キャッキャウフフおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのキャッキャウフフ成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月21日の時点で一番のキャッキャウフフおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

61.5 1 キャッキャウフフアニメランキング1位
もめんたりー・リリィ(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (200)
134人が棚に入れました
「友達…できるかなぁ…」 転校生・霞れんげは新生活に不安を抱えていた。 なにせ知らない人と話すと気絶するんじゃないかと思うほど、 彼女はコミュニケーションが苦手である。 重い足取りで教室へと向かうと、 なにやら賑やかな声が聞こえてきて…? 「れんげちゃんも一緒に、今しか出来ないことをやろうよ!」 GoHands×松竹のオリジナルアニメプロジェクトより、 少女達の『したいこと』をポップにコミカライズ!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

4話 CGに走りすぎて、細部へのこだわりを感じない緊張感の無さがダメでした。

第1話 ゲーム販促っぽい感じ。来週「マミる」展開があるなら見たいかも。

{netabare} まず目を引くのはCGです。一目で「好きな子がめがねを忘れた」の制作会社だということがわかります。ちょっとディテールがうるさい気がしますが「好きな子」の1話より見やすくなっていると思います。

 テクスチャや映り込みの処理から言って相当なスペックのコンピュータを持っているか、処理技術が発達している気がします。その点では興味があります。まあ、それが髪の毛と胸揺れの過剰さにもつながってはいるのでしょう。そこをどう見るかですが、私はもうその辺は気にしないようにしています。ただ、胸揺れの物理演算は横方向と重力の関係がおかしい気もしますけど。

 展開は一目「宇宙戦争」ですね。女子たちが戦う感じは「舞乙HIME」だし、機械生命的なものは「NieR:Automata」感もあります。それと「ブルアカ」「アークナイツ」「アサルトリリィ」など、ゲーム原作アニメ感が強いです。この作品が実はゲーム販促アニメですと言われても意外ではないです。女子だけだし。そんな感じのオリジナルSFです。

 その女子しかいない理由が有るのか無いのか。その辺も気にしたら負けなのでとりあえず保留します。キャラ造形もテンプレだしメインヒロインの初期設定が記憶喪失ということです。総合的に言えば、どんだけ都合よく盛ってるんだ?という内容ではあります。

 1話切りでもいい気もしますが、次回予告で『マミる』のか?(まどマギ関連用語)という期待が無くはないです。対象のキャラの声優さんが失礼ながら有名な役をあまりやったことが無い方なので。そ
 して、皆花の名前なのにこの子だけ『えりか』なんですよね。仲間ではないという示唆の気もします。奇乳だし。ただ、調べるとエリカという花はあるんですよね。でも、他のメンバーの花の名称に比べて一般的じゃないし、ひらがな表記が不自然でもあります。
 一方でそれをやるなら予告はすべきではないでしょうけど。ただ、引きとして2話目の話題として「まどマギ」展開を意図して、興味を引きに来た可能性も考えられます。

 題名はリリィーですから、メインヒロインのユリの事です。百合展開も意味しているかもしれません。momentaryは瞬間とか儚いですが、記憶設定とかけている可能性もあります。瞬間・記憶でドラマを作るなら「掟上今日子」のような短期記憶しか持てない設定も考えられます。「まどマギ」展開ならループの可能性もありますけど、そこまで行くとやりすぎかなあ。

 鬱展開をやるなら見たい気もします。CGも興味あるし。3話までは見てもいいかなという気になりました。

 正月なのでTVで見たので細かいところを考察したりクレジットは確認できていませんが、配信でちょっとその辺確認したいですね。{/netabare}


第2話 エリカおねえちゃんの「ふざけんなよ」があったので来週も一応見ます。

{netabare} うーん、まどマギ?やはりこれはタイムリープ、死に戻り系なんでしょうね。それは第1話の2話予告で予想が付くのでいいとして、友情ごっこにもうちょっと説得力があればなあ…都会の中心に皆で一緒に行く動機とか作戦とか食糧事情とかも設定が甘いです。

