2017年度に放送されたアニメ映画一覧 118

あにこれの全ユーザーが2017年度に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月07日の時点で一番の2017年度に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

×

絞り込み

年代別アニメ一覧

71.1 25 2017年度アニメランキング25位
SING/シング(アニメ映画)

2017年3月17日
★★★★☆ 3.9 (51)
349人が棚に入れました
人間世界とよく似た、動物だけが暮らす世界。コアラのバスターが劇場支配人を務める劇場は、かつての栄光は過去のものとなり、取り壊し寸前の状況にあった。バスターは劇場の再起を賭け、世界最高の歌のオーディションの開催を企画する。極度のアガリ症のゾウ、ギャングの世界から足を洗い歌手を夢見るゴリラ、我が道を貫くパンクロックなハリネズミなどなど、個性的なメンバーが人生を変えるチャンスをつかむため、5つの候補枠をめぐってオーディションに参加する。

声優・キャラクター
内村光良、MISIA、長澤まさみ、大橋卓弥、斎藤司、山寺宏一、坂本真綾、田中真弓、宮野真守、谷山紀章、水樹奈々、大地真央

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『LA LA LAND』でも『MOANA』でもなく『SING』という選択肢 今回“も”吹替がアツイ!!!

『ミニオンズ』『ペット』と世界的ヒットを続けざまに出しているユニバーサル発イルミネーション制作の3DCG長篇映画の最新作
コメディ映画や洋楽PVを多く手掛けるガース・ジェニングスが監督
擬人化された動物キャラクター達が暮らすアメリカ西海岸風の街を舞台に落ちぶれた劇場の再建をかけて素人の集まりが歌謡ショウを繰り広げるという音楽映画
途中、物凄くリアルな“洪水”の描写があり、それが見どころの1つなのですがあらかじめ断っておいた方が良さそうです
ちなみに既に続編の製作も決定しています


オンボロの劇場を運営するコアラの支配人、バスター・ムーン
彼は劇場の再建を掛けて一世一代の大博打を打つ
それは、誰も観たことのないショウ
一般の参加者から選び抜いたまだ見ぬ才能を持つ素人歌手を発掘し、ショウで発表するというものだった
賞金を誤魔化し、電気を盗電し、強引な買収まで行い彼は計画を実行に移す
オーディションでバスター・ムーンに選ばれたのは5組
家事と育児に追われる日々で疲弊しきっていた豚の主婦、ロジータ&彼女とペアを組むこととなったまるで正反対の性格のコミカルな豚のダンサー、グンター
ギャングのボスである父親にしごかれながらも、胸の内には歌手になることへの憧れを秘めた心優しいゴリラの青年、ジョニー
彼氏にコキ使われながらも、共に売れないパンクロッカーとしての巡業を繰り返すヤマアラシの少女、アッシュ
経験者であることを鼻に掛けてお高く留まる欲張りなネズミのジャズミュージシャン、マイク
音楽一家の長女で美声を持ちながらも内気で極度のあがり症の為に実力を発揮出来ずくすぶり続けているゾウ、ミーナ
そしてショウの成功を信じる楽観主義だが、ショウへの情熱だけは人一倍なバスター・ムーン自身を含めた6組の主人公達が織り成す音楽エンターティメント!


動物擬人化コメディということで『ズートピア』みたいなノリを想像していただけると分かりやすいかと思います
そして『LA LA LAND』や『モアナ』という風になぜか同時期にミュージカル映画が集中してしまった中で、今作は明白に音楽映画、しかも群像劇というジャンルを貫いているので他作品との差別化はちゃんと出来ています


つまり『天使にラブソングを』や『スウィングガールズ』や『フラガール』と同じです
ぶっちゃねこの手の映画の構成はほとんど完成されてしまっています
この半世紀ぐらいほぼテンプレート化されていて、今作も例に漏れず“特に物珍しさを感じる映画では無い”ことは断っておきます


具体的には
人生の低空飛行を続けてい主人公らが

音楽の楽しさに目覚め上昇志向で目標を目指す

だが思いがけない大トラブルに巻き込まれ一時はドン底に落ちる

最後のチャンスをモノにすべく全力で大舞台に挑む

ハッピーエンド
正直ネタバレでも何でもないので、今作もこーゆー映画の類と思っていただくのが正解でしょう


さて、では何が今作の魅力なのでしょうか?
まずひとつは劇中で流れるBGMや実際にキャラ達が歌う楽曲が、一部のオリジナル曲を除き世界的ヒットを飛ばした人気洋楽の原曲やカバーや日本語訳で、ソレが実に64曲も流れるということです
古いところではフランク・シナトラやビートルズ
懐かしいところではシンディ・ローパーやワム!
新しいところではレディー・ガガやケイティ・ペリーやカーリー・レイ・ジェプセンやテイラー・スウィフト
あとネタ的な役どころとしてきゃりーぱみゅぱみゅが3曲ほどかかかります(笑)
これだけで豪華なサントラが出来上がることが容易に想像出来ると思います
洋楽ファンなら高揚のあまり劇場でジッとしてるのが辛いぐらいです
しかもこれを動物キャラが真顔で歌っているのが笑いどころw


そして、歌う映画ということで本家アメリカのキャストも豪華
楽天家なバスター・ムーンはコメディもシリアスもこなす名優として数々の受賞暦を持つマシュー・マコノヒー
豚の主婦、ロジータ役に妖艶な魅力のリース・ウィザースプーン
傲慢なネズミのマイク役は『テッド』の監督とテッド役を兼任したセス・マクファーレン
悩めるティーンエイジャー、ネズミのアッシュ役は少佐、またはブラック・ウィドウことスカーレット・ヨハンソン
ゴリラのジョニー役には名門演劇学校出身の若手イギリス人で『キングスマン』で注目を浴びた、タロン・エガートン
ゾウのミーナ役にはyoutubeやオーディション番組で注目を集めた話題のシンガーソングライター、トリー・ケリー
コメディアンなグンターには、同じくコメディアン、そして声優としても人気なニック・クロール


『モアナ』のモアナ役には日米共に疑問が残った中、今作はなんとも気合の入ったキャスティングで申し分ないですね
ちなみにガース監督自身はカメレオンの受付嬢(200歳)ミス・クローリー役で出ている


で!ユニバーサル発イルミネーション制作の映画といえばやはり吹替版の出来が素晴らしいことはもはや周知の事実ですよね!?
昨年の『ペット』の吹替は今年度の「声優アワード」を受賞したことも記憶に新しい
今回もその大きな期待に応えてくれています!


バスター・ムーン役がコメディもシリアスも出来るマシュー・マコノヒーなら、日本ではウッチャンこと内村光良だ!


内気が故ほとんどセリフをまともに喋れないミーナ役
誰だ?このヘンテコな声の主は?
しかし歌いだすとすぐ分かる圧倒的声量、ってまさかのMISIAじゃねぇか!w


アッシュ役には東宝シンデレラ、長澤まさみ
昨年の『君の名は。』でもいい仕事してました!
ラストに彼女が歌うオリジナルソングは日本語詞に翻訳され、本編の彼女の心境とマッチしていて思わず泣いちゃいましたね;;


大きな体に優しい心と柔らかい歌声、ジョニー役にはスキマスイッチの大橋卓弥
ゴリラの姿と美声とのギャップが溜まりません


グンターさんには歌うま芸人として一躍有名になったトレンディエンジェルの斉藤さん!


おおっと???何も芸能人だけが主役じゃないぜ!本業のプロ声優も豪華な顔ぶれです


家弓さん亡き今の世、マイクが歌うフランク・シナトラの曲を物真似出来る声優・・・といえばやっぱり山ちゃんこと山寺宏一
彼がいるのに劇中で『バックトゥザフューチャー』のオマージュを入れたのは偶然が生んだ奇跡なのか、思わず笑いました
(山ちゃんは『BTTF』の吹替でマーティーもドクも演じたことがあります)
また、このマイクというキャラが「実力はあるが性格は最悪」という美味しいキャラで、彼の問題児っぷりは恐らく次回作に引き継がれることでしょう


ロジータは歌が上手い人妻!(だが豚だ!)
ソコにまさかの坂本真綾を連れてくるとは恐れ入ったwww
まさか真綾が豚を演じる日が来るとはwww
真綾が歌うテイラー・スウィフトの大ヒット曲「シェイク イット オフ」は聴き逃せない!
しかもデュエット相手が斉藤さんなのがまたなんともwww


その他にも田中真弓、宮野真守もおいしい役どころで登場
物語の鍵を握る引退した伝説の歌手、ナナ・ヌードルマン役として大地真央を起用するのはニクい


ちなみに『ペット』でもやってくれましたが水樹奈々、柿原徹也、村瀬歩、木村昴、佐倉綾音がネタ的に一瞬出てくる(ホントどうでもいい役w)ので探してみてほしいです


あと藤原文太こと石塚運昇さんが息子にドラテクを指南してるのも狙ってやってるとしか思えないw


『モアナ』の場合、いつものディズニーらしさを残しつつ意外性のある物語で中盤以降引っ張っていったのに対し、今作は純粋な意味で【可愛いキャラが!豪華なキャストで!!楽しい歌を歌う!!!元気の出る映画!!!!】というところに重きを置いていることを評価したいと思います


音楽映画って先にも言った通りもはや新鮮味に欠けるジャンルではありますが、“これぞ王道”と呼べる映画が毎年一本ぐらいあってもいい
そう感じさせてくれるパワフルな作品でした

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

❣ユリア❣ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

なにこの歌唱力の素晴らしさ!!まるでコンサートを見に来たみたい!!

☆映画館の吹き替え版にて見ました☆

〜あらすじ〜
動物たちの住む街を舞台した昔は栄えてた劇場を再建するため、オーナーのコアラが奮闘する物語

コアラのバスター・ムーンは自分が持つ劇場にすっかり客が減り没落していた
しかし心から劇場を愛するバスターは、劇場を守るため、世界最高の歌唱コンテストを開催し最後のチャンスに賭けようと決意する
さまざまな事情を抱える動物たちが、歌に夢をかけて活躍するミュージカル・コメディ。



CMで見て、歌がよかったから

外国の歌聞けるし?楽しそうだし?よし見よう!
と、映画館へ
しかし、そんな軽い気持ちで見た「SING!」は
ただの、ミュージカル映画ではありませんでした…!

{netabare}
まずはなんと言っても声優さんの歌唱力!!
なんですか!?いや、正式には声優さんじゃない人もいます
とにかくすごすぎ!
プロ顔負け!?って言えるほどでした!(日本語版)
しかも、何ヶ国でも上映しているSINGですが、歌を変えたり日本語にしたのは日本だけなんです!!
日本…すごすぎるっ!


〜今回のSING 歌について〜
歌はざっくり言って最初と最後の2回にあるわけですが、どちらも本当に引き込まれます!

特に最後!屋外でみんなと協力して作った劇場
そして成長した動物達が歌った歌…
本当に最高でした…
動物達それぞれに思いが込められていて…
ライブに行った後の余韻を感じた気分でした…

{netabare}
☆ゴリラ(ジョニー)
最初は父ともどもと悪党の手下で、仕方なく手伝っていたわけですが、こっそり抜け出してコンテストをしている間に父達が捕まってしまい、父に見捨てられてしまいます…

しかし!!
最後の歌を歌った時!父もその歌を聞き、惚れて、脱獄します!

「ジョニーだ…!俺の息子ジョニーだ!!」

そう言って、牢屋の格子?を手で(笑)壊し、ジョニーの元へ!
そして無事?に再会!
あのゴリラとゴリラの再会には感動しました(T_T)
ゴリラ〜(;∀;)
しかも、父は歌声に惚れて、ジョニーを息子だと認め、仲直り?したのです!!
本当によかったです〜(T_T)


☆ゾウ(ミーナ)
最初はおとなしくて人前では歌えなかったミーナ
コンテストでは歌えなく、照明係でパシられたわけですが(照明係うまかったです、いやほんとに!)なんと2回目の時にはみんなと一緒の劇場に出て歌えるように!!

しかも歌い出したらこの上ない素晴らしさ!
フィナーレだったこともあり、とても盛り上がりました!!

ゾウがジャンプした時は舞台が崩れるかと思いましたが、なんとか保ち、無事終わることができました!!!いやぁほんとにすごかったです!


☆ハリネズミ(アッシュ)
恋人とロックなギターをやっていたわけですが、アッシュだけ、コンテストで選ばれた為、恋人はショックかやけになりアッシュを降ってしまいました…

最初は落ち込んでいたアッシュでしたが、最後の歌には思いを込めて、そして吹っ切れた感じだったので見ててとってもじーんとしました!

そして、その歌を聞いていた元彼もカッコいいと気にいり再び惚れ直していた…!?
アッシュの服もかわいかった…ですよ笑


☆ブタ(ロジータ)
超超ちょ〜子沢山なわけですが、(なんと25匹も!?!?)とっても家庭思いの良いお母さんなんだと思います♪

家族多めの家庭でコンテストに行くため子ども達の面倒が見られなくなってしまう…
そこで考えた発明がいつもやっている事を機械化すること!

1日でその機械を作るなんてすごすぎでした!(詳しくは劇場で…m(_ _)m)
あんな事が出来るものなんだと!
見てて感心しましたいやすごすぎでしょっ!!

そして最初は乗り気じゃなかったオス(斎藤さんだぞの人)ブタさんとも最後はノリノリに歌っていてとても感動しました!一瞬夫を諦めて浮気したかと…笑
でももちろんちゃんと夫とも仲良しですよ♡

私の中では1番と言ってもいいほどのお気に入り、(すごすぎる機械作ったから)尊敬できるキャラでした♪

長々とキャラについて書いてしまいましたが…
{/netabare}内容ももちろん良かったんですがもう一つ!すごいなと思ったことが!
絵の使い方!背景転換などの演出法がとっても上手くキレイで「はわわ〜」って見惚れるほどでした!
ほんとにすごすぎです!!!

などなど、話したいこと書きたいことはたくさんあるのですが…

とにかく!{/netabare}この歌の上手さ!絵の使い方!もちろん内容も!
笑いあり涙あり歌あり!の最高の映画だと思います!
歌の余韻も…!

まだ見てないよーって人は見ることをオススメしますよ♪
私は今回日本語版を見たわけですが、英語版もぜひぜひ見てみたいなと思いました♪

そして!!なんとなんと!
続編!
がやるんです!!!!(日にちは未定)
映画の最後に発表されてとっても驚きましたが、ぜひまた映画を見て、そして出来たらまたレビューに書いて出したいなと思いました♪

5/12のMステにも出てるんですよ…|*゚ω゚)ノ"
何度も歌が聞きたくなる♪そんなオススメ映画です♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

オフ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

音楽の素晴らしさはもとより表現の奥深さに感服

話題のSING/シング、字幕版で観賞してきた。

物語序盤から中盤にかけてはなかなか乗り切れずに、少し退屈さを感じてしまった。これは群像劇の宿命とも云えるもので仕方ないのだが、「この先本当に面白くなるのだろうか」と心配してしまう程であった。

だが、クライマックスに差し掛かれば、そんな心配は杞憂に過ぎなかったと分かる。

最後のライブは感動で常に涙腺が緩んでしまい、その迫力とノリの良さで身体が自然に動き、足踏みを近くの客に迷惑を掛けないよう抑えるのに苦労したぐらいだ。

さて、この映画1番の見所である音楽に関しては私があれこれ語るより、たから さんの素晴らしいレビューを見てもらえれば良いと思う。

https://www.anikore.jp/review/1631218/

その楽曲、選曲のセンス、表現力は云うまでもないが、それ以外にも演出の奥深さに私は参ってしまった。
{netabare}
1つには「月」の表現である。
主人公はバスター・ムーン。彼が劇場の支配人を目指す最初のきっかけ、ナナ・ヌードルマンの公演で映る美しい満月。
しかし、その後ムーンが舞台で使い続ける月は三日月である。これは欠けている何かを表している通り、ムーンのやる事なす事は全て上手く行かない。
しかし一旦どん底に落ちた後、生まれ変わったムーンと仲間たちで行う最後のライブで、ムーンが憧れていた、夢に見ていた、目指していた真の公演が叶い、最高潮に達した時に…象のミーナが歌うバックにハプニングの末に現れる満月…!

ようやく、欠けた月が満ちたのだ。

これは素晴らしい演出だった。

また、そのクライマックスに入る前のどん底のシーン。劇場が崩壊し、失意のうちに去って行くムーンが持って行くのはお金や楽器ではなくお父さんのバケツと1番輝いていた頃の想い出の写真だ。
彼がやってきたことは全てゼロになった。プライドも何もかも打ち砕かれた。
一旦腐るムーンだが、奮起して行う仕事はなんと、水をかけられ泡まみれになった身体を使った車洗いだった。
根拠の無いプライドが邪魔をして自己中心的だった彼が、父親の仕事であった車洗いを、毅然と、誇りをもって行うのだ。
財産に甘えたニートな友達もその姿に心打たれ、一緒に車洗いの仕事を手伝う。

なんという素晴らしいドラマだろうか!

{/netabare}
軽いギャグの中に深みがあるストーリーに音楽がばっちりハマった構成は見事であり、感動の嵐が吹く事は間違いない。

ただ、登場人物(動物)の中には本当に悪い奴も居るので、その辺りで乗れない、白ける人達も居るかも知れない。
だが、そのいけすかないキャラも、現実にこういう人間居るよねと納得せざるを得ない。人間性を排したが故に技能を高めることが出来た人の存在も、社会の縮図と云えよう。

そして、そういった冴えないヤツや悪いヤツ、野望を持つヤツや落伍者が集まって努力して成功するというチャーリー・シーンのメジャーリーグ的な古典的なサクセス・ストーリーも土台にあるので、最後の展開に大きな感動が生まれるのだ。

ディズニーやピクサーの作品も殆ど観ているが、あれは観ている間は面白いのだが、あまりの完成度の高さに満足してしまって、後に余韻が残らないのが残念である。隙が無いというか…とにかく語りたくはならない。

その点イルミネーション作品、特に今回のシングはその2社と比べれば圧倒的に不完全な故に余韻があり、色々と考えたり話し合ったり、「思い出し感動」をしてしまう。
その意味では優れた邦画と同じく文学性が高いとも云える。

今回、スカーレット・ヨハンソンの歌を聴きたかったので字幕版で観たが、吹き替え版も遜色無い出来らしいので、吹き替え版も時間があれば観賞してみたいと思う。
まぁまだ今年は始まったばかりだが、私的にはサバイバルファミリーに次ぐ暫定2位、な映画になった。

子供向けというより、大人が観てこそ味わい深いこの作品、映画館の大音量で楽しまなければ損な大作である。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

71.0 27 2017年度アニメランキング27位
黒執事 Book of the Atlantic(アニメ映画)

2017年1月21日
★★★★☆ 3.9 (69)
595人が棚に入れました
19世紀英国――
名門貴族ファントムハイヴ家の執事セバスチャン・ミカエリスは、13歳の主人シエル・ファントムハイヴとともに、”女王の番犬”として裏社会の汚れ仕事を請け負う日々。
あるひ、まことしやかにささやかれる「死者蘇生」の噂を耳にしたシエルとセバスチャンは調査のため、豪華客船『カンパニア号』へと乗り込む。
果たして、そこで彼らを待ち受けるものとは――。

声優・キャラクター
小野大輔、坂本真綾、田村ゆかり、諏訪部順一、福山潤、KENN、杉山紀彰、寺島拓篤、東地宏樹、梶裕貴、加藤英美里、木村良平、前野智昭、鈴木達央、中田譲治、田中敦子、山下誠一郎、石川界人
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ファントムハイヴ家の使用人たち、船に乗らなくて良かったね!

 いきなり、シエル、セバスチャン、スネークが、豪華客船に乗り込むことから物語が進むです。

 ある疑いを調査するために乗り込んだわけだけれども、そこにリジーとその家族、ロナルド、アンダーテイカー、途中からグレル乱入などと今までの黒執事キャラ主演となっているです。キャラ以外にも、客船の内部など背景が、リアルに描かれているのも良かったです。

 怪しい集団の会合に潜入するシエルとセバスチャン。{netabare}訳の分からないポーズもとったりと。そこで、死者の組成から始まり暴その死者が暴れ、シエルの入った貨物室や、別の場所にも大量の棺桶から、亡者たちが船内で暴れだし、もう大変展開になちゃうです。

 暴れだすゾンビにシエルたち、乗客がパニックになる展開が振り回されるか?と始めは思ってしまうです。でも、その中に{/netabare}アクションの多さ、知っているキャラ達の意外な素顔、Book of ・・・におけるシエルとセバスチャンの出会いその後の話が、明らかになっていくことが見どころになるです。

{netabare} その騒ぎの中心人物を追っていろいろあるわけだけども、その途中にいきなりゾンビだけでなく、セバスチャンとグレル、ロナルドのバトルになったりと目的も私には、何なんだかわからなくなってくる感じがあったです。{/netabare}

 シエル、特にリジー絶対絶命と思いきや、意外な事になって面白かったけど「何だこれは~」だったです。誰かさんの理想と行動が、アンバランスにみえた衝撃の展開です。

 この後にも遂に黒幕が登場するわけだけども、これも驚き桃の木みたいな感じだったです。この黒幕が結構、強いでしたです。{netabare}ここで、なぜゾンビたちが、客船の中にいたのかも明らかになるですし、突如としてセバスチャンとシエルの出会い直後のエピソードも見れるのは、ファン必見だっと思うです。
 
 今回、ゾンビ相手などに、血で{/netabare}汚れるセバスチャンの凄まじさを最後まで見れた黒執事だったです。まだまだ、話が続くような感じだったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「黒執事」分析

「鋼の錬金術師」を出したスクエアエニックス系列のファンタジー漫画雑誌「Gファンタジー」の看板作品。

プロットはおそらく集英社少年ジャンプの「BLEACH」。

これを更に女性オタク向けにアレンジした感じ。(腐女子とまではいかないが)

原作の絵柄も綺麗で割と好きなのだが、ストーリー構成に難があり、全体として結局何がしたかったのか解らないことが多々ある。

雰囲気は抜群だが筋がないのは、おそらくライトな読者層に向けて作られているからであろう。

同社の「ハガレン」と比較してはならない。

今回で完結編?となる映画だが、後半の戦闘シーンはやや見せ場があるものの、やはり劇場版としての完成度が低く、ファンサービス程度に収まってしまっている。

作画もキメ絵は非常にクオリティが高いがその他のモブで手抜きが感じられた。そこは残念である。

漫画自体は結構なヒット作であるのだが、これだけヒットしているのに話題に上がらないのは幅広い層に受ける内容ではなく、かなりニッチな層に対して傾いている事にほかならない。

その独自な閉鎖的な雰囲気が劇場版でも感じられ、物語の広がりを感じられなかった。非常に残念な作品だと思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

炊飯器。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

劇場版にふさわしい出来だった

アニメから入ったため、あまり詳しいことはわからないが、劇場で見てよかったと思った作品だった。

死体が生き返るという謎に迫るために豪華客船に乗り込んだシエル・セバズチャン・スネーク。そこでは実際に死体をよみがえらせていた。そのよみがえった彼らが生きている人間に襲い掛かり船はパニックに。その裏で糸をひいていたのは……!

作画はとてもきれいだし、劇場版ということでさらに磨きがかかっていた。ぬるぬる動くし、細部まできれいに書き込まれていて感動した。

物語も本当はもう少しあったらしいが、原作を知っていなければ十分に内容が濃いものだった。メリハリがはっきりしているのがすごくよかった。

音楽も優雅さと臨場感があり、世界観にばっちりあっていたとおもう。

時系列的には、サーカス編が終わった後くらいなのか?(二期はオリジナルシナリオのため)

一期、サーカス編、(幽鬼城殺人事件編)を見た後にぜひ視聴してほしい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

71.0 27 2017年度アニメランキング27位
ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険(アニメ映画)

2017年3月4日
★★★★☆ 3.9 (34)
178人が棚に入れました
史上最大の危機!?
ドラえもんが、そして全てが、カチコチに凍る!?

真夏の暑さに耐えかねたのび太たちが向かったのは、巨大な氷山。
ひみつ道具「氷細工ごて」で遊園地を作っていたのび太たちは、氷漬けになっている不思議な腕輪を見つける。調べてみたところ、なんと腕輪が氷に埋まったのは、人が住んでいるはずもない10万年前の南極だった!腕輪の落とし主を探して南極へと向かうドラえもんたち。その前に、なんと氷の下に閉ざされた巨大な都市遺跡が姿をあらわす。
「10万年前に行って、落とし物を届けよう!」
ひみつ道具「タイムベルト」で10万年前に向かうドラえもんたち。そこで、凍りついてしまった自分たちの星を救うため、宇宙を旅し、腕輪の謎を追う少女カーラとヒャッコイ博士に出会う。
おっして、腕輪を巡り、ドラえもんたちは、地球が凍結する危機に直面する!

声優・キャラクター
水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、高橋茂雄、八木真澄
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

いざ、南極大陸を冒険!10万年前の友情と勇気が、地球を救う。

幼いころからドラえもんがちょっと苦手で。

数々の秘密道具は楽しいのだけど、
のび太が調子に乗って、最後には痛い目を見るという展開が苦手で、
オチのシーンになると別室へ逃げていた思い出がありますw

さらに声優さんが変わってからは、
ドラえもんは意図的に遠ざけてしまっていました。

今回たまたまこの映画を観ることになって、
ドラえもんにハマりそうです。

それぐらい、
この作品よかったです♪

ドラえもん映画は良作が多いことは知っていたけれど、
こんなにいいものだったとは…!

