SFでロボットなアニメ映画ランキング 15

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のSFでロボットな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月23日の時点で一番のSFでロボットなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.6 1 SFでロボットなアニメランキング1位
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(アニメ映画)

2007年9月1日
★★★★★ 4.1 (1766)
10539人が棚に入れました
かつて地球を襲った大災害・セカンドインパクトにより、人類はその半分が死に至った。幾ばくかの年月が流れ、その大惨事より復興しつつあった人類に、突如として使徒と呼称される謎の生命体が攻撃を仕掛けてきた。
国連の下部組織である特務機関NERV(ネルフ)は、極秘に開発されていた汎用ヒト型兵器人造人間エヴァンゲリオンによって襲来する使徒を迎え撃つ作戦を開始する。NERVの司令官である碇ゲンドウは、14歳の息子「碇シンジ」にエヴァンゲリオン初号機のパイロットになることを強いる。

声優・キャラクター
緒方恵美、林原めぐみ、三石琴乃、山口由里子、立木文彦、清川元夢

だんちょー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

まさかのリメイク・リテイク?

10年の時を経てまさかの再製作。

新劇場版3(4?)部作の『序』・『破』・『Q』・『?』の1作目です。

『序』はTV版1~6話とほぼ同じ流れで話が進んで行きます。

しかしながらTV版にはなかった宇宙空間での描写。アダム発掘?、まるで予定調和なのかと思うがごとく空けられている第1~4の少年少女の棺?そこから出てくる早々のカオル君の登場。

旧作に詳しい方ほどたまらないサービスですね☆

またラミエル(劇場版では名前出てないけど)との戦闘シーンは圧巻の一言でした。

やはりエヴァは面白い。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

σ(・・*)アタシ的エヴァ補完計画発令!!

■(≧∇≦)ъ ナイスリメイクです!!
かなり作画が綺麗になって細かいところまで描かれている印象ですね♪
出来ることならば、TVアニメ版を未視聴な場合はTVアニメ版を視聴した上でご覧になられることをお薦めしたいですね!!
もちろん、「序」だけでも十分エヴァの魅力は感じられますよ♪
ただ、ストーリー的にはTV版を凝縮して微調整してこの「序」が制作されているのです。
その「微調整」こそが新劇場版の魅力の部分だと思っていますので、新劇場版とTV版の両方を視聴するとより一層エヴァの世界観を満喫できるはずですよ♪
 
 
■「微調整」の魅力って(*゚・゚)ンッ?
まずは、CGを使った細部までこだわって描かれている第3新東京市のギミックの描写なと必見です!
もちろん戦闘シーンの描写にも反映されていますね。
もともと他のロボットアニメとは違ってスピード感あふれる戦闘シーンは無く、戦闘時の緊迫感、恐怖感、息使い、表情など、搭乗者の心理状況をうまく描いている息を飲むような戦闘シーンがエヴァの良さなのですけど、エヴァや使徒の動きがスムーズになった事で、特に第5使徒ラミエルとの戦闘はシーン圧巻でした♪
ラミエルの生体意識がかなりレベルアップされていて、攻守において最適な形に変形するさまは観ている人に恐怖感と絶望感を与えてくれました!
 
それと、もう一つ注目は登場人物の性格や状況が微妙に違ってきています。
シンジもちょっとだけ積極的になっているように感じます。
父ゲンドウに対する気持ちをクローズアップしている発言もありまたね!
ミサトさんの立ち位置もちょこっと変化があるので、そんなところに注目してみてもらっても面白いと思いますよ♪
 
 
■総評
ストーリーに新しい展開が見え隠れするのが「序」の魅力ではないでしょうか?
ただのTV版のダイジェスト版ではなく、まったく新しいエヴァの始まりこそが「序」だと私は思っているのです♪
リリスやカヲルの描写からもそれは感じられますね!
それと、コミカルな部分が大幅カットされていますけど、ミサトさんの( ̄▽ ̄)=3 プハァー がまた見れたのは個人的に嬉しかったです♪
 
新劇場版は「破」までしか公開されていませんけど、「Q」⇒「FINAL?」とどんな結末になるのかとっても気になりますし楽しみでしょうがないです((o(^-^)o))ワクワク♪
σ(・・*)アタシのエヴァ補完計画はここから始まりました♪
 
 
2011.08.21・第一の手記

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「帰ってきたウルトラマンって知っていますか?コレは帰ってきたウルトラマンの6話までなんですよ」

当時、公開直前のインタビューでそう発言したのはあの大月Pでした
まず庵野監督が熱烈な『帰ってきたウルトラマン』ファンであることとは別にし、『帰ってきたウルトラマン』という作品に対して少し・・・


『帰ってきた~』という作品の前章となった『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』といったシリーズは子供向け番組とは思えないほど本格的なSFドラマだったんですね
『社会風刺や想定科学などテーマ性をハッキリさせたお話』と『冒険心をくすぐるミステリアスな雰囲気の演出』でどちらかと言えば『大人のおとぎ話』的なイメージが強かったんです
ところが『帰ってきた~』では主人公の心理描写や周辺人物を絡めたドラマ性にスポットを当てた作品に路線変更したんです
主人公の挫折や苦悩を乗り越える様、力を持つことへの慢心や仲間との軋轢、ヒーローとしての隙の無い人物像よりもプライベートでの素顔などが中心に描かれたのです


その面たる様子が顕著なのが第6話までなのです
「初代ウルトラマンで培われた『ヒーローは無敵』というイメージをあっさり破り、いきなりウルトラマンが怪獣に敗北↓
そこからスポ根モノばりに主人公の努力と葛藤の日々、そして仲間との友情によってウルトラマンが復活↓
見事怪獣を撃破する」
ここまでで『帰ってきた~』全体のパターンが、ある程度確立されるんです
ソレ以降はほとんど予定調和の繰り返しで、大袈裟に言うと第6話までで『帰ってきた~』の半分以上は完結した。と言っても良いです


さて、もし『エヴァ序』をご視聴済みの方でこのレビューを読んで頂いてる方がいらっしゃったらもうお解りいただけたかと思います
『帰ってきた~』の第6話まで、とはまんま『エヴァ序』の内容なんですよね


主人公、碇シンジの苦悩と挫折からの葛藤、そして復活、勝利
それこそ、旧シリーズ序盤のエンターティメント性を最大限に盛り上げて解き放った「娯楽作品」としてのリビルドでした


そうそう、新劇場版制作に当たってのキャッチコピーであるこの「リビルド」と言う言葉
リメイクでもリバイバルでもないこの「リビルド」とはすなわち「再構築」の意
古くなった物を直して新品同様にするという意味合いで用いられるのですが、これを新劇場版の代名詞とする理由には
【古くなってしまった作品を現代の技術と価値観で蘇らせる】
という意味を込めたのだとオイラは思っています


あにこれのレビューなんかでもチラホラと年齢層の低めな方からの投稿で「旧シリーズは難解で何処が面白かったのかよくわからない」というものを目にします
いや、もちろん旧シリーズ当時からそういう話題は絶えなかったんですね
オイラも放映当時は小学校低学年で意味サッパリでしたしw


エヴァブームも全盛期からすればだいぶ沈静化してきていて、特にあにこれユーザーのような第1線で戦う優秀なアニヲタの皆様には『過去の偉大な名作だけど正直そんなの聞き飽きた』って方も多々いらっしゃることでしょう
そういったマーケットニーズの変化に対応すべく、『エヴァ序』は【現代の大衆娯楽へリビルドされた】のだとオイラは思いました


そしてこれはオイラが旧シリーズ時代のファンであることを踏まえた上での結論ですが・・・
「『エヴァ序』を旧エヴァと比較することは出来ないです」


一本の娯楽映画として大変優れた作品であると同時に、旧テレビシリーズの持っていたキャラクター一人ひとりのセンシティブな心情の描写が薄っぺらくなり、セリフの一つひとつもオイラには軽々しく聞こえてしまいました
旧シリーズ当時のエヴァという作品が醸し出していたあの心のダークサイドを描かんとする姿勢、それまでのメインストリームを外しながらも人々の心を掴むという他に類を見ない様な特別性
これらが格段に弱くなっていて『素晴らしい出来栄えだがありがちな感じのする一本』という印象です


だから旧エヴァと新劇場版を同じ作品、同じエヴァとして見ることはとてもじゃないですがオイラには【不可能】だと感じました
だから「エヴァとは違う、なんか別のアニメだよ」と自分に言い聞かせながらも今後Q以降の展開に期待をしたい、と今は思っています

投稿 : 2024/12/21
♥ : 22

79.8 2 SFでロボットなアニメランキング2位
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(アニメ映画)

1984年7月21日
★★★★☆ 4.0 (463)
2104人が棚に入れました
50万周期にわたり大宇宙で抗争を続ける巨人族の二大勢力、男のゼントラーディ軍と女のメルトランディ軍。西暦2009年、その戦火は地球にも及び、ゼントラーディ軍の奇襲をうけた地球統合軍の巨大宇宙戦艦SDF-1マクロスは、脱出時の動力不調から太陽系外周部へ飛び出すこととなる。追撃をうけながら地球への自力帰還をめざす航海の5か月目、土星の衛星タイタン宙域から物語は始まる。地球を離れる際避難した5万8千人の民間人は、広大な艦内に市街地を建設し生活を営んでいた。バルキリー隊パイロット一条輝はアイドル歌手リン・ミンメイや、上官早瀬未沙と近しい関係になっていく。そんなありふれた日常風景が、接触した巨人族たちの規律に思わぬ混乱を招くことになる。

声優・キャラクター
飯島真理、長谷有洋、土井美加、羽佐間道夫、小原乃梨子、神谷明

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「歌で戦争を終わらせることができる」この主張が素晴らしい

このアニメは劇場版として映画放映されました。

私は個人的に、ガンダムよりもマクロスが好きです。
なんてったってマクロスシリーズでは「歌で戦争を終わらせることができる」この主張が一貫しています。
それが素晴らしい。
「そんなことできるわけがない」と笑いとばす人もいるでしょうし、馬鹿にする人もいるでしょう。
でも、歌で戦争を終わらせることができたら、素晴らしいと思いませんか?

この劇場版はリン・ミンメイの歌が何曲もBGMとして流れてきます。
心が弾む歌や悲しい歌、美しい歌が、物語のシーンとすごくマッチしています。

マクロスを全く見たことがない人は、是非これを最初に見るとよいですよ(^_^)

ちなみに、この劇場版では一人の登場人物であるはずのリン・ミンメイが、本来主役であるはずの一条輝を押しのけて、物語の中心として活躍しています。
それがまたすごいですよ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 48

harass さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

80年代を代表する劇場版アニメの一つ

ロボットもののメインストリームの一つであるマクロスシリーズだが、TVシリーズのマクロスを今さら見るのはツライところがある。長いし作画も今から見るとそれなりであるし脚本も粗が目立つ。

そこでこの劇場版をおすすめする。
設定などはTVシリーズと異なり、エッセンスは同じでも全く別物で凝縮昇華した傑作に生まれ変わっている。

アクションシーンなどは現在のアニメレベルでも遜色ないだろう。現在のCG全盛のアニメでもだ。

アイドル・ロボットというオタの大好物がてんこ盛りの記念碑的作品はレンタルでも良いから一見の価値あり。
しかし、ラブコメとロボット物を合体させるってアイデアはホントに基地外じみている。今じゃ当然なんだが。

個人的に見所としては、
柿崎の最後、酎ハイミサイル、ケントギルバート、デカルチャー、羽田健太郎の音楽

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

絵はきれいだけど

<2020/5/29 初投稿>
マクロスシリーズの原点となるテレビシリーズアニメ「超時空要塞マクロス」の映画版。
1983年公開

映像は美麗で、当時同時期に公開された宮崎駿監督作品「風の谷のナウシカ」とその品質を競い合っていたという話を聞いたような気も。
テレビシリーズは、数話に1話は作画が崩れ壊れるので
「美麗な映像で観たかった!」
というファンの方にはさぞかし堪らない作品だったしょう。
私も映画館で夢中になった記憶があります。

まず「宇宙空間の暗闇から要塞マクロスがせせり出てくる」オープニングの映像に震撼しました。
キャラクターは全てきれいで、
板野サーカスと呼ばれる戦闘シーンは手書きの極致のようなスピード感とダイナミックさ!

