ファンタジーで修羅場なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのファンタジーで修羅場な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月22日の時点で一番のファンタジーで修羅場なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.9 1 ファンタジーで修羅場なアニメランキング1位
機巧少女は傷つかない(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (1656)
11018人が棚に入れました
《機巧魔術(マキナート)》が隆盛を極めるイギリスのリヴァプール。日本からやってきた留学生・赤羽雷真(あかばねらいしん)は、美しき少女の姿をした《自動人形(オートマトン)》の夜々とともに、《機巧魔術(マキナート)》の中枢・ヴァルプルギス王立機巧学院の門を叩く。全ては《機巧魔術(マキナート)》を操る人形使いたちの頂点であり、尊敬と畏怖の象徴である《魔王(ワイズマン)》の称号を得るため。それには《夜会(やかい)》と呼ばれる学院の成績上位者100名で行われるバトルロワイヤルを勝ち抜かなくてはならない。《自動人形(オートマトン)》を駆使し、最後の一人になるまで争い続ける闘争の宴、《夜会(やかい)》を舞台に、圧倒的なドラマと手に汗握る攻防が繰り広げられる学園バトルアクション超大作が幕を開ける!

声優・キャラクター
下野紘、原田ひとみ、高本めぐみ、阿澄佳奈、岡本信彦、中田譲治、伊藤静、ゆかな、茅野愛衣、小倉唯、小野友樹、梶裕貴、櫻井孝宏、諏訪部順一、種田梨沙、西明日香、能登麻美子、花澤香菜

Baal さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ハッハッハッハッハッハッハイヤ ハッハッハッハッ いよーーーーーぽん!

海冬レイジによるライトノベルを原作とする

作品です。全12話、原作未読。


魔術によって人形に生命を宿らせそれを操る

人形使いが存在する、機巧文明の発達した20世紀

初頭を舞台とし、そんな中ある目的のために

人形使いの学校に転入してきた主人公の赤羽雷真は

成績がしたから二番目ということでセカンドラストと

いう登録コードをつけられた。それからの様々な陰謀に

よって生じる事件の中にいて、理解者を得ながら

成長していくのであった・・・


この物語は4話ごとにひとつの事件が解決しながら

進んでいきます。毎回一括りの中で女の子が増えて

いきます。

◆Facing "Cannibal Candy"

この話は雷真がこの学院に転入して早々に、目的を

果たすためには夜会に出て勝ち残らなければいけないが

成績がセカンドラストなので上位100人に与えられる

出場資格は当然なく、というわけでシャルロットに

喧嘩をふっかけるところから始まりましたが

最初から事件の兆候が見えて不穏な空気が出されていて

そこからの広げ方と収束のさせ方がよかったと思います。

事件が徐々に明るみに出てきて主人公も調査すること

になるのですが、どこから気づいたのかと思わせるくらい

犯人に近づいていくのはすごい能力だなんて思っていました。

ラストも相手がどのくらい上の存在のやつだとしても

守るために自らの肉体が犠牲になったとしても戦い続ける

のはやっぱりよなと思いながらもよかったです。


◆Facing "Sword Angel"

いよいよ大会が差し迫ってきた中で暗殺をすると言って

きた子がいたが、そもそもなんで暗殺しに来ましたなんて

言うもんかと思わずツッコミを入れてしまいました。

つんけんしたやつとドジっ子という組み合わせで

なんかいろいろ揉め事を起こした後には結局はそうだよな

って感じになるだろうなと思いましたが、やっぱりそう

なってまあ良かったのかどうなのか・・・でした。

でも、そういう風になるのも主人公があんなのだから

まあそうですよねって思いました。

事件の方はその姉弟の過去と今の組織との関わりが抱える

問題についてでしたが上に述べたような展開だったので

その解決の仕方もそうなるよなって感じに思いました。


◆Facing "Elf Speeder"

