sfでサイバーパンクなアニメ映画ランキング 9

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月23日の時点で一番のsfでサイバーパンクなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.6 1 sfでサイバーパンクなアニメランキング1位
GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊-ゴーストインザシェル(アニメ映画)

1995年11月18日
★★★★★ 4.2 (1103)
6533人が棚に入れました
他人の電脳をゴーストハックして人形のように操る国際手配中の凄腕ハッカー、通称「人形使い」が入国したとの情報を受け、公安9課は捜査を開始するが、人形使い本人の正体はつかむことが出来ない。そんな中、政府御用達である義体メーカー「メガテク・ボディ社」の製造ラインが突如稼動し、女性型の義体を一体作りだした。義体はひとりでに動き出して逃走するが、交通事故に遭い公安9課に運び込まれる。調べてみると、生身の脳が入っていないはずの義体の補助電脳にはゴーストのようなものが宿っていた。

声優・キャラクター
田中敦子、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大木民夫、玄田哲章、生木政壽、家弓家正
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

世界5分前仮説

押井守監督によるの攻殻機動隊シリーズ劇場版第1作。
劇場版は、テレビ版の「攻殻機動隊 Stand Alone Complex(http://www.anikore.jp/anime/475/)」のパラレルワールドという設定です。
世界観がよく似ているのでどちらから入っても大丈夫です。
しかし、テレビ版から見たほうがとっつきやすくていいと思います。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 → http://www.anikore.jp/anime/1798/

イノセンス -INNOCENCE → http://www.anikore.jp/anime/1864/


人間の脳が電脳化され、ネットワークで接続されるようになった時代。
人形使いと呼ばれるスゴ腕のハッカーが、次々と電脳をハッキング。
それを追う公安9課(攻殻機動隊)の物語。


ガッチガチのシリアスなストーリーです。
テレビのシリーズとは異なり、タチコマという癒やし要素が存在していません。
もともとの硬派なアニメがさらに硬くなりました。


目立つ特徴は独特な間。
多くの時間がBGMと動画だけで占められています。
映像と音楽で表現される「行間」です。

しかし、いったんしゃべり出すと嵐のようなテーマ展開。

キーワードは、

・全と個の境界
・生命の定義
・現実と夢の境界

といったところです。
見るだけでくらくらしますね。
でも、そんな哲学を上手に表現するのが、このアニメの持ち味です。


みなさんは、「世界5分前仮説」ってご存じですか?
文字通り、この世界は5分前に生まれたという話です。

「世界は5分前に、5分前の状態で作られた」

別に30秒でも1時間でもいいです。
要するに、「記憶」は本当にあったできごとなのか、それとも植え付けられたものなのか。
それは証明できないという理論です。

このアニメでも似たようなことを表現しています。

自分という個が昔から確かに存在し、今も存在している。
それを証明する手立てはあるのか?
また、これからも個を存続させることはできるのか?

それに対していろんなアプローチをしているのが本作。
テーマは「アイデンティティ」。
カギとなるのが先ほどのキーワードです。


何やら難しいことを書きましたが、簡単に言えば、
{netabare}
素子(もとこ)「機械化しすぎてワケがわからなくなったけど、自分って本当に人間として生まれてここにいるの?」
人形使い「記憶があるんだから自分は人間と変わりがない。でも、自分をコピーで増殖しても進化がない」

機械に近い人間と、人間に近い機械。
さーて、そんな2者が合体したら答えは出るのかしら?
{/netabare}
ということです。

なかなか面白いテーマだと思います。
2度、3度と見ると、テーマにつながる新しい発見があります。
余韻が残り、いろいろ考えをめぐらせてみたくなる、そんな作品でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 59

ヒロウミ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

一般周知されることが無かった悲劇の名作

1995年公開作品?マジでっ!?原作マンガ1989年?マジっすか!?な物語。


この作品に触れるきっかけとなったのはパチスロ攻殻機動隊S.A.C 2nd GIGを打つ機会があり「タチコマ」のファニーな言動が面白くぐっと興味を引かれた。タイトルだけは聞いたことがあったがそれ以上もなく無関心そのものでした。


SF世界でゆったり流れる空気なのに至るところに撒き散らされた霧が充満しもやがかかったストーリー展開。退屈もハラハラも大きくあるわけではないがそれでも画面に食いついてしまうこの物語はマトリックスとセブンが合わさった空気感。そんな雰囲気が好きな方は事前情報無しでも楽しめる物語。この作品独自の専門用語が多いが何となく掴めると思います。


緻密に描写された世界、その世界を深く落とし込む劇中音楽、キャラクターに命を吹き込む声優さんたちの演技。Production I.G制作の近未来作品のロボットやアイテムやっぱ良い!良いぃぃぃ!
あにこれだと150位なんですね。ガタガタ物語&ロボダサなコー◯ギアスやS◯Oよりこれ間違いなく面白いと思うんだけどなぁ。


このシリーズ完走前からべた褒めしちゃってますが完走後再評価しようと思います。このシリーズの公開順序をご存知の方はご一報ください。
劇場アニメから出てしまっが故にエヴァほどの知名度を得ることができなかったのかもしれないが劇場アニメだからこそあるこのクオリティ。Production I.Gであれば大きな差異無く制作しただろうけど1年早く公開されていたらどうなっていたのか見物でもある。

タチコマいつ出てくるんやぁ?

投稿 : 2024/11/23
♥ : 31

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

とにかく、「原作漫画」を読んで欲しい。

スタンドアローンコンプレックスも本作も凄いが、この漫画が1989年に既に発表された奇跡を実感してもらいたい。

おそらく女性主人公では初の軍人の将校だし、インターネットに言及してるし、ポリティカルな部分でも読みごたえがあるしで「今」読まれるべき漫画の一つだ。

絵は正直クセがあり読みづらく、注釈を読まないと理解できない漫画(そんなの他にはファイブスターストーリーくらいか。。)だが、それ以上の価値があります。

※内容に関してですが、ネットのアクセスや人体改造による身体感覚の拡張によって、人々の意識やアイデンティティがほぼ無意味になり、ありとあらゆる「宗教」や「倫理」が解体され、唯一頼れるものは作中で語られる「ゴースト」
つまりは己自身の「自我」だけが頼りであるという話が全体を通した本作の確信になっています。

「そう囁くのよ。。私のゴーストが。。」というのは、人や社会が分断され孤立した際に、一体何が最後に残るのかという問いかけになっているところも見所です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 32

81.0 2 sfでサイバーパンクなアニメランキング2位
AKIRA アキラ(アニメ映画)

1988年7月16日
★★★★☆ 4.0 (1087)
5180人が棚に入れました
1988年7月、関東地区に新型爆弾が使用され、第三次世界大戦が勃発した。そして31年―東京湾上に構築されたメガロポリス=ネオ東京は、翌年にオリンピック開催を控え、かつての繁栄を取り戻しつつあった。2019年のある夜、ネオ東京郊外の閉鎖された高速道路に侵入するバイクの一団があった。健康優良不良少年、金田をリ一ダーとする職業訓練高校の生徒達だ。一団は無人のはずの路上で掌に26と記す奇妙な小男と遭遇、先頭を行く島鉄雄は転倒、負傷する。この26号=タカシは、アーミーと対立するゲリラが求める軍事機密=アキラとまちがわれ、軍事基地にあるラボ(研究所)から連れ出され、アーミーに追われていたのだ。あっけにとられる金田達の眼前に突如軍用ヘリが下降、26号と同じようなしわだらけの子供27号=マサルの乗るカプセルと大佐が降りて来て、26号と倒れた鉄雄をへリに収容し、飛び去った。

声優・キャラクター
岩田光央、佐々木望、小山茉美、石田太郎、玄田哲章、鈴木瑞穂、中村龍彦、伊藤福恵、神藤一弘
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

放熱、スピン、衝動

生涯最高得点はこれで決まり。

圧倒的画力で表現されたセルアニメ。
緻密に描かれた摩天楼や廃墟、
モブキャラまで動く凝りに凝った映像、
序盤のバイクシーン、暴徒化した群衆、
そのままアニメ史に残る圧巻のシーンだ。

