怖いおすすめアニメランキング 27

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの怖い成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月21日の時点で一番の怖いおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.2 1 怖いアニメランキング1位
火垂るの墓(アニメ映画)

1988年4月16日
★★★★☆ 3.8 (845)
5540人が棚に入れました
1945年(昭和20年)9月21日、清太は省線三ノ宮駅構内で衰弱死した。清太の所持品は錆びたドロップ缶。その中には節子の小さな骨片が入っていた。駅員がドロップ缶を見つけ、無造作に草むらへ放り投げる。地面に落ちた缶からこぼれ落ちた遺骨のまわりに蛍がひとしきり飛び交い、やがて静まる。太平洋戦争末期、兵庫県武庫郡御影町に住んでいた4歳の節子とその兄である14歳の清太は6月5日の神戸大空襲で母も家も失い、父の従兄弟の未亡人である西宮市の親戚の家に身を寄せることになる。当初は共同生活はうまくいっていたが、戦争が進むにつれて諍いが絶えなくなる。そのため2人の兄妹は家を出ることを決心し、近くの池のほとりにある防空壕の中で暮らし始めるが、配給は途切れがちになり、情報や近所付き合いもないために思うように食料が得られず、節子は徐々に栄養失調で弱っていく。

声優・キャラクター
辰巳努、白石綾乃、志乃原良子、山口朱美

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

全世界の人々に見てもらいたい

戦争の悲惨さを語るのにこれ以上の作品はまず見当たりません。

◆この作品の概要は・・・
戦時中の孤児となった兄妹のとっても切ないお話です。
戦争の影響とは厳しいもので、栄養失調でどんどん弱っていく妹となんとか生きようとする兄の過酷な運命を描いています。

◆キャッチコピーは・・・
「4歳と14歳で生きようと思った」です。
この言葉を聞くだけでも涙が出そうです。

◆とっても泣けます・・・
泣ける映画として、一般的に最初に頭に思い浮かぶのはこの作品ではないでしょうか。
すごく悲しい内容だけに一度見たらもう二度と見たくない・・・「見たくない」ではなく「見れない」。
もちろん決して悪い意味ではありません。
それほど衝撃的で心を打たれた作品です。
節子の「兄ちゃん」と呼ぶ声や、ドロップ缶を振る音やその時の節子の笑顔がいつまでも心に残りました。
ホタルの光が短く儚い光のように、この兄妹の命も短くて儚い。
ホタルの光は儚いけどとても綺麗なように、この兄妹の生きようとする命の光は綺麗に光っていました。

◆ホタル・・・
通常ホタルとは「蛍」と書きますよね。
でもなぜこの作品では「火垂る」と書くのか?
調べたところによると「火垂る」とは当て字らしいですね。
焼夷弾という兵器があり、火のついた焼夷弾は雨のように落下するらしいです。
その落下する姿をこの作品の作者の妹が死に際に「まるでホタルが飛んでいるよう」と言った事からきているらしいです。
このエピソードもとても切ないですね・・・。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 29

- JIN - さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

気を張らざるを得ないぐらい優秀なアニメだが・・・

戦争アニメとして有名だから見ようとする方には遠慮頂きたい問題作です
映画「パールハーバー」と同じ原理であると言えばご理解いただけますか?
自伝(原作主観)なのですから史実としてではなく創作物(鑑賞者視点)として
本作品を味わっていただけたらと切に願います
(という私も危険性について教えられた者の一人でした)
.
本作品は「引き込まれる」「強く衝撃を受ける」「名言/名シーン」という
意味でアニメーションとしては非常に良くできております。
非常に良くできた創作物であるということも忘れるぐらいに・・・
「自分ならどうしたのだろう」という問題提議について思案すると共に
「でわ現実の戦争とは?」というきっかけには十分なりえます
.
結論:アニメなのに気を張るというのもこれまた如何に?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

keylove さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これにレビューは必要なんでしょうか?一応書いておきますけど。

アニメの棚にあるものにレビューを評価をつけてないのが気になってしまうので書いておきます。
ただ、ここまでテレビのゴールデンタイムでやられるとレビューもネタばれもあったもんでもなくて、今さら何を書けというのか、という感じですよね。

個人的には、もちろん泣きましたね。
これで泣けないって、アニメを本当に作り物だと観ているのか、感情が乏しいのか、怖い描写が苦手すぎるのか、という人に限られるんじゃないでしょうか。
いわゆる深夜アニメの感動系とはまたぜんぜん違った作品で、本当にどこかしこであったことを描いているようなものなので、日本人なら観ておいて損はないですよね、アニメの枠を超越していますもんね。

個人的にジブリは好きなんですけど(深夜アニメと比べて言っているわけではありません)
ここまで押し売り的に放映するという感覚に着いていけない感は否めません。

ということで、一応レビューとしておきます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

87.8 2 怖いアニメランキング2位
鋼の錬金術師(TVアニメ動画)

2003年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1573)
10600人が棚に入れました
舞台は錬金術が科学として発達した世界にある軍事国家「アメストリス」。
幼き日に最愛の母親、トリシャ・エルリックを亡くしたエドワードとアルフォンスのエルリック兄弟は、母親を生き返らせようと、錬金術において最大の禁忌、人体錬成を行ったが、失敗し、兄・エドワード(エド)は左脚、唯一の家族である弟・アルフォンス(アル)は全身を失ってしまう。
エドは自身の右腕を代価として、アルの魂をかろうじて鎧に定着させたが、自分達の愚かさに気づく。その後エドは自ら失った右腕と左脚にオートメイル(機械鎧)を装着し、一時的に手足を取り戻す。
12歳となったエドは、国家錬金術師となり二つ名・「鋼」を授けられ、アルと共に元の体に戻る為、絶大な力をもつ賢者の石を探す旅に出る。しかし、旅には数々の試練がエルリック兄弟を待っていた。人ならざる人・ホムンクルスや、傷の男・スカーなど、迫りくる数多くの敵や苦難を乗り越え、エドとアルは本当の体を取り戻す事が出来るのか…。

声優・キャラクター
朴璐美、釘宮理恵、麻生美代子、豊口めぐみ、置鮎龍太郎、大川透、根谷美智子、内海賢二、藤原啓治、松本保典、志村知幸、白鳥哲、室園丈裕、永井誠、柴田秀勝、佐藤ゆうこ、高戸靖広、山口眞弓、三石琴乃、こおろぎさとみ、鷹森淑乃
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

名作に認定します!

「鋼の錬金術師」荒川 弘先生の大ヒット漫画を原作としたダークファンタジー
全51話

「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」は原作(漫画)を忠実に描いている作品ですが、本作は原作が完結していない時期に制作されたオリジナルストーリーです。
世界観の設定に差がありますが、その差を良し悪しと評価するより、原作をベースとしたストーリーの錬成ぶりを堪能して下さい。基本設定を超越する展開もあり原作とはまた違う見応えがあります。

別々の作品という認識で良いと思います。どちらを先に視聴しても問題はありません。しかしどちらを視聴するのか悩んでいる人がいるというなら私は迷わず、こちらではない荒川弘の原作「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」をお勧めします。

(ストーリー)
大陸歴1910年2月 リゼンブール村
兄11歳、弟10歳

それは幼い兄弟に起こった悲劇…母親を生き返らせようと行った「人体錬成」その行為は絶対に触れてはいけない禁忌でした。
その代償は大きく、兄のエドワード・エルリックは左足を失い弟のアルフォンス・エルリックは体の全てを失ってしまう。エドは自分の右腕を代償に弟の魂を錬成、近くにあった鎧に弟の魂を宿します。

人体錬成によって罪と罰を背負いながら、それでも失った身体を取り戻す旅にでます。その過程で出会い、別れを経験し成長していきます。

それぞれのキャラクターは芯が通っていて魅力に溢れています。
・エドワード・エルリック
表情豊かで感受性が強く、少年らしい屈託のない笑顔が印象的ですが、大人の強さを持ち、運命を背負い強い信念の元、前に進みます。記憶に残った名言の一つ{netabare} 「立って歩け、前へ進め、あんたには立派な足がついてるじゃないか」自分たちと同じ過ちを繰り返して欲しくない。そんな気持ちも込められている励ましの言葉でした。 {/netabare}

・アルフォンス・エルリック
エドの弟。鎧に魂を宿した少年。とてもやさしい心を持つ。兄と固い絆で結ばれている。いつもお互いを思っている姿が素敵です。

・ロイ・マスタング
国家錬金術師にして軍の大佐。最高権力の座を狙い目的のためにありとあらゆる手をつくす頭脳派。{netabare}親友のヒューズは強い正義感を持ち想いを託し殉職した。マスタングの涙「いや、雨だよ…」決して忘れないでしょう…{/netabare}
{netabare}
陰謀と裏切りが渦巻いた世界で、過酷な運命に翻弄されながら、前向きな姿勢を失わず、兄弟は運命に立ち向かっていきます。自然と人間との関係性や生命の存在意義を知り、過去の過ちと向き合い成長していきます。{/netabare}
良きバランスで様々な魅力が錬成され初めから終わりまで全く飽きることなく観れました。本当に素晴らしい作品です。
迷いなく「お気に入りの棚」作品です。

君の手で切り裂いて
遠い日の記憶を
悲しみの息の根を止めてくれよ
さあ 愛に焦がれた胸を貫け…

投稿 : 2024/11/16
♥ : 86
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

原作準拠の前半は面白かったのですが、後半オリジナル展開は・・・かなり微妙

2003年、2009年と二度もアニメ化された2000年代を代表する人気作品。

このうち、原作マンガ連載のまだ序盤で制作が始まったために後半からオリジナル展開となった旧作(2003年版)は、TV放送(全51話)のあと、続編となる劇場版『シャンバラを征く者』が2005年に公開され、興行収入12.2億円の大ヒットとなった。

また、原作マンガ終盤に制作が始まり、原作と同時ENDとなった新作(2009年版)は、TV放送(全64話)のあと、やはり劇場版『嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』(但し続編ではなくTV放送分の途中でのサイド・ストーリー)が2011年に公開され興行収入6.5億円のヒットとなった。

・・・という事前情報に惹かれて、本サイトでも評判の良い本作について、TV放送分(旧・新)+劇場版2本を一気観してみました。


◆シリーズ別評価

旧作(2003年版)          ☆ 良 3.6 (72点相当)
劇場版『シャンバラを征く者』  ☆ 良 3.8 (76点相当)
新作(2009年版)         ★ 優 4.0 (80点相当)
劇場版『嘆きの丘の聖なる星』  ☆ 良 3.5 (70点相当)
----------------------------------------------
総合              ☆ 良 3.8 (76点相当)


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============ 鋼の錬金術師 (2003年10月-2004年10月) ===========

{netabare}- - - - - - OP「メリッサ」、ED「消せない罪」 - - - - - -

第1話 太陽に挑む者 ★ リオールの町(レト神教団)、賢者の石、人体練成の咎(とが)
第2話 禁忌の身体 ★ 続き、7つの大罪(ラスト(色欲)、グラトニー(暴食)、エンヴィー(嫉妬))登場
第3話 おかあさん…… ★ リゼンブール村、母の死・人体練成失敗・修行・旅立ち
第4話 愛の錬成 ☆ マジハールの魂の定着実験
第5話 疾走!機械鎧(オートメイル) ☆ セントラル行き列車ジャック事件
第6話 国家錬金術師資格試験 ☆ 綴命(ていめい)の錬金術師ショウ・タッカー、大総統登場
第7話 合成獣(キメラ)が哭く夜 ★★ タッカー(続き)、スカー登場、※胸糞悪い展開にビックリ
第8話 賢者の石 ☆ 切り裂き魔バリー事件(ウィンリー誘拐)、“鋼の錬金術師”誕生
第9話 軍の狗(いぬ)の銀時計 ☆ ユースウェル炭鉱(東端の町)、ヨキ中尉登場、※話が都合良過ぎで× 
第10話 怪盗サイレーン ☆ 観光地アクロイア(謎の女クララの話)
第11話 砂礫の大地(前編) ☆ 金産地ゼノタイム(偽エド兄弟に遭う話)
第12話 砂礫の大地(後編) ☆ 続き、偽者の賢者の石
第13話 焔 vs 鋼 ☆ 国家錬金術更新査定(マスタング中佐vs.エド)、イシュヴァール殲滅戦の記憶

- - OP「READY STEADY GO」、ED「扉の向こうへ」 - -

第14話 破壊の右手 ★ 結晶の錬金術師(マルコー)、スカー来襲、鉄血の錬金術師バスク・グラン准将敗死
第15話 イシュヴァール虐殺 ★ 13年前のアメストリス軍の蛮行、対スカー戦
第16話 失われたもの ☆ セントラルへの鉄道移動中の挿話
第17話 家族の待つ家 ★ 故郷リゼンブール村への立ち寄り、機械鎧の修理、※日常回
第18話 マルコー・ノート ★ スカーvs.ラスト&ブラットニー、 ※賢者の石の正体が胸糞悪い
第19話 真実の奥の奥 ☆ 第五研究所潜入、エドvs.№48(スライサー)、アルvs.№66(バリー)
第20話 守護者の魂 ★ 続き、バリーの言葉に動揺するアル

<----- 第20話までほぼ原作どおり、第21話以降はオリジナル展開 ---->

第21話 紅い輝き ★★ グリード(強欲)登場、紅蓮の錬金術師(キンブリー)登場、タッカー再登場、※かなり胸糞悪い展開
第22話 造られた人間 ★ ウィンディ来訪、アルのわだかまり 
第23話 鋼のこころ ☆ 
第24話 思い出の定着 ★ 兄弟の絆確認
第25話 別れの儀式 ★ スロウス(怠惰)登場、ヒューズ中佐殉職

- - - - - - - OP「UNDO」、ED「Motherland」 - - - - - -

第26話 彼女の理由 ☆ イズミ(エド&アルの師匠)登場、ラッシュバレー(機械鎧の町)
第27話 せんせい ☆ イズミ師匠との修行
第28話 一は全、全は一 ☆ 続き
第29話 汚れなき子ども ☆ 謎の少年(ラース)
第30話 南方司令部襲撃 ★ イズミ大活躍
第31話 罪 ★ ホムンクルスの真実、※意外な内容で面白いが、ストーリー自体は粗雑×
第32話 深い森のダンテ ☆ イズミの師匠ダンテに会いに行く話 
第33話 囚われたアル ☆ Devil's Nestの戦い 
第34話 強欲の理論 ★ グリード消滅
第35話 愚者の再会 ★ ラストの医師ルジョンとのエピソード ※これまでとかけ離れた回
第36話 我が内なる科人(トガビト) ☆ イシュヴァール人難民の話
第37話 焔の錬金術師/戦う少尉さん/第十三倉庫の怪 ☆ マスタング大佐の部下の話
第38話 川の流れに ☆ ジュリア・ダグラス(スロウス)の正体を探る話
第39話 東方内戦 ☆ リオールの町へ、ロゼ再登場
第40話 傷痕 ☆ スカーの過去
第41話 聖母 ★ 大総統の正体(プライド(傲慢))、スロウス練成の秘密

- - - - - - - - OP「リライト」、ED「I Will」 - - - - - - - -

第42話 彼の名を知らず ☆ キンブリー死亡、アル「賢者の石」化、スカー死亡
第43話 野良犬は逃げ出した ☆ ホーエンハイム登場、エリック兄弟追跡
第44話 光のホーエンハイム ☆ ライラの正体
第45話 心を劣化させるもの ☆ ライラの目的
第46話 人体錬成 ☆ 
第47話 ホムンクルス封印 × ラストの封印、※いろいろと話が唐突過ぎる
第48話 さようなら ☆ スロウスの封印
第49話 扉の向こうへ × セントラルの滅びた町、門の向こう側の世界、※この回も展開が唐突過ぎる
第50話 死 ☆ 
第51話 ミュンヘン1921 × ストーリーの整合性がいろいろとダメ{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)16、☆(並回)30、×(疑問回)3 ※個人評価 ☆ 3.6


========== 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 (2005年7月) =========

{netabare}全1話 ☆ 「門」の向こう側の世界の1923年のミュンヘンでの出来事 評価3.8{/netabare}


◆総評

上記のとおり、第20話までは原作に準拠した展開で、その後は次第にオリジナル度が上がっていき、第29話以降は完全にオリジナルな展開になっていきます。

個人的な感想としては、折り返し地点の第25話が面白さのピークで、それ以降はストーリーが散漫になってしまい、作品テーマを確り打ち出せないまま(※ここが2009年版と個人的評価が分かれた理由)、強引に終盤をまとめてしまった印象が強く残りました。

ただ、TV放送分の後日譚となる劇場版({netabare}1923年にミュンヘンで起きたビヤホール一揆を扱っている{/netabare})は、私が西洋史が凄く好きなこともあって、これはこれで観て良かった作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 33

うっきー星人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

鬱っぽい展開多めだが、心に響くストーリー。甘さも無く、少年誌原作のくせに素晴らしい!

【総評Sランク】
S:特別好きなアニメ A:かなり良い B:なかなか良い C:普通 D:微妙 E:くそ

言うまでも無く、超有名な作品。
等価交換により、同じ質量の物質を他の性質の物質に変える能力を持った錬金術師が主人公です
よく考えたら、この能力って応用すると割と最強に近くないか?
そしてその弟は、魂を鎧に移植されているので、体は甲冑、心は人間という設定です
声優が釘宮なんですが、声がとても合っていました、それとやっぱり声も若いなw
精神は子供なので見た目とのギャップがとても面白いですね

少年マンガ原作とのことなのでガキっぽいだろうと思って今までスルーしてましたが、
全然そのようなことは無く心にしみるお話でした。ワンピースみたいなノリを想像してると痛い目みるw
甘さや表現しにくい所まで(準ヒロイン?が誰かも分からない男の・・・)とかまでしっかり表現していて、素晴らしい
観ている側が凄く考えさせられる痛みを伴う深い内容
人の命の上に成り立つ禁忌、部族虐殺戦争などからも、復習や命の大切さなど感じさせられる
やはり戦争はやっちゃいけない、酷いものだと再確認できる、人の命に代わるものなど無いと
なので、グロや鬱っぽい表現はそこそこあります
楽しい日常から突然絶望に叩き落とされたりするので、場合によっては観て嫌な気分になる人もいるかもね

序盤、3~4話あたりまでプロローグ長えな~と思ってましたが、そこからストーリー本格的に始まっていくという感じ。
どんどん入り込んで、精神的にこっちまで痛々しい気持ちになれました。
作画は今のアニメと比べると良くはないが、2003年製作ということを考えると頑張っていたんじゃないだろうか
2014年の量産型アニメと戦えるレベル、11年前なのにねw

調べた感じ原作とは違ってやや暗い内容だったみたいだけど、2009年版のハガレンと比べてもこっちのが断然上
あっちは少年誌っぽい感じに、敵も味方も関係無くみんなでチカラ合わせようぜ!
というようなガキ臭い内容に集結していっていましたが、こっちは敵味方もはっきりしている
よくこんな作品に仕上げたものだと思いました、原作に逃げず貫いた監督に賞賛を送りたい!

とりあえずちょっと見てみようという人は、4話あたりまでは気に入らなくても頑張って乗り越えてください!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

68.2 3 怖いアニメランキング3位
うみねこのなく頃に(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (995)
5170人が棚に入れました
時は、1986年10月4日。舞台となるは、大富豪の右代宮(うしろみや)家が領有する伊豆諸島の六軒島。年に一度の親族会議を行う為に、当家の親族達が集結しつつあった。一見和やかに、久しぶりの再会を楽しむ親族たち。

しかし、島で待っているのは「当主死亡後の財産分割問題」という、親族同士に暗雲を呼び込む議題。かつて当主が、島に隠れ住んでいるとされる魔女ベアトリーチェから、資金調達の担保の為に授けられたとされる10トンの金塊を巡って、長男の横領を疑う親族たち。それに対して、親族たちの困窮を見透かすかのように、反撃に出る長男。さらに余命の迫った当主は、自らの命だけでなく、親族郎党・資産のすべてを生贄として捧げ、最愛の魔女ベアトリーチェの復活を願っていた。

声優・キャラクター
小野大輔、井上麻里奈、堀江由衣、鈴村健一、釘宮理恵、小林ゆう、麦人、小杉十郎太、篠原恵美、伊藤美紀、広瀬正志、小山力也、田中敦子、小清水亜美、船木まひと、上別府仁資、羽鳥靖子、石住昭彦、佐藤利奈、遊佐浩二、茅原実里、大原さやか、田村ゆかり、緒乃冬華、井上喜久子、杉田智和、甲斐田ゆき、斉藤佑圭、米澤円、日笠陽子、吉田聖子、新名彩乃、山岡ゆり、豊崎愛生、喜多村英梨、水野マリコ、廣田詩夢

YOSHiRoo-- さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

一期だけでは意味がない

「ひぐらしのなく頃に」で有名な竜騎士07による第二作。

まずこのアニメ版については円盤の売り上げが伸びなかったせいか、原作の半分(漫画版の巻数で見ると三分の一)にも満たない出題編で終わってしまっているためこれだけでは何もかも意味不明のままである。
また原作についてもろくな答え合わせもなく、納得できないまま終わってしまっている。
しかし漫画版については、作画の方々の独自の解釈も含めた大幅な変更(特にepisode8)もありかなりの良作に変貌している。前作「ひぐらしのなく頃に」の解釈を揺るがす様な描写もありひぐらしファンとしても嬉しい内容であった。この雰囲気が好きな人であれば読む価値のある漫画版である(ただし入手が困難)。
よって漫画版へのつなぎとしての意味ならあるアニメではあると思う。いずれまたアニメ化の機会があればぜひ漫画版を元にしてほしい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

櫂寿 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

動く魔女たち!!

作画が綺麗で、声優さんの迫真の演技が素晴らしいです!
ただ、物語が早送りなのがもったいない…;;

アニメから入って作品のファンが増えるといいなとは思いますが、アニメでは放送時間の関係からか、カットされてる場面があったり、1話分使って欲しいような盛り上がるシーンが早送りだったりと、すこし残念な部分もあります…!
アニメから入ってハマった方には是非、原作のPCゲームをプレイすることをオススメします。

ただ、原作ファンの方もアニメでおさらいできたり、原作では文字のみだった表現が映像化する事によりヒントが増えたと思います。考察の素材のひとつになるのでは??

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

御玉杓子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2期がないと面白さは伝わらない・・・

この"うみねこのなく頃に"は前作の"ひぐらしのなく頃に"と同様に平行世界を軸にした物語で六軒島という島の中で起きた事件を主人公が魔女に対しファンタジーをミステリーで説明していくという内容となっています。
原作はEP1~8に区切られており、1期ではEP4まで放送されました。

個人的に"うみねこのなく頃に"は考察をすることで楽しむアニメだと感じているので、1期を見ただけでは大半の方が肝である事件の考察をするのも難しいのではないかと思います。


理由としてはファンタジーで物語を締められたら考察要素が極端に狭まるし、普通の人はあれだけの情報、解き方のノウハウを知った程度で考察は難しい(多分)ということが挙げられます。
個人的な意見としては原作で言うEP5まで行けば相当考察が現実的なものになると考えています、だから私は二期を推しているのですが・・・。

現時点の評価がそこまで良くないのも上記の理由と無理にグロ系にしたことやキャラが突飛すぎて一般受けしないからじゃないかなぁと私は考えています。
でも、物語の構成は良いし原作をした人ならわかる作画の質の高さには魅かれるものがあると思います。


出来るだけネタバレに抵触しないよう説明したつもりなのでただでさえ拙い文章が更に拙くなりましたが、少しでも興味を持たれた方がいたら是非アニメ鑑賞&原作プレイしてみることをお勧めします。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

71.2 4 怖いアニメランキング4位
地獄少女(TVアニメ動画)

2005年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (814)
5087人が棚に入れました
最近、巷に或る都市伝説めいた噂が流れていた…。
深夜0時にだけアクセスできる「地獄通信」に怨みを書き込めば、どこからともなく「地獄少女」が現れて、憎い相手を地獄に堕としてくれる。晴らせぬ怨みや世に不条理はつきもの。納得できない理由や状況に抗えぬままに悲惨な運命を辿る者は多い。
地獄少女=「閻魔あい」は彼らの悲痛な叫びを聞きとげ、依頼主に契約の証である藁人形を渡し、「地獄流し」へ至る方法を語る。ただし、「その代償として自分自身も死後は地獄で永遠に苦しむことになる」とも言う。
地獄少女は全てを見通すかの様な涼やかな瞳を相手に向け、ただ一言告げる。「あとは、あなたが決める事よ」と…。

声優・キャラクター
能登麻美子、松風雅也、本田貴子、菅生隆之

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

いつの世も人の恨みの連鎖は消えません。だから私は流します。貴方の恨み、地獄へと

とても暗くて重いお話。基本鬱アニメです。苦手な方は視聴を避ける事を強くお勧めします。


そんな作品ですが、私はこの作品がとても好き・・・。そして閻魔あいさんがとても好き・・・。何故って? それは人の心を写す鏡の様なお話だから。人の心を覗いて、人の怖さを思い知る。そうして自分の気持ちを考える。あんまり見ていてスカッとする様なお話では無いけれど、こういう作品もあって良いと思うのです・・・。


(はじめに)
2005年に最初に放送されたTVアニメです。少し古いですね。
主人公の閻魔あいさんの声を担当されるのは能登麻美子さん。彼女の代表的な作品と言っても過言ではありませんね。儚く悲しげな雰囲気をもつ閻魔あいさん。能登さんはその声を、”か細く”、そして”囁く様”に話す事で表現しました。とても雰囲気にあった素晴らしい演技だと思います。私はこの作品から能登麻美子さんのファンになりました^^


(ストーリーについて)
基本コンセプトは必殺仕事人の世界の表現です。
とっても憎くて悔しくて、そして自分ではどうにもならない恨みやつらみ・・・。そういったものを地獄少女である閻魔あいさんが代わりに晴らしてくれると言う物語。
恨みやつらみを持つ依頼人は、地獄通信と呼ばれるインターネット上のwebサイトに、地獄送りにしたい相手の名前を書き込みます。だけど地獄通信は興味本位でアクセスしても開きません。本当に強い恨みを持つ人だけがアクセス出来るのです。そして無事に地獄通信に相手の名前を書き込む事が出来た依頼人は、地獄少女である閻魔あいさんから”藁人形”を渡されます。藁人形の首に巻かれた真っ赤な糸。この糸を引けば相手を地獄に流すことが出来るのです。但し古の昔より言われる通り、”人を呪わば穴二つ・・・”。相手を地獄に送った依頼人には大きな代償を求められます。その代償とは、自分も死んだら同じ様に地獄に流されると言うこと。生前は地獄行きを約束する刻印を胸に押され、常に死の恐怖を感じながら生きる事になります。そうして死んだら、今度は自分が閻魔あいによって地獄へと流されるのです・・・。


自分の地獄行きと引き替えにしてでも晴らしたい恨み・・・。本当に相手と差し違える覚悟が必要ですね。地獄行きへの恐怖を感じながら、依頼人が赤い糸を引くまでの心の揺れ動きの描写が素晴らしいです。
お話は26話構成。それぞれの回では”恨みの内容”こそは異なりますが、基本は依頼人の恨みを閻魔あいさんが地獄に流して解決するという構成になります。なので連続して見ると途中で中弛みを感じてしまうかも知れません。但し、物語は中盤から少しづつ違った展開を見せてきます。
地獄送りを繰り返す閻魔あい。その行動をある少女が垣間見る事が出来る様になるのです。そしてその少女と父親は閻魔あいの謎を追い始めます。閻魔あいは誰なのか?どうしてこんな事を繰り返すのか?そして何が彼女の目的なのか・・・。少女と父親はいつしか閻魔あいに翻弄され、そして閻魔あいの悲しい過去と正体を知ります。とても悲しく衝撃的なラスト。必見だと思います。


(私なりに考えてみたよ)
閻魔あいさんはとても美人。真っ白な透き通る様な肌に、真っ黒でサラサラの長い髪。日本人形の様に美しい彼女。だけどその目はとても悲しげ。そして見開いた瞳は人の心を見透かすかの様です。
地獄送りにする相手は基本的には恨みを買うような悪い人。だけど人の恨みって言うのは、いつ、何処で誰から買うのかは解りません。例えば良い行いをする為に悪人を懲らしめる。そうしたらその悪人の子供は親を懲らしめた相手を恨みますよね?コレが人の恨みの連鎖・・・。いつまでも消える事の無い悲しい恨みの鎖。だから閻魔あいは時には良い人さえも地獄へ流します。悪人も、良い人さえも、依頼があれば地獄へと流してしまうのです。閻魔あいは決して正義の味方では無い・・・。何が悪で、何が正義かなんて、当人同士にしか解らない事だから・・・。
だからかな。彼女の目はいつも悲しげ・・・。自分の感情を押し殺し、心の扉を閉ざして地獄送りを行います。そこに正義や悪を考える余地はありません。ただ黙々と地獄送りをこなすのです。彼女は悲しみを知っています。人の業を知っています。それ故に彼女は全てを背負う事が出来るのかも知れません。


そんな彼女がたった1度だけ、物語の最後で自分の感情を爆発させます。私はこの時の閻魔あいさんがとても好き。普段は人形の様な彼女だけど、彼女が見せる初めての感情。変な表現ですけど、彼女にとても親しみを感じ、そして包み込んであげたい愛おしさを感じました。

彼女が見せる涙・・・。どうして泣いたのかは作品は語りません。だから私は作品を観終わった後でも時々思い出すのです。彼女の悲しげな顔と涙を・・・。そして、人間らしい閻魔あいさんをとても愛おしいと思うのです。


今宵も閻魔あいさんは誰かを地獄に流しているのかも知れません。誰かの恨みを小舟に乗せて・・・。


さぁ・・・「あなたの恨み、地獄へと流します・・・。」


投稿 : 2024/11/16
♥ : 43

たま。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

鬱アニメ

 最近世間で、ある都市伝説めいた噂が流れていた。「午前零時にだけアクセス出来るホームページ『地獄通信』に晴らせぬ怨みを書き込むと、地獄少女が現れて憎い相手を地獄に流してくれる」 。 しかし、その噂は真実だった。。。

 1クール目は一話完結型で話が進みます。水戸黄門のような勧善懲悪ものもあれば、ドロっとした居たたまれない話もあり、しっかりとした内容です。2クール目も一話完結型で話は進むのですが、ところどころにはじめちゃん&つぐみが現れ、地獄少女について調べていきます。この展開がかなり面白い。特にラストの話の鬱具合と言ったら。。。
 私は当時はちょっと泣きました。



投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

その場限りの救い

「いっぺん死んでみる?」
閻魔あいのこの台詞は、案外奥深いものがある、とは思う。

人の恨み、憎しみはどうやったら消えるのだろう?
憎しみや哀しみなどの負の感情が芽生えるとき、
その人間にとって実際に報われる時というのは、
相手が消えてなくなる時なんだろうか?

