ZAQでコメディなTVアニメ動画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のZAQでコメディな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番のZAQでコメディなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.1 1 ZAQでコメディなアニメランキング1位
ささみさん@がんばらない(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (1336)
6842人が棚に入れました
引きこもりの「ささみさん」と奴隷体質の「お兄ちゃん」のささやかな生活に降りかかる、八百万の神々による怪奇現象。
そして、個性あふれる「邪神三姉妹」とのありえないラブコメ。
そんな日常系として描かれる非日常の物語。

声優・キャラクター
阿澄佳奈、斎藤千和、花澤香菜、野中藍、大塚芳忠、沼倉愛美、日高里菜
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

がんばらないで見るのが調度良い、シャフト演出が光る作品

2013年1月より放送
全12話。


【前置き】

「物語シリーズ」「まどか☆マギカ」等で有名なシャフト制作。
放送当時も見ておりましたが、ふともう一度この独特の世界観に触れたくなりDVDで視聴しました。

シャフト制作アニメは毎作DVD版で、「そこまでこだわらなくて良いでしょ!」って思う程の異常な量の作画修正をしてくれるので、2度見するのもまた楽しいですしね。



【あらすじ】

主人公、『月読 鎖々美(つくよみ ささみ)』通称「ささみさん」は、ヒキコモリです。
着替えるのも、食事をするのも、とにかく「がんばらない」。
その生活の面倒を見るのは、異常なまでの奴隷体質の「お兄ちゃん」唯一人。

そんな彼女は、実は神霊「最高神のちから」をその身に封じた『月読の巫女』であり、これまでの環境や辛く非人道的な修練の日々から、遂に逃げ出して来ていたのでした…。

この兄妹と、難癖もある『邪神(やがみ)三姉妹』を中心に、八百万(やおよろず)の神々による怪奇現象が、面白おかしく時に残酷に…彼女の身に起こっていきます…。


【論じてみる】
{netabare}
本作は、シャフト制作作品の中では今一つの知名度ですね。
しかし、その独特の雰囲気や演出は、まさにシャフトらしさに溢れています。
前知識が無くても、これ「物語シリーズ」っぽいっと思った方もいらっしゃったのではないでしょうか。

キャラクターも皆可愛らしく描かれ、それを彩る作画に関してもシャフトの中でもかなりのクオリティ。
ささみさんの部屋でのみ入る、シャボン玉越しに画面を眺めているような淡い七色タッチの演出も、とても独創的でしたしね。
本編が終わったかと思えば、エンディングでは毎回キャラクター達のガヤが激しかったり、次回予告でも趣向を凝らしたヒキコモリ小ネタが色々と用意されたり…。

こういう、普通ならただ仕上げるだけで終わるところに
「もう一癖入れてやろう!」
という製作者の心意気を感じたのが、私が本作をもう一度見たくなった理由だったのかもしれません。

ただ…、肝心のシナリオに関しては、改めて観直してもイマイチでしたね。
原作が完結していないこともあり、全12話で全容が全く描ききれていない…、もとい描き切ろうとする感じすらなかった点が、何よりの残念要素だと私は思います。



冒頭は、まさに謎だらけのキャラクター達の理解不能な展開が続き、置いてけぼりをくらいます。
(この時点で、既に初見の人は視聴をやめかねないかもしれませんね…。)

世界観の説明は、第3話での「ささみレポート」。
ここでやっと、この「日本神話」を主軸にした世界観と、人物設定が明かされていきます。
ささみさんが、これまで色々な柵に縛られていた自分を断ち切る為に、あえて今は「がんばらない」ことにしていることが垣間見えてきましたね。

ただ「最高神のちから」と一言で言われても、意味不明な人も多かったかと思います。
とても分かり易く言えば「涼宮ハルヒ」に近いチカラを、ささみさんも持っていると思えば大きな差異もないかと…。
ただ、ささみさんはハルヒと違い、その自身のチカラを理解し、コントロールしようとしているのですが…。



さて、どこかファンシーな ささみさんの雰囲気とは違い、描かれるのは日本神話を元とした八百万の神々達。
これを、シリアスに見たらいいいのか、気楽に見たらいいのか…。

それこそ、タイトル通りの「がんばらない」。
世界観や台詞を覚えて、シナリオを熟知しようというよりは、基本的に演出や小ネタを見て気楽に楽しむが一番の作品のように私は思いました。
そうして身構えていないからこそ、世界観がガラリと変わった時も余計に楽しめるかと思いますしね。

何より、キャラクターがそれぞれ可愛いので、そう楽しむのが一番です。
変に萌えに走りすぎていないキャラクターデザインも、個人的には好みでしたし。


ささみさんは、阿澄佳奈さんの声が非常にマッチしていて、気怠さと頑張らなさ加減が光っていましたね。
「邪神三姉妹」も、でっかいロリから、ロリババァに加え、メカ女子高生と、バラエティーに富んでますし。
この姉妹に関しては人によって好みが大きく分かれるので、論争の火種にもなりそうですが…(笑)

ちなみに私は断然、次女のメカ女子高生『邪神 かがみ』派でした。
ちびまる子ちゃんのような黒髪ショートの髪型は勿論のこと、特徴的な「~のです」の喋り方や、時に挟む暴言、さりげないオヤジギャグ等々。
そしてそして、毎度眠たがる際の彼女の

『ふにゃぁ~~♪』

に、私はもぅイッチイチと悶え苦しんでおりました。
(この苦しみには、恍惚がブレンドされています。)

声を演じられているのは大人気声優の「花澤香菜さん」。
私としては、彼女が演じた数多くキャラの中でも、このかがみが個人的にかなり上位に食い込む程大好きなのです。
「千石撫子」「黒猫」「結城美柑」「天使ちゃんマジ天使」と、少し上げるだけでも名立たる超有名キャラが揃い踏みですが、それでも決して負けてはいません。
不器用ながら、とても友達思いの良い子ですしね。

いやまぁ、後の姉妹も良いんですけどね。
ロリにロリですし(*´Д`)ハァハァ



さて、物語としては中盤の、ささみさんとお母さんとの回が最高潮でした。
ここに関しては、本作をアニメ化にまで押し上げる人気となっただけの良エピソードだったと思います。
あのお母さんの、頑なな姿勢とその反面の内にあるデレっぷりは、とっても可愛かったですしね。
(しかしまぁ「働きたくない」「がんばりたくない」に加え「死にたい」を連呼するお父さんといい、ささみさん一家のキャラは濃すぎますね…。)

ただ、以降のエピソード「悪徳オカルト結社『アラハバキ』との一戦に関しては、かなり投げっぱなしで終わっている感が強く、多くが謎のまま先の展開を暗示せず物語が終わります。
この点が、本作最大の短所と言えるでしょう。
シャフト制作では、原作シナリオを忠実に再現することが多く、このように話が途中で終わるケースが多少ありますが、「化物語」などはそれでも物語の区切りはしっかりしておりました。

今現在の話題性を顧みて、まず2期がないことを考えると、本作は結局ただの原作販促アニメでしかなくなってしまい、非常に残念です。
決して内容が悪くないだけに…、余計にそう思います。
{/netabare}



【変態お兄ちゃん、月読 神臣(つくよみ かみおみ)】
{netabare}
さて、前述でも述べた通り本作は、ささみさんや邪神三姉妹が、可愛く個性的なキャラ立ちを見せるのですが……。
私的には、この奴隷体質の「ささみさんのお兄ちゃん」の強烈なキャラ立ちに、全部食われてしまったのでは…とすら感じましたね。

作中一切顔を見せないその風貌だけでも、既にかなり異質に見えるのは当然として…。
(この顔を見せない演出も見所!)
その行動や言動は、全て妹のささみさんへの溺愛に満ちており、


『お兄ちゃんはいつでも、ささみさんの側にいますよ~。

 お兄ちゃんを1人見かけたら、30人はいるものと思って下さ~い。』


なんてゴキブリ染みた変態発言は、最早日常茶飯事。

彼女への奴隷的な振る舞いも非常に板についており、回転寿司での一コマでは会話の合間にある

「あっ、次サーモン」「シャリ半分にして」「ワサビ嫌い」「シャリにお醤油付けたら殺す」「フーフーして」

という、ささみさんのワガママ要望に全て迅速に対応したりと…、気持ち悪い反面なんだか私もこんなお兄ちゃんが欲しくなっちゃいました。
…いやまぁ、その後すぐ全裸になって、

「僕を…、僕を食べて下さ~~~~~い!!!」

と言って、回転台から流れてくるような人なんですけどね……。
まぁ一応ちゃんと、お寿司を乳首に乗せてはいたようですけど。(←なんのフォローだ!)


ただ、基本的にゴキブリのような扱われ方をされているワケですが、その実ささみさんも

「お兄ちゃんが変態だったから、私は落ち込んでいる暇もなくって…。

 ……おかげで救われた。」

と言っているシーンもしっかり描かれているのが、また良いんですよね。
にくい兄貴ですね、こういうキャラクターはホント大好きです。


声優「大塚芳忠さん」(ワンピースの「Z」や、NARUTOの「自来也」等を担当されています)の起用は、「お兄ちゃん」というにはいささか高齢の声に思えましたが、それを補って余りある演技力に脱帽しました。
あの低い声での剽軽な言動の数々は、非常に耳に心地良かったです。

彼のその異質さの起因は結局、作中で明らかになることはありませんでしたが…、そのミステリアスさも含めて作中でもダントツのインパクトでした。
お母さんから「哀れな存在」と呼ばれていた彼ですが、その言葉にはこの個性以上の何かが、きっとあるのでしょうね…。
{/netabare}



【総評】

やはりアニメ単体として見る限り、説明不足で尾を引く展開のまま終わっていることは大きなマイナス。
あえて説明していない点があるにしても、それが人気に繋がらなければ商業作品としては失敗と言っていいでしょう
そういう点からも、人には自信を持ってオススメは出来ない作品です。

ですが中盤までの展開は、日常とシリアスを上手く表裏させた作りで、高クオリティの作画で彩られる可愛いキャラクターと、その演出や多くの小ネタも含めて、個人的には大いに楽しませてもらいました。
オープニングの「Alteration」(ZAQ)も、とても好みでしたしね。


しかし、やはりなんといっても…、ささみさんのお兄ちゃん。

『婚姻届は既に、ささみさんの名前を書くだけのものを用意してありますからね!

 法律だけが、僕らの敵ですねぇっ!!!』

なんて異常な台詞を繰り返す、この上なく残念なキャラクターを愛でる、そんな作品でした。
視聴の際は、是非がんばらないで♪


ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『月読 神臣(お兄ちゃん)』 声 - 大塚芳忠さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『邪神 かがみ』 声 - 花澤香菜さん



以下、私がもし「お兄ちゃん」になったら……。
(※どーでもいい話なので〆ますね。)
{netabare}

ちなみに私も、ささみさんのような可愛い妹がいたら、

きっと本作のお兄ちゃんみたく、この上無い愛情を行動で示そうと躍起立つのではないかと思います。


ともすれば当然、私も彼と同じように、妹に美味しく食べられたいという気持ちから、

回転寿司で、妹の眼前に全裸で流れてしまうのでしょうね。


あぁ一応、ネタとしては「おいなりさん」となります。


どうでしょう…。

こんなお兄ちゃんで良かったら………。。。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 41
ネタバレ

泉 時雨@ゆーたくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

予想以上にファンタジー

予想以上に面白かったです。

私の考察的にはラブコメハーレムものかと思っていましたが、
けっこうファンタジーものじゃないですか。
世界観があり表現の仕方や背景が独特というか。。

なんでも、ほかの方のレビューを読むとアニメ制作をしているシャフトというのはすごいところらしいですね!
私はシャフトの作品はあまり見てないので、初めて知りましたよ^^;
興味深い会社になりそうですw

また、opもとってもかっこよくてお気に入りの曲の一つです!
edはとっても笑えますねw

兄役の大塚さんは50代なので、そんな大御所が
「ささみさーん」を言っている姿を想像すると恥ずかしさと笑いが出てきます^^


~12話~(最終回)
{netabare}よかったね、仲直りできて。
友達というのは裏切られる時もある、喧嘩するときもある。
だけど、そういうことを繰り返して仲直りして、
どんどん仲が深まっていくんだよね^^

少し微笑ましかったです。

でも、逃げちゃえばいいんだよってそ、それはうーん・・
確かに頑張りすぎちゃうのはダメだけど、頑張らなきゃいけない時もあるような・・?
少しその言葉が意味深で深くて印象的でしたね。

ファンタジックな友情&家族愛な物語でした!{/netabare}


~11話~
{netabare}あんなに友情って深いものですっけ?
確かに、仲いい子が別の子と仲良くしたら嫉妬するかもだけど、
あんなにゆりゆりしいですっけ?w

このアニメは裸シーンが多くて、ゆりゆりしいですねー。

とにかく、友情パワーを見せつけられて
羨ましいし悔しいです。

また、最後のシーン気になりました。
つるぎってもしかしてお兄ちゃんのこと・・!?

