友情で妖精なアニメ映画ランキング 8

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72.0 1 友情で妖精なアニメランキング1位
空の境界 第六章 忘却録音[ボウキャクロクオン](アニメ映画)

2008年12月20日
★★★★☆ 4.0 (655)
3983人が棚に入れました
1999年1月、魔術師見習いである黒桐鮮花は、師である蒼崎橙子にある事件の調査を命じられる。それは鮮花の母校である礼園女学院で、生徒の記憶が妖精に奪われているというものだった。妖精を視る事ができる両儀式を連れて学院に戻った鮮花は調査を開始する。

声優・キャラクター
坂本真綾、鈴村健一、本田貴子、藤村歩、水樹奈々、置鮎龍太郎
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

スピンオフや箸休めとは思わないで欲しい。考察に意外に骨が折れた物語

「空の境界」は奈須きのこによる、同人誌に掲載された長編伝奇小説である。全7章で構成され、本作は第六章「忘却録音」が映像化された。「そらのきょうかい」でも「くうのきょうかい」でもなく、「からのきょうかい」なのでお間違えの無い様に。
略称は「らっきょ」。

「空の境界」は奈須きのこの小説だが、奈須きのこと武内崇の所属する同人サークル(現在は有限会社Noteのブランド)「TYPE MOON」の作品に「月姫」、「Fateシリーズ」などがあり、「空の境界」と世界観を共有している。奈須氏によると「微妙にズレた平行世界」とのこと。


劇場版「空の境界」は圧倒的な映像美、迫力満点の戦闘シーンと、難解且つ素晴らしい世界観を、原作小説を忠実に再現し映像化したufotableの力作である。
本作のメインテーマは「境界」である。相反する二つのものに関するメッセージが緻密に組み込まれている。
その各々に対する矛盾もまたテーマの一つだ。
奈須氏の命の重さ、禁忌を主題とした本作の完成度には脱帽するばかりである。
「生」と「死」、「殺人」と「殺戮」などについて考察するわけだが、テーマがこれであるから必然的にグロテスクな描写がある(しかも美しかったり)。
また、難解な言葉(辞書的意味では用いない)や、時系列のシャッフルにより、物語の理解はやや困難である。
しかし、この時系列シャッフルこそが「ミステリ」における叙述トッリクとして作用しているのである。
決して時系列の通りに見てはいけない(2度目からはご自由に)他にも、原作にはなかった「色分け」が行われている点も魅力的だ。式の服の色や、月の色なども見てみると楽しい。
全7章に渡って展開される両義式と黒桐幹也の関係も素晴らしい。
設定はここで説明するとつまらないので、作品を視聴することをお勧めしたい(丸投げであるが(笑))
副題のThe Garden of sinnersは直訳すると「罪人の庭」と言う意味。sinには(宗教・道徳上の)罪という意味があり、guiltの(法律上の)罪とは区別される。
Theの次のGardenが大文字であることから、これはギリシアの人生の目的を心の平静(アタラクシア)に見出した精神快楽主義のエピクロス学派を意味する。よってThe Garden of sinnersは快楽主義に溺れた道徳的罪人という意訳が適切ではないか。

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第六章の本作は「空の境界」の時系列で、全7章のうち6番目にあたる作品だ。本作の視聴により、前々から登場していた黒桐鮮花について、黒桐幹也の本質について知ることが出来る。作品群全体から見れば、箸休め的印象を受けるかもしれないが、2年前の1996年の冬に起こった事件についての記憶を式が詳細に思い出すという意味で重要な章である。
また、本章は原作との乖離が甚だしく、これは尋常ではない。原作の頁と比較した映画の上映時間が全七章+終章中最も短く、カットが多い。これでは話の骨子も瓦解しているのではないかと疑うほどだが、なんとか体裁は保てている。しかし、やはり本章に限っては、原作乃至、傲慢ながらこのレビューのような考察・纏めを読んで補完することが必須である。
映画では主に鮮花の活躍に焦点が当てられているが、原作では他にも、幹也の起源、玄霧皐月の生涯と目的など、多角的にストーリーが構成されている。

副題のfairy taleは妖精の物語という意味。

考察←観る前に見ない様に。

{netabare}
時系列:6/8
1999年1月
両儀式:18歳 職業:高校生
黒桐幹也:19歳 職業:大学中退 伽藍の堂に勤務

原作との相違:大
原作との尺の比 274P:59min=1:0.31(1分当たり4.64P)
(一番原作との尺の長さの比が合致していると判断される2章の比を基準:1とする)
(原作の頁数は講談社文庫を用いる)


・「礼園女学院」について
礼園女学院は全寮制女学校であり、ミッション系(キリスト教の伝道局によって設立されたキリスト教主義、中高大一貫教育、自由な校風、外国語教育、礼拝堂附設などが特徴的な私立学校)のお嬢様学校である。小中高一貫校であり、イギリスの神学校(現在は廃校)の姉妹校であり(カトリックか国教会かは分からない)、学長はマザー=リーズバイフェ。
高等部には黒桐鮮花、浅上藤乃がおり、蒼崎橙子はイギリス留学から帰国後に卒業したOGである。今回の事件もマザーが橙子に依頼した。
月姫に登場する中高大一貫教育の全寮制学校の「浅上女学院」は当校をモデルに藤乃の父親が経営している。礼園女学院の寄付金の3割は彼が負担している。


・「黒桐幹也」について
彼は「どこまでも普通で、誰よりも人を傷つけない」という起源を持っている。
所謂「普通の人間」は存在しない。何故ならば、彼らは特別を目指し、特別に成り損ねた人間であり、「普通の人間」とは、彼らの平均でしかない。しかし、黒桐は最初から「普通」であろうとする。それは例えるならば、テストで80点を取る積もりで勉強して、平均点きっかりの62点を取るのと、最初から平均点を取る積もりで勉強して、62点を取るくらいの違いがある。
彼は「普通」を目指すあまり、誰に対しても「特別」な行動を採ったり、感情を抱いたりする事を避ける。それは誰かの「特別」になることを拒否する姿勢である。誰にでも普遍的に接し、差別をしない。3章で式に一般論を期待されたのもこの為である。

―それは誰とでも解りあえるかわりに得た、誰にも気付いてもらえない空っぽの孤独。

しかし、「普通」の権化となることは「普通でない=異常である」ということであり、鮮花の特別な人となった。また、彼は特別になることしか出来なかった人(例えば式や霧絵や藤乃や橙子や鮮花や巴)から羨望されることが多く、「傍に置いておきたい」「拠り所としたい」という執着を知らず知らずの内に周りに持たせてしまう。


