R-15指定でグロなTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のR-15指定でグロな成分を投票してランキングにしました!
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早速見ていきましょう!

88.3 1 R-15指定でグロなアニメランキング1位
ひぐらしのなく頃に(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (4995)
22077人が棚に入れました
舞台は、鹿骨(ししぼね)市にある雛見沢村と呼ばれる、人口2,000人に満たない寂れた村である。過去に、この村はダム建設による村の水没を、村民の団結した行動で阻止しており、村の連帯感は今も強固である。
ダム建設計画の無期限凍結から5年後の昭和58年、前原圭一はこの村に引っ越してくる。彼は、持ち前の性格と明るさで、新たな学校や友人に打ち解けていく。
しかし、そのまま楽しく平和に過ぎていくと思われた日常は、綿流しという祭りの日から、様相を変えていくことになる。
過去4年連続で、綿流しの日に起きたという怪死事件。そもそも、雛見沢村にはどんな秘密があるのか…。

声優・キャラクター
保志総一朗、中原麻衣、ゆきのさつき、かないみか、田村ゆかり、茶風林、大川透、伊藤美紀、折笠富美子、小林ゆう、関俊彦、かわむら拓央、鶴岡聡、松元惠、瀧本富士子、尾小平志津香、井上喜久子、廣田行生、こぶしのぶゆき、立木文彦、塚田正昭、樫井笙人、小野大輔、水野理紗、金田アキ、宝亀克寿、くじら、渡辺美佐、松本保典、松井菜桜子、中野元、須加みき

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『ひぐらしのなく頃に粋』は、ラノベ約30冊分のテキストと全キャラフルボイスで送る完全版

◆プロローグ
昭和58年初夏。 例年よりも暑さの訪れの早い今年の6月は、昼にはセミの、夕暮れにはひぐらしの合唱を楽しませてくれた。ここは都会から遠く離れた山奥にある寒村、通称“雛見沢村”。人口2千に満たないこの集落で、それは毎年起こる。

―― 雛見沢村連続怪死事件 ――
毎年6月の決まった日に、1人が死に、1人が消える怪奇。
巨大ダム計画を巡る闘争から紡がれる死の連鎖。
隠蔽された怪事件、繰り返される惨劇。
陰謀か。偶然か。それとも――祟りか。
いるはずの人間が、いない。いないはずの人間が、いる。
昨夜出会った人間が、生きていない。そして死んだはずの人間が、生きている。
惨劇は不可避か。屈する他ないのか。
でも屈するな。
運命は、その手で切り開け。

■鬼隠し(おにかくし)編
都会から田舎の雛見沢に引っ越してきた前原圭一は、同級生の竜宮レナやクラス委員長の園崎魅音たちと賑やかな、楽しい毎日を過ごしていた。都会にはなかった、充実した時間を満喫する圭一。

――しかし、村の伝統祭である「綿流し」を目前にして、彼は村を訪れたカメラマンの富竹から村の過去について聞かされる。そして、仲間たちはなぜか、その事を秘密にしていることに気づく……。

■綿流し(わたながし)編
偶然入ったファミレスで圭一は、そこでバイトしている魅音とばったり出くわした。いつもの男勝りな彼女と違い、かわいらしい衣装に驚く圭一。しかしレナは、それが本来の魅音の姿なんだと言って、意味深な注意を投げかけた。

そして綿流しの日、圭一は意外な人物からの誘いを受けて、古手神社の祭具殿に忍び込むことになる。しかしそれは、村でも禁忌とされていた行為だったのだ……。

■祟殺し(たたりごろし)編
ちょっとした意地の張り合いで起こった勝負をきっかけにして、圭一は下級生の北条沙都子と仲良くなる。行方不明になった兄を気丈に待ち続ける彼女のことを知った圭一は、沙都子の兄代わりになろうと心に決めて世話を焼くことに。くすぐったいような、あたたかい日々。

しかしそんな安らぎの時間は、邪な闖入者――沙都子の叔父・北条鉄平によって無残にも打ち砕かれる。徐々に心が崩壊していく彼女を見かねた圭一は、ある決断を下した……。

■染伝し(そめうつし)編
夏美たち一家が興宮から垣内に引越してきてから、およそ一年が経った。はじめは慣れない都会の生活に戸惑っていた夏美も、今では仲良しの友達と一緒に遊びに出かけたり、アルバイトをしたりと楽しい毎日を送っていた。

そんなある日、夏美は憧れていた同級生の暁から告白される。有頂天になって喜ぶ夏美だったが、通りがかったTVのニュースで彼女は、郷里の雛見沢で起こった凶事を知る。それをきっかけに夏美の周囲には、不穏な影が落ちはじめていった……。

■暇潰し(ひまつぶし)編
昭和53年。警視庁公安の刑事・赤坂衛は、建設大臣の孫が誘拐された事件の捜査に駆り出される。そして、その犯人が潜伏している可能性のある場所のひとつ、雛見沢地区を訪れることとなった。

その集落は、数年後に建設されるダムによって水没することになっており、住まいを奪われる村人たちの反対運動が繰り広げられていた。そこで彼は老刑事の大石、そして不思議な少女「古手梨花」と出会う…。

■目明し(めあかし)編
昭和57年。全寮制の学校を抜け出した詩音は、生まれ故郷の雛見沢へと戻ってきた。本来ならば彼女は家の掟により、村で生活することを許されない立場であったが、生来の機転と周囲の人々の協力で興宮で新生活をスタートさせる。

そこで彼女は、とあることをきっかけに優しげな顔の少年、悟史と知り合う。詩音は彼に惹かれてゆくが、二人の間には厚い壁が立ち塞がっていた…。

■異本・昼壊し(ひるこわし)編
とある放課後。レナは圭一と一緒にゴミ山での宝探しを楽しんでいたが、ふと空を見上げた拍子に、空から降ってきた「何か」を飲み込んでしまう。心配して気遣う圭一だったが、特に異常もなく帰宅することに。

一方同じ頃、古手神社ではちょっとした事件が起こっていた。神社の秘宝「フワラズの勾玉」が封印を解かれて、消息不明になってしまったのだ。その行方を探す梨花と沙都子だったが、そのひとつの居場所を突き止めて仰天する。なんとそれは先日、レナが飲み込んだ「何か」だった…!

■影紡し(かげぼうし)編
昭和58年。悪夢のような雛見沢ガス災害発生から数日後、赤坂は旧知の老刑事、大石の訪問を受ける。そこで彼から、今回の災害に不審な点があることを聞かされて、二人は共同でその謎について調査を開始した。

そして、捜査先の垣内市の女警部、巴の協力を得て雛見沢の出身者へ聞き込みを行う赤坂たちだったが、その相手が次々と変死する事件に巻き込まれて、調査活動は予想外に難航することに。一方、雛見沢御三家の少女『公由夏美』もまた、今までの生活に黒い変化が訪れていた…。

■罪滅し(つみほろぼし)編
いつものように大騒ぎを繰り広げ、楽しい時間を過ごす部活メンバーたち。しかし、レナは自分の家庭に突如降り掛かった不幸に悩み、苦しんでいた。平和で幸せな日常を取り戻すため、ついにレナは悲しい決断をする。 そして、偶然その凶行を知ってしまった圭一たちは、仲間として力になると誓い合い、彼女に手を差し伸べる。

一度は圭一たちを信頼しようと思ったレナだったが、その後も罪の意識と身の回りに起きる不可解な現象に苛まれ続け、やがて…。

■皆殺し(みなごろし)編
雛見沢に引っ越してきて以来、圭一は持ち前の行動力と優しさで村でも評判の人気者(ひょうきん者?)になりつつあった。綿流しのお祭りでも大役を任され、張り切る圭一とそれを戸惑いながら見守る梨花。

ところがそんなある日、しばらく行方をくらましていた沙都子の叔父、北条鉄平が帰って来て、彼女を連れ帰ってしまった。その男が過去、沙都子にひどい仕打ちをしていたことを知る圭一と部活メンバーは、彼女を助けたい一心で奔走する。そして、梨花は…。

■宵越し(よいごし)編
昭和58年6月に発生した火山性ガスの噴出により、一夜にして住民の大半が死亡・行方不明となった雛見沢地区。その後、村の一帯は厳重に閉鎖されていたが時代は平成へ移り、20年余りを経てようやく閉鎖が解除された。