次回が気になります^^{/netabare}


~10話~
{netabare}つるぎって私と似てるなぁ。
勇者っぽくていいやつなのは私と違うけど、
変態なところが私と同じ。

デュフフいってよだれ垂らすなんて私と同一人物としか思えませんね。

ということで少しニヤニヤ笑うことができた回でした。

あと、最後の愛媛みかんのダンボール!
やっぱりみかんは愛媛ですよね~。

和歌山という人もいるけど、質や種類の多さは愛媛の方が多いと思うし、
昔からのみかんという歴史があるのですから。
量だけで勝った気になるのはよくないですよ。

愛媛の温州みかん美味しいのでぜひ食べてね!

・・・話逸れましたね。{/netabare}


~9話~
{netabare}ちょっと急展開過ぎてついていけませんでした。

まとめると、
ささみさんは過去を後悔していたので、
つるぎとねの国から戻ったお母さんと過去へ行くことになって、
誤解なども解け過去に後悔はなくなりました。

そして、無事現実に戻ったらまた新キャラ登場で波乱の予感。

これぐらいのだいたいな感じはわかりました。

また、疑問点がひとつあって
現実に戻ってきた時にお母さんも一緒にいましたよね?
ということはこれからもお母さんは一緒ということなんでしょうか?

生き返ったんでしょうか?

次回にはわかるといいですね・・{/netabare}


~8話~
{netabare}ささみさんが太ったのを解決するため過去へ行くことに。

だけど、覚えがないようなことが起きて、
あの怪物が言うにはどうやらここは過去ではないようで。。

「あなた、過去を変えたくない?」
この一言、ささみさんはきっと母親のことで過去に悔いがあったはず。
次回もまた波乱の予感ですね。{/netabare}


~7話~
{netabare}こういう展開になっちゃいましたか・・
私としては、お母さんが悲しい展開になるのは少し辛いね。

だけど、ささみさんも一緒だよね。
大好きなお母さんだったよね。。一緒にクレーンゲームして楽しかったよね。。

ささみさんが泣いてる姿を見ていると私も釣られて涙が出てました。

ひどいことをしたけど、ささみさんにとってはずっと大切で大好きだったお母さんだったと思います^^

今回感動してましたが、少しツッコミどころがありました。

え、愛媛みかんのダンボール!びっくりで嬉しかったです!

あと、最後の頑張らないランキングにすごく共感しました。
アームやインクのないボールペンも頷いてしまったし、
なんといっても予告頑張ってないよね、うん。{/netabare}


~6話~
{netabare}どっちもどっちってやつだね。

確かにささみさんは子供で自由にするのが最も。

だけど、ささみさんの気持ちや行動によって世界を変えるのは事実。
人類は大事だから、修行をしないといけないのかもしれない。

ささみさんのお母さんはそんなに悪い人には見えないけれども・・
これからどうなるんでしょうか?{/netabare}


~5話~
{netabare}あれ・・ささみさん、こんなキャラでしたっけ?w
兄にはあんなにツンなのに、
かがみには百合と間違えるほどデレデレしてるよ?

かがみと話してる時のささみさん、兄ぐらいデレてるもの。
(これささみさんに言ったら殴られそうだな)

人によって態度が変わる子みたいですね。

友達はいいなっと改めて思いながら羨ましく(少し妬ましく)なるお話でした。

・・しかし、ささみさん本気になれば歌上手いなぁ。
見直したぜ!w{/netabare}


~4話~
{netabare}兄。。それ映画泥棒。。ツッコミ入れたくなりました。
あと、ささみさんはけっこう大人のとこ行けるほど、普通に変態かと思ってましたが、
純情な乙女のようです。

少し今回は1話と同じくらい??のまま終わった感がありました。
「あの宇宙人は一体なんなんだろう・・姿1回も見てない・・、急展開だな・・」
ですね。

ものすごく、ファンタジー詰め込んでて、こういうものは初めて見るので
理解しがたいところがあります^^;

これからも、戦いとかありそうですね。{/netabare}


~3話~
{netabare}二話に続き、さらに謎が解けました。

兄は力を持っているわけではないんですね。
ささみさんが兄に幸せになって欲しいという願いを持っていたから、神々が兄の願いを叶えていたと。
まんまと私も勘違いしてましたw

そして、ささみさんとそのの周りの人達の過去のお話も聞けてよかったです。

ささみさんは、十分頑張っていましたよね。
何度も外に出ようとして兄を連れ戻そうととして・・
頑張ってるじゃないですか!
これからは、もっともっと頑張ることができそうです。

少しでも私と同じと思った自分。。^^;{/netabare}


~2話~
{netabare}最初のシーンで1話の謎溶けましたね。

不思議な現象(怪変)が起きるのはお兄ちゃんが願ったことを叶える(神がご機嫌を取ろうとして)ためだった。
で、能力者の邪神3姉妹が世界を元通りにしていると。

なるほどなるほどですねw

ちなみに、私もささみさんと同じでpcをよくするので
お菓子を食べた手で触ったり食べ物をこぼすのはしてほしくないかもですねw

そんなこんなだから、ささみさんとかなり共感するみたいです^^;
これからも。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

12話鑑賞後。第1稿。間隔開いてしまいましたので総評のみでお願いします。

原作小説・コミカライズなどはノータッチ。

新房シャフト製でなかったら、切ってたタイトルです。続けておいて良かったと感じております。

物語:先々の展開は全く読めませんが、テンポなど合っているようで素直に楽しめているので、4.0。次回予告&EDも好評価です。
声優:良くも悪くも、いつもの面々で、安心して観られます。やっぱ千和さん&花澤さんは良いですね~。いえ他の方もOKだと思います。4.5。
キャラ:話が進まないと細かいところは見えてこないのだと思いますが、問題無くいけました。4.0。
作画:こちらも問題無く観ています。このタイトルは「よく動いているな~」というのが印象。シャフトの印象というと、やはり「美麗さ」「細かさ」「独特さ」でしたので。4.5。
音楽:ZAQさんのOP、鎖々美さんのED。どちらも良いですね~。EDはそこで展開されている物語も面白いです。4.0。

総評っぽいもの。
{netabare}
・ストックすることもなく、順調に消化していました。のですが・・・神話(のような物)をベースにしたお話なのは理解できたのですが、そちら方面の知識が足りなく、コメントができずに終わってしまいました。
・個人的な評価としましては、確実に面白いと思える部類でした。
・ただのヒッキーかと思いきや頑張る鎖々美さん。いつも顔を隠していて謎ですが妹思い(?)な神臣さん。ビジュアルと年齢が真逆な鎖々美さんの応援団(?)邪神三姉妹。メインキャラからサブキャラまで見た目も立ち位置もわかり易いキャラ立てしてたと思えます。
・物語は基本先が読めない物で、次回予告もあれど予告するつもりが全く無いことが伺えつつも、面白いものでした。下手すると本編を台無しにし兼ねないEDも毎回楽しみでした。
・ただ・・・恐らく原作小説の方は終わってなさそう(あくまで推測)な上に、途中までのアニメ化っぽいでの・・・中途半端さが拭えない点が悔やまれます。
・一度ED曲をフルコーラスで聴いてみたいです。が・・・これも手に入れるには(以下略)。
・新房シャフト作品では常連のキャスト様達含め、声優陣の方々におかれましては素晴らしいクオリティだったかと思います。
・画的な方面では・・・個人的に「シャフト」といいますと「静」的な綺麗さを思い浮かべるですが、この作品では戦闘シーンを始めとした動きのある部分も印象に残りました。
・2期があるなら観たい作品です。
{/netabare}

以下各話レビュー(4話までですが・・・)
{netabare}
4話鑑賞後-----------
3話までで各キャラの設定や背景・立ち位置などが一通りわかって、「さぁどうなる?」と構えてみたわけですが・・・。

1回目では「???」となる展開でしたw
つるぎ先生のセクハラやら、月読兄のカブリ物とか、その他諸々のネタは楽しかった、そんな感想でした。

2回目でようやく、特に前半部分の、意味が理解できたわけでして。一筋縄では行かないな~と、しみじみ感じた次第です。

今でこそ続けておいて良かったと思えるタイトルです。
が、前情報無しで観始めていたら・・・とも思います。

(追記)
同僚に「明るい家族計画」について質問しまくってみました。いや・・・場合によってはセクハラなんですが、答えて頂けました。

とりあえず・・・わからない世代、いましたw
正直ショックでしたw ヒントを幾つか出して、ようやく正解にたどりつく始末でしたw

3話鑑賞後-----------
前回「改変=兄の力」と踏んでいたわけですが・・・見事に裏を掻かれたようですw 原作側にしてもアニメ側にしても、僕は思惑通りに観てしまったわけですね~。脱帽しました。

この回は各キャラの説明などが主だったと思いますので、ストーリー的な部分はスルーで。
ただ1つ思うのは・・・力の継承の為とはいえ、薬を使って意識を混濁させてまでというのは、正直重いといいますか、引くといいますか。
「外の世界を知らなければ」「何の疑問も持たなかった」のかもしれませんけども。

邪神三姉妹の助力を得たEDでしたが・・・やっぱりちゃんと歌えてないw
次回予告は「料理番組」という体裁でしたが、レンジでチンしただけな上に、作ってるのはお兄ちゃんという、これまたがんばれてない仕様w
でも面白いので有りです。

2話鑑賞後-----------
「改変」の原因がお兄ちゃんにあるんではないのか?ということに気付いたのは、1話を繰り返し観ていたときのことです。しかも結構何度も観て、ようやくw

世界観みたいなところは見えてきましたが、
・アマテラスの力は何時お兄ちゃんに移ったのか
・三姉妹の(力の)正体
そこら辺が現在抱いている謎です。

1話で家の外に出ようとしては、ケロケロして戻るというのを繰り返していたのは・・・兄妹どちらかの「力」によるものなのでしょうか。

がんばらない占いのみずがめ座の結果を楽しみにしていたのですが、占いですら無かったw ちなみに僕は「非リアの山羊座」ですw
今回はがんばらない天気予報。札幌、東京、名古屋、大阪、長崎しか無いって・・・アバウト過ぎw もうちょっとがんばってw

OP好きです。今回のZAQさんも良いと思います。咲阿知賀編の時から気に入ってます。音使いとでもいいますか、その辺り。
ED好きです。でも今回はボーカル無かったようなw でもエンドロール内では「歌・月読鎖々美」ってw がんばれ大塚さん。

1話鑑賞後-----------
と書いてみましたが、冒頭にありますように、肝心な部分が不明すぎです。ので真っ当なレビューには・・・。

・やさぐれ気味な阿澄さんが新鮮でした。
・三姉妹のサイズがおかしくないですか?w
・お兄ちゃんは妹を溺愛してますが、逆方向は? 監視装置ってw
・鎖々美さん、どれだけ体力無いの?w それとも何か要因が?
・徐々にでも肝心なところは明かされていくでしょうから、そこら辺期待してます。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

69.8 2 ZAQでコメディなアニメランキング2位
荒野のコトブキ飛行隊(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (321)
1049人が棚に入れました
一面に広がる荒れ果てた大地で、人々は物流・交易を行い、助け合いながら生きていた。雇われ用心棒の“コトブキ飛行隊"は、厳しいが美しい女社長、頼りない現場の指揮官、職人気質の整備班長など個性的な仲間とともに、空賊相手に大立ち回り!今日も“コトブキ飛行隊"は隼のエンジン音を響かせて、大空へと翔けてゆく――。

声優・キャラクター
鈴代紗弓、幸村恵理、仲谷明香、瀬戸麻沙美、山村響、富田美憂、矢島晶子、藤原啓治、吉岡美咲、岡咲美保、島袋美由利、古賀葵、川井田夏海
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

これ、僕にはちょっと無理→面白くなるらしい。再挑戦→(*°∀°)

[2019/03/17 v1]
[2019/03/18 v2 少し修正。少しトーンダウン。]
[2019/03/30 v3 少し修正。]
[2019/04/04 v4少し修正。]
[2019/04/08 v5 おそらく決定稿]

二話冒頭で断念決定。
→皆さんのレビューによると、面白くなるらしい
→現状10話まで追っかけ完了
→全話完了
→んー・・・→(大飛躍)→(*°∀°)アニメ見てる場合じゃねぇや

・結果論ですが、僕としては再チャレンジする必要が無かった作品でした。

==人物造形が嫌い。もう、これは好き嫌いの問題なので理屈じゃ無いです。嫌いな人物が画面いっぱいに叫んでいるのを好んでみる必要は無かった・・・
{netabare}結局のところ、主人公始め、出てくる人物のほとんどを好きになれなかった。と、いうより積極的Hateでした。キリエは変化・成長のない馬鹿のままでしたし(予想通り、猪突猛進をお話しの展開に使うし。最終話での豹変ぶりはむしろ気持ち悪い)、チカも同様。コトブキの面々でいうと、ケイトさん以外、あまり注目できなかったかな。キーキー系のお嬢様は他の作品で足りてるし、隊長さんは(も?)現状維持のヒトだし、、個人的にちょっと怖いな、と思ったのがザラ姉さん。彼女の行動原理はいったいなに(語られていたのかな?)?

