グロでバイオレンスなTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のグロでバイオレンスな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月27日の時点で一番のグロでバイオレンスなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.8 1 グロでバイオレンスなアニメランキング1位
ゴブリンスレイヤー(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1045)
5043人が棚に入れました
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ。」
その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。
冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。
それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった…。

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

奴らは『馬鹿』だが、『間抜け』じゃない。 (、なので『知性』はあっても『迂闊(&慢心)』な奴らは当然・・・)

※ご注意※
初めて見る方は、作品上リョナ描写(女性の凌辱・嬲り強姦)や、血飛沫流れる惨殺描写があるので、或る程度の『耐性・心構え』をもって視聴して下さい。
(定番の安定したキャラ画なので要注意)
あらかじめ原作小説やコミカライズを読むのもイイですが、オススメは洋画のリュック・ベッソン監督『ジャンヌ・ダルク』の冒頭シーン。
フランス百年戦争のさなか、幼少のジャンヌの村に粗野で『野蛮で下品なイングランド兵』が押し入ってくるシーンを見ておくのもいいと思います。(イングランド兵をゴブリンに“見立てる”となお良し)
(ってゆーか、皆さんもうご存知ですよネ)


2019.01.10【簡易感想】

「まおゆう-魔王勇者-」と同じくキャラに固有名は無く、吟遊詩人の語りのような寓話的構成。なので、会話シーンはヤハリ見づらいような、落ち着かないような・・・正に「歴史に『名』の残らない男の物語」。(笑)
ファンタジー異世界で、魔王軍と戦うヒューム(人族)と各種族(エルフ・ドワーフなど)同盟の物語が『主軸』でありながら、話のメインは亜流(支流)のほうになります。
勇者パーティー(女の子3人)が居ましたが、本編とあまり関係なかったですね。(笑)

神々がダイス(サイコロ)を振り々々世界を構築した象徴かのように、夜空にはダイスみたいな「緑と赤の月」が浮かぶ世界。
超弩級のモンスター退治等で名声や箔を付けたがる者にとってゴブリン退治は「ドブさらい」みたいな認識。(でも命がけなドブさらい)
個体は弱小でも家畜のように簡単に屠殺できるつもりでいたら、集団で見事に返り討ちにされてしまう危険な存在のゴブリン。
すでに他の方々が言われるように、こちらに登場するゴブリンは知性は低いが(生産力・想像、創造力無し)凶暴・凶悪で、略奪・強奪、殺傷・惨殺、狡猾・残忍、増殖の為に婦女強姦と「純粋な悪(災厄)」。
(正に『ヒャッハーーー!』な集団。「オネガイ助ケテ、モウウシマセン」と命乞いをする『フリ』に気を緩めると、確実に後ろから脳天カチ割られてしまいます。)

その中でただひたすらゴブリンしか興味が無く、ゴブリンを狩りまくる男“ゴブリンスレイヤー”。
寡黙で超慎重、生真面目すぎて人との関りが上手く出来なく、他者からは変人扱い。(でも、判ってくれる人はちゃんと居ます!)
そして仕事(ゴブリン退治)は自信のコンディションや休養を顧みず、容赦なく徹底してゴブリンを殺しまくるプロフェショナル性。
こんな事(日々)を続けたら人間性が喪失しそうですが、かろうじて保っていられるのは幼馴染の“牛飼娘(爆乳)”のおかげなのでしょうね。
そして、ゴブリン退治を甘く見て全滅したパーティーの生残りで駆け出しの“女神官(現実の残酷さを目の当たりにしてチビることチビること)”と出会い、
同盟の指示で嫌々下層災厄のゴブリン退治の仕事を押し付けられた、
“妖精弓手(最年長だが容姿は若く、現実の残酷さを知らない『冒険』に夢見がちなエルフ)”
“鉱人道士(酒好きの陽気な爺さんなドワーフ)”
“蜥蜴僧侶(乳製品が大好物。ネイティブ・アメリカンな姿のリザードマン)”パーティーとつるむうちに、徐々に堅物だったゴブスレが柔らかくなったように思えて見てて好感でした。
(でも“剣の乙女”は犯罪被害者遺族の心象みたいで重かった~~・・・)