 ただ、死ぬのそっちかあというところは、まあ、予告からは外してきましたね。それと「ふざけんなよ、誰もこないじゃない」のセリフがあったのでもう少し見ようかな。CGも独自性があると言えばあるし、何よりオリジナル作品は3話、5話くらいで化けることもありますし。何より、エリカおねえちゃんがいつもあんな感じでボロボロにされて暴言が聞ける気もしますし。

 声優さん「誰もこないんじゃない」のセリフ、決め台詞なんだからもうちょっと滑舌良くお願いします。聞き取れなくはないですが、ビデオのスロー再生して確認しましたよ。{/netabare}


第3話 ストーリーに興味はありますが、いろいろ不足感も多いです。

{netabare} 恥ずかしながら、ゆりとれんげのキャラ名を取り違えていました。1話で後から合流した子が、ゆりかと思ってました。言い訳すると絵が濃すぎて話に集中していなかったかもしれません。と言うか、3話になってやっと集中して見られるくらい興味が出てきました。

 で、現状ゆりの能力をれんげが引き継いだり、以前の記録とか記憶が錯綜する展開がありました。そこがちょっと興味深いです。まどマギ臭はものすごくするんですけど、オリジナルだしストーリーを考えて作っているところに好感は持てます。

 少女の業を描いた「脱まどマギ」になれるかと言えば怪しい水準ですけど、しかし、まどマギのアナザー…あるいはモドキ程度にはなれるかもしれないという期待は持てます。

 水準で一番心配なのは、演出とキャラ造形です。エンタメとしての面白さが足りず、キャラのバックボーンが見えてきません。なので、感情移入型の視聴が難しいです。それっぽい萌え造形や言葉で作品を持たせるのはもう無理だと思います。アイドルものの人気が低迷しているのを見ればわかるでしょう。もう、この数年は演出とキャラが重要になっているのです。

 そして、世界観がなにを象徴しているのかというテーマ性も現状仕込みとして弱いです。せめて、あの武器が少女の何かを象徴していればいいんですけど、デザインがガンダムじゃないんだから、と言う感じで弱いです。思春期の少女は、恋愛、性、進路、過去、家庭、分断、いじめ…やりつくされていますが、それでも何かをいれないと物語にはならないでしょう。

 料理をする時間があれば、何かを描こうよという気がします。その料理に意味があるなら大したものですけど。こういう変化球は瞬間の引きにはなっても、ストーリーの緊張感を破壊するだけです。

 それでも、一般的な異世界転生や少年マンガ原作のありきたりのストーリーよりは興味が持てます。
 本作がまあまあのストーリーで終わるか、まどマギの深さのせめて半分程度のレベルの話になれるのか、それとも新しいまどマギのアナザーになれるのか。期待はしませんが、オリジナルへの挑戦としてしばらく見ようと思います。{/netabare}


4話 CGに走りすぎて、細部へのこだわりを感じない緊張感の無さがダメでした。

 令和のまどマギに挑戦してくれるのか、という期待を2話3話でしましたが、印象としてはそういう志ではないと思いました。なにか、尺を埋めるにはどうしたらいいのか、で汲汲としている感じです。

 もちろん、料理パートが邪魔なのはあります。その他の話でも、学校に来て思い出の話を作るのはいいんですけど、ストーリーの幹があって、それを表現するために、キャラのディテールがあって、エピソードがあって、緩急のためにコメディがある、と言うバランスを考えているように見えません。1クール分のストーリーをとりあえず用意しました…という、宿題の作文で原稿用紙を埋めるにはどうしたらいいのか?という感じがします。1万字のところを10万字書いてしまい、どうやったら削れるだろう?という感じはしません。

 ですので、見ているこちらも1シーン1シーンの意味で意味を考えるとか、さかのぼって咀嚼したり解釈したりという作業がありません。

 もちろん、すべての作品にそこまでの事は求めません。70点くらいでもいいんです。が、シリアスな話ならせめて何かメッセージが伝わってくる努力はしてほしい。メッセージが無くてもエンタメ特価なら、神が細部に宿っているようなエンタメマインドを見せてほしい。CGに走りすぎて作品のディテールからかえって緊張感が抜け落ちている気がします。