・「黒桐鮮花」について
幼少期にある理由から兄の幹也を恋愛対象として好きになった。小学校中学年の頃から才色兼備で精神年齢が他人より高かった所為か、打算で身体が弱いと偽って、田舎の叔父の下に引っ越した。それは兄・幹也の下から遠ざかり、妹としてではなく、女性として彼に、惚れさせる為である。しかし、自身が幹也の元を離れている間に、両儀式が登場。正月に久々に再開すると、兄は同級生の両儀式を家に連れ込んでいた。その後の式の事故による昏睡に安堵していたが、彼女の再起を確認すると、直ぐに都心で名門の礼園女学院へ編入した。
(空の境界の舞台である観布子市が東京都にある為に、上京を前倒しにした。時々伽藍の堂などに出入りしている(矛盾螺旋の中盤など))
叔父の家で橙子が事件を解決したことをきっかけに彼女に弟子入りし、魔術使い見習いとなった。魔術回路は無いものの、先天的な属性として発火現象を持っていたため、発動・抑制の為の火付けの魔術を習っている。未熟なので戦闘時には橙子にもらった火蜥蜴の皮手袋をはめる。式に対抗する為の魔術なので汎用性が無いことや魔術回路が無いことは気にしていない。
起源は「禁忌」で、実の兄を慕うのも此処に起因する。また、本人は隠している積もりだが、式や橙子には、幹也に恋愛感情を抱いていることは筒抜けである。(式は、織が鮮花に初めて会った時に気付いた記憶を引き継いでいる。) しかし、当の幹也は鈍感で、全く気付いていない。
鮮花が月姫の遠野秋葉やFateの遠坂凛に似ているのは、全員モデルが蒼崎青子であるからである(起源も皆一緒の「禁忌」である)。

彼女は幼い頃から特別なものになりたかった。手に入れた知識で周りの人間を遠ざけて、孤独でいることを好んだ。いつも損得無しに彼女を迎えに来る兄・幹也を、孤独な時間を邪魔し、更に年相応の少年らしさが無いことから、内心軽蔑していた。
ある日、隣の温かくて優しかったが、痴呆が進んでおり、幹也が親身にしていた老人が亡くなった。臨終を迎えた老人を発見したのは幹也だったが、彼は―泣きたくても、泣けないんだ。それは特別なことだからね―と、他人へ特別な感情を抱くことをしない。
―人一倍誰かに同情して、人一倍泣いてしまいそうなのに、絶対に泣けない―という事は、
博愛主義である為に、特定の個人を愛する(儒教の別愛(by墨家))ことが出来なくなってしまったのだ。だから彼は誰の特別にもならない。彼女はこの幹也の態度に恋の発端があったことを脳裏に蘇らせた。


・「アカシックレコード」について
アカシックレコードは別名、アカシャ年代記とも呼ばれる人類の魂の活動の記録の概念である。誰が何時何処で何をするのかの記録、輪廻の記録が全て銘記されており、宇宙、人類の運命のデータバンクでありシナリオである。此れは、アーカーシャ(インドの五大の一つで、虚空(天を除いて、地と対を成し、世界を二分する領域))に映る業(カルマ)の投影とされる。
これにアクセスすることが出来れば、自身や人類や地球の運命も手に取るように分かる(しかし、具体的な細かい事象は分からず、曖昧な回答しか得られないという説が趨勢)。
「空の境界」の世界では、根源の渦『 』の一部として紹介されていて、
空の境界の世界観での根源は、五章矛盾螺旋で述べた通り、易の太極である。
支那民族信仰に於ける万物の根源が太極であるなら、印度民族信仰に於ける万物の根源がアーカーシャなのだろう。アーカーシャは虚空蔵と呼ばれ、仏教では虚空蔵菩薩という、無限の智恵と慈悲を持った菩薩になっている(因みに虚空蔵菩薩は大日如来の一部に過ぎないので、本当の意味での万物の根源を司っている者(と云うか万物)は大日如来である)。
よって「根源」を表す上では、両者は似通っていると言えよう。


・「妖精」について
妖精は悪魔などと違って、モノの想念が集まってカタチをなした実像幻想ではなく、れっきとした生物の系統樹に連なるもので、他愛無い悪戯を好んでする。妖精の悪戯に損得勘定は無く、目的意識も存在しない。よって幻想的な妖精(例えば少女に翅の生えた小動物)は魔術師が作り出した使い魔と考えるのが妥当。
使い魔には、魔術師が自らの肉体の一部を提供してつくりあげた分身としてのものと、ほかの生物を前身にして作りかえる、手足としての使い魔の二種存在する。
西欧での妖精は子供のすり替えなどを行った。妖精の正体は村落社会に馴染めなかった部外者であるとされている。彼らは村の中心に住むことができずに、山や森に居住し、収穫期に村に下りて仕事を手伝い、親睦を深めた。当時は良い家柄の子供程、神に祝福されたもの達という考えがあり、貧しい家の者は、祝福された子供欲しさに自分の子供とすり替えを行ったらしい。


・「玄霧皐月」について
礼園女学院で英語を教えている英国人の教諭で、独逸語と仏蘭西語の教員免許も持っている。
他にも多数の言語をマスターしていることから、生徒から言語オタクと陰で呼ばれているらしい。ウェールズの片田舎に生まれ、幼少期は神童と呼ばれていたが、十歳頃、妖精によって攫われて、その際に無意識の内に妖精を皆殺しにして、統一言語を習得する。目で見た映像を再認出来ず、一時は白痴レベルの障害児となった。
彼は両親に気味悪がられて養子に出され、日本人に引き取られて玄霧姓となり、同時に名前も皐月に改名。
養子に出されてからは、自身の記憶が喪失したのではなく破損したことに気付き、記憶方法を替えて神童として復活し、14歳にして大学に入学。言語学の博士号まで取得してイギリスの学校を転々とする。

彼の世界は映像では無く言葉による情報に置き換えられ、記憶の再認も、目で見た対象の特徴と記録した情報を見比べて、より合致するものを、記憶していた対象と認識するという手法を採っている。
記憶には「知識記憶」と「経験記憶」がある。前者は例えば数学の公式や漢字、英単語など学校の授業で習うような記憶だ。後者は例えば「今朝の朝食はパンにバターを塗って食べて、それは上手かった」だの、「昨日誰と麻雀して会話が弾んで楽しかった」だの、自身の経験に基づく記憶だ。
彼の場合は経験記憶が全て言葉による情報に置き換えられる。「知識記憶」も「経験記憶」も、全て「知識記憶」になってしまい、あまつさえ記憶を視覚から直接確認することが出来ないのだ。(視認→特徴を言語化→言語化した特徴に合致する情報(記憶)を調査→言語化した特徴に最も当て嵌まる情報(記憶)を決定→視認した対象と、最も当て嵌まる記憶を同一と認定)

