京都アニメーションで卒業なおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの京都アニメーションで卒業な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月08日の時点で一番の京都アニメーションで卒業なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

91.3 1 京都アニメーションで卒業なアニメランキング1位
けいおん!! 2期(TVアニメ動画)

2010年春アニメ
★★★★★ 4.3 (7393)
30946人が棚に入れました
高校1年生の春に、軽音部に入学した楽器初心者の平沢唯。部長の田井中律、恥ずかしがり屋の秋山澪、おっとりした琴吹紬の3人とともに、普段の部室でのお茶を中心に、合宿、学園祭、クリスマスと楽しい日々を過ごしていた。高校2年生時には、真面目な新入部員の中野梓を迎え、軽音部2度目の学園祭を5人のバンド「放課後ティータイム」として大成功を収める。そして、唯たちは高校3年の春を迎える…。

声優・キャラクター
豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈、真田アサミ、藤東知夏、米澤円
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

友&愛♡ みんな大好き!

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原作 - かきふらい (芳文社「まんがタイムきらら」連載)
監督 - 山田尚子
シリーズ構成 - 吉田玲子
キャラクターデザイン・総作画監督 - 堀口悠紀子
楽器監修 - 高橋博行
美術監督 - 田村せいき
色彩設計 - 竹田明代
撮影監督 - 山本倫
編集 - 重村建吾
音響監督 - 鶴岡陽太
音響効果 - 神保大介
音楽 - 百石元
音楽制作 - ポニーキャニオン
アニメーション制作協力 - アニメーションDo
アニメーション制作 - 京都アニメーション
アドバイザー - 石原立也
製作協力 - ポニーキャニオン、ムービック、
京都アニメーション
製作 - 桜高軽音部、TBS
放送期間 - 2010年4月6日 - 9月28日
話数 - 全27話(本編24話+番外編3話)


(以上Wikipediaより引用)

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫


私に新たなアニメの楽しみ方を教えてくれたけいおん!
アニメのキャラは愛すべき存在である事を教えてくれた
けいおん!

律、澪、紬、唯にとっては高校生活最期の1年、
梓にとっては先輩方との最期の1年間の始りです。

どんな思い出を残してくれるのか、とってもワクワク。

一言で言えばいつもの彼女達に笑っちゃいます。
いつもの彼女達にホッとします。
そして1期より感動します。
グダグダな彼女達なのに泣けちゃいます。
もうズルいです。

楽曲もさらにパワーアップして聞き応えのある曲がいっぱい。
彼女達らしい元気のある曲、意味不明な曲、心にジンと
くるような曲、素敵な構成になっています。

京都アニメーションが贈る「けいおん‼︎」
青春の宝石の輝きをその目で見て、耳で聴いて、
心で感じて下さい。

いつ見ても、どこから見ても楽しい「けいおん‼︎」
いつもそばにいてくれる彼女達。
大好きです!♡


【mio's café】
視聴済みの方限定ですよぉ♪
今日も美味しい紅茶はいってます(*^^*)

{netabare}
唯ちゃん、いきなりの朝練。
朝起きる時間を間違えたとはいえ、やる時は練習してます。
しかも、必殺技の開発中!
…んっ?

静かな朝の音楽室。
響き渡るギターの音色。
ストロークでの「私の恋はホッチキス」のフレーズ。

いいですね。凄くいいです。

朝の空気の透明感と唯ちゃんの奏でる音の透明感。
なんだか、とっても唯ちゃんとギータの一体感を
感じさせてくれます。

桜舞い散る校舎に始業式で校歌を歌う彼女達。
なんだか、いきなり卒業を意識させる様な演出で、
あぁ、やっぱり彼女達もこの作品で卒業して
いくんだなぁって思っちゃったりもした。

なーんて、しみじみ浸ってるのもつかの間、
1期に引き続き律っちゃん座長率いる

「放課後新喜劇」 が大活躍。

1話のクラス編成のお話から2話のさわちゃん先生の
ギター買取りのお話まで萌え要素あり、笑いありの
怒涛の攻撃なんです。

特に2話「整頓!」は私にとって序盤にして最高でした。
とにかく唯、律がパワーアップしてます。
お片づけのシーンでは澪ちゃんがさりげなく髪を
ポニーテールにする仕草にちょっとドキッ。
細かい仕草なんですけれど、この辺りの山田尚子監督の
魅せ方好きです。

荷物を持ち帰った唯ちゃんに
憂ちゃんの「めっ!」ですよ♡
唯ちゃん「許してつか〜さぃ…」萌え死にしそう…♡
澪ちゃん「姉の威厳まるで無しだな…」あぁぁ…

そしてさわちゃん先生に買取り証明書を追求された後の
みんなで「食ぅ〜え!食ぅ〜え!」の大合唱。

澪、紬、梓まで…
なんですか、これ…

律「ごめんなさい~隠すつもりはなかったんじゃが
余りの金額の多さにオラ気が動転してしもうて~‼︎」
梓「心が汚いですね」
澪「昔からこうなんだ」
律「おまえらに言う資格無いだろっ‼︎」

もうなんなんでしょうか…この三文芝居。
笑いが止まりません。
でもこれこそが「けいおん!」なんです。

1期ではボケ倒しが多かったギャクも2期からは梓が
本格参戦して澪とのダブルツッコミ!
厚みが増してます。
澪ちゃんも何となく心強そう…かな?

4話では修学旅行。
2話に劣らず大好きなお話しです。
修学旅行と言えば高校最大のイベントの1つ。
でもどこに行っても律ちゃんと唯ちゃんはやる事は一緒。
ダブルボケ倒しにあずにゃんのいない澪ちゃんでは
もう太刀打ち出来ませんね。

新幹線の中でも金閣寺でも嵐山でもいつものけいおん部。

修学旅行の夜。
枕投げのシーンは凄くむぎちゃんの気持ちがわかります。
やってみたいですよねー。
枕を確認するムギちゃん、かわいい♡

正確無比なムギちゃんの枕が唯ちゃんの延髄を直撃!
「ボフッ!」スローで倒れる唯ちゃん。
ここかわいい…♡
からの澪ちゃんの顔面直撃!
「むぎゅっ‼︎」
もう、何とも言えません。

そして寝静まった頃の
律ちゃん「リコ…ピーン…」

あのクスクスとなる感覚、何しても楽しい修学旅行の夜。
凄くわかるなぁ。
ムギちゃん笑い過ぎて「ぶた鼻」!
もうダメです…

笑いがツボに入りすぎて咳き込む唯ちゃん。

この辺りの空気感を伝える細かい描写が本当に女性ならで
は素敵で楽しいと演出だと思います。

この後は夏フェスや夏期講習、マラソン大会、U&I誕生
秘話?などなどもう書き出せばキリがないくらいの楽しい
お話やちょっと胸にジーンとくるようなお話の連続です。

特に17話「部室がない!」では終盤の風邪を引いて寝込ん
でしまった憂と唯のやりとりが心に響きました。

「U&I 」
イントロから素敵な曲です。
You & I、う&い(憂)、色んな解釈が出来ますけれど
共通するのは憂ちゃんへの感謝の気持ちを綴った曲
という事。
本当に心に響く曲です。

私はレビューのタイトルで敢えて
「友&愛」という言葉を使わさせて頂きました。

何話をみても笑える、どこから見ても楽しめる!

これこそ、けいおん‼︎なんですね。

でも、そんな彼女達にも確実に卒業の2文字は
近づいて来てます。

最後の桜高祭。

涙無くしては観れませんでした…

今まで何かとトラブルやアクシデント続きだった桜高祭。
初めてまともに出来たライブだったかも。
唯ちゃんの尻もちはあったけど。

さわちゃん先生とクラスメートからサプライズな
プレゼント。
嬉しいですよね。
そして唯ちゃんのMCにジーンと…

おっと、本番のライブはここから!

新曲「ごはんはおかず」から始まっての最後は
神曲「U & I」。
パワフルな演奏と唯ちゃんのグダグダなMC。
ここぞのカメラワークも流石!
でも私的にちょっとだけ不満があるとすればライブシーン
が短いという事かな。

最後のライブもっと見たかったです。

そしてライブの後、夕日の射し込む音楽室。

今日のライブの感想を言い合う5人。
これからの活動予定、来年の活動予定。
自分達はいない軽音部の活動予定を語る
律、澪、紬、唯…そして梓。

5つ並んだカバンのキーホルダー…

「け」「い」「お」「ん」「ぶ」

多くの言葉は要りません。
手を繋いだまま寝ている5人に友情と絆と優しさを感じた
とても素敵なシーンでした。

この後はいよいよ卒業に向けてスピードアップ。
卒業アルバムの撮影や大学受験。
アルバムの撮影では唯ちゃんに笑わせて貰いました。
もう彼女、天才ですね。
今更なんですが…

大学受験ではサクラ咲くのメールを貰った梓の
嬉しさを堪えてる表情がたまりませんでした。

卒業式の前日は大掃除を終えた音楽室でのレコーディング。
放課後ティータイム最初のアルバムの完成です。
そういつものピンクのカセットテープ。
けいおん!のシンボルです。

そして卒業式当日、最後まで本当に笑わせてくれます。
最後まで「放課後新喜劇」です。

最終話は序盤から梓の切ない心の動きがとても表現
されていたと思います。
そして、さわちゃん先生からクラス生徒みんなへの言葉。
黒板に書かれた生徒からさわちゃん先生へのメッセージ。

「消せないじゃない…」

この辺りから涙が止まりません…

いつものゆったりした時間が流れる音楽室。
先輩方にそれぞれ読んで下さいとお手紙を渡して
席を離れる梓。

カバンを置こうとした時、自分と先輩方のカバンの間を
遮る様に置かれていた卒業証書。
今まで堪えていた感情が一気に溢れ出しました…

「卒業しないで下さい…卒業しないでよ…」

見ているこっちまで梓が愛おしくて愛おしくて。
もうダメです。私の涙腺が決壊しました。

ここで梓に桜の押し花を渡す唯ちゃん。
「花びら5枚…私達みたいだね!」
唯ちゃんらしい言葉。

もう、梓に対してこれ以上はない言葉だったと思います。

山田尚子監督、吉田玲子さんブラボー!

最後は梓に贈る曲の演奏。

「天使にふれたよ」

梓の涙で潤んだ横顔…とても言葉にならないくらいです。
素敵と言って良いのかわからないけれど、素敵な作画です。
キャラデ・総作監堀口さん最高のお仕事です。
もう私の涙腺も修復不能でした。

最後はさわちゃん先生、和ちゃんを交えての
「ふわふわ時間」でのエンディング。
やっぱり、この子達にはこの曲ですね。

何気ない日常の中でも確実に育まれる友情と絆。
もう、ありがとうという言葉しか見つかりません。

OP・EDの曲も一段とパワーアップしてます。
OPの「GO! GO! MANIAC」「Utauyo!!MIRACLE」
EDの「Listen!! 」「No,Thank You! 」

映し出されるアニメーションを含めもう凄いとしか
言いようがありません。
オリコン1,2位独占は伊達ではありません。

劇中の挿入歌、BGMも1期に引き続き素晴らしいです。

そして最後に最強モブキャラ軍団。
特に3年2組。
1人ひとり紹介すると大変な事になるので、2期で私が
1番気になったのは「若王子いちごちゃん」です。

ツインドリルにロングスカートのあの子です。
無口でシュールな感じ、しかも「バトン部」に所属。
私としては「たまこまーけっと」に移籍して、
かんなちゃんとコンビを組んで欲しいくらいでした。

私に新しいアニメの楽しみ方を教えてくれたけいおん!
日常のささやかな笑いや喜び、色々な魅力が詰められた
「宝石箱」です。
本当にありがとう。

みんな、大好き!
これからも大、大、大好きだよ!♡


【主な登場人物・出演者】

平沢 唯 - (CV:豊崎愛生)
秋山 澪 - (CV:日笠陽子)
田井中 律 - (CV:佐藤聡美)
琴吹 紬 - (CV:寿美菜子)
中野 梓 - (CV:竹達彩奈)
山中 さわ子 - (CV:真田アサミ)
平沢 憂 - (CV:米澤円)
真鍋 和 - (CV:藤東知夏)
鈴木 純 - (CV:永田依子)


【主題歌】

オープニングテーマ
「GO! GO! MANIAC」(第1話 - 第13話)
作詞 - 大森祥子 / 作曲・編曲 - Tom-H@ck
歌 - 放課後ティータイム
2010年4月28日発売 オリコンシングル1位。

「Utauyo!!MIRACLE」(第14話 - 第27話)
作詞 - 大森祥子 / 作曲・編曲 - Tom-H@ck
歌 - 放課後ティータイム
2010年8月4日発売 オリコンシングル3位。

エンディングテーマ
「Listen!!」(第1話 - 第13話)
作詞 - 大森祥子 / 作曲 - 前澤寛之 / 編曲 - 小森茂生
歌 - 放課後ティータイム
2010年4月28日発売 オリコンシングル2位。

「NO,Thank You!」(第14話 - 第27話)
作詞 - 大森祥子 / 作曲 - 前澤寛之 / 編曲 - 小森茂生
歌 - 放課後ティータイム
2010年8月4日発売 オリコンシングル2位。

【挿入歌】

「ぴゅあぴゅあはーと」(第7話)
作詞 - 秋山澪 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - 稲葉エミ / 作曲・編曲 - 前澤寛之)
歌 - 放課後ティータイム
2010年6月2日発売 オリコンシングル4位。

「ラヴ」(第10話)
作詞・作曲 - DEATH DEVIL
(作詞 - KANATA / 作曲・編曲 - 小森茂生)
2010年6月23日発売 オリコンシングル7位。

「ごはんはおかず/U&I」(第20話)
作詞 - 平沢唯 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - かきふらい / 作曲・編曲 - bice(ごはんはおか
ず)、前澤寛之(U&I))
2010年9月8日発売 オリコンシングル3位。

「天使にふれたよ!」(第24話)
作詞 - 平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬 / 作曲 - 琴吹紬
(作詞 - 稲葉エミ / 作曲・編曲 - 川口進)

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 104

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

けいおん!!はどのように「新しい」のか?

リアルタイムですべて視聴しました。

自分が見ているのが萌えアニメである、という感覚がとくになく、まあ毎週たのしみに、ベタにワクワクしながら見てしまいましたよ…。

一番、印象に残っているのは、憂ちゃんですかね。ああいう妹がほしいです…

あと、いきなり二期から見るとつらいと思うので一期から見ましょう。



で、その他、本作について改めて思うこといくつか散文的に書き散らしておきます。




■「けいおん!!」は、本当に新しいのだろうか?

 けいおん!!は、同時代的な新しさをもった作品だ、とされています。
 その一方で、その「新しさ」には、なんか、どーも、ほんとかなー、と思うところも個人的にはけっこうあったりするわけです。
 まー「新しい」ことには違いないのだけれども、
 わたしは、今ひとつ、現代的だの新しいだの、という話にはしっくりきていない。
 わたしの疑問は少しだけ角度が違っていて、

「なぜ、けいおん!!では、<日常描写>がこれほど、面白くなれているか?」

 それこそが、本作を観終わって改めて、しみじみと感じることの一つです。
 高い作画のクオリティ。セリフまわしのセンス。シナリオ構成の妙。裏側にそこそこに感動物語を詰めていること。万人向けでなくとも市場が成立することを前提にしていること。…とかねエトセトラエトセトラ。そういうのが全部こみこみで面白くなっているのは間違いないでしょう。
 こういった個別の説明の統合、という形で考えてしまうと、統合的には何の説明にもなっていないのだけれども…一言にまとめれば「昔のアニメではありえなかった高いクオリティ」によって、はじめて到達している境地でもあるわけで。

 で、でも、なんつーか、こういう楽しみって、わたしは何かで昔あじわったことがあるぞ…と、むむむ、と想い出そうとすると、思い出されてくるものもあるわけです。
 何かというと、

 詩とか、俳句とか。
 ああいう文化にきわめて近いものを感じる。

 なんでもいいんだけど、無難なところで芭蕉の句

 閑かさや岩にしみ入る蝉の声
 五月雨をあつめて早し最上川

 とかね。基本的には、日常の情感を捕まえるための歌。
 江戸よりも、もっとさかのぼって、平安まで行ったっていい。枕草子の有名な一文、

 春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる。
 夏は、夜。月の頃はさらなり。闇もなほ。螢の多く飛び違ひたる。

 とかね。もう、まんま、日常の情感をうたった話とかってメジャーな文化として昔からあるにはあるわけだよね。(一方で、三国志演義とか、水滸伝、南総里見八犬伝のような大河ドラマ+厨二設定ものというのも、昔から延々と存在するジャンルではあるけれども。)

■平安/江戸における日常の情感表現との差

 日常の情感を捉える、という点で、けいおんの表現というのは、確かに古典文学とかと似たようなところはある(※0)。わたしが不思議に感じるのは、なぜ、そういうものがいま現在になって、再び、優勢になってきたのか?ということだ。
 違いはおそらくいくつかある。
 第一は、日常の情感の表現を伝えるために「キャラクター」というものを介していること。唯ちゃんや、律っちゃんといったキャラクターの感情を経由することで、はじめて日常の情感が伝わるようにできている。これは、俳句や古典文学の技法とは大きくことなる。古典ってのは、基本的には、上から目線で描かれてるものが多かったり…上から、とまで言わずとも、自虐ネタとかで笑いをとりにくる古典とか、読んだことがない。
 現代の、オタコンテンツにおいては、登場人物が「ヒーロー」である必要性がなくなった。「ヒーロー」というキャラクターは日常の情感を示すのには適さないが、ヘタレキャラ大集合の話であれば、日常の情感は表現しやすい。※1


 第二に、受動的にほんわかしながら観るのか。積極的に想像力をめぐらしながら読むのか、という違いがある。
 たとえば、江戸時代の読書スタイルというのは、基本的には「音読」だったという(※2)。一ページ、一ページを味わいながら読む。それが、かつての主流の読書スタイルだった。そういった読書スタイルのなかでは、自然と文の一文字一文字に、想像力をめぐらしながら、ゆっくりと考えて読む、という感じになる。そういった、「想像力をめぐらす」という読書スタイルとセットでなければ、俳句や古文の日常描写を面白がる、ということはいささか難しい。
 俳句はいまだに、その江戸の名残を残している文化であり一句一句をまったりと長時間かけて複数人で批評しあったり、その句の風景を考え合う「句会」というものが未だに続いている。(NHKとかでも、たまにそういう番組やっているので、たまに見ると面白かったりする。)
 そういう、脳内補完をいろいろと通すことで、やっとどうにか楽しめるカナー、という感じだった日常表現。そういうものが、京アニの高クオリティさによって、「脳内補完能力」を上回る体験を提示してくれた…ということなのだろうか??
 ここらへんは、なんか今ひとつ、わたしも議論がパッとしないんだけど。どうなんだろう。誰か私に納得可能な形で論じてくれる人キボンヌ。


 ついでに。
 海外の古典詩なんかも含めて比較文学史みたいな視点で語れると、たぶん、これは面白いのでしょう。
 わたしのぼんやり認識だと、英詩とかの世界は、15世紀ルネッサンス以後において、ようやく自然詩みたいなジャンルとか出てきてるといった認識で、これも、ルネッサンス以前の時代=すなわち「神話」によって物語が彩られていた時代から、「人間」の時代への転換ということによって生み出されているので、ここらへんの、コンテンツの文化史みたいなところは、世界史レベルで繰り返してるんだよなー、とかなんかしみじみと感じる次第。

 

■メッセージレベルでの思想性なんてないと思うけど。

 あと、この作品に、思想性を読み込もうとする知人がけっこういるのだけど、そういう話を聞くと思うことが二つあって
 第一に、この作品に物語のメッセージレベルでの思想性とか、同時代的な問題系なんて、わたしはさっぱり感じないよ、ということ。そこをむりくり思想絡めて語るのは、なかなかムリヤリ感の高い文章に出会うことが多いな、と思っています。少なくとも、私が説得的に読める話は今現在、一つも出会っていません。今後も出会えない気がしています。
 第二に、物語構造やメディアのレベルではもちろん、批評性は読み込めると思います。先述の通り。これほど、確信犯的な作品はないわけで。
 一番、オーソドックな議論としては「大きな事件が何も起こらない。しかし楽しまれてしまう」という、いわゆる「日常系」描写の最先端とかっていう話は、すでに記述した話の前提レベルとして意識していた話ですが、一応言及しときます(※3)