100分ほどの作品です。


● ストーリー
夏休み中ののび太は、
真夏の暑さにぐったり。

ドラえもんと共に巨大氷山へ出かけ、
氷で遊園地を作って遊ぶ。

氷山の下で見つけた、
不思議なリング。

そのリングは10万年前に
南極で凍ったものだということがわかった。

10万年前の南極の秘密を探るべく、
のび太たちは南極探検に出かけた。


ドラえもんがいると、
場所も時間も簡単に行き来ができてすごいわw

南極?寒い?
秘密道具があれば快適に過ごせますからw

のび太は世界一あらゆる経験を積んでいる小学生だと思いますw

困難があってもドラえもんの道具で突破。
かゆいところにも手が届く豊富さですw

wikiによると今回登場した道具は、
27種類以上。

四次元ポケットの収納はすごいなあ…。
そもそも、四次元という概念が私には理解できていませんがw


話が逸れましたが、
ストーリーはとても面白かったです^^

飽きる暇もなく展開ぎっしりでした。

子ども向けだろうと若干侮っていましたが、
むしろ大人向けと言っていいほどです。

氷山のでき方の説明など、
お勉強になるシーンもあったりで、

親へのアピールも忘れないところは
ぬかりないなと思いましたw

細かな設定は適当にスルーしているところも多く、

例えば
{netabare}
ドラえもんの作戦によって冬眠するパオパオは、
10万年後の未来に起こされますが、

起こされるとすぐ10万年前に移動して、
また10万年間冬眠する…という無限ループに陥るわけですよね?

それはとても冷酷な行いだと、
私には思えてしまったのですが…。

パオパオにとって10万年という時間は
「昼寝みたいなもんだ。」と大した事ないように言われていますが、
いやいやそんなわけあるかwww

じゃあ起きている時間は一瞬にも満たないじゃないか!
{/netabare}

その辺りは“子ども向けだから”という盾をうまく利用して、
深く考えないようにされていますね。笑


● キャラクター
声優さんが変わって以来、
初めてしっかりとドラえもんを見ました。

キャラの表情も随分変わりましたね。
時代に合わせた表情の変化。

時代の流れを感じましたが、
これはこれでいいなと思いました。

のび太からはジャイアンにイジメられる要素を感じませんでした。
将来、好青年になりそうな予感しかしませんw

いじめに敏感な現代、
アニメではどんな感じで描かれるようになっているのか、
ちょっと気になりました。


今回のオリジナルキャラクターは、
カーラ(cv.釘宮理恵)という女の子。

釘宮さんの好演と、表情の可愛さもあって、
とてもいいヒロインだったと思います^^

のび太ともいい感じだったし、
しずかちゃんの立場の危機すら感じましたw


● 音楽
BGMのサウンドが豪華だなー、というのは
あらゆるシーンで感じました。

ハリウッド映画を彷彿とさせるようなサウンドでしたよ。
さすが劇場版アニメ。


【 OP「夢をかなえてドラえもん」/ mao、ひまわりキッズ 】

この曲好きなのですよ♪

子どもにぴったりの可愛くて元気になれる曲調、
長く愛されるのも納得です^^

今回はこの曲に合わせて
ドラえもんとのび太が氷の遊園地を作っています。

夢溢れる映像に、
キラキラとしたこの曲…。

とても素敵なOPでした♪


【 ED「僕の心をつくってよ」/ 平井堅 】

感動系ソングなのは、
ちょっと意外に思ったのが第一印象です。

作中でははっきりとしたお涙シーンはなかったので…。

繰り返し聞いているとだんだん、
内容よりも映画全体とつながってきました。

ストーリーも作画も音楽も、
圧巻のクオリティだった。

きっとたくさんの方が
この作品に情熱を注いで携わってきたのだと思います。

その努力や愛情を想いながら聞くと、
とてもしっくりときました。

このEDは作品への愛が詰まった曲です。


● まとめ
ストーリーが普通に面白くて、
毎年恒例でドラえもん見たいと思えるほど、大満足でした。

のび太のいい子さが、
前面に押されてますね。

他人への思いやりに欠けがちな現代だからこそ、
子どもはもっとドラえもんを見るべきだと思っちゃった。

勉強ができなくたって、
他人と比べてダメなところが多くたって、

優しい心があって、
友だちと笑顔で過ごすことができれば、それでいいと思うんだ。


ドラえもんにハマりそうなので、
おススメドラえもん映画があれば、ぜひ教えてください^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23
ネタバレ

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

不満ほとんど無しの傑作

岡田斗司夫氏がこの作品をH.P.ラヴクラフトの「狂気の山脈」の翻案でありハッピーエンドバージョンと高く評価していました、加えて子供向けにしたのが当作品だと思います。
ストーリー、音楽、キャラクター、声優などどれをとっても不満のない作品です。
釘宮さんの演じたヒロイン、カーラは可愛いだけではなく明るく活発かつ有能なヒロインで、とても良かったです。
どことなく宮崎駿作品のヒロインを彷彿とさせます。

ドラ映画史上、鉄人兵団のリルルと一、二を争うくらい印象的なヒロインでした(ただ、もう少し活躍して欲しかったな。何より一回きりのキャラとしては惜しすぎます。)
ストーリーはエヴァを彷彿とさせる壮大な部分があり、過去に地球にやってきたヒョーガヒョーガ星人はいわば地球に「セカンドインパクト」を起こしたかったのかなと思います(ファーストインパクトはヒョーガヒョーガ星人の仕業ではなく只の自然現象らしいですが)。

しかし、巷のこのドラ映画の欠点として責められている点として{netabare} 「ジャイアン、スネオの暴言問題」についてですが
この映画で中盤でジャイアンとスネオがヒロインのカーラを責める酷い発言をした事がいろいろ批判している人達がいますよね。
「映画ドラのジャイアンは良い奴だ、男気に溢れた奴だという鉄則は守って欲しかった」
「可哀そうなヒロインを罵るジャイアンとスネ夫なんて・・・」とか盛んに言われてますが、
良く考えたら、例えカーラたちの行動に悪気が無かったとしても結果は極めて重大で、
あの状況ではのび太たち四人組が家に帰れないどころか全員むごたらしい凍死の運命にあるのと、現代の60億の地球人類が存在していない事になってしまう事を考えると、
ジャイアン、スネオがつい感情的になりカーラを罵るくらいは仕方ないと思うのですが、どうでしょうか?
ましてや彼らは小学生でしかありませんし、そこまで聖人君子であれって変です。
むしろ、ヒロインを庇ったのび太の発言の方が理想論すぎる気すらするんですね。
映画ドラ恒例の「映画ではジャイアン(とスネ夫)は良い奴だ」も伝統として続ける必要まではないと思います。
時には感情的になって怒ったり罵ったりする彼らも人間的で嫌いではないですよ。 {/netabare}

あと、個人的にはラスボスのブリザーガのデザイン、特に顔が昔のアニメふうというか、いかにもドラえもん世界ふうのデザインで、ちょっと気に入らなかったかもです。もう少し今風のアニメのデザインにして欲しかったですね。
もう一つの敵のオクタゴンのデザインの方がいかにもクトゥルフで良かったと思います。

「リングは、ひとつ。救いたい星は、ふたつ」という映画のテーマがご都合主義的に簡単に解決された点も欠点として挙げる人がいますが、
あれはあれでハッピーエンドで良かったと思います。

以上、わずかに不満はありますが、傑作だと言い切れる作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

saitama さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ドラえもんとして成立しているSF大作

アマゾンプライムで全40作品がいま観ることが出来るので鑑賞。

個人的には子供の頃にみた「のび太の恐竜」が心情的にはベストなんだけど、この「のび太の南極カチコチ大冒険」はとにかく凄い。

ドラえもんなんだけど、設定は完全にSF。しかも設定完成度がすごく高い。1970~80年代にアニメを作っていた大人たちの「アニメは子供が観るものだけど、中身は大人の本気出す」というアニメの再来って感じ。

大人の目線で楽しむと、「おー、すげー。これ、ドラえもんじゃなくても成り立つ話だけど、きちんとドラえもんになっていることがヤバい!」と思ってしまう。

全40作品を観たわけじゃないが、自分の中では、まちがいなく心情1位を上回る、設定完成度がある映画だ。

クレヨンしんちゃんの「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」や「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」みたいに、大人と子供では受け止める感想はまったく違うのだけど納得いく作品に仕上がっている。もっといえば、このクレヨンしんちゃんの2作品は、ノスタルジーや感動で琴線に触れさせる(素晴らしい作品だけど、ある種ずるい?)手を使っているけど、ドラえもんの南極カチコチ大冒険は、SFとしての完成度であり、エンターテインメントに徹してるから、個人的にはその分レベルが上かなとも思う。

ドラえもん映画って、なにかと左翼思想かつ左翼理想論が強い作品もあるだけに、思想とは離れた大人のSF本気が完成された物語として作られたことが個人的に気に入った作品。その意味では、ドラえもんだけど藤子・F・不二雄ではないかな…。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

70.9 29 2017年度アニメランキング29位
劇場版 Free! -Timeless Medley- 絆(アニメ映画)

2017年4月22日
★★★★☆ 3.9 (39)
285人が棚に入れました
水に特別な想いを持つ少年・七瀬遙は、ある事情で水泳から離れていた。
何ものにも縛られず自由でいることを望む遙だったが、
どんな時も隣にいてくれる真琴や、岩鳶高校で再会した後輩の渚、
仲間の大切さを思い出させてくれた怜と出会い、彼は再び泳ぎ始める。
そして、最高の仲間と迎える高校最後の夏。
遙はその瞬間を仲間のために泳ぐと口にするものの、思うように集中できないでいた。
その先にある将来の自分の姿を見つけられずに迷う遙。
それを心配する真琴たちともすれ違いを生んでしまう。
かけがえのない仲間たちと固い「絆」で結ばれた遙が、
新たなスタート台から見る景色に出会うまでの物語。

声優・キャラクター
島﨑信長、鈴木達央、代永翼、平川大輔、宮野真守、細谷佳正、宮田幸季、鈴村健一、豊永利行、内山昂輝
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

将来の進路、Free ! +

 初めから見ているとこんなシーンあったかなぁ?というのもかなり見れたり、Free!2期と内容が一緒にも見えたりもしたです。新作カットが、多かったということですよねです。最初と最後などのシーンは、絶対TV放送されていない、劇場用新作カットだったです。OP,EDの歌は、岩鳶高校水泳部まんまで良かったです。

 ハイ☆スピードにでてきた、遥と真琴と泳いだキャラ2名も最初と終わりやその近くでちょこっと出てきたです。ハイ☆スピードとFree!の続きのお話で、岩鳶高校水泳部の結束と、凛が遥に絡む内容だったです。オリジナルなのか?、Free!2期の総集編なのか?わからなくなるような完成度の高い劇場アニメだったです。

 遥、真琴、凛は、3年生になってこれからどうするかが、メインのお話だったです。{netabare}凛が将来を見つけていて、真琴はスイミングスクールの手伝いをしているうちに将来を決意する中、遥は周りの心配や大学のスカウトなどが、重圧になってるんだと思うけど、本来の力が出せなくなってしまうところが、劇場画面を見てみて、改めて目のあたりにしたです。

 そんな遥を心配するあまりに凛がきつく当たってしまい、それを正面から否定するシーンは、見所だったです。真琴も自分の思い告げたり、遥もどうしようもなくなるというのか?心の葛藤とでもいうのかも?改めてみると劇場だともろに伝わるみたいだったです。{/netabare}夢とは何なのか?将来とは何なのか?に疑問を抱く遥は見所です。

 {netabare}2期でおなじみの凛の行動が、それを目のあたりにした遥にこれからどうするのか?を見いだし、遥に大きな影響を与えられたところは良かったです。{/netabare} Free!2期と内容がかぶるように思うけど、広い感じがしたです。
 自分が見たことの世界で泳ぎたい。そのために、勝ち負けにこだわっていくいう遥の言葉には、とてつもない遥のこれからの可能性を聞いた気がしたです。

 最後に遥たちがリレーを泳いださきに、勝ち負け以上のみんなで泳いだ達成感を見せて呉れたです。「これでいいのだ!」です。

 次回の劇場版につなげる終わり方は、今回とはさらに違いそうでこれもこれで気になるです。

 最後、上映前に携帯、スマホを電源を切るのは早すぎるというのが、初めて見たとき思い知らされたということです。これも原因で、このレビュ作成日に2回目も見に行ったです。要注意点です。

                          2017 4.28 +

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

P_CUP さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

舐めていた

最初に断っておきますが、当方男性です。
今回は総集編ということで、別にいいかと思ってスルー予定だったんですが
(ユーフォなら総集編でもホイホイされる辺りが熱量差かw)
友人が「見に行くから付き合え!」というので結局行きました。
ちなみに、その友人ってのも残念ながら男性です。(もちろんノンケですので悪しからず)

感想は表題通り「舐めていた」これに尽きます。

今作が岩鳶メイン、次作が鮫柄メインという構成での再構築という謳い文句ですが、
新規カットもけっこうあって、また、ハイスピードに出てきたキャラも登場して
Freeとハイスピが繋がった感があったのも良かった点です。
(ハイスピだけだと、正直、Freeとは断絶を感じてました)
本編で描かれてきた出来事が歪められてる可能性も危惧しましたが杞憂でした。
ハイスピードも含めて、ちゃんと物語を縫い合わせて新作に仕立ててあって、雑なツギハギ感はなかったです。
確かに、これなら「再構築」の看板に偽り無しの出来と言って良いでしょう。

とりあえず、公開初日で、他のレビューも無い状況なので詳しいことは避けます。
ただ、登場人物の心情の掘り下げが本編以上に濃厚なので、結構胸に来るものがあり、
実際、周りにいたお姉さまがたは、相当数泣いてらっしゃいました、とだけお伝えしておきますw
Freeが好きだった人は絶対見に行った方が良いと思いますよ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

俺の中のナニかが目覚めてしまいそうになるアニメ(笑)

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
Free!-Dive to the Future-(三期)を観る前の復習として観ました。

Free!は、1期、2期と観てましたが、劇場版は何も手をつけてませんでした。たまたまAT-Xで放送されてなのを録画して、視聴。

特に予備知識なく観たので、総集編だと知らずに観たのですが、結果、忘れてるシーンも多かったので、良い復習になりました。

ただ、「三期の前」に観るならば、こちらではなく、「-Starting Days-」や「-Take Your Marks-」を観なければダメのようですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
なんか、「尊い」な、と(笑)

水泳の描写は潔く短くして、各キャラクターのドラマに絞って描いたのは、英断でしょうね。

それぞれの友情もそうですが、幼い頃の約束とか、ライバル関係とか、水泳の先生としてのやりがいとか。

これが、女性の方々が抱く、「尊い」という感覚なのでしょうか? 

私は、ノーマルなので、よく分かりませんが、それでも、うっかりナニかが芽生えてしまいそうになりましたよ(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

70.8 30 2017年度アニメランキング30位
モアナと伝説の海(アニメ映画)

2017年3月10日
★★★★☆ 3.9 (43)
276人が棚に入れました
世界中で愛されるディズニー・アニメーションの魅力のひとつであるヒロインの歌声も今作も健在だ。数々の伝説が残る島で生まれ育ち、幼い頃の「ある体験」がきっかけで海と運命的な絆で結ばれ、「海に愛される」という特別な力を持つようになった16 歳の美しい少女、モアナの物語。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ラプンツェル、アナ雪を正当に受け継ぐミュージカルでありつつレッドタートルからのマッドマックス+ウォーターワールドがロードオブザリングなもののけ姫!?

ディズニーによる長篇3DCG映画
『リトルマーメイド』『アラジン』『プリンセスと魔法のキス』を手掛けたロン・クレメンツ&ジョン・マスカーの黄金コンビが挑む初のCG映画でありつつ、『ラプンツェル』や『アナ雪』の流れを正当に受け継ぐミュージカル映画
今回オイラは字幕で観ました
今のところ日本では2Dのみの公開ですが後出しで3Dも公開されるようです


舞台はオセアニアをモデルとした無数の島が点在する南国
伝説では女神テ・フィティが命を作り出すとされていた世界で、半神半人の勇者マウイはある日「テ・フィティの心」とされる翡翠色の石を盗み出した
しかし「テ・フィティの心」を狙う火の神テ・カァとの争いで「心」とマウイにもたらされた変身能力の源である「神の釣り針」が失われてしまう
この伝説を祖母から聞かされた村長の娘、モアナ
彼女は「海に選ばれた者」として島を出て、珊瑚礁を越え、海の向こうのどこかにあるというテ・フィティの島へ「心」を返すという運命が待ち構えていた
海の向こうの世界に興味をそそられるモアナだったが村長である彼女の父は頑なにモアナが海に出ることに反対し、次代の村長となるため島に留まるよう言い付けるのであった
しかしテ・フィティの心が失われたことで広がっているとされる「闇」がモアナの住んでいる島にも迫り、椰子の木は枯れ、魚は消えていった
モアナの祖母は自身の死期が迫る中でモアナに「選ばれた者」としての使命とかつて先祖達は島を渡り行く船旅人だった証である船を彼女に残す
モアナは大海原にたった独り、「心」を返す冒険に出る事を決意するのであった・・・


『アナ雪』の大ヒットも記憶に新しいところではありますが、『ベイマックス』『ズートピア』とディズニーではミュージカル以外の映画が続いていたので今回は『アナ雪』以来となるディズニーらしい王道ミュージカル映画となっています
序盤は世界観や心情を表す歌が絶え間なく流れ続け、まさに『アナ雪』のディズニーが帰ってきた!感が伝わってきます


これだけで往年のディズニー映画好きにはたまらないところではありますが、中盤から登場する勇者マウイ
彼の体には、彼のこれまでの生き様を示したタトゥーが自動生成されアニメーションする、という魔法がかかっているのです
このタトゥーのアニメ自体は昔ながらの2D、つまりセルアニメの手法で描かれるのでこれには往年のディズニーファンはきっと心をくすぐられる想いでしょう


その一方で、3DCGとしたことで表情を変えていく波の表現や「海」そのものがキャラクターとして物語に絡んでくる様、さらにはオセアニアの彫りの深い人々の表情など2Dには難しい部分の表現を豊かにしています


そしてこの映画、一番驚かされるのが一見いつものディズニープリンセスものとして始まっておきながら、中盤以降は『ベイマックス』や『アーロと少年』をも上回るアクション大作となっているところでしょうw


あまり詳しく書けないのがもどかしいですが、それこそ『マッドマックス』+『ウォーターワールド』な戦闘シークエンスや『ロードオブザリング』や『もののけ姫』を思わせるクライマックス、そして最近ではヴィランズらしいヴィランズを描かなくなったディズニーでは久々に痛快なまでの【悪】として登場する蟹の怪物タマトアの攻防など
縦横無尽に展開する手に汗握る大冒険は全ディズニー映画の中でも随一と呼べる出来だったでしょう


普通にアクション映画が好きな人も観て損は無いと思います


個人的に惜しい、と思うのはストーリー面やアクション面ではなくオリジナルのモアナ役のアウリイ・クラヴァーリョ、吹替版の屋比久知奈、日米共にモアナの声優がイマイチだったことですね
もちろん歌は上手かったのですが、声優としてはまだまだかな、と
それにオリジナルのマウイ役で「ザ・ロック」ことドウェイン・ジョンソンが役への入り込みも歌も上手いってことで完全に美味しいところを持っていってしまっているのも気になりましたね
もう彼で一本映画作ってしまえよ、と


それと先述のとおり「海」という立派なマスコットキャラがいて、コイツが『アラジン』の魔法のじゅうたん的なサイレントマスコットとして機能してるにも関わらず、コレとは別にニワトリとブタのマスコットが出てくるのはちょっと余計でした


また、音楽もオイラとしては南国が舞台なのだからハワイアンやガムランやタスマニアミュージックがガンガン流れるのかと勝手に思ってましたが、そこはやはりアラビアンナイトにポップソングを流してしまうディズニー
良くも悪くもディズニーミュージカルなのです
実際は南国音楽2割、カントリー2割、レゲエ2割、エピック4割って感じでしたね
細かいことですがオイラは『ソング・オブ・ザ・シー』のケルト音楽の様に舞台となった世界観を象徴する音楽がバンバン流れてくる方が好きですね

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
ネタバレ

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ディズニーのCG技術の集大成!?生命力溢れる海や自然の美しさ!!

 「CG技術もここまで綺麗になったのか!」と思わせてくれる作品。

 海に選ばれた族長の娘モアナが、自然を生き返ら出るべく大海原へと冒険に繰り出す~

 「アナ雪」「ベイマックス」「ズートピア」と「ディズニーアニメーション作品」(←ディズニー・ピクサーとの差異が未だによく分からない)は、続けてヒットしていますが、今作もその流れに乗れるか否か…。少し話題性が薄い気がします…。
 (ちなみに個人的には「アナ雪」の前の「シュガーラッシュ」の方が最近のヒット作より面白いと思います…。オススメ。)

 自分は公開前に飛行機にて、「ズートピア」と併せて、日本語吹き替え版で鑑賞しました!
 洋画は、吹き替え版より字幕派ですが、ディズニー系作品は、吹き替え版で楽しむのがしっくりきます。たぶん子供の頃から日本語版で観てたので…。ディズニーキャラは日本語を話してほしい気がします。
 しかし日本での公開前に飛行機で日本語版を観れるって…大丈夫なのか?

 さて、個人的な総評としましては、「まずまず」といったところでした。

 かなりシンプルな物語で、自然の広大さと生命力を感じるような力強く、美しい作品だったと思います。
 「勇気を持って飛び出そう」って感じの映画で、「環境問題に物申す」っていう堅苦しい映画ではありませんでした。
 現実の環境問題は、こんな単純に解決できませんしね…。

 ディズニーファンなら当然観ると思いますが、ディズニーに対して興味ないなら特別観なくてもいい作品かもしれません。
 CG技術の映像美という美術的な面だけでも、十分に観る価値はあると思いますけどね。
 
以下ネタバレ付き項目別感想
{netabare}
♦物語:
 最近のディズニー作品の中でも際立って『シンプル』な印象の作品です。
 目的に向かって一直線に広大な海を冒険する、冒険ファンタジー作品。凝った話だったり、意外性を期待する方には物足りない作品になるかもしれません。ギャグも少なめだった気がします。
 ただ、この単純さが個人的には結構好き。
 気楽に観やすい作品となっております。

♦声優:
 主人公モアナ役を大きなオーディションで選ばれたミュージカル系の屋比久知奈さんが演じていますが、やはり歌声が良いです。
 冒険の相棒である半神マウイは、歌舞伎俳優でミュージカル系でもある、尾上松也が演じていますが…キャラが面白いだけに少し残念。アラジンのジニーを思わせるような破天荒なキャラなんですが…山寺さんみたいな面白さは出せず。歌声は好きでしたが!
 おばあちゃん役の夏木マリは流石でした。

♦キャラ:
 非常にシンプルな作品であり、登場キャラはディズニー作品屈指の少なさ。さらに言えば、本作はヴィラン(悪役)がいません。強いて言えば、キュートな見た目の海賊軍団カカモラとか、ザリガニのやつかな?

