恋愛で未来なアニメOVAランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメOVAの恋愛で未来な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年04月11日の時点で一番の恋愛で未来なアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.1 1 恋愛で未来なアニメランキング1位
ほしのこえThe voice of a distant star(OVA)

2002年2月2日
★★★★☆ 3.4 (589)
2984人が棚に入れました
『ほしのこえ -The voices of a distant star-』 は、新海誠 監督 が制作し2002年に公開されたアニメーション映画。
2039年、人類の調査隊は火星のタルシス台地で異文明の遺跡を発見したが、突然現れた異生命体によって全滅させられてしまう。その異生命体はタルシアンと名づけられ、その脅威に対抗すべく国連宇宙軍が組織された。
2046年、中学三年生の長峰美加子は、国連宇宙軍のロボットのパイロットの選抜メンバーとなり、翌年にはタルシアンの追跡調査のため編成されたリシテア艦隊の一員として、同艦隊旗艦〔リシテア〕に乗艦、地球を発つ。ほのかな恋心を抱く友人寺尾昇を残して。調査艦隊がタルシアンの痕跡を追って、地球から離れてゆくにつれ、ミカコとノボルの距離も光年単位で離れ、二人の携帯電話メールのやりとりにかかる時間も次第に長くなってしまう。
ついにはミカコは地球から8.7光年の距離に位置する惑星アガルタに降り立つ。そこでミカコは、地球に届くのに8年もかかるメールを ノボルに送信する。
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

総論大賛成、各論反対

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。25分ほどのショートストーリーです。
 非常に良い作品でした。特に時間と距離と心の関係を表現した部分は素晴らしかったです。エンディングに至るシーンも、情緒があり、リズミカルで素敵でした。風景の描写もきれいでしたね。新海作品の原点みたいなものは確かに感じることが出来ました。
 テーマの描き方を含め、全体的には素晴らしいのですが、細部の描写はオリジナリティに欠けていて、それが作品を毀損しているようにも思えました。総論部分と各論部分に分けてレビューします。

<総論編>

メール:
 メールは、テーマを担った一番大事な象徴物です。ネタバレレビューを読む

雨:
 メールを基礎としたメインテーマを、背景の側から支えていたのが雨です。ここでは、雨の表現が意味するところを考えてみます。ネタバレレビューを読む

過去とロボットの足跡(雨の続き):ネタバレレビューを読む


<各論編>
 ここからは、否定的な見解を含みますので、読みたくない方は<総括>まで飛ばしてください。

街並み・小物:ネタバレレビューを読む

ミカコの制服:ネタバレレビューを読む


<総括>
 メールやロボットの足跡の項で述べたように、あえて省略している表現というのがありました。その部分の読み取りを視聴者にゆだねることで、作品の持つ背景に厚みが加えられていたと思います。誤読を誘発する可能性も孕んでいますが、効果は非常に高かったと思います。25分というショートストーリーだからこそ、大幅に省略した表現が成功したのでしょう。
 一方で、各論で述べた項目は、ここでいう省略には該当しません。描写をあきらめてしまったような印象に映りました。または、ただ書きたかったから書いただけというような印象です。オリジナリティも欠如していました。作品のテーマの描き方に成功している分だけ、この部分のミスマッチが気になってしまいました。個人製作ということですので、時間的な制約があったのかもしれませんが。
 SFの部分であるロボットや戦艦もオリジナリティには欠けていました。ただ、この作品はSFをモチーフにしているだけで、SF作品ではないと思うので、そこまで気にはしていませんでした。もちろんオリジナリティがあるに越したことはないのですけどね。

 この作品自体は、際立った良作です。
 むしろ、この作品の後の新海監督の作品に関して、やや不満を持っています。未視聴の方のために詳細は述べませんが、この作品における描写から逸脱できていないのではないでしょうか。別れや乖離を示す電車の表現は秒速でも使われていましたし、トレースとフレアレンズを多用する風景描写にも変化をあまり感じません。原点と言えば聞こえはいいですが、これ以降の作品で新しいものを生み出していないようにも思えてしまいました。
 ただ、私の個人的な愚痴はともかくとして、この作品における主題部分の完成度は、新海作品に限定せずとも高いものだと思います。他の新海作品よりは、まずこの作品を視聴することをお勧めします。