周辺の面々に広げれば、マダム・ルゥルゥもちょっと気持ち悪い。というより、可哀想(←好きな言葉では無い)?彼女もまた、行動原理がよく分からない。まるで、「舞台」としてそこに居続けさせられているように思いました。

イサオ、邪魔。イサオの老執事、貴殿も邪魔。軽いノリを出したいだけに配置されてしまった。人としての厚みが感じられない。

「人」と書いてしまいましたが、登場人物が「人の形をしたサムシング」であると解釈した方が、お話しに入っていける感じでしたかね。
{/netabare}

==軽いノリ・・・・?
生き死にに関わりかねない(はずの。。。予想外に負傷率低いのも、なんだかなぁ。。)ことを、あんなノリで続けられるのは好かん(これも好き嫌いの問題)。
{netabare}
西部劇をイメージして云々、という記事をどこかで見ました。が、西部劇ねぇ。。。あれも広いジャンルだからねぇ。。。僕としては、粗製濫造期のカウボーイハットとリボルバーが映ればそれでOKだから四十分くらいでかたつけてね前座だから、の西部劇の印象を持ちました。理由の提示も無く、2名目兼3枚目の主人公がばかすか敵を打ち倒して行く感じ。
{/netabare}

==ストーリー
確かに、サブジーの件以降、戦う理由が見えてきたし、それに向かってお話しが収束していきました。でも、「この世界の住人が"あんなノリで"戦い続ける理由」の提示は無かったです。理由、必然不在の「軽いノリで殺し合い」って、字面だけ見たら狂気ですね。でも、イサオのノリはそれに近かった。以前のバージョンにちょろっと書きましたが、戦車道は見事なまでに設定だけでそれを乗り越えていたと思うのです。が、自らの妙味を見失ってしまったのでしょうか。。。

==空戦の描写
全話通して、空戦の描写は良かったです。ただ、これも以前のバージョンで書いたとおり「レシプロ戦を「見る」面白さと(Combat Flight Simとかで)「戦う」面白さを混同してないだろうか?」という懸念が、自分自身に大当たりしました。

で、この作品を考える上で、App Game「荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!」の存在は外すことができないと思います。BanNamからすると、ゲームの収益につながることが最大の目的でしょう。

だから、この作品の空戦の描きかたはこれで良かったのだと思います。
「戦う」面白さを画面いっぱいに展開している、最高の描写です。
だから、総合的に見ればこの作品は成功だと言って良いんだと思います。

途中からうずうずしてしまうのです。いや、1話見た後からですがね。我慢が効かず埃かぶったゲーム機出してAceCombat始めてしまうし、、、でもAceCombatは現代(&空想)の機材なので違うんだよな-。レシプロ機がよいのだよ。CombatFlightSimは現行PCでは動かないみたいだし。。。飛燕で飛びたいのだよ、わしゃぁ、飛燕が。。。あ、機材一覧に飛燕がいる。。。。


負けました。
ダウンロードしました。
もうアニメ見ている場合じゃ無いです。
デビューしました。


War Thunder。
(好きでは無いガールズでテイクオフはしないスタンス)







再チャレンジ前のVersionは下にカプセル化

{netabare}
==================

ソシャゲのタイアップらしい。が・・・
僕自身は空戦好きだし、Combat Flight Simにドハマリしていたくちでした。レシプロ機の空戦ものなんて本来はヨダレたらして見入ってしまうようなものなのですが・・・駄目でした。

以下、視聴を辞めた理由です。
伏せてる部分全部展開すると、ちょっと長いです。

前提として、これはリアルな空戦(すなわち、某戦車道とはことなり、撃墜は「死」に繋がりうる)である、としています。もしもそうじゃないなら、そりゃぁごめんなさいです(2話頭までにそんな説明はなかった)。

主人公の性格付けが僕には厳しい。{netabare} 一話終盤で謎の追撃特攻。ホウレンソウなし(無線は使えるという描写がその前にあるにも関わらず)。挙げ句返り討ちにあう。二話冒頭、その直情的な行動をたしなめられるも、それが「毎度毎度のこと」であると判明。直後にストリートファイト参戦。ステレオタイプな「行動力があって、成長・変化できない馬鹿」であり、この時点で主人公を好きになれない。脇役ならまだしも、主人公がこういう性格だとしんどい。お子様向け主人公に見える。きっとお話の展開に「猪突猛進」が使われることになるだろうし。なにより、そんなのが40+ marksのAce格なんていうのはありえない。{/netabare}

この飛行隊、およびこの隊をAce of Acesの飛行隊として存在を許す世界観が非現実的。{netabare} 迷惑をかけ続けるパイロットを、二機も前線に出し続ける隊が優秀な飛行隊であるというのは無理がある。傭兵なんだから、多少粗雑で、何人か跳ねっ返りがいても。。。という向きはあるかもしれない。が、それは、北斗の拳でいうところのひゃっはーしてすぐ既に死んでしまう末端までであって、「エリート集団」におけるそれではない。メンバーそれぞれが一騎当千無双モード搭載って訳でもない(なにかしでかして怪我している、あわや撃墜までやられている)以上、規律のない集団に戦果は望めないし、隊としての戦果を向上するための措置を講じないままというのは受け入れがたい。この点も、正直お子様向けに思えてしまった。{/netabare}

空戦のDetailに気を使っている割にはなんか中途半端。レシプロ戦を「見る」面白さと(Combat Flight Simとかで)「戦う」面白さを混同してないだろうか?{netabare} 前述のとおり、お子様向けなら許容できないことも無いのだが・・・その割にはDetailこだわる。それもなんか微妙。この作品のmain targetはどこらへんに設定されているのか?

偏差射撃なんてあてにならんから、限界まで近づいてからトリガー入れるってのは分かる(っていうほど偏差見越していないように見えるが)。
[あ、ところで、偏差をとる方向がなんか逆な気がしているんですが、アレでいいんですかね?]←勘違い。単に遅れているだけっぽい。

エルロンロールで相手をovershootさせて背後取るとかね、お見事ですよ。でも、この描写はどの程度の方に伝わるのか?そりゃ確かにパイロットにしゃべる余裕なんて無いでしょうから、無言のままってはわかる。でも、空戦好きとかCombat Flight simに嵌った人間くらいにしか伝わらないのでは。。。どれくらいいると想定されてるんですかね?

旋回中に空力に負けて機体から生じる軋み音とかね。僕は好きよ大好きありがとうだよ。[そんな空力設定あるにも関わらず、キリエ機は垂直に近い急降下からのv字上昇しちゃうのね。いえ、隼がそういう機体なのかもしれませんが、フラップもげませんかね?]←キリエ視点では先行機のダイブブレーキ(なのかフラップか)開いてるようにも見える。ぎりぎりOK?
{/netabare}

もしかしたら、2話の中盤以降、ここで僕が述べたような不満はすべて消えてなくなるのかもしれませんが、この時点ではそれが期待できないと判断し、視聴をやめました。


余談。{netabare}こうしてみると、某戦車道って奇跡的なバランスの上に成り立っていたんだなって思う。高校生の部活で、不思議安全設定があって、ひとつの(車体の)動作が一人の行動によるのではなく、車中のメンバーの総体として起こるもので、だからこそ、直情的な子も存在しえたし、その能力の無さや感情に任せた行為の結果としての「白旗ぽこん」もありえたし、車内や車々間でおこる人間ドラマも描けたし。。。{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「ああ…第二次大戦中、南海の孤島を基地にした日本の航空愚連隊の漫画?」「それは『あかつき戦闘隊』や!(ってか、ジジイしか知らんがな!!)」

2019.04.10

「イジツ」という荒野が広がる世界。70年前、空に開いた「穴」から様々な物(文明品?)が落ちてきた。とりわけ「航空機(技術)」はイジツに交易の発展をもたらしたのだが・・・

「迷家-マヨイガ-」の不評(?)から3年。「水島努」監督ということでイヤガオウでも注目され気味な本作。(笑) 当初から賛否が飛び交いました。
西部劇風な世界観に異質なモノ(人型ロボット)が暴れまわった「戦闘メカ ザブングル」みたく、日本の第二次大戦中~戦後初期ぐらいの戦闘機が「馬&銃」の代わり。西部劇における銀行強盗・列車強盗の代わりに「空賊」が、駅馬車の代わりに「巨大飛行船」。
世界を統制する治安機構がなく、点在する街々はそれぞれ自衛の為「自警団」を作り、雇われガンマンならぬ「戦闘機乗り」が需要となる無法地帯。

「コトブキ飛行隊」は飛行船(空母)「羽衣丸(ハゴロモマル)」を所有する空輸業「オウニ商会」の契約用心棒。 飛行隊メンバーは、6人の女子。
キリエ(主人公位置):空間把握は優れているが直情なのがタマにキズ。パンケーキ大好き。モコモコパンツ着用(上空は冷えるからね)。性格は、やや「お子ちゃま」。

レオナ:コトブキ飛行隊・リーダーでまとめ役。性格や飛行スタイルも真面目。

ザラ:酒飲みでメンバーのお姉さん的存在。レオナの良き相棒。

エンマ:過去に財産を騙し取られた経歴があったのか、お嬢様な口ぶりで「お調子者・軟弱者」に対しては厳しい毒舌を吐く。戦闘スタイルはネチっこい。

ケイト:口数少なく、学者肌。(航空機の)博識を生かして的確に相手を撃ち落とす。

チカ:気の強い最年少。キリエとは良い喧嘩仲間。小さな体なのでG耐性を生かしたトリッキーな飛行が得意。

「コトブキ飛行隊」の機体は全員旧日本軍の「一式戦闘機 隼一型」。とりわけ詳しくありませんが、ニワカで思うのは・・・
・機銃2門はエンジン上部に設置→ペラ(プロペラ)の回転に当たりにくいように、ペラは2枚羽。
・ペラが2枚なので「推力」はヤヤ劣る(?)→その為に機体を軽量化→直線加速は特別速くは無いものの、ヒラリヒラリと旋回し近接戦(ドッグファイト)が得意。
・軽量化なので装甲が薄く撃たれ弱い→当たらない為にパイロット各自、「腕前(操桿テクニック)」が必要。(「G」も、かなりクルでしょうね)
・軽量なので重い爆弾は搭載出来そうもない。
といった印象。

空賊とやり合ったり、「穴」の恩恵を独占・独裁統治を企み、同調しない街は容赦なく爆撃する「トウワ・ブユウ商事」のイサオとドンパチ対抗したりと、隙を見せれば何時やられるかわからない日々と言うのが西部劇風な雰囲気。



(個人の)感想として、

[キャラの2D・3D]
私はそれ程気にはならなかったのですが、目ざとい方は「変」すぎる、違和感あると非難轟々。まあ俯瞰で見る数人の「気を付け立ち」は「変」に見えましたけど。(笑) でもヤッパリ3Dは「表情」が固かったような気もします。(でも「逃げられジョニー」のガンアクションはカッコ良かった。)


[1クールじゃ尺が足りなかった?!]
世界観設定はそれなりに準備してたようですが、「CG空中戦」に尺を入れ込んでるせいか説明不足な事案も多かった。ドラマパートではキャラの早口で進行。イサオに至ってはチャラい性格も相まって鬱陶しさ倍増!(笑)
コトブキ飛行隊面々のキャラ掘り下げもキリエのみしか出来なかったのが残念。 巻きが早かったせいでドラマ(内容)がやや薄ッぺらく感じてしまいました。 ユーハング(日本軍)との関りも判らずじまい。
やはり2クールぐらいは欲しかったケド・・・・おそらくCGにかけた『予算』の都合で1クールになったんでしょうかね?(笑)


[圧巻の空中戦!レシプロ機、好き?嫌い?]
レシプロ機(セスナのような機体上翼型でなく下翼型)は、死ぬ前に一度乗ってみたいものです。今では映像記録しか残ってませんが、75年程昔「確かに存在していた」悲運の名機のたち。
ヤンキーバイクよりデカく、ヤンキーバイクの下品なエンジン音より轟く轟音で、地べたをノロノロ走るヤンキーバイクより大空を自由に飛び回る。(ヤンキーバイク、ダサくてホント嫌い!)
操縦・操桿はオート(自動サポート)ではなく自身の腕前次第。現在、自由に飛べない分「飛行欲求(とでも言うべきか?)」が時たま沸き起こります。
そんなチョット憧れの(空に~あこがれて~・・・♬)レシプロ機によるドッグファイト。名前の通り「犬が自分の尻尾を追い回してクルクル回る」様子を模したように、相手(敵機)の後ろの取り合い、機銃を撃ち込むというのが基本。
飛行中に照準器を見て機銃掃射しても「空気抵抗で真っ直ぐ飛ばない曲がる弾道・じっとしていない敵機・数発当たっても落ちない敵機・撃墜するにはコクピットか燃料系統部を狙わなきゃならないが思い通りに当たらない」などで、なかなか辛気臭い感じがリアルで良かった。(イメージとしては『銃』が空を飛んでるようなものだから、そりゃ当てるの難しいわな。)
コクピット目線からの『画』も、大画面で見ればさぞ臨場感あったことでしょう。

しかし、各機体の見分けが判りづらかったり、昨今のミサイル・ビーム兵器・魔法弾など「撃てば必ず当たって『即』撃破するアニメ」を見慣れた「お子ちゃま」には、この「辛気臭い(やや)リアルな空中戦」なんて、とてもツマラナクてブーイングだったかもしれませんネ。(笑)

[商品展開]
キャラの魅力が定着もせず判らないうちに序盤からフィギュア製作販売宣伝CM流すのは、あまり賢くないと思うけどなぁ。(「ダグ&キリル」はどうだったんだろう?)


