1990年春(4月~6月)に放送されたおすすめアニメ一覧 58

あにこれの全ユーザーが1990年春(4月~6月)に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番の1990年春(4月~6月)に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

89.1 1 1990年春(4月~6月)アニメランキング1位
銀河英雄伝説(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★★ 4.3 (945)
4043人が棚に入れました
西暦2801年を宇宙暦1年とした遥かな未来。宇宙に進出した人類は、専制政治を敷く銀河帝国と民主共和政を唱える自由惑星同盟の二大勢力に分かれ、 150年にもわたる断続的な戦争を続けていた。長く不毛な戦いが永遠に続くかに思われていた宇宙暦700年代末、両陣営に2人の英雄が出現する。銀河帝国の貧乏貴族の家に生まれたラインハルトは、姉を皇帝に奪われた事をキッカケとして、銀河帝国を奪い取る野望を胸に軍人となり、出世していく。 一方、敵国である自由惑星同盟にあって、不本意ながら軍人になってしまい、不本意にも関わらず功績を立て続けるヤン・ウェンリー。 一見正反対の彼ら2人の登場により、人類の歴史が大きく展開し始める
ネタバレ

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

銀英とあにこれとアニメ業界について

あにこれに参加して1ヶ月時点で書いたレビューを書き直しました。

この作品のレビューを書くのが目標だった。(2013/11)
{netabare}
◆一つのアニメとして

色々な要素を一つ一つ見て、トータルして完成度が高いのは攻殻。

ただ、銀英はアニメ作品というの枠の外。それをあえてアニメ作品
として評価するとしたら・・、

物語:98.0 作画:3.5 声優:72.0 音楽:4.0 キャラ:86.0

こういった馬鹿げた事になってしまう。

名作アニメ達が「3階建て、エレベーター、室内プール、シアター
ルーム、防音設備完備、トイレは各階に5つ」とかそんな規模なのに、

「万里の長城みたいなのを作りたいんだけど・・、一応設計図はある
んだ」と、そして出来てしまった。

つまりアニメ作品単体と比較するのではなく、アニメ業界全てと対比
すべきよーなもの。


◆世間一般でのイメージ

検索 富野由悠季VS田中芳樹
検索 銀河英雄伝説対ガンダム全作品

方向性が違うので、比較するような事では無い気がする。


◆対象年齢

ある程度水準が高めの大人にしか多分本当の価値は理解できない。

けど、中学~高校の若いうちに見た方が、色々な意味で有益な作品。
10人中7~8人位が分かる程度の内容にはなっています。


◆若いうちに見る意味

キャプテン翼は日本だけではなく海外のサッカー選手にまで大きな
影響を与えた訳ですが、

検索 キャプテン翼をこよなく愛する海外のサッカー選手
検索 キャプテン翼に影響をうけた海外のサッカー選手

それは単に面白いサッカー漫画であるという事で、サッカーを始め
るきっかけや精神面、モチベーション部分に良い影響があった。

キャプテン翼を読んだ、あるいは視聴した
⇒ドライブシュートが打てるようになった
⇒それが実際のサッカーでも役に立った
という事では無い訳です。

最近話題の黒子君のミスディレクションにしても、バスケで使える
かと言えば、使えない、無理がある。

銀英も基本的にはそういった性質、作品を見ただけで具体的な何か
が向上するという事ではなく、あくまでエンターテイメント。

しかし、サッカー作品ならサッカーに、バスケ作品ならバスケに、
同じ分野に関わらない限りはほぼ役に立たない多くの作品と違って、
銀英は普通の人生を送る上でも色々な面で良い影響がある。

多くの事に興味が持てるようになる、知識が吸収しやすくなる。

学生のうちは国語(現代文、古典)、政治(政治経済)、哲学(倫理)
歴史(日本史、世界史)、軍事(戦略、戦術)、権力や宗教、戦争の
本質、世の中の仕組み、魅力的な話し方、文章の書き方等。

自分は理系で学生の頃は興味無い分野は嫌々勉強していましたが、
この作品をもっと早く見てれば色々楽しめたはず、知識が身に付くの
も早いかっただろうな・・と、今でも思います。


ニュースを見ていてもビジネス書籍を読んでいても銀英の内容は頻繁
に思い出す「下手糞な言い方してるけど、結局銀英の~じゃん」的な。

イメージ出来るシーンがあると、面倒な話もすぐに理解出来る。

「マンガで分かる~」シリーズの本をジャンル問わず数百冊まとめて
読むよーな、そういった効果があります。

小説(原作)になると序章がキツめなので、まずはアニメから見るの
をオススメします。


◆物語

話の完成度は異次元。三国志クラス。とても個人の脳内から出て来た
話だとは思えない。

星界の紋章、まおゆう(原作の方)、コードギアス、狼と香辛料、カイジ
他福本作品、医龍(漫画だけ)、C - The Money~省略、一部ガンダム
作品(seed destiny等)、攻殻、十二国記、MONSTER、ヨルムンガンド、
デスノート、プラテネス。

全部足して萌えや恋愛、異能の力を抜くと、銀英っぽい話が出来る
かもしれない。


◆キャラ

やはり三国志クラス。

キャラ数を1/10にしても、やはり5.0を付けてしまうと思う。


◆作画

ある程度は我慢してください。

物語、声優、キャラで5.0以上を付けれない為、その分を盛って5.0に
しておきます。


◆声優

桁が違う。作品が出来た時期が非常に良かった。

検索 銀河声優伝説


◆音楽

OPとEDは我慢してください。これも盛ります。

戦闘時はクラッシック使っているので、多分不満は無いはず。


◆名言

名言だらけと言われてる作品と比べ、桁が「2つ」違う。

だから現在でもよくパクられるし、あのアニメのこの名言のネタ元は
ここだったのか・・が結構あると思います。

この銀英の原作者の田中芳樹が、どこからそのネタ持って来たのかを
調べる作業が自分の中で今もなお続いており、その為に読んだ書物が
100~200冊どころではない。だからこそ若い人に薦めたい。


◆戦術は戦略に従属し、戦略は政治に、政治は経済に従属する

銀英で出て来る名言を1つだけ、その応用の仕方も含めて紹介。

現実でも通じる話で、普通の作品はこれ等の一部だけが扱われる
のですが、銀英だと全てが登場し、それ等の関係性が分かります。

 経済 > 政治 > 戦略 > 戦術

【経済】
お金とモノ、それ等の流れ、社会の生産活動の調整、あるいは生産
活動そのもの。個人ならば自分にお金が流れる仕組み(≒何の職
に就くのか、何の仕事をするのか?給与は?)、といった感じ。

【政治】
お金をどう使うか配分を決める、時にはその一定量を戦争に向ける
事もある。

個人ならお金と時間を何に向けるか?戦争に関しては「何を戦争と
捉えるか?」で変わって来ると思います。(一般的には受験や資格
試験、あとは恋愛系、異性に対してのアプローチとか)

【戦略】
どこと戦うか、何と戦うか、そもそも戦うか否かの決定。敵を分析
して戦闘前に有利な状況を作り出したり、計画を立てる。

誰でも知っているであろう「彼を知り己を知れば百戦殆からず」
というのも、ここに関係してくる。勝てそうにないなら、避けたり
先延ばしにしたり。

【戦術】
戦う事にした、あるいは戦わざるを得なくなった。ではどう戦うか、
追撃は?撤退するタイミングは?という話。

個人で考えると「アニメの視聴」は政治面、戦略面での失敗の類。

アニメ好きで膨大な時間(時にはお金)を投入している方、自分も
同じですが、その時間を有効に使う方法はいくらでもあります。

撤退が嫌なら経済、政治、戦略面に良い影響を与える視聴の仕方を
考えると良いです。

【補給は大事】
銀英は補給を重点的に捉えていて、その事で「実際の戦争は・・」
と軍事オタクの方々によく突っ込まれている。

個人であれば食事や睡眠。精神が疲弊して来たら気分転換、休息、
英気を養う為に遊んでみたりと、そう考えると納得出来るはず。

田中さんがサボるのが好きなので「単に性格が出ているだけ」とも
考えられますけど。


◆話は分かりやすくする事

ある程度専門知識を持ってしまうと、インテリぶって自己満足で相手
の理解を無視して話を進める人が多く、

自身高校~大学の頃はそういった傾向があった訳ですが、この作品
見てからそれが無性に恥ずかしくなり、なるべく知識が無い人にでも
通じる言葉で話す事を心がけるようになりました。

自分より遥かに頭が良くて知識がある人が、分かりやすい面白い話、
つまり銀河英雄伝説を書いていた(アニメでやっていた)ので敗北感
で一杯に、チンケな見栄やプライドをへし折られた訳です。


専門的な事を誰にでも分かりやすく話すのは、自分1人が理解する
3倍の理解が必要ならしいですが、理解不足のお馬鹿に限ってあまり
一般的ではない用語を使い、難しく分かりにくく話す。

聞き慣れない用語を並べるだけ、具体例が出せない、イメージさせる
事が出来ない、簡単に言い換えられない ≒ よく分かっていない。


現実で歴史に「天才」として名を残している人の言葉で

シンプルさは究極の洗練である(レオナルド・ダ・ヴィンチ)

とか。あとはアインシュタイン、

Everything should be as simple as it is,but not simpler

訳:できるだけシンプルに、ただしシンプル過ぎないように
  できるだけシンプルに、そしてシンプル過ぎないように とか。

銀英の原作者の田中芳樹は「一体何が凄いのか?」という事ですが、
アインシュタインの方の「名言のそのもの」みたいな人で、

情報の噛み砕き方、翻訳の仕方、そのバランス感覚が神憑っている。

この内容は簡単にした方が良い、これは比較した方が分かりやすい、
ここは具体例を出した方が良い、~な内容は直接だと不味いので笑い
に繋げてぼやかす、ここは直球で、ここは理解の妨げになるので全て
省略、これは大事なのでしつこく、みたいなセンス。


人間の脳みそは「大体の事は理解できるが、ちょっと分からない事が
がある位の情報」に出会った時一番活発に働く、心地良いと感じると
言われていますが、

知識が全く無い人にとってのそのレベルの内容を常にキープしている、

「少し難しい、分からない事もあるけど、大体理解出来る、頭に入る、
面白い、どんどん読める、どんど見れる」な感じ。


という事は「元々簡単なジャンルの情報」とか「元々興味がある人に
エンターテイメント性を抜きにして教えるだけ」だったら、出来る人
は結構いる訳ですが(池上○の学べるニュース!みたいな)、

本来一部専門の人しか扱わない情報の数々を大衆が見て楽しめる
レベルにまで落とし、娯楽作品として加工、それが流行るという事が
いかに不気味な事か。


各界で天才と言われている人も、所詮「食えそうな食材を(含めて)
料理している」訳でして、田中は本来食えないもの、彼以外は調理が
できないものを組み合わせて、一流の料理にしてしまった。

古めの漫画、アニメでたまにある「カレーを作ったら爆発した」の逆、

「食材とは思えないものから、見栄えが非常に良い料理が出来、それ
が非常に美味しい」というケース。

食材選択、分量の調整、味付け、料理の腕等で皆が争っている時に、
錬金術的なことをやらかした。


銀英より面白い作品、消費者ニーズに合っている(萌え、エロ、恋愛、
厨二、ゲーム系)作品は腐るほどありますが、銀英は人生で役に立つ
健康食品で構成されているので、いくら食べても大丈夫です。

似た事を冨樫作品(幽遊白書やHUNTERXHUNTER)のレビューにも
書きましたが、彼もまた錬金術士の1人でありながらも、メインで使用
するのは化学調味料たっぷりの有害物質。

非常に美味い、腕は超一流、しかし現実では何の役にも立たない。

2人ともサボり癖がある事で有名ですが、錬金術は膨大なエネルギー
が必要なのでしょう・・ね。そう思わないと、腹が立って仕方がない。


◆比喩を使う

普通の人は本読んだり会話した時に、その内容の1/10も記憶に残る事
がないらしいですが、だったら「少しでも伝わった方が良い」

大抵の場合、話は10のうち7~8位が伝われば十分で、10のうち7~8位
が正確ならばあまり問題は生じない。

そして7~8/10で良いなら例え話、比喩を使うのが手っ取り早く伝わり
やすい。

銀英には色々な比喩が出てきて、古いものや特殊なものも多いですが、
比喩というもの自体に興味が持てるようになると思います。

そもそも銀英という話自体大型の比喩みたいなもので、どの分野の事
も7~8/10程度の中身しか無いし、正確さもやはり7~8/10くらい。

だからこそ簡単で理解しやすい。


◆でも、より正確にしなければいけない話もある

主観なのか客観なのか、想像なのか事実なのか、自分の言葉なのか
誰かに聞いた言葉なのか、本音か建前か、絶対か多分か、

~らしい、おそらく~、~とも言える、~のような、~だと~が主張
している等。

より正確に伝える為に大雑把にまとめたり、別の言葉で言ってみたり、
自分のレビューでも結構あると思いますけど、主に銀英・・というか
田中芳樹の影響。という言い方自体が、田中の影響。


◆話は面白く、印象深く

ネットが一般に普及し、情報過多の時代なので、情報を選別しパッケ
ージングする(まとめる)技術は多くの人が向上している訳ですが、

その分「誰が」の部分、個性が薄れている、記憶にあまり残らない。

大半がテンプレ通りで、似たような情報を似たようにまとめている。

そんな中で「個」を出せるのは、非常に大きな武器になる、アニメの
レビューを書くのをやめても様々な場面で役に立ちます。


◆銀英の作者、田中芳樹の凄いところ

表現、創作を生業にする人の中で天才と呼ばれる方は結構いますが、
言葉の響き、使い回し、意味ありげなぼやけた表現で読者、視聴者を
惹きつける人ばかり(歴史に名を残している人含め)の中で、

そういったセンスを十二分に持ちながらも、基本的には「言葉の持つ
意味、内容の力」でダイレクトに惹く。

芸術家的な気取りがない、含みで盛る部分が無い、あっさりしている。


・名言や過去の偉人達と友達感覚

「権力、権威」を重視しない気持ちが「情報、過去の偉人達」にまで
及んでいて、必要以上に敬意を持っていない。

嫌いなもの、納得のいかないものはあっさり否定が出来る、ひねくれ
た解釈も出来る、だから普通組み合わない様々な情報と結び付いて、
通常の作品の数百倍になる量の数々の名言が生まれる。

いかなる名言、表現であろうとも一般的な情報と同等、一度原点部分、
意味の方に立ち返り、ストーリーの状況に応じてアレンジしあっさりと
再構築が出来る。

知識が凄いんじゃねーんです、知識も化け物染みてますが、その使い
方が凄いんです、色々な作品に出逢えば出会う程にその凄さが分かる。

最終的にはその部分を学んで欲しいです。そうすれば少ない知識でも
書ける事、話せる事の幅が何倍、何十倍にも広がると思います。
{/netabare}
アニメ視聴数が100未満、銀英を見た事が無い若い人に向けてのメッセージ的な。


あにこれの影響力とアニメ業界全体について
{netabare}
◆あにこれの影響力

運営している方々が優秀なお陰で「アニメ ○○」という検索ワード
でランキング、おすすめ、口コミ、評価等で1位や2位にあり、アニメ
業界の人間は意識せざるを得ない。

消費者からの評価、口コミというのは年々影響力が強くなっている為、
「ここでダメな評価をされにくい作品」を制作しなくてはならない。

少なくとも「どういったものが好まれるのか」の傾向はある程度掴む、
余程アホな企業じゃ無い限りは、その位の仕事はしているはず。

検索 今年のアニメのBD/DVDの初動売上をまとめたら凄いことになった

とは言うものの、ここの評価と売上には「あまり関係性は無い」ので、
そこまで重視はされない。


・業界への影響力を向上させるには

売れたアニメは片っ端から見て評価する人が増え、ここのランキング
が売上に近い形になれば、あにこれというサイト自体と、各レビュー
の影響力が増す訳ですが、

普通にレビューを書く分には、そんな事まで考える必要は無いと思う。

政党で言うと国会の議席数が20未満の野党、いくら騒いでも直接的な
効果はあまりない。

しかし、文章には、というよりも言論には数値とは別の力がある訳で、
優れた意見、主張、見解、分析、批評、論評は人から人へと伝搬する。

小さな点、たとえ1行レビューからだろうと、それが真に的を得ている
のであれば、爆発的に広がっていく。

たかだかレビューサイトの1つと言えども、アニメ業界の人々に「良い
作品を作ろうと思わせる力」「クソな作品を気分良く作らせない力」は
十分に有しているので、

そういった環境でレビューを書いているという事は覚えておくと良い
ような。「いくら文句を書いても無駄」とか、そんな事は無いです。


◆イノベーター理論(Innovator theory)

1、イノベーター(Innovators:革新者)
冒険的で新商品が出ると進んで採用する層。市場全体の2.5%を構成。

2、アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で、自ら情報収集
を行い判断する人々の層。市場全体の13.5%を構成。

3、アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
新しい様式の採用には比較的慎重な人々の層。慎重派ではあるものの、
全体の平均より早くに新しいものを取り入れる。
市場全体の34.0%を構成

4、レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
新しい様式の採用には懐疑的な人々の層。周囲の大多数が使用して
いるという確証が得られてから同じ選択をする。
市場全体の34.0%を構成

5、ラガード(Laggards:遅滞者)
最も保守的な人々の層。流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベー
ションが伝統化するまで採用しない。市場全体の16.0%を構成。
中には、最後まで不採用を貫く者もいる。


マーケティングの世界では有名な理論で、顧客を新製品やサービスの
購入態度で分類したものですが、「評価」というのも同様。

つまり「2.5%の人の行動(評価)が、97.5%の人の行動(評価)に影響
を与える」という事。

「積極的に新しいアニメを見て、自分で考え自分で評価しいてる」という人
は現在のあにこれでは非常に多く、

アニメは視聴だけならば無料という事もあって、イノベーターの割合は
他のジャンルより多いと思いますが、

それでも10%~20%位の人の行動(評価含む)が、80%~90%に影響
を与えていて、

レビュアーは大多数に影響を与える少数に属しているという事。

勿論、影響を与えると言っても一部(マイノリティを気取りたい人とか、
厨二病的な人)にはマイナスの影響だったりもしますが。


銀英だとハイドリッヒ・ラングが

「全体を100としてそのうち51を占めれば多数による支配を主張でき
 ます。ところが、その多数派もいくつもの派閥に別れています。

 即ち、その51のうち26を占めれば、100という全体を支配できます。
 多数支配などという共和制の建前が、如何に虚しいものであるか~」

という話をしていますが、そんな感じで考えても良いですし、あとは

パレートの法則:経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成
するうちの一部の要素が生み出しているという説(80:20の法則)

カオス理論のバタフライ効果:通常なら無視できると思われるような
極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる現象

とか。

実際、どの程度の影響があるかはよく分からないですけど、レビュー
を書くという事は「大多数に影響を与える行為」な訳です。

レビューの内容に迷った時はその事を意識する。


読者に与える影響

他のレビュアーに与える影響

長期で考えて、あにこれに与える影響

更に長期で考えて、アニメ業界全体に与える影響


普段はろくな事を書いていないので、あまり他の方のレビューを紹介
したくないですが、今書いている事自体が

劣悪な衆愚アニメの決定版
http://www.anikore.jp/review/242462/

このレビューの内容が伝搬したものであり、それは書きながら不意に
思い出したのですが、あにこれの隅っこであろうと、誰かはこの事を
訴え続けていかなくてはならない。

銀英的に言うと、政治権力に対するジャーナリズム、そういった立場
にレビュアーはあるという事。

最近クソアニメばかり視聴し、あまり本気でレビューを書く気が起き
ない自分は、二度とこんな事を書くことは無いような気もする。

よって、これを読んでいる誰かが「頑張ってやらないとダメな事」な
訳です。頑張ってください☆

ペンは剣よりも強し。こいつは真理など滅多に存在しない人間社会
の中で、数少ない例外の一つだ。と、ヤン提督も仰っておられます。


◆マズローの欲求5段階説

ビジネス絡みだとたまに持ちだされる話ですが、長期間レビュアーを
していても、似たような欲求の変化が起きる。

自己実現欲求  : 自己の向上、活動をより充実したものにしたい
  ↑
尊重、承認欲求 : レビュアーとして尊重されたい、承認されたい
  ↑
所属、愛の欲求 : メッセージが欲しい、交流したい等
  ↑
安全の欲求 : 批難されたくない、叩かれたく無い
  ↑
生理的欲求 : 読まれたい、サンキューが欲しい

多分、こんな感じ。

欲求を外でも満たせるなら、最初の欲求以外の途中の段階をすっ飛
ばす事もあるでしょうし、必ずしも下から順にという事はないです。

「頑張ってやらないとダメ」とか書きましたが、欲求が最終段階に到達
した一部が勝手に考えて上手く書くと思うので、他に欲求があるうちは
特に意識する事は無いと思います。


◆アニメ業界の衰退

検索 アニメ業界、売上4年連続減、テレビ放送頼みからの脱却を模索
検索 5年ぶりに制作分数が増加、レポートから見るアニメ業界の現状

実際は低迷とか衰退とか言う程にひどい事は無いですが、予兆のような
ものは確実にある。

製品ライフサイクルでいう成熟期~衰退期の段階で

検索 【アニメとマーケティング分析3】今のアニメ産業の『ライフサイクル』について考察!

少し知識があると誰でも考えるよーな話。


銀英の 第40話 ユリアンの旅・人類の旅 から、一部の話を

~しかしながらその平和が続く中で、人類の上にいわゆる中世的停滞
の影が持ち掛かりました。

疲労と倦怠が希望と野心を抑え、消極が積極に、悲観が楽観に、退嬰
が進取に取って代わるようになって来たのです。

実際に科学技術による新たな発見や発明が後を絶ち、人類の生存圏の
拡張も再び頭打ちになっていったのです。

更に政治的にも民主共和政治が自浄力を失い、利権漁りと権力闘争に
のみ興味を示す衆愚政治と化していったのです。

社会的活力が失われ、社会生活や文化は廃退の一途を辿った、人々は
無気力化し老若男女を問わず麻薬や酒、性的乱交や、神秘主義に耽る
者が続出した。

あるいはスピードや暴力に刺激を求め、事故や犯罪が激増し、反比例
して検挙率は低下した。

生命を軽視し、モラルを嘲笑する傾向は深まる一方だった~


人類の未来の架空の歴史の話な訳ですが、開拓が一段落して頭打ちに
なると、大抵のものはグダグダになる。

創造的活力が失われ、アニメ業界、文化は廃退の一途を辿る、人々は
萌豚化し老若男女問わず萌えやエロ、ハーレム話に耽る者が・・

とか、そんな感じに。

進撃の巨人は良い作品だと思いますが、閉塞感の中でスピード、暴力
という点では「まさに衰退期の象徴そのもの」で、ちょっと危ない。


と言っても視聴側には大した被害は無い訳でして、一番悲惨なのは

検索 アニメ制作の現場で働く20代の平均年収110万円

採算ラインに届かないアニメが大量に制作された結果

アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ@wiki - 売上ライン一覧

その皺寄せが下っ端に来ている、というのはどこの世界でも同じ事。


◆あにこれは多分まだ成長期

登録者数の推移は知らないので、そういった点ではよく分からない訳
ですが、レビューの質は日々向上し、多様化している気がする。

各自がレビュアーであると同時に読者。そして技量に関係なく読者数
とその質が調整出来る、という点は上手く使えば非常に快適。

どうやって調整するかは書かないですが、察してくださいな事ですが、
単純に増やす事に躍起になった後は、レビュー内容についても色々と
考えると面白いと思います。

作品へのレビューは様々な点からのアプローチが可能で、ここで評価
基準になっている物語、作画、声優、音楽、キャラ以外からでも、


・見た時の状況

年齢が高い方の書く、当時の視聴状況についての話は面白いので好き
です。


・歴史的なアプローチ

ヤン提督の如く、歴史からの考察。歴史と言っても色々な歴史からの
アプローチが可能で、あにこれに長く居るとその歴史からでも色々と
書ける。


・売上からのアプローチ

ここの評価と売上は全く違うので、

検索 アニメDVD・BD売り上げまとめwiki

dvdbd.wiki.fc2.com と www38.atwiki.jp/uri-archive/? の2種類

検索 アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ@wiki

この2つはチェックしておくとレビューの幅が広がるかと。


・社会学的、工学的アプローチ

得意な人はやれば良いと思いますが、あにこれだと若干供給が多過ぎ
な気も。インテリな方々が多いんですよね、ここ。


・原作や声優、監督、スタッフ等からのアプローチ

レビューとしては王道ですけど、それだけに若干供給過多気味。


・笑いに繋げる

笑えるレビューが若干少ない気がする。Amazonの

アニマル ビッグフィギュア【親キリン】(等身大フィギュア)とか
対ライフル用防弾シールド

のレビューでも読んで、そういった方向性で突っ走るのも良いかと。


◆言葉は大事に使いなさい、ユリアン

言葉では伝わらないものが、確かにある。だけど、それは言葉を使い
尽くした人だけが言えることだ。

だから、言葉というやつは、心という海に浮かんだ氷山みたいなもの
じゃないかな。

海面から出ている部分はわずかだけど、それによって、海面下に存在
する大きなものを知覚したり感じとったりすることができる。

言葉を大事に使いなさい、ユリアン。

そうすればただ沈黙しているより、多くの事をより正確に伝えられる
のだからね。


◆ポプラン、シェーンコップ、ムライからの影響

自分の話になりますが・・

・ポプラン、シェーンコップからの影響

この2人私生活が酷い有様でも、年少者に対しては「まともぶった事を
言う事がある」訳で、最低限のモラルは有している。

ヤンや田中芳樹とかはどう頑張っても届きそうには無いものの、この
2人くらい・・には、なんとか、的な気持ちがある。


・ムライからの影響

あんなジジイは嫌いですけど、彼が第39話でユリアンに話していた事
はこれまで迷った時に何度も思い出す事になったし、現在ここまでの
内容を書いているのも、ムライからの影響が大きい。


~ 今だから言うが、私の任務はヤン提督の引き立て役だったのだ。

別に卑下したり不平を鳴らしている訳では無い。ヤン提督は指揮官と
しての資質と、参謀としての才能を両方兼備する珍しい人だ。

あの人に参謀が必要だとすれば、それは他人がどう考えているのかを
知って作戦の参考にする為さ。

だから、私としてはエル・ファシルの英雄に参謀として望まれた時、
自分の果たすべき役割は何かと考えて、すぐには結論を出せなかった。

それが出たのはイゼルローン陥落以後だ。で、私は役割を弁えて殊更
常識論を唱えたり、メルカッツ提督にも一線を引いて対応したりした
訳だ。

鼻持ちならなく見えた点もあろうが、分かってもらえるかな ~


要するに、自分が必要無いと感じた時も「できる事は何か?」を考え、
その役割に徹する、普通は積極的にやらない事をする、という事。

と言ってしまえばどこの誰でも言いそうな話ですが、たまたま自分に
はムライの言葉が強く残っていた。

あにこれに来た直後、自分よりアニメそのものに対しては知識豊富な
人が沢山いる、そんな状況何を書こうか迷った末に、あにこれ全体に
不足していたものを補う役割に徹しようと思った。

その為には、一部から憎まれようが嫌われようが知った事では無い。

という点についは、「あしたのジョー」からの影響もあり、ストレス解消
という意味での利害も一致したのですが・・。


私は役割を弁えて殊更変な視点でのレビューを書きまくったり、人気
作品にも一線を引いて対応したりした訳だ。

鼻持ちならなく見えた点もあろうが、分かってもらえるかな!


