兄弟で将棋なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の兄弟で将棋な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月04日の時点で一番の兄弟で将棋なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.6 1 兄弟で将棋なアニメランキング1位
有頂天家族2(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (446)
2194人が棚に入れました
人間は街に暮らし、狸は地を這い、天狗は天空を飛行する。

京都・下鴨神社、糺ノ森に暮らす下鴨家。
狸界の頭領であった今は亡き父・総一郎の血を継ぐ四兄弟たちは、タカラヅカ命の母を囲んでそれなりに楽しく暮らしていた。

総一郎の「阿呆の血」を色濃く継いだ三男・矢三郎を中心に起こった狂乱の一夜。
次期「偽右衛門」選出も、叔父・夷川早雲の策略も、そして「金曜倶楽部」との一幕も、すべてが一陣の風と共に京の夜空に飛び去ったあの日から季節は流れ、洛中に心地よい香が溢れる若葉の候。毛玉たちは尻の冷えを気にもせず、うごうごと動き出す。

天狗に拐かされ神通力を得た人間の美女・弁天は京を離れ、愛弟子である弁天に恋焦がれる隠居中の大天狗・赤玉先生こと如意ヶ嶽薬師坊は、寂しさと不機嫌を撒き散らしながら相変わらずボロアパートの万年床で、赤玉ポートワインを啜る日々を送っていた。

そんな折、赤玉先生の息子であり、壮絶なる親子喧嘩の末、敗北し姿を消した“二代目”が英国紳士となって百年ぶりに帰朝を果たす。
大驚失色。驚天動地。吃驚仰天。
天狗界、そして狸界を揺るがす大ニュースは瞬く間に洛中洛外へと広がった。

京の町を舞台に、人と狸と天狗の思惑が渦巻く毛玉絵巻第二集、ついに開幕!

「面白きことは良きことなり」

声優・キャラクター
櫻井孝宏、諏訪部順一、吉野裕行、中原麻衣、能登麻美子、間島淳司、日笠陽子、中村悠一、島田敏
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

為せば成る 為さねば成らぬ 成る業を 成らぬと捨つる 人の儚さ by武田信玄

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
我ながら、書きたい事が多過ぎてまとまりのないレビューになってしまいました。でも、それがこの作品の魅力だとも思います。

人間、天狗、狸、それぞれの生き方、もっと言えば人生哲学。恋愛、家族愛。他にも、もっともっとテーマ性がありそうで、1度の視聴で全てを理解するのは難しいかもしれません。

難解な作品だけに万人受けはせず、だから覇権アニメにはなれないかもしれませんが、「芸術性」という点では、間違いなく今期(2017春)1番だと思っています。

もっとも、あまり頭を使わず、ただのエンタメ作品として観ても充分に面白いアニメなので、(一期含め)難しさだけで敬遠せず、もっとたくさんの方に観て頂きたいアニメですね♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
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【余談 矢三郎のモデルって○○だよね?】
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【各話感想(自分用メモ)】
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投稿 : 2025/03/01
♥ : 35
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

京都の町で阿呆な毛玉が大騒ぎ。面白きことは良きことなり♪

有頂天家族2期です。

話は1期の続きで、
1話にはこれまでの振り返りや人物の説明も一切ありませんので、

必ず1期から観てください♪

1期観てから時間が経っていたので、
私も人物の相関図思い出すのに時間かかりました^^;