そして平成18年のある日、オカルトライターの荒川龍ノ介はとある女性フリーライターと同伴して取材のため、雛見沢地区を訪れた。雨の降りしきる中、彼らはそこで車を発見する。が、その中にいた人はみな死んでいた。急ぎ警察に連絡しようと村の集会所跡を訪れた荒川たちは、そこで…。

■解々し(ときほぐし)編
昭和57年、秋。南井巴は警察庁の準キャリアとして、垣内署に出向していた。ある日、以前の勤務地である茨城県警の管区内で起きた不可解な怪死事件を偶然知った巴は、顔なじみの少女尾崎渚に依頼されて捜査を開始する。そして、渚と被害者がとある学校内で起きた傷害事件に深く関わっていたことを受けて、その加害者である少女…竜宮礼奈の転校先、雛見沢地区を訪れた。

親交のある老刑事、大石の口から語られる雛見沢地区の謎と、「オヤシロさま」の存在。さらに彼女は、平穏に暮らしているはずの礼奈が隠し持つ「別の顔」を目の当たりにすることになる…。

■祭囃し(まつりばやし)編
祖父の夢を叶えることを願い続け、強い意志とともに努力を重ねてきた彼女は成長して、ついに運命をつかむ「力」を手に入れた。その、神をも恐れぬ彼女の覚悟を悟った「少女」は、ようやく傍観をやめて自ら舞台へと上がることを決意する。

そして新たな部活メンバーとして圭一たちの仲間に加わり、絶望的だった梨花の運命を切り開くために彼らに協力を求めるのだった。強固に閉ざされた、未来への扉。その先に待っていたのは希望と、そして…。

■澪尽し(みおつくし)編 表・裏
前の世界で、ついに敵の正体を突き止めた梨花。…しかし、かすかな希望を胸に秘めて目覚めた次の世界では、常にそばで支えてくれた「彼女」の姿がどこにも見当たらなかった…。

一方、その行動力と意気の良さで今や村中の人気者となった圭一は、魅音から委員長の座を譲られる。期待と信頼を込めてお祝いする部活メンバーたちだったが、なぜか梨花の様子がおかしいことに圭一は気づく。そんな彼の想いを知った梨花は、ある決心を固めてずっと隠し続けてきた秘密を打ち明けた…。

■賽殺し(さいころし)編
ようやく取り戻した平和な日常。だがそんなある日、部活メンバーとプールに出かけた梨花はその帰り道、交通事故に遭ってしまった。そして次に梨花が目覚めた世界は、今までとは全く違った事実で構成された異様な「雛見沢」だった。

死んだはずの両親が生きていて、仲間たちの様子もおかしい。なによりも、自分のそばに羽入がいないのだ。初めての体験に戸惑いと恐怖を覚えながら、梨花は元の世界に戻るための調査を開始する…。

■言祝し(ことほぐし)編
雛見沢が、鬼ヶ淵村と呼ばれていた遠い昔。「少女」は使命を帯びて剣を携え、人里に跋扈して暴威をふるう「鬼」を狩っていた。全ては自らの身体に流れる「血」に課せられた、一族の罪をあがなうため…。

そんな想いを胸に抱いてひとり悲壮な戦いに身を投じていたのだが、ある日彼女は人間の青年と出会い、恋に落ちる。そして子供を授かり、今まで想像もしなかった平和な日常を手に入れた。…だがその後、村に鬼が出没するという噂を聞きつけた彼女は、再び剣を取って立ち上がる。それが、全ての悲劇の始まりであった…。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

グロも怖も、萌えも笑いも…あなたしだい…|ョω・。)

◆原作ゲーム 全26話 原作未プレイ
◆ジャンル ホラー ミステリー 

ひぐらしのなき声が… 聞こえてくる―
古きから代々その土地の名残を残す、昔ながらの原風景
人里離れた 人々がひっそりと集を築き暮らす小さな村がある

そう…そんな平穏な村、ここ「雛見沢」にて”-それ-”は起こる…

古より村にまつわる因習「綿流し」
それに準えられた、忌まわしき謎の連続怪死・失踪事件…

この悲惨な事件、悲痛な運命から… あなたは目をそらさずにいられますか?



はじめに、
前々より気になっていた作品でしたが、
当サイト、レビュアー様より厚いご紹介を受け
この度視聴にこぎ着け、本作に出会えることができました
このサイトと、ご紹介頂いた、たくさんのレビュアー様に
心より深い御礼の気持ちをここに書き記させて頂きます (。-人-。)



まず参考までに本作視聴に挑んだ、私の属性を((Ф(・ω・`)カキカキ

グロ⇒〇 怖い⇒◎ 鬱⇒(*'σ∀'*)? 
貞子⇒好き 虫さん⇒嫌い コナン⇒Fun♪



さっそく、観てみると…
その異様なまでの”暗”や”鬱”といった雰囲気に
ものすごい恐怖感を覚えます((((;゚;Д;゚;))))ブルブルブルブル
OP曲とその画の雰囲気からして完全にやられてしまいます…

当然のことですが、普段、私がよく使う
”やられてしまう(ノ∀`◍)”とは全く持って別の意味合いになりますw※


ところが、本作、ビックリするほど”明”と”暗”が
くっきり分けられれおりまして、日常パートとでも言いますか、
ゆるゆるの萌え萌えなシーンが多々がありまして…


しかしながら、正しくそれらが巧妙に仕組まれた
本作の”恐怖”への増幅に繋がっているのでは?と私は思います!

そう、何かと日頃より、温厚でいつも笑っている様なヒトって
よくこんな風に言われがちではないでしょうかネ?

「あのヒト普段優しいけど… 怒らせたら、絶対怖いよねぇ~(*´ノд`) ゚Д゚)ヒソヒソ

を引き起こすアレである♪w


そう…、日頃の暖かい、明るい、笑顔… その表情が一変し、曇った瞬間…
それはとてつもない形相に変わっていて、((((;゚;Д;゚;))))カタカタ
本作ではその表情の移り変わりが
物の見事ににコチラに莫大な”恐怖”を生み出しているのであります!


人間の心の闇… 、妬み、怨み、憎しみ

そういった激しい憎悪がグサグサと伝わってくる描写と、
それに加え声優さんの迫真の演技が相まり、観てるコチラがもう…
しどろもどろになってしまうほど… 圧倒されました!!!



そして、なんといっても秀逸なのが毎話毎話の幕引き!!

次から次へと話しが広がり、謎が謎をよび、興味をひきたてられては
そ、そこで終わるのか━━(;゚Д゚)━━!! と続きが気になって仕方なく
途中で視聴を中断する隙を与えてくれません!!!

おかげで夜も眠れません( σω-)ヾ(・ω・`)イツモダヨネ

それどころか、仕事中も気になって、考えては、
早く家に帰らせてはくれまいかと…、
家に帰ってTVのスイッチをONにさせてはくれまいかと…
そんなことを悶々と思う日々を、つい一ヶ月程前に、私過ごしておりました

これもきっと○○○○候群の症例の一つだったのだと
考えれば全て合点がいくというものです|ョω・)ヾ(・ω・`)イヤカンケイナイヨネ?


しかし今後もし、今作を視聴される方がいらっしゃるのだとしたら
くれぐれも、先んじてお伝えさせていただきたい!!

本作、そして、二期の解、合わせてご視聴頂くのが”MUST”な
内容でして、一期、二期合わせて、全50話、時間にして約20時間!

それゆえ、わりかしまとまった視聴時間の確保! これは急務と思われます
中々1話1話ちょこちょこ、こまめに観るスタイルのできない作品と
存じますのでこの点についてはくれぐれもお気をつけ頂きたい!!

私の様に”寝不足”という名の病で心身を患われてしまわぬよう(´ぅω-)
もちろん、適度な休憩をはさむことも忘れずに!!

「警告は二度はない… 守らなかった時は… あなた次第… 」

正にその通りでありますぞ(`*・д・)ゞ



様々な波紋を呼んだ本作、緻密に練られたストーリー構成に
もはや何を書いてもネタバレになってしまいそうで
レビューの扱いも一際気を張ってしまいがちですネ_((Ф(・ω・`)

そんな訳で
ほとんどお話しの寛容については触れておりませんでしたが
1点だけどーにも書きたいシーン、私が一番印象に残ったシーン
それに対する私の想いを書いてしまいました… 。゚(゚´Д`゚)゚。グワァァ



{netabare} そう…それは【目明し編】にて

『詩音』たんが発狂ヾ(`Д´*)ノしとち狂い、
『沙都子』をはりつけにして、ナイフで”グサグサ”と滅多刺しにする
あのとてつもなく胸が…心が…えぐりとられるシーンであります!!

