N0TT0N さんの感想・評価
3.5
視聴ルートと個人的適性。
【わたしのタイプと視聴ルート。】
前もって言っておくと、私にとってチャレンジ色の濃い視聴でした。
・普段見ないタイプの作品(恋愛強め)
・キャラデが好きな方ではない(少女漫画風?)
・普段は比較的情報を入れずに視聴するタイプだけど、今回沢山のレビューをじっくり(ネタバレ抜きで)読ませていただいてからの視聴。
3つ目は、どうやら劇場版とOVAが補完関係になっているらしいという構成を知って視聴順を決めるためやむなく‥というのが大きな理由。
先ず、そういうタイプのわたしが書いたレビューなのを前もって言っておきます。原作未読。
で、わたしが選んだ視聴ルートはというと、
OVA(3作品)→劇場版でした。情報比較の甲斐もあり、個人的にはこのルートで正解だったと思うのですが、さらに完璧を期すためには、「プレリュード(OVA)」→「劇場版中盤まで」→「レクイエム(OVA)」→「劇場版クライマックッス」、で、デザートに「OVAのラプソディー」。
これがN0TT0Nお薦めの視聴ルートですw
お試しあれ。
【軽く内容などについて。】
山とガールが、肉食と女子が、ゲスの極みと乙女が出会う遥か以前からまるで四文字熟語か慣用句かのように融合している『文学』と『少女』。
この飛行機雲のようにまっすぐなタイトルから、爽やかで、なにか清廉なイメージを勝手に持ってしまうのですが(キャラデも含めて)、結構、闇な部分を描いた作品だったと言えます。
宮沢賢治の文学作品をモチーフにしている点など文学関連のフィルターを通した表現が多いのですが、この作品の主題は「トラウマ×恋愛」だと思うので、爽やかとか癒される系の物語を、心掻き乱されることなく視たい人にはお薦めできません。要注意です。
ただ、文学少女こと天野遠子先輩の登場している時間帯、特に文芸部の部室シーンは別。逆光などの作画クオリティも手伝ってか、とてもいい感じの空間に仕上がってます。
ですが彼女、ほとんど物語に関わってこない。
この部分は上記の視聴ルートで多少改善されますが、物語を食べる彼女、そもそもこの物語の中での立ち位置も、この特異な設定と同じように読者であったのかもしれません。
ファンタジックな着地も読者目線と捉えればなんとなく合点がいきます。
てか、OVAプレリュードを視聴すると、このはと遠子先輩との出会いの意味が180度変わるエピソードが仕込まれています。
実はこの物語、遠子先輩の思惑がかなり‥‥ry
そして物語の主題「トラウマ」に関しても劇場版だけでは消化不良だったと思います。わたしが朝倉美羽というちょっとアレなキャラに高いリアリティを感じたのはOVAレクイエムのおかげだったと思ってます。
全体としては、リアルな葛藤に対してファンタジーな爽やかさを被せてくる演出がう~~ん‥でした。
空気感としては良い「転」→「結」だったと思うけど、この辺がカッチリ融合して説得力をもっていればもう少し楽しめたかと思います。
ということで、わたしの未知のジャンルの適性チャレンジは"保留"という感じになりました。小さな一歩は踏み出しましたが、恋愛度強の作品を堪能できる素養はまだ確認できてません。
作品については、正直劇場版単体ではあまり物語を評価できませんが、OVA込で視るんであれば、それなりに楽しめるかと。突っ込みどころも完備してますしね。
※以下OVAの話込みのネタバレ。
{netabare}
正直言うと劇場版とOVAの連続性が欲しかった。
大人の事情が多大に影響していたのでしょうが。。
キャラデは意外といけたし、髪揺れや光表現などの作画クオリティも高く視やすかった。ちあの身長が完全に1m切ってたシーンあったけど流石に吹いたwだまし絵かとww
内容的にはOVAも含めると美羽のキャラは説得力あったと思う。思うのだけどトラウマ克服の展開が安易なのは否定できない。一言で救われることが絶対に無いとは言わないけど、遠子先輩と初対面なのも含め、積み重ねが無さ過ぎて説得力が‥。
そもそも抱えてる問題はリアルに描いてるのに解決方法が唐突で、しかもファンタジー‥というのがちょっと興ざめでした。
しかも美羽が克服したとみるや遠子先輩に一目散なこのはw
なんたるフットワーク、切り替えの速さ。バロンドール候補に推薦したいレベル。
その遠子先輩は魅力的に描かれてて良かった。魅力的でいて物語に殆ど関わらないという立ち位置がある意味斬新だけど、OVA込みならまあまあ理解できる感じ。物語を食べる設定もOVAで結構お腹いっぱいにはなるんだけど、返す返すも劇場版と連続性を持たせて頂きたかった。
以上です(`_´)ゞ
{/netabare}