皐月とはMayのことで、メイデーを意味する。メイデーはハロウィーンと夏至祭の夜に並ぶ妖精に出会いやすい日であり、彼はそこで停止している。
統一言語という神代に全てのモノが共通して話していた言語が話せる唯一の人物で、現存する全ての人種・部族の言語の生まれた背景、信仰、原理から思想の全てを理解している。
統一言語師(マスター・オブ・バベル)、偽神の書(ゴドーワード)、ゴドーワード・メイデイと呼ばれており、統一言語を解することは「 」へ至る門であるから、根源に至ることが可能であるが、彼には魔術師として根源に至るという目的は無かった。彼はアカシックレコードを通して、世界が記録する自身の記憶を探したが、観測者は自身を観測することが出来ないから、他人の記憶の中にある自身の断片を採集して、記憶を取り戻そうとするようになった。何時しか、根源に沈殿した他人の記憶を採集して本人に還すことを生業とするようになり、他人の記憶を採集し、他人の無意識の記憶想起欲求に答える形で記憶を返還するようになった。
彼は、脳内情報保持を、
記憶・・・主観的な情報保持。観測者の印象(理性)に左右される不安定な方法。永遠でなく不変でない。
記録・・・客観的な情報保持。観測者の印象(理性)に左右されない安定な方法。永遠で不変。
という二つの記憶方法に分け、後者を永遠と呼び尊んだ。自己が重ねてきた歴史だけが自己を示す証であるなら、それは不変。観測者そのものが観測される対象になるならば、観測するモノも不変、観測される対象も不変。
彼が外界を理解するには、他人の記録を採集するのが、一番効率の良い方法である。彼は過去しか見えず、永遠の過去に囚われている。
しかし、後に、彼は自身の記憶喪失は忘却による喪失ではなく、破壊による喪失であることに、つまり認識出来なくなってしまったものだったことに気付く。記憶が出来ないということは、記憶に基づく自身の感情を発露することが出来ないということである。記録として言語化された情報からは感情は生まれず、必然的に受動的な人間になってしまう。
思い出が無い彼は自己を形成し得ない。彼にとって過去の記録は外界に対応するための単なる情報に過ぎず、それは自身のものとして吸収されることは永遠にないのである。
人間が人間であるために一番重要な自我・自己は意思に起因する。記憶が出来ない人間は悲観的になり、感情性に乏しく、意志を形成出来辛い。よって他を受け入れる受動的行為は出来ても、自己を主張する能動的行為は上手く出来ないのだ。これは浅上藤乃とは別の意味で「生の実感」を得ることが難しい状態と言える。
彼は「自身の記憶取り戻す」という目的が無くなった後も意志を、自己を失くすこと、人間で無くなることを恐れて、自己の意思を示す為に、他人の忘却した記憶を録音することを趣味とした。また、自分の記憶法としての言葉を絶対視している。
彼の統一言語は精神に直接訴えるものなのだが、劇場版ではどうも作用が異なるようで、片耳にイヤフォンを装着するだけで、回避可能となっている。
荒耶宗蓮に式を殺害する為に用意された駒の最後の一人である。

永遠について言及すると、「何時何処で何が発生したか」という事実の情報は永遠である。
それが永遠でないと感じるのは、事実の解釈が変わるからに過ぎない。また、忘却された記憶も理性による解釈改悪の手から逃れることにより永遠と定義することも出来る。
自己が無い玄霧はそれに気付いたか否かは分からないが、それを認めず言葉による永遠を欲したのだろう。式は「言葉にできる永遠なんて、それこそ何の価値もないっていうのに」と評価している。永遠とはカタチを持つ必要はなかったのだ。忘却した記憶を録音することが永遠であって、写真やビデオや書物による記録は劣化するから永遠ではないというのは詭弁である。色褪せた記憶を再生することで、私たちの印象が同一のものであるとは限らない。バークリーは「存在するとは知覚されること」と言ったが、永遠であるモノが知覚されるのではなく、モノが永遠であることが知覚されれば、何処にでも永遠は存在するのだ。詰まるところ、唯識の思想染みているが、人間は主観的な見方しか出来ず、客観は主観が客観に漸近したものに過ぎないということだ。
また、鮮花は幹也と彼が似ているように見えて、全然似ていないという結論に至ったが、それは、幹也は誰に対しても「無害」であることに対し、玄霧は「無害」ではなく、存在意義の無い者であることに気付いたからである。
劇場版では本章の本質である彼の独白などは殆ど割愛(省略かもしれない)されている。


・「黄路美沙夜」について
黄路美沙夜は黄路家の次女(養子)であり、礼園で生徒会長として権勢を振っていた。正義感があり、校則を破る生徒に容赦がないが、規則を守っている生徒には面倒見の良い先輩だ。
要領が悪く損な役回りを演じてばかりいたが信仰に厚い橘佳織を、妹のように可愛がっており、彼女を自殺に追いやった(キリスト教では自殺すると地獄に落ちる)葉山と1年4組の生徒全員に復讐する為に、玄霧に魔術を習い、妖精を使役して他人の記憶を蒐集していた。
彼女が使役する妖精は前述の使い魔の内の後者で、葉山英雄等は使い魔として彼女に使役されていた。
玄霧のことを実の兄と認識しながら、恋愛対象として見ており、鮮花を同類と看做していた(劇場版ではこの設定は出てこない)。これには近親愛における鮮花との対比が見られる。
鮮花の愛が幹也への畏敬や憧れに似たものであり、実の兄弟であることに対し、美沙夜の愛は玄霧への恋慕の気持ちから独占欲が生まれ、彼の妹だと思い込むことに依って満足しているというものだった。彼女達の愛し方には、決してカタチにしてはいけないという共通点がある。

1年4組の事件で葉山を問い詰めた彼女は、彼に暴力を振るわれて、押しのけた際に殺してしまった。父にも学長にも相談出来なかった彼女は兼ねてから慕っていた玄霧に相談し、全ての苦悩から一時的に解放された。


・一連の事件について(劇場版)
葉山英雄は理事長の出来の悪い弟で、多額の借金から、兄弟のよしみで教諭として礼園で働かせてもらい、1年4組の担任をしていた。橘佳織は葉山が麻薬を扱っている所を目撃し口封じに薬漬けにされてしまう。クラスメイトは葉山に目を付けられないように、薬漬けに苦悩していた彼女を避けた。彼女は、葉山が1年4組の学生寮に放火した後に逃げずに留まり、苦悩から解放される為に自殺を図った。黄路美沙夜は、葉山に事情を問い詰める際に誤って殺害してしまい、玄霧の助言により魔術を獲得し、彼を妖精として使役した。
妹のように慕っていた後輩を自殺に追い込んでおきながら、のうのうと生活する1年4組の生徒に復讐を誓い、殺しては確実に地獄に落とすことが出来ないので、妖精を使役して生徒の記憶を略奪し、互いに疑心暗鬼にさせて、1年4組の生徒を全員自殺に追い込むことにした。事件の早期解決を阻止する為に、妖精を使って鮮花の記憶を掠奪して懐柔しようとするが、失敗して彼女と対決するものの、妖精が暴走し意識を失う。鮮花は妖精を退治して、事件は解決した。橘佳織は自殺未遂の後、救助され事件後意識を取り戻した。


・一連の事件について(原作)
葉山英雄は理事長の出来の悪い弟で、多額の借金から、兄弟のよしみで教諭として礼園で働かせてもらい、1年4組の担任をしていた。1年4組は殆どが高校から編入してきた生徒で問題児が多く、全寮制で外出がままならない生活に痺れを切らしていた。葉山はそんな生徒の憂鬱に漬け込み、彼女達を学外に連れ出し、援助交際をさせていた。橘佳織は最後まで抵抗したが、最後には葉山に連れ出され、望まない性行為を強要され、妊娠してしまう。十六歳の少女が強姦の上妊娠をする等、最大の自身の穢れであるが、堕胎することは良心の呵責と信仰上の理由から出来なかった。
クラスの秘密が露見することを恐れた葉山とクラスメイトによって彼女は迫害され、葉山が1年4組の学生寮に放火した後も逃げずに留まり、一人地獄に落ちることでクラスメイトの罪を購う為に自殺した。黄路美沙夜は、妹のように慕っていた後輩の死を悼み、彼女の死後ものうのうと生活する1年4組の生徒に復讐を誓った。妖精を使役して生徒の記憶を略奪し、互いに疑心暗鬼にさせて、1年4組の生徒を全員自殺に追い込むことにした。事件の早期解決を阻止する為に、妖精を使って鮮花の記憶を掠奪して懐柔しようとするが、失敗し彼女と対決し敗北する(戦闘よりも問答の方が多い)。