誰かから、これでもかというほどの酷いいやがらせを受ける。
当然、哀しみに打ちひしがれ、相手を恨んでみたりするものの、
自分さえいなければ・・とまで思い詰める。

そんなギリギリの感情がMAXに達したとき、閻魔あいたちが登場。
「あなたの恨み 晴らします」

そう、かつてのTVドラマだった『必殺仕事人』そのものの台詞。
仕事の請け負い方と、それぞれの顔ぶれもそっくり。
だけど、ただひとつ違うのは、そのシステム。

お代の変わりとなるのは、「人を呪わば 穴二つ」

つまりは、自分の恨みを晴らして相手を地獄送りにしたら、
自分も同じ地獄送りになるよ、ということ。
それを納得させた上で、仕事は実行されるというわけだ。

結局、嫌がらせを受けたりする発端も、
憎しみや嫉妬からきているわけで、もちろんそれは正しいこととは
言えないまでも、嫌がらせをしてくる相手を恨んでしまったら
同じ立ち位置になってしまう、ということなのだ。

だから自分も地獄送りになる? 恨みを恨みで返す?
そのループがどうにも哀しすぎて、1話完結型であるがゆえになおさら
毎回救いようのない虚しさを覚えてしまい、観ているのがつらかった。

そしてさらに、あい達、仕事人達によって成敗してもらうという
他力本願なところも、あぁそうか・・人を使ってやらせるから
罪が重くなるんだよね、なんて思ったりもした。

憎んだり恨んだり、己のことを呪ったりした時、
心の底から報われるには、やはり他力本願でもいけないし、
人のせいにしていないで、自分の力で這い上がらないと
どうしようもないのじゃないかなと。
また、嫌がらせしてきていた相手と直接、自らが渡り合って
想いをぶちまけ合うことは必要だと思えてならない。
そうした上で、自分を自力で変えることができたり、
何かに気づき報われた時、人間は成長するのだと僕は思う。

というわけで、どうしても共感できない想いを抱えたまま、
次は何か進展するだろうと信じて観続けてしまった。

この物語は2期、3期と続くので、もしかしたら今後
閻魔あい自身の地獄少女となった所以とか、違った解決法とか出てくるのかもしれない。
なので近々続きを観てみようかと思う。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 82

70.6 5 怖いアニメランキング5位
妄想代理人(TVアニメ動画)

2004年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (802)
4195人が棚に入れました
『妄想代理人』(もうそうだいりにん)は、マッドハウス製作の今敏監督によるアニメ作品。
疲れた現代社会を癒す人気キャラクター「マロミ」をデザインした鷺月子は、ある夜、通り魔少年バットに襲われた。
突如世間に現れた少年バットは次々と人々を襲いはじめ、市井の人々を恐怖へと陥れていく。しかし、幾人も被害者が出、多くの目撃者がいるにも関わらず、少年バットは一向に捕まりそうになかった。刑事猪狩慶一と馬庭光弘は捜査を進める中、被害者の持つ不思議な共通項に辿り着くのだが…。


声優・キャラクター
能登麻美子、桃井はるこ、阪口大助、飯塚昭三、関俊彦、槐柳二、京田尚子、内海賢二、陶山章央、山口眞弓、中嶋聡彦、水樹奈々、藤原啓治、三石琴乃、津村まこと、郷里大輔

レモン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

面白いのは序盤だけのクソアニメ

駄作扱いされるから期待はしてなかったが他の今敏作品が好きだったので見ることにした
最初の数話は結構面白かったと思ったが、それ以降はただただ意味不明な駄作にしか思えなかった

少年バットの正体もよくわからなかったしパーフェクトブルーの方が正体明かしてる分だけマシだと思う
個人的な今敏作品の評価は
東京ゴットファーザーズ>>千年女優>>>パーフェクトブルー>>パプリカ>>>>妄想代理人

まだLainや灰羽の方が良いんじゃねとも思ってしまう

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

少年バット

『パーフェクトブルー』『東京ゴットファーザーズ』と世界的に高い評価を受けた今は亡き、今 敏監督の初のTVシリーズ、ということで、妄想代理人
ゾクゾクする面白さがありました、全13話の1クール
これは見てよかったです
電波なストーリーの中に今敏監督の哲学的な思想が粘着してる、ポストモダンなアニメとでもいうのかな
トリッキーな内容で大人向け、難解で台詞が深いです

見る人それぞれに違う印象を与えるストーリー
この作品自体が劇中劇であるっていう見解が強いです
自分もいろいろ考えてみて、自分なりの答えを見つけたのですが、それも数あるうちの一つのポイント
答え合わせとはちょっと違うのですが、監督による、この作品の解説、制作秘話なんかが書かれてる「妄想」の産物ってサイトがあるので、照らし合わせてみるのもまた面白いですよ

作画は、本気のマッドハウスという風評通り、その世代にしてはかなり安定してます
おっとキャラデザを責めるのは堪忍ですよ
そういう作品なんです
萌えとまでは流石にいかないにしても、それでも声優の演技に助けられてたましたね、ツッキーの可愛さとか

OP「夢の島思念公園」
私は平沢進だぞ平沢唯じゃないの人dtkr
超怪電波ソング、初聞の人は、たぶん怖いと思うんじゃないかな?
このOP映像の構想なんかは、四畳半神話体系に受け継がれてますね、結構好きです
EDも計り知れない面白さと恐さがありまして、完全にラ㍑

声優は総じて豪華
マロミにモモーイこと桃井はるこを持ってきたのはイミフですが
能登可愛いよ能登
飯塚昭三関俊彦三石琴乃田中敦子内海賢二京田尚子槐柳二
他方、少年バットは声いらなかったかななんて思います

印象に残るキャラクターを次々と生み出す
ありふれているようで、そうでない
思い返してみると、いやぁ褒め言葉の常套句しか思いつかない
刑事二人組みとか好きよん


すごいもん見たなぁっていう高揚感があります
こんなすごいものがアニメの中にあるんだなぁって
これだけのものを表現できるアニメという媒体、あぁ良きかな良きかな

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

浦沢直樹の原作に押井守の感性が混ざったかんじ。

世界の多くの映像作家が惚れ込んだ今敏のTVアニメシリーズ。ご存命であれば湯浅政明さんより世界的に影響力のある映像作家だったと思う。

まず、浦沢直樹の原作漫画のようなサスペンスの作り込みがうまい。現代社会の闇を臆さず描き、売春問題、貧困問題、いじめ差別問題などなど。。日本社会で見て見ぬふりをしている問題に正面から切り込んでいる。

まるでデビットリンチのツインピークスのような複雑なプロットであり、全体の構成として意識はしていると思う。

あとは押井守やペンギンハイウェイの石田祐康のようなシュールレアリズム絵画への傾倒という感じで、やたらと引用が多い。これは劇場映画「パプリカ」や「千年女優」も同じである。

非常に知的な作品だが、押井さんほど暗く難解な表現はなく、石田さんよりあっけらかんとしていない、本当に作品の骨太さで言ったら右に出る人はいなかっただろう。若くして亡くなられて本当に残念な損失だったと思う。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 33

62.8 6 怖いアニメランキング6位
青春×機関銃(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (402)
2432人が棚に入れました
ある出来事から、半ば無理やりサバイバルゲームを始めることとなった女子高生・立花蛍。

ホストとエロマンガ家という個性たっぷりな仲間に囲まれ、仕方なくプレイしつつも、いつの間にかサバゲーの魅力にハマっていって、とうとう大きな大会を目指すことに…。

声優・キャラクター
小松未可子、前野智昭、松岡禎丞、興津和幸、喜多村英梨、堀江由衣

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「青春」と書いて「アオハル」と読みます・・・

この作品の原作は未読ですが、小松さん、松岡さん、喜多村さんが出演される事を知り視聴を決めた作品です。
私はサバゲーには疎いのですが、現実で私の周辺でもサバゲー体験者が少しずつ増えています。
サバゲー自体の人気が上がっているのでしょうか^^?
きっとハマったら面白いのだと思います^^

この作品は、主人公である立花蛍がひょんな事からサバゲーのチームである「トイ☆ガンガン」に無理やり入る事になってしまうところから物語が始まります。
蛍はこれまでサバゲーの経験はゼロ・・・銃すら握ったことはありません。
あるのは、これまで鍛え上げてきた精神力とそれを支える肉体と・・・獲物を嗅ぎ分ける嗅覚の様な何か・・・^^;

興味を持って取り組み始めるのと、個人の意志とは無関係に半ば強引に押し付けられるのでは最初のイメージも、その後の成長スピードも全く違うと思うのですが、ちょっとしたきっかけで人は変われるんですね^^
蛍は「トイ☆ガンガン」の皆んなとのサバゲーに没頭していくのです。

そんな「トイ☆ガンガン」を構成するメンバーは、リーダーの松岡 正宗(CV:前野智昭さん)、雪村 透(CV:松岡禎丞、さん)、そして蛍の3人です。
蛍がサバゲーに没頭できた理由の一つにチームの雰囲気の良さがあったのだと思います。
リーダーの松岡を中心に幸村がサポートに入るというチームの基本パターンに、切込隊長的役割で蛍が加入・・・相手を倒すために個々人の役割を遂行し銃の引き金を引く、という動作そのものは個人プレイですが、その一挙手一投足全てがチームと・・・2人と繋がっていると感じられるのが、堪らなく嬉しいんだと思います。

チームプレイにおける勝利の喜びは「分かち合うもの」という見方ができますが、一方で「人数分だけ喜びを倍化できる」という見方も有りだと思います。
皆んなで一緒に喜び合えるのがチームプレイの醍醐味・・・その麻薬の様な快感を知ってしまったらやめられなくなるのも分かる気がします。

チームが好き・・・
サバゲーが大好き・・・
この純真無垢な気持ちは、物事を楽しむ上での基本だと思いますが、「トイ☆ガンガン」にはその純粋すぎる気持ちを受け止める事に対して迷いを生じさせるトラウマを抱えていました。

そのトラウマを払拭するには、どうしても乗り越えなければいけない壁があるのですが、その壁の何と高く険しいことか・・・

チーム皆んなの力を結集してその壁を乗り越えようとします。
ですが、その壁は常に自分達より一歩も二歩も高みに位置しているんです。
乗り越えられない壁の前での単純な物理法則は「落ちること」しかありません。
落ちても怪我する事が無いのがサバゲーである所以ですが、心には何のガードもできません。
だから・・・時にはポッキリ折れてしまうこともあるのです。
傷付いた心は簡単には癒せません・・・

そこに残るのは「壁を乗り越えられなかった」という事実と「またダメだった」というトラウマを助長させる心だけ・・・

「トイ☆ガンガン」はこのトラウマとどの様に対峙するのでしょうか・・・
気になる方は是非本編をご覧下さい^^

オープニングテーマは、トイ☆ガンガンの「The Bravest Destiny」
エンディングテーマは、小松未可子さんの「群青サバイバル」
群青サバイバルの格好良さが半端ありません^^
特に活き活きとした笑顔の蛍がとても印象的です^^

1クール12話の作品です。展開としては一区切りなのかもしれませんが、物語としては正直中途半端な状態で終わっています。
これまでは序章で、ここから本格的に面白くなっていくのだと思っているのですが・・・
原作の連載が開始されたのが2013年2月〜なので、ストックが無くなったのでしょうか。
「トイ☆ガンガン」の進んでいく軌跡がしっかりと描かれることを期待しています♪

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

リアルでサバゲーやってるかどうかが評価の分かれ目かな?

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
「さばげぶ」「うぽって」「ステラC3部」等に比べれば「サバイバルゲームを見せよう」という意気込みは感じられました。が、それだけに色々と荒い部分や(サバゲー経験者に)配慮が足りない部分が目立ち、かえって反感を買ってしまった気がします。

私はサバゲーそのものへの愛着はないけれど、自分が好きなものを雑に扱われて不快になる気持ちは分かるかな。

とはいえ、個人的には「キャラもの」として視聴しました。男性キャラと男装キャラしかほぼ出ないので、萌えはなかったし、ややBL感もあったけど、普通に楽しめる作品でしたよ♪

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
第1話での、松岡の決めセリフ。(サバゲーとは)「実弾じゃないってだけで、本物のスリルが味わえる」って、実弾かどうかがスリル(恐怖)の根元だと思いますが……。あと、「ホストで鍛えられた動体視力で弾をかわす」って、ホストで鍛えられるのは動体視力ではなく、洞察力だと思いますが……。

と、1話の段階では、「なんだこれ?」と思っていました。でも、中盤以降は良かったです。

TGC冒頭、緑を前にキョドる松岡と、それを庇う雪村。腐の雰囲気はしますけど、良いシーンだったと思います。てか、前野さん、演技上手いね! あそこまで、「リアルにキョドる」シーンって、アニメじゃあんまり記憶にないかも。多分あれで、松岡も雪村も、女子人気急上昇したはずw それから、立花のことで、雪村が松岡を殴るシーンは良かったです。あと、雪村が立花に真実を告げる時の葛藤。あの一連の流れで、私も雪村ファンになりました(笑) それに、松岡vs立花 戦の挿入歌の「ロッカー」は、作風や場面にあった良い曲だったな~♪

ちなみに私は、リアルでサバゲーしたこともないし、知識もほとんどないです。そんな私からみて、過去のサバゲーアニメよりは、サバゲーを魅せようという意識は感じた気がしました。

結論として、まずまず楽しめました。でもそれは、「男装アニメ(というより、キャラもの)」としての側面が大きかったです(汗) 立花も、ちょっとウザいけど可愛いさもあったし、正宗も雪村もキャラたっていました。ああいう、「普段はチャラいけど、実は熱血、でも弱さもある(松岡)」「インドア派の不健康不思議キャラだけど、友情に厚く、好きな相手には優しさを見せる(雪村)」は、いわゆる「ギャップ萌え」キャラとして、女子に人気が出るのかな?

トラウマを抱えた人物が、仲間との絆を深める中でトラウマを乗り越えていくのはアニメとして王道の展開ですね。ですが、この「青春」は、そのトラウマを直接的に(緑を倒すことで)乗り越えるのではなく、間接的(松岡が根本的に成長することで)乗り越えていくっていうのが良かったです。

しかし、表題にもあるように、それは私がリアルでサバゲーやってないからかもしれませんね。

実際、本当にサバゲーを好きな方の意見をみると、これまでのサバゲーアニメの中では本作が一番許せないらしいです。エア(トイ)ガンを剥き出しで持ち歩くだとか(警察呼ばれるし)、銃を銃で払うとか(銃が壊れたらシャレにならんし)、銃を簡単に落とすだとか(壊れるし、銃は重いから、下手すれば足を骨折するから、普通は紐で体に吊るす)、主に銃の雑な扱い方について、意見を述べられている方のレビューを拝見しました。なるほど、経験者ならではだな~と思いました。

ただ、私のように素人からするとやはりその点は気にならず。本作は戦場(サバゲーフィールド)の空気感だったりとか、立花がサバゲーにハマっていく過程だったりとか、正宗&雪村&立花の成長や絆の深まりを魅せたいアニメとして、一定の評価はつけられるんじゃないかと思いました。

でもまあ、私(剣道部)も、登場人物が竹刀とか刀を雑に扱っていたら気分が悪くなるし、評価も下げたくなるだろうから、サバゲー経験者の方の気持ちも分かります。剣道部的余談ですが、{netabare}ドラマ等で、生徒指導の厳しい先生が竹刀で床をビシビシやっているのを観て、剣道関係者は全員イラッとしています。まず、奴を指導するべきだ、とw 剣道部員は必ず最初に「竹刀を絶対にまたぐな」「竹刀を床に置くときには音をたてるな」「竹刀を拾う時には膝をついて拾え」と指導されます。竹刀は刀、刀は武士の魂ですからね。例えば、剣道の大会では床に何百と竹刀が置いてありますが、剣道部員は、それら他人の竹刀も全て避けながら体育館内を移動してますよ{/netabare}。

原作者は本作を、「サバゲー漫画」ではなく、「人が死なないガンアクション漫画」と評しています。その通りなのでしょう。だから、「良くも悪くも、中途半端な作風」であって、それはコンセプト通りなのかもしれません。

(- ガンアクションとしては、ぬるい。サバゲーとしては、リアルさがない。キャラとしては、萌えない ↔ + ガンアクションなのに、爽やか。サバゲーなのに、心理描写メイン。キャラものなのに、みんな心に傷があって歪んでて、そこそこ深い)。

色々書きましたが、私はこの作品、嫌いじゃないですよ♪ 一度も飽きずに完走できましたし、過去のサバゲーアニメよりも、「サバゲーやってみたい!」って思えましたし。やはり、立花くらいのサバゲー初心者が観て楽しめるアニメかな~と思います♪

(でも正直、もう少し立花の「女の子らしい」姿は観たかったです。あれじゃあ、男装してる女子ではなく、女子と言い張っている男子ですw 最終回、松岡が予告で言っていたように、温泉や水着じゃなくても、せめて制服か私服で女子らしいものを! 流石にここまで男装を徹底され、小松さんの素晴らしい男の子演技をされると、萌えられないっすよw)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 20

にゃしゅまろ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

7話まで

始まる前に1番(じゃないかもだけど)期待していた(⁉︎)アニメ。本屋さんのポスターを見かけて面白そう〜と思っていた…(声優さんもある程度解る)だけに…全然面白くない…←m(_ _)m
サバゲーに興味ないからかな…
好きな声優さんいないからかな…
ただ極普通に30分が過ぎる…
って感じで5話まで観たけど観なくても良いかな…と...(((;´ω`)ススス
6話からまた溜めて気がむいたら観るかなぁ… 2015/08/04
あれから↑7話まで観て放置してました。レコーダーの容量が50以下になったので、夏アニメ削除じゃーって事で、7話いつ観たのか⁉︎内容も全く覚えてないし…ダァも観なさそうだし削除です…(T^T)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

71.0 7 怖いアニメランキング7位
蟲師 続章(後半エピソード)(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (411)
2383人が棚に入れました
それは何処であったか、何時であったか。
白き髪と緑の目を持つ少年は、
世と生命の“理”を──そして己が居るべき処を照らす光を知った。
(第十一話 「草の茵(くさのしとね)」より)

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

蟲師もついに残すところと一話・・・ラストは劇場版で!

蟲師続章分割2クールの後半になります
大分前にアニメ化された作品の
一期アニメ化以降原作完結までをアニメ化する企画がこの続章
続章の前半ラストエピソードは「棘のみち」で後半ラストは「鈴の雫」だろう
という放送前の予想は結局どちらも外れることになりました
前半に関してはスケジュール遅延からの総集編再放送
というあんまりな理由でしたが
後半ラストと予想していた鈴の雫は
劇場版として2015年初夏に公開されるという嬉しい誤算

2期に合わせて書き下ろされた「日蝕む翳」を除けば
「鈴の雫」は原作のラストエピソードに当たる話です
もっとも他の話同様オムニバス形式で発表された一篇に過ぎないので
完結だからと気負って見に行くと肩透かしを食らいそうですが
それでもやっぱり作品の〆になるだけあって
蟲師という作品を理解するための重要なエピソードなのは間違いありません

「鈴の雫」が劇場版になるおかげで
代わりにTVシリーズのトリを務めることになったのは
原作でそのひとつ前のエピソードにあたる「香る闇」
ではなくさらにひとつ前の「常の樹」でしたが
そのラスト二十話へ持っていくまでの流れが実に秀逸でした

十四~十六話で「隠り江」「光の緒」「壺天の星」
十七~十九話には「水碧む」「雷の袂」「泥の草」
家族の絆、親子愛、友情といったものがテーマになった話を
原作の順番を無視して6話並べてあります
前半の3話では暖かいハッピーエンドを見せた後
後半は同じようなモチーフで後味の悪いラストを迎える話が3連続
その上でラストの「常の樹」は
「水碧む」同様蟲と同化していき
「雷の袂」のように家族との不和が描かれ
「泥の草」と同じく足が動かなくなった男の話
これまで一月バットエンドを見続けてくれば
いろいろヤバイフラグが立ちまくりなのに気が付きます
そしてそこからのあのラストですから
ぐっとくるものがありました
(まぁ実のところは原作組なので結末は知っていたんですけどね)

続章前半クールはやはりバッドエンドが足りませんでした
きれいなハッピーエンドや凄惨なバッドエンド
そのどちらともつかないような何とも言えない終わり
それらがごちゃ混ぜになっているのが蟲師の魅力の一つです
続章前半には後味の悪い話が少なすぎてやや淡白な感じを受けました
後半クールはそれを見事に解消できたといっていいでしょう

逆にいまいち改善が見られなかった点は子役の扱いに関してです
上手い子役は本当に上手いのですが
気になって話に集中できないレベルの子が交じってます
子供役は子役にやらせるべきというのが基本方針のようですが
子役の声優起用は博打なんですよね
大人の声優に比べて演技指導で何とかできる部分が少なく
年齢的に長時間拘束することも難しいですから
上手くいかなかったら上手くいくまでリテイクってわけにはいかないんですね
今回の後半クールでも明らかに子役が足を引っ張ってる場面がいくつかありました
ただ、プロ声優を使えば必ずしもうまくいくわけでもないですね
実際「水碧む」の少年だけは子役を使わず
潘めぐみが起用されていたわけなんですが
H×Hのゴンのイメージが強すぎてこれはこれで微妙・・・

なお前半クールではやけに多かった座談会ですが
今回は放送開始直前に一回あったっきりです
スケジュール遅延で何回も放り込まれても困りますが
無きゃ無いでなんかさみしい感じですね
まぁきっと次の劇場版封切り前とかに
また特番組んでくれるかなぁ?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「ただ生きるために」

この作品は、これまで1期、日蝕む翳、そして続章の前半と視聴を続けてきました。
圧倒的な作画とSEのクオリティーは、1期から着実に向上してきているので、視聴を楽しみにしてきた作品です。

人と蟲・・・普段はお互いの領分で慎ましく活きているだけ・・・
でも、この世という場所に両者が存在するということは、例え曖昧だとしてもお互いの接点は必ずあるんですよね・・・
普通に生活していれば、決して足を踏み入れる事の無い境界の狭間・・・
何の因果なのか人も蟲もそこに迷い混んでしまい、お互いが結び付いてしまう・・・

それが良いことなのか、それとも悪いことなのか・・・
一概に括れないところにこの作品の旨みが凝縮されているように思います。

でも、大概はちょっぴり淋しいです・・・じゃなかったら、お互いの共存の道がもっと早くから模索されていたことと思います。

結びついたお互いは決して多くは望みません。
望みはただ一つ、生きたいと思い生きるために行動すること・・・
ただそれだけ・・・

でもお互いが結びついたその先にあるのは、ただそれだけの願いを持つことすら難しい世界・・・
人はコミュニケーションにより状態を訴えることができますが、多くの蟲にはコミュニケーション能力が皆無・・・だから痛いのか、苦しいのかすら分かりません・・・
中には声にならない叫びを発していた蟲もいたかもしれません・・・

人と蟲が接する世界であるからこそ、蟲師の存在はとても大切です。
蟲師の多くは人を助けてくれますが、蟲により近しい存在であるからこそ時には断腸の思いをしたこともあったことと思います。

それでもギンコには蟲が集まってくるといいます・・・
蟲にとって蟲師の存在とは何なのでしょう・・・?
忌むべき者・・・? 安息をくれる者・・・?
それとも自分達の存在に気付ける蟲師に何かを伝えたがっているの・・・?

こんな事を考えながら視聴しましたが、後期の10話もあっという間でした。
終盤になると、この作品が終わってしまう事に対する寂しさを感じながらの視聴でした。

この作品は「原作が面白いんだから、それだけを見て、忠実に映像化する」
というコンセプトを掲げてアニメ化されたそうなのですが、極めて納得できる作品でした。
個人的には、もう一度淡幽さんの登場を期待していましたけれど・・・^^;

族章は前期10話、後期10話に「棘のみち」を加えた計21話でしたがしっかり堪能させて貰いました。
そして今夏には「鈴の雫」が上映されるとの事です。
この「鈴の雫」は最終エピソードだとか・・・どの様に纏められるのかがとても楽しみです^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 32
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

銀太郎飴

原作未読。

蟲師の続きの続き。
ストーリーは1話完結なので、どこから見ても基本的には大丈夫です。

この作品は、世にも奇妙な日本昔話という感じで、

- 古き良き日本のイメージ
- 生き物とも現象とも取れない「蟲」を中心とした、摩訶不思議な世界観
- ハッピーエンドともバッドエンドとも取れない終わり方

という特徴があります。

毎回話の内容は異なりますが、どの話も、家族や人と人とのつながりがテーマに据えられています。

ただし、「家族愛ってすばらしい!」のように、単純な人間賛歌になっていません。
人間の身勝手さだったり、譲れない部分だったり、そういう負の面も描かれています。

そして、それが悪い結果になるとも限らない。
何が正しくて、何が間違っているなんてことは一切語りません。

在るように在り、主人公のギンコが介入するものの、それが良い結果にも悪い結果にも繋がります。

- ギンコが来たからみんな救われた!
- ギンコの忠告を無視したから不幸な目にあった!
- 悪は滅びる

……とは限らないわけですね(※)。
それが世にも奇妙な物語的というか、おもしろみのひとつ。
「登場キャラは幸せになれたのかな?」なんて考えちゃいます。

※そうはいうものの、ギンコが現れたときのあの安心感は何だ!


そして、パターン化されているわけではないのに、毎回魅せてくれます。
好きの度合いはありますが、ハズレ回が見当たりませんでした。
{netabare}
月が井戸の入り口だったときは「ホワァァァァ」ってなった。
{/netabare}

残念だったのは、メインストーリーに進展がなかったこと。
ギンコは主人公ながら、舞台や登場人物はその回固有のものです。
最後に2話くらいかけてギンコに関するストーリーが展開されることを期待していたのですが……。
そういう意味では金太郎飴的。
ただ、「在るように在る」ならそれが正しい姿なのかも。


蟲師は物静かな叙事詩なので、熱さや展開の派手さを求める人にはまったく向きません。
こういう言い方は好きではないのですが、大人向けの作品です。

初代から一貫してクオリティが高いので、この作品から見て気に入った方は、ぜひ他のシリーズも。
同じ感覚で、安心して見ることができますよ!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 30

82.1 8 怖いアニメランキング8位
進撃の巨人 The Final Season(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (502)
2079人が棚に入れました
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は――進撃の巨人」ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなければならない。壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。――やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴璐美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、村瀬歩、川島悠美、松風雅也、沼倉愛美、増田俊樹

アニメ好き さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

やりやがったなMAPPA

最初の製作者側はカッコイイと思ってるオープニングを見た時、このダサさ…これはまさかMAPPA制作のアニメじゃないだろうな…
と思ったらほんとにMAPPAが作っててガッカリした。マッパというかツインエンジン制作が嫌いなんですけど。マッパとの関係性がよくわからん

体操ザムライと呪術廻戦でマッパやるやんと見直していたのだが、同じ会社でもアニメによって全然完成度も毛並みも違うのは一体なぜ?
呪術廻戦とはアニメとして天と地の差があるぞ?

とりあえず今季の進撃の巨人は自分とは合わなさそう。
1話見た感想
オープニングだっさ!エンディングも変な曲でアニメション手抜きか?
登場人物目の周りの縦線多用してるのがめっちゃ腹立つし気になる!ちびまる子ちゃんかよ
目の周りの縦線は原作漫画でシュールなギャグやシリアスなシーンで多用されてきたものなのに常時付けてるのなんなの!?原作愛なしか?

原作読んでても話しに全く引き込まれない1話の構成、これ意味不明で1話切りする人多そう。

など、3期まで進撃のアニメ凄いなぁと思ってたのに、制作会社が変わって積み上げてきたものが全て壊れたような感想しか出てこなかった。
褒めるところを考えたのだが、どうしよう、思いつかない…

私は上手く言語化できないけど何がこんなにも違うんですかね。
wikiみたら監督もシリーズ構成もキャラクターデザインも全部人が変わってて、そこらへんがこの違和感に繋がってるんだと思います。

なんか楽しみにしてただけに悲しい。
2期に駄目にされたけものフレンズ事件を思い出した
2話から良くなっていくのかな!?見る気起きないけどここから良い作品にしてくれるんだよね!?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

再追記 恐怖も世界観も矮小化してしまったがっかり感。設定を設定で解決しないでほしい。

再追記 ついに結末を迎える前に

{netabare} 本作のもっとも面白いところ、それは孤立した人類の反撃…だと思っていました。島設定がでるまでは。

 壁が一つ一つ破られて、巨人たちに追い詰められ食料が足りない、反撃の手段もない。仲間が次々に死んでゆく。そこに現れた一つの希望。それがエレンイエガーという巨人になれる人類の登場。

 そこには父親との因縁もあり、壁の中の巨人もいて、他に巨人になれる人がいて…それがどう収束するか、というのがワクワク感でした。

 ここに実は島の外に人がいて、人類の生存域を埋め尽くしていたと思っていた巨人も実は島の中に閉じ込められてたいた。

 これは勝手な見方なので作品のクリエータ側からすれば知ったことじゃないかもしれませんが、世界の中で訳の分からないなかで孤立する日本のメタファのようなもの…時代の閉塞感のようなものを見ていたのに、急に問題が矮小化されてしまいました。
 巨人が人類に操られているような設定で、得体のしれない恐怖から兵器へと格下げになった感じです。

 エレンの存在が、過去のストーリーとは乖離して、重要度がいままで積み上げた物語の流れから急に浮いてしまいました。いや、だったら何もしなくてよかったってこと?まあ、外を知り、出て行く必要があったんでしょうけど。
 その意味では狭い世界の外に実は真実が…っていうことで今の現実世界のメタファになってなくはないですけど。
 結末はまだですが、旧ハガレンのアニメ版の最期、等価交換という最大のテーマについて、錬金術を見事に別世界の文明と結びつけたようなカタルシスがありません。

 エレンが立体機動歩兵になって動機とか、母の仇とかどこに行っちゃったんでしょう?ミカサとの思い出や昔の事件の意味は?父親の謎は?こういうドキドキ、つまり3クールかけて描いてきたことが、なんといいますか茶番になってしまいました。

 設定を設定で解決する、という意味を実によく表している展開です。結末で実は●●を◇◇すると▽▽になるから、これで解決するんだよ、と後付けで言われる感じです。考察も謎も意味ね―じゃん、ですね。まあ、この長い物語を畳めるのは大したものですが…。ちょっと残念でしたね。{/netabare}

 総評はファイナルの2期目が終わったら書きます。




以下 初回時の感想です。


テーマ性と設定の浅さにはがっかりしました。追記 なぜ本作が世界系だと駄目なのか


 期待外れ感が強いです。ストーリーの面白さはあると思いますが、テーマ性や設定の浅さなどでがっかりしています。ヒューマンドラマとして見る価値がないとはいいませんが、それは進撃の巨人に期待していたものではありません。

{netabare}  エレンに関して言えば成長というより変身…闇墜ちあるいは魔王化ですね。個人的因縁の伏線は回収されて行きつつあります。ですが、だからどうした感はあります。ミカサが東洋の国のお姫様といわれたところで…ふーんでした。守るべき命令がプログラムされてとか…スクラップドプリンセスですか?

 個人個人に過去の因縁をくっつけて悲惨な話をこれでもか、と積み重ねていますが、本筋の進行が遅すぎます。サシャとガビの話とか必要だった?

 やっぱり巨人どころか立体兵装ですら未知の力の産物でした。そして巨人の秘密に科学や理論といった匂いがしません。つまり、悪魔の力で済ますことになるのでしょう。で、生殖能力を無くす?うーん。ここの謎ときを一番楽しみにしていたんですけど…どうやら、理屈が無いみたいですね。

 結局は、エレンの能力の選択、地ならしで世界を滅ぼすか、生殖能力を無くすのか、あるいは始祖としての能力を消すか…しかないですよね。やっぱり世界系になってしまっています。風呂敷の畳み方の工夫に一縷の望みをかけるしかなさそうですね。

 で、このエレンの選択の材料が提示されていません。彼は何を悩んだ結果、これらの中から答えを選択するか、がテーマになるはずなんですけど。そのためにはやっぱり島とは何だったか、巨人とは何だったかという問題が提起されなければいけないのですが、最終破壊兵器というつまらない舞台装置に堕してしまった感じです。 

 ちょっと3期から感じていたことですが、壁の中の絶対的絶望感という視点が人類が外部に存在していたこと、力関係の逆転があったことで、蒸発してしまっています。人類の希望だった立体兵装が凶悪な兵器として視点が変わってしまいました。

 ヒストリア、アッカーマン等の因縁がどうでもいい問題になってしまっています。もちろん、エレンの能力に対抗する別の戦い…たとえばミカサが東洋のお姫様という身分で何かできるならいいですけど…{/netabare}

 うーん。2000年とか巨人とか公開可能な情報とか、壮大なストーリーとオリジナリティを期待していたいたわりに、伏線回収ゲームみたいな形で最後はやっぱり世界系で終わり?回を重ねるごとに問題が矮小化していく気がします。
 個人の因縁を深いとみるか浅いとみるか、ですが個人の内面に作家性があまり見いだせないです。

 巨人=人間になったことで、自然の中の命の儚さではなく戦争被害になってしまいましたし、人間の残酷な行動がテーマ性に昇華されなくなってしまいました。


 せめて感動ポルノにならないことを望みます。気が付いたことがあったら追記してゆきますが。



追記です。なぜがっかりか。世界系の話が悪いと言っている訳ではありません。本作が世界系エンドになるとかなり出来の悪い世界系になりそうだということです。

 本作は巨人が謎の最大の要素ですが、ユミルの民、巨人の種類、実は人である、壁、王家、イエーガー家の設定はすべて巨人の設定の要素になります。

 で、巨人は前提条件として解決が提示できない謎(ユミルが悪魔からもらった力という説明以上の論理的解決が提示できないこと)だとすると、巨人は世界系の舞台設定になります。
 ですので、これにまつわる話をエレンの選択で解決したとしても、それは設定を設定で解決する…というトートロジーになってしまいそうな感じです。

 巨人の謎を、エレンの謎の力を前提とした選択で解決しても、要は中身が「空」ということになり、テーマ性としてもそうですが、物語としても実は意味が無いことを繰り返していたということになります。

 エヴァンゲリオンのATフィールド=人間=使途というように巨人が比喩的に人間の内面の弱さのような表現でもなさそうです。巨人の意味が破壊兵器としての脅威だけです。

 ですので、巨人の謎だけで物語が進行するとじゃあ我々は何を見ていたんだ?になります。
 エレンの物語としての世界系なら、巨人による危機という舞台あるいは設定に対し、テーマとなる要素がないといけません。一般的には恋愛とその他の価値観の選択になるんでしょうが、恋愛の世界系は普通は力があるのはヒロイン、選択するのが主人公です。

 世界系なら本来はエレンとミカサ、あるいはエレンとヒストリアに注目すべきですが、ファイナルシーズンからエレンに全く感情移入できない描き方で、いろんな人物に焦点を当て始めます。ミカサもすっかり邪魔者になって後付けの設定がでています。ヒストリアなんて名前だけになってしまいます。


 キャラそれぞれのエピソードを「巨人世界」という舞台の上で、オムニバス的に楽しむ構造で終わる気がする、という意味で壮大な歴史の結末を期待したのにがっかりしたという事です。

 こういうエピソードの積み重ねや、謎解き的な伏線回収が好きという人にとっては面白いというのは頭では理解しますが、本筋の謎を謎の設定で解決する、みたいな話は私の好みではありません。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

大義名分で舗装された道

原作は途中から控えたMEN
1クールにしてはボリューミー全16話です。
※以下3期までのネタバレは隠してないのでご注意を。


エレンたちが海に辿りついてから4年。太平の世が終わりエレンのおかんが食われて9年後の世界。

本放送中に原作が完結したりいよいよか!な〝FINAL”と銘打ちながらまだまだ続きがあるようです。
放送時期毎に感想書いてるとネタがつきてくるもんですが、そうはならない数少ない作品。毎度新たな一面を見せてくれ、それでいて一本筋が通ってるのが特長。

「あれ!?なんか観るアニメ間違えたかしら?」
{netabare}「あれ!?どちらのゴールデンカムイでしたっけ?」{/netabare}

そんな冒頭でさえ不安にならないのはひとえに積み上げたものへの信頼です。きっと回収するはず!
そんなひとつ。見上げた空に羽ばたく鳥たちのオープニングカットは1期第1話を彷彿とさせました。

「あーいよいよ完結するんだなぁ」 
「あーこのあと壁の中はえらいことになってたよなぁ」

そんなオープニングカットからの連想。前者は大河ドラマ並に重厚な物語が終焉を迎える高揚感と一抹の寂しさ。一方で後者が示唆するものはやや不穏。1期で壁内人類を襲った悪夢の再来です。
そうしてFinalseasonはお馴染みの面々抜きで海の向こうの国〝マーレ”側の視点から幕が開きます。ひとまず此度の16話をまとめるなら

 〝16話分のキャラ回”

