nano.RIPEで恋愛なTVアニメ動画ランキング 6

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のnano.RIPEで恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番のnano.RIPEで恋愛なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.1 1 nano.RIPEで恋愛なアニメランキング1位
さんかれあ(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (2267)
12323人が棚に入れました
紫陽町に住んでいるゾンビ大好き高校生降谷千紘は、夜ごと怪しげな古文書を片手に、事故死した飼い猫ばーぶの蘇生を試みていた。ある夜、蘇生秘薬を作っていたいた千紘は、川向こうのお嬢様高校に通う美少女、散華礼弥が父に対する恥ずかしい不満を古井戸にぶちまけるところを目撃してしまう。千紘の実験に興味を持った礼弥は、千紘と共に紫陽花の毒を使った秘薬を作成、実験に成功するが、2人とも失敗したと思い、翌日にばーぶの葬儀をすると約束した。礼弥は夜中に出歩いていたことが父親に発覚し家に閉じ込められてしまう。悲嘆した礼弥は、密かに持ち出していた秘薬を「毒が含まれているから」と、蘇生と逆の効果を期待し、服薬してしまう。

翌朝、結局死ぬことができなかったと悲嘆にくれつつも、千紘との約束である「ばーぶの葬儀」に参加するため家を抜け出した礼弥は、その途中で父に遭遇。父の振るった鞭に打たれて崖から転落してしまう。その一部始終を目撃した千紘が駆け寄ると、砂ぼこりの中から礼弥はゾンビとなって起き上がった。ゾンビとなった礼弥は降谷千紘の家に居候し、千紘にとって憧れであったゾンビとの共同生活が始まったのであった。

声優・キャラクター
木村良平、内田真礼、矢作紗友里、井口裕香、荻野晴朗、斎藤志郎、石塚運昇、浅野まゆみ、林沙織、岩瀬周平、福圓美里
ネタバレ

アイコン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

サンゲリア充。

原作未読。

ゾンビ特集第三弾は、
ゾンビとの恋愛物語という
異色のラブコメアニメ。

H.O.T.D、ぞんぞんびよりと
ゾンビアニメは尽く期待にそぐわず
儚く散ってきているので、
あまり期待を抱かずに
視聴させてもらった作品。

そのせいもあってか、
中途半端なところで終わったものの
意外と楽しめたかなという作品。

全体的にテンポが遅く、
話があまり進まなかったので
少し断念しかけましたが、
なんやかんやで後半からは
話には引き込まれました。

でも結局、物語の根底?
といったものが明かされぬまま
(秘薬の出どころやジジイの正体とか)
終わりを迎えるので、
かなり消化不良。

ゾンビとのラブコメといっても
『コープスブライド』みたいな
ぶっ飛んだものでなく、
綺麗なゾンビラブコメなので、
大衆的には見やすい作品となっている分、
個人的にもう少し
インパクトが欲しかったかな、
というところ。

テンプレ的なラブコメも別に
嫌いではないのでいいのですが、
せっかくの特異な設定を
あまり生かしきれていないので
全体的に印象に残らない
地味な作品となってしまってるのが
自分には痛いかな。
せっかくのゾンビっ娘設定なのに。

まぁ、物語の雰囲気は結構好きです。
かなり作画も綺麗ですしね。
そんな綺麗な世界観だからこそ
あまりぶっ飛んだものに
出来なかったのかもしれませんが。
(そのわりにジジイは異常に
ぶっ飛んでやがるけど(笑))

音楽も悪くはないですが、
印象には残らなかったかな。

声優さんは普通に
良かったと思います。

結局総評すると、
またまた中途半端だったかな。
やっぱゾンビと
アニメは合わないのかな……。

とりあえず、
2期に期待、とだけ。



ってなテキトーなレビューを
書き終えたところで……。

ここからが本質。

なにかと言うとこの作品、
いろんなところにゾンビものの
オマージュが隠されています。
それもかなりの数。
自分はまだ全て把握しきれてませんが、
見つけただけでも結構な数がありました。
それを見つけた時のよくわからない
嬉しさが気持ちいいのなんのって(笑)

そういった隠し要素?
みたいな部分を探すのが
ホラー映画好きとしては
すごく楽しいです。
正直本編よりこっちの方が……。
いや、何でもありません。

しかも驚くべきは、
主人公はゾンビ映画好きという
設定のはずなのに
主人公の部屋には
ゾンビでないホラー映画の作品まで
オマージュされたグッズが
置かれているところ。

お前ゾンビ映画だけじゃなかったのな。

原作にも同じような
オマージュが隠されていたのかは
知らないですが、
それでもアニメスタッフの
ホラー映画愛が感じられます。

なのでここから下には、
にわかホラー映画ファンの
自分が気づいた、覚えている範囲の
作品のオマージュの数々を
書き綴っていきます。
少し強引な押し付けもあるかも。
絶対にこれ以外にもオマージュは
存在するので、
ホラー映画好きの方は
是非探してみてください。

別にどーでもいい方は
ここで切って構いません。

登場人物の名前にも
元ネタがありますが、
それはWikiに載ってるので
ここでは省きます。

{netabare}◆劇中のシーン

・第一話の冒頭で、
ゾンビっ娘との
萌えシチュを妄想していた時、
主人公が白いシャツに
赤いネクタイという格好で、
手にはクリケットを掲げていましたが、
あれは『ショーンオブザデッド』
という作品の主人公、
『ショーン』を模した格好。

・ばーぶに秘薬を投与し、
後にクーラーボックスから
生き返ったばーぶが飛びだす、
というシーンがありますが、
多分死霊のしたたりへのオマージュ?
(死霊のしたたりでは
生き返った猫が冷蔵庫から
飛び出してくる、という
シーンがありました)

・礼弥と千絋が一緒に
ショッピングモールへ買い物に
出掛けるシーンがありますが、
多分数あるゾンビ作品へのオマージュ。
(ほとんどのゾンビ作品には
ショッピングモールが付き物)



◆千絋の部屋の棚に置いてあるグッズ


・マイケルマイヤーズ
(映画『ハロウィン』)っぽいマスク

・ジグソウ
(映画『SAW』)っぽいマスク

・ジェイソン
(映画『13日の金曜日』)っぽいホッケーマスク

・レザーフェイス
(映画『悪魔のいけにえ』)っぽいマスク

・ゴーストフェイス
(映画『スクリーム』)っぽいマスク

・チャッキー
(映画『チャイルドプレイ』)っぽい人形


◆主人公の持っているDVD


・Zombie
(映画『ゾンビ(邦題)』)

・サンゲリア・ウォーズ
(映画『サンゲリア(邦題)』)

・Shandy of the dead
(映画『ショーンオブザデッド(Shaun of the dead)』)


◆千絋の部屋の壁紙


・Dance of the dead
(映画『ダンスオブザデッド』から?)

↑これはタイトルが直球すぎて
オマージュなのかどうか……。



◆劇中で流れていた作品


・第一話で
「墓場でブロンドの女性が
ゾンビに追いかけられる」
というシーンの映像が流れましたが、
『ナイトオブザリビングデッド』
へのオマージュ?
押し付けかもしれない。

・中盤の方で
「両親の寝室に娘が入ってきて、
「どうしたの?」と
呼び掛けたらゾンビ化した
娘が襲いかかってくる」
というシーンが流れますが、
リメイク版『ドーンオブザデッド』
へのオマージュ?{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

狂気からの脱却…

この作品の原作は未読ですが、内田真礼さんがメインヒロインのCVである事を知り、あにこれでの総合得点も高かったので視聴に踏み切りました。

視聴するまでタイトルの「さんかれあ」の意味が謎でしたが、1話目でメインヒロインの名前である事が分かりました。これですっきりしたのですが漢字で「散華礼弥」と書くのを知った時には少し複雑な思いがしました。

「散華」という言葉に正直あまり良いイメージがありません。
供養のために花を撒き散らす事…戦死を美化した語…
でも私の中で「散華」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「結城友奈は勇者である」です。
何も分からないまま突然押し付けられ、一生懸命頑張ったご褒美は損失…
それでも世界は容赦が無くて痛みは増すばかりですが、みんなで真っ直ぐ前を見据えています。
そんな彼女たちの勇姿に何度も号泣させて貰いました…
名乗りを上げる姿…魂の叫び…今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。

散華という言葉に良いイメージはありませんが、れあちゃんはそれらを加味しても余りあるほど可愛らしく良い子だったと思います。
ただ…生まれた家が悪かった…裕福で欲しいモノは何でも手に入る…
その代わり彼女が失っていたのは自由でしたけれど…
彼女の自由を奪った諸悪の根源は父親である散華 団一郎です。
わが娘を溺愛するのは許容範囲としても、彼の言動は明らかに常軌を逸していたと思います。

彼女の秘密は古井戸に父親への不満をぶちまける事…
父親の言動を鑑みると、ささやかな抵抗でしかありませんが、彼女の行動がもう一人の主人公である降谷 千紘との出会いに繋がっていた…と考えると運命を感じてしまいます。

千紘くん…ゾンビが大好きなゾンビマニア…ここまでなら私も理解できます。
けれど一体何なんですか「ゾンビ萌え」って…?
そもそも「ゾンビ」と「萌え」は同列に並ぶ言葉じゃないだろうに…
ゾンビの彼女との交際を夢見てる…なら一生夢を見ている事確定じゃありませんか…
でも「好き」って時々とんでもない軌跡を起こしてくれるんですよね。
ゾンビ萌えの千紘くんは…何と亡くなった飼い猫をゾンビとして甦らせる秘薬を作ってしまったんです。
これだけでもビックリなのですが、この物語で本当に驚くのはココからです。

れあちゃんと千紘との出会い…お父さんである散華 団一郎は面白いはずがありません。
娘に更なる足枷を…もう二度と家から出ることを許さないぞ…と鼻息荒いお父さん…
れあちゃんは警察に駆け込むできだったのかもしれません。
お父さんのやろうとしている事って監禁と何ら変わらないんですから…
それでも事の顛末はお父さんにとって最悪な結果が待ち受けていたのです。

でもこれは本当にお父さんにとって最悪だったんでしょうか…
だって外見は瞳の色が少し変わっただけ…何も変わっていないんです。
これまで通り溺愛を続ける事だって選択できたろうに…
もし、この選択が自分のこれまでの行いを罪と認め、れあちゃんの事を本当に思ってなら父親としての成長と受け取れなくはありませんが…

むしろこれから大変なのはれあちゃんのはずなんですけれど…
きっと彼女はそんな事微塵も思っていなかったと思います。
なにしろ目の前には夢にまで見た普通の女の子らしい生活が広がっているのですから…

そんなれあちゃんに千紘はどの様に向き合っていくのでしょうか。
二人の繋がり…についてはネタバレになるので、気になる方は本編でご確認下さい。
れあちゃん…CVが内田真礼さんである事も相まって、その可愛らしさにぞっこんになるまでそう時間は必要ありませんでした。

それでもこの作品で気になる人がもう一人…
「わんこ」ちゃんこと左王子 蘭子です。従弟で幼馴染というヒロインにとっては最強のカードを携えて玉座に君臨している彼女…
千紘がゾンビ萌えじゃなかったら間違いなく展開が変わる存在になっていたでしょう…
彼女だってまんざらでもない様子でしたし…
でも最強のカードの切るのを躊躇したのは彼女が本当に優しく相手を気遣える子だったから…
私の中で見ていて一番胸の痛むキャラでした。

オープニングテーマは、nano.RIPEさんの「絵空事」
エンディングテーマは、myuさんの「Above your hand」
「絵空事」は是非覚えたい歌になりました。

1クール12話の作品でした。作品の連載中の放送だったので、物語としては完結していません。
連載完了後のアニメ化…最近では「うしおととら」「寄生獣」が良い例ですが、こういう良い作品をもっとアニメ化しようとする動きがあれば良いのに…と思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24
ネタバレ

らしたー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

『りびんぐでっど!』厨 vs 『さんかれあ』

チャンピオンで連載してた『りびんぐでっど!』が大好物で、ひとつくらいはゾンビなアニメも観ておこうと選んだのがこれ。

シュールで乾いた笑いのグロテスクコメディを期待していたのだけれど、蓋を開けてみたら割とふつーの、やや薄味なラブコメ以外の何物でもなく、早い段階で『りびんぐでっど!』はすっぱりあきらめました。
戦ってる土俵が違いすぎるw


で、これはこれで、いいよね。

脇役キャラの設定がいちいち古くせーとか思いつつダラダラと流していたら、いつのまにかそれなりに面白くなってきて、それなりに最後まで観てしまった。各話の出来もそれなりに安定してる始末。
正直、悪くはなかった。

ただ、けっこう退屈なんですよね。
途中からどんどんゾンビ色が薄くなってきて、あれよあれよと普通の恋愛話・家族話にシフトしていってしまう。ヒロインが生者でない、という点はきちんと意識した筋運びになっているのだけれど、突き抜け方が足りない。もっと積極的にゾンビ設定を生かした、豪快な二転三転がほしかったところ。そこだけは寂しく思った。


●走れる主人公像
{netabare}
わりと良かったのは主人公の描写でしょう。

彼のプライオリティは明確で、恋愛うんぬんよりもまず礼弥の肉体を腐敗から守るという点にあります。言い換えれば「彼女の生活を守る」ことを第一に考えている。

これは、ちょっとほめてあげたい。
彼のキャラクター性を結婚に喩えるならば、彼は恋人と結婚するために自分を磨くような男ではないんです。結婚するための「資金を稼ぐ男」なんですよ。この違いってマジ大きいですから。置かれた状況を冷静に見つめて、今いちばんやらなきゃいけないことに奔走できる人物として描かれています。
その点では、マッドサイエンティスト気質なとこも含めて、シュタゲのオカリンなんかと通じるところがありますね。スケールは劣るけども。

完全なる私見ですが、この手の、「普段は自分の世界に没頭しているが、いざという時は迷わず必要な奔走に身を捧げることができる主人公」というのは、視聴者の性別・年齢・アニメ歴を問わず、ここ数年でもっとも広く支持されている鉄板なんじゃないかと考えています。ギャップ系の一種ですね。

ただ、本作の主人公はゾンビ萌えのくせに、夢にまで見た念願のゾンビっ娘が眼前に現れたにもかかわらず、あまりにも悶々としなさすぎなのだ。アンジェリーナ・ジョリー好きの前に本物のアンジェリーナ・ジョリーが半裸で現れたのに、のんきに茶飲み話でもしてるようなノリなんである。この際ポーズでもいいから、ちょっとくらい狼になれよ、と。

また、主人公の口から「なぜゾンビが好きなのか」について熱く語られるくだりが一切なく、結局のところ「ネコミミ萌え~」「熟女スキー」てのと同レベルの印象しかなかったのも残念なところ。どうせフェチ路線いくなら、もっと深い性癖の暴露があってもよかったのではないか。
「アジサイを排泄するとこ見せてよ~」って詰め寄るアンタ、輝いてたよ。そういうのがもっとあってもよかったんじゃないか。
{/netabare}

●ゾンビ性愛ってなんだろう

このゾンビ愛好なる極めて特殊なフェティシズムが、いかなる精神の発露なのかってことになると、ちょっとばかし興味深くはある。

本作の場合、
{netabare}
・睡眠の必要がない
・汗はかかない(涙も出ない)
・排泄はしない(特殊な経口排出はある?)
・脳のリミッターがはずれて馬鹿力が出る
{/netabare}
というゾンビ説明がなされますが、肝要なのは「新陳代謝が欠落する」という点じゃないかと推測します。言い換えると、恒常性維持を放棄した、生物としての「暫定的な完成」に何かしら美的なものを感じるのかなと。

動かないだたの屍体じゃダメなんだよね、きっと。それだとネクロフィリアになるので。あくまで活動をする物体でなければならない。
なおかつ、その態様における完成性は暫定的である必要がある。放っておくと腐敗する、というのも大事なポイントなんでしょう。そして、「生物的な」という点において、ロボットやアンドロイド愛好とも一線を画する。

なんかもういろいろ深すぎます。殺しても死なないタフさに対する憧れとかもあるのかもしれません。ますますわからん。
まあ世の中、腐敗→白骨化という「肉体の変容」を愛でる奇特な方もいらっしゃるので、ゾンビ愛好ごときはディープさからいえば序の口なのでしょうが。


私にとって初めてのゾンビアニメ『さんかれあ』。
ソツなく及第点が取れている爽やかな良作でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

90.0 2 nano.RIPEで恋愛なアニメランキング2位
花咲くいろは(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★★ 4.1 (6277)
26958人が棚に入れました
突然の夜逃げ、突然の告白、そして突然の別れ――。今までとは違う自分になりたかったという夢は、急に現実となりました。私、松前緒花の平凡な日常は1日にしてドラマチックな展開を迎えたのです。通い慣れた、それでいてあまり愛着のない街を出て、話したことや会ったこともない祖母の元で暮らすのです。大正浪漫あふれる温泉旅館・喜翆荘(きっすいそう)。そこで出会う人たち。花の芽が地上に出て新たな世界を知るように、私も、今までとはまったく違う、新しい生活を始めます。それは辛いことかもしれません。でも、めげても、くじけても、泣きじゃくっても明日は来るんです。だからこそ私は頑張りたいんです、そして輝きたいんです。太陽に導かれるよう咲く花のように。いつか大輪の花を咲かせられるように……。


声優・キャラクター
伊藤かな恵、小見川千明、豊崎愛生、戸松遥、能登麻美子、梶裕貴、本田貴子、久保田民絵、浜田賢二、間島淳司、山口太郎、恒松あゆみ、諏訪部順一、チョー

