戦いで消化不良なTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の戦いで消化不良な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月06日の時点で一番の戦いで消化不良なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.5 1 戦いで消化不良なアニメランキング1位
NieR:Automata Ver1.1a 第2クール(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (90)
212人が棚に入れました
西暦5012年。 突如地球へと飛来してきた<エイリアン>と、彼らが生み出した<機械生命体>により、人類は絶滅の危機に陥った。 月へと逃げのびた僅かな人類は、地球奪還のため、<アンドロイド>の兵士を用いた反攻作戦を開始。 しかし無限に増殖し続ける<機械生命体>を前に、戦いは膠着状態に陥る。 人類は最終兵器として、新型のアンドロイド<ヨルハ>部隊を地球へ派遣。 新たに地球へと派遣された<2B>は先行調査員の<9S>と合流し、任務にあたるが、その最中で、数々の不可解な現象に遭遇し……。 これは人類のために戦い続ける、命なき<アンドロイド>の物語――。
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

過酷な運命の果てにアンドロイドたちは救われるのか?

『ニーア オートマタ』(NieR:Automata)の原作ゲームは、プラチナゲームズ開発、スクウェア・エニックス販売のアクションRPG。
アニメ2期は全12話(2024年)。1期から制作体制に変更はなく、監督は『ブレンド・S』の益山亮司。シリーズ構成は、ニーアシリーズの生みの親であるヨコオタロウと、本作の監督である益山亮司。制作は、『86』、『リコリスリコイル』などのA-1 Pictures。
(2024.10.18投稿)

本作は、アニメで補完されている情報もあるので、ゲーム『ドラッグオンドラグーン』から続くゲームクリエイター・ヨコオタロウ氏が描く世界の集大成という感じの作りになっています。

本作の内容がよくわからなくても、ある程度楽しめるとは思うのですが…、ヨコオさんは「シナリオについては製作者の与える答えを鵜呑みにするのではなく、ユーザー自身が想像して答えを見つけて欲しい」と発言しているので、これでもかなり親切に作ったつもりなんじゃないでしょうかね(笑)

というわけで、自分なりの考えをまとめてみたので、私と同じように1回観ただけでは何かすっきりしないという方がいましたら、お付き合いいただければ幸いです(※できるだけ資料などに当たっていますが、考察が含まれているので間違いがあるかもしれません)。


【「ヨルハ計画」の真相(※核心的なネタバレを含みます。)】
{netabare}本作と世界観を共有する前作ゲーム『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』で、人類を滅ぼす不治の病から人類を救うため、人を魂と身体に分け、その病の根絶後に人類を復活させる「ゲシュタルト計画」が立てられます。この計画の管理者として本作にも登場するデボルとポポル型アンドロイドが作られます。しかし、この計画は失敗し、人類は滅亡します(※第22話Aパートの内容。なお、これがデボルとポポルの「原罪」)。そして、地球上にはアンドロイドのみが残されることになります。
 
人類滅亡の事実は一部のアンドロイドのみが知る極秘事項とされましたが、そこにエイリアンが突如襲来し、エイリアンが生み出した機械生命体と人類の忘れ形見であるアンドロイドによる戦争が開始されます。しかし、護るべき人類が既に滅亡しているという噂が次第に広まり、アンドロイドの士気は低下します(※この状態で、この戦争は数千年以上続くのですが、終わらなかった理由は、機械生命体の目的が「敵を倒す」ことに設定されていて、敵をせん滅してしまうと目的を果たせなくなってしまうから(※自我・意識がないので命令に盲目的)。ちなみに、エイリアンは、ヨルハ計画が実行される少し前の「数百年前」にアダム曰く「植物由来のつまらない奴ら」という理由で、学習進化の過程で「感情・意識」を獲得した機械生命体によって滅ぼされています。)

この状況を打破するために立案されたのが「当初のヨルハ計画」でした。「当初のヨルハ計画」は、とあるバンカーで対機械生命体の決戦兵器であるヨルハ機体の開発を担当したアンドロイドのジニアによって発案されます。
その内容は、開発中のヨルハ機体を「人類は月面に退避して生き延びている」というブラフとして利用し、人類滅亡の噂を知ったアンドロイドの士気を向上させるという計画でした。もっとも、ヨルハ機体は、ヨルハ機体から次世代モデルへの移行が決まった段階で、計画の証拠隠滅のために全て破棄される予定でした(※ヨルハ部隊の衣装が黒を基調とするのは喪服をイメージしているから。なお、ホワイト司令官は非ヨルハ機体)。そこで、ジニアは、当初から破棄予定のヨルハ機体に自分と同じAIを使うことに抵抗を感じ、ヨルハ機体のコア(ブラックボックス)として敵である機械生命体のコアを使うことにします(ちなみに、ジニアの声優は、人類会議、ポッド042と同じ安元洋貴さんです。)。

しかし、ジニアは、真相が公になった場合のリスクが高すぎると考え計画を破棄。ところが、ジニアがヨルハ機体のプロトタイプとして既に開発していた九号(9Sのプロトタイプ)が、自分のコアが機械生命体と同じコアであることを知ってアイデンティティ・クライシスになり(※九号は昔から「勘のいいガキ」だったよう(笑))、ジニアや他のプロトタイプを殺害し、「当初のヨルハ計画」の内容を自ら改変した「ヨルハ計画」を強行します(※「ヨルハ計画」という名称自体は九号がつけたようです。)。ちなみに、この後、たまたまバンカー外にいた二号(2Bのプロトタイプ)によって九号は殺されます(第23話で若干の描写あり)。