1クール群像劇なら6話~8話あたりで適宜挿入されるアレ。キャラ評価の逆転を狙う目的なら終盤10話あたりまでと何処にでも挿入可能性あるアレ。敵味方問わず登場人物たちを深掘りし物語に深みをもたらすアレをまるまるやっていただいた印象。
思えば主人公エレン(それとアルミン)の原動力は〝駆逐してやる!”と〝璧外への憧憬”の二つ。憧れを象徴する台詞が「海を見たい」だったと思います。海をイタリア語で〝マーレ(Mare)”と言いますが、そんな海を冠した壁内人類との因縁浅からぬ国と対峙するぞ!というところで3期は終幕してました。
おさらい兼ねて駆け足で振り返る59話↓

 第1期(#01-#25) 人類対巨人の絶望的なパワー差でも抗う人類の意志を描き
 第2期(#26-#37) 絶対真理と思っていた『打倒巨人』の前提に揺らぎが生じ
 第3期(#38-#49) 揺らぎや萌芽が形となって壁内の人間同士の争いへと発展
 第3期(#50-#59) 明かされる世界の仕組み。壁内人類の災難はマーレ起因らしいことが判明
 第4期(#60-#75) 今ここ

そのままマーレを敵認定した組み立ても成立したでしょうがそうはしません。キャラ回をあっさり1話ちょっとで終わらせず、新キャラも順次投入し厚みを持たせていました。代表はガビ♀とファルコ♂の四月に嘘ついてそのうち神様になりそうな実力派声優コンビで息もぴったり。

 戦争は対峙する両者がそれぞれの正義を掲げ絶対的な善悪など存在しない

散々言われてきた使い古されたモチーフです。善悪二元論に傾かない最近の例で超絶ヒットした『鬼○の刃』でも鬼側の事情を丁寧に描くことに奏功してました。

そこに良い意味でえげつなく足を踏み込んでるのがこのFinalseasonではなかったでしょうか。単に相手側の事情説明に終わっていないのが良い。
対立してる二つの視点を擬似体験させる手法が徹底しているため、今目の前で繰り広げられてることや向けられるセリフ随所に〝かつての○○と同じ”フラッシュバックする場面わんさか。その意味ではガビ&ファルコはニコイチでかつてのエレンと見立ててました。死にたがり野郎成分多め「駆逐してやる」状態エレンを担当するのがガビ。その対極、勘はいいけど思慮浅めで戦士適正が低い落ちこぼれエレンなファルコ。


明かされていく伏線に唸るのももちろん楽しいですが、〝かつての○○”がいちいち刺さり、その最たる犠牲者!?ともいえるライナーが第1話(#60)声優紹介のトップを飾っていることがなによりのメッセージかと思われるFinal前半でした。
ただの知識でしかなかった善悪の曖昧さを疑似的に体験できる貴重な経験を得られるかと。文科省推薦にして夏休みの課題アニメにしたらいいと思います。
善悪に関する哲学的な思考。歴史観。各々の価値観次第でなにかしら引っかかるものがある傑作なことは言うまでもないでしょう。



※ネタバレ所感

■仕方なかったってやつだ

{netabare}「尊敬してたのに」とエレンを面罵するファルコ。昔同じこと言われたライナーの表情が蒼ざめる。
「友達だと思ってたのに」と姉の仇ガビに憎しみをぶつけるカヤ。そりゃそうなのです。

「人類を救うためです」シャーディス教官に答えた若き日のライナー。そう!人類を救うためなのよ。

パラディ視点で始まったこの物語は100年続いた安寧をマーレ側が破ったことが発端。抗戦の大義名分ありまくりです。
一方世界からみればパラディ(壁内エルディア人)は長年巨人使って残虐行為の限りを尽くしてきたわけで、それが辺境の島に残存戦力抱えて逃げ込んだ挙句〝地ならし”なんて切り札持ってる連中から「平和を望んでいる」と言われたところでそんなん信じられるか、ボケ!ってのは頷ける話です。

作者の性癖かもわからん。悉くブーメランがライナーに刺さるのが痛ましいのであります。
そして信じてたものが切り崩されてく絶望というものをガビとファルコが受け止めてくれました。おかげでガビの心がガビガビに…(自粛){/netabare}


■まあそう思っちゃうよね

ワルシャワのゲットー(跡地)をほっつき歩いた経験から、居住制限区域が対ユダヤ人のそれに見える。
{netabare}その前提に立つと、腕章での住民ラベリングやちょび髭の閣下風なあの人の登場だったりで、国家マーレにおけるマーレ人とエルディア人の関係はゲルマン人(アーリア人)とユダヤ人とのそれですわな。
密告社会だし、少年兵はヒ○ラーユーゲントだし、ヴィリーダイバーの真実の中に適度に嘘を散りばめた演説がゲッペ○スのそれにも見えるわけでして。

ドイツ人これ観てどう思うんだろ?{/netabare}


■そしてこんな風にも見えるよね

『山河燃ゆ』って大河ドラマをアメリカで放送した時、現地の日系人から猛烈に抗議を受けたそうな。どんな内容か?
{netabare}原作は山崎豊子の『二つの祖国』。その名の通り、大東亜戦争時の日系人の葛藤を描いた意欲作。
それで猛抗議する日系人の事情も配慮しないとですよね。アメリカ人として日本のことなど全く考えもしないという姿勢を見せないと移民国家では悲しいかな生きていけないのです。

被差別民族の忠誠心競争も、そんな彼らを地雷原や最前線に送り込むのもよくある話。
冒頭の戦役は203高地攻略っぽいし、エレン派のクーデターは二・二六事件になぞらえることも可能です。エルディア人=ジャパニーズ説。だいたい鎖国してる島国に列強が襲ってくる図式なんてまんまそれに見えなくもない。{/netabare}


ドイツにせよ日本にせよまたそれだけに限らず、歴史の表裏や機微を上手く表現してるからどの歴史にも代入できるんでしょう。外人さん政治/歴史大好きだから海外でウケるのには納得しますわ。

{netabare}始祖の巨人奪還作戦も示唆に富む気がします。始原への執着は宗教戦争に発展するわけで…
ユダヤ・キリスト・イスラムと聖地エルサレムを巡る三すくみの例は言うまでもなく、人類の始原をアーリア人(インドヨーロッパ語族)とすることで優秀なアーリア人とそれ以外はオマケと見做す選民思想に酔ったハーケンクロイツな面々なんかそうでしょう。これは麻薬にも似た誘惑があるのか、隣国からナンデモ起源説が無くなることもありません。

 優れた我々のルーツ

合理性とは異なる尺度で争いは始まります。2000年単位のエルサレム界隈では対処するための知恵を蓄積してますが、うしろ二つは歴史の長い文脈でいえばまだまだ若い。
始祖マンセーな歴史と最終兵器としての〝始祖の巨人”とでは厳密には話は異なりますが、〝ルーツ”を争いの元としてる点が一つのメッセージのように思えるのでした。{/netabare}



■オマケ

1.制作会社変更
私にはあまり違和感なく移行できてるように見えました。
{netabare}ただピークちゃんのデザインがなんとなく伊藤潤二氏の漫画に出てきそうな見た目だったのが残念。{/netabare}

2.道半ば
2021秋からスタートするクールで完結するらしい。。。
{netabare}まだまだどうなるかわからんですね。いったん地ならししないと収まらん気がします。エレンがミカサやアルミンら守るために偽悪を演じてる可能性も捨てきれず。それで次世代への継承みたいな感じでファルコやガビが新たな世界を歩んでいくような。いずれにせよエレンの未来は暗そう。{/netabare}

3.楽園
イタリア語でもう一つ。楽園を〝パラディソ(Paradiso)”言いますもんね。
{netabare}囲われた島パラディが楽園というのも皮肉が効いております。作中でも罪を犯したエルディア人にお注射ちっくんして島に置き去ることを『楽園送り』と称してるあたり、楽園は薔薇色ではないんですよね。{/netabare}


 地獄への道は善意で舗装されている

ポジティブさの裏に潜む地獄。作中用語であれば〝善意”を〝仕方なかった”に置き換えればよい。



視聴時期:2021年1月~4月 地上波リアタイ

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2021.05.07 初稿
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 41

76.2 9 怖いアニメランキング9位
ハッピーシュガーライフ(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (534)
1990人が棚に入れました
松坂さとうには、好きな人がいます。その人と触れ合うと、とても甘い気持ちになるのです。きっとこれが「愛」なのね。彼女はそう思いました。この想いを守るためなら、どんなことも許される。騙しても犯しても奪っても殺してもいいと思うの。戦慄の純愛サイコホラー。

声優・キャラクター
花澤香菜、久野美咲、花守ゆみり、花江夏樹、洲崎綾、石川界人、井上喜久子
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

愛と超越

「サイコホラー? 観ない方がいいかな・・・。」これが最初の反応。

散々逡巡した挙句、邪道とは思いつつもネタバレ上等でレビューを読み漁り、
ショッキング展開の予備知識を仕込んだうえで、危なくなったらいつでも切る態勢で
及び腰の視聴に臨んだのだった。

結果は、怒涛の如く二日で全話視聴完了、滅多に味わえないような感動に浸ったまではいいが、
ホラーでもサスペンスでもない、じゃあ一体何だろう、との疑問にはまってしまい、
手掛かりを求め原作にまで手を伸ばして、ついには以下の作品考察を書くに至った次第。

要するに、ホラーやスリラーに全く耐性のない自分のような者でも完走可能なレベルなので
視聴を迷っている方は是非挑戦してみてはいかがですか、と言いたいわけである。
観ないで後悔するよりも観て後悔した方が良い、などと無責任な勧奨をしたくなるほどの
これは世に稀な、貴重な作品である。


{netabare} 真実の愛は、それ自体がおそらく一つの狂気である。


月光が射し込むマンションの一室。差し向かいに床に座っている
まだ幼い少女と、年の離れた姉のような高校生くらいの少女。
小さい方が大きい方にヴェールを被せて、結婚の誓いの言葉を唱えはじめる。

病めるときも、健やかなるときも・・・死が二人を分かつまで・・・。

仲の良い姉妹が結婚式ごっこに興じているようにしか見えないだろう。
だが、この二人はこの上なく真剣なのだ。いや、真剣どころの騒ぎではない。
二人だけの世界を守るために、小さい方の少女は家族を捨て、
大きい方の少女は、人を殺し、奪い、傷つけ、ついにはたった一人の友人をも惨殺した。

彼女は言うのだ、それはすべて、漸く手に入れた本当の愛を守るためなのだと。
本当の愛のためならば、すべてが許されるのだと。


精神異常者の歪んだ愛が引きおこす、凄惨な犯罪の数々。
本作のキャッチコピー、「戦慄の純愛サイコホラー」はこの面を過度に強調したものだ。
勿論、自分はこうした予断に異議を差しはさむ意図をもって、これを書いている。

「異常」を前にしたとき我々は、精神病理学でも、犯罪心理学でも
それを合理的に説明する理論によって「理解」したい誘惑に駆られるものだ。
だが、この習慣を物語の解釈にまで持ち込もうとすると、往々真実から逸脱し、遠ざかってしまう。
だから、この誘惑に抗して、疾走する愛の軌跡を虚心に見届けてゆこう。
アニメレビューの本道からは外れるが、原作を踏まえた「越境的な」理解を敢て試みたい。


原作となったコミックは五年にわたって連載され、アニメ化の翌年に完結している。
連載開始の前年には、元型となった読み切り作品が発表されているが、
そのタイトルは、『ホワイトシュガーガーデン、ブラックソルトケージ。』というもの。
本作の二人のヒロイン、「さとう」と「しお」にこめられた暗示を解き明かす、第一の鍵。

さらに遡ると決定的な発見があった。原作者の初期作品、タイトルは『しろいろとくろいろ』。
白い女の子と黒い少年の、果てしない追いかけっこを描いた、メルヘン風の寓話だ。
白い子が黒い子に触れると死んでしまうので、慕って来る白い子から彼は逃げ続けなければならない。

無垢なものの、白。死と罪悪の、黒。この象徴的な二元性が
本作のさとうとしおの二人に受け継がれていることは明らかだろう。

「さとう」と「しお」。

この世の何物よりも甘い、満ち足りた愛の幸福と、
罪と恐怖が支配する現実世界の苦さとの、二つの極のあいだで
無残に引き裂かれた二人の悲劇的な宿命を、このネーミングが象徴しているのである。

同時にそれは、愛らしいものと酸鼻なもの、純粋なものとおぞましい不純なものとが
隣り合い、融合するグロテスクな本作の世界が、寓話的な象徴性をはらんだ独自の世界観に
基づいていることを示唆している。

「しおちゃんは天使。これは仮定じゃない、これは前提。
 だけど天使は弱くてはかない存在なの。
 だから、こんな穢れた世界から守ってあげなくちゃいけないよね。」

自然が真空を恐れるように、絶対的な純粋さはこの世界とは決して相容れない。
さとうの犯行動機は従って、一般的な犯罪者の心理に還元されて済むようなものではなく
この世界観からの必然的な帰結として捉えられなければならない。
穢れた世界から無垢なるものを守るために、自らが穢れを一身に引き受けようとして
避けがたく罪は重ねられる。純白だった砂糖はたちどころにどす黒く汚れてしまう。

あたかもこの世界には、反転と転落の力学が存在するかのようだ。
継起する異常な出来事は、異様に濃密なこの象徴性の磁場の作用だと考えるのが正しい。
登場人物が次々と狂気を露呈させていく展開もまた、このメカニズムによって説明されるだろう。


さらに、純愛と称されるさとうとしおの「ほんとうの愛」を問題にするとき、
そのきわめて特異な内実を、敢て「神学的」と形容したい想いに自分は駆られる。

「私はずっと一人ぼっちだった。何も感じない、常に何かが欠けていて、
 いつもどこか切なくて、このまま独り消えていくのかと思っていた。
 でも違った。しおちゃんが私を見つけてくれたから!」

最後の部分は、信徒によってしばしば語られる「神が私を見出した」という表現と一致する。
さとうにとってのしおの存在は、天使の域を遥かに超えた、救済そのものだったのだ。
そしてしおもさとうも、自分がいま生きていることの唯一の根拠を、互いの存在に見出している。

「私、お母さんに捨てられたあの日、一回死んじゃってたんだと思う。
 でも、さとちゃんのぬくもりでまた生まれたの。」

「私もだよ、しおちゃん、私も。
 なんにもなかった空っぽの私をしおちゃんが生かしてくれたの。」

互いの「新生」の経験が、まるで響き合うように言い交わされる。
これらの言葉は、新しい生命の源となった至高の愛の対象への、至純な信仰告白なのだ。
彼らの愛は、我々が通常経験するような、生存に付随した単なる心理現象ではなく
現世での死を経過して、新たに獲得された「いのち」そのものなのである。

「甘い」が迸る生命感の表現であるのに対し、「苦い」は現実世界における死の象徴である。
ひとたび死に、生まれ変わった彼らはすでにこの世界に属してはいない。
家族愛であれ友情であれ、世の慣習的な価値観はすべて忌避され、否定され、排除される。
微温的な愛、利己的な愛は、この絶対の愛によって裁かれ、容赦なく処罰される。

「ありがとう、しおちゃん。戦おう、命がけで。一緒に証明しよう、私たちの愛を。」

これが彼らの愛の神学である。それは命がけで証しされねばならない超地上的な真理だ。
従って、物語の結末はすでに予告されている。彼らの戦いの果てにあるもの、それは
この世界の外への、永遠へ向けての跳躍―ダイビングの他にあろうはずはないのだから…。



・・・そして、しおひとりが生き残る結末を迎える。

しおのために自分の命を捧げるという、究極の愛をさとうが実践してしまったことで
二人の愛がそのまま永遠へ移行する契機が失われてしまった。これは愛の挫折を意味するのか?
自分も当初は、作者が世間受けのために日和ったのかとも考えた。だが、そうではなかった。

この結末こそが愛の完成だったのだ。

「さとちゃんがどうして私のことを生かしたのかわからない
 考えても 考えても だから私は 考え続けるの
 どんな時も 何をしていても 何を感じても ずっと ずっと
 さとちゃんのぬくもりは私の中にある だから私は それと一緒に生きていく」

二人がこの世界で見つけるはずだった「お城」は、いま、しおの中にある。
{netabare}(原作では復活したさとうとしおが、また二人の生活を始める様子がはっきりと描かれている。){/netabare}
しおは世界と断絶し、彼女の内部でさとうとの、永遠の「ハッピーシュガーライフ」を生きる。
これが二人の愛の究極の証明であり、世界に対する彼らの戦いの完全な勝利に他ならない。


世界はこれを、無力な逃避、ないしは傲慢な自閉として断罪するだろう。
だが、一体それが何だというのか? 死ですら二人を分かつことはできなかったのだ。
ここにあるのは、現世をも死をも超越する、永遠のテスタメント(契約)。
恐ろしいことだが、これは冒涜的なまでに、新約聖書の福音と重なり合うのだ・・・。


自分は、果てしなく考え続けようとするしおの姿に、作者自身の投影を認める。

この作者にとって世界は自明ではなく、問い続けられるべきものであるような気がするのだ。
本作と初期作品とを結んだとき、そこに垣間見える原作者の心象風景、それは
何もない空無のなかで、ただひとすじに持続する「想い」だけが
何か驚くべき、唯一の確かなものとして存在するという、恐ろしくストイックなものだ。

自分は本作に、真に創造的な感性だけが表現することのできる、固有のリアリティーを感じる。
内面の衝迫に促された感性の疾走が、高翔する愛の神学を生み出す発条となったと考える。
そう、多分これは、孤独な思索が営々と紡ぎつづけた、この世界の真実をめぐる寓話なのである。
{/netabare}

(初投稿 : 2020/10/1)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

にがみのエッセンスが醸し出す「フロイト」的な世界観が気に入った!!

作品概要
▼原作:月刊ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
▼原作者:鍵空とみやき
▼アニメーション制作:Ezo'la(ディオメディア)
▼話数:全12話{netabare}
▼総監督:草川啓造(ディオメディア)
・実績
(監督)
『魔法少女リリカルなのはA's以後のシリーズ』『迷い猫オーバーラン!』『ロウきゅーぶ!』『艦隊これくしょん』『風夏』『アホガール』他
▼監督:長山延好
・実績
(監督)
僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件
▼シリーズ構成:待田堂子
・実績
(シリーズ構成)
『らき☆すた 』『ティアーズ・トゥ・ティアラ』『おおかみかくし』『THE IDOLM@STER』『Wake Up, Girls!』
『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』『はるかなレシーブ』他多数
▼キャラクターデザイン:安田祥子
・実績
(キャラクターデザイン)
『銃皇無尽のファフニール』『sin 七つの大罪』『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』
▼音楽関係
音楽:亀山耕一郎
OP曲:「ワンルームシュガーライフ」(ナナヲアカリ)
ED曲:「SWEET HURT」(ReoNa)
挿入歌:「カナリア」(ReoNa)第9話
▼キャスト
【声優】項へ{/netabare}

原作未読
リアルタイム視聴済

☆エピローグ
普通のアニメは見飽きたぜ!糖質サイコホラーはドツボだ。
清々しいほどのバッドエンドや、スクイズやヨスガが大好物な私にとって、やっぱねーっ!これぐらいサイコパスで頭逝ってる作品がないとアニメはつまんねぇw
王道や名作、勧善懲悪ばかりじゃ肩が凝るもんね。
本作は世界線やら異世界やらと物理学分野のSFフアンタジー全盛なトレンドに対し、精神医学を世界観の基軸に据えた稀有な作品だ。
したがって、擬似リアリズムであっても、健常な精神感覚では一切のカタルシスを承認しない作品である。

異常心理に興味があったり、最近では『フリップフラッパーズ』を理解できる方々には面白いかも。
本作はストーリーが安定しているから分かり易い。
『ガリナン』もだが、アホアニメ制作会社の評価が定着して社会的には評価が厳しいディオメディアだが、たまに私のツボに入る作品を出すから、目を離せないw

主要キャラでマトモなのは「しょうこ」だけ。
他のキャラは悪い意味で個性が凄まじく、心の闇という健常と異常の行き交う「境界線」の想像どころではなく、真性の「精神病疾患者」であり、ペドフィリア、エフェボフィリア、パラノイア、火病、発達障害etc全員閉鎖病棟の患者でも不思議ではないような連中が繰り広げる異常人格者による基地外純愛群像劇(草)
共感できるキャラが見事に誰もいない稀有な作品ゆえに、様々な矛盾も精神異常が織りなす現象と見ているので許容の範囲であり、作中何が起こっても感情移入が生じることなく、エンタメとして割り切り楽しむことができた☆

タイトルの「フロイト」は精神医学の始祖。
世界的な心理学者「ユング」や「アドラー」の師匠でもある。
原作者はフロイト入門書の『精神分析入門』や『夢判断』を読んでいるな。
フロイトを読むと、読んだ側も精神をやれかねない危険物。
本作も視聴すると、そうなる方向性で演出されている。
異常心理の描写が精神医学的に考察されて「超自我」のメッセージがしっかりプロットされている。
さすがに1クールで精神医学界の巨匠フロイト的世界観を表現するのは厳しいのだが、そこに挑戦したことは評価されよう。
精神分析学的視点に立った考察はメンドクサイし、レビュー読まれる方々の気分を害するからしない。(いや、でも、気が向いたら追記をするかもw)
キャラ設定のベースがフロイト的価値観だから、基地外とは何かを問うているのと同様で、そりゃ陰鬱な世界観にもなるな。

とにかく可愛いOPや絵柄に騙されてはいけない。
マトモな神経では視聴できない作品だから、そこは覚悟した方がいいデス。はい。

それにしてもジエンコって『serial experiments lain』以来、この手の一風変わった作品のプロデュースが好きなんだな。
提供にバップもあったが、ジエンコ+バップ、あーあれか!w

ところで、最近ディオメディアはいろんな名義を使っているね。
「doA」に続いて今度は「絵空」か。
『BEATLESS』は綱渡りだったし、万策(略)に備えて、リスク分散でもしているのか?

【音楽】
OP曲はとてもインパクトがあり癖になる電波ソングだ。
不詳私、DLをいたしました。
OPの作画と楽曲『ワンルームシュガーライフ』で本作の世界観をしっかり視聴者に伝えた(伝わったかは別にして)好演出だ。
ED曲『SWEET HURT』は『GGO』の神崎エルザの曲を歌ったReoNa。
彼女のなんとも言えない切ない声質が、本作の無情で悲惨な末路を暗揄していてなかなか良い。これもDL。
EDの作画は折しも同じ精神異常系の『フリップフラッパーズ』と同様の演出。
「さとう」と「しお」が抱えている闇と二人の関係性を1分30秒でしっかりと表現している。
{netabare}「さとう」の幼少期から現在の描写、そこに「しお」が現れて、二人で城に向かって歩く。
ハッピーシュガーライフの描写と、スキップしながら城から旅立ち、二人で躓いたところで「さとう」が消える(さとうの死)でも「しお」の心には「さとう」が生きている、とこんな感じでEDはこの物語の顛末を分かり易い暗喩で演出している点は視聴者に優しい。{/netabare}
{netabare}しょうこが殺される{/netabare}9話の挿入歌『カナリア』も歌詞に込められたメッセージがそのシーンの演出にしっかりと映えていて良い曲だ。

{netabare}本作、9話は「しょうこ」の恋もあり内容が濃く相当の字数が必要だが、割愛して、挿入歌まで用意された「しょうこ(小鳥)」は本作にとって、さとちゃんの狂気を強調する意味でも重要なキャラだったし、彼女の存在が無ければ、ただの基地外ドラマで終わったな。
(7話の展開が殺される伏線だが)さとちゃんと向き合うタイミングを逸したとはいえ、幼女を「彼氏」として拉致しているさとちゃんの素顔を知った「しょうこ」がとった選択は極めて常識的だが、基地外相手には通じず、理不尽な結果となったが{/netabare}共感シーンが皆無な本作にとって唯一の救いだった。

【物語とキャラ】
キャラは本作一番の問題提議点だろう。
{netabare}よくもまー、あるゆるタイプの基地外を設定したものだと感心した。
しかし、「さとう」の叔母と「しお」を除き他のキャラのサイコパスの根源は抑圧され無意識下に封印された記憶、いわゆる「トラウマ」だ。
「さとう」、「太陽」、「あさひ」は過去エピソードの描写があるから分かり易いだろう。
今では「トラウマ」という言葉は普通に用いられるが、その概念を提唱したのがフロイトだ。{/netabare}
現在フロイトの【精神分析学】はポパーの科学定義にぶった斬られて【非科学】とされているが、なお、その研究は医学のほか哲学としても各方面に多大な影響を与えている。
因みに「トラウマ」と似た概念で「PTSD」があるが、こちら医学的な診断名、つまり科学。
医学的なフレームで論じるのが「PTSD」であると理解したらいいだろう。
そして、この三者の異常行動は明確に「PTSD」である。
「さとう」叔母は「トラウマ」の過去描写がないので、その異常性の因果関係は判別しないが、他人への関与が異常な博愛が動機である点から、所謂「離人性人格障害」であることは確かだろう。
{netabare}「しお」は年齢的に幼くまで認知能力が完成されてはいなから、母親との関係や「さとう」の死をきっかけとし「PTSD」を発症するのは想定内だろうし、「さとう」の狂気の正統後継者となるだろう。{/netabare}
基地外の成長物語を望むか望まないかは視聴者しだい。私は(怖いもの見たさで)今後も観察してみたいものだが。

以上、キャラの性格設定を多少考察したが、個人的に気になっているのはネーミング。
ここ突っ込んだレビューが少ないだよね。
物語と主人公とヒロイン?他女の子キャラのファーストネームの関係だが、「さとう」と「しお」。
これは、第三者視点で物語を俯瞰したときに醸される、二人のイメージなんだろう。
{netabare}さとちゃんの心が至福に満たせるときは「あまーい」、ストレスを感じたら「にがーい」と味覚で心理描写をしているのも本作の特徴だ。
これは丁度可知差異(物理学用語)が「フェヒナーの法則」による感覚量でも定式化されており、物理でメシを食っている私の心を擽った直喩だ。
「しお」の存在を「さとちゃん」から見た場合は「あまーい砂糖」だが、第三者視点ではさとちゃんに試練を与える文字通りの【塩】な存在。
自らの「あまーい生活」を守るためにさとちゃんは、せっせとバイトで生活費を稼ぎ、脅迫、傷害、詐欺、挙句の果てには殺人までやってのけた。
ある意味、これほどの純愛ドラマはスクイズ以来かもね。
これが、「しお」が【塩】である所以である。

そして「さとちゃん」の光に立候補し、人の道に戻そうとした「しょうこ」は「胡椒」の捩りで、そのお節介は、さとちゃんにとっては「辛い」味覚、はた迷惑で排除すべき存在として描かれているのではないのだろうか。{/netabare}

次に、苗字についてだが、「神戸」と「飛騨(飛騨しょうこ)」に共通するのは高級和牛ブランド。
さとちゃんの苗字「松坂」を「松阪」とすると、やはり高級和牛だが、これは作者の誤字なのかな?
他にサブキャラの宮崎すみれ、但馬みとりも高級和牛ブランド。
本作と高級和牛の相関関係は謎だが、キャラネーミングには法則があるようだね。

で、本作のキャラ設定だが、精神疾患と異常心理の掘り下げに作者の知識の限界からか詰めの甘さが残るが、これだけの基地外キャラをクリエイトし、物語をプロットした点は評価されよう。

{netabare}最終回はオリジナル展開だが、さとちゃんを「あさひ」に殺させ、それでも「しお」に切られ、自殺を図る展開も悪くないと思ったが、さとちゃんを死なせて、「しお」を生き残らせ、「あさひ」を切った展開は前述のとおり、{/netabare}これからの「しお」の異常人格発揮を十分妄想できる余韻を残した意味でも評価できる。

あと「しお」の失踪だが、{netabare}物語の通り捨て子であっても「しお」は小学生だ。
失踪すれば、社会的に何らかにリアクションがあるはずだが「あさひ」が述べたように警察で相手にされないのは不自然すぎる。{/netabare}
欠席が続けば「しお」の担任教師が家庭訪問をするし、親に不審な点があれば、児相とも連絡を取り合い世間にバレるはず。
その過程で事件性があれば警察が動くが、事件性はないとする裏設定でもあるのかな。
「しお」の境遇を考えると、無戸籍である可能性もあるが、視聴者が納得できる線で簡単にでも触れておくべきだったろう。

【作画】
全般的にディオメディアクオリティであり、動かす場面も少ないから、ボロも出ず可もなく不可もなくといったところだが、シャドーの用い方、基地外の表情など、サイコホラーとしての演出は頑張っていたと思う。
ただし、9話は{netabare}本作の神回であるにもかかわらず、作画が演出についていけていない。
挿入歌とナレーションを背景にCVを入れずに「さとう」と「しょうこ」の葛藤シーンが描かれた。
前述したとおり、演出は素晴らしかった反面「しょうこ」の表情が「棒」であり、迫力が全く伝わってこなかった。
基地外表現の作画に手一杯で、健常者の必死の訴えの表情演技まで手が及ばなかったようだ。
CVなしで映像表現のみを用いて視聴者へ訴えるのは、自信と相当の作画センスが要求される。
試しに、スクイズとの見比べで「誠」殺害後の「言葉」と「世界」の葛藤シーンを音声なしで視ると分かるが、迫力が全然違う。
ディオメディアの作画センスの限界が、この素晴らしい演出を削いでしまったと思うと残念でならない。

ただ、小鳥の演出を含めてだが「さとう」が文化包丁を「しょうこ」の首に突き刺し殺す描写は、頸動脈からの血飛沫には違和感を感じつつも、「さとう」を引っ掻き断末魔に喘ぐ描写や小鳥の死を比喩した痙攣描写など殺人過程はしっかり描ききっている。
ただし、グロ描写を強調し過ぎたことで視聴を打ち切った方々を出したという負の作用もあったが、{/netabare}これを斟酌して私的には高い評価をしたいと思う。

【声優】
原作を読んでいる方々には花澤さんはミスキャストだとの意見も多いが、原作を読んでいない私にとって可もなく不可もなしだ。
寧ろ、客寄せパンダ役も兼ねて、演技力が要求される「さとちゃん」役には適任だったのではないだろうか。
個人的には「しお」役の久野美咲さんの演技が輝いていた。
『WIXOSS』や『LOST SONG』でも思ったが、主役よりも準主役や重要キャラをやらせると巧いタイプかもしれない。
さとうの叔母役の井上喜久子さん。
『らんま1/2』から活躍しているだけあって、ベテランらしく味のある演技でサイコパスを演じていたのが印象的だ。
難しいキャラの「三星太陽」を演じた花江夏樹氏も好演だった。

ゆえに総じて高評価とする。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 62
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

胸糞キャラのケーキバイキングなのだがペロリと完食

2018.09.30記


原作未読


サイコだねぇ
サイコだねェ

サムネと内容とにものすごい乖離のある作品でした。

主人公は容姿端麗JK松坂さとう。愛を求め男を漁ってた過去を持ち、しおと出会って本物の愛を知る。
サブヒロインに8歳の幼い少女神戸しお。同居するさとうに幼子らしい愛を振りまく。
二人はもともと赤の他人。血縁でもありません。

どうして二人は一緒に暮らしているのか?

最初のハテナが視聴者に提供され、しおを探している家族、さとうを怪しむ高校やバイト先の友人・知人などが絡む仕掛け。
この甘い幸せに満ちた、でもどこか歪で危うい共同生活を守ろうとするのはさとう、といったところから物語は進行していきます。


JKと年端もいかない少女との共同生活と、その設定自体がイカれてる(褒め言葉)し、出てくる面々がモブ以外は頭のネジの何本かどこかへいってしまったような人たちばかりのサイコでスリラーなサスペンスといったところでしょう。
そしてヒロインさとうを演じる花澤香奈さんの怪演が光る一品。
今夏は観る作品ざーさんのヒット率が異様に高かった気がします。そのどれもが主役・準主役級だったりと、ちょっと働き過ぎなんじゃないですかね。本作も、「はたらく細胞」「Phantom in the Twilight」「パンドーラ」「メジャーセカンド」「シュタゲゼロ」のアフレコ後、変なテンションかゾーンに入ったような状態でアフレコしたんじゃないかと。
それぐらい松坂さとうのヤバい感じが出ておりました。この一点でも観る価値はあります。


サイコ、サイコと言ってもとってつけたようなサイコっぷりだとただの感じ悪い作品で終わりますが、本作では普通だった人間が壊れていく経緯だったり、壊れざるを得なかった生い立ちだったりを割ときっちり描いているため、胸糞の中にキャラへの同情にも似た共感を覚えることもあろうかと思います。
ふんわりとしたキャラデザインは、ハッピーでシュガー(甘い)なライフ(生活/人生)を表現するにはちょうど良かったかも。

人間の狂気を描いた作品が好き!という方には薦められる佳作だと思います。


■ネタバレ所感
作品の面白いところを語ろうとするとどうしてもネタバレは避けられないので畳んどきます。
{netabare}飛騨しょうこ殺害あたりを起点に、綻びが出始めていた歯車の狂いが加速していきます。それまで狡猾だったさとうに焦りが見えて行動や言動が純化していきます。それと反比例してほんわか天使しおちゃんがこれまで見せてなかった自我を発動していく。それも悲劇的な顛末が予想されるかたちで、といった終盤の展開は良かったですね。{/netabare}
{netabare}結局残されたしおちゃんがこれまた救われない。理想のバッドエンドでうまい感じに締めました。{/netabare}


それにしても砂糖と塩の示唆することは何だったんでしょうか?
同時利用可能な調味料は共生できるという意味なのか。
白は何にでも染められるという意味なのか。
相反する味覚の刺激は対立という意味なのか。

同質で異質。矛盾したものを内包したのが人生だよん、という至極真っ当で浅い考えしか思い浮かびませんでした。

陳腐だねぇ
陳腐だねェ



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2019.03.10追記
《配点を修正》


レビュー初稿書き上げた後のレビュアーさん達とのやり取りで、「登場人物はブランド牛の産地だ」「OPムービーのアレはこうで」…その他考察やこう思うといったネタがけっこう出てきた作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 50

71.1 10 怖いアニメランキング10位
うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (363)
1513人が棚に入れました
若くして頭角を現し、その名を知られる凄腕冒険者の青年「デイル」。とある依頼で深い森へと足を踏み入れた彼は、ガリガリにやせ細った幼い魔人族の少女「ラティナ」と出会う。片角を折られ罪人の烙印を押されたラティナをそのまま放置できず、保護者になることを決意したデイルだったが――「ラティナが可愛すぎて、仕事に行きたくない」――気づけばすっかり親バカ全開に!?