大友克洋監督が敬愛する、
アメリカンニューシネマと、
サイバーパンクのハイブリッドな映像。

人工物と瓦礫で溢れたネオ東京、
翌年にオリンピック開催を控えている。
{netabare}暴力とドラッグが少年少女を蝕む、
アニメが触れなかった悲しい現実である。{/netabare}
希望もない少年たちの抵抗、放熱、衝動、
生命とは創造的活動として飛躍するものだ。
これはそんな少年たちの物語でしょう。

都市型の宗教、崩壊のカタルシス、
{netabare}途方もない力に翻弄され臨界点が迫る。
巨大な廃墟の緊張は頂点に達し瓦解し、
アキラを巡る壮大な物語は幕を閉じる。{/netabare}

どこまでも色褪せないSFアニメの金字塔。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 67

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

漫画は漫画 アニメはアニメ 両方原作であってる。

日本アニメを世界に知らしめた伝説の作品。世にビックスクーターブームを巻き起こした元凶でもある。
当時大人気連載中だった大友克洋のサイバーパンクのアニメ版。
漫画版は手塚治虫があまりのセンス、うまさにキレて『俺にだってこれくらい描ける!!』といいはなち、賞の審査員をやめたほど。大友さんの類まれな才能と手塚氏の老いても持ち続ける飽くなき探究心を表した有名なエピソード。

当時の資料、絵コンテもちろんコピーを持っているがコンテ、タイムシート等全部原作者の大友氏本人が書いています。
大友克洋監督の肩書きは伊達ではありません。

漫画終了のはるか前にアニメ映画化されたので漫画と差違が非常にありますが話がまとまっていて終止アクションしている映画版のほうが個人的に好き。
なんといっても有名な冒頭のバイクシーン。
ものすごい滑らかなアニメーション。
流れるテールライトの演出は印象的。
『欲しけりゃお前もでかいのぶんどりな』
『やっとモーターのコイルが暖まってきたとこだぜ』
など名言のオンパレード。
漫画と違い最後まであの赤い愛車に乗っているのも好きです。
たいしたことないけど演出で活躍するキーアイテムなんです。
漫画は1巻あたりで壊されて、だいぶたってから2代目がでるんでしたっけ・・

非常にバイオレンス、グロテスクなのでダメな方は視聴をやめましょう。
映像的な意味でセルアニメーション最高傑作といえばこの作品しかないです。
少し前までは一般教養的な作品でしたが・・。
一応知っておかないとに外人さんに知らないの?っていわれちゃいますぜ。
それくらい世界規模の名作。ぶっちゃけ作品単体の人気はジブリの比ではないかもしれん。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 14

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

近代アニメの「金字塔」

1980年代。大友克洋と鳥山明は確実に日本の漫画の歴史を「変えた」。

それまでの漫画は、絵のクオリティにリアリティのある「劇画」とポップで誇張され記号化されたデフォルメ中心の「漫画」の両者しかなく、それは多くの場合分断されていた。

劇画は濃くモノトーン調の絵柄しかなく、漫画はライトで明るい記号化された世界感だった。

しかし、大友克洋と鳥山明の登場でそれは一変された。両者の特徴はデフォルメされたキャラクターや背景やメカニックに過度なディティールを詰め込みだしたのである。人間の肌には肌の質感。髪の毛は一本一本描写し、老人には顔皺がある。メカニックには非現実的なデザインであるにも関わらず、内部構造まで描かれて非常に「立体物」として捉えられている。

これは以前にも書いたアメコミやバンドデシネの影響が多く、両者共に世界的な名声を得て近代漫画の金字塔とされる所以である。

既に「AKIRA」でさえ制作から30年経過しているが、現在のアニメや漫画やゲームのほとんどはこの作品をなくしては語れないほど、全てが影響下にある。

実際、漫画だけでなくアニメとしても画期的なプレスコ(先に声優の実際の演技やBGMを決めてから製作にかけるものを指す)撮影をしているのだが、そもそもそんなことができるのは大友克洋が画力に絶大な自信があるからであって、普通の制作体制のアニメ会社だとまず無理な話である。

現に以前、大友克洋のもとで働いていたアニメーターの方にお会いしたことがあるが、その現場は壮絶なものであり細部にこだわるあまり、アニメーターからは毛嫌いされる人物だったそうな。因みに宮崎駿も同列に語られる。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 32

76.4 3 sfでサイバーパンクなアニメランキング3位
楽園追放 -Expelled from Paradise-(アニメ映画)

2014年11月15日
★★★★☆ 4.0 (890)
4662人が棚に入れました
われわれはどこから来たのか われわれは何者か

われわれはどこへ行くのか――。

地球はナノハザードにより廃墟と化した。

その後の西暦2400年、大半の人類は知能だけの電脳世界ディーヴァに生きていた。

電脳世界に住む捜査官アンジェラは、

闘力を誇るスーツ・アーハンを身につけ地上に初めて降り立った。

そして地上調査員ディンゴと共に地上のサバイバルな世界に旅立った。

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

色々な意味で魅力的なヒロイン

陳腐な表現だけど、すごいアニメを観ました。
これこそ、次世代アニメっていう奴?
専門的なことはわからないけど、CGが動くこと動くこと。
そして、メッセージ性が強烈で、シンプルなストーリー。
さらに、ヒロインアンジェラの露出度の高い臀部・・・
思う存分、楽しませてもらいました。

ヒロインの声が釘宮理恵さんということで、視聴を決定。
ツンモードのヒロインはまさに適役ですね。
その上、ややロリ容姿とナイスボディーに露出度の高いコスチューム。
私、ヒロインにメロメロになりました。
また、主人公ディンゴの声が良いですね。
三木さんの落ち着いた柔らかい声。
声に確固たる自信が満ち満ちています。
こちらはちょっとだけメロッとなりました。

内容と言えば、近未来にありそうなリアル物語。
人間の本当の幸福とは?を考えさせてくれます。
ヒロインが最終的に見せた、
使命感に満ちた表情、鬼気迫る真剣な表情、それにバカ話に笑い転げる表情が、
その答えでしょう。

釘宮さんの声がきっかけだったとは言え、収穫の多い作品でした。
こんなアニメ映画がもっと増えればいいですね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 43

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

極上の娯楽映画。

結論から言うと、今年放送されたどの作品よりも、これが一番面白かった。

ジャンルはSFだが、廃墟と化した地球・電脳世界・人工知能などといった、もはや手垢のついた設定ばかり。
ストーリー的にもこれといった深みも捻りもなく、ましてや大きな仕掛けやどんでん返しがあるはずもない。
でもそんなことはスタッフも重々承知の上で「それがどうした?面白ければそれでいいじゃないか!」
と言わんばかりの、萌えエロとメカアクションに溢れた上質な王道娯楽活劇に仕上がっている。

時間の制約上、アンジェラ・ディンゴ・フロンティアセッターの3人のみに焦点を絞ったのも好判断。
立場が異なる各々の主張が、テーマ語りだけでなくキャラ立てとしてもしっかり機能している。

終盤の戦闘シーンは圧巻の一言。
ここ最近のCGメカアクションでは、マジェプリ・シドニア・亡国のアキトが特に凄いと思ったが
本作はセルルック(3Dを2Dのように表現する手法)という意味で、方向性が若干異なる。
3Dならではの高速戦闘でありながら、2Dの手描き感も味わえるとは・・・!
本作はフルCGアニメだが「2Dこそが至高」と思ってる人に一度観て欲しいと思った。

アンジェラの顔芸一歩手前の鬼気迫る表情や、ワンカットだけあった完全デフォルメ顔なんかも印象的で、
これは専用の表情モーフィングツールを使っているとのこと。手描きと思ったけどホント技術凄いな・・・