さて、九号が改変した内容とは、「生き延びていた人類」(人類会議)という神の存在と、後ろ暗い出自を持つヨルハ機体に「人類のための殉教者」という名誉を与えるため、「バンカーに仕掛けられたバックドアが一定時間の経過で開放され、ヨルハ部隊はバックドアから侵入した機械生命体に壊滅させられる」という筋書きを加えたことでした。
また、9Sがヨルハ計画の秘密に気づいてしまうなら、初めからヨルハ計画に組み込まなければいい(計画の邪魔になる9Sの生産を止めればいい)と思うわけですが、計画の秘密に気付いた9Sが2Bに殺されることも「ヨルハ計画」に組み込まれていたようです(第22話)。したがって、九号は、ヨルハ計画の遂行中、二号に殺され続けることで自ら立てた計画によって生じる罪に対する贖罪を果たそうとしていたのではないかと考えられます。
ちなみに、1期第4話で、人類会議が機械生命体の特殊個体である「アダムとイヴ」もヨルハ計画に組み込まれていると言っています(※機械生命体にとって、アンドロイドは自己の学習進化を促す存在のため、アンドロイドにわざと苦難などの刺激を与えて、その反応から学習しようとしています(楽しんでいる節あり(笑))。なお、第23話で、機械生命体ネットワーク内の概念人格である「二人の赤い少女」は、アンドロイドとの生存競争を通じて更なる学習進化を続けよう派(月面の人類サーバー破壊派)と、アンドロイドは自分たちの生存を脅かす危険な存在なので争いをやめ宇宙に旅立って新たな可能性を求めよう派(箱舟打ち上げ派)に仲間割れをしています。)。

というわけで、「ヨルハ計画」の真相は、9Sのプロトタイプである九号によってヨルハ部隊の壊滅までが初めから仕組まれていたということになります。したがって、9Sと九号は記憶の連続性がないので同一人格ではないのですが、これが9Sの「ヨルハ計画」による「原罪」になります(もっとも、直接の責任は九号にあるので、「君の呪い」と表現されているのかも。)。

また、2B(本当は処刑タイプ2E)は、プロトタイプである二号のときから「大切なモノ(九号)を壊し続ける」という「ヨルハ計画」による「原罪」(「私の罪」)を負うことになります。ちなみに、二号と九号はプロトタイプの時から仲が良かったようです。{/netabare}


【過酷な運命の果てにアンドロイドたちは救われるのか?―キリスト教的「原罪」と実存主義―(※考察)】
{netabare}2期のエンディングでは、ヨルハ計画の進行管理をしていたはずのポッド042と153の反乱によって、9S、2B、A2は生き残ります。

したがって、ヨルハ計画は、ヨルハ機体の全滅が前提なので、失敗したことになります。そうすると、「原罪」といえば、キリスト教の旧約聖書にある蛇に唆されて禁断の果実を食べてしまい楽園を追放されたアダムとイヴの話が想起されますが、9Sと2Bは「ヨルハ計画」から生じる「原罪」から解放されたことになります。

また、ヨルハ計画の根本原因で人類の敵である機械生命体は、箱舟にのって宇宙に旅立ったので地球にはもういません。加えて、9Sたちは人類の滅亡を知っているので、創造主である人類からも解放され、完全な自由を獲得したことになります。

もっとも、ポッド042と153は、完全に自由になったはずの9Sたちを生き返らせたとしても、9Sたちが今までと同じことを繰り返すのではないかと心配しています(※例えば、創造主を失ったとしても、ジニアのようにそのことをあえて受け入れなかったり、機械生命体の一部がしていたように新たな「神」を創り出してしまえば同じことになります。)。

ここでポイントになりそうなのが、ヨルハ機体のコアは、機械生命体と同じものであったということです(※ヨルハ機体の意識構造は、他のアンドロイドと異なって、機械生命体と同じ)。そうすると、アニメで機械生命体が今まで何をしてきたかが鍵になってきます。

特に1期第7話で、アダムが「実存は本質に先立つ」という無神論的実存主義を唱えたフランスの哲学者サルトルの言葉を引用しています。アニメでは、「予め決められモノによってではなく、一瞬一瞬の生き方、自らの存在によって人間は作り上げられていく」ということだと説明されています。

より単純にいうと、自分の生きる目的(本質)は、創造主や神によって生まれる前から予め決められているのではなく、誕生(実存)した後に自分で決めるということです(※創造主から予め与えられたアンドロイドの目的は、機械生命体を倒すことだったので、機械生命体と創造主がいない今、自分たちアンドロイドだけで生きる目的を決める必要があるということ。)。

また、実存主義は、教科書的な説明として「個としての人間の立場を強調し、孤独、不安、絶望、苦悩の中に生きる「この私」を探求する思想的立場」とされます。

ヨコオさんの趣味もあるとは思いますが(笑)、今までヨルハ部隊が過酷な扱いを受けてきたのは、これから孤独、不安、絶望、苦悩の中に生きる「この私」を探求するためであったとはいえそうです。

そうすると、物語とはいえ、あれだけアンドロイドたちをいじめ抜いてきたんですから(笑)、これまでの艱難辛苦が決して無意味ではなく、創造主や神に頼ることなく自力で9Sたちが生きる目的を見つけるために必要であったということになりそうです。

もっとも、冒頭でポッド042は「全ての存在は滅びるようにデザインされている。生と死を繰り返す螺旋に彼らは囚われ続けている。だが、その輪廻の中であがくことが生きるという意味なのだ。」と言っています(ちなみに、ラストシーンでポッド153が「彼ら」を「我々」に変えているので、ポッドたちにも感情が芽生えたのでしょう。)。
また、サルトルは、「人間は自由の刑に処されている」、つまり、自由であるがゆえに、誰も頼りにせず、自分で物事を選択し決定しなければならないので、「孤独」だとも言っています。

なので、アンドロイドたちの未来も、人間と同じように決して一筋縄ではいかないのかもしれませんが、孤独なはずの9Sの隣には今までの「光の記憶」をすべて持った2Bがいるということが救いなのかもしれませんね。{/netabare}


【ラストシーンに登場するカバンを持った女性は誰?】
{netabare}ラストシーンで突然出てくる女性は、シリーズを通じて登場する「アコール」という武器商人で、世界の歴史が新たな分岐をする際、その分岐を観測するために出現する存在のようです。

つまり、彼女の登場は、これまでの歴史とは違う新しい世界線が誕生した象徴みたいなものなので、暗に生き残った9Sたちが今までと違う歴史を作ることに成功したことを示唆しているのだと考えられます。{/netabare}


【アンドロイドの歪んだ愛情?(※考察)】
{netabare}本作では、9Sが2Bを刀で何度も突き刺しているシーンがあります。また、ゲーム内で、9Sがアダムに「お前にも意思が…欲求があるんだろう」と問われ、9Sの隠された本心として「僕は、2Bを〇×したい」という言葉が出てきます。
この〇×には、9Sの行動からして「殺」が入ると思われます(※別の作品では、「犯したい」、「殺したい」、「壊したい」が入るという言及があります。)。
しかし、これは、人類的な発想だと「愛したい」だと思うんですよ。また、アンドロイドにとって生殖活動は意味がないので、雌雄の区別にも意味がなく、アンドロイドたちは(機械生命体も)、終始、「恋人」ではなく「家族」が欲しいと言っています。

