仲間で騎士なおすすめアニメランキング 33

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの仲間で騎士な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月28日の時点で一番の仲間で騎士なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.4 1 仲間で騎士なアニメランキング1位
盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1179)
5558人が棚に入れました
図書館で出会った一冊の本。そこから勇者として異世界に召喚されてしまった主人公・岩谷尚文。盾を使う能力を持った彼は、陰謀と裏切りに会い、異世界ですべてを失ってしまう。どん底からの成り上がりを描いたヒロイック・ファンタジー!

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

タイトルに偽りなし!

原作未読。最終話まで視聴。

主人公がハメられ、酷い目に逢わされる第1話から始まる、他の異世界転生モノとは一線を画す作品。
主人公の尚文たち同様、視聴者も、何度もどん底に突き落とされる。
こういう所が、好き嫌いの分かれ目かも知れない作品。

私も何度も、どん底に突き落とされ、不快な思いをしました。
尚文たちが少しでも上向くと、必ず、突き落とされる。

{netabare}終盤に、女王の帰還をもって初めて、正当な評価を得られる。

しかし、『クズ』と『ビッチ』は逆恨みを増長させるばかり・・・。
剣、槍、弓の勇者もどきは、尚文たちに謝罪の一言もなく、相変わらず、一人前に勇者気取り・・・。
むしろ、ここまでくると笑えてくる。{/netabare}

人間たちの内側に秘めた汚さ・愚かさの表現が秀逸。
逆に、尚文とラフタリア、フィーロ、メルティの絆の美しさが光る作品。

ラフタリアとフィーロの感情表現の豊かな表情が、とても好印象の作品です。

続編を期待して待ちたいと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 63
ネタバレ

フィーロたんlove さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

大人向け名作童話 人間臭い主人公の魅力が光る

総評

バトルシーンを除けば大人向けの童話です。
本編「盾の勇者の成り上がり」、外伝「槍の勇者のやり直し」
を通して読むと、「モモ」、「星の王子様」、「百万回生きた猫」
などに通ずるものがあると感じました。

ただ、大人向けです
この作品は忍耐強さ、誠実さ、気高さ、美しさ、愚かさ、醜さなど
人間の有する善悪両面を真っ向から描いています。

ですのでストレス耐性が少なく、理解力が浅く物事を表層的にしか
捉えられない中学生以下(あくまで一般的基準です)の方にはお勧
めしません。

22話感想
{netabare}
ウェポンコピー、転移スキル、武器の強化方法
あと信じてみる事の必要性
ここに来て重要な情報がようやく一部開示されました
ラルク(でしたっけ?)登場でしたね
たぶん小説版から登場したのでよく知らないキャラです
人気が高いキャラのようなので期待しておきます
{/netabare}

21話感想

綺麗に収まったと思います 
これぞアニメ版というとこでしょうか
特に言うべきことはありません

あと先週の声優さんの特番見ました
ねんどろいど可愛いです
フィーロの出来が良ければ買おうかな

番組を見ていて声優さん、スタッフの方、監督さん、
スポンサーさんなど、この作品がたくさんの大人の
心を動かし、このアニメが出来たことが感じられ
ました




20話感想
雑魚ボス戦での無理やりな盛り上げ方が気になりますね
{netabare}
今回のバトルはアニメ版の最大の盛り上げ場所のつもりだった
のでしょう。

これでもかと味方の攻撃が繰り広げられてましたが
なろう版でもコミック版でもなかっただろう攻撃
アクションが多かったように思います

無理やり全員参加型のバトルにして盛り上げようとしたのも
まるでプリキュアをみているような恥ずかしさが感じられて
ちよっとなーという思いでした

一応最後は原作通りナオフミの捨て身のスキルで締めたので
何とかまとまった感はありました
意図はわかるのでまあやむなしというところでしょうか


主人公の魅力について

①精神的なタフさ

 アニメを見てると3バカ勇者のマヌケぶりが目立ちますが
実際自分に置き換えた時どうでしょうか?果たして彼らより
うまく立ちまわれるでしょうか?ネットでググることもでき
ず、知り合いもいない、誰が嘘をついてるかわからない中で
正しい判断ができるでしょうか?

 ナオフミと自分を置き換えた場合も同じです。状況を判断
する情報が不足する中で、不条理に迫害されても下向かず
頑張れますか?自分の決めた方針を貫けますか?

 彼は周囲の冷たい視線の中、いろいろ思うことはあるにせよ
愚直にやるべきことをやり続けて周囲の評価を覆していきます。
近年稀に見るなんとも男臭い、人間臭いヒーローだと思います。

②懐の深さ

アニメ版では見れないでしょうけど、なろう原作ではだいぶ先に
精神的にポンコツな他の3バカ勇者を見事にまっとうな勇者とし
て再生していきます。

この作品が真っ向から描こうとしているテーマの一つは人間の
愚かさ、醜さでしょう。愚かさも醜さも人間臭さの一つです。

そして愚かで醜い人間も努力や他者の助けで立ち直れることも
この作品は示唆しています。

{/netabare}

 

*********
19話感想
尺を合わせるためか残念な展開に
{netabare}
たぶん2クールでカルミラ島までやって終わるつもりなのでしょうか
尺合わせのため後半が間延びしてる感じが否めませんね
マンガでもなろう版でもこんなに長くなかったと思います
どうせなら亀までやって2クール終了にすればいいと思うんですけど。
三勇教との戦いで3回使うとは思いもよらなかったです。
他の勇者とのぐだぐたも相まってちよっと残念な展開になっています。
教皇なんて雑魚ボスなのに3回もつかうとは。
脚本も割と裁量あるみたいなので、すっとばせるところはすっとばして
もいいと思うんですが。
いままでが良かったので、最近の制作サイドの不作為には少し失望し
評価は下げます(とは言ってもすでに最終話まで作っているでしょうが)。

アニメ版の現在の残念な展開はともかく原作は素晴らしいと思っています
原作の素晴らしさの一つに伏線の巻き方と回収の仕方が秀逸ということが
あります。

たいていの小説には読んでいくと穴ぼこというか伏線があります
情報が欠けている、訳がわからない、意味があるとは思えない情報
などの違和感です。違和感が読者の想像力を刺激するわけです。

本作品で言えば、

「情報が欠けている」は例えば波とはそもそも何か?結論を言えば最後
の最後で明らかにされます。読者は違和感を持ちながら展開される物語
から想像を重ねますが、別の「訳が分からない」ことが出てきたりして
簡単に先読みできません。

「訳が分からないこと」は例えば、マイン(第1王女)は何故そこまで盾の
勇者を貶めようとするのか?他の四聖勇者が仲良くなることを邪魔する
のか?これも結論から言えば最後の方まで明らかにされません。

「意味があるとは思えない情報」は例えば3話でナオフミがラフタリアを
始めて食堂に連れて行った時のお子様ランチの旗です。これは度々ラフタ
リアの初心忘れるべからずの決意表明で引用されるアイテムになります。
旗についてはなろう版では記述が無かったのですが、アニメ版15話ではエクレアの父が自分の領地で亜人が自由に暮らすことを保証する象徴で、白骨化したリファナちゃんが最後まで握っていたという設定になっています。恐らくこれは作者か編集者が後で思いついた伏線の回収でしょう。お話の膨らまし方として上手いと思います。

 作者は穴ぼこ(違和感)はできるだけ大き目に空けて後から埋める、伏線
は多めにばらまいて自由に回収するスタイルをとっていると感じます。なので本編でも回収が進んだとは言えず、外伝の「槍の槍なおし」で回収しまくっています。

 先読みが出来て読む気が無くなるようなことはなく、読み続けるほどに、あーなるほどそういうことかと腑に落ちていきます。厳密に言えば論理破綻しているところもありますが、別に法律文書でもなく娯楽小説なのでおもしろければ問題ありません。なお「槍のやりなおし」ではリファナちゃんが活躍するリープ周もあります。

{/netabare}

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18話感想
{netabare}
ようやく黒幕登場。高等集団儀式「裁き」すごすぎるだろう
クレーターできちまったじゃないか。
今回はモトヤスの勇者としての一途さ熱さが垣間見れた回じゃ
ないでしょうか。今は騙されておまぬけお馬鹿キャラですが
実は勇者としての資質をちゃんと持ち合わせているんですね。
{/netabare}
かなりWEB(なろう)版と異なるので、コミックス13巻まで
読んでしまいました。読んでわかりましたが、アニメ版は
コミックス版とも若干異なるのですね。脚本演出の方がセリフ
や話をうまくまとめていることがわかりました。
本作品においてバトルはストーリーをうまく転がしていくため
の手段というかつなぎなので、今のようなあっさり目で丁度
よいと思います。あくまで本作品の魅力はストーリーと登場
人物なので。


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17話感想
{netabare}
展開的には停滞・一時停止です
いろいろ伏線を撒く回になりましたね 
この先の難敵には勇者が一人でも欠けてはならないこと
何回目かの波の後多くの命が奪われること
人間を救うことと世界を救うことが違うこと
過去の勇者が人間を救おうとしたこと、それが茨の道であること

物語の展開上核心的な部分なのですが
いまいち理解できてなかった部分です アニメ版だとどういう
説明になるんでしょうか まあ今クールではそこまでいかないと
思うので制作サイドもノーアイデアかもしれませんが

「やるだけやってみるさ 期待はしないでくれ」と言って、
ちゃんとやってしまうのが主人公です。期待しています。

予告で太い熱線みたいな魔術攻撃がレンとイツキ一行に降り
注いでました。例の団体の例の術だと思われますが、たぶん
イツキとレンは死なないと思います。これで決定的に理解し
たのだと思うので説得できるでしょう。それともフィトリア
から聖域から出すときに他の勇者のところに下すって言って
いたけど、まさかナオフミ一行が降ってきたのか?かなり
過激な下し方です。違うと思うけどね。問題は現段階では
一番お馬鹿なモトヤスですが、なんとか2クール内に説得できる
ことを祈ります。

フィトリアは昔のご主人様の事を思い出して幸せそうでした。
人間と寿命が違うので仕方がない事ですが 残されたフィトリア
は不憫ですね でもフィーロがいるから 茶飲み友達にはなれ
そうです
たぶん出てこないと思いますけどフィトリアのご主人様の時の
四聖勇者の外伝も見てみたい気はしています
{/netabare}
いろいろ重要な情報が開示された回でした

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16話感想
{netabare}
WEB版とだいぶ内容が変更されているんですね
フィトリアが想像より遥かに大きかったです
可愛いけどでかすぎる そして強すぎる

流れからすると勇者同士の協力が2クール内で
実現しちゃうのかな だいぶ早い気がするんですが
フィトリアは争うのはダメだけじゃなくて理由とか
どうしたら強くなれるのか教えてあげればいいんだけど
何せ鳥頭だから記憶力悪いのはしょうがないか

ナオフミも1国につき勇者一人で波に対抗できるという
ところから、本来この時点で勇者はもっと強くなっている
はず、何かが足りないんだと気づけば....
そういう展開になるんでしょうか?
勇者が目指すべき最終的強さがフィトリアレベルという
のは理解できたとは思うけどどうなんだろう

もうあれだねフィトリア先輩にレベリングしてもらって
後々出てくる〇〇や△△に負けないぐらいの最強になったら
各国に一人ずつ配置すればいいじゃん それで全部解決
フィトリア先輩「今日から私がお前ら四聖を鍛える」
イツキ(弓)「鳥なんかに教わることはありませんよ」
モトヤス(槍)「フィトリアちゃんがデートしてくれるなら」
レン(剣)「群れるのは嫌いだ」
ナオフミ「お前ら」
全員フィトリア先輩にボコられる
四聖「わかりました先輩」
こんな感じかな

{/netabare}
だいぶロリ色が強くなってきて、胃もたれ気味になってきましたが
最後まで視聴します
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15話感想
{netabare}
今回は神回でした。
リファナちゃんが不憫でなりません。
もしかしたらヒロイン候補だったリファナちゃんの
白骨まで見せられるとは思いませんでしたが
まあ流れからOKです
旗にはそういう過去があったのですね
「違う」「そうじゃない」「お前は間違ってない」
ナオフミは3回言い換えました 誠実さを感じます
やっぱりいい奴だわ 友達になりたい
他の方のコメントにもありましたが音楽がとてもあっていました
{/netabare}

改めて感じた本作品の美点は
①キャラが立ってる 
②伏線の撒き方と回収の仕方が天才的
③亜人、魔物が可愛い 動物好きには高評価
④OP(新しい方)が素晴らしい
  雨の中の物憂げな表情の登場人物達
  この時期のストーリー展開にぴったりです
  特にモトヤスの悲しげな表情にぐっときます
  ところで鎌をもってた人は誰だろう
  楽しみにしておきます
⑤挿入曲がすごくあっている
⑥作画が丁寧で素晴らしい
⑦ストーリー展開演出に手抜きがなくて嬉しい

全体的にスピーディーな展開や爽快感は少ないですが、じわじわ来る
叙述的展開がたまりません。違うと思うんですけど、作者は女性なの
かな。

まあ中二病主人公、お手軽俺最強主人公、暑苦しいまでの絆押し付け主人公の作品や、ハーレム作品、主人公はまあいいけど展開が単調な作品などゴミ作品が多い昨今では、希少な本格的なアニメだと思います。


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物語設定、テーマ設定、キャラ設定だけで言えば最高傑作
進撃の巨人などのTOP作品よりも群を抜いていると思います

WEB版を通読した限りでは「モモ」とか「星の王子様」とか
「百万回生きた猫」とか童話、寓話に通じるものがあり一貫性を
感じますアニメ版を見ていまいちと感じる方は是非WEB版を通読し
てみることをお薦めします

主人公が逆境を乗り越えて成長していくというスタイルは程度の
差こそあれそこそこあります。しかしこの作品は迫害という程度の
強いものなのでストレス耐性があまり備わっていない若年層には
物語前半は苦痛になるかもしれませんね。そういう意味では大人
向けアニメかもしれません

アニメでもすでに憤怒の盾が出た時点で勇者の中では一番強くなって
しまったのでこれからは比較的楽に視聴できると思います。

ラフタリアとの関係は、「ゼロから始める異世界生活」のレムを
彷彿とさせますね リゼロも秀作だったと思います

槍のやりなおしを読んで、私もフィーロたんloveになってしまい
ましたですぞ

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人間の醜い心に嫌気がし、人狼や神鳥の美しい心に癒される物語

この物語はドラゴンクエストのような立派な勇者が登場する素晴らしい物語ではありません。
人間の醜い心が思いっきり表現されています。
このアニメで美しいバトルを期待されている方は、見ない方が良いでしょう。
でも、人間でない人狼のラフタリアや神鳥のフィーロが私たちを癒してくれるので、この物語は何とか見ることができます。


この物語では、顔も見たくないほどの嫌な人間たちが登場します。
その嫌な人間たちから盾の勇者である尚文(なおふみ)は、何度も何度も濡れ衣を着せられて酷い目にあいます。

そんな嫌な奴らからの迫害をバネにして、尚文は少しずつ成長します。しぶとく、たくましく生き抜きます。
そんな尚文の生き方に、思わず感情移入してしまいます。
ドロドロして美しくないけど、大好きです。共感が持てます。

そして、尚文の仲間である人狼のラフタリアや神鳥のフィーロは、この物語では天使のように純粋です。いつも尚文を守ってくれます。

人間の心が醜く、獣や鳥の心が美しい、それが嫌というほどわかってしまう物語です。


この物語は、まさに人生の縮図のようなものです。
嫌な奴に屈服して日陰のような人生を送るか、それとも嫌がらせを跳ね返してしぶとく生き抜くか、その選択を迫られることが人生には割とあります。
私たちも盾の勇者のように、しぶとく生き抜きましょう。

エンディングは 藤川千愛さんの「きみの名前」 と 
               「あたしが隣にいるうちに」
2曲ともこの物語にふさわしく、心の叫びが聞こえてきます。魂の叫びと言っても良いかもしれません。
決して美しくないですが、心に響く名曲です。
       

投稿 : 2024/12/28
♥ : 70

82.1 2 仲間で騎士なアニメランキング2位
アルドノア・ゼロ(第2期)(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1695)
9767人が棚に入れました
西暦2016年、アセイラム姫暗殺事件から約1年半後。地球生まれでありながら火星騎士の地位を得たスレインは、専属の部下を従えて、地球軍との戦闘に参加していた。一方、新たな戦地へ赴くべく、修理を終えるデューカリオン。そこに続々と、かつてのクルーたちが戻って来る。

声優・キャラクター
花江夏樹、小野賢章、雨宮天、三澤紗千香、小松未可子、村田太志、加隈亜衣、大原さやか、中井和哉、鳥海浩輔、茅野愛衣、嶋村侑、水瀬いのり、大川透、平川大輔、夏川椎菜、興津和幸、千葉進歩、竹内良太、豊永利行、生天目仁美、三宅健太、木島隆一、逢坂良太
ネタバレ

ニワカオヤジ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ちょっと長いですが、最後にみなさんが批判されている問題を考察してます。

1期・2期通しての感想です。
まずは本筋と関係ないところで、作画的に良かった点
・キャラ造形が良い。女の子は萌えキャラじゃないけど可愛い。
・胸の大きさが現実的で、大人でも大きくない。少年、青年、壮年まで顔が描き分けられている。←これが結構すごいことだと思います。
イマイチだった点
・肝心の戦闘シーンが全体的に暗すぎ&速すぎて、よく見えない。

ここから本筋です。
本作の見所は、
「ロボット戦」、「政治・人間ドラマ」の二軸あると思います。

ロボット戦は、敵が {netabare}圧倒的に強い武器を一つ持っていて、それを普通の武器でどう倒すか、という頭脳戦ですが、 {/netabare}これが非常によくできていて、面白かったです。
このような戦闘形式はいわゆる {netabare}「能力バトル」であり、ジャンプでジョジョから始まりハンターハンターでほぼ完成しているジャンルですが、これをロボットでSF的考証をつけてやったことが斬新でした。 {/netabare}

自分としては戦闘が最も面白い要素だったので、もっと見たかったのですが、 {netabare}ネタが切れたのか戦闘の数自体は少ない(37家門もあるから期待してしまった)し、スレインの乗ってた白いの(名前が覚えにくい)とかスレインの部下(人の名前も覚えられない)の乗ってた赤いの(名前が・・・以下略)とか紫の丸いの(以下略)が結局攻略されなかったのが残念でした。 {/netabare}


次に第2の要素のドラマ部門ですが、正直なところ、不満でした。
ロボットの {netabare}能力を考えるだけで精一杯だったのかな?というくらいに稚拙でしたね。 {/netabare}例えば、 {netabare}
・火星人だけど火星人嫌いなライエ、イナホが好きなインコ、マリト大尉のPTSD、など初期からずっと引っ張ってきた各個人の設定が、有耶無耶のまま終わるのですっきりしない。
・スレインが地球を侵攻する理由が「敵をなくして戦争を終わらせる」ためと言いながらヴァースに敵を作りまくる。 {/netabare}
など、枚挙にいとまがありません。

ただし、おそらく本作で最も批判されていて、クソアニメと言う人までいる理由と言えば、

{netabare}・アセイラム姫がぽっと出の貴族(名前が・・・以下略)と結婚宣言したこと

だと思いますが、これは、妹のレムリナ姫がスレインと結婚宣言したのを帳消しにする必要があったので仕方がなかったのだと思います。

しかし、イナホに好意を寄せていたんだから、宣言する前にはかなり葛藤があったと思うのにその描写がなかったことと、イナホも好きだったんじゃないかと思ってたのに、戦争終結後にアセイラム姫・イナホともあっさりした顔をしていて、こりゃエンドロール後に会うシーンがあるでしょ?と思いながら見ていたのにそのまま終わったところは、本当にクソアニメ。 {/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 39
ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

なんだかんだで楽しめました

ヴァース皇帝レイレガリア・ヴァース・レイヴァース役、小川真司さんの冥福をお祈りして。
【最終話まで見て、を追加】

【13話を見て、アルドノア・ゼロ、分割の後期スタート。】
{netabare}分割モノの後期スタートは、「あぁ、あのアニメが帰って来た」と思わせなければならない。
アルドノア・ゼロは極短的に言ってしまうと
超傲慢で超慢心な火星の人が極端な方向に性能特化したカタフラクトに乗って襲撃してきて、それをイナホが超冷静な分析力と超大胆かつ超的確な行動力を以って撃沈する
という話だ。
そこに科学的用語や澤野BGM(時にヴォーカル入り)、あおきえい監督らしい演出をエッセンスとして加えて構成している。
後期1話としてその全てを詰め込んだ、見事な始まりだった。

最初っからの宇宙戦。スレイン操るタルシスの圧倒的戦闘力。
登場する前期主要メンバー達。
火星カタフラクトエリシウムのとんでも能力とその攻略法。そこにBGMとして流れるKeep on Keeping on。
OP無しにして、EDにOP曲を流し、映画よろしく黒背景のセンターに上からのスクロールでスタッフロールを出す前期1話と同じ構成。
そして、前期感想で書いた「なんで屈折を利用した話を書かないの?」の疑問を一気に晴らしてくれた種明かし。
うんうん。
完璧に「あぁ、あのアニメが帰って来た」と思わせてくれた。

ちょっと細かく
・死んでないのかいっ
これは当たり前。殺すわけが無い。どう辻褄を合わせてくるか、が見所。
結果としてはまあまあ。
イナホの片目が義眼化してた。前期でどう繋げるか予想したが、ちゃんと頭を撃ってたのね、スレイン。
玉に瑕は姫様の状態。配信された予告のサブタイトル「眠れる月の少女」で、姫様影武者で本物寝てるのか、とネタバレされるとは。

・地球側も情報を握りだしたのか
新登場機エリシウム。これと対峙したインコが
「エリシウム。搭乗者はヤーコイムで、アルドノアドライブの能力はエントロピーリデューサー・・・」
とつぶやくシーンが入っている。
19ヶ月の戦いの中で、地球側も色々と敵の情報を入手してるのか、と分かる場面。それを活用しているのがイナホだけ、って情けない状況なのは相変わらず。

・屈折、そして、レイリー散乱
前期感想に
レイリー散乱と屈折の話は、その後にちゃんと屈折を利用して敵を倒す云々みたいな伏線にしろよ
と書いたが、ちゃんとここで活かしてくるとは。
あそこでイナホが「違う」と呟く訳だが、周りはレイリー散乱と屈折の間違いとしか取らない。だが、イナホの違うは「アレは彼女とは違う」の違う。
こういう台詞の言い回しは好きだ。確かに「二人だけの秘密」だしね。
はてさて、ちょっとだけ考えてみよう。
あの演説の中にわざわざこの屈折話を盛り込んだ、ということは、姫に化けた新キャラのレムリナもスレインに同じ質問をして、同じく間違った答えを教わった、ということだ。
また、演説終了後にスレインが「堂々としたお言葉。軌道騎士達も感銘を受けたはず」とレムリナに声をかける。
ここから推測されるのは、火星の人から見れば、大量の空気に大量の水という地球にいれば当たり前に享受できるそれが、非常に希少で羨望なものだということ。
地球にいれば、空が青いのは当たり前で、水が青いのも当たり前。だから別に疑問を抱かない。
火星にいれば、その当たり前がない。だから空や水が青く見える現象に疑問を抱く。
無いものを欲する羨望は、何故自分達にそれはないのだという憎悪を生み出す。
争い事ってのは、得てしてそういうものなんかもね。

・レムリナ
新キャラレムリナ姫の登場で、主要3人の関係性に一加わり。
イナホ ←→ アセイラム ← スレイン ← レムリナ
になるんだろう。
ってことは、前期OPの最後に銃を向けていたアセイラム姫。
実は、あれはレムリナ姫で、
「貴方が私の物にならないならっ!」
みたいな感じでスレインに銃口向けてるシーンなのかなぁ、とか、思えてきたよ。{/netabare}

【14話を見て。対比も邂逅もベタだが良い。】
{netabare}運命の2人。
後期2話で描かれるのは、有りがちだが巧い対比と、その邂逅。そして、認識。

義眼となったイナホ。その義眼には情報を収集する能力がある。
その義眼能力を使ってのインコとの会話。イナホの心がアセイラムに向いているのはインコも頭では理解済み。
そして、出て行くインコの様子を見たライエから「あなた、本当はバカなのね」。

タルシス操縦者となったスレイン。出撃のために起動しようとするも動かない。
アルドノアドライブを起動するようにレムリナに頼むスレイン。スレインの心がアセイラムに向いていることにレムリナは嫉妬。身の上話を持ち出し、レムリナから口吻を貰いタルシス起動。
そして、その様子を見ていたハークライトから「感服しました」。

前期OPからイナホとスレインの対比描写はやられているが、こういう対比はベッタベタにやってくれたほうが、見ているコチラは心地良い。


そして、戦闘。宿命の2人の邂逅。互いを認識しあい、名前をつぶやきあう。

こういうライバル関係の描写もベタだが、ベッタベタにやってくれたほうが、見ているコチラは心地良い。


ちょいと細かく
・イナホの能力と義眼
上の感想でもちょいと触れたが、イナホの突出した能力は”超冷静な分析力と超大胆かつ超的確な行動力”だ。
そこに、義眼の超情報収集能力が加わり、スーパーイナホくんへのクラスアップした。
これもイナホの分析力があるから活かせているが、あんな大量の情報を普通の人が受け取ったらかえって大混乱をおこしそう。
だが、物語的には、このままだとイナホが突出しすぎるので、イナホが収集、分析したデータを的確に活用できるサポートメンバーがいりそう。そこで、イナホが来るまで学業トップでカタフラクトの操縦にも秀でるインコの出番になるのかな。

・アルドノアドライブの起動
タルシスのアルドノアドライブが停止し、スレインが出撃出来ない。
で、レムリナを口説き落として口吻を貰い、タルシスの起動をする。
この時にレムリナは「これで1回ね」みたいなことを言っている。
うーん・・・アルドノアドライブの起動条件がイマイチ掴みきれないなぁ。
テレビでいうところの、本体についてる主電源のオンオフを握ってるのが皇帝の血筋。
スレインが持っているのはリモコンについてる電源オンオフ、みたいな感じなのかな?

・風
13話から戦闘シーンで出てくる”風”という表現。
成層圏を越えたところでの戦闘なので、地球上で大気が動く風とは違う。
壊れた月の破片が微弱な重力場となって弾丸に干渉。弾道が乱気流に巻き込まれたように直進しないことから”風”と呼んでるのかな。
これも、大気が大量にある地球側ならではの表現。

・副艦長
モテない理由会話を艦長としてる彼女。
頼むからモテる行動をしないでくれ。
モテる行動した途端に死にそうだ。{/netabare}

【15話を見て、引き続きのベタな描き方。だが、良い】
{netabare}後期は1話から徹底的にベタな描き方をしている。それが巧く良さに繋がっている。
今回ベタに描かれたのはスレインの心情変化。
驚き、戸惑い、迷い、感謝、そして、決意。
アセイラム第一主義なスレインがやろうとしていることは極単純。
意識不明なアセイラムを確実に保護していくために、いかなる手段を使おうとも、自分が権力を握らなければならない。ということ。
だけど、基本的にスレインは良い子ちゃんな甘ちゃんなので、15話でもグラグラしっぱなし。

ザーツバルムの後釜狙ってたとはいえ、すんなりかつ突然に「息子にする」と言われて驚きと戸惑い。ハークライトに「夢に近づきましたね」と言われても「夢なんかない」と言っちゃう。自分の進もうとしている道が”夢”というような明るいものでは無いと分かっているから。

戦闘。
わざと軽ダメージを受けてザーツバルムを前面に出させる。
そこで、もう用無しとばかりに、イナホ対策に張っていた罠をザーツバルムに対して仕掛ける。
ここで取るスレインの行動は、無線を使って「姫に銃を向けた貴方を許すと思ったのか」という告白。これは、本当にザーツバルムを裏切って良いのか、殺して良いのかとグラグラする自分の心を落ち着かせ、迷いを断ち切り、自分を正当化するための行動。悪く言えば言い訳。昔の作品では、ガンダムでもシャアがガルマを裏切る時に「生まれの不幸を呪うがいい」って無線で話してましたな。
そして、「お父さん」。最大級の感謝の言葉。
婚約者を失い、スレインを養子にするってことは、結局、新しい人を無つけることはしなかったんだろう。そんなザーツバルムにとって、この時にかけられた「お父さん」は人生で初めてかけられた言葉だ。お父さん、という響きに感じる少しだけくすぐったいような心の動き。それを受けての「悪くない」。

戦闘後。
赤い爵位服をハークライトより受け取るスレイン。
これまでの丁寧語を捨て、「いくぞ、ハークライト」。
スレイン・トロイヤードを捨て、スレイン・ザーツバルム・トロイヤードとして新しく生きていく決意。
そして、ザーツバルムを暗殺までして選んだ、後戻りの出来ない茨の道を進む決意。


ここまで綺麗にベッタベタに描いてくれると心地良い。心地良すぎる。
罠にかけてからディオスクリアが爆散するまでスレインの眼をフレーム外にやりつづけ、やっと画面に入ってきたスレインの眼は爆散するディオスクリアを見つめながら揺れているって演出。これもベタだが良い。


それ以外で2点ほど難癖を
・イナホの義眼
眼は脳への直結器官、とは言ったもので、イナホの義眼は脳のお休み部分を使って分析レベルの深化をさせることが出来るそうな。
それは良いんだが、自問自答モードの時に
ピューイ、キュイ
とか、変な効果音を入れるの辞めて欲しい。クソ安っぽい。
・戦闘BGM
Keep on Keeping onを多様しすぎ。ここぞ、って場面にのみ使って欲しい。
折角の良曲がダレる。{/netabare}

【16話を見て、スレインの立ち位置確立】
{netabare}イナホのライバル位置としてはちょいと弱いなぁ、と思っていたスレイン。
主人公のライバルとして、その立ち位置を確立した回。

15話での決意を受けて、非常に良い顔になった。
ザーツバルム。自分が罠にはめて殺した父。その人の言葉を元に行動する彼。そんな彼が自嘲的に浮かべた笑み。

総力戦で堕ちなかったトライデント基地をたった一人で強襲。陥落。シャアザクやシナンジュを彷彿とさせるあの動き。

そして、イナホの「仕方ない」。
トライデント基地陥落の報を受けたイナホは、この強襲が弾薬他補給物資搬送のタイミングを狙われたと推測。ただ力任せに来るだけではなく、情報の収集分析の上に襲ってきたのだ、と。
強襲場面の映像を見て、それをしたのがタルシス、スレインだと確認したイナホ。
左目を押さえて、自問自答する。
 この強襲を予想できたのではないか。
 補給物資搬送のタイミングを狙われると推測出来たのではないか。
 いや、今までの火星のやり方から、こちら側の動きや暗号、情報操作を
 分析解読するようなやり方で来るとは思えなかった。
 このトライデント基地強襲を予想出来なくても「仕方がない」じゃないか。
そう。スレインはイナホを出し抜いたのである。

これで、イナホの対スレイン警戒レベルが一段階上がった。
ここからが本当のライバル対決の始まりである。


話変わって。
16話でもベタをやってくれた。
重力発生ボールをグルグル回してストーム野郎と化す火星カタフラクト。
見てる全員が思うはず。
「いや、頭上がガラ空きだろう・・・」
ベタな技にはベタな対処法。
地球人憎しタイプでは無い騎士さんらしく、降り立った時の表情の戸惑い加減もいい感じ。


話変わって2。
トラウマさん。19ヶ月の戦闘でトラウマは解消されたようだ。
ユキ姉が勧められたカルヴァドスを入れた大人なアップルティーをゴクゴクと飲み干すのに対して、トラウマさんはストレートでちょびっと口をつける。
この辺は前期1話で酒飲みながら教官やるトラウマさんと真面目に教官やるユキ姉シーンの対象として楽しい。
そして、最後、トラウマさんはトラウマ解消記念に祝杯。
アルコールに口を付けない話をアルコールを飲む話で終えるのは綺麗な流れ。
だから、もうちょい、トラウマさんがアルコールを飲むシーンは綺麗に書いて欲しかった。コップから口に流れていく液体が雑過ぎる。{/netabare}

【17話を見て、十人十色な「籠から出る」】
{netabare}繰り返しになるが、2期になってから、各話にそれぞれに主題を置いてそれをベタにやる、ってのが綺麗にやられている。
この話でやられたのは「籠から出る」。
「籠の中」は自由を奪われた状態。だが、安全が保障されている。
「籠の外」は自由を謳歌出来る状態。だが、危険に晒されている。
はたして、どちらが良いのか。

イナホ
ユキ姉という籠の中から飛び出す。惚れた女を救うために。
「セラムさん」は、お姫様云々は関係無い。一人の女性としての彼女を助けたいという思い。
「僕をかばって」は言い訳。好きだから、と言えないのは、らしさ。

スレイン
ザーツバルムの籠を破壊して独り立ち。牙を剥かせぬようにトライデント基地を単独攻略するも、地球人、という出自が彼に危険をもたらす。

アセイラム
スレインの籠の中。眠っているのか、眠らされているのか。

レムリナ
スレインの作ったアセイラムの影武者という籠の中。ただの操り人形ではなくヴァースの皇族として生きたいという思いが芽生え始めている。

ライエ
自分は火星人、という出自の籠に囚われっぱなし。
だが、ラストにイナホから「あの時の君とは違う」と言われ、籠のカギは開けられた。飛び出せるかどうかはライエ自身の問題。

マズゥールカ
物理的に囚人。イナホから伝えられた話を確認すべく、イナホのスパイとしての立場を受け入れる代わりに脱走。

マリルシャン
地球人憎し、の籠に囚われっぱなし。先を見れていない感半端ない。
バルークルスのほうは、まだ常識人っぽい。

トラウマさん・マグバレッジ
囚われた過去から脱し、新しい関係構築。


見てての疑問
・後継のスレイン
マリルシャンが難癖つけてきているが、ザーツバルムが死に、スレインが後継となった時に皇帝の信任を受けてないものだろうか?しかも、姫の近衛騎士という重責、それ無しに後継ってだけでなれるもんじゃないだろう。
・皇族の前での行動
アセイラムの前に来たマリルシャンとバルークルス。カタフラクトの格納庫でお出迎えだが、下に降りてこずに、カタフラクトの上に跪く。上から見下ろす形になるけどそれで良いの?
・決闘
次回に説明があるんだろうけど、負けた場合ってどうなるんだろうか。決闘、と言い出した時にバルークルスが異常な驚き方してたけど、負けた場合は死、爵位剥奪ほか、何でも相手の要求を飲む、とかなのか?


決闘、するかなぁ・・・パターンは3つくらいか。

1.レムリナが止める。が、スレインが受ける
スレインはザーツバルムから爵位を受け継いだ時に正式に近衛騎士として任命しているからお門違いも甚だしい。下れ、とマリルシャンを一喝するレムリナ。
このままだとマリルシャンの鬱憤も晴れないだろう。禍根を残さぬためにも、決闘を受けます。但し、これで終わりにしてくれ、とスレイン。
で、決闘。
2.スレインがキレる。レムリナが立会人になる。
マリルシャンの姫の御前での言動にキレるスレイン。マリルシャンと言い合いになるも、ハークライトとバルークルスに止められる。
レムリナが決闘を認め、その立会人となる。
で、決闘。
3.決闘しない
レムリナが、争ってる場合かバカども、と一喝。
スレイン、マリルシャン共々、禍根を残す

レムリナとしては、その正体を知るスレインと同等の立場になっての共同戦線を張るのが一番と理解しているはず。
まぁ、1だろうなぁ。



ダイエット話。ライエの「ダイエットしない」を受けてのインコの「あ゛あ゛~っ」は良い演技でした。やるねぇ、みかこし。{/netabare}

【18話を見て、物語のオチはここかな、と思ってました】
{netabare}前話17話まで見た時点でしてた、スレインがまともだとして、やろうとしてることの想像。
・アセイラムの保全
・最小与ダメにて、地球上の自然がいっぱいなところにヴァース帝国アセイラム領をつくり、なるべく有利な条件で地球側と和平交渉
・アセイラムが目覚めた時には平和になっており、興味津々な自然をアセイラムに渡せられる

このことから、オチを考える。
・政治に対する才能やその姿勢ではアセイラムより上なレムリナが、アセイラムの姿のまま、皇帝の座につく。側にはスレイン。
・アセイラムは傷ついたイナホと共に居たいと願う。山里外れた場所でイナホと身分を隠したアセイラムが隠居生活

うーむ。
ターンAと08小隊を混ぜたような終わり方するのかなぁ。
と、思っていた。


まさか、折り返しとなるであろう18話でここまで一気に話を進めてこようとは。
これで、オチが読みにくくなってきたなぁ・・・


青い薔薇の花言葉。不可能、ではなく、奇跡、のほうに転んだか。

スレインのアセイラムに対する思いは、一女性として、というより、女神に対する崇拝や敬虔に近い感じ。
レムリナが一女性として愛情をドンとぶつけてやれば、コロッと堕ちそうな気がしないでもない。

それに対してインコ・・・
綺麗にフラレちゃったのう・・・
本当に知りたいことは見えないんだ、とか言われたら、手も足も出ないねぇ・・・{/netabare}

【19話を見て、ここまでの積み重ねから、動き出した物語へ】
{netabare}スレインに一つの奇跡が訪れる。
アセイラムの目覚め。
だが、起きた奇跡は彼に様々な代償をもたらす。

レムリナとの関係
アセイラムに扮したレムリナとの婚約、権限委譲。
他に身寄りのないものとしての共感で絆を繋ぐ2人。
だが、レムリナの抱くアセイラムへの感情を危険視したスレインは、アセイラムが危険な状態になったと嘘をつき、アセイラムの身柄を保護する。
嘘は信頼関係を崩すカギ。それが、アセイラム関係、となれば、その大きさは計り知れず。

自身の心持ち
そもそも野心や闘争欲が弱いスレインにとって、その第一だったアセイラムの回復は、逆に心の支えを失ったも同然。
だが、そんな心とは関係なく、自らの手で動かした歯車は止まらずに、自らも動かされていく。その動きに翻弄されないように、全てを知るハークライトと共に戦略を立てていく。
そんなスレインが次に心の支えとするのは、打倒イナホ。
目覚めたアセイラムが鳥の映像を見ながら「あの方」と呼んだ男。奇跡の青いバラをアセイラムに手渡すこと無く、次の行動へと移っていく。

目覚めそのもの
目覚めずにいてくれれば、綺麗な鳥は籠の中に居続けてくれた。だが、目覚めた鳥は籠から出ることを望むかもしれない。


この回のスレインの表情が良い。
本来の自分と、歯車を回してしまった演じている自分。
この間でグラグラ揺れまくり。葛藤から壁にまで当たる始末。
イナホがカッチリしてる分、スレインは色々揺れている時こそ、らしいなぁ、と感じさせる。



複数の揚陸城、複数のカタフラクトによる同時侵攻。
イナホの「動き出したんだ、あいつが」。
16話で「仕方ないか」の言葉とともに、スレインへの警戒レベルを一段上げたことを受けての言葉。


取り敢えずは・・・撤退戦だろうなぁ・・・
マズゥールカのカタフラクトが地球側に接収されているとすると、これをイナホスペシャルに改造。
このくらいせんと、まともにやれば厳しいわなぁ、地球側。{/netabare}

【20話を見て、ハークライトが読めないなぁ】
{netabare}何度も書くが、本来のスレインは野心や闘争欲が弱い。
よって、権謀術数張り巡らせる、というのはあまり得意ではない。まして、人の心を利用して、となると尚更。
本当なら、スレインがやらなければならないことは、自分の後ろ盾であるレムリナを確実に自分のものとし、どんな事実があろうともスレインの為に身を差し出す覚悟、くらいまで彼女をタラシ込むということだ。
だが、アセイラムの目覚めにより、そちらへの傾倒が増している状態。
事実を知らないものの、スレインの心が離れつつあること感じるレムリナの不安はドンドン大きくなっている。
この状況を全て理解し、危惧している人間がいる。
側近、ハークライトだ。
だが、彼がスレインにそのことを諌言している風がない。
なんでだろか。

ハークライトが野心家の場合
揺れるレムリナをスレインから寝とり、マズゥールカ、バルークルスとともに反スレイン連盟結成。
事実を公表し、レムリナを正式にトップに据えて新火星帝国とする。

ハークライトがスレインの忠臣の場合
アセイラムが救命水槽にいないのは彼女が本当に死の間際にあり、スレインの態度が可怪しいのはそのことで動揺しているからだ、とレムリナに嘘をつく。
その上で、スレインに、レムリナの手綱が緩んでるのはマズい、と諌言。

どう転ぶか、読みにくいなぁ、ハークライト。


イナホ、眼、キツそうだな・・・
初めてインコに対して「何が?」と苛ついたような態度。
脳の過剰利用で感情コントロールが怪しくなってる?{/netabare}

【21話を見て、スレイン、どこまで腹をくくってるんだか】
{netabare}レムリナの懐柔に失敗したスレイン。アセイラム、レムリナ姉妹連合に反抗されました。
・・・どうにも腹のくくり方が弱いなぁ、スレイン。
火星騎士がスレインに忠誠を誓うその一端は
アルドノアドライブの起動停止権を握ってるから
で、起動停止能力が無いスレインは絶対にレムリナを墜とさなければならなかった。
が、失敗して身柄の拘束。
今からでも遅くない。スレイン。レムリナに泣きつけ。

スレインの計画告白
アセイラム姫は平和を望んでる。
敵がいるからいけない。
敵をなくせば平和になる。
今はその浄化作業中。この身を汚してでも美しい平和な世界を築いてみせる。
ザーツバルムの言葉を忘れたのか、スレイン。牙を見せれぬほどの力を見せつけて服従させ、その後にアルドノアドライブというアメを与えることで領地の統治をすれば必要最低限の与ダメで平和は築けるだろうに。
まぁ、この場合、結局アルドノアドライブの起動権を持つ人間が上に立つ社会はそのまま残る訳だけど。

火星騎士
同時に攻めろ、だけじゃダメだろ、スレイン。
どうにも火星は戦略家はいても戦術家がいない。通信網破壊とか戦略はたててくる割にねぇ。
連携とった上で、リーダー決めて、進軍撤退の状況判断をちゃんとさせないと。
味方がやられて「なにくそ、敵討だっ!」って、そりゃ負けるわ。

もっともっとスレインがゲスなら計画は順調に行ったのに。
どこまで腹をくくって計画に邁進出来ますやら。
腹のくくり方が弱まっていることをハークライトも感じているだろうに。


イナホとインコ、会話が噛み合わないなぁ・・・
インコが体を気遣って「また眼を使うの?」って聞いてるのに、
イナホは「処理能力上がってるから計算可能」って答えちゃう。
インコ、失意で下を向く。
その様子を見るライエ。
心の中ではイナホに対して「あなた、本当にバカなのね」なんだろうなぁ。

1期OP回収
してない気がする。OP見かえしてないけど、1期OPってアセイラム、涙流してなかったっけか。若しくは涙目か。
もう一度、アセイラムが銃を構える場面がありそうな。{/netabare}

【22話を見て、やっぱオチはここなのかな、とか思いながら】
{netabare}ここまで来ると、もう、流れのままに。

イナホの告白
気を失ったイナホくん。気を失った時の為に、義眼に状況対応機能をつけてたようです。
その状況対応機能くん。シレッとアセイラムに告白しちゃいました。
状況としては
「私が知らないうちに私じゃない私がスレインと婚約してました」
なアセイラムと似てて
「私が知らないうちに私じゃない私がセラムさんに告白してました」
というもの。
まぁ、イナホの場合は、告白したのが自分の脳であり、それも記憶に残ってるんでしょうが。
そして、アセイラムはそれをしっかりと受け止めました。
アセイラムはレムリナに「想い人はいないのか?」と聞かれて「私が思うのはヴァースとその住人」と答えてますが、目線を外して答えてます。嘘、とまでは言いませんが、偽りの答えですね。
このままイナホくん退場とはならないと思うので、2人でささやかな幸せを掴みとってほしいものです。

クランカイン
クルーテオの息子、クランカインが登場。忠義心は父のそのままに、物腰を柔らかにした感じ。また、父の愛機タルシスを他の人間が乗っている現状を快くは思ってはいないようです。「博士の息子はどんな方なんだろうねぇ」と言ってた割にはスレインに対しても好意的ではなさ気。
なんだかんだあって、アセイラムを救出しちゃいました。え、マズゥールカの役割は・・・?
地球側、というか、デューカリオンに逃げようとする姫様に彼はどんな行動をするんでしょうか。
なんといっても、彼の父クルーテオは、地球生まれのスレインのことを「犬が」「下賤が」とやってた張本人。地球側のデューカリオンに行くことを簡単に許すでしょうか?


うーん・・・。話のオチとしては、18話を見て、で書いたようなところで落ち着きそうな気がしてきた。やっぱ。{/netabare}

【23話を見て、肝っ玉姫様】
{netabare}皇帝一族として育てられてるから、いざとなった時の肝は座ってるなぁ、アセイラム。

アセイラム結婚宣言&停戦申し入れ
狙いはなんだろうね。
まずは、台詞のまんま、クランカインことクルーテオ伯爵の人脈。
クランカインがスレインを訪問しに来る時に、スレインとハークライトで
「なんとか取り込めないかなぁ。そうすりゃ親皇帝派を一気に飲み込めるのに」
とか話してたことだし、先代から引き継いだ親皇帝派の人脈は結構なものなんだろう。
これを行うことで、クルーテオ、マズゥールカ中心の親皇帝派はアセイラムに付く。
状況を確固たるものにするためにクルーテオ家との婚姻関係を築く。
また、スレイン旗下を快く思わないバルークルスなどの派閥もアセイラムに流れる。
それに、姫が車椅子から立ち上がったことにより
「地球帰りとはいえ、最近の姫様はいくらなんでも変わりすぎじゃね?」
と疑念を抱いていた火星騎士はスレインに対して不信感を抱くことになる。
これで、火星は 親皇帝派&反スレイン派 vs 何が何でも地球憎悪派 に2分される。
ヘタすれば、スレインの孤立を狙える。
次に戦局の混乱。
一方的とはいえ、地球側も停戦申し入れをガン無視って訳にはいかないだろう。
一時的にでも休戦状態をつくれる。

はてさて、姫様、どうするかなぁ。
台詞が気になるんだよね。
「クランカイン。貴方の地位と人脈の全てを、私に預けて頂きます」
なんで「預けて」なのか。

イナホの気持ちをイナホじゃないイナホから聞き、
変わってしまったと嘆いたスレインの気持ちも「姫様一途で何も変わらない」とエルデリッゾから聞き。
全てが丸く収まる、って訳にはいかんのだろうなぁ・・・


スレイン
このまま行くと、地球攻撃を続けるスレインと、それを阻止したいアセイラム陣営&地球陣営の連合軍という構図になる。
図らずも、共通の敵ができる事により、姫の望む地球と火星の協力関係が出来上がるわけだ。物語としては良くある展開だが、全てが計画通りじゃないところが、スレインらしい。
どう転んだところで、彼は平凡な一少年に過ぎないのだから。

イナホ
最終決戦仕様スレイプニール。
月でのスレインとマリルシャンの決闘を見て、タルシスは同時に多方向から攻められると捌き切れないと判断。
大量のワイヤーロープを装備して、同時展開。一つ引っかかれば、それを使って超接近戦。
みたいな判断なんだろう。
左目使いまくっての戦闘になるだろうから・・・{/netabare}

【最終話まで見て、総括しながら】
{netabare}イナホはユキねぇと。
スレインは孤独で囚われの身に。
アセイラムは和平のために地球訪問。
色々あったけれど、元に、ZEROに戻った話でした。
空を舞う3羽のウミネコ。こんな風に自由にはなれないんですね。


正直、後半は息切れ感あるなぁ、とは思ってた。

姫様関係
OPにも出てこない。1期にもその存在の欠片も示されない。
そんな、クルーテオ伯爵の息子がポッと出てきて姫様掻っ攫っちゃうという、このトンビに油揚げ展開。
そりゃ、姫様が結婚云々言ったら恋愛結婚ってわけにゃいかんだろうが、物語の中くらいはねぇ、こんなリアルに則したような展開にせんでも。姫様と一高校生、一敵軍兵士の恋愛を描いても良いじゃん、と。
王道とかベタとか言われてもいいじゃん。
マズゥールカが姫様助けてデューカリオンと合流。
イナホ、アセイラムと再会し感情爆発。
姫様、火星騎士に停戦呼びかけてスレイン孤立。
スレイン対イナホ。
みたいなガッツリ展開で良いじゃん、と。
で、前期OP思い出すわけですよ。
姫様、2筋の飛行機雲に手を伸ばすんだけど、手が届かず。姫様を貫くように平行にはしる飛行機雲。
あぁ、そうか。既に、ここで明示されてたわ。

人の描かれ方
主要キャラは良い。2期の主人公とも言えるスレインのグダグダ具合も良い。彼の徹し切れなさ、非道になれ無さは今まで散々書いてきたとおり。
が、サブがイマイチ。特に火星。
クランカインとマズゥールカ。キャラの住み分けが微妙。
バルークルス。ラストが?過ぎた。仲間思いなキャラだとは示されていたが、ラストで心中に付き合うような浪花節キャラだったか?