一応不満点を挙げると、電脳世界側の描写が薄いところか。
劇中で電脳世界の在り方が肯定されたり否定されたりするが、いまいちピンと来ない。
あとディンゴが完璧超人すぎるかな(歌がアレなのは中の人の問題)。
アンジェラとの掛け合いは面白いけど、アンジェラが一方的に論破されてるだけに見えるのがね・・・w

※※※

作品に斬新さや深みがあるという「だけ」で褒め称えられ、
それらがない作品は特段価値のないものとして格下に位置付けられるという風潮は間違いなくあると思う。
個人的には創作作品である以上、まずエンタメ優先であって欲しいという思いがある。
斬新さや深みに拘り過ぎるあまり、娯楽性が疎かにされるような作品はあまり好きではない。
作者の妙な哲学のせいでストーリーがグダグダになり、キャラがブレまくるなんて本末転倒だろう。

虚淵玄という脚本家には色々思うところがあるが、
その本質はエンターテイナーだということを本作を観て勝手に確信した次第。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 60

シン風 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

素晴らしいアニメをありがとう。これが仁義ってやつでしょ^ - ^

久々にいいアニメを見ました。
あ〜映画館で見たかったなぁ〜〜
もっと良かっただろうなぁ〜〜
まぁともかく、とても良かったのは変わりないですね。
作画に関してはいいと思います。
本当、アルペジオみたいな感じでそれはそれでいい!
音楽も何かと心に来るし、ストーリーも楽しめること間違いなし!

あ〜これで終了か………
何か唖然としますね。
映画ならではの消失感じわっとくるネェ〜
最後まで個性豊かなキャラクターに素晴らし世界観……
SF要素も入り、魅力満載
見ていない人は見たらどうですかね^ - ^


最後に一言
音楽は古くても新しくても関係はない
絶えず何処かで心を震わせる
今はそんなに興味もない曲も
時間が経てばいつか馴染めるようになる
いや、好きになってしまう
きっとそんな風に彼女もまたなるだろう

投稿 : 2024/11/23
♥ : 10

75.9 4 sfでサイバーパンクなアニメランキング4位
イノセンス -INNOCENCE(アニメ映画)

2004年3月6日
★★★★★ 4.1 (769)
4245人が棚に入れました
草薙素子(少佐)がいなくなって3年後の2032年。
少女型の愛玩用アンドロイド(ガイノイド)「ロクス・ソルスType2052 “ハダリ(HADALY)”」が原因不明の暴走をおこし、所有者を惨殺するという事件が発生した。被害者の中に政治家や元公安関係者がいたことから公安9 課で捜査を担当することになり、公安9課のメンバーであるバトーは新しい相棒のトグサとともに捜査に向かう。

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

あなたのハダリにゴーストは宿っているか

 記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。
 なおこれらのレビューは個人的推論に則ったものである。言い切っているような台詞も、独自の解釈の一環であり、一方的な決め付け・断定をしているのではないものだと思ってもらいたい。

『少女型のアンドロイド・ハダリが原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が発生した』
 イノセンスのストーリーを非常に大まかにいうとこういう形になる。
 義体化。体の大部分を肉体ではなく、代替品でまかなえるようになったSFの世界の話である。

 ストーリー上、ゴーストという概念が非常に重要性を帯びてくるため、そこだけwikiから文章を拝借した。

ゴースト
 あらゆる生命・物理・複雑系現象に内在する霊的な属性、現象、構造の総称であり、包括的な概念である。作中においては主に人間が本来的に持つ自我や意識、霊性を指して用いている。
 要約すると人間の肉体から生体組織を限りなく取り除く、あるいは機械で代行していった際に自分が、自分自身であるために最低限必要な物、又はその境界に存在する物こそゴーストであり、生命体の根源的な魂とも表現できる。

 人形と人間の境界線をゴーストで隔てる、そういう考えが攻殻の世界にはあるようだ。
 では人間と人形の差は何なのか。また人が人形に求めているものは何かである。
 筆者はあるハーレムもののアニメを視聴していたとき感じたのだが、まるでキャラクターが生きているようには思えず、まるで人形に見えてしまったのである。なぜ、人形に思ってしまっていたのか。
 まず、女の子特有の、異常なまでの情報伝達の速さがある。人によっては光の速さで噂が伝わるとまで表現している。ハーレム状態で、主人公の男がそのうち特定の誰かと交際関係を始めたら、一挙手一投足、更には太腿や胸元などに視線を一つ向けたことまで、下手をすると一週間も経過しないうちに、見知らぬ女性にまで伝わってしまうことである。驚異的な噂話好きの女性達にとって、その程度は日常茶飯事なのだし、もっといえば生理現象といってもよい本能だと筆者は強烈に感じ、またそう思っている。
《「女」の字を三つ合わせるとやかましい意の「姦」の字になるところから》女はおしゃべりで、 三人集まるとやかましいという意味があるほどだ。
 それが起きるとどのような事態に変化するのか。何かあるたびに噂のネタにされ、ツツき回され、念入りに人間性を審査され、あること無いことまで吹聴され、話に尾ひれをつけられる。日常生活において支障を来たしてしまうのは無理からぬ状態になると容易に推測される。それがないのだ。
 また、ハーレムでも女性はちゃんと一人一人心を持っている。なので、相手にされず放置を続けると、不満が溜まる一方になっていく。そしてあるとき、見境も無く爆発したりすることがあるのだ。出物腫れ物ところ嫌わずという。だからといって、男が特定の女性一人に決めて行動すると、選ばれなかった他の女性の不満が爆発してしまうときがある。それがないと心を持っていないように感じるのだ。
 男性主人公からすると……
 誰にも女性の暴挙に対する愚痴一つ漏らせない。漏洩した瞬間から女性陣の一斉攻撃が始まるだろう。そして、いつ爆発するかもわからない不満を和らげるために、いつも周囲に気を使う仮面をかぶり、常に自制し続け、自らの意見が周囲にどう映っているかを考え、女性にとって都合の悪いことは何一つとして話すこともすることもできない。針のムシロ。恐るべき閉塞感の中で悶々とした生活を送ることになる……というのが筆者の考えだ。しかし、ハーレムものの中心にいる男性キャラクターにそういう経験したというのを見聞きしたことがない。もし誰か一人の女性だけに交際を定めた場合、女性同士の陰湿ないじめ、果ては自殺などに発展する可能性がある。ハーレムアニメの中でそのような事態になったというようなことも、筆者は見聞きしたことがない。

 ある女性アイドルの男性ファンが『○○ちゃんはウンチなんてしないんだ』といったという話がある。それを話題にしたところ、普通の人間なら、花くらい摘みに出かけることもあるはずだという反論も出た。
 アイドル業はファンあってのものなので、事務所側は汚いものは見せない、イメージダウンに繋がることなどさせたがらない。それは、ある女性アイドルの話を偶然仄聞した事項まで連想させた。アイドル自身、その人を演じていた。あの人はこういう人なのだという言い回しをしていたのを思い出す。等身大の人間ではなく、ドラマの中の登場人物のように演じているのだと。アイドルの語源は偶像である。
 ハーレムアニメのキャラクターは生きているようには見えず、単なる人形・マネキンだと自ら表現したことに対して、同じく自ら反証するとしたらどうなるのかと自問した。答えは、お約束によってアニメが成立するため、人形であろうと問題ない。噂話に興じるような女性特有の生理現象と思えるものがなくてもよい。問題ないという結果になった。
 その矛盾点がないとストーリーとして成立しないのならかまわないのである。それはお約束なのだ。
 単なる手抜きであったとするのなら、そういう矛盾点がなくてもストーリーとして支障を来たさないどころか、あるとストーリーが破綻したりする類のものだろう。
 女性的な生理現象としての噂話、光の速さで浸透する情報はなくてもよい。
 そういう思考にたどり着いて以来、筆者は生理現象のない人、極端な話、花も摘むこともない人の形をしたものでも気にしなくてもよくなったのである。
 筆者がなぜマネキンと評してしまったのかは、生理現象が無い=生きていないと感じたからだった。