これについては、ゲーム内サブクエストであるジャッカスの研究で、アンドロイドの存在目的が機械生命体を破壊することであるため、その本能は破壊衝動であり、人類を含む地球上の生物の存在目的が種の保存であるため、その本能は性的欲求である。
それゆえ、アンドロイドは、人類の性的欲求を破壊衝動に置き換えている可能性があるというジャッカスの考察があります。

したがって、9Sには、人類とは違ったアンドロイドとしての歪んだ愛情があるようです。

もっとも、ここからは余談ですが、そうだとすると、「ヨルハ計画」の遂行中に、九号が二号によって殺され続けるようにしたことは、贖罪ではない可能性が出てきます(個体差として9Sだけが持つ感情だとすれば矛盾しないですが…)。また、2Bは9Sを殺すことを嫌がっているので、この愛情表現がアンドロイド一般のものなのかはわかりません。{/netabare}


【音楽】
オープニングは、LiSAが歌う「ブラックボックス」。
作詞・作曲は秋田ひろむ(amazarashi)。歌詞にある「流星を見た 引力に似た感情の落下」とは、感情を持つことを禁止されたアンドロイド的な涙の表現なのでしょうか。この表現はヤバすぎる(笑)

エンディングは、GEMS COMPANYによる「灰ト祈リ」。
作詞はヨコオタロウ。{netabare}9Sの記憶領域に存在する2Bの記憶のようです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

2Bの脚…それだけかな?意外性が全くない結末に徒労感も…

 大げさな話だった割に「まあそうだよね」という結論でした。SF的なセンスオブワンダーはほぼなく、テーマ性もどこか中途半端でした。機械生命とは何か、人類のアナロジーとしての機械、アンドロイドとは何か。そういうものは言葉で言っているだけで、ストーリーとして見るべきところはないです。
 1期の12話で説明(はされてないけど文字を読めば書いてあった)通りの設定で、最後が付け加わっただけです。付け加えは単なる付け加えであって、そこは正直なんとでもなります。

 宗教とか男女とかありそうでしたけど、そこは消化不良というかなんというか。2Bが実はEタイプでしたとかどうでもいいですし。
 あの2体のボットが新しいアダムとイブになって同じことを繰り返すという意味にもとれますけどね。それだと「マトリックス」です。

 うーん、ゲームだとマルティエンディングの果てに何かを見出す気分になるのかもしれませんけど、現状アニメの範囲ですと2Bの脚が良かった…という以上のものはないかな。読みとれていないかもしれませんが、私が1平均的な視聴者だとしたらそんなものです。そこは制作側の責任です。

 作画とアクション、やっぱり2Bの脚で2クール見ましたが、いまちょっと徒労感があります。楽しんだことは楽しんだので全否定ではないですけどね。ただ、2Bの出番を最後のほうで減らしたのも大きなマイナスでした。

 石川由依さんの声にちょっとはまったので声優は高めでいいでしょう。作画の水準は高水準です。ただなあ…視聴後の満足度が低いなあ…




1話 映像と雰囲気だけでも見る価値はあり。最後にはある程度説明してほしいかな。

{netabare} ああ…これは面白そうですね。1クールよりも謎かけがいい感じです。E型ですか。そして…という感じでした。SFアニメだなあというワクワク感がたまりません。

 そして、やっぱり2Bは造形としては素晴らしいです。相変わらず美しい。そして全体でいっても、映像と雰囲気だけでも見る価値がある気がします。ただ、1クール目はそれで終わった感じもありますので、2クール目でどこまで説明してくれるのでしょう?余韻や不明点が残ってもいいですが、最後にはある程度説明してほしいかな。 {/netabare}


2話 大きな話の構造が見えないストレスが結構大きくなってきたかも。

{netabare} 1つのエピソードとして2話は迫力もあるし起こっている現象はわかります。それと9SというかSシリーズとBシリーズのペアリングに恋愛あるいは性愛的な何かがあるようです。このクールって9Sからの視点になっていますし、1期の後半から9Sは2Bに執着しているのでその辺がどうなるかです。

 一方大きな話の構造として、あの地上レジスタンスが1期からずっと継続している割に話に断絶感もあって、パラレルワールドなのか繰り返しなのかわかりませんが、何か仕掛けがありそうです。

 結局、人類はもういないのか…そしてあの赤い女性は一体なんなのか。そういうヒントがあまりにもないのがちょっとストレスですね。1期のA2とかアダムとイブもまだ関係ありそうですね。SF的にどういう形で収束するのかは想像できなくはないですが、まだまだ材料が足りなさすぎですね。赤い女性が超越者的なAIでした…みたいなありふれた結論じゃなければいいのですが。

 面白いですが、話が見えないストレスが結構大きくなってきました。考察すると見えてくるものがあるんでしょうか? {/netabare}


3話 世界観は平凡。作品の価値はそのヒントがちゃんと隠されていたかどうか。

{netabare} 説明…というかヒントがないのがストレスでしたが、いきなり全部説明しちゃいましたね。人類云々というのは1期の初期で何となくそうだろうな、と思っていた内容でした。逆に言えばそういう要素をヒントとしてどこかに仕込んでいたかと言われると、わかりません。SF的なテンプレというだけです。

 実はサーバー内でリープしていた…という結末も考えていましたが、そこは地上で死ぬとデータが基地に戻るというのを繰り返していた、ということでよろしいでそうか。ボディがどういう風に供給されているのかわかりづらいですが、そこは設定で何とでもなりそうです。1期のノイズとデータ同期が伏線だといわれるとまあ、そうなのか…と思いますけど。

 男女2人で生き延びるということは、アダムとイブのような結末になるのでしょうか。1期にもいましたし。機械生命体の意図あるいは月面に残ったサーバー上の遺伝子情報、そして9S、2B…あとA2ですね。新しい人類を見せてくれるのか絶滅エンドなのか。