・両儀式が再起した記憶について
式は玄霧皐月と戦うことにより失われた記憶を取り戻す。
それは織と幹也の掛け替えの無い過去と、事件当夜の記憶である。
前述の永遠の記述の通り、理性の手から逃れることにより記憶は永遠となる。織は幹也と過ごした大切な記憶を永遠にする為にこの記憶を眠らせたのだ。

・原作との相違点
1.本章のメインヒロインは無論、黒桐鮮花であるが、タイトルが「忘却録音」である通り、玄霧皐月の物語としての側面もある(矛盾螺旋の巴と荒耶の関係に似通っている)。
しかし、本編での彼の独白や黄路美沙夜に刺殺されるという重要な終末が殆どカットされ、鮮花中心の物語となっている。
2.橘佳織の自殺原因とその後の生死が原作と非常に異なる。
3.黄路美沙夜が玄霧を兄だと認識している設定が無くなっている。鮮花との対比が消滅。
4.玄霧の統一言語能力が原作と異なり、イヤフォンを片耳に刺すだけで回避可能となっている。
5.鮮花がエンディング後に幹也と食事に行くのだが、原作では「夕食は豪華な和食となりました」とあり、七章で式がそれに対して幹也に文句を言うのだが、本章では坂の下のレストランで済まされており、矛盾している。


・「Fairytale」について
Fairyは英語で妖精taleは英語で物語という意味の名詞
原作小説の忘却録音の序文を引用し、奈須きのこ監修の下、梶浦由記によって作詞・作曲された。歌詞から玄霧が妖精に攫われた事を題材にしていると考えられる。


・「忘却録音」という作品について
黒桐鮮花は幼い頃にとある理由から兄の幹也に対して恋愛感情を抱いていた。兄に好かれる為に叔父の家に引っ越したのだが、留守の間に両儀式が最愛の兄に接近し危機感を覚え、蒼崎橙子を師として式に対抗する為に魔術を勉強し、また上京して礼園女学院に入学した。
礼園の1年4組で2人の幼なじみの女生徒の双方に、本人すら忘れている子供の頃の秘密が書かれた手紙が送られてきて、それが元で口論になり共にカッターで切りつけるという傷害事件が発生し、それが妖精の仕業であるとしてマザーからOGである橙子に相談があった。彼女はこの事件を弟子の鮮花に担当させ、妖精を見る目として両儀式を派遣した。
鮮花と式は玄霧や1年4組の生徒に聞き込みをしたり、校舎の妖精を探索したりしたが、鮮花はそこで妖精に記憶を採られてしまう。鮮花は黄路美沙夜が事件の首謀者であることを突き止める。懐柔しようとする彼女を跳ね返し戦うが、返り討ちにあってしまった。
黄路は後輩の橘佳織を自殺に追いやった1年4組の生徒を地獄に落とすべく、校舎に火を放とうとするが、鮮花と戦い、暴走する巨大な妖精を操れなくなり気絶してしまい敗北した。美沙夜に魔術を教えたのは玄霧であり、彼女の望みを叶えたのは彼だった。記憶に障害があり、統一言語者であることから、他人の失われた記憶を本人の望み通りに返却することを趣味とし、それによって自我を保っていた。
式と戦闘し破れるも、彼女に4年前の失われた記憶を返却する。


・名言(原作より抜粋)

式「ひどいな。今回の犠牲者は間違いなくオレだぜ、きっと」

黄路「貴女――とても良くてよ」

玄霧「永遠は還さないといけない。その嘆きを再生する。たとえ君が忘れ却ろうとも、記憶は、たしかに君に録音されているのだから」

式「この、ヘンタイ」
鮮花「なによ、異常者」

玄霧「さあ――君の嘆きを再生しよう。安心したまえ。たとえ君が忘れ却ろうとも、記録は、たしかに君に録音されているのだから」

玄霧「つまるところ、自分さえ生まれなければ、世界(ワタシ)はこんなにも平和だった」

荒耶「そうだ。君はすでに常識に不在している。常識という世界において、異常者は罪には囚われない。異常者が異常を行うのは当然であり、そこに常識で言う善悪の秤はないからだ」

荒耶「魔術師――荒耶宗蓮」

荒耶「りお――おしいな。一文字違えば、君は獅子だったのに」


感想
原作との相違は不満足ながら、本作の魅力の七割方は表現出来たと思う。「忘却」や「永遠」など、複雑なテーマであったが、原作の購読と考察によってなんとか自分なりに纏めることができた。本作は鮮花の学校での事件ということもあって、彼女が大活躍する。ツンデレな彼女には妹萌えが堪能出来た。また、式の修道服姿も素晴らしい。
{/netabare}
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この六章は、五章矛盾螺旋と七章殺人考察(後)という本作の要である章を繋ぐ重大な役割を担う章だ。鮮花をメインに荒耶の置き土産1号と式・鮮花の戦いを描く。

本作は考察のし甲斐があり、非常に面白い。また現代人への処方箋のような役割を果たし、私達にカタルシスを与える。

私は全章視聴後原作を購読したが、読み応えがあって大変面白い。アニメを観た人は補足の為にも、お勧めしたい。
未視聴の方は、是非挑戦していただきたい作品である。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 34
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

失われた記憶から呼び覚まされる感情

原作未読。
全8章からなる物語の6章目。約59分。

「空の境界」全章に共通する項目は、第1章のレビューをご覧ください。
→ http://www.anikore.jp/review/450724/

時系列でいくと5章の後です。

見所は、メンバー唯一の良心……ではないですが、たぶん癒しキャラの黒桐鮮花(こくとうあざか)の活躍!
「妖精」が出てくる話でもあるので、他の章に比べずいぶん楽しげな回です。
「えへっ☆」に胸キュンです。

……といっても、空の境界。
どこか歪んでいますし、死人も出ます。

戦闘シーンは、相変わらずスタイリッシュ!
今回は、鮮花が修道女のような格好で激しく動き回ります、はしたない(*ノノ)

EDテーマは「fairy tale」。
これはそのまま「妖精物語」ですね。
しかし、空の境界は、本当にハズレ曲がないですね。
内容に深くリンクした歌詞と、切ないメロディーの曲です。

【6章「忘却録音」の考察】
{netabare}
「記憶」を奪う「妖精」の話。

鮮花は、実の兄である幹也に恋をしています。
しかし、好きになった「きっかけである記憶」を奪われてしまいました。
それなのに好きという気持ちは消えない。

また、両儀式は鮮花の恋心に気付いていましたが、それは「織」のほう。
「織」は消滅したはずなのに、「式」はそのことをなぜか知っている。

……ところが、黄路美沙夜(おうじみさや)先輩の場合は違います。
記憶が残っていればそこにあったはずなのは、佳織を救えなかったという「自責の念」。
しかし、記憶を失うことで、本来なら生まれなかったはずの「復讐心」が発生しています。

この違いはどこから生まれるのか。
ヒントは玄霧皐月(くろぎりさつき)先生の言葉にあると思います。

玄霧「たとえ忘れようと、記憶は確かに君に録音されているのだから」
玄霧は言葉で人の「認識」を操る魔術師です。

ここで「きっかけの記憶」をスピーカーに例えてみます。

スピーカーから、ある音が発生します。
これが、ある感情の「きっかけである記憶」です。
ここでスピーカーを取り除いても、一度発生した「音」は「音波」として広がっていきます。
もしその「音波」を1箇所に「かき集める」ことができたなら、元のスピーカーという音源がなくなっても、情報は失われません。

では、どうやってかき集めるのか?

