ラノベ原作で聖女なTVアニメ動画ランキング 3

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早速見ていきましょう!

73.5 1 ラノベ原作で聖女なアニメランキング1位
聖女の魔力は万能です(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (418)
1386人が棚に入れました
ちょっと仕事中毒な20代会社員・セイは、残業を終えて帰宅した夜、突然光に包まれ異世界に「聖女」として召喚されてしまった。しかも召喚されたのは二人!?現れた王子はもう一人の女子高生にかかりきりで、セイのことは完全スルー。それならこっちも自由にやっていいでしょう?と、セイは王宮を飛び出し、元々の植物好きを活かして、薬用植物研究所で一般人として働くことになった。所長のヨハン、教育係のジュードに支えられ、ポーション作りや魔力の使い方を学んでいくセイ。だが、作ったものはすべて効能が5割増しで、思いがけず「聖女」としての能力を発揮することになる。そんなとき、セイのポーションが瀕死状態だった騎士団長・アルベルトの命を救い、次第に、セイこそが本物の「聖女」ではないかという噂が囁かれはじめるのだった……!?

声優・キャラクター
石川由依、櫻井孝宏、江口拓也、小林裕介、八代拓、市ノ瀬加那、福山潤、上田麗奈、梅原裕一郎

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

異世界転生スローライフ物

== [下記は第5話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第5話まで観た時点で、このレビューを書いています。原作は未読ですが、コミカライズ版は読んでいます。元々は「小説家になろう」掲載作品で、現在でもなろう版を読むことはできるようです。

女性が異世界転生するストーリーの代表格が「悪役令嬢」だとすると、異世界召喚される方の代表格はたぶん「聖女」なんじゃないでしょうか。

通常は1人しかいないはずなのに余分な召喚者がいるというパターンも増えてきているようですね。また前世の労働が過酷だったために異世界でスローライフを送るという話も増えてきてますね。

本作では儀式により聖女を召喚したものの召喚者は二人いてどちらが本来の聖女か当初は不明であり、儀式の責任者であった王太子である第一王子には無視されたセイは薬草の研究を中心にスローライフを開始するという、要素てんこ盛り的ななかなかに欲張りな作品となっています。

魔物の脅威はあるものの召喚されたスランタニア王国は基本的に治安の良い平和な国家であろうこととか、文化レベル的な物は台詞で事細かに説明するというよりはプロップデザインなどで画として説明されている感じで、その意味では作画的にもシナリオ的にもまあまあレベルは高いアニメだと思います。

派手なイベントは多くなく起伏の少ない話なので、主人公のセイを中心とした人間関係の機微とかに興味を持つことができないと、かなり退屈に感じる可能性は大です。セイ自身が多少照れたりすることはあっても基本的にはあまり恋愛に強く関心を持たないキャラなので、あからさまに「逆ハーレム」的な描写もあまり多くはありません。

ここにハマれればかなり気分良く観れますが、合わない人には「どこが面白いかわからん」的な作品だろうと思います。

あと、本作ならではの描写としてはなろう原作アニメでありがちな「ステータス表示」みたいなものは無しになっています。

コミカライズ版はセイはウインドウ的な表示で自身のステータスを知ることができていたのでたぶん原作も普通のなろう作品的に主人公のセイは自身のステータスやスキルを確認できる設定であったのがアニメで改変されたんじゃないかと思いますが、これが想像通りだとすると個人的にはこれは改変して正解じゃないかと思いました。
== [第5話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.6.23追記:
最終話まで視聴終了しました。結局アニメは現在6巻まで刊行されているコミカライズ版を追い越したようです。スピンオフコミック『聖女の魔力は万能です ~もう一人の聖女~』の描写も取り入れつつ、卒のない出来のアニメ化となったようです。

こう書くと怒られそうですが、ディオメディア制作とは思えない終始安定した作画で、最終話まで安心して観ることができました。

そして主人公のセイがだらけたりむくれたりする表情が大変かわいく、2021年春クールではかなり気に入った作品になりました。

原作を読んでいる人からすると色々なエピソードがオミットされているという声も聞かれますが、原作が継続している1クール作品と考えると「ちゃんと1クール観終わった」と感じられる、なかなか考えられたシリーズ構成だったのではないでしょうか。

