Production_I.Gで組織なおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのProduction_I.Gで組織な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月29日の時点で一番のProduction_I.Gで組織なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.3 1 Production_I.Gで組織なアニメランキング1位
劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス(アニメ映画)

2015年1月9日
★★★★★ 4.1 (1107)
6901人が棚に入れました
世界は禁断の平和(システム)に手を伸ばす。
2116年――常守朱が厚生省公安局刑事課に配属されて約4年が過ぎた。
日本政府はついに世界へシビュラシステムとドローンの輸出を開始する。長期の内戦状態下にあったSEAUn(東南アジア連合/シーアン)のハン議長は、首都シャンバラフロートにシビュラシステムを採用。銃弾が飛び交う紛争地帯の中心部にありながらも、水上都市シャンバラフロートはつかの間の平和を手に入れることに成功した。シビュラシステムの実験は上手くいっている――ように見えた。
そのとき、日本に武装した密入国者が侵入する。彼らは日本の警備体制を知り尽くしており、シビュラシステムの監視を潜り抜けてテロ行為に及ぼうとしていた。シビュラシステム施行以後、前代未聞の密入国事件に、監視官・常守朱は公安局刑事課一係を率いて出動。その密入国者たちと対峙する。やがて、そのテロリストたちの侵入を手引きしているらしき人物が浮上する。
その人物は―― 公安局刑事課一係の執行官だった男。そして常守朱のかつての仲間。
朱は単身、シャンバラフロートへ捜査に向かう。自分が信じていた男の真意を知るために。
男の信じる正義を見定めるために。

声優・キャラクター
花澤香菜、野島健児、佐倉綾音、伊藤静、櫻井孝宏、沢城みゆき、東地宏樹、山路和弘、日髙のり子、神谷浩史、石塚運昇、関智一

suggest@休止 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

シビュラの導入はいよいよ世界へ

日本よりもっと治安の悪い外国がシビュラシステムを導入した。
一見シビュラシステムのおかげで一部地域が安全地帯になった様に見えたが...
そんな国に朱が送り込まれた話。


やっぱ面白かったです。設定も分かりやすくて入りやすかった。

今回は朱ちゃん一人での活動が多かったけどしっかりしてて、成長してた!(時期的には一期と二期の間だっけ)

そして期待してた狡噛さん登場シーンだけど、朱と手合わせして朱の成長を感じている様な雰囲気がよかった^ ^あそこのシーンの作画はとても安定してた。


"主題歌" 『Who What Who What』凛として時雨
予告観てる時にこれを聞いた時はもう興奮しまくりでした。こらのおかげで期待も一層膨らみました(^^)



ただ一つ思ったのは劇場版ということで仕方ないのですが、途中で気持ち駆け足に見えたので少々内容についていけないとこがあったかなぁという印象。

それでもサイコパスはやっぱスートーリーが面白いな。今作は世界が舞台でスケールも大きいし日本とは違った問題も出てきて見応え抜群!サイコパス好きな方は絶対観ると思いますが、本当に良かったです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 31
ネタバレ

にゃんぴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

政権!

下関条約:清国は遼東半島、「台湾」!、澎湖諸島など付属諸島嶼の主権ならびに該地方にある城塁、兵器製造所及び官有物を永遠に日本に割与する。

皆の評価は高い、大ファンの私としては
ますます超見てェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェΣ(゜Д゜ノ)ノ

いよいよ、お目にかかりました、

難解なストーリーで2回も見てしまった、
一期と同様、哲学な会話だらけですねー
特に最後は常守朱とシビュラのやりとり、満喫です~

日本式の英語はちょっと残念...

作画は綺麗だ!!!
戦闘のシーンもなかなか迫力がある。
{netabare}狡噛はひどくやられたよね......{/netabare}

{netabare}一体テロリストを日本に送り込んだのは誰だろー?{/netabare}

最後のシーン、続編があるかな!?

{netabare}正義(システム)の世界は進化する。{/netabare}

{netabare}いずれ、このシステムの真価が試される。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 99
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

TV版がB級SF刑事ドラマだったのが、劇場版ではC級戦争アクションになっちゃってるけど、ドミネーターの対人破壊力は、犯罪係数縛りで使えなくなる弱点も含めて相変わらずキレッキレで、

TV版視聴が前提だけど、劇場版単体でも十分見られる。
と言っても、
WIKIか何かで、
常守、狡噛、宜野座、槇島といったTVシリーズのメインキャストと、
公安局長、シュビラシステム、22世紀初頭の日本の刑事犯罪の定義ぐらいは
知識補完しておく必要があるけど、
それぐらい知っておけば劇場版の鑑賞にはOK。

なにしろ、東南アジアの別の国での、
全く別のベクトルにシュビラシステム流用が図られたらどうなるか、
という観点で作られているので、
別物として鑑賞するほうが自然。

TVシリーズ視聴済みの方には、狡噛のその後を知る、
という機会がもらえて嬉しいってのが、いちばんだな。

展開がスピーディでサクサク進むので、
楽に見られるし、
R15+ってことになっているが、残虐描写もまあまあ許容範囲だし、
もちろんエロ要素は全くなし。
これなら全年齢視聴問題なしでしょう。

でも総監督の本広克行氏が求めていた、
攻殻機動隊っぽくならない刑事モノを。
っていうのは、もうどうでもよくなったみたいで、
多脚戦車とか光学迷彩とか強化義体とか普通に出てくる。
さすがに電脳化だけは、普及させないってことは守られてはいるが。

ただこの世界観とストーリー展開、
{netabare}日本では鎖国状態にしたうえで、
シュビラシステムが統治するディストピアが描かれ、
その秘密の真髄に迫る公安局員たちの存在があるからこそ面白いので、
このシステムを他国に輸出しようとしている途中の過程ってのは、
システム自体の弱さが最初から露呈してしまっていて、{/netabare}
ミステリー要素で引っ張れない分面白味は薄い。
反対に単純にアクションを楽しみたいって人には十分面白い。

TVシリーズでも納得いかなかった、刑法自体を捨て、
警察機構を無くして厚生省公安局に犯罪予防を全権掌握させた社会って、
やはりどうにも根本的にダメな社会だ、という感想は変わらないけど。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 31

75.4 2 Production_I.Gで組織なアニメランキング2位
PSYCHO-PASS サイコパス 3(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (449)
2240人が棚に入れました
「正義」は、新たな世界を切り開く。 魂を数値化する巨大監視ネットワーク・シビュラシステムが人々の治安を維持している近未来。シビュラシステムの導入後、日本は海外との交流を断ち、長らく事実上の鎖国状態にあった。2120年、開国政策により変革の刻が迫ろうとしている。変わりゆく世界で、犯罪に関する数値〈犯罪係数〉を測定する銃〈ドミネーター〉を持つ刑事たちは、犯罪を犯す前の〈潜在犯〉を追う。

声優・キャラクター
梶裕貴、中村悠一、櫻井孝宏、大塚明夫、諏訪部順一、名塚佳織、沢城みゆき、佐倉綾音、日髙のり子、宮野真守、中博史、田中敦子、日笠陽子、森川智之、堀内賢雄、矢作紗友里、関智一、野島健児、東地宏樹、伊藤静、本田貴子、花澤香菜
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

より刑事ドラマ寄りに最適化された3期目

【物語 3.5点】
TVアニメ2期で刑事ドラマ風の路線へ傾倒していった感のある本シリーズ。
3期では実写連続刑事ドラマでも多い1時間枠になり、傾向はさらに顕著に。

22世紀鎖国日本というSF要素も“開国”により後退。
外国人労働者を認知、受け入れ拡大に舵を切った
現代日本にタイムリーなネタも提供する。
その他、{netabare}宗教と政治と都知事選、アスリートとドーピングなど。{/netabare}

グローバル世界とつながり、罪をもゲーム化して希釈し、
無自覚化する21世紀型の巨悪も息を吹き返す。
その権化たる「ビブロスト」と公安局刑事課一係らとの対峙がメインストーリーの軸。

一方で、この状況に対する「シビュラシステム」の真意は語られず……
というよりシビュラ中枢には、今回ほぼ出番がない。

世相を反映した一つ一つの事件を解決していくうち、
裏で蠢く巨大な陰謀が姿を見せていくシリーズ構成も連続刑事ドラマ風。
そして、{netabare}巨悪との対決は劇場版で!という伝統の投げ技まで決まるw{/netabare}


【作画 4.5点】
上々。道中、人物に謎の輪郭変動?はあったものの、
概ねCGもバランス良く交えて22世紀日本を再現。

見所は1時間枠になり長尺化したアクションシーン。
警棒、締め技なども乱れ飛ぶバーリトゥードでエンタメ性十分。


【キャラ 4.0点】
“メンタルトレース”により事件対象者になり切り捜査を進展させる監視官・灼(あらた)。
ロシア系帰化移民として開国日本の縮図も体現する炯(けい)。二人の新バディコンビが軸。

灼は能力者同然の“特A級メンタリスト"であり、
さらに{netabare}免罪体質者{/netabare}でもあり、
必ずしもドミネーターの執行判定に従わない言動も含めて、
シビュラをSF設定もろともスクラップにしかねない危険な主人公。
にも関わらず彼を監視官にしたシビュラの意図も現状見えず……。
旧来からのファンにとっては不安要素になり得る。

そこへ溜飲を下げさせるように登場する朱(あかね)や狡噛(こうがみ)らの旧メンバー。
ズルいよ。


私のMVPは自称エースから中間管理職へクラスアップ?した霜月課長。
口は悪いが、情は厚い。24歳にして、息子たちを叱咤し見守るおっかさん風の人当たり。
歯ぎしりが聞こえてきそうな、伏魔殿・外務省との交渉などにも感じる名物上司の可能性。


【声優 4.0点】
豪華。CV.梶裕 貴さん&中村 悠一さん演じる新コンビは
公安局の同僚である以上に幼馴染み。
人物設定を理解した役者により、異なる性格の相互理解も含めた、
兄弟じみた腐れ縁が滲み出ている。

公安局のオッサン成分もCV.大塚 明夫さんの執行官が新たに供給され、
哀愁溢れる境遇の吐露を通じてシビュラ社会に毒を浴びせる。


一方の黒幕の方も、
{netabare}CV.宮野 真守さん演じる気鋭の新“コングレスマン”が、
CV.中 博史さんの老紳士やCV.田中 敦子さんらベテラン陣に挑む。{/netabare}
こちらも世代間抗争含めた?不穏なムードを醸して上質。


【音楽 4.0点】
BGMは引き続き菅野 祐悟氏が担当。
メインテーマはバイオリン属よりギターを強調したアレンジで
刑事ならではのアクション&執行シーンで威力を発揮。

OPのWho-ya Extendedの「Q-vism」がスタイリッシュなロックサウンドの中に
監視社会下の葛藤を込める。
新人の主題歌抜擢自体も、主役一新の制作方針と合致。

EDはCö shu Nie(コシュニエ)の「bullet」。
表現力豊かな女性ボーカルがゲーム感覚で罪を重ねる黒幕を
運命を切り開く意志を込めた銃弾で狙撃。


【感想】
『PSYCHO-PASS』はシリーズを重ねるにつれ、
時系列は22世紀の先へ進んでいるのですが、SF要素の後退によるものなのか、
段々、21世紀に巻き戻っている感じが、私にはどうしてもしてしまいます。

現代日本が直面する課題も貪欲に取り込んで、
本作では鎖国設定まで捨てて、タイムリーヒットを狙うのは良いのですが、
これ別に22世紀じゃなくても出来るネタなのでは?と捻くれた私は感じてしまうのです。


今後はどうかシビュラさんにも、もっとお出まし頂き、
もう少しSFとしての矜持も見せて欲しい。

22世紀でも何故か健在だったタピオカ(笑)を眺めながら、
未来を夢見る私なのでした。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 32
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

正直がっかり

序盤 あれ?