ラストまで100点でした、とか、
カタルシスを感じる、とか、
グッと感動する、とか、
そういうのは無いけど、まぁまぁ楽しめる作品でした。
最終話も、2回目見たら、納得でしたよ。

にしても、例えばアセイラムの最後の台詞
「美しい思い出です」
と共に頬を流す涙一筋、くらいのサービスはあっても良かったんじゃ、とかね。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 24
ネタバレ

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

激化する惑星間戦争 主要キャラは斜め上へと飛翔する。

2015年放送のアルドノア・ゼロ第2クール 全12話

第1クールから1クールあけて放送。スタッフ・キャストに変更なし。

第1クールのラストはロボットアニメらしい主要キャラ全滅エンドでしたが、
もちろん、そんなことは無く、普通に第2クールが始まりました。
本来の主要キャラである3人、貝塚伊奈帆、アセイラム姫、スレイン・トロイヤードの物語は続きます。

第1クールはオリジナリティを確立しつつ、物語性を失わない理想的な創作劇でしたが、
第2クールはどうも様子がおかしいようです。

地球生まれの火星騎士スレイン・トロイヤードが、生死不明のアセイラム姫の権威を利用するために、
アセイラムの異母妹「レムリナ・ヴァース・エンヴァース」をアセイラム姫に仕立てて、地球との全面戦争の旗印にするというのが発端です。

いくつか気に入らなかった点がありますので挙げます。

火星の描写については最も期待したのにかかわらず、ほとんど見られませんでした。
これは、月のハイパーゲートに火星軍が送り込まれ続けるためで、
特に火星の風景などの描写の必要が無いのは分かりますが、
そのせいで、火星側は貴族や軍人しか描かれずリアルな戦争を映すべき民間人の姿が無かったこと。

同様に、崩壊した地球の描き方もあまり重視されなかったようで、
荒地と生活地との境界線が分からず、まるで違う世界のように感じました。
前回の戦争で人口の半分が死んだという現実も感じられず、
セカイ系と言うよりは社会性の描写不足、別世界の人間がゲームをしているように見えたと言うこと。

物語に関してはネタバレ扱いにしますが、量は少ないです。
{netabare}主要キャラの言動が非常に子供っぽく、行動理由も浅はかに見えてしまい、
多くの軍人たちが信頼するような説得力が感じられませんでした。
人気沸騰するべきヒロインの扱いは商業的に見てまずいと言わざるを得ません。
リアルかどうかより、物語性の優劣で考えると失敗です。
後半になると主要登場人物の主張はどんどん幼児化して、到底将の器でないものが惑星間戦争を主導していきます。
主人公3人の行動も幼児化して、到底受け入れられるものではありませんでした。
最近放送された某「レクリ」という作品の後半に近いです。
ガンダム以前のアニメであればぐっとこらえて時代性で飲み込むところですが、
個人的感想ではありますが、これと「レクリ」の展開は作者の感覚を疑いました。

ここで思い出した一言があります。
虚淵先生原作のアニメ「ブラスレイター」より
「すまなかった・・・」{/netabare}

何はともあれ、志村貴子先生の美しいキャラが惑星間戦争で躍動する、
高予算と思われる力の入ったロボットアニメの秀作として無事完成はしたと言えます。
ラストはお馬鹿アニメ化していましたが。

オリジナリティを何よりも重視していると想像できる「あおきえい監督」には、
段階を踏んだ本物の衝撃的傑作を期待してやや評価を下げました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 34

88.5 3 仲間で騎士なアニメランキング3位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (621)
2017人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

旅と魔法

「鏡蓮華」のエピソードを読み解く、などと前に予告しておいたものの、
その後は作業が停滞したまま、恥ずかしながらいまだに果たせずにいる。
もし万が一にも待って下さっている方がいるとしたら(いないと思うが)
お待たせしてしまっていることをお詫び申したい。

現状打開のための苦肉の策として、今回は過去投稿分を取り敢えず整理してみた。
「私記」などという気取ったタイトルを付けたのは、要するに本稿が
ひたすら作品理解のためだけに書かれた、純然たる自己満足に過ぎないことを
自嘲を込めて言い表したかったからである。


 「フリーレン私記」

{netabare}Ⅰ 蒼月草と青い魔法

{netabare}今季覇権の最有力候補とされるだけあって、さすがに充実している。
独特の坦々としたリズムで運ばれていく、ヒューマンな感情が濃厚に織り込まれた物語を
虚心に味わうことのできる、抜群の安定感と完成度である。
原作の世界を過不足なく再現することが基本コンセプトのようだが、
自分がたまたま気づいた、アニメ独自の創意が認められる部分について書こうと思う。

アニメの第2話Bパート。原作では第3話「蒼月草」。
とりわけ色彩の効果には、並々ならぬ力の入れ具合が感じられた。
紅葉した深秋の森と、蒼月草のコバルトブルーの鮮やかな対比が実に印象的だ、
勿論、原作には色はついていないわけで、アニメの強みを生かした
視覚的なインパクトを狙ったというような、単純な理由だけでもなさそうだ。

アニメでは原作にはない魔法が一つ追加されているのである。
足跡を魔法で浮き上がらせるというもので、こちらもサファイアのような青色になる。
そしてこのとき、杖の魔法石(?)がいつもの赤色から青色に変わっている。

ここに気づいたとき、いつもの如く我流の深読みを触発されてしまった。
と言うのも、初回四話をまとめて観た直後に勢いあまって原作の既刊分を一気に通読し、
抽出してみたシェーマに、この演出がぴたりと嵌まっているように感じられたからである。
以下には要旨だけをメモ風に記しておく。


「葬送のフリーレン」。

このタイトルに二重の意味があることを、原作既読の方はすでにご存知だろう。

作品全体を俯瞰したとき、そこに認められる二つのフェーズ、すなわち、「闘争」と「平和」。
これら二つのベクトルの二面性を、このタイトルが表しているものとまずは仮定したい。

今話のエピソードには、このシェーマが分有されていると考えられる。
一方の「平和」は表層に、他方の「闘争」は深層部から、予見的に読み取ることができる。

エピソードの中心となるのはフリーレンの「花畑を出す魔法」である。
その場面。勇者パーティーが佇んでいる場所は、戦いで無残に破壊された聖堂。
フリーレンの魔法によって、荒廃した堂内も周囲も一面に花で覆いつくされ、
歓喜した一同は子供のように無邪気に花々と戯れる。

実はここには、アニメオリジナルの演出がある。
原作では魔法で花畑に変わるのは、何もない荒地のような場所だった。
したがって、ここに一つの創意が加えられていること、
その意図が明らかに「平和」への願望を表現するものであること、
つまり、この演出には一つの解釈が含まれているということ、などが解る。
解釈とはフリーレンの魔法について、さらに具体的には「花畑を出す魔法」についてである。

そもそも今話で語られている蒼月草のエピソードには、
単にヒンメルにまつわる思い出話にとどまらずに、
フリーレンの魔法の本質を示唆する、極めて重要な内容が含まれているのである。

フェルンとの対話を順を追って引用する。

  フリーレン様は本当に魔法がお好きなのですね。
  ほどほどだよ。フェルンと同じで。
  少し違うような気がします。
  同じだよ。

 (蒼月草の花を咲かせる魔法は)ヒンメル様のためですか?
  いや、きっと自分のためだ。

  フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
  (・・・・・)
  私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
  くだらない理由ですね。
  そうだね。

この「そうだね」の時に見せたフリーレンの含みのある表情を、アニメではさらに強調していて、
「くだらない」にこめられたアイロニカルなニュアンスを示そうとしている。これも解釈の一環である。
(あまり使われない言葉だが、「韜晦」というのがしっくりくる気がする。)

ここで暗示的にほのめかされた事実がはっきりと明示されるのは、先取りになるが、
原作3巻の21、22話。そしてこの21、22話こそは、物語の核心となる最重要部分である。
そして、フリーレンの魔法が孕む「闘争」の契機を見出せるのはまさしくそこなのだ。

フリーレンの魔法に関わる隠された真実が明らかになる。(原作未読の方は要注意。)

一千年の間、一瞬の休みもなく、彼女は
魔族を欺き殺すのための魔法の修練を行い、「復讐のための魔法」を鍛えつづけている。

それこそが「闘争」の魔法に他ならない。

その常軌を逸した、異常なまでの執念に触れたとき、
われわれははじめて、彼女が生きてきた千年という時間の生々しい手応えを感じとる。
同時に、このキャラクターの実存の深淵を垣間見た思いがするのだ。

"くだらない"魔法への彼女の執着は、この秘密を踏まえてはじめて理解される。
すなわち、"くだらない"魔法とは、「闘争の魔法」の対極にある、「平和の魔法」のことなのだ。

フェルンに語ったように、彼女が魔法を収集する最大の動機が
"くだらない"魔法を褒めてくれた「馬鹿」たちとの思い出だったとしても、同時に、
この極限的な緊張から生じる反動が、それを求めさせているのだろうと考えずにはいられない。
「きっと自分のためだ」という言葉は、そのことを言っているのではないだろうか。

魔法は「ほどほど」に好き、という抑えた表現にも、この外部からは見えない背景に絡んだ、
魔法に対するアンビバレンツな、複雑な心情が滲んでいると見ることができる。

だから、「花畑を出す魔法」とはまさに、求められた「平和の魔法」の精髄なのである。
そして、この解釈を踏まえて演出家は、「平和」のシンボルカラーとしての青色を
このエピソードの全体に散りばめたのだろうと思う。

今話に限ってなら、「平和の魔法」は「青い魔法」とも言い換えられるだろう。
それはフリーレンにとってもフェルンにとっても、純粋に、心から愛すべき魔法のことでもある。
フリーレンの言葉をきっかけにフェルンが思い出す、ハイターとともに見た幻の蝶の飛翔も
やはり透明で幻想的な青色をしていた。

因みに「花畑を出す魔法」は、22話に再び登場する。と言うより、そこでその原点が語られる。
それは本作の「葬送」のモチーフの一変奏であり、その最も美しい結晶でもある。


要するに、第2話Bパートの演出は、色彩を用いたシンボリズムによって
作品の本質を表象しようとしたのではないか、ということを言いたかったのである。

序盤で示された時間、および死をめぐるテーマ性が縦糸であるとすれば、
ここで導入される闘争―平和のシェーマは、ストーリーを織り成していく横糸と言えるかも知れない。
この解釈の当否はさておき、遠からずアニメでもタイトルのもう一つの意味が明らかになり、
そこを転換点として物語は第二の「闘争」のフェーズに突入することになる。{/netabare}


Ⅱ 花畑を出す魔法

{netabare}クール終盤あたりから徐々に興味が減退し、第二クールに入ると視聴も滞りがちになった。
巷では大いに喝采を博したバトルなども、ただただ辟易するばかりだったのだが、
何とか最終話まで完走し、テーマの最終的な帰着点を確認できたのは幸いだった。
前章で抽出した「闘争―平和」のテーマが"回収"される過程として、以下に辿ってみたい。


今回、鍵となるのは最終二話のゼーリエである。
ここでも演出に着目しながら、第27話終盤の場面から繙いてみる。

最終試験の試験官として、フリーレンと対峙するゼーリエ。
この二人の対面シーンは明らかに「対決」の様相を呈したものになっている。
ゼーリエの挑発をフリーレンは淡々と受け流しつづける。
まずはこの対話中に挿入される花のカットを注視していきたい。

六枚の花弁のある白い花。それは明らかにフランメの墓を包む花畑に咲いていた花である。
したがってほぼ確実に、フランメを暗示するメタファーと捉えることができるだろう。
このメタファーがさらに象徴的に深化する過程を、少々細かくなるが跡づけていく。

フェルンがゼーリエの面接を受けている場面を見てみよう。
彼女の魔力の揺らぎを見破ったフェルンにゼーリエは弟子入りを促す。
その場面でほんの一瞬だけ、水に散った白い花びらのカットが挿入される。
勿論、例のフランメの花なのだが、ラストでまた意味ありげに映されている。
同じ演出が回をまたいで、デンケンとの面接にまで引き継がれていることを考え併せると、
おそらくこのイメージは、老い、衰え、散ってゆくいのちの儚さ、
つまりは人間の生の短さを花に託して暗示するもののようである。

人間のいのちの儚さを薄命な花に重ね合わせること。これはまさしく
神話の時代から何千年もの間、使い古されてきた超絶ベタなメタファーであって、
だからこれを指摘しただけでは何も言ったことにはならない。
重要なのはこのイメージがある「心象」を表現していることである。
「心象」とは文字通り、「心」の「象(かたど)り」。具体物に託して表象される心の在り様。

では、それは誰の「心」なのか?・・・言うまでもなく、ゼーリエの心である。

さらに注意を研ぎ澄ませて、ふたたびフェルンとの場面を凝視してみる。
すると、花びらが映る直前、フェルンに向けられたゼーリエの眼差しが一瞬捉えられている。
この流れを自分なりに解釈すると、おそらく彼女が弟子をもつ度に経験してきた死別の哀しみが、
フェルンを見て一瞬、予感のように心をよぎった・・・そんな風に自分には思われた。

つまり、ここでの花びらもゼーリエの内面に抱かれた「心象」であり、
人間の「儚さ」のメタファーであると見て間違いはないと考えられる。さらに言えば、
最終話で彼女は、水面に浮かぶ花びらを足ですくったり、指につまんで吹き飛ばしたりしているが、
この仕草には、常に弟子たちに先立たれる者の虚しさ、やり切れなさが表れているようで、
ややくどいくらいに、演出面でこの心理を強調しようとしている節がある。

ここまでのイメージの読み解きから明示される事実を整理しておく。

あらためて出発点に立ち戻ってみると、本作の基本となるキャラクター設定、すなわち
「千年生きてきたエルフ」という設定は、必然的に物語に二つの視点を導き入れるものだ。
一つは、エルフ視点で見たときの人間の「儚さ」。
そして反対に、人間視点で見たときのエルフの「孤独」。

勿論、物語の冒頭から主人公たるフリーレンがそれを体現しているわけだが、
最終盤でさらに尖鋭に、この両者を同時に我々に示して見せたのが
彼女と対峙したゼーリエの方だったという事実。これは自分にはかなり衝撃的なものだった。
ゼーリエとフリーレンとが実はパラレルな関係にあること、
いわば「葬送のゼーリエ」としてのその像が鮮烈に印象に刻み込まれた結果、
作品全体の基調音となる「葬送」のモチーフが実感的に把握できるようになったのである。


ただ、自分の感覚ではこれはテーマというより、テーマ風のモチーフであって、
作品のパッケージとなる設定、ないしはコンセプトとでも呼ぶ方が適当な気がする。
自分の関心はさらにもう一歩踏み込んだところにテーマを見出すことにある。
このシーンが重要なのは、そのいわば「テーマ回収」が実行されているためであって、
その核心となるのがゼーリエ、そして「花畑を出す魔法」なのである。

最終話でフリーレンがレルネンに語ったところによると、
二人の対話の最終局面にはこんなやり取りがあったらしい。
退出する間際、フリーレンはゼーリエにこう問いかける、

  この花畑、魔法で作られたものだ。・・・
  先生が好きだった魔法だ。くだらない魔法だって言っていなかったっけ?

この皮肉に対して、意外にもゼーリエは自分の想いを率直に語り始めるのだ。

  ・・・フリーレン、なぜかわたしは弟子をとって後悔したことは一度もないんだ。

二人がいる広壮な屋内庭園。そこはフランメが好きだった魔法で作られた花畑だった。
その一隅には彼女の思い出に結びつく例の白い花も咲き混じっている。そしてその場所が、
花々を眺めながら、亡き弟子たち一人一人の在りし日の姿を思い返し、
彼らの短かった生に思いを馳せる、そんな追憶の場所であることが彼女の言葉からは窺える。

これがゼーリエの「葬送」のかたちであったとするなら、
この、本人いわく"くだらない"魔法に対するゼーリエの態度の中に、
「闘争ー平和」のテーマの最終的な決着が示されていると見てよいのではないか。
すなわち「葬送」を媒介にした「闘争ー平和」という対立の構図の止揚である。

Ⅰ章で自分はこんな解釈を提示してみた、

  "くだらない"魔法とは、「闘争の魔法」の対極にある、「平和の魔法」のことなのだ。
 「花畑を出す魔法」とはまさに、求められた「平和の魔法」の精髄なのである。

つまり、「闘争」の権化のようなゼーリエの内部に、平和への希求が潜んでいるという事実。
ここに魔法パートを底流する包括的なテーマが読み取れるのではないだろうか。

この理解によって、魔法パートの物語を"内在的に"俯瞰する視点が確保される。
そしてそれは取りも直さず、本作におけるテーマの内在性を示すものでもある。
シンボルとしての「花畑を出す魔法」を中軸に描き出されるのは、
ゼーリエ、フランメ、フリーレン、フェルンの四代にわたる「師弟の物語」である。

いま、フリーレンの弟子フェルンによって「人間の時代」の扉が開かれようとしている。
それはフランメの願いがフリーレンを介してフェルンに託されたことを意味している。
ひそやかに紡がれる「平和の魔法」の系譜、それこそが魔法パートの物語の核心であり、
平和の希求のテーマは。最終話のゼーリエに至ってその円環を完結させるのである。

単なるストーリーの伏線回収よりもさらに高度で、さらにスケールの大きな
いわば「テーマ回収」のプロセスを経て、この物語ははじめてその全容を現すもののようだ。
すなわち、四人の大魔法使いの群像による、千年に及ぶ壮大な人類魔法史である。


これもやはり対話の中で明らかになるのだが、
「花畑を出す魔法」にはもう一つ、作中における重要な機能がある。
フリーレンがゼーリエに語った、ヒンメルとの出会いにまつわるエピソード。その内容は
ヒンメルがまだ少年だった頃にすでに一度、偶然フリーレンと出会ったことがあり、
そのとき見たこの魔法が、のちにフリーレンを仲間に選んだ理由だった、というもの。

  きっとこれはただの偶然に過ぎないことだけれども、
  ヒンメルたちと出会わせてくれたのは
  先生が教えてくれたくだらない魔法だよ。

・・・ヒンメルとの出会いは彼女にとって運命の分岐点となるものだった。
そしてその直接の契機となったのがこの魔法だったのだ。
さらにそれはまた、魔法パートから旅パートへの分岐点を意味している。


例えばこのエピソードを、第2話の伏線の回収と見なしてみる。
Ⅰ章で指摘したように、第2話の花畑のシーンはテーマ寄りに解釈できるものだが、
この魔法がヒンメルにとって特別なものであった理由が遡って明らかにされることで、
このシーンの彼の心情、特にフリーレンに示した態度に奥行きが加わるのである。
同じようにフリーレンについても、この旅立ちの"前史"を踏まえることによって、
より深くその内面を理解することができるようになるのではないだろうか。

前にも引用したフェルンとの会話、

  フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
  私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
  くだらない理由ですね。
  そうだね。

Ⅰ章では「過去」に遡りつつ、彼女にとっての魔法の意味を導き出したのだが、
ここでは視点を「魔法を褒めてくれた馬鹿」、すなわちヒンメルや仲間たちの存在に移すことで、
彼女の「いま」がより鮮明に実感できるようになる。
それは同時に、フリーレンにとっての旅の本質を理解することにつながる。
仲間との旅は彼女を人間へ向かわせるベクトルを内包していた。
人間の時間に踏み入ることで、永遠のような孤独な時間から彼女は解放されたのである。
おそらくそれは、魔王を倒したこと以上に価値のあることだったのではないか。

仲間との出会いによってもたらされたフリーレンの「現在」。
この「いま」を読み解くこと、それが旅パートを理解することなのではないか。

最後に一つ指摘しておきたいのだが、実に興味深いことに、
旅パートを構成する時間の内部に、魔法パートの時間軸を構成する契機が存在している。
・・・そう、フェルンである。フランメの後継者として、やがて人間の時代を到来させるだろう彼女は、
まさしく魔法史の「未来」を具現する存在なのである。
その意味で、はるか後のフェルンとの出会いにつながる、出発の契機としての花畑の魔法は、
作品全体のいわば「原点」であり、旅と魔法を"架橋"する結節点なのである。


以上から、この作品の本質的な構造性が確認できたと思う。

 序盤で示された時間、および死をめぐるテーマ性が縦糸であるとすれば、
 ここで導入される闘争ー平和のシェーマは、
 ストーリーを織り成していく横糸と言えるかも知れない。

序盤の段階で提示したこの仮説はもちろん不完全なものだったが、
着眼点と推論の方向性に関しては、概ね妥当だったと言ってよさそうである。

魔法パートが内包するフリーレンの過去、および魔法の系譜を横の時間軸とすると、
旅パートはこの軸に縦に交差する固有の時間性を有したフェーズであり、
その交差する一点が、ストーリー線上の「現在」なのである。

この「現在」の背後には、数千年にわたる魔法をめぐる闘争史が潜んでいるわけで、
本作をトータルに見るためには、この構造面を複眼的に捉えるアプローチが必要になる。
(あるいは私たち視聴者は暗黙裡にこの複眼的な観方を強いられていて、その結果、
この作品に漠然と「深さ」を感じ取っているのかも知れない…。)

そして、これはそのままこのヒロインの理解についても言えることなのだ。
魔法パートのフリーレンと旅パートのフリーレン。双方の時間が複層的に重なり合う中に、
彼女の生きた軌跡が紡がれ、内面が投影される。
前に試みたような尋常一様の心理的アプローチでは到達し得ない局面である。{/netabare}


Ⅲ 鏡像

{netabare}魔法パートに引き続いて、旅パートの読解を試みようと思う。が、
まずはかなり突飛な着想に即した解釈になっていることを最初にお断りしておく。
尋常のアプローチが行き詰って考えあぐねていたとき、ふと気づいたのが、
「対照(コントラスト)」と「対称(シンメトリー)」というシェーマだった。

Ⅱ章で述べたように、ゼーリエが「葬送のゼーリエ」となることによって、
フリーレンとの対比関係がこれまでの「対照性」から「対称性」に移行する。
表層の「対照」の奥に、より本質的な「対称」が潜む構造が認められるのである。

旅パートはまさしく、この構造に基いている。
過去と現在、フリーレンの二つの旅がパラレルに並行するストーリー。
しかも、同じルートを辿り直すという相似的な対称性をも示している。

この着眼から出発して、対称性を生み出すメカニズムについての推論を試みた。
まずは抽象的なシェーマを具象的なイメージに変換し、
イマジネーションの磁場を形成しつつ物語を主導する「力学」を読み解いてみる。


アニメ第2クールの一級魔法使い試験編。
一次試験を通過した受験者は、二次試験の舞台となった「零落の王墓」で、
自分たちの完璧な複製体に遭遇し、バトルを繰り広げる。
迷宮の最奥に潜み、複製体を創り出して侵入者を排除するこの魔物の名は
「水鏡の悪魔(シュピーゲル)」という。

・・・そう、「鏡」なのである。
鏡とはまさしく、光学的なメカニズムを用いて「対称性」を現出させる装置に他ならない。
「水鏡の悪魔」という魔物の名前から類推すれば、複製体の正体は「鏡像」である。
あたかも迷宮に潜む魔物のように、物語の深層に原型的な「鏡」のイメージが潜在し、
その作用によって「鏡像」が生み出される。それが本作の対称性の本質なのではないか?
自分にはそんな風に思えたのである。

とは言え、"物証"となるような「鏡」の実物は作中には見出されない。
だがむしろ、そのことが逆に事の本質を示唆していると自分は考える。
重要なのは本作の「鏡」が、象徴性をはらんだ"名辞"としてのみ現れることである。
言語学で言うところの「シニフィエ」ではなく「シニフィアン」としての機能であり、
テクスト論の概念を用いれば、要するにそれは「記号」なのだ。

深層のイメージとしての「鏡」は、対称性を生み出す記号的な機能を担いつつ、
物語空間の内部に固有のイメージの連鎖を形成してゆく。具体例としては、
第5話に登場する、親しい死者の生前の姿を模倣して幻惑する「幻影鬼」という魔物。
あるいはリーニエが用いた、過去に記憶した相手の魔力を真似るという「模倣する魔法」。
そして、これらに反復される「模倣・転写」のイメージは、より包括的な「本体―複製」、
すなわち「オリジナル―コピー」という関係式に還元できることに注意したい。

自分が試みたいのは、この着想を旅パートの解釈に応用してみるというものだ。
思い切って次のような仮説を提起してみよう。すなわち、
フリーレンの現在の旅は、かつての旅の「鏡像」であり、「複製体」である。
つまり「オリジナル」に対する「コピー」である、というもの。

二つの旅の目的地は同一であり、ほぼ同じルートを辿り直す旅である。
このシンプルな再現性に加えて、同行する旅仲間にもコピー的な要素がある。
かつてのパーティーの代替要員として、ハイターにはフェルン、
アイゼンにはシュタルクが、オリジナルの空席を埋めるかたちで充当されている。
(この点に関しては、すでにnyaroさんがレビューで指摘されている。)

ここで際立つのがヒンメルの「不在」である。
ヒンメルの「代替」だけが欠落しているという事実が意味するもの、それは、
ヒンメルという存在が代替不可能な、"絶対的な"オリジナルであるということだ。
その意味で、現在の旅は"不完全な"複製体と見なせるのである。

フリーレンの旅の意味とは、ヒンメルという"オリジナル"が失われたあと、
かつての仲間の"コピー"(フェルンとシュタルク)を通じて"オリジナル"へ遡ることである。
クール序盤のフェルンとの旅の情景はそのことをはっきりと示している。
二人の日常にかつての旅の回想が交錯し、そこに新たな気づきが生まれることで、
二人の距離が徐々に縮まり、心を通わせていくといったエピソード群には確かに、
「人間(=ヒンメル)を知る」というプロセスが表現されていたと思う。

「魂の眠る地」に赴いてヒンメルと再会するという旅の目的もまた、
この欠落を補完しようとする、物語の深層の力学に導かれていると言えるだろう。


上記の推論は、次の三点に要約できる。
1 この物語の深層には「鏡」のイメージが潜んでいる。
2 フリーレンの現在の旅は、ヒンメルという"オリジナル"を求める旅である。
3 したがってそれは、かつての旅の"不完全な"複製体である。

以上が旅パートの組成についての我流の理解になる。
ここを踏まえたとき、本作の回想シーンの機能はこんな風に説明できるだろう。
すなわちそれは、オリジナルに関する記憶の管理者であるフリーレンが、
コピーされた旅の中でその記憶を再現し、更新してゆくプロセスである、と。
そこにオリジナルへの渇望と、再会の願いを読み取ることができるのではないだろうか。{/netabare}


Ⅳ 死者との約束

{netabare}以前に何回か書いた事なのだが、自分がアニメ初回でいきなり躓いた話をまた蒸し返す。
物語の出発点となるヒンメルの葬送の場面でのフリーレンの反応が腑に落ちず、
ずっと拘ってきた"不審点"について、ここであらためて考えてみたい。

 「私、この人の事を何も知らない。」
 「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…。」

このときの彼女の心情に同化することを妨げているのは、おそらく
「知る」ことにこだわる背景が欠落しているために今一つ実感が湧かず、
そこから「私はもっと人間を知ろうと思う」への脈絡にも飛躍が感じられるせいだ。
自分にはどうしても、この内面の描出には不備があるように思われてならなかった。

そもそも「人間を知る」という旅の「目的」がどうも皮相な気がして、
その奥に内面的な「動機」を考えてみたりもしたが、結局うまくいかなかった。
だから今回、その「目的」の背後にある本来の「目的」に気がついたことは、
個人的には "Eureka!"と叫びたくなるような発見だったのである。


第16話の「長寿友達」。フリーレンが旧友のフォル爺を訪ねる。
最初に彼と出会ったのはヒンメルたちとの旅の途中で、その折の情景が回想される。
その中で彼はこんな告白をしている。

 「わしは妻の愛した村を守っているだけだ。」
 「わしは遠い昔に交わした約束を果たしているに過ぎん。」
 「滑稽な話だろう。わしはずっと、死者との約束を守っている。」

フォル爺は数百年間村を守り続け、今ではその理由を知る村人はいない。
たまたま村に立ち寄ったヒンメル一行を相手に、心に保ち続ける想いを打ち明ける。
そんな彼に向けたヒンメルの言葉、

 「でもきっとその人は、
  あなたが約束を守ってくれていることをうれしく思っているはずだ。」

こうしたセリフは、勿論、そのままでも響くものなのだが、
キャラクターの内面にまで踏み込むには幾らかの操作が必要になってくる。
ここでは例のシェーマを応用して掘り下げてみたい。

このエピソードの主要人物の布置を整理すると、
人間と長命種との「対照」を具現する二組のペアが「対称」を示している構図である。
片やフォル爺夫婦、片やフリーレン・ヒンメルペア。 
つまりヒンメルはフォル爺の妻の心を代弁できるポジションにいるわけで、
実際、彼女の気持ちを言葉にしながら、同時にその言葉に重ねるかたちで
自らの心情を表明していると見ることができるのではないか。

次の展開から彼の心情を推測することができる。
ヒンメルの態度に感銘を受けたフォル爺は、勇者ヒンメルの記憶を自分が未来に連れていこう、
そう申し出る。それに対してヒンメルが応える、

 「僕たちの記憶は、彼女が未来に連れていってくれる。そうだろう?」

フリーレンの返事は、

 「別にいいけど…。」

このさりげないやり取りは軽く見過ごされそうだが、実は重要な意味を秘めている。
このとき、二人の間で「約束」が交わされているのである。

フォル爺夫婦のパターンが相似的に反復されていると捉えてみよう。
先立って逝く者が託した願いを、残された者が守り続けていく。
たとえ言葉で交わしたものでなかったとしても、
この両者の間には無言の「約束」が成立していると考えていいのではないか。
だからこの場面で、ヒンメルから託された未来をフリーレンが受諾したことによって、
彼女もまた、フォル爺と同じポジションに立ったのであり、
「死者との約束を守る者」という役割を担ったと考えられるのである。

フォル爺と言葉を交わすあいだ、ヒンメルの心の中にはおそらく、
自分が生を終えたあとの未来が思い描かれていて、
その中には自分という「死者」との約束を守るフリーレンの姿があったのだと思う。


旅の本来の「目的」に気づいたと言ったのは、この「約束」のことなのだ。
初回のシーンでのフリーレンの内面を、仮にこのように想像してみたい。

いま、生涯を終えて眠りについたヒンメルを前にして、彼女がもしも、
かつてヒンメルと交わしたこの「約束」のことを思い出したとしたら、どうだろうか。

ヒンメルが逝き、彼らの「記憶を未来に連れていく」べき時になって、
自分の中に残された記憶があまりにも乏しいことにまずは驚き
(「私、この人の事を何も知らない」)、
もはや知ることが叶わなくなったことへの悔恨がこみ上げる
(「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…」)。
この心理プロセスから、彼女が流した涙の意味が迫真的に立ちあがってくる。

「私はもっと人間を知ろうと思う」。
この言葉もまた、同じ心理プロセスの延長上に置いて理解するべきだと考える。
今となっては最早、ヒンメルのことを直接知ることは叶わない。が、
それでもなお「死者との約束を守る者」であるためには、たとえ間接的にでも、
「人間」というもの全般への理解をとおして、今からでも彼のことを知りたいと願う、
切実な心の衝迫がこめられているのだと思う。
ヒンメルの死をきっかけに人間への関心が目覚めた、といった理解でも問題はないが、
個人的には月並過ぎて面白くないのである。

彼女の旅の本当の「目的」は、ヒンメルと交わした「約束」を果たすこと、
すなわちヒンメルたちの記憶を未来に連れていくことだったと自分は考えたい。
それは、前章で提示した「ヒンメルという"オリジナル"を求める旅」という文脈に即して
物語を読み替えることであり、そこにもう一つのフェーズが浮かび上がってくる。
フリーレンとヒンメル、この二人を主人公とした、いわば「約束の物語」とでも呼べるものが。

あるいはこんな穿った見方も可能だろう。
本作の旅パート、いや、この作品そのものがメタレベルの「約束の物語」である、と。
回想シーンはヒンメルたちの記憶を「今・ここ」に甦らせ、伝えてゆく回路になっている。
そこに、記憶を未来に連れていくというヒンメルとの約束が実現しているわけである。 
そして、そこには私たち視聴者も立ち会っているのだ。


以上の推論は、コアモチーフである「死者との約束」を介して、
テーマがストーリーに「肉化(incarnation)」される局面を捉える試みだったのだが、
さらに、本作における「記憶」が内包している固有の意味を直接、問題にしてみたい。
そこには「記憶」と「実在」をめぐる独自の思想が含まれているように思えるのだ。

この"思想"は一つのエピソードに端的に集約されている。
第2話、フェルンとハイターとの出会いの場面である。

戦禍によって両親を失った幼いフェルンが、後を追おうと崖の突端に立ちつくしている。
ハイターは無理に制止するでもなく、ただ淡々と亡き友ヒンメルへの想いを語る。
彼から学んだ勇気や意志や友情も、大切な思い出も、すべてが自分の死によって
この世から消え去ってしまう。それが惜しい。・・・などと彼女に説いて聞かせる。

 「あなたの中にも大切な思い出があるとすれば、
  死ぬのはもったいないと思います。」

ハイターの言葉を意訳してみるとこんな感じになるだろうか。
・・・もしも自分が生き続ければ、大切な死者の記憶を未来に連れていくことができる。
そうすることで死者は、親しい生者の内部で第二の生を生きられるのではないか。・・・
つまりそれは「記憶」が「実在」となるという意味ではないだろうか。

 「お伽話じゃない。僕たちはたしかに実在したんだ。」

第7話のヒンメルの言葉はこの思想をはっきりと表明するものだ。
ここに揺るぎない確信として宣言されているのは、
記憶が歳月による風化に抗い、忘却に打ち克って生き続けるものだということ。
そしておそらくは、フリーレンと交わしたあの「約束」のこと。

思うに、死者を「忘れない」ということは、
そのことがすでに彼らとの「約束」を果していることになるのではないだろうか。
「記憶」とは一人の人間が実在した証しであるとともに、
彼らと残された者たちとをつなぐ、決して失われることのない回路なのではないか?

本作の「葬送」の意味は一義的には捉えられない複雑さを帯びているものの、
「死者との約束」に収斂させる理解は少なくとも、核心に近いものだと思える。
先立って逝く者と、あとに残る者とが相互に抱く、絶えることのない愛情と信頼。
そうした人間的な感情の精髄を含意した、一つの「思想」がそこに認めらるのではないか。{/netabare}


(今後、Ⅴ章とⅥ章を順次追加する予定。){/netabare}


さて、本作は「旅」と「魔法」、二つのパートから成り立っていると自分は考える。
本稿が前提としているこの分割が妥当か否かは、各位に判断していただく他ないが、
この機会に頭の中を整理して揉みほぐすという意味も兼ねて、
これまでの推論を概観しつつ、少しばかり補足説明を付け加えていきたい。


{netabare}初回の投稿から、すでに自分の関心はテーマの所在に向かっていた(Ⅰ章参照)。
その中で試みたイメージの読み解きから、テーマ(らしきもの)が浮かび上がり、
最終的には物語のクライマックスにおいて回収されていることが確認できた(Ⅱ章参照)。
こうして確定したテーマをめぐる一連のストーリーの流れを一つの総体と見なし、
それを魔法パートと称しているわけである。

旅パートに関しては、本作が旅アニメだという事実だけでも充分だろう。
ただし、本作独特のテイストを言語化するには、かなり複雑な操作が必要になってくる。
自分の試みは、魔法パートの読解で抽出したシェーマをイメージに変換し(Ⅲ章参照)、
それを用いて旅パートの深層部分を読み解こうというものだが、上記のとおり、
本格的な作業を始める地点で立ち止まってしまっている現状である。


・・・とは言え、こんな説明よりもっと端的でわかりやすい証明方法が実はある。
二つのパートが交代する、明らかなフェーズの転換点が具体的に指摘できるのだ。
言うまでもなく、第7話Bパートのことである。

グラナト伯爵領の街に到着したフリーレンは不意に魔族の一団と遭遇する。
咄嗟に杖を構え、彼らを攻撃しようとするが、捕えられ投獄されてしまう。
牢屋を訪れたフェルンたちにフリーレンは、かつての旅で経験した事件を物語る。
魔族の少女が引き起こした惨劇を描くそのエピソードをとおして、
はじめて開示される魔族という存在の本性は極めておぞましく、戦慄すべきものだ。

この回想がアウラ編の導入となり、魔法パートが開始される。
坦々と続いていく旅の中で、心に沁みるエピソードの数々が紡がれてきた、
これまでの穏やかなトーンが唐突に一変し、不穏な空気が漂いはじめる。
この極端な落差には自分のみならず、大多数の視聴者が衝撃を受けたはずだ。
まさしくここが、旅パートから魔法パートへの転換点なのである。

注目したいのは、この転換の起点に回想シーンが置かれていることである。
魔族というもののおぞましさを強烈に印象づけるこのエピソードが呼び水となり、
フリーレンが魔族に抱く憎悪の根源、そしてフランメとの出会いと死別にいたる、
このヒロインのいわば「前史」が語られていくのである。
こうした、物語における回想の機能に着目することによって、
魔法パートと旅パートの相異が明確になり、それぞれの本質が説明しやすくなるのである。


ここで、Ⅲ章の元レビューの中でちょっとだけ言及した
「通時性/共時性」という一対の用語をあらためて持ち出してみたい。
元々はソシュール言語学の基礎概念だが、今では一般にも用いられている。
詳しい説明は煩雑になるので、できれば検索をお願いしたい。

この対概念を、試しに双方に当てはめてみよう。

魔法パートは、歴史的なオーダーに沿って継起する出来事を"物語る"。
つまり「通時的」なのであり、回想シーンは物語の原点および背景を提示するもの、
いわばストーリーの「現在」を説明するために時間を"巻き戻す"ものだ。
そのようにしてフリーレンも含めた人間と魔族との闘争の歴史、
さらには魔法の進化や人間との関係なども絡めた歴史的な「物語」が展開される。

一方の旅パートは、構造そのものがすでに「共時的」と言っていいだろう。
フリーレンの過去の旅と現在の旅が重なり合い、さまざまなドラマを織り成してゆく。
そこでは現在と過去は、一本の時間軸の上で前後する因果関係としてではなく、
それぞれが固有の実質をもった時間として独立し、同時的に並存している。
また、どちらも日常系の、あの反復される無時間的な「現在」を基調としていることで、
旅の時間の流れに伴う変化や進展を、一層ゆるやかに感じさせる相乗効果を生む。
他作品にはない本作の不思議なリアリティーは、ここに起因しているようにも思われる。

そして旅パートの回想シーンは、それら二つの時間を交錯させる「装置」となっている。
そこに成立する「共時的な現在」こそがフリーレンの「今」であり、
このヒロインの内面のリアリティーもまた、ここに求められるのではないだろうか。
・・・・・・・・・・{/netabare}


以上、何やら面倒くさい話になってしまったが、
窮地に陥ったアニメが切羽詰まってぶち込んでくる「振り返り特番」よろしく、
丸一年経っても完結しないレビュー(?)の方向性をあらためて再確認してみた次第。

次は予告通り第14話を取り上げて、かなりガチな分析を試みる予定である。
その際、主人公二人のロマンスに過剰に力点を置くことになりそうなのだが、
それは多分、当方の"恋愛脳"(笑)のなせる業である、と、あらかじめ弁解しておこう。
もし万が一にも待って下さっている方がいるとしたら(いないと思うが 笑)
出来るだけ気長に、お待ちいただければ幸いです。

2024. 12. 25

投稿 : 2024/12/28
♥ : 23
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

面白くてはいけない作品を面白くしてしまい、余韻が無くなったかも。

 コミック1巻あるいは本作1話は素晴らしかったと思います。最近「すずめの戸締り」もありましたが、古い時代を思い出し、鎮魂するという話が増えてきたのは、次の日本を作っていこうという雰囲気がやっとでてきたのかな、と思います。

 ただ、アウラ編のバトル要素満載と、オシリスの天秤(とは違いますが)のようなもので、少し安易な形で魔力を隠す意味を魔族との戦いの要素にしてしまったことで期待外れとなりました。何より「葬送」の意味を魔族を倒した数と矮小化してしまったのは、非常に残念でした。

 1級魔法試験も「天下一武道会」が始まったか…というがっかり感はありました。

 ヒンメルおよびその仲間を思い出しながらの「葬送の旅路」はつづけていました。
 ゼーリエのところで人は駄目だと言いながら、花を出す魔法が嫌いと言いながらツンデレのゼーリエで、エルフの生き方の寂しさの様な部分を一旦総括していました。また、フェルンとゾルトラークで「人間の魔法」「人間の強さ」について表現していました。ただ、それを露骨に見せすぎだろう、という気はしました。

 全体としてどんどんエモくなっていきました。全体に「いい話」にこだわりすぎて、サラリとしたのが良かったのに、人との関係が強くなった、ならざるを得なかった感じが平凡な面白さに近づいていったなあという印象です。言い換えるとキャラと思い出話に寄りかかってしまった気がします。

 アニメで言えばコミックではつまらなかった、1級魔法のところをかなり面白く仕上げたのは素晴らしいと思う反面、この作品における期待の真逆になってしまいました。テーマを丁寧に説明してくれてしまいましたので、感じる喜びが無くなってしまいました。

 つまり、キャラ萌えとバトルの平凡な面白さになたということです。テーマも感情も見やす過ぎて引っ掛かりが無くなった感じがしました。この作品は面白くすると、かろうじて残っていた引っ掛かりも余韻も消えてしまう気がします。

 コミックスの原作の第1印象はアウラ編から「面白くない」でしたが、それでも読み進められたのは、フリーレンが旅路の果てに見るものは何かが気になるからです。その点は未だ気になっている反面、同じようなテーマを延々繰り返している感じもあるので、きっぱりとダラダラしないで終わって欲しいと思います。

 評価はこの作品は結末を見るまでわかりませんので、保留です。が、オール3もどうかと思いますので、オール4にしておきます。





19話 本作のつまらなさと深さの両立が上手く言語化できないので、再度レビュー。

{netabare} 断念したにしておきながら何度も書き直してすみません。ちょっとこの作品は正しく言語化したいので。文句いいながらも見てますので、やっぱり今見てるにしておきます。

 フリーレンの旅が、アイゼンとハイターの弟子2人と共にあるのは、つまりヒンメルとの旅をフリーレンの内面で思い出す…つまり4人の旅を再現しつつ、ヒンメルの代替はないからでしょう。ヒンメルの言動の意味を今思い出しながらかみしめる旅です。

 なぜヒンメルが銅像を残したのかと考え合わせると、物語全体の発想はものすごくいいと思っています。ヒンメルが一番先に逝ってしまったのはこの構造を作りたかったからです。
 その旅の中で、ヒンメルとすごした10年を特別にして行くことが葬送なのかなと読み取りました。だから、結果的にエンデの城についてもヒンメルの魂と合うことはできず、旅そのものが葬送なのかな?と。だから、ヒンメルの死後のカウントが作品の時間経過の基準となります。

 
 そしてほぼ不死に近いフリーレンの長命による非人間性は下手をすれば魔族に近いです。子供のようなフェルンとシュタルクがなぜ物語に必要だったかと言えば、人間は知識や想い出を前の世代から受け取り、後ろの世代に渡して行く営みがあるということだと思います。魔法が魔族のものから人間が解析して進化しているという点が象徴的で、人間は生死…つまり世代があるから進化する…それをフリーレンが理解するという話を描こうとしているととりました。

 で、興味としては、フリーレンとフェルンが魔法の能力を隠すことに長けている点、ここに何かアナロジーがあるのではないか?と。感情を持たない魔族と組み合わせると、現代社会か資本主義的なアナロジーも感じます。そこが何を描きたいのかな、と思っていました。2023年は戦後78年という意味もあるかな、と思ったりもしました。フリーレンが千年以上生きていて生殖をしないという点で日本人のことかなと。ほろびゆく種族と言う意味でも。
 魔族も一部の人間のアナロジーではあると思います。騙すために人語を解する理性も感情も良心もない存在。

 そこで始まったのが、アウラ編で魔力を隠す意味とかバトルとか、なんか世界観が矮小化してしまった気がしました。原作を読んでいるときにここでかなり醒めて、つまらなさを感じました。期待が高すぎた落差なのかもしれません…もちろん、期待よりもっと高い視座を読み取れていない可能性もあります。

 そして今度始まったのが、一級冒険者ですねえ。ランク化です。まあ、なろう系のレベルウインドウと違い、フリーレンの過去の資格が役に立たないことを考慮すると、ランク化は学歴とか資格とかそういう本質ではないランク付けのアナロジーとも取れますけど。ただ、バトルもそうだしかなりテンプレ感が強いので、ここであーあと思いました。

 こうして文章に書くと整理がついてきます。やっぱり悪い話じゃないし、浅い話とも思いません。とにかくアウラ編まではかなり感動してましたし、展開が楽しみでワクワクしてました。

 アウラ編から一級試験まで間が空きすぎたのと、展開や想い出の描き方がパターン化したこと。バトル要素が強くなったりして、急激につまらなくなったなあ、と感じました。
 ただ、魔族の1人1人が何かを表現したいような気はしてるんですよね。そこがアウラの魔力比べでよくわからなくなってしまいました。

 この後の話も2期3クール目ということになるのでしょう。設定とアナロジーから言って、浅くはないのはわかっています。まだまだ考察すべき部分もあるでしょう。魔法がなんのアナロジーかは読み取りたいところです。

 が、不思議なくらい面白く感じないんですよね…キャラが淡々としているから?何か視点がかわると面白くなるかも…というポテンシャルは感じます。私の読解力の無さなのかなあ…{/netabare}


21話 21話は面白い。それ故に唯一無二の作品ではなくなってしまった。

{netabare}  21話は面白いです。マンガでは退屈でしたがアニメの動きが入るとかなり良くなっています。つまり言い換えると、その面白さとはキャラ萌えとか戦闘シーンのカッコよさあるいはフリーレンの魔法の俺TUEEEでした。
 その面白さは本作に求めているものではなく、葬送=想い出を振り返ることで勇者の想いを理解するということとはちょっとかけ離れています。

 1級魔法士という設定が持つメタファーはもちろん感じますし、強さや力の使い方などの思想的な部分なども読み取れますし、おじいちゃん魔法士のセリフからしてもちろんキャラ萌えだけではないと思います。人間社会側の様々な人間の考え方の違いをしっかし考えて作っているところは興味深いです。

 また、1級試験はちょっとサブキャラが濃いですよね。濃すぎる感じです。その濃さがまた面白さになっているのでしょうが、その描き方に全部が持っていかれてしまった気がします。

 葬送の他に魔法というテーマ性が消えているわけではないし、そこの仕込みもあると思います。が、やっぱりこういう派手な面白さは他の作品でいいかな、と思います。

 つまり、21話の面白さに象徴されるところが、本作の唯一無二の作品になり損ねたという意味で私にとっては面白くなくなったということかな、と思います。{/netabare}


23話 マンガ版より分かりやすく面白い…うーん、再評価してもいいかなあ

{netabare} 22話のような話はいいですよね。この作品を見始めた理由に近いエピソードでしょう。
 一方で23話です。まあ、作画すごかったですね。特に最後の場面のフリーレンモドキは鳥肌が立つくらいにカッコ良かったです。

 どうなんでしょうね?この作品の評価ってやっぱり結末を見るまでは保留にすべきなんでしょうか。アウラ編で魔法の設定が安っぽくなったこと、バトルが長かったことなどで、脱落しかけましたし、途中のエピソードがちょっと冗長すぎたのはありますけど、この数話の出来は本当に素晴らしいと思います。マンガ版になかった迫力という点でアニメータは本当に良い仕事をしていらっしゃると思います。

 正直マンガ版だと1級試験編そのものがあまり面白くなかったですし、試験が入ることでジャンプメソッド的な引き延ばしに感じて作品の質が落ちたと感じていましたが、そうとも言い切れない面を上手く拾ってもいる気がします。その点でデンケンの使い方は秀逸かな、と思っています。

 うーん…評価は一旦ニュートラルにして、マンガではないアニメ版のフリーレンをもう1度再評価してもいいかな、と思わせるくらい21~23話は良かったですね。

 一旦、ニュートラルという意味のオール3に評価は戻しておきます。また、改めて。 {/netabare}



24話 フェルンの性格はなぜああなのか?なぜゾルトラークだけなのか?
 
{netabare} なるほど…フェルンの嫉妬の描写ですけど、家族というか自分のテリトリーの侵害に対して敏感なんでしょうね。これは両親を早くに失くしたことに関係があるのかな?ハイターの杖とかプレゼントへのこだわりというか執着もそうですよね。

 夜更ししてジュース飲むと怒られる理由です。ここの性格造形の作り方はなるほどなあ、という気がしました。育ての親のハイターの教育で「ちゃんとしてない」ことに対して許せないということでしょう。
 もちろん大食いなのも甘いモノ好きなのも、幼少期の苦労つまり食料不足が影響していると想像ができます。となると愛情への飢えもあるので、シュタルクとの恋愛は疑似恋愛の気もしますけど。

 夜更しジュースの件は、今回フェルンも贅沢していましたから、どちらかといえば自堕落だから起こったのではなく一人だけで楽しんだから頭に来たのかな?