全12話です。


● ストーリー
京都の町で暮らす狸たち。

下鴨四兄弟の三男、
下鴨矢三郎(しもがも やさぶろう)。

彼が世話をしている師匠・天狗の赤玉(あかだま)先生のところに
旅に出ていた二代目が帰ってきた。


原作には「二代目の帰朝」という副題がついていることから、
1期と違って目新しいのが“二代目”というキャラ。

英国紳士のような見た目で、
天狗としての実力を十分持ちながらも赤玉先生とは仲が悪い。

しかし、彼が主役になることはありません。
おいしいところは持っていきますけれど。

結局ストーリーを作ったり壊したりしているのは、
矢三郎をはじめとする狸たちですw

普段は人間の姿に化けていて、
まるで人間のように生活している狸たちが主役の物語です。


≪ “日常”を描いた物語 ≫

1期は“亡き父”という謎が軸にありましたが、
2期は何が軸にあるのか初めははっきりと感じられませんでした。

しかし、これはこれでOKなのです。

「有頂天家族」という作品は、阿呆な矢三郎の、
何かが起こり続ける退屈しない日常を描いた物語。

だから2期では、
二代目とか、
狸の将棋大会とか、
赤玉先生がベタ惚れの弁天様(べんてんさま)とか、
地獄から帰ってきたという奇術師の天満屋(てんまや)とか、

いろんな要素が絡んできます。

私達の日常だってそうだものね。
日々、ひとつのことだけを追い続けているわけじゃないものね。

気になる事が解決していなくても他にもしなければならないことがある。
なんなら、次から次へとややこしい問題が降りかかってくることもある。

そう考えると、
この作品は矢三郎のただの“日常”を描いているのです。

いやーなんて騒がしくて落ち着きのない日常だw


≪ 言葉選び ≫

原作が小説なのもあってか、
言葉の使い方が秀逸だなあと思うシーンがいくつもありました。

短い言葉のやり取りであっても、
観ている側は十分意味を察することができる。

こちらに自然と心情を想像させる。

直接的な表現でなく、
どこか遠回しだけど的確な表現。

そういう言葉の使い方が非常にうまい。

例えば7話。
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言葉のやり取りは多くなかったのに、
状況と気持ちが痛いほど伝わってくる名シーンでした。

う~ん、うまい。勉強になります。

12話の海星と矢三郎とおばあちゃんのやり取りも大好きですけどね~。
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気持ちをストレートに告げたわけではないのに、
テンション上がらないわけがない一言でした。お見事!


● キャラクター
愛すべきキャラはたくさんいますが、
やっぱり主人公の矢三郎が飛び抜けていますね。


◇ 魅力①~阿呆な生き方~ ◇

矢三郎は阿呆で、
フラフラひょうひょうと生きているけれど、

それは彼が決めた生き様でもある。

ひょうひょうとしているのに、
どこか一本の筋を持って生きている。

惹かれるんだよなあ。
魅力的な主人公だよ。


◇ 魅力②~コミュニケーション能力~ ◇

矢三郎のコミュニケーション能力、羨ましい。笑

天狗であろうと人間であろうと、
もちろん狸とも、

すぐに仲良くなって気に入られるのは、
ある意味才能。

まあ、矢三郎と仲良くなって巻き込まれると
大抵ろくなことがないですけどねww


◇ 魅力③~話術~ ◇

コミュニケーション能力にもつながりますが、
矢三郎のうまく立ち回る話術には惚れ惚れします。

こんなふうにペラペラ駆け引きできたら気持ちいいだろうな。笑


◇ 魅力④~ミステリアス~ ◇

主人公なので一番スポットライトが当たるのに、
心の奥底で本当は何を考えているのか、

それがわかりにくいキャラでもあります。

だからこちらも不意をつかれて、
驚く楽しみがあるのです♪笑


◇ 魅力⑤~主人公としての総合力~ ◇

矢三郎が好きだから、
私はこの作品が好きなのだと思います。

この作品は、深く考えるいうより、
おもしろさを感じ取る作品。

矢三郎の魅力も
気が付けばあらゆる場面で感じ取ってしまっている。

この作品の魅力=矢三郎(主人公)の魅力です。
矢三郎が苦手な人は、この作品自体合わないでしょうw



思った以上に矢三郎について語ってしまったw
それほど、私の中ではお気に入りな主人公なのです♪

金閣・銀閣も、
阿呆すぎるところが愛おしいほど好きなのですけれどw


● 音楽
【 OP「成るがまま騒ぐまま」/ milktub 】

1期と同じくmilktubが担当。

milktubの曲とこの作品とは
相性が抜群なので好きなのですよね~。

今回の曲も矢三郎の生き様とマッチし過ぎなぐらいぴったり♪

この曲を聴くと、
「そうそう、これこれ♪」と有頂天家族の雰囲気を思い出せます^^


【 ED「ムーンリバー」/ fhána 】

こちらも1期と同じくfhanaが担当。

OPとは反対に、穏やかで切ない曲です。

矢三郎が弁天様へ秘めている気持ちを歌っている…?


● まとめ
やっぱり有頂天家族大好きです♪
今回も矢三郎が見事にひっかき回してくれて満足^^

12話でまとまるのか不安になるぐらい駆け足な部分もありましたが、
終わりよければすべてよし♪

3期も待ってます~!