そんなわけで、「3DCG」による航空機に堪能(序盤のsaloonが実は「羽衣丸」の船内。しかも空中母艦など)し、ドラマストーリーがイマイチうやむやだったけど、割と楽しめたアニメでした。
今季の航空機アニメ「ガーリー・エアフォース」より(色んな面で)面白く思えます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

空戦が日常。

この作品はオリジナルアニメ作品だったみたいですね。
水島監督の作品とういことで視聴を決めましたが、これもパクっと食い付いて正解だった作品でした。
流石ガルパンとSHIROBAKOを手掛けた監督さん…今回の作品も伊達じゃありませんでしたね。


一面荒野が広がる世界、"イジツ"…
ある日、世界の底が抜け、色々なものが降ってきた。
中でも"ユーハング"がもたらしたものの影響は大きく、とりわけ飛行機の存在によって人々の生活は激変。
以降世界の潮流は空へと移っていった。

時は流れ、

空には商船とその用心棒、荒くれ者の空賊など、さまざな人々が飛び交っていた。
オウニ商会の雇われ用心棒"コトブキ飛行隊"は、空を飛ぶことが大好きな、女の子だけのスゴ腕パイロット集団。

彼女たちはお客様の大切な積み荷を守るため、今日も隼とともに大空を翔けてゆく。


公式HPのIntroductionを引用させて頂きました。

私は戦闘機には疎いのですが、水島監督のことなので飛行機を飛ばすことには拘るんだろうなぁ…と思っていました。
完走後にwikiをチラ見して知ったのですが、曲技飛行隊「ウイスキーパパ競技曲技飛行チーム」が制作に協力しており、飛行機の機動は実際に可能な動きのみで構成されているんだそうです。
やっぱり…というのが正直な感想です。

総撃墜数が200機を超えるエース集団であるコトブキ飛行隊を紹介します。
全員が一式戦闘機 隼一型に搭乗しています。
一式戦闘機といえば、第2次世界大戦の際に主力機として活躍した戦闘機です。
当時、日本の戦闘機の性能の良さに世界中が震撼しましたが、もしかしたらこの隼の事だったのかもしれません。

キリエ(CV:鈴代紗弓さん)主人公でパーソナルカラーは「赤」。パンケーキが大好き。
エンマ(CV:幸村恵理さん)キリエの幼なじみでパーソナルカラーは「青」。
ケイト(CV:仲谷明香さん)パーソナルカラーは「紫」。口数は少ないが、戦闘機に対する豊富な知識と天才的な才能の持ち主。
レオナ(CV:瀬戸麻沙美さん)コトブキ飛行隊の隊長でパーソナルカラーは「緑」。パイロットとしての経験が豊富。
ザラ(CV: 山村響さん)コトブキ飛行隊の副隊長でパーソナルカラーは「黄」。酒好きのチームのお姉さん的な存在。
チカ(CV:とみたん)コトブキ飛行隊の最年少パイロットでパーソナルカラーは「ピンク」。

恥ずかしながらこのレビューを書くまでキリエが主人公だったとは思いもよりませんでした。
言われてみると登場回数は多かったですが、それぞれのキャラがしっかり深掘りされていて、愛着も同じ様に湧いていたので6人全員が同じ立ち位置だとばかり思っていました。

でもなんか納得…
キリエはサブジーの事をずっと気にかけていました。
だってキリエに空を飛ぶことの楽しさを教えてくれた人なんですから…
キリエって結構怒りっぽいんですよね。
パンケーキへの執着だって人並み外れていますし…
でも物語終盤で見せたキリエの逆鱗…半端無かったですもん。

個性的な6人でしたが、個人的にはチカ推しだったかな…
この作品も週明け月曜日の出勤時の電車の中で見るのが日課でした。
憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれたのは、いつだってとみたんでしたから…

コトブキ飛行隊は、本来商船の積んだ積み荷を確実に目的地に届けるための用心棒…
序盤はそういうシーンも確かにありました。
でも、物語はイサオが登場してからややこしい方向に物語が進んでいった気がします。
物語の終盤では、本来の職務から凡そかけ離れた事態に巻き込まれていましたから…

でも、こういう言い方をしたら語弊があるかもしれませんが、戦闘機同士の空中戦…迫力満点でした。
遠近のカメラワークを駆使しながら、全体の動きと個々の機体の動きを同時並行的に表現されていたからだと思います。
3DCGの為せる技なんでしょうけれど…

実際の戦闘機同士の戦いでは、もっと多くの血が流れるんだと思います。
それに撃墜され方によっては致命傷を受けたり、ガソリンに引火して空中で大爆発…というのも珍しく無いんだと思います。
それでも人を殺さない…人の死を表面化させない作風は個人的に良かったと思います。
やっぱり月曜日の朝から血ドバドバとか見たくありませんから…
水島監督の渾身の一作だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマはZAQさんの「ソラノネ」
エンディングテーマは、コトブキ飛行隊の「翼を持つ者たち」
どちらもZAQさんの楽曲だけあって完成度が高かったと思います。
勿論、どちらも通勤中に聞かせて貰っています。

1クール全12話の物語でした。
見応え十分でしっかり堪能させて頂きました。
でも今一番気になっているのは、公式HPに記載されている「フィギュア化決定!」情報です。
コトブキ飛行隊のメンバーの手のひらサイズの「フィギュアーツミニ」
「可動によるキャラクター表現の追及」をテーマにした「S.H.Figuarts」
でも私が一番気になった原因は「Figuarts ZERO」のキリエとエンマです。
そのうち残りの4人分も発売されると思うのですが、全高170㎜くらいなので1/10スケール程度でしょうか。
値段が税込み5,940円と破格なんです。
しかも、コトブキのみんなが登場している隼付きとはお得にも程があるという感じです。
是非手に取って出来を直に確かめたいフィギュアだと思いました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

64.4 3 ZAQでコメディなアニメランキング3位
紅殻のパンドラ(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (361)
1843人が棚に入れました
先進国では、一部ではあるが、サイボーグや自律ロボットが一般に出回り始め──
戦争や災害をはじめ、世界はあらゆる災厄に覆われ、救いをもとめて人々がさまよっていた時代。
これはそんな時代に──全く関係なく、『彼女が、彼女に出会う物語』

声優・キャラクター
福沙奈恵、沼倉愛美、田中敦子、森田順平、松田颯水、村川梨衣
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

TEXHNOLYZEのカウンター作品 と言えなくも無い(汗)

 思うところ有ってテクノライズを再視聴してて、若干設定面では差異はあるしその視点と未来への展望は対極では有るものの肉体の置き換えという部分に関しては意外と近い作品だなと感慨深いものを感じたので点数見直します。
片や理想郷、片やディストピアの極みですが比較すると結構面白いですw
セナンクル島{netabare}(後のオリュンポス){/netabare}
と流9洲{netabare}(統括第九小地獄){/netabare}とか。
もっとも対比ならば流9洲じゃなくて地上かもですが・・・

島の通信障害による混乱と、流9洲のオベリスクの機能停止とか。

 全身義体(無機質サイボーグ)とシェイプスの表現の差に至っては、作り手のビジョンの違いが明確すよね。
士郎作品は最早人の姿に固執しなくなった時代のサイボーグに関してもブリアレオスや双角等とても愛嬌が有るデザインなのに、シェイプスなんて虫の腹みたいなのがぶら下がった骸骨すもんね。とても不快なグッドデザインだと思う。
(ジェイムスン型サイボーグの阪華精機社長とかも攻殻にゃ居ましたが、葉巻吸う姿がラブリーですしね)

んで福音と違って、ある意味スタンドアローンの極みとも言える櫟士w


 テクノライズは記憶の外部化・自我の境界云々に関しては物語には盛り込まれてないですが、紅殻は電脳化・義体化と言うテクノロジーに対して(戸惑いはありつつの)とても前向きで希望を感じさせる世界観が私は最高に心地良かったんですよね。その点では無二の作品なのは間違い無い。
そこは士郎正宗作品全般の事であって紅殻の特色ではないかもしれませんが、其処を示唆する表現は多分に盛り込まれていた作品であったにも関わらずほぼスルーされちゃってるっぽいのがこの作品の不幸と言うかw
{netabare}
 10歳で肉体を失った少女が元の肉体の動かし方を捨てて「しっぽをふるように」「はねをはばたかせるみたいに」全身義体に対応し、「はじめてものをみるみたいに」システム補助無しで情報の海にダイブしてゆくこの時代では常識を外れた驚異の適応者と言う側面。

「初めて歓迎してもらえたよ」「私は私を(両親以外から)もらったの」
最先端の技術で社会や周囲のおかげで"生かされている"現実と負い目。常にロボットと間違われる疎外感。

 そしてクラりんから問いかけられる"力の行使と持てる者の義務"
未来を作れってのは士郎正宗作品にはよく出てくる言葉ですし、攻殻新劇場版のラストでも引用されてた部分ですが、この作品にもきちんと盛り込まれている。
{/netabare}

 汲み取ろうと言う気さえあれば、哲学的とは言わないけど十分中身の有る作品だと思うんですけどねぇ。まぁこの手の意見は多勢に無勢なのは判ってるつもりですが。
パンドーラデバイスのアクセスのシーンがエロくて気に入らないという事ならば、ドラえもんの四次元ポケットにのび太が手を突っ込んでると置換えて見る事をお勧めします。

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以下、視聴時のレビューです
{netabare}
最終話視聴。
 アニメとしての総合的な質と言う点では、正直駄目な作品とは私も思ってます。お勧めもしません。
ですが個人的には今期一番楽しませてもらった作品でした。本放送中の期間に何度も繰り返し観返した作品は久しぶりですし、原作も何度も読み返しちゃいまして。正直見る気の無かったARISEの円盤買う切欠にもなりましたし。

 設定面も士郎正宗作品に馴染んでいないと"あぁ"とすら気付けない所も多々ある為、攻殻→アップルシードに連なる作品では無く単独の作品として見た場合は面白味の無い話と思われるのも止むを得ないかと。
"光学迷彩では無く熱光学迷彩"とか、クラりんのナイフ夜龍・灰虎の"MADE IN P.I.A"の刻印とか、普通はスルーしちゃうと思います。そもそもクルツの背後にポセイドンが居ると言う点ですら、士郎作品観てなければ「何ソレ?」で終わっちゃうでしょうし

 絵に関しても残念すね。低予算だったでしょうし、名和監督自身がCGを生かしたメカ物作品の経験が無くて色々と相談しながら作ってた旨を公言してますもんね。アクションのスピード感も欠けてるし、かんたんクラりんとは別にマンガ的記号に頼ったとこも多い。
そこは個人的には止むを得ないかなと割り切って観てましたが、それ以上に残念だったのはコメディとしての印象を左右する大事なシーンを再現しきれなかった点が多かった。代表的なのがフィアーの目前での変身シーンの"場違いな面白さ"をクルツの怒りと部下の赤面だけで済ませちゃった点とこですかね。
日常系等で女の子をかわいく見せる点では手練れだったであろう制作側の良改変も有りましたから、痛し痒しのトコは有ると思いますが。猫王子のトコは良かったですね。「耳に触っていいニョ」のトコは声優の沼倉さんが声変えたのもあってバカバカしくて良かったかと。

 原作とのラストの展開の差異の大きさは正直残念でしたが、制作時期的に原作無しの状態だった訳でその点を加味すれば無難に纏めたかなと思います。
距離を置いて見ればアニメとしてのクオリティも高くは無く、中盤の昔の魔法少女モノみたいな部分が無駄回に思えても仕方のない1クール内の構成の悪さから世間的に低評価も止む無しですね。やはりニッチ過ぎたと思います。
本来ここでの評価点を付けるとすれば低くすべき作品とは思いますが、個人的な思いで高い点付けちゃいます。


原作と比較しての不満点ですが

・福音の全身義体故の世間に対する引け目がさほど表現出来ていなかった。
原作もけしてその点に関しては表現は多くないですが、アニメでは誇張すべき要素だった気がします。全身義体の可能性の裏の側面として"高度なメンテが有ってこその体"という社会への感謝と恩返しが福音の社会への貢献と世界平和への願いの根の一つですので、表現が皆無では無いですがもっとアピールすべきだったかなと。

・クラりんの福音に対する認識
原作では事件の終息後に、福音との共同作業が自分の計算上は不可能な事を可能とした事に戸惑い「・・・ありが・・・とう・・・」とやっとデレるんですよね。アルゴリズムでは生まれ得ないノイズとしてゴーストの発生を匂わせている。
アニメのラストも悪くないですが、クラりんのアンドロイドとしての書き方がかなり人寄りかなと。福音も本来彼女たちには目の洗浄液でしかない"涙"を流して泣きますし。
多分、制作側の方々はあまり士郎正宗作品思い入れは無い気がします。
福音達を尾行してたゲルツェコマの光学迷彩を"熱光学迷彩"と言わせた件はweb上でも色々指摘されてましたし。私もアレは台詞のミスだと解釈しました。