 マトリックス的にまた同じゲームが始まる…ただし、2Bと9Sでアップデートされているというエンドも考えられます。その連鎖を断ち切るとか。あるいは今度は2人が機械生命体の立ち位置に立つとか。まあ、そこはどうにでもなるでしょう。

 この作品の価値は、哲学的とかテーマ性よりもゲーム原作ということもあり、全部見直したときに、ヒントがちゃんとちりばめられていて考察できるかどうかだと思います。主にED後の寸劇の使い方だと思いますが、そこをさぼると、あー面白かったで終わってしまいます。{/netabare}


4話 結末が楽しみになってきました。

{netabare}  9Sを処分し続ける中で2Bは恋愛に近いものを持ったと解釈すればいいんでしょうか?それをA2が引き継いだ、と。A2と9Sが再び出会うと何が始まるのか。敵の機械生命体はどうなるのか。そのあたり結末をどう用意しているのか楽しみになってきました。今季見る作品の整理もついてきそうなので、一回見直してみましょうか。

 あまり考察する感じでもないですが、一応ヒントは探してみようかなと思います。{/netabare}


5話 男がいない世界?過去の世界だと思いますが、それが進化の意味?

{netabare} 以前より感情を持たない(持ってはいけない?)はずのヨルハ部隊2B、9Sなどが強い感情表現をしていました。さらに今回の極端な性格造形ですね。

 そして地上の部隊の再登場。これは1期の3話くらいまで見ればループしている感じはあったので意外ではないと思います。ただ、ループの仕方が理屈で言えばパラレルワールドかAIの内部のバーチャル空間でしかありえなさそうな感じです。
 もちろん、同じ個体を再生・再生産して同じような場所を用意するということもできるでしょうが、これはちょっと見せ方がアンフェアな気もします。

 今回9SをはじめS型の機体が出てなかった、というより男性型の機体が出てこなかったので、過去の女型だけだと上手くいかず、進化のために男女のエアリングでという結論は含まれるだろうなとは思います。地上部隊にも1クール目にはいて今回は男はいなかったですよね?

 話の見せ方は上手いし面白いです。5話も体感であっという間でした。しかし、まだまだSFとしては既存の発想の範囲な感じです。どこまで深味を見せてくれるのか。ぜひ視聴者の上を行ってやられた」と思わずつぶやいてしまうくらいの何かを見せてほしいですね。{/netabare}


6話 話が飛び飛びで1クール目から見直さないとよくわかりません。

{netabare} 話が飛び飛び…というかどこが連続しているのかわからないので、ちょっと理解しづらいところがありますが、A2何もの?って1クール目を見ればわかるんでしたっけ?最後の方で何かあったような…2号とか言われていましたよね。

 もう種明かしフェイズになっているとは思うので、少し整理したいですね。残念ながら1クール目のレビューが適当であまり深くメモしてませんでした。1クール目からポチポチ見直しますか…

 感情表現とか髪がなぜ伸びるの?とか、治療ってどういう行為をしているのか見せないのはなぜ?とか、血が赤いのはなぜ?って、考えていくと、ヨルハ=人間なんですけどね。フィルターとか記憶の移し替えとか言われるとよくわかりません。 {/netabare}


7話 話と画面は繰り返し。2Bいない。謎の種まきが機能していないのでは?

{netabare}  VSロボット軍団ということで盛り上がってきました…と言いたいところですけど現在面白さ半減です。もったいぶって最後のカタルシス狙いはいいんですけど、あの塔に入って真実を知るになるのでしょうか?

 それにしては、同じような展開の繰り返しになって飽きてきました。絵柄的にも1期で見たような場面しか登場しないし。目新しいものを見せてくれないので視覚的にも刺激がありません。

 なにより2Bがヒロインだっただけに登場しないのはダメですね。ヒロインで見る作品ではないと思っていましたが、思いのほか2Bパワーは強かったのかも。

 うーん、いろんなエピソードを考察させる取り組みなんでしょうけど、1話1話が面白くないと成立しません。それがこの6,7話では失敗しています。謎の種まきをしてきたのでしょうけど、2クールでやる深さや仕掛けだったかここにきてちょっと疑問に感じてしまいました。{/netabare}


8話 [A]~[Z]でならべれば考察できるかな、と思ってたら違いました。

{netabare} もうおしまいに近づいているので、真面目に考察するなら[A]~[Z]で並べ替えるんだろうなと思ったんですけどちょっと違うんですよね。

 1期の12話の[A]では9Sが機械生命体と統合されるシーンとか、最後の方に月の人類に空の荷物を送っているとかありました。英語のウインドがたくさんあらわれて、ざっと読むと3400年で生き返らせる計画をしたけど、4200年あたりで人類が絶滅して、アンドロイドにそれがばれてやる気がなくなったので、モーラル(やる気)のために精神性を持たせたヨルハを作った、みたいなことが書いてあります。西暦5012年に生命体が地球侵略となっていますので、ここから嘘が始まっているということでしょう。
 8話で種明かしがありましたが、要するにヨルハ=機械生命体ということですから、これが重要回なんだと思います。あの2人のウイルス的なおねーさんも話のつながりのヒントにはなります。

 そのほか、話の系統がいくつかあって、1つ目が[B]が1期1話11945年3月10日第243次降下作戦となっています。で、この話は2期1話の[V]に続くようです。なので、ABC順ではない感じなんですよね。

 2つ目が、[D]はA2が地上部隊に拾われる話です。2期5話[J]は11941年12月8日の話です。この話はどうやら日付的に[L]1期の6話に続くみたいなんですよね。この段階で2B→A2に記憶が引き継がれている印象です。ただ、A2V2B戦もあるので、そこも時系列で拾う必要がありそうです。
 それと実は2BはEシリーズだったみたいなのもあったので、どうなんでしょう?

 3つ目がアダムとイブ系統の話ですね。[F]の降下作戦からのウイルスに犯されて云々につながる話です。2つめの系統と連続性があるのかどうか。

 こういうのを組み合わせていけば考察はできるのかもしれませんが、登場人物の造形が同じで面倒すぎてやっていません。最後のマルチエンディングに注目すればいいのかもしれませんが。{/netabare}


9話 もうよくわからないので、最後まで見ます。

 ということで、レビューは見終わったらします。




 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

怒涛の展開!これからどうするのかな?全滅エンドでした…。

 最終話(12話通算24話)まで観ました。2024.09.29

 ゲシュタルト計画!2Bは処刑モデル!赤毛双子ロボ子の役割は?ヨルハ部隊の目的とは?思念体が出てきて、こにゃにゃちわ〜!謎の塔は月を狙ったりする砲台だよ〜!