中盤 えと...

終盤 は、8話?

この話はあるあたらしい監視官が一係に配属された話
ジャンルは警察・近未来
なんかがっかりです。なんと主人公がアカネちゃんではないという新事実。何が合ったのかは本作終了時には明記されていないので、未だわからず…
主人公が{netabare}とんでもない共感覚を持っています。今までの情報を頼りに事件を犯人の行動や被害者の状況を推測するというものです。まぁ最強ですね。ただの異能力なような気がしますが、これは表現が総代なだけでやっていることはただの推理です。今ある証拠や事件の被害状況などから逆算して犯人や被害者の動機を推測する。悪と普通の推理ものです。しかし、某体だけ小学生の名探偵並みのぶっ飛んだ推理です。こじつけにもほどがありますし、いきなり正解にたどり着くのは不自然すぎます。{/netabare}
あとこの作品では犯人の動機を知ってしまうのは問題でしょう。この作品の確たる要素の犯罪係数がそれを許しません。 {netabare}まぁそのための免罪体質なんでしょうね。{/netabare}
物語的にはあまり面白くありませんでした。いや正確に言うと「変なとこで終わる」
すごい中途半端なとこで終わるので不完全燃焼感が残ります。今後の展開(4期)にもよりますが、2クールにして25話やったほうが良いと思うんですがね...8話というのは...
書きながら思ったのですが正直これなんの感想もありません。私の語彙力がなさすぎるのもあるでしょうが

監督は塩谷直義さん。1・2の監督をなされた方ですね
シリーズ構成は冲方丁さん。2のシリーズ構成を担当された方ですね
キャラクターデザイン・総作画監督は恩田尚之さん。1のキャラデザをされた方ですね
音楽は菅野祐悟さん。1・2の劇判を担当された方ですね
アニメーション制作はProduction I.Gさん。1の政策のなさったところですね

作画は悪くなく、丁寧だったと思います
opはWho-ya Extendedさんの「Q-vism」
edは最近(?)話題のCö shu Nieさんの「bullet」良曲
声優さんは素晴らしく豪華なメンバーが参加していました


総合評価 三期は失敗。4期に期待

投稿 : 2024/12/28
♥ : 18

37111 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

異能はちょっと。。。

1話視聴後感想と今後の期待度
一言コメント:やっぱいいね。常森朱がメインじゃなくてもやっぱその世界観や雰囲気はいい。後輩ちゃん頑張ってて好きになった。
期待度:★★★★★

異能はちょっとこの世界に合わないんじゃ。。。すでに現実離れした世界だけど、それはあくまで現在から続いている予測される極端な未来の話でありそれがこのアニメの中の現実。色相が濁らない体質もこの世界では異常体質っていうだけであって異能ではない。
メンタルトレースの性でなんかすごく嘘っぽいくなった。

旧常森組はやっぱみんなかっこいいわ。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13

77.1 3 Production_I.Gで組織なアニメランキング3位
ジョーカー・ゲーム(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (991)
5038人が棚に入れました
世界大戦の火種がくすぶる昭和初期を舞台に、帝国陸軍の“スパイマスター”結城中佐によって設立されたスパイ養成部門「D機関」の活躍が描かれている。

声優・キャラクター
堀内賢雄、下野紘、木村良平、細谷佳正、森川智之、梶裕貴、福山潤、中井和哉、櫻井孝宏、津田健次郎、関智一
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

映像もストーリーもよく練られたスパイもの<原作読了、追記あり>

本作は繊細な描写が魅力で小説や洋画(特に古い名作)のような印象の、スパイを主人公としたミステリー作品。
何回も視聴して想像や考察をしながらじっくり楽しむのが吉です。

アニメよりも実写向きと感じるような作りですし、エピソードごと時系列を入れ替えていたり、メインキャラクターを意図して見分けがつきにくくデザインしているなど、アニメとしては尖ったところもあります。

エンターテイメント的なアニメを好む人や、キャラクターの掘り下げを望む人には向かないかもしれませんが、シリアスなアニメや他の媒体の作品も好む人には逆に入りやすいのではないでしょうか。

【ビジュアル面】
キャラクター原案は三輪士郎さんで、キャラクターデザインの矢萩利幸さんがアニメの方向性に合わせてより地味なイメージに落とし込んでいます。
ことD機関のスパイ8名は全員目立たないモブ顔を設定するという方法を取りました。アニメキャラクターは一目で見分けがつくべき、という考え方からすれば思い切っていますが、機関員8名はスパイとして目立たず活動する作品なのでこれで正解だったと思います。

作画は安定感と美しさでリアリティを追求している点が最大の特長。動きもデフォルメが少なめ、色彩も暗めなので若干泥臭いイメージにもなっていて、そういう部分が好きですね。
安定した作画でキャラクターの仕草や表情が細かく、緊張感やリアルな雰囲気が途切れなかったことが一番素晴らしい点だと思います。

背景もやはりリアルで美しく、地に足の着いた映像作りがされていて、世界観をよく表現していました。


【キャラクターと声優】 {netabare}
大御所がいっぱいでしたw演技に関しては本当に素晴らしかったの一言です。

結城中佐はほんの僅かに人間味を見せることが実は少なくなく、長いスパイ活動を経てもその人間性を捨て去っていない点がかえって恐ろしいと同時に素晴らしいキャラクター。
堀内賢雄さんは感情を見せない語り口、時折見せるかすかな人間性、変装時の演じ分けなど最初から最後まで、本当に素晴らしかったです。個人的に賢雄さんはシリアスキャラがすごく好きなので嬉しかったです。

ゲストキャラクターではヴォルフ大佐と、その声を当てた銀河万丈さんがとても印象深いです。若い頃との演じ分けも好きですし、判断力に優れた面、冷徹な印象や威圧感、結城中佐に対する一種の執着などその人間性がとても感じられました。
{/netabare}


【ストーリー面】 {netabare}
オムニバス形式 で各話独立した物語として展開、八人の機関員にそれぞれスポットが当たる構成です。
あえて時系列を入れ替え最初(1,2話)と最後(12話)にキャラクターの人間性を描くタイプのエピソードを配置。3話がいきなり荒唐無稽なストーリーなのは気になるものの、話数が進むほど視聴者を引き込む作りになっており、おかげで右肩上がりに面白くなったと感じました。

そして最終話がいつも通りに始まりいつも通りに終わる、というのが実に本作らしい。そういう終わり方になるだろうとは思っていましたし、私自身それを期待していました。
スパイたちの人生にも活動にも終わりはなく、視聴者はそのいくつかの出来事を覗き見しただけと思っていましたし、時系列の入れ替えのおかげでそれが自然だと感じられました。

ラストの結城中佐の台詞は第1話最初の台詞と同じで、これが格好良かった!全体のまとまりも感じられて良かったです。
佐久間さんに対しては「これまでの考え方を捨てろ」、小田切さんに対しては「ここでの経験を忘れるな」という意味もありそうですね。
原作からは改変されているそうですが、スタッフが最後までアニメとしてより良い作品を作ろうとしたと思えて、なんとも粋で、正直燃えました。そういうアニメじゃないけどこれw
{/netabare}

【本作の2つの柱】 {netabare}
本作を1クールで展開する上での柱だと私が感じたのは「スパイの生き様」「虚構」の2つです。しかもその2つの要素は密接にリンクして、綺麗に全12話で起承転結にまとめられていました。

まず1、2話で佐久間が初めて機関員(スパイ)の「虚構」を認識します。佐久間は視聴者目線に立つ存在でもあります。
そして機関員は優秀なスパイで、その存在は「虚構」であり、影となって状況をコントロールするという、その仕事ぶりでスパイを語るという構造なのですね。
3話~7話で機関員たちが主役でないのは当然のことです。スパイの生き様は色々ですが、諜報戦から降りざるを得なくなった者だけが「虚構」を捨て去り(あるいは剥がされ)、初めて物語の主役になるわけです。
そういう意味では、軍人であることを捨て去れない風機関の人間はそもそも諜報戦に参加することすらできませんでした。

結城中佐は上に立つ人間ですし身体的ハンデが特徴になるので影にはなれませんが、逆に掴まれている情報を餌に「虚構」を構築することで状況をコントロールし、アーロンを引退に追い込んでいます。結城中佐の過去話かとおもいきや、10話の主役はアーロンさんなんですよね。
11話は三好が真木という「虚構」を被ったまま人生に幕を下ろす物語でもあり、同時に結城中佐の「虚構」が危うく崩れかける物語でもありました。ニアミスしたのがヴォルフ大佐だったら、一切偽装していない結城中佐は実体をつかまれていたでしょう。
そして、最終話では自己を捨てきれない小田切を描くことで、相対的に視聴者に機関員の「虚構」を再認識させているのです。(キャストの役名が「飛崎弘行(小田切)」になってることに今になって気がつきました。細かい!)

もともと虚構であるアニメーションでは、いかにリアリティを持たせるかが大切です。
本作は映像からはリアリティを追求しているように感じますが、実際は「虚構」を描く作品でした。本作中でキャラクターの語る偽情報すら映像が付いていたのは、視聴者を引っ掛けるフェイクだったのでしょう。原作ファンを引っ掛ける改変もあったようで、そう言われると原作がさらに気になりますw

実写ドラマでも面白いかも知れないと最初は思いましたが、人の手でゼロから創り上げられる虚構(アニメ)だからこそ、本作は魅力的なのかも。
{/netabare}


【雑感】 {netabare}
感情移入が出来ないとのめり込めない私が全話面白く見られたのは、一見淡白に見えても、ストーリー(ミステリー)の中に人情噺のような側面を必ず入れていたからだと思います。
ストーリーを引っ張るのは機関員ですが、他のキャラクターはきちんと人物描写されていて、仕草や表情も見逃せなくて毎回画面に釘付けになってました。

それから自分としては意外だったのが、三好の死がめっちゃショックだったこと。
原作ファンの方の書き込みを目にする機会があって、視聴前から知っていたのにズシンと来ました…普通なら嫌いなタイプのキャラクターなのに…
なんというか三好が、というより「人間の死」というもののあっけなさ、迷いも後悔も心の中に一切無いスパイの死に様が重かったですね。ドラマチックな演出が一切ないからこそ辛かったです…

考える頭脳があるのに日本軍人として生きると決意している佐久間、スパイとして秘密を保って死んだ三好、暗い時代に孤独と苦難の道を歩む機関員たち、それとはまた違う厳しい道を選択した小田切、誰にも見せない苦悩を抱えているであろう結城中佐。
キャラに感情移入するアニメじゃないのに私が嵌ったのは、彼らに想像の余地を残してくれているからです。
本作で何を見て何を考えるかは視聴者に委ねられています。そこがとても好きですね。
{/netabare}

本当にスタッフに恵まれた作品でした。
本作を見ているとわからないことも沢山ありましたが、本作の公式サイトには時系列表やコラム等があり、理解の助けになりました。かなり内容が充実していて頭が下がります。

振り返ると無駄な話はひとつもなかったと思いますし、繰り返し視聴するのが楽しい作品です。
こういう新作が定期的に出てくれると個人的にはとても嬉しいですね。(2016,6,27)


本日原作を読了しました。
キャリアのある作家さんだけあって読みやすく情報量も多く、描く要素も一貫していてとても面白かったです。時系列は原作もばらばらで、アニメだけではなかったんですねw
アニメ版が気に入った方には是非読んでみて欲しいです。

原作のひとつの特徴として、小説というビジュアルのない媒体だからこそ出来る登場人物の「無名性」があります。{netabare}登場するスパイ達は偽名しか付けられていませんし、スパイが主役となる物語は最後にその人物の"スパイとしての死"が示唆されることが殆どです。{/netabare}
アニメ版に私が感じた「虚構」は原作から引き継がれた重要な要素だったのですね。

アニメーションではビジュアルが絶対に必要ですから、やり方を間違えると本作の魅力を大きく損なう難しい要素だったんだなと読んでみて思いました。機関員のキャラクターデザインはとても良いバランスだったと思います。

物語としても、キャラクター数や情報量を減らしながらも物語の筋はきちんと通り、そのために原作を分解・再構築することを恐れないよく練られた作品でした。

動画配信サイトが再放送など行ってくれていることもあり、良い評価を受けているようで一ファンとしてとても嬉しく思います。
(2016.7.8追記)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 51

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

趣の異なった『主人公最強系』?