元より、私が『沙都子』と『梨花』ちゃまを一際、気にかけ視聴している
点については、今更語るまでもないと思いますが

そこでの『沙都子』の姿に思わず…私 。゚(゚´Д`゚)゚。崩壊



―まだ幼くして『沙都子』はとてつもない苦労をしいらてれきた…

両親や、親戚との境遇しかり村中の人々からも
蔑まれ、酷い、悲しい現実を送ってきた
それでも彼女は必死に前を向き”今”を生きていく

支えてくれる仲間、そしてなにより
心の拠り所となってくれている大好きな「にぃにぃ」がいてくれるから

何があっても、どんな時でも「にぃにぃ」だけは
『沙都子』の味方でいてくれる… 
彼女にとって、「にぃにぃ」 の存在は
はかりしれない程大きく…大切なモノであったに違いない…

彼女はその存在に甘えた―
うーんと甘えた… 嬉しかった…優しかった… 大好きだった…
もうすがりつくことをやめられなかった…

でも…彼女はそんな大切な存在まで奪われてしまう―
そんな現実から何度と目を背けたくなったことだろう…

それでも彼女は…今も、強く、強く信じている…
「にぃにぃ」は必ず帰ってくると…

そう…彼女は
自分が「にぃにぃ」を追い詰めてしまっていた…

そんな現実さえも気づいていた…
大好きな「にぃにぃ」を自分が苦しめてしまっていた―

そんな悲しい現実に気づいた時、彼女はどんな気持ちであっただあろう…

それでも、そんな現実さえも受け止め、 悔み… 
そしてもっと、もっと強くなる…と

こんな困難にも屈しない一人前になった姿を
帰ってきた「にぃにぃ」に見せてあげるのだと…

まだ幼い…こんなか弱い少女が、こんなにも強くあろと…

必死に、前を向いて生きているのです…


いいんだよ… いいんだよ…。゚(゚´Д`゚)゚。
幼い頃なんてみんなそう… いや大人になった今だって… 
誰だって、甘えたいし、甘えちゃう…
誰かに寄りかかってそうやって生きていくもの…

それなのに『沙都子』は… 『沙都子』は…

お願いだから… お願いだから『沙都子』だけは助けてあげてッ!!
それだけは… それだけは… と何度願った事でしょう…。゚(゚人Д`*゚)゚。


正に私は ”心がえぐりとられる”感覚を味あわされることとなり
そして私はここで決心するのであります―

例え『悟史』がもうこの世に生を授かっていなかったとしても…
もしそんな悲しい現実があったのだとしても… その時は

私が『沙都子』の「にぃにぃ」となりかわって、
彼女の笑顔を日々絶やさぬ様、一生支えていく事を…!!!

決意した瞬間なのでありました―



…ん!?  ちょ、真摯に拝読頂いてる そこのお方!!
若干引いておられやしませんか|ョω・)? 大丈夫でしょうか…!?w {/netabare}


という訳でご覧のように本作にどっぷりハマりこんでしまった
様子を書いてしまいましたが、私としてはまだ本シリーズについて
書きたいことの1/3も書いておりません!!

だってまだ本作のお約束名セリフの数々を私一言も発しておりませんもの(o´艸`)
いつものコーナーも先送りですネ(o*゚∀゚)o*ウズウズw



まとめて
何かとグロ描写に敬遠されてしまう方もいらっしゃると存じます…
もちろん、そういった描写が含まれ、
見るにたえないシーンがありますので苦手な方には断じてオススメできません!! 

ですが何より、本シリーズ通しての物語の巧さ、
その根底にある親密なテーマ、そしてその問いかけに気づき
全てが解決へと導かれたその暁には…
きっと素晴らしい高揚感を味わえることではないでしょうか?


グロ耐性に自信のある方にはぜひ一度は視聴に挑んで頂きたい!!
ホラーミステリー(萌)の傑作だと思っておりますヽ(*´∀`)ノ

投稿 : 2024/11/02
♥ : 67
ネタバレ

ココ吉 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

グロ怖なのに続きが気になるのですよ。にぱ~☆

原作ゲーム未プレイ◆全26話◆
あにこれユーザーの方にオススメして頂いた作品。

【前置き】

昭和58年6月、人口2千人弱の雛見沢村での
綿流しの祭り後に毎年起こる連続怪死・失踪事件
の顛末を描いたサスペンスホラー。

【感想】
{netabare}
まず最初に,この作品のレビュータイトルにもなって
いますが,「グロくて怖いけど続きが気になる作品」
これがこの作品の最大の魅力であり,最大の売りだと
思います。

まぁ,グロかろうが怖かろうがエロかろうが
視聴者に「続きが気になる!」と思わせられる事は
アニメ視聴継続においての重要なファクターであり
良作たる所以なんだな,と改めて感じました。

簡単にですが,どう魅力的なのかを語ると
疑心暗鬼に陥った時の人間の怖さ。
そして怨みやつらみ,妬みの感情を宿した人間の怖さを
キャラクター達に上手く表現できている所でしょうか。

そんな人間誰しもが人生経験を積んでいけば多少なりとも
経験する事(味わうと表現した方が適切かも?)があるで
あろう感情を古来からの風習の綿流し祭や風土病など,
あたかも「実際にありそう…」と思える様なイベントを
織り混ぜる事によって,より一層リアル感が増してくる
ストーリーは秀逸でした。


1期全エピソード
「鬼隠し編」「綿流し編」「祟殺し編」
「暇潰し編」「目明し編」「罪滅し編」と,
パラレルワールド(並行世界)形式で様々な
バッドエンドを見せつけられるのでグロ&鬱耐性が
ないと厳しいかもしれません。
特に目明し編の爪剥ぎと拷問の描写はスンゴイ!

グロ耐性がそこそこあると思っていた自分も
『おぉ…ふ…』と
目を被いたくなってしまったのはナイショの話w
(ご飯を食べながらの視聴はオススメできません)

ですが,
1期を最後まで視聴された方には是非とも
2期(解)の最後まで観て欲しい作品。
解の最後まで観てみると,とても壮大な
ストーリーだったという事がよく分かります。

やっぱり,パラレル形式を取り入れた作品は
見応えがあってキャラの一人一人に感情移入が
し易いので個人的に好きだったりします。

この作品を1期だけで評価するのは少々難しい。。。
そんな風に思えた作品でした。



【お気に入りキャラ】

『竜宮 レナ』

好きになった理由?

そんなの…もちろん
ビクンビクンさせてもらったからです♪

とまぁ,冗談はさておきw

一番の理由は
彼女の心情や行動にある程度の共感を覚えた事。
普段はほんわかしていて「かぁいいもの」が大好きな可愛い
女のコなのですが,実際は頭が良くてとても仲間思い。
でも,スイッチが入ると……観る側をトラウマに陥れてし
まいそうになるぐらいのギャップが個人的にツボでした♪



◆OP曲 「ひぐらしのなく頃に」
歌:島みやえい子

◆ED曲 「why, or why not」
歌:片霧烈火

OP,EDともに作品の世界観に合っていました。
特にOPの歌詞を見ながらストーリーを振り返り
思い出していてゾクッとさせられた事もしばしば。
ただ,近年の2クール作品の主流
(前期,後期で曲がチェンジ)に慣れてしまってるせいか,
曲が1曲ずつしか用意されていないのが少々惜しく
感じられました。
{/netabare}


【ここからは余談】

※単なる聖地巡礼してきたよってだけのお話。
興味がある方だけ読んでいって下さいまし♪
{netabare}
今年の1月に雛見沢村のモデルになっていた
岐阜県大野群白川村に旅行で近くを通りかかったので
そのまま足をのばして行って来ました。

先ず到着して最初に思った事…。

『くっそ寒いッッ!!』

雪が積もった山間部の寒さ,半端ない!!
それもそのはず,作中の初夏(6月)とは違い
真冬なんだから当たり前の事ですよねw
でも,あたり一面に雪が積もった白銀の世界は
魅力的であり,それはそれは幻想的でした。