 好きなキャラは好奇心旺盛なモアナと破天荒なマウイ、そして優しい変わり者のおばあちゃんかな?←主なメインキャラ3人ですが…。
 あと、豚が可愛かった。それだけに冒険に連れて行ってあげてほしかったなぁ…。

♦作画:
 本当に海がきれいですし、緑も鮮やか。表情も本当に豊か。
 ディズニーのCG技術は確固たるものになってきたように思います。
 しかし、「ジャパニメーションのアニメ絵」はCGとして動かすと違和感だらけ。その為、日本のアニメは将来的にも全面的なCG化はしないだろうし、してはいけないと思います。
 完全に別文化。個人的には、ジブリのような作画の方が綺麗で、素敵だと思っていますので、作画に満点はあげれません。
 逆にジブリよりディズニーCGの方が好きな方も沢山いると思いますし、それだけ魅力的な作画ではあると思います。映画館で観たらもっと凄かっただろうなぁ。

♦音楽:
 個人的にかなり好き!特にモアナが歌う主題歌「どこまでも~How Far I’ll Go~」。ミュージカル系の配役がはまっていて…。航海に限らず、何かを挑戦したくなるような歌でした。
 他の歌も聴き心地のいい曲ばかりで、ミュージカル臭は「アナ雪」に似てるかも知れません。
併せて観た「ズートピア」より歌が印象的だった気がします。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

モトゥヌイのモアナ

 モアナ初日、吹替版と字幕版見たです。劇場CNでモアナ役の日本人と外人の声優さんがちょっと歌ったのを見て、是非両方見たいと思っていたです。

 このCGアニメは、キャラが個性的だし、海と自然の背景映像が見事でその点においてなど、ディズニーアニメの質がまた上ったと思えたです。

 最大の見どころは、映像もそうだけれどもモアナを始め、登場キャラによるミュージカル演出が良かったです。モアナの歌とか良かったです。私、何か好きだなぁです。

 モアナのお婆ちゃんの昔ばなしから始まるです。女神の島テ・フィティがあったです。{netabare}テ・フィティの心をマウイとかいう力士だかレスラー体格の男に奪われるです。テ・フィティは崩れ始め、大地と炎の悪魔テ・カァが現れる。テ・カァもテ・フィティの心を追い求め、マウイ、テフィティの心ともども海に叩き落される。それから{/netabare}1000年経った今もテ・カァと海の悪魔達が、テ・フィティの心を探し、島から島へと命を飲み干しているというです。

 幼児だったモアナが、歌に合わせて村長のお父さんがだきかえて、座らせると成長していったりと踊りまくる村人たちも含めて不思議な光景だったです。モアナのお婆ちゃんの踊りが、かなりリズムカルで様になっているです。海に入り、エイを従えて踊っている姿がどこか神秘的だったです。

 唐突な展開になり{netabare}村の作物が荒れ、魚が島に近寄らなくなったり不吉なことが続くです。お婆ちゃんがモアナを秘密の場所に案内し、村の先祖の過去を見せるところから話は、進むわけです。その時にお婆ちゃんが、「お前は海に選れたんだよ!」と言うと海の水が生き物のように動くです。お婆ちゃんがテ・フィティの心を持っていて、モアナに託すのだけれどなぜ持っているのか?不思議だなぁ?と思ったです。
 その後、元気だったのに突如危篤状態になったりするのが、不自然だった気がしたです。でもこういうことがなければ話にならないです。1000前のお話が本当にだったということで、これらは悪魔達の仕業にされている事になる訳です。{/netabare}マウイを見つけ、テ・フィティの心を返しに行く冒険の始まりです。

 モアナの乗った船には、鶏のヘイヘイも乗り込んでいたり、後々活躍するです。海の導きにより、マウイの島にたどり着くけど、1000年経っても姿変わらず元気一杯なのは、半神半人の英雄だからなのだろうか?です。マウイのタトゥーも生きていて、マウイの意思に反応して動くところも見物です。

 海賊に襲われたり蟹に襲われたり、インディー・ジョーンズ顔負けの活躍をするモアナ。マウイと助け合ったり、終盤のテ・カァとの戦いのさなか喧嘩したりするけれども、冒険を通して二人の友情を見せてくれたと思ったです。所々絡んでくる海の存在も欠かせなかったです。

 にしても、大地と炎の悪魔テ・カァには、非常に驚かされたです。最後のモアナとテ・カァの対峙は、このアニメ最大の山場だったです。ここでモアナが、海に選ばれたという証拠を見た気がしたです。
 テ・フィティ登場その後が、非常に感動的だったのは、忘れられないです。島に戻ったモアナとご両親、村人たちの姿とこれからに「これでいいのだ!」でしたです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

70.7 31 2017年度アニメランキング31位
LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門(アニメ映画)

2017年2月4日
★★★★☆ 3.9 (68)
345人が棚に入れました
タイトル通り石川五ェ門をフィーチャーした本作では、若き五エ門が最強に目覚めるまでを描いていく。

声優・キャラクター
栗田貫一、小林清志、浪川大輔、沢城みゆき、山寺宏一

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

近年のルパン作品の最高傑作かも…。研ぎ澄まされた黒鋼の輝き。

アニメレビューをされてる笠さんの動画で興味を持ち視聴。結果、感謝感謝の良質な短編映画でした。尺はテレビ2話分くらいですが、剣劇アクションアニメとしては最高峰と言って間違いない。
 

というわけで、私の駄文なんかよりレビュー動画をご覧になってください、終わり、でも良いと思うのですが、傑作を見たら言いたがりになってしまうのでもう少しご容赦おば。


本作を一言で評するなら三隅監督がアニメをもし作ったら、という感じだ。三隅研次監督は、「座頭一」や「子連れ狼」などで残酷チャンバラ時代劇を確立した孤高の天才監督である。彼の描くチャンバでは、手足がポンポン飛ぶし、エヴァのこどく血がブシューと飛び散る。しかし、これみよがしなショック演出ではなく抑制すら効いた美学が活きているのでいやらしさや不潔感がないのが特徴である。


本作はまさに三隅監督の味わいで、シンプルながら抑制と開放が美に高まっている。あらすじは2行で書けるくらいで簡潔である。しかし、しっかりしたキャラ描写があるから凄く惹き付けられてしまう。敵役のホークは、ターミネーターかバキのキャラくらいイカれた強キャラな上に、余裕をもつ者の語らぬ自然なユーモアが冴えている。葉巻を吸うシーンが何度かあるが、思わずニヤリとさせられる上手い演出で引き算が実に良い。


五右衛門の剣劇アクションもメチャクチャ斬ってま~すっていうありがちな描写じゃなく、最小しか描かないから実にクール!。外国の方が見たら大喜びじゃないかな。


今回はあくまで五右衛門の回だから他のレギュラーキャラの出番は抑えぎみだが、やっぱり確立している優れたキャラたちだから少ない出番でも輝いてる。ボブ不二子は誰?って一瞬なったが。


結果、本作が与えている効果は良質な短編小説を読んだ時のような後味の良さと、名人の技前を見せつけられたような感嘆の吐息に通じている。つまらぬ物を斬らない五右衛門ってこんなに格好良かったのか…。


最後に、正直五右衛門に浪川さんはどうかと未だに思ってる。浪川さんは好きな声優さんだが、彼のいじられ要素が五右衛門にまで入ってきちゃうのはなんか違うかな。本作はそれがなかったのも良し!。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

グロい、絵柄が好き

物語
強敵に敗れて剣を振るえなくなった五エ門が精神修行を経て、もはや超能力とも呼べそうな相手の動きを予測する能力を開花させるというお話です。
{netabare}(実は剣を振るえなくなった過程は、五感を封じてより速い攻撃を得るために行った精神修行の一環でした。){/netabare}

前編25分、後編25分しかないので結構サクッと観られました。
中々このようなサクッと観られる難解でないハードボイルドは見つからないので掘り出し物感があります。

グロいなと思ったのは、{netabare}五エ門の腕がスライスされたシーン。痛々しかったですね。あれ良く腕が動いたな…神経とか大丈夫なんだろうかと思いました。{/netabare}

声優
ルパンの声優陣が変更になってから暫く経ちますが、もう殆ど違和感を感じません。昔の声はどんなだったかなと思い出したくなるレベルで馴染んでいるので、ルパンの声優陣は凄いなと思います。
特に不二子のセクシーボイスがたまんないです。

作画
絵柄が好きです。
不二子の現代風なデザインが良い。
銭形は目がギラギラしていて、出来る男の貫禄が出ているのが良い。
記憶の中のルパンはもっと茶目っ気があった気がしたので初見は驚きました。
これはこれで好きですけどね。完全なハードボイルドに茶目っ気は不要ですし。

動きはCGかと思うほど良く動いていました。
剣劇のアクションシーンもなかなかいいです。

全ての項において、不足な点は見つかりませんでした。かと言って特に飛びぬけて凄いなと感じたシーンも無かったのですが、総合的に満足のいくものでした。

一つ面倒だなと思ったのは、前編と後編に分かれていたことです。製作費があまり貰えなかったのかなと察することは出来ますが、円盤を入れ替えるのを面倒に感じてしまうので金額は二本分でも構わないから一つに纏めてくれないかなと思いました。

それから、蛇足的な疑問が一つ。
五エ門の刀って超合金製なんです?人をスパスパ切っているシーンがありましたが、あれだけの人数を切るのに刃こぼれしないのは流石に無理がある気がします。
確かこんにゃくが切れないというネタはあった気がしますが、この辺詳しくないので、知っている方がいたら教えて欲しいです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

限界を超えた怪力、反射神経と斬鉄剣

 木こりのメタボな大男が現れてどこにいくかと思ったら、竜の描かれた客船から始まったです。舞台が日本だけれど、次元大介の墓標の作画で描かれた背景が独特で、日本が舞台なのか?初めは分からなかったです。

 五ェ門が出て来るだけれど、どっかの暴力団の用心棒で、斬鉄剣の鞘(さや)が、私もよく知っている物でなく普通の日本刀だったです。

 ルパンと次元、不二子がいつものように出てくるです。今までは髪が長く束ねていてもすぐわかる不二子だけど、キャラデザが変わっているようで、髪が短くなり外見も?で声を出すまでは、私に分かりづらかったです。

 初めに出てきた木こりの大男、ホークという名前でかなり危ないおっさんだったです。{netabare}誰がだかの依頼を受けて、ルパンを狙ってきたです。ここで、破壊工作をしていて五ェ門と3回にわたって場所を変え闘うです。

 この戦いで、ホークの人間離れした超怪力が、物語の半分近くは目立っていたです。2回目の戦いで五ェ門の斬鉄剣が見切られ、斧で鞘が破壊された殺されかけたシーンも普通じゃなかったです。

 ショックを受ける五エ門。斬鉄剣の鞘が知っている物になり、修行する五ェ門、動かず何をしているのか?です。暴力団の元に帰るけど、そこで五ェ門の凄まじい光景あったです。なぜ、「血煙の石川五ェ門」なのか?誰でもわかる光景の始まりだったです。数秒先の未来を読む能力に開眼したように見えるし、トリコに例えると予知のようなこのシーンは、思い込みを具現化したアルティメットルーティーンのようだったです。{/netabare}

 全体的にやはり五ェ門とホークだけど、それに絡むルパン、次元、銭形のアクションも見どころだったなぁです。
 立ち直る五エ門、ホークに追い詰められ、どっかの寺でのルパンと次元のシーン、最終決戦が迫力万歳だったです。にしても、銭形が要所要所に出てきて存在感あったです。
 TV、劇場CNでもルパンが言っていた「未熟なり石川五エ門」は、どこにあったのか?思い返すと私には、一回で気づかなかったです。言ってたかなぁ?です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

70.7 31 2017年度アニメランキング31位
甲鉄城のカバネリ 総集編 後編 燃える命(アニメ映画)

2017年1月7日
★★★★☆ 4.0 (15)
175人が棚に入れました
テレビシリーズ「甲鉄城のカバネリ」の総集編二部作の後編である。

声優・キャラクター
畠中祐、千本木彩花、内田真礼、増田俊樹、梶裕貴、沖佳苗、伊瀬茉莉也、逢坂良太、佐藤健輔、宮野真守
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

進め方は前編の方が、良かったかなぁ???

 前編の最初の場面の新作カットの続きが、この後編で最後で明らかになるです。そこから、生駒と無名の改めての約束を少し新作エピソードがあったです。

 この後編では、美馬が登場するわけです。TV放送でもお馴染み、美馬の狂喜が特に目立ってたです。それに苦しむ無名と無名を救いたい生駒が描かれているです。

 TV放送と全く同じ場面でも、劇場で見ると洗練されて良く見えたのがいいところだけれども、TV放送を強引に端折っていたように見えてしまい、展開が唐突に進んでいる感じがしたです。
{netabare} 例えば、金剛郭に向かう途中で場面が変わり、拓生が黒城の先頭車両に急にカバネがいることに気付くところが、この映画の流れ的に不自然に見えたです。
 追い詰められた生駒をたくみが、かばって命を落とす。そのあと少したって場面が変わり、突然甲鉄城の仲間たちが黙ってたくみを運ぶだけになっていたりして、その前の過程が削られていたなどでしたです。{/netabare}

 良かった点を強いてあげると、最後にいれた新作エピソードだったと思うです。
 美馬をやや中心にすることによって、後編ではTV放送エピソードの削りすぎに気づいてしまったと思うです。それが、私には腑に落ちなかったです。

 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

70.7 31 2017年度アニメランキング31位
アヴリルと奇妙な世界(アニメ映画)

2017年3月10日
★★★★☆ 3.7 (13)
44人が棚に入れました
1941年、ナポレオンがフランス全土を統治している世界。
この世界では、地球上から70年もの間全ての科学者が失踪していた。
それにより、ラジオやテレビ、電気、宇宙、爆弾といった全ての人類の文明技術が停滞しており、19世紀に発明された石炭とスチームのみが活用されていた。
この奇妙な世界で生きる少女、「エイプリル」は失踪した科学者である両親を探し、飼い猫のダーウィンと町の不良ジュリウスと捜索の旅に。
果たして3人はこの世界の秘密を暴けるのだろうか。科学者達を誘拐した犯人は?そしてその目的は?

英題:April and the Extraordinary World
・東京アニメアワードフェスティバル2017長編部門ノミネート

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アヌシー国際アニメーション映画祭、長編部門グランプリ作品

『Avril et le Monde truque
(英題:April and the Extraordinary World)』

この作品、登録では2017年からの放映となっているが、
これは2017年3月10日~3月13日まで開催された

“国際アニメーション映画祭
「東京アニメアワードフェスティバル2017(TAAF2017)」”
で放映された日付。

実際は2015年のアヌシー国際アニメーション映画祭で
初放映だったのか・・? リリースは2015年。
日本では劇場で放映されてなくメディア化もされていない。
海外で絶賛されていて国内メディア化希望の声は大きいが、
フランスのアニメは国内での認知度が低いので難しい。

あとデザインと題材も日本ではヒットしないでしょうね。

「ズッキーニと呼ばれて」「手を失くした少女」
「バッドキャット」と共に長編コンペティション部門に
ノミネートされた作品。

「エイプリルと奇妙な世界」
せめて国内発売でメディア化だけでも・・
('A`)y-~(ここで言っても仕方ない)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

仏国発 ヌーベル SF アドベンチャー アニメーション

原題:Avril et le monde truqué
年度:2015年
製作:フランス/ベルギー/カナダ
監督:クリスチャン・デスマール/フランク・エキンジ
時間:1:05:00

アヌシー国際アニメーション映画祭・クリスタル賞受賞

「やぶにらみの暴君」から脈々と続く正統派、宮崎アニメへのインスパイアはもとよりスターウォーズ等ハリウッド風エッセンスも色濃い物語・構成、

背景美術とスチームパンクの世界観は立体的に広く深く描写され人物動体もいい、

キャラはあえて可愛い方へ振らなかったと監督はおっしゃってましたが無問題、
(まあでも日本のアニメファンには受けないでしょう)

渋いおっさんの声が良いし、
音響、軽やかな音楽も良く会っていた。

良いアニメーション作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

70.5 34 2017年度アニメランキング34位
魔法少女リリカルなのは Reflection(アニメ映画)

2017年7月22日
★★★★☆ 3.9 (70)
343人が棚に入れました
劇場アニメ版第3作目。2017年7月22日公開。当初は『A's』から『StrikerS』までの空白期間を描くとされていたが、後の発表で本作にはPSPソフトシリーズの『BOA』および『GOD』が初出のキャラクターであるマテリアル達やフローリアン姉妹が登場し、ストーリーもGODのそれに準じたものであるということになった。2018年公開の『魔法少女リリカルなのは Detonation』と一体の作品で前編となる。

声優・キャラクター
田村ゆかり、水樹奈々、植田佳奈、戸松遥、佐藤聡美、日笠陽子、清水香里、真田アサミ、柚木涼香、一条和矢、ゆかな、釘宮理恵、清水愛、久川綾、桑谷夏子、松岡由貴、水橋かおり、阿澄佳奈

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

孤独(ひとり)じゃない。心を繋いだ絆があるから。

「魔法少女リリカルなのは」シリーズファンの方には、待ち遠しい1作だったのではないでしょうか。
かく言う私もその一人でしたけれど。

何故なら、本作品は2期の「魔法少女リリカルなのはA's」と3期の「魔法少女リリカルなのはStrikerS」までの空白期間を描いた作品だったから…

何故3期で、主人公だった高町なのはが指導官としてのポジションを選択したのか…
もちろん、3期の物語の中で触れられていますが情報としてはあまりにも断片的過ぎ…
起こった事象の説明はありましたが、そこに至るまでの背景がボンヤリしていたからです。

誰よりも優しく、誰よりも強い正義感を持っているなのは…
天性の素質と類まれなる魔力を兼ね備えた彼女の「全力全開」は、いつだって困難を突破してきました。
まだ小学生の小さい身体に不釣り合いなほどの強大な魔力放出を何度も見てきましたし、それが彼女のトレードマークとも思っていたのですが…

だから本作では、これまで閉ざされてきたなのはの過去にメスが入る…
そう思って視聴に臨んだのですが、どうやら空間期間では私たちの予想を凌駕するほど色んな事件が起きていたみたいです。

今回の物語では、惑星エルトリアからの来訪者であるキリエと同行者イリス…
そしてキリエの姉であるアミティエを軸に物語が展開していきます。

惑星エルトリアは、きっとかつては豊かな星だったのかもしれません…
でも今では砂漠化が進み人が住める場所が殆ど無くなるまで大地の荒廃が進んでいました。
そんな中、エルトリアに緑を蘇らせようと奮起していたのが、科学者であるキリエたちの父親でした。
ですが、身体を病魔に侵され余命いくばくも無い状況に追い込まれていたんです。

父の命と願いのどっちも掬いたい…
幼い頃から父親の背中を見て育った娘たちがそう思うのは決して不思議ではありません。
ですが、その思いは自分の一生をつぎ込んだ父親に成し得なかったこと…
そんな簡単に手が届くはずがありません。

ですが、キリエは知ってしまったんです。
どっちも掬う方法が地球にあること…
そしてその鍵が第1級捜索指定されたロストギア「闇の書」であること…
こうして小さな少女が子供として当たり前の願いを抱えて地球に降り立ち、物語が動いていきます。

視聴を始めて最初に思ったこと…
「なのはちゃん」も「フェイトちゃん」も懐かし過ぎるんですけど…‼
それは出で立ちしかり、呼び方しかり…
物語開始時に二人は小学3年生でしたが今じゃ小学5年生…
確実に成長している筈なんですけど、気持ちの中で先行するのはやっぱり可愛らしさです。

それでもA'sとの明らかな違いは、闇の書事件が解決したので、なのはとフェイトの輪の中に八神はやてがいること、そして4人のヴォルケンリッターもすっかり生活の一部に溶け込んでいることです。
私はヴォルケンリッターの中で激しくヴィータ推しなので、姿を目にした瞬間はやっぱり嬉しかったですね。

そういえば、ヴィータのフィギュアって発売されているのかな…?
と何気なく調べてみたら、売っているじゃありませんか‼
しかもアルターさんの1/7スケールなのに、非常にお求めやすい価格なんです。
ヴィータの服装はStrikerSの時のモノですが、私にとってそれこそ願ったりです。
それにグラーフ・アイゼンがメタリック調で格好い良い…
思わずポチってしまいましたよ…^^;
我が家への到着は明日とのことなので、ヴィータに会えるのが楽しみです。

思い切り脱線してしまいました。
でもあまり書くとネタバレになるので割愛しますが、キリエらが想像以上に手強い事…
そして闇の書の件は解決したとばかり思っていましたが、その闇は想像以上に深かったこと…
ここまでなら大丈夫だと思います。
なのはの「全力全開」を見たい方は是非本編でご確認頂ければと思います。

約1時間50分弱の作品でした。
本作品はこれで終わりじゃありません。
2018年に公開される後編が控えています。
キリエの願いは届くのか…
なのはらの思いの行方は如何に…⁉
後編の視聴を楽しみに待っています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

小五なのは達が過ごす全力全開の夏休み♪

TVアニメシリーズ&劇場版シリーズは一通り視聴済み。
本劇場版の新登場キャラと関連が深いと言うPSPのゲームシリーズは未プレイ。

本作のシリーズ構成については、
{netabare} 当初から前後編で行くつもりだったとの制作者インタビューを雑誌で拝見していたので、
前編である本作の中途での幕切れや、
後編タイトル&公開時期決定については特に驚きはありませんでした。{/netabare}

夏休みの公開日に事件の発生日時をきっちり合せて来た本作。
夏だからといっても、やることはどーせ年中砲撃ですがw
なのはたちと同じ季節感を共有できた点は、一つ映画館に足を運んだ甲斐がありました。


メインストーリーは正直、微妙……と言うより、今の自分には何とも評価しがたい感じ。
{netabare} 前編なので、現時点でまとめるつもりがないことは想像できていましたが、
それにしても、事件の首謀者が抱く真意等が不明なまま、
新登場も含むキャラたちがそれぞれ抱えた事情や視点が“乱反射”して、
ストーリーの柱がまだ見えてこない印象。

後編でまとめるだろうと言っても、広げた大風呂敷を“爆発”させずに折り畳むには、
相応のシナリオ力が必須になると感じました。{/netabare}

もしかしたら、PSP版ゲームもプレイしていれば、より理解できたのかもしれません。
だとすると、要過去作チェックなネタや演出も含めて、
本作はご新規さんにはかなりハードルが高い作品だったということでしょうか。


サブストーリーや小ネタ等、全編通じてシリーズファンへのご褒美要素は満載♪

{netabare}序盤のシナリオ展開からは、“小学生の”はやて(←とても貴重かつ重要なので敢えて強調w)を
トリプル主人公の一人として活躍、確立させようという意志を感じました。

後半にかけては、特に劇場版2ndにて強調されていた、
リンディとフェイトの“母子関係”の新展開が描かれたのが好材料でした。

これであとは例えばドラマCD某話にあったように、
{netabare}フェイトちゃんがクロノくんに“お兄ちゃん”と呼ぶ奇襲攻撃を仕掛けて、
動揺させるシーン辺りを再現すれば、
フェイトちゃんも立派なハラオウン家の一員ですw{/netabare}

さらにヴォルケンリッターらも含めたキャラ同士の絡み、共同戦線等で、
一通り見せ場を演出して、主人公が誰か分らなくなった所で、
場を一変させる大砲撃でなのはが堂々、真打ちとして登場する。{/netabare}

この辺りは相変わらず『なのは』だなと思いました。


それにしても、強敵と遭遇する度に、
なのは等のデバイスたちが、リスク覚悟で相手の長所を取り込み、
自身のデバイス機能を強化、“工作”していく様には、
あらゆる能力を吸収し、変形していく、某人造人間じみた恐怖すら覚えますw

特に対象と積極的に接触を計るレイジングハートの飽くなき探求心には戦慄しますw

もしかしたら、この夏休みを一番エンジョイしているのは、
思う存分“自由研究”を満喫しているレイジングハートなのかもしれませんw


付記:挿入歌について。

本作で一つ懸念していたのは{netabare} 田村ゆかりさんの歌が登場するかどうか。

専属契約していたキングレコードからの事務所移籍等がスムーズじゃなかったのでは?
もしかしたらキングレコードが関わっている『なのは』シリーズに、
ゆかりさんが歌を出せない事態にもなるのではないか?
そんな噂も飛んでいたので、高町なのは(CV田村ゆかり)名義で挿入歌が流れた時はホッとしました。

大人の事情については私もよく分りませんし、憶測を巡らせてもしょうがありませんが、
“永遠の17歳”どころか役を通じていつでも“幼女”に変身できる、
声優さんの底力を垣間見た。そんな感想も覚えた劇場鑑賞でした。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

なのはホント良い子だなぁ・・・

 とある惑星の少女キリエが、死にそうな父親を救うために人工知能イリスと共に、なのは達のいる時限にやってきて、はやての持つ夜天の書を狙うことをきっかけに話の規模が膨らんでいったアニメだったです。なのはA’s後2年後のお話ですねです。いきなり19歳になったStrikerSになってキャラが増えたときに比べ、A’sその後なだけに私は分かりやすかったです。
 見ていると、なのはとフェイトは、ホントに良い子だなぁと思ったです。

 平和になっても訓練を欠かさない、なのはとフェイト。お友達達との交流と平和な日々も束の間、はやても加えて、キリエの起こす事件に巻き込まれるです。はやて間一髪の時、キリエを追ってきた姉のアミタも参戦するです。
 キリエが来た時点から、時空を超えた出来事であることが、クロノたちにすぐに気づかれてしまうため、時空管理局の絡みが今回もありです。

 にしても、魔法とは思えない兵器、悟空たちのような光線技を多用するように見え、魔法少女アニメにかけ離れたバトルがかなり今回も繰り広げられるです。私は、好きなんですけど・・・です。ドラゴンボールZに例えるとシステム「オルタ」という界王拳もあるです。変身は、近代魔法少女な感じだったです。

 キリエ、イリスの言っていることは、まるっきり違っているです。なのは、フェイトに協力してもらうとか、夜天の書を少しだけ貸してもらうとか言っていて、やっていることは、事件を起こしての誘導、襲撃、言葉巧みにフェイトに話すとか、夜天の書の強奪にしか見えなかったです。

 今までのリリカルなのは以上に話の展開が早く、白熱するバトルが全体的に多かった印象だったです。なのは達のパクリ新キャラも出てきて、バトルはさらに激化するです。にしても、トランスファーマーとも違うロボットが、最初を通してパワーアップした感じのものまでこの時には出てくるので、このあたりからも魔法であることすら、分からなくなっていったです。

 イリスの正体と真の目的、キリエのやってきたことは一体!にも注目です。{netabare}更なる新キャラ、ユーリも出てきて、ピンチなのか?どうなるのか?というところに、パワーアップしたなのはが、登場してと良いところで終わりになってしまうです。カッコいい水ナナの劇場主題歌が流れるです。
 Reflectionに続きが来年にあるなんて知らなかったから、ビックリだったです。{/netabare}

 最後には、なのはキャラにおけるミニ劇場がまた来週と言って、週替わりに上映されるようなので、余裕がある人は毎週行くんだろうなぁと思ったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

70.0 35 2017年度アニメランキング35位
BIOHAZARD: VENDETTA 【バイオハザード:ヴェンデッタ】(アニメ映画)

2017年5月27日
★★★★☆ 3.8 (18)
70人が棚に入れました
対バイオテロ組織「BSAA」のクリス・レッドフィールドは、ある情報を基に、武器密売組織の拠点である謎の洋館へ突入する。探索の最中、クリスは国際指名手配犯であるグレン・アリアスと対峙するも、信じがたい光景を目の当たりにし、結果アリアスを逃してしまう。一方、元ラクーン市警の特殊部隊「S.T.A.R.S.」の一員だったレベッカ・チェンバースは、現在は大学教授として、「死者が甦り、凶暴化する」という不可解な事件の調査、研究に携わっていた。事件の調査により、「新型ウィルス」が関係していることを突き止めた彼女は、治療薬の開発に成功。その直後、研究所が何者かに襲撃され、レベッカは死の危険にさらされてしまう。協力を求めるため、新型ウィルスが関わる事件を最もよく知る人物、アメリカ大統領直轄のエージェント組織「DSO」所属のレオン・S・ケネディのもとへ向かうクリス。再会を果たした二人は、アリアスの真の目的が“バイオテロ"だと掴み、その策略を阻止する為、彼を追いニューヨークへと向かうのであった。

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アニメではあるが、精巧すぎて実写と勘違いするかもしれないです。

 パッと見ると、アニメとは思えない実写映画と勘違いするほど、字幕の精巧なフルCGアニメだったです。良く見ると、実写ではないと分かるのだが、です。会話とか雰囲気が、出ていたです。

 一番最初に販売されたゲーム自体は、私が学校に行ってた頃、プレイを友達に見せてもらったことはあったけど、テレビゲームにしては初めて怖いと思ったのは確かだったです。

 このアニメの出だしで、死の商人のいる屋敷を軍人たちが襲撃に行くけど、子供も含めたゾンビ達に返り討ちになってしまう所は、あの頃のバイオハザードの出だしを思い起こすものがあったです。小学生以下には見せないほうが、いいと思うです。

 ゲームが6作あって、その主人公キャラがこのアニメではかなり洗練されて登場してるとのことです。6作もゲームあったなんて知らなかったけど・・・・です。

 物語の進行が早く、業とらしく危機一髪のところで助けが入る場面が多かったけど、凄い迫力だったです。バイクアクションとか。
 ゾンビに噛まれたりすると、感染して自分もそうなちゃう訳だから、戦っている人達に余裕がないほど、緊迫した場面が凄いです。

 ゾンビが襲って噛む以外に、人をゾンビに感染させてしまう方法もあり、凄いです。ワクチン打ってないと防ぎようがないです。

 死の商人というのが、結構強くて苦戦してたです。狂った悪い奴でやっと倒したと思ったら、しぶとく最終手段と言うのを取るです。CGアニメだからできるのだろうけど、実際誰でも真似はできない、信じられない所が、見所の一つでもあったです。

 戦いに主人公たちが勝利しても、これでまだ終わりそうもないラストもこのアニメらしさ、面白さがあったと思うです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

無難

家庭用ゲーム機で再生されるレベルだったら、満足するかなーくらいの印象。
バイオのゲーム実況動画をみたら、かなりリアルなモデルが普通に動いたので、レベル高いなと思っていたけど、ムービーになってもあんまりクオリティに差が無いのね。
リアルだけど、人間では無いかな。ビニール人形くらい。
まあ、十何年と制作を続けてたどっかのシリーズとは違うんだし、常識的な制作期間で仕上げるとしたら、今の技術ではこんなものか。

ゾンビものとしては有名なシリーズだけど、ゾンビものは数が増えすぎているから埋没しちゃってるし、話の魅力もあんまり無かった。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

双真 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

★★★★★★

おもしろかった!