対象年齢:
 思春期世代でしょう。大人も大丈夫だと思います。あまり細部にこだわりすぎず、メインテーマにどっぷり浸かった方が楽しめると思います。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 13

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高のSFそしてラブストーリー。「大人になる痛み」という言葉の味わい。

24年8月多分10回目…いや20回目以上の再視聴です。

 私にとってSFの名作中の名作です。そしてラブストーリーとしても最高です。毎年夏になると見たくなる作品です。過去2回ほどレビューしたので詳しくは書きません。

 2人の感情は距離と時間が離れてしまったからこそ、深く強くなったということでしょう。その思いをメールで送った瞬間にタルシアンが少女の形で接触するのもまた意味が深いです。「大人になる痛み」という言葉が人類の成長という意味と、本当の意味で愛情を知るには相手と会えない時間が必要だという意味の2つに取れます。

 以前にも書きましたが、圧倒的科学力のタルシアンとの闘いでリシテア号のみ助かったかを考えると、ちょっとロマンチックですがミカコが想いを伝えるメールを送ったからでは?と思います。つまりミカコの所属艦だから、助かった。ミカコのように痛みが分かる人間がいるなら、人類は大人になってタルシア人のあとに続けると思ったのだろうということです。

 人類が成長するためには、タルシアンと戦争し科学力を身につけなければいけなかったんだと思います。

 そういう解釈はまあ何十回も妄想しているのでいいんですけど、やっぱり素晴らしいのが一緒にいた時間の貴重さです。恋愛は理由ではないです。そのかけがえのない時間が唯一無二だからこそ、その時間を共有した相手が大事なのでしょう。そして日常だった地球のいつもの風景です。「夜中のコンビニの安心する感じ」とういセリフが毎回グッっときてしまいます。

 この作品年齢を重ねるごとに、感動の深さが増して行く気がします。




以下、23年7月のレビューです。

 本作内の季節は夏だけではありませんが、イメージ的に夏の風景こそが2人が過ごした時間じゃないか、と思いますので、やっぱり夏に見たくなります。23年7月に再視聴しましたので、まとめを追記します。


 本作でリシテア号だけが生き残った意味を考えるとSF的考察をしなくてもミカコが生き残ってノボルと再会することが分かると思います。
 なぜかといえば、タルシアンは人類に銀河ネットワークを残したかった。そのために戦争を仕掛けシリウスまで導きました。全滅させては意味がないので、最終的な場面は見せないですが新聞記事等でリシテア号は助かるというのは読み取れます。

 ミカコはとりあえず助かった。リシテア号もいる。リシテア号は意図的にタルシアンが助けた。
 故にミカコも助かるというのもわかります。ノボルが新型の艦で出かける以上、2人は会えるというのは読み取れる結論です。

 で、ここから先はすみません。妄想ですが、タルシアンはミカコが気持ちをケータイでノボルに伝えているのを知っていた(だから、タルシアンはそのイメージを再現できた)。なのでミカコは距離を越えて気持ちを伝えられる人物だからこそ、タルシアンはミカコの機体は破壊せずに未来を託したくなった、と読み取れる気がします。そもそも未来のミカコは指輪してましたしね。

 つまり、ご都合主義でミカコが選ばれて助かったわけではなく、ケータイでメッセージを送っていたからだ、ということになるのでは?と思います。ここで、銀河を越えたコミュニケーションという2つの主題、異星人との交流と、ミカコとノボルという個人の恋愛が重なってきます。逆に言えば、人類もミカコも助かるということを暗に言っています。

そして、恋愛の部分ですが、2人は会えないけどお互いのことを考えている時間が8年…以上あったわけで。その想いが募るからこそ、2人は他に変わりようがない存在になります。現時点でミカコにとってはまだ時間は経ってませんが、これからミカコは会えない日々に苦しむはずです。
 安易に付き合うことがゴールではなく、この時間と空間の隔たりがあるのが大切なのでしょう。この代替が不可能な状況もまた、本作の最大の特徴でしょう。


 だから、本作はSFとしても、恋愛としても深さを感じる作品だなと思います。

 アニメの中のポエムというのは、野暮というか恥ずかしいというか、そういう作品は多いです。が、地球とノボルと過ごした日々を思うミカコを表現した
本作の詩は本当に素晴らしかった。