(底辺の?)アナザーストーリーな感じなので、地味で嫌なモノも見られますが、
・ありきたりな王道ファンタジーに飽きた方には、狩猟の専門性や迷いの無いゴブリンの殺生とマヌケなヒューム側の犠牲者に嬉々し、
・キレイ事のファンタジーが好きな方には、嫌悪と蔑視があったかもしれませんネ。

でも、敢えて「誰もやらなかった(やりたくなかった?)」ジャンルで、且つ丁寧気味に仕上がってるので良かったと思います。
続きがあるようなニュアンンスでしたので、気長に2期目も期待してます。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 14
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

TRPGの世界観に抗い、サイコロの出目に左右されず生きる

アニメーション製作:WHITE FOX、監督:尾崎隆晴、
シリーズ構成・脚本:倉田英之、脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:永吉隆志
原作:蝸牛くも

RPG世界に存在するモンスターのなかで最弱とされるゴブリン。
退治しても稼ぎが少ないため、冒険者たちは要請を避けることが多い。
しかし、ゴブリンだけにこだわって討伐する男がいた。
多くの人々は蔑みも込めて、彼をゴブリンスレイヤーと呼んだ。

残酷描写が話題になった作品で、海外からの人気は高い。
その理由として考えられるのは、
主人公のキャラクター像だと想像する。
復讐の炎に身を焦がす、過去に傷を持つ男というのは、
ハードボイルドを好む層に魅力的に映るのかもしれない。

元はアスキーアートを使用した二次創作的な作品で、
ゴブリンだけを殺す男がいても面白いのではという
単純な発想から生まれ、様々な既存作品のキャラクターを
当てはめて発展させたものだ。
そんな経緯からか、登場人物たちには全員名前がない。
例えば主人公のゴブリンスレイヤーは、
ドラクエに登場する「さまようよろい」がモデル。
鎧兜の後ろから出ている赤い飾りのデザインなどは、
完全に「さまようよろい」と同じだ。
ほかにも牛飼娘が『銀の匙』の御影アキだったり、
鉱人道士(ドワーフ)がハンター×ハンターのネテロ会長だったりと、
言われてみると、確かに似通ったデザインだったりする。
調べてみると、それぞれモデルがあるので面白い。

さらに世界観はバックボーンとされているTRPGという、
テーブルゲームのひとつである会話型RPGを想定している。
プレイヤーはサイコロを振ることで運命が決まっていく。
作中で頻繁にサイコロが出てくるのはそのためだ。
ゲームマスターという全体を裁定する神のような存在がいて、
秩序や平和を望む人々と魔人王が支配する混沌を
目指す勢力に世界は二分されている。
これらを理解していないと、
作品の全体像が見えないのが正直なところだ。

というのも、この作品をリアルなRPGというつもりで
観ていると、かなり多くの部分で疑問を感じてしまう。
まず、ゴブリンをこの世界で弱いとしている
説得力をほとんど感じることができない。
もちろん、RPGをやったことのある人なら
事前のイメージでそう思えるだろうが、
この作品のゴブリンは知性がないといえど、
普通に剣を振り回してくるし、毒を塗った弓矢も放ってくる。
毒にやられると短時間で死んでしまう。
死亡すると生き返ることができない。

この世界では物語の何年も前からゴブリンによる殺戮が頻発している。
性格は狂暴で、人間を殺して強奪することを当然と思っている。
そんな危険な相手が雑魚と見なされ、相手をするのが
駆け出し冒険者しかいないということが既に納得できない。
当然ながら、複数で来られたらやられてしまう。
シャーマンや「渡り」などの上位種がいれば尚更のこと。
これは国家レベルで対処しなければならない事件だ。
しかも、ゴブリンはオスしかおらず、女性の人間を襲い、
短い期間で自分の子供を何匹も産ませることが可能だという。
だとすると、ゴブリン相手に女性の冒険者、
しかも駆け出しが討伐に向かうことなどあり得ない。
これは、より残虐シーンを描きたかったためだけと思え、
個人的には、設定が破綻していると感じた。