僕の住んでいる地域では雪が積もっている光景を
目の当たりにする事自体,とても珍しいのでしばしの間
(20分ぐらい)寒さと年齢を忘れて同行してくれた相方と
共に雪遊び(雪のかけあいっこ)に興じてしまいました。
そう,まるで真夏のビーチで恋人達がはしゃぎながら
やるお決まりのアレ,みたいなもの。
周りの目も気にせずにw

心の中で「フゥ…この辺にしといてやるぜ」と
ひと通り雪を堪能した所で探索を開始する事に。

作中に出てきた から葺き屋根の家や水車,入江診療所の
モデルになった建物などをアニメと同じアングルで見つ
けられた時の感動はひとしおでした♪
嬉しくてついついデジカメとスマホの二刀流で
パシャパシャと写真を撮りまくってしまう始末。

そして僕が一番見たかった古手神社のモデルに
なった白川八幡神社にたどり着きました。
一応形だけでもと思い,参拝を済ませてから
境内を見回る事に。

境内を歩いていると
梨花ちゃまの「にぱ~☆」や羽入の「あぅあぅ」が
どこからともなく聞こえてきそうなぐらいアニメと
まんま同じだったのでかるく鳥肌モノ。

制作スタッフのロケハン活動がいかに丁寧に
なされていたかがよく分かった瞬間でもありました。

その後に祭具殿(何か怖かったのでパッと見で済ますw)や
梨花ちゃまと沙都子が住んでいた家を見てからふと腕時計に目をやると帰る時間が差し迫っていました。

今回,少し残念だった事は…
雛見沢分校のモデルだった建物が既に取り壊されていた
事と時期的にひぐらしの鳴き声が聞けなかった事の二点
でしょうか。

『あぁ~あ,分校見たかったし鳴き声聞きたかったぁ…』
と,柄にもなく感慨深げに分校跡地を眺めていたら
いつもの妄想スイッチ(悪い癖?)が発動しました。

~~妄想中 その1~~

もしも,ひぐらしの鳴き声をBGMにして
レナちゃんに背後に立たれてから唐突に
『ねぇ,ココ吉君…ちょっといいかなぁ?かなぁ?』
なんて話しかけられた日にゃ……
きっと僕はもぅ…(;´Д`)ハァハァ

そんでもって『嘘だッ!!』まで頂いた日にゃ……
きっと僕はもぅ…(;´Д`)ハァハァ

このシチュ…,かなりビクンビクンできて完全に
ご褒美じゃんよ♡ 住民票移しちゃう勢いじゃんよ♡
雛見沢症候群レベル5発症しちゃうじゃんよ♡
ん~ッ♪♪ 堪らん!!

~~妄想中 その2~~

あと,レナちゃんに「おっ持ち帰りぃ~」される
シチュも魅力的……いや,待てよ?
ここは男として正々堂々と僕がレナちゃんを
お持ち帰りするべきなのかしら?・・・ぶつぶつ・・・。
はぅぅ~,鉈ブンブン丸ぅぅ♡・・・ぶつぶつ・・・。

↑なぁ~んて,俺得な妄想でブヒブヒしていたら
相方から『また一人の世界に入ってたでしょ…?』
と,ジト目でかるくツッコまれてしましたが,
表情はあくまでもCOOL。

そんなやり取りをしていると,既に帰りの
予定時刻をかるくオーバーしていました。
スケジュール的な都合で滞在時間を少しだけしか
とれなかったので全てを網羅する事は叶いませんでしたが
作中では描かれなかった「冬の雛見沢」をバッチリと堪能
する事ができた意味は大きかったと言えます。

もし,次に行く機会があれば作中と同じ
6月に馳せ参じて是非とも僕の淡い妄想の実現を
はかりたいものですね( ・`д・´)キリッ★


最後に

概ね満足のいく「行って良かった」と
心から思える聖地巡礼になりました。
ひぐらしファンなら機会があれば,一度足を運んで
みるのもアニメとはまた違った発見や新しい驚きに
出会えるかもしれません。

そんな風に思えた今回の寄り道(*´ω`*)♪

長々と綴った駄文に最後までお付き合い
下さいました紳士淑女の皆様方に感謝申し上げます。
ご清聴ありがとうございました。



おわり
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 61

88.2 2 R-15指定でグロなアニメランキング2位
エルフェンリート(TVアニメ動画)

2004年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2908)
13812人が棚に入れました
側頭部の対となる二本の角とベクターと呼ばれる特殊な能力を持つ女性型ミュータント、二角奇人(ディクロニウス)。彼女らは人類を淘汰する可能性を持つとされ、離島の国立生態科学研究所に国家レベルでの極秘機密として隔離、研究されている。
ある日、偶発的な事故によって、研究所に隔離されていたディクロニウスの少女ルーシーは拘束を破り、研究所からの脱走を試みる。海に飛び込む直前に頭部に銃撃を受けるものの幸い軽症で済み、彼女はそのまま海へ投げ出される。
一方、大学に通うため親戚を頼りに鎌倉にやってきた青年コウタは、いとこのユカと由比ヶ浜でルーシーに出会ってしまう。頭部に受けたショックでルーシー以外の人格に入れ替わり、「にゅうにゅう」としか喋ることの出来ない彼女をにゅうと名付け、コウタが住むことになる楓荘に居候することになる…。

声優・キャラクター
鈴木千尋、小林沙苗、能登麻美子、萩原えみこ、松岡由貴、細井治、中田譲治
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

エログロが先か、テーマが先か(酷評注意)

今更ながら、必須教養だと思って観てみました。
あー、これは確かにすげえわ。

これから酷評します、好きな方にはごめんなさい。
各所で深みのある名作とされ海外でも大人気な本作、後で書くように傑作たりうる可能性も一応あるのは理解できます。
しかし私には、(少なくとも表面的には)メッセージ性を免罪符に過激描写を重ねるだけの作品に思えてしまいました。
正直、高評価の意味がわかりません。
なお、このレビューを不快に感じられたなら、直接お叱りいただくか、もしくは、右下にあるピンクのハートマークついたボタンを連打してストレス解消してください(ゲス顔)。



■エログロが先か、テーマが先か

この作品の基本構造は、キャラの抱える悲劇と人間の闇とを、萌えキャラと残虐描写のギャップから生まれる強烈な刺激によって視聴者に強く印象付ける、というものです。
「エルフェンリートが好き」という方の多くが、エログロ描写は表面的なものであり、本質は人間の醜悪さや差別を描いたテーマ部分にある、とされているように思います。
実際、監督の神戸さんは、本作のテーマが差別と救済だとおっしゃったそうです。
最近の「売れりゃいいや」みたいなただの娯楽アニメもいいですが、こういった高い志で作られた作品はやはり心に残るものの質量が違いますね。

しかし私にとって、エルフェンリート視聴後に残った重たいものは、感動ではなく嫌悪感でした。
物語とテーマの描写があまりにお粗末すぎて、テーマは単にエログロを糊塗し正当化するための装置にすぎないように思われてしまいました。
要は「エログロが先か、テーマが先か」と問われれば、テーマが先と見せかけてやっぱエログロが主体なんじゃねえのか、ということです。
(5.11追記)エログロの存在が許せない、って訳ではないです。
エログロをテーマで塗り隠すような「偽善」っぽさ、みたいなのが個人的に全く受け付けなかったということです。
誤解を招く書き方してごめんなさい。(追記終)