 日常系とか異世界転生もので頭を空にして見るならいいですけどね。それだって、やっぱりこだわりは必要だと思います。今後、鬱展開になるにせよ鬱の意味があるとは思えません。もっと悪いのは鬱にすらならない展開です。謎の提示は一応あるし仕掛けもありそうなのはわかりますが、弱いと思います。










 

投稿 : 2025/02/15
♥ : 12
ネタバレ

てぶくろ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

オモコロライターが企画で考えてきたオリジナルアニメ案を本当にアニメ化してしまった感。

 第6話視聴しました。
 {netabare} 水着回でした。 

 本当にただただ水着回でした。
 
 とはいえ、唐突な水着回はオリジナルアニメの特権ですので大いに結構だと思います。

 いつもの 標準速度での視聴が少々苦痛に感じるような空虚なキャラ同士のやり取りも、視覚的に目新しいことでマシに感じられました。

 一応、"人間である証明をする"という難解な目的があった上での茶番だったのも良かったです。


 ただ、まぁ…最終的にシトロンさんを敵ではないと判断した理由が、文面的にどうやら人間側の方に仲間意識を持っているっぽい でいいなら、このプールに来るまでに遭遇したらしいワイルドハントを自分たちが倒す様子を撮影して送ればよかったんじゃ…。
 
 それも人間であるという確たる証拠にはならないかもしれませんが、少なくともワイルドハントの敵であることを示せれば良かった気が…。

 いや、今回のような水着回にマジレスしても仕方ないのでやめましょう。

 
 次回は久し振りにバトルシーンがあるようなので期待です。

            {/netabare}

 第5話まで視聴しました。+アニメージュのインタビュー記事を読んで
 {netabare} ここまでの本作品の印象をざっくりまとめると、第1話は正直 なんじゃこりゃ止まりで困惑が勝ってしまいましたが、第2話にて 主要キャラのゆりが死んだり、えりかが追い詰められて口調が変わったりっていう印象に残るシーンがありました。
 若干、漫画・アニメにおける一つの技法…というかあるあるをこれ見よがしに披露してる感じはありましたけど、なんじゃこりゃなりに見所を作って視聴するモチベーションにしようとする気概を感じました。

 しかし、その少しだけ上向いていた期待値とモチベーションを第3.4.5話で丁寧に切り崩してしまった印象です。
 バトルがないから という理由もあるでしょうが、それで言い訳できないくらい いかんせんキャラの過去や現状に対するあれこれや会話シーンが本当に真正面からつまらない。
 一応、結果としてキャラ同士の関係が深まっているみたいですけど、それ用に話を用意した割に無難で かつそこに至るまでのプロセスと割烹パートで余裕でマイナスです。

 しかも、 なんだか制作側は この後半のペアなキャラ同士のやり取りと、それまでの三分の二くらいを占めるおもんないパートを「振り幅」だと思っていそうなところがより厄介なんですよね。


 そして、この作品を語る上で避けては通れない 割烹パート について。
 滅んだ世界でも美味しく食べることを重要視するスタンスは面白いと思いますし、話の構成面から見ても割烹パートがあることで話のリズムが取りやすくなっているのも良いと思います。


 ただ、どうしても気になるのは、やっぱりこのGoHands特有のCGを活かした画面と料理って相性悪くね?っていう部分です。
 
 なんでわざわざ苦手としているもんを軸に置いたんや?

 いや、むしろ苦手としているからこそ この機に挑戦したいんだ!っていう熱い気持ちがあるなら良かったんですけど、肝心の調理シーンがこの仕上がりなのはどういうつもりなんでしょうか。

 あの…GoHandsって前作の「デキる猫は今日も憂鬱」で料理の描写を頑張っていましたよね?
 調理シーンも使い回しが多かったですけど挑戦はしていましたよね?

 当然、その時得たノウハウをブラッシュアップし、また 進化させて、自分たちのオリジナル作品という絶好の機会にぶつけるか 挑戦する姿勢を見せてくれると思うじゃないですか。

 しかも割烹っていうワードを使い、セリフでも調理そのものとフォローまで入れてるじゃないですか。

 もう一度言いますけど、調理シーンがこの仕上がりなのはどういうつもりなんですか?
 