また1話でリアルな描写を入れているのは良いのだが、
{netabare} そのままの世界観で物語が進むのかと思うと、
その後は、百匹以上はいると思えるゴブリンたちを、
たった5人で殺してしまうなど、
どう控えめに見てもリアルなどとは思えない。
相手が毒を使うときに限って、
毒に反応するカナリアを連れて行くのも{/netabare}ご都合主義だ。
リアル描写として納得できるのは、
洞窟で長い剣を持っていくのはタブーということや、
大量のゴブリンを刺すときに血糊で滑るので、
敵の武器で殺していくというところくらいなもの。
途中からは普通の異世界ものとなってしまった印象だ。
またゴブリンスレイヤー以外のキャラの掘り下げも
ほとんど見られず、凡庸なストーリーといえる。

ただ、この作品をリアルなどと考えずに、
残虐シーンのある異世界ものという感覚で、
そしてTRPGということを踏まえて観ると楽しめる。
{netabare} 例えば、8話でゴブリンスレイヤーが、
死にかけるのだが、{/netabare}
TRPGの神のような存在が興じる不条理な世界に
抗うという描写があって、面白いと思った。

全体の作画の雰囲気や効果音、OPの音楽などは
この作品にとても合っていたと思う。
また、全12話の物語を俯瞰して、
ゴブリンスレイヤーの人生を追って考えてみると、
構成や脚本は上手くまとまっている。
これは、最後の2話分の展開が優れていたことが大きい。
視聴者は最初から少しずつ
ゴブリンスレイヤーの苦悩を見せられている。
{netabare}村が襲われ、大好きな姉が目の前で凌辱され惨殺されたとき、{/netabare}
怖くて動けなかったことに対して自分を責め続け、
ゴブリンを殺すことに異常な執着を持つようになる。

そんな心を失った男が次第に、他人に心を開き、信頼を得ていく。
多くの人々の力を借りて{netabare}大量のゴブリンから牧場を守ったことで、
ゴブリンスレイヤーのなかで何かが大きく変わった。
その結果「ゴブリンを殺すだけ」ではなく、
「冒険者になりたい」という将来の希望を
初めて口に出すことができたのだった。{/netabare}
苦しみも哀しみも、そして喜びも他人と分かち合えることが、
人生をより豊かにすることを彼は初めて知ったのだ。
このゴブリンスレイヤーの心情の変化に
至る展開は上手く描いていた。
ラストに続編があるようなテロップが出たが、
ひとつのお話として、現時点でしっかり完結している。

自分の望むことを得るためには、
サイコロの出目になど左右されないほどの
何かをやり切るだけの強い意志と
周りを動かすだけの力が必要なのだ。
(2019年2月9日初投稿)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 84
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

英雄譚には決して載らない名もなき男の話

2019.01.06記
原作未読


重たい話と聞いたので。シリアスものは好物なのです。
全12話のダークファンタジー。下手なあらすじより↓のキャッチコピーが分かり易いです。

『俺は世界を救わない ゴブリンを殺すだけだ』

{netabare}目の前で姉をゴブリンに凌辱されて殺されたトラウマを基盤に{/netabare}ゴブリン殺しに執念を燃やす寡黙な男の物語です。
RPGでもステータス低め。こんぼうで屠れるくらい非力。雑魚キャラの代表格のゴブリンですが、習性を聞くとけっこうパンチが効いてる感じです。
臆病。集団で村を襲う。略奪種族で物を作る発想はない。メスがいないため他の種族(人間とか)に種付けする。対人間の場合、男は殺し女は輪姦す。生き残ったものは学習し力を蓄えてく。成熟度にあわせて、ホブ・シャーマン・ロート・チャンピオンなど意外と種類豊富だったりもします。
まあ同情の余地はない感じです。{netabare}子供のゴブリンを容赦なく叩き殺すシーンがありますが感情動かされることはありません。当たり前のことです。とはいえ珍しい描写ですね。子供に手をかけるのってご法度みたいなところがありますから。{/netabare}

エログロに目がいきがちではあります。ゴブリンの習性を鑑みて、主人公ゴブリンスレイヤーVSゴブリンのシンプルな対決構造でもあります。無論エログロないしバトルの賞味期限はそれほど長くないため屋台骨が必要です。この作品の場合はこちらを面白く感じられるか?なんだと思います。それは、、、