 えてして、最高傑作の種というのは、デビュー作にあるものです。稚拙なところもあるでしょうが、表現したいという熱意が伝わってくる作品です。新海誠氏の作品は最近の3作も素晴らしいし完成度は本作とは違いますが、SFと恋愛という2つの側面だけ切り取ると、本作が一番感動します。

 そして、短いからこそ言葉足らずになって、想像を働かせられる優れた効果がでています。これが後の3部作につながる「言葉足らず=想像が必要」というのが新海誠らしさではないか、と思います。




以下 以前のレビューです。上と同じようなことを言ってますが、少し詳細に書いています。


 距離と時間で離れているからこそ深まる気持ちの描写が素晴らしい。

 SF短編の最高傑作ですよね。映像も素人が、ということを抜きにして、非常に感情を揺さぶられる素晴らしいできでした。

 短編なだけに、省略が多くてそれがSF的な深みを出すと同時に、こちらが想像で補う分で深く深く感情移入できます。また、思春期の思い出が一緒にすごした放課後の天気の記憶とかコンビニとか踏切とか…もう最後だけでいつも胸が苦しくなります。

 SFアニメ作品のナンバーワン候補は沢山ありますが、本作はいつも迷います。恋愛ものとしてのクオリティと詩情ですね。これが良すぎて、SFとしての評価ではない気がしたからです。
 いや、言い方が違いますね。距離と時間についてはSFと恋愛の融合としてそこはいいんですけど、タルシアンとミカコのコミュニケーションにちょっとご都合主義を感じていたからです。

 ただ、ケータイについて考えると「あれ、結びつくかも?」と思いました。なぜミカコにタルシアンがコンタクトしようとしたか、ですね。

 初めはトレーサーの乗組員全員に対してと思っていました。が…これミカコが携帯でノボルとコミュニケーションをとっていたから?ミカコも攻撃を受けていたし全力で戦っていたのでなんとも言えませんが…しかし、冥王星で戦っているときにミカコへ攻撃せずに覗き込んでましたね。包み込んで調べようとしたんでしょうか。携帯に興味をもったのか、誰かに気持ちを伝えようというミカコに何かを感じたんでしょうか。

 つまり、ミカコの誰かに想いを伝えたいというタルシアンに伝わったということかなあ、と。だから、ミカコならつながりたいという思い=タルシアンの想い、ネットワークを残す意味合いを理解できる、と。それでリシテア号だけ生き残ったんでしょうか。
 考え過ぎかなあ。ただ、そう解釈するとよりSF,恋愛の両方が深まる気がしました。

 離れているからこそ相手を想う。だから、気持ちが深まる。ノボルは恋愛の機会もあったみたいですが、ミカコが忘れられなかったのもよくわかります。秒速5センチメートルと同じです。
 同じですが「5センチ」と違い本作は新聞記事やタルシアンの言葉が見せた映像や言葉から考察してノボルがミカコに追いつくだろうという考察できます。そこがいいですね。
 ただ、今回再視聴して思ったのが、考察しなくてもそもそもノボルが艦隊勤務を志願して旅立つ描写があるってことは、ハッピーエンドに決まっているじゃんと思います。

 物語は8年前のミカコと現在のノボルのシーンで終わったので、8歳差な気がしますが、メールが届いたときにはミカコ側でも8年歳をとっています。そこにノボルが迎えに行くとなると、ワームホール(巨視的量子トンネル効果って書いてありました)を使えば一瞬です。つまりお互い25、6歳くらいで再会できるということでしょう。

 「ここにいるよ」というメッセージが初めは別離なのかと初め思いましたが、自分が「今後どうなろうとノボルも共有した時間も好きだった自分が確かにここにいた」ということでしょう。

 すずめの戸締りの余韻で再視聴。で、なんか以前見たときよりももっともっと深い作品の気がしました。新海誠監督の中で「すずめ」「君の名は」と本作、どれがナンバー1か迷いますねえ。

 評価上げました。決して安易に5点満点にしたいから、ということではなく女性の声優さんのモノローグに気持ちが乗っかって素晴らしかったし、音楽にも気持ちが揺さぶられました。作画は背景美術の評価です。


 以前のレビューは、ウラシマ効果とワームホールなどの考察でしたが、本作の大切な部分ではないので削除しました。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 11