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

お仕事いいね

PAWorks10周年を記念して制作されたお仕事シリーズ第一弾。

安定した作画だけでなく、主題歌も良い。
緒花ちゃんや個人的な推しキャラの菜子ちゃんなどキャラクターも可愛く、人間らしさがあふれていました。旅館業を通してそれぞれのキャラクターが目標に向かって成長していくさまを見て感動しました。こうして、旅館業は成り立っているのだと分かります。見終わった直後は旅館で働くのも良さそうだなんて変な考えも浮かんでしまった。すぐに消えたけど。

制作会社のPAWorksは北陸、富山に本社を構えているだけあって、石川県を舞台にしているわけだが、このアニメに端を発した祭りがあり、地域振興にかなり寄与した作品であったと言える。僕はこの作品を友人によく勧めるほど、クオリティの高い作品だと感じてもいるし、見て終わりの単なるアニメではない。石川県は一時期、レディー・加賀と言ってPRしていたが、PRするまでもなく、かなりクオリティの高い旅館が多いらしい。是非行ってみたい。

面白いけれど、ひとつ不満があるとすれば、緒花の母が苦手ということくらい。ああいう母親にしないと、この物語にはできなかったことは容易に想像できるが、好きな作品でもどうしても好きになれないキャラクターがいたっていいよね。


1. 第1話 十六歳、春、まだつぼみ
突然、母、皐月(さつき)から「夜逃げをすることになった」と伝えられた松前緒花(まつまえ・おはな)。母親から手渡されたのは“喜翆荘”(きっすいそう)という名と、電話番号が書かれた一枚の紙切れだけ。住み慣れた街、母親、そしてクラスメイトの種村孝一(たねむら・こういち)に別れを告げ、まだ出会ったことのない祖母がいる街で暮らすことになった緒花は、海岸線を走る列車からの景色を見ながら、これから始まる新たな生活に思いをはせるのだった。

2. 第2話 復讐するは、まかないにあり
「従業員として働きながら高校に通うこと」と、祖母である四十万スイ(しじま・すい)から厳しく言われ、スイが経営する温泉旅館“喜翆荘”で、新たな生活を歩み始めた緒花。それは思い描いていた生活とはほど遠い世界だった。だが彼女は、板前見習いとして住み込みで働く鶴来民子(つるぎ・みんこ)や同じ仲居の押水菜子(おしみず・なこ)をはじめ、喜翆荘で働く従業員たちと打ち解けようと孤軍奮闘。しかしその頑張りが裏目に出てしまう。

3. 第3話 ホビロン
“喜翆荘”で長逗留をしている売れない小説家、次郎丸太郎(じろうまる・たろう)。彼の書きかけの原稿をゴミだと勘違いして捨ててしまった緒花は、次の朝、まかないの支度途中に姿を消してしまう。「東京に帰ってしまったのでは?」と心配する従業員たち。しかしスイは、そんな彼らを横目に旅館の大掃除を命じる。掃除のため次郎丸の部屋に向かった菜子だったが、次郎丸に、かたくなに掃除、そして部屋に入られることを拒まれてしまうのだが……。

4. 第4話 青鷺ラプソディー
東京から来たということで女生徒たちには質問攻めに、実は男子に人気のある民子と一緒に住んでいるということで、男子生徒からは興奮気味に詰め寄られる。その勢いに戸惑う緒花を救ったのは、クラスメイトであり、有名温泉旅館“福屋”(ふくや)の一人娘である和倉結名(わくら・ゆいな)だった。にぎやかにスタートした緒花の学校生活だが、校舎裏で男子生徒から告白を受けている民子の姿を目撃する。

5. 第5話 涙の板前慕情
“喜翆荘”の板前であり民子を指導する先輩でもある宮岸徹(みやぎし・とおる)。緒花と民子は、彼がホットパンツ姿の結名をバイクに乗せ走り去るのを目撃する。驚くふたりだったが、翌日、板長の富樫蓮二(とがし・れんじ)から徹が来ないことを告げられた民子は、さらにショックを受ける。事情を知った菜子や次郎丸、仲居頭の輪島巴(わじま・ともえ)らも加わってあれこれ推測するも、次郎丸が仕入れた情報により、福屋旅館による徹の引き抜きという結論に至るが……。

6. 第6話 Nothing Venture Nothing Win
ある朝緒花が玄関を掃除していると、車に乗ったひとりの女性が現われる。彼女こそ、経営が苦しい“喜翆荘”を立て直すべく、叔父であり番頭である四十万縁(しじま・えにし)が雇った経営コンサルタント川尻崇子(かわじり・たかこ)だった。実は、ほぼ毎月やってくるという崇子から今回提案されたのは、仲居の服装を一新する案だった。ド派手な衣装を前にとまどう従業員たちだが、崇子の迫力と縁の勧めで、とりあえず服装を変え仕事をすることに。

7. 第7話 喜翆戦線異状なし
母からの電話でお見合いを勧められる巴。すでに相手の写真も送ったと言われ、実家に帰ってこいと迫られる。それに対して勝手に決めないでと反論するも、高校時代の友達の中で結婚していないのは巴だけであることや、喜翆荘でお金持ちのお客さんを捕まえて玉の輿に乗ることに失敗していることを指摘され言葉に詰まる。今の仕事を続けるか、それとも結婚か。これからの人生について悩む巴。そんな彼女の前に、少し特殊な常連客一行が現われる。

8. 第8話 走り出す
旅行雑誌で喜翆荘のある湯乃鷺温泉街が特集されることを知った緒花。旅館ランキングで上位になればお客も増え、スイからも労ってもらえるのではと妄想する。しかし現実は1組の予約しか入っておらず、菜子や徹が休みをとるぐらい暇だった……。ところが幸か不幸か常連さんと飛び込み客が重なり、一気に慌しくなる喜翆荘。スイも仲居として巴や緒花を手伝おうとするが、急に倒れてしまう。そんな中、崇子はお客に覆面記者がいると言い出すのだが……。

9. 第9話 喜翆荘の一番長い日
いきなり増えた宿泊客。突然倒れ病院に運ばれたスイ。菜子や徹の不在。そして覆面記者宿泊の疑い……。女将不在の中、右往左往する喜翆荘の面々は、崇子の提案で覆面記者と思われるお客を優先に接客しようとする。しかし緒花はこれまで通り、宿泊客全員に平等のおもてなしをするべきだと反対。友人の結婚式に出席している徹も連れ戻すと言って飛び出す。徹が見つからず焦る緒花の携帯に、突然孝一から着信が入る。

10. 第10話 微熱
最近、毎朝早起きをして玄関や帳場の掃除を続けていた緒花だったが、無理がたたり熱を出して倒れてしまう……。落ち着いて寝ている緒花を心配そうに見つめる民子や菜子、巴たちは、今日一日ゆっくり寝かしておこうと決める。オリジナルのおかゆを持ってくる徹や、お見舞いがてら新作を披露する次郎丸など、皆が入れ替わり立ち替わり緒花の様子を見に来るも、緒花は自分がいなくても仕事が回るのを見て、本当に自分は必要なのかと自問する。

11. 第11話 夜に吼える
湯乃鷺温泉街の特集が載った旅行雑誌の発売日。緒花は旅館ランキングでの喜翆荘の高評価を期待していたが、現実は10点満点中の5点。またランキングの結果を受けてか、予約キャンセルが相次いでいた。ランキングの結果に納得のできない緒花は、「喜翆荘にめちゃくちゃな評価をつけた犯人と戦ってきます」と書おきを残し、電車に飛び乗っていた。交渉(?)のすえ、なんとか出版社で記事を担当したライターの名刺を見せてもらうのだが……。

12. 第12話 「じゃあな」
旅行雑誌の旅館ランキングで、喜翆荘に悪い点数を付けられたのは大人の事情が絡んでいたと知ってショックを受ける緒花。心配で迎えに来た徹と民子に慰められ、3人は小さなビジネスホテルで一夜を明かすことに。翌朝、緒花は喜翆荘の本当の良さを知ってもらうため、母親であり、ライターでもある皐月を誘拐して連れて帰ることを宣言。徹と民子にも協力を仰ぐ。それを了承する徹だったが、孝一も一緒に喜翆荘に連れていくという条件を出す。

13. 第13話 四十万の女 ~傷心MIX~
母親を車に乗せ戻ってきた緒花たち。皐月は着くなり、浴衣のデザインやお茶菓子、お風呂の時間について、いろいろと指摘する。菜子はそんな彼女を素敵と思い、小さい頃から姉にいじめられてきた縁は威圧的なオーラにひるみ、次郎丸は皐月の艶めかしく白いうなじにやられていた。一方、スイと緒花は皐月と距離を取っていたのだが……。仕事を通してスイ、皐月、緒花それぞれの気持ちが交錯。四十万の女たちの物語に新たな1ページが加わる。

14. 第14話 これが私の生きる道
空に浮かぶ白い雲、照りつける太陽、目の前に広がる青い海。今日は緒花たちが通う香林(こうりん)高校の修学旅行。水着姿の緒花が、パーカーとショートパンツとサングラスで完全防備姿の民子の手を引き海へ誘っていた。仕事を離れ緒花、民子、菜子、結名たちは南国の夏を満喫していた。宿泊先の大きさに圧倒される緒花。旅館の番頭であり跡取り息子の日渡洋輔(ひわたり・ようすけ)は、何か結名と関係がありそうな雰囲気だが?

15. 第15話 マメ、のち、晴れ
結名の遠い親戚の日渡洋輔。彼の実家が経営する旅館「福洋」に修学旅行で泊まることになった緒花たち。しかし番頭である洋輔の厳しい指導や彼の態度に我慢できず、バイトの仲居4人が突如辞めてしまう。洋輔の両親と残った従業員は、手空きの仲居がいないか組合に連絡を取るなど奔走する。それを見ていた緒花は、自ら仲居の仕事を手伝うと伝えるも、洋輔の父にお客様の手を煩わせるわけにはいかないからと断られるのだが……。

16. 第16話 あの空、この空
結名の実家である「福屋旅館」に集まった湯乃鷺温泉の女将、組合員たち。不況の時世、どうやったら温泉地を盛り上げられるかと話し合っていた。その中には緒花、菜子、民子、そして結名の姿も。突然女将から率直な意見をと求められた緒花たちは、自分たちの欲望のまま答え女将たちを呆れさせてしまう。その頃、喜翆荘では縁と経営コンサルタントの崇子が、スイに喜翆荘を舞台にした映画の製作、そしてその映画への出資の提案をしていた。

17. 第17話 プール・オン・ザ・ヒル
喜翆荘の螺旋階段では、緒花と菜子に追い詰められ進退窮まった結名の姿があった。喜翆荘を舞台にして、さらに現地の人も積極的にキャスティングすることとなった映画製作。特撮用の機材も運び込まれ、カメラテストが行なわれていた。それを嬉しそうに眺める縁。喜翆荘の庭にある池が映画の為に掃除され、元のプールの姿を取り戻すと、縁はそこに過去の幻影を見る。一方、東京に戻った皐月からスイへ一本の電話が……。

18. 第18話 人魚姫と貝殻ブラ
夜、次男をおぶりながら台所で夕食を作っていると、長男と次女の「お腹空いたー」という声が響き、居間からは小学校の教師である両親の討論が聞こえてきた。「そういう話は学校で!」と、弟妹の面倒を見ながら両親をたしなめる菜子。そこには家の外では見られない力強くしゃべる姿があった。翌日、菜子はお客から見ごろの花を聞かれるも、すぐに答えられず落胆する。家でのように振舞いたい、やっぱり今の自分を変えたいと思い始めていた。

19. 第19話 どろどろオムライス
文化祭で「姫カフェ」を企画することになった緒花たちのクラス。主に男子からの強い支持で、接客チームのリーダーは結名姫、料理チームのリーダーは民子姫ということに決まり、緒花は仲居の経験を活かし接客チームの講師を任される。あまり乗り気でない民子だったが、徹の「文化祭当日の昼間は暇だ」というひと言で俄然やる気に。限られた調理器具で、最高の料理を作ろうとメニューをいろいろと考えるのだが……。

20. 第20話 愛・香林祭
文化祭の「姫カフェ」のメニューについてクラスメイトと言い合いになってしまった民子。売り言葉に買い言葉、材料の買い出しや準備を自分だけでやると言い、準備当日も朝早くからひとりで出かけていた。心配した緒花は集合時間より早く教室に行くと、そこには黙々と準備を進める民子の姿が。手伝いを申し出る緒花に、民子は手伝いはいらないと声を張り上げる。一方クラスメイトの水野と二人きりで準備していた菜子だった。

21. 第21話 蘇る、死ね
縁と崇子から突然の結婚宣言を聞かされる喜翆荘の面々。お金がなく結婚式があげられなくても、ふたりの力で旅館を盛り返すと息巻く縁だったが、スイから喜翆荘の番頭としての体面を保つため、必ず式は挙げること、と条件を出される。結婚費用の高さに頭を抱える縁、そしてそれを見つめる緒花たち……。だが豆じいのひと言から、皆が手伝い喜翆荘で結婚式を挙げることに。 緒花や初めて宴会料理を仕切ることになった徹は俄然やる気を出す。

22. 第22話 決意の片思い
緒花、菜子、そして結名は手作りのウェディングドレスを、蓮二から初めて宴会料理を任された徹は当日のメニュー作りに、そして次郎丸はオリジナルの寸劇の準備にと、それぞれが縁と崇子の結婚式準備を進めていた。そんな中、あることから一方的に民子に嫌われてしまった緒花は、何とか話し合おうとするのだが取り付く島も無い……。どうすることも出来ない緒花だったが、母・皐月との電話の中で聞かされた言葉をきっかけに、あることを決意する。

23. 第23話 夢のおとしまえ
四十年欠かさずつけてきた業務日誌を誰かに引き継いでほしいという電六の申し出。それを了承したスイは、ある重大な決心を緒花に告げる……。後日スイの気持ちを知ることとなった喜翆荘の人々は、普段と同じよう仕事をこなしながら、これからの自分たちの行く末を思案していた。そんな中、崇子は縁が騙し取られたお金を取り戻すため東京に行くことを宣言。それを聞いたスイから、緒花も一緒に東京へ連れていってほしいと頼まれる。

24. 第24話 ラスボスは四十万スイ
偶然にも東京で出会った緒花と孝一。突然のことに驚くふたりだったが、孝一はあらためて自分の気持ちを緒花に伝えようと、ゆっくりと話しだす。しかし孝一の気持ちを汲み取った緒花は、それを遮り、ぼんぼり祭に来て欲しいとお願いする……。喜翆荘に戻ってきた緒花と崇子を待ち受けていたのは、ひっきりなしに入る予約の電話だった。盛り上がる縁や巴だったが、スイは決心を変えるつもりはなく、これ以上の予約を取らないようにと言う。

25. 第25話 私の好きな喜翆荘
湯乃鷺温泉にある神社や湖では、ぼんぼり祭の準備が着々と進められていた。結名から渡されたのぞみ札を持って緒花が戻ると、縁をはじめ蓮二や徹、民子や菜子、巴たちが、いつもより多くのお客さんをどうやってもてなすかとバタバタしていた。それを見ていたスイは、半ば諦めつつも祭の日だけは、今まで通りのやり方でもてなすようにと告げる。スイ、電六を除く面々が一丸となって喜翆荘を盛り上げようとしている中、緒花はどこか違和感を覚えた。

26. 最終話 花咲くいつか
神社を目指して徐々に集まるぼんぼりの灯り。暗闇の中で輝くその灯は、空に輝く天の川のようにも見えた。初めて目にするその様子に感動する緒花。そのとき携帯電話に孝一からのメールが入る。人の流れに逆行して、慌てて駆け出すその手には、願いが書かれたのぞみ札が握られていた……。夜店をのぞいたり飾られたぼんぼりを眺めたりとそれぞれが祭を楽しみ、一夜の夢が終わる。緒花、民子、菜子、そして皆の新しい物語がここから始まる--。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

ギータ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

緒花により成長していく人たちと、緒花自身の心の揺れ動き 追記:一挙放送視聴後の感想

映画にニコ生一挙放送もあるので、今のうちに何かしら書いておきます。

こういう元気があふれてまっすぐな主人公とても好きです。何かしら良い意味でも悪い意味でもやらかしてくれそうな雰囲気があって、物語を華やかにしてくれるタイプの主人公だなと思います。
緒花の行動、言動によって多くの人たちの心を動かし、成長していくのがこの作品の見どころの一つです。元気、打たれ強い、前向きといったキャラで、全くぶれなそうな人物という描写をしています。

私がこの物語で一番心を動かされたのはあの場面です。
{netabare}
物語の中盤、緒花が東京の母親に抗議しに行く回です。母親に会いにいったけど、現実をつきつけられる、こうちゃんに会うものの互いの心がすれ違ってしまう、自分には何もできない、自分がよくわからない、何もかもうまくいかないといったマイナスの考えが緒花の頭の中を埋め尽くしたことでしょう。
どれだけ強気な性格でも、どん底まで悩んだり落ち込んだりすることはあるんです。人間だもの。すごくぶれない人物という描写を前半にしていた分緒花がここまで落ち込んだことにはかなりのインパクトを受けました。それでも、それ相応の仕打ちを受けていたので、決して無理やりな展開ではなかったと思います。
そんな中みんちの登場に、せき止めていたダムが崩壊したのでしょう、あの緒花が泣いてしまったのです。私も泣きました。頭がごちゃごちゃになる感覚、その後何も分からなくなった所に友人の登場、安心感と言うか、言葉にできない感情があふれる感じ、本当に共感できましたし、感情移入して思わず泣いてしまいました。