会話は英語で字幕だった!

銃と銃の接近戦がとても見応えあった!
途中で地震があったが演出かと思った!

わかっていても・・・

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

69.9 36 2017年度アニメランキング36位
カーズ/クロスロード(アニメ映画)

2017年7月15日
★★★★☆ 3.9 (15)
89人が棚に入れました
これまで華々しく第一線で走り続けてきたマックィーンがベテランとなり、最新型のレーサーに勝てない時代遅れのレーサーとなっている。そんな状況に焦ったマックィーンは、レース中に無理をして大きなクラッシュ事故を起こし、世間からも見放され自信喪失してしまう。彼の脳裏には「引退」の2文字……。まさにマックィーンの“人生の岐路”を本作で捉えている。

声優・キャラクター
土田大、山口智充、戸田恵子、松岡茉優、藤森慎吾

2010sw さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

クルマが演技してる~!

このシリーズ初見なのだけど面白かった!
クルマが演技してるねぇ・・
フロントウィンドウにリアルな目玉ってどうよ?
と想ったけど、作品が始まったら忘れちゃったわ。
タイヤでボディタッチかーなるほどなー!

日本だったら、メンタルモデルとかCar娘とか
になっちゃうか?それは自分だけか?と自問自答したりする。

それはさておき、

レースシーンと車体のピカピカ具合(映り込み)が
リアルで・・おっとボロイクルマのボロさ加減も
良くできてるなぁ~

それとアメリカンな雰囲気! エンドロールの字体も
F1チーム無御用達の有名工具メーカーのソレで統一。
細かいねぇ~
もちろん音楽もアメリカン。Lastは民雄さんだったけど。
たのしー!

ラスト、いやーそうきたかー
予想できんかったー 良かった!
伏線はわかってたのだけど・・
まさかそうくるとは・・

しかもネタがわかっても
見ごたえある。
というかいろいろ経験した大きなお友達は
反芻するごとにクルものがあると思われる。
良くできてるわ。

会場は夏休みなせいか平日なのに大入りで両サイド
小さなお友達だった。この世界わかるかなーとおもったら
隣の男の子が身を乗り出して応援状態。なんか後ろのほうでは
声援も飛んでたような・・エンドロールになったらその子、
安心したのかチカラ尽きたかでそのまま深い眠りに・・
いいネェ! こっちまで幸せな気分になったよ。

ちょうどその日、クルマの動画作ろうと想って
車載カメラ作動させて小道具持って観に行ったんだ。
もちろん変なクルマなわけだけど、凄く参考になった。
・・ってネタパクる気満々だー(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0
ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

古きをたずねて新しきを知る

ピクサーの送る車を擬人化させたレーシングアニメ第3弾。
{netabare}
本作では2作目で描かれなかったハドソンとの師弟関係にスポットが当てられ、1作目からのファンには嬉しい展開となっている。

本作のテーマはまさに温故知新。
個人的に昔からこのことわざが好きなこともあって、観ていて楽しかった。

2作目から少し時間が経過しているようで、マックイーンが既にリビングレジェンド化していて、さらに新世代が頭角を現し始めた、という設定。
ハドソンとの練習に思いを馳せたり、ハドソンの師に教えを請いたりして古きをたずね、ストームという新星ライバルの登場やクルーズという新キャラへバトンを渡したりして新しきを知る、というストーリー展開。
ただし、ラストの描き方は賛否両論あるかもしれない。

ハドソンがマックイーンのことを手紙に書いて師へ送っていた話は泣けた。
一人のスポーツ選手が引退していくのを観るようで全体的に切ない。
松岡茉優ちゃん声優もうまいね。

3作品の中で一番好きな気がする。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

askima さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

3作目は大人も楽しめるヒューマンドラマ

車だけどヒューマンドラマみたいにしっかりとストーリーがあり、感動的だった。

子供がカーズシリーズ大好きなので1と2は何度も見たけど、3は大人も楽しめる内容となっている。

個人的にはシリーズで1番面白かった。

事前情報なしで何となしに見たが、大正解。
半端なネタバレや前情報入れずに、いつものカーズをイメージして見ると良い意味で期待を裏切ってくれる。

おすすめ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

69.8 37 2017年度アニメランキング37位
フルメタル・パニック!ディレクターズカット版 第1部:「ボーイ・ミーツ・ガール」編(アニメ映画)

2017年11月25日
★★★★☆ 3.8 (24)
107人が棚に入れました
物語は一人の少女の逃亡シーンから始まる。敵軍用ヘリからその少女を救ったのは、対テロ組織「ミスリル」に所属する相良宗介。アームスレイブと呼ばれる人型強襲兵器、「M9(ガーンズバック)」に搭乗した兵士だった。救出したその少女は、「ウィスパード」と呼ばれる人間で、「存在しない技術」ブラックテクノロジーを有していた。その後、そのブラックテクノロジーに翻弄されていくことになる相良宗介は、新たな任務として、日本の女子高生、「千鳥かなめ」の護衛をすることに。彼女もまたブラックテクノロジーを有する「ウィスパード」だった。「ウィスパード」である千鳥かなめを奪取すべく相良宗介の前に立ちはだかったのは、かつての仇敵である「ガウルン」だった!彼は、アームスレイブを自在に駆使し、徐々に相良宗介と千鳥かなめを追いつめていく。

声優・キャラクター
関智一、ゆきのさつき、ゆかな、三木眞一郎、根谷美智子、大塚明夫、田中正彦、浪川大輔

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

一期あたりを知らなかったので見ました

最近あったテレビシリーズの三期?のものを見たんですが、話がいまいちわからなかったので、アマプラでこの総集編劇場版があったので最初から見ることにしました。

学園ものですね。そこにミリタリースペシャリストの宗介がやってきて、かなめを敵から守るというストーリー。王道のボディガード・白馬の騎士ものですが、話があちらのミリタリー洋画調で、少女漫画的展開はあまりありません。かなめがはっきりと物を言うタイプの女の子なので、どちらかというと少年漫画のラブコメっぽいノリです。かなめのサービスシーンが随所に出て来て、視聴する男子は間違いなく幸せな気分になるのではないかと思います。シャワーシーン、パンチラっぽいカット、ふとももを強調したショットなどが多いです。その為お堅い女子特にBL好きな方にはおすすめできない内容となっています。まあ宗介と同僚の男のキャラとの間にBL関係を見出す人もいるかもしれませんが、全編そういった内容ですからね。しかし、ストーリー的には少しも破綻がなくて、SF設定もよく考えられたものになっていますし、ちゃんとした作品だと思います。戦闘場面やロボットで戦う場面もうまく作画されています。キャラの顔もよく統一されていて、美しいと思います。という事で、私個人的には好きな作品ですが、前述したとおりの要素がありますので、見る人は選ぶと思います。好きでないとつっぱねる人が出て来ても、仕方がないかなあというところです。

この映画は総集編ですので、作画技術的には少し前のものとなっています。つまり少し古いという事です。冒頭に追加シーンが付け加えられているようです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

ゼルミナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ディレクターズカット版三本総評

2020観了。元アニメ視聴済み。原作大ファン。
タイトル通り、総評とさせていただく。(残り二本にコメントは入れない)

原作『フルメタルパニック』が素晴らしいので物語、キャラクターに関しては文句なし。(掘り下げに納得いかない部分が散見されるのでマイナス。)
声優陣の演技も素晴らしい。
特筆したいのはゆきのさつき。千鳥かなめという「ツンデレ」という乱雑なくくりにしてほしくない個性的なヒロインを好演している。
もちろん、関智一、ゆかなも最高に良い。

アニメに関しては、テレビ放映版はラブコメに振り切った演出をしているような印象があったが、ディレクターズカット版はハード、アクション路線に回帰していて、そこは素直に好感が持てた。
…まぁ、物語の大筋を掴もうと思ったらこの選択しかないという気もするがな。

キャラクターの表情も豊かで、続編へと継承された部分も多く、全体的におおむね成功と言って良いのではないだろうか。
原作未読者の入り口としては良いかも。

とは言え、原作はジュブナイルの良い所を残したラノベの古典ともいえる傑作なので、アニメを見るくらいなら原作を読んで欲しいとは思うぞ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

相良宗助と千鳥かなめ

 WOWOWで放送された話を相良宗助と千鳥かなめの出会いの最初から、主要キャラの面々、ガウルンのハイジャック、宗助とアーバレストの出会い、かなめ救出などまでの重要な部分を描いた久しぶりすぎるフルメタル・パニック!だったです。

 本当に上手く話がまとめられた感じで、新作カットに気付けた部分は、一番最初と最後の宗介とかなめのやり取りだったです。あれを取りに行くだけなのに、あれする必要あったの?だったです。

 特殊な環境にいたせいで、世間知らずな宗介とツッコミ役の見た目は可憐な美少女でも、男勝りなかなめを久しぶりに見てみて、懐かしさがかなり感じられたです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

69.7 38 2017年度アニメランキング38位
劇場版総集編 オーバーロード 不死者の王(アニメ映画)

2017年2月25日
★★★★☆ 3.7 (78)
496人が棚に入れました
テレビシリーズの劇場版総集編として上映される。
前編後編の二部構成になっており、「不死者の王」は前編である。

声優・キャラクター
日野聡、原由実、上坂すみれ、加藤英美里、内山夕実、加藤将之、三宅健太、千葉繁、沼倉愛美、五十嵐裕美、白熊寛嗣、子安武人、M・A・O、渡辺明乃、村瀬歩、谷育子、ゆきのさつき、悠木碧、稲葉実、興津和幸、花江夏樹、田村睦心、竹内良太
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

お急ぎの方はこちらにどうぞ

オーバーロード1期13話の総集編です。
前編と後編に分かれているので、かなりのボリューム。
だから、総集編とはいえ、カット部分はあまりないんじゃないかな。
時間の無い方、せっかちな方、思い出に浸りたい方はこちらにおいで下さい。

もちのろん、主人公無双のお話です。
{netabare}といっても、ラストのシャルティア戦はちょっと危険だったかな。
以後2期3期と続いてるけど、主人公が直接手を下す激しい戦いは無し。
悠々自適な骸骨生活です。

シャルティア戦の前の墓地の戦闘は何だったんだろう。
今から思えば、悠木碧さんの狂気の演技が光ってました。
彼女の役作りの才能は天性ですね。
こういう人を天才って言うんだって改めて思いました。

ラスト、リザードマン登場。
そうか、シャルティア戦で危機感を持って、リザードマンの征服だったんだ。
2期でイキナリ、恐竜アニメになったのはそういう訳か。
勉強になります。{/netabare}

1期の謎解きが全然できてない本編。
4期以降は?
登場人物がこれ以上増えても難儀だし。
観るかどうかは考え物です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

まあ、総集編なんだけど、やっぱり面白いな♪

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
遅ればせながら、オバロ2期を観るため、復習と予習をかねて。

1期の記憶は大分薄れ、大まかなストーリーやキャラは頭に入っているものの、こまかいやり取りやカット割りなんかは忘れてるんで、普通に新鮮な気持ちで楽しめました。かなり長い劇場版だけに、ほとんど破綻なくストーリーが流れていました。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
シャルティアの精神支配から、ワールドアイテムのクダリだけ分かりにくかったけど、あとは、スムーズにストーリーが流れていた印象。

詳しくは、「オーバーロード」や「ネト充」のレビューに書いたけど、ギルドマスター=ギルド最強 とは限らないから、対シャルティア戦で男の矜持を感じて浮かれるアインズに、感情移入。

ここまで気持ちが良い主人公最強系は、なかなかない。多分、アインズが悲しみや寂しさを背負っているからかな。

さあ、2期、GW中に楽しもう♪
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

第2期が待ち遠しい!

原作未読。TVアニメ第1期は全話視聴済み。

劇場版第1弾の本作『不死者の王』は、TV版の総集編の前編。
{netabare}ハムスケを支配下に置いたモモンが、エ・ランテルに帰還するまでが描かれている。{/netabare}
TV版の総集編である以上、物語は少々割愛されている。
しかし、逆に不足部分を補完する追加シーンが加えられ、『これはこれで分かり易い」ストーリーになっている。

劇場版第2弾の『漆黒の英雄』は、TV版の総集編の後編。
 《こちらの作品は、作品の登録がまだみたいなので、こちらでレビューしますね》
{netabare}ナーベVSカジット、モモンVSクレマンティーヌ戦から、シャルティア戦までが描かれる。{/netabare}
前編同様、TV版より割愛&追加はあるが、これはこれで分かり易くまとめられている。

TV版では2話にまたがっていたシャルティア戦が、繋がっていて一気に見れたのは、とても良かった。

第2期が待ち遠しい!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

69.7 38 2017年度アニメランキング38位
KUBO/クボ 二本の弦の秘密(アニメ映画)

2017年11月18日
★★★★☆ 3.8 (25)
106人が棚に入れました
 三味線の音色で折り紙に命を与え、意のままに操るという不思議な力を持つ少年・クボ。幼い頃、闇の魔力を持つ祖父に狙われ、助けようとした父親は命を落とした。その時片目を奪われたクボは、最果ての地まで逃れ母と暮らしていたが、更なる闇の刺客によって母さえも失くしてしまう。 追手である闇の魔力から逃れながら、父母の仇を討つ準備を進めるクボは、道中出会った面倒見の良いサルと、ノリは軽いが弓の名手のクワガタという仲間を得る。やがて、自身が執拗に狙われる理由が、最愛の母がかつて犯した悲しい罪にあることを知る―。

声優・キャラクター
アート・パーキンソン、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、ルーニー・マーラ、レイフ・ファインズ

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

日本へのリスペクトは物凄く伝わる

この作品は、トラヴィス・ナイトが
初監督を務めたストップモーション・アニメ映画である。
封建時代の日本が舞台になっている。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
主人公のクボは、三味線で折り紙に命を宿し、思いのままに
扱うことが出来る特殊能力を持っていた。幼い頃、闇に
取りつかれた祖父に襲われたことがあり、父は彼を守るために
命を落としてしまう。その時に片目になったクボは、母と遠い
場所で暮らしていたのだが、祖父からの刺客に目を付けられ
母さえも亡くしてしまう。両親の仇を取るため、仲間になった
サルとクワガタと共に旅をするのだが…。

良いと思ったのは、ストップモーションアニメとCGによる映像美。
これは、ストップモーションなのかと一瞬疑ったほど。細部にまで
徹底した滑らかな動きに見とれてしまう人もかなり多かったのでは。

アクションシーンもかなり気合が入っており、緊張感を生み出す
ことに成功している。
個人的には、巨大な骸骨との戦闘がお気に入り。でも、
倒し方は結構呆気なかったような。
まあ、敵キャラの中では一番好きだったので、そこが
強く記憶に残っているだけなのだが。

だが、ストーリー構成は卓越したものではない。普通なのだ。
よく言えば王道だが、悪く言えば捻りがない。
後半に進むにつれて、尺が足りなくなってくる点は否めない。

特に終盤。主人公が黒幕と対峙するシーンは、かなり急展開だと感じた。
その際、主人公は「瞬きすら、してはならぬ」と言っていた
ような気がするが、あの結末では瞬きする人が出ても
不思議ではない。むしろ、瞬きしていない人を探す方が難しい気がする。
その上、全体的にテンポよく進まないので、退屈だと感じる可能性が高い。

劇中において、魅力的なキャラクターがいなかったのもきつい。
主人公は良くも悪くも普通な少年。要は、大衆にはない特殊能力を
持っているだけに過ぎない。
終盤においては、主人公の折り紙と三味線を組み合わせた
特殊能力が強すぎて、剣の存在が掠れてしまうほど。恐らく、
あの剣はサルとクワガタが、クボを守るための武器として配慮
されたのではないかと推察される。

サルとクワガタの正体も、勘がいい人ならすぐに気づきそうだ。
クワガタに関しては、一瞬「あれ?」と思ったがよくよく
考えれば拍子抜けするほどでもない。サルに至っては、丁寧
な前振りがついてくる有様。
気づていない人がいたら、それこそ瞬きしてしまいそうな
心境に陥るだろう。

黒幕の存在が、予想していたよりも薄っぺらいものに見えてしまった。
なぜ、悪の道に進んできたのかの説明が不十分なので、特に
記憶に残らないのだ。
異形の化け物に変身する場面が、一番の見所だという印象が強い。
道中で出てきた、巨大な骸骨や一つ目の化け物の方が感情が
見えない分、身震いしそうになる程怖い。彼らと比較しても
全てにおいて完璧に負けている。
彼に関してはもう少し描写すべきだった。本当に勿体ない。

映像に関しては、文句なしと言えるレベルで素晴らしかったのだが、
それにストーリーが追い付いていない作品だと感じた。
内容重視の方は、無視してみる必要はないだろう。
個人的には良作だと思う。

※2019年3月下旬に公開されたバンブルビーを
劇場で視聴したので、それに関する追記を。
トランスフォーマーシリーズの一つであり、ベイ・ハムでお馴染みの
マイケル・ベイが監督を務めたトランスフォーマーのスピンオフに
当たる。
バンブルビーを視聴済みの方なら、既にお気づきであろうが
バンブルビーの監督は、このアニメ「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」
と同じトラヴィス・ナイトなのだ。

意外とハートフルな作風になっており、伏線回収もされていた
良作であった。迫力溢れる爆発やカーチェイスの描写に定評がある
破壊大帝ベイトロンとは違い、トラヴィス・ナイトは
キャラクターの心情に焦点を当てていたように思う。
他のアニメ映画に例えるとアイアンジャイアントが一番近いと思われる。
アイアンジャイアントを視聴済みの方なら、ピンと来るかも?

ベイトロン版トランスフォーマーだと、終始、トランスフォーマー
が満員電車レベルの終結具合になり、ぐっちゃぐちゃな戦闘シーン
が多いのだが、トラヴィス版トランスフォーマーでは、中盤以降
無闇に主要ではないトランスフォーマーのキャラは出ておらず、
凄い見やすかった印象がある。

デザインがアニメに忠実だったのも大きなポイントだ。
物心ついた時に、80年代のトランスフォーマをよく見ていた方なら
直に引き込まれるであろう。私も見ていてオオッとなったのは事実だし。
只、ベイトロン版トランスフォーマーのデザインが嫌いという訳ではない。
かなり、ディティールに凝ったデザインではあるが、それはそれで
味があるという考えだ。

メガトロンや、ショックウェーブ、サウンドウェーブといった
ディセプティコンのデザインは今でもお気に入りだ。定期的に
見直したくなる程である。(但し、ベイトロン版の映画そのものを
支持しているという訳ではないので、そこは勘違いしないように)

雰囲気が80年代の映画に近いという意見を見て納得した。
実際、劇中でよく80年代の音楽流れるし。まあ、これに関しては、
自分が好む映画に80年代の作品が多いからというのも一つの理由だが。

少なくとも、今までのトランスフォーマー映画の中では一番出来のいい
良作であることに変わりない。

KUBO/クボ 二本の弦の秘密が好きな方は勿論の事
従来のトランスフォーマーファンなら見る価値はある。
機会があれば是非。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

世界最高峰のコマ撮りアニメスタジオが制作、日本を舞台にした長編アニメ映画

という触れ込みに興味が出たので、東京国際映画祭で一足先に観てきました。

制作会社はLAIKA
アメリカのコマ撮りアニメーションスタジオで、コープスブライドの制作にも関わったそうです。

観るにあたって、アメリカの会社が何故日本を舞台にしたのか、どのようなイメージ感を持たせているのか、アカデミー賞にノミネートされるに値する、魅力はどこか等、気になっていましたが、上映終了後のスタッフトークショーを含めておおむね納得できました。

注目点①
何故日本を舞台にしたのだろう。
スタッフのトークショーより、企画者の友人にクボという相性の日本人がいるそうです。直接の要因は語られていませんでしたが、そのご友人のおかげで親近感を抱いてくれたのだとしたら、嬉しいですね。
商業的には2014年のベイマックスのヒットも要因となっているのかも。
2015年に公開されたリトルプリンスでは、和紙を使ったコマ撮りアニメが話題になっていましたし、意外と人形劇と和モノって合うのかもしれませんね。

注目点②
日本に対してのイメージは如何様なものだろう。
例えばベイマックスは、架空の町のようで、端の方に日本らしさを感じる侘寂のような趣がありました。日本らしさを前面に出している訳ではないけれど、日本人スタッフ総動員で行うリサーチの徹底ぶりで流石ディズニー、コレジャナイ感を全く感じることはありませんでしたが、やはりアメリカ映画では、未だに?(其方の方が面白いから?)日本に対するプロトタイプな見方が主流ですよね。
別にそれが嫌という訳ではありません。制作体制に日本人がいなかったのかなとか、日本に対しどのようなイメージ感を持っているのか、いろいろ推測するのも楽しいです。
それでは、この作品は何方なのでしょうか。
小物系は日本っぽいのですが、建物の配置がどうもファンタジーっぽい感じがしました。
クボのおじいちゃんが豊臣秀吉風だったり、灯篭流しがあったり、かなりリサーチをしている雰囲気はありましたが、微妙にニュアンスが違うのが違和感であり、面白いなと思いました。

注目点③
アカデミー賞にノミネートされるほどの魅力はどこ?
けれはもう、映像の凄さでしょう。
このコマ撮りアニメ、バトルシーンが沢山あるんですよ。
アクションシーンは黒澤明監督作品を参考にしたという話が、トークショーの最中にありましたが、迫力ある映像でした。(恥ずかしながら黒澤明監督作品観たこと無いので比較しようがありませんが)これを一コマ一コマ撮っているのかと思うとこちらまで気が遠くなりそうです!