声優・キャラクター
高尾奏音、岡本信彦、小山剛志、沼倉愛美、桑原由気、高野麻里佳、田村睦心、広瀬ゆうき、福原かつみ、井上雄貴、福緒唯、芝原チヤコ、関俊彦、中村桜、米内佑希、井澤詩織

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

笑顔が止まらないホームアニメ

このアニメは心がほのぼのとなります。
ラティナの笑顔が可愛くて可愛くて、すごく癒されます。

18歳の凄腕冒険家デイルは、ある日、森の中で魔人族の女の子ラティナに出会います。
ラティナの父親(?)は森の中で死んでおり、ラティナは独りぼっちでした。
孤独な幼子をほおっておくことができないデイルは、ラティナに食べ物を与えて町に連れて帰り、面倒を見るようになります。
デイルが下宿している居酒屋の夫婦も、ラティナのことを大切にしてくれます。

そしてこの居酒屋は、怖い面相の荒くれ男たちがたくさん出入りしていますが、その荒くれ男たちも、ラティナに優しくしてくれます。ラティナの前では、ただの優しいおじさんに変わるのです。
そのギャップがとてもほのぼのします。
まるでホームアニメのようです。

ラティナは賢い子です。デイルがいない間、ラティナは居酒屋のお手伝いを自発的にします。自分が置かれている立場を幼いながら理解しているようです。
そしてラティナがけなげに店のお手伝いをする様子が、大変愛らしくて癒されます。


ラティナの笑顔を見て、私は、我が子が赤ちゃんのときに見せた笑顔を思い出しました。
どんなにつらいことがあっても、この笑顔のためならば、我慢できる。
そう思わせてくれる笑顔です。


ラティナのためならば、デイルは本当に魔王でも倒せるかもしれません。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 43
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

イベントが始まらない

1話感想{netabare}
ロリとロリコンは違う。
ロリコン言うのが恥ずかしかろうがロリと略すのは止めてくれ。
それって「京アニ厨」を「京アニ」って呼ぶのと同じだぞ、と(京アニに他意は無いです)。

拾った少女の面倒を見る系ってよくある話だけど、いい加減「説明したからそういうことなんだよ」って設定はどうにかしてくれんかのう。
この作品に限った話ではないので殊更にツッコミ入れるのも悪いとは思うけど、「孤児院に預けてもこの町の財政ではロクなことにならない」ってのなら、同世代の乞食を出そうよ。
それだったら魔族の子はどこも引き取り手が居ない、で良かったんじゃないかな?
今後同世代の友達が出来るかどうかが個人的な見所かなぁ…?

それにしても…シリ構が吉岡たかをで爆笑したところ、キャラデで西田美弥子と舛舘俊秀の名前見つけて大爆笑。
何が爆笑って、これ“異世界はスマートフォンと共に”とスタッフ同じ(吉岡たかをは別)で、ひょっとして…と思って調べたら美術と色彩も同じでした。
因みに西田美弥子は湖川友謙の一番弟子だそうで、湖川のチャリティーにも来てたみたいで、そこに行った友人はイセスマの色紙を貰ったと自慢しております(羨ましい)。
また、イセスマの後は“ユリシーズ”で関わってて「なんかビミョーな作品ばっかやってるなぁ」って印象で、ここで一発バチっと(作画だけでも)クオリティの高い作品をやって欲しいなぁと湖川ファンの自分としては願わずに居られない。
ってか湖川自身が名義伏せて原画参加とかしてたりして…。{/netabare}

追記{netabare}
あちゃー、時間置いて文章読み返したら説明足りてなかったので追記

まず吉岡たかをで爆笑した理由。
アニメをパっと見ての印象で“このはな綺憚”っぽさを感じ(※1)、「そっちの方向を目指してるのかなー?」と思ったらシリ構が同じで「お、当たった!?」と思ったから。
但しこの人“七星のスバル”もやってるんだよなぁ…あれは原作が悪くてどうしようもなかったってことなんかなぁ?
次に大爆笑したのは、イセスマが例の通り例のアレで、作画も酷くて(※2)、それでいてスタッフ同じでこっちは作画がずっとマシだとしたら…イセスマがどういうポジだったか分かるかなぁ、と。
ひょっとしたらアニメーター育成でイセスマは踏み台扱いだった?そんなことある?
単に予算の違いなのかなぁ、こっちが予算かけてるのか知らんけど。


※1
あれも尼さんが雪の中拾った幼ケモっ娘が丁稚奉公?(成長)する話で、まぁ共通点高いかなと。

※2
そうはいっても一部妙に頑張ってるカットもあったり。
例えば遺跡の前でくつろぐシーンで、普通に座らせれば良いだけなのに半分寝そべった手間の掛かるポーズ取らせたりしてます。
ここら辺もアニメーター育成っぽい印象を加速させてる?{/netabare}

3話までの感想{netabare}
ぐぎぎ、3話で作画ヘタれかけてる…大丈夫か?この先。
個人的にはタクシー用のワイバーン?のショボさに特に目が行った、ひょっとしてデザインとか起こしてなくて回された原画マンに任せた?
そして内容は…これは「仕事とはいえ深く考えずに殺してきたことを、ラティナ絡みで後悔する」展開への前振り?
そうでないと斬り殺した魔族?の女が無駄に可愛すぎる気が…。
ってかグレゴール剣何回抜くんだw
ガクシャって学舎でいいのかな、孤児院と違って家から通う形?{/netabare}

4話感想{netabare}
あれ?
「魔族を恨んでる人間が居る」と「人間と魔族では寿命が違う」は別問題だよね?
あのメンヘラ教師が寿命の違いによる悲劇によって魔族を恨む様になったのなら分かるのだが、そうじゃないよね?
それぞれエピソードを分けて掘り下げたほうが良かった気が…特に「人間と魔族では寿命が違う」に対しラティナがそこまで悲観するのがちょっと分からない。
察しが良すぎるというか、そこまで実感するような体験してなくない?
むしろ多感な時期だからこそってことなんだろうか?
2つの問題を一緒くたにしたせいで個々の追求が薄味になってしまった予感。
また「魔族を恨んでる人間が居る」に関しては作中デイルも「こんなの八つ当たりだ」と語ってた通り、根本原因は何も解決されてなくて前回斬り殺した魔族の件も含め宿題が増えた感じ。
こっちは今後掘り下げてくれることに期待するが…スタッフ信用してだ、大丈夫かなぁ?

作画はかなりヤバい領域に突入。
と思ったらこの回作監に西田の名前ナシ…うぇ~い、今週コップクラフトで見たと思ったらあらまぁ。
取り掛かってる時期と放送される時期は一致しないのでたまたまなんだろうけど、なんかウケる。{/netabare}

5話感想{netabare}
サプライズプレゼント…定番過ぎて逆に笑える、女児アニメでももう少し捻り入れると思うのだが。
ラティナの鼻歌ビデェ、と思ったらそっかそっか音痴って設定だったか。
鼻歌の部分でもちゃんと再現してんのねー。
一方で作画…こっちはフォローできんぞオイ。
治安がいま一つの地区だとはいえ、冒険者が屯す酒場の看板娘を狙うかね?{/netabare}

9話までの感想{netabare}
うーんつまらない。
つまらないと言っても「アニメとしてダメだ」って意味じゃないところがもどかしい。
これは自分が最近のアニメ(特になろう原作系)に馴らされてしまってるせいかも知れないけど──
特に大きく話が動くワケでもなく、日常系みたいなノリでキャラ萌えで引っ張ってくにしても、ラティナ一人だけじゃ荷が重過ぎる・物足りない。
あと2・3人カワイイ娘用意してー(キャバクラに来た気分で)。
そうはいっても原作がそうだったのなら仕方ない、とも思っちゃうワケで。
むしろ「これアニメ化して」と原作渡された時「もうこの方向で攻めるしかない」と、他はどうなろうがとにかくラティナの絵だけは絶対に崩れないように徹底したアニメスタッフの判断は正解じゃないかな。
それ以外どうにもできない…こりゃまた厄介な仕事受けちゃったねぇ。

一応内容に触れると、“台詞だけで”魔王が何人居てどんな属性かを説明されても…困る。
そういうのってキャラの経験を通じて視聴者に伝えるのがセオリーじゃない?
もしくは4クール以上続いて「今後出てくるんだろうな」って保証がある場合、けどこの作品はそうじゃないでしょう。
それならもう魔王1万人居て、一人一人のプロフィールの朗読だけで1クールやったほうが面白いんじゃね?と思ったり。
(唐沢なをきのマンガでそういうのがあったような…)
でもってデイルは地元の名主の坊ちゃんかよ。
これはちょっと…アーハイハイ玉の輿ね、って感じで呆れた。
面倒臭いお家の問題・長男問題は次男が継ぐという形でクリアー…おいおい、あからさまだなぁ。
元は底辺のクズでラティナに出会ってから努力するようになって変わったって話の方が男の自分としては共感できるのだが、作者は女性…なのか?
ここら辺は感性の違いかなぁ?

ところで西田美弥子の名前“手品先輩”でも見たんだが…あれ?
なんかなかじまちゅうじ化してきてないか?{/netabare}

最終回までの感想・総評(↑と重複した部分もあるのでこれだけ見れば良いかも){netabare}
物語が…始まらないで(放送が)終わった、そんな感じ。
ゲーム買ったけどプレイしないで説明書を読んだだけ~みたいな。
同期放送の“魔王様リトライ”が「全然進まない」ならこっちは「全然始まらない」で、どっちがマシだったのかは…一応最後まで見れたのでこっち?
辛うじて絵がマシだっただけな気がしないでもない(クオリティ高いという意味ではない)。
じゃあ物語を追うのではなくキャラ押し(萌え)作品として見ようと思っても、ラティナ1人だけで1クール押し続けにはどうしても飽きが…。
二期は見てないけど“からかい上手の~”だって、メインの二人だけでなく3人組や他のカップルにスポット当てたパートがあったじゃない?
また、ラティナ自体が「一切隙の無い良い子ちゃん」で、あまりに完璧過ぎるととっつきにくい、自分は。
いやだって、普通、せめて、最低限、デイルと大喧嘩するエピはあるもんじゃない?

魔王がどうこうもさることながら、デイルが仕事で魔族を殺してたことや幻獣製のアクセサリーを新調したとか幻獣がラティナを追って街に来たとか「さぁ何か起こりそう」「この件でひと悶着ありそう」って予感は振りまくけど実際は何も起こらない。
他の方も指摘されてるけど山場が無い、イベントが始まらない。
じゃあ世界観が独特でそれを見るだけで楽しめるかといえば、所詮「なろう異世界ツクール」の基本情報レベル、正に説明書。
何か始めて「そんなんアリかよ」と文句言われる作品も多いけど、それ以前の「何も始まらない」は…なんというかそういう俎上に上がることから逃げてるみたいで、う~ん。


「物語?無いじゃん」ってことで評価の物語の項は☆1を付けといたけど、「物語が存在した状態で酷い」ではないので1は違うのかも?
けど、じゃあ幾つなら良いんだか分からんし…やっぱり「物語作ることから逃げた(あくまで私が感じた印象)」として1が妥当、かなぁ??{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

娘は可愛らしく内容は悪くもないが作画レベルは低め…

1話感想
異世界転生では無いファンタジーもの。
まあ娘を拾って育てるのは珍しくもないですが、まあ普通に悪くない内容です。
娘は可愛らしいし主人公にも好感は持てました。
ロリコンでは無いですが普通に父性を持って見ました。
でもまあ成長した娘を嫁にするならそれはそれでOK。流石に今この状態で嫁にするのは有りえませんが。

とはいえ作画のレベルが低い…。
原作とかコミカライズはなかなか絵も良さそうなのですが、どうしてアニメはこう微妙なのか。
悪くない内容なのだからもうちょっと頑張って欲しかったかなあ…。
悪くは無いので見たい気持ちはあるのですが、優先順位を付けて見れる順に見たら多分入らないと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

69.5 11 怖いアニメランキング11位
モンスターズインク(アニメ映画)

2002年3月2日
★★★★☆ 3.8 (166)
1452人が棚に入れました
舞台はモンスターの世界。毛むくじゃらの青いモンスターサリーと、その相棒である一つ目モンスターマイクは、大企業であるモンスターズ株式会社(モンスターズ・インク)で働いている。モンスターズ・インクの業務内容は、無数に保持している“人間の子供の部屋へ通じるドア”からモンスター達を送り込み、怖がる子供たちの悲鳴をエネルギーに変換、モンスターの世界にへ供給するというもの。この世界では「人間の子供は危険」とされており、怖がらせるのが仕事であるモンスター達は、同時に子供達を恐れてもいる。サリーはこの会社で誰からも尊敬される「ナンバー・ワンの怖がらせ屋」である。

昨今、テレビやゲームなどの影響からモンスターを怖がらない子供が増え、会社の業績は悪化していた。そんなある日、サリーは人間の女の子(ブー)がドアの向こうからこちらへ入って来る場に居合わせてしまう。サリーとマイクは、彼女をなんとか人間の世界に戻そうと奮闘する。

声優・キャラクター
ジョン・グッドマン、ビリー・クリスタル、メアリー・ギブス、スティーヴ・ブシェミ、ジェームズ・コバーン、ジェニファー・ティリー、ボブ・ピーターソン、ジョン・ラッツェンバーガー、フランク・オズ、ダニエル・ガーソン
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いかした相棒

よく考えると

幼児が恐怖から泣き叫ぶ絶望のエネルギーを世界の糧とする とか

異世界に紛れ込んだ幼女をボストンバッグに詰めて持ち歩く とか

監禁して泣き叫び続けさせるための装置を地下で開発 とか

拉致、拉致に継ぐ拉致 とか

これジャパンアニメテイストで作ったらどんだけエグいんじゃ…


などと低俗な見方をしてはいけません。(しないよ)
すいません。
私は独身の頃 劇場で2、3回観ました。久々に、子供に観させるつもりが…自分が見入っていました。


コワモテのサリーが、紛れ込んだ見知らぬ子供を気にかけて、ただ面倒に気を揉んでいただけのはずが、いなきゃ心配いれば安心、それが愛着に変わって…という気持ちが、短時間の中で無理なくよく表現されているなぁと思います。

いつもその隣りにいた、口の達者な道化役、ひとつ目玉の奴。あいつとの友情がいいんですね。共に追放された先でブチ切れて感情を爆発させるところも、とても必要な事なんだなーと感じました。

決まりごとより優先すべきことを漠然と感じ取って、黙って身を投じられるサリーに対し、説明や瑣末な都合を気にしてガタガタとした考えのならし作業が追いつかない目玉の奴。
お互い生き方が違う事は承知だったのが、子供を挟んだ時に(そして、窮地だからだね)露呈する溝。付き合いの長い自分のことも、少しは振り返ってくれよっ!という主張も虚しく、相方は特攻にいっちまう…
サリーはもう少し優しいひと言をかけられたらよかったのか?
しかし、ここで友達でいることを諦めない目玉の奴が、偉かったと思う。こんな相棒関係、いいですね。

どこでもドア…じゃない、会社とつながる子供部屋ドアの使い方が便利すぎですが、無数のドアを駆け抜ける様子は圧巻で、使わなきゃ損ですね。

ラスト、エネルギー問題は{netabare}子供を泣かすより笑わせる って、笑いの{/netabare}センスが試される専門職になっていました。


エンディングが、さも俳優たちによる映画撮影だったように「NG集」なのもウィット効いてましたね。

それにしてもこの作品はケモノのモフモフ表現が秀逸でした!^ ^


(スミマセン、しばしサンキューのお礼にいけてません)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25
ネタバレ

ValkyOarai さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ピクサーの名作 本当のキラは...

DVD買ってよく見てました
2枚組の奴で、制作秘話も全部ではないけど見ました
NGシーンは面白いですwww
アニメネプテューヌやブラックジャックにもあります

キラは{netabare}外にいるとは限りません
社長と社員の差し金です

会社を救うんだったら1000人だって誘拐する?

おい社長、アンタの経絡秘孔を突いた...{/netabare}

あの子と別れたけど...ありがとな、マイク
もっとアニメにNGシーン入れてもいいくらいだ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界中の子ども部屋のドアは、モンスターの世界とつながっている♪

2002年公開のピクサー製作映画。

15年前の作品というのが信じられない!

実は今まで観たことなかったのですが、
人気シリーズなのも納得しました^^

90分ほどの作品です。


● ストーリー
モンスターたちが暮らす“モンスターシティ”。

モンスターシティの社会を豊かにしているエネルギーを生産しているのは、
“モンスターズ・インク”という大企業。

「世界中の子どもの部屋へ通じるドア」をたくさん持ち、
そのドアを通じてモンスターが子どもをおどかし、
子ども達の悲鳴をエネルギーに変換していた。

子どもを怖がらせる半面、モンスターたちにとって、
人間の子どもはとても恐ろしいものだとされていた。

子どもの悲鳴を集める業績No.1のサリーと、
サリーの親友であり、アシスタントであるマイク。

業務が停止した作業場でサリーは、
残されたドアから1人の女の子が
モンスターの世界に足を踏み入れてしまう現場を目撃してしまう。

周りに見つからないように女の子(ブー)を家に戻すため、
サリーとマイクは奔走することになる。


設定はとてもお見事!

ドアを変えれば行く子ども部屋も変わるというのは、
おもしろいし、夢もある^^

そして子どもたちを脅かすのがモンスターの仕事、というのは、
すっと受け入れられる設定である一方で、

モンスターたちが徹底的に子どもたちを恐れているというのは、
普段抱いているモンスターのイメージとはギャップがあっておかしい♪


設定はとてもいいけれど、
ストーリーは中盤飽きました。

幼いが故に己の危機など全く気にせず好き勝手動くブーと、
冷や冷やしながら行動するマイク&サリー。

そんな、似た展開がしばらく続いたからです。

なので、ストーリーの評価はそこまで高くありませんでした。
途中までは…!!

山場({netabare} ブーとのお別れ {/netabare})、
そしてラスト({netabare} 子ども達の笑い声を集めるという方向転換&ブーとの再会 {/netabare})へのストーリーの展開の仕方が私はとても好きでした!

幸せな気持ちになれるように物語を着地させること、
ピクサーの映画はとても上手だと思います。

この作品が好きになりました^^


● 声優
日本語吹き替え版では、
サリー役は石塚英彦さん、
マイク役は田中裕二(爆笑問題)です。

どちらもいい!

特にマイク役の田中さん、うますぎww

マイクはうぬぼれ屋なロマンチストで、独り言がとても多いのですが、
そんなめんどくさいキャラによくマッチしていましたww


● エンドロール
作中にも笑えるギャグが散りばめられていましたが、
私が1番笑ったのは、エンドロールです。笑

エンドロールで流れるのは、
NG集&作中シーンのパロディ。

いやもう、これ面白すぎるww

本編を見た人だけがおまけで楽しめて、
最後の最後まで楽しませよう!という製作者の心意気が素敵♪


● 音楽
【 主題歌「君がいないと」/ 石塚英彦&田中裕二 】

この作品のための主題歌というだけでポイント高いのですが、
また曲の完成度が高いのよww

歌というより、
サリーとマイクのかけ合いデュエット。

ここでも石塚さんと田中さんの演技が光っています☆

原曲聞いたことないけど、
原曲より完成度高いのではないかと疑っていますw


● まとめ
ピクサーの作品は、
年代を感じさせないですね。

この作品の前作である『トイ・ストーリー』も、
次作である『ファインディング・ニモ』も…。

公開されてからかなり時間が経っていますが、
今観てもかなり楽しめました♪

続編である『モンスターズ・ユニバーシティ』も楽しみです^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

72.5 12 怖いアニメランキング12位
はたらく細胞BLACK(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (324)
1212人が棚に入れました
毎日せっせと体中に酸素を運ぶ、新米赤血球。しかし彼の職場(世界)の労働環境は、徹底的にブラック――!!飲酒、喫煙、ストレス、睡眠不足……不健康の総合商社のような世界で、過重労働の末に細胞たちは何を思うのか?これは、あなたの体の物語――。

声優・キャラクター
榎木淳弥、KENN、日笠陽子、Lynn、内山夕実、鳴海崇志、久保ユリカ、椎名へきる、ブリドカットセーラ恵美、平川大輔、津田健次郎
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

右肩下がりの虚無感こそBLACKの本質

不健康な人体で過重労働を強いられる擬人化細胞たちの日常を描いた、
『はたらく細胞』の同名スピンオフコミック(3巻までレンタル)のアニメ化作品。

【物語 4.5点】
乱れた生活が招く重大疾病
→免疫低下中の現場では対処し切れず崖っぷち
→外部からの抗生物質等の運で首の皮一枚つながる。

皆、一生懸命頑張っているのに!
俺たちは何のために働いているんだ!?溢れる感情、涙……。

定型をブラック企業風の3K脚色で繰り返しながら、
主人公の赤血球らが心身共に追い詰められて行く絶望感を、
1クール3巻途中までのスローペースで、
一部“出張版”や“第二部”のエピソードを先取りして構成しつつジックリ消化。

各エピソードの急性的な悲哀、憤怒だけでなく、
慢性的な消耗の蓄積により感情が爆発する、
あの時、勇気を貰った言葉へのアンサーなど、伏線回収も良好。

公式HPは“はたらく人たちに勇気を贈る、大人の“はたらく細胞”開幕!”
などと銘打っているが、
よくぞここまで、はたらく苦しさを斟酌してくれた!と奮起できるか、
もうダメだ……と、めり込むかは視聴者次第(私は前者でしたが)
メンタルヘルスは“自己責任”でお願いします。


【作画 3.5点】
制作のライデンフィルムもかつては、
序盤の勢いが続かず、徐々に作画が息切れする傾向もあったが、
近年のスタジオや人員の増強で戦力は整ってきている模様。

人物等にデッサン風の陰影を描き込み、疲労感を増強。
背景美術も、寂れた工業団地の如き体内組織を構築し、ディストピア感を演出。
序盤から血管内に汚泥となって積もるプラーク(こぶ)の描写も手を抜かず、
破滅への序曲を奏でる。

暗い体内で輝きを放つのはもはや、
巨乳白血球さんたちの純白な胸元しかないのか?(←錯乱w)
ですが彼女たち好中球の斬撃や“貪食”のグロ描写も容赦しませんw

{netabare}ネオン街風の街並みで“抜いて”くれる肝臓や、
汚れた身体を洗い流してくれる腎臓{/netabare}も大人(アダルト)向けw


【キャラ 4.0点】
主人公の赤血球(AA2153)……真面目なメガネ男子
同期の赤血球(AC1677)……サボる要領も弁えた主人公のバランサー男子
白血球(1196)……落ち込んだ主人公のカンフル剤にもなる長髪巨乳剣士

彼らを軸に、各臓器、器官の惨状を行脚。

胃の主細胞のおっちゃんや、クレーマーおばさん細胞など、
劣悪な環境に毒され終わってると思われたキャラが、
時折、人情を見せたりもするが、基本的にBLACK。

ここはCV.久保ユリカさんの血小板ちゃんで幼女成分を補給しよう……。
が、BLACKは血小板リーダーすらも、口が悪いガテン系w残念w


【声優 4.0点】
ナレーション役は津田 健次郎さん。年季が入った渋いボイスで、BLACKに拍車。
尚、人間ドラマへの没入重視のためか、解説の際、テロップ表示もほぼありません。
……新入りに優しくないw

主人公・赤血球役の榎木 淳弥さん。ポジティブからネガティブまでカバーする
アップダウンの激しい熱演でBLACKを体現。

脳細胞の司令官役には平川 大輔さん。
常にギリギリの対応に追われる狼狽ボイスが修羅場を好演出。

あと、{netabare}淋菌役の高橋 伸也さんの「淋しい~」{/netabare}が脳裏から離れず、夢に出て来そうですw

【音楽 4.0点】
劇伴は菅野 祐悟氏。特に勇壮な管弦楽の主旋律に、
心電図モニター音をアレンジしたメインテーマは、
感情が限界突破したシーンで多用され、ハートを揺ぶる。

OP主題歌は「走れ!withヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)」
大変、前向きなロックチューンなのですが、
このシナリオ下で聴くと多分に空元気w
でもOPアニメはキャラの表情も明るいオアシスです。
{netabare}で、これすらも夢落ちって……そりゃ、ないよ~(泣){/netabare}

EDは「上を向いて運ぼうwith 赤血球&白血球」
明るい曲調で“はこ~べ♪はこべ~♪”“フレー♪フレー♪細胞♪”
などと歌う、もはや破れかぶれなブラック企業社歌の様相。
二番では“タイムカードの意味はないよな”
との爆弾発言まで飛び出し、労基署通報待った無しw


【感想】
不健康な生活への警鐘アニメであると同時に、
BLACKについて、思う所が多々ある私にとっては、
涙無しには見られないシーンが多い、お仕事アニメでもありました。

例えば、{netabare}暴走の末、「もう働かなくていいんだ」と涙するキラーT細胞とか、
赤血球AA2153とAC1677の友情とか、
自暴自棄になった主人公に「世界を壊すことじゃない」と抱擁する白血球とか。{/netabare}

長いデフレ不況下における、ブラック労働の何処が悲惨かと言うと、
皆の日々の頑張りは、マイナスをゼロに保ち続けるだけの防衛戦でしかなく、
働いても働いても、定昇も成長も見込めない。
むしろ右肩下がりに衰退していく虚無感にある。

その観点からも本作のBLACKは本物だったと思います。
人体の不摂生だけでなく、社会の不健全についても考えさせられた作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 29
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

BLACK de 連想

あらかじめお断りしときます。筆が進みません(当社基準)。

ナレーションが能登麻美子さんから津田健次郎さんへ
赤血球が女子から男子へ…ざーさん出てきません
逆に白血球は女子へと変貌

別の体だからという理由でした。『はたらく細胞』スピンオフ作品です。
“BLACK”といえば富山のご当地醤油ラーメンが真っ先に思い浮かぶ私ではありますが、こちらの作品はおそらくブラック企業の“BLACK”を念頭に置いてます。
不摂生だったり、過度のストレス下にあると身体にガタがくると言われてますけど、それを見える化しちゃったぞな全13話。よって“WHITE”な世界からは想像つかないくらい酷使されてる細胞さん達とのお付き合い。ラインナップはこちら↓


 {netabare}第1話 喫煙、細菌、終わりの始まり。
 第2話 肝臓、アルコール、誇り。
 第3話 興奮、膨張、虚無。
 第4話 最前線、淋菌、葛藤。
 第5話 過重労働、脱毛、錯乱。
 第6話 腎臓、尿路結石、涙。
 第7話 カフェイン、誘惑、嫉妬。
 第8話 ふくらはぎ、肺血栓、機転。
 第9話 異変、水虫、働く意味。
 第10話 胃潰瘍、友情、喪失。
 第11話 自暴自棄、痛風、反乱。
 第12話 復帰、心臓、終焉。
 第13話 心筋梗塞、蘇生、変化。{/netabare}


正直な話
真面目な話
いやいや変な話ぃ

これまで観てきた「やれ鬱アニメだ」「胸糞展開だ」「グロ注意!」などの作品群なんて鼻で笑っちゃうくらい陰鬱とした気分になりました(自分基準)。何話か観ていたたまれなくなって視聴ストップしたのは私史上初です。
理由は明快。宿主と自分がそう変わらず実際死にかけたから。そもそも真っ先に醤油ラーメンを想像してしまう自分の浅はかさを省みて自己嫌悪に陥るのです。
だがしかし作品は悪くありませんよ。人相悪めの血小板ちゃんが悪態ついてたり、過酷な環境だと人心が荒廃してくる様子なんか元々の『はたらく細胞』との良い対比になってます。
“人間(細胞)は環境の生き物”だなぁってのが良くわかる良品でした。



※一言

生活習慣変わるよね、マジで



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ

-----


2021.04.29 初稿
2022.01.16 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 40

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

勃起するとゆうことは

この体は男だな。

とゆーことはあれか。フツーの方は女なのかな。
なので白血球さんと赤血球が男女入れ替わってるとか。

いや根拠はないすけど。

ブラックの方は白血球さん長刀なのね。

あと血小板ちゃんがブラックの方は上履きだ。
フツーの方はブーツだけどさ。

細かいとこ微妙に違っててそおゆうのん探すのも楽しいね。

:::::::::::::::::::::::

なんかまあリアルでしたね(笑)。
特に腎臓と肝臓がやはりとゆうかなるほどとゆうか。

体いたわらなきゃあなあと思うことしきりでしたわん。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

66.5 13 怖いアニメランキング13位
裏世界ピクニック(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (297)
922人が棚に入れました
「くねくね」「八尺様」「きさらぎ駅」……。実話怪談として語られる危険な存在が出現する〈裏世界〉。そこは、現実と隣合わせで、謎だらけの世界。紙越空魚(かみこし そらを)は廃屋内の扉から〈裏世界〉を発見し、そこで仁科鳥子(にしな とりこ)と出会う。この出会いが空魚の人生を一変させる。鳥子は空魚に〈裏世界〉の探索の協力を依頼する。彼女は〈裏世界〉で行方不明になった「冴月」という女性を探していた。探検と研究、そしてお金稼ぎのため、空魚は鳥子と行動をともにする。非日常へ足を踏み入れた二人は様々な怪異と遭遇し、危険なサバイバルが始まる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、茅野愛衣、日高里菜、富田美憂

lostmemory さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

アニメの罪は重い

私は当然原作者ではないが、世にある多数のアニメを見ていると
仮に自分が作品の原作者でも自分の作品がアニメ化されたから
成功するとは限らないし失敗しても、むしろ失敗作の方が多いのだから
それほどダメージがないはず。まあある程度のショックは受けるかも
しれないが。

いや、これの原作者がアニメのあまりの酷い出来にこれが終わってから
SNSに意味不明なことばかり書き出したので、相当ショックが大きかった
のか、この作品のせいで精神が破壊されてしまったのか…芸術系の人って
割と繊細な人が多いイメージだからなあ。

売上円盤300枚…まあ元気出せよとしか言いようがない。
なお原作もアニメが終わってからまだ新刊は出てない。
ネットでは原作は普通。アニメはクソとか言われているのが実に不憫。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

女子大生コンビが「裏世界」に足を踏み入れるホラーSFエンターテインメント百合作品(アニメ化としてはやや微妙)

原作は早川文庫JAから刊行で、現在第5巻まで刊行済みです。原作付きのアニメ化作品の中で、私が2021年冬クールの新作で最も期待しているのが本作です。

たまたま「裏世界」で遭遇して以来、「生命の危機」を互いに助け合って乗り切る、紙越空魚(かみこし そらを)と仁科鳥子の女子大生コンビによる冒険活劇物です。

昔なら人づての噂話として伝わり、現代では「ネットロア」などと呼ばれるネット上でも語り継がれる実話怪談によるホラー要素や、タルコフスキー監督によって映画化された『ストーカー』などのSF作品リスペクト、原作者が『そいねドリーマー』などでも取り組んでいる「百合」要素、そして作中で扱われる銃器などのミリタリー要素といった属性満載のエンターテインメント作品です。

どのような映像化がされるのか、期待が止みません。今夜1/4深夜、いよいよ放送開始!

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1話「くねくねハンティング」では、エピソードの内容的にも今後の戦闘シーンのアクションがどのくらいのレベルに描かれるかは判断がつきにくいですね。

用語規制をクリアするのに、キャスト自らに「ピー」って言わせるのは面白い演出だと思いました。まあ、この場合円盤などの商品でもそのままになるのは自明ですけどね…。

OPに市川夏妃(いちかわ なつみ)がいますし、話の区切りを考えるとおそらく原作3巻当たりまではアニメ化されそうです。ファイル11の映像化がされるなら楽しみです!

※そういえば、瀬戸茜理(せと あかり)がOPだけじゃなく空魚の大学の学食にもいましたね!
== [第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.1.12追記:
第2話まで視聴終了。

第三のメインキャラ、小桜さんが登場ですね。基本的に自宅に引き籠っていますが外出できないというほどでもない、そして登場キャラの中では比較的常識人な彼女が鳥子と空魚に振り回される様が見物です。

お金のやり取りの場面は「裏世界」というよりは少し「裏社会」風味…(笑)。

余談: Cパートの打ち上げは第1話と同じ居酒屋だったようなんですが、原作で打ち上げが居酒屋じゃない回のときに場所はちゃんと居酒屋以外に変わるんでしょうか…?

2021.1.19追記:
第3話まで視聴終了。

原作者の宮澤伊織先生によるアニメオリジナル脚本回でした。原作では第2話のエピソードのすぐ後にくるはずだったエピソードは第4話以降に先送りになるんでしょうか?

宮沢伊織先生ご本人のtweetによると「原作ではもう入れる隙間のないエピソード、初期の空魚鳥子の空気感を思い出しながら書きました」ということでしたので、この時点での二人の関係性の掘り下げ回ということだと理解しています。

原作本編では内心の描写がされるのは空魚ばかりで鳥子の内面描写はないんですけど、アニメもこれは変更しないみたいですね。内面描写は第1、2話と比べると多めだった気はしています。

2021.3.7追記:
エピソード順変更以外に10話もサブタイトルからするとアニメオリジナル回がありますね。

原作だとわかっていることなんですが、アニメ版で在日米軍はどうなってしまったんだろう…?