 色々ぶっ込んできてるけど、全て放棄かな?はいー!その通りでございましま。私はこういう視聴者に解釈をぶん投げるオチは好きではありません。エヴァンゲリオンで散々やられましたからね。スゲ〜意味深なラストのかと思っていたら、結局大風呂敷を畳めねぇだけじゃね〜かと言う…。

 落とせない物語は、クリエイターにとって敗北なのでは?取り敢えず全滅エンドでお茶を濁すのは、昭和のアニメじゃあないんだからさぁ…。

 まぁ…、機械生命体は新世界へ旅立ち、2Bと9Sは地球のアダムとイブにでもなったのかもしれませんが、それだと陳腐すぎます。後はゲームをやってね!と言うことでしょう。

 2Bのパンチラを沢山観れたので良かった!サイコーだ!と評価するしかありません。ゲーム販促アニメに多くを期待しては駄目ですね。
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 9話(通算21話)まで観ました。2024.09.09

 A2は2Bの尻拭い的な役目を与えられた様です。特に話に関係無いまま、今までの登場人物達は、バリバリ全滅していきます。

 しかも、犯人はウィルスって…。絶対的な悪役を出したくないから、この様な展開にしているんでしょうが、カタルシスが足らずに気が滅入ります。

 A2は裸に近い格好ですが、やはり2Bのパンチラが無いと物足りません。闇落ちした9Sも、どうでも良い感じしかしません。

 結局、大風呂敷を畳むのに皆殺しにするのか…。何かつまんねー展開だなぁと、つくづく思います。所詮全員ロボなので、全滅しても、あまり悲しく無いのもいけません。

 ラスト、納得の行く結末があるのか?そこのみ気になります。
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 3話(通算15話)まで観ました。2024.07.25

 1期のアダムとイブは何だったのか?位の激しい戦闘が続きます。人類(ヨルハ部隊)と機械生命体の最終決戦です。

 ヨルハ側は衛星兵器とかバンバン使いますが、ロボット三等兵の群れみたいな機械生命体側も善戦します。

 機械生命体側は、ステゴロ特攻物量作戦しか戦略が無いのかと思ったら、電脳戦で優位に立ってくるとか、ヨルハ側のセキュリティのザルっぷりが目立ちます。

 おかげで、2Bと9S以外は、割と雑に退場してしまいます。1期から観ていて、割と馴染みのキャラ達だったのにね…。

 実はヨルハ側が侵略してきた宇宙人なのでは!?と、言うミスリードも無く、3話で現状が明らかになりますが、あまり意外性もありませんでした。

 1期から、戦いが茶番っぽかったですが、これからどうするょうか?オチがあるのかとても気になります。

 2Bがパンチラしながら戦うのを楽しむ以上の展開が無く、物語が死に体になりそうですが、風呂敷を畳めるのかとても楽しみです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

64.3 2 戦いで消化不良なアニメランキング2位
SHY 第2期(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (55)
151人が棚に入れました
21世紀半ば、地球から戦争が無くなった―― 各国に突如現れた超人的な力を持ち、平和を願う“ヒーロー”によって、世界は大きく変化したのだ。 新たに得られた平和を維持すべく各国のヒーローたちが活躍する世界において、日本の平和を担っていたのは、人前に出るのが超絶苦手な“恥ずかしがり屋”の少女ヒーロー、シャイだった。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

大人も鑑賞できる少年漫画。ヒーロー論を描けたし、キャラが良かったです。

 さて、最後まで見ました。正直7話くらいから少年漫画的バトルの展開になって、興味が薄れてきました。中断しようかなと思っていましたが、曖と昧の部分になってやっと興味が持てる展開になりました。

 正義と悪の二元論を相対化する話であることは刀が出てきた段階で分かります。それが最後にヒーロー論と結びついたのはなかなかいい展開だったと思います。
 正義の執行とはすなわち「正義という名目を持って行う悪」という矛盾です。そして個人で責任を引き受ける。その結果、自分が行っていること、つまり忍者全体の役割に対する疑念がわき、そして破綻する。

 姉妹間のコンプレックスの問題があります。もちろん曖から昧への才能へのコンプレックスはあるでしょう。ですが、闇落ちした自分にとって姉の能天気な能力への憧憬がまぶしく感じる。このお互いの立場に対する想いもありました。一方でお互いを想う気持ちの相克ですね。曖昧という名前の意味をどうとるかです。

 この2つを組み合わせるとシャイが今まで持っていた悩みとも重なってきます。1話でケガをさせてしまった出来事へとさかのぼれますし、スターダストにコテンパンにやられたことも思い出します。つまり、この作品で感心したのは、シャイがヒーローになる話のテーマ性を見事に内包していることです。その結果日本のヒーローとしての自覚を持つことになります。

 合わせて組織というか共闘の意味やリーダーであったことも孤独だったシャイにとっては一つの成長と言えるでしょう。シャイというヒーローの成長を連載漫画のアニメ化として、1、2期と合わせて一応の区切りをつけられた本作の結末と構成は良かったと思います。少し工夫すればここで最終回でもおかしくない話でした。

 昧の結末については過ちとか責任論をもっとひねれなかったかな?という気もしますが救済でもあるのでこれはしょうがないかな。

 このテーマ性のところに加え、日常回は素直に面白かったし、曖が可愛かったのでその点も良かったです。


 欠点です。スティグマ=ネガティブイメージのレッテル張りの方が今一つ説明できていない点が残りました。これはまあ連載ものの宿命ですね。アニメの制作というより製作の問題でしょう。

 それとやっぱりちょっと途中の少年漫画的バトル展開が冗長だったかなあと思わなくはないです。日常回と対になりますけどね。この落差が5~7話辺りのダレになったかな。

 ヒーロー・正義論はちょっとテンプレというか奥行きがないかなと。主義主張としてはありきたりです。


 ただ、テーマ性の奥行きの無さは感じましたが、シャイのキャラ造形が非常によくできていたので、このテーマ性がしっかりシャイの成長に重なっていました。ヒーローが孤独な女の子という組み合わせと、そのヒーロー=ヒロインの成長という点で大人も鑑賞できる少年漫画という位置づけでよくできた作品だと思います。