そしてヒロイン、リン・ミンメイの歌う主題歌「愛、覚えていますか」はアニソンとしては当時異例の大ヒット。

ちょっとしたムーブメントを巻き起こしました。


ただ、今思い起こすと物語はどうなんだろう。
テレビシリーズ知らないで映画版だけ見た人は「何が何やら?」となってしまいそう。

初代マクロスはその重厚な世界観や背景の歴史が丁寧に作り込まれている作品。
2時間でそれをわかりやすく伝えることは難しかったようです。
で、結局、テレビシリーズでハマったコアなファン向けになりました。

・・・そうなっちゃうのは仕方ないのかな。
でもライバル?のナウシカは原作を上手く端折って初見でも没入できる作りになってたしなぁ

本作は骨太な部分も多く、
世間の認知度もそこそこ獲得したのですが、
実際に受け入れたのはコアなファン層で、
そのコアな人たちを「オタク」として「そうでない人」と隔離するきっかけの一つになってしまったような印象があります。
その是非はよくわかんないですけどね。

というわけで本作は
・テレビ版「超時空要塞マクロス」観た人が最も楽しめ
・後のマクロスシリーズ観た人もそれなりに楽しめ
・どちらも観てない人にはちょっとお勧めしづらい
という感じになるんでしょうか。

あ、でもハイレベルな手書き映像を楽しみたいという人には強くお勧めできます。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 35

83.9 3 SFでロボットなアニメランキング3位
新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に(アニメ映画)

1997年7月19日
★★★★☆ 4.0 (1448)
8433人が棚に入れました
最後の使徒は倒された。しかしながら現実に対処できないシンジは固く心を閉ざしてしまう。そして約束の時が訪れる。ゼーレは自らの手による人類の補完を目指し、戦略自衛隊による攻撃をNERV(ネルフ)本部に仕掛けてきた。戦闘のプロに抗う術もなく血の海に倒れていく職員達。その絶望的状況下でミサトは、シンジは、アスカは、レイは、生き残ることができるのか?そして人類補完計画とは?人類の存亡をかけた最後の戦いが、今始まろうとしている。

声優・キャラクター
緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子、石田彰、山口由里子、立木文彦、清川元夢、山寺宏一、関智一、岩永哲哉、優希比呂、長沢美樹、子安武人
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

悲劇的な、あまりに悲劇的な

感じたままの感想を綴ろう。

あれは蝉が鳴く蒸し暑い夏の午後、
劇場を後にした私は喪失感を抱えていた。
エヴァが衝撃的な痕跡を残し終わったのだ。

碇シンジは偉大である。

90年代に蔓延した時代の閉塞感は、
想像もしない形で反動を受け、未だ閉塞的である。
断絶・孤立の時代から「接続過多」の時代へ。
其処かしこに集団が存在し「感情」は強要される。

最後の使徒は死にゼーレのネルフ侵攻が始まる。
ゼーレは自衛隊を投入し殲滅作戦が遂行される。
{netabare}絶望的な状況下でシンジは咆哮し覚醒する。
人類の新たな進化を私たちは目撃するのだ。{/netabare}

シンジとゲンドウを直線的に結ぶ第壱話、
エヴァは「父と子の物語」から始まっている。
{netabare}やがてその背景には、あまりに悲劇的な、
レイに象徴される「母と子の物語」が顕現始める。{/netabare}
これがエヴァの原動力であり構造そのものである。

シンジは父に認められ母の愛の共有を願い、
エヴァに搭乗しては他人を傷つけそして救う。
強烈な負荷が、肉体にも精神にも及び、
未熟な心では、現実に耐え切れないだろう。
私たちは生きていくための新しい文法を、
未だどこにも見つけられないでいるのだ。

ほんとに、よく頑張った。

彼を大胆にも肯定しようと思う。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 57

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

出口なしな「気持ち悪い」。人生を変える程の痛みと美しき絶望。

 トラウマ映画といえば、私の尊敬する映画評論家である町山智浩さんの造語であるが、本作は多くの人にとってこの名に相応しいだろう。ここまで社会現象になる程の大ヒット作品も、ここまで大きな影響を及ぼした作品も、さらに不快な魅力がある作品は今後出ないかもしえぬ。


 基本的な内容は今更語るまでもないから割愛するが、改めて見直すとその驚異的な作画のレベルに感心せざるをえない。とくにアスカ大暴れの件は、ロボアニメ史上に残る素晴らしさである。


 ストーリーに関しては、とにかく不快、居心地の悪さ、そしてラストに放たれる台詞「気持ち悪い」に集約されている。こんな愚図愚図悩み続けて一歩前に出れない甲虫的人間、中二的人間に対するイラつき、そんな物に大喜びして自分なりの解釈に奔走しているオタク達に対する不快、同時に自分自身もオタクであるという監督のジレンマに近い気持ちがこのような稀有な作品を産ませたのかもしれぬ。こんな事を勝手に書いて悦に入っている自分のような人間を多く産んでしまったかもしれぬ罪深い作品といえるかもしれぬ。


 ただ、その事は一方的に否定されてはならなぬ事であろう。中二を卒業したからといって過去に復讐することはできない。それは受け入れて、乗り越えられるべきものである。作品に気持ち良さ、エンタメだけしか求めない人間には、この作品は全く価値を見出せないだろう。アートの真価は、傷をつけてでも相手を変化させることにある。


 しかし、結局中学生的な人間なんて不快であり気持ち悪い物であるという事実を受け入れ、それを飲み込める度量、人間認識の自由な幅を得た人間ならば、この痛切なアンチクライマックスはかけがえのない思い出になるであろう。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

チュウ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

開始1分で度肝を抜かれた…

見て速攻!シンジも速攻!!
私は度肝を抜かれて、彼は何かをヌいたww

そんなこの作品ですが、とにかく難しい!!
まぁ、レビュー書いといて何なんですが正直、私もこの作品を半分も理解できてないんだろうなぁ…。

一応4、5回は見てるんですが、何故??が多い作品です!もちろん、内容の何故?もあるんですが、キャラに対しても何故そうなる?もっとこうしろよ!とか独りで突っ込んでいまいますねw

とにかく、良い作品なのは間違いないですが、
人によって理解の仕方が異なる作品なことも間違いないと思います!!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

76.4 4 SFでロボットなアニメランキング4位
楽園追放 -Expelled from Paradise-(アニメ映画)

2014年11月15日
★★★★☆ 4.0 (891)
4666人が棚に入れました
われわれはどこから来たのか われわれは何者か

われわれはどこへ行くのか――。

地球はナノハザードにより廃墟と化した。

その後の西暦2400年、大半の人類は知能だけの電脳世界ディーヴァに生きていた。

電脳世界に住む捜査官アンジェラは、

闘力を誇るスーツ・アーハンを身につけ地上に初めて降り立った。

そして地上調査員ディンゴと共に地上のサバイバルな世界に旅立った。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

重力では好奇心には勝てない

オーソドックスな王道SF作品。

人口爆発と資源問題、
地上はナノハザードにより廃墟と化した。
地上を捨てた大半の人類は、
電脳空間ディーヴァに移行し、
恒久の平和を手に入れる。
{netabare}そのディーヴァに地上からの不正アクセス。
目的正体不明のフロンティアセッター。
不安に駆られるサイバースペースの住人。{/netabare}
捜査官アンジェラは地上に降り立ち、
世界の謎に迫ろうとしている。

世界観の作り込みとシナリオが、
上手にまとまっていて好感が持てる。
大切なのは物語なのでしょう。

相反する2つの価値観、
{netabare}進化の次のステージに進むこと。
肉体の檻の中で生きていくこと。{/netabare}
管理され制限された精神世界と、
空腹に疲弊し、病気になる地上の重たい肉体。

そう言えば草薙少佐も、人が人足り得るのは、
好奇心あってこそだと言っていましたね。

銀河の果てまで、旅立とう。
勇敢なるその一歩が新しい歴史を作るのだ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 66

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

3DCGの進化と可能性・・・でも結局はアンジェラタンの尻!

2014年11月公開のアニメ映画。
監督は水島精二氏、脚本は虚淵玄氏、
劇場用フル3DCGアニメーション。

もし、あなたがアニメ評論家ならば
本作は絶対に視聴しなければならない作品でしょうw
というのも「3DCGの進化と可能性」というのは
現在必ずと言ってもいい程アニメ評論の俎上に乗せられるホットトピックだからです。
従って3DCGアニメーションの「蒼き鋼のアルペジオ」や「シドニアの騎士」の
視聴もマストですw いや、アニメ評論家ならではですけどねw

2014年現在今まさにアニメ業界は大きな変革期を迎えており、
私たち視聴者はその渦中を目の当たりにしている最中なのかもしれません。
それだけ3DCGの進化は著しいということなのでしょう。

もし本作のあるべきレビューなるものが存在するならば、
本作に照らし合わせて3DCGの技術論を語っていくというものなのでしょうが、
無論私にそのような知識はございませんw
なので、ここでは水島精二監督の言葉を引用したいと思います。

「いままでの現場だと、リスク回避のため2Dのアニメーターが
レイアウトとラフモーションを作り、
それを元に3DCGアニメーターが作業をするという手法を取っていた。
しかし、それだと3DCGアニメーターの実力も分からないので、2Dアニメーターを介さず、
直接3DCGアニメーターに画づくりをしてもらうことを提案した」

また、水島精二監督は本作の制作を通して確かな手応えを感じたのか
このような言葉も残しています。

「キャラクターの表情や表現も向上していて、
 今回の制作を通じて、3DCGで萌えアニメが作れる確信を得た」

新時代の到来を期待せずにはいられないお言葉です。

これは3DCGが2Dを駆逐するということではなく、
水島精二監督も相補的な関係を望まれているようです。
両者が相互に刺激を与え合うことによって、
作業の効率化、優秀な人材の確保、
そしてより質の高い作品の提供という循環が理想的なのでしょうね。

さて、このような予備知識を得てしまうと視聴前のハードルというのは
かなり高めに設定されてしまいますが、製作陣もそれは望む所なのかもしれません。

というわけで簡単なあらすじを(知っている方は飛ばしてください)。

西暦2400年、地上は荒廃化している中、
人類の98%は肉体を捨て自らをデータ化し、
電脳世界「ディーヴァ」で豊かな生活を謳歌していた。
ある時「ディーヴァ」へ地上からハッキングを受けるという事件が起こり、
ディーヴァ捜査官アンジェラ(CV:釘宮理恵)は
生身の体(マテリアルボディ)を纏い地上へと降り立つ。
地上調査員ディンゴ(CV:三木眞一郎)と共に地上のどこかに身を潜めている
ハッカー「フロンティア・セッター」を追っていくという話です。

で、感想なんですけど、あらすじを読んでもらえば分かるように
どこかで聞いたことがあるような話ですし、
最後まで観ても特段語るようなことはございませんw 
飽きずに最後まで楽しめましたけど「まぁおもしろかったです」で感想は終了ですw

ストーリー自体は凡庸かもしれませんけど見所は結構あります。

ディンゴ役の三木眞一郎さんは物語シリーズで貝木泥舟役を演じておられますが、
非常に人間味溢れるところなんかは貝木泥舟に通じるものがありますw
そんなディンゴとアンジェラ(くぎゅうううううう)のやり取りなんて
ニヤニヤしながら観てましたw
「か、勘違いしないでよね。別にあんたのことを認めた訳じゃないんだからね!(赤面)」
こんな台詞は多分なかったような気がしますが、まぁくぎゅってましたねw

人間味溢れると言えば自我を持った人口知能(CV:神谷浩史)なんてのも居て、
この辺りは「翠星のガルガンティア」を彷彿とさせます。
テーマも似通ったところがありますね。

利便性を享受するも実質的には電脳世界の運営に支配されながら生きていくのと
不便性を伴いながらも自らの生き方を自分で決めることができる地上での生活とでは
どちらが真に豊かなのか?
あるいは合理性、効率性のみを追求する人間と
遊びの心を持ち合わせている人口知能とではどちらが人らしいのか?
とかそんなテーマを投げかけてはきますが、
私感としてはあくまでエンタメの範囲内です。
特に哲学的な重厚な作品という印象は受けませんでした。
製作陣もライトなSFということは意識されていたようですけど、
その通りの作りになっていると思います。気軽に観れると思いますよ。

そしてやはり本作の注目ポイントはセルルックのフル3DCGアニメーション映画ということで、
キャラの表情などがどれだけ自然な出来なのかということになりますが、
これはかなり高いレベルで仕上がっていると思います。
前知識なしで視聴すればもしかしたら3DCGということに気付かないレベル
・・・というのは流石に言い過ぎかもですが、私がブヒるには十分でしたw
それでも気になる箇所というのは存在しましたし、
激情だったり鬼気迫る表情ということで言えば線がちょっと軽いですね。
「キルラキル」なんかは情念のこもったGペンタッチの線で迫力満点だったのですが、
まぁそれは極端な例とはいえ、あっさりし過ぎて迫力不足な点は否めませんでした。

戦闘シーンも爆発だったり構図やアングルはさすがに3DCGという出来なのですが、
建物が若干ジオラマっぽいなとか細かい所を観ていけば
まだまだ課題は残っているのかもしれませんね。

しかし、一番の見所はアンジェラタンの揺れる乳に、尻!尻!尻!尻!(尻の4カード)ですw
真面目なテーマを扱っているだけにこういう露骨なサービスカットが
必要なのかどうかは疑問符がつくところなんですが、
これも技術の進化を示す為には必要なことなのかもしれませんw

長々とした文章になってしまいましたが、
私が本作で最も印象に残っているのは結局「アンジェラタンの尻」ですw

とはいえ、「3DCGの進化と可能性」という観点で言えば
後々まで語られるであろうエポックメーキングな作品ということになるでしょう。
もしかしたら本作を劇場で観たという歴史の証人になれるチャンスかもしれませんよw

投稿 : 2024/12/21
♥ : 64

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

色々な意味で魅力的なヒロイン

陳腐な表現だけど、すごいアニメを観ました。
これこそ、次世代アニメっていう奴?
専門的なことはわからないけど、CGが動くこと動くこと。
そして、メッセージ性が強烈で、シンプルなストーリー。
さらに、ヒロインアンジェラの露出度の高い臀部・・・
思う存分、楽しませてもらいました。

ヒロインの声が釘宮理恵さんということで、視聴を決定。
ツンモードのヒロインはまさに適役ですね。
その上、ややロリ容姿とナイスボディーに露出度の高いコスチューム。
私、ヒロインにメロメロになりました。
また、主人公ディンゴの声が良いですね。
三木さんの落ち着いた柔らかい声。
声に確固たる自信が満ち満ちています。
こちらはちょっとだけメロッとなりました。

内容と言えば、近未来にありそうなリアル物語。
人間の本当の幸福とは?を考えさせてくれます。
ヒロインが最終的に見せた、
使命感に満ちた表情、鬼気迫る真剣な表情、それにバカ話に笑い転げる表情が、
その答えでしょう。

釘宮さんの声がきっかけだったとは言え、収穫の多い作品でした。
こんなアニメ映画がもっと増えればいいですね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 43

82.4 5 SFでロボットなアニメランキング5位
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(アニメ映画)

1988年3月12日
★★★★★ 4.1 (889)
4416人が棚に入れました
宇宙世紀0093年。旧態依然としてスペースノイドに弾圧を続ける地球連邦政府や依然地球にしがみつく人々の存在に絶望した、シャア・アズナブルは、ネオ・ジオン軍総帥となり、人類の粛正を目論む。
それを察知した、かつてのホワイトベース艦長 ブライト・ノア、シャアの最大のライバルであったエースパイロット アムロ・レイ率いる地球連邦軍 ロンド・ベル隊は、孤立無援の状態の中、最後の決着をつけるべく、小惑星要塞 アクシズを巡る戦いに向かう。