2021.3.29追記:
第12話(最終話)まで視聴終了していましたが、レビュー更新が遅れていました。懸念された在日米軍問題は一応の解決を見たので、それは良かったです。

製作委員会の名称として「DS研」がクレジットされていたのですが、本編中でDS研は最後まで名前すら出てくることはなかったので残念です。

アニメで興味を持ってから原作ないしはコミカライズ版に流れてくるのであればあまり違和感はないのかもしれませんが、逆だと単にエピソードがカットされている以上の違和感があるだろうと思います。

ただ、キャスティング自体は良かったんじゃないかと思います。アニメ化された小桜さんは可愛かったです。

「まだかな~。空魚ちゃん、まだかな~…。」

投稿 : 2024/11/16
♥ : 39

カミタマン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

February station

2021/08/04 投稿

酷評注意

異世界物かと思って見始めました。

始まった瞬間・・・最初のシーンで違和感が・・・
鳥居が変です,壊れているんだけど,壊れた脚の部分が立っている場所が不自然過ぎて違和感を禁じ得ません・・・頑張って丁寧に且つきれいに描いてはいるんですけど作品のクオリティーに関してなんとなく見えてしまった感じでした。作品の一番最初のシーンですし,普通どこかの段階で誰かが違和感を感じ,ダメ出ししそうな物ですが,それが無く完成してしまったということでしょう。最後まで見てもこの第1印象は間違っていなかったと思います。色々,残念な感じがある作品でした。

そんなわけで,取り立てて面白いとも思わないし,1話見て切ろうかと思ったのですが

OPに「きさらぎ駅」が登場します
おいら,きさらぎ駅の話好きなんですよねー
どんな話になるか,気になっちゃって結局続きを見ました

で思ったことは,この話は異世界物,ファンタジーでは無く
どうやらホラーらしいこと
でもあまり怖くないのです・・・
上手く作ればものすごく怖くできたと思うのですが
キャラクターが怖さを削いでいるし,見せ方も恐怖や不気味さをあおって来る感じではありませんでした,おいらとしては「Another」的な感じに仕上げて欲しかったところです。(Anotherと言えば,OPなどでの本作の英語表示OTHERSIDE PICNICにはちょっと違和感があるような・・・表の世界に対して裏世界なら,頭にTHEを付けた方が良くないですか?よく分からないけど^^;)

結局物語の根幹部分がぶれているので,ホラーと空魚と鳥子の友情物語のどっちつかずになってしまったように感じます。

できたら全力で怖がらせて欲しかったので残念です・・・

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

63.7 14 怖いアニメランキング14位
笑ゥせぇるすまんNEW(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (182)
633人が棚に入れました
私の名は喪黒福造、人呼んで笑ゥせぇるすまん。ただのセールスマンじゃございません。私の取り扱う品物は心、人間の心でございます。ホーホッホッ…。この世は老いも若きも男も女も、心のさみしい人ばかり、そんな皆さんの心のスキマをお埋め致します。いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたらそれが何よりの報酬でございます。さて、今日のお客様は一体どんな人なんでしょうねェ…ホーッホッホッホッ・・・」これはあなたにも起こるかもしれない物語。「ドーーン‼︎」

声優・キャラクター
玄田哲章、江口拓也、阿澄佳奈、関俊彦、斉藤壮馬、宮田幸季、金谷ヒデユキ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

私はこれで会社を辞めました

1989年、昭和から平成へ。

未曽有のバブル景気、
X'mas EXPRESS'が素敵な恋を運ぶ。
ジングルベルを鳴らすのは帰ってくるあなたです。
クリスマスイブのCMに切なくて泣く。

セナもプロストもいるマクラーレン。
初代「笑ゥせぇるすまん」は、
そんなバブリーに浮かれた時代だったからこそ、
意味があったような気がします。

あなたの「心の隙間」お埋めします。
オーッホッホッホッホッ!
欲に溺れ、欲に転んだ人々を笑い飛ばし、
人間の本質である弱さや愚かさを描く、
ブラックコメディの秀作でしょう。

ネットインフラが進むに連れ、
ここで描かれている世界を知ってしまった。
自分自身が苦い経験をした人もいるでしょう。
やはりインパクトは薄くなった気がします。
ただ時代は変われど人の本質は変わりません。
安定した娯楽作品でもあります。

エンディングテーマは高田純次、
高田純次VSオスマンサンコン死ぬ程笑った。
当時は早朝バズーカが最高でしたね。

ご利用は計画的に。
ドーン!!!されちゃいますよ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 57

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

インパクトには欠けるけれども時代を反映した作りは面白い

2017年春アニメ。全12話。
原作未読、1989年アニメ版未見、TVドラマは何となく見ていたような…。

伝奇ものや後味悪い系は嫌いではないので、それなりに面白く見られました。
30分に2話構成なので短くて見やすい反面、30分でテーマを濃く深くした話数もひとつかふたつ見たかった気もします。
毎回1話は原作のエピソード、もう1話はオリジナルなんですね。会いに行ける系アイドルの話やチャットの話があったりスマホが出てきたり、時代を反映したエピソードは新作だそうです。
時代背景は古くても人間の弱さは変わらないもので、そういう点は違和感なく見られました。新作エピソードも各話出来に差はあるものの、なかなか悪くないと思います。
ただ、喪黒のセールスで客が痛い目に遭う展開は王道なんですがこればかりでワンパターンに感じたので、もっと暗いインパクトの強いチョイスをするか、ハッピーエンド系などもあったほうが良かったかも。寓話ならもっと深い内容でも良かったかな。

キャスティングがすごく良かったです。中堅とベテランの演技力は流石で、喪黒役の玄田哲章さんと共演して負けない声優さんばかりで聞き応えがありました。

作画は基本的に安定していました。最終話の「ニッポン海外旅行」は監督の脚本・コンテ・演出でくるくる動き、特に見応えがありました。
背景も凝っていて、昭和の飲み屋街などは特に味があって良かったです。
細かく見ていると小物のデザインが可愛かったり、ビビッドな色彩やテクスチャの使い方が面白かったり、ビジュアルも見所が多かったですね。
原作に近い古い絵柄ですが女性キャラはなかなか可愛い。

OPはモダンで現代的、EDはレトロ系でどちらも好きでした。
特にOP曲が個人的に理想的なタイアップ曲で、歌詞の内容も作品に嵌っている上にアーティストの個性もしっかり出ていてお気に入りです。

原作との比較などは出来ないのですが、もう少し深い内容が見られればさらに良かったかなと思います。
全体的に良い出来だったので、興味のある人は視聴してもいいかもしれません。(2017.8.7)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

昔ほど怖くないのは、自分が大人になったから? 規制とかうるさい時代だから? 単純にクオリティ?

[文量→大盛り・内容→感想系]

→終わりと思ったら、フライングレビューでした(*/ω\*) お恥ずかしいw あと1話観たら、追記しま~すm(._.)m

※前作は一応視聴済みですが、如何せんガキの頃であり、どんな話があったか具体的には覚えてません。よって、前作と比べた場合は、トンチンカンなことを書いている場合もあると思います。

【総括】
1パート(約10分)完結という構成でテンポが良いので、サクサク観られます。大平さんがお亡くなりになり、喪黒の声の心配はしたけれど、流石に玄田さん。全く違和感がなくて、驚きました。凄いの一言です。ただ、(これは大平さんへの敬意も込めてですが)「ドーン」だけは、やはり大平さんの方が迫力があった気がします。

内容的には、「笑ゥせぇるすまん」らしいと思える良(薄ら怖い)エピソードと、正直、「?」と思うエピソードの差が激しく、当たり外れが大きいと思いました。

非常に現代的でオサレなOPと、まさかのあの人が歌うEDは賛否あるでしょうが、若い方やご新規さんにも興味をもってもらうためには、良いチャレンジだったと思います。両方とも、歌詞には気を配っていたし。

こういう昔の名作を、(マジンガーZやガッチャマン、ハイジのような)ギャグにせず、新作(時事問題)も加え、しっかりとリメイクしてくれる姿勢は、とてもとても嬉かったです♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了】
{netabare}
「笑ゥせぇるすまん」の「ドーン」の正当性って、「喪黒は直接的には主人公の堕落に手を貸さない」ってところだと思っていたけど、本作は違うのかな?

1話が分かりやすいけど、1話Bパート(買い物中毒のOLの話)が、自分的には「笑ゥせぇるすまん」らしい展開。

喪黒は、「人間が堕落しそうなアイテムをあげる」だけであり、もし、人間が自らを律し、喪黒の指定したルールを守っていれば良いはずなのに、ついつい欲張ってしまうから、「ドーン!」に至るという「自業自得」「因果応報」といった筋。1話Bパートは正にそうでした。

しかし、Aパートは、喪黒本人が能動的にハメにいっている節もあり、あれではただの悪徳業者(というかぼったくりバーの呼び込み)では? Bパートの「年を取られる」に比べ、「50万円を取られる」では現実的過ぎて怖くないし、人生棒に振るほどの金額じゃないしね。良い大人ならそんぐらい貯金あるでしょ。

序盤から中盤に関しては、基本的に、「Aパートはリメイクや原作もの」「Bパートはアニオリ」らしいけど、「白昼夢」には私の中の「笑ゥせぇるすまんらしさ」を感じず、なぜあのエピソードを1発目にもってきたのか、その構成の意図をつかめませんでした。8話以降は全てアニオリなのかな?

自分の中で、「笑ゥせぇるすまんらしい」と思った話は、「ご利用は計画的に(1B)」「マボロシガイシャ(2B)」「プラットホームの女(4A)」「日曜倶楽部(5A)」「今夜も最高(6B)」「夢に追われる男(8A)」「ひげタクシー(9B)」「ウソ孫(10B)」「私はアイドル(11B)」「チャットルームの王様(12A)」

こうして整理してみると、もしかしたら「現制作陣が、過去の制作陣に戦いを挑んだ作品」なのかもしれないと思いました。

ここからは、邪推です。

だとしたら、第1話Aパートに「白昼夢」という低クオリティのリメイクをもってきて、第1話Bパートに「ご利用は計画的に」という、アニオリの中でも高クオリティエピソードをもってくるあたり、もしかして「白昼夢」を当て馬にしてる? そして、2、3、と低クオリティのリメイクを出し、「むしろアニオリ(現制作陣)の方が面白くないか?」という評価を演出してから、原作や過去シリーズの名作をリメイクしていく、という展開を狙っていたのだとしたら、かなりゲスイですよ。しかも、中盤は、明らかにアニオリエピソード、負けてること多いですし。(ただ、終盤にはいくつか良エピソードもあった)

と、これは本当に邪推ですが、こういう邪推の「筋が一応通ってしまう」構成にしているのは、マズイかと思います。

肝心のアニオリ展開ですが、正直微妙なものが多い印象。「時事ネタ」や「現代社会の問題」を取り上げ、風刺していくという展開は、新作でしかできないことだし、そのチャレンジ自体は良かったと思います。でも、とにかく喪黒福蔵が嫌な奴に見えすぎました。

「捨てちゃう女(5B)」なんか分かりやすいけど、確かに、「社会問題(断捨離)」を扱い、「悲劇(家族離散)」を通して「含蓄(豊かに生きるとは?)」を伝える「ブラックジョーク」なので、「THE・笑ゥせぇるすまん」展開なんだけど……なんか違う。色々あっても幸せに暮らしていた家庭にわざわざ介入し、騙し討ちや洗脳に近い形で相手をハメ、んでもって「ドーン」では、あまりにも理不尽が過ぎませんか? その前に一言、「断捨離は良いですが、あなたにとって本当に捨てちゃいけないものまで捨てちゃあいけませんよ。ホーホッホッホ」とかがあれば、まだ成立するのに。

やはり喪黒福蔵は、あくまで裏方、黒子であり、スポットライトを浴びるのは、その話の主人公。つまりは「どこにでもいる、心の弱い普通の人(我々自身の投影)」であるべきだと思います。喪黒が積極的に動いた(スポットライトを浴びた)ことで、「自滅」「自業自得」を消すことになったのが、残念でならないです。

新しい挑戦、は嫌いじゃないですが、こういう作品って、(時代劇や相撲と一緒で)「形式美」というのも大切だと思うのですよ。

ラストに一言。最終話、Aパート(チャットルームの王様)は、全作品の中でも(オチ含め)1、2番に良かったのに、なぜ、Bパートに、あんなに面白くない(ニッポン海外旅行)を入れたんだ? とにかく、番組構成に疑問を持ち続けてました。{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
Aパート、真面目がハマると大変だ。同じ店に通っていても、そもそもが不真面目な坂巻はハマりきらないが、真面目な中島はドハマりする。ん? 喪黒って、こんなに積極的にハメにいくっけ?

Bパート、「らしい」話だった。

2話目
Aパート、木原さん、別に悪いことしてないじゃん。1話目Aパートとの違いは? Bパートは、また「らしい」作風ですね。

3話目
Aパート、欲が深い、か。優しいだけだとも言える。ん? ちょっとドラッグを意識? Bパート、撮り鉄、良い人じゃん、可愛らしくて。彼がドーンされる、理由がわからない。今回はわりとBパートでハメにいったね。

4話目
Aパート、「そんなことより」で押しきるなよw 外見以外に何があるというのだろう? 恥女やん、いや、ホラーやん(笑) これはなんか、「らしい」。 Bパート、これまた悪い人じゃない。まあ、女には気を付けろ、と。オチが微妙。

5話目
Aパート、同情できる主人公だな。含蓄あるオチだ。「らしい」。Bパート、これは、警察を呼べる。完全に間男やんw なんか、宗教的? なぜ、ドーンされたの? 悪くないじゃん、あの奥さん。含蓄はあるけど、展開に悪意とムリがあるでしょ。

6話目
Aパート、ん~、なぜ、どーんなんだろう? 喪黒との約束(マスクを外さない)は破ってないと思うけど。Bパート、深夜徘徊とかドラッグとか、その辺? 「らしい」かな。このオチには、なかなか厳しさがあるな。含蓄もあるし。ちなみに、豚骨ラーメンには「粉落とし」の上に「湯気通し」という技がありますw

7話目
Aパート、喪黒さん、偶然とか悪戯心でドーンしてたの? なんかガッカリです。もっと得体の知れないナニカだと思っていたのに。マジメな人がアソビを覚えると大変だな。まあ、人間の隠された欲みたいなことを描いている点では「らしい」。が、なぜ、喪黒の言う通りにしているだけなのに、ドーン? あれ(焼鳥屋とキャバ)でドーンなら、日本人のかなりがドーンですよ? 幸せな家に戻るところまで描いて、初めて「たまにある良い話」では? Bパート。過敏な時代、モンペ、クレーマーを描いているわけですね。うん? 鬼代さんの意見が通ることが嬉しいの? 嫌なの? なんかこう、胸糞の悪い話だったな。まあ、クレーマーと離れられて、ある意味ハッピーエンドでは?

8話目
Aパート。まあ、男なら100%エロい夢をみるわな(笑) まっ、これは「THE笑ゥせぇるすまん」らしい展開ですな。意外性はないけど、「らしい」です。オチはいまいちだけど。Bパート。これも「らしい」けど、AもBも面白味はないかな。

9話目
Aパート。ややホラーでしたな。ただ、よく分からん子供なホラー。つまらなかった。ドーンがない回でしたね。Bパート。小○方さん? やや「らしい」と見せかけ、全然違う気がする。喪黒との約束は、「研究に没頭」「3ヶ月で結果を出す」であり、「他人の研究を盗まない」は、含まれてないと思うんだけどね。

10話目
Aパート。別に良いやん、あのあと捨てるつもりか、関係を続けるか、まだ分からんのだから。Bパート。熟年離婚がテーマ。ちょっと、地下アイドルも感じた。てか、このドーンはある意味ご褒美では? 直接会えるようになったわけだし。

11話目
Aパート。なんか、これ系多くない? 街に来ただけで? オチがイマイチ。Bパート。自分の夢を子供に背負わせる親、いるよね。

12話目
Aパート。デュラララ?(笑) この話はなかなか良かった。らしさがありつつ、時事ネタで、オチも良かった。ナンバー1クオリティかも。Bパート。映像遊び、良いね。なぜそこでドーン?

{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

62.9 15 怖いアニメランキング15位
アシュラ(アニメ映画)

2012年9月29日
★★★★☆ 3.6 (156)
577人が棚に入れました
15世紀中期、相次ぐ洪水、旱魃(かんばつ)、飢饉で荒野と化した京都。
それに追い打ちをかけるように始まった日本史上最大の内戦・応仁の乱。その死者数・行方不明者はあまりに膨大で、歴史のページには刻むこともできなかった。こんな時代に産み落とされたアシュラは、ケダモノとしてサバイバルを続けながら生き抜いていく。
 そんな時一人の少女・若狭の優しさと愛、そして法師の教えに触れ、アシュラは次第に人間性を備えていく。
言葉を覚え、笑い、喜ぶ日々。しかしそれは苦しみと悲しみの始まりでもあった。やがて天災と貧困が起こり、人間性を失っていく人々。ついには若狭さえも……。
果たしてアシュラの運命は?

声優・キャラクター
野沢雅子、北大路欣也、林原めぐみ、玄田哲章、平田広明、島田敏、山像かおり、山口勝平、水島裕

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ダークな情景とカニバリズムの中に確かに感じる“生きること”へのメッセージ・・・今こそ『まどマギ』以上の絶望へと目を向けよ

原作は1970年の週間少年マガジンにて連載されていたジョージ秋山先生のマンガ
その残酷な描写から有害図書指定され、当時は社会問題にまで発展したそうな曰く付きの問題作


というのも、物語のプロローグとなるのは大飢饉に見舞われた平安時代の京都
腹に子を宿しながらも貧困に喘ぐ妊婦が一人・・・
妊婦の周りでは飢えへの苦しみから、人を殺してその肉を食すことを覚えてしまった狂者が出る程の始末
いつしか妊婦も辺りに平然と転がる死体を喰らうことを意識しはじめる
やがて子は産み落とされ、一時は母性を目覚めさせるものの、飢えはすぐに女の理性を歪ませる
そしてとうとう我が子の肉を食さんと、焚き火の中に赤ん坊を投げつけてしまう・・・


このショッキングな幕開け、そりゃ問題作にもなるわな;


やがて顔の焼け爛れたその赤ん坊は、親の手も無しに育ち、人語も解さず、人を襲ってはその肉を喰らう、、、というまさに【ケダモノ】として生きていた・・・


さてさて、この物語の魅力はいよいよここからなんです
だいぶ原作とは異なる部分も多いようですが、この作品には強く“生きろ”というメッセージが込められているんです


【ケモノのような子】はある日に一人の屈強な法師と出会い命を救われ、『アシュラ』と名付けられます
しかしまだ満足に言葉も話せず、暴力を振るうことでしか感情を表現出来ないアシュラ
怒りに任せた結果、偶然にも地頭の息子を殺してしまうのです
追われる身となったアシュラを匿ったのは、貧しいながらにも慈愛に満ちた『若狭』という少女でした
法師から教わった道徳、若狭と触れて学んだ優しさ、、、やがて人間として感情豊かになっていくアシュラ
しかしそんなアシュラの成長とは裏腹に、天災と貧困が人々を徐々に追い詰めていくのです・・・










一見すると『ノートルダムの鐘』にも似た構図を持つ作品
ですが比較にならないほどあまりに過酷な世界観、過激な描写、そして終盤に押し迫る哀愁
どれをとっても一級品のシリアスドラマ


監督の『さとうけいいち』と言えばテレビシリーズ『タイガー&バニー』の監督でもありましたが、今年度のタイバニ劇場版の制作を、彼はあえて別の監督に託し、今作の制作に打ち込んだようです


昨年度の東日本大震災の影響からか、過激な描写をあえて避ける映画も多々あった傾向の中で、今作はあえてダークな世界観、シリアスなストーリー、過激な描写に挑戦し、最高潮の緊張感の中で改めて【命あっての物種】という言葉を思い出させようという明白な方向性が見て取れます


なにより、カニバリズムという非人道的な行為の裏に「食べなければ生きていけない」という切なくも力強いメッセージを打ち出していることに拍手したいです
特に「食べなければ・・・」のキーワードを全く偶然にも同時期に扱った映画『伏』と比較するとその差は歴然としていて、今作の説得力の強さに感服しますm(__)m
(そしてこの「食べなければ・・・」がラストシーンの悲劇を生む・・・)
また、『まどマギ』においての魔法少女の宿命の一つでもある「戦わなければ生きていけない体」と比較をしても、今作はより身近で深刻な問題として捉えることが出来ます










さとうけいいち監督作品らしく、全編はCGで描かれていますが、日本ならではの2D(作画)アニメの手法を欧米主流のCGアニメへと転用するべく、様々な新手法が今作のために発明されたのも見どころ


日本画のような毛筆タッチの背景画をパーツ化、立体化して動かす(細田守の『おおかみこども』でも近いことをやってました)
キャラの影にハッチング(斜線)を自動生成するソフトの新規開発
いわゆるアニメパース(遠近法のデフォルメ。近くの物を極端に大きく、遠くの物を極端に小さく描いて迫力を出す)をCGで作り出すために、カット毎に異なるキャラモデルを作成


これらに加え、CGアニメならではのカメラワークとエフェクトの自由度が駆使され、度々挿入されるアクションシーンを盛り上げています










そしてオイラが最も注目してほしいポイントなのが声優
今作の主人公、アシュラを演じるのは大ベテラン『野沢雅子』
物語の序盤でアシュラは人語もままならないというだけあって、前半のセリフが全て“雄叫びのみ”なのです
この難しい役どころを演じきれるのはやはり大ベテラン、全く持って御見逸れいたします;


さらに中盤から登場のヒロイン、若狭にはめぐさんこと『林原めぐみ』
実は中盤以降、ほとんどがこのアシュラと若狭の二人だけの会話で進むという昨今珍しい狭いやり取り
まさにこの二人のベテラン役者だからこそ成り立ったであろうレベルの高い演技は、アニメのみならず邦洋実写を問わずしても屈指の【魅せる演技】であったと思います!
とにかく凄いんです、是非ともチェックしていただきたい!


最後になりましたが、音楽はタイバニに引き続き『池頼広』さん
この劇伴がまた最高に素晴らしい!
ですが小南泰葉さんが歌うEDテーマにはちょっと疑問です;
キュートな魅力とダークネスな妖艶さを兼ね備えた小南さんのロックな楽曲は、実は個人的にもファンではあるのですが、今作の重すぎるテーマに対して少し前向き過ぎるし可愛過ぎたかな?と感じました;

投稿 : 2024/11/16
♥ : 30

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

真面目に感動しました。

いろんな方のレビュー拝見してて、偶然知りまして。
昔、マンガ夜話か何かでちらっと名が出たので、ジョージ秋山の古い漫画という事と導入部だけを知っておりました。
ただ、私世代でもジョージ秋山って人は浮浪雲の世代ですのでこの作品知ってるのは年上な方かマンガがホントに好きな方だけでしょう。

アニメ化されてたなんて露とも知らず見過ごしておりましたが、この度拝見しました。

有難う御座いました としか言いようがないです。
見た後のこの何とも言えない感覚。
私はしょっぱなから涙腺ウルウルで御座いました。

生きる為に食う事を是とするのか、人としての尊厳を守って果てるのか。
この物語の人々は快楽ではなく、究極の選択の上での事。
旅の僧も言います。誰も食べたくて食べる訳ではないと。
モラルの間で悶え苦しむのは心を持った人だからこそ。
80分弱に描かれる、獣のごとく人を食らう事で生き残って来たアシュラが"人"になってゆく過程での苦悩とラストの姿。
この作品見た後でも私は正直迷いますね。


けなすようで申し訳無いけど、グリザイアの果実のレビューでも書きましたが本来あんなに浅く描いてはいけないテーマです。あの3話を見る時間と同じ分数でこの素晴らしい作品が見れますので、ほんと見た方がいいです。

非常に重いテーマ故に軽い気持ちで見てはいけない代物ですが、出来ればお勧めしたい作品ですね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9

ahirunoko さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

5項目だけでは評価をしきれない。ホントの総合評価は下がって4.0で

原作ジョージ秋山氏のかなり古い漫画。未読。

作画が素晴らしく綺麗!そして良く動く。
でも時々荒い画がチョロッと入るのは演出上?

これだけ背景がキレイなのに世界観に入っていけなかった。
理由は不明だがそれで評価を下げた。自分にとってそこはとても大事!

しかしこの、生きるとは他の命を喰うこと!というテーマをブレずに最後まで通し切ったのは見事!
分かりやすいがオーバーにすることなくリアリティある命のやり取りの描写は、まさに理性なき人(ホモサピエンス)の生態だなと。
人肉を食べなければならない理由もしっかりしているし。

声優さんで固めたCVもイイね!俳優さんやアイドル起用しない方が自分は好みだし断然良いと思う。野沢雅子御大はさすが!
あ!坊主のCVで北大路欣也氏出てるけどスマホCM観ての通り上手なので特別(^^)

かなりキツイ映像もあるので万人にはお勧めできませんが、出来れば広く観てほしい作品だと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16

61.1 16 怖いアニメランキング16位
わすれなぐも(アニメ映画)

2012年3月24日
★★★★☆ 3.5 (98)
454人が棚に入れました
かつて上代に手練れの陰陽師が大蜘蛛を封印したと言われる一冊の本。それを入手した古書店の硯とビルのオーナーの孫娘・瑞紀の前に、身の丈20センチほどの小さな娘蜘蛛が現れた。寂しげに母を求める娘蜘蛛のいたいけな姿に、硯は自分の師匠からヒントをもらって、あるべき場所へ物の怪を返そうと試みる。だが行動をともにする瑞紀からは、硯はすでに娘蜘蛛に取りつかれたようにしか見えなかった……

声優・キャラクター
土田大、下田麻美、金田朋子、星野充昭

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

「なんと!めごい、これはめごい!あろうことか、愛らしい幼女ではないか!」 這いよる幼女とシュールなラストの作画アニメ

アニメミライというプロジェクトがあります

文化庁が年間2億円かけて国内アニメ業界に働く若手アニメーターの育成環境を整えるという計画でして、選抜された制作会社には30分のアニメ作品を一本作るだけの予算として3800万円が与えられます

このプロジェクトの趣旨の大事なところは国の金を使ってアニメを作ろう、っていうことではないです
ソコが重要!

制作会社や参加アニメーターには様々な制約が課せられます
○監督他メインスタッフが主導となれるよう、オリジナル作品であること
○作画には積極的に若手アニメーターを起用すること
○参加アニメーターには一定以上の報酬を支払うこと
○海外制作会社への作業発注を禁止すること
○参加アニメーターが今作の制作に集中できるよう、作品の掛け持ちを禁止すること
などなどです

これらは全て若手のアニメーターにOJTの場を与えるための工夫となっています

また単にお金だけ渡すのではなく、参加者に向けて現在の業界ではあまり取り入れられていない、アニメーター向けの講習会が開かれたりもします

このプロジェクトの意義とはコレをきっかけにアニメ業界の教育環境が整備され、やがて制作会社が自主的に若手教育に力をいれるようになってくれることにあるのです









さてさて、今作はそんなアニメミライの平成23年度分に選ばれたものの1作です
実制作スタジオはプロダクションI.G

かつて名のある陰陽師が退治した大蜘蛛の妖怪が産み落とした幼い娘の姿をした子蜘蛛
その娘蜘蛛は書の中に封印され、時を経て現代の古書店にひょんなことから顕現する

古書店の店主の硯(すずり)は、次第に娘蜘蛛に取り憑かれたように惹かれていく・・・
それを懸念した古書店の常連、瑞紀は娘蜘蛛を親蜘蛛の元に返すことを手伝うのですが・・・



アニメタ育成を課題にしているだけあって、作画クオリティは本当に凄いです!
序盤の陰陽師と大蜘蛛のバトルシーン
前半の縦横無尽に暴れまわる娘蜘蛛の愛くるしい動きと瑞紀ちゃんのコミカルな表情
後半のロトスコ(ロトスコープ)と思しき丁寧な動きと巧みなレイアウトの追跡シーン
とにかくどれも凄いですよ!

ただこのお話のオチは・・・;
いわゆる「妖怪との共存系」のゆったりアニメではないし、「妖怪とのガチバトル系」のアツイアニメでもありません
とにかく笑えないし、泣けもしない、ちょっとゾッとするシュールなラストが待ってますよ;

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

幼女蜘蛛(^_^;

2012年アニメミライ作品 25分

蜘蛛苦手なんだけどな~、十二単の幼女は可愛いしな~困ったな、
と言いつつ観てしまう、
{netabare}
とある古書店で、日本古代(平安時代みたいな)ある陰陽師が町荒らす人食い大蜘蛛退治封印したとされる書物手にした家主の娘の女子高生←普通にいい娘、古書棚奥に変なモノ居るし!で悲鳴、どうしたんだい?間借り古書店店主←ちょとイケメンお兄さん、ガサガサガサ、居たのは古書から這い出てきた?物の怪?可愛い幼女なんだけど下半身蜘蛛、キチキチキチ、、鳴き声?糸吐くし噛みつくし、、、でも可愛いどうしよう、、
{/netabare}
25分ものだから観てもらった方が早いんだけど、
{netabare}
蜘蛛娘ダンボールに入れて山奥隠れ里?目指す過程等、
{/netabare}
コミカルな描写もあるし、店主心配する女子高生もいい娘だし、

蜘蛛娘の里らしきもの見つけ、
廃墟恐る恐る入ってくあたりから、、
店主の様子がおかしい、
魅入られてる、憑りつかれてる?

蜘蛛嫌だな~でも幼女だしな~どうなるのかな~、
ついつい観てしまう私も魅入られてる?、、、、

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

ラスト。。。

それは無いだろう、想った、

けどね、

色々解釈もあるようですが、、
{netabare}
「これはロリに対する警鐘だ」「いやロリ賛美だ」
「幼女蜘蛛=ロリータの象徴、女子高生=既に煩い存在って事?」
「十二単衣幼女=ロリは時代を超える、」
「ロリ元祖クラリス様だろが!」「クラリスちゃん幼女か?」
「と、、とりあえずロリから離れて普通に投げやりじゃね?」
「いやプロット丁寧だしやっぱ計算上の帰結だろ、」
「元々怪異談って化物語みたく可愛いもんばっかじゃないし、」
「んでも観る方からすりゃ可愛くて気持ちよけりゃそれ越したことないし、」
{/netabare}

私の中のアムネジアが騒いでるけど、、、

相手は物の怪、
京極夏彦氏の小説で女郎蜘蛛の理ってあったけど、
物の怪の性(さが)って事かな~、

後味はけっしてよくありません、
ただ怪異談としてはアリかもしれない、

でもやっぱり、、、、蜘蛛は苦手。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ラストがストーリーの肝 B+

アニメミライプロジェクトの作品です。
アニメミライとは、正式には「若手アニメーター育成プロジェクト」といい、文化庁が主導し、2010年から実施しているアニメーターの人材育成事業のことです。
労働環境の悪化、過度の海外委託、低収入・長時間労働が、人材の使い捨て、喪失につながっているということが背景としてあり、日本の将来を担うアニメーターを育成するということを主な目的で行われるのが本事業です。
その他副次的目的もあるようですが、詳細はWikiでご覧になってください。

私たちの見ているアニメは、アニメーターの劣悪な労働環境の上に成り立っているもので、製作現場はいつも危機的状況にあるようです。
この企画の恩恵が及ぶのはごく一部だとしても、お役所にしては良い仕事だと思います。

さて、アニメミライばかり語ってしまいましたので、そろそろ本題に入ります。

物語の最初、古の陰陽師が登場し、大蜘蛛を一冊の本に封印します。
そして現代、古書店を営む硯とビルのオーナーの孫娘・瑞紀が、ひょんなことからその本を発見してしまいます。
本から現れたのは20センチ程の小さな娘蜘蛛でした。
瑞紀は蜘蛛を物の怪として非常に怖がりますが、硯はそんな素振りは見せません。
むしろ、寂しそうに親蜘蛛を求める娘蜘蛛を見て、親蜘蛛の元へ返そうとします。
そんな硯に瑞紀もついて行くのですが・・・。

この作品に登場する娘蜘蛛は、ロリというには小さすぎますが、見た目は人型なので、可愛い物好き+ロリの方は要注意です。
表情や仕草を追うだけで満足してしまう人もいるかもしれません。
私としてはそれよりも、娘蜘蛛を怖がる瑞紀という女の子の方がツボなんですけどね。

まあ、それは良いとして・・・。

物語自体は特段思いがけない展開がある訳でもなく、淡々と進んでいる感がありますが、ラストは思わず「え、そうなったの?」と言いたくなるような結末が待っています。
良い意味で想像外のラストでしたが、本当にあの最後で良かったのだろうか。
これは絶対にネタバレせずに見るべき作品です!

気になった方はぜひ見てみてください。
といっても、これDVDとか出てるのかな?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

64.5 17 怖いアニメランキング17位
BEM(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (125)
404人が棚に入れました
湾港都市「リブラシティ」。政治・経済・文化の中心であり、街の“富"が結集した「アッパータウン」と、汚職や犯罪に溢れ、人々がお互いを疑い合わざるを得ない「アウドサイド」、その両エリアを分かつ巨大な運河と、一本の「橋」。これらにより構成される、まさに人間の“差別意識"が顕在化した様な街である。そんな「アッパー」から「アウドサイド」に赴任してきた、若き女性刑事・ソニアは、数々の事件を追う中で、人間を守るために戦う、醜い姿の3人と出会う。彼らは一体何者なのか・・・?妖怪人間3人は、それぞれの思いを抱えながら、正体を隠し生きていた。人間に仇為す悪を倒すことで、人間になろうとする「ベム」、人間に憧れ、人間と同じ学校に通い、人間を理解することで、人間になることを目指す「ベラ」、人間や世間に達観し、冷めた様子でゲームの世界に没頭する「ベロ」。彼らはいくつもの事件や、人間たちとの触れ合いの中で、傷つき、悩む。人間のために戦っても、その醜い姿から、決して人間に受け入れられることはない…。そんな3人を探す1人の存在がいる。リブラシティを裏で牛耳る「見えざる議会」を操り、ベムたちを確保しようとする彼女の目的は果たして?