※0 こういうことを言うと、「古典とおんなじ!だからすごい」とか、お茶目なことをおっしゃる人だと思われがちなのですが、わたし、そういう論理展開とか、ほんとに脳みそクサッ…いや失敬。
 そういう論理展開をなさる方の問題の一つは、無前提に「古典の権威をおれは信じてるぜ!」ということを他人に強要しているわけで、あまりにも素朴な教養主義者 かつ、権威主義者であると言わざる得ないと思っております。もう一つの問題は、「同じである」って、言っても【A】真似するのが困難なものを真似しているということと、【B】誰でも真似できるスタイルの選択がたまたま同じ、っていうことを区別してないものの言い方なので、そこは区別しようよっていう。

※1 もちろん、純文学系だと、ヘタレ主人公は、多いんだけれども、日常の情感表現にwktk系よりも、鬱な人格の人が多いんだよな…純文学って…。まあ、私が無知なだけで、枕草子的なパッパラーな純文学もあるのかもしれないけど。

※2 前田愛『近代読者の成立』ほか。江戸の読書スタイルではなく、海外の読書スタイルの変遷史については、シャルチエの研究とかがあるけど、翻訳があまりに読みにくいので、まだ読めてないので、誰か教えてくれ。


※3 この議論枠組は、伊藤剛『テヅカ・イズ・デッド』2005にが火つけ役になった話、だという認識でおります。2012年現在においては、すでに手垢のついた議論でもあります。
 繰り返すけど、手塚漫画に対する批評の問題と、1990年代以後のマンガ・アニメリアリティのなかでの批評の問題はそもそも、ぜんぜん異質の話なんですよ、ということをわかりやすく提示した本です。
 この本は、二つの点で大きな需要がある議論をしていて、第一に主に年取ってもオタクをやってる人たちにとってはとても重要。メッセージレベルでは、子供だましの話しかしていない話を、どうして自分は楽しめているのか?これに付き合う価値は何なのか?という弁明をするための議論枠組みを提供していること。(これは伊藤剛に限らず、東浩紀、宮台真司など90年代以後の目立った批評家の多くがやっていることでもあります)
 第二に、「手塚マンガ最高」というだけの不毛な文脈を見事に批判したこと。それだけが快楽じゃねえだろっていう。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

keylove さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高の二期!神曲ぞろいの神アニメって言わせてくださいね^^

まず、ライブを観た感想などを。。。
{netabare}
この「けいおん」って、声優さんたちにとってもほとんど原点なんですよね。
今でこそ、超有名な声優さんばかりだけど、このアニメの時にブレイクしたような人ばかりで。
それで、このアニこれのメンバーにライブの情報を教えてもらって、観てみました。

いきなりオープニングから涙が溢れてきて、たまりませんでしたね。
あのキャラたちの中の人たちが、本当に歌ってるって、やっぱりすごい!
もちろん、他のアニメでもそういうライブってたくさんあるんだけど、このアニメに関しては、ライブと言う面で最もふさわしいものだと思うし、本当にみんなのキャラが歌になって生きていますよね。

そして本当に生演奏している声優さんたちはとってもイキイキしてて、それでいてちょっと恥ずかしそうでとっても可愛らしかったです。

ライブのことなんでネタばれもなにもないと思いますけど、このメンバーの数人が感極まってしまうんです、最後に。
それでまたもらい泣きしてしまって。
それを一期にも二期にも追記しておきます。
{/netabare}

以前書いたレビューはぜんぜんこの二期について書けてなくなんのこっちゃ?的な文章だったので大幅に変えさせてもらいます。


ということで、大ヒットアニメ「けいおん」の二期。

京アニの本気とか集大成とかって言われてます。

その後も京都アニメーションさんは良い作品を世に出していますけど。

この二期では、メインの五人がとっても成長した姿を見ることができます。

基本的にゆっくりした行動は変わらないんだけど、やっぱり最終話に向かって、つまり卒業に向かってみんな意識が変わっていくんですよね。

でもそれは悪いことじゃなくて、みんな仲良しのまま、旅立つ側と送る側が存在するっていう普通のこと。

そしてそれまでにはいろんなできごとがあるんです。


修学旅行があったり夏フェスがあったり、それであずにゃんが日に焼けて真っ赤になったり。

下級生三人でプールで楽しんだり、部室で憂とあずにゃんがティータイムしたり。

その後は夏祭りがあって、みんなの試験があって。

そういう楽しいことがあって、桜が舞う季節に卒業を迎える。

学園ドラマとしては王道な展開ですよね。


見どころはたくさんありますね。

なんでしょう、あ、とんちゃんが可愛い!
ってことも書いておきましょうか。
なんせあずにゃんが溺愛してるんだから可愛いに決まってますよね^^

そして五人のメイド服姿も見ることができますし、むぎちゃんがギター持ってちょっと練習してみるところなんかも可愛いです。

りっちゃんは、佐藤聡美さんが今よくやっている可愛い声を出して、お芝居のジュリエットを演じるところもあります。

澪は相変わらず照れてるところが可愛いし、歌は素晴らしいし。

そして唯。

それを書こうと思ったら、学園祭を思い出しちゃいました。

唯がMCを務めるライブは本当にハートフルで面白くて可愛らしくて。

そしてこの学園祭(20話)は本当に涙腺崩壊しました。

みんなが演奏を終わって部室でいるシーン。

涙なしでは見られないです。


その後は、この放課後ティータイムの三年生四人が卒業するにあたって、
あずにゃんに残したもの。


これで泣けないなら、けいおんを好きではないってことでしょ。

っていうぐらいに、印象的で感動的で涙腺崩壊してしまう二つのエピソードでした。


あずにゃんの気持ちになってこの曲を聴いたら、これは心を揺さぶられること間違いなしです。

その曲は「天使にふれたよ」
です。

その時のあずさの涙、忘れられないです。


このけいおんっていうアニメは、ほのぼのした日常を描いてるけど、やっぱり良い音楽がついて、声優さんたちの、これにかけた!

っていう演技があって、すべてが奇跡のように素晴らしいものになったんだと思います。

一期でゆるゆるな放課後ティータイムを確立させて、二期でさらに成長した放課後ティータイムを見せてもらって。

本当に満足しましたし、アニメをより深く好きになるきっかけをくれました。

ありがとう、って言いたい作品です。


一期のレビューで書いたのか忘れたけど、一応キャラを紹介しておきます。


5人が主人公なので、まずはその5人を。

{netabare}
平沢 唯(ひらさわ ゆい)-豊崎愛生さん
楽器経験の無い軽音部員。
自身のギターに「ギー太」と名前をつけている。
パートはリードギターとボーカル。
使用楽器はギブソンレスポールスタンダード。
cvの豊崎愛生さんは、とある科学の超電磁砲、花咲くいろは、シドニアの騎士など多数で大活躍されていますね。


秋山 澪(あきやま みお)-日笠陽子さん
唯と同学年の軽音部員で律とは幼馴染。恥ずかしがり屋。パートはベースとボーカル。
使用楽器は、フェンダージャズベース(レフティー)
cvの日笠陽子さんは、IS 〈インフィニット・ストラトス〉、彼女がフラグをおられたら、六花の勇者など多数で大活躍されていますね。


田井中 律(たいなか りつ)-佐藤聡美さん
唯と同学年の軽音部部長で澪とは幼馴染。パートはドラムス。
使用楽器はヤマハHipgigドラムセット
cvの佐藤聡美さんは、俺の妹がこんなに可愛いわけがない、魔法科高校の劣等生、ご注文はうさぎですか?など多数で大活躍されていますね。


琴吹 紬(ことぶき つむぎ)-寿美菜子さん
唯と同学年の軽音部員。パートはキーボード。
使用楽器はコルグのTRITON EXTREME 76
cvの寿美菜子さんは、ドキドキ!プリキュア、響け! ユーフォニアム、パンチラインなど多数で活躍されています。
けいおんが始まったときは19歳の最年少だったんですね。


中野 梓(なかの あずさ)-竹達彩奈さん
唯達の後輩の軽音部員。次代の軽音部部長。パートはサイドギター。
使用楽器はフェンダームスタング
cvの竹達彩奈さんは、俺の妹がこんなに可愛いわけがない、ソードアート・オンライン、この中に1人、妹がいる!など多数で大活躍されています。
{/netabare}



そして、さすがというべきか、このアニメ作品のコンセプトである音楽は素晴らしいですね!

特に好きな曲を記載しておきます。

二期のOP,EDとHTTの曲です。


オープニングは

「GO! GO! MANIAC」(第2期 第1話 - 第13話)これが一番好きです。

「Utauyo!!MIRACLE」(第2期 第14話 - 第27話)

エンディングは

「Listen!!」(第2期 第1話 - 第13話)

「NO,Thank You!」(第2期 第14話 - 第27話)


そして、HTTの曲は

ふわふわ時間(タイム)

ぴゅあぴゅあはーと

ごはんはおかず

U&I
(この曲は唯が憂のことを思って書いた曲だと言われています。)

天使にふれたよ
(これはみんながあずさに贈った曲ですね。)

個人的にはこれらが好きです。



もし観ていない人がいたら、これは絶対にオススメしますね。


音楽、キャラなどすべてを含めて、最高のアニメです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 40

89.1 2 京都アニメーションで卒業なアニメランキング2位
響け!ユーフォニアム2(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★★ 4.3 (1600)
7175人が棚に入れました
吹奏楽コンクール京都府大会を突破した北宇治高校吹奏楽部は、強豪ひしめく関西大会に向けて練習を開始する。
臨時講師の先生も迎えて、レベルアップに勤しむ久美子たち。
しかし、そこへ昨年退部した傘木希美がやって来て……!?

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、藤村鼓乃美、山岡ゆり、種﨑敦美、東山奈央、石谷春貴、津田健次郎、小堀幸、沼倉愛美、久川綾、中村悠一、桑島法子、櫻井孝宏
ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ただただ凄い作品でした

【最終話を見て
 最後まで見て を追加】

【不穏なOP】
{netabare}1期最終話の感想でも触れたあすか先輩関係。
1期、コンクール演奏前の
「終わりなんて寂しい。夏が続けばいいのに」
「終わりじゃないですよ。全国行くんですから」
「そうだったね。それが目標だったね」
だかいう会話。
そして、結果発表時の表情。
気になる1期の最終話だった。

そして、始まった2期OP。
サビまでは白黒。
白黒=想い出。
最初にドンとひまわりが描かれることで夏と分かる。
1話冒頭では、それと対象的に雪が降っていることから、OPのサビまでの白黒シーン
は夏の思い出が描かれていることが分かる。
あすか先輩が終わってほしくないと願った夏だ。
楽しそうに夏服で練習しているシーンが続く。
そのサビ前までの白黒シーンで、ラストに何が描かれているか。
ユーフォを吹くあすか先輩が振り返り、消える。
そこに現れるのは、あすか先輩の視線を受けてユーフォを吹く久美子。
そう、まるでバトンタッチだ。

そして、サビへと移りカラーとなる。
描かれるコンクールの合奏シーン。
1期OPと被せているんだが、ここに演奏するあすか先輩は描かれない。1期OPでは
サビ直後に3年生3人が真っ先に描かれていたのに、だ。
その演奏シーンもラストに描かれる久美子はたった1人で背中から。しかも影が多く
寂しそうにも見える。

そして、最後に題名出しながらカットをパンパンと挟んでくる。
その挟まれるカットの最後に描かれているもの。
それは笑顔のあすか先輩と久美子。
ユーフォという作品を考えた場合、普通にやれば最後に挟むであろうカットは久美子と
麗奈だ。
それを差し置いてでも最後に入れてきたあすか先輩と久美子というカット。

そして、OPで違和感たっぷりのカットが演奏シーンに挟まれている。
それは、姉が久美子と秀一にトロンボーンを教えるカット。
1話でことさら強調されて描いてきた姉と久美子の関係。
久美子に楽器を教えてくれた姉という存在。
楽器を吹く事を辞めた姉という存在。

あすか先輩の今後、久美子の今後がとっても不安になるOPでした。
そして、今期一番の期待作として楽しみなのです。

10/21加筆
全く検討が付かなかったのでノータッチだったんだけど、あの4人は滝先生と奥さん
+2名なのか。
それと、姉が久美子と秀一にトロンボーンを教えるカットの後は、秀一がトロンボーン
を吹いているシーンなんだよね。
あれって・・・秀一の初恋の相手はお姉ちゃんってこと?

11/19加筆
OPがカラーになって分かったこと2点。
1.冒頭の向日葵はただの向日葵ではなくイタリアンホワイト。滝先生が奥さんの墓前に
手向けたであろう花。花言葉は「あなたを想い続けます」だそうな。
2.バトンタッチっぽく見える、と書いたシーンの直前。
セピア色で描かれるユーフォを触る手。
セピア色をしていることから過去。
ピストンを押す指があすか先輩の指と重なる描き方をしているということはあのセピア色の
過去はあすか先輩の幼少期。よく見ると爪が小さく丸い。
あすか先輩は幼少期からユーフォに触れる機会があった、ということ。
「娘は私が一人で育ててきた」
「あんな楽器を続けてる事自体が私へのアテツケ」
という母親の言葉を考えると、あすか先輩は母子家庭で、なんらかの事情で離れ離れに
なった父親がユーフォをやっていた、ということなのか?{/netabare}

【1話見て 街の明かり】
{netabare}1時間の特別枠ということで、やろうとしてることの宣言はしっかりと
出来ている1話でした。

 関西大会に向けて全体的に一段上に行かないといけない
   ↓
 全体的におとなしい。パートごとに意見を言い合うくらいが良い
   ↓
 去年の大量離脱事件で意見の言い合いは避けていた
   ↓
 言い合いするにはそれの総括が必要
   ↓
 傘木希美が復帰を希望することで、否応無しに去年の問題と向き合うことに

まぁ、キレイな流れである。
そこに、希美先輩の復帰を断固拒絶するあすか先輩の真意とかが絡んでくることで、
OPで見せているあすか先輩と久美子の関係性も深化させていくのかな。

画は相変わらず綺麗。
演出は1期後半ほどガンガンに盛り込んでくるってことは無し。見ていると、
「1期ならここでカメラを揺らしてただろうなぁ」
とか
「ピントボカシしそうな場面なのになぁ」
とか少しだけ気になりながら。

お気に入りの場面は後半の入り。中学時代の鎧塚先輩達がバスに乗っているシーン。
鎧塚先輩の目にバスの窓に映った街の明かりを重ねてるところ。
涙を表現してるよね。
前半ではクールというか感情があんまりないキャラとして描いてる鎧塚先輩なんだけど、
これを入れることで、ちゃんとコンクールでの銀を悔しがるキャラだと分かる。
故に、
高校で金を取ろうと約束したはずの希美が辞めてしまったこと
その希美が復帰したいと言ってきていること
に対して様々な感情が渦巻いているのも納得。

1話最後はお祭り。
麗奈と久美子の絡みをガッツリと。
1話からこれをやってきたということは、逆にいうと、2期ではそれほどこの組み合わせ
でガッツリとしたレズレズシーンはやらないよ、という宣言なのかな。
1話でガッツリ見せたから満足だろっ!みたいに。

そして、次のプール回(web次回予告より)が楽しみなのです。{/netabare}

【2話見て あれ・・・?】
{netabare}プール回&合宿突入。
1話でタップリとレズレズ見せたし、2話もAはプールで視聴者サービスしとくかっ!
これからちょっと重たい方向に進んでいくしねっ!
という制作側のさーびすさーびすぅかと思ったら、原作もこのタイミングでプールだそうな。

さて。
なんか、演出面で「あれ・・・?」と思うところがちょこちょこと。
1つはAパートのプールでの希美先輩と久美子の会話シーン。
希美先輩の持ってるジュースから雫を垂らす。
それで涙を表現するんだけど、その前に希美先輩の涙目を画面で出しちゃってるんだよね。
例えばだけど、「氷菓」の長編第3部「クドリャフカの順番」では、
{netabare}  河内先輩が涙を流すシーンで、河内先輩の涙目は映さず、溢れた涙が
  手摺に書いたキャラの目に落ちる{/netabare}
って処理をしてるじゃん。
雫を垂らすなら涙目いらないし、涙目映すなら雫はいらない。
馬から落馬、みたいな蛇足感。
久美子の「泣き顔を見ちゃいけない」って視点移動かとも思ったけど、それならお得意の
画面揺らし処理をしてるはずだしね。
1つはBパートの鎧塚先輩と久美子の会話シーン。
コンクールの是非について会話をし、鎧塚先輩が吹奏楽を続ける理由を問われる。
中断したリズムゲームの"続ける""やめる"の選択肢を吹奏楽の"続ける""やめる"を掛けてる
んだけど、なんか、スマートさに欠ける印象。

Aパートのボカシをつかったフォーカス移動も過剰気味だし・・・
Bパートの入りの「トンネル抜けたら新天地」も手垢がついた処理だし・・・

流され系だった久美子が1期で麗奈と関わり成長した。
2期では色んな人と関わることで更なる成長をしていくのだろう。
物語として面白く、絵面も高水準なだけに、さらなる高みを目指して欲しい。{/netabare}

【3話見て 今更気づく、吹奏楽=アニメ制作】
{netabare}今更なんだけど、このユーフォのクオリティの高い理由が分かった。
吹奏楽=アニメの制作
なんだね。
ただ上手いだけでは良いものは出来ない。
個々が何を表現したいのか。
それをぶつけ合い、融合させ、指揮者がまとめ上げることで、最高のものが仕上がる。
これを作品でドーンと言っちゃったら、そりゃ低クオリティなものは作れないわ。
それこそ作画崩壊なんぞしようもんなら
「いやいや、お前らがガンバレよ・・・」
って総ツッコミのギャグアニメになるしね。

あと、今回の話を見てて、なんとなく今年のノーベル文学賞を想起した。
ご存知の通り、文学賞に歌手のボブ・ディランが選ばれた。
ニュース番組など見ていると、毎年恒例ハルキストの残念会とともに、何故ボブ・ディラン
が選ばれたのか「反戦など時代を映す鏡として云々」という説明がされていた。
その一方で、作家の一部からは
「文学に対する冒涜だ」
という声も有ったとか無かったとか。
そんなノーベル文学賞なんだけど、この選定に
「歌詞と曲で歌というものを出しているのに、勝手に片方だけ切り離して、勝手に文学だと
 騒ぐな。
 私達だけは分かってますよー、みたいなオナニーの道具にするな。」
と言えるのは、受賞したボブ・ディラン自身だけだよね、みたいな。


さて。本編。
3話で2年生ゴタゴタ編の解決が明示された。
各個それぞれがそれぞれのことを思いやってる結果として、一気に解決する手段が
無く停滞してるって感じなのかな。

 鎧塚先輩と希美先輩の和解
   ↓
 希美先輩の吹部復帰
   ↓
 鎧塚先輩がオーボエを吹く意義を見出し一皮むける
   ↓
 吹部全体の底上げ

何度か桜舞い散る中で希美先輩が鎧塚先輩の手を引くカットが挟み込まれているん
だけど、鎧塚先輩にとって希美先輩はコンクール金という目標に向けて手を引いて
くれる役割だった。
それが、いきなりバッサリ、なんの断りもなく手を引くのを止めて、吹部も辞めて。
自分にはオーボエしかない、って感じでそれを続けてはいるけど、そこに意義や
意味は見出だせず。
感情を表に出すことが苦手だから、心に鬱屈としたものを溜め込んでいってしまって、
希美先輩の顔を見るだけ、演奏を聞くだけで気持ちが悪くなるようになる。
希美先輩は希美先輩で、プールで話したように、1年から選抜メンバーに選ばれている
鎧塚先輩に対して思うところが無いわけじゃない。
ぶっちゃければ、希美先輩が辞める時に2人で大喧嘩してりゃ事は済んでいたような
気もしないでもないが、ややこしいかな、あぁ、青春。

はてさて。
これの解決には久美子では荷が重い。
2年ゴタゴタ編ではどちらかと言うと狂言回しだし。
麗奈が出てくと破談に終わる。
あすか先輩なのか、2年一同なのか、それとも・・・・{/netabare}

