SFで刑務所なTVアニメ動画ランキング 3

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早速見ていきましょう!

63.8 1 SFで刑務所なアニメランキング1位
シャングリ・ラ(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (349)
2393人が棚に入れました
21世紀半ば、止まらない地球温暖化に抗するため、国連はかつての京都議定書で取り交わされたCO2削減幅を大幅に上回る議決を強行採決する。
結果、経済市場は株価から炭素へ移行された。M7.5の第二次関東大震災が発生し、都市機能が完全に停止した東京都にも、炭素税は容赦なく課せられた。東京再生計画を打ち出した都は、アトラス計画を発動する。しかし、都民全員が移住するはずだったアトラスに実際に用意されたのは、350万人分のスペースだけだった。森林化により街は森に侵食され、その結果難民が続出した。
富裕層と貧困層、格差を産んだこの計画にゲリラの総統・北条國子が立ち上がる。
しかし、アトラス計画には別の目的が隠されていた。アトラスランクの真の意味とは、“後継者”とは何の後継者なのか。

声優・キャラクター
高橋美佳子、有賀由衣、井口裕香、石井真、中田譲治、大塚芳忠、堀内賢雄、京田尚子、石塚理恵、五十嵐麗、中村秀利、金田朋子、平川大輔、櫻井孝宏、中村悠一、福山潤、渡辺久美子、山下百合恵、三澤紗千香、柿原徹也
ネタバレ

モンドリ・ウッテ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「だから、オカマの銀ってなんなんだよ!」

これだけ豪華な声優陣をつぎこんで、これだけ独特な世界観を構築して、なかなかかわいい主人公や味のあるキャラをたくさん配置したにも関わらず、作品自体にまったく知名度がないのは、当時GONZOがそれだけ傾いていたってことなのか。

ただ、その独特な世界観にとっつきにくさはあるので、最初の何話かを観て終わりにした人は多いと思う。10話過ぎあたりからじわじわ面白くなってくるのだが、そこまで我慢して観るのはなかなかにしんどい。私もこれを週一で観るかと言われたら、そこまでの魅力は感じられなかった。

時代設定は近未来で、森、電脳世界、秋葉原、経済戦争、古代日本、レジスタンス、ドSとドM、などなどおおよそ相容れない単語がごった煮状態で存在し、消化しきれていない感は否めない。風呂敷広げすぎたな、というイメージ。


この作品を語る上で絶対に欠かせないのが、二人のニューハーフの存在。

{netabare} 主人公「國子」を影に日向に守り続け、その精神的支えになり続けた、ある意味一番男らしい男キャラ「モモコ」。
一方、もう一人の主人公「美邦」の母親代わりとして寄り添い、死んでもなお傍にあり続けた母性溢れる「ミーコ」。この二人がいなければ、私も最後まで観なかったかもしれない、と言うほどの存在感。{/netabare}

最後は涙を誘う展開もあるので、暇な時にどうぞ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

dbman さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ハガレン、けいおん、ハルヒに埋もれた名作

原作未読。放送当時に視聴。

このアニメが放送された同時期には、『ハガレン』『けいおん!』『ハルヒ第2期』『咲-Saki-』『東のエデン』などなど化け物揃いの作品だらけだったため否応なしに埋もれてしまった印象。あにこれでの評価62.7点という数字はあまりにも相応しくなく、まさに隠れた名作のひとつであったことを記しておきたい。

舞台は地球温暖化の影響から第二次関東大震災が発生、都市機能が完全に停止しジャングルと化した近未来の東京都。貧富の格差を産んだ政府に反旗を翻すべく立ち上がり戦う少女たちの物語。そのストーリーは結構に難解だったり突っ込みどころこそ多分にあるが、見応えはバッチリでした。

