カウンセリングで心理学なTVアニメ動画ランキング 2

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早速見ていきましょう!

71.9 1 カウンセリングで心理学なアニメランキング1位
ワンダーエッグ・プライオリティ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (317)
1024人が棚に入れました
「高校教師」「家なき子」「高嶺の花」ほか話題のドラマを多く世に送り出した、脚本家・野島伸司さんが初めてアニメ作品の原案・脚本を手掛けるオリジナルアニメーション。監督は「22/7 あの日の彼女たち」キャラクターPV、「僕はロボットごしの君に恋をする」アニメーションPVの監督他、数多くのアニメ作品に携わる気鋭の演出家・若林信さん、アニメーション制作は「空の青さを知る人よ」「約束のネバーランド」などのCloverWorksが手がける。2021年1月より日本テレビほかにて放送予定だ。

声優・キャラクター
相川奏多、楠木ともり、斉藤朱夏、矢野妃菜喜

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

残念ながら「まどか」や「ウテナ」にはなれないかな…。作画は最高だけに勿体ない。

 最初の5分ぐらいでこのアニメは半端ない…ってわかるクオリティー。やはりキャラクターデザインと総作監が一緒な作品はレベル高い。内容は野島脚本らしい痛みがある話を、イクニさん的な象徴的な物語として描く感じかな。最近あんまりないタイプの作品なので期待大。


2話になっても作画は緩まず!。というか、戦闘シーンの作画も凄いし、背景との調和も見事。そして物語の流れを上手に作る演出があるからこそそれらが活きている。クライマックスで表情をあえて隠すとかわかってるぅ〜。opedのセンスも良い。


 ほんまに作画すげぇ…。単に端正なだけじゃなくイマジネーション爆発の勢いとオリジナリティーあるセンスが半端じゃない。本作で連想するのは個人的にはやはりウテナである。


 象徴的なテーマ性、人間のダークさが活きているストーリーの味わい深さ。それでいてエンタメな要素もしっかりしていてゲーム的な独特のバトル、美しくて立っている一筋縄じゃないかないキャラといった甘味もしっかりしてバランスを取っている。なにより不穏なエロスの予感が匂っているのが近年なくて良い。


 3話まで来ての予感だが、真ん中あたりで「まどか」における魔女システム判明みたいになってうぁ…ってなるか、小糸ちゃんの真意がわかって絶望のズンドコ展開になりそう。最近は低反発枕な作品が多すぎて食傷気味だったが、やはりハードもないとね。


 10話まで見て、残念ながら序盤に予感された広がりには至らない感じかな。SFとして割と小さくまとめちゃいそうだし、「まどか」の脚本の緊密さや、「ウテナ」のヤバさや象徴性の深淵さには至らないかな。


 今回の話を5、6話、遅くても8話くらいにやらないともう時間がない感じかな。総集編も一回挟んじゃったし。まぁ、今回は第一弾としてこの方向性でオリジナル作品をもっと突き詰めてくれるなら大歓迎である。


 

投稿 : 2024/11/23
♥ : 25
ネタバレ

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

普遍的な名作になり得たかもしれないのに・・・。

タイトルのとおり、普遍的な名作となり得るスペックと可能性を秘めた作品と感じた。
が、最終的にアリはアリだが、もう少し深掘りできた可能性を活かせなかった印象。
ただ、それでも全体的な雰囲気と作品のスペック自体は相当高い。

私は、相変わらず某アベマなTVでまとめて放送されたものを視聴しての感想なのだけれども、
この作品、とある方のyoutubeを拝見すると、最終話の放送回を遅らせて、特別編として放送する旨を告知の上、実際に特別編が放送されたとのことだ。
で、そのお方も仰ってられたように「なんで延長した最終回の半分を振り返り回にしたんだよ」との印象は私も持った。
とてももったいない時間の使い方と感じた。
その30分があれば、もっと物語を深掘りできただろうに・・・と言う意味でだ。