 こういうことの裏を返せばフェルンはフリーレンを誰よりも理解している、ということでしょう。だからラストの「フリーレン様を…」になるんだと思います。フリーレンも嬉しそうでしたし。

 一方でフェルンの設定としてなぜゾルトラークと一般的な防御魔法なのか?ですね。今回の「フリーレン様を…」でふと思ったんですけど、フリーレンとゼーリエの設定から言って、魔族とかエルフに対抗できる魔法を人間が持つなら、魔法のバリエーション、つまり種類の多さじゃなくて、一つの魔法を極限まで極めるという方向性しかない、ということかもしれません。

 そうなると初めに出てきたゾルトラークを80年間改良を続けてきた、人間の魔法という意味と重なってきます。これは人間の命の短さで、でも組織的に習得できるものとエルフの長寿で孤独な生き方の違いのアナロジーにもなっているのでしょう。

 ゾルトラークの説明があったエピソードからそこは意図していたのかな?中国拳法のように「一意専心」的なことと、師匠の魔力を隠すという意味もちょっと中国拳法的ですよね。練習も功夫も人に見せるなというのがあります。

 まだ、野心があるゼーリエには魔王は倒せなくて、フリーレンなら倒せるということと、平和の時代の魔法使いという矛盾の説明が何となくわかった感じですね。なんとなくですけど。

 つまり1級試験編の2次試験はフェルンの描写の為の回ということかあ…連載時にバトルで話数を引き延ばしていたわけじゃない…のかもしれませんがどうなんでしょう? {/netabare}

25話 バトルが長すぎてテンポが…テーマ的には同じことを繰り返してますし。

{netabare} 話が進まないですね。やっぱり面白くない…という気もしてきました。21~24話はアニメの出来は良かったと思うのですが、23話のフリーレンの複製登場からが余りに長いです。

 花畑と人間が魔法を得て強くなってゆくという話は、かなり前の回で一回なぞった話ですからね。その重複感はやはり1級試験編は強いかもしれません。アニメの出来はもちろん作画は目立つところですが、テンポというかスピード感もあります。原作が冗長だったところを更に引き延ばしている感じがすごかったです。

 やっぱりアウラ編の途中からバトルが長くて、妙にテンポが悪くなるのとセリフで全部説明するのでどうかな、と思っていた悪いところがこの数話極端に出てますね。アニメになって余計感じました。 {/netabare}


26話 やっと1級試験も2次試験が終わりました。

 魔法とイメージがこの数話にはテーマとして出てきてますね。フリーレンを殺せるというイメージ。そして布を切るというイメージ。それとエルフと人間の魔法に対するスタンスの話もありました。で、もちろんフェルンがゾルトラークを極めるということでしょうね。その辺が本作はテーマとしてありそうですね。そこをはっきりさせたのが1級魔法試験かな、という感じでした。このテーマ性は悪くないと思います。ただ、試験編は長いなあ…やっとここまで来たかあ…

 なぜか模倣フェルンが出てこなかったのはフェルンがそこまで上手く魔法を隠せているということ?一瞬メトーデを狙っていたけど攻撃を受けきったように見えましたけど…拘束魔法が上手くいく前に攻撃は受けたみたいですよね。それをよけ切っていた?メトーデが強すぎるってこと?それともたまたまなんでしょうか。

 作画はやっぱりバトルシーンは力が入ってますけど、私は惹かれないですね。むしろ作戦会議の時のフェルンの表情の変化が良かったですね。









前回のレビューです。

正直に言うと原作アウラ編の途中からつまらなくてしょうがなかった。

{netabare}  2クールらしいし人気作になったので一人くらいいいでしょう、遠慮なく言えるので今言っておきます。
 
 正直に言うと原作はアウラ編の途中から凡庸でつまらない作品になったなあと思いました。つまらないとは言いずらい…つまらないと言ったら負けかなとは思い、言葉を濁しましたが。

 作品として評価したのは冒頭だけです。以降はなんだかなあと思って読んでました。で、アニメが人気なので見てみればちょっと見方が変わるのかなあと期待したので、チェックはしてみました。

 要するに原作は人気作故に「葬送」の意味を途中で変えてしまったのではないか?と思います。そう、バトル控えめで過去の戦いと死んだ仲間の意味を振り返りながら旅をするだけだから面白かったんです。それが「葬送」かなと。

 アウラ編以降、ジャンプ系?という感じでバトル要素が色濃く入って来て、この話以降も変な言い方ですけど、どんどん凡庸になって行く気がしました。

 ちゃんと人気作になったとのことで、アンチの批評が少しはあっていいでしょう。私はこの作品、冒頭ではポテンシャルが非常に高い素晴らしい作品だと思っていました。人気故に名作になる道をすて引き延ばしによる凡作化を進みつつある作品だと思います。その落差にガッカリしたので、断念したにしていました。で、改めてアニメを見てもやっぱりがっかりかな、と。原作よりは演出面等でがんばってますけどね。ただ、結末次第では盛り返せる部分もあると思います。{/netabare}
 


第5話 原作マンガが良すぎるのでアニメは休みます。

{netabare} 別にアニメがつまらないわけではないですが、雰囲気としては原作コミックスが好みということです。
 ただ、やはり「推しの子」と同じです。1巻2巻あたりがピークな気がしたというのも同じくアニメを追わない理由です。
 原作も11巻既読しましたので後は完結したらでいいかな、と思っています。理由はネタバレになるので言いません。ただ、週刊連載の人気作の悪いところが出始めています。

「葬送」の意味は魔族を一番葬ったからということですが、それはダブルミーニングというかむしろ後付けでしょう。エンデの魔王城とは、「モモ」のミヒャエル・エンデからのネーミングだとすると、時間の価値の話になるはずか、当初はそれを想定していたと思います。

 目指す目的が死後の魂と話をするということですから、フリーレンの中にいる想い出と向き合う話、死と時間を理解する話になると思いますので「葬送」の意味が「人を見送る意味」じゃないと作品の価値がありません、と私は思います。

 ということで、原作が良すぎるのでアニメを見る意味がないと感じましたので、やめておきます。{/netabare}
 

視聴前 私は冒頭が好きです。「間」と「静けさ」がキモになる作品。

{netabare}原作途中まで既読。多分全部読むでしょう。

 この作品は面白いですがキモはテンポです。間延びがあると間抜けになります。11巻ですか。ちょっと2クールとか2期とか考えると色気がでてしまう巻数です。人気作だけに下手をすると変な尺稼ぎで時間を伸ばす可能性がありますので、それだけが心配です。
 本作は淡々とテンポ良く静けさを感じるくらいに表現されるのが面白い作品です。そこが上手くできているかどうかがポイントになります。第1話に力が入りすぎているのがちょっと心配です。「チェーンソーマン」になりませんように…。

 それと、どこまでになるかわかりませんが「推しの子」と一緒です。あの作品よりも緩やかですけど、冒頭とそれ以降楽しみ方が変わる作品です。といってもテーマは同じなんですけど…単純に面白いのは後からですが、私は冒頭が好きな作品です。
「さよならの朝に約束の花を…」をこの時期にレビューしたのは、この作品の下準備と言えばわかりやすいかもしれません。

 過大評価、期待過多はやめた方がいいです。「感じる」作品でエンタメとしてはそれほどです。「タイパ」重視の人にはまったく向かない作品でしょう。制作者側もそこは理解していると思いますが…{/netabare}


第1話 素晴らしいアニメだけど、面白くはない。過大評価はしない方がいい。アニメはマンガに比べて格段に情報量が多いのがどういう影響になるか。

 初回…というか2日前、金曜ロードショーの放送の時に、戦後78年のアナロジー云々と書きましたが、やっぱり再視聴してみて、この作品は頭を使わない方が良さそうですのでレビューを書き換えました。
 考察するよりも、生きるということと時間経過の意味を感じる方が良さそうです。
 1点だけ。魔法とはなにか?魔力感知とは?魔族は?そこのアナロジーは嫌でも考えてしまいます。

 そして、やっぱり面白くはないです。エンタメとして評価するなら退屈です。それでも「いい作品」だと言えます。3回目ですけど全然OKです。
 ストーリーもテーマもキャラも抜き出してしまえばありきたりです。過大評価、期待過多、そして何よりも他人の意見。見方は人それぞれですから、こういったものは排除した方がいいと思います。向くか向かないか。まず自分でそれを判断しないと苦行になる可能性があります。
 特に情報として作品を観賞する「タイパ」重視の見方をする人は早々に退散した方がいいと思います。

 アニメ版、ちょっとフリーレンの顔が丸くて笑ってしまいますが、時間の経過の感覚はゆったりしていてけど、場面のテンポは速くて上手く原作を表現しています。
 音楽や声優さんの声質、演技。効果音、色、何より動きなどアニメならではの情報量の増加しているのが下手をすればノイズになります。(1例を挙げると30分単位の2話。岩を魔法で打ち抜く修行をしているところのシーンが顕著です)
 また、制作者の解釈が分かりやす過ぎて、原作より文学性は落ちている気がします。

 ただ、この作品は視聴中は頭を使わず受動的に見て、後から味わった方が良い気もしますので、そこはアニメのアドバンテージでしょう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 32
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

魔法使いフリーレンの人を知ろうとする旅路(2期制作決定!!)

[2024.9.28追記]
やったー!!ついに2期制作決定したみたいです♪
https://www.youtube.com/watch?v=DknvOzqQCTo

たぶん2期も2クールだと思うから(黄金郷編やるし)、実際の配信は2年後とかになるかもだけど、とにかく嬉しいし、とても楽しみです!!

[2024.3.24見終わって]
ほんとうに、本当に素晴らしい作品でした!!
小説やコミックなどの原作からアニメ化をするに当たって、作品の雰囲気、キャラのイメージなどを損なわずに作品化するということは、当たり前と思われるかもですけど、尺の関係などもあって制作者の方々にとってはとても大変なお仕事なんだと思います。
そんな中、この作品はある意味作品を超えたような演出・表現がちりばめられていて、制作者の原作への深い解釈・理解があることが伺えました。
例えば第27話。リヒターが店先でフェルンたちとばったり合うシーン。
あのアニオリシーンを入れることで、その後のフェルンとゼーリエのシーンがさらに味わい深くなっています。最終話の、フリーレンが老婆が果物をこぼすのを見てるシーンも改変されてましたけど、さらに良くなっていました。
原作の最新話は127話ですが、アニメはちょうど60話まで。
ストックは充分だし人気も出たので2期はほぼ確定かもですけど、この素晴らしいクォリティを同じスタッフを維持して制作・・となるとなかなか大変で、時間がかかっても良いのでまた素晴らしいアニメを私たちに魅せていただけることを楽しみにしたいです。

[初回感想]
魔王を倒し平和をもたらした勇者一行。
パーティの魔法使いフリーレンは勇者ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうとする旅路が始まる。。

原作は少年サンデー連載中のコミックで、11巻まで発刊。
原作は読んでて、とても好きな作品です。
普通は魔王を倒してめでたし、で終わるところをこの物語はその後のエピローグを描いています。
人とエルフの寿命の違いによる感覚の違いを壮大なスケールで描かれる世界観も面白いし、いい意味で淡々とした雰囲気とドライなフリーレンをはじめとしたキャラの魅力も感じる作品でした。

第1話が2時間スペシャルだったのもびっくりです。(厳密には4話までをつなげたみたいです)
制作側の力の入れようが伝わってくるし、かなり期待しながら視聴しました。

作画良いです!
雰囲気もすごくいい!
良く書き込まれてるしよく動いてるし、音楽も雰囲気にあってて◎です♬
キャラの声もあってると思いました。
ドライなフリーレンも、優しそうなヒンメルも、茶目っ気のあるハイターも、渋いアイゼンも、原作のイメージのままでした。

原作ではセリフがない細かいコマが結構あって、それが作品の味にもなってたんだけど、アニメではその雰囲気をどう表現するんだろうと思ってたら・・すごい、作品の雰囲気そのまんまの再現してていい意味でびっくりでした。

作中のセリフも味があっていいんですよね。

これは今期アニメではかなり期待できそうで、とても楽しみです♡

アニメは連続2クール全28話ということで、原作最新巻まで行きそうかなと思ってたけど、8話で原作2巻のペースだとどうやら7巻あたりで終わりそう。でも1級試験編楽しみです♪

以下、印象に残った話の感想です。

6話「村の英雄」
{netabare}必要なものは覚悟だけ。必死に積み上げてきたものは裏切らない。
フェルンの言葉だけど、これって私たちの普段の仕事とかにも言えることだなぁって。
覚悟ってのは大げさかもだけど、仕事に対する気持ちとか心構えって大事なのは同じなのかなって。
ジャンボパフェのシュタルクとマスターのやりとりが好きです♪
ギャグにしようと過剰な演出とかしなくて、会話と音楽などの雰囲気だけでクスっと笑えたり。こういう演出好き。
会話の間もいい。フェルンとシュタルクのやりとりも好き。{/netabare}

9話「断頭台のアウラ」
{netabare}すごい!
これ原作超えてると思う。
漫画だと止め絵の連続を読んでる読者が脳内補完しているわけだけど、それ以上の演出・動きが素晴らしいです。
「ヒンメルはもういないじゃない」
魔族と人族が決して分かり合えないことがわかる、原作でも印象に残るアウラのセリフでした。
「戦士は最後まで立ってたやつが勝つんだ」
アイゼン相変わらず渋いし、震えながらも決める時は決めるシュタルクもかっこいい。
フェルンも天才の片鱗見せましたね。
次回はゼーリエ初登場になるのかな?どんな声なのかちょっと楽しみです。{/netabare}

11話「北側諸国の冬」
{netabare}前回感想で、次回ゼーリエ初登場とか書きましたけど、勘違いしててまだ先みたいですね。
9話みたいなアクションシーンすごいのもいいですけど、今回みたいに止め絵を効果的に使ったりするところも緩急あって良い演出だと思います。
自分の"偉業"を覚えてくれている人が誰もいないから、女神さまに褒めてもらうんだと話すクラフト。
でもフリーレンは昔同じようなやりとりでハイターに褒めてもらったから大丈夫と返すんです。
フリーレンの中でハイターもヒンメルも生き続けている・・
私が葬送のフレーレンという作品が好きなところはこういうところなんですよね。
自分の偉業を語らず、静かに別れていくクラフトの描写も味わいを感じます。
あと、何かとジャンボパフェが回想に出てくるシュタルクが可笑しいw{/netabare}

17話「じゃあ元気で」
{netabare}今回から第2クールに入ってOPがヨルシカに変わりましたね。
シュタルクとフェルンのやりとりが自然で微笑ましくて好き。
12話で雪の中倒れたフリーレンを抱きかかえようとするシュタルクを嫌がって自分がおんぶするフェルンとか。
些細なことで喧嘩する二人。その原因も仲直りの感じも見ててあるあるーって思ったw
ザインのもう付き合っちゃえよ!!に笑った。。でもいいお兄ちゃんキャラだなザインって。
あっさりしたお別れだったけど、また再会もあるような気がします。
ED変わらないといいなって思ってたけど、そのままで良かった。絵もだけど歌も2番に変わっててこちらもなかなか良いです🎵
次回からいよいよ一級魔法試験編がはじまります。原作読んでたときも好きな話だったのでとても楽しみです!!{/netabare}

18話「一級魔法使い選抜試験」
{netabare}この話から一気に登場キャラが増えるんですけど、魅力的なキャラが多いので動いてるところと声優さんがどんな演技をしてくれるのかとても楽しみです♡
すごい魔法使いの証だった「聖杖の証」を知っている人がほとんどいなくなってしまった時代。
「でもフリーレンがすごい魔法使いだったことは僕たちが知っている・・」
ヒンメルからの言葉に「でもすぐ死んじゃうじゃん」と返したフリーレンだけど、同じ言葉をフェルンから言われて「そうだね」と頭を撫でながら返したところにフリーレンの気持ちの変化がわかる、いいシーンでした。
ラヴィーネとカンネがいつも喧嘩してるのに、息がぴったりあった魔法の連携ができている、その意味もフリーレンは学んでいくんでしょうね。{/netabare}

21話「魔法の世界」
{netabare}ゼーリエ登場!!
声は思ってたより低い感じでしたけど、聞いてくうちに慣れるんでしょうね。
今回も原作に沿った展開ではあるけど、バトルシーンや結界を破るシーンなどなど、アニメならではの演出がとても良くて、デンケンの殴り合いじゃぁぁぁ!!の名シーンもとても良かったです。
私も原作でデンケンのこのシーン読んで、彼が好きになりました。。
次回は2次試験前のつかの間の日常回ですけど、各キャラの交流シーンが良いので楽しみです♪{/netabare}

22話「次からは敵同士」
{netabare}個人的には今回みたいな何気ない日常回の良さがこの作品の醍醐味だと思ってます。
それぞれの登場人物の人柄などが垣間見えたり、キャラ同士のやりとりが面白かったり。。
第一次試験のパーティーって一時的なものではあったけど、そこから生まれた関係がいいですね。
カンネやラヴィーネたちと部屋で女子トークしてるときのフリーレンの嬉しそうな表情がベストショットでした。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 51

86.0 4 仲間で騎士なアニメランキング4位
ソードアート・オンライン アリシゼーション(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1019)
5266人が棚に入れました
「ここは……どこだ……?」
気づけばキリトは、なぜか壮大なファンタジーテイストの仮想世界にフルダイブしていた。
ログイン直前の記憶があやふやなまま、手がかりを求めて辺りを彷徨う。

そして、漆黒の巨木《ギガスシダー》のもとにたどり着いた彼は、一人の少年と出会う。
「僕の名前はユージオ。よろしく、キリト君」
少年は、仮想世界の住人――《NPC》にもかかわらず、人間と同じ《感情の豊かさ》を持ち合わせていた。

ユージオと親交を深めながら、この世界からのログアウトを模索するキリト。そんな彼の脳裏に、ある記憶がよみがえる。
それは、幼少期のキリトとユージオが野山を駆け回る想い出――本来、あるはずのない記憶。
更にその想い出には、ユージオともう一人、金色の髪を持つ少女の姿があった。
名前は、アリス。
絶対に忘れてはいけないはずの、大切な名前――。

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥、茅野愛衣、島﨑信長、前田佳織里、近藤玲奈、石原夏織、小林沙苗、森川智之、岩瀬周平、木島隆一、潘めぐみ、村田太志
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ハロー『アンダーワールド』

原作未読


そりゃあ観ます。分割4クールの半分24話を視聴完了。
長丁場にはなりますが、1期2期はおさえておきましょう。フェアリィ・ダンス編以降の伝統、アインクラッド起因のこじらせクンが今回もやらかしますし、ファンがアガるポイントも途中からでは掴みづらいでしょう。
SF要素を抜きで考えると、「ランボー」「パイナップルアーミー」みたいなPTSD発症した帰還兵の記録みたいなところありますよね。可能ならSAOサバイバーであるこじらせクンのメンタルケアはきちっとやってあげて欲しいものです。


4クールあるうちの半分ということで期待値抑えめで臨み、終わってみたらやや上回っていたかな、という印象。残り2クールに充分に期待できそうな中締めでしたが、評価は完結するまで据え置きです。

■SAO 1期
 アインクラッド編 フェアリィ・ダンス編
■SAOⅡ 2期
 ファントム・バレット編 キャリバー編 マザーズ・ロザリオ編

仮想と現実を行ったり来たりのSAO。とあるレビュアーさんの「これは異世界ではなくSF作品」とのご指摘が慧眼で、仮想と現実のリンクぶりが本シリーズの魅力に繋がってるんだと思ってます。○○編の各エピソード毎に微妙にずらしを加えて鮮度を保つ工夫もしてきました。
実を言うと、ハーレム、キリト無双あたりの要素ってわりと自分にはどうでもよくて、近しい未来図ってどんなだろう?が楽しみの大部分を占めてたりします。


そして本作『アリシゼーション』。ここでは、仮想世界での記憶を現実に持ち帰れないという新しい題材を持ち込みます。ダイブして戻ってきた後の記憶がない。
これまでは行ったり来たりの中で、どちらが自分の本当の居場所なんだろう?と懊悩する登場人物に共感したりしてたのが、まるであてはまりません。仮想はより独立した世界という位置づけとなるため、目の前で観てるのはSAOながら、「ちょっと何かが違う」違和感を内包したまま進行する展開でした。

・独立性の高い世界を作ったリアルでの目的は?
・独立性の高い世界のユニークキャラクター(アリス、ユージオ)の存在意義は?

{netabare}誕生直後の赤子の精神原型を複製してアンダーワールド内で成長させてどんなシミュレーションをしたいのだろう?副作用はどんなだろう?{/netabare}
全てが完結した時に明らかになるのでしょう。半分時点でどれくらい明らかになっているかは観てのお楽しみってところですね。壮大なお話になりそうです。

さてこの新しい題材。それに伴う変化。私は好意を持って受け止めてます。
エンタメ鮮度を保つこと以上に、仮想世界が行き着くひとつの到達点を提示してくれそうだからです。
マザーズ・ロザリオ編で “メデュキボイド” の思想は、横で綴られたユウキとアスナのストーリーと合わせて終末医療の一つの可能性を示しました。

{netabare}アンダーワールドは臨床試験をノーリスクでできます。これまで不可能だった人の行動心理の精緻なシミュレーションが可能です。

下衆い例えをします。ファンタジー世界を東京に置き換えてみて大地震を起こす。火災、家屋倒壊、備蓄量等事前にパラメータ設定し結果を収集。スパコンでも使えば有用な演算結果をいくらでも集められ、都市防災計画に役立てられます。発生火災の回避行動なんか世帯別で演算できそう。{/netabare}

{netabare}一方でノーリスクながら、倫理の葛藤に苛まれることになります。心を持ったこの仮想東京の住人の阿鼻叫喚を何度も何度もいや一回でも耐えられますか?という問題が付き纏うことになるでしょう。

脱線はこのへんで。
アリスもユージオも実世界には存在しない人格ってことで合ってると思うのですが、だからって切り捨てられるかってところですね。{/netabare}


冗長ないしやや緩慢と言われた展開は評価は分かれるでしょうが、これも悪くはありません。 “天命” “心意” “シンセサイズ” “フラクトライト” “ソウル・トランスレーター” その他もろもろ馴染みのない用語を繰り返し使う時間があって理解の助けになりました。

2019年秋からの続き。終わってみて肩透かしとならないようスタッフの皆さん頑張ってください。応援してます。


■ネタバレ所感
{netabare}それにしてもアドミニストレーターにとどめを刺したのが、チュデルキンの色欲というのが(笑)
仮に二人とも生きてたとして、どんな関係になってるんだろう?アドミンさん許すとは思えません。{/netabare}

実は陰のある神代凛子さんがお気に入りだったりもする。



視聴時期:2018年9月~2019年3月 リアタイ視聴

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2019.04.12 初稿
2019.09.22 追記
2020.08.01 修正
2021.08.04 修正

投稿 : 2024/12/28
♥ : 66
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

次シーズンを待つ

1話~13話がビギニング編。14話~20話がライジング編。21話~24話がユナイティング編。

キリトがあんまり俺つええしてなかった。いつも最強だったら飽きちゃうからね。{netabare}勝手が分かりにくいゲームに勝手にぶち込まれているからっていうのもあるのか?というよりも相手がアドミニストレータだからか。とは言え、やっぱり、キリトは二刀流に走るんだなあ。で、お互いに腕もげる。逃げようとしたアドミニストレータに対して、元老院?のピエロみたいな人がまさかの凌辱プレイ的なことしだす。最後は爆発。あっけない。{/netabare}

アスナの代わりにユージオがパートナー。{netabare}まさか剣になるとは思わなかった。{/netabare}題名的にアリスをパートナーにするかと思ってた。{netabare}記憶を消され、最高司祭アドミニストレータに仕えていたけど、キリトの言葉で目覚め、キリトのパートナーぽくはなってた。眼帯姿も可愛い。{/netabare}

{netabare}蜘蛛さんが死んじゃったの切なかった。{/netabare}

坂本真綾がアドミニストレータ役としてはまってた。

まだまだ、やり残しがあるようなので、気になる。最初のほうに襲ってきた奴に関することもまだ残っている。{netabare}ユージオが死んでしまって悲しむのも束の間で、現実世界ではキリトをゲームに送り込む装置を搭載した船が襲撃されちゃう。アドミニストレータ倒したけど、さらなる敵が待ってる。{/netabare}

OP
ADAMAS LiSA
RESISTER ASCA
ED
アイリス 藍井エイル
forget-me-not ReoNa
挿入歌
虹の彼方に ReoNa
まずは欠かせない2人が歌ってくれて感謝。2クール目ではOP映像に途中変化ありでも、最後のキリトとユージオのグータッチとかハイタッチは変わらず。ASCAはどこにそんなパワーがあるの?と思わされる力強い歌声。


第1話 アンダーワールド
《ルーリッドの村》で育った少年・キリトは、幼馴染のユージオとともに巨大な黒樹・ギガスシダーを倒すという天職を背負っていた。今日も巨木を倒すべく斧を振るっていると、幼馴染のアリスが手作りのパイを差し入れにやってくる。昼食のさなか、3人はおとぎ話にでてきた《果ての山脈》の洞窟へと遠出することを決める。世界の掟である禁忌目録に違反しないか不安がるユージオに、キリトとアリスは大丈夫だと口々に言い、出発の日を迎える。

第2話 悪魔の樹
絶命の危機にあるキリトが目を覚ますと、そこはファンタジーゲームを彷彿とさせる謎の世界の中だった。記憶が曖昧なままログアウトを試すも、現実世界に戻ることはできない。キリトが途方に暮れながら散策していると、やがて巨大な樹の下にたどり着く。そこで一人の少年と出会う。その少年の名は、ユージオといった。キリトはこの世界について話を聞き出そうとするが、ログアウトの方法はわからない。そしてユージオは、かつて自分の幼馴染だったアリスという少女のことについて語りはじめる。

第3話 果ての山脈
《アンダーワールド》人界の中心・央都へ旅立つことを決めたキリト。そのためにはユージオの協力が必要で、彼を天職から解放するためにギガスシダーを倒そうと決意する。交代で斧を振るうキリトとユージオだが、そのさなか、ユージオはかつて北の洞窟で見つけたという青薔薇の剣をキリトに差し出す。この剣なら、ギガスシダーを倒せるかもしれないと考えるキリトだが……。一方、アリスの妹・セルカは、アリスが公理教会に連れ去られて以来笑わなくなってしまったユージオを心配しており、そんな胸の内をキリトへと明かす。

第4話 旅立ち
セルカが《果ての山脈》へひとりで向かったに違いないと考えたキリトとユージオは、彼女のあとを追う。だが洞窟の中で《ダークテリトリー》からやってきたと思しきゴブリンに遭遇、戦うことになる。キリトは剣を構えゴブリンたちと渡り合うが、ユージオは初めて見る《闇の存在》に身体が硬直し、立ちすくむ。果敢に戦うキリト。だがゴブリンの反撃が、彼に仮想世界では想像できない激痛を生み出し、恐怖で起き上がれなくなってしまう。窮地のキリトに、続けざまにゴブリンの刃が振り下ろされたそのとき……。

第5話 オーシャン・タートル
《アンダーワールド》内で央都を目指すキリト。一方、現実世界での桐ケ谷和人は依然意識不明の状態にあった。菊岡の申し出によって設備の整った病院へ転院するも、明日奈と直葉が和人の見舞いに行くと、回復するまでは面会謝絶だと言い渡されてしまう。不審に思った明日奈たちは、和人のアルバイト先であり、《ソウル・トランスレーター》の研究をしている《ラース》に彼がいるのではないかと予測する。明日奈たちは手分けしてラースの調査を始めるが、しかし和人の行方にたどりつくことはできず……。

第6話 アリシゼーション計画
《ラース》の研究施設である《オーシャン・タートル》へと潜入した明日奈は、和人の安否について菊岡を厳しく問い詰める。菊岡は観念したように、和人がこの《オーシャン・タートル》内の《ソウル・トランスレーター》で治療していることを明かす。一安心する明日奈だったが、明日奈と共に潜入した凛子は、何故自分を《オーシャン・タートル》に招いたのかと菊岡に疑問をぶつける。そして、菊岡が語りだした《ソウル・トランスレーター》の開発には、想像を絶するほどの壮大な目的があった。

第7話 剣の学び舎
キリトとユージオが《ルーリッドの村》を出て2年の月日が経っていた。央都セントリアへとたどり着いた二人は、目的であった《北セントリア帝立修剣学院》の入学を果たしていた。修剣士として腕を磨き、整合騎士になり、そしてアリスの行方を捜すべく、修練の日々を送っていた。キリトは学院次席のソルティリーナの《傍付き》として仕えていたが、彼女は稽古を重ねるなかでキリトには隠された本当の強さがあることを見抜いていた。ソルティリーナに頼まれたキリトは、彼女に自分が持っている全てを見せると約束する。

第8話 剣士の矜持
学院の主席であるウォロ・リーバンテインと実剣による手合わせをすることになったキリト。観衆たちの好奇の目にさらされるなか、ソルティリーナからの激励を受けて、キリトとウォロの立ち合いが開始された。ウォロは開始早々から秘奥義の構えを取り……それを見たキリトは、縦斬り四連撃バーチカル・スクエアで対抗する。2人の力は相応に思えたが、ウォロが背負うリーバンテイン家の祖先の戦士たちの《イメージ力》が強い剣圧となってキリトを凌駕する。

第9話 貴族の責務
キリトとともに《上級修剣士》となったユージオだが、自分が強くなるためには剣にどんな《想い》を込めればいいのかわからず、日々悩んでいた。そんなとき、日ごろからあまりいい印象を抱いていない学院の主席ライオスと、次席のウンベールに絡まれたユージオは、2人の強さを確かめようとウンベールからの立ち合いの申し込みを受けることにする。剣を交わす二人。はじめはユージオが優勢だったものの、ウンベールの剣に込められた《巨大な自尊心》の力の前に、次第に押されていき……。

第10話 禁忌目録
キリトとユージオの《傍付き》であるロニエとティーゼの帰りが遅い。2人を捜そうと部屋の窓から外に飛び出すキリト。それと入れ違いでユージオの元にやってきたフレニーカは、自分がウンベールにされた屈辱的な行為と、その行為についてウンベールたちに抗議に行ったティーゼとロニエがいまだに戻らないことを打ち明ける。嫌な予感に駆られたユージオは、急いでウンベールの部屋へと向かうが、そこでは最悪の事態が今まさに始まろうとしていた。

第11話 セントラル・カセドラル
《禁忌目録》に違反し罪人となったキリトとユージオの前に現れたのは、整合騎士のひとりであるアリス・シンセンス・サーティ。彼女は間違いなく、かつて処罰された幼馴染の少女、アリス・ツーベルクであるはずなのだが、キリトとユージオと暮らした時のことは記憶になく、まるで別人のようだった。困惑するキリトとユージオだが、2人は重罪人として《セントラル・カセドラル》の地下牢へと投獄されてしまう。一方、現実世界の《オーシャン・タートル》では、治療を受ける和人を見守る明日奈の前に一台の奇妙なロボットが現れる。

第12話 図書室の賢者
キリトとユージオは、地下牢の脱獄に成功するも、アリスの命令により待ち伏せていたエルドリエ・シンセシス・サーティワンに行く手を阻まれる。戦闘状態になる三人。キリトとユージオは先へ進むため、キリトがエルドリエの操る鞭を防ぎ、その間にユージオが撃ち込むという作戦でエルドリエに挑む。しかし、エルドリエの氷の鞭は蛇のようにうごめき、そして分裂して襲い掛かってくる。難敵に苦戦するキリトとユージオ。だが、ふとユージオは、エルドリエの顔に見覚えがあることに気づく。

第13話 支配者と調停者
《セントラル・カセドラル》の大図書室に隠遁する少女カーディナルに助けられたキリトとユージオ。彼女の正体は仮想世界《アンダーワールド》の秩序の維持を司る自律型プログラムだった。アドミニストレータの過去をはじめ、《公理教会》や《禁忌目録》の成り立ちをキリトに語り始めるカーディナル。驚きを隠せないキリトだが、更なる事実--《アンダーワールド》に迫る恐るべき危機を聞かされる。

第14話 紅蓮の騎士
カーディナルから世界の命運を託され、キリトとユージオは、《セントラル・カセドラル》の最上階を目指す。中途では武具保管庫に置かれた膨大な武器の中から奪われた愛剣を無事に見つけた2人だが、そこに整合騎士デュソルバート・シンセシス・セブンの弓矢が襲い掛かる。彼の操る神器《熾焔弓》から放たれる無数の矢を辛くも弾き切った2人だが、矢を使い切ったはずのデュソルバートの弓にとある変化が起きる。

第15話 烈日の騎士
キリトとユージオが《セントラル・カセドラル》を上り続けていると、リネル、フィゼルと名乗る2人の少女と出会う。なぜ子どもが? といぶかしむキリトとユージオは、とっさの隙をつかれ、整合騎士という素性を隠していたリネルとフィゼルの毒剣による麻痺攻撃を受けてしまう。身動きできないキリトとユージオが連れられた先には、整合騎士副騎士長ファナティオ・シンセシス・ツーが待ち構えていた。

第16話 金木犀の騎士
キリトは満身創痍の中、《武装完全支配術》をどうにか発動し、整合騎士ファナティオとの戦いは決着を迎える。再び《セントラル・カセドラル》の最上階を目指すキリトとユージオは、奇妙な昇降機の前にたどり着く。《昇降係》の少女の案内によって80階《雲上庭園》まで足を踏み入れた2人の前に現れたのは、ユージオが追い求める少女であり、神器《金木犀の剣》を持つ整合騎士アリス・シンセシス・サーティだった。

第17話 休戦協定
《雲上庭園》でキリトの剣とアリスの剣の《武装完全支配術》がぶつかり合った結果、破壊不可能であるはずの《セントラル・カセドラル》の壁が砕け、キリトとアリスは外へと放り出されてしまう。直後、キリトは外壁の隙間に剣を突き立て、落下するアリスも救ってみせる。しかし敵同士の二人は、絶体絶命の状況下でもお互いの信念をぶつけ合う。やがてキリトは、塔の内部に戻るまでの休戦をアリスに提案する。

第18話 伝説の英雄
ユージオは《セントラル・カセドラル》の90階にたどり着く。そこは熱い湯気が沸き立つ大浴場だった。困惑するユージオは、湯の中で長旅の疲れを癒している整合騎士ベルクーリ・シンセシス・ワンと邂逅する。落ち着いた佇まいながらも底知れぬ迫力を持つベルクーリに圧倒されながらも、単身戦いを挑むユージオ。一方、キリトとアリスは《セントラル・カセドラル》の壁を上り続けていた。

第18.5 話 リコレクション
天界から召喚されたはずの自分に妹がいる--。セルカという名前を耳にし、動揺する整合騎士アリス。そして、キリトは覚悟を決めた。彼女の奪われた記憶を取り戻すと。アリス・シンセシス・サーティがアリス・ツーベルクであったことを思い出させるため、そして彼女が整合騎士となった本当の理由を伝えるため、キリトはユージオと共に歩んだこれまでの旅路を語り始める。ただの村人だったユージオが、キリトとの出会いを機に幼馴染のアリスを救いたいと願ったこと。二人で騎士を目指して央都へと旅立ったこと。やがてその旅路は知らず知らずのうちに、この仮想世界《アンダーワールド》に隠された真実へと近づいていったことを……。要するに総集編。

第19話 右目の封印
キリトがふとした会話の中で口にしたセルカという名前。それを聞いたアリスの様子が一変する。その様子を見たキリトは、整合騎士の真実を彼女に告げる。しかし、キリトから語られる言葉を受け入れることができないアリスは激しく動揺する。そのころ、ベルクーリとの死闘の最中に意識を失ったユージオは、元老長・チュデルキンの手によって最上階へと連行されていた。そこでユージオを待っていたのは……。

第20話 シンセサイズ
右目の封印を打ち破ったアリスと共に90階の大浴場にたどり着いたキリト。そこには、チュデルキンの手によって石化された整合騎士長・ベルクーリの姿が--。アリスは師の悲惨なさまに涙するが、意識を取り戻したベルクーリは朦朧とした中で力を振り絞り、2人にユージオの行方を告げる。それを聞いたキリトは捨て置かれた青薔薇の剣を背負い、チュデルキンの後を追う。そして向かった先の元老院で、キリトは驚くべきものを目にする。

第21話 三十二番目の騎士
キリトとアリスの前に立ちふさがったのは、《シンセサイズの秘儀》を受け入れ整合騎士となったユージオだった。動揺するキリトだが、アリスの叱咤を受けてどうにか彼と全力で戦うことを決意する。互いにアインクラッド流の剣技を繰り出しながら、キリトとユージオの斬り合いは激化していく。戦いの中でも、キリトはユージオに懸命に語り掛けるが……。

第22話 剣の巨人
《セントラル・カセドラル》の最上階。キリトとユージオとアリスは、ついにアドミニストレータの許へたどり着く。しかし、神聖術によって巨大なピエロへと姿を変貌させたチュデルキンが三人に襲い掛かる。アリスは《金木犀の剣》でチュデルキンの放つ炎を防ぎ、その隙にキリトとユージオは連携し斬りかかる。そんな様子を、アドミニストレータはつぶさに観察しながら、キリトたちに問いかける。

第23話 アドミニストレータ
数百年にも及ぶ因縁の相手・アドミニストレータと決着をつけるべく《セントラル・カセドラル》の最上階に現れたカーディナル。秩序の維持を司るプログラムである彼女の本懐、アドミニストレータの抹消を果たさんと動き出すが、倒したはずのソードゴーレムが起き上がり行く手を阻む。そしてアドミニストレータの言葉を聞いたカーディナルは、ソードゴーレムに隠された真実に気付き激昂する。

第24話 ぼくの英雄
カーディナル、ユージオ、そしてアリスの想いを身のうちに宿し、キリトは再び立ち上がる。《人界》最強の存在であるアドミニストレータを倒すため、キリトが心意で強くイメージしたのは、かつて《SAO》を攻略したトッププレイヤーである《黒の剣士》の姿だった。この世界で出会ったすべての人の想いを胸に、二本の剣を携えたキリトはアドミニストレータとの一騎打ちに挑む。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 12

筒井筒 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

SAOまじやばいって

SAOの初めから見ていると、オープニングは少し辟易かなと思ってみていた。しかし、話がファンタジーの中でも、どこか牧歌的で絵本を読んでいるような感覚。話は、ありがちな様でいて飽きさせず、いつもあっという間だった。

そんなこんなで物語を進めていくと、次の話が待ち遠しくなり、今日は15話から見ていたのだが、最後まで見続けてしまった。ゲームじゃなく、ただの物語だと思ったままで。

MMOの話だと書いていたが、今回は、最終話まで、キリト達の話をもう話というか小説を読む感覚から、ゲームで話を拾う感覚と融合したような、技術の高い見せ方があったのではないかと思った。これは、ひとつのファンタジーで、すっかり最終話で、そういえばと思い出した次第である。

とくにユージオの成長がとてもすばらしい作品でした。
キリトも、精神面の向上が(経験によるもの映像にない部分だと思う)あったようで、幼馴染では少しやんちゃな男になっているせいだろうかとも思ったが、頼りがいのある勇者になっていた。
ユージオとアリスという二人との思い出が重要になってくるけど、対男対女みたいな面も出てくるので、多面的なキャラや設定の使い方がうまかったかな。今期の続きが気になります。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 12

80.5 5 仲間で騎士なアニメランキング5位
86-エイティシックス- 第2クール(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (446)
1481人が棚に入れました
東部戦線第一戦区第一防衛戦隊、通称スピアヘッド戦隊。サンマグノリア共和国から“排除”された〈エイティシックス〉の少年少女たちで構成された彼らは、ギア-デ帝国が投入した無人兵器〈レギオン〉との過酷な戦いに身を投じていた。そして次々と数を減らしていくスピアヘッド戦隊に課せられた、成功率0%、任務期間無制限の「特別偵察任務」。それは母国からの実質上の死刑宣告であったが、リーダーのシンエイ・ノウゼン、ライデン・シュガ、セオト・リッカ、アンジュ・エマ、クレナ・ククミラの5人は、それでも前に進み続けること、戦い続けることを選択する。希望や未来を追い求めようとしたわけではない。“戦場”が、彼らにとって唯一の居場所となっていたのだから。そしてその願いは皮肉にも、知らぬ間に足を踏み入れた新天地で叶うことになるのだった。
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

恋愛にオクテな二人が早く結ばれることを願います

この第二クールはギアーデ連邦を中心としてレギオンの大攻勢に立ち向かう様子を描いています。

正直、この物語は暗く陰気なイメージがありますが、最後は明るいハッピーエンドとなります。
特に第22話と最終話の23話はコロナの影響で半年待たされましたが、待った甲斐がありました。
この2話は大変素晴らしい内容です。
特に最終話の途中で、第一クールのエンディング「Avid」がBGMとして流れたときには思わず感動しました。
未来に希望が持てる素晴らしい内容となり、とても満足感がありました。


さて、物語の内容は…
シンたちが生きていました。
シンたちはギアーデ連邦に助けられていました。ギアーデ連邦はギアーデ帝国を打ち滅ぼした市民主体の政府です。
{netabare}
ギアーデ連邦の政府関係者の多くは、当初、得体のしれないシンたちを危険視して処分しようとしていましたが、暫定大統領であるエルンスト・ツィマーマンが、シンたちを救いました。
ツィマーマンがシンたちに話した言葉が感動します。
{netabare}
利益が無ければ目の前の子供たちを助けない社会を良しとするならば、その社会は誰にとっても不利益だよ。
それに、得体が知れないから、万が一…、そんな理由で子供を殺さないと生き延びられないのなら、滅んでしまえばいい。
{/netabare}
その後、ギアーデ連邦の軍部の人たちが戦歴豊富なシンたちを獲得しようとします。
彼らは、シンたち全員が戦場へ戻ることを希望していると言い、自分たちの正当性を主張しますが、ツィマーマンは、またしても彼らの要求を拒みます。
その説明も、大統領らしい素晴らしいものでした。
{netabare}
彼らが戦場に戻りたいという理由は、彼らが戦場しか知らないからだ。任務を全うした彼らには平穏が与えられるべきだ。
{/netabare}
しかもツィマーマンは、シンたちの後見人になったのです。
こんな大統領がいる政府は安心しますね。 {/netabare}

ギアーデ連邦の大統領はシンたちを軍隊から外して彼らに普通の幸せな人生を送らせたかったのですが、結局シンたちはギアーデ連邦の軍人としてレギオンと戦うことを選びます。

そしてシンにユージンという友達ができます。
シンは友達をつくりたがらない性格です。それはユージンが嫌いだからではなく。友達が先に死にゆくさまを見たくないためです。
でも…、{netabare}結局は友達となり、先に死にゆくさまを見届けることになります。レギオンに記憶を奪われないようにと、シンが自ら最後の一撃をユージンの頭に打ち込むことになります。
戦場で友達を安楽死させるために殺す行為は、どこの世界でも行われていますが、やりきれないものがあります。
おそらく、シンも同じ思いだと思います。{/netabare}

そしてレギオンの大攻勢が始まります。その大攻勢はサンマグノリア共和国に対しても例外ではありません。
サンマグノリア共和国の政府高官や軍部高官たちは、圧倒的なレギオンの数に戦うことを放棄し死を覚悟します。
だが、レーナだけは86地区の人たちと一緒にレギオンと戦います。
レーナは今まで一緒に戦ってきた86の人たちの死を無駄にしたくはなかったのでしょう。
そして、わずかでも希望があれば、必死に抗いたかった。自ら希望を捨てることはしたくなかった。

ギアーデ連邦でも、レギオンの本体をたたくためにシンたちを中心に攻撃部隊が特別編成されます。


この物語を見ると、レーナが顔も知らないシンのことを凄く慕っている様子がうかがえます。
最終話の最後に見せたレーナの涙にはウルッとしました。
そして生きる目的を見いだせないでいたシンも、ようやくレーナとの未来に希望をたくしていることがわかります。
シンは第22話で、無意識にそう宣言したのです。

ただ、二人とも恋愛のオクテですので、二人の恋はなかなか成就できそうにありません。
早く二人が結ばれることを願います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「再開」というよりは、まさに「第2部開幕」の趣き。延期にめげず最後まで観て良かった!

== [下記は第2クール初回視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1クール目は2021年4~6月の放送でした。3ヶ月開けての10月放送開始の第1話を観ました。

前クールで廃線となった線路に佇むレーナが出てきていましたが、それを受けての冒頭のシーンというところで、前クールからの物語の継続性が意識された演出だったと思います。

一方で前クールの最終話では一つの物語としてキッチリと綺麗に終わっていたともいえるので、続編として何をするかというところではこれまで明かされていなかったギアーデ帝国に関する事柄を知る驚きを、作中人物たちと試聴者が共有できる構成で、まさに「第2部開幕」といったスタートでした。

ということで、今後もこういう感じで驚きたいので原作はアニメで観た以降は読むのを保留したまま最終話まで視聴したいと思います。

取りあえず、1クール目が面白かった人には間違いなくお勧めです。
== [第2クール初回視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2022.3.31追記:
残り2話、モルフォとの決戦クライマックスというところで中断してから3/5に総集編で再開。以後、3/12、3/19の2回で無事最終話まで放送されました。

狙ったのか偶然か、放送の遅れにより作中の最終話時系列3/20と最終話の放送日時が重なる(3/19 深夜24時 = 3/20 午前0時)などという話題もあり大いに盛り上がった最終回でした。

最後のカットと作品タイトルロゴ『86』の出し方とか、演出面でもかなり凝った作品だったんじゃないでしょうか。

ライトノベル原作なのですが結構真面目に戦争をしていたり、深刻な人種問題があったり、革命政権下で旧皇族の扱いは面倒とかいう生臭い話が出てきたり、爽快一辺倒の話ではまったくありません。

原作を読んでいてもちゃんと集中して読まないと頭に入ってこず、流し読みはできない感じで電撃文庫らしさを感じる作品ですね。

本作とか『天鏡のアルデラミン』とかもラインナップに入っている電撃文庫は、他のライトノベルのレーベルと比べても少しばかり懐が深い気がします。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 35
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

卓越した演出で理想的なBMGを描く作品

世界観:8
ストーリー:9
リアリティ:7
キャラクター:7
情感:8
合計:39

<あらすじ>
あの別れから半年。軍の迎撃砲を無断使用した咎により、少佐から大尉へ降格となったレーナだったが、シンたちスピアヘッド戦隊の遺志を胸に、新たな部隊で、今も絶え間なく続く〈レギオン〉との戦いの指揮を執り続けていた。そして「特別偵察任務」のなかで、〈レギオン〉との交戦の末に戦地に倒れたシン達。深手を負いながらも意識を取り戻した先で、彼らを待ち受けていたのは……。
(公式サイトより)


第1クールから続けての視聴です。
第2クールは、{netabare}特別偵察任務で生き残った5人がギアーデ連邦に助けられ、新たな羊飼い(キリヤの脳が搭載されたレギオン=モルフォ)との戦いが中心になっていくのですが、キリヤとシンは遠い血縁ではあるものの因縁深いものではないので、若干盛り上がりに欠け、物語のテンポは1クールより落ちる印象でした。また、フレデリカという古風な口調のアニメっぽい少女の語りに少々抵抗がありました。{/netabare}

評価点の推移はこんな感じ。
(12話4.3→13話4.2→18話4.0→22話4.2→23話4.6)
ほとんどの期間、優良水準から落ちてしまっていたのですが、最終2話の巻き返しはなかなかのもので、1話単位での評価点が+4ポイント(特に4点以上からの+4)となることは過去にほとんどなく(まどマギ10話だけ?)、神回と言ってよいでしょう。私はその余韻でもう1周してしまいましたし、最終話は何度見ても涙腺に響きます。1クールを見た方、あるいはまだ1クールも見ていない方に対しても、最終話を見るために、視聴をおすすめしたいくらいです。

最後の出来が良かった点について、本作は最終2話をクール中に制作が間に合わず、約3か月放送を延期したという経緯があります。これには賛否あるようですが、私は時間をかけることでより良いものができるならかけてもらって構わないと歓迎するスタンスです。同じアニメ作品が作り直されることはほとんどありませんので、時間が足りずに中途半端なものが残るよりずっと良いです。時間をかけることでのマイナスは権利者側にはあるかもしれませんが、本作が評価され、関係者が評価され作品も2期に繋がれば、結局はプラスになる面も大きいのではないでしょうか。少なくとも作品自体として制作延期の成功例になったのは間違いありませんので、制作陣が万策尽きた場合にはこのような選択肢もあることを示したのも、本作の意義ではないかと思います。

さて、第2クールの感想を掘り下げていきたく思います。
{netabare}まずは気になった点からですが、冒頭から、11話の状況からスピアヘッド戦隊の5人が誰も死んでおらず、また、その後も上官を含め5人が死んだだろうと思えるように見せかけつつ死んでいないということで、容赦なく仲間が死んでいく1クール目と比較して、リアリティが低くなった点があります。これについては後でも触れます。

また、キリヤとシンの関係の設定、キリヤとフレデリカの人間関係をもう少し掘り下げられると良かったように思います。フレデリカにとっては兄のような存在であったことは伝わりましたが、臣下のキリヤにとってフレデリカが特別な存在だったのかが少し足りないと思いました。

22話でのレーナとシンが話をする場面、レーナが写真や絵を見せる演出は少し過剰ではなかったでしょうか。また、その写真が結構鮮明なのですが(ここだけ原作を確認したら、原作では顔の判別ができないような写真だったとされていました)、鮮明にしてしまうと、レーナはシンを意識しているので再会のシーンで顔見てわからないのか? という疑問に繋がってしまうので、ここで写真を登場させないか、写真をぼやけたものにするべきと思いました。

このあたり、レイの名前を彫ったプレートを取ろうとして動けない描写があったと思いますし、動けないからレーナとも機体越しの会話になったと思っていたら、最後に機体からすんなり降りて身軽そうだったのも少し気になりました。


終わり良ければ総て良しということで、最後は個人的に盛り上がる部分を書いていくべく、最終話を中心に良かったところに触れていきたいと思います。

「第23話 ハンドラー・ワン」
本作の第1話のタイトルが、シンのパーソナルネームである「アンダーテイカー」でしたが、対となるレーナの呼称を最終話のタイトルにするところが綺麗です。

この回、Aパートでシン側の物語を、Bパートでレーナ側の物語を描いていて、シンはユージンの墓参り、レーナは父の墓参りをして、再会の日に86の墓標にも参り、それぞれの思いを新たに歩み出し(ここは同じ構図で、改めて2人の物語と思いました。)、再会の場へと向かいます。そして、最後のCパートでは、第3視点としてファイドの目線を使います。これらのシーンは最後の再会のために集約されていて、無駄のない構成です。

Aパートでシンの心を痛ませたユージンの妹の手紙について回収し、マルセルに謝らせたのは、単なるモブ扱いをしない丁寧な作りで好感です。

Bパートでは、レーナが86の墓標に参るシーンでOPの境界線がかかりますが、サビの「境界線の向こう側で、忘れさられ終わる定め」という歌詞に被せるようにレーナに「忘れません」と言わせたり、Cパートの挿入歌「LilaS」でも、「瞼からあふれた」という歌詞をレーナが涙を流すシーンに合わせているなど、芸が細かいです。

1周目の視聴時は、レーナが86の墓標(旧ファイドの壊れたスカベンジャーのある場所)で死者の紙を入れたケースを置いた時に、なぜ5人の紙を入れなかったのか(ここまで辿り着いて死んだと思わせたほうが、再会のサプライズが増すと思ったので)疑問を感じましたが、86の墓標で時間をかけて名前を確認し、5人の名前がなかったので、5人の紙も入れるつもりだったが入れられなかった(だから手に持ったままの状態にもなった)、と考えることで納得できました。(エルンストの「誰かを悼む時間を遅いなどとは思いませんよ」という台詞で説明もしている)

Cパートのファイド視点。レーナ(の印象)について話しているようです。
ライデンは、「俺もちょっと見たんだよな~」と言っていますが、これは9話の視覚同調をした時に、レーナ側の視覚を共有したため、モニターに反射するレーナの顔を見た話です。
アンジュは、レーナが黒猫を飼っているらしいという話をして、猫の繋がりからダイヤとの思い出を想起させる好演出でした。
セオは、3枚目の絵が未来の2人を的確に描いているようで笑ってしまいましたが、セオ自身の笑顔が最高でした。
クレナは、いつも真っすぐなところが良いですね。最後のエンドカードで足を出すところも。

これまでもいくつかのシーンでレールが描かれていたように思いますが、レールが途切れた先に再会の場所を設定していて、無限の未来を思わせる演出でした。
最後の、シンとレーナの手が近づいて86の影を作りタイトルロゴを出すというのもセンスの塊で、どうやって思いつくのかと脱帽しました。初見で、手が近づいたことに違和感を覚えリプレイして、その演出を理解した時は興奮しました(笑)

22話でのシンの進むべき道が示され(「まだ名乗れない。「追いつく」と言われたから。追いついて、たどり着いた先がこんなありさまじゃあんまりだろう。進んだ先で、彼女が見るべき景色は、こんな戦場なんかじゃない。」という所ですね。これは本作で答えを出す必要があると思っていましたので、しっかり自身の問題に決着をつけた点で評価しています)ましたが、最後の1話で何をするのか、当然再会はするのでしょうが、22話も十二分に美しいシーンだったのに、そこで再会させないで、それを超える形で再会できるのか疑問でしたが…杞憂でした。

エルンストが「理想的なボーイミーツガール」になるようサプライズ演出をし(見せたいところがあると86の墓標を案内し、軍の幹部とも共有しているところから確信犯です)、シーン栄えの良い舞台が用意され、それに神懸った挿入歌が乗り、こんなに綺麗な形で締めくくられるとは…、想像を超えた満足のいく最終回でした。

正直、スピアヘッド戦隊が更なる戦闘の中で誰も死なず、リアリティ面が下がった部分は否めませんが、最終回の再会時に誰か1人でも死んでいたら、再会の幸せを心から感じることはできなくなるでしょうから、この最終回のためだったと思えば納得の脚本です。{/netabare}

ということで、久しぶりに世界にどっぷり浸かれた作品でした。
評価点は4.4~4.7の間で彷徨いましたが、とりあえずこの評価に落ち着きました。
第2クールは前述のとおり、最終話を除けば全体的に第1クールよりも見劣りし、良作レベルなのはご留意いただきたいですが、第1クール目の重さに耐えられ、楽しめた方は最後まで視聴すべきと思います。

(参考評価:12話4.3→13話4.2→18話4.0→22話4.2→23話4.6)
(視聴2022.8)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 19

78.6 6 仲間で騎士なアニメランキング6位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (663)
3412人が棚に入れました
その街には多くの神々が住まい、その街の中心には地中奥深く――深淵へと至る『ダンジョン』が存在する。その街の名は迷宮都市オラリオ。女神ヘスティアと冒険者ベル・クラネルは、相も変わらず主神とたったひとりの眷族という最小構成。だが、世界最速のランクアップという偉業を成し遂げたベルには、これまでにないほどの視線が注がれ始めていた――迷宮・出逢い、そして冒険――これは再び綴られ始めた、――少年が歩み、女神が記す【眷族の物語】――

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、内田真礼、細谷佳正、赤﨑千夏、早見沙織、大西沙織、渡辺明乃、千菅春香、KENN、逢坂良太

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

1期目よりも好きかもしれません。

…とか書いていながら1期目のレビューを書いていないことに今、気がついてしまった(笑)。

このレビューを書いている時点では第4話まで観終わっています。第1話での主人公ベル・クラネルとアポロン・ファミリアのヒュアキントスとの間の因縁絡みの一連のエピソードが第4話で終わって一区切りといったところですね。

原作を読んでいないのでこの先のストーリーとか特にわかっていないのですが、1期目で築いた人間関係(いや、神様もおるけど)が活きてくる展開で今のところわりと楽しめています。

逆に言うと、1期目を観ていないとまったく楽しめない気がします。外伝の『ソード・オラトリア』も観ておいた方が良いですね。

そういえば、だから何だという話でもないかもしれませんがこのシリーズは劇伴音楽が結構良いですよね。音楽という意味では主題歌以上にそこを評価したいです。

2019.9.30追記:
作中における「神様」と「人間」との関係にフォーカスがあたる2期目でした。そして作品タイトルに反して、この2期目はろくにダンジョン探索はしていません(笑)。

それとリアルでは親交が深いとの噂の水瀬いのりさんと大西沙織さんですが、演じるキャラの出演バランスは大きく差がついてしまいましたね。バレン某くんはヒロインの一人のはずなんだけど、最終エピソード以外では影が薄かったなあ…。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 44
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

Q「歓楽街に出会いを求めるのは間違ってるだろうか」

A「間違っているよベル君!全くボクというものがありながら、あっちにふらふらこっちにふらふら、ヴァレンなにがし君にサポーター君までならまだしも、さらに守備範囲を広げるつもりか君は!全くけしからん!ボクという神がいるのに!なーんだその春姫とかいう小娘は全く…」

あ、はいはい。お話のざっくり概要ですね
(ほぼ)ダンジョンには入りません。間違ってます。
そんな感じ

あれ?一行で終わってしまった…なんか地上戦でした…

ミコトさんが別の作品で{netabare}バカ{/netabare}を演じてる
のですけど、そっちがある意味ハマり役すぎて
「ねぇ…いまから凄い事言っていい?」って言い出したら
どうしようとかくだらない事を考えて観てましたw
あ、ミコトかなり好きで推しキャラっす。うなじよすよす
でも一番はヘスティア様かな。背中が特に良いっすw

作画は超安定しててメリハリも効いてて良かった。
曲も変わらずOP/ED共に良かった。
声優陣も実力派揃いで聞いてるだけで楽しい。
キャラも魅力的なキャラばかり。新キャラも良かった。

でも、でもね。ダンジョンに入らないんです。
そこが、そこだけが不満なんです。

あれー?おかしいな冒険ファンタジーを見たはずなのに
なんかドロドロしたファミリア抗争ばかり見てる…
まぁ、楽しめたし、新キャラはそれはそれで良いけど
コレジャナイ感が強かった。外伝扱いなら良いかも?

