。それと周辺キャラが優秀でした。長名なじみ(CV村川梨衣)と山井恋(CV日高里菜)の両名が抜きんでてまずが他も粒ぞろい。古見さんと只野くんに頼る構成だときつかったでしょう。周辺にクセの強い良キャラを配置して成功を収めた『かぐや様は告らせたい』に通ずるものがあります。 
 村川さんにしても日高さんにしても10年選手でしたね。振り幅大きいキャラに中堅どころを配置する手堅さに表れてるように、小道具含めた演出全般について作り手の目が届いているなと思える丁寧な仕上げをされてたと思います。

■悪かったとこ(ネタバレ無し)
 古見さんいろんな意味でかわいくありません。苦手な意思疎通を一生懸命試みる健気な姿を目にしてもこちらがときめく気配はございません。せめて挨拶くらいしなさいよと思わなくもなく。コインの表裏みたいなもので、脇役との応酬で両雄並び立つわけでもなく輝いてる脇役の完全に食われてるように見えました。主役に視点を置いて物語を追うと、言葉変えれば主役に引っ張ってって貰いたいと思うと期待値を上回らないかもしれません。 
 それに古見さん周囲が勝手に盛り上がる勘違い漫才の基本のパターンを逸脱せずに全12話進みますので馴染むか飽きるかのどちらです。キャラの途中投入で押し切った感あるのは致し方ないでしょう。


どうも自分には「友達100人作ろうと奮起するなら就学と同時によろ!」9年遅いよね~が頭から離れず乗り切れはしませんでした。
ただ丁寧な仕事には敬意を払いたいですね。仕事した上で好む好まざるがあるというのが健全な作品の在り方でしょうしこの作品がそれに該当するんだと思います。




※ネタバレ所感

■丁寧な仕事?
小道具が凝ってたり、そこ別に手を抜けばいーじゃんってなとこに異常に力入れてるの好きです。

例){netabare}『定点観測』BEEF OR CHICKEN
  それっぽいコード進行にとことんどうでもいい歌詞。サンドウィッチマン伊達ちゃんの『契り』を彷彿させる仕上がり。{/netabare}


■こういうのいらん
気持ちわからなくもないけど胡散臭くなるのよね。そんな善人顔しなくてよい。↓

 {netabare}『人付き合い、または
  コミュニケーションに
  たまに胸が締めつけられる
  全ての人に捧ぐ』{/netabare}

{netabare}とことんギャグで貫くには“コミュニケーション不全”ってやりにくい題材だったのかしら。配慮してますみたいな言い訳が必要なのかもしれません。
個人的には某『聾の〇』の西宮さんと同じ“硝子”の漢字を被せんでもいいのにとは思いました。{/netabare}


※備忘

{netabare}2期決定で制作中。1クール空けての2022年春クール目指す!ってただの分割ですやん。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

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2022.01.23 初稿

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26
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