ねここ時計 さんの感想・評価
3.0
レトロ学ラン少年と秘密基地
このチビキャラたち、これはこれで楽しめました。
こうして地上波に出てきて
また誰かがこの作品に興味を持ってくれたり、
好きになる人が増えたとしたら嬉しいです。
ただ、初めてこのアニメを観た人が
原作まで興味を持ってくれるのかは、かなり謎ですね 笑
ショートアニメで、内容は薄いです。
パロディギャグです。
本当は、ひとりひとりとても濃いキャラなのだけれど
それが全く表現されていません。
劇のための宣伝アニメだとしても、もう少し味を出して欲しかったです。
原作とはかけ離れたこのアニメ、少し残念でした。
ここから先は、アニメではなく原作漫画のことです。
強烈な内容で、引いてしまう方もいるかもです。
この作品に興味ある方、原作を読んだことのある方、
暇なときにでも読んでくださいね^^
{netabare}
原作漫画「ライチ☆光クラブ」
この作品、私のとこまでやってきたことが驚きです。
或いは、私がたぐりよせたのかもしれません。
そんな風にしてしか廻ってこないような漫画本。
大人になった20歳頃に読みました。
凄まじい衝撃が体中、心中、五臓六腑(?)に走ります。
(意味不明ですが、とにかくここに確かにある身体中です)
人には勧めません、できませんが、
(特に子ども、R指定して頂きたいです。女性はショックを受ける方が多いと思います)
この驚異的中毒性に私は魅了されました。
9割がたの方が受けつけず
残り1割くらいの方はドップリだと思います。
一言で表現すれば、「何という残酷劇!」
1985年の劇団「東京グランギニョル」による舞台作品に
漫画家古屋兎丸先生 がアレンジを加え描きあげた物語。
(月刊漫画ガロでデビュー)
アングラ、サブカル
グロテスク、エロス、
タナトス、耽美
少年の狂気、幼さ故の愚かしさ、
醜悪、純粋、強烈さ。愛欲。
混沌と自意識。
残酷で美しく、罪深い
少年たちの実験。
秘密基地、工場の煙
捕われの少女、学ラン、チェス
薔薇、黒星、機械
↑上に書いたものたちが
悪夢のようにしつこく、そして不気味に絡み合い、闇の中踊り果てます。
少年たちの奈落のデガダンス。
「ライチDE光クラブ」のアニメにも出てましたが
登場人物たち、あだ名と二つ名と称号がついています。
二つ名
ゼラ 「廃墟の帝王」
ニコ 「忠誠の騎士」 アインツ (1番)
雷蔵 「暗闇の乙女」 ツヴァイ (2番)
カネダ「鬱屈の瞳」 ドライ (3番)
デンタク「科学少年」 フィーア (4番)
ダフ 「夢見る眼帯」 フュンフ (5番)
タミヤ「真実の弾丸」 ゼックス (6番)
ヤコブ「地下室の道化師 」ジーベン (7番)
ジャイボ「漆黒の薔薇」 アハト (8番)
ライチ「甘美なる機械」
カノン「囚われの白百合」
少年たちが考えたこの名前、最高だと思います。
称号がドイツ語なところもいいですね。
けれど、本物の中2病です。
こんなひどい中2病はみたことないです。
ここまでこじらせたら、もう引き返せません。
本当に濃くて魅力的な登場人物たちばかりです。
「真実の弾丸」タミヤくんなんて、全くその通りの人物でした。
読み終えたとき、私は、強い敗北感を感じました。。
少年たちを私が救ってあげたかった。
けれど、当然こちらからは何も手を出せず(当たり前)
誰か大人が気づいて…と読みながら祈ってしまいました。
しかし、大人は確かに存在しているけど、
彼らの世界に、大人は居ない。
悲しい程届かない私のダメな腕では、少年たちを救えない。
暗闇の中彷徨う少年たちの少しの明かりにすらならない。
無力!
もとより、漫画の世界なので救えるはずもなく。
指でページをめくるしか、私にはできないですね。
現実とリンクして考えてしまいました。
そこまで私を入り込ませてしまうこの漫画の引力は凄まじいです。
「体の成長は罪ではない。大人になるまで生きることが罪なのだ。」
私には太刀打ちできない哀しくで歪んだセリフでした。
凄まじくメッセージ性のある作品です。
私には破壊力がありすぎて、読んだ後しばらく心が崩壊しそうでした。
ライチ光クラブのあとに、
ぼくらのひかりクラブを読んだら、少しマシになりました 笑
トラウマになりかねないので
これから、もしも読む方は心の準備をしてからにしてください。
ライチ☆光クラブ「廃墟の☆帝王」OP
http://www.youtube.com/watch?v=XwJi2AtVqe4
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
{/netabare}