【4話見て "言わなかった"ではなく"言えなかった"】
{netabare}希美とみぞれの会話。
「何か嫌われることした?私、バカだから分からない」
「退部のこと話してくれなかった」
「一所懸命頑張ってたみぞれに退部の話なんか出来ないよ」

嘘である。
いや、本当のことでもあるから嘘でもないか。
優しい嘘、なのかな。
希美の本音はプールで久美子に漏らした言葉。
「オーボエが一人だけだったとはいえあの娘は最初から選抜だった」
中学の時の悔しさを晴らそうと、真面目に一所懸命頑張り、3年生に頭を下げ、
そうやってやってるのに3年が選抜メンバー。
こんな状況に自分がクサって行く中で、無条件でメンバー入りするみぞれに全く
思うところが無いはずがない。
「私はこんなに頑張ってるのに、何であの娘だけメンバー入り・・・」
ヤッカミだ。
理不尽だし、みぞれに全く非が無いことも分かってる。
それでも思わずにはいられない。
退部の話をみぞれにしなかったのではない。
出来なかったのだ。
だけど、この場でその話をしても仕方が無いし、それこそ部を混乱させることに
なる。
だから、自分を「バカだ」と貶めることで話を収めた。
優しい嘘。

最後に3年のクラスであすか先輩と久美子が会話する。
「みぞれが希美に固執するのは孤独が怖いから。優子は保険だ」
「うがった見方をしすぎですよ(怒りモード)」
「うがったかぁ」
この会話、あすか先輩はまるで一方的にみぞれを攻めているように感じる。
が、あすか先輩としては上に書いた希美の本音を分かっているから
「お互い様だよね」
と言っているだけ。

さて。
また光と影を使った演出をやってきた。
私が好きなシーン。1期の11話。愛の告白。
 悩む麗奈に影が差し、励ます久美子に光が当たる。
 光を求めて久美子に近寄る麗奈。
 励ましにより吹っ切れた麗奈に眩しいほどの光が当たる。
という、心境を光と影で表現する演出。
悩むみぞれを光に引っ張り上げていくその役目はデカリボン優子。
香織先輩関係では困ったちゃんだが、それ意外のところではしっかりと心配り
の出来る良い娘。
何のために続けてきたのか。
希美との関係のためだけじゃない。
中学の時のことを晴らそうと頑張ってきたこと。
努力が報われる嬉しさ。
これ気付かせたのは大きい。
だから、影から光へ連れ出すのは、希美ではなくて優子。

優子の涙をみぞれの頬に落とすならみぞれの涙はいらないなぁ。希美との会話
まで涙目はとっておけば良いのに、と思わないでもないが。

2年生ゴタゴタ編終了。
2期に入り、4話掛けて、
それぞれにとっての、コンクールとは何か、演奏するとは何か
をやってきた。
久美子にとってのコンクールとは、演奏するとは。
漠然とした「特別」という言葉に具体的な意味を見出していくことになるのかな。
続きがきになるのです。{/netabare}

【4話まで見て 勝手に思いを巡らせる】
俺ガイル2期でもやってた、原作未読故の楽しみ方。
{netabare}みぞれ
4話での、人が怖い、ボッチだ、との独白シーンで、希美が先生と思われる
人と話をしている。
その後、希美がみぞれに初めて話しかけるシーンになる。
これは
「あの子、誰とも話さず浮いちゃってるから気にかけてくれない?」
「えぇ、いいですよ」
という先生と希美の会話がなされている明示。
そんなきっかけだとはみぞれは知らない。
みぞれは吹部に引き入れられオーボエ奏者として才能を開花する。
オーボエという自分の知らなかった才能に気づくきっかけをくれた希美に固執
することとなり、演奏は希美との繋がりのためになっていく。
その実、1話でのバスシーンの演出のように、感情を表に出すのが苦手なだけ
で、コンクール銀を悔しがるなど、音楽に対する熱はしっかりと持っている。

希美
中学3年時は吹部の部長。上記のことを頼まれるなど、人当たりが良く、面倒
見が良く、行動力のあるリーダー気質。
だが、自分が率いた吹部は金確実と目された大会で銀止まり。彼女のリーダー
シップの限界。
これは彼女にとって大きな挫折。
高校でこの雪辱を晴らすとみぞれ及び部員たちと誓う。
だが、入った高校で3年がグズグズ。
なんとか大会で金を取ろうと奔走するが、返って反発を招き、孤立していくこと
となる。
また、実力はある(久美子に南中のフルートと聞き分けをされている)のに、年功
序列でサボっている3年がメンバー入りするシステムに納得行かず。
結果、南中の吹部だったメンバーに声をかけて大量退部事件をおこす。
この時、みぞれには声をかけず。
この声かけず事案の理由を作中では
「一人でもクサらず一所懸命やってた。そんな人に声はかけれなかった」
と言うが、一所懸命やってたのは全員一緒では?
またプールで、オーボエが吹部に一人だけだし、とも言っていたが、自分が辞める
吹部からオーボエがいなくなろうが困ろうがどうでも良いはず。
やはり、
「自分はメンバー入り出来ないのにあの娘だけ・・・」
「あの娘は悪くないのにこんなことを思ってしまう自分が・・・」
が原因で声を掛けれなかった。
だから、辞めてからずーっとみぞれと話すことが出来なかった。

打算的
みぞれの場合
なんだかんだで一人は寂しい。希美との絆は切れちゃったかもだけど、南中吹部
出身ってことで優子がカマッてくれてる。同情なんだろうけど、一人よりはマシ。
やっぱり一人は寂しい。
希美の場合
吹部に戻りたいけどあすか先輩の許しが出ない。戻っても役に立たないって言わ
れた。1年の久美子ちゃんに話をしてみたけど打開策はさなそう。
そういえば、夏希がみぞれのオーボエが調子悪いって言ってた。話しかけるの
久しぶりだけど、アドバイスでも出来たら役に立てるかな。
あすか先輩(2年時)の場合
フルートの娘が1年を引き連れて辞めるようだ。大会で銀止まりだったとはいえ、
南中のメンバーに辞められるのは吹部にとって痛いだろう。出来るか分からない
けど、一度引き止めておくか。

この辺があるから、
「案外、人って、打算的に動くものだと思う」
と久美子に話す。

あすか先輩(3年時)の場合、が難しい。
単純に、希美とみぞれを両天秤にかけただけなのか。
何らかの理由でみぞれの演奏が1年初期のように戻ることを止めたかったのか。{/netabare}

【5話見て 圧巻の7分間】
{netabare}凄いものに出会ってしまうと、感想とあらすじがゴッチャになるなぁ。
シーンに対して思うことが多くなるからしゃあないと思っておこう。

最初に苦言。
出来れば、ここまでの話のなかで、パートリーダーだけでもいいから、議論と言うか
話し合いをしているカットを入れて欲しかった。
それが必要だし大事と言ってたし。
以上。

短いAパート。
関西大会前日。
「やっぱ怖くなってきた」の時にチラ見せする横っ腹がエロい。
水着よりもコッチのほうがドキッとする。
希美、みぞれコンビの公園シーンで”火気厳禁”って・・・燃え盛るほどなのかっ!
部長、香織先輩コンビは学校に一礼。負け=引退が直結なんだろうね、3年生。
あすか先輩。1期でも出てた質素な自室で全国大会のホムペを見つめる。10/23。
その後ろにはセンターなど、大学入試関係の本。
決して裕福ではないあすか先輩は大学が公立一択。センターが控えているのに全国は
10月終わり。この辺の話+αがあすか先輩問題になるのかな?

圧巻のBパート。
立華銀。あずさの顔は映さず。
合奏前音出し。
1期でやった音が合ったからペットボトルの水が波紋を起こす、なんてシーンは無い。
既にそんなレベルは超えているから。
滝先生挨拶。「深呼吸してー笑顔でー」「ですよねー」
あすか先輩の激。
「関西で満足したくない。全国に宇治北の音を響かせたい。」
本音。上記のような問題はあるんだが、今を精一杯やりたい心。
部長の「きたうじ~ ふぁいとぉ~」。いい感じに力が抜けますな。
みぞれのソロは希美の為に宣言。
麗奈のソロは久美子の為に宣言。
香織先輩は優子に後を託す。上記の学校へ礼の流れ。
そして、演奏が始まるっ!と思ったら、プロヴァンスの風はバッサリカット。
え・・・?
と思っていたら、圧巻の7分間が始まるのだった。
三日月の舞。フルヴァージョン。
「あ?手?指?いくらでも見せてやるよ」と言わんばかりの演奏シーン。
滝先生の細かい指揮での腕、指使い。
各自が少し汗ばむことで、こちらへも伝わってくる息苦しいほどの緊張感。
周りが暗くなり、指揮の滝先生と周りの奏者と光のみに包まれ、ゾーンへと突入して
いく感覚。
麗奈のソロは久美子の為に。久美子は麗奈との想い出が心の中に蘇る。
みぞれのソロは希美の為に。それは希美に十分伝わる。
スローテンポからアップテンポへ。
久美子がてこずり、一時はあすかのソロへとされていたパート。
練習に練習を積み重ね、久美子がもぎ取ったパート。
ここで一瞬滝先生の顔が映る。
メガネの奥の瞳は見せない。
これは1期の「はい、出来ます!」の演出の被せ。嬉しい時の演出。
そこに更にプラスされるのは、口元。
軽く微笑んでる。
滝先生、ここからずーっと微笑んでる。
そりゃそうだろう。自らが指導し、率いてるメンバーがこれだけ完璧なものを演奏して
くれているのだから。
そして、カットを短く入れることで各自の思いを乗せて、クライマックスへ。
汗を滴らせて、腕を振り下げ、演奏が終わる。

予定調和だが感動のCパート
結果発表。
 16番京都府代表北宇治高等学校。ゴールド、金賞。
涙は流さない。目標はソコじゃないから。ダメ金ではダメだから。
そして、全国大会選出校発表。
 最後に、16番京都府代表北宇治高等学校。
お題目のように、ただ、なんとなく思っていた全国という言葉。
それが本気となり、それを掴みにいき、掴み取った栄光。
久美子は後ろに座っているみぞれに問う。
「コンクールはまだ嫌いですか?」
微笑むみぞれが答える
「たった今、好きになった」

もし、負けていたらどうだっただろう。
それでも、コンクールに対しての嫌な感情は減っているのでは、と思う。
演奏する楽しさ、合奏する楽しさ。
そして、負ける悔しさを本気で感じることが出来る場所だから。

演出、作画、構成。全てがお見事。
毎週放送のTVアニメでこんなに素晴らしいものを届けてくれて有難う!{/netabare}

【6話見て お大事に】
{netabare}久美子、鼻声でしたな。お大事にして下さいませ。

さて。
物理的に嵐でずぶ濡れになる、指揮者滝先生。
状況的に嵐になりそうな、文化祭でタクトを振るあすか先輩。
あめふりコンダクター。
なるほどね、なサブタイトルです。

関西大会を終え、一段落ついたところでOP前半に色がつきました。
ひまわり、そういう意味があったんですね。

文化祭はそのとおりお祭りでした。主要人物はとりあえず全員出すぜー!感。
秀一も大変そうですね。1話お祭りでの麗奈の対応を見る限り、麗奈に男を
見せないと久美子には近づけなさそうです。最強小姑。

お姉さん関係。
ここでも続ける辞める問題です。
トロンボーンを辞めて勉強し、大学に入った姉。
ユーフォを続けて、全国大会に出場することになった妹。
姉は妹に対し、妹は姉に対して、色々と思うことはありそうです。
久美子が楽器を初めたのもお姉さんの影響だしね。

滝先生。
そういう思いを持って指導してたんですね。いろんな伏線が回収されていってる
と実感できる話でした。
そういえば、指輪。
新山先生の左薬指、徹底して画面に写してなかったなぁ・・・

あすか先輩。
3年生引退のナレーション。
早練するあすか先輩と学校を訪れた女性の交互のカット。
ここからあすか先輩エピソード開始なのかな。
そして、次の話が気になるのです。{/netabare}

【7話見て 物足りない食い足りない】
{netabare}うーん・・・物足りない、食い足りない1話だった。

あすか先輩の続ける辞める問題。
典型的情緒不安定母とあすか先輩の関係性。なんで楽器を続けることが母親への
アテツケになるのか。
あすか先輩と夏希先輩のお話内容。
これから明かされていくことになるんだろうけど。

部長が部長らしいことしたなぁ、以外の話が食い足りないんだよね。
普通に話を進めるなら
 ・あすか先輩、練習に参加しなくなる
 ・全体の士気が落ちる
 ・部長が叱咤し部員の士気を上げる
 ・あすか先輩当日不参加も、部長の士気向上効果もありなんとか形になる
 ・部長、ソロパート直前に会場に見に来ているあすか先輩を発見。
  見せつけるようにソロパートを熱奏
 ・あすか先輩、一歩離れた位置から吹部を見てて
  「やっぱりあの中で吹きたい、全国で一緒に吹きたい」
  と新たな決意をする
  (台詞で言わせず、ギュっと拳を握る、とか)
みたくやって、あすか先輩という支柱を失ってもやれるという自信を部全体が
持つと同時に、あすか先輩の意志確定話にすると思うんだが・・・
全国でやる曲とは違うんだし、あすか先輩があの演奏に加わる意味があまり
見出だせない1話だったなぁ。

全体演奏も良いんだけど、あの5話を見ちゃうと・・・ねぇ・・・

デカリボン、次期部長にでもなりそうな描かれ方だなぁ。
実直で、面倒見が良く、率先して先生に疑問をぶつける。
1期での香織先輩関係での困ったちゃんっぷりが懐かしい。{/netabare}

【8話見て プリン】
{netabare}親は子の将来を思い、子は自分の現在と未来を思い。
姉ちゃん問題とあすか先輩問題を重ねて。
悪気のある話ではないから難しいですわね。

だけど、姉ちゃん問題は姉ちゃん無理筋だよね。
大学3年生で、大学今すぐ辞めて美容師になるための学校に行きたい。
何故今じゃなきゃダメなのか、を示せない時点で説得するのは無理だわ。
普通なら
 大学卒業したら美容師になるための学校に行きたい。
 4年で残りの単位と卒論やったらバイトに明け暮れる。
 お金貯めて美容師学校の頭金にする。
 だから、就活をしないことを認めて欲しい。
だよね。
妹の活躍にアテられた、って話なんだろうけど、単位とか就活とか他の問題から
逃げてるようにすら感じるよ。

しかし・・・ママさん。
抹茶じゃないやつってプリン頼まれると、ほうじ茶プリン買ってくるのか。{/netabare}

【9話見て 自分が自分であるため】
{netabare}あすか先輩の家、金持ちかっ!ミスリードに完全に引っ掛かった・・・
原作未読故の楽しみかた。

さて。
あすか先輩の諸事情が明かされた1話でした。

まずは対親。
母親を「おかしい人」だが「嫌いじゃない」というあすか先輩。
久美子のお得意の言いにくい一言ズバリ「嫌いなんですよね」に対して本音を吐露。
好き嫌いではなく枷だ、と。
その人の理想とする幸せの中に吹奏楽は無い、と。
自分の母親を枷という、そんなあすか先輩にとっての自己の確立。
それは、父親から受け継いだユーフォ奏者としての才能。
母親への反抗、そんな気持ちもあるだろうが、あすか先輩にとってユーフォを吹く、
というのは自分が自分であるための手段。

次に対香織先輩。
靴紐結びのときに久美子は垣間見てしまう。
あすか先輩が香織先輩のことをどう思っているのか。
可愛く世話焼きな良い娘の香織先輩。
あすか先輩からすれば過干渉な母親をダブらせるタイプなんだろう。
しかも、あすか先輩は自己の確立でユーフォを吹いているのに対し、香織先輩は楽しい
し好きだからトランペットを吹いている。
あすか先輩からすれば「一緒にされたくないタイプの人」ってところだろうか。
そんな人から貰ったグラスでジュースを出すあすか先輩、恐るべし。

そして対久美子。
自らを”ユーフォっぽくない”、久美子を”ユーフォっぽい”と評するあすか先輩。
あすか先輩の言う”ユーフォっぽい”は、分かりやすく言うと、想像する父親像。
逆に”ユーフォっぽくない”は母親に似ていることの自覚。
2歳から全く合っていない父親のことは想像するしか無く、
「きっとユーフォがお似合いの人物なんだろう」
という想像のしていたはず。
そんな想像のようにユーフォが似合う久美子にあすか先輩は言う。
「父親の作った曲の演奏をコテンパンに否定して欲しいのかも」
久美子は答える。
「あすか先輩のユーフォが好きだ。
 暖かくてやさしいあの曲が大好きだ。
 今すぐ吹いて欲しいくらいに」
夕日の温かく淡いオレンジ色に染まる部屋であすか先輩は久美子にユーフォ奏者としての
承認を受ける。

父から受け継いだユーフォ奏者としての才能を持つあすか先輩が、心に抱いていた
父親のようにユーフォが似合う久美子から受けた承認。
そりゃ、見せたことがない笑顔を久美子に見せますわな、と。


Aパート、麗奈が可愛かったです。指が触れただけであんなになるかね。

それぞれがそれぞれの思いを持って全国へ。続きが気になるのです。{/netabare}

【10話見て 青春だなぁ】
{netabare}お姉ちゃん問題とあすか先輩問題解決編。
10話は久美子役の黒沢ともよの演技が光る1話でした。
「お姉ちゃんよりは」の言い方が良いです。

お姉ちゃん問題
8話感想で書いた「何故1年待てないのか」など腑に落ちない点はあるけれど、
お姉ちゃん問題にケリ。
鍋の汚れを落としながら、心の澱みと取り払って本音トーク。
失って気づくその大切さ。
電車の中で不意に溢れる涙。
「私も、寂しいよ・・・」
思わず溢れる本音。
そのお姉ちゃんが全国に見に来ることで、久美子に全国で吹く具体的な意義が
与えられました。きれいな流れですね。

あすか先輩問題
お姉ちゃん問題を受けての解決。
相手の心を動かす言葉。
「皆んなが・・・」「全員が・・・」
そんな取り繕う言葉では相手に届かない。
「私が先輩と同じ舞台で吹きたいんだ」
大人でもない子供でもない高校生という立場。
思いっきり子供っぽい我儘を相手の心に突き刺す。
そして、
「あなたも子供になれ」
という言葉で相手も落とす。
落ちた先輩は母親に我儘を言う。
「部活を続けさせてくれ」
ただし、お姉ちゃん問題と違って、”試験の結果”という反論させない盾を
構えて。

なんか、もう、青春だなっ!{/netabare}

【11話見て 翻らないスカート】
{netabare}麗奈問題解決編。
1期は関西大会へ、が目標で、2期はその関西大会が通過点となっている。
じゃあ、出場する全国大会でどうするのか。
全国出場が決定して、そこで個々が吹く意義の確立をしているところ。
麗奈は愛する滝先生に金を取らせてあげることが全国で吹く意義となった。

あすか先輩復帰
「ちょっぴり、大人になったのかも」
子供っぽい久美子の我儘を受けて、子供の我儘での復帰でこの台詞。
そして久美子との目配せ。
あすか先輩、いいキャラだな。
そして、夏希とあすか先輩の会話。
2人ともいいキャラだなっ!