投稿 : 2025/03/01
♥ : 20
ネタバレ

ezo さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

帰ってきた阿呆の血

2013年に放送された「有頂天家族」の続編。


1話目感想
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2話目感想
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3話目感想
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4話目感想
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5話目感想
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6話目感想
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7話目感想
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8話目感想
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9話目感想
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10話目感想
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11話目感想
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12話目(最終回)感想
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投稿 : 2025/03/01
♥ : 11

81.8 2 兄弟で将棋なアニメランキング2位
りゅうおうのおしごと!(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (850)
3831人が棚に入れました
玄関を開けるとJSがいた―

「やくそくどおり、弟子にしてもらいにきました!」

16歳にして将棋界の最強タイトル保持者『竜王』となった九頭竜八一の自宅に押しかけてきたのは、小学三年生の雛鶴あい。九歳

「え?、・・・弟子?え?」

「・・・おぼえてません?」

覚えてなかったが始まってしまったJSとの同居生活。
ストレートなあいの情熱に、八一も失いかけていたモノを取り戻していくのだった。

声優・キャラクター
内田雄馬、日高里菜、佐倉綾音、金元寿子、茅野愛衣、久保ユリカ、橋本ちなみ、小倉唯
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

放射熱

熱い


のだが、どこか物足りない。

それはこのアニメ作品では登場人物の勝ち負けまでは映しても、
彼ら彼女らの人物像を結ぶために必要な描写が欠けているからだ。

どうして闘っているのか、
どう闘っているのか、
なぜそうしているのか、
なぜそう思うのか、
何が苦しいのか、
何が嬉しいのか、

何故、なぜが極めて不足している。


この感覚って私がサッカーのワールドカップやフィギュアスケートを楽しんでいるときのそれに近い。

熱いし、すごいと思うのだが、どこか物足りない。
ルールを何となく知ってはいるが、
選手のことはよく分からん。
どんな選手で、どんなアスリート生活を送ってきて、
どう輝いてきて、どう苦しんできたのか、
を知らない。

ルールや技術についても、
どこら辺がすごくて、どこらへんが難しくて、
当人と他者ではどう違うのか、
そこら辺が分からないのだ。

プロ野球のヤクルトスワローズを応援しているときだけは、
他のスポーツ観戦と一線を画す。
もう、今の選手たちを深くは知らないが、
既にファンになってしまっている自分がいる。

正直、ルールや技術について詳しいとか理解が深いとは思わないが、
心の中にある家族の様な繋がりが、錯覚がファンにさせているのだろう。
本物の家族よりずっと小さな繋がりかも知れないが、
それよりもずっと太く短い感じがする。



このアニメでは限られた時間の中で目標が定まっていたので、
そこら辺を描き切れていない感じがありありと感じられた。

熱い、この作品は熱いのだが、よー分からん。
けどなんか気になる、
もっと知りたい、見てみたい

というわけで原作のラノベを最新刊の6巻まで買ってしまいました☆
確か、7話ぐらいまで放送されたときだったかな。
ちなみにアニメの方の作品は、7話まではかなり楽しんでおりました♪

ここから先はラノベの方もちょいちょい交えて話します。
読み進めるにつれネタバレが多くなるので注意。

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二話までの感想
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投稿 : 2025/03/01
♥ : 12

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

石川県の方言・文化の描写がかなり問題あります。

* 正直、ほとんど作品レビューとかけ離れた駄文考察ですが失礼・・・

第一にヒロインの小学生が七尾市和倉町出身だそうですが、盛んに「金沢弁」をしゃべってます。
七尾なら「能登弁」の筈ですので、微妙に違います。
まあ、金沢弁でも能登弁でもいいのですが、石川県方言としてはいろいろ間違いが多いうえ、
「あらへん」とか「せやから」とか石川県では絶対に使わないような関西弁が随分、混じっています。