鮮花も式も、「きっかけの記憶」を失いながらも、その後に幹也に会って「認識」しています。
しかし、黄路先輩は「きっかけの記憶」を失った後、認めたくない感情から目をそらし、生徒たちの噂だけを頼りに「記憶を見たつもりになっている」だけで、葉山秀男にも立花佳織にも会っておらず「認識」をしていません。
その結果、ありもしない「復讐心」という感情が生まれています。
つまり、「認識」という「感情を認める行為」が「かき集める」ことに相当するのだと思われます。

「認識」という形で、音のように広がった「記憶」をかき集め「夢」という形で「再生」される。
これが「忘却録音」の正体だと思われます。

なお、
玄霧「君の忘却はその類だ」
とも言っています。
かき集めることができるかそうではないかは、記憶の種類によるのでしょう。

「恋心」は忘却録音が可能なわけですね。


【全て見終わった人へ】
{netabare}
さて、最後にエグイシーンが出てきますが、「弱い人は嫌いです」の声は、両儀式の声です。
そして、荒耶宗蓮が出てきますが、「おしいな。一文字違えば、君は獅子だったのに」の言葉。

スタッフロールをよく見ると、白純里緒(しらずみりお)と名前が出ています。
「リオ」が一文字違えば、百獣の王「レオ=獅子」だったのにという意味ですね。

白純里緒の起源をたどっていけば、肉食獣が多く出てきます。
しかし、白純里緒を使っても根源へとはたどり着けず、不完全に終わってしまいます。
「おしいな」というのはそのことも意味していたのでしょうが、結局はダジャレ。

荒耶宗蓮もかわいいことを言いますねw
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 36

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

幻想と慕情 記憶と現実の境界線

1999年1月。時系列的にも6番目のこの第6章。
ゲストヒロイン的な位置に黒桐幹也の妹で、魔術師・蒼崎燈子の弟子でもある
鮮花(あざか)が登場。彼女の通うミッション系の学園で起きた謎の事件を
式と解明するとともに、そのブラコンぶりも描くスピンオフ的な章。

妖精をテーマにしているので、女学院の雰囲気にもぴったり。

クレマチスの咲く庭の星空が美しいオープニング。
相変わらず繊細な作画には圧倒される。
ちなみにクレマチスの花言葉は、「高潔」「たくらみ」「美しい心」「精神的な美しさ」
本来1月に咲く花ではないので、意味を持たせたかったのかな?
花言葉からするとちょっと納得してみたり。

アクションも少なめで、緊迫感はあまりなく落ち着いた雰囲気。
とにかく女学院の建物がすごくリアルで印象に強く残ったのだが
エンドロールに 「協力 神戸女学院」の文字をみつけて、あぁやっぱり!と。
ヨーロッパの修道院風の建築や、中庭がとても美しかった。

で、物語としては大きな変化がなかったものの、失われた式の記憶についてや
次章 第7章に繋がる重大な手がかりを残すことにもなるので、
この第6章も飛ばせないし、個人的には和服姿の多い式が女学院の制服姿を
ぎこちなく着ている姿が見れたのが美味しかった(笑)
でも、普段和服を着慣れて足を揃える動作は身についているはずなのに
制服着てて膝を離して椅子に座るっていうのは、あまり納得できなかった。

ちなみにED「fairytale」はいつもながらkalafinaの歌なのだが、
雰囲気にとても合っていて良かった。
というか、どの章のEDも「空の境界」のために作られているし
作詞には原作者の奈須きのこ氏も名を連ねているので
合っていて当然といえば当然なのだけど。

そういう意味で、EDの歌詞も含めてひとつの作品として成り立っているから
ほんと、隅々まで見逃せないし、聞き逃せない。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 38

63.3 2 友情で妖精なアニメランキング2位
劇場版 FAIRY TAIL -鳳凰の巫女-(アニメ映画)

2012年8月18日
★★★★☆ 3.7 (172)
1006人が棚に入れました
FAIRY TAIL 世界中にたくさんある魔導士ギルド。それは魔導士たちに、いろんな仕事を仲介してくれる所!!なかでも「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」は何でもやりすぎちゃうお騒がせなギルド。炎を自在に操る滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)のナツ、ナツの相棒でしゃべって、飛べる猫のハッピー、星霊魔導士のルーシィ、氷の造形魔導士のグレイ、鎧の美人魔導士エルザなど、個性たっぷり、気持ちのいい連中がいっぱい!!楽しいこと、ヤバイ(?)こと、今日もきっと、何かが起こるハズ・・!?

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「守りぬく!! 出会えた奇跡を!! 仲間の笑顔を!!」

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版第1期~第3期まで全328話は視聴済です。
とにかく超が付くほど大好きで、フェリーテイルのギルドのみんなの奮闘に何度号泣したことか…
私にとって「お気に入りの棚」序列第3位の愛おしい作品です。
劇場版があるのは知っていましたが中々視聴する機会がなく、今回ようやく視聴に至りました。


ある日、飛び込んできた依頼は、「とある港町に巣食う盗賊団のリーダー・ギースを捕まえてほしい」というもの。
高額の報酬を期待して意気揚々と依頼に乗り出すナツたち・・・・・・
しかし、ルーシィのミスから目の前でギースを取り逃がしてしまう。

依頼の失敗に一人落ち込むルーシィ・・・・・・
その帰り道、彼女はエクレアという謎めいた少女と不思議な鳥・モモンに出会う。
なんとエクレアは記憶をなくしていて、唯一覚えていることは、
手元にある『鳳凰石』をどこかに届けなくてはならないということだけ!!

魔法が嫌いというエクレア、そして『鳳凰石』に隠された秘密・・・・・・。
この出会いをきっかけに、今、『妖精の尻尾(フェアリーテイル)に、
かつてなき強大な敵、そして邪悪な陰謀がたちはだかる!!


Amazon primeの内容解説を引用させて頂きました。

2012年に8月に公開された作品なので、本編の時系列では第1期の終盤が放送されていた頃になりますが、本編の内容とは一切関係ないオリジナルのストーリーなので、第1期の視聴以降だったらどのタイミングで見ても問題無いと思います。
ですが、キャラの説明は一切無くいきなり物語が始まるので、初見で劇場版を視聴するのは少し厳しいかと思いました。

ルーシーの優しさと仲間を想う気持ち…そしてフェアリーテイルの絆の強さに、大きく心を揺さぶられる物語でした。
TVアニメ版が完結したのが2019年の9月なので今から約1年前…
それほど時間が経っていないにも関わらず、この作品の持つ熱量を忘れかけていましたが、一瞬で取り戻すことができたのは嬉しい限りです。

これぞフェアリーテイルの王道…という感じの展開が堪らないんですよね。
ルーシーの溢れんばかりの涙にナツが反応しない訳がありません。
どんな困難にも果敢に立ち向かうナツを全力でサポートするのは「あいさー」の掛け声がギルドのみんなのやる気スイッチと化しているハッピーの役目…

氷のグレイと水のジュビアの息のピッタリ合った攻撃は相変わらず…
ウェンディとシャルルだって引けを取らないコンビネーションを見せてくれます。
引けを取らないという点においてはガジルとレビィも…と言いたいところですが、この頃はそこまでの仲じゃなかったっけ…
ここまでくると、もうフェアリーテイルの「俺たちの戦争(ケンカ)」が始まっていますので。