声優・キャラクター
古谷徹、池田秀一、鈴置洋孝、榊原良子、白石冬美、川村万梨阿、弥生みつき、佐々木望、山寺宏一、伊倉一恵、安達忍、潘恵子

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

世界一格好良いロリコンの話

ZZに続いてまたひじけんのやr・・ひじけん様に
美味しい話を全部持っていかれた訳ですが、それでも意地でも
レビューするとなるとこういう路線に走るしか無い訳です。

まずは

検索 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 劇場予告編CM
検索 逆襲のシャアBGM(交響樂版)

一応両方フルの再生数多いのがあるので、聞きたければ

(検索 逆襲のシャア「BEYOND THE TIME」 - )
(検索 逆襲のシャア 『メインテーマ』 )

多分、こっちは普通観終わった後に聞くタイプな気がしますけど。
下のほうはガンダム絡みのゲームをしてるとお馴染みのあの曲。

自分の場合、スパロボやGジェネってゲームから入り、アニオタの
友人にZを勧められてガンダム見始めたんですけど、放送当時に見てた
人だとやはり感想が相当重いものになるようで。

そんなプレッシャーの中で、今から自分がしようとする話は
ある意味、かなり、重い、ので互角という事でよろしかったでしょうか。
このプレッシャー・・シロッコか

まずは無難なところから

■アムロとシャア

ガンダムシリーズの古いやつを観るにあたり、短い逆シャアから
入った人も相当多いと思いますが、多分それだとあまり楽しめない。

初代はともかく、最低でもZは見ておかないと二人の因縁、
背景がよく分からず、人によってはビミョーな作品になってしまう。
ゲーム等でZの内容に触れていればそうでも無いかもですけど。

逆シャアから入って楽しめたってレビューを見ると妙に安心する。
別に自分が作った訳でも無いのにね

ゲームの話だとGジェネFだったかな。動かすのが立体になる前のやつ
あれでも、やはり機体回収用で短い逆シャアに先に手を出す。

で、あのステージクリアしやすいから一回クリアした後、また手を出す。
そうやって人は楽しめる機会を失っていくんだと、私は思う。

■閃光のハサウェイ

一応これが逆シャアの続編って形で、厳密には
小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」の続編
(アニメ逆シャアの続編では無い)

弾幕薄いよの息子さんがグレる話で、自分もゲームでしか触れた事が無い
んですけど、結構面白い話だった記憶があります。ただ・・、、まあいいか

記憶が曖昧なんであまり無責任な事は言えないですけど、アニメからでも
話は繋がるはず、というか、著者が富野由悠季なんで繋がらないはずが無い。
ラノベで3巻出てますね。

ゲームの話だと
マフティー・ナビーユ・エリン 声:佐々木望 (弾幕薄いよの息子)
ギギ・アンダルシア 声:林原めぐみ
ケネス・スレッグ 声:立木文彦/ 大塚明夫 (ゲームによって違う)
レーン・エイム 声:橋本晃一/ 水島大宙 (同じく)

望さん良い仕事してますし、ギギも確か素敵キャラだったんで興味あれば。


弾幕息子の乗る機体はΞガンダム(クスィーガンダム)。武装は
ビームライフル、肩部メガ粒子砲、ビームサーベル、ミサイルランチャー
ファンネルミサイル、ビームバリア

Ξは「νガンダム」の意思を継ぐという意味で与えられたって設定です。

Ξガンダムの関連機のRX-104FFペーネロペーって機体が優秀で、
そのせいで記憶に濃いんですけど、形だけ見るとエピオンやゼロカスタム
みたいな雰囲気。あー・・、MSはあまり興味無いので、専門外ですけど。


■で、クェスは何歳なのか

えーとですね・・資料によりますと、【 クェス・パラヤ 年齢:13歳 】

劇中では触れられて無い訳ですが13歳ジャストか、やや上との見方が多い模様。

顔つきが大人びている為、うっかりこの犯罪行為を見逃す人が多そうですが、
最近の娘だとツンデレールガンの御坂美琴さんより1個年下ですね。


考察サイトによりますと、逆シャア時のシャアの年齢は【 30歳前後 】
ギュネイは25歳前後、初代ガンダムの時のララァは17か18っぽい感じですね

クェス他は色々考察サイトを見て来ると良いですが、シャアについては

検索 第459回 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
                   (ネタバレをかなり含むので注意)

おそらくは【 シャア・アズナブル 年齢:34歳 】で間違い無いかと。


あとは、0083の時点でのシャアとハマーンの年齢が、24歳と16歳。
つまりは、徐々に病状が悪化していく訳です。

・・別にこの話はロリコンとは全く関係なくて、
今からロリコンについて触れようかと思ったのですが、もう色々疲れたので
このあたりで終了にしますね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

νガンダムは伊達じゃない!

初代から14年後のアムロとシャアの話。

もう、相変わらずのシリアスっぷり。
アムロとシャアが再び敵対する。
初代ガンダムファンにはたまらないのではないだろうか。

映画なのでどうしても話がかけあしだが
それでもこれは是非押さえておきたい。

主役機のガンダムにファンネルがついたのも見逃せない。
歴代最強のガンダムではないだろうか。
(放熱板がバリアにもなるんだぜ(笑))

もう、なんていうか
νガンダムは伊達じゃない!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

宇宙世紀最終章 ~大佐がファンネルを使わなかった理由~

1979年製作の「機動戦士ガンダム」に始まり、Z、ZZと続いた※1旧宇宙世紀シリーズの最終章を飾る映画作品。

※2一年戦争より脈々と続く、※3ニュータイプの二人、アムロとシャアの因縁の対決を交えた、地球連邦軍とネオジオン軍、両者による地球存亡を賭けた戦いが描かれます。

総集編などではない当時の完全新作映画という事もあって、それまでのシリーズと比べて作画のレベルが格段に高く、キャラ、メカデザインがより洗練されたものとなっている印象を受けます。※4MSの動きやビームサーベル、ライフルの繊細な表現も、後に続くガンダムシリーズのスタンダードを提示した作品となっていたのではないでしょうか?

けれどもガンダムはガンダム、人間ドラマに重点を置いたスペースオペラ然とした作風(ZZはちょっと違うかも)は、それまでのシリーズからしっかりと継承されています。ただ旧来のシリーズと比べて主要人物の年齢が全体的に上がった所為か、何となく大人な雰囲気を残す作品になった気もしないでもありません。アムロ、シャアはもちろんの事、「殴ってなぜ悪いか!」の台詞でも有名な、頼りがいのあるキャプテン、ブライトさんもしっかり登場します。この人については初登場時(19歳)からすでに大人寄りのキャラでしたが、この作品ではさらに円熟した佇まいとなり、貫禄も十分。揺るぎ無い安定感を持った人物として完成された感があります。とは言え、設定上の年齢はまだまだ33歳くらい‥。ホントですか!?ブライトさん!

でもそんな大人な雰囲気も全てぶち壊し? シャアが登場するとやっぱりこうなっちゃいます。

「大佐、なんで※5ファンネルを使わないんです?」に始まり、ライバルのアムロと野っ原で取っ組み合いのケンカをしたり(これはアムロが悪いかも)、情けないMSに勝って何の意味がある?とばかりに、おニューのガンダム(※6サイコフレームの技術情報)をアムロにプレゼントしてあげたり、そのガンダムと自分のサザビー(当然の如く赤いMS)で拳で語り合ったり、一国家の元首としては暴走が過ぎるきらいがありますが、それがシャアというお人、何でも出来るし、大人としての分もわきまえてる癖に、ことアムロと※7ララァの話になると子供になってしまう。本当にこの二人の事が好きなんですね~と戦争のお話なのに、不謹慎ながらどこかしら微笑ましい気分になってしまいました。

サイコフレームの情報をアムロに送ったのは、対等な条件で戦って勝利しなければ、シャアのプライドが許さなかったというのも、もちろんあると思いますが、彼は政治家として、延いてはジオン総帥としての自身の立場に嫌気が差していた様子、シャアは※8暴走する自分とネオジオンを止めさせるべく、あえて敵に塩を送る様な真似をしたのかも‥。自身とその父ジオンを信奉する者達を道連れに、歴史の表舞台から自ら降りようとしている様にも見えました。

そして終幕へと続く、物語のクライマックス、アムロの台詞「νガンダムは伊達じゃない!」より先、伊達じゃないνガンダムの超性能とアムロの奮闘、共鳴し合う人々の意志が絡み合い、人知を超えた奇跡を起こします。SFの枠を越えたとんでも展開でありながら、大きな感動を呼ぶこと間違い無し?

主題歌「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~」は90年代に一世を風靡した時の人、小室哲哉さんが作曲。作家でもある小室みつ子さんの綴る歌詞共々、本作との高い親和性が感じられる曲ですが、最後のフェードアウトがかなり残念。物語が物語なだけにしっかりとピリオドを打って欲しかったです。

劇中音楽は作曲家の三枝成彰氏によるもの。悲壮感の中にも勇ましさが感じられる荘厳なメインタイトルそしてSALLY、最高評価を与えたい。カッコ良過ぎる!

夢を忘れた古い地球人に向けた、熱いメッセージが込められた作品でした。


※1:本作品公開後、20年以上の歳月を経て発表された「機動戦士ガンダムUC」と区別する為、便宜上こう呼ばせて頂きました。公式用語ではありせん。

※2:地球から独立を試みた宇宙の民が起こした戦争。この戦争で人類は約半数の人口を失ったという事になっている。

※3:直感や洞察に優れたエスパーみたいな人達。たまに未来予知とかも出来る。スターウォーズのジェダイみたい? 新人類とも‥。

※4:モビルスーツと読む。全高20メートル前後の人型マシン。ガンダムシリーズでは兵士達がこれに乗って戦うのがお約束。よく動くし兵器としての威力も圧倒的。でもコスト的に非常に高そう。ジャンプして着地したら背骨折るとか言ってはいけない(汗)

※5:人の脳波を感知して縦横無尽に飛び回る小型飛翔砲台。ニュータイプは一度に沢山コントロールして四方八方から目標を攻撃する事が出来る。一般人にはほぼ回避不能。νガンダムのはIフィールド(バリア)も張れる。超強い兵器。

※6:機体に組み込む事で操縦者の意志を汲み取り、ロボの反応速度を増大させたり、超常現象を起こしたりする不思議テクノロジーの産物。生身の人間が身に付けているだけでも効果あり。原理は不明。

※7:一年戦争末期に戦場に現れたインド系の顔立ちのニュータイプの少女。アムロとシャアは二人ともこの人が好き。

※8:小説版「機動戦士ガンダム ハイストリーマー」では似たニュアンスの記述があるそう。でもそれはそれ、この映画はこの映画としてみるのが妥当でしょう。いつか読みたい‥。

ガンダムは有名な作品ですが、初めて見る人にもわかりやすい様にいつもより注釈多めになってしまいました。ご容赦を。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 23

69.8 6 SFでロボットなアニメランキング6位
劇場版 機動戦士ガンダム00[ダブルオー] -A wakening of the Trailblazer-(アニメ映画)

2010年9月18日
★★★★☆ 4.0 (553)
2883人が棚に入れました
イノベイドの力による支配で地球人類を導こうとしたリボンズ・アルマークとソレスタルビーイング(CB)の死闘は、真のイノベイターとして覚醒を遂げ人間同士の相互理解への道を示した刹那・F・セイエイの勝利によって幕を閉じた。情報操作によって悪行を隠蔽し続けていた独立治安維持部隊アロウズは解体され、世界は再編成された地球連邦軍の下で、ようやく真の平和へ向けて歩み始めたのだった。それから2年後の西暦2314年。既に表舞台から姿を消して久しいCBは戦争の抑止力となるべく密かに活動を続けていたが、新たな戦争が起きようとしていた。その発端は、130年前に廃船となったはずの木星探査船が地球圏へ漂着したことである。確かにその船には、生体反応は無い…しかし、この漂着によって地球圏へ未曾有の危機が訪れることとなる。再結集したガンダムマイスター達や地球連邦軍のパイロット達は、地球圏の危機へ立ち向かう。

しんにゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

ガンダムハリウッド・・・?

宇宙世紀じゃないガンダムは挑戦的でいいと思いますが、これはさすがにどうなんだ。
(ガンダム+ハリウッド+いろいろ)÷3という感じでかなりのやりすぎ展開。

ラストだけ見るとこういう理念を書きたかったという意図は把握できますが、
それまでの強引な脚本についていけなかったです。
ガンダムOO、ソレスタルビーイングが元々目指していた、戦争根絶という理想と
方法論は面白かったのですが、こういう形で作品が閉じてしまったのは残念。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

映画を見て初めて完結するシリーズ ガンダム映画至上最高のクオリティ

ガンダムの映画というと、
テレビシリーズに満足のいかなかった監督が好きにやりたかった総集編だとか
こだわりのあまり公開に間に合わなくなったりとか
新規作画起こすのメンドイからって旧作画使いまわすだとかして
色々と『惜しい』思い出しかありませんw
一番の出来と言われる「逆襲のシャア」からは既に20年以上も経っているわけです

今作はそんなガンダム映画の歴史をブチ破ってくれました
完全オリジナル新作にして惜しみない最高のクオリティは「贅沢」の極みかと思います

そして肝心のストーリーは、
テレビシリーズで散々言われていた「来たるべき対話」が今作で遂に明かされます
これまで兵器として扱われていたガンダムという存在が初めて「対話」のために用いられる様はよくマクロスっぽいと評されますが、否定はしません
むしろ斬新でなおかつしっかりとまとまった作品だったと好印象です
テレビシリーズを踏まえた上で、この映画で初めて00シリーズの完結。と言えるでしょう

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11
ネタバレ

Robbie さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ガンダムじゃないっていう前に1アニメ作品としてもつまらない