 愚直にPDCAを回す職人の話


1話 ビジュアルで視聴者を引き付ける
2話 世界のルール説明
視聴理由がカタルシスを得る目的なら違いますし、物語構成は後半追い上げ型ともちょっと違いますので、2話まで観て肌に合わなければ撤退可でしょう。
そしてこの主人公であるゴブリンスレイヤー。ひたすらゴブリンを狩る男は実は意外と弱い。ステータスはきっと半端なものでしょう。だからこそ、考えて実践し修正しそして繰り返す。感情を廃した極端なまでのストイックさは弱さを覆い隠すための鎧のようにも思えます。

世界を救う勇者ではなく、町の一介の小鬼殺しにスポットをあてる発想は自分には新鮮でした。その昔やっていた某『プロジェ○トX』が好きな御仁にはこの物語はけっこうしっくりきそうな気がします。どこかしら中島みゆきの歌声が聞こえるようなそうでないような。“女神官”“妖精弓手”キャラの固有名称無い理由が名もなき地上の星の物語だからというわけではよもやあるまいとは思いますが。。。
自分はしっくりくるものがあって楽しめました。

なお、コミュニケーションを取るのがド下手な今後の彼が心配です。待つ女“牛飼娘”を筆頭に、好意を寄せてくれる面々から影響を受けてさらに一段レベルが上がって欲しいですね。
{netabare}協力を仰いで総力戦へと繋がった最終盤は意外と彼には人望のあることがわかりました。一人の限界を超えて複数人のパーティをマネジメントできるならレベルアップも可能でしょう。{/netabare}

淡々というより黙々とした展開。その中で“妖精弓手”“女神官”“牛飼娘”“受付嬢”ら女性陣がアクセントを加えて飽きのこない作り。良作です。



■余談 ※あくまで個人的所感です
リアルでも“女子高生コンクリ詰め殺人事件”を筆頭に、国内においても、まるでこの作品で描かれたゴブリンの所業と思しき事件はあるとの前提ではありますが、規模と実態という意味で、
{netabare}本作は『竹林はるか遠く-日本人少女ヨーコの戦争体験記』に記述されている世界の異世界版と見立てて鑑賞してました。
※詳細は省きますが一言でいうと敗戦後の引き揚げ体験記で、原典はアメリカの中学校で教材として扱われておりました。しかしこの物語を当の日本人が知りません。{/netabare}
{netabare}誤解無き様、特定の国・民族を貶める意図はありません。事実の把握、起こったらどう対処するか、起こらないようにどう対処するか、それ以上でも以下でもないです。己の思考に自信満々との傲慢さもなく、集合知を信頼したいので事実は共有されるべきと考えてます。これをもって憎しみを増幅させるから止めろとのご意見は拝聴しても、「仮に起こったらどうするか?」または「同じことが起きない様にどんな準備をしてるか?」と問うことになると思います。{/netabare}

第二第三の剣の乙女を生まないようにするのが男子の務めでしょう。

{netabare}「わかってもらいたかった 怖くてつらくて痛くて恐ろしくて そんなことがこの世にあって そういうことをするものがこの世界にはいる 分かってもらいたかっただけです」剣の乙女(第9話){/netabare}

奇しくも世界を救った勇者さんが言ってるじゃないですか。

{netabare}「僕たちが世界を救ったって村が滅んじゃったらやだもんね~」勇者さん(最終話){/netabare}

{netabare}その勇者さん、魔人王を前にしてこうも言ってました。「これが終ったら村に戻って三人でお祭りに行くんだー!」(10話)。{/netabare}

大事を成す(世界を救う)者にも依って立つところ(村)は必要です。足元を支える裏方さんのお話でした。



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ 

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2019.01.06 初稿
2019.06.22 追記
2021.08.20 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 89

78.0 2 グロでバイオレンスなアニメランキング2位
屍鬼[シキ](TVアニメ動画)

2010年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (1461)
7831人が棚に入れました
人口1300人の小さな集落、外場村。外部とは国道1本でしかつながっていない隔絶された地ゆえ、いまだに土葬の習慣が残されていた。

ある日、村の山入地区で3人の死体が発見された。村で唯一の医者である尾崎敏夫はこの死を不審に思っていたが、事件性はないとされ、通常通りに取り扱われた。しかし、これ以降、村人が一人、また一人と死んでいくことに…。