大吉山登山
1期8話でも2人で登った夜の大吉山。
その時は、気になってた久美子とサシで話せる機会を得てワクワクな麗奈の心情
そのまんまにワンピースの裾が翻りまくりだったけど、今回は滝先生の奥さん
問題を抱えて落ち込んでいる心情そのまんまにスカートも翻らずに落ち着いた
動きのみ。こういう2期ものとしての楽しませ方は素直に楽しい。
久美子が「私、応援してるよ」と言うも、滝先生が墓前に供える為にイタリアン
ホワイトを買ったことを知っていることからトーンが上がらず、その落ち方から
察した麗奈は心が晴れずに直接対決に望むこととなる。
麗奈はやっぱ麗奈だ。

ロリ麗奈
えらく幼く描いてるけど小学校何年生くらいなんだろうね、滝先生との初対面。
同学年の女の子とピアノの練習をするも、
「頑張れって言うけど麗奈ちゃん家とは違う。ウチにはピアノなんて無い」
と拒否られる。=麗奈が特別なステージいるということ。
なので、同ステージではなく、上のステージにいている大人な滝先生に惚れる。

麗奈中学時代
何年生だろうね。
夏服、「周りの音を聴けと先輩に怒られる」と言っているし、1年の夏なのかな。
2年生なら丸っと1年以上一緒にやってる先輩を実力で黙らせているだろうし。
で、滝先生から楽譜を渡される。
「私にはもう必要ないものなので」という台詞と同時にわざわざ滝先生の左手を
アップにする。
薬指に指輪が無い。
このちょい前に奥さんと死別していると推測される。
ロリ麗奈との初対面時に滝先生がトロンボーンを持っていたことを考えると、
奥さんがトランペット奏者で、この楽譜は奥さんのものだったのかなぁ、と。
伸び上がっていくような、もっと上手くなりたい、もっと遠くに行きたい、という
高いところを目指す麗奈の音が奥さんの演奏に似ていたから楽譜を託したのかなぁ、
とか想像してしまう。

直接対決
麗奈、左手薬指確認。2段階アップのクドい演出が楽しい。
大吉山登山での久美子の声のトーンから察した麗奈が滝先生に直接対決を挑む。
結果、惨敗。滝先生の奥さん愛を確認させられた。
消火栓が一瞬画面に出るも、そんなことで愛の炎が消える麗奈では無かった。
麗奈はやっぱ麗奈だ。

そして墓参り
事情を知る久美子を連れての墓参り。
枯れてないイタリアンホワイトがあることから、ちょくちょく滝先生が墓参りを
していることが窺い知れる。
なんとお参りしたのか問われた麗奈は答える。
「金を取りたい。滝先生の夢を叶えてあげたい」
麗奈の顔が朝日に照らされていく。
麗奈が全国で吹く意義の確立。恒例の光での演出。
響き渡るトランペットの音を受けてトンビが飛んでいく。
伸び上がっていくような、もっと上手くなりたい、もっと遠くに行きたい、という
高いところを目指す麗奈の音のように、高い空へ。

そして、全国大会が始まるのです、かな?{/netabare}

【12話見て おぉ、地元】
{netabare}みぞれ先輩の内向的を表現する内股が可愛いです。

いざ、全国の舞台
そんな舞台での麗奈の行動に着目。
Bパート冒頭、草原に一人で物憂げに座る。
指揮者賞で滝先生に「好きです」と告白する。
結果発表後、トランペット隊の集まりで香織先輩に謝る。
デカリボン先輩と来年の雪辱を誓う。
滝先生に再び告白するも軽くあしらわれる。

これらのことから想像されること。
麗奈が特別では無くなった、若しくは特別感が薄れた。

Aパートは「さぁ、全国の舞台で演奏」というところで締め。
Bパート冒頭で上記のシーンであることから、演奏シーンはバッサリカットされている。
その演奏がどうだったのか。
結果、銅賞というところから、完璧な演奏では無かったことが分かる。
じゃあ、その中での麗奈の出来は。
草原で物憂げに座り、香織先輩に謝り。
つまり、ソロパートで思った以上の演奏が出来なかったのだ。
特別になりたい、と孤高の存在だった麗奈も、恋する乙女として、滝先生の願いである
全国で金を取らせたいと強く思うあまり、本来の力が出せない状況になってしまっていた。
それを表すシーンとして
・布団を抜け出した久美子が戻って来て起きる描写がない
・演奏前に久美子と話をしていない
これらから通常の精神状態では無かったことが伺える。
特に演奏前の久美子との会話。
これ、1期で麗奈と香織先輩のソロ対決でもやってたよね。
・麗奈は久美子と会話をして落ち着いて演奏
・香織先輩はあすか先輩と会話出来ずに演奏前に唇が震える
ここまで大会演奏前に久美子と会話をしていた麗奈がここにきて話せなかった、話す精神
状態ではなかったのはらしくない。
また、麗奈がデカリボン先輩と来年の雪辱を誓い合っている。
これは麗奈の孤高感の薄れだ。
また、指揮者賞時、表彰後に滝先生に告白をしている。
これは滝先生の特別になりたい気持ちの表れ。
だが、軽くいなされて、デカリボン先輩に慰められて終わっている。
これらのことから、麗奈が「孤高な特別」から別ステージに変わったことが伺える。

サファイア策士
あの花の花言葉を知った上で誕生日プレゼントを送らせるサファイアちゃん。
勿論、秀一にはその意味を教えなかったことだろう。
恐るべし。

ド地元
全日本吹奏楽コンクール。
会場は名古屋国際会議場です。
ウチの近くです。ド地元です。
葵ちゃんが出てくる駅。名古屋地下鉄名港線日比野駅です。
何番出口かは知りませんが、ヤマナカ日比野店に出てくる出口です。
名古屋国際会議場へ行くにはこの出口が一番近いです。
で、葵ちゃんが出てくるシーン。後ろにぼんやりと紫ピンクと黒のストライプの
お店が映ります。
これ、ペリカン日比野店ですね。
パン屋兼カフェで、このストライプの場所は窓口販売でクレープが買えます。
このお店、今年の10/6に開店したばっかなんですよね。
で、放送が12/21。
いつロケハンに来て、いつ出来た背景なんだと。
京アニって凄い作画だから結構余裕のあるスケジュールで制作しているのかと
思ってたんですが、結構、カツカツなのかもね。{/netabare}

【最終話見て 響け!ユーフォニアム】
{netabare}2期9話サブタイトル「ひびけ!ユーフォニアム」。
それすらも伏線だったのか。
いやはや。綺麗な最終話でした。

花のヘアピン
サファイアと葉月に促されて秀一を追いかける久美子。
「ヘアピンくれたこと、言いふらしてないでしょうね?」
いやいやいや。プレゼントくれた時に
「川島に聞いたら嬉々として教えてくれた」
って秀一本人から聞いてるじゃん。
全国大会演奏時に楽譜置きにヘアピンを置いてた久美子。秀一に対する思いの一端。
だけど、本人前にするとこんな質問しちゃうほどの奥手さん。
可愛い一瞬でした。
あー・・・
コンビニ前での麗奈の太ももアップ。ニーハイの食い込み具合。
エロいなっ!

卒部会
3年の演奏。ジャズってことで良いのかな。曲名は「Starting the Project」。
そういえば、この1期放送前に公開されたPVのBGMがこれだったなぁ、と
思い出す。2期公開前PVもジャズだったね。
1、2年演奏。トランペットソロを吹く麗奈。これまで仏頂面だったデカリボン
先輩も今では温和な顔でそれを見守る。
その演奏に合わせて思わず動いてしまう香織先輩の手。
全てを納得しているとはいえ、それでもソロを吹けなかった悔しさがある証拠。
熱いですな。

姉との経験を経て・・・
全国大会が終わり、3年生が引退。モヤモヤを抱える久美子。
姉との別離で素直な気持ちをぶつけることが出来た久美子が次に思いを告げる相手。
1期で麗奈が語った”特別”。
その曖昧な”特別”という言葉の意味を、久美子の一番側で体現し続けていた存在。
その特別さ故に、気難しく、苦手で、嫌いだったかもしれない存在。
心を開いてする恋の相談。
今は大好きです。あすか先輩みたいなユーフォが吹きたい。
託された1冊のノート。
そこに記された曲の題名は・・・
って、そうきたかっ!
その流れでEDが「響け!ユーフォニアム LastVer」。浸れるわぁ・・・{/netabare}

【最後まで見て 構成の難しさ】
{netabare}目指す舞台があって、様々な出来事を乗り越えて、そこにたどり着く。
部活モノとしての王道。
1期は関西大会出場が目標。出場を決めたシーンで締めることで非常に盛り上がった。
が、2期は非常に難しい舞台設定だった。
5話で全国大会出場が決定してしまう。
物語のピークがこの関西大会当日の5話に感じられてしまう。
三日月の舞フルも凄かったしね。
残り8話、辿り着くことが決定している話をしなくてはならない。
で、やったことが各自が全国大会で吹く意義の確立なんだけど、どうしても盛り上がり
には今一歩欠けるんだよね。
人物描写や心情演出が巧い京アニだったから見処はかなりあったんだけど。
まぁ、それでも、非常に楽しめた3ヶ月でした。

そして次の曲は・・・始まらないのかな。
原作ストック無いみたいだし。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 37
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

青春時代の一期一会

2015年春クール、一期全13話を
リアルタイムで観て、話に惹き込まれた。

ひと言で言えば
「面白い作品」と言うより
「心に響く作品」と言った方が的を射ている。
そう考えると「響け!ユーフォニアム」は、
物理的なものでなく
「心に響かせろ!~」と言う意味合いが強く、
言い得て妙なタイトルだ。

<噛めば噛むほど味がでるスルメのよう>

この作品には、魔法がかかってる。
1話1話を何度も観たくなる。

制作者が日本人ならでは。
やさしさと、言葉少なくとも伝わる
繊細な台本、演出、演技が心地よい。
人情の機微を非常に良く心得ている。

顔、動作、仕草…表情豊かで含みが多い。
背景、アングルなども拘り強く
いろんな含みが感じられることもある。

そんな様々なヒントが転がり
いかようにも考察し、解釈ができるから、
その日の気分や体調で味わいも変わる。

<やはり今作は傑作!>

2期の第4話を観終った時点で既にそう思えた。
1期で気になった伏線は、ゆっくり丁寧に回収。
4話目にして一つの区切りもついてすっきりして心地よい。
まだまだある伏線もきっと無事回収されそうな安心感が得られた。
まだ半分も終らぬこの時点で、
演出と脚本に迷いなしで最後まで魅せてくれそうと直観した。

以降、石原立也監督と脚本・シリーズ構成の花田十輝氏を
中心とする制作チームを信用して
5話視聴後、オール5の作品評価に。
それは、結果的に最後まで観ても変わることはなかった。

<アニメ第一期について>
{netabare}
思えば一期の6話目くらいまでは、
キャラの漫画チックな作画や演出、
いかにもアニメなコミカルな動作も混在していた。

しかしそんな手探りな状況も、
徐々に演出の方向性が定まり、
6話のルビー&プラチナダイヤモンド川島や
被り物チューバ君のネタを最後に
露骨なコミカル描写は激減した。

7話目の葵の話の頃からシリアス感が強くなった。
以降、リアル寄り演出&作画が増えた印象。
キャラの自然な表情から喜怒哀楽を表現し、
より深い人間ドラマの方向性に定まっていった。

また8話の最後の大吉山での二重奏以降は
音楽の力をより取り込んで、抒情性が倍増。
胸が締め付けられるような切なさや
深い感動を得られる回も多くなった。

二期でもその方向性にブレなし。
非常に安定してポイントを外さない作風は一貫。
グッとくる脚本と演出で
毎回次回が非常に楽しみなのは一期以上。
リアルな心理描写で感情移入も深い。

<郷土愛がもたらしたもの>

作画、色彩設計も京アニならではの独壇場。
風情があって時に感動するほどの画に出会える。
またキャラクターの作画は、
水気たっぷり含んだ瞳で表情も豊か。
時に台詞以上に感情を表現する。

原作者は、京都府宇治市出身。

ある日、川の氾濫で、幼いころから慣れ親しんだ
故郷の美しい風景もあっけなく壊されてしまう
という現実と出会う。

そこで、自らの作品に、
ずっと変わらぬ宇治の原風景を
残しておきたいという動機から
宇治を舞台にしたこの作品が
生み出されることになったそうだ。

そこに同じ地元の京アニがアニメ化。

当然、作画や音響、演出にと
自然と力が入るのも道理。

そのおかげか、
多くの日本人の心の琴線に触れる作品が生まれた。

作者と制作者の拠点が同郷ということが
いい化学反応を生み出したのかもしれない。
{/netabare}

<失言マスターは今日も行く>
{netabare}
主人公、おっとり久美子は
天然さと残念さが二期でさらに磨きかかってる。

タコが頭に被さってるような髪型と相まって
一期では他のキャラと比べると存在感が微妙だったが
二期目ともなるといい味が出るようになった。
ほどほどの熱量の脱力系で愛嬌も感じられて可愛い。

久美子は思ったことを無意識で声に出す悪い癖がある。
しかし、時折閃きのその発言は、
話し相手に響く鋭い発言をする。
実はそれが彼女が今作の主人公たらしめてたんだと
気付いたのは二期の9話目だった。

彼女は只者ではなかった。

きっと最後まで
周りに巻き込まれてばかりなんだろうけど、
これからも関わる人すべてに
タコ頭に相応しく、ご多幸を振りまいて欲しいものだ。
{/netabare}

<吹奏楽部員、皆味わい豊か>
{netabare}
一期からのファンなのでキャラクターに愛着が強い。
二期も新キャラ含め、すべてのキャラに命宿る。

4話目にして、
一期ではどちらかと言えば「困ったちゃん」だった
デカリボン吉川優子もとても魅力あるキャラになった。
久美子は、なぜか遠慮少なく優子とは話しやすそう。
意外と相性良さそうで微笑ましい。

優子の中の人、山岡ゆり氏は
実際に中高の6年間、吹部で一貫してトランペット担当で
なんと高3時、全国コンクールに出場で金賞を受賞した経験がある。

上下関係に体育会系の厳しさがたっぷりで
北宇治以上にハードだったようだ。

山岡氏曰く、体験上、トランペットは自己主張の強い女子、
フルートは可愛い女子、ホルンはしっかり者、
チューバはどっしりした女子が多いのだそう。
(電波ラボラトリー、ゲスト出演時のコメント)

中学時、トランペット選んだきっかけは
香織先輩のような綺麗で憧れる先輩に誘われたから。

吉川優子、山岡ゆり、どちらもイニシャルY.Y.

そんな彼女は、今作中キャラとのシンクロ率が
一番高かったかもしれない。
デカリボンの気持ちが痛いほど解ったんじゃないだろうか。
思えば、一期での感情むき出しの台詞も、
演技を超えた説得力があった気がする。


ほかのメンバーも
その個性に相応しい描かれ方で安心できる。

確立された、
節度があり無駄のない演出、挟まれる適度なユーモア。

二期では、3秒ルール、「北宇治~っ、ファイトぉ~」再び、
高坂麗奈の死んだ目、さふぁいあみどりの和み溢れる言動など…
基本シリアスな物語なのに時折頬が緩む。
{/netabare}

wikipediaで思いっきりネタバレされてる。
原作未読で話の行方を
アニメだけで楽しみたい方は閲覧要注意。

でも原作上の今後の展開を知ってても
アニメはアニメとして
オリジナル要素もあって十分楽しめると思う。
(例えば一期では、
「チームもなか」の存在など)

ただ、物語が非常に丁寧に描かれる故
二期からだとキャラにまだ魅力感じられず
あまり話に惹き込まれないかもしれない。

一期から観た方が絶対いい。

★ 第五回「きせきのハーモニー」
{netabare}
全国までの道のりはまだ続くが、
北宇治高校吹奏楽部のメンバー全員は、
全身全霊の音楽を達成し、
それに相応しい評価が与えられたこの日を
決して一生忘れないだろう。

一期含め、丁寧な物語の積み重ねの集大成となった
最上の演出に満ちた感動回だった。

二期としては1クールの半分近くの段階にも関わらず
最終回のようなクライマックス。
しかし、一期からの通算だと
第19話(番外編含む)に相当するので感慨深い。

この時点で評価はオール5献上で更新。

演出、構成、演技、作画、音楽…
すべてが神がかり、これこそまさに神回。

「きせきのハーモニー」という
奇跡と軌跡を掛けたサブタイトルが見事に当てはまる。

アニメならではの現実の美化表現と
写実的な世界観の調和がすごい。

<Aパート、関西大会直前>

描写が絶妙で、6分ほどの短かさにかかわらず
キャラと一緒にハラハラドキドキ。

<Bパート、関西大会当日>

たっぷり尺を取り本番までの緊張感と闘志を丁寧に演出。
コンクール―での各校の持ち時間12分の内、
課題曲はほとんど省略されたものの、約7分にも及ぶ
ノーカット完全版の自由曲「三日月の舞」の演奏が圧巻。
魂を浄化してくれるような全体演奏だった。

音楽の神にささげるが如く、
ひたすらに一途に指揮者と部員は一体となって音を奏でる。
楽譜の書き込み、貼られたスナップ、回想シーン、
皆の思いを深く共有できた。

部員を信頼しきったマエストロ滝の表情もいい。

演奏に参加できない、見守ることしかできない、
バックステージのサポーターは、思いが念いとなって
ひたすらそれぞれの神なる存在に北宇治の勝利を祈る。

臨場感が半端無い。
自分もすっかりサポーターの一員になってしまった。

映画でもドラマでもアニメでも、
一生忘れられずふとした機会に思い出してしまう
一瞬のシーンがいくつかある。

今回のエンディング後のCパートのラストシーン、
鎧塚みぞれの笑顔がまさにそれにあたるだろう。

感情表現が苦手だったキャラが成長し、
本番で豊かな情感に溢れた優しい音色を奏でた。
そんな彼女の笑顔には神々しさまで感じられた。

今回で、映像作品としてとうとう原作を超えてしまった感。

部長のお約束の掛け声と両手上げのさふぁいあも可愛かった。
{/netabare}

★ 第九回「ひびけ!ユーフォニアム」
{netabare}
一期から一番知りたかった謎が見事に氷解した
とてもいい余韻の残る優秀回だった。

今作効果で各学校の吹奏楽部入部希望者は
増えそうだけど、さらに今回のおかげで
新入部員のユーフォ希望者も
爆増するんじゃないかと思えた。

少なくとも今作を視聴中の
全国のユーフォニアム奏者は
ユーフォやってて良かったと
皆思ったんじゃなかろうか。

特殊エンディングの、
あすかのユーフォニアムの音色が、
まどろむ猫しかいないような
あたかも無人の夕方の街並みに
沁みこむシーンにジーンときた。

背景の街に人影を描かなかったのは、
あすかが孤独に今まで生きてきたという
象徴なんだろうか?

全体的にも今回は、
学校内でも登場人物はかなり削られ、
モブキャラもいないほど。

主要キャラなはずの、
葉月は「どうなっちゃうんだろうね」、
緑輝は「ですよね」の
一言のみで一瞬だけの登場。

今回、あすかが一番、
麗奈は二番目のメイン。

その他にまともな久美子との絡みが見られたのは、
夏紀、香織。

皆、久美子と関わることにより
過去にいろいろ吹っ切れたことのあるキャラばかり。
(香織は、間に麗奈が入り、
久美子と直接関わった訳でははないが)

同じく久美子には恩がある
希美、みぞれも久美子にあすか問題の希望を託しに
ちょっとだけ顔を見せる。

彼女たちは皆、久美子の問題解決運を買ってるようだ。
意図した交渉力、説得力はないけど、
妙に久美子は問題の渦中に嵌り周りを変えてしまう。
そうした運も実力の内なのだ。
もはや吹部の福の神。

香織は、一期では芋好き描写もあったから
食べ物に拘るのが相変わらずだし、
おいしい食べ物こそ人を説得できる的な
発想が香織らしくて実に微笑ましい。

「あすか先輩を連れ戻すぞ!大作戦」
というストレートな命名も香織らしくていい。

夏紀は、大局を見通せる賢い娘。
私情を挟まず部にとって一番を考えていた。
人柄の良さが伝わりまた魅力アップ。

そして、久美子と目を合わせられない夏紀が可愛い。

<顔と手足のドアップが盛り沢山>

特に足画の拘りがすごい。
あえて顔の上部を映さなかったりと
不自然で意外なアングルも多く、
他回とは異彩を放つ印象的な演出回だった。

顔、特に目元が見えなくなると
その人物の考えも見えなくなり
不安感が増すので緊張感漂う雰囲気が濃厚となる。
おかげでシリアス感が今までで最高だった。

また、顔アップは、言葉以上の表情の豊かさが求められる
作画力はさすがの京アニでその課題は楽々クリア。

そして今回は、目と手足が口以上に雄弁に語る。
久美子、麗奈、あすかの心の繊細な動きが伝わった。

<Aパート高坂麗奈、Bパート田中あすかで魅せる>

特にAパートの麗奈、
滝先生に鍵を手渡しする時の作画が素晴らしい。
瞳うるうる状態の恋する乙女、麗奈。
鍵を受け取る先生の指先が彼女の掌に触れる。

そこで、もっと触れていたいという想いの伝わる彼女の両手、
思わぬスキンシップの動揺で思わず浮いてしまうつま先。

その後、滝先生と亡くなった奥様の写真を見てしまった後の
心の動きも台詞なくても瞳だけで伝わってくるようだった。

そして、帰りの電車の中で無言で上の空の久美子と麗奈。
全く別な思いで心揺れるさまが伝わり奥深い。

Bパートはあすか宅にて

あすかは旧家の令嬢だったのか?
殺風景で女子の部屋らしからぬ彼女の部屋。
一期の7話でもちょっとだけ登場して印象深かったのだが、
まさかあんな家に住んでいたとはびっくり。

さらに六法全書があったのは驚いた。
高校生の部屋とはとても思えない。
彼女は法律家を目指してるんだろうか?