さて落ち着きを取り戻したかなと思ったら今度は

あの人を殺害しようとしている人物がいる!?っていう

事件が起きて、それと伴ってなんかひたすら自殺しよう

とする子が登場って・・・お前は何なんだよ!と

またヘンテコに絡み合った感じになっているなと思いました。

そんで起きる事件が解決するにあたって新手がいる

のですがそいつの正体は未だ見えず・・・で結局お前の

目的はなんだったんだと思いました。

でも少しバトルに深みが加わったかなと思えるところも

あってそこんところは面白かったです。


◆総評

魔術が回路によって成り立っているように思いましたので

魔力そのものがあっても回路を組まないと魔術が機能しない

つまり魔法が使えるわけではないとのことで

回路を組み込める物理的な戦闘が多かったように思います。

魔術が存在するからと言って適当な現象が多発したり

しないところがいいところかなと思いました。

(単純に能力を使った物理戦闘が割と好みなもので)

とにかく発展する方向がこの方向だったので楽しめました。

それから自動人形といい、普通の子といい女の子たちは

可愛かったと思います。

それとOPが原田ひとみさんが歌っていて、この人が歌う曲は

二曲目ですが、出てる声がやっぱりこんなに変わるんだと

思いました。(キャラを演じている時と)

でもいい曲だと思います。

EDの方もその時代感が出た感じがしていて良かったと思います。

最終的に楽しめた作品だったと思います。

この終わり方なら二期とかやってもいいかな(いや個人的には

是非やってほしい)と思いました。

◆個人的点数評価 84.09点

投稿 : 2025/02/22
♥ : 43

Takkuma さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今期オススメの作品です。

まだ序盤ですが、今のところはかなりおもしろいです。
1話目の最初は「これ見れるかな~」なんて思っていましたが、見終わる頃には「これはおもしろい!」と。

展開もスムーズで、グッと惹きつけられます。
今のところですが、毎回「続きが気になる!」という展開で終わるので、ワクワクしながら次を待っています。

レビューを読む方は、大方見ようか悩んでいる方も多いと思うのですが、レビューで判断するのはやめて、見てみる価値のあるアニメだと思います。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 7

TedKoba さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

続きがない。それが問題。

12話以降が見当たらない。他は特典映像のみ。2期はないのかと探したらないらしい。なぜないのだろう。このアニメは続くべきだ。
ただお話が壮大すぎるというか、長くなりそうだ、という予感はある。どこかでなにかハプニングが起きてイベントのショートカットが起きないとさすがに視聴者は飽きてしまうだろう。(原作未読です。)

ED 好きです。

1話の出だしは最高でしたね。これは見ようと思わせます。思わせられましたよ。

イギリスにぽつんと和風テイスト。日本からの刺客?いいね。かっこいいね。熱いね

ただお話の停滞感。これは長いお話になりそうだっていうのが少々気になる。原作読もうかな。どうしましょう。とりあえず待ちましょう。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 10

58.3 2 ファンタジーで修羅場なアニメランキング2位
Gift ~ギフト~ eternal rainbow(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (173)
1213人が棚に入れました
東京都文京区。小さな海岸沿いの観光地楢崎町。この街では2つの超常現象が起こっている。1つは1年中消えることなく架かっている「虹」。そしてもう一つは、この街に生まれ住む人が誰かにたった一度だけ願いを叶える贈り物を贈れる「Gift」という不思議な魔法。主人公は楢崎町に住む志摩野学園の2年生。そんな主人公にかつて一緒に暮らしていたが、ある事情で別れなければならなかった義妹の莉子が戻ってくる事になった。再会した義妹、いつも一緒の幼馴染、そして新しい出会い。動き始めたヒロイン達の物語に主人公はたった一つの「Gift」を探していく。
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

あなたは奇跡を信じますか?

奇跡を信じられる方はきっとこのアニメも好きになれるはずです。
このアニメほど奇跡の力を自然にかつ有効に活かした例は中々ないですから。


まず、何よりも感動したのは歌です。
特にED『ココロ虹を架けて』。

いち深夜アニメのテーマソング、そしてアニソンというだけで埋もれてしまうには惜しすぎる名曲です。
こういったアニメは人を選ぶため聴く人も限られてしまうことが残念でなりません。
歌詞も、演奏も、歌声も、全部優しさに包まれている感じがして、それはもちろんGiftの世界あってのものですけど、非常に癒されます。