2013年夏に復帰した時、今度はレビュアーの質が向上しているという
点に目が行き「自分は何も書く必要なくね?」という状況に陥る。

「私が死んでも代わりはいるもの」じゃねーですけど、現代人特有の
「あれっ、自分いらなくね?」的な捻くれた感じ方は普通にする訳で、
そうすると途端にやる気が無くなる。そして休止。

冬に復帰した直後(つまり現在)もまた同じ事で悩み始めたのですが、
「あにこれがレビューサイトとして正常に機能している」という点では
特に問題は無いものの、

アニメ業界全体は? 萌えエロ産業で、問題だらけ。

レビュアー全体は? 自分と同じように休止する人は多い。

あにこれの細部は? 改善点を上げればキリが無い。

問題点は見えても、不満はあっても、自分にはなんとかする力が無い。

とはいえ、その事をレビューに書くことは出来る訳で、あとはそれを
読んだ力のあるレビュアー(将来的に力を身に付ける人を含め)達に
熱意は伝わる、そしてなんとかしようと活動するかもしれない。

ヤンは民主主義の芽を上手く残した、熱が冷めやすい自分は熱が急激
に上がった際に湧きでたここまでの思考をレビューに残す。

この行為の意義については、後世のアニメ好き達が判断する事さ!
{/netabare}
こちらはアニメ視聴数が100以上、投稿レビュー数もそれなりの人への話。
銀英の話を持ち出しているので、多少のネタバレを含みます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 88
ネタバレ

yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

週刊 銀河英雄伝説 復刊!第20号

復刊のご挨拶
 年の瀬も押し迫ってまいりましたが、如何お過ごしでしょうか。
 さて、皆様への御約束通りここに「週刊 銀河英雄伝説」の復刊を宣言いたします!(一週遅れてしまいましたが)
 まだ折り返しにも到達しておりませんが、今後もより一層気を引き締めて刊行を続けていく所存であります。
 今後とも何卒ご愛顧のほどをお願い申し上げまして、挨拶に代えさせて頂きます。
       平成27年12月20日 ヤピゴスティーニ代表 やっぴー


休刊のお詫びと挨拶
 {netabare}いつも「週刊 銀河英雄伝説」を購読していただいてありがとうございます。
 そんな皆様にこんなお知らせをしなければならないことを残念に思います。
 詳細は私のプロフを参照していただくとして、今後の再開予定について述べさせていただきたいと思います。
 な、なんと!本年11月4日よりファミリー劇場において「銀河英雄伝説(本伝)」の再放送が始まるのでございます。
 月~木に各日2話ずつ放送するそうなので、おそらく、12月中には39話まで追いつくのではないかと推測されます。
 そういうわけですので、今年中には我が「週刊 銀河英雄伝説」を再開することができる見込みでございます。
 しばらくのお別れとなりますが、また会える日まで、皆さまご自愛なさいまして、健やかにお過ごしください。
                   ヤピゴスティーニ代表 やっぴー
{/netabare}

創刊の挨拶
 {netabare}この度は「週刊 銀河英雄伝説」創刊号をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。
 本マガジンは、全55号を予定しております。
 各マガジンには2話分のレビューを掲載し、
 週に一度のペースで刊行する予定となっております。
 もはや改めてここで申し上げる必要などないと存じますが、
 銀河英雄伝説についてご紹介をさせていただきます。
 田中芳樹原作のスペースオペラをほぼ忠実にアニメ化した作品であり、
 全110話(本伝)に及ぶ大作であります。
 この大作を攻略するにあたり、
 どうすれば最後まで視聴することができるか?
 との視点で愚考を重ねた結果たどり着いたのが、
 週に2話のこのマガジン形式であります。
 55号と1年を超える長きにわたるお付き合いとなります。
 途中至らない点も多々あると思いますが、
 何卒広い心で見守っていただけるようお願い申し上げます。
                   ヤピゴスティーニ代表 やっぴー{/netabare}

 第一話「永遠の夜の中で」
 {netabare}実質的にアスターテ会戦前半。
 絵もキャラデザも古さは否めない。
 そこは目をつぶろう。
 それを言い出したら視聴できなくなる。
 そこで、私の銀河英雄伝説歴について語ろう。
 原作は5回は通読しているはず。
 アニメ版は何度か視聴を試みて断念している。
 もちろん魔術師ヤン・ウェンリー派であった。
 SFというよりは戦記物と捉えるべき作品であろう。
 私としても、三国志を読むのと似た感触で読んでいたような記憶がある。
 友人の中には「未来の話なのに帝国で専制君主制なんて・・・」と受け付けない人間もいた。
 専制君主制・・・いつ復活してもおかしくないと思いますがねw{/netabare}

 第二話「アスターテ会戦」
 {netabare}ヤン・ウェンリーの面目躍如。
 彼の出世の決定的な要因となる。
 敗戦ゆえに英雄が必要・・・とはいつの世も変わらぬもの。
 負けても大勝利の同盟政府には大衆衆愚政治の臭いがプンプンです。
 流石に全110話。
 話の進みが遅いです。
 ら、来週も頑張るぞ!{/netabare}

 第三話「第十三艦隊誕生」
 {netabare}自由惑星同盟の国歌・・・
 わざわざ作曲したんでしょうね。
 歌詞は何語だったんでしょう?
 それにしてもマーラー多用されてますね。
 憂国騎士団恐すぎw
 やる事も過激すぎ!
 女でも殴っちゃうんですか!
 第十三艦隊誕生っということで、
 イゼルローン要塞攻略前夜ってとこですかね。{/netabare}

 第四話「帝国の残照」
 {netabare}「ジーク、弟と仲良くしてやってね。」
 ジークフリード・キルヒアイスの運命はこの一言で決まってしまった。
 ラインハルトへの友情が偽りだとは言わない。
 しかし、髪を撫でられながら聞いたアンネローゼの言葉は、
 彼にとって、
 女神の神託にも等しいものであった。
 ラインハルトのシスコンぶりも尋常ではないが、
 キルヒアイスの一途さもこれまた尋常ではない。
 これは、もはや、愛をこえている?
 これは、もはや、信仰?{/netabare}

 第五話「カストロプ動乱」
 {netabare}古代ギリシャ風?
 古代ギリシャは西洋文明のいわば理想だが、
 現代のギリシャは完全にヨーロッパのお荷物・・・
 どうなる?EU。
 デフォルトしちゃうの?
 ・・・話が逸れた。
 キルヒアイスはローエングラム伯の腰巾着ではない。
 ということをラインハルトとアンネローゼ以外の人間に知らしめた一件。
 キルヒアイスの胸中がどうであれ、
 権力を持つ者は勝手な思惑を抱く。
 彼には他の選択肢はありえないのだが・・・{/netabare}

 第六話「薔薇の騎士」
 {netabare}帝国側(ラインハルト)と同盟側(ヤン)を交互に描く、
 というのがこの作品の基本的な流れなんだけど、
 ラインハルト → 堅苦しい
 ヤン     → 気楽
 って印象を受ける。
 これは中心人物のキャラクターに負うところが大きい。
 ヤンの気負わない性格、
 少なくとも気負っていないように見せかける態度が、
 なんとなしに温かみのある集団を形成しているように感じられる。
 それはそうと、
 いよいよイゼルローン要塞の攻略戦。
 戦(いくさ)と言っていいのかどうか・・・
 どんな素晴らしいハードもそれを扱う人間しだい・・・
 いつの世も変わらぬ真実ですね。{/netabare}

 第七話「イゼルローン攻略!」
 {netabare}イゼルローン要塞攻略戦の目的とは、
 自明のことかもしれないが、
 イゼルローン要塞を奪取することである。
 つまり、攻略戦後も要塞として機能するように占領することである。
 だから、シェーンコップは白兵戦に訴えてまで制圧する必要があった。
 もし、攻略戦の目的がイゼルローン要塞の破壊若しくは無力化であったならば、
 もっと手っ取り早い方法を採ることもできた(中枢施設の破壊など)。
 仮に、もし仮に、イゼルローン要塞を破壊していれば、
 その後の情勢はどうなったであろうか?
 ヤンは、同盟の政治家の野心を見誤った。
 味方の血を一滴も流さずにイゼルローンを攻略したことにより蔓延した高揚感、
 その力を過小評価していたのかもしれない。{/netabare}

 第八話「冷徹なる義眼」
 {netabare}ラインハルト陣営において影の部分を一身に背負う男オーベルシュタイン(影ならロイエンタールにもあるか・・・ならば、闇?)。
 ラインハルトとキルヒアイスが二人の内に秘めてきた野望、
 夢物語に過ぎなかったその野望が、
 いよいよ手の届くところまで近づいてきたその時に、
 野望の成就に必要な最後のピースとして陣営に加わった男、
 それがオーベルシュタイン。
 いや、必要性なら・・・不可欠ではなかった。
 おそらく、オーベルシュタインがいなくても野望は成就した。
 少し遠回りをし、少し余計に血が流れたかもしれないが。
 彼は、そこへの最短ルートを突き進むために必要なピースだったのだ。
 汚れ仕事をできる人間は必要である。
 だが、進んで汚れ仕事を作るような人間は必要なのだろうか?{/netabare}

 第九話「クロプシュトック事件」
 {netabare}陰謀渦巻く帝国の中枢と
 その中枢に巣くうモノ達による華やかな宴。
 華やかな宴は一瞬にして地獄絵図と化す。
 戦場で行われない戦い、
 それこそがラインハルトに立塞がる大きな壁なのかもしれない。{/netabare}

 第十話「ジェシカの戦い」
 {netabare}ヤン・・・ファーストクラスにぐらい乗せてもらえよ。
 ダンスができるとモテるというのは真説なのだろうか?
 甘酸っぱい思い出・・・
 もしかしたら・・・
 あるいは・・・
 違っていたかもしれない未来。
 その積み重ねが人生なのかもしれない。{/netabare}

 第十一話「女優退場」
 {netabare}愛憎と陰謀が複雑に絡み合う帝国の宮廷。
 人の心は移ろいやすい。
 ましてや皇帝の寵愛の行方など・・・
 一度口にした栄光の味は忘れがたく、
 それを一時の夢と諦めるには後味が強すぎる。
 さらば儚い夢よ・・・{/netabare}

 第十二話「帝国領進攻」
 {netabare}民主主義の自己矛盾。
 民主主義という崇高な理念も運用次第である。
 民主主義は万能の政治体制ではない。
 むしろ欠陥だらけの政治体制である。
 ほんの少し気を緩めれば、
 アテネ以来の衆愚政治へと堕する。
 信仰は神にのみ捧げればよい。
 人の手になる思想を信仰してはならない。
 思想は信仰の対象となった時から衰退への道をゆく。
 それは考え、疑い、検証し続けねばならないものである。
 所詮、人が作り出したものなのだから。{/netabare}

 第十三話「愁雨来たりなば・・・」
 {netabare}最も合理的・効率的な方法が最善手?
 それは、時として最も冷酷な策と成り得る。
 頭ではその合理性・効率性を認めながらも
 情のほうでは割り切れていない。
 ラインハルトの冷徹な理性の象徴がオーベルシュタインならば、
 ラインハルトの優しい心根の象徴がキルヒアイスなのかもしれない。
 机上では簡単に思える作戦も
 現地で実行にあたる者にとっては容易なものではない。
 それをそつなくやってのけたケスラーもまた有能な指揮官である。{/netabare}

 第十四話「辺境の解放」
 {netabare}解放軍・・・
 なんと甘美な響きであろうか。
 餓えの前にはどんな思想も理想も無力である。
 ラインハルト達がワイングラスを割るシーン、
 これが、あの有名な!
 えっ?
 白ワインなの?
 てっきり赤ワインだと思ってたよ・・・{/netabare}

 第十五話「アムリッツァ星域会戦」
 {netabare}大規模な艦隊戦・・・テンション上がるわ~。
 惜しくらむは平面的なところであろうか。
 せっかくの宇宙空間での艦隊戦なのだ、
 もう少し立体的に描かれてもいいのではないか。
 戦闘艇(ワルキューレ及びスパルタニアン)の動きは流石に立体的であったが。
 旗艦における戦術モニターも2次元で表現されており、
 ここも何とか3次元的な表現にできなかったものかと。{/netabare}

 第十六話「新たなる潮流」
 {netabare}画竜点睛を欠く・・・
 まさに最後の点を打つその瞬間を邪魔される。
 そんな思いであろう。
 オーベルシュタインはシステムに拘り過ぎる。
 如何にラインハルトと言えども一人の人間である。
 本当に腹を割って話せる相手、文字通り「腹心」も必要である。
 他の誰に、怒れるラインハルトを諌めることができようか。
 流れを速める歴史の潮流。
 その流れは何をどこへ運ぶのだろうか?{/netabare}

 第十七話「嵐の前」
 {netabare}おお!これが「3次元チェス」!!
 う~ん、2次元チェス盤が縦に3層になっている?
 上・中・下に駒がある・・・たぶんそれぞれの層間で移動可能なのかな?
 ヤンはつくづく戦略家だな。
 相手の意図、味方の対応、全て見通したうえで・・・何もできない。
 ヤンとキルヒアイスの邂逅!・・・邂逅ではなく、宿命?
 ああ、ラインハルトとヤンが味方同士であったなら・・・
 このような叙事詩は生まれなかった。{/netabare}

 第十八話「リップシュタットの密約」
 {netabare}ヒルダ登場。
 なんと理解のある父親・・・かつ、当主。
 ラインハルトの人となりを読み切ったうえでの率直な物言い?
 本当に大胆な女だ。
 そんなヒルダにラインハルトは人として興味を抱いた。
 電光石火の首都制圧劇。
 この内乱は、ラインハルトの栄達を速めただけであった。{/netabare}

 第十九話「ヤン艦隊出動」
 {netabare}完全にラインハルトの掌の上。
 完全にヤンの予見した通りに。 
 シェーンコップの扇動をのらりくらりと躱すヤン。
 ヤンは知っている。
 シェーンコップの指摘は正鵠を射ていることを。
 自分にはその全てを実現する能力が備わっていることを。
 ただ彼はそんなことを「やりたくない」のだ。
 社会の幸福と自分の幸福、
 選べるとしたらどちらを選べばいいだろう?{/netabare}

 第二十話「流血の宇宙」
 {netabare}メルカッツ提督も大変ですな。
 外の敵と戦う前に内の敵を黙らせないといけないとは。
 オフレッサー上級大将、個人の武力も侮れませんな。
 それ以上に侮れないのが、オーベルシュタイン。
 疑心暗鬼を煽らせたら天下一品。
 おそらく、オーベルシュタインのために割かれた一話であろう。
 彼の凄さは映像では伝わりにくい。{/netabare}

 第二十一話「ドーリア星域会戦、そして・・・」
 {netabare}指揮官の演説を対比させておいて、戦闘開始。
 ベートーベン交響曲7番第三楽章の軽妙なリズムに乗せて繰り広げられる艦隊戦。
 凝り固まった信念に殉じるための玉砕。
 無慈悲な理想は生贄の血を求め続ける。
 崩壊への坂を転げ始めた救国軍事会議。
 手懐けたいなら「パンとサーカス」を与え続けること、
 暴力で抑えたいなら徹底的に恐怖を植え付けること、
 どちらも出来ないのなら、
 こうなるしかない。{/netabare}

 第二十二話「勇気と忠誠」
 {netabare}ラインハルトに比肩する戦略眼・用兵術、
 ラインハルトを上回る平常心・包容力、
 ラインハルトに遠く及ばない野心と求心力、
 そんなキルヒアイスの全てが描画されるガルミッシュ攻略戦。
 
 手玉に取られるブラウンシュバイク公。
 もとより能力において遠く及ばないのは言うに及ばず、
 その能力不足を補うための人材、メルカッツを使いこなすこともできない。
 戦いの趨勢は決した。{/netabare}

 第二十三話「黄金樹は倒れた」
 {netabare}オーベルシュタインの策は・・・
 最も鮮やかで最も効果的な喧伝効果をもたらし・・・
 戦役の終結を早めることに貢献した・・・
 オーベルシュタインはラインハルトを試している。
 ラインハルトは自分が理想とする君主たりえるのか?
 無辜の人々の屍の上に帝国を築く覚悟があるのか?
 
 メルカッツの矜持・・・
 ゴールデンバウムに殉じる機会を失ったが、
 それがヤン・ウェンリーとの邂逅を生むというのなら・・・

 醜く死んだブラウンシュバイク、
 しかし、彼の部下の執念たるや・・・ {/netabare}

 第二十四話「誰がための勝利」
 {netabare}ヤン・ウェンリーの見事すぎる手腕。
 アルテミスの首飾りの有用性を完全否定するかのような破壊ぶり。
 これじゃ「アルテミスの首飾り」がどう凄いのか全然わからないよw
 それに引き替え、フレデリカへの不器用な振る舞い。
 上司と部下の一線を越えてやればいいのに・・・
 でも、そこがいいのか。
 
 イゼルローンを無力化する最善手、
 それに気づきながら、やはり、手を打てないヤン。
 彼はそれに対応できる立場にないのだから。 {/netabare}

 第二十五話「運命の前日」
 {netabare}上官と部下という形式を装った親友としての関係は終わってしまった。
 元親友という過去のある上官と部下の関係がこれから始まる。
 組織にNO.2は必要ない。
 必要がなければいいんだけどね・・・
 NO.2がいない組織・・・後継者候補が並び立つ組織・・・
 NO.1が倒れたらどうする?
 ああ、銃を預けたらアカンて・・・
 あの日のことを思い出したらアカンて・・・
 過ぎ去りし美しき思い出に浸ったらアカンて・・・
 ・・・ほら、運命がそこに。{/netabare}

 第二十六話「さらば、遠き日」
 {netabare}人一人の命は、200万の人民の命より重い。
 200万の人命を尊い犠牲と断じることが出来ても、
 キルヒアイス一人の死を受け入れることができない。
 それが、人の性(さが)である。
 
 見逃してはいけない。
 アンスバッハの凶弾に即座に対応できたのは唯二人、
 アンスバッハに向かっていったキルヒアイスと
 ラインハルトの盾になろうとしたオーベルシュタイン。
 水と油のような二人だが、
 ラインハルトの希少性を認識しているのも二人のみ。
 一人は親友として、女神にたてた宣誓を全うすべき存在として、
 一人は主君として、自身の理想を実現できる唯一絶対の存在として。

 キルヒアイスを失ってなお飛び続けねばならないラインハルト。
 誰のために、どこへ向かって飛ぼうというのか?{/netabare}

 第二十七話「初陣」
 {netabare}OP変更
 新体制となった帝国。
 ラインハルトの下着々と進む改革。
 相も変わらずの同盟。
 最前線から古参兵を引き抜き新兵を充てる体たらく。
 そんな中起きてしまった遭遇戦。
 どうにかこうにか味方の損害を最小限にとどめることができたアッテンボロー。
 唯一の明るいニュースはユリアン・ミンツの生還とその華々しい戦果。
 彼は知ることとなった、一兵卒として戦闘に参加したことによって。
 戦争の最前線で散る多くの命を。
 一隻の艦艇の損失は、数千の人命の損失であるということを。
 EDも変更。{/netabare}

 第二十八話「肖像」
 {netabare}明かされる疾風ウォルフの半生
 運命の女性との出会い
 ロイエンタールとの邂逅
 運命の女と結ばれるという幸福
 子宝に恵まれないという小さな小さな棘
 
 語られる金銀妖瞳ロイエンタールの過去
 親友にのみ伝えられた不幸な生い立ち
 それ故なのか繰り返される漁色行為
 
 暗躍するフェザーン
 再び動き出した銀河の歴史
 立止ること自らに許さないランハルトの下
 加速度的に増していく歴史の奔流が全てを押し流してゆく{/netabare}
 
 第二十九話「細い一本の糸」
 {netabare}地球教。
 フェザーン。
 同盟の首脳陣。
 ゴールデンバウムの残存勢力。
 それぞれの思惑が錯綜する銀河。
 
 ヤンとの出会い、
 日々の家事、 
 自分自身の昇進、
 ユリアンの充実した生活。
 束の間の安寧に身を委ねる銀河。{/netabare}

 第三十話「失われたもの」
 {netabare}失われて初めてわかる、
 そのものの質量。
 ラインハルトはあまりに苛烈に眩く煌めく。
 常人には見ることすらできない程に。
 彼を仰ぎ見ることができるのはほんの一握りの特別な目を持った者だけである。
 その輝きを優しく和らげることができたのは、
 キルヒアイスだけであった。
 ラインハルトは孤高の存在となった。
 オーベルシュタインが望んだように。
 だが、あまりに苛烈に光り輝くが故に、
 誰も近づけない存在になってしまった。
 オーベルシュタインのような盲いた人間を除いて。
 
 渇きを癒すため、
 冷えた心を暖めるため、
 彼は戦い続ける。{/netabare}

 第三十一話「査問会」
 {netabare}冴えわたるヤンの洞察力。
 あれだけの材料からかくも見事に見通すとは。
 あくまで可能性としての言及とはいえ、
 フェザーンの後ろいる闇の蠢動をさえ捉えるとは。
 しかし、悲しいかな。
 彼にはその可能性に備えるすべがない。
 
 査問会・・・
 時間の空費の絵巻物。
 ヤンよ、嘆くなかれ。
 もうすぐガイエスブルグ要塞が君を迎えに来るのだから。{/netabare}
 
 第三十二話「武器なき戦い」
 {netabare}出し損ねた辞表。
 もう出す機会のない辞表。
 
 沈みかけの船の上で繰り広げれる喜劇。
 あまりの滑稽さに悲壮感さえ漂う。
 この船は、もう修復不能な穴が開いている。
 誰もがうすうす感ずいている。
 でも、もう舞台から降りるには遅すぎる。
 船が沈むその時まで狂った喜劇の舞台は続く。{/netabare}

 第三十三話「要塞 対 要塞」
 {netabare}後手に回るイゼルローン。
 それでも持ちこたえるイゼルローン。
 対症療法は延命にはなるが根治は難しい。
 だが延命で良いのだ。
 ヤンという特効薬が届くまで生き長らえればいいのだ。
 
 やはり、ケンプは器ではなかった。
 疾風ウォルフや金銀妖瞳に比肩するほどの器ではなかった。
 彼は、功を焦り過ぎた。{/netabare}

 第三十四話「帰還」
 {netabare}戦略目的は・・・
 イゼルローン回廊の掌握であって、
 イゼルローン要塞の奪取ではない。
 そうであれば、採るべき手段は・・・ 
 二人の天才は最初からそのことを解っていた。
 
 ユリアンの軍事的才能の初めての開花。
 生まれ持っての才能と英才教育のなせる業か。
 
 ミューラーの演説にこそ指揮官の武人の責任感をみた!{/netabare}

 第三十五話「決意と野心と」
 {netabare}未だ、彼が心を許せるのはキルヒアイスのみ。
 死してなお、
 いや、
 死したからこそ、ラインハルトの拠るべき絶対的な指針となり得た。
 
 この世でラインハルト・フォン・ローエングラムを
 人ととして、一人の若者として心配しているのは、
 アンネローゼとヒルダのみ。
 アンネローゼがキルヒアイスの死と共に隠遁してしまった今、
 彼の傍で彼の為に動いてやれる人物はヒルダだけである。
 愛?
 広い意味での愛であろう。
 互いに互いの能力・見識に敬意を払い、
 得難い話し相手として尊敬し合っている。
 そんな関係を「愛」と呼んでいいなら、
 愛し合っているとさえ言っても良いであろう。
 
 ペンは剣よりも強し。
 時間のレンジを数百年・数千年の単位で捉えるならば、
 そうであろう。
 しかし、時間のレンジを数時間・数日の単位で捉えるならば、
 糞の役にも立たん!
 今ここにある困難を打破するには、
 剣を持たねばならないことも覚悟する必要がある。{/netabare}

 第三十六話「雷鳴」
 {netabare}蠢動する陰謀。
 放っておいても勝手に進む歴史の流れを
 無理に最短ルートへと流れを歪ます行為に過ぎない。
 しかし、歪もうが歪まなかろうが、水が低きに流れるは必定。
 必定の流れに堂々と乗るラインハルト。
 彼の前では小賢しい策など何の意味も持たぬ。

 ヒルダのラインハルトを思いやる心によって
 冷え固まった心をようやく融解させたアンネローゼ。
 彼女もまた、自分を責めていたのだ。{/netabare}

 第三十七話「幼帝誘拐」
 {netabare}オーベルシュタイン・・・
 細かいところまで調べ上げてある。
 次の次の次の打ち手まで考慮しているのだろう。
 信賞必罰は秩序維持の要であるが・・・
 起こるべくして起こった事件の責任を負わねばならないとは。
 敵だけではなく、味方の血をも流さずにはおかないそのやり方。
 ラインハルトが生き急ぐのはわかる。
 だが、オーベルシュタインはなぜそこまで性急なのか?
 なにが彼を駆り立てるのだろう?{/netabare}

 第三十八話「矢は放たれた」
 {netabare}相変わらず冴えわたるヤンの洞察。
 相変わらずヤンを焚き付けるシェーンコップ。
 守護神としてその存在を絶対視されるイゼルローン要塞。
 この要塞がある限り、領内に侵攻されることはない!
 との信仰の対象とさえなっている。
 ・・・本当にそうなのか?
 ヤンは気付いている。
 イゼルローン要塞を無力化する方法に。
 だが、それを阻止する手立てを持たないヤンにとっては、
 その暗澹たる未来図が実現されないことを望むよりほかはない。{/netabare}
 
 第三十九話「ひとつの旅立ち」
 {netabare}ヤンの薫陶を受けるユリアン。
 というよりユリアンに薫陶を与えることに喜びを見出すヤン。
 いや、ヤンだけではない。
 ポプランが、シェーンコップが、アッテンボローが、果てはムライまでがユリアンに薫陶を与えたがっている。
 ムライが言うように、これはユリアンの美質なのだろう。
 年長者から愛される資質、
 これも得難い資質のひとつである。{/netabare}