声優・キャラクター
内山昂輝、大川透、興津和幸、戸松遥、悠木碧、高木渉、GACKT

★☆零華☆★ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

死に善も悪もない。

数年ぶりに再視聴、2週目です。
いやー名作でした!そして凄くメッセージ性が強い。
2週目なのに終始集中して楽しんで観れました。
ジャンルはゾンビホラーと思われがちですが、サイコホラー(人の狂気を描いているので)です。

ホラーアニメ大好きな私は、名があるホラーアニメは全制覇しています。
(といってもここ10年で、ホラーアニメ10作品くらいしかないですけどね。笑)
需要あまり無いのかもだけど、もっとやって欲しい。

近い内にホラーアニメベスト10作る予定なのですが
屍鬼は自称ホラーアニメ専門官である、私のベスト10、上位に入れますね。


【あらすじ】
舞台は外場村という小さい村落。
村の周囲はモミの木(卒塔婆に使う木)に囲まれ、外界との交流も少なく
正に田舎の中の田舎って所。
そんな村には起き上がり(死人が蘇る)という古くからの言い伝えがあった。
物語は、こんな死に囲まれた場所で始まります。


【感想】
貴方は人殺しを悪いと思いますか?殺してはいけないと思いますか?
大半の人は悪いこと、いけないことだと言うでしょう。
何故ですか?誰が決めたのですか?
それは昔からの暗黙のルール、人が定めた罪の意識、法律があるからです。
ですが屍鬼では、そんなモノ(ルール、罪、法律)を改めて再認識させてくれる作品でした。


屍鬼(起き上がり)達は皆に自我があり、生きています。(肉体は死んでいるが)
彼等は生きる為に人を襲います。血を吸わないと死んでしまうから。
忘れがちだとは思いますが、私達ヒト(人間)も何かの命を奪って生きています。
普段は調理され、お店に並んでいる商品として接しているから気づかない。
けれど確実に命を糧として、奪い、殺し、生きています。
そう、屍鬼達も生きる為に襲っているだけなのです。
私達と何が違うのでしょうか?いいえ同じです。
寧ろ、ヒト(人間)の方が、動物、野菜、果物など、ありとあらゆる命を奪っています。
時には、理由もなく殺すこともする。
彼等(屍鬼)を悪と定めるなら、私達ヒト(人間)はそれ以上の悪であるということです。


それに何かしらの理由や、屁理屈をこねているのはヒト(人間)だけです。
ニュースとかで絶滅危惧種が、というニュースが流れれば
やれ可哀想、酷いだの何だのと騒ぎます。
じゃそれがヒト(人間)に危害を加える存在だったら?
やれ殺せ、居なくなれ何だのと騒ぎます。
実に見ていて愚かだと感じます。


【結論】
生きること、生命を全うすることにおいて、善も悪もない。
あるのは弱肉強食、食物連鎖だけです。
立場が変われば、見方が変わる。
そんなことを屍鬼は伝えたかった。
屍鬼からのメッセージだと感じました。



【豆知識・余談】
ヴァンパイア(吸血鬼)のモデルとなったのは、ワラキア公ヴラド3世(ヴラド・ツェペシュ)という
1431年頃に実在した人物です。
敵国、自国の民共に串刺しにしたことから、串刺し公という異名を持っています。

この方もそうですが、ヴァンパイアの設定によく使われる
日の光に弱いなどの設定は、先天性白皮症(アルビノ)という方達から取ったんだと思います。
髪の毛、皮膚、ありとあらゆる部分の色素がなく、真っ白です。
また紫外線を浴びると、焼け爛れてしまい。目もヴァンパイアみたく赤くなってしまう。
本当に珍しい奇病で希有です。


【PS:追記】
BGMのズンチャ!ズンチャ!ズンチャズンチャッチャッ!が凄く印象に残る(*´艸`*)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 36

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

キズ物語 ーⅣ 外場村篇ー

原作未読で視聴。


『三方を山で囲まれた僅か1300人足らずの排他的な小さな村「外場村(そとば)」。 ある日3人の村人の死体が村から発見され、それを皮切りに次々と村人が死んでいく。その状況を不審に思った村の医師「尾崎 敏夫」は、伝染病を疑い始めるが死体の検視の結果そうではない事が判明。死因が暗礁に乗り上げたそんな中、敏夫は村の古い言い伝えである「起き上がり」の話を耳にし、暗中模索の中でやがてある一つの結論に辿り着く。それは・・・・』という物語。