これは今まで聴いたアニソンでも上位に入る素晴らしさでした。
このアニメに興味が持てないという方にも、せめて曲だけは聴いてほしいと思います。



本編も曲に負けないぐらい、心に響いてくるストーリーでした。

Giftの意味は贈り物、そして贈り物とは相手に想いを込めて渡すものです。
このアニメでは、相手を願えば想いが叶う不思議な力を指しています。

そしてrainbowは虹、現実では気象現象に過ぎませんがフィクションではその形状から架け橋に例えられます。
このアニメでは、ギフトと同じように想いが顕在化した超常現象(想いの架け橋)を指しています。


虹と贈り物を人の心に例えたファンタジーな世界、その中で揺れ動いてゆく想いの行方を描いたリアルな人間関係。
ギフトの設定と主人公たちの恋愛模様が交差するとき、その真価が発揮されました。
初めからギフトの力が提示されているため、後になってズレが生じるということもありません。


やっぱりこのアニメの良さはキャラクターも大きいです。

主人公の春彦は馬鹿で(笑)だからこそいつも素直に考えるし行動します。
恋愛に関してもウジウジすることなく誠実で。
男らしいまっすぐで好感度の高い主人公です。

ヒロイン、春彦の義妹である莉子(りこ)と幼なじみの霧乃の二人が主役で、どちらも一途で可憐です。
莉子は積極的で霧乃は引っ込み思案と対照的な性格。
霧乃ちゃんが特に素晴らしすぎますね。完全にストライクでした。
{netabare}
ああ・・・霧乃ちゃんと糸電話したい・・・。
{/netabare}

声優も、春彦役の秦勇気さんと莉子役の清水愛さんと霧乃役の宮崎羽衣さんはとてもとても素晴らしかった!
Giftが代表作と言ってもそん色ない演技だったと、そう思います。


春彦と莉子と霧乃、この三人だけのアニメかというとそうでもなく。サブキャラに至るまで個性的で魅力的な面子だからこそ見ていて飽きません。

春彦の親友の真紀とか、担任の葛西とか。単体でもインパクト絶大な変態ぶりがたまりません。


一人一人手抜きなく考えられたキャラクターなんだと思います。ただアニメだと登場の少ないキャラはどうしても印象が薄くなってしまいますが。




色々挙げていくとキリがないのでこれくらいにして。
前半は案外普通だったのでそこまで入れ込んでなかったです。
後半、8話辺りギフトと恋愛模様が繋がり始めたときから釘づけになりました。

ただ、ちょっと鬱展開も含まれるので要注意です。
『SchoolDays』『SHUFFLE!』『ef -a tale of memories』『Myself ; Yourself』辺り、この頃の美少女アニメは何故か黒いものが漂ってます。
Giftは綺麗に明るく終わっているので、後味が悪いってことはありません。その意味ではマイユアに近いかもしれません。


美少女ゲーム原作のアニメの中では良作に含まれるでしょう。美少女ものに抵抗のない方には是非見ていただきたい感動作です。



鬱展開に関して
{netabare}
千紗が途中病んだような表情をしたときから嫌な予感はしたのですが、霧乃の病みっぷりは予想以上でした。

キャストにスクールデイズのWヒロイン(世界、言葉)役の二人がいたのを見て、ちょっとした偶然を感じました(笑)
{/netabare}

投稿 : 2025/02/22
♥ : 10

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

普通かなぁ

原作エロゲ。
一年中消えない虹、魔女、一生に一度だけ使えるgiftという魔法が使えるという街…DCとSHUFFLE!をミックスしたような内容。
ゲームだと攻略可能のヒロイン多数いるがそれほど描かずに、主人公、義妹莉子、幼馴染霧乃の三角関係の構成になっていて、最大の見せ場は莉子と霧乃のドロドロとした抗争であり、主人公がクズだったらSchool Days化してもなんら不思議ではないほどであったことだろう。

OLM TEAM IWASAにしては作画が雑なところも目立ったし、ラストは予想通りだったので、普通かなぁ〜です。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 1