 第四十話「ユリアンの旅・人類の旅」
 {netabare}あ、あう・・・フロッピーはないやろ・・・
 衆愚政治・・・若き英雄・・・専制政治・・・恐怖政治・・・
 架空とはいえ「歴史は繰り返す」そのものである。
 人類は進化しない。
 進化するのはテクノロジーのみである。
 だから、人の営みは変わらない。
 トロイの木馬の神話の時代から何も変わりはしない。{/netabare}

 

 
 


 
 


 

 


 
 


 
 

 
 
 
 
  
 

 
 

 


 

 
 



 
 

 

 
  
 

  

  
 
 
  
 
 
 
 

 
 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

絶賛する程ではないが、一定の政治哲学的な考察内容を含む点は評価したい《英雄一代記》

これまで色々視聴してきた『機動戦士ガンダムシリーズ』は、確かに多彩な要素を含む《メカ系バトル&エンタメ作品》として大いに楽しめたのですが、その一方で、初代→Zや、SEED→SEED DESTINYといった同シリーズの中でも大作&有名作に顕著な傾向として、

①如何にも「戦争と平和」或いは「望ましい政治のあり方」といった政治的/思想的大問題を描き出す「ふり」をしつつも、
②実際のところは、そうしたテーマの分析に必要不可欠な緻密な論理的考察を積み重ねることなく、専ら感情論的・情緒的に戦争や政治に関わる人々の悲劇性を謳い上げる「戦争文学」「戦争叙事詩」的な内容に終始していること

に少しばかり失望して、もう少し「政治哲学」的な考察内容を含んだアニメ作品がないものか検討してみたところ、そうした分野での有名作として本作が目に留まったので、この機会に手を出してみました(※制作順に劇場版+本伝を完走。外伝は一部のみ視聴)。

※以下、本作と部分的に類似した内容をもつ大作『機動戦士ガンダム(UCシリーズ)』『コードギアスR1-2』にも言及つつ本作を考察していきます。

◆総評

本作は、視点の置き方により、次の3階層で楽しめる作品となっていると考えます。

(1) 頭脳バトルもの(ないし戦術・戦略もの)として
(2) 英雄一代記(※好敵手の外伝的内容を含む)として
(3) 政治体制や戦争と平和についての政治哲学的考究ものとして

◇まず、 (1) 頭脳バトルもの(戦術・戦略もの)として
{netabare}
戦闘シーンについて言うと本作って、敵味方双方の軍艦が直接砲撃を交わして雌雄を決する「大艦巨砲時代のバトル・スタイル」(つまり、日清戦争の黄海海戦・日露戦争の日本海海戦や、英独艦隊のユトランド沖海戦(WWI)、ライン演習作戦(WWII)当時のバトル・スタイル)なんですね。
その点では、ガンダム・シリーズその他の宇宙/地球圏バトルものの主流が、索敵活動ののち戦闘機・爆撃機なり機動兵器(Mobile Suits等のロボット)なりを出撃させて雌雄を決する「空母機動部隊同士のバトル・スタイル」(WWIIのThe Pacific Campaign(日米艦隊のいわゆる太平洋戦役)以降のバトル・スタイル)となっていること、との戦闘スタイルの違いが気になりました。
この点について、本作にも一定の見所はあったと思いますが、ガンダムシリーズなど他の有名作品に比べると、本作に格段に高く評価できるほどの要素はなかったと考えます。{/netabare}


◇次に、 (2) 英雄一代記(※好敵手の自由市民の外伝的内容をも含む)として
{netabare}
『コードギアス』の主人公ルルーシュは最愛の妹ナナリーの幸福のために戦うのですが、本作の主人公ラインハルトは最愛の姉を取り戻すために戦います(少なくとも序盤では)。
あるいは、『機動戦士ガンダム(UCシリーズ)』の英雄シャアは父ジオン・ダイクンから実権を奪ったザビ家への復讐を心に秘めて戦うのですが、本作のラインハルトも下級貴族である自分や姉を卑しむ皇族や上級貴族達への強い復讐心を秘めて戦います。
そうした強烈でネガティヴな感情を動機として果敢に行動する、いわゆる「ダークヒーロー」の「一代記」として、本作には『コードギアス』や『機動戦士ガンダム(UCシリーズ)』に匹敵する大きな魅力があると思いました。
それに加えて、『コードギアス』にはスザク、また『機動戦士ガンダム』にはアムロという、ダークヒーローの活躍を妨害する好敵手が存在したように、本作でも、ヤン・ウェンリーという、ラインハルトの野望を妨害する軍事的天才の活躍が描かれており、物語に厚みを加えている点も高く評価できると思いました。{/netabare}


◇最後に、 (3) 政治体制や戦争と平和についての政治哲学的考究ものとして
{netabare}
この点は、『機動戦士ガンダム』や『コードギアス』にはない、本作ならではの視点であり、本作を絶賛される方が多いのも、この点に反応してのことと考えます。
但し、本サイトで幾つかのレビューを拝読した限りでは、「本作の何が/どう凄いと思ったのか?」ということを明瞭に述べているものは皆無なように見受けられたので、その点について若干の考察を加えたいと思います。{/netabare}


◆本作の結末についての考察(重要)

本作の展開を簡潔に書き出すと

{netabare}(1) 専制君主政国家(銀河帝国)と、民主共和政国家(自由惑星同盟)の間に長期にわたる不毛な戦争が続いている。
(2) あるとき専制君主政国家の側にラインハルトという一代の英傑が現れて、皇帝位簒奪を狙うとともに、宇宙統一の野望を果たすべく民主共和政国家への攻勢を強める。
(3) これに対して民主共和政国家の側にはヤン・ウェンリーという天才軍師が現れてラインハルトの野望を妨害するが、民主共和政の宿痾であるデマゴギーの蔓延により自由惑星同盟は衆愚政治に堕落し、やがて崩壊して銀河帝国に併呑されてしまう。
(4) 宇宙を統一した銀河帝国では新皇帝ラインハルトの没後、体制の安定化のために専制君主政国家から立憲君主政国家への脱皮が図られる。{/netabare}

・・・ということで、本作は、アニメ作品に限らず、戦争もの/政治ドラマ仕立ての作品によくあるような「民主主義万歳!」「革命万歳!」「独裁者を倒せ!」etc.といった安直な内容にはなっておらず、逆に、

<1> デモクラシー(democracy、正確に訳すと「民主制」「民主政治」であり「民主主義」は誤訳)は、デマゴギーの蔓延によってモボクラシー(mobocracy、衆愚制・衆愚政治)に堕落する危険性を常に孕んでいること、
<2> 堕落した衆愚政治に支配された民主政国家は、英邁・有能な独裁者をいただく専制君主政国家に政治的・軍事的に劣後し敗北する結果を招きかねないこと、

を、長編アニメという作品媒体を通して、首尾一貫した構成の下に確りと描き出していることについては、やはり原作者/アニメ制作者はなかなかの見識をお持ちである、と素直に賞賛したと思います。

但し、本作に描かれたような展開と結末は、実は政治学(政治哲学を含む)をある程度真面目に学んだ者には常識に属するものであり、

[1] それをわざわざ、本伝110話+劇場版3作も掛けて描くほどのものではないように思われる上(※それだけの時間があれば、政治哲学の有名著作を何冊か読んだほうがマシだと個人的には思います)、
[2] アニメしか見ない層の場合は、せっかく本作を見終わっても「よく分からないけれど何やら政治に関して高級な薀蓄(うんちく)が色々と披露されているみたいで、とにかく凄かった」程度の感想しか残らないもの、と推測され、

・・・そういう意味で、本作を、「頭脳バトルもの+英雄一代記」 というエンタメ作品としての評価に加えて、「政治体制や戦争&平和の関係」についての政治哲学的作品として絶賛するには、個人的には足踏みしてしまう結果となりました


◆シリーズ別評価(外伝は除く)

(1) 劇場版 わが征くは星の大海 (1988年2月)  ★ 4.0
(2) 本伝  第1期 (1988年12月-1989年6月) ☆ 3.7
(3) 本伝  第2期 (1991年6月-1992年2月) ★ 4.0 
(4) 劇場版 黄金の翼 (1992年12月) ☆ 3.7
(5) 劇場版 新たなる戦いの序曲 (1993年12月) × 3.4 ※後半が本伝1-2話の使い回し
(6) 本伝  第3期 (1994年7月-1995年2月) ☆ 3.8
(7) 本伝  第4期 (1996年9月-1997年3月) ☆ 3.5
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本伝・劇場版を併せた総合評価       ☆ 3.8

※上記の理由のとおり、本作の作品テーマ自体はそれなりに評価するものの、その冗長さがマイナスとなって、全体評価は ☆ 3.8 と程々の点数に留めました。
(それでも『機動戦士ガンダム(UCシリーズ)』の平均点 ☆ 3.7 より少し上です)。


◆各話タイトル&評価(本伝+劇場版)

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

{netabare}======= 劇場版 銀河英雄伝説 「わが征くは星の大海」 (1988年2月) =======

全1話 (60分) ★ 4.0 {netabare}惑星レグニツァの戦い、第4次ティアマト会戦 ※ラインハルト&ヤンの両者が印象的に描かれており導入編として中々の出来{/netabare}


====== 銀河英雄伝説 本伝 第1期 (全26話) (1988年12月-1989年6月) =====

{netabare}第1話 永遠の夜の中で ☆ アスターテ会戦開始、包囲殲滅か各個撃破か
第2話 アスターテ会戦 ☆ 続き、ジャン・ロベール少佐戦死、ヤン准将への電文
第3話 第十三艦隊誕生 ★ 自由惑星同盟の実情、憂国騎士団、ヤン少将昇進 
第4話 帝国の残照 ★ ラインハルト姉弟とキルヒアイスの出遭い(過去回想)
第5話 カストロプ動乱 ☆ ラインハルト元帥府、キルヒアイス中将昇進
第6話 薔薇の騎士 ☆
第7話 イゼルローン攻略! × ※展開が都合良すぎる
第8話 冷徹なる義眼 ★ ラインハルトの野心、策士オーベルシュタイン帰参
第9話 クロプシュトック事件 ☆ 銀河帝国の内情(ブラウンシュバイク公爵邸爆破事件) 
第10話 ジェシカの戦い ☆ 自由惑星同盟の内情(英雄ヤンを利用した選挙謀略)
第11話 女優退場 ☆ 銀河帝国の内情(皇帝の寵愛を巡る陰謀)
第12話 帝国領進攻 ☆ 自由惑星同盟の内情(選挙目当ての大規模軍事作戦決定)
第13話 愁雨来たりなば… ☆ 帝国軍の撤退・焦土作戦(オーベルシュタイン立案) 
第14話 辺境の解放 ★ 輸送艦隊全滅・同盟軍解放地での暴動発生 ※脚本は面白いが作画・演出は粗雑
第15話 アムリッツァ星域会戦 ☆ キルヒアイスの指揮の冴え、同盟軍派遣艦隊壊滅
第16話 新たなる潮流 ★ 同盟・帝国それぞれの政変 ※地球教大主教登場は唐突×
第17話 嵐の前 ☆ イゼルローン司令官ヤン、捕虜交換交渉、ヤン-キルヒアイス会談
第18話 リップシュタットの密約 ☆ 帝国内の不平貴族とライハルト派の対立、帝国内乱勃発 
第19話 ヤン艦隊出動 ☆ 同盟のクーデター(救国軍事会議、グリーンヒル大将) 
第20話 流血の宇宙(そら) ☆ オフレッサ上級大将の奮戦・釈放後殺害
第21話 ドーリア星域会戦、そして…  ☆ 救国軍事会議軍艦隊の大敗、同盟首都の民衆暴動
第22話 勇気と忠誠 ☆ ガルミッシュ要塞陥落、貴族連合の退勢
第23話 黄金樹(ゴールデンバウム)は倒れた ☆ 惑星ヴェスターランドの虐殺、貴族連合の崩壊
第24話 誰がための勝利 ☆ 自由惑星同盟の内乱終結
第25話 運命の前日 ★ ラインハルトを取り巻く軍人たちの心模様
第26話 さらば、遠き日 ★ キルヒアイス殉職、ラインハルトの政権掌握、覇者の覚悟{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)7、☆(並回)18、×(疑問回)1 個人評価 ☆ 3.7


====== 銀河英雄伝説 本伝 第2期 (全28話) (1991年6月-1992年2月) =====

{netabare}第27話 初陣 ☆ ユリアン出撃、フェザーン自治領の方針変更
第28話 肖像 ☆ 帝国軍の双璧ミッターマイヤー&ローエンタール両上級大将の素性
第29話 細い一本の糸 ☆ フェザーンの思惑と地球教
第30話 失われたもの ☆  同盟政府のヤン首都召還、フェザーンのシューマッハ他軍人招致
第31話 査問会 ★ ヤンの現状認識(ラインハルトとの共存可能性、フェザーン策動の影)、ガイエスブルグ要塞出現
第32話 武器なき戦い ★ ヤンへのイゼルローン防衛命令、ヤン帰還までの時間稼ぎ 
第33話 要塞対要塞 ★ イゼルローン要塞の危機、客将メルカッツ元帝国軍提督の参戦・戦線膠着
第34話 帰還 ★ イゼルローン守備艦隊&ヤン救援艦隊の挟撃作戦、帝国ケンプ艦隊壊滅
第35話 決意と野心と ☆ ※ライハルトが「マキャベズム」の権化となる危険の指摘 
第36話 雷鳴 ☆ フェザーンの策動とラインハルトの追及、アンネ・ローゼとヒルダの面
第37話 幼帝誘拐 ☆
第38話 矢は放たれた ☆ 幼帝のフェザーン経由の同盟亡命、同盟政府の政治宣伝、宣戦布告
第39話 ひとつの旅立ち ☆ ユリアンのファザーン自治領駐在武官任命 
第40話 ユリアンの旅・人類の旅 ☆ 帝国/同盟/フェザーンの成立事情 ※民主共和制から衆愚政治さらに独裁制の成立の説明もあるが内容イマイチ
第41話 作戦名『神々の黄昏(ラグナロック)』 ☆ 帝国軍の国民軍化・フェザーン回廊通過作戦
第42話 鎮魂曲(レクイエム)への招待 ☆ ユリアンのフェザーン到着、フェザーン内部の波乱の芽、陽動作戦開始
第43話 ギャラルホルンは鳴った ★ イゼルロール方面の戦い(ヤンvs.ロイエンタール)
第44話 フェザーン占領 ★ 帝国軍侵攻、ミッターマイヤーの綱紀厳正化、ライハンルト進駐
第45話 寒波至る ☆ 同盟政府・市民・諸組織の動揺、帝国軍の同盟支配宙域侵攻開始
第46話 ヤン提督の箱舟隊 ☆ イゼルローン要塞撤退作戦、ロイエンタールの要塞奪還
第47話 自由の宇宙(そら)を求めて ☆ ユリアンのフェザーン脱出
第48話 双頭の蛇〜ランテマリオの決戦〜 ★ ビュコックvs.ミッターマイヤー、同盟軍艦隊撤退・ヤン艦隊合流、ユリアン合流
第49話 闇が深くなるのは… ☆ ヤン元帥昇進と同盟政府・市民・報道からの戦勝圧力、唯一の勝機
第50話 連戦 ☆ 帝国軍補給線寸断作戦、ラインハルト本隊出撃
第51話 バーミリオンの死闘(前編) ★★ ヤン結婚申込、ヤンvs.ラインハルト直接対決 ※唐突なグロ描写は×
第52話 バーミリオンの死闘(後編) ★ 続き、ラインハルト旗艦包囲、ミュラー艦隊の救援
第53話 急転 ★ 同盟政府の停戦命令(帝国の双璧の同盟首都進駐・同盟政府降伏(バーラトの和約)・地球教徒暗躍)、ヤンの受諾、勝利を譲られたラインハルト
第54話 皇帝ばんざい!(ジーク・カイザー) ★ ヤンとラインハルトの対面、占領統治開始、皇帝即位{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)10、☆(並回)17、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.0


========= 劇場版 銀河英雄伝説 外伝 「黄金の翼」 (1992年12月) ========

全1話 (約60分) ☆ 3.7 {netabare}※ラインハルトの幼少期より16歳での駆逐艦司令官着任・第5次イゼルローン要塞攻防戦までを描く。ヤン・ウェンリ-も登場。{/netabare} 


====== 劇場版 銀河英雄伝説 「新たなる戦いの序曲」 (1993年12月) ======

全1話 (約90分) × 3.4 {netabare}※ラインハルト(20歳)のローエングラム伯綬爵からアスターテ会戦、さらに元帥昇進までを描く。なお後半は本伝1-2話と同じ話であり、その使い回しシーンが多い。{/netabare}


====== 銀河英雄伝説 本伝 第3期 (全32話) (1994年7月-1995年2月) =====

{netabare}第55話 儀式から再び幕は上がり… ☆ ライハルト即位祝典、ヤン結婚式、ユリアンの旅立ち
第56話 地球へ ☆ 宇宙史解説回(地球の宇宙開拓・圧制・シリウスの宇宙覇権・銀河連邦成立・地球の没落)
第57話 キュンメル事件  ★ 皇帝暗殺未遂(ハインリッヒ)、地球教徒取り調べ、地球征討軍派兵
第58話 訪問者 ☆ ユリアンの地球教団本部潜入 ※この辺りの展開はマンネリ気味
第59話 過去と現在と未来と ☆ 銀河帝国歴代皇帝の黒歴史、年金生活中のヤン監視
第60話 魔術師捕らわる ☆ メルカッツ艦隊の同盟軍廃棄艦隊接収、ヤン不当逮捕
第61話 歌劇(オペラ)への招待 ★ ローゼンリッター連隊の蜂起、ヤン救出
第62話 血の流水階段(カスケード) ☆ 帝国高等弁務官レンネンカンプ拿捕・自決、ヤン再び宇宙へ
第63話 聖地 ★ 帝国派遣艦隊ワーレン提督暗殺未遂、地球教団本部突撃、狂信者の群れ
第64話 休暇は終わりぬ ☆ 帝国閣僚間の不協和音、フェザーン遷都の布告
第65話 すべての旗に背いて ☆ 惑星エル・ファシルの同盟離脱、ヤンの合流逡巡
第66話 黄金獅子旗(ゴールデンルーヴェ)の下に ★ 皇帝の倦怠、再始動(バーラトの和約破棄)
第67話 『神々の黄昏(ラグナロック)』ふたたび ★ 皇帝の同盟政府討伐宣言・ヤンへの帰参呼び掛け 
第68話 エル・ファシルへ ☆ 一部同盟艦隊のヤンへの譲渡、ヤンのエル・ファシル到着
第69話 イゼルローン再奪取作戦 ★ ヤンとユリアン再会、作戦準備、同盟軍残存艦隊出撃 
第70話 蕩児たちの帰宅  ★ 要塞守備隊撹乱作戦、ヤンの置き土産、要塞陥落 ※脚本が都合良過ぎな点は×
第71話 マル・アデッタ星域の会戦(前編) ☆ 同盟軍ビュコック艦隊vs.皇帝親征艦隊
第72話 マル・アデッタ星域の会戦(後編) ★★ 続き、同盟軍艦隊壊滅、ビュコック提督戦死
第73話 冬バラ園の勅令 ★ 同盟首都ハイネセン無条件降伏・皇帝の事後処理、自由惑星同盟消滅 
第74話 前途遼遠 ★★ シェーンコップ連隊長と娘(カリン)、フェザーンと地球教団の闇の関係 ※ヤンの「民主主義と専制政治」論開陳回  
第75話 雷動  ☆ ロイエンタール元帥弾劾・拘禁
第76話 祭りの前 ☆ ハイネセン火災、憂国騎士団検挙、ロイエンタール旧同盟領(ノイエラント)総督任命
第77話 風は回廊へ ☆ 帝国軍へのテロ暴発、イゼルローン要塞討伐艦隊接近
第78話 春の嵐 ☆ 元フェザーン領主ルビンスキー暗躍、ヤン暗殺計画
第79話 回廊の戦い(前編)〜常勝と不敗と〜 ★ ヤン艦隊vs.ビッテンフェルト&ファーレンハイト艦隊、ファーレンハイト戦死
第80話 回廊の戦い(中編)〜万華鏡(カレイドスコープ)〜 ★ ヤン艦隊vs.皇帝親征艦隊、シュタインメッツ戦死
第81話 回廊の戦い(後編)〜大親征の終幕〜 ☆ 帝国軍の物量戦、フィッシャー中将戦死、皇帝からの停戦・会談申し入れ
第82話 魔術師、還らず ★ 地球教団のヤン搭乗艦襲撃、ヤン提督殉職
第83話 祭りの後 ★ フレデリカとユリアンのヤンの役割継承、ムライ中将の離脱
第84話 失意の凱旋 ☆ エル・ファシル革命政府瓦解、ミュラー提督の弔問、帝国軍撤兵
第85話 遷都令 ☆ フェザーン正式遷都
第86話 八月の新政府(ニュー・ガバメント・イン・オーガスタ) ☆ ロイエンタール総督府開設(旧同盟)、イゼルローン共和政府樹立{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)12、☆(並回)18、×(疑問回)0 個人評価 ☆ 3.8


====== 銀河英雄伝説 本伝 第4期 (全24話) (1996年9月-1997年3月) =====

{netabare}第87話 嵐の予感 ☆ トリューニヒトのハイネセン参事官着任
第88話 辺境にて ☆ 革命的専制君主ラインハルト
第89話 夏の終わりのバラ ★ ヴェスターラント虐殺の心の傷、皇帝の伴侶
第90話 鳴動 ☆ 旧同盟首都ハイネセンの民衆暴動、ロイエンタール総督の心境、地球教団の狙い
第91話 発芽 ☆ ヒルダ再出仕、ラング-ルビンスキー謀議、皇帝ハイネセン行幸
第92話 ウルヴァシー事件 ☆ 中継惑星での皇帝暗殺未遂、ルッツ提督殉職
第93話 矜持にかけて ☆ 皇帝の不在、ロイエンタール総督の焦燥・決断
第94話 叛逆は英雄の特権 ☆ ミッターマイヤーへの出撃命令、ラング内務次官跳梁
第95話 双璧相撃つ!  ☆ ユリアンのロイエンタールの申し出拒絶
第96話 剣に生き… ☆ ミッターマイヤーvs.ロイエンタール、帝国艦隊のイゼルローン回廊通過
第97話 剣に斃れ ☆ グリルパルツァー離反・ロイエンタール艦隊撤退
第98話 終わりなき鎮魂曲(レクイエム)  ☆ ロイエンタール死亡、叛乱終結
第99話 未来への助走 ☆ ミッターマイヤー周辺の物語、皇帝のヒルダ求婚、幼帝誘拐犯逮捕 
第100話 皇妃ばんざい!(ホーフ・カイザーリン) ☆ 祝宴、地球教団の新たな策動
第101話 動乱への誘い ☆ 旧同盟諸星の食糧暴動発生、イゼルローン共和政府の方針決定
第102話 敢えて武器を手に ☆ イゼルローン要塞攻防戦(ユリアン軍司令官としての初陣)、ワーレン艦隊撤退
第103話 コズミック・モザイク ☆ オーベルシュタイン軍務尚書のハイネセン不穏勢力弾圧、武闘派三提督の不満
第104話 平和へ、流血経由 ☆ イゼルローン首脳へのハイネセン出頭勧告
第105話 昏迷の惑星 ★ 政治犯収容施設襲撃事件、ルビンスキー逮捕、皇帝ハイネセン到着
第106話 柊館(シュテッヒパルム・シュロス)炎上 ★ 地球教団の皇妃襲撃、皇子生誕・命名
第107話 深紅の星路(クリムゾン・スターロード) ☆ 対イゼルローン戦中の皇帝不慮(病状進行)
第108話 美姫(ブリュンヒルト)は血を欲す ★ ユリアン隊の帝国旗艦突入、メルカッツ提督戦死、シェーンコップ隊長戦死、ユリアンと皇帝の対面・停戦 ※脚本に無理あり×
第109話 黄金獅子旗(ゴールデンルーヴェ)に光なし ☆ ルビンスキー死亡・ハイネセン地下爆発、立憲政治の提案(ユリアンから皇帝へ)
第110話 夢、見果てたり ☆ 地球教団最後の襲撃、オーベルシュタイン殉職、皇帝薨去{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)4、☆(並回)20、×(疑問回)0 個人評価 ☆ 3.5{/netabare}


◆(既視聴者向け):本作からの拡張

もし本作を、「政治論」とくにその中の「デモクラシー」の考究ものとして捉えるならば、その重要な指摘のひとつは、

「デモクラシーの要諦は、正当な言論とデマゴギーの見極めである」、あるいは、
「政治の要諦とは、デマをデマとちゃんと見抜くことである」

・・・でしょう。

デマゴギーはいつの時代だって発生します。
古代ギリシアの直接民主制では、デマゴーグ(デマを撒き散らす者=デマゴゴス)はアゴラ(広場)でアジテーション(扇動演説)を繰り返す人、と相場が決まっていましたが、近代以降の間接民主制では、デマゴーグ達はその主戦場を新聞やTVといったマス媒体に移し換え、「権威」や「真実」の衣を偽装して人々を彼らの思う方向へ扇動しようと試みます。
その卑近な例が、2009年9月の一時的な政権交代に至るマスコミによる異常な政治的扇動であったと私は理解していますが、そのようなものに引っかかってしまった人たちが、今後再び同じ愚を犯さないと、私たちは果たして言い切れるでしょうか?