社内に兼業ラノベ作家陣を抱える、ある意味ディオメディアの強みを見せた脚本だったと言えますね。

音楽面では「結城アイラ最強!」とでも言うべき出来で、ここもなかなか素晴らしかったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

こんな異世界生活なら、多少強引に召喚されちゃってもいいかも(笑)

安全な所で、高貴な美青年に囲まれて、みんなに大事にされてww

おまけにこの異世界で貴重な、異世界モノお決まりのチート能力を持ってる上に、
異世界召喚効果?でちゃっかり目もよくなって、
さらには容姿までなぜか綺麗になっちゃって。


お話としては、
それだけなんですけど、
それだけで、十分、
羨ましいですよねえ!(*^~^*)

腐ってるって思われてしまっては心外です。
ですが、そう思われたって、このゆったり幸せな感じは、
やめられません(*^▽^*)

もちろん、他人様にはお勧めしたりはしません。


作画が意外と丁寧だとか、
主人公セイちゃんのキャラクターがおっとりしてて親しみやすいとか、
男性の、騎士とか貴族とかだけでなく、同性のお友達もちゃんとできたりとか、
お勧めできるところはいろいろあるのですけど、
やっぱりこういう、まったりした逆ハーレム感、
こっそり楽しみたい世界ですね(#^〇^#)


観終わりました。
{netabare}最終回での魔物との戦いは、この作品の苦手なところみたいで、
ちょっと観ていてガッカリでした。
作品の主旨と違うから?
こんなカッコ悪い戦闘描写だったら、絵にしないで、後方支援に徹しておいてほしかった、かな・・・?

それでも。
逆ハーレム要素満載なのに、
セイちゃんが一途なの、悪くなかったです。
最終回で、やけにセイちゃんの唇のアップが多いような気がしたんですけど、
それもよかったと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

異世界転移モノの秀作

原作未読。最終話まで視聴。

異世界転生・転移モノと主人公最強は、決して相性が悪いとは言えない。
異世界転生・転移モノと中二病は、かなり相性が悪い。
異世界転生・転移モノとハーレムは、主人公が中二病を発症していなければ問題ない。

まあ、個人の見解ですが、おおむね以上の通りかと。
もう少し補足すると、主人公が大人(もしくは元大人)で、その大人っていう設定が活かされてさえいれば、おおむね間違いないように思います。

さて、本作の主人公は大人です。
しかも女性。
大人の女性という設定はしっかりと活かされています。

主人公最強と言えば言えなくはありませんが、それはあくまでも結果的にという話で、いわゆる主人公最強系とは異なります。

逆ハーレムの兆候は見受けられますが、主人公が中二病を発症していないので問題ありません。

ゆっくり、まったりと物語は展開していきます。
これはお気に入りの棚直行ですねぇ(笑)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

71.6 2 ラノベ原作で聖女なアニメランキング2位
魔王様、リトライ!(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (510)
1900人が棚に入れました
大野晶は自身が運営する「GAME」内のラスボス「魔王・九内伯斗」にログインしたまま異世界へと飛ばされてしまう。そこで出会った片足が不自由な少女と旅を始めるが、圧倒的な力を持つ「魔王」の存在を周囲が放っておくことはなかった。魔王を討伐しようとする国や聖女から狙われ、一行は行く先々で様々な騒動を巻き起こすことに…!

声優・キャラクター
津田健次郎、高尾奏音、石原夏織、戸松遥、豊崎愛生、佐藤利奈、生天目仁美、徳井青空、森久保祥太郎、久保ユリカ、荒浪和沙、木下鈴奈、桜咲千依、M・A・O
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

チープな異世界と不可思議なギャグが生み出す化学反応

アニメーション制作:EKACHI EPILKA、
監督:木村寛、シリーズ構成:谷崎央佳、
キャラクター原案:飯野まこと
キャラクターデザイン・プロップデザイン:中山知世、
音楽:宝野聡史、原作:神埼黒音

一介の会社員である大野晶は、
自らが制作・運営しているネットゲームの
「インフィニティ・ゲーム」を廃棄する決心をしていた。
サーバーとの契約が切れる日、
大野はゲーム内のラスボスである
魔王・九内伯斗にログインしたまま、
ひとりでゲームの終わりを迎える。
しかし、日付が変わった瞬間、
自らが制作したゲーム世界へと
飛ばされてしまうのだった。