刺激の強い表現を用いてテーマを描きたいのであれば、物語や登場人物にそれ相応の「強度」が必要だと、個人的には思っています。
「強度」は「説得力」と言い換えてもいいかもしれません。
人間、娯楽の中の刺激の強い描写にはどうしても心が動かされるものです。
作り手側は劇薬を扱う者としての倫理というか対価として、その描写を用いて示したいテーマをしっかりと描き切り、他の部分でもケチがつかないような堅牢さを持った作品を作らなければならないのではないでしょうか。
例えば、グロ描写でも有名な漫画『寄生獣』は人間の自己中心さを問う点でエルフェンリートと重なります。
一方で、より高いメッセージ性と必然的な物語展開を兼ね備えており、今でもテーマと娯楽性を両立した名作として読み継がれています。
またアニメ化もされた『GUNSLINGER GIRL』(原作大好きです)は、美少女+悲劇に洗脳、ミリタリーと、批判されない方がおかしいくらい業の深い要素の積み重ねから出発しました。
しかし、それらの題材を娯楽として消費することの気持ち悪さに自覚的で、それでも批判から逃げずに最後まで気持ち悪さを自ら提示したまま、希望をテーマとした物語を美しい結末に矛盾なく導くことに成功しています。
これらの作品において、刺激的な描写は確かに必須でしたが、あくまで一貫したテーマを描き切るための手段として過不足なく使用されていました。
というか、少なくともそう錯覚させられるくらい作品に引きずり込む力を持っています。
それはキャラの行動・心情や物語展開に無理が少なく、登場人物に感情移入できるからであり、またテーマ部分に関しても少なくない時間を割いて通り一遍ではない深い描写がなされていたからだと、私は考えます。

翻ってエルフェンリートですが、まずアニメとして普通にツッコミどころが多すぎです……。
行動原理の全く不明な主人公とか、感情の起伏が激しすぎるヒロインたちとか、アニメと言えどキャラの性格や背景設定が非現実的すぎます。
そのくせ、さっき会ったばかりの人物の気持ちを、他人が斟酌して言葉に出して説明してくれたり。
ストーリー展開も唐突で説得力が全くありません。
{netabare}感動ポイントと言われる父娘パートもテンプレ以上になってないし。
戦闘で死亡/生存するキャラも戦闘の展開も、ご都合主義という神の見えざる手が働きまくってます。
結局発現の理由も不明だし、感染云々もドン引きするくらい適当な設定。
そして、家族皆殺しの犯人を許した挙句のラストシーンの展開とか、物語としては庇いようがないくらいひどいと思うのですが……。{/netabare}
また、髪型でしか見分けのつかないキャラデザ、そのくせ崩れる人物作画や、上滑りして過剰に思えた声優さんの演技など、観ていて辛くなるポイントが多かったです。

そして、テーマ部分の描写にしても、ただグロを振りまくだけで実際は表層をなぞっただけに見えます。
テンプレートな過去回想で「人間は醜いですねー、差別が悲劇の元凶ですよねー」とかやられても、距離感を感じてしまいました。
キャラが現実離れしてるし、加害者側があまりにもクズなうえ描写も少ないしで、メッセージが示されているのは理解できても、心にまで伝わってきません。
グロ描写にはすごく力が入っているので、心理描写やいじめ・差別の陰湿さにもこだわってくれたら、それだけで説得力が格段に増すと思うのですが。
そうなっていたら実際傑作になっていたのではないかと。

良かったのは聖歌にまで上り詰めたという主題歌くらいですが、バチカンの爺さま方が聖歌の元ネタがこんなエログロアニメだと知ったら卒倒するんじゃなかろうか。
まぁでもあそこも権力闘争とか性暴力とか氾濫してるみたいだし、案外合ってるのかもしれませんね。

ということで、テーマ部分が心に響かず、物語の筋も萎える出来で、結局エログロ描写が心に残るだけという悲しい結果に……。
よって私の中では、結局テーマではなくエログロが主体のアニメ、という評価に落ち着いています。



■エルフェンリートが傑作である可能性

ここまでけなしまくってきましたが、最初に断ったように、エルフェンリートは傑作かもしれません。
観方によっては、確かに稀有な作品として称賛するほかないとも思うのです。
その「観方」、二つあると思うのですが、お薦めするのは、この作品を人間の愚かしさ・醜さをメタレベルで抉り出す作品だと捉えること(作中で提示される直接的な性悪説的表現を鑑賞することとは意味が異なります)。
過激なエログロに脊髄反射的に反応しつつ、反応してしまった自分を直視したくないがため、薄っぺらな物語に「テーマ性」を見出すことによって自己を正当化する。
その上で、次元すら隔絶した安全地帯から少女たちの悲劇に心を震わせ「感動」するのです。
悪趣味の極みじゃないですか。
それでも心は本能的に強い刺激を求め、否応なしに反応するのですから、それが人間の本質的な醜悪さと言わずしてなんと言えましょう。
事実、私もこんなに文句を垂れながら再生する手が止まらず、2日で全話視聴しました。
俗物である自覚はありますが、しかし過激描写を心がこんなに求めるとは、ほとほと自分が嫌になります。
ということで、そういった点を自覚しつつエルフェンリートを観てみれば、一シーンごとの自分の心の動き様に戦慄させられる方も多いはずです。

もし製作陣がそこまで考えてこのアニメを作られたのであれば、ここまで書いてきた文章は全部的外れです。
というか、議論のレベルがずれています。
エルフェンリートはエヴァ劇場版で庵野監督がオタク相手に試みたことをTVシリーズで人間一般レベルまで敷衍して解りやすく主張し、しかも物語の完結まで果たした傑作だと、評価せざるを得ません(私はエヴァ信者ではありませんが)。
ネットの片隅でこんな長文を垂れ流してる自分は、まさに風車に挑むドン・キホーテ、お釈迦様の掌の上の孫悟空に等しいでしょう。
ただ神戸監督自身が「テーマは差別と救済」とおっしゃったようで、私としてはやっぱりそこまで深い作品じゃないんじゃないかな、という結論に至ってしまっていますが。

ちなみに本作を傑作として楽しむもう一つの方法は、以上で書いたことすべてを理解し、その上でさらに一歩引いた視点から、超絶エログロナンセンスギャグアニメとして鑑賞する方法。
作品の物語・テーマ面での稚拙さと、そこから繰り出される高度なシュールさ、そしてエログロに本能的に興奮してしまう自分の醜悪さもすべてひっくるめ、ひきつった冷笑で笑い飛ばすのです。
もう悟り開いちゃってますよね。
もしあなたがその境地に至れるのなら、人生設計とか将来の夢に、新興宗教の開祖になるって項目を付け加えることをお勧めします。
きっと人生安泰ですよ。
責任は取りかねますが。



【個人的指標】 15点

投稿 : 2024/11/02
♥ : 29
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

グロいだけのアニメじゃない。芸術性の高さは、分かります。

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
エログロとして、大変に有名な作品。ただ、エログロ苦手な剣道部も最後まで観られたので、多分大丈夫かなと思います。

頭をぼ~っとして観るのではなく、色々考えながら観るのに適したアニメだと思いますよ。


【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
一番は、事前情報があり、覚悟してたってこと。後は、「ヨスガノソラ」でエロ耐性が、「魔法少女育成計画」でグロ耐性がついたのが良かったのかな(苦笑) (エログロ苦手でも)ちゃんと完走できました。

あとはまあ、この時代にしてはかなり絵は綺麗なんでしょうが、あくまで古いアニメ。やはりグロさに耐えられる1つの要因にはなったと思います。


さて、「グロい」という外皮を剥ぎ取ると、かなりの重いテーマがたくさん詰まっている社会派のアニメですね。

「異種族間の差別」「PTSD(トラウマ)」「性暴力」「いじめ」「解離性同一障害(二重人格)」などなど。

このアニメに込められたメッセージは、人間の発達段階における「遺伝的要因」と「環境的要因」だと思います。もしくは「性善説」と「性悪質」。

「遺伝的要因」とは、その人間が生まれながらに親から引き継ぐ先天的な性質で、「環境的要因」とは、その人間が育った環境(教育)下で得た後天的な性質を指します。

例えば、同じ遺伝子をもつ一卵性双生児でも性格に違いがあるように、人の性格(性質)を決める上で、環境的要因は大きいとされています(今の研究結果では、遺伝的要因と環境的要因は、50対50程度とされています)。

今作でいくと、ディクロニウスになったり、ベクターをもっているのは100%「遺伝的要因」。極端な狂暴性をもつのは、「環境的要因」が大きいのだと思います。

例えば、「親の愛を受けていた(と本人が信じている)」ナナには極端な狂暴性がないことや、悪魔のようなルーシーにしても、イジメによって子犬が殺されたりコウタに裏切られた(と本人が思う)までは、ちゃんと人間味がありました(動物園のシーンなど)。

最も大きくそう感じるのは、「ルーシー」と「にゅう」の対比です。確かにルーシーは殺人狂というか、(研究所の職員曰く)人間を人間とも思わない悪魔、のように描かれていますが、それは初めからそうだったわけではなくて。そんな「純粋な頃」の比喩が、赤ちゃんのような「にゅう」。

