takato さんの感想・評価
5.0
無職にして童貞馬鹿!、そんな私の最高なヒーロー。痛快活劇を真に成し遂げることの途轍もなさ。
三大谷口監督作品の頂点(他の2つはスクライドとプラネテス)
人類救済を目指す聖人のようなラスボスと、復讐のために戦う無職童貞馬鹿ヒーローという逆転。
敵も味方も薄いキャラ皆無の豊かさ。
変態、変人、狂人たちの祝宴。強烈に生きる者は「変」なり。
私史上最も素晴らしい脚本。2クール中にクライマックス複数あり、アホな回あり、それでいて伏線張りと回収が完璧。
シャープでありながら強烈な独自性があるキャラデザとロボデザ。
最高の悪役とは単純にあらず。独自の信念や美学があり、単なる私利私欲なぞ遥かに超えた高みにある。
それでいて、主人公だけでなくこちらも絶対こいつはぶっ殺す!な気持ちにさせねばならず、しかも倒される時も決してヘタレてはならぬ。
本作のラスボス「鍵爪の男」に匹敵するのは、「ヘルシング」の少佐と「メイドインアビス」のボンドルドくらい。
小賢しかったり、良い子ちゃんな主人公なんて物足りない。駄目で馬鹿でも、哀しみと一番大切な物を抱える強烈な主人公の輝き。