上映時間86分の作品でした。
フェアリーテイルの全力全開が目一杯堪能できる作品に仕上がっていたので大満足です。
やっぱり、この作品はこうじゃなきゃ…
引き続き、「劇場版 FAIRY TAIL -DRAGON CRY-」を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 5

73.1 3 友情で妖精なアニメランキング3位
羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来(アニメ映画)

2020年11月7日
★★★★☆ 3.9 (48)
203人が棚に入れました
人間たちの自然破壊により、多くの妖精たちが居場所を失っていた。森が開発され、居場所を失った黒猫の妖精シャオヘイ。そこに手を差し伸べたのは同じ妖精のフーシーだった。フーシーはシャオヘイを仲間に加え、住処である人里から遠く離れた島へと案内する。その島に、人間でありながら最強の執行人ムゲンが現れる。フーシーたちの不穏な動きを察知し、捕えにきたのだ。戦いの中、シャオヘイはムゲンに捕まってしまう。

声優・キャラクター
花澤香菜、宮野真守、櫻井孝宏
ネタバレ

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ぶっちぎり!噂通りのすんげぇ奴。ただ、昨今の作画アニメと同じ弱味が…。

 噂には聞いていたが、確かに作画はすんげぇぞ!こいつぁ。アクションのアニメショーンだけでなく、猫の動きの可愛さ一つ一つ、雰囲気まで伝わってくる背景美術、スッキリしつつも親しみ易いキャラデザ、全ての面でトンデモないレベルに至っている。


最後まで息切れせずにこのクオリティーで描ききっているだけで賛辞を贈りたくなるには充分である。ただ、それだけではアニメーションが凄いのであってアニメ作品として凄いわけではない。


本作はハッキリ言ってXメンです。これだけでわかる人なら、あ~そう言う話ねってわかったと思います(子細を書いちゃうとネタバレなのでお察しを)。


別によくある話なのが悪いとは言いません。語り口にキャラ同士の絆をいかに見せるか?、即ち演出の上手さは次第でいくらでも面白くなりえますから。


本作は沢山キャラが出ますが、正直重要キャラはシャオヘイ、ムゲン、フースーだけで他はイマイチ薄い。


シャオヘイとムゲンの旅も、ムゲンのクールキャラのせいでイマイチ心通わす感じや、ムゲンの立ち位置を掘り下げたりするのに弱い。


どうせなら、もう一人、二人の間を繋げるムゲンの弟子でシャオヘイより少し年上な人間の女の子キャラを出したほうが良かったかなぁ~という気もします。フースーとムゲンの繋がりも深めたほうがより必要だったかと。二人に繋がりがあるばこそ、よりバトルに重味がつきますし。


{netabare} 最後の別れのシーンも涙でお別れじゃ流石に泣かせ推しすぎてかえって泣けない感じでした。本作は正直ムゲンの話のように思えたし、実は一番救われるべきなキャラは彼だったと思います。{/netabare}


{netabare} 何も言わずに去ろうとするムゲンの元にシャオヘイが追っていって手を繋ぐ{/netabare}


{netabare}涙を見せまいとするムゲンとシャオヘイの笑顔{/netabare}


{netabare}二人の後ろ姿{/netabare}



{netabare}こちらに向かって手を振るシャオヘイ{/netabare}


{netabare}そこにタイトルがバーン{/netabare}



{netabare}そして白画面に「ぼくが選ぶ未来」{/netabare}って感じ締めた方がえがったかなぁ~なんて妄想しちゃいました。


本作に限らず昨今の作画やビジュアルがやたら誉められる作品は、一番肝心のキャラの感情やストーリーに乗せること、演出における引き算のセンスのよさ、といった目に見えないが必要不可欠な部分がイマイチ弱い傾向にがある気がします。


正味な話、そこさえ良ければ多少作画が貧弱でも問題ないんですよね、一番良いのは両方が揃ってることですが。私はあくまで、脚本や演出こそ物語を見る快楽だと思うので、そこが評価のポイントになってしまいます。


故に本作はなかなか良い作品だと感心しましたが、感動はしませんでした。あと、花澤さんは残念ながらショタはあまり向いていらっしゃらない…。これが悠木さんだったらより好きになれたかもです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 17

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

中国発、アクションファンタジーロードムービー

原題:罗小黑战记/luó xiǎo hēi zhàn ji
中読:ルオシャオヘイジャンジー
邦題:羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来
英題:The Legend of Hei
年度:2019年
製作:中国
監督:MTJJ (木頭)
時間:1:41:00


20210709 DVD / ブルーレイ発売決定!


20201114 MX4D にて鑑賞―――――――

チョー楽しい w

振動や上下動はもちろん突風から水しぶきまでw

もともと緩急素晴らしく作画と音響効果のタイミングばっちり!な作品、

なのでまるでジェットコースターでじっくり周回するが如き空間に酔いしれますね、

いやー面白かったw

MX4D での鑑賞ちょーおすすめします( ^ω^)




20201110 日本語吹替版鑑賞ーーーー

シャオヘイ超可愛い声、
ムゲンは粛々と低く置いていく発声意識す感、
私的脳内再生音声よりどのキャラも僅か一音高めの印象(花屋さんは逆に低め)かなぁ、
とはいえ流石名声優さん達、音響もガルパンなど手掛けた方の様子で良い仕上がり、
IMAX や4DX でも観たいですね( ^ω^)



以下、2019年原版鑑賞時評ーーーーー

追加上映が決まった際に公式より邦題の読みカナ「ロ・シャオヘイ・センキ」が発表されました。

主人公の名前が「小黒/シャオヘイ」です。

WEBアニメとして短編が数十話上がってますが粗別物、別次元の出来栄えとなってます。


2019年10月 ----------

「羅小黒戦記」二回目の鑑賞、

先月「白蛇:縁起」と一緒に観て衝撃を受け、短いスパンでの再鑑賞です。

物語、作画、音楽、全てにおいて緩急が素晴らしい!

物語は「平成たぬき合戦ぽんぽこ」風プロット、複雑ではないがしっかり熟考され隙無き構成と演出のロードムービー。

風背景は日本のTVアニメ名作劇場やジブリ初期の彩画を彷彿、場面構図も宮崎アニメのリスペクト鑑みました。

作画はシンプルで力強い線にベタ塗り、漫画チックですがおもいっきり動かすことで質感、体温感ずる描写に相成り、右から左から横長画面一杯を使い切って動き廻る動体に目が追い付かない程。

画面の真ん中だけ見てればキャラが勝手に寄って来て台詞でも説明してくれる日本のアニメとは一線を画すと今更乍ら認識。

モブがレゴブロックやドットゲームみたいだったのは愛嬌w

声優は皆気負わず抜けた感じがキャラ像にマッチ、小黒は可愛いく、無限カッコ良く、脇キャラもしっかり立ってます。

音楽は、喜怒哀楽軽重と入時機まで感情の起伏に的確成り。

全ての要素が高次元、シンプルなストーリーにライトでスピード感溢れる2D作画は日本のアニメファンにも充分受け入れられるでしょう。

粗となるなら「白蛇:縁起」同様に字幕がグーグル先生並みの面白翻訳だった位(結構気に入ってたりしますがw)


私的に、短いスパンで劇場に再度足を運んだ作品は平成以後では「幸福路上(幸福路のチー)」とこの「羅小黒戦記」のみ、
 

明るく、楽しく、熱く、泣けて、笑える、
素晴らしいアニメーション作品です。


-------------------

池袋では追加上映含め全席満席早めの完売御礼となった様でしたが、この度関西・京都出町座での上映が決まったそう(字幕も修正される様子)、他地域での上映も期待したいですね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 10