原作未読。

ジャンルはスパイ&ミステリー系かな?
日本が世界大戦に参戦する直前頃、結城中佐の発案で作られたD機関と呼ばれるスパイ養成学校の8人の訓練生たちが活躍する話。

今まであまり見なかったジャンルなので、楽しさ半分、好奇心半分くらいで視聴開始。

まず、作画の綺麗さにビックリ。

OP、ED曲とも作品のイメージにぴったり。

登場人物の姿形に特徴が少ないため、誰が誰だか見分けにくいけど、表情が豊かな部分は高評価。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 59
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ルール無用のスタッドポーカー

時は1939年、第二次世界大戦前夜。日本陸軍に所属する結城中佐によって設立された諜報機関「D機関」。そこで訓練を受けたスパイ達が世界各国へと散り、それぞれに暗躍を始めます。

1、2話の導入を経て、3話以降からスパイ達の本格的な活動が描かれます。基本的に1話毎に一人の主人公および舞台が定められており、それぞれのスパイは訓練によって身に付けた超人的技能を駆使して任務をこなしていきます。導入編に当たる最初の2話で「D機関」設立の理由、スパイ達の基本思考などが紹介され、さらに軍内部における「D機関」の立場、参謀本部との対立やあつれき、駆け引きなども描かれており、世界観の説明をそつなく描いていている印象でした。
{netabare}
3話からはスパイ達の本格的な活動が描かれますが、4話ではスパイ活動そのものよりも※2軍内部の腐敗に焦点が当てられている様でした。続く5話では元のスタンスに戻りましたが、3話と同じ催眠術関連のネタがあったので少しだけ残念でした。英国の諜報機関のスパイ・マスターとされるハワード・マークス中佐も登場して、「D機関」のスパイの命運もあわやと思われましたが、結果は見てのお楽しみ。

おおまかな印象としては、結城中佐の目的は、他国をスパイすると同時に、参謀本部や外務省など自軍の他機関に対するスパイ行為も行い、自らの「D機関」の地位向上を図るとともに、けん制を行い、それらをコントロールしようとしている様に見えました。

8、9話は前後編に分かれており、ドラマに大きな動きがある様です。これまでの回ではD機関に所属するスパイ達が優秀過ぎて、対峙する者たちの知力が常に劣っている様に見え、スリルが足りませんでしたが、D機関の「殺すなそして死ぬな」の信念と真逆な「殺せそして死ね」という信念を持つ風機関(名前が奇抜)の登場で、今後の展開が分からなくなってきました。

定着しかけている図式に変化がもたらされる事を期待しつつ、9話視聴を終えましたが、うーむ、こうなってしまうのか‥。対決の行方は見てのお楽しみ。
10話は結城中佐の過去についてのお話。刷り込み洗脳再び。でもこういう静かな回もたまには良いです。

11話ではアニメ世界ではかくも珍しい無常展開が待っている。それにしても銀河万丈さんの声で拷問シーンとか、やっぱりボトムズのロッチナを意識しているのだろうか? 不謹慎にもちょっとだけ笑ってしまいました。

最終話に於ける結城中佐の男尊女卑的な発言は、彼もまたその時代に生きた一人の人間であった事を思わせました。D機関の首領がそんな事でいいの? とも思いましたが、とかく人というのは自分の持つ思い込みにだけは気が付きづらいものです。それもまた結城中佐の人間的な一面なのでしょう。

他の登場人物に関しても、最期まで徹底してD機関のスパイたちの顔が皆同じ様に、また微妙に違う様に描かれているのは、スパイとして我を殺しているからである様にも見えますが、そうあろうとすればする程、彼等のスパイとしての冷徹さよりも、むしろ人間的な弱さの部分が際立ち、一瞬の閃きの様な精彩を放つ場面も全編を通して少なからずあった様に思います。2期があれば一人一人のスパイとしての姿だけではなく、人間的な部分にももっと焦点を当てて欲しいと思えました。

D機関のライバルとなる存在が最期まで現れなかった点や、ミステリーの部分がかなり古典的なアイディアの寄せ集めで作られている点は、スパイアクションとしての緊張感に欠け、若干物足りないとも感じましたが、"分かっているけど面白い"という様な感情を刺激し概ね楽しめました。来期があればこちらの点にも工夫を凝らして貰えたらなぁと欲張りにも思ってしまうのでした。
{/netabare}
OPムービー及びテーマは今期のアニメの中では突出した完成度の高さだと思いました。静止画を巧みに用いたスマートさと、適度な不敵さが込められた歌詞の痛快さには、中毒症状を覚える人もいるかも知れません。低くのたうつ様なボーカルもドラッギーで危険な感じを振り撒いており、作品の雰囲気を強く匂わせていると感じました。


※1:本作の舞台となる歴史上の同じ時期に、陸軍中野学校という「D機関」のモデルと言っても良い様なスパイ養成機関が実在していた様です。「名誉や地位を求めず、日本の捨石となって朽ち果てること」を信条とし、武道や射撃だけでなく忍術や心理学、毒盛りや金庫破りのテクニックも教えてという‥。ぐぐってびっくり!

※2:現在閲覧可能な当時の文章や映像から、二次大戦前後の軍上層部の無能や腐敗ぶりを確認する事が出来ます。国民の多くが毎日の食事にも困っている状況なのに、お上の連中は終戦直前まで、情報操作による戦況報告で国民を騙したり、贅沢パーティー三昧したり、アメリカの軍事力を軽視したり(理解している人の人数は極僅かだった様です。)、挙句の果てには気合で勝てるとか言ったり、知力の低さが底抜けでした。ガンダムの作者である富野由悠季氏も当時の兵站についての無思慮を指摘していらっしゃいましたので、関心を持たれた方は「富野由悠季 軍上層部」でぐぐってみて下さい。

※:タイトルのスタッドポーカーとは何枚かの伏せカードに追加する形で公開情報である表向きカードを次々と配って勝負するポーカーの一種。ここでは伏せカード1枚から始まるファイブスタッドポーカーをイメージしました。名優スティーブ・マックイーン主演「シンシナティ・キッド」などでも割と有名です。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 28

76.0 4 Production_I.Gで組織なアニメランキング4位
イノセンス -INNOCENCE(アニメ映画)

2004年3月6日
★★★★★ 4.1 (770)
4249人が棚に入れました
草薙素子(少佐)がいなくなって3年後の2032年。
少女型の愛玩用アンドロイド(ガイノイド)「ロクス・ソルスType2052 “ハダリ(HADALY)”」が原因不明の暴走をおこし、所有者を惨殺するという事件が発生した。被害者の中に政治家や元公安関係者がいたことから公安9 課で捜査を担当することになり、公安9課のメンバーであるバトーは新しい相棒のトグサとともに捜査に向かう。

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

あなたのハダリにゴーストは宿っているか

 記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。
 なおこれらのレビューは個人的推論に則ったものである。言い切っているような台詞も、独自の解釈の一環であり、一方的な決め付け・断定をしているのではないものだと思ってもらいたい。

『少女型のアンドロイド・ハダリが原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が発生した』
 イノセンスのストーリーを非常に大まかにいうとこういう形になる。
 義体化。体の大部分を肉体ではなく、代替品でまかなえるようになったSFの世界の話である。

 ストーリー上、ゴーストという概念が非常に重要性を帯びてくるため、そこだけwikiから文章を拝借した。

ゴースト
 あらゆる生命・物理・複雑系現象に内在する霊的な属性、現象、構造の総称であり、包括的な概念である。作中においては主に人間が本来的に持つ自我や意識、霊性を指して用いている。
 要約すると人間の肉体から生体組織を限りなく取り除く、あるいは機械で代行していった際に自分が、自分自身であるために最低限必要な物、又はその境界に存在する物こそゴーストであり、生命体の根源的な魂とも表現できる。

 人形と人間の境界線をゴーストで隔てる、そういう考えが攻殻の世界にはあるようだ。
 では人間と人形の差は何なのか。また人が人形に求めているものは何かである。
 筆者はあるハーレムもののアニメを視聴していたとき感じたのだが、まるでキャラクターが生きているようには思えず、まるで人形に見えてしまったのである。なぜ、人形に思ってしまっていたのか。
 まず、女の子特有の、異常なまでの情報伝達の速さがある。人によっては光の速さで噂が伝わるとまで表現している。ハーレム状態で、主人公の男がそのうち特定の誰かと交際関係を始めたら、一挙手一投足、更には太腿や胸元などに視線を一つ向けたことまで、下手をすると一週間も経過しないうちに、見知らぬ女性にまで伝わってしまうことである。驚異的な噂話好きの女性達にとって、その程度は日常茶飯事なのだし、もっといえば生理現象といってもよい本能だと筆者は強烈に感じ、またそう思っている。
《「女」の字を三つ合わせるとやかましい意の「姦」の字になるところから》女はおしゃべりで、 三人集まるとやかましいという意味があるほどだ。
 それが起きるとどのような事態に変化するのか。何かあるたびに噂のネタにされ、ツツき回され、念入りに人間性を審査され、あること無いことまで吹聴され、話に尾ひれをつけられる。日常生活において支障を来たしてしまうのは無理からぬ状態になると容易に推測される。それがないのだ。
 また、ハーレムでも女性はちゃんと一人一人心を持っている。なので、相手にされず放置を続けると、不満が溜まる一方になっていく。そしてあるとき、見境も無く爆発したりすることがあるのだ。出物腫れ物ところ嫌わずという。だからといって、男が特定の女性一人に決めて行動すると、選ばれなかった他の女性の不満が爆発してしまうときがある。それがないと心を持っていないように感じるのだ。
 男性主人公からすると……
 誰にも女性の暴挙に対する愚痴一つ漏らせない。漏洩した瞬間から女性陣の一斉攻撃が始まるだろう。そして、いつ爆発するかもわからない不満を和らげるために、いつも周囲に気を使う仮面をかぶり、常に自制し続け、自らの意見が周囲にどう映っているかを考え、女性にとって都合の悪いことは何一つとして話すこともすることもできない。針のムシロ。恐るべき閉塞感の中で悶々とした生活を送ることになる……というのが筆者の考えだ。しかし、ハーレムものの中心にいる男性キャラクターにそういう経験したというのを見聞きしたことがない。もし誰か一人の女性だけに交際を定めた場合、女性同士の陰湿ないじめ、果ては自殺などに発展する可能性がある。ハーレムアニメの中でそのような事態になったというようなことも、筆者は見聞きしたことがない。