<やはり久美子が主人公>

久美子が「ユーフォっぽい」ってなんだろう?
Aパートの麗奈の台詞はヒントになるが、
具体的な説明は一切ない。

でも感覚的に腑に落ちるのは
今までの丁寧な人物描写あればこそ。
漠然とだけどもなんか解った気になる。

あすかが久美子を自宅に招いたのは
久美子に話を聞いてもらいたかったから、らしい。

長年、ユーフォに真剣に向き合っていたあすかにとって
ユーフォっぽい久美子を本音を話せる相手として選んだのは
当然なのだろう。

あすかの話は重いけど、
久美子の不器用さとお間抜け具合が
ほどよく緊張を緩和してくれる。

<あすか、仮面を剥いで一人の悩める乙女になる>

さすが切り込み隊長!久美子

麗奈も買ってる、
どっか見透かされてるような鋭い発言と
感極まった素直な想いで相手をリード。
あすかから多くの話を引き出す。

あすかは、アップになると
黒髪の中に3本の白髪らしきものが見え、
彼女の、人には言えない心労が垣間見えた。
(ただし、その3本は幼少時にもあったので単に
黒髪の単調な色彩を回避するためのアクセントで、
作画に白髪の意図はないかも)

同期の晴香や香織にも見せない表情を見せ
本音を久美子の前で吐露するあすか。
そして、あすかにユーフォを吹きたくさせる。

<穏やかで平和なラスト>

母親を説得したわけでも
具体的解決策を提示したわけでもないのに
なんとかなりそうな雰囲気が心地よい。

そして今回で、
今までのあすかのすべての行動原理が解り
とてもすっきり。
ようやく感情移入しやすいキャラになった。

後、あすかの自室では
天井から見下ろす形のアングルで
あすかと久美子の会話が描かれたのが印象的だったが
「神様は見てるってことだよね」のあすかの台詞で
その意図を汲みとれた。

また観直して気付いたことだが
あすかの部屋にて、午後4時半、秒針のない壁掛け時計。
長針がリアルにちゃんと動いたのも作画への驚きだった。

普通なら、秒針がない壁掛け時計で
こんな細かいことに気付く視聴者は少ないだろうから
わざわざ動かす必要もないだろう。
この拘りは劇場映画並みの拘り。
二作目の劇場版があっても対応できるよう作りこんだのか?
細部に抜かりない製作者に脱帽である。
{/netabare}

★ 第十回「ほうかごオブリガート」
{netabare}
ネットの反応で一部、
あっけないように解決してしまった
あすかの部活の進退問題に対し
拍子抜けして前回のやりとりさえ
無意味に感じた視聴者もいたようだ。

私は、そんなことはないと思う。
むしろ無駄のない、
無理もない有機的な構成が
実に見事と思えたし感動も深かった。

ただ今回、若干物足りないと感じたのは
自宅であったであろう
あすかと母のガチバトルの描写を省略したこと。

娘の初めての、
親に歯向かう自発的な行動に、
娘の成長を感じ
寂しさとうれしさ両方を感じられた、
なんて描写があったら最高だった。

今までが非常に丁寧に描かれただけに少し残念。
あと5分でも尺にゆとりあれば描けたかもしれない。

でも、このシーンがなくても
作品評価を下げるほどのこともない。

一期での14話のように
今回の補足が含まれた番外編が
生れること、ぜひ希望したい。

<久美子、あすかの本気スイッチ押す、の巻>

今回、久美子とあすかの真っ向勝負の
舞台となった渡り廊下の屋根と柱に、
意味深に張り巡らされた蜘蛛の巣があった。

蜘蛛の糸に捉えられた蝶が
「あすかは、母の呪縛にがんじがらめ」
というメッセージと受け取れる。

その呪縛の糸を、久美子は見事に断ち切った。

今回、最も描きたかったポイントは
そこかもしれない。

久美子は普段は
積極的に相手の懐に飛び込むことはない。

前回のあすかとの絡みと今回の姉との絡み。

久美子が彼女らしくもなく
相手の懐に飛び込んで
子供のように思いの丈を
他者にぶつけさせるためには
必要不可欠な体験だった。

そんな久美子のストレートな想いが
大人ぶって、自分の本心を押し殺して
親の言いなりをよしとする
優等生あすかの
凝り固まって柔軟性を失っていた心を溶きほぐし、
活力を与えてくれた。

それで十分。

今回、久美子が、後悔しない人生のヒントと
自分を必要としてくれる後輩の存在、
と言う大義名分を与えてくれたからこそ
あすか自身が母を説得できたんだと思う。

<ありきたりでない、深い人間描写がすごい>

ドラマでもアニメでもありがちな、
主人公が当事者の間に入って
家族の問題を解決する
嘘くさい展開じゃなくて新鮮だった。
因果関係が明確。
現実的、自然な解決の流れがあった。

あすかと母の問題は田中家の問題であって
本来、部外者の久美子が口を挟むものではない。

大事なのは当事者であるあすかが
本気を直接母に伝えて説得することである。

今までのあすか問題の
理想的解決の流れがここにあった。

<案ずるより産むが易し>

大切なのは当事者が、
真剣に腹くくって問題に自ら飛び込むこと。

あっさり解決というのがむしろリアル。
現実なんて本人さえやる気になれば
意外とこんな形で決着することも多い。

<黄前久美子は勇者である>

親を説得することを諦め
問題解決への意欲を失っていたあすかを
やる気にさせた久美子の功績は大きい。

今回、久美子を、
初めて主人公として頼もしいと思えた。

高校入学時から半年くらいか…。
彼女の成長は凄まじい速さだ。

次から次へとやっかいごとが降りかかり
鍛えられる久美子。
次回だって、麗奈様の御冠(おかんむり)
に向きあわないと…。

この調子なら、彼女が3年になる頃は、
部長か副部長も務まりそうである。

<あすかの才能>

あすかの母の登場は7話だった。
ちょっと娘に執着しすぎて危ない風だった。
しかし、感情の行き過ぎを
素直に娘に詫びる描写もあった。

ゆえに、DV親とか
救いようがないわけでなく、
娘となら冷静に話し合えれば
解りあうこともできると思った。
ただ、部外者に対しては
譲れない壁は厚そうとも思えた。

交渉力はあすかの十八番。
理路整然と母を説得。
相手の弱点を見逃さず、
反論許さず強引に捻じ伏せたことだろう。
麗奈のごとくに・・・。

言論で久美子を追い詰める様がさすが。

そこから察するに、
今回は、たまたま模試の結果と言う切り札が得られたが
仮にそんなものなくても頭のいいあすかのことだ。
本気にさえなれば、痛いところをついて
母親を攻略できたように思う。

あすかの家にあった
六法全書や法律の入門書などから察するに
弁護士、検察官、裁判官…
彼女は、司法の世界に進むつもりかもしれない。

それならそれで確実に大成しそうである。

<サブタイトルが洒落てる>

「ごめん、遅れた…」
すっきりした表情で部活に復帰するあすか。

久美子とのやり取り後、
おそらく数日以内の時間経過があり
自ら為すべきことをして母を説得できたようだ。

『ほうかごオブリガート』

このタイトルから、
あすかはこの放課後を一生忘れず、
久美子に感謝し続けると暗示してるように思えた。

オブリガートobbligatoは、
イタリア語の音楽用語で「助奏」を意味するが
ここでは「ありがとう」の意味のポルトガル語の
オブリガードobrigadoに掛けてるように思える。

だた、男性用の言葉で
女性が「ありがとう」というときは
「オブリガーダ(obrigada)」になる。

でも、そんじょそこらの男よりも頼もしい
あすかならオブリガードでも違和感ない。

ネット上のピクシブ百科事典によると、
あすかは、元宝塚でテレビでもよく見かける
主演女優、天海祐希と同じ身長の171cmの設定らしいし、
髪型変えれば男装の麗人も見事に嵌りそうである。

後、ついでに同上によると、
あすかの血液型は、AB型という設定。

今までの彼女の言動は、
当にAB型の気質(性格ではない)っぽいと思う。

・趣味に生きたがる人が多い。
・多才で有能な人が多いが、
意外と執着心が少ないので器用貧乏で終わる可能性がある。
・公私のスイッチの切り替えが自在で
あまりの切り替えの素早さからギャップ大きく
二重人格のように見える時がある。
・分析力が鋭く人の裏表を憎む。
・所属する家庭や職場の自分の立ち位置に忠実で
約束や契約などに縛られやすい。
・身びいきせず中立公平を得意とし仲介能力に優れる。
・社交的に見えても、趣味を同じくする仲間以外は
一定の距離を置きたがる。
・自分の縄張りに許可なく踏み込むことを極端に嫌う。
・スキンシップはあまり得意でない。
・博愛主義的で頼まれると嫌とは言えない etc...。

そんなAB型は私の周りにも多い。
{/netabare}

★ 第十一回「はつこいトランペット」
{netabare}
今回も、落ち着いた、
切なくも温かい、
味わいと抒情性が豊かな話だった。

すっかり定着した
相変わらずの非常に丁寧な描写で
麗奈と久美子の絆の深さも感じられた。

ネット上には、
麗奈は今回で、滝先生への恋に、
終止符を打とうと決めたという意見もある。

私は、奥様への未練を
今だ断ち切れない先生を
むしろより深く愛し、
久美子には言わなかったが、墓前で
奥様に恋のライバル宣言したんじゃないかと
勝手に思ってる。

簡単には諦めない。
そっちの方が麗奈らしい。

<さふぁいあが可愛い>

まるでコントラバスに運ばれてるかの
ような、さふぁいあ。

見た目も中の人の演技も絶妙なので
彼女が物語に絡むと非常に和み
ちょっとした台詞もツボに入る。

中年になったらご近所で有名な
世話焼き(おせっかい)おばさんになりそう。

この様子では最終的に、
一番好きなキャラになるかもしれない。

最近ご無沙汰の
白地に黒縁の久美子のアニメ目も
一発芸として上手く馴染んでて和んだ。

<天ヶ瀬ダムとその近隣の霊園>

ネットの反応のおかげでロケ地解明は早い。
関東圏に住む私でも放映の翌朝には
新しい聖地を知る。

天ヶ瀬ダムの写真が
一期のサントラCDのジャケットに
使われてるという情報もあった。

一期制作中から既に
滝先生の奥様の墓所は
この近辺と決まってたんだろうか。

興味深かったのでGoogleマップで検索。
久美子と麗奈の待ち合わせ場所の
宇治神社前からダムの正面に位置する
麗奈がトランペット吹いた橋まで
ルート検索したら1.9㎞あった。

ついでに、ほとんど1本道なので
ストリートビューでルート辿ってみた。

ゆるやかな勾配がずっと続き
変速機のないママチャリでは
帰りは楽チン、行きは結構大変そう。

さらにその橋から奥様眠る霊園候補は
割と固まって3か所くらいあるが、
私は、芝生があって墓石の独特さから
ロケ地は、京都天が瀬メモリアル公園が
怪しいと勝手に踏んだ。

さらにその橋から
仮にそこまででは1.3㎞。
でもヒルクライム向きの急こう配で笑った。

変速機ないと相当大変でヤバイ。
ママチャリ登坂と言えば
「弱虫ペダル」思い出す。

往路上り坂ありの総移動距離3.2km。
途中、自転車押して歩いたとしても
汗一つ搔かず、涼しい顔して霊園到着とは
麗奈と久美子の体力おそるべし!w
{/netabare}

★ 第十二回「さいごのコンクール」
{netabare}
今回は、京アニ取締役の一人でもある
木上益治(名義は三好一郎)氏が
絵コンテと演出を担当。
来年(2017年)には還暦を迎えられる、
石原監督より9歳年長の超ベテラン。

wikiによれば、
「何か厳しいことを言われる訳では無いが、
仕事に対する姿勢を見て衝撃を受ける。」(武本康弘氏談)
と言わしめるほど後進から尊敬される人望厚い方のようだ。

一期では、5話と12話、そして今期も5話と12話の
絵コンテと演出を担当されている。

今期5話の演奏シーンの説得力は三好氏の貢献が大きかった。

どちらも、クール折り返し半ばの6話と最終話の直前回。
単なる偶然かもしれないが、狙った人事にも思える。
石原監督にどのような意図があるのか、興味深い。

そして、今期に関して絵コンテは、
5話では石原監督、今回は山田尚子氏も参加している。
お二人とも、大先輩からいろいろ学び、
技を盗むつもりで担当させてもらったのかもしれない。

そのおかげか、今回の演出も見所多く
何回も観てしまいたくなるほど素晴らしかった。

もちろん、脚本が優れてるのが大前提。

特に何気ないのに印象深く、頭から離れないのは、
1年生の宿泊部屋でメガネっ娘が一人、
器用にお手玉してたシーン。

彼女は、3年生の加瀬まいな。
同じくクラリネット担当の
1年のメカクレキャラの高久ちえりとはいつも一緒。

設定では、吹部で意気投合した二人は、学年違えど
「いつも部屋の隅で変なオーラを出してお手玉しながら
ひそひそ話して二人の世界で盛り上がる」そうだ。
だから久美子たち1年生部屋の赤ジャージの中に
一人だけ3年生の証の緑ジャージ。
まいな先輩、1年部屋にちゃっかり、
ちえりと一緒に寝てる姿が可愛い。

二人とも瞳が見えないので作中で怪しく異様な雰囲気。
吹部よりオカルト研あたりが相応しそうなタイプ。

そんな、まいなとちえりだが、
結果発表のシーンでそれぞれ一言だけ台詞も与えられ、
さらなる存在感を残した。

まいなは3年生だから、
続編あったとしてももう登場出来ない。
ここに、モブにもスポットライトあてて上げようという
母性の親心を感じた。
故にこれは、山田氏が絵コンテ描いたかな、
と推測するのも面白い。

<人間が主であり、音楽は従である>

5話の関西大会で、コンクールの演奏描写は、
妥協なき演出で最上のピークを迎えた。

今回、全国大会の演奏シーンはバッサリカットして
各キャラの成長と因果関係の集大成にしたことは
非常に納得だったし、想定内でもあった。

この作品は、
結果として、人間としての成長を描くことはあっても、
どちらかと言えば、コンクールなどの
勝負の世界で繰り広げられる個々人の技量の上達や
勝ち負けで魅せる物語ではないと思ってる。

私は、部活と言う日常の集団生活の中での、
等身大のキャラたちの化学反応で起こる
深みのある群像劇を主にしているからこそ魅せられた。
だから、コンクールはそんな彼らの一場面に過ぎない。

皆、実在してそうなキャラばかり。
まだこれからも続くであろう
彼らの青春時代のページを眺めていたくなる。

<あすか、麗奈、久美子の物語の本当の区切り>

1期の第1話からだと番外編込みで今回が第26話。
1話は60分枠2話分なので実質は第27話。
集大成に大感動、とても素晴らしい!
1期で提示された課題はすべて無事解決された。

・あすかの今までの試練と努力が、
今回でようやく晴れて報われた。
直接会って会話せずとも、
音楽で繋がる父娘の描き方が見事。

・まさか黄前姉妹で涙腺崩壊するとは思ってもみなかった。

・猪突猛進さと乙女の恥らいが同居してる麗奈に
この期に及んで、初めて萌える。

そんな彼女たちを見守るギャラリーも素敵。

<秀一と久美子の自販機前のシーンも秀逸>

そこでも、相変わらず焦れったい秀一だったが、
お互い解り過ぎるからこその距離感だと伝わった。
もはや長年寄り添った夫婦関係にも等しく感じる。

コンクール本番の久美子の譜面台に、
しっかり秀一からのプレゼント乗ってることから
伝わるものは明るい未来しかなかった。

また、姉を追いかける久美子をやさしく見守る秀一。
頼もしく見えるし、男前でいいじゃないか。

仮に最終話で二人の恋愛関係を描かなくても満足だ。

<部活抜きで仲良く喫茶店へGO!>

引退する3年の主要キャラたちの描き方も最高!
あすか、晴香、香織の友人関係。
今までは、あすかだけ浮いていたが、
これからが、あすか込の
本当の友情がスタートしそうな予感があった。

<その他いろいろ>

台詞ほとんどないのに
グータッチみぞれは、今までで一番可愛い。

そして、さふぁいあの、周りを振り回す
マイペースぶりは、当に血液B型流。
彼女に付いていけなくなってきて
持て余し気味の葉月や久美子はA型。

AとBが交わるとき、
リアルにあるあるな人間関係も
なんだか微笑ましい。

ところで、描くべきテーマは描き切ったのに
次週、どうやって幕を閉じるんだろう。
今までが良すぎて期待値MAX。
期待と不安が五分五分になって困ってしまった。
{/netabare}

★ 最終回「はるさきエピローグ」
{netabare}
さすがとしか言いようがない。
有終の美を飾るに相応しい最上の演出だった。

1話のアバンの謎が明かされた。
最後に明かされる作品タイトルの意味。

さらに1期1話、久美子があすかと初めて
邂逅した場でのあすかとの別れ。

エンディングも
メモリアルバージョンの楽曲と共に
描かれるノートと楽器。
そこには人物はいない。
いつまでも余韻に浸っていたくなる。

<ザ・世代交代>

まさか卒業生27名と在校生35名以上の
2組の演奏が聴けるとは。

希美は、在校生組の指揮者だったが、
南中では部長だっただけに堂々と頼もしい。
ブランクなければ部長候補筆頭だっただろう。
来期は、かなり頼もしい先輩として
吹部を盛り立ててくれそう。

来期の編成の課題も見えてきて興味深い。

例えばファゴットの
モデルのような美女二人は両方卒業生。
そのため在校生組はファゴット不在。

これでは、経験者20名以上の
新部員ゲットの目標立てないと
人材不足でコンクール出場すらおぼつかない。

逆に、この状況は新入生勧誘編だけでもドラマが生れる。
希美と共に部を辞めた彼女の同期生も呼び戻さないと。
原作者と連携してOVAでも何でもいいから作って欲しい。

新部長&副部長、優子と夏紀の
お笑いコンビの芸もピークに。
いじリ方が容赦ないので夏紀の前では
テンパらざるを得なくなる優子。
キレる優子の変顔は、いつの間にかシリーズ化。
6話、学園祭時のイチゴプレープ攻めの時より
顔崩れて本格的に。

今までの彼女の、そして1期での久美子や葉月も抜いて
ザ・ベスト・オブ変顔だった。

お多福顔とは実に縁起がいい。
北宇治に福が来たようだ。

<ザ・卒業>

卒部、卒業の描き方が非常にベタだったが
それが実に効果的だった。

自身の思い出の扉が開かれ心に沁みる。
こんな美しい思い出なんかじゃなかったけど。

制作者は、アニメ化に当たり、
原作では81名の部員を64名に絞り
部員全員に名前を与えた。
交友関係、趣味や嗜好の設定も抜かりなかったらしい。
その成果が滲み出てたように思う。

ちえり「先輩いなくなったら、私どうすれば…」
まいな「何をお言いで」

主要キャラの別れのシーンはもちろん素晴らしかったが
一番印象に残ったのは、
前回から存在感が倍増した加瀬まいなと高久ちえりの
一瞬の別れのシーン。

吹部になぜかお手玉道を持ち込む不思議な二人だったが…
ちえりは、新入生からお仲間見つけて
来期もその道を継承できるんだろうか。

<一期一会>

2期では、あまり活躍できなかったさふぁいあや葉月。

でも彼女たちとのとの出会いがなければ
久美子は吹部に入らなかったかもしれない。

そう考えると出番少なくてなっても
全話通じて変わらぬ最重要キャラと思える。

そして、久美子にとっては、

あすかとの出会いがあったから
ユーフォニアム奏者として大きな脱皮があった。

麗奈との交友関係があればこそ
特別で孤高な存在の価値と魅力を知った。

滝昇という素晴らしい指導者に出会えて
吹奏楽の醍醐味を味わうことができた。

高校1年生…一番輝ける青春の瞬間に
出会った人々は、あすかが教えてくれた楽曲と共に
一生忘れられない存在になったに違いない。

<久美子先輩と呼ばれる日は近い>

「さよなら」“Goodbye”
じゃなく「またね」“See you again”

きっと、久美子たちにまた会える。
そんな暗示が心地よい。

いつの間にか、
あすかと間違えられるほどの
奏者の技量を身につけていた彼女。

上級生となる久美子。
彼女の今後の活躍に思いを馳せる。
今度会うときには、
他者から感化される以上に
他者を感化する側に成長を遂げていそうだ。

以下は、原作者の武田綾乃氏の
アニメ最終回視聴後に寄せられた
2016年12月28日付のツイッターのメッセージの一部。

「努力は報われる、
ただしそれは本人が望む形とは限らない。
というのがユーフォシリーズを書く上で
一貫して決めているルールです。
北宇治高校以外の学校にもドラマがあり、
全ての部員たちが努力している。
その結果がどんな形であれ、
きっと一生大切にできる何かを
得られるんじゃないかなと思います。」

これに非常に共感。そして、

「久美子たちが二年生、三年生になり、
北宇治はどうなるのか……。
続きを読みたいと言ってくださる方に
良い報告ができるよう、
執筆活動を頑張りたいと思います。」

と続編への非常に前向きなメッセージを頂いた。

TVアニメの3期もずっと待ってます!!