 一応、出来上がりの料理はそこそこ頑張ってはいますけど、実際食ってるシーンがあるのは第1話くらいでその後は基本カットだしなぁ…。

 テーマとして早々に死んでますけど、マジで何がしたいんでしょうね。



 アニメージュのインタビューを読んで

 監督は、本作の企画の成り立ちと どのようなテーマを軸にしたのかを問われ、こう答えています。

 監督 GoHands は創立以来、常にオリジナル企画をストックし、定期的に更新しています。今回、松竹様からオリジナル企画のお話をいただき、「世界が滅びた廃墟で、戦いの中で仲間たちと生きていき、美味しいご飯を自炊するアクション料理企画(笑)」を提案しました。さらに松竹様からリクエスト「女性が主人公にしたストーリー」「海外展開を見据えたこだわりのアクション」も反映しています。
 テーマは「人は1人では生きられない。他者の力を借りて共に生きていく」ことです。同年代の友人と補完し合って成長すること。私が歳を重ねて感じるようになった、友人へ感謝の念も込めています。

 
 オリジナル企画やりましょうって言われて、自分でも半笑いのこの企画を提案し通ってしまうって…
 いや、いいんですよ? まさか通ると思ってなかった企画が結果跳ねた とかの美談になるなら。
 でも、現状そういう兆しはなく、1話分の尺を埋めるのにも苦心しているように思えます。
 テーマの部分も要は、友だちを大事に ってことらしくもうこれ以上の発展は正直見込めません。

 常にオリジナル企画をストックし、定期的に更新しているのは素晴らしいですが、死んだ卵を温めストックしているだけならあまり誇れませんね。


 総じて、レビューのタイトルにもしているように、なんかプロの仕事って感じがしないんですよね。

 本当にオリジナルアニメ企画を持ち寄ろうという遊びで、相手がこの企画をもってきて「主人公の口癖は"割烹"です」って言われたらそりゃ大笑いしますし、ほんとに出来そう!と盛り上がるでしょうけど、会議室で話している時がピークのもんを実際やっちゃったらそりゃこんな感じになっちゃうよ…。


 ここまで視聴した以上、骨は拾うつもりでいます。

 次回に期待です。



        {/netabare}

 

投稿 : 2025/02/15
♥ : 2

Dave さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

きつい…

「ハンドシェイカー」とか「好きな子がめがねを忘れた」とかを作ってきたスタジオなので、まあ「そういう」制作会社なんでしょうし、それを受け入れられる人も一定数いると思うので好みの問題ですかね?確かにぬるぬる動くし背景はCGらしく綺麗なんですが、こういうCG臭を隠しもしない画が苦手な私のようなロートルにはきついです。

加えて世界観やノリもわりと厳しいですね。なんかよくわからないキレイ目なアフターワールドで、悲壮感なく主人公たちがキャッキャうふふしながら謎のモンスター?と戦う世界観。それでもってキャラ立ちさせようとして性格がそれぞれピーキーになったり喋り方に癖があったり。CGアニメで画は悪い意味で「今っぽい」のですが、ノリは10年くらい前までよく「キャラ弁」とか喋らせていたころの古臭さを感じてアンバランス。最近勢いのある若山詩音さんも、本作ではそのたどたどしさが悪いほうに働いている感じがします。

急に割烹(調理)をブッコんで来るんですが、それとて別に面白くも新鮮味もないし、何がしたいんでしょうね。どういう層にむけて何を売りにしようと制作したのかさっぱりわからないアニメですが、自分にはキツイことだけは分かったので1話切りします。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 17

71.7 2 キャッキャウフフアニメランキング2位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(アニメ映画)

2024年3月22日
★★★★☆ 3.8 (59)
247人が棚に入れました
東京で女子高生ライフを送る小山門出と中川凰蘭。学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日から、突如現れた巨大な宇宙船「母艦」が浮かんでいた。異様な光景は日常に溶け込み、当たり前となっていたが、ある夜、東京で悲劇が起こる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

