シリアスでパラレルワールドなTVアニメ動画ランキング 4

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95.0 1 シリアスでパラレルワールドなアニメランキング1位
STEINS;GATE 0 [シュタインズ・ゲート・ゼロ](TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1485)
7454人が棚に入れました
いくつもの世界線を巡り、様々な可能性を“なかったこと”にしながら、大切な人たちを守ろうと足掻き続けてきた岡部。その果てに辿り着いたのは“紅莉栖とまゆりのどちらを見殺しにするか”という、ふたつの選択肢だった。苦悩と煩悶の末、岡部は「β世界線」――紅莉栖が自分以外のラボメンと出会わないまま死ぬという運命を選択する。
そして、紅莉栖の死から4ヶ月が経った。再び大学に通い始めた岡部は、真面目に授業に出席し、テニスサークルの合コンに参加するなど、平凡な日常に埋没していく。それでも心の傷は癒しきれず、ラボへ顔を出す機会も減っていった。β世界線上の未来からやってきた鈴羽は、第三次世界大戦が勃発する運命を変えようと岡部を説得。しかし、彼は「世界線の改変は、人間が手を出していい領域ではない」と、運命への介入を否定する。岡部の中で、いつしか白衣をまとったマッドサイエンティスト「鳳凰院凶真」の顔は失われていった。
そんな折、岡部は秋葉原でヴィクトル・コンドリア大のレスキネン教授が主催する、人工知能に関するセミナーに出席する。ふとしたことから、レスキネン教授の助手である比屋定真帆と知り合い、壇上に上がった彼女のスピーチを聴く岡部。その内容は、「人の記憶をデータ化して保存する」という、かつて紅莉栖が提唱した理論と同様のものだった。真帆やレスキネンのチームはその理論をさらに推し進め、人の記憶と感情、そして心を持つ人工知能「アマデウス」を構築していた。

声優・キャラクター
宮野真守、花澤香菜、関智一、今井麻美、後藤沙緒里、小林ゆう、桃井はるこ、田村ゆかり、矢作紗友里、潘めぐみ、山本彩乃、本多真梨子、木野日菜、上田燿司、西村麻弥
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

愛と大義の狭間でゆらぐ世界線のレクイエム

☆作品概要
●原作:志倉千代丸/MAGES

●アニメーション制作
WHITE FOX
{netabare}
監督:川村賢一
【代表作品】
・監督
そにアニ
クオリディア・コード

シリーズ構成:花田十輝
【代表作品】
・構成
STEINS;GATE
中二病でも恋がしたい!シリーズ
ラブライブ!シリーズ
ラブライブ!サンシャイン!!シリーズ
ノーゲーム・ノーライフ
艦隊これくしょん(TV版劇場版)
響け! ユーフォニアムシリーズ
宇宙よりも遠い場所
他多数

キャラクターデザイン:稲吉智重
【代表作品】
・キャラクターデザイン
バトルスピリッツ ソードアイズ
バディ・コンプレックス

主要キャスト
岡部倫太郎:宮野真守
椎名まゆり:花澤香菜
牧瀬紅莉栖(アマデウス):今井麻美
橋田至(ダル):関智一
桐生萌郁:後藤沙緒里
比屋定真帆:矢作紗友里
阿万音鈴羽:田村ゆかり
椎名かがり:潘めぐみ
アレクシス・レスキネン:上田燿司
{/netabare}
☆エピローグ☆

「科学者なら可能性が0でない限り、諦めるという結論はない!」←ロリッ子に説教されちまった(涙)

ゲーム未プレー。
さて、本作の視聴にあたり、1期の視聴は必要条件、2015年に放送された改変23話(β)の視聴は必要十分条件となる。
つまり、無印だけでは取り付く島がなく改変23話は必ず視聴する必要がある。
本来、物語的には1期で完結されているが、{netabare}改変23話でSGに到達しないβ世界線バッドエンドのパターンに再構成直し{/netabare}新たな物語の起点としている。
ゆえに、本作から、視聴してもストーリーが理解出来ないのだ。
また、無印と0の順序を深く考えても仕方がない。
世界線変動に伴う悲劇の始まりは「電話レンジ(仮)」の完成からではあるが、その為に生じた悲劇を巡る物語は、時間循環(相対的時間順序)の設定であり、何が始まりか終わりかを論じてもあまり意味がないのだ。
更に、ゲームをプレーしていれば理解し易いとリアル友人達の助言もあった。
しかし、ゲームまでプレーする気はないので、アニメだけで本作のレビューを記述することとなる。
※長文ゆえたたみます。
{netabare}本作、EDに私が以前勤務していた職場がクレジットされている。
どこまで、関与しているか分からないが、この事実で科学考証はまあ保証出来るんだろう。
ただし、これの意味するところは、現実性や完全な理論整合を問うことではなく、本作の設定は「可能性」としては有り得るという仮説として、ある程度科学的整合が保証されているという意味だ。
また、SF設定の一般論だが、ファンタジーを【もっともらしく】演出するためには、学術上の仮説(理論)を並べ論理を構築する演出をするが、肝心な点の理論は無根拠か曖昧つまりファンタジーであるという演繹構造が特色だ。
簡潔に述べると、虚偽を真実のように見せかけるために実在する学術仮説を利用するという構図。
これは、簡単な心理トリックではある。
ナチスの宣伝相ゲッペルス博士が、所謂プロパガンダでこの手口用いて大衆を騙し、結果、全世界で2千万人の犠牲者を出したWW2の惨劇となったのだから侮れない。
つまり、1%の嘘をつくために99%の真実を混ぜると、大衆は100%の真実と受け取る心理トリックなのだが、これはSF構成の基礎でもあり、真実である実存理論を嘘の構築のためにどのように利用をしているかが、SF作品の良し悪しを決める。
本作の1期が多くの方々を唸らせたのは、嘘のつき方が過去の作品に比して段違いに巧みであったことに他ならない。

本作では、タイムトラベルの原理の解明もまた物語の醍醐味の一つである。
科学設定について、私は本業の理学者であるので、ここで学術理論に沿って記述をすると、本作に夢を抱いている視聴者の皆様を興覚めさせることとなるので、差し控えておくが、科学的考察の方向性は後述する。

本職の目から気になる点として、マクロ物理とミクロ物理を説明もなく混用するなど、科学的な粗があるのはどうしても否めないので、この点はあらかじめ述べておく。
だが、視点を変えると、本作のタイムトラベルの原理は自称未来人のジョン・タイターがもたらした原理であるカー・ブラックホールの応用だが、ジョン・タイターの未来世界では「M理論」が完成し「大統一理論」が完成していると仮定したうえで、「大統一理論」はメタファーであるとして本作を視聴することもまた吝かではないし、創作であるのだから寧ろこの方向で楽しむ方が面白いであろう。{/netabare}

前作、無印放送中、理系に携わる方多くの々が考察をし、玉石混交ながら多くのブログ記事があるので、考察はそれらを参考にするとよい。
ここでは、考察の指針として本作のSF設定の主たる意味の学術解説を補足と他の考察では触れられていない事象に留める。
先にも述べたように、本作も設定を理論物理学で説明すると本来、書籍1冊分は軽く必要とするほど濃い内容だが、字数の関係もあり一般向けに可能な限り平易に説明することを御了承願いたい。

【科学設定考察】
《世界線》
{netabare}本作の目玉だが、世界は自分が存在している世界だけではなく、同じ世界が宇宙のどこかに存在していると、なんとなく思われている方々が多いだろう。
本来、それで結構なのだが、これだけ手の込んだSF設定をした本作をそれだけで終わらせるのは勿体ない。ある程度理論で説明しよう。
また、本作の科学考察の多くは「タイムトラベル」に費やされており、「世界線」を解説した考察が少ないことも、記述することとした動機である。
本来、「世界線」や「タイムトラベル」を理論物理学で説明するには「量子力学」の他マクロ物理体系である「相対性理論」や「電磁気学」、素粒子の状態を考える「素粒子物理学」の知識を必要とする。(勿論、これらを理解するには力学、電磁気学含め古典物理学全般の知識があることが前提だ。)

1,量子力学概説
まず「量子論」とは「量子力学」を包括した量子の状態に関する全ての理論体系をいう。
ここでは「量子論」と「量子力学」を適宜に使い分ける
「量子力学」でいうところの「粒子」の正体は「電子」や「放射線」に代表される「素粒子」であるが、ここでは粒子そのものの性質を扱う「素粒子物理学」との混同を避ける意味でも「量子力学」に準則して「粒子」として表現する。
「量子」とは原子未満の微小物質でエネルギーを持つ物質(粒子)を整数倍して得られる概念単位と考えてよい。
イメージとしては缶ジュース1本が「粒子」であるとすると、缶ジュース1ダースが「量子」だ。

「世界線」の発想は「量子論」がなければ存在しなかった。
それは、「量子力学」で導かれる「粒子」の状態を観測する上で生じた学術論争のなかでの派生理論だからだ。(専門的には「観測問題」という。)

これらの単位粒子の運動を表したり、観測する学問が「量子力学」であり、「素粒子物理学」など、これら微小物質の状態を考える物理学の総称を「ミクロ物理学(体系)」という。
対し、現実生活で起きる諸現象(リンゴが木から落ちる重量運動、ブレーキを踏むと車が止まる摩擦運動、スマホで通話ができる電磁気学)で宇宙空間を除いて、凡そ特別に観測をしなくても普通に実感できる諸現象を考える物理学の総称を「マクロ物理学(体系)」という。
少し小難しく言えば、因果律に基づく現象を扱うのがマクロ物理で、必ずしも因果律の支配を受けない現象を扱うのがミクロ物理だ。

さて、前置きが長くなったが本項の主題に入ろう。
先に「量子力学」と「ミクロ物理」の立場を説明したが、力学から発展した物理とは現象がなければ結果が生じない因果律を前提に発達した学問領域である。
しかし、電子の怪しげな動きの発見から「いやいや、因果律ばかりでは説明できないぞ」という現象の発見が相次ぎ、量子の状態をモデル化して説明したハイゼンベルクの「不確定性原理」や、量子の状態を数学的に固定した、シュレディンガーの「波動関数」が発表され、当時の物理学界は騒然となった。

物理学においては演繹(論理立て)と帰納(再現性)が両立している決定論とならなければならない。
而るに、量子力学は帰納を完全には満たしていない物理学上の問題点を孕んでいた。
「粒子」を観測すると、見えるとき(粒子状態)と見えない(波状態)ときがあるという幽霊のような特殊な性癖があり、このような物質特性は因果律からは当然考えられない。
因果律において実体とは、連続して固定して存在するものであり、電磁波等の波も連続して固定して目視不可なのである。
分かり易く言い換えると、地球上の同一地点の同一日に視覚が正常な私と、もう一人がいるとして、私には月が見えるのに、もう一人には見えないという意味と同じであり普通では考えられない。
量子論的には、私にとって月は「粒子状態」であり、もう一人には「波動状態」となっていることになるが、ミクロの世界では往々にしてこのような常識では考えられないことが起こる。

この非常識に、因果律に逆らう物理など科学ではなく、オカルトだと言って怒り出したのが、アインシュタインだ。
アインシュタインによるハイゼンベルク虐めは苛烈を極め「量子論」は科学に非ずという一歩手前にまで険悪化した時期がある。
物理学の最高権威に打ちのめされたハイゼンベルクを終始助けたのは、ボーアという科学者だ。
ボーアも当時の量子論研究の第一人者であり、アインシュタイン、ハイゼンベルクと同じノーベル物理学賞受賞者である。
そして「不確定性原理」を巡るアインシュタインvsボーアの対決が1930年に行われ、アインシュタインが敗北したのである。
その後、アインシュタインが嘆いた「神はサイコロを振らない」はあまりに有名な言葉だろう。
これの意味するところとは「量子現象」とは詰まるところ確率的にしか予測し得ないことを示したものであり、これが現代の「量子論」の主流である「確率解釈(ここではボルンの規則とコペンハーゲン解釈を含める)」となる。
確率解釈を用いると、電子とは「粒」であり「波」であるという玉虫色の結論となる。
まず、ここまでは科学史として押さえておこう。

既に、拒絶反応が起きた方は、ここで閲覧をやめて頂きたい。
この後は専門用語が増加する。

2,波動関数
項目タイトルを見ただけで厭になると思う。
しかし「波動関数」無くして「多世界」の発想は生まれてこないので多少踏み込んで記す。

前項1の「量子論」を数学的に示すにはハイゼンベルクが提唱した「マトリックス力学」とシュレディンガーが提唱した「波動関数」がある。
(これらの総称が「量子力学」)
大きな違いは、ハイゼンベルクは「行列演算」で量子の状態を求めることに対し、シュレディンガーは物理学のベーシック「微分方程式」で量子の状態を求めることにある。
なお、どちらの式を用いても【確率解釈】では同じ結果が得られる。
ただし、波動関数では奇妙な結果が起こる。
本来なら、シュレディンガー方程式を用いて波動関数を導く計算過程を記述すると分かり易いのだが、恐ろしく字数を消費する(閲覧者の方々も数学は見たくもないだろう)ので結論を記す。
※下記方程式を解くと波動関数ψは虚数時間をとる複素共役となる。
参考:シュレディンガー方程式
 i h (∂Ψ/∂t) = -(h2 / 2 m) (∂2Ψ/∂x2) + V(x) Ψ
ただし、hはブランク定数

ここの考察点は三点に絞る。
①計算結果とはいえ、ノーベル物理学賞を受賞している波動関数では虚数時間が存在する。一体、物理における虚数時間とは何を意味するのか。
②通常、波動関数Ψの絶対値の二乗はボルンの規則に従い粒子の存在確率として教えられるが、これは認識論的解釈であって、例えばニュートン方程式のように認識解釈の余地がない実在論に立脚したマクロ物理系公式とは扱いが異なり、物理式としては明らかに異様である。
また、シュレディンガー本人はΨの絶対値の二乗は量子が変化する振幅(時間変動)であると述べていることからも「解釈」することこそが量子力学のアキレス腱であることの一つの示唆であると同時に、確率解釈の結果が絶対正しいとも言い切れないのである。
③電子の観測(二重スリット実験)を行うと、波を伴う広がり構成から観測した瞬間に波が消えた点構成に集約される摩訶不思議な現象を体験するが、これは波動関数の「収縮」と言われる現象である。
確率解釈では、量子力学は、観測結果を生成する確率を予言するだけであり、粒子は観測されるまで明確な特性をもたないという見解となる。
要するに、観測者が見たものが真実だという、にべもしゃしゃりもない回答となるが、波動関数は無限連続関数であり、存在確率に沿った観測を行って「収縮」などという馬鹿げたことは理論上起きるものではないが、現実の観測結果に対し確率解釈では認識の問題だと言っているわけだ。要するに問題の本質から逃げている。

以下は量子論を巡る蛇足だが、相対性理論上、光よりも速く伝達するものは存在しないことになっているが「波」が一瞬で消滅したことになる「収縮」が、物理上存在するとなれば、光速度不変原理に対するパラドックス(EPR相関)である。
しかし、確率解釈では「収縮」に明確な答えを出せていない。
ついでだから「量子テレポーテーション現象」にも触れるが、これは因果律に左右されない量子の特性(量子もつれ)を用いた一種の技術論であり、相対性理論と量子力学のパラッドクスを理論上解決したものではない。
マクロ物理とミクロ物理相互間に横たわる多くの謎を解くこの命題は「M理論」の証明を待つまで、かなりの時間を要するだろう。

①の示唆するところは時間には本来累進性はなく、現在、過去、未来はあくまで観測問題に過ぎないのではないかという推論が出来る。
ホーキングの無境界仮説を考えると、量子の状態を示すΨこそに、宇宙の真実が隠されているのではなかろうか。
さて、時間順序を考察するには大きく三つの方向性がある。
時間という概念から考えるか、特異点や量子重力論など力技を用いて因果律を歪ませるか、いっそ光速度不変原理を破ってしまうかだ。
「光速」とは物理学上の上限規定であり、あらゆる法則はこの上限を超えてはならないとされる。
しかし、理屈上ではあるが、光速を超えると過去への逆進が可能となる。
ただ、光速度不変原理は現状では理論物理学上難攻不落の普遍原理であり、タキオン的な素粒子を発見し、それを用いて光速を超える仮説は立てることは出来ても事実証明はほぼ不可能であることから、時間遡及は理学者の立場ではどうしてもファンタジーとなる。
まぁ、時間遡及を理論証明出来れば相対性理論は崩壊してしまうわけだし、追試でそれが証明されれば確実にノーベル賞だろう。
これからの科学を背負う若者はおおいにトライしてみて欲しい。
虚数時間から脱線したが、これは時間とは何かの哲学的問いにもなる。
つまり、帰納の行く先を見失った観測問題と等価な思考実験的の意味合いを持つ。
なお、本作では「カー・ブラックホール」の重力特異点を用い時間移動の原理としているが、Dメール、タイムリープと合わせて字数が許せば後述をしよう。
②、③は次項の重ね合わせのパラドックスで考察する。