主人公の北条國子(声:高橋美佳子)も元気ハツラツ! といった魅力あるキャラだったけれど、それ以上に光っていたのが脇を固めるオカマたちw 國子の母親代わりでももあるモモコ(声:中田譲治)との絡みには和まされること請け合い。またモモコの相棒にしてこちらもオカマのミーコ(声:大塚芳忠)のキャラも素敵で、このオッサ…彼女らを演じているのが中田譲治さんと大塚芳忠さんということでも存分に楽しめるものとなっていた。さらには、井口裕香、中村悠一、福山潤、柿原徹也、平川大輔などなど声優陣も豪華すぎるメンツが集っていた。

またMay'nちゃんが唄うオープニングテーマ「キミシニタモウコトナカレ」は、マクロスF関連曲以外の彼女の楽曲で1.2を争う名曲。さらにエンディングテーマ「はじまりの朝に光あれ。」はその独特な曲調に中毒性があり、約10年近く経ったいまも私のお気に入りアニソンメドレーのなかで現役として活躍し癒してくれている。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 20
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

水没した東京のジャングルで、美少女がブーメラン片手に戦う話w

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
地球温暖化が進み、熱帯化した東京が舞台。原作は、第27回日本SF大賞候補になった小説。とはいえ、原作とは結構変えていますね。

当時としては作画も良いし、設定も面白いですよ。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
世界観は小説のらしさが、演出面ではアニメらしさが出たというところかな、良くも悪くも。

原作の描いた風景は、とてもよく作画されてました。水没し、ジャングルに侵食された東京。なんともワクワクする世界でした。

一方、「ブーメランの破壊力」とか、「いやいやあり得んでしょ? アニメスタッフの悪のりでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、確か、原作の方がもっと強いはず(笑) 普通、原作では地味だからアニメ演出で味付けする、ことが多いと思いますが、本作はむしろ、原作のアクの強さを、アニメの演出で上手くライトにしていたような印象でしたよ(笑)

まあ、本作での一番の魅力は、國子、モモコといったキャラの良さなんだけどね。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

71.0 2 SFで刑務所なアニメランキング2位
スペースコブラ(TVアニメ動画)

1982年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (156)
656人が棚に入れました
戦いの記憶を消し、平凡なサラリーマンに身をやつしていたコブラだったが、アクシデントに巻き込まれたことをきっかけに再び冒険のスリルを求めて宇宙へと旅立つ。折りしも悪の組織ギルドが謎のイレズミを背負った三姉妹捜しに躍起になっていた頃、コブラはそのひとりジェーンと知り合う…。

声優・キャラクター
野沢那智、榊原良子、藤田淑子、小林清志、高島雅羅、加藤精三、内海賢二

esso-neo さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ヘッ、サイボーグのトーストなんざママレード付けても食えねえや

 監督がかの出崎監督。主演のコブラが野沢那智、相棒のレディは榊原良子。もはや現代のアニメにはない魅力が詰まっている。そのセリフ、その芝居、その画面、どれをとっても退屈させず現代でこれをいかに超えなければいけないのか、同時に何を残していくべきなのかべつにアニメ製作にかかわってるわけでもないのに考えてしまう。もはや“魅力”そのもののあり方が変わってしまったのか。それは無理もないことだけど、今でもコブラは多くの男児をうならせるキャラクターのはずだ。いちいち新時代だとかいってひとつ爆発したものに倣って同様の爆発をしていてはそれは昔となんの変わりもないのだ。もっといろんなアニメに賞賛とケチがつけば楽しいのになぁ。
 こう書いておいてなんだけどこのレビューは賞賛のほうで。
 やっぱり時代が違う。なのに今見ても退屈しない。たいした脚本が仕込まれてるわけではない。でもべつにアニメなり映画なり、ストーリーがすごいってだけで必ずよくなる保障なんてないのだ。なんにせよ見所はコブラの野沢那智を始めとするモブにいたるまでの声優陣、そして監督らによる作画と演出で魅力を持たせていることが見ていて退屈はさせない要因なのだろう。昭和もいいもんだなぁ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

いわゆる「アメコミ」

少年ジャンプにおける銀魂やシティーハンター、北斗の拳などのいわゆる劇画路線の開祖である。その前にもいろいろ劇画はあるが「アメコミ」や「バンドデシネ」を意識した画面作りは「コブラ」のヒットから始まっている。