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

僕の選ぶ未来、君の選んだ未来

視聴前 そういうば去年なんかあったような

視聴後 うんすごい

この話は住処である森林を伐採されてしまったとある「猫」の話
ジャンルはバトル・超能力・友情
もともとは中国漫画原作だそうで、Webアニメとして現在28話まであるそうです。本作はその4年前を描いたものであり、2019年に日本語字幕としてごく短期間にごく限られた場所のみで放映されていました。
時期も場所も合わなかった私には諦めていましたが、ケモナーと呼ばれる友達が言うには「最高」だったらしいのでTUTAYAで安くなってきたら借りよっかなと思っていたんですが、本作(日本語吹き替え)の公開が決定したのでずっと待ちわびてました。

まず事前情報としては声優の豪華さです。花澤さん、宮野さん、櫻井さん、松岡さん、杉田さん。
もう名だたる名優ばかりですよ。この時点でお金かかってるなぁと思っていましたが、見始めてびっくり。作画がすごい。
日常シーンでの細かさや、風景の丁寧さ、バトルシーンも手が込んであり、迫力と臨場感にあふれた素晴らしい作画でした。
中国だから、というわけではないのですが、どうしても偏見が多少なりとも入ってしまい、どこか期待と疑心が入り混じった状態で望んだ視聴でしたが、そんな疑心もどこかに行くような素晴らしい作品でした。

内容も素晴らしかったですね
視聴前の偏見もあり、序盤の動きでラストを予想していましたが、序破急のしっかりした脚本で普通に見応えがありました。
序盤の引き込み具合というかはイマイチですが、アニメ映画というのもあり途中で切るのが難しいのでそのまま見るでしょう。イマイチといっても単にほのぼのと急なシリアスで戸惑うというだけなのでつまらなくはないのですが。
中盤ではコメディ多めのほのぼの(?)が続きます。ほのぼのとした展開で非常に心が癒やされますし、コメディ部分も面白かったです。
中盤と終盤の間くらいからシリアスが始まります。このシリアスが結構本格的なシリアスなのでちょっとついていけないかもしれませんが、ここで序盤のちょいシリアスが役にたち、割と自然に物語を理解出来ます。単純にほのぼのとシリアスの繋ぎが上手いというのもありますが、構成にもこだわっているようでとても好印象です。
終盤は素晴らしいものでした。迫力の戦闘シーンも相まって、非常に見ごたえのあるものでした。シリアスが結構本格的で皮肉の効いたシリアスだったので終わり方というか結論の付け方まで手は抜かれてませんでした。
個人的にはあのラストには少しばかり不満があるのですが、本作が原作の四年前の後付作品らしいので仕方ないのでしょう

総合的に見ても非常に満足できる作品でした。(お気に入りではありませんが、結構好きな話であることを一応伝えたかった)
是非視聴することを強くおすすめします。

監督はMTJJさん。
脚本はMTJJさんと彭可欣さんと風息神涙さん。
劇伴は孫玉鏡さん。
制作は北京寒木春華動画技術有限公司さん。

作画は非常に良かったです。特にバトルは素晴らしかったです
主題歌はLMYKさん作詞歌唱、LMYKさんとJohnJacksonさん作曲、Jimmy JamさんとTerry LewisさんとJohn Jacksonさん編曲の「Unity」
声優さんは非常に良かったです。

総合評価 見るべき両作品

投稿 : 2024/12/28
♥ : 5

61.3 4 友情で妖精なアニメランキング4位
プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち(アニメ映画)

2012年3月17日
★★★★☆ 3.6 (33)
203人が棚に入れました
大人気「プリキュアオールスターズ」シリーズ最新作!今回からDXからNewStageに変わって、新しい「オールスターズ」にパワーアップ! 舞台は、横浜みなとみらい。敵は、すべてを破壊し世界を闇に染めようとするフュージョン!?TVシリーズ「スマイルプリキュア!」の5人も登場して、28人のプリキュアたちが大集合!みんなの力がひとつになった時、映画館に奇跡が起こる!!みんなもミラクルデコルライトで応援してね!!

60.2 5 友情で妖精なアニメランキング5位
二ノ国(アニメ映画)

2019年8月23日
★★★★☆ 3.1 (81)
199人が棚に入れました
冷静沈着で車いすのユウ、バスケ部の人気者のハル、ハルの恋人コトナは幼なじみの親友同士。ある日、事件に巻き込まれたコトナを助けようとした二人は突然、「二ノ国」に引き込まれる。そこは現実世界と並行する魔法の世界。そこで二人はもう一人のコトナ、アーシャ姫に出会う。次第にアーシャ姫に惹かれていくユウ。しかしコトナの危機を救うには、アーシャの命を奪わなければいけないことを知る。大事な人の“命"をかけた究極の選択に果たして 2 人の決断は―。

声優・キャラクター
山﨑賢人、宮野真守、坂本真綾、梶裕貴、津田健次郎、山寺宏一、伊武雅刀、新田真剣佑、永野芽郁、ムロツヨシ

62.5 6 友情で妖精なアニメランキング6位
プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち(アニメ映画)

2013年3月16日
★★★★☆ 3.8 (26)
154人が棚に入れました
プリキュアの守護妖精になるために勉強する妖精が通う妖精学校。ある日そこからプリキュア達の元に「プリキュアパーティ」の招待状が届く。妖精学校ではプリキュアの人気をねたむグレルが心の影を映す「影水晶」から生まれた自分の影と共に行動、パーティに参加するため妖精学校を訪れたプリキュア達から変身アイテムを奪ってしまう。泣き虫の妖精、エンエンはグレルの行動を止めようとするが勇気が出せないままグレルに巻き込まれてしまう。そしていつしかグレルの影は巨大な力を身につけ暴走してしまう。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「ファミリー向け」のタブーと向き合う、シリーズでも稀に見る難問とぶつかるプリキュア 梅澤淳稔プロデュース作品集大成

前作、NS1では視聴者の子供達に一番近しい存在として『キュアエコー』というオリジナルキャラクターを見立て、それを軸に物語を作る試みをしていました
今作も同じく、視聴者層に親しみを感じてもらえるようなオリジナルキャラクターとして、舞台となる妖精学校の生徒『エンエン』『グレル』という二匹の妖精が登場します


プリキュアに変身する少女達も普段は普通の中学生ですから、当然日常生活や学校生活の中で起こる中学生らしいイベントのエピソードや悩みごとといったトラブルなんかがテレビシリーズでは絡められてくるわけです
しかし実際の視聴者層は小学生以下がメインターゲットになってますから、プリキュア達はお姉さん的存在になっちゃうわけですね
そこで、今回のエンエンとグレル
プリキュアのパートナーとなるべく妖精学校に通う幼い妖精ってことで、あえてプリキュアのようなスーパーパワーを持たない、かつ幼いキャラクターという、視聴者層とダブる存在を見立ててやったようです


まずグレル、この子は目立ちたがり屋で学校の皆がもてはやすプリキュアには少し妬みを感じています
「プリキュアなんて、ちっとも凄くねーじゃんか」と意固地になった彼は、学校の皆から厄介者の目で見られてしまいます
そこでプリキュア達を一泡吹かせてやろうと今作の黒幕である『影』の誘惑に乗っかってしまうのです