・ロバートとの共闘と太鼓の達人・キノコとタケノコを描けなかった。
アニメの制作時期的には原作と併せる事が出来なかったのは止むを得ないんですけど、やはり原作では福音のチート能力の最大の見せ場でしたしロバートが事態収束の当事者の一人としてこそ前段の繋がりが生きたと思います。

福音「これだーーーーーって、私の何かが囁いたんですよーーーー!!」
クラりん・ロバート・クルツ:「お前は一体何を言ってるんだ・・・」

をアニメで見たかったんですよね。福音役の福さんもキャラにマッチしてましたし。
このアニメをコメディとして観るかSFとしてシリアス多めで見たいかは個人差有るかと思いますが、私は終始コメディで通して欲しかったです。


実は今期アニメに関しては、コレにご執心過ぎて他のアニメがかなり印象薄いです。私、かなり趣味が変かもですねw

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10話視聴
 正直、残2話だと原作通りにクルツとの決着迄を消化するのはかなり厳しいような。公式HPにもアニメのオリジナルの展開になる様な事書いて有りましたが・・・
OPから予想すれば目だけ書かれてたランドメイトとの戦闘は要れるでしょうし、当然クラりんへの電子戦闘支援も外さないでしょうから。
描かれていない福音のシステム補助無しでのシステムのハックを削るのだとしたら、一番攻殻らしいシーンだけにガッカリかも。11話のサブタイからすると外さないでしょうが(汗)
 個人的には原作終盤の展開が好きだったもんで、あのヒドいオチも含めて原作に忠実にやって欲しかった気はします。

それにしてもニッチなアニメすね、ホント。好みにカスリもしない層が多いのも止むを得ないというかw
私は今期手をつけたアニメでは、質は別の話として一番好きです。

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8話視聴
 今期の一番のお気に入りですので、何故かマメに書きたくなっちゃうと言うか。今期は他にいい作品いっぱいあるのにコレが一番好きな自分は変わり者だなとは思うんですけどね。恐らく円盤の売り上げも撃沈でしょうから、私は買う事にしましたw

 こういう各話の内容の書くのって個人的には好きじゃないんですが、ちと判り辛い回だった気もするので敢えて。流し見でなければ判る程度の事ですが、この作品の場合真剣に観て貰えてない可能性高そうですし(汗)

・火災の原因はクルツのハックで"くしゃみした"ブエル(大)の荷電粒子砲。
もしかすると敢えて火災とラストのシーンの関連の表現は次回に回したのかもしれませんが、人によっては紐付けできなくて訳ワカメにしか見えないような。
ブリ(ドカーン)のノース君の着ぐるみがなんで突然燃えだしたのも、原作ではこの時点でちゃんと火線が絵に描かれてるんですけど・・・・

・デパートの売り物だった耐火布をクートゥリエのスキルで袋にしてその袋に入って身を守り、周りが見えない袋の中から電動カートと携帯ゲーム機と自らの機能を利用して視覚情報では無く音響情報(エコー)を視覚化する事で移動。

・取り残された子供に、全身義体(サイボーグ)の福音は自らの体内残留分の酸素で人工呼吸。
福音は脳だけ生身ですので、本来必要な酸素は脳の維持分のみで済むため僅かの酸素しか必要でなく1話も含めこのような過酷な状況で1時間程活動が可能。
しかし、そのわずかな量を通常の人間に供給したため急激に残量が減った。
クラりんはアンドロイド(ロボット)なので酸素が無くても活動が可能の筈(1話は海底でタンク背負わず調査活動)
ただアニメでは酸素ボンベで吸引してましたね。原作ではクラりんは吸ってるシーンは無いんですが。多分ミステイクかなと。

・耐火布の袋に風船用のヘリウムガスを貯め、地上にダイブ。
そのまま地上に落下するにはロバートが言ったように速度が出過ぎだったが、議長のリムジンの屋根に着地した事で変形のエネルギーを利用して緩衝した。でも原作ではその前に建物の壁を蹴る事で減速もしてるんですよね。

 通常の人間では無理だがサイボーグである福音とアンドロイドのクラりんだから出来る事(可能性)とは何かがこの作品の総体のキモの一つであり、その意味でわざわざ他の"料理の鉄人""ジャグリング"等の「便利だね~」程度のスキルを前半でやって"人形遣い"とこのエピソードを話の山場のクルツとの対決の直前にこのエピソード持ってきたんだと思いますが。
 けど、流石に1話の短い尺で原作の絵の情報量を全て詰め込むのはこのエピソードに関しては苦しいかも(汗)
ブリ(ドカーン)の突撃インタビューや議長の抱えた"大きな問題"のシーン自体は話の本筋には無駄ですが、彼の政治家としての暗部の表現のシーンでもあるので削れなかったんでしょね。

 クラりんのロジカルで合理性を優先する思考と福音の人間的行動原理の話でもあった回でしたので、ラストのクラりんが自らの判断を誤りだったと認めるシーンを原作より長めにしたのは好印象でしたです。

 初期の原案でも阪神淡路の被災者である体験からか、基本的な緊急救命を盛り込んだ作品にしたいと言う思いは有った作品らしいので、ある意味本作らしい回ではあったのかもですね。
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7話まで視聴
 相変わらずアニメとしてのクオリティはアレだと思いますが、私的には今期のアニメで何度も繰り返し視聴してるのはコレだけでして(汗)
原作も読んじゃったので今後の展開も判っちゃってるんですけどね。
恐らく大半の方が何の面白味も感じないと切ってるんでしょうし、その気持ちも判りますホント。
この作品を脳内変換してでも楽しむ気持ちでいないと、アホらしくなると思います。今期だと小麦ちゃんRに近いかもしれませんねw
この後8話の火災の話以降は結構派手な展開なんですが・・・
もちっと金掛かった作りならばとも思わないでもないんですが。

 この作品のせいで久しぶりに士郎正宗熱が上がっちゃったもんで、14年発売のPIECESGem01買っちゃいまして。
本作に関しても言及されてまして、別にアニメのネタバレには当たらないと思いますが
やっぱりオリュンポスに関連してましたw
初期設定ではオリュンポス形成の初期実験の物語として設計されてたそうでして。もっともマンガの六道氏がそれを使うかは別な話なんでしょうけど。
7話の福音のお勉強のシーンでの講師のお話もよ~く聞くと、士郎正宗ファンなら「やっぱりそういう時期ね」と納得なんですよね。

webで見ましたが日常系が多い名和監督自身は自らこの手のSFは畑違いと思われてたとの事で、実際魔法少女モノ風にアレンジする事も視野に入れてたみたいですが・・・
にしては意外と士郎正宗の原案と言うものを大事にされてるんだなと感心したのと共に、であればこそ士郎正宗のマンガのテイストが感じられるんだなと納得しましたです。もちろんマンガの六道氏が有っての作品だと思いますが、"アニメの攻殻"という商売に染まってないカドカワと制作会社で作られた事の福音なのかもですね。

士郎正宗の読み物なんて攻殻2.0巻読んで以来なんですが、PIECESGem01読んでアニメの攻殻って色んな意味で色々有った作品なの知って「あぁなるほどね」って感じでして。正直、押井版も含めアニメとしての出来は別として"コレ、士郎正宗じゃねぇよね"と言う違和感感じてたのは私だけでは無い筈。
 紅殻のパンドラと言う作品が変化球なのは間違い無いですが、こういう形でもテイストを継承した作品が出てきてくれた事が嬉しく思います。

もっとも、今でも士郎正宗って名だけでときめくなんてのは古い世代だけなのかもですが(汗)
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意外と原作に書かれて無い部分足してたりするんですね。

原作は現時点7巻でフィアーとの戦闘のクライマックスで、これでほぼ一区切りかと思ってたんですが。
OP見てて気付いたんですが、クルツの背後にフィアー以外の目が光ってますよね。ラストに更にもうひと山作るって事なんでしょうか?(汗)

 個人的には今期のアニメで一番好きで観返すのも多いんですよね。
別に賛同求めはしませんがw
アニメの1作品としての出来云々で言えば低評価なのは納得なんですけど、個人的にはこういうのツボなんすよね。

世界でこの時点で10人と居ない適合者の福音が"肉体の代替品"に留まらない全身義体のその可能性をパンドーラデバイスと言う"最高のスキルの取り込み"で更に広げるってプロットが正に士郎正宗というか。電脳化が世界を変える新技術と言う認識は有っても未だ倫理的に抵抗の残る時代と崑崙八仙も劇中で言ってましたし、私は今となっては大昔の本のアップルシード・データブックの年表読み返したりして楽しんでます。
本作の段階では連合・米帝の大戦中の様ですが、ムンマ教国の台頭の時期且つMMによる"日本の奇跡"の前なのかなと思って観てるんですが。劇中の宿題の職場訪問のエピソードで浮遊MM云々なんてセリフも有りましたしね。
セナンクル島って意外とオリュンポスの原型だったりするのかな~とか思ったりして。ガチの士郎正宗ファンの方の見解聞きたいすね。
 んで、そんな士郎正宗の世界の中で繰り広げられるサイボーグの福音とアンドロイドのクラりんのユルい百合とブエル(小)の暴走というギャップが堪らないw
フィアーとの戦闘ですらアレですしね。
 士郎正宗のお膳立てだけで楽しめる人にはナカナカな御馳走だと思うんですが、そうでない人にとっては雑な三流以下でしかないというニッチな作品というかw
 
 別にクラりんのデフォルメで作画リソース節約は私は気にしてないんですが、義体の関節部分を線足しだけで済ましちゃってるのが残念なんすよね。
もうちょっと手間かけて欲しかったとは思います。2ndGIGの素子の少女時代と見比べるとガッカリ。
作画金掛かってたら個人的には円盤迷わず買ったんですが・・・

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 面白そうなんで原作読みはじめましたけど、士郎正宗自身が自分の作品の色では今時はウケないからと六道氏にお任せって感じなんすね。マンガ本編と士郎正宗のあとがきのテイストの違いが変な感じw

部分義体に出来る事の限界と全身義体の可能性の違いとかってアップルシードの頃から書いてたし、スキルの外部記憶化というパンドーラデバイスとの相性の良さなんて要素もとても士郎正宗っぽいすよね。
(そいえば無彩限のファントムワールドでも3話で外部化された記憶・体験の共有ネタやってましたね)
崑崙八仙の傘下の企業の名前もメガテク・セブロとかお馴染の社名出てきたり、マンガの方では福音がヘカトンケイルシステムの実験させられてたりするし。
そういう懐かしさもあって、なんか個人的には好きなんすよね~。

 自称"魔界の哲学者"ブエルも五本目の脚がイイ味出てるし、かわいい全身サイボーグとロボットのコンビでユルい感じってのも個人的には好きなんでその気に入った気持ちを評価に反映します。

まぁ明確に"彼女と彼女の出会いの物語"と深~い話じゃ無い事は明言してますし、客観的にアニメの出来として観れば切る人多発なのは納得ですんで私もお勧めはしないですけどねw
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 個人的にはなんかカオスな出来が楽しい気がするんですよね。お勧めはしないし多分切る人多発だろうけどw

絵も動きも雑だし変なアニメなのは間違い無いんですが、意外とドミニオンのマンガにテイストに近い気はします。コンフリクト編じゃなくて初めの方ね。SFベースのドタバタ劇と言う点で。
まぁ本作品自体の原作は士郎正宗では無い訳ですが、マンガのドミニオン・オリオンが有りの人は別に抵抗無く見れると思いますけどね。

何度もくどいですが、お勧めはしません(汗)

士郎正宗というとアニメの攻殻・アップルシードというイメージの人は耐え難いかも。
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 攻殻以前との話ですので、古い世代の士郎正宗ファンなもんで個人的には期待しちゃうんですけど最近はエロばっかですしねw
全身義体(無機質サイボーグ)の黎明期のお話みたいなので、希望としては攻殻→アップルシードの流れに繋がるミッシングリンクがちょっと埋まる作品だと最高にうれしいんですが・・・多分ふつうに萌えですね(汗)

まぁ別にかわいくて面白ければOKかなと。
1話目の印象は絵は崩れないけど、電車や船等のオブジェクト動きがイマイチすかね。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

stodio五組最新作!今回もゆりゆりしてます!でも実は・・・

攻殻機動隊のスピンオフ作品です

・・・と聞いて興味が湧いた人は残念ながら向いていない可能性が高いです
おそらくレビューで呪いの言葉を吐露することになるでしょう

逆に攻殻と聞いて硬派なSFはちょっと・・・
と敬遠しようとする層のほうが
どちらかというとこのアニメに順応しやすいと思うのですが
そういう人たちは0話で切ってたりするんじゃないでしょうかね?