せっかく本作を視聴して何らかの感銘を受けた方ならば、本作について「深い」とか「考えさせられる」みたいな余り内容のない感想を持つだけで終わらずに、どうせなら、もう少し本格的に政治現象を読み解くための杖 -政治学とか政治哲学とか呼ばれているもの- にも手を伸ばして欲しいと思いました。

※そのための第一歩として、岩田温『逆説の政治哲学』(2011年刊)あたりを個人的に推しておきます。(必ずしも岩田氏の論説に全て同意する訳ではありませんが、本書自体は『ザ・フェデラリスト』、『フランス革命の省察』、『革命について』といった政治哲学の古典の秀逸なガイドブックになっているため。)

(2018.8.29 誤字訂正) 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31

78.2 2 1990年春(4月~6月)アニメランキング2位
ふしぎの海のナディア(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (580)
3127人が棚に入れました
西暦1889年、パリ万国博覧会中のエッフェル塔で、飛行機の発明を夢見るジャンは、サーカスの団員ナディアと、彼女の友達である赤子ライオン(キング)に出会う。彼女の持つ謎の宝石ブルーウォーターを狙うグランディス一味から逃げ、ナディアの故郷を目指す旅のなかで、悪の組織ネオアトラン(ネオアトランティス帝国)の首領ガーゴイルが占拠した島で生き残った少女マリーと出会う。しかし、マリー、キング、ナディアの3人は、ガーゴイルに連れ去られる。初めはブルーウォーターを狙っていたグランディス一味と共にナディア達を助けるうち、ジャンは万能潜水艦ノーチラス号のネモ船長とガーゴイルとの戦いに巻き込まれていく。

声優・キャラクター
鷹森淑乃、日髙のり子、水谷優子、滝沢久美子、堀内賢雄、桜井敏治、清川元夢、大塚明夫、井上喜久子
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ようやく見るに至る

再放送されていたのを見たことはあったが、追っていたわけではなく、話の内容はほとんど知らないも同然だった。
しかし、アマゾンプライムビデオにいつの間にかあったので、見ることができた。

何かと葛藤が多いし、割と人がばんばん死ぬんやなあ。思っていた以上にシリアス。潜水艦離脱からの中だるみしたのか無人島漂流。いつの間にかグランディス、サンソン、ハンソンが良い奴になってるし。キャラソン一挙放送みたいな謎回もあるし。ツッコミどころありすぎ。
さらに気づいたら、最終話に向けて一気にシリアス展開。僕の大好物である後日談も交えて、最終的にはしばらくロスに至る自分史に残る作品だと感じた。本当にずるいよ。庵野秀明。最後の脱出とか、あれだけで泣けてしまうよ。
{netabare}エレクトラがひっそりとネモとの間に子供まで作っているのはたまげた。サンソンはグランディスだと思っていたのに、まさかのマリーと結婚しているのもびっくりだわ。{/netabare}
褐色露出多めヒロインも当時も現在でも斬新でありですね。NHKも共同制作に入っているわりにはやりたい放題やっていたみたいね。なんにせよジャンとナディアがハッピーエンドを迎えられたのは良かった。

鷹森淑乃の声も良かったし、貞本義之のキャラクターたちみんな良かった。

人を殺すくらいなら殺されたほうがまし。とは言うけど、人殺しに自分だけで済むならまだしも、自分の大切な人が殺されても平気でいられるのだろうか?殺人は駄目なのは当たり前だけど、正当防衛というものがある。

23話には驚かされた。あれが例の嫉妬に狂った女エレクトラなのか!背筋がぞくぞくした。まじでとんでもないな。
{netabare}ナディアがネモの実の娘でそっちに愛を注がれるのは嫌だから殺そうとするなんて。清純で冷静沈着なお姉さんだと思ってたのに。挙句、自殺未遂ですよ。これじゃあ、単なるメンヘラですやん。ネモの圧倒的な漢気で全部解決。
嫉妬描写が多いグランディスのほうがやりそうなのに。あ、でも、グランディスのほうが気持ちいいほど分かりやすい性格しているから大丈夫やな。お嬢様育ちとは思えない。料理上手だしね。結婚詐欺の被害に会って、財産も勿論だが、ほぼ全てを失うという悲しい境遇を乗り越えているから強い。{/netabare}

ナディアが肉食を嫌う。科学、文明を嫌う。菜食主義って文明社会でないと達成できないよなあ。なのに、無人島に漂流したとき、自然と共に自分は生きていくだなんて矛盾を抱えている。食糧を盗むことでしか生活できないなら、自然と共生しているとはとても言えない。人間は自然の中では生活しきれないからこそ、文明を作りあげてきた。この便利さからは逃れられない。

子鹿を殺したことを責めるが、ライオンとかは子供を狙うじゃん。動物を殺すのは駄目でも植物は許されるのか?肉食動物が肉を食べることを知らないし、卵が動物の生まれる前の段階なのにそれは食べることができる。一見ヴィーガンのようだが、違う。そもそも僕はヴィーガンの思想自体理解しきれない。菜食主義でも肉を無理矢理食べると感動して菜食主義を辞めたくなるらしい。肉食には抗えない。人間も動物だからね。自分のポリシーとして貫くぶんには構わなくても、人に押し付けてはダメ。おいおい蚊は殺してもええんかーい!!過去のトラウマはそう拭えないもんだね。後日談でも断固として食べてないし。

ナディアは思春期特有かもしれないけれど、非常に面倒くさい。自分の過去を振り返ってもそう思う。なんでこんな面倒くさい思考回路してたんだろう?恥ずかしい。だからこそ、ナディアを見るとイライラしてしまうんだなあ。上手に描いているもんだ。腐った物を食べてお腹を壊したところを助けようとしたジャンに感動してしおらしくなったなあ。

ジャンもデリカシーがないなあ。女性の気持ちに鈍感。女性にキスを誰としたとか訊いたらまずいやろ。かくいう僕も女性の気持ち、ましてや人間の気持ちなんて分からない。努力はしているつもり。男子校生活は終わったはずなのに未だにおかわりしてるもんだから、なんだかんだジャンに共感できる。
キングがなんか可哀想。

そして、潜水艦から切り離されたあたりからシリアスからはほど遠いほのぼのとした生活。無人島とか部族とか。ナディアが浮気してしまえるほどの緩さ。いくらなんでもジャンが報われない。

マリーの声を聴くと水谷優子が忍ばれるなあ。

OP
ブルーウォーター 歌 森川美穂
ED
Yes, I will... 歌 森川美穂
この作品が放映されたとき僕は生まれていなかったけれども、曲は聞いたことがあって好きだった。どちらもいつまでもリピートできる気がする良曲。特にED。メッセージ性も強くて好きだな。
他にも大量のキャラソンやら挿入歌やらあるけど、見ている途中で僕もたるんできたので、あんまり印象に残ってない。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
時は、1889年。発明好きの少年・ジャンは、万国博覧会の会場で謎の少女・ナディアに出会う。ナディアに一目ぼれしたジャンは、ひょんなことからナディアとともに冒険へと旅立つことに―。


1. エッフェル塔の少女
パリの万国博覧会にやってきた発明好きの少年ジャンは、セーヌ川の岸辺で見かけた少女・ナディアに一目ぼれ。そこへ、ナディアの持つ宝石"ブルーウォーター"をねらう三人組があらわれる。

2. 小さな逃亡者
ジャンの活躍で三人組から逃れることができたナディアは、ル・アーブルにある彼の家で夜を明かす。ところが翌朝、三人組が万能戦車グラタンでふたたび襲ってきた。ナディアとジャンは、空を飛んで逃げることに。

3. 謎の大海獣
ジャンとナディアの乗った飛行機が故障し海に不時着。偶然パトロール中のアメリカの戦艦に発見され助けられた二人。しかしほっとしたのも束の間、今度は謎の大海獣が現れ、戦艦と激しい戦闘を始めてしまう。

4. 万能潜水艦ノーチラス号
謎の大海獣と戦艦の戦闘中に、海に投げ出され取り残されてしまったジャンとナディア。すると二人の前に最新の装備を持つ潜水艦が現れる。二人はエレクトラと名乗る女性から親切なもてなしを受ける。

5. マリーの島
ノーチラス号に別れを告げたジャンとナディアは、改良してもらった飛行機でフランスに向かう。ところが、突然攻撃を受け飛行機は近くの島に墜落、しかもその島は謎の侵略者たちによって占領されていた。

6. 孤島の要塞
侵略者にマリーが捕らえられてしまった。ジャンとナディアはマリーを救い出すため、島の中心にある秘密基地へ潜入する。二人はそこで、ノーチラス号と闘っていた潜水艦を目にする。

7. バベルの塔
ジャンをかばって囚われの身となったナディア。ネオ・アトランティスの首領ガーゴイルは、ナディアをなぜかプリンセスと呼び、マリーとキングを人質にして組織への協力を迫る。彼の狙いはいったい何なのか?

8. ナディア救出作戦
グランディスたち悪党三人組と再会したジャンは、ナディアを助け出すため力を合わせることに。ジャンと対面したガーゴイルは、ナディアたちの命と引き換えに、ブルー・ウォーターの在り処を聞き出そうとするが。

9. ネモの秘密
ネオ・アトランティスの基地が崩壊、グラタンで海へと逃げ出したジャンたちは、ノーチラス号に助けを求め、ネモの判断で救出されることに。そこで、初めてナディアに会ったネモは驚く。

10. グラタンの活躍
ネモの命令で部屋を分けられケンカをしてしまったジャンとナディア。一方、ノーチラス号はガーゴイルの飛行船カルカロドンを追撃するのだが、逆に地下水道で新型の浮遊機雷に囲まれてしまう。

11. ノーチラス号の新入生
ノーチラス号の窮地を救ったグラタンの活躍が認められ、グランディスたちは見習い乗組員として採用されることに。客員となったナディアも何か役に立とうと、船内の調理場でグランディスを手伝うのだが失敗ばかり。

12. グランディスの初恋
魚料理にあきて不満をもらすハンソンたちを見かねたネモは「狩りの日」をもうけ、ノーチラス号は無人島に上陸。次々島に繰り出す船員たち。その夜、無人島の浜辺でグランディスはナディアに自分の過去を語る。

13. 走れ!マリー
小鹿を狩ったことに激怒するナディアはジャンとケンカ、ほかの船員たちもみんな仕事が忙しく、かまってもらえないマリーはキングと島の探検に出かける。古い線路を見つけたマリーたちだが、迷子になってしまい。

14. ディニクチスの谷
ガーフィッシュを追い、再び海に出るノーチラス号。そんな時、マリーが灼熱病にかかってしまう。そしてナディアまでもが倒れてしまい、二人ともあと2日の命と診断される。病気を治すには特別な薬草が必要だった。

15. ノーチラス最大の危機
ノーチラス号の科学の力にますます感動するジャン、逆に反発するナディア。そんな折ノーチラス号は、ガーフィッシュとの戦闘の最中に損害を受けてしまった。修理をするため海上へ浮上すると、そこには。

16. 消えた大陸の秘密
全ての争いの元となっているブルーウォーターを持つ自らの運命に悩み苦しむナディア。一方、船体修理中に機関部で漏れた有毒ガスにより犠牲となったフェイトたちを埋葬するため、ノーチラス号は海底遺跡へ向かう。

17. ジャンの新発明
父の死を知りその敵を討つためノーチラス号の正式な乗組員を志願したジャンだったが、ネモに断られてしまう。すっかり落ち込むジャンに、ナディアは「またジャンの飛行機で飛んでみたいな」と、彼を元気付ける。

18. ノーチラス対ノーチラス号
度重なる戦闘補修によって資材が不足したノーチラス号は、補給のため南極にある秘密基地へ向かう。その途中、謎の物体に捕えられてしまう。それは何億年も前に生きていたとされる巨大なオーム貝・ノーチラスだった。

19. ネモの親友
南極大陸の地下に広がる秘密基地に到着したノーチラス号。ネモはジャンとナディアをつれてある場所へと向かう。その途中には遥か太古に絶滅した様々な生物たちが、氷で保存された氷の博物館があった。

20. ジャンの失敗
ガーゴイルは空中戦艦を建造し、ネモを倒すため再び動き始めていた。一方、ますます発明に没頭するジャンは、小型ジェット機を造り上げるが、実験に失敗し、その爆発によってガーフィッシュに見つかってしまう。

21. さよなら...ノーチラス号
ガーフィッシュの集中攻撃を受けたノーチラス号だが、逆にガーフィッシュを撃沈。ところが、空中戦艦からガーゴイルの新兵器・スーパーキャッチ光線が発射され、ノーチラス号は空中に引き揚げられてしまう。

22. 裏切りのエレクトラ
海底へと沈んでいくノーチラス号。ネモ船長は乗組員をメインブロックに集め、戦闘ブロックを切り離した。自爆した戦闘ブロックがガーフィッシュを全滅。ネモ船長は、船長室にナディアたちを呼び出し。

23. 小さな漂流者
ナディアたちを乗せた船長室は、ゆっくりと海中を進み、とある砂浜に漂着。しかし島はもう誰も住んでいない無人島。ナディアは、誰も、悪人もいない、この島で生きていこうと決心する。

24. リンカーン島
一夜明け、ナディアは島を"リンカーン島"、漂着した入江を"キャプテン湾"、砂浜を"ナマジャキビーチ"などと命名。科学文明と縁を切って生きていくと、森の中へと行ってしまった。

25. はじめてのキス
ジャンとナディアは、肉を食べるか食べないかで激しく言い争う。肉を食べない!と一方的に宣言し、意地を張るナディアはジャンに対して怒ってばかり。そして、腐ったホウレンソウの缶詰を食べ、寝込んでしまう。

26. ひとりぼっちのキング
人はひとりで生きていられないと感じ、ジャンにあらためて感謝し優しくなったナディア。その様子を見たキングは、激しく傷つき動揺。そして、仲良く寄り添いあうジャンとナディアを目撃し、ついに家出をしてしまう。

27. 魔女のいる島
リンカーン島を激しい台風が襲う。ジャンがせっかく作った小屋は吹き飛ばされ、発明した数々の装置も崩壊し、キングは強風に吹き飛ばされ行方が判らなくなる。台風が去った夜、見慣れない島が流されてきて。

28. 流され島
エアトンがおびえる「恐怖の大王」から逃げるナディアたち。重力異常でいつもより速く走り、高くジャンプすることが出来るのだが、やりすぎて島を一周してしまう。「恐怖の大王」の正体、それは。

29. キング対キング
新しい島での生活をはじめたジャンとナディアだが相変わらず言い争いが絶えず、グランディスはネモへの思いがつのるばかり。そんな中サンソンとハンソンはふとしたことから意見が対立、ケンカになってしまう。

30. 地底の迷路
グラタンの修理が完了する日が近づいていた。目指す場所はアフリカ東海岸だ。ところが蚊が大量発生し作業どころではなくなってしまう。一方ジャンとナディアは不思議な穴を発見する。その穴の中で目にしたものは?

31. さらば、レッドノア
地下にある遺跡で突然壁に吸い込まれたナディアは、島の中の大空洞に浮かんでいた。そこは衛星都市レッドノア――。そしてナディアの前に謎の巨人が現れ、アトランティス人の歴史を語り始める。

32. ナディアの初恋?
潜水をはじめた島からグラタンで避難したジャンやグランディスたち。だが途中でガーゴイルの空中戦艦に攻撃を受け、アフリカにある村に不時着する。ナディアはそこで出会った少年・ハマハマに一目ぼれする。

33. キング救助作戦
キングを捕らえて宝を要求してきたのは、グランディスの初恋の相手で、彼女から全財産を奪った男、ゴンザレスだった。その上、キングを助けに向かったグランディスとナディアまでもが捕われてしまう。

34. いとしのナディア(はーと)
ジャンはサンソンから、歌を作るようアドバイスされ、自分のすべての科学技術を投入して新しい発明に取り掛かる。ところが、発明に熱中しかまってくれないジャンにナディアは苛立ってしまう。

35. ブルーウォーターの秘密
グラタンが到着したナディアの故郷・タルテソス。何かに導かれるように大きな火山湖の中を進んでいくナディア。すると湖水が割れ、謎の地下遺跡が現れる。そこは古代アトランティス人の遺産「ブルーノア」だった。

36. 万能戦艦Ν(にゅー)-ノーチラス号
突如現れたネオ・アトランティスの空中戦艦。攻撃からジャンたちを守るため、ナディアは捕らわれの身となる。だがガーゴイルは約束を破り攻撃を開始する。ジャンたちは、間一髪のところを謎の小型艇に助けられ。

37. ネオ皇帝
ネオ・アトランティスの攻撃により消滅したと思われたN-ノーチラス号は、アフリカ大陸の地下トンネルを使って空中戦艦の攻撃を回避していた。一方、ネオ皇帝の力によりブルーウォーターが発動し。

38. 宇宙(そら)へ
パリ上空で、N-ノーチラス号とレッドノアの戦いの火蓋が切って落とされた。レッドノアの周囲には1億ボルトの電磁バリアが張られていて、内部に突入することができず苦戦を強いられる。

39. 星を継ぐ者
奇跡的に自らの意識を取り戻したネオは、命をかけてナディアを洗脳から解放する。ガーゴイルは見せしめに、エレクトラ、ジャンを次々手にかけ、悲しみに沈むナディアは、ここで最後の決断を迫られる。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

1度しかない人生、パーッと生きろ!! 良質な愛とJewelの冒険譚をあなたに…

最近、巷では特撮映画『シン・ゴジラ』が大変なブームとなっています。
ゴジラシリーズとしては通算29作目、2004年の『ゴジラ FINAL WARS』から実に12年ぶりに日本純正で作られた映画だそうで、新作を心待ちにしてた特撮ファンの間では久しぶりのゴジラに歓喜の声が多数
また、ここまで一気に知名度が上がった主な理由の1つとしては、スタッフの豪華さが挙げられている事でしょう。
総監督および脚本を務めるのは『新世紀エヴァンゲリオン』で一世を風靡した、トップクラスの人気を誇る庵野秀明氏
特技監督には庵野氏と親交の深い樋口真嗣氏、音楽は鷺巣詩郎氏が担当し、他にも摩砂雪氏、鶴巻和哉氏など庵野作品ではお馴染みの顔である人達の作品を久しぶりに拝見出来るというのも、従来のアニメファンを取り込んだ相乗効果として人気に繋がっているようです。
残念ながら私は特撮については全くと言っていい程、知識が無く、その為スタッフの偉大さについてもイマイチピンときません。
そういった方面には些か疎いので、名前を出されても「聞いた事がある」「○○に関わっている」位の印象でしかなく、「何が凄いのか」「どういったディテールに凝っているのか」など、あまり詳しい説明は偉そうに語れない身なのですが…
しかし、そんな私でも彼らが作り上げた作品の中で1番心に残っている物があります。
それこそ、今日ご紹介するアニメ『ふしぎの海のナディア』です。
こうして私がレビューを書いているという事は、期待していた通りの素晴らしい出来だったという証明と言えるのは間違いありません。
と言う訳で今回は『シン・ゴジラ』放映記念と称しまして、愛と夢の詰まった冒険譚をじっくり語って、盛大に褒めまくっていきます!!
まずは簡単なあらすじから…

汝は冒険者か?
危険と言う名の滝を潜り抜け、その奥に伝説の正体を求める者か?
ならば、我を求めよ……

時に西暦1889年
世界中の海では謎の船舶遭難事故が相次いで起こっていた。
人々は古来より海にすむ怪獣の仕業だと噂し、各国首脳は新兵器による攻撃だと互いに非難し合い、緊張が高まりつつあったその頃…
産業革命以来の急速な産業と科学の発達の中で列強各国は、アジアやアフリカの植民地をめぐって対立し、衝突を繰り返していた。
19世紀末、心ある人々は、迫りくる世界大戦の翳に脅えていたのである……

そんな科学万能主義が世間に良い意味でも悪い意味でも影響を与えていた繁栄期のフランス
そこでは、その「怪獣」とやらが起こした被害によって父親が消息不明になってしまったジャン・ロック・ラルティーグ少年が日々を発明に費やしていた。
彼はめげずに「人生をパーッと生きる」と言う叔父の言葉を胸に、父の生存を信じて今日も健やかに生きている。
さて、ジャンは発明の成果を試す絶好の機会である飛行機コンテストに参加する為、辺境の町ル・アーヴルから大都市パリで開かれている万国博覧会にやってきた。
しかし、コンテストに向けて機体を整備していた折に、彼は自転車でセーヌ川のほとりを滑走する褐色の少女に一目惚れしてしまう。
その少女…ナディアとの出会いこそ、ジャンが大空に、地底に、海中に、そして宇宙へと旅立つ大冒険の始まりだった!!
彼は彼女の持つ宝石…ブルーウォーターを胸に秘め、大切な仲間達と共に壮大な世界の第一歩を踏み出していく…
どんな困難が待ち受けようと、ナディアの手をしっかりと握りながら……


ではここからレビューに入っていきたいと思います。
今作には基になった小説が存在しておりまして、原案はジュール・ヴェルヌ作『海底二万マイル』『神秘の島』と言う有名作品です。
恐らく幼少期に読んだ事がある方も多いのではないでしょうか?
そう、ジュール・ヴェルヌと言えば、子供の頃に読書好きだった方にとっては1度は読んだ事があるであろう作品を数多く手がけた有名人、私のようなSFファンにとっては元祖、始原、神様の如き存在なんです(笑)
なぜなら、彼がいなければSFが生まれる事もなく、空想科学なんて代物が実を結ぶこともあり得なかったかもしれないから…
1つのジャンルの興隆に大いに貢献したとして、SFを語る上では外せないとてもとてもありがたいお方なのです。
しかし、その有名なヴェルヌ先生の名前とその作品名をお借りしておいて大変言いにくい話なのですが、このアニメ、ストーリー展開だけ見るならまるで別物です。
所々、小説に出てきた登場人物がアニメの中で名前として登場して活躍する位であり、キャラ設定や物語はまるで別物
これは狂信的なSFファンからしたら違う箇所のオンパレードで発狂してしまいそうな程の代物ですね(笑)
まあ、「原作」ではないので間違ってないから無問題(日本語って難しい…)
しかし、個人的に作中の織り成す全体的な雰囲気は原案の小説を読んだ時と概ね似ている感じが致しました。
『海底二万マイル』は近代科学、『神秘の島』は自然科学を根底に置いたSF冒険小説であって、どちらも科学技術啓蒙小説である事には変わりません。
読む前の期待感、読んでいる時のワクワク感、読み終わった時の爽快感は計り知れない物であり、したがって登場人物が一部以外違えど、その雰囲気は『ふしぎの海のナディア』でも充分に通じるかと思います。

さて、この物語の概要は既にあらすじで述べた通り、発明好きの少年ジャンがサーカスの少女ナディアと出会う事によって始まるボーイミーツガールストーリーです。
しかし、一般的なこの手のジャンルと一線を画している所がこの『ふしぎの海のナディア』と言う作品にはあります。
それは出会い、仲良くなり、困難に陥り、喧嘩し、仲直りし、また困難に陥り、喧嘩し、ずっと喧嘩し…と、とにかく主人公とヒロインの仲違いがやたらと多い所(主に悪いのはナディア)
私はボーイミーツガールと言うジャンルが堪らなく大好きで、その手の類の作品は良く拝見しているのですが、恐らくいがみ合いの数に関してはこのアニメが1番です。
そして、この作品を観てとにかく感じるのはジャンが凄く良い奴だという事ですかね…
私が彼と同じ立場だったなら、アフリカ編(32話、33話での出来事の総称)でこのヒロインは見限ります(笑)
いやあ、ジャン君、あそこまでやられて大した聖人ですよ、君は……
とまあ、私の反応からも分かる通り、余程の人格者か聖人か、逆に人間の底を知った性格破綻者か狂人でない限り、ましてや一般人なら絶対に彼女の事を性格が悪いと感じるでしょう(勿論、それ=嫌いという訳ではありませんよ!)
しかし、その性格の悪さが上手い方向に作用したのは幸か不幸か、ヒロイン以外のキャラクターも軒並み魅力的に映ってるのがこの作品の大きな特徴です。
主人公のジャンは基より、誰よりも精神年齢の高い幼女マリーや誰よりも人間らしいライオンのキング、グランディス一味のリーダーで恋多き女のグランディス姐御、力持ちの熱血漢で名言宝庫のサンソン兄貴に機械工学の天才でジャンと気の合うハンソン兄貴と、その他にも揃いも揃ってかっこいい、可愛い、美しい、楽しい、面白い登場人物ばかり
また、当の本人であるナディアも島編(23話~31話での出来事の総称。細かく言えばさらに分けられるがここでは割愛)まではおかしくなる事もあれど、気がちょっとばかし強すぎて、多彩な我儘態度を持っていて、少しばかり意地っ張りだけれども、根は寂しがり屋(笑)の女の子と感じられたので、そこまで不快感を感じずに笑いながら観る事が出来ました。
まあ、冗談はともかく、皆を助ける為、自ら囮になったり、死んだ人に向けた墓を命掛けで作ったりと本質は悪い娘ではありません。
なので、だからこそ、アフリカ編が堪らなく惜しく感じるというジレンマ
もしかしたら初見はあの話を観ない方が良いのではないかと個人的には感じてしまいます。(事実、後のストーリーには全く関係ないんです)
まあ、観ても後悔、観なくても後悔の八方塞がりのような物なので、これはもう各々の自己判断で宜しくお願いします。
「一体ナディアは、何を考えて生きているのでしょうか…」
全くもって同感です(笑)

さて、本作は「生と死」「様々な形の愛」「運命のあり方」「異種間同士に交流は成立するか?」など私達に伝えている事が数多くあるアニメです。
そして今作の根幹を成す最大のテーマとしては「科学至上主義は平和を導くか?」という近代から続く科学万能思想に警鐘を鳴らした物
こういった問題について思いを巡らせると、常々、私が最初にレビューした『鋼の錬金術師』と言うアニメを思い出してしまうのです。
あのアニメで軸となっていたテーマも「錬金術という科学が作り上げた魔法のまかり通る世界で、紡がれる科学的探究は果たして幸福へと繋がるのか?」という『ふしぎの海のナディア』と同様の類の産物
科学者の持つ、いや、人間全体が持っている知識の探究の果てにある業を上手くテーマに組み込み、後々にはSF設定と絡めて救われない現実、報われない感情、そしてその「罪」に値する「罰」について赤裸々に、臆することなく、見事に表現したのが『鋼の錬金術師』でした。
それに対して、この『ふしぎの海のナディア』は『鋼の錬金術師』よりも幾分、希望、救いを含めたアニメとなっています。
倫理と科学がいつもぶつかる理由は正に両方が相容れない物
人間が良い心と悪い心を両方持っている以上、科学にも善と悪とができてしまう。
それ自体が世界を跪かせる神の光となるか、世界を滅ぼす悪魔の光となるかは未来を知る者にしかわからない…
しかし、科学を扱っている者は悪魔でも、ましてや神でもない、ただの人間なのだ。
ちっぽけな存在で、間違いを犯す存在で、狂おしいまでに、病的なまでに何も出来ない無力な存在
しかし、だからこそ、科学だけじゃなくそれを創り出した人間自体を信じたい、信じる事しか出来ない…
このアニメは絶望的過程が待っていても「もう少し信じてみてもいいんじゃないか?」と使う人間其の者を「信頼」する勇気を与え、ある観点において、『鋼の錬金術師』とは逆の意味で前向きに捉える事の出来た物だったと思います。

では、存分に語った所で総括を…
私は「スチームパンク」というジャンルをこよなく愛しており、実はそれ関連の物語だと言う噂を聞いて観始めたのが今作へと至るきっかけでした。
しかし、全話観終わった結果、これは「スチームパンク」に収まる話ではないなと断言できてしまいます。
19世紀~20世紀の時代、産業革命以降のヨーロッパが舞台と背景的にはばったり合致
蒸気機関は全く出てきませんが、その代わりに超科学兵器や古代秘密兵器が目白押しに登場してきて、最終的には現代科学も凌駕する発明品ばかりが登場するオンパレード
ライト兄弟が開発する数年前に飛行機を作り上げたり、南極到達を一歩先に登場人物達が行っていたりと歴史改変要素も数多くあります。
だから、どちらかと言うと、このアニメはヴィクトリア朝時代の感覚で見たレトロフューチャーSF作品と捉えた方が上手く実像を捉えてると言えるでしょう。
SF冒険活劇としてはとてもワクワクする、まさしくこれぞ「ジャパニメーション」と呼ぶにふさわしい作品
これが25,26年前、現在から数えて四半世紀前に作られた物だと考えると、いやはや、驚嘆の色しか出てきません。