巷では極めて評判の悪いこの作品。
作画の巧拙に重点を置いている人は、
観ないほうが良いだろう。
私も実は4話目くらいで、作画の質の低さが
気になり出して断念しそうになった。
馬車、岩山、そしてモンスターの造形に至るまで、
そもそものデザインの質が相当低い。
それだけでなく、もちろん動きも不自然。
OPの最初でモンスターが森から姿を現すのだが、
全く動かずに止め絵だけがヌーッと
そのまま上昇してくるシーンを観たときは、
思わず吹き出してしまった。
また馬車の出口にノブが付いているのに
出るときには引き戸になっていたりと、
『いもいも』級の失態が見られる。
普通に考えると、これは完全にアウトだろう。

それなのに観続けたのは、ストーリーが
よく出来ているからかと問われると
そんなこともない。
突然、ゲーム内に飛ばされた主人公が
戸惑いながら幼女や王女、側近などを連れて
現実へ帰るための謎を探りながら旅をしていくのだが、
世界観や全体の概要が今ひとつ掴めないため、
何を追っていけば良いのか分からないのだ。

では、何が良いのかというと、
コメディを全面に押し出した作風だ。
失笑してしまうようなギャグのセンス、
あり得ないようなチープなネーミング、
ドラえもんのアイテムのような万能道具という
様々なものを絡み合わせながら、
不可思議ともいえるコメディが展開されていく。
これが、ほかの作品にはないような
特異な世界観を作り出している。
そこに面白さを感じるかどうかによって、
評価が変わってくるだろう。

大枠で選別するなら『オーバーロード』に
『転スラ』を加えたテイスト。
第三王女・ルナの寂れた領地を
病院と温泉によって繁栄させ、
その土地を自らの拠点にしていくのが、
後半からの大きな流れになっている。
そこには迫害された獣人がいるなど、
『盾の勇者の成り上がり』風ともいえる。
また、もうひとつの特徴は、主人公・九内伯斗のキャラクター像。
全身黒ずくめのファッションに長髪。
昔のハードボイルド映画よろしく、
いつも煙草に火をつけている。
この煙草は、気力回復の効果があるアイテム。
彼がいつも冷静沈着にふるまい、時には霧雨零という
暴走族風の男にキャラチェンジできるのも風変わりだ。

もうひとつ、長所を挙げるとすると、
魔王が主役といっても、弱者に対しては、
いつも優しい視線が注がれていること。
{netabare}例えば、ヒロインのひとりアクの足を治した後に、
魔王が歩く練習をさせるシーンを
きちんと時間をかけて入れたのは好感だった。{/netabare}
また、村おこしを行っていくときに
差別なく多くの人々に手伝わせようとする。
自分の拠点であるゲーム内の『不夜城』を
居心地の良い場所へと変えていく。

そして、いちばんの特徴となり得るのが、
ゲームを作成・運営したのが主人公自身だということ。
管理者権限があって、実際は色々と使用している
ようなのだが、それがいまひとつ伝わらない。
この設定をもう少し上手く活かせば、
さらに面白くなる要素はあるだろう。

マツコ・デラックス風のマダム、
ノマノマの女将、ヨガ殴り、白い三連星など、
作者の創造力の小ささを感じるものの、
世界観に慣れてくれば悪くないように思えるから不思議。
ほかの異世界ものとは一線を画しており、
なぜか惹きつけられるものがある。
(2019年9月27日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「これは……普通に面白いな」

レビューのタイトルは作中の居酒屋ノマノマでの「これは……普通に美味いな」という台詞をもじったものですが、微妙な作画などもあいまって一見ヒドい作品に見えますけど私は普通に楽しめました。

小説家になろう → 商業出版により書籍化という原作をアニメ化した作品のようです。私は現在「小説家になろう」に残っている分だけ読みました。

現在の書籍版は「小説家になろう」版とはストーリーが分岐しているようですが、とりあえず今回アニメ化された範囲で目立ったストーリーの変更はないようです。

主人公の雑な考えと側近による忖度の齟齬など話の構造としては『オーバーロード』に似たところもある本作ですが、主人公の入り込んでしまう世界の環境が旧来プレイしていたゲームとは異なっていることや『オーバーロード』の「守護者」に相当する側近が最初はおらず徐々に召喚していくこと、仲間にしていくメンバーは異世界側が中心であることなどが大きな違いになっています。