なお、現在でも波動関数の真の意味はノーベル物理学賞受賞クラスの高名な科学者も実態を掴みきれておらず、人智の限界を超えた存在であるとも言える。
また、波動関数には知識そのものが記述されているが、全てが解読されているのではないとする仮説もあるので併記しておく。
まぁ、これを導き出したシュレディンガー自身も全てを説明出来ないのだから無理もあるまい。
シュレディンガー方程式はE=mc^2とならび数学的技法の芸術とも言われるが、理論物理学のトラップとして、理論を数学的に表現した結果、数学規則上のバグが生じることがある。
例えば、不定積分をすると定数項を生じるが、これが理論物理学ではバグになる。
ところが、このバグに意味がある場合もあるのだから物理とは実に奥が深いものである。
計算結果で生じる虚数時間についてシュレディンガー自身は説明できず、バグとして処理したが、後世の科学者によって虚数時間の仮説が立てられたのだからね。

3,猫を呼ぶ確率解釈のパラドックス
あまり「波動関数」をやると誰も読まなくなるような気がするので、有名な「シュレディンガーの猫」に話題を変えて考えて見よう。
上記、②、③を考察点としたのは、お猫様が主役の確率解釈の盲点をついた有名な思考実験だからである。
ここで、確率解釈の限界点が明確となり、かつ「世界線」の原理である「エヴェレット解釈」の仮説が生じた重要なイベントであるからだ。

まず、私は犬派ではなく猫派だ。香箱座りをしている猫を眺めているだけでも気持ちが和む。さらに、丸くなって寝ている猫を見ていると、その横で添い寝をしたくなるほどの猫好きだ。
しかし、この項目では猫を殺さなければならない…

ほとんどの方々は「シュレディンガーの猫」のことは名称だけでも聞いたことがあると思う。
これはあくまで、仮定の話しであって実際に実験したものではないことを予め断っておく。
専門的には「思考実験」という分野だ。

箱の中に1時間以内に50%の確率で放射線(α線)を出すラジウムと、α波線を検知したら青酸ガスを放出する装置を仕込み、その箱に猫を入れる。
1時間後の猫の生存確率は50%だが、箱の蓋を開けるまではその猫は「死んだ状態と生きている状態が重なりあい同時に存在している」状態であり、箱の蓋を開けて生死が初めて確定するという、量子力学独特の不思議な概念をいう。

猫を粒子に例えると、死んだ猫は波で、生きている猫は粒子となる。観測していない状況では量子は波、粒子両方の状態であり、観測して初めて波か粒子か分かるという確率解釈の考え方にシュレディンガーが提示した猛烈な皮肉である。
量子は観測するしないに関係なく、波か粒子かのいずれかどちらの姿で存在しており、観測した瞬間だけが真実とは言えない。
つまり、蓋を開けて観測しようがしまいが、猫は生きているか死んでいるかのどちらかであり、観測結果で確定するという考え方そのものが間違っているとの問題提議であった。
普通に考えて、死んだ猫と生きている猫の両方が存在しているなどの確率論は詭弁も甚だしく、確率解釈が如何に現実と乖離しているかを示す思考実験だ。

そして、この思考実験は後の「エヴェレット解釈」を生む原動力となる。
「エヴェレット解釈」を取れば死んだ猫と生きた猫が重なりあっているという詭弁な解釈をしなくても、世界線ごとに生きた死んだの決定論しか存在しない。

なお、ここでは分かり易く例示したが、この思考実験はマクロ現象でミクロ現象を説明するという致命的な欠陥がある。
それは理学の専門家の間で論じられていることであり、確率解釈の矛盾を把握する上では大きな問題ではない。

「シュレディンガーの猫」のように量子論特に観測問題は追究をすればするほど、科学から距離を置いた思索に導かれる魔力がある。
シュレディンガーはもとよりハイゼンベルクまでもが、晩年サンスクリット哲学から量子論の新たな境地を見出そうとしたのである。
仏教は宗教でもあると同時に代表的なサンスクリット哲学だ。
確かに「般若心経」だけでも、西洋人の思考では及ばない観測問題の核心をついている。
魅入られるのも無理がないだろう。

4,エヴェレット解釈における多世界観
やっと、辿り着いたか。
ここまで読んで、量子力学における「観測問題」とはどういうことなのかザックリと理解できたと思う。
復習してみよう。
①「量子力学」では粒子の存在は確率で予測され、観測で確定する。
②「波動関数の収縮」のように、実際に観測すると予測とはとは違った観測結果となる問題点「観測者効果」を孕んでいる。
③確率解釈による量子の世界観は観測でのみ確定するが、粒子の状態を示す波動関数には、ある時点での観測が結果であるという認識的な時間的制約は存在せず、無限に発散している連続関数である。
つまり、ある時点の観測結果はその時点で有効であるが、観測後に経過した後の状態では別の世界観を見ることになる。

もう、お気づきであろうか?

「エヴェレット解釈」とは、波動関数が連続する軸(確率軸やローレンツ軸)に観測者が共存する各状態、これを言い換えれば観測者はそれぞれの世界線に存在し、その世界線同士は干渉せず、ある世界線の観測者がたまたま観測結果を得た世界に属していて収縮したとしても、波動関数そのものは世界線を分岐して連続し収縮することはないと解釈したのが「エヴェレット解釈」であり、波動関数の収縮を避けるために編み出されたのが「多世界」の考え方である。
なお、確率軸をとれば本作の世界観となり、ローレンツ軸をとるとパラレルワールドになる。なお、ローレンツ軸に確率軸が存在することは肯定される。
言い換えれば、私達の世界もシュタインズゲートの世界もローレンツ軸上に存在する確率軸の一つに過ぎない。
また、世界線の分岐は認識の問題でもあり「倫太郎」のようにメタ能力(リーディング・シュタイナー)がない限り、世界線が分岐したとしても我々には認識出来ないのだ。
これを観測問題に置き換えれば「倫太郎」には粒子が観測できるゆえ収縮するが、、我々には見えない(波の状態)ので「収縮」は起きず変化は認識出来ないのだ。
なお、それぞれの軸の説明は、複素空間や非ユークリッド幾何を用いる必要がありオッタキーかつ難解なため、ここでは違いと特徴だけ記す。

「エヴェレット解釈」は波動関数Ψが収縮すると世界線が分岐し、Ψは別の世界線で無限連続関数性を保ち続けるというのが発想の根本である。
量子力学において「エヴェレット解釈」をとれば粒子を観測した後に世界線が分岐し、分岐前の世界線では観測者効果で波が消える「収縮」をしてしまうが、分岐した世界線ではそのまま波が存在するという、Ψと観測問題に起因する量子力学の矛盾が解決する、そういう考え方の一つである。
「エヴェレット解釈」を拡張すると「パラレルワールド(世界線移動)」にも適用出来るが、本作は一つの確率軸にある世界が分岐する設定であるから、パラレルワールドの説明は省略する。
イメージ的には同一確率軸の世界線分岐は横軸のみの世界観で、パラレルワールドは更に縦軸が組み込まれると考えればいいだろう。
まぁ本作は同一確率軸に存在する世界で「倫太郎」が運命に抗う姿がアジであり、パラレルワールドを設定すると設定が複雑になり、かつ、脚本の掘り下げ次第では物語全体を劣化させるリスクがある。
また、本作で「アトラクタフィールド」は既に前提であり、その収束の動機に関する科学的なモニュメントには触れられてはいないが、ここまできたので、量子力学の立場で説明すると、観測と収縮が世界線分岐の起点(イベント)となり、Ψの連続性が維持されることで収束することになる。
つまり、「エヴェレット解釈」では、観測した過去を抹消(過去改変)をした場合、波動関数の収縮はなかったのだから、その世界線における因果律に変化はないということである。
無印のα線では「まゆり」の死は因果律として確定している。
そして、「まゆり」の死を確定付けているのは人の認識だ。
これをΨで考えると、ある時間に粒子が波になる確率は決定事項であり、過去を変えるというイベントは連発関数のΨから見れば観測されたことにはならないので、因果律にも当然変化は起きない。
つまり、「倫太郎」が過去改変をしたところで、観測したことにならないのは「倫太郎」以外の者達も「まゆり」の死を観測することが確定している世界線だからだ。

本作では無印23話と改変23話を比較して何が分岐イベントであったのか理解できよう。
「倫太郎」がDメールを観測したか否かで収縮を表現している。
次にDメールの指示で「倫太郎」に「紅莉栖」が死んだ過去は変えるなと指示している。
無印最終回では「β世界線の倫太郎(時系列が進んでいるα世界線の倫太郎)」が見た血まみれの「紅莉栖」を「時系列が遅れているα世界線の倫太郎」に見せることで同じ記憶を追体験させる【認識的観測】をさせることで、過去改変を防止したという流れになっている。

「確定した過去を変えずに、結果を変えろ。」
これが、シュレディンガーの猫で説明した「観測問題」を用いたα世界線からSG世界線へと導いたトリックの種あかしであり、その為に無印ではさりげななく「量子論」を援用していたとも言える。

かつて空想的に用いられてきたパラレルワールド等の多世界観は「エヴェレット解釈」により科学的根拠を保有した概念として本作でもSF設定に用いられている。
ただし、「エヴェレット解釈」には夢があるが、あくまで仮説の一つであり、量子力学は現在もなお、ヒルベルト空間内でのイベントとしての「確率解釈」が主流である。
なお、本項では「エヴェレット解釈」誕生を観測問題の経緯を中心に記したが「余剰次元」の項で「超弦理論」における扱いにも触れる。

今回、なるべく専門用語を用いずに(それでもかなり多いが)「エヴェレット解釈」における世界線を説明したが前述の「観測者効果」は「量子デコヒーレンス」の一部であり、本来は「量子デコヒーレンス」の全体像から、これが生じる確率スペクトルにおいて「世界線」を考察するのが本筋であろう。
本作の「ダイバージェンス」の科学的な元ネタはこれだからね。
しかし、ここは量子力学の教科書執筆の場ではないためこれ以上の説明はしないが「多世界」とはどのような思考過程を経て編み出されたのかという説明目的は達したと思う。
また、量子論をあまり深追いすると、理学上のタブーである哲学領域に踏み込むためこの辺でお開きとする。{/netabare}

《次元の魔力》
{netabare}「次元」には人を魅了するその言葉自体に魔力があるようだ。
我々が一般に把握出来るのは「空間」つまり3次元だが、4次元以上になると感覚では判断出来ずそこにミステリアスな魅力を感じるのだろう。
ただ、我々が生きているこの世界は、ただの空間ではなくベクトル量を持つ空間である。
要するに時間概念だが、時間軸は空間把握と独立した観測感覚だから次元感覚が生じないだけだ。つまり4次元は特殊なことではなく、普通の世界の状態である。
これを理論化したのが「相対性理論」だ。
感覚的に悟れない5次元以上は、観念の世界(イメージトレーニング)と割り切って良いのだ。

1,「5次元」
5次元の世界とは、相対性理論に電荷の軸が加わる世界だ。
これを理論解説すると「ゲージ理論」なる難解な理屈を持ち出しての話になるので、触れないが、時間軸まで扱う一般相対性理論に電荷の軸がプラスされたと考えて良い。
少し専門的に言えば相対性理論と電磁気学を統一する「カルツァ・クライン理論」に基づく。
アインシュタインはブラックホールの存在を予言したが、重力だけは説明が付かないブラックホールの具体的な働きは電荷を加えた5次元軸を用いて初めて解明出来る。
また、この5次元の意味が分からなければ、本作にも登場する「超弦理論」はそもそも理解出来ない。
更に6次元以上(以下高次元)は量子論の世界であることから、前述した量子力学からも次元の意味をイメージしなければならない。
因みに「弦理論」の一つボソン理論は26次元をとる。

2,「超弦理論」をごく簡単に
「超弦理論」の「弦」とは素粒子の形を意味し、アーキテクチャーは1次元だ。
専門家の間では素粒子はひも状の形なのだろうという観念的な意味で「ひも」と言っている。(が本当にそうなのかは観測されるまでは分からない)
視点を変えれば、宇宙の最小単位は「ひも」で構成されいると仮定して、その振動を数式でモデル化したのが「弦理論」である。
一口に「弦理論」と言ってもこれには様々なパターンがあり、それぞれの理論には何らかの欠陥や足りないものがあった。
各種の「弦理論」を精査、精練させたのが「超弦理論」となる。
本作は原作原案が少々古いので「超弦理論」を設定に採用しているのだろうが、時代は既に「超弦理論」から更に進化した「M理論」となっていることを蛇足ながら申し上げる。

3,「次元」の物理学的意味
「超弦理論」で扱うひも状の素粒子はとても小さいものであり、さらにその自律運動(ひも振動)はCERN(本作のSERNの元ネタ)が保有する加速器でも現状では観測不可能だが、現在性能向上の工事をしているので、近い将来「ひも振動」が観測出来る可能性はある。
だが、現状では、演繹はしたが帰納するかしないか分からない「仮説」である。
理論物理学は論理立てをしないと始まらないことと、多くの科学者から理論上の支持を得ている「超弦理論」の演繹性には何らの問題はない。
問題は寧ろ「超弦理論」という言葉が一人歩きをして、科学を過信する科学の外で妄想が膨らんでいることにあるのだろう。
科学に携わる者こそが、科学の限界や分限を最も熟知しているのだからね。

余談だが、ニュートン力学や初期の電磁気学が全盛の時代、革新的な発達を遂げる科学の有り様を見て、世の中の全ての現象は科学で解明できると大真面目で考えていた馬鹿者がいた。マルクスやエンゲルスだ。
だから、連中は自分達の思想を「科学的社会主義(共産主義)」と自称している。
共産主義の顛末は、科学を万能と考え過信するような理性万能主義者が闊歩する社会はロクなことが起きない反面教師だが、人類はもっと謙虚になるべきであろう。

さて、本来、高次元を考えるには量子論の他「素粒子物理学」の先端理論をも理解しなければならない。
しかし、世界線の考察であれだけの字句を要したのだが、高次元の説明は世界線の比ではない。よって大幅に端折る。

結論から述べるが「超弦理論」とは10次元の理論である。
次に素粒子観測におけるミクロ物理の特殊な「場」を想定する。
イメージ的には原子はなぜ安定して存在しているのかが分かり易い。
原子核の周囲では、電子が運動している。
何もしなければ電子は原子核に対して安定している。
このような、電子と原子核で成立している重力や磁力よりもはるかに小さな「力」のことだ。
素粒子物理学ではこのような力場関係を「相互作用」というが、その相互作用を媒介する素粒子によって4つに分類される。
これを「ゲージ理論」で変換し「波動関数」で求めると量子化される。
ただし、この説明はかなり端折っており、実際はもっと複雑かつ難解プロセスを経るのだが「量子化された相互作用」が高次元のイメージである。

もともと、素粒子のアーキテクチャーは0次元(点)であり、そこから1次元の「ひも」へと広がっている。因みに「M理論」では2次元となる。
素粒子理論における次元とは、アーキテクチャーから各次元方向にどれだけ拡張されたかの軌跡を意味する。
拡張の臨界は「固定点(ディリクレ境界)もしくは自由点(ノイマン境界)間におけるエネルギー保存法則」を満たすか否かで決定づけられる。
この拡張軌跡をブレーンと呼び、ブレーンのカウント数が「次元」となる。
また、プレーンの固定点がディリクレ境界であることからDブレーンとも呼ばれる。
「超弦理論」ではアーキテクチャーから10のブレーンが存在すると考えればいい。

次に、認識論としての「次元」だが、4次元までは幾何学的に認識し(ただし4次元はリーマン幾何学という特殊な幾何学)、5次元は論理として認識する。それを超える高次元は量子化での認識となる。(余剰次元)
ただし、量子化された認識をデコボコに歪んだ曲面(超曲面や複素球面の多様体)のように幾何学的に表現することは可能だが、あくまで幾何的疑似表現であり本質的な意味は持たない。

4,「余剰次元」
これは、現在の先端分野(如実に理論先行)に属する内容で、素粒子物理学の専門家間でも様々異論があること、かつてのホーキング博士のように「超弦理論」そのものを否定している方々もいることから、記述しようかしまいか悩んだが、本作で「超弦理論」を用いた動機に「余剰次元」から「マイクロブラックホール」の存在を示唆していることがあること、そして「多世界」と「超弦理論」の関係も出てくるため、科学の可能性の一つとして項目を設けることとした。