バンドデシネ作家のエンキビラル、メビウスやアメコミ,SF作家のフランクフラゼッタ、ボリス・ヴァレホなどの絵と酷似している。。。。だけでなく、ヘビーメタルやロックに詳しい人なら知っていると思うが、70年代から80年代にかけてのバンド系のレコードの表紙は必ずと言っていいほどSFやファンタジーのオタク的なイラストがそのまま使われている。

と、言うのも。。。だいたい有名どころのロックシンガーは実はかなりのSF、ファンタジーファンであり小説やらパルプ雑誌を読みふけりながら葉っぱと酒と女にラリっているというとんでもない人が多い。リア充なんだかオタクなんだかわけわからないが、海外のファンは日本と違ってオープンであり、ギークやナードはどちらかといえば小心者を指す言葉になっている。

そういったカウンターカルチャーと呼ばれる文化は日本にも波及し、80年代を席巻した。音楽にしろ、漫画にしろこの頃の作品はやたらとアメコミ調で、世界は荒廃しており、男は皆モヒカンで世紀末な格好で、女はビキニアーマーを着ている半裸のねーちゃんなのである。

寺沢武一先生は、これに関して「私はバーバレラ(フランスの60年代エロティックSF漫画及び映画)から影響を受けた」と言ってたらしいが、確かにそれは出発点ではあるものの、全体的には当時のフランスSF漫画雑誌メタルユルラン(英題:ヘビーメタル)調であり影響受けてないはずがないのである。北条司や荒木飛呂彦、三浦建太郎、原哲夫。。。挙げたらキリがなくなるくらい影響を受けている。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

漢という名の物語

やっぱりコブラっていったら野沢那智、出崎演出&羽健だろう?まぎれもなくヤツなんだよ。
ルパンに似てる?スタッフかぶってますからね・・
最初は山田さんだったらしいがさすがに似すぎだから変えたとかなんとか。
話は原作に結構近い。いろいろと細かいところは変わっているが。


最近は動画サイトでフラグクラッシャー&スペースほむら等として有名になってしまった。あれはあれで大爆笑するが。
ついでに元ネタのほうもぜひ観てほしい。
これもあのかっこいいOPのせいよね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

66.6 3 SFで刑務所なアニメランキング3位
白鯨伝説(TVアニメ動画)

1997年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (40)
195人が棚に入れました
『白鯨伝説』(はくげいでんせつ)はNHK衛星第2テレビジョンで放映された番組「衛星アニメ劇場」内で1997-1999年にかけて放送されたTVアニメシリーズ。ハーマン・メルヴィルの小説「白鯨」をモチーフに、監督の出崎統が長年温めていたアイディアから制作したSFアニメである。出崎統・杉野昭夫の共著「アニメーション制作技法~『4701白鯨』を創る~」誌上の題材「4701白鯨」が原案となっている。

rurube さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

衝撃的名作。

宇宙に人類が進出し数多くの宇宙船が行き来していた時代から数十年、宇宙バブルは終わり宇宙には廃棄された宇宙船が残された‥。
エイハブ船長のエイハブカンパニーは廃棄された宇宙船から物資を集めブラックマーケットに流す仕事を縄張りとしていた。彼らは鯨獲り(宇宙船が鯨に似ているから)と言われどんな商品も調達する命知らずの集まりだった。そんな折、エイハブに一人の少年ラッキーが仕事を求めやってくる、しかし彼には大きな秘密があった。厳しい試練に耐えエイハブカンパニーの一員になったラッキーに最初の仕事が入る。その仕事の途中一体のアンドロイドを発見、アンドロイドは政府に管理され一般人が所有する事は禁止されていた。そしてアンドロイドのデュウとの出会いはこれか巻き込まれる大きな事象のはじまりに過ぎなかった。
ラッキーの秘密とは彼の母性である資源惑星が役割を終え、新兵器の実験星に選ばれたのを阻止する事だった。その新兵器の名前は『白鯨』 白い巨大な鯨のような宇宙船であり一度起動すれば星一つを消滅させるエネルギーを放出する。ラッキーの兄は反政府運動をしており今回この計画の中止を求め宇宙一の鯨獲りであるエイハブに協力を求める為にラッキーをエイハブのもとに行かせたのであった。
ラッキーから話を聞き少なからず『白鯨』と因縁があったエイハブは協力する事を容認、ラッキーの母性である惑星モアドに急ぐ。しかし物語が進むにつれある真実が明かされるアンドロイドのデュウは宇宙船 『白鯨』 に何かあった時の代わりとなる起爆装置だったのだ‥。
大きな事象巻き込まれるエイハブカンパニーは何処に行き着くのか‥。