この作品のジャンルは、サスペンス ホラーに分類されます。全22話で、TV放映後に発売されたBlu-rayで、TV未放送のOVA2話が特典として追加されました。なお、追加された2話のOVAは、全22話の中の20.5話と21.5話にあたります。


大作ですねこの作品は。特に後半の展開は、形容するならば「凄まじい」と言うべきものでしたよ。作品は全22話なので、登場人物も多く、人物の背景なども丁寧に描かれていて、全体を通してゆっくりと展開して行きました。やはり20話超えの作品は安定感があります。


最初の5話ぐらいまでは、いわゆる典型的なパンデミック状態を描いていましたが、6話以降の死因究明からこの作品の本領発揮でした。村人の死因に疑問を持ち調査を始めたのは医師の「敏夫」と村の青年「結城 夏野(ゆうき なつの)」の2人なのですが、 ほとんど接点のないこの2人が、同時並行的にそれぞれ違った手段で究明に挑む描き方は面白いと思いました。


12話以降の中盤の見せ場はやはり敏夫の「解剖」でしょう。ハッキリ言って拷問シーンでしたよあれは・・お食事中ならご注意を。18話以降の終盤は、それまでのゆったりとした流れとは打って変わって、堰を切ったような怒涛の展開でした。集団になった時の人の怖さが描かれていましたよ。


ちょっとした豆知識。作品中、画面の下に時系列として日時と六曜が表示されるのですが、そこから調べた結果、物語の舞台は1994年のようです。


ごめんなさい。どうしても最後まで馴染めなかったものがありました。それはキャラクターデザインです。1300人の村にはそぐわないキャラデでした。SFバトル系アニメのキャラクターですよあれ。気合い入れたら掌から衝撃波とか出せちゃう感じでした。なぜあのキャラデを原作者がOKしたのかが謎ですね。唯一杭が残りましたね....それだけが。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 38

たま。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ネタばれ禁止

サイコサスペンステイストで面白いです。
(アニメであまりこのジャンルものはありません。ひぐらしとか?)

だたサイコサスペンスのジャンルでは必須条件ですが、この作品を見る前は絶対ネタばれ等をネット等で見ないで下さい。
面白さがほぼなくなります。

藤崎竜の絵が受け付けられるなら、ラストがどうなるかにもよりますが、一見の価値はあるかと思います。

どこまで本当かわかりませんが、ひぐらしもこの作品に影響を受けて書いたとか・・・。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

52.9 3 グロでバイオレンスなアニメランキング3位
pupa(ピューパ)(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★☆☆ 2.7 (511)
2646人が棚に入れました
2人で生きてきた長谷川現と夢。ある日、謎の赤い蝶を見た夢の体は未知のウィルスに冒され、ヒトを食べる異形になってしまった。現は、そんな妹に餌として自らの肉体を捧げる。

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

ポカーン。

ポカーンとしました。

原作を拝見していないため
詳しい内容までは理解できませんでした^^;

内容はだいぶグロくて血が大量でした。
それでも地上波で放送されたものをみたので修正されていましたが、
補食シーンの声優さんのリアルな声や音になかなかの衝撃をいただきました。
また、ある意味つっこみどころ満載でした。

グロいのが苦手な方にはオススメしませんが
1話が5分といったショートストーリーとなっているので
あっという間に12話(最終回)まで観れちゃいます。
なにかなんでもいいから短時間で少し観たいという時にはいいかもしれないです☆

あと、OPとEDの曲、ちょっと好きかも!頭に残りますw

読んでくださりありがとうございましたヽ(*´∪`*)ノ"

投稿 : 2024/12/21
♥ : 36
ネタバレ

おなべ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

超スピードッッッ!で第1話 完 【追記】

まず、原作のカニバリズムを疑わせるあらすじからして、地上波放送にはキツイ。数十年前だったら普通に放送出来たかもしれませんが、暴力規制がシビアな今宵では多少なんらかの修正が加えられる事は仕方ないといえます。
そんな規制の中でも、衝撃な物語をどう料理してくれるのか、放送前はワクワク☆していました。