60.5 3 ファンタジーで修羅場なアニメランキング3位
かしまし ガールミーツガール(TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (152)
926人が棚に入れました
主人公である大佛はずむは、幼馴染である来栖とまりの励ましで片想いの相手である神泉やす菜に勇気を振り絞って告白したものの、その告白は拒絶されてしまう。
近所の鹿縞山に一人登り、傷心を癒そうとしていたはずむだったが、巨大な宇宙船の墜落に巻き込まれてしまう。
宇宙船に乗っていた宇宙人は、地球人に対して自分のミスを詫び、はずむを治療したことを告げる。しかし同時に、その治療の過程ではずむが女になってしまったことも告げる。そして、この変化はもはや修正不可能だという。
女として学校に通うことになったはずむだが、一度は告白を断ったはずのやす菜ははずむに対して積極的にアプローチをかけてくるようになる。そしてとまりも、そんな2人の様子を見ていて弟分だと思っていたはずむに対して自分が抱いていた本当の気持ちに気づくのだった。
こうして、3人の少女たちの奇妙な三角関係が始まった…。

声優・キャラクター
植田佳奈、堀江由衣、田村ゆかり、浅野真澄、小野大輔、新谷良子、藤原啓治、水谷優子

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あの「あのね事件」の作品です。

宇宙人の手違いで、男から女へと性別が変わった主人公はずむ。
それに2人の女の子が加わり、百合的な不思議な三角関係に。
無邪気で優柔不断な態度のはずむに翻弄される2人の女の子の心情を丁寧に描いています。

話がすっきりしていて飽きないし、次回が気になる作品です。
ただし、女三人寄ってもとくにかしましいわけでもないので、明らかにタイトルミス(ウェブラジオは確かにかしましいのですが・・・)です。

このアニメを有名にしているのは、「あのね商法」です。
通常、TV放送終了後のOVAは基本的には本編とは関係がありません。
しかし、本作はTV放送最終話に思わせぶりな態度(「あのね・・・」)で続編を示唆した後に、OVA(本当の結末)を発売しています。
このため、TVのみ視聴者とOVAまで視聴者では、この作品の印象が変わるという珍妙な事態を引き起こしました。
制作者サイドの商業主義が、物議をかもした作品です。

私としては、OVAのラストにそれなりに納得しているので評価アップなのですが・・・

投稿 : 2025/02/22
♥ : 22

めじな さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

感想

全13話。学園・ラブコメ(恋愛)・感動もの。

キャラは結構可愛いです。
私のお気に入りはツインテールの来栖とまり。
声優さんは田村ゆかりさんの演技が良かったし、このとまりちゃんの性格が良い。
男勝りですが、メイン3人の中で1番人間らしい反応を見せてくれて、
はずむの事を純粋に好きという気持ちもよく伝わってきました。
メインの3人の声優さんも結構豪華で良かった。
田村さんの他には植田佳奈さん、堀江由衣さん。

作画もキャラの表情などがよく見えて綺麗でした。
そのおかげで各キャラの心情描写もよくわかります。

あらすじ
突然男(少年)から女(少女)になってしまった主人公のはずむと、
そんなはずむを取り巻く2人の少女との三角関係を描く恋愛ストーリー。

主人公のはずむが男から女になってしまって、それをとりまく人達の反応が面白い。
特に父親や学校のクラスメイトの男子の反応が笑えます。
前半はコメディ要素が強く、ギャグを交えたラブコメで結構面白かったしテンポも良い。
はずむが女の子になってしまって、とまりとやす菜の微妙な心の変化も見所でした。

中盤~後半は至ってシリアスな三角関係が加速します。
途中ドロドロでグダグダな展開になりますが、
優柔不断なはずむに揺れ動く2人の女の子の心情描写を丁寧に描かれています。
それに、ちょっとした修羅場もあって楽しめました。
このあたりは見所でしょうかw

前半は結構面白かったんですが、中盤~後半はやや失速ぎみのようにも思えた。
何だか詰め込みすぎのようなカンジで尺が短かったか。
でも全体的に話がすっきりしていて飽きないし、次回が気になる展開で楽しめました。

OP曲はeufoniusさんの曲で「恋するココロ」

ED曲はゆうまおさんの「みちしるべ」
この曲はこの作品にあっていて良い曲でした。

それに、挿入歌のゆうまおさんの「キミのためにできること」も良い曲でした。

こういう変わった設定の三角関係の恋愛ものは如何でしょうか。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 14