 ある女性アイドルの男性ファンが『○○ちゃんはウンチなんてしないんだ』といったという話がある。それを話題にしたところ、普通の人間なら、花くらい摘みに出かけることもあるはずだという反論も出た。
 アイドル業はファンあってのものなので、事務所側は汚いものは見せない、イメージダウンに繋がることなどさせたがらない。それは、ある女性アイドルの話を偶然仄聞した事項まで連想させた。アイドル自身、その人を演じていた。あの人はこういう人なのだという言い回しをしていたのを思い出す。等身大の人間ではなく、ドラマの中の登場人物のように演じているのだと。アイドルの語源は偶像である。
 ハーレムアニメのキャラクターは生きているようには見えず、単なる人形・マネキンだと自ら表現したことに対して、同じく自ら反証するとしたらどうなるのかと自問した。答えは、お約束によってアニメが成立するため、人形であろうと問題ない。噂話に興じるような女性特有の生理現象と思えるものがなくてもよい。問題ないという結果になった。
 その矛盾点がないとストーリーとして成立しないのならかまわないのである。それはお約束なのだ。
 単なる手抜きであったとするのなら、そういう矛盾点がなくてもストーリーとして支障を来たさないどころか、あるとストーリーが破綻したりする類のものだろう。
 女性的な生理現象としての噂話、光の速さで浸透する情報はなくてもよい。
 そういう思考にたどり着いて以来、筆者は生理現象のない人、極端な話、花も摘むこともない人の形をしたものでも気にしなくてもよくなったのである。
 筆者がなぜマネキンと評してしまったのかは、生理現象が無い=生きていないと感じたからだった。

 涼宮ハルヒの声優さんが、スキャンダルを起こした、起こさないで揉めたという話が出たことは筆者の記憶に新しい。声優さんとキャラクターは別の存在であり、非難するに値しないという解釈は十分成り立つ。しかし、中の人という表現もある。騒ぎになってしまう原因は、声優とキャラクターを同一視するか、それに極めて近い感情を有している人々がいるからだと推察できる。
 こうしてみると、ハーレムもののアニメはメタ的な作りになっていることに気付いた。まず男性視聴者がアニメの女性キャラを求め、アニメの女性キャラたちは一人の男性キャラクターを求める。その男性キャラクターは男性視聴者の分身として製作されているのではないかと思える。男性キャラクターは一人だけだが、男性視聴者は大勢いてかまわない。この特殊な構造を生み出すことによって、男性視聴者を満足させる試みがなされているのではないか? 以前なら、アイドルの恋愛はタブーのような人気業種だろうし、今でもあまり変わり映えがしないように思える。声優さんの例を挙げるまでもなく、恋愛対象などいないことが好ましかった。それをアニメというジャンルによって、アイドルを擬似的に恋愛させる、恋愛対象は男性視聴者の分身という形に変化したのではないだろうか。
 当然例外は存在するものの、基本的にハーレムものの女性キャラクターは男性視聴者を落胆させるような作りにはなっていないように思える。落胆するかどうかの基準についても、視聴者の目線は主観的であるため、確実性があるとはいえない。
ここまでのまとめとして、アニメのキャラクターも、人気女性アイドルも、同じく偶像的という類似点があるといっていいのではないか。
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうことがある、ということだ。

 偶像化の類似種として登場するハダリ。
 アイドルも、人形・ロボットのハダリも同じように偶像の類似種としてみることはできるのだろう。ハダリそのものは、女性アイドルの代替品として存在しているような感覚を筆者は覚えた。求めるものを具現化する、というやり方はアニメもアイドルも、類似点がある。
 筆者が想起したもの。ハダリの存在理由は、俗に言う嫁ではないかという感想である。アニメの女性キャラクターを指して、自分の嫁だと思うことだ。嫁が画面から出てこないという表記があにこれにもある。あれだ。
 イノセンスの最初の場面を視聴していたとき、筆者の頭の中では、ある想像、いや妄想といってよいものが起きていた。

 以下妄想。
 俗に言う嫁を脳内で愛おしく思っている男性視聴者の学生が、いそいそと塾から戻ってきて、夜食を取りつつ、お気に入りの嫁の映っているアニメの視聴時間が来たのでテレビにスイッチを入れた。
 アニメの主人公の男性はあまり冴えない容貌で、これといった特徴もない人柄。人によってはへたれと呼ばれてしまいそうな性格である。そして、思春期の学生らしく、女性に自意識過剰になってしまいがちで、リビドーを押さえることが難しい感覚を受ける。
 嫁の傍に近寄って、欲情の視線で盗み見た瞬間……
 なぜか嫁は、激しく暴走し、信じられないほどの腕力で主人公の男性を素手で滅多打ちにし、撲殺してしまう。血塗れだ。鮮血が飛び散って文字通り周囲を塗り尽くしている。付近の壁によりかかるようにして斃れた男性主人公の頭蓋骨は陥没し、はみ出た脳が地面に垂れ下がっている。
 溜まりに溜まってきた怒りか、堪忍袋の緒が切れたように爆発したのか。
 周囲にいた人々は怯え、警察を呼ぶ。嫁は路地裏に逃げ込み追い詰められる。路地の突き当たりにまで行き着いた嫁は逃げ場を失っていた。
 そこにやってくる一人の刑事らしき大男。大男と対峙した嫁は叫んだ。
「私は我慢してただけよっ!私は男の奴隷じゃないっ!男のいいなりになんかならないっ!」
 大男は無言で拳を嫁に叩きつける。逃げ場を失った嫁は、どこから持ってきたのかわからない包丁で自分自身の体を切り刻み、自害した。
 凄惨な現場で取り調べが始まる。テレビ画面を見ていた学生の男は呆然として、一言いった。

「俺、殺されてる」

 以上妄想終了。

 ある若手の女性ニュースキャスターが、自分のいいたいことを表現したところ、職場の男性陣からいろいろといわれたという。あいつは生意気だ。人から言われたことをやっていればいいのだ。女が自分の考えをニュースでいうなどおこがましい、と。結局その女性はニュースキャスターを辞めたという。
 男性視聴者の手前、職場からいわれている手前、規制されているような状況と類似した不満。それが爆発したかのような……その記憶との連想を想起させる事件がイノセンスでは起きている。
 筆者のした妄想を、攻殻という形で表現したら、作品としてイノセンスができあがった。そんな感じがしたのだ。事実としてそんなはずはなかった。先に作品はできあがっているのだから。
 筆者が注目したのは、事件を起こしたのが人間ではなく、女性型ロボットのハダリであったことだ。人間型であっても、人ではないはずだ。しかし、どう考えても筆者からみてハダリは「生々しい女」だった。
 ロボットは怒りで人を殺さない、ロボットは逃げたりしない、ロボットは追い詰められたからといって自壊しない、……そのはずだ。それとも前もってプログラムされていたのか?
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうアニメの女性キャラクターは、飽くまで人という設定だ。生身のはずなのだ。なのにイノセンスでは人形であるにも関わらず、ハダリは生身の女のように思えたのだ。
 それは様々な人々によって意図的に隠蔽されてきた、剥き出しの人間性が露出していたからではないか?

 イノセンスのワンシーンが回想される。
「ああ、俺もよくやるよ、感想」
「あんた出世しないな」

 義体化率が90パーセントを超えてしまう人間が闊歩する世の中で、人と人形の差は縮まり、曖昧なものになっている。それが攻殻の世界にみえる。では人と偶像の明暗をわけられるものがあるとしたら、それは一体なんなのか?
 そもそも、なぜそのような事件が発生してしまったのか、原因は何か?
 それを追っていくのが、筆者から見たイノセンスである。

 もし、嫁が暴走をしはじめたらどうするか?
「カオがよくてお金持ちで性格のいい若い男なら」
「今まで素振りもみせなかったけど、ほんとは冴えない男と付き合いたくないよね」
 人間からみたロボットの立場は、奴隷だという人もいた。ゴーストを持たぬ奴隷。ではその奴隷が人間性・ゴーストを持ってしまったらどうなるのか。
 アニメの女性キャラは決して男性視聴者の奴隷ではない。ゴーストはすべての女性キャラに宿っている。そういう人もいるだろう。しかし、アイドルとアニメの女性キャラを比較すると完全にそういい切れないところも出てくる気がするのだ。アイドルは実際にいるし生きている。アニメのキャラは生きているとはいえない、と言い切る人も出てくるだろうし、意見が分かれてしまうだろう。
 規制されていたものがなくなったとき、男性視聴者の予想外の言動が出てきてしまったらどうするのか。その時、若手の女性ニュースキャスターの職場にいた男たちのように、お前は黙って男の望んだとおりに動いていればいいんだ、といえばいいのだろうか?
 それとも、受け入れてやるのだろうか?
 薄い本が好きな、アニメ好きの男性たちの欲求を商品化するとどんなアンドロイドが作られていくのかと想像する。答えは、アニメのキャラそっくりのセクサロイドが作られるのではないか。キャラクターが描かれた抱き枕の発展版かもしれない。それと極めて類似するハダリ。
 ハダリから感じた……剥き出しに露出した人間性、そうみえたものが、ゴーストのように思えてしまったのである。ご主人様を殺害してしまったハダリにはゴーストが宿っていた。
 やたらと夜のオカズにされたりしているアニメの女性キャラは暴走しない。
 そこに、ゴーストは宿っているといえるのか?
 その話をしたところ、

『まぁ当然ゴーストが宿っていたから暴走したというのは間違いないですw』
『ゴーストがやどっていて大人しくしているとしたら、よほどのマゾですね』

 という意見が返ってきた。
 嫁に殺されるご主人様を題材にしたアニメを作るあたり押井監督はえぐい。しかし、その意図はどこまで一般視聴者に読み取られているのか。いや、筆者の勝手な想像にすぎないのか?

 そのようなことを夢想していた。忘れてもらってもいいのだが、心のどこかで筆者は問いかけてしまうようだ。


 あなたのハダリにゴーストは宿っているか、と。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 26
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

詩のようなアニメって表現がしっくりくる

押井守監督による攻殻機動隊の映画版第2作。
1作目の続きです。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 → http://www.anikore.jp/anime/1798/

イノセンス -INNOCENCE → http://www.anikore.jp/anime/1864/


前作とよく似た雰囲気です。
オレンジを基調とした美しいグラフィックとBGM。
独特の間が目立ちます。
また、いったん口を開けば高密度な哲学的テーマが飛び出すのも前作と同様です。


正直、かなり難しい内容でした。
次々に出てくる仏典や聖書や偉人の言葉。
そして、映像による数々のトリック。
1回見ただけでは頭がパーン\(^o^)/です。

雰囲気や動きはいいんですけどね。
いかんせんわかりにくい。
何度も見るのを前提にしたほうがいいかもしれません。


今回の主人公はバトー。
ロボットの暴走によって所有者が殺害されるところから話が始まります。
単なる暴走なのか、それとも仕組まれたものなのか?
トグサやイシカワとともに捜査に乗り出します。
それに前作で{netabare}ネットの世界にダイブ{/netabare}した素子(もとこ)への淡い恋心が絡めてあります。

しかし、はっきり言ってストーリーはおまけみたいなもの。
テーマ性と雰囲気が肝ですね。

テーマは、

「人間と人形の違い」

でしょうか。
前作と似た感じかな?

「機械化された人体」と「疑似体験」がカギをにぎっています。
機械化された肉体は、どこまでが「人間」でどこまでが「人形」なのか。
存在する記憶は、どこまでが「現実」でどこまでが「虚構」なのか。
人間を人間たらしめるのは何か。
器なのか、記憶なのか、その両方なのか。
答えは出していませんが、その境界線のあいまいさを説いています。

しかしまあ、難しかったですね(少なくとも私には)。
前作もそうでしたが、それ以上の難解さ。

・難しい言葉をひもとくのが好きな人
・芸術的な雰囲気アニメが好きな人
・攻殻機動隊が好きな人

この3つを満たしている人に向いていると思います。
なんというか、詩を読み解いている感覚になります。
芸術的なのですが、視聴者に優しくない、そんな作品でした。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 53

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

人間と人工知能。。何が違うのか?