次にエンエン、この子は自己主張が苦手なため学校の輪の中にイマイチ打ち解けられず、グレル以外の友達がいません
また、グレルに対しても強気に話すことが出来ないため、影に唆されたグレルを諭してあげることも出来ない


この二匹、つまり集団の中に溶け込めない“KY”或いは“ぼっち”な二匹が今作の実質的主役なんです


プリキュア側のリーダーシップを握る『スマイルプリキュア』の面々と「新しい血」として参戦する『ドキドキプリキュア』の面々が初顔合わせをする、という恒例のファンサービスこそあるものの、あくまでプリキュア達は二匹の自律と活躍を手伝うための見守り役に徹している、というのが今作の特徴


今作のプロデューサーで第二期プリキュアシリーズ(フレッシュ~スマイル)の育ての親である梅澤淳稔Pは、昨今のニュースを騒がす「いじめ問題」を取り上げたかったらしいです
が、しかし直接「いじめた」or「いじめられた」と暗い話題を扱うのは視聴者層に未就学児が大半を占めていることもあって難しい
そこであえて“ぼっち”をいじめと置き換えてシリアス過ぎないように気を払ったようです


ただでさえ“ぼっち”だった二匹が、取り返しのつかない事件を起こして後戻りが出来なくなってしまう負のスパイラルに陥る今作
そこで生きてくるのが「キュアパッション」と「キュアビート」の存在
この二人のプリキュアこそ梅澤P作品を代表するキャラと言えるでしょうがそれもそのはず、この二人は初めプリキュア達と敵対していて、その後に芽生えた友情で仲間となったキャラなんです


「過ちを犯してもやり直すことは出来る」


一見して綺麗事を言っているだけのように聞こえますが、この台詞をパッションとビートが言うだけで凄く説得力が増します
この点は今作で最も評価したいところです


前作NS1ではキャラは登場すれど台詞は無し、というオールスターズ恒例のお祭り感を削ぐお話が残念でしたが今作でもやはり台詞があるキャラは限られてしまっているのが実際問題です
具体的にはブラック、ホワイト、ルミナス、パッション、ブロッサム、マリン、ビート、それにスマイルとドキドキの面々のみで残りはモブと同じ扱い


ただしグレルとエンエンの二匹こそが主役、プリキュアはあくまでキーパーソン
と割り切ったお話作りを感じられますので、前作からはかなり進歩したと思います


どちらにせよ胸にくるお話であることに変わらず、深夜の劇場で涙ボロボロ落とさせてもらった良い意味で期待を裏切ってくれた作品ですね

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3

70.8 7 友情で妖精なアニメランキング7位
映画 魔法つかいプリキュア! -奇跡の変身! キュアモフルン!-(アニメ映画)

2016年10月29日
★★★★★ 4.1 (25)
98人が棚に入れました
わたし、朝比奈みらい!みんな、“願いの石"って知ってる?どんな願いも叶えてくれるすっごい石なの!今日はその復活をお祝いする、100年に一度の大魔法フェスティバル♪リコもはーちゃんも一緒に“願いの石"にお願いごとをしたんだけど、なんと石のちからに選ばれたのはモフルンだったの!ほんとワクワクもんだぁ!!なのに…とつぜんあらわれた謎のクマ・ダークマターに、モフルンが連れさられてしまったの!!モフルンは絶対に助けてみせる!離ればなれになっても、みんなの願いが奇跡をおこすよ!!と思ったら、え~~~!!モフルンがプリキュアになっちゃった!?

声優・キャラクター
高橋李依、堀江由衣、早見沙織、齋藤彩夏、浪川大輔

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

④岩をも動かす想いの力

ツカミの戦闘あり、作画良し、悪役にちゃんと意味があるというプリキュア映画当たりの法則にしっかりのっている。

クライマックスの戦闘では、まほプリの特徴であるライダーのフォームチェンジのように次々に変身しながら闘うの旨味が見事に活きている。

そして、プリキュア全作品に通じることだが、想いの力を、人の心の究極的な力を信じているという信念が本作でもしっかり生きている。

ただ、明らかにこの話がキラプリの神回の47話「大好きを取り戻せ、キュアペコリン出来上がり」に脚本家さんが同じようなだし繋がったのだろうが、あっちのが遥かに上手くいってるよなぁ~。あと、おまけの5分くらいのCGアニメいらねぇ…。まぁ、オールスターズメモリーズに繋がる、CG表現の挑戦だったのだろうが。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

64.4 8 友情で妖精なアニメランキング8位
モンスターストライク THE MOVIE(アニメ映画)

2016年12月10日
★★★★☆ 3.7 (14)
57人が棚に入れました
物語の主な舞台は、「モンスト」が誕生したばかりの日本。主人公の少年少女が、世界を脅かす強大な敵と、互いの絆を信じて「モンスト」で戦う姿を通じて、友情とは本気で相手に感情をぶつけることだという熱いメッセージを発信していきます。

声優・キャラクター
坂本真綾、Lynn、村中知、木村珠莉、河西健吾、福島潤、小林裕介、山寺宏一、水樹奈々

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

リゼロのスバルとこのすばカズマ、鉄血の三日月が夢の共演………中身の声優さんの事ですが。

ゲーム未プレイ

cast
焔レン:坂本真綾(小学生時代)
焔レン:小林祐介(高校生時代)
水澤葵 :Lynn
若葉皆:木村珠莉
神倶土春馬:村中知
その他:河西健吾・福島潤・水樹奈々・山寺宏一
北大路欣也

主題歌:「夢のありか」ナオト・インティライミ

CMで作画綺麗だなと気になってました、ポケモン的なキッズアニメ映画かと思いきや全年令対象ですね。

話の内容的には単純で90年代映画ロードムービー代表作のスタンド・バイ・ミー かなりモチーフにした子供達の友情物語。

castみて頂ければ分かりますが声優豪華、作画綺麗で恐るべしソーシャルゲームの資金力。
コナンの映画版ぐらいの面白さと完成度です。

ゲーム未プレイでも十分楽しめると思います。
これからはソーシャルゲームの豊富な資金力活かした作品もアニメの柱になっていきそうですね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 12
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

子供たちの冒険ですよねぇ

 モンストをやっていると変な女の子とピエロみたいのが現れて、仲間の明が、過去の世界に巻き込まれたことから始まったです。

 他の仲間の小学生時代に行ってしまうわけです。そのほかの仲間たちは、子供らしくモンストしているわけであるです。

{netabare} 子供ながら近寄ってはいけない建物に入り込んだところから、陰謀だかに巻き込まれるです。その建物に入り込んだ時、レン、晴馬、葵は、悪そうな連中に見つからないようにしているのに、皆実とかいうのか後からついてきて、大声で呼んだりするからその苦労が無駄になってしまうです。これがあるから物語は進んでいくわけだけど、見ているだけでこういうのがいると、ふざけんな!と非常にイライラしたです。{/netabare}

 仲間たちで助け合って、トロッコに乗ったり、途中もめたりもしながら目的地に向けて、地元の人とかにも助けられたりする展開は、冒険というか?悪くなかったです。

 めでたし展開だったわけだけど、初めて見たけど私にはレンとか、明とか良く分からなかったなぁでしたです。押さないレンとお父さんが出てくるCNを見て、作画がよかったなぁと思って見に行ったですが・・・。
 

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3
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