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

その愛は、時間も距離も、飛び越える……

新海誠作品第1弾『ほしのこえ』

25分のアニメを作るうえで必要な要素である監督・脚本・演出・作画・美術・編集を全て1人で行ったと言う伝説的作品です(オリジナル版なら声優も)

今から14年前に作られたこのアニメ作品はSF要素を組み入れた物でこそありながらも、その本質は人間が持つ「想い」に焦点を当てていました。

誰かが誰かを想う気持ち

心の距離と、身体の距離の対比関係

離れていても、メールが届いた事によって感じる喜び

離れているからこそ、メールが届かない事に感じる寂しさ

次第に遠くなる一方でも、変わらない、いや、次第に近くなっている物も確かにあって、それは普遍に色濃く輝いている…

決して古臭く感じさせない……
現代の私達にでさえ、語りかけて来る物があると自然に感じられた作品でした。
いえ、寧ろ、今の電子機器が跋扈する時代だからこそ感じる物が今作にはあるのかもしれません。
今だったらメールではなく、LINEに取って変えられるんですかね…
既読が付くかつかないかで悩む描写がきっと出ますよ、多分(笑)


しかし、『ほしのこえ』で描かれた落ち着かない感覚、「不安」「じれったさ」と言う感情
これらを「誰しも心の中に持っている!!」と断言する事は私には出来ません。
しかし、少しでも他者と関わった事があるならば、こういった挙措の失いは多くの人が抱いた事のある「想い」です。
一般的に考えれば、殆どの方が持っている代物
彼らのように壮大では無いにしろ、私達の周りにそういった存在は確かにあって、生きている物語のように着実に、知らない所で紡がれていました。

それは、今は昔のボトルメール
海に流して返事を待ち、他者との交流を図ろうとする宛ても無き媒体
無事に陸地に着くか分からない、着いても誰が拾うか分からない、拾っても連絡してくれるか分からない……
「分からない」と言う「不安」ばかりで埋め尽くされた感覚には、しかし、どこか「期待」と言う感情が見え隠れしています。

それは、離れ離れになった人との文通
久しぶりに送る過去への手紙
書きたい事は沢山あるのに何を書けばいいか分からなくなるあの感じ
それはその瞬間だけに訪れる、たった1つの宝物です。

それは、ミカコとノボルのような人達
何かを媒体として育まれる交流は、何らかの関係を無くさないが為の応急処置
互いに違う環境、違う関係、違う人生で進めば、違ってくる未来の路
しかし、どこか必死さをも感じさせる交流には、道のりが違っても維持していこうとするいじらしさを感じて堪らなくなります…

このような物語は知っていても知らなくとも確かにこの世界にあったのです。
同じように、作中で進んでいくストーリーも「ウラシマ効果による弊害」と言ってしまえばそれまででしょう。
しかし、今作の伝えたい事は何もSF的要素、切ない雰囲気だけではありません。
「誰かを想うなら、心は、時間も距離も飛び越えて、その胸の温もりさえも、運んでくれる」
人間の想いが開花する過程を私達に見せつける事で生まれる物
それはノボルが心を硬く、冷たく、強くしたあの時から唯一持ち続けた感情を武器にして生まれた代物
読めないメールを理解した彼が必死に体現しようとした結果が最後には描かれていたのです。

「さよならだけが人生だ」というフレーズを聞いた事があるでしょうか?
人生、出会いと別れの繰り返し…だから、くよくよせずに新しい一歩を、次の出会いを探そうじゃないか!!
中国で生まれた1つの詩をとある文豪が訳した時に生まれた言葉です。
過去は過去と振り切って前に進むのは、想像する余地を脳から排除し、考えないようにすると言う点において確かに楽でしょう(フラッシュバックしない限り)
作中でもノボルは1度、他の人と付き合う事でそれを実行しようとしましたからね…
彼もまた、ミカコのいない事に耐えられなくなってしまった悲しき被害者
しかし、ノボルは結局、被害者のままでいる事を止めました。
元の鞘に収まる事、つまり、ミカコを待ち続ける事、いえ、彼女を追いかける事を選んだ…
心を硬く、冷たく、強くした1人ぼっちの大人になる決意を内に秘めて…
そんな彼らのように遠く宇宙の彼方まで離れても、時間が2人を分かつとも「さよなら」したくない関係と言うのは確かにある。
割り切って前に進む事の出来ない繋がりと言う物が現代でも確かに生き続けている。
願わくば、そんなこってこての「理想」が現実のどこかで存在していてほしい…
視聴後にこんな風な戯言を自然と想像してしまう程、心に沁みた良作でした……