人間が人間たらしめているのは、自分たちが「人間」であるということを「意識」しているからだそうで、「我思う、故に我あり」というわけである。

しかしもし、AIなるものに「意識」が備わったとしても、「意識」そのものが科学的に証明されない限り、それは「意識しているとプログラミングされている」という解釈になるそうだ。ということは、逆説的に言うと自分以外の人間が「人間」であるかどうかは本質的には理解できない。なぜなら、そこに歩いている「人間と言われるもの」は「そうプログラミングされた何か」かもしれないからだ。

あるいは、我々人間が飼っているペットやぬいぐるみ、自分の子供を可愛がったりするように、他者に対して感情移入できるよう「ロボット」や「アンドロイド」に「共感」できるほど感情が豊かである場合、「人間」が「ロボット」に「人間性」を見いだせれば、例えそれが「意識」など存在しない単なる「プログラミング」だったとしても。。。

「人間」はそれを「人間」として扱うのかもしれない。要はどう捉えるかは私たちの考え方一つで決まってしまうのだ。

例え実体のない2次元が対象であったとしても、それが「機械」であったとしても、そう思えたり信じたりすることによって幾重にも捉え方が変わっているのである。

そうした場合「人間」の定義とは一体何を指すのだろうか。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 28

73.6 5 Production_I.Gで組織なアニメランキング5位
B: The Beginning[ビーザビギニング](Webアニメ)

2018年3月2日
★★★★☆ 3.8 (242)
1248人が棚に入れました
科学者が宇宙平和のために創造していた"新人類"が、完成を目前にして、独自の企みを持つ悪の集団に誘拐される。近未来を舞台にしたオリジナルアニメシリーズ。

王立警察特殊犯罪捜査課へと戻って来た天才捜査官キース・フリックは、ある事件の犯人を追っていた。凶悪犯罪者ばかりを狙う連続殺人鬼、通称『Killer B』。犯行現場に必ず刻み込まれた『B』の文字は人々の注目を集め憶測を呼んだ。『B』それは彼女のためのメッセージ。『ぼくはここにいる……』その身を異形に変え、黒羽は届かぬ思いを刻み続ける。キースと黒羽、互いに見知らぬ二人の運命は、やがて一つの陰謀へと飲み込まれていく——

Netflixによる限定配信。

声優・キャラクター
平田広明、梶裕貴、瀬戸麻沙美、東地宏樹、稲葉実、小清水亜美、豊永利行、田中進太郎、後藤敦、森川智之、石川界人
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

想定外に挑み続けるメンタル

エログロなんでもアリのフリーダムな姿勢で、
次々と刺激的な展開を繰り出して来る海外ドラマ。
それらが席巻する世界を相手に日本のアニメは何ができるだろうか?

本作はNetflixオリジナルアニメとして得たと思われる予算や環境を、
海外ドラマ級のシナリオ密度という形にして、その問いに答えてみせた野心作。

伝説の敏腕捜査官、サイコパスな猟奇殺人グループ、架空の王国で暗躍するダークファンタジー風のヒーロー。
脚本面でも、作画面でも並の制作体制なら破綻して闇鍋化しかねない水と油な具材を、
一つのアニメーション作品として仕上げた本作は非凡だと感じます。

その情報量の多さには置いてきぼりのリスクが付きまといますが、
私の場合は情報が押し寄せる度に、脳が悦んでいるのが自覚できて幸せでした。

一方で展開、設定等には既視感も覚えたりもしました。
ただ今回の場合は、それも私にとっては助け船でした。
だって、このシナリオ密度で全て未知の要素で物語を構成されたら、
間違いなく付いていけないでしょうw

今の話よく分らなかったけど、もしかして昔見たアニメのあれと似たような物なのだろうか?
とデジャヴも頼りに完走した面も多々あった(苦笑)アニメ鑑賞でした。


ダークヒーローを捜査すると言う無茶にリアリティを与える超展開を眺めていて、
ふと、例えば昭和の人間に、次の時代に最終戦争を妄想したカルト教団が
地下鉄で猛毒をばら撒いて自作自演するテロを起こすから気を付けろ。
と警告しても、誰も本気で聞いてくれないだろうなと言う着想が浮かんで来ました。

夜空を飛翔する魔人の如きイレギュラーなど、常識的に考えれば荒唐無稽ですが、
本作では遺伝子科学の急進や、生命倫理の忘却が重なればあり得る現象として設定され、
天才捜査官は、例え周囲に狂乱した変人と白眼視されようとも、焦点を合わせ続ける。
その飽くなき執念に惹き付けられます。

{netabare}「トラブルってのはプロセスの一つだ。
昔の俺たちは トラブルを事前に対処してきた。
それが間違いだった。だから失敗したんだ。

トラブルやイレギュラーは必然であり要素なんだよ。
排除しちゃいけないんだ。全てに意味がある必ず何かにつながる。」

――キース・フリック{/netabare}


既視感も当てにして高密度の物語を消化する悦びは今作で再認識できたので、
制作が決まっている二期では是非、シナリオ濃度にも慣れたアニメファンに
未知の体験をスパイスして酔わせて欲しい。
今後もよりキモチイイ、攻撃的な姿勢に期待したいオリジナルアニメシリーズです。


余談:本作監督インタビュー(Gigazine 2018年03月02日)にて、
日本とNetflixで異なる規制基準についての言及もあって興味深かったです。
日本では自粛する部分でリミッターを外してフリーダムに表現できる高揚が伝わって来ました。

Netflixがグロに寛容なのを良いことに、
本作は中々の出血多量で耐性のない方には注意が必要なわけですが、
もう一つ警告しておきたいのは画面の点滅について。

何でも日本のアニメ業界では未だに
TVアニメ版『ポケットモンスター』のポリゴン明滅による、てんかん事件が尾を引いていて、
「ポケモンチェック」と呼ばれる画面点滅に関する自主規制が敷かれているとのこと。

今回はそこもフリーダムなのを良いことに、嬉しそうにピカピカしているから危険ですw

特に異形たちの眼。
こやつらポリゴンかwってくらい赤、青に大喜びでパカパカ点滅するからアブナイですw
実際、彼らの瞳のフラッシュは、{netabare}目が合った者の脳を弄くり、記憶を改ざんするデンジャラスな光ですしw{/netabare}

光の刺激に弱い方は視聴の際くれぐれも気を付けましょう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 22

reviewer さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

こういうアニメが見たかったんだよ

Netflixオリジナルということでテレビ放送がないためか、あまり話題になっていないが間違いなくもっと注目されるべき作品。

内容としてはダークファンタジー×クライムサスペンス。架空のヨーロッパの国を舞台に猟奇殺人を追う刑事の物語。作画は完璧。アクションシーンから細かいシーンまでよく描けている。イタリアとキューバの街を参考にした街並みは必見。

シナリオはクライムサスペンスにけっこう強引にファンタジー要素を突っ込んできた感じで現実味がなかったが、おかげで派手なアクションシーンやダイナミックなシナリオ展開が出来ており、最後まで飽きさせないようになっていた。良い意味で日本のアニメらしいシナリオだったと思う。

良くも悪くも最近の日本のアニメは萌え一辺倒というか、軽いというか。いい大人が鑑賞に耐えうるだけのアニメが少ない。この現状のなかで、Netflixによってこういうアニメが全世界に配信されたのは素晴らしいことだと思う。日本アニメの底力と可能性を見ることができた作品。今後もこういう作品が全世界に配信されることを願う。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13
ネタバレ

レタスの人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

余りオススメはしないけど面白い

ダブルヒーローを取ってるアニメで、設定や人物がどことなく何かの漫画アニメで見た事があるような風貌なのがちょっとだけツボでもある。

敵組織はプロジェクトアームズのエグリゴリ、トップも明らかにモデルがキース・ブラック。
名前は皆月だが、まさか作者の皆川から取ってるんじゃないだろうな。
活動理由や設定や武器もなんかアームズに似てるぞ。っていうか、人体各所に13人が持つ身体特性がどう見てもアームズだろ。

主人公1は東のエデンの滝沢の風貌に似ている上に、名前が黒羽なもんだからなお連想してしまう。(ブラックスワン)
そう考えると、カップリングの銀河お嬢様はちょっと森美咲に風貌似てるのか?

主人公2はアニメ、サイコパスサイド。
雑賀譲二のような風貌だが、こちらは性格も雑賀譲二にやや近い、名前はアームズを連想するキース・フリックだけどね。混ぜすぎだろ。
ただ調査や進行はなろう系の如く、よくわからない、恐らく全く意味はない数式を並べまくる演出となっている。
カップリングは食いしん坊のノリノリ東洋人なので進撃の巨人のサシャ似だ。
吉永カエラは唐之杜志恩をモロに踏襲したキャラであり、事件の進行もどこかで見たような光景。

多分詳しい人ならもっとバリバリと元ネタを洗い出しそうだ。

そして設定は、よくわからない。
特に発祥理由や整合性などについて全く説明が成っていないので、そういうものとして受け止めるしかない上、そのせいで逆に〇〇したら〇〇なる、ならない。っていう正解を何故各々導き出せてるのかもよくわからない。

言ってしまってはなんだが、多分そうであるからそうであるを地で行っている勢いで見るアニメでもある。

そして冒頭で述べた既視感についても、アニメでも語られ、そして製作者が語りまくるセリフで一発で解決できたりする。

「様々な色が混ざると黒になる感覚が面白いと感じた」

とにかく思い当たる何かを混ぜまくった結果がこのアニメであり、視聴者が抱いたパラレルに近いその既視感はまさにこのアニメの象徴である。

{netabare}
そう考えると全体的に実験的アニメに近いので万人にオススメもしないし、良いのか?という気分にもなる。
そして、最終回はほぼ語られずに速足で終る。
そういうのも評価しにくいポイントだが…。

でも、まあこういった無茶苦茶な作品とは言え、主人公1は悲惨な運命ばかり見えてた割に、ちゃんとユナちゃんと平穏ちゅっちゅエンド(どういう経緯なのか不明過ぎる)、主人公2もまあ良い関係築いているという、大団円の終わり方なので良しとしよう。

特に黒羽とユナは絶対無事じゃ済まないと思ってたし。


(つか、話変わるけど考えてみたら皆月君、顛末までキースブラックだよね。スペアで利用されて終わるだけで(但し皆月はスペアのスペア)、やっと対面したのにまともな見せ場もないという)

{/netabare}

事後処理とか化け物設定どうなってんねんという感じだが、なろうみたいのはともかく、こういう勢いのアニメは正義だと思う。
終始適当に書いたわけではなく、力を入れるベクトルをちょっと変えただけだから。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

74.2 6 Production_I.Gで組織なアニメランキング6位
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1「罪と罰」(アニメ映画)

2019年1月25日
★★★★☆ 3.9 (179)
1010人が棚に入れました
3つの物語の舞台は約100年後の日本とアジア――その現在、過去、未来に起きる事件が語られる。事件に立ち向かうのは、規定値を超えた〈犯罪係数〉を計測された〈執行官〉たちと〈シビュラシステム〉が適性を見出したエリート刑事〈監視官〉たち。犯罪を未然に防ぐために必要なものは、猟犬の本能か、狩人の知性か。事件は思わぬ事実を明らかにし、世界のあり方を映し出す。これまで語られていなかった『PSYCHO-PASS サイコパス』のミッシングリンクがついに紐解かれる。

声優・キャラクター
野島健児、佐倉綾音、弓場沙織、平井祥恵、岡寛恵、小山力也、斉藤貴美子、多田野曜平、中川慶一、花澤香菜、東地宏樹、櫻井孝宏、伊藤静、沢城みゆき

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ここで引き下がったら公安局刑事課のエース、霜月美佳の名が廃るっ…

この作品は、2019年に上映された劇場版アニメ三部作の第1弾です。
3つの物語の舞台は、約100年後の日本とアジア…その現在、過去、未来に起きる事件が語られるんだそうです。
これまでは、主人公である常守朱を主体として物語が構成されてきましたが、本作の主人公は、何とあやねる演じる霜月美佳監視官なんです。
「格好良い」あやねるボイスを満喫できる作品でした。