クソやばい地球人の青春に遭遇した宇宙人には同情を禁じ得ません

3年前“8.31の悲劇”以来、宇宙からの“侵略者”の巨大<母艦>に覆われる東京。
その下でハイテンション女子高生ライフを送る主人公少女らの日常と、
<母艦>という非日常が混ざり合う中で、やがで開示されていく真相と共に、日常と世界の破滅が示唆される同名コミック(未読)の劇場アニメ化作品の前半部。


【物語 4.5点】
作風は青春の一頁が世界の一大事とシンクロするセカイ系の再生産。
2014~2022年連載作ということで東日本大震災後、コロナ禍の世相も取り込んだ人間&世界模様が描かれる。


大抵のセカイ系でイタいのは主に思春期主人公の周辺になりますが、
本作の場合は災害、事故での犠牲者ニュースをも、スマホゲーのイベントと並行してコンテンツとして高速消費して、飽きたらもうオワコンだと使い捨てていく情報過多社会の病理。
マスコミを不信する余り、ネット上の陰謀論界隈に沼る母親。
個体ごとの正義を絶対化し、SNS上でマウントを取り合うまででも十分イタいのに、武器を持って傷つけ合うまでエスカレートする人類の異様。
など、東京及び日本、地球全体がイタくて終わってる感が、痛いトコロをマシンガンのように撃ち抜く台詞回しによって醸し出されています。

大体、宇宙からの“侵略者”として<母艦>に防衛利権の匂いをプンプンさせながら、大仰なレーザー兵器で攻撃を仕掛けているわけですが、
彼らの目的が侵略かどうかなどは真剣に議論されることはなく。
そもそも実は{netabare} “侵略者”が直接手を下した犠牲者はゼロなのでは?とすら思います。
8.31の被害は<母艦>を<A爆弾>により攻撃した米軍によるものですし、
作中での犠牲者も小型&中型船への“防衛行動”の巻き添えを食ったものなのではないでしょうか。{/netabare}
リスクをあると決め付けた人間社会のおぞましさ、滑稽さの炙り出しも上々です。


人間視点のSFとして挑むと、全体に日常がとっ散らかった感、
後半、主人公少女2人の青春が事の発端と結びついた回想という、世界がひっくり返るシナリオ転換などに振り回される危険性もあります。

が、私の場合は冒頭から、これは地球人を観察する宇宙人の視座で俯瞰した方が折り合えると割り切って観たので何とか付いて行けました。

特に産業革命以後、200年程度という宇宙から見れば瞬きする間に、
文明を急発達させ、爆発的に増殖し、地球を壊す勢いで戦争や大量虐殺(ジェノサイド)を繰り返して来た人類。
この原爆を持ってしまった猿の如きキモい地球人。
果たして心の成熟は伴っているのだろうか?
ちょっと“イソベやん”の“内緒道具”を渡して裁定してみよう。

前章終わった段階で世界は一層波乱含みですが、
後章に向けて、命綱となるテーマは提示されていると思うので、
手応えを感じながら後半戦に挑みたいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・ Production +h(プラスエイチ)

個人的に、初代『ガンダム』、今敏監督の方の『パーフェクトブルー』など、
人間の顔ってちゃんと観察すると美形一辺倒ではなく、
時に昆虫の如く気持ち悪くもある。
そこを再現できている人物デザインに対しては点数を盛る傾向にありますが、本作も同様。
私は特に、おむすび顔に円な瞳のメガネ娘・出元亜衣のデザインが好きです。

<母艦>周辺に揺らめくレタリング?が、
ゴシック体で打ち出される作中テロップの生成、解体過程でも垣間見えるのも意味深。

観察者視点に一歩引かせる地球人デザインと、テロップのレタリングが、
私を冒頭から宇宙人視点に誘導した主因。


細部の背景美術にも社会風刺などを含んだ表現が散りばめられ情報量は多め。
私の脳裏に焼き付いているのは、8.31以降は数える程しか出ていない“侵略者”への防衛行動での民間犠牲者。
それをトップニュースで大騒ぎする傍らで映し出される交番の看板。
<母艦>関連を遥かに凌ぐ数の交通事故死傷者数。
この辺りも騒ぐと決めたニュースばかり取り上げるメディアと、
反発して陰謀論に囚われるネット民という両極端を想起させられジワジワ来ます。


