たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.9
「否定」ではなく、「肯定」する生き方
ネタバレを極力避けて話したい。
25年前の庵野監督は明らかに「オタク」であることに対して「否定」的な立場から作品を作っていた。
アニメとか漫画とか映画とかゲームとかどうでもいいから、街に出てコミュ二ケーションしなさいと。。。
「書を捨てよ、町に出よう」ということである。
しかし、この25年間で社会は様変わりした。アニメを見ることに対しての偏見は愚か、アカデミー賞や歴代の興行収入を支えているのはアニメや漫画だし、ハリウッド製作の映画やドラマまでもが今やアニメや漫画の実写化がほとんどである。
そういった状況において、本作はそういった「多様的」な生き方を「肯定的」に捉えている。
僕の周りには本当にいろんな人間がいる。サッカーが好きな人間もいれば、ギターや音楽が好きな人もいるし、漫画でもキワモノが大好きな女性もいっぱい知っている。
はたまた、性に対してもゲイやバイセクシャルな人だっているだろうし、興味がない人だっているだろう。
そう、その全てが全て「存在」していいのである。
確かに、それぞれは言葉が通じなくお互いを傷つき合うかも知れない。
あるいは全く引き合うことすらないかもしれない。
しかし、そういう社会でお互い理解し合おうとすることがなにより大切なのだ。
それがこのシン・エヴァにとって、いや全人類にとって「大人」になる。ということであると「結論」が出ている。
確かに現実ではなく「理想論」に過ぎないが、それでも人はあの25年前に比べれば、偏見や差別と向き合う人が増えた。
そういう意味では「進歩」しているのである。
個人的には今回の「シン・エヴァ」のラストより、漫画版の「エヴァンゲリオン」の方が好きだが、そういったことはこの際どうでもいい。
庵野監督とこの作品を全力で作ったスタッフの皆さんに何よりの感謝と尊敬を。。あなた方の「伝えたい想い」は伝わりました。
お疲れ様です。そしてありがとう「エヴァンゲリオン」
人生においてここまで晴れ晴れした気持ちになったのは久しぶりでした。
追記
ラストのある「ゲスト声優」が時代を象徴していると思うし、
なにより今度の「シン・ウルトラマン」がまさにド王道の物語になることも必然だと思う。
良い意味で垢抜けた傑作になることを期待してます。