声優・キャラクター
小西克幸、M・A・O、小野賢章、内田真礼、乃村健次、西山宏太朗、斉藤壮馬、諏訪部順一、小野大輔、坂本真綾
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ねえ本気で早く人間になりたいん?

往年の名作リメイク

『妖怪人間ベム』といえば?


 ベム・ベラ・ベロの三人組
 
 早く人間になりた~い


民放のアニメ特番などで繰り返される表層部分。知ってるはこれくらい。
前作(前々作)を知らないため、ベラがかわいくなってると言われてもピンとこない私です。


政治・経済の中心地“アッパーサイド”と貧民街“アウトサイド”に二分化された“リブラシティ”という街が舞台。頻発する怪事件の裏ではなにかしらが暗躍。
アッパーサイドでポカしちゃった若手の女性刑事ソニアがアウトサイドに左遷されてーの赴任日から物語が始まる、という導入です。

主役の三人。普段は見た目人間の仮の姿で行動し、敵やピンチに遭遇した時だけ見た目醜悪な本当の姿に変身して闘う模様。

この三人がいつか人間になるべく、善行を重ね人間を助けて、でも真の姿を見せちゃうと忌み嫌われて、というジレンマがもの悲しく見えるお話でした。
「早く人間になりた~い」理由も深いものがあります。


で、この『BEM』です。

タイトルをアルファベットに替えるとやりたい放題できるんでしょうか。
その昔、『GOEMON』という石川五右衛門である必要あるんかいな?な戦国物のフリしたSF映画がありました。そちらとの既視感がハンパありません。

オサレ感の演出に余念がなく、「既成概念を跡形もなく破壊する」という公式サイト(『GOEMON』のほうね)の紹介文よろしく好き放題やった結果、原形留めてますかね?的ななにか。

OPは椎名林檎。ED降谷建志が楽曲を提供し両曲ともオサレです。劇伴もジャジーで大人ムード。
物語も実際のところ第一話、第二話は良かったのです。そして巡り巡って終わってみたら尻すぼみという帰着。

前作を知っていればその比較でどうぞどうぞ。
知らなくても作品が伝えたかろうテーマは悪くないです。


■良かったところ1

序盤です。

{netabare}・ソニアとジョエルの刑事コンビ(第一話)
正義を貫きたいソニアと土地(アウトサイド)に順応し上手く立ちまわってるジョエルとの対比が良い。
デンゼル・ワシントンの『トレーニングデイ』を彷彿させる関係性が妖怪人間とどう絡むか期待してました。{/netabare}

{netabare}・なんか人間のほうが悪くね?(第二話/第三話)
第一話ベム/第二話ベラ/第三話ベロ回でした。そこで展開されたのは「人間は悪いやつ」。こんな奴らを助ける意味があるのか?の葛藤とお付き合いせねばなりません。
正邪不透明なモザイク展開は望むところでした。{/netabare}


■良かったところ2

人間になる確実な方法がわからないこと

答えのない道を探すのはやる気の維持も覚束ないものです。事実ベロは及び腰だったりするのがリアル。

{netabare}「人間を信じないと人間になれない」
第一話でベラが呟いた一言がちょっぴり切ないのでした。{/netabare}


後付けで旧作の設定も調べてみて、やはり深みがありそうな気配は感じるのです。
外形を留めてないと述べましたが知る由もないのであくまで想像です。

作中ではその深みみたいなものの説明が不足しておりますが、別のものを作る意図があるのであればそれはそれでけっこう。
別個のものとして、そして先入観なく視聴した結果、物語としても訴えてくるものが少なかったかな~という全体の印象でした。
理由は大小いくつかあれど一点だけ。


■極めて悪かったところ

 悪役担当に魅力がありません

容姿は異形ながら心持ちはむしろ下手な人間より高尚だったり綺麗だったりなベムら妖怪人間三人です。
私怨や公憤なんでもいいのですが、主役三人と敵対するキャラに説得力がないと彼ら三人の輝きも限定されてしまいます。

本作で感じたのは、三人を迫害したい描写だけがほしいという雑さでした。

{netabare}CASE 1 ダリル・ブライソン(学生)

父親殺しの事実誤認だけ見ても知的冷静さとは無縁。単なる厨病激発ボーイにしか見えないこともそれに拍車をかけます。
そんな彼がいつの間にか黒幕組織の中枢に収まっていく過程は失笑を禁じえなかったです。
些末な人物がたいそれたことをしてるように映り、ひいては黒幕組織も矮小化した団体に感じました。

ベロも嫌疑をかけられた時に粘って疑いを晴らせよと思いつつもそれだって、ダリルが利発なキャラ設定だったら不問にできたことでしょう。{/netabare}


{netabare}CASE 2 ヘルムート・フェルト(刑事)

・彼自身が妖怪人間を敵視する理由が不明。説明がありません。
・世論操作を謀る時に「妖怪人間をどげんかせんといかん。なぜなら・・・」の“なぜなら以下”に相当する部分の台詞が意味不明。
・ベムの公開裁判(茶番)も失笑レベルの法廷劇。「じゃあ君はキスできるか?」それ大真面目に言われると腹筋がもちませぬ。

狡猾で敏腕な刑事ぶりを描きたかったんでしょうし、こちらもそれを期待してましたが、役不足もいいところでした。{/netabare}


{netabare}CASE 3 Dr.リサイクル(白衣)

結局、こやつが編み出した改造人間が起こした殺人事件への落とし前をつけてない上に、警察は協力を仰ぐとかわけわかんないです。
マッドサイエンティスト設定にも狂気を感じることすらなし。強いて上げるなら「ヒッヒッヒッ」といったそれっぽいセリフぐらいかしら。残念です。{/netabare}


{netabare}CASE 4 ベガ

といえばストⅡなのだが脱線するのでやめときます。
まだマシなレベルです。ベムたちに執着する理由もわかりやすい。ただしいかんせん手下の駒不足でラスボス感が薄くなっちゃったのがもったいなかったですね。{/netabare}


これはB級コレクターさん向け作品です。



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.10.16 初稿
2020.04.14 タイトル修正/修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 41
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

エレファントマン

妖怪人間ベム誕生50周年プロジェクト。

<<ナレーション>>
それはいつ生まれたのか誰も知らない。
醜い身体の中には正義の血が隠されている。

子供の娯楽であるはずのアニメでは、
初代「妖怪人間ベム」は特異点であろう。
秘匿された神秘性の恐怖と克服を描き、
異質で怪奇で奇妙で、
それは世代が違うものにも正しく伝わる。
オープニングはアニメ史に残る衝撃であった。

いつか「人」になれる日を夢見て、
事件を解決し、人知れず町を去る。
異形がゆえに人に恐れられ迫害を受ける。
それは正義とは何か、生命とは何かを問う、
世代を超えて語り継がれる主題なのでしょう。

椎名林檎へのオファーは良い選択でしょう。
村田蓮爾のキャラデザインはどうも苦手である。
オールドファンはベラをどう見るのでしょうか。

9話視聴追記。
人を救うことで人になれる。
根拠もない、ただ彼らが信じる道である。
物語の裏が見え始めていますが、
やはり設定や演出に困惑することも多い。

最終話視聴追記。
現代的な妖怪物語の帰結としては、
{netabare}落ち着くべき所に落ち着きましたが、
全体的に主題に対する、訴求が弱い。
もっと「生」の欲求に足掻いて欲しい。{/netabare}
ちびっ子ハラジーはお気に入りです。

私としては残念な結果に終わりました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 38
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ベムベムハンターとは関係ない

1話感想{netabare}
「今回のベラは女子高生だぞゲラゲラww」って情報は友人から聞いてました。
鬼太郎6期といい素晴らしい時代になったなwと思ったり思わなかったり。
ひょっとして鬼太郎の影響?にしてはまだ1年ちょっとだし、考えることは一緒ってことなんかな?
ところでえーっと2000年代入ってリメイク一回ありましたよね?
これか。
https://www.anikore.jp/anime/849/
確かMXとアニマックスのみの放送で、MXの方が途中で打ち切りになって「続き見たけりゃアニマックスでどうぞ」ってことになって「ざっけんなよオイ」とガックリした記憶。
見てる人殆ど居なかったけどさ…だから打ち切りになったんだけどね。
(その後地上波放送が打ち切りになった“R.O.D -THE TV-”がMXで全話放送されて「ベムん時と正反対だなw」と思ったのは強く覚えている)
“俺たちゃ妖怪人間”は全然見てないけど2006年版が散々だったのを見てた自分としては「またベムやるんだ、懲りないねぇ」って感じ。
いや果敢に挑戦するのは評価しますよ。

それにしても…へーまた村田蓮爾なんだ、“コップクラフト”に比べると蓮爾っぽさは弱い?
公式でキャラ紹介見る限りは良さそうなのに、実際本編見てみると…敵モンスターのデザイン?演出?ダッサくない?
モンスターだけじゃなくて作画全体が…う、うーん。
もっとこうフィルムっぽいというか、ホラータッチにした方が「らしい」と思うんだけどなぁ、妙にマンガチック、おどろおどろしさが無い。
それと水男のセリフよく聞き取れない、一応「博士」だけ聞けりゃ他はノイズ扱いで良いっぽいけど。

妖怪3人とソニアの性格は大体分かった…気がする。
舞台も(治安的に)どんなところなのかも分かったし、何やら黒幕が居るっぽいという匂わせ方も悪くない。
シナリオは決して悪くないと思うのだけど、な~んかパっとしないのはやっぱり作画だか演出なのかなぁ?{/netabare}

2話感想{netabare}
やりたいことは分かるんだ、「醜いバケモノ言ったお前の方がよっぽど(心が)醜いじゃないか」をやりたいのは、分かる。
「そんなヤツも居れば裏表の無いヤツも居たり、人間ってオモロイなー」ってこともりたいんでしょう。
ストーリー?シナリオ?は悪くないと思うんだ、多分。
だけどボーリング男のデザインだけは…これだけは…なんじゃこりゃ?
こういったフザけたデザインが逆に深い意味を持つ展開とかあるのか?大丈夫か?{/netabare}

3話感想{netabare}
個人の趣味でレトロゲーミュージアムみたいなのって実際にあるみたいね。
ってかアウトサイドのゲーセンの外観がトロンレガシーのFLYNN'S(ゲーセン)に似てるような?
ガンシュー、メンテナンス悪そう。
「殺人現場に居合わせて犯人だと勘違いされてしまう」って…こ、古典すぎて吹いたw
敵モンスターのデザインからして、意図的に古臭くしてるのかも?

…。
と思ってたら次回の4話は例の事件の影響で放送延期だって。
再放送で間を稼いでその間に4話の問題シーンを変更するっぽい。
これ言うと不謹慎かもだけど、すごいベムらしいと思ってしまった。
しっかしこうなると最終回が放送されるのはいつになるんだろ?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
暫くは変人を出してベム達がそれを撃退する話が続くのかなー?と思ったら大体その通りで、6話で話が動き始めた…のか?
人間になりたがってるベム達・人間を辞めたがってる連中・それ以外のただの人間、の3勢力だけでなく「人間を辞めたくなかったのに辞めてしまった人」という立場が登場。
ほほう、勢力増えるのは構わんが…これはレギュラー?1話限りのゲスト?
次元の狭間に飲まれて~とか、それまでの作品世界からぶっ飛んでる気がしないでもないけど「元々ぶっ飛んでたじゃん」と言われればその通りの気もするしまぁいっか。
ってかこのノリは見覚えがあるなぁ、と思ったら…思い…出した!(思い出したくなかった)
“セイントオクトーバー”ってアニメがかつてありまして、どんな内容かはいちいち書かないけどあれと同じようなオチにならないことを祈る。{/netabare}

最終回感想・総評(これだけ見ればいいかも){netabare}
ラスボスのベガの目的は「死ねない存在で、唯一死ねる存在を見つけたので、自分を殺してくれるように仕向けた」ということで良いのかな?
その目的に至った動機は「もうこの世に飽き飽き」「人間に失望」それでいて人間の真似事は何でもしてきたけど未だ出来ずに居たこと=生と死、それの実行って感じか?
最後のほうはベムを懐柔するための方便に聞こえなくもないけど、結局は大規模で大迷惑な自殺をしようとした、という展開。
非常にベタでどこかで見たような…どちらかというとゲームでこの手の設定ってよく見た気がするけど、そうはいってもちゃんとラスボスが登場してそれを退治(殺すことは出来ないので封印って形だけど)したのは久々に感じてしまう。
なんか最近はラスボス倒さないどころかラスボス(or黒幕)が姿を見せずに目的すらあやふやなまま最終回迎える作品が多い感じだったのでねぇ…。
ラスボスの目的の提示→主人公との意見の相違・対立→対決・決着までを1クールで収めるとなると、やっぱ色々と難しいのかな?

余韻に関しては──
ベム達も一歩間違えれば、もしくは長年生き続ければそのうちウンザリしてベガのようになりかねない。
人間の方も人間の方で、ベガによって作られた(ベガがトップだったのでそうだよね?)議会のトップの後釜に人間を就任させて、今まで通りが続くとは限らないみたいなところを見せてエンド。
ハラジーもホントに今後安泰かどうかは不明。
博士は…これは、元々ベガを誕生させた太古の錬金術師の現代版になりかねない、ってことなのかなー?と思ってたり。
ベム達も錬金術師だか科学者だか知らんけど誕生させた存在ってのは居るハズで、そういうのが人類の歴史の中ではどの時代にも居るってことなのかも(そう感じたのは自分が“Dr.STONE”見た影響かも?)。
この手の作品の鉄則「化け物コワイコワイ言うけど、それを生み出せる人間の方がよっぽどコワイ」ってテーマも一応は描けているんじゃないかな?
もし妖怪人間が妖怪人間を生み出すことができたら、とっくにベガは自殺済ませてるだろうし。

と、テーマを表現できてたか?という目線では概ね合格なんだけど、細かい部分が…ちょっとね。
なんといっても改造人間のデザイン、なんでこんなプリキュアの怪人みたいにしちゃったんだろう?昭和っぽさを演出した?
そうはいっても子供向け作品はぶっ殺さないで浄化するのが大半で(そうでないなら“セイントオクトーバー”の二度殺しみたいな話は作られない)、元が人間で生き死にに係わる作品ででんぷんくんとか「ニン」とか言われてもちょっと…。
最後ハムスターが映画“スピーシーズ”のオチみたいになったらホラー作品として成立したけど、そんなことは無かった。
そもそもベム達はあの町を去る必要はあったんだろうか。
余韻との兼ね合いになるけど博士を追って姿を消すでも良かったような…。

現代風アレンジを目指したのか懐古路線だったのか、両方やろうとして結局どっちつかずになってしまった印象。
どっちか特化しろってことじゃなくて、もうちょい上手く融合できなかったのかなぁって感じ。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

51.1 18 怖いアニメランキング18位
コープスパーティー Missing Footage(OVA)

2012年8月2日
★★★☆☆ 2.9 (83)
358人が棚に入れました
今日はサチコの誕生日。
呪いによる支配の弱まった天神小学校。
サチコの力により運命がリセットされた哲志たちは、天神小学校の行動に集められる。
記憶があいまいな状態委ではあるが、無事再会を果たしたことをよろこぶ哲志たち。
そこにサチコが現れ、突然、文化祭を行うと発表する。戸惑う一同。そして文化祭のテーマは…。

てけ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

編集が…。

編集が残念すぎます。

まず、1クールくらいの、ちょっぴりエッチな日常シーンと猟奇的要素を含んだアニメをイメージしてください。

1.残虐シーンを切り取って冒頭に流す
2.お気に入りの日常シーンを選んで、貼り付ける
3.スタッフロール

終わり。

…何か途中で力尽きた感がします。

これなら、日常部分だけ、スプラッター部分だけ、別々に放映して、同名タイトルだと強調し、ギャップを狙ったCMを流した方がずっと魅力を引き出せるような気がしました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

takumi@ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

なんだこりゃ・・・残念すぎる

惨たらしいグロホラーなシーンで始まり
ヘッドフォンしている耳元がゾワゾワするほどリアルな音に
映像では映されないものを想像してしまった。

でも3分もしたら別世界。違う作品かと思ったほど。
だがそれはそれ、兄と妹の仲睦まじい雰囲気は微笑ましいし
短い時間に次々と登場人物が増えていくので、
冒頭のシーンとどう繋がっていくのか、すごく期待した。

しかーーしっ

なんなのだ・・・えっ?あそこで終わりなん?
何かの間違いじゃなく、ほんとうに終わったん?
あまりにもぶった切りすぎでしょう。
とても「作品」とは言い難いし、「CM」でも失敗してると思う。
かなり譲歩して「中途半端なPV」かな。
でもPVだって起承転結あるものだよ。
11分もあったのに・・・
キーワードとして挙げるなら、「兄と妹」「微百合」「文化祭」
「学校での惨殺事件」「幸せのサチコさん」「おまじない」といったところ。

ショートアニメが好きでよく観るけれど、2分や3分でも
何度も観たくなるような良い作品がある中、
11分あっても説明不足すぎて、釣られたのが悔しくなる。

それっぽく恐怖感を煽る演出と音響は多少、評価できるものの
何がなんだかわからないよ。
放送中の作品の予告編だというなら、こういう手法もあるけどさ。
せめて続編というか、本編が出てくれるならあらためて観てみたいけど。

ちなみに原作はゲームらしい。
ゲームを知っている人にとってのみ、この11分のアニメは
完全にPVとして成立するかもしれない。
知らない人にはほんと、消化不良間違いなしです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

67.8 19 怖いアニメランキング19位
ゲゲゲの鬼太郎 [第6作-2018](TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (90)
325人が棚に入れました
アニメ化50周年を記念して制作される。

21世紀も20年近くが経ち人々が妖怪の存在を忘れた現代。
科学では解明が出来ない現象が頻発、流言飛語が飛び交い大人たちは右往左往するばかり。
そんな状況をなんとかしようと妖怪ポストに手紙を書いた13歳の少女・まなの前に
カランコロンと下駄の音を響かせてゲゲゲの鬼太郎がやってきた…。

声優・キャラクター
沢城みゆき、野沢雅子、古川登志夫、庄司宇芽香、藤井ゆきよ、田中真弓、島田敏、山口勝平
ネタバレ

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

これは面白い! 今一番、面白いアニメだと思います。

現代の社会問題や風刺をふんだんに要素に盛り込み、スマホを操る今風のアニメ美少女の猫娘やヒロインの少女の犬山マナちゃんや依頼者と全く新しい鬼太郎です。

3話の五輪批判(ただし、まずいのか五輪とは明言してないが)は印象的でした。
皮肉なのはスマホ歩きをしていた小学生が巨大競技場を建設している横で
「こんなの作るくらいならもっと金を使う事があるだろう」とか言ってた事です。
そして、奇遇なもので三話のあとで西日本大水害が起こってしまったんですよね。
東京五輪なんかの準備をしている資金と労力があるくらいなら、北陸大雪、熊本地震、大阪北部地震、猛暑など日本で立て続けに起こっている天災に投じてもらいたいものですね。

そして、この作品は地獄少女が好きな方にも合っている作品だと思います。
少しだけ地獄少女と雰囲気が似ています。
14話に出てきた妖怪も閻魔あいと妖怪になったいきさつがそっくりです。
ちなみにこの回で一時的に体を取り戻した目玉おやじの声がドラゴンボールの孫悟空そっくり、目玉おやじの声優が悟空の人で砂かけババアの声優がルフィですしね。
さらに17話に出てきた妖怪が追っていた「姫様」の横顔が閻魔あいにそっくりだでした。
15話が予想の斜め上を行く展開に神作だと話題になってましたが 、17話もかなりの神作でした、最後の方は感動しました。
17話の妖怪の物語って地獄少女の輪入道の生き様にも似ている気がします。
ちなみに13話のゲスト妖怪は輪入道だったりします(勿論、地獄少女の輪入道とは別個体ですが)
この話しも「一番醜悪なのは人間」という事で考えさせられる話しでした。

地獄少女好きの人には全話見るだけの価値はあると思います。

追加① この作品でちょっと気になる事をひとつ。字幕の女性キャラの一人称がなとが正確ではありません。
例えば女性キャラがどう聞いても「わたし」と発声しているのに字幕では「あたし」と表記されている部分などがやたら多いです。
アニメの字幕はなんだか、結構、いい加減な傾向があり、声優の発声を正しく記してない部分ってありますね。

追加② ネットで検索していると「ゲゲゲの鬼太郎をダシにして五輪反対を訴えるなんてケシカラン、もし水木しげる先生がこの話しを視たらどう思うんだ!?」
とかいうレビューがありました。

いえ、元々、水木しげる先生は太平洋戦争で出征させられて片腕を失う重傷を負ったりして、
元々、政治的・思想的な方で漫画でも反戦漫画など非常に思想的な作品を描かれる方です。
ゲゲゲの鬼太郎に関しても「子供たちのための痛快な漫画」などではなく、元々、思想的です。
さらに言うと水木氏は妖怪研究家であり「妖怪は日本の妖精である」とも言って妖怪の存在を信じています。

あと、水木先生の描かれた反戦的な漫画でチハ戦車を「こんなブリキのオモチャのような戦車を作った人はおれたちに謝って欲しいよ」と悲壮感たっぷりに兵士が発言しているくだりがあり、
チハ戦車や突撃する日本兵ををギャグにしているような愉快痛快なアニメのガルパンとは大違いです。

追加③
このアニメはコミカル話しも多いですが、反面、ハードな所があり、とても子供たちに見せられるような内容ではない描写がたくさんあります。
悪い人間が多数の難民たちを無理矢理、外国から船で連れてきて、彼らを妖怪を利用してダイヤモンドにしようとするためにコンテナに詰め込もうとする際に逃げだした難民に背中からピストルで発砲し難民はぶっ倒れます。
そして言ったセリフが「馬鹿野郎、この弾丸一発でお前らを何人買えると思ってるんだ」です。
凄い発言ですよね?

そして、このアニメの深みを高める部分として、この時間帯のアニメでは珍しく、敵対した妖怪を倒す(殺す)事があります。
それが例え「かわいそうな妖怪」であったとしてもです(これは復活しない性質の一部の妖怪の話しだけで全ての妖怪には当てはまりませんでした)。

追加④
この作品の挿入曲の曲調がどこかで聞いた事あるなと思ったら、
最高のアニメ音楽職人、キュアメタルこと高梨康治さんの担当だったんですね。
この人、仕事しすぎですね、
この人のツイッターを見に行ったら「一カ月で百曲収録した」とか凄い事言ってます。

追加⑤
ところで、あの、「名無し」という黒幕っぽい妖怪(?)ですが、もしも六期のラスボスではないとすると、あの妖怪と決着をつけたあと、物語が終わるのかまた新展開になるのかまだわかりません。
どうなるんでしょうね?
ゲゲゲの鬼太郎は今、六期ですが、ゲゲゲの鬼太郎五期は三年くらいやったし前番組のドラゴンボール超も三年くらいしたので、この六期も三年くらいやるのかもしれません。
少なくとも一年はやると思います。
最近の1クール、2クールが主体のアニメとは違うロングラン作品なので、そこを踏まえて慌てず騒がずにサザエさんやちびまる子ちゃんや地獄少女を視るようにゆったりと構えて視るのが正解の作品だと思います。
私も一話、一話の展開に興奮しすぎました。
まあ、元々、私はそういう主義ですし、アニメを視る時に「早く終わらないかな?」なんて思いながら見るのは良くないと思います。
アニメは一話、一話、楽しむために視るものであって、完走したりコンプリートするために視るものではありませんしね。

第20話について
これまた、教育的・思想的な内容の話しでした。
「日本で昔起きた戦争」というのを「日本がアメリカに一方的に攻められた戦争」と誤解していた、まなちゃんに間違いを正すシーンがあります。
太平洋戦争(大東亜戦争)で真珠湾陰謀説とか「日本はアメリカに嵌められた」とか主張している右寄りの人には抗議したくなる内容だったかもしれませんね。
とはいえ、遠い南洋の島で戦死していった英霊たちに感謝する部分、彼ら兵士達にも人生があったというような描写もあり、単なる左翼思想だけの話しではなかったのは良かったです。

21話がなんだか、明らかに子供向けの善悪がはっきりしたお涙頂戴的な話しでイマイチでした(あくまで大人の私の意見であり、こういう子供向けの話しもロングラン作品ではちょくちょく必要なのは理解できる)が
22話はやたらハードな話しでした。
鬼太郎が間接的かつやむおえなかったとはいえ人を殺してますし、他にも妖怪が暴れ回った事で人が死んでます。

それと気になったのが、今回の話しで暴れる妖怪(牛鬼)を封じた神様であるカルラ様(迦楼羅天)が
やたらと人々に科学的、生物学的な説明をしていたのが印象的でした。「気体」がどうだの「細胞を変化させ」だの・・・
相手が現代人たちだから、こういう説明をした方が良かったと判断したのでしょうか?
もしも、昔の人相手なら「禁忌」とか「神の戒め」とか神秘的・神事的・宗教的なものの言い方をして人々を畏怖させていたでしょうね。
でも、それだったら「元通り岩に妖怪を封印する」みたいな、原始的な方法で妖怪を封じるのではなく、
もっと科学的機関に預けて厳重に保管させた方が良いのにと思いました。
そうしないと、またどこかのバカが封印を解くと思います。

現実に11、12話で日本はタヌキ妖怪軍団に支配されかける程の危機を迎えたのですから、それなりの予算を投入して対妖怪特務機関でも作って、
戦いを鬼太郎一味にまかせたりせずに対妖怪戦闘部隊を作ったり、倒した妖怪の厳重な封印管理を行ったりするべきだと思いました。
まあ、そこまで現実的に考察するのも無粋なのかもしれませんが・・・

追加考察 タヌキ妖怪軍団の話しって思えば、ジブリ作品の「平成狸合戦ぽんぽこ」のダークバージョンみたいな話しでしたね。

25話について
久しぶりで可愛いマナちゃんを堪能できました。
それでこの話しをなんだか「地獄少女のパクリだ」とか言う意見が多いですね。私は地獄少女の大ファンではありますが、
地獄少女のプロット自体が実はゲゲゲと必殺仕事人を参考にしたものです。
ちなみにゲゲゲの鬼太郎4期第35話『鬼太郎の地獄流し』脚本:島田満1996.9.8は2005年放映の地獄少女より九年も前の話し。原作に至っては数十年前の話しです。
中には地獄少女の「人を呪わば穴二つ」を地獄少女のオリジナルだと思っている人も居るようでした。
その言葉は日本で昔からあった諺です。

27話
バックベアードを首領とする西洋妖怪軍団との戦いという新章突入です。
魅力的な新美少女キャラも登場し期待度抜群です。
しかも、この新章にはあの「名無し」も噛んでいるようです。
それと今回の話しはマレーシアから逃げてきた難民妖怪たちとの軋轢が問題になっていて、そこが恒例の社会風刺になっていました。
西洋妖怪の強キャラたちに全滅させられたようですが・・・

ゲゲゲの世界観について解説
アニメ鬼太郎は現在、六期まであり、他に「墓場鬼太郎」がありますが、 全て、それぞれパラレルだって事は製作者たちが明言してました(訂正、一期と二期だけは直接の続編として続いてました)。
三期のヒロインのユメコちゃんの四期への続投問題でスタッフが審議した時、別世界の鬼太郎を描くべきとか言って、続投させなかったのもその一つです。
ちなみに原典の筈の漫画盤ですら、掲載誌によっていろいろパラレルがあるようです。
バッグベアードもぬらりひょんも鬼太郎一味の「長年の宿敵」などではなく、掲載誌や各期のアニメごとに初顔合わせの敵でしょう。

ですので。ゲゲゲ六期は基本的に独立した物語で「過去期のアニメ盤ゲゲゲではこうだった」とか「原作ではこうだった」という意見はあまり意味がないようです。
過去作はどうだったとかではなく、新しく創られた最新作の鬼太郎だと割り切って楽しむのが一番、良い楽しみ方だと私は思います。

今季の鬼太郎は数話の特別(不穏)な話しを除いては基本的に鬼太郎は「正義のヒーロー」「人間の味方」です。
その動機は「過去に"ミズキ"という人物」に助けてもらったからだそうですが、
「墓場鬼太郎」派の人は今の六期鬼太郎が好みでない人はいるようですね。
墓場は鬼太郎は不気味なスレた性格で「人間・正義の味方」ではなくホラー色が強かったですから。
加えて言うと、六期鬼太郎は前にしていたドラゴンボール超のノリが垣間見えますね。スタッフもほぼ同じなのでしょう。
上にも書きましたが、14話の目玉親父はほとんどDBの孫悟空で「身勝手の極意」のような動きをし、幽遊白書の霊丸のような攻撃をしてました。

34話
久しぶりの社会風刺ネタ
{netabare}ねずみ男が先頭に立って「アニエスの即刻、国外退去を求める」「アニエスが居るから日本が西洋妖怪に攻撃されるんだ」と・・・
それを庇った鬼太郎に対してもねずみ男は「鬼太郎、お前、俺たちとアニエス、どっちが大切なんだ?」と鋭い問いかけをして鬼太郎を追い込みます。

鬼太郎は、はっきりとは返答しませんが、「その質問に答えを出してはいけないと思うんだ」と眼玉親父に言います。
アニエスも鬼太郎に「なぜ、私を助けてくれたの?」の回答
にもはっきりと返事はしませんが、FF9の名言の「誰か助けるのに理由なんてものがいるのかい?」が鬼太郎の心情なのかもしれません。 {/netabare}

35、36話
いよいよ、西洋妖怪篇が佳境に入ってきました。
日本妖怪たちに石を投げられるアリエスを庇った猫娘がアリエスに「頼れる時には誰かを頼りな」と諭す所はカッコイイです。ワンピースのルフィの名言を彷彿とさせます。
ブリガドン計画の内容も明かされました。
バッグベアードが今までのシリーズにないほどの外道に描かれています。
何かと暗躍する「名無し」の動向に気になります。

それにしても、今回の鬼太郎はえらく作画が気合入ってますね。
前作の「ドラゴンボール超」の神作画をそのまま、引き継いでいる感じです。
ただ、平常回ではあんまり、その神作画の素晴らしさを体感出来なかったのですが、シリアスな展開が深まっていくとどんどん映えてくる感じです。

* ただし、不安要素として主演で鬼太郎役をうまくこなしていた沢城みゆきさんの産休問題ですね。収録分が終わったらどうするんでしょうね?

西洋妖怪編終了。
バックベアードが第二形態としてムキムキマンになって戦ったのはオドロキました。
美少女魔女アリエスともお別れ。
いずれは再登場しそうな気がします。特に名無しとの戦いの時には駆けつけてくれる筈です。

それで、38話で、また平常回に戻りました。
しかし平穏な日常どころか、その平常回第一回の露骨に凶悪犯罪要素があり世相的な悪の話しでした。
ねずみ男が死体喰いの妖怪と結託しての新商売というか犯罪行為・・・
病気で死んだ母親の死体を死体喰いの妖怪に食わせて年金詐欺、交通事故を起こして轢き殺した死体、つい女性が旦那の頭を殴ってつい殺してしまった死体なども依頼されて同様に処理。
ねずみ男は「俺には金(依頼料)、死体喰い妖怪は死体が喰え、依頼者には利益、三者全員が得するウィンウィンウィン」とはしゃいでましたが、
とても子供向けアニメとは思えない。あんまりな凶悪犯罪描写・・・・
ある意味、バックベアード以上に悪質な行為に唖然としました。

43話
滅茶苦茶、重い話しです。ていうか西洋妖怪編、終わってからやたらダークな話しが多いです。
今回の話しはアニメ鬼太郎史上でも最高級のダーク話しです(ちなみに話し自体は原作にあったが大幅なリメイクを加えてます)
{netabare}人が死にます。
そして今回は鬼太郎が人を殺します。そしてその娘に「私はあなたを許さない、絶対」と言われます。
この娘もいくら愛する父親のためとはいえ正気ではなくなっています。吸血妖怪になってしまった父親のために自殺サイトで志願者を募集するのですから。
おそらく、彼女はいずれは妖怪化して鬼太郎を襲う気がします。以降に引きずる話しです。{/netabare}
それと今回の話し、どう見ても某〇〇〇〇細胞の事件に着想得てますね。

45話
今回もダークな話しでした。 {netabare}
ラスト近くになって急に雲行きが怪しくなる嫌な話しです。
正直、怖かった。いや「妖怪が出てくる」とかとは別の意味で怖い話しです。
鬼太郎は自ら人を殺す事は本当にやむおえない時だけで稀ですが、見殺しにする事は結構ありますね。
もっとも。今回は対象人物が警察に自首してれば助けてたでしょうけど。{/netabare}

46話
この話しの感想ですが、やたらと敵が強かったです。鬼太郎一味壊滅寸前。西洋妖怪軍団より強かったのではないだろうか? 予想外の事態 {netabare}まなの不完全五芒星覚醒{/netabare}がなければ鬼太郎一味が負けてたです。これだけ鬼太郎一味を苦戦させた妖怪も珍しいです。

47-49話
名無しとの決戦話しです。しかし・・・{netabare}約一年間、引きずってきたボスとしてはちょっと呆気なさすぎですね。むしろ名無しとの決戦の前振りの猫娘とマナと鬼太郎の葛藤劇が良かったですね。
マナの母親をうっかり殺してしまったと思い込む猫娘とマナ,五芒星の力が暴走して猫娘を殺してしまうマナ、鬼太郎の事と次第によってはマナを殺さんばかりの怒りを示す鬼太郎・・・とかなりハードな展開でした。
これらの話しは名無しの話しというよりマナちゃんの宿命とご先祖様の話しが主題なのかもしれません。
それにしてもマナちゃんは近年のアニメでも屈指の可愛いヒロインですね。外見的にも性格的にも・・・最後に名無しに名前を付けて成仏させてやる所は良かったです。しかし名無し、簡単にやられすぎ・・・
今までの日常回の敵や中ボスでも、もっと鬼太郎一味を苦しめた妖怪は多数います。46話の雛人形とか・・・
気になるのはあの世から連れ帰った猫娘の処置はこれからどうなるんでしょうね? またお姉さんに戻るのかあの幼女の姿のままなのか・・・{/netabare}
それにしても、マナちゃんは可愛い、私が見てきたアニメ美少女でもトップクラスの美少女キャラです。

新情報
四月以降も鬼太郎、続くようです。
もう、名無しで引っ張るのも難しいと思いますので、
名無しとの決着が付いたあとのボスは月並みですがぬらりひょん?