以下、今から、オッサンがネタバレの要素と自身の妄想も含めたきもい表現をします。
{netabare}
この物語、ある意味非常にデリケートでセンシティブな話題「自○」と言うものをキーとしているポイントがある。しかも、対象となっているのはいわゆる「少女」たち、そしてその自○の原因として描かれる理由もまた、様々(物語的には、本当の「理由」があるとされるが)。
この自○の理由となるエピソードも、この現代では望ましい事ではないが、確実に存在し、これもまたセンシティブでデリケートで胸糞悪いものだ。

さらにメインの主人公たちもまた、いわゆるところの「少女」たち。
この少女たちが、自身の現状に悩みながら、さらには戦う理由にも迷いながら、それでも自分の生き返らせたい人の為に、どこかの魔法少女のように戦いに巻き込まれていき、さらには、昨今流行りのAIネタまで登場してくる。

これらを物語の流れの中で「ワンダーエッグ」をキーツールとして繋げていく。
この多彩な要素を含む物語を終盤までは、いや、一応最終盤までも何とかまとめていたのは大したものだと思う。
途中までは「これどうまとめるんだ?話数足りるのか?映画でもつくんのか?」と本気で思っていたくらいだし、私的に。

そもそも、これらのセンセーショナルなワードを多く含み、その主人公たちが「少女」となれば、丁寧につくれば大抵の場合興味をそそる物語にはできると思う。
男女平等、ジェンダーフリーが叫ばれる中で、こういう表現はいかがなものかとは思うけれど、
いわゆる「思春期の女性」の持つ、幼さ、大人と子供の間の不安定さ、ミステリアスさ、はかなさ、力強さ、微妙な色気、美しさ、可愛さ、etc・・・。
この時代の女性を表現する言葉は数えきれないほどあるだろう、
オジサンの今もってしても、当時の自身からみても「そういう季節の女性」が大変魅力的にうつるのは否定しようもない。
これは、洋の東西、古今を問わずこの年代の女性が主人公となった文学、映画作品などに名作がある事からも明らかだろう。
そういうテーマとして扱いたくなる素材であるという事だ、
そういう、魅力的な素材を使っているのだから、そこにこれだけのエッセンスをぶち込めば、良くも悪くも興味深い作品にはなるものだ。

と、素人的には思う。


{/netabare}

この作品、
物語は本当に心が苦しくなるシーンもあったが、ユニークで面白かった。

この辺りは野島伸司が脚本となれば、納得のいくところ。
この彼が、いつからかドラマにも「コンプライアンス」が侵食して、僕のような物書きは翼をもがれた感覚で、より自由度の高い場所を模索していました。今回、アニメの世界を描く場をいただき、本当に久しぶりに楽しかったです。
と語っていることから、こういう意味でもドラマよりも少し羽を伸ばして脚本を書いたことがうかがえる。

これどうなるんだろうという興味がそそられたし、実際、進んでいく物語の中で主人公の少女たちの成長(使い古された安易ないい方だなぁw)が見て取れる。
実際は、成長と言うより「(気持ち、目的を含めた上での)変化」と言う方が印象に合っている気はするけれど。
途中から、物語の裏(真相)のエピソードが語られると、なお一層この先に興味がそそられた。

そして、作画は本当に綺麗に丁寧に描かれており、美しかった。
クオリティとしては映画並み、と言ってもいいのではないだろうか。
私的には、キレイな作画が視聴の原動力となるケースが結構あるので、そういう意味では素晴らしい求心力を持っていたと思います。

声優優さんたちも、キャラに合っていて素晴らしかったと思う。

また、音楽もノスタルジックな雰囲気をもちつつ、作品の世界観とはほんの少し、意図的にずらした感じ(う~ん、EVAで翼をくださいが流れた感じ?)がギャップが活かせていたと思う。

キャラもそれぞれが、それぞれの思いと影と明るさと・・・闇、色々な表情、個性を持っていて魅力的でした。
それぞれがそれぞれの意見と行動をし、それでも友達になれてよかったと言っている姿がほほえましかったです。