 涼宮ハルヒの声優さんが、スキャンダルを起こした、起こさないで揉めたという話が出たことは筆者の記憶に新しい。声優さんとキャラクターは別の存在であり、非難するに値しないという解釈は十分成り立つ。しかし、中の人という表現もある。騒ぎになってしまう原因は、声優とキャラクターを同一視するか、それに極めて近い感情を有している人々がいるからだと推察できる。
 こうしてみると、ハーレムもののアニメはメタ的な作りになっていることに気付いた。まず男性視聴者がアニメの女性キャラを求め、アニメの女性キャラたちは一人の男性キャラクターを求める。その男性キャラクターは男性視聴者の分身として製作されているのではないかと思える。男性キャラクターは一人だけだが、男性視聴者は大勢いてかまわない。この特殊な構造を生み出すことによって、男性視聴者を満足させる試みがなされているのではないか? 以前なら、アイドルの恋愛はタブーのような人気業種だろうし、今でもあまり変わり映えがしないように思える。声優さんの例を挙げるまでもなく、恋愛対象などいないことが好ましかった。それをアニメというジャンルによって、アイドルを擬似的に恋愛させる、恋愛対象は男性視聴者の分身という形に変化したのではないだろうか。
 当然例外は存在するものの、基本的にハーレムものの女性キャラクターは男性視聴者を落胆させるような作りにはなっていないように思える。落胆するかどうかの基準についても、視聴者の目線は主観的であるため、確実性があるとはいえない。
ここまでのまとめとして、アニメのキャラクターも、人気女性アイドルも、同じく偶像的という類似点があるといっていいのではないか。
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうことがある、ということだ。

 偶像化の類似種として登場するハダリ。
 アイドルも、人形・ロボットのハダリも同じように偶像の類似種としてみることはできるのだろう。ハダリそのものは、女性アイドルの代替品として存在しているような感覚を筆者は覚えた。求めるものを具現化する、というやり方はアニメもアイドルも、類似点がある。
 筆者が想起したもの。ハダリの存在理由は、俗に言う嫁ではないかという感想である。アニメの女性キャラクターを指して、自分の嫁だと思うことだ。嫁が画面から出てこないという表記があにこれにもある。あれだ。
 イノセンスの最初の場面を視聴していたとき、筆者の頭の中では、ある想像、いや妄想といってよいものが起きていた。

 以下妄想。
 俗に言う嫁を脳内で愛おしく思っている男性視聴者の学生が、いそいそと塾から戻ってきて、夜食を取りつつ、お気に入りの嫁の映っているアニメの視聴時間が来たのでテレビにスイッチを入れた。
 アニメの主人公の男性はあまり冴えない容貌で、これといった特徴もない人柄。人によってはへたれと呼ばれてしまいそうな性格である。そして、思春期の学生らしく、女性に自意識過剰になってしまいがちで、リビドーを押さえることが難しい感覚を受ける。
 嫁の傍に近寄って、欲情の視線で盗み見た瞬間……
 なぜか嫁は、激しく暴走し、信じられないほどの腕力で主人公の男性を素手で滅多打ちにし、撲殺してしまう。血塗れだ。鮮血が飛び散って文字通り周囲を塗り尽くしている。付近の壁によりかかるようにして斃れた男性主人公の頭蓋骨は陥没し、はみ出た脳が地面に垂れ下がっている。
 溜まりに溜まってきた怒りか、堪忍袋の緒が切れたように爆発したのか。
 周囲にいた人々は怯え、警察を呼ぶ。嫁は路地裏に逃げ込み追い詰められる。路地の突き当たりにまで行き着いた嫁は逃げ場を失っていた。
 そこにやってくる一人の刑事らしき大男。大男と対峙した嫁は叫んだ。
「私は我慢してただけよっ!私は男の奴隷じゃないっ!男のいいなりになんかならないっ!」
 大男は無言で拳を嫁に叩きつける。逃げ場を失った嫁は、どこから持ってきたのかわからない包丁で自分自身の体を切り刻み、自害した。
 凄惨な現場で取り調べが始まる。テレビ画面を見ていた学生の男は呆然として、一言いった。

「俺、殺されてる」

 以上妄想終了。

 ある若手の女性ニュースキャスターが、自分のいいたいことを表現したところ、職場の男性陣からいろいろといわれたという。あいつは生意気だ。人から言われたことをやっていればいいのだ。女が自分の考えをニュースでいうなどおこがましい、と。結局その女性はニュースキャスターを辞めたという。
 男性視聴者の手前、職場からいわれている手前、規制されているような状況と類似した不満。それが爆発したかのような……その記憶との連想を想起させる事件がイノセンスでは起きている。
 筆者のした妄想を、攻殻という形で表現したら、作品としてイノセンスができあがった。そんな感じがしたのだ。事実としてそんなはずはなかった。先に作品はできあがっているのだから。
 筆者が注目したのは、事件を起こしたのが人間ではなく、女性型ロボットのハダリであったことだ。人間型であっても、人ではないはずだ。しかし、どう考えても筆者からみてハダリは「生々しい女」だった。
 ロボットは怒りで人を殺さない、ロボットは逃げたりしない、ロボットは追い詰められたからといって自壊しない、……そのはずだ。それとも前もってプログラムされていたのか?
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうアニメの女性キャラクターは、飽くまで人という設定だ。生身のはずなのだ。なのにイノセンスでは人形であるにも関わらず、ハダリは生身の女のように思えたのだ。
 それは様々な人々によって意図的に隠蔽されてきた、剥き出しの人間性が露出していたからではないか?

 イノセンスのワンシーンが回想される。
「ああ、俺もよくやるよ、感想」
「あんた出世しないな」

 義体化率が90パーセントを超えてしまう人間が闊歩する世の中で、人と人形の差は縮まり、曖昧なものになっている。それが攻殻の世界にみえる。では人と偶像の明暗をわけられるものがあるとしたら、それは一体なんなのか?
 そもそも、なぜそのような事件が発生してしまったのか、原因は何か?
 それを追っていくのが、筆者から見たイノセンスである。

 もし、嫁が暴走をしはじめたらどうするか?
「カオがよくてお金持ちで性格のいい若い男なら」
「今まで素振りもみせなかったけど、ほんとは冴えない男と付き合いたくないよね」
 人間からみたロボットの立場は、奴隷だという人もいた。ゴーストを持たぬ奴隷。ではその奴隷が人間性・ゴーストを持ってしまったらどうなるのか。
 アニメの女性キャラは決して男性視聴者の奴隷ではない。ゴーストはすべての女性キャラに宿っている。そういう人もいるだろう。しかし、アイドルとアニメの女性キャラを比較すると完全にそういい切れないところも出てくる気がするのだ。アイドルは実際にいるし生きている。アニメのキャラは生きているとはいえない、と言い切る人も出てくるだろうし、意見が分かれてしまうだろう。
 規制されていたものがなくなったとき、男性視聴者の予想外の言動が出てきてしまったらどうするのか。その時、若手の女性ニュースキャスターの職場にいた男たちのように、お前は黙って男の望んだとおりに動いていればいいんだ、といえばいいのだろうか?
 それとも、受け入れてやるのだろうか?
 薄い本が好きな、アニメ好きの男性たちの欲求を商品化するとどんなアンドロイドが作られていくのかと想像する。答えは、アニメのキャラそっくりのセクサロイドが作られるのではないか。キャラクターが描かれた抱き枕の発展版かもしれない。それと極めて類似するハダリ。
 ハダリから感じた……剥き出しに露出した人間性、そうみえたものが、ゴーストのように思えてしまったのである。ご主人様を殺害してしまったハダリにはゴーストが宿っていた。
 やたらと夜のオカズにされたりしているアニメの女性キャラは暴走しない。
 そこに、ゴーストは宿っているといえるのか?
 その話をしたところ、

『まぁ当然ゴーストが宿っていたから暴走したというのは間違いないですw』
『ゴーストがやどっていて大人しくしているとしたら、よほどのマゾですね』

 という意見が返ってきた。
 嫁に殺されるご主人様を題材にしたアニメを作るあたり押井監督はえぐい。しかし、その意図はどこまで一般視聴者に読み取られているのか。いや、筆者の勝手な想像にすぎないのか?