総じて巨大<母艦>の大技だけではない、地球人のイタい所を表現する小技も効いた刺激的な作画です。


【キャラ 4.5点】
主人公の眼鏡っ子・小山門出(かどで)
ロングツインテールの中川凰蘭(おうらん)こと“おんたん”
メイン2人に、恋愛リア充を目指す栗原キホ、出元亜衣、
無口な長身黒髪ロング・平間凛。
JK5人グループが頭のネジが外れた掛け合いを繰り広げて、
<母艦>の非日常に対峙する日常世界を構築。

例えば門出は担任教師の渡良瀬を慕っていますが、
この教師と生徒2人の会話も、ちゃんとした型に収まり切らない人間と青春を示唆していて不謹慎で面白い。

あとは、おんたんのイケメンメタボな兄で“ネット監視員”(ニート)のひろしが挑む、
SNS空間に広がる“情弱”どもの“総意”とか。

全体に、情報社会に監視されることを前提として、
火を点けられないように社会が強いた役割を仕方なく演じてやってる倦怠感が滲み出ており、
これもまた地球人のオワッてる感を濃厚にします。


【声優 4.0点】
主演・小山門出役にはYOASOBIのボーカルとしても活躍する幾田 りらさん。
相方の中川凰蘭役には、あのさん。
メイン2人にアーティストをオーディション選出して周りをアニメ声優で固める布陣。

“ナチュラル”なボイス素材を求めてのアーティストの主演起用。
確かにおふた方とも、地声が高音スウィートなアニメ声で天然素材としては上質。
ですが、私はやはり自然体を求めるにしても、演技力を磨き上げた声優にナチュラルな演技をさせるのがベストと考えるので、この点数が上限。

ただアーティスト2人でと決めた以上は、
下手に声優の枠にはめずに、2人の表現者としての感性に任せるという判断は、素材を活かす上ではベターな選択。
掛け合いシーンでは同じ歌手ならではの波長が合い、
仲良く喧嘩する良いリズムが生まれていたそうで。
声優陣も交えたJK5人組のバカ騒ぎの空気感もスムーズに出ており心地良かったです。

原作者いわく、アフレコ時は、主演おふた方とも作品世界に入るための準備はしてくれていたとあって、
宣伝目的で起用した俳優・タレントを“お客様”扱いする劇場アニメ作品よりは良好な仕上がりだったと感じました。


EDクレジットの最後には、
門出が愛読する作中漫画でシナリオにも深く関わる黒い『ドラえもん』?wこと「イソベやん」にて、
イソベやんに“内緒道具”をせびる自堕落女子・デベ子を演じたTARAKOさんへの追悼コメントが表記。
『ちびまる子ちゃん』のさくらももこ役など、だらけた演技も天下一品の楽しいお方でした。
ご冥福をお祈り致します。


【音楽 4.5点】
情報過多な東京の日常社会に溢れる生活音、
そこを切り裂く<母艦>絡みの非日常の異音、放たれるレーザー兵器の発射音など、
立体的に表現された音響は、本作劇場鑑賞の一番の意義と言っても過言じゃありません。

主題歌は主演アーティストのお二人が担当。

前章はano feat. 幾田りら「絶絶絶絶対聖域」
作編曲を凛として時雨のTKが担当。

曲調はテンション高めの無邪気な作風ですが、
歌詞世界は“地球オワタ”“地球が壊れたよ”などとシッカリ病んでいるので油断は禁物ですw

投稿 : 2025/02/15
♥ : 22

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

衝撃作です。青春と正義と災害を描いた壮大な日常系本格SF。追記 2回目見ました。

 インデペンデンスデイ、ニーアアンダー7、ヒドゥン、デスノート、マイケルサンデル、ゴジラ、時をかける少女、311、機動戦艦ナデシコ、タコピーの原罪、ドラえもん…の要素が入った日常系です。
 他にもあるでしょうが、要するに要素が多いです。それぞれの視点で分解する難易度は高くないです。

 いや、すごかったですね。上映時間120分らしいですが、体感時間は80分くらいかな。情報量は180分くらいのが圧縮されている感じです。ジェットコースターの様でいてのんびり女子だけ(ではないですが)青春ものでもあります。