では、頭の体操のようだが「余剰次元」を簡単に説明する。
これは、6次産業(1×2×3=6)の語呂合わせと似ている。
前述でブレーンを説明したが、素粒子物理学では「ブレーン宇宙」という概念がある。
4次元までは可認識空間であることを述べたが、その4次元に平面(2次元)を加えることを想像する。(4+2)
更に、4次元空間に加えた平面を巻きつけると、見かけ上は4次元でも、その中に別の2次元平面が隠されているようになる概念を「余剰次元」という。
これは「超弦理論」の6次元ブレーンの概念でもあるが、隠れて認識出来ない平面が量子化次元である。
「超弦理論」では現状7次元以上は数学的な余剰次元として考え、現在、様々な仮説の構築が行われている。
なお、6次元ブレーンで構成された空間(バルク)を幾何学的(カラビ・ヤウ空間等)に模した場合、その空間にエヴァレット解釈が予言した、多世界が存在するとの仮説がある。「超弦理論」が証明されれば、未来人ジョン・タイターの予言のとおり、宇宙は多世界構造である可能性を秘めているのだ。
相当、端折ってしまったが、これが物理における次元の考え方である。{/netabare}

《物理学的時間観念と物語設定トリックの考察》10/13追記
{netabare}1,序
科学設定考察の最後となるが、ここでは「未来ガジェット204号機」の原理を含め、本作の設定がSF設定としてなぜ抜きん出ているのか考察する。
さて、本レビューではミクロ物理である「量子論」と「超弦理論(素粒子物理学)」を用いて考察を進めてきた。
ここまで読んでくれた方々には、理論上の観念と現実の閾値を理解して頂けたと思う。
さて、マクロ物理の立場である「相対性理論」については現在もなお全ての謎が解けているわけではないことを、先に申し上げておく。
なお、本項での「相対性理論」とは特別に使い分けが必要とならない限り「一般相対性理論」を示す。

さて、重量が光を曲げる「重力レンズ効果」は近年発見(観測)が相次いだものであり、更に今年(2018)になってから、ブラックホール周辺では光の波長が長くなる「重力赤方偏移」を観測し、また一つ「相対性理論」の正しさが証明された。
(参考:天文学専門誌『アストロノミー・アンド・アストロフィジックス』7月29日付け)
「相対性理論」とは重力系の運動を記述した「万有引力の法則」は宇宙空間では必ずしも適用されないことを証明したと同時に、宇宙の状態を記述した理論である。
簡単に言えば、ニュートン力学では、物体が引き合う力で決まる重さが重力であるが、相対性理論では空間の歪みが重力を決定し、重力が大きいほど時間は遅れる。
ニュートン力学では、上記の「重力赤方偏移」は説明が出来ない現象であるのだ。
既に発表から100年を経た「相対性理論」でも未だに検証中であり「超弦理論」の研究が本格化したのが1980年代であることを考えると、検証にはなお相当の時間がかかる未完の理論である。

2,そもそも「時間」とは
ここで、相対性理論を展開する気はないが、以下に記述したことは相対性理論から導かれた時間の概念的である。

時間概念は本作シリーズを視聴する上でも重要な問いである。
一般の作品の時系列は主人公目線の絶対時間で進み、視聴者の俯瞰はそれと同時並行をする。
しかし、本作の時系列は「相対的時間順序」で構成されている。
「倫太郎」目線で物語を追うと、時系列錯覚を起こすので、視聴する上では注意を要する点でもある。
つまり、視聴者は「倫太郎」を観測する立場で物語が進行していることにあるが「倫太郎」自身にとって「絶対時間」なのである。
この現象を分かり易く説明しよう。
夜空の星を見てみよう。
キラキラと輝いている星々のなかには、既に現存していない星も含まれている。
星が光を放ち、その光が地球上の私達に届くまで、気が遠くなるような時間がかかっているからだ。
つまり、星を観測するということは過去を観測するのと同じことである。
しかし、観測者自身が過去に溯行しているわけではなく、星という被観測物が過去なのである。
このような、観測と被観測との間に生じるメタ関係が「相対的時間順序」であり、観測者の時間的立場が「絶対時間」である。
本作で考えると、無印α世界線の「倫太郎」が認識する事実が絶対時間であり各イベントで「まゆり」の死を観測する「倫太郎」と「まゆり」を視聴者がメタ観測する関係が「相対的時間順序」である。

3,考え抜かれた物理トリック
本作のタイムトラベル設定においてもっとも考え抜かれた点は、時間の溯行のみに留め未来への旅行を設定しなかった点である。
これをやると、本作の科学設定が複雑となり破綻を来すからであろう。
だが、我々本職の視聴した場合は、もっと別な視点で科学設定の巧みさに感嘆を抱く。

本作の科学設定に興味がある方は特に①のDメールやタイムリープ関する記述は目から鱗かもしれないので二重に折り畳む。ただし閲覧の際には量子力学の知識が必要である。
{netabare}①Dメール、タイムリープ設定は物理的に過去を旅するものではなく、未来からの指示、意識のみ過去へ送り込むという方式でタイムパラッドクスに纏わる諸問題を回避している。
更に「親殺しのパラッドクス」で比喩される因果律のパラッドクスに関する部分は「収束」という物理概念で結実させ、物理学的範囲を逸脱しないように構成している。
ただし、量子コンピュータ概念の一つである「クォンタム」を利用した電話レンジ(仮)の設定では「倫太郎」の意識のみがタイムリープをし、物理的な過去改変で「まゆり」の救出を試みるも成就しない「タイムパラッドクス」が【物理学的整合】となり「クォンタム」の現実性まで肯定しているわけではない(可能性までは否定していない)ので断っておく。

Dメールもデータであり、過去に向けることが可能なら、意識もメールも「クォンタムアクセス」の可能性として整理が出来るだろう。
なお、量子力学の項で「観測問題」を説明したが「認識を意識が阻害する」事実を形而上であるとして、物理学では無視や切り捨てで対応していることに対し「意識」そのものを問うているのがこの分野だ。
(嘘か誠かは知らないが「クォンタムアクセス」を深掘りすると不吉なことが起きると言われる。「ウィキリークス」絡みの案件だからかなw、因みにSAO3期も「クォンタム」を用いているフシがあるが結論は最後まで視聴してから。)
本作0では「紅莉栖」の記憶をビットデータ化したAI「アマデウス」が登場する。
「量子脳論」の研究分野は将来、AIにも応用されていくのだろうが、物理学とのブリッジすら現段階では混沌としており、まぁ限りなく科学の可能性があるプロト科学の分野だね。

さて、「クォンタム」聞き慣れない言葉だと思うが、意識のテレポーテーションは宇宙の状態記述理論の一つである「ホログラフィック原理」を用いた「量子脳論」の分野で研究されており、また、この分野では人間の意識を量子化することでビットデータとして取り出す可能性を模索している。
そんなことが本当に可能かどうかは、私はこれを扱う「脳科学」には門外漢であり、申し訳ないが現段階では理論上の批評は出来ない。
とりあえず、理論物理学の立場から原理の概略だけ触れよう。
次のカーブラックホールでも触れるが、ブラックホールには「シュヴァルツシルト面」という理論上の不可侵領域が存在する。(「事象の地平面」とも表記される。)
「相対性理論」で最も早いのは「光」であるが、「相対性理論」では重力が増大するにつれ、光も曲がり、曲がるということは光が描く軌跡の距離が伸び、ブラックホールの外側から観測すると、光の速度が遅くなっているように見え、いつまでも光が通過しないからそこだけ暗く見えることからブラックホールの名称が付いた。
何も障害がなければ光がブラックホールを通過するする時間は、ブラックホールの直径で決まるが、上述のとおり、ブラックホールでは光が曲がり、通過は重力に比例して遅くなる性質があり、光の速度が下がる(光が曲がる)境界が「シュヴァルツシルト面」である。
「ホログラフィック原理」では「シュヴァルツシルト面」はブラックホールのみではなく宇宙そのものが「シュヴァルツシルト面」に投影された情報構造体であると仮説している。
つまり、全宇宙の情報は宇宙の終点にある「シュヴァルツシルト面」に集約されるということだ。これを仮に「宇宙シュヴァルツシルト面」としておく。
一見信じ難たいオカルトめいた内容だが、理論構造としては後に説明する『時間順序保護仮説』の反転理論であり、量子力学を確率解釈から決定論へと転換する理論でもある。
更に拡大解釈をすれば、魂(思念、意識)の行き着く先は「宇宙シュヴァルツシルト面」ということになる(小声)
また「シュヴァルツシルト面」は、相対性理論で導かれた「時間的閉曲線:CTC」でありその性質上、時間的カオスを生じ時間順序の概念が崩壊し、「余剰次元」が存在するならば、世界線を跨がるリバースも可能となる。(詳細は②で解説)

「量子脳論」では「宇宙シュヴァルツシルト面」から「脳」への情報伝達を「クォンタムアクセス」(概念的にはユングの「集合的無意識」に近い)、「脳」から「宇宙シュヴァルツシルト面」の情報伝達を「クォンタムリバースアクセス」(魂、思念、意識)となり、理論上当然それまでの記憶を保持し続けることから、本作で言うところの「リーディングシュタイナー」の仮説的根拠にもなろう。

電話レンジ(仮)の動作原理であるマイクロブラックホール(に作用する過程の仮説を含め)は他所でも述べられているが、その結果の現象である「クォンタムアクセス」に言及したものは私が知る限りないと思う。
更にもっと言及しよう。
本作では「倫太郎」
よって私的結論として
※【神をも冒涜する12番目の理論の本質は《クォンタムリバースアクセス》である】
と、位置付けよう。{/netabare}

②因果律の保護は、現在多くの理学者が支持するCTC(時間軸は直線ではなくリング)よる「ワームホール」などにおける『検閲官説』(一般相対性理論)を踏まえて4次元ブラックホールの科学的常識を越えない設定とし、本作の設定そのものに信憑性をもたせることに寄与している。
ただし『検閲官説』については、本作の原作設定以後の2016年に4次元を超えるブラックホールでは『検閲官説』は成立しない可能性がある発見がなされていることを付記しておく。

タイムパラッドクスに関して二説だけ紹介しよう。

一つ目はホーキングが提唱した『時間順序保護仮説』だが、本説を用いると本作そのものが成立しなくなる。
説明しよう。『時間順序保護仮説』とはCTCが存在したとしても、CTC存在の前提が「相対性理論」であり、因果律を破るということは、因果律において論じられる「特異点」を破ることを意味し、結果、ブラックホールが蒸発し特異点が剥き出しとなる現象(裸の特異点)をも4次元空間で説明しなければならないが「相対性理論」を破る理論構築は現状では99.999999…%無理だろう。
寧ろ、理論物理学の研究方向を考えると「相対性理論」を「量子論」に適用出来るブリッジ理論の方が手堅いだろう。
ホーキングは波動関数により「純粋状態」でCTCの存在条件を求め、CTCが存在する条件下ではエネルギーが無限発散する。つまり量子力学的には成り立たなくなることを証明した。
この意味は「相対性理論」がCTCを認めても「量子力学」がそれを否定するということであり、CTC上でも因果律の崩壊は起きないということは、つまりタイムトラベルそのものが出来ないとした取り付く島もない理論であるがゆえに「ホログラフィック原理」の存在を仮定する本作では対立する仮説であるゆえに採用出来ないのだ。

二つ目は本作のタイムパラッドクス回避に採用されている「セス・ロイド仮説」である。
どういうことかというと、「量子力学」の項で波動関数は全てが解明されているものではないと述べたが「量子力学的」に無視されている収縮確率をCTCの存在確率で考えると時間対称性を破る発生確率は限りなく0であるという「実験解」が得られた。
つまり、起因を変えても結果が変化する確率は限りなく0であるというものである。

他にもタイムパラッドクス回避の仮説はあるが、この二点を理解すれば十分である。

③本作のタイムトラベルはジョン・タイターが示したと言われるカーブラックホールの構造を理論的な根拠としている。
カーブラックホールとは4次元(定常次元D=4)に存在するブラックホールの一般式カー解によるベーシックなブラックホールであり、質量と角運動量を持つブラックホールで、これは宇宙項は0、パラメーターは2のブラックホールだ。
これが、なぜ、タイムトラベルに結びつくかというと、このブラックホールの特異点が点ではなく環状で、角運動(回転)すると球になる特徴がある。
ここを旋回することで時間の変位が調整されるという仮説。
ブラックホールには内と外に二重の地平面があり、ブラックホールに入り特異点に近づくにつれ時間軸と空間三軸が捻れ、球状特異点で時間軸と空間軸は正常化さる。
カーブラックホールでの時空転換は性質上確かこんな理屈だったと思うが、この状態をブラックホール内部の状態を記述する「クルスカル座標」という面倒臭い計算で表現すると、確かに時間と空間が入れ替わるが、あくまで数学上でのことだ。
更に「相対性理論」の説明で便利な「ペンローズ図」で「閉じた時間の環:CTL」も交えて時間変異の因果構造を説明すればより親切なのだが、レビューCGIは画像添付に対応しておらず、結論は変わらないので軽く触れるだけで失礼する。
更にジョン・タイターは裸の特異点をタイムマシーンの安定動作の根拠としているが、裸の特異点をD=4で認めることは「相対性理論」を否定することでもあるから、カー解を使えない高次元D>(>にアンダバー一本の科学記号)5のブラックホールを考える必要がある。
《次元の魔力》でも説明したとおり、高次元になれば「余剰次元」にも特異点の存在を仮定できるが、ブラックホールの状態は閉じない軌道に沿り時間積分でホライズン閉曲面で空間平均で置き換えるような様々なテクニックがあるが、定式化されていない難点があり、理論解が複数生じるので、一般向けには説明にならない。
どちらにせよ「余剰次元」が検証できていない限りは、裸の特異点はD>5空間に存在するであろうとの認識程度で良いだろう。

仮にタイムトラベルが物理学的に成立しても生理学的に考えれば、ブラックホールの大重力による吸い込み加速に、まず人体が耐えられるわけがない。
例えば、ジェット戦闘機の急旋回は約8G程度だが、耐Gスーツを着用していないと気絶する。重力加速度がどういう影響を人体に与えるかイメージできるだろう。
条件は違うが、重力による負荷現象は無印5話で「紅莉栖」がスポンジを使って説明し、更に重力により物質が崩壊した状態を、ゲル状態(まゆりのゲル化)として視覚化し相対性理論で記述されようなブラックホールにおける大きな重力場ではタイムトラベルが実現出来ないことを暗示しており、設定に一定の科学的合理性を付与している。

④その代わり、SERNによって成功したプランク長(量子単位)クラスのマイクロブラックホールの存在を示唆している。
一度、現実の話に戻るが、この元ネタは現実に存在する「CERN」(Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire)の「大型ハドロン衝突型加速器」で陽子の束を衝突させることで人工的なブラックホールを生成するとした実験だ。
何やらとんでもないことが起きそうな響きだが、この実験の目的には他世界の存在確認が含まれていることはご存知であろうか。
正確には《次元の魔力》で説明した「余剰次元」の発見実験であり、余剰次元の存在は多世界存在の可能性をも意味する。
字数の関係もあり理論的な説明は省略するが、本作の世界線分岐は物理的にはマイクロブラックホールの生成ないし内部活動によって引き起こされたDメールなどによるイベントによって引き起こされる設定だ。
ゆえに、マイクロブラックホールの設定はタイムリープのみならず、世界線分岐にも及ぶ多重な伏線の意味を持たしている、実に手が込んだ設定であることが理解出来ると思う。

ブラックホールは「相対性理論」が記述する大きな重力場と「超弦理論」が予測する小さな重力場があり、これは「重力」という視点からみれば等価である。
この双方からの重力アプローチを一つにまとめようとしている理論が「量子重力論」である。
「量子重力論」は「大統一理論」に最も近い位置にあり、もし完成すれば「相対性理論」と「量子論」の垣根の一部が崩れる物理学上の一大革命となる。
本作では「量子重力論」を表には出してはいないが、高分子構造の人体や高分子素材が使われるタイムマシーンを、ミクロ物理で記述するマイクロブラックホールを用いて過去に転送する設定は、何度も説明しているとおりマクロ物理と反する現象であり、現時点では論理的に破綻となる。
しかし、本作では「重力」、厳密に言えば「特異点」を触媒としていることに注視したい。
「相対性理論」でも「超弦理論」でも記述される「特異点」を設定の肝に据えれば、上述した「量子重力論」(未完ではあるが)での理論武装が可能となる。
この点が他のSF作品とは違う抜け目のなさであり、本職の理学者をして唸らせた本作SF設定の完成度の高さでもある。
尤も、本作シリーズは本職の理論物理学関係者の監修を受けているので無理もないことだ。

⑤ただし、転送するにおいての物理的かつ生理学的な人体や転送物体(タイムマシーン)への影響に対する説明だが、本作では一部のリスクは語られたが、その他のリスク説明がされてはいない。
逆に「紅莉栖」によるゲル化以上の説明をすると「ボロ」が出るから避けたと思うが、他にリスクがないとも言いきれないがゆえに、曖昧にしている点が個人的には不満である。
例えば、①で説明した「クォンタムリバースアクセス」を実行すれば、本作で描写された「倫太郎」のメンタル崩壊の比にはならないほど、精神に何らかの異常をきたす。
最近、キューバの米国大使館でおきた「音響」を用いた人体攻撃(高周波域に超音波織り交ぜたマイクロ波聴覚効果といわれる)でも大きな障害が出ている。
それよりも遥かに大掛かりな「クォンタムリバースアクセス」が無害で済むまいとする想像は十分に可能だ。{/netabare}