→追記
緒花も泣きながら「分かんない」って言ったり最後のしめで「こんなに心が動いた日は初めてだ」って言ってましたね。
別にそこは言葉にしなくてもいいんじゃないかなと思いましたけど、多くの人にこの気持ちを伝えたい、強調したいという意図からのセリフかなと思います。
あと、見返したら緒花って結構泣くことが多いキャラでした。他に感情が動くシーンが結構多くて、いろんなことを考えているキャラでもありました。
緒花の人物像が2回目の視聴によって大きく変わったなと思います。それは自分の考えや、アニメの見方が変わったというのも理由のうちの一つでもあると思います。
{/netabare}


追記:一挙放送を見ました
改めてじっくり見て、いたるところにメッセージが詰まっている作品であったと思い知らされました。
1回目に比べ、印象に残るシーンがだいぶ変わりました。私の考えの変化や、このサイトで考察していたことによってアニメの見方がだいぶ変わったのかなとも思いました。
うまくまとめれるか分かりませんが、感じたことを書けるだけ書きます。

・本当の自分って何?
{netabare}
きもなこちの回です(笑)菜子が自分を変えたい、家庭で振舞っているのが本当の自分であり、どの場所にいてもその姿で、本当の自分で居続けたいと迷走する話です。
これは私の経験とリンクするところがあります。個人的な話なので、特に読まなくてもいいということで隠します(笑)
{netabare}
教育実習の時の話です。私は当初、実習先の生徒と全く話すことができませんでした。他人行儀な感じでしか話しかけられず、生徒も壁を作っていて私に話しかけてきませんでした。私は吹っ切れて、はっちゃけて振舞ったところ、話せるようになり、壁を作っていた生徒たちも、私に話しかけてくれるようになりました。私はこの経験からありのままの自分(明るく、積極的な自分)で振舞うことが大事であり、必要なことだと感じました。本当の自分を見せれば、相手も本当の自分を見せてくれるのだと感じました。
しかし、最近疑問に感じていたこともあります。もし、自分が根暗だったら、ありのままの自分で振舞って生徒とコミュニケーションをとることができるのか。そもそも普段の本当の自分もよくわからないのに、ありのままの自分で振舞うってどういうことなのかなと感じていました。
{/netabare}
菜子は女将さんの言葉によって答えをみつけます。
家庭での明るい自分も、喜翆荘でのしずかな自分も全部本当の自分なんだと。とくに深く考える必要はない、どの自分も自分だと、そんなメッセージが伝わってきました。
私もそうでありたいなと、変に自分を求めて明るくふるまったりせず、これはこれで自分の姿なんだと受け入れて、自分という人間、そして自分の性格を大切にしていきたいです。自分のことがよく分からなくても、深く考えすぎずに進んでいきたいと、考えて立ち止まっても多くのものを得ることはできないと感じました。
{/netabare}

・ぼんぼるという言葉について
「頑張っているけどぼんぼっていない」
{netabare}
正直言ってねらいすぎというか、はやらなそうな言葉ですよね(笑)しかし、目標に向かって頑張るという意味合いは素晴らしいものがあると思うんです。女将さんと対立して喜翆荘を残すために紛争しているシーンで緒花が言った「頑張っているけどぼんぼっていない」という言葉は核心をついてるなと、この状況をよく言葉で表わせたなと言う印象です。
「緒花ちゃんは女将さんの味方なの?」「女将さんの味方やめなよ」というように、喜翆荘の従業員は本来第一に考えなければならないお客さんを二の次にして、女将さんと戦っているわけです。頑張り方を間違えているわけです。
このことに関しても自分の経験と重なるものがあります。これも長く、2つの経験をあげるのでとばして結構です(笑)
{netabare}
私は大学の研究室で失敗続きでひたすら怒られていた時期があります。私は気付かないうちに、怒られないようにしよう、失敗しないようにしようという気持ちばかりが前にいってました。しかし、それに気付くと同時にある経験を思い出して考え方を変えなくてはと思いました。
思い出したのは中学時代の経験です。野球部に所属していたのですが、あまりに監督が怖くて、ビクビクしながらプレーしていて、伸び伸びと楽しみながらのプレーをすることができませんでした。振り返って私は監督に怒られないように、失敗しないようにプレーしていたなと、今と同じ状況だったなと思いました。あの時、考えるべきは監督ではなく、「絶対に打ってやる、抑えてやる」といった、目の前のことだったなと思いました。
私は中学時代のプレーを後悔したと同時にこれを繰り返してはいけないと、頑張り方を間違ってはいけないと思い、自分の考え方、行動を見直したという経験です。
{/netabare}
頑張っていても頑張り方を間違っていれば、より失敗する可能性があがったり、空回りに終わってしまうこともあります。自分のやるべきことや、目標を明確にしたうえで頑張らなくてはいけないということです。
ぼんぼるという言葉は、響き的には少しダサいですが、意味合い的にはとても素晴らしい言葉であると思うのです。思い返してみれば、緒花も最初はぼんぼっていませんでした。何をすればいいかわからず、ただただ頑張ろうとし、空回りしていた。そんな中輝きたいという自分の気持ちをみつけ、ぼんぼるという言葉を編み出した緒花は、ただの主人公補正でなく、順調に成長し、自分の目標のためにぼんぼっていたのだなと、そのうえでの行動だったなと感じました。
確かに自分が何をすればいいか分からないという人もたくさんいると思います。それでも頑張るべきことを見つけた時、それを大事にしてほしいなと思うんです。喜翆荘の人たちはそれを一度忘れてしまいました。ぼんぼることが見つかったら、それを簡単に手放さずにぼんぼってほしいなと感じました。
{/netabare}

・この物語の成長の流れ
{netabare}
以前、緒花によって周りが変わっていく、成長していくと書きましたが、改めて見返して、緒花も成長している、むしろ、緒花視点で進むというのもありますが、この物語で一番成長したのも緒花だなと感じました。
周りの人たちが元からの緒花という人間に感化されて成長したわけではありません。緒花がまず成長して、成長した緒花の行動に感化されて周りも成長につながったというのが、本当の形かなと思いました。自分の成長が周りの成長にもつながるといった感じです。緒花の影響力は相当大きいなと感じました。

もう1つ、この成長の仕方は他の作品ではほとんど扱われていないのではないかと思います。
それは、間接的な成長、緒花の行動に感化されて成長した人にさらに感化されて成長するというものです。
これは、修学旅行での緒花、ようすけ君、結名の関係です。結名のプライドや負けん気が働いたのもありますが、ようすけが変わらなければ、結名の感情変化もありませんでしたからね。
結名らしい成長を求めたうえでのシーンかもしれませんが、この成長の仕方は新鮮なものがありました。
{/netabare}

・考えるよりまず行動できる
{netabare}
これがこの物語での登場人物の成長に大きな役割を果たしていました。修学旅行での緒花の行動に対して、喜翆荘での指導の賜物だということで言われた言葉です。まぁ指導というよりは緒花の性格のような気はしますが、そこはあまり緒花という人間を知らないから言われた言葉なのかなと。
緒花の影響力はとても大きいです。しかし、自分が考えていることを話したり、行動にしなければ何も起きません。それは物語だけでなく、現実でも同じことが言えます。変化は行動しなければ起こせないのです。
ちなみに「考えるよりまず行動」というのは何も考えてないということではありません。緒花は色々、人からすれば気にしない、ほっておけということまで考えています。そして、その答えが見つかった時、迷わず行動に移します。自分の考えに対して、疑問や不安、ためらい、失敗した場合などのいらないことを考えずに行動に移せるというのがこの言葉の意です。
{/netabare}


じっくり見返してみれば、こんなにも見えてくるものがあるんですね。一挙放送で見返すことができて良かったし、他のアニメにもまだまだ見落としていることもたくさんあると思ったので、色々見返したいなと思いました。
花さくいろはについても、まだ書きたいことを書ききれていないので、これからも考察を続けて、考えがまとまったら続きを書きたいと思います。
とりあえず今回はかなり時間をとりすぎてしまったのでこのへんで(笑)


追記:最近すごくよく考える"変化"についての考察
地元への帰省によってクラナド2つのレビューで考えていることを書きました。花咲くいろはでもあの回があったことを思い出し、改めて考えてみることにしました。
{netabare}
皐月さんの喜翆荘への評価覚えてますか?この回が今回考察したいところです。とりあえず丸々コピーしてきたやつを貼り付けます。
「十年一日の如くと言ってしまえば簡単だ。しかし、変化を続けなければ場は淀んでしまう。
 変わらないというイメージを人に与えないための変化は、非常に難しいのだ。
 喜翆荘は常に進化を続ける。変わらぬサービスを続けるため、十年一日の如くを守りぬくため。
 従業員達の気概を感じる、とても暖かな、居心地の良い旅館だった。」

ほっとけば何も変わらないわけではないですよね。絶対マイナスの方に向かった変化をしますよね。加えて、変化をしなければ変わらないイメージを与えられないと言っているのです。
凄いですよね。こういうことを考えて文字にできるって。
考えて見れば分かることだと思います。変化することよりも変化しないことの方が難しいことだと。私も最近の経験もあって、より一層そう感じます。
変わらないと感じるものだからこそ価値がある、持続するために数々の努力をしている、というように皐月さんは評価を下したのです。
大切なものを守りたい、変わらせたくないと思っているものがあったら、この皐月さんの言葉は非常に大切なものだと思います。常に進化し、変化を続けなければ、持続していくのは難しいと私も思います。

最後に「ここは変わらないなぁ」「ここは変わったなぁ」どっちの方が好みですか?
私的には前者の方が和やかというか、落ちつける感じで元々好きです。そして今回考察してみて、何気なく見てきた日常、変わらないものって実はとても価値のあるものなんじゃないかなぁと思いました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30
ネタバレ

赤緑 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

好みに合いすぎて高評価だけど合わない人は合わなそう・・・老舗の温泉旅館を舞台に繰り広げられるお仕事ドラマ

(やや長め:各話コメントを除くと2,500字程度・全部で5,000字程度)

とにかく私ごのみの要素が詰まっていて、大好きな作品。
居心地がよくて、観てると落ち着く。まるで本当に旅館でくつろいでいるような気分で観られる。
アニメとしてのクオリティーは高いけど、興味のない人や合わない人にはとことん合わないと思うので、評価は分かれるだろう。

---


≪概要≫

東京の女子高生が、突如として石川県にある温泉街の旅館で働くことになる。
旅館で働く女の子たちと、同じく旅館で働く人々のそれぞれの思いが入り乱れるドラマである。

仕事に対する価値観と心構えが全く異なる4人の女子高生が登場する。



≪視聴状況≫

初回はテレビ(再放送)で観てたんだけど、当時のテレビの画質がよくなかったのと、あまり視聴に集中できなかったため、それほど評価してなかっただが、観終わってからこれは高画質の環境で観るべきと思い、BD-BOXを購入して再度一気見。

最高。

レビューする前にもう一度観ておかないとと思っていたのだが、BD環境が調子悪かったのでレビューできずにいた。
やっとBD環境を新調したので再度観た。
やっぱり最高だった。

BD-BOX、家宝である。
コンパクトなところもいい。



≪物語のポイント≫

主要キャラの4人を中心に物語は進む。
でも、サブキャラの話もそれなりに出てくる。こういうのも群像劇って言っていいのかな?

主人公の少女・松前緒花が、東京から離れて旅館の仕事をしていく中で、これまであまり深く考えてこなかった仕事・家族・恋愛について気付いたり教えられたりする。



≪好きな点≫

個人的に好きなポイントをいくつか挙げてみる。


1.旅館が好き

マニアというわけではないが、私は旅行に行って旅館に泊まるのが好きで、本作の舞台となっている「喜翆荘」(きっすいそう)みたいな老舗の旅館に憧れがある。


2.女性がみんな可愛い・美人

可愛いお気に入りキャラが出てくるアニメは他にたくさんあるけど、特に気に入っているキャラじゃなくても可愛い・美人。
詳しくは後述。
キャラデザ&作画監督の人(関口可奈味氏)の作画が好きだからというのもある。


3.料理人

若いときに料理人にあこがれていた。
ただ、修行に耐えられるほど根性がないので目指すことはしなかったけど。
だから料理人の話は好き。


4.絵がきれい

安定という点ではやや劣るけれど、ここぞというときの画の美しさはそれを帳消しにしてくれる。


5.音楽

劇伴は邪魔にならない程度に地味だけど、場面にあった落ち着いた音楽が多い。
OP,ED曲はタイアップで専用の主題歌ではない(たぶん)ので、すごくマッチしているとは言えないが、雰囲気はとても良い。
OPはアップテンポな曲で、元気良く動くムービーと相まって爽快感がある。
EDは曲と映像共に落ち着いた雰囲気で和ませてくれる。



≪苦手な点≫

P.A.Worksさんの作品で描かれる人物(特に若者)と恋愛観みたいなのがちょっと苦手。
上手く説明できないんだけど、特有の痛々しさがあるというか。
若い子には気にならないのかも。
まあ、アニメには多かれ少なかれそういうのはあるだろうけどね。

ただ、この作品に関しては、このような苦手さがありつつも、それでもどのキャラもそれなりに好きで、恋愛に関しても他の作品に比べるとかなりマシなのでそんなに気にならない。



≪女性キャラについて≫

男性キャラもなかなか魅力的なのだが、やっぱり女性が可愛い・きれいというのは重要だ。


個人的な好みで言うと、菜子がいちばん好きである。地味だけど隠しきれない美しさがあるみたいなのがすごくイイ。

だが、作品の中でもっとも光っている女性は、やはり女将であるスイさんだろう。
緒花の祖母であり、歳からいっても完全におばあちゃんなのだが、
理想の女将さんだ。
CVの久保田民絵さんの名演も本当に素晴らしい。

緒花の母も、娘にビ●チ認定されるほど恋愛に積極的で(夫とは死別)、年増ではあるが「いい女」感がスゴイ。


そして、今回観ていて今までと違ったのは・・・
民子である。
もう何度も観ているのにここに来て印象が変わるとは驚いた。以前はビジュアルが黒髪ロングストレートで性格は可愛くないしあまり面白みがないなと思っていたんだけどね。
性格は相変わらずではあるが、とにかく可愛いシーンがたくさんある。
演技も、最初は浮いている気がしていたが、今ではこれじゃないとみんちじゃないって感じるようになった。


≪声優さんについて≫

細かく書くとキリが無いので、代表的な人だけ。

上で書いた通り、女将役の久保田民絵さんの名演が一番に挙げられる。

あと、緒花と菜子って、『超電磁砲』の佐天さんと初春なんだよね。でも性格が全然違うのであまりそういう感じはしない。



≪アニメである必然性はあるのか≫

こういう意見をたびたび耳にするけど、一理あるとは思う。
ただ、この作品をこのクオリティーと同等のものに仕上げるには、NHK朝の連ドラくらいのお膳立てが必要になるんじゃないだろうか。
深夜アニメだからできた企画なのでは。
色々あるだろうけど特に予算的に。私には円盤購入で買い支えるくらいしかできないが報われて欲しい。



≪余談≫

石川県には行ってみたいんだけど、北陸の中でも特に奥まっていて行きづらくて、まだ行ったこと無い。
飛行機を使えばいいんだけどこの距離で飛行機はあまり使いたくないんだよね。
北陸新幹線もできて交通の便が良くなったのでいつか行きたい。



≪総合評価≫

題材や結末については人を選びそうだし、アニメならではの面白さは弱いかもしれないが、
ドラマアニメとしての完成度は非常に高い。
点数はひいき目に付けた。

物語:
全体のストーリーは絶賛するほどではないけど
脚本と演出が特に良かったのでは。

作画:
人物が安定しない回がちらほら見られるけど、
背景はとてもいい。
キャラ原案が良かったからなのか、女性がとても好み。

音楽:
前述のとおり、劇伴もOP・ED曲も良い。(Best10・歌手編にランクイン)

声優:
前述のとおり、久保田民絵さんの演技がすごく好き。
伊藤かな恵さんも小っちゃくて元気な女の子の役が上手いね。『大正野球』の小梅とか。

キャラ:
脇役まで含めて存在感がとても強い。




≪各話コメント≫

視聴時のメモ。第9話まではメモるの忘れたので第10話から。

{netabare}
▼第10話 微熱

大好きな回。
上手く説明できないけど、「間」を使った話というのかな。

緒花は喜翠荘で居場所を見つけたことで、却って自分が喜翠荘で必要とされているのかどうかを気にするようになった。

テレビを点けたり消したり。意味があったんだ。

みんちが少し優しくなってきた。


▼第11話 夜に吼える

3話連続の話。
前編
「ぼんぼる」はこの話が初出?
緒花の「ババァ」ってセリフ、なんかイイ。


▼第12話

中編

作画が良かった。


▼第13話 四十万の女

後編

みんな美人。


▼第14話 これが私の生きる道

OP,EDが変わる。
絵・曲ともにこっちの方が好み。

折り返し地点につき、サービス回?