2117年冬、公安局ビルに一台の墓相車両が突入する事件が発生。
その運転手は青森にある潜在犯隔離施設<サンクチュアリ>の心理カウンセラー・夜坂泉だった。
しかし取調べ直前に夜坂の即時送還が決定する。
監視官の霜月美佳は、執行官・宜野座伸元らとともに夜坂送還のため青森へ向かう。
そこで待っていたのは、<偽りの楽園>だった。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

上映時間が約1時間の作品なのですが、物語の濃厚さが半端無い上、兎にも角にもあやねるボイスが満載なんです。
もう、霜月美佳監視官があやねるにしか見えませんでしたよ^^;

これまで、何か事件が起きると、常守監視官が我先にと現場に急行していましたが、先輩監視官…だからでしょうか。
青森まで送還する役目を霜月監視官に一任するんです。

責任ある仕事を任されるとやっぱり嬉しいですよね^^
あやねるも…いえ、霜月監視官も喜びの表情全開で任務に向かいましたっけ。

サンキュチュアリって「聖域」や「自然保護区」などを意味する言葉です。
ですが、青森の施設は聖域などとは程遠い場所であるのが徐々に感じられるんです。
最初に感じるのは、公安に対する言動の違和感…
ですが、この違和感が途中から激しさを増していくんですよね。
そしてその違和感は「気持ち悪い」と感じるレベルにまで跳ね上がる…

人間は間違える生き物です。
だから人間には他の動物と比べ物にならないくらい修正力が高いから、ここまで進化してこれたんだと思います。
ですが、サンクチュアリでは自分たちに不都合なことは、全て悪になっちゃうんです。
そして悪を見つけたら全力で排除しようとする…
それは、明らかに正しいことを言っていても捻じ曲げてしか伝わらないんです。
それが「気持ち悪い」と思える所以でした。

だからこそ公安の活躍が光っていたんだと思います。
何度もピンチがみんなに襲い掛かります。
でも霜月監視官の不撓不屈の闘志が、みんなの切れそうな糸を繋いでいくんです。
こういう役を演じるあやねるの声質…堪らなく格好良いんですけど!

主題歌は、1期オープニングだった「abnormalize」
エンディングは、2期エンディングだった「Fallen」
どちらもリミックスバージョンになっていました。

このシリーズのファンの方や、あやねるボイスを堪能されたい方にはお勧めの一作なのではないでしょうか。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13

アトランティス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

サイコパス新3部作の序

2015年の劇場版サイコパスから4年。
近未来SF風刺作品として名高い本作が戻ってきました。
一作目の副題は「罪と罰」になっています。

特に今までの復習やキャラクターの紹介もないので
軽く人物を復習してから見られることをおすすめします。

3部作1作目となる今回は常守朱の後輩である霜月監視官(cv.佐倉綾音)と
今回彼女のお目付け的役割の宜野座執行官が中心となり事件に挑みます。
アクションシーンも多く全体で60分なのですがそれ以上見ていた感覚でした。
60分の中で事件の始まりから終わりなので敵は結構あっさりとしています。
アニメでも何度か登場した思想犯、殺人犯の収容所、
映画の舞台はその収容所のうちの1つです。(アニメでは初登場)

一見しっかり更生プログラムを実行しているように見える施設、
その施設が抱える闇に霜月監視官らが挑んでいく展開になります。

男(おっさん)キャラが多い中で今回のCase1の癒しは佐倉綾音ボイスの霜月監視官、
彼女の作画だけはサイコパスでは可愛いを重視しているような気がします笑
映画館は満席で宜野座の美顔を求めていた女性の方も多くおられました。
でも今回の宜野座執行官はとてもかっこよかったですね。
アニメの記憶が薄れているのですがこんなにかっこよかったけ?で見た後も思っていました。

主題歌については
1期のアニメの曲のRemixでした。
意外に良かったのでCD音源化してほしいです。

まだ1作目で今後のストーリーにつながりがあるか分かりませんが
今作もいつも通りのシビュラシステムでした。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 10

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

罪と罰というのは、悪い奴らの行動と末路を指すのかな?

 ある施設から逃亡し、身柄を拘束された女性から、話が進んだお話だったです。

 この女性は何者で何が目的だったのか?、裏に陰謀の渦巻くような影があった感じです。この施設で何が行われて、この女性は何をしようとしていたのかが、トントン拍子に進んだですねです。case.1なだけに一話完結形式だったです。

 業とらしくおとりを使って獲物を引っ張ろうとする、組織的な施設の悪い奴らのやり方は、よくありがちに思えたです。

 その女性を通して陰謀をしり、核心に迫り、悪い奴に追い詰められながらも逆転する展開は、あらゆる手際が良すぎて、どこかあっけない感じがしたです。分かりやすいといえばわかりやすかったのですが、あまりにはやく解決されてしまったように見えるです。

 これが、正義の味方の行動力なのでしょうか???です。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

75.6 7 Production_I.Gで組織なアニメランキング7位
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3「恩讐の彼方に」(アニメ映画)

2019年3月8日
★★★★☆ 4.0 (164)
977人が棚に入れました
3つの物語の舞台は約100年後の日本とアジア――その現在、過去、未来に起きる事件が語られる。事件に立ち向かうのは、規定値を超えた〈犯罪係数〉を計測された〈執行官〉たちと〈シビュラシステム〉が適性を見出したエリート刑事〈監視官〉たち。犯罪を未然に防ぐために必要なものは、猟犬の本能か、狩人の知性か。事件は思わぬ事実を明らかにし、世界のあり方を映し出す。これまで語られていなかった『PSYCHO-PASS サイコパス』のミッシングリンクがついに紐解かれる。

声優・キャラクター
関智一、諸星すみれ、本田貴子、志村知幸、磯部勉、高木渉、鶴岡聡
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

終わりなき自分探しと居場所探しの果てに……

少し前、世界を旅すれば人生の指針も自分も発見できると言う、
旅万能論に基づいた自分探しの旅がもてはやされた時代がありました。

実際には、サッカー選手が世界を旅して改めてサッカーに関わりたいと思い直す。
くらいの心のリフレッシュ効果があれば良い方で、
旅先で人生前後不覚になり“沈没”するリスクまであると言うのに。
俺は旅で夢を見つけたと自身の半生を伝説化する経営者など、
旅が美化される風潮に私はある種の気色悪さを感じたものでした。


このような捻くれ根性で、本作を劇場鑑賞した私にとって、
狡噛慎也が長い放浪の旅の果てに辿り着いた、
ヒマラヤを望む「チベット=ヒマラヤ同盟王国」
その絶景はシャンバラさながらの理想郷の姿をしながら、
内実は、麓の都市文明同様……いやそれ以上に矛盾を抱えたディストピアそのもの。

因みに現実のヒマラヤ山麓も、麻薬問題、貧困による児童人身売買が横行。
“幸福度世界ナンバーワン”の触れ込みで度々来日してくる某王国も、
足下では内紛の火種を抱えているのです。

この世の果てとも言うべき、“世界の屋根”に至っても尚、
人は、狡噛もまた、己が背負う過去や宿命から解放されることはない。
作品内世界、リアル世界共に、乖離しがちな理想と現実に
私は苦虫を嚙み潰しながら、
復讐に囚われた少女と向き合う狡噛の姿を見ていて、
もう旅もそろそろ終わりで良いのでは?と何度も語りかけたくなりました。

さらに極めつけだったのは黒幕の所業。
(※重大なネタバレ有)
{netabare}傭兵ガルシアに至っては、平和維持活動による世界平和という理想郷を演出するため、
鎮圧すべき紛争を自作自演して、己の存在意義をでっち上げるマッチポンプぶりを披露。
過去の自分の理想像に囚われ、シャンバラを汚す人間の姿はどこまでも哀しいです。{/netabare}

よって……(※ラストの重大なネタバレ有)
{netabare}日本帰国の決断に至った狡噛の心情は筋が通っていると感じました。
狡噛が行った復讐とそれにより生じた諸々の葛藤のモヤモヤを晴す
万能薬は世界の何処にもなくて、
やはり、狡噛自身が、発端となった日本で解決する以外にないのだと納得しました。{/netabare}

結局、己の運命を決めるのは、旅先の壮大な自然風景ではなく、
自分自身の心の風景次第。
私の中の旅万能論への懐疑が一層、強まる(苦笑)
苦味が利いた有意義な映画鑑賞となりました。



主人公らを一新して迎えるTVアニメ3期は、本劇場三部作でも描かれた
シビュラが社会を統制するシステムとしての地歩を固めるため、
繰り広げて来た、霞ヶ関内での暗闘が引き続き背景になるものと思われます。

これまで厚労省のシビュラVS他省庁については、
本三部作第二部では、{netabare} 国防省{/netabare}の威信を失墜させる陰謀が明らかとなり、
TVアニメ2期では、{netabare}「パノプティコン」で社会基盤の座を争う経済省{/netabare}の野望粉砕の過去が明かされ、
他にも、政官の中枢にまでシステム末端を食い込ませる策士ぶりを見せています。

そして、今回、前作劇場版&本三部作を通じて次なるライバルとして
{netabare}外務省{/netabare}の暗躍が強調されました。
旧世紀、伏魔殿と恐れられた難敵。シビュラも相手にとって不足はないでしょうw
伏魔殿の手先たるフレデリカさんも金髪美人だし、巨乳だし、
スナイパーだし、雑賀流・心理学の使い手みたいだし、
何より“棄民”とかシビュラの痛~い所をネチネチと突いてくるし、
排除するにも一筋縄ではいかないでしょう。


ただ、本劇場三部作は2期、劇場版1作目と3期をつなぐ上で事前に予習必須なのか?
と言うと何とも微妙なところと思っていて。

3期を視聴していて、例えば、新主人公コンビの脇に回された旧作メンバー等を見ていて、
おや?こんな人間関係あったっけ?と気になった時なんかに、
或いは、黒幕が過去何をしていたのか知りたくなった時なんかに、
フラリと本三部作に舞い戻る感じでも遅くはないのかなと私は思っています。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 21
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

執行モード、無いほうがいいかも!