人は、生まれつき悪魔なのではない。様々な不幸な境遇下においては誰しもが悪魔になる可能性をもつ(性善説)。そんなメッセージが感じられる作品でした。

それは例えば、ルーシーが殺人者になるきっかけとなった施設のいじめっ子ですらそうです。あのいじめっ子達もあくまで「児童養護施設」の子供であり、何らかの不幸な境遇下にいた子供達です(実際にルーシーもそんなことを言ってるし)。だから許されるわけではない(結局殺された)けど、それなりの理由はあったということですね。

例えば、冨野さんがガンダムで「戦争を描くことで戦争を否定した」ように、この「エルフェンリート」は、「有形無形、様々な種類の暴力を過激に描くことで、暴力を否定した」作品なんでしょうね。

幼い頃のルーシーが、「あくまで自分の意志で」「無実の人々を虐殺しまくった」ことも、(特に環境の影響を受けやすい)子供の教育に対する警鐘なのかもしれませんね。

この作品のテーマとしてはよく、「罪と贖罪、愛と赦し」なんてことがあげられるようで。まるで鎮魂歌のようなOP(これ、ラテン語の歌詞で聖書の一部を抜粋しているらしいですね)も含めて、なんかこう、(私は無宗教且つ、あまり宗教には詳しくありませんが)キリスト教圏で好まれそうなアニメって印象。このような過激な表現を「芸術」と捉える気質って、日本人にはあまりない部分だし(OPの絵がクリムトの絵画のオマージュだということからもそれはわかります)。

いや、本当に「芸術性の高いアニメ」だということは「分かります」。

でも、(好きな方も多いだろうに)本当に申し訳ないんですが、私はシンプルに言って、あまり楽しめませんでした。(名作を批評するのは勇気がいりますが)シリアスなアニメは好きな方だけど、(詳しくは各話感想にありますが)シリアスなアニメだけに、(あの助手とか)細かい矛盾点が気になってしまい、うまく入り込めませんでした。かなりご都合主義というか、ラストも「妹と父親を虐殺した相手を、よく赦せるな」とか、思ってしまいましたし。

まあ、心が狭いんですね、私って(汗)。ファンの皆さんには、美しい森を観て、その中の数本の木が枯れているだけでいちゃもんをつけるような剣道部のケツの穴の小ささを笑って頂ければ幸いです。

〔まとめ〕
◎メッセージ性の強さ
◎社会性、芸術性
△エログロ
×多くの矛盾点
{/netabare}

【余談(原作ネタバレ)】
{netabare}
このアニメ、原作とはだいぶ違うようですね、しかも結構大事なポイントで。例えば、原作では、コウタはルーシーのことを死ぬ間際まで許していないとか、他にも、自分が感じた違和感をちゃんと回収しているようです。これはまあ、原作連載中にアニメ化した作品の宿命だから、仕方がない部分だと思います。原作読むほどじゃないって方は、Wikipediaにかなり詳しく載っているんで、そちらで補完して下さいw
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
OPから乳首見えてるのと、1話目冒頭の最初のカットがちぎれた腕ってねw リアルタイム視聴してた方の衝撃は大きかっただろうな。如月のシーンは、「うわぁ…」って思った。

2話目
坂東は、殺人狂ではなく戦闘狂? 即射殺できない奴は死亡フラグw 腕もげてあれだけたって元気って(汗)

3話目
ふ~ん、なんかディクロニウスって、「レベルE」の「マクバク族(サキ王女)」みたいだな。凄いどうでも良いんだけど、ご飯とみそ汁の置く位置が逆(笑)

4話目
なかなか印象的な回。蔵間はただのクズではないのか? ナナの最期はなかなかだった。

5話目
予想以上にへビーな、まゆの過去。これ、海外で人気になったアニメでしょ? 日本人を勘違いされるんじゃ(汗) あっ、またご飯が右側だ。最初は作画ミスかなって思ったけど、続けるからにはなんか意味あるのかな? 地域性? ただの無知? ご飯が右側って、確かお葬式の時の配膳だよね。そのへん、なんか比喩的なもんかな? 考えすぎか(笑) なんか、大分ご都合主義。黒幕の息子がたまたま主人公の大学の教授って……。

6話目
説明台詞(研究内容)をペラペラ喋る謎の助手……。これで伏線になっていなければ、駄作だぞ? やはりコウタの行動って完全にエロゲの主人公じゃんw(自分的エロゲ主人公=とりあえず全方位に優しくしといて、イケそうなら何でもイっとく)

7話目
ふ~ん、ナナは生きてたのね。これはこれで好きな展開。ん? ベクターって質量の大小に影響されるような能力なの? じゃあ、戦車砲とかで勝てるじゃん。1話目の狙撃は「知覚外の攻撃」だから通用したのかと思った。腕すぽーんは、笑ったw

8話目
謎の助手、何か狙いがあるのかと思いきや、ただのバカだったの? 腕すぽーんは鉄板w いくら酷いイジメとはいえ、あそこ(犬を撲殺)までは……また日本が誤解されるかな(汗)

9話目
コウタと出会い、気を許し、裏切られ、黒いルーシーに覚醒した。核になる回だね。

10話目
仮に子宮頸がんが見つかっても、旦那に相談する前に帝王切開するかい? 今回のグロシーン(子宮から血を流しながら歩く妻)が一番ダメージあったな(汗) かなり悲しいシーンだった。

11話目
体が半分ブッ飛んでいたら即死のような気はするけどね。しかも、暫くたってたし。ラスボス登場って感じ? 作品がさらに悲劇的になっていく予感。

12話目
水に落ちるのは生きてるフラグ(笑) やっぱり、コウタが天然エロゲ主人公やっているから、この悲劇が生まれたんじゃん(苦笑)。

13話目
車椅子のラスボスって、ファイナルファイト(ゲーム)を思い出すなw う~ん、角を折られた程度で能力が発動できなくなるの? 研究所、試しておけよ(苦笑)。てか、だったらディクロニウスって、自ら角を折ることで人間として生きる道もあったということ? あるいは、生まれた時に角の除去をするとかね。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 44
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

毒を帯びた密を緩やかに含むような不思議な作品

【レビューNo.39】(初回登録:2023/3/11)
コミック原作の2004年作品。全13話。
名作という噂は聞いていてずっと気にはなってたんですが、何故か2クールアニメと勘違いして
いてちょっと敬遠してたんですね。交流あるレビュアさんが強く推してたので、ようやく重い腰
を上げたって感じですね。

(OPについて)
まあ本作にを語る上でOPに触れない訳にはいけないでしょう。
クリムト絵画でキリスト教のような世界観を描きつつ、OP曲「LILIUM」は歌詞がラテン語で聖書
からの引用も多いため、海外では教会関係者の間で賛美歌のひとつとして歌われるようになったと
いう凄い話になってます(NHKで取り上げられたらしい)。そんな感じで冒頭から宗教的な世界観
を醸しだしている感じですね。
あと海外という話だと、上述事項に加えグロさ(向こうはスプラッタームービーの本場だしw)が
ウケて、日本以上に海外での評価が高い作品として知られているようです。

(世界観)
ネタバレになるがちょっとこの辺の情報がないと説明しにくいので
・「ディクロニウス」という側頭部に2本の角があり特殊能力を持つ生命が存在する世界
(人間の遺伝子の突然変異によって生まれた女性型ミュータントらしい)
 以下詳細{netabare}
・彼女たちは「ベクター」と呼ばれる見えない複数の腕を持つ。ベクターの機能は主に2つ。
 ・「ベクターウイルス」というレトロウイルスを有し、男性に接触することで感染が可能。
  このベクターウイルスに感染した男性が親になると、必ずディクロニウスの女の子が生まれる。
  (生殖機能)
 ・ベクターには有効射程距離があり(2m~個体差あり)また高周波による微振動で鋭利な切断が
  可能(人を遠隔から真っ二つに切り裂ける)。またディクロニウスには本能的に人類に対する
  殺戮衝動が埋め込まれており、3歳を過ぎた頃からベクターが発動する。(殺戮機能)
 → つまりこのまま放置すると、男性がどんどんベクターウイルスに感染しディクロニウスの女
   の子が生まれ続け、その子たちがベクターを発動し人類を殺戮し続け滅亡させてしまう。
・それを阻止するため国立生態科学研所なる機関が存在する。彼らはディクロニウスを捕獲し研究
 (能力調査やウイルスに対するワクチンの開発等)や国防と連携し彼女たちの殺戮を実施。{/netabare}
という感じで、(神の御心的な?!)種の起源や絶滅といったやはりどこか宗教観のある世界が描かれ
ています。それにしても岡本倫先生のこういう世界観の作り込みはさすがですね。