だからこそ、最終話でもうひと頑張りをしてほしかった。
どうすればよかったのかはわからないんですが、やはり振り返りTIMEで時間を費やしたのはもったいなかった。
ここで、少し手を抜いた感が・・・いや、頑張りきれなかった感が生まれてしまったのはもったいなかったと、本当に思います。


この作品、ジャンルは違うかもしれませんが、
「マギカ」のように名作の一つとして記憶に残る作品になり得た作品ではないか、と私的には思っています。
作品のクオリティとしては十分そのレベルには達していると思うのです。
現在の終わり方でも、それは揺るがないとは思うのですが、もうひと頑張り、もうひと頑張りしていただければ・・・と言う思いが残ったままなのは残念です。

少々、心に苦しい要素も含む作品なのですが、
観る価値はある作品だと思います、機会がありましたら、ぜひご覧ください。

好きか嫌いか?はい、好きな方の作品でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 20

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

脚本: 野島伸司は当然仕事してるけど、これはプロデューサーが頑張ってるのかもしれません?(6/29に「特別編」が放送されました)

脚本: 野島伸司と言われれば当然気になるわけで、視聴のきっかけは間違いなくこれです。で、第2話まで観ました。

ストーリーに関してはティーンエイジに向けられたいじめとか部活指導時のパワハラとかをテーマにした話で、とにもかくにも主人公の大戸アイが並行世界的な謎の空間に入り、ガチャで購入した「エッグ」から出てきた子が怪物に襲われないように助けるために戦うというフォーマットで進むみたいです。

が、全部観終わったら別かもしれませんが今レビューとして書きたいのはそこじゃないです。

ということで、以下の話です。

私はアニメの製作体制について人並みにしか知りませんが、多分テレビでシリーズ放映される深夜アニメ作品の場合は作品自体のコンセプトを決めてるのは「総監督」って肩書きの人がいればその人、そうじゃなければ特定の個人ではなくぼんやりと製作委員会みたいな感じだと思っています。

肩書きが「プロデューサー」っていう人はスポンサー集めや放送局への売り込み、マルチメディア展開時の窓口とかの事務屋さんのイメージで、クリエイター寄りの仕事をしないわけではないでしょうが、そっちがメインという感じはあまりしません。まあとにかく企画の大枠は先にあって、その企画のための調整役としてプロデューサーが付くものなんじゃないでしょうか。

一方、テレビドラマではそんなことはなくて、企画内容について一番力があるのは局プロデューサーでしょう。もちろんスポンサーの意向を無碍にはねつけたりはできないでしょうが、「どんなドラマにしたいか」を大雑把に決めるのは局プロデューサーの仕事と思われます。

で、本作を観ていて「脚本: 野島伸司」の起用も含めて何かグループ合議だけではなくドラマとかにありがちな強めのプロデュース力を感じました。

普通テレビアニメでそんなことは気にして観ていませんが、公式サイトの「STAFF&CAST」を見てみると企画プロデュースの欄に「植野浩之」という名前がありました。別に名前を知っているわけではないのでググってみたらこの方は映画プロデューサーなのですね。

今回は日本テレビ側の局プロデューサーとして参加されているようで名前の横にあるフキダシをつつくと企画に当たっての言葉みたいなのが読めるんですが、それを読んで私が感じていた「プロデュース力」みたいなものに納得がいった次第です。

ということで、『GREAT PRETENDER』なんかもそうでしたが今後は映画やテレビドラマを作っていた人材がもっとアニメに流れてくるかもしれないなと思いました。

作品としての評価、特にストーリーは典型的な「終わってみないとわからない」タイプの話だと思いますが、気にはなるので視聴はたぶん最終回まですると思います。その時に何かあったら追記しますが、たぶん途中の各話でのレビュー更新はしないと思います。
==

2021.3.10追記:
第9話まで視聴終了。上記の通りレビュー更新の予定は特にはなかったんですが、作中で「夢が記録できる」という話が出てきたので、日テレつながりですがだいぶん前に放送された『悪夢ちゃん』というドラマを連想しましたという記録です。

