てけ さんの感想・評価
4.4
未来は未だ来ず
原作未読。
「空の境界」の後日談のような位置づけの外伝です。
さすがufotableによる劇場版といったところ。
絵はきれいですし音楽もかっこいいです。
そして、この映画では、式の{netabare}娘{/netabare}が見られます。
{netabare}ロリ{/netabare}に全力投球です。
やばいです。
目覚めます。
新キャラがあざといんだけど、とにかくかわいい(*ノノ)
さて、肝心の内容。
「未来視」を持った人々の話です。
死を予見し続けてきた少女。
理想とする未来を手に入れるために爆弾魔になった男。
人を導く役割を果たしてきた占い師の老婆。
未来視には2種類あります。
「予測」と「測定」。
その違いを通して、「運命」について論じています。
テーマに関しては、くどいくらい詳しく語ってくれます。
特に考察するようなことはありません。
ですが、整理をかねて簡単な解説を。
{netabare}
瀬尾静音(せおしずね)は、「予測タイプ」の未来視。
現在の状況から導き出される未来を見られました。
つまり、「このままだとどうなるという可能性」を予想できました。
あきらめかけていた彼女。
しかし、自分の行動次第で変えられると、幹也に教えられます。
一方、爆弾魔の倉密メルカは、「測定タイプ」の未来視。
自分の起こす行動の結果を完璧に把握できました。
つまり、「何をしたらどうなるという結果」がわかっていました。
未来がすでに来てしまっていたメルカは、その代わりに選択肢を失っていました。
「未来」は「未だ来ず」。
あやふやなものだからこそ価値があります。
式(織)は、すでに形になっていた未来を殺しました。
彼女(彼)はまた図らずして人助けをすることになります。
{/netabare}
なかなかおもしろい内容だと思います。
まあ、濃密で難解だった本編に比べれば、あっさり味です。
ですが、そのぶんわかりやすいです。
後日談なのに初心者向けという変な映画ですが、見て損なしの作品です。