さあ、あなたの周りに私の想う「理想」は果たしてあるのでしょうか?
ノボルとミカコのような「確かな関係」を育んでいる人は果たしているのでしょうか?
自分の辿ってきた人生と合わせて、振り返りたい方は是非ご視聴をお勧めします……

「ここにいるよ。」

PS.
視聴後は漫画家の佐原ミズ氏によるコミカライズ版『ほしのこえ』を読んでおくことをお勧めします。
これを読んで真の意味で『ほしのこえ』は完結です…

投稿 : 2025/04/05
♥ : 11

71.1 2 恋愛で未来なアニメランキング2位
マクロスプラス(OVA)

1994年8月25日
★★★★☆ 3.9 (246)
1373人が棚に入れました
2040年、人類の移民惑星エデンにあるニューエドワース基地では、統合宇宙軍の次期主力可変戦闘機の採用コンペティション「スーパー・ノヴァ計画」が行われていた。競合メーカー2社のテストパイロットは、かつて親友同士であったイサム・ダイソンとガルド・ゴア・ボーマン。幼馴染の二人は、7年前のある事件をきっかけに袂を分かっていた。そして二人は、偶然にも幼なじみの音楽プロデューサー、ミュン・ファン・ローンと再会し、彼女を巡る三角関係でも火花を散らす。しかしミュンは、絶大な人気を誇る人工知能のヴァーチャル・アイドル、「シャロン・アップル」の秘密に深く関わっていた。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

マクロスとしては珍しい《青年パイロット2×美女1》の変形△関係もの

『初代マクロス』放送10周年記念として販売されたOVA『マクロスⅡ-LOVERS AGAIN-』(1992年)の売上好調を受けて、「それならば」と意気込んで制作された1994年制作のマクロス・シリーズ続編2作のうち、『初代』とは直接的な登場キャラクターの繋がりのない外伝的OVAの方です。
(※もう一本は『マクロス7』で、そちらは『初代』の重要サブキャラの何人かが、引き続き重要キャラとして登場します。)

で、肝心の内容なのですが・・・

本作の発表された1994年当時としては、戦闘機同士のバトルシーンの格好良さは特筆すべきものがあったのではないか、と想像しますし、そのために本サイトでの評価も高くなっているのではないかと思います。
但し、私の場合は、たまたま本作を視聴する直前に、2002-4年に制作された、同じくマクロス・シリーズの外伝的OVA『マクロス・ゼロ』を視聴してしまったために、本作に関しては、作画面でもシナリオ面でも、取り立てて「凄い」とは思えませんでした。

・・・ということで、『マクロス・ゼロ』の方の個人評点を ★ 4.1 としていることとの釣り合いを考慮して、本作の個人評点を幾分下の ☆ 3.8 とします。
(※作画で-0.1、シナリオで-0.1、あと私個人の好みとして、パイロット1×ヒロイン2の三角関係の『ゼロ』の方が、パイロット2×ヒロイン1の三角関係の本作より好きなことから更に-0.1 して、併せて-0.3)

※なお、本OVAの発表後に、そのシナリオを再構成し一部改変、そして新規シーンも一部追加された劇場版の方は ★ 4.0 とします。

《まとめ》
上記のとおり、1994年という本作の発表当時に直に視聴した層からの評価が非常に高く、それが本サイトでの本作の高評価につながっていると推測しますが、マクロス・シリーズのOVA作品では、『マクロス・ゼロ』の方が『初代』や『F』との直接的なキャラクターや設定の繋がりが多く、また「板野サーカス」と称される戦闘機同士の格闘シーンも『ゼロ』の方が制作時期が新しい分、公平にみてずっと迫力があると私個人は判定します。
従って、マクロス・シリーズ初心者の方は、本作より先に『ゼロ』を視聴し、それが気に入ったならば、その次に本作に挑戦、という順番で良いと思います。