※『悪夢ちゃん』には「獏」という装置が出てきて、「夢札」という記録媒体に明晰夢を記録して後から夢の映像を見ることができるという設定がありました。

……でも、『悪夢ちゃん』の知名度は低そう(笑)。北川景子とか小日向文世とか優香とか、キャストはそこそこ豪華だった気はするんですが。

2021.3.31追記:
第12話まで視聴終了。「打ち切り」最終回みたいな形で終わりましたが、公式から6/29に「特別編」が放送されることがアナウンスされたので、事実上最終回を落としてしまい「特別編」が最終回ということになるんじゃないかと思われます。

ただあにこれの登録的にはそちらは別作品ということになりそうなので、本作の視聴状況としてはとりあえず「観終わった」となります。

ここまで面白かったんですが、「最終回」を観ないことには最終的なストーリーの評価はできないと考えるので、とりあえず評点は「3」にしておき、2021年冬作品1クール終了時の評価もここまでの視聴状況で付けようと思います。

2021.7.2追記:
特別編まで観終わりました。前半振り返り総集編+後半新作映像という2話分の時間を使った構成です。

アイは主人公だけどメインの4人の立場が比較的フラットなのかなとも思いがちでしたが、特別編前半の振り返りで「アイは特別」であること、そして特別編後半そんなアイにとって「ねいるは特別」であることが改めて示された感じでした。

でも本編だけでも「アイは特別」なのは描かれていたので、本編最終回は打ち切り最終回ではないし、特別編は本編の補強であっても新たな主張や問題の提示ではないんだなと思いました。
(たぶん本当の意味で「戦う力」を持ってたのは、アイと寿ちゃんだけ?)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 45

66.0 2 カウンセリングで心理学なアニメランキング2位
空中ブランコ(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (270)
1412人が棚に入れました
不眠症を患うサーカスの空中ブランコ乗り・山下公平は、着ぐるみを着た謎の精神科医、伊良部(いらぶ)一郎の診察を受けた。
それからというもの往診と称し公平につきまとう伊良部だが、公平のもとを訪れるヘッピリ腰の区役所職員やスキーゴーグル着用のヤクザといった、ちょっと変な人々をおもしろがってばかりいた…。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、朴璐美、杉本有美、森川智之、三木眞一郎、浪川大輔、平田広明、入野自由、高橋広樹、岩田光央、羽多野渉、置鮎龍太郎、古谷徹

ostrich さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

中村健治は今敏の後継者だと(勝手に)思う

リアルタイム放映時は、
「電気グルーヴがテーマソングを担当しているから」
という動機で1話だけちら見しました。

当時はアニメから若干、遠ざかっていたので、
「(旧)エヴァンゲリオンの発展系? いや、立喰師列伝か」
などと知ったかぶりをしつつ、私自身がサブカル寄りにも関わらず、
本作のサブカルなルックになぜか嫌悪感を抱いてしまい、
また、精神医療を扱っているのも、なんか鼻につき、
ちょっと、物珍し「気(げ)」なアニメなんでしょ、と断じて
以後、追いかけず。

だったのですが、最近になって「モノノ怪」を鑑賞。
「おー、すげー!」と感心して、監督「中村健治」を検索したところ、
「あ、あれ(空中ブランコ)の監督なんだ」と。

で、今さらながらシリーズを鑑賞。
すみません。完全に数年前の私が間違っていました。

確かに人を選ぶ(毒々しいとすらいえる)ルックではあるけど、
一度、世界に入るとなぜか不思議と温かいトラジコメディ(悲喜劇)。

おそらく原作の力も大きいと思うのだけど、
きわどい題材をうまく笑いで包む演出は傑出しています。
シリーズ構成もとても凝っていて、基本的には1話完結なのですが、
最終的には、全体を通した何かが感じられる作り。

その「何か」を、あえて言葉にするなら、
あくまで精神を病んだ人の側に立った上で、
「世の中、いろんな人がいて、面白いじゃん」
と笑ってくれる姿勢でしょうか。
この姿勢は下手な励ましより、人を救うと思います。