そして、OPに一瞬映る大学時代の
滝先生、滝奥様、橋本先生、新山先生の4人。

櫻井孝宏、中村悠一、桑島法子各氏、
せっかくいい声優にめぐまれたことだし、
粘着イケメン、うっかりお調子者、おっとりしっかり、と
キャラも立っててこのままでは非常にもったいない。

スピンオフとして大学時代の滝先生を中心とした
4人を描くだけでもいい物語になりそう。

滝家の家庭事情、
滝昇の交友関係や奥様との馴れ初め、
トロンボーン奏者としての活躍などネタはたっぷり。

出来れば、小学生の麗奈や麗奈の父、滝昇の父も登場で
強豪だったころの北宇治描写も織り込んで。

滝昇が指導者となる決意を固めるまでを丁寧に描く物語。

企画されたら非常にうれしいですね。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 69
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

期待した次の曲も、優良回の多い名作でした。

世界観:7
ストーリー:8
リアリティ:9
キャラクター:9
情感:7
合計:40

吹奏楽コンクール京都府大会を突破した北宇治高校吹奏楽部は、強豪ひしめく関西大会に向けて練習を開始する。
臨時講師の先生も迎えて、レベルアップに勤しむ久美子たち。
しかし、そこへ昨年退部した傘木希美がやって来て……!?
(公式サイトより)

視聴の経緯は、2年弱で100作品のアニメレビューを書いた中で、私がまどマギに次ぐ点数(43点=あにこれ評価5.0)を付けたアニメ作品が響け!ユーフォニアムの1期だったからで、2期があると知ってからずっと心待ちにしていました。

初めての試みですが、リアルタイム全話レビューを(気づいた点の雑然とした列挙ですが)してみたいと思います。ネタバレ前提なので視聴してからご覧ください。

<第1話 まなつのファンファーレ>
{netabare}1話は1時間スペシャル。まずはさらっと見て、それから時間のある時に流し見しながら既に4周しました。

アバンがまず季節が違う冬というのが、最後のほうの伏線になりそうな予感。ノートは何の意味を持つのでしょうか。

序盤、全体的に色合いが薄いというか明るいというか、キャラの瞳の色が明るすぎるような気がしました(記念撮影から滝先生の挨拶あたり)。日光が当たっているシーンだからわざとそうしているかもしれませんが、少し違和感ありました。

滝先生の最初からポテンシャルがあると思っていたコメントは、1期が金賞・関西大会出場で終わったのが都合良すぎるという意見に対応した補足ですね。

1期のシーンをフラッシュバックで使う演出が目立ちましたが、最初のは少し長かったと思うくらいで、概ね良かったと思います。

久美子と母とのやりとりがリアリティ的に素晴らしい(「うん」のイントネーションで会話しつつ、姉のことについてはちょっと反応する、というのが絶妙な納得感)。家族との会話ってあんな感じになりがちですよね(親の立場になると、どうにかならないかと思いつつ)。

久美子が鎧塚の名前に反応できないのは変なような。人数多いけど、変わった名前だし。そして、みぞれがいつも先に来ているなら、麗奈の滝先生への台詞は、「今日も先に(鎧塚先輩)来てますか?」くらいかと。「いつも」ではなく、「ほとんど」にしたいですね。もしかして久美子に突っ込まれたいのでわざとそう言ったのか? いつもの状態で滝通いをしている場合、麗奈は滝先生に気持ちを気づいてもらいたいという行動に見えますが、関西大会前だぞ、とツッコミたくなります。

久美子の思ったことが口に出てました癖、あったあった(笑)

みぞれと麗奈を比べると、麗奈のほうが地に足のついた人間として描かれています。麗奈を単純に孤高の人と描かない姿勢は好感。

中学時代の人間関係も描いてきてますね。優子とみぞれの絡みは、1期にもちゃんと描かれていました(13話、コンクールの舞台袖)。

作画に定評のある作品ですが、キャラの線はあれ?と思うところがありました。希美があすかに復帰を申し込んだ時、後ろにいる梨子の右手のバランスとか。

しかし、花火大会からは作画も安定し、期待していた作りに戻ったように感じました。麗奈と久美子のゆりゆりしさは強めでしたけど。相変わらず久美子が塚本にそれほど意識していない距離感も良かったし(麗奈の「適当」が良い)、麗奈ののぞみの復帰に関する言葉「私だったら絶対逃げない。嫌ならねじ伏せればいい。それができないのに辞めたってことは、逃げたってことでしょ。」は、久美子が代弁してくれましたが、「麗奈だ」と思いました。大吉山の延長線上にいることが伝わってくる場面でした。

最後の花火に対する二人のリアクションはリアリティよりも二人の関係を表現することを優先したということで、悪くはなかったと思います。ここでの二人の会話(また来ようねに、素直にうんと返さない所とか)や、所々で久美子がハッとしたような表情を見せるところなど非常に良かったです。

全体的には期待が大きかった分、まずは無難な1話だったと思いましたが、繰り返して見ていると花火大会の出来は結構良いです。エンドクレジットの演出には石原立也氏と藤田春香氏のお二人の名前がありました。1期8話の神回を担当した藤田春香さんが下記記事のように後半を担当していたとしたら、また評価が上がりますね。
http://hotakasugi-jp.com/2016/10/06/tv-anime-eupho2-ep1/
{/netabare}

<第2話 とまどいフルート>
{netabare}いきなりプール、水着回となりました。水着回、自分は別に要らないんですけど、多くの作品でサービス的に盛り込まれているので、1期になかったこの作品でも売り上げを考えてってことなのでしょうか(原作は読んでないですが、原作でもあるのでしょうか→原作でもあるようです)。

まあ、全体的に軽い部分もあった回でしたし(麗奈の死んだ目とか(笑))、余裕のある今のうちに、義務は果たしておこうということでしょう。1期も前半はチューバ君の着ぐるみとかありましたしね。

それにしても、1期で余計に見えた「高校になったら胸が大きくなる」という話が、ここへの伏線になるとは恐れ入りました。麗奈のプイと目を逸らす所は絶品で、水着シーンよりも色気があります。

水着回でも、この作品はしっかりストーリーを魅せてきます。希美は1話ではどんな人物かわからず否定的な方向で見てしまいましたが、このエピソードを見ると応援したくなりますね。また、会話の運びがうまいので(深い話を突然させないということ)、リアリティ面はやはり高いと感じます。

久美子と麗奈の「引力」関係、1話から久美子のほうが優位なところが面白いですね。

来週、ついに1期の最終回から違和感のある(部からいなくなりそうな)伏線を張られていたあすかについて、その理由がわかるのでしょうか。

OPにも耳が慣れてきて、リピートしたくなっています。

この作品とは関係ないですが、ヴァイオレット・エヴァーガーデンのCMの作画が凄いですね。京アニの全力がここにも、という感じでした。{/netabare}

<第3話 なやめるノクターン>
{netabare}希美を復帰させない理由、あっさりと答えが出ましたね。こう言われてしまうと前回までしっかり伏線がされているので納得。しかし、トラウマの原因は何なのか。もう一山来て、しっかり解決させる展開になるような気がしますが、みぞれは掴み辛いし…。

今回、橋本先生からダメ出しを食らってしまったけど、滝先生も新山先生も表情を察するに気が付いてはいたようで、みぞれにプレッシャーをかけたらどうなるのかわからないので踏み込めていなかった感じ。2期はみぞれ中心に物語が回っていきそう。

優子の人間性はもう評価しているので、個人的には、久美子や麗奈と今の微妙な距離感を保ってほしいかな。ソロの件も、結果によって納得はしたみたいだけど、間違っていないという思いはそのままで良い。

コンクールについて、みぞれは審査員の好みで決まると言っていたけど、それは同じくらいのレベルだった場合ですよね。私は楽器演奏の上手さについて語れないけど、技術がある世界であれば、ひとつの演奏の中にもたくさんの分節化して説明ができる技術が介在しているのだから、それを評価するコンクールには意味があると思います。

さて、3話終了したので暫定評価といきましょう。
世界観は、日常系MAXの7点で問題なし。作画も音楽も良いです。
ストーリーは、次の話が楽しみでしょうがなくなっており、全話あれば一気見したいくらいですので8点。
リアリティは、変なキャラも登場していませんし、設定を壊すものもなし。9点からスタートします。
キャラクターはとりあえず8点にしました。2期の新キャラを含めてしっかり描けている印象。1期もでしたが、久美子がいい存在感出しています(劇場版よりも良い仕事しています)。また、キャラデザはモブキャラまでしっかり描かれていてよいですね。
情感は、まだ涙が流れるところまでは至らないですが、何回も見るとじわじわ来るところもあり、7点で。リアリズムに柱を置いた作品なので10点とかは難しそうですね。{/netabare}

3話までの段階で39点(=あにこれ4.6点)は過去最高得点かも? 1期の前半までよりも面白いので、おかしくはないはず。まあ、ここから先は神回がないと上がれないでしょうから、その出現を期待しすぎない程度に楽しみにしたいと思います。

<第4話 めざめるオーボエ>
{netabare}この回は、初見時は疑問回として、2回目はうるうる来る優良回として映りました。視聴者によっても評価が少し割れるかもしれませんね。私が2回の視聴で、なぜ異なる受け止め方になったのか、以下のとおり考察してみました。

疑問回と思う理由
・みぞれが久美子に原因を告白した理由が不明
・みぞれのトラウマによるパニック、演奏課題の解消が安易

前者からですが、みぞれはこれまでの描写から、周囲とあまりうまく付き合えず、ちょっと声をかけても返事が一呼吸も二呼吸も遅れて返ってくるようなタイプ。パニック時に理由を聞いたとて、久美子に心を開いて個人的な話をするだろうか、と思いました。

みぞれは久美子に、希美のフルートの音を聴いて気持ち悪くなったところを見られたり、合宿の夜にコンクールについて話したりした以外に、親しくなるようなシーンはありません(朝練は挨拶程度)。あすかが希美を復帰させない理由を久美子が知っていることも、みぞれは知りません。その状況であれば、みぞれは久美子を無視するか、「放っておいて」と言うのが関の山だと思います。

かといって、話の内容から優子にも言いづらいと思うので、久美子に語らせるようにするために伏線をもっと張ってほしかったという感じですね。

それから後者はそのまんまですが、3話かけて積み上げてきた希美の復帰、みぞれの問題をさらっと終わらせすぎではないかという点です。人を見ただけで気持ち悪くなる状態って、話をしただけで治るのだろうかと思いました。その後の2人が会った描写はないし、次回以降にも未解決部分が描かれるのかもしれませんが。

これじゃ、2人を接触させないようにしていたあすかや優子のほうが悪かったみたいですよね。あすかは最後のほうで穿った発言をしていますが、「直接話させて解決するとは思わなかった~」という反応にしないと、単に意地悪で希美を復帰させなかったみたいに聞こえてしまうかなと。

優良回と思う理由
・感情描写、表現が美しい
・楽曲の厚みが増したこと

なぜ久美子に話したのかという疑問を無視して、みぞれの心情吐露を優子がやり返すシーンは迫力があって良かったですね。元々みぞれは魅力的なキャラデザですが、希美とちゃんと話して笑顔に至るまでの表情の変化が素晴らしかったと思います。作画も気合が伝わってきました。

それから、1期ではソロと言えばトランペット部分だけでしたが、三日月の舞には終盤にオーボエのソロがあり、今回のようなドラマを肉付けすることによって、この音色を聴く際に、新たな感情を想起させることに成功したのではないかと思います。

今回のエピソードを見て個人的に理解が深まったと思えたのは、この作品のテーマ(の1つ)は友情(フレンドシップ)なんだろうなということ。1期から人間関係を緻密に描いている作品ですが、特に、人間が成長期に関わる(意識する)「友達(親友)」とは何だろうか、というところに焦点があたっているように思います。

親友と呼べる友達は、友達の中でも厳選された1人や2人くらいなものという認識が一般的ですよね。久美子と麗奈の関係を描くことで、互いが互いの「特別」な存在になっていることを表現しつつ、どこまでが親友のフレンドシップなのか、どこからがいわゆる百合なのか、という境界に迫っています。(別にその境界を決めるという話ではなく、受け手がどう判断するかに委ねているのかなと)

今回のみぞれと希美、優子の関係からは、友達関係に対する捉え方や重さは人それぞれであり、みぞれが希美のために楽器を続けていたという程に力を与えてくれるものでありつつ、お互いの捉え方のギャップにより相手を傷つけるものであることを描いています。

私も学生時代には親友と呼べる存在がいました。今でも交流がなくなったわけではありませんが、数年会わないこともザラですし、現在その関係性によって何かプラスになっていると実感できるものはありません。だから、今は友達や親友の有無について、あすかのようにどうでもいいと思ってしまうテンションなのですが、当時は本当に貴重な存在だったと思います。人生経験によっても、この作品の見え方は変わってくるかもしれませんね。{/netabare}

<第5話 きせきのハーモニー>
{netabare}まずは、前回のレビューについて補足します。2期4話までのストーリーは、原作の2巻にあたる内容とのこと。1期が1巻を13話かけて作られたのに比べてかなりのハイペースだったということで、4話の展開の速さに違和感を受けてしまったようです。

1クールかけて前回の結末という脚本は演奏ものの作品としてはおそらく物足りなくなるので、一気にまとめたのでしょう。その判断は間違っていないと思います。また、みぞれが久美子に心情を吐露したのも、久美子のあまりにも直球な核心をつく質問を投げかけたからということで納得できないこともないかなと思い、前回は自分の中で優良回に落ち着きました。

さて、音楽が戻ってきた5話。これは初見から優良回と思いました。三日月の舞をフルで、モノローグもなしに使ったのはここまでの土台があってこそ(私はもう少しフラッシュバックなどを減らしても良いと思うくらいでした)。みじょれのオーボエソロもやはり良かったです。

他のキャラクターの細かい指の動きまで表現した演奏描写も増えていましたね。今後どのキャラがメインになってきてもおかしくないと思えるのはいいですね(明らかにモブと思えるのは前髪が長い子と眼鏡の子の2人組くらい)。観客等もアップで登場すると今後の伏線ではないかと思ってしまいます(笑)

友情の描写がどうも過剰に百合っぽくなっている作品なので、希美のために吹く、という台詞は不要だったかなとは思いました(映像で、希美に伝わっているのがわかる演出をすれば良い)。

結果発表時の各キャラの反応も見ていて楽しかったです。松本先生はまた泣いているな~とか。

全国進出が決定する過程はあっさりな気もしましたが、ラストの久美子とみぞれの会話で綺麗な締めに。2期のみぞれ中心のストーリーはここで一段落となるのでしょうか。{/netabare}

<第6話 あめふりコンダクター>
{netabare}Aパートは文化祭、定番のメイド喫茶で萌えと百合(夏紀と優子も数えると既に3組か!?)をしっかり演出していました。しかし、同時にここで塚本と久美子のシーンが出てきましたね。久美子は意識しているのか、まだ曖昧な感じでしたが、塚本は完全に意識していました。この場面を入れてきたということは、今後の発展につながるのかもしれませんね。塚本は何を言おうとしていたのでしょうか。

しかし、息をつく間もなくBパートでは大学を中退すると言い出した姉と喧嘩をして、滝先生の亡き妻への思いを知る久美子と、あすかに何かが起こりそうなシーンが描かれ、エピソードが重くなっていきました。最後に出てきた女性はあすかの母だと思うのですが、家庭の事情で吹奏楽が続けられなくなるのでしょうか、今後の展開が気になる終わり方でした。

作画、台詞、その他の演出面にも大きな違和感はなく(小さいところでは、1年3組に3人しかいないのはなぜか、わざと声を出して笑うところはいらないかなとか)、盛り上がりのない回でも流石の水準にまとめてきました。麗奈が半分死んだ魚の目になっていたシーンは、2話からの重ね技で上手かったです。

また、台風の日でも特別の日として花を買いに行く滝先生、合宿時に滝先生の過去を久美子に話してしまったことを謝っていた橋本先生など、良い人が多くて見ていて気持ちが良い作品です。滝先生の動機からすると、フィナーレは全国で金賞となりそうですが、簡単に終わらないでほしい気も…。続編書いてくれないかな、と今から思ってしまいます。

原作既読の方によれば3巻は1巻や2巻以上に素晴らしい出来らしいので、今後の展開がますます楽しみですね。{/netabare}

<第7話 えきびるコンサート>
{netabare} あすかの退部についての伏線回収と、部の精神的支柱であったあすかが抜けた部を晴香が部長として引っ張る姿を見せるエピソードでした。春香のソロが良かったですし、金管の作画がこれまで以上に良かったように思いました。ストーリーとしての起伏はあまりなかった回ですが、無駄のない構成の中で、必要な伏線を張っている感じ。ここで藤田春香さんが演出をされましたが、今回の主役が晴香だからとか? 今回は「特別」というフレーズがよく出てきたましたが、少し使いすぎだった気がしました。

あすかの件は前回の最後に母親が出てきたことから驚きのない展開でした。滝先生の生徒の意思を尊重する姿勢、流石です。部活で全国大会への出場を決めた娘を応援できない親は最低ですが、この母あってのあすか(大人びて、影がある感じのキャラ)という面で納得するところも。

あすかはおそらく全国大会に出場できないのではないか。とりあえず、本人はそう考えているように思います。職員室でもめた翌日、低音パートの皆に詰め寄られたとき、「辞めない」とは言わずに「迷惑はかけない」と言い、夏紀に何か相談し、その後で夏紀が三日月の舞を吹いています。あすかは翌日から来なくなったので、代わりを務めてもらいたいと言ったように想像しますし、春香と香織に、演奏に響かなければ問題ない(自分がいるいないは関係ない)というようなことを言ったのも符号します。しかし、あすかと夏紀の演奏技術の差はちょっと特訓した程度で埋まるわけがないはずなので、今後の展開はちょっと心配ですね(代役ができましたというストーリーだった場合に私が納得できるのか、といった面で)。

最後に姉が出てきて、まだ進路に関するエピソードが続いていきそうです。{/netabare}

<第8話 かぜひきラプソディー>
{netabare} やはり夏紀が全国大会で吹く流れですね。ここからどういう組み立てがされていくのか目が離せません。こうなると、滝先生もユーフォの底上げのための方策を考えてくるのが自然な気がしますが、さてさて。

あと、久美子があすかに家に来るよう誘われていました。ユーフォの技術としては夏紀よりも久美子のほうが上なのだから、最初にあすかが久美子ではなく夏紀に相談をしていたのは違和感があったのですが、それもこれによって理由がわかるのでしょうか。

姉の話もより具体的になってきましたね、美容師ですか。詳しくはないですが、そっちを目指すなら専門学校に入るのが正規ルートだと思いますが、ダブルスクールのような形でもできないんでしょうかね。中退する必要性については補足がほしいかも。大学受験前に言えという親の意見のほうに同意かな。高校生などにとっては、進路は自分でちゃんと考えなきゃいけないと思わされる、好エピソードかもしれません。