(ストーリー)
そんなディクロニウスの少女「ルーシー」が研究所から脱出するところから物語が始まる。ルーシー
は脱出の際、頭に受けた衝撃が元となって人格が分裂し、「にゅう」という別人格を有するように
なる。ルーシーは逃げのびた海岸で、大学生のコウタといとこのユカに助けられ共同生活を送ること
になる。普段は「にゅう」という何も知らない無垢な人格で過ごしているが、ルーシーを回収するた
めに送り込まれる刺客とのバトルでルーシーの人格を呼び起こすことになる。そこで彼女の幼き日の
記憶も蘇り・・・

(評 価)
・巧みな仕掛け「人格分裂」
 「極黒のブリュンヒルデ」でも感じましたが、原作者岡本倫先生はこういうギミックの使い方が
 本当に上手いなと。上述事項を見れば全編に渡って血生臭いバトルが展開されてもおかしくない
 のですが、それを抑えているのが「人格分裂」というギミックです。
 {netabare}本作では意外にも大半が「にゅう」の人格で描かれているので(ちょこちょこバトルは入りますが)
 全体的には拍子抜けする程穏やかに日々が過ぎていきます。これでグロ展開連発の大味なダーク
 ファンタジーに成り下がらず、上手くメインテーマを描きながら、この(偽り?の)平穏がいつ
 まで続くのかという緊張感を視聴者に与え物語に引き込んでいきます。{/netabare}

・もうひとつのギミック、それぞれの「記憶」
 本作にはもう一人のキーマン研究所室長の「蔵間」が登場します。彼を加えて物語の重要な部分
 はほとんど彼らの回想で綴られるというかなり特殊な構造になっています。
 {netabare}・コータ:衝撃的な事件で閉ざされてしまった過去の記憶
 ・ルーシー:普段は「にゅう」により封印されているルーシーが持つ記憶
 ・蔵間:研究所の責任者・またそれ以上の関係者としてディクロニウスと関わってきた彼の記憶
 そのためエピソードは進むものの、物語の核心はその回想という「振り戻し」で語られるので、
 率直なところテンポの悪い作品だと感じます。実際状況の進展としては、
 {netabare}「モブでない何人かのキャラが死に、コータの元に美少女が集まりプチハーレム状態になったw」{/netabare}
 位でしょうか。それに閉ざされた記憶が蘇るとき・・・こういうところでも結構引っ張ります。
 (上述の「にゅう」の人格がいつ消えるのかを含め、どこで爆弾が爆発するのか緊張感がある
  反面、なかなか爆発せず物語が静かに進行する点もテンポの悪さを感じる一因かな){/netabare}
 それでもラストを観ると何故か納得させられてしまうという、本当に不思議な作品です。
 あと記憶の話でいえばOP曲「LILIUM」も記憶のアイテムのひとつに使われ、こういうところは
 本当に抜け目がないなと感心させられます。

・「人の持つ醜悪さ」「救い」「純愛」がテーマ?!
 1話を観た感じでは「『神の御心?!』種の存亡をかけた『ディクロニウス』VS『人類』の激闘」
 というイメージがあったのですが、個人的にはざっくり下記3つがテーマなのかなっと。
 {netabare}・「人の持つ醜悪さ」
  人ならざる者への悪意・差別、弱い者が更に弱い者を叩くという人間の醜さ、また強力なる力を
  私欲のために独占せんとする人間の愚かさ
 ・「救い」
  上述醜悪な世界からの救い、過去に犯した罪(の意識)からの救済、(あと「人ならざる者として
  生まれた者」が安心して生きていける居場所という救い?)
 ・「純愛」
  コータ×ルーシー、蔵間×ディクロニウスの他種族との垣根を越えた「純愛」{/netabare}

「毒を帯びた密を緩やかに含むような不思議な作品」ってレビューのタイトルを付けたのだが・・・
{netabare}冒頭のド派手なグロ展開がウソのように物語は静かに進行し、コータやにゅう達の何気ない日常は甘い
蜜のようです。しかしそこには遺伝子レベルでの「殺戮衝動」や「人の醜悪さ」といった「毒」も存在
し、いつそれが牙を剥くのか・・・本当に微妙なバランスの上に成り立った不思議な作品だったなと。
なので、率直にいうとどう評価すべきか悩ましい作品ではありますね。期待してた爆弾がある意味不発
気味に終わり、少々肩透かしを食らった感は否めないし。
それでも岡本倫先生の作り込まれた世界観やギミックは秀逸で、「種の存亡」という壮大な世界観から
、最後にコータ×ルーシーという2人の世界へと収束されていく「純愛」への流れは確かに美しい。
なので途中に粗があったとしても、それで許してしまえるっていうのが結論ですかね。{/netabare}

作画・キャラデザは2000年代初期って感じで、感情表現も(細やかな演出ではなく)良くも悪くも分かり
やすく、ストレートな描写が多いところも時代を感じるかな。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

65.4 3 R-15指定でグロなアニメランキング3位
シグルイ(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (160)
739人が棚に入れました
シグルイ HALF-BOX 虎 【期間限定生産】 寛永6年9月24日、駿河大納言・徳川忠長の一意により、駿府城内で御前試合の十一番勝負が行われた。
通常、御前試合は、無益に剣士の生命を失わせないために、慣例として木剣にて行うこととなっているが、周囲の諌めにも拘らず、今回の御前試合は真剣を用いる事が決定され、二十二名の達人らによる凄惨な殺し合いが幕を開ける。
左腕を缺損している隻腕の剣士・藤木源之助の前に現れた相手は、両目が真横一文字に切り裂かれた盲目・跛足の剣士、伊良子清玄であった。対峙する隻腕と盲目の剣士。両剣士には浅からぬ因縁があった…。

声優・キャラクター
浪川大輔、佐々木望、桑島法子、篠原恵美、加藤精三、堀江美都子、屋良有作、稲葉実、島田敏、小山力也、大林隆介、チョー
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「試合は死に合いに通じる。」

【本作の紹介】
本作は、南條範夫の時代小説『駿河城御前試合』の第一話「無明逆流れ」を原作とする山口貴由の漫画が原作。原作は未読。『無限の住人-IMMORTAL-』の浜崎博嗣監督つながりで視聴を開始。

あらすじは、時の将軍秀忠の弟である徳川忠長の命で、真剣を用いた御前試合が行われることとなった(※これ自体はフィクションだが、忠長は奇行が多く28歳で自刃させられている。)。その第一試合は、かつて「濃尾無双」と謳われた剣豪・岩本虎眼が開いた「虎眼流」で同門であった隻腕の剣士・藤木源之助と盲目・跛足の剣士・伊良子清玄であった。

この試合に至るまでの経緯を2話以降で描いていくわけですが、他のレビュアーさんも指摘する通り、途中で終わってます。
また、エログロ注意です。あと、ストーリーを追いかけるのが大変なくらい、視聴者を置き去りにしてどんどん進んでいきます。

ただ、私は武道をやってたんで、秘剣とかいわれるとワクワクしちゃうんですよね。あと、秘剣「無明逆流れ」は、相手との間(距離)が特に重要な技です。武道において間の取り方が重要なので、間を取れないことを「間抜け」というのですが、本作の間の取り方は好きです。そこは間違いなく見せ場。

そして、なんといっても岩本虎眼、他にも山崎九郎右衛門など、とにかくキャラが濃い。色々な意味で必見です(笑)。

江戸時代初期、まだ剣に纏わる戦国時代の狂気がリアルに感じられた頃、その狂気にとりつかれた者たちのお話でしょうか。


【「試合は死に合いに通じる。」】
試合という互いに切磋琢磨するはずの場で、殺し合いになるような激しい感情や行動を導き出すには、江戸時代初期、時代劇という設定が必要だったと思うのです。