見終わった感想
{netabare}
アポロン超キモかったw
「きもーいwww」言いながら見てましたw

あのガマガエル的な人、使い物にならなくなるまでって
どんだけテクニシャンなんだろう?普通反応しないよね?
って下世話な事を考えててちょっとそこだけ興味津々w
イシュタルの声優さん凄くいいな。

春姫さんは、なぜ娼婦扱いにしなかったのかが疑問…
娼婦扱いにした方がベル君も夜もえるでしょうにw
なんか本妻ポジに入りそうね。ヘスティア様が不憫…
{/netabare}

うーん、今後こんな感じでファミリアバトルなのかな?
1期が冒険物として良かっただけに勿体ないと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 50
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

第1期以上にタイトル詐欺じゃん!

原作未読。最終話まで視聴。
第1期、劇場版は視聴済み。

第1期に引き続き、タイトルが・・・。
{netabare}ほとんどダンジョンに入ってなかったし・・・。{/netabare}(笑)

今作は、ファミリア同士の抗争が中心。
ベルくんたちが大活躍します。
対照的に{netabare}アイズ{/netabare}は陰で支える女、って感じ。

自然な形で{netabare}ヘスティアファミリアが{/netabare}増強されたのは高評価。
今後の展開がますます楽しみです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 33

69.9 7 仲間で騎士なアニメランキング7位
骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (310)
985人が棚に入れました
目覚めるとMMORPGで自身が使用していたゲームキャラの姿のまま、異世界に放り出されていた「アーク」。その姿は、見た目が鎧、中身が全身骨格という"骸骨騎士"であった。 ──正体がバレたら、モンスターと勘違いされて討伐対象になりかねない!? アークは目立たないよう傭兵として過ごすことを決意する。だが、彼は目の前の悪事を捨て置けるような男ではなかった! 骸骨騎士様による無自覚"世直し"異世界ファンタジー、ここに参上!!

あ~にゃ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

主人公の見た目は地味だけど意外と面白い

主人公がイケメンでもなくカッコ良さは無いのですが、性格に嫌味が無くとても好感が持てます。

途中から仲間になる霊獣やエルフはとてもカワイイし、何よりキャラが活き活きしています。

主人公の見た目に魅力が無く、視聴欲が湧かないかと思いますが、ストーリーはイベントが程よいテンポで発生し見ていて飽きず、意外と面白い作品なのでオススメしたいです。

あとエンディング曲がとても良いですね。今期で一番好きな曲です。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

gHcYn96238 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

OPがクセになる

予想の斜め上をいくオープニング。
要約すると・・・

・最初っからSEとか高笑いをバンバン入れてくる。
・しれっとオタ芸の動きを取り入れてる
・曲が80sハードロック、ヘヴィメタルを彷彿させるメロディ
・歌っているのがまさかの日本語達者な外国人、しかもイケメン

攻めすぎてて笑います。嫌いじゃない。むしろ好き。
CGとの組み合わせもバランス取れているので良い仕上がり。

このOP聞きたくてそのまま釣られて中身も見てしまうという制作側の意図にハマってます。

オーバーロード×ゴブリンスレイヤー×なろう系テンプレな感は否めませんが、最近のこの手の作品は結構雑で継続視聴する気が削がれることが多い中、安定感はあります。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2

ハリス さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

面白い

Ep.2
いややっぱ面白いわ。笑 色々と撤回したい。笑 なんか優しいエピソードだなって思った。村の少女系エピソード好きなんだよなぁ。あと可愛い。色々と
(作画-0.5, +0.5)

Ep.1
まだ1話しかみてないけど、面白いし続きも見る。まあ普通に異世界ものだけど。気持ち悪いハーレムとかなければ楽しめそう。
ただ気がかりなのが、性的胸糞シーンが今後もあるのかって事。ぶっちゃけ、評価高いから見てみたらそういうシーンで不快だった。この時点(開始10秒くらい?)で4、5回は見るのやめようとしたけど、まあでもやっぱ評価高いからって事で我慢したわけ。

で確かに普通に面白い。笑

冒頭の不快なシーンをなぜ2度も見させられたのかは謎。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3

75.6 8 仲間で騎士なアニメランキング8位
シドニアの騎士 第九惑星戦役(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (848)
4532人が棚に入れました
太陽系滅亡から千年、地下から現れた少年に、人類の希望が託された。
対話不能の異生物・奇居子(ガウナ)に太陽系を破壊されて千年。脱出した人類の一部は、巨大な宇宙船シドニアで、繁殖しながら宇宙を旅していた。生まれてから地下でひっそりと暮らしていた少年・谷風長道は、衛人(モリト)と呼ばれる大型兵器の訓練生となり、歴史的名機・継衛(ツグモリ)の操縦士となる。長未知が初めて異性を意識した少女、星白閑。初めて友達となった男でも女でもない人間、科戸瀬イザナ。長道の能力に嫉妬を覚える岐神海苔夫。寮を取り仕切るクマ型の寮母、ヒ山ララァ。宇宙船シドニアにおける”日常”の生活―恋、喧嘩、仲間との会話は明日も続くはずだった。再び奇居子(ガウナ)が現れるまでは…。
100年ぶりとなる脅威との遭遇に、人類は、長道は、何を選択するのか?
人類の存亡をかけた戦いが今、始まる―。

声優・キャラクター
逢坂良太、洲崎綾、豊崎愛生、櫻井孝宏、佐倉綾音、金元寿子、喜多村英梨、大原さやか、坪井智浩、子安武人、新井里美、田中敦子、本田貴子、鳥海浩輔、阪脩
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

触手ちゃん♪

シドニアの騎士ってより最近は、あっ、触手の時間だ~♪って感じで、
毎週楽しみに観ております、
物語的には一期引き続きけっこう過酷な戦闘も続いてますが、
今期の興味はいきなり登場の触手、
イルカみたいなオバQみたいな、けど声は妙に可愛い(孫も大喜び)、
主人公谷風中心に人間娘と性別無しと触手?のラブコメもあるよみたいなw
この触手がいい子で人気上昇中らしく、でもこれって、、、、

なに萌えナンダロナ?

2015春期放送中 原作 弐瓶勉(月刊モーニング) 監督 瀬下寛之 制作 ポリゴン・ピクチュアズ
原作未読 一期視聴済、

一期観たけど光合成やら性別無し人やら尿管やら未来人設定或いは、
宇宙移民船設定もけっこうリアルで、マクロス重たくした感じだったよね、
戦闘場面端折ったりコマッタ君(岐神 )いたりってのもあったけど、
概ね楽しく観てた、って事で二期も視聴開始、
{netabare}
登場人物(一部触手)船やら敵やらも一応紹介

ガウナ  太陽系(地球含む)破壊した謎の生命体、集合体になって粒子砲打ってきたり厄介な敵
シドニア 巨大宇宙移民船、

谷風長道♂   
本作の主人公シドニアの撃墜エースパイロット、
星白閑♀    
一期でガウナに殺された?ヒロイン、ガウナコピー能力で再生中だった、んだけどな、、
白羽衣つむぎ♀?
二期のキーヒロイン?ガウナと人間の融合体、本体デカいけど触手で人と会話、この触手けっこう伸びてシドニアの配管伝いお出かけ可能、趣味は読書・入浴・トランプゲームww
科戸瀬イザナ? 
男でも女でもない中性だったけど谷風に惚れて女に偏り中
緑川纈♀    
作戦指揮官 一期から谷風にアプローチ中 プラモ好き

サマリイッタン♀
ガウナ攻撃部隊の女班長
仄シリーズ♀♀♀♀♀♀、、、
ガウナ攻撃隊員、クローンで同じようなのが沢山居る
ヒ山ララァ♀  
食堂の熊のおばさん
小林♀     
移民船シドニアの仮面被った謎の不死体女艦長、評議会長老連中殺して実権把握画策中、一期では変装したり可愛げもあったけど、、、
科戸瀬ユレ♀  
イザナのお婆ちゃん、不死体なので観かけは若い、科学者であり「外生研」の所長
落合♂     
昔のガウナ研究者で色々危ない研究してたらしい人、優秀だけど危ないので隔離されてた。
岐神♂     
一期で谷風の能力に嫉妬して意地悪してたコマッタ君

1話感想{netabare}
今回のOP騎士行進曲?knaights knaights knaights of sidonia♪いい感じ♪
落合研究室探索してた岐神シドニア血線虫(落合製造の脳コントロール虫)に感染?意識のっとられて落合になっちゃったって事なんだろね、この落合星白 閑のガウナ再現体いきなり強奪?再現体二期でどうなるんだろうって興味あったし可愛かったからちょと残念、谷風も星白居なくなって寂しそう、そうこうしてるうち新たな巨大ガウナの襲撃、苦戦中いきなりもう一体のガウナ出現?と思いきや、「始めまして皆さん、私の名前は(白羽衣 つむぎ)宜しくお願いいたします♪」この娘??はナンダロね~?{/netabare}

2話感想{netabare}
声は星白だけど?中に人岐神(落合)乗ってるし、「私本気出します」って体当たり大型ガウナ貫通~一撃かよ、岐神(落合)の説明「今ガウナを殲滅してみせたのはガウナではありません、我々と同じ意識持つ融合体です」と言われてもつむぎデカいしガウナ皮だし疑心暗鬼なシドニア住民、でもこのつむぎ礼儀正しく声が可愛い、谷風だけはそんなつむぎの事心配してて、やさしい主人公だね(←んでも早くも星白の事忘れてね~か)、つむぎ嬉しいと尻尾?振るみたいwwでもデカいから尻尾振るだけで大迷惑みたいな、つむぎに興味深々な谷風君つむぎ居住区へ通いだした、つむぎ触手登場♪イルカみたいなオバQみたいな、触手から触手も出るよ~(ヤヤコシ)キュっキュっ♪なんかコイツ、、、可愛いかも♪「また来てくださいね~♪」って。今回オモシロかったのは、一期から居た冬眠不死議会長老みたいな偉そな連中、最高評議会決定にて現艦長小林更迭じゃ~っとか、、言った途端逆に皆殺されて即ご退場~、一期からずっと思わせぶり存在だった割にはあっけない(伏線にもなれず不必要になったんだろねww){/netabare}

3話飛ばして4話感想{netabare}  
ガウナ襲来~、つむぎも出撃だけど暴走してイザナ誤打、つむぎ我に返り負傷イザナ庇いシドニア帰還中ガウナの超粒子砲がシドニアに放たれる、シドニアピンチ!なれどここでつむぎ身を挺し粒子光線起動を曲げた、シドニア助かった、けどつむぎはボロボロ、大丈夫かいな??あ、谷風も活躍してました(←既に興味はつむぎちゃんな訳ね)私も酷い目に遭ってるんですけど(←イザナ談){/netabare}

5話感想{netabare}
ガウナ辛くも退け谷風帰還、つむぎは?体組織90パー損失、ヤバくね?つむぎ培養液カプセルみたいな中で修復中、私も右手左足損失なんですけど(イザナ談)つむぎのおかげでシドニア救われたっての住民解ったみたいでパッシングもなり潜め、お見舞い献花とかしてある、谷風元気なかったけどつむぎ快方聞いていきなり元気になってつむぎ居に見舞い直行、星白完全に忘れやがったかな、想ったけど星白夢に出てきたね、つむぎ声似てたからかな?(←因み声優さんは同じ)目覚めるとつむぎ触手だった、治って良かった~つむぎ触手に抱き着く、イザナも猫持ってお見舞い(触手の餌じゃなくつむぎ触手は猫好き)、「(猫ちゃん)触ってもいいですか?」イマイチ妙な声で鳴く猫(触手になでられてもね)、シドニア配管の中ごそごそし始めた谷風とイザナ、配管通しつむぎ触手にお外観せたいんだね、{/netabare}

6話感想 {netabare}
風呂中祖母のユレ(不死なので若い)と会話なイザナ、祖母「貴女遅れてるから心配してた」、中性イザナどうやら女の道で決定したらしい、そこへ宿舎追い出された谷風が「泊めてくれ」、ハレムテンプレ鈍感♂主人公再起動か?イザナ「ちょうどよかったさっきから変な音してて不気味だったし」ポルタガイスト?の正体は?寂しくて配管伝って遊びにきたつむぎ触手でありました♪谷風「早く戦争終わらせないと」(←でも戦争終了=物語も終わるしってより対ガウナ位置のつむぎの居所の方が気になるし、つむぎバトエンは勘弁だね)新居探し始めた谷風は不動産屋に、場所やら配管やら配管やらが条件(つむぎ触手用だね)、新居整いつむぎ触手ちゃんご招待、つむぎ触手「一緒に寝てもいいですか♪」(寝るのかよ、まあ触手じゃ何にもできんわな、、)落合サイドが何か妙な新兵器開発中、{/netabare}

7話感想{netabare}
落合開発のあやしい武器?重力子放射線砲テスト~失敗暴走ガウナ化、谷風とつむぎに出動命令~、配管ピョコピョコなつむぎ触手が可愛い、なんとか鎮静も犠牲者出たね、でも真実は公表せずか、一期から谷風誤解中だった仄シリーズ♀谷風におにぎり持って仲直り画策も、谷風は部隊女隊長サマリに飲み屋同伴後光合成誘われ(光合成ってのは基本裸でやるので一般デートより意味深らしい)けど谷風は酔いつぶれ(オヤクソク)、にしても新居に一期から谷風に気アリの緑川纈もやってくるし、いよいよハレムになってきたね、纈とイザナとつむぎ触手3♀でお風呂で乳談義(って触手風呂にも入るんだw)イザナ巨乳化完全♀路線、{/netabare}

8話感想 {netabare}
緑川纈までコタツ持参で谷風宅へ、コタツ潜ってはしゃぐつむぎ触手♪か、、かあいいじゃね~かっ、けどハレム混沌化現象加速中、女性化著しいイザナ気遣うイザナのお婆ちゃんのユレ(←ひつこい様だが不死体だから若い)、谷風に出頭命令、重要文化財調査なるもの無理やり命じる、「イザナを連れて行きなさい!失敗したら以前あなたの頸椎内に仕掛けた爆弾起爆させてやる!」(なんか無茶苦茶だね~)、最近つむぎ寄り?な谷風にふてくされ気味のイザナを頸椎爆弾かかってるwから真剣に誘う谷風でありました、、{/netabare}

{/netabare}
さてさて後半やたらラブコメってきたけど、
これって一期と同じワンクールなのかな~、
星白どうなったのかも気になるけど、
やっぱつむぎ触手だよね、けっこう人気出ちゃってるし、
毎回DLして孫にも見せてるんだけど、
孫もけっこう喜んでるんだよね触手、
触手鬱ラストだけは勘弁してほしいな~。。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
9話~最終話
{netabare}
何とかイザナを桃源郷、、じゃなく千秋郷に誘う事に成功したハレムテンプレ型鈍感谷風、一泊付デート浮かれるイザナなれど谷風は頸椎無事目的、結局お婆策略込みイザナにバレて「ボクの事なんてどうでもいいんでしょ!」つむぎ派の私はうなずくも谷風そうもいかず~、、、何かあったのかなかったのか結局朝迎えコソコソ帰宅のお二人、そうこうしてるとイザナに偵察任務、惑星9に向かうイザナを心配する谷風とつむぎ、案の定かオヤクソクか結局ガウナ出現~、良い娘のつむぎイザナ助けに行きたい思い同じなれど命令待ち軍人谷風もつむぎに引きずられつつ結局惑星9へ、そろそろ回も押し迫るし過酷な戦闘になるんだろな~なってもいいけどつむぎだけは孫心配してるし無事で返してね(←もはや主人公もストーリーもどうでもいい痛い孫想いな一視聴者爺)
以降12最終話まで色々アリつつも流石の主人公つむぎ助けてなんとか帰還、ボクも大変だったんだけど~(←イザナ談)、谷風勲章もらったりワケワカラン敵はそのままとりあえずシドニアの航海はつづくのでありました~(終)、
{/netabare}
よかったよかったとりあえずつむぎ鬱ではなかった、
今週号ダウンロードして孫に見せよう、、、

孫「ちゅむぎは~?」ん?谷風君助けたっしょ?
「ちゅむぎ居ないよ」、、、

イルカオバQ触手状態でないとダメなのね、
ハハハ、、わかるわかる。。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 39
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

さよならシドニア

弐瓶勉×ポリゴンピクチュアズ。

2期では日常パートを増やし、
キャラの感情や背景に焦点を当てた。
ラブコメ要素が増え、
物語に感情移入がし易くなった。
シリアスな作品だけに、
シュールな笑いが余計に笑える。
音響効果は変わらず凄い。

白羽衣つむぎの登場。
{netabare}人類とエナの融合個体。{/netabare}
旧約聖書の怪物、まるでリヴァイアサンだ。
獅子奮迅の活躍でしょう。
デザインがいい、声もいい。
まさかピンク色の胞手に萌えるなんて。
不思議な体験、やはり愛嬌なのかな。

狂科学者落合の登場。
シドニアを蝕む悪意。
種という概念からの解放。

原作では大シュガフ船(ガウナの母船)との、
激しい戦闘で幕を下ろしましたが、
{netabare}アニメでは因縁ある「紅天蛾」との、
最後を盛り上げる迫真の戦闘がクライマックス。{/netabare}
11話は驚愕、驚くほど動く動く。
{netabare}そしてエナ星白との邂逅。{/netabare}

傑作SFアニメの称号は揺るぎません。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 81
ネタバレ

CountZero さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

キタ・:*:.・,・ヾ(*´∀`*)ノ。・:*:.・,・ァ

第8話を視聴して…

{netabare} 霧亥「俺はネット端末遺伝子を探してる」
つむぎ「この後、キリイはどうなるんでしょうか⁉︎」
ゆはた「みんなの応援次第よ‼︎」 {/netabare}

…するする!応援する!応援超してます!
弐瓶作品といえばやっぱり外せないですよー(笑)
やばい。
期待マックスです。
むふー鼻息荒くなりました。
まだ本編終わってないのに、思わず思いの丈を叫びたくなってしまいました(笑)
二期のレビューはまた書きます。

ハードSFのはずなのにシドニアの{netabare}王道のハーレムラブコメパート{/netabare}最高です。
いざな可愛い(笑)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 26

73.1 9 仲間で騎士なアニメランキング9位
七つの大罪 戒めの復活(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (316)
1908人が棚に入れました
いまだ人と、ひとならざるものの世界が、分かれてはいなかった時代。

ヘンドリクセンとドレファスの二大聖騎士長の支配から王国を奪還した<七つの大罪>とエリザベス、ホーク。
王国誕生祭も無事に終わり、リオネス王国にようやく平和が訪れた。

だが、次なる脅威の予兆は確実に生まれつつあった――

声優・キャラクター
梶裕貴、雨宮天、久野美咲、悠木碧、鈴木達央、福山潤、髙木裕平、坂本真綾、杉田智和、宮野真守、木村良平、櫻井孝宏、内田夕夜、小西克幸、佐藤利奈、東地宏樹、岩崎ひろし、M・A・O、小野大輔、小林裕介、津田健次郎、高垣彩陽、遊佐浩二

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

だが、次なる脅威の予兆は確実に生まれつつあった…

この作品は、七つの大罪の第2期という位置付けになっているようですが、実際には第1期と本作品の間に「聖戦の予兆」というTVSP番組が2016年の夏に全4話放送されました。
物語の内容的にも放送された時系列に沿って視聴するのをお勧めします。

1期では、2大聖騎士長であるヘンドリクセンとドレファスの企みを寸前で阻止し、王都を奪還するところまでが描かれています。
7つの大罪の強さ…
残飯処理騎士団団長であるホークの気概…
そしてエリザベスの勇気…
どれか一つでも欠けていたら成し得なかったことだと思います。
そしてリアネス王国にもようやく平和が訪れたかに見えました…

ですが、物語はそれで終わりでは無かったのです。
それは人類の新たなる脅威…十戒の存在が明るみになったこと…
これが全ての元凶でした。
束の間の平和を満喫する暇も無く、新たな試練への道が開き…物語が動いていきます。

本作品で描かれる新たなる脅威の十戒…
実は十戒が人類の脅威になったのがこれが初めてではなく、遥か太古の昔に封印されましたが、悠久の時を経て復活した存在だったのです。

そこで私たちはとんでもない光景を目にする事になります。
確かにこの段階で登場してくるんです…
相応の相手である事は用意に想像できる訳ですが…

十戒の強さ…尋常じゃありませんでした。
リオネス王国を守護する聖騎士たちが、まるで歯が立たないんです。
そして十戒の全力全開は、7つの大罪をも上回るんです…

これが何を意味するか…
これまでは、7つの大罪が何とかしてくれる…
あの最強の軍団が、私たちを守ってくれる…
こういう絶対的心の支えを名実共に失う…ということなんです。

十戒の執拗な攻撃は、容赦なく7つの大罪を削り取っていきます。
もちろん、急所は絶対に外さない…
確実に…一つずつ潰していく…
だって、そのために蘇ってきたのだから…

エリザベスの頬を伝う大粒の涙を見たとき…
これまで築き上げてきたモノが、目の前でバラバラと崩れ落ちた気がしました。



これがお終いになるなら…それも一つの運命だったかもしれません。
でも…終われないんです。
終わらせて貰えないんです…
自らが望むかどうかは別問題…代償だけを奪われ続け、何度も何度も繰り返される…

強制的に支払わせる代償…一番大切で一番守りたいモノを容赦なく削り取るんです。
全部削り取られたたら何が残るか…自分の一番が何も残らないんです。

だから7つの大罪は絶対に立ち上がるんです。
守らなければならないモノをもう失わないために…


一方、本作品で紡がれるバンとキングの物語…
こっちも相当熱いですよ。
そして7つの大罪の残された一人…その存在も今回明らかになります。
「傲慢の罪(ライオン・シン)」を背負うモノ…この方も相当半端ありませんでしたけれど。

1期からの熱さをしっかり引き継いだこの作品…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、FLOW×GRANRODEOさんの「Howling」と、スカイピースさんの「雨が降るから虹が出る」
エンディングテーマは、Anlyさんの「Beautiful」と天ちゃんの「誓い」
個人的な一押しは天ちゃんの「誓い」でした。
歌詞にエリザベスの気持ちが乗り移っているみたい…

2クール全24話の物語でした。
放送時間が朝に変わっても、この作品の持つ熱量は変わりません。
8月から劇場版の上映が始まりますが、そちらは映画オリジナルストーリーなんだそうです。
…という事は、続きはまたTVアニメでしょうか。
これまで同様、しっかりと腰を据えて制作されることを望んでいます。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 9
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

まあ、こういう展開になるよね・・・。

原作未読。最終話まで視聴。

第1期のラスボス・ヘンドリクセンが、第1期で死んだはずのドレファスに・・・。
なかなか、衝撃的な形で物語が始まります。

個性豊かな『七つの大罪』組は早々に{netabare}バンとキングが別行動。
ゴーレムはディアンヌの怒りを買っちゃったり・・・。{/netabare}
単なる仲良しパーティー出ないところが七つの大罪の魅力。

ここまでは良いとして・・・。

強敵が現れる→負ける→パワーアップ→強敵を倒す
どうしても、こういう展開になってしまうのが、この手の作品の弱点。
残念ながら、第2期はこういう展開に陥っちゃっています。

メリオダスとリズとエリザベスの話とか・・・。
バンに対するジェリコの思いとか・・・。

本編に並行して様々な物語が展開されていて、視聴者を飽きさせない構成は良かったと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 19

さんふらわあ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

何度見ても面白い!

作画、脚本はもちろん、キャラクターの魅力が最大限引き出された作品です!
前作までは日曜夕方での放送でしたが、今回からは土曜の朝に移動して展開されていますね。
この作品は勢いのある王道のストーリー展開のなかに魅力的なキャラクター同士の接触も楽しめます。
映画も8月に公開されるほどの人気作に成長したのはファンとして嬉しいです。
文句なしの出来です。
主題歌は後期のopについて少し戸惑いはしましたが、よくよく聴いているとちゃんと作品に向き合って曲を作っているのが伝わってきたので再評価しました。終盤に差し掛かり、映像の多くを変更した部分もスタッフの熱意を感じました。
キャラの生き返りについては一時的なものなのでそこは問題ないと思っています。
だいぶキャラクターも増えて賑やかになりましたね。魅力的なキャラとワクワク感満載のストーリーが幅広い世代に支持される要因になっているのでしょう。
どこまでも仲間思いのメリオダスや微力ながらも共に戦う意志の強いエリザベス、他の七つの大罪一行や関係者もそれぞれの思惑がありながらも国を守ろうとする思いの強さは共通しています。

子供から大人まで誰でも入りやすい作品なのでぜひ見てみて下さい。うちの子供たちも毎回楽しみに見てます。

これからも応援しています。

映画はもちろん、あるか分からないけど続編も期待してます!

追記
映画の予告見ました!
作画が綺麗でなおかつ迫力のある映像になっていましたね!
初日に見に行こうと思います!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 5

69.8 10 仲間で騎士なアニメランキング10位
最果てのパラディン(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (315)
997人が棚に入れました
かつて滅びた死者の街――人里離れたこの地に一人の生きた子供、ウィルがいた。少年を育てるのは三人の不死者(アンデッド)。豪快な骸骨の剣士のブラッド。淑やかな神官ミイラのマリー。偏屈な魔法使いの幽霊のガス。彼ら三人に教えを受け、愛を注がれ少年は育てられる。そしていつしか少年は一つの疑念を抱く。「……この『僕』って、何者なんだ?」ウィルにより解き明かされる最果ての街に秘められた不死者(アンデッド)たちの抱える謎。善なる神々の愛と慈悲。悪なる神々の偏執と狂気。――その全てを知る時、少年は聖騎士(パラディン)への道を歩みだす。

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

単なるRPGのジョブとかじゃない聖騎士(パラディン)

本作の原作は「小説家になろう」に掲載され、主人公は現代日本から転生したということになっていますが、その設定のことはほとんど忘れて良いんじゃないかと思うくらいにまともなファンタジー作品で、個人的にはけっこうお勧めです。

ただ、主人公が生まれ育ってから「最果てのパラディン」になるまでほぼ1クールを使ってしまうという、人によってはそのテンポ感に堪えがたい作品にもなっています。続編の制作が既に決定しているのが救いです。

あんまり似たアニメ作品を思い浮かべることができませんが、『グランクレスト戦記』とかを楽しめた人なら大丈夫な気はします。

神が想像上の物ではなく実在することを一般人もある程度認めていて、神官は場合によっては神と直接向き合うという世界観はとてもファンタジーっぽいです。

さて、皆さんは聖騎士(パラディン)と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。

騎士(ナイト)は中世ファンタジーでもおなじみですし、歴史上にも多数実在しますし、実は現代でも爵位として残っておりナイトを名乗れる人は存在しています。でも、たぶん現代にパラディンはいないですよね。

物語で聖騎士(パラディン)として出てくる人物というと、違う人もいますが概ね「騎士でもある聖職者」みたいな雑なイメージがあります。

で、聖騎士(パラディン)として物語や伝説として語り継がれる人もいるんですけど、基本的にはRPGとかで聖魔法的な物が使える騎士の上級職的な物としてしか認知されていません。そういう聖騎士は必ずしも神に日常的に祈ったり聖職者としての立ち振る舞いをしたりはしなかったりする人もいます。

翻って主人公のウィルくんはブラッドという元戦士に剣術や格闘を仕込まれ、ガスという元魔法使いに魔法を仕込まれ、地母神マーテルの神官だったマリーに神への祈りや聖職者としての在り方を学び、正式に「灯の神グレイスフィールの神官」としてグレイスフィールに認められています。

そして、王弟エセルバルドに正式に叙任されてパラディンとなるのですね。

こんなに聖騎士然としたキャラクターも創作物といえども珍しくて、価値判断や考え方が周囲から浮いていてそのギャップとかも面白いと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 30

アニメ記録用垢 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

再挑戦したら最高に面白かった件

〝少年というか青年の男のキャラなのに
声がどう聴いても女性の声
合わな過ぎて集中して観れないレベル……
4話くらい観たけど視聴切ります。〟

という評価を放送当時していたが
序盤の設定やらストーリーやらは面白かったと感じていたので
じゃ再挑戦してみるかという感じで最後まで観賞。
うん、ファンタジーファンタジーしてる。
これこそ求めていたハイファンタジーを体現した様な出来。
主人公もチートとかではなく、攻防の駆け引き、言葉による駆け引き。仲間同士の熱い掛け合い。
どれを取ってもチープさはなく。洗練されてしっかりと作られているのを感じた。

それに気にしていた声も大人になってから、男性声優に切り替わり。
後顧の憂いなし。
お気に入りした。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

灯火

転生ものだけど、転生ものの影は薄い。
だって、前世の描写がほとんどない。
だから、強いて転生ものにする意味が感じられない。
べつに、ひょっこり生まれても良かったんじゃない?

主人公ウィルは、最果ての街で育てられます。
それも廃墟の街。
育ての親はアンデット。
おどろおどろしい設定が不気味です。

アンデットは幽霊のガス、骸骨のブラッド、ミイラのマリー。
それも連中は古の強者。
ウィルは鍛えられ、信仰深く成長します。
そう、最果てのパラディンの誕生です。

序盤5話までは、廃墟の街から一歩も出ません。
同じような鍛錬が続き、挫折しそうでした。
でも、6話以降の冒険譚はそれなりに楽しい。
特に、ウィルの謙虚な強さが頼もしいです。

話変わって、灯火の神グレースフィールのc.vに驚きました。
碧様ではありませんか。
背景に溶け込み、個性を殺しているのでわかりません。
まるで、カメレオンボイスです。

あと、ED曲「標火」に惚れました。
2021年もっとも聴いた曲です。
なぎさんの囁きは真に尊い。
揺れる炎に癒される感覚でした。

このアニメ、2期ってあるんだっけ?
確かあるんだよね。
てか、ないとオカシイ。
2期が仄かに楽しみです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 22

77.1 11 仲間で騎士なアニメランキング11位
転生したらスライムだった件(第2期) 第2部(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (431)
1854人が棚に入れました
主人公リムルと、彼を慕い集った数多の魔物たちが築いた国
<ジュラ・テンペスト連邦国>は、近隣国との協定、交易を経ることで、「人間と魔物が共に歩ける国」というやさしい理想を形にしつつあった。リムルの根底にあるのは元人間故の「人間への好意」……
しかしこの世界には明確な「魔物への敵意」が存在していた。その理不尽な現実を突き付けられた時、リムルは選択する。
「何を失いたくないのか」を―― ファン待望の転生エンターテインメント、暴風の新章に突入!
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

けじめの行方

(2021.7.6初投稿, 2021.9.24更新)

 ◎ 閑話1話 + 本編全12話(第37話~第48話)

❰第2期 第2部前半(第37-42話)迄視聴して❱
{netabare}
 GEM Partners株式会社がAmazonプライム・ビデオやNetflixなど様々な定額制動画配信サービスを横断して調査した結果(調査期間2021年4月3日~9日、4月10日調査日)、1位『呪術廻戦』2位『進撃の巨人』3位『転スラ』の結果となった。

 さらにその調査期間2021年1月2日~6月25日の結果では『転スラ』は6位になったが相変わらずベスト10入りで大したものだ。(因みにアニメだけでなく世界中のドラマやバラエティーも含んだ上でのランキングで、ベスト20の内日本のアニメが15タイトルを占めた)

 原作の累計発行部数は2021年5月時点で2,500万部突破。二期BD初動売上4,500枚。転スラは今が旬か。円盤売り上げ実績はそこそこ。だが圧倒的な原作売り上げと配信実績から転スラ3期制作の可能性は高いかもしれない。

 転スラのアニメは会話劇ばかりでスカッとしない、と特に2期になってから視聴者の不満の声はネット上でよく見かける。小説と漫画とアニメは違う、アニメはアニメらしく緩急自在に、バトルの見せ場たっぷりでテンポも良く、という意見もよく理解出来る。

 しかし私は転スラではアニメ現状肯定派。残り6話の時点では、会話重視で戦略の面白みが残る原作準拠の現状。これはアニメ3期制作を前提にしていると好意的に捉えている。

 これからテンペストを取り巻く外国勢力はさらに表面化する。軍事力と外交力は車の両輪。戦力だけ目立たせても片手落ち。短期で終わらせず長期シリーズにするなら、外交と安全保障の強みを会話劇でしっかり描く必要があると思う。

 私にとっては本作の物語の顛末は原作既読で既知であり、アニメではキャラのスポットの当て方、声優の演技による新たなキャラの魅力の発見などが楽しみ。2期後半でもそこは健在で魅力的。キャラクターが新鮮に輝き続ける限り、転スラのアニメは原作同様これからも応援し続けたい。
{/netabare}

❰第2期 全24話視聴して❱
{netabare}
 最後には視ている側も自然と笑顔になれるような締めくくりでとても好かった。第2部に関しては、放映前はオール4.0の作品評価からスタートしたが、3話目で一度評価上げて以来、一定以上のクオリティは保たれていて、最後まで変動する事はなかった。

 今期のOP「Like Flames」は、英語歌詞と激し過ぎないオーバードライブしたギターが印象的で、今までの優しさが前面に出ていたOPと違い、ロックビートに程よい緊張感と反骨精神が感じられて今期の物語に相応しく、初回から最終話までとても心地よかった。EDの落ち着きのある曲調の楽曲もじわじわその良さが伝わってきた。

 最終話放映後に、2022年秋に劇場版公開予定の発表あり。劇場版制作発表を9ヶ月の転スラ祭りの後に持ってくるとは、鉄は熱い内に打てとばかりの商業戦略の巧妙さに関心する。

 ただ、それは無いと信じたいが総集編のようなものだけは勘弁して欲しい。1期は2クールで書籍4巻分、2期が2クールで2巻分と原作消化ペースが半分に激減したので、ヒナタとの決着迄は描かれなかった。第1部でヒナタとの激闘が描かれた以上、そこはスッキリしていない。また、ラミリスのテンペスト移住の棚上げも気になる。第48話の最後、”to be continued”とあったこともあり、そこらあたりを補うための劇場版になる可能性は高いと思う。いずれにしてもどんな作品になるのか、今から非常に楽しみだ。
{/netabare}

❰原作既読視点の各話レビュー❱
{netabare}                (2021年 TOKYO MX 初放送日時)
★#00『第36.5話 閑話:ヴェルドラ日記2』(6月29日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<総集編 + α>

 第1期第24.5話以来、久しぶりの『ヴェルドラ日記』第2段。平和で長閑な「転スラ日記」、そして抗争の世界の「転スラ2期」の後半の本編スタート直前、転スラ日記最終話の翌週に転スラ2期前半を主にする総集編に当たる今回が放映された。

 2021年1月からスタートした転スラ祭りだが、緩急自在でよく考えられた構成と思えて好印象。今回は基本的に過去の振り返りなので9割以上はバンク映像で構成されているが、若干の新規作画あり。アバンタイトルの40秒、Bパート半ば以降の、ラファエルとヴェルドラたちの会話の約90秒は新規と思われる。

 一部を除き、ほとんどがヴェルドラとイフリートの台詞で構成される今回。脚本家の労力は通常のエピソード時と変わらない。今回の主役となるヴェルドラ役の前野智昭氏はもちろん、イフリート役の八代拓氏にとって有意義で有難いエピソードだろう。特にイフリートは、本編だとまだあるかもわからない3期以降相当のエピソードまで出番ないはずなので、非常に貴重な出番と言えそうだ。

 今回の閑話は脚本上、よく出来ていたと思う。ヴェルドラとイフリートの会話は、約2年ほどリムルの胃袋中に閉じ込められていた二人のしばしの別れの前ということもあり、中々の深みがあった。またイフリートはシズに対する懺悔の台詞もあり、しみじみと味わうことが出来た。
{/netabare}
★#01『第37話 訪れる者たち』(7月6日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 復活した暴風竜ヴェルドラを伴い首都に戻ったリムルは、早速皆に人型になったヴェルドラを紹介。そしてリムルは住民の注目下、ベニマルと一緒にシオンの手料理を食べることに...それは意外にも戦勝の慶びの味わいだった。

 その後、テンペストの危機に盟友として駆け付けた、自由組合ブルムンド支部のギルドマスターのフューズ、武装国家ドワルゴンのガゼル王。そしていきなりの未知の他国の重鎮の訪問。国を代表する彼らは、当然の如くリムルとテンペスト幹部達の会議に参加すると表明。面倒臭い話になりそうな予感。リムルの気苦労は戦時より戦後のこれからが本番になりそうだ。

<うざいほど騒々しいヴェルドラさん、シオン Ver.2、そして裏番長エレン>

 今回は、アニメ36話との整合性とテンポ重視のため相応に原作から改変されている。原作者に遠慮なく脚本家の個性が強く反映されている感があるが、そこに原作者と脚本家との信頼の強さが窺えた。

 アニメは原作小説や漫画と比べて色合いが全く異なった。特に台詞が原作と全く異なることが多いオリジナルな印象で新鮮で楽しかった。個人的には漫画版が一番好きだが、アニメ版も悪くない。何より色鮮やかな画と動きが多少の物足りなさを吹き飛ばしてくれる。

 シオンの料理ネタは個人的にはあまり好きではない。が、今回そこにたっぷり尺を取ったのは良かったと思う。テンペストの平和な日常が戻った象徴であり、一皮剥けたシオンを強調することで、新生テンペストの誕生を暗示するから。

 また、第1部終盤から転スラ日記に掛けて存在感が爆上がりのエレンだったが、今回ついにキャラクターとしての存在感は、テンペスト幹部級にかなり近づいたと思う。
{/netabare}
★#02『第38話 人魔会談』(7月13日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 リムルに敵対する魔王クレイマンの黒幕がユウキと明確化。テンペストが二度と他国に侵攻されないよう、仇なす者たちへのけじめの第一歩スタート。

<あらすじ>

● イングラシア王国、自由組合本部にて。

 自由組合グランドマスターのユウキに、中庸道化連のラプラスは、神聖法皇国ルベリオス(西方聖教会)潜入調査の報告を上げていた。そこにはユウキの秘書カガリも同席。実は彼女は、嘗て魔王レオンによって亡ぼされた魔王カザリームの、ユウキによって復活した姿。カザリームは中庸道化連会長でありラプラスとは200年ぶりの再会だった。どうやら良からぬ陰謀が水面下で進展しているようだ。

● ジュラ・テンペスト連邦国、首都リムルにて。

 ファルムス王国との戦後の対応のため、テンペスト史上初めての人魔会談が行われた。人類国家側は、武装国家ドワルゴン、ブルムンド王国、魔導王朝サリオンの代表が参加。そして魔物国家側はテンペストの幹部以外は、獣王国ユーラザニアの幹部らが参加。さらに新生ファルムス王国を担うヨウム達、この度の関係者となったエレンなど、かなりの参加者となった。

 会議開始早々にその場にヴェルドラ参入。その波紋と混乱で休憩の事態に。その休憩の間はリムルの執務室にてリムルとガゼル王、サリオンの全権委任大使エラルドとの実りある三者会談が行われた。

 テンペストは魔王と竜種が共存する世界随一の脅威の国と三か国にバレた。が、ガゼルとエラルドに知られたのは、むしろ最大の幸運。事実を都合良く改竄して、色々と上手く立ち回る知恵を与えてくれることとなった。

 またリムルとラファエルは、状況からヒナタ来襲の黒幕がユウキだと結論付けたのだった。

<優しいだけでは、人も魔物も生きていけない>

 今回、テンペストの明るい未来を暗示するかのように、屋外に用意した会議場がとても美しく見えた。

 最後、ラミリスが一期以来久しぶりの登場。登場の仕方は原作を超えた面白さ。アニメスタッフは、キャラの魅せ方を心得てる。個人的に、ミリムとラミリスは同列で大好きなキャラなので次回が楽しみだ。

 ディアブロ、シオン、ヴェルドラ、リムルによる、ヒナタ絡みのやり取りもアニメならではの演出で楽しかった。

 キャラクターがかなり増えた。EDのキャスト一覧で確認した限りの今回の出演声優は18名。今回は場面では登場してても、ベニマル、ソウエイ、ゲルド、カビル、ハクロウ、ゴブタ他多数は、物語上、台詞不要なので声優の出番は一切ない。脚本上当然だが少々寂しかった。
{/netabare}
★#03『第39話 ラミリスの報せ』(7月20日 23:00 - 23:30)
 音楽以外全ての評価4.0→4.5
{netabare}
<あらすじ>

 その後の会議にて、最重要な懸案の具体的解決策が次々と決定した。リムルの決断にはラファエル以外に、ガゼル王やエラルドと言った為政者の大先輩の叡智が大いに役立った。

 リムルがクレイマンと直接対峙する時は刻々と近づく。この場で友好国への根回しの手間も省け、友好国の後ろ楯の確約も取り付けた。諸外国に対する工作活動内容と役割分担も、間もなくつつがなく決定するだろう。一丸となった前進が始まろうとしていた。

 一方、魔王クレイマンの居城にてクレイマンはラプラスと会談中。そこでクレイマンはリムルを滅ぼすための策謀を語っていた。ラプラスはクレイマンに同意しつつも、クレイマンは誰かに踊らされているのではないか、と違和感を感じる。いずれにせよ、ミューランが存命中なのをクレイマン側の誰も知らない時点で、既に策謀には綻びが生まれていた。

<『第39話 ラミリスの出落ち』>

 前回に引き続き今回も素晴らしい。カット割の工夫、キャラの配置、台詞の掛け合いの組み合わせ、どれもが絶妙。トップ同士の会談は会議同様、一歩間違えれば単調で詰まらなくなる場面。今回も視聴者に会談の多くの決定事項を、飽きずに、なおかつ誤解無く伝える工夫も抜かりない。あっという間の24分だった。

 キャラに相応しい微笑ましいカット。ヨウム等の男気あるシーンも良かったが、居眠りゴブタの和みカットを挟むタイミングの絶妙さが特に印象に残った。今回の21名のキャストを、無駄なく無理なく適材適所で使いこなせてたと思う。

 ラミリスは、アバンタイトルの2分ちょっと、一方的な大言壮語の長台詞の後、勝手に気絶して出番終了。益ある事もなし。ラミリスらしくて愉快愉快。ラミリス役声優のJKギャルっぽい演技が嵌まってる。特にラミリスの"そよ風竜"発言が印象的。ラミリスがどんなにヴェルドラをディスろうと、始終漫画に没入してアウトオブ眼中のヴェルドラもいい味出てた。

 今回のサブタイトル『ラミリスの報せ』はラノベ第6巻第2章と同じタイトルだが、アニメ内容は第1章『人魔会談』の続き。

 つまりラミリスは第2章冒頭の、会議終盤のまとめ段階に会議場に現れるのが原作の流れだが、アニメではラミリスの登場を前倒しした。しかしラミリスは話の最後まで気絶中で、お報せ内容は不明のまま。

 結果として、ラノベや漫画でも味わえない独特の可笑しさが生まれた。アニメ制作者たちはセンスがいい。

 以上から今回、音楽以外の評価を満遍なく上方修正した。
{/netabare}
★#04『第40話 会議は踊る』(7月27日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 ラミリスにより貴重な情報がもたらされた。

 ワルプルギス(魔王達の宴)と言われる十大魔王の会談が3日後に開催されるが、今回はクレイマン発議で、議題は『ジュラの大森林に新たな勢力が誕生しその盟主が魔王を騙った』とし、カリオンの裏切りがその背後にある、とクレイマンが主張するつもりとのこと。

 またクレイマンは配下の魔人たちに軍事行動を命じたとのこと。

 そしてソウエイ達の諜報活動にて、クレイマン配下No.1とされる魔人ヤムザの指揮下、軍勢3万がミリムの領地にて編成中と判明。

 そこからリムルとラファエルは、クレイマンの目的を見極める。

 既にミリムによって王カリオンは亡ぼされ、首都も消滅した獣王国ユーラザニア。その避難民はユーラザニア国内に散らばっている。そこにクレイマンはさらに軍を侵攻させ、その住民全てを生け贄として狩り尽くし、覚醒魔王に進化するつもりだと。

 ファルムス王国の戦後処理は、ヨウムと共にディアブロを派遣することで対処することになった。

 現状は、ユーラザニアの幹部と戦力の半分はテンペスト領内に駐留している。後手には回ったが、駒の配置を抜かり無く調整。テンペストとユーラザニア連合で反撃の時は近づく。