それと、アニメでは端折られてますが、原作ではヒロインが金沢カレーを作る描写がありますが。
金沢カレーはとてもとても小学生どころか一般人が作れるような家庭料理ではありません。
地元金沢でも、金沢カレーは家庭で作られるものではなく、金沢カレー専門店でのみ作られて食べられるものです。
他には「金沢カレー」と商品名を付けたカレー弁当がスーパーで売られているくらいですね。
くどいようですが、今「金沢カレー」と呼ばれているカレーライスの歴史は30年程度、名称として「金沢カレー」が使われだしたのは2006年頃からご当地カレーの「よこすか海軍カレー」や「札幌スープカレー」の対比として「金沢カレー」という言葉が徐々に使われ始めたそうです。
原作者は「金沢カレー」なんていう名称から、かなり昔から金沢の家庭で金沢カレーが当たり前に作られ食べられている石川県定番料理とでも思ったのでしょうか?
金沢の一般家庭で家庭料理として食べられているカレーライスはバーモントカレーとかジャワカレーとか日本全国で普通に売られているカレー粉を使ったものや一般的なレトルトカレーばかりです。

かろうじて解釈するとヒロインはよっぽどの料理の天才で自分で金沢カレーに必要なスパイスを入手・ミックスして自己流金沢カレーを作ったのでしょうか?
そんな天才的料理技量があるなら将棋作品より料理作品にでもした方が良いです。

なんでも原作者は岐阜県出身で金沢大学(金大)出だそうですが、金大には関西人が多いそうなので、
金大のコミュニュティに属していた作者ゆえに、石川県方言や金沢カレーの誤解が生じた気がします。

石川県を舞台にしたアニメとして有名なのは「花咲くいろは」。
それと石川県に類似した方言を使う富山県を舞台とした「クロムクロ」のように
あんまり変に方言や地方文化を絡めすぎずに作った方が良いと思います。
岐阜県飛騨地方を舞台とした作品に「氷菓」や「ひぐらしのなく頃に」がありますが、あんなふうな作りで良いと思いますね。

追加
金沢カレーの件ですが、金沢カレー専門店から「計り売り」を購入してくる手がありました。
調べてみると作品の舞台の大阪にも金沢カレー専門店がありました。
それと「ヤフーショッピング」を調べると「ゴーゴーカレー」「チャンピオンカレー」などがレトルト形式で通販しているようです。
あいちゃんの作った絶品金沢カレーは計り売りや通販などで入手した金沢カレーに具を加えるなどの自分なりの工夫を加えて作ったと思われます。
ただし石川県内でも家で金沢カレーを食べる時に四話で描かれていたように、わざわざフォークを使ったりはしませんけどね。勿論、金属製の皿も使いませんし、キャベツを微塵切りにして乗せたりもしません。
普通の皿で普通にスプーンで食べます。

そもそも、金沢カレーはあくまでB級グルメであって伝統的郷土料理ではなく、金沢でも知らない人、食べた事の無い人の方が多いと思います。
ただ、大学生の間では非常に人気があるようです。大学生の間では昼も夜も金沢カレーという人もいるようで、金沢カレー専門店の混雑時間は大学生くらいの年代の若い人たちでびっしりです。
要するにこの作品のあいちゃんの言葉は「金沢弁」ならぬ関西からやってきた学生たちによる金沢弁と関西弁がミックスされた「金沢大学弁」であり、
金沢カレーの誤解は「金沢の大学生の食生活」から着ているようです。

* 金沢カレーの話しばかりしてしまいましたが、作品についても少し考察しまが、
三話で将棋初めて三か月の小学生女子が二枚落ちで七段のプロに勝つというのはちょっと無理があります。
続いて最強の女流棋士の銀子にも飛香落ち対局で優勢にすすめます。むしろこっちのほうはある程度、納得がいきます。
この時の八一の「優勢ですよ」という発言はあくまで駒落ちのハンディを加味してのものでしょう。
確かに大きな駒落ち将棋の場合は理論的には正しく指せば必ず勝てるものですから。
それから銀子が逆転したという事でしょうね。
銀子との対局はいろいろ言われてますが「もしや、勝つのでは?」くらいならありでしょう。

*2 「竜王は本当に最高の位か?」
今でも本音としては「名人」が最高の位と考えている人は多いですね。
昔、こんな話しがあります。王位戦だったかで、まだ六大タイトル制だった時期に羽生と米長にこんなインタビューがされました。
「もしも名人位か他の五冠かどちらが与えられるとしたら、どちらを貰いますか?」
羽生は「そりゃ、他の五冠でしょう」と軽い口調で微笑みを浮かべながら答えましたが、
米長は「言うまでもない事、名人」と重々しく答えたそうです。
それだけ、名人は重いタイトルなわけです。
名人位の歴史はなんと西暦にして1612年まで遡りますが、1935年の「実力制名人」が始まる以前までは江戸時代は世襲制、明治以降は名誉称号でした。
それに1948年の「全日本選手権戦(九段戦のちの十段戦の母体、広義では竜王戦の起源と言えなくもない)」、
1950年の「王将戦」などの諸タイトルが続いたわけです。