合気道の開祖である植芝盛平(1883~1969)は、「試合は死に合いに通じる」(試合をすると殺し合いになりかねない)として、合気道で試合をすることを禁じています。

私は諸先輩方から事あるごとに、口酸っぱくこの話をされて戒めらたのですが、おそらく現代では、解説しないと伝わらない。

どういうことかというと、真面目に日々鍛錬している者ほど、自分の強さにプライドを持っている。しかし、試合で負けると、そのプライドをへし折られることになる。

そして、プライドが高い者ほど、潔く負けを認めない傾向がある。
「試合にはルールがあったから、あいつはルールに助けられただけだ。ルールなしの実戦なら俺の方が強いにきまっている」とか、「あいつはたまたま運が良かっただけだ」とか…
まだ言い訳ですめばいいのですが、挙句の果てには、自分に勝った相手を恨み始め、試合で勝てないもんだから、陰でいじめたり闇討ちしようとしたりする。

試合をすることで恨みや嫉妬が生じ、高いプライドを持つ人ほど、常軌を逸した感情や行動につながる。

ということが特に昔はよくあったので、気軽に試合をするなと戒めているのだと私は解釈しています。

今もそういった感情や行動がなくなったわけではないですが、江戸時代、特に剣の時代であった戦国時代が終わったばかりの頃の人間の剣術にかける意気込みは、現代人のソレとは大きく異なり、怨念ともいうべき常軌を逸した感情を生み出しても不思議ではない。

本作の岩本虎眼は、{netabare}徳川家剣術指南役であった柳生宗矩と試合をして勝ちを譲った。譲られた宗矩は、一計を案じて虎眼が指南役になる道をふさぎ、虎眼はそのことを終生恨むことになる。そのことが、彼の武芸者として高いプライドによって、怨念ともいうべき常軌を逸した感情を生み出したと思うわけです。

また、藤木源之助と伊良子清玄も、道場破りに来た伊良子が藤木と試合したことから始まり、同じ流派の跡取りとしてのライバル関係があって、体の一部を欠損してまで殺し合いを続けている。それは、彼らの武芸者としての高いプライドが、怨念ともいうべき常軌を逸した行動につながっている。

現代から見れば、その怨念は異常でしょうから、それが説得力を持つ江戸時代初期に時代を設定する必要があったと思うわけです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

非常に狂気的な作風であるが、最後はあっけない

この作品は、南條範夫氏が手掛けた時代小説
『駿河城御前試合』の第一話「無明逆流れ」を、
漫画家である山口貴由氏が独自のアレンジを加えた漫画
がベースとなっている。
視聴後に、原作の存在を知ったため、原作に
関してのコメントはできない。

内容を一行で言い表すと、隻腕の剣士・藤木源之助と
盲目・跛足の剣士、伊良子清玄による
壮絶な果し合いである。

全体を通した感想だが、想像以上に濃い作品であった。
作品のテンポはごゆるりとしている故に、中だるみ
しているのではと感じる場面はあったものの、ここぞ
という時の見せ場はきちんと用意されているため
最後まで完走することが出来た。

特にグロテスクな描写は群を抜いており、耐性のない人
が見ると確実に吐き気を催すレベル。常に勢いよく飛び出すと
いうよりは、緩急がついているものであるため、一般的な
グロアニメとは少しばかし違う。
他の作品で事前に耐性を付けてからの視聴を推奨。

主人公を含む主要メンバーそれぞれに明確な役割が
与えられており、このキャラは不要だと感じたことは
ほとんどなかったように思う。

中でも私が印象に残っているキャラクターはやはり、岩本虎眼。
主人公藤木源之助が所属する道場「虎眼流」の創始者であり、
作中屈指の強キャラ。

中でも特筆すべき点は、精神が不安定なため正気を
保っている状態と、正気でない「曖昧な」状態の2種類を
行ったり来たりしているという生活様式。

正気の状態でも、厳列な性格が目立つ正に暴君。部下の口
を裂いたり、裏切り者には両目を潰すなど容赦ない。
そんな彼が一度曖昧な状態へと変貌したら手の付けようがない。
目が朦朧としている上に、言葉を碌に話せるような状況ではない為
真意をくみ取るのに一苦労。

虎眼で印象に残っているシーンは主に二つ。
一つ目は自らの娘、三重に高弟達が大勢いる中で男女の契りを
無理やり結ばせようとする回。
その際発した台詞「種~~!!」は嫌でも彼女の耳に残ったに
違いない。色々と悟った美恵が自害しようするのは当然
の結果だと言える。鬼畜ここに極まれりといった所か。

二つ目は、伊良子の策略により、正気でも曖昧でもない
「魔神」と化した回。完全に敵味方の区別がついておらず、
近づいた者を排除する殺人マシーンへと変貌していた。
対峙する伊良子もこれにはゾッとする。私もゾッとした。
そこからしばらくして始まる伊良子と魔神虎眼の死闘は圧巻。
演出の良さも相まって完全に見とれていた。機会があれば
また見てみたいものだ。

一番のネックは、最後が中途半端な所で終わったことだろうか。
あの展開から、どうすれば1話に続いていくのかが明らかに
されていないのは致命的だ。まあ、原作を読むための配慮と考えれば
理解はできるが、納得することはできなかった。
言い換えれば、その部分以外に大きな不満はなかったので
惜しい作品だと感じた。

余りにも強烈な作風であったため、気になってしまい、
色々調べていたのだが、どうやらかなりの脚色が
なされていたようだ。見ていて、癖の強いアニメだなーとは
薄々感じていたのだが、これではっきりした。
駿河城御前試合を読むときは、そういった部分に配慮しなければ。

流石に誰にでも勧められる作品ではないが、こういった作風を
好む方、グロテスクな描写を好む方には一度視聴してみては
いかがだろうか。個人的には良作だと思う。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

物語の体裁が整っていない事を除けば名作だと思う

面白かっただけに、ラストが残念です。
{netabare}
 正直、ラストは御前試合のシーンへ戻るのかなと予想してたんですよね。
私的には藤木と伊良子の因縁を描き切っての御前試合へ場面が戻るのであるならば、別に御前試合の決着は表現しなくても名作足り得ると思いながら観てたもんで。そういう昔の映画みたいな作りもアリだったとは思うんです。
物語としては似てないけど大菩薩峠なんて1作目そんな感じでしたしね。
 かなり好意的にこの作品観てたもんで、流石に藤木の腕と伊良子の脚が落ちた件が描かれずに終わっちゃうのは流石に物語としては駄目かなと。

 ただそこを除けけば、描き方によっては滑稽にもなりかねない"秘剣"という超人的な技への開眼とかも「おぉ」と思わせるものも有りますし。伊良子のあの首を傾げた珍妙な構えもソレに至った経緯が描かれてましたし。
虎眼という魔神の如き剣客の異常さもミステリアスでとても魅力的。
正直、三重が伊良子に心変わりしたトコは ん? とは一瞬思いましたけど女性にとっての貞操というものの部分に関わる感情は無粋なオッサンの私には判らないですしね。
{/netabare}

個人的には一話から最終話までゾクゾクしっぱなしで、1クールの中身的には私は中弛みは全く感じませんでした。

ただ他のレビュワーの方も描かれている通り、やはりこの終わり方は無いと思う。
直近の作品で言えば"ギャングスタ"の最終話と同じと思って頂いていいかと(汗)
まぁあれは訳アリなんですが・・・

 ですが、この映像美は見て損は無いんじゃないかと。
エロスとグロテスクをR15指定とは言えTVアニメとしてここまで表現してる事は良し悪しは別として価値あるモノと思うし、私は魅せられましたです。
直接的に見せずとも、ある意味AVよりも煽情的だし演出の下手なゴア映画よりはるかに強烈な印象を抱かせるこの作品は日本のアニメの方向性の一つかなと。

 エログロが大丈夫な方は、物語としての完成度は別として観た方がいいと思います。ヌルくは無いので要注意ですが・・・
私的には最終話で物語の一つの終着点が示されていたならば、4.5以上付けたかった作品でした。

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最期まで観て精神的に来るテクノライズとはちと違う路線ですが、画面から臭い立つ嫌な感じは同レベルすね。まだ2話までしか観てないですが堪らず書いてしまいました。スイマセン(滝汗)
こんなアニメも有ったんだと言う不思議な感覚です。

お勧めはしませんw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
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