<浴衣柄 心豊かに 鮮やかに 和む主に 惹かれくる友>

 ラミリスのテンペスト移住の野望はいつ達成出来るのだろうか。

 今回、ここしばらく派手なアクションが全くないこともあり、作画も細部に目が行き届いて充実していた感。アニメ独自の高級旅館での和食の晩餐シーンが彩り豊かでとても和む。

 スイカ柄のラミリス始め、リムル、シュナ、ベニマル、ヴェルドラ、トレイニー姉妹の浴衣のデザインセンスが良く皆よく似合ってる。繊細で高級な美味しそうな料理と共に美しいハーモニーを奏でていた。

 大浴場シーンも久しぶりの登場でほっと一息。湯船でラミリスを接待するトレイニー姉妹はアニメ独自で新鮮。

 ヴェルドラやラミリスも巻き込んだクレイマンとの争い。戦闘はこれからだが戦略上はクレイマンは既に詰んでる感。今回は戦勝の前祝いのささやかな宴のようだった。

 私は原作の持ち味を損なわない丁寧さを望む派なので、今期の会議の尺を冗長と捉えるより丁寧で適切と捉える。原作の政治の駆け引きの面白さが必要十分に再現できてるので現状は満足。

 原作のラミリスとシオンの残念描写を適度に拾い上げ、アニメ独自に構成。その政治話の堅苦しさをやわらげる工夫も好印象。

 全体的に視覚においても脚本においても彩り豊かで楽しかった。

 ここまで視聴して制作陣は、アニメは原作よりもテンポ重視で、ということも考慮しつつも、それ以上に累計発行部数2,500万部の読者を裏切らない構成を心掛けていると感じた。
{/netabare}
★#05『第41話 会戦前夜』(8月3日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 食後のひととき、デザートを前にしても楽しんではいられないリムルたち。

 このままではテンペストからだとユーラザニア国内への進軍は間に合わない。しかしその窮地にあって、ラファエルは安全かつ効率的な転送魔法の術式を完成させていた。

 これでクレイマンの裏をかくことができる。リムルにゆとりが生まれた。そこに、シオンの脳筋な発言がヒントで、リムルにワルプルギスの場でクレイマンと直接対峙するアイディアが閃く。

 ラミリスに問うと、リムルのワルプルギス参加は問題なさそうとのこと。そして魔王1名の随行者枠は2名で、シオンとランガがリムルの付き添いに。リムルの味方ラミリスにはベレッタに加え、自ら志願したトレイニーが付き添うことに。

 いよいよクレイマンへの反撃が動きだす。

 会議翌日早朝迄にユーラザニアの住民全てを、テンペストの受け入れ地点へ1人残らず転送して保護する。

 同日の日中、広場にて出撃準備を終えた軍勢一同がリムルの御前に集う。

「「「「「「勝利を御身(リムル様)に!!!」」」」」」

 リムルは、ユーラザニア1万とテンペスト1万の連合軍を、たった一度の転送でユーラザニア国内に送りだす。それは後手から先手に変わった瞬間。戦略上勝利は目に見えていた。

 クレイマン軍を待ち受けるのは、かよわい民草たちから、したたかな軍勢に化けたのだ。

<先手必勝の夜明け>

 ラファエルのアニメ解説は相変わらず解り易くていい。

 勝利を確信する総勢2万の軍が一同に揃った様が壮観。色彩豊かな画で、これは視覚的に原作では絶対味わえない醍醐味。勝利の予感にとてもワクワクした。

 次回、重要な新キャラの登場は間違い無いだろう。ベテランの石田彰氏他、新キャストがどんな演技で魅せてくれるか楽しみ。
{/netabare}
★#06『第42話 魔王たち』(8月10日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 新キャラに心踊り、ミリムの行動の謎の一部が明かされる重要回。特に、ギィ(cv石田彰)、ヴェルザード(cv井口裕香)、レオン(cv福山潤)の共演が見所。豪華キャストの演技は見応えあってとてもよかった。

<あらすじ>

● 魔王クレイマンの居城にて

 クレイマンはユーラザニア侵攻中の軍総指揮官ヤムザから、ユーラザニア国内に殺害対象の住民が一人も見つからないとの報告を受ける。暴風竜ヴェルドラの復活の噂もクレイマンの耳に入った。しかし頭の中はワルプルギスのことで頭が一杯のクレイマン。情報に対する冷静な分析を欠く。本来用心深いはずの彼だが、過信により己が策に酔いしれ既に勝った気でいた。

● 数ヶ月前の魔王"天空女王"フレイの居城にて

 仲のいい魔王ミリムがマブダチのリムルからのプレゼントを自慢しにフレイの居室に突然来訪。そこでクレイマンに借りがあるフレイは、クレイマンから預かったネックレスをプレゼントとだと偽りミリムに装着した。そのネックレスは支配の宝珠でそれを首に掛けた途端に禁呪法が発動、ミリムはクレイマンの操り人形になった。しかしフレイは何故かミリムでなくクレイマンを憐れむ。

● 最強最古の魔王"暗黒皇帝"ギィ・クリムゾンとその相棒の白氷竜ヴェルザードの居城"白氷宮"にて

 呼び出しを受けた魔王"白金の剣王"レオン・クロムウェルが来訪。ギィはレオンをワルプルギスに誘うがレオンは既に参加を決めていた。そこで話し合う様々なこと。特にレオンから初めて聞かされたヴェルドラ復活の情報は、ヴェルドラの姉であるヴェルザードには非常に関心高く、普段は魔王間のことには無関心なのに珍しく二人の会話に彼女も加わる。

 話し合いの中で存在感の増すリムル。ワルプルギスはクレイマンの発議以上に、リムルの参加の方がギィ達には興味深いものとなった。

<魔王リムルに暴風竜あれば、魔王ギィには白氷竜あり>

 リムルとヴェルドラも強いが上には上がいる。主人公の強さはチートのようでも勝ち目のない存在がミリム含めまだまだいるということ。それもまた転スラの魅力。

 転スラは、キャラの関係性と対立が生み出す政治戦略ドラマも見所で、特に今期で描かれる部分の原作は会話劇が主で戦闘は従。1期のテンペストがまだ少国だった頃とは訳が違う。特に今期の2部は残りも戦闘には期待しない方が無難だろう。

 ワルプルギスなど今後に必要な会話はまだたっぷりあるはず。戦闘も既に大方は気付いてる通り結果は始めから見えている。嫌な奴ざまあな快感はあれど、スリリングな見せ場はおそらくない。

 ここまでは思った以上に原作通り。下手にアニメで原作を大幅に改変して、アクション重視でその分会話を省略するなんてつまらない。この調子で最後までいって欲しい。

 今回は、ラノベ第6巻の丁度真ん中、第3章『会戦前夜』と第4章『因縁の地』の間に位置する幕間『魔王達』を基に構成された。

 前回のアニメのサブタイトルは『会戦前夜』、そして今回のサブタイトル『魔王たち』と、大まかでもラノベ原作通りの流れなのは興味深い。

 今回、細部は改変あるものの場面展開は幕間と全く一緒だった。これで第1期はコミックからが主にだったが、今期、特に後半は主にラノベからアニメ化されてるのがよく分かる。アニメは今期内でコミックの内容を追い抜くであろうから、ラノベを基本に構成するのは当然の流れか。

 転スラのアニメは、今までは始めから中盤までは割と原作に忠実でゆっくりでも、終盤でいきなり飛ばす傾向があった。ゆえに残り6話で原作のどこまでアニメ化するのかは予想出来そうで出来ない。今は3期に繋がるいい終わり方をしてもらいたいと祈るのみだ。
{/netabare}
★#07『第43話 開宴の合図』(8月17日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 初めての戦闘回で幕開けの2部後半。OP映像が一部改定。テンペスト幹部達のカットと魔王達のカットなど一部差し替えられた。ラノベ第6巻 第4章『因縁の地』の内容スタート。コミックでは第17巻が終わり、2021年7月8日に発売されたばかりの最新刊第18巻の内容に突入。

<あらすじ>

 リムルはワルプルギス参加の準備中。ラミリスの従者となるトレイニーに世界中自由に活動できるように体を与えた。

 ソウエイとハクロウはリムルに新たな進言を。ワルプルギス参加で主不在中のクレイマン城は攻略に最高の機会だと。結果、攻略はシュナも志願し3名で赴くことに。

 まさかのシュナの参戦に戸惑うリムルは笑顔固まる。

 その夜、ベニマルを総大将とするテンペスト軍の快進撃が始まった。

<巫(かんなぎ)シュナはある意味最強か>

 肉体と精神が極限まで追い込まれる戦争。戦場で明確に浮き彫りなるキャラたちの魂の本質が戦い方に現れる。

 戦争の勝敗を分けるその本質。王らしく泰然自若なリムル。大将らしく冷静沈着なベニマル。縁の下の力持ちらしい真面目で質実剛健なゲルド。天才だがヘタレのゴブタ。いかにも卑怯者らしいクレイマン軍のラムザ。戦闘ジャンキーその他大勢。

 しかし今回最も意外なのはシュナ。満面の笑顔に勝利の女神感漂う。怒るほどにおっとり笑顔の輝くシュナ。彼女ある限りテンペストは不敗なのではと考えてしまった。

 それは強運をもたらすという意味で。運も実力の内ではなく運こそ実力。シュナは将来結婚すれば、表面上は旦那を立てるだろうが、本質的にはかかあ天下になりそう。そしてその笑顔ある限り、旦那はいつも元気で嫁ぎ先の一族の繁栄は約束されそう。妻の明るい家庭は旦那が暗くても繁栄するという。その逆で妻が暗いと旦那の明暗関わりなく衰運を招くとも。よく言われる"勝利の女神が微笑む"とは、テンペストでは"シュナの笑顔が絶えない"ということと同義かもしれない。

<天然ゴブタはある意味最強か>

 原作によれば、ゴブタの辞書の"正々堂々"とは、敵に求めるものであり自分が守るものではない、とのこと。コミックリリーフの一翼を担うガビルも変わり身の達人のゴブタのコミックぶりには敵わない。格好良く登場してすぐにヘタレるゴブタ。ゴブタらしくて可笑しい。緊張感をぶち壊す相変わらず憎めないキャラだ。今回のゴブタ登場シーンは、漫画版は簡略されてるがアニメはラノベに忠実で漫画よりアニメの方が笑えた。
{/netabare}
★#08『第44話 因縁の地で』(8月24日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 原作通りで丁寧。前回にひき続きラノベ第6巻 第4章『因縁の地』の内容。コミックでは18巻の第80話『大妖の再来』と第81話の前半の一部相当。今回はアバンタイトル抜き。クレイマン軍との戦場での三つの戦闘描写のみで、この場に居ないリムルやクレイマン他は出番一切無し。

<あらすじ>

 クレイマン軍との戦いは大詰めを迎えていた。固有スキルにより戦場全体を俯瞰出来る指揮官ベニマルは、敵の中でもやっかいそうな強者に幹部たちをピンポイントでぶつけたがそれも決着に近づく。

 アルビスとゴブタvs敵指揮官ヤムザ、ゲルドとフォビオvs中庸道化連フットマンとティア、スフィアとガビルvs竜を祀る民たち。

 一番の危機的状況はヤムザがやっかいな災害級の存在に変異したこと。だがベニマル介入により事なきを得る。リムルに連なる者は、等しくリムルが魔王に進化した恩恵を実感する。手痛い敗北もあったが味方の命は落とさず。ヤムザを討ち取り最終的には戦争は大勝利。獣王国の戦士たちにも有意義な戦いだった。

<踊る道化師ティアはある意味最強か>

 前回はゴブタがシリアスブレイカーだったが、今回のシリアスブレイカーであり、全体的にも存在感においてMVPキャラだったのはティア(cv本渡楓)。アニメの絶妙な動きと声によって原作では味わえないキャラ立ちがあった。緊張感ゼロのおふざけ言動がユニークで異彩を放つ。フットマンも同類だがティア程の存在感は無かった。今回登場のキャラはバトルジャンキーがほとんどで尚更ティアが光った。話の流れと台詞のほとんどが原作通りでも、アニメでの動きと声の演技は新鮮な発見があって面白い。

 次に、ミリムを崇めている竜を祀る民最強の神官長ミッドレイ。コミックでも魅力あったがアニメでもなかなかの存在感だった。

 転スラは毎回キャラが多いため声優たちの競演が楽しい。次回は新キャラがまたもや登場するよう。どんな演技かとても楽しみだ。
{/netabare}
★#09『第45話 示指のアダルマン』(8月31日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 またしても新キャラに主役級声優複数採用。今回は死霊の王アダルマン(cv杉田智和)と”眠る支配者”魔王ディーノ(cv小林裕介)。今回はアバンタイトルたっぷりでEDは抜き。シュナの活躍と魔王集合の件、なかなか見応えあった。

<あらすじ>

 テンペストのリムルの執務室にて待機中だったリムル、シオン、ランガ。そしてラミリス、トレイニー、ベレッタ。そこに突如現れる転移門。迎えに現れたのは魔王ギィ・クリムゾンのメイドである原初の悪魔の一人ミザリー。彼らは門に繋がった先のワルプルギス会場に向かう。

 一方シュナは、ハクロウとソウエイと共にクレイマンの城の攻略に向かう。その途上に立ちふさがるのは、死霊の王アダルマンとその配下たち。配下たちの魂は主アダルマンの中にあり、アダルマンを滅しない限り何度倒して配下はすぐに復活してしまう。そこでシュナは、ハクロウとソウエイに配下の足止めを任せる。そしてシュナ単独でアダルマンに立ち向かうことになった。

 シュナはアダルマンの全ての攻撃を全て防ぎ圧勝した。しかし、シュナの判断により彼は消滅を免れる。実はアダルマンは束縛されてクレイマンの命令に従わざるを得なかっただけ。その結果、彼は拠点防衛機構としての兵器だった存在から解き放たれ自由の身になった。

 以後は自分を自由にしてくたれシュナに敬服し恭順する。しかも彼はリムルとの謁見を望み、敬う以上の信仰対象としてリムルに仕えたいという。なんとも想像の斜め上の展開。ディアブロと同類のアダルマンにシュナは苦笑せざるを得なかった。

 リムル達が到着した時、会場にいたのはギィのみ。そして続々と到着する魔王達。ミリムとラミリス以外は初対面。とりあえず、リムルとラファエルは魔王達の魔素量(エネルギー)を推し量ることで今後に備えるのだった。

<粉骨砕身して仕えてくれそうな配下ゲット>

 ハクロウやソウエイの強さも霞むほどのシュナ。たまたま敵との相性が良かったのかもしれないが、いつもの女性らしい姿からは想像出来ない肝の据わった強さ。原作読んでて流れ知っててもアニメの演出に惚れ惚れする。腕力を一切使わないスマートで美しい攻撃。リムルと共に進化した巫女姫の格の違いをアニメで一層堪能出来た。

 そしてアダルマンの配役を杉田氏にするとは面白い。アダルマンはその服従の暑苦しさが可笑しさを醸し出すタイプ。今回もその片鱗が伺えたが、アニメに来期あるなら杉田氏の演技の妙味を一層楽しめそう。

 クレイマンに向けるリムルの"楽に死ねると思うなよ"の今回の表情、コミックを基に作画されたよう。いつものリムルと違うギャップが効いててなかなか格好いい。

 次回は魔王オールキャストによる競演劇が楽しめそうだ。
{/netabare}
★#10『第46話 魔王達の宴(ワルプルギス)』(9月7日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 今回はOP抜きのたっぷり尺。原作では味わえないダイナミズム濃厚回。

<あらすじ>

 クレイマンの弁論からワルプルギスが始まった。それを黙って聴く魔王たちと従者たち。彼の虚偽の主張にはリムルは心底呆れ、怒りのボルテージはますます高まった。

 次にリムルの反論が始まったが、リムルは完全にクレイマンを論破。そもそも主張だけで証拠もないのに持論を押し通すクレイマンに他の魔王の誰も賛同する者なし。

 その後、リムル、シオン、ランガは、クレイマンとその配下2名との3対3の戦いでクレイマンを叩き潰すつもりだった。だがクレイマンは、自分たちが戦うより先に精神支配しているミリムをリムルにぶつける。

 3対4でも不利なのに規格外の強さのミリム参戦で焦るリムル。ギィは戦いの場に結界を張った。他の魔王もラミリス以外は彼らの戦闘に不介入で傍観するのみ。そのためリムルはぎりぎりの攻防で戦闘は膠着状態に。

 しかしその渦中、結界内に現れた仲間が二名あり。一方はラミリスの命によってベレッタ参戦で大歓迎。もう一方は、この場では本来歓迎できないのだが、来ちゃたものはしょうがないと諦めるしかないリムルだった。

<魔王認定試験はバトルで>

 声優演技とバトル作画のマッチングが素晴らしく、今のところ第2期全体の中で一番スカッとして面白かった。場面での登場キャラは多いが、声をあてるキャラは厳選の上で最小限にしたよう。そしてバトル演出に見所たっぷりだったことが功を奏した感。最後の引きは可笑しさも加味されてて巧い。

 今回の声優の出演者の中でも、特にリムルの岡崎美保の演技が見事に嵌まって格好いい。まだ20代前半の彼女だが、一期の頃より確実にリムルとの一体感が増して役になりきってる感。子安武人の演じるクレイマンのゲスぶりはさすが。巨人族の"大地の怒り"魔王ダグリュールに小山力也とは出番少なく贅沢だがいいチョイス。ギィの石田彰もベテランらしく場面を引き締めてくれた。

 転スラのアニメは、一期のハクロウの大塚芳忠から始まり今回に至るまで、キャラの年代に相応しいキャリア豊富な声優を要所要所でキャスティングしてくれるので、視てて非常に安心感がある。次回も楽しみだ。
{/netabare}
★#11『第47話 起死回生』(9月14日 23:00 - 23:30)
{netabare}
<あらすじ>

 結界内に突如現れたヴェルドラ。タイミング良くリムルの代わりにミリムにぶん殴られ、リムルのピンチを救う。以降、ミリムの相手はヴェルドラが担当。

 その後、ベレッタはクレイマンの操り人形のヴィオーラを解体。シオンはクレイマンの反撃を全て無効化してクレイマンをボコボコに、いつの間にか誰が勝者か確定していた。そして、ランガに任せたキツネの魔物ナインヘッドは、リムルがクレイマンの支配の呪縛を解くことで解放した結果、リムルに懐く始末。

 ミリムを暴走させてその場の全員を抹殺させようとしても、そんな命令は無視されるクレイマン。もはや勝ち目のないのは明らかで、彼の必死の悪足掻きに周りの目はますます冷えきっていく。
 
<クレイマンの油断と傲慢、それは後悔と悪足掻きへ>

 コメディ演出、特にBGMが少々大袈裟でいまいちだったが、最後3分位からのクレイマンのしみじみとした回想が話を引き締めて全体のバランスが良かった。ラファエルの嘆息も話のいいアクセントになってた。

 憐れクレイマン。一方的にやられっ放しで、弱い者いじめ感があって少し可哀想だった。しかしどんなに追い詰められても仲間を売らぬ矜持は立派だ。
{/netabare}
★#12 (第2期第2部 終)『第48話 八星魔王(オクタグラム)』(9月21日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 思った以上に原作に忠実で、丁寧に描かれて2期の終わりを迎えた。1期の半分のスローペース。なんと第2期第2部は全12話で書籍第6巻『八星輝翔編』の一冊の内容のみで終了した。

<あらすじ>

 ミリムは演技でクレイマンの支配下にあったことが判明。カリオンも存命だった。フレイもミリムの状況を察しクレイマンに従ったふりをしていただけ。

 結果、誰一人味方するものなきクレイマンはリムルによって完全に消滅した。

 そしてヴェルドラとミリムは、リムルとマブダチだということも全ての魔王に知れ渡り、リムルの魔王としての立場はもはや不動に。

 そのリムルの新参魔王の初仕事は、10+1-3=8名になった魔王たちの呼称の命名。そして誕生した名は、八星魔王(オクタグラム)。リムルはその一員として以降、"新星(ニュービー)"の二つ名で呼ばれることとなった。

 そして、ワルプルギスからテンペストに戻ったリムルたち。そこには住民たちの笑顔が満ち溢れていた。

<俺の名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである>

 以下にある通り、アニメは一期と二期で同じようなリムルのモノローグの台詞で話を締めくくった。この脚本のセンスは素晴らしいと思う。

 どんなことがあってもリムルたちは変わらない。どれだけ強くなろうが自分は所詮、一匹のスライムにすぎないんだと語るリムル。

 どんなに己自身が強くなっても、配下も進化し軍事面、経済面で国力が上がっても、増長すること無く、国作りの原点を忘れていない為政者であれば、徳高くして国はますます発展する。

 国を愛する=国民を深く慈しむ。そんな王である主人公。配下が常に"さすリム"なのは当然と言えよう。そこがブレないから、話がワンパターンになっても転スラは愛され、原作もアニメも売れ続けるのだと思う。このワンパターンであっても少しずつ進化してる台詞が、3期の最後でまた聴けることを願いたい。視聴者の中には、本作のワンパターンを馬鹿にする向きもあるが、普遍的な本質がそこにある以上、ワンパターン上等である。アニメがどこまで続くかはわからない。出来れば原作の結末まで描いて欲しいものだ。

第23話、リムルの最後のモノローグ

 "なんということもない、普通の人生を歩むはずだった男は、通り魔に刺されて死亡し、異世界に転生を果たした。暴風竜ヴェルドラ、そして一人の女性の想いと姿を受け継ぎ、幾度もの危機を乗り越え、様々な種族の魔物をまとめて、国を作り、子供たちを救った。その名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである。"

第48話、リムルの最後のモノローグ

 "なんということもない、普通の人生を歩むはずだった俺は、通り魔に刺されてスライムとして異世界に転生し、魔物たちの国を作った。(しばしの間)...仲間を救い、敵を倒し、遂にはオクタグラム、8人の魔王の一人となった。俺の名はリムル=テンペスト、一匹のスライムである。"
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

横綱相撲

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
説明不要のビックタイトルの、本編としては4クール目。

まあ、世間的はあまり人気でない展開かなと思いつつ、個人的にはかなり好きでした。レビューでは、その理由と、今後期待することを。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
序盤からかなり長々と会議をやってて退屈だという意見もあるだろうけど、うちの会社の会議に比べればだいぶ面白い(笑)

というのは事実だけど冗談として、私はあれを「横綱相撲」だなと思った。たかだかこの程度の退屈さでは人気が揺るがないという自信があるからこそ、丁寧に原作を消費できるんだろうな。あんな会議、その気になれば1話にスッキリと収められるでしょ。

私は「建国モノ」と「戦記モノ」が大好きです。その両方の要素がある本作が楽しくないわけありません。

「建国モノ」で好きなのは、仲間や施設が充実していく過程。これ多分、ガキの時に「幻想水滸伝」をやりまくっていたせいです(笑)

転スラ、特に本作の中盤~後半はサブキャラ達のバトルが見られて楽しかった。個人的には、ベニマルとゲルドが好き。ゲルドは「転スラ日記」で特に好きになったキャラ。私の場合、ラブコメもサブヒロイン萌えだし、バトルも副将燃え(四天王とか好き)なんで、サブキャラが魅力的なのは大事です(笑)

「戦記モノ」で好きなのは、世界地図を大きく見ていくような展開。「戦術」ではなく「戦略」の話。これはまあ、「銀河英雄伝説」の影響が大きい。4話目の国家間の思惑も良かったし、最終話でミリムに2ヶ国が従属するのも熱かった。

あとはまあ、「英雄譚」も好き。当然「ロードス島戦記」の影響がでかい。リムルはどんどん出世するけど、「英雄」とは少し違う感じ。むしろ怒っていたり残忍になったりする時の方が魅力的に感じる。3クール目の後半からの(魔王になった)リムルは好きです。どうせチートなら、初期の頃のようなヘナチョコじゃなく、スッキリ最強でいてくれた方が好み。

個人的には、この作品の分水嶺になるのは、オクタグラム内のパワーバランスだと思います。

現状、リムル・ギィ・ミリムが、個人としても勢力としても三強で、どうせリムルが最強になるんでしょうけど、これが、「リムル 対 残りのオクタグラム全員」でもリムル(ジュラ・テンペスト連邦国)が勝つようだと、もう魅力がなくなると思います。誰が味方につくか敵につかでどんどんパワーバランスが変わってくる展開なら、まだまだ楽しめそうです。

次は劇場版ですか。この作品とは、長く付き合っていきたいので、本作のようなスローな展開でも、個人的には歓迎できます。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
アルティメットスキルが4つて、どんだけ強いんだよ(苦笑) 1つでもあれば、魔王クラスという解釈で良いんだよな? ベルドラ、明るいキャラで目立つな。ユニークスキル、料理人。個性を失ってないか? まずはワクワク感があるスタート。

2話目 ☆3
会議。かなり地味な展開も、自信の現れか。

3話目 ☆3
会議だけで2話またぐなんて、珍しいアニメだよな。

4話目 ☆4
そうそう、私が好きなのはこういう大きな話なんだよね。

5話目 ☆3
軍隊丸ごと転送はエゲツナイな。

6話目 ☆4
戦力の充実と分散。まあ、基本だな。これだけテンポ落として成立するのが凄いよな。

7話目 ☆4
バトル始まるとやっぱり面白いね。

8話目 ☆4
日常系? シュナ、強ぇな。もっとじっくり見たい相手、バトルだったな。アンデットが仲間になりたそうにこちらを見ている(笑) キャラ変わりすぎだろ(笑) 怒るリムル、良いね。

9話目 ☆4


10話目 ☆


11話目 ☆4
サザンアイズ(笑) CAPCOMに怒られるぞ(笑) ミリム、操られていなかったか。魔王という役目。カザリームが黒幕。クレイマンも、死に際にキャラが立ったな。あくまで利己的に、どこまでも純粋に。

12話目 ☆4
クレイマン、見せ場なくだな。一匹狼だったミリムの配下が増強され、国を持つか。胸熱の展開。魔王、、、モドキとはいえ、1の配下が瞬殺か。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 32

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「魔王」がいっぱい(笑)!→ 劇場版決定おめでとうございます!

== [下記は第4話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追加あり。] ==
『転生したらスライムだった件』1期目(2クール)+ 2期目前半クールの続きです。ここまでの本編を観ていないと、お話し的にはさっぱり意味不明なはずです。スピンオフの「転スラ日記」を観ていなくても大丈夫ですが、本編を観ていない人はとりあえずさようなら…。



主人公のリムルはネタ的にモンスターとして最弱クラスの例に挙げられがちな「スライム」に転生していますが、本作開始時点ではスライムなのは完全にネタで、作中でもリムルが最強というわけではないにしろかなり強いです。

1期目でのゴブリンの集落の拡大から周辺の魔物たちを取りまとめての「ジュラ・テンペスト連邦国」の設立やいくつかの既存国家との国交樹立、2期目前半クールでの首都リムルおよび街道の整備などの勢力拡大に伴うファルムス王国との摩擦からの開戦を経て、本作はその戦争の後始末から始まります。

ここまでのお話で作中世界には「魔王」と呼ばれる存在が複数いて、リムルと直接面識があるのがラミリス、ミリム、カリオンの三名、名前を知っているのがシズさんの一件で名を聞いているレオンと直接敵対しているクレイマンの二名、そして別途作中で名前が出ていたフレイの六名が出てきています。

他にも「魔王」がいるらしいのですが、それらは一体何者なのか…?


……ということでちょっと気になったので、今だと「ピッコマ」でアニメ化部分以降も含めて結構原作を読むことができるので、2期目前半クール終盤くらいのところから何となく読み始めてしまったのですがこれが面白くて、たぶん今期アニメ化される以降まで読んでしまっています。

転スラは確かにバトル要素もあるんですが、今期のように(世間では不評との噂も聞く)バトルしていない時期の方が、個人的には好きだったりします。ということで、なかなか話が進まないとじれている向きもあるかとは思いますが、私はけっこう毎週楽しみに観ています。
== [第4話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.9.22追記:
第12話(最終話)まで視聴終了しました。

当初レビューで書いた通り、現存の魔王達が勢揃いする形でキリ良く終わりましたね。クレイマンの「小物界の大物」感が素晴らしかったですね。仲間たちとの回想で盛り上げるのはズルい(笑)。まるで、主人公のようだ…。

魔王であることは絶対的な強さの指標ではなく、魔王という地位なのだということが印象付けられるこのクールでしたね。

劇場版は普通にここまでのストーリーの続きとして制作するなら「聖魔対立編」+α的な内容になるのでしょうかね?

投稿 : 2024/12/28
♥ : 32

65.5 12 仲間で騎士なアニメランキング12位
英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀~(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (205)
654人が棚に入れました
自由を望んだ英雄王が、美少女転生して最強騎士無双!!!! 異世界最強 TS 転生ファンタジー! 女神の加護を受け『神騎士』となり、巨大な王国を打ち立てた英雄王・イングリス。 やがて年老いて天に召される直前、「国と民に尽くした一生では、自分自身の武は極められなかった。次の人生では、自分のために生き、限界まで鍛え抜いてみたい」と強く望む。 その願いは女神に聞き届けられ、遥か未来へと転生を果たした…… しかし、生まれた先は騎士の名家の『娘』!? そして何故か、騎士失格の烙印を押されてしまうが…… ――「むしろ好都合。出世をせずに最前線に居続けられる。実戦に勝る修行はない!」 幼馴染みであるラフィニアの従騎士として修練を積むために王立騎士アカデミーへの入学を目指す。 麗しき世界最強の見習い騎士♀の伝説が始まる――!

ごる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

転生して…戦闘狂娘にw

異世界から異世界の転生です(*'へ'*)

英雄王は転生して戦闘狂の娘になりましたw
色々と1クールで語れない展開ばかりです。。
テンポが良いので見ていて楽しいのと、主人公が笑っちゃうくらい最強です( ・᷄֊・᷅ )フッ
一応、苦戦する強敵はいるんですが、その正体もハッキリせずお預け状態で終わります(´・_・`)

たまに遠目アングルになったりすると、メインどころのキャラでもモブ風の顔がない雑な仕上がりになりますww

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3

76.2 13 仲間で騎士なアニメランキング13位
ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 2nd(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (508)
2353人が棚に入れました
「最終負荷実験」という名の、アンダーワールド全土を巻き込んだ「人界」軍と闇の軍勢の戦争。戦局は、「光の巫女」アリスの奪取をもくろむ「ダークテリトリー」軍ガブリエル一派と、アンダーワールドを守ろうとする「人界」軍アスナたちとの戦いへと様相を変えつつあった。未だキリトが精神世界の奥深くで眠り続ける中、「闇神ベクタ」ことガブリエルは、現実世界から幾万もの米国プレイヤーたちをログインさせ、「人界」軍の一挙殲滅を狙う。対するアスナたちは、アンダーワールド創世の神の名を冠する3つのスーパーアカウントで抗戦する。この大戦の行く末は、今は深く眠る一人の少年――「黒の剣士」が握っている。「アリシゼーション」編 、ここに完結!

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥、茅野愛衣
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ちょ、待って。

長かった。
分割4クールのラストクールです。
2018年秋からだから丸2年。
やっと完結です。

私の好きな作品だから言っちゃ難だけど。
{netabare}あの終わり方はね。
度肝を抜かれたとともに、苦笑しちゃいました。
世界観がぶち壊しじゃないですか。{/netabare}

それに、アリシゼーション編は間延び感が甚だしい。
原作に忠実なのかな。
構成の仕方を熟考すれば、もっと密度の濃いものになったかと。
アメリカンを3倍に薄めたテイストといいましょうか。

それでも、毎週楽しみにしていたのは事実。
クール間の休止期もジリジリしていたのも事実でした。

さて、本題です。
本クールはリアルワールドとアンダーワールドの融合と言えましょう。
{netabare}米軍の侵攻に対して、リアルワールドから援軍が。
敵味方がはっきりするのが、この作品の特徴。
ゲスった奴らに鉄槌が下される。
相当哀れでしたけど。{/netabare}

こちら三女神はと言うと。
やっぱり、シノンが最高です。
メッチャ好きです、声と性格。
また一つ、シノン株が私の中であがりました。

その他、アリスとアスナの軽い三角関係が妙にむず痒い。
アリスの眉ひくひくがリアルでした。
金髪好きの私としては、アリスのビジュアルが大好き。
今、金髪キャラベストテンを作成するとアリスがブッチでしょうね。

なにやら、新しい企画が始動した模様。
平静な心で待つとしましょう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 25

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

眠り姫キリトは再び黒の剣士として剣を手に取る

さて、盛り上がりをみせる後半
キリトとアスナを助けて欲しいとユイが繋いでくれた希望で集まるキリト勢力がバンバン集まる総力戦が始まります。

クラインの「待たせたな」から始まる反撃への狼煙にアスナだけではなく視聴者も上がる⤴︎ ⤴︎
見せ場としてはやはり多い。

ベクターvsベルクーリ
この戦いはね……人界人のスーパーアカウントベクターに英雄ベルクーリは引き分けます。
正直、ここまで健闘するとは思いませんでした。
背負うものや護りたい人や助けたい人がいる人は強いですね。

シノンの説得も良かったですね。
アリスの気持ちも解るか……ユージオを失い、アドミニストレータに利用された事を知り、キリトが精神崩壊、戦場で失われる命、自分がこの戦争の1つの引金になっている。
沢山の気持ちを抱えて精一杯だった。
そして、師匠ベルクーリの死が彼女の気持ちを爆発させた。
ベルクーリは生き返らないのに、ベクターは再び舞い戻るなんてね……理不尽だよ。

けど、シノンの言う事はもっともだよね
ベルクーリの作ってくれた時間を無駄にしちゃいけないし、アリスは「茶番ではないですか」と言うけど、シノンの言うアスナを含めキリトが傷ついてまで守ろうとした世界、彼がそこまでする理由に「なんで?」って気持ちを持ってるのも解る。

例えばアスナはキリトを救い、アリスを目的地まで送り届けるだけが目的だった。
けど、相手が自分と同じでリアルワールドの世界の人間である事や、ここで生きようとする人の気持ちやキリトが守りたかったものが本物だと感じたから力を貸してくれたんじゃない?かな。
キリトの気持ちもアスナが感じた気持ちが本物だから沢山の人も駆けつけてくれた。

リーファをみた時に私は「まったくこの兄妹はw」と思いましたwww
そう言えばキリトもフェアリーダンスでログインしてきた時に着地に失敗してたなぁーってw

ただ、リーファだけ恥ずかしめられたり、グロい傷を追ったりと可哀想になるんだけどリーファの扱い可哀想じゃない?
この世界ってリズの想定では「痛覚はダイレクトに感知する」って話してませんでしたか?
眼が痛々しい( ᵕ̩̩ ᵕ )

ただ、リーファのこの世界の事情を解るまで、この世界の人を傷つけないって気持ちは優しいね。
キリトも優しいけどやっぱり似た者兄妹ですよ。


アスナはクラインを軽くディスってるw
アスナの「いつものクラインさんのくだらないギャグ」のセリフが笑ってしまうけど気を張っていたからこうしたクスッと笑えるシーンいいよね。

中韓国プレイヤーが意外に理解者で話が解る人達だった。
結構冷静だし偽動画や情報にも違和感を持ったり、しっかりシュウメイの声が届く人が居て良かったです。

プウが無抵抗なキリトを痛ぶるシーンは最低だね……何も出来ない無抵抗な人への暴力程反吐が出るものはないよね。


エイジ&ユナ登場
これは当時も私は気分が上がりました。
オーディナルスケールのオリジナルキャラクターの2人なんですが、劇場版を知っている人は敵だったエイジがあの戦いを得て何を感じ何を思ったのかその答えになっている気がします。

劇場版では関係ない人を自分勝手に傷つけていた彼が今作は守側につく。
前の垢はチートだから次は新しく作りレベルを上げた垢なんでしょうね。
次は守側として彼はだ立ち上がる。


アスナvsプウはアスナの演出は良かったですね。
戦闘の臨場や迫力よりも演出が素敵でユウキと共に戦う演出は良かったですね。
しっかりユウキの意思が証明としてアスナとの会話で演出されたりとかっこよかったですね。
このSAOの命を失われてもキリトとアスナの相棒のユウキやユージオが2人に寄り添う描写にキャラ愛を感じる


キリトの復活は、これは痛々しい。
自分の心臓抉っていくのはね…………
まぁ、キリトも沢山の事があったからね……
けど、最後は「俺が死ねば良かったんだ」って結論になるんだね。
結構、ネガティブだったキリト君。

私はこのエピソードを見て気付いた事がありました。
それはキリトは英雄なんて呼ばれたりするけれど本当は…英雄ではなく…本当は…

それはキリトの精神世界お話。
恐らく彼が一番悔やんで悲しんで永遠に忘れる事の出来ない少女「サチ」キリトがSAO時代に彼女を失ってクリスマスイベントのボスサンタを倒すまでに原作にひたすらレベルを上げると言う話がありました。
サチを救いたい一心で力を付けたキリト、彼の強さには誰かを救いたい気持ちやら罪悪感などが入り乱れている。

そして失われて行く命を思い出す、自分がしてきた戦いの中で奪われ奪った命
そんな中で彼は涙を流し苦しむ……
そして、自分が死ぬべきだと自分を傷付け始める…目の前にアスナ達が現れても先に進めないキリト…それだけに自分が許せなくて許されなくて…

このシーンを見て私はキリトは英雄なんて言われてるけど、ただの高校生の男の子なんだと感じました。
どれだけ強くても、どれだけ救えても彼は英雄である前に普通の少年なのです。
だから、誰かを失うたびに傷ついてそれでも必至に踏ん張って仲間に支えられてここまで歩いてきたんだと感じました。

でも、そこに彼の親友とも呼べるパートナー…ユージオ…彼がキリトを救い出してくれる。
思い出と気持ちは永遠に繋がり続けるから。
そして、彼は歩き出す。
次に進む為に…彼は目覚める。
キリトの原動力は周りの支えだと思います。
1人だと心が壊れてしまう。
それでも歩み出せたのはやっぱりユージオやアスナを始めとする仲間達。
そして彼は守る為に剣を取る。

ロニエがキリトの元に訪れる人達をみて「女の人ばかり……」ってセリフがありますが、ユージオ先輩もいるよ。って教えてあげたくなるシーンですw


キリトvsプー

これはね。
キリトの勝利と言うよりキリトとユージオですね。
キリトもユージオもホントにいい所だけ持っていくよねww
クラインにも言われてましたけどww
後、キリト君の垢ってスーパーアカウントじゃないのにめちゃくちゃ強いよねww

キリトvsガブリエル

コレはあまり盛り上がらなかった気がするww
思ったよりもかなりかなり呆気ない気がしましたね。
ゲームも最新作でボスとして登場するんだけど余裕で倒せちゃいました。
アニメでもアドミニストレータの方がまだいい戦いしてた気がしますww
あっ、アドミニストレータ……最後にキリトに力を貸したみたいな感じで居たけどさ……最後の最後までキリトと敵対してたのにwww

アンダーワールドで200年暮らすキリトとアスナですが、アスナが泣くキリトの前でサプライズで登場する。
誰も居ないと見せかけて隠れていたアスナは演出に拘ってますね。
物陰から泣くキリトを観察していたのかと妄想したらアスナさん策士www
キリトの好感度が限界突破しますね。

「君と一緒なら200年なんてあっという間にだよ」
ってセリフがあるけど何か解る。
時間って普通に早く進む気がします。
私は中二くらいまで1年間はすごく長いと感じていて中二の大晦日の日の「365日が1年間って事は365回寝たらまた年末がくるんだなぁ〜」って考え初めてから1年間が物凄く早く感じてしまって……
……この事実に気づいた事に後悔しましたね。

けど、普通に1年間も早いし、大切な人といる数時間って早いじゃないですか。
充実した時間ですね。
友達や恋人や家族とかだからアスナとキリトは更に早く感じる気がしますね。

で、やっぱり凄いなぁ〜と感じるのがアスナとキリトの愛ですよ。
200年……200年経っても変わらぬ愛ですよ!
200年も一緒にいたらマンネリ化してお互いに気持ちも落ち着いて下手したら覚めると思うけど冷めないのなら本物の愛ですよね。

キリト「アンダーワールドでの200年の記憶を消してくれ」にアスナと不仲になったとかリアルな事情があったら嫌だなぁwwww
この2人はずっと仲良くして欲しいよねw

アリス、リアルワールドに登場する話は2026年8月1日なんですよね。
つまり、私達の世界でも3年後にアリスが来ると思っていたのですが2022年の11月6日にナーヴギアが出来てるはずなのに私達の世界にナーヴギアすらないので無理ですねww

2023年はやっとPS5が店舗販売が当たり前になったレベルの私達の世界ではまだキリト達の世界に追いつけませんねww

昔、噂で二十二世紀までにドラえもんを作るのを目標にしてるとか聞いた気がします。
その話が生きているのか、そもそも本当なのか解らないけどww

なら、2026年までにアリス誕生も目指して欲しいですねww
Vivyならどうかな?2056年でしたっけ?

話がそれてきました……ごめんなさい

キリトの200年生きた人格のコピーは何か怖いなぁ……キリトだから悪いことにならないとは思うけど声のトーンが怖いし、アンダーワールドの為に生きる事を選んだキリトの決意が逆を言えばアンダーワールドの為なら何だってするって取り方も出来るから少し怖くも感じるんですよね。


キリトのユージオとの記憶を消してもらわなかった事を後悔してましたが、多分消さなくて良かったよね。
確かに、忘れるってのは便利だと思う。
嫌な事は忘れたいし、忘れたら悲しまなくていいとは思うけど、忘れるってのは自分の心の中から、その人の存在を消しちゃう事になるし、そんな事をしても死者の死はなくならない。
辛くても悲しくても……それを無かった事にしちゃいけないし、もしかしたら消した事を後悔する日がくるかもしれないから。

コレは生きてる側の勝手な気持ちの押し付けなんだけど、誰かの死を忘れたくて記憶を消してたら悲しいと思う。
だって、その人と過した時間も気持ちも忘れて無かった事にしちゃったらユージオが可哀想だよ。
その苦しみもきっと自分とその人が生きた証だと思う。
それが解っているからキリトは消さなかったんじゃないかな?と思います。

アリスがあるメールを受信しキリトがアリスを連れてアンダーワールドに戻る手がかりを掴みます。
キリトの「その時はアスナも一緒にいいかな?」と質問するとアリスは怪訝な顔をするも許可をします。

アスナに黙ってアンダーワールドに行くと後々アスナが怖いからねww
これ以上、アスナに心配掛けたら黒の剣士を一撃で貫くマザーズロザリオがクリティカルヒットする勢いですからね。
ユージオも助けてくれなさそうww

私がアスナの立場なら多分置いていったらブチ切れるし、キリトの立場なら怖くて黙っては行けないwww

再び戻ったアンダーワールドはSF世界です。
宇宙空間で飛行船が出てきてモンスターを撃破するよく解らない世界ww
若干、ゴッドイーターとかのイメージが浮かんだけど……SAOって元々こんなのよね。
対人戦が続いてたから忘れがちになりましたが……
……


さて、久々に見返したSAOは面白かったです。
SAOのラストの最後は最後の様な締め方をされて居ましたね。
でも、昔何かで書いてあったけどSAOは原作のラストまでアニメさせたいって監督が話してたって聞いたのですが、どうなのでしょうか?
割と、シャナ、とらドラ、ストブラ、俺妹、など電撃文庫作品ってラストまで描かれるくらい人気作品は多いし、SAOも電撃文庫が誇る人気作品ですからね。
SAO、86、禁書目録の3作品は私は電撃文庫では大好きな作品だから是非、続編をして欲しい。

SAOに関しては……ね?
こんな意味深な終わり方をしちゃって、まぁ〜
まぁ〜まぁ〜こんな視聴者を生殺しにさせちゃってww罪な終わり方ですよww

原作を読めよと思われるかもしれませんが、文字だけの本を読むのは苦手なんですww
え?www

投稿 : 2024/12/28
♥ : 20

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

”全キャラ登場”に頼ってしまった作品

原作未読。最終話まで視聴。

あぁ…。こういう着地・・・。
これが正直な感想です。
「4期もかけて、こんな感じ」って。

SAOは期待値高めですからね。
「War of Underworld」は第1期、第2期とも高評価しようがないですね。
不必要に長かっただけというか・・・。
これだけの物語に2クールもかかるのかなって。

本作の前半部分に当たる「アリシゼーション」の2クールは密度が濃かったけど、「War of Underworld」はとにかく内容が薄い。
最終的に”全キャラ登場”に頼ってしまった作品という印象。
これでは苦しい。

「War of Underworld」第1期も☆の評価を下方修正しました。
う~ん、残念。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 39

69.1 14 仲間で騎士なアニメランキング14位
精霊幻想記(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (318)
1003人が棚に入れました
前世と現世が交錯――二つの記憶を持つ少年が運命に立ち向かう!!幼い頃、母を殺され孤児となったリオはスラム街で必死に生きていた。ある日、幼馴染との再会を夢見て事故死した《天川春人の記憶》と《強大な魔力》がリオの中で覚醒し、剣と魔法の異世界に転生していたのだと気づく。さらに、偶然出くわした王女誘拐事件の解決に貢献したことで、貴族の子女が集う名門学院に入学することに……。階級社会の最底辺から這い上がるリオは、出会いと別れを重ねながら過酷な運命を打ち砕いてゆく。

声優・キャラクター
松岡禎丞、諏訪彩花、藤田茜、桑原由気、楠木ともり、原田彩楓、鈴代紗弓、本渡楓、金子彩花、浜田賢二、田丸篤志、遊佐浩二、東山奈央、新田ひより、首藤志奈、西明日香

U-yan さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

松岡さんにピッタリなストーリー&キャラ設定!

SAOを観た人ならわかると思いますが、これぞ松岡さん!と思いました。
キリトと被るのは仕方ないと思うけど、ストーリーは別物なので文句はありません。転生、最強、ハーレム、萌えキャラが好きな方にはお勧めです。最終話の終わり方はとても気になります。最終話まで観た人は間違いなく2期を期待していると思います。上からで申し訳ないのですが、円盤売り上げ等は関係なく、あのような終わり方をしたからには2期も必ず制作して欲しい!!!

追記

2期制作決定発表ありましたね!うれしいっす!

さらに追記

2023.3月
何故かもう一度観たくなって視聴。
この手のアニメの中では1番好きかもです。
やっぱキャラデザがいいからかな。
動きがもっと良ければ作画は4.5にするくらいです。
あと再視聴したら音楽が良い事に気付きました。
ラストの衝撃の再会からどういう展開になるんだろ~。
2期が待ち遠しいです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

とてもちゃんとした異世界転生物。ちゃんとしていて普通に面白いです。

私、本来は異世界転生ものって大好物なんですよ。

ところがなろう系のせいで、なんか普通じゃない異世界転生ものが流行りすぎているんですよね。
・主人公が全く苦労も苦戦も何もしない無味乾燥な話
・主人公がやれやれ系で全く感情移入できない
・面白みもひねりもなにもないチート最強能力
・ヒロインが魅力が全くなく、ただ主人公を賛美し続ける
といった、私にとって全く面白いとも魅力的だとも思えない要素で味付けされた異世界転生ものが多すぎて、異世界転生もの自体が嫌になりかけてしまいます。

もちろんそうじゃない転生ものもいくらでもあるわけで、なろうでも無職転生とかね。全部を嫌いになるのは早計過ぎるわけですが。

本作も、そうじゃない異世界転生ものですね。いや、それが普通なのですが。
主人公は普通に苦難にあいます。
そのままでは死んでしまう絶体絶命のピンチでチート能力に目覚めるなら、応援もできます。目覚めなきゃ死にますからね。
ちゃんと事前に魔力の才能がある、と伏線も貼っているので、事前に期待もできる。こういうのは物語作りとしてちゃんとしていると思います。

ヒロイン達も優しそうな人、性格が悪そうな人、色々揃っていて今後が面白くなりそう。
というわけで、これで良いんだよ、と言いたくなる、私が好きな異世界転生ものです。
作画も良いですし、これは視聴継続。先がとても楽しみです。

全話感想
1話感想に書いた通りですがとても素直な作りで楽しめました。
別にテンプレチートものではあるのですがちゃんと最低限のピンチがあるだけでちょっと違うのですよね。
まあ中盤以降はチートっぷりが激しくなって周りが対抗できなくなってしまい、面白さが減っていきましたが…。
でもヒロイン達はそれぞれに可愛かったので。
内容的には全く終わっていないですが、2期をやる気はあるのでしょうか。
ゲームが人気が出れば続くのでしょうかね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

前世と現世が交錯する――異世界転生ファンタジー

この作品の原作は未読です。
主人公のCVが松岡さんで、藤田茜さん、桑原由気さん、楠木ともりさん、原田彩楓さん、鈴代紗弓さん、本渡楓さん、金子彩花さん、奈央ぼう、西明日香さんという強力な布陣を見たら気にもなりますよね^^


前世と現世が交錯——二つの記憶を持つ少年が運命に立ち向かう!!