ちなみに竜王位が最高のタイトルという取り決めになったいきさつは、
読売新聞社が「十段戦を廃止し新たに最高賞金を設定した新タイトル竜王戦を始めるので、最高賞金なのだから、最大権威という扱いにして欲しい」と日本将棋連盟に訴えたので、
将棋人口の減少などから収入獲得の点でスポンサーが大切だった、日本将棋連盟がOKしたわけです。

なお、現代の位置付けでは事実上、「竜王と名人は同格」と言われています。
また名人戦に関しては「最も歴史が長く格式がある」とか言われています。

wikiからの引用ですが・・・
>竜王戦は棋戦として序列1位であるが、竜王在位者と名人在位者の序列はタイトル保持数が多い棋士が上位となり、同じ保持数の場合は棋士番号が小さい方(プロ入りが早い方)を上位とすることになっている[注 3]。なお、1名が竜王と名人を独占した場合は、「竜王・名人」と呼ばれる。これは、竜王戦は賞金が最も高額だが、名人位は他のタイトルと比べ圧倒的に歴史が長く権威があり、竜王と名人の序列をつけにくいためと考えられる。(中略)
なお、竜王および名人は将棋界の代表として、アマチュア段位の免状への署名等、対局以外の多くの業務を課せられる。

という事です。
しかし、作品的に言えば、名人は獲得するのにC2→C1→B2→B1→Aと順位戦を駆け上がりA級順位戦で最高成績をおさめると名人に挑戦できるシステムなので、獲得するまでプロ入りしてから最低、五年はかかるわけです。
それに対して竜王戦は竜王戦の予選は1組から6組までに分かれたリーグ(ただし下位リーグからの進出者には不利な構成だが)の優秀成績者のトーナメント戦で始まるので、最も低いリーグの6組の棋士でも
トーナメントに勝ちあがって竜王タイトル戦に挑戦でき竜王に勝てば竜王のタイトルを得られるシステムになっています。
つまり「17歳の名人」は事実上、無理ですが「17歳の竜王」はありえるわけです。

*3 「地獄の三段リーグ」について
このシステムについても説明しておきます(でも、今のアニメではあまり関係ない話しですがのちの銀子などの関門になります)、
女流棋士ではなくプロ将棋棋士になるには奨励会を抜けて四段にならなくてはいけません。
しかし、その最大の関門として立ち塞がるのが「三段リーグ」です。
奨励会三段にもなり、もうプロ棋士も同然の棋力を身に着けた棋士たちがここに数十人在籍していて、
彼らが半年に一度行われるリーグ戦を行い一位と二位の成績をおさめた者のみが四段になれるシステムで、まさに地獄です。
しかも25歳になったら退会しなくてはいけないという厳しい規定もあります。
一位と二位の棋士だけがプロ棋士になれるというのはあまりにキツいシステムで、多くの才能ある棋士たちがここで涙を呑んで退会していきます。
あんまり厳しいので「次点(三位)を二回取った三段棋士はフリークラスに編入できる」という救済措置もできましたが、やはり厳しいのには変わりはありません。

なぜ、こんなきついシステムになっているのかというと、「将棋プロ棋士があまりに増えると食っていけなくなるから人数制限している」に、他なりません。
医者とか弁護士のように「その職にふさわしい技能」を身に付ければ人数無制限でなれるというわけではないのです。
ちなみに奨励会三段の女性は二人居ます。一人は里見女流五冠(残念ながら一度も三段リーグで勝ち越す事も出来ず年齢制限で退会しました)、もう一人は女流棋士ではなく奨励会に専念している西山朋佳三段という女性の将棋棋士です。
西山三段は三段になった当時、三段リーグで六位だったかを取り騒がれ、その後も何度か勝ち越したりしましたが、
今はちょっと負け越しが続き、厳しいようですが、年齢制限いっぱいまではあきらめないそうです。