修学旅行、前編。

みんちの効果線付きホビロン笑える。


現実の嫌なところを突きつけられるので、あまり楽しくない。


▼第15話 マメ、のち、晴れ

修学旅行、後編。

ちょっと作画の粗が気になる。

ありえない展開だと思うけど、緒花の心意気が伝わって良かった。

個人で旅行に行くと、先に風呂に入るのって割と普通だけどな。
修学旅行の時ってどうだったっけ。昔過ぎて覚えてない・・・。

結菜が少しペース崩されて溜飲が下がる。いや、別に結菜が嫌いなわけじゃない。
普通の女子高生ってきっとこっちが普通だろう。

最後にさらなるサービスが。


▼第16話 あの空、この空

映画回前後編の前編。また現実的で嫌な話なんだよな。

作画はとても良い。


▼第17話 プール・オン・ザ・ヒル

映画回後編。

緒花が撃たれたときの伊藤さんの声、いいな。

プールサイドの無理な体勢。宮崎アニメかよ。


▼第18話 人魚姫と貝殻ブラ

菜子回。

菜子、所帯染み過ぎだろ。
両親、教育オタクかよ。めんどくせー。

おしゃれ菜子、可愛い。

「この広い野原いっぱい」いいなー。

シャレオツw


▼第19話 どろどろオムライス

文化祭前後編の前編。
これまた面倒くさい。

結菜「キャハッ」ウゼェーw
メイド服は可愛いけど。

緒花、なんだその気持ち悪い夢は。


▼第20話 愛・香林祭

文化祭、後編。

みんこを責める気はないけど、料理人なら、ある設備と材料でなんとかする方法も考えられないといけないよね。(味沢匠を思い起こした。)まあ、彼女もまだ未熟だから仕方ない。

やりたいことを見つけられても、大成するとは限らないんだから、モラトリアムも悪いことじゃないと思うんだ。

オムライス告白とか。

みんこ可愛過ぎだろ。


▼第21話 蘇る、死ね

若旦那の結婚話。

徹の残酷な言葉。
そういえば、蓮は気づいてるっぽい?

赤い教室って、心理学的に間違ってないか?

カーテンか。ドレスはレンタルの方が良かったんじゃないか?

最後、グッとくるシーンなんだけど、同時に???になる。
どういうことなんだ?


▼第22話 決意の片思い

そういえば、今時、オフィスでタバコ吸えるところなんてあるのか?
マスコミ系は普通なのかな。
昭和かよ、と思ってしまった。>さつきのオフィス

ここの緒花はなんか可愛いな。

試着、やばいな。

本人に聞かれるパターン、これは嫌いだな。
『凪あす』はこれのもっとひどいやつをやってたけど。
でも、こっちはこの後の展開が素晴らしい。ゾクゾクした。

みんこ可愛い。

なこ、凛々しい。

ドレスの元が何なのかってのは

単に挿入歌でなく、
主題歌歌ってる人がそのまま出席しているみたいな演出、いいね。
声も。
出席者の余興として。

女将がなんか思わせぶりなことを言った。


▼第23話 夢のおとしまえ

やっぱ美人だな。さつきさんは。
全然関係ないけど、『げんしけん』の咲ちゃんを思い出す。
ビッチなところも似てるし。
高嶺の花だけど、好きだわ。


駅弁は楽しいよね。
私はタイミング的に新幹線で食べてしまうことが多い。
でも本当はローカル特急で食べたい。


貴子さんもいい女だと思う。


ED前の音の演出、すげー。



▼第24話 ラスボスは四万十スイ

口抑えているポーズおかしいw

いやー、東京の景色も綺麗だよ。このアニメのは綺麗に描けてるよ。

OPにも出て来るけど、きっすいそうの遠景もいいよねえ。

『流れ包丁?』の元ネタは、『包丁人味平』か。
まあ絵がそのまんまだから分かるよね。

女将の入浴シーン、
何じゃそれー、って思うけど印象的なシーン。

御墓参りのシーンもいいなあ。



▼第25話 私の好きな喜翠荘

みんちは確かに厳しいよな。
ここにいるのだってお情けがあってのことだし。

なこ、いいこと言ってる。
「自分が走れる人だから、走れない人の気持ちがわからない。夢を持っている人に一生懸命ついていくことが夢になることだってある」
こういうのってあるよね。私も身内で似たようなことがあったからなんか分かる。

そういえば、蓮さんと巴さんって進展しなかったな。

旅館には賑わって欲しいけど、私が自分で行くときにはもっと空いている時がいいな。

三世代の揃い踏みカット。

ED曲は、もっと和風な方がよくないか?


▼第26話 花咲くいつか

最終回。

無粋なことを言うようだが、みんなで出かけてしまっていいのだろうか。

三角関係でも、こう言うサバサバしたのなら大丈夫。

> そういえば、蓮さんと巴さんって進展しなかったな。
いや、最後の最後で今後何かありそうな感じ。


バカな子ほど可愛い。


しばし感傷に浸る女将さん。
これ以上ない終わり方だ。

さすがの女将さんも溢れる気持ちを隠しきれず。

蓮さんは繊細だなあ。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

65.7 3 nano.RIPEで恋愛なアニメランキング3位
グラスリップ(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (1165)
5336人が棚に入れました
ガラス工房を営む一家の娘・深水透子は、友人の家にあるカフェ「カゼミチ」を友人たちとの憩いの場所にしている。高校3年の夏休み、彼女たちの前に現れた転校生の少年・沖倉 駆は、透子に、自分には未来の声が聴こえると語りかける。もし、あらかじめ未来を知ることができるのなら、自分は何を望むのだろう? 感じたことのない動揺を覚えながらも、透子は胸の中に、放っておけない感情が生まれていることに気が付く...。

声優・キャラクター
深川芹亜、早見沙織、種田梨沙、逢坂良太、島﨑信長、山下大輝、東山奈央、茅野愛衣
ネタバレ

アガパンサス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

グラスリップ解説最新版・分かりました

ネット上では「分からない」としか言われていない本作品。
いくつかの話をピックアップして見ていこう。ただし最終回の伏線になっているところは途中でも解説してしまうので、一通り観てからこのレビューを読んでくださいです・・・

1話のポイント
{netabare}
1話は最終話への伏線が沢山あるので重要。
・ヤナが「先のことは分からない」と言うが、透子は「ずっと友達でいたい」と言う。
→ヤナの「不吉な」セリフが、話数の進行に伴い、従来の友達関係が壊れていくことの伏線になっている。
・透子は「何があっても全部未来の自分が解決してくれますように」と言う。
→このとき、目をつぶって手を合わせている点に注目。最終話で同じセリフが言われるが、その時は手を合わせないし目をつぶることもない。より前向きになっていることが分かる。つまり、1話の時点で、透子は未来を他人任せというか「なんとなく」しか意識していなかったが、最終話で「はっきりと」意識して「自分で切り開く」ことを決心したのだと言えるだろう。
・ジョナサンが浮いている。残りの名前にフッサールとか出てくる
→間違いなく、「浮いている」ジョナサンとカケルが対応している。
→最終話でユキが「ジョナサンは冒険者だが、残りの名前はみんな哲学者だよな」と言うのに注目。
・透子は「放し飼いがいい」と言うが、カケルは「猫に襲われるだろ」と言う
→自由がいいか、守られているけれど不自由なのがいいか?とも解釈できる。カケルが自分自身の殻にこもっている証拠ともいえる。これを補足するものとして、透子の家でジョナサンが暴れまわるが、これは自由への欲求とも受け取れる。
{/netabare}
2話のポイント
{netabare}
・カケルは透子と会って、初めて映像と声の両方が合わさった欠片を見た。
→カケルは音の欠片を聞き、透子は映像の欠片を見ている
・透子が4人の友達から離れて電車がドン!な欠片
→これは、4人が死ぬという意味ではない。この時点でも想像はできるが、12話で透子が「私がみんなと過ごした忘れられない場所をもっていない」と言うことによって、はっきりと伏線が回収される。つまり透子は4人と親しい友達でいるつもりだったが、それは表面的なもので、実は透子自身は浮いた存在であり、次第にそれが明らかになっていく、ということ。今後の話で、まさにこの映像のようなストーリー展開がなされていく。
・ユキとヤナの恋愛感情が露呈して、5人の友達関係が崩れていく
→カケルは5人にとって「部外者」。しかし部外者の登場によって5人の表面的な関係が崩れていくのである。
{/netabare}
3~6話は、あまり重要ではない。未来の欠片をめぐって視聴者はじらされる。その中で、次第に5人の中の恋愛感情が育っていく回だとみておけば、大きな間違いではないだろう。一応5、6話だけ少し。
5話のポイント
{netabare}
・ヒロの恋愛感情がサチに向いている
・ヤナがユキに棒読みな告白をする
→これで5人の友達関係は完全に崩れてしまった。5人の人間関係はヤナが1話で予言したように「変わって」しまったのである。
{/netabare}
6話のポイント
血なまぐさいケンカがあるが、それ自体はあまり重要ではない
{netabare}
・透子がカケルとのキスシーンの欠片を見る
・カケルが「透子に味方してほしかったのかな」と言う
→透子とダビデの心理的な距離は近づきつつある
{/netabare}
7話のポイント
未来の欠片の正体が判明したり、カケルの今までの人生がどういうものだったかが明確になる非常に重要な回である。
{netabare}
・3人のカケル
→カケルは常に自分を冷めた目、つまり第三者的な目で見ている。これはすべてのことについてもそうである。
・テント暮らしの象徴するもの
→カケルは常に世界の「外」にいる。透子達5人に対しても、輪に入ることはなく「外側」にいようとする。
・透子が「高いところに登っちゃダメ」と言うが、カケルは「少しでも落ちる可能性のある所には登れない」と言う
→カケルは「挫折に対する恐怖」を感じている。だから何事も夢中になることがなく、冷めた目で外から見つめている。このことが、1話で透子に「そんなのお前の価値観でしかないだろ」というセリフにつながる。つまりカケルにとって「価値観」はすべて相対化されており、「カケル自身が何をしたいのか」という部分が気持ちの中に全くないのである。
・最後の砂浜でのシーン。ヤナの後ろ姿から鳥(後にトビと判明する)が沢山飛び出してきて「お似合いカップル」と憎らしくつぶやく「映像と声があわさった欠片」を透子が見る
→「未来の欠片」は、タイムマシン的なイメージで捉えた未来の予測ではなく、その人が抱えていたり自分が遭遇している現実に隠された「本質的なもの」と考えられる。これは最終話で透子が「未来ではなく、まだ起こっていない、でもきっとこれからおきること」という言い方もしている。「未来の欠片をみる力」というのは、「現実に表面的に存在しているわけではないが、そこに潜む本物をみる」能力と言ってもよい。「本当の想いや本音、隠しているもの、隠されているものを見る力」と言ってもよい。少なくとも、「ふつうの意味での未来」とは別の意味が「未来」に隠されていると考えないと、このアニメのストーリーが意味不明になってしまう。透子とカケルは未来予知能力者では全くない。
・9話の伏線として、サチが透子への好意をヒロに打ち明けるシーンがある。その打ち明け方がドロドロしているためか、ヒロはサチと一定の心理的な距離を置くようになった。これを、「ヒロはサチの友達でしかないと悟った」と解釈する人がいる。そうも読めるが、後で二人は登山デートをして、ついにヒロがサチを背負うところまで仲が発展していくのだから、「単なる友達」ではない。10話でヒロがサチへ読書感想をメールで伝えるというシーンからも、やはり二人の関係は特別なものになっているのである。ヒロがサチから一度心理的な距離を置いて冷静になったからこそ逆に本物の愛につながっていくのではないか。
{/netabare}
8話のポイント
カケルと透子の関係が重要な段階に入る。
{netabare}
・透子の欠片:二人の女性の会話中に窓ガラスが割れる→表面的な二人の関係を見破ったということではないのか。
・雪が透子の欠片の中で降り始める
→欠片の中に透子とカケルがキスをするシーンがあり、「やはり二人は両想いであることがはっきりしていくのかな?」と予想することは簡単である。では、雪の正体とはいったい何だろうか?これは、12話で透子が見るカケルの「唐突な当たり前の孤独」のシーンにつながる。つまり、キスをするだけでなく、カケルが抱える本当に重大な問題を透子が理解することによって、二人の関係は単なる肉体関係としての恋愛ではなく「本物の関係」になるのである。
{/netabare}
9話のポイント
{netabare}
・サチが透子とヒロの二人に告白する。
・透子がスケッチに描いた鳥を消している→これがトビの姿なので、7話でヤナから飛び出した鳥はカラスではなくトビではないかと思われる。あまり本質的ではないが・・・
・サチの言う重要なセリフ:「明日のために」→最終話への伏線。明日のために今日を一生懸命生きよう、ということ。
{/netabare}
10話
{netabare}
・ヒロが読書感想メールをサチへ送る。ようやく気持ちが通じ合ったかなと言う感じがする。
・カケルが欠片を見ることができなくなった
→次第に自分自身の「外」から「内側」へカケルの気持ちが移ってきていることの証。平たく言えば、カケルの「自分自身」が「覚悟を持って生きる」決心がつき始めている、ということ。
・「唐突な当たり前の孤独」
→「自分に友達が出来ても、自分が引っ越しなどでいなくなったらその友達は自分のことを忘れてしまう」経験のこと
{/netabare}
11話
{netabare}
・透子とカケルが一夜を過ごすが、カケルは「一緒にいるのが怖い」と言う。カケルは転校しようとしていたが、母に「一緒に世界を回らないか?」と誘われてしまう。だから、せっかく透子と仲良くなったのにまた別れる羽目になってしまい、やがて透子に自分が忘れられてしまうのではないか。また唐突な当たり前の孤独を味わってしまうのではないか。だったらやっぱり透子との仲は無かったことにしよう・・・というカケルの気持ちが読み取れる。
・サチがヒロに「また山に歩いて登りたい」と言う
→そういえば3話では車で登っただけだった。より二人の仲は親密になっている。
・サチが「近くにいるのに相手が見えないって不思議じゃない?」とヒロに言う
→二人の仲はまだ本物になっていないことを想起させる。雪はその象徴であると考えれば、透子の欠片がどういう意味かも説明できる。つまり、カケルがこの孤独についての問題を解消できない限りは、カケルと透子が本物の関係になることはできない、ということ。ただしカケルと透子は二人で花火の欠片を見ることができているので、二人の世界を共有し始めているのは確かであり、本物の関係になっていくと期待できる。もしかしたら、サチも「唐突な当たり前の孤独」を感じていたのかもしれない。病弱で学校にあまり行かないから友達が出来なくて・・・そうした中で透子は大切な存在だったと・・・
・カケルの母のピアノ演奏が始まり、カケルと透子は手をつないで聴き始める。
{/netabare}
12話のポイント
2話の重要な伏線が回収される回である。
{netabare}
これは並行世界でも未来の世界でもない。カケルの感じていた「唐突な当たり前の孤独」を透子が感じるシーンが大半を占めている。透子が「私がみんなと一緒に過ごした忘れられない場所をもっていない」と言うことで、2話の欠片についての説明がなされ、伏線が回収される。最後に、透子は現実の世界に引き戻される。

※補足
「これは単純に透子が友達を失う苦しみじゃないか」という意見がある。そうではない。冒頭のシーンで透子は4人に喫茶店で会っている。でも4人はいまひとつ透子のことを見てくれていないし、花火大会で挨拶しても「覚えていない」。たぶん、カケルもこういう感覚を味わっていたのだろうなと想像できるのだ。さらに、前述したように、このシーンは透子と4人の関係が露呈するという二重の意味もある。失うのではなく、「元々本当は」友達ではないのだ。

※補足2
したがってこれは透子が4人に対して感じた疎外感でもある。その中でカケルだけは「本物」だった。カケルが透子にとって本当に大切な人になった瞬間である。

{/netabare}
13話のポイント
この回ですべての重要な伏線が回収されると言ってよい。
{netabare}
・4人が喫茶店に集まる。ヤナが「偶然5人集まること、前はよくあったよね。」と言う
→やはり2話で透子が見た欠片につながっている。やはり5人の関係は変わってしまい、透子は4人から離れてしまった。これは見方を変えれば、5人の仲は「本当は友達ではなかった」と露呈したともいえる。残る4人の関係も変化しているためヒロが言うように「何かキンチョーする感じ」である。
・カケルが山歩きをしていたのは父の影響と判明する
・透子の母も欠片を見ていたと判明。しかし「思いもしなかったことばかり起きた」と言う
→「未来の欠片」は、やはり普通の意味での未来ではないことは明らか。母は「今、精いっぱいやらないと」とも言う。これが、このアニメで最も重要なテーマと言ってもよい。
・流星には「星に願いを」と言うように、「願い事」の意味が隠されていると言える。将来への希望である。
・「ジョナサンは強いて言えば冒険者」とユキが言う
→カケルは「放浪」ではなく「冒険」を始めた、と読み取れる。前向きに生き始めた、ということ。
・透子は「何があっても全部未来の自分が解決してくれますように」と言う。
→1話の花火大会で言った時よりもかなり前向きな言い方になっていることに注目。すでに解説済み。
・テントはもうない。だからカケルはもういない。しかし一人で登校する透子には「透子」と呼びかけるカケルの声が聞こえる。
→カケルと透子は別れてしまった。二度と二人が会うことはないのかもしれない。しかしカケルのことを透子は覚えているし、二人の想いは通じ合っているのである。だから、「友達ができても自分はやがて忘れられる」ということはもうない。カケルは「唐突な当たり前の孤独」を感じて苦しむことはもうなく、人生の意味を見出して前向きに進み始めているのである。そして、二人をつなげているのが、山で投げたビー玉?のうち、拾い忘れた一粒(最後に出てくる青い玉)、ということになっている。さらに、この山が二人にとっての「一緒に過ごした忘れられない場所」なのだ。また、透子は4人から離れて一人になってしまった(やがて4人からは忘れ去られるかもしれない)が、それは「唐突な当たり前の孤独」ではなくもっと力強い孤独である、という意味も込められている。
{/netabare}
<まとめ>
グラスリップは、要約すれば「カケルが透子と出会うことによって人生の意味を見出した」アニメと言えるだろう。
<感想>
ここまでメモを取りながら「読む」アニメは初めてだった。何度一時停止をしたか分からない。でも「分かった」時の感動はすごいものがある。いやー感動しますよ。TARITARIをはるかに超える、爽やかな美しい感動ですよ。