 全体としてはエンタメ性は5~7話が致命的になる可能性もある気はします。私はそこで心が折れかけました。1期も後半のバトル回は冗長でした。ただ、ヒーロー・正義論と孤独の痛みを2クールかけて結構綺麗に回収して描けていた点は評価します。

 そうですね。評価はキャラが曖が良かったし、何よりシャイが1期からの成長があってよかったです…4.5。ストーリーはよくできていましたが、バトルの減点とテンプレ感で3.5とします。作画は良かったです。動きがある系統ではないですが、綺麗な絵だったと思います、4。





1話 2期ですが実質第2クール。ここの畳み方が大事でしょう。

{netabare} なぜヒーローになったのか?とはつまり正義とは何なのか、自分はどうなりたいのかのどちらかが描かれるのでしょう。1期に引き続き心の闇問題もあります。そこを第3者の視点として記者が描く感じでしょうか。社会に貢献する一方で、そのヒーローによって迷惑をこうむる存在もある。

 王道のテーマですし、よほどうまく描かなないと視点の持ち方としてはかなり単純な構造です。エピソード、キャラのどちらかに魅力が出るなら、1期を見る限りでは面白い描き方はできる可能性はありますが、しかし、原作は確か20巻以上でてますよね。連載ものの宿命とはいえ、テーマもキャラも描き切れていない可能性が想像できます。

 制作者は苦労すると思いますが、この第2期はつまり第2クールの位置づけです。1期よりもよほどうまく構成して中途半端にならないようにしないと、その後が続きません。せっかく記者視点を入れるなら、風呂敷を広げすぎないでシャイその人に集中し、アニメとして一回綺麗に畳んでほしいなあと思います。

 それができなければ単なる販促アニメで終わってしまいます。

 エイトビットの割には…というとあれですけど、無理に作画に凝らないであまり動くわけでもないですが、丁寧だし何とか工夫して見られる画面になっている気がします。
 作品としての総合評価として、魔法科、ゆるキャン△3,転スラ3と残念感が強かったので、本作には何とか頑張ってほしいところです。{/netabare}


2話 萌えとエロに頼らないから話が面白いのかも。

{netabare} 前半は妙に面白い回でした。単発のゲストキャラ回でしたがという感じですが、そのゲストが面白いのと話の作り方がうまくて{netabare}ああ、先輩が幽霊だったのか…だまされた…と思った後2重でだまされました。{/netabare}

 今回ちょっと気が付いたのが、本作、エロと萌えが無い…無くはないけど不必要に多くないという方がいいでしょうか。少年漫画のレベルになっているというか。
 もちろん女子キャラは可愛くはありますが、性的な視線をまったく向けられないキャラ造形の気がします。コスチュームがちょっとエロいと思うこともありますが、すぐに視点が言動やストーリーに戻ります。

 今回の前半の話、男キャラ同士でやっても同じように面白いのではないかと思いました。女の子だからいいというのはありますけど、過剰でないから話が楽しめるのでしょう。最近シャイのキャラ、気に入ってきました。

 後半はまた新キャラですが、展開から言ってゲストというより話が展開するのでしょう。また、ぶっ飛んだ感じの展開ですが、そこを照れずにやるところが、いいのかもしれません。

 2期に入って妙に面白いんですよね。シャイのウジウジが程よく取れてきたのがいいのでしょうか。
 あるいは1期の展開・構成がスターダストとの闘いとか黒十字のピルツと山登りとかで、何がやりたいか見えてこなかったから過小評価していたのかもしれません。{/netabare}


3話 女子がメチャクチャ可愛いのだが?話も1期より面白くなってきました。

{netabare} 女子がメチャクチャ可愛くなった気がするのですが気のせいでしょうか?作画も良くなっている気がします。SHYその人が良いのはもちろんですが、今回の忍者の娘は非常に可愛いです。

 忍者の刀もちゃんと直刀で脇差サイズで作画されているし、刀自体も非常に綺麗でした。結構刀の作画って適当な作品が多いですが、こういうディテールにこだわっているととても好感が持てます。

 スタッフを確認しましたが、若干総作画監督に新しい名前があったり、作画監督も多少入れ替わっているようですけど、誰がすごい人とか言うのは全く知りません。特に今回、3話(通算15話)で強く感じました。

 で、肝心の話が面白いです。やっぱりこの作品、単話の積み重ねよりもちょっとまとまったエピソードでキャラを見せた方が面白いと思います。「鬼滅の刃」メソッドと言えばそうなんですけど、話が現代だしより内面に切り込んでいるのでこちらの方が私は面白く感じます。

 意外や意外というとなんですけど、ここまで面白い作品になるとは思いませんでした。{/netabare}



4話 心のダークサイドという面が新キャラと上手くリンクして描き方が良くなった気がします。

{netabare} 今回でかなり本作の見方がわかりました。要するにスーパーヒーローもののガワをかぶっていますが、シャイの成長や使命に対する自覚とゲストキャラの心の内と外、つまり自分のダークサイドとどう向き合うか、ということを見ていけばいいのでしょう。

 もともと、スピリッツも小石川さんの話もそういう話でその点に変化はあありませんが、こなれてきた感じです。今回のなかなか秀逸な新キャラが登場したのは、既存のキャラでは自分の描きたいものが描けないと思ったからなのかもしれません。

 で、物語の果てに、最後にはシャイその人が自分のダークサイドと向き合うことになるのではないでしょうか。

 ですから、ヒーローのファンタジー設定にどうこう言ってもしょうがありません。 {/netabare}


5話 話は面白いんですけど、演出とキャラが少年漫画なんですよね。

{netabare} 少年漫画的演出でちょっとずっこけましたが、少年漫画原作である以上はどうしようもありません。ジェンダー論が出てきましたが、若干ひねってました。男は強くあるべきにとらわれているけど可愛いものが好きだがそれを似合わないと否定する。女性のような見た目を嫌がるけど可愛いものが好きなことは肯定する。と、文章にしてみると大して違わない気もしますけど。結局男を表す手段の問題かな?