ストーリーについてですが、かつて大野晶(おおの あきら)が自ら作成しプレイした「INFINITY GAME」において大野晶は「帝国」と呼ばれる国家において一般プレイヤーの敵として君臨する組織の「長官」と呼ばれた九内伯斗(くない はくと)としてプレイしていました。

転移した異世界の「魔法」と魔王様と呼ばれる九内伯斗(中の意識は普通の社会人だった大野晶)やその側近たちである「帝国」サイドのスキルやアイテムのシステム体形がまったく異なるのに、仕様通りの効果を発揮するというのがストーリー上のポイントでしょうか。

いわゆる「主人公無双系」のお話ですが、「帝国」が力による覇道を目指したのに対して今回はソフトパワーを中心にしようとしている点が個人的には気に入っているところです。いや、戦っても普通に強いんですけどね。

もちろん他にもそういった作品はあるわけですが、本作の場合は各ヒロインについて、必ずしもキャラクターデザインに依らない可愛さみたいなものを感じます。

特に最初に出会ったアクや聖女ルナ・エレガントは主人公からは完全に子ども扱いされていましたが、そこも含めて「カワイイ」と思えました。あとは聖女エンジェル・ホワイトの「チョロさ」とか(笑)。

なお、ノマノマの女将の名前がイエイであったりとかなろう原作ならではの小ネタもたくさんありました。まあ、知らなくても特に視聴に支障はありませんが。

面白かったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

続け!

原作未読。最終話まで視聴。

印象としては、『かなりチープなオーバーロード』
”かなりチープな”、がポイントです。
作画も含めて、登場人物も含めて、世界観も含めて、かなりチープ感が漂います。

津田健次郎さん演じる主人公の心の声が高評価です。
主人公が落ち着いた大人っていうのも高評価です。
この2点が異世界転生モノの成功の秘訣だと思います。

エンディングの「続け!」も気になりますね。
第2期を期待して待ちたいと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

70.6 3 ラノベ原作で聖女なアニメランキング3位
賢者の孫(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★☆☆ 2.9 (608)
2582人が棚に入れました
ある青年が事故をきっかけに、異世界に赤ん坊として転生。そんな彼を稀代の魔術師・マーリンが拾い、シンと名付ける。シンはマーリンの孫として育てられ、魔術も学ぶ。だがマーリンは、常識を教えるのを忘れていた……。

声優・キャラクター
小林裕介、小松昌平、本泉莉奈、若井友希、屋良有作、高島雅羅、森川智之
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

他者の存在しない異世界

アニメーション製作:SILVER LINK.
監督:田村正文、シリーズ構成:高橋龍也
キャラクターデザイン:澤入祐樹、原作:吉岡剛

ラノベ業界では、異世界転生ものが大人気で
未だに次々と新しい作品が発表されている。
RPGをバックボーンにして、
様々なシチュエーションを考えれば、
それほど細かい設定を考えなくても
作品として成立するからだろう。
しかし、そのため物語について、
深く考えなくても、いわば一発芸のような発想で
ストーリーを生み出せるのではないかと感じてしまう。

私にとって、これらの作品は
好みがはっきり分かれてしまう。
RPGをバックボーンとした世界観は
作者の嗜好がダイレクトに反映されやすく、
根幹に漂う気持ちの悪い欲望を感じてしまうからだ。
RPGは、主人公のレベル上げが終わった後に
世界中を巡るのが、とても楽しい。
自分が世界最強で、何をやるのも思いのまま。
なろう系のなかには、そういう方向性で
ストーリーを考えているのではと思える作品がいくつもある。
そこでは他者に対しての視点が決定的に欠けており、
自分だけの都合でストーリーが進んでしまう。

異世界ものでは『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』が
個人的には似たような評価だが、
向こうは基本的にエロ描写がウリの作品で、
少しこの作品とは方向性が異なる。
『デスマーチからはじまる異世界狂騒曲』も
呆れるところは多々あるのだが、
この作品よりは、まだ観られたという印象。
ちなみに世間で低い評価を受けている
スマホは未視聴なので、比較できない。