 浅野いにお氏の作品は「うみべの女の子」が好きで何度も読んでいますが、それ以外はどうも性が合わず本作も1話を試し読みかにかをして切っていたと思います。ただ、本作を見てやはりマインドは一緒かな…と。読んでみたくなりました。結末は違うと公言されているみたいですし。

 大人になる意味、現実社会に生きる思春期の精神の中身といえばいいのでしょうか。進路、恋愛、性、親、天才と凡人、いじめ、正義、友人…そういうものが襲い掛かってくる小学校から高校時代の生きづらさをSF的表現で見せたような感じです。

 災害のオマージュとして、日常と非日常のシームレス感あるいは断絶感が同時に存在するような作品ではありますが、一方でこの思春期に襲ってくる精神的なクライシスのオマージュとも見えます。

 テーマは結末を見ないと何とも言えませんが、ストーリーとしての結末は分かりませんけど、思春期の落としどころになるのかなあ、という気はします。

 特筆すべきは映像がすごい…というと語弊がありますかね。2次元アニメ的なアニメ表現ですが明らかに3DCGですよね。見やすいのなんの。エフェクトだよりでなく、戦闘シーン頼りでもないです。それでいて構図はいいんです。

 脚本も詰め込んだなかに映像表現で上手く補完しているので、結構頭を使わなくても話の筋は素直に読めます。伏線とか考察とかそういうのを無理にする必要がない分かりやすさです。考察系とエンタメ系の要素のいいところが上手く組み合わさっています。演出も面白さと迫力と緊迫感と上手く表現できていたと思います。

 むしろ頭を使うのは別のところですね。頭がクラクラします。SFと書きましたけど表題がデーモンなので…まあ、それは後半ですね。

 稀にみる名作になる可能性を秘めています。後半次第ですけど。私は絶対に行きます。
 で、映画で一儲けした後でいいので、120分×2で240分です。つまり20分×12で1クール行けますよね?広く世間に公開してはどうでしょう?

 私平日に見ましたが、サービスデイなのに2人しかいませんでした。この作品が埋もれるのはもったいないです。



追記 無理無理時間作って前章も見てきました。

 後章がもう始まっていますが、なんとか上映館を見つけ無理無理見てきました。やはり面白いのは前章、感動・深さは後章という印象です。

 前→後→後→前という順番で見ました。

 で、2回目を見て気が付きました。この作品は「これからどうなるの?」がとても素晴らしい構成にまとめられています。ですので、面白さで言えば1回目が圧倒的に面白かったです。

 ただ、後章をみてから前章を見ると、ああ、そういうことか…とか、微妙な伏線に気が付いたり、意味が重層的になったり見方が変わったりという深堀りができるようになります。

 まこととふたばがなんで田舎から出てきたの?とか東京という意味が分かってくると味方が変わります。
 あるいは、前章の小学生の門出の正義と、後章のシップと小比類巻の正義の対比の構造とか面白いですね。
 イソベやんはもちろん「トモダチ」ですが「未来」「正義」「便利道具」などなどいろんな意味を後→前で見ると感じました。

 で、あとはアメリカで12巻まで含めたであろう、配信版が始まったらしいですね。コミックスで確認しているので、マストではないですが、見たいものです。

 あと、EDのANOさんという声優の人の曲の入りは本当に良かったです。(いやもちろんANOさんという人の名前と顔くらいは知ってますけどね。歌手だったんですね)

投稿 : 2025/02/15
♥ : 12

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

意外と新しい感覚? かな!

先ほど観終わりました。
原作は未読です。
先ずは、前半部分まで。

面白かったです。ワクワク。
少しも飽きませんでした。
必ず、後半も観ます。

あ、EDの後も観てくださいね。





あんまり面白いので、原作コミックに手を出しています。
なるほど、この絵を動かしたのか。
あ、アングルが少し違ってる。
間の取り方の計算が絶妙。
そんな発見がいくつもありました。

でも後半部分の購入は手控えます。
私的には、やはり映像から入りたい気持ちです。
ぜひ、前章(本作)をご覧になってみてください。
そして後章をご一緒に楽しみませんか?

投稿 : 2025/02/15
♥ : 12
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