<補足>
OPで少し幼い透子たちが描かれている意味
→この時点でヒロがサチに好意を抱いている。つまりこのころから5人の関係は変わり始めていたが、表面的には今まで通りのつもりだった・・・と解釈できる。ちなみに、サチと透子が親しかったらしいこともわかる。
ジョナサンがカケルならニワトリが5羽しかいないのは何故?
→ジョナサンはカケルだけでなく透子も象徴しているのではないか?二人とも最後は唐突な当たり前の孤独を共有し、最後はそれを振り切って前へ進んでいくという共通点がある・・・トビはもちろん、カケルのように「世界を外から見る冷めた視点」のようなものを表している。
「グラスリップ」の意味
→グラスとトリップ(旅)と西山監督が言っている。個人的にはこちらの方が好みですね。透子がガラスのようにキラキラしたものの向こうに「未来の欠片」を見る。これを「未来へ飛ぶ=トリップ」と捉えたイメージ。しかしそれではスペルがGlassripにならなければならない。
→Glass+slipで「ガラスが滑る」という意味もある。ガラスが滑ると割れる=5人の人間関係が壊れる、ということ

<日本アニメの終焉について>
 こういう難解なアニメが受けなかったということは、もう日本のアニメは終わりに来たのかなと思えてくる。
 ざっくりと日本のアニメ史を分けるとするならば、昭和世代と平成世代に分けることができるだろう。昭和時代の作品は「何かが起きて」物語の進行とともに大きな山「クライマックス」ができる、という素直で爽快な「格好いい」ストーリー性があった。
 しかしこうしたストーリー性のネタが次第に切れてきた。それが平成時代である。ここで登場したのが「何ですかこれ」的な作品である。それは例えばセーラームーン(ただしTV版、原作は根本的にテーマが異なる)のようなパロディ性のあるものであったり、エヴァンゲリオンや少女革命ウテナのようにストーリーの軸を視聴者の予想を「あえて」裏切る形で完結させようとする作品であった。これは、ネタ自体の新しさを追求するのに限界が生じたために、その構成の仕方について新しい手法を提案したためである。これは、ストーリーにいくつかの解釈の可能性をもたせるものであるため、「考察厨」の間で論争が起き、「話題」になることによって作品が売れる、というビジネスモデルであった。しかし視聴者はすぐにこのモデルに順応してしまい「慣れて」しまった。こういう作品を苦労して作っても、「要するにいろいろな解釈をすればいいのだな」「考えるのではなく感じろ」という風に「冷静な」感想しか出てこない。
 視聴者にインパクトを与えるにはどうしたらいいのか?昨今のマンガ作品は「どれも似たようなもの」や「既に観たことがあるもの」になってしまっている。萌えに走るとただのエロアニメとして批判され、ギャグはネタが古いorひねりすぎとして批判される。SFは既に科学の世界で実現しつつあるものか、既に実現したもののデフォルメでしかない。「技術」に走ってグラスリップのような作品を作ると、「どう解釈することもできない」意味不明な作品と受け取られてしまう。だから、新しいものを作っても新しさが今一つだし、ウケないのだ。
 どこの世界でも、最近「イノベーションの重要性」が叫ばれつつあるが、これはイノベーションが困難になってきている証拠だと思われる。
 ホント、これからのアニメ界、どうしたらいいのでしょうね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 57
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ガラスを透かして見た世界の向こうは、あやふやなれど美しい

この作品、皆さんの評判がすごく悪かったので逆に見てみたくなりました。
いえただ単に評判が悪いだけならスルーするところなのですが、皆口をそろえて「意味が分からない」との感想ばかりで。
何がそんなに意味不明なのだろうと見始めたのが経緯です。


結果として、確かにむず痒い感覚の残る作品でした(笑)

でも悪い作品かというと個人的にはそう思いません。
グラスリップを見ている間は色んなことが頭の中に浮かんでは消え、浮かんでは消え・・・意味は全て理解できなくとも心を満たしてくれました。

こういう作品なので、たまには足りない頭を絞って少し考えてみたいと思います。
一応本編及び『true tears』のネタバレを含むことをご承知の上でお読みください。



ものすごく長い{netabare}
この作品を語るときしばしば西村監督の前作『true tears』の話が出てきますが、比較すべきは恋愛要素ではないと思います。(厳密には前作ではありませんが同制作会社の同監督作としてよく比較されるため)

多分true tearsといえば‘主人公の眞一郎はどのヒロインとくっ付くのか?’という部分が最も面白くて作品の肝になっていると考えている方多いと思います。

自分も昔はそう考えていたんですが、グラスリップを見てみた結果監督の最も見せたかった部分はそこではないんじゃないかと思い直しました。

肝心なのは、眞一郎が誰と付き合うかではなくこの先どう生きていくか。

恋愛の中で彼の選び取った未来、その結果として誰がパートナーとしてふさわしいか。そんなストーリー。

岡田麿里さんが絡んだことで恋愛要素がマシマシになり、そちらばかり注目されますが、監督のやりたかったことはもっと素朴でいて広いテーマだったのかなと・・・。
(岡田さんのシナリオのおかげで面白さが増して現在の高い評価があることは異論の余地もないです)

今もう一度true tearsを見ると評価も変わってくる気がします。



ですから、おそらくtrue tearsからグラスリップのテーマ自体は一貫して『未来』だったと思います。

今回は監督色が強まった分恋愛色は薄まり、それぞれのキャラクターの行く末に目が向けられています。

恋愛アニメとして期待して見ると、消化不良でもの足りなさを感じます。

告白シーンの淡泊さ、その後の経過のあっさりさ。


恋愛モノで面白いところといえば、「誰と誰がくっ付くか」「いつくっ付くか」そして「共感できる心情なり台詞」にあると思います。

ところがこの作品はそのどれもイマイチ当てはまっていません。

誰と誰がくっ付く、の面白さは既に六人の中でカップリングがほぼ出来上がっているのでドキドキはあまりありません。

いつくっ付く、の面白さも序盤で告白を済ませて関係に破たんも見られないため特に高揚感も無し。

そして視聴者の共感、ですね。これが上手く行かなかった要因は、やはり透子と駆の複雑な心情描写に限ります。

複雑なことそれ自体が問題とは思いません。
true tearsでは乃絵の複雑な感情表現を、眞一郎が視聴者の声を代弁する形で問答し乃絵の真意を引き出していたため、全くもって理解不能とはなりませんでした。

グラスリップではその代弁者や仲介役が存在せず、二人の意味深な会話が視聴者にダイレクトに伝わる形でした。

視聴者の「どういうこと?」の疑問に応えてくれるキャラは強いて言えば透子の母である真理ということになるでしょうが、それでも分かりづらかったですね。そういえば、名前がそのままですね(笑)



まあそういうわけで、恋愛アニメとして見るべきではないと解釈したのです。

主軸となるのは「なんだか分からない、不確定なもの」。

これは前述の「未来」であったり、はたまた自身の「居場所」であったり。

それぞれが分からないなりに求めているものを見つけていく物語。


‘未来が読める=超能力者’や‘光の欠片=ファンタジー要素’との見方もあるみたいですが、思春期の不安を目に見える形で表した心象風景と言うやつであると思います。
駆くんが三人に分裂するのも、実際に彼が特殊な能力を有しているとかではなく彼の中で意思が分裂しているだけ。「現在・過去・未来」だったり?

まあ説明不足というか描写不足は否めません。
オカルトめいたお話に見えてしまってもそれは視聴者に非があるのではなく、制作者の力量不足ということでしょう。


未来が見えている駆が求めているのは居場所で、居場所のある透子は未来を見たがっています。

透子が11話「ピアノ」で駆に向かって‘ここがきっと私の場所なの’と呟いたのは美術準備室でした。
準備室というのは、その意味の通り不確定なものを表していると分かりますね。

六人の中で透子と駆だけが異質なのはEDの映像からも明らかで、駆を除いた五人は一緒に居て透子だけが駆のことを気に掛けている。

これは、やなぎ・幸・雪哉・祐の四人が見据えているのは今(現在)で、駆と透子だけが未来を見たがっているということでしょうか。

そうです、多分四人はきちんと未来が見えていて、自身の居場所もちゃんと見つけているようです。
未来が見えているというよりかは、大切な人がいることで不安を感じることがなくなった感じかな?


駆と透子が求めているものは異なっているようで、実は似たようなものであったのかも。

12話「花火(再び)」で二人の関係がちょうど逆転する形となったとき、透子は実は四人との居場所は自分の居場所ではなかったことを自覚してしまいます。

逆に居場所のなかったはずの駆はあっさりとその輪に入っていきます。

これってつまり、二人に欠けているもの・求めているものは「よく見えない、分からない」だけで同じようなものなのかなーと。
言い換えれば両方とも「未来の欠片」だと思います。


13話「流星」で流れて行った星々は二人の未来の欠片、あのとき初めて二人の想いが共有されて唐突な当たり前の孤独から解放された、のでしょうね。



正直僕もちゃんと理解はしてません(笑)
細かい所(例えば幸ちゃんの読んでる書物の意味とか)までカバーしきれませんし、12話での冬景色もイマイチ分からないんですよねー・・・。

あと、やなぎ達は哲学者が由来の鶏、透子は冒険者を由来とした鶏(ジョナサン)、翔はどうやら鷹?鳶?がそれぞれ比喩的に用いられているようです。
が、それらの表す真意は果たして。。。?

そこら辺は賢い方にお任せします(笑)
{/netabare}



あと、当たり障りない印象として
{netabare}
舞台を彩る夏景色が大変美しかったです。
青春を描くとき一番映えるのはやはり夏だと実感。


それからこの作品は音楽が素晴らしい!!

BGMって「視聴者の気分を盛り上げるため」と「登場人物の心情を表すため」と二通りの使い方があると思うのですが、この作品は全て後者でした。

本当に音楽の果たす役割が大きいですね。明るい音楽は前向きな、暗い音楽は後ろ向きな感情を表していました。

クラシックがメインで、個人的に好きなのは‘Nocturne In E Flat Major, Op.9 No.2(ショパン)’。
クラシックに関しては無知ながら、これは昔から好きで聴いていました。
これが流れるときはキャラも穏やかな気分でいる日常シーンです。

主題歌、OP「夏の日と君の声」が気に入りました。Chouchoさんの曲で一番好きです。
イントロから爽やかな雰囲気で夏らしく、これだけは本当リアルタイムで聴いておけばよかったと後悔・・・。

ED「透明な世界」は歌詞がグラスリップのことを見事に表現していると思います。
透明なガラスの向こう、カタチのない世界、透かして見えた景色、世界が生まれる。。。
印象的な歌詞ばかりです。これを聴いてから物語に入ると没入感が違うかもしれません。(あえて、EDです)


好きなキャラクター。これは断然で駆(ダビデ)くんです!
皆が恋愛に恋い焦がれている中で一人別の方向を向いていて、孤高の男という雰囲気が好きです。
それでいて哲学的な感性が素敵です。アダ名も気に入ってます。
彼を演じた逢坂良太さんも凄いですね。どこまでもブレずに淡々としゃべり続ける姿に惚れました。

ヒロインだと幸(さち)ちゃんです。文学少女+眼鏡娘萌え!って感じです。
眼鏡だから地味なキャラかと思いきやパンチの利いた一面もあり、そこも好きです。
{netabare}
最初は透子ちゃんに片思いしていたという、まさかの百合少女!
それでいて幸なのに薄幸扱いされる不憫さ。
色々美味しすぎます。
{/netabare}


最後に、グラスリップの意味について。
グラス+スリップで欠片を表すみたいです。
他にもグラス+タイムスリップやグラス+トリップで「旅」を表すという解釈もあるみたいなので、どれが正解か分かりませんが、自分は上のグラス+スリップ説を推します。
{/netabare}



いや~~・・長い。長すぎる。
グラスリップとこのレビュー、どっちが分かりづらいか良い勝負ですね(笑)

考察を要する作品が必ずしも良い作品となるとは限りません。
でも僕はこうやってグラスリップについて考えて想いを馳せている時間がとても楽しかったです。

もちろん皆さんのレビューを見た上で、ある程度の覚悟と知識をもって臨んだから今の感想があるのだと思ってます。

だから、どんな酷評でも全員のレビューにサンキューを付けたいほど感謝しています。

ありがとうございました。

僕から言えることは、恋愛に囚われず広い目線で物語を眺めて下さいということです。

あ、ネタバレ部分の解釈は全部自己流の解釈なのであまり参考にはならないかもしれません。ごめんなさい(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

惜しい感じがする

福井県坂井市が舞台だったかな。
ガラスを通して不思議な感情だったり、未来予知だったりを主人公の深水透子が経験して不思議な体験をするお話だったような。

ラブストーリーな展開もあるのかなと思ったけど、もう終わり?という感想だった。もうちょっと掘り下げてほしかったかな。
早見沙織さん演じる高山やなぎは良かったンゴ。
キャラソンも

キャラクターが魅力的で主題歌もガールズアンドパンツァーや氷菓などで波の乗っていた?ChouChoと花咲くいろは絡みもあるnano.RIPEでよいし、P.A,WORKSだけあって作画もよかったのですが、物語の内容が惜しかったと感じました。2クールやれば、面白くなったかも。

OP
夏の日と君の声 ChouCho
ED透明な世界 nano.RIPE
イメージソング
ルーセントアイズ ChouCho


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
ガラス工房を営む一家の娘・深水透子は、友人の家にあるカフェ「カゼミチ」を友人たちとの憩いの場所にしている。高校3年の夏休み、彼女たちの前に現れた転校生の少年・沖倉 駆は、透子に、自分には未来の声が聴こえると語りかける。もし、あらかじめ未来を知ることができるのなら、自分は何を望むのだろう? 感じたことのない動揺を覚えながらも、透子は胸の中に、放っておけない感情が生まれていることに気が付く...。

1. 花火
大勢の人で賑わう花火大会会場。深水透子と高山やなぎは、やなぎが輪投げで手に入れた不思議メガネをかけてはしゃいでいた。透子がメガネをかけると、ぼんやりとした風景とともに「やっと見つけた」という声が聴こえてくる。一瞬戸惑ったものの、親友幸へのプレゼントにぴったりなノアベルを見つけたこと、また井美雪哉と白崎祐が屋台で大量に買ってきた食べ物の前に、その出来事は忘れてしまう……。後日、学校でにわとりのジョナサンをモデルにしてクロッキーをする透子に、ひとりの男子生徒が声をかけてくる。その優しい声音はどこか聞き覚えがあった。

2. ベンチ
いつものように祐の祖父が経営するカフェ「カゼミチ」に集まった透子たち。そこに現れた沖倉 駆は「俺はあの日、君と同じものを見た」と透子に告げる。いきなり来て馴れ馴れしく話す駆を警戒する雪哉たちだったが、駆は気にせず透子に待ち合わせ場所と時間を伝え立ち去ってしまう。微妙な空気が残る中、幸は戸惑う透子を見て彼女に同行することを決める。翌日、駆は幸がいることに特別驚く様子もなく、「透子には何かきっかけがあると、幻覚のようなものが見えるんじゃない?」と、彼女たちしか知らないはずの事実を口にするのだった。

3. ポリタンク
駆と一緒にいる時、きっかけがあれば“未来の欠片”がはっきり見えること。そして、やなぎのことを好きだと思っていた雪哉からの突然の告白。今までの日常が大きく変わろうとしていることへの不安と、親友たちが離れ離れにならずにすむ方法を考えた末、透子は駆に頼み“やなぎと雪哉の未来を見る”ことを決意する。自宅に隣接する工房でガラスを吹きながら駆を待つ透子は、おぼろげな“欠片”を見はじめる。そして突如それは鮮明になり、やなぎの泣き顔が映し出される……。一方、祐もある想いを胸に秘め、明日行われる登山に備えていた。

4. 坂道
登山の帰り、幸が入院しているイメージを見た透子は、彼女からの着信に慌てて出るも、予想とは違い、やなぎがレッスン中に右足を怪我したと聞かされる。急いで病院に向かった透子だが、右足に包帯が巻き松葉杖を使うやなぎと、肩を貸す雪哉の姿を見て、微笑みながらそっとロビーを後にするのだった。一方、ケガもなく無事に帰宅した幸は、登山の時に祐と交わした会話、「俺、幸って名前……好きだな」という言葉を思い出していた。そんな時、借りた本を返しに祐が幸の家を訪れる。玄関先でいつもより緊張している祐に対して、幸は「あがる?」と声をかける。

5. 日乃出橋
怪我から復帰して初めての記録会に向かう雪哉と、それに付き添うやなぎ。雪哉は緊張はしていないつもりだったが、やなぎが持つ動画用のビデオカメラからは自然と視線を外していた。一方、カフェ「カゼミチ」をひとり訪れた透子は、祐の祖父から祐は今日デートで店にはいないと聞かされる。思わず携帯で幸の番号を呼び出そうとして思いとどまるが、その足は自然と幸の家に向かっていた。透子の訪問に慌てた祐は見つからないよう幸の部屋から脱出。だが幸は、付き合っているわけではないが、つい先ほどまで祐が部屋にいたことを透子に伝える。