自分も下の子ですが、下の子は上の子を見て育っていける(親からしても上の子が初めての子育てになる)ので色々な面で楽な気がします。{/netabare}

<第9話 ひびけ!ユーフォニアム>
{netabare} サブタイトルから期待はしていましたが、しっかりと応えてきましたね。物語の見た目の盛り上がりは大きくないし、涙腺が崩壊することもありませんでしたが、1期から伏線が張られていたあすかの闇、これまで不可解だった表情の意味や彼女の思考が理解できる重要なエピソードで、これまで以上に気合の入った作画と、台詞を使わないで表現する(今回は京アニらしい、手足を使ったところが多かった)細かい演出で本作らしさが十分に発揮されていました。滝先生に鍵を返した後の電車で、それぞれに物思いにふけっている描写が地味に好きです。

異様な演出がされていたのは、香織があすかの靴紐を結ぶシーン。あすかが香織に対して何らかの負の感情(例えば、家庭環境等の境遇や、性格のかわいらしさに嫉妬しているとか)を持っているのか、あすか側の問題か(母親を連想したとか)、よくわかりませんでした。

あすかが(元)父親に自分の演奏を聴いてもらいたいと思い、「私利私欲のため」にやってきたという告白は心に響きました。母親がなぜあすかの吹奏楽を応援できない理由についても一応の理解ができましたし、母親からの反対を封じるために学業も含め優等生を完璧にこなしてきたあすかの努力は、私利私欲としても尊いものだと感じました。「母親は好き嫌いではなく、枷」という表現を使っていましたが、子供にとって親は非常に大きな存在なのですよね。これは母親だけでなく、父親にもかかっているのだと思います。

あすかが久美子に話したのは久美子がユーフォっぽいから(笑)。あすかはユーフォが大好きで、久美子はユーフォっぽいってことで。これだけではなんだそりゃですが、このエピソード内で麗奈が説明してくれていますし、鋭い直球を投げまくる久美子のキャラとして違和感なく見られるようになってきました。あすかの人間らしい部分と笑顔も見られ、特殊EDで綺麗に締めくくられました。優良回です。

この回の演出は石立太一氏。ハルヒ、CLANNAD、けいおん、氷菓、中二病など京アニの名作においてコンスタントに演出を担当されています。監督作品の境界の彼方は今後見てみたいと思いました。{/netabare}

<第10話 ほうかごオブリガード>
{netabare} 今回は姉の大学中退問題をまとめつつ、あすかの復帰に繋がる回でした。姉との会話が伏線となり、久美子があすかに復帰を求めるシーン、そこまでのフラストレーションとその解放を魅せた演出・演技は力強かったです。でも久美子が訴えた最後の台詞は不要だったかな。

電車でぼろぼろ泣くシーンにも共感できず。これまでの姉との距離感にリアリティがあっただけに、「別に」と言った感覚のほうが自分にはしっくりきました。お互いがお互いを羨ましく思っていたことなどがわかり、姉が家を出ることをちょっと寂しいと言ったことで、昔を思い出すというのはわかりますが、笑顔でほっこりくらいが丁度良いと思います。

そして、新たな問題が発生してきているようです。あんなに仲の良かった麗奈が、久美子の送ったメッセージを既読スルー。突然久美子と距離を取りはじめました。滝先生の奥さんが写っている写真を見てからなので、久美子が滝先生の離婚の事実を知っていながら話してくれなかったことに怒っているのでしょうか? でも、先生もそのことをわざわざ伝えるとは思えませんし。これは次回を待ちたいと思います。

久美子とあすかとの対峙シーンはハラハラしましたが全体としては良回というところですかね。ちょっと自分には過剰演出が気になる回でした。{/netabare}

<第11話 はつこいトランペット>
{netabare} まずは、前回の感想の補足を。姉が自分のやりたいことをやることに素直になって、後悔しないようにと久美子に伝えたことが、久美子があすかを動かす言葉につながったという物語の作りは巧いと思う。思うんだけれど、あすかと対峙した場面にそこまで感動できなかったのは、「みんなって誰」、「みんなが本心を言っている保証がどこにあるの」、「そう言えるほどその人のこと知ってるのかなと思って」と畳み掛けてきたあすかに、「先輩は全部正しい」、「子供で何が悪いんです。先輩こそ何で大人ぶるんですか。先輩だってただの高校生なのに」という切り返しでは物足りなかったです。

「あすか先輩の本心は大会に出ることではないのか、ここまで努力してきて最後の最後に諦めるのが良いというのが本心とどうして言えるのか、人の本心なんて、自分にだって明確にわかるものではないんじゃないか?」といったところまで切り込ませたかったですね。

さて、今回は麗奈の恋の行方を回収する回でした。麗奈が怒っていた理由は当たっていましたが、なるほど、橋本さんに聞いたんですね。

大吉山のシーンがありました(これがあったから絵コンテを藤田さんが担当したのでしょうか?)。1期8話ほぼの盛り上がりはなかったですが、やはり映える背景ですね。

ただ、最近、キャラクターの横顔の目が大きすぎるとか、集中できなくなると音が悪くなるっていうのはワンパターンだよな、とか余計なことを考えてしまうところもちらほら。滝先生に奥さんの話を聞く場面も墓参りシーンも淡々と終了してしまい、感情の揺さぶりが弱いですね。

まだ終わっていないですが、冷静に、他のお気に入り作品と比較してどこまでの出来か考えると、2期は広げた風呂敷をたたむことに重点を置かれ、作品の完成度や芸術性として落ちそうですし、これで最後もひねりなく全国金賞となってしまった場合、リアリティも下がって更なる評価の下降は避けられないという感じです(去年地区大会銅賞でここまで上手くなるか? という根本のところに戻ってしまうので)。う~ん、期待が大きすぎたのでしょうか。次回を待ちたいと思います。{/netabare}

<第12話 さいごのコンクール>
{netabare} 今回は文句なしに優良回だったと思います。銅賞という落ち着け所も納得しやすかったですし、演奏や成績発表を全カットして、演奏後の3年生等を描いたのもグッジョブです。

コンクール全国大会の結末、あすかの父に見つけてもらえた喜び、麗奈の滝への恋、久美子と姉の和解、それぞれが高いレベルで表現されていたと思います。チョイ役でしたが、みぞれがバスに乗っているところや舞台袖で久美子とグーパンチするところで出てきたのも良かったです。

あとは、久美子があすかのノートを受け取って、秀一と発展する感じで終わるのか、麗奈とユリユリしながら終わるのか、後輩が出てくるまではやらないだろうけど(原作未読なので、どこまで描かれているのかも知りませんが)、新しい部長が決まるところは見られるのでしょう。今期抜けた存在感を示していたデカリボン先輩が筆頭候補ですかね~。

やることはほとんど終えたシナリオなので、最後回が余計に楽しみという心境です。{/netabare}

<最終話 はるさきエピローグ>
{netabare} 前回、全国大会の演奏を全カットしていましたが、卒部会にて1,2年だけの三日月の舞の演奏シーンがあり、音が薄かったのが良かったです。3年生だけの演奏もありましたが、ここのメイキングがどのように行われていたのかは気になります。ちゃんと役毎に担当者がいて演奏していたのだとしたら凄いなと。うまく誤魔化していたとしても私にはわからないと思いますが、この作品は経験者も納得させてきたので、そこまでやっていたとしても不思議ではないですよね。音楽アニメなのに演奏が少ないという意見も見ますが、私は効果的にちゃんと考えられて配置されていた印象を持っています。

この回の回想は、徐々に過去に遡っていき、1期1話の校門前まで戻るもので良かったです。また、久美子からあすかへの告白シーンは、黒沢さんの演技も上手かったと思います。そして、あすかからノートを引継ぎました(ここでタイトル回収!)。そして1話アバンに繋がるという、綺麗な締めくくりでした。

物語のクライマックスの後に1話残す構成だったので期待していましたが、3年生の引退・卒業、その思いを引継ぐ下級生、個々の出会いと別れまでがしっかりと描かれ、期待を裏切らない優良回でした。ラストは1期のように「そして私たちの曲は続くのです」とはいかず、「終」の文字が…。しばらく響けロスになりそうです。{/netabare}

<総評>
{netabare}やはり作画はトップレベルで、後半でも衰えませんでした。主要キャラも増えて、それぞれの人間模様も描かれていて、ドラマ性もあって良かったです。特に、本作の題名をサブタイトルに据え、謎の多かったあすかを明らかにした9話、全国大会に加え、今期に扱われたエピソードを綺麗にまとめあげた12話、1期を振り返りながら3年生の卒業を1話かけて見送った13話は秀逸でした。

一方で、スポ魂的に全国大会を目指すという目標に向かって突き進む中でそれに付随するドラマが描かれた1期に比べると、全国大会とは直接関係のない個別の友人関係や進路の話など、少し焦点がブレた(やむを得ないところではありますが)印象があります。

また、あすかの退部騒動は、あすかの言動が明らかに正しくないのに、それが正しいかのように振舞うあすかに若干フラストレーションが溜まりました(迷惑かけないって言いながら十分迷惑かけてるじゃないかと。夏紀が本心では全国で吹きたいと思っていたりしたらまた深くなるのですが、夏紀はそんな気毛頭ないですし、逆にプレッシャーかけられて可哀想でしたからね。

久美子には感情ではなく、理詰めであすかに対抗してほしかったと書きましたが、他の方のレビューを見て、納得できたのが、子供でいいじゃないかという感情で伝えたことによって、あすかが母を説得できたのではないかという解釈。全国30位というのはあすかが皆に説明した母を説得できたことの表面上の理由であって、真実は子供としての感情をぶつけた結果だったのだろうと。お陰でこの部分のもやもやは解消できました。

1期のような大化けはありませんでしたが、水準はキープしてきましたし、この3ヶ月は毎週水曜日を楽しみに過ごすことができました。
1期を含め、TVアニメ史に残るであろう作品をリアルタイムで視聴できた幸せを感じます。
関係者の皆さま、ありがとうございました&お疲れ様でした。
原作者には是非、本筋の続編の作成をお願いしたいですね。{/netabare}

(参考評価推移:3話4.6→5話4.7→9話4.8→10話4.7→11~12話4.6→13話4.7)
(2016.10~12視聴)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 101

91.6 3 京都アニメーションで卒業なアニメランキング3位
映画けいおん!(アニメ映画)

2011年12月3日
★★★★★ 4.3 (3046)
15466人が棚に入れました
「放課後リターンズ!」「けいおん!」は、いつでも進行形!!あの大人気TVシリーズが遂に映画化!TVシリーズでは描かれなかった、桜が丘高校在学中の軽音部5人の繰り広げるゆるやか部活ライフを描く。卒業を控えた軽音部3年生 唯、澪、律、紬の4人は、いつもどおり部室でお茶したり、バンドの方向性を話し合ったり?とゆるやかな時間を送っていた。そんなある日、教室で同級生たちが「卒業旅行」を企画していることを知り、唯たちも卒業旅行に行こうということになる。そのことを聞いた梓も参加することになり、各自、候補地の希望を出す中、くじ引きの 結果「ロンドン」へ行くことに決定!ガイドブック等旅行の準備をしながら、各自、ロンドンへの思いをはせる。

声優・キャラクター
豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈、真田アサミ、米澤円、藤東知夏、永田依子
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

出会えた奇跡に、ありがとう

これで、けいおん!シリーズの週刊連載もいよいよ最終回。私にとって、「始まりと終わりの物語」である映画けいおん!最後まで、お楽しみいただけたら幸いです。


◆出会いは、あの日あの場所で◆

時は、2011年12月18日。場所は、横浜みなとみらい。この日、この場所で、私は運命の出会いをしました。

その日友達ととある用事で出かけていた私は、流れでいっしょに映画を観ることになりました。作品は、『映画けいおん!』

実は当時の私はアニメの駆け出しで、けいおん!という作品は知っていたけれど、一度も見たことがありませんでした。そう、私はけいおん!という作品に、映画館で初めて出会ったのです。

「観たい」という友達に言われるがままについて行った私は、正直まったく期待していませんでした。が、その期待は見事に裏切られました。なんだこの、楽しそうな女の子たちの表情は。なんだこの、きらきらと輝く青春は。気がついたら私は一人、彼女たちの姿に涙を流していました。

その日のちょうど2ヶ月くらい前、当時の私にはとても悲しい出来事がありました。それも相まって、輝いて見えた彼女たちの永遠。その日から私も、ある永遠を手にしました。きっと色あせることのない思い出たちと、ずっと愛し続ける名曲を。

けいおん!という天使に出会えた奇跡。その奇跡に、心からありがとう。


◆この作品で伝えたかったこと◆

この映画けいおん!で伝えたかったのはきっと、「ありがとう」という感謝の気持ち。

この作品では、卒業旅行とあずにゃんへの贈り物が中心となって、お話が展開されていますよね。卒業旅行に行く中で、あずにゃんへのプレゼントを、伝えたい気持ちを一生懸命考えた。今まで過ごした大切な時間。忘れることのない思い出。伝えきれないありがとう。

そんな、いっぱいのありがとうから生まれた一つの名曲。

この曲も、あずにゃんの羽根になるかな?

なる!と思いたい

なるわ。たくさん詰め込んだもの。あずさちゃんへの気持ち、いーっぱい

気にってくれるといいな

あんまり上手くないですね

でもね、会えたよ! すてきな天使に

ゆい、りつ、むぎ、みおからの、あずにゃんへのありがとう。そして、あずにゃんからの、4人へのありがとう。その両方のありがとうが、この曲に込められているんだと思います。

でも、もしかしたら、それだけじゃないのかもしれませんね。けいおん!を見てくれたすべての人たちに。けいおん!の制作に関わったすべての人たちに。

この作品が描きたかったのは、けいおん!を通して出会ったすべての人に贈る、ありがとうの気持ちだったのかもしれません。

改めて、出会えた奇跡に、ありがとう。


◆まとめ◆

本編の中では、2期の第22話から第24話の間にあたるこのストーリー。まさか、けいおん!ファンの方でまだ見てない人はいないと思いますが、もしいたらすぐ観るべきです。そう、今すぐに。

女子校生ならではの友情と音楽を描いてきた、けいおん!シリーズ。

きっと、50年後も100年後も、色あせることのない唯一無二のその魅力を、一人でも多くの人に感じてもらえたら幸いです。


だいぶ私の個人的感想が強かったと思いますが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。


◇余談◇

『聖地巡礼?~玄のイギリス訪問記~』

※私が以前行ったイギリス旅行の紹介と、それを参考にしたゆい達の旅行のちょっとした解説です。興味のある方はどうぞ読んであげてください。

{netabare}はい!実は私も、この映画を観たちょうど後、イギリスに旅行に行きました。(たまたまですが)

時は、2012年8月下旬。日数はゆい達と同じ3泊5日。当時、私の姉がイギリスのロンドンで働いていて、父と二人で訪れたって感じです。(ちなみに母と弟は、同じ年の3月に行っています。)もう3年も前の話ですが、覚えてる範囲で書いていこうと思います。


☆1日目☆
たしか、お昼頃に成田発の飛行機に乗りました。飛行時間は13時間。電車以外の乗り物だと眠れない私は、ぜんぜん眠れず苦労しました。機内食は美味しかったです。出され過ぎて、常に満腹でしたけど ^ ^

☆2日目☆
夕方頃に、イギリスのヒースロー空港(ゆい達と同じ)に到着。クイーンズパーク駅にある姉の家に一旦寄って、ロンドン市内散策へ。イギリス初日にもうビックベン(世界遺産の時計台)を見て、その後、ロンドン・アイの観覧車に乗りました(ゆい達が乗ってたあれ)。もう夜だったので遠くはあまり見えなかったけど、輝く夜景はきれいでした。夕食は最寄り駅のイタリアンレストランへ。2種類のパスタとピザを食べました。そこそこ美味しかったと思います!

☆3日目☆
イギリス二日目。今日は本格的な市内散策へ。バッキンガム宮殿(たしかロンドンオリンピックのマラソンコースだった場所)を訪れて、お昼にイギリスの名物料理であるフィッシュ&チップスを試食。その後、トラファルガー広場と国立美術館を見学して、テムズ川の遊覧船クルージングへ。天気もよかったので、とても気持ちよかったです。そして、ゆい達も行った(はずの)大英博物館に行き、最後はどこかの劇場でミュージカルを見ました。演目はオズの魔法使いのエピソード0にあたる「ウィキッド」。といっても、私はほとんど眠っていましたが ^ ^

☆4日目☆
イギリス三日目。ずっと姉と父の金魚のフンだった私は、この日は一日一人で行動してみました。目的地は、ロンドン郊外にあるケンブリッジ天文台。小高い丘を歩いて登り、世界の中心、本初子午線をまたいで来ました。その後はロンド市内に戻って、ランチにハンバーガーを食べました。そして、ロンドン塔(ここの近くに、ゆい達が行ったはず)とタワーブリッジを見学し、リージェント通りでお土産の紅茶を購入。最後駅から姉の家に帰る途中、道に迷ったのには焦りましたが、きれいなイギリス人女性に助けてもらって事なきを得ました。家に着いてからは、夕食もろくに食べずに爆睡でしたが ^ ^

☆5日目☆
イギリス最終日。本当はアフタヌーンティーを飲む予定でしたが、飛行機の時間が13時くらいだったので、諦めることに(ここもゆい達といっしょ)。2度目の観覧車に乗って、イギリス旅行を振り返りました。4日間歩き回ったかいもあって、1回目よりも場所や地理がわかって楽しかったです。ラストはヒースロー空港から日本に、Sky High!


私がイギリスを訪れて特に面白いと感じたのが、いろんな人種の人々が集まっていたこと。ロンドンは年間1500万人以上が訪れる、世界有数の観光都市。ヨーロッパ系はもちろん、アジア系やアフリカ系などのいろんな人種の人がすぐ近くにいて、すごく不思議な気分でした。

また面白かったのが、アジア系の人々(日本人、韓国人、中国人)は顔が似ているのですが、服装でなんとなく判別できること。{netabare}中国人は二昔前のちょっとダ○い格好、韓国人はカッコつけた感じ、日本人は自然体、でした。(決して、悪口ではありません){/netabare}


ちなみに、ゆい達のスケジュールは以下の感じだったと思います。

♪1日目♪
成田出発(11時45分発)

♪2日目♪
ヒースロー空港到着→あずにゃんくつ購入(カムデン・タウン駅)→すし屋で演奏→ホテルへ

♪3日目♪
市内散策(ウェスト・ブロンプトン駅)→ベーカー街221b(シャーロック・ホームズ居住地跡)→大英博物館(ロゼッタ・ストーン)→アフタヌーンティー失敗→ロンドン・アイ(観覧車)→夜の屋台(バラマーケット)→ホテルへ

♪4日目♪
音楽店見学→ロンドン塔付近→買い物(グロスターアーケード)→ホテルへ

♪5日目♪
ロンドン・アイでライブ→ヒースロー空港出発(17時くらい)


私は家族のおかげもあって、楽しく安全にイギリス旅行を過ごすことができました。英会話はできなくてもなんとかなるし(できないと不便は不便ですが)、料理もそこそこ美味しかったと思います。お金や治安等については、各自気をつけていただければと。

私はいつになるかはわかりませんが、ぜひまた行ってみたいと思います。


ほんと無駄な長文を、最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m


{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

終わらないで欲しいという感覚。

この映画を観るにあたって重要なポイントは1点だけです。

是非TV版を観てから映画版を観てください。
これだけでもある程度成立はしてるんだけど、やはりTV版とリンクしているお話なので断然1期→2期→劇場版の順で観ることをお勧めします。

で、早速結論を言わせてもらうとお勧めです。
てか必見です!
お父さん‥けいおんさんを僕に下さい!!

そういう感じですw


映画版はオリジナル脚本でしかも海外旅行ということもあり、下手すれば作品のテイストが変わってしまう可能性もあったと思うけど、そんなこともなくとてもいい出来だったとおもいます。
相変わらずのマイペース。
いつも通りの関係性。
どこまでいっても日常。。。

なんかこう書くと誉めてるように見えないけど全力で誉めてます。

特にオープニング10分位の紹介&ネタはTVシリーズを観ているとニヤニヤが止まりません(●´ω`●)デヘヘ♪

ゆるさとハイテンションの夢のコラボレーションでチャンチャラ可笑しいわね?!