私にとって異世界転生ものや魔法を使う物語において、
俺Tueeeeかどうかというのは全く問題ではない。
むしろ、そのジャンルにおいては、
ほとんどが主人公最強の物語といっていいだろう。
(『灰と幻想のグリムガル』も同様)
このタイプの作品においては、
一体何を目指して、物語ろうとするのかというのが
いちばん大切になると思う。
そして重視するのは、人間をどこまできちんと
描けているかということだ。

賢者の孫は、現代で死亡した主人公が、
異世界に子供として転生して賢者に拾われたことで、
最強の力を手に入れていくことになる物語。
作者が考えたなと思えるのは、
「賢者の孫として育てられた」という部分だけで、
そのほかは、他作品の劣化コピーといえる。
例えば、常識を超えた発想によって魔法の力を
増強させるという部分では、
『ロクでなし魔術講師と禁忌経典』のほうが、
よほど考えられていて面白いし、学園内で魔法で
無双するのは『魔法科高校の劣等生』の
超劣化版ともいえる。
新しい発想で考えられたと思える部分は、
皆無といって良いだろう。

しかも、この作品が良くないと思えるのは、
キャラクターの思考がとても浅く、
他者について、ほぼ何も考えていないと
思えるような展開になっていること。
{netabare}例えば、最初に魔人となった同級生を殺した事件において、
周りはシンを「凄い、凄い」というばかり。

この同級生の魔人を殺した件から後は、{/netabare}
シンを英雄だと持ち上げるだけで、
他校との訓練など同じような展開で物語は進み、
陳腐なシシリーとの恋愛話から、
魔人討伐へと旅立っていく。
一緒に戦う同級生は何人も登場するのだが、
きちんとキャラとして描かれているのは、
主人公のシンとアウグスト殿下だけ。
おそらく作者自身は、このふたりのキャラに
分かれて世界を形作っているのだろう。
ほかの人物は覚える必要もないし、
シンをもてはやすモブでしかない。
もはや他者の存在しない異世界だ。

{netabare}また1話を使ってオリバー=シュトロームが魔人になった
理由について回想されるわけだが、
この物語があまりにもひどすぎる。
中学生が考えたのかとも思える
お粗末さに呆れかえってしまった。
あれだけの城を持ちながら、
側近やまともな兵士は誰一人いない。
また城を長期間留守にするのに、
シュトロームは何も備えをしていない。
この展開をやるのはいいとしても、
もう少し中身を考えて欲しかった。{/netabare}

そして、シンがほとんどひとりで解決してしまうため、
{netabare}最終回でシシリーが奮闘しているシーンでさえ、{/netabare}
ただの茶番にしか見えないことを
原作者や制作陣は考えないのだろうか。
ここはシンが「俺スゴイ」とやるのではなく、
シシリーが自分のやり方で解決するか、
もしくはシンと共同でやり遂げて
成長を見せる場面だろう。

VTUBERの棒演技や物語と全く関係のないED、
このすばからの使いまわしの屋敷などもひどいものだが、
それすらも些細な問題と感じてしまうのが、
この作品の突き抜けたところ。
唯一の良い点といえるのは、アクションシーンの
動きということになるのだろうが、
作画の手抜きの目に付く点を考えても
相殺されるようにしか思えない。

シルバーリンクは近年たくさんの
作品を製作しているが、
「デスマ」や『サークレットプリンセス』など、
低評価の作品を連発していて、
作ればいいという流れになっている。
この作品で、また新たな悪いイメージを
重ねてしまったのではないだろうか。
(2019年7月7日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 76
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

良くも悪くも量産型の一つ

原作未読


リアタイ放送中作品のレビューを書くことも読むこともほぼしない私なのですが、、、
それでもこの『賢者の孫』については、アップされてるレビューのタイトルやら、「最近投稿されたレビュー」欄の低い配点やらを横目で見てても酷評花盛りであることは伝わってきました。

自分ですか?
恥ずかしながらけっこう楽しんでました。主人公については「お!強えーじゃん!」「イキってないしいい奴じゃん!」とまあこんな感じです。
例によって転生ものです。生まれ変わってイェイ!ないつものやつです。このテのニーズってどこから生じるんでしょう。そんなに現状不満な人が世の中には多いんでしょうか?欲張りすぎじゃないっすかね。