※なお、上にも書きましたが、本作はマクロス・シリーズ恒例の

「パイロットの少年×ヒロイン2人」という三角関係が、
「パイロットの青年2人×ヒロイン」という三角関係に変形している

・・・ので、もしかしたら男性よりも女性視聴者の方に受けが良い作品なのかも知れません。


◆制作情報
ネタバレレビューを読む


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

=============== マクロスプラス (1994年8月-1995年6月) =============
ネタバレレビューを読む
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)2、☆(並回)2、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.8

※全4話で計156分=2時間36分=約6.5話分


============ マクロスプラス MOVIE EDITION (1995年10月) ===========

全1話 ★ 4.0 ※1時間54分、OVAの一部映像をカットし再構成・改変

主題歌 「VOICES」
ED 「After, in the dark」

投稿 : 2025/04/05
♥ : 5
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ヴァーチャルアイドル

今作では地球外からの敵による攻撃に対抗することはない。マクロスの肝心の歌はVOICESとEDのAfter,in the dark。どちらも菅野よう子が携わっている。特にVOICESが重要な場面でよく流れ、鍵を握る曲である。歌の力に関しては一貫している。

近年よく見かけるヴァーチャルアイドルが登場するが、ネタバレレビューを読む

一応、マクロスシリーズだが、単体で見ても分かりにくいということはないと思われる。ほどほどに楽しめた。

マクロスは女性2人、男性1人の三角関係が多いが、この作品では逆の三角関係である。初めはネタバレレビューを読む

以下は備忘録
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/04/05
♥ : 8

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

テーマと世界観は素晴らしい。面白さは?キャラ暗すぎです。

 三角関係と歌が話の中心ということでマクロスフォーマットは踏襲しているとは思います。主要キャラの年齢層が高めなのは、物語の内容からいっても無理がない設定かと思います。

 世界観・設定はテーマとあいまっていいです。脳と機械の直接リンクやAI歌姫の学習と暴走。無人機と有人機の問題など、1994年の作品ですが、2023年の今まさに我々が直面しようとした問題です。

 ストーリーは、ガルド…ですよね。彼に正義があまりにも見出せません。そしてミュンにしてもちょっと感情的になりすぎています。この2人がAIというか脳科学の犠牲者…と見ることもできます。が、年齢の設定もあいまってあまりに子供過ぎる気がします。むしろ、ハチャメチャな生活に堕ちてしまったイサムに同情しますし、その点では金髪の彼女の言い分が一番正しい気がします。
 短い枠ですので、深みも出し切れなかったのはストーリーとしては不満足が残りました。

 で、本作をメジャーにした戦闘シーンなんですけど、確かにすごいのかもしれませんが、いわゆる板野サーカス…苦手なんですよね。「愛おぼえてますか」くらいのレベルなら素直にすごいなあ、と思いましたが、ちょっと過剰です。例えばマクロスゼロの雰囲気に比べると下品です。
 むしろ、キャラデザのリアリティが凄くてそっちに関心しました。まあ、ハリウッドの模倣ではあるんでしょうけど、人物は非常によく描けていたと思います。

 ということで。テーマ性はいいですし、バーチャルアイドルという存在をAiと絡めてよく考察してこういう物語にしたなあ、と感心します。それはガルドやドローンも同じです。
 ただ、積極的にすごい面白かったというエンタメが足りなかった気がします。

 エンタメといえば歌…ですね。ミンメイを越えられないですね。彼女は唯一無二なんでしょうか。

 作画は満点でしょう。ただ、キャラも設定は感心しますが愛着がわくキャラがいないのがマイナスポイントですね。ストーリーはあまり評価できませんが、世界観とテーマは評価します。音楽は…普通…よりはいいかな。でもあまり極端な高評価にはできません。





 

投稿 : 2025/04/05
♥ : 4

67.8 3 恋愛で未来なアニメランキング3位
境界の彼方 #0 東雲 (OVA)

2014年7月2日
★★★★☆ 3.8 (370)
2694人が棚に入れました
二年前。
博臣は姉・泉からある仕事を依頼される。
それは、不死身の半妖・神原秋人を討伐すること。
秋人が住む土地へ向かう博臣。そして後を追いかけてきた妹・美月は、
道の途中で黒い影と遭遇する。
秋人と博臣、美月の出会いが描かれたTV未放送エピソード。
博臣が背中に負った傷跡の訳は?
呪われた血と不死身の半妖の因縁とは…!?
ネタバレ

ヒカリ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

博臣くんの安定したキャラ。

神原くんと博臣くん、美月ちゃんが出会ったときのお話。
それと同時にネタバレレビューを読む

美月ちゃんが博臣くんの事をちょうど「お兄ちゃん」と呼んでいたのを「アニキ」と呼び始めた時期で、
「アニキ、ウザきも」「おにいちゃ…んじゃなくて、アニキ、キモい」
っていうような美月ちゃんがとっても可愛らしかったです♡
これが世にいう、ツンデレ萌え…!!