*作品と関係が薄い、いろいろ話しの長文を書き連ねてごめんなさいです。作品鑑賞の参考にしてください。

駄文 金沢では今は死ぬほどの大雪です。
綺麗に除雪した状態からでも、たった一晩で車の窓ガラスの半分に達する程の雪が降り、まず除雪しないと、ドアすら開けられない状態です。
しかも、そんな積雪が夜も昼も続いていて天気予報によると、だいぶ先まで続くのだから、ウンザリです。
「断続的な大雪」ならぬ「連続的な大雪」です・
仕事に行けない人やあちこちで車が雪にハマって動けなくなっている状態です。
融雪装置のない脇道は除雪用の雪上車やキャタピラの重機以外はほとんど動けない状態です。

*最後まで見ました。お話しとしては面白かったです。
最後の方は方言も出なくなってましたね。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 49
ネタバレ

すがさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

ろりろりん♪

あいくるしい女子小学生が出てくる将棋アニメ。

将棋部分はガチだが、将棋の知識が無い人でも気軽に楽しめるような作りになっていた。
ちょっと違うけど、イメージとしては『ロウきゅーぶ!』に近いかも。


\小 学 生 は 最 高 だ ぜ !/


さらに、登場人物に、実在する棋士の要素を入れていたり、
シナリオに、将棋界で実際にあったエピソードを織り混ぜていたり、
対局では、プロの実戦で現れたことのある展開が使われていたりと、
将棋ファンに向けた楽しみもきちんと用意されているので私もニッコリ。

私は以前、新潟から東京の将棋会館へ足を運んでいたほどには将棋バカで、
自宅の本棚にも、何十冊もの戦術本が並んでいる。

オタク特有の自分語りになるが、私の語彙は、それらの将棋本による影響をかなり受けていると思われ、
友人や先生から「可笑しい表現」を指摘されることもしばしば。
自分ではよくわからないけれど、あにこれでレビューを書く際にも、もしかしたらその癖が若干入っているかもしれない。



以下、知っているとドヤ顔できる(かもしれない)将棋界の小話など
↓↓↓
ネタバレレビューを読む



最後に、この言葉を残してレビューを締め括りたいと思う。

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投稿 : 2025/03/01
♥ : 40

63.3 3 兄弟で将棋なアニメランキング3位
しおんの王(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (144)
882人が棚に入れました
幼い頃に何者かに両親を殺害され、そのショックから事件での記憶と、言葉を失くしてしまった主人公の少女「安岡紫音」。殺害された両親の遺体には、犯人により「将棋の王将」が残されていたが、犯人の意図がつかめぬまま、事件は迷宮入りとなってしまっていた。
 さらに、紫音の両親の殺害された翌日、羽仁真(当時八段)は、神園修から、初めてのタイトル「角聖」を奪取。そして同日、羽仁真の実弟・悟の婚約者であった瀬戸一美が心臓発作で死亡した。瀬戸一美は、事件の数日前に安岡家を訪れ、紫音にも会っていた。これらの事件の重なりは、果たして偶然なのか。

声優・キャラクター
川澄綾子、朴璐美、水野理紗、郷田ほづみ、松風雅也、松本保典、國府田マリ子、中尾隆聖

らしたー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

なぜ女流棋士は弱いのか。なぜ女性は「棋士」になれないのか。

観たのは数年前なので記憶があやふやだけれども。

原作者の「かとりまさる」とは、元女流棋士の林葉直子のことである。
もはやスキャンダルしか記憶にないオバサンなわけだが、一時期はたしかに無敵の女流棋士だったわけで、そんな人が、女流という将棋界の制度について、エンターテインメントの土俵で何かしら語っているという意味では、個人的にたいへん興味深くもあった。

蓋を開けてみれば、将棋というモチーフに安っぽいサスペンスをくっつけただけの、林葉直子の憂さ晴らし、という情けなさであったが…。
なぜもっと、彼女にしか描けないものを追求しなかったのかと、わりと真剣に残念に思う。

そもそもの前提として、将棋の世界に興味がない人にとっては、棋士と女流棋士と奨励会の関係について、まったくイミフなんじゃなかろうか。
とくに棋士と女流棋士の違いについては、「女性の棋士のことを女流棋士って言うんでしょ?」くらいに認識しちゃってるのが普通のはず。

世に「女流棋士」はたくさんいるが、「女性の棋士」はいまだかつて存在しない。
頑張って挑戦してる人はいるけれども。

「棋士」の厳密な定義はググってもらったほうが早いと思うが、ごくかいつまんで言うと、奨励会という神童ばかりが集まる世界で三段まで昇段し、そこでのリーグ戦で好成績を収めることで晴れて四段になり、はじめて「棋士」を名乗れる。もちろん性別を問わず平等に門戸は開かれているが、女性は誰も突破していない高い壁でもある。