以上で本レビューの科学設定考察を最後とする。
本作では多くの科学的事象が設定されているが、先にも述べているように、それらを逐一考察すると文字数がいくらあっても足りないので、他の考察サイトであまり触れられていな事象、科学考察の方向性や、考察に必要な物理の考え方に留めることとする。
理論物理学とは極端な話、妄想こそが発見に繋がる源泉であり、理学者から見た「鳳凰院凶真」はけっして自称するほどマッドサイエンティストではないのだ。
多分、量子論や素粒子論(あくまで触りだが)はここで初めて御覧になられた方も多いと思うが、理論物理学とは何かを感じ取ってもらえるだけでも嬉しいし、光栄である。

【余談】{netabare}
本レビュー執筆中に原作者の一人志倉氏とCERNの科学者3名を招きパネルディスカッションが京都で行われた。可能であれば是非参加をしてみたかったものであるが、このパネリストに志倉氏が招待されたということは、本作の科学設定は本職が認めるレベルにあるという裏付けでもある。
『テーブル・アンステーブル京都-サイエンス・アウトリーチ』(10/11)
コメンテーター
藤井啓祐氏(京都大学 准教授 量子コンピューター)井元信之氏(大阪大学 名誉教授 量子情報論)落合陽一氏(筑波大学 学長補佐・准教授 総合司会)他
追伸
レビュー第3稿を推敲している最中ホーキング博士の遺稿
"Black Hole Entropy and Soft Hair"(プレプリント・サーバー 英文)
公開の連絡がきた。
ブラックホールと情報についての論文だが、考察で述べた「宇宙シュヴァルツシルト面」のアプローチらしく、これから読もうと思う。
読後、内容によっては考察に反映することもあるかもしれない。{/netabare}

なお、本レビューで触れていない科学考察は、前期無印から数多くの考察ブログやサイトがあるので、そちらを参考にして頂きたい。

①長文であるゆえ、後日の誤字脱字校正を留保。
②この後本作の総評をするに当たり、文字数が不足する場合【科学設定考察】の全部または一部を無印か23話β境界面上のミッシングリンクのレビューへ移行する。
③今回の追記の1週間後を目途に作品総評を行う予定。

2023/7/8一部加筆

投稿 : 2024/11/02
♥ : 57
ネタバレ

ミュンヘン さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

神に抗うラボメン達の執念のエピグラフ

終盤に怒涛の伏線回収をすることでおなじみあにこれでもアニメ評価総合1位と平成に生まれた最高のアニメシュタインズ・ゲートの続編です。

第1期の第23話の再放送(通称第23話β版)にてエンディングにたどり着けなかった岡部倫太郎の話。正当な第23話(通称第23話SG版)にて未来からムービーメールをしてくる2025年の岡部倫太郎の話です。

今作は第1期のような伏線回収していくみたいな話の構成が凄い!っていう感じではないです。どちらかというとキャラクターの魅力を最大限に引き出してる感じです。第1期が孤独の観測者ならこのゼロは皆で協力していくっていう岡部倫太郎以外のキャラクターの存在感というのがかなりあった作品です。第1期が好きだった人はゼロも楽しめるのではないかと思いますね。

シュタインズ・ゲートはタイムマシン・タイムリープマシン・Dメールなどといった時間を跳躍できるアイテムが登場しましたが今作出てくるのはアマデウスというAIです。それも人間に限りなく近いAIです。例えば人間は1週間前着た服装を正確に覚えてるかと言われたら忘れている事もありますよね?このアマデウスもそんな人間っぽさを残してるのが特徴です。アマデウスは人間の記憶をデジタルデータに変換する。つまり、生身の人間のAIを作る事が出来るわけです。そこで今回はシュタインズ・ゲートのヒロイン牧瀬紅莉栖がAIとして登場してきますがこのアマデウスの使われ方や危険性の描き方が流石科学アドベンチャー!という感じでなるほどなぁという感じです。

先程第1期は岡部倫太郎のもつリーディングシュタイナーの力もあってか岡部倫太郎が独りで奮闘するという印象の作品と言いましたがこのシュタインズ・ゲートゼロは話の終盤まで岡部倫太郎はそんなに活躍しない。どちらかというと他のラボメンの活躍が目立つシーンが多いですね。終盤で岡部倫太郎と共に見ているこっちも気付くのですが戦ってるのは岡部倫太郎1人ではない、ラボメン全員が協力してる事に気付くわけです。個人的な話になるのですが自分はこのアニメにおいてに嫌いなキャラクターというのがいないです。最初は個性が強すぎる人達の集まりなので好みはあったと思いますが第1期を見てそしてこのゼロを見ると誰も責めれない自分というのがいたんですよね。世界線を変えることを恐れる岡部倫太郎の気持ちも当然理解できるし未来を変えなきゃダメだという阿万音鈴羽の気持ちも分かる。鳳凰院凶真を待ってるダルやまゆりを中心とした他のラボメン、紅莉栖との差に劣等感を抱きつつもそれでも頑張ろうと進む比屋定真帆の気持ちも分かる。誰の立場になっても責めれないという点で自分はラボメンの皆が好きなのだと改めて思いました。

終盤は怒涛の展開でこの畳み掛けてくる感じがシュタインズ・ゲートっぽいなぁとしみじみ感じつつこの最高に愛してるキャラクターともうすぐ会えなくなるのかと思う寂しさがありました。それだけ自分にとってこのアニメが特別だったのだなと改めて思いました。
(自分の最初に見た深夜アニメがシュタインズ・ゲートなんです)

中盤少し中だるみがありましたが終盤の目まぐるしい展開がそれをカバー出来てたと思います。ゼロは序盤から勢いがあったのも良かったですね。

曲の使い方もよかったですね。シュタゲの曲はどれも意味があるのでその歌詞に合った曲が流れるのでテンション上がりましたね。過去の曲・新しい曲共に素晴らしかったです。

自分は原作のゲームの方をやってるのでアニメがゼロはじめての人と感想も違うと思いますがアニメ版の方がゼロは好きでした。


シュタインズ・ゲートをもう一度アニメで見れるというだけで自分は正直幸せでした。悲しいけど話だけど心が温まるラボメンの優しさがほんと愛せる。やっぱりこのアニメは自分にとって特別な存在なのだと改めて実感しました。放送前はゼロのアニメ化成功するだろうかという不安もありましたがほんとに愛を感じる作品でした。ありがとうございました。 点数97

以下ネタバレを含む見てる時の自分の気持ちです。大変見苦しいと思いますのでご注意を

{netabare}シュタゲゼロ…アニメ大丈夫かな〜ルート分岐どうするんだろう。真帆のこの大人です!のシーン可愛いなぁ。萌香はやっぱトラウマだよね…アマデウスきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!レスキネン教授好き。とってもいい敵役だし正体現すまでのおもしろキャラの時最高でした。リンターロ大好き。アマデウス紅莉栖!やっぱりオカリンは紅莉栖に向き合わないといけないのね…切ないわ…かがり!かがりはどうするか楽しみやな〜この紅莉栖と似てるとかどう見せてくるのか楽しみやな〜(そこはアニメで描かれなかった模様。知りたい人はゲーム版シュタインズ・ゲートゼロやりましょう!)オカリン…アマデウス紅莉栖にどっぷりやな…真帆ちゃんしっかり者ちゃんと言わないとね…!?!?リーディングシュタイナーか!?お!このシーン来たか!早いな!……夢オチかーーーーい!?(自衛隊に守られながら逃げるシーンはゲームでは実際の出来事として描かれます。そしてゲームでは最初の世界線の変動のシーンです。)ここアニメでやらんのか?マジ?まぁ…なくてもいいのか?(なくても良かった)巫女のまゆしぃと鈴羽とかがり可愛い。ダルと鈴羽のやり取りほっこりするなぁ…まゆしぃのかいちゅ~止まっちゃった~…は!?!?!?まゆり死ぬの!?やめろよぉぉぉぉぉ…ライダースーツ誰だ?かがりではないから…レイエスなのかな?ブラウンキターーー…ていうか強すぎやろwまゆり死ななくてよかった(原作ではまゆしぃのかいちゅ~の呪いの呪文は出てこなかった。めちゃくちゃ焦った。)リーディングシュタイナーきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁどこに分岐する?紅莉栖きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…あぁ…やっぱ紅莉栖なんだよなぁ…ダル…オカリンの気持ちも…いや、ダルからすればそうだよな…辛い…GPSかwクリスティーナらしいね。このツンデレ少女やはり可愛い。まゆりの墓…しんどい…あぁ…しんどい 紅莉栖ほんま好きや…流石正妻やで…ハイルナ…なんだこれ。私の事忘れなさいと言いつつキスするのか…ツンデレか!でも切ないね…ライアいいなぁ…あぁぁぁぁぁぁそこかァァァァァァァァァァァそこに繋がるかァァァァァやっぱシュタゲすげぇよ!!!天才かよ!…鈴羽…そうだよなやっぱり18の少女が抱える使命にしては重いよな…綯様!はい!綯様!アニメでやってくれるのね…w嬉しいけどねw ノートパソコン来ましたか…オカリンやっぱそうなるよね…そりゃそうだ。アジトの脱出どうするん?あぁそうやるのね、ていうかダル身のこなしよすぎやろwシュタゲの戦闘シーンは生々しくて怖い。かがりルートもやるのか…この歌ほんと好き。魔笛…あっ…おぉ!β世界線だとそこってかがりなんやなぁ…まゆりママ…甘えるかがり可愛すぎやろ どうみてもフラグやん…萌香wシュタゲゼロでは珍しいギャグシーンである。魔笛のシーン結構緊張するね。かがりは洗脳されてる!ナンダッテー誰がこんな事をやったんだねリンターロライダースーツかがりどうするか…あっそのまま脱ぐのね(ゲーム版はだいぶ違う、この時点でゲームとアニメはかなり別物ぐらいな感じ)お!鈴羽回か。ダルに洗脳は流石に草ギャグ回だった。無限遠点のアルタイル!もうこんなとこまで来たか…ゲルバナ…やっぱこのシーン辛いわ。みんなの気持ちが分かる…オカリンを責める事も出来ないしダルの気持ちは分かるし…まゆりも何だかんだ大人だよね。過去に戻る…来てしまったか…これでタイムリープきたね。何度やってもだめ…なるほど収束する事案か。お?……リナシメントきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。来ないと思ってたよ…よかった…これやんないとアニメ化の意味ないんすよ…もう安心やね。君に萌え萌えバッキュンキュンwww暗号それでいいのかwタイムリープ失敗ね、それなら納得(原作の未来に飛ばされるこのシーンは謎が多かったから助かる)妖刀五月雨!?!?最高かよ!…でもそうなんだよな…これでやっと決意したね。お!ここのタイムリープするくだりやるのね。スカイクラッドを流すのか。でも確かに歌詞の意味がめっちゃ合うわ。よき。まぁそりゃダメだよな…アマデウスの消去!真帆ルートもやってくれるのか…アマデウスでもやっぱりオカリンには無理か…でも正直ここは感情移入しきれないかな…ここで挿入歌のアマデウスは最高やわ…タイムマシンが過去に飛んでる!…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁここもやってくれるのか…ドラマCDの無限遠点のアークライトだよね…最高かよ…ほんとこのメールの撮るシーンのくだり好き。紀元前まで飛んじゃったのね。オカリンかっけぇ… シュタゲゼロ最高やったわ!{/netabare}

第1クール終了時の評価

全23話の為暫定的に半分の11話までの評価になります。

シュタゲはネタバレしないと何も伝わらないので今回はネタバレを含んでいるのでまだ見てない方は見ない方がいいかもしれません



















あにこれでも評価1位のシュタインズ・ゲートの正当続編です。前作23話にて牧瀬紅莉栖を救うことを諦めた世界線という設定です。簡単に言うと23話で岡部にムービーメールを送った未来の岡部の話という事ですね。

シュタインズ・ゲートの魅力を今更語らなくてもいいと思いますがやはり張り巡らされる伏線と毎話毎話引きの良さ。さらに、魅力的なキャラクターですね。それはゼロになっても変わらず毎週気になる所で終わるので次へのワクワクが無くなることがないですし毎週気になるシーンやセリフが出てくるので展開の予想も楽しいですね。

1クール目の中でも話題を呼んだのが8話ですね。α世界線に何故か来てしまった岡部が牧瀬紅莉栖と再開する話です。まゆりやダルなどのラボメンも勿論岡部の事が好きですがやはりこの二人の関係は特別で1番岡部を理解出来てるのは紅莉栖なんだなと思いましたね。そして岡部がβ世界線に戻るシーンで紅莉栖が岡部に自分の事は忘れろというのですが世界線が変動する前にキスをするんですよね。最後まで紅莉栖らしいなぁと思います。話の構成的にも前作22話岡部がβ世界線に戻るシーンで紅莉栖が告白しかけるシーンに上手く肉付けされていました。こんな完璧なものを見せられたらやっぱシュタゲすげぇとなりますよね。

まだ第1クールですし岡部がここからどうやってムービーメールの姿になるのかが楽しみですね。今のところは前作に負けないぐらいに面白いと個人的には思います


6話までの感想

{netabare}シュタゲといえば1話の伏線を最終回で一気に回収するという神のような演出が有名ですが、今作も途中で露骨に伏線だなぁみたいなシーンがありでももしかしたらミスリード?みたいな感じで1期とは違う探り合いをしている感じでした。しかし!そんな探り合いも6話で1つ大きな展開を迎えます…具体的には言いませんがあのセリフはやっぱり今でも耳にこびりついていてあのセリフを聴くだけで絶望に帰ってくるのだなぁと思いました。原作も発売されたのが2年前でプレイ済みと言っても細かいところは全く覚えてなかったので6話は辛いのと同時にやっぱシュタゲって凄いんだなと思いますよね、突然あのセリフが出てきた時に不意打ちすぎて一気に不安になったんですよ。もうこのゼロで聴くことはまずないだろうと思ってたのでこれはやられたなぁと思ってしまいますね笑でもそれだけあのセリフが何回も使われて印象に残ってたってことでもあるので続編の強みも存分に生かした。流石の一言でした。1話放送前まで不安になってた自分が馬鹿みたいですよ笑

それまでの岡部のクリスに対する葛藤やそこから垣間見えてくるラボメンの優しさやまゆりって実はそういう気持ちあったんだなぁとかダルはやっぱりキモいとかキャラクターの新しい掘り下げや気づかせてくれるというとこでもシュタゲやっぱりいいなぁと思わされる部分です。1期の頃はあまり感じなかったラボメンの優しさみたいなのもこのシュタゲゼロでは沢山感じますしこの後も色んなキャラの優しさという所は出てきますので楽しみにしてます。劇伴・OP・EDなど音楽面も相変わらず素敵だけど切ない感じが出てて素晴らしいですし声優は言うことないです!最高のキャストです{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

β

紅莉栖を救うことを諦めた世界線でのストーリー。代わりに紅莉栖の先輩、真帆やまゆりを母と慕うかがりが登場。{netabare}紅莉栖の記憶を元に構築されたアマデウスが今作の鍵を握る。{/netabare}諦めた岡部が頑なにタイムリープを嫌がる様やまゆりの葛藤など、ドラマチックな部分もあったが、本題に入るまでが長く感じた。勿論、面白いと感じたが。

前作と違い、タイムリープはあまりしない。{netabare}前半では一回だけ、いきなりα世界線のほうへ飛ばされる。後半(最後の数話)は怒涛のタイムリープで記憶を未来に飛ばしたり、一回で戻れる期間が短いから凄まじい回数過去に戻る。その度に体力がない状態からスタートするもんだから、相当辛そう。前作の最終話のような状態に戻るけれども、岡部は、タイムマシンで燃料が尽きたために、紀元前に飛ばされたまゆりと鈴羽を探しに行く。{/netabare}

{netabare}信用できない外国人たちに前作から一転して協力してくれるミスター・ブラウンに萌郁。{/netabare}

{netabare}作品の大筋とは、そんなに関係ないけど、あまねとデートしたダルの告白の仕方が印象に残った。{/netabare}

OPはやっぱり、いとうかなこ。癖になる歌声。EDは2つ。Zweiと今井麻美。

1. 零化域のミッシングリンク
いくつもの世界線を巡る無限の彷徨。その過酷な旅の中で、岡部は紅莉栖を死の運命から救い出すことを、ついに諦めた。そして、再び大学に通い始めた彼は、平凡な日常に埋没していく。それでも心の傷を癒しきれず、メンタルクリニックへの通院を続ける岡部の中で、いつしか白衣をまとった「鳳凰院凶真」の顔は封印されていた。