TedKoba さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

美しき花たちの三角関係

紆余曲折、いや単純なんだけど、女々しい主人公が女の子になっちゃったっていうのがきっかけで、それまでの人間関係が徐々に変化していく様子を見るアニメ。
ガール ミーツ ガール ということですが、登場人物たちは元々そういう嗜好であったわけではなく、側から見て、そう形容するしかない状況になってしまったというのが真実だったり。
物語り後半は意外とドロドロ。

男キャラのハーレム展開は見るに値しないけど、女の子同士の戯れはまさに至高。という感性の人が満足して観られる境界線、「ここから先、天界」って標識に書いて立っているような作品。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 7

67.6 4 ファンタジーで修羅場なアニメランキング4位
ふれる。(アニメ映画)

2024年10月4日
★★★★☆ 3.5 (16)
59人が棚に入れました
同じ島で育った幼なじみの秋と諒と優太は、東京の高田馬場で共同生活を始め、20歳になっても親友同士。それは趣味も個性も違う彼らを、島から連れてきた不思議な生き物「ふれる」がテレパシーのような力で結びつけていたから。彼らは身体に触れてお互いの心の声を聴いていたが、ある事件をきっかけに聴こえなくなる。「ふれる」に隠されたもう一つの力が徐々に明らかになり、3人の友情は大きく揺れ動く。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

私にとっては地味にフィフスインパクト

【物語 4.0点】
監督・長井 龍雪氏、脚本・岡田 麿里氏、
キャラクターデザイン・総作画監督・田中 将賀氏。

『あの花』など秩父を舞台にした青春三部作を終えた同チームが、
次に挑んだのは、東京の古民家でルームシェアする20歳の男女5人が織り成す人間ドラマ。

孤島の不思議生物“ふれる”の力により、互いの心が読めるようになった男子3人。

不思議生物“ふれる”はSNSをキャラクター化した側面もあるでしょうか。
心の声を波風立てないように取捨選択して、わざわざ口に出して、相手の腹を探る。
リアルの面倒なコミュニケーションの手順をすっ飛ばして、
男子3人が心の声で繋がって友情を育めてしまう。

しかも“ふれる”は(※核心的ネタバレ){netabare} 生活が逼迫した孤島でのギスギスしがちな人間関係の円滑化のため、心の声から火種になりそうな要素を自動的に除去する能力を有する。
“ふれる”を介した人間同士は真っ白な信頼の置ける存在と安心できてしまう。
いわば自動ミュート&ブロック機能付きの{/netabare} 超高性能&余計なお世話なSNS媒体。

“ふれる”が便利過ぎて、男子3人は、狭いフィルターバブルの中に閉じこもりがち。
本作に登場する3人以外の他者は、平気で猫を被るし嘘も付く、目的のためなら打算で他人を利用する。
腹の内では何考えているか分からない。一般社会における“普通の人間”たち。
リアルの人間関係の怖さの好表現により、“ふれる”に依存していたい男子3人の尻込みに説得力を持たせています。

そんな男子3人の元に、“ふれる”なんかに頼らずに友情を築いて来た幼馴染の女子2人、秋の空の女心が来訪。
年頃の男女が、ひとつ屋根の下で、混ざり合うことで、恋の予感も醸される中、
“ふれる”を介した3人の関係性にも変化が、便利な“ふれる”に頼り続けて来たしっぺ返しが訪れる。


終盤には“ふれる”の機能の核心に迫るファンタジー展開もありますが、
主軸はリアルで他者と関わる憂鬱さを描いた、
胃もたれしそうな人間ドラマ。

展開は地味だったはずなのに、私は結構惹き込まれました。


【作画 4.5点】
アニメーション制作は『空青』からこの座組と関わっているCloverWorksが続投。

メインの男子3人の表面上の関係性は“ふれる”を介して明快に説明される。
が、それ以外の人間関係については、例えば意味深な表情から、読み解く労力を、
鑑賞者の側も要求されます。

本音を示唆する表情描写という要求にも同スタジオは流石の解答。
取り扱いに難儀するリアルの他者の気持ち悪さが作画でも詳述されており、私も冷や汗をかきました。

料理の作画、プロップデザインを通じたルームシェアの生活感の変化も味でした。
女子2人が加わると、洗面所に歯ブラシが増え、台所に従来レパートリーになかった新たな調味料が加わる。
その過程が何かエロかったですw