 そのようなことを夢想していた。忘れてもらってもいいのだが、心のどこかで筆者は問いかけてしまうようだ。


 あなたのハダリにゴーストは宿っているか、と。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 26
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

詩のようなアニメって表現がしっくりくる

押井守監督による攻殻機動隊の映画版第2作。
1作目の続きです。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 → http://www.anikore.jp/anime/1798/

イノセンス -INNOCENCE → http://www.anikore.jp/anime/1864/


前作とよく似た雰囲気です。
オレンジを基調とした美しいグラフィックとBGM。
独特の間が目立ちます。
また、いったん口を開けば高密度な哲学的テーマが飛び出すのも前作と同様です。


正直、かなり難しい内容でした。
次々に出てくる仏典や聖書や偉人の言葉。
そして、映像による数々のトリック。
1回見ただけでは頭がパーン\(^o^)/です。

雰囲気や動きはいいんですけどね。
いかんせんわかりにくい。
何度も見るのを前提にしたほうがいいかもしれません。


今回の主人公はバトー。
ロボットの暴走によって所有者が殺害されるところから話が始まります。
単なる暴走なのか、それとも仕組まれたものなのか?
トグサやイシカワとともに捜査に乗り出します。
それに前作で{netabare}ネットの世界にダイブ{/netabare}した素子(もとこ)への淡い恋心が絡めてあります。

しかし、はっきり言ってストーリーはおまけみたいなもの。
テーマ性と雰囲気が肝ですね。

テーマは、

「人間と人形の違い」

でしょうか。
前作と似た感じかな?

「機械化された人体」と「疑似体験」がカギをにぎっています。
機械化された肉体は、どこまでが「人間」でどこまでが「人形」なのか。
存在する記憶は、どこまでが「現実」でどこまでが「虚構」なのか。
人間を人間たらしめるのは何か。
器なのか、記憶なのか、その両方なのか。
答えは出していませんが、その境界線のあいまいさを説いています。

しかしまあ、難しかったですね(少なくとも私には)。
前作もそうでしたが、それ以上の難解さ。

・難しい言葉をひもとくのが好きな人
・芸術的な雰囲気アニメが好きな人
・攻殻機動隊が好きな人

この3つを満たしている人に向いていると思います。
なんというか、詩を読み解いている感覚になります。
芸術的なのですが、視聴者に優しくない、そんな作品でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 53

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

人間と人工知能。。何が違うのか?

人間が人間たらしめているのは、自分たちが「人間」であるということを「意識」しているからだそうで、「我思う、故に我あり」というわけである。

しかしもし、AIなるものに「意識」が備わったとしても、「意識」そのものが科学的に証明されない限り、それは「意識しているとプログラミングされている」という解釈になるそうだ。ということは、逆説的に言うと自分以外の人間が「人間」であるかどうかは本質的には理解できない。なぜなら、そこに歩いている「人間と言われるもの」は「そうプログラミングされた何か」かもしれないからだ。

あるいは、我々人間が飼っているペットやぬいぐるみ、自分の子供を可愛がったりするように、他者に対して感情移入できるよう「ロボット」や「アンドロイド」に「共感」できるほど感情が豊かである場合、「人間」が「ロボット」に「人間性」を見いだせれば、例えそれが「意識」など存在しない単なる「プログラミング」だったとしても。。。

「人間」はそれを「人間」として扱うのかもしれない。要はどう捉えるかは私たちの考え方一つで決まってしまうのだ。

例え実体のない2次元が対象であったとしても、それが「機械」であったとしても、そう思えたり信じたりすることによって幾重にも捉え方が変わっているのである。

そうした場合「人間」の定義とは一体何を指すのだろうか。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 28

72.3 5 sfでサイバーパンクなアニメランキング5位
GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0-ゴーストインザシェル(アニメ映画)

2008年7月12日
★★★★★ 4.1 (340)
3119人が棚に入れました
時代は21世紀、第三次核大戦と第四次非核大戦を経て、世界秩序は大きく変化し、科学技術は飛躍的に高度化した。その中でマイクロマシン技術(作中ではマイクロマシニングと表記されている)を使用して脳の神経ネットに素子(デバイス)を直接接続する電脳化技術や、義手・義足にロボット技術を付加した発展系であるサイボーグ(義体化)技術が発展、普及した。その結果、多くの人間が電脳によってインターネットに直接アクセスできる時代が到来した。人間、電脳化した人間、サイボーグ、アンドロイド、バイオロイドが混在する社会の中で、テロや暗殺、汚職などの犯罪を事前に察知してその被害を最小限に防ぐ内務省直属の攻性の公安警察組織「公安9課」通称「攻殻機動隊」の活躍を描いた物語。

声優・キャラクター
田中敦子、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大木民夫、玄田哲章、榊原良子、家弓家正
ネタバレ

テロメア さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

【簡単解説】プロジェクト2501に関するレポート

そうしろと囁くのよ、私のゴーストが。

攻殻機動隊その映画第一作品のリメイクで、独特の世界観、宗教観、哲学が秘められています。戦闘シーンが最高にクール!


簡単に簡潔にストーリーを説明します。
{netabare}少佐率いる公安9課はゴーストハック(一般人の人体を奪い操作すること)をしている謎のハッカー(人形使い)をとらえようと動いている。そしてついに捕えるもなぜか6課が干渉してきて‐-。{/netabare}

ここで各組織のねらいを整理します。
{netabare}公安9課はゴーストハック事件の真相解明。
人形使いは生存するために9課に接触。
6課はプロジェクト2501の隠匿。
ガベル共和国はODA資金援助の交渉に。
旧ガベル共和国の旧指導者は日本に滞在中で外交的カードの一つになっています。
プロジェクト2501は後に{netabare}人形使いである{/netabare}とわかります。
{/netabare}

という感じです。これだけ分かれば概ねOKかと思います。詳しい考察は他の方の感想をどうぞ。


なんといっても見どころは
{netabare}少佐VS多脚戦車!作中の山場になっています。筋肉の動きや戦車の動き、武器の操作などの数々の演出が鳥肌物でたまりません!
ほかの戦闘シーンですが光学迷彩を駆使し格闘するシーンはかっこよすぎました。どこか奇妙でシュールな様がよかったです。{/netabare}

素晴らしく作りこまれた作品で何度見ても新しい発見があり飽きません。
動きも意味が分からないほど良いですし映像美でたまらないです。


良くも悪くも考えさせられる一作。
知的な気分で感慨にふけってみては。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

殻の中の自我

≪GHOST IN THE SHELL(劇場版)視聴済≫

自我を発展させる為には殻に閉じこもったままでいるか、それとも殻に閉じこもらず(電脳化)によって自我を発展させるかという問いに私は電脳化によって自我を発展させる方を選ぶと思う。 なぜなら、自分自身の「世界」を広げる為にも情報は必要不可欠だからだ。

その自我の発展に関しては人間だけが持ちうる特権なのか? 自我(学習能力や感情)と置き換えた場合、動物にだってそれは存在する。またその自我は動物だけに与えられたものなのか?電脳化が進んだ未来にも人の形をした人形にだって自我を持ちうるのではないか。
そうでないとするのならそれこそ「殻」に閉じこもったままの自我ではないか。

最後に{netabare}~「自分が自分自身であり続ける為には自分をある限界に制約し続ける」という素子の言葉{/netabare}は今の自分に満足せず、もっと世界を認識して視野を広げろというメッセージのように私は思いました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 10

AKIRA さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

2.0ということでてっきり続編かと思っていたら

続編ではなくてリメイクだったのですね。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊>TV一期>TV2期>イノセンス>GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0(イマココ)

初めて攻殻を観たのがリメイクされる前の作品でした。
それからTV版を含めそれなりに作品を見てきたので。大分世界観などは理解できるようになりました。

そういった意味でリメイク以上に新鮮に見ることが出来ました。(最初は続編かと思いドキドキしてみていたら、どこかで見たシーンが…ってなりましたがw)