2. 閉時曲線のエピグラフ
ヴィクトル・コンドリア大学のレスキネン教授によるセミナーに出席した岡部。そこで展開された理論は、「人の記憶をデータ化して保存する」という、かつて紅莉栖が提唱したものだった。そして、人の記憶や感情、心をベースに構築された人工知能「アマデウス」のデモンストレーションが行われる。

3. 双対福音のプロトコル
紅莉栖の8ヶ月前の記憶をベースにした人工知能「アマデウス」のテスターとなった岡部。「アマデウス」の反応は紅莉栖そのもので、岡部はまるで紅莉栖が戻ってきたかのような錯覚に陥る。そんな中、まゆりの発案で、彼女のコスプレ友達も交えたクリスマスパーティを開催することになる。

4. 亡失流転のソリチュード
「アマデウス紅莉栖」に接しているうちに、まるで本物の紅莉栖がそこにいるかのように錯覚し始める岡部。そんな彼を見ていられず、真帆は「ここにいるのはアマデウス。牧瀬紅莉栖じゃない」と非情な現実を突きつける。その瞬間、岡部は世界が歪む感覚にとらわれる。それは久しく感じることのなかった、世界線を移動する感覚「リーディング・シュタイナー」だった。

5. 非点収差のソリチュード
鈴羽と共に未来からやってきた椎名かがりの捜索を始める岡部。ダルの依頼でやってきた捜索の専門家は、別の世界線でまゆりを幾度も殺害した「ラウンダー」の桐生萌郁だった。このタイミングで再び目の前に萌郁が現れたことに、岡部は強い不安と疑念を抱く。

6. 軌道秩序のエクリプス
るかがラボに連れてきた、記憶喪失の少女。その姿を見た鈴羽は、彼女こそ12年間行方不明になっていた椎名かがりだと確信する。なぜなら、かがりが「ママにもらったお守り」だと言って大切にしていた「うーぱ」の人形を、その少女が持っていたからだ。だが、少女は何も思い出すことができず、行方不明だった12年間のことは空白のままだった。

7. 振電遷移のエクリプス
ラボで行われているお正月パーティが盛り上がる中、突然「アマデウス紅莉栖」の接続が遮断された。さらにその直後、銃で武装した覆面の男たちがラボを襲撃してくる。かつて、別の世界線で「ラウンダー」の襲撃を受けた際に命を落としたのはまゆりだった。だが、今回狙われたのは……。

8. 二律背反のデュアル
アクセス不能の「アマデウス紅莉栖」から届く、助けを求める声。その直後、岡部は世界線の変動を感知する。気が付くと、握りしめたスマホからは「アマデウス」のアプリが消えていた。そして、彼の前に以前と変わらぬ姿の紅莉栖が現れる。そこは、紅莉栖が生存している「α世界線」だった。

9. 永劫回帰のパンドラ
「α世界線」で紅莉栖と再会し、束の間の逢瀬を果たした岡部。病院のベッドで目覚めた岡部は、再び「β世界線」へと帰還していた。すべてはもとに戻ったかのように思われた。だが、岡部が眠っていた間にも、「アマデウス」の乗っ取りに続き、彼らの身の回りにはいくつかの不穏な事件が起きていた。

10. 存在証明のパンドラ
明晰な頭脳を持つ後輩・紅莉栖に憧れ、尊敬していた真帆。それと同時に彼女は、どうやっても追いつけない天賦の才能に、ひそかに劣等感を抱いてもいた。そんな真帆の元には、紅莉栖の遺品が残されていた。それは生前、彼女が使用し、その思考が記録されているノートパソコンだった。

11. 存在忘却のパンドラ
真帆が紅莉栖のノートパソコンの解析を頼んだ“専門家”とは、橋田至だった。真帆がこれ以上深入りしないよう、岡部はタイムリープマシンの真実を話すことを決意する。しかし、そこへ再び不穏な影が忍び寄る。

12. 相互再帰のマザーグース
ラボに襲撃を受けて以来、かがりの身の回りには異変は起きていない。だが、その記憶はまだ戻らぬままだった。そんな中、まゆりがふと口ずさんだ歌を聴いたかがり。その瞬間、彼女は突如、気を失ってしまう。

13. 回折叙唱のマザーグース
かつての記憶を思い出したかがりは、まるで子供時代に戻ったかのように、まゆりを「ママ」と呼んで甘える。しかし、この時代にやってきた直後、鈴羽とはぐれてから現在までの記憶はいまだに戻らない。肝心な部分が空白のままであることに、岡部は漠然とした不安を覚える。

14. 弾性限界のリコグナイズ
かがりが突然失踪してから数ヶ月。岡部たちはあらゆる手を使って行方を捜したが、何の手掛かりも得られていない。そんな中、ダルと鈴羽はかつて岡部の手で破棄されたタイムリープマシンをもう一度作るため、真帆の協力を得ようとしていた。

15. 漸近線のリコグナイズ
将来、ダルと由季との間に生まれる運命の鈴羽。しかし、現在の「両親」の関係は進展しておらず、最近はあまり連絡も取っていない様子。父のあまりにも消極的な姿勢に業を煮やした鈴羽は、一計を案じるのだが……。

16. 無限遠点のアルタイル
レスキネン教授から研究室に入るよう誘われたのをきっかけに、留学を目指して勉学に勤しむ日々を送る岡部。だが、まゆりは岡部には何らかの秘めた思いがあり、それを表に出さないよう必死に堪え続けていることに気づいていた。一方、ダルは真帆と協力して、破棄された電話レンジ(仮)の再現に挑んでいた。

17. 双曲平面のアルタイル
タイムマシンに残された燃料は残りわずか。これ以上時間が経つと、燃料不足で紅莉栖がこの世を去った日まで辿り着けなくなる。鈴羽が過去に向けて旅立つ準備を進める一方で、まゆりもひそかにある決意を固めていた。

18. 並進対称のアルタイル
タイムマシンの強奪をもくろむ工作員の銃撃で、倒れ伏すまゆり。そこへ、ライダースーツ姿のかがりが現れる。まゆりが血を流して倒れる姿様を見たかがりは逆上し、武装した工作員たちに襲い掛かるのだった。

19. 循環座標のアルタイル
大国の特殊部隊により、秋葉原のビルは戦場と化し、まゆりと鈴羽を乗せたタイムマシンは爆破され、ふたりは生死不明となった。この悲劇的結末を回避するため、岡部は真帆とダルが制作中だったタイムリープマシンを完成させる決意を固める。

20. 盟誓のリナシメント
7月7日へとタイムリープしたはずの岡部。しかし目を覚ましたのは、見知らぬ施設の一室だった。身体中に走る激痛に耐えながらあたりを見回した彼は、自らの置かれた状況に愕然とする。そこは……。

21. 結像のリナシメント
再びシュタインズゲートを目指すと決意した岡部。しかし、2036年から、タイムリープマシンを使って2011年へ戻るためには、3000回以上のタイムリープが必要となる。精神的負担は計り知れないが、岡部は過去に向けて長い旅に出ることを決意する。

22. 投企のリナシメント
現れた攻撃ヘリは、レスキネンたち米国のものではなく、ロシアのものだった。何度やりなおしても、タイムマシンの破壊は回避できないのか。諦めることなく方策を練る岡部達に待っていたのは、ひとつの苦渋の決断だった。

23. 無限遠点のアークライト
過去に向けて「Dライン」を送ることで、「アマデウス紅莉栖」の存在は消失した。これで、ロシアがタイムマシン争奪戦に介入する余地はなくなった。あとは、レスキネンとの対決をいかに乗り切るか--。いよいよ「シュタインズ・ゲート」へと至る最後の戦いが始まろうとしていた。

追加されていた
24. 結晶多形のヴァレンティヌス
バレンタインデーが間近に迫り、それぞれに思いを馳せる女子たち。そんな折、フェイリスの主導で、みんなで手作りチョコを作る「第36回円卓チョコレート会」が開かれることに。彼女たちは、誰にどんなチョコを贈るのだろうか……?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

95.1 2 シリアスでパラレルワールドなアニメランキング2位
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1844)
7804人が棚に入れました
思春期症候群―― 多感で不安定な思春期だけに起こると噂される、不思議な現象。 たとえばそれは、 梓川咲太の目の前に現れた野生のバニーガール。 彼女の正体は、高校の上級生にして活動休止中の女優、桜島麻衣先輩だった。 魅惑的な彼女の姿は、何故か周囲の人間の目には映らない。 謎の解決に乗り出した咲太は、 麻衣と過ごす時間の中で、彼女の秘める想いを知って...... 次々と咲太の周囲に現れる、“思春期症候群”を抱えたヒロインたち。 空と海が輝く町で、心揺れる不思議な物語が始まる。


声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ、水瀬いのり
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

さっすが咲太、ブタ野郎だね♪

こーゆー学園現象系は大好きです。他作品で例えると『ココロコネ○ト』に近いですね。『STEINS;○ATE』好きな方も楽しめるかも?です。
ただこの作品の損してるとこはタイトルかな(汗)


原作・未読。
アニメ・全話視聴。(全13話・30分アニメ)


『双葉』には親近感が湧きました。私もアルコールランプで湯を沸かしてカップうどん食べたりコーヒー作ったりしてたなぁ。
とまぁ無駄話はともかく、単純な私のお気に入りになった作品です。この作品の作者は『さくら荘のペットな彼女』の方なんですね。


ここから先、少しネタバレを含みます。
少しでもネタバレを見たくない方はお戻り頂ければ幸いです。

{netabare}

主な【思春期症候群】など。


・1〜3話『透過現象』【シュレディンガーの猫】

「彼女って、誰だっけ?」
んで、野生のバニーガールに会ったという日記(5/6)。それからOP曲が始まりバニーガールの先輩が踊ってるのを観て最初は「あ、またこーゆーラノベの…」と思いました。
1話のAパートだけなら視聴を辞めようと思いましたがそこからいい意味で期待を裏切ってくれました。
妹のお兄ちゃん好きも後々の伏線だったのもビックリしましたがそれは後程。

空気と戦うのはバカバカしい、【病院送りにした】という噂を持つ主人公の『梓川咲太』は周りに誤解されたまま高校に通う。
ある日、野生?のバニーガール『桜島麻衣』と遭遇(咲太より一つ年上)。どうやら『咲太』以外には視認されていない。そこから物語が動く。


見えない、または見えなくするという事の使い方は上手いなと思いました。『観測』されないなら『確定』されない。無いと同じ。
周りが空気を読んで『見えない』ようにされてる『桜島』。ま、『咲太』も噂+αとなって見えない事になってますが。
『無い』ということに世界もそれに収束していく。視認も記憶も接触も語る事も残していた物も全てが…それは最初から居なかったように。
学校が『箱庭』、『桜島』が『猫』、まさに『シュレディンガーの猫』だなと。空気の現象は+αされてるって感じでしたね。

これをどうやって解決、『観測者』に『咲太』がなったのか?が凄く楽しめました。物語の流れもシリアスな部分とコメディ部分もいい配分だったと思います。世界の中心…ではなくてグラウンドで叫ぶのは凄いなぁ。『空気』と『戦う』ってのは本当にカッコイイなと思いました。カロリーも使うし場合によっては社会的に殺される。
なので飾らない言葉で『咲太』の行動は凄いと。
本当、『咲太』は青春ブタ野郎だな。


・4〜6話『タイムループ』【ラプラスの(プチ)悪魔】

咲太「好きです、付き合って下さい」
桜島「…ときめかない」



ヒドい!(笑)

冗談を言いながら甘々な男女(咲太と桜島)の関係に…となる筈がまた次の現象が。今日も『6/27』を過ごす『咲太』。
やはりおかしいと思い『双葉』に相談。原因を探す。繰り返す『6/27』に違う行動をとる人(または原因)を探す。全世界の人類分の1?を探すのに辟易する。が、意外と近くに居た。『透過現象』の時に尻を蹴りあった『古賀朋絵』。
今回も青春ブタ野郎は奔走する。


原作だと『青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない』の部分ですね。原作は見てないですがアニメだけの感想だと1番甘酸っぱくて青春してるなと思いました。こう胸が熱くなる感じ?でしょうか。
パワーはあるのにどう使って良いか分からない。失敗を恐れる。自分がダサいと思われたくなくて他人を貶める、独りが怖い…等々よく表現出来てたと思います。
それに加え『朋絵』役のCV『東山奈央』さんの福岡訛りがキャラの魅力を醸し出してました。


このストーリーではやはり『スマホ』というか『SNS』ですね。リアルでも数分でも返信遅れたら仲間はずれや炎上させるコンテンツにさせられたり、それが大きくなり過ぎて収集つかなくなってもう取り返しがつかない事になる事がしばしば。
『SNS』が主流になってから情報量が数千倍〜数万倍と言うくらいに膨れ上がってます。
その情報が簡単に手に入る今だから共有が出来ないと分かった時の反発がイジメの原因にもなったり。
なので今回の事象の『朋絵』の立場は今をよく表現出来てたなと思います。
敵役…というか、貶める奴等というかそいつ等の使い方も良かったですね。ここでも確証もない情報を信用する周りの『空気』が気持ち悪く感じました。
ここでの『空気』と戦う『咲太』の行動はスカッ!としました。


「友達になってくれ」
この言葉が『朋絵』にとってとてもとても苦しい物だなと感じました。6話は観てグッと来ました。
AパートとBパートでの『朋絵』の気持ちが、空気の読める『朋絵』の気持ちが、演技をしてる『朋絵』の気持ちが痛いくらいに伝わってきました。
表現というか描写も良かったなぁ。
今までは時が進んでたのに今度は『7/18』がループしだす。その理由も、その日の天気の使い方も。
あのにわか雨(夕立)が、『楽しい7/18』と『哀しい7/18』を上手い具合にマッチしてたなと。
演技ではなく、嘘ではなく、自分の心からの声で意志を告げた『朋絵』、本当に切なくなりました。

『咲太』も嘘を付いたのかな?『咲太』は空気が読めるのに読まない。『朋絵』を想っての事かな?と思いました。
CV『東山奈央さん』の演技が大変良かった、それもあって『朋絵』がとっても魅力的に見えた現象パートでした。

そして…『6/27』。
周囲に合わせる為、必死で空気を読んでいた少女は気が付くと未来まで読めるようになっていた。


…。


この、『咲太』のブタ野郎が!
『双葉』、再現実験だ!『咲太』の尻を蹴れ!


・7〜8話『(マクロな世界の)量子テレポーテーション』【ドッペルゲンガー】


「そうだね、よくある都市伝説…」


その後に続く「そっちは」とは?


昔『咲太』がやさグレている時に会った女子高生の『牧之原翔子』。それがある雨の日、捨て猫を拾おうかどうしようか迷ってる中学生の女の子が。その娘の名前は『牧之原翔子』。
その中学生の女の子は『咲太』を知る訳がない。
それを『双葉』に相談しようとしたら『双葉』にも異変が。
『8/2』、親しい友人『双葉理央』の為にブタ野郎は奔走する。


原作だと『青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない』ですね。このストーリーの『双葉』の気持ちはよく分かります。友人、恋心、大切な物、これを失ってしまうかもしれないという焦燥感。
年頃だけで無くとも今まで仲良くやってた人が居なくなるかも?となると『双葉』の行動は分からない訳ではないですね。それが自分を苦しめるかもしれない行動だったとしても。


これは難しい議題でもありますね。
メンタルヘルス論では男女の間では友情は成立しないとか言われてるし。かと言って『アセクシャル(無性愛)』とは違いますし。
でも『双葉』と『咲太』と『国見佑真』にはそれがあった。「双葉、メンドクセー」と言いながら『咲太』は『双葉』の為に行動。『双葉』がピンチと知ると急いで駆けつける『国見』。
かまってほしいが為に行動してる『双葉』、その手段を許さない『双葉』、『思春期症候群』の影響で2つに分裂した『双葉』の心理をよく表現出来てたと思います。


『咲太』『双葉』『国見』の関係性はとても羨ましいなと思います。学生時代だからとはいえ夏休みのほとんどを使って『双葉』の為に行動するなんて信頼関係が無いと出来ないと思います。
『双葉』の家に『咲太』が泊まる話は『桜島』は少しムッとしたろうなぁ(笑)

『咲太』の無神経な行動にやっと本音をぶち撒けた『双葉』、そこで言われた『咲太』の言葉により救われた、変えられた『双葉』。本当に心の底からホッとしたんだろうなと思います。「一生友達してもらうつもり」は『双葉』の心に刺さったのかな。
『国見』は『咲太』と『双葉』の相談は理由も聞かずに聞いてくれたりすぐに駆けつける。『双葉』にとって2人は本当に大切な…。

使い方が合ってるか分からないけど二律背反かな?と。片方の『双葉』は嘘を付いて隠してましたし。
それで正直な気持ちをブツけた時にパラドックスが解消された…とまぁ、素人の考えです。流して下さい。


『双葉』は結構お気に入りのキャラですね。
人間くさいと言うかなんというかそんな感じです。

でもまさか『青春ブタ野郎』と命名した『双葉』がその『青春ブタ野郎』に救われるとはね。
んで、いつの間にか普通に『朋絵』と友達になってた『咲太』。訛りを真似してやがった!