ただ、これはレビューを書こうと思ったきっかけとはなりません。
なぜなら、それはあくまで「面白い」という範疇に留まる作品であり、私の書く条件となる「心に訴えかけてくる」作品とは少し違うからです。
上記で語ったテーマなども確かに書く理由とはなりましたが、中盤の展開などもあってか、後一歩、後もう少しなのに…という印象がずっとまとわり続けていたのを覚えています。
しかし、最終回になってようやく…
私はこのアニメのレビューを書こうと決めるに値するきっかけを見つけられました。
詳細はネタバレになるので省きますが、要するに、このアニメ、最終回の破壊力が凄まじいのです。
今まで観てきた人なら絶対に損させない、最高のエンディングがあなたを待っています。
製作者の方達は最後、ああいう風に締める事を想定していたんでしょう…
いや、もう、最終回でようやく分かるあの演出の真意は一言でいえばもう、「ズルい」領域です(笑)
私の書いている文章の意味は最後まで見た方なら必ず分かる物
未視聴組の方々にとっては、恐らく喪失感が物凄い事になるかと思うので、観る際には注意してください…

さて、この作品を観ていた最中、私は毎週決まった時間、テレビに噛り付くように観ていた幼少期を自然と想起してしまいました。
誰にでもあった、何かに夢中になっていた時代
ただ、ひたむきに好きな物を追い続けていたあの頃
当時は「追い続ける」事に対して全員が胸を張って応えていたような気がします。
まあ、自分は精神が未だに餓鬼なので、あの頃と全く、何も変わってないような気がするのですが(笑)
しかし、最近は子供でさえ、そういった事に正直でいられない時勢のようにも感じてしまいます。
他人に流され、世間に流され、未来に流され、自らの気持ちに素直でいられない…
ただひたむきに前だけを見つめていた時代とは、少し情勢も変わってしまったのかもしれません……
しかし、だからこそ、こういった昔の情景を思い出させてくれる、とても有意義に楽しめる時間を与えてくれる作品と言うのは貴重であると私は思うのです。
これを観て「好き」を追い続ける事に感化されるも良し!
元には戻れない、過ぎ去りし過去に思いを馳せるも良し!!
ただ、純粋に物語を楽しんで視聴を終えるのも良いでしょう!!!
『ふしぎの海のナディア』を観て楽しんでくれるならば、それで充分。
そして、このように様々な意味の籠っているこの作品は現代だからこそ、是非とも未視聴組の方々にはお勧めしたい作品なのです。

1度しかない人生、純粋な「好き」をこのアニメで追い求めてみませんか?
ここまで読んで下さってありがとうございました。

PS.
この作品ですが、調べてみると実に色々な内部事情に溢れています。
これをレビュー内で書いてしまうのは則さないかな…と悩んだりもしたのですが、他サイトで詳しく説明している記事を見つけたので、URLだけここに記載しておきます。
興味のある方はどうぞご覧になって見て下さい。
もう1つの制作陣が考えていた最終回や、制作現場の裏事情話が垣間見れるので、これを見れば『ふしぎの海のナディア』の見方も変わるかも…!?
http://blog.freeex.jp/archives/51334289.html
http://blog.livedoor.jp/thx_2005/archives/51803823.html

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

褐色の肌をもつナディアが、どうみてもベンガリ顔な件

ここのところ熱いレビューが何本も挙げられて気になっていた本作、取り敢えず完走したのでレビューを挙げておきます。

◆総評

庵野監督は、『エヴァンゲリオン』『トップをねらえ!』が割と好きなので、本作もどちらかというと贔屓目に評価したいのですが・・・1990-91年の制作アニメということもあって、流石にこの作画とシナリオでは、放送当時の評判はともかく、今見ても十分に面白いか?感動できるか?というフラットな評点を付けることにしている私の評価方針では、どうしても低めの評点となってしまいます。

もっとも、本作と同じくNHK製作・放送アニメで、本作よりもさらに古い1978年の作品『未来少年コナン』(宮崎駿監督)に私は ★ 4.1 というかなり高い評点をつけているので、本作に関して、まずそちらとの比較をしてみます。

(1) 作品内容としては、両作とも典型的な“ボーイ・ミーツ・ガール”型のストーリーであり、
{netabare}
 ①割と平凡そうな少年が、ある日偶然出遭った謎の少女に惹かれて、
 ②彼女に振り回されながらも、何者かに追われている彼女を懸命に守ろうと奮闘し、
 ③やがて彼女の信頼を獲得するとともに、周囲に次第に仲間が増えていき、彼女の素性・秘密も明らかになっていく{/netabare}

・・・という展開を取る点も共通しています。

(2) 但し、両作の視聴後の感想として、一番違うのは、

 <1> 『未来少年コナン』には第8話(※{netabare}少女が少年を救うために初めて身を挺する回{/netabare})という圧倒的な ★★★回(=神回)があり、それを境に作品世界にグッと惹き込まれてしまったのに比べると、
 <2> 『ナディア』には(※あくまで私個人の評価ですが)神回どころか、★★回(=優秀回)すら一度もなく、結局シナリオに思わず引きずり込まれる、ということがなかった点です。

はっきりいえば、私は宮崎駿監督の特に後期の劇場作品は、幾ら世間的には名声が確立していようとも、個人的には実は余り高く評価していないのですが、その私であっても、『未来少年コナン』の第8話の思いがけない展開には感嘆せざるを得ませんでした。
それで、本作に関しても、放送当時あれだけ評判が良く、現在でもファンが多い有名作品ということで、きっと『コナン』のような凄い展開があるのではないか?と期待していた部分はあるのですが、結局全39話を完走してもそういった展開には出遭えませんでした。


◆それでも、ナディアはやっぱり青春のヒロインなのかも?

上に、本作は作画/シナリオとも今の水準からみると出来が不十分で、思わず惹き込まれる凄い展開も見当たらない・・・と書きましたが、それでも褐色の肌を持つヒロイン(ナディア)には他のアニメ作品に余り類例のない不思議な魅力がある気がしたのも確かです。
というより、私のナディアの第一印象って「あ、これベンガリの女の子だ!」というものでした。

※ベンガリ(Bengali)←インド東部の西ベンガル州&ビハール州等とバングラデシュ国(旧東ベンガル州)の主要部族(ベンガル族)の人。

本作でも最初のうちは主人公のジャン少年はナディアのことを「インド人の少女」と勘違いしていたのですが、そのうちに彼女の素性が判明して・・・。
←って、ここ、シナリオにケチを付けるのは野暮とは思いますが、アフリカ系とか大西洋・カリブ海系だと、同じ褐色の肌でも、ナディアみたいな顔立ちにはなかなかならないんだよなあ・・・やっぱりどうみても彼女はベンガリ顔ですよ(断言)、何で「{netabare}古代アトランティスの末裔{/netabare}」とか変な設定にするのかなぁ(意味不明)。

・・・ということで、本作に関しては個人的に残念感が強く、余り高い評点にはなりませんでしたが、ナディアは'90年代初期のアニメヒロインとしては例外的にかなり記憶に残る素敵なヒロインである、という点には大いに納得しました。

シナリオの散漫さは・・・制作年代を考えれば仕方ないです。
これから初めて本作を見る方は、ヒロインを見て楽しむ作品と思って諦めましょう。


◆制作情報
{netabare}
原案          ジュール・ヴェルヌ 『海底二万マイル』(海底二万里)
総監督         庵野秀明
監督          樋口真嗣(第23話 - 第39話)
シリーズ構成     大川久男
脚本           大川久男、梅野かおる
キャラクターデザイン 貞本義行
音楽           鷺巣詩郎
アニメーション制作  東宝・KORAD{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============== ふしぎの海のナディア (1990年4月-1991年4月) ==========
{netabare}
第1話 エッフェル塔の少女 ★ 19世紀末のパリ、ジャンとナディアの出遭い、グランディス一味からのナディア救出
第2話 小さな逃亡者 ☆ ル・アーブルのジャン宅へ、ジャン自作飛行機発進・不時着
第3話 謎の大海獣 ☆ アメリカ軍艦エイブラハム号の2人と1匹救助、海獣捜しとナディアの猛反対、交戦・エイブラハム号大破、2人と1匹の再漂流
第4話 万能潜水艦ノーチラス号 ☆ 潜水艦の救助、水中の交戦、離艦(飛行再開)
第5話 マリーの島 ☆ 島への不時着、島への侵略者(ネオアトランティス(NA)仮面部隊)、マリーの父母の死・埋葬 
第6話 孤島の要塞 ☆ 仮面部隊のマリー誘拐、NA秘密基地潜入、ブルー・ウォーターの不意の反応、ナディア投降
第7話 バベルの塔 ☆ NA首領ガーゴイルの野望、殺人兵器「バベルの塔」発射実験
第8話 ナディア救出作戦 ☆ ジャンとグランディス一味の協力、潜水艦ノーチラス来援、ナディア救出・NA秘密基地壊滅
第9話 ネモの秘密 ☆ ノーチラス(NC)号船長ネモとの対面、二つのブルー・ウォーター(ナディア&ネモ)
第10話 グラタンの活躍 ☆ ノーチラス号への機雷攻撃、ガーゴイルからの入電、万能戦車グラタンの機雷排除成功  
第11話 ノーチラス号の新入生 ★ ノーチラス号のオーバーテクノロジー
第12話 グランディスの初恋 ☆ ノーチラス号の目的(NA討滅)、グランディスの過去話 ※空気読めないナディアが微妙・・・・
第13話 走れ!マリー ☆ ナディアとジャンの喧嘩、マリーのNA兵遭遇、ネモ船長のNA兵射殺 ※同上
第14話 ディニクチスの谷 ☆ マリー灼熱病発症、ナディア発症、進路反転(深海洞窟リーフ64へ、薬草採取)、発症者回復
第15話 ノーチラス最大の危機 ★ NA大型潜水艦ガーフィッシュとの海中戦、アメリカ連合艦隊&バラクーダ号の対潜攻撃、機関員フェイトの犠牲
第16話 消えた大陸の秘密 ☆ 海底のアトランティス廃墟、犠牲者の埋葬
第17話 ジャンの新発明 ★ 早く大人になりたいジャン、ヘリコプター開発成功、ナディアへの約束
第18話 ノーチラス対ノーチラス号 ☆ 南極大陸近海の海底の墓場、オウム貝撃退、巨大水中トンネル通過
第19話 ネモの親友 ★ 南極大陸地下大空洞へ、2万年前のアトラン人の超科学遺産、長寿クジラとナディアの対話(父・兄との再会の予言)
第20話 ジャンの失敗 ☆ ジャンとナディアの微妙な心模様、エレクトラへのやっかみ(ナディア)、エレクトラの復讐心
第21話 さよなら…ノーチラス号 ★ ガーゴイルの本格攻勢、エレクトラ副長の自爆具申・ネモ船長の躊躇、ノーチラス号轟沈の危機
第22話 裏切りのエレクトラ ★ 戦闘ブロック切り離し・爆破、ネオ皇帝登場 ※13年前の惨事と船長・副長・ナデイアの素性が明かされる注目回だが脚本・演出は年代相応に稚拙×
第23話 小さな漂流者 ☆ ナディア・ジャン・マリー・キングの孤島漂着
第24話 リンカーン島 ☆ 
第25話 はじめてのキス ☆ ※毒キノコにあてられたナディア
第26話 ひとりぼっちのキング ☆ 
第27話 魔女のいる島 ☆ 台風、エアトン伯爵との再会
第28話 流され島 ☆ グラディス一味との再会、ナディアの手料理
第29話 キング対キング ☆ 
第30話 地底の迷路 ☆ 万能戦車グラタン二号、孤島地下の秘密基地へ、ナディアの異変
第31話 さらば、レッドノア ★ M78星雲から来たアトランティス王家の血を継ぐ者(ナディア姫)、神聖大要塞レッドノア機動、ナディアの運命拒絶、タルテソスへの招待、流され島からの脱出
第32話 ナディアの初恋…? ☆ アフリカ大陸へ、ナディアの一目惚れ(村長の息子ハマハマ)、囚われたキング
第33話 キング救助作戦 ☆ グランディスの仇(悪党ゴンザレス)、ハルハルの許嫁(ナディア失恋)
第34話 いとしのナディア♥ ☆ ※これまでのナディア&ジャンの心情推移のまとめ
第35話 ブルー・ウォーターの秘密 ☆ ナディアの故郷(タルティソス)へ、ノアの箱舟、ナディアの真の力と自己嫌悪、ジャンと仲間たちの励まし
第36話 万能戦艦N-ノーチラス号 ☆ ガーゴイルへのナディア投降、エレクトラ副長・ネム船長との再会、N-ノーチラス号発進
第37話 ネオ皇帝 ☆ ネオ皇帝とナディアの対面、地球人の創造主、ネオの地球人への服従勧告、最終決戦へ
第38話 宇宙(そら)へ… ☆ パリ上空~宇宙空間の戦(レッドノアvs.N-ノーチラス号、グラタン号活躍、レッドノア突入、神前裁判の茶番劇)
第39話 星を継ぐ者… ☆ 続き(ネオの意識回復・犠牲、ナディアの意識回復、ジャン死亡・甦生、ブルーウォーターの力喪失、地球帰還とネモ船長の犠牲)、後日譚(12年後){/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)8、☆(並回)31、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「ブルーウォーター」
ED 「Yes, I will...」
挿入歌 「マーメイド・メモリー」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

73.2 3 1990年春(4月~6月)アニメランキング3位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター ウルトラ・スーパー・デラックスマン(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 4.0 (12)
33人が棚に入れました
藤子・F・不二雄の人気SFアニメシリーズ。人一倍正義感の強い主人公の句楽兼人は、しかし自らの非力さが故に世間にはびこる悪に遭遇しても見て見ぬふりをするしかない毎日を送っていた。そんなある日、句楽はひょんなことからとてつもない超能力を手に入れることになった。空を飛んでは飛行機よりも早く、ビルをも砕くその力、透視能力も身につき、句楽は無敵の存在になったのだ! 彼はその力を使い、ウルトラスーパーデラックスマンと名乗り、世間にはびこる巨悪と戦っていく。しかし、いつの頃からか彼はその力に溺れ、そしてその力を自らの権力のために使うようになるのだった……。

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人間の進化の行き着く先は

藤子F不二雄は、漫画の神様手塚治虫が「大友克洋」や「宮崎駿」などの巨匠以上にストーリ上では負けているかもしれないと自負していたらしく(諸星大二郎も同列に語っていたらしいが)

その内容の奇抜さには改めて驚かされるのである。

ストーリーはアメコミの「スーパーマン」や同氏の「パーマン」のパロディではあるが、パイロット作品に「怪傑小池さん」がある。

単なる臆病者で、しがないサラリーマンの小池さんがあるとき超能力に目覚めて、最初は平和のために戦うが、段々と己のエゴを剥き出しに暴走しだすというのが大まかなストーリーであり、

「高潔でもなく道徳心も強くない一般市民が圧倒的な力を持つとどうなるのか?」という話であるが、どこかで聞いたことあるな。。と思ったらアメコミ史上最高傑作と名高い「ウォッチメン」にも似ている。

ヒーローが暴れまわった結果、街は必要以上に荒れてスラム街になっているというのもそっくりだし、性欲や政治的な抑圧も似ている。いやはや、F先生の先見性にまたもや驚かされる。

最近、欧米では「ホモ・デウス」という本が流行っていて、「サピエンス全史」という世界的大ヒットした本の続編らしいが、この中で人類は近年稀に見る進化を遂げて「神」に近づいているという。

近代までは、人間は今日食べ物を食べるために狩りをしたり畑に雨が降るように神に祈ったりしてきたが、

現代はバイオ技術やAI、サイボーグ技術が人間を不老不死にすることが可能になり、インターネットが全知全能を与える手助けをしているという。

それを聴くと楽観的な人間社会が見えなくもないし、人間の身体的な向上(知能、運動能力などの目に見える分野で)が顕著になるように思えて、まさに「神」に近づいているように思うが、

神話などの世界ではプロメテウスは火を盗んで磔にされたし、イカロスは翼をもがれたし、サタンは堕天し、アダムとイヴは楽園から追放された。。。。

このウルトラスーパーデラックスマンである小池さんも圧倒的な強さで核爆弾や軍隊などでは歯が立たないまさに生きる「神」そのものになったものの、ラストはなんともあっけない幕引きで締めくくられる。

それを考えると、人間がたとへ神に近づいたとしても、「神そのもの」になろうとするのが奢りであり、しっぺ返しが来るような気がいつもするのである。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

藤子・F・不二雄の漫画を原作としたOVAその2

このアニメは、藤子・F・不二雄氏の
SF(すこし・ふしぎ)シリーズの一つ
「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」
をベースに制作された作品である。
藤子・F・不二雄ファンならば、既にご存知であろう。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
主人公句楽兼人は、待機室長という少し変わった
役職に就いているサラリーマン。
ここ最近、これといった大事件が起きていない
ことに苛立ちを感じていた。
自宅に帰ろうとした際に、偶然にも同期の片山と出会う。
「飲みに来なよ」という句楽の誘いを引き受けた片山。
車で、廃墟の中にある句楽の家へ向かうのだが…。

DCコミックスに精通している方は、直に気づくであろうが
主人公の名前は、明らかにスーパーマンの本名由来のものだ。
ちなみに、スーパーマンとは作風が全く違うので要注意。

この作品は、人間が超人的パワーを得たことにより、人格を
歪めていき、次第に正義が暴走していく様を描いている。
行き過ぎた正義は、悪へと変貌してしまうのだ。
自覚がないため、尚更性質が悪い。
超能力を、手にいれたからといって
必ずしも幸せになるとは限らない。
ラストシーンにおいて、片山がつぶやいたセリフも
とても印象的だった。

このアニメを見ていた際、ここ数年で公開されていた映画
の一つを思い出した。クロニクルだ。
多少の違いはあるものの、基本的な部分は同じである。
おそらく、クロニクルもこの作品から影響を受けているのでは
ないかと思われる。

個人的には、名作といっても過言でないと
思うほど非常に良いアニメだと思う。
良作の域に達する。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

ざんば さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

正義とは・・・いったい

藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シリーズの1つ
約30分ほどのアニメです

先に言っておきます。
ドラえもんの絵柄で描かれているのですが
それに騙されてはいけません
中身は結構グロい表現がありますので
そういうのが苦手な人は見ないほうがいいと思います

あらすじは
主人公はいつもラーメンを食べている小池さん!
ではなく顔が同じなだけの句楽兼人という人物で
その彼がウルトラ・スーパー・デラックスマンに
なってしまったお話です

正義感が人一倍強い句楽は
「悪い奴を殺して何が悪い」というような考えです
私は気持ちは分かるのですが
それをして悪いのは殺した奴なのが今の世の中です
どんな理由があろうと人殺しはいけないことだと・・・
確かにそのとおりだとは思うけど
やっぱり理不尽だとも思います
結局、何が正しいのか・・・
藤子・F・不二雄さんは
そんな葛藤を極端な例で表現したのがこの作品だと思います

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

73.0 4 1990年春(4月~6月)アニメランキング4位
楽しいムーミン一家(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (71)
542人が棚に入れました
約20年ぶりに製作された「ムーミン」の第3作。今回のアニメ実製作はビジュアル80が担当し、キャラクターデザインも「とんがり帽子のメモル」の名倉靖博が手がけている。作品全体の雰囲気は原作者側の意向が大きく反映された。春が訪れたムーミン谷。目覚めたムーミン・トロールは旅から帰ったスナフキンと再会し、その演奏を久々に楽しむ。やがて良家のスノークやその妹フローレンたちとともにムーミンはおさびし山へ向かうがそこにあったものは…。

声優・キャラクター
高山みなみ、大塚明夫、谷育子、かないみか、子安武人、佐久間レイ、白鳥英美子
ネタバレ

前田定満 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アニメは日本人向け!?

 原作はトーベ・ヤンソンさんの小説「楽しいムーミン一家(ムーミンシリーズ第3作)」。トーベヤンソンさん自身もこのアニメの監修をしたそうです。(メインで監修をされたのはトーベヤンソンさんの弟の漫画家ラッセ・ヤンソンさん)このテレビアニメのメインの原作は「楽しいムーミン一家」ですが、「ムーミン谷の冬」や「ムーミン谷の仲間たち」などの内容もこのテレビアニメに含まれています。


□概要
{netabare}制作スタッフ
 原作
  トーベ・ヤンソン(小説)、ラッセ・ヤンソン(漫画)
 監修:ラッセ・ヤンソン、トーベ・ヤンソン
 プロデューサー
  清水 睦夫(テレビ東京)、田村 學(テレスクリーン)
  宮下 勇治(ビジュアル80)
 監督:斉藤 博
 シリーズ演出:小島 正幸
 シリーズ構成:宮崎 晃
 脚本
  宮崎 晃、松田 昭三、三宅 直子、
  杉原 めぐみ、岸間 信明
 キャラクターデザイン:名倉 靖博
 美術設定:河野 次郎
 音楽:白鳥 澄夫
キャスト
 ムーミン:高山 みなみ
 スニフ:中尾 隆聖
 ミイ:佐久間 レイ
 スナフキン:子安 武人
 フローレン:かない みか
 スノーク:平田 康之
 ムーミンママ:谷 育子
 ムーミンパパ:大塚 明夫
 トゥーティッキー:土井 美加
 ヘムレン:矢田 稔
 ナレーター:白鳥 英美子
OPテーマ
 作詞、歌唱:白鳥 英美子
 作曲:白鳥 澄夫
 編曲:渡辺 雅二
 「夢の世界へ」(1-52話)
 作詞:芹口 希理子
 作曲:白鳥 澄夫
 編曲:渡辺 雅二
 歌唱:キャスト達
 「おまじないの歌」(53-78話)
EDテーマ
 作詞.歌唱:白鳥 英美子
 作曲:白鳥 澄夫
 編曲:渡辺 雅二
 「遠いあこがれ」(1-52話)
 「いつかすてき旅」(53-78話)
挿入歌
 作詞.歌唱:白鳥 英美子、
 作曲:白鳥 澄夫
 編曲:渡辺 雅二
 「ムーミン谷に春が来た」
制作会社
 テレスクリーン、テレビ東京
 テレ・イメージ(アニメーション制作)
 ビジュアル80(アニメーション制作)
放送期間:1990年4月12日 - 1991年10月3日
話数:全78話{/netabare}



□好きな回:ムーミン谷の冬シリーズ(22話、23話)
{netabare} 原作は「ムーミン谷の冬(ムーミンシリーズ第6作)」。雪景色が大変美しいです。原作には風変わりな生き物が沢山登場しますがアニメでは少ししか描かれません。


第22話:「ムーミンとミイの大冒険」
 冬眠するはずのムーミンとミイが何故か目覚めてしまい、初めて見る冬の世界を冒険する物語。(1990年9月13日に放送)

見所1:冬の風景
{netabare} 楽しいムーミン一家では明るく賑やかな話が多いのですが、冬は木に葉っぱがなく静かな風景が魅力的です。{/netabare}
見所2:氷姫
{netabare} 原作では来たという文章でしか表現されなかったキャラクターですが、アニメでその姿が描かれました。氷姫が来る不気味な演出が素晴らしいです。{/netabare}


第23話:「ムーミン谷の冬の住人」
 体育会系なスキーヤーのヘムレンがムーミン谷に来ます。その他にも自称狼な犬のメソメソというキャラも登場します。(1990年9月20日に放送)

見所:ムーミンがスキーに挑戦!?
{netabare} ムーミンにスキーを教えるヘムレンさん。初スキーのムーミンがダイナミックに転ぶシーン。ヘムレンの台詞「ダイナミック!ユニーク!アートだねぇ!」いやいやあなたの台詞がユニークですよ!笑{/netabare}{/netabare}



□アニメの魅力:音楽
{netabare}①白鳥澄夫さんのBGM。
 「ムーミン谷の冬」という曲がオススメです。悲しげな曲調ですが、一部転調して明るく綺麗な曲調になる所が魅力的な曲です。静かな中に美しさがある冬にピッタリな曲です。
②OP曲「夢の世界へ」。
 最初は悲しいメロディーでスタートして、途中から転調してワルツになるところが魅力的な曲です。白鳥英美子さんの歌声も魅力的です。{/netabare}



□原作との相違点:キャラクターの性格
{netabare} 他にもカットされている部分だったり、原作では名前は出ても描かれてないキャラなど色々相違点はあります。
ただ一番違うと思ったのはキャラクターの性格です。

どう違うか?
{netabare} アニメの方は良くいうと性格が良いです。特に主役のムーミンは真っ直ぐで人当たりが良いのが特徴です。しかし原作はもっと自分の意思を主張するし、自分の価値観を人に押し付ける所があるようにおもいます。原作スニフは悪く言うとワガママです。アニメで慣れた人は原作のスニフをみるとイラっとするはずです。また一番分かりやすいのは冬シリーズのトゥーティッキー。アニメでは優しいお姉さんですが、原作は冷たく無愛想で突き放す感じが特徴です。{/netabare}{/netabare}



□アニメ「楽しいムーミン一家」は日本人向け!?
{netabare} 原作とアニメのキャラクターの性格の違い。それはこのアニメが「日本人向け」だということです。フィンランドと日本の「国民性の違い」が大きな理由と考えられます。
 日本では「和を以て貴しとなす」という聖徳太子の十七条憲法の一条であります。そのことから「協調」という言葉が大事にされていると感じます。人の和を大事にする文化のある日本では、その和から外れないように、自分の意見を犠牲にしてでも相手に合わせようとするところがあります。また本当は良く思ってなくても「お世話」を言い、「愛想笑い」をする事に円満にその場を収めることを優先します。相手を傷つけないようにという気遣いと、和から外れることを恐れる気持ちが大きいと思います。
 フィンランドは「集団」よりも「個」を意識しています。個人の意見を犠牲にしてでも相手に合わせようとはしません。「愛想笑い」をしてまでお世辞も言いません。個々がそれぞれ自分の意思を守った上でどう相手と渡り合うか。まとめると「個々がそれぞれ正直に自分を犠牲にせず対等に生きる」ということでしょう。ある意味「民主主義」そのものの様に感じます。
 この「国民性の違い」を分かっていれば、私のように原作を読みながら「スニフこの野郎!」とは思わなくなるはずです。