小学生の時、トラウマになった。
人間がELSの餌食になるシーンはグロいしELS怖いしと...
改めて視聴してみると本当に酷いもの制作したなーと呆れた。
まず、敵が人間でないってw
それもうガンダムである必要ないから。
しかも宇宙生命体と分かり合うって何なの?
マクロスみたいに歌がある訳でなくただ刹那の意志とダブルオークアンタに搭載されてるクアンタムシステムで行うんでしょw
観てる側からしたら{netabare}表現が抽象的過ぎて対話が成功した根拠が分かりにくい。{/netabare}
基本的に他のキャラはELSとドンパチやってるだけだしなんかキャラごとの戦闘をダイジェストシーンを観てるみたい。
あ、でも序盤もキャラクターのダイジェスト観ているようなもんか。
あと強キャラ感出してた新キャラデカルト・シャーマンは何だったの?w
あんな{netabare}小回り効かないバカでかい機体に搭乗してたらそりゃ殺られるわwELSにどう考えても不向きだし。あんな使い捨てキャラいらないでしょ。{/netabare}
それと相変わらず商業臭がしたのはミーナだ。
ライルでも懲りずまたやったよ。
声優同じで見た目はネーナを大人っぽくして性格変えたキャラ。
どうせ釘宮ファンやネーナファンを離れさせないためだろw
遺伝子データとか訳分からない物語に大して関係ない設定でごまかしてるけどね。
作画は劇場版なだけあって中々。
MSに対してのCGの使い方がやや気に入らないところもあったが高クオリティーである。
声優も相変わらず素晴らしい。
そして、音楽だが良曲揃いである。
それに何よりもクオリアは良い映画を観たと錯覚させられそうになるくらいの素晴らしい曲。
そしてラストは{netabare}刹那とマリナのシーンで締めくくられている。この2人の関係性は00で3作品ともブレずに良いところだったためこの終わり方は素晴らしい。終盤フェルトが何故かメインヒロイン感出していたため不安だったから安心。{/netabare}
結局ガンダム00は1期終了以降迷走しまくりだったが種程ではないが商業的には物凄いレベルの成功をおさめているためまあガンダムファンしては有り難い。
なんか10周年企画で続編作るって話が動き始めたがしばらく音沙汰なし。
そこで{netabare}グラハム {/netabare}は生きていることが明らかになった。
それだけには留まらずあの{netabare}ニール{/netabare}復活説まで出ているw
最早上記が実現したら設定崩壊もいいところだがお話が既に破綻しているのでスパロボの足しのために普通にOVAや劇場版でもいいから実現して欲しい。
まあ、どんどん盛り下がってるビルドシリーズよりは興味深い。
今後はどうなることやら。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0

67.2 7 SFでロボットなアニメランキング7位
マルドゥック・スクランブル 圧縮(アニメ映画)

2010年11月6日
★★★★☆ 3.8 (337)
1812人が棚に入れました
 『天地明察』で2010年本屋大賞に輝いた人気作家・冲方丁の出世作にして2003年日本SF大賞受賞の傑作サイバーパンク小説『マルドゥック・スクランブル』を、原作者自らの脚本でアニメ化する全3部作の映画プロジェクト、その第1弾。特殊な証人保護プログラムによって死の淵から甦った一人の少女娼婦が、不思議なネズミの捜査官と協力し、自分を亡き者にしようとした男の犯罪を暴くべく戦いを挑む姿を描く。声の出演は、ヒロインのバロット役に林原めぐみ、その相棒ウフコックに八嶋智人。マルドゥック市で生きる未成年娼婦、ルーン=バロット。働いていた店が摘発され、行き場を失った彼女は、カジノ経営をする資産家、シェルに拾われる。しかしその後シェルの非情な計画によって、彼女は車ごと爆破されてしまう。業火の中から辛うじて助け出されたバロット。彼女は、マルドゥック市の事件担当官ドクターとウフコックによって、特殊な強化繊維で再構成された人工皮膚を移植され一命を取り留める。これにより特別な能力も手に入れたバロットは、シェルの犯罪を追っていたドクターとウフコックの捜査に協力していくのだが…。

声優・キャラクター
林原めぐみ、八嶋智人、東地宏樹、中井和哉、磯部勉、田中正彦、若本規夫、かないみか、三宅健太、脇知弘

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

元少女売春婦のサイボーグが犯罪組織と戦う本格SF作品

2010年劇場公開 2011年に完全版が完成した 69分 R18指定

原作脚本 沖方丁 監督 工藤進 製作会社 GoHands

ルーン=パロットCV林原めぐみ
ウフコック・ぺンティーノCV八島智人

ディック風近未来SFアニメの定番設定が見られるが、
作者としてはウイリアム・ギブソン系サイバーバンクをイメージした模様です。
作者の沖方さんは本格SF作家としてデビュー、代表作はこれですが(日本SF大賞受賞)、
最近はラノベ系の創作活動を主としているようです。

相当昔(05年)にゴンゾでアニメ化と言われていたんですが中止、
結果として高レベル劇場作品になったので自分としては嬉しいです。

主人公ルーンは15歳(?)の売春婦で、犯罪組織により分解されかかったところを、
犯罪捜査官のイースターとネズミ型万能兵器ウフコックによって助けられる。

瀕死のルーンは禁止科学によって命を救われ、
電子干渉(スナーク)という能力とサイボーグの肉体となり、
「犯罪組織シェル」を追う者たちの一員となる。

ウフコックはネズミの知能を高めたものらしいが、亜空間に武器を貯蔵したりするちょっとあり得ないテクノロジーの産物。
ルーンのパートナーまたは武器として活躍する。

今回は臓器フェティシスト集団の誘拐屋とのバトルが見せ場となるが、
まるでラブクラフトの怪物のような異様な外観の犯罪者たちが気味良い、
いや、一般的には「気味悪い」になるのかな。

雰囲気のある作画とキャラデザ(やっぱディックっぽい)に、
良い構成のストーリーそしてリアルなバトルと、第一部としては申し分ない出来。
とても楽しめました。
続けて第二部、第三部も視聴意欲が沸きます。
「サイコパス」にも影響を与えたと思える銃器デザインは前田真宏さんです。
SFファンに超お勧め。そうでもない人もぜひ挑戦してみて欲しい逸品。

そして何よりも何よりも EDです!

日本国始まって以来最大の真の歌姫「本田美奈子」様の
「アメイジング・グレイス」日本語版 伴奏新バージョンが流れるんですよ。
涙が溢れました。

三部作ともにEDは本田美奈子です。 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 24

イチゴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最高!続編を見たいと心から思う作品

主人公の少女のバロットは、資本家のシェルの計画によって命を落としそうになるが、金色のネズミの捜査官のウフコックとドクターにより、一命をとりとめ、シェルの犯罪を追うという話です。

バロットの心情の変化と近未来的な世界観が
よく表現されていたと思います。
最後の戦いは壮絶で、終わり方がとても良かった!
続編が見たいと心から思いました。
作画はとてもきれいです。

前半はSFの要素が強く、後半はガンアクションです。
また、このアニメがR-18指定なのは
近親相姦やレイプの描写があるからですね。
あと、意外とグロイです。

この映画は3部作で
2部作目の『マルドゥック・スクランブル 燃焼』は2011年9月3日に劇場公開予定です。

SF・ガンアクション・エロ・グロなどいろいろな要素があり、私はかなりこのアニメ好きです。

下にyoutubeの『マルドゥック・スクランブル 圧縮』予告編
のURLを勝手に貼り付けました 笑

百聞は一見にしかずです!^^


http://www.youtube.com/watch?v=1S48OcRZJRo

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

面白いけど圧倒的に尺が足りてない。 全部見終わった感想です。

特殊な科学技術によって死の淵から甦った娼婦の少女が、不思議なネズミの
捜査官と共に、自分を亡き者にしようとした男の犯罪を追うってお話。

『圧縮』『燃焼』『排気』の全三部作で構成されている物語です。


まず最初に、この作品は全体的に暗めで内容的に重い部分も多いですし、
残虐な殺人行為や性的虐待など、暴力的でエログロな描写なども
結構あるので苦手な人は注意が必要です。



では、注意書きもしたのでココから感想w


かなり見るヒトを選ぶだろうなって作品ですが、なかなか面白かったです。

作品の持つ独特な世界観や雰囲気、綺麗な映像、スピード感あるアクションなど、
惹かれる要素の多い作品でしたが、この作品の一番はやっぱり映像ですね!!

立ち並ぶビルや光を帯びた道路など近未来の街並、楽園での草木や水などの自然風景、
色鮮やかなカジノでの背景などなど、映像だけでも十分引き込まれる位の魅力が
ありました。 特に「楽園」での光と水の描写はすごくキレイ!!

それに、この作品の見所の一つだと思う 戦闘でのアクションシーンなども
とても綺麗で良かったです!!


ただ、かなり自分好みの作品ではあったのですが、ストーリー自体が
面白かったかと言えば、それはまた別の話で...


大筋のストーリーは良いのだけど、展開が速くて元々わかりづらい内容な上に、
描写不足、説明不足が加わって更にわかりにくなってます。
やはり世界観や設定、バロットやボイルドの能力、心理描写などの
説明不足は大きいですね。

それに、人物描写はもっと欲しかった... 一番描かれていたバロットにしても、
それでも足りないって思うし、せっかく魅力的なキャラがいるんだから
もっと掘り下げあっても良かったと思う。
まぁバロットの心情、不安定さや心の弱さなどを、言葉だけじゃなくて
目線の動きや仕草などでも表現してるのは上手いと思うんだけど、
やっぱり足りてない...

あと、ラストは少しあっさりしすぎだったかな... それに加えて最終決戦のBGMが...
BGMがヒドかった。 なんで最後だけ... それ以外は良かったのに...


そんな感じで、ストーリー自体に対しては 物足りなさを結構感じますね。
原因は確実に尺の問題なんだろうけど...


でもまぁ、一部では華麗なアクション、二部では楽園での映像美、三部ではカジノでの
緊張感ある心理戦など、それぞれ見所もあって良かったと思うので、
一概によくなかったとも言えないんですよねw

そう、悪くは無いんですよね、なんとも惜しい作品なんです!!


自分としては、残念だった部分を含んでも、差し引きで「見て良かった」って思えますが、
好みがかなり出ると思うので、人にはあまりオススメは出来ないかな。

ただ、この映画って原作読んだ後に見ると かなり面白いんじゃないかなって
思ったりします。 自分はすごく原作読んで見たくなりましたしねw

というか、おそらく読むと思いますww

投稿 : 2024/12/21
♥ : 29

65.0 8 SFでロボットなアニメランキング8位
屍者の帝国(アニメ映画)

2015年10月2日
★★★★☆ 3.7 (301)
1621人が棚に入れました
19世紀末、かつてヴィクター・フランケンシュタイン博士が生み出した、死体に新たな生命を与えて「屍者」として動かす技術が世界に広まり、いまや屍者は労働力や兵力として世界を支えていた。
親友フライデーとの約束のため、自らの手で違法に屍者化を試みたロンドン大学の医学生ジョン・H・ワトソンは、その技術と野心を見込まれ、政府の諜報組織「ウォルシンガム機関」にスカウトされる。
そこで極秘任務を与えられたワトソンは、フランケンシュタイン博士が残した、生者のように意思を持ち言葉を話す屍者=ザ・ワンを生み出す技術が記された「ヴィクターの手記」を求めて旅に出る。

声優・キャラクター
細谷佳正、村瀬歩、楠大典、三木眞一郎、山下大輝、花澤香菜、大塚明夫、菅生隆之
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

思考は言葉に先行する

WIT STUDIO制作。

思考は言葉に先行する。
言葉があるから心がある。
そこに魂=意識が宿る場所があるのだ。
この作品のエッセンスが凝縮された、
印象深いモノローグで始まる。

舞台は19C末のロンドン/英領ボンベイ/日本。
ワトソンとフライデーが、
ある男の手記を探す冒険譚である。
{netabare}人は死亡すると体重が21g減少する、
人類史上最初に死者を蘇らせた男の手記。{/netabare}

そこに魂は存在するのか?
圧巻の映像で鬼気迫るものを感じる。
多くの指摘があるように、
{netabare}後半物語は崩れていくように感じるも、
ただこのテーゼはきつい、勝算がない。
人類が現実で未だ出せていない答えだ。{/netabare}
果敢にも挑戦したスタッフを評価したいと思う。

早逝した伊藤計劃原作である。
本来この作品も未完成とのこと、
天才とまで称された彼なら、
どんな結末を見せてくれたのだろう。
切り捨てるには惜しい作品です。

ハダリーリリスがエロカッコいい。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 48

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

【屍者(伊藤)の意思を追い続けるワトソン(円城とスタッフ)の旅】アニメーション史上最大のゾンビ映画!!!【そしてフライデー、とてもイイb】

伊藤計劃アニメ映画化三部作の第1弾
どうも過去を舞台にしたスチームパンクの今作を1作目に、近未来を舞台にした『虐殺器官』を次回作に、超未来を舞台にした『ハーモニー』で完結を迎えるつもりだったそうです
ただ例のマングローブ倒産で公開時期ズレ込んじゃいましたね、どうなるんでしょうか;


原作は伊藤さんが序文の草稿数十ページを書いた時点で死去された為に絶筆、盟友の円城塔が引き継ぐ形で2012年に完成を見ました
この映画自体、【原作とはほとんど別物】と呼べるほど改変されています
円城さんがそうであったように、今作のスタッフも伊藤さんが書き残した作品の世界観を、試行錯誤の繰り返しで“伊藤計劃作品”として完成させることに注力しています
(※ただし、「伊藤さんならこう書いた」という決め付けではありません)
この映画は屍者の意思を追う物語でありつつ、伊藤さんの意思を追う物語です


SFなので世界観だけ説明させて下さい


ヴィクター・フランケンシュタイン博士が屍者を復活させた事件から100年後の世界
その技術を兵力や労働力に用いることがアタリマエになった19世紀末
屍者技術の研究をしていたロンドン大学の医学生、ワトソン
彼は早慰した親友、フライデーを無断で違法な屍者として復活させる
ワトソンの腕を買ったイギリス政府の諜報機関は、彼にロシア軍を脱走した技術者、カラマーゾフを追うことを命ずる
カラマーゾフはアフガニスタン奥地に屍者の王国を築いたという
イギリス→インド→アフガニスタン→日本→アメリカ→イギリス
世界を股に駆けた旅の中で、ワトソンとフライデーは魂の秘密が記された“ヴィクターの手記”を巡る争いに混ざることとなる・・・


コナン・ドイル、メアリー・シェリー、ヴィリエ・ド・リラダン、イアン・フレミング、フョードル・ドストエフスキー、ジュール・ヴェルヌ、或いは19世紀末に実在した人物達・・・
著名な文学のキャラが次々と出て来るパスティーシュ小説が原作、ってかソレをさらに改変したから同人誌みたいな映画です
この手のは絶対的に苦手な方いらっしゃると思うので注意