  狡噛慎也の滞在地域でのお話だったです。今までのサイコパスにない派手さはなく、悪くない出来だったかなぁです。狡噛と出てきた少女のふれあいは、人間味があったです。

 訪れた先で、絡まれる狡噛がいたです。{netabare}そこで、ガルシアというオッサンに命を助けられることにです。ガルシアを通し、次の目的地へです。

 武装ゲリラに襲われる難民バスを助けたことによって、その中にいた少女テイジンから家族の敵を討つため、戦う方法を教える先生になってほしいといわれるです。
 でも、狡噛はそんなテイジンを突き返すことなく、身を守る手段だけを教えることするです。

 そこから、展開が突然やってきて、話は進むのです。

 仇を偶然見つけるテイジン、仇を追った先で見たものは!です。復讐をするのか?どうするのか?事態は、思わぬ方向へだったです。

 その前からテイジンに復讐をすることはどういうことなのか?、一度人を殺してしまった先はどうなるのか?を説いていた狡噛だったです。テイジンに復讐をさせない事を願う、狡噛を見たです。その結果が、このシーンに関係するかもしれないです。

 いいと思っていた人が、実は・・・・・です。

 最後に狡噛が、選んだ行動は、テイジンに大きなものを残す結末だったです。{/netabare}

 不器用な狡噛の性格、人間性をを描いた展開だったと思うです。R12指定だったのは、あまりよくわからなかったけど、。{netabare}普通の入浴シーン{/netabare}だったのかなぁ???です。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 5

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

わたしの、先生になってもらえませんか

この作品が、2019年に上映された劇場版アニメ三部作のラストになります。
現在、過去、未来の三部作のうち、今回は「未来」に位置付けられる作品となります。


2116年に起きた東南アジア連合・SEAUnでの事件後、狡噛慎也は放浪の旅を続けていた。
南アジアの小国で、狡噛は武装ゲリラに襲われている難民を乗せたバスを救う。
その中には、テンジンと名乗るひとりの少女がいた。
かたき討ちのために戦い方を学びたいと狡噛に懇願するテンジン。
出口のない世界の緑辺で、復讐を望む少女と復讐を終えた男が見届ける、
この世界の様相とは…。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

作り手の粋な計らいを感じます。
まさか、2015年に公開された劇場版の後日談と、こんな形で出会えるとは予想だにしていなかったので…。
そっか、ここで狡噛が出てくるのか…
劇場版のラストシーン…あんな形で狡噛をばっさり切り捨てるなんて、奥歯に何かが挟まっていた感じはあったんですよね。
この計らいも計算されたモノだとは思いますが、頭の中で点と点が繋がる瞬間はやっぱり嬉しいです。

でも、点と点が繋がるのは狡噛の件だけじゃないんです。
第2作「Case.2『First Guardian』」でチラッと登場した方も本作ではキーパーソンになっていました。

しかし狡噛さん…
どうして自分の居場所を無くす…未来の可能性を削る生き方しか出来ないんでしょう。
狡噛の選択は概ね間違ってはいないと思うんです。

そりゃ、過去に超えてはいけない一線を超えたことはありました。
それが原因で日本から脱出せざるを得なかったことも理解しているつもりです。

ですが、SEAUnの事件の時…折角繋がることのできた旧知の仲間との接点まで
切り捨てる必要は無かったんじゃないかと個人的には思っています。

放浪の旅…吟遊詩人みたいで聞こえは格好良いかもしれませんが、特定の居場所を持たず、衣食住がままならなず、加えて狡噛の目指す先は何時だって戦場なのですから、命の保証だって無いんです。

確かに、狡噛が放浪の旅を続けていなければ、目の前で親を惨殺され復讐を誓ったテンジンとの出会いは無かったかもしれません。
ですが、彼がそこまで自分を徹底的に推し殺さなければいかねい業を背負っているとも思えないんです。
あくまで個人的意見ですけれど…

「あなたには救える人がいる…やることがある…」
物語の中で流れてきたこの台詞が耳に残っています。
この一言が狡噛自身の救いになったのではないかと思っています。
だって、物語の中で彼は物凄く大きな決断をするのですから…

一連の出来事の中狡噛が何を拾うのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングアニメは、3部作に合わせて全て刷新されていました。
主題歌はCase.1と変わらずですが、エンディングはリミックスされた「名前のない怪物」でした。
「名前のない怪物」って、原曲のクオリティが鬼懸かっているんですね。
だから、どの様な形に編曲されても格好良さが失われない、というのが分かりました。

アニメーション制作はProduction I.Gさんなので、クオリティは折り紙付きです。
3期視聴を待ってでも先に視聴する価値のある劇場版だったと思います。
これでようやく…待ち望んでいた3期が視聴できます。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 12

70.6 8 Production_I.Gで組織なアニメランキング8位
銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (281)
876人が棚に入れました
数千年後の未来、宇宙空間に進出した人類は、銀河帝国と、自由惑星同盟という“専制政治”と“民主主義”という2つの異なる政治体制を持つ二国に分かれた。 この二国家の抗争は実に150年に及び、際限なく広がる銀河を舞台に、絶えることなく戦闘を繰り返されてきた。長らく戦争を続ける両国家。銀河帝国は門閥貴族社会による腐敗が、自由惑星同盟では民主主義の弊害とも言える衆愚政治が両国家を蝕んでいた。そして、宇宙暦8世紀末、ふたりの天才の登場によって歴史は動く。「常勝の天才」ラインハルト・フォン・ローエングラムと、「不敗の魔術師」と呼ばれるヤン・ウェンリーである。ふたりは帝国軍と同盟軍を率い、何度となく激突する。(銀河英雄伝説公式ポータルサイトより)

声優・キャラクター
宮野真守、鈴村健一、梅原裕一郎、梶裕貴、諏訪部順一、小野大輔、中村悠一、川島得愛、三木眞一郎、石塚運昇、水内清光、藤原貴弘、楠見尚己、竹内良太、ふくまつ進紗、目黒光祐、櫻井トオル、畠中祐、小野友樹、下山吉光

森可成 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ヤン・ウェンリー中将風にしてみた

「銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅 」を
どう考えるか、ねえ。

私は「銀河英雄伝説」とは
敢えて別のアプローチを
選んだことは正しいと考えているよ。

「銀河英雄伝説」を名作、傑作と呼ぶ人が
多いよね。
私もその通りだと思うけど、
何より一番相応しい称号は力作だと思うんだ。

原作に徹底的に準拠して、
出来る限りのシーン、セリフを拾った。

うん、
その通りだよ、グリーンヒル大尉。

あんなことはそうそうできるもんじゃない。
それに全く同じもので映像がキレイなだけ
では余り意味がないんじゃないかな。

私は銀河英雄伝説に関するキャラデザインは
道原かつみ先生の漫画が好きだけど、
「銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅 」の
キャラデザインはそれに次ぐと思っている。

声がどうしても耐えられないという人
もいるけど、そういう人は脳内で旧ボイスを
補完できるんじゃないかな。

ああ、ユリアン紅茶ありがとう。
うん、(ブランデーの)いい香りだ。

群像劇という面を薄めて、
戦争活劇に近づけたのは
決して間違いじゃない。

尺の問題もあるし、
あのフルCGの宇宙戦を
見せられたら、
胸が熱くならないかい。

あのシーンがない、
あのセリフがない、
とは私も思ったけど
それだけで評価をつけるのは
少し極端だと思うんだ。

思い入れがある作品だからこそ、
色んなアプローチを受け入れて欲しい、
と私は思うね。

私たちは憂国騎士団の様に
なってはいけないってことさ。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 22
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

観終わったと言っていいものか…

続きは劇場で…なので途中までの評価ですが、
まあ、旧作に比べて軽いですよね。

でも、リメイクの方針としては的外れでもないと思います。
原作にあるラインハルトのセリフにも
{netabare}「私に学ぼうと思うな。私の模倣は誰にもできぬ。かえって有害になる。だが、ヤン・ウェンリーのような男に学べば、すくなくとも愚将にはならずにすむだろう」{/netabare}
とあります。

まあ、模倣かどうかは個人の主観に寄るでしょうが、フルコースのディナーに定評のあったお店がランチメニューを提供し始めたくらいの気持ちで観れば良いのでは無いでしょうか。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 5
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

銀英伝の入門編としてまずまず使えそう

旧作の方は『本伝』だけで110話、『外伝』が52話、併せて162話という超長編なうえ、30年近く前の作品ということで、クラッシックを多用した音楽は印象的ですが作画・演出面からも、おいそれとは人に視聴をお薦めできない代物ですが、それが現代のアニメ技術でリメイクされる・・・ということで多少の期待を持って視聴してみました。

◆総評

事前情報では、旧作で描かれたエピソードが色々と省略されてシナリオが薄くなっている、ということも聞いていたのですが・・・
実際に視聴してみると、旧作の第14話まで(※アムリッツア星域会戦の直前まで)を、新作では第12話までにまとめた・・・ということで、さほど気になるエピソードの欠落もなかったのですが?(※私は数年前に初めて『銀英伝』旧作の本伝と劇場版を見終えた“にわか”なので、本作のディープなファンの方々とは新作の見え方が多少違ってしまっているのかも知れません・・・)
とにかくこの新作を一周した直後の率直な感想としては、タイトルに書いた通り「なかなか良くできた『銀英伝』の入門編」という割と肯定的な評価となりました。
今後公開される劇場版三部作にも期待しています。


◆制作情報
{netabare}
原作小説       田中芳樹
監修         らいとすたっふ
監督         多田俊介
助監督        森山悠二郎
シリーズ構成     高木登
キャラクターデザイン 菊地洋子、寺岡巌、津島桂
音楽         橋本しん、井上泰久
アニメーション制作  Production I.G{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

=========== 銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅 (2018年4-6月) =========
{netabare}
第1話 永遠の夜の中で ★ 同盟軍の3方向包囲作戦を逆手に取った各個撃破戦法成功(ラインハルト上級大将)、敵将の声明、中央突破と罠
第2話 アスターテ会戦 ★★ ヤン准将の同盟軍指揮権代行、蛇の絡み合い、両軍撤収、ヤンへの入電、ラインハルト元帥昇進
第3話 常勝の天才 ★ ※作品世界説明回1(銀河帝国と自由惑星同盟の成立経緯、両者の百年戦争、主人公とサポート役の個人事情、主人公の野心)
第4話 不敗の魔術師 ★ ※作品世界説明回2(主人公の好敵手の個人事情、エル・ファシルの英雄、親友ジャン・ロベールの婚約者) 
第5話 第十三艦隊誕生 ☆ 扇動政治家トリューニヒトとジェシカの詰問、憂国騎士団のヤン弾劾、ヤン少将昇進・艦隊司令官任命・イゼルローン要塞攻略命令
第6話 イゼルローン攻略(前編) ★ ヤンの幕僚招集、ローゼンリッター連隊長シェーンコップへの作戦依頼、作戦開始 
第7話 イゼルローン攻略(後編) ★ シェーンコップ活躍・要塞司令部制圧、帝国守備艦隊旗艦轟沈、フェザーン自治領の蠢動
第8話 カストロプ動乱 ★★ キルヒアイス少将の将器(叛乱惑星の迅速な鎮圧)、オーベルシュタイン大佐帰参 ※本作ならではの見所のある回
第9話 それぞれの星 ☆ 退役希望叶わず(ヤン)、民主共和政体の迷走(選挙目当ての開戦決定)、ジェシカの反戦・反政府演説
第10話 幕間狂言 ☆ 同盟の大艦隊派遣(フォーク准将立案)とヤンの懸念、ラインハルトの迎撃作戦(オーベルシュタイン立案)
第11話 死線(前編) ★ 帝国軍の撤退・焦土作戦、同盟軍の補給限界(ヤンの戦略的撤退具申)・占領地の暴動発生、帝国軍の大反攻開始
第12話 死線(後編) ★ キルヒアイスの同盟軍補給艦隊撃滅、同盟軍派遣艦隊の敗勢・アムリッツァ星系への撤収{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)7、☆(並回)3、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.1

OP 「Binary Star」
ED 「WISH」


=========== 銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 (2019年(予定)) ========

※三部作(予定)
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)0、×(疑問回)0 ※個人評価

投稿 : 2024/12/28
♥ : 20

72.7 9 Production_I.Gで組織なアニメランキング9位
攻殻機動隊 SAC_2045(Webアニメ)

2020年4月1日
★★★★☆ 3.7 (144)
622人が棚に入れました
2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー"へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来――。内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っている全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバー。電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン"と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として現れる。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、いま再び“攻殻機動隊"が組織される――。

声優・キャラクター
田中敦子、阪脩、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大川透、小野塚貴志、山口太郎、玉川砂記子、潘めぐみ、津田健次郎、林原めぐみ
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

NO NOISE、NO LIFE

神山健治&荒牧伸志監督、
士郎正宗原作の傑作サイバーパンク。

2042年、米帝、中国など、
主要先進国はお互いに利益を享受する、
持続可能な戦争を模索していた。
世界はサスティナブルウォーと揶揄される、
産業としての戦争をスタートさせた。
経済行為としての戦争の始まり、
サスティナブル、現代を象徴する言葉である。