娯楽と言うより芸術作品なのかなと思います。
楽しいかどうかは、感性次第でしょう。話はシンプルで分かりやすいです。感動的なシーンもあります。しかし、私は泣いたり、笑ったりという気分にはなれませんでした。
ただ、上でも申した通り、コマ撮りの技術を観るという点において申し分ない完成度だと思いました。コマ撮りでここまでのアクションは観たこと無いので、良い物を観れたな、と視聴後の満足度は高いです。充分おススメ出来る作品だと思いました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人形、細工に魂を宿す

吹き替え版を配信レンタル視聴。

海外制作会社がストップモーションで構築した
封建時代の和風ファンタジー世界を舞台にした冒険活劇。


西洋人が好奇の目で日本を面白おかしく取り上げた
軽薄な諸作品とは一線を画した良品だと感心しました。

万物には魂が宿っている。意志を込めれば物に命を吹き込むこともできる。
日本という対象を咀嚼し、その精神性の深い所まで掘り下げて行く。
それらを、人形やセットを多角的に、丹念に一コマ一コマ撮影して映像化することで、
キャラクターや世界観を躍動させる撮影技術の根幹と共鳴させる。

こうして始まった折り紙に三味線の音色で紙細工としての命を与える少年の冒険譚。
結果、実現した映像美には目を見張る物がありました。
人形劇の弱点である表情描写も多彩なパーツで見事に表現されていて驚かされました。
あまりにも緻密で、時々、最近の海外CGアニメは綺麗だなぁ~といった感じで、
本作がストップモーション・アニメであることを忘れてしまう程ですw


永遠は完璧で不変だが冷淡。命は不完全で有限だけど温かい。
命は尽きても、他者の思い出となって継承されていく。
物語はいつか終る。けれどキチンと締めくくることで新たな物語が始まる。

物にも命を宿すことで、去りゆく存在の形見となり得る。
灯籠に願いを込めれば、刹那、死者との再開の夢も垣間見えるだろう。
ただ、それすらも永遠ではない。形ある物はいつかは壊れる。
だが、そこからまた新しい物が生まれ、魂が宿り、想いは連綿と続いていく。
かの地では魂を持った有限の万物が語り出すことで、物語が動き始めるのだ。

本作の撮影もまた、被写体となった多数の人形、道具が、
各々受け継いだ役割を完遂し、次にバトンタッチしていく
果てしない物語のリレーにより成立しています。
こうした部分でもストップモーションと日本が
共有する精神性が伝わり、感嘆の溜息が出ました。
特にEDアニメーションにて、一つの物が次々と変化し物語を紡いで行く演出に、
その真髄が表現されていたと思います。

決してネタに困窮して、奇をてらって日本に手を出したのではない。
ストップモーションの心技を極めた先に
万物に神が宿る日本の精神性と鉢合わせた。
日本である必然性を終始感じた有意義な鑑賞でした。


私も精神を疎外し、能率を優先する現代物質文明に毒され、
墓参りとかネット墓地でいいんじゃないか?
などと自堕落な戯言をのたまう今日この頃ですがw
本作を観ていると、やっぱり命ある物は大事にしないといけないな。
祖先には感謝しなければならないな。
と日本人として正気に戻った気分になります。

1週間の平均制作尺3.31秒。制作期間94週。途方もない時間を費やしたことで、
人形やセットに取り憑いた魂が、日本人の心の琴線にも触れる逸品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

69.6 40 2017年度アニメランキング40位
劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~(アニメ映画)

2017年11月11日
★★★★☆ 3.7 (76)
294人が棚に入れました
大和和紀「はいからさんが通る」の40周年を記念した作品。

大正時代の東京を舞台に、活発でおてんばな“はいからさん“ こと花村紅緒と、許嫁である陸軍少尉・伊集院忍との波乱万丈な恋模様を描く。

声優・キャラクター
早見沙織、宮野真守、櫻井孝宏、中井和哉、梶裕貴、瀬戸麻沙美
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

昭和の作品を平成の時代にリメイクした大正ロマンの名作ラブコメ

「はいからさんが通る」は再放送視聴になります。何せ、この裏で放送していたのが日本昔ばなしでした。テレビが一家に一台しかない時代、ゴールデンタイムに親子で見ることができた作品が優先されました。まぁ、小学校の中学年だったし、少女漫画原作作品なんて、恥ずかしくて見れないというのもありましたけどね…。

再放送で見たのは思春期に入る頃。その時に見た印象は「紅緒が可愛い…」。とにかくおてんばで、でも一途な紅緒に惚れてしまいました。それとストーリーとおちゃらけた場面の面白さがとにかく引き付けて、自分のラブコメ好きはこの作品が原点といっても過言ではありません。ただ、ワケわからないところで終わってしまい、心残りでした。このあと原作は読んだのですが、やっぱり動く紅緒が見たかった…。

あれからウン十年、まさかまさかのはいからさん。なんで今ごろ?という思いはありましたが、楽しみにしてました。が、キャラデザイン見たときに2017流行語大賞のノミネート言葉が真っ先に出てしまい…「ちーがうだ~ろ~‼」。正直、楽しみは不安に変わりました。そして、映画館へ。

不安と違和感は3分で消えてしまいました。そこに描き出されていたのはまさしく「はいからさんが通る」。制作会社が一緒だし、長い間喉に突き刺さったままだった中途半端な作品を仕上げようというスタッフの思いが伝わりました。そして何より中の人たちの演技力、特に紅緒のはやみんは特筆もの。あぁ、紅緒ってこういう子だったなという感じを思い起こしました。

物語は原作にしたがっています。ただ、前半とはいえ、結構なボリュームを90分にまとめてますので、どうしても無理が出ています。例えば{netabare}紅緒と忍がそれぞれ互いを好きになっていく過程や伊集院家での生活、紅緒と蘭丸と環の微妙な関係、忍の出征への過程、忍亡き後(死んではいないが)の伊集院家{/netabare}等々、上げたらきりがないかも…。それでも物語に破綻がないようにうまくまとめたと思いますし、原作も過去アニメも知らない人でも楽しめる内容にはなっていたと思います。また、ギャグになるシーンは懐かしいし、過去アニメ知っている人向けにはラスト付近で流れるインストバージョンのあの曲が涙ものです。

客層はけっこう広い印象でしたが、なかでもドストライク世代であったろう女性の姿が多かったのが他のアニメ映画では見られないなと思います。彼女たちがよみがえったはいからさんを見て、何を感じたのかな…。

大正ロマンを元にしたラブコメの名作。懐かしさも感じつつも、いつの時代にも通じるラブコメだと改めてストーリーの素晴らしさを実感しました。後半も見に行きたいと思いますし、ラブコメ好きな人にはぜひ見てもらいたい作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

浪漫の香りに満ちたこの東京 時代を超えて進んでいく勇気を私にください

2017年公開の劇場版アニメ 「はいからさんが通る」前編 97分

原作 大和和紀 監督脚本 古橋一浩 キャラデザ 西位輝美 音楽 大島ミチル
制作 日本アニメーション

主題歌「夢の果てまで」竹内まりや 唄 早見沙織

1975年から「週刊少女フレンド」に連載された少女コミックが原作。
当時のコミックは人気のあるなしにかかわらず、初期設定のストーリーで終了する場合が多く、
この作品もその代表格ともいえる文学的コミックだったと思う。

「世界名作劇場」「未来少年コナン」「釣りキチ三平」などを制作し、
20世紀五大制作会社の一つと言われた日本アニメーションによって、
1978年にテレビアニメ化。
4クールの予定であったが、42話で打ち切りで原作のラストは描かれなかった。
その後、三田寛子主演のテレビドラマ版など作られたが、
今回初めて原作のストーリーが最後まで映像化されることになりました。
それも、経営悪化から立ち直った日本アニメーション制作と言うことで感激もひとしおです。

舞台は大正時代、花の都東京の跡無女学館(モデルが跡見学園なので神田かな?現在は大塚)
徳川家旗本の没落した家の娘「花村紅緒」CV早見沙織と、
伯爵伊集院家(名前からして薩摩)の御曹司「伊集院忍」CV宮野真守の恋の物語。

4クールアニメだったものを100分程度の前後編では酷い詰め込みが予想されましたが杞憂でした。
原作に癖がありまして、当時のサブカルチャーをネタにしたギャグが全編を覆っていて、
本筋である日本版「ドクトルジバゴ」とも言うべきラブストーリーの部分は、
この劇場版前後編と言う長さが調度良いと感じました。

もちろん、監督でもある古橋一浩の脚本の出来が素晴らしいのも要因です。

昭和版「はいからさんが通る」は視聴済みのため物語は知っているのですが、
非常に良い出来で、ほろりとする部分もあり大満足の一作でした。
女房はギャグ部分が削られたことに怒っていました。
「牛五郎さんが~」とか訳の分からないことを口走っていましたが、
そんな寒いキャラはどうでもいいのです。

もともと原作や昭和アニメ版に不満があった私としてはこちらのほうがずっといいです。
泥沼の戦争へと向かう日本、ロシアの世界を震わせることになる革命。
大正ロマンに浮かれる日本から始まる美しいラブストーリーの前編は満足のいく作品になりました。
 
後編は2018年公開、初めて映像化されるラストシーンに期待は膨らみます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27

Fanatic さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ラブコメ感覚で楽しめる大正ロマン

原作は、はるか昔に既読。
結構楽しんで読んだ記憶はあるのですが、ストーリーは輪郭を覚えている程度。
1978年版のテレビシリーズは未視聴です。

監督&脚本は「ガンダムUC」や「るろ剣」の古橋一浩さん。
前編の範囲は、1978年版をカバーする感じでした。
テレビシリーズでの約40話ぶんを二時間弱に収めるわけですから、予想はしていましたが、展開はかなり駆け足です。

ただ、主人公・紅緒の、天真爛漫で心根の優しいところは、いくつかのエピソードと共によく表現されていて、感情移入もしやすかったです。
駆け足ながらも王道の基本は押さえて、見せるべきところは見せ、端折れる部分は端折る、そのサジ加減が秀逸でした。
ジーンとくるシーンも多く、思っていたよりも上手くまとめられていたな、という印象。
物語の輪郭は覚えていたので、それを補完する形で視聴できたおかげもあるかもしれません。

ストーリー自体は、ベタベタの王道少女漫画。
もっとも、原作が70年代ですから、本作もそれを楽しむための作品なのでそれはそれでよし。

コミカルな演出も随所にあって(多分、原作の描写をそのまま転用されているのだと思いますが)、昨今のラブコメを見慣れた視点でも結構笑わせてもらいました。
現代でも通用する大和和紀さんのセンスはすごいなと感心します。
(私の笑いのハードルが低いだけという話も……)

作画は、劇場版にしてはちょっと物足りないですが、普通のTVシリーズくらいには綺麗ですし、まずまずという評価でいいと思います。
西位輝実さん(「サーバントサービス」「君のいる町」など)によるキャラデザは、1978年版より洗練されているのはあたりまえですが、原作・大和和紀さんの絵よりも昨今風にアレンジされていて、好き嫌いはあるかもですが、アニメとしては観易かったと思います。

不満点は、1978年版の名曲を歌付きで聴けなかったことくらいかな?
(どこかで、早見沙織さんver.を挿入歌にでも使って欲しかった……)

そんなわけで、個人的には概ね満足の前編でした。
本作で初めてはいからさんに触れるという方にも、それなりに楽しめる内容だったんじゃないかなぁ、と思います。……前編はっ!

問題は、後編ですね(続く)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

69.6 40 2017年度アニメランキング40位
劇場版総集編 オーバーロード 漆黒の英雄(アニメ映画)

2017年3月11日
★★★★☆ 3.8 (26)
116人が棚に入れました
人気アニメ「オーバーロード」の劇場版2部作の後編。2015年7~9月に放送されたテレビシリーズ全13話の総集編で、現実では冴えない青年が仮想現実体感型オンラインゲームの世界で最強の魔法使いとして活躍する姿を描くダークファンタジー。オンラインゲーム「ユグドラシル」がサービス終了を迎えた瞬間、骸骨の姿のアバターのまま異世界へと転移してしまった主人公が、見知らぬ世界で奮闘する。原作は、WEB小説として発表されて人気を博し、大幅な改稿を加えてKADOKAWAから書籍化されたライトノベル。声の出演は日野聡、原由実、上坂すみれ。

声優・キャラクター
日野聡、原由実、上坂すみれ、加藤英美里、内山夕実、加藤将之、三宅健太、千葉繁、沼倉愛美、五十嵐裕美、白熊寛嗣、子安武人、M・A・O、渡辺明乃、村瀬歩、谷育子、ゆきのさつき、悠木碧、稲葉実、興津和幸、花江夏樹、田村睦心、竹内良太

ダビデ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

一期総集編後編

一期の後半の総集編です。
結局、観なおしました。
特に、後半を観たくなったので。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

69.3 42 2017年度アニメランキング42位
きみの声をとどけたい(アニメ映画)

2017年8月25日
★★★★☆ 3.6 (115)
517人が棚に入れました
湘南・鎌倉の海辺の町を舞台に繰り広げられる、少女の悩み、葛藤、夢、そして届けたい“声(想い)”の物語。
将来の夢が見つからず少し焦っている16才の少女・行合なぎさは、幼い頃に祖母からきいた「コトダマ」言葉には魂が宿るという話を、ある出来事により信じている。
ある日、なぎさは何年も使われていないミニFMステーションに迷い込み、軽い気持ちでDJの真似事をする。すると、放送されたコトバは 思いもかけない人に届いていて―。

声優・キャラクター
片平美那、田中有紀、岩淵桃音、飯野美紗子、神戸光歩、鈴木陽斗実、三森すずこ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ユニゾンする声

2017年8月25日公開の劇場アニメ。
海辺の街を舞台に女子高校生たちの青春を描くオリジナル作品です。

この映画は御覧になられた方が少ないと思いますので、
ネタバレにならない範囲でストーリーを紹介しておきます。

~あらすじ~
海辺の町、日ノ坂町に暮らすなぎさはごく普通の高校1年生。
主人公なぎさには3人の幼なじみがいる。3人は全員ラクロス部。
かえでは同級生でスポーツが得意。はっきりした性格で気が強い。
雫もなぎさの同級生でお菓子作りが得意。こちらはおっとりした性格。
夕は別の名門学校に通うラクロス部の時期キャプテン。部活では3人のライバル。
特にかえでは夕に対してライバル意識が強く、最近は関係がギスギスしてきている。
夕のことを悪く言うかえでに対して、なぎさは快く思っていない。
でもかえでもなぎさの大切な友達なのでその思いは口に出せず、それがストレスになっていた。
ある時、何年も使われていない喫茶店アクアマリンに迷い込み、
その一角にあるミニFMステーションの設備を見つけたなぎさは、
ちょっとしたいたずら心でDJの真似事をする。
その放送を偶然聞いた少女、紫音との出会いから始まる夏休みの物語。

本作は極めてオーソドックスな青春アニメです。
将来の夢が見つかならず悩んでいるごく普通の女の子が新しい物に触れ、新しい人と出会い、
時にぶつかりながらも仲間たちと共に成長し、今まで気づかなかった自分の強みを見つける。
…という王道そのものの少女マンガ系ストーリー。展開も本当にベタ。
「誰」の声を「誰」に「どうやって」届ける物語なのか、
あらすじをもう少し先まで書くと勘の良い方は最後の結末まで読めてしまうんじゃないだろうか。
ただベタなのは別に悪いことではないですね。奇を衒ったものが良いとは限らない。
(べ、別に打ち上げ花火の映画の話とは言ってないからね)
青春物のツボはきっちり押さえてあるので安心して見れると思います。
いやー映画館で思いましたもん。「こういうのでいいんだよ、こういうので」って。
ほんとバカみたいにまっすぐなお話です。
ちなみに恋愛要素はありません。
「百合は?」あるわけないだろそんなもの!

少し目新しいのは言霊(コトダマ)というテーマでしょうか。
なぎさは幼い頃に祖母から聞かされた言霊の話を今も信じています。
願い続ければきっと叶うし、悪いことばかり口にしているとそれが現実となって自分に返ってくる。
なぎさの目にはその言霊が実際に見えるといいます。
電波な少女…ではなく、彼女は少し夢見がちな女の子なのです。
言霊信仰はなぎさの人当りの良さに作用している反面、
言いたいことがあって言えないという彼女の悩みにもなっています。
「思春期における葛藤」という青春物の大事な要素につながっているわけです。
この言霊の映像表現が平凡で拍子抜けするかもしれません。正直シャボン玉にしか見えない。
おっと、悪く言うと自分に返ってくるんだった。

でも「きみ声」がビジュアル・バリユーに優れた作品とは言い難いのは確かです。
背景等十分きれいなレベルですが、深夜アニメの中でも本作を超えてくる作品は多々あるかと。
僕が良いと思ったのはキャラクターデザインですね。
今の萌えアニメの主流とは明らかに違う"かわいい"というよりは"かわいらしい"デザイン。
言霊という少しファンタジックな要素と相まって、なんだか懐かしい「青春のおとぎ話」
といった雰囲気を作り上げています。

音楽には非常に力が入っていて、どれも良い曲です。
音楽担当は「響けユーフォニアム」の楽曲等を制作された方だそうです。

でもまぁ、中盤まで見た僕の感想は「悪くない。全然悪くない。でもフツー。」という感じでした。
この映画、ベタな話だと書きましたがストーリー構成も超ベタ。教科書通りの三幕構成。
物語の終盤に楽しい日々が終わってしまうような出来事があり、そして映画のクライマックスでは…
お約束。お約束すぎる展開だ。でもなぜだろう?僕の目が涙で滲んでいるのは。WHY!?

これはもう、なぎさちゃんの言う通りかもしれないね。

*。*。 奇跡も、魔法も、コトダマもあるんだよ *。*。

「そんな台詞なかっただろ!!」と怒られそうですねスイマセン。
(実際のキャッチコピーは「コトダマってあるんだよ」)
このアニメは新世代の声優を発掘するオーディション「キミコエプロジェクト」で選ばれた6人を
デビューさせるという声優アイドル企画ものです。
「きみの声を届けたい」は新人声優(=きみ)の声を観客に届けるための物語でもあるわけです。
そう考えると青春物の面白さを表現しつつ、デビューしたての声優のフレッシュな魅力を最大限に活かした
非常によくできた脚本のように思えます。
言葉のチカラ、声のチカラ、音楽のチカラ。それは決して陳腐ではない。
彼女たちの歌声から、声優企画と青春ストーリーのシナジーを確かに感じられたのです。

夏から秋の始まりにかけての時期には爽やかな青春物が見たくなるもの。
そんな要望にきっちり応えてくれると思います。
この作品、欠点はいくつかあれどイヤなところは一つもないんですね。それが大きな長所です。
あまり宣伝されなかったためか認知度が低く、すでに公開を終了している所も多いようですが
青春アニメが好きな方にはお勧めできる内容です。
きっと見終えた後は気分良く映画館を出れるはず。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

言葉には、魂が宿っているんだよ。ちゃんと声に出せば、その願いは叶うの。

たまたま手に取った作品だったので
高い期待はしていなかったのですが、

見てみると、
個人的な好みにハマった作品♪

新人声優発掘育成企画
「キミコエプロジェクト」と連動していて、

本作のメインキャラ7人のうち6人が
プロジェクトのオーディションでの合格者で、
この作品がデビュー作です。

だけど、下手だとか素人っぽいとか、
そんなマイナスな印象はまったくありませんでした。

90分ほどの作品でした。


● ストーリー
高校2年生の行合なぎさ(ゆきあい なぎさ)は、
言葉には魂、“コトダマ”が宿っていると信じている。

たまたま雨宿りをした喫茶店。
閉店して誰もいない店内にあったのは、ラジオスタジオ。

ラジオDJの真似事をしたつもりが、本当に電波が飛んでいて、
ラジオ番組「アクアマリン」のDJの娘・矢沢紫音(やざわ しおん)と出会う。

「アクアマリン」の元DJであり、紫音の母である朱音(あかね)は、
12年前に事故に遭い、それ以来昏睡状態が続いていた。

ラジオを通して朱音さんに呼びかけることを提案したなぎさは、
仲間と共に「アクアマリン」を復活させる。


言葉には魂が宿っている。
“コトダマ”を信じ、言葉を大事にしている主人公・なぎさ。

なので、
自然と“言葉”がテーマとなっています。

どんな気持ちでも、
言葉にすると、それは力を持つものになる。

いい言葉も、よくない言葉も…。

友だちが友だちの悪口を言う、
そんな姿を見たくない。

どうせ口に出すなら、
叶えたい願い事を。

そんな前向きななぎさの言葉、
私にはたくさん響いたよ^^


≪ みんなでラジオ番組を作る! ≫

ラジオ番組でトークしたり、
オリジナル曲を流したり…。

そういうのが新鮮で、わくわくしました♪

女子高校生のひと夏の物語としては、
十分な展開と盛り上がりでした!


● キャラクター
キャラの作画は少しクセがあるかな?
あまりかわいいとも、きれいとも言えません。笑
(作画が悪いわけではないのだけど…。)

口がωとなっているのも、好き嫌いがあるかも。

なぎさのキャラには合っていたと、私は思いますが♪

メインキャラの声優さんはほとんど新人さんということでしたが、
皆さんお上手だったと思います^^

特に主人公のなぎさ役の片平美那さんの演技が自然体でよかった♪

なぎさの台詞には、
何度かうるっとさせられました(´;ω;`)


● 音楽
メインキャラによる挿入歌が
たくさん使用されていました。

どれもいい曲でした♪

特に山場の挿入歌がよくてですね…(´;ω;`)

音楽担当は松田彬人さん。
BGMは優しい曲が多く、印象に残ったものが多かったです♪

映画で聴いて惚れたので、
すぐにサントラ手に入れました(`・ω・´)


【 挿入歌「Wishes Come True」/ メインキャラ7人 】

山場で流れました。

曲もいいし、
曲に合わせて涙をこらえながら歌う紫音にこちらが涙(´;ω;`)

クライマックスの盛り上がりは、
間違いなくこの曲の力が大きいです!

音楽の強い力を感じました。


【 ED「キボウノカケラ」/ NOW ON AIR 】

メインキャラ7人のうち、
新人声優6人によるユニットです。

明るくて、この作品のEDにふさわしい曲だと思います♪

この曲好きだな~^^


● まとめ
90分という、やや短い時間だからか、
展開に無駄がなくて思い切りがあり、よかったです♪

まっすぐななぎさに引っ張られて、
重い話も重すぎず。

正直ストーリーはベタな流れで、
展開もありきたりではありますが、

挿入歌がとてもよかったのも手伝って、
私はこの作品の雰囲気好きでした♪

映画公開時にはそれほど話題にならなかったけれど、
知らない人が多いのはもったいない作品です!