 性格以外に日本人向けだなと感じたアニメの描写は冬シリーズでの描写です。冬シリーズで感じたのは「楽しいムーミン一家」の冬の風景は明るいなと感じます。トーベ・ヤンソンさんの冬の絵は暗く、キャラクターも暗闇に目だけが見えるという不気味な描かれ方をしています。それは北欧と日本の気候の違いです。北欧は冬は極夜で太陽の日照時間が限りなく少ないのです。{/netabare}



□最後に:「ぶつかる」大切さ
{netabare} まずこの「楽しいムーミン一家」を観賞するとき、原作も必ず読みましょう。前でも後でも良いです。
 この話ではいろいろな風変わりな生き物が登場し、特に冬の生き物は強烈です。フィンランドでは「個々が対等に生きる」と言いましたが、そんな風変わりな生き物とも対等に生きなければならないのです。そのためには「お互いを尊重する」ことが必要になります。お互いがお互いを尊重するためには、まず一度「ぶつかる」ことが大切です。ぶつからなければ相手に自分の意思を伝えることすらできないし、逆に相手の意思を理解することもできません。原作のムーミンのキャラクターは意思が対立するシーンが多かった様に感じます。これはアニメではあまり見られなかったシーンです。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ムーミン ノ ススメ ・ イイフーフ 一家

好きなのであえてレビュー。

原作の、気難しい分別くさいシニカルな内容を、よくここまで優しいファンタジーにしたなと思う。
それがイヤという気難し屋さんもいるだろけど。
アニメのお話は、子供がみてもわかりやすくきれいにスッキリまとめられているので、これはこれで潔く楽しい。



原作も面白いよ。
毎回、『ちょっとこだわってみたり夢見てみたりしたら、思ってもない方向に大事になってしまい、色々すったもんだ揉まれまくってもう取り返しがつかないのか?いやはや、そこをなんとか、無に帰えって、おわる。』という感じで、あの絵とページ数とコマ割りのわりにドドドドドっと、毎回怒涛。
そういえば「人類は衰退しました」のレビューで書いたけど、人衰に通じるところがあります。

アニメだとホンワカ。

* ムーミンたち そんなことも あるのですね *

とかなんとか
ホワーンと、穏やかなナレーションにシメられてメルヘン軌道に乗って行く。この差は知ってるとシュールですが。


人気のあるスナフキンやミイはなかなかかっこいい生き様で、ある意味、萌えポイントだと思います。
ムーミンママもよく考えると裸エプロンですが、あまり考えたくない。


アニメでフローレンという名になっているムーミンのガールフレンド「スノークの女の子」、原作では彼女の煩悩っぷりを冷静に描いてるところが面白いよ。
{netabare} 「盗賊にさらわれて捕虜にされるなんて、ああ!!ロマンチック〜」とか、
「かけおちって一度してみたかったの。今からしなきゃならないの。だからムーミンママ、お弁当作って」ママ「あらあら、自由に生きるって大変ね…」とか{/netabare}

アニメでもロマンチストぶりは出てくるけど、まろやかで面倒見のいいキャラになってる。
面倒見よいのが高じて、読んだ物語に影響されて「かわいそうなみなしごを育てたい!あたしきっと、いい母親になる」などと言い出して痛い目にあったりして。

この物語はひとつの選択をしたときの理想と現実、反作用や副作用を愉快に見せて、自然体でいるとはどういうことなのか…を追求したお話 、
なの かも しれませんね *



この一家を支えてるのはママとパパのマイペースさだ。
父さんがくれた熱い思い、母さんがくれたあのまなざしって感じのいい夫婦だと思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

モヤモヤ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

原作者のトーベ・ヤンソンも制作に加わる意欲作

1990年から1992年までテレビ東京系列で104話を放送。当初、原作童話などをベースにストーリーが作られたが、それでは足りなくなり多くのオリジナルストーリーも製作されました。
79話から104話は「楽しいムーミン一家 冒険日記」とタイトルが変わり、ムーミンコミックスを元にしたストーリーが中心になります。

トーベ・ヤンソンと弟のラルス・ヤンソンがキャラクターとストーリーを監修しましたが、まだ、eメールのない時代だったため、日本とフィンランドの間で大量のファックスと郵便が行き交いました。 トーベ・ヤンソンが夏を過ごしたハル島(通称ヤンソン島)には電話がなく、ラルス・ヤンソンが船で届けていたそうです。

前作のアニメ「ムーミン」は原作の設定や世界観が反映されなかったため、トーベ・ヤンソンは次回アニメ作を頑なに断っていたそうです。そこでテレ東の熱意とトーベ・ヤンソンの参加を条件に再びアニメ化したのが本作です。

本作品はフィンランドのテレビでも繰り返し放映され、ムーミンブームを世界中で巻き起こす起爆剤となりました。この人気で各種のキャラクターグッズが作られ、テーマパークの「ムーミン・ワールド」がフィンランドに作られたほどです。

原作の設定を反映した事で美しいフィンランドの世界観と、自然や生きる事の厳しさが作品に緊張感を生み出し、ただの子供向けアニメに収まらない名作になったと感じます。
当時はVHSで録画して何度も見ていましたが、大人になった今見返しても色褪せる事の無いアニメです。

これを制作した方々に深く感謝です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

71.0 5 1990年春(4月~6月)アニメランキング5位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター ミノタウロスの皿(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.8 (19)
90人が棚に入れました
『21エモン』などで有名な藤子・F・不二雄の代表的SF短編集を『うる星やつら』の望月智充監督がOVA化。宇宙未踏調査空間を航行中、食料が尽き主人公はある地球型惑星に漂着した。そこで主人公はその星の少女・ミノアに助けられ、そしてその美しさに心惹かれていく。ところがその星は人間の形をした生物が家畜であり、牛の形をした生物が人類にあたる知的生命体という星だった。ミノアは肉食種の第一等級としてミノタウロスの大祭で皆に食されるという。必死で止める主人公だったが、当のミノア自体が「食べられる」ことを誇りに思っておりとめることはままならない。なんとかミノアを救おうとする主人公だったが……。

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

生物は「多様性」があるからこそ進化し続けた

漫画は世紀の大傑作。。。だと思う。1960年代に既にここまでの深い洞察をしているのはあとは「漫画の神様」くらいだろう。

生物には「単細胞生物」と「多細胞生物」がある。

単細胞生物は「無性生殖」なので自身の細胞が分裂し、自分とソックリなクローンを作り子孫を残す。なので、分裂するだけなので進化ができず、分裂するたびに細胞が劣化してやがて絶滅してしまう。(がん細胞が顕著)

しかし、多細胞生物は「有性生殖」なので「オス」と「メス」が交尾することによって子孫を残す。これは自分と異なる遺伝子を取り入れることによりよりハイブリッドに進化し環境に適した多様性を得ることが出来るのである。

アリや蜂は遺伝子に従って巣にいるものと外で働くものとに区別され合理的に動いているように見えるが、種全体の一割は実は勝手にバラバラに動いている。つまりは大きな意味で「統率」されていない。

これは「全体」がたとえ崩れたとしても種として生き残る生存戦略だと言われている。「全体」が同じ行動することによって実は最も危険な罠に全体がハマってしまうことを回避するためだという。

さて、ここで「ミノタウロスの皿」だが、

人間は人間を食べない。とは言い切れない。。

同族でも嫌いな人間は何かの拍子で殺してしまうかもしれないし、食料が底をついたら無論食べることも大いにありうる。

絶対にありえないという倫理観は存在しない。

生物は多様がために進化し生き残ることができたが、それは同時に多様であるがために常日頃から不安に襲われ不安定な孤独に苛まれているのである。

たとえそれが隣人や愛する人であったとしても一人の人格でしかなく、合理的に動き様のない「個」そのものなのだから。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

藤子・F・不二雄の漫画を原作としたOVA

このアニメは、藤子・F・不二雄氏の
SF(すこし・ふしぎ)シリーズの一つ
「ミノタウロスの皿」をベースに制作された作品である。
藤子・F・不二雄ファンならば、既にご存知であろう。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
地球人の宇宙飛行士は、牛型の宇宙人が暮らしている星に
不時着する。その際に、美少女ミノアと出会うのだが…。

この作品を通じて、自分が感じたのは
文化や倫理観など個人による価値観の違いは
必ずといってもよいほど発生するものであるということ。

地球の場合では、人が牛を食べるのが当たり前と
なっているが、舞台となるイノックス星に
関しては真逆である。

ウスと呼ばれる種には、食用、愛玩用、労働用
の3つに分類されているというのも非常に興味深い。

この作品における一番のキーワードは
「言葉は通じるのに、話は通じない」
「相手の立場で考える能力に欠けている」
ではないかと思う。とても考えさせられた。

設定に関しては文句なしに素晴らしいと感じた。
個人的には、名作といっても過言でないと
思うほど非常に良いアニメだと考えている。
良作の域に達する。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

ざんば さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

いただきます

藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シリーズの1つ
約30分ほどのアニメです

先に言っておきます。
ドラえもんの絵柄で描かれているのですが
それに騙されてはいけません
中身は結構グロい表現がありますので
そういうのが苦手な人は見ないほうがいいと思います
さらにご飯前に見てはいけません!

あらすじは
宇宙船が故障し
牛が飼い主で人が家畜という星に
不時着したというお話です

昨今、「動物を殺すな!保護しろ!」
というような言葉をよく耳にします。
それなら、家畜の牛などはどうなのか?
もちろん殺して食べます
一応、感謝をこめて「いただきます」とは言うものの
結局は殺して食べます
でもそれは悪いことではなく
生きていくには当たり前のことです
牛だけでなく生物を殺さないで
生きている人なんているわけがありません

そんな生きるためには当たり前で誰もが行っていることを
逆の視点で見てみるとどうなるか?
そんな考えたくもないようなお話です

もし、牛や豚が人間の言葉を理解したのなら
どんな世界になっていたのでしょうか?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

69.2 6 1990年春(4月~6月)アニメランキング6位
ロードス島戦記(OVA)

1990年6月1日
★★★★☆ 3.8 (135)
682人が棚に入れました
暗黒皇帝ベルドに率いられたマーモ帝国軍と「至高神ファリス」を奉じる神聖王国ヴァリスを中心とする国々との戦い(英雄戦争)を背景として進む。アラニア王国出身の若き戦士パーンは、亡き父と同じ騎士になる夢を求めて仲間と共に冒険の旅を続けるうちに、英雄戦争の狭間で暗躍する「灰色の魔女」カーラの陰謀に巻き込まれ、「大いなる破壊」を回避するため「光と闇の均等」を説くカーラの言葉に戸惑いつつも誘いを断ってフィアンナ姫を救出し、自らの進むべき道を求めヴァリス王国に向かう。そしてマーモ帝国とヴァリス王国の緊張が高まる中、カーラの考えがロードス島の平和と相容れないものであると悟ったパーンらは、六英雄の一人である大賢者ウォートに助力を求め、遂にカーラの居場所を突き止め魔女に挑む。

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

国産ファンタジー路線の元祖的作品ですが

 雑誌コンプティークのテーブルトークRPGのリプレイ記事から生まれた作品ですね。PCゲーム誌なのに袋とじが付いてるという謎雑誌でしたw
私もそのリプレイ記事が面白くて読んでましたけど、別にストーリーがどうのって代物では無い訳です。ゲームのリプレイ記事ですからね~。
テーブルトークRPGって、こういうモノなんだという紹介として面白かったんです。当時はそういうもの扱ってる雑誌と言うとHJ社のタクティクス誌が有りましたが、ちょっとコアな非電源なゲーム好き向けの専門誌でしたから。
 そのリプレイのキャラ使って小説化されたのがコレですが、正直私は序盤しか楽しめなかったです。カーラがウッドチャックに乗り移るとこ迄。

 この作品って、それまでの西洋のファンタジー物の基礎知識、神話や言い伝えと言う物を熟知した原作者が生真面目に日本風にアレンジした日本人への正統派ファンタジーへの誘い的な作品だったと思うんですよね。当時の私ら世代はそういうモノに飢えてた世代ですから、ロードス島戦記と言う小説もアニメも"新しいもの"だったんですよね。
(もちろんガチのヲタは当時でも知ってたでしょうが)
竜が吐くものは炎じゃなくてブレスなんですよ。赤いドラゴンは他のドラゴンに比べて知能は低いんですよ。そういうファンタジーの基本すら私達普通の人達にゃ「へ~ほ~なるほど~!」って時代だから、この作品の価値は高かったんではないかなと。
ファンタジー物と言う言葉を免罪符にして好き勝手に都合よくアレンジした作品では無いが故、多分今見るとさほど面白くない。西洋の古典ファンタジーこそ正とする生真面目な作品ですので、今の若い方は見てもさほど面白くないと思います。
でも、当時間違いなく価値のあった作品であった事は疑いようも無い事実ですので、日本製ファンタジー物アニメの過去の検証という視点で参考に見られるのは宜しいんじゃないかと。



因みに私は同じ当時のコンプティークからの作品なら「ラプラスの魔」の方が俄然面白いと思いますが、アレはアニメにすらならなかったですね。残念(汗)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

plum さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

和製ファンタジーの古典

(2012/8/27修正)

1990年~1991年にかけてOVAとして発売。水野良による同名小説(キャラデザ:出渕裕)が原作であり、ライトノベルの走りとか、和製ファンタジーの礎を築いた作品と言われています。本当の意味での原作は、1985年からコンプティーで連載されたDungions&DragonsというTRPG(テーブルトークRPG)のリプレイ記事です。私はこのリプレイ記事をリアルタイムで読んでいましたので、ロードス島戦記には特別思い入れが強いかもしれません。

TRPGと言われても、知っている人は少ないでしょうね。簡単に言うと、机の上で、紙と鉛筆と数種類のダイス、そしてメタルフィギュアを使って行うゲームです。主にファンタジーを基本とした世界で、決まったシステムのもと、GM(ゲームマスター)とプレイヤーの会話を中心にゲームは進行されます。キャラクターを動かすのではなく、会話を含めてキャラクターを演じる=正にロール・プレイすることが大きな魅力です。よって、ロードス島戦記のキャラクターというのは、TRPGで演じられたキャラクター、そしてプレイヤーの性格や行動が元になっているのです。

さてOVAですが、小説同様に今となってはストーリーの荒さが目立ちます。ただ、その緻密な作画と結城信輝の魅力あるキャラクターデザインは、今見ても全く古さは感じません。ストレートで古典的なファンタジーの世界があります。ちなみに、自分の中ではTV版は無かったことになっています・・・。

22年前、角川が巨費を投じて製作したOVA。私の中では、今でもトップ10に入るアニメです。未見の方は、お暇なときに一度どうぞ。あなたも、ディードリットの虜になるかもしれませんよ?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

日本のファンタジーを語る上では外せない作品

自分の人生に最も影響を与えた本です。アニメ、漫画、ラノベ、全てを通して、自分的No.1は、ロードス島戦記の原作です。

人生で初めて読んだラノベ。学校に持ってく本を探していたら、たまたま本屋で安く束売りされてたんで買っただけ。それがまさか、こんな歴史的な名作だったとは(偶然の出会いに感謝)。

エルフは高慢ちきで耳が長く、動きが素早い。なかなか子孫ができない。ドワーフは大酒のみで力が強いが、手先が器用で装飾品などを作るのに適している。

そんな、ファンタジーの「当たり前」を、日本で初めて紹介したのが、このロードス島戦記。(世界初ではない)

日本の国産ファンタジーとしては、シリーズ累計1000万部を超え、「ドラクエ」「FF」と並び、草分け的な作品です。

(TRPG版は)ラノベの老舗、角川スニーカー文庫の初作品でもあります。

まあ、とにかく、偉大な作品ということです。

さて、アニメですが、原作ファンからすると、やっぱり不満は残ります。(尺が限られてるからしょうがないけど)色々カットしてるし。作画と音楽は素晴らしい。作画は、今見れば古くさいですが、同時期の作品の中では高クオリティー。音楽は、いずれも透明感があり、幻想的で、ロードスの世界観をよく現しています。初めてサントラ買っちゃいましたし♪

とにもかくにも、原作小説を読んでほしい。それだけですな。正統ファンタジーとはこうあるべき、という教科書みたいな作品です。

初代ヒロインのディードリットは、歴史上一番可愛いエルフです! それだけでも、観る価値はある(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

69.1 7 1990年春(4月~6月)アニメランキング7位
アイドル天使ようこそようこ(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (13)
102人が棚に入れました
前作『えり子』に続く少女アイドルものの第2作だが、リアルさを意識した『えり子』と違い、本作ではファンタジックな面を強調。ブロードウェイのシンガーになるため東京に上京した少女・田中ようこ。太陽のような明るさを持った彼女は、女優を目指す女の子・山杜サキと新幹線で意気投合する。渋谷の街へ向かったふたりは、住む場所や収入の見込みもないままスカウトマンを探す。ついにオーディション出場まで登りつめるようこたちだが。

声優・キャラクター
かないみか、林原めぐみ、水谷優子、鈴木勝美、鈴置洋孝、島津冴子、大滝進矢、西村知道、松本保典、関俊彦、山口勝平

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

陽子の陽は太陽の陽、なつかしい。

ふと昔見ていたアニメを思い出したシリーズ。


このアニメを見たのは、そこそこ大きくなってからだった。
当時、これを観ていたとリアルタイムで言ったとしたら、少々、こっぱずかしかったかもしれない。
今は、まぁ、あえて公言はしないけど平気かな・・・。


最初は、どうして観たのか覚えていない。
多分、偶然夕方にやっていたのが目に留まったレベルだったと思う。
主人公の陽子の「ハイ!!」というセリフにものすごく好感をもって気に入ったのが見始めた理由だったんじゃないだろうか。


この作品はちょっと変わったタイプの作品で、
アニメの放送と同じタイミングで「田中陽子(よっきゅん)」というアイドルがデビュー、活躍し始めていた。
この前にあった「アイドル伝説えりこ」と同様という事だったかな、ちなみに、こちらは視聴していない。
アニメの枠内で「よっきゅんコーナー」というショートコーナーが放送されていた。

物語は田舎から出てきた
主人公のようこが歌手(シンガー)を目指していくことが、大きなストーリーとなる。
ただ、物語自体は、大筋のストーリーをふまえた上での単発エピソードが主だった。
可愛らしい話、渋谷愛の感じられる話、ちょっと大人な話、夢に悩んでいる大人の話、壁にぶつかった大人の話・・・、バラエティに富んだストーリー構成でなかなかに楽しかった記憶がある。

また、歌がふんだんに盛り込まれているストーリーでミュージカルアニメといっても過言ではない(ちょっと過言かも・・・w)
でも、結構な名曲、心に残る曲はあった。
私はCDも買いましたしwいまでも、口ずさめる歌もあります。

好きなエピソードは
「さびしがりやの街のかみさま」

好きな曲は
「クレッセント・ハーツ」
「SINGING QUEEN」
「君はオリジナル」

「陽春のパッセージ」もかな。


ちなみに作画は結構あれていた回もあったかな。
今なら、突っ込みを受けるような回もあったかもしれません。

が、このアニメに特筆しておくべき点があるとすれば・・・。

それは、声優です。
レジェンドクラスがゴロゴロです。

田中 ようこ:かないみか(初主演です)
山杜 サキ:林原めぐみ
山下 秀樹(社長):鈴置洋孝
吉秋 久美子:島津冴子
星花 京子:水谷優子

レギュラークラスでこれはすごくないですか。

かないみかさんは、この作品のCDで作中歌を歌っておられます。
とても上手でした。
なんなら、歌手の田中陽子さんよりも・・・。

そして、レジェンド林原さんは、この後グングン知名度を上げ、
歌える声優、歌う声優の走りとなっていきました。
私もたくさんアルバムを買わせていただきました。

鈴置さん水谷さんは・・・他界されましたね。
地味にショックでした。


今wikiを見て知りましたが、打ち切りだったんですね・・・。

でも・・・。
今から見たら大昔の作品、古臭く見えてしまうかもしれませんが、
機会があったら、お目にかけてくださいませ。
お勧めします。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

コタリヌ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

挿入歌もイイ!

ステッキっぽいものと
お供の小動物が出てきますが魔法少女物ではありません。

シンガーと女優を目指す少女のほんわか物語です。

たまにミュージカル風になったり
魔法みたいな事も起こったり

少し独特な作品です。

新人時代の、かないみかさんと林原めぐみさんがヒロインをやっています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

らいらっく さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

アイドルモノで豪華声優

子供の頃大好きだった。
なんといってもかないみかさんと林原めぐみさん
という豪華キャスト!
可愛くてほのぼの。
歌がどれも可愛い。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

68.1 8 1990年春(4月~6月)アニメランキング8位
ADポリス(OVA)

1990年5月25日
★★★★☆ 3.9 (11)
38人が棚に入れました
人気OVA『バブルガムクライシス』シリーズのスピンオフ的な内容であり、こちらの主人公は同作では脇役だった捜査官レオン。ただしビジュアルはやや異なり、よりハードな印象を与える。大震災の被害を経て復興したが、繁栄の陰で人心の腐敗が進む大都市TOKYO……。その裏ではブーマと呼ばれる亜人間の存在があった。それらの暗躍に対抗するため組織されたのが特殊警察機構、通称ADポリスだ。全3話からなる各種エピソードは、いずれも苦い味わいを残すアダルトな仕上がり。

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

劇画調の本格派刑事ドラマ

80年代に人気を博した『バブルガムクライシス』シリーズと設定を共有した、一つのアナザーストーリーです。

いわゆるスピンオフとは違いバブルガムファンでなくとも楽しめる、全くの別物となっています。


アンドロイド・ブーマの普及によって飛躍的に発達した未来都市、メガTOKYO。

しかしその裏で、暴走したブーマによる犯罪やブーマを悪用した犯罪が急増し社会問題化していた。

そこで、軍隊に匹敵する武装を許可された特殊警察組織『ADポリス』が設立された。

新人ポリスであるレオンは、こうしたブーマが起こす犯罪や事件に関わっていく・・・というのがあらすじです。


一般的な刑事アニメよりは海外の刑事ドラマに近い、陰湿で凶悪な事件を扱うものが多く、雰囲気もそれに近いです。

人と機械・男と女・理性と感情など、ヒューマンドラマとしてかなりレベルの高い作りになっていると思います。


作画はOVAだけあって、動きが激しくてもあまり粗が見られないほど安定しています。

音楽は挿入歌・主題歌ともに洋楽が用いられていて、非常に雰囲気に合っています。

それから声優の演技として、

File-1 幻の女での幻の女役:麻上洋子

File-2 ザ・リッパーでのキャロライン・エバンス役:土井美加

File-3 舌を噛む男でのビリー・ファンワード役:若本則夫

以上三名の方の演技が素晴らしかったです。


1話1話から別々のテーマを感じられるような、奥深い作品でした。

特にFile-3 舌を噛む男のエピソードは若本さんの名演技も相まって、傑作と言っていい出来だと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

66.6 9 1990年春(4月~6月)アニメランキング9位
雲のように風のように(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (96)
367人が棚に入れました
時は腹英34(西暦1607年)、素乾国17代皇帝の崩御に伴い皇帝のもつ後宮が取り壊され新しく帝位につく新皇帝の新たな花嫁を募集する目的で全国で「宮女狩り」がおこなわれた。緒陀県に住む陶器職人の娘銀河は13歳であったが父の制止を振り切り皇帝の花嫁候補生として緒陀県を後にし都に夢を描く。皇帝の妃になるためというよりも、その好奇心から宮女に志願した銀河であったが宮女となるため後宮大学で学びいろんな人との出会いを通して成長していく中やがて宮女の憧れの的である皇帝の第一夫人、正妃に選ばれた。宮女としての夢である正妃にはなった銀河ではあったが、銀河自身の心は揺れていた。「知らない人と結婚して愛情が持てるのか?」「これで、幸せになれるのか?」心の整理もできないまま、正妃という立場が銀河をさらに大人の世界へ巻き込んで行く。

声優・キャラクター
佐野量子、井上瑤、高畑淳子、三ツ矢雄二、小林昭二、市川笑也、一龍斎春水、田村錦人、福田信昭
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

私(シス子)が淫らになった件

1990年製作・放送作品

DVDでの視聴です

原作は「酒見賢一(さけみけんいち)」さんの「後宮小説」というファンタジー小説
第1回「日本ファンタジーノベル大賞」(1989年)受賞作品です


昔々の中国(西暦1600年頃?)のとある国
「素乾国」という架空の国の
“後宮”が舞台のお話です

あらすじは「あにこれ」掲載のものを読んでいただければ十分理解できるハズです
・・・決して手を抜いているわけではありませんよ^^


後宮というと
分かる人には分かると思いますが

日本でいうなら江戸時代の「大奥」みたいなものでしょうか

まあ
「ハーレム(harem)」という言い方もありますが
ハーレムっていうと
最近の若い人だと  (“おばさん”言うな^^;)

“一人の男子にたくさんの女の子がイチャイチャ”的状態の
いわゆる「ハーレムアニメ」みたいなものを想像してしまうかもしれませんが
まったく違います

これはもうれっきとした公務(?)
お仕事をするところです

どこかの国の王様が自国の繁栄のため
たくさんの奥様を住まわせて
たまに{netabare}なにかしらの子作り(かなり具体的^^){/netabare}をする所と解釈していただければ結構かと思います


そんな
ハーレムだとか
大奥だとか

特に若い男の子や
一部の盛んなオジサマ方が
“Hぃ”お話を想像してしまいそうな感じなのですが

まあ
ざっくばらんに言うと
{netabare}本当にHぃです・・・(キャ~・・・(≧д≦))

な~んて

{netabare}Hぃのは原作のほうです^^;{/netabare}{/netabare}


一方で
この「雲のように風のように」については
「主催の三井不動産販売が一社提供のスポンサーとなって、春分の日の日中に本編放送中はCMを入れないという異例の形式で放送された。スタジオジブリ作品に多く参加しているアニメーターの近藤勝也が作画監督を務めている(本作はスタジオぴえろ作品)」(Wikiより)
という
手抜きのため余計な文言までつけて説明したくなるくらい
家族団らんの休日のお昼時に放送できる程度までアレンジされていて
とても
安全な作品に仕上がってます

なんというか・・・
原作から一番“おいしい”部分をなくしてしまった
みたいな?