6. パンチ
まだ薄暗い早朝から工房に入りガラスを吹く透子。同じく朝早くから目覚め“未来の欠片”によって透子の声を聞いてしまう駆。“未来の欠片”のせいで駆を意識してしまう透子は、駆から電話があってもろくに話さず切ってしまう。午後、祐からの電話でカフェ「カゼミチ」にいつもより早く呼び出された透子は、幸とのことを打ち明けられ、また後から来たやなぎからは、雪哉に告白したことを聞かされる。これまでの関係が徐々に変わり始めるなか、祐から幸へのサプライズ花火大会が提案される。

7. 自転車
自宅前の海岸でやなぎと話す透子。雪哉と駆の勝負にやなぎが平手打ちで割って入ったこと、幸と祐の関係、そして幸の検査入院について話していると、波のきらめきをきっかけにして“未来の欠片”が見えてしまう。それは病室で横になっている幸の笑顔、そして傍らには祐の姿があった。嬉しくなった透子は思わず「やっぱり幸、大丈夫」と口にしてしまい、いぶかるやなぎに対して、慌ててごまかすのだった。一方、幸の病室を訪れた祐は、初めて幸の母親に出会う。緊張する祐だが、幸に「ボーイフレンド」と紹介され、さらに身体を強張らせるのだった。

8. 雪
夕暮れの波打ち際で見た“未来の欠片”は、透子が倒れ込むほど強烈なものだった。駆は「きっちり説明してもらうから」というやなぎの台詞を聞きながら、彼女に連れ帰られる透子を見守ることしかできなかった。後日、幸のお見舞いに訪れたやなぎは、雪哉が自分に黙って陸上部の夏合宿に行ったこと、幸と祐のこと、海での出来事と透子と駆の関係を彼女に話す。そして透子と駆の間に何か秘密があるのではないか? もし知っているなら教えてほしいと頼むが、幸は、どこか悲しそうな表情を浮かべながら「特別な関係なのかも……」と答えるのだった。

9. 月
雪……そしてキス。そんな駆との“未来の欠片”を見た透子。いつもなら聞こえてくるはずの“未来の欠片”が聞こえない駆。合宿に行った雪哉にメールを送るやなぎ。メールの送信者を見て朝練に向かう雪哉。祐に「夢十夜」というメールを送る幸。幸からのメールの内容が夏目漱石の小説だと知る祐。お互いどこかギクシャクしているものの、それぞれの未来が少しずつ動き始めていた。そんな中、透子は幸から「約束の場所に行きたい」と連絡を受ける。少しとまどいつつ待ち合わせの時間と場所を決めるのだが、その後祐にも、幸から、同じ時間と場所のメールが届く。

10. ジョナサン
麒麟館の展望台。“約束の場所”で透子と祐に告白した幸。驚く2人を見てどこか吹っ切れた様子の幸は、3人で月を見上げていることに嬉しさを感じる。その夜、自宅で妹の陽菜から、やなぎが“新しい自分になる”と言っていたと聞かされた透子は、自分も前に進むべく駆との関係をあらためて考えることに。翌日、駆の家を訪れた透子は、駆の母から、ピアニストとしての母の仕事の関係で転校を繰り返してきたこと、そのことによって感じる孤独を、駆が「唐突な当たり前の孤独」と呼んでいたことについて聞かされる。

11. ピアノ
美術準備室の壁に寄りかかり静かに座る透子と駆。以前見た未来の欠片が現実となったことに困惑しながらも嬉しく思う透子だったが、「駆君、私のこと本当に好きなのかな?」「私たち何もわかり合ってない」と心に引っ掛かっていた思いを口にする。自分の気持ちを見透かされた気がした駆は、自分が未来の欠片を見るきっかけでもあった母が弾くピアノを聴きに来てほしいと、透子に伝えるのだった。一方、幸は祐に、また山に登りたいと告げ、雪哉は初めてやなぎのレッスンを見学しに行くことを決める。それぞれがそれぞれの明日のために動き出した。

12. 花火(再び)
父がガラス工房を持つことになり、東京を離れ家族で引っ越してきた深水透子は、慣れない土地でうまくやっていけるか不安を感じていた。そんな時、駅で偶然出会った沖倉 駆。彼に連れられカフェ「カゼミチ」を訪れた透子は、井美雪哉、高山やなぎ、永宮 幸、白崎 祐たちと出会う。小学校の時からずっと一緒だという彼らに誘われて、透子は花火大会を見に行くことに。雪哉とやなぎ、祐と幸、そして駆と透子。それぞれが楽しそうに花火を見上げている風景。それはもしかしたらあり得たかもしれない、透子の未来の欠片が紡ぐ世界だった――。

13. 流星
透子が見た世界。彼女にとってその衝撃は大きく、駆の母のピアノ演奏が終わると同時に気を失ってしまう。透子が目を覚ますと、そこには心配そうに彼女を見つめる駆の姿があった。自分のせいで危険な目にあわせてしまったと感じた駆は自らを責めるのだが、透子はもう少し駆の家にいたいと言う。心配する家族を帰してひとり残った透子は、もう一度ピアノが聴きたいと駆の母に願いでる。そして曲を聴きながら透子は駆が居なくなると感じるのだった。その頃「カゼミチ」には雪哉、やなぎ、祐、幸が偶然集まっていた。長く短い夏がもうすぐ終わりを迎える。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

71.3 4 nano.RIPEで恋愛なアニメランキング4位
最弱無敗の神装機竜《バハムート》(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (822)
4901人が棚に入れました
遺跡から発掘された、古代兵器・機竜。亡国の王子、ルクスは何故か、機竜使い育成の女学園に入学することに……!? 王立士官学園の貴族子女たちに囲まれた、"最強"の学園ファンタジーバトルがはじまる!

声優・キャラクター
田村睦心、Lynn、藤井ゆきよ、久保ユリカ、種田梨沙、小澤亜李

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

現からちょっとはみ出して笑うきみを ヒトリボッチにはしたくなくて なりたくなくて・・・

この作品の原作は未読ですが・・・私の好みであるキャラデザの綺麗なラノベテンプレ系なので、タイトルを見た瞬間に視聴を決めた作品です^^;
その後種田さん、小澤さん、石上さん、高橋さんらが出演される事を知り、放送を待ちわびた作品の一つです。

この手の作品を視聴するとき・・・どうしても主人公目線で見てしまいます。
かつで一度は憧れたヒーロー、大勢の敵の中に単騎で突っ込んでいく・・・現実の自分とは真逆の強さ、そして知らぬ間に過ぎ去ったモテ期・・・きっと、遠い昔に見た夢が形を変えて画面の中で再現され気分は正に主人公・・・そんな気持ちを味わえるのが、このラノベテンプレ系作品の魅力じゃないかと個人的に思っています^^

物語のアティスマータ新王国・・・ここは、かつて圧政の限りを尽くした旧アーカディア帝国が滅ぼされ、新たに設立された王国の王立士官学園が舞台になっています。
物語の主人公は、ルクス・アーカディア・・・旧アーカディア帝国の生き残りで、新王国と国民のあらゆる雑用を引き受け、旧帝国の借金を返済する契約を結んでいます。
そんな彼は戦闘機竜による公式模擬戦の結果から「無敗の最弱」という二つ名が付けられるほど、守りに徹する戦闘スタイルをこれまで貫いてきました。
そしてルクスが王立士官学園に転入し・・・物語が動いていきます。

戦闘機竜ですが、姿かたちはISと似ています・・・というか、ほぼISです^^;
違いは、戦闘機竜には汎用機竜と神装機竜の2種類があり、神葬機竜にはそれぞれの機竜特有の特殊能力が備わっている点でしょうか・・・
それと機竜は女性の方が装者に適していますが、男性が装備できない訳ではありません。
ISの一夏は完全にイレギュラーでしたので、この点は大きな違いかと思います^^;

話が横道に逸れてしまいました^^;
完走して振り返ってみるとヒロインに萌えながら、主人公の無双っぷりを堪能するこの作品・・・完全なキャラ推し作品でした。

主人公のルクス・・・ルックスが良く律儀な少年で、雑用王子として日々走り回っています。
彼の長所でもあり短所でもある点は、良くも悪くも頼みを断らないこと・・・例えそれがどんなに無謀な事でもです。
確かに彼は旧アーカディア帝国の王子・・・でも実際に政治に携わっていた訳ではなく、小さい頃に宮廷を追い出され決して恵まれた境遇では無い日々を過ごしてきたんです。
だから、彼には何の罪も無いのに・・・誰かが汚れ役にならなければならないとなったら、真っ先に我が身を差し出す彼の言動で妹をどれだけ心配させたことか・・・
そんな彼は皆んなにとある事実を隠匿しています。
物語の進展と共に少しずつ明らかになっていく隠匿した事実は、この物語の鍵になっています。
その度に心配する妹さんが不憫で仕方ありませんでしたけれど・・・^^;

でも、その妹さんの言動がルクスの行動に意味を持たせ・・・魅力的に輝かせたんだと思います。
そんな妹さんの名前はアイリ・アーカディア・・・銀髪ボブカットで可憐、そして「にいさん」の呼び方と、どこをとっても超王道の妹なのですが、可愛いんです(//∇//)
この世でたった二人しか残っていない血の繋がりだからか、本当に兄思いの妹なんです。
CVが小澤さんである事も大きかったと思います。
こんな妹だったら今からでも欲しいくらいです^^

それでもこの作品には、この妹に真正面から太刀打ちできるほど魅力的なヒロインがたくさん登場します。
本当にこの手の作品はヒロインが魅力的だから・・・止められません(//∇//)

リーズシャルテ・アティスマータ(CV:Lynnさん)
アティスマータ新王国の第一王女でこの作品のメインヒロインです。
金髪ロングで愛らしい顔立ち・・・キャラ的にはツンデレでしたが、物語が終盤に向かうに連れデレっぱなし・・・でもそのデレた言動も可愛らしさに溢れています。
物語の中で、自分の過去に消せない傷を抱える彼女が受ける残酷な仕打ちは、人間の尊厳に対する冒涜そのもの・・・
誰にだって、他人に触られたくない部分ってあって・・・そこはそっとしておかなきゃいけないのに・・・
でもリーシャの過去を受け入れ前に進もうとする強さは素晴らしいと思いますが、まだ弱く風が吹けばとんでいきそうなほど脆い強さ・・・これからしっかりと育めると良いですね^^

クルルシファー・エインフォルク(CV:藤井ゆきよさん)
伯爵家のご令嬢で才色兼備・・・その中でも神装機竜の扱いに秀でている彼女ですが・・・彼女も心に深い闇を抱えていました。
幼い頃の彼女の選択は「頑張って認めてもらう」事だけ・・・だからがむしゃらに頑張ってきました。
じゃないと、彼女には「諦める」という選択肢しか残らなかったから・・・
そしてこの学園でルクスとの出会いが一筋の光となって彼女を照らします。
最後まで約束を貫き通す背中を見て彼女が選んだ選択肢は・・・もうドキドキでしたよ^^

フィルフィ・アイングラム(CV:久保ユリカさん)
ルクスとは幼馴染で「フィーちゃん」「ルーちゃん」と呼び合う間柄。
普段はぼーっとした天然系ですが、この作品一のグラマーだと思います。
ルクスに対する彼女の仕草と言動は優しさに満ち溢れていて、一緒にいるとどこか安心できる・・・そんな存在なのですが、彼女もまた消えない傷を宿していました。
彼女の傷に対してできる唯一の事は抗うこと・・・だからこれまで全力で拒んできました。
天然系の彼女ですが、その抵抗は並大抵のモノではないんです。
それは決意の表れ・・・?

セリスティア・ラルグリス(CV:種田梨沙さん)
金髪ふわふわロングでスタイル抜群な彼女は、学園最強の機竜使いで男嫌い・・・^^;
男嫌いってルクスとのフラグでしかありませんでしたが、事の真相はだいぶねじ曲がっていたみたいでしたね^^;
学園最強のレッテル・・・聞こえは良いですが、実際になっていみると以外に寂しいモノだったりするんですよね。
そして彼女も・・・負い目を感じる過去を背負ってきました。
彼女が示せるのは正しさと責任感だと自分に言い聞かせてこれまで生きてきましたが、それは最早呪縛・・・
正義感を持つ事は大切な事だと思います・・・でも何事もし過ぎては逆効果・・・
そんな彼女の笑顔はとても魅力的だったと思います。

切姫 夜架(きりひめ よるか)(CV:石上静香さん)
これまで登場してきたヒロインとは一線を画す雰囲気の持ち主です。
物語の終盤に登場したので出番がホンの少ししかなかったのが残念で仕方ありません。
正直見た目一発でKOされたキャラでした^^;
オッドアイである事を除けば、私の愛してやまない「機巧少女は傷つかない」の夜々に瓜二つなんですもん^^;
これまで登場したキャラも十分過ぎるほど魅力的なんですが、最後に全部かっさらっていったのが彼女でした(//∇//)
そして・・・あんな風に耳元で囁かれたりなんかしたら・・・間違いなくネジの2,3本はブッ飛んでしまいそうです^^

そして忘れちゃいけないのが「Yesの人(CV:高橋李依さん)」です^^
いつもアイリの傍でフォローを忘れない優しいキャラです。
時々めぐみんでしたけれど・・・でも可愛いから良いんです^^
何といっても「可愛いは正義」ですから・・・^^;

オープニングテーマは、TRUEさんの「飛竜の騎士」
エンディングテーマは、nano.RIPEさんの「ライムツリー」(第2話 - )
どちらも良い曲ですが、特にエンディングには痺れました。
個性的なギターサウンドとメロディが個人的にツボに入りました。
このエンディングは今期アニソンBEST10に入ると思います。

1クール12話の作品でした・・・毎日の様な多くの作品が放送される中、視聴優先順位のかなり高い作品でした。
けれど、物語的には思い切り伏線を残して終わりましたよね^^;
ここからがラノベテンプレ系唯一の残念なところ・・・中々続編が制作されないんですよね^^;
「続きは小説で・・・」が本流かもしれませんが、アニメから作品に入ると続きもアニメで見たくなるんですよね・・・
やはり販促が目的だと1クールが精一杯なのでしょうか・・・^^;?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

keylove さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

テンプレ主人公なんとかの学園ハーレムバトルファンタジー・・・ですが

この手のテンプレがいくつか続いたのがちょっと不思議です。
観てない人はよくわからないかもですけど

同じ時期に
{netabare}
落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)と
学戦都市アスタリスク
があったんですよね。

この三つが比べられるっていうのは仕方ないのかなと。

先にそういうことから書いておきますと
個人的にはこのバハムートが一番落ちます。
{/netabare}

他の二つと圧倒的に違うのは、結局何がしたいのか。
最終目的は何か。
ってことですね。
目的はあるんですよ、ちゃんと
でも学園バトルファンタジーじゃなくてもいいじゃん!
っていう感じがしたので。

ちょっと書いておきます。
{netabare}
主人公最強で、戦いとともに仲間(ヒロイン)が増えていくってだけならそれでいいんだけど、この作品はちょっとシリアスな面が多くて、それでいてどこか設定が甘いというか、ちゃちい感じがしました。
出てくる敵キャラとか、ふざけてる?
って思うぐらいに場違い感ありましたしね。

キャバルリィは「七星剣武祭」っていう騎士の大会があって、それを一つの目的としてるところがあるし、アスタリスクは「星武祭」というやっぱり各学園規模の大会があって、それぞれにとても学園らしいイベントを軸としていますよね。
それによって、ヒロインの可愛らしさや主人公の強さが際立ってるんです。

でもこのバハムートは学園の物語かと思いきや、国の存亡がかかっていて、それが主人公たちに起因するところが多いという、別にそこまで望んでないよ、的な蛇足感を持たずにはいられなかったんです。
{/netabare}

だから、この作品だけ明らかに路線が違うし、観ていても単純にかっこいいとか頑張れとかって思えない節がありましたね。


まあ比べてばかりなのもなんなんで、この作品を純粋に評価します。

※ここから訂正しておきます。

作画が良くないって書いたけど、なんとなくぶれてるところがあるように思えたっていうことであって、キャラが可愛くないとかそういうことじゃないです。
それぞれに可愛らしいし魅力はありますよ。


フィルフィ推しです!
めちゃ可愛いフィルフィ推しです!