言葉にできる強い想いは、きっと叶うはず。

言葉の力を信じて、
前に進む勇気をくれる作品でした^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

高2の夏休みの小さな出来事を描いた良作も、映画としては…

 なぜ、アニメの世界ってミドルティーンを中心に置くんでしょう?10代中盤と言う年齢からは「発展途上」「未成熟」「可能性」そういった言葉が思い浮かぶからでしょう。つまり「成長」を描くことができるからでしょう。
 その中でも高校2年生は、大学受験もない高校生活もおっかなびっくりじゃない。一番安定して何でもできる1度しかない「思春期」の真っただ中です。悩むこと、泣くこと、チャレンジ、好奇心、そして失敗が許される年齢というのが高校2年生なんじゃないでしょうか。

 この作品の主役が例えば18歳の大学生ならまだ通用したかもしれませんが、ここまで仲間に対していろんな葛藤があったでしょうか?地元という地域性に由来した人間関係でしょうか?大学生は少なくともある種の選別が終わって、多様性が無くなる時期です
 20歳ならどうでしょう?ちょっと幼い感じがしないでしょうか。20歳や社会人になるといった切れ目を超えると大人でならなければならない、完成系でなければならないという気がしてしまいます。

 だから本作は高校2年生でしか成立しないのでしょう。

 江ノ島はアニメのみならず文学でも舞台になる場所です。行ったことがある方はわかると思いますが、関東近郊であれほど「青春」という単語がぴったりくる場所はありません。長い海岸線とそれに沿って走る134号線。そして江ノ電、モノレールに鎌倉、水族館。低い山に張り付くように広がった街。何よりも江ノ島とその上の塔を見ると、唯一無二の場所感が、ものすごい詩情となります。

 ストーリーです。言霊と歌とFM…ついでにお寺の鐘の叫びですね。言葉に発する、それが気持ちになって人に伝わる。また、人に伝わると同時に自分にも帰ってくる。単なる情報ではなく、実体を持って伝わるのが言葉なんだよ、と。

 だからこそ、友人同士の諍いがあって、劣等感や優等生の胸の内があって…でもそれは伝えていないからで、言葉にすることによってどんどん収束してゆきました。
 言霊はオカルトではなくて、自分も含めて言葉を発することで、言葉は実体を持つ。だから、大切に扱わないといけないし、止めてもいけないということかもしれません。

 母親のところも昔きいた子守歌の記憶と、目を覚ましてほしいと歌う歌の対比が良かったですね。想いがFM放送を通じて時を超えて伝わっていました。
 
 作品全体は、100Mの範囲に届くFM局の話で小さな出来事ですが、シンプルながらいい話だと思います。言葉の持つ力を、いろんな考えや状況の人を配置することでうまく描き切っています。

 2度と戻らない高校2年生の夏休みのちょっとした成長が、その後の人生に多分影響したんだろうなあという余韻を残してくれました。
 アニメ的には、江ノ島の夏の雰囲気がしっかりと画面から伝わって来て、作画も美術もキャラデザも良かったと思います。

 感情に訴えかけるものがある良い映画でした。ただ、映画としては満足度は低いかもしれません。サブスクで見たから私は素直に良いと思えましたが、映画館まで行くかなあ。

 点数をつけるなら4.2点は盛ってないし、見て損はないと思いますけど、劇場映画かあ。短編小説を読んだような視聴後感なので、名作というよりも良作という感じでしょうね。


 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

69.2 43 2017年度アニメランキング43位
機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER(アニメ映画)

2017年11月18日
★★★★☆ 3.8 (35)
230人が棚に入れました
 イオとの死闘を制したダリルは、ジオン残党軍の一員として地球にいた。彼は奪われたサイコ・ザクの情報を得るための諜報任務に就いていたのだ。一方、新たな仲間と共に「サンダーボルト作戦」に参加したイオの前に、南洋同盟国境守備隊隊長を名乗るペール中佐が立ち塞がる。

http://www.gundam-tb.net/information/index.html

声優・キャラクター
中村悠一、木村良平、古川由利奈、逢坂良太、杉田智和、行成とあ、大原さやか

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ハードな前作に比較してかなりソフトな内容となっています

前作、"DECEMBER SKY"の続編。
一年戦争が集結した、その7ヶ月後が舞台です。

主人公も前作から続投で、連邦の「イオ・フレミング」と、ジオン残党として諜報活動を行っている「ダリル・ローレンツ」の二人です。
前作同様無意味なギャグや不自然なキャラクター付けは一切排除され、癖のあるキャラクターデザインと遠慮のない戦火の描写がリアルな、真摯なアニメ作品となっています。

連邦軍からの独立を目論むインド洋の「南洋同盟」が極秘裏にRPD(リユース・サイコ・デバイス)を開発。
これを奪還または破壊することを目的とした「サンダーボルト作戦」に参加するため地球に降下したイオ・フレミングと、ジオン再興のためRPDのデータ奪取を目論むジオン残党、そしてイオとダリルは再び、戦場で相まみえることになる。
文章にするとシンプルですが、本編視聴中には説明不足を感じました。
なぜ戦っているのか、何と戦っているのかの説明がほとんどなかったように思えます。
目的、状況が不鮮明で、見ていて内容が頭に入ってきませんでした。
原作を読んでおくか、あらすじの予習が必須だと思います。
まぁガンダムは断片的な説明がお家芸のようなものなので、ある意味ではガンダムらしい作品と言えなくもないですが、実のところストーリーは結構シンプルなので、事前知識を得た上で視聴し、ストーリーを追いかけるより作品の空気を楽しむ方をおすすめします。

前作では宇宙が舞台でしたが、本作でバトルフィールドとなるのは地球です。
オーストラリア周辺を舞台に連邦とジオン残党、そして南洋同盟が三つ巴の戦いを繰り広げる内容となっています。
南洋同盟は宗教じみた部隊で、禿頭の高僧のようなパイロットが洗脳でもされているかのように突貫する不気味な集団として描かれており、作中、印象深かったです。
前作で象徴的に鳴り響いていたジャズやポップスは本作でも流れます。
ただ、前作では音楽が引っ切り無しに響いていましたが、本作は控えめで、流れるは流れるのですが、前作ほどジャズが騒々しい感じではなかったように思えます。
ポップスも日本語ボーカルがメインで、前作よりも聴きやすい、一般受けしそうな作品になったと感じました。
また、前作では可愛い女の子の挟まる余地が無いくらいにずっと戦争の描写が続いていましたが、本作は前作より女の子率が高く、ハードな前作に比較してかなりソフトな内容となっています。
そして、本作は単独で完結しておらず、次回に続く終わり方になっています。
前作"DECEMBER SKY"がストーリーとしては単独で完結していたのに比較すると、本作はラストが、結構ブッツリ終わっていて驚きました。
途中までの作品ということを知らずに見たため、ラスト間近でどうまとめるのかハラハラして見ていたらオチも何もなくブッツリ終わってしまい、この終わり方はちょっと残念に感じました。
なお、原作漫画は連載中、本作に続く続編アニメも作るつもりではいるんでしょうけど、現時点で発表が無いので (無いよね?)、漫画未読組はせめて次回作の発表の後で視聴することをおすすめします。

前作が名作過ぎたという感じもしますが、本作は悪くはなかったのですがどうも粗が気になりました。
原作漫画に準拠しているそうなので、漫画を読んでいたならば盛り上がれたかと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

JAZZと戦争

前回のDECEMBER SKYでは、1年戦争の末期であったので奮い立つ若者たちの様子から真実を知って絶望する姿が描かれていた。
今作は1年戦争の7か月後を描いた作品なので、悲しみの感情が強く描かれていたと思う。
家族を失ったやり場のない怒りを敵勢にぶつける少佐がいたり、手足を失ったダリルの生身で走り回っていた時の記憶であったり。戦死した者たちを弔う描写がしっかりと描かれていたり。
ファンタジーなのになんてリアリティのある作品なのだろう。
カルト宗教の台頭という話の流れも、ごく自然かもしれない。
作品自体も前作より落ち着いていて、前作の感じで視聴したら若干物足りなくも思ったが、作品づくりの点においてものすごい拘りを感じる。

映像は相変わらずのクオリティでロボットは手書きなのかCGなのか分からないけれども、セル時代のアニメーションのような独特な色合いを感じた。

劇伴も相変わらずの豊富さでジャズを中心に、ポップス、民謡まで幅広いジャンルを展開して、劇画・セル画タッチの本編に負けず劣らずの存在感をもつ。
映像と音楽とがセッションしてるみたいで面白い。まさにJAZZという感じだ。

ガンダムはあまり詳しい訳ではないのだが、この作品は素直に面白く、凝っていると感じる。ガンダムを切り離しても多分面白い。ヴィンテージ・アンティークっぽい雰囲気なので、ハマる人も多いと思うのだが…OVA作品だけに知名度が低いのが残念。
もっと多くの人に観て欲しい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

水陸両用MS活躍活躍

 前回のガンダムサンダーボルトの続きの話で、舞台が地球になるお話です。

 フルアーマーガンダムとの死闘を制したサイコ・ザクが、南洋同盟というカルト教団に奪われていて、ダリル達ジオン残党軍、地球連邦軍の三つ巴展開なアニメだったです。

 アッガイ、ゴッグ、ズゴックの活躍が凄かったし、懐かしのモビルアーマー グラブロなんかも洗練され登場するです。

 捕らえられたイオも復帰し、アストラルガンダムという何か貧弱に見えるも新たな機体で、ジャズを聴きながら活躍するのです。水陸両用で結構強いです。今回のジャズは、思ったほど激しくない感じです。

 地球連邦軍とジオン残党軍の戦闘は、氷上や水中における戦闘で、ゴッグ、ズゴックに有利な環境で凄いと思ったです。イオも負けてなかったけど。

 一方でアッガイを操縦するダリル達。性能を最大限に引き出しているというのか?あの丸く短足な機体で初期のアッガイとは比べ物にならない、動作性能だったです。ダリル、サイコ・ザクでなくてもニュータイプな感じです。

 最後の方では、イオにとっての思わぬ再会や南洋同盟の秘密にも触れることとなり、思わぬ展開に発展するようだったです。{netabare}まだ次作いつになるのかあるらしいです。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

69.0 44 2017年度アニメランキング44位
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(アニメ映画)

2017年8月18日
★★★★☆ 3.3 (462)
1772人が棚に入れました
物語の舞台は、夏休みのある一日。花火大会をまえに「花火は横から見たら丸いのか?平たいのか?」の答えを求め、町の灯台から花火を見ようと計画する少年たち。一方、クラスのアイドル的存在・なずなに想い寄せる典道は、時間が巻き戻る不思議な体験のなかで、なずなから「かけおち」に誘われることに……。何度も繰り返す一日のなか、なずなと典道を待ち受ける運命は? そして、果たして花火は下から見ても、横から見ても丸いのか?

声優・キャラクター
広瀬すず、菅田将暉、宮野真守、松たか子、花澤香菜、浅沼晋太郎、豊永利行、梶裕貴
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

視聴者をタイムリープさせる映画

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
中学生の恋愛をテーマにしている。青春アニメって感じ。

原作は、1993年にフジテレビで放送されたドラマで、その後1995年に実写映画化。そして本作は、2017年にシャフトによってアニメ映画化。米津玄師さんの作った歌が、かなり耳に残ります。

シャフトらしさは残しながら、一般受けするように演出は控えめにしている印象。作画は流石の劇場版クオリティ。

私は本作の評価を☆3(普通)にしましたが、☆3の中でもやや低評価です。良さもある作品だと思うので、レビューでは、その両面に触れたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
つまり、「可能性はたくさんあり、自分の行動、言葉選び、そういう選択によって変化する可能性があるのが、未来」であることと、「それでもどうしようのないこと、変えられないことはあって、その現実の中でどんなかたちであって前に進んでいくこと」を表現したかったのだろう。

それは、相反することではあるけれど、人生というものは、そういう矛盾を孕んでいる。

それを、少年少女が実感し、体得するための装置が、あの丸い球。

人が、なぜこれほどまでに花火を愛するかというと、花火には華やかさと儚さがあるから。パッと咲いてサッと散る。その美しさが心の中に残るから、また観たい、また感じたいと思う。求める。

でもそれは、完全なかたちでは叶わない。

同じ様な花火はまた見られるけれど、全く同じ花火はもう二度と見られない。それは、青春時代(思春期)にも似ている。

美しくて、儚くて、もどかしい。「あの時ああしていれば、ああしなければ、今、どうなっていただろう」というある種の後悔はつきものである。丸い球が砕け散ったとき、様々な「あったかもしれない未来」を見ることで、ようやく一歩を踏み出した少年少女。ある者は長年伝えられなかった愛を叫び、ある者は海の中でキスをして別れを伝える。

アニメという美しい世界の中で、そんな眩しい青春時代を擬似的に追体験できるのは楽しい。

でも、どんなに美しい花火も、常夜灯のようにそのまま一年中夜空に開きっぱなしなら、逆にウザくなってくる。クソ、眩しいんだよ、と。だから多分、実際は思春期なんて、大人が回顧するほど美しいものではないのだろう。アニメで懐かしむくらいでちょうど良い。

「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」という印象的なタイトルは、「恋」の捉え方なのだろうか。

美しい「花火」=「恋愛」を、「下から見る(見上げる)」のは、「恋に恋する」状態を指す。ようは、1周目の状態。好きだけど、素直に言えない。好きだ好きだと言いながら、いざ実際に付き合うことになると、ビビって逃げてしまう。駆け落ちとか無謀なことを言う。「横から見る」は、恋を自分の現実として受け止めている状態。最後はみんなこの状態になった。うまくいかないことも含めて、相手との付き合い方を考えられる。

少年少女達は、下から見上げるだけではその正体を掴めなかった花火を、高い位置から見る(自分が成長する)ことで、その全貌を掴んだのだ。

シャフトの幻想的な演出、美しい映像、米津玄師の印象的な歌によって、こういう切なさを表現したかったのだろう。それは、ある程度は成功していて、挑戦的だ。

と、ここまであえて、詩的で難しい言葉を連発しながらも、あまり中身のない、「この作品のような」誉め言葉レビューを書いてみたが、要約すると、「綺麗だけどつまらない」(苦笑)

クオリティ的には悪くなかったが、作品全体を俯瞰すると、やはり失敗している部分が目立つ。

まず第一に、この物語には「ドラマ」がない。

シャフトの演出を抜き、タイムリープという装置を取っ払うと、ただ単に、「好きな人が転校しちゃう」というだけの話だ。中身が空っぽなのを、どれだけ華美に装おうと、かえって虚しく見えてしまうものだ。

中身、というのは例えば、二人がお互いを好きになる過程や理由だ。二人は小学生からの付き合いのようなので、まあ、きっとなんか色々あったのだろう。でも、映画の中だけで分かることは、典道はナズナの「顔」が好きだということくらい(まあ男子中学生なんてそんなものだが)。ナズナに関していえば、典道のどこをそんなに好きなのかが全く分からない。他の男友達に比べ、典道が何か特出しているわけでもないし。あれだと、「母親への反抗」の為に、「好きでもないのに好きになった」感じすらする。(実際は純愛なのだろうが)そう感じさせてしまうこと、視聴者が典道を好きになれないことが、この作品の「無理矢理盛り上げてます感」に繋がっているように感じる。

てか、両思いで、ただ転校するだけなら、LINEでもテレビ電話でも、毎日繋がれる。90年代の中学生なら、転校なんて「永久の別れ」に近いものを感じたかもしれないが、今時の学生なら、「そんなにおおごとか?」と思うのではないだろうか。

また、映画のターゲットが誰なのかも不明。

主役の2人に、旬の若手俳優を使う時点で、我々のようなアニメ好きに照準を合わしたわけではなく、一般受けを狙ったのだろうが、だとしたら世界観が複雑で、演出も(シャフトにしてはシンプルだとしてもまだ)クドすぎる。あれなら、小学生には理解できず、中高生なら中身の空っぽさに気付く。親子で見るにしては、ちょいエロもあって、気まずい。

ちなみに主役の2人は、俳優の中ではマシな方で、特に広瀬すずさんは頑張ってた(菅田将暉さんは微妙)と思うが、当然、プロの声優には及ばない。普通に、花澤香菜さんと宮野真守さん(か、梶 裕貴さん)がやってれば、これだけアニメ好きに叩かれはしなかっただろう。

あと、走って電車に追い付く中学生集団には噴飯し、ちょっと絡まれたくらいでよく知らない中学生に顔面パンチし放置して帰る、ナズナの義父と、それを咎めない母親にはドン引きした。あんなクソ親の下で過ごすなら、そりゃナズナも家出したくなるわな。むしろ、あのクズ義父と暮らすナズナの身を案じてしまう。

本作、私は正直、3回寝落ちして、その都度巻き戻した。もしこれが「視聴者をタイムリープさせる演出」だとしたら、脱帽する(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26
ネタバレ

YwJje43950 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

打ち上げ花火 ”もしも玉”

{netabare}”もしも玉”というものが時系列的に一番最初に確認されたのは、なずなの、死んだ父が海で手に持っていたところだったと思うんです。
取り敢えず1回観ただけなんだけど、この”もしも玉”とは何だったのか、というのが掴めない。メタファー的な意味でね。
それがあると、最後の方の、歪んだ、されど理想的なあの空間と、その崩壊・消失に意味を持たせられる気がするんだけれど。
頭良い人に何かしら、良い感じのをこじつけて貰いたいところだ。皮肉じゃないよ。
より良い解釈を示して欲しいという、頭の良い他人の頭で感動したいという、楽したいという気持ちです。いちから解釈するには、少々難解な部分の多い作品だからね。

岩井俊二が脚本の会議段階で提案した”もしも玉”というアイデアは、元々のオムニバステレビドラマにおいて前提とされた『If もしも』という、物語の基礎の説明という役割を担わせるという目的があったようだ。
パンフレット内の”もしも玉”に関しての言及といえば
『いろんな人たちの”もしも”っていう思いが凝縮された何かなんだろうっていうところに固まっていって、玉ということで花火と対極としてひとつのシンボルにもなる...』
というものと、他には劇中のあらゆるキーワードの紹介をしているページ。
私としては、最終的に2人が行き着いた閉鎖されている感のある例の歪んだ世界では、まるで”もしも玉”の中にいるかのようではなかったか?と思ってたんですけど、その【キーワード集】を読むと、制作側もやはり、なずなと典道の行き着いた歪んだ空間のデザインは、”もしも玉”の中に居るようなイメージでコンテを描いたとのことだ。
ただ、『(そうすると)きれいかなと思って、...』という、文脈なんですけど。
花火と対極的な玉の形をもって、”もしも”という思いが凝縮された、”もしも玉”。
なずなの父は、生前使っていたのかな。
それとも、父の思念的なものが生んだのかな。
劇中、これに関してヒントはあったのだろうか。
ここまで書いておいてなんだけど、1回観て分かるほど私は頭よくないよ?


ところで、あの歪んだ空間は、まるで”もしも玉”の中であるかのようだったけど、あの町を囲うドーム状の歪んだ壁は、典道の空想・妄想の限界なのではなかろうか。
言い換えれば、典道の”もしも”の限界だったのではなかろうか。
町の外の事を、子供の彼らはまだ何も知らないからね。
そういうふうに意味付けるとどうだろう。
出来事の順番を忘れたけど、どこかのタイミングでドーム状の歪んだ壁は消失した。
彼は、周りより一歩先に大人に近づいたという事かな?
だから最後のシーン、クラスに典道は居なかったのかもしれない。
追記:海中のシーンで、2人の顔が大人になってるというツイートを見まして、確かめたい気持ちが強まりますよ〜。
あと、コレうろ覚えだったもんで書かなかったんですけど、劇中、電車に乗って、海の上を走って、結果何処へ行きましたっけ?
何処にも行けずに戻ってきたと記憶しているのですけれども...。
これってやはり、上で書いた”もしも”の限界によるものではないかなと思うのです。
”もしも玉”が砕けて、彼らに降り注ぐのは外へ飛び出していった彼らの可能性。
やっぱりあの夜って、彼らが大人になる劇的な瞬間だったのでは?
あぁ、記憶力よ。もどかしい。
追記2:”打ち上げ花火”と同じくシャフトの作品である、”まどかマギカ”の、劇場版、”叛逆の物語”ってあるでしょう?
{netabare}劇中の、ほむらの生んだ魔女空間と、”もしも玉”の空間とは似てるっていうレビューを読んで、正直、あまりピンときてなかったんですけどね、コレの意味が遅ればせながらようやく分かりました。
そういえばアレも、バスに乗って街の外へ行こうと試みて、行けなかったんですよねぇ。
何故なら、ほむらはその行き先の街並みを知らないから、再現のしようもないという。
たしかに、”もしも玉”空間とそこは同じですよね。
{/netabare}

打ち上がった”もしも玉”が花火のように破裂して、その欠片に、選択によってはあり得た”もしも”の世界が映り込む。
その一欠片を手にした事で生じるのは何だったか。
海の中での一連の出来事の意味は?
今作品の最初のほうのシーンで、なずなが玉を拾ったのと、歪んだ空間内のラストとが同じ場所であることは何を意味するか。
あの脱ぎ捨てた服だって、思い返すと最初のほうに伏線があった気がするぞ?
いやぁ、うろ覚えだ!1回観て語れるようなものではないわ!

追記:あにこれのレビューを改めて読んでいたら、ストライクさんの、今作のラスト、典道がクラスに居ない事についての解釈、良いなぁなんて思いました。
”男の典道は、願望の世界に浸るロマンチストなのかもしれない。”
でも、それだとハッピーエンドでは無いよなぁ...
典道のほうはその夏の恋に囚われちゃうって事でしょう?
"秒速5cm"的な関係でしょう?言いたいこと分かります?
やはり私としては、”もしも玉”空間の壁が砕けて外の世界へ飛び出していった彼らの可能性が降り注ぐあの演出を思い出すと...
でもね、いずれにせよ私の中で正直、未だに完全に納得いく解釈は得られてないんですよね〜。
まぁ、このよく分からない感じも好きですけどね、夢見心地で。

グダグダと書きましたが、この作品について簡単な感想としては、
シャフトには向かない題材ではないか、という事。
これは正直観る前から思っていた。
だからある程度、滑る覚悟はしていたりもした。
実際、賞賛するようなものでは、たしかに無かったと思う。
話が難しい以前に、例えば不自然なCG。冒頭の自転車等の動きなんか気になってしまった。
元の作品の人気、アニメとしての粗もところどころ見えてたし、また、分かりやすい感動!の物語を求めていた、脳の動かない人の多さも、大衆に向けた広告があっては仕方なく。
批判の多さも妥当かと思う。
でもね、ネット上のこの作品に対する批判はどうも(この作品に限らないけど)誠実でないものが多い。
後半の展開が原作と違うという点がお気に召さず、ただ叩きたいだけの価値のない批判をしてるブログが、少なくとも今、私がこの文を書いている時は検索上位にあったりして、嘆かわしい限り。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

蠱惑の球面

元ネタである岩井俊二監督のスペシャルテレビドラマは視聴済み。

球とは実に不思議な形をしています。
どの角度から見ても見える形は同じですが、
見えてる面は視点によって全部違う。

その上、光の加減まで考慮すると球はさらに神秘的。
特に例えばガラス玉のような透過性の高い球体ともなれば、
光の屈折まで加味されて見る視点によって輝き方が目まぐるしく変わる……。
そして、その透き通った球体は、あらゆる光を集めると共に、
球の境界を隔てた人々の視線や思念、願望をも惹き付け誘惑するのだ……。


本作は原作にもあった花火の見え方のウンチクによる好奇心刺激に加え、
シャフト作画によって全編に散りばめられた円柱、球形への違和感、興味。
それらが心を浮つかせる夏の空気、ヒロイン少女の魅惑的な美しさ等により加速され、
常識や倫理の壁をも超越して行く、真夏の青春アニメ映画。

主人公少年らと共に気持ちよくジャンプするには、
映像全体が醸すムードに憑かれることが必須で、ハードルはやや高めですが、
私としては夏に劇場鑑賞チャレンジした甲斐があった作品でした。



本作は単純に興味を持って観る。のとは別に色々な動機での鑑賞があり得る作品ですが、
以下、それぞれの立場からの見え方を想定してみると……。


①岩井俊二監督作のリメイクを期待して本作を観る。

……これは正直かなり失敗するリスクが高いと思われます(苦笑)

{netabare}私が思うに原作ドラマは脚本、シナリオ等により賞賛されているだけでなく、
90年代当時の子供の世界。その再現性によるノスタルジーにより、
年々、思い出としても美化され続けている作品。

(例えば{netabare}本アニメ映画だと少年宅でプレイされるゲームは『キラキラスターナイトDX』という
2016年発売のファミコン用新作レトロゲームという恐ろしく懐古狙いなマニアックぶりですがw
原作ドラマではスーパーファミコンの『スーパーマリオワールド』という大衆向け定番作 {/netabare})

それら当時の流行も取り込みつつ、しょーもない冗談や下ネタを言い合うw
ガキの会話あるあるな掛け合いが醸す、子供の世界にリアリティや説得力があります。
こうした子供の世界に背伸びしてる感を纏わせつつ、
大人の都合と対峙させることにより、物語の推進力と共感度をアップ。
さらに当時15歳の美少女だったヒロイン役・奥菜恵さんを画面に閉じ込めた希少性と相まって、
今なおタイムカプセルのような輝きを放ち続けている原作ドラマだと思います。

対して本作は後世、思い出となり得るような同時代性の強調は控えめ。
(例えば{netabare} スマホが出て来ない時点でタイムカプセルにはなり辛いですし、
松田聖子さんだの観月ありささんだの叫んでいる時点で
原作の時代に対するオマージュの方が勝っています{/netabare})

むしろ本作は花火の見え方というSFファンタジー世界展開の着火点により注目し、
そこからオリジナル要素も広げていくシャフト作品。

加えて本作では何故か主人公少年らを原作ドラマの小6から中1に設定変更していますが、
原作の掛け合いの流れも引きずっているためでしょうか?
少年少女たちの言動が今風でない感じがするだけでなく、
微妙に小学校卒業してない感じが、
原作ドラマ視聴後だと目につきやすく、それらがストレス要素になりかねません。{/netabare}

いずれにせよ、リメイク期待組とのキャッチボールは波乱含みのようです。

もしも原作ドラマ未見で、ドラマ観てから本作観に行こうと検討されている方がおられたら、
私としては是非、そのまま、よそ見をせずに映画館に直行することをオススメします。


②『君の名は。』川村元気氏のプロデュース作として、前年の感動再現を期待して観る。

……これも大分、失敗するリスクが高いと思われます(苦笑)

{netabare}特に『君の名は。』を気軽なエンタメ作品として楽しんだ方は、
それを期待して本作を観ると事故る可能性がいっそう高まると思われます。

『君の名は。』は何となく観ていても状況は説明してくれるライトな作品でありつつも、
深読みしても得るものがあるコアな作品でもあった、
間口の広いヒット作だったと私は考えていますが、

本作の場合は作画や表情、ちょっとした台詞の違いなどを深読みしに行かないと、
状況すらも把握し難く、物語の迷宮入りと共に、失意の途中下車に追い込まれかねません。

逆に些細な違和感から考察を巡らすことができる方なら価値を見出せると思います。{/netabare}


③シャフト、新房昭之監督のファンとして本作を観る。

……これはまだ割と期待できそうです。

{netabare} そもそも背景絵等が醸すムードが作品を牽引する構造である以上、
まず本作でも相変わらず癖がある作画、構図等に興味を持って鑑賞し続けることが、
作品と折り合うための必須条件。

何じゃ!?このワケわからん絵は~~wとなるか、
あっこれやっぱりシャフトだ(笑)イヌカレーだ(笑)とニヤニヤできるかは、
本作でも満足度を左右する重要な分岐点になると思われます。

但し作画レベルは背景画等については良好ですが、
人物描写、特にキャラ造形の安定度等については標準レベルなので、
至高の劇場版作画を求める等の過度なハードル上げはオススメできないと思います。{/netabare}



以上、色んな角度から長々と書いてしまいましたがw

簡潔にまとめると本作は普段あまりアニメを観ない層にはあまりオススメできませんが、
コアなアニメファンや、あにこれユーザ等には、
合う合わない、好き嫌いも含めて、是非、感想、考察を聞いてみたい作品だと思います。

例えば核心部分について、私見を述べると……

{netabare}あの夏、最後、典道は平行世界に飛翔したまま戻って来なくなった。
なずなは元の世界に戻って転校し、典道を待ち続けている……。
というのが私の解釈と言うより願望?ですが、如何でしょうか?