 トロッコ問題も遊びのレベルで登場しました。ヒーローのアイデンティティでどっちも助けるとなるのでしょう。

 本筋とかキャラ造形はとても良いと思うのですが、個々の言動やエピソードがちょっとわかりやすすぎるカリカチュアなんですよね。ここのチューニングがもうちょっと大人向けなら名作になった…かはわかりません。むしろ、少年漫画のフォーマットで徹底した方がよかったかな?いずれにせよちょっとチグハグ感がなくはないです。 {/netabare}


6話 同時に複数の敵キャラに焦点を当てない方が良いと思います。

{netabare} バトルシーンになると冗長になる気がします。ヒーローものですから仕方ないですけど。それはなぜかといえば複数のキャラが登場してそれぞれがいろいろ語りだすので、ゴチャゴチャしてしまいます。
 せっかく曖といういいキャラがいることですし、曖と昧(あいまい?)の話に集中するためには、話の焦点を当てていればなあ、というのがものすごく惜しいです。

 この6話の前半は正直面白くはなかったです。後半の曖の話は良かったですけど。今回の電車でトロッコ問題その他何かが描けたかと言えば、読み取れるものがほぼないです。{/netabare}


7話 キャラの深堀り=「鬼滅の刃」メソッドで、物語が死んでゆく。

 中間なので総括と、最近の少年マンガ…いや、マンガ、アニメ、ラノベ含めて、「物語」が描けなくなっている点が本作のバトルにも見えるので、そのことについて論じます。

 敵と味方がバラバラに1対1で戦ってキャラの過去とか内面を見せるやり方は「鬼滅の刃」でメジャーになりましたが、私は正直このやり方が好きじゃないんですよね。物語の要素の1部あるいは理解を助けるパーツとしてエピソードが作れないから、キャラを付け足してバラバラにくっつけるしかないように見えます。
 別に「鬼滅の刃」だけに限らず、少年マンガその他の基本的方法の一つになっています。今だと「転スラ」がそれで作品が死んだ一番いい例かもしれません。

 そして、鬼滅ほど引っ張らないですが、アイドルものでも良く使われるメソッドです。このやり方は「物語」が描けなくなった日本のクリエータの衰退なのかな、と思わなくはないです。なぜかといえば本筋と主人公が圧倒的に弱くなるからです。主人公が単なる視点役、進行役、傍観者あるいは聖者になってしまうのが良くない点です。そして、この主人公の聖者化があらゆるジャンルで広がり、作品の視点が幼稚になっています。

 ひょっとしたら視聴者側のわかりやすい作品あるいは感動ポルノのニーズから流行っているのかもしれません。あるいは連載ものとして引き延ばしが簡単にできるからかもしれません。引き延ばすなら話を完結させて新しいテーマで新たに展開するのが「物語」ですが、その方法をとりません。つまり、1キャラで1物語しか作れず、新しい物語はリスクが高いという判断をしている気がします。さらに言えば1作者1物語の可能性すらあります。

 シャイの場合は同時並行的で深掘りが弱いので、バトルがすぐに終わるのが救いです。スティグマがいるので一見物語があるようですが「無惨」と一緒ですよね。抽象的な「強い敵」に堕してしまい、肝心のテーマ性が主人公と主たる敵から失われ、テーマが残っても言葉遊びになります。結果的に延々と続く最終回バトルを見せられて、畳むにたためないか良くて感動ポルノにならざるを得ません。
 
 日常パートのキャラ達が可愛いので、見ていますが、この敵とのバトルが本当につまらないです。


 

 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

日常回は◎!バトル回は△…。なんのためのヒーローものなのかなぁ…。

 最終話(12話、通算24話)まで観ました。2024.09.28

 まぁ…、ぶっちゃけ駄作ですね。自称ヒーロー とヴィラン的なワケの分からん連中が一般人に迷惑をかけながら争うヤツです。これはアニメが悪いと言うより、原作からの問題です。

 結局、意味不明な連中が争う茶番でしか無いのに、無理矢理ヒーローの活躍で地球から戦争が無くなったとか言う設定をぶち込んで、大事にしているのが間違いです。

 キャラの深堀りとか以前に、世界観がおかしいです。ヒーローのせいで戦争が無くなった世界なのに、暴力を独占している国家権力がそのまま存続しているのは矛盾しています。

 ヒーローは国家主権を侵害しているわけです。戦争は悪夢で悲劇で避けなければなりませんが、交戦権の放棄は主権国家であることの放棄です。

 国家間の問題解決に武力を用いないと宣言した、平和憲法を持つ国は日本以外にも存在します。敢えて交戦権を行使しないという選択をしたなら良いですが、この世界の場合は、ヒーローの暴力により、国家が交戦権を放棄させられたってこと?

 国家が軍隊を組織しようとすると、ヒーローがやって来て、軍人は皆殺しにされるんか?それともヒーロー毒電波で人間は洗脳されているのか?どちらにしても、主体性は奪われています。

 フィクションであったとしても、現代の世界を構成する思想や仕組みを否定し、ヒーローを仮構して物語を作っていけば、どうしても矛盾が生じます。

 それを回避するために、キン肉マン等は超人が人間とは無関係にプロレスをしている訳で、歴史や過去の作品に学ぼうという態度が見られない作品は、やはり矛盾まみれの駄作にならざるを得ません。

 SHYや忍者娘程度の露出でちんちんがイライラするピュアな小中学生向け程度な物語でしか無い気がします。
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 11話(通算23話)まで観ました。2024.09.17

 ワケの分からない忍者ファミリーとSHYの友情パワーで何とかなりました。何この超展開?

 キャラの闇落ちでグダグダやるのを1期からずっと繰り返していますが、世界観がいい加減なので、何でこうなるのか意味不明です。

 ヒーローでも無い忍者がキーパーソンになるなど、話に詰まるとヤクザが出てきて暴れて有耶無耶にする往年の梶原一騎原作みたいな駄目さを感じます。

 後1話でこの悪夢も終わります。キャラはカワイイのに中身が無い…。真夏の夜の夢だったのかな…。
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 9話まで観ました。2024.09.03

 なんてつまんねーアニメなんだ!原作も読んでみましたが、原作漫画もつまんねー!

 原因は、はっきりしています。ヒーローとヴィランの立ち位置が不明確だからです。

 今回、新キャラの忍者娘の妹が闇堕ちしてヴィランとして登場しますが、なんで忍者なんて言う非合法殺人集団が存在するの?