と、いきなり評価を変えてごめんなさい。
なんとなく思い違いのように思えて気になっていたので。

※ここまで


これは完全にハーレムものなので、基本的に主人公以外の登場人物は女の子ばかりですね。
そして戦いの時には遺跡から発掘された古代兵器なるものを身にまといます。
僕の見た感じでは、自分が常に装備している剣でそのバトルスーツを召還しているって感じでした。
その辺は気にすることでもないと思うので突っ込まないでくださいね。

このバトルスーツを身にまとい、そして超ハーレム設定っていうのは
IS(インフィニットストラトス)そのもののような気もしましたね。

そしてこのテンプレに欠かせないのは、メインヒロインがお嬢様もしくはもっと限定すればお姫さまであることですね。

どこかのお国の第○皇女っていう。。。
そして必ずツンデレで、学園においての実力はトップクラスであり何年に一人の逸材的な少女で髪の色はレッド、イメージカラーもレッド。
だいたいそうです、はい。

そして妹がいて、一見おしとやかだけどけっこう強くて、髪の色はブルー系でイメージカラーもブルー系。

そして幼馴染が・・・ピンクでおっとりで天然系の可愛い女の子で
これはこれだけだけど・・・
はい

それで女子の生徒会長がいて、だいたい学園最強。
髪はロングで金髪で、なぜか人間的に不器用でちょっと可愛いところあり。
そしてイメージカラーはイエロー。

もうこれ、なんとかレンジャーシリーズのまんま!ってイメージあります。


そういうテンプレを観てる人は概ね共感していただけると思いますけど。


でもそのテンプレがなぜかやめられない。
おそらく70%以上展開がわかってるのに観てしまう。

そういうなんかしらの中毒性のようなものを持ってる気がしますね。

だから僕は嫌いじゃないです。

しかしこのバハムートに関してはそういう要素こそ満たしているものの、もう少し根底のテーマを魅力的にしてほしかったです。

{netabare}ひとことで言えば、暗くて重いんですよね。
{/netabare}


ではキャラ紹介しておきますが、今までは気にせず書いてましたけどそれを見るのもネタばれに感じる人がいるかもなので伏せておきます。


{netabare}
ルクス・アーカディア-田村睦心さん
本作の主人公で滅亡したアーカディア帝国の王子。
バハムートの使い手であり、最弱無敗という異名を持ちます。
まあ無敗なんだから最強ってことですよね。
cvの田村睦心さんは、境界線上のホライゾン、咲-Saki- 全国編、学戦都市アスタリスク、などで活躍されている女性です。


リーズシャルテ・アティスマータ-Lynnさん
本作のメインヒロインであり、新王国の第一王女。
校内では無敗を誇っていた神装機竜の使い手。
ほんとにメインヒロイン?っていう扱いでしたね。
cvのLynnさんは、さばげぶっ!、ではメインで活躍されてますけど、あとはパッとしない感じかもです。


クルルシファー・エインフォルク-藤井ゆきよさん
本作のヒロインの一人で留学生の神装機竜の使い手。
謎な部分が解き明かされた時はちょっと驚きです。
大人の魅力を持った少女。
ほんとにヒロインですよね。
cvの藤井ゆきよさんは、ほとんどメインでは出てません。


フィルフィ・アイングラム-久保ユリカさん
本作のヒロインの一人で、主人公の幼馴染。
いつもお腹を空かせてる天然少女で神装機竜の使い手。
ぼーっとしててつかみどころのない性格ながら頑固で自分の意見を通すことが多い、他のヒロインからは脅威の存在。
cvの久保ユリカさんは、ガッチャマン クラウズ、琴浦さん、ラブライブ!など多数で活躍されていますね。


セリスティア・ラルグリス-種田梨沙さん
本作のヒロインの一人で生徒会長で学園最強の機竜使い。
常に自分がみんなを守らなければならない、強い存在でいないといけないという気持ちから、周りからは怖いという目でみられることが多い少女。
男性嫌いと言われているが、実は男性に興味を持ち、尊敬し、頼りたがっている子。
不器用なのが面白かったですね。
cvの種田梨沙さんは、新世界より、きんいろモザイク、四月は君の嘘、など多数で大活躍のトップ声優さんです。


切姫 夜架(きりひめ よるか)-石上静香さん
本作のヒロインの一人で最強の機竜使い。
学園とは関係のない存在で、幼い頃から人を躊躇なく殺せることなどが大きな才能とされるが、それゆえに人から忌避されてきた。
この子の変わりようがまたすごいですね。
cvの石上静香さんは、食戟のソーマ、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか、落第騎士の英雄譚、などで活躍されています。


そのほかに、日笠陽子さん、内山夕実さん、中原麻衣さん、松岡禎丞さん、
浅沼晋太郎さん、M・A・Oさん、逢坂良太など豪華声優陣となっています。



ただ、この作品はメインヒロインの扱いが酷いというか、誰が本当のヒロインなんだかわからないところがありますね。
ハーレム設定でもひどすぎるかも。
{/netabare}


エンディングテーマ「ライムツリー」
作詞 - きみコ / 作曲 - 佐々木淳 / 編曲・歌 - nano.RIPE

はかなり良かったと思います。


ハーレムバトルファンタジーが好きなら見ておいて損はないですよ。


ここまで読んでくれてありがとうございます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
ネタバレ

境界線の観測者 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

バランスのとれていないテンプレハーレム

オタク初心者が通る初心者用の出来の悪い
単純明快なわかりやすい中高生向けのハーレムアニメ。

草食朴念仁主人公最強系チョロインがテンプレを突き進むだけ。
オリジナリティが欠片もない、キャラクターがハマれば見れる。

凡作 下の中。

お手軽ハーレムだけどキャラクターの抱える過去は重い。
で、それを解決、理解、向き合ってくれる主人公に魅かれるというテンプレもの。

タイトルの【最弱】は目を引くためだけの要素。
のし上がっていくとか、様々は手段で勝つなどの展開は期待してはいけない。

作画、アニメーション、キャラクターデザインは良い。
ただ、敵側の魅力が欠片もない使い捨ての舞台装置だったのはいただけない。

ストーリーは破城はしていないものの先が読めることは当たり前で展開も退屈すぎる。

設定、世界観の説明不足なのはアニメ化に当たり削減しているからだろう。

ハーレムとシリアスのバランスが悪い上に
ハーレム要素を挟むタイミングが「へた」すぎてテンポ悪すぎる。

キャラクターがハマらなければ魅力的な
かわりのアニメはいくらでもあるのでこだわる必要もないだろう。


自分用メモ

6話 女装回 7話 水着回

episode 01 朱の戦姫
{netabare}
OPから漂う駄目アニメ臭

開幕 どうしてこうなったんだっけ これはクソアニメ臭がすごい

機竜使い は 女性の方が適性が高い 男はレア 戦争で少なく

「だったら私と勝負しろ」 姫様 立場的に痴漢は牢獄でいいのでは?

「無敗の最弱」 ⇒ 誰だこんなセンスの無い二つ名を付けたのは?

ヒロインが勝手に暴走して騒いでるだけなんだよなぁ 
⇒ 全面的に信用するぞ
⇒ まだ教えられない は?

わかりやすいくらいラノベ産教科書通りのテンプレ一話
{/netabare}
episode 02 最弱の機竜使い
{netabare}
雑用係 ⇒ 専属契約

ラッキーおっぱい

シリアスモード

最弱?ねぇ、最弱って言った?
{/netabare}
episode 03 北の令嬢の婚約事情
{netabare}
クルルシファー編

あれ?前回の戦闘の感想なし?
あれだけぶっ殺しておいてなにもないのか?

歓迎回

グレンラガンのドリルがあるぞおい

裸を見られるのはダメ ⇒ パンツは見せる ⇒ キスは子供が……

あれ、この話次週に続けるほどの話か?
{/netabare}
episode 04 第六遺跡-箱庭-
{netabare}
クルルシファー編

くそみたいなサービス展開だけやってればいいものを
謎シリアスをいれるからテンポが悪いことこの上ない

預けちゃだめだろ 旧帝国の元王子だぞ 他にいるだろ

部外者が参加しちゃだめだろ 射線に味方がいるのに打つなよ

遺跡人? 異世界人!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
{/netabare}
episode 05 少女の願い
{netabare}
クルルシファー編

「女の弱音を本気で受け取らない事」

「なんの成果も得られませんでしたぁ!!」

あるてりーぜ 「あぁっ!!」 そんな簡単に

子づくり(ヒロイン視点)を目撃するってなかなかだよね
{/netabare}
episode 06 最強の帰還
{netabare}
セリスティア回
女装回

えっ、まだキャラクター追加するの?

「許可します」 何だこの話し方?

すぐ決闘だよ それしか解決方法ないのか

EDが変わっている ほんと作りは丁寧だな(呆れ)
{/netabare}
episode 07 少女の真実
{netabare}
セリスティア回

「お前、妹にまで、ドエロ!!」

新王国の戦力の壊滅!!

決闘 ⇒ 乱入 ⇒ チョロイン
{/netabare}
episode 08 幻神獣の目覚め
{netabare}
フィー ポンコツロイド 回

目の付け所がへんたいなんだよなぁ
{/netabare}
episode 09 約束
{netabare}
フィー回

数日で確実に死ぬ まぁそうなるよな

フィー メインヒロインの風格

金髪どもはもはや戦闘要員

解除コード送信に一分とか設計ミスってるよね?
{/netabare}
episode 10 少女たちの報酬
{netabare}
ハーレ設定はまぁいいけど
その他取り巻きの女の子も侍らす必要ないんだよなぁ

オーバーリミットの反動 ⇒ 寝込む程度

「なんでこんなにピリピリしているのかな?」

デート ⇒ 最強金髪 キス魔 正妻(フィー) 
      整備士はヒロインレースから脱落です

一応、主人公からキスしようするくらい意識してるのはキス魔

「んっ、いまなんでもするって?」
いずれは帝国を亡ぼし 
 ⇒ いやだ 
 ⇒ 風が出てきましたね 
 ⇒ 金髪ストーカー
{/netabare}
episode 11 帝国の凶刃
{netabare}
勝っちゃったよ 大会で もはや「無敗の最弱」ですらなくなったよ

道化だと!?結構じゃないか、暴虐の限りを尽くせる
 ⇒こんな小物が相手でいいのか、盛り上がらないぞ

最後は巨大な敵、お決まりですよね
{/netabare}
episode 12 少女の本懐
{netabare}
固定砲台をあそこまで持っていって負けるなよ

主人公が女のケツしか追っかけないので盛り上がりに欠ける
物語に熱さが「乗ってこない」

最大の危機 ⇒ あっさり解決
テンポとはこういったことではないのだ 適当っていうんだよ

政治的に色々と思惑がありそうだけど
暴力がモノを言わせる世界だから問題ないのよね
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

74.3 5 nano.RIPEで恋愛なアニメランキング5位
バクマン。第3シリーズ(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (670)
4263人が棚に入れました
何となく毎日を過ごしていた中学生・真城最高は、ある日、同じクラスの秀才・高木秋人から「俺と組んでマンガ家になってくれ!」と声をかけられる。だが、 3年前、プロのマンガ家だった大好きな叔父の死を目の当たりにし、マンガ家になる夢を捨てていた最高はそれを断ってしまう。しかしその夜、秋人に呼び出された最高は、あこがれの美少女・亜豆美保の家を訪ねる。そこで秋人の告白に亜豆が出した驚きの「答え」に舞い上がった最高は、亜豆に「2人のマンガがアニメ化されたら結婚してほしい」と申し込んでしまう!!

声優・キャラクター
阿部敦、日野聡、早見沙織、矢作紗友里、岡本信彦、諏訪部順一、志村知幸、川澄綾子、藤村歩、利根健太朗、野島裕史、川田紳司、堀内賢雄、浜田賢二、森田成一、桐井大介、子安武人、風間勇刀、立花慎之介

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

進化の歩みを止めることなく突っ走る亜城木夢叶・・・問われた真価に対する答えは^^?

少年ジャックを背負う人気漫画家になって作品をアニメ化する・・・その夢を叶えるために全力で走り続ける亜城木夢叶のムッチャ熱い作品・・・第3弾です。

予め3期まで放送する事をを前提とした作品構成になっているので、リアルでこの作品を視聴されたいた方には、とても長い空白の1年だったと思います。

「自分達の本当に作りたい作品を描きたい・・・」
その信念を貫き通そうとする二人・・・振り返ってみると、足枷でがんじがらめになっていました。
中学生の頃に見上げた高みに、自分達を押し上げなければ夢は叶わない・・・そんな土壇場の状況から3期の物語が始まります。

亜城木夢叶は、これまでたくさんの産みの苦しみと向き合い・・・時には悔し涙で頬を濡らした時もありましたが、一つ一つを自分の糧としてきました。
夢を叶えるために全力で駆け抜けた10年・・・だったと思います。

10年間・・・彼らの夢はただの一度もブレなかったのは流石です。
一つの夢を10年間見続ける・・・リアルに考えたら物凄く高いハードルです。
しかも、彼らは途方もない夢を目標にして頑張ってたんですよね。
夢の大きさに押し潰されても決しておかしくなかったと思います。

これまでは人知れず静かに思いを育んできました。
夢を追い掛けて10年・・・費やした時間と注ぎ込んだ情熱の分だけ、周囲を気にしなければならない立場にまで成長していました。
成長するのは良いことだと思います。その分だけ人生の選択肢が増える訳ですから・・・
でも、その成長が時には足枷になることもあるんですよね^^;

悪気は全然ありませんでした・・・
尊敬していたから・・・大好きな人の事を知って嬉しかっただけなのに・・・

ひょんな出来事が発端となり、亜城木夢叶の夢が白日のもとに晒される事になってしまうのです。
彼らは決して悪いことをしている訳ではありません。
それなのに目の前を通り過ぎていくのは、たくさんのバッシングの嵐・・・
相手の事を考えると世間の荒波に抗わない方が・・・などという気持ちが沸き上がってくるのも分かります。

でも、ここからがこの作品の真骨頂・・・
言葉で表面上は何とでも繕う事は出来るけれど、自分の本心は繕う事なんてできません。
だから優先するのは自分の素直な気持ち・・・
身体が歩みを怖がっているのが分かります。
傷つきながら・・・ボロボロになっても歩みを止めないのは、お互いの道がその先で繋がっていると信じているから・・・
だからお互いに相手の状況をただ黙って見ているだけ・・・なんて事は決してありません。
最初は怖いだけでした・・・でも勇気を振り絞った一歩に差し出された手の温もりを感じて・・・過ぎ去ってみたら充足感に満ち溢れている・・・

何という絆の固さなのでしょう・・・
何という信頼の深さなのでしょう・・・

そして彼らは夢の実現に向けたお互いの立ち位置も決して揺らぎませんでした。
「一歩先で待っていてくれているから頑張る・・・」
次の瞬間、画面一杯に広がるのは言葉では言い尽くせない最高のパフォーマンス・・・

真摯に・・・愚直に我を貫き通した10年・・・
ホント紆余曲折の10年でしたが、その年月の重みをしっかり受け止めても余りある、とびきりのラストが用意されていました。

この真骨頂以降を・・・きっと10回以上は視聴したと思います。
何度も涙腺が崩壊しちゃいました(//∇//)

これまで、ごく一部の登場人物にしか触れてきませいでしたが、他にも魅力的なキャラがたくさん登場します。
特に下の二人は主人公と同じくらい大好きなキャラでした^^
高木(旧姓:見吉)香耶(CV:矢作紗友里さん):二人を陰日向で支えた功労者です。
蒼樹紅(CV:川澄綾子さん):序盤と終盤でキャラのイメージがガラッと変わりました。人当たりが徐々に良くなっていくんです・・・最後、平丸先生が羨ましくて仕方ありませんでした^^;

オープニングテーマは、nano.RIPEさんの「もしもの話」と、ヒャダインさんの「23時40分 feat. Base Ball Bear」
エンディングテーマは、スフィアさんの「Pride on Everyday」と、JAM Projectさんの「夢スケッチ」
3期に相応しい主題歌だったと思います。
一番のお気に入りは「夢スケッチ」です。本編からの入りが絶妙である事も、本編で涙で前が見えない状態で気持ちが昂ぶっていた事も評価に含まれていますけれど^^;

75話視聴してきてホント良かった・・・お気に入りの作品がまた一つ増えました^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28
ネタバレ

plm さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

漫画で漫画家という邪道(メタ的)なようで王道な友情・努力・勝利!