‥いや、スゴく面白いオープニングでしたw

勿論実際にヨーロッパをやったのは言うまでもありません!
まあ、言うほどのことでもありませんが‥(笑)

1つ「ん?!」って思ったのは
いつも突然登場するさわちゃん先生ですが今回ばかりは流石に度胆をぬかれた件くらいでしょうかw
いくら自分がけいおんを下僕かのように盲信してても、この登場を擁護できる自信はありません(; ̄∇ ̄)
唯の英語歌詞をしのぐ正真正銘、完全無欠の「どないやねん」ですw

逆にキャラクター以外でうまいなぁと思う部分の1つに、ライブ時のお客の数とノリ具合というのがありますね。
劇中ライブを3回ほどやるんだけど、そのライブのお客とHTTとの関係、時間、場所によって、
「だよな、確かにそのくらいの感じになるだろうなぁ。。」
という客席の雰囲気を表現してる。

そこはTVシリーズから一貫して上手くて、
けいおんの音楽の部分を支える1つの重要なパーツだと言っていいと思う。

そしてもう1つ巧いなぁと思ったのが帰りのタクシーの中。特に何がどうという訳じゃないんだけど、光、暗がりの表現、表情、座り位置、どれを取っても素晴らしい名シーンだったと思いう。

TV版のフェスの後もあったけど「祭りのあと」の感じを涙が出るくらい完璧に表現していたと思うし、
物語のAメロとBメロを繋ぐ間奏としても満点の効果だったと思う。

あと、飛行機の日除けを開けるシーンや屋上で思わず駆け出すシーンなど、日常の延長線上にあるきらきらしたシーンがゆるい日常とのギャップでスゴく胸に染みました。

着眼点も、まずこの卒業前の部分を映画化しようと考えたことに「いいところに目をつけたな♪」と思います。
さらに、無理に「曲作り」という本題を押し出さず寄り道、道草メインで展開した演出はお見事でした♪

あと、1つポイントだと思うのが、
例えばけいおんの笑いって、他の4人に向けたボケやら失敗など‥
つまりほぼ登場人物達の内輪ネタでできていて、視聴者が居ようが居まいが5人の世界で完結しています。

それを視聴者の特命工作員であるスタッフが気付かれないようにコソッと覗いてくれていい具合のアングルでいい具合に切り取ってくれて視聴者にお届けしてくれているような感覚です。

1人1人が別に視聴者を意識することなく存在してるのです。

もし、全国の人に覗かれていると知ってたら
もっと頑張って、
キレのあるネタを提供してくれたかもしれないけど、5人はそんなことにはお構いなしで、永遠のような限られた時間の中で「好きな音楽」と「やらなければいけない練習」と「目の前のティータイムとおしゃべり」の間を行ったり来たりしているだけなのです。

大切なのはそのときどきの今。

物語のエンディングってとても重要だけど、けいおんに対して思うのはエンディング来ないでくれ。

今がずっと続いてくれ

ということにつきます。


個人的には‥

観に行った。。
というより再会しに行った。と言う方がしっくりきます。

面白い!
というよりふわふわ時間をおすそ分けしてもらってありがとう♪と言う方がしっくりきます。

レビュー♪
というにはどうにも客観性が著しく欠けてしまいます(^^;)

どこからかこんな声が聞こえてきそうです。


『あんまり上手くないですね♪』

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ほるもん!

映画としちゃダメダメだけど。
だけど。。これ、けいおん!だからね。
ハルヒとは違うから。
だから同じダメダメでも遥かにあっちよりマトモっていう・・・。志的に。ポリシーがある。


映画作品の必須条件として最低限だけどサラッと初見さんフォローをしてるのがなんというか・・
申し訳なさそうに『すいません・・一応映画なんです・・』という、そのオーラが良い。

某消失でイラっとした初見とか予備知識なしのヤツがみるわけねえだろ?ってアホな態度がない。
これが初めてならTVも観てくれたらうれしいなってか。
わかってらっしゃる。監督とか演出さんがまともな人間だよな。


でこの作品、ビシっと締っちゃったらそれは『けいおん!』じゃなくなっちゃうんだな。
だからロンドンいらなくね?話の都合が良すぎね?ツマンネって人がいても問題ナッシング。唯のバカさがちょっとやりすぎ?・・ウザ・・は同感しとく。
大学はAOとか流行のカンニング・・・いや全部マークシートだったとか・・。

相変わらず山もオチも締りもない。最初から最後までふわふわ。ゆるゆるのグダグダ。
かといってドラえもんみたいに映画になったら冒険と友情の感動巨編だと作品をぶち壊しだからな。
結局OVAでもよかったんだろうし、2時間ただTVシリーズを繋げただけっていう雰囲気。切り売りできるレベル。
作画だってカット、コンテの切り方が映画用になってるだけでフルアニメでぬるぬるじゃないYO。全国じゃないんだからそりゃ予算も時間もガチには敵わない。
しかしエピソードの塊というか。元々4コマなんだし、それがこの作品の作風だし、これもあえてそうしてるんだろう。いいと思います。



ストーリーはせっかくのアンコールだから、梓の補完をしたかったのかしら。
TVはけっこうドライに終わったし。4人は大学が同じだけに。あずキャットかわいそうに。。
あとは原作で続きがあるがゆえにか。。

唯がでしゃばり過ぎだとも思うが、これはニーズに答えて?なのかな。唯あずの百合成分補給ってことでいいんでね。
アニメキャラとしては珍しい短足なキャラデザ、でもカメラは基本フトモモw2期の頃とブレてねえな。あのラストがすべてを物語るなぁと。。


ただし、作品から伝わるのは『もうけいおん!はやりたくない!』というメッセージ。
あくまで女子高生の時間こそが至高であることを強調してきますね。この感じ、どうしてもってなら、過去か、梓単品しかありえませんね。
分かりやすい例として{netabare}最後の最後まで制服は意地でも脱がせない。卒業してるけど式直後なんだからありしょ?という{/netabare}
すべてケジメはちゃんとつけたぞと。
その心がけやよし!


んで、ファンタジーだったTV版と違い男が大量に出る。モブだけど、先生も家族もでるし、しかもトイレもいく。2回?普通は描く必要のないことだし、わざわざ分かりやすく描くってことは・・。
{netabare}ロンドンでお茶もしないよね。ここも意味深。彼女達の世界はやっぱりここではないと?放課後だけが彼女たちの世界だったと。{/netabare}
修学旅行で京都から京都へ行く、男はクラウザーさん他しか存在しない。そんなTVシリーズでしたが、
要するに彼女たちがついにあの摩訶不思議な世界から一度だけロンドンという現実に似た世界へ出てきてしまった。

これもう、みんなもいっしょに軽音部を卒業してげんじつ!へ帰ってかなきゃいけないでしょ?もうそろそろいいしょ?みたいなことなのかしら・・・・。実際そんなもんだしね。
視聴者が歳をとっちゃう。
ナウシカがオームを帰すようなかんじで。。
森へお帰り的な・・・。
別の形、ご都合主義で受け取るなら梓=視聴者となる。
ありがとうと。
とにかく彼女達の人生は終わらないが、物語はおしまいですよと。勝手に読み取った。


余談だけど個人的にツボったのが冒頭、まさかのw{netabare}MMDけいおんモデル、恋のメガラバのリスペクト?!!{/netabare}やるなぁ公式wwあんだけ人気ありゃそりゃ巡回済みだったんね。まんまじゃんか。
消されてるのてツベ探すとのこってるよ・・

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

71.6 4 京都アニメーションで卒業なアニメランキング4位
劇場版 Free! -Timeless Medley- 約束(アニメ映画)

2017年7月1日
★★★★☆ 4.0 (35)
271人が棚に入れました
競泳選手として世界の舞台に立つという亡き父の夢を追い求めてきた少年・松岡凛。
父も泳いだメドレーリレーに特別な思いを持つ凛は、
共に競い合ってきた親友の宗介と考え方の違いで衝突してしまう。
やがて、最高のメドレーリレーを泳ぐために、凛は新しいチームのもとへ行くことを決意する。
更なる高みを目指してオーストラリアへと旅立つ凛。
そこで世界との実力差を目の当たりにし、苦い挫折も味わった。
帰国後は鮫柄学園水泳部で確かな実力を手に入れ、チームの要となった。
高校3年生の春、宗介との突然の再会。
再び同じチームで泳げると喜ぶ凛だが、宗介には高校生活最後の一年を
鮫柄学園で過ごすと決めた、誰にも言えない本当の理由があった――。
夢に向かってまっすぐに泳ぎ続ける凛が、
唯一無二の親友との「約束」に向き合う物語。

声優・キャラクター
島﨑信長、鈴木達央、代永翼、平川大輔、宮野真守、細谷佳正、宮田幸季、鈴村健一、豊永利行、内山昂輝
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

今回は撮影タイムまで、スマホの電源落とさなかったです。

 前回の劇場版Free!での時間軸で、完全に凜主人公、鮫柄学園水泳部、宗介、似鳥、百太郎たちとのメドレーリレーに懸ける熱い思いを描いた内容だったです。ちょこっと、遙達との前回・絆やTV放送で知られている絡みが出てくるですねです。

 凛の幼い日の記憶から始まり、Free!再編集というよりこれも新作カットが多く見られた凛目線の内容は、知っているFree!や前回・絆とは、更に違う世界観に見えたです。

 凛目線における鮫柄学園水泳部に焦点で描かれたFree!は、いつも遙たちを中心に描かれている世界観を見てきただけに、気にしていなかった熱い思いを改めてみた感じです。
 凛、宗介、似鳥、百太郎それぞれのリレーを最高のメンバーで挑みたい気持ちが、伝わった気がしたです。凛のリレーに対する熱いこだわり、宗介、似鳥、百太郎、リレーをしたい思いが、あふれたようだったです。
 それが、TV放送などでも同じみ、故障した肩を隠し切れなくなった宗介のエピソードが後半に加わることで、4人の団結というのか、思いは一つになってたです。

 凛目線だけあって、特に宗介の存在感が、結構大きかったです。{netabare}宗介から似鳥、凛から宗介に言ってた「勝手に諦めてんじゃねぇ」だったか?の言葉は、言っていた場面で印象に残ったです。

 ED場面で終わると思いきや、またもやハイ☆スピードに出てきたお二人さんの意味ありげな登場は、まだ先があるのかなぁと思ってしまうです。卒業した遙たちも出てきたけど・・・・。2017 10月21日だったか?では、これとは違う遙たちの卒業までのことを上映するらしいです。まぁ見にいくだろうなぁです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

71.3 5 京都アニメーションで卒業なアニメランキング5位
特別版 Free!-Take Your Marks-(アニメ映画)

2017年10月28日
★★★★☆ 3.9 (37)
250人が棚に入れました
 大学進学で上京が決まり、部屋探しをする七瀬遙。不動産屋に入った彼は、思わぬ人物と出会う(『運命のチョイス!』)。卒業する松岡凛らを驚かせるプレゼントがしたいと考える似鳥愛一郎と御子柴百太郎。ある日、百太郎が福引で当たりを引く(『秘湯のクーリングダウン!』)。4月から葉月渚、竜ヶ崎怜、松岡江だけになる岩鳶高校水泳部。そこで彼らは新入部員獲得のためのプロモーション映像の制作に乗り出すが……(『結束のバタフライ!』)。オーストラリアに旅立つ凛のために、水泳部の面々はパーティーの準備を進める(『旅立ちのエターナルブルー!』)。

公式サイト http://iwatobi-sc.com/

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

新しい旅立ちの前の、羽ばたく準備。心はこれまでより、ずっと強くつながっている。

「Free!」特別編映画。
2期と3期の間を描く短編4話で構成されています。

この4話を見ていないと、
3期で「こんな話あったっけ?」「誰?」と戸惑う場面が出てきます。

この作品を観る前に、テレビシリーズの2期までと
映画「ハイ☆スピード」を見ておく必要があります。

「ハイ☆スピード」は中学生編ですが、
そこで登場したキャラも登場しますので。

にぎやかな彼らにまた会える♪
100分ほどの作品です。


● ストーリー
春休み。

高校を卒業した3年生の遥(はるか)たちは新しい生活への準備を、
2年生の渚(なぎさ)たちは新入部員勧誘を準備を。

それぞれが新しい舞台に向けて動き出していた。


2期を終えて、
遥たち岩鳶(いわとび)高校組と、
凜(りん)たち鮫柄(さめづか)高校組がメインキャラとなりましたね。

今回は、
1話→遥と真琴(まこと)の東京での家探し
2話→鮫柄高校水泳部4人の温泉旅行
3話→岩鳶高校水泳部の新入部員歓迎ビデオ撮影
4話→オーストラリアへ旅立つ凜へのサプライズパーティー計画

キャラの活躍具合もバランスよく考えられていて、
どのキャラのファンでも楽しめると思います。

水泳要素は普段よりだいぶ少なめですが。

筋肉を期待している人が物足りなさを感じないように、
脱ぐシーンは自然と取り入れられていますので、そこはご安心をw

それでも普段よりは少なかったと思いますが。笑

普段のゆるいやり取りがメインなので、
全体的にゆるゆると楽しめました。

キャラの素の魅力を味わうには、
よかったですけどね♪

一番楽しめたのは4話かしら。

勘違いが暴走して、
伝言ゲームのように言葉がズレていって、大騒ぎww
おもしろくて、笑いましたww

勘違いを大真面目に受け取る様を客観的に見ているのって、
こんなにおもしろいものなのですね。笑

キャラも総出演だし、水泳シーンもあるし、
うまい脚本だと思いました^^


● キャラクター
今回は凜ちゃん推しな場面が多かった気がする…。
泣き虫なヒロイン凜ちゃん、かわいかったw

相変わらずみんな凜のこと大好きだね^^

そして今まではっきりと描かれていなかったけれど、
凜は妹の江(ごう)ちゃんのこと、大好きなのね^^

シスコンという新たな一面も見られて、よかった♪笑


そして百太郎(ももたろう)がうるせえww

自由奔放に子どもらしく振舞う百ちゃんは、
この作品のムードメーカーでしたね^^

“日本海のラッコ”という異名がなんかかわいいしw

登場するたびに全力大騒ぎで、
うるさかったことは印象強いですw


「ハイ☆スピード」で登場したキャラたちも、ちらっと登場し、
中学卒業後に彼らがどんな道を進んでいたのか、少しだけ見えてきます。

3期の登場にもつながりますので、
見逃せませんよ!


● 音楽
今回はEDがあまり印象に残らず。
キャラの台詞は楽しかったのだけど。

OPがよかった♪

しかし、4話構成だからと毎回OPとEDは必要だったのか?

1つの劇場版なのだし、
一気に見たい気持ちもありました。

まあ、OPもEDも4回聴けたのは、
曲が好きなら嬉しい構成かしら。

早送り派の人は、
とてももどかしかったと思うけど。笑

EDも毎回チョイスする部分や映像が
ちょっとずつ違っていたしね。

でもEDの映像のプチキャラは
あまりかわいいと思えませんでした^^;


【 OP「FREE-STYLE SPIRIT」/ STYLE FIVE 】

1期からのメインキャラである5人が歌っています。

いつものSTYLE FIVEらしく、
砂浜をかけて海に飛び込みたくなるような、
明るい曲ですね♪

ほんと、STYLE FIVEの曲はどれも爽やかでハズレがない♪


【 挿入歌「RISING FREE」/ STYLE FIVE 】

この曲に合わせて、
それぞれが新しい道を踏み出した映像が流れるの、最高だった。

離れてしまっても、
心はつながっている。

だってそれぞれが、
同じ気持ちと思い出を持って未来へ踏み出したから。

そこに迷いはない。

胸が高鳴る曲だわー!


● まとめ
遥や凜が車を運転していたり、
みんなが少しずつ未来に進んでいることが感じられるシーンもたくさん。

今までの思い出をたくさん胸に抱き、
新しい世界へ飛び出す準備をしているのが感じられる劇場版でした。

次の3期は、いよいよ遥たちが大学生となります。
新しい世界のスタート、楽しみです♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

視聴がもはや義務になりつつある自分はFree!ではないかもしれない

1.2.3期と劇場版-Free! Starting Days-は視聴済


「2期と3期がうまく繋がりますよ」と交流あるレビュアーさんから。てっきり-Starting Days-(※SD)で充分じゃん、と思っており油断してました。
3期は遥たちが東京の大学に進学してからの新生活を描いています。そこで展開される物語の土台が劇場版SDで描かれていることからこちらはマストに近いと思うのです。
対して本作-Take Your Marks-(※TYM)は時系列的には2期のちょい後、高校卒業を控えた日々を描いた話となってます。これはファンなら必見、そして3期前の事前準備としてはベターな位置づけになるかと思います。

他にも、劇場版はこんなのがあって、
・劇場版 Free!-Timeless Medley- 絆 …アニメの総集編を主人公視点で描いた話
・劇場版 Free!-Timeless Medley- 約束 …アニメの総集編をライバル視点で描いた話
自分はそこまで視聴のモチベーションは高くありませんが、こちらも2期までの内容解釈の幅を広げられそうですし、頭の片隅に入れとこうかと思います。


さてこちら -Take Your Marks-
意味はご存じ、「位置について」「よーい」「ドン」の「位置について」にあたるやつ。オリンピックとか世界水泳でもお馴染みです。
新生活を前にした事前準備。ちなみに私なんか高校3年生の1~3月なんて受験でてんやわんやしつつ、高校生活も終わりだと感傷に浸ってたかで、「位置について」というより「ロスタイム」の意識が勝ってた時期でした。
でもそこはさすがFree!と言ってよいと思います。タイトルからして前向きなんですよね。そして、3期の-Dive to the Future-(意:未来へ飛び込め)へと繋がります。

映画は4つの短編で構成されており、時間にして105分。ざっくりふんわり言うと、

 1.家を探す話
 2.鮫塚高校での話
 3.岩鳶高校での話
 4.外国行っちゃう人への話

いずれも送る人、送られる人、残る者、旅立つ者それぞれの立場での各々の思いに寄りそった心温まるエピソードが多かったかな。
Free!シリーズの中でも物語としては一番好きかもしれません。お別れを前にして、みんな次を見据えているこのポジティブさ加減が、ダレずに観れた理由でもあるし、きちんと軽めのエピソードから入って徐々に盛り上げていく構成もお見事でした。それにあまりそっち系の匂いもしなかったし。。。、

3.{netabare}あの1期ED映像。なんで行商人?すげーな!との戸惑いへの回答が用意されてます。まさかの伏線回収でした(笑){/netabare}
4.{netabare}短編で良かったと思えるテンポのいいコメディが秀逸。これクールでやるとダレてたかもしれません。{/netabare}


ただし、ちょっと苦言を呈すると、固定客向けのコンテンツになってるのが難ですね。
3期を観る前にマストの劇場版SD、そしてベターの本作劇場版TYMの視聴が条件になってました。発表順に時系列で追っている人には問題ありませんが、新規客はつらいかも。
続編はありそうなシリーズですので、例えば4期(仮)放送前に1.2.3期のさらに劇場版2本が必須でっせ!となるとだいぶ敷居は高くなっちゃうでしょう。
オリンピック年に続編をぶつける想定で、うっかり水泳熱が高まってたりする場合も充分考えられます。せっかくですので続編では既存顧客を逃さず新規を囲い込む難しい舵取りにチャレンジしてほしいなと思います。


競技人口(みんな泳げるでしょ?)のわりに水泳を題材にしたアニメって希少ですから。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

さばマヨネーズ、メカいくら、PKH東って・・・・・・・・。

 TV放送や劇場版の続きとなるお話だったです。これまでのような熱い青春展開の多かったFree!とは違うです。
 キャラそれぞれの日常があり、アットホームみたいだったり、高校生らしくワイワイしたり、ゲーマーズみたいな勘違い思い込み展開があったりと、また新しいFreeの世界観が見れて面白かったです。

 遙らだけでなく、今までの劇場版同様、ハイ☆スピードに出てきたキャラも登場したりしているのも見所です。最後には、新キャラも出てくるです。
 この伏線は、この話以降にどうかかわるのか?気になるです。

 キャラの個性を皆うまく引き出した、今までと一味違う楽しい展開は、総集編にないサプライズの連続で、こういうののほうがいいなぁと見てて思ったです。

 似鳥や特に百太郎がはじけてて面白いです。江も面白いです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
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