典道も平行世界から一応、戻っては来たけど……という見解が多そうかつ、
妥当性も高そうなラストではあったのですが……。
「もしも玉」と平行世界の妖しさに取り憑かれた私としては、
あっさり元の世界に戻って来るのは何か勿体ない感じもするんですよね……。{/netabare}

みなさんの評価、感想……お待ちしております♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 41

68.7 45 2017年度アニメランキング45位
劇場版 トリニティセブン 悠久図書館と錬金術少女(アニメ映画)

2017年2月25日
★★★★☆ 3.6 (143)
892人が棚に入れました
ある日、“魔王因子"を持つ魔王候補・春日アラタが、トリニティセブンの一人・浅見リリスの魔道書『ヘルメス外典』に何の気なしに触れた瞬間、眩い光に包まれ、目の前には謎の少女が姿をあらわす。「リリム」と名付けられ、アラタとリリスを親と慕う少女。だが、少女の出現と同時に、世界に異変が―。目覚める禁忌の“悠久図書館"。そこには、錬金術の究極の産物―人の手によって造られし"白き魔王“が封じられていた。“白き魔王"は、真の魔王へ至るため、アラタとトリニティセブンたちの抹殺を企てる。かつてない強大な力を持つ"白き魔王“を前に、世界の崩壊と、絶体絶命の危機がアラタたちを襲う―。アラタとトリニティセブンたちは、この世界を守れるのか?彼らの最後の戦いが今、始まる―!

声優・キャラクター
松岡禎丞、原由実、内田彩、佐倉綾音、日笠陽子、柚木涼香、村川梨衣、東山奈央、洲崎綾、釘宮理恵、諏訪彩花、三木眞一郎、福原綾香、赤﨑千夏、日高里菜、島﨑信長、M・A・O、南條愛乃

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

それは、別れを告げる終末(さいご)の戦い

本作品は、2017年2月に上映された劇場版第1弾です。
今年3月から上映された「劇場版 トリニティセブン -天空図書館と真紅の魔王-」と合わせてAmazonプライムビデオで視聴できる作品となっています。

この系統の作品数は膨大なので、正直TVアニメ本編の記憶が曖昧でした。
主人公である春日 アラタがラッキースペベの達人であること…
従妹の春日 聖を救うために魔導士としての道を選択したこと…
春日 アラタは魔王候補としてとんでもない力を秘めていること…
曖昧とは言えこの程度は覚えていたのですが、劇場版の視聴に際して念のため再度アニメ本編を見返しました。

個人的には再視聴によってかなり記憶を補間することができたので良かったと思っています。
確かに、劇場版でもアニメ本編の振り返りはゼロではありません。
ですが、それはアニメ本編を視聴済の前提で、2014年に放送されてからの時間を埋めるためのものであり、アニメ本編未視聴の方や、内容を忘れている人は置いてけぼり前提の作品になっていたからです。
だから一見さんには厳しい作品ですが、内容を知っている人にとっては目一杯堪能できる構成だったのではないでしょうか。

物語は、魔王候補であるアラタが再びピンチに立ち向かう必要性が生じる展開なのですが、今回新たな新キャラが登場するんです。
それが、りなしー、こと日高さんが演じるリリムという女の子です。
どんなキャラなのかは物語を見てのお楽しみですが、日高さんにこの手のキャラを演じさせたら鉄板だよね…という感じで、キャラとりなしーの声質のマッチング度合いが半端ありませんでした。

トリニティセブンの皆さまの強さは相変わらず…
寧ろ、アラタに対する棘の様な感情は誰からも微塵も感じられなかった…というより、アラタのハーレムが徐々に出来上がりつつある…と言っても過言では無い様な…

ハーレムとか、ラッキースケベからはあまりにも縁遠い世界で生きてきた私にとってはアラタは羨ましい限りですけどね。
特にアラタが絶対絶命のピンチに陥った際のリリス先生の身を挺して庇う姿に、嫉妬心すら感じてしまいましたけれど…^^;

それもこれも、トリニティセブンの皆さまを始めとする声優陣が凄いからにほかなりません。
トリニティセブンの皆さま方は以下の7名です。
浅見 リリス(CV:原由実さん)
神無月 アリン(内田彩さん)
風間 レヴィ(あやねる)
山奈 ミラ(日笠陽子さん)
不動 アキオ(柚木涼香さん)
倉田 ユイ(りえしょん)
リーゼロッテ=シャルロック(奈央ぼう)

魔導書の面子も凄いんですよ^^
ソラ(くぎゅ)
イリア(赤﨑千夏さん)
リリム(りなしー)

この面々を見て視聴に気合いの入らない訳がありません。
アラタ…そしてトリニティセブンの皆さまはどんな活躍を見せてくれるのか、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

主題歌は、ZAQさんの「Last Proof」

上映時間約1時間を全速力で駆け抜ける作品でした。
時間は短いですが、しっかりと見せ場の用意された構成でしっかり堪能させて貰いました。
引き続き、劇場第2弾を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ファン「なら」必見?

[文量→中盛り 内容→感想系]

本編のアニメは視聴済み。ただ、大分前に見たんで内容はうろ覚え。そんな視聴者のために、冒頭で本編のおさらいをサラッとやってくれるので、ありがたかったです。

【総括】
エロい要素は健在で、ハーレム中二バトルのど真ん中って感じでした。劇場版らしく、作画は良いです。これは続編もある、のかな?

【視聴終了】
{netabare}
相変わらずの、不必要なエロ展開。まあでもそれがこの作品の個性なんで、必要な展開と言えます(ただ私は、この作品を映画館で見る勇気はありませんw)。

かなりバトルシーンが多くて、勢いで一気に押しきった1時間って感じ。

リリムの消滅というのが感動させどころであったのでしょうが、正直、ポッと出たキャラにそこまでの感情移入は……。まあ、劇場版らしいけど。

アラタの新たな力、パラディンフォームのデザインは、格好良い……のか(汗)? 最初、「鬼の手」かと思った(笑)

個人的にはこの作品で好きだったのは、「風間レヴィ」のキャラと、「不動アキラ」の戦闘スタイルだったのだけど、そこが薄味で残念。

あと、これは間が開いているから仕方がないのだけど、専門(作中)用語の連続で、頭に???が浮かびまくっていました。

と、別に酷評しているわけではなく、そもそもテレビシリーズでそこまでハマっていない人間が、劇場版にとやかく言ってもしょうがないんですよね。元から、「ファンが観る」前提で作られているわけですから。

そう意味では、劇場版らしく派手でポイントを押さえていて、ちゃっかりストーリーも進めていて、まずまずの出来だったとは思います。

ただ、個人個人の呪文詠唱が長すぎて、かなりダラケました。やはり、複数ヒロインの劇場版は難しいですね。どのヒロインにも見せ場作らなければいけないし。正直、あの連続呪文詠唱させるくらいだったら、序盤でリリムとアラタの交流に尺を使えぃと思うのは、多分みんなそうでしょうね。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「深夜アニメの劇場版」らしい作品です。

『トリニティセブン』のTVシリーズが終わってから3年くらいだったか(良く覚えていない)で劇場公開された作品です。

私は映画館ではなく、「あにてれ」(テレビ東京が運営するアニメ系動画配信サイト)で会員向けに無料公開されていた奴をPCでネット視聴しました。初見は数か月前ですが、レビューを書く前に再視聴しましたよ。

ちなみに「あにてれ」ですが、テレビ東京系列で放送中のアニメの見逃し配信のほか、有料会員だと『ロストユニバース』とか『スレイヤーズ』とかの意外と懐かしい人には懐かしいかもしれない作品が観られたりします。

で、本作ですが冒頭5分弱はTVシリーズのダイジェスト兼キャラクター紹介に充てられています。残りの45分くらいが本編、そしてEDクレジットが5分くらいでその後に1分くらい次章プロローグ的な映像があります。

TVシリーズ以上にナチュラルにメインキャラクター全員で男女混浴とか、本作品の特長を前面に押し出した作りになっています。そして普段はアラタと一緒に学園にはいないキャラクターたちとの一時的な共闘とかは劇場版らしいと思います。その他お約束の合体技とか、実にお祭りっぽい楽しい作品ですよ。

まあ、でも劇場に観に行ったりはしなかったわけですけどね。TVシリーズ本編が好きなら、ぜひどうぞ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21

68.7 45 2017年度アニメランキング45位
夜明け告げるルーのうた(アニメ映画)

2017年5月19日
★★★★☆ 3.7 (119)
448人が棚に入れました
寂れた漁港の町・日無町(ひなしちょう)に住む中学生の少年・カイは、父親と日傘職人の祖父との3人で暮らしている。もともとは東京に住んでいたが、両親の離婚によって父と母の故郷である日無町に居を移したのだ。父や母に対する複雑な想いを口にできず、鬱屈した気持ちを抱えたまま学校生活にも後ろ向きのカイ。唯一の心の拠り所は、自ら作曲した音楽をネットにアップすることだった。

ある日、クラスメイトの国男と遊歩に、彼らが組んでいるバンド「セイレーン」に入らないかと誘われる。しぶしぶ練習場所である人魚島に行くと、人魚の少女・ルーが3人の前に現れた。楽しそうに歌い、無邪気に踊るルー。カイは、そんなルーと日々行動を共にすることで、少しずつ自分の気持ちを口に出せるようになっていく。

しかし、古来より日無町では、人魚は災いをもたらす存在。ふとしたことから、ルーと町の住人たちとの間に大きな溝が生まれてしまう。そして訪れる町の危機。カイは心からの叫びで町を救うことができるのだろうか?

声優・キャラクター
谷花音、下田翔大、篠原信一、柄本明、斉藤壮馬、寿美菜子、大悟、ノブ

因果 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ほとばしる感性

2017年制作のアニメの中では暫定トップ。普段は一度見た作品は基本見返さないタイプの私だが、今回ばかりは何度も劇場に足を運んでしまった。

話の展開自体はいたって単純。進学を控え、思春期特有の悩みを抱えた主人公「カイ」が、人魚の女の子「ルー」と出会い、様々な出来事に触れていくことで次第に葛藤を乗り越えていくというもの。もはや青春モノと経由されうる作品の大抵がこのプロットを踏まえていると言っても過言ではないだろう。

しかしこれだけで終わらないのが湯浅政明という男である。

彼は言うなれば感性主義的なクリエイターで、「動きの総体としての"作画"」を誰よりも理解している。それが一番顕著に表れているのが2004年制作の彼の劇場初監督作品である『マインドゲーム』だ。この作品ほど言語による評価に困る作品はそうそうない。無理やり説明するなら、湯浅の頭の中に広大無辺に広がるイマジネーションの結晶を、「セリフ」や「物理法則に則った作画ルール」といったフィルターを通すことなくそのまま映像にしたようなドラッグムービー、といったところだろうか。

彼ほどに「感性」を「感性」のまま表現できるクリエイターを私は知らない。その精神性は『ルー』の中でも褪せることなく光り輝いている。

基本的にアニメという媒体は「感情の機微の表現」という点において大きくディスアドバンテージを抱えている。漫画ならば、コマとコマの間に我々の想像力が介入することによって、映画ならば演者の演技力によって、これは解決されうるのだが、アニメではそうはいかない。

アニメでは、漫画のコマ割りのように話をぶつ切りすることはできないし、映画に出てくる本物の人間の演者の演技ほど細やかな動きは表現できないのだ。(作画に割くリソースを最大化し、実写と見紛うほど精緻な映像を作ることができる可能性がある以上、「表現できない」と言い切ることには若干の抵抗があるが、もっとも、そうして極限までリアリズムを追求した作品が果たして「アニメ」と呼べるのかという話だが。)

SNSなどでウンザリするほど目にする「原作は面白いのにアニメはつまらなかった」という感想も、きっとこの点に関しての不満の表出なんだろう。

この致命的なディスアドバンテージも、湯浅(と愉快なアニメーターたち)の手にかかればなんということはない。彼は、「アニメは映画に及ばない」というパラダイムを脱却するため、「映画に近づく」のではなく、なんと「映画から離れる」ことを選択し、これを乗り越えた。

「映画に近づく」というのはつまり、実写映画の持ちうる特性をアニメ内にできる限り反映させることで、最近のアニメ映画では『君の名は。』がその代表格として挙げられるだろう。ここまでアニメアニメしていないアニメ作品というのも珍しい。背景美術の荘厳さは言わずもがな、あまつさえ「ジュブナイル×SF」というややアナクロなジャンルを現代風に再構築し、誰もが楽しめる一大エンターテイメント作品に仕上げた新海誠の手腕にはこれからも大きな期待がかかるだろう。

だがしかし、これは本当に「アニメ」と呼べるのだろうか?「作画」という手段を用いただけの単なる「邦画」の一作品に過ぎないのではないか?「アニメでしかできないこと」というものが欠落してはいないか?

これに対し、「映画から離れる」というのは、上述したように、「アニメでしかできないこと」をやることである。

ここで活きるのが湯浅の感性主義だ。頭の中に立ち現れる生きたままの感性を、現実性というフィルターを介さずそのまま絵にする。迸る感性の潮流を、少したりとも堰き止めることなく、そのまま溢れ出させる。これによって彼は、映画内の登場人物の感情を、ハッキリと、言ってしまえば実写映画以上に表現することを可能にせしめた。殊更、『ルー』は10代の若者の感情変化を綴ったセンシティブな作品であるがゆえに、彼のこの制作スタンスがピッタリ合致した。「カイ」たちのビビットな感情が、銀幕の中でキラキラと輝いているのが見えた。

感性の直接表現って例えば何だよと思う方もいらっしゃるだろうので、ここでは彼お得意の「パース崩し」を紹介しておこう。これは読んで字の如く、わざとパースを崩すことによって、普通の作画以上にダイナミズムに溢れた動きを表現する技法である。『劇場版クレヨンしんちゃん(初期)』や『風人物語』あたりを想像してもらえば分かりやすいだろう。

こういったわざと現実の物理法則を無視した動きを取り入れることでかえって登場人物の心情がありありと伝わる。そういえば初期ディズニー映画やポパイやトムとジェリーあたりなんかもこの手法をよく使っていた。

『ルー』の中では、慰霊祭でのダンスシーンやルーのパパが街を爆走するシーンなどがとりわけ印象的だった。まさに「生きた作画」だな、と改めてそう思った。作画班見たら案の定伊東伸高、うつのみや理、末吉裕一郎あたりのドラッグ作画得意マンばっかでビビった。美味しすぎる。

ほとんど作画の話になってしまったが、作品のテーマにもしっかり着目してほしい。

本音と建前、地方志向と都会志向、動と静、現在、と過去といった様々な二項対立が、それぞれどう絡み合い、どんなカタルシスを生み出してくれるのか、そんなことを考えながら見てみると面白いかもしれない。

この映画のテーマソングである『歌うたいのバラッド』も作品内で本当にいい味を出しているのでよーく聴くべし。特に終盤でこれのイントロが流れ始めたらすぐさまハンカチの用意が必須である。

"嗚呼、唄うことは、難しいことじゃない”

現在私はこの映画のBlu-rayを買おうか真剣に悩んでいる。金欠大学生をここまで悩ませるほどの超傑作なのだ。ぜひ見て欲しい。

ぜひ見て、泣いて、映画が終わったら、朝焼けに向かって『歌うたいのバラッド』を口ずさんで欲しい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「崖の上のゴニョゴニョ」風味(笑) ~才能と才能のぶつかり合いに、是非を問う~

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
アニメ映画。テーマは、「友情」「自立」。

内容、世界観ともに、まるでジブリのようなアニメです。でも、監督の部分でジブリとの違いは出ていたと思います。

監督の「湯浅政明」さんは、「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」など、独特の映像表現で知られ、受賞歴多数のアニメ界の巨匠。先日放送した「映像研には手を出すな!」で興味を持った人も多いと思いますので、そういう人は視聴してみても良いのではないでしょうか?


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、映像が素晴らしい。エンターテイメントとして上質です。

音楽も美しい。劇伴も良かったし、「歌うたいのバラッド」の持つ力も感じました。流石、名曲。

そして、脚本も素晴らしい。大まかなストーリーという意味合いではなく、しっかりと絞った言葉選びが効果的でした。

と絶賛しながらも☆は3で、しかも要素を3つに分けたのは、「映像」と「音楽」と「脚本」が、それぞれに自己主張をし、独立して動いていた印象を受けたからです。

監督は「湯浅政明」さん。「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」など、独特の映像表現で知られ、受賞歴多数のアニメ界の巨匠。先日放送したの「映像研には手を出すな!」で興味を持った人も多いと思います(私もその一人)。

音楽を担当したのは、ドラマや実写映画だけでなく、アニメでは、「思い出のマーニー」「メアリと魔女の花」など、大作を手掛けている、こちらも一流の方。

脚本は、「吉田玲子」さん。私たちにとっては、「けいおん!」や「たまこまーけっと」、「聲の形」など、京アニ作品での印象が強いけど、脚本を手掛けた作品としては、「猫の恩返し」。シリーズ構成としては、「のんのんびより」など、優しい作品を得意にしている印象です。

この3つの要素のうち、映像と音楽はまずまず噛み合っていたものの、脚本と映像はミスマッチでした。

大まかなストーリーとしては、非常に王道で、異種族の温かな交流と、少年の成長を描いたものです。

とにかくアクの強い湯浅さんの作品のアクを、吉田さんの脚本が上手く中和して、1つの物語としての体裁を保っていたと思います。

この辺、原作組の私でも振り落とされそうになった、「夜は短し歩けよ乙女」に比べれば、ぐっと観やすくなっています。メインターゲットであるだろう子供でも、ちゃんとストーリーを理解できます。

一方で、その「分かりやすさ」が、湯浅さんにとっては、ちょっと窮屈で、個性が爆発しきれていないようにも感じました。この辺をどっちで捉えるかが、評価の分かれ目でしょうか。

私は、「高評価して」「いました」。

映画序盤の静かな展開、それこそ、初めてルーとセイレーンのセッションをしたあたりまでは、☆4の評価にしようかと思っていました。

閉ざされた田舎の、鬱々した感じや、若者の不満みたいなものを、台詞によって説明するのではなく、「言葉」と「映像」と「音」で、感じさせる手腕には脱帽しました。地味ながらも、名作の気配を感じてはいました。

が、海辺でのファーストライブあたりから、徐々に「湯浅さんらしさ」が溢れだしてきて、最後には、アニメの内容同様に、決壊(笑) もう、脚本もクソも関係なく、大暴れしてましたね(笑)

怒濤の映像表現に圧倒される一方、何よりストーリーを重視する私にとっては退屈さを感じ、少し、寝落ちしてしまいました。

本作のラストシーンは、また穏やかな海に戻ってきたよう。映画冒頭と同じ風景を、同じような構図で描きながらも、光が差し込んだことにより、明るい街に変わっていた。全てに無気力で、この田舎街をバカにしていたカイの成長も見られた。

このような明るさは、「お陰岩」が崩れたことによります。しかし、「お陰岩」がなくなり、これまで実は人間を守ってきた人魚達がいなくなってしまいました。では、「お陰岩」は、日無町にとって必要だったのか、不要だったのか。

おそらく、これまで日無町は、「お陰岩」や人魚達に「知らぬ間に」守られていて、それは「親の愛情」に似ている。故郷ってのも、そんなもんでしょう。しかし、いつかは一人立ちしなければならない。

「カイ」は最後、ずっと無視し続けてきた父親に、感謝の言葉を述べました。そして、未来に向かって歩き始めた。そういう比喩としては、よく出来ていたと思います。

ちょっと引っ掛かった点としては、ルーが幼女の設定で、本当に良かったのかな? というところ。内容的には、カイと同じ高校生くらいでもいけるし、崖の上のゴニョゴニョのパクりって言われなくて済んだかもしれないしさ(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やっぱポニョじゃねえかw

【あらすじ】
「お陰岩」によって日の光を遮られる町、日無町。日の光を怖がる人魚の伝説があるその町で人々は暮らしている。これからも、この先も。

【成分表】
笑い★☆☆☆☆ ゆる★★★★☆
恋愛★★☆☆☆ 感動★★★★☆
頭脳★☆☆☆☆ 深い★★☆☆☆

【ジャンル】
感動系、中学生、進路、ポニョ、君の名、震災

【こういう人におすすめ】
私。

【あにこれ評価(おおよそ)】
65.0点。ポニョかポニョじゃないかという議論。注目度は非常に低い。

【個人的評価】
ポニョだけじゃなくいろいろな「素材」を感じる作品だが、重要なのは私が、「元の素材」より「このアニメのほうが好き」だということ。
『自分のお気に入り』

【他なんか書きたかったこと】
{netabare}
 「やっぱポニョじゃねえかw」と何回か画面に向かってツッコみましたが、「じゃあ駄作か」と言われると全然そんなことはなく最後まで楽しくみれました。……てかごめん好きだわ。お気に入りだわ。
 これが噂のタイトル詐欺ってやつです!すんません!

 ポニョだけじゃなくて、君の名とか震災とか、『元ネタ』と呼べるものを挙げるときりがないくらい様々な要素にインスパイアされています。しかしあれかね。新海さんの「星を追う子ども」といい、これといい、新進気鋭のアニメ監督は一回ジブリに喧嘩売っとくルールでもあるのかね。

 でもごめん。ポニョより君の名より好きだった。

 ストーリー展開も好きな感じで、見てて飽きなかったし、むしろ最初は「微妙かなあ」と思いながら見てたのにどんどん引き込まれて行って、終盤には「うおおおお」ってなりました。
 序盤に猛威を振るっていた「バンド」っていう要素を惜しげもなく使い捨てる感じや、メインメンバーの男女比、主人公がヒロイン以外になびかない感じ、あそこで猫じゃなくて犬を出してくるセンス(私は猫派ですが、最近各メディアの猫推しがウザい)、そしてストーリーとともに心に募ったモヤモヤがストーリーとともに温かいものを残して消えていく感じ。
 全部私の好みドストライクでした。

 今までは湯浅監督の良さは「原作選び」と「原作への理解の深さ」だと思ってたんですが、ちょっと違ったようです。湯浅監督は「素材を一度かみ砕いて、より"私"が好きな形にしてアウトプットする」人のようです。便利です。
 まあ逆に言えばやっぱ「素材」は感じちゃいましたね。次は本当に湯浅監督の中だけで育ったものをみてみたいなあ。誰も見たことがないようなものが潜んでる気がするんだけどなあ。


・作画と音楽について雑感
{netabare}  作画は最高ですね。キャラとか表情とかも好き。まあ、ヒロインはポニョでしたが。
 絵だけで泣ける新海監督、心が躍りだす石田監督、変化球の湯浅監督。作画に関して、アニメ映画の監督がイイ感じのバランスになってきましたね。細田監督は絵は普通だけど、今挙げた人たちと比べるとストーリーのオリジナル性は一歩抜きん出てるかな。頑張れスタジオ六花。
 いやあ、アニメ映画のカンブリア爆発を感じますねえ。

 音楽について。「デビルマン」と「夜は短し」でもちょっと思ったけど、湯浅監督って結構"音楽"好きなんですかね。「好き」っていうよりは、「音楽のチカラを信じてる」って感じかなあ。
 そういえば四畳半のOPとEDはアジカンとやくしまるえつこだし、ピンポンもOPとED良かったなあ。そしてこの映画のテーマ曲である「歌うたいのバラッド/斉藤和義」も良かった。1997年の曲なのか。かっこいいし全然古い感じしないですねー。これは一回斎藤さん全部聴いとかんとあかんなあ。 {/netabare}


 このままだと次の湯浅監督の作品もべた褒めしちゃいそうなので、一応言っときますけど、より厳しい目でみていきますよ私は!
 私が贔屓するのは世の中で人気ないものであって(それもあかんわ)、湯浅監督なんて今までもこれからも評価されまくるんだから私が贔屓する必要などないのです(笑)
 あ、そういえば「ケモノヅメ」は結構前に見てみたけど意味わかんなくて2話くらいで中断しましたわ!そういえばあれは湯浅監督がストーリー作ってるわ!やっぱやっぱ湯浅監督「素材」ないとダメじゃん!
 ……「ケモノヅメ」気になってきた……。もう一回ちゃんと見てみようかな……。 {/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30

68.3 47 2017年度アニメランキング47位
魔法使いの嫁 星待つひと 中篇(アニメ映画)

2017年2月4日
★★★★☆ 3.5 (110)
537人が棚に入れました
倫敦(ロンドン)から届いた思わぬ贈り物によって、チセは奥底に沈めた記憶を思い出す――。幼き頃、ひとに見えざるものとひとの無理解に怯えた日々を。それらから逃げた先に存在していた不思議な図書館と、管理者たる森の魔法使いを。『君が気にいる本が、何かあればいいんだけど』何も訊かず、そう言って優しく受け容れてくれた彼や書物との交わりの中、チセはある時、カウンターに於かれた1冊の本に目を留める。それは、森の魔法使いにとって特別なものであり、そしてチセにとっても 特別なものとなる本であった……。