原作士郎正宗とか攻殻機動隊スピンオフとか
そういった情報よりももっと端的にこの作品を表すステータスは
レビュー題の通りです

咲の製作中に母体のGONZOが吸収合併された際に独立
以来Aちゃんねる、きんもざ。ゆゆゆと
ヒットさせたアニメはどれもソフトな百合描写を含むものばかり
今回もその流れを汲む作品で
そこにSFバトル的な味付けが添加されていると思えば
まぁ大体この作品の大雑把な方向性がわかると思います

しかし、主人公の七転福音(ねね、以下福音)は事故の影響で全身義体で
脳核以外は全て機械になっています
ヒロイン(?)のクラリオンはもともとアンドロイドなので
そこに萌を見出すのは
俗にいうピグマリオン・コンプレックスにあたるのでしょうか?
さらにくらりんには猫耳メイドとかいう属性までつけたられており
さすがにいろいろやり過ぎ狙い過ぎに感じる面は否めず
そういう意味でレベルの高いというか適合者を選ぶ作品なのは確かです

しかし二人の機械設定のおかげで
湯煙規制0のシャワーシーンや下着描写
さらには、くらりんの股間に福音が指を挿入するシーンが毎週のように流れたりと
生身の人間だったら絶対NGなレベルのシーンが
堂々と放送されているのにはびっくり
パンツじゃないから(以下略
的な発想ですね
こやつら天才か!

もし仮に誰かがこれに性的過ぎると苦情を入れようものなら
その人は自分がお人形に欲情する変態さんだと宣言しているようなものです
昨今。アニメの肌色が厳しく規制されるなかで
これだけ全裸の女の子を堂々と描くアニメはなかなかありません
よく理解していない人から見れば福音もくらりんも人形かもしれませんが
クラリオンはともかく福音は歴とした人間の女の子ですからね!

いやしかし、よくよく考えてみると福音は本当に全裸と言っていいのでしょうか?
全身義体というのはいわば究極のウェアラブルPC
つまり本来の彼女の全裸は脳核だけの状態であり
全身義体を着ているのだと考えることもできます
だとすると全裸どころか
フルメタルアーマーもびっくりの鉄壁の防御で
彼女の裸はガードされていることになります

はたして義体は彼女そのものなのか?
それとも義体を身に着けているだけなのか?
これは非常に難解で哲学的な命題でもあります
すなわち自分と世界の境界線は何処に線引きされるべきなのか?
はたして自己とは一体何なのか
人類はいまだにこの究極の問いに普遍的な解答を見つけることができていません

古来人類は、精神と物質をはっきりと分離せずに考えていました
万物に魂が宿るとする日本のアニミズムでは特に顕著ですが
それは日本に限ったものではありませんでした
近代科学はその二つを無理やり引きはがすことで
現在の物質文明を築きあげてきましたが
ここにきて精神もまた物質世界の一部としてメスを入れられる時代が到来しつつあります

その一つが脳波入力インターフェイス
つまり心の中で念じるだけでいろいろなデバイスを操作できる装置です
実際に脳波でキーボードを入力したり、ドローンを飛ばしたり
といった実験にはすでに成功しており
一部は実用化されています
しかし、この装置の扱いはなかなか難しく
何も練習せずともすんなり動かせる人もいれば
幾ら練習しても全く動かせない人もいるようです

作品世界に話を戻しましょう
こちらでも似たような話が出てきたのを覚えていますか?
発展途上の技術全身義体
福音は世界でも希少な成功例
適合者(アデプタ)の1人だそうな
幼いころに難病を患い電脳化し
10歳の時事故に巻き込まれ両親を失い全身義体となった彼女
機械の身体を自分の身体と認識し駆動する能力は
生きるため全てを奪われた少女が
生きていくために身に着けた、たった一つの希望です

11話で彼女は {netabare}自己の定義をさらに拡張し
基地のシステムをも自身の一部として取り込んでしまいました

あるけどわからない・・・昔と同じだ

わからない

わたしがあるけどわからない

1からやり直したらいいんじゃないかな?
1番初めの最初の最初から

生まれて初めて体を動かすみたいに
生まれて初めて物を見るみたいに

近くて遠いたくさんのきらきらした何か

なんだろう?一度にたくさん見えてるのに全部わかる
{/netabare}
彼女の世界認識は自他の境界が極めて曖昧
あるいはそもそも存在しない主客未分の状態にあるようで
拓美もそれをどこまで見抜いているのかわかりませんが
「福音ちゃんの世界観は興味深い」
と評しています

このアニメを低俗で悪趣味な萌アニメだと思っている人達がいるようです
悪趣味な萌アニメという部分に関しては何も返す言葉はありませんが
これだけ科学的・哲学的に最先端の話題まで踏み込んだ作品を
低俗の一言で片づけるのは
受け手の見識が低すぎるだけのように思います

実際には作り手サイドにそんな深遠な主張などなく
私の個人的見解というか無理やりなこじつけただけの妄言ではなないか?
と疑っている方もいるかもしれませんので
11話のアレが作品の主題であるという証拠を上げておきましょう

もともとこの作品はGHOST URNの題名で士郎正宗が企画し
攻殻ARISEのキャラを登場させ
ARISEの数年後を舞台にした作品となる予定でしたが
企画そのものがいったん没になり
再始動する際に色々な変更点が加えられ今の形となりました
GHOST URNという単語はこの作品のルーツであり
物語の核心に最も近い部分です
そして11話のサブタイトルが
「心の在処 -ゴーストURN-」であることを考えれば
このアニメが精神と身体の関係をメインテーマにしていることは
だれの目にも一目瞭然ですね

しかし、硬派なアニメファンの大半は
11話までたどり着かづに脱落するか
低俗なクソアニメと決めつけてちゃんと見ていないでしょうし
逆にこの作品をメカっ娘たちの繰り広げるレズレズアニメ
として観ている変態紳士の皆様方は
そんなメッセージ性をそもそも求めていなかったりで
どれだけの人にこのテーマが届いているのか
正直疑問に思うところではありますねw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「世界平和は小さな親切の積み重ね」

この作品の原作は未読ですが、原作が士郎正宗さんである事、「紅殻」と「攻殻」の読みが同じことから何か関連はあるんだろうとは思っていましたが、それ以上突っ込む事はしませんでした。
後から「攻殻機動隊」好きな友人から教えて貰いましたが、この作品は「攻殻機動隊」より時代設定は前なんだそうです。
それでも「全身義体」のキャラは登場しますけれど^^

この物語の主人公は、脳以外の全身を義体化した七転 福音(ナナコロビ ネネ)。
彼女は遠い親戚である崑崙八仙 拓美(コロバセ タクミ)に引き取られてセナンクル島にやってきたところ、ウザルという女性科学者に遭遇し・・・いきなりブエルと呼ばれる巨大兵器の暴走トラブルに巻き込まれてしまいます。

でもそこで福音はウザルが製造した戦闘用アンドロイドであるクラリオンと運命的な出会いを果たし・・・物語が動いていきます。

物語は大きく2つの流れで動いていきます。一つは福音とクラリオンの日常パート・・・もう一つは巨大兵器であるブエルを我が物にしようとする輩が秘密裏に動いていくパートです。

ブエル絡みの展開は、身体の各部を義体化した敵との白熱したバトルやいかにも電脳系・・・という感じで物語が進んでいくので、こちらも息を呑む感じなんですが、個人的に圧倒的な面白さを感じたのは日常パートです。

「夢が世界平和」という福音は自己犠牲も厭わないスタンスで人を助け、それをクラリオンがサポートする・・・一つ一つの出来事は大きいことばかりではありません。中には命の危険を賭して人助けを行ったりする事もありましたが、公園での炊き出しの手伝いなど些細な事でも心が温かくなるような一幕を見る事ができるんです。

でもセナンクル島の住民は決して善人ばかりではありません。
例えばこの時代、アンドロイドは高価なモノとして盗難事件が起こったり・・・
福音とクラリオンは全身義体・・・きっととんでもなく高価なんだと思います。
それでもそんな悪党に屈する二人ではありません。
詳しくは本編で確認頂きたいと思いますが、キーワードはパンドーラデバイスです^^

セナンクル島に住むのは善人ばかりでは無い・・・と先述しましたが、ちゃんと善人も住んでいます。根が素直で正直な福音の周りに集まるのは、心優しい人達ばかり・・・

義体って・・・部分的でも動かすのが難しいんだそうです。
全身が義体化された身体を普通に動かしている福音はきっと過酷な訓練と調整に耐えてきたんだと思います。
皆んなが福音の様に義体を動かせる訳ではありません。
でも、病気やケガで身体の機能の一部を失って・・・これまでと同じ様な生活が送れなくなる・・・
それが義体を使うことで日常が取り戻せるなら・・・頑張りたいと思いますよね^^
福音の分け隔てない優しさも相まって、そういう「これからの人」に対し福音は希望だったと思います。

一方、物語の中で良く分からなかったキャラもいます^^;
一番分からなかったのが、福音の遠い親戚である拓美ちゃんです。
まず彼女の口調・・・これまで様々な口調を聞いてきましたが、語尾に「〜だや」を聞いたのは今回が初めてだと思います^^;
「何故、だやなの・・・?」
正直言いにくいと思います^^;
それに普段の生活において出不精なのかそうじゃないのかが不明ですし・・・^^;
でもクラリオンへの足枷は・・・クラリオンにとっては厳しい条件でしたが福音の事を思う親心なんだろうな・・・と思いました。

色々書きましたが、基本的に福音とクラリオンが普通に可愛いので、愛でながら視聴していると30分なんてあっという間に過ぎてしまう・・・そんな作品だったと思います^^

オープニングテーマは、ZAQさんの「hopeness」
エンディングテーマは、七転福音、クラリオンの「LoSe±CoNtRoL」
EDの制作もZAQさんでした・・・OP、EDともZAQさんらしい曲だったのではないでしょうか^^
リフの曲調がちょっと難しいけれどサビが抜群に格好良い・・・そんな印象です^^
個人的にはEDのサビのメロディが好みでした^^

1クール12話の作品でした。「こうかく」の文字が変わるだけで作品の雰囲気が全く別物になっていましたが、この作品も毎週の視聴が楽しみでした。
「ガール・ミーツ・ガール」の物語・・・良かったと思います^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

70.5 4 ZAQでコメディなアニメランキング4位
純潔のマリア(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (866)
4492人が棚に入れました
百年戦争の時代に生きる最強の魔女マリア。戦が嫌いで、強力な魔力で戦場を蹂躙してきた彼女は、実は処女。恋はしたいけどその先はちょっと怖いお年頃。でも女夢魔アルテミスと男夢魔プリアポスをひきつれ大暴れしすぎたせいで“天上の教会”に目をつけられ、大天使ミカエルに裁定を下された。人前で魔法を使わぬこと、そして、純潔が失われたとき、その魔力も失うこと。お目付け役の美少女天使エゼキエルも加わって、マリアの制約つきの大活躍は続く!

声優・キャラクター
金元寿子、日笠陽子、小松未可子、花澤香菜、小野賢章、加隈亜衣、一城みゆ希、小野友樹、島田敏、小島幸子、三宅健太、櫻井孝宏、花江夏樹、能登麻美子、井上喜久子
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

神は情緒的な博愛・平和主義には寛容だが、ガチの設計主義は許されなかった模様

※AKIRAをつい更新してしまったので、こっちも更新しておこう(長文注意)。

私は、アニメという表現媒体は、その原作となることがある小説・漫画、あるいは類似した表現媒体である実写映画・ドラマなどと同じく、

(1) 人の感情推移を巧みに表現できる点にその最大の長所があると思っていて、
(2) 逆にいうと「正義」とか「平和」とか「真理」といった抽象的な概念の論理的表現には殆ど向いていないと思っています。

そして、こうした (2)抽象的概念は、より妥当な答えを求めようとすれば、論理的な図表や数式等を援用しつつ、分析的および総合的に考察する必要があると思うのですが、
上記のように、(1)感情的・情緒的な表現に強みがあるアニメ・実写ドラマや、小説・漫画といった媒体で、こうした概念を表わそうとする場合、
 <1> 視聴者の側がそうした媒体の特徴を自覚していない限り、
 <2> 制作者の側が意図した通りの、どちらかというと感情論レベルの(=論理的というよりは感情的・情緒的な)結論が、一方的に視聴者の側に押し込まれてしまう、という結果になりがちだ、
・・・と考えています。
→表現媒体のプロパガンダ的利用の危険・・・昔から「プロレタリア文学」とか「反戦映画」とか、その逆の「戦意高揚」目的の映像作品とか、過度に扇情的に特定の問題を訴える「ヤラセ番組」とか、その例は色々ありますね。

そうした意味で、本作は事前情報からは、「平和」(その裏返しとして「戦争」)とか「正義」といった、(2)抽象的概念の是非を扱うタイプの作品に見えたので、余り自分の好んで見たい作品には思えず、放送時は視聴を敬遠していたのですが、本サイト等での評判が良かったこともあり、ひとつの経験として全話視聴してみて、できる限り「哲学的」に(つまり真面目に論理的に)その感想をまとめてみることにしました。
→その結果として、聞きなれない専門用語が多い、アニメの感想としては余り適切ではない読み難いガチガチの考察レビューになってしまうことを予めお詫びしておきます。

※そう前口上を述べつつ、実は私は、自分のニックネームを「ピピンの寄進(西暦756年)」から採っているくらいの重度の西洋史マニアなので、本作のような史実を交えた中世ファンタジーは、十分以上に愉しめてしまいました。
※本アニメ公式サイトの「なぜなに中世事情」(第9~最終話)も何気に非常に充実していましたし。
http://www.junketsu-maria.tv/special/nazenani.php