50話
新展開、鵺を始めとする地獄四将という新たな強敵たちと戦いへと突入です。
しかし、特筆すべきは敵より味方です。
新キャラクターの鬼道集という組織に属する石動零(いするぎれい)CVは神谷浩史さん。
もはや鬼太郎ワールドの雰囲気のキャラとは全く違うキャラです。
このキャラは「邪鬼眼」というか「菊池秀行の世界」というか「アララギ先輩」というか・・・悪く言えば厨二病の妖怪ハンターのキャラが加わります。彼が出てくるシーンは違うアニメになってるぞ・・・
EDもまるで「幽遊白書」のようなEDに変わりましたし。
鬼太郎と対する敵は同じなのですが、彼はいわば「悪・即・斬」のような考え方で、人に害をなした妖怪は降伏しようと許さず、取り込んで自らを強化します。
「鬼神の腕」とか言ってるのは「ぬーべー」を彷彿とさせますね。

なんだか「ゲゲゲの鬼太郎」という定番作品を利用して凄い傑作アニメ作品を作ろうという制作側の意気込みが感じられます。
ただ、このアニメ、子供対策なのか箸休めのためなのか、ちょくちょく、幼稚な話、子供騙し的な話、たわいのない話も織り交ぜているのですが・・・そういうのが気に入らない人もいるかもしれません。
しかし、前にも書いた通り何年も続くロングラン作品にはそういう回も必要なのです。

鬼太郎の「正義」について
{netabare}50話での石動零との対立でも思ったのですが、鬼太郎自身、決して「盲目的な人間の味方」ではなく、独特な立ち位置の部分があります。
それは墓場鬼太郎のひねくれた鬼太郎とも違います。
彼は弱い妖怪を虐待したり、犯罪行為を行った人間の味方では決してありません。
そういう人間は懲らしめたり脅したり警察に自首を薦めたりします。
33話では「娘が幼い頃、妖怪と契約して繁栄と引き換えに将来、娘を嫁として差し出す」と約束した件で娘を助けるように懇願する父親に対して「そういう約束があるのなら守るべきだ」とつっぱねます。
そして、前にも言ったように猫娘を力が暴走して殺してしまったまなに対して「事情次第では殺す」ほどの怒りを燃やします。
要するに人間だろうと妖怪だろうと、固定的に何かの味方とか、何かを敵として動いているのではなく、
状況と事情を調査し思考したうえでの彼なりの「正義」で動いているのです。 {/netabare}
やはり結構、深い作品です。

51話
ついに「元号変更ネタ」
というか、ひょっとするとあらゆるアニメの中で初めて元号変更ネタを使ったアニメかも。
それとちょっと気になったのは「鬼道衆」というのが出てきたけど、これって東京魔人学園にも出てきた設定ですね。
別物でしょうけど・・・
{netabare}思ったより早く大きな猫娘復活です。{/netabare}

ていうか、今期の鬼太郎、バトルアニメの要素がやたら強いです。
さすがにドラゴンボール超の後番組ですね・・・

52話
今回は石動零も登場せず、上記に書いた箸休めのための子供たちへの教訓的な話し。どこかで聞いたようなストーリーですし、大人が見たらイマイチな回かも。
{netabare} 「早起きしなくても良い、勉強しなくても良い、お手伝いしなくてもいい、お母さんがうるさい」。
だからといって、それから逃避して自分に都合の良い世界に行ってはいけませんというような話。
最後は予想通り「お母さんがうるさいのは子供を思ってのためと感涙の再会」{/netabare}
まあ、こういう話しも嫌いではないですが。

*訂正 対象年齢層も低くどこかで聞いたような類型話しではありましたが、今思うと適度に面白かったです。

53話
ぬ!? 子供っぽい話し、二連発!!

54話
30年前の話しですが、鬼太郎が人を殺してますね。それともあの父親を殺したのは泥田坊なのでしょうか?
やや深めの話しです。人と妖怪がどうしても共存できない場合、鬼太郎は仕方なく妖怪を倒してしまいます。

55話
たわいのないギャグ話しでした。

鬼太郎、52~55話で急に日常回になってます。
いや、別に必ずしも日常回が悪いというわけではなく、今まで多くの傑作日常回を生み出してきた六期鬼太郎にしては、正直、52話以降の日常回は出来がイマイチな気がします。
どうやら鬼太郎役の沢城みゆきさんが産休したので、今は事前に撮り溜めした日常回の放映を続けているようです。
これから、当面、そうなるようですね。
新シリーズの地獄四将篇が非常に面白そうだっただけに中断は正直、残念です。

56話
地獄四将篇はひとまず中断のようです。
まあ、また面白くなってきました。
{netabare}石動零もようやく、再登場し西洋妖怪たちが再び襲来、バッグベアード復活をもくらむ彼らとの闘いという展開になるようです。 {/netabare}

*ちょっと考察
うーん・・・・・皮肉にも私があまりの面白さに感銘を受けてオール5に評点を上げてから何だかイマイチというか迷走してきましたね。
推測ですが沢城みゆきさんの産休問題もあるんでしょうが、
ゲゲゲ自体が三月いっぱいで終わるかどうか議論があって、続投が急に決まってしまい迷走してるのかもしれません。
確かに名無しとの決着が着いた段階で終わってたら綺麗にまとまってましたね。
それでも52話までは文句なく面白かったんですけどね。
それと「地獄四将篇」というのは一人目の鵺が倒された時点で終了でもうやらないのかもしれませんね。

63話
今の鬼太郎六期は「地獄四将と鬼道衆・石動零」「バッグベアード復活をもくらむ西洋妖怪残党」といったメインストーリーをちょくちょく交えながら、単発回主体という感じで。少々、話しの流れが読みにくくなってる中、今回はまあまあ面白かったです。

基本的には七夕回でしたが、魅力的なゲストヒロインたる笹の精・星華とぬりかべとの淡い恋模様、相変わらず金儲けと土地開発が目的のねずみ男と人間の陰謀。
そして {netabare}ねずみ男を騙して操るタヌキのような凶悪な妖怪、あしまがり、なんだか、鬼太郎ってタヌキがやたら悪役として登場しますね、なかなか強い妖怪で鬼太郎たちを結構、苦戦させます。 {/netabare}
善悪がはっきりした。ありがちな話しとも言えない事もないですが、こういう奇をてらってない話しも楽しくて良いです。
EDもシリアスなものから、やたらとノーテンキなものに変更されました。コメディ主体に路線変更のつもりでしょうか?
それにしても、星華の声優が{netabare}ひーちゃん{/netabare}だったのも驚きました。

64話
地獄少女にでも出てきそうなハードな話し。
「地方権力者に牛耳られた町」というのは「野生の証明」以来、ちょくちょくある話しですね。

65話
最高クラスのおふざけ回、鳥取、鳥取と鳥取愛布教の話しです。

66話
これは何と言ったら良いのか・・・{netabare}ハッピーエンドかと思いきや、ドンデン返しの残酷な結末に驚かされます。
本当にこの結末で良かったのか・・・特にマナは相当にショックを受けてました。
それと鬼太郎はこうなってしまうという事を察していたのに止めようとしないのがなんとも・・・「本当に良いのか?」くらいの一言くらいあっても良いと思います。{/netabare}、今季の鬼太郎はつくづく深いです。

67話
ギャグ回、面白かったです。
ラインだかフェイスブックもどきだかのサイトで「いいね」を貰う事に狂って暴走してしまう女性の物語です。
しかし、配役された嶋村侑さんも酷いキャラを演じたものですね。この人は演技の幅が広い。

68話
地獄流しの話、てっきりハードな話しかとおもったら、{netabare}子供向きの教育回、悪い事はしてはいけない、反省する事が大切、人は誰しも一人で生きているわけではないなど、良い要素が盛り込まれてます。ラストもすがすがしいハッピーエンドです。{/netabare}

74話、75話
地獄四将最強の玉藻の前(九尾の狐)との対決、強かったです・・・
戦闘力も高かったが頭もキレる妖怪で鬼太郎一味、石動零を苦しめます。
そして地獄と現世の境を破壊しかけて日本をいやこの世を未曾有の危機に陥れます。
{netabare}幸い、猫娘&まな&アニエス姉妹のヒロイン陣、鬼太郎ファミリー、地獄四将の一人の伊吹丸の助太刀もあり、倒すことができました。そして次週からはついに鬼太郎究極の宿敵たるあの妖怪との闘いを描く新章がはじまります。{/netabare}

あと、思ったんですけど、あの日本の女性総理、無能で情けないの一言に尽きる。
普通、こういうフィクション作品で女性指導者が出てくると大概はキレものなのですが、まるで女性の欠点を凝縮したような無能な指導者で、こんな人が日本の首相なので鬼太郎たちの苦労もことさら辛くなっているのでしょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 41
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

東京ゲゲゲイのYouTube動画「ゲゲゲイの鬼太郎」もオススメ

<2020/5/2 追記>
全話見終わりました。
丸②年!全97話!
かなり面白かったですよ。
勧善懲悪だったり、
人間社会へのアイロニーだったり、
愛だの恋だの平和だのだったり、
純粋に妖怪楽しむ話もあったり
飽きさせませんでした。
本シリーズは鬼太郎、目玉おやじ初めて声優を一新してましたが良い感じにハマってて気にならなかったし。
やはり鬼太郎は永遠。

ところで話は変わりますが、
ダンスグループ「東京ゲゲゲイ」のYouTube動画「ゲゲゲイの鬼太郎」というものがありまして。
鬼太郎好きの方には是非一度ご覧いただきたい。

そしてもしこの動画にハマったら椎名林檎「公然の秘密」PVもおすすめします。
後ろのダンサー二人が凄いです!
向かって右側が東京ゲゲゲイのリーダーなのですが、左側の女性ダンサーともどもごっついカッコイイです。

<2019/12/7 追記>
第84話「外国人労働者チンさん」
この南方妖怪チンさんがマッパで、本名が放送禁止用語?
ということで馬鹿馬鹿しいシモネタ回でした。
一応外国人労働者問題をチクリとはしてますが基本はシモネタ。

秀逸なのはこの「チンさん」の声優。
杉田智和!
まさかというかやっぱりというか笑
アフレコでチンさんの本名を連呼する杉田智和

<2019/9/29 追記>
第73話 ヤマタノオロチ回
子供の頃、この話がめちゃくちゃ怖かったんですが、その恐怖の根源の部分が6期バージョンではかなり軽くなってます。
これなら子供が見ても怖くない。
自分にとっては物足りないですが。

第74、75話 玉藻前≡九尾

白面の者というかナルトの中のアレです。
白面に比べると可愛らしいですけど。
白面先輩が怖すぎるだけかも。

お話はすっきりうまくまとまってました。
古谷徹を宿し旅に出る神谷浩史とかシュールだな、と思ったり。

これで長かった四大妖怪編も終わり、次回からはついにあの「知らんうちに人ん家に上がり込んで気がついたら一緒に飯食ってる『冴えない彼女の育て方の加藤恵』のような図々しさがウリのアイツがやってくるそうですよ。
多分、孫じゃない方だと思います。

<2019/9/8 追記>
第72話 妖怪いやみ

確かこの妖怪って原作や昔のアニメでも出てましたね。
鬼太郎の「じゅて〜む」はなんとなく覚えてます。

インパクト強いんですけど、今回はめちゃくちゃ面白かった。
6期の鬼太郎の中でも指折りじゃないでしょうか。

一年以上見ていて美形猫娘にも慣れたこともあり、猫娘がカッコ良いです。
心象風景の描写も◎。

鬼太郎に興味あって6期観てない方はこの話だけでもお勧めしますよ。

そして次回予告。
「ヤマタノオロチ」回ですか。
小さい頃、多分二期かな。
これ観てものすごく怖かったこと覚えてます。

<2019/6/8追記>
3週前の56話は吸血鬼エリート
先週の58話は半魚人とカマボコ

前者のエリート、私はアニメで見たのは初めてですが、原作で読んだ記憶があって、水木しげるキャラの中でもかなり個性的。
シティボーイズのきたろうさんにちょっと似てて本当にこういう人いそうな感じ。

本作でもこのエリートさん、ギター弾くんですけど弾いてる絵面も曲も妙に頭に残ってクセになる。
お話はよく覚えてませんでしたが、アニメのストーリーはオリジナル要素が強いような気がします。
でも面白かったですよ。
中尾隆聖さんの声がぴったりハマってる。
さすがはフリーザ様。

後者のカマボコは、子供の頃、おそらくアニメ版第2期で見た記憶があります。
こちらはストーリーは大体覚えていて、6期のアニメも概ね同じかな。
あらすじが、
{netabare} 鬼太郎は半魚人に大王イカに変えられ、木っ端微塵に爆破され、大量のカマボコにされ、売り飛ばされます。目玉おやじたちはそのカマボコを買い集め鬼太郎を蘇生。{/netabare}
とシュール。
なぜこうなる?という超展開です。
ただ昔見たとき、なんか怖かったんですよね。
自分が幼かったからでしょうけど。
その怖がった自分を思い出しながら懐かしく楽しみました。

<2019/3/25追記>
48話観ました。
予想外にハード

レビュータイトルは嘘です。
いや、まんざら嘘でもないか。
これまでは爽やかだったり心あったまったりする話も多かったし。

ところがですよ。
最初の頃からネタ振りされ続けてきた「カオナシ」じゃなくて「名無し」さんが先週ぐらいから話の中心になってきてます。

で、これが重い。

あれ?今は深夜かな?
と錯覚するくらいには。

どう話が転がっていくのか来週が楽しみです。


なんだかんだでほぼ1年観てきました。
総論としては意外と面白い。
最初↓のレビューでも同じこと書いてましたね 笑

でも本当に面白いと思ってます。
だってなんだかんだで1年間毎週見てたもの。
録画だけど。

嫌味にならないくらいの、ちょっとしたスパイスという感じでダークさが振りかけられてます。

いろんな面で良い塩梅。

6期でこの面白さ。
やっぱ鬼太郎って永遠だな。

<2018/4/1初投稿>
※視聴中なので評価はデフォルトの3です

6作目なんですね。
ここ何作かはほとんど観てなくて興味もなかったのですが、たまたま今作の1話を見るともなしに見てしまいました。

意外と面白い。
日曜朝、ONE PIECEの前の時間なので純粋に子供向けかと思ったら案外そうでもない。

スマホが普及してたりユーチューバーが出てきたりの現代が舞台。

お話は昔の鬼太郎に寄せてる感じ。
もちろん墓場鬼太郎までは行かないけど、それでも少しだけダークな雰囲気が漂ってます。

絵は綺麗ながらも少し影があります。
キャラクターの造形も然り。

鬼太郎はヒーロー的に闘いますが、熱量は少なくクール。
目玉おやじが解説担当なのはいつものこととして。
ヒロインの女の子は必要なんかな?とか思いましたが、いないとたぶんこれからのお話に深みがなくなっちゃうんでしょうね、という感じ。

今回の鬼太郎の世界では人間には妖怪が見えない。
妖怪の存在を信じ始めると見えてくる。

鬼太郎に夏目友人帳や地獄少女とか少しまぶしたような印象を受けました。

これからネズミ男や猫娘、子泣き爺や砂かけ婆などの常連が出てきてどういう感じになるか、2話目以降が少し楽しみです。

最後にちょっとびっくりポイント
○目玉おやじが野沢雅子。感慨深いですね
○鬼太郎が霊ガンみたいのぶっ放してました

投稿 : 2024/11/16
♥ : 35

終了 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

放送法4条違反の犯罪アニメ

安倍政権批判をやっているが、現政権を批判するアニメを放送する行為は以下の法に抵触する。
このような犯罪が野放しになっているのは法治国家として嘆かわしいことだ。

第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

そうならないように現政権の首相を出すのは避けたりするものだが(「アイドル事変」は小泉元総理もどきを出している)、鬼太郎の制作者は日本の法令を知らない支那人か朝鮮人なのだろう。以前TBSの支那人プロデューサーが逮捕されたこともあったしね。

少し前にも日本が過去に東南アジアの人たちに迷惑をかけたとか(迷惑?植民地支配からの開放ならしたが?)捏造自虐左翼史観に基づいた意味不明な話を放送していたが、鬼太郎の制作者を早急に更迭すべきだろう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

58.4 20 怖いアニメランキング20位
影鰐 - KAGEWANI - 承(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (81)
325人が棚に入れました
生きとし生けるものすべてを喰らい尽くす「超生物・影鰐」。 その“兵器化計画”に巻き込まれた番場宗介は、クローン影鰐に取り憑かれ、消息を絶っていた。 番場を執拗に追う猿楽製薬との決死の追走劇、影鰐殲滅を使命とする新たな部族との争い、次々と人間を襲う奇獣達。 混迷を極める中、番場は超生物・影鰐との戦いに終止符を打つことが出来るのか。 息をもつかせぬ壮絶なモンスターパニック劇メーション! □影鰐とは・・・ 影が実体である不定形の怪物。影鰐に「影」を攻撃された者は実体も攻撃を受ける。 生物に寄生し、奇獣へと変化させる。寄生した量によって、変化の度合いが変わる。 □奇獣とは・・・ 現代に突如現れた怪物。UMA、未確認生物とも呼ばれる 自然生物の範疇を超えた能力を持つものもおり、正体は不明である。 □番場宗介 大学教授であり生物工学の第一人者。超生物・影鰐に両親を喰われた上、自身も襲われたという壮絶な過去を持つ。顔に痣が残っており、奇獣に近づくと、痣が疼き激しく痛む。 激しい追跡調査の末、猿楽製薬による“影鰐兵器化計画”に辿り着くが、実験中の事故に巻き込まれ、超生物・影鰐のクローンと融合してしまう結果に。

声優・キャラクター
杉田智和、置鮎龍太郎、真殿光昭、木村昴、佐藤聡美、斉藤貴美子、相沢舞、M.S.S Project、96猫

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

影鰐再び・・・今回は思わず見入ってしまう展開でした

この作品は、影鰐-KAGEWANI-の続編に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからお視聴をお薦めします。

影鰐の存在自体が恐怖でしかなく、時間を強制終了させるには十分過ぎる強さと人の無力さを感じた前期・・・
一部では良からぬ事を企てていた輩もいましたが、ホラー映画のワンシーンの様に突如現れるその存在は、決して野放しにして良い存在ではありませんでした。

そして今期は・・・人と影鰐との立ち位置は前期と変わっていないと思いますが、それ以上に影鰐に取り憑かれた人の恐怖を感じました。

良からぬ事を企てる・・・強大な力の前にすると、どうしても欲で目がくらんでしまうのは人としての悲しい性・・・
だからある程度・・・人々の理性に問いかけて帰ってくる答えの範疇は・・・きっと許されるんだと思います。

でも人って・・・何故かやりすぎちゃうんですよね^^;
好奇心、欲求、或いは携わる者としての使命・・・言い訳は色々あると思いますが、大概やりすぎちゃうとロクな事はありません。

それはこの作品においても然り・・・
だから人間の欲にまみれた醜さと影鰐の本来持っている恐怖とが相まって、仰々しい展開から物語が始まります。

でも・・・この作品には萌えが無いと前期のレビューで記載していたので、今回も期待はしていなかったのですが、「さとさと」さんこと佐藤聡美さんが演じるナギ・ヤグルが登場し、物語の核心に深く関わるようになってからは、紅一点的な存在感を十分に醸し出していたので、萌えが無い・・・とまでは思いませんでした。
勿論、紙芝居タッチというこの作品の持つ独特の表現方法は変わらないので、普通のセルアニメの様な萌えとは全然違いましたけれど・・・^^;

そして今回存在が際立ったのが実体化した奇獣でした。
奇獣自体は1期から登場するのですが、今期の奇獣はやけにリアルだった様に思います。
まるでエイリアンの様な奇獣も登場しましたし・・・
奇獣の迫力・・・という点においては前期より上回っていると思いました。

我田引水・・・
主人公の番場 宗介やナギ・ヤグルはそのアオリを受け奔流します。
この二人だって最初から仲良しだった訳ではありません。
思いを態度で示したら、こうなった的な関係・・・みたいな感じです^^;
でも、人の繋がる力・・・これは決して馬鹿にできません。
二人に迫り来る事の顛末は・・・?

そして因果応報・・・
全てはここに帰ったんですね・・・
気になる方は是非本編でご確認頂ければ・・・と思います。

1クール13話の物語でしたが、物語は完結していないように思います。
区切りは良いんですが、物語の纏め方が「13日の○曜日」の様に、何かが起こりながら終幕するんです・・・奥歯にモノが挟まっているみたいな気になる終わり方でした。
続編・・・何かありそうな予感が・・・^^;
新たな情報を楽しみにしています^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

起承転結?3期も4期もあってほしいな

全話視聴終了。いや~面白かったなあ!

以下感想
{netabare}

まず番場先生が1期でかなり危うい状態で終わってたので、カムバックしたときの「俺達の番場がパワーアップして帰ってきたぞ!」感で嬉しかったなあ。野性味あふれる風貌からビシッといつものスーツスタイルに切り替わるのもカムバック感があります。知識と機転のよさ、そして超強いパワー!を持って落ち着いているという、ほとんど完璧ですよね。

そしてメカになって戻ってきたメカ木村の無理やり感がシュールで面白い。「お前またでるんかい!」的な。
そして、今回は終盤まで番場の見方をするメカ木村の怪しげな感じがまた良い。余裕をもって人と当たりながら、視聴者が彼を信用できない胡散臭さをかもし出している。案の定最終的に裏切って高尚な理想を垂れ流すあたり、ぶれんなあと感心。

新キャラのナギは声優が佐藤聡美さん。氷菓のおしとやかなえるやけいおんの元気な律、今回は男勝りな女性キャラ。違和感の無いとてもいい演技でした。ナギに関しては突っ走りそうな強気を提示しながら、人間の顔を映した影鰐に動揺させて弱さや人間味を出したりととても上手く表現された人物。

そして今回の影鰐ですが、達磨様と呼ばれる影鰐は丸っこくて可愛い。地域風習をオカルトチックにした話はオカ話でも好みのジャンルです。
研究所を襲った「奇獣」はエイリアンのような出で立ちでした。オカルト熱を刺激されるデザインです。そのほかにもチュパカブラなどを彷彿とさせるデザインのやつも良い。
サトル君は1期で出てきた、植物の影鰐と融合した存在。彼の人間性が彼を人間であることを肯定していました。

本間はかなりかませキャラでしたね。強欲なやつが落ちるのお約束みたいな所か。それでも奇獣になってまで、木村に復讐しようとする小物さと哀れさがちょっと良い味出してます。

全体の感想
全体に筋が通ってとても良い。「オカルト」というジャンルだけではなく「ホラー」や「スプラッタ」にも広がりがあり、その独特な映像手法からゴジラなどの「特撮」的な流れも汲んだ作品でした。また、番場宗介というヒーロー的な主人公ポジションから海外のヒーロー物映画に近いものを感じます。
影鰐という人のエゴで生まれながら、人に害ををなし、自然に対し恐れを抱かせる存在として、今回も良く表されていたと思います。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

一期よりホラー薄めで物語重視。佐藤聡美の演技に驚かされた第二期!

 闇芝居のスタッフが送る、日本に突如として出現したUMA「奇獣」の謎を探る生物学者・番場宗介(Cv.杉田智和)の物語の第二期。10分弱×13話

 一期と比較すると、この『承』は奇獣の中でも「影鰐」をメインとする話や、意図的に奇獣をコントロールする科学者達の話など、番場を中心としたメインストーリー関連の話が多くなっている。やや「能力バトルもの」に近づいた感じもあり、意見は分かれるかもしれないが、個人的には二期の方が好みだった。

物語:メイン関連の話が多く、10分弱と短いながらも一期以上に話に引き込まれた。

声優:杉田さんは流石といった感じですが、相変わらず脇役が酷い…。

 ただ、驚くべきはナギという影鰐を憎む女を演じた佐藤聡美さん。私の中で佐藤聡美さんと言えば「氷菓の千反田える」であり、落ち着いた穏和な少女を演じる印象が強いですが、今作ではドスのきいた声を出していて、まるで別人のようでした。
 こんな役もできるんですね…。正直かわいらしい声が活きるのはこういう役ではないと思いますが、力量に驚きました…凄いですね。(正直終盤まで彼女だと気付きませんでした…)。

キャラ:一期より番場を含むメインキャラ、木村・ナギ・本間などがしっかり目立っていて、それなりに魅力的。番場と木村が割とお気に入りでした。

作画:一期と同様、闇芝居みたいな紙芝居っぽい変わった作画です。この作品には合っています。

音楽:個人的に相変わらず好かん曲でした…。ただ、この安っぽさが逆に影鰐には合っているのかも?影鰐のテーマとか印象に残っています。

 二期の評価はこんな感じです。一期より物語重視でホラー要素は薄まっています。何はともあれ、一期が好きだったら絶対観るべき作品ですね!
 起承転結の『承』なら3期4期ありそうですがどうでしょう?
 あるなら観ます!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

65.7 21 怖いアニメランキング21位
妖怪人間ベム[第1作](TVアニメ動画)

1968年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (63)
270人が棚に入れました
無国籍的な雰囲気と異形の主人公たちの独特の哀愁が人気を集め、幾度も再放送された怪奇アニメの名作。どこかの研究所で生まれた怪異な3匹の生物。彼らベム・ベラ・ベロは気高い正義の心を宿しながらも、決して人間ではない妖怪人間だった。善行を重ねればいつか本当の人間になれるという信念から、世の中の悪人や魔性の存在と戦い、人々を助ける旅路を歩み行く彼ら。だが、そんな3人に、人々は必ずしも理解の目を向けなかった。

声優・キャラクター
小林清志、森ひろ子、清水マリ、藤本譲
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

時代性と普遍性を備えた名作

1968年10月~1969年3月放送のテレビアニメ。全26話。
放送50周年記念ということで2017年10月から2018年3月までBS11で再放送されたので初視聴。全26話ですが、諸事情から第5話「せむし男の人魂」、第8話「吸血鬼の寺」、第15話「狙われた目玉」は放送されていません。

国籍を設定しない独特の世界観で、毎回舞台となる街が変わります。三人の妖怪人間ベム、ベラ、ベロは正義の心で正しい行いをしていれば人間になれると信じ、悪い妖怪や怪異から人間を守るというストーリー。
全て一話完結で、様々なバリエーションを持たせています。昔のアニメなので細かい部分は突っ込み出せばキリがないですけど、時代を問わない内容の深さがありました。
60年代作品なので作画や演出は荒いですが、慣れてしまえば独特のパワーにあふれていて魅力的。
ベム、ベラ、ベロのキャスティングがよく合っていて素晴らしかったです。


{netabare}
作品全体に、昭和43年の社会背景がどこか反映されている印象がありました。昭和40年代といえば高度経済成長期。(日本社会はいざなぎ景気と言われて湧き立っていたのと同時に、調べてみれば三億円事件などの大きな事件があったり公害病が認められたり、海外でもベトナム戦争があったり他にも色々…混沌としてますね)
忘れられ葬り去れらていく怪異や妖怪が描かれたり、人間に住処を追われた生き物の物語があったり。
とはいえ同年にアニメ版ゲゲゲの鬼太郎第一作目も放送開始ですし、妖怪に憧れる時代だったかも知れませんね。

「呪いの幽霊船」では、願いが叶えば魂を捧げるという約束に従いおじいさんは帰らぬ人となるのですが、これには人智の及ばない存在に対する畏敬の念を感じます。
逆に「鉄塔の鬼火」では鉄塔の下に置き去りにされた亡者の恨みや怒りを人間は知っていながら葬り去ってしまいました。「恐怖の黒影島」では、人魚のふりをさせられていた少女は妖怪の世界から解放され、人間の世界に帰ります。
他にも色々なお話がありますが、基本的に妖怪や怪異は消え去り、人間の社会に何か影響を与えることはありません。

皮肉なのはベム達三人は葬り去られる側であること。人間に味方しながら妖怪でもある彼らは孤立してもいるわけですね。
三人の絆は強く、明確に家族の関係性を意識した描き方がされています。
ベムとベラはベロをいつも見守り、手に負えないと思えば助けに入り、ベロが大きな間違いをしても、それを理解して謝れば二人は笑って許します。
子どもならベロに、大人ならベムかベラに感情移入できる点も本作の大きな魅力。妖怪人間である彼らに人間的だなんて言うと不思議な感じがしますど、それ以外に言い表しようがないんですよね。

本作のお話は非力な人たち(女性や子どもが多いかな)が怪異に悩まされ、見かねたベム、ベラ、ベロが彼らを助ける展開が基本。登場する子どもたちはベロと仲良くなっていくのですが、個性的で可愛らしくて和みます。
でも最終的にベロが良い友達として別れられるかどうか、三人が気持ちよく旅立てるかは別。
特に「すすり泣く鬼婆」はベロにとっては辛い話でしたが、恐ろしい目に遭った母子を責めることは出来ません。

そのため妖怪人間たちは板挟みとなり悩むことになる。特にベラとベロは顕著です。
ベラは序盤で人間になれない苛立ちをベムに諫められるシーンがありますし、女性特有の苛烈さも時には見せる。ベロは家族とも呼べる仲間はいても友達が居なくて寂しがり、人間に疎まれれば酷く傷つく。
彼らの人間味溢れるキャラクターにとても共感します。

もちろんすべての人間に嫌われるわけではなく、妖怪人間たちには救いもあります。
「怨みの髪の毛」で出会った姉妹とは、正体を隠したままではありますが穏やかに別れることができました。また「ベロを呼ぶ幽霊」で三人の正義の心を理解してくれる占い師の老婆もいました。けれども彼女は三人に感謝しながらも、街の人達に三人が誤解されてしまうだろうと街を離れることを強く勧めるのです。

そして、そのお話の後にあの最終回というのが何とも言えないですよね…。
生きた人間の体を乗っ取れば自分たちは人間になれるけれども、罪のない人を犠牲にすれば正義の心は失われ、人間には見えない悪を倒す力も失うことになる。時に癇癪を起こすほど人間になることを望んでいたベラさえ、妖怪人間のままでいることを何も言わず受け入れるのです。
ただベロに対してだけは人間になる機会を得て欲しいという様子でした。それをベムは理性的に押しとどめる。
二人の母性と父性が明確に表れたシーンで好きでした。

最後には、人智を超えた存在を受け入れない警察の手によって、火を放たれた屋敷の中で三人は消息不明となる。ですが「命とは魂だ」という言葉を信じて、三人は消え去ったわけではないと思いたいですね。ラストのナレーションからも、視聴者に対して希望を残しておきたいという制作側の気持ちが見て取れました。{/netabare}


古いアニメに抵抗のない人にはぜひおすすめしたい作品です。
妖怪人間たちの生き様と業の深さ、人間の温かさや醜さを淡々と突きつけてくるのが印象的でした。これを子ども向けとして制作した(できた)ことが最も時代を感じる部分かもしれません。(2018.5.24)



地元のレンタル店で借りたDVDで第5、8、15話、パートⅡのパイロット版を視聴。{netabare}

【第5、8、15話】
どれも良かったと思います。一番好きなのは「吸血鬼の寺」かな。ラストで囚人がベムに明るく「坊や。君は人間かい?」と聞いて笑って刑務所へ戻っていくシーンが好き。
理解し合って仲良くなれそうな人が登場したことが本作の悲劇性をさらに強めています。

【パートⅡ】
1982年制作のパートⅡのパイロット版の2話分(「血をむすぶ楡の木」「雪降る町の妖鬼」)について。

物語は妖怪人間たちだけでなく人間側のドラマも濃くなっていて、教訓めいた台詞も多くなった印象。
作画は80年代らしい美しい背景と、見やすく丁寧な画面作りが印象的。パイロット版だからか効果音や音楽の使い方に若干違和感もありますが、内容はテレビ放送できる完成度でした。
ちょっと勿体ないのがホラー演出が影を潜めてしまった点。
ですが代わりにドラマパートにはかなり尺を割いていて、一話分としてはかなりのボリューム。
アクションも洗練されてます。当然といえば当然だけどね。

68年版との大きな違いは二つ。
一つ目は舞台設定。68年版は無国籍だったのに対し、パートⅡは19世紀半ばから20世紀のヨーロッパ北部の物語と設定され、全体的に世界名作劇場のような雰囲気になったこと。
二つ目は妖怪人間たちも敵となる邪悪な妖怪も、より深く人間社会に潜り込んでいること。ベムとベラが人間社会に溶け込むために苦労する描写もあります。
とはいえ、脚本家と声優さんは続投なのでテイストは十分残っています。26話全部制作されていたら、時代性をどのように反映したかとても興味があります。

キャラクターデザインが柔和(3本指はそのまま)になり、声優さんたちの演技もそれに合わせてだいぶ変わっている感じ。イメージはベムはそのままで、ベロはストレートに可愛くなっています。
ベラはやっぱり美人だけど、スカートにスリットが入りました!戦いの中で髪がほどける演出などもあって。なんかもう可愛いなおいw
68年版のベラはグラマーで苛烈な美人、こちらはスレンダーで優雅な美人という印象。2006年版も観ていますが、そっちも好き。いずれにせよお母さんポジなんだけどw{/netabare}
(2018.5.28)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23

ぱっつあん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

早く人間になりた~~い!!