ネタバレレビューを読む

それに安定した博臣くんのキャラ!!
神原くんの脇の下に手を入れたり、やっぱり博臣くんだ!って感じでしたw
「へんたーい」と叫ぶ神原くん。「もう1回」とねだる博臣くん。横で見ながら、ドン引きの美月ちゃん。
この3人の絡みがほんとに素敵でした!!

投稿 : 2025/04/05
♥ : 26

えくいてぃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

やっぱりこの作品いいかも^^もう一回初めから見直そうかな^^

#0という事だけあって、本編に入る前の物語です^^

ちょっとだけ本編に対してネタバレ的要素が入っているので、
順番的にはやっぱり放送順に本編見てから
この作品を観た方が良いかもしれないですね^^

この辺りの関係の始まりの物語?という感じでしょうか?
-----------------------------------------------------
「神原 秋人くん」 ⇔ 「名瀬家」 ⇔ 「栗山 未来ちゃん」
      ⇕      ⇕
      「異界士教会」
-----------------------------------------------------

投稿 : 2025/04/05
♥ : 11

ケンちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

どうだろ...

※※※
文章は苦手で(ネタばれに注意も大変だし)短めの感触や印象を伝える程度が多いかと。
割と【まじめに・辛目に】ホシ付けてますので、作品の評価はホシをご参考にして頂ければと...
基準はプロフィールをご参照下さい。
http://www.anikore.jp/users/profile/54802/
※※※

TV版の3年前、秋人と博臣、美月の出会いを描いた0話。

そのカプセルはなんじゃらほい?ってのがあった...

絵は綺麗。

音楽も声も文句ありませんが...

栗山さんや愛ちゃんの出番が無いので、キャラ評価をTV版より落としました。

メガネの無い境界の彼方なんて、クリー〇の無いコーヒーの様で...

どうだろ...

劇場版をまだ見ていないので、そちらとの関連は分からないが、これだけだと見ても見なくても良いような...

投稿 : 2025/04/05
♥ : 7

57.0 4 恋愛で未来なアニメランキング4位
アラタなるセカイ(OVA)

2012年10月20日
★★★★☆ 3.3 (52)
413人が棚に入れました
人口が激減し、人類は明日にも滅亡するという日々を送っている中、科学者の手によりタイムトラベル技術が完成した。
学校では適性検査が行われ、過去への適性がある者、未来への適性がある者、そのどちらの適正もない者が選ばれた。
少年少女たちは、人類滅亡を防ぐために過去や未来へと旅立ってゆく。

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

成る程♫ 

中高生による自主制作ムービーテイスト?

低予算で極限られた環境の中でも超SFが作れるプロットかな。
※此の作品自体が低予算と感じたわけでわ無いです。

例えば過疎って人が住んでない小さな街とか条件に合いそうな
廃墟の多い場所なら日本の至る所にある感じ。

廃工場 廃校 閉鎖された映画館などの撮影は簡単にできる。

4人の制服を着た女子高生が8割型メインで・・あと・・2~3人?
男子高校生がキーマンとして2人ほど 少しだけ登場する。

そして劇中劇の様なトリッキーな要素を入れることで
視聴者に夢落ちなのか 自主制作からの搦手なのか・・はたまた
この部分に何らかのヒントがあって実際に何かの謎が解けるのか?
とか 諸々の勝手な想像をさせる感じかな?