物語の肝はやっぱりフライデー
原作と違い、ワトソンとフライデーが親友関係
フライデーが白髪アルビノで“イイ感じの美少年”
死んだ友を思わず復活させちゃった上に、だんだん生前の様子が垣間見えてきちゃったわけ
この辺のワトソンの葛藤が一番の見どころ
すごく丁寧に描かれていて改変としても、映画としても、これは大正解です


『ハル』のスタッフが再集結、主人公に細谷佳正を起用する辺り監督の拘りを感じます
ああ、脚本はフジを退社し自由の身となった山本Pでしたね・・・“Project Itoh”っておみゃーがコレやりたかっただけなのかよ、オイw


美麗な背景や煌びやかにCGで描かれる屍者技術の装置はスチームパンク好きには堪らないところでしょう
スチパン(狭義的にはエレクトリックパンク)アニメとしては『LAST EXEIL』や『スチームボーイ』を超え日本アニメ史上、最高に美しくカッコイイ世界観が描かれてます
記録媒体が挙ってパンチカードなのには笑いました


が、しかし!
オイラとして一番「スゲェな!」って思ったのが今作がたぶん【全世界中のアニメの歴史史上で最高の“ゾンビ映画”】であったことかな(爆)
特にゾンビなんてCGで描写すれば良いものを、ほとんどのカットでゾンビ独特の“歩き方”を作画しているというのにはアッケに取られましたw
いいぞ、もっとやれ


それにゾンビ美少年との友情の物語が重なる
全くいやらしさは感じさせずに、耽美な世界に魅入れる120分でもうお腹イッパイって感じで拍手です


でも、ここまでフライデーの存在が大きくなるとハダリー(花澤香菜)は結局のところ何なんだ、お話散らかりすぎだろ、って疑問もあります
(ワトソンがノンケだって示すためのキャラとか言うなよ!)
それこそ『ハル』を観て補完する必要があるんじゃ、とオイラは思うのです


なんだかんだで全く退屈しなかった素晴らしい映画です
伊藤計劃三部作とかカンケー無しにオススメしますb
唯一心の底からツッコミを入れたかったのは、楠大典さんが「バーナビー」を名乗っていたことでしょうか・・・
おまえはロックバイソンだろ!!!ってwww

投稿 : 2024/12/21
♥ : 21
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

娯楽作品としては原作よりよくまとまっています

-・-・-・-・-・-・-視聴前レビューー・-・-・-・-・-・-
本日公開の作品
私は来週けみかけさんと観てくる予定ですが
全くレビューが無かったので
誰か少しでも興味を持ってくれればと思い
筆を執ることにしました

この作品はノイタミナムービー第2段
Project Itoh3部作の一つとして
先陣を切る形になります

Project Itohというのは
2007年に彗星のごとくデビューし
2009年に世を去ったSF作家伊藤計劃の作品を
アニメ映画として公開するプロジェクトです

計劃が作家として活動できた期間は短く
世に送り出した長編作品は
虐殺器官
METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS
ハーモニー <harmony/>
の3本だけですが
その短い期間で書き上げられた作品は
閉塞していた国内SF界に
新たな潮流を巻き起こす契機となりました

PSYCHO-PASSが最初にアニメとして放映されていた時も
ネットでは計劃作品との共通点などが指摘されていましたが
こうやって同じノイタミナプロジェクトとして発表されると
やはりPSYCHO-PASSシリーズのルーツの一端は
伊藤計劃にあったんだなぁと改めて思います

既にお気づきの方もいると思いますが
前に述べた3作品の中に屍者の帝国は入っておりません
昔から文芸の神様というやつは
俊才を見つけるとすぐに手元に置きたがるようで
計劃もこの作品を数十ページ書いた時点で
神の御許へと召されていきました

後を引き継ぐ形で残りを円城塔が書き上げたものが
このアニメの原作となる屍者の帝国となります
円城氏はスペースダンディの豪華すぎる脚本家の1人だったので
小説はあまり読まない方でも
アニメに精通している方ならばご存知かもしれませんね

しかしまぁ
この作品は計劃自身がほとんど関与できていない上
他2作は近未来SFだったのに対し
この作品は19世紀を舞台にしたいわゆる伝奇ロマン
これをProject Itohトップバッターに持ってくるのは
かなりの冒険だと思います
Project Enjohの間違いじゃないのか?
とか突っ込みを入れたくなります
これがこけたら他の計劃作品に響くんじゃないか?
とか心配になります

しかしこの小説を計劃作品と認められるかどうかは別として
読み物として十分に面白かったのは確かですので
映画版の出来はどうなのかこの目で確かめてこようと思います

-・-・-・-・-・-・-視聴後レビューー・-・-・-・-・-・-

原作から比べると大分いろいろ弄ってありますが
概ねプラスに働いていたように思います

原作未読既読に関わらず楽しめる作品だと思います
原作を一切読まずに見た場合
ストーリーの細かい部分はよくわからないでしょう
しかし、そこを画面の中で細かく描写してテンポを損ねるよりも
アクションシーンで一気に押し切ってしまう方が
ずっとスクリーン映えするのは間違いありません
終盤の圧巻の映像美にはただただ絶句するばかりであります

そもそもの原作自体がハイパーテキスト性の高い小説です
文学におけるハイパーテキストすなわち超文脈とは
語句や人物、事件などの名前だけを作中に使い
その説明は作品の外に置いてあるものを指します。
もしもその言葉をしっかり理解したければ
Webのhtmlリンクをクリックして別のページに飛ぶように
別の小説や聖書、哲学書、理工書など開かなくてはいけません
場合によっては映画、漫画、アニメなどに行きつく場合もあります

この手法を使う事で限られた紙面の中に
無限の奥行きを出すことができますが
同時にベースとなるジャンルの知識に乏し人間には
その面白さがさっぱり理解されない危険性も孕みます

かつてエヴァンゲリオンが空前のブームを引き起こした背景に
この手法がありました
難解な言葉を断片的に並べ一切説明しない
その結果たくさんの解説本考察本が出版され
それらが飛ぶように売れたのは
作品の外にある科学・哲学・宗教を
ガジェットとして次々に使い捨てた結果
非常にたくさんのハイパーテキストリンクが張られていたからです

この屍者の帝国という作品でも鏤められた要素全てを理解するためには
SF・ミステリ・科学・哲学・宗教そして19世紀の歴史背景など
幅広いジャンルの造詣を要求されます
また原作ではハイパーリンクを張らずに
作中にて詳しく解説されている事柄も
映画では冗長すぎるため解説部分を丸々削除されていたりします

こんな風に書いていくと
まるでこの映画が極めて難解で一握りの人だけが楽しめる作品
というように見えがちですが
この作品の見事なところは
細かいところがわからなくても楽しめる点にあると思います
まっさらな状態でこの映画を見て細部まで理解するのは不可能ですが
スタッフもそんなことは承知の上で
全てを理解できなくても楽しめるように作ってあります
原作の魅力を言葉で説明するのではなく
直接感じてもらうというのがこの作品の切り口で
それは非常にうまくいっていたと思います

従って原作未読既読問わずオススメできる映画だと思います

以下原作と映画版の相違点について
{netabare}
かなりいろいろな点にアレンジが入っていますが
各国陣営のキャラ数の削減と果たす役割の変化が一番大きいと思います
物語の流れに沿って違いを確認していきましょう

英国

ジョン・H・ワトソン&フライデー

本作主人公にして最も大きく改変がされた人物
後にシャーロック・ホームズの右腕となる男
原作のワトソンは医学部の優秀な学生で
教授に推薦されウォルシンガムに所属することになります
そこで貸与された最新鋭の実験体が
Noble_Savage_007コードネーム:フライデー
つまりもともとワトソンの友人であったという設定自体が
映画版のオリジナルです
時折見せるフライデーの暴走も映画のみの設定
映画版のワトソンを突き動かす動機の大半はフライデーにあり
ワトソンとフライデーのエピソードは作品の中核の部分です
この部分がオリジナルなので作品としてはもはや別物に近い印象
先に映画を見てから原作本を読んだ人には
淡白すぎるワトソンがただ周りに流されて動いている様は
おそらくかなり物足りないのではないでしょうか?
このワトソン&フライデーの肉付けの巧さが
映画版を原作以上に魅力的な物語にしています

フレデリック・ギュスターヴ・バーナビー

ワトソンたちとは逆で原作でも映画版でも全く変わりませんw
実在の人物でアジアロシア境界を旅行し手記を発行しています
作品内ではその経験と胆力を買われ諜報員に選ばれたようです

エイブラハム・ヴァン・ヘルシング&M

ワトソンたちの上司にあたる人物たち
映画版では一人に役割をまとめています
原作ではMはほとんど出てきていませんが
弟が探偵をしているという発言から
マイクロフト・ホームズであると考えて良いでしょう
しかしマイクロフトはものぐさで人嫌いな性格なので
実際に表に出てきて指示を出したり対立したりする役割は
ブラム・ストーカーの作りだしたヴァンパイアハンター
エイブラハム・ヴァン・ヘルシング卿が担当しています
映画ラストにつなげるためにMの方の名前を残したのだと思いますが
クライマックスの立ち回りはMではなく
ヴァン・ヘルシングにやってほしかったところですね
なおトランシルヴァニアにおけるヘルシング卿の活躍も
作中ではザ・ワンと花嫁を巡って対決していたことになっています

ロシア

アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフ&ニコライ・クラソートキン

どちらもカラマーゾフの兄弟の登場人物です
アレクセイとクラソートキンの設定は改変されていません
改変されてはいませんがいろいろと省略されています
そして結末もいじってあります

アレクセイの計画は自身を屍爆弾化し
「証拠品」として大物を吹き飛ばすという一種の自爆テロ
原作ではクラソートキンは屍者化しません
アレクセイを連れてぺテルスブルクに行き
アレクセイの計画を実行する役割がまだ残っているからです

映画の方ではインパクトを重視してか
アレクセイとクラソートキン両方とも屍者化してしまいました
これでは計画が実行できません
実行できない計画そのものの話が無かったことになり
アレクセイが一体何をしようとしていたのか
真相が明らかにされぬまま物語は進んでいきます

アメリカ

レット・バトラー

風と共に去りぬにおけるスカーレットの恋人です
原作ではピンカートンの一員でハダリーの上司
ハダリーの能力を使ってグラントを襲撃している張本人
本来なら主人公パーティの5人目だった男です
ハダリーが火炎放射器で屍者を一網打尽にするシーンは
元々は彼の登場シーンのはずでした

原作では大里化学の事件の後
日本編は続きがあり
会談するグラントと日本皇帝が襲撃されますが
首謀者が居なくなっている以上
エピソード丸々カットになっています

ハダリー・リリス

出典はSF小説未来のイヴ
映画版では発明王トーマス・エジソンが作ったことになっていますが
未来のイヴにでてくるのはそれをもじったエディソン博士
元に戻さずにエディソンで良かったような気もしますね

原作ではピンカートンの一員としてグラントに仕えていますが
実際の主はレット・バトラーで
彼の利益になること以外はやりません
屍者を操りグラントを襲撃していましたが
レット・バトラーが出てこなくなったことで
その設定もうやむやとなり
作中の彼女の存在意義自体がだいぶ薄くなっています

さらにはラストシーンでも出番を奪われています
原作では事件を終息に導いたワトソンは諜報機関に高く評価されます
しかし、その評価は身内だけではなく敵対者も含まれていました
レット・バトラーを人質に取られたハダリーが
暗殺者としてワトソンの前に現れます
ワトソンは事件の際に手に入れた屍者を作る菌株あるいは言語の結晶
それをハダリーの手で自らに注入し
諜報機関が容易に手出しの出来ない重要度の存在へと引き上げます
しかし、それによって元のワトソンの人格は失われてしまい
それが映画のラストシーンに繋がります

このシーンは介助者がハダリーからフライデーに変更され
そこに至るまでの経緯の描写もなくなっています
原作と同じような顛末なのかどうかも分かりません

日本

登場人物には特筆するものがありません

暗殺未遂事件の話は先ほど述べたとおり

ヴィクターの手記を見つけてからのシーンはほぼオリジナル
あそこも映画版ワトソンとフライデーの絆が確認できる良いシーンでした
ここに限らずフライデー絡みの改変はとにかく出来がいいですね

このあたりからロンドンに戻るまでは
ほとんど別物と言っていいくらいのオリジナル展開です

ザ・ワン

フランケンシュタインの怪物
チャールズ・ダーウィン
Noble_Savage_001
原作ではヴィクターによって造られたのではなく
ヴィクターが見つけ出し再起動させた古代文明の遺産のようです
その肋骨から生み出された彼の花嫁となる存在を
心変わりしたヴィクターが命を吹き込む直前に殺してしまったことが
メアリー・シェリーが脚色し記述した事の発端の物語という事になっています
映画版ではハダリーを花嫁に作り替えようとして失敗していますが
原作では虚空から花嫁を召還することに成功し
花嫁を連れて現場を去りそのまま行方知れずとなって終わります

おそらく原作を読んでいない人は
たいていの人がハダリーが花嫁になるシーンで
ワトソンたちが阻止して終わることをなんとなしに予測すると思いますが
ザ・ワンが花嫁を手に入れる原作の結末を先に知っていると
本当にどっちに転ぶかわからない手に汗握る展開でした

全体的に映画化における原作改変は成功だったと思います
やはりワトソンにフライデーという強い動機を与えたことが何よりも大きいでしょう
傍観者の代名詞でもあるワトソンを主役に据えたはいいものの
元来の傍観者としての性質と物語を動かしていく主人公の性質が
どちらも中途半端に発揮されてしまっているのが原作ワトソンです
よりアクティブなワトソンを用意して
傍観者となったのは事件後であると繋げた映画版のほうが
一味上手だった印象です{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 27

67.9 9 SFでロボットなアニメランキング9位
メトロポリス(アニメ映画)

2001年5月26日
★★★★☆ 3.8 (156)
1059人が棚に入れました
 手塚治虫の原作を大友克洋脚本、りんたろう監督で映画化したSFファンタジー・アニメーション。ロボットと人間が共生する巨大都市国家・メトロポリス。一見理想的な社会かに見えるこの国だが、発達したロボットによって大きな恩恵を受けた者がいる一方、そのロボットたちによって働き口を奪われた者、ロボットにも人権をと主張する団体など様々な確執が噴出し始めていた……。

2010sw さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

その子の頼るものが自分しかいないとき握った手を離せるだろうか?