そして蓋を開けたら、まさかの四分アニメで誰もが予想しない急斜め上の自体になってしまった、今期のとてもガッカリアニメ「pupa」でございます。原作は未読ですけど、原作ファンの逆鱗に触れただろうことは容易に想像出来ます。

規制に引っ掛かってでもやる意気込みはいいのですが、その割にはお粗末な背景描写。紙芝居並に動きがありません。チープさが漂っていて、恐怖、重圧感がないです。Flashアニメじゃないんだから、ショートアニメだろうが何だろうが、それなりの作画クオリティを求めたいもんです。二話に出て来た救急車はチョロQかと思ったぜ。
話題のグロ描写は規制されているので、真っ黒に塗り潰しされています。そのグロも、「うわあ…」というモツ的なR-15レベルのそれではなく、血がブシャーッな軽さでも徹底的に見えなくなっています。規制し過ぎで、状況が全くわからないです。グロ目当てで見る方にも拍子抜けでしょう(いるかわからんけど)。


しかし脚本は四分にしては、手堅くまとまっています。原作のダイジェストだと思えば、悪くはない。それでも説明不足のまま突っ切ってしまい、ばっさりカットして話を繋ぎ合わせているので、かなり無理が生じてしまってます。伏線とは言い辛い。


トホホ感が酷かったのは1話、{netabare} 妹が謎の女マリアに「赤い蝶を見る前に帰りなさい」と警告されたにも関わらず、次の場面では公園で赤い蝶を見て「うわー綺麗」とか何とか言ってる場面。お前は話を聞いてなかったのか!変な事言われたんだから多少は躊躇しろよ!

4分でまとめるのには無理があるのだから、原作通りやらなくても、つじつまを合わせる為に多少改変してもよかったのではないでしょうか。公園を通って蛍光灯に「あれは赤い蝶?」と見て呟くみたいな感じでどーだろう。妹が怪物に突如化身する衝撃の1話のはずなのに、全く魅了されませんでした。{/netabare}


人物関係も四分間に全て会話で説明させようとしていて、忙しいです。
30分、せめて15分だったら、もっと濃厚に描写出来そうだったのに、見てると本当に勿体無くて、じれったいです。
それでも作風に重さが無いせいか、世界覧と台詞が上手いこと噛み合っていない。これはじれったい。



そもそも企画段階で慎重に考慮するべきだったのではないでしょうか。テレビシリーズで無理に放送させようとしなくても、OVAで出しても何らおかしくないです。劇場版として公開するのも一つの手だったのかもしれません。
作品を見るのに、物語やキャラのことではなく、裏方の制作事情を知りたくなって来るようで、作品として如何なものか。大人の事情を感じてしまうのは残念なことです。

要するに、四分アニメはいくらなんでも短過ぎるよ。DVD無修正云々より、本編の収録時間をどうか増やして下さい。




【追記】

最後の12話は番外編で、実質物語の最終話は11話だそうです。何となく気になって全話見た印象としては、設定がいいのに生かし切れてなかったなあと…。


化け物になった妹と治癒能力と持った兄等キャラクターの立ち位置が謎めいていて、その中で「兄妹愛」を軸に置いた物語はぶつ切りでしたが、悲哀も感じられて面白かったです。
ただ、シリーズ構成が本当に製作者達が打ち合わせして決めたのか疑問に持つほど放り投げ感が凄かったもので、終始物語のチグハク具合が否めませんでした。「ショートアニメだから、無理ある展開でも仕方ないやん…?」なんて同情を誘うような声が聞こえて来そうでした。もう!ショートだろうが何だろうが、作品として出すならキチンと完成させなきゃダメでしょうが!それでもプロですか貴方達!
所々良かった場面もあります。
{netabare} 兄が妹を虐めた頭おかしそうな奴に反撃する場面では、父親と同じような暴力性を秘めているのを示唆させていました。目潰しするアクションも淡々としていいて思わず怖くなりました。
マリアは結局どうなったのか…多分続きは原作読んでね☆てことでしょうが、部下と当たり障りのない会話はクスリときました。 {/netabare}


放送前期待していただけに残念です。今後はこのような事例がないと願いたいです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19
ネタバレ