で、見終わった後にですね。
故今敏監督の「東京ゴッドファーザーズ」を思い出したんです。
これもホームレスという「気の毒な人たち」が主人公のトラジコメディ。

中村監督と今監督は「気の毒な人たち」に向けるまなざしが、
非常に似ているように思います。

ものすごく感情移入はしていないんだけど、
むしろ、距離を置いて徹底的に観察することで、
「いや、アンタ、気の毒だけど、とても面白い、最高!」
と一周した承認を与える感じなんですよ。
そして、そのまなざしが、作品に救いをもたらすというか。

さらに言えば、お二人は作風以前の「人となり」の部分で
似ているんじゃないか、とさえ思いました。

私は今敏監督作品が大好きなので、彼が亡くなって以来、
当然のことながら今敏的なものを見ることができなくなり、
寂しく思っていたのですが、本作を鑑賞して、
ひょっとすると、この人(中村監督)ならやってくれるんじゃないか、
とこっそり期待してしまいました。

もちろん、全く同じものは作れないだろうし、
そもそも作る必要もないけれど、
同じまなざしを持った人が作る作品は、とても観たい。
それは確実に誰かの心を決定的に揺さぶるはずです。

早く劇場用長編を作って欲しいなあ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 7

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

全てのカナリアの声を

全11話
オムニバス形式で心療内科の患者と
症状で構成されてるのだけど
面白い。

精神科や心療内科って、実際は白かったり落ち着いた雰囲気。
でも、この病院はとってもカラフル。
モノノ怪の監督とキャラデザの方がやってるからか
演出も構成も色使いも凝ってるんだよね。

人の心ってカラフルだから病院もカラフルなのかなって思ったり
モノトーンが病状醸し出してる感じだったり
病状も、一般的にかかりやすい病気を扱っていて
真面目に作ってる事が伺える。

伊良部先生が3パターンで登場して
パターン別に応答が違ってるのも見所だし
一話ずつ話数を重ねていくと
他の話の人がちらっとうつって
全部繋がっていたりして
上手いなぁって思った。

10話と11話が好きなんだけど

子供はみんなカナリアだよ
家族にとって
もっと見てよ
話してよって
思わず言いたくなっちゃった。
良い作品だと思うよ。
押し付けがましくもなく。

おしゃれにポップに作ってあるし
敬遠されがちかもしれないけど
それで判断してみないのは勿体ないなって思う。

行動療法・認知療法・暴露療法など
手軽にできる治療法をやってるのにも好感もてるし

普通の人が一番の下りは云々と思わず頷いてしまった。
大事な人のカナリアの声は
聞き逃さずにしたいものです。

OP・ED共に電気グルーヴで拘りがかんじられました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 49

もちすい さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人気ないみたい

1話完結のオムニバス形式で、精神科医である伊良部のもとを訪ねてくる様々な患者を描いたヒューマンドラマです。

多少デフォルメしつつ、コミカルに描かれてはいますが、各患者が抱える悩みは、現代人なら思わず共感してしまうものばかりではないでしょうか。

そんな患者に対して伊良部というキャラを狂言回しに据えて、応対を通して患者の心を掘り下げて描いていくわけですが、この模様を断定的になりすぎず、観ている側に色々考える余地が残るように淡白に描いているのがいいです。

各話の結末は、ほぼ投げっぱなしな終わり方だったり、やや釈然としないまま終わったり、ほとんどは明確な解決というものが描かれることなく、前向きな方向性を示唆する程度の終わり方なのですが、実際に心の病気というものは、そう都合よく解決するものでもないので、この物語においては、これはありだと思います。

他の楽しみ方としては、実は各エピソードは同時系列上になっていて、お楽しみ程度にそれぞれの登場人物同士が絡んでいたりするので、そういう面白さもあります。

しかし、かなり癖のある作品なので、おそらく第一印象は、色彩やデザイン、実写レタッチなど、エキセントリックな映像表現や演出ばかりが目に付きますが、ただのセンスアピールな雰囲気アニメだと判断して敬遠するのはもったいないと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 9
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