棋士と女流棋士は、競技レベルで言うと、もはやプロ野球と高校野球の差である。それか大相撲と中学の相撲部。目も当てられない絶望的な力の差があるというのが常識で、だからこそ、興行的な観点から女流という「制度」を保護してあげている現実があるわけです。

作中でそのことの説明がなかったように記憶しているのだが、それ、いささかまずい。
安岡紫音や二階堂沙織ら女性棋士がすいすいとトップ棋士を破ることのファンタジー性について、視聴者がその異常性を理解する材料をまったく与えてもらっていないのだ。

非現実路線を行くなら行くで、可憐な女流棋士がばったばったと棋士を破っていく痛快な美少女将棋ファンタジーに徹してもらって構わないわけだけど、作品の方向性としてどう転ぶにしても、「いかに奇跡的な快進撃なのか」を観てる人にちゃんと伝えてあげないと、物語としては大きく損をしちゃうわけで。

さも現実路線なテイストで、女性による「将棋革命」を匂わせているところが非常に質が悪いし、それにくわえて、あたかも男尊女卑の棋界が女性の実力を認めたくないから意地悪してる、という見当違いの印象を視聴者にあたえかねない点は、言っちゃなんだが、男の壁に散ったオバサンの憂さ晴らし以外の何ものでもないだろうと。

というか、その絶望的な力量の差を誰よりご存知なのは林葉女史ご自身であり、もし彼女が自らの経験を基に「女流とは何か」を正面から描いていたら、あるいは歴史的名作になっていたかもしれない。それこそ安っぽいサスペンス要素なんてお呼びじゃないほどに。

そういう意味で、斉藤歩の存在は非常に惜しかった。マジでもったいない。
彼女を主人公として、「女流」というものをひたすらえぐったら、相当おもしろい話になっていたと思う。


ここからは雑談。

●なぜ女性は「棋士」になれないのか。

肉体的スポーツで女性が男性に勝てないのは仕方がない。
しかし、頭脳勝負の将棋で、なぜここまで女流棋士は絶望的に弱いのか。

自分の知る限り、答えは出ていないはず。
囲碁やチェスでは、それなりに女性が強いし実績も上げているのに、将棋ではてんでダメ。

いったいなぜなのか。

単純に女性の競技人口さえ増えれば実力差は解消されるという人もいれば、男女の脳の違いが決定的な要因である、という人もいる。あるいは将棋で食っていくという悲壮な覚悟があるかないかの違い、という人も。

すべて少しずつ正解だと思っているが、この中で、競技人口や将棋で食っていく覚悟というのは概ね社会通念や環境に依存する要素であるが、脳の違いだけは生物的な要素である。

女性と話してて、「あ、どんなに理屈言っても通じねーなコイツ」みたいな経験は男性であれば少なからずあると思う。不思議なことに、理系の世界で生きてきた女性ですら、そこの本質はあまり変わらない。
かといって、理屈というものを理解していないわけでは、もちろんない。
むしろロジックシンキングを素直に吸収する能力では、女性の方が優れていると思っているくらい。男性のほうが勝手に要らんことまで考えて自滅しやすい傾向がある。

だが、学問的・技術的な「理」を受容できることと、それに身をゆだねて動けることは別問題で、なぜか女性は「ロジックだけ」を根拠に動くことを好まない。ロジックから明白に得られる不都合な真実に、なぜか目をつぶる…。だから読みが甘くなる。

どんどん話を一般化しちゃうようで恐縮なのですが、ある程度のところで「えいやー!」が出来てしまう女性のほうが、おそらく人間としては強いと思う。それは経営者や政治家の「決断が早い」とはまた別の次元での、良い意味で「見切りをつける早さ」であり、人生という局面においては、それがプラスに働くことのほうが多いから。

しかし、ことトップレベルの将棋に関しては、それじゃダメなんだろうと。

もっと悩んで迷って、勝ち筋と相手の思考を限界まで読んだ上で王を殺しにいくという、戦闘的な「ロジックとの戯れ」ができない限り、まず勝てない世界だろうと。もちろん持ち時間が切れて1分指しになればどのみち見切りをつける将棋になるんだけども、見切りをつけるタイミングがひとつふたつ早いところが、棋士との圧倒的な差じゃないかと。