地上に舞い降りたその子が史上最強のロボットであっても☆オールドジャスに乗せてレトロなキャラが演じるストーリー☆全フィルムに施されたレトロな空気感表現☆ラストに流れるのは、"I can't stop loving you..."ワタシハ アナタヲ アイスルコトヲ ヤメルコトハ デキナイノ...今でもメロディも詞もすぐに思い出せるんだ☆壮絶で哀しいけど暖かいものが残る作品☆よかったらティマの生き様を見てやってくださいな。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

映像は凄い

人間とロボットが共生する社会を描いたSF
手塚作品が原作ですが、僕自身遠い昔に読んだことあるようなないような・・・あまり覚えていません
この映画のストーリー自体はとても簡単で分かりやすい。

主人公ケンイチとティマとの交流がメインで、
そこに人間とロボットとの軋轢やらなんやら絡んでくる話
ただちょっと見所に欠けるというか、盛り上がりに欠けるような気がします
万人受けをする話に見えるんですが、今ひとつ感情移入できない
内容が無難な分、「安心して見れる」ということもあるので単純にマイナス要素にはなりませんけどね

ただ映像は本当に素晴らしい!
ここまで綺麗に細かい動きをさせるとは大変でしょうね
手塚キャラも魅力的なので、そこは純粋に評価出来ると思います

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

イブわんわん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

さて、どう答えるだろうか・・・

12年前の手塚治虫原作のアニメです。

ストーリー的にはごく普通の人間とアンドロイドのお話です。

手塚治虫と言えば、鉄腕アトムが有名ですがさらに掘り下げたような内容になってます。

ちょびっツやイヴの時間、こわれかけのオルゴール等この手のアニメは結構多いですが、アンドロイドのティマが劇中何度も「私は誰?」と問いかけます。

自分は人間だと信じている彼女に、どう答えてあげられるだろう・・・。

彼女が流した黒い涙は、身勝手な私たち人間に対しての警告とも取れた。
(2013.9.23再評価)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

70.3 10 SFでロボットなアニメランキング10位
ANEMONE / 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション(アニメ映画)

2018年11月10日
★★★★☆ 3.8 (86)
431人が棚に入れました
まだ幼かったあの日。
父はアネモネを残して戦いに赴き、そして帰ってこなかった。
アネモネの小さな胸に深く残る後悔。彼女の心を支えたのは、ぬいぐるみのガリバーとAIコンシェルジュ・ドミニキッズ。
7年が経過し、アネモネは父が散った戦場――東京にいた。
アネモネは実験部隊アシッドが実行する作戦の要として、人類の敵「7番目のエウレカ=エウレカセブン」と戦わなくてはならないのだ。
エウレカセブンにより追い詰められた人類は、もはやアネモネに希望を託すしかなかった。
そしてアネモネは、エウレカセブンの内部へとダイブする――。

声優・キャラクター
小清水亜美、名塚佳織、三瓶由布子、山崎樹範、沢海陽子、山口由里子、銀河万丈、三木眞一郎、内田夕夜、辻谷耕史、玉野るな

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

全シリーズ全作品全肯定!全シリーズ全作品全肯定!!全シリーズ全作品全肯定!!!

近未来の東京に突如として出現した未知の存在、七番目のエウレカ=エウレカセブン
強烈な毒素を放ち、謎の巨人ニルバーシュXで73の国と26億人を虐殺したその猛威を振るう
現代兵器では太刀打ちできないその存在に唯一対抗出来る手段として、人類に託された望みはただ1つ
わずか14歳の少女、石井・風花・アネモネをエウレカセブン内に電送、ダイブさせるのだ
7年前、実の父をエウレカセブンへのダイブで亡くしたアネモネは、そのトラウマと戦いながらも戦果をあげる
だが、ダイブした先の世界で出会った青緑色の髪の少女のことが気がかりになっていた…


『交響詩篇エウレカセブン』のリブート劇場版である『ハイエボリューション』3部作の2作目…ですが↑のあらすじを読んでいただくと分かるのですがぶっちゃけ【『ハイエボ1』は観なくていいです!】
世界観が完全にリセットされてるので今作だけで十分完成された映画になっているのでホント、『ハイエボ1』観てないから『ANEMONE』はやめとこ、とか【絶対に損してるのでやめてください!】


いや、厳密には『ハイエボ1』の中で話が分岐しており、実は今作に登場する“闇堕ちしてしまったエウレカ”の世界線と“ラストシーンに登場するレントン”の世界線は『ハイエボ1』の中で分岐してるので、今作をご覧になったあとで気になった方は『ハイエボ1』をチェックすればそれで十分補完出来るはずです


さて『ハイエボ』3部作ですが過去のエウレカセブンシリーズの映像を使った総集編…と思いきや当時の映像の中にいるはずの無い人物が違和感無く描き足されていたり、設定そのものがだいぶ変わっていたりと、どうやら過去作との直接的な繋がりは無いように観られていました


しかし今作で石井・風花・アネモネちゃんの暮らす世界からダイブインする、という形で過去作映像流用の世界が内宇宙として描かれます
これが今もなお“シリーズの聖典”として祀り上げられるTVシリーズ版『交響詩篇エウレカセブン』だけでなく、劇場版『ポケットが虹でいっぱい』や続編TVシリーズ『エウレカセブンAO』も含めて描かれるんです
もっと細かく観るとゲーム版やコミカライズ版も出てくるのでチェックしてみてください(笑)


劇中の中盤まではこれら過去作映像流用世界を否定していく形でアネモネちゃんは勝利を収めていきます
劇中では「偽りの神が作ったゴミの山」とか「ゴミ掃除」とまで言われてますw
しかしクライマックスでアネモネちゃんはエウレカセブンの中枢的存在であるエウレカがこれら過去作映像流用世界を「とある理由」で作り出してしまったことを“許す”のです


【これはつまりエウレカセブンシリーズ全てを“許す”ってことなんです!】


思えばエウレカセブンシリーズはファンを裏切り続けてきました
『ポケ虹』『AO』『ハイエボ1』…とにかくコアなファンであるほどオリジナルのTVシリーズの感動がひとしおに高く、故に蛇足で駄作な続編が増えていくことに一種のアレルギーの様になった人も少なくないでしょう
「エウレカセブンに続編なんかイラネェから!原点こそ原理だから!」とね
オイラがそうですから!w


だけどそんなシリーズ達の存在を“全て許した”のが今作です!
あまりにもこれまでのシリーズ達とはかけ離れた世界観を理解するだけで頭いっぱいになってしまうかもしれませんが、エウレカセブンシリーズに思い入れがある人ほどこの映画は好きになれること間違いありません!
とりあえずオイラは2回観ましたがなんとかしてもう1回観たいと思ってますw


過去作映像流用の部分では、あえて“アスペクト比”を当時のままにしてあるのでそれがスマホ画面→アナログTV→映画レターボックス→地上波デジタルなどと変化していくところにも注目して欲しいです
これはアネモネちゃんが真実に近づく事で変化していってることに気付くと思います!


アネモネちゃんの初陣であの「Tiger Track」が流れるのも素晴らしいですね
『ハイエボ1』の時、結局エウレカセブンシリーズの思い出って曲とセットになってるから曲の差し替えはよくないな…って思ってたんですよ
それがまさかあんなところで「Tiger Track」が流れるとはw
不意打ちにも程がありますw
それとクライマックスでも“凄い1曲”が流れます!!!
この曲は過去作で挿入歌だったというわけではありませんが、“あのネ申回”のサブタイの元ネタとなった楽曲です!
もう劇場で失禁しそうwなくらいはわわわ!!!ってなりましたよね
ニクい演出、いやエモい演出ですわ


そして『エウレカ』といえばロボ作画、ボンズといえばロボ作画、なワケですが今作ではあえて作画的な観どころのクライマックスとは別にグラフィニカによる3DCGで描かれるクライマックスがあり、2段階のクライマックスとなっております
これはもう世界観把握でいっぱいになった頭を破裂させるような展開でアッケに取られてしまうかもしれませんw
それがまた“映画らしくて”好きですね~
とにかく何回観ても「良い、好き」と言えるスルメの様な味わい深い作品なので、少しでもエウレカセブンシリーズに思い入れのある人は絶対に観た方がいいです!!!


最後になりましたが「Tiger Track」を手掛けたDJ KAGAMIことKAGAMIさんが2010年に、『ハイエボ1』までデューイ・ノヴァク役を務められた声優の辻谷耕史さんが今作収録期間中に、それぞれ急逝されています
謹んでご冥福をお祈りすると共に、エウレカセブンというシリーズの一端を氏らの素晴らしいお仕事で担っていただけたことに感謝の意を一ファンの身として表したいと思います

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

こんなややしい話

こんなややしい話にしてエウレカをわざわざやらないでも…な一言。京田監督ほどの方でも新しい企画が通りづらいのかなぁ~なんて余計な心配をしてしまう。


エヴァ後に無数に作られたロボアニメで、謎の敵というパターンの作品は無数にあるが、エウレカもその系列だけど、最終的には謎とかどうでもええわ!な青春恋愛ロボ作品になったところが良かった。


 それをエヴァ的なややしい話、かつテレビじゃなく劇場版の短い尺でやられても、それこそ釈然としない。ちなみにエヴァ後な作品で傑作はファフナー1択。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

デリダ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ファンは絶対の見たほうが良い

昨日劇場で見てきましたが今だに興奮冷めやらない...
驚きましたね、ハイエボ1の時は見て正直落胆しました。
その次がこれだっただけに不安を抱えながら劇場に入ったのですが、いやーびっくり!

少し話をそらして、エウレカシリーズ劇場版「ポケットが虹でいっぱい」は個人的には非常に評価している作品なのですが、あまり一般的な評価が低く納得がいかなかったのですが、
このハイエボ2アネモネの内容によって補完されることで、ポケットが虹でいっぱいの評価も見直される機運が高まるのではと思います。

非常に嬉しい、ファンはとても恵まれているシリーズだと思います。
こういった形で長い時間を経てなお作品を展開してくれる製作がいることに感謝します。

内容もそりゃもちろん良いの一言なのですが、編集がまた良い。
実写映画では「モンタージュ」という批評言語があるように、撮影の仕方が非常に工夫されています。いわゆる”長回し”とかもその一種なのですが
アニメーションの世界ではあまりそれをうまく利用した作品は少ないように感じられます。しかしこのアネモネは違う!旧フレームサイズを生かした細かいつなぎ操作、その意図を感じずにはいられないキャラクターのセリフ、この世界を成立させるための作画の振り分け....

ハイエボ1から監督変わったのでは?と思ってしまうほどの力量に唸らされる。エウレカに止まらず、アニメーション自体の未来に期待を抱いてしまうほどの挑戦的かつ刺激的な作品になっています。

エウレカの世界観をより鮮やかで豊かにしてくれた作品の評価は内心カンストのオール5にしたいのですが...
ここは次回作への期待と、客観的な作品成分別の評価として辛めにさせていただきました。

詳しいレビューはまた追記するとして、
とりあえずファンは必見の作品です(ほんとに)
制作の方々応援してます!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

68.6 11 SFでロボットなアニメランキング11位
ウォーリー(アニメ映画)

2008年12月5日
★★★★★ 4.1 (75)
419人が棚に入れました
ゴミに埋もれ、人類がいなくなった遥か未来の地球でたった一人ゴミ処理を続ける孤独なロボット“WALL・E(ウォーリー)"が主人公のディズニー/ピクサー制作SFファンタジー・アニメ。誰もいない地球で黙々と働き続けるうちにいつしか感情を持ち始めた健気なロボット“ウォーリー"のピュアな初恋と大冒険の物語が、現代人への警鐘と熱きメッセージを織り込みつつ感動的に綴られてゆく。監督は「ファインディング・ニモ」のアンドリュー・スタントン。 人類に見捨てられ、ゴミに埋め尽くされた29世紀の地球。そこで700年もの間、黙々とゴミ処理を続けるウォーリー。いつしか感情が芽生え始め、いまではゴミの中からお気に入りを見つけてコレクションすることが彼の楽しみになっていた。中でもお気に入りはミュージカル映画「ハロー・ドーリー」のビデオ。それを見ながら、映画の中の登場人物みたいに自分もいつか誰かと手を繋ぎたいと夢見る日々。そんなある日、一体のロボット“イヴ"が地球に降り立った。その白く美しい姿を一目見てたちまち恋に落ちたウォーリー。あの手この手で彼女の気を惹こうとするウォーリーだったが、ある時、お気に入りのヒョロリとした物体=“植物"を見せた途端、イヴは動かなくなり、やがて突然現われたロケットに回収されてしまう。イヴを助け出そうとロケットにしがみきそのまま宇宙へと旅立ってしまうウォーリーだったが…。

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

流石のピクサー

 流石のピクサー。まさに神は細部に宿るというスピリットが感じられる作り込みが半端でない。

 ストーリーもかなりシンプルだが、しっかりハラハラドキドキさせる展開、ジーンとさせる展開、エンドロールのオチとスキの無い作り込みを感じる。ただ、「ヒックとドラゴン」を見た後のせいか食べ足りない気がしないでもない。人間たちをもっと作りこんで、上がる展開を用意してくれたら、もっと好きな作品になったような。正直このキャラクター達が活躍するところがもっと見たい。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

74.7 12 SFでロボットなアニメランキング12位
アイの歌声を聴かせて(アニメ映画)

2021年10月1日
★★★★☆ 3.9 (118)
384人が棚に入れました
長編オリジナルアニメーション映画『アイの歌声を聴かせて』

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

幸せを呼び寄せる歌声

愉快に笑いながらも、とても感動する物語です。
見終わった後、しばらく席を立ちたくないほど、感動の余韻が沸き起こります。
もしかして、2021年で一番感動したアニメかもしれません。
それほど私のツボに、はまってました。


主人公は天野サトミ。
彼女は以前、上級生の屋上での喫煙を先生に報告したことがきっかけで、教室内で少し浮いた存在でした。
そして彼女の母は、AIロボット・シオンの製作リーダです。
そのシオンが、サトミのいる高校に転入してくるのです。

シオンは美人で明るいAIです。
但しシオンは、いつも変なことをしでかします。ポンコツAIのようです。
転入初日の自己紹介の際に、いきなりサトミに「今、幸せ?」と尋ねたり、教室で歌を歌ったり…、
周りの人たちが驚くようなことばかりです。

でも、それはサトミを幸せにするためにシオンなりに考えてやったこと。
なぜかシオンは、いつもサトミの幸せを願っています。

そしてシオンが変なことをして歌を歌うたびに、
少しずつ幸せになる人が増えてきます。
そして、サトミのまわりには親しい友達が増えてきます。それはシオンのおかげ。

しかし、あることが起こり、物語は急展開します。
そして、シオンがサトミの幸せを願う理由が明らかになります。
それは、とてもとても心温まる理由でした。

土屋太鳳さんが、シオンの声優をされています。
そしてシオンの歌声も土屋太鳳さんの熱唱です。迫力ある美しい歌でした。

最後はハッピーエンドとなりますので、ぜひ劇場へ足を運んでください。
「見てよかった」と、きっと思いますよ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 30
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

幸せ

かなり楽しみにしていたアニメ映画です。
私はこの作品を知りませんが、Sunny boyだったかな?
アニメを見終わって必ずCMが流れてて、AIとか歌とか私の好きな題材のキーポイントが多くて凄く期待したってのが、この作品を見ようと決めたポイントです!