この感度で、小物や、男女の生活ルールにまつわるシチュエーションの変化なども捉えると、
説明セリフなど無くとも、恋愛の進展なんかが、ちゃんとアンテナに引っかかって来る。
終始とても読み解きがいのある背景、作画でした。


不思議生物“ふれる”。
トゲをワサワサと震わせながら、動き回る“ふれる”の挙動には、
セリフがない生物とは思えないほどの存在感はありました。
恋愛の波動を媒介したら赤面する様子も愛らしかったです。

ただ、田中 将賀氏が最初に書いた一発で、制作チームの内輪であっさり決まったと言う、
黄色いハリネズミみたいな“ふれる”のキャラデザ。
私はもっと各方面と突き合わせて試行錯誤して、
“ふれる”自体が鑑賞動機になり得る位のマスコット性を追求して欲しかったかなと、
売れ残った“ふれる”ピンズセットを眺めて思いました。


【キャラ 4.0点】
小野田 秋
BARでアルバイトする長身男子。よく鴨居に頭をぶつけている。
両親不仲な家庭環境のギスギスから、口に出して伝えることに徒労感を覚える生い立ち。
他者と仲良くなりたいと思っていても、口より先に手が出てしまう典型的なヘッジホッグジレンマ。
喋りたくないけど繋がりたい。その想いが“ふれる”を呼び寄せる。

祖父江 諒
体育会系な不動産屋で叱り飛ばされる新人サラリーマン。
何とかなるさという感じで3人の関係性を見守る兄貴分なムードメーカーだが、
その軽さがクレームや人間関係トラブルを招くことも。

井ノ原 優太
デザイナー志望の専門学校生。
口に出して伝えるのも面倒だが、手も出せずに卑屈になってしまう。
秋とは違ったタイプのこじらせボッチ気質。

以上のメイン3人に、
姉御肌の樹里さんと、八方美人なトラブル引き寄せ気質の奈南(なな)さんが、関わってトライアングルなどを絡めて来る構図。


“ふれる”バブル内の人間以外は腹の底が読めないのは上述の通りですが、
それ以上に読めないのは人々を媒介してきた“ふれる”の真意。
登場人物の本音は、言葉にすることで概ね解答されますが、
“ふれる”は無口なので、行動については、最後まで鑑賞者の想像に委ねられる形。

ここでどれだけ“ふれる”含めて感情移入できるかが、終盤ファンタジー局面での感動度を左右しますが、
私は少しは言ってくれなきゃ分からないのでイマイチ感動できず。
この辺りが、人間のみならキャラ4.5点だった評点が4.0点に落ち着いた理由です。


【声優 3.5点】
主演・小野田 秋役・キンプリ・永瀬 廉さん。
祖父江 諒役・俳優・坂東 龍汰さん。
井ノ原 優太役・俳優・前田 拳太郎さん。

メイン男子3人のキャストは若手俳優、タレントをオーディション選出。
永瀬さんは映画『ドラえもん のび太と空の理想郷』でアフレコ経験もあり。
近年、若手俳優らを選りすぐると、自分は声優にも憧れていました、
秩父三部作も観てましたとアニメに理解がある才能が集うので確率が高い。

演技はややたどたどしい面もありましたが、
前向きな姿勢が3人の掛け合いからも伝わって来たのでそこは好感しました。

もっともタレント俳優キャスト陣の中で一番良い味出していたのは、
メイン3人の小学校時代の担任・脇田役の皆川 猿時さんの呑んだくれ演技でしたが。


一方で、樹里役には白石 晴香さん、奈南役には石見 舞菜香さん。
男子3人と交錯する女子2人には実力者声優を配する。
普段なら実力差が引っかかる所ですが、
本作は男子より女子の方が一枚上手なので不思議と違和感は少なめでした。

脇で最近もP王国・異端審問官として活躍されている津田 健次郎さんも登場。
お馴染みのネットリボイスで(※核心的ネタバレ){netabare} ビ◯チ{/netabare} とか言わせちゃイケマセンw(一応褒め言葉のつもりですw)