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================ 純潔のマリア (2015年1-3月) ==============
{netabare}
第1話 完全なる乙女  ☆
第2話 世界に対す ★
第3話 武器ではなく信仰で ☆
第4話 死を思え ★
第5話 勇気を、分別を、 ★
第6話 薔薇の下で ★
第7話 戦争は戦争を食う ★★
第8話 人は、人にとって狼 ★
第9話 一つまみの塩を ★★ アニメで設計主義だと!?
第10話 我憎み、我愛す ★
第11話 愛を望むなら愛せ ☆
第12話 愛は、全てに勝つ ☆ 設計主義は誅滅される!!{/netabare}
----------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)6、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.9

OP 「Philosophy of Dear World」
ED 「ailes」


◆視聴直後のナマの感想
{netabare}
・上記の通り、全12話中、★付き(高評価)が8回で、うち★★(優秀回)が2回と、視聴前に期待していなかっただけに予想外に濃い楽しみ方が出来ました。
・特に、第4話(メメント・モーリ=死を思え)から第10話まで、7話連続で★付き(高評価)という、続きがとても気になる展開で、第9話後半の魔女マリアと修道院長ベルナールとの教理・哲学問答には、完全に予想外の驚きを覚えました(※後述)。
・但し、そうした第10話までの盛り上がりを受けてのラスト2話は、些(いささ)か拍子抜けしてしまう安直な結び方となってしまったように感じました。
・もし本作が、専ら魔女マリアと従者ジョセフの恋心の進展を描く通常の恋愛アニメならば、本作のようなハッピーエンドでも自分としてはそこそこ満足していたと思いますが、本作の重点テーマはそこ(恋愛感情の推移を描くこと)にあるのではない(※後述)と思うので、残念ながら本作の全体評価は、3.9と自分としては少し低めの点数に留めることにしました。{/netabare}


◆本作最大の注目点(第9話)

《ベルナール(B)とマリア(M)の牢獄での会話》
{netabare}
M 「何度もいってるでしょ。私は目の前で人が苦しむのが嫌なの」
B 「貴方は神を恐れないのですか?貴方が忌み嫌っていることは神が定めた摂理かも知れないのですよ。」
M 「摂理?人が酷い目にあって死ぬのが?じゃ教えて。神はなんでそんなこと決めたの?」
B 「天の父の御心を理解するなど傲慢です。精霊の言葉に耳を傾け、善良な行いをするしかありません。」
M 「戦場で今にも死にそうな人にそれが言える?」
B 「戦場の死にどんな意味があるか、それは分かりません。しかし、神の愛は普遍です。良き信仰を持てば戦死した者の罪も許されるでしょう。」
M 「何よそれ?どこにでもいるくせに言葉しかくれない神なんて、いないのと同じだわ。」

B 「ふむ?いないのと同じ?神が?」
B 「同じ・・・同じ・・・同じ?普遍はないことと同じ?いや、形相的にそもそも存在しない?」

M 「あんただって結局、教えがどうのって、分かりもしない言葉を人に話してるだけじゃない。本当に神が出てきたら、何もかも一発で片付くのに。」
M 「黙ったままの神を頼るより、地上は私たちで廻したほうが、ずっとマシだわ。」

B 「神の導きのない世界を考える?神を疑う?あり得ない。」
B 「サン・トマ(聖トマス=トマス・アクィナス)は神の存在証明を、いや、オッカムのギョーム(ウィリアム・オッカム)は人間の理性は神を証明できないと。不合理であるからこその信仰なのか?しかしアリストテレスは肯定しつつ否定することはできないと。だとしたら・・・だとしたら・・・」
B 「いや待て。普遍を前提とするのがそもそも間違いだとでもいうのか?」
B 「神を疑い、疑い尽くした後で残ったものが本当の信仰になる。神が残らなかったらどうなる?いや、それは分からない。人が人の世で生きる。普遍をないものとする?エッセ・エスト・デウス(Esse est Deus 存在すなわち神である)。あ、いや、私の認識こそが、存在とでもいうのか?」
B 「認識と存在は神によって、いや、私によって。」
B 「神なき世界を生きると仮定すれば、全て自由意志によって自分を救わなければならなくなる。」
B 「ふぁ?そうなのだ。ペラギウスの教えのように神を崇めつつも自由意志によって自分を救う。より良き繁栄と幸福、魂の安寧を求め、神は我らの認識によって存在する。そうなれば世界は神から人へ。信仰と人の調和へ。」

M 「あんた何言ってんの?全然分からない。この世界で私たちが生きていくために必要なことは。」
B 「必要なことは?」
M 「まず一人で立ち上がることよ。」

B「これは良いクォドリベット(掛け合わせの自由会話)。とても興味深い討議でした。有難う、マリア。」
{/netabare}

《上記会話の含意》
{netabare}
※この会話は、中世から近世初期へと続く西欧思想の流れを簡潔に要領良くまとめています。
※普遍は実在するのか、それとも単に個物が存在するだけ(普遍は名目)なのか、は中世最大の思想的論争=普遍論争で、オッカムは名目論の側の中心人物。
※同じく、①存在論(ontology、神は実在するのか)、②認識論(epistemology、神は実在するとしても我々はそれをどう認識できるのか)、は中世哲学・神学の2大テーマ。
※ベルナールが驚きをもって迎え入れた、神中心の世界観から人間中心の世界観への転換を示す思想的潮流を「フマニスム(人文主義、人間中心主義、いわゆるヒューマニズム)」と呼びます。
※この人間中心主義は、「人間が(神の恩寵によってではなく)、自らの理性を働かせることによって、世界の一切を理解し、設計・構築していく」という発想を生み出します。
(rationalism すなわち、「理性主義」とか「合理主義」と訳される考え方ですが、"世界の一切を設計・構築していく"という発想に注目して、20世紀の自由主義思想家・経済学者F.A.ハイエクはこの考え方を「設計主義的合理主義(constructivist rationalism)」と呼びました→これを更に短縮して「設計主義」と呼ぶことがあります(上記))
※また、こうした人間中心の世界を築き上げる第一歩として、「まず一人で立ち上がること」すなわち「個人主義」の萌芽が示唆されます。{/netabare}


◆本作で示される結末ないし結論

通常の作品ならば、私の場合、意識的に作中人物の何人かに焦点を当てて、その心情を推し量る形の「感情考察」型レビューを書くことが多いのですが、本作の場合は、登場キャラの心情推移ではなく、上記のように「抽象的概念の論理的是非」がテーマとなっている(ように私には思われた)ので、ズバリ、本作で示される結末だけを書くことにします。すなわち、

{netabare}<1> 感情的・情緒的な「博愛主義・非戦主義」を信念とし、地上でそれを実現しようとした魔女マリアは、神の怒りによって最終的にはその魔力を失うものの、(もはや魔力という強制力を失った)一個人マリアとしてその信念を堅持し追求し続けることを許される。

<2> 一方、地上の教会の組織力をもって、理詰めの「設計主義的合理主義」(略して「設計主義」)を追求しようとした修道院長ベルナールは、神の怒りに触れて誅滅されてしまう(聖書伝承にある悪徳の街ソドムとゴモラの“塩の柱”にされてしまう)。{/netabare}

ここで問題は、この結末が妥当かどうか、です。
結果から先に言うと、私はこの結末は意外と妥当だと思いました。

"意外と"というのは、私の事前の予想では、例えばマハトマ・ガンジーの唱えたようなガチガチの「非暴力反戦主義」みたいな考え方が視聴者の側にゴリ押しされるような結末だったら、何だかとても嫌だな・・・という感覚があったからです。
でも幸いなことに、本作の結末はそういうことにはならず、そういう点で、堅実で良質な造りになっていると評価できるのではないかと思いました(私とは全然別の感想を持つ方も何人もいらっしゃると思いますが)。


◆では、何故その結末が妥当なのか?

本作の結末を妥当だと「思った」だけなら、それは単なる私の「感情」に過ぎず、例えば「本作の結末は妥当ではない」と思う他の人の別の「感情」とせいぜい「同等である」としか主張できないでしょう。
だから、ここで、私が自分の思いの妥当性を主張するためには、何よりも、本作の結末を「論理的に見て妥当である」と説明することが必要となります。

<1> まずマリアの結末から ~ 個々人の価値観は多様であることが保障されねばならない《価値多元主義》
{netabare}
・物語の最初の方で、別の魔女がマリアに言っていますが、マリアの《博愛主義・非戦主義》は単なる彼女の価値観に過ぎず、それが絶対に正しい(正義である)という保証はどこにもありません。
・マリア自身も、「なぜそんなに戦を止めようとするのか?」と尋ねられると、せいぜい「私が戦が嫌いだから。嫌いなものを見たくないから」(=要するに単なる感情論)としか答えることが出来ませんでした。
・しかし魔女マリアには、そうした自分の一方的な価値観を強制的に英仏両軍に押しつける強力な魔力がありました。
・そして、その強制力は天上の教会の怒りに触れる事になり、結局マリアは(経緯はどうであれ)その魔力を失うことになるのですが、それでも彼女自身の《博愛主義・非戦主義》という信念そのものは最後まで揺るぎませんでした。
・魔力を失い普通の人間となったマリアは、自己の実力の及ぶ範囲で、今後もその大切な信念を貫いて生きていくことでしょう。
・このように、個々人が自らの価値観を他者から侵されずに貫いていける場の在り方を《価値多元主義》といいます。{/netabare}

<2> 次にベルナールの結末から ~ 組織が一見理詰めであり"唯一絶対"と思われる設計主義に盲進することは許されない《設計主義の否定》
{netabare}
・一方、修道院長ベルナールは、第9話後半でのマリアとの会話を契機として、神の介入のない世界を自らの理性と意思によって設計し構築していく、というアイデア(すなわち《設計主義》という思想)を獲得し、修道院という強力な組織を使ってそれを実行に移そうと画策します。
・しかし、天上の教会の使者・大天使ミカエルは、ベルナールの考えを許さず、彼を誅滅してしまいます。
(マリアが魔力を失うことと引換えに、一個人として自らの信念を貫くことを保障されたのとは好対照)
・ここで現実の西欧近世~近代の歴史を考察すると、近世に生まれた rationalism すなわち、「理性主義」「合理主義」ないし「設計主義」は、最終的には 18世紀末のフランス革命を生み出し、さらに20世紀に入ってロシア革命を生み出してしまいます(※両革命とも、それまでの国家・社会を完全にリセットして、人間の頭で考えた新たな国家なり社会なりを設計・構築しようとしました)
・すなわち、両革命は、それぞれ「ジャコバン党」(フランス革命)ないし「ボリシェヴィキ党」(ロシア革命)という一党派が自らの考える"唯一絶対"の国家・社会の設計図を暴力的に推し進めようとして、未曾有の大惨事をもたらしてしまう、という結末に終わっています。
・本作に示された修道院長ベルナールの到達したアイデアは、人類に様々な進歩をもたらしたのかも知れませんが、それを極限まで押し進めようとすると、現実の歴史にあったような悲劇に到達してしまうことが経験的に明らかなので、やはり《(教条的でガチの)設計主義は断固否定されるべきである》という結論が妥当となると考えます。
※因みに、前記のF.A.ハイエクや科学哲学者K.R.ポパー、政治哲学者H.アーレント等によって、論理的にもガチの設計主義の結末が惨事に至るカラクリが詳細に分析されています。
・そして、組織的で教条的な《設計主義の否定》というこの結論は、個々人の自由な価値観の保障という<1>の《価値多元主義》という結論と表裏一体の関係になります。{/netabare}

・・・

以上で、本作で示された <1> および <2> の結末(ないし結論)が、論理的にもまずまず妥当と考えられることを、不完全ながらも一応示すことが出来たと考えます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 56
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

想像してたよりもずっと良かった!

 あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 凝った演出とかはあまりなかったように思えるのですが、テーマ的には結構面白かったです。
 2015年の冬アニメらしいのですが、全然タイトルに聞き覚えがありませんでした。ややマイナーだったんですかね? まぁ私の情報収集力はお察しレベルなので一概には言えないんですけど、あまり評価が伸びていないところを見るとそんな気がしました。

 「排斥されるべき魔女であるマリアが、神聖視されている処女だった」というところに端を発する物語なんですけど、これについて「下ネタが・・・」という意見もあるようですね。個人的にはこの程度でどうこう言うタイプでもないので、ほとんど気になりませんでした。戦争や宗教を隠れ蓑にした個人の価値観のぶつかり合いこそがこの作品の魅力であって、中でも主人公マリアが社会性を獲得する話、というのが本質なんだと思います。


世界観:{netabare}
 この作品は中世のヨーロッパ、具体的には百年戦争時のフランスを舞台としています。ただ、世界観として大事なのは百年戦争そのものではなくて、当時の宗教事情です。

 百年戦争は14世紀半ばから15世紀半ばに起こりましたが、この前に行われたのがキリスト教による十字軍の遠征です。11世紀末から13世紀始め(広義には15世紀半ば)までです。当初の十字軍はイスラム教から聖地エルサレムを奪還することを目指していましたが、次第にその目的が変容していきます。遠征先が北ヨーロッパや北アフリカにまで拡大していく。この結果としてキリスト教圏が拡大していくわけですが、その裏側では異教徒の弾圧が行われていました。

 というのが前提となるところですね。
 「純潔のマリア」には、ヴァルキリーやケルヌンノスが登場しています。ヴァルキリーは北欧神話の、ケルヌンノスはケルト神話の出身です。いずれの神話もキリスト教化される以前にあった土着の宗教がベースとなっています。作品内でヴァルキリーやケルヌンノスがややおざなりに扱われているのは、衰退しつつある側の存在だからですね。また、これらと同様に弾圧の対象となっていたのが魔女です。

 手元にある書籍には、魔女のルーツは二つあると書いてありました。一つ目は「賢い女」と言われていた人々で、彼女らは薬草の知識を持ち、産婆役であり、生まれた子供の運命を予言していたそうです。二つ目は「社会のアウトサイダーに属する女性たち」で、隣人に疎んじられ、森などの人里離れたところに追いやられていた人々をいうそうです。
 この作品では、前者をエドウィナが、後者をマリアが中心となって担っていたんだと思います。

 なお、当時のキリスト教が他の宗教に対して排斥的だったのは事実ですが、土着の宗教的価値観の全てが根絶されてしまったわけではありません。現在でも残るハロウィンの習慣は、もともとはケルト人が行っていた収穫祭ですからね。
{/netabare}

ジョセフ:{netabare}
 マリアの相手役であるジョセフ、これは「Joseph」のことですね。言語によってはジョゼフやヨーゼフと読むこともあります。ミカエル(Michael)がマイケル・ミシェル・ミハエルになったりするのと同じです。こういう多言語に登場する名称というのは、そのほとんどが聖書に登場する人物が語源になっています。
 で、「Joseph」の引用元というのは新約聖書に登場するヨセフという人物です。ヨセフは聖母マリアの婚約者であった人物で、聖母マリアの受胎告知後に婚姻関係を結びました。イエス(キリスト)の養父と呼ばれる人物です。

 マリアとジョセフ、そしてエゼキエルを交えたエンディングでの展開は、新約聖書におけるマリア・ヨセフ・イエスのエピソードにかけているんだと思われます。
 マリアとジョセフの関係がどう進展するのかは、二人の名前で公式にネタバレされていた、ということですね。
{/netabare}

ミカエル:{netabare}
 作中のミカエルが言う「人間」と私たちが一般に使う「人間」は、おそらく違うものだと思われます。
 キリスト教では、唯一の神様がいて、その神様が自分に模して作ったのが人間だとされています。キリスト(三位一体における神)を信じるものが神の民・クリスチャンであって、それ以外を異教徒と見ています。つまり、ミカエルの言う「人間」というのはキリスト教徒を言うのであって、それ以外を人間とは見ていないように思われます。

 これを察することが出来るのが、ミカエルがマリアから魔女の力を奪う際に言う「慈悲」という言葉です。マリアの意思を無視して魔女の力を奪うことは、現代の価値観からすれば慈悲などは感じられません。ですが、ミカエルにとっては、魔女の力の喪失は異教徒の否定、すなわち、キリスト教徒への改宗に通ずるわけですから、魔女という非人間から人間への昇格を認める極めて慈悲深い行為である、ということなのでしょう。
 このあたりの表現も含めて、時代や宗教への考証はかなり力を入れていたんだと感じました。

 なお、ミカエルに触れたベルナールが変わってしまったものは「塩」ですね。神に反したものが塩の柱にされるという話が旧約聖書に出てきます。ソドムとゴモラの話です。
{/netabare}

雑記:{netabare}
 この作品を見るに当たって、宗教的な基礎知識が必要なのか?というと、特段必須ではないと思います。知っていればより楽しめるのは間違いありませんが、中心的なテーマはもっとシンプルなものです。
 「厭世的であり、また社会からも隔離されてしまった一人の人物が、人とのつながりの大切さに気づき、社会とのかかわりを回復する」というマリア個人の物語として抑えるべきだと思います。戦争や宗教というのは、自分の価値観が絶対だと信じているマリアが、多様な価値観に触れるための単なる手段に過ぎなかったのだと思います。

 で、終盤の物語の収束の仕方がやや急で、そこが不満点に挙がるかもしれないので、少しだけ補足をしておきます。
 この作品て、戦争や宗教の話がたくさん出てきますが、「戦争もの」や「宗教もの」にまでは足を踏み込んでいないんですよね。「戦争もの」として必要な「戦争が起こった理由」「双方の言い分」「戦争終結への道筋」みたいなものは何一つ描かれませんし、「宗教もの」の常である「理想的な宗教」と「現実的な宗教」の対比もありません。あくまでもマリア個人が「戦争や宗教に対してどう思っているのか」に対して、「それとは違う考え方を持っている人々がいる」というところまでしか描かれていないんです。
 「戦争もの」や「宗教もの」としての決着を期待すると、マリア個人の話に収束するエンディングでのまとめ方には、やや違和感が残ってしまうんだと思います。

 アニメ版視聴後にマンガ版も簡単に読んでみたのですが、マンガ版がほぼマリアにだけ注目していたのに比較して、アニメ版はマリアの対比先も用意していた、というのが一番の違いですかね。ですが、上述の通り、アニメ版も「戦争もの」や「宗教もの」にまで踏み込んではいませんから、「主観進行のマンガ版よりはやや客観に寄ったのがアニメ版」という整理で良いと思います。マンガ版とアニメ版の関係は、「ミクロとマクロ」ではなくて、「ミクロと、ミクロよりはややマクロ」くらいだってことですね。どちらを好きになるのかは嗜好の問題だとは思いますが、私としてはアニメ版の方がより楽しめました。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

ゆう。 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

戦いの嫌いな魔女と人の心理を描いた話。

戦争絶えぬ中世・百年戦争中のフランス[注 1]。戦を嫌う処女で聖母の名をもつ魔女・マリアが夜な夜な戦場にサキュバスを遣わし、戦争をかき乱す。

戦争が嫌いなマリアが繰り広げるファンタジー物。

1話感想
{netabare}
魔女達は可愛く描かれているのだがその魔女が戦争で人が死ぬ中笑っているのが気になる、見た目がエグイ魔女ならわかるのだが見た目が見た目だけに変な気分。

宗教のことについて触れすぎていて海外での反応などは大丈夫か?

見た目とは裏腹に魔法の使い方は意外とリアルな感じかな(まぁ魔法がどんなのかわからないけど個人的に)と思った。
{/netabare}

2話感想
{netabare}
2話目でだいぶ面白くなってきた気がする、1話目で下ネタが多いなと感じたが話しの内容などを理解してくるとなるほどと思う部分もある。

途中人間のいざこざに割って入ってあまりにも目立ちすぎたマリア達を止めに入った大天使ミカエルだが正直どちらが天使かわからない、しかし筋が通ってるのはミカエルなのかな。

2話目でこれだけ面白くなってくるとこれからも楽しみです。
{/netabare}

3話感想
{netabare}
マリアは、ミカエルに制裁として処女を失ったと時に、魔女としての能力を失い人間になるという罰をうける。

見張りに天使エゼキエルを付けられるがマリアはミカエルにずっと見張られていないと言うことを知ると普通に魔法をつかっちゃってましたね、監視を付けられているが意味あるのかな?

修道士側の話もこれで終わりと言う雰囲気ではないし気になりますね。
{/netabare}

4話感想
{netabare}
マリアが戦争を止めることにより傭兵達の収入はなくなり近くの村から強奪を行うことや、黒死病で村人が死んでいくなどの話だったがこんな状態になっても神は何故何もしないのか?普通の人なら疑問に思う話です。

黒死病の時もマリアは村を救おうとしていましたが村は魔女を恐れマリアを受け入れようとしていませんでした。

何故己の命を捨てるような真似をしてまで神を信じようとするのか、本当の正義とはどちらなのか考えさせられる話です。
{/netabare}

5話感想
{netabare}
今回はマリアの出番は少なめだったけどやはりあの修道士は策士でしたね。
マリアのことを利用するだけして捨て駒にするというもの。

修道士にとって神も実に都合のいいものに思えます。

ガルファの決闘の時は止めに入るのかと思っていたけど「止めちゃいけない戦いはあるのか?」と考えていた。

決闘はガルファの勝利で終わったがマリアに何か心境の変化などがあったのかな?
{/netabare}

6話感想
{netabare}
ジョセフが今度の戦いだけは止めないでほしいとマリアにお願いしてきたがその理由は今度の戦いさえ無事終われば当分戦は無くなるとの事だった。

マリアは悩みながらも戦いを止めないでいたが目の前の戦と今後の戦を天秤にかけて考えるのはマリアも難しそうでしたね。

エゼキエルがアンからのお願いをマリアに伝えたことにより結局戦を止めに行ったがエゼキエルがいつもとは違う何かを言おうとしていました、多分ミカエルに何か言われたんでしょう。

人間界でマリア達と生活していくうちにエゼキエルの心境も少しずつ変わっていってるようでマリアの事を少し理解し始めて今回は本気で心配しているのかな?
{/netabare}

7話感想
{netabare}
ミカエルの槍であったエゼキエルはどうしてもマリアを貫くことは出来なかったようです、やはり一緒に暮らしていくうちに感情の変化があったのでしょう。

ミカエルは槍であるお前に感情は必要ないみたいなことを言っていたけれど言うこと言うことが大天使とは思えない。

エゼキエルと一命を取り留めたマリアが対面した時マリアは何事もなかったのように話エゼキエルを許しました。
正直どちらが天使なのかわからない。

マリアが戦を止めたことによりアンの父親が帰ることが出来たがおばあさんはどうしたのか?
{/netabare}

8話感想
{netabare}
ガルファは教会からマリアを襲う(レイプ)ように言われたのか?

アンのおばあさんは病気になっていたようだがベルナールは全てをマリアのせいに、マリアがおばあさんに渡していた薬も毒だと言って村人を混乱させていた。

一時期はマリアを利用しようとしていたが無理だとわかれば捨てる様な行為、どこが神につかえる者なのか?

マリアは異端の存在、混乱を招くと言われしばらく家でおとなしくしてるように言われたが果たしてこのままじっとしていられるのだろうか?今度は向こうから仕掛けてきそうな気もしますね。
{/netabare}

9話感想
{netabare}
ガルファがマリアから処女を奪い魔法を使えなくしようとしたがそこまでする必要もなくなぜかマリアは魔法が使えなくなった。

マリアが魔法を使えなくなったことをいいことに教会はマリアを捕まえやりたい放題、マリアを完全に悪者扱い、正直人は信用ならないと思わせる回でした。
やはり純粋なのは子供のうちなんだなと。

ビブがマリアを助けに行こうとした時にミカエルが邪魔をするがビブが言ってたように神の操り人形状態だね。

マリアに色々言われたベルナールが何かに気づいたような感じだったけど狂ってるようにも見えるからどうなるのやら。
{/netabare}

10話感想
{netabare}
神は愛を知らない、愛を作ったのは人だから・・・

印象的なセリフでした。

確かにミカエルの表情など愛以前に感情自体が色々欠けているような感じがします。

おばあさんはやはり友達を裏切ってしまったと悔やんでいましたね、周りからの圧力もあってのあの決断だったのでしょう。

マリアはジルベールの独断で火炙りの刑に、ベルナールは明らかに様子がおかしい何があったのか?

引きこもりだったエドウィナが助けに入ったことでマリアは助かりましたが何も知らないジョセフが危険な目に、次回何が怒るのか。
{/netabare}

11話感想
{netabare}
今まで以上にジョセフとマリアが性別反対に見えてしまう回だった。

ジョセフ女々しすぎ、いくら魔女でも仮にも魔力を失った女性であるマリアが男性のジョセフを助けに来てジョセフは主人の命令ばかりきいてる状態って。

マリアの方が男らしいよね。

口論してる中どこかでマリアをまだ魔女として見ていたことに気づいていた。

そしてその口論でマリアは自然とプロポーズをしちゃってた。

二人は婚約することになりマリアは魔力を戻し盛大に魔法を使って戦いを止めるがミカエルに呼ばれることに、マリアは嬉しそうにジョセフを彼氏と紹介してたけどどうなるのかな?

今回もベルナールが出てきましたが、ベルナールの言葉を聴いてると一番怖いのは人間だなと思ってしまう。
{/netabare}

12話感想
{netabare}
前回の続き。

ミカエルがマリアに罰を与えようとするが魔女が集結しミカエルを止めようと立ち向かう。

それを見たミカエルは人のマリアに対する反応を聞き裁定を下すことに。

結果マリアは許してもらえることに。

エゼキエルはミカエルに反抗したことにより天に仕えることはできなくなったが人の子として生きよと言われる、そして選んだ母親がマリア。

マリアは人と一緒に生きていくことを選び村人にも無事受け入れてもらったようです。

最後は昔話のような形で終わりました。

ミカエルが笑うシーンがありましたが自分で何か思うことがあったのかな?

色々考えさせられることも多く見ていて面白い内容の作品でした。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
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