PCP完全犯罪党が始まった辺りから始まる第三期、丁度原作知らないとこなので補完するため観始めた。
ストーリーは凄くイイけど、台詞回しやら場面転換が淡々としてるのは原作通り。
これで演出も伴ってたら感動大作になっていたかも。とはいえこのサクサク感もバクマン故の持ち味か。
OPがエンディングにしか見えない。アニメの中でアニメ化してるのは笑った。

この作品、ジャンプで読んでいた頃は漫画を題材にした漫画とはまたメタっぽい変化球できたなぁ、
なんて思っていたけど、実際は友情・努力・勝利のジャンプ三本柱の王道まっしぐらな内容だった。
このノリはデスノコンビというより、むしろヒカ碁を彷彿とさせるような熱さを感じる。

この作品が生んだ"シリアスな笑い"という言葉は、とても印象的で心に残った。
平丸さんと吉田氏の回は良かったなー。
シリアスな笑い取りに来てるようで、しっかり伝えたい気持ちが詰まっており、プロだなぁと思う。

七峰君
{netabare} 以前、他作品の設定ツギハギみたいなので騒がれてたライトノベルがあったけど、
売れるならある種正しいのかなぁなんて。MAD作るのも才能だなぁとは思う。

"パクリ"と"影響を受けた"の境界線って難しいし、オリジナルがどの範囲内を示すのか分からない。
そんなわけで7峰君のやり方自体は否定されるものとも限らないと思うけど、問題はあるだろうなぁ。
一番は"意見を出してくれる人の信頼性"だ、情報流出や、それこそアウトなネタを知らず知らずに
アイデアとして取り入れてしまったり、という自体になったとき責任の所在が不明瞭で危なっかしい。

創作界隈を知る人ならなんとなく分かることだが、大勢で何かを創ることはとても難しい。
一見すると、大変な役割を複数で分けてやれば負担は減るし、楽できるじゃん、と思える。
でもそういう考え方をしている人たちでは何かを作り上げることはできないのだ。
重要な役を分担するほど、できもしない理想への期待が高まってしまう。
不特定多数で共同制作をするなら、あったらいいがなくても問題はないものに留めておかないと進まない。

七峰君のネットアイデア作法は、一見良い方法だけどそういった問題点が多かった、って所なんだろう。 {/netabare}

模倣犯の回も素晴らしかったなぁ。コナンばりの閃き、こういうのはアニメ効果も伴ってぐっと来た。

OPがエアーマンに

新妻君
{netabare} かっけえなあー。長期連載の人気漫画って惰性になりながらもなかなか終わらないよね。
面白いもの描ける作者はきりのいいとこで終えて次々と新しいもの生み出していけばいいのにと思う。
まさに新妻君のようなエンターテイナーに惹かれる。
それは大場つぐみ&小畑健の漫画観なのかもしれず、この挑戦的なスタイルは素晴らしいな。 {/netabare}

そういえば静河流いないのか……けっこう好きだったのに残念。

亜城木夢叶&ラストスパート
{netabare} 最終話のタイトル「夢と現実」は1話のタイトルと実は同じ。これは凄いね!
ちなみに連載前の仮題は「夢と現実と博打とYシャツとキミ」だったらしい。
ライバルとの切磋琢磨、脇目もふらずやり通すこと、そして夢を叶えること、
まさに友情・努力・勝利!ジャンプ三本柱の王道をこれだけ真っ直ぐにやったことが清々しく感動した。

漫画で読んでた時は淡々と読んでてそんなに感じることもなかったけど、ハラハラドキドキの連続、
こんな毎度熱い展開だったとは。アニメでバクマン。のストーリーの魅力を強く感じることができた。

ほんと1話1話でうまくまとまっていたし、演出も良くいい内容だったと思う。 {/netabare}

久々のお気に入りアニメになった。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

こたろう さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

バトルじゃない。スポーツでもない。でも熱血ジャンプ漫画

中学生のときに志を立ててから約10年。
青春の全てを漫画にかけてきた主人公達の熱血「漫画家」まんが。第3期、完結編です。
作中でジャンプ漫画の事を扱い、ときには揶揄しながら、本作自身がコテコテのジャンプ漫画の集大成。
努力、友情、勝利です。


原作を読む限り、4期があるだろうと思っていました。それぐらい原作ストックはあった筈です。
ところが実際はこの3期で完結。
このへんは大人の事情なのかもしれませんが、原作のエピソードや登場人物を多少削る事になっています。
ただ、削られた部分は原作でも微妙だった(そして長かった)ところ。
感動もしますが結構殺伐ともするので、あえてアニメに入れない選択もアリだったと思います。
これに関しては、破綻無くキレイに編成してあったと思います。

そこは良かったのですが、それでも2クールで収めるには少々尺不足でした。
ちゃんとドラマになっているし各話で盛り上がりどころもキチンと創ってあって、出来る限り最良の構成になっていたのは流石。
ですが、ちょっと贅沢を言わせてもらえば、もう少しじっくりやって欲しかったエピソードも多々あり、原作ファンとして少し不満が残ります。

それでも、見応えは充分。
1期から続いた、主人公達の努力と挫折と成長の物語、ライバル達との凌ぎを削るアツい勝負の物語、仲間や愛する人との友情と愛情の物語、それぞれに花道が用意してあり、1期からのシリーズを通して非常に良くできています。
一貫してブレないテーマである「夢を叶える」
そこに向かって突っ走りつづけた少年達を見守ってきた我々としては、もう終盤では涙ながらに見ていました。
本作のテーマを見事に表現してあるOPとEDが素晴らしい。
4曲ありますが、どれもバクマンの完結編を飾るのに相応しいものばかり。
EDの映像と歌詞だけで泣かされてしまいます^^;

アニメとしての質は今更言うまでもないNHKクォリティ。
再現度が高く、原作絵をキレイにイメージどうりに創られていて、文句の付けようがありません。
作中で漫画がアニメ化される話を扱いますが、それだけに下手なアニメは作れませんよね。
このジャンプ漫画をアニメ化した「バクマン。」というアニメで下手なものを見せたらいいツラの皮。自虐になってしまって笑えません。スタッフには微妙にプレッシャーだったんじゃないでしょうか^^;
余談になりますが、
そのアニメ化のエピソードで声優のオーディションをする話がありました。
役柄として「大御所」や「今、人気ナンバー1声優」という登場人物がでてくるのですが・・・ほんとに人気声優や大御所を起用してあります。1話しか出番ないのに。
さすがの拘りだなぁ、と、ちょっと感心しました。あのキャストなら文句なしです。


終わってしまった寂しさはありますが、きれいに完走した物語はやっぱり清々しい気分。
アツくて爽やか。
実に少年マンガらしい面白さを語り追求しながら、それを体現した秀作。
あにこれでは大手少年誌原作はあまり評価されない傾向にありますが、やはり日本一売れている雑誌の人気マンガ。
それを堅実にアニメ化した作品ですから、間口は広く定番的に面白いのは確かです。
是非とも万人にオススメしたい一作。もちろん1期からね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

75.4 6 nano.RIPEで恋愛なアニメランキング6位
citrus(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (529)
2135人が棚に入れました
ギャルだけど初恋も未経験なjk・柚子は、親が再婚した都合で女子高に編入することに。彼氏ができない!と不満爆発の転校初日、黒髪美人の生徒会長・芽衣と最悪の出会い方をする。さらに、義理の姉妹になった芽衣と同室で生活することに・・・!?

声優・キャラクター
竹達彩奈、津田美波、藤井ゆきよ、久保ユリカ、井澤詩織、葉山いくみ

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

純情ギャル×黒髪生徒会長=×××

この作品の原作は未読です。
原作の掲載誌は「コミック百合姫」で、これまで「ゆるゆり」「犬神さんと猫山さん」「捏造トラップ-NTR-」などを輩出してきた雑誌です。
2018年春アニメで放送が予定されている「立花館To Lieあんぐる」もこの雑誌からの作品になります。

そしてこの物語の主役を演じるお二人…あやちと津田美波さんの組み合わせは今回が初めてではありません。
二人が主役若しくは準主役で活躍する作品…私の知る限り「モモキュンソード」「おくさまが生徒会長!」に続き、これが3作目になると思います。

あくまで個人的な私見ですが、この作品の様に女性同士が対峙する…というシチュエーションにお二人の声質が合っているから、集まるべくして集まったんだと思います。
コロコロ転がるようなあやちの声質と、津田さん演じるキャラの声質は水と油の様に共通点が見出せません。
だからこそ、この作品の様にキャラの心情を重視される作品には欠かせないんだと思います。
スタート地点はバラバラ…向かっている方向すら根本から異なる二人…
天と地ほどの差を表現するのに、声質は欠かせないと思うんです。

この物語の主人公は高校1年生の藍原柚子…母親が再婚して藍原性を名乗るようになった今どきのギャル風な容姿が特徴の女の子です。
母親の再婚に伴い、住むところも学校も変わった柚子でしたが、気合いを入れて身なりを整えて登校した彼女に待っていたのは、全身校則違反という洗礼…その学校は校則の厳しいお嬢様学校だったんです。

そんな彼女の前に現れたのが1年生なのに生徒会長を務めている藍原芽衣…
黒髪ロングの美人さんで清楚な出で立ちは柚子とまるで真逆…
何もかもが違う二人…ですが、親同士が再婚して義理の姉妹になった二人だったんです。

お互い「その他大勢」から身内としての「ただ一人の存在」に昇華した二人…
柚子のお節介なまでの優しさと、芽衣の凜とした言動を慕う存在を巻き込みながら柚子と芽衣の物語が動き出すのです。

言葉にするだけで良いのに…
一人の視聴者の立場というだけなら、きっとこの思いは払拭できないと思います。
きっと「その他大勢」同士の立場だったら、悩むことも苦しむことも無かったと思います。

でも、お互いの距離が近すぎると逆に言えない事もあるんですよね…
まぁ、二人の場合は各々を構成する人格が凝り固まっていたので、余計に事がややこしくなった点も否めませんけれど…。

だから二人を見ていると駆け引き…にすら行き着いていない事に気付きます。
自分と相手の立ち位置を理解して、次の一手を模索するのが駆け引きとするなら、二人ともお互い自分の事だけで精一杯なんですもん…

でも、そんなになってしまうのも理解できます。
これまで自分が経験したことの無い感情のコントロール…決して易しくはありませんから…
それに自分の領域の境界が曖昧だから境界線上でのせめぎ合いもできない…
人は知らない事に対して臆病になる…当然の事だと思います。

この堂々巡り…
これではいつまで経ってもお互いが噛み合う事はありません。
でも、お互いがもう少し歩み寄りながら理解し合う選択肢は絶対あったと思うのですが、これはだいぶお預けを食った気がします。

だから井澤さんや金元さんといった外乱には正直ちょっと期待しちゃいました。
何故なら直ぐに展開が膠着状態になるからです。
その原因は芽衣の言動だった訳ですが、振り返ってみると彼女の鉄壁の防御こそが彼女自身の最大の魅力だったのかもしれません。

だって、何人たりとも侵入することのできない彼女の絶対領域を守っているのですから…
逆に考えると、彼女の鉄壁の防御は彼女が心を許した人しか掻い潜る事が出来ない類のモノなんです。
それって特別以外のナニモノでもありませんよね。
彼女の燃え上がるような情熱…それに触れられるのは本当に特別な人だけ…
柚子と芽衣の気持ちはどこに向かっていくのか…届ける事ができるのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、nano.RIPEさんの「アザレア」
エンディングテーマは、Mia REGINAさんの「Dear Teardrop」
nano.RIPEさんの曲は相変わらず痺れる曲ですね…
格好良過ぎて鳥肌モノでしたよ。
もちろん、カラオケでもチャレンジ済です。

1クール12話に物語でした。
感想して振り返ってみると、やはり私はあやちと津田さんの組み合わせが根本的に好きみたいです。
これからもお二人の共演を楽しみにしています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
ネタバレ

一言 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ストーリー展開とキャラの描写がダメ

一言で言えば、キャラクターの考えてることが理解できないアニメ。


タイトル通り、ストーリー展開とキャラ描写のことは後程記載するとして。
きらら系の女の子が仲良くしてるゆるい百合が好き…くらいなライトな百合好きオタクには濃厚すぎるかもしれない。
百合というよりガチレズ、そんなアニメです。


しかしレズ依然に展開が無理やり過ぎてギャグアニメと化してたり、ただ単にエロ描写を描きたいだけのストーリー展開がめちゃくちゃなアニメだった。


※ここからはこの作品に対する愚痴のようなもので、オタク特有の早口な作品に対する批判()なのであまり推奨しません。
{netabare}
例えばゆず。
メイにキスしたいだの、告白したいだの、レズ漫画買うだの、女のメイが好きなことを自覚したうえでの行動だったくせに、いきなり最終話間近で「やっぱり姉妹のスキンシップとしてはやりすぎだと思うんだ…」とか今更すぎて…。

もっと早い段階でぶつかる問題では…?
もはやこのタイミングでこんなこと言うの意味がわからなさすぎる……。自分からいろいろとメイに積極的に関わろうとしてたくせにここでそれ言うか?

女同士はおかしいからやめようという葛藤を描くなら、もっと序盤ですべき。
{/netabare}

話の持って行き方が唐突で、キャラクターの考えてることが意味不明になっている…。

{netabare}
メイも、ビッチ生徒会長を描きたかったんだろうけど、初っ端からゆずにキスしまくったり、ことあるごとにちょっかいかけている理由がほしい…。
最後の最後までゆずをいつ好きになったのか理由がなかった…。
{/netabare}

描写がたりてないと思う。感情移入できないどころか何考えてどうしてそんな行動を取るのか理解できないからもやもやしてしまう。

{netabare}
あと双子姉妹も登場した意味なかったな…。
修学旅行回は特に謎。
双子姉はただふりまわされただけだった。
メイはなぜクリスマスに拒否られただけで、ゆずをあそこまで完全拒絶したのか、しかもすんなり双子姉と付き合うことを承諾したのか謎すぎる。

クリスマス回といえば、そもそもゆずがメイを受け入れなかったのも意味がわからなかった…。あそこまでメイを求めていたのになぜ今更拒否する?理由がほしい。(序盤なら拒否するのもわかるけど…)

ビッチ中学生もあんなに執着してたのにあっさり改心するからつまらなかったな。
双子の新キャラをいれて意味不明な展開をやるより、ビッチ中学生と人悶着やるのをていねいに描いたほうがよかったのでは。


クリスマスの夜以降、メイがなんであんなに塩対応で、もう話すこともないとか、関わるなとかいってたくせに、最後の最後でころっとゆずの返事をオーケーしたのか、理由付けがないし、まじで意味がわからない。

それに、ほんの一時的に付き合った双子姉と別れることになったとき、あなたを失いたくない…とか言ってたところは本当に意味がわからん。
出逢って間もなさすぎるのにいつそんな重い感情生まれたんだよ…てかゆずにすらそんなこと言わなかったのに……。
{/netabare}


感情移入どころかキャラクターの行動原理が謎だから話としておかしすぎる。
それが気になって仕方がなかった。


ただ、レズなら何でもいいと言う人や、ストーリーの粗探しも含めて楽しめる人ならいいと思う。一話を見て判断してみてはどうでしょう。

ツッコミどころあってニヤニヤするというよりは、鼻で笑う感じ。


ボロクソに書いたんですが、どんなことをやらかしてくれるのかという意味では楽しめたし、ここまで頭のぶっ飛んだレズアニメを見たことがなかったので新感覚な感じで楽しめました。

二期があれば見るとは思う。
やらないと思うけど。
{netabare}
個人的には、はるみんとゆずが絡んでそれをビッチ中学生が掻き回す感じのストーリーのが面白かったんじゃないかなぁと思う。
まあ要するに、ストーリーの展開+メイメイの考えてることが見えにくすぎてもやっとしたんですよね!
{/netabare}


opとED最高に好きです。
あと、竹達のギャル演技、とても良かった。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

2話までの感想
{netabare}マリみてっぽい作品なのかなーと思ってたら、島津由乃似のキャラが出て、それが隠れギャルで…って、そこまではいい。
けどそこから更に、その由乃似キャラが巨乳って設定で…。
くっそwwwww由乃が巨乳ってだけで爆笑してしまった。
その後ユズが由乃の真似をしてスマフォ胸に挟もうとしてストンと落とすのも笑えたけど、巨乳由乃のほうでずっと笑いっぱなしでした。
我ながら自分自身の笑いのツボがようワカラン。

内容の方だけど、良かれと思ってやったことが迷惑になるってネタは好きです(正確にはそれに纏わる葛藤ね)。
ってよりも祥子もといメイが妙に男っぽい気が。
「そのうるさい口をキス塞いでやる」って感じよね。
どこまで本気なんだか現時点では分からないけど…むしろそれでユズが本気になり始めてしまった、って話なんだろうか。

学園長とのゴタゴタの件で一番悪いのは放ったらかしにしてる親父な気がする。
2話で飛行機出てたのでそのうち登場するのかな?
ユズは自分の出来る範囲でよく頑張ってると思うが、いかんせんアウェーが過ぎる。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
↑で懸念してた親父、やっと登場してくれました。
兎に角とっとと登場させて「立ち位置」をしっかりさせてくれないと…理事長とのゴタゴタの件とかの時が顕著だったけど、作家に便利なデウスエクススマキナに使われそうで気が気でなかった。
理事長が都合良く倒れてくれる時点でデウス~もヘッタクレも無いけどね。

そしてやっぱりキャラの思想の根底が妙に男っぽい。
親父は学園を継ぐつもりが無くて、そんな中祖父が倒れて「自分が継がなきゃ」となって業務をこなすとか…男女差別と言われそうだけど、どうにも男っぽい。
それよりも家を継げる優秀な男を婿に迎え入れようとする方のが「らしい」気がして、そう考えると序盤出てた元許嫁って性格はどうあれ経営だかは優秀だったんじゃないの?となり、簡単に婚約解消してしまったのはなんか勿体ないような?
学園存続をとるかアイツ許せねぇをとるか、葛藤するエピが欲しかった…っていうか必要だったんじゃないかな。

前々から思ってたんだけど、これって少女マンガのホモホモしたやつの性別をまるっと入れ替えたものなんじゃないか?っていう印象。
といって自分詳しくないんだけど、風と木の詩とかそんな系…ってかそれ読んだ時は「これ全員中身女性じゃん」と思ったもんですが。
…って、あれ?そうだとすると逆輸入ってよりも元に戻ったってことか?
あれれ、なんか混乱してきた。

で、話戻って親父の件ですが、それまで旅客機がちょくちょく映るシーンがあったのだけど、「実際よく戻ってきてたけど顔合わせ辛いので様子見て帰ってた」ってことの伏線だったと判明。
これは気付かんかったわー。
そしてもう一つ、母親一体何者?どこで知り合った?ってのも謎だったんだけど…6話後半に建設現場の現場監督みたいなことをしてまして。
え、そんな仕事?と一瞬ビビったけど、ああ、母親はかつて海外の学校建築に携わってたってことかな?そこで親父と出会った、みたいな。
合ってるかどうか知らんけどねー。
ちゃんとそういう設定っていうか伏線貼るのであれば、理事長が倒れる時も数話前から最近体調が良くないとか描けなかったのか?と不思議でならない。
見落としでもあるのかのう。


余談
副会長がなにかと蚊帳の外扱いで不憫。
声優は清水愛か?と思ったら久保ユリカでした、全然違うじゃーん!
魔法少女くるみで「バカっぽい演技上手いなー」とチェックしてたつもりだったんだが…こ、これはストパニの影響を引きずってたんだ、そうに違いない。
と思ってたらくるみ並にきゃろ~んとした声の新キャラ登場で「久保ユリカにやらせりゃいいじゃん」と思ったらそっちはヘボット…っていうかナナチの井澤詩織でした。
恥ずかしながら、少女終末旅行でユーリ(久保ユリカ)をナナチの人か?と勘違いしたことがありまして…やっべ、頭混乱してきた。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
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