さっすが咲太、ブタ野郎だ♪


・9〜10話『人格(見た目)入れ替わり現象』【量子テレポーテーションの一種】


桜島?「アンタ誰?」

『9/1』、色々あった夏休みが終わり2学期が始まる。夏休み中は『桜島』にあまり会えなかった『咲太』。学校が始まったら会えると思ったら学校に来ていない。何かあったのかと『桜島』のマンションに向かう。そこで見たのは確かに『桜島』なのだが様子が…。
今回は腹違いの『桜島』姉妹の為にブタ野郎は奔走する。


原作だと『青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない』ですね。正直な気持ちを書くと他のストーリーよりパンチが弱かった様に感じました。
だからと言ってつまらないって訳では無いですが。
単純に解決の糸口が最初から明白だったし起承転結が大体想像通りだったからという理由です。
しかし現象に慣れた『咲太』達と現象が初めての『豊浜』の言動はちゃんと表現出来てたと思います。しかし現象はどんどん範囲が広くなってるなぁ(笑)


『咲太』の「友達居ますって、3人も。」ってセリフは少しニヤッてしました。「あ、『朋絵』が『咲太』の中で!」ってね。

さて今回は単純。『義姉へのコンプレックス』。
物語の始まりから『豊浜』が『桜島』に対しての話し方がなんか中途半端。変な敬語、それは『咲太』が居たからなのか、『腹違いの姉妹』だから?と最初は思いました。だからこんなたどたどしい間柄なのかと。
が、早い。9話のAパート後半で大体吐露されました。10話冒頭、『咲太』のセリフ「早く仲直りしてくんないかなぁ」につきます。
解決方法は大体分かってるのに姉(桜島)の意地と姉への劣等感(豊浜)が邪魔をしてる。
そこに『豊浜』には追い打ちとなる出来事が1つ2つとたて続けに食らう。
何もかも嫌になって卑怯なやり方や感情的に行動する『豊浜』は人間臭くて良かったと思います。
憧れだった、素敵な人が姉になり、嬉しかったのに比べて比べられて次第にコンプレックスになり不安で押し潰されてしまう『豊浜』。
だから努力して練習して少しでも喜んでもらいたい人に褒めてもらいたかった。ただそれだけだったのに。しかし「練習したら、努力したら報われる」訳ではない。これが余計に『豊浜』を苦しめる。
同時に『桜島』との差も。
出来ない事までやろうとしてる『豊浜』は凄いやつだなとは思いますが報われるかどうかは別ですしね。

こんなにコンプレックスを持ってる『豊浜』だったからかな。解決時の気持ちの堰(せき)を切る所はやっと楽になれたのかな?と感じました。
本当に長い間溜まっていたから感情が溢れて良い表現でした。そして『桜島』も…。


甘い事を言ってビンタ… …あ、あれ?なぜ『咲太』に?なぜご褒美に?(笑)
『桜島』の作品の『彩子』のセリフ。「いっぺん死んでみる?」は『地○少女』…、あ、すみません。
ちょっと疑問点が1つ。『豊浜』は「横浜にあるお嬢様学校」に通ってるんですよね?そーゆーとこって芸能活動とか大丈夫なのかな?と。ま、気にする事では無いですね(汗)


『かえで』に対しても良いお兄ちゃんやって『桜島』の妹の『豊浜』にも認められて…

さっすが咲太、ジゴロ…じゃなかった。ブタ野郎だ!


・11〜13話(終)『解離性障害』【思春期症候群を含んだストーリー】


かえで「かえでの今年の目標です!」


『10/16』、『かえで』から重大発表をされる。
「お兄ちゃん以外の人からの電話に出る」「お兄ちゃんと外に出る」…etc、そして最後に「学校に行く」。
『咲太』の妹、『かえで』が突然今年の目標を宣言してきて行動する。なぜ『かえで』はそんな行動をしようと思ったのか、なぜ【今年】なのか…
今回は妹の『かえで』の為にブタ野郎は奔走する。


原作では『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』ですね。最終話後半は『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』をちょっとやって劇場版へって流れ。
正直とてつもなく胸が苦しくなったストーリーでした。涙も結構出ました。
1話目の表現だけだったら『シスコンブタ野郎』ですが(ま、このストーリー観てもそうだなと思いますが(笑))、『咲太』の妹に対しての行動がとてつもなく胸を打ちました。その行動をするきっかけとなった『翔子さん』の言葉も。
ここのストーリーは私は文句なしでした。


「罵られて悦ぶブタ野郎」と『双葉』に言われいつも通りに、『朋絵』は『咲太』に対して友達と思って接してる(訛り等も隠さなくなったなど)等を観てるとこの2人は思春期症候群を乗り越えて強くなったんだなと少しホッコリしました。


『解離性障害』と言うか『解離性同一性障害』と言うか『かえで』は防衛本能だったんですね。それに『思春期症候群』が+αされた状態。
昨日まで一緒に過ごした、行動してた人が今日になったら自分と過ごした記憶が無くなってる。
…記憶を持ってる人も記憶を失った人も心身共にシンドイでしょうね。正直体験した事が無いので想像でしか言えないですが。
いくら説明しても、いくら言葉にしても伝わらない。病院で診察されても「思い込み」とか言われたら『咲太』の様に何もかもが嫌になるでしょうね。
ここで人生の先輩(翔子さん)からの素敵なアドバイスに『咲太』は救われたんだなと。
私もあの言葉は知らない価値観だったので凄く胸を打たれました。CV『水瀬いのりさん』の演技もとても合っててセリフがスッと入ってきました。

そして『咲太』の『かえで』への行動は泣けましたね。『花楓』ではなく『かえで』。
「今ここに居るのは今の『かえで』だから」…
『翔子さん』の言葉に胸を打たれて、『翔子さん』の様に生きて行こうと決めて行動に出せるって凄いですよね。感化されてもいざ行動となるとそうそう出来るかどうかは分からないと思うので。

母親は病んでしまったが『咲太』は『翔子さん』に、『かえで』は『咲太』に救われた。
でもやはり『かえで』は『花楓』であって記憶が戻ったら…という事案は必ずある。
ここまで視聴を進めた時に『かえで』の目標の意味やなぜ「今年」の目標なのかが薄々感じられて少し胸が苦しくなりました。


『10/16』から始めた今年の目標、『11/23』には登校しようとするまでに。が、出来ず。
そして『11/26』にとうとう爆発。『思春期症候群』の痣が出てきて無理をしても「かえでにはゆっくりしてる時間がないんですよ!」と自ら強行。
ここまで来ると流石に涙腺がヤバかったです。
とっておきの場所に連れてって『かえで』を勇気づける。年間パスポート、一人で出来た買い物、夜間だけど学校とノートの目標達成、そして…

かえで「明日が楽しみです!明日が待ち遠しいです!」


『11/27』

咲太「お前…花楓、なのか?」

ここのセリフはもうダメでしたね。胸を締め付けられました。『かえで』の待ち遠しい『明日』が…。
次の13話に行くのが少し嫌でした。


最終13話。どうしようもない気持ちを叫び、悲しみに打ちひしがれる『咲太』。当然ですよね。失った痛みが『咲太』を蝕んでるんですから。

咲太「翔子さんに何が分かるんですか?」

こう当たるのは分かります。

『翔子さん』が『かえで』の日記を『咲太』に読み聞かせて、これまでの行動が[お兄ちゃんと一緒に目標を叶えて多くの思い出を作ること]を知った『咲太』は辛かったでしょうね。
でもそこに『翔子さん』が居てアドバイスを貰えた事によりやっと悲しみを受け止め泣き叫べた。
ただ割り切れるものではないでしょうね、『咲太』も。だから悲しみを抱えながら現実を生きていく事になる…ってキツいなぁ。


後半の『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』の部分は少しだけで残りは劇場版なので省きます。いよいよ今日から上映ですね。
今回私は色々とあるので行けないけど、結構パンチの強い内容なので観てみたいですね。


それぞれの事象でED曲を歌う歌手が変わるのは良いですね。最終話は事象が起こった全ての歌手で。
『咲太』…は無かったか(笑)
石川くん、残念。

OP曲の『君のせい』はお気に入りです。
歌詞、絵のカットイン、曲のノリ、物語を盛り上げてました。


私個人はかなり楽しめた作品ですが好きフィルターがかかってると思うのでオススメするかは控えておきます。

{/netabare}

2019/06/15上映予定。CMでは『牧之原 翔子』が映し出されていた。今回は彼女のストーリーなのか、それとも違う誰かなのか、今回のブタ野郎がどんな事に奔走するのか非常に気になります!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

べ、べつに「青ブタ」なんて変なタイトルで悪目立ちしなくても、ちゃんと面白いんだからね!(笑)

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
いや、本当にレビュタイ通りで、普通に素敵で高いクオリティのラブコメですよ!

「化物語」や「俺ガイル」に近いかな。

ヒロインがちゃんと可愛くて、主人公がちゃんと格好よくて、笑えて萌えて考えさせられて。

(よりもい など未視聴ですが)2018唯一の☆5であり、「亜人ちゃん」以来のお気に入り棚です♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、本作は五つのパートに分かれるので、それぞれの感想を。

〈青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(桜島麻衣 編)〉
{netabare}
☆5。「消える」という切なさをちゃんと使っていた。設定的には幽霊との恋愛に近いかもしれない。

梓川咲太と桜島麻衣の魅力をしっかりと紹介し、たった3話とは思えない程の、切なくも美しい恋愛を魅せてくれた。麻衣は、面倒臭い可愛さというか、ちゃんと「先輩」として、萌えました。また、咲太 は、本当に「静かな根性」があって。睡眠薬のシーンとか、本当に好き。

この3話で、「麻衣のことも咲太のことも大好きになり」「二人の仲を応援したい」と思えたことが、後々に効いてきたと思います。

ラストの一人告白大会も、観ているこっちの方が恥ずかしくなりそうでしたが(笑)、あのくらいやってくれると、いっそ清々しかった♪
{/netabare}

〈青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない(古賀 朋絵 編)〉
{netabare}
☆5。私は「報われないサブヒロイン萌え」なので、古賀にはかなり萌えた♪ 流石、「Just Because!」の鴨志田一さん!

また、「空気を読むなんて間違ってる」「スマホなんてなくても生きてける」と、現代の子供達に本当に観てほしいテーマをカチッと描いている。

ラストも好き。砂浜の少女と福岡のイモ娘が伏線になって、地味グループの方に入るとか。良いオチ!
{/netabare}


〈青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない(双葉理央 編)〉
{netabare}
☆4。このシリーズが一番勿体ない。

双葉理央は、文化的なエロさもあり、毒舌も鋭く、かなり良キャラだと思うけど、ちょっと肩透かし。

誰もがきっと、国見佑真とくっついてほしいと思っているのに、ラストの告白失敗も、随分アッサリ。まあ、2期にまたあるのかな。とにかく、3話あれば、、、と思わざるを得なかった。
{/netabare}

〈青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない(豊浜のどか 編)〉
{netabare}
☆3。この話は、正直、いらなかったかなと。

勿論、存在意義は分かります。

まずは、桜島麻衣の悩みを描くことで、彼女の魅力を倍増させること。それから、咲太の家族観を描くことで、次のシリーズに繋げる大切な役目。

なんだけどまあ、ラストもすごく平易なオチだったし、キレイにまとめ過ぎて、面白くなかった。

下に書くけど、取捨選択の中で、他のやり方、見せ方もあったかなと。
{/netabare}

〈青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない(梓川 かえで 編)〉
{netabare}
☆6(笑)。正直、このシリーズが始まるまでは、☆4にしようか、☆5にしようか悩む感じでしたが、このシリーズでお気に入り棚入りが決定!

ずっと違和感のあった梓川花楓という妹キャラが、梓川かえで だったということで、色んなことに納得。

咲太の「達観しすぎじゃね?」という違和感も、かえで の為に無理して作っていた部分であることも分かり、なんか納得。苦しむ咲太に、感動。最後、かえで の手紙てで、本当に久々に、アニメでちょっと泣いた。ガーリッシュナンバー以来だわ(笑)
{/netabare}

総じて、本作の良さは、

①梓川咲太と桜島麻衣を中心にした、軽妙なやり取り。会話のセンスが抜群だと思った。

②「雰囲気は明るく」「設定はファンタジー」「しかしテーマは深くリアリティーをもって」というあたりのバランスが絶妙だった。

③2~3話の短編を重ねながらも、縦軸となる咲太と麻衣の恋愛を深めていく構成の上手さ。

特に、①と②は特出していたと思う。

ただ、不満もあるにはあります。

まず、シリアスなシーンで、多少作画が残念なところがあったところ。コメディは多少崩れても良いけど、シリアスは余計に気合い入れてほしいと思った。

次に、「メインパートが終わったキャラが生かしきれていないこと」。特に、古賀は、あんなに良いキャラだったのに、空気になってしまって残念だった。もっとうまく絡ませてくれれば尚よかった。

最後に、「双葉理央 編」「豊浜のどか 編」のクオリティが、他の3パートに比べて低かったところ。特に、「豊浜のどか 編」は、なんか安易だったなと。ただこれは、多分、「2話」という短さが壁になっていたので、1クールで「梓川 かえで 編」までやろうと思った時に、仕方がなかった、いや、むしろよく頑張ったなとは思いますが。

なんで、現状でも充分に満足なのですが、あえて代替案を示すならば、「双葉理央 編」をまるっとカットするという選択肢はなかったものかなと。

勿論、色々不具合は出てくるし、批判もあるだろうけど、「豊浜のどか 編」は、「家族」というテーマを扱う以上は、ストーリーから外せないし、双葉理央はすごく好きなキャラなので、あのような中途半端なオチにするくらいだったら、2期にとっておいて、国見とくっつく(よね?多分)までをガッツリ魅せるのもアリだったのではないかと。んで、「桜島麻衣 編」と「豊浜のどか 編」に1話ずつ追加して、クオリティを上げていくのも良かったかな、なんて思いました。

いや、「お気に入り棚」に何を文句つけているんでしょうね(苦笑)

とにかく、「2018年、これより良いアニメはあった」「2018年、これより好きなアニメはなかった」ということで、個人的覇権&お気に入り棚です♪

好きはクオリティを超える♪

久々に、純粋な気持ちでアニメを楽しめました!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
俺ガイルみたいな雰囲気? 作画は普通に良いね。設定と会話センスはなかなか良い。やりたことは分かった。主人公だけに見えるというのは、幽霊とのラブコメに近い設定だな。いつかは一時的に見えなくなる展開もあるんだろうな。

2話目 ☆4
シュレーディンガーの猫なんて、クソ厨2病要素をド正面からってのは、なかなかに潔い。電話のやりとり、格好良いな。マジで蹴るとか(笑) デートからの中々の流れ。

3話目 ☆5
まあ、そういう展開だよな。orangeに比べると、ずいぶんと切実かつ意味ある、未来への手紙。根性あるな~。睡眠薬のクダリとか、良かったな。よく、3話でここまでもってきたなとも思うし、これが10話とかだったら本当に感動したなとも思う。

4話目 ☆4
ちゃんとバニー先輩との関係は深まって行くのですね♪ エンドレス8(苦笑) こんどはラプラスの悪魔か。一人は恥ずかしい。リアルなところだね。ドMじゃねぇか(笑)

5話目 ☆4
妹ちゃん、良い感じだね。演技が本気に、、、古賀のことなんだね。1周回ってアリな先輩(笑) 古賀が不細工なら、、、酷いけど、高校生ならマジでそうだからな(汗) これ、古賀がマジで咲太に惚れて、告ってフラれて、エンドレス8? 「僕は童貞だ!」w

6話目 ☆5
色々なやる気(笑) 妬いてるw 情緒不安定(笑) まあ、そういう流れだよな。これで古賀が嘘ついてたら素敵だな。同じ日でも繰り返したい。報われないサブヒロイン好きとしては、ポイント高い。結末も、良いな。砂浜の少女と福岡のイモ娘がここにきて伏線になって、地味グループの方に入るとか。スハラシイ!

7話目 ☆4
上手になるまで何度でもって、童貞が聞いたら悶えて喜びそうなフレーズやな(笑) やりとりが軽妙で良いよな。エロ賢い(笑) チョココロネ、、、こういう些細なことだよな。携帯恐怖症。サクッと彼氏。

8話目 ☆4
完全に同人格ではないとね。二人の問題でしょ、という自然な発言。作画、ちょい厳しい? 一種の自傷行為て、そんなもんなのか? 愛を知り、怖さを知る。作画がカタカタしなければ、もっと萌えられる泣きのシーンなんだけどな。夜の学校、入れるの?
ここでエロ双葉の方に戻るとしたら、ダーク双葉が分離体? これまで、パートの〆は次場らしかったのに、なんか中途半端。

9話目 ☆3
やがて君になる、かな(笑)?