さて、物語は試験中のポンコツAIのシオンが転校してきてから始まります。
5日間の短く長い物語の始まり。

1日目

AIと言えば完璧なイメージがありますが何故AIの彼女はポンコツなのか……

1つは極秘実験なのに力加減を一切しない。

{netabare} プールに潜れば永遠に水面に上がらないし、片手でバスケットボールを受け止めて片手で凄い力とスピードで投げ返したり、完全に自分の正体を隠そうとしなかったりw{/netabare}

2つ目は転校初日にシオンはミサトに「幸せ?」と聞く。
彼女はAIで「幸せ」とは何か解らないけど幸せ?と聞いてくる。
彼女には幸せはわからず、自分で調べた幸せを実行していく。
ミサトに幸せになって貰いたくて。

{netabare} 友達を作らせようとしたり、AIロボを暴走させピンチになれば白馬の王子様が登場すると思い暴走する様にAIにお願いしたりw
王子様を確認しようと、人気の男子ごっちゃんにキスをしようとしてみたりw {/netabare}

実は実験の責任者はサトミの母なので密かに行われた実験でシオンがAIだとバレてはダメなのですが……

{netabare} 初日でバレた……4人のクラスメイトの目の前で、間違えて緊急停止ボタンを押してしまい……お腹から何か飛び出して…… {/netabare}

ミサトは母がどれだけAIに力を入れてきたか知っているから、密かに知ったこの実験を成功させてあげたくて……
そうして、5人の秘密がはじまる。

2日目

ごっちゃんとアヤのすれ違い。
2人は恋人同士なのですが、いつしかすれ違っていた。
この理由がまた学生らしくて、あるよなぁ〜ってなりますww
思春期だから悩みも不安も沢山ある、相手の何でもない言葉や態度に不安になり、どうすればいいのか解らなくなる……

でも。
{netabare} シオンの「ごっちゃんはアヤの者じゃないよ」って言葉で、アヤもやっと自分の気持ちに勇気を振り絞る事が出来た。
「もっと素敵な人がいる」失恋した人にはNGな事をシオンが言っちゃたりもしてたけどw
シオンのおかげで2人は仲直りが出来た{/netabare}


3日目

サンダーの試合の話
試合本番に弱くて負けてばかりのサンダー
{netabare} でも、シオンが練習に付き合ってくれてw
AIでも女の子の素体だからかサンダーは練習しにくそうでww
それに比べて本番は男子相手だからやりやすかったのか初勝利を決める事になりました。{/netabare}


4日目

サンダーの初勝利パーティーとし学校を抜け出す6人
しかし、このパーティーが結果的に……

シオンは新しい幸せの形を見つける。
{netabare} 誰かの幸せは誰かを幸せにする。
シオンが気付いたのです。
トウマがミサトが好きで、ミサトもまたトウマが好きだと言う事実を。
そこで、ミサトを幸せにする為に告白の舞台がまた素敵なのです!

ソーラーパネルの向きを変えて月や夜空を反射させた地面に光のイルミネーションに空に打ち上がる花火にシオンの応援ソング{/netabare}
告白の舞台としては最高です⸜(๑⃙⃘'ᗜ'๑⃙⃘)⸝

そんな告白の最中、シオンを初め全員捉えられてしまう。
{netabare} それはシオンの制作会社の星間エレクトロニクスの大人達だった。
いきなりアンカーみたいなのを撃ち込まれて残酷なシーンでした(*꒪꒫꒪) {/netabare}

5日目

{netabare} シオンは自分の実験結果を改ざんしていたものを送っていたのでした。{/netabare}

彼女にとって実験なんて関係なくてミサトに幸せになってもらいたくて勝手に考え行動した。

{netabare} 確かに、AIが自立して何かを起こすとエラーやバグとして処理されるし、AIが映画みたいに反逆行為を起こして人間を襲うかもしれない。
そうなると取り返しがつかなくかる……だから、処分される結果になる。{/netabare}
危険を考えたらそれは仕方ないかもしれない…………って思うけど……

それは違うって思います。
{netabare} 大人達からみたらAIが自分達の監視外で動いていた。
結果だけみたら怖いですよね。

でも、ミサト達からみたらシオンは沢山の幸せを教えてくれたAIなんです!
すれ違いの恋心を修復してくれたり、初勝利出来る様に練習に付き合ってくれたり、幸せになって欲しい女の子に告白される舞台を整えたりシオンは幸せになって欲しいって気持ちだけなんです! {/netabare}

確かに彼女は間違えた事もありました。
{netabare} ロボの三太夫を暴走させたりもありましたが、あれだって誰も傷付けてないし止めようと組み合ったサンダーも怪我はしてません。{/netabare}

だから、きっと彼女はその辺も解っていた。

彼女達の中でシオンはAIではなく友達なんです!

シオンの本当の正体には涙がボロボロでました。
シオンの試験内容に「誰かを幸せにする」なんて課題もなければ、何故、ミサトと母の1日が始まる前の掛け声を知っていたりした秘密も明かされましたし、シオンが昔からミサトを知っていた様なセリフがありましたが、それも明かされました。

シオンのミサトが大好きな気持ちに私は映画館でボロボロ涙が出てきて鼻水まで出そうになるし、鼻をジュルジュル言わせたら隣の人に「コイツ泣いてんな〜」って思われそうだったので、我慢しました‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬
それほどにシオンのミサトへの想いや気持ちの強さが心にグッときました。

シオンの正体を知ったミサト達は……

{netabare} 敵陣本社に乗り込みます!
そこで、寝たきりのシオンに再開する。
必至に呼び掛け目覚めるシオンに呼び掛けると目を覚ました。

でも、大人達にバレてしまいシオンを逃がそうと友達達も時間を稼ぐ為に頑張ってくれたけど……シオンもバッテリーが少なくて稼働時間も時間の問題。
最後の力を振り絞り他のAI達に協力して大人達の足止めしてもらう。

会社を封鎖された中でシオンを逃がす彼らの作成それは……シオンはAIだから器は必要ない。
シオンの心を別の場所に逃がす為に屋上へと出る……
シオンとはもう触れ合う事は出来ないけど……

彼女を宇宙空間の衛生へと移す作業が始まる。{/netabare}

シオンは嬉し涙は知らなくて、最後も嬉し涙を流すミサトの涙の意味はわからなかった。

だって、悲しいから涙がでるって認識なんだもん‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬
{netabare} それでも、ミサトは笑顔で笑って感謝を告げる。
そして、ミサトと過した5日間を思い返したシオンも最初の頃とは違い「幸せの意味が解らない」と言っていたけど最後は「私は幸せだったんだね」って幸せの意味を知ることが出来た。{/netabare}

シオンは沢山の幸せを皆に与えたけど、シオンも知らずのうちに幸せを貰っていた事に気が付いた(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

{netabare} シオンの居なくなった学校で彼らは集まって、告白もしたトウマとミサトはまだ少しウダウダしてて、それを衛生からみたシオンが2人に声を掛ける。
彼女は、ずっと見守ってくれるのでしょうね。{/netabare}

さて、最後の三太夫の顔に貼られて居た物が凄かったですねw
劇場では笑いが漏れてたけど私は感極まって涙を拭うのが必死でしたw

サンダーは愛は重いなぁ〜
愛を拗らせるタイプですねww
{netabare}一応、サンダーの告白が成功してたけど柔道の練習相手としてOK貰えたなんて思ってないんだろなぁww

でも、サンダーの恋の形って素敵だと思います。
恋って誰が誰を好きになってもいいものだし例え相手がAIでも好きって気持ちに代わりはないと思いますし、それを否定する事は誰にも出来なくて否定しちゃダメだと思うからです。
だから、サンダーの片思いって面白いなぁ〜って思います。{/netabare}
恋の形って人の数あって全然違う形をしてる気がしますꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

全体的な感想としては……

物語に無駄がなくテンポも凄く良かったと思います。
歌も演出が少しミュージカル風な感じで、普通に飽きることなく楽しめました。
凄く面白い作品ですし時間ある人は是非見てもらいたい作品です(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 21

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

吉浦監督作品の現時点での最高傑作

全くノーマークでしたが、
あにこれでの評価が高かったので、
SAOと悩んでこちらを観に行きました。

吉浦監督作品は、イヴの時間とパテナを視聴済み。
どちらの作品もSFジャンルではおススメできますが、
難点としては、設定が凝りすぎて
初見では分かりにくいという点と、
どっちもなぜか酔ってしまうという点ですw

本作は、この両者がなくなり、
SF青春モノとして劇場で観る価値が充分にあります。
映像はJCスタッフなので安定していて見ごたえがあり、
劇中歌も土屋太鳳さんの伸びのある歌声を
大音量で聞くことができました。

視聴前は、ヒロインの二人が声優ではなかったので
心配な部分もありましたが、見終わってみれば
むしろ二人の演技が光っていましたね。
福原さんってこんなに演技上手かったっけ、
というぐらいキャラに合っていました。

一つ注文を付けるとすれば、
シナリオにちょっとぶつ切り感があった点ですかね。
脚本に大河内先生が加わっているようなので、
2時間うなぎ上りのシナリオを期待しましたが、
最後は少しまとまりがなかったので
涙することができなかった点が惜しいです。
それでも十分に感動できる良い作品でした。
吉浦監督の次回作にも期待です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

65.8 13 SFでロボットなアニメランキング13位
あした世界が終わるとしても(アニメ映画)

2019年1月25日
★★★★☆ 3.4 (90)
359人が棚に入れました
幼いころに母を亡くして以来、心を閉ざしがちな真。彼をずっと見守ってきた、幼なじみの琴莉。高校三年の今、ようやく一歩を踏み出そうとしたふたりの前に突然、もうひとつの日本から、もうひとりの「僕」が現れる――。

声優・キャラクター
梶裕貴、内田真礼、中島ヨシキ、千本木彩花、悠木碧、水瀬いのり

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

世界と中二病は終わらない

2019年1月公開のアニメ映画。
Huluで公開された『ソウタイセカイ』という作品を
ブラッシュアップして劇場アニメにしたもの。

本作はスマートCGアニメーションで制作されているのだけど、
要はフジ系列の+Ultra枠の「revisions」「INGRESS」とルックは同じ。
制作・監督は「INGRESS」と同じで
「revisions」を観ているとこの映画のCMが流れてくる。
3Dは動きの速いシーンは綺麗なんだけど、
そうではない場面ではフワついた動きが気になるんだよね。
まぁ発展中の技術ということで仕方ないのかな。

で、映画の内容ですが、公式サイトにはあまり説明はなく
2つの日本を舞台にしたアクション・ラブストーリーとしか書いてなくて
「こういう内容だとは思わなかった!」という意外性が楽しい作品だろうから
ちょっと書きづらいんだよな。

まぁ、はっきり言ってしまうとB級パニック映画の類です。
幼なじみの高校生男女の日常をニマニマ眺めるシーンから始まり、
微妙に不穏な空気を感じつつ、いい雰囲気の場面で超展開が起こり、
古谷徹のナレーションで「ここで解説しよう!」とばかりに
中二病全開の世界観説明が行われる。
この時点で多くの人が「この映画はヤべエ!」と感じるであろう。

そこからは、中学生の黒歴史ノートを
そのままCGアニメーションにしたような怒涛の展開となる。

特にラストは「THE適当」という感じで、ある意味面白い。
作品タイトルをど~んとスクリーンに大写しにして
スタッフロールが流れれば、
どう解決したのか全然説明がなくても終わりなのだから仕方ないな。
投げ槍な終わり方に反して
あいみょんの主題歌が普通にいい曲なのがジワジワくる。

と、ここまでディスっておいてなんだけど
B級映画は好物だからそれほど不満はないです。
終始半笑いで楽しく観させていただきました。
水瀬いのりさんが双子の妹キャラで好演していたので
彼女のファン(特にReゼロのレム好き)は観に行く価値があるかも。

でも感動の青春ストーリーなんかを期待していた方は
「俺はあいみょんの曲を聴くために、
1800円払って劇場に来たんじゃねえゾ!」
と怒りに肩を震わせて映画館を出ることになったかもしれない。

それにしても、
20年以上たってまだ新世紀エヴァンゲリオンのオマージュをやってる
アニメ業界は大丈夫かぁ?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

ローズ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

人命は空気よりも軽い

幼い頃に母親を突然死で亡くした真。
幼馴染の琴莉とデートしている時に父親も突然死で亡くなったという連絡が来る。
戦時中に日本軍が開発した研究のため、時空に歪みが生じて2つの世界に分かれて、
片方の世界の人物が死ぬと、もう片方の人物が死んでしまう世界となってしまった。