幼い頃、母を殺され孤児となったリオはスラム街で必死に生きていた。

ある日、幼馴染との再会を夢見て事故死した
《天川春人の記憶》と《強大な魔力》がリオの中で覚醒し、
剣と魔法の異世界に転生していたのだと気づく。

さらに、偶然出くわした王女誘拐事件の解決に貢献したことで、
貴族の子女が集う名門学院に入学することに……。

階級社会の最底辺から這い上がるリオは、
出会いと別れを重ねながら過酷な運命を打ち砕いてゆく。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して思うこと…
まず松岡さんの演技…まんまSAOのキリトの様に思えたのは私だけでしょうか^^;?
別に嫌な訳じゃありませんでしたが、気になってしまいました。

キリトに思えたもう一つの理由…
この作品もリオを中心としたハーレム構成がちゃんと出来上がっていたこと…
旅先で立ち寄ったところの美少女を次々と陥れていくところなんでそっくりじゃありませんか。
リオにその気がないのに、いつの間にかその構図が出来上がっているところとか、羨ましい限りなんですけどっ…

この作品はどのヒロインを推して視聴するかで評価が変わりそうなんですけど、今回はそれぞれのキャラがそこまで深掘りされませんでしたね。
もう少し尺をとってそれぞれのヒロインを掘り下げていくと、もっと違った魅力が見えてきそうですね^^

wikiをチラ見して知りましたが、本作品のメインヒロインは藤田茜さん演じるセリア・クレール、楠木ともりさん演じるラティーファ、そして原田彩楓さん演じる綾瀬 美春の3人なんだそうです。
綾瀬 美春は最終話で少し顔を見せただけですので、主人公争奪戦は未だ序盤といったところなんでしょうね。

そう言えば友人も言っていましたが、最終話の終わり方がムッチャ気になる感じでしたよね。
東京リベンジャーズの終わり方とそっくりではありませんか…
巷の噂によると東京リベンジャーズの2期は可能性が高いとのことでしたが、ネットをググってみると続編の可能性が結構高いと記載されている記事をいくつか目にすることができました。
そうですよね…ここじゃ終われないですよね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、高野麻里佳さんによる「New story」
エンディングテーマは、大西亜玖璃さんによる「Elder flower」
どちらも通勤中に聞いている楽曲です。
個人的にはオープニングのC/Wの「さよなら星空」も大好きな楽曲でした。

1クール全12話の物語でした。
個人的には毎週の視聴を楽しみにしていた作品でした。
続編制作の発表を楽しみに待ちたいと思います。
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 14

63.3 15 仲間で騎士なアニメランキング15位
オルタンシア・サーガ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (168)
383人が棚に入れました
イエペタス半島に700年の歴史を誇る大国――オルタンシア王国。その豊穣な土地を狙う周辺国によって幾度となく侵略の脅威に晒され続けるも、王国に仕える二大公国――オリヴィエ公国とカメリア公国が剣と盾となり、長きに渡って戦禍を免れてきた。しかし、聖王暦767年12月5日。オルタンシア王国に対し、カメリア公国が突如反旗を翻す。カメリア公国の反逆、そして反乱と時を同じくして現れるようになった魔物によって、オルタンシア王国に混迷の時代が訪れようとしていた……戦乱の世で、様々な運命に翻弄されていく騎士たち。悲劇から始まった宿命の継承と戦いが、動き出す。

声優・キャラクター
細谷佳正、堀江由衣、津田健次郎、上田麗奈、内田彩、梅原裕一郎、小林ゆう、柿原徹也、子安武人、乃村健次、江口拓也、大坪由佳、堀江一眞、池田秀一

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

全て、守り抜け

この作品の原作はゲームみたいですね。
2015年にサービスが開始されたそうですが、こちらは未プレイです。
ほっちゃんと麗奈ちゃんが出演されると知り視聴を決めた作品でした。


イエペタス半島に700年の歴史を誇る大国――
オルタンシア王国

その豊穣な土地を狙う周辺国によって
幾度となく侵略の脅威に晒され続けるも、
王国に仕える二大公国――
オリヴィエ公国とカメリア公国が剣と盾となり、
長きにわたって戦禍を免れてきた。

しかし、聖王歴767年12月5日。
オルタンシア王国に対し、
カメリア公国が突如反旗を翻す。

カメリア公国の反逆、そして反乱と時を同じくして
現れるようになった魔物によって、
オルタンシア王国に混迷の時代が訪れようとしていた…

戦乱の世で、
様々な運命に翻弄されていく騎士たち。

悲劇から始まった宿命の継承と戦いが、動き出す。


公式HPのプロローグを引用させて頂きました。

完走して思ったこと…
キャラデザや作画全般がとても綺麗な作品だと思いました。
アニメーション制作はライデンフィルムさん。
今期4作も制作しているにも関わらず、このクオリティが出せるのは素直に凄いと思いました。

主人公のアルフレッド・オーベル役は細谷さんで、主人公の従者である見習い騎士のマリユス・カステレード役がほっちゃんという配役…

マリユス・カステレードは男の子なのですが、ほっちゃんとの相性が抜群…
もともとほっちゃんは、リトバスでも男の子役を演じて違和感が全くありませんでしたが、今回も違和感を微塵も感じさせない演技は流石としか言いようがありません。

一方、物語の方ですが終わり方以外は展開含めて悪くなかったと思います。
でも、終わり方が…
大きな謎、というか展開が大きく変わったところで物語は終幕するのですが、正直説明して欲しいことが山ほどありました。
ですが説明は一切無く、今後の展開の危うさがサラッと示唆されるに過ぎなかったのです。
きっと「あれっ? これで終わり?」と思った方も多いのではないでしょうか。

続編があるならまだしも、これで終わったら中途半端な感じが否めません。
アニメーションとしてのクオリティが高かっただけに残念に思います。
続きが気になるならゲームで…という感じなのでしょうか^^;?
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、MY FIRST STORYさんの「LEADER」
エンディングテーマは、まふまふさんの「夜想と白昼夢」
どちらも格好良い曲です。

1クール全12話の物語でした。
細谷さんとほっちゃんの掛け合いが気持ち良い作品でした。
もし続編が制作されるなら是非視聴したいと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 11

67.7 16 仲間で騎士なアニメランキング16位
解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (192)
662人が棚に入れました
「解雇ですか……?」 魔族で魔法が使えない無能といわれ、突然の解雇宣告を告げられた魔王軍の暗黒兵士・ダリエル(30代)。 故郷を追放され、偶然、森で助けた村娘・マリーカとの出会いにより、人間族のラクス村に流れ着く。 魔族ではパスできないはずの冒険者登録に受かってしまい、手のひらには人間族にしか使えないはずのオーラが宿る!? 駆け出し冒険者ダリエルとして、のんびりできないドタバタなセカンドライフがいま始まる。

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

超ハイスピード・スローライフw

2023/05/31 初投稿

今回も,何も考えず寝転がりながらのんびり楽しめるB級作品を求めて視聴しました。

最初からハードルが下がった状態で見始めるからでしょうか?
この頃「当たり」が多いように感じます。

この作品も予想以上に楽しめました。
というか,相当面白かったです!!

タイトルとは逆にダリエルのセカンドライフはハイスピードに展開していきます。
中盤6話は最終回でもいいのではと言うような展開が・・・前半の6話でここまで来るとはかなりハイスピードです。(マリーカのタックルはさらにハイスピードですがww)

とにかく全体的にスピーディーでドラマティックでした。

個人的には10話はかなり感動しました。
しかも,その後にさらに2話もあるとか,得した気分ですw

この作品に最高評価付けてる人はそんなにいないと思うけど・・・
大満足だったので★5つですw
最近評価甘過ぎでしょうか?f^^;

投稿 : 2024/12/28
♥ : 11

リタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

声の偉大さ

ストーリーはちょいちょい捻りがあって最後まで楽しむ事が出来た。
キャラ達もヘイト高めつつ...と良い味出してる人々のおかげで賑やか。

で、一番このアニメを完成させているのが主人公の声!
杉田さん凄いなー。銀〇や東〇七つのとかハル〇とか色んな個性的なキャラを演じても凄いのに、このアニメの頼りないけど温かく芯には力強さもあるユニークなキャラを素晴らしく表現している。

他の声優さんも豪華だけど、主人公との関わりがしっかりその立場の人間として綺麗にマッチしていて違和感も無く、言葉で言い表し難いけどすごくしっくりくる良いアニメに仕上がっていた。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 8

ごる さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

タイトルがビミョーかもしれないけど面白い!

よくある目をつけられて嫌がらせのように解雇される感じでスタートしますが、見ていくと面白い感じで仲間が集まったり、事件を解決したりと全体的に明るく楽しい内容です(´∀`)

誰かが死ぬということもなく、全て平和に事件は解決していくので、戦闘メインでもないですw
主人公の元暗黒騎士は実は元々メッチャ強かったけど、それが幾多のトラブルで顕になっていきますww

この手のアニメでは珍しくヒロインとしっかり結ばれ、子供も産まれますw
後半になっても、色々と各キャラの繋がりが判明したりと予想外な展開も良かったです( ˋ͈ ˙̫ ˊ͈ )

四天王で唯一、主人公を探していたドロイエというキャラが主人公に好意があったように見えましたが、後半一切登場してなかったので、残念でした(ˊ・-・ˋ)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

72.5 17 仲間で騎士なアニメランキング17位
魔法少女リリカルなのはStrikerS [ストライカーズ](TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (798)
4562人が棚に入れました
空港火災の現場…命の危機にさらされた幼いスバルを救ったのは、純白の衣装に身を包んだ、時空管理局のエース魔導師・なのはだった。我が身を省みず災害や困難と戦うその姿に心打たれた幼いスバル。彼女に憧れたスバルは、満天の星空の下、管理局の魔導師になることを決意する。4年後、晴れて管理局の新人魔導師となったスバルは、訓練校時代からのパートナー、ティアナ・ランスターと共に魔導師の昇格試験に挑んでいた。それを見つめるのは機動六課の有望な人材として二人に目をつけたはやてとフェイト、そしてなのは。試験開始を告げるシグナルとともに「StrikerS」の物語が幕をあける。

チュウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

魔法の存在により作られる、人と人との繋がり

様々な賛否両論がありますが、個人的にはメチャメチャ好きです♪♪

この作品がファンから叩かれた一番の理由としては
  【19歳ながらも大人びた容姿】
確かに流石に少女とは言えないかもww
それに関しては私も似たような意見を持ち合わせています。

今作は今までのシリーズを通した、魔法少女の良さを引き継げなかったかもしれない。
しかし!!今作では、新たに製作者側が伝えたかったものがあったのでは?!

ここからは、私個人の考えになりますが、個人的に魔法少女アニメで一番重要視しているのは
【魔法の存在により作られる、人と人との繋がり】です!!
StrikerSは確かに、魔法【少女】ではないかもしれない。
でも、過去のシリーズと同じように友情・仲間の大切さ!
それに加え、後輩・部下にあたる人との関係の大切さ!!
それを見事に描いた素晴らしい作品だったと評価します!!

まぁ、そう言った面でも今作は続きである三期とせず、
外伝など、もっと違った扱いをしていれば、風あたりも弱まったのでは??

兎にも角にも、この【なのはシリーズ】は素晴らしい作品です♪♪
是非シリーズを通して見てみてください!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

(レビュー全面改訂です)思いは繋がる・・・

この作品は、「魔法少女リリカルなのは」の3期目に相当する作品です。
物語に繋がりあがるので、1,2期を見視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

1,2期で熱い死闘を繰り広げてきたなのはとフェイト・・・
2期のラストで「闇の書」事件から6年後の皆んなの姿が描かれていたので、きっと時空管理局での熱い戦いが繰り広げられるんだろうなぁ・・・と勝手に思っていましたが、蓋を開けたらビックリでした^^;

機動六課・・・は良いとして、展開的に闇の書事件のベルカの戦士4人も仲間になる気はしていたので良いんですが、前線フォワード部隊のスバル・・・? ティアナ・・・?
えっ、なのはとフェイトが主人公じゃないの・・・?

3期の舞台設定は2期から10年後・・・という事はなのは、フェイトは19歳・・・バリバリの現役だと思っていましたが違っていました^^;
確かにハードな職務だとは思いますが、19歳で後進に道を譲るってスポーツの世界でもこんなに短い寿命の競技は聞いたことがありません^^;

・・・という先入観を持って1巡目を視聴したので、設定に対するインパクトは感じましたがこの作品をキチンと評価する事には繋がらなかったのだと思います。

という訳で雑念を払って2巡目の視聴を始めました^^;
物語は、前線フォワード部隊として二等陸士のスバルとティアナ、三等陸士のエリオとキャロの4人が、若いながらも持っている天性の素質を見込まれて、新設された八神部隊長率いる「古代遺物管理部 機動六課」に入隊するところから物語が始まります。

この機動六課・・・ロストロギア関連の危険な任務を行う実行部隊である事から、メンバーも優秀な人材が揃っています。

部隊長である八神はやてを筆頭に、スターズ分隊になのはとベルカの戦士ヴィータ、ライトニング分隊にフェイトと同じくベルカの戦士シグナム、そして後方支援部隊にロングアーチとスター級の魔道士が顔を並べるこの部隊・・・将来を見込まれ、声を掛けられただけでも十分に凄い事だと思います。

こうして戦技教導官になのはを据え前線フォワード部隊の本格的な教育が始まるのですが、日々繰り返されるのは徹底した基本動作の繰り返しばかり・・・
新人教育は期間限定である上、敵はこちらの状況を汲んでくれる訳もなく次々に現れてきます。
敵との遭遇で感じるのは先輩の圧倒的な強さと、一生かけても追いつけないと思ってしまう自分への劣等感・・・

「この中で、私だけ・・・何も無い」

きっと普段はこんな事考えないのだと思います。
でも自分に劣等感を感じている時、自分の持っているモノが見えなくなることがあります。
自分の心の奥底に眠るダメダメな部分に支配されてしまいそうで怖い・・・

そこで、難しいのが立ち直るための踏み出し方・・・だと思います。
なのはさんの教えをきっちり守っていれば・・・という気持ちは根底に流れています。
ですが、自分が出来る事を繰り返して強くなれるのか・・・実践で活かせるのか・・・
そもそも強くなるって、これまで出来なかった事に挑戦しないといけないんじゃ・・・

焦りは不安と苦しさを呼びます・・・
自分では良かれ・・・と思ったことも道の先を辿ると全然別の答えに行き着いてしまう事も・・・
きっとスポーツだったら・・・新しい技を取り入れたと思います。
でも皆んなが向かう先は戦場・・・ややもすると生命を落とす場所でもあるんです。
そんな場所に中途半端なモノなんて絶対持って行かせない・・・
これは戦技競技官であるなのはの思惑のほんの一部・・・残りは是非本編で確認頂ければ、と思います。
沢山の厳しさの中に溢れる優しさ・・・愛おしさを感じる事ができると思います。
私の中で何度見ても泣けるシーンです^^;

そして物語の後半・・・これまでの成果を発揮できる場面とも言える大規模侵攻に襲われます・・・
前線フォワード部隊もかつてない危機を迎えることになります・・・
その危機は切り抜けられるのか・・・切り抜けるならどの様にするのか・・・
この辺りは後半の見どころの目玉と言えると思います。

でも、私の中の後半のヒーローは、間違いなく「紅の鉄騎 鉄槌の騎士ヴィータ」でした。
2期では色々ありましたが、3期では前線フォワード部隊を・・・スターズ分隊を・・・何よりなのは自身を守ろうとする気概が半端ないんです・・・
そして彼女の気概は・・・行動を伴った実践シーンも描かれているのですが彼女の格好良さ・・・もう反則級です^^

絶体絶命のピンチ・・・そこでヴィータを取り囲んだのは、大切な人を傷付けた憎っくき敵・・・
身体もデバイスである鉄(くろがね)の伯爵「グラーフアイゼン」もボロボロなのですが、その敵だけは絶対に許さない・・・という気力だけで沢山の敵の中に単身切り込んでいくんです・・・

でも、ヴィータにしかできない役目はこれだけじゃありませんでした。
振り下ろす鉄槌は自分自身のためではなく、大切な仲間を守るため・・・
そして、今は自分の限界なんて言っていられない時・・・
「アイゼン・・・うおぉぉ、ぶち抜けェ・・・」
鉄槌の騎士ヴィータとグラーフアイゼンの渾身の一撃・・・
もう涙無しでは見れません(;_;)

オープニングテーマは、水樹奈々さんの「SECRET AMBITION」と「MASSIVE WONDERS」
エンディングテーマは、田村ゆかりさんの「星空のSpica」と「Beautiful Amulet」

2クール26話の作品でした。1巡目は余計な雑念でしっかり評価する事ができなかったので、今回2巡目を視聴して本当に良かったと思いました。現時点でお気に入りの棚行き決定です^^

4期が始まるという事で1期から見直しましたが、新たな発見もあり、なのはとヴィヴィオの関係もしっかり思い出す事ができたのは収穫でした。
引き続き4期を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 31

ぱるうらら さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

魔法とは物理攻撃であっても、とりあえず魔法陣を出しておけばOKなのでしょうか!?

『魔法少女リリカルなのはStrikerS』は2クール(全26話)の魔法少女アニメです。


第3期における魔法少女;“高町なのは”は齢19歳。
はてさて、19歳とは少女という分類に入るのかは甚だ疑問です。(笑)
原作者曰く、「女の子は心がキラキラ輝いていればいつまでだって少女でしょ?(wikipedia参照)」だそうです。結構年を食っているレディでも心がキラキラ輝いていれば少女と言う事ですのねぇ。まぁ、そう言う事を言いたかったのでは無いのでしょうが...。


『なのはStrikerS』の中心人物は、お馴染みのあの異常に強い3人(なのは・フェイト・はやて)ではなく、今季から新たに登場する機動六課前線という部隊の4人。しかし、終盤で一番活躍するのはなのは達や前作にも出てきた守護騎士達。結局の所、主人公は“なのは”です。

前作と比べると色んな事件だの過去の出来事だの重要人物だのと結構設定が増えています。でも、壮大な設定にした割には、それらの新たな設定の大部分が掘り下げられる事無く物語は進行してゆきます。登場人物も新たに増やし過ぎてインフレ状態ですが、特に彼ら・彼女らを覚え無くても前作を見ていれば普通に楽しめます。


私にとって、第3期における疑問点は召還魔法や光線ならともかく、銃・ナックル・槍等の物理系の武器を使うことはもはや魔法で無く唯の物理攻撃ではないかという事です。
これは第3期を既に見終わった人なら1度は考えているかもしれません。第2期の『ベルカ式カートリッジシステム』が登場してから既に若干怪しく為っていきましたが、あの時点では完璧に武器に依存してはなくある程度魔法も使用していました。
しかし、第3期の戦線6課の内、召還魔導師“キャロ”を除く残り3人は魔法っぽいけれども、あれは物理攻撃ではないかと(汗) 個人的にはもう少し魔法らしい魔法を使って欲しかった…かな?


評価すべき点としては、機動六課の4人それぞれについて、これでもかっ!というくらい焦点が当てられている事。そして、なのはシリーズが得意とする喜怒哀楽の表現、つまり心情表現の豊かさ。失望と怒りの容貌に関しては特になのはさんが恐かったw

機動六課の4人のサクセスストーリーをドラマチックに表現しているのも良かったです。サクセスストーリーがしっかりしているものはどのアニメ・漫画でも面白い物ですよねぇ。

一番良かったのは戦闘シーン。
なのはシリーズにおいては戦闘シーンに特に力が入れられており、緊迫感・迫力・速さのどれをとってもレベルが高いです。と言う事で、戦闘シーンだけでも高評価を与えたい。『魔法とは物理攻撃であっても、とりあえず魔法陣を出しておけばOKなのでしょうか!?』これは個人的テーマで、第4期に期待。


2クールという事もあってグダグダな場面も見られましたが、ストーリー自体は特に悪くも無く前作を観た方には問題無く観られる第3期だったと思います。
最後に私が言いたい事は、ヴィヴィオが可愛い。くぎゅのキャラが消えて残念。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 16

66.3 18 仲間で騎士なアニメランキング18位
回復術士のやり直し(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 2.5 (459)
1124人が棚に入れました
【癒】の勇者としての素質に目覚め、勇者たちと世界を救う冒険の旅に出ることになった少年・ケヤル。しかし戦闘能力のない回復術士には、勇者たちにその能力を搾取され虐待を受ける日々が待っていた。自由と尊厳を奪われ、自我すらも失いかけたケヤルはある日、正気を取り戻し《回復》の真実に辿り着く。《回復》はただの癒やしではない。《回復》は世界を、人を、根源から揺るがす力である、と。ケヤルは世界そのものを《回復》し、四年前からすべてを“やり直す"ことを決意する。そして勇者たちへの報復に胸を躍らせるのだった……。「さあ、パーティー<復讐>のはじまりだ─」

声優・キャラクター
保住有哉、渋谷彩乃、石上静香、相川奈都姫、高森奈津美、津田美波、ふじたまみ、稲田徹

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

個人的には神アニメになってしまいました(追記あり:北米版BDを購入して)。

>3話まで視聴して
原作未読です。

1話観た段階では、単純に”なろう系作品”の過激エロ版??・・といった印象。

2話観終えた時点で、「あれっ?結構、面白くないかコレ?」って思って

3話観終えた時点で、それは確信に変わりました!。


面白いです!!。

たしかに完全にほぼエロゲなんですが、かなり良質エロゲなのでは??(詳しくないw)。
もしエロゲ版あるなら買ってもいいくらいだし
それがアニメで毎週観れるというのも、これはこれでかなりありがたい!。


個人的に何が高評価なのかというと
単純な安易なエロイベントの乱発とかではなく
登場人物たちの置かれた環境における絶望がしっかり描かれている。

渦巻く人々の悪意、裏切り、策略など
また恨み恨まれといった連鎖
人間の本質をえぐって描いているあたりなど

今、思い浮かぶのは、コードギアスやひぐらし(初期TV版)
等の要素をしっかり取り込んだ、良質エロゲ!
といったところでしょうか?。


1話2話では見えてこなかった
主要キャラ2名(主人公とフレア)も
3話の時点で、自分の中でかなり魅力的に変化してきました!。
これは話の構成が上手いのでしょうね。

フレアの中の声優さんも、素晴らしい演技されていて
魅力的な演技に感じています!。
これを機に、今後も羽ばたいていかれることでしょう。

4話以降もさらに主要キャラが増えていきそうなので、目が離せませんね!。


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>6話まで視聴して
3話までで感じた確信はゆるぎないです!。

毎週楽しみで仕方ないですし
毎週期待を越えてくる、いろんな意味での”濃さ”が素晴らしい!!。
よくあれだけの要素を詰め込んで
なおかつ成立させていることに驚愕っ。

とにかくアニメ化スタッフ様方が、かなり優秀なのでは??。


まず、ケアルの幼い顔であの言動・・は、ホントイライラさせられますw(誉め言葉)。
それを逆手にとった展開や演出に唸ります!。

作り物?であるかもしれませんが
ケアルガでみせる表情や、おだやかな語り口調にはかなり好感^^。
(ここはケアルガの声優さん絶賛^^)
・・かと思えば1周目で受けた苦しみへの本音吐露と憎しみの感情爆発表情!。

物語の展開や重要なセリフ、キーワードなどの随所に
コードギアス感が溢れてしまってますw。

・・ここは、むしろエロ特化した同人劣化ルルーシュ?
的な楽しみ方もできてしまって、残念ながら評価は下がりません><。

下手したら、単純なパクリといわれてしまうかもですが
この物語にあわせた、新たな上手い使い方、再構成がなされてるので文句なしですね^^。


作品の3種類のバージョン違い!?
(2種は知ってたが3種あるのは今調べて知ったw)・・も見逃せません!。

・テレビ放送版
・やり直し版
・完全回復版

はい。完全回復版というネーミングセンスも秀逸ですし
テレビ放送版も、単純なただの光規制にとどまらず
どこか、のんのんびより的な素晴らしい自然の背景と
時間が止まったかのような、ゆるやかな平和な時間の流れが表現されていますw。

これは、2度・3度おいしい♪。


主人公があまりにゲスいという評をよく目にしますが
1周目であれだけのことをされてしまった人間が
正常でいられることは、まずありえないでしょう><。

本人も語っていますが、いろいろ壊れてしまっています・・。。

でも、壊れてしまっているながらも、なんとかしようとしているところ

なんだかんだいいながらも
時折見せる人間らしさ・・。


また、ただの狂気に描かれているようなところも
それらは本来人間があらゆる両面持ち合わせてるところ・・?
と感じさせられるような
突っ込んで描かれたようなものに、なにか惹かれてしまうのです^^。


音楽面ではED曲がとにかく素晴らしい!!。
3連符??のところのリズム感と世界観の変化が心地よく
まず最初に本作を好きにさせられた要因は
間違いなくこのED曲でした♪。


-------------------------------------------------
>12話まで視聴して
結論から言うと1話から12話まで終始完璧でした!。

エロ系に寄った作品って、序盤数話までは素晴らしいと感じた作品でも
後半はネタ切れ等で失速してしまうことが多いように感じますが
本作は、毎回ネタの捻り方が秀逸でした♪。

特に10話での日笠さん登場は完全に予想外の神展開&神キャストでした!!(絶賛)。


最終話のラストは、若干説明的な感じにもなってしまってましたが
ケヤルガの心情変化描写が描かれていた点がよかった。
(もちろんそのままを鵜呑みにしてるわけではなく)


終盤で仲良くなった彼って魔族だったのですね。
ずっと人間だと思ってました。
生存させておいてほしかったな~。


ケヤルガは心を開いてしまって自分が変わってしまうことを恐れてるのですね・・。
本来の王道正義もの作品では、そっちルートが正解なのかもしれませんが
ケヤルガは1周目で受けた自身への凌辱によって
ほぼ完全に(99%くらい?)壊れてしまっているので
そちらの方にケリをつけない限りは
もう前に進めなくなってしまっているように感じられます。

でも、時々、わずかに残っている1%の良心のケヤルガが見え隠れする
ところがグッときます。
でも99%の壊れケヤルガによって、打ち消されてしまうのですが・・。
(仲良くなった彼を助けない結果になってしまうあたりも)


あと、毎回のエロ描写ですが
ケヤルガは1周目で受けた自身への凌辱によって
日課となってしまっているので(立場は逆ではあるが)

逆に壊れてしまってるがゆえに
この日課をこなすことで安心感を得たり
自我が保てているようにも感じられてしまいます。
限られたコミュニケーション手段の1つなのかもですね・・><。

まあ日課ならば仕方ない?・・ですか。。


ああ、書き忘れるところでしたが
クライマックスでの戦闘シーン描写もなかなかよかったように思いました。

あと、キャラデザは文句なしの満点です!!。


はい。2期切望します!。


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>北米版BDを購入して
国内版BDの購入をずっと迷ってましたが金額との折り合いがつかず、ずっと保留にしていましたが
北米版BDが発売されたことを知りました。

レビューでは強制字幕が消せないとあったので、そこがひっかかってたのですが
金額が国内版に比べて圧倒的にリーズナブルだったため、強制字幕を納得したうえで買ってみました。

で、まず家庭用のBDレコーダーで再生を試みたところ再生できませんでした。
リージョンコードは問題ないのですが、国コードロックで機種によっては再生できないようです。

次にPS4で再生してみたところ、再生できました。
ただし、強制字幕は消せませんでした。
まあこれはこれで、英語に親しむ教材に・・。なる?。
・・まあ視聴には問題ないのですが、消せるものなら消したい・・のが本音です。

次にパソコンでの某社の有料再生ソフトで試したところ
最初、再生できなかったのですが
国コードを変更したら再生できました^^。
ただし、強制字幕は消せなかったので、PS4と同じ結果でした。

最後に、無料再生ソフトを試してみたところ、設定で消せました^^。
ただし、日本製の再生ソフトではないので、もろもろ自己責任で・・ということですね。。
まあでも、やはり快適に視聴できたので、結果満足でした。


ひさびさの再視聴でしたが、評価が揺らぐことは全くありませんでした!。
むしろ盤石に。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 36

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人の心理として説得力がある展開。性表現の線引き問題。

 アニメにおいて性の欲望をどこまでどうやって表現するか、ですよね。

 さて、最近のアニメの性表現ですが、たとえば少女擬人化、不必要な露出の多い戦闘服、一見無垢な女の子の集団が温泉に入っているなど、欲望を持っていないように見せかけて表現し、妄想や2次創作で消費しています。

 これは庵野秀明からの系譜を見ればわかりやすいですが、一見SF設定としてのプラグスーツが、実際は彼のウルトラセブンのアンヌ隊員の制服への性的な欲望であり、また、大きなお友達としてセーラーマーキュリーが大好きでそれを綾波にした、と聞きます。

 庵野秀明から始まったのかは知りませんが、俺は変態じゃない、性欲なんてないよ、というアニメを作ってそれを性的に消費するという手法が今の深夜アニメの流れなのでは、と思います。

 また、処女厨が巷にあふれた結果、物語の男子から性欲がどんどん消えてゆきます。いや、性欲はそのままで、ミニスカやビキニアーマーの戦闘美少女、ラッキースケベまでの寸止めが横行してゆきます。
 加えて、人の悪意や辛い経験をアニメとはいえ見るのが不快という状況が日常系アニメ、おっさん趣味を少女が行うといったまったりアニメにつながってゆきます。

 さて、このアニメです。このような理由から登場人物にクズしかいない、過度な性的表現が視聴者に不快な思いをさせているという事実はあるでしょう。

 ですが、面白かったです。
 中世から近代革命までの間の、戦闘するための集団、今の転生ものでいえば、パーティーですが、娯楽もない、貞操観念も低い、まして戦いでアドレナリンが出まくっている状態です。ここに男女がいれば普通毎晩セックスするでしょう。

 人間の行動原理としてセックスが中心になるのは当たり前ですし、金銭欲、権力欲、人を貶める快楽などが人の行動原理になるのも自然なことです。

 この物語の展開は、その意味ではこの1,2年で見てきたアニメの中で一番自然でした。ちょっと盾の勇者もそういう表現に近づきましたが、やっぱりマイルドです。このアニメは、物語として見ていて主人公の行動原理で「それはないだろう」みたいな展開がほとんどなかった気がします。

 ヒロイン?も復讐の対象として主人公を盲目的に愛するように仕向けられますし、奴隷の美少女が主人公にのめり込む心理も自然でした。だって、命の恩人、村の恩人、そして、性欲を満たしてくれる相手ですから。奴隷の私に優しいから好き!という展開でないのは素晴らしいです。

 もちろん、まずセックスシーンが必要かという配慮は必要ですが、この物語は、人間の醜い欲望の上に成り立った世界観や倫理観、物語の展開上、違和感がありませんでしたし、あれがあるから、主人公の行動原理が物語として説得力を持ちます。

 人間の性欲を無視して、いい子が集まる物語にちょっと飽きていたので、非常に面白かったです。

 ただし、性的な表現、残虐な表現があるよ、ということが視聴する前に表示される配慮が必要です。特に女性視聴者に対し、不快に思える表現が多々あるのは事実です。そういう前提を見る前に提示し、視聴者側が自己責任でフィルターを掛けられるような配慮、つまり、ゾーニング(線引き)が必要だと思います。


 この作品への評価は、今のアニメ事情を考える上で、ものすごく参考になると思います。話としても面白かったです。ちょっとアンチテーゼ的に評価は高めにつけましたが。
 なお、女性の方は、そういう作品OKの方だけにしたほうが、いいでしょう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 8

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

復讐劇

ひたすら復讐そしてエロ。
一気見してしまった。
意外とバカにできないぞこの作品。

チートながらもどんどん復讐していく様子は痛快とも言える。
復讐するにあたって、我を失うほどのかなり命がけな行動もしているわけで単に俺つええっていうわけでもない。

凌辱してきた相手を潰す作品が個人的に好きなのかもしれない。
現実には復讐はできないが、エンターテイメントで少しは憂さ晴らしになるのかも?


OP
残酷な夢と眠れ 栗林みな実
ED
夢で世界を変えるなら ARCANA PROJECT
栗林みな実さんの歌声いいよね。好きだ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
【癒】の勇者としての素質に目覚め、勇者たちと世界を救う冒険の旅に出ることになった少年・ケヤル。しかし戦闘能力のない回復術士には、勇者たちにその能力を搾取され虐待を受ける日々が待っていた。自由と尊厳を奪われ、自我すらも失いかけたケヤルはある日、正気を取り戻し《回復》の真実に辿り着く。《回復》はただの癒やしではない。《回復》は世界を、人を、根源から揺るがす力である、と。ケヤルは世界そのものを《回復》し、四年前からすべてを“やり直す”ことを決意する。そして勇者たちへの報復に胸を躍らせるのだった……。「さあ、パーティー<復讐>のはじまりだ─」

第一話 回復術士は、やり直す!
幼少の頃から勇者に憧れていたアルバン村の少年・ケヤル。穏やかな日々を過ごしていたが、ある日、どこからともなく森の奥へいざなう声が聞こえてくる。湖にたどり着くと目の前に現れた星の精霊から森羅万象を見通す「翡翠眼」を譲り受けたケヤルは、かつて【癒】の勇者として生き、この世界を《回復》した記憶を取り戻すのだった。

2. 回復術士は、フレア王女を壊す!
想像を絶する《回復(ヒール)》の苦痛。ケヤルは拒絶するも、フレアの謀略によって《回復(ヒール)》の使用を強制されてしまう。暴行、陵辱、薬漬け……。それは勇者としての威厳だけではなく、人間としての尊厳も奪われる、まさに地獄であった。耐え忍ぶこと、約半年。薬物耐性の熟練度が上がったケヤルはついに正気を取り戻し、フレアと対峙する。

3 回復術士は、奴隷を買う!
身を隠すため、フレイアとともに王都を離れることにしたケヤルガは、その道中、勇者たちと過ごした日々の夢を見る。フレアの犬となり、ブレイドの暴力にさらされ、ブレットの異常な愛を受け止めていた毎日。虐げられた記憶は、改めてケヤルガの復讐心に火をつけるのだった。そして辿り着いたのは自由都市ラナリッタ。この街には原因不明の奇病が蔓延していた…。

第四話 回復術士は、セツナを手に入れる!
ジオラル王国軍--それはセツナの仇であり、ケヤルガの復讐対象でもある。王国軍が再び氷狼族の村を襲撃するとの情報を得たケヤルガは、セツナにその情報を伝えるも今のセツナでは対処できないと厳しく指摘。強くなるためにケヤルガの“力”を借りるかどうかを迫る。復讐を遂げるためならなんでもすると話すセツナは……。

第五話 回復術士は、新しいおもちゃを見つける!
水辺で戯れるフレイアとセツナを衝動的にかわいがったり、魔物を使った極上のごちそうに舌鼓を打ったり……氷狼族の村を救ったケヤルガは、束の間の休息を楽しんでいた。そこへ忍び寄る影が一つ。ゴルドマンとの取引を終えたケヤルガに鋭い剣が襲いかかる。目の前に現れたのは、ケヤルがかつて癒した人物だった。

第六話 回復術士は、血と涙を流す!
ある朝、ラナリッタにジオラル王国軍がやってくる。彼らが引き連れているのは、ケヤルガの故郷アルバン村の村人たち。ケヤルへの復讐に燃える近衛騎士隊長・レナードが、ケヤルをおびき出すために準備した人質だった。ケヤルガは兵士に扮装し王国軍の情報収集に当たるが、そこでレナードたちの“大罪”を知り激しい怒りをあらわにする。

第七話 回復術士は、正義を執行する!
怒声が響き渡るコロシアムに、姿を現した【癒】の勇者ケヤル。敵指揮官は、次々と兵士を仕留めていくケヤルを恐れ、磔になった村人を人質に彼を制止する。しかしケヤルは一切動じる様子もなく、己の正義を貫くため、ある行動に出る。一方、フレイアたちもまた追い打ちの一手を準備していた。

第八話 回復術士は、魔王と出会う!
人間と魔族が共存する街ブラニッカ。かつての戦争でジオラル王国に見捨てられたこの街は、魔族と手を取り合うことで生きながらえ、独自の文化を築いていた。ブラニッカに到着して早々に酒場で情報を集めるケヤルガたち。すると、そこへ魔族の少女・イヴがやってくる。初対面のはずだが、その面影には見覚えがあり……。

第九話 回復術士は、食べ物の恨みを晴らす!
ケヤルガたちの“日常”に戸惑いと恥じらいを隠せないイヴ。そんなイヴに、ケヤルガはある提案をしてくるのだった。それは魔王の追っ手を振り切り、復讐を遂げたいイヴにとっては願ってもない提案で……。一方、ケヤルガは情報収集のため、昨夜襲撃を受けた酒場へ向かうが、そこには生き残っていた狂牛族の男が現れるのだった。

第十話 回復術士は、可憐な一輪の花になる!
ブラニッカへ進軍してきたジオラル王国軍。先導するのは第二王女ノルンと三英雄が一人【鷹眼】、そして【剣】の勇者ブレイドだった。ケヤルガは、意気投合した商人カルマンからブレイドの情報を仕入れる。彼女は女癖が悪く、街中で女性を漁ってはひどい目にあわせているという。それを聞いたケヤルガはブレイドに近づく為、とある秘策を思いつく。

第十一話 回復術士は、ノルンの蛮行に心を痛める!
ケアーラとしてブレイドの部屋へ潜り込み、仇敵を拘束したケヤルガ。憎き【剣】の勇者に復讐を果たすため、ケヤルガが用意していたのは、ブレイドにとってもっともおぞましいものだった。態度を急変させ必死に許しを請うブレイドに、ケヤルガはある“ゲーム”を持ちかける。それはブレイドにとって恥辱と苦痛にまみれたもので……。

第十二話 回復術士は、新たなる旅に出る!
ジオラル王国軍の殺戮と略奪を食い止めるため、戦場に降臨した王女フレア。絶対的なカリスマ性で戦況を変えようとするが……。一方、ケヤルガはこの惨劇の元凶であるノルンのもとへ向かう。そこに立ちはだかるのは、王女の護衛であり、王国の三英雄が一人である【鷹眼】だった。故郷を奪われ、親友を殺されたケヤルガの復讐の結末は--。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 11

79.2 19 仲間で騎士なアニメランキング19位
天鏡のアルデラミン(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (905)
5026人が棚に入れました
隣接するキオカ共和国と戦争状態にある大国、カトヴァーナ帝国。その片隅で一人の青年が戦乱に巻き込まれようとしていた。名はイクタ・ソローク。戦争嫌いの怠け者で女好きという、およそ軍人とはかけ離れた人物だ。幼馴染であるヤトリシノ・イグセムとともに高等士官試験を受けた彼は、二次試験への送迎船で、看護学校出身のハローマ・ベッケル、旧軍閥名家のマシュー・テトジリチ、そしてヤトリと同じく忠義の御三家の一角、レミオン家のトルウェイ・レミオンと出会うこととなる。道中、彼らと賑やかな時間を過ごしていたその時、突如船が座礁する。総員退艦となり脱出する5人……だが、そこで一人の少女が船から海へ落ちる姿が目に入る。ためらわず、大荒れの海に飛び込むイクタ。そして、彼は少女の小さな手を握った。時に帝歴905年。それが後に常怠常勝の智将と呼ばれた男と、帝国最後の皇女と呼ばれた女の初めての邂逅。“約束された敗北"へと向かう、物語の発端である――。

声優・キャラクター
岡本信彦、種田梨沙、水瀬いのり、金本涼輔、間島淳司、千菅春香

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

悪くないかな…。→ まともな戦記物で、面白い!(…ので原作買った。)

ライトノベル原作(電撃文庫刊)。既刊10巻なので不人気ではないはずですが、私は未読です。
→ 面白いので原作を買って読み始めました。現在既刊10巻すべて読了。(2016.10.1)

契約した精霊がパートナーとして各キャラについています。主人公のイクタは、同郷で名家の娘っぽいヤトリが仕官のために都へ上るにあたって、試験でヤトリを助けたり引き立て役になったりするために同行します。

途中で同じ試験を受けに行く人たちと一緒に乗った船が難破して…、ということで後は書きませんが、とりあえず主人公は軍師・参謀タイプです。

そういう設定で1話目から有能そうに見える主人公はなかなかいない気がしますが、イクタはちゃんと有能そうだったので視聴継続して完走しました。

かなりちゃんとした戦記ものです。

本作は主人公のイクタ以外の、「騎士団」を始めとする周辺キャラが魅力的です。原作では敵方も魅力的ですが、アニメ化範囲では顔見せ程度の感じで「続きが知りたければ原作で」になってしまいますね。

…作画は、崩れというよりは動きの点でちょいちょいダメっぽいですが(笑)。
2016.07.30追記: 力の入れ処をわかっているようです。これは大丈夫そう。

全13話で原作3巻まで+後の巻からの幼少期回想エピソードを消化しました。

原作はかなり長い話になりそうで、アニメ化部分はいわばプロローグみたいなものです。

2017.12.12追記:
原作は13巻に到達。もうすぐ終わるっぽいあとがきでした。そういえば原作ではわりと重要人物である気がするトリスナイ(カトヴァーナ帝国宰相)って、アニメではキャスティングされていないどころか、ロクに名前も出てこないですね…。

続編が作られれば登場するとは思うんですけど、まあアニメ化された範囲では名前は出ていても事実上出番はなかったですからね…。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 59
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

内容の詰まった戦記物でキャラクターを見るのも楽しい

2016年夏アニメ。ライトノベル原作、全13話の戦記物です。
原作は2巻途中まで読了。ペースとしては原作3巻までのアニメ化のようですね。
原作より全体的に地味な印象に作られたアニメというのも珍しいかも。

キャラ物と戦記物のバランスの良さが良いですね。これは原作の良さでもあり、きちんとアニメにも反映されていると思います。
原作からのカットや短縮が沢山あるだろうと思っていたのですが、原作の内容もかなり詰まっているのであまりカットしていませんね。全13話でストーリーをキリの良い所まで進めるためにどうしても詰め込み気味になってしまった印象。
カトヴァーナ帝国の斜陽ぶりがわかりにくくなっていることと精霊の活躍が少なくなっていること、軍事関係のシーンが少なめになっているのも勿体無い点ですが、原作の進み具合からしてここしか切りようがなかったと思われます。
必要な情報を言葉での説明に頼らない(あるいは尺のために削らざるを得ない)ため、繰り返し視聴する人向きだと思います。

キャラクターは全体的に個性がわかりやすくイクタ以外のメインキャラクターが皆常識的なので、かなり見やすいと思います。人間関係もさっぱりしていてとても印象がいいです。
イクタは女たらしだったりと癖のある性格で、何話か進まないと良い所がはっきりと出てこないので苦手な人は苦手だったようですが、私はとても好きですね。{netabare}「人材の適材適所」という考えがイクタ本人にあるため、汚れ役を引き受けることが多くて痛々しいシーンもあるのですが、そこが良いバランスになっています。{/netabare}

キャラクターの配置も上手で、完璧系キャラと成長型キャラの両方が味方におり、それぞれに抱える問題・はっきりした美点欠点が設定されているため、誰にも感情移入できるし、好みのキャラクターは見つけやすいと思われます。

精霊も可愛くて好きですね!
見た目はちょっと癖がありますが動きや仕草が可愛らしく、主人に対する献身が健気ですし、物語に必要な存在として大切に描写されマスコット然としていないのが好印象です。……ねじまき要素は原作でも大分後にならないと出てこないという話。それはちょっと残念です。

キャラクターデザインに原作イラストよりずっと地味な絵柄を選択したのはチャレンジだったと思います。
でも堅実な世界観を作るという明確な意図が感じられて面白いですし、それぞれ良し悪しはありますが、個人的にはマシューのキャラクターがしっかり嵌っているのはアニメ版の絵柄だと思います。

戦闘シーンに作画全力投球というのが徹底していて素晴らしいです。接近戦に力が入るのは勿論ですが、長距離狙撃のシーンも本当に丁寧な作画ですし。
他の部分も常にきちんとしていて、コンテ演出も常に安定していて映像面で違和感は全くありませんでした。

OPは絵と歌詞の意味が物語が進むにつれ分かって行く作りで、最後まで見るととても感慨深かったです。じわじわ嵌って行きました。

{netabare}
第5話で子ども時代のイクタのヤトリに対する「君がいないと僕怪物に食べられちゃう」の台詞が色々想像させられますね…怪物とは狼の群れなのか、他の何かなのか。
むしろ人間を襲撃したものの返り討ちにあい、群れを崩壊させられた狼達のほうが喰われた側という描写なのが意味深です。
狼たちも幼少のイクタとヤトリも、戦った理由は生き残るため。弱肉強食ならぬ弱肉弱食とでもいうべき構図がやりきれない。
(※「弱肉弱食」という言葉は何年も前にどなたかのブログで見かけました。ブロガーさんのことも内容のことも今ではうろ覚えなのですが、酷く象徴的なこの言葉が忘れられません。)

人間もまた、正常な感性を持ち泥を被ってでも誰かを守ろうとする人(リカン中将、トァック少佐、カンナ、デインクーン)ほど腐った国に、あるいは周囲の大きな意思に喰われ飲み込まれていきました。
主人公であるイクタでさえ相手を納得させる言葉を用意することで自分の意志に他人を巻き込んでいくのですが、そこに理性と誠意があるからやりきれないものにはならずに済む。
他者と関わり合いながら生きていく上で人は「喰らわずにいられない存在」なのかも知れませんが、喰うか喰われるかの関係にならずに済む方法も、イクタの生き方によって明示されているのが良いなと思います。

第9話「ささやかな面目の行方」での食堂のシーンは正直その時は笑って見ていたんですが、「戦士」「勇者」にさらには「騎士」と次話で「ケダモノ」という言葉が飛び出したことで、人間のサガと理性、第5話で示された喰うものと喰われるもの、第8話「いつか、三度目に」から繋がる守りたいものと守れないもの、と明確にテーマ性が纏まっていく興味深い構成になっていると感じました。
……まさか伏線なんて思わなかったよ、あの猥談シーンw 考えてみれば尺がカツカツなんだから無意味なシーン入れるわけ無いですねw

「戦士」と「勇者」を飾らない自分だとすれば、「騎士」は他者にいかに誠実に向き合うかという理想を自分自身に課す在り方なのではないかと思います。
そして「ケダモノ」は自分のために他者を食い荒らすことに抵抗感を持たない存在。それは仔のために人間を襲った狼にさえ劣る在り方です。

シャミーユが願う国の在り方は、国を人に見立てるならば「騎士」に近いものなのでしょうね。しかし、シャミーユは自身の目的のためにイクタを喰らい飲み込もうとしています。敗戦国の軍事最高責任者なんて、正しく“すり減らされて捨てられる英雄”であるのは間違いないのですから。
イクタにとっては大事な存在(ヤトリ)を喰われないために逃げ出すか、人を喰らうばかりでない国を作るかという二択になるわけですが、どちらにせよ、仲間や身近な人が喰らわれる可能性は非常に高い酷な選択です。

イクタとヤトリの信頼関係を象徴する演出として二人の背中合わせの構図が一貫して強調されてきましたが、向かい合うシャミーユとイクタは全く正反対の関係性なのですよね。喰うか喰われるかという緊張状態にさえ見えてしまう。
第1話からずっと見て来たこのOP、本当によく出来ているなと思います。
{/netabare}

他の人の感想にもあるとおり、先がすごく気になる作品になってしまいましたが、本作単品でも十分に楽しめるようにはなっています。
色んな理由で1クールでの構成が難しい作品だったと思われますが、ヤスカワショウゴさんのシリーズ構成凄く良かったです。
物語の入り口という形にはなってしまいますが、気になる人にはオススメします。(2016.11.17)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 20

エイニス さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

主人公最強

主人公最強系アニメです
個人的には主人公最強系の中ではかなり良い作品だと思います

理由は明確です
ちゃんと理由がある強さだから
潜在能力が〜だとかそういう類の理由の強さではない
それって最近無かった設定なので
どこがどう最強で、どうしてなのかとか
そういう部分で楽しめるからです

あとはそうですね
アニメだからと全てがハッピーとかじゃなく
光だけでなく影もきちんと描かれてるのもいいです

それと個人的には重要な事ですが
女の子だけで物語が構成されてるとかじゃなく
カッコいいオッサンとかも登場するのもオススメです
すごく重要な要素です!!!

現時点は10話まで見たところですが
良ければ参考にして下さい

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

80.4 20 仲間で騎士なアニメランキング20位
異世界の聖機師物語(OVA)

2009年5月22日
★★★★☆ 3.8 (1361)
8348人が棚に入れました
異世界の聖機師物語 1 [DVD] 「ジェミナー」には地球同様、多くの国々があり、互いに覇権を巡り争いが絶えなかった。当然、兵器にも亜法の技術が使われていたが、その主力は、古代遺跡で発見された「聖機神」と呼ばれる巨人体の複製、「聖機人」である。だが「聖機人」に搭載されている高出力亜法動力炉には、回転時に脳生理機能を阻害する、特殊な振動波を出す大きな欠点があった―――「聖機師」とはこの振動波に高い耐性を示す者の事であり、より高い耐性を示したのは、召還された異世界人であった……。

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

常軌を逸したハーレムアニメ。ただし、主人公はそんな気全くありません。

地球(異世界)から召喚された万能主人公剣士を巡るドタバタハーレムロボットアニメ。

主人公剣士の強さとモテ具合は常軌を逸しています。
前半はほとんど鬼ごっこ状態で、終盤に物語が動き始めます。

世界設定は緻密かつ面白いです。
また物語もなかなか凝った作りです。

我儘で自信過剰なラシャラ様と超恥ずかしがり屋のユキネさんが笑える性格。
そして、めずらしく悪役のくぎゅ、明らかに似合わない。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 31

YOSIMIX さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

意外とおもしろい!

私も皆さんのレビューを見て初めて知った作品でしたあらす
じやストーリー性などにこだわる事無く、一度は見ておいて
『 損 』はない作品だと思いますよ。

ハーレム学園もの!?と思いつつもストーリー性は良く、
そこまで恋愛要素や馴れ合い要素が強くもなく、アクション
的な要素もバランス良く描かれていて、コメディー的な見か
たもできた色々な方向性から楽しめる作品でした。

確かに主人公最強であるものの、どことなくそれを許せてし
まう辺りが、自分も観ているうちにこの作品のファンになっ
ていたということだと思います。特に個性的なキャラ設定が
よく、観始めたころから比べて中盤辺りまでの間に、既にお
気に入りキャラ等もできつつあって個々の展開や動きも気に
なりつつ、次の流れを楽しみにする事が出来るという、連作
のもっとも確信的なものが備わった作品だと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 17

タチ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

感想

OVAなので1話が普通のアニメよりちょっと長いですが全体的にまとまっており、次の話が気になるとこでちゃんと終わって毎回次が楽しみでした。

すごいハーレムアニメなのでそういうのが好きな人は見といたほうがいい作品です。
でも、ハーレムとか関係なくストーリーもよく、普通に楽しめるアニメでした。

あと天地無用シリーズなのでそちらを先に見ておくとより楽しめると思います。
さりげなく釘宮さんもでてます。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 8

60.0 21 仲間で騎士なアニメランキング21位
惑星のさみだれ(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★☆☆ 2.8 (162)
361人が棚に入れました
ごく普通の平凡大学生だった雨宮夕日は、ある日現れた喋るトカゲに「地球の危機」を救う協力を依頼される。拒否する間もなく獣の騎士団の一員となった夕日は、指輪の力で超能力・掌握領域が与えられるが、早くも敵に襲われてしまう。絶体絶命のその時、夕日を救ったのはなんとお隣に住む少女・さみだれだった。救世主の降臨と思いきや、実はさみだれは地球征服を企む魔王だった……。 そのでたらめな強さと魔王的魅力に惹かれた夕日は彼女の下僕となり、彼女が望む別の思惑に加担する事になる。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

アニメファンの先見性の無さに絶望したが、「逆張り完全勝利」を確信したので強気に攻めまくります

※解釈難易度が高すぎるため物語評価を4.5に下方修正
※その一方で音楽評価を5に上方修正

●ルシファーとは誰か?