10話目 ☆3
親を、親だと思っている。何気に深い。咲太、あまりにも達観しているけどな。父親、違和感しかないな。咲太のキレっぷりが良いな。う~ん、ちょっと綺麗にまとめ過ぎかな? 咲太をビンタwww 戻る瞬間。

11話目 ☆5
このいじめの顛末は、最近の特徴だよな。いじめっこが晒されて、いじめられる。なぜなら、力のある者(ガキ大将)がいじめるというより、モブ的な奴が数の力を頼りに、上位層や下位層をいじめるいじめ。いじめられる人間がいなくなると、立場が入れ替わるだけ。

引きこもり改善。ちゃんと、スモールステップ意識してるし、咲太の視点が温かい。図ったな、お兄ちゃん(笑) あんまり順調だと、、、。楓の事実。

12話目 ☆5
なかなかシリアス。見える世界は人の数だけ。真実。確かに、今の「かえで」。咲太、メチャいい奴。記憶喪失モノの定番だが、今の人格がどうなるか問題。統合が一番スッキリするけどな。小も大も、弱音も。笑いの道は険しいw 今の「かえで」のうちに、やりたいことやりたいわけね。年間パス、いちいち素敵なニクさ。教室でもなく保健室でもなく、夜の学校。カウンセリングマインドが、実に理にかなっている。かえで が、花楓に。安易に「かえで」を残さないのが、また、素晴らしい。次に復活させるかもだけど。

13話目 ☆5
記憶喪失の復活について、ここまでしっかりと喜びと悲しみを、対比をつけて表現したアニメは知らないな。咲太の叫びは胸にくる。ただ、ああいうところはもっと作画を頑張らないと、安っぽく見える。祥子さんは、咲太が作ったのかな。かえでの日記、泣くわ。バイト、そのためか。かえで は消えたくないけど、咲太の為の目標であり、前進か。トマトとパンのところ、リアル。「こんな時でも腹は減るんだな」とか、無駄に言わせないところが良い。咲太が本当にツラい時にいるのが自分ではなく、咲太が求めていたのも祥子さんで、という悔しさと悲しさと。過剰だが、それが良い。マネージャー、ナイスだな。ブタ野郎エンド(笑) これは、二期だな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 55
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

『プロット』と『キャラ』、貴方はどちらが大切ですか?

名作アニメ『図書館戦争』の原作者で、
僕が心から敬愛する作家、有川浩さんの小説の書き方は、
なかなかに素敵です(わりと有名な話ですが)。

モチ-フとする題材の取材を徹底的に行い、
おおまかなプロットを決めて、キャラクター設定を作り込む。

ふつうの作家は、この段階で書き始めます。
なかには、飛行機の設計図みたくプロットを作り込む人もいるそうですが、
まあ、ふつうはエイヤっで書き始めます。

だけど有川さんは、何日か放置しておきます。
別にさぼっているわけではなく、
キャラクターが動き出すのを『待っている』のだそうです。

で、有川さんの中でキャラが動き始めたら、それを文字で追っていく。

だから、有川さん自身が書きながら
「おお、ここでそうきたか」とか「こいつ、動かね~っ」とか、
まるで観劇者みたくキャラの言動を楽しんでいる、みたいな。

おかげで、最初に出したプロットとまるで違う作品になることもあるとか。
それを「面白いからいいや」で通す編集さんもエラい。

この書き方の最大の利点は『キャラがぶれない』ことです。

もちろん、物語の序盤と終盤でキャラの言うことが変ったりしますが、
それは人間的な成長・気づきによるもので、
業界的に『振り幅』と呼ばれ、キャラぶれとは全く別のものです。

この『振り幅』はドラマを成立させるための大切な要素であり、
逆に『キャラぶれ』は、
ドラマを崩壊させてしまう欠陥因子です。

これは文芸の世界ではあたりまえのことなのですが、
残念ながらライトノベルの世界、
そしてそれを原作としたアニメの世界では、
それが『あたりまえ』になっていない感があります。

ええと、相変わらずマクラが長くて恐縮です。

僕がどうしてこんな話をぐだぐだ書いているかというと、
本作『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』が、
ものすごく『惜しい』作品だと思うからです。
{netabare}

作画は文句なしに素晴らしい。
OP、EDや劇伴もよくできていると思います。
とりわけOPのカット割りは、珠玉の出来と言っても過言ではありません。

役者さんも豪華で、力の入ったお芝居をしています。

物語も、量子がどうしたこうしたという物理学まがいはこじつけですが、
『思春期症候群』というばくっとしたくくりで
次々といろんな超常現象を登場させていくというのは、
視聴者を飽きさせない素晴らしい工夫だなあ、と。

それぞれヒロインが違うのにハーレムにならないところも好感度大。
言葉の掛け合いも軽妙で、
おお、と思わされる言い回しが随所に出てきます。
{/netabare}

いろんな要素に秀でていて、
総合的に評価が高くなるのも当然というか、
あにこれで総合ベストテンに入るのも、頷けるところであります。

ただ……好きな人ごめんなさい、
僕の耳には『キャラぶれ』がひどい、です。
とりわけ、主人公の梓川咲太が。
{netabare}

最初に思わず顔をしかめてしまったのは、
古賀朋絵の章のラス前、展望台での告白シ-ンです。

このシ-ン、朋絵に自分から「好き」と言わせる必要は何もないです。
リ-プを繰り返しても自分の気持ちは変わらない、
それを伝えるだけで目的が達成できるわけですから、全くの無意味かと。
残酷に追い詰めて嫌われようとするなら、
最後に「よく頑張ったな」なんて優しい言葉をかけることもないわけで。

要するに、このシ-ンでの咲太は「あんたなにさま?」の一語に尽きます。
ぶっきらぼうながらも人に優しかった咲太というキャラが、
ここではものの見事にぶっ飛んでいるんです。

そして、それを受ける朋絵のキャラも、よじけています。

朋絵は「何度も繰り返せば咲太の気が変わり、麻衣から略奪できる」
なんて本気で考えるほど、バカでも黒いキャラでもなかったはずです。
虚しいと自分でもわかっているけど、
一縷の望みにしがみついてやめられなった、
そう読むのが正解なのが、ここまでの古賀朋絵像ではなかったかと。

ところが、告白内容はまさかの黒キャラ、確信犯。

朋絵を演じてる東山奈央さんも「はあ?」と思ったんでしょうね。
熱演っぽく演ってますが、実はテンプレ読み。
気持ちが入った時の東山さんの芝居って、こんなもんじゃないです。

結局『展望台で告白』というプロットありきで、
そこに無理やりキャラを当てはめるから、
言霊がペラペラの、やすいシーンになっちゃったわけです。


この『プロットありき』は、この後も頻発します。

双葉理央編。
花火大会を控えた真夏の出来事なんだから、
雨の中を自転車で走ったぐらいで病院に担ぎ込まれるわけがありません。
本当に低体温症になってたら、
そのまえの理央との会話ができないわけで。

これも『病院で会話・解決』というプロットありきですね。
リアリティなんか置いてけぼりです。
炎に包まれながらべらべら喋るのと同じことかと。


豊浜のどか編。
のどかが狂言自殺で海に入る理由がまったくありません。
咲太を試したのだとしたら、何のために試すのか目的が不明です。

咲太はあくまでも姉の恋人であって、
直近になってようやく心を許しかけたぐらいの間柄です。
たとえ麻衣のライブにショックを受けてむしゃくしゃしていても、
ふつうにやつあたりするのが関の山では。
それまでの言動も、わがままではありましたが、
他人の前で狂言自殺するほど身勝手で非常識なキャラじゃなかったし。

これも『のどか、海に入る』というプロットありきですね。
派手で衝撃っぽいシ-ンが欲しくて、
とりあえずおまえ海に入っとけや、と。


で、最高にげんなりさせられたのが、梓川かえで編の咲太です。

かえでが花楓になり、ブラコン妹の人格が消えた。
それはまあ、ショックを受けるのは受けるでしょう。
だけどそれと同時に、花楓の記憶が戻ったことを喜ぶべきでは。

花楓は思春期症候群で心身ともにボロボロになり、自我を失い、
何年かぶりにようやく記憶が戻ったわけです。
なのに、それを喜んでくれるどころか、
その間の代替人格であったかえでの消失のみを嘆き悲しまれ、
街を彷徨われたりした日にゃあ、立つ瀬がありません。

あたし、ひょっとして記憶戻っちゃいけなかった? みたいな。

麻衣に「花楓が壊れるまで気づいてやれなかった、何もしてやれなかった」
なんて殊勝な話をしておきながら、
その花楓が帰ってきたら喜ぶどころか嘆き悲しむって、咲太あんた……。

最低でも、喜びと喪失感がごちゃまぜぐらいでないと。

もちろんこれも『プロットありき』です。
ここで咲太が打ちひしがれないと、翔子さんが出せません。
ここで翔子さんが出せないと、
翔子さんの手紙を見て立ち去った麻衣を咲太が金沢まで追いかけるという、
雪の中の感動シ-ンに結びつきません。

だから、つまるところ、
  おまえ、これまで口に出したことは全部忘れて、
  とりあえず泣いてそのへん彷徨っとけや
となったわけで。

もはや、キャラ設定も何もあったもんじゃありません。


原作者の鴨志田一氏はウィキペディアによると、
岡田麿里さんと意気投合した盟友みたく書かれていますが、
とんでもないと僕は思います。
岡田さんは、自分で原作を書く時には、
プロットに合わせてキャラの脳みそを入れ替えたりしませんから。
{/netabare}

とは言うものの、アニメとしては全体的にとてもよくできています。
そして、もっとひどい『キャラぶれ作品』が、
巷にあふれかえっているというのも目を逸らせない事実です。

ですからO型性格丸出しの人に、
  フリさん、言うことが細かすぎなんだってば。
  どうせラノベ原作のアニメなんだし、
  かわい~っとか、面白れ~っとか、
  そういうので楽しんだらいいじゃんかさ。
なんて言われたら、そうなのかなと思ってもみたり。

あ、でも、創り手としてのプライドというものが……うにゃうにゃ。

とりあえず、おすすめ度としてはAランクです。
キャラクターのぐらつきを、
  こいつはぐらついた性格をしてるんだ
の一言であっさり片づけてしまえれば、
最後まで楽しく、ワクワクしながら視聴できると思います。

ただ、本気でプロを目指している若い方には真似して欲しくない、かな。
  プロットがなんぼのもんじゃいっ
そう言ってちゃぶ台をひっくり返せる方、心より応援いたします。
リアルではけっこう苦労しそうですし、
ひょっとすると思わぬ敵を作っちゃうかも知れませんが、それでも、ね。

{netabare}
ちなみに、あまり人気のない豊浜のどか編ですが、
あれ、お芝居としてはかなり難しいです。

麻衣役の瀬戸麻沙美さんは、単にのどか役を創るんじゃなく、
内田真礼さんがのどか役を演った場合の口調・発声の真似をして、
しかも自分の声で、気持ちを入れて演じなきゃいけない。

内田真礼さんはその逆ですね。

自分の理解した役を自分の声で演る、
他人の口調・発声の真似をする、
どちらか一方ならプロ役者はできて当然ですが、
その二つが重なると、難易度が一気にはねあがります。

男女の入れ替わりなら多少雑になってもごまかせますが、
同性間の入れ替わりはそうもいきません。

それでも内田さんの場合、
過去に瀬戸さんの演じた「麻衣サンプル」が八話分ほどあったわけですが、
逆の「のどかサンプル」は二言三言しかなかったわけで、
瀬戸さん、めちゃくちゃ苦労したことと思います。

『ココロコネクト』なんか、その辺の作り込みが雑で、
誰が誰なのか全然わかりませんでした。
まあ、あれは入れ替わって発する台詞がごく僅かでしたが。

その点、本作では瀬戸さんも内田さんも、めっちゃ作り込んでます。
とりわけ、サンプルの多かった内田さんはすごい。
全然声質が違うのに、ちゃんと瀬戸さんの台詞に聞こえるもの。

確かに、お話自体はたいして目新しくなかったですが、
お芝居は一流でした。
熱演されたお二人の努力とプロ根性に、敬意を表したく。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32

58.0 3 シリアスでパラレルワールドなアニメランキング3位
ガンスリンガー ストラトス(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (370)
2162人が棚に入れました
二十二世紀。かつて日本という国が存在した列島は、「第十七極東帝都管理区」と呼ばれていた。少しばかりの窮屈さと引き替えに、安楽な生活を保障された世界。明日が今日と同じであると誰もが信じる社会。しかし、その社会は人知れず大きな危機を迎えていた。「デグレイション」――生きた人間が砂のように崩れ消える奇病は、少しずつ、しかし着実に世界を侵食してゆく……。平凡な学生「風澄徹」は、もう一つの世界「フロンティアS(ストラトス)」との争いに巻き込まれる。それは、もう一人の自分との対決を意味していた。衝突する二つの未来。 交錯する少年たち。二つの世界に救いはあるか?

声優・キャラクター
阿部敦、金元寿子、西田雅一、沢城みゆき、植田佳奈、保志総一朗、小山力也、大原さやか、子安武人、小林由美子、藤田咲、秋元羊介、早見沙織、伊瀬茉莉也、大川透、水樹奈々

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

この設定は予想できませんでした・・・^^;

この作品の基はアーケードゲームだったようですね^^
私はゲームに疎いので、このゲームの存在を知りませんでしたが、虚淵玄さんが制作に関わっていること、綾野ましろさんがオープニングテーマを歌うことを知ったこと、そしてキャラデザも嫌いじゃ無かったのが視聴を決めた作品です。

この物語の世界には、同時並行で進む2つの異なる世界があり・・・それら2つの世界が互いに干渉し合った結果、「デグレイション」という生きた人間が砂のように消えてしまう現象が発生するようになっていました。

一方、同時並行で進む世界の干渉により、互いに行き来が出来るようになるのですが・・・
そこでもう一つの世界の人物とタイムキーパーの存在が明らかになり、破滅に向けた物語が動き始めるのです。

ゲームが原作と知って色々納得しました^^
この作品・・・やたらと銃でバンバン攻撃するシーンが多いんです^^;
そして・・・それは弾丸が当たっちゃうでしょ^^;
と思える場面でも登場人物は傷一つ無し・・・
と思ったら、大切なキャラは流れ弾に被弾するという両極端な展開・・・^^;
やたらと重そうな銃もひょいひょい扱っているし・・・
正にアニメの成せる技ですね^^

でも、ストーリーは嫌いじゃありませんでした^^
謎の少女からの救いの声・・・
触れそうで触れることのできない少女・・・
お互いが争うことによる代償・・・

そのような殺伐とした雰囲気の中、ヒロインである片桐鏡華(かたぎり きょうか)は主人公である風澄徹(かざすみ とおる)を一途に想い続けている・・・
個人的にこういう設定は大好物です^^

でも、真相が明るみになりつつある頃からの展開は早かったですね^^;
主人公があの考えに至った経緯は、もう少し丁寧な説明が欲しかったように思います。

それでも物語は進み・・・ある程度予想できたとても気持ちの良い結末を迎えるのですが・・・
私はこの作品に対してここからビックリしました^^;

それは、12.5話を視聴した時です。
私はテレビ録画が基本で、ネット(ニコニコチャンネル)はテレビ録画がうまくいかなかった時の保険として予約していますが、テレビがちゃんと録画されればネットの予約は削除していました。
どちらも撮っておくと直ぐにデータが一杯になってしまいますし、どちらも視聴する時間もありませんし・・・^^;
なので、この作品も最終的に撮り残したのはテレビ版のみです。

でも・・・まさかネット配信版とテレビ版で内容に違いがあるとは思いもよりませんでした(゚o゚;;
12.5話ではお互いを比較しているのですが・・・確かに違います。
最初はほんの些細な違いなのですが、その違いも積み重ねれば大きな違いとなるんです。
これって、1本の作品を作る工程にプラスして制作していた・・・ということになると思いますが、制作された関係者の皆さまには脱帽です^^;
この設定は予想できませんでした・・・^^;

できれば、どの様な形でも構わないので最初に知りたかったのが本音です^^;
今となっては見る術の無くなってしまったネット版・・・考えれば考えるほど残念で仕方ありません^^;

オープニングテーマは、綾野ましろさんの「vanilla sky」
エンディングテーマが、GARNiDELiAさんの「MIRAI」
挿入歌は、GARNiDELiAさんの「pledge」
ましろさんの曲の格好良さは鉄板です^^
個人的にはエンディングのMIRAIが心に染みたので毎回欠かさず見ていましたが、遠景の人物像がもう少し緻密に描いてあれば更に良いと思いました。
完走して振り返ってみると挿入歌だったGARNiDELiAさんの「pledge」の方が、私にとってより心に染み入る曲になったようです^^