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

エリ・エリ・レマ・サバクタニ

9月 某日

ちょっとした お祝いのパーティを
私のお家で 開きました

私には 友人が少ないのですが

誰かが誰かを
連れて来てくれるものですから

この日は 30人以上もの
錚々たる顔ぶれが揃い

「お久しぶり」「初めまして」が飛び交い
各々 好きなことをし お話をし
笑顔が溢れる

夢かしら? そんな空間がありました

私にとって
皆が ただ ただ楽しい時を過ごすこと以上の喜びはないのですから


{netabare}趣味の良いのか 悪いのか解らない
音楽が流れ

大きな手が紡ぐ
ギターが唄い 愛が躍る

ダウナーな映画が映り
(私が所有している映画は…ひとり隠れ観るような作品ばかりばかりですので…)

そんな中で
ヤン・シュヴァンクマイエル氏の
「ルナシー」は好評でした


暫くして
遠くから「pupa」のOPが聴こえた時には

まるで 隠していたポルノが
見つかってしまったような恥ずかしさが襲いまして

急いで
これは…と 制止したのですが

「好きだ」という稀な方がいらしたことと
「観てみたい」という声に押され

赤ら顔 そのままに
その場を離れたのです

よく
「グロい」「訳が解らない」などの
散々を 言われている作品なものですので

少々心配でしたが

私が 別の場所で「お騒ぎ」している間にも
ずっと ずっと
「pupa」の
「音(気配)」がしていたものですから

気に入ってくれたのかしら?
本屋に檸檬 の気持ちでした


すると なんということでしょう!

ピュパ♪ピュパ♪と
唄う人が続出する という

異常事態になっておりました…{/netabare}


さて この作品

登場人物は わりと多いのですが

兄の「現(うつつ)」と
妹の「夢」
ふたりの 両親

この4人だけを注視すれば 興味深いお話に変わる様に思います

主に「現の語り」でお話は進むのですが

誰が「本当」を言っているのだろうか
なにが「真実」なのだろうか が
解りにくく描かれており

謎が 心地よくばらまかれているのです が

「母親の語り」が真実なのだと
私は思うのです


「pupa菌」という謎のウイルスに感染すると
身体に なにかしらの「変化」が起こる…等
いくつかの設定はあれども


設定は 有って無いようなものですので
あまり気にしない方が良いでしょう


序盤に 夢ちゃんが 獣の姿になり
むやみやたらに 人を食すシーンがあるのですが

私は「擬獣化」だと 解釈しています

「擬獣化」することで
「人を食らうは 獣の所業」とでも
伝えているかのように 思えるのです

母親の語りからも
夢ちゃんには 生まれながらに
「食人」の嗜好があった と考える方が 自然ですし


現は
pupa菌の感染者

肉体が破壊されようとも 直ぐに回復し
不死身である という特徴があります

現は
「お兄ちゃんだから 妹を護るのは 当たり前だ」
という理由から

夢ちゃんの 「活き餌」になるのです


人は
自らが タブーだと思う
「行動」や「想い」に 正当な理由をつけたがります


現は その 典型であるかのように

「生い立ちの記憶」を
自分の都合の良いように 改竄し
「義務づけ」し「理由」にして

夢ちゃんへの「愛」を隠している(認めない)のです

現は
「愛する人に頼られる」ことが幸せで
「愛する人に食べられる」ことが悦びと
心では感じているのに



ふたりの「食事」のシーンは
ベッドシーンのように とても官能的です

しかし 流れる音楽が
陽気で 柔らかいので

その 歪さが
不穏で 奇妙で
みるたび 私は引き込まれるのです



彼は
彼女だけを見て
彼女だけの 名前を 何度も何度も呼んでは
すべての「痛み」は快楽だと

彼女は
何処かの 遠くを見
「おいしい」とだけ


そんな 愛の お話

よくある お話 なのですから
理由づけは 不要なのです



そして
夢 も 現 も
境い目は ないのかもしれません

あの日のパーティーは 今も
続いているのですから





文章を 昔風?に
こねくりまわしてみたものの
ダメだー 難しいー!

お目汚し ごめんなさい
頑張ったんですけどね(汗)

読んでくださり ありがとうございました!



追悼のざわめき

投稿 : 2024/12/21
♥ : 26
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