本作のサブタイトルに「ルシファーとビスケットハンマー」とありますが
{netabare} この【ルシファー】とは一体誰のことでしょう?

本作のヒロイン兼もう一人の主人公である「さみだれ姫」は自らを「魔王」と
自称していましたから、【ルシファー】=魔王という関係性からして
【ルシファー】とはさみだれ姫のことを指しているようにも思えます。

ただ気がかりなのはさみだれ姫は自分のことを【ルシファー】と言ったことはなく
【魔王ルシファー】と言うならば魔法がもっと使えていいような気もします。

「魔法使い」という立ち位置にあるのはアニムスでありますが、
魔法使いのアニムスが能力によって生み出した最大の泥人形=ビスケットハンマーも
さみだれ姫の剛腕パンチによりあっけなく粉砕され、本人も獣の騎士団と姫の連合軍に
意外とあっさり追い込まれ、倒されてしまいます。

アニムスがラスボスの【魔王ルシファー】というのは今一つ説得力が無いように思えます。

そうするとやはり【ルシファー】とは魔王を自称していた「さみだれ姫」
のことを指していたのでありましょうか?

結論を下す前にまずは、そもそも【ルシファー】とは何であるのか考えてみたいと思います。
【ルシファー】とは【堕天使】の名前であります。

堕落する前の「天使」だった頃の名前は【ルシフェル】と言います。
美しく極めて知性が高い天使でありました。

【ルシフェル】とはラテン語で【明けの明星】を意味します。
【明けの明星】とは【金星】のことであります。
【金星】と所縁の深い【ルシフェル】は【光の天使】とも言われます。

そもそも「天使」という存在の性別は不明でありますが
その美しい面影からして、「女性的」な要素が強いように思われます。

聖書解釈の通説によれば【堕天使ルシファー】は【反逆者=サタン】であるとしていますが
それとは真逆の見解を持つ立場の解釈によれば
アダムとエヴァの願いを叶え、【知恵の果実】という叡智、人類に文明の【光】をもたらした
真の救世主こそがルシファーであるとのことらしくルシファーに対する
ある種真逆の解釈、これをめぐっての対立関係が浮き彫りになるのであります。

【光の天使】を崇める側は「全能なる創造主」のことを傲慢で身勝手な神
【デミウルゴス】と称し蔑み反逆の意を示します。

どこかで聞いたことあるようなこの【デミウルゴス】とは男神であり
それに対する真の救い主とする【光の天使】には女性的性格が見受けられますが
それがやがて「女神信仰」と結合し世に広まって行くのであります。

男神【デミウルゴス】は「破壊者」として捉えられ
一方「女神」は命を育む地母神と考えられるようになります。

このような前提を踏まえて本作を解釈してみますと
ビスケットハンマーで惑星を砕く破壊者=男神アニムスと
それに【反逆】する女神アニマという対立関係が成り立つわけであります。

本作のOPソング【暁光】、そして最終領域「願い叶う【光】」も
【光の天使】を暗示し、更には「バビロン 天使の詩」も同じ
天使を表しているのでありましょう。

破壊者アニムスが男神【デミウルゴス】であるならばそれと対立する
アニマは女神であり、【光の天使】ということになり
美しい天使【ルシフェル】、反逆者【ルシファー】を表していたわけであります。

本作で【アカシックレコード】を掌握していたのはアニマのようでありましたが
その意図するところは「知恵の天使」との関係性を示すためであったように思われます。

アニマの頭にはでかい【リング】が乗っかっていますが、
あれは「天使の輪」を表していたということであります。

最終的にさみだれ姫は能力を覚醒させビスケットハンマーを砕き、惑星を破壊できるほどの
力を身に着けたわけですがそもそも姫と騎士団に能力を与えたのは精霊アニマでありました。

つまり【ルシファー】とは、アニマのことであったわけであります。{/netabare}


●猫が繋ぐ魔王の属性
風巻氏が「創造領域」の能力により12体目として生み出したのは{netabare}黒猫のクーでありました。
「クー」の名前の由来が「(時)空」からきているのかは定かではありませんが
敢えて巨大化させた「黒猫」には何かしらの意味があったのかもしれません。

一つ思い当たるのは、「シュレディンガーの猫」です。

猫が「生きる」可能性と「死ぬ」可能性、
東雲師範と朝日奈姉が「映画」を「見に行った」可能性と「行けなかった」可能性
二人の子孫アニマが未来に「生まれた」可能性と「生まれなかった」可能性
アニムスの惑星破壊を阻止できる可能性やアニムスと≪一緒に生きる≫可能性、
そしてそれが叶わない可能性
そのような様々な可能性が発現するパラレルワールドが無限分岐する世界の有様を
量子論的観点に基づき再現しようという意図のあらわれとして「シュレディンガーの猫」
を仄めかす描写があったのではないかと推測いたします。

「幻獣が刻まれる」ゲートが置かれるあの異次元空間ではあらゆる潜在的可能性が存在し
他の次元と繋がってもいます。

アニマの拠点でもあるこの異次元空間こそが無限に分岐するあらゆる世界の可能性や
次元が集約する中心点と考えていいのかもしれません。

さみだれ姫救済を実現したこの世界線では、東雲朝日奈夫妻は結ばれず
従って子孫のアニマも生まれないという因果の結果になるはずでした。

しかしながら、「シュレディンガーの猫」が示す「量子論」において重要なのは
「観測者」という存在であり、早い話が観測者の意志の介在により
世界線の行方は変動し、世界線の分岐と因果の結末も変化するというものであります。

東雲師範は命がけで主人公を守り、そして自分の技を継承させるという選択を選びました。

師範の死により「2本柱」の融合は行われず、「未来」を示す3本目は生まれない
はずでしたが、技を継承した弟子である主人公はアニマの異次元空間で「方天画戟」を得て
これを未来へのバトンの如くアニマに手渡すのであります。

異次元空間で死んだはずの師範との対決を乗り越え、生まれなかったはずのアニマに未来を繋ぐ。

通常のSF思考で考えたら矛盾していますが、「量子論」という荒業を使えばあらゆる可能性
は観測者の意志によりどうにでもなるというお話でありますから
「シュタインズゲート」がご都合主義的ハッピーエンドで終わったように
可能性は無限大の何でもありということになるわけであります。

この世界線では東雲夫妻は「映画」を見に行けませんでしたが、さみだれ姫と地球は救済され
しかも主人公の覚醒によりアニマの未来の可能性にも道が開かれたようであります。

二人が見に行けなかった「映画」のタイトルが特撮超人「インコマン」であったかどうかは
定かではありませんが、異次元空間にあるゲートの扉に刻まれた4体目の「幻獣」の
ヴィジュアルは「インコマン」に似ているような気がします。

「インコマン」と言えば東雲師範が将来なりたいヒーローでありまして
師範の「未来」の希望であります。

ビスケットハンマーを除く泥人形の中で最も手強いマイマクテリオンは
この「インコマン」に変身しますが、これはある意味東雲師範の
「未来」の希望がアニムスが生み出した泥人形の形に現れたという風にも考えられ
あの「ゲート」に刻まれた4体目の幻獣は東雲師範の思いと連動するかのようにして
その子孫のアニムスに受け継がれ幻獣として発現したとも言えるわけです。

獣の騎士団にいる3体の幻獣に対し「幻獣インコマン」は1体でこれに対抗
できるという意味で最強の幻獣であるわけですが
最強の男東雲師範の未来の希望を示す存在だからこそそのように顕在化した
ということになるのでしょう。

マイマクテリオンが本好きなのは、東雲師範に通じるものがありますが
直接的由来は作り主であるアニムスによるものであります。

世界の分岐と世界線が複雑に絡み合い、途切れたり繋がったりしつつも
未来を形成していくパラレルワールドでは意外な因果の因縁と結末が
あるということなのでしょう。

最強の幻獣は「インコマン」でありますが、それでもビスケットハンマーに
対抗するには力不足であります。

そこで「魔法少女」の力を「インコマン」に融合し3本柱にあたる
より強力な存在を創造しようとアニマは目論み、
生み出されたのが究極兵器「ブルース・ドライブ・モンスター」であります。

アカシックレコードの頂点を極め異次元空間の頂から惑星を見下ろした
主人公が見たものはビスケットハンマーの隣に並ぶこの究極兵器であります。

その時流れたthe pillowsの「バビロン 天使の詩」のEDソングが示す
「天使」とは、インコマン最終進化形態の「ブルース・ドライブ・モンスター」であったのです。

「魔法少女」は朝日奈家(さみだれ)を、「インコマン」は東雲家(半月)を表し、その
「2本の柱」の融合により「3本目の柱」が生まれ、未来につながるということであります。

そしてこの究極の融合体を起動させるのが、師範の弟子でありアニマの思い人であり
「方天画戟」を受け継ぎ未来に手渡した男、雨宮夕日であります。

もともとは同じ眷属だからということもありますが
よく見たら登場キャラがそれぞれどこか似ているのは多元時空の相互作用により
現在過去未来が全部並列して干渉しているような状態にあるからなのかもしれません。

東雲弟は戦闘狂でアニムスは分析狂であります。
解体して分析したい衝動が抑えられないアニムスは
「メイドインアビス」の「黎明卿」に似ていますが
タナトゥスの原理に囚われており、そしてまた
東雲弟の攻撃衝動も同じようなものであるようです。

最後に追い詰められたアニムスは欲求への執着のためか
全身が真っ黒な姿に変わり果てましたが、
戦闘狂の東雲弟も黒づくめの服を好んで着ていました。

さみだれ姫にもアニムスが示すような強いタナトゥスの衝動が生まれますが
それには遺伝的なものや多元時空の作用などが関係しているのでありましょう。

あらゆる可能性が顕在化するアニマの異次元領域では特に
(現象の)観測者の意志や思いが次元に大きな影響を及ぼし得るため
アニマと同じレベルの精神力を持つさみだれ姫の純粋無垢な思いは
無限大の力を生み出すことが可能となり、自虐的なタナトゥスの衝動も
それに見合う出力で顕在化されるわけであります。

要するに無限の力があることを純粋に信じれば、それだけでその力が得られるわけです。

さみだれ姫の魔王の人格はアニムスに起因するネガティブな破壊衝動と
アニマの作用によるその潜在的思念の無限増長にあると考えられそうです。

さみだれ姫はあまりに純粋無垢な性格だったため、自己否定の負の感情も
ストレート過ぎて極端に至り、無理心中衝動として顕在化したようであります。

それを食い止めるには「愛」しかないと述べましたが、
最終的な愛の告白に至るまでに描かれていた伏線としては、
≪手をつなぐ≫というものがあったように思います。

最強の「矛」と「盾」は矛盾します。
アニマとアニムスも同じような存在なのでしょう。
矛盾はしているようでも≪手をつなぎ≫≪一緒に生きていく≫なら
矛盾は乗り越えられ最強の矛と盾は成り立ち得ると
そう弟子に伝えたのはカジキの師匠でありました。

カジキの師匠は主人公と意味深に握手を交わすシーンがありましたが
未来に繋いで欲しいという願望の現れだったのかもしれません。

師匠から弟子に思いが受け継がれたように
「願い叶う【光】」に乗せ
≪一緒に生きて≫行こうという主人公の思いが
姫に届く可能性が顕在化した世界、それを望んだのは
アニマであり、{/netabare}それこそが彼女の願いであったということでありましょう。

以上のように解釈してみるととても綺麗な終焉までを見事に描き切っているため
もしも展開が把握できるなら2週目3週目以降も楽しめる名作であるとも考えられ
よって原作ファンが絶賛する気も理解できるという結論に至るわけであります。




●アニマの嘘

十年後、大人になった{netabare}主人公はアニマに召喚されブルースドライブモンスターの内部、
錬金術が作用するその空間に現れます。

そこでアニマとの会話が始まり獣の騎士団、「指輪の従者」の選定基準が 「月の模様」で
あったとネタばらしされますが、早い話がこれはフェイクであると個人的には考えています。

厳密に言うとアニマではなく原作者がフェイク、ないしはぐらかしているわけでありますが…

獣の騎士は全部で12人でありますが、さみだれ姫も最前線で戦う戦士の1人なので
全部で【13】人ということになります。

フクロウの騎士=茜太陽は裏でアニムスと通じており、当初はアニムス側のスパイ
の立ち位置におり、最終的にアニマ率いる獣の騎士団の側につくことを決めたわけであります。

つまりフクロウの騎士は【13】番目の騎士ということになりますが、フクロウというのは
古代象形文字で【13】を表すものであり、「知恵」を司る女神の聖獣であります。

フクロウは「知恵」を象徴するシンボルでありますが、知恵と言えば
アカシックレコードであります。
更にカジキマグロの秋谷師匠は何者からか全能の知恵を付与されていたわけですが
恐らくはアニマが関係してるように思われます。

ユングの提唱したアニマとは知恵の女神を表すような存在であり
従ってフクロウがアニマの側に随伴するのは必然的帰結ということになるわけです。

更に「カジキマグロ」という聖獣の正体について考えてみたところ
例えば「うお座」というものが真っ先に頭に浮かびますが
なおも「聖獣」という存在を意識しつつ深堀りしていくと
「エレファントノーズフィッシュ」というナイル川に生息する魚に辿り着くのであります。

「エレファントノーズ」ですから象のように長い鼻がある魚でありまして
その姿はカジキマグロに似ているわけであります。

古代エジプト神話に登場するオシリスの守護者には「メジェド」という魚の聖獣がおりますが
その由来は「エレファントノーズフィッシュ」であるとのことです。

オシリスとは「植物」の再生を司る植物の神であることから
この魚の聖獣も「植物」と関係があると言うことになります。

「エレファントノーズ」は象の鼻ですが、象と言えばインド神話のガネーシャであります。
ガネーシャとは学問の神でありますが、鼻が長いあるいは鼻が高いというのは
クレオパトラの逸話にあるように教養や学識あることを表します。

そして魚系の聖獣的存在に当たるものを他にも探してみると【バビロニア】神話の
「オアンネス」という名の半魚人的なものが見つかりますが
どうやらこれは「知恵」の神として崇められていたということであります。

「本」は「知恵」を象徴する小道具でありますから、本かたくさんある図書館
と言うのは知恵の集合体であります。

「アカシックレコード」とはありとあらゆる知恵が集積された超次元的「アーカイブ」であり
本が好きな人たちは自然とここに集まるわけであります。

さみだれ姫の父は作家であり、東雲師範と主人公はそのファンであり本にサインを貰います。
茜太陽もアニムスも本が好きで、カジキの師匠も同じ系統であるわけです。

獣の騎士団は全員同じ眷属と予想できますが、特に本好きな人たちは
遺伝的に近しい関係にあるのでありましょう。
カジキの師匠と東雲師範の髪型が似ているのもそういう意味合いがあるのだと考えられます。

カジキの師匠は泥人形との死闘の末、力尽き息を引き取りますが
その背後には「大樹」が天に向かって聳えていました。

この最後のシーンの「大樹」の描写は「植物」の神オシリスと聖魚「メジェド」の関係性に
完全につながり、しかも「大樹」が「世界樹」=「ユグドラシル」を暗示しているのなら
ここでもやはり「知恵」につながるということになります。

北欧神話に登場する「ユグドラシル」の頂上には「フレスベルグ」という名の幻獣が留まって
いるという話でありますから、つまり「月の模様」を見て適当に思いついただけという
アニマの証言はこれまで象徴的表現法を使いつくして矛盾なくつなげてきたすべてのこと
と辻褄が合わなくなるわけであります。。

恐らく真相は【バビロンの一族】と「月」の関係を象徴的に
仄めかしたかっただけのように思います。

獣の騎士の指輪は「ロード・オブ・ザ・リング」に由来する魔法のアイテムであり
アニムスは魔法使いと呼ばれていました。

しかしながら本作ではアニマやアニムス、獣の騎士たちの異能力を「サイキック」として
強調してる節があるように思えます。

「月」の女神の側のアニマが象徴する原理、例えばサイキック能力や最終兵器を
起動させた錬金術の原則、そういったものの由来と所属がどこにあるのか明確に
示したかったので「月」という連想的キーワードを用いたように思います。

陰と陽の対立関係においてハンマーで断罪される側の「陰」=「月」が
断罪する側に対して逆襲するという構図、これを示唆していたのでは
ないかと推測いたします。

獣の騎士団の筆頭である「さみだれ姫」は宿命的な「罪」を背負った
故に死ななければならない定めでした。

かつて罪故に滅んだ都市は【バビロン】であります。

【大淫婦バビロン】とは罪深い【バビロン】という都市を比喩的に表現したものであります。
【バビロンの空中庭園】とは恐らく彼ら独自の文化、「錬金術」に繋がるものであり
本作でサイキックとして描かれたものは【呪術】に由来するのだと思われます。

12ではなく【13】という数字が強調されるのも彼ら独自の文化に関係しているようです。

獣の騎士も風巻氏が創造した泥人形の数もアニムスが生み出した(ハンマー含む)泥人形も
全部で【13】であるのはすべて計算通りであったわけです。

【13】は{/netabare}「惑星」に関する数字であり、「願い叶う【光】」やOP曲の「暁光」に関係します。

以上、本作特有の「象徴的表現法」はかなり洗練されているとは思いますが、
これを見てすべてを理解できる人は限りなく少ないように思います。
という意味では酷評されるも無理ないと言えるのかもしれません。



最終話を見た感想としては、伏線は見事に機能して辻褄も合っており
矛盾点は基本無いように感じました。

設定も精密というくらいなまでに見事に生かされていたようですが
ただこれを見て普通に全部理解できるかと言えば、解釈難易度かなりのもののため
ついて行けない人も相応にいるように思います。

象徴的な表現法が多用されていますが、これもそういう視点から見ないと
ただ説明不足の物語にしか見えないということになるのかもしれません。

もしかしたら原作の重要箇所を端折り過ぎていたために説明不足感が生まれたという
可能性も否定はできませんが、個人的には話の大筋は理解できてしまったので
最終的に大きな減点には繋がりませんでした。

解釈を難しくしている要因について考えてみましたが、一つには純粋SF{netabare}というよりも
スチームパンク寄りの方向に偏った世界観や設定がそれに該当するように思いました。

ユング的集合的無意識の世界、そこには4体の「幻獣」が刻まれた扉=【ゲート】が存在します。

3体は【獣】の騎士たちにおいて発現しますが、残り1体はどうなったかと言うと
どうやら「ブルース・ドライブ・モンスター」というのがそれのようです。

【獣】と「幻獣」は対応していますが、【獣】と「モンスター」も対応しています。
「幻獣」はファンタジー的な表現でありますが、片や「ブルース・ドライブ・モンスター」は
純粋SFというより「スチームパンク」的な表現に基づく存在と考えられます。

「スチームパンク」において最も重要な小道具は蒸気機関ではなく「飛空石」であり
超古代のロストテクノロジーであります。

主人公が「ブルース・ドライブ・モンスター」の内部に入って、何もない空間に歩を進めると
飛空石的なものが動いて道をつくっていくという描写ありますが、これは
スチームパンク的機構を表現していると解釈できるわけです。

ただのスチームパンク的表現なら理解するのはそれ程難しくないように思えますが
そこに「錬金術」の要素が加算されるので解釈難易度は更に上がります。

ハンマーに対抗するこの最終兵器をここでは「LW」と呼称します。
LWに至るまでには【ゲート】をくぐって来るわけですが【ゲート】とは
「2本柱」によって表現されものであります。

そしてこの「LW」を操縦できる資格者とはアニマと同じ意識レベルに達した者
即ち【アカシックレコード】に辿り着いた者であるわけです。

アニマ以外に【アカシックレコード】に辿り着いたのは、さみだれ姫と主人公の2人だけですが、
姫には姫の思惑があり、アニマもそれを知っていたこともあって、最終的に
操縦者に選ばれるのは主人公であります。

LWの内部では時空の歪みによるのか定かではありませんが、別次元の自分の「精神体」と
アクセスできるという現象が起こります。

別次元の相互的で連鎖的な結合が起こるだけということなら、SF的な「量子論」という
発想でも理解可能な現象でありますが、別次元の「精神体」と繋がるという発想は
やはりこれは錬金術寄りの思考回路であるということになるように思います。

【ゲート】は「2本柱」でありますが、その先を極めたものは「3本目」を得た
と言うような解釈がなされるようです。

つまり錬金術の法則が作用するその空間で「方天画戟」を手に入れたという描写は3本目の
「3本柱」を暗示しており、当然の如く未来人のアニマに手渡されるわけであります。

「2本柱」は「男と女」や「陰と陽」などの一対のもを表しますが、2本の柱の融合により
新たに3本目が生まれるということであります。

アニマは主人公と姫の子供ではありませんが、未来の親族に当たる存在であり
この次元の世界を終わらせようとするアニムスに対峙し未来を切り開く立ち位置にあるため
3本柱を示す「方天画戟」を手にし事を成すのであります。

さみだれ姫が「アカシックレコード」に辿り着いたということを表現するために
「ピラミッド」の頂点に仁王立ちするようなシーンがありますが、姫がつけたマントが
見事に「△」の形を再現していたりしますからかなり計算高いものを感じます。
ついでに言いますと姫の「知ってんで」という口癖も「アカシックレコード」を
示すための伏線であったようであります。

更に言うと本好きの茜太陽は「図書館」に通っていましたが、この「図書館」とは
「新世界より」や「輪るピングドラム」の作中で不思議めいた図書館として
示されるものであり、アカシックレコードの象徴的表現であると考えられるわけです。

「量子論」的発想でもある程度の解釈は可能ですが、更に細かく見ていくとするなら
「スチームパンク的な世界観」や「錬金術」的な発想が必要になるようでもあり、しかし
そんなことを考えているだけで既におなか一杯になりそうですが、
更に「エヴァンゲリオン」に見られた「エロスとタナトゥス」というような二元論的発想も
必要になってくるとしたら、それはなかなかにカオスな状況と言えるのかもしれません。

取り合えず「アニムス」は破壊を表し、「アニマ」は創造を表します。
病が原因でさみだれ姫は自己否定的自虐的な思念に囚われますが
このマイナス思考は「アニムス」の要素であります。

自己否定的思考だから自分のエゴにも否定するため、欲もなく
その反動として自分以外のありとあらゆるものに愛着が生まれます。

他者への思いやりの心がある純粋無垢な少女は主人公と運命的な出会いを果たし
純愛に目覚めます。

しかし一方で自分が病という鎖に囚われるだけでなく更にその鎖で家族を縛っている
ということに罪悪感を覚え、死という罰を自分に課さねばならぬと覚悟を決めるのであります。

純愛に目覚めた少女はこの惑星と無理心中をすることにより、自死の刑罰を実施しようと
目論みますが、この考え方はどこか矛盾しており屈折しているわけです。

ある種の葛藤的な精神作用のもつれや心理的拮抗状態は相反する「エロスとタナトゥス」の
原理から説明可能でありますが、相反する「アニマ」と「アニムス」との衝突
戦闘とはさみだれ姫の中の葛藤を表しているとも考えられるわけです。

ハンマーは鉄槌であり、断罪の象徴であります。

罪悪感と断罪による幕引きはさみだれ姫の思いでありました。
自虐的で自己否定的な衝動はタナトゥスの作用でありますが
ハンマーはタナトゥスを表すものでもあるわけです。

世界は愛せても罪深い自分は許せないというタナトゥスの衝動、これに打ち勝つには
エロスという存在肯定の衝撃が不可欠であり、やはり最後は愛の告白タイムとなるわけです。

告白タイムと言えば屋上のシーンでありますが、あの時はハンマーに靄がかかっておりました。
あの時は魔王の僕となれと口説いたさみだれ姫でありましたが、本心は別にあり
主人公には見えていなかったのでありましょう。

やがて人間的に成長した主人公は思いやりの心を持ち、時にピエロの役を演じながらも
姫の純愛レベルに達するまで距離を縮め、遂には霞を蹴散らし姫のハートをぶち抜く
渾身の一撃を放つのであります。

生きることに意味を与えるための必死の告白は既定路線でありますが
それでも屋上での告白タイムのやり直しという風に考えるとこれ以上の着地はないと
言えるくらいしっくりくる結末であったように思います。

「惑星と無理心中」という発想が純愛を示していると気が付けば何の違和感もありませんが、
「無理心中」という発想が古すぎたため、純愛物語的な最後の告白タイムに{/netabare}
違和感を感じた人ももしかしたらいたのかもしれません。


●SF的設定がもたらした罪と罰、視聴者を混迷に導くか?
個人的に思ったのは本作はファンタジー路線を進むべきであり
アニ{netabare}マとアニムスのSF的未来人設定は他の要素との食い合わせが非常に悪い
ような印象を強く受けました。

ユングが提唱した「集合的無意識」 なる概念は非常に曖昧で漠然としており
なおかつそれに「アニマ」と「アニムス」という更に漠然とした概念が乗っかってきたら
それはもはや「科学」とは真逆の領域の問題であるということになるでしょう。

そもそも心理学とは心の科学を目指しながらも、実質は科学ではなく、
極めて曖昧で漠然としている人の「心」を科学的に解明するというのは
そもそも不可能な試みであるとしか思えません。

本作において「集合的無意識状態」に関わる夢の中のような世界に主人公が召喚可能なのは
「さみだれ姫」の存在によるとこころが大きいように思われますが、その「不思議領域」が
「アカシックレコード」に繋がるかと考えた時には、やはり言葉の定義の曖昧さ
という問題が最後まで残るように思います。

そういう曖昧さを許容しつつも、重要キャラであるところの頭に【リング】を身に着けた
「アニマ」には超自然的な力が備わり、ある意味「メタフィジカル」な認識を
提供できる存在であるということは確認できるわけでありまして、よってこの不思議領域に
召喚された主人公が長い長い階段を上り「ピラミッド」であるようであり、
「世界樹」であるようでもあるその頂点に辿り着き、上から「ビスケットハンマー」を
見下ろしているシーンが描かれていたことからして、それは頂点を極めた者であるという
ことの表明であるわけですから、結果として「アカシックレコード」に辿り着いたという
解釈が成り立つわけであります。

この解釈がギリギリの線で成り立つのはアニマという神秘キャラを大前提にしていますが
「アカシックレコード」をSF的に科学的に{/netabare}説明しろと言われたら
恐らくすべてが破綻することと思います。

そしてもしも{netabare}「アカシックレコード」{/netabare}の本質が知りたいという人がいるならば、
個人的には {netabare}「密教」{/netabare}をやることを強く推奨するでしょう。

●作画が惨いと評判の一見して糞アニメと呼ばれる本作の真価は如何に?
主人公の成長については兎に角よく描けていたことだけは間違いない良作アニメ
だと思っておりましたが・・・

前回の内容を見る限りにおいては各種の不安要素が徐々に鎌首をもたげてくるような感じで
じりじりと嫌な雰囲気が全体を包み込むようにして広がっている、
そんな印象を強く受けてしまいました・・・

更に悪いことにはこの期に及んで原作ファンの酷評とか見たら、いよいよこれは本格的に
期待外れの結末とか覚悟するしかないという話になるわけであります。

そのような前提で最新作を見たわけですが、どういうわけがこれが期待外れなまでに面白い!?
なんじゃこりゃ??というまるで意味不明な展開であります。

本作のキャラ設定とかやたら洗練されていることは重々承知していましたが
だからと言って終盤戦での失速が無いという理由にはならないわけですから
ある程度までは終盤戦での失速あり得ることについては想定していたのですが・・・

実際蓋を開けてみたら、駄作どころか良作レベルを余裕越えるもの凄い盛り上がり展開が
待っていたという、なんじゃこりゃ?展開であります・・・

本作については、原作ファンが何を言おうが全無視でいいのかもしれません。
本作は「腐っても鯛」レベルの物語性を誇るが故に、
結末を見ずして即断は禁物と改めて実感した次第に御座います。



●因果律の糸は絶たれた?
{netabare}主人公と姫には前世での因縁があり、なので二人は自然と惹かれ合ったのだと
そんな風に考えていたわけですが、前世の因果ではなく、幼少期のエピソードが縁だとすると
少々想定していたのは違うと言いますか、スケール感が不足しているような
そんな印象を抱いてしまいました。

アニマとアニムスの関係性もSFっぽい過去描写が予想外でやや期待外れ感があり、
現状微妙な空気も漂っていたりもいたします。

姫が主人公のことを「ゆう君」と呼ぶのは、彼をハニートラップに嵌めるための
魔王の知謀によるものではないかと疑っていましたが、純粋無垢な少女の心残っているが故に
「ゆう君」と言っているのだとすると魔王という設定はどうなったのでしょうか?

矛盾を解くための尺はまだ残っていますが、この先どう転ぶのでありましょうか?{/netabare}


●未来へ続くは棘なりしか、飛燕草
ファンタジーとは「集合的無意識」{netabare} の世界を具現化しただけの世界というのは
ある意味正しい解釈でありまして、ファンタジーとはご都合主義だと言われたら
それまでの話でありますが、当然のお約束として泥人形とビスケットハンマーの
攻略法が見えてくるという展開が訪れます。

最強の男東雲師範を新技で撃破した主人公には、もはや敵なしと思われましたが
何故か蛇の騎士「白道やよい」とは相性悪いらしく見事に2連敗を喫し、
手も足も出ない醜態を晒すのであります。

ある意味天然キャラの蛇の騎士でありますが、二人が目論む「惑星破壊」を何としても
止めようとする意気込み・気合は十分であり、主人公に対する彼女の思いもそれだけ強い
のに対して、主人公はそれに対してどう向き合っていいのか態度を決めかねているため
当然集中力は低下し、東雲師範の時のように完全制御できた新技が上手く発動できず
見事に「捕縛」されるというオチであります。

かつて鉄血の「鎖の掟」で主人公を捕縛するかの如く自由を奪ったのは彼の祖父でありましたが
さみだれ姫はその鎖を壊し主人公をその鎖から開放します。

そこで主人公は自由を手に入れたでしょうか?
姫が彼に求めたのは絶対服従であり、新たに鎖の関係を結ぶ契約を半ば強引に
主人公に迫ったのであります。

「鎖の掟」の後遺症により人間不信の呪縛から抜け出せていないその時の主人公は
自分から幸せを奪った世界を呪っており、その世界に復讐できるならばと姫の惑星破壊計画に
快く賛同するわけですが、後にさみだれ姫だけでなく東雲師範や世話焼きな大人たち、
仲間たちと触れ合うことにより人間的成長を遂げ気が付けば信頼できる人たちが周りに溢れ
奪われるだけの人生から一転して与えらる側にいることに気が付きます。

東雲師範をはじめ与え続けてくれた人たちの恩に報いるためにも、主人公は
究極の決断を迫られることになるでしょう。

「愛しているぜ魔王の騎士」と言うさみだれ姫、
「愛しています我が魔王」と呼応する主人公
二人の間に本当に愛情はあるのでしょうか?
姫が一番愛しているのはこの惑星であり、だからこそこの惑星と無理心中しようとするわけです。

尊敬の念や信頼感あったとしても恋愛関係にはない二人の間に
自由恋愛的な立場から割り込んでくる蛇の騎士により
三角関係が生まれるわけでありますが、鎖の呪縛により自由恋愛の経験が無い
主人公は{/netabare}どのような態度を示すでしょうか?

ある意味泥人形との戦いを描くよりも落としどころが難しいため
不安がまず頭をよぎりますが、この決着をどうつけるのか大変見ものでもあります。

●ネタバレソングの登場?
{netabare}「集合的無意識」とは心理学者ユングが提唱した言葉でありますが
主人公と姫が何度か会合していた場所はその領域に当たるものだと思われます。

そこにある扉には奇妙な生物の絵が刻まれておりましたが
もしかしたらそれは「幻獣」であるのかもしれません。
だとするともう一体いるということもあり得そうです。

超自信過剰な男=東雲師範との決闘で師匠を超えた主人公は
彼以上の自信家となり、潜在意識下に眠る無限の可能性を顕在化させ
奇跡を起こし得る超越的存在となったのかもしれません。

ヒロイズムの完成によって物語が加速するか、むしろ高みを極めたが故に
逆にピークアウトしてしまうのか、この終盤戦にすべてがかかっていると言えましょう。 {/netabare}

●連鎖するくびきの虜
フクロウの騎士 茜太陽はムッツ貧弱根暗眼鏡キャラであるところの主人公に
どこか似ているところがあり、 {netabare}深い闇を抱えているようであります。

その闇故にアニムスに付け込まれ取り込まれてしまったのか、はたまたアニムスに取り込まれた
振りをして接近するのが彼の本意か、定かではありませんが
かつての主人公が鎖の掟に囚われもがき苦しんでいた日常から、さみだれ姫の手により
解放されたように、仲間の鉄拳制裁という荒療治をきっかけに何も決断しないという生き方から
開放され、生に輝き見出したのも必然のような気がいたします。

昇る太陽は覚醒し、幻獣の騎士が出揃います。
ここまでは【梟】という裏設定の発動を含め予定通りの展開と言えましょう。

しかしながら残りの話数もわずかとなり、その割に描かなければならないものが
山ほど残っていることを考えると少しばかり不安なものを感じずにはいられません。

さみだれ姫、アニマ、アニムスにまつわる謎や前世での戦いの経緯
そして主人公の未来の・・・
これらのことを詰め込み過ぎの駆け足であっさり片づけるようなこ{/netabare}とだけは
どうにか避けてもらいたいと願うばかりであります

●「墓穴」に入らずんば虎児を得ず
原作ファンによる「ネタバレ禁止かん口令」のフラグ{netabare}が発動し
後半戦に入るや否や怒涛の巻き返し展開が始まった模様です。

我らが主人公=ムッツリ貧弱根暗眼鏡は太郎の死に対し激しい憤りと自責の念に苛まれ
復讐を果たすべく幻獣の力を手に入れようと必死にもがくのでありました。

自分が不甲斐ないばかりに東雲師範に続き後輩をも死なせてしまうという大失態、屈辱、後悔
負の感情のオンパレードの荒波に飲み込まれ、前後不覚五里霧中のままに決闘に挑むも
敢え無く惨敗・・・惨め惨め、ただただ惨めな男でありました。

ここまで激しく空回りする主人公とか前代未聞でありましょう。

そして降ればどしゃ降りの雨中、自ら掘った墓穴に嵌って
「生きているのも嫌になる」程に自分があまり馬鹿らしく思え、
自分という存在の愚かさや無力さを際限ないくらい徹底的に思い知らされるのでありますから
これはもう笑うしかない・・・

墓穴を掘る男=「アンダーテイカー」という役者が墓穴の独壇場で繰り広げる喜劇の舞台、
その背景には雨があり、沈む夕日が似合うでしょう。

バッティングセンターでフルスイングするも、思いっきりカラ振りした時の痛み、
それはとにかく屈辱的なものでありましたが、
そんなカラ振りや空回りが史上№1に似合う男、
それこそ我らが主人公「Mr.アンダーテイカー」その人であります。

決闘の敗北と雨と墓穴、すべてがこれ程までに機能する物語展開など
それだけでもうお腹一杯になるほどのフルコースでありますが
太郎と花子のキャラ設定もかなりエグイことになっているようです。

太郎の超共感性体質というのもかなり凄い設定でありますが
花子を死なせないためにはどんなことでもやり得るという太郎の動機を
これ程までに説得力ある形で裏付けるとは、完全に脱毛であります。

必殺技は「叫ぶ」べきだという話でありましたが、
喪服を纏った弔い合戦において騎士たちが発する「叫び」には鬼気迫るものがあり
高ぶりまくる胸熱感は必至のことでございました。

特に陰キャ眼鏡の花子の「叫び」には極上の味わいある響きが感じられ、
陰から陽にスイッチ転換する成長っ振りも含めお見事な結び締めであったと思いました。{/netabare}

●踊るデッドエンドのからくり
後半戦に突入早々{netabare}死亡フラグは発動します。
3度ほど仄めかされた死亡フラグがこのタイミングで成就したのには理由があったようです。

大前提としてあるのは泥人形の攻撃力は異常に高く、一発食らえば即死もあり得るということ。
今回の太郎ターンではその大前提を再確認するような形になったように思われます。

東雲師範も一撃でデッドエンドを迎えましたが、その時は不幸な事故みたいなもので
弱小主人公を助けようとしなければ、本来の実力で泥人形の攻撃は回避可能なはずでした。

それが今回の騎士型泥人形は攻撃力だけでなく、素早さやリーチの長さなど含む
トータルでの戦闘力は格段に高く、最強打撃王のさみだれ姫でさえも手を焼く有様です。

騎士の中でも一番弱そうなのはネズミの太郎ですが、ただでさえ死亡リスクが高いのに
幼馴染の花子のことを気遣い、命がけで守ろうとするわけですから
生還する可能性は無きに等しいということになるのでしょう。

更に悪いことには、そんな太郎の思いを知ってか知らずか当の花子ときたら
まるで自分の命を軽んじているかの如く泥人形に対する囮役を自ら買って出るという始末で。
ある意味自殺志願者のようにも見えてしまう花子ですが、そんな彼女の真意とは
いかなるものであったのでしょうか?

もしかしたら彼女は自虐的な人間で、その自虐の意味するところは
自分が太郎の足枷になっていることに対する自責の念、それが元にあるのかもしれません。

騎士の中で最も弱いのは太郎であり花子であることを自覚していたからこそ
自分の命を有効に使うため、あるいは太郎の足手まといならないために
危険な役を敢えて引き受けたような気もいたします。

太郎と花子はお互いの気持ちをどこまで理解していたでしょうか?
互いが相手を思い庇おうとすればするほど死亡リスクがどんどん高まってしまうという不条理。

そんな不条理を受け入れ自らをその犠牲に捧げようとした花子と
その不条理を全否定する形で愛のために自らを犠牲に捧げた太郎。

兎に角太郎の思い、願いは徹底しており、花子の命を救うためならば
どんなことでもやる覚悟ができていたようで、
騎士の願いにより花子の命には保険がついたとしてもそれでは満足せず
即死のリスクが少しでもあるならば、そのリスクを完全に潰しておこうと
言わんばかりに自らを楯として曝け出し、花子の即死のリスクを強引に
回避させたのでありました。

カマキリのキル曰く「無駄死にだ」ということですが
太郎にしてみれば結果即死のリスクを潰せたわけですから
意味ある行動だということになるでしょう。

太郎の死はある意味必然ということになりますが、その必然を今まで回避できたのにも
理由があったようです。

泥人形の攻撃力が高すぎて食らえば即死という大前提があったからこそ
夏合宿により各自の能力を高めるだけでなく、数の利を生かしたチームプレイを強化し
泥人形に対抗しよういう話でございまして
その戦術に効果があったからこそ、その時点での犠牲者はゼロであったというわけであります。

そしてユニコーンの騎士に覚醒した南雲隊長の踏ん張りと言いましょうか
「決して誰も死なせはしない」という必死過ぎる執念も死亡フラグを覆す
方向に作用していたようでありましたが、冷静に戦況を分析したアニムスの
今回の策謀、分断戦術により死亡フラグを回避する要因はすべて取りの払われたのでありました。

太郎の犠牲により命を拾った花子ですが
もしも彼女に自虐志向があるならばどうなることでしょう?
愛想笑いの{/netabare}ジュリエットが迎える運命とは、さて?

●死亡フラグは3度死ぬ?
獣の騎士すべてが集結し、これから泥人形との{netabare}死闘は激化するように思われ
そして死亡フラグ的なものも3度ほど出されたようですが、
ここまですべて不発に終わったようです。

今回のフラグ回避には精霊アニマの能力によりユニコーンの騎士が覚醒したことが
大きく作用していますが、それにしても度重なるフラグ回避の展開にはどのような意図が
込められているのでしょうか?{/netabare}

1話~6話の主人公の{netabare}成長・覚醒{/netabare}を描いた物語展開には個人的にかなりの好印象を持っておりますが
それ以降から前半戦終わりにかけての展開には{netabare}少し中途半端で6話以前と比べるとやや物足りない
ような感を抱いております。

後半戦突入してもなおまさかこの調子で進むとかいうのは流石にないとは思いますが
もしもこのような感じが続くなら十分減点対象になるものと認識いたすところにございます。{/netabare}

失速し続けるのか?それとも急転するのか?
後半戦に期待を託します。

●先の展開を予想
獣の騎士全員揃っての初戦は{netabare}(フラグ全否定という形になり)犠牲者ゼロという{/netabare}結果でしたが、
この先も順調に{netabare}勝ち進むとは到底思えませんし、恐らく戦死者はそれなりに
出るのではないかと予想いたします。

強そうなキャラは馬、カラス、フクロウ
最強の「矛と楯」コンビのニワトリと亀も弱くはないのかもしれません。

一番弱そうなのがカマキリとネズミ、そしてヘビです。
一番最初に死にそうなのは、恐らくネズミなのかもしれません。
幼馴染を庇っての戦死とかは、ありそうなパターンであるように思われます。

ただ仲間を庇っての戦死パターンだと東雲師範の弟や馬の騎士も十分あり得る話ですし、
一見して裏切り者のようなフクロウも、仲間との交流が深まれば態度を反転させ
突然熱血キャラ化する可能性も全否定はできません。

騎士の中で一番立ち位置が不明なのが黒猫ですが、現時点では裏切る可能性も含め
余談は禁物と言ったところでしょうか。

ヘビの騎士は、もう少し先のところで主人公のピンチを回避すべく体を張った結果
戦死して{/netabare}しまうような展開はありそうかと思いますが、

次回以降その辺に注目しつつ展開が動くことを期待いたします。

●ある意味アニメという概念が通じない世界を描く?
最新話は{netabare}謎のヴェールに包まれた存在であるところの{/netabare}「姫回」でした。
獣の騎士が勢揃いしていよいよ急展開を迎えるのか?と思いきや
{netabare}まるで朝日奈一家のホームドラマみたいなベタな{/netabare}展開を見せられた
通常のアニメファンはかなり戸惑ったのかもしれません。
{netabare}その一方でドラマ性重視の当方としましては非常に満足できる回でありました。
ある意味王道ホームドラマ展開でベタベタでありますが、王道故の良さも漲っておりました。

さみだれ姫は不治の病を患っており、その治療法を確立するために姫君の母親は
医学者でもあったことから、海外に移住し長らく研究に没頭する日々を送り
それ以降娘に会うことも滅多にないような状況になるわけです。

姫自身も自分の母が海外暮らしを余儀なくされている理由には自分の病がもとにあり
その治療のためならば仕方ないと頭では理解しつつも、複雑な思いを抱き、家族の関係のこと、
特に母親に対し悶々と思い煩うのでありました。
母にも姉にも自分の傍にいて欲しいが、母や姉家族がバラバラになってしまったのは
自分の病が原因、すべては自分が蒔いた種であるとさみだれ姫は思い煩い、
罪悪感にも似た後ろめたさや自分という存在を悔いるようなセンチメント、
女子高生くらいの年齢特有のとても繊細でとても脆い自己嫌悪的感情の渦に
飲み込まれてしまうのであります。

そんな中、今回株を急激に上げたのがむっつり根暗貧弱眼鏡でお馴染み
我らの冴えない主人公=雨宮夕日 その人でありますが、今回の彼の態度・振る舞いは
つい最近飲酒し始めたにすぎないボンクラ大学生とは思えないくらいにスマートで
空気読め過ぎる大人そのものだったことには思わず舌を巻いてしまうくらいに、
見事な成長っぷりでございました。

本作は「成長物語」という要素がかなり大きく、故に
成長物語とはどういう特質があるのか理解できない人に説明するのはとても厄介な話でありますが、
逆に「成長物語」{/netabare}について精通してる人からしたらある意味神回だったと言っても
過言ではないのかもしれません。

以前ならば慎重さこそに重きを置いていた貧弱眼鏡の主人公でしたが
ここぞと言う瞬間には{netabare}掌握領域を発動させ「超飛躍」を成し遂げて
そして、さみだれ姫を(ハートごと?)掴み取り、姫の母親の元に送り届けるのであります。

主人公の大人びた対応は、本人曰く東雲師範の真似をしただけということですが、
さみだれ姫の家族関係を見て色々と思うところがあったようで
自分の家族である祖父との冷え切った関係性について見直しを図るあたりも
彼の成長を大いに感じられるような、成長物語{/netabare}としてはとても見所が多いお話でありました。

●主人公が騎士契約に応じた理由
{netabare}①姫が好みのタイプだったから(前世からの因縁?)
②姫が信頼に足る得る人物だったから(行動力がある)
③この惑星を砕くという姫の企てに共感したから

※③についてもう少し詳しく書くと以下のようになります
父の不幸な死をきっかけに母親はショックを受け失踪
祖父は人間不信に陥り孫が父親と同じ道を歩まぬようにと
「他人を信じるな」という(体罰ありきの)洗脳教育を実施。
少年時代から信頼関係とも無縁、家族愛とも無縁の不幸な人生を歩み
性格が歪んでしまった主人公は、自分を不幸にした「この世界」を呪い
いつか復讐してやろうという気持ちを密かに抱くようになる。

姫に出会い姫によって提案された惑星を砕くという計画を世界に対する復讐の好機ととらえた
主人公は心よりこれに賛同したため「御意!」と応じたというのが話の経緯であります。

このようにして主人公と姫の騎士契約は見事成立することとなりましたが姫の性格、本性
については謎の「ヴェール」に包まれているところがあり前世の因縁で出会うべくして
出会い、相思相愛の結果強く結ばれたような結婚契約にも見えるこの契約の背後には、
姫の本当の思惑が隠されているようにも思えてなりません。

ヴェールは結婚式の時花嫁が被るものですが、
(騎士の指輪)リングも結婚式の時に身に着けるものであります。
主人公の立ち位置から見たら姫との誓約を交わす儀式は結婚式のようにも見えますが
姫の側から見たらそれは偽装結婚式であったのかもしれません。

1話冒頭のシーンは桜の花から始まります。
桜の季節と言えば入学式の頃合、4月ではないかと予想されますが、
4月と言えばエイプリルフールであります。
もしかしたら姫と主人公の誓約の儀式は「嘘」だったのでしょうか?