それらの映像だけで 人類滅亡寸前とか その人類の存亡をかけた
プロジェクトとか タイムトラベルとか超SF的なものを表現する。

全ては中心人物による設定台詞だけで補足された世界観であって
其れらしい街並みや廃墟以外「決定的な映像」は何もありません。

強いて言うと流石に現存する鳥類の常識を超えた怪鳥?や変な魚は
CGなり特撮なり必要でしょうが、其処が実写ではなくアニメなので
脳内変換を巧く利用されている感じもします。 

魚も鳥も一般に認知度が低いモノが沢山居ますし撮影方法や加工
によって今でもCGだの特撮だのと大袈裟な事でなくても充分映像化
可能な範疇の違和感しか無いので・・あの映像だけでは判断しにくい
感じかな。普通ならファンタジー要素だけどwそういう部分でも・・
メインの登場人物が4人という部分や冒頭の自主制作映画云々の部分
の効果とアニメ作品だという点が効いてる感じかな。

4人の女の子がメインで男性視聴者が喜びそうな映像が確りしてる。
スカートひらひら生足アピールやローアングルの多様や濡れた服を
絞ったり無造作に置かれた濡れた下着のカットやら序盤にキャラの
魅力やら何やら確りアピって媚びている。

4人の会話が如何にもアニメ視聴者が望む女子高生という部分で
小難しい科学的部分を一切曖昧にして、其処に恋愛要素なんかも確り
淡い感じで入れてる・・「どうせ適正で選ばれただけだから」という
ような台詞で至極当然のように SF的映像がない事を疑問に思わない
様に・・まるで物語に不必要な物にして巧く逸らしている。

クライマックスでパラレル世界云々の町並みでさえ近未来的なオブジェ
をひとつアピールしているだけで一切確信を持たせない様徹底してる。
キーマンといえる?一人が登場しても尚 真実は語られない。

クライマックスも感動的に演出されているが 感覚的なもので一切
確信的な映像がないので 見た人の感性と想像力に内容を委ねた感じ。

過去編(漫画) 現在編(小説) 未来編(アニメ)となっている
ので 此のアニメを見てしまうと漫画も小説も凄く気になります。
そうした意味では良く出来ている方かなと感じました。

印象的な映像と其れを自分に都合よく解釈させる其れらしい台詞で
巧く欺き虚実を不明瞭にして あたかもありえそうな話として納得
させたり感動させるという部分に特化した教科書のようなアニメかな?

投稿 : 2025/04/05
♥ : 5

じぇりー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

何の前知識もなく、主題歌が好きなので観てみたら…

なんのこっちゃ??となってしまいました。

で、前置きさせていただきますが、この作品はOVA単体だけ観ても、恐らく全く意味不明です。

公式HPにて言及されていますが、「アラタなるセカイ」は、「現代編」(小説)、「過去編」(漫画)、「未来編」(アニメ)で構成されており、OVAはいわばパズルの1ピースでしかありません。ストーリー的に小説→漫画→アニメの順で見ることが推奨されています。

以前カラオケJoysoundの課題曲として、このOVAの主題歌「アラタなるセカイ」がピックアップされており、その時にこの楽曲に出会って、切なげなメロディーと歌詞に惹かれたので、アニメを見てみようと思うに至りました。

なので、ラストシーンの印象的な台詞の後、この主題歌が流れ、歌詞とストーリーとがこういう風にリンクしていたのか!と思い、胸が震えました。
OVAでは2番以降の歌詞までは流れないので、気になる方は調べてみると、より主人公の気持ちが理解できてイイかと思います。

このような感じで、歌からこの作品に入った私としては十分な収穫を得ましたが、ストーリー的には漫画と小説がないと、如何とも評価し難い面があるとは思います。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1

coldikaros さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

完全に雰囲気

もう完全に雰囲気を味わうためのアニメですね。
いわゆる単純な物語としては破綻しているといってもいいレベルで、キャラの反応もどう考えても違和感があります。
しかし、このアニメの場合そのギャップを用いて世界観の雰囲気を形作っているようです。
短い作品なのでしょうがないですが、説明がかなり少ないので、必然的に小説版と漫画版を読むことが求められてしまうと思います。
できれば単体である程度掴めるようにしてほしかったですが、まぁこれもしょうがないでしょう。
小説版と漫画版、それにアニメはそれぞれ違う時間を描いており、それぞれタイムトラベル開発を軸として、現在、過去、未来を描いていきます。
その発想と作品の展開は素晴らしいものがあると思います。購買者側としても単純に興味がひかれます。
面白い作品群だとは思います。ですが、単体としての評価はあまり高くはないと思います。
終末的な未来や過去、などという設定に興味をもてるのなら、小説や漫画も合わせておすすめできます。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 4
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