 ヒーローのおかげで世界は平和になったんだろ?人を殺し過ぎておかしくなったキャラなんて存在する余地があるのか?戦争は駄目だけど、大量殺人は良いの?警察は何をしてんの?

 ヒーローもヴィランも、人間に対する影響力が不明です。ヒーローは別に人類を支配している訳では無いため、ヴィランもヒーローに勝っても、それからどうするのか不明です。

 だから、ヴィランが勝つと人類の心が悪の方向へ行く様だとか云々くだらない主張をします。バカなの?

 キン肉マンみたいに、超人と人間が基本的に関係無い感じにして、超人達は基本的にリングで戦い、人間は観客として見ているだけという、プロレス的な世界にすれば良いのに、変に高度行政国家群が存在する現代を舞台にするからおかしくなるのです。

 さらに、nyaroさんがレビューされている様に、戦闘も基本的に回想回想でテンポが悪いです。この、敵味方を掘り下げていく手法を悪いとは言いませんが、鬼滅の刃や推しの子みたいに、最低限本筋に関わるならまだしも、意味不明な奴らのサイドエピソードなど、ウザいだけです。

 アニメとしての出来は悪くないため、こんな視聴者を選ぶ、一般ウケしない様な原作をコストをかけてアニメ化する意味があるのか、不思議でなりません。

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 7話まで観ました。2024.08.29

 以前も書いたけど、ヴィランの魅力がなさ過ぎます。ヒーローに魅力が無いので、ヴィランにも魅力が無いのでしょう。

 そもそもヒーローの存在が定義出来ていません。ヒーローによって戦争が無くなったと言うが、どの様な状態になったのか?

 ヒーローが存在する国と不在の国は何が違うのか?後進国にはヒーローは居ないという理解で良いのかな?SHYはなぜ日本のヒーローなのか?誰が認めているのか?社会的な位置づけは?ただ、超人が世界を転がしているだけでは?

 ヴィラン達はただキレているだけで、行動原理が不明すぎます。ヒーローに恨みがあったりする訳でも無く、敵対する理由が意味不明です。

 何と言うか、バトルに魅力がなさ過ぎなのは、ヒーローものとしては良く無いですね。

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 5話(通算17話)まで観ました。2024.07.31

 SHY達の可愛さもあって、1〜4話までの日常回は結構楽しめました。しかし、ヒーローとして活躍する5話は微妙な感じです。多分、以降は1期みたいに微妙な話が続くんでしょうね。

 このアニメ、敵対組織に単純に魅力がありません。構成員の怪人達は、単純に悪と言うわけでも無く、コミカルな部分もあり、組織の背景も目的も曖昧です。

 良く分からない主人公達のヒーロー組織と、良く分からない悪役組織が戦っても、良く分からない戦いにしかなりません。

 少年漫画なら、得体の知れない超人達でも、格好良かったり、ちょっとセクシーなキャラが戦えば、少年達は胸と股間を熱くして熱中しますが、深夜アニメでやられてもねぇ…。

 早くつまらないヒーロー編は終了し、日常回に戻って欲しいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

ヨッシャア! さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6

「出来の悪い茶番」の一言で説明できる作品

【物語】 1.0 / 5.0
 第1期から継続して視聴しているが、全編通してあまりにも茶番が過ぎる。随所に挟まるしょうもない小話でシリアスをごまかすのは原作者の悪癖なのだろうか、と邪推するほど。
 また、バトルアクションものがやりたいのか、百合がやりたいのか、ヒーローによる勧善懲悪ものがやりたいのか、とにかく作品全体の方向性やその温度感が行方不明。
 どれか一つに振り切っていればいいものの、アレもコレもと詰め込んだ結果どれをとっても評価に値しない内容になってしまったという印象。
 シナリオ構成に関しては、評価すべきところが見当たらない。

【作画】 2.0 / 5.0
 作画が良いシーンと悪いシーンにはっきりと分かれており、だからこそシーン毎の出来の差が目立つ。
 また、アクションシーンに耐えうる作画陣ではないように見える。
 演出面にも難があり、そのせいでアクションシーンやシリアスパートの、悪い意味での茶番っぷりが際立ってしまうことがままある。

【声優】 2.5 / 5.0
 声優の演技力に問題はない。
 むしろ、身の丈にあっていないキャスティングのせいで悪い点がより目立ってしまっていると言える。
 演技力のあるベテランを起用し、ネームバリューで視聴者を呼び込もうとするプランなのかもしれないが、悪い意味での茶番っぷりが彼らの演技力によって際立ってしまっており、ムラのある作画と、いまいちピンとこない演出・構成が声優の演技力に追いつけていない。

【音楽】 1.0 / 5.0
 印象に残らない。

【キャラ】 1.5 / 5.0
 原作のせいなのか脚本家のせいなのかは知らないが、キャラクターの情緒があまりにも不安定すぎる。作品の方向性に芯が通っていないのだから、当然、キャラクターに芯が通っているわけもない。
 この『芯が通っていないキャラクター』も、作品全体の茶番っぷりに拍車をかけてしまっている。
「どうせ次のシーンには、脈絡なくけろっと立ち直ってるんだろうな」というように、キャラクターのあり方に信用を置くことができない。
 はっきり言って、魅力を感じるキャラクターは皆無だった。



【総括】 8.0 / 25.0 (平均 1.6)
 タイトルおよび各部門のレビューにも書いた通り、全てがとにかく「茶番」である。
 話に一つの着地点があらかじめ決められており、そこに向かってチグハグな構成で何も考えずに突き進んでいるのを延々と見せられている、という印象を受けた。
 また、「とりあえず百合っぽいことをしておけば、視聴者は溜飲を下げるだろう」という制作側の怠慢のようなシーンもいくつか見受けられる。
 このやり方はヒーロー系作品という土台に唾を吐き捨てるかのような思想であり、ジャンル固有の『熱さ』のようなものは一切ない。むしろ中途半端に百合要素をねじ込んだせいで、作品全体が妙にねっとりとしてしまっている。
「で、結局この作品は何がしたかったんだ?」と視聴者に首をひねらせる、全然面白みのない作品である。

・追記
 最終回まで確認したが、改めて茶番だった。全然面白くなかったです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1
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