例えるなら
「けいおん!」から“お茶”をなくしたって感じ?
(「音楽」じゃないところがミソ♪^^)

オジサマ方にはちょ~っとつまんない内容かもしれないけど
将来有望な男子諸君や
その他純情なアニメファンの方々にはオススメですよ

まあ
私もどちらかというと“つまんない派”でしたけど^^;



さて
原作の「後宮小説」については
既に既読済み(“既に既読”でさらに“済み”っていうのも変ですが^^)なのですが

実は読んだのって小学校6年生の頃なのです

もう今から十・・・ル~ルル、ルルル♪・・・まあいいとして^^

歳の離れた姉の就職が決まり
引越しのため
姉の部屋を物色・・・もとい
部屋のお片づけをしていたときに偶然目に留まったのがこの本

当時“純朴な文学少女”だった私は
迷わずこの本を開いて読み始めました

でも・・・

抽象的な表現や
小難しい哲学
偏向した思想解釈など
小学生が読むにはかなり難しい内容のお話でした

まだインターネットがあまり普及していない時代  (“おばさん”言うな^^;)
当然
我が家にはネット環境なんてものはまだなく

当時“清楚で純朴な文学少女”だった私は
難しい言葉の意味を誰にも質問することも出来ず
専ら「辞書」を頼りに一生懸命読みふけっておりました

一語一句
意味が分かる度に顔が上気し
ページを進める毎に
下半身がムズムズ
息がハァハァ
終盤に差掛かるころにはまともに座っていられなくなり・・・

例えるなら
「ロウきゅーぶ」のともかちゃんとすばるくんが
自宅のお庭で
なにか“1on1”の“play”をした後で
息がハァハァって・・・

そんなことはどうでもいいのですが^^

とにかく
“清楚で「かわいい」純朴な文学少女”の私にとっては
とても耐えられる内容ではありませんでした

まあ
今となってはとてもいい思い出です(--;


が!・・・しかし!
最近
ある“ニュース”を見たことがきっかけで
この本を十数・・・^^
久しぶりに納戸の奥から引っ張り出し
読み返してしまいました

当時の私から“かわいい”を除くすべての要素をネガティブ方向に転じてしまった
いろんな意味で汚れきった心で・・・
(なんだろう?ものすごい罪悪感・・・)


{netabare}(申し訳ございません・・・ここから先は年齢制限がございます
 以下の質問にお答えいただき次へお進みください)

※質問
あなたの年齢は・・・

18歳未満で~す→{netabare}
男の子だよ~♪→{netabare}イケメンである→{netabare}シス子までメールくださ~いヾ( ̄∇ ̄=ノ{/netabare}
        イケメンから程遠い→{netabare}読めば(怒↓{/netabare}{/netabare}
女性である  →{netabare}読んでもいいよ↓{/netabare}{/netabare}

18歳以上だよ!文句あっか!?→{netabare}
 続けてレビューをお楽しみくださ~い↓


{netabare}そのニュースというのは
タイの“代理母出産”の件

ご存知の方もいらっしゃると思いますが
ある日本人男性が
タイで大勢のタイ人女性に代理出産をさせたというネタ

細かいことは長くなるので端折ります


そもそも
生産活動という行為・・・

子作りをするという“欲求”はどこから来るのか?

性行為 →?(*^ー゚)v→?\(∂∇∂)/→ 子作り

という図式が人間の脳内でどのように解釈されているのか?


原作の「後宮小説」の中では
哲学や
宗教
文化
政治
医学に至るまで

さまざまな分野での切り口で語られているのですが

正直
大人になった私の
固くて鈍い頭ではイマイチ
納得いく解釈には行き着きませんでした
(子供の頃の私はまともに考察できませんでしたが・・・)

それでも結論を出せというならば・・・

ぶっちゃけ
{netabare}気持ちイイからするんじゃないの?
それでよくね?
みたいな^^
{netabare}(こんな娘に育てた覚えはありません(泣・・・母談){/netabare}{/netabare}

これで許してって感じです



話は戻るのですが
前述の代理母出産のお話

ここで「代理母出産」についての説明ですが

代理母出産とは
{netabare}ある女性が別の女性に子供を引き渡す目的で妊娠・出産することである

○Gestational Surrogacy:代理母とは遺伝的につながりの無い受精卵を子宮に入れ、出産する。借り腹。ホストマザー。
・夫婦の受精卵を代理母の子宮に入れ、出産する。
・第三者から提供された卵子と夫の精子を体外受精し、その受精卵を代理母の子宮に入れ、出産する。
・第三者から提供された精子と妻の卵子を体外受精し、その受精卵を代理母の子宮に入れ、出産する。
・第三者から提供された精子と卵子を体外受精し、その受精卵を代理母の子宮に入れ、出産する。
○Traditional Surrogacy:代理母が人工授精を行い出産する。代理母。サロゲートマザー。
(以上、Wikiよりコピペ)


つまり
自分が好きになったわけでもなく
利害関係があるわけでもない第三者の“女性”に
自分の子供を生ませるということです{/netabare}

じゃあ
なぜ代理母出産という方法をとるのか・・・

一番の理由は
不妊(つまり赤ちゃんが生めない)の問題

男性あるいは女性が
生殖器などに異常があり
夫婦間で子供が作れないという理由で
代理母出産で子供を授かろうというもの

日本では
倫理的な理由で
表立った事例はあまりありませんが
法整備が進んでいないのが現状で
実は今までに十数件の事例があるとのこと・・・

最近では
タレントの向井亜紀さんと元プロレスラーの高田延彦さん夫妻
が代理母出産でお子様を授かり話題(問題?)になってましたね


さて
この代理母出産について
私が言いたいのは・・・

そんなんじゃ
{netabare}気持ちよくね~じゃね~か!!
{netabare}(シ○子ってたまに訳のわからないこと叫ぶんですよ(笑・・・友人談){/netabare}{/netabare}

ってことです

確かに
不妊に悩む夫婦はたくさんいます
そして
そのための不妊治療や
代理母出産に踏み切ることについては
まったく異論はありません

しかし
前述のタイの代理出産みたいな不妊以外の理由による出産や
お金が目当ての行為は
まったくの論外なのですが

それ以上に問題なのは
生まれてくる子供について

生まれてくる子供にとっての親の愛情っていったいどう考えられているのか
ということ


この「後宮小説」の中で書かれている
性行為についてのいろいろな解釈

かなり深い部分にまで
突っ込んで書かれていますが(ちなみに“深さ”は表記されていない)

ひとつ言えることは

倫理や道理についての筋はしっかり通っているということ

父親がいて母親がいて
その愛情の結ばれたものが子供となる

性行為という愛情表現
両親のお互いの愛情が強ければ強いほど
生まれてくる子供は健康で幸せになれる

普通に考えれば
ごくごく当たり前のことなんですが
子供って

生まれる前から親の愛情を受けてるんです

宗教や哲学
医学・・・
いろいろなテーマからのアプローチであっても
行き着く先はすべて同じ
ということなんですね

お話の中では
「子宮が真理を生む」って説明されているのが
とても印象的でした

医学と哲学の融合(?)みたいな感じでしょうか?

まあ
原作ではそのあとで
女性の○器とかなんとか(ちょっと表現し辛い^^;)
訳のわからないことが書かれているのですが
それはおいといて・・・

結論として
愛のないS○Xは極力控えましょう・・・

ってことです^^
(病気にも気をつけてね^^){/netabare}{/netabare}{/netabare}

とりあえず
アニメ作品もいいけど
原作もオススメの逸品ですよ


参考までに
アニメ作品のDVDはレンタルされてないみたいで
私はDVDを購入して視聴しました

投稿 : 2024/05/04
♥ : 33
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

今日も廃都と草原に風が吹き抜けて行く……随所に才能が光るTVアニメSP番組

あらすじ

{netabare}腹英34年。素乾国・第17第皇帝、急死……。

荒廃した都に蠢く陰謀。内外に亡国の気配漂う中、
宦官らが天下で始めた若き新皇帝の妃候補となる宮女募集に、
“三食昼寝付き”で、女でも勉学ができる!
と飛び付いた主人公の銀河に訪れる波乱の半生。{/netabare}

第1回ファンタジー小説大賞受賞作『後宮小説』(未読)を、
日本テレビのスペシャル番組としてアニメ化した、
1990年放送の中国風ファンタジー作品。


【物語 4.0点】
作家・酒見 賢一氏。
本作の原作でデビュー後は中国史を題材にした作品を多数執筆。
映画化もされた代表作『墨攻』でも見られるように、
内憂外患の都に渦巻く人間模様を描かせたら一級品。

城壁から守りは崩れない。内部の人間から綻びた都は脆い物。
そんな汚い大人たちの中で光るヒロインの純心さ。

説得力のある描写を一時間半弱の尺に上手く凝縮させ、
悲劇の中でも視聴者に清々しい余韻を残す。


【作画 4.5点】
作画監督・キャラクターデザインは近藤 勝也氏。
彼の他、スタジオジブリに関わりが深いスタッフらも多数参加した本作。

両生類じみた顔面の各パーツの動き。
水面、鏡面、床面に映る人や景色にも手を抜かない。
爆砕する瓦屋根の描写の細かさ。
4:3画面の中でもジブリっぽい?と感じる要素がたくさん見つけられるはず。

物語以前に、アニメーションは、一つ一つのカットの中からも
面白い構図や動作を発見して楽しめる物。
アニメ視聴の原点を思い出させてくれる良作画。


作品名に込められた雲と風など自然描写にもこだわる本作。
大草原に、いつの時代も変わらず吹く風が、
テーマも運び、大河ドラマ感をもたらす。


【キャラ 4.0点】
好奇心旺盛なヒロインの銀河。
後宮に入っても、哲学って何?などと童心を忘れないキラー質問で、
しがらみだらけの宮廷内でも真っ直ぐに生き方を貫く。

その他、相部屋となった他の妃候補たちも、
ことごとく変な人たちばかりでw
訪れる重たい宿命も、滑稽な描写も添加して、
お子様でも消化できるよう柔らかくして提供。


彼女たちを一人前のレディーにするために教鞭を振るう
カクート先生も大変ですw

先生による女性とは何か?について50年に渡り探求した末の持論……。
今の世界だと叩かれそうですが、
国家の子宮に見立てた後宮の位置付けと合わせて、
無碍に否定できない物があります。


賊将の側にも義理や筋を通す要素も残すことで、
天子の器とは?を問い掛ける哲学も〇。


【声優 3.5点】
ヒロイン・銀河役の佐野 量子さん(現在は武 豊騎手の奥さん)
コリューン役の市川 笑也さんら、
俳優、伝統芸能役者らが中心の布陣で、まずまずの演技。

他にはタミューン役の高畑 淳子さんの名も見えます。
後宮の女たちの役者陣の顔ぶれを眺めると、
ちょっとした『大奥』に見えて来ますw


私のツボは“垂戸”(たると)の案内婆の役を演じた声優・京田 尚子さん。
アニメを観て来た方なら、必ず何処かの脇で遭遇しているはずの老婆職人。
昨年の声優アワードで、功労賞も受賞された大ベテラン。
若い娘がメインを張る中でも、老婆のスパイスは欠かせません。


【音楽 3.5点】
劇伴は適宜、二胡など中国伝統楽器も交えて、
東洋ファンタジーを無難に演出。

ED主題歌はヒロイン役・佐野 量子さんの「雲のように風のように」
放送当時、ノーCMで一挙に流したという本作を、
異例の主題歌フルverのエンディングクレジットで締めくくる。


【余談】
前世紀末のVHS→DVDへの記録メディア交代劇の狭間に落ちて、
埋もれつつある作品は少なくありません。

VHS時代はレンタルで幅広く見返せたけれど、
DVDはセルオンリーになり、他にはたまにBS、CSで再放送されるのみ
となった本作もそんな作品群の一つ。

先日、BS12トゥエルビで放送されていたので視聴しました。


近年は動画配信サイトの競争過熱による、配信作品数争いが激化。
各社ともOVAでもOADでもなりふり構わず作品数を積む傾向が顕著になり、
はからずもレンタルDVDから漏れた旧作救済の動きも見られますが、
本作のようなノーレンタル、ノー配信の隠れた良作はまだまだ残されているのです。

私もAmazonPrimeVideoや時々Netflixなども利用する分際で
言えることでもないのかもしれませんが、
ロングテールをマニアックな日本のアニメ方面に伸ばすためにも、
外資に対抗できる日本の動画配信サービスの早期確立を切に願う今日この頃です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

ももも さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

原作と結構違いますが好きな作品です

小説家、酒見賢一のデビュー作「後宮小説」のアニメ化作品。
「三食昼寝付き」である後宮(皇帝の后妃が住む宮殿)に軽い気持ちで応募した田舎娘「銀河」を主人公に、動乱の世に揺れる後宮の姿が描かれます。

本作は第一回日本ファンタジーノベル大賞の副賞としてアニメ化が確約されており、アニメは日テレのスペシャル番組として放送されました。
アニメだとそうでもないんですが、原作は堅い文体の歴史小説のようなテイストになっており、舞台が細かい歴史をよく知らない中国ということもあって、私は恥ずかしながらあとがき(ファンタジーノベル大賞云々)を読むまで史実だと思ってました…w
他の方の感想で「これで終わり?」みたいなのがありますが、まさにそれは「このあとも時代は続いていく」という歴史ものっぽい後味を狙ったんじゃないかなぁと勝手に考えています。(効果はさておき)

原作のタイトル通り後宮が舞台になっていますが、ファミリー向けを意識してか、かなりの改変(と言うより省略)が入っています。
一番影響が大きいのは銀河の講師を勤めた角先生で、原作で角先生が持っている「後宮は国の子宮である」という哲学はバッサリなくなり(まあファミリー向けじゃないですよねw)、それに絡んだ銀河との印象深い対話もだいぶ減り、存在感がほぼ無くなっています。

そういう「原作と違う」作品ってがっかりすることが多いんですが、これは個人的には十分良作の部類に入ってます。
あの雄大な原作をよくここまでファミリー向けでまとめたなぁという感想です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

65.8 10 1990年春(4月~6月)アニメランキング10位
NG騎士ラムネ&40(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (41)
328人が棚に入れました
ゲーム大好きな熱血小学生馬場ラムネは、ある日、一個10円の大安売りで偶然手に入れたファミコンゲーム「キングスカッシャー」をクリアした所、いきなりテレビから出てきた女の子ミルクに別世界へ連れて行かれる。そして伝説の勇者ラムネスとして復活した伝説の大悪魔「妖神ゴブーリキ」を倒す為にタマ Q、ミルク、姉のココアとスタン帆船で旅立っていく…。

声優・キャラクター
草尾毅、横山智佐、玉川砂記子、神代知衣、矢尾一樹、松井菜桜子、TARAKO、飯塚昭三、肝付兼太、飛田展男、菅原淳一、ならはしみき、真柴摩利、梁田清之、梅津秀行、中原茂、松本保典

あぱぱ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

究極に熱血!

あかほりアニメで有名な作品。
複数シリーズを含めたレビューです。

同あかほりアニメのセイバーマリオネットJキャラクターが
混じっていても違和感がない独特なあかほりキャラクターが出てきます。

1990年頃といえば家庭用ゲーム機が流行していた時期でしたので、
ゲームをクリアした主人公が異世界へ召還される展開になっています。

ラムネスCV草尾毅とダ・サイダーCV矢尾一樹の台詞まわしが
ひたすら熱いです。
とにかく賑やかなので、なんとなく視聴していても楽しめます。

かといってシリアス場面は、手のひら返したように物語を
盛り上げたりするので、ふいを突かれるところは見所です。
このあたりの演出は非常に見せ上手だと思います。
(最近はこのような見せ方をしてくれる作品が減ったように感じます)

音楽といえば、この作品シリーズのオープニング曲はとても
耳残りがよくて、本編を見ていなくてもなんとなくワクワク感や
熱血ぶりが伝わってくる不思議なオープニングです。
「めざせ一番!!」と「未来形アイドル」は個人的に大好きです。

作画はアクションシーンのアングルと速さが魅力。
勢いだけで描写したシーンは視聴していて気持ちがいい。

一時期ブームを起こした、あかほりアニメを視聴されたい方には
オススメです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

俺は今モーレツに熱血してる!

まだあまり外道ではない、あかほり節炸裂の作品。
魔神英雄伝ワタルに便乗した作品であるが世界もキャラも全然違う。ダ・サイダーほかサブキャラがツブぞろいなのがたまらない。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

ザカマン さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ロボRPG的なアニメ

女性キャラ多め
横山智佐さんの声が最高

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

63.2 11 1990年春(4月~6月)アニメランキング11位
八神くんの家庭の事情(OVA)

1990年5月25日
★★★★☆ 3.4 (13)
50人が棚に入れました
主人公、八神裕司は男子校に通うごく普通の高校生だが、たった一つだけ普通ではない家庭の事情があった。それは母親の野美が実母であるにもかかわらず異常に若く見え、自分と同年代の美少女にしか見えないと言うことである。
思春期を迎え、母親を女性として意識してしまう自分自身のマザコンぶりに悩む裕司だが、野美に恋する裕司の担任教師である四日市明、裕司に恋する美少女五十里真幸、裕司の父親に不倫願望を抱くOL七瀬密子などのサブキャラクターを交えつつ、八神くんの周りでは常にドタバタが繰り広げられるのだった。
ネタバレ

ねここ時計 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

マザコンは一生治らない 、男の子の病気

原作を幼い頃に読みました。
90年の作品なので、知っている方は少ないと思います。
けれど面白いですよ!
アニメは大人になってから視聴しました。

異様に若くみえて可愛い母さん、野美さん。
どう見ても17歳くらいにしか見えないです。

母さんが大好きな、、
母親ではなく1人の女の子のように感じてしまう悩める男の子、八神裕二くん。
四六時中いけない妄想でいっぱいの主人公。

少し変態じみていて、思春期特有な男の子の悩みや考えが詰まっている作品です。

どんどんややこしくなってゆく八神くんの事情
{netabare}
*八神くん野美さんとのマザコン
(八神くんの中で、一線を越えそうで越えない)

*八神くんの担任、四日市明が野美さんに惚れたり
(教師と保護者です。昼ドラのような展開へいきそうで絶対いかない。彼は27歳で純潔ならしいです!)

*八神くんと五十里真幸ちゃん
(清純なお付き合い 真幸ちゃんホンダのバイクでノーブレーキングで走ります、、
思い込みの激しい真幸ちゃん、あれ を喪失してしまうのか否か)

*八神くんの父親、陽二
その部下の魅力的な女性、美人OL七瀬密子が惚れてしまう。
(愛車セフィーロを爆走させる辺りが彼女の性格を表してます。不倫願望あり)
その後、陽二に似ている息子の八神くんに大人の女の魅力で強烈アタック。
(執念で既成事実を作りたい。大人のご奉仕をたっぷりしてくれるそうです)

*八百井刺激と言う名の、母さん瓜二つの男の子が現れて八神くんに惚れる。
(こちらは原作で登場しました。男同士の刺激的な熱い友情が繰り広げられます)
{/netabare}

けれど、野美さんは八神くんの父親、陽二を心から愛していて、
息子を母親として大きな愛情で包んでいるのです
野美さんは、母親として裕二くんに愛情をかけているだけなのです。
いつも裕二くんの空回りで終わります。

最後八神くんが野美さん(母さん)に勇気を振り絞って全部をぶちまけるのですが、
母さんの答えは、、
{netabare}
「全部分かっていたわ」

「男の子は誰でも お母さんが初恋の人なのよ。」

マザコンは一生治らない Boy's Sickness(男の子の病気)
{/netabare}


そう!
男の子は母さんが好きでいいじゃないか、それは仕方ないことなんだよ!という物語なのです。
そうですよね。
男の人が母さんのこと大好きなのは、愛情を沢山かけてもらった証拠だと思います。
私は良いと思います。(異常じゃなければ 笑)
大切な人が母さんの話をする姿、私好きですよ。
掃除、洗濯、看病の仕方、お料理、全部お義母さんに教えてもらえばいいんじゃないかな。
だって、唯ひとりの大切な大切な人を、この世界に生んで育ててくれた女性ですもの。
そしたら大切な人のこと、もっと分かると思います。


アクの強い絵とストーリーですが私は好きです。
アニメのほう、私の想像と声が合っていましたよ。

この作品から色々な言葉を沢山学んでしまいました。(特に原作のほう)
下ネタというより…そのまんまの言葉がいっぱいです。
子どもの頃は刺激的でしたが
今みると結構自然でマイルドなので、入門と言ったとこなのかな 笑

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

はちみつぱい さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

いままでみたことないような作品

息子と同年代ほどの若い容姿の母親と息子の物語。

このゆうじくんはピュアでとってもかわいい。
母親思いのやさしい男の子の話で
たのしく観ることができました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

61.8 12 1990年春(4月~6月)アニメランキング12位
ソル・ビアンカ(OVA)

1990年3月21日
★★★★☆ 3.4 (11)
62人が棚に入れました
5人の美少女海賊を乗せたスペースバイキング「ソルビアンカ」が宇宙を駆けるSF冒険活劇。舞台は宇宙開拓時代。戦乱のさなか、貨物船を襲撃した5人は、貨物の中から少年リムが現われた。どうやら彼は惑星トゥレスへ行くために密航したらしい。5人はある情報と引き換えに少年をトゥレスに送っていくが、そこでは皇帝バトロスの独裁政治によって多くの人々が苦しめられていた。緻密な設定と痛快なストーリーでカルト的な人気を博し、1990年代初頭“OVA黄金期”の名作として高く評価。同時期に発売されたPCエンジンソフトとのマルチな展開も話題を集めた。99年には同じ世界観の中で新たなストーリーが語られる『太陽の船 ソルビアンカ』がシリーズ化されている。

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

単独作品として見るならば B

5人の女性海賊が乗った「ソルビアンカ」を描いたSF作品です。
その5人とは・・・公式ウェブもなく、wikiにも殆ど記載がないので、私の印象だけを元に書くと以下のとおりです。

○フェブ(CV.松岡洋子)
 褐色の肌に黒髪ロングのソバージュ。一番色気があり、なおかつ上品。
○エイプリル(CV.佐久間レイ)
 金髪のショートヘア。見た目は快活な大人の女性。リーダーの立場にある。
○ジャアニ(CV.高山みなみ)
 やや褐色の肌に、ショートヘアで黒髪の上だけを薄緑に染めている。立ち回りも性格も男勝り。
○ジュン(CV.渕崎ゆり子)
 黒髪ストレート。少女から大人になる途中の女性。
○メイ(CV.伊藤美紀)
 紫色の髪をポニーテールにして大きなリボンを付けている。まだあどけない少女。

ちょうど5人姉妹が海賊をやっていると考えるとイメージし易いと思います。
キャラの個性は明確に分かれていそうですが、それを掴むまで物語が進展していませんでした。

仕方ないことですが、絵は年代相応に古いです。
女性5人組みという、本来華があるべき設定なのに関らず、余り華がないキャラデザインです。
メカ類も何か懐かしさを感じるようなデザインで、35歳以上でないとなかなか受け入れがたいものがあるように思います。

物語は、既に海賊としてはこの宇宙で有名な彼女達が、海賊家業をやっているところからスタートします。
襲った船の荷物の中に密航者の少年が紛れ込んでいました。その少年から惑星トゥレスというところにお宝があるという情報を得た彼女達は、早速その惑星へと向かうことになるのですが・・・というものです。

アクションシーンもありますが、今のアニメを見慣れた人だと、やはりちょっと辛いかなぁというのが率直な印象です。

話の途中で、少年の父親が面白そうな人物だったにも関わらず、それには殆ど触れずに物語が終わっているのがかなり残念です。
まあ、実際その人物に関係しだしたら、1話だけでは到底終わらず、なおかつ、海賊ものでは収まらない作品となってしまったでしょうから、それでよかったのかもしれません。

これに続くソル・ビアンカ2は非常に中途半端な終わり方をしているので、実質、ソルビアンカのアニメはこの話だけで終わっているといっても過言ではありません。
何でも、続編は作られなかったのだとか。
軽い感じで1話見て終わり、っていう用途でしか視聴価値がないように思います。
(万が一ファンの方がいらっしゃったらゴメンナサイ)

リメイク作品の「太陽の船ソルビアンカ」を見る方が懸命かもしれません。
ただし、ストーリー的には繋がりは無いようです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

tinzei さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

もう片方見てないけどこれは面白い

それなりに面白い。
乳首目的で見たけど予想外に面白かった。
女五人組の盗賊がなんだかんだで人を助けるというありきたりなストーリーだけど細かい設定があって、わりかし大人向きなアニメ。


ちなみに乳首あります。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
魔法のエンジェル スイートミント(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (4)
61人が棚に入れました
葦プロが久々に手がけた魔法少女もので、同社の法少女路線第1作「ミンキーモモ」のリメイク的な面も持つ。魔法の国のお姫様ミントは、虹色の谷の花々が冷たい色に覆われていることを知った。花の色は人間界の“しあわせ”を示すバロメーター。ミントは人間界に赴いて、そこで暮らしているハーブおばさんのお店をもとに“しあわせショップ”を開店させる。人々にしあわせを振りまき、ミントは虹色の谷の花々を元の美しい色に戻せるか。

声優・キャラクター
笠原弘子、渕崎ゆり子、佐々木望、玉川砂記子、丸山裕子、辻村真人、滝沢久美子、伊井篤史、緒方賢一、松田辰也、川田妙子

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター カンビュセスの籤(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.6 (9)
45人が棚に入れました
20世紀を代表する巨匠、藤子・F・不二雄のSF作品を、アニメ界の大御所笹川ひろし監督でアニメ化したOVAシリーズ。古代アケメネス朝の時代のペルシア、大軍勢を引き連れて他国を攻めたカンピュセス王の遠征は極度の飢餓に陥り、食物は尽き、戦友同士で籤(くじ)を引き、当たった人間を残りの仲間で食べるという凄惨な状態になってしまった。籤に当たったサルクは生きたい一心で軍隊から脱走。逃げたその先は人類がたった一人を残して滅び去った終末戦争後の世界だった。もはや地球上の技術で人間の営みを維持することはできず、生き残った一人は地球外文明に望みを託し、SOS信号を送り続けていたのだ。地球人の生き残る道はただ一つ。籤を引いてどちらかがどちらかの食料に……。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

原作に足してしまった部分は完全に蛇足。それでもSFの秀作。

 本作原作は短編集で読んでいます。この作品は、高校生以上成人でも十分楽しめる水準と言うか、SFとして高水準です。藤子F不二雄氏がもともとSFに造形が深く、子供向け以外でも才能があることが確認できます。

 原作は「少女終末旅行」の達観とは対照的な印象の作品です。どちらの作品も心にモヤモヤを残りますので、そのモヤモヤを咀嚼するのがいいのでしょう。

 なお、カンビュセスは古代ペルシャの王様と言うこと以外は知りませんでした。「カルネアデスの板」と言葉の感じが似ていて、どちらも命の問題ではありますが多分偶然です。それとも意識したのでしょうか?