人気タレント俳優陣をメインキャストにすることで、
朝の情報番組でも取り上げられ、まずまずの上映館数と、
私が行った映画館では1番スクリーンもおさえることができた本作。
が、公開初週日曜の席はガラガラ……。

こんなことならキャスト全員アニメ声優でも変わらなかったのでは?
ちょっと親しげにおしゃべりできたからって樹里さんも、奈南さんも
すぐに次の段階に進める程、人間関係は単純ではありませんし、
イケメンアイドルや俳優でホイホイ客が釣れるほど興行は簡単ではありません。
女子はそんなに甘くないと思います。

やはりこのキャスト布陣はベストではないとの私の邪念は消えずこの評点。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は横山 克氏とTeddyLoid氏。
最近の横山氏はピアノ、ストリングス、エレクトロの中でも、
エレクトロ成分アレンジへの傾倒が目立つ印象ですが本作でも同様。
今回は電子サウンドを得意とするTeddyLoid氏と再び絡み、
渋い人間ドラマとは裏腹に、サウンドは意外と気分爽快。

EDはYOASOBI「モノトーン」で初の劇場アニメ主題歌を担当。
今回も脚本・岡田麿里氏書き下ろしの“原作小説”「ふれる。の、前夜」から
歌詞を書き起こしているため作品解像度は上々。

この原作小説、HPでボイスドラマ配信されているので、
本編ではダイジェストされた学生時代の男子3人、
優太が急激に太って、また元に戻った経緯などを知りたい方は、
一聴されてみてはいかがでしょうか。


【余談】
20歳の男子3人メインのビジュアルに今ひとつ鑑賞欲求が湧いてこなかった俺氏。
引っかかったのが“ふれる”の刺々しいデザイン。
これTVアニメ版『エヴァンゲリオン』でも登場したヘッジホッグジレンマ(ハリネズミのジレンマ)を具現化したような風貌だな。
それで気になって劇場に足を運んだ次第。

『エヴァ』は数次に亘るインパクトの末、
大人になったシンジ君が他者との関係に向き合う覚悟が決まっていくお話でしたが。
大人になり切れない自分にはシンジ君に取り残された感も抱えていまして(苦笑)

そんな私にとって完全に分かり合えない他者の気持ち悪さや、
他者との心の境界が無くなる恐怖などに、改めて向き合った本作は、
東京の一角、相当、小規模ながらフィフスインパクトだったのかなとも感じました。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 10

あと さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人は1人では生きていけない、それでも1人で生きていく

 「超平和バスターズ」最新作。今まで思春期の男女関係の衝突やすれ違いを描いてきた岡田麿里さんが描く青年期に変化する人間関係と心の触れ合いのヒューマンドラマ。主人公秋くんが察しの悪いコミュ障で人に触れ合うことが苦手ながら寂しさを嫌う、という現代の若者らしい設定。されどイケメン。タイトルにもあるふれる。という可愛い謎生物によって秘密を共有しながら相手に自分の心を伝えられる能力で男3人組の仲を強固にし、田舎の島から上京し新生活を始め、環境や人間関係、やりたいことが変わってくる変化の過程が丁寧に描かれる。ファンタジーを生かした設定や生々しい会話をするキャラクターたち、コミュ障故になかなか表現もままならず言いたいことも伝えられず、何をやっても上手くいかない生活が続き衝突の末、絶望的な状況にまで陥る。ここまでストレスを溜めるのも今までないが、あくまでこの主人公たちの衝突はふれる。により起こるものというのも面白い。
 作品自体は田中将賀さんのいつものキャラクターデザインで非常に見覚えがある絵なのだが、キャラに魅力がないというか、可愛いキャラがいないのは女性向けなのかとも思うが、それであっても女性キャラの性格が悪い意味でいい感じ(見ればわかります)なのはちょっとキツいんじゃないのか。終盤にかける盛り上がりは新海誠風味なんだけど、あくまでローファンタジーでエンタメ映画にはならないところはあった。岡田麿里さんの脚本は100点。これまた素晴らしい人間関係の衝突にどうにもならない苦悩。まとめ方もメッセージ性も上手く畳んだ印象だった。
 総評としては抜群に面白い映画では無いけど何か世界の見方が変わる映画だった。良作ではあるけど、まあおすすめはできないし、何度も見れるような映画でもない…。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 3
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