「ぶっ飛ばせ常識をー」このOPのわいわいきゃっきゃしてるのが自分は苦手です。
あからさまに嫌だったのがこれくらいで、あとは可もなく不可もない内容でした。あらすじは省略。


私からは意外と大丈夫でないかい?との立場で以下作品紹介のみ。

■チートの理由
名の知れた大賢者マーリン=ウォルフォード(CV屋良有作)とメリダ=ボーウェン(CV高島雅羅)を義理の祖父母として主人公シン=ウォルフォード(CV小林裕介)は英才教育を受けることになります。この時点で看板に偽りなし。
マーリンもメリダも人間国宝級の扱いということで王家とも親交が深く、剣術指南も一線級の師範がいてと師匠に不自由はしません。それに本人も努力してましたよ。
授かりスキルではないよね、って点で及第点です。

■ハーレムちゃう
わりと早い段階でシシリー=フォン=クロード(CV本泉莉奈)が正ヒロイン確定し、まわりは応援する立場にまわります。
女子も男子も恋慕の情というより能力に対する尊敬の念が強そうです。

賢者に育てられて強くなったわけだし、人里離れて暮らしてて常識知らずってのも、あっちこっち手を出さずに一途だってのも、まあまあよろしいんじゃないでしょうか。
{netabare}水着回で、お祖母ちゃんの水着が最もセクシーだったのが笑えます。周囲の耳目を集める有名人は、体型管理に余念がないということかもしれません。{/netabare}


そして可もありません。
2期あっても観るかどうかわかりませんが、たぶん続編のほうが面白くなりそうな気配がある作品です。
{netabare}シンくんが世間に知られるに従って、シンくんその人自身や国宝級の魔導具その他強大な力の政治利用という観点が入り込んできそうです。
アルティメットマジシャンズという同期の仲間が出来たということは裏を返せばその別れも描かれることになるでしょう。{/netabare}
お披露目の本作は正直なところドラマはぺらっぺらでしたが、そっちは期待したい。ただ2期はなさそうだなあ。。。

{netabare}俺たたENDも続きが無ければ単なる凡庸な作品の一つということで終わりそうです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~6月

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2020.01.30
《配点を修正》-0.1



2019.06.30 初稿
2019.07.23 修正
2020.01.30 配点修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

スマホやデスマよりは・・・(これって誉め言葉?)

原作未読。最終話まで視聴。

【まず褒めよう!】
主人公が強いので、安心して視聴できる。
主人公が強いので、サクサク物語が進む。
主人公が強いのに、ハーレムじゃない。
主人公が・・・、・・・。ああっ!もう思いつかない!

要するに、ハーレムじゃないってことだけでも、スマホやデスマよりは数段マシだと思います。

【まずは軽めにツッコもう】
せっかく主人公を社会人出身にしたのに、「常識が無い」とはこれ如何に?
これでは、主人公を社会人出身にした意味が無い。

強いて言えば、『魔法詠唱が恥ずかしい』ってところは大人っぽいかな?
せいぜいこの程度。
異世界スマホの「スマホ」と同じくらい、後々お荷物になっちゃう初期設定。

【最後は強めにツッコんでおこう】
{netabare}この作品を視聴していて一番感じたこと。
それは「この作品の原作者は、本当に大人なのか?」ってこと。

物語が稚拙過ぎる。
どこかで見聞きしたエピソードがテンプレ通りに延々と続く。
どこかで見聞きしたくだりの詰め合わせという印象。

恋愛表現が稚拙すぎる。
第8話。「まあ、そんな訳でシシリーと恋人同士になりました」
野次馬の多さはコメディだとしても、このセリフはないでしょう。
こんな斬新な報告、聞いたことが無い。

『原作者は中学生』って言われると、妙に納得のいくレベル。{/netabare}

{netabare}なんか、酷い声優さんがいるなぁって思っていたら、素人のVTuberさんでしたか。
意味不明なEDと共に、この作品の評価を大きく下げちゃいましたねぇ。

別に、VTuberさんを否定するつもりはないんですよ。
ちゃんと演技が出来るのならば・・・ね。
プロの声優さんの中に、演技が出来ない人が1人混じるから、滑稽なことになっちゃう。
しかも、作品とは全く関係のないED。
アニメファンを敵に回すつもりなら、大成功だったんじゃないかな{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50
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