 かなり短い短編で、それと比較するとアニメ版の方が尺が長く説明が増えています。小説やマンガの短編に言葉を足すという行為の是非については、私は否定的です。
 何故こんな事を言うかといえば、この作品原作があえて見せなかったと思われる読者に委ねたシーンをアニメではそのまま見せてしまっているからです。

{netabare} シェルターの中の過去の人間を描き、23人がいなくなっていくプロセスを見せるべきだったか?特に父とかおじさんと言った、個人への感情を見せるべきだったか?それは見ているこちらが想像したほうが、話が深くならないか?です。

 そして、結末の光と音。あれはどうでしょう?私は見せない方が良かった気がします。
 本作のあがきの部分が、可能性がほとんどゼロという絶望をどうとらえるか。最後まで生きる努力をするべきか否か。{/netabare}そのオープンエンディングとして我々が本来考えるべき課題を、作品が奪い去ったような気がします。


 短編の意味とは「エッセンスに集中する」「味わいを深める」「各々が考える」「説明を省くことでリアリティを増す」などの効果を狙っての事だと思います。
 短編は10倍20倍の情報量からとにかく削って削って、エッセンスまで行き着いて1文字、1コマに想いを込めているということが価値です。それだけに実力差が現れる反面、見る人によって印象が変わるのがいいところです。

 ということで、本作はSF短編マンガ文学の秀作を、大衆娯楽にしてしまった印象です。娯楽が悪い訳ではないし価値に文学と比較して高低は無い、と言いたいですが、やっぱり見せない部分を見せてしまった罪は重いかなと思います。まさに「蛇足」でしたね。

 ただ、評価でストーリー、低くしたくはないですね。本当は5何ですけど…うーん。見せてしまったマイナスで▲1で4、キャラも同様で4をマイナスで3.5とします。
 作画とか音楽は評価せずの3。声優さんは4とします。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
機動戦士SDガンダム MARK-III(OVA)

1990年3月23日
★★★★★ 5.0 (1)
38人が棚に入れました
収録内容は、「宇宙の神秘大作戦」、「SD戦国伝 頭虫邸の忍者合戦」、「SD戦国伝 天の巻/地の巻/真の巻/理の巻」。

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター ひとりぼっちの宇宙戦争(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.7 (9)
32人が棚に入れました
 藤子・F・不二雄の名作SFをアニメ化。宇宙のどこかの星から地球へ侵略戦争の宣戦布告がなされた。……だが、宣戦を布告されたのは主人公の少年たった一人に対してであった。宇宙では星同士の全面戦争が禁じられており、戦争をする際は代闘士を立てて同じ能力、同じ体力の元、1対1で戦わせて決着をつけるという方法が取られていたのだ。同じ格好、同じ体力、同じことを考えているクローンを相手に苦戦する少年。クローンは感情がない分、殺傷に対してためらいがなくそこにつけこまれるのだ。圧倒的不利に追い込まれた地球代表であったが、とあるきっかけをえて形勢を逆転する。はたしてそのきっかけとはなんだったのか……。

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

地球と異星による一対一の代理戦争

タイトルからして1980年代の角川映画でやりそうな作品だなぁという印象でしたが、思春期の少年が地球代表として宇宙人が作った自らのクローンと対決して戦争の決着をつけるという設定はシンプルながら当時は衝撃的だったんじゃないかな。

いわゆる代理戦争だったわけだけれども、マンガ家の夢以外に自信の持てない主人公が戦いの中で腹を決めて相手に立ち向かっていく姿といい、ちょっぴりたくましくなったのを最後に感じる事が出来ました。

しいていうと、前半の岩を持ち上げたというくだりの謎がうやむやなまま回収されておらず、火事場の馬鹿力くらいしか生かされてなかったのが残念だったかな。

それでもブラックだったり後味悪い作品の多いすこしふしぎなシリーズの中では王道の短編でオススメしやすいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

ざんば さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

駄作・・・かな

藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シリーズの1つ
約30分ほどのアニメです
原作は既読です

星と星の戦争の代理として主人公が選ばれて
公平を期すために自分のクローンと戦う話ですね
設定はうる星やつらに似てるかな
少しこっちのが早いみたいだけど

藤子・F・不二雄作品は大好きなので
基本的に贔屓目で見てしまうけれど
これは面白いとは思えなかったですね

設定は面白かったのですが
バトルはしょっぼいし、最後はあっけないし
原作のほうはまだ感情が分かるようにしてあるので
感情移入は出来ますが
アニメは余計な設定ばかりが増えて
大事なところもなくなって改悪だと思いますね

まあ、他のシリーズ作品に比べて
見劣りするのは変わりませんけども

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

ポテ☆とと さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

すごいですね!

だいぶ前に、こんな物語を作った事はすごい!
今のSF作品の元になってる感じがする!
先がどうなっていくのか?ワクワクしながら見れます。
さすが藤子・F・不二雄作品ですね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター おれ、夕子(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.6 (8)
32人が棚に入れました
藤子・F・不二雄の真骨頂であるSF(すこし・ふしぎ)な世界観を描いた短編作品のアニメ化第5弾。交通事故で亡くなったガールフレンド・夕子。彼女が亡くなったあと主人公のまわりで不思議な出来事が起こるようになった。朝になると夕子の身の回りのものを身につけていたり……しかも、下着までつけているのだ。そしてついに夕子の幽霊を見たという者までが現れた。数々の事件の後、事件は急展開を見せる。生物学者であった夕子の父が主人公の身体に細工をしたがため、夕子が主人公の身体に変身してしまったのだ。夕子と、主人公の運命は!? 監督は『うる星やつら』などでもおなじみの望月智充。

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

遺伝子を科学と家族・男女という両面から見たSF作品。

 原作は1975年です。日本でDNAの2重らせんという概念がSF界に広まった時期がちょうど1970年代なんでしょうか。その概念を紹介・説明しようという意図を強く感じる作品でした。

 ただ、残念ながら原作においては黎明期だったせいもあって、DNAと言う概念あるいは記憶というものを完全に間違っています。ただ、この間違った概念のSFを1990年代に入ってチョイスしたのは、アニメ制作者ですからちょっとその意図は測りかねます。もう少し工夫は出来なかったんでしょうか。

 テーマとしては、マッドサイエンティストの人間としての家族の情の話でした。この家族の情というストーリーが話の骨格になっています。科学は万能ではないというテーマも入っていると思います。
 つまり鉄腕アトムにおける天馬博士のようなイメージです。手塚治虫氏をフォロワーである藤子F不二雄氏が意図的に鉄腕アトムのテーマをくみ取りつつ、DNAに置き換えたととるのが素直な解釈の気がします。
 
 出来としてはサイエンス設定に瑕疵はあるものの、家族というウエットな情とDNAというドライな科学の対比や、オカルトと科学を組み合わせたところは、さすがと思わせる短編でした。
 また、代謝によって細胞が入れ替わっても本人であるという視点は面白かったと思います。

 原作の少女はちょっとエスパー魔美っぽく、かつ藤子F不二雄の性癖がでる妙にエロいヌードシーンもあるんですけど、キャラデザが子供っぽくヌードシーンも直接は見せなかったですね。DNAを扱ってるのになあという感じですが、その代わりのゴーギャンなんでしょう。ヌードではなく「男女」という概念のテーマ性は、ゴーギャンを入れることで強調したんでしょう。

 ということで、科学設定は90年代の作品としてはどうよ?と思わなくはないですが、テーマは普遍的なものだし「遺伝子を運ぶ船」としての人間と家族、男女の面から描けているなかなかの話でした。

 秀作とはいいませんが、出来がいい作品だと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

悲しい怪奇物

タイトルで、男と女の入れ替わり的な作品かなあというのは想像がつきましたが、それゆえに主人公である弘和からしたら良い迷惑だったでしょうね。

夕子の父親のマッドサイエンティスト特有の怪しげな雰囲気も印象的でしたが、後半の種明かしの際には自分勝手とはいえ、少し可哀想で同情してしまう部分もありましたね。

そして、その後半はガリ勉が大活躍でしたけれども、夕子の屋敷に忍び込むというリスクある行動をしつつ、怪奇現象の顛末を聞いて涙したりと結構良い奴だったといいますか、影の主人公といっていい活躍ぶりでした。

藤子Fの少しふしぎなシリーズの中では良作の部類だったと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター 宇宙船製造法(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.8 (9)
31人が棚に入れました
妖怪の血を引く主人公・猫目小僧が、妖怪退治をしながら母親を探す。アニメと実写を融合させた“劇メーション”作品。全編紙芝居のような作りで、炎のシーンでは実際に紙を燃やすなどの手法が採られている。楳図かずおの独特な絵柄を活かすという点では有意義な手法であったが、残念ながら充分な効果は得られなかった。原作者自らが書いた歌詞が秀逸。全24話。

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

藤子・F・不二雄の漫画を原作としたOVAその4

このアニメは、藤子・F・不二雄氏の
SF(すこし・ふしぎ)シリーズの一つ
「宇宙船製造法」をベースに制作された作品である。
藤子・F・不二雄ファンならば、既にご存知であろう。

あらすじとしてはこんな感じ。
宇宙船に乗り込んだ八人の若者は、地球から
遥か遠く離れた場所を旅していた。
途中までは順調にうまくいっていたのだが、
ワープ中に事故が発生し、無人の惑星へ墜落する。
機関部に問題はなかったが、機体に亀裂が生じたため
宇宙空間の飛行ができない状態に。
地球に帰る望みも絶たれてしまい、止む無く、
八人はこの星で自給自足の生活を強いられるはめになる。
今後の方針について話し合うが、宇宙船を修理して、地球に
帰ろうと考える小山と、生き延びるために食糧を確保すべきだ
と発言する志貴杜の二人が対立する。

この作品の大きな特徴は、若者たちの
閉鎖空間での苦悩を丁寧に描いている所だ。
最初こそ、団結して新たな生活を始めるが、次第に
疑心暗鬼になり、グループに分かれて反発しはじめるのだ。
それにより、人間関係が大きく変化していく様は見ごたえがある。

これと正反対の結末を迎えた作品であれば
蠅の王を連想した。中盤までの展開が非常に似ているためだ。
個人的には、蠅の王の方が好みではあるが、こういった
ストーリーも悪くないと考えを改めた。
そのため、蠅の王の様な展開でないと困るといった方は
見ないほうがいいと思われる。

個人的には、良作だと思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

人間は半世紀前には既に月へ行った。

日本でも大ヒットしたミュージカル映画「LALALAND」のデミアン・チャゼル監督作品「ファーストマン」を観て、心底、普通の人間が宇宙の。。それも月に行くことがどれだけ大変なのかを思い知らされた。

アニメや映画では当たり前のごとく宇宙に行くシーンが描かれるが、現実実際に行こうとなると、途方もない知識と精神力と技術、近隣の人の助けが必要であるのだが、

この「宇宙船製造法」はそういった科学知識よりも、もしそんな「宇宙航行」が出来たら、人はどう動くのかという、人間の行動観察に特化した作品です。なので科学的に正しいかどうかは考えてはいけません。それはロボットアニメのお約束と同じですね。

そこはあくまで「少し不思議(SF)」なのです。

しかし、人間は本当にちょうど半世紀前に月に行ったのに、未来は50年経っても一般人は月にいくどころか、宇宙にさえ。。普通はいけないですね(笑)

ZOZOの社長だけではなくて、そんな未来は果たして実現するのでしょうか?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

30分弱とは思えない満足感

宇宙船で遭難した若い男女が異星から地球に帰るというドラえもんの映画とかでありそうな作品。

ドラえもんの映画とかは短くても1時間半とかですが、本作は30分弱で遭難から地球へ帰還まで起承転結がしっかり描かれているのが良いですね。

少し大人向けの内容とあって遭難してから生き延びるための自給自足、意見の違いによる対立やちょっとしたクーデターまで描かれており、それでいてジャイアン的なキャラやスネ夫的なキャラもいるあたりFの作品て感じがします。

不穏な場面もありましたが最後は無事、地球に帰還し、全員が喜ぶ場面はそれなりにカタルシスがあり、古い映画ですが「飛べ!フェニックス」という映画を思い出させるものがありました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
湘南爆走族 6 GT380ヒストリー(OVA)

1990年5月25日
★★★★☆ 3.9 (6)
28人が棚に入れました
1982~88年に「週刊少年キング」で連載、87年には実写映画版も公開された、吉田聡のコミックが原作。OVAシリーズとして全12作がリリースされており、本作はその第6作。前作に引き続き、監督を西沢信孝、脚本を隅沢克之が担当。キャストは塩沢兼人、目黒光祐(裕一)、富永みーなほか。 「湘爆」の中では控えめでメンバーのまとめ役をしている桜井が、花屋のかなえに恋をした。しかし、彼女はツッパリや暴走族の生き方を真っ向から否定。桜井にも湘爆を抜けて欲しいと頼み、翌日に退院するおばのを一緒に迎えに行こうと誘う。しかし、翌日はチームの大事な記念ツーリングの日だった……。実写映画に主演した江口洋介が音楽で参加。劇中で骨太なロックサウンドを聞かせている。

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

想い出に変わる瞬間・・

原作は吉田の代表作暴走族漫画。略称は『湘爆』
少年KINGに1982年から1988年迄連載された作品。

1987年実写劇場版は江口洋助/織田裕二/清水美砂
のデビュー作でその他杉浦幸/杉本彩/翔/竹内力
「噂の刑事トミー(国広富之)とマツ(松崎しげる)
等も出演している。
OVシリーズ一期には声優として浜崎あゆみもいる。
本作はアニメOVA第6作目。アニメはOVA12作迄有る。

湘南海岸を舞台に、「暴走族」と「湘南爆走族」との
抗争や登場人物やグループを中心に友情や恋愛等
を描いた作品で、ギャグやコメディの割合が多い。

不良・ヤンキー・暴走族漫画の原点ともいえる作品。
後々の同ジャンルの作品に多大な影響を与えている。


GT380 発売時期:1971年12月~
空冷2ストローク直列3気筒エンジン搭載
独自のラムエアシステムを採用。
3気筒なのに4本出しのマフラー。
同社56mmピストン組み込みで容易に399ccに可能。
エンスーマニアに人気の名作かな?
変身前の仮面ライダー新サイクロン号
4ストがメインになるまで人気だった名車。
暴走族隆盛期?のマストアイテムのひとつ。


桜井 信二の思い入れが深い愛車。

そんな愛車GT380が日頃の酷使?から故障して・・
必至にバイトしながら修理を試みる・・
※思えば何時も原沢を後ろにのせ・・壊れるわw

そんな櫻井が・・花屋の娘に出逢い・・
二人の想いは急接近して通じ合うかと思われたが・・

暴走族・・不良・・目立ちたいだけの自分よがり・・
自分の伯母も爆音等迷惑行為でノイローゼで入院・・
そういう理由から・・更生を迫られる・・

住む世界が違う二人の恋の行方は・・
仲間をとるか・・恋をとるか・・


何となく・・声優も慣れてきた・・聴き慣れた。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

湘南爆走族OVA第6弾

暴走族マンガの原点ともいえる『湘南爆走族』のOVA第1弾。
原作マンガは中高生の頃リアルタイムで読んでいたなぁ・・・。(あぁ、年齢がバレてしまう・・・)

湘南爆走族2代目リーダー兼波打際高校第25代目手芸部部長(!!)の江口洋助をはじめとする5人組・湘南爆走族のメンバーと仲間たち、ライバルの暴走族などとの友情や恋愛を描いた作品。
暴走族マンガらしくケンカのシーンも少しはあるけど、原作は、ほぼコメディ。


本作は湘南爆走族の一員、桜井信二の回。
普段は個性の強い他のメンバーの陰に隠れてあまり目立たない桜井のひと夏の恋と愛車GT380の話。

原作に忠実な本作に感謝!!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター プチシアター・絶滅の島(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.4 (9)
27人が棚に入れました
巨匠、藤子・F・不二雄の名作短編をアニメーション化。突如として地球にUFOの大群が襲来した。彼らは一方的に地球人を虐殺し、あっという間に地球全土を制圧した。たまたま無人島に来ていた主人公たちは難を逃れていたのだが、その無人島にも宇宙人たちの魔の手が迫る。次々とやられていく仲間たち。ついには男女1組のカップルだけになってしまった。その二人もとうとう宇宙人に捕まり、もはや人類は絶滅か……と思ったそのとき、突如として別のUFOが訪れた……。はたして地球にやってきた宇宙人の目的とは何だったのか!?
ネタバレ

ざんば さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

人類への痛烈な皮肉

藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シリーズの1つ
10分ほどのアニメです
声はナレーションだけです

ドラえもんの絵柄ですがグロい表現が多分にあります
苦手な人は注意です

あらすじは
宇宙人の襲来により一瞬のうちに人類は絶滅へと追い込まれる。
偶然、離島にいた主人公たちは運よく逃げ延びていたが
ついに宇宙人の魔の手が伸びる・・・

この話のメッセージは
心が痛くなるほど直球で痛烈な皮肉ですね
{netabare} 島にいたほとんどの人はまるで虫けらのように殺されますが
別の宇宙人が主人公たち2人を生かしてくれます
その理由は最後の人類だからです・・・
そしてその宇宙人たちは言います
「私たちはあなたたちを保護します。
   安心して暮らしてください。」と・・・{/netabare}

自分たちの都合で殺しをして、自分たちの都合で生かす。
今の私たちがしていることと何も違いはありませんね
たくさんいるときは
食料のため、薬のため、お金のため
さらに理由もなく生き物を殺したりもします。
なのに絶滅が心配されると
急に態度が変わって保護を始める。
何様なんだって話ですよね

まあ、人類が他の生物より強いのは事実ですが
自分勝手な話です。
ため息がでますよ・・・

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター みどりの守り神(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.6 (6)
27人が棚に入れました
藤子・F・不二雄の名作(すこしふしぎ)短編シアターを出崎哲監督が映像化したオリジナルアニメーション。沖縄に向けて旅行中だったミドリが乗った飛行機が墜落した。墜落したところは一面の植物に覆われた密林の中。奇跡的に助かったミドリは一緒に助かった坂口とともに助けを求めて森をさまよう。ところがどこまで行っても森は続き、たまに見つけた集落でも、いっさい人の影はなく動物さえも見当たらない。不審に思った坂口は街を捜し歩き、人類が絶滅した事実を発見した。人類が滅亡した世界にたった二人残された彼らの運命は……。

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

自分以外は赤の「他人」である恐怖

ホラー映画の魅力というのは、今まで「普通」とされていることや常識が覆されることによる恐怖であり、自分の身の周り以外の出来事が得体の知れない理解できない事により混乱する事から始まる。つまりは「合理性」から出て「非合理性」である時に「恐怖」していると気付く。

自分以外の人間は「他者」である以上、別の思考で生きているわけであって、そもそもがコントロールできない「合理性」の外側にいる。

だからこそホラー映画において人は「恐怖」するのである。

そのことを藤子F先生は自覚的であり、「みどりの守り神」では全く共感能力のない他者と主人公が共に旅をすることの不協和を描いている。実に現実的だ。

一応結末は珍しくバッドエンドとはならなかったものの、人が緊急時にどれだけエゴイスティックになるのか。共感能力が働かないのかといった現代的な問いかけをしている。

何よりも恐ろしいものは、怪獣や幽霊といった超常現象的な事象ではなく、すぐ側にあるかもしれないというF先生が根底から持つ恐怖心が如実に表れた作品です。

「ミノタウロスの皿」と一緒ですね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

シリアスなんだけど、救いがある終わり方

主人公である女子高生の女の子が飛行機事故に巻き込まれて気がついたら密林の中で隣の席に座っていた坂口という男の人と彷徨うわけだけど、とにかくこの坂口が酷い男で、弱音を吐く主人公を容赦なく怒鳴るわ、非難をするわで大人気なく感じる。でも、それは平穏なところで観ているから思うもので、これが緊急事態の時だったらパニックになり、それどころじゃなくなるんだろうなと。それゆえに坂口の怒る様子を見て反面教師の意味で少し冷静になったり。

人類が滅亡したと発覚したあたりの廃墟の光景を見ると同じシリーズ作品の絶滅の島を思い出しますが、本作の場合はヒロインが助かり、終盤に登場するガタイの良い青年が良い人だったおかげもあってか結構救いのある終わり方となってます。

本編36分程度とシリーズでも長めの作品ながら見応えのある内容でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター ニューイヤー星調査行(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.8 (5)
24人が棚に入れました
藤子・F・不二雄のSF(すこし・ふしぎ)な世界観を描いた短編アニメ。多くの星が「神が降り立ちて世界を作った」という神話を持つ中で、「神が世界に飛び立っていく」という神話を持つニューイヤー星。人類らしき生物も発見されたがあまりにも辺境にあるために学会からは価値のない星であると考えられ長年に亘り無視されていた。しかしバルボング教授は神話伝説の奇異さから、その星に人類発祥の起源があるという学説を唱えて調査団を結成した。人の好い星の住民の協力により調査は劇的に進み、バルボング教授の学説はほぼ立証されたかに見えた。だがその裏には……。

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター ポストの中の明日(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.4 (5)
24人が棚に入れました
『ドラえもん』や『パーマン』など国民的キャラクターの生みの親、藤子・F・不二雄の短編コミックをマジックバスがオリジナルビデオアニメーション化。主人公の少年は、ひょんなことから明日の新聞を見ることができるようになってしまった。そこにはいろいろな出来事が書かれているのだが、それを防ごうと思っても何一つ自分にできることはない。少年は何もできない自分にもどかしさを感じ悶々とした日々を送っていた。そんなとき、明日の新聞に自分たちが富士の樹海で遭難するという事件が載る。なんとか事件を阻止しようとする少年だったが……。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

SF恐怖新聞。今の水準では凡庸な作品です。特にキャラが駄目。

 原作既読です。未来がわかる新聞と言えば恐怖新聞73年~75年があります。本作原作が75年なので影響がないとは言えない気がします。それ以前に前例があるかどうか知りませんので、オリジナルをどこに求めるかは別問題です。

「青ブタシリーズ(原作)未アニメ化部分」でも「とあるレールガン」でも扱っているテーマですので類似性はそれほど気になりませんし、話の内容がそもそもオカルトではないです。

 ただ、令和の今見ると、類似が多い分ストーリーに求めらる水準は当然高くなりますが、正直それほど高水準ではありません。「当時としてはどうか」というのは置いておいて「今見ると」という感想です。

 寓意がないのはいいとしても、人間の自然な描写が出来てないので物語に迫力がありません。もともと藤子F不二雄氏の人間描写は、手塚治虫の記号的なマンガ表現を更に強化したような感じです。記号化が極端で駒にしか見えないことがあります。そのいい例でしょう。サブキャラが「ドラえもん」とそっくりな人物配置でした。

 印象としてはストーリーはそれでもまだ見られなくはないですが、キャラの不自然さはかなりのものです。


  結末について、{netabare}能力で助かるのはいいですが、何か設定か意味、伏線があればかなり質は上がったと思います。私が読み取れていないだけかもしれませんけど。
 私の解釈では、自分に関わる未来予知をしてしまったので能力が消えたとも見えますが、そこに何か付け加えて欲しかった。{/netabare}


 そして、ただでさえあまりレベルが高くないキャラ描写なのに、登場人物の年齢層を上げてしまったので更に不自然さが増したのと、アニメオリジナルの下手くそな恋愛のサブストーリーを入れているのも減点ポイントでした。

 この作品の面白いところは、SF作家が出てきてこの未来予知についての解説をするところです。これがなかなか面白いです。精神医学のことなので50年近く前の知識が役に立つか分かりませんけど、1999年まではオカルト、超自然が今よりもずっと広く信じられていた時代なので、この解説はSF作家としての面目躍如だと感じました。

 ということでアニメ化にあたり、この作品をチョイスした理由がよくわからない上に、アニメ化そのものにも不満が残る作品でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
CAROL [キャロル](アニメ映画)

1990年3月21日
★★★★☆ 3.2 (8)
22人が棚に入れました
『CAROL』(キャロル)は小室哲哉のライブフィルムとの同時上映会「FANKS! FILM COLLECTION」のために作られたアニメ映画である。1991年ロンドン。少女キャロルの身辺では、大好きなバンドの人気急落、チェロ奏者の父が音を出せなくなる、ビッグ・ベンの音が消えてしまう、といった音の失われる事件が起こっていた。盗まれた音を求め、キャロルは異世界ラ・パス・ル・パスで冒険をする。

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

TMネットワークに興味がある人以外にはお勧めしません。

 OVA乱造の時代の徒花かと思います。1985年くらいからアニメの制作本数は増えますが、OVAの比率が高くなった感じでしょう。それが本作の90年台に入ると、アニメのクオリティも内容もかなり低下したものが混ざるようになります。

 最近はやったシティポップと、このTMネットワークのようなデジタル打ち込み系の境目のような感じもありますので、クリエータ―にとって何かの変革の時期だったのでしょう。

 監督が出崎哲氏、キャラデザが高河ゆん氏で期待しましたが、作画、演出、美術、ストーリーどれをとってもいいところは無いです。音が失われたという設定のみ、まあまあかなあという感じです。


 本作は、TMネットワークというのMVアニメの歴史的な位置付けとして確認のために見たことがありましたが、アニメ作品として見るところはあまり多くありません。
 ただ、TMネットワークは、逆シャア、シティーハンターなどを手掛けていますので、TMの音楽好きならいいのではないでしょうか?(同じくアニソンで有名なTMレボリューションではありません)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター プチシアター・幸運児(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.1 (8)
22人が棚に入れました
『ドラえもん』などの名作を数多く生み出し、夢の世界を描き続けたマンガ家、藤子・F・不二雄の真骨頂であるSF(すこし・ふしぎ)な世界観を描いた短編作品をアニメ化。人類誕生第1号から数えてちょうど一千億番目の赤ん坊が生まれた。しかし、その横に立つ母親は、なぜか暗い顔をしていた。出産を控えた中で父親が逃げ出してしまい、所持金も底を尽き、自殺するつもりで多摩川の土手をさまよっている最中に赤ん坊が生まれたのだ……。しかし、赤ん坊が生まれた瞬間にお金の心配も解決、そして父親も帰ってくる。その赤ん坊の幸運の源とはいったい……?

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

タイトル通りの内容の作品

読んで字の如く生まれながらにして幸運というか超幸運属性を持って生まれた赤ん坊の話。

最初はお通夜ほどではないがちょっと暗い感じからの次々に幸運が舞い込んできて、最終的には宝くじに当たって大金持ちになってしまうというストレートな内容。

個人的には暗い話より明るい話派なのですが、本作に関しては短いとはいえ、もう少し捻りというか思わぬ落とし穴的なのがあると思っていただけに拍子抜けさせられました。

多分、藤子不二雄Fのすこしふしぎなシリーズの中でも微妙な部類の作品だったと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

ざんば さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ラッキーマン

藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シリーズの1つ
約10分ほどのアニメです

原作も読んだけど
別にアニメ化しなくてもいいような作品かな
登場人物の顔がよくなってたことくらいかな

特にメッセージ性があるわけでもないし
盛り上がるところがあるわけでもない
オチも、そうなんだ・・・くらいにしか思えませんでした

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
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