この話、映像も物語りも情熱も詰まっているが悲しくも金が無かった。もともと36話を予定していたが金銭的な問題や制作元が倒産してしまい紆余曲折して24話。話が途中で飛ぶのと制作が追いつかず歌の挿入などで尺を誤魔化していたらしい。観ればその部分は分る。権利も他の会社に譲った問題なのかDVDも手に入らないし視聴が困難で最後まで観れていない。
けれどこの作品に対する監督の熱意には感服せざるおえない。けして奇を狙った訳ではない独特の作画・重厚なストーリー・そしてエイハブ船長の魅力。この作品に掛けた思いが伝わる作品だった。

エイハブ船長の魅力について少し記述したい。
ラッキーの母星である惑星モアドでラッキーの兄 シロー・トキサダ(元ネタは天草四朗)との会話
「俺が神様に頭を下げたのは孤児院の教会で牧師様からココナッツチョコレートそせしめる時だけだった。水を挿すわけじゃねーけどよ‥言いていことは言わせてもらいたい。」
「どうぞ」
「なにかい?この戦は神頼みかい。それでこっちは皆心が清らかで神様に許されて清く正しいお人びとが自由の為にって言うやつなのかい?断っておくが俺たちは、いや少なくとも俺は清くも正しくもねーぜ。」
仲間と言い合いして
「清く正しい戦争なんてねーってことよ。分ってんのかなラッキーの兄さん?どんな理由にせよお互い勝ちに行くには相手をぶっ壊したり殺したりしなきゃなんねーんだ。」
「分っています。」
「分ってねー!分ってたら神様に力を借りたいなんて言えねーはずだ!相手を殺すために力を貸してくれる神様なんぞは本物じゃねー。いいかい神様なんてのは自分が散々好きな事やって最後にすんませんでしたってせいぜい許しを願っておしめーよ。そんなもんよ!」
近づくエイハブ
「俺が何が言いてえか分るかい?危険なんだよ神様とかなんとかを戦争に持ち込むのはよー。命がよ安くなっちまうんだ、神様のためだとか言ってぽんぽん命捨てちゃう奴が必ず出てくるんだ!そういうのだけはよ俺は我慢ならねーんだ。そういう戦争をよ俺は何度も見て来た人間はさ生きてて何ぼだぜ。勝利の為に死ぬ奴より負けても生きてる奴の方が俺は偉いと思っている。もしもあんたの性で誰かが安っぽく死んだら俺はその瞬間にこの星とおさらばするぜ。」
「分りました。」
「分っちゃねーと思うがよ‥まーそういう事だ。」
「でも‥それはきっと貴方が強い心の持ち主だから、力の無いもの弱いものが戦いに望むには何かの力が必要です。」
「馬鹿やろう‥弱い奴ってのが何処にいるんだよ 生きてるって事はな強いって事よ!! どうもな駄目だあんたとは馬が合はねー、ラッキーとは合上手くやれんのによー。」 15話より

多分この台詞が描きたくてこの作品を作ったと感じる。この台詞には監督の人生・台詞の美しさを損なわない洒脱・音の美しさ全てがそろっている。アニメ史に残る名言。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12
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