あくまで比較の問題ですが、終盤になるほど盤面が単純になるチェスや、大局観がものをいう囲碁だと、そこまで壮絶な「限界」を要求しませんのでね、将棋に比べたらまだ女性が活躍できる余地が大きいのではないか。

とか。

ま、えらそうなこと書いてますが、
私なんかそこらの将棋教室の女児相手に30手以内で余裕で負ける自信あります。
素人からしたら神がかった強さなのでね、あの子たち。

いつの日か、涼しい顔で奨励会三段をパスしていく「女性の棋士」が現れることを、
いち将棋ファンとして心から願っております。


今さらアニメの話に戻るのも気が引けますが、
他の方も書いてらっしゃいますように、次回への引きの強さだけは冗談みたいによくできていて、なんとなく将棋な雰囲気を楽しんで観る分にはけっこう優等生なアニメだと思います。

ただしビジュアル面は相当残念な出来でした。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 16
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

将棋+サスペンスの新感覚アニメ

2014/01/26追記(ネタバレ注)

まず最初に、将棋を目当てに見ることはオススメしません。
このアニメはあくまで将棋の棋士を中心としたサスペンスがテーマであって、将棋界の現状や将棋の戦法を教えてくれるいわゆる‘将棋アニメ’ではないと思います。
だから逆に、将棋に詳しくなくサスペンス系のアニメが好きな人なら多分楽しいです。実際自分は全く将棋が分からないですが、このアニメは楽しませてもらいました。
幼いながら強い意志を持って生きる主人公のしおんや、ライバルの斉藤・二階堂それに羽仁名人や神園九段など、登場人物の個性の強さが何よりの魅力です。

所々原作と改変してある部分があります。例として
ネタバレレビューを読む
このように、尺や整合性を考えスタッフが色々苦心したことが分かると思います。
大体が省略の意味で改変されていますが、最後二つはいわゆる‘良改変’の部類であると思われます。
自分はアニメを見終えた後で原作を全巻揃えて読んだのですが、やっぱりアニメの方が面白かったです。前述のシーンのような、作画が粗くとも地味なシーンが多くとも許せてしまう、川瀬監督の演出力に魅せられたのだと思います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12
ネタバレ

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

将棋のルールを知らなくても雰囲気で見れる感じの作品です

両親を殺され一人生き残った少女... そのショックで言葉を失くした少女が、
将棋の世界で戦っていく姿とその殺人事件の謎を描いた物語。全22話。

将棋×サスペンスって、2つの要素を掛け合わせてるのは珍しくて面白いですし、
展開としても将棋ばかりではないので、退屈せずに最後まで見れましたw

キャラも主人公を含め、独特の個性のある登場人物たちが多くて良かったです。
特にお金を稼ぐ為に ネタバレレビューを読む女流棋士になった「歩」の存在は
なかなか良かったかなw


ですが、2つの要素を物語に上手く絡めていて面白かったとは思うのですが、
時間が足りなかったのか、どちらの要素も物足りなさは否めない。

          
ストーリーに関しては、主人公を含めた女流棋士 三人の活躍を描いていく中に、
8年前の殺人事件の謎も絡んできて続きが気になる展開ってのは良かったし、
将棋の世界で女流棋士の置かれている状況というか、棋士と女流棋士との
立場や見る目の違いなどが描かれてるのは面白かったですw

ただ、途中までは結構楽しく見れてたのですが、終盤の展開は残念...


一応は、将棋としても事件としても 物語はしっかり完結はされてはいるんですが、
終盤の展開はかなり早いし、犯人の動機や行動に関しては理解し難いもので、
「なんですか、この茶番は...!?」って感じでガッカリでした。
ネタバレレビューを読む
もう少し、しっかりとした過程を踏まえて納得の出来る結末に向かって欲しかった。

それに、将棋の対局に関しても、緊張感や緊迫感などは伝わってくるんだけど、
毎回 勝負の展開が速くて、少しアッサリ終わってる感じがしますね。
もう少し、しっかり時間をかけて描いて欲しかったかな...


まぁ全体的に見れば、結構楽しめた部分は多かったりもしたのですが、ラストがダメだと
台無し感がスゴイ...やっぱりラストってすごく大事ですよねww

投稿 : 2025/03/01
♥ : 24
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