物語自体はありきたり。
目新しさはありません。
SF作品で使われるパラレルワールドですね。
現世と異世界に同一人物が存在して、
片方が死ぬと もう片方も死ぬ、というのがオリジナル要素かなぁ。
私が知らないだけで、すでに同じような設定を使った作品があるかもしれません。

タイトルとサムネだけで、
「恋愛ものかなぁ? まぁ、ラブコメでもいいし」と軽く考えたのが間違いの始まり。
一番、問題なのは画ですね。
背景や戦闘シーンなどは一級品。
手書きだったら、相当困難な作業になるでしょう。
ただし、人物が……
『梶裕貴・内田真礼・中島ヨシキ・千本木彩花・悠木碧・水瀬いのり』などなど、
声優陣は力が入っています。
問題は顔。
特に感情を表す表情です。
さすがにレベルが高いのかなぁ。
声と表情が合いませんね。

とりあえず、CG使って原画作業。
魂は声優さんに吹き込んでもらいましょう、みたいな感じ。
あとは、バンバン人間が死んでいくので、見る人を選びますね。

CGの進化は画面から伝わってきます。
デジタルの進歩は日進月歩。
これからもCG作品が多くなってくるでしょう。
ただし、今は過渡期の段階。
温かい眼差しで見守りましょう。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

アラ探しはし無粋

ツタヤで先行レンタルされてたのでDVD借りて観ました。

ざっくり説明すると
第二次世界大戦に開発したなんたらの影響で次元に歪が生まれ、もう一つの地球が存在する現象が起きてしまう。
そこには同じ世界、日本があり、自分と相対する同じ人物が生存していて、どちらかの世界の人間が死ぬと、もう片方の世界の自分も突然死として死んでしまう設定で、もう一つの世界の日本では、荒れた世紀末のような世界で、「日本公民共和国」と名乗り、そこのヤバいTOPが主人公の幼馴染となる人物なので、そいつを殺すため、簡単に殺せるこっちの世界の幼馴染を殺すため、あっちの世界の主人公たる者がこちらへやってくるというSF映画のようなお話。

最初感じたのが、う~ん 中二病のなろう系かな?です。 ^^;
でも、この前やってたrevisions(リヴィジョンズ)にもなんとなく似てるかなぁ...でした。

映像はフル3Dで綺麗です。
数年前と比べれば、キャラの動きも大分スムーズだし、そんなに違和感はなかったです。(ちょっぴり感じますけど)

声優さんでは、
梶裕貴さん 内田真礼さん 千本木彩花さん 悠木碧さん 水瀬いのりさん
と、豪華なので安定の演技されてます。

話は、疑問に思うことや突っ込みたいことも多々ありましたが、それらに目を瞑れば概ね楽しめました。
どうしても言っておきたいのは、メインヒロインの扱いについて。
個人的には、恋愛も含まれた作品なのにあれはない。
最後も、う~んで、あまり納得いかなかったです。

全体的には、まぁ時間つぶしには十分良くって面白かったかな。
過度な期待は厳禁ですけどw 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

73.6 14 SFでロボットなアニメランキング14位
劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!(アニメ映画)

2021年10月1日
★★★★☆ 4.0 (50)
210人が棚に入れました
マクロスΔの完全新作。

歌うことは生きること。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

なぜ、このような結末にしてしまったのか…

以下はあくまでも個人の意見です。

正直な話、マクロスΔの監督は、今までのマクロスシリーズの主張、守るべき大切なものを忘れているような気がします。

テレビ版もそうでしたが、劇場版では取り返しのつかない結末になってしまいました。

確かに戦闘シーンは迫力があり、歌も素晴らしいし音響効果も抜群です。
でも、最も大切なものを2つも捨ててしまっている。
それが何かすら、監督さんは気づいていないような気がします。

一つ目は、歌の力で戦いを終わらせることと歌の力で戦いに勝つことには、雲泥の差があります。そのことを忘れられたようです。
ミンメイもバサラもランカもシェリルも、歌の力で戦いを終わらせたのです。戦いに勝ったのではありません。相手を力でねじ伏せたのでなく、相手と理解し合えたのです。

二つ目は命の大切さです。歌うことで寿命が短くなるなんてマクロスシリーズの趣旨に反しています。

仮にマクロス7のバサラが登場して、歌の力でフレイヤに生きる力を与えたならば…
と、つくづく思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9
ネタバレ

石ころ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

油断して観たら、痛い目にあった...

同時上映の短編マクロスFの新作目当てで、合わせて観ました。正直Δの方にはあまり期待していませんでしたが、いい意味で裏切りられました。

詳述は避けますが、マクロスシリーズの肝とも呼べるストーリを占める柱は、歌、戦闘、そして三角関係という認識で、私はシリーズを通して視聴していました。テレビ版Δが公開されたとき、三角関係が薄まってると思って三本柱の一本が揺らいだと思って、やや残念に思っていました。

今回の劇場版視聴後、シリーズの三本柱と思っていた「三角関係」の要素は誤りで、歌、戦闘、そして「{netabare}悲恋{/netabare}」が本当の柱なのではと、思わずにはいられませんでした。今一度、この要素の視点でもって、シリーズを改めて視聴し直したいと思った次第です。河森監督、そして劇場版Δに携わった方々に、気付きをいただけたこと、素晴らしい作品に仕上げ公開していただいたこと、深く御礼申し上げます。心を入れ替えて出直してきたいと思います。

追記:マクロスプラス、7、そして若干Fの要素も、劇場版では含まれています。併せて視聴すればより楽しめると思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ごりごり、燃えた 燃え尽きたんよー

 マクロスΔの続きで、ハヤテやワルキューレら共に故郷に帰ったフレイヤだったです。
 突然の奇襲に立ち向かうワルキューレ、Δ小隊、特にフレイヤが命を賭けて歌うお話です。再び愛の告白、マクロスファン必見驚きのサプライズキャラ登場もあったです。

 以前の「劇場版マクロスΔ 劇場のワルキューレ」は、TV放送のアレンジ構成で少し話をラストも含め変えていたです。今回は完全新作、ワルキューレの歌が目立ちすぎる前回とは違い、フレイヤを軸にハヤテ、美雲、カナメ、レイナ、マキナ、ミラージュなどの絡み、以前明かされた謎を盛り込んだ作りになっていたです。

 フレイヤの里帰りも含めライブを行ったウィンダミアで、一体何が起こるのか?突然の出来事に話は、盛り上がりを見せるです。
 戦いのさなかに、全力を出すフレイヤに一体何が起きるのか?注目です。フレイヤを思うハヤテであったり、美雲であったりとどうなるのかなぁと思ったです。ワルキューレそのものの存在意義も見た気がしたです。

 敵の正体、目的、対抗戦力も何なのかな?設定だったです。「マクロス+」の要素を取り入れたΔならではな、演出も施されていたです。

 自分の身を顧みないフレイヤの決断、その先に何がおころのだろうか?衝撃の展開へと進むのです。人間にしかわからないともいうべき、歌の力を見せたと思うです。以前の戦いの終わった直後、地球人とウインダミアの間で互い全てを受け入れられなかった面も見れた流れで、一つにまとめることができたように見えたです。

 ED後のシーンは、ハヤテたちが受け入れた展開の中で残された希望のように、ハヤテと新たな命を見せたように思えたです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

68.4 15 SFでロボットなアニメランキング15位
ぼくらのよあけ(アニメ映画)

2022年10月21日
★★★★☆ 3.6 (16)
61人が棚に入れました
西暦2049年の夏。阿佐ヶ谷団地に住む小学4年生の沢渡悠真は、もうすぐ地球に大接近するという彗星に夢中になっていた。そんなある日、沢渡家の人工知能搭載型家庭用ロボット・ナナコがハッキングされてしまう。犯人は「二月の黎明号」と名乗る未知の存在で、宇宙から1万2000年の歳月をかけて2022年に地球にたどり着いたもののトラブルで故障し、阿佐ヶ谷団地の一棟に擬態して休眠していたのだという。二月の黎明号から宇宙に帰るのを手伝って欲しいと頼まれた悠真たちは、極秘ミッションに乗り出す。

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

エンドロールに驚かされる

2022年公開、120分の長編劇場アニメ。
漫画原作の割には、真面目成分多めです。
主人公たちは小学校高学年だから、少々幼い感じ。
年相応の悩みを抱えながら平凡に暮らしています。

そんな彼らの元に降ってわいた宇宙からの来訪者。
舞台が近未来だから、AIとの絡みも興味深いです。
全体に素直なストーリーなので、120分ながらあっという間に見終えることができました。
ただし、内容が薄味なので、あまり記憶に残らないかな。
ひと夏の宇宙的不思議感覚を味わうのに適している作品ではないでしょうか。

全く前情報なしで観たので、主人公の男の子の声に違和感がありまくりでした。
さもありなん、まあまあ若い女優さんとのこと。
それに比べ、他の方の演技が自然なこと。
エンドロールですべてを理解しました。

津田健次郎さんの脱力系の声は何となく納得。
その他、花澤さん、水瀬さん、戸松さん、岡本さんとそうそうたる面々。
中でも驚いたのは、ナナコ役の悠木碧さん。
AI役もできるんですね、彼女。
薄めながらも良い味を出されておりました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

団地は未知と交流する方舟

人類がどんどん宇宙に出る程じゃないけど、AIロボットが実用化される程度には近未来の日本の夏。
団地暮らしの少年らが、宇宙から飛来した人工知能を、故郷へ返すため奮闘したりする、
同名コミック(全2巻・未読)の劇場アニメ化作品。

【物語 3.5点】
宇宙より来る未知のAIと最初に遭遇するのはAIである。
AIが心に類したものを持つ時、AIは人間に禁断の嘘を付く。
{netabare}団地屋上に貯めた水分子は量子コンピュータの媒体として最適。水は燃料でもある。{/netabare}
宇宙空間に浮かぶ団地!

これらの要素にビビッと来る人、
あとは団地マニアには是非オススメしたいJAXA協力の青春SFジュブナイル。


ただ構成がもう一つスッキリせず突き抜けない感じ。
本作もまた数万年単位の壮大な宇宙の交流を妨げるのは、
子供や、その親御さん同士の些細な人間(およびAI)関係のもつれ。
という定番メニューを揃えますが、人間関係の進展が小出しで、ややゴチャ付いている感。
連載なら徐々に解決でも良いのですが、一本の映画でやるなら、
もっと山は少なく、高くした方が明快でシナリオも盛り上がったと思います。

映画化に当たり大きな流れを作るためにアニオリで、
早くAIを宇宙へ送らないと取り壊しが決まっている団地が解体される。
というタイムリミットを設定したのは妙案でしたが、
その煽りで、人間ドラマの小山が、いっそう添え物に押しやられた感じ。

佳作青春SFだったけど、もっと感動作に出来たはずという悔恨も残りました。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ZERO-G

ミッションの鍵となる複雑な水の表現処理には実績のあるスタジオで土台は安定。

“オートボット”や各種デバイスを担当したデザイナーからも、
2049年の近未来社会を表現しようとの意欲が伝わって来ます。

特筆したいのは、“虹の根”コンセプトアートを担当した、みっちぇ(miche)氏。
幾何学的なデジタルアートで構築された惑星の風景は、スクリーンで一見する価値あり。


【キャラ 4.0点】
“オートボット”のAI・ナナコと喧嘩が絶えない小4・沢渡悠真らの主人公少年グループ。

そこに、悠真グループの少年・岸 真悟の姉・わこ世代が抱える、
小5女子のカーストとイジメの構図が持ち込まれ波乱要素に。

ここまでならよくある子供たちの若気の至りですが、
ここから親世代の過去も巻き込んでいくのが意欲的。

何歳になったって人類は未熟であることを描けているからこそ、
AIの嘘が説得力を増すのです。


【声優 4.0点】
主人公・沢渡悠真役には俳優・杉咲 花さんがまずまずの少年ボイスを披露。

アフレコに当たり、コロナ禍で大人数の収録が困難な中でも、
相棒のオートボット・ナナコ役の悠木 碧さんと杉咲さんの同時収録にはこだわったという本作。
子役→声優の経験がある実力者が、主役の俳優をリードする関係を死守。

俳優・タレントでも、一定以上の演技を引き出している作品には、こういう制作エピソードが必ずありますね。
口酸っぱく言いますが、俳優・タレントを広告塔、お客さん扱いで名前借りしているだけの作品と、そうでない作品は、観ていればハッキリと伝わって来ます。

それにしても、悠木 碧さんの「いわゆるロボット系の子を演じる際は、その子がどのくらい高度な文明で作られているかによってロボ度のさじ加減を調整しています」
とのキャストコメント。高度すぎて、わけがわからないよ(笑)
宇宙船“二月の黎明号”役のベテラン・朴 璐美さんと合わせてAIへと超越する声優さんの神秘を実感します。

脇は“クラスの敵”河合 花香役の水瀬 いのりさんVS岸 わこ役の戸松 遥さんの修羅場など、
ほぼ声優陣で固め盤石。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は横山 克氏。
十八番のストリングスを軸にした心情曲から、
ピアノ&ギターの団地ノスタルジー、シンセ和音とオーケストラによる大宇宙表現まで幅広くカバー。
青春物も良いですが、横山 克氏のBGMは、もっと宇宙に出るべきだと再認識。

ED主題歌は三浦 大知さんの「いつしか」
伸びのあるハイトーンボイスで、しっとりと聞かせる壮大なバラード。
タイアップに合わせて、ロケ地となった杉並第二小学校の生徒が書いた本作試写会の絵日記風感想を取り込んだコラボAMVを公開する粋な対応。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

あと さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ひと夏の不思議でちょっぴり切ない青春SFジュブナイル

近未来SFジュブナイルという超面白そうな設定からは特には膨らまず、特に冒険はしません。近未来だけどノスタルジックな雰囲気で小学生たちの日常シーンはとても良いですね…。
内容としてはひょんなことから関わることになる宇宙探査機を子供たちが頑張って助ける、という感じでびっくりする場面展開が何個も起きるわけではなく、小難しいような話もないので子供がサクッと見て夏を感じるような映画ですね。仲のいい友達との夏休みの忘れられない思い出を、ただ青臭く夢を見る。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0
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