結論を先に言おう、強烈に面白い。

顔の表情などに違和感が残るも、
初回で慣れれば、むしろ身体の動きや、
背景・戦闘描写など情報量に圧倒される。
フラットに批評すれば悪くはない。

こうなると攻殻の独断場である。
SACシリーズは物語の強度が群を抜いている。
飛び交う攻殻言語に電脳が零れ落ちそうだ。

相対する相手が魅力的なのも変わらない。
{netabare}ポストヒューマンが描くであろう、
過剰な正義と平穏で静寂な世界では、
どれ程の地平が待っているのか!?
事件の行く末を見逃してはいけない。{/netabare}

ビッグブラザーの登場が待ち遠しい。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 44

えれ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

批判の前に。

レビューとは言えないかもしれないけど早めに書いときます。
CG批判、新キャラ批判だとか初心者向けだとか...
ちょっと待って欲しい。神山監督と荒牧監督のインタビューまず読みましたか?
CGは神山作品の適正だから、新キャラは若者に媚びたとでも思ってもらえばいい、未来予測というアプローチをやめようというのがあったetc...
皆さんの疑問には既にヒントが出てますよ。
CGはキャラこそ変ですが、ネット会議シーンなど複数人が集うシチュエーションで効果的だったと思いますよ。背景も悪く無かったです。4話辺りから夜の縁側がちらほら写りますが、SAC1話の時の夜の縁側と見比べてみてください。

SACの強みっていかに作品が高尚なのかばかり語られますけど、まず士郎正宗の原作から「面白く」作り上げた事も重要で、伝わる物を先ず作っているというプロの匙加減は妙だとは思いませんかね。そもそも攻殻という散々やってきたタイトルですしどこまで期待してたかにもよるとは思いますが。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13
ネタバレ

hoku-sai さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

攻殻2045をガチめで考察してみた

【ポストヒューマンは人類の敵では無い】


逆転する認識、価値観の変容による再解釈

ポストヒューマンは悪ではなく
公安9課も正義ではない
そして戦争とは平和である

劇中の描写や、神山健治氏の発言、SACが貫いてきたコンセプト等から新らしい攻殻機動隊を再解釈する

時代に追いつかれた攻殻機動隊という世界から見る現在はどんな姿をしているだろうか。

あなたが悪いと思っているものは本当に悪いものなのだろうか。

※↑noteに書いた記事の転載
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こんな感じで始まる考察レビュー記事をnoteに書いたのでこちらにも転載しときます。
ただ元記事は画像使ってたりクソ長かったりするのでリンク貼って途中まで転載しとくよ。

もし考察が当たってたらシーズン2のネタバレになるかもしれないのでご注意を。


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以下転載


記事その1{netabare}

転載元:https://note.com/individual2045/n/n9df25605db91

攻殻機動隊SAC2045シーズン1をネタバレ全開で考察:ep01 ~ポストヒューマンは人類の敵では無い~

【軽薄で残酷な「顔無し」たち】
画像4

(画像引用 : https://www.netflix.com/ 攻殻機動隊 SAC_2045 ep10 より)

まず最初に今回の攻殻機動隊に対してはこんな声が目立つ

・一般向けになりストーリーが解り易くなった
・話の流れが単純で内容がスカスカ
・敵もただのインフレで薄っぺらい
・前作のまでのような深みがない
・使い古された陳腐な題材を使った○番煎じであり、新しさが無い
・攻殻機動隊は終わった

本当にそうだろうか?
我々としては今、ストーリーがとても重厚で多面的な為、書きたいことが多すぎて吐きそうになっているぞ。

↑の箇条書きのような事を言ってる方はこれから示す前提など当たり前に理解し、考えた上で言ってるのだろうか?そうじゃなければ彼らはシンクポルの「顔無し」や、プリンが遭遇したブヒブヒいってる豚と同じような存在だ。

このような易きに流れる「大衆」という存在は今作でも大きなテーマの一つになっているが、その事を語る為にもまずは

そもそもの前提を掴むために重要な描写がある1話(ep01)と6話(ep06)を主に参照して考えてみたい。




【主人公勢力は正義という思い込みに始まる間違い】
画像2

(画像引用 :www.ghostintheshell-sac2045.jp/ 攻殻機動隊 SAC_2045 公式サイト より)

攻殻機動隊SAC2045の世界ではサスティナブルウォー(持続可能戦争)により世界が混乱していることが最初に示されている。ではこのサスティナブルウォー(以下SWとも表記)はそもそも正義であろうか?ここでは正義ではないという向きが一般的として話を進めよう。そもそも本当は正義も悪も無いのだけど、そうしないと話が進まないのでそうしよう。
 SWが悪であるならばSWに積極的に参加し、戦争という産業の一部となっている9課の面々は全くもって正義ではないという事になる。
ただSWという概念が示している戦争とは皆が思っている戦争でない。戦争という概念もまた逆転しているのだ。なぜそう言えるのかついては別に記そうと思う。

シーズン1の時点で公安9課メンバーは、常にサスティナブルウォーという民衆を統制する体制。の側にある存在だ。






【サスティナブルウォーはポストヒューマンが起こしたものでも無ければ運営しているものでも無い】
画像3

(画像引用 : https://www.netflix.com/ 攻殻機動隊 SAC_2045 ep01 より)

SWを起こしたのはポストヒューマン(以下PHとも表記)ではなくG4であり1A84であることが上記のOPでも本編でも語られている。しかしアニメを見ているとSWを仕掛けているのがPHであるかのように見えてくるのではないだろうか?しかしはっきりと違うのである。

戦争(SW)を起こし、運営しているのは1A84だ。
PHが起こしたのは2044年の世界同時デフォルトであって、2042年に始まったSWでは無いのだ。(この点は次項を参照)
そもそも2042年にはポストヒューマンは存在していないと思われる。

 にも関わらずPHがSWの媒介者かのように見えるのは、確実に制作側の意図でそう見えるよう見事に演出されているからだ。
 ここまで明確にSWの首謀者を示しているのに、見ているうちに1A84の存在を忘れ、いつの間にか戦争を起こしているのはPHだと錯覚してしまう。

画像7

この点に関しても目を盗まれた方が多いのでは無いだろうか

「ポストヒューマンは人類の敵である」と言う思い込みが、
SWを起こしたのはポストヒューマンではない。
と言う当たり前の前提を忘れさせる。

続きは転載元
https://note.com/individual2045/n/n9df25605db91
{/netabare}



記事その2{netabare}

転載元:https://note.com/individual2045/n/n0470a531c146

攻殻機動隊SAC2045シーズン1をネタバレ全開で考察:ep02~ジョン・スミスの正体と9課再結成の裏にあったトグサくんの大活躍~

【ジョン・スミスの正体は1A84である】
画像2

(画像引用 : https://www.netflix.com/ 攻殻機動隊 SAC_2045 ep08 より)

 正確に言うとジョン・スミスとはサスティナブルウォーを持続可能にするためのAIである1A84の端末だ。

 ジョン・スミスとはマトリックスのオマージュである以前にそもそも「誰でもない誰か」という意味を持つ言葉だ。AIの端末だから誰でもない。という意味以上に、誰でもない誰かという名の「ジョン・スミス」は「顔無し」の代表ようなの存在なのである。

なぜ代表的な存在なのかという話は次回以降に譲り、
今回はなぜスミスは1A84の端末だと言えるのかという話をしたいと思う。

 この事がハッキリと分かるのがep08だ。トグサを認識出来ていないスミスを覚えているだろうか。あれが証拠である。スミスはトグサ殺そうとした事をお茶目に素っ惚けてるわけじゃない。本当に分からなかったのだ。
 このシーンでトグサを覚えていないスミスに違和感を感じた方も多いのではないだろうか。

 まず表題部分の画像を見て欲しい。これはスミスの視界だ。見て分かる通りトグサのプロフィールが表示されるべき場所に「No Data」と表示されている。
 これはおかしい。ぜったいおかしいぞ。おかしいので考えてみた。

 「No Data」となっている以上。なんらかの理由でスミスからトグサの情報が消去されいる事は間違いない。ならばその何らかの理由があるはずだ。
 スミスがトグサの事を「こいつなんか普通だな使え無さそうだしとりあえず消しとこ」なんてマネをするだろうか。絶対しませんよね。はい。
ではトグサがスミスにハッキングを仕掛けて自分の情報を消したのだろうか。いや。それも違うだろう。そんな描写はどこにもないからだ。

ならばこういうのはどうだろう。
スパイからの情報を元にトグサが死亡したものと判断したシステム=1A84が、照合リストから削除した。もしくは死者は照合適用外だったため。
こう考えると説明がつくはずだ。

続きは転載元
https://note.com/individual2045/n/n0470a531c146
{/netabare}



記事その3{netabare}

転載元:https://note.com/individual2045/n/n0470a531c146

攻殻機動隊 SAC_2045 s1 ネタバレ全開考察:ep03~1A84の正体【前編】 ジョン・スミス更なる正体が示唆する物語の核心~

【1A84とはユートピアを実現する存在】
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関係ない話に見えるかも知れないが、今回の攻殻機動隊SAC2045は
脚本;神山健治
監督;荒牧伸志
という作品だ。

神山健治氏は「攻殻機動隊」SACシリーズの監督
荒牧伸志氏は映画「アップルシード」の監督

「士郎正宗氏による原作」をそれぞれ監督しアニメ化した二人である。
そして原作者も同じなので世界観も地続きなのが「攻殻機動隊」「アップルシード」の二作だ。

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想像してほしい



警察の出動が極少なく、軍はあるけれど影響力を行使しない。
貧困も存在せず、銃声の代わりに音楽と笑い声に満ちたユートピア。

こんな国があったら住みたいと思うだろうか?

我々は住みたくないが、住みたい人はとても多いだろう。
このユートピアの名をオリュンポスと言う。
22世紀の未来に世界を統一した勢力だ。巨大な人工島の上に都市国家を築き、地球全土の統一管理保全を目的としている。

一方オリュンポスの外側の世界はどうなっているかと言うと、

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・かつて日本だった企業連合国家ポセイドン(大日本技研)
・アメリカが分裂した姿である米ソ連(SACでは米ロ連)
・もうひとつの米帝(SAC2045でも日本と同盟関係)
・イスラム圏に新しく立国した宗教国家ムンマ
・廃墟となった無人都市郡地帯

などなど、各勢力の思惑が入り乱れ陰謀が渦を巻いていそうな今と大差ない世界が広がっているが、銃弾の飛び交う地域が多く、無人の廃墟となった都市郡があるなど、この世界の22世紀は2020年現在の人間界より少しだけ荒廃した世界のようだ。

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そんな未来で、オリュンポスは人類が実現した理想郷とされており、人口の半分以上を占めるバイオロイドが人間同士の仲介者として機能している都市だ。
バイオロイドとは人為的に作られた人間であり、ヒトに奉仕することが根幹にある。しかし安心してほしい。バイオロイドがヒトに奴隷の如く扱われているわけではない。むしろ幸せに暮らしていると言っていいだろう。オリュンポスはバイオロイドにも人権がある素晴らしい国なのだから。

荒廃した世界を他所に
貧困も銃声も存在せず
音楽と笑い声に満ちたユートピア
それが理想社会オリュンポスだ

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そして1A84こそ、このオリュンポスの原型となる存在なのだ

そして地続きの二作を繋げる存在が1A84であり
「攻殻機動隊SAC2045」≒「APPLE SEED 0 IF」
と言うのが我々の考えだ。

なにを言っているか分からないかも知れないがこの先の話はもっと分からねぇ気もするけど最後まで話せばきっと分かる気もするのではりきって先に進もう。すでになにを言っているかわからねぇがとにかく進もう。

続きは転載元
https://note.com/individual2045/n/nc39d4705b507
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投稿 : 2024/12/28
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