映像美を除けば個人的には初期の方が好きでした。なんかこう…不気味な感じというか暗い感じが好きだったので。

ただTV版などを見た上での視聴となった近作は会話の中にでてくるTV版を想起させる台詞が散りばめれれていてなかなか楽しめましたね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12

64.9 6 sfでサイバーパンクなアニメランキング6位
攻殻機動隊ARISE GHOST IN THE SHELL 「border:1 Ghost Pain」(アニメ映画)

2013年6月22日
★★★★☆ 3.6 (336)
2032人が棚に入れました
『公安9課』が最優先ラインの攻性部隊とはなり得ていない、A.D.2027。公安捜査の権謀術数に限界を覚える荒巻の前に現れたひとりの女─ 陸軍『501機関』所属・草薙素子三佐。 最高度のフィジカルと電脳戦スキルを備える一方、向こうみずで世慣れぬ未熟さをあわせ持つ草薙は、荒巻と不即不離の関係をたもちつつ、次々と発生する犯罪へと対処する。だがそれは、ゆりかごたる501機関との関係を問い直すことでもあった。上司であり保護者でもある野心の女・クルツ中佐との間に生じる軋轢。さらに、謎のウィルス『ファイア・スターター』の出現。困難な事件に立ち向かう中、『眠らない目を持つ元レンジャー』『所帯持ちの特捜刑事』ら、個性的な人的資源と気脈を通じる草薙。荒巻といつしか共有していた目的─『犯罪に対し常に攻性の精鋭実力部隊』創設へ向け、草薙は彼らを糾合してゆくこととなる。『攻殻機動隊ARISE』─これは草薙が少佐と呼ばれる前夜の物語である。

声優・キャラクター
坂本真綾、塾一久、松田健一郎、新垣樽助、檀臣幸、中國卓郎、上田燿司、中井和哉、沢城みゆき、浅野まゆみ、星野貴紀、野島健児、宮内敦士
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

押井じゃない!神山もいない!キャストも音楽も違う!だけど冲方丁が来たよ!つまりオイラが知る限り最高の攻殻だよ!

後に攻殻機動隊と呼ばれる『公安9課』のメンバーが一同に会するまでを、新たに書き換えた設定の元に描くという攻殻シリーズの【エピソード0】と呼ぶべき全4部作の第1話
今作では草薙素子、荒巻、バトー、トグサ、パズの5人が登場
各々のファーストコンタクトと、そして素子の旧所属である『陸軍特科501機関』が題材となっています










まずたったの全国20館の上映にも関わらず、あにこれ内でもまずまずの前評判
これには流石長寿作品ということで脱帽です
一方で、ネガティブな評価の多さに個人的には残念でしょうがないっす
【たぶん今年一番のアツイ作品になりそう!】というのがオイラの率直な意見だからです


既にGIS、SACといったアニメ化を経て原作者の手元を離れたと言ってもいいであろう『攻殻』という作品
そして今作は【第4の攻殻】と呼ぶべき新シリーズとなり、監督や脚本はおろか、キャストの総変更という大冒険に出ています


これは単純に好みなのかもしれませんが、このキャスト変更に関しては前向きに受け取ってます
特に主演のまーやはコドモトコも演じてるシリーズの常連
アップルシードのキャスト変更のときもそうでしたが、まーやを使うこと自体には特にデメリットを感じません
むしろ大正解、実に俺得(お
初めて攻殻に触れる人にもオヌヌメ


そして最もたる特徴なのが脚本の冲方丁の存在でしょう
攻殻シリーズらしい今作の事件のトリック{netabare}(電脳の記憶改竄、視覚操作){/netabare}、これを氏が得意とするサイコサスペンス調で描く様はこれまでのどのシリーズよりも手に汗握るスリルと興奮を誘います
(っていうかまんま『マルドゥック・スクランブル』なんですけどw)


犯罪心理やゴーストの在り処といった複雑で哲学的内容だった以前のシリーズと違い、映画らしいシンプルなドキドキを感じさせてくれるお話作りの今作
オイラは上映後にスタンディングオベーションを送りたかったくらいです



それと音楽
川井?菅野?いえいえ、それもええけど今作の劇伴はなんとコーネリアス
コーネリアスですよ!?小山田圭吾でしゅお!?
オイラの記憶によればエクスマキナ以来ですか
これがすげーんです、カッケーんすよ
エスニックな民謡でもブラックなファンクでもない、けどシンプルなエレクトロがこんなにも攻殻の世界観とマッチするとは・・・
灯台下暗しとはこのこと;


これに絡めてゆらゆら帝国の坂本慎太郎が作詞、小山田圭吾のサウンドプロデュースでsalyuが歌い上げる幻想的でアンビエントな主題歌もエンドロールでの心地良い余韻を生んでいます


こういった部分から攻殻を知らない人にこそ観ていただきたい作品だと言えます
サイバーパンクが流行らない昨今でこれだけの大作に出会えたことは感涙ですね


イイとこばっか語っていてもなんなのでツッコミどころをば・・・
なんと今作、完全義体であるはずの素子がシャワーを浴びるシーンがあります(笑)
これにはちょいと驚き
義体の取り扱い方が依然の作品の設定と違うのか、光学迷彩を装備していない点を見るとそもそも完全義体とは名ばかりで厳密には生身の部分が残っているのか
その辺は定かではない
ようはアレです、サービスカットってやつですか


あとマイクロソフトのタブレット型PCとコラボしたアニメCMが上映前に流れ、以前のシリーズを汚しかねないヘボいオマージュが多くて思わず吹き出しましたw
いくらなんでもあれはないw


ええでもまあ、タチコマの旧型と思しき新ガジェット(新キャラクター)の『ロジコマ』(CV:沢城みゆき)かわいいよぉ、かわいいよぉ


それに相変わらず日産車に乗ってますたね


キャラデザがどうのこうの言ってもそりゃ好みの差
黄瀬和哉、西尾鉄也、沖浦啓之・・・ってどうみてもいつもの攻殻です
1.5巻辺りの原作にも近いし、本当にありがとうございました!


今はとにかく次回作が楽しみでなりませんねー
(半年後らしいですけどねw)
次回以降の盛り上がり次第では今年のベストジャパニメーション!?
要注目ですぜb

投稿 : 2024/11/23
♥ : 28

ストン さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ちょwww サイトーの髪型が!!

いえ、この話にはサイトーさんは出てきません。
でも、攻殻の中で好きなキャラだったんですが、
OPで一瞬出てきたサイトーさんの髪型を観て噴きました。

ええええええ!

一体何が起こったのか、いや、まぁ落ち着こうか。

コレまで、ほぼ全部の攻殻機動隊シリーズを観てきて、
先日このARISEを見始めました。

このシリーズは、
今までのシリーズより少し前の時間軸で、
公安9課が出来る前のお話です。
4話まであるようなので、そこで発足するのでしょうか。

この第一話では、
草薙素子が荒巻と出会い、軍を退役するところまでです。

今までのシリーズを見ていたから何とか話についていくことは出来たけれど、
何の前知識もなく、いきなり見たら、
頭のなかが「?マーク」でいっぱいになるかもしれません。

攻殻機動隊シリーズ特有の、
電脳とネットの海の中で、
自分の記憶が正しいのか、自分が今見ているものが現実なのか、
他人からハッキングされているのではないか?
といった独特の状況をうまく描写していると思います。

ここまで書いておきながら、
コレ以上はネタバレなので、書きません^^;