声優・キャラクター
種﨑敦美、竹内良太、内山昂輝、櫻井孝宏
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

これ見たら後編も見ずにいられないなぁ

 初日早朝一番上映で、見てきたです。約半年後の上映だけれど、一年も待ったような感じがした中編上映、楽しみだったです。前回のような後半に製作者、声優さん登場の特番みたいな上映が無かったです。本編は上映の後半30くらいだったけど丸ごとアニメ上映だったので、良かったです。

 初めは{netabare}「まほうつかいのよめ」というチセ、特にルツが、主役みたいな2頭身キャラショートアニメがあって、楽しかったです。いじられるルツ、高級はちみつだったかに酔ったチセが可愛かったです。

 で、本編上映かなぁと思ったです。明からさまに前編の最初そのものだったので、間違えているのかと思ったけど簡単なダイジェストだったので、ホッとしたです。

 前回登場、森の図書館の森の魔法使いは、三浦理一というお兄さん。誠実で優しい感じのする青年だったです。この出会いが、チセにこの頃の居場所を作ったです。
 それでもチセが、この頃の家族と分かり合えない状況は、やるせないものがあったです。表面的なチセしか見なく理解できいでいた養父母が、分れてしまうことがチセのせいにされるのだから・・・・です。他の人には見えない物を見えてしまい脅えるチセをわかったくれたのは、三浦さんだけだったし・・・。

 森の図書館に通ううち、前編から登場している本に出合うことになるです。三浦さんも自分のことにどこか苦しんでいるみたいだったです。三浦さん、秘密を持っているみたいです。
 知られたくないようなことに触れられたのか?なぜか三浦さんは、チセを図書館に入れない細工を施すけど、その次の日、チセは裏口?から入れたです。でも、戸をあけっぱなしにしたことでとんでもないことに・・・・・!。

 前編最後にも登場したネズミの合体したバケモノ、丈太郎だったら「オラオラ」で一瞬で倒せたのになぁです。
 チセを庇った三浦さんどうなちったのかなぁ?とあることを託して、息絶えたの???です。{/netabare}

 話として全体が見えた事は、前編から登場している本にまつわるチセの過去のお話のようだったです。森の図書館や、公園、団地といった背景、前編に引き続き、キャラデザなど洗練されてて非常に良かったです。また、短いながらも後編も見なくてはと思うような、目の離せない展開と終わり方と謎めいた次回予告だったです。{netabare}8月19日公開予定の{/netabare}後編も絶対見るぞ!です。 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ようこそ羽鳥さん、森の図書館へ…

居場所を失ったチセが逃げ込んだのは、森にある不思議な図書館。
管理人の青年・三浦と交流を深める中、チセはカウンターに置かれた本に
目を留める。

NETFLIXのエピソードを引用させて頂きました。
人ならざるモノに追いかけられたチセが辿り着いたのは森の中にある図書館でした。

図書館はチセに出来た唯一の居場所と言っても過言ではありません。
親戚中をたらい回しにされる度、居場所を失ってきたチセ…
このチセの境遇を見ていると、夏目友人帳の夏目貴志のことが頭をよぎります。

幼いころの夏目も散々でしたが、藤原さんとの暮らしが彼の居場所であると共に、救いにもなりました。
ですが、チセにはそんな居場所なんて一つも無いんです。

2つの約束事を守れば何度でも好きな時に訪れて良い居心地の良い場所…
自分を罵倒する声が無く、心が落ち着ける場所…
たったそれだけでもチセにとってはこの上ないプレゼントだったに違いありません。

森の中にある図書館…
これだけなら不思議は無いんですが、気になるシーンがちょいちょい入ってくるのは少し気になりました。
三浦さんの言動も時折不可思議でしたし…

でも、物語の終盤…
2つの約束事のうち、少なくても1つの理由が明らかになります。
ほんの一瞬の出来事でした…
あまりにも衝撃的な出来事にビックリすることしかできませんでした。

でも誰も責めることはできないと思います。
直接的にはチセの行動がきっかけになったかもしれませんが、もしチセにちゃんと理由を話しておけば…それより正面の扉が閉ざされていなかったら、これまでの何ら変わらない時間が過ごせたのではないでしょうか。

森の図書館…物語が進むについて、解明されるどころか謎が深まるばかりです。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

OVAの主題歌は、Julia Shortreedさんの「CLOCKWORK QUICK AND LIGHTNING SLOW」

1話24分の物語でした。
謎は深まりましたが、次の後篇で綺麗に物語が纏まるのを期待しています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

魔法使いの嫁の過去話2

原作未読 30分

「魔法使いの嫁」のOVAです。AT-Xで放送していたので観てみました。

主人公チセの過去のお話ですが、今のチセに繋がるお話なのでこの作品が好きな方は見てもいいかもしれません。
{netabare}
森の中にある古びた図書館、そこでこの図書館を管理している三浦という人に出会いました。

日常は相変らず酷いですが、図書館にいるときだけチセは心安らいだのでしょうか。

そして何度か通っているうちに、色々な本がある中、チセの目に止まった一冊の本がありました。

この一冊の本に三浦は動揺しチセを図書館から追い出します。

でもどうしても図書館が気になってまた森へ行くのですが、人ならざるものたちが図書館に入り込み三浦は倒されてしまいます。

図書館は崩壊し、半身となった三浦がチセに語りかけます。
{/netabare}
後篇へ続く‥‥‥

OPはJulia Shortreedさん、EDはinocenciaさんが歌っています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

68.3 47 2017年度アニメランキング47位
魔法使いの嫁 星待つひと 後篇 (アニメ映画)

2017年8月19日
★★★★☆ 3.6 (97)
499人が棚に入れました
詳細不明

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そして物語は、始まる。

三浦から受け取った一冊の本。
それは彼に遺された悔恨の記憶であり、寄す処でもあった。 本を託されたチセは三浦の想いを伝えるために奔走する。

『その夜僕には、果たさなければならない約束があった』

彼が果たせなかった約束、森の図書室の秘密が今明かされる……。

たとえ雲厚く見えずとも。
星はいつか、待ち侘びるひとの元へ。

語られなかった前日譚、三部作がここに完結——。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して振り返って思うこと…
なんて濃厚な24分だったんだろう、これに尽きます。

物語は綺麗に纏まっていました。
この物語に必要なエキスも全て注入されていたと思います。

何故、森の奥に図書館ができたのか…
そしてその図書館の正体は一体何だったのか…
そして二つの約束の真実とは…
三浦さんから手渡された本が一体何だったのか…

これらの謎が一気に明るみに出るのですから濃厚感が半端無いのは想像するに易しいと思います。

でもそれだけじゃありませんでした。
人ならざるモノが見えるチセだからこそ辿り着いた場所であり、チセが図書館を使用するのは運命だったんだと思います。

実際にチセが借りたのは本でした。
しかも1さつずつ…
でも言い伝えでは別なモノにも置き換えることができるとエリアスが言っていました。
その別なモノというのが心底あったかいんです。
この作品ならではの優しさなのだと思います。

3部作を完走して思うこと…
元々はコミック同梱作品ですが、期間限定で劇場公開もされたんだそうです。
愛おしくて切ない珠玉の物語…
何故この作品に触れられる機会を狭めるんだろう…と率直な疑問を感じます。
確かにプレミア感は出るのかもしれません。
ですが、もっと沢山の人が視聴して、共感できる作品だと思いますのに…
そういう意味では勿体ないと思いますし、NETFLIXで視聴できたのは素直に嬉しいと思います。

コロナウイルスの影響でNETFLIXの加入数が伸びていると聞いています。
この作品に触れる人が増えてくれるのを期待しています。
私はしっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

TVアニメ期待大な気がするです。

 約半年、待ちに待った「まほ嫁 星待つ後篇」初日早朝、見てきたです。

 自分としては、中編からどうなるのかなぁ?と後編を見てみたですが、三浦さんの願いなどが、あっさり叶ったように見えてしまい、あっけない気がしたです。

 この後編では、三浦さんと森の図書館は何なのか?、叶えられなかった三浦さんの願いの内容、託した後の三浦さんの運命、時を越えて叶えられた三浦さんの願い、託された願いを達成したときのチセの心境とその後、三浦さんから貰った「ひとりぼっちのほしのこ」は、あの時どうなったか?を描いていたです。で、前編からのエリアスの部屋に戻るってとこだったです。

 あっさりとという場面は、三浦さんの願いの目的地が、森の図書館の近くにあったにせよ、三浦の記憶を見ただけで場所をチセが正確に特定できた点が、こんなに早くという感じがしたです。場所を教えられたわけでもなく、手がかりは三浦さんの記憶だけで、すぐにという感じで森の図書館から行けたところは、何でかなぁ?と思ったです。

 短いながらも、作画など良いところもあったアニメで、星空に囲まれた部屋で、三浦さんの「ひとりぼっちのほしのこ」をチセに読む場面が、印象に残ったです。

 場面は最初に戻りエリアスから、三浦さんと森の図書館の正体、森の図書館から持ち帰ったものにもたらされる希望を聞いたときのチセの笑みも良かったです。どこか悲しいような辛いような思い出だったかもしれないけど、この今のチセは、幸せなんだなぁです。


 このレビュから一か月半後、放送予定の第一話も先行上映され、チセがなぜエリアスの所に住んでいるのか?なぜ、このタイトルなのか?もわかる内容だったです。
{netabare} エリアスに会う前のチセは、ワンピースに例えるとシャボンディ諸島で、奴隷オークションのエイミィやレイリィを思い起こしたけど、相手が天竜人でなく{/netabare}エリアスで、チセにとっては良かったなぁです。 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

魔法使いの嫁の過去話3

原作未読 30分

「魔法使いの嫁」のOVAです。AT-Xで放送していたので観てみました。

主人公チセの過去のお話ですが、今のチセに繋がるお話なのでこの作品が好きな方は見てもいいかもしれません。
{netabare}
三浦には好きな人がいました。一緒になれなかった人でした。

そして三浦の思い人、歳をとり孫もいる中、病院でチセは三浦に託された本を渡そうします。

とても暖かな方でしたね。

この一件で、チセの境遇が変わったわけでもないのですが、図書館で本を読んでいるチセは幸せそうでした。

そして長閑ないつものエリアス家に戻ります。話すのに夢中でお茶の用意をしていて忘れられていたシルキーの「ジー」のセリフの後の主張が可愛かったですw

とても綺麗な星の子たちでした。
{/netabare}
OPはJulia Shortreedさん、EDはinocenciaさんが歌っています。

最後に、この作品を観て心に残る本が自分自身にあったのかと問いかけるいい機会になりました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

68.3 47 2017年度アニメランキング47位
劇場版ポケットモンスター キミにきめた!(アニメ映画)

2017年7月15日
★★★★☆ 3.7 (60)
321人が棚に入れました
詳細不明

声優・キャラクター
松本梨香、大谷育江
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

キミにきめた

ここ近年のポケモン映画の中で、最も胸の熱くなるポケモン映画でした。

『あなたは知っていますか?ふたりの出会いを――』
10代後半から30くらいの世代なら、記憶にある人も多いかも
小さなお子さんや、ポケモンGOから始められた中高年では知らない人も多いかもしれません。

これから見られる方が何方であるにせよ一つ言えるのは「この映画は面白い」です。


私は、結構なポケモンファンなので、
例えばサトシのデザインが現代風になっていたり、ピカチュウを引く手にゴム手袋が嵌められていなかった事、タケシとカスミが登場しなかった事など
いくつかばかりか残念に思ったり、仕方がないなと思う部分も多くありましたが、それを差し引いても魅力に溢れる映画だったなと感じています。

例えば、タケシ・カスミが登場しなかった理由については、大人に向けてタケシもカスミも仕事があって、気ままに旅が出来るものではないのだ。これが大人になるということなんだ。というメッセージに捉えられましたし、

マコトやソウジを許してしまったのも
新世代への思いやりを感じ取った為であります。
二人の様子が丁寧に描かれていてた事も好印象の一要因ですね。
(でもまさか、マコトのママがあの凄腕トレーナーだったとは。)

それでも許せないこともありました。
OPの「めざせポケモンマスター-20th Anniversary-」です。
耳になじんだ合いの手を消されることへの違和感たるや。
盛り上がりにも欠けますし、リズム感も悪くなっている気がしてなりません。

EDは、オラシオンのうた。ポケモン映画史上に残る傑作「ディアルガVSパルキアVSダークライ」の鍵となる美しいメロディに由来しています。
歌詞はこの劇場版に合わせてつけられ、主題歌としてオラシオンのうたが使われるというだけでファンとしてはおおっ!と歓声のあがるレベルなのですが、歌を歌うのがなんと、「七夜の願い星ジラーチ」の主題歌「小さきもの」でおなじみ林明日香さん!!!!
ファンサービスを欠かさないポケモン流石です。


この映画の構成について

{netabare}・1話「ポケモン!きみにきめた!」リメイク
・ソウジ・マコトとの出会い
・11話「はぐれポケモン・ヒトカゲ」リメイク
 ※ヒトカゲのトレーナーがダイスケ→クロスへ変更になった
・キャタピーがトランセルに進化
 ※無印では3話にて進化。状況は異なるが、敵がカイロスだったのは4話のバタフリー進化時の敵に由来しているのかもしれない
・ヒトカゲがリザードに進化
 ※無印では43話にて進化した
・クロスとの再戦
・サトシ闇落ち、現代に落ちる
・21話「バイバイバタフリー」リメイク
・クロスとの再戦2
 ※リザードがリザードンに進化する無印では46話にて進化した
・マーシャドーとの決戦
・ホウオウとの対決{/netabare}

特記したいのは、サトシの闇落ちシーンとマーシャドーとの対決シーンです

まず、マーシャドーの立ち位置についてはホウオウが象徴する“光”に付随するもの、つまり“影”という認識です。
ホウオウって昔は太陽を、対となっているルギアは海、もしくは月を象徴するイメージだったのですが、サン・ムーンにて太陽と月の象徴が新たに創造されたため、定義を多少変えたのかもしれません。
太陽から、育みの光、のように。
そしてここで重要なのは、影は光の対極にあるものではない。ということでしょう。色を反射する物質が無ければ、影は生まれることは無い。ホウオウがサトシという少年を照らすことで、ようやく影は生まれる。
影は自分から何かを自発的に動かすことは出来ない。付随するだけの存在。
だから、ホウオウの光がサトシを照らす限り健やかであり、何もせずに見守っていた。
しかし、ホウオウの光が失われてしまっては、自分の存在が脅かされる。だから敵味方なく攻撃して身を守ろうとした。
私はこのように解釈しています。

このことから、サトシが闇落ちしたのは、マーシャドーがついていた影響はあるにせよ、最も大きな原因はサトシの精神的な落ち込みであり、マーシャドーによる直接的な介入は無かったのではないかと推測しています。

で、何故落ちた場所が現代だったのか、最初の構想にあった没最終回ネタにヒントがありそうな気がしました。

ポケモンの脚本家、首藤剛志さんのコラムには以下のような最終回の構想が語られています。

{netabare}“年月がたち、老人になったサトシは、ふと、昔を思い出す。
 それは美化された少年時代の思い出。空想……、想像の生き物ポケモンたちとの冒険。友情。共存。
 それは、現実の人間の世界で、サトシが出会えなかったものだっかもしれない。しかし、少年時代のどこかに、確かにピカチュウやポケモンがいて、ムサシがいてコジロウがいてミュウツーがいて……それだけではない、サトシの少年時代の冒険で出会ったすべてが、老人になったサトシの目には見える。
 サトシの耳にサトシの母親の声が聞こえる。
 「さあ、早く寝なさい。あしたは旅立ちの日でしょう」
 翌朝、母親に叩き起こされたサトシの姿は少年に戻っていて、元気に家を飛び出していく。
 それは「ポケモン、ゲットの旅ではなく、ポケモンマスターになる旅でもなく、自分とは何かを」探し、他者との共存を目指す旅だ。”{/netabare}
(http://www.style.fm/as/05_column/shudo184.shtml)

他者との共存。もしかしたら、サトシが映画で毎回身を挺して争いをとめようとするのは、ここに由来しているのかもしれません。

「キミにきめた!」では、ポケモンマスターについてサトシが言及していました。
『ポケモントレーナーのもっと上だよ』
私たちはポケモントレーナーという職業に対して、ポケモンに命令をし戦わせる存在と誤解していたのかもしれません。
本来のトレーナーの意味は付き添って、相手を理解しお互いの力を高めていくという意味なのかも。だとしたらアニポケで厳選トレーナーが悪として語られるのもわかるし、トレーナーを突き詰めてポケモンマスターになるという考え方も理解出来ます。

コラムを読んでいると、これほど強いメッセージが込められている作品だからこんなにも引き付けられるのだろうかと深く考えてしまいます。


ピカチュウがしゃべっているのに関しても、最初の構想にあったという話です。絆を深めたポケモンは徐々に人間と言葉を交わすようになる。ニャースの存在はその前途なのだとか。
実際には、ピ・カ・チ・ュ・ウという限られた文字だけで声優が気持ちを表現できてしまった為に没になったという話ですが、今回のはピカチュウの心の内が素直に伝わってきて、言葉にならない感動が押し寄せてくるようでした。


シンオウ地方のポケモンポッチャマとルカリオがピックアップされていたのは…やっぱり去年ポケットモンスターダイヤモンド&パールが放送を開始、あるいはゲームの発売から10年の節目に経ったにも関わらず、何のイベントも起きてなかったからですよね?
監督はインタビューで「出したかったから」としか答えてなかったみたいですが(https://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_E1499090513224/)EDがオラシオンのうただったこともきっとそれに由来しているのではないかと思っています。
テレビシリーズも8タイトル目になりますし、ポケモンの数も700越えしてさらに増え続けていくと、過去のタイトルにどのように焦点を当てるか、難しい問題となってきますよね。プリキュアもアンパンマンもわけわかんないことになってきてますし…どのようにその点を解決していくかは今後の課題になりそうですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

前原由羽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

原点回帰!!

サトシがホウオウと出会った際に、もしホウオウが虹色の羽を落としていたら...というパラレルワールド(IFワールド)を描いた作品です。監督曰く、ホウオウが羽を落とした時点でパラワルワールドに突入したのことだったけど、私だったらサトシがモンスターボールから出て来ずにピカチュウと対面した時点で既に(ry
なので、その後のストーリーなのに、カスミやタケシが出てこないこと、151匹の時代にルカリオやポッチャマを持つトレーナーが出てくることに違和感を持ったら、そこで終了です(^^)/

さて、本作はテーマは {netabare}人間とポケモンがどうあるべきか{/netabare}ということで、すごくはっきりとしていました。おまけに、そのテーマの答えはホウオウの虹色の羽の色のおかげで明確に出ていました。そのテーマの答えは言うまでもないでしょうね(笑)

サブテーマとして、{netabare}原点回帰のサトシを通して、20年前の、あの頃の夢を思い出して、その夢を追いかけてほしい{/netabare}というようなことが考えられたかな。作中にも、{netabare}ボンジイが「若者よ、夢は無限大だ」的なこと{/netabare}を言ってたし、監督が{netabare}しょこたんがポケモンを通して成長した20周年の象徴{/netabare}と言っていたから、分かりやすいね☆

ただ、このストーリーは、感動エピソードに持っていくには期間の設定が短すぎたような気がするな...{netabare}サトシとの絆を深めていたのは分かったんだけど、ピカチュウがモンスターボールの中に入ったり、日本語を喋ったりするほどの友情というのが、バッジ3個+αの期間だからね(笑){/netabare}あと、マーシャドーの立ち位置がよく分かんなかった。{netabare}一応、虹色の羽を持つ勇者を正しい方向に導くっていうポケモンなのに、サトシをパラレルワールドに連れて行ったり、汚れた羽によってむしろ本来のテーマに反逆する黒幕になったりといまいちはっきりしない。この経験を通してサトシとピカチュウの中が深まるのを陰から支えていたから目立たなかったとか、影ポケモンだけに(笑)。だけど、後者はストーリーからすると、単に暴走してただけとしか私には解釈できないんだけど...{/netabare}

場面場面はすごく凝ってたなって感じた☆原点回帰ということで、BGMは聞き慣れたものをふんだんに、ジョーイさんは昔のまま、{netabare}ばいばいバタフリーのオマージュ{/netabare}はもちろんのこと、ファンサービスということで、 {netabare}マコトの水着姿、マコトの母親の邪推(サトアスみたいに話題性を狙った?)、ソウジのレントラーとの別れ(ムーランドのイメージ?)、エンディングのこれまでのパートナーの一枚絵(うち、何故かセレナだけスマイル♪){/netabare}とかが印象的!!ただ、場面とストーリーが繋がらないのがほとんどで、{netabare}マコトが何ではるばるカントーにやってきたのか、レントラーと別れた後、ソウジとルカリオの出会いからポケモン博士を目指すきっかけになったのかが全く語られず{/netabare}、一発ネタだと思われたあたり、サブキャラについてはあまりストーリーが詰めれてないな...それとも、映画の続編や、アニポケでのカメオ出演とかで出るのかな☆

という感じで、本作は明確なテーマ性をもつストーリーのもと、なつかしさを感じながら、少々目立つ穴に気付いて楽しむものかなと感じました。どうしても100分程度の時間ではサトシとピカチュウの絆は語り切れないなってところをひしひしと感じました(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

マサラタウンのサトシは虹色の勇者である

 ポケモンは、学校に行っていた頃、何んとなく見たり見なかったりだった飛び飛びの記憶があるけど、第一話やタケシ、カスミ、ヒトカゲ、ゼニガメ、ラプラスやムサシ、コジロー、ニャースを見ていたのは、覚えているです。何といってもOP「めざせポケモンマスター」は、忘れられない歌だったです。

 懐かしさがあり、今までポケモン映画は、全く見てないけど、今回は劇場CNを見てみて、また始まりを描いた感じということもあって、見に行ったです。
 満席で、小さな子供が多いと思いきや、子供は数えるほどで30代40代の客が見に行った劇場に目立ったです。まぁ20年もたっているのだから、考えてみれば不思議な事ではないと思ったです。

 内容としては、TV放送の第一話をほんの最初だけみたいな感じで、劇場用に作画は、全てオリジナルになっていて全く新しいサトシとピカチュウの旅の始まりからだったです。ピカチュウ、やっぱり可愛らしかったです。タケシ、カスミは登場せず、マコト、ソウジというのが出てくるです。ロケット団は、登場するけどサトシ達との直接関わりが、ないまま過ぎてしまったです。

 このポケモンのポイントは、最初のほうでピカチュウと打ち解けたサトシが見たホウオウと、落としていった「虹色の羽」が全体的な鍵を握っていたです。
{netabare} 先に進んで、サトシ同様、エンテイをゲットしようと現れた、マコトとソウジと出会い、その後ヒトカゲとも出会うです。マコトなんか棒読みみたいな感じの声だったです。ソウジからホウオウの伝説を聞きテンセイ山に行き{/netabare}ホウオウとバトルすることが、サトシの目的になるです。
{netabare} にしても、あまり覚えてないけど、明らかにヒトカゲとの出会いあまり覚えてないけど、TV放送と違うなぁと感じたです。
 先に進んで、とあるバトルに負けて挫けそうになった時、ポケモンのいない世界で、普通に学校生活をするサトシ達がでて来て変な感じだったです。ピカチュウを受け止めるサトシがいて、サトシ目覚めるけど・・・・。

 ポケモン別れもありと、{/netabare}目的地に到着するも、ここでもお約束の邪魔が入りと、いろいろトラブルがあるわけです。
 この場面で進化するリザードンは、TV放送登場時と正反対なところが見所です。
 サトシとピカチュの友情は、結構感動的なところも注目です。身を挺して、ピカチュウを守る姿、ピカチュウの声?、サトシどうなるの?という場面は、奇跡の瞬間としか思えない良いシーンだと感じたです。
 ホウオウに会えたかどうか?は、見に行ってのお楽しみです。

 最後のサトシ、ピカチュウの清々しい姿は、何か非常に良かったです。
 

 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

68.2 50 2017年度アニメランキング50位
げんばのじょう -玄蕃之丞-(アニメ映画)

2017年4月22日
★★★★☆ 3.7 (10)
32人が棚に入れました
信州は塩尻、桔梗ヶ原と呼ばれる土地に、はなという家族思いで優しい女の子が暮らしていた。ある日、はなの村に旅芸人一座がやってくる。"夏川玄左衛門一座"を名乗り、世にも奇妙な芸で村人の大喝さいを受けた彼らだが、祝儀の中に"大好物"を見つけうっかりキツネの姿になってしまう。彼らの正体はなんと、辺り一帯のキツネを束ねる化け狐、玄蕃之丞(げんばのじょう)とその仲間たちだったのだ。偶然その場に居合わせたはなに正体がばれ、焦った玄蕃之丞は「正体を秘密にしてもらえるなら、代わりにひとつ願いを叶えてやる」と提案するのだが……

声優・キャラクター
小西克幸、佐藤利奈、花江夏樹、玉野るな、鈴木れい子、園部啓一、田野めぐみ、橘U子、広橋涼、小山剛志、小野健一、進藤尚美、飯田利信、古川裕隆、千葉俊哉、林雅貴、鈴木弘子

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

平成きつね合戦

あにめたまご2017 公式

https://animetamago.jp/2017/

製作は日本アニメーション

安心して観られる、堅実な作りこみ、

作画も良いです^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3
12345
ページの先頭へ