おどろおどろしい奇怪なナレーションから始まるオープニング・・・その後耳を覆いたくなる悪魔の叫び声!!ぎゃぁあ~ぁあ~~
これ程恐怖感のあるアニメは他にない、大男(ベム)と口の裂けた女(ベラ)、主人公である全身タイツの少年(ベロ)が1日も早く人間になるため人間に対して良心に問いかける行動をするが、妖怪なので怖がられたり、相手にされない自虐的ストーリー。最終話では人間になれたか、妖怪のまま死んでしまったのか曖昧のまま終わってしまいます。これはテレビ局の都合で終わってしまったので、作者は続編を放送するためにこのエンディングにしたそうです。早く続編がみた~~いww

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

人間を醜いと 子ども心にも初めて感じた作品

何度も再放送していたおかげで、すっかり主題歌を覚えてしまったけど、
最終回、彼らが無事人間になれたのかどうかを
まったく覚えていないのでした。

気になって調べたところ、次回作に持ち込むために
作者はあえて曖昧なまま終わらせたんだって。そうだったのか~

いまだに妖怪モノが好きな自分にとって、おそらくこのアニメが
一番最初の妖怪アニメだったと思います。
ほぼ同じ時期に「ゲゲゲの鬼太郎」も度々再放送してたけれど、
妖しげな音楽とともに、異国情緒のある洋館やおしゃれな車が登場する
こちらの作品のほうが好みでした。

しかし妖怪といっても、ベム、ベラ、ベロの3人は人造人間であり
昔ながらにいる妖怪たちとは別物なんですよね。

「早く人間になりたい・・」と強い希望を持ち、
人間に対して善意100%で向き合い、信じ、
人々を苦しめる悪者をやっつけるのに、外見の恐ろしさのあまり、
多くの人間達から迫害を受けてしまう彼らが不憫でなりませんでした。

見かけはどうあれ、美しい心を持っている彼らが、
エゴ丸出しで愚かな人間たちを見てもなお、
どうして人間になりたがるのか、子ども心にも不思議でしたが、
時々やさしい人間とも出逢い、友情を築けたりすると
つい信じたくなってしまってたのかもしれないですね。

で、観ている当時の自分も、彼らの友達になりたくて仕方なかった・・
「自分なら彼らといいお友達になれる!彼らのことをわかってあげられる」

今、これ綴りながら、そう思ってたことを思い出しましたw

そうか、そうだったんだよな・・・やっぱり。

でもこの作品、大人になって観てみると
人間社会への風刺とか、道徳的なこととか、家族愛とか、
けっこういろんなメッセージが込められてたことに気づきます。

だからやめられないんですよねぇ・・古い作品の発掘^^;

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

62.6 22 怖いアニメランキング22位
菜なれ花なれ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (78)
232人が棚に入れました
「応援したいって気持ち…どこから湧いてくるんだろう?」 チアリーディング全国大会連覇を目指す名門、鷹ノ咲高校。1年生ながらにAチームを勝ちとった全中大会優勝経験者、美空かなたは大会中のミスがきっかけで飛べなくなってしまう。 そんなある日、かなたの目に飛び込んできたのは、電車と並んでビルからビルへと飛び移るパルクール女子高生、小父内涼葉だった。 かなたと涼葉に新体操お嬢様・詩音。ブラジルからの帰国子女・杏那。杏那のクラスメイト、ヨガ哲学女子・穏花。そしてかなたの元チームメイト、車いす女子の恵深。 趣味も特技も性格もバラバラなメンバーが歌ったり、ぶつかったり、スタンツしたり、妄想したり…。 応援したいって純粋な気持ちが揃う時、PoMPoMs(ポンポンズ)の応援はチアリーディングの枠を超えて人の心に伝わっていく。群馬の女子高生6人の応援が、世界をちょっとだけ変える…のかも?
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

4話 1クールアニメでサブに焦点を当てる必要なし。どうせテンプレだし。

1話 だるまとCG、色彩に気がとられて、キャラと話が入ってこなかった。

{netabare} 無理に高崎ご当地にする必要もないと思いますが、だるまから始まりました。 群馬にする必要があるのかないのか。これは本作のみならずアニメ全体への問いかけが必要でしょう。京アニがやっていたのはリアリティを出す工夫・演出の延長だったと思いますし非常に効果的でした。先にご当地ありきだと逆効果にならないか…ですね。

 画面を見て驚くのは、その色彩感覚です。女子の髪の裏の色は「おにまい」みたいな感じで、輪郭線がかなり細めです。肌の色にピンクや黄色を時々使っていました。そこにあの黄色い子が出てくるのでさらに色彩を感じます。
 そして背景の色がかなりビビッドです。塀や壁、道路なども色を多用しています。樹木は実写加工のような感じでイラストっぽい雰囲気です。褒めたらいいのか、色がうるさくて画面に集中できないかギリギリのラインです。「おにまい」のような画面全体の調和があまり感じられない気もします。

 そのくせ冒頭のチアリーディングのシーンはなんかのっぺいりした質感のCGでした。技術的に進化したなあと思いますが、他のシーンとのギャップに違和感をかなり感じました。

 というようにだるまのインパクトとチア・通常パートのギャップ、色彩が気になってしまいました。1話としてはどうなんでしょうね?そっちに気を取られて話とキャラに入り込めませんでした。

 話はよくあるスポコンか友情ものかわかりませんが、女子部活ものですね。冒頭失敗から入るのは構成的に「ユーフォ」を連想させます。
 目新しいのは病気の友達がいることですが「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を思い出します。同じ展開・結末にはならないことを祈ります。

 期待外れ…の匂いもしてきますが、数話チェックしたいと思います。{/netabare}


2話 女子スポコン部活感動系。安易な感動ものの予感もありますが、エンタメとしては成立しています。

{netabare} 女子だけスポコン部活系の作品で、Vチューバーとか他校を絡めてきて物語を作っている感じです。中心になるのがヒロインのかなたの症状ですね。

 この作品も数多の例の通り教師が出てこない不自然さはありますが、部活ものの作劇としてはそこは目を瞑るべきなんでしょう。

 
 ただ、セレクションにおいて、先輩の立ち場の人が後輩に辞退を強要するという部分はちょっとなあと思います。その理由が「謝れ」ということですね。普通、後輩が大会でミスした場合の態度ではないと思います。むしろ先輩がフォローできなかったことを謝るならわかりますけど。かなたの側に甘えがあったとか言う話なんでしょうか。だとしてもそのかなたを選んだのは誰だ?という話です。

 先輩たちがチア部を立ち上げて、教師が介入できないというストーリーなのかもしれませんが、かなたの症状はイップスですよね?極限状況でパルクール的には飛べたけどチアのときにはできないということのようですし。この状況で先輩が追い詰めるのは最悪です。ここの展開はどうするんでしょうね?

 イップスで心に問題があるという認識はメガネ先輩にもあるし月1通院で見学も禁止ということは精神科医にもかかっているのかな?だとするとなぜ先輩の判断でセレクションに出させたのでしょう?教師にも医者にも相談しないで?大事故の可能性がありますが、そのメガネ先輩の意図がよくわかりませんでした。
 それにツインテール先輩もそれを知っているなら謝れより、近づくな、練習するなが先だと思うのですが…謝ると症状が軽くなるとか?

 話的にはちょっと「ツルネ」の流れにも似ているかな?まあ、先輩2人の言動に共感できない、よくわからない部分もありますが、一応キャピキャピだけでない物語も作っているみたいですね。あの黄色いユーチューバーがちょっと邪魔な気もします。単純な感動ものに収れんする気もしますし、病気の子の行く末を安易に死にする可能性もまだ捨てきれませんけど。

 まあ、アラはいっぱいあるでしょうけどエンタメとしては成立しているので、もうちょっと見たいですね。上手く深みが出るといいんですけど。{/netabare}


3話 イヤイヤイヤイヤ…物語として成立してないでしょ?文字通りの茶番劇。

{netabare} もう飛べるんかい!!!としか言いようがないです。ひどすぎます。どうなんでしょう?こんな始まりにするなら、イップス設定なんてそもそもいらないよね?という話です。イップスは完治は難しいって制作者は自分で分かっているのになんなんでしょうか?茶番劇という古の言葉が思い浮かんでしまいました。

 これはいくらなんでもひどい脚本です。たまにはこういう美少女ものも肯定的に見てみようかな、と思ったらこれですよ。奇跡的に治るという話だとしても、それはたった3話じゃないですよね?しかも、キャラ紹介盛沢山で物語はさあこれからだという段階で?

 当然、視聴は中断しますが、これはひどい。今までみたアニメの中でも最悪の部類です。
 本当は6話くらい見ないと評価つけないのですが、キャラとストーリーは1にします。本当はオール1にしたいですけど、作画とか声優さんは悪くないので。 {/netabare}


3話修正 ちょっと考え直してやっぱり見ます。「菜」とは「野」のこと?

{netabare} いきなりイップス設定をあざ笑うかのようにかなたが飛べてしまったことに腹を立てましたが、ちょっと話の意味を考えました。

 妄想に近い思い付きなんですけど、題名の「花なれ」は当然綺麗に咲き誇る、つまり成功のイメージです。ですが「菜なれ」は?つまり彼女たちは「菜」なんでしょうけど「菜」って何だろう?ということです。本来は食べられる植物の意味ですがやっぱり「菜の花」でしょう。彼女たちの黄色いユニフォームですよね。

 これって、学校あるいは競技では飛べなくなったのは治らないけど、競技が関係ないところだと飛べるという意味でイップスかなあと思うと、要するに「菜」は「野」、つまり在野というか自由な場所なら飛べるという意味かなあと思いました。
 その点でパルクールですよね。つまり、重力からの解放、自由に飛び回るイメージでしょう。涼葉の超内向的な性格造形も「花なれ」に繋がってくるのかなあ、と。それで、杏那のユーチューバー設定が役にたってくる気がしてきました。制服が皆バラバラなのもそういうイメージに繋がりますし。

 つまり「夜のクラゲ」と全く同じ構造のスタートでは?と思います。その点で「夜のクラゲ」が後半で失敗したストーリーをこの作品は上手くやれるのか?という興味がひょっとしたら出るかもしれません。

 ただ、現在の菜の花は栽培種です。ですが野生の菜の花も実際ありますから、その辺で何か意味付けがある気がします。それに本当は千葉県の県花ですからその辺はまだまだ分かりません。群馬県に有名な菜の花畑があるみたいですけど。まあ、この辺の細かい菜の花云々は言っているほど気にしてません。

 かなたが学校の競技に復活するならその時点で辞めますが、多分退部の流れかなあという気もします。そういう方向性なら、ちょっと見たい気もしてきました。

 評価もオール3に戻しておきます。{/netabare}


4話 1クールアニメでサブに焦点を当てる必要なし。どうせテンプレだし。

 アニメ制作者はキャラの深堀りを主要メンバー全員でしないと話が作れないという病にでもかかっているのでしょうか。明確に主役級の1、2人でやれば十分なのに。2クールなら別ですがこんなありきたりなエピソードでは深掘りもできません。

 お店を畳むとか、畳まないとかテンプレの話を見せられてもなあ…まったく興味がわきませんでした。

 監督・シリーズ構成が柿本広大さんという方で「BanG Dream」というアイドルものをシリーズで手掛けたため、そっちの作劇に慣れてしまったせいかもしれませんけど。ですので、アイドル系のアニメが好きな人にはサブの深堀りは支持されるかもしれません。

 ただ、私としてはゲーム連動でないのであれば、サブキャラの深堀りなど必要ないと思います。主軸をもっと描くべきです。「響け!ユーフォニアム」の1期が優れていたのは、この焦点の当て方が明確だったからです。サブは演技・演出で性格も背景もわからせていました。

 思い立って再視聴しましたが、やっぱりやめておきます。4話ははっきり時間の無駄でした。

 一ついいのが、作画でレコードプレイヤーのターンテーブルがちゃんと逆走して見えるのはこだわりがあってよかったです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

グンマー共和国ではこれが普通です!何でつるんでいるのか良く分からない女子高生達の群像劇?

 最終話(12話)まで観ました。2024.09.26

 ポンポンズは最後まで求心力に欠けたチームでした。そして、あっさりと解散してしまいます。結局、寄せ集めの烏合の衆なんですね。別に解散しても誰も何も感じでいない様です。

 動画アップ集団から応援したい心をもった人間の集団へと変化したのですが、最後まで何でやっているのか説得力がありませんでした。

 言い出しっぺのブラジリアンなんて、レコード店の繁盛とYouTube以外に興味なさそうなのに、ちょっとギスった後はポンポンズの路線変更に疑問を抱かないし、美空かなたにチームを乗っ取られているのに、何も感じ無いのか?

 取り敢えず、みんな跳べる様になって良かったね!美空かなたとマリ先輩はイップスから完全復活して部活に復帰出来ました。後のメンバーは適当に自分の道へ進んだ様です。

 最後まで何が言いたいのか良く分からないお話でした。キャラはとても可愛いくて良かったのですが、脚本がなぁ…。チアリーディング部関係以外の登場人物に人間味と合理的な発想が欠如しています。

 今までのPAワークスの作品でも、ここまで人間関係が希薄なチームって無かったのでは?野良チームでは部活の鋼の人間関係には勝てないってこと?

 何か釈然としない感じなのはとても残念でした。そして群馬のクララこと海音寺恵深は、まだ歩けるようになりません。もう、大検でえ〜やん…。

……………………………………………………………………… 

 11話まで観ました。2024.09.17

 あと1話で最終回なのに、10話から美空かなたの部活のパイセンのエピソードがスタートします。

 そして、桐島、部活やめるってよ的な展開に…。ポンポンズの他のメンバーにはどうでも良い話な上に、特にメインキャラでも無い先輩の掘り下げに視聴者も困惑するという…。

 野良チアチームのポンポンズと全日本に出られる位の強豪校のチアチームとの相性がとにかく良くありません。

 属性や方向性の異なるキャラで溢れており、視点もアチコチに飛ぶので、物語に求心力が欠如しています。もう少し、メインキャラを整理した方が良かった感じがします。ラスト、美空かなたが翔んで有耶無耶にしそうです。

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 9話まで観ました。2024.09.04

 7話で主人公のポンポンズ達は、高校野球の応援合戦に参加することに。

 まぁ、これは良いのですが、メインキャラ6人のベクトルがバラバラ…。高校も違うし、個人の属性差が如実に可視化されます。

 烏合の衆か?色々ぶっ込み過ぎです。さらに、これで人気が出て、応援の依頼が増えて、方向性の違いからギスギスに…。

 9話で何とか解決しましたが、なんで?と疑問がつきまといます。

 ポンポンズは、YouTubeに動画アップという、あやふやな目的でやってる上に、構成員の6人が、あくまで3組のペアの関係でしか無いので、何か起っても、着地点が分かりづらいです。

美空かなた(主人公)
海音寺恵深(車椅子)

小父内涼葉(パルクール)
谷崎詩音(お嬢)

杏那(ブラジル人)
大谷穏花(印度哲学)

 この組み合わせで人間関係が閉じているんですよね。そのため、集団としての求心力が欠如しています。

 チアとか青春、友情云々で盛り上げるより、あくまで群馬県が主役のアニメなんじゃ?と思い始めている今日この頃です。

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 6話まで観ました。2024.08.13

 人間集団を描くための小道具として、YouTubeを便利に使いすぎです。

 幼馴染でも高校が同じでも無い女子高校生が徒党を組んで活動するなど、あり得ません。

 登場人物達に集団を形成させるのにはいくつか方法がありますが、基本的に学校の部活や冒険者ギルド等を一枚噛ませています。

 10年前位に量産されたラノベ系アニメが学園都市とか学園要塞等に所属する学徒兵みたいな登場人物達が多く、運命共同体的な学校が舞台だったのも、目的を共有した人間集団を描きやすくするためでした。

 現在量産されているナーロッパものも、ギルドが無い作品が少ない位です。主人公達と他者を、関係させるには、組織があるとやりやすいです。

 デスゲームものも、登場人物が全員巻き込まれるので、学校ものに近いかもしれません。

 そして、昨今の流行りは、YouTube動画の配信のために集まった人間集団です。

 本作品も、主人公達が学校とかに属していない野良チアリーディングチームを作って、他人を応援する活動をするのですが、よくよく考えると、異常行動を行う変人集団でしかありません。

 しかし、動画配信のためだとすると、何となくあり得る様な気になります。

 ただ、やっぱり思春期で自意識過剰の女子高校生が人生で一番楽しい時期を使ってこんな事やるか?と、疑問には感じます。主人公達のやってることは迷惑系ユーチューバーと紙一重な感じもします。

 登場人物達は可愛いのですが、やっぱり、徒党を組んでいることの意味付けが甘いので、物語の進展に違和感を感じます。動画配信もレッドオーシャンでそんなに金にならないと聞きますし…。

 素直にチアリーディング青春ものにしておいたら良かった様な気がします。

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 3話まで観ました。2024.07.25

 主人公復活!イップスは治んね〜とか言ってたのに、あまり引きずりませんでした。

 親友は病気で車椅子になってしまっただけで、別に事故は関係無かった様です。主人公は単なる自分のミスでイップスになり、雑に復活しました。

 ワイのせいで親友に一生もんの怪我を負わせてしまった…からのイップスという話では無かった様です。流し見はいかんですね。勘違いしていました。

 言い訳をいたしますと、主要メンバーが6人もおり、それぞれ学校も違うので、良く関係性が分からないうちにバンバン物語が進んでしまうのが悪いんです。

 それはさておき、何となく強引に6人でチアリーディングをやることになった様です。

 チアリーディングを動画配信してどうするの?とか思ってはいけない様です。指導者とかもいないまま、命懸けで飛んだり跳ねたりする激しい野良チアリーディングが成立するのか疑問ですが、今後の展開に期待大です。

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 2話まで観ました。2024.07.16

 グンマー共和国の誇るビッグシティ高崎の高校生達がチアリーディングやる話かと思ったら違う様です。チアリーディングの試合をやっただけで高崎は関係無い…?

 可愛い女子高生達が沢山出てきますが、みんな身体能力が高いです。

 主人公は、チアリーディング競技中の事故で友人が下半身不随になっため、心に傷を負い、飛べなくなってしまいました。結構深刻な設定ですね。

 で、それとは関係無くパルクールやっている女子高校生と絡んでいく様です。おぉ!NINJAガール!真田十勇士みたいな女子です。金髪女子高生YouTuberも出てきたぞ?

 主人公達は、部活に関係無く、野良チアリーディングチームでも作るのかな?

 アクションシーンはまぁまぁなので、今後の展開に期待です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

帰る場所

ほとんど女の子しか出てこないチアリーディングアニメ
大会で優勝目指すぞっていうスポ魂よりもチアリーディングで応援することを中心にストーリーを描いたのは思っていたのと違うけどこれはこれで良かった

絵がSHIROBAKOに似てる
作画はいいけど色使いの問題か、線の色が薄いからか、キャラが背景と一体化しちゃっていてちょっと見づらい

かなたとかポンポンズのメンバーが何をしたいのかふわっとしてるので、物語の軸がよくわからず、ただぼーっと女の子達の青春を眺めるだけになってるのはもったいない
5人が集まった経緯を丁寧に描いたほうがいいかな?

女の子達の仕草や掛け合いがあざとすぎるのはちょっと気になった

話の流れは不自然だし説明も足りないけどキャラクターは可愛いし明るいのでキャラクターのやり取りを楽しむのがいいと思います

面白かった

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

55.5 23 怖いアニメランキング23位
ひとりぼっちの異世界攻略(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★☆☆ 2.5 (39)
164人が棚に入れました
高校生活を“ぼっち”で過ごしていた遥は、授業中に突然クラスメイトと共に異世界召喚に巻き込まれてしまう。 チートスキルが並ぶリストから好きなスキルを選んで神様から与えられる――はずが、チートスキルは早い者勝ちで既にめぼしいものはクラスメイトに取り尽くされていた!? 神様の逆ギレで残ったバッドスキルを全て押し付けられた遥は、スキル『ぼっち』のせいで、異世界でも孤独に冒険することに……。 チートに頼らず、チートを超えてやる―― 最強”ぼっち”の異世界HARDモード攻略譚、開幕!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

主人公が良い子なのはもういいです。初期設定の期待を活かせませんでした。

 4話まで見ました。初期設定では上手くいけば…という期待がありました。クラスの階層別にキャラ付けしたり、はずれのスキルを上手く組み合わせるという感じ、そしてタイトルのひとりぼっち。

 ただ、その期待を全部裏切ってきましたね。ぜんぜん主人公がぼっちの性格造形じゃないですね。心の底から一人になりたい感じがないです。クラスでぼっちだったからクラスメイトに対してネガティブな印象や恨みがあるとか、一人になりたいけどサバイバルのために女子とかかわる、取引する…みたいな感じが全然ありません。そして残りのスキルというのが苦労の上でスキルを組み合わせて…という工夫じゃなくて、俺TUEEEにするための設定でした。

 クラスメイトの女子たちはもう委員長+モブの構造になってしまいました。そして、せっかくのクラスの深堀りをする前に異世界の人を助ける展開。いいところを全部自分でつぶしてきた感じですね。男たちにかろうじて期待が残りますけどね。

 そして、何より最近鼻についている主人公が「良い子」であるということ。これが本当にどうしちゃったんだろうというくらい多いですね。そうなると話に深みが出ようがありません。人間から離れて記号になってしまいます。それも出来の悪い記号です。ハーレムならちょっと主人公がエロいところの描写ぐらい入れればいいのに、それすらないです。性欲があると主人公になれないんでしょうか?これも「良い子」現象ですよね。

 ここで中断かなと思います。作画も悪くないし、委員長はデザインだけは可愛いし、発想やキャラの初期設定は良かったと思います。それが活かせませんでしたね。





1話 EDの女子たちが1枚絵でキャラ付けを感じ、期待感がでた。

{netabare} ずっと独り言でしたね。題名から言って仕方ないですけどね。異世界転生ものがファンタジーゲームの派生ジャンルだとすると仲間が出来るまではこんな感じでしょう。

 もちろんテンプレすぎて1度は半分で即切りしたんですけど、考えてみるとアニメーションが結構丁寧なんですよね。なかなか綺麗です。それで最後まで見てみました。EDですね。ここの女子たちが1枚絵なのに結構キャラ付けを感じました。これは結構珍しい気がします。

 うーん…まあ、どうせ毎期異世界に何本も挑戦しては玉砕しているので、頭を空っぽにして挑戦してみましょうか…と思い視聴してみます。{/netabare}


2話 マンネリは脱せず。あと5年早ければ…グループに人格を付与したのが面白い。

「ありふれた職業で…」と同系統で、ギャグよりでしょうか。ひとりぼっちライフだけど、クラスメイトが絡んでくる感じですね。
「どうぶつの森」みたいな家づくりはありましたが、あまり詳細な説明がないので、スローライフとか家づくり、街づくりの要素があるのかわかりません。

 サブ、モブキャラは、ギャルとかオタクとか不良とかグループ化して、個人というよりカーストのグループの位置づけに疑似的に人格を付与している感じで、メインヒロインと思われる委員長も職名がそのまま名前になっているのが作品作りとして面白い発想かもしれません。「クラス」というイメージに合っている気がします。

 作画は非常に丁寧で、OPの凝り方からそれほど安っぽい扱いの作品ではなさそうです。最近の超メジャー以外の異世界ものの中では相当いい方だと思います。

 ただ、やっぱりテンプレ感はぬぐえません。たとえば「転スラ」直後の2019年あたりで本作が出ていたら「面白い!」という評価になった可能性はあります。いいんですけど、5年分のマンネリを埋めるものはない気がします。

 もう数話みて、不良(+田中)VS委員長?オタク?と、ギャルを使役してどうなるかは見てみたいですね。






 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

スクールカーストアニメかと思いきや異世界ハーレムて感じかな

いわゆるスクールカーストな感じの異世界作品といった印象で、そういう意味では現在3期が放送されているありふれた職業で世界最強や異世界作品ではないものの、よう実とかを思い浮かべますが、本作の主人公はその二作の主人公と比べると情けない感じ。それはそれで親しみやすさを出しているのかなと思うけど、話が進むごとにスクールカースト上位の女子達とかに慕われていったりと異世界ハーレム物になっていってつまらなくはないのですが、新鮮さに欠ける印象でした。

いわゆるどん底に落ちて這い上がるものでもないし、なんか知らないけど、バットステータス盛り盛りのはずなのに無双してしまうところもよくわかんなくてそれゆえに爽快感はあんまりなく、虫の良すぎる話感が半端なくて見ててあまり良い気がしなかったかなと。

委員長は良い子で良きでした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

Dave さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

作者の人生の薄さが顕れているよう

不良が嫌い(怖い)、ギャルはバカ、スポーツ男子は「脳筋」、オタクを下に見て…自分は大した能力もないボッチ。なのにオタクに対して上から目線で話す主人公は、自分が仲間さえいないオタクの下位互換ということを理解できていない中二病。

なんだか作者の人生観がダダ洩れになっているようでキツイです。人間の多面性とか葛藤とか努力とか、そういう世の中の厚みとか人生の深みはそれを経験したことのない作者には描きようがない、ということかなと。

これ以上面白くなりようがなさそうなので、2話で撤退。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

54.9 24 怖いアニメランキング24位
ミヨリの森(OVA)

2007年8月25日
★★★★☆ 3.2 (37)
133人が棚に入れました
不仲な両親の間で育ったミヨリ(11歳)。そのせいか空想癖があり、いつも心を閉ざして他人との関係を
ずっと否定してきた意地っ張りな少女だった。母は男をつくって家を出て行き、ミヨリを一人で育てることに
不安を感じた父は、ミヨリを祖母の住む田舎に預ける。
祖母の家に着いた早々にミヨリは近くの森に散歩に出かける。ミヨリは何もない森の中で強い孤独を感じていた。
しかしその森で数々の不思議な出来事に遭遇し、やがて森の精霊たちがミヨリの前に姿を現しだす。

声優・キャラクター
蒼井優、天野ひろゆき、市原悦子、元ちとせ、高島彩、松尾翠、伊藤利尋、吉崎典子、佐々木恭子、辻親八
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ここに居たいと思える場所

最初に言うとこれは子供向け、児童向けです。
それを念頭に入れておかないとダメですね。
実は皮肉が込められているとか、奥深いテーマがあるとかそんなことはなく、とても素直な作品。

そのため僕は受け入れるまで時間がかかりました。
「なんだこれ面白くないじゃん!」・・と思いつつ、一時間くらい見続けていたらやっと面白みを感じられるようになりました。
素直な心がない人には忍耐が必要かもしれません。

でも最後まで見ると満足感ありました。
(100分超もあれば愛着もわくってもんですが)



あらすじは・・
両親の不仲をきっかけとして、幼少期を過ごした祖父母の田舎に預けられた主人公の少女ミヨリ。
森に住む精霊たちや村に住む子供たちとの交流を通じて、ミヨリは成長していく。


僕が最近観た作品としては『ももへの手紙』や『思い出のマーニー』の導入に近いと感じました。
しかしそれらと比較すると(テレビスペシャルということもあるかな?)質が低いように思います。
作画はのっぺりしてるし、キャストは俳優が多いので拙いし、話も淡々として盛り上がりに欠けるし・・。途中で止めようかと思いました。

まあ、そう思いつつも見ていたんです。
すると、段々と慣れてきたというか面白くなってきました。
作画案外イケるよな、蒼井優の声可愛いな、みたいな具合に。


物語はミヨリが田舎に馴染んできてから動き出します。

嫌々田舎で過ごしていたミヨリが少しずつ田舎を好きになっていく。
そこで生きている精霊や人間との付き合いが増え結び付きが強くなっていく。

そうして、今まで感じなかった想いが芽生えます。
{netabare}
自分の意志で選んでここに居たい、ここを守りたいと思う心。
受け身で自身の殻に閉じ籠っていたミヨリに初めて生まれた自我の心。
{/netabare}

後半はミヨリ役の蒼井優さんの演技がイキイキとしてきて、BGMも合わせてドラマチックに響き、高揚感を高めてくれます。

ミヨリが前半と打って変わって積極的に、頼もしい女の子になっているのも見ていて感慨深いです。
そう考えると長い時間かけてミヨリの変化を描いていたのにも意味があったのだと思えますね。
蒼井優さんの演技に関しても、そうした効果を狙ってのものだったのかな?って思います。


田舎っていいよね、とか。
人のせいにしてばかりじゃいけないよ、とか。
悪いことするとバチが当たるよ、とか。
そんな言葉も浮かびましたが一番はタイトルのようなメッセージです。
「私はここに居たい、ここで生きたいんだ!」と思える居場所を見つけられることって幸せだと思いました。


ミヨリのように、素直な心で接して見てあげてほしい作品ですね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

ねるる さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

孤独な少女と森の精霊たちとの交流と成長を描くジブリ風作品

原作漫画未読。
フジテレビ夏休み特別企画として放送された作品。2007年制作。放送時間140分

~あらすじ~
不仲な両親の間に育ち、どこか冷めたような心を持つ主人公ミヨリは、ある日父親の実家である田舎へ預けられる。家の周りにある森には精霊たちが住み、ミヨリは不思議な体験をしていくこととなる。森に住む精霊達とのつながりで孤独な少女が成長していくお話。

ジブリ作品の美術監督を務めた山本二三監督作品ということで、格別に美しい作画を堪能出来ました。

作画は抜群に良いですが、物語は少し幼稚。児童向け文学作品のようなストーリーで、小学生にはおすすめですが、大人が見るには深みが足りませんでした。もう少しミヨリが森に選ばれる理由や能力を深堀して欲しいし、周りの人間や森の精霊達と交流を深めて仲良くなるような、歩み寄るような描写も増やさないと物語が響いてこない。

一番の残念ポイントはキャラクターの魅力の無さ。
主人公ミヨリは、勝気で意地っ張りで思いやりに欠ける子。応援したくなるような気持ちになれない、可愛げのない子で残念でした。育った環境、両親にも問題はあるけど、もう少し可愛げがあっても良かったのかなと思う。

声をあててる俳優陣が上手くないのも残念。
ミヨリの声を演じる蒼井優さんも、ペンギン・ハイウェイの時はそんなに下手に感じませんでしたが、今作は素人感が強い。キャラクターの気の強さだけが悪目立ちしているような演技で残念でした。祖母役の市原悦子さんも、別撮りしたかのような声浮きが気になりました。空気感が1人だけ違う感じがした。

物語の舞台設定、作画は良かったけれど、所々に残念さを感じる作品でした。もっと面白いと思って見たんだけどな、ちょっと期待ハズレでした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

61.1 25 怖いアニメランキング25位
注文の多い料理店(アニメ映画)

1993年8月3日
★★★★☆ 3.2 (20)
125人が棚に入れました
 童話作家・宮沢賢治の同題作品をおよそ20分弱の短編アニメ化。アニメーション作家・岡本忠成が5年の歳月をかけて製作し、その途中で急逝したため、美術作家の川本喜八郎らが岡本の意思を継いで完成に至らせた。 猟に出たのはいいが、山奥で道に迷ってしまった二人のハンター。霧の中、二人は「山猫軒」という西洋料理店にたどりつく。これで一息つけると安堵した二人だが、店内に入るや「身なりをきれいにしてください」や「銃と弾をおいてください」などの細かい注文を次々と要求されることに。さらには「牛乳のクリームを体に塗ってほしい」と注文される二人だったが。 本作は全編を通じて絵画を思わせる陰影の濃密なアニメーション映像を創造。文化庁優秀映画作品賞をはじめ多くの賞を獲得している。その作画には奥山玲子や泰泉寺博ら古参のアニメーターが多数参加した。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

世にも奇妙な物語

アニメーション作家・岡本忠成氏が5年の月日をかけて制作し、
その途中で急逝されたため、美術作家の川本喜八郎氏が
意思を継いで完成させたという作品。

全体通して、コーヒーブラウン系の落ち着いた色合いの
色鉛筆画のような繊細なタッチの作画のせいか、
読んでいた絵本の中の挿絵が動き出したような感覚がある。

物語は、原作である宮澤賢治の童話『注文の多い料理店』そのもの。

山の中の林へ迷い込んだ猟師2人が、
霧の中から現れた山猫亭という西洋料理店に入り、
誰にも会わないまま次々指示される通りに店内を進んで行くと、
衝撃的な事実を目の当たりにする、というホラーめいたお話なのだが、
セリフがないまま、ほぼ効果音と映像だけで進行していくので、
静まり返った誰もいない店の不気味さがすごく伝わってくる。

山林を吹き抜ける強い風の音、
薄くたなびく霧や静寂を打ち破る突然の鳥の鳴き声、
音程の狂ったアンティークの大きなオルゴール、
ほの暗い廊下や窓がひとつもない店内の閉塞感。
これから何かが起きるぞ的な期待感はバッチリ。

でも結果的には単純な話なので、期待しすぎは禁物。
この物語自体、結末までの演出を楽しむ作品だと思うので。
20分という短さはちょうど良かったのではないかと感じた。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36

大和撫子 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

身震いする恐怖が・・・

かの有名な宮沢賢治の作品を約20分のアニメ化した作品。

◆この作品の内容は・・・
山奥で狩りをしていた二人の男がとある料理店で恐怖を体験するホラーアニメです。

◆怖いです・・・
セリフは一切なし。
この演出と寂しいBGM、絵画調の作画がこの作品の雰囲気を薄暗く身震いするような怖さを引き出していました。
森の中での動物達の鳴き声・草木を踏む音・風が木を揺らす音などが山奥の寂しい雰囲気を良く表現し、霧の中から突如不気味な建物が現れます。
その建物に入った二人の男の運命は?
下手なホラーアニメよりよっぽど怖いかも・・・。
((((;゚Д゚)))ガクガクブルブルブル
夜中の3時頃などに視聴すると夢に出てきそうな作品ですね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14
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