また、今までの攻殻機動隊シリーズと違う部分は、
キャラクターの作画が少し変わったところと、
声優が刷新されたところです。

最初、素子を見た時、
今までよりも幼く感じました。
時間軸的に昔なので、ちょっと経ってからもう少しアダルトな身体に義体をいじったのかな、とも思いましたが。。。

声優に関しては、
今までの田中敦子さんがあまりにもはまり役だったので、
少々不安はありましたが、
なぜかあまり違和感を感じることなく上手だと思いました。

50分の作品ですが、
充実してみることが出来ました。

第二話が楽しみです^^

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

どうして「攻殻」のシリーズはこうもハズさないのか

もちろん、最初から期待を込めて
見ている。
その目線は他のシリーズと比べても格段にきついほど、、
私の中で「攻殻シリーズ」が一番、シビアな目で
鑑賞しているはずだ、、、
(次がジプリ作品かな、個人的に
川尻作品も辛く見る)
それにも関わらず、どの作品も必ず及第点以上の
レベルは必ずクリアしてくる。
(監督や声優を代えても)

この作品も十分満足させてもらった。
ARISEの言葉が付いている事から、
9課メンバー発足前と言う事は想像がついた。
題材としては扱いやすいとは思う。
ファンの中では、既に9課メンバーの
個性や能力は、大概浸透しているからだ、、、

今回の作品は、それをワザと裏切らず、
常套手段で責めてきた。
さて、イシカワやパズーはどう出てくるか?
続きが楽しみだ、、、

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1

67.2 7 sfでサイバーパンクなアニメランキング7位
マルドゥック・スクランブル 圧縮(アニメ映画)

2010年11月6日
★★★★☆ 3.8 (337)
1812人が棚に入れました
 『天地明察』で2010年本屋大賞に輝いた人気作家・冲方丁の出世作にして2003年日本SF大賞受賞の傑作サイバーパンク小説『マルドゥック・スクランブル』を、原作者自らの脚本でアニメ化する全3部作の映画プロジェクト、その第1弾。特殊な証人保護プログラムによって死の淵から甦った一人の少女娼婦が、不思議なネズミの捜査官と協力し、自分を亡き者にしようとした男の犯罪を暴くべく戦いを挑む姿を描く。声の出演は、ヒロインのバロット役に林原めぐみ、その相棒ウフコックに八嶋智人。マルドゥック市で生きる未成年娼婦、ルーン=バロット。働いていた店が摘発され、行き場を失った彼女は、カジノ経営をする資産家、シェルに拾われる。しかしその後シェルの非情な計画によって、彼女は車ごと爆破されてしまう。業火の中から辛うじて助け出されたバロット。彼女は、マルドゥック市の事件担当官ドクターとウフコックによって、特殊な強化繊維で再構成された人工皮膚を移植され一命を取り留める。これにより特別な能力も手に入れたバロットは、シェルの犯罪を追っていたドクターとウフコックの捜査に協力していくのだが…。

声優・キャラクター
林原めぐみ、八嶋智人、東地宏樹、中井和哉、磯部勉、田中正彦、若本規夫、かないみか、三宅健太、脇知弘

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

元少女売春婦のサイボーグが犯罪組織と戦う本格SF作品

2010年劇場公開 2011年に完全版が完成した 69分 R18指定

原作脚本 沖方丁 監督 工藤進 製作会社 GoHands

ルーン=パロットCV林原めぐみ
ウフコック・ぺンティーノCV八島智人

ディック風近未来SFアニメの定番設定が見られるが、
作者としてはウイリアム・ギブソン系サイバーバンクをイメージした模様です。
作者の沖方さんは本格SF作家としてデビュー、代表作はこれですが(日本SF大賞受賞)、
最近はラノベ系の創作活動を主としているようです。

相当昔(05年)にゴンゾでアニメ化と言われていたんですが中止、
結果として高レベル劇場作品になったので自分としては嬉しいです。

主人公ルーンは15歳(?)の売春婦で、犯罪組織により分解されかかったところを、
犯罪捜査官のイースターとネズミ型万能兵器ウフコックによって助けられる。

瀕死のルーンは禁止科学によって命を救われ、
電子干渉(スナーク)という能力とサイボーグの肉体となり、
「犯罪組織シェル」を追う者たちの一員となる。

ウフコックはネズミの知能を高めたものらしいが、亜空間に武器を貯蔵したりするちょっとあり得ないテクノロジーの産物。
ルーンのパートナーまたは武器として活躍する。

今回は臓器フェティシスト集団の誘拐屋とのバトルが見せ場となるが、
まるでラブクラフトの怪物のような異様な外観の犯罪者たちが気味良い、
いや、一般的には「気味悪い」になるのかな。

雰囲気のある作画とキャラデザ(やっぱディックっぽい)に、
良い構成のストーリーそしてリアルなバトルと、第一部としては申し分ない出来。
とても楽しめました。
続けて第二部、第三部も視聴意欲が沸きます。
「サイコパス」にも影響を与えたと思える銃器デザインは前田真宏さんです。
SFファンに超お勧め。そうでもない人もぜひ挑戦してみて欲しい逸品。

そして何よりも何よりも EDです!

日本国始まって以来最大の真の歌姫「本田美奈子」様の
「アメイジング・グレイス」日本語版 伴奏新バージョンが流れるんですよ。
涙が溢れました。

三部作ともにEDは本田美奈子です。 

投稿 : 2024/11/23
♥ : 24

イチゴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最高!続編を見たいと心から思う作品

主人公の少女のバロットは、資本家のシェルの計画によって命を落としそうになるが、金色のネズミの捜査官のウフコックとドクターにより、一命をとりとめ、シェルの犯罪を追うという話です。

バロットの心情の変化と近未来的な世界観が
よく表現されていたと思います。
最後の戦いは壮絶で、終わり方がとても良かった!
続編が見たいと心から思いました。
作画はとてもきれいです。

前半はSFの要素が強く、後半はガンアクションです。
また、このアニメがR-18指定なのは
近親相姦やレイプの描写があるからですね。
あと、意外とグロイです。

この映画は3部作で
2部作目の『マルドゥック・スクランブル 燃焼』は2011年9月3日に劇場公開予定です。

SF・ガンアクション・エロ・グロなどいろいろな要素があり、私はかなりこのアニメ好きです。

下にyoutubeの『マルドゥック・スクランブル 圧縮』予告編
のURLを勝手に貼り付けました 笑

百聞は一見にしかずです!^^


http://www.youtube.com/watch?v=1S48OcRZJRo

投稿 : 2024/11/23
♥ : 9

柚稀 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

物語のスタート。第1部:選択

僕でも知っている、冲方丁のSF小説の映画化作品。
原作未読。
物語は3部構成で2012.9に3部作目【マルドゥックスクランブル-排気-】が劇場公開される。

たまたま観たPVでなんか引き込まれるものがあり視聴開始。

とある事件を解決するために、マルドゥックシティー事件担当官【ウフコック】と【ドクター】は、事件の重要人物、娼婦【バロット】を特殊な方法で救って…ゴニョゴニョ( ゚ノω゚)というお話。

終始物語はどっぷり暗い…。
それは、15歳の少女【バロット】が背負うには重すぎるモノで、
心と身体に多大な痛みや苦しみを伴うものだからか。
僕にはその辛さを察することしかできない。
ただ、彼女には甘えのなかに凛とした美しさを感じてならない。
居場所を求め、愛を求め、こんな境遇にあったとしても…。

-そんな彼女の闇のなかに差し込む温かな光。
ドクターとウフコックとの出会い。
事件解決のために、重要人物であるバロットと行動をともにする。

金色のネズミ姿のウフコックは特別やさしい。
彼女を籠に閉じ込めるようにして、すべての危険からお姫様のように守るわけじゃなくて、
実際に行動させ、体験させることでルールや秩序や怖さを身を持って分からせようとする。
そんな彼がすき。ネズミの姿だけど…(つ∀<。)とある一言に動揺する様はなお可愛い(*´ω`*)

可愛いネズミはもちろん見どころだけど、
迫真のガンアクションはスリリングでかっこいい!
美しさとスピード感に釘付け((o(´∀`)o))ワクワク
思わず僕も撃ちたく…∑(゚Д゚)

とまぁ、林原めぐみの甘さと儚さがあるバロットと、八嶋智人の紳士的でやさしさのあるウフコックのヴォイス、
内容の濃さ、映像の美しさであっという間の1時間でした(∩´∀`)∩スンバラスィ♪
※ただ、そこそこグロ表現があるので、苦手なお方はご注意を!(`・д´・;)