1クール12話の作品でした。この作品の秘密を知るまで評価は普通でしたが、
12.5話を視聴して私の中で一気に評価が上がりました^^
もう一度ネット配信版が放送されることを願っています^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

karinchaco さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

挑戦的な作品?なんだこれ!でもOP・EDはよかったよ。

アーケードの格ゲーが原作のアニメ。

2015春アニメ最恐の地雷アニメ。最後まで設定が良くわからなかったです。原作ゲームをやっていればもう少し上手く世界観をとらえられたかもしれないですけどね。
格ゲーをアニメ化するっていうのはとても難しいですね。同キャラ同士別次元に存在していて、それを呼び出して同じ時間軸で戦わせるというアイディアはよかったものの格ゲーゆえの登場キャラクターの多さと相まって、事態は複雑怪奇になるばかり。
戦わないとそれぞれの世界が崩壊するとか、悪いのは{netabare}自分たちを同じ時間軸に呼び出して戦わせていた張本人{/netabare}だとか、面白くなるような要素もあっただけに、上手くまとめられなかったのはとても残念。

しかし、12話で最終回を迎えたはずなのにその後放送された12.5話に度肝を抜かされましたね。まさか、{netabare}放送版と配信版で内容が微妙に違っていたとは。しかも、それは最終話のみならず、途中の話でも行われていたということ。12.5話が放送されるまで気づきませんでしたねw。普通、熱心なファンがいれば少しはネットでも話題になるはずなのにそれもないというのは…w
まあ、制作側の意図が全く視聴者に伝わらなかったというのは皮肉としか言うことはできません。{/netabare}

挑戦的な試みをいくつも行うというのは立派なものですが、それが理解されないというのは悲しいことですね。しかし、制作側の独りよがりではそれも仕方がないことなのかもしれません。

ただ、OPとEDはそれぞれとてもよかったですよ。OPは綾野ましろさんが担当。テンポのよい小気味よいナンバーです。
EDはGARNiDELiAが担当。彼女たちにとっては珍しいバラード。常日頃からアップテンポな曲でデビューを飾ったアーティストが徐々にバラードにシフトすることを苦々しく思っていたのですが、そんな私の思いを撥ね飛ばすような心に響く曲でしたね。バラードもちょっといいなと思ってしまいましたよ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

2つの世界

ゲームが原作で近未来の日本が舞台。
2つの世界が同時進行しているパラレルワールドようなもので同じ人物が存在して世界を救う為に争うようになる。

この作品は実験的要素が多く含まれています。
まず、テレビ版とネット配信版で結末が違う事。
自分はテレビ派なので配信版は見ていないのですが、とても面白い事を考え付いたなぁという印象です。

最終話が終わって次の12.5話ではテレビ版と配信版の細かい違いがあったと説明されています。
小さな違いによって、その後のストーリー展開が違う。
見る側としても2つチェックしなければいけませんが、制作者側では同時進行で2つの世界を作っています。
相当、負担がかかっていると思うのですが、制作者側のこだわりなんでしょうね。

個人的にはバトル物があまり好きではないので正しい評価ができません。
作品自体が面白いかと聞かれたら疑問に思ってしまいます。
ただ実験的な要素が大きいので、その点は評価したいです。

実際にゲームをプレイしている人のほうが楽しめるのでしょうね。
ゲームのキャンペーンコードが画面に出てきます。
おそらくゲームをプレイするのに有利に展開する事ができるコードなのでしょうが自分はゲームをプレイしていないので、その点は関係ありませんでした。
アニメだけを見ている人が実際にゲームをプレイするかどうかは、その人の余暇時間がどのくらい残っているかどうかで決まるのでしょう。

それほど本作品が話題になっていないので、大量生産されているアニメの中に埋もれてしまっているのかもしれません。
ただし、同じ設定でも違う解釈ができるという挑戦的な試みは評価したいです。
バトル物が好きな人にとっては、より面白く感じる事ができる実験的な作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

61.0 4 シリアスでパラレルワールドなアニメランキング4位
アイドルマスター XENOGLOSSIA[ゼノグラシア](TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (210)
996人が棚に入れました
物語の舞台となるのは、ロストアルテミスと呼ばれる月の崩壊から、約百年余り経過した復興歴107年の地球。そこには地球に降ってくる砕けた月のかけら(ドロップ)の被害を防ぐために活躍する「iDOL(隕石除去人型重機)」の姿があった。
そして「iDOL」を操縦できるのは、選ばれた少女たち「アイドルマスター」だけなのである。彼女たちの使命は、毎日の学業生活のかたわら「iDOL」に乗って、地球に降りそそぐ隕石を大気圏外で破砕することなのだ。ヒロインたちは、どんなアイドルマスターに成長していくのか?鉄の塊の巨大ロボットと少女たちが紡ぎだす新たな物語の幕が上がる!!

ZACmn92102 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

アニメ史上最悪の原作レイプ作品

2006年末ごろコミケで予告としてアイマスゼノグラシアの映像が公開されました。

その当時、原作アイドルマスターはゲーセンにしかなく、
プレステ2の基盤だったのでグラフィックがかなり悪く、稼働は
芳しくありませんでした
(ナムコ社員、鉄拳制作の原田さんも
”プロデューサー活動日誌 アイマスPにインタビューその1”
でググると出てくるインタビューでそう語ってます)

他ソフト入れ替えや撤去が相次ぎ、X-BOX360版が2007年1月に
発売予定でしたが、360本体自体が全く普及して無い状態で
さらに360本体に欠陥が見つかり売れ行きは絶望的な状況でした。

そんな時、声優総入れ替えされ、ロボアニメにされた
ゼノグラシアを見て原作アイマスファンはどう思ったのでしょうか。
何せ、原作アイマスは声優の性格をキャラに取り入れるほど
声優とキャラを一体化させてたので、それを外すということは
徹底的な原作改変を行う宣言に等しかったのです。

超豪華声優陣、当時コードギアスで絶好調のサンライズ、スパロボ出場確実
誰がどう見てもゼノグラシア路線が主流となってしまうことは明らかでした。
原作ファンたちは怒るどころか、2007年4月1日の原作ライブで
原作展開が終わるという噂が流れるほど恐怖しました。
そんな原作ファンに対し、原作アイマスは黒歴史、原作声優はお払い箱!
等と煽る悪質なゼノグラファンまで出る始末。

アイマスゼノグラシアのプロデューサーもこうなることは簡単に
予測できてたと思います。予測をするのがプロデューサーの仕事なの
だから。
もし、ゼノグラシアが先に大ヒットしたら、原作アイマスは声優の違和感、
キャラの違和感により受け入れられず、消滅してたでしょう。
バンダイ本体も混乱を避けるため原作アイマスの露出を抑え、
ゼノグラシアを全面に出すでしょう。
ちょうど今のゼノグラシアと原作アイマスの周囲の状況がそのままひっくり返るわけです。

もし、原作アイマスが大ヒット中ならこんな物は作らなかったでしょう。
当然、大量にいる原作ファンを敵に回し売れなくなりますので。
原作が弱小だと侮ったから余裕で叩き潰せると思ったのでしょう。

たしかに原作はシナリオがキャラによって違うため、それを一つにするのは
難しかったでしょう、原作が当時全く無名だったから、忠実に作っても
ヒットするのは難しかったでしょう。

だからといって、原作を潰すような作品を作っていいのでしょうか?
自分たちの売り上げさえ確保すれば原作なんか潰れても構わない、というか
潰しちゃえ!という傲慢さが見え隠れしてます。

しかし、2007年2月、当時始まったばかりのニコニコ動画により
奇跡的に原作アイマスが大ヒット
その勢いは酷い欠陥を抱えオワコン化してた360本体ごとヒットさせるほどでした。
360を持ってなくてもアイマスをよく知ってるファンなんて
人も増えちゃいました。何せあのニコニコなので・・・

2007年4月、放送が開始されましたが全く話題になりませんでした。
アテにしてた舞-HiMEファンまでアイマスに取り込まれたらしく、
舞-HiME系アニメと呼ばれてたのに、舞-HiMEと比べて
壊滅的な売り上げになってしまいました。


長くなりましたが、ゼノグラシアの内容の感想です。
残念ながら?絵の破綻は全くありません、最後まできれいです。
もしあったらネタとしておいしいアニメになったのでしょうが(笑)

しかしSF考証はエヴァの劣化コピー。
2007年の時点で10年前の作品だったエヴァをそのままコピーできず
劣化させてしまうのは情けない。
(あとARMSとか砲神エグザグソン、FSSとかからもコピーしてますが、どれも
中途半端で劣化してます。)

シナリオも壊滅的な破綻は無いですが、丁寧さが足りず超展開や
伏線の放置が多かったです。
こちらもエヴァを劣化コピーしたようなシーンが多いのはマイナスです。

キャラは、原作キャラを全く頭に入れなくても、おかしな行動が多く、
あんまり感情移入できそうにありませんでした。
もちろん原作ファンという立場で見ると、劣化というか・・・妖獣化
といったほうがいいほど酷すぎます。
重要な、キャラの主張も酷い。相手の否定がキメ台詞って・・・

ロボの動きも、ロボ自体もいまいちかっこ悪い。

結局、ロボアニメとしては中の下ぐらいで、単品のロボアニメとしては
最悪ではないけど、今ほかにいくらでもいい作品があると思いますよ。

アイマス関連作品、原作付作品として見た場合はアニメ史上最悪極まりない作品です。
何せ、原作を潰すことを目的としたアニメ化作品なんて前代未聞です、
実際ライブ日をぶつけたり、CD発売日をぶつけたり・・・
偶然、奇跡的に原作がたまたま、ギリギリのタイミングで大ヒットしたから
難を逃れただけで、そうでなかったら今頃は…

とりあえず、これはアイマスではありません!本気で全く無関係です!

というのも、肝心のゼノグラを制作したサンライズプロデューサーがこう発言しましたし。
(ゲームのアニメ化依頼を
「ゲームのキャラで舞-HiMEを作れと好意的に解釈して考えました」
と発言、ところがゲームのキャラが改変されすぎてほとんど残っておらず
ほぼ舞-HiMEキャラで舞-HiME作ったのと同じ状態でした。)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

普通に微妙。

2007年4月 - 9月TV放送。全26話。制作はサンライズ。

アーケードゲーム『THE IDOLM@STER』を「原案」としており、
同作のメディアミックス企画「PROJECT IM@S」の一環として
制作された作品であるが、設定やストーリーはゲームと全く
異なる(wiki)※原案となるゲームとは「別物」又は「黒歴史」と
いう扱いのようです。

アイドルマスターのキャラをサンライズらしく?ロボットに
搭乗させて舞-HiMEの様な美少女バトルを展開させる為の物語。


1話目を視た感じ・・既に全てが微妙・・主人公らしき天海 春香
(井口裕香)の田舎育ちのお上り風ドジっ娘アピールの極普通の娘
が・・という如何にもサクセスっぽい初期設定で既に視聴欲は・・
可也失せていて・・キャラデザもありふれた感じで製作年よりも
古く色あせて感じた。

高槻 やよい(小清水亜美)萩原 雪歩(堀江由衣)水瀬 伊織(田村ゆかり)
秋月 律子(中原麻衣)も登場してもう少し視てみようかな・・程度。
石田さんやら小野さんやら兎に角声優は文句なく凄いと思う。

舞乙女シリーズや宇宙かけやアイマス同様に豪華声優が出演している。
これだけ揃っていると・・1クールくらいなら余程酷い内容でも視る
人は居るかなとは感じた。入り口はとりあえず其処までは酷くない。
OPはそこそこ内容がイメージできる感じ?EDは・・手抜き?曲は別に
悪く無いと思うけど主人公だけの映像・・推せるほど魅力あるかな?

シナリオも演出も作画も男性向けかな・・無駄に露出多いし・・
作画は・・キャラをあまり丁寧に描いている感じがしない・・
色彩もベタッとした感じで野暮ったい印象・・
キャラとメカのデザインが好みではなく・・服飾もパッとせず
魅力的なシナリオが足りない・・演出のセンスが合わないなって
ところに・・作画が駄目だなって感じただけ・・世界観など設定は
本気で描いて多少センスを失笑か爆笑かに振ってくれたら充分・・
次回予告パート部分が一番ノリが良く楽しい・・マジです・・

作業機械に無駄な脚を付けたロボで空中~宇宙を飛行して・・
グ~パンチ(正拳突き?)でドロップ(隕石※月の欠片)を粉砕する。
この一瞬以外笑い所もなく・・先ずは学園モノっぽく友情ごっこ。

枚話・・お風呂シーンを何処でどう描くか以外・・本気だす気は
ないようです・・1話目でキャラの魅力が微妙と感じた人は其処が
切り時と思いました・・時々無意味に入る下ネタも痛々しいかも?

6話のロボVSロボバトルで限界かも?と思った人も其処が切り時・・
まぁ勢いで?7話の水着回を視てからでも良いかもだけど?・・

一応ロボがロリコンの変態だからロリ美少女しか搭乗できないって
設定も確り説明されるのでスッキリします。
だからコクピットも座席タイプなのに跨る騎乗スタイルという・・
超意味不な構造なのですね・・はいはい・・トップを狙え2みたいに
少女の乗るメカだけ棒を跨ぐ仕様よりは控えめなんですね・・

後は只管学園ラブコメ風スポ根路線でロリコンロボと少女の恋愛風。
たぶん折り返しまで耐えられた人は耐性も付いて案外観れるかも?
そこそこ面白いのかもね?等と楽しみ方のコツを掴めてるかも??
前半よりは後半は色々大きく展開するので少し盛り上がる感じだし。

S「見せて貰おうか。サンライズの作画の技術とやらを!」

B「内容薄い!脚本家、なにやってんの!」
脚「美しい少女が、嫌いな人がいるのかしら?」
B「内容薄いぞ! 少女くらい脱がせ!」
R「ほぅ、思いきりのいいパイ炉tsだな。」
B「内容が薄いぞ。幼女は脱いでてくれるんだ、なまじ隠さずに映せと言え」
S「見えるぞ!私にも全裸幼女が見える!」
K「変態紳士も地に墜ちたものだな。」


少し冷静になってみる・・
S「内容が無い」・・
スタッフ「あんなの飾りです」・・「エロい人にはそれが分かルんですよ」
エロい人(視聴者)「なっ なにぃ~!!」

販売元「戦いは非情さ・・・。」
こうして噛み合わないまま黒歴史に?
いや それ程でも?何処にでも転がってる普通の微妙アニメかな?

ぶっちゃけ・・舞乙女シーリーズの延長上だけでやったほうが評価
だけは此れよりは・・されたと感じるのだけど・・

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

巨大ロボットと少女の恋・・・上級者向けアニメ

原作レイプの代名詞、なぜかロボットアニメになってしまったサンライズ版アイドルマスターです。

声優が全て変更されており、一部キャラの性格も改変(改悪?)
そのうえ悲惨な末路を辿るキャラもいるので
原作ゲームファンがパロデイ作品として割り切って見るのも難しそう。

個人的には、萌えと燃えの融合、そして愛憎渦巻くシリアス展開で話題をさらった
舞-HiME・舞乙-HiMEのスタッフによる作品ということで期待してました。

やはり舞シリーズのスタッフだけあって、キャラ立てはよく出来ている。
キャラの掛け合いなどのコメディ部分は見ていて楽しいし
シリアスな部分も、危機感の出し方とか演出レベルはかなりのものだと思う。

ただ、あからさまにエヴァをパクリスペクトした設定や
一部キャラの行動原理や敵組織の目的が不明瞭なのは気になるところ。
とにかくめまぐるしく展開が動くので退屈はしませんでしたが。

で、本作のテーマは「巨大ロボット(アイドル)と少女(マスター)の恋」です。
絆なんて生温いもんじゃない。恋ですよ? 恋。
正直このテーマは最後まで見終わっても、ちょっと受け入れ難いものがありました。

{netabare}既に序盤からロボットに対して過剰に感情移入しまくるヒロインからしてアレですが
その後、元カノが出てきてロボットを間に挟んだ三角関係に発展、
そしてヤンデレ化、挙げ句の果てには「あなたが好きです」とガチ告白。
どういうことやねんと。こんなん見せられた時、どんな顔していいか分からない。{/netabare}

他のロボットアニメのロボと比較しても、明確な違いというのが
せいぜい「盗撮」ぐらいで、無機質で言葉も話せない存在であることに変わりはない。
ロボットではないけど、例えばリリカルなのはシリーズにおける魔法の杖は言語を発し
所有者と意思疎通できてることが視聴者にも分かりやすく伝わるので
そこから両者の間に絆が生まれるのも自然に感じられるんですよね。
物言わぬ存在だからこそ色々想像や妄想が膨らむってのも一理あるけど
やはり言葉を話せる設定にした方が良かったんじゃないかと思う。「恋」まで踏み込むなら尚更。


何だかんだで楽しめた部分も結構ありましたが・・・
これはアイマス云々関係なく、一部の上級者向けの作品でしょう。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
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