姫が何を思い主人公に近づき、何を成そうとしているのか謎の部分が多いですが
それについて重要な鍵となるのは姫の性格、人格であると思われます。

恐らく姫の誕生日は6月(より詳しく言うと6月6日)ではないかと推測いたします。
その理由は名前が「さみだれ」で梅雨を表すというのがまず1つ目
次に1話冒頭の桜の季節の後の連休に主人公が実家の祖父の元に帰っていましたが、
連休とはゴールデンウイークを指し、祖父の容体が急変し命を救う願い事を申し出るシーンでは
雨が降っていたことから(「五月晴れ」という割に5月はよく雨が降るので)その時期は5月であり
獣の騎士が全員揃って海で合宿したのが夏ですから、5月~7、8月の間に姫の誕生日が
あったということなります。
というわけで姫の誕生日は5~6月ということになりますが、その時期の星座は双子座であります。

双子座とは何を暗示してるかご存じでしょうか?
これは「聖闘士星矢」にも通じるところありますが、
双子座とは「二重人格」を暗示するものでございます。

さみだれ姫のもう一つのヴェールに包まれた人格は、
精霊アニマによるところが大きいように思いますが
魔法使いアニムスの妹=アニマと思われる人物は本作OP最後の方に登場する人物のようです。

髪の色が緑色なのは「楯の勇者2」のオスト・ホウライを想起させますが
それは大淫婦バビロン=男を惑わす悪女を意味するのでしょうか?
それともやはりユング心理学を踏まえた解釈こそが適切な結論を導き出すのでしょうか?
いずれにしましても、姫の人格に秘められた謎を解くには少々骨が折れそうな気がいたします。{/netabare}

●10話でついにすべての条件が揃った?
{netabare}今にして思えば、1話の内容がよくわからないとか主人公や姫が何考えてるのかさっぱり
理解できないというような声も少なからずありましたが
実はその意見はある意味正しい指摘でもあったのは事実です。

1話の問題の屋上シーンで、突然ビスケットハンマーの挿入により
ストーリー展開に水を差し、すべてを謎のベールに包んだ最大の理由は恐らく
さみだれ姫の性格が実は二重人格であり、そのことが後の物語展開にとって
重要な意味があったために敢えてカムフラージュしたのではないか?と
当方は邪推しております…
しかしながら、要するにすべての謎が解き明かされるのはまだまだ先のことで
1話からすべての説明を晒さないならそれは不親切でさっぱり意味がわからないし
見る気もなくなるとあっさり本作を切った人たちには、それについて
いくら説明しても馬耳東風なお話になるのでしょう…

その一方で、自分なりに1話で何故に主人公が豪傑姫がもちかけたプランに対し
やる気満々で「御意!」とあっさり答えた理由についての解説を今だに書ききれてないので
説得力まるでないレビューと批判されたら返す言葉もないというのが現状であります…

少し言い訳すると「ユング心理学」の「集団的無意識」について少々調べてから
色々まとめようかと妄想奮闘してる際に、時をすっ飛ばす
スタンド能力保持者の奇襲攻撃を受けたのが最大の原因であります…{/netabare}

●9話で明確になった本作の特徴
群像劇をさり気なくぶっこみつつも師弟関係の人間ドラマをまともに描いてくるあたりは
流石名作という評判もあながち嘘ではないと確認した回でした。


●小耳にはさんだ情報によれば、なんでも本作に対しては原作ファンによって
「ネタバレ厳禁」のかん口令が敷かれている模様です。
そしてここでの評価が異常に低いという状況と合わせて総合的に考えると
これは「途中で切ったら後悔する系の名作」あるいは「隠れた名作」になる可能性が濃厚です。

キャラ設定や謎めいた各シーンを振り返ってみると、兎に角分析しなければならない要素が
あまりに多すぎてそれをまとめようにも1話だけで手一杯な状態であります。

考察系を得意とする人には{netabare}是非とも見てもらいたい作品ですが、
この時点で本作の評価に関しては自信をもって当てにいけることを確信しましたので
ここで超強気に!本作の評価を全体的に上方修正いたします。{/netabare}

今後の展開に大注目であります。


〇7話視聴直後の感想…
主人公の思いとその行方{netabare}は、少なくとも第1話の段階では固い結束により運命的なまでに決定づけられたように見えましたが今まで出会い別れて訪れる心優しき世話焼きたちの影響を受けた結果、
主人公{/netabare}にいよいよ「変化の兆し」が現れるのでありました。
{netabare}亡き東雲師範の願いや思い{/netabare}を受けたことが特に大きかったのは言うまでもないですが、
{netabare}この「変化の兆し」こそ{/netabare}が新たな展開を生むのは必至の状況。
{netabare}「変化の兆し」を匂わす描写については確かに相応の緻密さで以て「達磨落とし」が可能なくらい相応程度には積み重ねられてきたとは認めるところですが、{/netabare}
より多くの視聴者に正しく伝えるには、{netabare}丁寧さと尺が不足している感が否めず
重要なポイント故に残念感がよりましてしまったというのが個人的な見解です。

親愛なる下僕に躊躇なく「愛してる」を言う姫殿下の真意とは、実は第1話が「偽装結婚式」みたいな様相を呈していたことからある程度には予想できてましたが
まさかこれ程までに急展開するのは予想ができず、その詳細について書きそびれてしまうという見事なまでの我が醜態でありました…{/netabare}


●第1話を押さえるための予備知識に触れてみます。
{netabare}「ケモノの騎士」とは何でしょう?
「ケモノ」と「騎士」の2つの構成要素を持ちます。
「ケモノ」と言えば「大淫婦バビロン」ですが、それは何故かというと「バビロンの大淫婦」は
「ケモノ」に乗ってやってくるからです。

「騎士」とは何でしょう?
馬に乗り甲冑纏えば「騎士」に成れるでしょうか?
騎兵と騎士は別もので、騎士は貴族であり、盟約に従い主君に仕えるものであります。
「最後の騎士」として名高い「マクシミリアン1世」はハプスブルク家の血族ですが、
ハプスブルク家の家紋は「双頭の鷲」です。
2つの頭を持つ黒い鷲、そのヴィジュアルは日本の八咫烏にも似ていますが、このように
貴族の家紋になどによく使用される奇妙な生き物たちは「聖獣」
と呼ばれたりする存在であります。

実際の貴族を思い浮かべれば、ケモノ(=聖獣)と騎士とは実は相性が良く、
双方に密接な関係性があるのは容易に理解できることと思います。
そういうわけで、主人公のもとを訪れた(黒蜥蜴星人のような?)蜥蜴の騎士とは
実は聖獣を表しているというお話であります。

「ケモノの騎士」に似たようなものを他作品で探してみると
「楯の勇者」の「ラフタリア」と「聖闘士☆彡星矢」の「聖闘士」が思い浮かびます。(当初の)
ラフタリアは騎士ではなくただの剣士であり身分も奴隷階級ですが勇者に従い主人を守る存在であり、
かつ勇者とは時に王国やその姫を救い王権を託され王族に転身する展開もあり得ることからしても
王族予備軍であるところの勇者に仕えるケモノの剣士ラフタリアは
「ケモノの騎士」と全く同じ存在と言えます。
そしてケモノが聖獣ということならば相方のフィーロもその条件に適合します。

上段でケモノと言えば「大淫婦バビロン」だと申し上げましたが大淫婦とは売春婦のラスボス
みたいな存在であり、そのような前提で考えるなら「楯の勇者」の「オスト・ホウライ」は
まさにそのイメージにぴったり当てはまると言えるのではないでしょうか。
「大淫婦バビロン」とは要するに男を惑わす悪女的存在のことを意味します。

彼女は「霊亀」の本体でありますが、霊亀とは聖獣でありケモノであるから
大淫婦バビロンに繋がるのは必然なのであります。
そして「楯の勇者2期」の最後の最後に「ケモノの剣士」たちと「大淫婦オスト」が
「恋バナ談義」に「花を咲かせる」シーンが印象的に描かれているのも
もしかしたらそういう繋がりが背景にあるからなのかもしれませんね?

聖闘士もケモノの騎士と全く同じで、ケモノ(=聖獣)の甲冑を纏い「女神アテナ」の
生まれ変わりであるところの沙織お嬢様に仕えます。
「女神アテナ」とはギリシア神話の神ですが、ギリシア神話の神々は肉体関係を大前提とした自由恋愛には超積極的な性格を持ち合わせており、その中でもアフロディーテ(=ヴィーナス)は
特に愛欲まみれの女神として名高い存在です。

女神アテナと大淫婦バビロンではイメージに若干のズレがあるようにも見えますが、
Zガンダムのレコア少尉がジュピトリス(ジュピターは木星、主神ゼウスを表す)の男にそそのかされ
かつて男女の関係性を持った?とも噂されるクワトロ大尉とエウーゴをあっさり裏切り華麗に転身した時に乗っていたMSの機体名が「パラス・アテネ」だったのは偶然ではなく
必然であると個人的には理解してます。

ギリシア神話の神々はどうやら性衝動が抑えられない性分を持ち合わせているようで、そういう意味においては大淫婦バビロンと似たようなものとして解釈できるのではないでしょうか?

ケモノと騎士と大淫婦に関連性があるならば、本作においてもその法則は当てはまるのかも?
という話になりますが、ならば主人公=蜥蜴の騎士にとっての親愛なる姫殿下は実は大淫婦の化身
なのか?という疑問が浮上します。

よくよく考えてみると姫殿下の本性と言いますか、内に秘められたもう一人の人格の正体が魔王であることからして魔性の属性を持っているのは至極当然であり、
それ故に「大本命の思い人」に対する執着心や独占欲が並外れて強く、ならばこそ烈火の如く
灼熱的でドロドロの「愛憎劇」が繰り広げられるのは必然と言っていいのかもしれません。{/netabare}

●本作の敗者復活も可能かもしれない?
潜在的力を秘めた究極の※「ネタバレ」ソングです。
{netabare}途中で切った人には2、3度聞くことを推奨いたします。
Half time Old 「暁光」
https://youtu.be/zunFoF97vLc

「暁光」とは夜が明けるころに差す日の光のこと{/netabare}


●タイトルとOPからイメージされるもの
本作 ~惑星のさみだれ~ は ☆彡☆彡☆彡{netabare}「惑星を砕く物語」☆彡☆彡☆彡であります。
惑星が木端微塵に砕け散りそのかけらが流星群となって降り注ぐ様を
「さみだれ」という言葉で表しているのだと思われます。 そしてまた、
「さみだれ」はとめどなく「流れる涙」を暗示してるのではないかとも考えられます。
「惑星=☆彡」とは光であり希望であり、それが跡形もなく砕け散る儚さのようなものを感じる物語。
「さみだれ」という名を持つ渇望の姫君の物語でもあります。{/netabare}

●洗練しつくされているからこそ理解するのが難しいキャラ設定について
{netabare}本作攻略のための重要なポイントは姫殿下が「二重人格」であること。
ただしそれがはっきりと示されるのは3話のことであり1話ではほのめかす程度
の描写しかありません。
そのため1話の時点で姫の二重人格性については見抜ける人は皆無であり
1話の終盤、クライマックスシーンにおける原作者の意図するところが
読みにくくなっている点に注意が必要です。

姫殿下の性格分析は難しいのでまずは比較的簡単な主人公の方から始めましょう。
主人公はムッツリ・根暗・貧弱・眼鏡の大学生ですが
将来の夢もなく無気力に平凡に地味に生きてるだけ
はっきり言って人間的魅力が皆無に近い人物です。
今は亡き父親が警察官だったこともあってか案外真面目で頑固な一面もあるようで
そういう意味では生真面目な騎士クレザント卿とどこか似てるところがあるのかもしれません。

父の不幸な死をきっかけに家族は崩壊
悲劇的出来事にショックを受けた祖父は「人間不信」になり
孫である主人公に対して鉄血の「鎖の掟」を課すのでありました。
「敵を作るな!腹を刺される。味方を作るな!背中を刺される。」という鎖の掟
それを破ろうものなら鎖で体を拘束され物置に三日三晩閉じ込めるという体罰を加えられるのですが
その恐怖体験がトラウマとなり主人公の人格と行動原理に大きな影響を及ぼし
ある種のマインドコントロールのように主人公の精神に作用し、
結果「鎖の掟」は主人公を完全支配するするのでした。

第1話でクレザント卿が主人公に対し騎士になるよう何度も促すのに対し
完全拒否の姿勢を頑なにまでに貫いたのには、主人公が無気力人間だったということもありますが
一番の理由は「鎖の掟」の縛りと「人間不信」があったからというのが事の真相であります。
そういうわけで人を信じない、仲間を作らないという生き方を貫いてきた主人公を騎士に
引き入れるのは主人公の性格上、基本的には不可能のように見えますが、その不可能を
可能に変えたのが精霊アニマを宿した姫殿下の実力ということになります。

本作のヒロインさみだれ姫の性格は明るく優しく元気で活発、陽気で健気で可愛く強い、
一撃粉砕!豪快姉ちゃんです。
非の打ちどころがないくらいの完璧キャラでまさに漫画みたいな話ですが、
要するに主人公が理想とするタイプなのでしょう。

「朝日と夕日」「雨(宮)と五月雨」というキャラの名前には
対比構造が仕込まれているようにも思えます。
豪傑の姫君は主人公がないものをすべてもっているような人物で
本作主題歌「暁光」の2番の歌詞にある「与えられた人」とはまさに「さみだれ姫」のことであり
それに対して主人公は「奪われた人」に当たるのだと言えましょう。

昇る朝日に沈む夕日、両者には対照的な面もある一方で相通じる側面もある
という意味では相性がとてもいい凸凹コンビで、運命的片割れの結実であり
出会って結ばれることについては、
設定上は必然と考えられますがそれが具体的にはどのように展開されるかについては、
問題の屋上のシーンにて確認してまいりましょう。{/netabare}

●豪傑の姫君の投機敢行、その目的は?
{netabare}1話終盤のクライマックスシーンにて豪傑姫は主人公の学校に突然現れ、屋上に彼を呼び出しますが
それは何のためでしょうか?

もしかしたら視聴者の多くはその理由をミスリードしてる可能性があり得ます。
屋上に着いて言われるままに見上げた空に浮かぶのは、あると言われねば見ることも叶わぬという
問題の「ビスケットハンマー」ですが、その姿はあたかも謎の「ヴェール」に包まれているかの如く
輪郭はボヤけているようにも見え、あるいは朧げな影だけが映し出されているような状態でした。

そのあまりに巨大な姿を見て取り乱す主人公、一方で視聴者もその突然のインパクトある展開に
ハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けたのでないでしょうか?
「ビスケットハンマー!?」「なんじゃそりゃ??」と…
その結果何が起きたかと言うと、展開を見失い状況がわからなくなったのではないかということです。

豪傑の姫が主人公を屋上に呼び出した真の理由はビスケットハンマーを見せることが最終目的ではなく
より重要なのは主人公を口説き落として自分の配下に加えることです。
学校の屋上というシチュエーションでまず思い浮かぶのは何でしょうか?

そうです「告白タイム」です。そして屋上でなければならない理由のもう一つは
例の「決死のダイビング」を敢行するためであります。
ハンマー見せるだけなら別に学校の屋上に限らず見晴らしのいい河原でも山でも
どこでもよかったという話になります。
屋上のシーンにおける「ビスケットハンマー」が「ヴェール」(=目隠し)として機能していたため
多くの人たちは展開を見失い話についていけなくなってしまったのだと推測します。

そもそも屋上に上がるためには階段を使用するのは当たり前の話ですが、階段から屋上に上がった瞬間にその流れをぶった切るかの如くビスケットハンマーのシーンが強引にねじ込まれます。
それにより少し前の階段のシーンのいきさつが全部記憶から
吹っ飛んでしまったという可能性が考えられます。

屋上に上がる前の階段のシーンでは姫殿下と主人公とクレザント卿の三人で
重要な会話のやりとりがあります。
その会話シーンに言及するにあたってまず、本作の主題歌「暁光」の歌詞をもとに
主人公の考えを分析してみるとその後の展開が読みやすくなるのでここに引用します。

「好きなもの嫌いなもの いつか変わってしまうけど」

主人公にとって「好きなもの」とは、要するに豪傑姫殿下のことですが
貧弱主人公にはない圧倒的強さや決断力、実行力、カリスマ性などを持ち合わせ
泥人形のファーストアタックでは命を救ってくれた恩もあるので告白タイム前に
既に姫殿下に惹かれていたのは容易に想像できます。
好きと嫌いは裏腹の関係性があり、嫌いの反対は好きであると考えることもできます。

そして例の階段のシーンでは、主人公の嫌いなタイプについてが明らかにされているのです。
そのあたりの会話を引用します。

姫 「大丈夫やって。信じとる。」
夕日「信じる信じないを気安く口に出すやつは嫌いだ。」
姫 「知ってんで。」

主人公が嫌いなタイプとは口先だけで説得力がまるでないような人間。
具体的に言うと警察官でありながら父を欺き裏切った父の同僚みたいなタイプの人間
ではないかと予想できます。
人間不信により他人を、他人の言葉を容易に信じない主人公の人間性については
姫殿下も十分「知っていた」ので策を弄して口説き落としに行ったというのが
屋上のシーンの趣旨ということになります。

口だけで信じてると言ったところで信じてはもらえないので決死の覚悟で屋上ダイブしたわけです。
最終的に主人公が姫殿下を救出し事なきを得たのですが、何故そんな危うい真似をしたかと言えば
姫殿下が主人公のことを信じていたからであり、「信じてる」という言葉が嘘でないことを
決死のダイブという行動でもって証明するためでありました。

眼鏡キャラの主人公はリアリストなので自分の目で見た決死のダイブの現実を否定できません。
「信じてる」ということを行動によって示されたならそれを否定することはできないのです。
これにより主人公の心は完全に豪傑姫の虜になり
「次はそっちが信じる番や」「私のものになりなさい」と畳みかけられれば
「御意」となるの当然の成り行きと言えましょう。

主君と騎士の騎士契約は結婚契約にも似ています。
この契約において一番大事なのが信頼関係です。
姫殿下は臣下のために決死のダイブを行い
臣下の主人公は姫を助けるために命がけでそれに応えた。

それにより両者の信頼関係は固く結ばれ、婚姻関係にも似た騎士契約が
(形式上)成立してしまいました。
豪傑姫の策略により主人公は意図せずして「命がけで主君を守ってしまった」のですが
その時点で「騎士の要件」を満たしてしまい、突然のことで条件反射的に姫を助けただけと言い訳したところで行動で示してしまったならば、事実上の騎士になったも同然ということになるでしょう。

問題の階段のシーンでクレザント卿が
「姫、まだ早いですぞ」「こんな腰抜け眼鏡にあれを見せるのは」
と発言してますが、「あれ」を見せるのは早いという「あれ」とは何であるかというとビスケット
ハンマーというよりも「姫の決死の覚悟」と解釈した方が意味が明確に通るように思います。

決死の覚悟示すためにダイブしても、主人公に能力を使って救う実力が「まだ」足りないなら
姫の命が危ういということになるから、時期早々という判断をしたのだと推測いたします。

しかしながら主人公の潜在能力を見抜き、彼を信じるに値すると判断した豪傑姫は
躊躇なくダイブを敢行したわけですが潜在的に魔王の人格を内に秘めた豪傑姫には
人並外れて優れた先見の明があり、主人公の性格含めすべてお見通しだったことを
表しているのだと言えましょう。{/netabare}


原作はなんだか凄いらしい!?という高評価の一方で、アニメ化されたに本作に関しては、原作ファンでさえもが酷評してるような?情況がここのレビューでさえも当然の如く見受けられますが、
当方個人の見解としましては{netabare}本作は必ずしも駄作認定するには惜し過ぎる作品であり金さえあればどうにもなるような作画技術にだけに特化した?ドラマ性についてはまるで描けてない既存の人気作品に
比べたら{/netabare}本作はマシどころか控えめに言っても佳作か?
それ以上の傑作予備軍になり得るものと確信!?いたします。

本作の特徴として抑えてほしいポイントとして、まず異能力バトルの要素はあるもののそれを最大の見せ場としていない{netabare}ということ、次にコメディパートは比較的多いようでも{/netabare}コメディ{netabare}方向に針を振り切る
のではなく、むしろ真逆の{netabare}絶望や鬱的な{/netabare}方向に針を振り切ることを意識した作りになっている点を指摘しておきましょう。
逆に言えば「かぐや様は濃くらせたい」や「酢パイ家族」のような{/netabare}純コメディ路線が好みの人には相性が悪い可能性が濃厚です。
ジャンルセレクト的な話をすると{netabare}成長{/netabare}物語ということになりますが、ミステリーの要素もそれなりに強く、同じ原作者の系統に属する「プラネット・ウィズ」同様の独特のクセがある{netabare}
だけにとどまらず、本作の方がマニアックな傾向がより強まり、{/netabare}よってクセの強い作品が苦手{netabare}だったり、ストーリーとはシンプルイズベストに限るという信条をお持ち{/netabare}の人には向かないように思われます。

また原作ファンなどからの酷評の原因として考えられることは、もしかしたら決定的な!?尺不足という問題があるのかもしれません。
{netabare}個人的には物語展開的に辻褄が合わない点は特にないですが、他の人の意見によれば、不満を抱いてる感が強いようで、その原因の一つとして尺不足感や状況説明の雑さなどがあるのだと言われればそうなのかもしれません。{/netabare}

(6話まで見て評価を全体的に上方修正)
ストーリー展開だけで評価したら今期注目度№1のリコリコに勝るとも劣らない優れた描写力、これこそが本作の最大の売りであります。
しかしながら、描写力のレベルが高いというのは諸刃の剣にもなり得、見てる側にとっては難解であるという結果にも繋がりやすく、その結果が低評価に表れているものと推測いたします。

ビバビバびろ~んと天空に聳える
あの「ピロウズ⚖ハンマー」の正体とは?
{netabare}それが何であるか?元ネタはピロウズというロックバンドの曲らしいとか言われてますが、ハンマーとは「鉄槌」とも表現でき「断罪」のシンボルという風にとらえることもできます。
(人類はなに故に断罪されねばならぬか?というのも本作に込められたテーマの一つでしょうか??)
ビスケットハンマーや魔法使いが何であるのか?それを知っているのは原作既読者等を除けば皆無なのが当然ですが、そういうミステリーの要素に興味を持てるかどうかというのも、
ハングオンか?脱落か?の分岐の行方に大いに関係するような気がいたします。{/netabare}

{netabare}(話題作のリコリコにも当然当てはまることでもあり…)作中にはちゃんと描写されているのにも関わらず視聴者には全く伝わってないことがあるというのはアニメ全般にあり得る一般現象ですが
そのように視聴者置いてけぼりで制作者サイドの自己満足的傾向に対してある種の不満や批判的な念を抱きクレームをつけたくなる心理はある意味まっとうで正しいとさえ言えるのかもしれません。{/netabare}

そういう意味では本作は不親切な作りをしているとも言えますが、{netabare}各シーンでの製作者の描写意図が読み取れるならば、これが嚙めば嚙むほど味が出るイカみたいな作風に嵌ること間違いなし!の
個人的には自信をもってごり押しできる高品質の{/netabare}優良作品になり得るものと確信いたします。

本作を攻略する上で一番重要なことは、主人公をはじめとする登場人物の性格や人間性をいかに正確に把握できるかということに尽きます{netabare}が、1話でそれができなかった人は
それ以降の展開の波には乗れずに脱落するのが運命のようです。{/netabare}

一見して無気力で根暗で何の魅力もない主人公?
視聴者ウケは初回から非常に厳しく、{netabare}こんな弱小キャラで戦闘開始とか無理ゲー糞ゲー過ぎんだろ!という懸念を抱くのはもっともなご意見でありますが、
そのような懸念を見事一撃でひっくり返した1話の予想外の展開は個人的には衝撃的でした。この逆転勝利の秘訣はキャラ設定の緻密さ絶妙さにあったと言えましょう。{/netabare}

「{netabare}騎士{/netabare}契約」になんて絶対に応じないはずの主人公があっさり姫と契約してしまうというミステリー?その謎が解けるかどうかが最大の関門でありますが、そこを見事にクリアできるなら
{netabare}6話の超劇的展開、主人公の「叫び」に心揺さぶられること間違いなし!6話のボリューム感と言いましょうか、{/netabare}濃厚な人間ドラマをここまで上手く描けた作品はなかなかお目にかかれないと
アニメアンチも太鼓判押さざるを得ないというとても皮肉なお話でございましたw


(これは図に上ったアニメアンチの露骨な蛇足に過ぎない意見ですが)
{netabare}本作は少なくとも主人公等が行動することに対しての論理的根拠?みたいなものについては最低限描写されてます。
それについて十分理解していてそれでも本作の展開を意味不明と酷評してるならまだ好みや感性の違いということで理解もできますが、必要最小限度の描写を無視して意味が分からんいうのは…
読解力の無さ?なのか…何が描写されたるかありのまま読めないパーソナリティの偏狭心さ?故なのか…何故そこまで歪んだ心を持ってるのか?今ではアニメアンチになった当方には理解不能な話です…

もちろん読解力は大事ですが、それより大事なのは人間的感性です。
異世界転生ものという糞アニメの乱発=腐りきった世界の流行劇に毒されてここのアニメファンの目や感性は腐り果ててしまったのでしょうか?
だとしたらアニメアンチの憂鬱はこの先未来永劫続くかもしれません…{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

70.8 22 仲間で騎士なアニメランキング22位
シャングリラ・フロンティア(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (231)
738人が棚に入れました
「クソゲー以外をプレイするなんて、いつ以来だろうな」 ディスプレイを使用するゲームが、レトロゲームに分類されるようになった、少しだけ未来の世界。 この世界では、最新のVR技術に内容が追いついていない、いわゆる“クソゲー”と呼ばれる作品が大量にリリースされていた。 そんな数多のクソゲーをクリアすることに情熱を捧げてきた1人の“クソゲーハンター”陽務楽郎。 彼が次に挑んだのはクソゲーの対極、総プレイヤー数3000万人の“神ゲー”『シャングリラ・フロンティア』だった。 集う仲間、広がる世界。そして“宿敵”との出会いが、彼の、全てのプレイヤーの運命を変えていく!! 最強クソゲーマーによる最高のゲーム冒険譚、ここに開幕!!

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜

この作品の原作は未読です。
完走後にレビューを書こうとwikiをチラ見してビックリ…
原作は未書籍化ながら、2023年7月現在で881話まで執筆されているそうです。

普段小説を読まないので詳しいことは分かりませんが、1巻10話で換算すると、80巻分くらい発刊されていることになります。
相当なストックを有している作品、と認識して良いのでしょうか!?


数多の作品を生み出してきた小説投稿サイト「小説家になろう」にて、
2017年より連載中の硬梨菜による大人気WEB小説。

小説の書籍化を待たずしてコミカライズ化された本作は、
第47回講談社漫画賞の少年部門を受賞し、
「週刊少年マガジン」の読者アンケートでは史上初の四冠達成!

誰もが持ちうるゲーム体験を通じ、新感覚の冒険を描く本作は、
かつての思い出に浸る大人たちと、テクノロジーの最先端で生きる若者たちに、
新たな冒険の興奮を呼び覚ましている。

1人のクソゲーハンターが、神ゲーに挑む、至高のゲーム×ファンタジー冒険譚、開幕!!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

「葬送のフリーレン」や「薬屋のひとりごと」の様な圧倒的強さを誇る連続2クールの作品が放送される中、個人的には本作品も相当頑張った作品だと思っています。

神ゲーム、クソゲームに関わらず、ゲームで遊ぶのは、それなりの金銭の出費を伴うことになります。
本作品の主人公であるサンラクは、これまで数多くのクソゲーをプレイしてきたとのこと…

そのクソゲーにいくら突っ込んだのかは分かりませんが、相当のお金持ちじゃなければそんな潤沢なプレイは出来ないと思います。
これは自分にも思い当たる節が…

最近ハマっているソシャゲのイベントで、ガチャを回すために気が付いたら結構な金額を課金していたんですよね。
カードの明細見て明らかに遊びの域を超えていたのにビックリ( ノД`)シクシク…
相当自分を戒める必要があると思っていたというのに…

まぁ、金銭の出費という下世話な現実は置いといて、サンラクはクソゲーをやり込んでプレイヤースキルを高めてきました。
この作品における「クソゲー」の定義は、どうやらバグがあることの様です。
バグがあるということは、未完成品なのでは…とツッコミたくなりますけれど…
個人的なクソゲーの定義って面白さが基準だったんですけど、ゲームの世界ではどうやら違っているようです。

ですが、サンラクのゲームスタイルは格好良いの一言…
ぺらっぺらの防御でスピードや力に全振りしているのですから。
このゲームの世界では防御は自身の能力で唯一補うことのできるステータスですから、自身を鍛えるのは理にかなっているんですよね。

また、サンラクはなまじゲームをやり込んでいるので、他のプレイヤーと同じルートを辿らないのも彼の魅力の一つだと思います。
まぁ、傍からみたら滅茶苦茶なんでしょうけれど、視聴する側のワクワク感は間違いなく跳ね上がりましたから。

加えて、日笠さん演じるアーサー・ペンシルゴンと、小市さん演じるオイカッツォと3人でユニークモンスターに挑んでいく構成も鳥肌が立つくらい格好良かったと思います。
サンラクは、とてもじゃないけど人間技とは思えない様な動きをしていましたが、人間の反射の限界を超えている様にしか見えませんでした^^;

後は、サイガゼロの想いが届くことを願ってやみませんが、そちらは未だ相当時間かかりそうですね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、FZMZさんによる「BROKEN GAMES」と、FZMZ feat. icyさんによる「Danger Danger」
エンディングテーマは、CHiCOさんによる「エース」と、ReoNaさんによる「ガジュマル 〜Heaven in the Rain〜」
ReoNaさんの楽曲が大好きで通勤中に聴いていました。

2クール全25話の物語でした。
本作品は既に続編の放送が決定しており、2024年10月から2nd seasonが放送されるそうです。
今度も2クールだったら全4クールもの大作になります。
きっとこれまで以上に見どころが満載なんでしょうね。
2nd seasonの放送が楽しみで仕方ありません。
しっかり堪能させて頂きました!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 12

こま さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

エムルカワイイ!!

2024年1月時点で累計発行部数は650万部を突破している。
マンガアプリで最新話近くまで読んでます。

マンガそのままのアニメ化は嬉しいけども…これならナレーションはいらない。
なんでキャラネームをコレにしたのか?とかいらんです。
なんとなく察しはつくし、何ならマンガを読めばいい。
アニメだと分かりづらい部分の説明なら良いんだけど、ほぼ変なとこで入るので正直邪魔。

タイトルはシャングリラフロンティア、主人公の部屋の棚に2度とやらない以外にも…。
SAOと同じくフルダイブ型のゲームが現実で出来たらが詰まってます。
ゲームを本気で作ったら鬼◯ゲーになりました!が分かりやすいかなぁ。
あっちと違ってそれ系が無いのも見やすいかなと。

そしてヒロインらしき人物も出て来たけど分かりやすくス◯ーカー。
果たしてこの子は本当にヒロインなのか!?

個人的オススメ作品の1つです。


「もうどっちがモンスターか分からないですわ!」
「褒めてんのそれ…。」
「うん?」
「今後の計画を発表するぞ!」
「わー!パチパチパチパチ!」
「雑魚は全無視!」
「へっ?」
「狙うはエリアボス一択!以上!」
「計画言うわりに雑でしたわ…。」「おーっ!」
「沼地みたいに足が重くなりましたわ…。」
鉛筆王国!爆誕w

可愛いは正義!!
やっぱり声付くと良いなw相変わらず声優さんて凄いねホントw
ちなみにコレは人同士の会話では無いです!

最終話は最初声聞いた時はビックリしたけど、マンガ読んでる身としてはコレはアリw
アニメ勢は見た目と声の違和感凄まじいだろうけどw
個人的にはアレはいい終わり方だねw

終わり。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

わさびっくり さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

純粋なゲームプレイをする物語

昨今の異世界や超能力に目覚めた主人公が無双したりデスゲームが始まったりするのではなく、一人の少年が世界一の神ゲーである「シャングリラ・フロンティア」をプレイする物語です。

当方は原作も最新話まで読んでいるので、この「シャングリラ・フロンティア」というゲームの設定の膨大さを知っています。正直アニメの尺的にちょっと規模が小さく見えてしまうのが残念なところですが、ストーリー進行に間違いはないので仕方ないですね。

2期も大体どの辺まで行くのか予想できますが、これで終わるのも勿体無いと思える作品です。(むしろこの先が面白いのに・・・)

まだ2期もやってませんが最低でも5期+アニメ映画まで観たいですね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 0

66.7 23 仲間で騎士なアニメランキング23位
ラディアン 第2シリーズ(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (52)
260人が棚に入れました
カッコいい大魔法使いになることを目指す少年・セト。空からやってくる怪物・ネメシスを倒すため、毎日魔法の特訓に励むが、うまくいかずトラブル続き。村人たちに迷惑をかけ、育ての親・アルマからも叱られてしまう。そんなとき、超巨大ネメシスが村を襲う! 世界を救うためネメシスの根絶を決意したセトは、ネメシスの巣があるという伝説の地“ラディアン”を探す旅に出る。新たな仲間との出会いや、強敵との戦い、待ち受ける困難に立ち向かうセトの冒険が今、始まる!

声優・キャラクター
花守ゆみり、悠木碧、大畑伸太郎、渕上舞、遊佐浩二、子安武人、朴璐美、小市眞琴、ゆかな、石谷春貴、熊谷健太郎、白熊寛嗣、青山穣、木下浩之、千葉繁、根谷美智子、利根健太朗、小原好美、山崎たくみ、吉野裕行、東山奈央、稲田徹、三宅健太、緒方賢一、佐倉綾音、早見沙織、黒沢ともよ、木村良平、小野賢章、井上喜久子、島田敏、速水奨

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

第3期に期待して・・・!

原作未読。第1期は視聴済み。最終話まで視聴。

第1期はとても面白かった。
第2期は薄味な印象。

テンポの悪さがとても目に付く。
あえて近道をせずに、わざと遠回りをしている感じ。

反面、終盤は一気に加速して、とても面白い。
まっすぐな正義VS歪んだ正義。
どちらも正義だからややこしい(笑)。

更に仲間を増やしたセト一行。
第3期を楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

面白かったけどまだまだ先は長そう

2019年秋アニメ。第2シリーズです。全21話(第1シーズンと合わせて42話)。

【あらすじ】
魔法使いとして幼少時に差別された経験を持つセトは、人間と魔法使いが一緒に暮らせる世界を作りたいと願い、「ラディアン」と呼ばれるネメシスの巣を探す旅に。1期ラストではランブル・タウンでの騒動は収まったものの、正体不明の自分の力が暴走したことを憂いて、セトは友人メリを残してアルテミス学園を去ります。
2期1話にて、魔法騎士の本拠地「カスラーン・マーリン」に「スペクトル・ネメシス」と呼ばれる今までと違うネメシスが現れました。


【第1話感想】
{netabare}
まず新しいOPEDがかなり好みでした。4クールアニメの後期OP・EDっぽくて良い。
あまりJPOPは聞かないのでHaloat四畳半さんは初見(?)だけど「ナラク」良い曲だと思ったし、映像もとても良かったです。
EDはNakamuraEmiさんの「ちっとも知らなかった」。うっわ嬉しい…!ちょっと切ないメロディ、しかも歌詞少な目なのが余計にしんみりさせる。どんなタイプの曲も作っちゃうなあ…。映像も凝っていて、爽やかだけど少し寂しげでとても合ってる。

これまでのお話!みたいなパートを入れることもなく、普通に22話目のように始まりましたね…。
半年も期間が開いているので少し不親切では?と思ったらyoutubeで「1分でまるわかり」というのを公式がやってた。そっちを見てね!ということかあ…。総集編とかもなんのかんのと楽しむ自分はちょっと寂しいです。

セトが沈んだ様子なのがなんか悲しいというか、元気出してよぉ!って思ってしまう…。
アルマは相変わらず偉大な師匠で母。セトには試練が多くて独り立ちはまだ先でしょうか。
ドグラノフ隊長今度はどんな貧乏クジ引…もといどんな奮闘ぶりを見せてくれるのか、楽しみにしてるw

それにしても、何だか無性に明るいメリが見たい…。
私がこの作品に求めてるのは癒しなのかも知れない。

1期の時には不安要素も少しあったし、続きを凄く楽しみにしてたつもりは無かったんですよ。でも雰囲気やキャラクターはもうわかっているので、2期には不安要素はほぼ無く、それが気持ち的にとてもありがたい。もう少し展開がハイテンポでも良い気はしますが。
なので物語がきちんと進めばのんびり楽しめるかなと思ってます。{/netabare}
(2019.10.3)


【視聴終了感想】
相変わらずエンドカードが凝っていて楽しかったです。
OP、EDがたまに変わったり、凝った挿入歌もあったり。
それぞれのキャラクターも深まりましたし、守るべき人や国が描かれたのがとても良かったと思います。

1期に比べてストーリーの連続性が高くなり、4クールアニメの後半という感じで良かったけど、やっぱり展開はゆっくりめ。まだ色んな謎が残っていますね(というか、謎が増えたw)。
私は謎が明かされることよりドラマ性がきちんとしていれば良い人間なので十分楽しみましたが、これは3期以降がないと勿体ないなあ。多分原作のストックも溜まっていないでしょうし、3期があるとしたら大分先になるかも。
{netabare}

今作は人間ドラマに見所が多く、セトとメリの関係は特に良かったです。
メリ、オコホ、アルマ、ジル、クイーン・ブーディカと、やっぱり女性が強い作品。
クイーンを怪しませるミスリード演出として、オコホに同じ女性としての忠告シーンを入れているのも良い。クイーンからすればオコホを評価しているからこそだけど、視聴者からすると怪しく見えるようになっていましたね。

呪いや差別が人間の意識の問題という描写になっているのがとても良いと思います。
呪いを宿す住人が多いカスラーン・マーリンの中でも結局差別があるのは変わらないんですよね。外見的に目立つ呪いを持っていると魔法騎士になれないというのが、すごく差別的。男社会でオコホがなかなか認められないのもそう。

ラディアンの発見は原因を特定したり理解を深めることにはなると思うけど、ネメシスが悪ではない可能性を1期で提示した以上、ラディアンもネメシスも諸悪の根源みたいなものでは多分ない。
今後のラディアンの扱いによっても、差別や拒絶を超えての共存が描かれたら良いですね。

17話でセトはドラグノフに「それはお前自身が考えて本当に正しいと思ったことなんだな」と問いかけています。以前アルマに「自分の頭で考えて正しいと思ったことをしな」と言われたから、セトは愚直に考え続けてきました。それに加えて、人間の社会だけではなく妖精たちの世界も知ったことがセトの視野を広くした。
1期では世界を俯瞰して見ていたドグラノフが、冒険を通して視野を広げてきたセトに、自身の視野の狭窄を指摘されるのは良かったです。

毎週楽しかったんですけど、個人的には現在のオコホ・モルドレッド・サグラモールのエピソードが序盤に一つ欲しかったかな。それがあれば後半の3人のドラマもさらに良くなったと思うので。
でも子ども時代の3人は描かれていて、可愛くて好きでした。

1期で「ネメシスは必ずしも凶暴なものばかりじゃない」という問題があったけれど、それは次回作以降かな。セトの暴走の制御・解決の物語が先ということでしょうね。
今期の内容は物語の起承転結の「承」の部分だった感じです。
{/netabare}


【気になることメモ】
先が長そうなので、思い出しやすいようにちょっとだけメモ。
{netabare}
グリムは世界から距離を置いている、という発言。グリムの正体。
「アヌマテック」と呼ばれるもの、書庫の大魔法使いの記憶の石のコレクション。その中の「マゴジア」という女魔法使いの記憶の石がグリムの手に渡る。「記憶の石」は持ち主の魔法使いの経験を記録する。
ピオドン、ディアバルはじめセトの兄弟たちのこと。セトの暴走は侵入してくる闇のせいで、感染者の呪いではなく人為的なもの。魔法使いを産める魔法使いである可能性。ディアバルはセトの迎えが間に合わず姿を消してしまった。ピオドンは結局ディアバルをどうしたのか?兄弟たちに侵入してくる闇は何か?
{/netabare}
(2020.3.5)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

その手が導くのは破壊か、創造か

言わずもがなですが、本作はラディアンの続演に相当します、
物語の内容に繋がりがあるので、前作未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

岸誠二さんが監督で、主人公のセトを演じるのがゆみりんという、私にとって凡そ最強と思われる組み合わせであるこの作品…2期の放送をとても楽しみにしていました。


魔法使い少年・セトは、
怪物ネメシスを倒すため冒険の旅に出た…。

道中、魔法使い少女・メリや情報屋・ドクと仲間になり、
魔法使いの天敵・異端審問所と衝突!
激戦の末、辛くも勝利を収める。

伝説とされるネメシスの巣"ラディアン"の手がかりを握る
魔法使い騎士団の本拠地へと到着したセトだったが、
ラディアンを探していたのは昔のことだと言われてしまう。

魔法騎士志願者の少女・オコホとの出会いや、メリ・ドクとの別れ、
セトを追う異端審問官、新たな敵・商人男爵との激突など、
セトの冒険はますます盛り上がっていく!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

どうして異端審問官はセトら角の生えた少年を執拗なまでに追い回すのか…
そして魔法使いを目の敵にするのか…
恐らく物語の核心の一つに相当すると思うのですが、実はこれが未だ良く分からないのですが、異端審問官が「奇跡の人」を投入して本気で魔法使いに戦いを挑んだらどうなるか…
その顛末が痛いほど伝わってくる展開であったことだけは間違いありません。

魔法使い…今回の場合は魔法騎士団になるのですが、彼らだって指を咥えて黙って見ていた訳でも一方的にやられた訳でもありません。
シファンディールを治める、麗しき巨大な女王であるクイーン・ブーディカを先頭に、空気中のファンタジアを操り勇猛果敢な突進を何度も何度も繰り返したんです。

ですが、異端審問官のやり方は魔法使い側からの視点で見ると周到で狡猾…
まるで、魔法使いの心と身体を同時にへし折る方法を熟知しているかのような場面が待っていましたから…

この様な大惨事が起こる前、とある事情で満身創痍だったセトは自らを森の妖精だと明かしたミルに「カイルトの森」という場所で一命を救って貰っていたんです。
そこにはミルの伴侶であるジルが暮らしていて、まるで家族にように接してくれたんです。
それだけじゃありません。
ミルは魔法を生み出す源であるファンタジア使い方…特に制御の仕方をセトに指南してくれたのです。
ミルとジルが育んできた森です。
セトにとって空気が優しくてとても居心地が良い場所だったに違いありません。

異端審問官の仕打ちが目の前で武器を取る騎士団に対するモノだったら…
降りかかる火の粉は払わなければならないのは理解できます。
ですが、彼らが引き起こしたのは目を覆う様な惨状だったんです。
怒りと悲しみに我を忘れたって全然おかしくありませんでした。
もちろん、私も涙で前が見えなくなりましたよ。

ラストの展開に少し希望の光が見えたのが唯一の救いでした。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Halo at 四畳半さんの「ナラク」
エンディングテーマは、NakamuraEmiさんの「ちっとも知らなかった」

2クール全21話の物語でした。
物語は何度も急転直下しましたが、制作がNHKなので作品は安心・安定していたと思います。
原作は既刊12巻まで刊行されてるようですが、2期までで原作の10巻までが使われたようです。
せいさくがNHKなので続編はきっとあると思いますが、ストックが貯まるまで少し時間が掛かりそうですね。
ですが、しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 10

69.3 24 仲間で騎士なアニメランキング24位
最果てのパラディン 鉄錆の山の王(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (115)
396人が棚に入れました
死者の街を出てから二年が経ち、ウィルは数えで17歳になっていた。領主として「灯火の河港」を発展させ、徐々に「獣の森」には人々の営みと笑顔が戻ってきた。しかし、季節外れの花が咲き乱れ、森の異常が発覚する。この問題を解決するべく森の奥に向かったウィルたちは、森の王から不吉な予言を受ける。「鉄錆の山脈に、“黒き災いの火"が起こる。火は燃え広がり、あるいは、この地の全てを焼きつくすであろう」滅びしドワーフの都である「鉄錆山脈」に眠る災いとは…!? 新たな出会いと共に再びウィルたちの冒険が始まる!
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

こういうのが見たかったんです!!

2024/01/21 初投稿

久しぶりに視聴を終えてすぐに、感想を書きたいと思うような作品でした!

感情の爆発や
わちゃわちゃ騒いだり、笑いの要素もありません
お色気(死語?w)要素は皆無です
むしろ2期を終えても相変わらずヒロインすら不在です

まあ、地味って言えば地味なのかも^^;

作品の大半は静かな会話や思考で進んでいた印象です
でもそれがいい
言葉一つ一つに深さや重み、登場人物の信念などが感じられます
しかも、鼻につくようなことも無く
ウィルは誠実で
自分の強さを鼻に掛けるでも無く
その力をみんなのために使おうとしていきます。

終盤もちろん強敵との戦闘があり山場となるのですが、流石にそこでは叫び声とかもありますが、戦闘自体が必要最低限必要以上に引っ張ったりせず必要最小限むしろあっけない位の印象もありました。
{netabare}ただし、一度倒したかと思ったけどやはり違ったって言うのは、1期でもあった二番煎じにも感じました^^;{/netabare}


ところでこれって原作「なろう」だとか
セリフの味わい深さとかむしろ純文学のイメージに近く感じます
「なろう系と一括りに侮ることなかれ」ですね!!

しかもこれってなろうの中でもテンプレ中のテンプレ異世界転生物ですよね?(2期ではほとんど転生の設定は生きていないような気もしますが・・・)

何故これほどの作品が異世界転生ものなのか?
やはり人間誰しも人生いくつもの後悔を抱えて
「あの時ああしておけば・・・」という思いがあり
人生をやり直すという設定が心の琴線に触れるのでしょうか?
ウィルも1期では前世の自分への後悔の思いを抱いている描写が時折描かれていたような記憶があります。

ところでウィルの設定17才と言うことで、それにしては人間できすぎているよなと若干嫉妬を覚えたりするのですが・・・
転生前の人生を含めると精神年齢はかなりプラスされるのでしょうね
そういった意味で、根底では転生の設定が生きているのかも知れません。

まとめると、
全体的に地味なので好き嫌いは分かれるでしょうが

投稿 : 2024/12/28
♥ : 15
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

丁寧な世界観が心地いいハイファンタジー

[12.28見終わって]
面白かったですよ♪
異世界ファンタジーが溢れてますけど、ファンタジー風味やなんちゃってファンタジーがほとんどで、こういう真面目にファンタジー世界を描いてくれてる作品は貴重なのかなと思いました。
世界観が丁寧でしっかりしてるところは高評価でした。
エルフやドワーフの性格の違いや、精霊を使うエルフの呪文、魔法を唱えるときにちゃんと字幕が出たり・・
キャラが話す言葉も独特の言い回しが多かったりして、字幕があったらいいなと思ったり。。でも雰囲気好きです。
ドワーフの王の末裔ルウの成長物語でもありましたね。最終話ではいい表情してました。
調べてみたら原作の第3部まで今回アニメ化されて、第4部もあるみたいですけど、後日談的なショート集みたいです。
機会があれば読んでみようかな。

[初回感想]
3人の不死者(アンデッド)に育てられたウィルが成長し旅立ち、最果てのパラディンと呼ばれる英雄になるお話。
これは2期になります。

世界観や人物相関の把握・理解のためにできれば1期からの視聴をおすすめしますが、2期から見ても楽しめると思いますので、試しに2期を見て気に入ったら1期を後追いで見てもいいと思います。

原作は小説家になろうで連載され文庫化されたライトノベルになります。
実は主人公は転生したみたいで、俗にいう異世界転生ものではあるんですが、同系統の他の作品よりもファンタジーの世界観がとても丁寧に描かれていて好感が持てます。

一方、世界観にこだわった結果、独特の言い回しがあったり雰囲気が地味だったりするところがあって苦手な人もいるかもしれません。

同時期にやってる葬送のフリーレンもハイファンタジーの良作ですけど、あれも結構落ち着いた雰囲気で好きなんですが、フリーレン好きな人にはぜひこちらも見ていただければなと思ったり。

個人的には良作だと思ってるんですがあまり人気がないみたいなので紹介も兼ねて感想を書こうと思いました。

1話「聖騎士と詩人」
{netabare}ウィルの声が変わりましたね。1期から2年たって声変わりしたそうです。私的にはこっちのほうが好みかな。
ウィルと吟遊詩人のビィのちょっとした冒険いいですね。
ビィの名もなき英雄の話、彼女が吟遊詩人になったきっかけ。いい話でした。ねーのよのしゃべり方もツボりましたw{/netabare}

2話「狂える森」
{netabare}デーモンや森の王のキャラデザいいですね。
相変わらず口が悪いバグリー神殿長wでも実はいい人なんですよね。
ハーフエルフのメネル。ウィルが亡くなった後も墓を守るって話、フリーレンを思い出しました。{/netabare}

3話「最後の王」
{netabare}くろがねの山に住んでいたドワーフたち。
デーモンとドラゴンに追われ、流浪の民となったドワーフの王の末裔ルウと最果てのパラディンの出会い。
ウィルの従者になるルウの決意の言葉とドワーフの老戦士ゲルレイズの若は死んだことと思うとの渋い言葉。
ん~。こういう真面目で渋い感じのファンタジー、いいと思います。{/netabare}

4話「勇気の意味」
{netabare}この作品、渋キャラ多いかも。
ドワーフのゲルレイズさんとか、寡黙な戦士レイストフさんとか。
レイストフさんの言葉も相変わらず渋くてかっこいい。
勇気とは何かと考えているうちはその答えは分からないだろうとか・・渋い。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 17

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

地味で硬派でマジメなちゃんとしたファンタジー

一期に引き続き、マジメなファンタジーアニメ、派手さはないけど普通に面白くて、私は好きです
でもとにかく地味で無骨で硬派でマジメすぎて、イマイチ人気出ないのもわかる
主人公は仏様?ってくらいいい人すぎるし

迫力のある戦闘、驚くような展開、変わった設定、イケメンに美少女、ラブロマンス、サービスシーンそういったわかりやすい魅力は何もありません
でもそこがいいんですよ、作りこまれたハイファンタジーな世界観とキャラクター一人一人にしっかりフォーカスした丁寧な作りが好き

投稿 : 2024/12/28
♥ : 17

65.7 25 仲間で騎士なアニメランキング25位
たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (322)
1239人が棚に入れました
都会から遠く遠く離れた村で暮らす少年・ロイド。軍人になる夢を抱く彼は何を隠そう「村で一番弱い男」。そんな彼が軍人を目指すことに周囲の村人は大反対。けれどもロイドの決意は固く、王都へと旅立っていきました。しかし、彼を含む村の人々はある重大な事実を知らなかったのです。自分たちがかつて世界を救った英雄の末裔で、全員が人間離れした力を持っていること。そして「村で一番弱い」ロイドも一般的には常識外れに強いことを……。身体能力バツグン! 古代魔法も完璧! 挙句の果てには家事もおまかせ! 己の強さを勘違いした村人による無自覚最強ファンタジー、ここに開幕です!

声優・キャラクター
花守ゆみり、茅野愛衣、日岡なつみ、朝日奈丸佳、津田美波、伊藤美来、山下誠一郎、斉藤壮馬、日野聡、M・A・O

うばうば さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

個人的には割と好きだった

タイトルから「あ〜どうせああいう系だろな〜」って感じで期待はせずに見始めました。

だいたいは想像通りで、しかも主人公は自分が強いことに気づいてない鈍感系と来た
「うわ〜『俺、またなんかやっちゃいました?』系はきちぃ〜、、、」と最初は思いました

しかし、作品を見ていく事に主人公の鈍感っぷりが度を超えすぎてて気づいたら笑ってみてました。
鈍感っぷりをネタにしたコメディって言えばいいんでしょうか?

私は色んな人が勘違いしたまま話が進んでいく話に凄く弱いので、この作品は私のツボにハマっていたようです笑
人に勧めるかと聞かれると、正直別に勧めるレベルでもないかな、、というレベルではありますが。
思ってたよりは面白かったです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

見る人によって評価が大きく分かれるだろうなぁ、って作品

原作未読。最終話まで視聴。

『主人公最強系ハーレムラブコメ』
大まかにまとめるとこうなっちゃうんだろうけど、この作品はちょっと違う。

まず『主人公最強ではない』点。
主人公・ロイドはラストダンジョン前の村・コンロンでは最弱の少年(という設定)。
これでは、主人公最強とは言えない?

『ラブコメではない』点。
主人公・ロイドが純真無垢過ぎて、所謂、ラブコメとは異なる気がする。

『子供向け(?)コメディ』
子供向けだと思うと、かなり笑える作品。
私の評価は、これが一番近い気がする。
正直、かなり楽しめましたからねぇ。

出オチ感満載の本作ですが、最後までキッチリ楽しめました。
第2期こないかな?

投稿 : 2024/12/28
♥ : 20
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

真冬に楽しむ冷凍庫

第2話まで見た。
{netabare}ギャグが寒い..........寒すぎる。
まるで今年の寒波に合わせたかのような瞬間冷凍アニメ。
だがそこは神が君に与えた試練だと思って忍耐で乗り切ろう。
冷え切った空気が痛いを通り越して快感に変わってきたらしめたものだ。
その先には「選ばれた者だけが導かれる悦楽の世界」への扉が見えてくるはず。
..........ということで、☆評価は畏敬の念を込めて満点にしておこうかな。
まあ俺のような凡俗には100年早かっということでさようなら(笑{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4
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