現状では、ものすっご気になる続き(ってか、ここで終わり!?щ(゚ロ゚щ) オーマイガーッ!!って感じww)を
2012.7発売のBDで確認しなければならないので、現在おあずけ状態www
まぁ、たまには気長にたのしむのもいいってことで、楽しみに待つことにします(ノω<;)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 10

74.2 8 sfでサイバーパンクなアニメランキング8位
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1「罪と罰」(アニメ映画)

2019年1月25日
★★★★☆ 3.9 (177)
1005人が棚に入れました
3つの物語の舞台は約100年後の日本とアジア――その現在、過去、未来に起きる事件が語られる。事件に立ち向かうのは、規定値を超えた〈犯罪係数〉を計測された〈執行官〉たちと〈シビュラシステム〉が適性を見出したエリート刑事〈監視官〉たち。犯罪を未然に防ぐために必要なものは、猟犬の本能か、狩人の知性か。事件は思わぬ事実を明らかにし、世界のあり方を映し出す。これまで語られていなかった『PSYCHO-PASS サイコパス』のミッシングリンクがついに紐解かれる。

声優・キャラクター
野島健児、佐倉綾音、弓場沙織、平井祥恵、岡寛恵、小山力也、斉藤貴美子、多田野曜平、中川慶一、花澤香菜、東地宏樹、櫻井孝宏、伊藤静、沢城みゆき

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ここで引き下がったら公安局刑事課のエース、霜月美佳の名が廃るっ…

この作品は、2019年に上映された劇場版アニメ三部作の第1弾です。
3つの物語の舞台は、約100年後の日本とアジア…その現在、過去、未来に起きる事件が語られるんだそうです。
これまでは、主人公である常守朱を主体として物語が構成されてきましたが、本作の主人公は、何とあやねる演じる霜月美佳監視官なんです。
「格好良い」あやねるボイスを満喫できる作品でした。


2117年冬、公安局ビルに一台の墓相車両が突入する事件が発生。
その運転手は青森にある潜在犯隔離施設<サンクチュアリ>の心理カウンセラー・夜坂泉だった。
しかし取調べ直前に夜坂の即時送還が決定する。
監視官の霜月美佳は、執行官・宜野座伸元らとともに夜坂送還のため青森へ向かう。
そこで待っていたのは、<偽りの楽園>だった。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

上映時間が約1時間の作品なのですが、物語の濃厚さが半端無い上、兎にも角にもあやねるボイスが満載なんです。
もう、霜月美佳監視官があやねるにしか見えませんでしたよ^^;

これまで、何か事件が起きると、常守監視官が我先にと現場に急行していましたが、先輩監視官…だからでしょうか。
青森まで送還する役目を霜月監視官に一任するんです。

責任ある仕事を任されるとやっぱり嬉しいですよね^^
あやねるも…いえ、霜月監視官も喜びの表情全開で任務に向かいましたっけ。

サンキュチュアリって「聖域」や「自然保護区」などを意味する言葉です。
ですが、青森の施設は聖域などとは程遠い場所であるのが徐々に感じられるんです。
最初に感じるのは、公安に対する言動の違和感…
ですが、この違和感が途中から激しさを増していくんですよね。
そしてその違和感は「気持ち悪い」と感じるレベルにまで跳ね上がる…

人間は間違える生き物です。
だから人間には他の動物と比べ物にならないくらい修正力が高いから、ここまで進化してこれたんだと思います。
ですが、サンクチュアリでは自分たちに不都合なことは、全て悪になっちゃうんです。
そして悪を見つけたら全力で排除しようとする…
それは、明らかに正しいことを言っていても捻じ曲げてしか伝わらないんです。
それが「気持ち悪い」と思える所以でした。

だからこそ公安の活躍が光っていたんだと思います。
何度もピンチがみんなに襲い掛かります。
でも霜月監視官の不撓不屈の闘志が、みんなの切れそうな糸を繋いでいくんです。
こういう役を演じるあやねるの声質…堪らなく格好良いんですけど!

主題歌は、1期オープニングだった「abnormalize」
エンディングは、2期エンディングだった「Fallen」
どちらもリミックスバージョンになっていました。

このシリーズのファンの方や、あやねるボイスを堪能されたい方にはお勧めの一作なのではないでしょうか。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13

アトランティス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

サイコパス新3部作の序

2015年の劇場版サイコパスから4年。
近未来SF風刺作品として名高い本作が戻ってきました。
一作目の副題は「罪と罰」になっています。

特に今までの復習やキャラクターの紹介もないので
軽く人物を復習してから見られることをおすすめします。

3部作1作目となる今回は常守朱の後輩である霜月監視官(cv.佐倉綾音)と
今回彼女のお目付け的役割の宜野座執行官が中心となり事件に挑みます。
アクションシーンも多く全体で60分なのですがそれ以上見ていた感覚でした。
60分の中で事件の始まりから終わりなので敵は結構あっさりとしています。
アニメでも何度か登場した思想犯、殺人犯の収容所、
映画の舞台はその収容所のうちの1つです。(アニメでは初登場)

一見しっかり更生プログラムを実行しているように見える施設、
その施設が抱える闇に霜月監視官らが挑んでいく展開になります。

男(おっさん)キャラが多い中で今回のCase1の癒しは佐倉綾音ボイスの霜月監視官、
彼女の作画だけはサイコパスでは可愛いを重視しているような気がします笑
映画館は満席で宜野座の美顔を求めていた女性の方も多くおられました。
でも今回の宜野座執行官はとてもかっこよかったですね。
アニメの記憶が薄れているのですがこんなにかっこよかったけ?で見た後も思っていました。

主題歌については
1期のアニメの曲のRemixでした。
意外に良かったのでCD音源化してほしいです。

まだ1作目で今後のストーリーにつながりがあるか分かりませんが
今作もいつも通りのシビュラシステムでした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 10

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

罪と罰というのは、悪い奴らの行動と末路を指すのかな?

 ある施設から逃亡し、身柄を拘束された女性から、話が進んだお話だったです。

 この女性は何者で何が目的だったのか?、裏に陰謀の渦巻くような影があった感じです。この施設で何が行われて、この女性は何をしようとしていたのかが、トントン拍子に進んだですねです。case.1なだけに一話完結形式だったです。

 業とらしくおとりを使って獲物を引っ張ろうとする、組織的な施設の悪い奴らのやり方は、よくありがちに思えたです。

 その女性を通して陰謀をしり、核心に迫り、悪い奴に追い詰められながらも逆転する展開は、あらゆる手際が良すぎて、どこかあっけない感じがしたです。分かりやすいといえばわかりやすかったのですが、あまりにはやく解決されてしまったように見えるです。

 これが、正義の味方の行動力なのでしょうか???です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

61.1 9 sfでサイバーパンクなアニメランキング9位
PARASITE DOLLS パラサイト・ドールズ(アニメ映画)

2004年1月17日
★★★★☆ 3.5 (36)
192人が棚に入れました
 オリジナル・ビデオ・アニメ「バブルガムクライシス」に始まるフューチャークライムシリーズの流れを汲むSFアニメーション。捜査官たちが近未来の都市でうごめく陰謀に立ち向かっていく。監督はTVアニメ「めぞん一刻」の吉永尚之と「キル・ビル」でアニメーション監督を担当した中澤一登。21世紀初頭、関東大震災に見舞われた東京は、ゲノム・コーポレーションによって開発された人造人間“ブーマ”の投入とその活躍で復興を遂げる。そして西暦2034年、発展した都市の中で人間とブーマは共存を保っていた。だが、徐々にブーマを利用した事件が頻発。やがて、ブーマ犯罪を取り締まる高機動対テロチーム“A.D.POLICE”が設置される。さらに、難事件を専門とする特務組織“ブランチ”をチーム内に構成。その捜査官バズは相棒のブーマ、キンボールとブーマ連続暴走事件を追う。すると、彼らはその過程で、ある薬品を入手する。
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